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2020/03/10 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第2号 令和2年3月10日
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2020/03/10 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 厚生労働委員会 第2号 令和2年3月10日

#1
令和二年三月十日(火曜日)
   午後四時三十分開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十日
    辞任         補欠選任
     大塚 耕平君     田村 まみ君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     田島麻衣子君     蓮   舫君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     蓮   舫君     田島麻衣子君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     田島麻衣子君     蓮   舫君
 三月十日
    辞任         補欠選任
     川田 龍平君     須藤 元気君
     蓮   舫君     田島麻衣子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         そのだ修光君
    理 事
                石田 昌宏君
                小川 克巳君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                片山さつき君
                島村  大君
                高階恵美子君
                羽生田 俊君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
                須藤 元気君
                田島麻衣子君
                田村 まみ君
                芳賀 道也君
                福島みずほ君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                梅村  聡君
                倉林 明子君
   国務大臣
       厚生労働大臣
       国務大臣     加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  稲津  久君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       小島 敏文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政等の基本施策に関する件)
 (令和二年度厚生労働省関係予算に関する件)
 (派遣委員の報告)
    ─────────────

#2
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日までに、大塚耕平君が委員を辞任され、その補欠として田村まみ君が選任されました。
 また、本日、川田龍平君が委員を辞任され、その補欠として須藤元気君が選任されました。
    ─────────────

#3
○委員長(そのだ修光君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題といたします。
 まず、厚生労働行政等の基本施策について、加藤国務大臣から所信を聴取いたします。加藤国務大臣。

#4
○国務大臣(加藤勝信君) 厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。
 国民の皆さんの安全、安心の確保に万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。
