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2020/01/30 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 本会議 第4号 令和2年1月30日
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2020/01/30 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 本会議 第4号 令和2年1月30日

#1
令和二年一月三十日(木曜日)
   午後七時十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
○議事日程 第四号
    ─────────────
  令和二年一月三十日
   午後六時 本会議
    ─────────────
 第一 令和元年度一般会計補正予算(第1号)
 第二 令和元年度特別会計補正予算(特第1号
  )
 第三 令和元年度政府関係機関補正予算(機第
  1号)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一より第三まで
 一、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案
  (衆議院提出)
 一、地方交付税法及び特別会計に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 一、平成三十年度歳入歳出の決算上の剰余金の
  処理の特例に関する法律案(内閣提出、衆議
  院送付)
     ─────・─────

#2
○議長(山東昭子君) これより会議を開きます。
 日程第一 令和元年度一般会計補正予算(第1号)
 日程第二 令和元年度特別会計補正予算(特第1号)
 日程第三 令和元年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 以上三案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長金子原二郎さん。
    ─────────────
   〔審査報告書は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔金子原二郎君登壇、拍手〕

#3
○金子原二郎君 ただいま議題となりました令和元年度補正予算三案の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 補正予算三案は、去る一月二十日に国会に提出され、衆議院からの送付の後、昨二十九日に財務大臣から趣旨説明を聴取し、同日及び本日の二日間、安倍内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、質疑を行いました。
 質疑は、消費税収下振れの要因及び消費税率引上げ後の経済情勢、防災・減災、国土強靱化に係る事業の意義及び実効性、防衛関係費増額の財政法第二十九条に規定する緊要性の有無、建設国債発行の意義、豚コレラ等に係る家畜疾病対策強化の必要性、iPS細胞に関連する事業への国費充当に係る議論の在り方、一人親に対する支援に係る税制改正、新型コロナウイルスへの早急な対応と対策、自衛隊の中東派遣の目的及び法的根拠、全世代型社会保障実現に向けた取組、今後のIR事業促進の可否、桜を見る会の招待者選定過程の在り方など、多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 質疑を終局し、討論、採決の結果、令和元年度補正予算三案は賛成多数をもっていずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#4
○議長(山東昭子君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。塩村あやかさん。
   〔塩村あやか君登壇、拍手〕

