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2020/03/10 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第3号 令和2年3月10日
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2020/03/10 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第3号 令和2年3月10日

#1
令和二年三月十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月五日
    辞任         補欠選任
     宮崎 雅夫君     三宅 伸吾君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   副大臣
       農林水産副大臣  加藤 寛治君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       藤木 眞也君
       国土交通大臣政
       務官       和田 政宗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       外務省大臣官房
       審議官      小林 賢一君
       文部科学省大臣
       官房審議官    蝦名 喜之君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    吉永 和生君
       農林水産省大臣
       官房長      枝元 真徹君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  浅川 京子君
       農林水産省大臣
       官房政策立案総
       括審議官     岩濱 洋海君
       農林水産省大臣
       官房統計部長   大角  亨君
       農林水産省食料
       産業局長     塩川 白良君
       農林水産省生産
       局長       水田 正和君
       農林水産省経営
       局長       横山  紳君
       農林水産省農村
       振興局長     牧元 幸司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      菱沼 義久君
       林野庁長官    本郷 浩二君
       水産庁長官    山口 英彰君
       国土交通省大臣
       官房審議官    磯野 正義君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (令和二年度の農林水産行政の基本施策に関す
 る件)
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会をいたします。
 その間に、どうぞ花を配ってください。
 花卉栽培農家応援のために花を配る間、しばらくちょっとお待ちください。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕

#3
○委員長(江島潔君) それでは、速記を起こしてください。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務省大臣官房審議官小林賢一君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#4
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ─────────────

#5
○委員長(江島潔君) 農林水産に関する調査を議題とし、令和二年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○堂故茂君 おはようございます。自民党の堂故茂です。
 早速質問をさせていただきます。
 現在、新型コロナウイルス感染症によって、日本は大変厳しい試練に直面いたしております。何としても克服してオリパラを成功させるとともに、落ち込んだ経済、花卉生産者含めて頑張っていただきたいなと思います。
 また、米中衝突といった政治経済の枠組みの中にあっても活路を見出していくこと、少子高齢化、人口減、特に地方の農山漁村の深刻な過疎の課題に取り組んでいくこと、また、進化するAIや情報通信、5Gと、日本のお家芸とも言える物づくりなどを結び付けてソサエティー五・〇と言える社会を実現し、SDGsに貢献していくことが求められていると思います。
 このような時代背景にあって、江藤大臣におかれては、就任以来、農業、農村が国の基であるという強い信念の下、CSF、ASF対策や災害対策を始め、重要施策に危機感を持って精力的に取り組んでこられました。この三月には、いよいよ五年に一度の食料・農業・農村基本計画の改定を控えていますが、従来にも増して今回の基本計画の見直しは重要であると考えますが、その方向性についてどのように大臣はお考えなのか、お伺いしたいと思います。

#7
○国務大臣(江藤拓君) 堂故筆頭におかれましては、大変、年頭から議法の成立等に御尽力いただきまして、本当にありがとうございました。委員の先生方にも心から御礼を申し上げたいと思います。よろしくこれからもお願いいたします。
 食料・農業・農村基本計画は、農政のこれから五年先を目指していろんな法案を作る上でも骨格となる部分ですから、しっかりとした議論を数字も含めてさせていただいているつもりでございます。
 もちろん、これから就農人口が減っていくということであれば担い手に農地を集約する、そういうことはとても大切だという気持ちは私も持っております。しかし、そればかりではなくて、やはり産業政策と地域政策を車の両輪としてしっかりやっていくということであれば、規模が大きいとか条件がいいとか、そういうことにかかわらず、農業に就農している方々が全体として底上げしていけるような、みんなで少しずつでも上に上がっていくような、そんな方向を目指した基本計画にしたいということで議論を重ねてきております。
 そしてまた、コロナという大変な大きなまた津波が来ているような状況でもありますので、このことについても、最終的な決定まではまだ約三週間ほどあります。これについても、どうすべきか、また重ねて議論もさせていただきたいと思っております。
 それから、何といっても私がこだわりたいことは、家族経営は農業経営体の九八%を占めているのだということを忘れずに、この人たちがあるから今があると、そして未来もこの人たちには頑張っていただかなければならないということをしっかりと書き込むような計画にしていきたいというふうに考えております。

#8
○堂故茂君 今日も、朝の会議に、野村会長の下の会議に出ておりましたら、輸出五兆円目指すという大変気合の入った会議も聞くことができました。大臣は所信の中で、ただいまも答弁の中で、この成長産業化とともに家族経営や地域政策が大事だとおっしゃっていることに本当に共感をいたします。
 私事で大変恐縮ですが、現在、富山県の土地改良、山林協会、そして猟友会、また、近年まで漁港協会の会長を務めてまいりました。多少我田引水となりますが、農林水産業と農山漁村地域の振興について、これから質問をさせていただきたいと思います。
 富山県は急峻な地形でありまして、三千メートル級の立山連峰から急流河川によって日本海まで大量の土砂が流されてきて、そして扇状地を形成していきました。石ころだらけの地形だったわけですが、土地改良事業、流水客土、泥と土を流す事業ですね、土地改良手法で豊かな農地を形成し、そのことによって余力が出てきたことによって薬産業やあるいはアルミ産業、また、治水の中ではダムを利用した水力発電、そのような事業に取り組んできた歴史があります。
 全国土地改良大会の第一回が富山県で開催されるなど、土地改良の先進地でもあるわけでありますが、それだけに、早くからこの事業をしたせいもあって、小さな水田、十アール未満の水田が数多く残っております。
 富山市近郊の水橋地区では、そのようなことを解消しようということで、スマート農業あるいは高収益作物の作付け拡大を目指して、国のモデルとなるような国営農地再編整備事業の着手に向け、国による調査が進められています。
 水橋地区の早期着工、そして、全国各地の農業の競争力強化を実現するため農地の基盤整備を強力に進めていくべきであると考えますが、見解を伺いたいと思います。
 また、全国的にも、耕作放棄や相続放棄及び相続が円滑に行われていない農地がこういった事業の推進や換地処分に影響を及ぼすことが懸念されています。今後どのように対策を講じていくのか、伺いたいと思います。

#9
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この農地の集積、集約化、あるいは野菜等の高収益作物への転換を実現するために、圃場の大区画化でございますとか排水改良を推進するということが極めて重要というふうに認識をしているところでございます。
 御指摘いただきました水橋地区でございますけれども、富山県のほぼ中央部ということでございまして、国営農地再編整備事業による自動走行農機に対応した圃場整備、また汎用化の実現に向けまして、現在、国が直轄で調査を行っているところでございます。事業計画の策定状況を踏まえつつ、早期着工に向けて適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
 今後とも、地域の要望を踏まえつつ、農地の基盤整備事業、着実な推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、御指摘ございましたように、土地改良事業、換地処分を実施する場合に、相続が円滑に行われておらず所有者の同意を取得することが難しい農地等がこれら事業の円滑な実施に影響を及ぼすといった声があるということは承知をしているところでございます。
 こうした中、現在、法制審議会における民事基本法制の見直しという、これ大変大きな枠組みの中で検討が行われておりまして、相続登記の申請の義務化でございますとか、あるいは共有関係にある所有者不明農地の利用等について議論が行われているところでございます。
 農林水産省といたしましても、しっかり問題意識を持ちまして、引き続き議論に積極的に関与してまいりたいと考えております。

#10
○堂故茂君 大変高齢化が進んで、土地の受渡し、相続というのは大変難しい問題になってきていますが、地籍調査を始め、土地問題の解決というのは行政の基本だと思いますので、どうぞ今後とも御尽力をお願いしたいと思います。
 水に恵まれた富山県でありますが、その一方で、農業用水への転落事故が数多く発生しています。こうした痛ましい転落事故は全国的にも発生していることが時々報道されます。農業水利施設の安全対策をどのように推進していくのかということについて伺いたいと思います。

#11
○政府参考人(牧元幸司君) お答えを申し上げます。
 この農業用水路への転落事故というものは、これ、御指摘いただきましたように全国的に発生をしておりまして、とりわけ富山県においては大変多く発生をしているという状況でございます。
 農林水産省といたしましても、この農業水利施設の安全対策を推進をしていくということが大変重要であると認識をしておりまして、令和元年度補正予算及び令和二年度当初予算におきまして農業水利施設の危険箇所を把握をいたしますとともに、特に危険な箇所での安全防護柵等の設置につきまして、緊急的に定額で支援することとしたところでございます。
 こうした対策を適切に組み合わせまして、農業水利施設の安全対策というものをしっかり推進してまいりたいと考えております。

#12
○堂故茂君 よろしくお願いします。
 たくさんの方がこの事故で亡くなられるたびに、大変痛ましい思いをいたしております。
 近年、集中豪雨や台風などが激甚化し、これまでの山の保水力を超えた山地災害や流木被害のリスクが高まってきています。平成二十九年九州北部豪雨を始め、毎年のように流木被害が発生し、大きな災害につながっています。
 国土強靱化三か年緊急対策で流木対策を強力に進めるということについては、現場にとって大変心強いことだと思っています。しかし、まだまだこの気象が続くと考えなければならないと思います。三か年の対策終了後も中長期的な対応を行うことが重要と考えます。流木対策を始め、山地の国土強靱化についてどのように取り組んでいくのか、また、昨年七月に施行されましたため池管理保全法に基づき防災・減災対策を効果的に推進していくため、自民党では支援法も検討されていますが、今後のため池対策の進め方についても大臣に伺いたいと思います。

#13
○国務大臣(江藤拓君) 近年、流木、山腹崩壊、それから土石流、こういったものが頻発をいたしております。災害を復旧することはもうこれは当たり前、もちろんのことでございますが、これまで以上に事前防災、それから減災の対策、そういうものを事前にすることがとても大切になっておるというふうに認識をいたしております。
 このような状況の下で、平成三十年の十二月に決定されました防災・減災、国土強靱化のための三か年計画、緊急対策ですけれども、この緊急調査の結果、全国で三千六百地区、これが指定をされました。この地区におきましては、災害に強い森づくりを今進めているところであります。元年度の進捗状況は大体七割でございまして、二年度も三百六十八億、予算案で出ておりますので、これによってかなりの部分が進むだろうというふうに思っておりますが、今委員が御指摘されました集中期間の後、この終了後も終わるということではなくて、国土強靱化は引き続きやるべきことだというふうに認識をいたしております。
 重ねて、ため池につきましては、平成三十年七月の豪雨におきまして人的被害が出たわけでありますが、床上・床下浸水が起こった、これはため池でも起こっておりまして、宮城県で一件、福島で一件起こってございます。
 ため池の対策としましては、今先生御指摘されましたため池管理の保全法、これによって、ハザードマップをまずはちゃんと作成をいたしまして、防災重点ため池の改修、廃止を優先度を付けて、どれから先にやるのかということをしっかり整理をしてやらせていただくということになっております。この指定によって、それまで一万一千か所だったものが六万四千に、六倍に増えておりますので、なかなかそのロットが増えましたので大変でありますが、しっかりやらせていただきたいと思います。
 その中で、優先度の話を先ほどいたしましたが、特に人家が近いとかこれが決壊すると危ないというところが千か所ございますので、これについては、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策、ここで今進めているところでございます。これについては、まだ実は二割しか進んでございません。二年度の予算でも二百億でございますので、かなりこれ、この三年間を超えてもやらないととてもこの千か所には対応できませんので、引き続き事業の継続は必要だろうというふうに認識をいたしております。

#14
○堂故茂君 大臣、ありがとうございます。
 住民の命を守るということと同時に、こういった山の仕事をしている事業者の仕事が平準化してあるということがその地域のために大変大事なことだと思いますので、引き続き御尽力をお願いしたいと思います。
 次に、昨年四月に森林経営管理制度と森林環境譲与税が施行されました。森林管理の取組の中心となる市町村においては専門の職員が不足しております。この制度への対応に苦慮しているともお聞きします。その一方で、来年度から二倍になる森林環境譲与税を活用して、森林の少ない都市部との、自治体との連携といった好事例も出てきているようであります。
 市町村の体制整備に向けた国の支援の現状と、森林環境譲与税の効果的な活用に向けた取組について伺いたいと思います。

#15
○政府参考人(本郷浩二君) お答えをいたします。
 市町村が主体的に森林整備を進めるためには、その実施体制の整備が必要でございます。このため、農林水産省としても、市町村が林業技術者を地域林政アドバイザーとして雇用する取組を推進することに加え、市町村職員を対象とした実務研修の実施や、市町村職員への指導、助言を行う技術者の養成、現地検討会等を通じた技術支援などに取り組んでおります。これらの取組の実施に当たっては、昨年の四月から新たに林野庁に森林集積推進室を設けて、市町村等への助言を専門的かつ継続的に行っているところであります。
 また、森林環境譲与税の活用については、例えば、埼玉県秩父市や兵庫県養父市においては森林経営管理制度を活用した間伐が行われているほか、愛知県豊明市と長野県上松町が連携して、上松町で生産された木材製品を豊明市内の新生児にプレゼントするという取組も行われ、山村部での活用に加え、都市と山村が連携した事例も出てきております。
 このような先進的な取組を事例集としてまとめ、市町村への共有、助言等を行っているところでありまして、引き続き、総務省や都道府県とも連携して、効果的な取組が進むようにしっかりと支援してまいりたいと考えております。

#16
○堂故茂君 特に県と市町村の連携が大事だと思いますので、よろしくバックアップをお願いしたいと思います。
 森林環境税やCLTあるいはセルロースナノファイバーという新技術が芽生えてきて、ようやくフォローの風が吹き始めていると思われる森林・林業でありますが、何といっても収入に結び付かなきゃいけないわけでありまして、若者が希望を持てる魅力ある林業にしていくため、ICTなどを活用して、更に林業の生産性、安全性を向上させた林業イノベーションが必要と考えますが、お考えをお聞きしたいと思います。

#17
○政府参考人(本郷浩二君) お答えをいたします。
 林業の生産性、安全性を飛躍的に向上させて山元への利益還元を行い、林業の成長産業化を加速化していくために、林業の特性を踏まえた新技術を活用した林業イノベーションを推進しているところであります。昨年十二月に林業イノベーション現場実装推進プログラムを策定し、今後、これに基づき、一層の取組を推進してまいります。
 具体的には、レーザー計測を利用した地理情報、森林資源情報の高精度な把握、分析、ICTによる生産管理等のスマート林業を推進するため、現場におけるモデル的取組への支援を行います。また、早生樹やエリートツリーの利用拡大、伐採、集材、運材や造林作業の自動化等に向けた機械の開発、セルロースナノファイバー、改質リグニン等の木材のマテリアル利用に係る技術開発と実証などに取り組んでまいります。
 これらの対策の成果を広く全国に定着させ、林業の生産性と安全性の向上とともに林業の遅れたイメージの払拭を図り、山元への利益還元を行うことで、若者や女性にとって魅力ある林業の成長産業化を実現してまいりたいと考えております。

#18
○堂故茂君 最近、林業関係者の中では「絶望の林業」という本がよく読まれているようであります。私も読みましたが、かなり客観的に、また、ある意味では前向きに書かれていました。厳しいこの林業を本当に希望の林業となるように努力していかなければならないなと思います。
 次に、統計では、イノシシ、鹿の頭数は横ばい、そして鳥獣による農業被害が減少ぎみとも統計的には報告されるわけでありますけれども、農山村に住む方々の実感とは全く違うのではないかと、逆に、鳥獣被害に対しての心理的負担はますます地方では大きくなってきているのではないかと思います。したがって、かなり踏み込んだ鳥獣の捕獲活動が重要であると思います。
 その捕獲活動の中心的な役割を果たしているのが猟友会であります。少子高齢化に伴いまして会員の高齢化が進んでおります。鳥獣被害における猟友会の役割、大変重要であると思いますし、それへの活動支援、猟友会員の確保、特に若い会員の確保に向け何か考えあるか、藤木政務官のお考えを聞きたいと思います。

#19
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 堂故先生におかれましては、富山県の猟友会長としてお務めをいただいているなど、日頃より鳥獣被害対策に御尽力をいただいておりますことに感謝を申し上げたいと思います。
 御指摘のとおり、猟友会は、鳥獣被害対策の中核を担う存在として大変貴重な存在となっております。猟友会の会員の高齢化が進む中、各地域では、農家がわな免許を取って猟友会に入会し、地域一体で捕獲活動の強化に取り組んだり、猟友会の応援を得ながら、これ、私の地元熊本なんですけれども、農家の皆さんが大勢組織をつくって、農家ハンターとして相当その地域の鳥獣対策に効果を出していらっしゃるようないい例も最近は増加をしているところでございます。
 このような取組を広げるため、鳥獣対策交付金により、捕獲活動経費の直接的な支援に加え、免許取得や捕獲技術向上に向けた講習会への支援や、若者や女性をターゲットとした捕獲入門セミナーの開催などを支援しているところでございます。
 今後とも、若者、女性、農業団体などを中心に、鳥獣対策の担い手を増やす取組に力を入れてまいりたいと考えてございます。

#20
○堂故茂君 所管である環境省、それから警察庁とも連携の上、是非、猟友会が活動しやすい、あるいは会員が増えることについて御尽力いただきたいと思います。
 一方、地元の皆さんから、CSFのこともありましてジビエ利用が停滞し、イノシシの処分について大変困っていると聞いています。山の中での埋設、大変な作業です。最近では、焼却を含めた処分の仕組みへ移行しようとしています。このことについて、お考えをお聞きしたいと思います。

#21
○大臣政務官(藤木眞也君) CSF対策として、捕獲強化の取組により、富山県における昨年九月から本年一月の捕獲頭数実績は、前年対比で約二倍というふうに相当増加をしている一方、増加した捕獲個体の処理に頭を悩ませているというのも実際のところかなと認識をしてございます。捕獲者個人で全てを埋設することは困難との声があることは承知しているところでございます。
 このため、農林水産省では、共同埋設場所の確保により捕獲者の負担を軽減したいという富山県の要望を踏まえ、捕獲した個体を適切に共同埋設するために必要な支援を鳥獣対策交付金の追加交付により支援しているところでございます。また、更なる処理体制の強化を図るため、今後、各市町村が共同で使用する焼却施設を整備する意向もあると伺っております。
 鳥獣対策交付金では焼却施設の導入支援も可能であるため、地域の実情に応じて、しっかりと支援を行ってまいる考えでございます。

#22
○堂故茂君 しっかり支援をいただきたいと思います。
 それでは、定置漁業についてお伺いしたいと思います、幾つか。
 全国津々浦々で営まれている定置網、富山県では、四百年以上前から越中式定置網として営まれています。一定の魚しか捕らない、そしてまた消費者も朝捕れの魚をいただける、また漁業者も通勤型の従事ができる、まさに環境に優しいSDGs型の漁法でもあると思っています。
 その中で氷見の寒ブリがブランドになっているわけでありますが、実は、最近は大変漁獲が落ち込んでおりまして、地元では、今シーズンもこのひみ寒ブリの不漁が度々報道されるなど、深刻となっています。定置の関係者からは、一定の資源はあるはずなのに富山湾に寒ブリが入らない、これは、巻き網事業者が富山湾のワンシーズンぶりぐらいの漁獲を一挙に大型の巻き網船で捕獲してしまう、いわゆる一網打尽にしてしまう、このことが大きい原因ではないかと、こんなようなことも話し合われているわけであります。もちろん、巻き網船にとってもブリが重要な魚種の一つであることは承知いたしております。定置網と巻き網漁業が共生していく、こういったことが必要ではないかと思います。
 そこで、水産庁におかれては、全国津々浦々の零細な定置網業者の声をどのように受け止めて、そして、持続可能なこの漁法というのも守り、全国津々浦々の漁村を守っていくのかということについて、これは加藤副大臣にお聞きしたいと思います。

#23
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 ブリは、多種多様な漁業により漁獲されていることから漁業調整上の問題も生じやすく、委員御指摘のとおり、富山湾の定置漁業の不漁には大中型巻き網漁船の操業が影響しているのではないかとの声があることも承知をいたしております。
 大中型巻き網漁業は従来からブリを漁獲してきているが、科学的には、ブリ資源は高位水準に維持されていると評価がされております。また、北海道の定置漁業によるブリの漁獲は、近年増加をいたしております。これらのことから、富山湾の不漁の原因は、潮流や海水温等の変動が毎年の回遊経路や漁場形成に影響を及ぼしていることが大きいのではないかと考えられておるところでございます。
 一方で、定置漁業者の声を受けて、日本海の定置漁業者と大中型巻き網漁業者の共通理解を醸成をするために、毎年、水産庁が仲介をして、双方の業界が意見交換をする場を設けているところでございます。意見交換を重ねる中で、定置漁業者にも大中型巻き網漁業に対する理解が進んで、共存共栄を図ることが共通の認識となっておるところでございます。
 近年では、現場での魚価向上の取組も話題になるなど、融和は進んでおると考えておるわけでございますけれども、水産庁といたしましては、引き続き両者の調整に努めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。

#24
○堂故茂君 よろしくお願いします。
 時間ももう限られてきました。
 定置でも捕獲されるクロマグロであります。同じ時期に捕れるわけです、ブリと。クロマグロの資源というのは国際的に決められた漁獲枠を守るということは理解いたしておりますが、捕れたものを逃がさなきゃいけないというのは大変な負担でありまして、このことをやっぱり真剣に解決していかなきゃいけない。国際枠の拡大、あるいは各都道府県に割り当てられた枠の増加、あるいは弾力的な運用といったことも大事なのかなと思います。
 それから、本当は、次に、水産業界で一番遅れているICT、これを活用して日本の水産業を非常に効率のいい成長産業にしていくためには、ICT、生産から流通まで絶対取り入れられなきゃいけない、あるいは漁港を活用して日本の水産業を、養殖を含めて進めなきゃいけないと、こんなことを申し上げたかったわけでありますが。
 何といっても、最後に、漁業者は、大変経済的にもピンチにあります。浜の活力プラン、特に、その中で積立ぷらすの充実ということを強く漁業者からたくさん聞いておりますので、是非それをお伝えして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。

