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2020/03/11 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第7号 令和2年3月11日
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2020/03/11 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第7号 令和2年3月11日

#1
令和二年三月十一日(水曜日)
   午前十時二分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第七号
    ─────────────
  令和二年三月十一日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 国務大臣の報告に関する件(令和二年度
  地方財政計画について)
 第二 地方税法等の一部を改正する法律案及び
  地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣
  旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) 未曽有の被害をもたらした東日本大震災から今日で九年となります。
 会議を開くに先立ち、震災により犠牲となられた全ての方々に対し、心から哀悼の意を表します。
 御遺族の皆様方に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。
     ─────・─────

#3
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(令和二年度地方財政計画について)
 日程第二 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、総務大臣の報告及び趣旨説明を求めます。高市早苗総務大臣。
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

#4
○国務大臣(高市早苗君) 令和二年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、令和二年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、人づくり革命の実現や地方創生の推進、地域社会の維持、再生、防災・減災対策等に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。
 あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
 以上の方針の下に、令和二年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ一兆千四百六十七億円増の九十兆七千三百九十七億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ二千三億円減の八千九百八十四億円などとなっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の経済社会情勢等を踏まえ、所有者不明土地等に係る固定資産税の課税上の課題に対応するため、登記名義人等が死亡している場合における現所有者に賦課徴収に関し必要な事項を申告させることができる制度の創設及び固定資産の使用者を所有者とみなして課税することができる制度の拡大を行うこととしております。
 また、個人住民税における未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦控除等の見直し、電気供給業のうち発電事業等及び小売電気事業等に係る法人事業税の課税方式の見直しを行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 令和二年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十六兆五千八百八十二億円を確保するとともに、当分の間の措置として地域社会再生事業費を設けるほか、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うこととしております。あわせて、令和二年度分の震災復興特別交付税について、新たに三千四百二十三億円を確保し、総額三千七百四十二億円とすることとしております。
 また、地方公共団体における河川のしゅんせつ等に要する経費に充てるため地方債の特例を創設するとともに、公営競技納付金制度の延長を行うこととしております。
 以上が、令和二年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────

#5
○議長(山東昭子君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。森本真治さん。
   〔森本真治君登壇、拍手〕

