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2020/03/13 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第8号 令和2年3月13日
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2020/03/13 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第8号 令和2年3月13日

#1
令和二年三月十三日(金曜日)
   午後四時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第八号
    ─────────────
  令和二年三月十三日
   午後三時三十分 本会議
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 第一 新型インフルエンザ等対策特別措置法の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長水落敏栄さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔水落敏栄君登壇、拍手〕

#3
○水落敏栄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、新型コロナウイルス感染症の発生及びその蔓延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況に鑑み、この法律の施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、新型コロナウイルス感染症を新型インフルエンザ等対策特別措置法に規定する新型インフルエンザ等とみなし、同法に基づく措置を実施しようとするものであります。
 委員会におきましては、参考人から意見を聴取するとともに、新型インフルエンザ等緊急事態宣言の要件、新型インフルエンザ等緊急事態措置の内容及び効果、今後新たに発生する感染症に対処するための法整備の検討の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より反対、立憲・国民.新緑風会・社民の矢田理事より賛成の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) 本案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。山添拓さん。
   〔山添拓君登壇、拍手〕

#5
○山添拓君 日本共産党を代表し、新型インフルエンザ特措法改定案に反対の討論を行います。
 討論に先立ち、森法務大臣の検察官を侮辱する暴言に断固抗議するものであります。
 森大臣は、本院予算委員会で、検察官の勤務延長を可能とする法解釈の変更について問われ、東日本大震災のとき、検察官はいわき市から最初に逃げた、身柄拘束をしている十数人を理由なく釈放したなどと述べました。事実に反するばかりか、解釈変更の説明にもなっていません。
 謝罪と撤回では済まされません。大臣の資格が問われています。
 従来の検察庁法の解釈を百八十度変え、検察官の勤務延長を可能とし、安倍首相に近いとされる黒川氏の勤務延長を認めた人事が、大臣の誤った認識や個人的な見解を前提になされたとすれば大問題です。黒川氏の勤務延長を直ちに撤回するよう、強く求めるものです。
 新型コロナウイルス感染症が国内外で拡大し、多くの人が不安を感じています。今、急いで求められるのは、明日の暮らしに希望が持てる展望を示すことです。
 日本共産党は、昨日、三つの柱で緊急経済提言を発表しました。新型コロナの影響から緊急に国民生活を防衛する。外需頼みがいよいよ行き詰まる下で、内需、家計、中小企業支援に力を集中する。今年度予備費の枠内ではなく、来年度予算の抜本修正によって財源を確保する。感染拡大を防ぎ、検査体制と医療体制を一層充実させるとともに、暮らしと経済を守る政治責任を果たすことこそが緊急の課題であることを重ねて強調します。
 ところが、政府は、本法案を通すことを最優先にし、新型コロナウイルス感染症を二年間、特措法の対象にしようとしています。以下、反対理由を述べます。
 特措法の最大の問題は、緊急事態宣言の下で行政に権力を集中させ、広範な権利制限が可能となることです。
 外出自粛の要請が可能とされます。学校や保育所、介護老人保健施設、映画館や劇場、集会場や公会堂、展示場、百貨店、体育館やプール、博物館、図書館、ダンスホール、さらには理髪店や学習塾など、多くの人が利用する施設の使用の制限、停止を要請し、指示できるとされます。医薬品や食料品の所有者に売渡しを要請し、あるいは収用し、運送事業者には緊急物資の輸送を要請、指示し、医療施設建設のために土地や建物を同意なく使用できるとされます。