#25
○宮崎雅夫君 自民党の宮崎雅夫でございます。本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず初めに、新型コロナウイルス感染症についてお伺いをいたします。
 江藤大臣から、先週の所信表明冒頭、生産者や事業者に対しては必要な対策をしっかり講じていきたいという力強いお言葉をいただいたところでございます。農林水産省では、一月三十日には対策本部が設置をされて、一昨日の八日、北海道の現地対策本部も設置をいただきました。これまで、各地の情報収集でございますとか影響の把握に危機感を持って対応いただいたというふうに思っております。
 また、農林水産省のホームページを見ますと、トップページで新型コロナウイルスについて、国民の皆様へということで、目立つ黄色の色でバナーを新しく作っていただいて、正確な情報提供にも努めていただいております。
 農林水産分野におきましては、中国産野菜の輸入でございますとか学校給食向けの食材、牛乳、そして業務用の花卉等への影響が出てきておりますし、そして、年度末を控えまして、土地改良など工事でございますとか業務、この影響も心配をされるところでございます。
 今日、政府の緊急対策第二弾が取りまとめられる予定でございますけれども、新型コロナウイルス感染症の農林水産分野の影響につきまして、江藤大臣から御認識をお伺いをしたいと思います。

#26
○国務大臣(江藤拓君) 重大なことであると、これは大変なことであるという認識をまずは持っておるということを申し上げたいと思います。
 影響につきましては、それぞれ申し上げれば長くなりますので申し上げませんが、農業、林業、そして漁業、全ての業態において影響が出ております。
 中食、外食の低迷によって引きが弱くなった特に肉であるとか高級な魚なんかは非常に悲惨な状況になっております。花は、今日は先生方の御協力をいただいて、御理解をいただいてこのように付けていただきまして、誠にありがとうございます。花についても、生花であると、切り花であると特に行き先がなくなってしまいますので、大変な危機感を持っております。学校給食については、今日発表いたしますけれども、しっかりこれについては、国からの要請によって行き先を失ったものについては、我々としては、農林水産省はしっかりこれに手当てをするのは当然のことだという認識でやらせていただこうというふうに思っております。
 そして、御指摘のありました公共事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止に向けた農林水産省直轄工事及び業務の一時停止措置についての大臣官房参事官の経理課のペーパーをもう発出済みでありますので、三月十五日まで一時停止、それから工事の延期、これに伴う経費の水増し分、これについては農林水産省でしっかり見させていただく、それから、工事が遅れることによって年度をまたぐということであれば繰越しも認めるということで手当てをさせていただいております。
 いずれにしても、農泊とかインバウンドとか、挙げれば切りがないほど、しかも、当初はお休みに入るまでの期間が学校お休みかということでありましたけど、昨日の専門家委員会のお話によると、もしかすると年をまたぐかもしれないというような御意見も出されたというふうに聞いておりますし、昨日のニューヨークの株価のあのクラッシュの状況を見れば、日本も景気が冷え込むことは、GDPにマイナス要素になることも当然予想されますので、今回の食料・農業・農村基本計画の中で生産基盤の強化ということを前面に押し出してやろうと思っておりましたが、もちろんそれはやらなきゃなりませんけれども、このコロナに伴う影響によって日本の生産基盤が損なわれないことに重点を当てて、これからしばらくは省内力を合わせて頑張っていこうというふうに考えております。

#27
○宮崎雅夫君 大臣、ありがとうございます。
 引き続きしっかり対応の方をお願いをしたいと思いますし、大臣からもお話がございましたけれども、私も、初めて胸にバラを付けたような気がいたします。我々もしっかり応援をしていきたいというふうに思っております。
 次に、土地改良の展開方向につきましてお伺いをいたします。
 先ほど堂故委員からもお話がございましたので、私の方からは、特に技術的な観点というようなことを踏まえて御質問をしたいというふうに思います。
 先週の大臣の所信の中でも、土地改良については、農業の競争力強化や農村地域の国土強靱化を実現をするためには基盤整備が欠かせませんという御認識を示していただいたわけでございます。基盤整備を実施をするための土地改良の予算、これについては、先月成立をいたしました本年度の補正予算、そして本年度予算政府案を加えた額は六千五百十五億円というふうになっております。
 昨年の臨時国会で、私、この件についても質問をさせていただきまして、大臣から、できるだけ予算の獲得に頑張ろうと思っているというお言葉をいただいたわけでございますけれども、そのお言葉どおりの政府案を作っていただいたというふうに思っておりますし、また、全国回っておりますと、土地改良区を始め関係者の皆さん方からも、非常にいい政府案を作っていただいたというふうに、本当に多くの声を伺っているところでございます。
 まず、競争力強化の観点でございますけれども、堂故委員からも富山の水橋のこれからの取組についてもお話がございました。人手不足などを踏まえて、効率的に農業を行うためにはスマート農業を推進をしていく必要がございますし、特に、若い皆さんが農業に興味を持ってもらうという意味でも大切なことだというふうに思っております。
 スマート農業には、圃場の大区画化など、それに応じた農地の整備が必須なわけでございますけれども、それを進めていくためには、区画の規模、どのぐらいの大きさがいいのか、短辺と長辺はどうしたらいいのかということでございますとか、ターン農道、それから末端の用排水、これについて技術的な検討ということをしっかりやっていかないといけない、そういう事項が多いわけでございまして、これまでの取組を踏まえて、技術的な指針を国がしっかり示した上で進めていくということが効果的だというふうに思っております。
 そこで、このような技術的な観点も含めて、スマート農業を推進するための農地の整備をどのように進めていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。

#28
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
 このスマート農業の導入には、御指摘いただきましたように、自動走行農機の性能を十分に発揮できる農地の基盤整備等がこれは大変大事だというふうに認識をしているところでございます。
 このことから、今年度、農林水産省におきましては、専門知識を有する有識者から構成をされます技術検討会を設置をいたしまして、自動走行農機の効率的な利用に最適な圃場の区画規模でございますとか、旋回や移動を容易にするターン農道の設置など、基本的な考え方や留意点を整理をいたしました自動走行農機等に対応した農地整備の手引を現在作成をしているところでございます。
 さらに、この令和二年度当初予算におきましては、農地耕作条件改善事業によりまして、基盤整備と併せて、高精度な自動走行を可能にいたしますGNSS基地局の設置等につきまして新たな支援を行うことも盛り込んでいるところでございます。
 今後とも、このスマート農業の推進に向けまして、必要な基盤整備の推進、また技術的な検討を進めてまいりたいと考えております。

#29
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 私のモットーは、土地改良は未来への礎ということでございます。まさしく新しい農業の形であるスマート農業の礎を土地改良で築いていっていただきたいというふうに期待をしております。
 もう一つの観点でございますけれども、国土強靱化に対応した土地改良についてお伺いをしたいと思います。
 先ほど、ため池の質疑がございました。早急にやはりため池の防災・減災対策、全国で防災重点ため池も、大臣からお答えがございましたように、六万四千あるわけでございます。早急に進めないといけないというふうに思っております。
 その際に課題になるというのがやはり技術的な問題だというふうに思っております。ため池は非常に多いということと、それから市町村の技術職員の方も非常に限られているということもございまして、ため池の管理をしておられるそれぞれの地域の農家の皆さんに、ため池の機能診断、こういった技術的な支援はなかなかできないという状況でございます。
 このような状況にあるわけでございまして、今、兵庫県でございますとか岡山県では、ため池サポートセンターというものを設置をして、技術者によって支援もされているということでございます。地方自治体の皆さん方でございますとかため池の管理者の皆さん方からは、財政的な支援ということと同時に、このような技術的な支援ということが非常に不可欠だと、是非お願いしたいという要望をたくさんいただいております。
 そこで、今後のため池防災・減災を進める上での技術的な支援ということをどのように行っていくのか、お考えをお伺いしたいと思います。

#30
○政府参考人(牧元幸司君) お答え申し上げます。
 このため池につきましては、個人、集落、水利組合等で管理しているものがほとんどでございまして、農家の高齢化等によりまして管理、保全の体制が脆弱化しているのではないかというふうに認識をしているところでございます。
 このため、ため池管理マニュアルを管理者等にしっかり配付するということに加えまして、技術者による現地調査の実施でありますとか、管理者等を対象にいたしました技術研修などに対しまして定額で支援をすると、そのために、農業水路等長寿命化・防災減災事業を令和元年度に拡充をしたところでございます。
 これらの事業を活用いたしまして、御指摘ございましたように、兵庫県では県内三十八の市町で組織をいたします協議会がため池サポートセンターというものを設置をいたしておりまして、ため池の機能診断、あるいは軽微な補修等の技術指導を行っているところでございます。
 こうした支援、これは大変重要であるというふうに認識しておりまして、兵庫県のほか、今年度からは四県で取組が始まるというふうに聞いております。
 全国的な広がりをしっかりつくっていくために、このようなため池サポートセンターに対する支援というものをやっていきたいと考えております。

#31
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。
 私は、今お話もありましたため池サポートセンターというような技術支援機関を都道府県レベルで設置をして、効果的にため池の防災・減災対策を進めるべきだというふうに思っておりますし、また、大幅に増えた防災重点ため池、これを集中的にやっていくために、対策の優先度もしっかり踏まえて都道府県計画、これを策定するというようなことなど、新たなやはり立法措置、こういったことも含めて、新たな仕組みをつくっていく必要があるんだろうというふうに思っておるところでございます。
 次の質問に移らせていただきます。
 明日で東日本大震災が発生をいたしまして九年ということになります。残念ながら、昨年も大変大きな自然災害が多発をしまして、非常に大きな被害が出たわけでございます。農林水産省においても、江藤大臣を先頭に、スピード感を持って対応いただいたわけでございます。
 これから、まさしく営農再開に向けて非常に大切な時期が続いております。引き続き御努力をお願いしたいというふうに思いますけれども、被災をいたしました農家の皆さん、営農再開に向けた対応状況についてお伺いをしたいと思います。

#32
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 令和元年における台風十五号、十九号等による農林水産業被害については、現時点で、三月九日、総額四千六百三十七億円の甚大な被害が生じておるところでございます。
 農林水産省では、このような被害による離農を発生させないために、昨年十一月七日、迅速に支援対策を打ち出して、被災した農業者の方々の営農再開を後押しをしているところでございます。
 具体的には、災害復旧事業を必要とする水田約二千百ヘクタールについては、人的、技術的支援を行いながら一月末までに災害査定が完了をいたしましたので、順次工事発注が行われております。一方で、作付けまでに復旧が難しい水田については、市町村等に対して仮畦畔や仮設ポンプの設置など応急仮工事の実施を指導をして、できる限り営農できる農地を確保できるように努めておるところでございます。
 果樹については、土砂の撤去が必要な約九百ヘクタールの園地について、三月末の防除作業が可能となるように災害復旧事業を進めております。土砂撤去が終わった園地から、剪定等の次期作に向けた作業が順次行われておるところでございます。なお、土砂撤去が不要な園地の一部では、改植が始まっておるところでございます。
 また、農業用ハウスや農業用機械等については、強い農業・担い手づくり総合支援交付金の被災農業者支援型を発動をしまして、全国からの要望を踏まえ約二百七十億円を措置しており、現在、営農再開に向けて再建が始まっておるところでございます。
 被災された農林漁業者の方々は営農再開に全力で取り組まれておるところでございますので、農林水産省としても、引き続き被災者に寄り添った支援ができるよう最大限の努力をしてまいりたいと、このように考えております。

#33
○宮崎雅夫君 ありがとうございます。引き続き、御努力をお願いしたいと思います。
 ちょっと時間の関係もございますので、一問飛ばさせていただきますけれども。
 去年の自然災害の際にも、MAFF―SATということで、十九号のときも、千七百人以上を超える職員の方、技術系職員の方が現地に行って、いろんな技術的な支援をしていただいております。これから、災害が起きないにこしたことないわけでございますけれども、もう今、いつどこで起きるか分からないということがございます。是非とも、技術系職員の定員、これを増加させて体制を強化するということも是非御検討をお願いしたいというふうに思っております。
 最後の質問でございますけれども、もう一つ、今後の災害対応ということに関連して、昨年十一月末に既存ダムの洪水調節機能の強化に向けた検討会議、これが官邸で設置をされております。現在検討が進められておるわけでございますけれども、既存のダム、これにはもちろん農業用のダムも入っているわけでございまして、土地改良区の皆さん方からは、事前放流を仮にしたといった場合に水不足が起きたらどうなるんだというようなことでございますとか、事前放流に必要な人員と追加費用、これどうなるんだというような不安の声もございますので、是非、農水省の方からも丁寧な対応をお願いしたいというふうに思っております。
 最後の質問でございますけれども、この冬、雪が非常に少ないということでございまして、これも、全国回っておりましたら、土地改良区の皆さん方からは、水が本当に心配だというお話をたくさん伺うわけでございます。気象庁のやはりデータでも、一月は日本海側を中心に降雪量が大変少ないということで、統計開始以来、一月としては最も少なかったというふうに聞いております。
 これから大切な、田植に向けて時期でございますので、その対策をしっかり取っていくべき時期だというふうに思っております。この懸念される水不足についてどのように対応していくのか、最後にお伺いをしたいと思います。

#34
○委員長(江島潔君) 時間が来ていますので、簡潔にお願いします。

#35
○政府参考人(牧元幸司君) お答えいたします。
 少雪による水不足の懸念ということでございます。
 北海道、東北、北陸におきましては、三月一日時点で、規模の大きな農業用ダムの八割以上が平年の貯水量八〇%以上となっているところでございますけれども、農業用水の利用に影響が出ないように、早期の貯留開始あるいは代かき期の前倒しの検討などにつきまして地方農政局に指示するとともに、都道府県との連携強化も図っているところでございます。また、北海道におきましては、河川管理者と協議をいたしまして、平年よりも早くの貯留の開始というものも行っているところでございます。
 この春先の農業用水の利用に影響がないように、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。

#36
○委員長(江島潔君) もう時間ですので。

#37
○宮崎雅夫君 終わります。

#38
○打越さく良君 立憲・国民.新緑風会・社民の打越さく良です。
 今回が私にとって初めての質問となります。
 私は、昨年より地元新潟を駆け回る中で、農業者の方々からたくさんのお話をいただきました。本当に誇りを持って取り組んでおられるけれども、どんどん高齢化が辺りじゅう進んでいて耕作放棄地も増えている、そういうところでどうなるのかと、自分たちはこのままいなくなるかもしれないけれども、後の世代は何を一体食べていくのかと、温暖化も進んでしまうし美しい環境も保てなくなっていくのではないかと、そんな切実な御心配、懸念を受け止めてまいりました。
 そして、私としては、誰一人取り残さないということで政治家を志したにもかかわらず、毎日食事をしながらも、農業についてきちんと考えてこなかったのではないかと深く反省いたしました。そして、農政に取り組んでいきたいと思いましてこの委員会を希望したところ、所属できたことは大変光栄に思っております。力を尽くしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 そして、まず、新型コロナウイルスの感染症による影響について伺いたいと思います。
 この肺炎でお亡くなりになった方々にお悔やみ申し上げるとともに、ただいま感染症に罹患している方々にお見舞い申し上げます。そして、日々対応に御苦労されている方々には感謝と敬意を申し上げたいと思います。
 そして、農林水産省の方でも本当にこの対策について日々御苦労なさっているとは思うんですけれども、三月六日までに第六回の推進本部の会合が開催されたということまでは分かるんですが、議事録や議事要旨も開示されていないということで速やかに開示していただきたいのですが、どのような状況でしょうか、御答弁いただければと思います。

#39
○政府参考人(岩濱洋海君) お答えいたします。
 農林水産省行政文書管理規則に基づきまして、農林水産省対策本部は議事録を作成することになっております。先日の御指摘を踏まえまして、一昨日から事務局の強化を行ったところでございます。現在、第一回から順に議事録について発言内容の確認等の精査を行っておりますので、今週中には順次公表をさせていただくような予定でございますので、お知らせをさせていただきたいと思います。

#40
○打越さく良君 大変御多忙だと思いますけれども、私たちとしてもしっかりと省としての対応を確認させていただきたいと思いますので、どうぞ対応のほどをよろしくお願いいたします。
 そして、二月二十七日、安倍総理は、全国全ての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に三月二日月曜日から春休みに至るまで臨時休業を行うよう要請しましたが、大臣はこのことについて事前に御認識であったでしょうか、教えてください。

#41
○国務大臣(江藤拓君) この件につきましては、二月二十七日木曜日の対策本部において承知したところでございます。

#42
○打越さく良君 この総理の一斉休校の要請と御判断は、政府の専門家会議に諮ったものではなかったとのことです。このような科学的な根拠に乏しいという判断で、生産者や関係業者、保護者、子供たちに大きな影響を与えるこの判断をなぜ食い止めていただけなかったのかという気持ちが拭えません。大臣に、突然のこの一斉休校が農政にもたらす影響をどのように認識なさったのか、伺います。

#43
○国務大臣(江藤拓君) まず最初には、給食が止まるということでたくさん報道されていますが、もう納品されているものもありますし納品予定のものもありますし、納品の形も、製造業者から給食センターに渡るものもあるし農家から直接搬入されるものもあるし流通業者を介するものもありますし、様々な形態があります。
 今回、文部科学省と我々農林水産省で協力して、このダメージをしっかりとカバーするというふうにこれからやってまいりますが、やはり農林水産省としては、行き場をなくすと、生鮮品ですから、魚にしても果物にしてもほかのもの、牛乳も特にそうですけど。牛乳辺りは、毎日搾らなければ牛は乳房炎にかかって、下手をするとへい死をしてしまうという大変な事態でありますので、早急に対策を講じなければならないというふうに考えておりました。
 ですから、まだ発表できませんので、今日申し上げたいのはやまやまなんですけれども、こういった方々に対して農林水産省として誠意のある対応を示していこうというふうに今考えております。

#44
○打越さく良君 新潟県内でも、生産された生乳の約一五%ほどもが学校給食に充てられていたということです。
 地元の牛乳業者の方からお話を伺ったんですけれども、やっぱり二十七日の突然の総理の要請にもう非常にショックで、ニュースを聞きながら青くなったということでした。当然ですよね。本当に、約百四十校へも供給なさっていたそうですけれども、それが突然もう次の週の月曜日からストップしてしまうというふうに聞いたわけですから、さぞかしショックなことだと思います。
 それで、業者の方としては、事前に一か月とか一週間でもせめて余裕があったら調整できたのにということでした。やっぱり突然の要請は、自治体としては上からの指示というふうに受け止めざるを得なかったことでしょうし、もう本当に、現場はこれで大混乱をしたということでした。でも、本当に業者の方々は御立派だなと思うんですけれども。先が見えない中で、それでも、仕入れた生乳の行き先を懸命に見付けたりとか努力をされたけれども、それはそれで、行き先を見付けても配送する運送費が別に発生するとか、本当に御苦労されたということです。
 大臣が本会議で、いろいろと牛乳を用途変更していただいたことによる収入の減少について何らかの支援をすべく検討するということを御答弁してくださいましたけれども、何らかの支援というままでは不安は拭えないことだと思いますし、牛乳以外のほかの食材についても、たくさんの混乱が生じております。本当に、これはもう国の重大な責任があったと思いますので、早急に救済措置をしていただきたいということを申し上げたいと思います。
 私は、大臣の議員時代の御質問や御答弁も聞かせていただいたり拝読させていただきました。それで、大臣は本当に地元の農業者の方々とか関連業者の方々に耳を傾けてこられたんだということを受け止めてまいりましたので、それだけに、今回の総理の突然の御判断に異議を唱えていただけないものだったかというような気持ちが拭えない状態です。それはもうお立場上難しいのかもしれないですけれども、唯々諾々として従われているような様子、残念でならないと申し上げます。是非この答弁で挽回していただきたいんですけれども、よろしくお願いします。

#45
○国務大臣(江藤拓君) 私は、聞いた瞬間に、これはまず学校給食だなということはすぐ思い浮かびました。その瞬間に、これは対応可能であるというふうに私は思いました。
 先ほどの送料が掛かるとか、例えば、瓶詰をもうしてしまって、牛乳はパック詰めと瓶詰と学校給食はございますが、もう製品となって納入されているものを加工工場に回された方もいらっしゃいます。当然、運賃掛かっています。これを見ないということはないと思いますよ、当然。
 製品になる前の生乳の段階から行き先を失ったものについては、加工原料乳生産者補給金のところの差額のところを見ればこれはもうつじつまが合いますけれども、しかし、加工原料乳にこれだけのものを大量に回すと、今度は脱粉が増えますから、脱粉の出先を決めないとこれはちょっとやばいことに、やばいと言っちゃいけなかった、まずいことになりますので、この脱粉の対策もやらなきゃいけないと。
 大体、自分としては、総理の御判断は、その瞬間は正直びっくりしました、私も。びっくりしましたが、少し話がそれて恐縮ですが、私も、豚熱のときに、党内でも、それから役所の中でも大変な反対意見が大宗を占める中でかなり強引に押し切った経験が直近であるものですから、外国でもいろんな症例を見ていると、やっぱり子供を守ることは大事だなということで、私は、その瞬間には驚きはしましたけれども、唯々諾々と従ったじゃないかと言われれば、そういった御批判は受け止めますけれども。
 私は、その瞬間からもう三秒ぐらいたったら、じゃ、農林水産省として何をすべきか、何ができるか、そして、そういった方々に御迷惑が掛からないようにするにはどういう仕切りをしたらいいのかということの方に頭の切替えをもう既にしていたということでありまして、第一弾の対策が出ますけれども、この第一弾で、私、止まると思っておりません。牛乳だけじゃなくてほかの品物についても、例えば米なんかもありますしいろんな例がありますので、しっかりと何が起こっているのか、学校給食は全国でいろんな例がありますので、納入の仕方も形態も納めているものもばらばらですから把握するのは難しい部分がありますが、落ちこぼれたり漏れたりすることがないように、責任を持ってやらせていただきたいと今は思っております。

