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2020/03/06 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 環境委員会 第1号 令和2年3月6日
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2020/03/06 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 環境委員会 第1号 令和2年3月6日

#1
本国会召集日(令和二年一月二十日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。
   委員長 鷲尾英一郎君
   理事 伊藤信太郎君 理事 勝俣 孝明君
   理事 高橋ひなこ君 理事 とかしきなおみ君
   理事 福山  守君 理事 金子 恵美君
   理事 関 健一郎君 理事 江田 康幸君
      秋本 真利君    畦元 将吾君
      上野 宏史君    加藤 鮎子君
      金子万寿夫君    繁本  護君
      武村 展英君    百武 公親君
      古田 圭一君    細野 豪志君
      堀内 詔子君    務台 俊介君
      八木 哲也君    池田 真紀君
      柿沢 未途君    近藤 昭一君
      篠原  孝君    堀越 啓仁君
      横光 克彦君    古屋 範子君
      田村 貴昭君
令和二年三月六日(金曜日)
    午前九時三十分開議
 出席委員
   委員長 鷲尾英一郎君
   理事 伊藤信太郎君 理事 勝俣 孝明君
   理事 高橋ひなこ君 理事 とかしきなおみ君
   理事 福山  守君 理事 金子 恵美君
   理事 関 健一郎君 理事 江田 康幸君
      秋本 真利君    畦元 将吾君
      今枝宗一郎君    上野 宏史君
      加藤 鮎子君    金子万寿夫君
      繁本  護君    武村 展英君
      百武 公親君    古田 圭一君
      細野 豪志君    堀内 詔子君
      八木 哲也君    池田 真紀君
      柿沢 未途君    近藤 昭一君
      篠原  孝君    堀越 啓仁君
      横光 克彦君    古屋 範子君
      田村 貴昭君
    …………………………………
   環境大臣
   国務大臣
   (原子力防災担当)    小泉進次郎君
   環境副大臣        佐藤ゆかり君
   環境副大臣        石原 宏高君
   環境大臣政務官      八木 哲也君
   環境大臣政務官      加藤 鮎子君
   政府特別補佐人
   (公害等調整委員会委員長)            荒井  勉君
   環境委員会専門員     小池 章子君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  務台 俊介君     今枝宗一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     務台 俊介君
    ―――――――――――――
一月二十日
 対象発電用原子炉施設等に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の特例に関する法律案(柿沢未途君外五名提出、第百九十六回国会衆法第六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 環境の基本施策に関する件
 公害紛争の処理に関する件
     ――――◇―――――

#2
○鷲尾委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境の基本施策に関する事項
 地球温暖化の防止及び低炭素社会の構築に関する事項
 循環型社会の形成に関する事項
 自然環境の保護及び生物多様性の確保に関する事項
 公害の防止及び健康被害の救済に関する事項
 原子力の規制に関する事項
 公害紛争の処理に関する事項
以上の各事項につきまして、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○鷲尾委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――

#4
○鷲尾委員長 環境の基本施策に関する件及び公害紛争の処理に関する件について調査を進めます。
 この際、環境大臣から所信を聴取いたします。小泉環境大臣。

#5
○小泉国務大臣 おはようございます。環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣の小泉進次郎です。