 今般の新型コロナウイルスに関連した感染症については、国民の皆様の健康と命を守るため、これまで水際対策と国内の感染拡大防止策の強化を図ってきました。クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号については、三月一日、全ての乗客乗員の下船が完了しましたが、引き続き、下船した乗客乗員の健康管理を適切に行ってまいります。これまでのクルーズ船における対応についてはしっかりと検証を行い、今後の対応につなげてまいります。また、現在、国内の複数の地域で感染経路が明らかでない患者が散発的に発生し、小規模な患者の集団が把握されており、まさに今が今後の国内での健康被害を最小限に抑える上で極めて重要な時期です。政府としては、今後の状況の進展を見据えて、国民の皆様や企業に対する情報提供、サーベイランス、感染拡大防止策、医療提供体制等について、現在講じている対策と今後の状況の進展を見据えて講じていくべき対策を整理し、基本方針として取りまとめました。基本方針等を踏まえた対応を実施していくとともに、雇用調整助成金を始めとする必要な支援を速やかに実施してまいります。
 また、各地の自治体とも一層緊密に連携して、国民の皆様の御理解と御協力を得ながら、あらゆる事態を想定して必要な対応を図り、国民の皆様の安全、安心に万全を期してまいります。
 あわせて、今夏の東京オリンピック・パラリンピック競技大会等に向けて感染症の検疫体制を強化し、発生動向の調査、監視を徹底するとともに、風疹の抗体検査及び予防接種を着実に実施するため、企業への働きかけや国民の皆様に向けた広報の強化に取り組みます。
 昨年は、台風や記録的な大雨による甚大な被害が全国各地で発生しました。改めまして、亡くなられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様にお見舞い申し上げます。被災された方々が一日も早く安全、安心な生活を取り戻せるよう、スピード感を持って令和元年度補正予算に基づく対策等を講じるとともに、相次ぐ自然災害から国民生活を守れるよう、医療、福祉、水道施設等の強靱化に取り組みます。
 また、東日本大震災の発生からもうすぐ九年が経過します。引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識の下、被災者の心のケア、医療・介護提供体制の整備、雇用対策などに全力で取り組みます。
 人生百年時代の到来を見据えながら、働き方の変化を中心に据えて、年金、医療、介護など社会保障全般にわたる改革を進めてまいります。これにより、現役世代の負担上昇を抑えながら、未来をしっかりと見据えた、全ての世代が安心できる全世代型社会保障制度を構築してまいります。
 昨年九月に、安倍総理を議長とする全世代型社会保障検討会議が設置され、年末には中間報告を取りまとめました。まずは、この中間報告を基に、高齢者雇用や年金の法的整備を進めます。
 また、医療についても、七十五歳以上で一定以上の所得がある方の窓口負担割合を新たに二割負担とすることや、かかりつけ医機能の強化等を図るために大病院受診時の定額負担を拡充することについて検討を進め、今夏の最終報告に向けて関係審議会等での議論を本格化します。
 少子高齢化が進む中で、高齢者、複数就業者等に対応したセーフティーネットの整備や就業機会の確保等を図り、誰もが安心して活躍できる環境の整備を進めることが重要です。このため、七十歳までの就業機会の確保、兼業や副業を行っている労働者等に関するセーフティーネットの整備、大企業に対する中途採用比率の公表義務化、雇用保険制度の見直し等を内容とする改正法案を今国会に提出しました。また、高齢者が安心して安全に働けるよう、増加する転倒災害の防止等の労働安全衛生対策にも取り組みます。
 いわゆる就職氷河期世代の方々に対しては、お一人お一人の事情に即した支援が求められています。支援に携わる関係者等を構成員とするプラットフォームを全ての都道府県に設置し、働くことや社会参加を支援します。
 年金制度については、老後生活の基本を支える公的年金の安定的運営と充実に努めるとともに、老後生活の多様なニーズに対応する私的年金の普及促進を図ってきましたが、高齢期でも働く意欲のある方が増えるなど、社会経済の変化に対応した制度を構築する必要があります。昨年の財政検証結果を踏まえ、被用者保険の適用拡大、在職老齢年金制度の見直し、年金受給開始時期の選択肢の拡大を図るとともに、確定拠出年金の加入可能要件を見直すなど、年金制度の機能強化のための改正法案を今国会に提出しました。
 年金事業運営については、日本年金機構の第三期中期目標・中期計画に基づき、国民年金保険料の収納対策、厚生年金保険の適用促進など、事務の適切な実施に引き続き努めるとともに、年金生活者支援給付金制度を着実に実施します。