#46
○打越さく良君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 そして、給食がなくなって栄養格差が広がり得ることが懸念されます。厚生労働省に、子供の貧困率の数値を関連して教えていただきたいと思います。
 私が調べたところは、直近で平成二十七年一三・九%、七人に一人、一人親世帯では実に五〇・八%、半数以上です。それでよろしいでしょうか。

#47
○政府参考人(吉永和生君) 突然のお尋ねでございまして手元に数字がございませんが、おおむねそういった数字だったかと記憶してございます。

#48
○打越さく良君 次の質問も厚生労働省に伺いたいんですが、貧困は、子供の成長、発達、例えば栄養状態にも良くない影響を及ぼすのではないでしょうか。

#49
○政府参考人(吉永和生君) 家庭の経済状況と児童の栄養状態については、厚生労働科学研究費補助金におきます研究事業がございます。
 この研究結果によりますと、児童と食生活の関連につきまして世帯年収別に三群に分けて検討してございますけれども、世帯年収が低い群ほどたんぱく質、ミネラル、ビタミンの摂取量が少ないという結果が得られてございます。
 また、この研究事業では、児童の食生活につきまして学校給食の有無による比較も行ってございますけれども、学校給食がある日では、栄養素等の摂取量につきまして世帯年収別の群の間で差は、有意な差は見られておりませんけれども、学校給食がない日では、世帯年収が低い群ほどたんぱく質やビタミン、ミネラルの摂取量が少ないというような結果が得られてございます。

#50
○打越さく良君 今のお話伺って、本当に、給食というものは、子供の食、さらには健康、成長、発達のセーフティーネットとして栄養格差を是正する上で本当に重要な役割を果たしているというふうに思います。
 さらに、各地の子供食堂なども子供の食のセーフティーネットとして注目されています。孤立しがちな親子の居場所づくりにもなっていました。
 地元で子供食堂を開催しておられる方々にお話を伺っていったところ、本当に、親子で孤立しがちな方たちの支援にもなっていたんだけれども、それは、もう本当にこんなときだからこそ開催したい、だけれども、一斉休校を踏まえるととてもできないということでした。そして、せめていつまでかという出口が見えれば分かるんだけれども、出口が見えないということでも心配が募るということでした。
 そして、ちょっと栄養とは別ですけれども、各地で、子供が外で遊んでいると、良くないことのように学校に通報というか連絡が来てしまうような状況であって、子供が伸び伸びと遊ぶということが本当にこの成長、発達にとってとても重要なんですけれども、むしろ、それはいけないことだということで、子供としては家に閉じこもってユーチューブを見たりとかゲームをしたりとか、そういうことによってかえって健康に悪いような状況になっているということです。
 学校の先生たちも本当に御立派だなと思うんですけれども、二月二十七日の突然の要請にもかかわらず、何とか応じようと思って、翌日の金曜日、二十八日に、とても早朝に学校に行かれて、子供たちに渡す宿題のプリントとかを作ったりとか、御苦労なさっておられるようです。そういう必死で頑張っている現場の方々には敬意を表したいと思います。
 それでも、この一斉休校によって学力格差のほか栄養格差が広がってしまうのではないかというふうに心配ですが、その栄養格差が広がるということについての御認識、そして対策について文部科学省に伺いたいと思います。

#51
○政府参考人(蝦名喜之君) お答え申し上げます。
 学校給食は、学校給食法に基づきまして、家庭において不足しがちなカルシウムや鉄、ビタミン等の栄養素をバランスよく取り入れられるように定められた学校給食摂取基準に基づき提供をされてございます。児童生徒の栄養改善に寄与しているというふうに認識をしてございます。
 今般、多くの子供たちや教職員が日常的に長時間集まることによる感染リスクをあらかじめ抑える観点から臨時休業を要請をするということとなりましたけれども、そうした中にありましても、今ほど申し上げたような意義を踏まえまして、子供の居場所を確保する観点から、学校が児童生徒等を受け入れる場合などにおきまして、家庭や地域の実情を踏まえまして、児童生徒等に学校給食の調理場や調理員を活用して昼食を提供するといったようなこともこうした状況下における工夫の一つであろうというふうに考えてございます。
 こうした観点から、三月二日付けで、厚生労働省と文部科学省とで連名で、子どもの居場所の確保についての通知を発出いたしましたけれども、その中におきましても、児童生徒等に対するこうした工夫による昼食の提供ということも考えられるということを留意事項としてお示しをしているところでございます。
 実際に、様々、報道等のベースでございますけれども、各地域におきまして、子供を受け入れたときに、子供の状況なども踏まえながら昼食を提供するような動きも出てきているというふうに考えております。

#52
○打越さく良君 ありがとうございました。
 打てる対策はどんどん打っていただきたいというふうに思います。
 それで、フードロスも大変心配です。突然の休校要請でフードロスはどれほどあると見込んでいらした、また、あるいは見込んでいらっしゃるのでしょうか。今回の一斉休校によるフードロスの実態について検証すべきだと思いますが、御予定はあるのか、伺いたいと思います。

#53
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えをいたします。
 今般の一斉休校の要請は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況に鑑み、何よりも子供たちの健康、安全を第一に考え、緊急的に実施されたものだと考えております。食品ロスの発生量を見込んで行ったものではございません。
 現在、一斉休校に伴い発生した未利用食品を活用していくため、各食品関連事業者においては、これら未利用食品を店頭や直売所などで販売する取組が行われており、農林水産省としましても、こうした取組を支援すべく最終調整をしているところでございます。

#54
○打越さく良君 第三次食育推進基本計画の下、食品ロスの削減等、環境へも配慮した食育を推進しておられることと給食停止を伴う突然の一斉休校は矛盾するのではないでしょうか。多大なフードロスを生じさせながら、どのように今後食育を進めていかれるのか、伺います。

#55
○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 今般の全国一斉の臨時休業、学校の臨時休業の要請の件につきましては、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。
 そうした中にありまして、学校給食に使用予定の生鮮食品について、食品ロス削減の観点から、事業者等が即売会や寄附などによって有効活用されているような事例もあるというふうに承知をしてございます。
 文部科学省といたしましては、この度の臨時休業に係る各地域の取組や工夫、こうした中ではございますけれども、そうした様々な各地域から発せられたような取組や工夫を集めまして、今後、参考として各地方自治体に対して情報提供をするなど行うということを考えてございます。
 改めて、命の大切さや食への感謝の気持ちを養うなど、今回様々各地域でお取り組みいただいているものも教材としながら、食品ロスの削減に関する教育を引き続き推進をしてまいりたいと考えてございます。

#56
○打越さく良君 農林水産省で始められたフードバンクへの情報提供ですが、地元で、もう本当に画期的だというふうな、うまく機能してほしいという御期待の声を承りました。私は、むしろ、今まで農林水産省がそのような情報提供をなさっていなかったことに驚いたのですけれども、喜んでおられました。
 もっとも、フードバンクは全国津々浦々にあるわけではなく、地域的に偏在していると思われます。もちろん、様々な取組していただいた方がいいと思いますけれども、このフードバンクへの情報提供によってどれだけフードロスを食い止められるか、その見込みがあるのか、教えていただきたいと思います。

#57
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 休校措置により使われなかった学校給食用の食材については、まずは可能な限り販売をしていただき、どうしても販売が難しい場合はフードバンクで活用することは、食品ロス削減の観点から重要であると考えております。
 このため、農林水産省では、先週から、食品関連事業者で発生する未利用食品の情報を集約し、全国約百三十のフードバンクに情報発信することとしたところでございます。食品関連事業者は未利用食品を独自に販売する取組を行っていることから、本取組で食品ロスの発生をどの程度防止できるのか推測することは難しいと考えております。
 なお、最終的にどの程度の食品ロスの発生を防止できたかについては、取組終了後に公表してまいりたいと考えております。

#58
○打越さく良君 この今回の莫大なフードロス、恐らくは莫大なフードロスというのは国の責任を感じていただきたいと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、突然の休校要請とか様々な行事が自粛されていることによって、花、花卉の市場も大打撃を受けているというふうに思われます。
 地元の花屋さんにお話を伺ったところ、本来なら卒業式そのほかで三月は忙しい時期で、通常は大きな需要を見込んできたということで、ホテルなどとの取引があるところはもっと大変だろうけれども、今後、学校の先生の離任式などはどうなるのかといったことの心配が尽きないということでした。
 私も、花をこうやっていただいてちょっと気持ちが和んだんですけれども、でも、なかなかその需要が減少している生花について、この花いっぱいプロジェクトということを始めていただいていますけれども、それによりどのように需要が喚起できる見込みがあるかということを教えていただきたいというふうに思います。

#59
○国務大臣(江藤拓君) 見込みを定量的に申し上げることは極めて難しいんですが。
 お米でいうと、国民の皆さん方がお茶わん一杯御飯を食べていただいたら何が起こるかという話は、よく農林水産の世界ではされます。生産数量目標の割当てはもう終わりましたけれども、それもしなくていいし、もっと米を作っていただいてもちゃんと消費できる世界がつくれるんだと。
 ですから、国民の皆様方がたとえ一輪でもいいから、もう三輪でもいいから、食卓の上にちょっとお花を飾ろう。それから、今お願いしているのは、農林水産省に来ていただくと、玄関に今花ががあっと飾ってあります。私の大臣室にも飾ってあります。そして、職員たちも、省議メンバーには、会議するときには必ずこの花を、もう一週間ぐらい前からずっと付けさせています。そして、各省に、農林水産省以外の省にもこれを広げるべく、今、お願いをしています。
 各自治体においても、我が宮崎でもお花を随分作っていますので、役場とか県庁とかJAとかそういうところも、やっぱり自分たちが率先垂範して買う、買って飾るということを重ねれば、全てをカバーできるかどうかは分かりませんが、やはり地域で困っている人をなるべく身近な人間が手を差し伸べるという、日本人が本来持っていたその優しい思いやりの気持ちといいますか、そういったものを重ねていけば、私は、少しは明るい日差しが差すのではないか。
 あとは、ネット等をフルに活用しようと思っておりまして、業界の方々も頑張ってくれておりますが、今、農林水産省には、公式ツイッター、それからフェイスブック、それからユーチューバーもたくさん、実は本省にも各局にも要請して、ユーチューバーの人たちにも何とか花、それから国産の農林水産食品の消費拡大について、今こそ地産地消、今こそ国産のものをみんなで食べて食の安全保障というものをみんなで考えようじゃないかという運動も併せてやりたいというふうに考えております。

#60
○打越さく良君 ありがとうございました。私も心掛けていきたいと思います。
 所信表明演説でちょっと気になるところが幾つかございましたので伺いたいと思います。
 農林水産物・食品の輸出は七年連続で過去最高を更新ということですが、輸出と併せて確認したところ、この資料のとおり、輸出額、こうやって増えて上昇傾向にありますけれども、やはり輸入額と併せて考えると、なかなかかなりの差と、輸出より輸入が十倍以上で推移している状態にあるというふうに思われます。
 そのことを踏まえていただいて、そして、マーケットの縮小ともありましたけれども、輸入の規模からして、マーケットの縮小で需要が少ないというふうに諦める段階ではないと思いますが、御認識を伺いたいと思います。

#61
○国務大臣(江藤拓君) 大変大事な点だと思っています。
 今回のコロナの一件で、大変中国に依存度が高かったタマネギとか長ネギとか、それからニンニク、ショウガ、そういったものが一気に、特に商用で使われる、中食とか外食で使われるものについて、一割しか入ってこないという状況に落ち込みました。特に、一次加工をしてあるタマネギなんかは、外側の皮をむいてあるものについてはもう完全に中国に頼っていたということが明らかになりました。
 私も少しそれなりに今回勉強させていただきましたけれども、国内で加工用の業務用の野菜は三割、三〇%も占めているというのが現状です。更に言うと、ブロッコリーなんかは冷凍のブロッコリーが二二%、枝豆なんかでいうと五九%も外国の輸入品にマーケットを奪われています。
 ですから、我々が一次加工の施設を例えば強い農業づくり交付金なんかで整備をするとか、そういうような冷凍の施設とか物流の施設とか、そういうものを整備すれば、日本の生産者が外国のマーケットを取り返すことも決して不可能ではないというふうに思っています。そして、やはりこういう事態が起こってみると、やっぱり国内で食料を作っていかなきゃいざというとき大変だなと国民の皆様方も思っていただけたと思うんです。
 ですから、国民の理解がなければ財政民主主義の下で予算は執行できませんので、国民の皆様方にこのことを広く御理解いただいて、農業全般、流通も含めて、生産体制も含めて強化を進めてまいりたいというふうに考えております。

#62
○打越さく良君 農業所得も平成十六年以降で最高の水準を維持というふうに所信表明でおっしゃっていましたけれども、資料を御確認ください。生産農業所得推移というものですけれども、平成三十年は、平成二十九年、二十八年に比べて下がっています。最高だったのは、ここで見たところ、平成六年となっています。
 最高の水準という言い方は曖昧ですし、その曖昧な表現ではなく、むしろ下がってもいると、個別経営はむしろ厳しくなっている現状も踏まえておかなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。

#63
○国務大臣(江藤拓君) 御指摘は、正しい部分ももちろんあります。
 この三十年が二十八、二十九に比べて下がった要因なんですけれども、一つとして大きいのは、OPECが協調減産をして原油価格が急激に上昇したという外的要因がございました。日本の施設園芸はA重油をたかないと生産活動が維持できません、ほかの農業施設もそうですけど。こういった外的要因があったのと、それから、一部の農業製品、特にこの二年は野菜の価格が非常に落ち込んだ年でございました。それから、若干豚が下がり、鶏卵は結構な幅で下がったということがありますから、いろんな理由は付きますけれども、丁寧な説明は必要だと思います。
 米価は、この期間も順調に右肩上がりでございました。ただ、作付面積等は農家の方々が国内の需要に見合った作付けを行われたということでありますから、価格と量を掛けて、Q掛けるQが金額になりますので、ですから、価格はある程度高水準であったとしても生産量が減れば米農家の方々の収入は減るということが起こったのではないかというふうに思っております。
 ですから、この私の言い方が若干まずかったという御指摘は受け止めさせていただきますが、ただ、過去に比べて非常に厳しくなったという言い方も、まあ若干ちょっとネガティブなことを強調し過ぎかなと、間を取った方がよかったのかなというような感じはしますけれども。しかし、全体としては、私が所信で申し上げたことは趣旨的には余り間違っていなかったのではないかなというふうに思っております。

#64
○打越さく良君 丁寧な説明を更に心掛けて、心掛けてというのは失礼でした、求めていきたいと思います。
 担い手の育成確保について……

#65
○委員長(江島潔君) 時間が来ております。

#66
○打越さく良君 とても教えていただきたいんですけれども、これは次回にさせていただいて、終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

#67
○石垣のりこ君 立憲・国民.新緑風会・社民の石垣のりこでございます。
 まずは、新型コロナウイルス感染症に関わる連日の御対応へ、本当に感謝とねぎらいを申し上げたいと思います。本当にお疲れさまでございます。
 昨日、ニューヨーク・ダウ平均株価、国内外の株価も非常に下落をしまして、三月九日、昨日現在ですけれども、二十七か国・地域が日本からの入国、入域制限を行っております。さらに、入国後何らかの行動制限が設けられているのは六十三か国に達しております。日本のみならず世界各地で感染拡大が広がり、人々の暮らし、経済、産業など、本当に多方面に影響が出ているのが現状です。
 政府がこの度の新型コロナウイルスに関して省庁を通じて注意喚起を行ったのは一月六日と認識しておりますが、対策本部を立ち上げたのは一月三十日です。防疫という国の重大事態に直面して、人々の命、身体、財産を守るべき政府が信頼に足る迅速かつ正確な情報の把握、また公表もせずに、余りにも唐突な場当たり的な対応で現場を、そして国会、さらには社会全体を不安にさせ、混乱させ、ますます危機的状況に陥れていると思います。
 新型コロナウイルス感染症対策本部が設置される前の日、一月の二十九日ですが、私は、参議院の予算委員会で、我が国の安全保障の最大の障壁は安倍政権であるというふうに申し上げましたが、この考えは、残念ながら、揺らぐどころか、あれから一か月およそ半たちましたけれども、ますます確固たるものとなっております。
 そんな惨たんたる安倍政権下で、新型コロナウイルス感染症に対して江藤大臣率いる農林水産省の対応について伺います。
 農林水産省がダイヤモンド・プリンセス号に関連して派遣した農林水産省の職員の人数及び主な職務内容、さらに、防疫措置どのようにとられたのか、教えていただけますか。

#68
○政府参考人(岩濱洋海君) お答えいたします。
 クルーズ船に関する支援につきましては、下船された方々の生活支援のため、これまで、宿泊施設に八名の職員を派遣したところでございます。
 主な業務といたしましては、食料支援を担い、具体的には、減塩、アレルギーなどの個々の事情を踏まえまして、医師の指導を受けながら食事の提供内容の企画と調達を行ってまいりました。これに対して滞在者の方々からは、バランスの良い食事ができた、きめ細かいアレルギー対応がなされたとの評価のお声をいただいているところでございます。そういうことを聞いております。
 また、これまで任務に当たりました八名の帰任に当たりましては、派遣先の宿泊施設におきましてPCR検査を実施し、八名全員の陰性が確認されており、陰性確認後一週間程度自宅においてテレワーク等を行い、その後、農林水産省診療所で診察を受け職場復帰というプロセスを取ることとしております。

#69
○石垣のりこ君 そのような人数等は分かりましたけれども、一週間テレワーク等若しくは全員のPCR検査というような防疫措置に関しては、これは農林水産省独自のものでしょうか、それとも内閣官房や厚生労働省から何らかの指示があったのでしょうか。

#70
○政府参考人(岩濱洋海君) 防疫措置に当たりましては、職員を派遣する際に内閣官房より協議をいたしまして、職員帰任の際にはPCRを受けさせていただいて、その後一定期間を空けまして、また、職場の産業医の診察を受けた上で帰任をするというプロセスを取るということで、各省の中でもそういう形で統一的な形で整理をさせていただいているというふうに考えております。

#71
○石垣のりこ君 今、考えているというふうに御発言されましたけれども、これは、文書か何かでのお達しというのはございましたか。

#72
○政府参考人(岩濱洋海君) こういう事態でございますので、文書というよりは、いわゆる各省からいわゆる内閣官房に御要望いたしまして、どういう形でPCRを受けるかということで、まずは職員の健康を守ることが我々の職務でございますので、その上で、文書ではございませんが、いわゆる一定の手続を各省も取っているところでございます。

#73
○石垣のりこ君 官房からの一応口頭での指示があったということですけれども。
 衆議院の農林水産委員会で広田委員に対して、江藤大臣は覚えていらっしゃるかどうか分かりませんけれども、職員に対して最初のときにこのようなことをはっきりと強く申し上げたというような御発言がありました。私の方から御紹介させていただきますけれども、最初の段階で特に申し上げたのは、しっかり休むことも仕事だと、特に管理職については、部下の方から体調が悪いんですけれどもと言われたときに、それぐらい根性で出てこいとか今はそれどころじゃないだろうみたいな話は絶対せずに、それについては了解だ、しっかり体調を整えろと快く休みを取らせてあげる環境を上司はつくる、そして、省議メンバーを含む幹部職員も、幹部が倒れてしまっては省内の機能が低下してしまいますので、幹部職員についても勇気を持ってしっかり休んでくれという話もしっかりした覚えがありますというような御答弁をされていらっしゃいます。
 これは、本来ならば危機状況においてリーダーが取るべき本当に基本的な動作ではあると思うんですけれども、なかなか安倍政権下においてこのような対応がなされていない中、本当に農林水産省としては職員の皆さんの安全をしっかりと守る対応をされたのではないかと、本当にすばらしいことだと思います。
 さて、それで、新型コロナウイルス感染症については日に日に各地で新たな感染者が報告されておりますが、今、マスクを始めトイレットペーパーやティッシュペーパー、またアルコール消毒薬など、一部の商品、商店の棚からなくなって、混乱なども生じております。現在、新型インフルエンザ等特措法の改正が議題に上りまして施行の可能性も探られているところではございますが、特措法が仮に施行されて緊急事態宣言がなされるような一層深刻な事態になったときに、農林水産省としては食料の安全供給に関してどのような対応を取られるんでしょうか。

#74
○国務大臣(江藤拓君) 仮定の話でございますので、なかなか確定的なことは申し上げられませんが。
 御存じのように、米の備蓄がございます。基本的には百万トンですね、回転備蓄をすると。これで対応することになるだろうと思います、外国から全く入ってこないというようなことになればですよ。それから、食糧用の小麦の備蓄は、外国産の食糧用小麦需要量の大体二・三か月分、これがありますから、これを放出することになると思います。それから、大豆の民間在庫が、これは大体一か月分、大豆需要量の大体一か月分ありますので、これで対応することになるかと思います。
 それで、この国から輸入が途絶えるということになれば、当然、その代替する国を探さなければならなくなると思います。例えば、小麦なんかだとアメリカに大変頼っておりまして、アメリカが四八%、カナダが三三%、豪州が一七%、大豆でいいますと、米国が六九%、ブラジルが一六%、カナダが一三%ということでありますから、これを振り分けるとして、今想定できるとすれば、一応考えておかなきゃいけませんので、農林省としては、小麦であればロシア、ウクライナにお願いをしたい、それから、大豆についてはブラジル、アルゼンチン辺りに輸出余力があるのではないかということで分析もいたしておるところであります。
 あらゆる可能性を排除せずに、農林水産省としては国民の皆様方への食料の安定供給に対応していきたいというふうに考えております。