#6
○森本真治君 国民民主党の森本真治です。
 未曽有の被害をもたらした東日本大震災から今日で九年となりました。質問に先立ち、震災により犠牲となられました全ての方々に対し、心から哀悼の意を表し、被災者の皆様に改めてお見舞いを申し上げます。
 私は、立憲・国民.新緑風会・社民を代表し、ただいま議題となりました令和二年度地方財政計画、地方税法等改正案及び地方交付税法等改正案につきまして質問いたします。
 冒頭、新型コロナウイルス感染症について伺います。
 新型コロナウイルスの国内の感染者は、発生が拡大を続け、現時点では収束の見通しが極めて不透明です。感染者数が増加の一途をたどっている状況を踏まえ、政府においては、自治体との十分な連携により、検査体制の大幅な強化、治療、相談体制の拡充など感染拡大の抑制に全力を挙げるよう、改めて強く求めます。
 政府は、二月十三日に決定した新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策において追加される事業のうち、地方負担があるもの、具体的には、有症患者が入院することができる病床整備や自治体の相談窓口設置等への補助に係る地方負担に対し、八割を基本として特別交付税措置を講ずることとしております。
 この特別交付税措置については、今年度に引き続き、四月からの新年度においても切れ目なく講じていく必要があります。このため、令和二年度の特別交付税の速やかな交付とともに、同年度特別交付税総額の大幅な増額措置も必要になってくると考えますが、総務大臣の所見を伺います。
 また、こうした地方財政措置等を講じるに当たっては、政府と地方側との意思疎通が重要であり、地方六団体など地方と協議する場を設け、現場の意見や要望をくみ上げて対策に反映させることが必要で、昨日開催されたと伺っています。地方との会合における意見、要望を踏まえ、どのように対応していくつもりであるのか、総務大臣の所見を伺います。
 PCR検査についてお伺いします。
 今般、医療保険適用が始まりましたが、検査を受けられるのは全国十一万の医療機関の中で八百五十弱しかないと伺っています。今後、拡大のめどはあるのか、また、医療機関に検査を受けるべきと言われた方が全員受けられるのはいつになるのか、併せて厚労大臣にお伺いします。
 新型コロナウイルスの感染拡大により、民間雇用への影響も極めて深刻となっています。こうした状況を踏まえ、政府は今月四日、雇用調整助成金の特例措置の拡大を行う予定と発表しました。その内容は、生産指標要件、対象者、助成率で緊急事態宣言を発出している北海道とそれ以外の地域において異なる扱いをするというものです。
 新型コロナウイルス問題については、リーマン・ショックに匹敵するほどの事業活動の縮小を余儀なくされるおそれがあり、全国各地に影響が及ぼされています。ちゅうちょすることなく、早め早めで対策を取る必要があり、北海道だけを先行することなく全国一斉に同等の特例措置の拡大を進めるべきと考えますが、厚労大臣の認識を伺います。
 学校の一斉休校により、給食がなくなっていることの影響についてお伺いします。
 先週金曜日、国民民主党の議員で静岡市にあるNPO法人フードバンクふじのくににお邪魔しました。ちょうど母子寡婦福祉会の方が大量の食料を取りに来られているところでしたが、緊急、大量の要請にもかかわらず、何とか食料を確保できたということです。しかし、今後も対応できるのか分からないとのことでした。
 給食がないことは、特に一人親家庭及び生活困窮者世帯において影響があります。厚労省は二月二十八日付け各自治体への通知において、食事の提供に関しても、衛生管理等に十分配慮した上で、地域の農家、食品会社、フードバンク等の協力を得つつ、利用者の居宅に食品等を配布するなど状況に応じた柔軟な対応が可能とは述べていますが、食料の確保、さらには、配布する際の人手をどうするのか。自治体任せにするのではなく国の責任として万全の体制を取るべきと考えますが、厚労大臣の見解を伺います。
 また、休校中であっても、希望者には給食を提供する仕組みが検討できないでしょうか。文科大臣の見解を伺います。
 地方税収及び地方交付税の見通しについて伺います。
 令和元年度の地方交付税総額は、予算編成時点では対前年度一千七百二十四億円の増と、七年ぶりの増加となることが見込まれていました。しかし、その後の補正予算において、地方交付税の原資となる法人税、所得税が減収となり、結果として七年ぶりの増どころか六千四百九十六億円の穴が空き、これを補填した分については全額後年度の地方交付税から減額されることになりました。国の甘過ぎる税収見積りが地方を振り回す結果となったと言わざるを得ませんが、総理の認識を伺います。
 また、令和元年度における減額分を精算するため、交付税が令和三年度以降十年間にわたり減額されることについては、国はその影響を最小限にとどめる責務があります。総務大臣の認識を伺います。
 令和二年度地方財政計画では、地方税について過去最高の四十兆九千三百六十六億円、地方交付税について対前年度四千七十三億円増の十六兆五千八百八十二億円を見込んでいます。
 一般財源総額については対前年度七千二百四十六億円増の六十三兆四千三百十八億円を増額確保したとし、安倍総理も衆議院本会議で、国の財政も大変厳しい中にあって、地方が自由に使える財源をしっかりと確保できたものと考えておりますと述べています。
 しかし、令和元年十月から十二月期の実質GDP成長率は年率換算でマイナス七・一%となっています。消費増税の悪影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響も懸念される中で、とても地方税や地方交付税の原資となる国税の増収が見込まれる状況とは思えません。地方税と地方交付税は本当に増加し、一般財源総額が確保されると言い切れるでしょうか。令和元年度と同様に、国の甘い税収見積りのせいでまた地方が振り回されるだけではないでしょうか。総理の認識を伺います。
 次に、地方経済の現状について伺います。
 総理は、一月二十日の施政方針演説の中で、日本経済はこの七年間で一三%成長し、来年度予算の税収は過去最高となりました、公債発行は八年連続での減額であります、経済再生なくして財政健全化なし、この基本方針を堅持し、引き続き二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化を目指します、この六年間で生産年齢人口が五百万人減少する一方で、雇用は三百八十万人増加しておりますなどと述べております。
 総理はアベノミクスの成果と自画自賛するかもしれませんが、果たして、地方経済の状況はそこまで明るいものであると胸を張って言えるのでしょうか。
 私の地元広島県において、先月七日、日本製鉄が呉製鉄所の全設備を二〇二三年九月末をめどに休止すると発表しました。協力会社を合わせ従業員約三千三百人、取引のある企業は県内で百十七社あり、地域経済や雇用に与える影響を懸念する声が出ております。呉市は、二〇一八年夏の西日本豪雨で大きな被害を受けており、新たな重荷を抱えることになりました。
 また、安倍政権になって、東京一極集中が加速し、地方の人口流出に歯止めが掛かりません。アベノミクスによって、地方の雇用の場が失われ、人口が減少を続ける状況について総理の認識を伺います。
 次に、災害対応に必要な財源及び人材の確保について伺います。
 昨年は、度重なる豪雨や台風、とりわけ九月の台風十五号、十七号、十月の台風十九号などにより甚大な被害がもたらされ、多くの尊い命が失われました。これらの災害で亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にもお見舞いを申し上げます。
 さて、平成期において、地方の財政需要の増加に対し投資的経費の抑制、職員の削減等による行政経費の縮減による対応をしてきた経緯があり、地方は疲弊しているのが現状であります。特に、小泉政権による三位一体改革によってその流れがつくられました。昨年相次いだ豪雨災害、一昨年の広島県を始めとする西日本豪雨災害等の対応でも、必要な職員、財源が足りずに対応が後手に回るなど、そのひずみが出ております。
 そこで、投資的経費の抑制及び職員の削減が自治体の災害対応に与える影響についての政府の認識と、今回の改正によって何がどのように改善されるのかについて、総務大臣の明確な答弁を求めます。
 次に、森林環境譲与税の見直しについて伺います。
 気候変動の影響で、今後、全国各地で風水害、土砂災害等の頻発、激甚化が懸念される中、災害防止等の観点から森林整備を促進することに異論はありませんが、災害防止のための森林整備が真に急がれる団体に対して必要かつ十分な財源が譲与されて初めて今回の改正が意味のあるものになるのではないでしょうか。
 現在の譲与基準では、私有林人工林面積五割、林業就業者数二割、人口三割で按分して譲与されるため、森林に充てるはずの財源なのに、人口の多い都市部への配分が多くなることになります。
 今回の改正によって森林整備が真に急がれる地方団体に必要かつ十分な財源が前倒しで譲与され森林整備が一層促進されるとする根拠と、現在の譲与基準の妥当性について、総務大臣の明確な答弁を求めます。
 次に、会計年度任用職員制度について伺います。
 平成二十九年の地方公務員法及び地方自治法の改正により、臨時・非常勤職員の適正な任用、勤務条件の確保を図る観点から、会計年度任用職員制度が創設され、期末手当の支給が可能となります。
 制度導入に伴い必要となる財源について、令和二年度の地方財政計画の歳出に一千七百三十八億円が計上されたことは、六十万人以上の臨時・非常勤の職員がいるとされる中、官製ワーキングプアと呼ばれる非正規公務員問題の解決に向けた第一歩となります。
 総務省は、全国の地方公共団体に対して行った調査の結果を踏まえ所要額を適切に計上したものであり、新制度に円滑に移行ができるよう必要な財源を確保したものと認識している旨、衆議院において答弁しております。
 一方で、令和二年一月一日現在の総務省の調査によると、会計年度任用職員にどれだけの臨時・非常勤職員を移行させるか、整理を完了していないとしている団体が千七百八十八団体中二百五十二団体、給与水準を固めていない団体が五百四十七団体、勤務時間や休暇を確定していない団体が七百二十五団体、条例を定めていない団体が四団体もあります。これだけの自治体において給与水準や勤務労働条件が確定していない中、果たして必要な財源を確保したと言えるのでしょうか。現在措置しようとしている一千七百三十八億円では不十分であると考えざるを得ません。
 また、期末手当の支給に加え、昇給制度の導入や退職金の支給、給料や報酬の基本額の改善も必要と考えますが、これらの改善にも十分応えられる財源となっているのでしょうか。総務大臣の明確な答弁を求めます。
 最後に、核兵器のない世界の実現に向けて、被爆体験の継承についてお伺いします。
 本年は被爆七十五年、核不拡散条約発効五十年という節目の年であります。被爆者が高齢化し、被爆体験を伝える人が少なくなっている今、被爆の実相を伝える被爆建物は残さなければなりません。それが核兵器廃絶にもつながります。
 現在、広島市内最大級の被爆建物である旧陸軍被服支廠の存廃が議論されております。
 先月、私は、国民民主党の玉木雄一郎代表らとともに現地視察を行いました。自民党や公明党の議員も視察を行うなど、与野党の枠を超えて保存に向けた知恵を絞るべき課題となっています。
 被爆者の高齢化が進み、被爆体験を伝えることが難しくなる中、被爆の実相を伝える被爆建物の保存、活用は重要であると考えますが、唯一の戦争被爆国として国も積極的に関わっていく必要があると考えますが、総理の御所見をお伺いします。
 以上、明確な答弁を求めまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 森本真治議員にお答えをいたします。
 令和元年度の地方交付税についてお尋ねがありました。
 令和元年度の税収については、企業収益は引き続き高い水準にあるものの、海外経済の減速等を背景に外需落ち込みの影響を受ける製造業を中心とした法人税収の減、雇用・所得環境の改善等を受け給与税収は堅調に推移しているものの、大口の還付の発生といった一時的な要因による所得税収の減などの要因により、当初予算から二・三兆円の減額補正を行いました。
 これは、当初予算の編成時には想定していなかった事情によるものであり、当初の見積りが過度に楽観的だったとは考えていませんが、今後とも適切な見積りに努めてまいります。
 なお、国税の減額補正に伴い生じた地方交付税総額の減少については、全額を国の一般会計から加算して補填しており、その精算についてもできる限り影響を緩和するよう対処したところです。
 令和二年度の地方財政計画についてお尋ねがありました。
 令和二年度の地方税収及び国税については、消費税率引上げによる増収分に加え、雇用・所得環境の改善が続き、消費を始め内需が堅調に推移すると見込まれること等を踏まえ計上しており、適切な見積りと考えています。
 新型コロナウイルス感染症が日本経済に与える影響については今後も動向を注視していく必要がありますが、経済の下振れリスクを確実に乗り越え、持続的な経済成長の実現につなげていくために、昨年十二月に策定した総合経済対策に加え、第一弾及び第二弾の新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策を着実に実施するなど、引き続き経済財政運営に万全を期してまいります。
 その上で、地方公共団体が地域の実情に応じた重要課題にしっかりと取り組みつつ安定的な財政運営を行うことができるよう、必要な財源の確保に取り組んでまいります。
 東京一極集中と地方の人口流出についてお尋ねがありました。
 これまで、東京圏への転入超過は景気が良くなると大きくなる傾向がありましたが、史上初めて四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超え、地方に働く場所が生まれた結果、景気回復が続く中でも、ここ数年、転入超過はバブル崩壊後のピークであった第一次政権時代の十五万五千人より少なく抑えられています。しかし、減少までには至っていないことから、引き続き、転出入均衡目標の実現に向けて、更なる取組を進めてまいります。
 十代後半や二十代の若者が東京圏への転入超過の大半を占めていることを踏まえると、進学、就職が東京圏への移動の大きなきっかけとなっています。このため、地方に若者に魅力あふれる働く場、学びの場をつくることが重要です。きらりと光る地方大学づくりや、東京から地方へ移住し、起業、就業する場合に最大三百万円を支給する制度など、あらゆる取組を通じて、地方にこそチャンスがあると考える若者たちの背中を力強く後押しし、東京一極集中の是正に全力を尽くしてまいります。
 被爆建物の保存、活用についてお尋ねがありました。
 被爆者の減少や高齢化により被爆体験の風化が危惧されている中、我が国は、唯一の戦争被爆国として、世代や国境を越えて被爆の実相を継承していく務めがあると考えています。
 現在、広島県において保存、活用の検討が行われている旧陸軍被服支廠を始めとする被爆建物については、従来から、自治体が行う保存工事に対する補助を行ってきているところですが、国としても、被爆の実相を次世代に伝えるために、広島県における議論も踏まえ、しっかりと対応してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