 医療分野では、二〇二五年の地域のニーズをしっかりと把握し、地域における病床機能の最適化を目指す地域医療構想、医療現場における長時間労働の是正を目指す医師の働き方改革、医師の最適な配置により地域間、診療科間の医師偏在解消を目指す医師偏在対策を一体的に進めます。また、本年四月に予定されている診療報酬改定を通じ、患者、国民の皆様にとって身近で、安全、安心な質の高い医療を実現してまいります。
 あわせて、健康寿命の延伸を図るため、ナッジ理論などの行動経済学の知見も活用するとともに、国保の保険者努力支援制度を抜本的に強化し、予防、健康づくりを推進します。
 さらに、ゲノム医療、AI等の最先端技術の活用など、データヘルス改革を推進します。特に、昨年成立した健康保険法等改正法に基づき、医療保険のオンライン資格確認の導入や、マイナンバーカードの健康保険証利用等の円滑な施行を進めていきます。
 医薬品、医療機器産業については、革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組むとともに、後発医薬品の使用促進やベンチャー企業への支援を実施します。また、昨年成立した医薬品医療機器等改正法に基づき、先駆け審査指定制度や条件付早期承認制度、機能別薬局の認定制度等について、円滑な施行を進めていきます。
 人口減少、地域社会の変容が進む中で、地域社会とのつながりを失い孤立するケースや、家庭の中で複合的な生活課題を抱えるケースが生じています。こうしたケースに対応するため、相談支援、参加支援、地域づくりに向けた支援の三つの支援を内容とする包括的な支援体制の構築を推進し、地域共生社会の実現に向けて取り組みます。
 また、社会福祉法人を中核とする非営利連携法人制度の創設など、希望する法人が円滑に連携・協働化に進めるような環境整備を進めます。
 介護保険制度については、地域包括ケアシステムを推進するため、介護予防、地域づくりの推進や、共生と予防を車の両輪とした認知症施策の推進、地域特性等に応じた介護基盤の整備、生産性の向上、医療、介護のデータ基盤の整備等に取り組みます。
 こうした取組を通じて、地域共生社会を実現するため、関連法案を今国会に提出しました。
 さらに、介護の受皿を五十万人分増やすとともに、介護職員の処遇改善、高齢者等の介護就労への参入促進、介護という仕事の魅力発信などの総合的な人材確保対策や、仕事と介護の両立が可能な働き方の普及に取り組み、介護離職ゼロを目指します。
 一億総活躍社会の実現に向けて、働き方改革関連法の円滑な施行に努めます。特に、本年四月以降、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を図る同一労働同一賃金に関するルールが順次施行されるとともに、中小企業において時間外労働の上限規制が施行されます。このため、制度改正に関する丁寧な周知に加え、生産性向上や非正規雇用労働者の正社員転換、待遇改善に取り組む中小企業に対し、きめ細やかな支援等を行います。
 経済の好循環を実現するためには、賃金の引上げが重要です。最低賃金については、昨年、全国加重平均で二十七円引き上げて九百一円となり、昭和五十三年度に目安制度が始まって以降で最大の引上げ幅となりました。また、最低賃金額の地域間格差について、十六年ぶりに改善しました。今後も、中小企業・小規模事業者が賃上げしやすい環境を整備するとともに、景気や物価動向を見つつ、地域間格差にも配慮しながら、最低賃金がより早期に全国加重平均千円となることを目指します。
 あわせて、全ての方がその能力を存分に発揮できる社会や個々人の主体的なキャリア形成が可能となる社会を実現するため、リカレント教育を始めとした人材育成の強化、女性、若者、高齢者、障害者等の就労支援、柔軟な働き方がしやすい環境整備の推進、雇用類似の働き方に関する検討等に取り組みます。
 本年六月以降、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務が大企業から施行されるため、本年一月に策定した指針の内容などについて、企業への周知に努め、その円滑な施行に取り組みます。
 また、公務部門における障害者活躍推進計画の作成、公表義務化など、昨年成立した改正障害者雇用促進法の円滑な施行に取り組み、障害のある方が希望や能力に応じて生き生きと活躍できる社会の実現を目指します。
 我が国で就労する外国人労働者が増加する中で、その能力を有効に発揮できる環境を整備するとともに、技能実習制度については、悪質な送り出し機関の排除や、外国人技能実習機能の実地検査能力の強化等により、運用の適正化に努めます。
 さらに、本年四月から施行される改正民法を踏まえ、賃金請求権の消滅時効期間の延長等を内容とする労働基準法改正法案を今国会に提出しました。