#75
○石垣のりこ君 今、輸入に頼っている食材に関して代替国のお話がございましたけれども、一部、中国からの輸入が多い。先ほど打越委員からのお話の、質問の中の御答弁にもありましたけれども、タマネギ、ニンニク、長ネギ、ショウガなど、中国に頼っているような食材に関して若干影響が出る可能性もあるというふうに私も捉えておりますけれども、まだ実際に市場に大きな影響を与えている状況ではないかとは思いますが、輸入に関して、ここ三か月から六か月、あるいは昨日の専門家会議におきましては影響が年をまたぐというお話もありましたので、コロナウイルスの影響が出そうな輸入作物、食品などはございますか。

#76
○国務大臣(江藤拓君) 出入国制限と物品の貿易は分けられておりますので、今のところ、具体的にどの品物にというものはございません。

#77
○石垣のりこ君 今、人の動きとは違うということですけれども、逆に、一応念のため伺っておきますが、輸出に関して何か影響が出そうな品目はございますでしょうか。

#78
○国務大臣(江藤拓君) 一部東南アジアで、国の名前はあえて避けますが、風評がちょっと出回ったものがございました。それについては、本省として、あらゆるチャンネルを使って、生産者団体であったり流通団体であったり、もちろん外交ルートも使って、全く食品を経由してコロナウイルスが人に伝播することはございませんということを告知をさせていただいて、大体そのようなものも解消できたというふうな報告を受けておりますので、今のところ大きな影響は出ていないというふうに承知をいたしております。

#79
○石垣のりこ君 では確認ですが、現時点では日本からの輸出品目に関して特に制限が設けられているものはないというふうに、よろしいでしょうか。

#80
○国務大臣(江藤拓君) さようでございます。

#81
○石垣のりこ君 やはり人は食べて命を保っているわけですので、食べる物がなくなるかもしれないという怖さというのは、直接的に命を脅かすことになります。食料の安定供給、非常に大切な役割だと考えます。食料不足に陥るような非常事態にならないことを本当に願うばかりなんですが、いざというときの万全の対応をお願いしたいと思います。
 その不測の事態においても、農林水産業の今後の振興のためにも、やはり対策のために必要なものはお金、予算ということになってまいりますが、この平成の三十年間でGDPに占める農林水産省の総予算、どのように変遷しているか、教えていただけますか。

#82
○国務大臣(江藤拓君) 一九九〇年におけるGDPに対する割合は〇・六九%でございます。二〇〇〇年が〇・六五%、二〇一〇年が〇・四九%、二〇一八年が〇・四二%というふうに低下をしてきております。

#83
○石垣のりこ君 GDPに占める農林水産業の総予算が減ってきているということですけれども、それに関して江藤大臣はどのように捉えていらっしゃるでしょうか。

#84
○国務大臣(江藤拓君) 率直な感想ですが、決していいことではないと思っております。
 やはりお金が全てではありませんが、しかし、このような立場に立たせていただくと、もっと予算があったらこんなこともできるのにというものは正直ございます。ですから、GDPは伸びてきているわけでありますから、それに沿って、余り言うと問題ですけど、一九九〇年は三兆円を超えているんですよ、金額ベースでも。ところが、二兆三千億ぐらいじゃないですか、今。ということは、GDPが伸びたのにかかわらず、農水の予算も人間も、一番人間を削られたのも農林水産省、率でいうとですよ。
 ということでありますので、今、食の安全とかいろんな防疫とか、いろんなこともある状況の中においては、やはり財務に対してもしっかりと予算要求をしなきゃならぬなと改めて思うところでございます。

#85
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 まさしく額面が全てでないというのはおっしゃるとおりだと思いますけど、でも、やはり一定の金額、予算を確保していかないと様々な対策もおろそかにならざるを得ないと思います。こうした数字からも、国が農業をどのように位置付けているのかというのを考えますと、本当に残念な限りです。大臣所信にもありましたように、農林水産業は国の基という認識を国全体が共有して、私たちの命を支える農林水産業を守っていく必要があると本当に切に思います。
 現時点では、コロナウイルス対策の経費も予備費で対応するという非常にお粗末な現状、これも嘆かわしいことだと思いますけれども、まだ具体的に食料不足のような事態は起きていないとはいえ、非常時において、食料の安全保障の観点からも、改めて、やはり自給率、一定以上に上げていくことが重要であるというふうに再認識させられます。
 昨年の日本の自給率、二〇一八年、最新版ですね、日本の食料自給率、カロリーベースで三七%、過去最低水準、生産額ベースで六六%という数字が出ておりますけれども、これ、ちょっとまだ、午後に正式に発表されるということで、若干この時間だとフライングになってしまうのかもしれませんが、今年見直される食料・農業・農村基本計画骨子案、平成三十二年度食料自給率の目標値どのくらいに設定されているか、教えていただくことはできますか。

#86
○政府参考人(浅川京子君) 申し訳ございません、平成……(発言する者あり)令和十二年度でございますか。令和二年度、現在ということですね。(発言する者あり)

#87
○委員長(江島潔君) 指名を受けてからおっしゃってください。
 質問を再度お願いします。

#88
○石垣のりこ君 今見直しがされている食料・農業・農村基本計画の骨子案で食料自給率の目標値どのぐらいに設定されているか、教えていただけますか。

#89
○政府参考人(浅川京子君) 現在の食料・農業・農村基本計画ですが、総合食料自給率の目標は、カロリーベースで四五%、生産額ベースは七三%で設定してございます。

#90
○石垣のりこ君 それは現在値だと思うんですが、新たな、五年に一度見直されている……(発言する者あり)今見直しが掛かっている骨子案の方をお願いします。

#91
○委員長(江島潔君) 浅川総括審議官、挙手の上でお願いします。

#92
○政府参考人(浅川京子君) 申し訳ございません。
 お答え申し上げます。
 新たな食料・農業・農村基本計画におきましては、総合食料自給率ですが、カロリーベースで令和十二年度に四五%、生産額ベースで七五%ということで原案をお示しする予定にしております。

#93
○石垣のりこ君 カロリーベースでは変わらずの目標を掲げていらっしゃって、生産額ベースでは微増、七三%から七五%へ設定しているということですが、この数値目標を設定した理由と、達成するための対策として最も重要なことは何だとお考えなのか、教えてください。大臣でお願いします。

#94
○国務大臣(江藤拓君) 極めて高い目標であるということはよく分かっております。
 例えば、畜産の世界でいうと、牛一頭を見ると大体一一%しか、外国に飼料を頼っておりますから、算入することができません。ですから、飼料自給率も同時に上げていかないと、この四五%という目標を到達するのは極めて難しいと思います。
 それから、やはり国民の皆様方にも、私、最初にこの席に着かせていただいたときに、国民の皆様方に御理解をいただきたいということを何度も申し上げました。例えばスイスなんかでいうと、たとえ見栄えは余りよろしくない野菜であっても、スイスの国民は、やはりスイスの農家を支えなきゃいけないから、一割、二割高くても、周りの国から入ってきた野菜よりもそっちを手に取って買ってくださるというような状況もございます。
 そういう国民の理解と政策とがやっぱり一緒になっていかないとなかなか難しい。そのために、食育もありますし、いろんなことを多角的にやっているわけでありまして、いろんなことを申し上げるとたくさんあるかもしれませんが、この高い目標を達成することによって、やはり今ほど食料安全保障ということに焦点が当たっているときもないと思いますので、これから政策を総動員して、十年後の目標に向かって努力をしていきたいと考えております。

#95
○石垣のりこ君 かなり、まだ骨子案の段階ということもありまして、大ざっぱなちょっとお話だったかもしれませんけれども。
 昨年の臨時国会で輸出促進法を制定されまして、いよいよ輸出をより増やして力を入れていこうという流れになっておりますけれども、グラフ、御用意いたしました。
 今回、先ほど打越委員の質問の中にもありましたけれども、生産農業所得、過去最高水準ということで、これはちょっと表現にもしかしたら誤解が生じるかもしれないというような内容の御答弁が大臣からもあったかと思います。確かに過去最高水準ではあるんですが、二〇一八年度に比べると、前年よりも二〇一八年度の方が数値としては下がっているという現実がございます。
 二枚目の方で、生産農業所得の計算式、御覧いただきますと、生産農業所得というのは、この図式のとおり、農業産出額、農業総産出額、これ総が抜けていますね、農業総産出額にも大きく影響されるということが分かります。もちろん、物的経費、経常補助金がどのように変動するかによっても左右されるんですが、農業総産出額と生産農業所得というのは比例の関係にあるということがグラフからも式からも御理解いただけるかと思います。
 例えば、二〇一七年度と二〇一八年度農業総産出額比較しまして、九・三兆円から平成三十年度は九・一兆円と少し減っておりますが、例えば、この二年を比較して、減少した理由について改めて教えていただいてもいいでしょうか。

#96
○政府参考人(大角亨君) 平成三十年の農業総産出額につきましては、畜産クラスター等の事業により生産が拡大した生乳あるいは肉用牛等におきまして産出額が増加した一方、野菜において冬場の温暖な気候による生育の良好、あるいは豚、鶏卵において生産拡大による需給の緩和によりまして価格が大幅に低下いたしましたことから前年より減少したと、このように分析しております。

#97
○石垣のりこ君 生鮮野菜の方もそうですし、あと、例えば豚肉に関してなんですが、これ市場に、需要と供給の関係としては、需要よりも供給の量が多くなると一般的には価格は下がると。今回この価格が下がったのは、市場において需要よりも、この場合は国産のということになると思いますけれども、豚肉の供給量が増えたからだというような御説明であるというふうに理解してよろしいですか。

#98
○国務大臣(江藤拓君) 基本的に間違っていないと思うんですけれども、参考人がお答えしたことがですね。
 非常に畜産の世界は難しくて、例えば卵の世界でいうと、一%供給量が増えると価格はがたっと落ちます。非常に、高いと思うとやはり生産の意欲は湧く、当然のことですけれども。特に、豚とか卵の世界は、サイクルが牛に比べて極めて短いものですから、市況によって生産者の動向が大きく変動する傾向があります。価格が上がると、やはりそれを見越してたくさん増産をする、卵とか豚肉はですね。そうすると、やはり先生の御指摘のように、需要と供給の関係で価格は下がる。非常に難しい図式ではありますけれども、そういったことがこの年では起こったということだと思っております。

#99
○石垣のりこ君 例えば、豚肉の国内自給率が五割前後かと思いますけれども、市場としてはまだまだ、国産が入り込む余地というか、これ輸入をどういうふうに捉えるかにもよるとは思うんですけど、国産が入り込む余地がありつつ、やっぱりどうしても価格競争にさらされてしまうと、国産のマーケットとしてはこれ以上伸びないというような御説明を私がレクチャーを受けたりするとされる。かつ、じゃ、そのマーケットを増やしていくためには、海外に打って出るか、単価が高いものでも買ってもらえるような高付加価値のものを作っていくしかないんだというような御説明が非常に多いんですけれども、実際に、本当にそれで多くの農家にとってやっていけるのか、現実性があるのかということを考えると、甚だ疑問に思わざるを得ません。
 例えば、その高付加価値の例としてよく挙げられるのがシャインマスカットですけれども、じゃ、シャインマスカットのような付加価値のある、高くても買うようなものをそれぞれのたくさんの農家がじゃ作ったらどうなるか。高いものばかり私たちは日々三食含めて買っているわけではなくて、たまに自分への御褒美的に買ったりとか、誰かの御贈答に持っていったり手土産に持っていったりするような場合であって、ふだんの私たちの日常生活の食生活に上るような一般的な食材を作っている多くの農家の方にとって、高付加価値の食材を作っていくということ及び家族経営、小規模経営の農家の方が輸出を視野に入れて商品を、作物を作っていくということ自体の非常に困難を感じるんですけれども、その点について、江藤大臣、いかがでしょうか。

#100
○国務大臣(江藤拓君) 高付加価値化がなかなか難しい現場があることは十分承知をしております。
 例えば米の話でいうと、やはり外食の方々は、そんなに高い米ではなくて、ある程度標準的なお米でおいしいものを求めている。しかし、なかなか日本の米の生産現場は、その外食の方々に対する要望に対して十分に応じ切れていない。それは、やはり量と価格を掛けて、高付加価値の米を作った方が今のところはもうかるという図式があるからだと思います。
 しかし、これからは、やはり品種改良とか、畦畔を取ったり、中間管理機構とかいろんなものを駆使して生産コストを下げていって、やはり価格は安いかもしれないけど量が取れる、量でカバーするという部分もあるかもしれません。海外への輸出に関しても、今までは大玉のリンゴとかそういうものに非常に焦点が当たっていましたけれども、やはり大玉よりも、ふだん食べるのであれば、多少糖度が落ちても小玉の方がいいという要望も大分来ております。
 ですから、そういう日常のマーケット、国内に限らず海外に限らず、日常のテーブルに乗るようなものを作って、高付加価値じゃなければ輸出できないというようなそういう考えも捨てて、これからは国内の需要拡大にも輸出にも臨んでいく必要があるだろうというふうに考えております。

#101
○石垣のりこ君 ありがとうございます。
 また、先ほどちょっとお話にもありましたけれども、その加工野菜の部分でやっぱり輸入に頼っている部分があると。既に、例えば、すぐ食べられるような野菜であるとか業務用にすぐ使えるようなものであるとか、まだまだ国内の需要を自給でもっともっとマーケットを広げていく可能性があるということで、是非その部分にも、輸出ももちろん大事なところはあると思いますけれども、国内需要を高めて自給率を高めていくという方向にも是非力を入れていただきたいと思います。
 最後になりますけれども、一つ。
 昨年も、大雨、台風の被害などで本当に多大なる被害を全国各地受けました。そこで、国の方では、総合的な支援パッケージというのを打ち出して各対策、支援に乗り出しておりますけれども、その支援パッケージの中でよく散見されるのが、収入保険への加入若しくは共済組合の共済への加入などが義務付けられているものが結構ございます。
 昨年からスタートしましたこの収入保険なんですが、現在、これ一年単位なので、昨年末の加入状況を教えていただいてもいいですか。

#102
○政府参考人(横山紳君) 御説明申し上げます。
 令和元年の収入保険の加入状況ということでございますが、全国で二万三千経営体ということになってございます。これ、全国の農業経営体数、全体が百十八万九千経営体ということでございますので、仮にこれを分母といたしました場合は二%ということになります。

#103
○石垣のりこ君 まだまだ二%ということで、非常に少ないんですね。ちょっとここで収入保険のメリットなども御紹介いただきたいところですが、若干時間がなくなりましたので。
 青色申告が条件となっているということで入れる対象が限られているということ、また、一度使うと自動車保険のように翌年から保険料が上がるというようなところも指摘されております。もっともっと、今後の予想される大きな自然災害において、まずは国がしっかりと支援をしていくということが前提になりながらも、できる自己防衛をしていくためにも、こういう保険を、もっともっと加入の対象を広げていけるような方向で考えていただければと思います。
 時間になりましたので、食料・農業・農村基本計画の話をもっとしていきたかったんですが、これ五年に一度の見直しということになっておりますけれども、この度の新型コロナウイルス感染症の影響も更に大きくなっていくことが予想される中で、しゃくし定規に五年に一度ということではなく、社会情勢に合わせてやはりその都度、今後の日本の農業を本当にどうしていくのかということをその都度しっかりと、現状のデータなどを参照しながら見直していくということを是非していただきたいということを申し上げて、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#104
○徳永エリ君 皆さん、お疲れさまでございます。国民民主党の徳永エリでございます。
 私、先ほどから大臣の御答弁に感銘をいたしております。家族経営農業は大事なんだということ、それから、他府省に比べて農林水産省の人員削減、これ本当に著しくて、大変に大きな問題になっているということもしっかりと御認識いただいている、そして、農業予算足りない、もっとあればやれることがたくさんあるんだと。ここに欧米型の直接支払の検討と食の安全、安心を加えていただければ完璧でございますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さて、新型コロナウイルスの感染に関する影響についてお伺いしたいと思いますが、専門家会議がこの一、二週間が瀬戸際なんだということをおっしゃっておりまして、これを受けて、政府は様々な自粛要請などをしたわけであります。ところが、昨日でちょうどその二週間になったわけでありますけれども、専門家会議が十九日までは自粛を続けていただきたいと、継続をしてほしいというふうに会見でおっしゃいました。そして、新型コロナウイルスは暖かくなったからといって収まるものではないと、あと数か月、半年、越年するかもしれないという、長期化の可能性を示唆されました。
 やっぱりホテル、それから旅館、飲食店、こういうところのキャンセルが相次いで、インバウンドも来ない、地元の人たちも外出自粛して来ない、そういう中で料理を提供する、料理の材料となる農畜産物、この需要がどんどん低下していっていると。この先が見えない状況の中で、本当に農家の皆さんは大きな不安を抱いていると思うんですね。
 そこで、今後更なる価格の下落ということも予想されるわけでありますけれども、対策、支援について今の段階でどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

#105
○国務大臣(江藤拓君) 農林水産品は多種多様にわたっておりますので、それぞれのものについて細かく見なければならないというふうに思っています。
 価格動向についての表もいただきまして、今見させていただきましたが、牛の値段も、それから枝肉の値段も下がっておりますし、なかなかこういうことであると、在庫も積み上がっておりますし、昨日テレビを見ておりましたら、兵庫の方の神戸牛のレストランが半額で提供するというようなことも報道されておりました。
 ですから、今どういうことを考えているのかというのはあります。物によってはありますが、ただ、これについては、やはり財務当局としっかり話をして、金額を積み上げてしっかり出さないとまずい部分がありますので、しっかりやらせていただくということでしばらく預けていただければと思いますが。
 ただ、総理が、これまでの前例に縛られずにしっかり対策を各省練るようにというお言葉をいただいておりますので、その言葉を体して、もう思い切ってやらせていただこうということで、今朝も、次官それから官房長を呼んで、これまでのこと、今までやったこともないことも考えようじゃないかと、そんなことまでやるのかと言われてもトライしようじゃないかという、そのスタイルというか姿勢で臨んでいこうというふうに今は考えております。

#106
○徳永エリ君 安心につながる支援を是非ともお願い申し上げたいと思います。
 皆さんのお手元に配付いたしました最近の主要農水産物の価格動向について御覧いただきたいと思うんですが、今日はコサージュを配っていただきましたので、この花卉についてお話をさせていただきたいと思いますが、この資料には、三月二日の時点でバラが一本九十一円、平年比で一三%安、ガーベラが一本当たり二十七円で、平年比で十八円安というふうになっておりますが、昨日、実は北海道の岩見沢の花卉生産者の方々とお話をさせていただきました。
 結婚式のキャンセルが相次いでおりまして、洋花の需要が激減しているということなんですね。今の時期はバラ、ガーベラ、アルストロメリアなどなんですけれども、平均価格の三割落ちで、この大臣も胸に挿しておられますバラに至っては、もう五割も価格が下がっているということなんですね。これ以上価格が下がったり出荷制限が掛かるというようなことになれば、経営への影響は相当に大きいということなんです。
 花卉の農家の方々って、これまで災害に遭っても、その時期だけのことなので自己責任のような感覚で対応してきたということで、余り支援策ってないんですよね。収入保険に関しても、入っておられる方もおりますけれども、入っておられない花卉農家の方もたくさんいるんですよ。
 そこでお伺いしたいんですけれども、花卉生産者の収入保険への加入状況、今どうなっているでしょうか。

#107
○政府参考人(横山紳君) 令和元年の実績で申し上げます。
 全国では二万三千の経営体の方が加入をされていますが、このうち花卉農家の方は千二百七十七経営体ということになります。花卉農家の方々、二〇一五年のセンサスによりますと五万八千経営体ということでございますので、収入保険に加入されている方は二%程度ということになります。

#108
○徳永エリ君 僅か二%なんですよ、大臣。
 こういうことがあったときは、ある意味、加入を進める機会にもなりますので、しっかりと、今まで考えてもいなかった事態が今回起きたわけで、これからだって起こる可能性がないとは言えませんので、いざというときのための備えということで、是非とも、この収入保険への花卉農家の加入の促進、働きかけをしていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 全額補填というわけにはいきませんけれども、ある程度の収入減少分は補填されるわけでありますから、収入保険に入ることが安心につながると思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それから、飲用乳の需要の減少についてお伺いしたいと思いますけれども、都府県の生産基盤が弱体化しているということで、生乳の生産量が減少していると。北海道から飲用乳、平成三十年度は五十万トンぐらい都府県に移入しているんですね。
 今この五十万トンがどうなっているんだろうかということと、それと、都府県でも、ふだん動いていない工場のラインを動かして、今、バターとかホエーとか、飲用乳を加工用に仕向けて、フル稼働でこの処理に当たっているということですけれども、それでも、なかなか人を確保できないとかいろんな事情があって、ある意味、余った生乳を、これを北海道の加工工場に逆に移入させるというようなことが起こり得るんじゃないかということを北海道の生産者の方が心配しているんですけれども、北海道から都府県に行っていた五十万トン、それから、今後、工場の処理能力によっては北海道で処理しなければいけなくなるんだという懸念、これに関していかがでしょうか。

