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2020/02/19 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第2号 令和2年2月19日
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2020/02/19 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 資源エネルギーに関する調査会 第2号 令和2年2月19日

#1
令和二年二月十九日(水曜日)
   午後一時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月十八日
    辞任         補欠選任
     矢田わか子君     田村 まみ君
     若松 謙維君     塩田 博昭君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         宮沢 洋一君
    理 事
                阿達 雅志君
                岩井 茂樹君
                森屋  宏君
                斎藤 嘉隆君
                平木 大作君
                梅村  聡君
                山添  拓君
    委 員
                こやり隆史君
                高階恵美子君
                高野光二郎君
                高橋はるみ君
                長峯  誠君
                三浦  靖君
                宮崎 雅夫君
                岸 真紀子君
                古賀 之士君
                塩村あやか君
                田村 まみ君
                浜野 喜史君
                塩田 博昭君
                杉  久武君
                音喜多 駿君
                市田 忠義君
                嘉田由紀子君
   副大臣
       経済産業副大臣  牧原 秀樹君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        亀澤 宏徳君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      佐藤  暁君
       文部科学省大臣
       官房審議官    千原 由幸君
       文部科学省大臣
       官房審議官    岡村 直子君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       経済産業省大臣
       官房原子力事故
       災害対処審議官  新川 達也君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       環境省大臣官房
       環境保健部長   田原 克志君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制技監  櫻田 道夫君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     山形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房審議官  大村 哲臣君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  市村 知也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (「原子力問題に関する件」のうち、原子力規
 制委員会の活動状況)
 (原子力問題に関する件)
    ─────────────

#2
○会長(宮沢洋一君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、矢田わか子君及び若松謙維君が委員を辞任され、その補欠として田村まみ君及び塩田博昭君が選任されました。
    ─────────────

#3
○会長(宮沢洋一君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。
 まず、「原子力問題に関する件」のうち、「原子力規制委員会の活動状況」について、原子力規制委員会委員長から説明を聴取いたします。更田原子力規制委員会委員長。

#4
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会委員長の更田豊志でございます。
 参議院資源エネルギーに関する調査会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、様々な課題に取り組んでおります。
 まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定した新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十七基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十一の施設に係る申請がなされております。
 これまでに、九州電力川内原子力発電所一号炉及び二号炉、玄海原子力発電所三号炉及び四号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉、大飯発電所三号炉及び四号炉、四国電力伊方発電所三号炉、東京電力柏崎刈羽原子力発電所六号炉及び七号炉並びに日本原子力発電東海第二発電所の計十五基に対して設置変更許可を行いました。東北電力女川原子力発電所二号炉については、昨年十一月二十七日に開催した原子力規制委員会において審査書の取りまとめ案を了承し、現在、パブリックコメント等を踏まえた対応を行っております。
 また、関西電力高浜発電所一号炉及び二号炉、美浜発電所三号炉並びに日本原子力発電東海第二発電所について、運転期間延長の認可を行いました。
 このほか、九州電力玄海原子力発電所一号炉、日本原子力発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉、中国電力島根原子力発電所一号炉、四国電力伊方発電所一号炉並びに関西電力大飯発電所一号炉及び二号炉の計八基について、廃止措置計画の認可を行いました。
 核燃料物質の加工施設については、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、日本原燃濃縮・埋設事業所、三菱原子燃料並びに原子燃料工業東海事業所及び熊取事業所の加工事業の変更許可を行い、廃棄物管理施設については、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の大洗研究所廃棄物管理事業の変更許可を行いました。
 試験研究炉については、国立大学法人京都大学複合原子力科学研究所の臨界実験装置及び研究用原子炉の設置変更承認、近畿大学原子力研究所原子炉の設置変更許可並びに国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の定常臨界実験装置、原子炉安全性研究炉及びJRR3の設置変更許可を行いました。
 また、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構のJRR4、過渡臨界実験装置、再処理施設及び高速増殖原型炉「もんじゅ」について、廃止措置計画の認可を行いました。
 以上のとおり、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。
 規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準に係る適合性審査の実績等を踏まえて、高エネルギーアーク損傷対策、降下火砕物対策、火災防護対策等に係る改正を行い、継続的に改善を図っております。
 原子力施設等において発生した事故トラブルについては、事業者からの通報を受け、原子力規制庁本庁や現地に常駐する検査官が速やかに状況確認を行うとともに、安全上重要な事案に関しては、事業者による原因調査及び再発防止の取組を公開の会合で確認しており、今後とも引き続き適切に対処してまいります。
 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から積極的な監視を行っており、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、実施計画の審査などに当たっております。
 引き続き、処理した水の処分や使用済燃料プールからの燃料の取り出し等の対策が適切に行われるよう、監視、指導を行ってまいります。
 また、廃炉作業の進捗等により、事故時の放射性物質の放出経路の調査等について現場での確認作業が可能となってきていること等を踏まえ、東京電力福島第一原子力発電所における事故の更なる調査、分析を進めてまいります。
 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置について申し上げます。
 原子力規制委員会では、本年二月、防災訓練の結果等から見出された課題を踏まえ、緊急時活動レベルに係る原子力災害対策指針の改正を行う等、その充実を図るとともに、基幹高度被ばく医療支援センターの機能強化等、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めております。
 放射線モニタリングについては、原子力規制事務所におけるモニタリング担当職員の配置及びモニタリング資機材の配備等により、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所事故に係る状況に応じた環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について、関係自治体その他の国内外への情報発信にも努めています。
 また、国際約束に基づく国内の原子力施設に対する厳格な保障措置の適用により、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を継続して国際原子力機関、IAEAより得ております。
 最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。
 第百九十三回国会において、原子力事業者等に対する検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化等を内容とする関係法律の改正が成立しました。原子力規制委員会としては、法改正の趣旨を実現すべく、本年四月の全面施行に向け、関係規則等を整備するとともに、更なる組織体制の強化と人材育成に取り組むなど、新たな制度の運用が円滑に進むよう万全を期してまいります。
 本年一月に実施されたIAEAの総合規制評価サービス、IRRSフォローアップミッションでは、二〇一六年のIRRSミッションによる勧告等を踏まえた原子力規制委員会の取組状況について改めて評価を受けたところです。原子力規制委員会としては、今後とも継続的な改善に注力してまいります。
 以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、いまだ道半ばにあります。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。

#5
○会長(宮沢洋一君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 次に、原子力問題に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#6
○阿達雅志君 自由民主党の阿達雅志です。
 本日は質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 ただいま更田委員長から原子力規制委員会の活動状況についての御説明がありました。福島事故から九年、そしてまた原子力規制委員会設立から七年半たって、この原子力規制委員会、本当に非常に幅広い範囲での業務をされているなと。また、その間、本当に何もないところからここまでつくり上げてこられたその御努力、これは非常に評価ができるものであろうというふうに思います。
 そういう中ではありますけれども、ちょっと幾つかやはり気になる点もあるということでございます。
 一月に広島高裁による伊方原発の運転差止め決定手続というものがありました。また、同じ時期に大阪高裁による大飯原発運転差止め仮処分申立て手続、こういうものがあり、このいずれにおいても原子力規制委員会の判断の合理性というものが争点となりました。
 まず、この広島高裁による伊方原発の運転差止め決定手続においてですけれども、伊方原発がある佐田岬近くの活断層の有無が論点となりました。それについて、更田委員長は、この決定の後の一月二十九日の定例会見において、記者のお尋ねになっているところが海域の近くにある部分であるとすると、それは可能性を考慮する必要があるからこそ、海上音波探査等をやって確認して、その結果を是として許可している、長期評価第二版においても可能性を考慮すべきである、だから、考慮しているからこそ調査して確認した。つまり、第二版の指摘にかかわらず、原子力規制委員会としては、活断層の可能性を考慮に入れて審査し、許可を行ったということです。
 また、中央構造線の浅いところについて、原子力規制委員会としては活断層であることは否定されているのかと問われ、そのとおりと回答されています。さらに、長期評価第二版以外にも文部科学省の特例調査研究、論文等が出ている、私たちは、新たに出てくる知見に関しては常にウオッチしているし、元々の判断を改める必要があると判断したら、それはそれで改めていくけれども、現時点においては、元の許可の判断を改めてやり直さなければならないという判断には至っていないというのが今の見解とおっしゃっています。
 原子力規制委員会として、現時点においてもこの認識に変わりはないか、確認したいと思います。

#7
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 御質問にありましたのは一月二十九日の会見で申し上げたことについてでございますけれども、現時点でその認識に変わりはございません。
 敷地近傍の活断層の有無については、審査における重要なポイントであります。このため、新規制基準適合性審査において、佐田岬沿岸にある地質境界断層についての中央構造線についても厳格に審査を行い、海底深度測量による海底面の断層地形調査の結果から海底に中央構造線断層帯以外の変動地形が認められなかったこと、並びに敷地に近い湾内の海岸線近くまで実施した音波探査の結果から敷地近傍に活断層が認められなかったことなどから、活断層ではないということを確認をしております。
 また、設置変更許可後の平成二十九年十二月に地震調査研究推進本部にて公表された中央構造線断層帯長期評価第二版に対しては、平成三十年二月及び四月の原子力規制委員会の技術情報検討会において、規制との関係を評価した結果が報告され、設置変更許可処分時の地震動の評価に包含されるものであることを確認をしております。
 したがって、現時点においても、平成二十七年七月に行った設置変更許可処分について、その判断や過程に不合理な点はなく、適切なものであったと考えております。

#8
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると判断した原子力発電所の再稼働を進めるというのが政府の方針であり、この伊方原発についても規制委員会はそういう判断をしたということだと思います。
 ですが、一方でこれは、広島高裁は、原子力規制委員会の判断に過誤、欠落があったということで、原子力規制委員会の判断の合理性を問題としたわけです。私は、原子力規制委員会は、職責として、この審査基準、審査の合理性というのをやはりしっかりと本来は訴訟手続の中でも主張すべきだったのではないかというふうに思います。
 実は私、同じ質問を、平成二十七年、平成二十八年、二回、東日本大震災復興及び原子力問題特別委員会において、当時の田中俊一委員長に質問をさせていただきました。そのときの田中委員長の御発言は、国が直接の当事者でない訴訟について、当委員会が何らかの裁判手続によって訴訟を追行することの可否及びその要否については、個別の事件ごとに裁判手続について定めた法律の規定等を照らし、関係省庁とも十分に調整の上で慎重に判断すべきものと考えておりますと。以来、その姿勢というのは、規制委員会、続けているわけです。
 ですが、今回のこの手続、この平成二十七年以降も同じような事案が度々起こっているわけで、そのたびに裁判所の判断と規制委員会の判断が異なっている、こういうことがずっと起きてきているわけです。
 私は、これは実際問題として、この差止め決定手続において求められているのは、本来であれば行政訴訟においてこの許可を取り消すべき訴訟が、形の上では民事訴訟で原告と電力会社の間でなされている、こういうふうに見ているんですけれども、そういう中で、本当にいつまでもこの原子力規制委員会が、本来の業務として作ったしっかりした審査基準、そしてまたその審査、これを訴訟手続の中で主張しないでいいんだろうかというふうに思います。これはやはり、これだけ繰り返し繰り返し差止め訴訟が起き、まあ却下されるものもありますけれども、通るものもある。そのたびに、実はこれは、電力会社は原発を止めたりしているわけですね。
 そうすると、予見可能性という意味で、一体誰が言うことを信じたらいいのか。規制委員会の基準に沿って造ったものが同じ、まあ彼らからすれば国家機関である裁判所によって否定されているということですから、やはりこれを、こういうことを繰り返さないためには、原子力規制委員会も訴訟に何らかの形で参加すべきではないかというふうに思います。
 そしてまた、この参加する方法として、これ、実は私、平成二十七年、二十八年でも御提案をしたんですけれども、法務大臣権限法の四条において、重要な公益に関わる問題について、法務大臣が所管の部を指示して意見を陳述することができると、こういう規定がございます。また、民事訴訟法の四十二条の中でも訴訟参加という道がある。実際には、法律上規制委員会が意見を主張しようと思えば、主張する道はないことはないわけです。
 これを本当にいつまでもこういう形で、民と民の話だから我々は慎重にやります、そしてその結果が、違う結果が出たときには、我々の審査は正しかったということを言い続けるということで、本当にこれは国民から見て規制委員会の判断というものへの信頼が生まれるのかどうか、これを私は非常に疑問に思います。
 そういう点で、やはり何らかの形でこの訴訟に対しても関与していくべきではないか、また意見をしっかり述べていくべきではないかというふうに思いますが、委員長の所見をお伺いいたします。

#9
○政府特別補佐人(更田豊志君) 本件に関しましては、既に田中前委員長がお答えした姿勢、方針を今も堅持をしておるところであります。
 いずれにしましても、こういった訴訟への規制委員会等、裁判手続に対しての規制委員会の参加が認められるケースというのは非常に少ないものであるというふうに認識をしております。

#10
○阿達雅志君 現実問題としてそういうお答えをされるんだろうと。また、今までの姿勢を堅持されているということだとは思いますけれども、ただ、これだけ何年も同じ状況が続いている、そして、この訴訟を起こされた方々とそして電力会社の間での根本的な問題が何も解決していない状況がずっと続いているということは、やはり考えるべきではないかというふうに思います。そういう意味で、やはりこの訴訟の場でしっかりと主張する。単に、結果が出た後、記者会見で言うということではなくて、訴訟の場で言うことというのも引き続きしっかりと御検討をいただきたいというふうに思います。
 同じように、こういう原発の運転差止め決定手続の中で争点になるもう一つの問題として、国の避難計画の実効性というのがあります。
 この国の避難計画あるいはこういう安全対策の実効性というものについては、これについても私、以前聞いたときに、国の立場として、これは国が直接の当事者ではないので国としては関与することはできません、あるいは、することには極めて慎重であるというお話でありました。ですが、今、例えば仙台高裁による女川原発の知事、市長の同意差止め仮処分手続においても、やはり争点になっているのは国の避難計画の実効性。
 これ、実際には、自治体が作った避難計画を国がしっかりとその安全性についての検証をやった上で承認をする、そして、原子力の本部長である総理大臣がゴーサインを出すことによって、この避難計画というのは、原子力防災会議の本部長である総理が、議長である総理が計画内容の確認をするということになっているわけです。ところが、こういう問題についても、やはり国は、これは当事者ではありませんということで、訴訟への参加を避けているわけです。
 やはり、これは国としても、特に経済産業省の場合は、第五次エネルギー基本計画の中で、こういう安全基準を満たした、規制委員会による安全基準を満たした原発について、地域の同意を得ることについては経産省としてもしっかり前面に出て動くんだと、こういうことを言っているわけですから、それであれば、やはりこの訴訟手続においてしっかりと国の主張をする、これはやはり必要なのではないかと思いますが、見解をお聞かせください。

#11
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきました訴訟につきましては、これは係争中の案件であり、訴訟当事者でないことから、政府としてのコメントは控えさせていただきたいと思いますけれども、今御指摘いただいたとおり、エネルギー基本計画においても、国が前面に立って、立地自治体等関係者の理解と協力を得られるよう原子力の意義を含めて丁寧な説明を尽くし、避難計画についても、地域原子力防災協議会の枠組みの下で、関係自治体と国とが一体となって各地域が抱える様々な課題に対応できるよう検討を進め、策定後も継続的に具体化、充実化に取り組むということをコミットしておりますので、責任を持って国としてもこの避難計画が実効的かつ具体的になるよう取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#12
○政府参考人(佐藤暁君) 内閣府よりお答え申し上げます。
 地域の防災計画、避難計画につきましては、そもそも原子力発電所が存在し、そこに核燃料がある限り、稼働の有無にかかわらず、地域住民の安心、安全の観点から重要であります。そのため、内閣府としては、関係自治体と一体となって地域防災計画、避難計画の具体化、充実化を進め、その計画が原子力災害対策指針などに照らして具体的かつ合理的なものになるよう取り組んでおります。
 原子力災害への備えは、終わりや完璧はございません。地域の防災計画や避難計画がより実効性あるものになるように、継続的な充実強化に努めてまいりたいと思っております。

#13
○阿達雅志君 今お話をされたように、それぞれの立場でそれぞれ皆さんは、本当に真剣にその安全性についての検討、あるいはこういう避難計画の実効性を検討されているとは思うんですね。ですが、やはり裁判という場でそれが争われたときに、当事者として出ていっていない。結果的に、本来行政訴訟でやるべきことを民事訴訟の手続でやっているからということはあるかもしれませんけれども、ただ、これはやはり国民の側から見たら本当にそこの実効性あるいは安全性はあるんだろうかという、やっぱり信頼の問題になると思うんです。
 この原子力の問題は、安全性の問題ということでは本当に関係者の皆様、今までいろんな努力をして話を詰めてこられた。ですが、やっぱり全体として見たときに、先ほど委員長のこの活動状況の説明にもありましたけれども、信頼の回復はいまだ道半ばと。この信頼の回復が道半ばであるという意味は、安心感がない、全体としてどうなんだという、やっぱりそこに尽きるんだと思うんです。
 そうすると、司法手続だから別だということではなくて、やはりそこでしっかり主張をしていくということが、単に安全性を示すだけではなく、国民の目から見た安心感を与える大きな要素にもなるんじゃないかというふうに思いますので、この点については是非法務省ともしっかり相談をいただいて、どういう形で国の主張というのを本当にこの民間同士の訴訟の中でやれるのか、やるのが適切なのか、その辺も是非引き続いて御検討をいただきたいと思います。
 同じように、やはりこの安全、安心、これが欠けているところでこの信頼性の問題というのがあるんだと思うんですけれども、その信頼性がなかなか回復、信頼が回復されない一つに、私はやはり、福島原発事故の原因究明、これが必ずしも完全に終わっていないというふうに一般の方々あるいはほとんどの人が受け止めているということがあるんだろうと思います。
 実際にこれ、政府の事故調、それから国会事故調、あるいは民間の事故調という形で、いろんな形で事故調報告書も出しています。ですが、これ、全体読んでみても、果たして福島事故というのは何だったのかというのがどうもはっきりしない。やっぱりこのはっきりしないというところに漠然とした不安感というのが国民の間でまだあるんだろうというふうに思います。
 そういう中で、原子力規制委員会の業務内容の中で、第四条一項十二号で、事故の原因究明、原子力事故の原因究明のための調査というのが入っております。原子力規制委員会では、過去、中間報告をした後ずっとなかったわけですが、昨年の九月に、五年ぶりに検証の再開ということを表明をされました。
 そこで、今回検証をする意図、そしてまた何をどういう手法で検証して、そしてその結果をどういう形で出していくのか、それについて原子力規制委員会の説明を求めます。