 こうした多岐にわたる措置は、憲法が保障する移動の自由、経済活動の自由、集会の自由や表現の自由などの基本的人権を制約し、暮らしと経済に重大な影響を及ぼします。
 緊急事態を理由に国家の都合が優先され、個人の権利が軽んじられてしまうことは、我が国を含めた歴史が示しています。危機を理由に権利の制約が過度に、安易に許されることのないよう、慎重の上にも慎重を期すことは、立法府に課せられた重大な役割です。
 確かに、特措法には、自由と権利の制限は必要最小限度のものでなければならないとの規定があります。しかし、その保証はありません。
 二〇一二年、特措法制定時の本院の附帯決議で、法施行後三年をめどに権利救済の制度を検討するという文言が盛り込まれました。ところが、今日に至るまでその検討は一切行われていません。
 様々な措置により市民に生じる経済的な損失について、補償する仕組みもありません。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現在既に営業活動やイベントなどの自主的な中止や縮小が相次いでいます。この上、幅広い人権制限が発動されれば、たとえ強制力のない措置であっても、市民生活と経済活動に広範な萎縮効果が及ぶことは明らかです。
 特措法は、自由と権利の重大な制約を可能とするにもかかわらず、法律上の歯止めが極めて曖昧だと言わなければなりません。
 都道府県知事にこうした強力な権限を持たせるのが、内閣総理大臣による緊急事態宣言です。ところが、その発動要件は、法律上不明確です。具体的な要件は政令に大幅に委任されていますが、施行令の規定も曖昧です。
 重篤な症例の発生頻度が季節性インフルエンザと比べて相当程度高いと認められること、全国的かつ急速な蔓延の二つの要件が挙げられます。しかし、重篤とは何か、相当程度高いとはどの程度か、蔓延とは何か、これらを誰が、いかなる根拠に基づき判断するのか、何ら定めがありません。
 科学的な根拠について専門家の意見を踏まえる仕組みすらない下で、西村大臣は、定量的に何か基準を示すのは難しいなどと開き直っています。幅広い私権制限が、専ら政治的判断の下に行われることとなりかねません。
 しかも、緊急事態宣言の発動や解除に際し、国会の承認は求められていません。緊急事態宣言の期限は二年で、更に一年の延長も可能ですが、延長の際にも国会承認は不要です。内閣総理大臣は国会への報告を行いさえすればよく、法律上は事後的な報告でも足ります。私権の制限を、一時的かつ一部とはいえ行政権に集中させるにもかかわらず、国会の事前承認すら求めないことは極めて重大です。
 さらに、緊急事態宣言の下では、指定公共機関であるNHKに対し、内閣総理大臣が必要な指示をすることができるとされ、その内容や範囲に限定はありません。西村大臣は、民放テレビ局の指定は考えていないと答弁しましたが、法文上の担保はなく、衆議院で宮下一郎副大臣は、放送内容について変更、差し替えをしてもらうことはあり得るとまで述べています。
 これでは、政府にとって都合の悪い事実は報道させないことも可能となり、国民の知る権利を脅かしかねません。本来求められているのは、一人一人の市民が要請や指示に従うべきか冷静に判断できるだけの必要かつ十分な情報開示ではないでしょうか。
 以上のとおり、特措法は、自由と権利を幅広く制約し、民主主義の機能を停止させかねないものであるにもかかわらず、曖昧、不明確な要件で権力の集中を可能とするものです。
 ところが、本法案は、衆議院で三時間、本院でも参考人質疑を含め四時間二十分の質疑時間で委員会採決に至っており、十分な審議すら行われていません。政府は、本日の質疑でも、現状は緊急事態宣言を発する状況ではないとしています。急いで審議、採決する必要はありません。同志社大学の川本哲郎参考人が述べたように、曖昧な要件についてもっと詰めた議論を丁寧に行うことは、法案への賛否を超えて、最低限必要なのではありませんか。
 新型コロナウイルスの対策をめぐっては、小中高校などの一律の休校要請、中国、韓国からの入国制限の強化など、安倍首相の独断専行が国内に大混乱をもたらしています。
 しかし、本院予算委員会で、政府の専門家会議副座長である尾身茂公述人は、コロナの場合は学校閉鎖が効果があるというエビデンスはないと述べており、一律休校要請に科学的な根拠はなく、総理は政治的判断であることを公言しています。
 加えて、憲法改定に前のめりの安倍首相の下で、自民党議員から、新型コロナは改憲の実験台、緊急事態条項を改憲項目にとの発言が公然となされていることも見過ごすわけにはいきません。
 こうした安倍政権に本法案で緊急事態宣言の発動を可能とすることは容認できないことを強調し、討論を終わります。(拍手)