#109
○国務大臣(江藤拓君) 御質問をいただいて聞き取りをいたしましたが、今のところそのような心配は多分ないだろうということでありますが、もうちょっと精査をさせていただきたいと思います。
 北海道でも、チーズ工場なんかがあって、まだ稼働率が五〇パーぐらいしかないので、横持ちとかそういう金は掛かるかもしれませんが、北海道にも処理能力はありますし、また、都府県においても、東日本に三か所、西日本に四か所あります。都府県の分だけ見ると、これがフル稼働しても大分まだ処理能力に余裕がありますので。
 そこで、人員のお話を今されました。もしかしたらそこで罹患された方が出て、もしかしたら工場の稼働率が落ちているというようなこともあるかもしれませんので、その点については、ちょっと委員会午前中終了次第、調査を掛けたいと思います。

#110
○徳永エリ君 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いいたします。
 北海道では、昨年の三月の道内の給食用牛乳の製造量は九百六十二トン、道内百五十か所以上の加工工場で給食用牛乳をバターや脱脂粉乳など加工に回す量を増やすことで、今のところは大きな影響は出ていないということでありますけれども、三月、四月は、例年でも、春休みということがありまして、生乳需給の縮む時期であります。さらに、今回のような突発的事例によって、道外に移出、出荷していた分がだぶつく、また、都府県の生乳を引き受けることになると、需給バランスが崩れ、不安定要素が積み増すと、生産者は大変心配しているんです。
 北海道の酪農家は、二〇〇六年に脱脂粉乳の在庫が八万トンを超えまして、処理できなかった生乳九百トンが廃棄、廃乳に追い込まれたという経験をしているんです。乳牛の数も減らすという厳しい減産を強いられました。
 脱脂粉乳の在庫が二〇一七年に輸入を増やしたことによって積み上がっているということは私も聞いていたんです。現状がどうなっているのか、ちょっと心配しています。生産調整ということになると、経営の生死を分かつような生産枠を押し付けられるということ、こういうことが二度とあってはならないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

#111
○国務大臣(江藤拓君) そのような事態は絶対に起こしてはならないと思っております。
 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、脱粉が出ることによって行き場がなくなる、だぶつくということが容易に想像されますので、これをどういう方向に仕向けて、これを、まあ処分という言い方は食べ物ですから駄目ですけれども、出口を見付けていくかということも大事な宿題でありますので、これも、今日中にはっきりしたことを申し上げさせていただきたいと思います。

#112
○徳永エリ君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 そしてもう一つ。
 また、飲用乳の減少によって令和二年度の加工原料乳が大幅に増加した場合に、加工原料乳生産者補給金の交付対象数量が三百四十五万トンを超えまして、交付対象外数量が発生するのではないかと、こういったことも懸念されているわけでございます。万全の対策を講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

#113
○国務大臣(江藤拓君) かつて、交付単価については期中改定を一回だけやったことがございますが、数量についてはまだ改定を期中でやったことはありませんけれども。
 今は断定はいたしませんが、そういうことも含めて検討させていただきたいと思います。

#114
○徳永エリ君 これ、全て生産者の声でございますので、是非ともしっかり対応していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に行きたいと思います。
 国土交通省にお伺いいたします。今日は和田政務官にお越しいただきました。ありがとうございます。
 国土交通省は、今月下旬の予定で、近海中規模漁船の海技士の乗組み基準の見直しを省令で行おうとしています。具体的にはどのような省令改正になるのか、御説明ください。

#115
○政府参考人(磯野正義君) お答え申し上げます。
 今般の省令改正におきまして、総トン数二十トン以上八十トン未満でありまして、その出力七百五十キロワット未満のエンジンを有する漁船でありまして、かつ国土交通大臣が告示で定める基準に適合するものと認められる長さ二十四メートル未満の船舶につきまして、小型操縦士による航行を認めることとする所要の改正を行うものでございます。

#116
○徳永エリ君 随分あっさりした説明でございました。
 総トン数二十トン以上、長さ二十四メートル未満の漁船については、これまで、船長及び機関長の職務を担う船舶職員として航海士、機関士各一名ずつ二名を乗り組ませなければならないとしていましたが、昨年六月に閣議決定された規制改革実施計画において、安全の確保を前提に、必要となる措置等を検討した上で、近海百海里以内を操縦する中規模漁船について、小型船舶操縦士一名の乗船による航行を可能とする旨の法令改正を行うということであります。
 これは規制改革推進会議案件なんですね。平成三十年六月の規制改革推進会議において、近海を操業する中規模漁船の機関の業務内容について、国土交通省と水産庁が協力して調査を行い、その結果及び今後の技術の進展に係る調査の結果を踏まえて、安全航行の確保を前提に、必要とされている海技資格の在り方について検討するということとされていました。
 今の漁船の状態では無理だということで、その上で、漁船の海技士の資格について見直す必要はないということになっていたんです。しかし、現在の漁船の実態の調査は重要であるということから、調査だけはすることになっていたんです。
 平成三十年の十月に、実態調査結果及び今後の技術の進展に係る調査の結果を踏まえて、安全航行の確保を前提に、必要とされる海技資格の在り方について検討することを目的とした第一回近海を操業区域とする中規模の漁船に関する資格制度のあり方に関する検討会が開催されました。やはり安全性の観点から議論は平行線をたどりまして、令和元年十二月まで計八回、この近海を操業区域とする中規模の漁船に関する資格制度のあり方に関する検討会が開かれましたけれども、取りまとめには至っていなかったんですね。にもかかわらず、パブコメを行って、今月末には省令で、先ほど申し上げたような内容に改正するということであります。
 そこでお伺いをいたしますが、和田政務官、なぜ見直しをしなければいけないんでしょうか。

#117
○大臣政務官(和田政宗君) これは、規制改革実施計画、令和元年六月に閣議決定されたものにおいて、安全の確保を前提に、必要となる措置などを検討した上で、小型船舶操縦士一名の乗船による航行を可能とする旨の法令改正を行うことが決定されたものでございます。
 そして、近海中規模漁船を小型船舶操縦士により航行できることとすることにより、今後、二十トン未満である小型漁船が代替建造される際に二十トン以上の漁船への大型化が図られ、船内の居住環境の改善につながることが期待をされます。
 実際、近海中規模漁船は、小型漁船と同様に、ブリッジにおいて操船とエンジンの操作を一人で行うことができる構造になっています。また、小型漁船と同じ型式のエンジンを搭載していたり、長さや幅といった点でも小型漁船と大きく変わらないものが多いのが現状です。さらに、近海中規模漁船は、その操業実態からして僚船から様々な支援を受けやすいという特徴もございます。
 このため、一航海の日数の上限等の要件を設けるとともに、小型船舶操縦士に一定の講習の受講を義務付けることにより安全の確保が可能であると判断し、小型船舶操縦士の乗組みによる航行を可能とすることとしたものです。
 具体的には、船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則を改正し、近海中規模漁船を小型船舶に含めることとする予定です。

#118
○徳永エリ君 皆さんには、配付いたしました資料の四枚目を御覧いただきたいと思います。
 これ、平成三十年十二月二十一日、第二回の規制改革推進会議水産ワーキング・グループに水産庁から出された資料なんですけれども、「近年の漁業界における海技士不足(特に機関士)の状況に鑑み、漁船についても、プレジャーボートと同様に、小型漁船の定義を二十トンから二十四メートルに改正し、小型船舶操縦士での操縦が可能となるようにしてほしい。」という、これは船舶の所有者、船主からの要請でもってここまで来たということでありますけれども、農林水産委員の皆さんは御案内のように、規制改革推進会議に突然規制改革の案件がぽんと出されると、一応その関係者からのヒアリングを行ったり、あるいは水産庁からのヒアリングを行ったりします。そしてパブコメもやります。でも、その議論の中身はほとんど反映されずに、最初に出てきたまま決まってしまうと、そもそも結果ありきということはよく御案内だというふうに思います。
 水産庁にお伺いしたいんですけれども、そもそも、二〇一七年の水産基本計画では海技士等の人材の育成、確保、水産教育の充実を目指しており、乗組み基準の見直しなどは水産庁としては検討するつもりはなかったんじゃないんですか。

#119
○政府参考人(山口英彰君) お答えします。
 二〇一七年の水産基本計画策定時におきましては、特に海技士の不足が深刻化していることを踏まえまして、関係府省が連携して海技士育成のための新たな仕組みについて検討するということが記載されたところでございます。
 一方で、二十トン以上二十四メートル未満、かつ二十トン未満漁船と同海域、これは百海里未満でございますが、で操業する漁船、いわゆる近海中規模漁船につきましては、厳しい漁業経営や海技士不足から、二十トン未満の小型漁船に移行する傾向もあったわけでございます。本検討では、この海技士の乗組み基準を見直すことによりまして、海技士が不足することで中規模漁船での操業が困難となる、こういった事態を防ごうということで対応したものでございます。
 この点、水産基本計画では、持続的漁業の確立という観点がございます。この漁船の安全性向上や居住環境の改善についても記載をしているところでございますので、本検討は水産基本計画にも沿ったものと考えております。

#120
○徳永エリ君 乗組み基準の見直しは、安全の確保を前提に、必要となる措置等を検討した上でとしているんですけれども、船の操縦や船員の指揮を執る航海士の仕事と、エンジンやボイラー、発動機などを扱い、正常に作動しているか監視する機関士の仕事とは全く違うものだと思います。誰でも簡単に取得できるような小型船舶操縦士の資格で両方の仕事を一人で担わなければならないというだけで、安全性の点で大きな問題があるのではないでしょうか。安全性の確保はどのように行うんでしょうか。

#121
○大臣政務官(和田政宗君) 御指摘のとおり、安全性の確保というのは極めて重要なところでございます。
 近海中規模漁船でございますが、小型漁船と同じ型式のエンジンや同等のメンテナンスで足りるエンジンを搭載していたり、長さや幅が小型漁船と大きく変わらないものが多いというのが現状でございます。また、近海中規模漁船は、その操業実態からして、僚船から様々な支援を受けやすいという特徴もございます。
 この上で、一航海の日数の上限や適切な見張りの確保といった要件も設けるほか、船長となる小型船舶操縦士に講習をしっかり受講していただくことにより安全性を確保できるものと考えております。

#122
○徳永エリ君 なかなかその船主の要望どおりにするのには無理があるんでしょうね。
 総トン数二十トン以上八十トン未満であって出力七百五十キロワット未満の推進機関を有する長さ二十四メートル未満の漁船を特定漁船として小型船舶の定義に新たに含めることになったわけであります。
 そして、今、講習の話がございましたけれども、講習の内容なんですが、小型船舶操縦士として有していない知識、能力であって、近海中規模漁船の取扱い、非常時の措置、関係法規など、近海中規模漁船の運航に必要な内容に限定をすると、学科と実技の講習を行うということでありますけれども、これ、昨日国交省に伺ったら八日程度の講習というお話があったんですが、水産庁に聞いたら相当もっと長い話をしていて、ここもどうもまとまっていないようであります。この講習も、これまで以上に厳格な講習にしなければ、安全性はとてもではありませんが担保できるものではないと私は思っております。
 平成二十九年海難の現状と対策によれば、船舶事故隻数の内訳は、二十トン未満のプレジャーボートが九百二十四隻、全体の五九%であります。漁船は三二%となっていまして、全船舶の七割超を占めています。しかし、総トン数二十トン以上五百トン未満の漁船は四十四隻、僅か二%にとどまっているんですね。乗組み基準に従って有効な海技免許を有する海技士が乗り組んでいるからこそ安全性が確保されているのではないでしょうか。
 新たにこの小型船舶の定義に含まれる特定漁船の海技士の乗組みをプレジャーボートと同じ小型船舶操縦免許への基準に引き下げるということは、危険な漁船の運航につながり、とても安全を確保できるとは思えませんが、水産庁長官、単に人員不足の解消、二十トン未満の漁船を大型化したいからといって、船舶所有者の意見だけ聞いて、現場で働く乗組員の意見を聞かずして、こんな省令改正をほとんどの人が知らないうちにやってしまって本当に大丈夫なんでしょうか。

#123
○政府参考人(山口英彰君) 今回のこの見直しにおきましては、水産庁では調査を行ったところでございます。調査の結果、近海中規模漁船については五十九隻が該当するということになったわけでございます。
 今回のこの見直しの中では、乗組員が小型船舶操縦士の追加の講習を受けなければいけないということになりますので、こういう受講希望について船主を通じてアンケート調査を行ったところでございます。この結果、回答のあった乗組員の約七割から受講希望があったということでございまして、多数の乗組員もこういった規制緩和が行われていることは周知されていると考えております。

#124
○徳永エリ君 パブリックコメントなどを拝見いたしましたけれども、大変に心配する声が寄せられております。そして、現場関係者からもずっと、こんな問題のある規制緩和はやるべきではないということは、水産庁も国交省もヒアリングの段階でよく聞いていると思います。こういった現場の声は反映されることはないんでしょうか。

#125
○政府参考人(磯野正義君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、制度を改正した後の安全確保というのは非常に重要な点でございます。
 そのため、委員御指摘のとおり、これまで我々は検討会を都合八回開催してまいりまして、安全確保の基準を策定してまいりました。その考え方に従って十分近海中規模漁船の航行の安全が図られるよう、講習を適切に実施するなど、しっかり対応してまいりたいと思います。

#126
○徳永エリ君 今のやり取り、聞いていただきました。大臣はこのことを御存じでしたでしょうか。そして、聞いていただいて、大丈夫かなと恐らく思ったんじゃないかと思いますが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。

#127
○国務大臣(江藤拓君) 私も、二級の船舶免許を持っておりますので、海技士ではありませんけれども、やはり一人で海に出ることの危険性とかいうのもある程度は分かるつもりであります。もうちょっと詳しく、役所に戻ったら、こちらも呼んで、水産庁の方からも話を聞いて、ちょっとこれは勉強しないとなかなか申し上げられませんが。
 いずれにしても、規制改革を行うことによって操業の安全性が損なわれるということは、これは決してあってはならないことであるというふうに思っています。

#128
○徳永エリ君 二十トン未満の漁船が、今、五十四隻ぐらいでしょうか、対象になる漁船があるというふうに聞いておりますけれども、もっとありますか。(発言する者あり)いやいやいや、その下の。
 要するに、これから老朽化した漁船などを更新していくときに大型化をしていくというのが水産庁の方針だと思います。これが、十九トンぐらいの船が二十トン以上になったときには航海士と機関士が必要になるわけです。ところが、今、航海士と機関士が少ない、人員がいないから、何とか規制緩和をして、一人乗れば全部できるようにしたいと、こういう考え方が背景にあるんだというふうに思います。
 いずれにせよ、省令で近海中規模漁船の海技士の乗組み基準の見直しが行われる規制緩和は実施されますけれども、特定漁船の小型船舶操縦者としての限定免許を取得する要件や、それから講習の内容などについては、安全を確保するという観点から、相当これは厳格な内容にしていただきたい、是非検討していただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
 これ、やっぱり現場の人はよく分かっていますから、危険性を。航海士や機関士が乗っていない船に普通の甲板員が乗りますか。命の問題ですから。そんな危ない船には俺は乗らぬということになったら本末転倒ですから。ここはしっかり検討していただきたいということを心からお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございます。

#129
○委員長(江島潔君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ─────・─────
   午後一時二十分開会

#130
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、農林水産に関する調査を議題とし、令和二年度の農林水産行政の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#131
○塩田博昭君 公明党の塩田博昭でございます。
 今日の大臣所信でございますが、まず、やはり新型コロナウイルスの感染症の拡大についてお話を先に聞かせていただきたいと思います。
 今、外食産業は大きな影響を受けております。各家庭におきましてもやはり外食を控えておったり、仕事においても各種大小の宴会が延期又は中止されるなど、自粛が続いております。さらに、外国人観光客の激減がそれに拍車を掛けておりまして、外食や土産物の需要が著しく減少し、この影響で農畜産物の消費量が減少しております。
 中でも、和牛については、海外輸出や国内消費の増加に対応するため牛の増産を推進し始めたところでございますが、新型コロナウイルスの影響によりまして、特に、インバウンドによって需要が下支えされておりましたA4ランク以上の高級和牛は価格が大幅に急落をしております。JAグループの直営飲食店では、二月から三月の売上げが通常の七割程度に落ち込むという見通しもあります。加えて、インバウンドは中国や韓国の方が大多数を占めていたわけですが、三月五日に総理が発表した方針によりまして、入国前に十四日間の待機が課せられることにより、ますます日本を訪れる外国人観光客の減少が今見込まれております。
 そこで、和牛の価格急落に対する当面の資金繰り対策など、経営支援の措置が必要だと思います。農林水産省として、この価格急落の原因をどのように捉えて、生産者への支援、どのような対処を検討しておられるのか、見解をお伺いしたいと思います。

#132
○大臣政務官(藤木眞也君) お答えいたします。
 先生御案内のとおり、和牛の枝肉価格は、暖冬による鍋需要の減少などにより、昨年の十二月から、一昨年の水準よりも低い水準で推移をしてございます。今回の新型コロナウイルスの発生に伴うインバウンド需要の低下、消費者の外出控えによる外食需要の減少により、更に価格が低下している状況にあるところでございます。
 肥育農家の経営安定対策としては、肥育牛一頭当たりの標準的販売価格が標準的生産費を下回った場合にその差額を補填する牛マルキンを措置しておりますが、この牛マルキンについては、一昨年十二月のTPP11協定の発効に伴い制度を法制化し、補填率を八割から九割に引き上げ、充実を図ったところでございます。
 農家への当面の資金繰りについてでございますけれども、二月の七日付けで、日本政策金融公庫に対し、既存の債務の返済猶予等を要請をしてございます。また、今回の和牛の枝肉価格の低下に対する緊急対策として、農林漁業セーフティーネット資金などについて実質無利子化、実質無担保貸付けとする方向で資金繰りの支援を検討しているところでございます。
 今後とも、枝肉価格を注視していくとともに、肉用牛肥育農家の皆さんの不安を払拭し、意欲を持って経営に取り組んでいただけるように支援してまいりたいと考えてございます。

#133
○塩田博昭君 生産者の不安を払拭していただいて更に営農に頑張っていただけるように、更なる支援をお願いをしたいと思います。
 次に、需要が激減をしております花卉に対する具体的な支援につきまして、今日午前中にも質問がございまして、大臣からも答えていただきました。ただ、大変大事なことでございますので、私の方からも重ねて質問をさせていただきたいと思います。
 この三月は、学校の卒業式、また結婚式などのイベントが相次ぐ中止になっており、また、様々な式典も中止、延期をされております。需要期であるこの三月、花卉の販売額が大きく減少していることは午前中の議論でもあったとおりでございます。今日の委員会でも、まさに大臣の御配慮で、この花を私も胸に付けて質問をさせていただいておりますけれども、こうした一つ一つの小さな取組が大事であるというふうに私も思っています。
 牛乳のように生乳から加工乳へと用途変更ができる、こういう場合はまだよいのですが、花卉の場合は、やはり転用、他目的への活用が難しい、そこで何らかの支援策が早急に必要であるということで、午前中の議論もあったかと思います。
 三月五日に衆議院の農水委員会で我が党の濱村議員の質問に対しまして伊東副大臣が言及された需要喚起策の一つといたしまして、ホワイトデーに花を贈ろうという提案には私も大賛成でございます。また、六日の金曜日に江藤大臣から、農林水産省として花いっぱいプロジェクトを打ち出しておられます。
 東京大田区にある大田市場の花卉部門は、日本全国や世界各国から花が集まる日本一の市場でございます。電光表示板を使って端末で応札をする機械競りシステムを導入し、日本中、また世界中から花卉を仕入れて、花屋さんやスーパーなどの店舗に様々な花を卸しております。今では、ほとんどの花卉市場がこの機械競りシステムを導入をしているそうであります。また、花の販売は、実際の店舗だけではなく、ネット上でも多くのショップが存在をしておりまして、私自身も、そのネットショップを利用いたしまして実家の母にカーネーションを贈った思い出がございます。
 そこで提案でございますが、やはり花卉類の卸の段階から一定のシステムがあり、消費者向け販売でもネットが活用できるということは、何らか工夫をすればかなりの需要バランスが調整できるという可能性があるのではないかというふうに思います。それに加えて、残念ながら東日本大震災の追悼式は中止となりましたが、例えば、国民一人一人が追悼の気持ちを表す、伝える手段の一つとして被災地に花を贈ろうであるとか、休校で学校に行けない子供たちが集う、感染症のリスクの低い例えば公園であるとか運動広場などにも自治体が花いっぱい運動をできるような、そういう取組もあるのではないかというふうに思います。
 私も花が大好きでございまして、事務所には季節ごとの様々な花を飾ってございます。私が言うまでもなく、花は、人の心を癒やし、励ます力があります。また、明るい希望をともすこともできるのではないかというように思います。
 そこで、大臣のリーダーシップによりまして、更なるSNSの活用であるとかネット上でポータルサイトに広告を打つなど、花いっぱいプロジェクトを更に拡大した取組に期待をしております。更に具体的にできることがないか、大臣から更に発信をしていただきたいと思います。いかがでございましょうか。

