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2020/02/06 第201回国会 衆議院 第201回国会 衆議院 本会議 第5号 令和2年2月6日
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2020/02/06 第201回国会 衆議院

第201回国会 衆議院 本会議 第5号 令和2年2月6日

#1
令和二年二月六日(木曜日)
    ―――――――――――――
  令和二年二月六日
    午後一時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時二分開議

#2
○議長(大島理森君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明

#3
○議長(大島理森君) この際、内閣提出、所得税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。財務大臣麻生太郎君。
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

#4
○国務大臣(麻生太郎君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明させていただきます。
 本法律案は、持続的な経済成長の実現、経済社会の構造変化への対応等の観点から、国税に関し、所要の改正を一体として行うものであります。
 以下、その大要を申し述べさせていただきます。
 第一に、持続的な経済成長の実現に向け、オープンイノベーションの促進に係る税制の創設、投資及び賃金引上げを促すための税制の要件の見直し、連結納税制度の見直し等を行うことといたしております。
 第二に、経済社会の構造変化を踏まえ、未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦控除の見直し、NISA制度の見直し等を行うことといたしております。
 このほか、消費税の申告期限を延長する特例の創設等を行うとともに、住宅用家屋の所有権の保存登記等に関する登録免許税の特例等について、その適用期限の延長や整理合理化等を行うことといたしております。
 以上、所得税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