#5
○塩村あやか君 立憲民主党の塩村あやかです。
 私は、立憲・国民.新緑風会・社民を代表して、ただいま議題となりました令和元年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 討論に入る前に、台風第十五号を始め、相次ぐ自然災害の犠牲となられた方々に哀悼の意を表すとともに、被災をされた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、政府には、新型コロナウイルスへの対応について、感染拡大の防止策、国民への迅速かつ的確な情報提供等、より一層対応の強化をお願いいたします。
 昨年来、菅原一秀前経産大臣と河井克行前法務大臣の辞任ドミノ、河井あんり議員に関する公職選挙法違反疑惑や一億五千万円もの選挙資金問題、IR担当の副大臣を務めたあきもと司衆議院議員に関するIR疑獄など、政治と金をめぐる安倍内閣の醜聞は尽きることがありません。
 また、桜を見る会に関する公文書隠蔽や破棄については疑惑が深まっています。安倍総理が政治枠を利用して私物化をしてきた実態や、高級ホテルでは常識的には考えられないほど安価な夕食会の開催もされていました。さらには、政府のずさんな公文書管理などがこれまでに明らかとなっており、官僚が処分もされています。総理は、当該ホテルやすし店の名誉を必死に守っておられますが、どうして官僚の名誉には無頓着なんでしょうか。
 公文書管理につきましては、不自然なまでに短い保存期間を設定していた上、資料の要求のあった日に廃棄処分を行いました。データを破棄した時期を確認するため、ログの開示を求めた野党の当然の要求に対し、安倍総理は、セキュリティー上の問題があるとして拒否をしました。こうした安倍総理の姿勢は、安倍内閣の隠蔽体質を象徴していると言えるでしょう。
 そして、参議院予算委員会理事懇談会に対し、推薦をした部局名を削除した推薦者名簿を提出していたことが判明をいたしました。これは、国政調査権を欺き、国民の権利を踏みにじる、決してあってはならない行為です。政府に対して猛省を促すとともに、二度とこのようなことが起こらないよう、職員の意識改革と再発防止策を求めます。
 このように、本来ならば予算審議を行うべきではない状況でありますが、以下、補正予算に反対をする主な理由を申し述べます。
 第一に、不要不急の事業を盛り込んでいることです。
 近年、政府は、国土強靱化の名の下に、多額の公共事業費を計上してきました。その結果として、平成三十年度は三・二兆円もの公共事業関係費が令和元年度へと繰り越されるなど、年度内に執行ができない状況が目立っています。建設関連業種の有効求人倍率が五倍前後の高水準に定着をして久しい中、本補正予算において最も重要である被災地の復旧復興を十分かつ速やかに実施できるのか、懸念を抱かざるを得ません。真に必要な事業に集中をさせるべきです。
 また、補正予算の恒例とも言える防衛関係費の増額です。航空機等の整備の促進、総合ミサイル防空能力の強化等、四千三百億円を計上していますが、本当に補正予算での整備や強化が必要でしょうか。国防の重要性に鑑み、各年度において精査、検証を行い、当初予算でしっかりと議論するものと考えます。
 そもそも、政府は、切れ目のない予算措置などと聞き心地の良い言葉で十五か月予算を打ち出しています。これ自体が、シーリングを逃れ、補正予算への経費付け替えを糊塗するための常套句にすぎません。
 第二に、効果の不透明な事業、恩恵の偏っている事業を盛り込んでいることです。
 平成二十七年度補正予算以降、政府は、TPP、TPP11、日EU・EPAと、目的を追加しながら財政措置を積み重ねてきました。一月一日に発効した日米貿易協定への対応策を含め、本補正予算でも三千四百億円を計上し、累計でおよそ二・五兆円にも達しています。今般の日米貿易協定について、安倍総理は国益にかなう結果を得ることができたと強調していますが、果たしてそうでしょうか。政府がなすべきは、効果の判然としない予算措置を積み上げ、あたかも我が国の農畜産業を守ったかのような体裁を整えることではなく、自動車及び自動車部品の関税撤廃等、第二弾の交渉で根拠のある成果を勝ち取るとともに、更なる関税撤廃圧力をはね返し、真の意味での国益を守ることです。
 第三に、財政健全化への意欲を全く感じられない予算となっていることです。
 本補正予算では、四・四兆円もの国債が増発されるほか、低金利による利払い費の不用分はもとより、三十年度決算剰余金からも特例法を制定することで、合わせて九千億円を財源に充てるとしています。このため、公債依存度は三・二ポイント上昇して三五・四%、基礎的財政収支は当初予算から五・四兆円悪化をして十四・六兆円の赤字となり、財政健全化は大幅に後退をしています。
 財政法は、決算剰余金のうち二分の一を下らない額を国債償還に充てると定めています。経済再生と財政健全化を両立をすると胸を張るのであれば、決算剰余金という隠れみのを使うことなく、赤字公債を発行し、国民の評価を仰ぐべきです。安倍総理には、次の世代に負担を先送りしないという、国家財政を預かる者として当然の責務を果たす意欲が全く見られません。
 以上、本補正予算に反対をする主な理由を申し述べました。
 なお、補正予算案のうち、自然災害からの復旧復興の加速に関する予算の部分については、今年度に発生をした自然災害により被災をされた多くの方々の生活を再建し、地域を復興するために必要不可欠であり、その内容に異論はありません。しかしながら、本来であれば昨年の臨時国会にて措置すべき内容であり、政府の対応は余りにも遅過ぎたということを指摘をしておかなくてはいけません。
 最後に、昨秋の消費増税について付言をいたします。
 安倍総理は、経済情勢を理由として消費税の増税を二回繰り返しました。それでは、現在の経済情勢はどうでしょうか。景気動向指数が悪化を示すとおり、我が国経済は下り坂に直面をしています。消費増税を強行して国民に負担を求めたにもかかわらず、令和元年度の税収見通しは下振れをして、二・三兆円の減額補正を余儀なくされています。
 景気の判断力不足から二度の延期を講じて自らを窮地に追い込み、既に綻びが見えるアベノミクスを度重なる補正予算で延命をさせ、景気が減速をする最悪のタイミングで増税を行った安倍総理に政権を担う資格はありません。
 更に言えば、総理は少子化は最大の国難と言いますが、その対策は不十分ではないでしょうか。
 日本では、現在、五・五組に一組の割合で御夫婦が不妊治療や検査を受けています。十六人に一人の子供が不妊治療で生まれ、多くの皆さんが精神的、肉体的負担だけではなく、費用負担に苦しんでいます。
 特に、今求められているのは、先週の衆議院本会議で枝野幸男代表が訴えた、望む方への不妊治療の保険適用又は費用負担が保険適用と同程度になる補助ですが、残念ながら、総理答弁は現状追認の事実上のゼロ回答でした。ギャンブル依存症を保険適用しようというのであれば、不妊治療も保険適用の議論があってもいいのではないですか。
 総理、今年度中を目途に策定作業を進めている政府の新たな少子化社会対策大綱に、不妊治療について更なる支援を盛り込むべきです。
 立憲民主党は、国での不妊治療などに関する生殖補助医療の議論を牽引をしていくため、今週、不妊治療等に関するワーキングチームを立ち上げました。当事者の皆様とともに取り組んでまいります。
 私たち野党は行政監視機能を担っています。これからもしっかりと政府の行政監視を行い、国民の声を国会の場へと届けてまいります。
 これ以上、安倍内閣に政権運営を任せることはできないと最後の最後に申し上げ、私の討論を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)