#14
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故から、やがて九年という時間が経過してございます。現時点におきましては、廃炉作業の進展などもございましたので、現場の環境が改善されてきております。事故当時は放射線量が高いということで現地調査が難しいといったものもございましたけれども、そういったことの分析も進める環境が整ってきたという状況がございますので、改めて、この度、事故分析を再開して進めるということにしたということでございます。
 現在何をやっているかということもございますけれども、いろいろありますが、例えば、水素でありますとか放射性物質が環境にどのような経路で漏えいしていったのかといったようなことについて現地の放射線量を分析するとかというような調査を行いまして、その調査結果の分析も公開の会合を開いて行っているという状況でございます。
 結果につきましては、中間的な報告を本年末をめどに取りまとめるということで計画して進めているところでございます。

#15
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 今まではなかなかこの放射線の関係で試料を集め切れなかったというところだと思いますけれども、今までの、私、見た限りは、こういう事故調の報告書の中で、やっぱりこのプラントデータの分析、こういったものがしっかりなされていなかったというところもあるかと思います。
 そういう意味で、今年、本年末を目指してのこの調査報告書、過去の報告書、そしてまたメディアでも相当事故以降いろんなことが出てきていますので、そういったものも全部含めた上で、本格的にやっぱり原因についての言及もいただきたいというふうに思います。
 本当の原因については、分かる部分、分からない部分があると思いますけれども、やはり一つ大きなところというのは、この発電所の事故というのが、地震によって起きた部分、そして津波によって起きた部分、この部分についてのやっぱり十分な説明ということが欠かせないであろうというふうに思います。こういう中身をしかもしっかりと公開しながら、いろんな方の、有識者の意見も聞きながら進めていただきたいというふうに思います。これについてはしっかりと本年末まで取り組んでいただきたい。
 また、やはりこれ、実際にいろいろやろうと思ったら、費用的にも相当掛かる話も出てくるかと思います。ですから、今回、これは最終ということではないと思いますけれども、やはりその積み残しがもし出てくる、あるいは本当にお金を掛けてもっと調査しないといけないということであれば、むしろ、そこについては今後の課題ということで、今後の検討課題ということでしっかりと提示をいただければというふうに思います。
 次の質問に移らせていただきます。
 今、原発の新基準の適合性審査、これについては更田委員長も度々おっしゃっておりますが、やはり時間が掛かり過ぎているのではないかと。これはやはり行政手続法という観点からいっても問題ではないかということで、これについては、私、経済産業委員会で昨年の十一月に更田委員長に質問させていただきました。そして、そのときに、やはりできる限り効率的な審査、これに努めていきたいという、こういうお話もいただきましたし、その効率性という中身についてもいろいろ御説明をいただいたわけですけれども、やはり大きなところとして、この審査体制の強化の問題というのは残ってくるんだろうというふうに思います。
 実際に、今、日本の中で中途採用の人も含めて採用することに限界があるということで、前回の質問では、更田委員長からはそういう審査要員の育成ということにも努めていきたいということでございましたけれども、私はやっぱり、それに併せて、海外人員の活用ということも含めた人材の充実ということが欠かせないのではないかと思いますが、こういう審査の効率化、あるいはこの人材という点について御意見をお聞かせください。

#16
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 まず、審査体制の強化でありますけれども、何よりもやはり人でございます。それは先生の御指摘のとおりと心得ています。
 前にもお答えをしましたけれども、中途採用につきましては、これはなるべく強化しようと、積極的に進めようとしておりまして、既にメーカーの出身者でありますとか、ないしは電力で現場の経験を積んだ方、あるいはゼネコンで現場を積んだ方等の採用を進めているところでありますし、また内部の職員の育成についても努めているところであります。
 さらに、海外の人材ですけれども、雇用という観点からではなかなか進むものではありませんけれども、いわゆる幹部級のハイレベルの方のコメントをいただく国際アドバイザーとは別に、本当に専門的な分野におけるエキスパートもアドバイスをいただくというような、これはパートタイムといいますか、雇用契約ではありませんけれども、そういった方にアドバイスをいただくというようなお願いを進めているところであります。
 それから、審査の効率化ですが、これはやはり、まずは予見性を高めるために、主な論点であるとか、それから既に判断をしたものの結果をまとめた審査書というものをきちんと作っていくということが大事でしょうし、また、同じタイプの対象に対する審査に関しては他の事業者の同席を認めるという形で効率的な審査を心掛けております。
 いずれにしましても、審査を効率的に進めるためには、私ども原子力規制委員会、原子力規制庁と、それから申請者、事業者の双方の努力が必要でありますので、今後ともこれはコミュニケーションが大事だろうというふうに思います。コミュニケーション、これ、双方向のものですので、私たちも努力をいたしますし、また、事業者にも努力を促してまいりたいというふうに考えております。

#17
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 やはりこれ、行政手続法の第六条で標準処理期間という規定があり、また、これに基づいて規制委員会は設置変更許可を二年ということを一つのメルクマールにしているわけですから、これを今現状これだけ超えているという中で、やはり少しでも早く、これは必ずしも合格でとは限らないとは思うんですけれども、結果をとにかく早く出すために何をすればいいか、是非電力会社ともしっかりとコミュニケーションをいただきたいというふうに思います。
 また、審査が長期化する中で、今、その運転期間、四十年あるいは延長の二十年のカウントについていろんな議論が出てきております。この実際に運転していない間というのは、放射線が当たっていないので、原子炉自体が劣化しないのではないかということで、やっぱりこのカウントから除外するという議論があるわけです。
 これは、委員長も以前からおっしゃっているとおり、この四十年なり二十年というのは、ある意味、政策的に、政治的に決められた部分であるということですが、ただこれ、技術的な部分というのも当然あるわけで、この技術的議論についてどういうふうにお考えなのか、規制委員会の御見解をお聞きいたします。

#18
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 御質問の中にもありましたように、政策的に決められた部分につきましては、これはひとえに国会での御審議に委ねられるものというふうに考えております。
 一方、技術的側面、停止中は中性子が当たっていない、そういった技術的な側面につきましては、昨年十二月二日に、主要原子力施設設置者との間の意見交換を行いまして、原子力発電所の安全な長期運転に向けた経年劣化管理に関する技術的な議論を行う場というのを設けようということで合意をいたしまして、本年一月二十九日に、経年劣化管理に係るATENA、これは原子力エネルギー協議会という事業者が設けた組織でありますが、ATENAとの実務レベルの技術的意見交換会というものを設置いたしました。
 この意見交換会の中で、長期停止期間中に考慮が必要な経年劣化事象とともに、長期停止を踏まえた特別な保全計画の基本的考え方などについて、実務者レベルで技術的な議論を行うこととしております。議論は今後数回行って、五月をめどに報告書を取りまとめて、原子力規制委員会において報告を受けたいというふうに考えております。

#19
○阿達雅志君 時間が大分迫ってまいりましたのでこれを最後の質問とさせていただきたいんですが、今日の活動状況報告の中にもありますし、今いろんなところで言われるのは、この原子力に対する安全性の議論は進んでも、やっぱりその信頼回復がなかなか進まないんだということがよく議論として出てまいります。
 これについて、原子力規制委員会の委員長として、この国民からの信頼回復のために何が必要であるとお考えなのか、これから国民にどういう形で原子力の安全性を理解してもらえばいいのか、それについての御見解をお聞きいたします。

#20
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 まず何よりも、原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓に基づいて設置された組織であります。そして、私たち、まず最も大事なことは、その設置当時の初心を忘れないということが最も大事であろうと思います。
 事故からやがて九年を迎えようとしておりますけれども、そのとき、設置当初の思いを風化させることなく、初心を忘れない、旧組織の反省に立って、何物にもとらわれず、科学的、技術的な見地から独立した意思決定を行う、さらに、透明性を確保し、事業者との間の規制に係る意見交換などについて努めてくるということ、これを続けていくということが私たち側の努力としては不可欠なことと思います。
 一方で、原子力規制に対する信頼を取り戻すというのは、規制委員会の独り相撲ではなかなか成立するものではありません。事業者とともに、また原子力政策を進める当局とともに、安易に安心を語らないというような姿勢を私たちは貫いていきますし、また、事業者、推進当局に関しても信頼回復について共に努力を続けられることが重要であるというふうに考えております。

#21
○阿達雅志君 ありがとうございます。
 やはり、単に安全を科学的に主張するだけで済む問題ではないということで、この信頼、安心をどういうふうに回復するか、是非関係者で引き続きしっかりと御検討をいただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

#22
○浜野喜史君 国民民主党共同会派の浜野喜史でございます。お伺いをさせていただきます。
 四国電力の伊方発電所三号機に関してお伺いをいたします。
 本年一月十七日、広島高等裁判所は、四国電力伊方発電所三号機の運転差止めを求めた仮処分申請の即時抗告審で、四国電力の主張を認めた山口地裁岩国支部の決定を取り消し、運転差止めを命じる決定を下しました。決定文の中で、原子力規制委員会の判断の一部を否定をいたしております。
 これに関連してお伺いいたします。
 まず、基準地震動の評価に関しまして、原子力規制委員会は敷地沖数百メートルに活断層は存在しないと判断をしておりますけれども、どのように確認を行ったのか、説明をいただきたいと思います。

#23
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 新規制基準適合性審査におきまして、敷地近傍の地質境界断層としての中央構造線については、海底深度測量による海底面の断層地形調査の結果から海底に中央構造線断層帯以外の変動地形が認められなかったこと、さらに、敷地に近い湾内の海岸線近くまで実施した音波探査の結果から敷地近傍には活断層が認められなかったことなどから、活断層ではないことを確認をしております。
 また、設置変更許可後の平成二十九年十二月に地震調査研究推進本部にて公表された中央構造線断層帯長期評価第二版に対しては、平成三十年二月及び四月の原子力規制委員会の技術情報検討会において、規制との関係を評価した結果が報告され、設置変更許可処分時の地震動の評価に包含されるということを確認をしております。
 したがいまして、現時点において、平成二十七年七月に行った設置変更許可処分について、その判断や過程に不合理な点はなく、適切なものであったと考えております。

#24
○浜野喜史君 もう一つお伺いをいたします。
 阿蘇の噴火規模の設定につきましては、評価対象とする火山の噴火規模につきまして、広島高裁は、原子力規制委員会が適合と判断したものを過小だと否定をいたしております。
 火山の噴火規模についてどのように確認を行ったのか、説明をいただきます。

#25
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 新規制基準適合性審査におきまして、過去に巨大噴火を発生させた阿蘇については、これまでの活動履歴や、現在、地下に巨大噴火につながるマグマだまり及び巨大噴火を示唆する地殻変動観測データが確認されないことなどを踏まえれば、現在の活動状況は巨大噴火が差し迫った状態ではないと評価できることなどから、発電所の運用期間中における巨大噴火の可能性は十分に小さいことを確認しております。
 したがいまして、阿蘇の火山事象の影響評価に用いる噴火規模は、最後の巨大噴火以降の最大の噴火規模として評価を行った結果、設計対応不可能な火山事象である火砕流は発電所に到達する可能性は十分小さいことを確認をしております。
 また、火山灰の評価につきましては、阿蘇よりも敷地に近く噴出規模も大きい九重山を対象に評価を実施し、十五センチの火山灰の層厚に耐える設計とすることを確認をしております。
 これらの評価は、火山ガイドに沿ったものであり、現在の科学技術水準に照らしても合理的なものであると考えております。

#26
○浜野喜史君 以上説明をいただきました内容を広島高裁は否定したということであります。原子力規制委員会より専門性が浅いと言わざるを得ない裁判所が規制委員会の審査内容を評価できるのか、私は疑問であります。
 また、民事保全法上、著しい損害や急迫の危険が迫っていないと、仮処分、言わば仮の差押えはできないと考えますが、著しい損害や急迫の危険を明らかにすることなく、稼働中の原子力発電所の運用によって重大な被害を受ける具体的危険があるから保全の必要性が認められるというだけで運転差止めを命じるのが果たして妥当かなど、この決定につきましては強い違和感を禁じ得ません。
 原子力規制委員会は、当事者ではなく、司法判断についてコメントは控えるというお立場でありましょうが、審査内容が否定されているわけですから、少なくとも機会があるごとに審査内容をしっかり説明されるよう求めておきたいと思います。
 次に、本年四月から本格運用が開始されます新検査制度についてお伺いいたします。
 検査機関における全ての検査の仕組みの一本化や、検査官がいつでもどこでも関与することができるフリーアクセス方式の導入がなされるなど、画期的な見直しと認識をいたしております。実運用に向けまして二〇一八年十月から試運用が始まっており、その中で把握された課題につきまして、規制側と被規制側、事業者側との間で真摯な議論も積み重ねてきておられまして、敬意を表するところであります。
 試運用の中で得られた課題をどのように整理をし、そして今後どのように対応をされようとしているのか、説明を願います。

#27
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 本年四月一日に新検査制度、本格的に施行されますけれども、これに向けて、御質問にありましたように試運用を行っているところであります。
 試運用を通して抽出された課題につきましては、気付き事項のスクリーニングに関する検査官同士の認識共有やフリーアクセスや事業者とのコミュニケーションなど、現場での検査実務に直結したものが挙げられます。気付き事項のスクリーニングについては、過去のトラブル事例を用いた勉強会や事業者との意見交換の場を利用して認識共有を図るとともに、現場での検査実務につきましては、試運用を通じて検査官と事業者の双方で習熟が進んでおります。
 試運用での経験を検査ガイドなどの規定類に反映することを通じて、四月からの本格運用に万全を期してまいりたいと考えております。

#28
○浜野喜史君 新検査制度の関係で引き続きお伺いをいたしますけれども、昨年十月二日に開催をされました第二十九回検査制度の見直しに関するワーキンググループにおける議論の中で、事務局から次のとおり説明がなされました。準備が進められている検査ガイドは新規制基準に適合したものを念頭に置いて作成されており、新規制基準適合前、言わばまだ審査にパスをしていない施設についてどこまで見ていくのかが課題であると、このような説明があったところでございます。
 その問題意識を踏まえまして、どのような検討をされ、結論を得られたのか、御説明を願います。

#29
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 新規制基準への未適合のプラントにつきましても、原子力規制検査、新しい制度の対象にはなりますが、こうした長期にわたって運転を停止しているプラントは、新規制基準に適合し稼働しているプラントに比べてリスクも異なりますし、事業者が現場で行っている保全活動、安全活動も異なってまいります。
 したがいまして、新規制基準未適合プラントにどの検査ガイドをどの程度適用するか、ただいま精査を行っているところであり、今年度内に各プラントの検査計画を策定する予定でおります。

#30
○浜野喜史君 御説明いただきましたように、実情をしっかり踏まえて対応を御検討いただければというふうに思います。
 更にお伺いをいたします。
 今回の検査制度の見直しによりまして検査官の裁量が従来より大きくなり、検査官の能力が検査の質を左右する大きな要素となると考えられます。現在の検査官の能力についてどのように捉えておられるのか、その上でどのように能力向上を図っていくお考えか、御説明をいただきます。

#31
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 まさに御質問の中で御指摘いただいたように、新しい制度において検査官の力量というのは大変に重要です。フリーアクセスもありますし、これまで以上に事業者との間の接点も多くなり、また深くもなりますので、コミュニケーションのスキルといったものも非常に重要になります。このために、力量の確保が不可欠ですので、米国原子力規制委員会、USNRCの研修プログラムを参考として、私たちも研修を拡充し、また、検査官の資格認定制度も構築をして、力量向上に努めてきたところでございます。
 具体的には、原子炉運転シミュレーター研修や検査官ウオークダウン研修、ウオークダウンって見て回るということですけれども、こういった研修や各検査官の試運用での経験の共有などによって力量向上を図り、所定の試験に合格した者には原子力検査官としての資格を付与することで、施行時には必要な検査官を確保する見込みでおります。
 平成三十年十月からは新検査制度の試運用を行いまして新検査制度の習熟に努めてきたところですけれども、検査官と事業者とのコミュニケーションについては、これは双方の努力が、先ほども申し上げましたように双方の努力が必要であるとともに、私どもの方のもう、何といいますか、本音を引き出せる、そして双方が本音で語れるような状況をつくるためのスキルの研修というものも用意しており、引き続き検査官の力量向上に努めてまいりたいというふうに考えております。

#32
○浜野喜史君 教育訓練課程、さらには日常の検査業務を通じて引き続き力量向上に向けて取り組んでいただければというふうに思います。
 ここからは、実用発電用原子炉施設以外の核燃料施設等への新検査制度についてお伺いいたします。
 核燃料施設等への新検査制度導入につきましては、昨年十月二日に開催されました第三十三回原子力規制委員会におきまして、更田委員長は、余りに生煮え、試行と名の付くものが不可能である、誤ったシグナルを出すことになる、やることに害があると、このような厳しい発言をされました。この問題意識を受けて、どのように検討をされてきたのか、説明を願います。