#8
○国務大臣(高市早苗君) 森本真治議員からは、まず、新型コロナウイルス感染症対策に係る特別交付税措置についてお尋ねがありました。
 二月十三日及び昨日決定の緊急対応策のうち、地方負担が見込まれる事業については、総務省としても災害並みの手厚い特別交付税措置を講じることとしております。その際、可能な限り今年度の特別交付税において措置することとし、把握し切れない経費については来年度措置を講じることとしています。
 引き続き、地方団体の実情を丁寧にお伺いしながら、その財政運営に支障が生じないよう、関係省庁と連携しつつ、適切に取り組んでまいります。
 次に、昨日開催された国と地方の協議の場を始め、政府と地方側との意思疎通の必要性についてお尋ねがありました。
 総務省では、二月に都道府県などと総務省との間に設けた連絡体制や、三月五日の政府の事務方と地方六団体との意見交換などを通じ、政府の具体的な施策展開について地方団体に情報を提供するとともに、地方団体からの御要望を受け止め、関係府省にフィードバックしています。また、昨日も、総理始め関係閣僚が地方六団体の代表から直接御要望をお伺いする機会を設けたところでございます。
 こうした地方からの御要望も踏まえ、昨日決定した緊急対応策に伴い生じる医療提供体制の確保などに係る地方負担について、地方団体の財政運営に支障が生じることのないよう、手厚い地方財政措置を講じることとしました。
 今後とも、地方の実情を丁寧に伺いながら、関係省庁と連携しつつ、適切に対応してまいります。
 次に、令和元年度地方交付税総額の精算についてお尋ねがありました。
 令和元年度の補正予算において国税が減額補正されたことに伴う地方交付税総額の減少額六千四百九十六億円については、その全額を国の一般会計から加算して補填した上で、後年度の地方交付税総額への影響をできる限り緩和する観点から、十年間に分割して精算を行うこととしています。
 今後についても、地方団体が地域の実情に応じた重要課題に取り組みつつ、安定的な財政運営を行うことができるよう、毎年度の地方財政対策において、地方交付税を含めた一般財源総額をしっかりと確保してまいります。
 次に、災害対応に必要な財源及び人材の確保についてお尋ねがありました。
 地方財政計画の投資的経費については、ピーク時に比べ減少しているものの、近年は増加傾向にあり、防災・減災対策や公共施設の適正管理など、地方団体がそれぞれの地域課題に対応するために必要な歳出を計上してきているところです。
 地方団体の定員管理については、適正な定員管理により、総職員数を抑制する中においても防災関係職員を増加させるなど、必要な人員配置を行っていると認識しています。
 令和二年度地方財政計画においては、河川などのしゅんせつを集中的に進める緊急浚渫推進事業費の創設、森林整備を一層促進するための森林環境譲与税の増額、市町村支援や災害時の中長期派遣要員を確保するための技術職員の増員といった取組を進めることとしており、地方団体の防災・減災対策を一層推進してまいります。
 次に、森林環境譲与税についてお尋ねがありました。
 森林環境譲与税の増額については、昨今の自然災害の大規模化を背景として、災害防止の観点からも森林整備をより早急に実施すべきというニーズの高まりや地方団体からの御要望も踏まえ、今般の税制改正で対応することとしています。
 譲与基準については、法律上の使途と相関が高い指標を用いることとしていますが、その見直しの必要性については、各地方団体の森林整備の取組や施策の実施状況を見極めた上で検討してまいりたいと考えております。
 最後に、会計年度任用職員制度についてお尋ねがありました。
 来年度の地方財政計画においては、会計年度任用職員に対する期末手当の支給に要する経費に加え、退職手当の支給や給料、報酬水準の適正化によって増加する経費などについても、さきの調査時点では給与水準などの確定には至っていなかった団体を含め、全国の地方公共団体の所要額を適切に計上しており、新制度への円滑な移行に必要な財源を確保したものと認識しています。(拍手)
   〔国務大臣加藤勝信君登壇、拍手〕

#9
○国務大臣(加藤勝信君) 森本真治議員にお答えいたします。
 PCR検査を受けられる医療機関の拡大についてのお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐためには、感染が疑われる方については、まずは帰国者・接触者相談センターに御相談をいただき、受診を勧められた際には帰国者・接触者外来を受診していただくことにしております。
 帰国者・接触者外来の設置数については、新型インフルエンザ時の約八百程度の設置を目指して拡充するよう都道府県に要請をしてまいりましたが、現在九百十七施設が設置されているところであります。
 大事なことは、医師が必要と認める場合に検査を受けられるようにすることであります。今回の保険適用はその一環としても実施をしたところでありますが、今後とも、検査能力の拡充を含め、検査が必要な方が検査を受けられるよう努力をしてまいります。
 雇用調整助成金の特例措置の拡大についてお尋ねがありました。
 北海道においては、新型コロナウイルス感染症患者が他の地域に比べて多数かつ集中的に発生し、感染拡大防止のために三週間にわたって知事が住民、企業の活動自粛を求める旨の宣言が発出されました。
 こうした地方自治体による宣言を受けて、他の地域にも増して事業活動が抑制されることが見込まれるため、雇用調整助成金の更なる特例を設け、助成率の上乗せ等を実施しております。
 今後、北海道と同じような地域が現れた場合には、同様の取扱いを実施し、地域における雇用を守ってまいります。
 今後とも、新型コロナウイルス感染症の雇用への影響を十分注視しながら、更に必要な対策を講じてまいります。
 学校の一斉休校に伴う一人親家庭や生活困窮者世帯における食料の確保等についてお尋ねがありました。
 御指摘の二月二十八日の事務連絡は、一人親家庭や生活困窮者世帯に対する学習支援事業の実施に当たり、フードバンク等が提供する食料の確保や利用者への配布に要する人件費等の費用も補助対象であることから、当該事業の中で地域の農家、食品会社やフードバンク等の協力を得つつ、利用者の居宅に食品等を配布することが可能であることを改めてお示しをしたものであります。
 こうした取組を通じて、文部科学省や学校現場の取組と併せて、学校の臨時休業期間中の子供の食事の確保につなげていきたいと考えております。(拍手)
   〔国務大臣萩生田光一君登壇、拍手〕

#10
○国務大臣(萩生田光一君) 森本議員にお答えいたします。
 希望者への給食の提供についてお尋ねがありました。
 今回の学校の臨時休業に際して、子供の居場所を確保する観点から、児童生徒等に学校給食の調理場や調理員を活用して昼食を提供することも工夫の一つと考えられます。
 このため、三月二日付けで厚生労働省と文部科学省との連名で子どもの居場所の確保について通知を発出し、児童生徒等に対してこのような工夫により昼食を提供することの可能性についてもお示しをしたところです。
 国としても、この度の臨時休業に伴う各地域の取組や工夫を集めて参考として情報提供しており、各教育委員会においては、地域の実情やニーズに応じて対応を御判断いただきたいと考えております。(拍手)
    ─────────────