#5
○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。末松義規君。
    〔末松義規君登壇〕

#6
○末松義規君 共同会派、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの末松義規でございます。
 私は、共同会派を代表して、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)
 まず初めに、これまでの予算委員会でも国民の疑念が更に深まった桜を見る会についての総理答弁に関し、質問をします。
 二月四日の予算委員会で、総理は、桜を見る会前夜祭に係るアンケートの作成や発送、通信費等の費用は自民党山口県第四支部が支出したと答弁されていますが、総理個人の後援会主催会合に党支部から経費を支出する理由は何でしょうか。また、それは適切な支出と言えるでしょうか。
 総理は、前夜祭は会場ホテルと参加者八百人個人個人の契約、すなわち契約主体はホテルと参加者で、支出としては両者のみで完結しているから、前夜祭の主催者である安倍晋三後援会の支出はないと、常識では考えづらい主張をしておられます。
 総理が支部長である党支部に前夜祭に係る収支が発生しているということは、前夜祭の契約主体は安倍事務所であり、前夜祭の収支について収支報告書に当然記載義務が生じるのではないでしょうか。
 また、価格設定に関して、政治家として二十五年の間に培われた責任という表現で安倍総理への信頼を強調し、安倍事務所の関与を認められたことからも、契約主体は安倍事務所ということになります。
 一方、キャンセルなどのリスク負担については特段の取決めがなかったとしていますが、リスク負担については、規約すら見ていない参加者にリスクを負担させることは不可能ですから、リスク負担者は安倍事務所であり、すなわち契約主体は同じく安倍事務所だということではないでしょうか。
 そして、予算委員会において、ホテルが作成している明細書について、その宛名だけでも確認要請してくださいとお願いしていますが、宛名をこの場でお答えください。宛名だけならホテル側の営業秘密には当たりません。総理はホテルに指示できないと言われましたが、要請は総理にその気があるならできるはずです。
 このように、総理答弁からもますます疑惑が深まっている状況ですので、今後とも、総理の誠実な説明責任を求めてまいります。
 次に、新型コロナウイルス騒動に関して伺います。
 報道によりますと、現在、感染者数は二万八千人を超え、死者は五百六十五人に達したとのことでございます。中国では、既にパンデミックという様相を呈しています。
 今回の新型肺炎は弱毒性ですが、歴史を振り返れば、同様に弱毒性と言われた一九一八年から一九年のスペイン風邪では、全世界で五千万人から一億人が死亡し、日本人も約四十万人が死亡しております。このときは、医療従事者がみずから防護せずに最初にスペイン風邪にかかったことで医療機関が機能不全となり、大混乱に陥っております。
 スペイン風邪のパンデミック持続期間は、第三波までありましたが、それぞれ、大体、期間的には六カ月間前後の期間でした。また、二〇〇三年のSARSのとき、発生から終息宣言までに八カ月の期間を要しました。ただ、現在は、医療従事者や国民の防護の充実、ゲノム編集等によって新薬の短期間開発、過去例からの教訓などにより、効果的なパンデミック封じ込めが期待されるところであります。
 まずお聞きしたいのは、現時点では見きわめにくいとは承知していますが、パンデミックになる危険性及び新型肺炎が持続すると見込まれる期間についてです。政府の見通しを伺います。
 特に、本年は東京オリンピック・パラリンピックの開催の年です。来週にはIOC関係者との会合があるやに聞いていますが、事態の深刻化などを想定して、オリパラ大会の開催条件のどの部分について話合いが行われると考えているのでしょうか。お答えください。
 また、一月三十日にWHOが緊急事態宣言を出しましたが、これに対する終結宣言が出されるまでオリパラ大会を開催することはできないのでしょうか。政府の見解を伺います。
 さらに、南半球のオーストラリア等では、ずっと大規模な森林火災が続いています。事態は極めて深刻です。世界じゅうで温暖化による自然の猛威が激化していますが、ことしのオリパラの時期に昨年のように猛烈な台風が来ると、競技に大きな支障を来してしまいます。加えて、異常猛暑を避けるためにも、多くの国民が考えているように、開催時期を秋の体育の日前後にずらすということはできないのでしょうか。
 現在、自分の身を守る手段であるマスクやゴーグルが品切れで、多くの国民が困っています。政府の対応はどのようになっているのでしょうか。
 中国経済がこの騒ぎでかなり落ち込む上に、これから工場等の一時閉鎖や操業不能などによって中国のサプライチェーンが傷つきます。日本や南米諸国、ひいては全世界からの対中輸出も激減するなど、世界経済にも相当程度のダウンが見込まれます。さらに、米中貿易戦争によって実体経済が脆弱になっていることに加えて、米国による中国人の受入れ拒否による貿易や経済的な悪影響、経済活動の縮小等で、中国経済が一気に悪化する危険性も高くなっています。これが引き金となって、株価の世界的大暴落が起こる危険性もあります。
 政府は、コロナウイルス騒動を日本経済に対するリスク要因としてどのように見込んでいるのでしょうか。
 令和二年度税制改正についてお伺いします。
 改正を見ると、現在の日本社会に求められている格差是正などの本質的な税制課題に真正面から向き合っておらず、その場しのぎの小手先対応にしか見えません。
 また、消費増税により家計の負担がふえているにもかかわらず、国民の苦しみや不満をしっかりと捉えて適切に改正していく努力の跡を見ることもできません。
 以下、各論について伺います。
 まず、未婚の一人親について、寡婦控除と同等の負担軽減措置が導入されていることは評価できますが、所得五百万円以下であって子以外の扶養親族を抱える方が男性である場合、なぜ寡夫控除を受け取れないのでしょうか。また、子の人数が一人の場合も複数の場合も控除額が変わらないというのは、生活の実態を踏まえておらず、適切ではないと考えますが、政府の見解を求めます。
 次に、NISA制度の見直しについて伺います。
 二〇一八年時点で、NISAモデルとなったイギリスのISA利用者は成人人口の四二・五%に達していますが、日本では一一・四%しかNISAを利用していません。
 この差は何が原因であると考えていますか。仕組みの複雑さがその原因であるのではないでしょうか。政府の見解をお伺いします。
 次に、オープンイノベーション促進税制についても伺います。
 そもそも、オープンイノベーションは、新しい付加価値を創造するものであり、事前に見通しがつくようなケースはまれであることから、出資対象に関する要件についてはできるだけ柔軟に設定すべきであったと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、5G導入促進税制について伺います。
 世界を挙げて5G導入競争が行われていることは承知していますが、5G実施システムによる強力な電磁波は、人体に影響があるとする報告もあります。また、ハーバード大学の研究者、スーザン・クロフォード教授によれば、米連邦通信委員会が三十年も前の古過ぎる基準に基づいて電磁波の人体への影響について問題ないと判断してきたのはおかしい、科学的知見に基づいた新しい基準による評価が必要だと述べています。
 人体や動物への安全性については、国際的にも我が国においても検証済みなのでしょうか。また、人体や動物への影響の観点からの適切な安全対策はとられることになるのでしょうか。
 次に、消費増税について伺います。
 日本商工会議所が公表した中小企業における消費税の価格転嫁等に関する実態調査によると、全体の三〇%以上の事業者が、消費税率引上げ後の価格転嫁について、一部若しくは全く転嫁できないと回答していますが、こうした事業者の厳しい現実を政府は明確に認識しているのでしょうか。
 また、同じ調査では、二割近い企業が、二〇二三年十月からのインボイス方式の義務化後、免税事業者との取引を行わないとしております。免税事業者、特に下請事業者を廃業に追い込むインボイス方式の義務化については再考すべきではないでしょうか。
 次に、自動車には、地方ほど生活必需品であるにもかかわらず、不合理かつ過重な税が課されています。その観点から、自動車関連諸税は整理する必要があると思いますが、政府内ではどのような検討が行われたのでしょうか。
 最近では、企業の内部留保金が四百六十兆円も積み上げられている一方、四三%という戦後最低の労働分配率が示しているとおり、六千万人とも言われるサラリーマンへの賃金支払いが一向に改善されていません。むしろ、実質賃金は長期間下がりっ放しです。
 実質賃金の長期的な下落が消費力減退の原因だと言われて久しいのですが、大企業の内部留保拡大志向を変えさせて、賃金アップにより消費力拡大、ひいては足腰の強い景気回復を実現するような抜本的な改革が必要だと考えます。
 消費マインドの拡大、国民生活の底上げという観点からも、他の先進国に比べて非常に見劣りする最低賃金を適切に引き上げていくべきです。
 同様に、大企業の圧力によって下請中小零細事業者がなかなか従業員の給料を上げられない日本の古い企業秩序や業界慣行に対しても、大胆にメスを入れて、大きな改革を迫っていく必要があると確信します。政府の見解を求めます。
 所得金額が一億円を超えると所得税の負担率が下がっているという実態、さらには、利益に占める法人税額の割合、いわゆる法人税負担率が資本金一億円超五億円以下のレベルを境に下がっています。
 つまり、日本という国は、一般国民の生活よりも、億万長者や巨大企業に対して極めて有利なシステムをとってきた国だということです。この点は、アベノミクスという大金持ち優遇政策で更に顕著となりました。
 このように、金融所得課税や法人課税を始めとする、格差をどんどん拡大する不公平な税制体系については、政府は抜本的見直しを避けてきたのです。
 税制の有する所得再配分機能の観点から、これらの不公平を直ちに是正すべく、税制の全体像を見据えた格差是正抜本改革を行うべき時期に来ています。政府の見解を求めます。