#33
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 私の発言を踏まえまして、令和元年十一月二十七日開催の第四十四回原子力規制委員会において、新たな検査制度における核燃料施設等に係る指摘事項の取扱いについて議論を行ったところであります。
 私の発言の趣旨は、原子力発電所と比べて著しく内在するリスクの違い等があり、元々新検査制度がお手本としたROPという米国の制度というのは原子力発電所に対する制度でありますので、基本的に核燃料施設等に適用する際には発電所とは異なった工夫が必要であります。このため、核燃料施設等においては、指摘事項の取扱いを発電用原子炉のような四区分ではなくて二区分で運用するなど、年度内に策定するガイド類の中でこれらを明確化していきたいというふうに考えております。

#34
○浜野喜史君 引き続き核燃料施設等の関係でお伺いいたしますけれども、検査に関わる規則及び規制検査ガイドについてでありますけれども、核燃料施設等の規則やガイドにつきましては本年二月五日に制定をされたというふうに理解をいたします。本格運用は本年の四月一日というふうにされておりますので、制定、即時運用ということで、少し期間がタイトではないのかなというふうに思います。
 事業者の準備期間も考慮して制定をされたのか疑問でありますので、経緯について御説明を願います。

#35
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 御指摘のガイドにつきましては、確かに制定から施行までの期間というのはタイトになっております。しかしながら、こうした法令類、ガイド類を整備する過程で、制定する過程で公開会合等を用いまして事業者との意見交換を行ってまいりました。また、試運用や事業者との間の面談といったものを適宜実施することを通じて、ガイドの制定前であっても事業者との共通理解が生まれることについて努力をしてまいりまして、準備を進めてきたところであります。
 引き続き、事業者との間の緊密なコミュニケーションを図り、新検査制度の円滑な運用開始に万全を期してまいりたいと考えております。

#36
○浜野喜史君 引き続き、被規制側とも十分コミュニケーションを取っていただければというふうに思います。
 核燃料施設等につきましては、実用発電用原子炉施設とは異なる保守管理体系となっているというふうに認識をいたしております。先ほど更田委員長が説明されたとおりだと思います。
 新検査制度におきましても、核燃料施設等と実用発電用原子炉施設とは、いわゆる等級別考え方に立って差別化されて運用されるというふうに理解をいたしますけれども、その考え方でいいかどうか、御説明を願います。

#37
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 正しい検査、適正な検査を行うためには、対象の抱えるリスクや保全活動の実情を踏まえること、またその設計や運用方式を踏まえることが大変重要であろうと思います。全てをひっくるめて同じようにアプローチをするというのは決して賢いやり方ではないということは十分に承知をしております。
 したがいまして、核燃料施設等に対しても同じ枠組みでの検査制度は適用されますし、またフリーアクセス等については変わりませんけれども、検査の内容や頻度については、その対象とする施設の特徴等並びにリスクなどをしっかりと把握した上で、施設の対象に応じた異なったアプローチというものをそれぞれ考えていきたいというふうに思います。

#38
○浜野喜史君 続きまして、国際アドバイザーとの意見交換会合についてお伺いいたします。
 まず、この制度、そして取組がどのようなものであるのかということにつきまして御説明を願います。

#39
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 国際アドバイザーとの意見交換でございますが、これは、原子力規制委員会の安全規制活動の取組などを含む全般的な課題につきまして広く国際的な知見を取り入れようということで、海外の有識者からの助言を得ることを目的に開催しているというものでございます。
 現在、このような全般的な課題について御意見をいただく方として国際アドバイザー計四名の方を委嘱してございまして、直近で申し上げますと、昨年、二〇一九年の十一月五日に東京で意見交換を開催したというものでございます。

#40
○浜野喜史君 御説明をいただきました昨年の十一月五日の会合における国際アドバイザーからの意見に関してお伺いいたします。
 国際アドバイザーの一人であるメザーブ氏が、次のとおり発言をしておられます。特定重大事故等対処施設の設置期限超過による運転停止の事例は、規制者と事業者の基本的なコミュニケーションの失敗だと認識している、事業者はもっと早い段階で原子力規制委員会に問題を伝えるべきであったし、原子力規制委員会も、業務の一環としてもっと早い段階で事業者に接触し、状況を理解しようとすべきであった、両者及び原子力に関わる全ての者はこの事例から教訓を得るべきである、特定重大事故等対処施設のように大きな計画においては、当初からマイルストーンを明確にし、それを監視していくことが重要である、こういう御意見でございます。
 この御意見を踏まえてどのように対応をされてきたのか、説明を願います。

#41
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 昨年十一月にリチャード・メザーブ氏からいただいたコメントというのは大変重要であるというふうに認識をしております。
 一方、特定重大事故等対処施設の完成期限については、繰り返し、審査会合等について原子力規制委員会の委員や原子力規制庁職員から事業者に対して重ねて問いかけを行っておりましたし、また工事計画認可等に係る正式な工事計画においても、事業者は当初の計画どおりの完成期限を示し続けておりました。さらに、九州電力の社長との間の意見交換を行った際にも、何かコミュニケーションの不足がありましたかという旨の問いかけをしたのですが、コミュニケーションに不足はなかったという旨の発言が返ってきております。
 しかし、結果としてメザーブ氏が指摘されたような状況になったのは事実でありまして、幾ら原子力規制委員会が、本音でしゃべってください、本当のことはどうなんですか、本当のところはどうなんですかと言い続けていても、直前になって間に合いませんというような話が出てきたというのは事実として起きておりますので、これは、先ほど来申し上げましたように、コミュニケーションについては双方の努力が必要ですし、また、私たちの方から一方的に問いかけるだけでも改善をしないところでありますので、これはやはり、機会を増やすこと、さらに、先生の御指摘、御質問の中にもありましたけど、新検査制度の運用等を通じて接点が増えることで相互の信頼関係というものがより成熟するということが条件なのだろうというふうに思っております。

#42
○浜野喜史君 御説明いただきましたように、コミュニケーションにそごはなかったのかと、問題はなかったのかということを様々な機会で被規制側にも問いかけていただいているということは、議事録等でも拝見をさせていただいております。
 それはそういうことなんですけれども、更田委員長は、この十一月五日の国際アドバイザーとの意見交換会の会合の中で、結果的にやはりコミュニケーションの失敗があったということを複数回メザーブ氏に対してもコメントされているというところでありますので、規制委員会は規制委員会として、それではどういうやはり問題があったのかと、事業者側とのコミュニケーション、事業者はそういう特に問題はなかったんだという認識なんだけれども、自ら、組織、規制委員会、規制庁、組織内においてどういう問題があったのかという少なくとも議論ぐらいはしていただいて、そしてその議論の総括を公開していただくということが私は必要ではないかというふうに考えるんですけれども、いかがでしょうか。

#43
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 先生御指摘のコミュニケーションについては、原子力規制委員会、規制庁の中でそれぞれ議論をしております。
 実際これは、悩ましい、私たちにとっても悩ましい問題です。一方的に私たちが本当のところはどうですかと問いかけて、結果があのような形になったわけですから、これは信頼をされていないのか、相互不信があるのか。あるいは、もう一つの構造は、規制委員会に対して伝えたいことがあっても、その他の事情、二者間の事情以外に伝えにくいという事情が生まれてしまうというようなことがあるのではないかということを聞いております。
 したがいまして、これらはやはり双方、原子力規制委員会、事業者の双方が、一方から一方に対してだけではなくて、広く社会に向けて透明性を持った情報発信を双方が行うこと、これがひいては二者間の間のコミュニケーションを改善することにつながるのであろうというふうに考えております。

#44
○浜野喜史君 私も議事録をいろいろ拝見しておりますけれども、この関係について、規制庁内部で果たしてどうなったのかというような議論をされておられるようには私は把握できておりません。もしそれをやっているんだということであれば是非教えていただければと思いますけれども、今後、いずれかのタイミングで議論をしていただいて、そしてその議論の結果を公開をしていただければというふうに思います。
 といいますのも、更田委員長御自身がやはり問題があったということをもう明確にされておられますので、その問題というのは、私は具体的にここが問題だということは持ち合わせておりませんけれども、委員長御自身がそのようにおっしゃっておられますので、是非その問題意識を規制委員会の中で御議論いただいて、そしてそのことを公にしていただければというふうに思います。
 それから、国際アドバイザーのこの意見交換会合、極めて意義深い取組だと私は理解するんですけれども、是非議事録を作成をして公開をしていただきたいというふうに思いますので、そこはいかがでしょうか。

#45
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 国際アドバイザーとの意見交換ですが、これは公開の会合として行ってユーチューブ等での配信もしておりますけれども、英語で行っておりまして、通訳も介さないで行っております。したがいまして、逐語録、いわゆる議事録、発言録そのものに関しましては、これは発言者、翻訳したものの内容を発言者に確認できないということから、逐語訳は作っておりません。
 一方、日本語でのものは議事概要を公開をしておりますけれども、できる限りこの議事概要を充実させるということには努めてまいりたいというふうに思います。

#46
○浜野喜史君 ユーチューブも拝見させていただきましたけれども、国際アドバイザーのコメントは忠実に議事要旨の中で明らかになって、一言一句そのまま載っておりました。ただ、それに関して規制委員会の方々がどういうコメントをされたのかが逆に載っていないんですね。それも不自然なので、是非御検討いただければというふうに思います。
 時間が参りましたので終わらせていただきますけれども、引き続き原子力施設の安全向上に資する実効性ある規制行政を展開されることを求めて、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。

#47
○岸真紀子君 立憲・国民.新緑風会・社民の岸真紀子です。
 資源エネルギー政策は国全体の経済や国民の生活に直結する課題であることは言うまでもありませんが、更に深く申し上げますと、エネルギー政策を推進する自治体であったりその地域においては、この国の方向性によって大きな影響を受けることとなります。
 私は、北海道の旧栗沢町という、現在、岩見沢市というところですが、産炭地域の出身であります。近隣市町村も同様に石炭産業によって繁栄した市町村が多くあり、特徴的なのは隣の財政破綻をしてしまった夕張市があります。夕張市が象徴するように、一九六〇年、人口のピーク時では十一万六千九百八人と、当時の写真等を見ても本当に本当に活気に満ちた町でした。ところが、二〇〇七年、財政再建団体に指定されたときには、一万七千八百九十五人、約五十年間で十万人の減、八五%も減少したということになります。エネルギー政策の転換によって、労働者や家族、地域で営んできた個人事業主や中小企業は経済的なショックを受けることとなりました。
 また、もっと言えば、二〇一一年三月、原発事故が発生した福島の実情を見ると、更に大きな影響を受けております。私も、二〇一四年、浪江町、大熊町、全村避難しているときにお伺いをして状況をお聞きしましたし、二〇一八年には一部帰還が、避難解除がされた浪江町の方にもお伺いをしてお話を聞いてきました。
 浪江町については、二万一千人いた、原発事故前は二万一千人いましたが、現在では千百人と、五%しか帰還していないというように、去らなくてはならない実態がそこに生まれましたし、また、町の方に帰還をする、残された者という言い方がいいのか分かりませんが、どちらも複雑な思いを抱えて生きていくことになりました。本当に大きな影響です。
 本日のテーマである原発は、住民の安全、安心をどう守っていくか、生活に欠かせない地域社会をどう守っていくかといった重要なものとなっています。
 そこで、幾つかお伺いしたいと考えております。理系ではない私ですが、なるべく分かりやすく御説明いただけると幸いですので、よろしくお願いいたします。
 最初に、日本の原子力発電所の現状について、先ほども御説明いただきましたが、福島原発事故前には五十基程度あったものが現在は廃炉が二十四基決まっており、再稼働しているものが九基、設置変更許可六基、新規制基準審査中が十二基、未申請が九基という状況で間違いないかどうか、また、再稼働している九基について、原子力規制委員会の厳しい基準をクリアしての稼働となっているとお聞きしますが、改めて委員長にこの安全面についてお伺いします。

#48
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御質問の中にありましたように、これまでに稼働に関して設置変更許可を与えたのは十五基、そのうちの九基が現在稼働をしております。これらの稼働している原子力発電所は、当然のことながら全て新規制基準に適合をしている原子力発電所であります。
 この新規制基準ですが、これまでに明らかになった東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、またIAEAや諸外国の規制基準も確認をした上で策定をしたものであります。
 その上で、新規制基準適合性審査においては、例えば、津波によって発電所が浸水しないように防潮堤を設置することや、重大事故、原子炉の炉心が溶けてしまうような事故に対応できるように、空冷式の非常用発電装置や可搬型の電源車、ポンプ車などを整備すること、また、ハード面だけではなくてソフト面についても、事故時にこれらの設備を適切に使用できるような体制や手順などを整備することを確認をしております。
 原子力規制委員会としましては、引き続き、厳格な審査等を通じて国民の信頼を得られるように、厳正な安全規制を行ってまいりたいと考えております。

#49
○岸真紀子君 規制委員会の本当に安全をということで御努力いただいていることに感謝を申し上げます。
 では、質問を変えまして、現在、全国各地で原発の運転差止めに関する訴訟が行われていると思いますが、どのぐらい争われているのか、規制委員会の方で把握している範囲で構いませんので、お答え願います。

#50
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 発電用原子炉施設に関しまして、国に対する設置変更許可処分等の行政処分の取消し、無効確認又は差止めや、発電用原子炉施設の操業停止などに関する裁判の件数は、現時点で合計十件でございます。
 また、事業者に対する運転の差止め及びその仮処分に関する裁判の件数でございますが、原子力規制庁で把握している限りでは、今年の一月末時点で合計二十三件と承知をしております。

#51
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 先日、広島高裁が伊方原発の運転差止めの仮処分を決定しました。理由として、先ほど来からお話にありましたが、四国電力の地震や火山リスクに対する評価や調査は不十分とし、安全性に問題がないとした原子力規制委員会の判断は誤りというふうに指摘されておりますが、このことについて委員長の見解を求めたいと思います。

#52
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 既にこれまでの御質問に対するお答えでしている部分がありますので詳細については改めて申し上げませんけれども、平成二十七年七月に行った元の原子炉設置変更許可処分の判断は適切なものであり、現時点においても厳正な審査の結果を経た妥当な判断だったというふうに考えております。

#53
○岸真紀子君 四国電力や原子力規制委員会の御努力もありまして、安全に向けて厳しい基準をクリアしていることには敬意を払いたいと思います。ですが、一方で、全国各地で訴訟が、先ほどもお話にあったとおり、非常に頻発している状況にあります。
 さらに、伊方原発においては、活断層や火山の影響という自然災害に、まあ大丈夫だろうと言うだけでは安心できる住民という方はいないのではないかと思います。
 ましてや、私、昨日、ODAの特別委員会で神戸の方の人と防災未来センターというところに視察に行っているんですが、そこにも南海トラフ地震の大きさというものが展示をされていて、本当に危険だなということを実感してきたところです。
 更に言えば、昨日の夕方に防災の勉強会をしまして、最近では、ゆったり地震というんでしょうか、小さな地震が非常にこの日向灘の辺りで頻発したりしていて、いつ巨大地震が来てもおかしくはないというようなことも昨日の勉強会でも御説明をいただいたということもありました。
 こういった南海トラフ地震なども想定をされる地域で再稼働を行うということは余りにも危険ではないかと考えます。活断層など目に見えないものへの不安を考えても、脱原発社会を目指していくことが必要ではないかと考えます。
 そこで、副大臣に、このことについてお答えをお願いいたします。

#54
○副大臣(牧原秀樹君) 今先生が御指摘あったように、いずれにしても、いかなる事情よりも安全性が最優先をされるということであると考えております。その上で、その判断は、高い独立性を有する原子力規制委員会が世界で最も厳しいレベルの新規制基準に厳正な審査の上、適合すると、こう認めたものについてのみ原子力発電所の再稼働を進めるという政府の方針でございます。

#55
○岸真紀子君 皆さんのお手元の方に資料の方を配付させていただいて、幾つか新聞記事の方も三枚ほど添付をさせていただいております。
 残念ながら、幾ら厳しい規制委員会の基準を設けて規制委員会の方でこれをきちんと管理をしていたとしても、残念ながら、この新聞記事にもあるように、例えば伊方原発では、制御棒が抜けていたり、電源喪失という度重なるミスが続いております。
 もっと言えば、敦賀原発でも、日本原子力発電が敦賀原発二号機について規制委員会へ提出していた地質データをこっそりと書き換えていたこと、これ本当に非常に大きな問題だと思います。
 さらには、私の地元ではありますが、北海道電力に至っては、泊原発から大気中に放出している放射性廃棄物の量を、問題ないとはいいながらも、三十一年間も実際より半分少なくして報告をしていたということも発覚をしました。
 幾ら厳しい規制を掛けても、残念ながら、住民の安心という観点では、不信を招くような問題が明らかとなっております。このことについて、現状把握していることと、今後どうやってこういった対策をしていくのかというのを改めて規制委員会の委員長にお伺いいたします。

