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2020/03/11 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 令和2年3月11日
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2020/03/11 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号 令和2年3月11日

#1
令和二年三月十一日(水曜日)
   午後零時三十分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         小西 洋之君
    理 事
                猪口 邦子君
                山田  宏君
                石橋 通宏君
                秋野 公造君
    委 員
                有村 治子君
                石田 昌宏君
                今井絵理子君
                岩本 剛人君
                高橋はるみ君
                鶴保 庸介君
                三宅 伸吾君
                宮島 喜文君
                大塚 耕平君
                勝部 賢志君
                徳永 エリ君
                下野 六太君
                鈴木 宗男君
                紙  智子君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策))  衛藤 晟一君
   副大臣
       内閣府副大臣   大塚  拓君
       外務副大臣    若宮 健嗣君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        清野 和彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件
 )
 (派遣委員の報告)
    ─────────────

#2
○委員長(小西洋之君) ただいまから沖縄及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 議事に先立ち、一言申し上げます。
 東日本大震災の発災から本日で九年を迎えます。
 ここに、改めて、今なお困難な生活を余儀なくされている被災者の皆様に思いを致すとともに、犠牲になられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
 どうぞ御起立願います。黙祷。
   〔総員起立、黙祷〕

#3
○委員長(小西洋之君) 黙祷を終わります。御着席願います。
    ─────────────

#4
○委員長(小西洋之君) 沖縄及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 沖縄及び北方問題に関しての施策に関する件について関係大臣から所信を聴取いたします。
 まず、衛藤沖縄及び北方対策担当大臣より所信を聴取いたします。衛藤沖縄及び北方対策担当大臣。