 戦没者遺骨収集事業において、日本人でない遺骨が収容された可能性が指摘されながら、長年にわたり適切な対応が行われてこなかったことについて、深い反省と、二度と繰り返さないという強い信念の下、有識者会議からの意見等を踏まえて、遺骨収集の方法等の改善に努めるとともに、事業実施体制を抜本的に見直します。
 また、公的統計をめぐる不適切な取扱いにより、行政に対する信頼を損なう事案を生じさせたことについても真摯に反省し、厚生労働省のガバナンス強化や業務改革、統計改革等に全力で取り組みます。
 待機児童の解消に向けて、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を整備し、保育人材の確保等を進めるとともに、市町村の特性に応じて重点的に支援していきます。
 放課後児童対策についても、待機児童の解消に向けて、新・放課後子ども総合プランに基づき、二〇二三年度末までに約三十万人分の受皿を整備します。
 幼児教育、保育の無償化について、関係府省とも緊密に連携し、施行の状況について引き続き注視するとともに、保育の質の確保、向上についても一層取り組みます。
 子供たちの健やかな成育を確保するため、成育基本法に基づく基本方針の策定に向けた検討を進めるとともに、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援するため、子育て世代包括支援センターの全国展開を進めます。また、昨年成立した母子保健法改正法を踏まえた産後ケアの充実や、若年妊婦への支援等にも取り組みます。
 児童虐待の防止については、子供の命を守ることを最優先に、全力を尽くします。具体的には、昨年成立した児童福祉法等改正法や、昨年三月に関係閣僚会議で決定された児童虐待防止対策の抜本的強化について等に基づき、保護者等による体罰の禁止、児童相談所の体制強化、設置促進、関係機関の連携強化等に取り組みます。
 虐待などの事情により親元で暮らせない子供たちも、温かい家庭的な環境で育まれるよう、里親制度の広報啓発や里親家庭に対する相談支援の充実に努めます。また、児童養護施設等の小規模・地域分散化や退所児童等の自立支援体制の強化などを推進します。
 子供の貧困対策については、昨年の子どもの貧困対策の推進に関する法律の改正を踏まえて策定した新たな大綱等に基づき、支援が届きにくい家庭の早期発見、早期対策など、関係施策の一層の充実に向けてしっかりと取り組みます。
 受動喫煙対策については、本年四月の改正健康増進法の全面施行が円滑に行われるよう、国民や事業者への周知啓発、設備の整備に対する支援等に取り組みます。
 がん対策については、第三期基本計画に基づき、がんゲノム医療の体制整備、治療と仕事の両立支援等を推進します。また、循環器病対策基本法に基づき、基本計画の策定に向けて議論を進めます。さらに、難病対策についても、法施行後五年の検討規定に基づき、関係審議会における議論の結果を踏まえ、必要な対策を講じます。
 国際保健の分野においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進のほか、高齢化及び薬剤耐性を含む健康危機への対応等のグローバルな課題に的確に対応します。
 また、改正食品衛生法に基づき、広域的な食中毒事案への体制強化等に引き続き取り組みます。
 昨年十月に施行された改正水道法に基づき、広域連携、水道事業者の適切な資産管理、多様な官民連携の推進により、水道の基盤強化に取り組みます。
 ハンセン病については、昨年十一月に施行された元患者の御家族への補償制度を着実に実施するとともに、ハンセン病に対する偏見、差別の解消に全力で取り組みます。
 障害のある方々が生き生きと地域生活を営むことができるよう、日常生活の支援、グループホームの整備、文化芸術活動や視覚障害のある方々等の読書環境の整備の推進などに取り組むとともに、重度の障害がある方々の通勤や職場等における支援を含め、労働施策と福祉施策において切れ目のない支援の確立を目指します。また、精神障害のある方々が地域の一員として自分らしい暮らしができるよう、包括的な支援を受けられる仕組みづくりを進めます。さらに、障害福祉の人材確保のための取組を拡充します。
 アルコール健康障害やギャンブル等依存症などの依存症対策については、医療相談体制の整備や民間団体の活動支援等に取り組みます。
 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度については、それぞれの改正法に基づき、就労、家計、住まい等に関する包括的な支援体制の強化に向けた取組等を着実に進めます。
 自殺対策については、大綱等に基づき、SNSを活用した相談対応等、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取組を推進します。