#56
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 まず、伊方原子力発電所ですけれども、伊方原子力発電所では、停止中に原子炉の上蓋を開けて燃料を取り出すためには、その上にあるものをつり上げてどけなければなりませんから、そのときに制御棒を切り離してつり上げると。切り離しているという信号は出ていましたけれども、一つの制御棒の、クラスターと呼びますけど、数本の制御棒をつないでいるものが付いてきてしまったと。この付いてきてしまった、もちろん、停止中ですので冷却材の中の中性子を吸い込む中性子毒物の濃度は高めてありますので、制御棒が抜けたところで出力が発生するわけではありませんので、そのこと自体で危険性はなかったものの、制御棒という重要な設備が意図しない挙動をしたということに関しては、重要な案件であろうというふうに捉えております。
 しかしながら、これ、なかなか、理由といいますか原因が判明するのには恐らく時間が掛かる、ないしは非常に難しいだろうと考えておりますのは、痕跡を残さないケースが多いですし、また線量が非常に高い部分でもありますので、今、四国電力はその原因究明の努力を続けているところではありますけれども、しばらく時間は掛かると思っております。
 問題は、続いたこと、一件のトラブルではなくて三つ続いたということにありまして、二つ目は燃料をつり上げたときの着座するときの問題、それから三つ目は、これ、電源に係る問題ですけれども、これはたった一つの故障が、一系統からの電源を、一号機、二号機、三号機に対して、一つの故障が一系統の電源喪失につながってしまうというような配置、配列を組んだというところに疑問を持っておりまして、この点についても四国電力との間のコミュニケーションを図って分析をしていきたいと考えております。
 いずれにしましても、三件続いたということに関しましてはその背景となる事情があるのかないのか、これに関しても聴取をしていきたいというふうに考えております。
 先に泊について申し上げますけど、泊に関しては、濃度を測るときに、吸い込んでいたものを倍に希釈して濃度を測り、そして、それをそのまま、倍に希釈したことは忘れて元の濃度としてしまったということで、半分の濃度というものをずっと公表し続けてきたと。
 長期間にわたってこれが見付からなかった、さらにはその情報がきちんと水平展開をされていなかったというような問題に関して、これはやはり問題の本質は長期間なぜ見付からなかったのかということの方にあると思いますので、これは、組織文化といいますか、組織の、より質の高い業務を遂行する組織に向けて北海道電力の努力を促したいというふうに思います。
 最後にお答えする敦賀に関しては、これはまだ今進行中の事態ではありますし、また日本原電の申し開きを一回聞いたところではありますが、とても納得のいくような説明はこれまでのところ得られておらず、まだまだこれはやり取りが必要だというふうに考えておりますけれども、現時点におきまして、私は、これは報道にも載っておりますけど、いわゆるひどい事例だというふうに認識をしております。

#57
○岸真紀子君 丁寧な御説明ありがとうございます。
 本当に、こういうことが度重なって起きていくことによって、ますます住民の不安というものが払拭できないということになります。二〇二〇年度から新たに導入されるこの新検査制度では規制委員会の関与が更に密になっていくこととなると思いますので、今後はこういった問題を防止できるようにしていただけるのかなと思いますが、引き続き御努力の方をお願いいたします。
 次に、日本の一次エネルギーについての供給の推移ということで、これも資料の方を付けさせていただいておりますが、資源エネルギー庁の資料になっております。
 これを見ますと、まず、いわゆる震災前と比較してみると、原子力七八%減、再生エネルギーが三七%増となっています。とはいっても、グラフを見て分かるように、再生エネルギーの数というのは全体で八%でしかないというような実態にあります。一方で、原子力は三%。これ、全体のエネルギーなので電気に限らないというところですが、脱原発社会にこれを見ると自然となっているんではないかというふうに考えます。
 このまま、どうでしょう、ゼロに近づけていってはいかがかと思います。そして、本当の意味でクリーンなエネルギーでもあり、日本国内で自給ができる、自然を利用した再生エネルギーに力を注いでいった方がいいのではないでしょうか。この点について、改めてまた副大臣の方にお伺いをいたします。

#58
○副大臣(牧原秀樹君) お答えをいたします。
 このエネルギーの問題は、まず、資源の乏しい我が国にとりまして、安全確保は大前提とした上で安定的かつ安価な電気の供給をすること、そしてまた、気候変動問題にきちんと思いを致す、対応すること、それからエネルギーの海外依存度というのを考えていかなければいけない、こういうことからすると、原子力発電所につきましては、先ほど申し上げたように、高い独立性を有する原子力規制委員会が、厳正な審査の上、新規制基準に適合すると認めたものの再稼働は進めるというのが政府の方針でございます。
 他方で、今先生が御指摘になりました再エネにつきましては、これをやはり最大限の導入促進を図り、主力電源化していくというのはやはり政府の方針でございます。現に、この七年間で三・四倍ということで、欧州や世界平均を大きく上回るペースで拡大もしているところでございます。
 同時に、この再エネの導入によって、今のところ年間二兆円を超える国民への追加的な負担をお願いをしております。こうした国民の負担をどう抑えていくか、そしてまた再エネの大量導入を支えるためには系統等のネットワークの整備などが必要になりますので、こうした政策を総動員をしてこの最大限化を図っていくというふうに考えているところでございます。
 さらに、省エネというものをしっかりと徹底していくことによりまして、原発の依存度は可能な限り低減をしていくという方向で今取り組んでいるところでございます。

#59
○岸真紀子君 ありがとうございます。
 本当にまだまだ、増えてきているとはいえ少ない再生エネルギーにいち早く転換をしていくということと、副大臣からお答えいただいたような、原子力規制委員会の厳しい規制基準で審査をしているとはいいながらも、さっきのような実際には原発の中でのミスというかトラブルというのが続いている中では、やっぱりこれ、このまま私たちは脱原発の方に行った方がいいんではないかと思います。なぜそういうふうに考えるかといいますと、やっぱり核のごみの問題があるからです、廃棄物ですね。
 そこで、一つずつ確認していきたいというのが、もう時間がないのですが、できるところまでやっていきたいと思います。
 まず、日本原子力研究機構の幌延深地層研究センターが、昨年、研究期間二十年程度の約束を破ってといいますか、約十年の延長を申し入れることとなりました。深地層研究所計画が失敗したということになると考えるんですが、このことについてどう考え、今後どうしていくのかというのを最初にお伺いします。

#60
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘いただきましたJAEAの研究でございますけれども、当初予定していた二十年程度の期間を超えて研究が必要になった理由といたしましては、外部の委員会において評価などをいただいた結果、全体としてはおおむね適切に研究は遂行されたものの、例えば試験手法の確立ですとかデータ取得に時間を要したといったことから一部の研究に遅れがあり、そういった研究の成果を十分に得ていくためには、一定のものについては継続実施する必要があるということになったこと、それから、先行するフィンランド等での規制審査の中で、断層等を避けながら廃棄物の具体的な埋設場所を決める技術の更なる高度化というのが規制的に要求されるといったように、国内外において地層処分をめぐる状況に変化があったことなどから、実際の地質環境におきまして一定の研究継続が必要ということを説明をし、その旨、今年の一月に北海道、それから幌延町にその計画を受け入れていただいたと、こういった経緯というふうに承知をしてございます。
 今後でございますけれども、今回、一月に北海道知事及び幌延町長に受け入れていただいた新たな計画に基づきまして、このJAEA、機構は、研究の継続が必要となった課題、これを、今回明らかにした課題につきまして、令和二年度以降、第三期及び第四期中長期目標期間、これは具体的には二〇二〇年から二八年度にかけまして、これをめどにしっかりと取り組んで、その過程で成果を出し、その結果を分かりやすくかつ積極的に発信していくと、こういう方針と聞いてございます。
 経済産業省といたしましても、文部科学省と連携をいたしまして、JAEAがこの新たな計画、御了解いただいた新たな計画に沿って必要な成果が得られるように、引き続きしっかりと監督していってまいりたいと考えてございます。

#61
○岸真紀子君 北海道民の方は、過去の経過や道民との約束を軽視する研究計画の延長の提案は、更なる延長も可能となる、なし崩し的な無期限延長ではないかという不安を抱えています。更に言えば、そのまま最終処分場になるのではないかという不安を募らせているということも申し添えたいと思います。核のごみ処分に向けての研究に努力をしていただいているのかもしれませんが、しっかり研究をして、早期に埋め戻しをお願いいたします。
 放射性廃棄物の処理方法ですが、放射性廃棄物は低濃度、高濃度を問わずどんどん増えていくこととなると思いますが、これ、処分場、現段階で足りているのかというのをお伺いいたします。

#62
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分につきましては国が前面に立って対応していくということを決定いたしまして、二〇一七年の七月に全国の中の適性を示す科学的特性マップというものを国が公表させていただきまして、その上で、国民の理解を得るために全国の対話活動というものを、以降、精力的にやってまいっているところでございます。
 参加者の皆様と膝詰めでやるということで、しっかりと距離を縮めて対話型で説明会をやっていくということで、以降、八十回以上説明会を実施してきたところでございますし、一八年の十月からは、特に、そのマップで示されたものの中で比較的特性が高いと考えておりますグリーン沿岸部を中心に、より地域に入ってきめ細やかな説明会を実施していくということで取り組んでおりますけれども、今後も、改善を重ねながらこうした取組を続けて御理解を賜りたいというように考えてございます。
 こうした活動の中で、より深く地元の状況を知りたいとか、より深く今回の問題を知りたいと言っていただけるグループの方も増えてきているところでございまして、昨年の末に新たな方針を決めまして、こういった関心を持っていただけるグループ、団体の方を、二〇二〇年、今年をめどに、今五十グループぐらいございますけれども、これを倍増させていくと、こういったことを目標に、当面の取組方針としてこの説明、それから対話活動を強化してまいりたいというように考えてございます。
 できるだけ早いタイミングで調査を受け入れていただける地域が出てくるように、一歩ずつ着実に粘り強く対応してまいりたいと考えてございます。

#63
○岸真紀子君 本当はほかにもたくさん質問の方を用意していたんですが、もう時間となりましたので、まとめに入りたいと思います。
 今御説明いただいたとおり、いろんな説明会をしていただいても、住民の方ではこの核のごみ問題というのはなかなか理解がし難いというのが実情ではないかと思います。
 ただ、この脱原発社会としていくことを正式に決定をしなかったとしても、廃炉への道筋であったりこの核のごみ問題については、後世に先送りすることなく、していくことが重要になっています。この原発の有無にかかわらず、やっぱりこの放射性廃棄物をどうやってしていくかというのを何としても早く決めていかなきゃいけない問題ですので、引き続きこの調査会の中でも議論が必要ですし、私も引き続き質問等をいろんな場面で行っていきたいと思います。
 最後に一つだけ申しますと、先ほども言いましたが、やっぱり現在の日本は、火力発電は当面頼らざるを得ないような状態にあると思います。再生可能エネルギーが中心としながらも、この火力発電も当面頼らざるを得ないという中で、再生可能エネルギーを中心としつつも、効率化と分散化を進め、古い炉をなくして研究開発を進めていくことが必要だということを申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。

#64
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。
 私の方からも、まずは、ちょっと最近、原子力発電に関して気になるニュースが続いておりますので、そういった事案について、原子力規制庁での受け止めと今のお考えを中心にお伺いをしていきたいというふうに思っております。
 最初にお伺いしたいのは、先ほど更田委員長の方からもひどい事例というコメントが付いておりました福井県の敦賀原発二号機の件でございます。
 先ほどもございましたけれども、再稼働に向けて審査中の炉なわけでありますけれども、この大事な部分の試料のデータが無断で書き換えられていたということでありました。特にここのデータについては、重要施設の直下に活断層があるのかないのかという極めて重要な部分について、しかも固い層と固い層の間に軟らかい層があるんじゃないかということを指し示すようなデータの部分が書き換えられているということでありますから、これは本当に、規制庁の言葉を借りて言えば、審査の前提が崩れるという私は問題だというふうに思っております。
 これは当然、規制庁の方からは、今回のこの書換えの詳しい経緯、それから再発防止策について日本原電の方にも求めていただいたということでありますが、私の方から特にちょっと今日確認をしておきたいのは、これ、データのそもそも書換えとか削除みたいなことをされたときに、検査体制側として、検査をする側として何かできることってあるのかということがやはりちょっと気になるところでありまして、規制庁として、例えば審査体制とかルールの見直し、あるいはより厳格な審査に取り組むために何かできることってあるのか、委員長の御見解をお伺いしたいと思います。

#65
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 今回の日本原子力発電敦賀原発二号機に係る件に関して、ではこのようなことをと。これはこれまでも続けてきた努力ではありますけれども、審査に関わる資料というのは、もう数回ないしは十数回、多数回にわたって提出をされます。この一連の資料に関して、今回も変更したという話は日本原電からはなかったわけですけれども、私たちの中で資料を見比べることによって、おや、ここがいつの間にか変わっているぞというのが見付かったわけです。そういった意味では、やはり時間が掛かるという御批判もあることは承知をしておりますけれども、職員による丁寧な資料の読み込み、それから確認、チェックというものは避けられないであろうと考えております。
 それから、もう一つの教訓は、同じ日本原子力発電の審査であっても、東海第二の審査の際には、もう本当に生データ、最初のコンサル会社が出してくる報告書そのものの、生のものを提出を受けておりました。ただ、東海第二の場合は断層に係るものの試料の量がそれほど多くもないということで生のものが出されていたんだと思うのですが、敦賀の二号機の場合は非常にそういったデータの数が多いということであろうと思いますけど、日本原電がそれをリライトしたもの、書き写したものの提出を受けていました。
 その書き写したものが途中でいつの間にか変わっていたというのが今回の問題でありますけれども、これを避けようとすると、これはもう生の、本当に大本のものを直接確認するしかないということで、先般の審査会合では、一回目の会合で指摘をして、二回目の会合で申し開きを聞いたんですけれども、この申し開きが到底納得できるものではなかったことから、もう大本のデータに直接当たるしかないということで、その大本のデータの提出を求めたところであります。
 こういった地道な努力しか確認するすべはないと思いますが、一方で、審査期間はより長期化するだろうということが避けられないというところが難しいところだというふうに認識をしております。

#66
○平木大作君 大変地道な作業の中で今回の事案について発見できたということを改めて認識をいたしました。
 これ、意図的かどうかという問題を脇に置いたとしても、やっぱり、どうやったら、じゃ、見破れるのかみたいなところがどうしても残ってしまう。そして、それは審査に掛かる時間に直結する問題だということでありますので、改めて、まさに原子力発電に対する信頼というものが失われている今、これ、しっかりと、まずはこの今回の事案、経緯をうやむやにすることなく、原因解明ということを原電の方には求めたいというふうに思っておりますし、規制庁にもこの厳格な審査をしっかり引き続きやっていただきたいということをお願いしたいと思います。
 もう一件、これも先ほどありましたけれども、伊方原発の三号機の件でございます。私も技術的なところがちょっと分からないんですけれども、過って原子炉から制御棒が引き抜かれてしまうというのは、素人が聞いてみてもやっぱりちょっと大丈夫なのかなというふうに思ってしまうわけです。委員長も先ほど、意図しない挙動ということをおっしゃられておりました。今回の事案の場合には、これも答弁の中に先ほどありましたけれども、停止中であったということで、炉内の水に、いわゆるホウ素の濃度とかそういったものが高かったということもあって核反応には至らなかったということなわけですけれども、本当にこれは一歩間違えてしまうと大事故につながったわけであります。
 先ほども、これ、まさに今精査中ということだったと思いますけれども、ちょっともしヒントだけでもいただけたらと思うんですけれども、具体的に例えばどんなことが原因としてあると意図せずに制御棒が抜け出てしまうみたいなことがあり得るのか。例えば、いわゆるどっちかというと機械設備の問題なのかなということなのか、ヒューマンエラーの可能性が高いのかなとか、ある程度当たりが付いているのかどうか。
 あるいは、もう一つちょっとこれ重ねて一つの問いの中でお伺いしておきたいんですけれども、委員長の記者会見の中でも、度々連続してこういった問題が、トラブルが発生したことについて、現場の士気というところに大変関心を寄せられていましたが、これ、具体的にもし懸念するところがあったら併せてお伺いしたいと思います。

#67
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 先ほどの答弁差し上げる際にも申し上げましたけれども、現在原因は調査中でありますし、またこの制御棒の件に関してはなかなか原因を特定するのは難しいものであろうと思います。非常に簡単に申し上げると、切り離されているはずのものが一時的に切り離されずに引きずってきてしまったという、そういった状況であろうと思います。
 今の時点では、人的なミスである可能性というのは小さいであろうと考えています。というのは、切り離されていますという信号は出ていたということは確認をしておりますので、切離しの信号が出ていたにもかかわらず、実際に引き上げてみると、付いてこないはずのものが付いてきてしまったというのが今回の事象であります。
 それから、伊方で三件続いていること。これはごく自然な発想であろうと思いますけど、トラブルが続いていると、それぞれトラブルの性質は全く異なりますけれども、短期間に三件もトラブルが続いたことがあるとすると、その背景には人の問題があるのではないかというふうに考えるのは、ある意味自然なことではないかと思います。
 士気だけではなくて、トラブルが続いていると、現場が無用な意味で緊張してしまうということがかえってトラブルにつながるということもありますし、これは、緊張感を持って現場が引き締まるということは大変重要なことではありますけれども、一方で、既に三件トラブルが続いているので四件目は絶対に起こせないというような緊張感が、いい方向に作用することもあれば悪い方向に作用することもあるだろうと思います。
 引き続き、現地の規制庁、現地事務所の職員は四国電力伊方発電所との間の緊密なコミュニケーションを図って、またその状況について把握に努めたいというふうに考えております。

#68
○平木大作君 ちょっと気になるニュースいろいろあるんですけれども、こういったいろんなトラブル、問題事象が相次いでいる中で、この四月から、先ほどもこれもありましたが、新しい検査制度に移行されるということであります。
 検査日時とか項目を事前に伝えない抜き打ちの形になるですとか検査官によるフリーアクセスということで大分やり方が変わるんだろうなというふうに思うわけですが、もう先ほど答弁ありましたので簡単にでいいんですけれども、具体的にこの新しい検査制度の特にポイントの部分を改めて確認をさせていただきたいということと、四月から急に始めるというわけではなくて、もう一年ちょっと、二〇一八年の十月から試験的な運用にも取り組まれているということでありますので、これまでやってきた中でどのような成果を得られたのかということも併せてお伺いしたいと思います。

#69
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、新検査制度のポイントについてですが、一つ重要な点は、事業者自身が安全上の一義的責任を有するんだということを明確化したこと。もう一つは、チェックリスト型といいますか、あらかじめ決められた検査項目を一つ一つチェックを付けていくというようなお決まりのメニューの消化といったような検査制度から、安全活動について重要な視点により注力をした、めり張りを付けた検査を行うということ。それから三つ目は、これはフリーアクセスというふうにお答えをしておりますけれども、検査官がいつでもどこでも自由に見ていけるというのが大きな特徴であります。
 それから、試行中、試運用の際ですけれども、これは、フリーアクセスですとかリスク情報の活用などについて事業者と検査官双方との間の認識が高まってきたというふうに認識をしています。また、試運用中には米国原子力規制委員会から二名のベテランの検査官を随時この試行に参加をしていただきましてコメントを受けるなどして、新しい制度が浸透し、かつ円滑に運用できるように努めているところであります。