 第二百一回国会における衆議院環境委員会の御審議に先立ち、所信を申し述べます。
 環境省は、再生可能エネルギーの主力電源化や省エネルギーの徹底、ESG金融の促進、カーボンプライシングのさらなる活用に関する検討などの気候変動対策や、東日本大震災からの復興、プラスチックごみ対策などの資源循環、生物多様性の保全に加え、水、大気、土壌環境保全、環境省の原点である水俣病などの公害健康被害への対策、各種環境リスクの低減等の幅広い施策に取り組んでいます。
 今回の所信では、その中でも私が環境大臣として特に強く感じていることを中心に申し上げます。
 私が環境大臣として掲げているテーマを一言で申し上げると、「環境先進国・日本の復権」です。昨年、ニューヨークで開催された国連気候アクションサミットや、マドリードで開催されたCOP25などに出席し、気候変動外交の最前線に立ってきた者として、日本のすぐれた数多くの取組が石炭批判の前にかき消されてしまっていることに悔しさを感じています。国際社会の現実においては、石炭政策に関する前向きなメッセージがなければ、ほかにどれだけすぐれたことを言ったとしても何も伝わらない。そう言っても過言ではありません。
 今般、石炭火力輸出支援の四要件の見直しについて議論を始めることで関係省庁と合意しました。これは小さな一歩に見えるかもしれませんが、国際社会からの批判に対して受け身となっている現状を打開する転換点となる一歩です。ことし六月に予定されている次期インフラシステム輸出戦略の骨子策定に向けて、この四要件の見直しについて関係省庁で実りある議論をしてまいります。
 また、国内でも、自治体や企業が、これに呼応した行動を今までにないスピードで積み上げています。二〇五〇年までのCO2排出量実質ゼロを目指すゼロカーボンシティーは、私が環境大臣に就任した昨年九月時点では四自治体、人口規模で約二千万人でしたが、今では七十自治体を超え、人口規模ではついに六千万人に迫る大きな動きになっています。ことしじゅうに日本の人口の過半数である六千五百万人を目指し、脱炭素社会に向けた我が国の動きを不可逆的なものにしたいと考えており、これを国際社会にも発信してまいります。
 また、先月、福島県大熊町を訪問した際に吉田町長からもゼロカーボン宣言がありました。東京電力福島第一原子力発電所事故により全町避難を強いられた大熊町が、復興に向けた次のステップの旗印としてゼロカーボンを掲げたことには、人口規模にとどまらない特別な意義があると考えています。この宣言の際に大熊町の職員の方から、この表明で、これから向かうべき方向性がはっきりした、これから頑張っていきたいとの前向きなお話をいただき、大変うれしく感じました。
 私がゼロカーボンシティーを後押しするきっかけとなった出来事は、昨年の国連気候アクションサミットです。国連本部のビルで、国際社会に横浜市のゼロカーボン宣言を紹介した際、会場で横浜市の職員に送られた万雷の拍手と喝采を聞き、この取組が国際社会で、日本国内での評価以上に評価されていることを痛感しました。
 宣言だけでは何も変わらないといった批判の声も一部にありますが、ゼロカーボンを宣言した自治体において、地方公共団体実行計画の見直しや再生可能エネルギーの広域連携などの具体的な動きが着実に進んでいることもまた事実です。環境省としても、こうしたゼロカーボンシティーの取組を更に後押しすべく、支援策を講じてまいります。
 気候変動は、今や、国際的には気候危機と言われるほど重要な課題として認識されており、脱炭素社会の実現に向けた機運は明らかに高まっています。そうした中で昨年開催されたCOP25では、我が国主導でフルオロカーボン・イニシアティブを立ち上げたほか、市場メカニズムに関する実施指針等に関する交渉を通じ、我が国の存在感を高めることができました。これは、ことし十一月にグラスゴーで開催されるCOP26に確実につながる成果だと考えています。
 先月、そのCOP26の議長国イギリスのラーブ外務大臣と面会しました。イギリスが議長国として、先進国の野心的な取組を期待している中、各国の気候変動対策の中期目標やその達成に向けた行動を示すNDCや、いわゆる二〇五〇年目標に関する日本の姿勢が改めて問われています。
 NDCについては、ことし二月がパリ協定及びCOP決定に基づく気候変動枠組み条約事務局への提出期限です。NDCの明確性、透明性及び理解を促進する観点から提出期限を定めているCOP決定の趣旨を踏まえるとともに、日本の前向きなメッセージを国際社会に届け、日本が正当に評価されるような報告にすることも大切であると考えており、私としては、そのような方向で、できるだけ早期に提出すべく、関係省庁と最終調整を進めています。