 成年後見制度の利用促進については、基本計画に基づき、昨年五月に設定したKPIを踏まえ、中核機関の整備や市町村計画の策定等の取組を推進します。
 委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。

#5
○委員長(そのだ修光君) 次に、令和二年度厚生労働省関係予算について、厚生労働副大臣から説明を聴取いたします。稲津厚生労働副大臣。

#6
○副大臣(稲津久君) 厚生労働副大臣の稲津でございます。
 橋本副大臣、小島、自見両政務官とともに加藤大臣を支え、そのだ委員長を始め委員の皆様の御理解と御協力を得ながら厚生労働行政の推進に邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 令和二年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。
 厚生労働省所管一般会計予算案については、通常分の予算と臨時特別の措置との合計で、昨年度より三・一%増の三十三兆三百六十六億円となっており、また、厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計、年金特別会計及び東日本大震災復興特別会計にそれぞれ所要額を計上しています。
 以下、令和二年度予算案の重点事項について説明いたします。
 本予算案では、人生百年時代の到来を見据え、誰もがより長く元気に活躍でき、安心して暮らせるよう、消費税率引上げによる増収分も活用して、全世代型社会保障の構築に取り組むこととしています。
 第一に、多様な就労、社会参加の促進について、誰もが働きやすい職場づくりのため、働き方改革や生産性向上に取り組む中小企業・小規模事業者への支援を強化するなどにより、長時間労働の是正、最低賃金、賃金の引上げ、同一労働同一賃金の実現等を推進します。あわせて、多様な人材の活躍を促進するため、就職氷河期世代に対して、お一人お一人に寄り添って就労、社会参加に向けた支援を行うほか、高齢者、女性、障害者等の就労支援、外国人材の受入れ環境の整備等に取り組みます。また、高齢期も見据えたキャリア形成支援を始め、人材育成の強化等を行います。
 第二に、健康寿命延伸等に向けた保健、医療、介護の充実について、地域包括ケアシステムの構築や健康寿命の延伸等を進めるため、地域医療構想、医師偏在対策、医療従事者の働き方改革の三位一体での推進、介護の受皿整備、介護人材の確保等に取り組むとともに、予防、健康づくり、感染症対策、ハンセン病対策等を推進します。また、データヘルス改革、保健医療分野等の研究開発を推進するほか、医療の国際展開、国際保健への貢献、医薬品、食品等の安全確保、水道事業の基盤強化等に取り組みます。
 第三に、安全、安心な暮らしの確保等について、子供を産み育てやすい環境づくりを進めるため、子育て安心プランに基づく保育の受皿整備、保育人材の確保、児童虐待防止対策、社会的養育の迅速かつ強力な推進等に取り組みます。また、地域共生社会の実現に向けて、断らない相談支援を中核とする包括的支援体制の整備、生活困窮者自立支援、引きこもり支援の強化等を推進するとともに、障害児や障害者の支援、自殺総合対策、依存症対策、持続可能で安心できる年金制度の運営等に取り組みます。
 今後とも、国民生活の安全、安心の確保に全力を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の推進に一層努力してまいりますので、皆様の一層の御理解と御協力をお願いいたします。

#7
○委員長(そのだ修光君) 以上で所信及び予算の説明の聴取は終わりました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 政府側は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────

#8
○委員長(そのだ修光君) 次に、先般本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。石橋通宏君。

#9
○石橋通宏君 委員派遣について御報告を申し上げます。
 去る二月二十日及び二十一日の二日間、そのだ委員長、石田理事、小川理事、足立理事、山本理事、東委員、倉林委員及び私、石橋の八名により、大分県における社会保障及び労働問題等に関する実情を調査してまいりました。
 以下、その概要を御報告いたします。