#70
○平木大作君 ありがとうございます。
 そして、この点も先ほど浜野委員の方からも質問あったところでありますけれども、やはり、今お伺いしていると、この新しい検査制度というのは、特に今の整理でいくと、例えば二番目の点ですかね、現場の状況に応じて、より注力すべきところにリソースを割く、めり張りを付けていくということを現場の検査官がやっぱり判断しなければいけないという意味では、この検査官の育成というのは大変重要なことになってくるんだろうというふうに思っています。
 先ほどもこれ、問いとしてはあったんですけれども、改めて、私、特に関心がありますのは、日本国内ということだけで見ますと、今稼働している炉の数自体がそもそも少ない。廃炉の現場というのはある意味どんどん増えてきてはいるんですけれども、例えば、何か新設するとかリプレースするという動きがあるわけでもないというこの限られた現場の中で、常にある意味最先端の知識を身に付けて世界でも一番高いレベルでの育成ができるのかどうかというのは、私、とても大事な点だというように思っているんですが、この点について、改めて具体的な育成の方針をお伺いしたいと思います。

#71
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 新しい検査制度の実施に当たりましては、検査官の力量の確保が不可欠だということでございまして、アメリカのNRCの研修プログラムを参考にして、まず研修の拡充、それから検査官の資格認定制度の構築といったようなことを通じまして力量向上に努めてきております。
 具体的に、その海外、国内だけではなくて、海外の知見という、経験というのをどういうふうに力量向上につなげるのかという点について具体的に申し上げますと、まず、先ほど申し上げましたように、アメリカNRCの研修プログラムを参照して研修制度というのを立ち上げたというのが一点目でございます。
 二点目は、平成二十八年、二十九年と二回に分けまして管理職員を含む職員五名をそれぞれ一年間アメリカのNRCに派遣をしまして、現地で研修を受けております。また、その経験を日本に戻ってきてほかの検査官と共有するといった取組をしております。
 三点目は、先ほど委員長からもございましたが、アメリカのNRCからベテランの検査官二名、これはこれまで延べ九回、日本に来ていただきまして、先ほど委員長からありましたその試運用への同行、それによって原子力規制庁の検査官に対していろいろ現場で指導、助言をもらうといったような、そういったような取組をしてきているところでございます。
 今後とも、検査官の力量向上については不断の努力を続けていきたいというふうに考えてございます。

#72
○平木大作君 是非とも、よく世界一厳しい規制基準というふうに言って、それはその表現ぶりに御批判があったりもするわけでありますけれども、私、どんどんこれは言っていっていただきたい、言い続けていただきたいというように思っています。
 世界一厳しい規制基準を実質たらしめるというのは、基本的には、一つは、新しい知見を取り入れてそもそも不断にこの規制基準自体を見直していくということが当然必要だというように思っていますし、もう一つは、今まさに御答弁のあったような、この検査を担う検査官の皆さんのスキルの向上にやはり不断に取り組んでいただかないと世界一厳しい基準にはならないだろうというふうに思っておりますので、常にこの厳しさというか、世界一の基準というものを追い求めながら取組を進めていただきたいということをお願いしたいと思います。
 ちょっとテーマを変えまして、放射性廃棄物の処理と処分場の選定に関連する問題を幾つかお伺いをしておきたいと思います。
 ちょっと廃炉の関連なんですけれども、昨年末計画が認可されました大飯原発の一号機、二号機含めましてこれまでに九原発二十一基、廃炉が決まっております。今申請中のものも含めると二十四基というふうに伺っておりますが、この廃炉のプロセスからも当然様々な放射性廃棄物が出てくるわけです。三十年とか五十年掛かる廃炉のプロセスでありますので、これはまず第一に、これは安全第一に進めていただくということが大原則なわけでありますが、ここまで見てきますと、特に東海原発とか、もうとっくに完了しているはずのものがなかなか終わらない、何度もある意味延長してしまうというような事態もありましてなかなか順調にいかないのかなというふうにちょっと懸念を持っているところであります。
 こういった遅れてしまっているもの、進捗がなかなかうまくいかないものについて原因を今どのように整理をされているのかということと、一方で、これまでいろいろ多分予期せぬものがあって遅れてきたりしているんだと思うんですが、そこから得られた教訓でこれからの廃炉のプロセスに何か生かせそうなものがあるのか、この二点についてお伺いをしたいと思います。

#73
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、我が国においては既に二十四基が廃炉を決定をしているところでございまして、今後、我が国において廃炉が増加していくということの中で、これを円滑かつ安全に実施していくということが極めて重要だと認識してございます。その中で、御指摘いただきました東海、これが商用炉で具体的に廃止措置計画を進めている炉でございますけれども、これまで三度にわたり廃止措置計画の工程を延長しているところでございます。
 これは、商用炉としてはある種初めて行っているという意味で、最初にやっているものの苦しみというものがあるわけでございますけれども、今回の延期理由につきましては廃棄物の容器の仕様等を決めるのに時間を要したということでございまして、どういったスペックで容器を造るのかといったところから考えながらやっていかなければいけないということで試行錯誤をした結果、延期をしているような状態でございます。
 こうした中、昨年の四月に開催された国の審議会におきましては、今後の廃炉に係る取組の方向性ということで、電力各社が連携をしていくことが大事だ、つまり、最初にこういう仕様が決まってきますと、そういったものを共有していくとか廃炉作業に要する装置を共同調達していくとか容器の仕様を標準化していくとかといった形で、最初、産みの苦しみはあるかもしれませんけれども、そういったものをみんなで共有していけるようになれば、以降のものが速やかに進んでいくのではないかということで、こういった共同事業や標準化といったことにしっかり取り組んでいこうということにしたわけでございます。
 また、海外のケースをしっかり学ぶ必要があるということでございまして、廃炉、アメリカとかでも相当進んでおりますし、それを効率的に進める方法といったような廃炉の専業の会社といったようなものも出てきているわけでございます。こういった諸外国の経験、ノウハウを共有、吸収していくということも大事ではないかということで、こうした目的から国際ワークショップを開催をしているところでございまして、こういったところに廃炉を計画するような事業者にも積極的に参加をいただき、また国がこれを支援をして、国内の廃炉を円滑に進めていくような取組を進めてまいりたいと考えてございます。

#74
○平木大作君 東海原発については、産みの苦しみだったということ、容器の仕様を決めるところから一からやらなければいけなかったという御説明、丁寧にいただきました。ありがとうございます。
 是非とも、今答弁の中にありましたように、まさに各社が、せっかく共有できる、そういったノウハウ、たまってきているところかというように思っていますので、しっかりこれ、連携を密にしていただきたい。また、アメリカも進んでいるということでありますから、そういったところのノウハウも取り入れて円滑に進めていただきたいわけですが。
 ここでちょっと本論に戻るわけですけれども、こういった、結局、廃炉作業から様々放射性廃棄物というのが生まれてくるわけであります。ちょっと今日お伺いしておきたいのは、いわゆるL1とかL2と呼ばれる放射性廃棄物につきましては、基本はこれ、電気事業者の方で処分場を探すということになっていると思っておりますが、現状どうなっているのか、お伺いしたいと思います。

#75
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員から今御指摘いただきましたとおり、いわゆる使用済燃料以外の高レベルではない低レベルの放射性廃棄物につきまして、放射能レベルに応じて高いものから順に、L1、L2、L3という三段階に分けてございます。L1は制御棒のような比較的濃いものでございまして、L2は廃液とかフィルターといったものの廃棄物、L3は解体コンクリートということで、低レベルの中でも最もレベルの低いものというような段階に分けて、それぞれ原子炉等規制法に基づき処分方法が定められているところだと承知をしてございます。
 そのうち、運転に伴って発生する廃液やフィルターなどのいわゆるL2、L3に相当する廃棄物につきましては、現在、地元の御理解と御協力をいただきまして、六ケ所の低レベル放射性廃棄物埋設センターにおきまして既に埋設が実施されているところでございます。また、廃炉に伴って発生するコンクリートなどの特に低いL3に相当する廃棄物につきましては、例えば先ほど申し上げました東海発電所で、敷地内で処分する方向で原子力規制委員会の審査が進められているものと承知をしてございます。
 一方で、L1に相当するいわゆる制御棒等の廃棄物でございますけれども、これは、発生者責任の原則の下で事業者自らが処分場所の確保などに取り組むという方針の中で、二〇一八年十一月にも開催しました、これは、大臣と各電力会社トップが集まる使用済燃料対策推進協議会におきまして電力事業者の方から、社長から、廃棄物の処分については、発生者として責任を持って処分確保等も含め必要な検討や取組を進めるという方向性が示されたところでございます。
 そのような取組状況でございまして、経産省といたしましても、事業者がその責任をしっかり果たせるように、例えば、研究開発で必要なものについては国がその研究開発を支援するといったようなことも含めて促進をしてまいりたいと考えてございます。

#76
○平木大作君 今、L2とかL3というものについては一部その状況が進んでいると、進捗があるということでありましたが、L1についてはなかなか難しいところがまだあるというような御答弁だったかと思います。
 結局、この制御棒のようないわゆるL1と呼ばれる廃棄物につきましては、これ、規制庁の方でも方針は示していただいているんですね。十万年後まで深さ七十メートル以上の安定的な地下に埋めなければいけないということでこの方針までは出ているんですが、実は、その具体的な規制基準自体はまだ策定がなされていないということで、一部には、この基準が決まっていないからなかなか実は処分場の選定が進められないというようなちょっと声も聞くんでありますけれども、これ、策定はいつぐらいになりそうなのか、お伺いしたいと思います。

#77
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
 いわゆるL1、中深度処分の対象でございますけれども、その基準に関しましては、今御指摘ございましたように、これまで、規制の考え方というもの、それから私ども、それを基に基準の骨子というものを策定をいたしております。その上で、本年一月の十五日の原子力規制委員会におきまして、この中深度処分に係る具体的な規制基準、それから関連する審査のガイド、こういった一連のものを策定する方針につきまして審議が行われたところでございます。
 原子力規制委員会といたしましては、この策定の方針に基づきまして、本年中を目途に関連する規制基準等の策定を行うべく、現在作業を進めているという状況にございます。

#78
○平木大作君 今の、本年中ということですね。分かりました。もうちょっと先になるかもしれないという話も一部聞いていたんですけれども、急いで取り組んでいただけるというふうに受け止めました。
 これ、今お伺いしたのは、L1ということですから、中深度の処分。ちょっと参考までに確認しておきたいんですけれども、中深度ではなくていわゆる地層処分の件ですね。この地層処分を行う場所については、これまでも、この科学的特性を考慮する必要があるものについてその基準ですとか要件、それと併せて、日本全国どこにそういった分布があるのかということを示したいわゆる科学的特性マップというものがあるわけであります。発表されてからちょうど大体二年半ぐらい経過をしておりまして、改めて、この中深度と地層処分というとそもそも処分が違うわけですけれども、何か参考に資するところってないのかなと。
 既に科学的特性マップの中で示されたいろいろな基準等でもっと何かほかに検討しなきゃいけないことがあるのかどうかということ、それから、そもそも、その中深度と地層処分ということで、いや、全然そもそも見るところが違うんだということなのか、ちょっとこの点について確認をさせていただきたいと思います。

#79
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
 今御指摘がございましたように、この科学的特性マップ、対象は高レベルの放射性廃棄物ということでございますが、私ども現在検討しておりますのはいわゆるL1の廃棄物、炉内構造物等の、そういった比較的低いものが対象ということでございますので、まずはその対象物が全く異なっているということでございます。
 したがいまして、私どもの規制基準に関しましては、この科学的特性マップとは関連はちょっと今のところはないということでございまして、現在、それの基準の策定に注力をしているというところでございます。

#80
○平木大作君 なかなか、素人の考えでいくと少し関連はあるんじゃないかと思ってお伺いしているんですけど、なかなかそういうのは難しいという御答弁だったかと思います。
 この科学的特性マップについてはもう一点ちょっと確認したいんですが、これ、二年半前に公表されて、これまでは国とNUMOの方で科学的特性マップ、今度は全国各地できめ細やかな対話活動を進めていくんだということが公表されていたわけでありますが、これまでの活動状況、それから、調査の受入れ等についてもし自治体から何らかの反応を得ているようでありましたら、お伺いをしておきたいと思います。

#81
○政府参考人(村瀬佳史君) 先ほども若干答弁の中で触れさせていただきましたが、マップを公表して以降、精力的に対話型の全国説明会を開催してきておりまして、これまで八十回以上の実施をしているところでございます。二〇一八年十月からは、さらに、可能性が相対的に高いグリーン沿岸部も中心にした更にきめの細かなフェース・ツー・フェースの説明会も始めたところでございます。
 そうした中で、より深く知りたいというふうに関心を示していただいているグループが増えてきております。これは各国、カナダですとかイギリスも、やはり全国説明会をする中で、こうしたより深く学びたい、知りたいという団体が出てきて、そういうところにより詳しい情報を御提供していくというフェーズに入ってございますので、我が国もそういった海外の状況も踏まえて、よりこういう、この問題についての関心を持っていただける方々に、より丁寧な具体的な説明をしていくということを新たなフェーズでは取り組んでまいりたいということで、その取組を始めているところでございます。
 具体的には、そういう団体が現在五十グループほど出てきてございます。これを、昨年末、十一月に取組方針というのを審議会で議論をしていただいて、二〇二〇年、つまり今年にはこの五十グループを倍増させていこうという取組方針を決めたところでございまして、現在、この対話型の説明会の中で、関心を持っていただける、深い関心を持っていただける数を増やしていこうという取組を進めているところでございます。
 そうした中で、より深く知りたいという、中身で、自分たちの地域の発展にどういうふうに貢献するのかというのを知りたいと、一般的な事業そのものではなくて自分たちにとっての意味を知りたいという方々も増えてきておりますので、そういう方々に向けては、地域の発展イメージとしてどういう関連が出てくるのかといったような情報も提供していくという取組を今しているところでございます。
 こういった形で、関心の深みを持っていただいている方に今取組を強化しているということで、取組を昨年末から開始をしているところでございます。

#82
○平木大作君 この科学的特性マップについては、二年半前、公表するときにも、こんなもの出していいのかみたいなことも含めて反発もあったというふうに思っておりますけれども、ある意味、持っている情報をきちんと示して、透明な議論あるいはきちっと説明をし尽くすという中でしか、やはり原子力に対する信頼というものを勝ち取る、取り戻すということは私はできないというふうに思っておりますので、二年半、様々な御苦労はあったかと思いますけれども、これまで進めてきていただいたことに感謝申し上げたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりましたので、何問か残してしまいましたが、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

#83
○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
 本日のテーマは原子力問題に関する件ということでございますので、私からは、原子力規制委員会の公文書管理、福島県の県民健康調査における甲状腺検査、これはがんを発見する検査ですね、そして福島第一原発の処理水への対応、この三点、三テーマについて御質問させていただきます。
   〔会長退席、理事岩井茂樹君着席〕
 初めに、原子力規制委員会の文書管理についてお伺いをいたします。
 昨年十一月、メディアの取材をきっかけに、原子力規制委員会に本来保管されているはずの行政文書約十万件のうち約一万八千件の所在が不明となっていること、そして、法令で求められている行政文書管理簿を公表していなかったことが発覚いたしました。
 組織改編とその引継ぎの中で混乱した中、文書管理がなされていたということが一因のようではありますが、どのような事態であっても、どのような事情であっても、行政組織において公文書管理を適切に行い、国民のために情報公開を徹底することは民主主義の基本であります。公文書管理については今国会においても大きな論点の一つとなっており、東日本大震災以来、国民的議論が巻き起こっている原子力を扱う原子力規制委員会までがこうしたずさんな公文書管理体制であったことは大変遺憾に思います。
 現在、この問題について突合、突き合わせと公表の作業が進められているとのことですが、この問題を機に委員会内で抜本的な公文書管理体制の改革を行うべきであると考えます。
 原子力規制委員会として、今後の文書管理の在り方、改善策についてどう取り組むのか、まずはお伺いをいたします。

#84
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の十万件の行政文書ファイル、これは、原子力規制委員会の発足時、それからその後の組織改編も含めまして、旧組織から引き継いだ行政文書ファイル約十万件の問題でございます。
 原子力規制委員会におきましては、この旧組織から引き継いだ行政文書ファイルの管理の適正化を進めるということを目的に、まず、平成二十七年の十二月に、規制庁の長官及び文書管理者の課室長等で構成する文書管理適正化チームを設置をいたしました。ここでどのように適正化を図っていくのかという方針を議論いたしまして、その後、平成二十九年の十月から毎年、文書管理週間の設定によりまして、集中的な文書整理というものを職員を総動員するような形で行ってきております。また、平成三十一年の四月には、公文書監理官及び公文書監理・情報化推進室の設置ということで体制も強化をいたしました。
 このような取組を通じまして、委員、一万八千件というふうにおっしゃいましたけれども、今年の一月に原子力規制委員会で進捗を報告した際には、これは途中段階の数字として約九千四百件というふうに減ってきているところでございます。
 いずれにいたしましても、これらの方策を通しまして、行政文書の管理の改善に引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