 内閣府の先月の月例経済報告では、「景気は、輸出が引き続き弱含むなかで、製造業を中心に弱さが一段と増しているものの、緩やかに回復している。」というわけのわからない表現で示していますが、現実は、昨年末の二十六兆円もの超大型経済対策や、補正予算でも述べていたオリンピック後の経済ばらまきというような緊急大規模カンフル剤を切れ目なく打っていかねば経済失速してしまうという厳しい状況にあるのではないでしょうか。
 トリクルダウンというインチキ理論によって、大金持ちや巨大企業だけを優遇して、一般の国民生活を痩せ細らせてきた大きなツケが回ってきたのです。
 ことしこそ、日本人の格差是正に向け、税制による所得再配分機能の強化のために抜本的な見直しを行うべきときであったのです。いまだにその議論を避け、その場しのぎの対応をとったのが、今回の小粒の税制改正だと言わざるを得ません。
 一部の上級国民のためだけでなく、大多数国民の生活を豊かにするためのよりよい税制構築に向けて、今こそ十分な国会審議が必要であるということを最後に申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 末松議員にお答えをいたします。
 自民党山口県第四支部の経費支出についてお尋ねがありました。
 御指摘の夕食会等に係るアンケートの作成や発送、ホテルとの打合せに要した通信費等の費用は、自民党山口県第四支部としての業務を行う上で必要としたものであり、第四支部から経費を支出することに問題はないものと認識しております。
 桜を見る会前日に開催された夕食会についてお尋ねがありました。
 夕食会の価格設定については、出席者の大多数が当該ホテルの宿泊者であるという事情等を踏まえ、会場費も含めて、八百人規模、一人当たり五千円とすることでホテル側と設定したものです。
 夕食会の費用については、ホテル側との合意に基づき、会場入り口の受付において、ホテル側職員の立会いのもと、私の事務所の職員が一人五千円を集金し、ホテル名義の領収書をその場で手交し、受け付け終了後に集金した全ての現金をその場でホテル側に渡すという形で参加者からホテル側への支払いがなされたものと承知しております。
 このように、同夕食会についてのホテルとの契約主体はあくまで参加者個人であり、主催者である安倍晋三後援会としての収入支出は一切ないことから、政治資金収支報告書への記載は必要ないものと認識しています。
 なお、事前のアンケート調査によりおおむねの出席者数が判明していることから、ホテル側の了解のもと、キャンセル等に際しての取決めは特段行わなかったと承知をしております。
 桜を見る会前日に開催された夕食会の明細書についてお尋ねがありました。
 御指摘の明細書について、私の事務所によれば、ホテル側としては、宛名といった部分的なものであっても、営業の秘密にかかわることから、公開を前提とした資料提供には応じかねるとのことであったと報告を受けております。
 新型コロナウイルスの今後の見通しについてお尋ねがありました。
 新型コロナウイルスの感染力や感染可能期間等については、現時点において、十分な基礎データがないことから、予断を持って申し上げることはできません。他方で、政府としては、これまで、水際対策の徹底を図りつつ、感染拡大を防止すべく、国内サーベイランスの強化などに取り組んできたところです。
 引き続き、私を本部長とする対策本部を中心に、情勢の変化を踏まえながら、何よりも国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく決断し、実行してまいります。
 東京オリンピック・パラリンピック大会の開催についてお尋ねがありました。
 まず、今回のWHOの緊急事態宣言を受けて大会組織委員会とIOCの間で東京大会開催の可否にかかわるような協議や検討等は一切行われていないことは明確にしておきたいと思います。また、来週開催されるIOCプロジェクトレビュー会合においても、大会の開催そのものにかかわる条件等について話し合う予定はないと承知しています。
 政府としては、IOCや大会組織委員会、東京都との間で、適切な情報共有を図るなど緊密に連携をとりながら、大会開催に向けた準備を着実に進めてまいります。
 マスク等の需給状況についてお尋ねがありました。
 マスクについては、中国からの輸入が停滞している等により品薄となっていることを踏まえ、先月二十八日に、厚生労働省及び経済産業省から関係団体に増産要請を行い、現在、主要国内企業は二十四時間体制で増産を図っているものと承知しております。
 政府としては、引き続き、マスクやその他の公衆衛生上必要な資材の生産及び流通の状況をきめ細かく把握しながら、できる限り速やかに品薄状態が緩和されるよう取り組んでまいります。
 新型コロナウイルスの日本経済への影響についてお尋ねがありました。
 今回の新型コロナウイルスをめぐっては、既に、観光を含めた地域経済などに大きな影響をもたらし始めています。
 また、中国では多くの地域で移動制限や休業措置などがとられていることから、これらが長期化した場合、今後、中国経済が減速し、世界経済全体に影響を及ぼすことや、我が国企業の輸出や生産に影響が及ぶことも考えられます。こうした影響についても十分に目配りし、注意深く対応してまいります。
 東京オリンピック・パラリンピック大会の開催時期等についてお尋ねがありました。
 東京大会については、本年夏に実施することを前提にIOCによって開催決定がなされ、それに基づきさまざまな準備を進めてきたものであることから、この開催時期そのものを変更することは困難であると承知しております。
 このため、大会期間中における防災・減災対策を通じた安全、安心の確保を図るとともに、暑さが厳しい時期に開催されることを踏まえた対策を講じ、さまざまな事態に備えて万全の体制で臨むこととしております。
 今後とも、東京都や組織委員会など、緊密な連携を図り、東京大会の成功に向けて、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。
 電波の安全対策についてお尋ねがありました。
 電波が人体に及ぼす影響については、世界のアカデミアが集まった国際非電離放射線防護委員会が国際的なガイドラインを策定しています。
 我が国では、このガイドラインに準拠した電波防護指針を策定し、十分な安全率を見込んだ上で規制値を定めており、この基準に従った電波については、人体に悪影響が生じることはないと考えております。
 価格転嫁とインボイス制度についてお尋ねがありました。
 消費税は、価格への転嫁を通じて、最終的には消費者に御負担をいただくことが予定されている税であります。事業者間取引における買いたたき等が行われることのないよう、転嫁Gメンの体制を抜本強化するなど、十分な監督を行う考えであります。
 また、インボイス制度による免税事業者の皆様への影響については、インボイス制度の導入までに四年間の準備期間を設けるとともに、そこから更に六年間、免税事業者からの仕入れについて、一定の仕入れ税額控除を認めるなど、事業者の準備や設備導入のための十分な期間を設けているところであり、事業が継続されるよう、政府として今後とも必要な取組を進めてまいります。
 自動車関係諸税についてお尋ねがありました。
 税制抜本改革法以来、長年の懸案とされてきた車体課税の見直しについては、令和元年度の税制改正において、自動車税の恒久減税を実現するなど、車体課税全般にわたる大幅な見直しを行ったところです。
 なお、今後の自動車関係諸税については、令和二年度の与党大綱において、「技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、国・地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、その課税のあり方について、中長期的な視点に立って検討を行う。」とされていると認識をしております。
 最低賃金を含めた賃金上昇、下請取引改革についてお尋ねがありました。
 これまで安倍内閣では、企業による人材への投資を促す観点から、賃上げに積極的な企業の税負担を引き下げる一方で、収益が拡大しているにもかかわらず賃上げに消極的な企業にはさまざまな優遇税制の適用を停止するなど、めり張りをつけた対応を行ってまいりました。
 そうした中で、連合の調査によれば、六年連続で今世紀に入って最も高い水準の賃上げが実現しています。最低賃金も、政権発足以降の七年間で全国加重平均百五十二円引き上げました。今年度は二十七円の引上げで、現行方式で過去最高の上げ幅となっています。
 成長の果実を全国津々浦々の中小・小規模事業者にしっかりと行き渡らせるため、大企業に対する自主行動計画の策定の要請、業界ごとの取引慣行に詳しい専門人材の下請Gメンへの採用などにより、下請取引のさらなる適正化にも引き続き強力に取り組んでまいります。
 こうした施策を円滑に実行することで、経済の大宗を占める家計消費をしっかりと下支えし、経済の好循環を確保してまいります。
 金融所得課税や法人課税等の税制についてお尋ねがありました。
 これまで、所得再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや、金融所得課税の見直しにより税率を一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところです。
 また、企業に対する税制については、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んできました。その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により、財源をしっかりと確保してきています。
 今後の税制のあり方については、これまでの改正の効果を見きわめるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ、検討する必要があると考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