#134
○国務大臣(江藤拓君) 塩田先生の方から、やるべきことはしっかり網羅していただいたと思います。お一人お一人がそういう気持ちを持って、お花についても関心を持っていただきたいと思います。
 日本は、本当にお花を贈ることに対して照れがあったり、それから、ヨーロッパに行くと、本当に角を曲がるとお花屋さんが普通にある国もたくさんありますが、日本は花屋自体が少ない、そして、花に対して高いという誤ったイメージがあるというふうに思います。ですから、この機会に是非御購買をいただきたい。それには、ネットも必要ですしSNSも必要です。
 あらゆる方策も考えますが、私は、一応役所を預かっておりますので、野菜価格安定制度のようなものがありませんので、すき込めといったってそうもいきませんし、廃棄しなきゃならないということは、こんな切ないことはないので、自治体の方に呼びかける話は先ほどさせていただきましたけれども、何とかしたいという気持ちは強く持っております。
 ですから、これから先、なかなかその全てのものの行き先を見付けることは難しいかもしれませんが、切り花だけではなくて、先ほどのコチョウランのお話とかもありましたし鉢物もありますので。そういう状況を私が聞いたところでは、価格は三割安だけれども、元々引き自体が七掛けしかないと、七掛けに対して価格が更に七掛けということになると、もう半額、半分しかないと、大体四九%ということになりますので。
 そういう現場の状況もしっかり踏まえて、できることはちゅうちょせずに何でも挑戦したいと思っています。実際に、メディアを使った広報活動も今考えておりますが、具体的になったらまた発表させていただきたいと思います。

#135
○塩田博昭君 今大臣がお答えいただいたように、さらに、花卉はやはり人の心、また社会を明るくする大事なものであるというふうに思っておりますので、できることを具体的に始めていっていただければ有り難いと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 そして、今はまだ日々国内の感染者は増加をしておりますが、幸いにも、まだ農業従事者や加工業者などからの感染者は出ていないというふうに聞いております。農林畜水産物は、言うまでもなく、人々が直接口にするものですから、他の業種よりも感染者が出た場合は影響も大きいというふうに思われます。そこで、今から万全の対策を検討すべきであるというふうに考えます。
 例えば、農家が感染した場合の出荷のルールの制定、また、関係者で感染者が出た場合の選果場、加工場の運営の在り方、流通への影響シミュレーションなど、万が一農業関係者から感染者が出た場合、各現場でどのように事業継続を行うのか、ガイドラインの策定や周知の仕方についてお聞かせいただきたいと思います。

#136
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 ガイドラインの策定についての御質問をいただいたわけでございますけれども、八日から、伊東農林水産副大臣とサポートチームを北海道に派遣をいたしまして、現地対策本部を設置をいたしたところでございます。現地対策本部では、関係者との意見交換を通じて、酪農を始め大規模畑作、水産業及び卸売市場等との事業継続のためのガイドラインを作成することといたしております。
 このガイドラインを我が国全域に横展開することとしておりますが、具体的には、地方農政局や関係団体を通じて現場に周知することとしております。多くの生産者や流通業者の方々が抱いている不安の解消の一助になるものと、このように考えております。

#137
○塩田博昭君 本当に取組はよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、昨年の台風被害への取組についてお伺いをしたいと思います。
 昨年十月に日本に大きな被害をもたらしました台風十九号から、はや五か月が経過をいたしました。近年は、五十年に一度、そして百年に一度という自然災害が毎年のように日本を襲っております。
 こうした自然災害に対して、公明党は、党内に新たな防災・減災・復興政策検討委員会というのを立ち上げまして、防災・減災、復興をやはり政治、社会の主流に押し上げなければならないと、こう考え、新たな政策を立案するための取組を開始をしております。
 まず、台風十九号など近年の災害について、復旧の進み具合や被災者救済のために新設された制度や施策などの検証作業を今進めております。私も、同検討委員会の事務局長としまして、千葉県館山市や岡山県倉敷市真備町など、改めて現地調査に赴きまして、今後の課題などを探っているところであります。
 また、私自身も、この台風十九号の検証作業をするために、昨年十月末に伺った栃木県の佐野市にも、再度この三月四日に行ってまいりました。同市を流れる一級河川の秋山川が台風十九号で決壊をいたしまして、市内の田島町は農道も水路も大幅に崩れ、田畑やイチゴ農家のハウスに大量の土砂が流れ込んだ被災地であります。特産のスカイベリーの第一人者であるイチゴ農家の方は、幸いにも収入保険に入っておりまして、全滅をしたスカイベリーの営農再開に向けて準備を進めておりました。そこで、現場で聞いた声をできる限り率直にお伝えをしたいというふうに思います。
 まず、その収入保険ですが、先週の段階で、いつ支払われるのかが分からない、さらに、何割まで補償されるのか聞いていない、担当の窓口に聞いても明確な返事がないというような訴えをお聞きいたしました。その方は、昨年末に収穫を予定していたスカイベリーが全滅をしましたので収入がゼロ、収入保険が支払われるまでの生活費として、つなぎ融資を受けて何とか年を越すことができましたけれども、苗の栽培、ハウス内の暖房機の修理、土壌の消毒など、本格的な営農再開に向けて準備を進める中で、いつまでに幾ら支払われるのかが分からないとそろそろ資金が底をつくと、このような状態でございました。
 そこで質問したいのは、まず、昨年の台風被害を被った農家の中で、つなぎ融資を活用した実績について教えていただきたいと思います。その上で、収入保険の支払のタイミングであります。資料によりますと、支払は確定申告後、三月から六月という幅があるようですが、農作物の収穫時期から逆算をいたしますと、その四か月間というスパンは余りにも長過ぎるのではないかと思います。
 一般的に、収入保険の保険金支払は一体いつ頃になる予定なのか、申請してからどれぐらいで支払われるのかをお答えいただきたいと思います。

#138
○政府参考人(横山紳君) 収入保険についての御質問をいただきました。
 まず、収入保険でございますけれども、それぞれの農業者の方々の収入、これを確定をする必要がございます。そのため、確定申告をしていただいた後、青色申告実績を基にして保険金を支払うと、こういった手続になります。今、まさしく個人の方であれば、ちょうど確定申告をされているところかと存じます。そうやって確定申告をしていただいた上で保険金の請求をしていただきますと、いただいてから一月以内にお支払をいたします。したがって、早めに申告をしていただいて早めに、何といいますか、申請を出していただけると、それだけ早くお支払をすることもできると、こういう仕組みでございます。
 他方で、委員から御指摘のありましたように、もちろん、その事故自体はもっと前の段階で起こっておりますので、当座の資金がないということ、これはあり得る話でございます。そういうものへの対応につきましては、実施主体であります全国農業共済組合連合会が無利子でつなぎ融資を行ってございます。その実績でございますけれども、令和二年二月末現在で七百三十一件、融資額としては約三十三億円ということになってございます。
 また、委員から御指摘ございました、現場で問い合わせてもなかなかいい返事がなかったということにつきましては、我々としても、全国農業共済組合連合会あるいはその委託先の農業共済組合にきっちりと指導してまいりたいと思います。

#139
○塩田博昭君 やはり昨年の台風被害でつなぎ融資を受けて今生活をされておられますので、そういう意味では、次どうなっていくのかということがやはり不安の材料になっておりますので、今御答弁いただいたように徹底をお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そして、佐野の後に栃木の足利市のアスパラ農家のハウスにも行ってまいりまして、名産のあしかが美人を数十棟のハウスで栽培をしておられる農家で、被災時にハウス自体の損傷はほとんどなかったんですが、その中はもう土砂で完全にやられてしまっていた、このような農家でございました。ですが、昨年十一月八日に発表された対策パッケージによりまして、こういう活用をしていただいて、見事に営農を再開されておりました。朝取りのアスパラの直売所ももう再開をされていた、このような状況でした。
 ところが、そこから車で十分ほど移動いたしました佐野市の田畑に行きますと、崩れた農道ののり面は表向き修復されているんですけれども、すぐ横にある田畑の中にはいまだ大きな石がもうごろごろ転がっている状況でございました。素人の私が見ても、とても稲作が開始できる、このような状況ではございませんでした。さらに、水田の用水路と排水路のU字溝には土砂が覆いかぶさったままでございまして、中には、U字溝そのものが田んぼの中に転がって、田んぼの中央にU字溝が転がっている状態、このような状況でありました。春から初夏の田植に向けまして、一体いつ水路が使えるようになるのか、水が来なければ田植が始められないと、何も分からない中で不安でしようがないという、このような農家の悲痛な声を伺いました。
 ここだけではなく、各地で多くの河川が氾濫をして多くの農地が打撃を受けた台風禍でありましたので、当然、それ以外にも、果樹なども含めて、営農再開に向けた農地等の復旧状況について、さらに、現時点において今なお農地復旧などが遅れ、田植、稲作ができないような地域への対策についてお伺いをしたいと思います。

#140
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 台風十九号等では、農地や水路等に甚大な被害が生じたところでございます。農家の営農意欲を失わせないためにも、被災した農地、農業用施設を復旧し、早期に営農再開することを極めて重要なことであると考えております。
 災害復旧事業で復旧する約三千八百ヘクタールの農地については、一月末までに査定を完了をしまして、順次工事を発注しておるところでございます。二月末時点で三三%発注をしております。このうち約九百ヘクタールの樹園地については、三月末から行われる防除に支障がないよう復旧する予定でございます。
 一方、二千百ヘクタールの水田のうち作付けまでに復旧が難しい水田については、市町村等に対しまして仮畦畔や仮設ポンプの設置などの応急仮工事の実施を指導して、でき得る限り営農できる農地を確保することといたしておるところでございます。また、復旧が間に合わずに水稲の作付けが困難な場合でも、大豆やソバなどの水稲以外の作物を作付けすることによりまして、水田活用直接支払交付金等による支援が可能となってきます。
 引き続き、都道府県や市町村等と連携をしながら、農家に周知を図りながら、でき得る限り早期に営農再開ができるように、必要な支援を行ってまいる所存でございます。

#141
○塩田博昭君 あれだけ大きな台風の災害でございましたので、それでも営農再開に向けた工事発注が三三%程度ということで、本当に不眠不休で現場では頑張っていただいているというふうに思っております。更に一刻も早い対応をまた切にお願いをするものでございます。
 次に、米の収穫後に浸水をいたしました米の救済について御確認をさせていただきたいと思います。
 江藤大臣は、被災当時、農業者の方が次期作付けに向けて歩き出すのを全力でサポートすると力強く訴えていただきました。
 昨年十一月七日、政府が対策パッケージを発表する前日、私、質問をさせていただきまして、大臣は、収穫後、保管してあった米が浸水した場合でも、営農再開に向けた経費として期待に応えるように努力をすると、助成を決断する趣旨の答弁をしていただきました。さらに、大臣は、自主的に廃棄した米についても、確認が可能ですので、もう捨てちゃったから諦めるということではなくと、このような、助成の対象にするとまで言及もしていただきました。その後、全体の対策パッケージで、十アール当たり七万円を支援すると、収入保険や共済に加入することが要件になる等の発表がされたところであります。この大臣が英断された助成について確認をしたいと思います。
 まず、この事業内容はどのように関係各所に周知徹底をされたのか、次に、全国で申請はどれぐらいあったんでしょうか。そのうち該当被害を受けた旨の証明はどれぐらいなされたのか、そして実際にいつ助成が行われるのか、教えていただきたいと思います。
 さらに、この事業の実施期間はたしか今月末までと承知しておりますけれども、申請すれば今からでも間に合うのか。窓口の勘違いであるとか行き違いによりまして、そんな予算はないといって断られてしまったケースがあったと、このように聞いております。今後救済漏れがないようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

#142
○政府参考人(天羽隆君) 収穫後、保管をしていたお米が浸水した被害への対策について御質問をいただきました。
 昨年十一月の対策パッケージのまずは周知の方法でございます。各地域のJAや市町村の役場から例えば回覧板を回していただくなどして周知、広報を図っております。また、農政局ごとに、県ごとに地方参事官がおりますけれども、説明会を開催しております。また、市町村や農政局と合同での説明会も開催をしておりまして、様々な機会を捉えて周知、広報の活動を進めてきているところでございます。
 これまでのところの件数、申請件数でございます。現在までのところ、各都道府県、市町村で申請、支払に向けた手続を行っているところでございます。現時点までの申請状況は約二百戸、お米の数量といたしましては九百トン、事業費ベースでは合計約一億円となる見込みでございます。
 先生御指摘の、それでは助成の時期はどうかという御質問でございます。申請をいただいたものに対しまして、年度内には各市町村から農業者に対して支払われる予定となってございます。
 先生御指摘の自主的に廃棄をしたお米につきましても含めまして、申請はまだ可能でございますので、まだの方はできるだけ早く申請を出していただきますとともに、私どもといたしましても、現場の声をよく聞いて、農家の営農再開に向けて丁寧に対応してまいる所存でございます。

#143
○塩田博昭君 もう現場は大変な中で、不眠不休で頑張っていただいていることは十分に承知をしているところでございます。
 その上で、やはり大臣が全力でやると言っていただいたこの対策パッケージに盛り込まれた制度につきまして、やはり漏れてしまったり、その制度がないというような誤解が生まれてしまってはやはりならないんだというふうに思います。
 そこで、大臣に改めてお伺いしたいと思います。
 被災後約半年を経て、対策パッケージに盛り込んだ制度、事業があるのに、現場でいまだに知らないがゆえに申請ができていないということがあってはならないと思います。必要であれば今からでも周知徹底すべきであると、営農再開に向けて政府として徹底して取り組んでいただきたい。復旧に向けた大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

#144
○国務大臣(江藤拓君) 塩田先生おっしゃいますように、政策パッケージ作らせていただきましたけど、漏れるということであればゆゆしきことでありますので、使っていただかなければ何の意味もございませんので、是非、我々も反省してもう一回周知の努力をいたしますけれども、先生のお気付きの点が具体的にあれば、またの御指導をいただければというふうに思います。
 私も、今年の一月の末に長野県の方に行きまして、被災されたリンゴ農家の若手の方々やJAの方々、それから議会の方々と意見交換をしてまいりました。感謝はしていただきました。しっかり取り組んでくれたとは言ってくれましたけれども、しかし、じゃ、これで、おかげでもう大丈夫ですという声は聞かれなかったに近かったと思います。若い担い手の中には、私の話をしているうちに思い余って涙を流す青年もいて、彼が、正直、お先、大臣、まだ真っ暗ですと言ったのがいまだに忘れられません。ですから、被災地の方々のそのお気持ちもニーズも変わっていきますし、またさらに、利用されていただけていない実態があるとすれば、これは本当にもう一回ちゃんと考え直してやらなければならぬと思いますので。
 四千六百三十七億円に三月九日の時点で被害総額及んでおります。これが起こったときに私が申し上げたのは、これをきっかけに離農する方々が出ないように全力を尽くしたいということも申し上げさせていただきましたので、その目的に向かって全力を尽くしていきたいと考えております。

#145
○塩田博昭君 ありがとうございます。
 次に、次期食料・農業・農村基本計画についてお伺いをいたします。
 今年度中の閣議決定を目指し、様々検討が今行われているところでございますが、我が国の人口は減少局面にあり、農業就業者は二〇三〇年には四割減少、二〇四〇年には半数以下に減少すると言われている中で農業生産を継続するには、何よりも農地の維持と担い手の育成が急務であるというふうに思います。そのためには、分かりやすく言いますと、若者に魅力ある、もうかる農業へのシフトではないかと思います。
 私は、昨年成立した輸出促進法の審議の際にも主張いたしましたが、今後、農産物の輸出促進、生産基盤の強化によって具体的に農家にとって所得向上になることを、また、その関係性を基本計画には分かりやすく明記すべきだと思っております。再度御検討をお願いしたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。

#146
○大臣政務官(藤木眞也君) 塩田委員御指摘のとおり、我が国では、今後、国内の農業者や農地面積、農村人口が減少をするおそれが高いことから、農業生産の持続性を確保するためには、生産基盤を強化していくことが重要であります。また、今後消費の拡大が期待をされる海外への販路を拡大し、農業者の所得向上を図っていくことが重要であると考えております。
 また、現在検討を進めている食料・農業・農村基本計画においても、新たな輸出目標を定め、生産者の所得向上に資する輸出拡大策を位置付けるとともに、生産基盤の強化についてもしっかりと位置付けていき、若者にとっても魅力ある農業の姿を示していきたいと考えているところでございます。

#147
○塩田博昭君 同じく次期基本計画についてでございますが、導入から日にちの浅い収入保険と七十年の歴史を持つ農業共済、さらにはナラシ対策、野菜価格安定制度など類似の制度が存在をし、また混在をし、しかも、どれか一つ選択せいという分かりにくい仕組みが収入保険の定着のネックになっているのではないかというふうに思っております。
 農業保険法の規定に基づき、施行後四年をめどに関連制度全体の検証を行い、農業者のニーズ等を踏まえて総合的かつ効果的なセーフティーネット対策の在り方について検討するとのことでございますが、前段でも触れましたように、毎年のように災害が想定される、数年先を見通して収入保険への加入を促すと同時に、類似制度の一元化の方向性を示すべきではないかと考えております。どのようにお考えか、見解をお伺いいたします。

#148
○政府参考人(横山紳君) まず、収入保険について、去年が一年目ということだったわけですけれども、まだまだ仕組みの周知が不十分じゃないかという御指摘、我々いただいております。また、農業共済組合とJAとの連携をもうちょっと強化した方がいいんじゃないかと、こういった指摘もございます。
 こうしたことも踏まえまして、今後は、現場において農協、共済組合が主体となりまして、行政を始めJA、集荷業者、農業会議、法人協会などの関係機関が推進体制を構築して取り組む、農業者に対する加入推進活動を強化するという考えでございまして、そのために必要な予算も令和二年度予算案に計上させていただいているところでございます。
 また、委員から御指摘がございました四年目の見直しの話でございます。平成二十九年の収入保険導入に係る法案審議時に、当委員会におきましても、法施行後四年をめどとした見直しに当たっては、収入減少を補填する機能を有する同趣旨の制度など関連政策全体の検証を行い、総合的かつ効果的な農業経営安定対策の在り方について検討するようにということで附帯決議をいただいてございます。
 まさにこの附帯決議の御趣旨も踏まえまして、まずは、初年であります昨年の収入保険の支払、現在行われている確定申告後ということになりますが、その結果も十分分析した上で、また、委員の御指摘のありましたような様々な類似制度につきまして、それぞれの果たしている役割もございますので、そうしたこともしっかり精査した上で、総合的かつ効果的なセーフティーネット対策の在り方につきまして、実際利用される農業者の方々のニーズもしっかり踏まえて検討してまいりたいと考えている次第でございます。

#149
○塩田博昭君 類似制度の整理とか検証はよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、種苗法の誤解について伺いたいと思います。
 今国会提出予定法案の一つ、種苗法の一部を改正する法律案につきまして、提出前から、一定の誤解に基づいて地方議会に対して反対の意見書を提出するなどという、一部市民団体から陳情が寄せられております。私の事務所にも、反対してくださいという要望書、ファクスが届き始めております。中身を見ると、自家増殖の禁止について誤解している主張のようであります。
 法案審議の前ですが、参議院で本日が最初の委員会ですので、大臣から是非ともきっぱりと言い切ってほしいというふうに思っております。そもそも、種苗法の登録品種とは何かを認識をせず、全ての品種が他人の思いどおりにされてしまうという印象を持たれている方が多いように思われます。種苗法による育成者権者の権利は登録品種にしか及ばないということを今のうちにしっかり大臣から言い切っていただきたいと思っております。
 また、既に決着済みの種子法と絡めて更に議論を混乱させようとしているような主張もあります。元農水大臣も反対の論を展開しているからと、不安を増長させる狙いかもしれません。
 江藤大臣、責任ある、農業者に寄り添う現大臣といたしましてこうした主張に対してどうお考えか。誤解に基づく主張というのであれば、今のうちにしっかり論破をしていただきたいと思います。

#150
○国務大臣(江藤拓君) 先生のお気持ちはしっかり受け止めさせていただきたいと思いますが、私の宮崎県も条例を制定いたしまして、種子を守っていこうというそのお気持ち自体については、私の方から論破するとか、それは良くないとかいうことを申し上げるつもりはございません。
 しかしながら、これからやっぱり輸出をしっかりやっていって、日本の生産基盤を強くして日本の農家の所得を上げていこうということであれば、日本の強みをまず打って出る前に、失わない努力というものが特に大事なんだろうと思います。シャインマスカットとか紅ほっぺの話は先生もよく御存じだと思います。
 何度も申し上げましたけど、韓国が、もぐもぐタイムでイチゴを食べて随分話題になりました。あれがもし日本のものであったらと思った日本人は多いわけですけれども、韓国からの輸出は大体四千トン、二〇一五年、これが五年間ということでは、大体五年間で二千二百億円、日本が本当だったら得られたかもしれない利益が海外に流出したという見方もできるわけでございます。
 ですから、このため今回種苗法改正案を提出させていただいておりますけれども、コシヒカリとかふじのような、コシヒカリは米で、ふじはリンゴでございますけれども、品種登録されていない一般品種についてはこれまでと何ら変わらない扱いになるということ。それから一方、山形県のサクランボですけど、紅秀峰、そういったものについては、農家が自家増殖した種苗が無断でオーストラリアに流れてしまったという、そういう事例がございます。
 ですから、登録品種を増殖する場合には育成者権者の許諾をいただくということはごく普通のことであって、それがないと、新しい種苗を開発するには多大なコストと工夫と、それからお金も掛かるわけで、時間も掛かるわけですから、育成者権者の方々にしてみれば、一回渡したらどんどん自家で増殖されてしまうということになると、これから新しい品種やそういうものに取り組もうというインセンティブも失われるおそれがあるというふうに私は思っております。
 種苗法改正につきましては今後国会で御審議いただくことになりますけれども、農家の皆様方の不安があるということも十分理解をしながら、その不安の解消に努めながら、法改正の必要性の説明を丁寧にしていきたいと考えております。