#6
○議長(山東昭子君) 山田修路さん。
   〔山田修路君登壇、拍手〕

#7
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。
 私は、自民、公明を代表いたしまして、ただいま議題となりました令和元年度補正予算三案に対し、賛成の立場から討論いたします。
 国民の声に耳を傾け、不安を取り除き、安心と安全を守り抜くことは、政治の大切な役割です。令和元年度補正予算案には、困難に対して果敢にチャレンジする方々、将来への不安の払拭に取り組んでいる方々を全力で後押しする施策が盛り込まれています。
 暦の上ではもうすぐ立春だが、待っていられない。一日も早く春を感じる暖かい補正予算の風を吹かせてほしい。昨年、我が国を襲った台風などの被災地を含む全国各地から、こうした声が聞こえてきます。
 昨年末まとめられた経済対策は、安心と成長の未来を切り開くものであり、令和元年度補正予算の執行は、その実現のために不可欠なものです。
 安倍政権下で、GDPは名目、実質共に過去最大規模、六年連続で今世紀最高水準の賃上げ、税収も過去最高の水準になるなど、実績が上がりました。経済再生なくして財政再建なしという姿勢が正しいことを示しており、本補正予算案もこの考え方にのっとっています。
 以下、本補正予算に賛成する理由を申し述べます。
 一点目は、自然災害からの復旧復興の加速に加えて、防災・減災、国土強靱化の強力な推進、さらには家畜疾病への対応強化など、幅広く国民の安全、安心を確保するための予算が計上されている点です。
 昨年の台風十五号や十九号を受けての治水対策、無電柱化の推進、道路網の不通区間の解消、被災した中小企業や農業ハウス等の再建に向けた支援策、安全保障環境や頻発する自然災害に対応するための自衛隊の安定的な運用態勢の確保、さらには豚熱、アフリカ豚熱など家畜疾病への対応強化など、いずれも国民の皆様の安全、安心を守るためには迅速に講ずべき施策が確保されております。
 二点目は、中小企業・小規模事業者の生産性向上のための環境整備や農林水産業の成長産業化と輸出力強化の加速など、経済の下振れリスクを乗り越えようとする方々への重点支援のための予算が計上されている点です。
 輸出に適した和牛の増産体制の整備、海外需要の創出、輸出対応の食品加工施設等の整備など輸出力の強化、また成長産業化、高収益化の推進のための事業、さらには、中小企業生産性革命推進事業や事業承継支援、加えて就職氷河期世代への支援を加速するなど、地方経済や農林水産業、中小企業・小規模事業者を支える施策を盛り込んでいます。
 三点目は、ソサエティー五・〇の実現に向けたイノベーションと社会実装の促進、それを担う人材投資、子育てしやすい生活環境の整備など、未来への投資と東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた経済活力の維持向上のための予算が計上されている点です。
 ポスト5G情報通信システム基盤強化対策やサポカー補助金、児童生徒一人一台端末の実現、物流ネットワーク整備や生産性向上のためのインフラ整備、都市再開発の促進、さらにはキャッシュレスポイントの還元事業など、未来志向で景気を支える施策を講じていく内容となっています。
 以上、賛成する主な理由を申し述べました。
 多くの皆さんから御賛同を賜りますようお願いを申し上げ、私の賛成討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