#8
○国務大臣(麻生太郎君) 末松議員から、未婚の一人親に対する税制の改正内容、NISA制度、オープンイノベーション税制について、計三問お尋ねがあっております。
 まず、未婚の一人親に対する税制についてのお尋ねがありました。
 今般の改正は、全ての一人親家庭に対して公平な税制を実現する観点から行っております。婚姻歴の有無や性別にかかわらず、全ての一人親に対して同一の一人親控除を適用することといたしております。
 他方、今回の改正後も、所得五百万円、年収六百七十八万円以下で、子以外の扶養家族を持つ死別又は離別の女性について、戦争未亡人で家に残された御老人などを扶養する方への負担軽減といった制度の沿革、歴史を踏まえて、現状のまま適用することといたしております。
 この控除のあり方につきましては、今後、こうした制度の創設趣旨等を踏まえて検討する必要があるだろうと考えております。
 また、今般の一人親控除は、子を扶養する方自身に生ずる追加的経費への配慮として設けるものであります。子の扶養に関して生ずる出費などへの配慮につきましては、扶養控除や児童手当などの制度がありまして、これらは子の人数に応じた仕組みとなっておりますのは御存じのとおりであります。
 次に、イギリスISAと日本のNISAの利用割合の差についてのお尋ねがあっております。
 イギリスISAと日本のNISAの成人人口における利用割合の違いにつきましてお述べになっておりますが、さまざまな原因が考えられることから一概には申し上げられませんが、例えば、イギリスNISAは一九九九年からもう既にスタートをしておりますが、日本のNISAは二〇一四年にスタートをしておりますので、そういった原因も一つであろうと考えております。
 足元NISAの口座数は約一千三百万口座、いわゆる買い付け額は十七兆六千億と着実に増加してきているところでありまして、家計の安定的な資産形成の促進や成長資金の支給、いわゆる供給拡大のため、今後も、より一層NISAが普及するよう、周知、広報の充実を含め、さらなる取組を進めてまいりたいと考えております。
 オープンイノベーションの促進に係る税制の創設についてのお尋ねが最後にあっております。
 事業会社が新たな分野に投資するなど、閉鎖的な自前主義からの発想の転換を図って、みずからの事業革新を進めるためオープンイノベーションにつながる出資を促すことは、これは重要だと考えております。
 したがいまして、税制面でもこれを促すために、イノベーションの担い手となるベンチャー企業に対する一定の出資に対して所得控除を認める措置を設けることといたしております。
 本税制の適用に当たりましては、こうした政策目的に合致した出資を促すべく、事業会社にとって事業革新性やベンチャー企業の成長につながるといった、イノベーション性に係る要件を設けているところであります。
 今回の改正により、企業の生産性向上につながる、いわゆる事業革新が広がることを期待いたしております。(拍手)
    ―――――――――――――