#151
○委員長(江島潔君) 時間ですので、おまとめください。

#152
○塩田博昭君 はい。
 ありがとうございます。
 この後の質問につきましては、時間が参りましたので改めて質問させていただきます。ありがとうございます。

#153
○国務大臣(江藤拓君) ちょっと答弁の修正を。
 二千二百億円じゃなくて二百二十億円でした。済みません、失礼いたしました。

#154
○塩田博昭君 じゃ、終わります。

#155
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 まず冒頭、私から、新型コロナウイルス対策について大臣に質問をさせていただいております。
 厚生労働省を始めとしていろんな対策を出しておりますけれども、飲食店や食品を販売する業者さん、特に周知徹底する必要があると私は思うんですけれども、農林水産省としては、所管する食品関係の業者さんにどのようなコロナウイルス対策をどのように周知していらっしゃいますか。

#156
○国務大臣(江藤拓君) 主な感染の経緯が飛沫感染であったり、それから接触感染であるということでありますけれども、まずは、風評被害が出ないように、食品を介してこういうものが広がるということはないということをお知らせをさせていただいております。
 それで、現時点においては、製造、それから流通、調理、販売の各段階で、やはり製造者の方々がしっかり自分の体を管理していただくということ、体調が悪ければしっかりお休みをして、必要であればかかりつけ医からPCR検査もしっかり受けていただくということ、それから、調理の段階では小まめな手洗いとか、それから指先の消毒と、そういったことをしていただくように、指導も直接いたしておりますが、ホームページ等でもその内容についてはお知らせをさせていただいているところでございます。

#157
○石井苗子君 ありがとうございます。
 PCR検査など、これからいろいろ状態が変わってくると思いますので、今後も業者さんに対して情報提供をお願いしたいと思っております。
 本日は、水産業、特に日本のEEZ水域での外国船の違法操業の質問をさせていただきます。
 大臣は、所信表明で、能登半島沖の大和堆周辺水域で違法操業について取締り体制を強化することに言及していらっしゃいます。
 我が国のEEZ水域での外国船違法操業が後を絶たないという状況は大変憂慮すべきだと私は思っておりますが、資料として今日は出させていただきました。この写真のような違法な操業が行われていて、二枚目にお配りしましたように、水産庁は外国船の漁船の取締り実績というのを出しておりますが、近年の違法操業の概要について御説明をちょっといただきたいと思います。

#158
○政府参考人(山口英彰君) 令和元年度の水産庁による外国漁船の取締り実績でございますが、これは、立入検査が八件ということでございます。これは、前年十四件から八件ということでございます。また、拿捕については一件ですが、これは、前年六件でございました。また、違法設置漁具の押収が三十七件、これは前年の二十六件より増加していると、そういう状況でございます。

#159
○石井苗子君 能登半島沖の大和堆という周辺ですが、これ、言うまでもなく、日本の屈指の好漁場なんですね。特にスルメイカの漁場として知られておりまして、漁業の資源の宝庫と言われております。近年のスルメイカ、この資源量の推移、どのようになっているのか教えていただけますか。近年漁獲量が減ってきていますが、その理由は何でしょう。

#160
○政府参考人(山口英彰君) 日本海で主に漁獲されます秋生まれのスルメイカ、秋季発生系群というふうに申しておりますが、この資源量につきましては、二〇一四年に百八十二万トンでございましたが、その後減少傾向にありまして、二〇一九年は六十三万トンと推定されております。
 また、そのスルメイカの資源量の減少につきましては、産卵海域での水温が産卵や生育に適さなかったことが主な原因として考えられるところでございますが、外国漁船の影響もあると考えております。

#161
○石井苗子君 水温が上がっただけではないのですよね。
 この大和堆周辺、北朝鮮の漁船が違法操業を繰り返しています、一枚目の写真の中の左の上がそうですけれど。日本と漁業協定を結んでいない北朝鮮は、もちろん漁をする権利を持っておりません。大和堆の周辺の北朝鮮漁船の違法操業の具体的状況についてちょっと御説明をお願いします。

#162
○政府参考人(山口英彰君) 日本海大和堆周辺では、違法操業を目的として我が国EEZに侵入しようとする外国漁船に対しまして、令和元年には、一年間で水産庁は延べ五千百二十二隻に退去警告を行い、うち、延べ千五百九十隻に対し放水を行ったところでございます。最近三年間の水産庁の退去警告隻数は五千隻程度で推移しているという状況でございます。
 その令和元年度の特徴といたしましては、この大和堆周辺水域で確認された外国漁船は、前年と比べますと、六月から八月までは少ない傾向にございましたが、八月下旬から北朝鮮漁船及び中国漁船が増加いたしまして、九月から十一月の中旬にかけては前年よりも多く確認されたところでございます。

#163
○石井苗子君 これ、深刻だと思うんです。
 報道によりますと、佐渡沖で、これも水域になっているんですけれども、漁をしているイカ釣り船団の船団長という方のコメントなんですが、違法操業船が資源を根こそぎ捕ってしまっているとおっしゃっています。
 スルメイカの漁獲減少に北朝鮮漁船の違法操業はどのような影響を及ぼしているのか。これ、外国漁業の違法操業が常態化しているような状態ですと、私は、TAC制度、漁期、漁獲可能量、TAC制度の意味もなくなってくるのではないかと憂慮していますが、大臣、いかがでしょう。

#164
○国務大臣(江藤拓君) 違法操業船がどれだけ捕ったかというのを定量的に申し上げることは、これ不可能なので申し上げられませんが、しかし、これだけの数がやってきているということであれば、一隻当たりの能力は低くても、かなりの量を持っていっているであろうという推測をいたします。
 このTACにつきまして、意味について御質問をいただきましたけれども、前年度比で比べて一万トン小さく、五万七千トンで設定をいたしました。前年が六万七千トンの漁獲可能量ということになっておったんですが、前年が、やはり資源が非常に厳しい、それからこういう違法な操業もあることによって実績ベースで三・一万トンしか捕れていない、ですから、枠の中の数量しか捕れていないということでございます。
 ですから、今回、廃船に伴う国からの助成のようなことも出させていただきましたけれども、決して廃船を奨励するということではありません、国としてですね。そういうことではなくて、少しでも御負担をということでやらせていただきましたが。
 しかし、先生、水温が非常に産卵に影響するというのは、これはもうまず間違いないことでありまして、レジームシフトとかたしか言うんですよ。レジームシフトが起こっているのは、大西洋、太平洋でも起こっていて、これは二十年ぐらいに一回のたしかサイクルで起こっているというふうに、たしか本で読んだことがありますけれども。
 これについてはどうともなりませんが、しかし、我々として、今回、新しい新船を、八百トンクラスを二隻配備いたしますし、今度、二千トンクラスも今予算要求をして新しく新造しますので、少なくとも、権利を持っていない、先生がおっしゃった違法操業については厳しい対応でやりたいと思っておりますし、現在運用している船についても、照洋丸にちょっと私も視察に行かせていただきました。
 いろいろ船員の方の話も聞きましたけれども、例えば放水銃も、風向きが逆だと当然飛ばないわけですから、水圧を上げてくれればもうちょっと厳しく取り締まれるとか、現有の船の能力を上げることでも取締りの実効を上げることも可能であろうと思いますので、造船だけではなくて、新船を造ることではなくて、現有勢力の装備の強化も併せて図っていきたいというふうに考えております。

#165
○石井苗子君 かなりの船が来ているんですけれども、これ、ちょっと外務省にお伺いしたいと思います。
 石川県能登半島沖で水産庁の漁業取締り船と北朝鮮の漁船が昨年の十月七日に衝突した事故で、水産庁が漁船沈没の動画を公開しました。そのことについて北朝鮮の外務省が、故意に衝突した犯罪的な行為、日本政府に沈没船の損害補償を強く求めると抗議しておりますが、現時点までに外務省の方は、この件で日本政府は北朝鮮に対してどのように対応しているとお答えになるんでしょうか。

#166
○政府参考人(小林賢一君) お答え申し上げます。
 昨年十月七日に発生した、日本海大和堆周辺の我が国排他的経済水域における水産庁漁業取締り船と北朝鮮籍と見られる漁船が接触した事案に関しまして、我が国は、事案発生後速やかに、北京の大使館ルートを通じまして北朝鮮に対して厳重に抗議したところでございます。

#167
○石井苗子君 厳重に抗議したところでございますと。
 昨年のその十月七日の衝突事故で北朝鮮の漁船に対して放水をしたと、先ほど大臣がおっしゃったその放水したということですが、排他的経済水域内、EEZの違法に操業している外国漁船を見付けた場合、発見した場合、どのような対処方法を行っているでしょうか。水産庁の監視船というのは丸腰でしょうか。

#168
○政府参考人(山口英彰君) 日本海大和堆周辺水域の我が国EEZにおける北朝鮮漁船等による操業は、違法であるだけでなく、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなっており、極めて問題であると考えております。
 このため、我が国漁業者が安全に操業できる状況を確保することを第一に、水産庁漁業取締り船を重点的に配備いたしまして、長距離音響発生装置、LRADと申しておりますが、こういったものや外国語表記の電光掲示板によりまして退去警告を行っているところでございます。
 これら退去警告に従わなかった外国漁船に対しましては、放水等の厳しい対応によって我が国EEZから退去させているところでございます。

#169
○石井苗子君 お伺いしているところ、順を追って警告を発しているということなんですけれども、違反操業の北朝鮮の漁船に乗っている漁船員、この身柄を拘束しなかった理由というのが違法操業を確認できなかったからだとされておりますが、目の前で違法の操業を確認しないと拘束できないようでは、幾らでも北朝鮮からやってきて我が国の漁場は荒らされ放題になるのではないかと懸念しております。
 例えば、ちょっと調べましたら、インドネシアは、排他的経済水域で違法操業をする漁船を拿捕して爆破しています。ロシアは、排他的経済水域で違法操業する北朝鮮の漁船乗組員を昨年九月に八百人拘束したそうです。海外では違法操業に対する外国漁船にかなりの強硬策を取っていますが、大臣、確認できなかったから逮捕しないというのは違法操業を助長しているようなことにならないでしょうか。
 どんどん漁師の皆さんが漁獲量が減ってきているということをどうお感じになっているかということなんですが、私は、水産業を所管する大臣として、大臣としてもっと強い措置をとるべきだと思うんですが、どのようにお考えか。
 現在、予算委員会で審議中ではありますが、令和二年度も、外国船、漁船ですね、特に外国漁船対策予算というのが組まれております。来年度はどのように取締り対策が強化されるのか、併せてお伺いいたします。

#170
○国務大臣(江藤拓君) 私の気持ちとしては、その爆破ということはさておきながら、やはり大和堆周辺の漁師の方々が大変悔しい思いをされていると、実際に、私の大臣室にもお越しになりました。その生の声も聞かせていただきました。そういう声を聞けば聞くほど、私も、漁師町の門川町というところで育った人間でありますので、漁師のほぞをかむその悔しい気持ちは痛いほどよく分かります。
 ですから、これは水産庁、農林水産省だけでしょい切れるものではありませんけれども、今後、こういうものに対してどのような対処をすることが日本の国として正しいのか、これは議論されてしかるべきことではないかと私は思います。
 それから、予算につきましては、先ほどちょこっと申し上げましたけれども、令和三年度の予算で、大型の取締り船、今までに八百七十トンぐらいの船、千トン以下の船ですけれども、今度は二千トン級を一隻、それからさらに同型船の八百七十トンを一隻造らせていただいて、建造費は令和二年度予算にも計上させていただいております。
 それに加えて、先ほどちょっと申し上げました防弾の設備の増強であったり放水銃の水圧を上げるであったり、それから音響発生装置、これ、私、実際に取締り船で沖まで出て、どれぐらい遠くまで届くのか体験もしてまいりましたけれども、こういったものによる警告装置の設備の更新、そして、この電光掲示板、まあなかなか電光掲示板で見ても退去するということはないかもしれませんが、しかし、こちらの意思を示すということはとても大切なことですので、そういったものの整備等について、しっかりと予算を確保してまいりたいと思っております。

#171
○石井苗子君 これでこの件に関する質問は終えますけれども、現行犯逮捕ではなくてはいけないということだと、漁船で私が運んでいるものは人間であって、決して魚を捕っているわけではありませんというようなことでは、全然この違法操業というのは取り締まれないと思うんですね。怪しいと思ったらまず拘束をできるような強硬策を取っていただきたいと思っております。
 漁業ということにつきましては、この何十年間で大分形態が変わってまいりました。高齢化もありますし、後継者不足が構造的な問題になっているということはよく存じております。
 大臣は、所信の中で年齢バランスの取れた就業構造を確立するとおっしゃっていますが、どのようにして確立されるのでしょうか。

#172
○国務大臣(江藤拓君) 漁業も、これから新しく、漁業法の改正が今年いよいよ実行に移されるわけでありますけれども、就労される若い人の中には、しっかり土曜、日曜休みたいという人も結構今は多いです。そういうことであれば、やっぱり管理型の漁業、海面養殖漁業も大型化をして、沈降型で波の影響を受けないような、そういうような養殖施設を造ることも有効だと思います。やはり雇用という形で社会保険もしっかり付いて、決まった時間に出勤をして決まった時間に家に帰れる漁業というのも一つの漁業の在り方だろうと思います。
 そして、私の宮崎辺りは、もうかる漁業で大分船が新しくなって、巻き網漁船の業績が極めていい、今年はいいんです。東北とか北海道の方には申し訳ないんですけど、大変漁があります。
 そういうやっぱりもうかる漁業によって、漁業の効率化を上げて所得を上げていくということがとても大切だと思っています。しんどくても、やはりもうかるということであって、しかも、新造船で漁労の負荷が小さいということであれば、漁業に夢を持って飛び込んでくれる若者はまだまだたくさんいるということだと思っています。
 実際の数字もちょっと調べさせていただきましたけれども、おおむね大体毎年二千人ぐらい新規で就労していただいておりますけれども、その中で三十九歳以下の年齢の割合が一七・七%と、平成十年が一五・七%、二十年が一五・八%、三十年で一七・七%ですから、農業とかほかの業態に比べると、若い方々が比較的入ってきていただけている割合は高いのだろうと思っています。
 ですから、これから新しい漁業の在り方とか、そういったものを模索する中で、バランスのある就労人口構造というものを実現していきたいというふうに考えております。

#173
○石井苗子君 ありがとうございます。
 大変希望の持てる、将来性のある構造改革といいますか、年齢のバランスの取れた就業構造ということなんですけれども、資料の三枚目を見ていただきますと、みっちりと書かれているんですね。このロードマップ、頭の中に入れるだけですごく大変だったんですけれども。
 年齢バランスの取れたということで、若い方が入ってくる就業構造を実現する、つまり、定期に来て定期に帰るというようなことが漁業などというような営みで果たしてできるかどうかということなんですが、新規参入を促すことって、これとても大事なことだと私は思っております。必要性が高いと思います。
 このロードマップ見ますと、新規参入をやらなければならないわけなんです。そのための有効な方法としてICTの活用があると思いますが、農林水産省は、スマート水産業、このロードマップの中核として水産業データ連携基盤というのを二〇二〇年に稼働するということなんですけれども、ここを見ますと。その御説明を一ついただきたいのと、どこを見ればいいのかというようなことも含めまして。
 あと、水産バリューチェーン事業というのがありまして、これが、生産、加工、流通、販売と、この四点におきまして各段階を連携させることになっているんですが、これを全体をくるめてスマート水産業ということになるんですが、この状況を、まず、水産業データ連携基盤というのと水産バリューチェーン事業というこの二つ、現状について、ちょっと残りの時間で教えていただきたいと思います。

#174
○副大臣(加藤寛治君) お答えいたします。
 御案内のように、水産業の就業者が減少をしていく中で生産性の維持向上を推進していくためには、ICTやデータを活用したスマート水産業の取組により省力化や低コスト化を図っていくことが重要であると考えております。また、産地市場等から漁業者等の負担の少ない形で電子的に漁獲情報を収集する体制を構築するなど、資源評価、管理の高度化も併せて推進をしていく必要がございます。
 現在、成長産業化に向けたスマート水産業の取組のうち委員お尋ねのものにつきましては、まず、漁業者が観測した漁場環境データを解析し、七日先までの漁場の海流や水温分布などの漁海況や予測情報を漁業者のスマートフォンに提供することで、経験が少ない漁業者でも漁場に到達しやすく、漁場の探索に要する時間や燃油コストの削減を可能とする取組、そして、加工流通現場では、画像センシング技術を活用した自動魚種選別機など、AIやICT、ロボット技術等によりまして加工現場の自動化、低コスト化を図るほか、漁獲情報や品質情報を迅速に、また的確に関係者に伝達することを通じて、水産バリューチェーンの全体の生産性を向上する取組、そしてまた、生産者や民間企業から得られるデータと行政や試験研究機関が収集するデータを相互に共有、活用することによりまして水産資源の評価、管理の高度化や新ビジネスの創出を可能とするために、水産業データ連携基盤の構築、稼働を進めているところでございます。
 農林水産省といたしましては、都道府県や民間企業等と連携をしまして、ICT等の先端技術を積極的に取り入れながら、水産業の持続的発展に資する取組を推進をしてまいりたいと、このように考えております。

#175
○石井苗子君 ありがとうございます。
 ちょっとこの三枚目の資料の中でいきますと、真ん中のところですね、グリーンのところ。先ほどの、大臣に御質問させていただきました年齢バランスの取れた就業構造を確立するためにICTの活用ということになりますと、例えば、年齢というのでバランスを取るということは、その人が長年持っている、知識とか漁場の勘だとかというものを持っていて、それで、漁船を動かすときに、魚群探知機というのがあるんですが、それと同時に、研究所でうろこ調査というのをやっているはずなんですが、そういったデータの蓄積があるはずなんですね。それを今までは、ICTなどに連携してスマートフォンに持っていくということをやっていなかったわけなんです。
 なので、決して、この年齢バランスの取れた就業構造を確立するというのは、高齢の漁業者の知識が要らないということではなくて、その魚群探知機の情報をいかに速やかに生産性の向上のところでスマートフォンに入れていくかということが大事で、これを見ながら、無駄な航海をせずに、若い人たちが長年あった漁場の知識を持って、スマートフォンでその漁場に行き、収穫を上げていくと。無駄な労力をなくしていくということで年齢的なバランスの取れた就業構造というのが取れるわけですので、是非、いかに高齢者が持っているような、経験者が持っているような情報を早くスマートフォンに入れることができるかというところを強化していただきたいと思います。
 そういったことで、細かい、水産バリューチェーンもそうですけれども、生産、加工、流通、販売の各段階で連携をさせるということがどういうことなのかというと、漁業の生産、加工、流通、販売に高齢の方で知識をたくさんお持ちの方がいらっしゃるわけですので、間に、ここに書いてあると思うんですけれども、全ブロックで漁獲しているものの水産漁業をモデル的に導入するという、モデルの構築ということをやる。ワンステップそこに何かが必要だと思いますので、予算的にもそこに付けていただいて、コーディネート役のような方を真ん中に置いて、是非、年齢バランスの取れた漁業の就業構造を確立していただきたいと思います。
 高齢の方が仕事ができなくなったということではなく、決してなく、その知識が生きて、たくさん、一七・何%とおっしゃっていましたけれども、もっと若い人たちが漁業に興味や関心をICTなどを使って持てるようにしていく、これを是非やっていただきたいと思います。
 ちょっと時間早いですけれども、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

#176
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 私からも、新型コロナウイルスについてまずお聞きします。
 最初に、亡くなられた方々に御冥福をお祈りすると同時に、今まさに治療に当たられている方に対してもお見舞いを申し上げておきたいと思います。
 安倍首相が、新型コロナウイルスの感染症対策として、科学的根拠を示すことなく首相の判断で全国一斉休校を要請したことで混乱が生まれております。二月二十五日の政府対策本部の基本方針では、自治体の判断で休校するとなっていました。また、方針の修正が必要な場合には、専門家会議の議論を踏まえて方針を更新するとなっていました。対策本部が決めたルールを無視して、首相の判断で一斉休校を要請したわけです。
 三月二日から一斉休校すればどういう分野に影響出るのかということで、総理が政治判断する前に農水大臣は相談を受けたのかなということを最初お聞きしようと思っていたんですが、午前中のやり取りを聞きますと、大臣は二月二十七日の対策本部でそれを初めて聞いたということであったわけです。
 それで、安倍総理は、判断に時間を掛けるいとまがなかったというふうに言っているんですね。なかったと言っているわけです。首相は、二十五日に政府対策本部が決めたルールに沿わず、無視してというか、一斉休校を打ち出したと。関係省庁で調整しないままこれ休校すれば混乱が生まれる可能性があったわけで、二月二十七日に大臣はそこに参加して、そのときに何も言わなかったんでしょうか。

#177
○国務大臣(江藤拓君) 総理の発言を受けて、私は特に発言はいたしませんでした。

#178
○紙智子君 やっぱり閣僚のそういう対策本部の会議の場ですから、本来だったら、これ大変じゃないかなというふうに思ったときにはやっぱり物を言わなくちゃいけないんではないかと思うんですね。やっぱり国民にどういう影響が出るかということを考えるならばそういう態度に取るべきだったのではないかと、そういうことが誰からも出なかったということが、私は、ちょっと内閣に対して今の政権の危うさということを感じるわけです。
 それで、学校の一斉休校は総理の政治判断で行われました。安倍首相は、我が党の小池晃議員の質問に対して、政治の場において私が判断した以上、責任を持って対応していきたいというように答えています。国民生活や農林漁業への影響というのは、そういう意味では全面的に責任を取るということでよろしいんですよね。