 一日目は、まず杵築市立山香病院及び介護老人保健施設グリーンケアやまがを訪問し、概況説明を聴取するとともに、施設内を視察いたしました。概況説明では、二〇四〇年を見据えた地域医療の在り方、杵築市立山香病院における地域包括ケア病棟の取組及び今後の課題、地域リハビリテーションサービスの現状及び課題、同病院の存続に向けた患者送迎等の取組、地域小児科医療、病児保育の取組等について、小野院長を始めとする関係者から概要及び見解等を聴取いたしました。同院長等からは、同病院が属する大分県東部医療圏では別府市に医療資源が集中し、市外に医療費が流出している状況があり、病院経営上、杵築市中心部等の人口密集地域からの外来患者数を増やす必要があること、リハビリテーション専門職の派遣事業を進める上では、施設基準を満たす人員を確保した上で更なる人員が必要となることに加え、それら専門職が外出している時間分の診療報酬が得られずに減益を余儀なくされること、通院困難者のために患者送迎事業を開始したものの新規患者の増加につながっておらず採算性の確保に問題があること等の課題について説明がありました。また、地域の開業医と協力した小児科日曜外来のほか、病児保育事業等の取組も進めており、平日、日曜共に外来受診者数が増加傾向にあることや、共働き家庭が増加する中、地方においても病児保育施設のニーズが高くなっており、少子化が進む地域であるにもかかわらず単年度収支で黒字を達成していること等について説明がありました。さらに、二〇四〇年を見据え、今後は質の高い総合診療医が必要になるのではないかといった見解や、地域の病院が機能集約化されたセンター病院とフレキシブルに連携しつつ、地域で完結できる医療体制を維持することが重要ではないか等の見解も示されました。
 続いて、これからの地方病院に求められる機能、山香病院において医師不足を克服できた理由及び今後の持続可能性、看護職員確保に向けた現状及び課題、リハビリテーション専門職派遣事業を増やすほど減益につながってしまうという課題に対する病院経営上の対応等について意見交換を行いました。また、杵築市立山香病院の訪問に先立ち、永松杵築市長と懇談を行い、地域での課題解決のためには、医療体制の確保が重要であり、科学的な視点に基づいて課題に取り組める医師を中心とした多職種連携体制を構築する必要がある等の見解が示されました。
 次に、株式会社宇佐ランタンを訪問いたしました。同社は、昭和四十八年に設立され、祭りやインテリア等に使用されるビニール素材のちょうちんの製造、販売を行っております。およそ四十年前から障害者の雇用に取り組んでこられ、現在は従業員十九名の半分以上となる十名の知的障害者の方が日々ちょうちん作りに励んでおられるとのことです。同社では、障害者が働きやすい環境を整えるために専用の機械を独自に開発したとのことであり、その結果として作業全体の省力化にもつながったとのことでした。また、障害者に対しては、教える、覚えるという関係のティーチングではなく、能力を引き出し、強化するというコーチングのアプローチで指導に取り組んでおり、特別支援学校在籍時から三週間にわたる実習を年三回行い、四月の就業時点で覚えなければならないことを少なくするなど、知的障害者が就業に際して直面する壁を克服できるような取組を行っているとのことでした。ちょうちんの製造工程を視察した後、障害者雇用に対するこれまでの取組等について概況説明を聴取するとともに、障害を持つ従業員が定年退職した後の社会との関わり方、同社における健常者と障害者の給与格差の有無等について意見交換を行いました。
 続いて、日豊製袋工業株式会社を訪問し、製造現場を視察した後、同社の概要やこれまでの障害者雇用の取組等について概況説明を聴取いたしました。同社は、昭和三十七年に設立され、包装容器や包装材料の製造、販売を行っており、袋状の包装容器であるフレキシブルコンテナバッグの製造に高い技術力を有する一方、創業当初から障害者雇用にも積極的に取り組んでおられるとのことであり、障害者を納税者に育成するとの考えの下、一般従業員と障害者が同じ賃金体系で働いておられるとのことでした。現在、従業員九十名のうち、障害を持つ方が十七名おられ、障害者と高齢者がペアになり、お互いの能力を高め合う形で作業を進めているとのことでした。また、何か一つの仕事のスペシャリストになればよいとの方針の下、障害者個人の特性に合わせて徹底したマンツーマン指導を行っているとのことであり、特定の機械の操作において、一般従業員以上に卓越した技能を持つ障害者もおられるとのことでした。概況説明の後、同社における健常者と障害者の処遇体系の違い及びそれに対する健常者側の捉え方、障害者の通勤手段、障害者の高齢化への対応、通勤支援や設備投資に係る補助金の在り方等について意見交換を行いました。