#9
○議長(大島理森君) 伊佐進一君。
    〔伊佐進一君登壇〕

#10
○伊佐進一君 公明党の伊佐進一です。(拍手)
 冒頭、新型コロナウイルスへの対応について一言申し上げます。
 本日の最新の情報では、世界の感染者は二万八千七十三人、亡くなられた方々は五百人を超え、五百六十四人になりました。政府は、水際対策のみならず、日本国内での拡大防止のため、適切な医療が提供される体制整備をとることが重要です。また、感染症に対して世界は運命共同体であり、国際連携によって対応することが基本です。発生源である中国との連携は欠かせません。綿密かつ透明性ある情報共有とともに、日本として中国へ可能な限りの支援を行っていくことを求めます。
 それでは、ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案について、自民党、公明党を代表して質問をいたします。
 母子家庭や父子家庭の皆さんが受けられる寡婦控除については、戦後の日本が抱える課題への対応に始まり、その後の社会の変化に合わせて、接ぎ木のように制度変更を繰り返してきました。そのため、さまざまな矛盾が見られており、その一つが未婚の一人親家庭には適用されないという点でした。
 公明党が最初にこの問題を提起したのは、二〇一三年、参議院本会議での代表質問でした。離婚の母子世帯の就労収入が二百五万円であるのに対して、未婚の母子世帯は百七十七万円。三十万円程度収入が少ない上に、寡婦控除も受けられず、あるいはそれに関連しているさまざまな福祉制度も利用できない。
 未婚のシングルマザーとなった理由は、突然の婚約破棄、お相手が亡くなったケース、DVなどでやむにやまれず飛び出したケースなどさまざまです。離婚の一人親なら受けられる支援が受けられないことで、未婚で産んでしまって子供に申しわけないとの思いに常にさいなまれているとの声もありました。
 昨年の税制改正では、住民税非課税についての離婚と未婚の差が解消されました。そして、今回の税制改正では、ついに寡婦控除に踏み込み、単に未婚の一人親への適用だけではなく、抜本的な見直しが行われました。その改正の趣旨と、そこに込められた政府のメッセージを伺います。
 人生百年時代に合わせて、本国会において年金制度改正の法案提出が見込まれています。老後の備えという観点では、こうした公助、共助だけでは十分でなく、個々人の貯蓄、資産形成という自助を促していくことも重要です。
 将来のための資産形成の必要性を感じているものの、十分な知識や経験がない、あるいは資産が少額だからとの理由で投資への一歩を踏み出せていない方々も多数おられます。少額から長期、積立て、分散投資という安定的な資産形成を可能とするためには、現在、成人人口の一割程度にとどまるNISAの利用者を拡大していく必要があります。
 NISA投資は、新規の口座開設者の六割以上が五十歳代以下と働く世代が多いこと、また、過去四年間で証券投資を始めた人の五割がNISAきっかけであり、新規の投資家を生む特徴があること、そして、世帯年収六百万円未満が六割と中間層が多いことなどの特徴があります。
 こうしたよさを伸ばし、利用者拡大のため、今回の新たなNISA制度の創設を始めとした制度改正の内容について伺います。
 空き家、空き地は増加の一途をたどっています。全国の八%に当たる土地が空き地のままであり、また、空き家率は一三・六%となって、この三十年間で二倍以上に増加しています。こうした土地の有効活用を促進し、地域活性化や所有者不明土地の発生を予防することが求められています。
 しかし、とりわけ地方の低額な土地を譲渡、活用しようにも、測量費や解体費の上に譲渡所得税の負担が大きく、取引が進まずに低未利用地のまま放置されるケースが多発しています。
 譲渡所得税の引下げは、関係団体からも十五年以上にわたって要望されていた事項であり、今回の税制改正でどのような結論を得たのか、またどのような効果があるのかについて伺います。
 この七年間で、日本経済は一三%成長しました。一方で、企業のいわゆる内部留保については拡大の一途をたどっており、五百兆円にも迫らんとしています。こうした内部留保、とりわけ現金、預金をいかに投資につなげていくかが重要です。
 今回の税制改正では、事業会社が一定のベンチャー企業に株式出資した場合、その取得価格の一部を所得控除するものであり、この取組によって日本の企業が自前主義から脱し、自社にない強みを持つベンチャー企業との連携によって、オープンイノベーションを大きく前に進めることを目的としています。
 そこで、伺います。
 税制優遇を受ける事業会社は、銀行や投資ファンドなどの純投資はきちんと除外されることとなるのか、もともと投資する予定であったものに単に追い銭するようなものとなっていないか、事業会社として中小企業も恩恵を受けることとなっているのかについて伺います。
 ソサエティー五・〇の社会において、超高速大容量、そして多数同時接続を実現する5Gの通信システムは、今後、我が国の基幹インフラの一つとなります。いよいよ、この三月から商用サービスが開始され、政府は、来年四月までに全都道府県でのサービスを開始、五年以内に十キロメートル四方メッシュで全国の五〇%以上に5G親局を整備することを目標に掲げています。
 5Gの普及を促進することは、単に一企業のビジネスの問題ではなく、国民に広く利益が及ぶ国家戦略であり、力強く前に進めていく必要があります。
 今回創設される5G投資促進税制において、どのような点で真に5G整備を加速することにつながるのか、また、技術や情報の安全保障上の課題においても対応できるものとなっているかを含め、新制度の趣旨について伺います。
 企業の法人税の申告期限については、例えば、三月末決算の会社であれば、申告期限の五月末日を一カ月延長し、六月末日までとすることが可能です。ところが、消費税の申告についてはこうした延長が認められず、五月末日が申告期限となっています。企業としては、法人税の作業を進める過程で、既に申告した消費税の内容を変更する必要が出てくるなど、二度手間となる場合も多く、納税申告において大きな負担となっていました。働き方改革が社会全体で取り組む重要な課題となっている今、事務負担軽減の観点から、こうした制度を改正すべきと考えます。
 今回の税制改正によってどう変わるのか、経産大臣の答弁を求めます。
 近年、自然災害が頻発化、甚大化する中、災害復旧に対する税制改正の声も上がっております。
 現在、災害で受けた被害については、盗難や横領と同じ、雑損控除という形で所得から控除することができます。しかし、災害による損害は盗難や横領よりも多額となる場合が多く、しかも、そのほかの所得控除よりも優先して控除される制度となっているため、雑損控除で全て所得を引き切ってしまうことになります。つまり、その間、本来誰もが受けられるはずの基礎控除や配偶者控除、保険料控除等が受けられません。さらに、繰越期間がわずか三年のため、雑損控除すら使い切れない制度となっております。
 昨年の税制調査会において、我が党からは、災害による損失控除を独立させ、新たな災害損失控除を提案いたしました。本提案について、財務大臣の御見解を伺います。
 以上、本改正案は、令和二年度予算案とあわせて、国民生活に直結する大事な措置が盛り込まれており、早期に成立させるべきだと訴えて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#11
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊佐進一議員にお答えをいたします。
 未婚の一人親に対する寡婦控除の適用についてお尋ねがありました。
 少子高齢化が進展する中で、未来を担う子供たちはかけがえのない存在です。その誰もが、家庭の経済事情にかかわらず、夢に向かって頑張ることができる社会をつくっていかなければならないと考えています。
 こうした考え方に立ち、今回、婚姻歴の有無による不公平と男性の一人親と女性の一人親の間の不公平を同時に解消し、全ての一人親家庭に対し同一の一人親控除を適用し、公平な税制を実現することとしました。
 改正法案の早期成立を実現し、着実に実施することで、子育てしやすい社会づくりを更に強化してまいります。
 5Gの導入に係る税制についてお尋ねがありました。
 議員御指摘のとおり、5Gがもたらす変革は、経済のみにとどまらず、安全保障を始め社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、今後、国家戦略として取り組んでいく考えです。
 令和二年度税制改正では、我が国経済社会や国民生活の根幹をなす5Gを早期に普及させる観点から、超高速大容量通信等を実現する全国基地局の前倒し整備を支援するとともに、地域活性化や地域の課題解決を促進する観点から、地域の企業等がみずから構築するローカル5Gの整備を支援することとし、安全性、信頼性が確保された5G設備の導入に対し、思い切った減税措置を講じます。
 安全で安心なインフラがこれからも安定的に供給されるよう、グローバルな連携のもと、競争力強化に戦略的に取り組んでいく決意です。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
    〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