#11
○議長(山東昭子君) 山本博司さん。
   〔山本博司君登壇、拍手〕

#12
○山本博司君 公明党の山本博司でございます。
 私は、自民、公明を代表して、ただいま議題となりました令和二年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、安倍総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、感染された方々にお見舞いを申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は依然として予断を許しません。状況の変化を見据え、臨機応変な対応が求められております。
 また、この三月十一日で東日本大震災から丸九年となりました。犠牲となられた皆様方に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 これからも党を挙げて、被災地に寄り添い、誰一人置き去りにしない復興を進めていくことをお誓い申し上げ、質問に入らせていただきます。
 初めに、地方財政計画について伺います。
 令和二年度の地方財政計画においては、地方税及び地方交付税の増加等を背景に、一般財源総額で令和元年度を〇・七兆円上回る六十三・四兆円を確保するとともに、地方交付税総額で前年度を〇・四兆円上回る十六・六兆円を確保いたしました。
 臨時財政対策債については三年連続の減少と、しっかりと抑制されたものとなっており、安定的な財政運営のための一般財源総額の確保と財政の健全化の両立が図られております。今後とも、増大する地方の財政需要については地域の実情に十分配慮したきめ細やかな対応が必要です。
 とりわけ、新型コロナウイルス感染症に関する地方財政上の対応は喫緊の課題です。
 既に政府は令和元年度予備費による対応を実施しておりますが、引き続き、地方自治体が必要かつ十分な対応ができるよう財政上の支援を講ずる必要があります。具体的には、今後の普通交付税の繰上げ交付や特別交付税による柔軟な対応など、あらゆる手段を総動員すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 安定した自公政権の下において、地方創生が大きく進展をしております。
 日本海の隠岐諸島にある島根県海士町は、かつて人口流出が止まらなかった町でありましたが、大きな危機感を感じて、海産物を冷凍する施設を造ったり、高校に島外の生徒を呼び込み活気ある町づくりを進め、Iターン移住者は過去十五年間で六百五十人を超えました。
 平成二十七年度に創設されたまち・ひと・しごと創生事業費は、これまで毎年度一兆円が計上され、令和二年度も引き続き一兆円が計上されております。こうした施策を一層推進し、地域の活性化を図ることで、地方財政の改善が進み、経済の好循環を生み出す効果が大きいと考えます。
 令和二年度より、第二期まち・ひと・しごと創生総合戦略の下での取組が始まります。持続可能な地方創生に向けて更なる充実強化が求められております。地方創生に向けた安倍総理の御所見を伺います。
 今回の地方税改正の中には、税負担軽減措置として、ローカル5Gの設備に係る課税標準の特例措置の創設が盛り込まれております。
 本年は、5Gの商用サービスについて本格的な展開が控えております。高速、大容量、低遅延、多数同時接続という利点を生かして、全国各地で様々な活用が期待されております。特に、地方では、少子高齢化が急速に進む中、地域課題の解決に向けた取組への活用が大いに期待されています。
 この5Gは、国民に広く利益が及ぶ国家戦略であり、力強く前に進めるべきと考えますが、総理の認識を伺います。
 こうした5Gの活用には、ICTインフラ環境の整備が不可欠であります。光ファイバーなどの超高速ブロードバンドの基盤が前提となります。
 総務省では、地理的に条件不利な地域においても、光ファイバーの整備を行うため、支援事業を進めていると承知しております。離島や山間部などの過疎地域を始め、財政事情の厳しい自治体においても、地域活性化の観点から着実に整備していただきたいと思いますが、総務大臣の御所見を伺いたいと思います。
 次に、未婚の一人親家庭への支援について伺います。
 今回の地方税法改正において、国税と同様に、個人住民税における未婚の一人親に対する税制上の見直しが行われます。これにより婚姻歴の有無による不公平の解消が図られ、子供の貧困対策は一歩前進するものと評価いたします。制度の周知徹底やプライバシーに配慮した制度設計に努めていただきたいと思います。
 今回の見直しにもかかわらず、多くの一人親家庭は低所得者世帯であり、所得控除しても手元にお金が残らないとの指摘もあります。約百四十二万世帯の一人親家庭のうち、約五割が貧困世帯と見られています。経済的な困窮を見過ごしていては、親から子へと続く貧困の連鎖を断ち切ることはできません。
 今回の見直しにとどまらず、一人親家庭に対する更なる支援策を強化すべきと考えますが、総理の認識を伺います。
 次に、防災・減災対策に関して伺います。
 令和元年度には、相次ぐ大雨や台風により、各地で河川の氾濫による堤防の決壊、住宅の浸水など甚大な被害がもたらされました。
 こうした深刻な被害を踏まえ、令和元年度の補正予算を編成するとともに、令和二年度地方財政対策では、緊急浚渫推進事業費の創設、緊急防災・減災事業費及び緊急自然災害防止対策事業費の対象事業の拡充、技術職員の充実に係る地方財政措置などを行うこととしております。
 この中で、緊急浚渫推進事業費の創設は、自治体が単独事業として、緊急的に管理する河川のしゅんせつ、土砂の撤去、樹木の伐採などを実施できるようにするものであり、被害を未然に防ぐためにも大変重要な事業であります。この緊急浚渫推進事業費の創設の意義について、総務大臣の答弁を求めます。
 さらに、緊急防災・減災事業は復興・創生期間の令和二年度まで、緊急自然災害防止対策事業は防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策の期間の令和二年度末となっており、今後の取扱いが注目されております。
 緊急対策が終了する令和二年度以降も、中長期的な視点で防災・減災、国土強靱化対策に十分な予算を確保し続け、災害への備えを万全にしなくてはなりません。更なる防災・減災、国土強靱化対策に向けた総理の決意を伺いたいと思います。
 地方税法等の一部改正案及び地方交付税法等の一部改正案は、地方創生の推進、防災・減災対策の強化に資する重要なものであります。地方の声にしっかりと耳を傾け、ニーズを反映させていくことがますます重要です。
 両法律案を令和二年度予算と併せて早期に成立させる必要があることを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#13
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山本博司議員にお答えをいたします。
 令和二年度地方財政計画等についてお尋ねがありました。
 令和二年度の地方財政計画においては、地方の一般財源総額について前年度を〇・七兆円上回る六十三・四兆円確保する中で、地方交付税総額を〇・四兆円増額するとともに、臨時財政対策債の発行額を〇・一兆円抑制し、地方の一般財源の質も改善しました。
 今後とも、地方公共団体が地域の実情に応じた重要課題にしっかりと取り組んでいけるよう、地域経済の活性化やめり張りを付けた歳出構造の見直しにより、一般財源総額を安定的に確保しつつ、財政の健全化に取り組んでまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症に関する地方財政上の対応については、新型コロナウイルス感染症対策本部において決定した第一弾及び第二弾の緊急対応策において地方負担が見込まれる事業については、災害並みの措置を講ずる観点から、手厚い地方交付税措置を講じることとしています。
 今後とも、地方公共団体の御意見も踏まえながら、その財政運営に支障が生じることがないよう、関係省庁と連携しつつ、適切に対応してまいります。
 地方創生についてお尋ねがありました。
 御紹介いただいた海士町は、島にある特産品を生かし、次々とヒット商品を生み出してきました。そのアイデアをもたらしたのは、島の外からやってきた若者たちです。チャレンジの場を積極的に提供することで、御指摘のように、日本中から多くの若者たちのIターンを集めている地方創生の好事例です。
 若者が将来に夢や希望を抱き、その場所でチャレンジしたいと願う、そうした地方創生をつくり上げることが持続可能な地方をつくる鍵であると確信しています。
 第二期総合戦略では、地方にこそチャンスがあると考える若者たちの背中を力強く後押ししてまいります。
 地域おこし協力隊は、任期が終わった後、六割の若者が定住している実績があります。この協力隊を政権交代前の八倍近い八千人規模へと大きく拡充します。
 東京から地方へと移住し、起業、就業する場合に最大三百万円を支給する。地方でのチャレンジを促すこの制度を更に使いやすいものとします。
 地方での兼業、副業を促すため、人材のマッチングや移動費の支援を行う新たな制度を創設します。関係人口を拡大することで将来的な移住につなげてまいります。
 あらゆる施策を総動員して、若者たちがその未来を託すことができる地方創生を進めてまいります。
 5Gについてお尋ねがありました。
 5Gがもたらす変革は、経済のみにとどまらず、安全保障を始め世界のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすとの認識の下、国家戦略として取り組んでいくこととしております。しっかりと未来を見据えながら、大胆な税制措置と予算により、研究開発とインフラ整備への大胆な投資を促し、イノベーションを力強く後押ししてまいります。
 5Gは、自動運転や遠隔医療などを可能とすることを通じて、人手不足や高齢化など、地域が直面する社会課題の解決に大きく寄与するものです。まさに地方創生の切り札であり、速やかに全国展開を進めることが重要です。
 そうした観点から、昨年の周波数割当てに当たっても、地方も含めた広いエリアでのサービス展開が行われるよう条件を付したところです。また、農業、工場、建設現場などで活用実績を積み上げ、その横展開を図ることで早期の普及を図ってまいります。
 一人親家庭に対する支援策についてお尋ねがありました。
 未婚の一人親に対する税制上の対応については、全ての一人親家庭に対して公平な税制を実現する観点から、死別、離別の場合と同様の条件で一人親控除を適用することとしました。
 この改正法案の早期の成立をお願いするとともに、法案の成立後は、新たに対象となる方に控除が適切に適用されるよう、周知徹底を図ってまいります。また、控除の申告の際には婚姻歴の有無が職場などに知られないよう、プライバシーに配慮した制度設計とするよう努めてまいります。
 さらに、今回の税制上の対応以外にも、就業支援を基本としつつ、子育て・生活支援や経済的支援などの施策を総合的に進めており、児童扶養手当制度について、近年、多子加算額の倍増や所得制限限度額の引上げ等、拡充を図ってきたほか、児童扶養手当と障害年金の併給要件の緩和について所要の法案を今国会に提出しています。
 今後とも、新たに策定した子供の貧困対策に関する大綱に基づき、一人親家庭の所得状況や生活実態、経済状況の変化等を踏まえつつ、必要な支援の充実を図っていきたいと考えています。
 更なる防災・減災、国土強靱化対策に向けた決意についてお尋ねがありました。
 近年の災害の激甚化を考慮すると、防災・減災、国土強靱化を中長期的視点から進めることは重要であると考えています。このため、一昨年末に、近年の災害から得られた教訓や社会経済情勢の変化等を踏まえ、国土強靱化基本計画を見直し、中長期的な目標や施策分野ごとのハード、ソフトにわたる推進方針を明らかにしてきたところです。
 今後とも、必要に応じて国土強靱化基本計画を充実させながら、必要な予算を確保し、オールジャパンで防災・減災、国土強靱化を進め、国家百年の大計として災害に強いふるさとをつくり上げてまいります。
 また、令和二年度までを期限としている緊急防災・減災事業債及び緊急自然災害防止対策事業債のその後の対応についても、地方団体の取組状況や御意見等も十分にお聞きして適切に検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