 二〇五〇年目標について、我が国は、昨年閣議決定されたいわゆる長期戦略において、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会を実現することを目指すと宣言しています。ゼロカーボンシティーの取組とも連携しつつ、環境省としては、二〇五〇年も視野にという意気込みで、二〇五一年も含め、できるだけ早期の脱炭素社会の達成を目指します。
 引き続き、COP26に日本が胸を張って臨めるような環境整備を進めてまいります。
 今後、地球温暖化の進展に伴い、昨年我が国に甚大な被害をもたらした台風のような気象災害のリスクが更に高まることが予測されており、気候変動というファクターを防災に取り入れることはもはや必然となっております。こうした気候変動掛ける防災の視点に立ち、現在、これまでより踏み込んだ関係省庁との連携を進めています。
 例えば、防衛省に新たに気候変動適応推進会議のメンバーに加わっていただきました。災害廃棄物撤去に係る防衛省・自衛隊との連携マニュアルも共同作成中です。内閣府の武田大臣とも、合同で「気候変動×防災」に係る意見交換会を開催しており、今後は連名で気候変動時代の防災のあり方についてメッセージを発信し、政策につなげていきます。気象庁とも新たな取組を検討中であり、近々発表の予定です。
 また、気候変動掛ける防災の観点から、昨年の台風の影響で町内全域が停電したときも防災拠点等に電力を供給できた千葉県睦沢町のむつざわスマートウェルネスタウンのような好事例を、自立分散型のエネルギーシステムの普及、展開などを通じてふやしてまいります。環境省自身も、みずから使用する電力を二〇三〇年までに再生可能エネルギー一〇〇%で賄うRE一〇〇宣言をし、新年度からは新宿御苑を始めとする一部の施設でRE一〇〇を実現します。これらの取組を通じ、再生可能エネルギーの主力電源化を進めます。
 このほか、デジタル化の進む社会において、気候変動対策にもデジタル技術の力を活用する視点も欠かせません。このような気候変動掛けるデジタルの考え方に基づき、デジタル技術の活用も効果的に進めてまいります。
 こうした施策を通じて、技術、経済社会システム、ライフスタイルといったあらゆる観点からの非連続なイノベーションを地域で実装し、地域循環共生圏を構築してまいります。
 次に、東日本大震災からの復興について申し上げます。
 間もなく三月十一日を迎え、東日本大震災の発生から九年が経過します。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、御遺族にお悔やみを申し上げますとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
 東日本大震災からの復興は、これまでも、そしてこれからも、環境省にとって最重要の課題です。また、私自身にとっても、環境大臣に就任する前から強い思いを持って取り組んできたライフワークです。
 先月、福島県飯舘村、双葉町及び大熊町を訪問し、このうち飯舘村では、長泥地区での除去土壌の再生利用実証事業の現場を訪れ、菅野村長や住民の方々と意見交換を行い、これまで九年間のさまざまな思いを伺いました。
 実証事業の中で地元の方々の御協力によって栽培され、美しく咲いているトルコギキョウなどの花が、これまでは使われることなく処分されていたと聞き、もったいない、何かできることはないかと考えました。そして、今後はさまざまな場で、環境省がこの地で栽培された花を使わせていただくこととしたほか、法務省、復興庁、農林水産省及び経産省においても活用いただけることになりました。また、福島県外における再生利用の実証として、福島県の除去土壌を活用した鉢植えを大臣室等に設置することとしました。環境省は、常に福島とともにある。その思いで、復興に向けた風評払拭の先頭に立ってまいります。
 このように、中長期の計画などを着実に進める一方で、できることは小さなことでも何でもやるという姿勢で、未来に向けた動きを生み出す努力を追求していきたいと思います。
 今回の訪問を通じ、飯舘村の住民の方々の再生利用事業に対するさまざまな思い、中間貯蔵施設を受け入れていただいている双葉町及び大熊町の復興の新たなステップに向けた力強い決意を直接伺い、環境省として、地域の方々の苦渋の思いを忘れずに、復興に向け取り組んでいかなければならないとの決意を新たにしました。また、来年で震災から十年を迎える中、風化への不安や懸念が大変強いことも感じました。被災地の方々のこうした思いを受けとめ、今までよりも情報発信の取組を強化していきたいと考えています。引き続き、安心して生活できる環境を取り戻す環境再生に向けた取組などを、関係自治体の皆様と密に連携しながら、着実に進めてまいります。
 具体的には、二〇二一年度までのおおむね搬入完了を目指した除去土壌等の中間貯蔵施設への輸送と仮置場の早期解消、最終処分量の低減のための減容、再生利用に関する取組、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域における家屋等の解体、除染、指定廃棄物等の処理等を着実に進めます。放射線健康管理、リスクコミュニケーションの実施等を通じ、住民の皆様の不安の解消等も図ります。