#5
○国務大臣(衛藤晟一君) 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の衛藤晟一でございます。
 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信を申し述べます。
 まず、沖縄政策について申し上げます。
 沖縄の振興については、昭和四十七年の本土復帰以降講じられてきた社会資本整備や各種産業振興策等によって、入域観光客数や就業者数が増加するなど着実に成果を上げてきています。しかし、全国最下位の一人当たり県民所得や、特に若年層の高い失業率等を始めとした課題がなお存在していることも事実です。
 一方で、沖縄は、東アジアの中心に位置する地理的特性や、日本一高い出生率といった優位性、潜在力を有しています。これらを生かし、沖縄が自立的に発展することを目指して、引き続き、沖縄振興策を総合的、積極的に推進してまいります。
 令和二年度の沖縄振興予算案については、厳しい財政状況の下ですが、総額三千十億円を計上しました。この中では、首里城の復元を含む都市公園の整備、西普天間住宅地区跡地における沖縄健康医療拠点の整備、離島の地域振興、子供の貧困緊急対策等に係る予算を増額して計上するとともに、小規模離島における海底送電ケーブル等の整備や、テレワーク関連施設の整備、活用を支援するための予算を新たに計上しております。
 一括交付金制度については、沖縄県と連携しつつ、より一層、的確かつ効果的に活用されるよう努めてまいります。あわせて、沖縄振興特定事業推進費を活用して、市町村等が地域課題、政策課題に迅速、柔軟に対応できるよう支援いたします。
 令和二年度税制改正については、沖縄路線航空機に係る航空機燃料税の軽減措置など五件の適用期限の延長を盛り込んでおります。
 昨年の火災で焼失した首里城については、参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会におかれても、昨年十一月に現地を視察いただきました。政府としては、昨年十二月に首里城復元に向けた基本的な方針を決定し、年度内を目途に、復元に向けた工程表を策定することを目指して、現在議論を進めているところです。引き続き、沖縄の方々のお話もお伺いしながら、一日も早い復元に向け、政府として責任を持って全力で取り組んでまいります。
 観光・リゾート産業については、令和元年の入域観光客数は過去最高の一千十六万人となり、六年連続で国内客、外国客共に過去最高となりました。ただし、世界全体に広がりつつある新型コロナウイルス感染症の影響を今後よく注視する必要があると考えており、これらを踏まえつつ、沖縄のリーディング産業である観光振興にしっかり取り組んでまいります。
 県民の生活を支えるとともに、急増する観光客に対応するためには、道路、港湾、空港等の社会資本整備を一層推進することが重要です。
 重要な拠点空港である那覇空港については、今月、平成二十五年度から整備を進めてきた第二滑走路がいよいよ供用開始となります。那覇空港が沖縄の発展に大きく寄与していくことを期待するとともに、引き続き、観光客等の受入れ環境整備に取り組んでまいります。
 また、クルーズ船の寄港に対応した那覇港、石垣港、平良港、本部港等の受入れ環境整備を着実に進めるとともに、沖縄の深刻な交通渋滞解消のため、沖縄西海岸道路等の主要幹線道路の整備、並びに、昨年、延伸区間が開業したモノレールの三両化を始めとする公共交通機関の利用促進などの取組を進めてまいります。
 産業の創出については、引き続き、特区・地域制度の活用による企業の集積を図るとともに、ITやものづくりの中核を担う人材育成等を通じ、高度・高付加価値な産業の育成に取り組んでまいります。また、アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成を図り、物流拠点を活用したものづくり産業の創出に取り組んでまいります。
 北部地域については、県土の均衡ある発展を図る観点から、産業の振興や定住条件の整備などに資する振興事業を実施するとともに、世界自然遺産への登録に向けて、できる限りの協力を行ってまいります。また、厳しい自然的条件に置かれている沖縄の離島については、国土保全等に重要な役割を担っていることにも鑑み、先導的な事業を国が直接支援するとともに、小規模離島における海底送電ケーブル等の整備を進め、活性化に取り組んでまいります。
 喫緊の課題となっている沖縄の子供の貧困対策については、支援員の配置や居場所づくりを推進するとともに、支援の質の向上を図ってまいります。
 沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、世界最高水準の教育研究を行い、イノベーションの国際拠点となるため、規模拡充に向けた取組を支援するとともに、OIST等を核としたイノベーション・エコシステムの形成の推進を図ってまいります。
 このほか、農林水産業の振興、琉球泡盛の海外輸出プロジェクト等を通じた振興、鉄軌道等の調査、子育ての支援、雇用の促進、不発弾対策等についても、着実に取組を進めてまいります。
 沖縄には、今なお多くの在日米軍専用施設・区域が存在し、沖縄県民の皆様に大きな御負担を掛けております。引き続き、沖縄の皆様の御理解を得る努力を続けながら、沖縄の基地負担軽減に取り組むことが政府の方針です。特に、住宅や学校に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間飛行場については、固定化は絶対に避けなければならないとの認識の下、一日も早い全面返還の実現に向けて政府として取り組むこととしています。
 駐留軍用地の跡地利用は、今後の沖縄振興の観点から極めて重要な課題です。このうち、西普天間住宅地区跡地における沖縄健康医療拠点の整備については、令和二年度予算案では、琉球大学医学部及び附属病院の主要な建物の建設に着手するため、必要な施設整備費及び土地購入費等を計上しました。同跡地が今後の他の跡地利用のモデルケースとなるよう、関係機関の連携の下、沖縄健康医療拠点の形成に向けた取組を着実に推進してまいります。
 また、今後返還が予定される駐留軍用地については、昨年六月から沖縄担当大臣の下で開催している基地跡地の未来に関する懇談会において、返還跡地の核となる施設や機能のあり得るオプションを検討してまいります。
 現行の沖縄振興特別措置法の期限、そして本土復帰五十年という大きな節目まで、残すところ約二年となりました。これまでの沖縄振興の検証に引き続きしっかりと取り組んでまいります。
 次に、北方領土問題について申し上げます。
 政府は、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針の下、粘り強く外交交渉に取り組んでいます。私は、北方対策担当大臣として、国民世論啓発の強化、交流事業の円滑な実施、元島民の方々への援護等に積極的に取り組み、外交交渉を強力に後押ししてまいる所存です。
 まず、国民世論の啓発については、北方領土問題の解決のためには、多くの国民にこの問題に対する理解と関心を持っていただき、国民世論を盛り上げることが重要です。とりわけ、元島民の方々の高齢化が進む中、次代を担う若い世代の関心を喚起することが重要であり、SNSを活用した情報発信や北方領土隣接地域への修学旅行の誘致の強化等に取り組んでまいります。
 元島民の方々に対する援護については、特に、高齢化している元島民の方々の身体的な負担の軽減が喫緊の課題となっております。このため、令和二年度予算案において、航空機による特別墓参に必要な経費や、北方四島交流等事業使用船舶内の非常時対応機器の整備に必要な経費等を盛り込みました。元島民の方々のより自由な往来に向けて、更なる改善策が講じられるよう努めてまいります。
 さらに、北方四島住民との相互理解の増進に寄与するため、交流事業の円滑な実施に取り組んでまいります。
 先月七日、令和二年北方領土返還要求全国大会において、元島民の方々の切なる望郷の思いやそれを受け継ぐ若い世代の方々の強い意志に触れ、北方領土問題の解決に向けた断固たる決意を新たにいたしました。この決意を片時も忘れずに、元島民の方々に寄り添いながら職務に邁進してまいります。
 小西委員長を始め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。