#6
○議長(山東昭子君) 矢田わか子さん。
   〔矢田わか子君登壇、拍手〕

#7
○矢田わか子君 共同会派、立憲・国民.新緑風会・社民の矢田わか子です。
 会派を代表し、新型インフルエンザ特措法改正案に関し、賛成の立場から意見を述べます。
 まず、今回の新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、現在治療中の皆様の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
 意見を述べる前に、森法務大臣から、法務行政のトップに立つ立場からは想像を絶する発言があったことに触れさせていただきます。
 森法務大臣は、三月九日の参議院予算委員会において、我が会派の小西議員の質問に答え、東京高検検事長の定年延長をめぐる法解釈を変更した理由は社会情勢の変化にあると説明し、具体例として、例えば東日本大震災のとき、検察官は、いわき市から国民が、市民が避難していない中で、最初に逃げた、そのときに身柄拘束をしている十数人を理由なく釈放したと答弁されました。後に、この発言は、森大臣が、自民党が野党だったときに国会質問で発言した個人の見解だったと弁明されました。この答弁で国会は紛糾し、審議がストップしました。最終的に、大臣の謝罪をもって国会は一部の委員会が再開しましたが、これで一件落着というわけにはいきません。
 法による秩序の維持と正義を守る法務行政のトップに立つ大臣が、法曹界の一翼を担う検察官に対しこのような感情的な意識を持たれ、そして、それを国会の場でちゅうちょすることなく発言されるということは、まさに異常と言うしかありません。
 法務大臣といえば、前大臣の河井衆議院議員についても公職選挙法違反の嫌疑が掛けられています。そして、今回、この大臣の発言といい、もはや安倍内閣は、法治国家である我が国を運営する資格を失っていると言えるのではないでしょうか。大臣の辞任を指示できない安倍総理大臣の姿勢を厳しく糾弾し、森大臣の辞任を要求し続けたいと思います。
 さて、新型インフルエンザ特措法改正案について意見を述べさせていただきます。
 今回、政府より提出された法案は、新型コロナウイルス感染症に対し、流行を早期に収束させるために徹底した対策を講じていく必要があると説明されています。確かに、現時点でワクチンと治療薬が開発されていない新たな感染症の広がりに対し、可能な限りの対策を講じ、国民の不安を解消し、国民生活や経済活動に与える影響を取り除くことは緊急の課題であることに異論はありません。
 しかし、政府は、日本国内での初の感染者が発生した一月十五日以降も有効な対策を講じることなく、新型コロナウイルス感染症を関係法令に基づく指定感染症、検疫感染症と指定したのは二月一日のことです。また、専門家会議の立ち上げも二月十六日という初期対応の遅れがあったことは否めないはずです。この間、日本には、本年一月の一か月間に約九十万人、二月にも十一万人の中国人が訪問しています。この中に感染者が含まれていなかったと言い切れるんでしょうか。
 私どもは、一月末の初期段階から、感染の蔓延防止と社会的機能を維持するための措置を講ずることができる現行法、平成二十四年に成立した新型インフルエンザ等特別措置法の活用を求めてきましたが、政府は、新型コロナウイルスは対象にならないとして、この要求を否定され続けているわけです。
 しかし、私たちは、この現行法の活用が可能であったことについては今でも揺るぎない確信を持っています。平成二十四年三月、現行法の国会審議の際に、当時の野田内閣の担当であった中川正春大臣は、病原性の高い新型インフルエンザや同様な危険性のある新感染症に対して、三年前の新型インフルエンザの教訓も踏まえつつ、必要な法制を整えておくことが喫緊の課題でありますと法案の提案理由を述べられています。まさに、現行法が適用できた証左であります。