 また、福島県は、二〇四〇年ごろをめどに県内エネルギー需要量以上のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出す県を目指すとの目標を掲げています。こうした地域の強みを創造、再発見する復興の新たなステージに向けた未来志向の取組を、環境省の知見を生かして後押ししてまいります。
 次に、世界が取り組むべき喫緊の課題であるプラスチックごみ対策と生物多様性の保全について申し上げます。
 まず、プラスチックごみ対策の分野において、このままでは二〇五〇年には魚よりも海洋プラスチックごみが多い海になるとも言われていますが、昨年のG20大阪サミットで合意された大阪ブルー・オーシャン・ビジョンは、私自身もイベントやバイ会談等を通じて呼びかけたことにより、既に五十九カ国から賛同を得ています。我が国はこのビジョンの実現に向け、また、中国などの廃プラスチック輸入禁止措置等を、むしろ真の循環型社会を構築するチャンスにすべく取組を進めます。
 そのためには、循環経済への移行を見据えた製品や社会システムの再設計が必要であり、これらを新たな成長エンジンとしていくべく、まず、ことし七月からのレジ袋有料化をきっかけとしてライフスタイルの変革を進めるとともに、プラスチック資源循環戦略の具体化に向けて、本格的な検討、実施を進めます。循環型社会の根幹であるスリーRの強化、海岸漂着物の回収、適正処理、代替素材の開発なども引き続き推進します。
 また、企業、自治体の先進的な取組、プラスチックごみ対策にも資するESG金融、更にアジアを始めとする国際的な資源循環を我が国から強力に進め、ことし五月に世界経済フォーラムと共催する東京循環経済ビジネスフォーラムにおいて、日本の誇る資源循環の輪を世界に発信してまいります。
 加えて、ことしは、今後十年の方針を決める生物多様性条約のCOP15の開催年です。新たな世界目標であるポスト二〇二〇生物多様性枠組の採択への国際的な議論に向けて、我が国初のSATOYAMAイニシアティブ等の国際連携を積極的に推進します。また、国内でも、国立公園満喫プロジェクトによる国立公園の魅力向上等に引き続き取り組みます。
 最後に、原子力防災等について申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓でもあるとおり、万が一の原子力発電所の事故に対応するための備えに終わりや完璧はありません。安全神話にとらわれることなく、関係自治体等と一体となり、各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化等に取り組んでまいります。また、住民に必要な情報を提供する先進的な取組である鳥取県の原子力防災アプリのような取組の推進や、住民が確実に安定沃素剤を服用できる体制のより一層の充実を図ります。さらに、事前にシナリオを提示せずに行うブラインド訓練や研修等を通じて、要員の危機管理能力の向上を図ってまいります。
 加えて、原子力の安全確保に係る人的基盤の強化、放射線モニタリング体制の充実等を通じ、原子力規制委員会が独立性の高い三条委員会として、科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、しっかりとサポートしてまいります。
 以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
 今国会においては、石綿飛散防止対策の強化に向けて、石綿含有成形板を含む全ての建材を規制の対象とするなどの対策を講ずるべく、大気汚染防止法改正案を提出する予定です。このほか、この所信で述べることができなかった多岐にわたる分野についても、今後、本委員会での質疑の中で御説明させていただければと存じます。
 鷲尾委員長を始め理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。(拍手)

#6
○鷲尾委員長 以上で環境大臣の所信表明は終わりました。
 次に、令和二年度環境省所管予算及び環境保全経費の概要について説明を聴取いたします。佐藤環境副大臣。

#7
○佐藤副大臣 令和二年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について御説明申し上げます。
 まず、一般会計予算では、総額三千五百三十七億円余を計上しております。
 以下、その主要施策について御説明申し上げます。
 第一に、地球環境保全対策については、パリ協定のもとで国内及び世界全体の地球温暖化対策を進めるほか、気候変動適応策の推進、環境インフラの海外展開などに必要な経費として、一千四百八十六億円余を計上しております。