#6
○委員長(小西洋之君) 次に、茂木外務大臣から所信を聴取いたします。茂木外務大臣。

#7
○国務大臣(茂木敏充君) 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。
 我が国を取り巻く安全保障環境は、大変厳しい状況にあります。我が国の平和と安全を確保していく上で、日米同盟の強化は最も重要な課題であり、特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠です。こうした観点も踏まえ、米政府関係者との緊密な意思疎通を図ってきております。
 また、在日米軍の安定的駐留には地元の御理解が不可欠であり、米軍機等の安全確保について米側に対して引き続き強く要請してまいります。普天間飛行場の辺野古への移設を始め、沖縄の負担軽減に引き続き全力で取り組みます。また、沖縄の更なる成長に向けて、英語研修の実施などを通じ、国際社会で活躍する沖縄の人材育成に貢献していきます。
 尖閣諸島をめぐる情勢については、日本の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意で毅然かつ冷静に対応していきます。一方、中国との関係は、日本にとって最も重要な二国間関係の一つです。引き続き、懸案を適切に処理しながら、二国間での意思疎通を行っていきます。
 ロシアとは、一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの首脳間の合意を踏まえ、昨年十二月の訪ロや先月のミュンヘンを含め、既に四度の外相会談を行うなど、外相レベルでも緊密に対話を重ねています。北方四島における共同経済活動プロジェクトの更なる具体化を進めるとともに、元島民の方々のための人道的措置も実施していきます。引き続き、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、粘り強く交渉に取り組みます。
 以上の諸問題に取り組むに当たり、小西委員長を始め理事、委員各位の御指導、御理解を心からお願い申し上げます。

#8
○委員長(小西洋之君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 この際、若宮外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。若宮外務副大臣。

#9
○副大臣(若宮健嗣君) 外務副大臣の若宮健嗣でございます。
 我が国を取り巻く安全保障環境が大変厳しい中、日米同盟の強化が不可欠であります。在沖縄米軍を含みます在日米軍の抑止力を維持しつつ、地元の負担軽減を図ってまいります。
 尖閣諸島をめぐる情勢につきましては、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意で毅然かつ冷静に対応してまいります。
 また、ロシアとの間では様々な分野における協力の進展を図りながら、平和条約交渉にしっかりと取り組んでいることが重要であると考えております。
 領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針の下、茂木外務大臣を補佐し、外務副大臣として職責を全うすべく、全力で取り組んでまいる覚悟でございます。
 小西委員長を始め理事、委員各位の皆様方の御支援、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