#179
○国務大臣(江藤拓君) 私は、そのときに総理の発言を聞いておりました。せんだっての対策会議においても、これまでの前例にこだわることなく、しっかりとした対策を組んでくれというふうに総理から言われておりますので、責任を持った対応をさせていただきたいと思っております。

#180
○紙智子君 農林水産分野では、休校によって大きな影響を受けるのは学校給食ということなんですけれども、先日、農民運動全国連合会などが大臣に要請に来られました。その際に、大臣に小中学校による給食の材料キャンセル被害状況についてという一覧表をお渡ししたと思います。私も見せてもらったわけですよね。そこには、学校側のキャンセル対応、それからキャンセルされた対象農産物、それから想定される被害額、そして補償などに分類してまとめられております。補償がない、無補償と書かれている生産者の組織は、分かっているだけでも、そこにある中でも九割だったわけですね。
 地産地消として学校給食に依存している生産者、給食事業者も多いんだと思います。被害を受けている生産者団体や給食事業者をやっぱりこれ漏れなく把握するということが大事だと思うんですけど、この把握する対策というのはどうなっているでしょうか。

#181
○国務大臣(江藤拓君) これが一番私も頭を痛めているところでございまして、先日、先生とお越しいただいたときには、この一部は見せていただきました。
 例えば、給食センターにしても学校で直接作るところにしても、地域の八百屋さんとか農家の方が、特別契約をしなくても、毎年毎年この時期はあなたのところからこれだけの量を納入してもらうから今年もよろしく頼むよというような形も、ざっくりとした形ではあると思うんですよ。それとは逆に、年間契約という形で書面に残して、これだけの単価でこれだけの量を入れていただきますという、客観的に評価できるようなものをお持ちな形態もあると思うんですよ。しかし、それとこれを果たして区別していいものかどうかというのは、大変、私は、農林水産的な観点でこれを判断させていただこうと思っております。
 ですから、まずは、各農政局の方と一日置きぐらいには必ず会議を開いておりますが、それぞれの地区でも、給食の形態も多様だし、子供たちへの提供の形、それから食材の調達の形も多様であるので、どこでどれだけの形があるのか、まずそれをしっかり把握することから始めなければならない。それに余り時間を掛けていると、先生がおっしゃったように、じゃ、いつまでにこれをちゃんと見てくれるんだと、いつまで待っても、やるやる言うばかりで具体的な話が全く出てこないぞというのでもまずいだろうと思いますので、正直焦る気持ちは私の中でも相当あるんですけれども、しかし、見落としたり手落ちがあってもまたまずいということでもありますので、しっかりやりながらしっかり急がせていただきたいというふうに思っております。

#182
○紙智子君 ちゃんと把握するということがとても大事、難しいんですけど大事だというように思います。
 ちょっと具体的に何点か聞きます。
 野菜を扱っている生産組織、生産者の組織は学校以外に販売先がないと、販売先を例えば紹介するとかマッチングだとか、そういうことなんかも含めて必要になるんじゃないかと思うんですけれども、この点どうでしょうか。

#183
○国務大臣(江藤拓君) おっしゃるとおり、必要だと思っております。
 それぞれマッチングについて、本省ではなかなか難しいですけれども、我々は食品関係団体とも、所管でありますのでネットワークがございますから、そういったところも含めてマッチングの努力もさせていただきたいと思います。
 重ねて、給食に回っている野菜の割合は、この時期は全体の生産量の大体一%から二%に当たるというふうに言われております。それが学校給食に行かずに市場に回ることによって価格下落が起こることがあってはまずいと思いますので、幅広に周りを見ていかなければならないだろうというふうに考えております。

#184
○紙智子君 それからもう一つ、お米なんですけれども、お米を扱っている生産者団体は、これは玄米で販売する方法もあるんだけれども、精米よりも安いので差額が減収になってしまうと。販売先を探す手間も掛かり、これ減収にもなるということで、これらに対しての対策も要請があったと思うんですけれども、これはいかがでしょうか。

#185
○国務大臣(江藤拓君) この間御提言をいただいて、相当な量でありました。今、数量は、こちらのいただいた紙にありますけれども申し上げませんが。
 確かに、玄米と精米とでは価格差があるということで、なるほどということでありましたけれども、これについては、今、検討しています。答えが出ておりません。私は正直が取り柄でありますので正直に、これについてどのような扱いにしたらいいか。
 学校給食に関しましては、全てが農林で背負えればいいんですけれども、納入済みのものについては給食センターのものじゃないですか。そうなりますと、これは文部科学省の方で見るという形になりますので、その線引きのところが非常になかなかややこしくて、我々としては、なるべく押し付けるなんということは決してせず、前に前に農林省としては出て、我々のテリトリーを広げていこうとは思っておりますけれども、この精米と玄米の差についてどのような取扱いにするかについては、大変申し訳ないんですが、今鋭意検討中だというところでございます。

#186
○紙智子君 今検討中ということなんですけれども、学校給食がストップしたということ自体は、やっぱり関係省庁との調整も、周知することの時間も取らずに一気に総理の政治判断でやったということでもありますから、自然災害とは違って、やっぱり政権がきちっと責任を持つように強く求めておきたいというふうに思います。
 次に、基本計画の問題について質問します。
 食料・農業・農村基本計画なんですけれども、これ、基本計画は、食料・農業・農村基本計画の理念を実行するために食料自給率の目標を定めて施策を具体化するプログラムなんだと思うんです。
 一九九八年の食料・農業・農村基本問題調査会、ここで答申を出していて、そこには、供給熱量ベースの食料自給率は、国内で生産される食料が国内消費をどの程度充足しているかを示す指標であり、国民の食生活が国産の食料でどの程度賄われているのか、国内農業生産を基本とした食料の安定供給がどの程度確保されているかを検証する上で分かりやすい指標であると、分かりやすい指標なんだというふうに言って、食料政策の方向や内容を明示するものとして意義があるんだというふうに当時指摘をしているんですよね。
 そして、その基本法の第二条のところで、国民に対する食料の需給及び貿易が不安定な要素を有していることに鑑み、国内の農業生産の増大を図ることを基本と定めているわけです。第十五条のところでは、食料・農業・農村基本計画は基本理念を実現するための施策の基本方向であるというふうにして、この食料自給率の目標はその向上を図るための目標なんだと、向上を図るための目標なんだと位置付けています。
 当時、ガット・ウルグアイ・ラウンドがあって、農業合意が決着をした後でWTO体制になっているわけですけれども、その下でこの農業基本法が改正された中で、食料政策は、食料自給率の低下に対して生産者、消費者が不安を抱いていることから、国内農業生産の拡大を図ることを基本とすることが定められたと。今回、この方向に沿った基本計画の改定ということになるのでしょうか。

#187
○国務大臣(江藤拓君) なかなか正確な答弁をするのは難しいと思いますけれども。
 先生のおっしゃるように、衆議院の方でも大分議論になったんですが、カロリーベースとか生産額ベースとかいろんな指標があって分かりづらいんじゃないか、骨子を御覧になって御指摘をいただきました。自分としては、供給熱量ベース、これが国民に示す食料安全保障に直結する指標であって、これが大黒柱ですということを申し上げました。ですから、今回の基本計画の下においても、それがしっかり見えるような形での書き方、表示の仕方はしっかり守らせていただきたいと思っております。
 ガット・ウルグアイ・ラウンドのときの、WTOの下での基本計画、今度は、イレブンとかTAGとか、そういう要素が新たに加わって、国際環境も、この時代、九八年とはまた大きく変わってきておりますので、こういったものも基本計画の前書きの部分にしっかりと書き込んで、こういう国際情勢の、ちょっと文言までは、まだ最終文書ではありませんから申し上げられませんが、前書きのところにこのようなことについてもしっかりと触れさせていただいて、趣旨に沿ったものにさせていただくつもりでございます。

#188
○紙智子君 衆議院の答弁で、カロリーベースの食料自給率が大黒柱だというようにおっしゃっているのは、私も見て知っております。
 それで、ちょっと聞いたのは、要するに、元々の基本計画、基本法ですね、基本計画のところでやっぱりその柱に据わっているのは、その当時でいえば、食料の政策は、食料自給率の低下に対して生産者、消費者が不安を抱いていると、で、国内農業生産の拡大を図ることを基本とするというふうになっていて、確かに、当時の議事録というか読んでみたんですけど、物すごくそのことが議論されているんですよね。
 やっぱりWTO協定によって、自由化ということの中で下がってきた。当時、それでも四〇%、四一%ぐらいだったと思うんですけど、それでも物すごい議論になっていて、こんなに下がってしまって大丈夫なのかという議論がされているわけですよ、四一%でも。そういう議論の上に立って、やっぱり国内農業生産の拡大を図ると、そこをちゃんと基本にすることが大事だよねということが据わっているものだったと思うんですね。だから、そういう線で今回も考えられるのかということをちょっと聞いた、趣旨としては。

#189
○国務大臣(江藤拓君) 生産規模の拡大というのは、まず、農業でいえば耕作可能な面積、四百四十万ヘクタール弱でございますけれども、それを今後の基本計画の下で、将来像としてどれぐらいの面積を確保するのかということが一つ議論になると思います。
 それから、センサスの下でも、これから人口構造が大きく変わるにつれて就農人口の減少が予想されます。それに基づいて、意欲ある担い手への農地の集積ということも並行して進めているわけでありますけれども、生産基盤を維持しつつ、そこで営農活動をしてくれる人たちをいかに維持していくのかということをしっかり書き込む必要があると思っております。
 しかし、その一方で、しっかりその現実を見据えた数字にもしなきゃいけないということを私は結構こだわっておりまして、これから、四百四十万弱プラス九・二万ヘクタールの荒廃農地がありますので、その荒廃農地をいかにして営農可能な農地に戻すかという観点も書かなければなりませんし、なかなか難しゅうございます。難しゅうございますが、ただ、大目標として、確定的な数字は申し上げませんが、先ほど局長が申し上げましたように令和十二年に四五パーという数字を掲げるということであれば、国民の皆様方が一九九八年のガット・ウルグアイ・ラウンドの時期に感じた不安にいかに国の責任として応えていくのかということはやはり書き込む必要があるのではないかと、今の質疑を通じて感じたところでございます。

#190
○紙智子君 基本法から二十年たっているんですよね。二十年たっていても、食料自給率の低下というのは、むしろ下がっているわけですから、生産者や消費者の中での不安というのは今も変わっていないんだと思うんですね。国民に対する食料の安定供給というのが、国内生産の増大を図るということが基本なんだと思うんですよ。
 それで、やっぱり当時と今でいうと、今大臣も言われたように、メガFTAとかEPAとかということで、日本が参加している中での基本計画になるわけなんですけど、ちょっと今の答弁でいうと、従来と違いがあるのかないのかというのがちょっともう一つよく分からなかったんですけど、違いはあるんでしょうか。

#191
○国務大臣(江藤拓君) 時代が変われば内容は変わっていかねばなりません。そうは思いますが、しかし、私も、ちょっと変な話をさせていただいて恐縮なんですけれども、私のおやじが青嵐会の時代に書いた本が、小冊子がありまして、そのときに、今の日本の農業の課題ということで小さな論文のようなものを書いておりました。それを読んでびっくりしたんですけれども、物すごい前の、四十年ぐらい前の話じゃないですか。しかし、今我々が直面している課題と根幹の部分はほぼほぼ変わっていないということを痛切に感じました。
 ですから、我々がこれから立ち向かっていかなければならない課題は、多分大きな柱の部分は変わらないんだろうと思います。しかし、これからいろんな技術の開発とか、漁業でいえばもうかる漁業の推進であったり、先ほど先生から御質問あったようなIoTの活用であったり、いろんなものを活用することによって農業の営農の形とか林業の形とか漁業の形は変わり得るものだろうと思います。
 その結果として、生産ベースとかカロリーベースとか熱量ベースとか、そういったものでの自給率が示される、数字で示されるわけでありますけれども、どこが何が変わったのかと言われると、代わり映えがしないという御指摘もごもっともかと思いますが、やはりこれから先も、多分十年先も、農業が解決しなきゃいけない、我々が立ち向かっていかなきゃいけない課題は変わらないと思います。
 そしてもう一つ申し上げれば、日本は確かにマーケットが小さくなり、人口構造も縮小してシュリンクしてしまいますけれども、世界の食のマーケットは確実に大きくなっていって、そうなると、一人当たり、世界の人口一人当たりの耕作面積というものは一九六〇年をピークにして減る一方じゃないですか。ということになれば、一人の人間を養うための世界の農地面積というのは確実にこれから小さくなっていく一方ということであれば、今までどおり海外から潤沢に食材が入ってくるというのも、ある瞬間にもしかしたら幻想になるかもしれない、そういうことも含めた議論がこれからは求められていくのかなということを感じております。

#192
○紙智子君 ちょっとその辺の議論は、また時間あるときにやらなきゃいけないのかなと思うんですけど。
 私は、安倍政権になってから農政が大きく変わっているというふうに思うんですね。それは、やっぱりこの間、一連のメガFTA、EPAに合わせて日本の農政を転換していると。政府の農林水産業・地域の活力創造プランというのがありますよね、国際市場への輸出による農業の成長産業化を図るグランドデザインだと。そして、昨年末の農業生産基盤強化プログラムの中では、今後、我が国農業を持続的に発展させていくためには、海外で高まるニーズを捉えて輸出を更に拡大するとともに、こうした新しい需要にも対応できるよう、中山間地域や中小・家族経営も含めて幅広く生産基盤の強化を図るというふうに言っているんですね。
 言わば、これ、輸出拡大のために中山間地域も中小・家族経営も動員しようということなのかなというふうに思うんですけれども、元々、現在の基本法が目指したのは、食料自給率の低下に生産者、消費者が不安を抱いていることから、国内農業生産の拡大を図るということだったわけですね。だから、輸出を増やすためにということじゃなかったと思うんですよ。
 農林水産業・地域の活力創造プランだとかこのプログラムでは、国民への食料の安定供給は国内の農業生産の拡大を図ることを基本とするということが書かれていないんですけど、これは何でなのかなと。いかがでしょうか。

#193
○国務大臣(江藤拓君) 先ほど申し上げましたように、国内外の需要に応える、ですから、輸出に対しましては、輸出のみを目途として、条件不利も含めて生産基盤の強化を図るということではなくて、輸出にも対応できるようにというふうに、ちょっと、後ろでなかなかページをめくっても出てこないみたいですから、どこに書いてあるかが正直明示的に示せないのでちょっともどかしいんですけれども。
 輸出にも対応できるし、輸出をするためには、そもそも国内でちゃんと作らないと出せないわけであって、国内でないものは売りようがないので、決して海外で必要としているものばかりを作るということではなくて、いわゆる条件不利地域も含めて、私は、売れるものはたくさんあると思っております。いろんな農産物や、例えばお茶とかいろんなものについてもチャンスはまだまだあると思っておりますので、国内の需要にも応えつつ、ですから、国内の生産の増大も図りながら、そして同時に、その増大が輸出に対応していくということだと私は理解いたしております。

#194
○紙智子君 今の大臣が言われた主張と果たして合っているのかなというふうには思うんです。
 それで、日本の農業の基軸は、農業基本法の理念を示したプログラム、つまり食料・農業・農村基本計画でいくのか、それとも安倍政権が目指している規制改革推進会議の意向を酌んだプログラムなのかと、どちらを基軸に進めるのかなというのも疑問に思うんですけれども、これはどうでしょうか。

#195
○国務大臣(江藤拓君) 創造プランは平成三十年にできたものでありますので、それから大分たっておって、私は、私の責任の下で基本計画を今作らせていただいております。
 ですから、活力創造プランのいいところはしっかり生かさせていただこうと思っておりますし、それから、時間の経過もこれありということでありますから、どちらを中心にとか片方をうっちゃってこれをやるということではなくて、両方のいいところはしっかり取り入れてやらせていただきたいと考えております。

#196
○紙智子君 安倍政権の下で、元々のこの農業基本計画が目指した理念や方向から、率直に言ってずれてきているんじゃないかというふうに思うわけです。基本法に基づくプログラム、基本計画から規制改革推進会議の意向を酌んだプログラムに農政を変質させてきているんじゃないかというふうに思うんですね。少なくとも、やっぱり基本法を基軸にした中小・家族経営を応援するというふうに位置付けた基本計画にするように強く求めておきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、丸森町のちょっと台風被害についてもお聞きしておきたいと思います。
 江藤大臣も藤木政務官も丸森町に行かれましたよね。なので、実情というのは御存じだと思うんですね。私も、先月行ってまいりました。台風被害から四か月たっても、圃場には土砂や瓦れきが残ったままです。流木が橋に掛かって、そこに土砂がたまって川底が浅くなっていて、ちょっとした雨でも、あと水があふれる危険性があると、平場でも川があふれる可能性があるということで、住民の方は戻ってこれないというふうに言っているんですね。
 森林の被害も甚大で、山の奥まで崩壊していても、林道が崩壊して、そこに行くこともできないと。沢が崩壊していて、大きな岩でもうごろごろと転がっていて、家が押し流されるわけですね。民家の裏山の崩壊も相当ありました。
 それで、丸森町は、東日本大震災と同等の財政支援や人員支援を求めているんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

#197
○国務大臣(江藤拓君) 町長さんの顔は今でもよく覚えています。非常に実直な真面目な方で、非常に顔に苦渋が刻み込まれたようなお顔をされて、何とかしてあげたいという気持ちを強く持ちました。
 それで、財政規模も非常に小さくて、町財政の三倍に及ぶ被害だということでありますので、自力財源のみの復興は、これはどう見たって、私が見たって、町長さんがどんなに頑張ってもこれが不可能であることは、私もよく分かっております。
 さはさりながら、なかなか答弁しづらいんですけれども、震災復興の特別交付税は一〇〇%の交付税措置、今先生がおっしゃっていたこれを求めているということでありますけれども、これは、復興増税をやったその裏付けがありますので、国民に広く御負担をお願いした上でこの一〇〇%の交付税措置ということをやらせていただいたということでありますから、これを同じように適用するということのハードルは相当高いというふうに思っております。
 ただ、例えば、私が言われてよく覚えているのは、農地の復旧に多分三年か四年掛かると、ですから、二分の一補助ということになっても、今すぐ農機具を買えといったって今は要らないんだと、農地が戻ってからじゃないと農機具は要らないんだと。今の財政上のルールでいうと、令和三年までに買っていただかないとこれ切れてしまいますので。ですから、農地が復旧した後に丸森の皆様方が営農再開のための機材を購入する場合において我々は何をしなきゃいけないかということについてはこれからしっかり議論をしていかなきゃいけませんが。今までちょっと例のないことでありますけれども、これについてもチャレンジはしていきたいと思っておりますが、その東日本大震災並みと、同等の財政支援ということについては、正直なかなか厳しいというのが現状でございます。

#198
○紙智子君 ちょっと時間の関係で二つ、まだたくさんあるんですけれども、そのうち二つだけ質問しておきたいんですけれども。
 丸森町によりますと、公共土木や農業などの被害額の合計が四百億円以上で、基幹産業の農業被害が百七十六億円余り、同町の二〇一九年度予算額約九十億円をはるかに超える額になると。東日本大震災のときに農林水産省は、農業・農村の復興マスタープランを策定しました。そこでは、津波被災農地についてはおおむね三年間で復興を目指すという農地の復旧スケジュールを示して、農地の復旧までの被害農業者の所得確保などを打ち出しました。
 そこで、農業では、今年の営農をどうするか。圃場に土砂が堆積していますから、これ、作付けできる農地とできない農地の調査が必要になると、で、作付けできる農地への支援策、これをどうするかということが一つです。
 それからもう一つは、作付けできない農業者への収入対策。これ、東日本大震災のときには、被災農家経営再開支援事業というのがあって、これは、経営再建の意思のある被災農家が地域において共同で行う復旧作業などの取組に対して、農業者の所得確保と同時に地域農業の再生と早期の経営再開を図るということを目指した事業で、さらに、その後の支援策としても、被災者向けの農の雇用事業というのもあったわけなんですよね。だから、丸森町においても作付けできない農業者への収入対策も行うべきなんじゃないかということも含めまして、これ二点、最後にお聞きしたいと思います。

#199
○国務大臣(江藤拓君) まず、営農を再開できるところについては、春の作付面積を増やさなきゃなりませんので、仮の畦畔の設置とか、天水でできるものですね、かんがい施設がまだ完全にでき上がっておりませんので。麦とか大豆とかができるように、技術者の派遣をしっかりやって、それらの作付けを応援させていただきたいと思います。
 それで、災害復旧事業の話は、先ほどの、国民に広く課税もさせていただいたということとリンクしますので御理解をいただきたいと思いますが、農の雇用につきましては、例えば、被災地の場合は、瓦れきを拾っていただくとか、先生も覚えていらっしゃると思いますけれども、そういうことで雇用を生んで、一定の期間は農家の方々の所得を確保するということができました。今も復旧事業の工事等がありますので、できるだけ、なかなか農家の方が土木の現場で働くというのは抵抗があるかもしれませんが、そういうところでお勤めいただけるということであれば積極的にそちらの方にマッチングするような努力も、就農機会を確保するような努力もさせていきたいと思っております。
 とにかく、丸森につきましては、災害復旧査定を含めて、人的資源がもう圧倒的に足りないというお声を聞かせていただいておりますので、農林水産省としても、技術者を含めて人的な支援も、マンパワーも含めた支援をさせていただこうというふうに考えております。

#200
○委員長(江島潔君) 時間です。

#201
○紙智子君 ありがとうございました。
 ちょっと時間になりましたので、残りはまた次回させていただきたいと思います。
 終わります。

#202
○委員長(江島潔君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後二時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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