 第二に、廃棄物・リサイクル対策については、プラスチックの資源循環の推進などスリーRの取組を進めるほか、廃棄物処理施設や浄化槽の整備、災害廃棄物対策、循環産業の育成や国際展開の支援、不法投棄対策や適正処理対策の推進などに必要な経費として、五百三十五億円余を計上しております。
 第三に、自然環境の保全対策については、生物多様性の保全及び持続可能な利用を図るため、国立公園や世界自然遺産などのすぐれた自然環境の保護と適正な利用の推進、希少種の保全や外来生物対策の推進、鳥獣保護管理の強化、動物愛護管理の推進、国民公園の魅力向上などに必要な経費として、百八十九億円余を計上しております。
 第四に、総合的な環境政策の推進については、環境、経済、社会の諸課題の同時解決につなげるべく、地域資源を持続可能な形で活用し、自立分散型の社会を形成する地域循環共生圏の創造に向けた地域の支援、事業活動や金融のグリーン化、環境教育施策の推進、実効ある環境影響評価の推進などに必要な経費として、四十五億円余を計上しております。
 第五に、公害健康被害対策等については、水俣病対策、公害健康被害補償制度や石綿健康被害救済制度の適正かつ円滑な実施、化学物質対策の着実な推進などに必要な経費として、二百四十億円余を計上しております。
 第六に、大気、水、土壌環境等の保全対策については、PM二・五などの大気環境保全対策、海洋プラスチックなどの海洋ごみ対策、土壌汚染対策などの推進に必要な経費として、九十億円余を計上しております。
 第七に、環境保全に関する調査研究、技術開発については、地球環境の保全、化学物質対策等に関する調査研究、技術開発の推進などに必要な経費として、三十四億円余を計上しております。
 第八に、国の環境政策の企画立案に必要な地域の情報の収集及び地域の実情に応じた機動的かつきめ細かな環境政策の展開を図るための経費として、六十九億円余を計上しております。
 第九に、原子力安全の確保については、原子力規制委員会が行う原子力安全規制対策の推進に必要な経費として、四百四十六億円余を計上しております。
 次に、特別会計予算について御説明申し上げます。
 まず、エネルギー対策特別会計予算では、総額二千百四十五億円余を計上しております。
 以下、その内訳について御説明申し上げます。
 第一に、地球温暖化対策については、気候変動掛ける防災といった掛け算の視点に立ち、他の施策との相乗効果も勘案しつつ、家庭・業務部門や地域内での再エネ、省エネ、蓄エネの活用による省CO2対策及び防災対策の推進、先導的技術の開発と社会実装、グリーンな経済社会システムへの転換、我が国の環境技術等による世界の脱炭素化への貢献などに必要な経費として、エネルギー需給勘定に、一般会計から一千四百四十六億円余の繰入れを行い、総額として一千七百四十四億円余を計上しております。
 第二に、原子力安全規制対策については、原子力安全規制のさらなる高度化及び原子力規制委員会の専門能力の強化等を図るために必要な経費として、電源開発促進勘定に、一般会計から三百三十九億円余の繰入れを行い、総額として四百一億円余を計上しております。
 次に、東日本大震災復興特別会計予算では、中間貯蔵施設の整備や除去土壌等の適正管理、搬出等の実施、指定廃棄物の処理等の推進、帰還困難区域内の特定復興再生拠点区域における除染及び家屋解体などに必要な経費として、復興庁所管予算に総額六千八百十二億円余を計上しております。
 以上が、令和二年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の概要であります。
 最後に、各府省の令和二年度環境保全経費の概要について御説明申し上げます。
 政府全体の環境政策の効果的な実施を目的として取りまとめております環境保全経費については、令和二年度におけるその総額として、一兆九千九百一億円余を計上しております。
 これを事項別に見ますと、地球環境の保全のために五千八百四十億円余、生物多様性の保全及び持続可能な利用のために一千七百六十八億円余、循環型社会の形成のために一千百十九億円余、水環境、土壌環境、地盤環境、海洋環境の保全のために一千百五億円余、大気環境の保全のために一千七百五十億円余、包括的な化学物質対策のために五十億円余、放射性物質による環境汚染の防止のために六千七百五十八億円余、各種施策の基盤となる施策等のために一千五百八億円余をそれぞれ計上しております。
 以上、令和二年度の環境省所管の予算及び各府省の環境保全経費の概要について御説明申し上げました。

#8
○鷲尾委員長 以上で説明は終わりました。
 次に、令和元年における公害紛争の処理に関する事務の概要等について説明を聴取いたします。荒井公害等調整委員会委員長。

#9
○荒井政府特別補佐人 公害等調整委員会は、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決を図るとともに、鉱業等と一般公益又は他の産業との土地利用に関する調整などを行うことを任務とし、総務省の外局として置かれている委員会でございます。