#12
○国務大臣(麻生太郎君) 伊佐議員からは、NISA制度の改正内容並びに災害に関する税制について、計二問お尋ねがあっております。
 まず、NISA制度の改正についてでありますが、今回のNISA制度の改正は、経済成長に必要な成長資金の供給を促すとともに、人生百年時代にふさわしい家計の安定的な資産形成を支援していくという観点から行うものであります。
 具体的には、つみたてNISAにつきましては、制度期限を二〇三七年から二〇四二年まで五年延長、また、一般NISAにつきましては、より多くの国民に積立て、分散投資による安定的な資産形成を促す観点から制度を見直した上で二〇二四年から五年間の制度として措置をし、ジュニアNISAにつきましては、延長せずに二〇二三年末に終了することといたしております。
 これらをパッケージとして措置をし、少額からの積立て、分散投資を更に促進してまいりたいと考えております。
 最後に、災害に関する税制についてのお尋ねがありました。
 税制においては、災害への対応は極めて重要であります。平成二十九年度税制改正において、被災者の不安を早期に解消するとともに、税制上の対応が復旧や復興の動きにおくれをとることのないように、災害関連税制の常設化というものを行ったところであります。
 住宅、家財等に生じた災害損失等への配慮のために設けられた雑損控除から、議員御提案の災害損失控除を独立させ、現行三年とされております控除の繰越期間を延長すべきなどのお声があることは承知をいたしております。
 他方、事業上の損失など、所得税のその他の損失の繰越期間が原則三年でありますから、それとのバランスをどう考えるか。また、現行の雑損控除では、被災者が置かれた状況を踏まえて、災害損失の額を証明する書類の添付を求められていないというところであります。仮に長期にわたり控除を認めるということにした場合は、損失額を確認するための仕組みをどうするか等の論点もありますことから、これは慎重に検討されねばならぬところだと思っております。(拍手)
    〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕

#13
○国務大臣(赤羽一嘉君) 低未利用地の利用を促進するための税制の特例措置制度及びその効果についてお尋ねがございました。
 全国各地の地方部を中心に、空き家、空き地が増加し続け、地域コミュニティーへの支障や居住環境の悪化、また災害時における被害の拡大要因になることも懸念されております。
 特に、低額の不動産物件につきましては、伊佐議員御指摘のとおり、所有者が売却を希望しても、諸経費や譲渡所得税の負担が重く、所有者の利潤はほとんど残らないため、売却を諦め、そのまま空き地となってしまっているケースが多いのが現状です。
 こうした状況改善のため、地域の宅建業者の方々から、長年にわたり、低額物件の流通を促進するために譲渡所得税の負担軽減をとの強い御要望が寄せられております。
 そこで、今般の所得税法等の一部を改正する法律案において、譲渡価額が五百万円以下の低額な低未利用土地を売却した場合に長期譲渡所得から百万円を控除する新たな税制措置を来年度より創設し、売却のインセンティブを付与したいと考えております。
 この税制改正により、不動産の低額物件の流通が拡大され、その結果、例えば子育て世代など若年世帯の住宅取得が促進され、また、新たな事業の開始につながるなど、地域にさまざまな投資が喚起され、地方創生の取組が進むことが期待されます。
 また、近年問題となっております所有者不明土地の発生予防にもつながるものと考えており、国土交通省としましても、土地の有効利用による地方活性化並びに安全、安心な国土の形成に努めてまいります。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣梶山弘志君登壇〕

#14
○国務大臣(梶山弘志君) 伊佐議員からの御質問にお答えをいたします。
 今回の税制改正で創設することとしているオープンイノベーションに係る措置についてお尋ねがありました。
 この税制措置は、事業会社によるスタートアップ企業への投資を後押しするものです。そのため、銀行や投資ファンドなどの純投資は支援対象といたしません。
 また、企業による投資の意思決定のタイミングは外部から正確に把握できないため、伊佐議員御指摘の追い銭に当たるかどうかの判別は困難ですが、経済産業省では、個々の投資について、スタートアップ企業の成長や投資主体である事業会社の変革という制度の目的に合致しているかを確認することとしております。
 さらに、本税制では、大企業については一億円以上の出資を対象としているところ、中小企業については特例的に一千万円以上の出資について大企業と同様の措置を講ずることとしており、中小企業にも広く活用していただけると考えております。
 こうした対応により、大企業、中小企業双方において幅広くオープンイノベーションを促進し、競争力の強化につなげてまいります。
 消費税の申告期限についてお尋ねがありました。
 消費税と法人税については、申告に必要な情報の多くが共通しているにもかかわらず、委員御指摘のとおり、これまで法人税にのみ申告期限の延長が認められていました。
 このため、企業実務において、決算期末から二カ月という短期間に集中して決算から消費税申告に関する業務を完了する、その後の法人税申告の過程で、消費税の申告内容に誤りが見つかった場合には、その申告内容を修正するといった追加的な作業が求められる等のプロセスが発生していました。
 他方で、働き方改革が進められる中で、企業は、非効率な業務プロセスの見直し等を行い、従業員の生産性をより一層向上させる取組が求められています。
 今般、令和二年度税制改正において、消費税の申告期限も一カ月延長できる特例を創設することで、こうした企業の事務負担の平準化や軽減が見込まれるものと考えております。
 引き続き、経済産業省としては、働き方改革を一層推進するべく、従業員の負担軽減と企業の生産性向上に取り組んでまいります。(拍手)
    ―――――――――――――