#14
○国務大臣(高市早苗君) 山本博司議員からは、まず、地理的に条件不利な地域における光ファイバーの整備についてお尋ねがありました。
 地域の活性化に不可欠な基幹インフラである5Gを速やかに全国に展開するためには、5Gの基地局を支える光ファイバーの整備が不可欠と考えます。
 我が国において光ファイバーがまだ整備されていない世帯は、地理的に条件不利な地域を含め、二〇一八年度末現在で約六十六万世帯となっていますが、昨年策定したマスタープランにおいて、二〇二三年度末までに約十八万世帯まで減らすべく必要な施策を講じることとしています。
 このため、地方自治体や電気通信事業者などが光ファイバーを整備する場合に費用の一部を補助する事業を行っています。
 今後も、地域のニーズを的確に把握しつつ、光ファイバーの整備支援にしっかりと取り組んでまいります。
 次に、緊急浚渫推進事業費の創設の意義についてお尋ねがありました。
 山本議員御指摘のとおり、昨今の台風被害では、河川において堆積土砂の撤去や樹木の伐採ができていないため河川が越水するような状況が多々見られており、維持管理のための河川などにおける堆積土砂の撤去や樹木の伐採が喫緊の課題となっています。
 このため、地方財政計画に新たに緊急浚渫推進事業費を九百億円計上するとともに、その地方負担額に地方債を特例的に充当できるよう、地方財政法の改正案を今国会に提出しています。
 今後五年間で四千九百億円の事業費を見込んでおり、危険箇所を解消する観点から、地方団体には緊急かつ集中的に河川などのしゅんせつに取り組んでいただきたいと考えております。(拍手)
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#15
○議長(山東昭子君) 柳ヶ瀬裕文さん。
   〔柳ヶ瀬裕文君登壇、拍手〕