#85
○音喜多駿君 メディアが発表したときからは半分までに減ったということでございまして、ただ、それでもまだ一万件近く不明なものが残っていると。そして、現在の取組を御答弁いただいたわけですけれども、チームをつくる、集中週間をつくると。どれも基本的には全て人の力で文書管理の問題を解決しようとするものであって、これでは全く不十分で、まだまだ危機感が足りないと言わざるを得ないと思います。
 事原子力行政については、原子力基本法が第二条で公開の原則を定めるなど、公開、自主、民主、この原則を厳しく守る必要があり、原子力規制委員会も当然これを遵守しなければなりません。その中核である公文書管理は、他省庁に比しても厳格に、そして先進的に取り組む必要があるはずです。そのためには、人の力だけではなく、システム、管理体制そのものを抜本的に改善するべきだと考えます。
 具体的には、日本維新の会は既に、公文書管理については、行政文書を原則全て電子化、永久保存し、記録の改ざんが極めて難しいとされるブロックチェーン技術を活用するなどとした公文書管理法の改正案を過去に提出しております。政府も昨年、公文書の全面電子化を進めることを決定しましたが、先ほどから申し上げておりますように、原子力規制委員会は他省庁よりも先進的に公文書の電子化を進めるべきだと考えます。
 そこで、原子力規制委員会の公文書の電子化の現状と今後の目標についてお伺いをいたします。

#86
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度時点で原子力規制庁が保有する行政文書ファイルにおける電子媒体の割合は、約一・四%でございます。これは、旧組織から、先ほど申し上げましたように、十万件の行政文書ファイルを引き継いでおりますが、それらは全て紙媒体でございます。したがいまして、分母が非常に大きゅうございますので、当然割合は低いということになってございます。
   〔理事岩井茂樹君退席、会長着席〕
 ただ、委員御指摘のように、我々も、そういう政府全体の方針が示されている中で電子化については取り組んでいかなければいけないというふうに考えてございます。まずはその紙媒体の管理というものをしっかり確定をした上で、次の段階として電子化というものにしっかりと取り組んでいきたいと。政府の全体の方針、二〇二六年を目途に本格的な電子的管理に移行するといった理念が定めている、そういう基本方針にのっとって原子力規制庁としても電子化の推進に努めていきたいというふうに考えてございます。

#87
○音喜多駿君 本当、様々な引継ぎとか組織の立ち上げで御苦労があった中で頑張っておられるんだと思うんですけれども、原子力規制委員会の公文書の電子化状況は何と一・四%と。昨年から、私、さきに別の委員会でも政府全体の電子化を我々は確認したところ、六・七%、これはもうひどい状況だということを指摘してきたわけであります。諸外国は、アメリカとか韓国、もう九八%、ほとんど一〇〇%近く電子化されている中で、日本は六・七という状況と、それより更に低い一・四%と。こういう事実は是非皆さん、知っていただかなければいけないというふうに思います。
 そうした中で、本来最も進んでいないといけない原子力規制委員会の公文書の電子化、これが進んでおらず、今後も、政府が目標を出したとはいえ、漫然と政府と足並みをそろえるというだけでは、これは非常に問題ではないでしょうかと。公文書管理に、端から見ればちょっと熱心ではないのかな、不十分ではないかと、そう思われてしまっても致し方ない事態だと思います。更田委員長も、この問題について記者会見で、致し方ないと言うつもりはないが、努力をした結果だというふうに述べたということが伝わっております。これはもちろん切取り報道の側面もあるんですが、原子力行政における公文書管理にもっともっと是非危機感を持っていただきたいと思います。
 東日本大震災以来、原子力行政は国民の最大の関心事項の一つであり、その信頼性はまさに瀬戸際に立たされていると言っても過言ではありません。原子力行政の公開の原則を堅守するためにも、そして信頼回復のためにも、他省庁に先駆けて文書の総電子化と永久保存、これを委員長が先導し、リーダーシップを発揮して推し進めるべきと考えますが、更田委員長の御見解をお伺いいたします。

#88
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 発足時の経緯につきまして今ここで申し上げるのはふさわしくないかもしれませんけれども、設置法で求められたいわゆる新規制基準の策定に一年間、核燃料等に関して一年半、そういった中で十万件を超える文書を旧組織から引き継いだというところに大きな問題があったと考えております。これから作る文書の電子化というのはこれはシステムによって対処が可能ですけれども、既に紙で積み上がっているものの電子化というのが頭の痛いところではあります。
 いずれにしましても、原子力規制委員会としましては、公文書等の管理に関する法律の趣旨を踏まえつつ、適切な保存期間の設定を行うとともに、政府全体の基本方針に従って行政文書の電子的管理を積極的に進めてまいりたいと思います。

#89
○音喜多駿君 限られた人員の中でいろいろ進められている御苦労はあるかと思うんですけれども、今回、担当の職員の方とも意見交換させていただきましたが、その方がなかなか現状把握されていなかったりとか、やはりちょっとなかなか戦力不足なのかなというところを率直に感じました。こうしたところを乗り越えていただいて、是非人員の強化、能力の強化をしていただいて、他省庁よりも踏み込んだ独自の取組ということを更田委員長がリーダーシップを取って原子力規制委員会から行っていただきたいということを強く要望をいたします。
 次に、ちょっと通告書とは順番変えさせていただきまして、先に、原発事故に関連して、福島県で行われている県民健康調査における甲状腺検査についてお伺いをしたいと思います。
 これは、原発に対する風評被害、放射線に対する風評被害とも密接に関係することから、原子力・エネルギー行政を考える上で避けて通れないテーマであると思っています。この県民健康調査は福島県が実施しているもので、国、環境省が支援をしている事業ですが、もちろん国にも一定の責任があるものであると考えます。原発事故による放射性物質の拡散や避難等を踏まえ、県民の被曝線量の評価や健康状態の把握が目的であり、県民の皆様にとって極めて重要な事業であると認識をしております。
 ただ、その調査の一項目に十八歳以下の子供たち向けで甲状腺検査があるわけですが、これがとりわけ、がん発見について過剰検査、そして過剰診断になっているのではないかという指摘が多数の専門家からなされております。
 甲状腺がんの過剰診断とは、成長を止めてほとんどが一生気付かれない、本来的には見付けなくてもよかったがんを発見してしまうことを言い、このことによって、本来は必要なかった、いわゆるやらなくてもよかった手術を受けることになったり、若いうちからがん患者という、そういったレッテル、認識を貼られることで様々な不利益を被ることにつながってしまいます。そして、主流学術団体、国際機関は、こうした過剰診断の問題を指摘した上で、福島において検査をこれ以上することについては非推奨、推奨しないという見解を繰り返し示されております。
 原発由来の甲状腺がんが認められるのであれば全く話は別となりますが、原発事故由来の放射線被曝と県民調査で判明した甲状腺がん罹患について因果関係があるのかどうか、これをまず所管の環境省にお伺いいたします。

#90
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
 福島県県民健康調査で見付かっております甲状腺がんにつきましては、環境省や国連、それから福島県がそれぞれ開催をした専門家会議におきまして、いずれも現時点では放射線の影響とは考えにくいという趣旨の評価がなされております。
 昨年の七月の福島県の県民健康調査の検討委員会におきましては、現時点において、甲状腺検査、本格検査に発見された甲状腺がんと放射線被曝の間の関連は認められないとの甲状腺検査評価部会まとめが、検査二回目の結果に限定されたものであるなどの一定の見解を付した上で了承されているところでございます。

#91
○音喜多駿君 因果関係はないと、原発由来の甲状腺がんというのは認められないということを明確に御答弁をいただきました。
 そもそも、甲状腺がんの検査は、検査をすれば多発見されるということは、医学界では半ば常識でありました。それが県民の方には正しく伝わっておらず、それゆえ混乱をしてしまったといった声もいただいております。
 因果関係がないのであれば、なぜこれ以上甲状腺検査を継続するのか、そこに科学的な理由や根拠があるのかどうか、これについてもお伺いいたします。

#92
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
 福島県の原発事故に係る住民の健康管理は、医学の専門家の御意見を十分に尊重した上で、コンセンサスが得られた科学的知見に基づいて進めることが何よりも重要と考えております。
 福島県の健康調査におきましては、小児の甲状腺がんが増加するのではないかとの懸念が高まったことを受けまして、県民の不安に応えるために始まりました。県民の健康を長期に見守るため、この健康調査が実施をされております。
 今後の甲状腺の検査の在り方につきましては、福島県の県民健康調査検討委員会で議論されているものと承知しておりまして、環境省といたしましては、検査を希望する人が十分な説明を受けた上で受診できることが重要という観点から、この検討委員会の議論を注視してまいりたいと考えております。

#93
○音喜多駿君 今御答弁があったように、当初は県民の皆様の不安を取り除く、不安に寄り添うために甲状腺がん検査というのがスタートして、そこに対して必要だったのかもしれません。しかし、約十年が経過した今、因果関係が明確に認められないのであれば検査の弊害を併せて考える必要がありますし、その上で継続するか否かということを判断するべきで、具体的にはやめるという選択肢もこれは積極的に検討するべきであると考えます。
 このまま県の計画どおり三十五歳まで検査を続けると千五百例程度が発見され、そのほとんどが過剰診断の被害になり得るということが学会では報告をされています。こうした過剰診断という指摘があることを環境省はどう受け止めているのか、そして過剰診断に対してどのような取組を具体的にしているのか、この点についてお伺いいたします。

#94
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
 福島県の県民健康調査の検討委員会に設けられております甲状腺検査評価部会の中間取りまとめにおきましては、福島県の調査で見付かっている甲状腺がんにつきまして、被曝による過剰発生、すなわち、実際に放射線により甲状腺がんが増加していることの可能性が完全に否定されるものではないけれども、今御指摘のありました過剰診断、すなわち、受診者が元々持っていたけれども、生命に関わったり症状をもたらしたりしないようながんまでをも診断してしまっていることの可能性が高いということがこれまでの科学的知見から指摘をされております。
 こうした過剰診断に対する対応につきましては、日本乳腺甲状腺超音波医学会のガイドラインに従いまして、治療の必要性が低い病変ができるだけ診断されないような対策を講じております。
 また、福島県では、検査対象者に、検査のメリットやデメリットにつきまして、より丁寧に説明する甲状腺検査の案内文を今年の四月から送付するということで、希望者が受診できるような取組を行うというふうに承知をしております。

#95
○音喜多駿君 検討委員会の方でも過剰診断の可能性が高いということ、そして環境省も過剰診断のリスクは認識しているといった内容を御答弁いただきました。
 福島県が検査を続けておられるのは、県民の皆様の安心したい、不安だと、そういったお気持ちを踏まえてのことだと思いますけれども、そもそもこの過剰診断についての知識をしっかりと伝えられているのか、その点にはまだ疑問が残っています。
 現在、福島県でどのような検査が行われているのかといいますと、学校の授業中に半ば強制的に検査をされているという声も届いております。甲状腺がんとはどういうものなのか、進行しないがんもあることなどを説明されていない、そういった御意見も実際に伺いました。確かに、検査を続けることによって一部の方は安心するのかもしれませんが、その結果、そうなる必要がなかったのに、社会的にがん患者となってしまい、犠牲になる人が出るのが過剰診断の一つの大きな問題です。
 例えば、十代でがん患者ということになりますと、その後の進学、就職、結婚、出産などライフステージのあらゆるタイミングで、言わば差別的な扱いというのを受けてしまう可能性が高まります。一例を挙げますと、主要な生命保険に入れず、場合によってはローンを組めず家も買えないということが発生する可能性があると。日常でも、一生、経過観察、通院が必要となるケースがありますし、また、手術をした場合、体調不良が続き、服薬をしなくてはならない、そういったケースも発生します。
 こうした過剰診断の弊害に加えて、福島県の場合、福島県全体の風評被害のことも考えなくてはなりません。過剰診断が続くことによって、いまだに福島県では放射線被曝があるのではないかというような誤解や悪いイメージを持たれる可能性があるからです。
 すなわち、本来見付ける必要のないがんを県民調査で見付けることによって、福島で一時的には、甲状腺がんに罹患する、この患者数を増やす結果になると。そのデータをもって、福島は危険である、原発由来の放射線による甲状腺がんであると、こういった間違った認識を生み出す結果につながっている可能性があるのではないでしょうか。これは、観光産業や農林水産業を始め福島県全体に大きなダメージを与える、そういった一因になりかねません。
 原発事故と甲状腺がん罹患についての因果関係はありません。そして、検査による過剰診断という状況は現に発生しています。さらに、甲状腺検査を続けるがゆえに、地域の不安、ひいては風評被害につながっているのではないかという懸念もあります。もはや福島県の健康調査における甲状腺検査をやめる段階に来ているのではないかと考えますが、これについて国の見解を伺います。

#96
○政府参考人(田原克志君) お答えいたします。
 先ほどもお答えいたしましたように、福島県では、甲状腺検査の対象者に対しまして、検査のメリットだけでなくデメリットをより丁寧に説明する案内文を送付するなど、希望者が受診できるような取組を行うものと承知しております。
 また、福島県の検査で見付かっております甲状腺がんにつきましては、専門家の会議におきまして現時点では放射線の影響とは考えにくいという趣旨の評価がなされているところでございますけれども、このことにつきまして、毎年、福島県立医科大学において、県民等に対して福島県県民健康調査報告書を公表するとともに、シンポジウムを開催し、甲状腺検査の結果やその評価等の周知を図っているところでございます。
 環境省におきましても、県民健康調査の結果や放射線の健康影響に関する科学的知見等を統一的基礎資料としてまとめまして、ポータルサイト等で広く公表しているところでございます。今後とも、正しい知識の発信、普及に努めてまいりたいと考えております。

#97
○音喜多駿君 環境省もできる範囲で頑張って情報発信等をされていらっしゃるということはもう十分存じておりますし、それは引き続き頑張っていただきたいんですけれども、やっぱりこの検査が続いているという一事をもって情報を何というか自分のいいように解釈して、風評被害につながるような発信をしてしまう方が世の中いるということも事実であります。
 そして、これが福島県がやっている、主体としてやっている業務であるということも事実ではあるんですが、やはり国としてもこれはしっかり、こういった今の実態、過剰診断、そして風評被害と、こうしたものに一層向き合っていただいて、来年でちょうど十年ということになりますので、ここは一区切り付ける一つの機会でもあると考えておりますので、この点、私も、環境省そして大臣等々とも今後も議論していきたいと思いますので、御検討をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、最後のテーマで、福島第一原発に保管されている処理水の問題についてお伺いをしたいと思います。
 私ども日本維新の会は、昨年来、この処理水の処分方法については早期の海洋放出を提言してまいりました。更田委員長にはもう釈迦に説法なことではありますけれども、処理水は、多核種除去設備をフル活用し、必要な希釈を行えば海洋放出ができるものであり、日本各地の原子力施設から大規模に海洋放出されてきた処理水と何ら変わるところはありません。
 そして、今月に入り、経産省は、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会、これは、海洋放出について他の方法よりも確実であるとの結論が出されました。
 原子力規制委員会は、この報告書、そして海洋放出が現実的だとされる案についてどのような見解をお持ちかどうか、まずは伺います。

#98
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 原子力規制委員会といたしましては、放射性液体廃棄物の海洋への放出というものについては従来からほかの原子力施設でも行われているものでございまして、こういった実績を踏まえれば、処理済水の処分方法として海洋放出が現実的な選択肢であるというふうに考えてございます。その際、規制基準を満足する形で海洋放出を行うということであれば、環境への影響はないものというふうに認識をしているところであります。

#99
○音喜多駿君 改めて、科学的には問題ないと、そして海洋放出は現実的であろうということを確認させていただきました。
 我々が繰り返し指摘をしてきたとおり、科学的には問題ないにもかかわらずちゅうちょしている今の状況こそが、この風評被害というものを増長させているのではないかというふうに考えています。事実、お隣の韓国では、福島を殊更に危険視する発言が政治家からも発せられております。しかし、韓国含めて世界全体で海洋放出されている放射性液体廃棄物と、福島で化学的処理をして放出する処理水とではほとんど性質は変わらないと。すなわち、トリチウムは既に世界中の原発で海洋放出されており、福島の処理水を海洋放出しても環境への影響はないわけです。このことは、度々我々も国会の各種委員会で確認をさせていただいております。
 こうした中、松井一郎大阪市長は、大阪での海洋放出に前向きな発言をしています。こうした意欲のある自治体、福島の風評被害を救うために動いてくれるような自治体が増やせるよう、海洋放出の安全性をより周知した上で全国の自治体が手を挙げやすい環境をつくるべきと考えますが、政府、経産省の見解をお伺いいたします。

#100
○政府参考人(新川達也君) お答え申し上げます。
 多核種除去設備、いわゆるALPS等で浄化処理した水の取扱いにつきましては、風評などの社会的な影響も含めた総合的な検討を国の小委員会で行ってきたところでございます。御指摘のように、二月十日付けで報告書の取りまとめが行われております。技術的には、水蒸気放出及び海洋放出が現実的な選択肢であるという趣旨の取りまとめが行われております。
 具体的な処分方法につきましては、政府として、今後、地元を始めとした関係者の御意見を丁寧にお伺いした上で、風評被害対策も含めて結論を出してまいりたいと考えております。
 なお、福島県外での放出につきましては、小委員会においても議論が行われましたが、報告書におきまして、敷地外へ処理水を持ち出すことについて、保管施設を設置する自治体や関係者等の御理解や原子力規制委員会による設置許可が必要となること、運搬時の漏えい対策を含む運搬方法の検討や運搬ルートの自治体の御理解を得ることが必要となることといった、相当な調整と時間を要するとの指摘がなされております。
 いずれの処分方法を採用するにかかわらず、小委員会の指摘も踏まえ、生活圏への科学的な影響は生じさせないことを大前提に、総合的で分かりやすい情報発信や様々な属性の方を対象とした出前講座などの取組を行うなど、しっかりとした科学的な事実に基づき、広く国民の皆様に御理解いただくべく、丁寧な情報発信を行ってまいりたいと考えております。