#15
○議長(大島理森君) 清水忠史君。
    〔清水忠史君登壇〕

#16
○清水忠史君 私は、日本共産党を代表して、所得税法等の一部を改正する法律案について、安倍晋三総理大臣に質問いたします。(拍手)
 来年度の国の一般会計当初予算案では、消費税収入が二十一・七兆円と見積もられ、初めて所得税収入を抜いて、最も多い税収項目になりました。一方で、法人税収入は十二・一兆円と、消費税のほぼ半分にしかなりません。総理が就任した二〇一三年度の収入を見れば、消費税が十・八兆円、法人税は十・五兆円と、ほぼ同額でした。この七年間で大きな開きが生まれたことになります。
 世界で一番企業が活躍しやすい国を目指す。七年前、総理はこの場所でそう宣言し、積極的に法人税率の引下げなどを行ってきました。総理は、財界の求めに応じてここまで基幹税である法人税収入を少なくしたことをまともな税制だと言うのでしょうか。
 この間、大企業が過去最高の利益剰余金をたたき出し、四百五十兆円を超える内部留保を積み上げているにもかかわらず、法人税率を引き下げ続けてきた政府の政策こそが、いびつな税収構造を招いたのではありませんか。
 総理、これは応能負担の原則を踏み外すやり方ではありませんか。答弁を求めます。
 大企業の法人税制の空洞化は深刻です。そもそも、中小企業の法人税実質負担率が一八%であるのに対し、大企業は一〇%にすぎません。例えば、ソフトバンクグループ株式会社は、二〇一九年三月末期の決算で、一兆九千八百四億円の税引き前利益を上げているのに、納税額はたったの五百万円です。法人税等の負担率に換算すると、〇・〇〇〇二五%にすぎません。この実態を総理は認識していますか。
 GAFAなど多国籍企業への課税強化に向けた国際的な動きが進んでいます。日本としても、各国と連携して課税強化の枠組みを進めるとともに、今こそ、外国子会社からの配当益金不算入制度や連結納税制度、研究開発減税など、大企業優遇税制を抜本的に見直すべきではありませんか。
 昨年十月に多くの国民が反対する中で強行された消費税の増税は、国民生活と地域経済に深刻なダメージを与えています。
 先月倒産したあるデパートの経営者は、消費税率引上げ後、売上高が前年比で三割から四割減少した、異次元の落ち込みで、一体何が起こっているのかわからないほどだったと増税の衝撃について述べています。
 スーパーマーケットの倒産が七年ぶりに前年比で増加し、中小企業全体の休廃業も七年ぶりに増加に転じるなど、全国でその影響が顕在化しています。
 倒産したスーパーの壁には、今回の消費税増税によって店を畳まざるを得なかった経営者の無念さがにじみ出るお知らせが張られています。その背後では、仕事を失った従業員や毎日の買物をする場所を失った地域住民が怒り、苦しんでいるのです。総理、その責任をどのように感じているのですか。
 総理は、先日、我が党の志位和夫委員長の代表質問での指摘に対し、増税による影響は前回ほどではないと強弁しました。余りにも実態とかけ離れています。
 総理は、消費税増税の影響による中小企業の倒産、廃業をどう把握しているのですか。倒産、廃業は発生しているが、前回よりは少ないから問題はないとでも言うおつもりですか。認識を伺います。
 今回の消費税増税でより問題を深刻にしているのは、政府が増税対策として持ち出した複数税率の導入とキャッシュレス決済によるポイント還元事業です。
 複数税率対応のレジや会計システム導入の費用負担が大き過ぎて、多くの中小零細業者が昨年十月の消費税増税を前に廃業に追い込まれました。
 ポイント還元事業では、参加した店舗のうちの六割が、売上げに効果がなかったと調査に答えています。結局、決済事業者に支払う手数料負担がふえただけです。また、売掛金の増大により、キャッシュフローが悪化し、資金繰りに困ることがあると答えた店舗が二割に上っていることも重大です。
 総理、あなたには政府の増税対策そのものが事業者を苦しめているという自覚はありますか。
 売り手だけではありません。ふだんカードを持ち歩かない高齢者や、そもそも加盟店舗数が少ない地方から、不条理な制度だとの声が上がっています。総額七千億円も投入するキャッシュレス決済によるポイント還元事業は、政府の大失策だったのではありませんか。総理の答弁を求めます。
 日銀の黒田総裁でさえ、先日行われたダボス会議で、消費税率引上げ等によりGDPがマイナス成長になる可能性があると発言しました。これ以上の景気悪化を食いとめ、経済を立て直すためにも、消費税率の五%への引下げを決断すべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
 最後に、非婚の一人親に対する所得控除について伺います。
 何十年も前から、多くの方たちが、非婚の一人親への差別をなくし、寡婦、寡夫の控除を認めよと運動してきました。我が党を含め、これまで何度も国会で取り上げられてきた課題が、ようやく見直されることになりました。
 しかしながら、子供以外の扶養親族がいるケースなどでは、婚姻歴の有無や性別によって制度から除外される人は残されたままです。今こそ全面的な解決を図ることが求められているのではないでしょうか。総理の認識を伺います。
 日本共産党は、大企業優遇税制を正すこととあわせて、富裕層優遇の証券税制を見直し、所得税の最高税率を引き上げるなど、負担能力に応じた税制改革を求めます。低迷する日本経済と国民生活を立て直すために、直ちに消費税率を五%に戻すことを主張して、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#17
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 清水忠史議員にお答えをいたします。
 税制の応能負担原則についてお尋ねがありました。
 法人税については、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から、成長志向の法人税改革に取り組んできました。その中でも、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大により、財源をしっかり確保してきています。
 また、所得再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや、金融所得課税の見直しにより税率を一〇%から二〇%に倍増するなど、応能負担の原則に沿った施策を講じてきたところです。
 なお、消費税については、急速な高齢化等を背景に、社会保障給付費が大きく増加する中で、国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代から広く公平に分かち合うという観点から、社会保障の財源と位置づけています。その上で、全世代型社会保障へと転換するための安定財源として、税率一〇%への引上げを行ったところです。
 大企業への税制優遇及び国際的な租税回避への対応についてお尋ねがありました。
 国際的な租税回避は、課税の公平性を損ない、納税者の信頼を揺るがす大きな課題であると考えています。こうした租税回避の防止については、国際的な合意も踏まえ、必要な見直しを着実に実施してまいりました。
 令和二年度税制改正においても、子会社からの配当及び子会社株式の譲渡を組み合わせた国際的な租税回避への対応を講じることとしております。
 御指摘の外国子会社配当益金不算入制度は、外国子会社からの配当に対する国際的な二重課税を排除するために国際的にも一般的な制度であり、また、連結納税制度は、企業グループを一体とみなして取り扱うことで、税制が企業の組織形態に影響を与えないようにするための制度です。さらに、研究開発税制を始めとする租税特別措置は、その時々の政策課題に対応するために有効な政策手段となり得る面もあることから、単純に廃止すればいいというものではないと考えています。
 いずれにしても、政府としては、引き続き、租税回避の防止に向けて不断に取り組んでまいります。
 また、経済のデジタル化に伴う課税上の課題については、OECDを中心として国際的に議論を進めているところであり、我が国としては、二〇二〇年末までにグローバルな解決策に合意できるよう、国際的な議論に貢献してまいります。
 消費税率引上げの影響についてお尋ねがありました。
 今回の消費税率引上げに当たっては、例えば、御指摘の中小・小規模事業者に対して、税率の引上げ幅の二%を上回る五%の大胆なポイント還元やレジ導入支援のほか、インバウンドや観光などの新たな需要を取り込もうとする商店街の取組への支援に加え、中小・小規模事業者が適正かつ円滑に税率引上げ分を転嫁できるよう、転嫁拒否等に対する監視、取締りの強化などさまざまな施策を総動員して対応したところです。
 こうした対策もあって、消費税率引上げ前の駆け込み需要やその後の落ち込みは、十月には台風の影響等も見られるものの、現時点では全体として前回ほどではないと見ています。
 引き続き、中小・小規模事業者の倒産、廃業の動向を始め、引上げによる影響には十分注意してまいります。
 また、その上で、先般取りまとめた総合経済対策においては、中小企業、小規模事業者の生産性向上に資する取組を複数年にわたり継続的に支援することとしており、我が国経済の屋台骨を支える中小・小規模事業者を今後ともしっかりと支援してまいります。
 軽減税率とポイント還元についてお尋ねがありました。
 軽減税率制度については、消費税率引上げに伴う低所得者対策として導入したところであり、これまでも制度の円滑な導入や定着に向けて、全国の税務署等で約九万回の事業者向け説明会の開催や、中小企業、小規模事業者が軽減税率に対応する際の負担軽減のため、レジを導入した場合の補助といった対応を行ってきたところです。
 今後とも、周知、広報を始め、必要な取組を進めてまいります。
 ポイント還元については、中小・小規模事業者への需要喚起策であり、参加店舗に対するアンケート調査では、約四割の中小事業者が売上げに効果があったと回答しているほか、顧客獲得や業務の効率化にも一定の効果が出ていると承知しています。
 また、今回のポイント還元では、決済端末の支援を行い、中小・小規模事業者の導入に係る負担をゼロとするとともに、手数料についても、三・二五%以下とした上で、更にその一部を補助するなどにより、中小・小規模事業者の皆さんの負担を大きく軽減しています。
 ポイント還元事業の高齢者による利用についてお尋ねがありました。
 消費者に対するアンケート調査によれば、ポイント還元事業の開始後、週一回以上キャッシュレスを利用する高齢者が、六十代では七割以上、七十代以上では六割以上となるなど、高齢者を含む全世代でキャッシュレスの利用頻度がふえています。
 今後とも、事業の周知を積極的に行いながら、高齢者の皆さんを始めあらゆる方々の利用を一層促してまいります。
 消費税率の引下げについてお尋ねがありました。
 今回の消費税率の引上げは、少子高齢化という国難に正面から取り組むに当たり、お年寄りも若者も安心できる全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためにどうしても必要なものです。
 また、消費を始めとした景気の動向については、事業規模二十六兆円の総合経済対策を取りまとめ、相次いだ災害からの復旧復興や海外発の下方リスクに対し万全の対応を行ったところです。
 先般成立した補正予算の早期執行に努めるなど、経済対策を着実に実行することにより、デフレ脱却、経済再生の道筋を確かなものとしてまいります。
 寡婦控除についてお尋ねがありました。
 今般の改正は、全ての一人親家庭に対して公平な税制を実現する観点から行っており、婚姻歴の有無や性別にかかわらず、全ての一人親に対して同一の一人親控除を適用することとしました。
 他方、今回の改正後も、所得五百万円以下で、子以外の扶養家族を持つ死別、離別の女性等に対する寡婦控除については、戦争未亡人で家に残された御老人などを扶養する方への負担軽減といった制度創設の趣旨などを踏まえて、現状のまま適用することとしています。(拍手)
    ―――――――――――――