#16
○柳ヶ瀬裕文君 日本維新の会の柳ヶ瀬裕文です。
 私は、我が党を代表して、ただいま議題となりました令和二年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について質問させていただきます。
 九年前の本日、三月十一日、東日本大震災が発生しました。改めて、尊い命を失われた皆様、御遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げ、今も大変な御苦労をされている被災者の皆様にお見舞いを申し上げます。
 現在も四万人を超える方々が避難されている現実を真摯に受け止め、我が党は、身を切る改革を実践し、復興支援に全力で取り組んでいくことをお誓い申し上げ、質問に入ります。
 まず、新型コロナウイルス対策について伺います。
 感染拡大に伴い、社会は大きく変わりつつあります。繁華街の夜の人出は半減し、オフィスの昼間人口は二割減となりました。イベントの自粛が進み、多くの学校は休校となりました。政策目標である人の動きは制限されるようになりましたが、その一方で痛みも大きくなってきています。消費は大きく落ち込み、経済へのダメージは計り知れないものとなってきています。
 昨日、政府の緊急対応策が発表されましたが、ニューヨーク市場の暴落など、危機的状況に対応するには極めてインパクトに欠ける内容となっています。我が党がかねてより求めてきた大規模な減税措置及び十兆円規模の大胆な財政出動など決断すべきと考えますけれども、総理の見解を伺います。
 また、いつまでこの自粛を続けるのか、出口戦略を描かなければなりません。イベントの自粛や学校の休校を延長するのか、解除するのか。また、更なる行動制限を国民に要請するのか。これらのことを総合的に判断するためには、我が国における感染の広がりの実態を正確に把握することが不可欠です。
 しかし、現状を把握するサーベイの仕組みは極めて脆弱です。WHOや各国が感染者数が少ない日本に対して他国より危険な国であるかのように名指ししているのは、我が国が感染の現状把握をできていないと考えているからです。
 政府の基本方針では、国内での流行状況を把握するためのサーベイランスの仕組みを整備するとありますが、これはいつまでに、どのような仕組みを整備するのか、総理の見解を伺います。
 私は、医師が必要と判断した場合に確実に検査できる体制を整備すると同時に、感染者が多く発生しているエリアでの定点観測、無作為抽出検査の実施など一歩踏み込んだ疫学調査、また、将来的には抗体検査ができるように準備を始めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 今後、感染が拡大すれば、重症患者も増えます。しかし、その重症者に対応できるだけの医療体制は十分でしょうか。感染症対応ベッドは逼迫しつつある現状が伝えられてきています。現状では軽症でも全員入院させる対応となっていますが、医療崩壊を阻止するためには、基本方針でも示されているとおり、軽症の患者は自宅隔離療養とし、重症者に資源を集中するよう転換すべきと考えます。その際、現行の指定感染症の政令を改正する必要があるかどうかを含め、総理の見解を伺います。
 また、重症患者を増やさないためには、重症化するリスクの高い高齢者への配慮が重要です。高齢者施設にウイルスが入り込むことのないように、職員の方々はもとより、家族など人の出入りを厳格に管理するとともに、高齢者が感染者と接触することを防ぐため、特にリスクの高い基礎疾患を持つ高齢者の皆様に対しては、外出の自粛要請を検討するなど、更に強く注意を喚起すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 治療薬、治療方法の開発は急務です。治療薬として、アビガン、カレトラ、レムデシビルなどが挙げられており、観察研究が開始されていることは存知していますが、実際に患者に広く投与されるようになるには時間が必要です。なぜなら、日本では症例数が少なく、大規模な治験ができないなど環境上の制約があるからです。
 しかし、この治療薬や治療法について大量のデータを保有している国があります。八万人以上の感染者と対峙してきた中国であります。この中国から様々なデータが散発的な論文としては発表されてきていますが、残念ながら、多くの専門家が求めている核心的な情報、これは上がってきていません。治療法を早期に確立するためには、中国からの情報開示が不可欠であります。
 現在、アジアだけでなく、イタリアを中心にヨーロッパ諸国でも相当数の患者が発生し、まさに世界的規模での対応が求められる事態に至っています。WHOを含め、世界各国と連携し、開示を徹底するよう求めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 日本維新の会は、この未曽有の国難に対して、国民の健康と生命を守るため、建設的な提案を真摯に行っていく、このことを申し上げ、次の質問に移ります。
 地方税、地方交付税について質問します。
 日本維新の会は、自立する個人、自立する地域、自立する国家を実現することを理念に掲げ、停滞する現状を打破しようと試みる改革政党です。地域の自立のためには、税源と権限の各地域への大幅な移譲が不可欠です。このため、安定財源として消費税を地方財源とし、社会保障や教育に関する事務の権限を地方に移譲するとともに、地方交付税を廃止して国への財政依存を断ち切り、各地方間の格差は水平的な財政調整で行う、このようなことを検討すべきと考えています。
 地方交付税制度は、六十五年以上にわたり重要な役割を果たしてきましたが、今や抜本的な見直しが必要であることを申し上げ、質問に入ります。
 まず、地方税の充実について伺います。
 第二次安倍政権が始まった平成二十四年度から三十年度までにおいて、国税は決算ベースで十七・二兆円増となりました。これには一定の評価をいたしますが、その一方で、地方税の増は六・三兆円にとどまり、租税全体に占める地方税の割合は四二・三%から三八・八%に減少しました。
 安倍総理は、地方自治の強化のためには、自らの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想としつつも、近年は、税源の偏在を是正するとの考えの下、地方法人課税の一部を国税化し、地方に再配分する措置を行ってきました。総理は、国と地方の関係に照らして、地方税の充実に関してどうあるべきと考えているのか、改めて認識を伺います。
 また、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むために、消費税の地方税化を検討すべきと考えますが、総理の見解を伺います。
 次に、地域社会再生事業費について伺います。
 令和元年度税制改正では、法人事業税の一部を国税化し、地方に配分する特別法人事業税・譲与税が創設されました。この措置自体は地方分権の流れに逆行するものであり、賛成できるものではありませんが、東京都から四千二百億円という巨額の税収を吸い上げ、地方に再分配する以上、都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展していくという制度創設当初の趣旨にかなうよう使われなければなりません。
 この地域社会再生事業費は、どのように都市と地方の支え合いに寄与するのか、都市部の住民も納得できるよう、総務大臣の明確な答弁を求めたいと思います。
 最後に、統治機構改革を実現するための憲法改正について伺います。
 これまで、各政権において地方の自立、地方分権が叫び続けられてきましたが、いまだ真の地方の自立からは程遠い状況にあります。私たちは、これからのグローバル競争を支えるプレーヤーは、国家ではなく都市であると考えています。グローバル都市が地方を牽引し、地方の切磋琢磨が国家を牽引する、その骨格を成すのが道州制です。道州制を含めた統治機構改革を行うため、新しい時代、新しい国家をつくるための憲法改正が必要だと考えますが、総理の見解を伺い、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 柳ヶ瀬裕文議員にお答えをいたします。
 政府の緊急対応策に関するお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症については、今がまさに国内の急速な感染拡大を回避するために極めて重要な時期であるとの認識の下、あらゆる手当てを講じているところです。
 このため、感染拡大防止の徹底に加えて、経済の面において、雇用の維持と事業の継続を当面最優先に全力を挙げて取り組むこととしており、昨日、四千三百億円の財政措置を伴う第二弾の緊急対応策を決定しました。
 中小・小規模事業者に対する実質無利子、無担保融資を始めとする一・六兆円の強力な資金繰り支援や国民生活にとって最も重要な雇用を守るための雇用調整助成金の大幅拡充など、必要な対策を直ちに実行しているところです。
 今般の新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響に対しては、経済の下振れリスクに備えて策定した二十六兆円の総合経済対策を着実に実行していくとともに、世界経済の動向も十分に注視しながら、そのインパクトに見合うだけの必要かつ十分な経済財政政策を行ってまいります。
 新型コロナウイルス感染症の国内での流行状況等の把握についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症については、現在、PCR検査を実施し、患者が確認された場合には全て報告を求めるとともに、積極的疫学調査により濃厚接触者を把握することで国内の感染状況を把握しており、これは現状において有効かつ合理的な手法と認識しております。
 他方、基本方針においてサーベイランスの仕組みを整備としているのは、今後、仮に地域で患者数が継続的に増加する状況になった場合には、全数把握が困難となるため、別の仕組みで感染状況を把握することを方針としてお示しをしているものです。
 その場合において、具体的にどのような仕組みでサーベイランスを行うかについては、新型インフルエンザで実施することとしている方法等も参考にしつつ、専門家の意見も踏まえながら、今後検討していくこととしています。
 検査体制の整備についてお尋ねがありました。
 PCR検査については、検査がしたくても保健所で断られ、検査をしてもらえないという御指摘をいただいていると承知しています。
 このため、これまでも政府として、医師の判断において感染を疑う場合には検査を行うよう繰り返し依頼を行うとともに、PCR検査の検査能力の拡大に取り組んでまいりました。また、その地域の検査能力に限界があるために断られるといったことが断じてないように、広域融通によって必要な検査が各地域で確実に実施できるよう、国において仲介を行っております。
 さらに、保健所を経由することなく民間の検査機関に直接検査依頼を行うことが可能となるよう、三月六日よりPCR検査について医療保険を適用したところであります。このことにより、民間検査機関の検査能力が大幅に増強されることを期待しております。
 こうした取組を総動員することにより、かかりつけ医など身近な医師が必要と考える場合には、全ての患者の皆さんがPCR検査を受けることができる十分な検査能力を確保してまいります。
 疫学調査については、現在、御指摘の定点把握や抽出検査ではなく、PCR検査で陽性となった方全てについて報告を求める形で感染の拡大の状況を把握しています。
 また、迅速診断が可能な抗体検査の導入については、その開発に向けた研究等に対する支援を実施しているところです。
 重症者に対応するための医療体制の構築についてお尋ねがありました。
 感染拡大防止と同時に、仮に国内で患者数が大幅に増えたときに備え、重症者対策を中心として医療提供体制を強化することとしています。
 現在、治療のために必要な病床として、感染症指定医療機関の病床を最大限動員し、現状において五千床を超える病床を確保しています。さらに、都道府県には、ピーク時に備えた医療提供体制等の検討をお願いしており、この結果も含めた必要となる病床の確保や医療機器等の導入については、昨日まとめた第二弾の緊急対応策において支援することとしています。
 また、基本方針では、仮に今後、地域で患者数が大幅に増えた状況では、軽度者は自宅での安静、療養を原則としております。その際、現行の政令も軽度者も含めた全ての患者を入院させることまでは求めていないため、入院者を重症者に限定することは政令を改正せずとも実施可能であると考えており、今後の感染状況を踏まえ、適切に対応してまいります。
 新型コロナウイルスの高齢者への感染拡大防止のための取組についてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルス感染症については、御高齢の方、持病がある方は重症化するリスクが高いため、高齢者施設を始めとする福祉施設では感染防止の取組の徹底を図ることが重要であると考えています。
 このため、高齢者施設等において、発熱等の症状が見られる職員は出勤しないこと、緊急やむを得ない場合を除き入所者の面会を制限し、発熱が認められる場合には面会を断ることなどの取組を行うことを周知しており、引き続きこれらの徹底に努めてまいります。
 また、新型コロナウイルスの感染予防のため、一般の方に対しては手洗いやせきエチケットを行うよう周知をしておりますが、持病がある方、御高齢の方に対しては、これらに加えて、できるだけ人混みの多い場所を避けるなど、一層の注意を呼びかけているところです。
 引き続き、感染拡大防止策を国民に分かりやすく周知してまいります。
 中国に対する情報開示要求についてお尋ねがありました。
 中国からの必要な情報の収集や把握については、これまでもWHOの国際保健規則に基づく情報連携の仕組みの下で実施してきているほか、直接、中国のCDCからの情報収集にも努めております。
 今後とも、国内外の知見を集めながら、関係機関とも連携しつつ、新たな治療法の早期開発につなげてまいります。
 地方税の充実と消費税の地方税化についてお尋ねがありました。
 地方自治の強化のためには、自らの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想であり、地方税の充実確保を図りつつ、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むことが重要であると考えています。
 消費税については、社会保障・税一体改革において、引上げ分の税収について全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて国と地方に配分することとされました。消費税がこのように国、地方それぞれの社会保障の財源とされていることを踏まえれば、消費税の地方税化については慎重な検討が必要と考えています。
 道州制と憲法改正についてお尋ねがありました。
 道州制は、地方経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の一つであり、国と地方の在り方を根底から見直す大きな改革です。
 これまでも与党において道州制に関して検討がなされてきたところであり、政府としても、与党と連携しつつ取り組むとともに、今後の国と地方のあるべき姿については、御党の御主張なども含めて、建設的な議論を進めてまいりたいと思います。
 その上で、憲法改正の具体的な内容等について、私が内閣総理大臣としてこの場でお答えをすることは差し控えさせていただきますが、御党が憲法改正について具体的な考え方を示し、各論に踏み込んで真摯に議論されていることに敬意を表します。
 御指摘の点も含めて、是非、憲法審査会の場において、与野党の枠を超えて活発な御議論をいただきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