 政府は、私たちのこの要求を無視された一方で、その後、官邸主導で、事前に国民に十分周知することなく、小中高校の一斉臨時休校の要請、イベント等の中止要請、中国、韓国からの入国制限など、法の根拠に基づかない対策を次から次へと出されました。この突然の要請、指示に対し、多くの国民は、日常生活や働き方の変更を余儀なくされ、そして子育て等において混乱を来し、また経済活動全体にも大きな利益損失を伴う様々な影響がもたらされています。
 非正規労働者を中心とした雇い止めや解雇、学生の内定の取消し、学校休校による給食食材の廃棄、子供たちのストレスの増幅、選抜高校野球を始めとする国民的スポーツイベントの中止や無観客試合など、金銭的な補償だけでは補い切れない傷を社会や個人に残す事態が次から次へと生じています。
 このほか、横浜港に停泊したクルーズ船における感染症防止にも失敗して、国際的な非難を浴びることとなりました。また、感染が深刻化した北海道では、独自の判断で緊急事態宣言が発せられ、最初に現行法を適用さえしていれば、法的根拠をもって各都道府県が主体的に行動計画を立てることができたはずなんです。
 そして、ここに来て政府はようやく新型インフルエンザ特措法の対象感染症に新型コロナだけを追加するという法改正を図ることにしたわけですが、この改正案についても、今後の新たな感染症の対応ができていないこと、緊急事態宣言の要件の曖昧さ、あるいは私権の制約や自由な行動の制限が人権や財産権の侵害にならないのかなどなど、多くの問題が残っています。
 今、国民が求めるものは、この新型コロナウイルスの感染を食い止め日常生活を取り戻すこと、そして、感染によって被った経済的な損失を十分に補償することにあります。
 この補償については、パートタイマーやアルバイト、派遣労働者、フリーランスなど非正規を含めた働く人への補償が優先されるべきと考えます。また、観光、サービス業、小売業を中心に影響を受けた中小零細企業、個人商店への損失補填や事業継承支援、そして、既に影響が出ているサプライチェーンの寸断で生産活動が制約される産業への支援や、製造業での一部検討されている生産拠点の国内回帰への具体的な支援も必要になってくると考えます。
 私どもは、こういった損害や損失への補償とともに、経済活動を再活性化するために、家計支援を増やす減税の実施も早急に検討すべきだと考えています。特に、低所得者、独居の高齢者、障害者、シングルマザーなど、いわゆる社会的弱者への重点的な対策を講じてもらいたいと考えます。子育て家庭は、三月から四月が一番お金が掛かる時期でもあります。雇調金の早期支給のための手続など、早急に現金が行き渡るように支援体制を整えるべきだと考えます。
 所属する国民民主党は、全世帯への支援金の支給についても検討を始めていますが、全ての国民が生活に困らないよう、一段の対策の強化を求めます。
 これまでの政府の後手後手の対策、本特措法改正案の中の懸念事項など、問題点は枚挙にいとまないわけですが、先ほどの内閣委員会では、前回の附帯決議の内容がこの八年間、十分に検討されていないという状況も踏まえ、衆議院を超える二十五本に及ぶ附帯決議を採択いたしました。
 また、昨日は、WHOが新型コロナウイルス感染をパンデミックとする宣言を行い、日本国内においても感染の広がりが止まらない状況が続いています。また、本日も株価が急落している状況です。
 これらのことを鑑み、現行特措法の法目的に沿った措置の展開が国民の生活と健康を守り、経済活動の停滞を防止することにつながると判断し、私どもの会派は、苦渋の選択として改正案に賛成することといたしました。
 確かに、緊急事態宣言に基づく施策が権利侵害につながるのではないかという懸念から、法改正に反対する意見もあります。政府におかれましては、暴走することなく、丁寧な国会報告を行い、野党の意見、国民の声を尊重していただきたいと思います。
 現在、我が国が置かれた未知なる脅威との闘いが本改正案の成立によって一歩でも前に進むことができるよう、与野党を超えて知恵を絞り合うことが必要であることを訴え、賛成討論といたします。(拍手)