#18
○議長(大島理森君) 串田誠一君。
    〔串田誠一君登壇〕

#19
○串田誠一君 日本維新の会の串田誠一です。
 所得税法に関し、党を代表して質問いたします。(拍手)
 NISA制度の見直しと延長について質問します。
 つみたてNISAを五年間延長し、一般NISAを別枠の非課税投資にできるようにするとともに五年間延長するとしています。
 金融庁は定年後の投資の参考としてNISAを提案しました。年金以外にも資金を活用する手段として、NISAの利用による資産形成の支援策を勧めるのであれば、NISAは五年間の延長ではなく恒久的な制度にすべきようにも思います。
 そこで、総理に質問します。NISA制度を恒久的な制度にしない理由は何でしょうか。また、大学入学のための費用をつくることに利用されてきたジュニアNISAが二〇二三年末で打ち切られる理由は何でしょうか。お答え願います。
 本法案では、一定のベンチャー企業への出資に対し、その株式の取得価額の二五%相当額の所得控除を認める新しい法人税制をつくろうとしています。企業の内部留保が投資に回らない現状に対し、大企業の内部留保の放出とスタートアップ企業への支援の両方を狙った税制であると捉えています。
 総理に質問します。この新しい制度による経済効果はどの程度であると予測していますか。お答え願います。
 5G導入促進税制について質問します。
 5Gの導入については、アメリカや中国に比べておくれをとっています。5G導入促進税については、自民党税調が税額控除額を九%としていたところを、安倍総理の強い指示で一五%にまで拡大したとも報じられています。
 総理に質問します。5G導入の税制控除額を九%から一五%に拡大することによる効果をどの程度と見込んでいますか。お答え願います。
 一月二十一日に公表された日銀の経済見通しでは、十月時点の経済見通しと比べて、実質GDP成長率で〇・二%見通しを上げました。しかし、その後に起きた新型肺炎がもたらす経済への影響は十月時点では考慮されておらず、経済成長を阻む要因として大きいのではないでしょうか。
 国際通貨基金、IMFのゲオルギエバ専務理事は、新型肺炎は世界景気に短期的に減速をもたらす可能性があると発言しています。また、春節後の上海の株価も大幅に下落しています。感染拡大への対策とともに、経済への影響も最小に食いとめなければなりません。
 総理に質問します。新型肺炎がもたらす経済への悪影響に対し、政府としてどのような手を打つことを考えていますか。お答え願います。
 最後に、一人親家庭の税制上の措置について質問します。
 一人親家庭における子供は貧困になりがちであり、税制上の支援は必要です。婚姻歴があるかどうか、男性か女性かは問わないのは、むしろ当然です。
 ところで、日本は世界と比較して極めてまれな単独親権の制度を採用している国です。G7では日本だけ、G20ではトルコと日本だけですが、トルコも最高裁主導のもとに共同親権へと移行しつつあります。現時点では、単独親権は日本と北朝鮮ぐらいになりつつあります。残念なのは、どちらも世界から、拉致を放置する国と思われていることです。各国で日本が子供の権利を守らない国として番組が作成され、閲覧されていることで、日本国民より他国民がこの事情をよく知っているというのが実情です。
 親が子供を連れ去ることを英語ではアブダクションあるいはキッドナッピングと表現します。文字どおり、拉致又は誘拐です。国が制度として単独親権を強制するため、片方の親が子供の親権を確保しようとして連れ去るのです。
 二〇一八年、米国は日本をハーグ条約不履行国と指定し、昨年の二月には国連から共同養育に法改正するよう勧告され、六月の大阪G20では、安倍総理が直接、イタリアのコンテ首相、フランスのマクロン大統領から連れ去りをやめるよう要請されたと聞いております。ホスト国が苦言を受けるのは大変異例なことではないでしょうか。
 子どもの権利条約は、共同養育を規定しています。単独親権は、正面から、共同で養育する条約に反していると言わざるを得ません。
 昨年、予算委員会では、安倍総理は、共同親権採用の可否に関する検討を法務省に指示し、研究会が設置されるなど、これまでの政権にない取組を開始したことは評価いたします。しかし、スピード感が足りません。昨年末から、欧州や豪州などの外務省が日本への渡航に、日本は子供の権利を守らない国として注意喚起を始めました。大変恥ずかしいことです。オリパラまでに各国の外務省の注意喚起を取り下げるべく努力していただきたいと思います。
 なお、フランスでは、日仏の子供に関し、実子誘拐という抗議をする決議を、日本時間の本日未明、フランスの上院議会で三百四十票の満場一致で採択されたことを申し添えておきます。
 言うまでもなく、つらい思いをしている一人親を支援することは賛成です。一方、国が条約を守らないために親権を得られなかった親が支払う養育費についても、国として何らかの措置を検討すべきであると考えます。
 十六歳未満の子には児童手当が支払われるからと、扶養控除が認められていません。夫婦と子が同居しているときには児童手当が家計に入ることも、理解できます。しかし、日本は、独特な親権制度により、離婚によって子供との面会も極めて少なくなった親の支払う養育費は、十六歳を境にして額を変更する例は余りありません。共同養育を定めた子どもの権利条約を守ることが先決ですが、それまでの間、養育費の支払いを確保するためにも、離婚に伴う養育費の支払いには、十六歳未満であっても扶養控除を認めていく考えはありますか。総理にお尋ねいたします。
 日本が批准した子どもの権利条約を誠実に遵守すべきなのは、憲法九十八条二項にも規定されていることです。日本維新の会は、声なき声を大切にする政党として、子供の権利を今後も守っていくことを国民にお誓いし、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 串田誠一議員にお答えをいたします。
 NISA制度の見直しについてお尋ねがありました。
 千八百兆円を超える家計金融資産のうち半分が現預金で占められている中、家計の安定的な資産形成を進めていく上では、長期、積立て、分散投資を促していくことが重要です。
 NISA制度は、期限を区切って貯蓄から投資へという動きを後押しするために創設された制度であり、今回、つみたてNISAについて期限を五年延長し、一般NISAについても、現行制度終了後、新たな制度に見直した上で更に五年間の投資を可能としております。
 ジュニアNISAについては、利用実績が乏しいことなどから、延長せずに二〇二三年末に終了することとしておりますが、今回行ったNISA制度の全体としての延長により、経済成長に必要な成長資金の供給を促すとともに、人生百年時代にふさわしい家計の安定的な資産形成を支援していくことができると考えております。
 オープンイノベーション促進税制による経済効果についてお尋ねがありました。
 足元で、事業会社によるベンチャー投資は、米国が年間三兆円程度、中国は一兆円余りであるのに対し、日本では二千億円ほどにとどまっています。
 他方で、日本企業が有する現預金は六年間で五十兆円増加しており、今回の税制によってそれらを社外のベンチャー企業への投資に振り向けるよう強力に促すことで、我が国のベンチャー投資額を世界水準並みに向上させ、成長力の強化を図ってまいります。
 5G導入促進税制についてお尋ねがありました。
 5Gがもたらす変革は、経済のみにとどまらず、安全保障を始め社会のあらゆる分野に大きな影響を及ぼすとの認識のもと、今後、国際戦略として取り組んでいく考えです。
 令和二年度税制改正では、我が国経済社会や国民生活の根幹をなす5Gを早期に普及させる観点から、超高速大容量通信等を実現する全国基地局の前倒し整備を支援するとともに、地域活性化や地域の課題解決を促進する観点から、地域の企業等がみずから構築するローカル5Gの整備を支援するため、安全性、信頼性が確保された5G設備の導入に対し、一五%の税額控除などの思い切った減税措置を講じます。
 これにより、安全性、信頼性、供給安定性、オープン性が保証された5Gシステムの構築及び早期の普及が図られるものと考えております。ポスト5G、更にその先を見据えながら、ソサエティー五・〇時代のイノベーションを主導してまいります。
 新型コロナウイルス感染症への対応についてお尋ねがありました。
 まずは、水際対策の強化や、国内の検査体制や相談体制の充実、拡大といった蔓延防止対策を徹底するなど、国民の命と健康を守ることを最優先に、やるべき対策をちゅうちょなく実行してまいります。
 さらに、今回の新型ウイルスをめぐっては、観光を含めた地域経済などに大きな影響をもたらし始めており、こうした影響についても十分に目配りし、政府として万全の対応をとってまいります。
 養育費の支払いの確保についてお尋ねがありました。
 離婚した一人親家庭の生活の安定と子供の健やかな成長のため、養育費の確保は重要です。
 このため、これまで国や自治体などにおいて養育費の取決めを促すための情報提供や養育費に関する相談支援の実施といったさまざまな取組を行ってきたところです。
 御指摘の十六歳未満の子に対する扶養控除は、児童への手当拡充に伴って平成二十三年に廃止されたものですが、仮に、離婚をされた方で養育費を払っている方について、十六歳未満の子への扶養控除の適用を認めることとした場合、その子の養育に当たっては手当と控除の両方で配慮することとなり、離婚していない父母の子については、控除はなく、手当のみとなっていることに対して、公平の観点から問題があり、慎重に検討する必要があると考えています。
 今後も、引き続き、養育費の取決めの促進やその履行の確保に向けて、必要な検討に努めてまいります。(拍手)

#21
○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――

#22
○議長(大島理森君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時二十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣    麻生 太郎君
       経済産業大臣  梶山 弘志君
       国土交通大臣  赤羽 一嘉君
 出席内閣官房副長官及び副大臣
       内閣官房副長官 西村 明宏君
       財務副大臣   遠山 清彦君
ソース: 国立国会図書館
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