#18
○国務大臣(高市早苗君) 柳ヶ瀬裕文議員からは、地域社会再生事業費についてお尋ねがありました。
 令和元年度税制改正大綱においては、大都市部が将来にわたり発展していくためには地方の活力の維持が不可欠であり、都市と地方が支え合い、共に持続可能な形で発展していくために、地方法人課税における新たな偏在是正措置を講ずることとされました。
 地域社会再生事業費は、こうした偏在是正措置の趣旨を踏まえて計上したものであり、この財源を活用し、各地方団体の創意工夫により、地方創生の基盤となる地域社会の維持、再生に向けた幅広い施策を積極的に展開していただくことになります。
 大都市部でも高齢化が進行することから、医療、福祉に係る負担の分散、また大規模災害時のリスク分散といった点から、地方創生のメリットが考えられ、将来にわたる都市と地方の持続可能な発展に寄与するものと考えております。(拍手)
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#19
○議長(山東昭子君) 伊藤岳さん。
   〔伊藤岳君登壇、拍手〕

#20
○伊藤岳君 日本共産党の伊藤岳です。
 私は、日本共産党を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 東日本大震災から丸九年。大震災で亡くなられた方々に改めて哀悼の意をささげるとともに、御遺族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。被災された方々の生活となりわいの再建のために抜本的な支援が必要だと強く主張するものです。
 政府が昨日、新型コロナウイルス感染症対策として閣議決定した新型インフル特措法改正案は、内閣総理大臣の出す緊急事態宣言によって、国民の自由と人権の幅広い制限をもたらし、その歯止めが極めて曖昧なものです。拙速審議は許されません。
 安倍総理による突然の一斉休校要請などが、専門家の知見によらない政治判断として行われたことが国会質疑で明らかになりました。
 新型コロナウイルス対策で大事なことは、専門家の知見や科学的根拠に基づいて正確な情報をしっかりと提供し、感染拡大を予防する行動が取れるようにすることであり、苦境に立つ国民生活を守り、検査・医療対応の体制強化のために思い切った予算措置をとることです。
 ところが、政府が決定した緊急対応策の第二弾は、今年度の予備費の範囲内にとどまるもので、今の深刻な危機に対応したものとはなっていません。
 フリーランスの皆さんが、仕事の減少は収入減に直結するという悲痛な叫びを上げる中、当初、対応は難しいと言っていた政府も、日額四千百円の休業補償を緊急対応策に盛り込みました。しかし、これは日額最大八千三百三十円という、それ自体不十分な会社員などへの補償の更に半分程度の水準です。余りにも不十分です。
 安倍総理、なぜ日額四千百円なのでしょうか。安倍内閣はフリーランスの働き方を推奨してきたわけですから、更に引き上げることを検討してはいかがですか。
 この日額四千百円の補償は、休校要請に応えた場合に限られています。しかし、日本俳優連合、日本音楽家ユニオンなどは、声明で、政府の要請に沿ってイベント中止によるキャンセルを受け入れてきたが、生きる危機に瀕する事態だと訴えています。フリーランス、自営業者、演劇、音楽関係者の生活が支えられる給付制度にするべきではありませんか。総理、お答えください。
 新型コロナウイルスによって今浮き彫りになっているのは、住民の健康と暮らしを守る地域と自治体の力がどれだけ備わっているかです。
 安倍総理の一斉休校要請で、放課後児童クラブ、いわゆる学童保育の現場は混乱を強いられています。長期休暇に準じた開所に対応するため、職員の手配と費用の確保に関係者は奔走しています。
 さいたま市内のあるクラブでは、開所の鍵開けなどの仕事は非常勤職員には任せられないため、常勤職員が朝から出勤しなければならない。しかし、職員が不足していてシフトが組めない状況です。また、別のクラブでは、朝七時半から開所して保護者から子供を預かり、学校の受入れが始まる時間には学校に送っていく、通常の常勤職員体制では手が足りないという状況です。総理、常勤職員を始め職員を確保するための支援が必要ではありませんか。
 民間クラブでは更に深刻です。ある市の民間学童連絡協議会では、春休み以前の開所に対して、保護者の皆さんに一日千円の追加負担をやむなくお願いすることを決めたそうです。勤務時間数が相当に増える、人件費中心に試算したが、実は千円でも足りないということでした。総理、民間クラブや保護者にこうした苦労をさせてはならないと思いますが、いかがですか。
 これだけ放課後児童クラブに頼りながら、地方分権改革の下、全国どこでも子供の受ける保育内容を最低限保障するための職員の配置基準を引き下げてきた安倍内閣の責任が問われています。ただでさえ忙しい業務は過酷になり、職員の確保は一層困難となっています。この際、改めるべきではありませんか。常勤職員の増員を含む人件費、水光熱費、マスクや消毒液の確保などの費用は全て国の責任で保障すると明確に約束するべきではありませんか。
 以上、総理の答弁を求めます。
 新型コロナウイルスに対する公衆衛生、感染症対策の体制拡充が喫緊の課題となっています。感染症指定医療機関の六割が公立病院であり、地域の感染症対策にとって重要な役割を持っています。感染者がこれ以上に増えれば感染症スタッフの確保が追い付かず、受け止め切れるかどうかというのが自治体関係者の思いです。
 そこで、総理にお聞きします。
 自治体リストラの推進をやめて、地域の公衆衛生、感染症対策の体制づくりを進めるべきではありませんか。
 高市総務大臣は、二月の予算委員会で、公立病院は最後のとりでと答弁されました。総理、感染症対策で重大な危機的状況に直面するときに、公立・公的病院の再編統合はやめるべきではありませんか。
 次に、地方交付税法等の改正案についてです。
 安倍政権による消費税増税が地域の景気を後退させ、新型コロナウイルスの影響によって更に深刻化する事態が進行しています。こうした中で、地方自治体の役割が求められています。国は地方の財源確保に対する責任を果たすべきです。
 現行の地方交付税法は、地方の財源不足が一定規模を超え、それが続くのであれば、制度の改正や法定率の引上げを行うとしています。地方財源の不足はもう二十五年連続していますよ。ところが、安倍内閣は、法定率の抜本的な引上げを行わず、財源不足は国と地方の折半して賄うというやり方を続けています。法定率を抜本的に引き上げるべきではありませんか。
 今、何より必要となるのは、地域を支えるマンパワーであり、自治体職員の増員です。人件費を削れば交付税の算定が有利になる仕組みを廃止し、自治体の人員確保を後押しする交付税の仕組みに転換すべきではありませんか。
 以上、総務大臣の答弁を求めます。
 最後に、かんぽ生命不正販売問題について総務大臣に質問します。
 多くの利用者に被害が広がっています。政府には、日本郵政に義務付けられている金融のユニバーサルの維持が重大な事態となっているという認識はありますか。
 失った信用を取り戻すためには、経営責任を明確にした原因の究明、利用者の立場に立った損失の復元が必要です。日本郵政グループにその責任を果たさせるために政府はどのように是正させていくのですか。
 この不正販売問題を取り上げたNHK番組の内容に対して、森下俊三現経営委員長が批判、関与した疑惑が浮かび上がっています。放送の自主自律に係る大問題です。NHKと日本郵政グループ間の書簡、経営委員会の議事録全文を直ちに公開することが必要ではありませんか。
 以上、答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