#8
○議長(山東昭子君) 清水貴之さん。
   〔清水貴之君登壇、拍手〕

#9
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 会派を代表し、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論いたします。
 初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心よりお悔やみを申し上げるとともに、罹患された皆様にお見舞いを申し上げます。
 日本維新の会は、二月三日と三月四日の二回にわたって提言をまとめ、新型インフルエンザ等対策特措法や関連の法整備などを強く訴えてまいりました。
 第二弾の提言では、まず第一に、入国禁止措置の対象を中国全土始め感染が深刻な国・地域へ拡大することを求めています。感染者が判明し、業務が停止した診療所、病院、介護・障害福祉施設などに対し、貸付けだけでなく、政府の責任で補助金、給付金を手当てし、マスクについては医療機関、介護施設に優先供給するよう提案しました。
 加えて、一斉休校の要請に伴う働く人への休業補償について、フリーランスなどにも漏れなく給付する仕組みをつくるよう求め、そのほか、感染拡大阻止に向けて地方自治体との連携を更に強化するとともに、各自治体が主導して実施する施策への財政的な支援を拡充し、地方が機動的に施策を展開できる体制の確立を図るよう求めました。
 さらに、深刻な景気後退が予想される中で、東日本大震災後に実施されたような減税措置を講ずるとともに、十兆円規模の補正予算の迅速な成立を図るなど、財政出動を実行するよう提言しました。
 政府が我が会派の主張を受け止め、様々な施策を打ち出すと同時に、遅ればせながら新型インフルエンザ等対策特措法の改正に踏み切ったこと自体に対しては、基本的に異を唱えるものではありません。
 今回の法改正により、内閣総理大臣が緊急事態宣言を行うことで、都道府県知事に私権の制限を含む強力な権限が与えられます。感染症の蔓延を抑え込むには、場合によっては私権の制限に踏み込まざるを得ません。
 自立する個人、自立する地域、自立する国家の実現を政治理念とする日本維新の会は、私権の制限には極力慎重であるべきだという立場でありますが、出口が見通せない今般の新型コロナウイルス感染拡大は国家的な緊急事態であり、国民の健康、生命、安全を守るにはやむを得ないと考えます。しかし、それは言うまでもなく法が適正に運用されることが前提です。
 また、立憲主義の立場から、緊急事態宣言には国会の事前承認が必要です。附帯決議にある事前報告だけでは全く不十分と言わざるを得ません。
 改正案の四十五条には、多数の施設の使用、当該施設におけるイベント等の開催の制限、停止の要請、指示に関する規定はありますが、強制力がなく、制限、停止に伴う経済的損失への公的な補償措置も規定されていません。
 実効性の一層の確保を図るために、日本維新の会は、与党との国対委員長間の修正協議で、一定規模のイベント等の開催について制限、停止の命令を行う法的根拠の創設と、当該命令に従い経済的不利益を受ける方々への補償措置を規定するよう強く求めました。これは、責任政党としての当然の訴えであり、各現場の指揮を託される知事などからの叫びでもあります。
 しかし、修正はかなわず、附帯決議に経済的不利益を受ける者への配慮を十分に検討する旨、盛り込まれるにとどまりました。このような曖昧な対応ではなく、政府に対し、早急に補償措置を講じるよう強く求めます。
 また、医療体制を崩壊させない態勢の整備も喫緊の課題です。
 大阪府は、府内の感染者の入院先を症状やリスクに応じて振り分ける方針を打ち出しました。重症者やハイリスク患者の病床を優先的に確保していくもので、医療崩壊の阻止に向けた極めて有効な手だてだと考えます。政府に対しては、この大阪方式を参考に、医療体制を維持するための態勢づくりを遅滞なく全国に広げていくよう、指針などの形で打ち出すことを提案します。
 全世界に蔓延する新型コロナウイルス感染の脅威は日に日に世界経済を萎縮させ、コロナ恐慌の様相すら呈しつつあります。
 政府には、より具体的な対策を早急に打ち出し、零細中小企業等に一刻も早く安心感を与えるべきです。そして、国民生活を守り、日本経済への影響を最小限に食い止めるために、直ちに消費税の軽減税率を全品目に適用するなど大胆な対策を取るべきではないでしょうか。そうでもしなければ、この経済危機を乗り切ることができないものと思われます。
 同時に、経済への影響の深刻さを鑑み、事態終息後の国民生活及び経済活動の円滑かつ迅速な再建への道筋も描いておくことも不可欠です。日本維新の会も責任政党として積極的に第三、第四の提言をさせていただく所存です。
 国難とも言えるこの状況を克服するには、国と国民が一つになって立ち向かうしかありません。新型コロナウイルスとの闘いに政府も与野党も関係ありません。無論、我が会派も協力を惜しみません。
 前例にとらわれない大胆な対策を打ち出し、迅速に実行していくことが待ったなしであることを改めて指摘し、賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

#10
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────

#11
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

#12
○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

#13
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十四  
  賛成            二百十六  
  反対              十八  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────

#14
○議長(山東昭子君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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