#101
○音喜多駿君 これまでは、やはりこの小委員会が行われているからという答弁で言わば結論を先送りをしてきた面があるわけでありますけれども、その結論もいよいよ出たと。今、いろいろとまた理由を付けるのはたくさんできるんですけれども、時間が掛かると言われながら、やっぱりこれはもうターゲット、期限を明確に決めてスケジュールを持ってこれは進めるべきだというふうに我々は考えております。
 時間が間もなく参りますのでちょっと一問飛ばして、最後に更田委員長にお伺いしたいんですけれども、こうした処理水の問題、海洋放出ができれば最も合理的な解決策だと思います。
 そこで、本テーマの最後に、工学博士で科学者でもあられます更田委員長に、小委員会でこの海洋放出がおおむね了承されたことをもって、原子力規制委員会委員長からも、科学的に問題ない海洋放出については前向きに検討するように政府を後押ししていただきたい、後押しするべきと考えますが、委員長の御所見をお伺いいたします。

#102
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 いわゆるALPSの処理済水の処分につきましては、私の前の田中俊一委員長の時代から、原子力規制委員会としては、海洋放出、十分な希釈をして、基準を満たした上での海洋放出が最も現実的な手段である旨を表明をしております。
 しかしながら、この処理済水の処分、仮に海洋放出というふうに決定がなされたとしても、その準備期間、例えば施設の整備ですとか設計、そういったものにおおむね二年ぐらい掛かると考えております。したがいまして、タンクの貯留容量が限界を迎えるぎりぎりのところに来ておりますので、引き続き、早く決定がなされるように原子力規制委員会としても発信に努めてまいりたいと考えております。

#103
○音喜多駿君 ありがとうございました。
 時間が参りました。是非、今の規制委員長の言葉を含めて経産省、政府に御検討いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。

#104
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今日、ほかの議員の皆さんからも質問がされておりますけれども、私からも伊方原発三号機について質問をいたします。
 一月十七日に広島高裁が、四国電力伊方原発三号機の運転差止めを認める決定を下しました。福島事故の後、裁判所による運転差止めの判断は五件目です。高裁段階では二件目で、これ、二件とも伊方の三号機です。
 今回の決定は、住民側が主張しました福島事故のような過酷事故は絶対起こさないという意味での高度な安全性を要求すべきである、その理念は尊重すべきだとしております。その上で、具体的な危険性の判断に当たっては、「ある問題について専門家の間で見解が対立している場合には、支配的・通説的な見解であるという理由で保守的でない設定となる見解を安易に採用することがあってはならない。」と指摘しました。
 委員長に伺いますが、原発に求められる安全性についてのこうした考え方について、どうお考えでしょうか。

#105
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 原子力発電所の安全性を考える上では、やはり純粋に科学的、技術的な見地から、マジョリティーのやはり専門家の中での通説となっている、広く認められる見解というものにしんしゃくすることが重要であろうというふうに考えております。
 原子力の安全については、リスクは決してゼロにはなりません。この認識の下に継続的に取り組むことが重要でありますけれども、原子力利用の安全が確実に担保されるように、今後とも、研究であるとか海外の事例であるとか、もう様々なものに目を配っていくということが重要であろうというふうに考えております。

#106
○山添拓君 通説だけに依拠していれば、最新の知見を反映させるということはなかなかできないと思うんですね。そして、その結果があの東日本大震災の福島原発事故でもあったわけです。様々な批判があり、指摘があったにもかかわらず、それを無視してきた、その結果があの事故だったということの反省が私にはちょっと感じられないように今お見受けしました。
 高裁の決定は、地震と火山の両面で規制委員会の判断に問題がありといたしました。地震に関する四国電力の主張が退けられたのは今回初めてです。伊方原発の近くに活断層がある可能性が否定できないにもかかわらず、調査が不十分だとしたものです。
 原発の敷地内に活断層がある場合、その上に原子炉などの重要施設を設置することはできません。一方で、新規制基準の下では、震源が敷地に極めて近い場合、この場合にも地震動の評価を行うこととされました。
 その上で、規制庁に二点伺います。
 この極めて近いというのはどのぐらいの距離を言うのか。また、極めて近い震源、活断層について、その地震動を評価すべきとされた理由は何ですか。

#107
○政府参考人(大村哲臣君) お答え申し上げます。
 サイトによりまして震源からの距離に応じた地震動の特性が変わってくるということになります。震源が敷地に極めて近い場合のこの距離のお尋ねでございますけれども、この規制基準におきましては、性能規定化をしているということで、具体的などのぐらいの距離というのは数値を定めていないということでございます。
 それから、二点目でございますけれども、震源が敷地に極めて近い場合、この地震動評価におきまして、基準上詳細な検討を求めるというのはそのとおりでございますが、その理由につきましては、まず、震源ごく近傍の地震動に対しましては、震源の破壊の様式であるとか地下構造の不均質性、こういったものがより大きな影響を与える可能性があるということ、それから、内陸の地殻内地震におきましては、震源のごく近傍の観測記録がこれが十分に得られていないということで、検証データが少ないというようなこともございます。
 こういったことを勘案いたしまして、評価に不確定性が伴うであろうと、こういうことを考慮をして評価をするということになったということでございます。

#108
○山添拓君 せっかくレクをしましたのに答えていただいていないんですが、敷地の近傍の震源による地震は、敷地の地表に、あるいは原子炉施設にどのような影響を与えるか未解明な点もあるために慎重に考慮すべきだと、こういう趣旨での改訂なんだろうと思います。
 前段の距離ですけれども、二〇一五年の一月に、福島第一事故を踏まえた震源極近傍の地震動評価の高度化、こういう見解を規制委員会としてもまとめられていると思います。その中では距離についてちゃんと定めているじゃないですか。

#109
○政府参考人(大村哲臣君) 今の御指摘の点でございますけれども、これは規制委員会の判断ということではなくて、規制庁が行っております、技術基盤グループが行っております安全研究、この中で、今御指摘のように、この断層から二キロメートル程度、これの近傍では全体の断層の破壊というものも、そういう場合は浅い部分の破壊も考慮する必要があるというようなことは、これは安全研究の一環としてまとめられたというものでございます。

#110
○山添拓君 そこで、委員長に伺いますけれども、伊方原発については、この震源が敷地に極めて近い場合の地震動評価というのはなされているんでしょうか。

#111
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 伊方原発三号機に対する審査におきまして、震源が敷地に極めて近い場合の地震動評価というのは行っておりません。
 新規制基準の審査において、御指摘の敷地近傍の地質境界断層としての中央構造線につきましては、海底深度測量による海底面の断層地形調査の結果から海底に中央構造線断層帯以外の変動地形が認められなかったこと、並びに敷地に近い湾内の海岸線近くまで実施した音波探査の結果から敷地近傍には活断層が認められなかったことなどから、活断層ではないことを確認をしております。
 また、伊方原子力発電所沖の基準地震動について、中央構造線断層帯は敷地の沖合約八キロメートルを通過しており、地震調査研究推進本部の中央構造線断層帯と九州側の別府―万年山断層帯を連動させ、不確かさを十分に考慮して策定をしております。
 なお、設置変更許可後の平成二十九年十二月に地震……(発言する者あり)もうよろしいですか。

#112
○山添拓君 大分先回りして答弁いただいているんですが、ないということなんですね、していないと。
 政府の地震調査研究推進本部、今委員長からの答弁にも出ましたけれども、二〇一七年の十二月、中央構造線断層帯の長期評価第二版を発表しました。これは、近畿地方の金剛山地から淡路島、四国の北部、そして、佐田岬半島、伊予灘、別府湾、由布院に至る長大な断層ですね。
 この地震本部というのは、一九九五年に阪神・淡路大震災を受けて作られた地震防災対策特措法の下で、行政の施策に直結すべき地震に関する調査研究、その責任体制を明らかにし、政府として一元的に推進するために設置をされた特別な機関です。地震本部が発表する長期評価は、活断層などによる地震を対象として、その規模や一定の期間内に発生する確率を予測したものです。ですから、これは言わば国を挙げての地震予測というべきものです。
 所管する文科省に伺います。
 中央構造線断層帯の長期評価において、伊方原発の周辺の活断層の有無についてはどのように記載されていますか。

#113
○政府参考人(岡村直子君) お答えさせていただきます。
 御質問の中央構造線断層帯の長期評価第二版でございます、における佐田岬半島沿岸の中央構造線に関する部分の記載でございますが、伊予灘南縁、佐田岬半島沿岸の中央構造線につきましては、現在までのところ探査がなされていないため活断層と認定されていない、今後の詳細な調査が求められるとされております。

#114
○山添拓君 文科省に確認ですけれども、二〇一七年十二月の発表までに佐田岬半島沿岸に活断層があるかどうかについての詳細な調査はなかったと、こういうことですね。

#115
○政府参考人(岡村直子君) 当該部分につきましては、地震調査委員会におきましては、学会ですとか民間等々に多大な情報がございますが、それに関しまして、地震調査委員会では、事務局及び有識者が会議において必要と思われる情報を照会し、議論をするという形式を取ってございます。そういう事実関係に基づいた議論もしてございます。
 以上でございます。

#116
○山添拓君 事実関係に基づいた調査の上でこのような記述になっているわけです。
 重ねて伺いますけど、原発立地地域やその周辺では事業者によって活断層調査が行われます。そのことは地震本部においても認識していますね。

#117
○政府参考人(岡村直子君) はい、認識をしております。

#118
○山添拓君 二〇一七年十二月以降現在に至るまでに、この活断層の有無について新たな知見が得られたと、こういう情報はありますか。

#119
○政府参考人(岡村直子君) 新たな評価を変えるまでの技術的知見というものが集まっているという状況ではないというふうに理解をしております。

#120
○山添拓君 地震本部では、沿岸海域における活断層調査として、資料にお配りしました三ページですが、様々な調査観測項目を挙げています。海底地形の調査、海底音波探査、あるいは海底堆積物調査などが挙げられております。特にこの海底堆積物調査に関わっては、活動度、活断層か否かの判断を含めて活動度や活動履歴を把握することを目的とし、またその調査方法としては、ボーリングやコアリング等によって堆積物を採取して年代測定を実施することも挙げられております。
 規制委員長に伺います。
 四国電力は、佐田岬半島沿岸の海底ボーリング調査は行っていますか。

#121
○政府特別補佐人(更田豊志君) 行っているとは承知しておりません。

#122
○山添拓君 要するに、行っていないわけですね。
 先ほどの委員長の答弁の中では、規制委員会として、二〇一八年の二月と四月、技術情報検討会でこの長期評価の第二版を議題とした、しかし、議題としたけれども、設置許可時の判断にもうそれは包含されていて、改めて取り上げるものはないと、こういう答弁であったかと思います。
 では、伺いますけれども、その二〇一八年二月や四月の議論の際、佐田岬半島沿岸、つまり伊方原発の敷地近傍を含む地域について、活断層と認定されていない、今後の詳細な調査が求められる、こういうふうに記した長期評価の記載についても議論されたんでしょうか。

#123
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今御指摘のありました技術情報検討会におきましては、中央構造線断層帯長期評価第二版、さらにはその他の例えば文部科学省の重点調査研究等の報告も含めて、平成二十七年七月の設置変更許可の判断後の状況について取り上げて議論をしているところであります。

#124
○山添拓君 私が求めましたのは、具体的に、この佐田岬半島沿岸について、長期評価の中で、今後の詳細な調査が求められる、ですから、活断層と認定されていないけれども調査が必要なんだと、こういう記載があることについて具体的に議論がされたのかということです。

#125
○政府特別補佐人(更田豊志君) 先ほどお答えしましたように、その技術評価検討会に関しては、改訂評価の知見であるとかそれから先ほどの重点調査研究について取り上げておりますけれども、具体的にこの中央構造線については現在までのところ探査がなされていないという、具体的なところに関しての検討を行っているものではないというふうに承知をしています。

#126
○山添拓君 それじゃおかしいじゃありませんか。
 この四国電力が設置許可を受けたのは二〇一五年のことです。その段階では、長期評価によって活断層の有無についての記載というのはなかったわけですね。規制委員会が設置変更許可を出したその後に長期評価が出されているわけです。そうであれば、規制委員会としても、長期評価が示した新たな知見について検討する必要があるんじゃないですか。

#127
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御指摘のその第二版の公表を受けて基準地震動策定の評価に影響しないことについての確認に関しましては、現在、その後、四国電力から伊方原子力発電所の使用済燃料乾式貯蔵施設に関する申請がなされておりまして、その審査の中で議論が続いているところであります。

#128
○山添拓君 そうなりますと、規制委員会としても、活断層の有無についてまだはっきりしたことは言えないんだと、長期評価の知見についてはそのとおりだということなんですね。

#129
○政府特別補佐人(更田豊志君) そのとおりであるかどうかは別としまして、第二版における指摘があったことは事実ですので、これに対する説明を四国電力に求めているところであります。

#130
○山添拓君 それでは委員長に伺いますけれども、長期評価の知見を踏まえて意見を求めているということでした。伊方原発の敷地の近傍に活断層があるのかないのか、そのことについてボーリング調査などで改めて確認をさせるということが少なくとも必要なんじゃないですか。

#131
○政府特別補佐人(更田豊志君) 少なくとも現在まだ議論中でありますので、現時点におきましてそのような判断に至っているわけではありません。

#132
○山添拓君 議論中というのはどういうことでしょうか。──お答えいただけるなら。

#133
○政府特別補佐人(更田豊志君) 議論中と、まさに議論中でありまして、これは、先ほど申し上げました使用済燃料乾式貯蔵施設に係る申請の中で、その審査会合の中で議論をしているところであります。

#134
○山添拓君 これ、調査は少なくとも命じるべきだと思うんですね。
 活断層がある可能性について、四国電力のこれまでの調査と今回の地震本部の見解、地震本部だけではありません、地震本部以外にも様々な学者からも指摘をされています。これは、活断層があるんじゃないかと、こういう指摘がされている、そのそれぞれの見解が異なっている状況なんですよね。そして、活断層があった場合には、この活断層の存在による不確かさを考慮した地震動評価を行うべきだというのが新規制基準の考え方であるはずです。ですから、新規制基準を適用するかどうかの分かれ道に今立っているわけです。
 こうした調査や観察記録の存在そのものについて意見の対立がある場合には、記録があるのかないのかその有無を徹底して検証し、ないなら新たに調査を行うべきじゃありませんか。

#135
○政府特別補佐人(更田豊志君) いずれにしましても、純粋に科学的な技術に判断を委ねるべきであるというふうに考えております。

#136
○山添拓君 いやいや、いずれにしましてもというか、今はまだその判断をするに至る前提となる観測記録や結果がないわけですよね。だったら、調査をするように命じればいいじゃないですか。

#137
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御指摘の第二版以外にも、文部科学省の重点研究ですとか、相異なる見解を示している調査結果というのは現時点で幾つもございます。したがいまして、あくまで科学的な判断をして、必要であれば調査を命ずることになりますし、必要でなければ調査は命じないと。今はまさにその議論の過程であります。

#138
○山添拓君 では、その議論の経過ですね、例えば、二〇一八年の二月や四月に、先ほど委員長がおっしゃった、検討したという技術情報検討会、その議論の状況について開示をしていただけますか。

#139
○政府特別補佐人(更田豊志君) 技術情報検討会というのは、最初、内部の検討会でありましたが、現在は私の指示に基づいて公開の会合になっています。
 その議論を行ったところの会合そのものは、これはまだ公開になる前だったのかはちょっと今記憶は不確かですけど、いずれにしましても、そのときの議論について開示をすることは可能だと思います。

#140
○山添拓君 開示をすることは可能だという答弁をいただきました。
 これは、新規制基準の下で評価の対象とするべき地震かそうでないかということを検討する重大な議論ですので、その議論の経過については是非とも開示をいただきたい。この調査会が終わりましたらそれを改めて求めたいと思いますので、お願いいたします。
 伊方原発の三号機では、今年に入って、先ほど来指摘のありますように、重大インシデントを含む多くの事象が連続して発生をしております。特に、伊方原発で一月十二日に発生した制御棒の異常は、私も深刻だと考えます。核燃料の核分裂反応を抑えるための制御棒四十八対のうち一対が原子炉から引き抜かれ、監視カメラで作業員が気付き、原子炉に戻したのは七時間後のことだったといいます。
 制御棒が誤って引き抜かれるという事態は、福島第一などの沸騰水型の原子炉で頻発をし、また隠蔽もされてきました。一方で、伊方原発のような加圧水型では、制御棒は上から差し込まれる、したがって、重力によって下に落ちるために、引き抜けは起きないだろうとされてきました。ですから、今回のインシデントが意図しない挙動だったと、また、その原因の判明には時間が掛かるとおっしゃっているのもうなずけることだろうと思いますし、委員長が会見の中で前例のない問題だと、こうお話しされているぐらいに重大なものだと思います。
 委員長に伺いますけれども、少なくともこれ、原因を究明して対策を講じる、水平展開も含めてですね、それまでこの再稼働というのは難しいですね、認められないということでよろしいですね。

#141
○政府特別補佐人(更田豊志君) 本件は、確かに前例のなかなかないものであります。というのは、これ、停止中に圧力容器の蓋を開けて上部構造物をつり上げてきたときに、先ほども申し上げたように、制御棒が付いてきたと。なかなかこれ、ラチェット構造になっていますけど、ラチェット構造、これ、一旦外れると痕跡を残すわけではありませんので、原因を特定するというのはなかなか難しいことだと思っています。
 一方で、この上部構造物をつり上げて切り離すときに制御棒が付いてくるということと、運転中に制御棒が意図しない挙動を示すというのは全く別物でありますので、これを稼働とつなげるのはいささか技術的に無理があるというふうに考えております。