#21
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊藤岳議員にお答えをいたします。
 フリーランス等への支援策についてお尋ねがありました。
 今回の臨時休校によって仕事を休まざるを得なくなった保護者の皆さんについては、新たな助成制度を創設することで、正規、非正規を問わず、休暇期間中の所得減少に対する手当てを行うこととしております。
 フリーランス等の方々は様々な形態があると承知していますが、雇用者とのバランスを踏まえ、業務委託契約等を締結している方については、第二弾の緊急対策により、この助成制度の対象とすることとしております。その際の補償額の水準については、これらの方々の働き方や報酬が多種多様である中で、迅速に支援を行う必要があることや、非正規雇用の方への給付とのバランスも考慮し、一日四千百円を定額で支給することとしています。
 また、フリーランスの方々も含め、感染拡大によって休職や休業に直面し、生活に困難を生じている方については、返済免除要件付きの個人向け緊急小口資金の特例を創設し、生活立て直しを支援いたします。
 さらに、全国の中小・小規模事業者の皆さんにしっかりと事業を継承していただけるよう、個人事業主を含め、実質無利子、無担保の融資を行うなど、総額一・六兆円規模の強力な資金繰り支援を行ってまいります。
 休校要請に伴う放課後児童クラブへの支援についてお尋ねがありました。
 今回の休校要請に際して、共働き家庭など留守家庭の小学生を対象とする放課後児童クラブについては、感染の予防に留意した上で、原則として、引き続き開所いただくこととし、長期休暇などに準じて午前中から開所をお願いをしているところです。
 その際、放課後児童クラブの運営に当たって必要となる人材を確保するために、小学校の教職員にも協力をお願いするとともに、人件費を含め追加的に発生する経費については全て国が負担をすることとしているところです。
 引き続き、現場の実態をよく踏まえながら、国として必要な支援を行ってまいります。
 放課後児童クラブの職員の配置基準についてお尋ねがありました。
 放課後児童クラブに従事する者の資格と員数については、生徒数の非常に少ない学校などにおいて放課後児童クラブの人材確保が困難となるといった地方からの要請を踏まえ、さきの通常国会で成立をした地方分権一括法において、従うべき基準から参酌すべき基準に変更し、地域の実情に応じた運営を可能としたところです。
 同時に、サービスの質もしっかりと確保するという観点から、職員に対する研修や処遇改善等の取組を支援しているところです。
 新型コロナウイルス対策に伴う放課後児童クラブの費用負担についてお尋ねがありました。
 放課後児童クラブについては、感染の予防に留意した上で、原則として、引き続き開所いただくこととしておりますが、その際の人件費や水道光熱費、マスクや消毒液など、追加的に発生する費用については、全て国が負担することとしております。
 さらに、マスクの確保については、需給両面からの対策に取り組んでいるところです。
 公立・公的病院の再編についてお尋ねがありました。
 少子高齢化による人口減少や厳しい財政状況の中でも、各自治体では地域の感染症対策にとって重要な役割を果たしている感染症指定医療機関の整備など、その体制確保に取り組んでいただいており、国としても引き続き必要な支援を行ってまいります。
 また、地域医療構想は、地域の医療ニーズに合わせ、効率的で質の高い地域医療提供体制の確保を目指し取り組むものですが、地域の医療機関が担うべき役割や在り方などを機械的に決めるものではありません。
 公立・公的医療機関については、ほとんどの感染症病床を担い、感染症対策において重要な役割を果たしていただいていると承知しております。
 このような機能や役割も含め、それぞれの地域において必要とされる医療提供体制の議論を深めていただきたいと考えております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕

#22
○国務大臣(高市早苗君) 伊藤岳議員からは、まず法定率の引上げについてお尋ねがありました。
 令和二年度の地方財政対策においては、前年度を〇・七兆円上回る一般財源総額を確保する中で、地方交付税については〇・四兆円増の十六・六兆円としております。
 法定率の引上げについては、国、地方とも厳しい財政状況であることから、容易ではございませんが、今後とも、法定率の見直しなどによる交付税総額の安定的確保について粘り強く主張し、政府部内で十分に議論をしてまいります。
 次に、人件費の交付税算定についてお尋ねがありました。
 地方交付税の算定においては、これまで職員数削減率などの指標を用いて行政改革の取組を算定に反映してきました。令和二年度においては、児童虐待防止対策の強化を進めていることや技術職員の充実を図ることなどを踏まえ、職員数削減率及び人件費削減率を用いた算定を廃止いたします。
 また、令和二年度地方財政計画において、職員数を増加した上で、地方交付税の算定においても単位費用の積算に職員数の増を反映しています。
 次に、日本郵政に義務付けられている金融のユニバーサル維持への認識についてお尋ねがございました。
 今回、日本郵政グループが顧客本位のサービスを提供できていなかったことは大変残念です。こうした中にあっても、金融を含む郵政事業は、国民生活に必要不可欠なユニバーサルサービスとして、今後も全国で安定的に提供され続けることが重要であり、日本郵政グループにおいて健全な経営に努めることにより、その責務を果たしていくことが必要です。
 日本郵政グループには、顧客第一の基本に立ち返り、不利益を受けた顧客の権利回復や再発防止策を速やかに実施するとともに、ユニバーサルサービスの確保を含め、健全な経営に取り組んでいただきたいと考えています。
 次に、日本郵政グループに責任を果たさせるための是正についてお尋ねがありました。
 総務省は、昨年十二月二十七日、日本郵政株式会社及び日本郵便株式会社に対し行政処分を行い、一月三十一日には業務改善計画の提出を受けました。
 業務改善計画には、不利益を受けた顧客の権利回復や再発防止策などが含まれており、業務改善計画を着実に実施することで、失われた国民の皆様の信頼を一歩一歩着実に回復していただくことが何よりも大事と考えております。
 今後、日本郵政グループからは、業務改善計画の進捗状況などについて、四半期ごとの定期的な報告が行われることとなっており、総務省として、日本郵政グループがユニバーサルサービスの確保を含む責務を適切に果たすことができるよう、必要な監督を行ってまいります。
 最後に、NHK経営委員会の議事録の公開についてお尋ねがございました。
 NHK経営委員会の議事録の公開については、経営の透明性を確保する観点から、放送法第四十一条に基づき、経営委員会の定めるところにより、作成、公表を行うこととされています。
 本件については、昨年十月の経営委員会で議論が行われ、議事経過を公表し、その内容を議事録に反映したと承知しておりますが、国民・視聴者の皆様の受信料で成り立つ公共放送として透明性確保は重要であり、NHKにおいて説明責任を適切に果たしていただきたいと考えております。(拍手)

#23
○議長(山東昭子君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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