 当委員会が令和元年中に行った公害紛争の処理に関する事務について御説明申し上げます。
 第一に、当委員会に係属した公害紛争事件についてでございます。
 当委員会は、公害に係る紛争について、当事者からの申請に基づき、双方の互譲による合意を促して解決に導く調停、加害行為と被害との因果関係の存否や損害賠償責任の有無及び賠償額について法律判断を行う裁定等により事件の迅速かつ適正な解決に努めております。
 令和元年に当委員会に係属した公害紛争事件は、調停が三件、裁定が四十八件、合計五十一件でございます。
 主な事件としましては、東京国際空港の近隣において事業を営む申請人らが、空港を離着陸する航空機を増便するために新しい飛行経路が開設、運用されると申請人らに騒音被害等が生じるとして、国に対して滑走路の供用制限等を求めた調停申請事件、東京都など六都府県の申請人らが、自動車からの排出ガスによって気管支ぜんそく等に罹患し、生きる権利の侵害及び医療費負担による精神的な被害を受けたとして、国に対して新たな大気汚染公害医療費救済制度の創設を、自動車メーカーらに対して同救済制度の財源負担を求めるとともに、両者に対して損害賠償を求めた調停申請事件などがございます。
 また、令和元年中に終結した事件は、十三件でございます。
 主な事件としましては、千葉県成田市の申請人が、建築工事等の振動によって申請人宅の亀裂等の財産被害等が生じたとして、建設会社に対して損害賠償を求めた責任裁定申請事件、福岡市の住民に生じた騒音による健康被害と、近隣のマンションに設置された屋外機の稼働音との因果関係の存否について、裁判所から原因裁定を嘱託された事件などがございます。
 そのほか、水俣病損害賠償調停申請事件の調停成立後に症状が進行したとして慰謝料等の増額を求める申請が四件係属しました。
 当委員会は、事件処理に当たり、多様化、複雑化する公害紛争への機動的かつ的確な対応を図るとともに、公害紛争処理制度の利用の促進に努めております。
 具体的には、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、被害発生地などの現地で審問期日等を積極的に開催すること、事実関係を明らかにし、判断の精度を高めるため、事件調査の充実と専門委員の知見の活用を図ること、広報活動として、国民や法曹関係者、関係する相談機関に本制度を積極的に周知することなどがございます。今後もこうした取組を一層推進してまいります。
 第二に、都道府県公害審査会等に係属した公害紛争事件についてでございます。
 都道府県公害審査会等では、当該都道府県内における公害に係る紛争についての調停等を行っております。令和元年には七十八件の事件が係属し、公害の種類別では、騒音や振動に関する事件が多くなっております。これらのうち、同年中に終結した事件は三十三件でございます。
 第三に、全国の地方公共団体の窓口に寄せられた公害苦情の実態を調査いたしました結果、平成三十年度の公害苦情の受け付け件数は、前年度から約千件減少して、約六万七千件となっております。
 これを苦情の種類別に見ますと、大気汚染、水質汚濁、騒音、悪臭などいわゆる典型七公害に関する苦情が約四万八千件、それ以外の苦情が約一万九千件となっております。
 当委員会は、今後とも、全国で発生するさまざまな公害関連の事案を全体として適切に解決する観点から、住民に身近な場で公害紛争や公害苦情の処理を担う地方公共団体への情報提供、相談支援などにも努め、緊密な連携を図ってまいります。
 以上が、令和元年中に行った公害紛争の処理に関する事務の概要でございます。
 続きまして、公害等調整委員会における令和二年度歳出予算案について御説明申し上げます。
 当委員会の歳出予算額は、五億六千百万円でございます。
 厳しい財政状況の中、公害紛争の迅速かつ適正な解決に資するよう、第一に、事実関係を明らかにする事件調査の実施経費として二千五百万円、第二に、地方に在住する当事者の負担を軽減するため、現地で審問期日等を開催する経費として千二百万円をそれぞれ計上しております。
 以上が、公害等調整委員会における令和二年度歳出予算案の概要でございます。
 公害等調整委員会としましては、今後とも、これらの事務を迅速かつ適正に処理するため、鋭意努力してまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

#10
○鷲尾委員長 以上で説明は終わりました。
 次回は、来る十日火曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前九時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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