 最後に、長野別府市長と懇談を行い、別府市における障害者インクルーシブ防災事業等について概況説明を聴取いたしました。同事業は、災害発生時において障害者等の要配慮者を含めて誰一人取り残さないための防災の仕組みづくりを目指して平成二十八年に開始され、災害時ケアプラン調整会議の実施や要配慮者の個別支援計画の作成、また避難訓練の実施といった取組をこれまで実施してきたとのことです。一方、要配慮者と地域、福祉関係者をつなぐ役割を担うインクルージョンマネジャーが市に一人しかおらず、今後は民間福祉専門職の役割が重要であり、待遇改善が必要になるのではないか等の見解も示されました。その後、同事業に係る課題や新型コロナウイルス感染症の感染拡大による別府市内の観光業への影響等について意見交換を行いました。
 二日目は、最初に社会福祉法人太陽の家を訪問し、まず施設の概要及び障害者雇用の取組等について概況説明を聴取いたしました。社会福祉法人太陽の家は、故中村裕博士により、保護より機会をとの理念の下、障害者の就労支援を目的に昭和四十年に開設されました。様々な企業と提携して共同出資会社をつくり、多くの障害者の雇用を進めるなど、我が国の障害者雇用において先駆的な役割を果たしてこられました。現在は、大分県内にとどまらず、愛知県や京都府にも事業所を開設しており、従業員約千八百六十名のうち、約六割となる千百名の障害者がそれぞれの業務に取り組んでおられるとのことです。説明を聴取した後、共同出資会社の一つである三菱商事太陽株式会社等を視察いたしました。同社では、六〇%以上の従業員が何らかの障害を持っているとのことであり、それぞれの能力に合わせて、システム開発やデータ入力等の業務に従事されているとのことです。また、車椅子が必要な身体障害者のためにケーブル類を天井裏に配線し、床をタイル張りにしているほか、社会福祉士や精神保健福祉士によるワークサポートチームを設置するなど、障害者が働きやすい職場づくりに取り組んでおられるとのことでした。さらに、近年は在宅勤務による障害者の就労にも積極的に取り組んでおられるとのことです。太陽の家で脈々と培われてきた、世に障害はあっても仕事に障害はないとの精神は、大分県においてあまねく共有され、障害者雇用を牽引してきたと強く感じたところであり、今後の障害者雇用施策に非常に参考になると実感した次第であります。
 次に、大分県口腔保健センターを訪問し、障がい者歯科診療所を視察するとともに、施設の概要及び運営に係る課題等について概況説明を聴取いたしました。それまで大分県では、一般の歯科診療所での治療が困難な障害者を対象とした専門医療機関が大分療育クリニックの一つしか存在せず、治療まで三か月から六か月程度待たなくてはならない状況であったことから、大分県歯科医師会が中心となり平成三十年三月に同センターが開設されました。今年度からは、一般の歯科診療所でも治療を実施できるよう、地域医療介護総合確保基金を活用した臨床実地研修事業も開始したとのことです。一方、障害者が歯科治療を受ける際には、治療を受け入れるために複数回の事前トレーニングが必要であるものの、その診療報酬上の評価が不十分であることなどから、開設当初から財政上の問題を抱えているとのことでした。その後、県による補助金交付の見通し、障害者への歯科医療の提供に係る診療報酬上の評価の在り方、同センターにおける研修事業の意義、障害者と健常者の齲蝕有病率の違い等について意見交換を行いました。
 最後に大分県庁を訪問し、まず広瀬大分県知事と懇談を行いました。広瀬知事からは、障がい者雇用率日本一の奪還に向けた取組についての表明があり、その後、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響及び感染防止策、公的機関における障害者雇用率の向上に向けた具体的方針等について意見交換を行いました。次いで、県当局から大分県における医療、介護の連携、地域医療構想、障害者歯科医療のほか障害者雇用に向けた取組及び今後の課題等について概況説明を聴取するとともに、医療介護連携ネットワークの県全域での連携可能性及びシステム標準化に係る課題、地域医療介護総合確保基金の使途に係る課題、二次医療圏内における医療資源の偏在に対する大分県の対応方針、新型コロナウイルス感染症に対する大分県の医療体制、障害者の福祉的就労から一般就労への移行促進策等について意見交換を行いました。
 視察先での実情調査の概要は以上でありますが、今回の委員派遣に当たりまして、訪問先の関係者の方々に特段の御配慮をいただきましたことを、この場をお借りして心から御礼を申し上げたいと存じます。
 以上で委員派遣の報告を終わります。
 ありがとうございました。

#10
○委員長(そのだ修光君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四分散会
ソース: 国立国会図書館
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