#142
○山添拓君 いやいや、意図しない挙動が、定期点検中であれ、起こっていること自体が、そしてその原因や理由が判明できない状況にあること自体がやはり深刻だと思うんですね。それについての認識としては、これは運転とは関係ないと言われても、多くの方はなかなか納得し難いところではないかと思います。
 今日も、与野党問わず多くの委員の皆さんからこの問題、指摘がありました。本来、私は、こうした重大インシデントについては当調査会で逐一報告を受ける必要があると考えます。理事会でもその旨指摘をいたしましたが、それについては実現していただけませんでした。
 この調査会というのは、二〇一二年の七月にまとめられた国会事故調で、国民の健康と安全を守るために、規制当局を監視する目的で、国会に原子力に係る問題に関する常設の委員会等を設置する、こういう提言がされたのを受けて設置されています。ところが、昨年は、原子力問題の質疑が一回しか行われず、インシデントがあっても報告すら受けないと。これでは、規制当局を監視する役割を十分果たしているとは言えないと思います。
 こうした事態が起きた場合には、当調査会が報告を受けることができるように取り計らいを求めたいと思います。会長、お願いします。

#143
○会長(宮沢洋一君) 本件につきましては、後刻理事会で協議いたします。

#144
○山添拓君 そもそも伊方原発というのは、テロ対策施設、特重施設の建設も遅れております。
 規制委員会は五年の猶予を設けましたが、その猶予期限が来年三月二十二日に迫っています。規制委員会は更なる猶予は認めないと決定しておりますけれども、それは今も変わりありませんね、委員長。

#145
○政府特別補佐人(更田豊志君) 変わりはございません。

#146
○山添拓君 ですから、もう当面、これ、運転はできない状況です。
 四国電力も、そのことを考慮に入れた上でということなのでしょうが、広島高裁の決定に対して異議申立てができない事態に追い込まれています。こうした看過し難い課題を複数抱えたまま再稼働ありきで進むのは、これは政治の責任でやめさせるべきだと訴えたいと思います。
 制御棒のトラブルで予定より遅れましたが、一月十四日、三号機から使用済みのプルトニウム・ウラン混合酸化物、MOX燃料が取り出されました。資料の六ページ、七ページに記事を載せております。国内の原発で、営業運転に使われたMOX燃料が原子炉から取り出されたのは今回が初めてです。四国電力は、使用済MOX燃料十六対について、当面の間、貯蔵プールに移すとしています。
 規制委員会委員長に伺いますが、今後これを別の場所へ移すというような計画はあるんでしょうか。

#147
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 使用済燃料プールからどこかへ移すという計画については承知をしておりません、現在までのところ。

#148
○山添拓君 これ、記事にありますように、十五年ほど冷却すれば運び出せる通常のウラン燃料とは異なって、MOX燃料は放射線が強く、発熱量が大きいと。ウラン燃料と同レベルまで貯蔵プールで冷却するには百年以上必要とされるけれども、プールの耐用年数は五十年から六十年なのだと。冷却し続けることすらままならないが、別の行き場所もないと。これ、まさにトイレなきマンションだということだと思いますが、規制委員長、これで本当にこのままMOX燃料による稼働を続けるのですか。

#149
○政府特別補佐人(更田豊志君) MOX燃料による稼働を続けるかどうかは、私たちの所管するところではありません。動かす動かさないは私たちが決めることではありません。まず、そのことをお答えいたします。
 それから、使用済MOX燃料の冷却ですけれども、燃料プールの中の冷却、この期間に関して、十年ないし十五年と言われるUO2燃料に比べて長期間は要すると思いますけれども、使用済燃料MOX用の乾式貯蔵容器というのは設計が可能ですので、まあ十年、十五年後には、一つの技術的可能性としては乾式貯蔵容器へ移すということは考えられると思います。

#150
○山添拓君 今おっしゃった乾式貯蔵容器、使用済MOX燃料用のものって今できていますか。

#151
○政府特別補佐人(更田豊志君) 現時点ではございません。

#152
○山添拓君 ですから、ないんですよ。
 この使用済MOX燃料については、現時点では少なくとも行き場がない、そのまま留め置くしかないという状況で、これがずっと続いていくということが少なくとも当面予定をされていると。私は、こういう状況のままで稼働を続けていくというのは、やっぱりこれはやらせてはいけないことだろうと思います。これは余りにも将来世代に対して責任が取れない、現役世代、現在の世代に対してもそうですが、大問題だと思います。
 広島高裁の決定は、火山噴火による影響の評価についても四国電力の想定が過小であり、これを認めた規制委員会の判断は誤りだとしました。また、地理的な関係から実効性のある周辺住民の避難計画の立案が困難であるということも、これはるる指摘をされております。こうした点も含めて再稼働は断念すべきだということを最後に強調いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

#153
○嘉田由紀子君 碧水会の嘉田由紀子でございます。少数会派にもしっかり時間をお与えくださいまして、ありがとうございます。
 原子力発電所問題につきまして、大きく三点お願いをしたいと思います。
 まず、大前提ですが、私は、昨年の八月から参議院議員としてこちらに来させていただいておりますけれども、それまで、二〇〇六年から二〇一四年まで二期八年、滋賀県知事をしておりました。その当時、特に三・一一の福島の事故のとき、滋賀県知事としてこれは全くよそ事ではないと思いまして、知事として、また元々の科学、環境研究者としてもいろいろ研究をさせてもらいました。
 具体的には、先ほど来問題になっております敦賀原発、あれは琵琶湖の最源流の余呉町中河内というところからたった十三キロです、たった十三キロです。そして、その水源が琵琶湖に入るわけです。それから、大飯原発、二〇一二年に三、四号機の再稼働が大問題になりました。大飯原発も県境から三十キロ、そして、大飯の原発から福井県庁に行くよりも滋賀県庁に来る方が近いというくらい近接をしております。たまたま県境があるので原発立地とは言われておりませんけれども、被害を受けるという意味では、私は、被害地元だということで、いろいろ政策もつくってまいりました。
 その中で、まず一点目ですけれども、今日、通告させていただいております大飯原発についてお伺いいたします。
 二〇一四年の五月二十一日に福井地裁が大飯原発の運転差止めを命じる判決を出されました。当時の裁判官の樋口英明さんの講演を直接に聞かせていただきました。そこでの樋口裁判長の判断は大変明快で分かりやすいものでした。つまり、大飯原発の耐震強度は一般住宅より脆弱で、大飯原発を再稼働することは危険極まりない、第二の福島事故を起こしかねない、国家としての賭けであるということでございました。
 具体的な数値で見ますと、大飯原発一、二、三、四号機、昭和四十年代から五十年代に立地しておりますが、建設当時の耐震強度四百五ガルで、東日本大震災後、補強されて七百ガルとなりましたが、最新の再稼働申請時には、三、四号機、八百五十六ガルまで上げられたということです。
 一方、昭和五十六年の耐震基準の変更を受けて、一般住宅の耐震強度は大きく強化をされております。我が国で記録された最大震度の地震、四千二十二ガルに耐えられるよう、ハウスメーカーの一般住宅は、これメーカーによっても違いますけれども、四千ガルを超える地震にも耐えられるよう耐震強度を上げております。そういえば、福島第一原発事故の直後、私は、余り直近までは行けなかったんですけれども、福島地域を見せていただいて、古い家屋はかなり地震で壊れていたんですけれども、新しい家屋はそのまま建っているということも見てまいりました。
 つまり、住宅メーカーの耐震強度よりも原発自身の強度が低かったんじゃないのかということを一般市民としても疑問に思うわけですが、ここのところ質問ですけれども、一般のハウスメーカーの住宅と比べても桁違いに耐震性が低いと樋口裁判長が言われた大飯原発あるいは高浜原発を再稼働させてよいのかどうか、原子力発電所の耐震基準強化に向けた取組などを含めて更田委員長にお伺いをしたいと思います。

#154
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 まず、御質問の中にありました一般住宅における地震動、四千二十二ですとか四千ガルに耐えるようにという、これは住宅自体の揺れの際の値であって、住宅自体が揺れたときの加速度のことを指しております。一方、原子炉施設の敷地に大きな影響を与えると予想される地震動として策定する、いわゆる基準地震動というものは硬質地盤である解放基盤表面といったものにおける地震動を表しています。これは、両者は違うものですので、比較できないものであります。
 何かを揺らしているときに、軟らかいものの上にあるものの加速度と底で揺すっているところの加速度というのは非常に大きく異なります。ですから、この二つの数値というのは比較できないものを比較しているということを申し上げたいと思います。

#155
○嘉田由紀子君 それは多分科学的な説明なんでしょうけれども、私たちが一般市民として、それではこの震動の数値の意味が全然違うという判断になるんでしょうか。樋口裁判長の判断は全く間違っているということでしょうか。樋口裁判長は、地震大国の日本には北海道から沖縄まで原発を動かせるところはどこにもないと言っておりますけれども、その辺りのところ、比較できないものを比較して、数値が間違っている、司法として間違っていたという御意見と伺っていいですか。

#156
○政府特別補佐人(更田豊志君) 私はその樋口委員長の御発言というのを承知をしておりませんけれども、もしその数値を挙げて、一般住宅の四千と大飯の解放基盤表面による基準地震動八百五十六を比較しての御発言であるとすれば、それは比較できないものを比較しているということになります。
 しかしながら、この地震大国の日本には原発を動かせるところはどこにもないとおっしゃっている御意見そのものについては、私ども、コメントする立場にはございません。

#157
○嘉田由紀子君 私は、その辺の科学的な背景、地震学でありませんのでこれ以上コメントできませんが、ただ、本当にあの地域で一般住宅が壊れなかった、これ、それこそ事故調でも、原発が問題だったのか地震が問題だったのか津波が問題だったのかということは今でも原因究明できておりませんけれども、一般住宅で新しい住宅がほとんど倒れていなかったところで原発が地震で倒れたとしたら、やはりその言わば耐震強度というものは問題にしなければならないと思っております。
 これはコメントはよろしいんですけれども、実は、昭和四十年代に大飯原発が立地する、そのときの状況を地元で聞き取りをいたしました。
 大飯原発、昭和四十年代初頭ですけれども、ちょうどあの頃、日本中で米余りになり、農業がどうなるかということで、実は大飯原発が立地しているところは隠れ田だったんです、地元の人たちにとっては。この後、米が作れなくなる、あるいは作っても売れなくなる、そうしたらあそこを何かに使おうということで、当時、かなり大きなゼネコンの副社長をしていた方が、じゃ、あの隠れ田を原発誘致したらどうかということを言って、そのときに地盤調査がきちんとなされていなかったということも伺っております。
 ただ、これは当時のデータが、どこまで地盤調査をしてあそこに立地したのか、なかなかデータがないんですけど、この後、私自身も研究をさせていただきたいと思います。
 さて、そういう中で、先ほど来、日本の安全基準は世界で最も高いと言われて、例えば、安倍総理、二〇一四年の一月二十四日の第百八十六回施政方針演説では、世界で最も厳しい安全基準と言っておりますけれども、この根拠はどういうところにあるんでしょうか、更田委員長にお願いいたします。

#158
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 お答えに先立ちまして、先ほど私の発言の中で樋口委員長と申し上げてしまったようでありまして、これは樋口元裁判長の誤りでございますので、訂正をさせていただきます。
 まず、新規制基準ですけれども、これは、これまでに明らかになった東京電力福島第一原子力発電所の教訓を踏まえ、IAEAや諸外国の規制基準も確認をしながら策定をしたものであります。プラントの安全対策について、その要求水準を高めたもので、いわゆる設備の安全対策に資したものであって、避難計画等は含まれてはおりません。
 原子力規制委員会が守備範囲として見ているのはプラントの安全対策であって、避難計画の策定については、内閣府の原子力防災担当が自治体を支援しているところであります。

#159
○嘉田由紀子君 ただいまのように、プラントの安全性、機能だけで、もちろんその安全基準、大事なんですけど、住民からしたら、あるいは地元の自治体を預かる立場からしたら、地震に対する問題だけではなくて、そこに人が暮らしている、そして生き物も環境もあるわけですから、いわゆる深層防護レベル、健康や命や、そして未来への環境汚染を起こさないということが一番大事でございます。
 そういう意味で、これは内閣府にお伺いしたいんですけれども、この深層防護レベル五で日本の今の避難体制含めて最も安全と、その備えがあると言えるでしょうか、お答えをお願いいたします。

#160
○政府参考人(佐藤暁君) お答えいたします。
 この大飯地域、今御指摘の地域でございますけれども、既に、各自治体の避難計画を含む緊急時対応が、関係省庁や自治体などが出席する地域協議会で原子力災害対策指針などに照らして具体的かつ合理的なものであることを確認して、総理を議長とする原子力防災会議で報告、了承されているということがございます。
 また、緊急時対応が策定された後においてもより実効性のある計画となるよう、大飯発電所及び高浜発電所を対象に、国が関係自治体と一緒になって防災訓練を実施してきたところであります。
 いずれにいたしましても、原子力災害への備えに終わりや完璧はないことから、こうした地域防災計画や避難計画の継続的な充実強化に努めることでこうした確実な避難などができるように対応していきたいというふうに考えております。

#161
○嘉田由紀子君 私、地元で避難訓練を具体的に指示をして、そして国ともやらせていただいた立場でもございますけれども、四つの点で隘路があると思っております。
 一つは、情報共有です。SPEEDIデータは使わず、計測データによる避難指示をするということですけど、これが本当に住民の人たちに徹底できるのか。
 二つ目は、避難計画の交通上の実効性です。地震だけではなく、それこそ大雪だったりいろいろなことがあり得ます。特に、この高島市というところは山の中で、道路が一本しかありません。去年の台風のときでもその道路が一本切れて、それで一週間ほど孤立するということもございました。ですから、この避難計画の交通上の実効性。
 それから、ヨウ素剤の配布と服用手順の不透明性。ここも、地元ではふだんから置いておいてほしいという要望もあれば、いや、もう五キロ圏外だから、それは内閣府としては整備できないというような意見。
 そして、四点目は、重大事故時の指揮系統の混乱です。原子力災害対策特別措置法では、国の対策本部が地元市町村に対して指示をすると。災害対策基本法では、国の指示ではなく、市町村の判断でということになっています。
 この四点については、次回、お時間があるときに伺えたらと思っております。予告だけさせていただきます。今日は、それで、もう既に時間が全体の二十分迫っているので。
 県民の皆さんにいろいろなアンケートなどをいたしますと、例えば、二〇一二年の五月、大飯の三、四号機の問題があったときに、県政モニターアンケートをさせていただきました。八〇・六%が再稼働すべきではないと。そして、その大きな理由は、言わば自分たちの健康と安全とともに、琵琶湖のことを気にしております。と申しますのは、言うまでもなく、琵琶湖下流一千四百五十万人、京都、大阪、兵庫までですね、一千四百五十万人の命の水源ですので、万一ここが汚されたら近畿全体に影響があるだろうということを、滋賀県民の皆さん、最も気にしていただいております。
 というところで、県が実はシミュレーションをいたしました、二〇一一年から一二年にかけて、また生態系への影響は一三年にかけて、まずは大気汚染のシミュレーション、そして水質汚濁のシミュレーション、それから生態系影響へのシミュレーション。これは、本来はこんなに近いんですから国でやっていただきたかったんですけれども、立地地元ではないのでできないというので、滋賀県の環境科学研究センターにお願いをして、独自の予算でシミュレーションをいたしました。
 その中で特に私たちが一番気にしているのは、水質汚濁の水道水取水の影響でございます。最悪の事態、福島並みの事態が起きますと、七日から十日間、水道水源として取り入れできない、百ベクレルを超えてしまうというようなデータが出ておりますけれども、こういうところで厚生労働省水道安全部の方としてはどういう見解をお持ちでしょうか、お願いいたします。

#162
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 このシミュレーションを前提といたしました場合、放射性ヨウ素の摂取制限に関する指標値を超過した水道水につきましては、例えば、風呂水や手洗いなどの生活用水として一時的に利用したとしても直ちに健康に影響が出ることを示すものではないことから、飲用水以外の水道水の利用は可能と考えております。
 一方、飲用水につきましては、被災した水道事業者が他の水道事業者に応援を要請し、給水車等を用いた応急給水を実施するというスキームが公益社団法人日本水道協会において既に構築されていることから、厚生労働省といたしましても、地方公共団体や日本水道協会と緊密に連携を取り、適切に応急給水が実施されるよう対応することとなると思われます。
 なお、ふだんから、災害時なども想定しつつ、予備水源を含め複数の水源やルートからの給水を可能にしておくなど、地域の実情に応じまして災害等にも強い水道を目指していくことも重要であると認識しておるところでございます。
 以上です。

#163
○嘉田由紀子君 ありがとうございます。
 実は、もちろん給水車もあり、そしていろいろふだんから救援協定やっておりますけれども、近畿圏の一千四百五十万って大変な水源なんです。飲み水は一日二リットルから三リットル、これはボトルでとか、あるいは料理はということで、やはり、例えば、あの福島のときに金町浄水場が、東京で放射性物質の検出がされて大変な混乱が起きました。あれは、直接水源が全体汚染されるのではなくてもあれだけの混乱でしたので、実はこの後、数値的に、例えば一千四百五十万人の水源が七日から十日間止まった場合に、具体的に飲料水をどういうふうに供給できるのか、少し宿題を出させていただけませんでしょうか、どこからどういうふうに供給するのか。数値は私もそれなりに持っているんですけれども、今、日本中で出回っているボトル水を全部関西に集めても間に合わないというくらいの状態でございますので、そこは数値で押さえていただきたいと思います。
 あわせて、実は、日本の水道行政はどんどんどんどん広域化して、そして地下水やあるいは井戸水などを放棄させるという方向にやってきました。ヨーロッパやアメリカでは、広域化ではなくて、地下水、井戸水をまずは重視して、そして表流水はできるだけ水道水源に使わないという方針をつくってきたんですけれども、そういう日本の、広域化して、そしてダム取水に頼るという、そのような水道行政の中で、本当にこの後、万一の事故が起きたときに、関西圏千四百五十万人の命の水源、供給できるのかということも、この後、研究をしていただけたらと思います。
 もうお時間ですね。いろいろ申し上げましたけれども、これは飲み水、料理だけではなくて、近畿圏の経済、生活、全てに関わる大変重要な問題ですので、継続して研究いただけたらと思います。
 以上です。

#164
○会長(宮沢洋一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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