#10
○委員長(小西洋之君) 政府側は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────

#11
○委員長(小西洋之君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。山田宏君。

#12
○山田宏君 委員派遣における調査の概要について御報告いたします。
 本年二月十七日及び十八日の二日間、北方領土及び隣接地域の諸問題等に関する実情調査のため、北海道を訪問いたしました。派遣委員は、小西委員長、猪口理事、石橋理事、秋野理事、鈴木委員、紙委員、伊波委員及び私、山田の計八名でございます。
 今回の委員派遣では、降雪等のため日程を一部変更せざるを得ませんでしたが、関係者との意見交換や関連施設の視察等を通じ現地の実情の把握に努めました。
 以下、日程に沿って御報告申し上げます。
 一日目は、まず、釧路空港から根室市の納沙布岬に向かう車中において、北海道より根室管内の概況及び漁業、医療、介護各分野の課題などについて説明を聴取しました。
 納沙布岬では、天候が余り良くない中ではありましたが、歯舞群島の貝殻島灯台に加え萌茂尻島を間近に見ることができ、北方四島はまさに我が国固有の領土であることを実感いたしました。その後、北方領土問題の発生の状況や歴史的経緯を解説している啓発施設である北方館及び望郷の家を視察し、北方領土問題や返還要求運動の歴史的経緯などについて説明を受けました。
 次に、根室市総合文化会館に移動し、まず、北方領土の元居住者の組織である公益社団法人千島歯舞諸島居住者連盟から要望を聴取するとともに、意見交換を行いました。その後、行政関係者などから要望を聴取するとともに、意見交換を行いました。
 千島連盟からは要望として、北方領土の早期一括返還に向けた外交交渉の展開、北方墓参・自由訪問におけるより自由な往来の実現や参加者の負担軽減と安全の確保、自由訪問事業の対象者の拡大、財産権の保護に関する方針等の明確化や、財産権を行使できなかったことの損失等への早急な措置の必要性、北方領土問題の国民全体への啓発活動の強化などが述べられました。
 また、意見交換では、北方領土返還要求運動は二世、三世の後継者が中心になりつつあり、活動に広がりを持つためにも若年層への北方領土問題啓発により注力すべきであることなどについて発言がありました。
 続いて、地元自治体である北海道からは要望として、北方領土返還要求運動の推進、北方領土隣接地域の振興対策の充実強化、北方四島交流等事業の円滑実施、共同経済活動に関する協議の推進、北方四島との関係強化を図る取組などが、また、北方領土隣接地域の一市四町から成る北方領土隣接地域振興対策根室管内市町連絡協議会からは、北隣協と北方四島との新たな地域間交流の推進などが、それぞれ述べられました。また、北海道における北方領土返還要求運動の主要な担い手である公益社団法人北方領土復帰期成同盟からは要望として、北方領土返還要求運動に対する支援の充実強化及び北方四島交流事業の推進などが、さらに、北方地域漁業権補償推進委員会からは、旧漁業権に対する早急な補償措置の必要性などが、それぞれ述べられました。
 また、意見交換では、北方領土返還実現のためにも北方領土隣接地域が魅力ある地域であり続ける必要性、北方領土隣接地域への振興施策は地域経済への投資の起爆剤となり得ること、取崩しが法改正で可能となった北方基金の取崩しによる枯渇への懸念、北方四島よりも日本本土の方が医療は充実していると聞くが受入れ人数は限られてしまうこと、北方領土の旧漁業権について沖縄とは異なり補償が行われなかったことなどについて発言がありました。
 二日目は、早朝に根室を出発し、まず、別海北方展望塔及び標津町の北方領土館を順次視察しました。これら施設から国後島を展望するとともに、国後島集落の一軒一軒の家々を元島民が再現して描いた鳥瞰図などを視察しました。その後、羅臼国後展望塔を視察し、眼前に横たわる国後島が一望できましたが、羅臼漁港と国後島の間の幅約二十五キロメートルの海域は、手を伸ばせば届くような近さであることが実感されました。
 次に、羅臼漁港を視察し、近年のロシア国境警備局による漁船の連行について、安全操業に関する具体的な操業条件を全ての漁船員に周知徹底することの難しさなどについて説明を受けました。
 その後、最後の視察先である町立中標津病院において説明を聴取しました。医師などの医療従事者の確保の難しさや厳しい勤務状況、町からの繰入れが常態化している病院の収支状況などが大きな課題となっていることや、同病院が行っている北方四島のロシア人住人に対する医療支援について、我が国の高度な医療がロシア人患者に涙ながらに感謝されていたことなどについても伺いました。
 こうして全日程を終え、中標津空港から帰路に就きました。
 以上が調査の概要でございます。
 今回の委員派遣では、元居住者など多くの関係者と会い、意見交換を行う中で、率直な思いを伺うことができました。一万七千名以上いた元居住者が今では六千名を切り、平均年齢も八十五歳に近づく中で、いまだ北方領土の返還が実現しないことに対する非常に強い焦燥感や、今般の視察における元居住者団体などからの要望を国政に反映させることを求める強い思いが述べられました。また、元居住者の高齢化が進む中で、北方領土返還運動を担う後継者への一層の支援の必要性や、若い世代への北方領土教育の在り方といった課題に対する認識を新たにしました。
 視察を通じては、北方領土隣接地域の振興について、同地域の基幹産業である水産業では、ロシアのトロール漁船の操業による影響や、北方四島周辺水域操業枠組み協定により操業していた日本漁船が近年ロシアの国境警備局により連行される事案を踏まえて、漁船員に対する操業条件の周知徹底を含め、漁業関係者が安心して操業できる環境の整備の必要性や、医療・介護体制の維持・拡充、酪農の一層の近代化などの課題があることを伺いました。
 この点に関し、近年の低金利の影響で運用益が減少していた北方基金について、平成三十年の北特法の改正により同基金の取崩しを可能としたところであり、令和元年度は基金の運用益や取崩しの活用により約四億円の事業が行われております。また、元居住者等への融資についても、旧漁業法の改正により貸付対象者を拡大しており、新たに対象となった方への融資も令和元年度に行われたところです。
 北方領土問題の解決のためには、返還要求運動の更なる広がりや国民世論の一層の啓発が不可欠であるとともに、望ましい地域社会としての発展が阻害されている北方領土隣接地域への振興策が極めて重要であり、地元の声を十分聞きながら、より一層取り組んでいく必要性を強く感じました。
 最後に、今般の委員派遣に際し、御協力いただきました北海道を始めとする関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。
 なお、委員派遣の文書による報告につきましては、本日の会議録の末尾に掲載されますよう、お取り計らいをいただきたいと存じます。
 以上です。

#13
○委員長(小西洋之君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 ただいまの報告につきましては、別途、詳細にわたる報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#14
○委員長(小西洋之君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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