#8
○議長(山東昭子君) 岩渕友さん。
   〔岩渕友君登壇、拍手〕

#9
○岩渕友君 私は、日本共産党を代表して、二〇一九年度第一次補正予算案に反対の討論を行います。
 新型コロナウイルス関連肺炎の感染が拡大し、重大な事態になっています。空港などの検疫体制強化とともに、医療機関や保健所などの体制確立と強化など、政府が総力を挙げて感染拡大を防止する抜本的な対策の強化を求めます。
 補正予算の審議を通じ、総理による公的行事、桜を見る会の私物化の実態がいよいよ明らかになりました。総理の地元事務所が功績、功労と関係なく幅広く参加者を募り、地元後援会や支援者を参加させ、昭恵夫人までが多数の友人、知人を推薦し、それがそのまま招待されていたことを総理も認めました。長年の慣行などではなく、安倍政権が七年にわたって事実上の公職選挙法違反、買収をしていた疑いがいよいよ濃厚となりました。
 総理が二〇一八年、自民党総裁選を前に、桜を見る会に自民党の地方議員を大量に招待していたことも明らかになりました。総裁選をめぐる桜を見る会利用という私物化疑惑です。
 悪徳マルチ商法を展開したジャパンライフの山口会長に総理枠で招待状が届けられた疑惑も重大です。この招待状が悪用され、二千億円とも言われる被害の拡大につながり、その道義的責任が問われています。
 こうした疑惑の究明を求める声に対し、安倍政権は、招待者名簿は廃棄したなどと徹底した組織的隠蔽を図ることで逃げようとしています。
 しかし、個人情報を盾にした名簿廃棄の理屈が成り立たないことも明白となりました。招待者名簿提出に際しての政府及び自民党の連絡文書には、行政機関の保有する情報の公開に関する法律に基づいて名簿全体を公開されることもありますなどと明記されていました。公開が前提だったことは明らかです。森友問題の反省で作られたガイドラインを曲解し、あくまでも隠蔽を図ろうとしていることも明らかになりました。うそとごまかしを重ねることはやめるべきです。
 直近の世論調査では、総理の説明に納得できないという回答が七割を超えています。政府が、野党の求める資料を直ちに開示し、真実を語ることは待ったなしだということを厳しく指摘するものです。
 総理自身が成長戦略の目玉として推進してきたカジノ事業をめぐって、担当副大臣だった現職国会議員が収賄容疑で逮捕されるという重大事件が起こりました。
 カジノ実施法の強行に当たり、参議院の附帯決議は、収賄等の不正行為を防止し、選定の公平性、透明性を確保することとしており、最優先で全容を解明しなければなりません。野党は、衆議院にカジノ廃止法案を共同提出しました。疑惑の全容解明とともに、カジノの実施は中止することを強く求めます。
 補正予算案について述べます。
 本案のうち、相次ぐ台風、豪雨による災害からの復旧対策費は、緊急かつ必要な支出です。お亡くなりになられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。
 私も、発災直後、福島県で被災された方々からお話を伺いました。自宅が浸水したけれど、高齢だからアパートを借りることができない、修理をするべきか、転居をするべきかなど、多くの方が不安を抱えており、生活再建に向けた更なる対応が政府に求められています。
 とりわけ、住まいの再建に向けた支援の抜本的な強化が必要です。被災者生活再建支援制度による支援金の対象に半壊と一部損壊は含まれていません。制度が実態に合わないとして、改善を求める声が広がっています。制度の対象拡大、全壊で最大三百万円となっている支給額についても五百万円に引き上げるなど、拡充を求めます。
 相次ぐ災害の被害からも、気候変動への対応は喫緊の課題です。世界の流れに反して政府が石炭火力発電所の建設、海外石炭火力発電所への投融資を進めていることに国際的な批判が強まっています。政府は、石炭火発、原発に固執するエネルギー政策から、地域や市民が主体となる分散型の再生可能エネルギーへの転換を進めるべきです。
 本案に反対する最大の理由は、巨額の軍事費の計上です。そもそも、財政法上、補正予算は予算編成後に生じた事由に基づく特に緊要な場合に限って認められます。ところが、安倍政権は、この間、戦闘機、護衛艦、ミサイルなどの購入経費を補正予算に盛り込むやり方を常態化させてきました。これは、補正予算の趣旨を根本からゆがめるものです。
 本案にも、この傾向が顕著に出ています。軍事費は四千二百八十七億円に上りますが、その九割を占めるのが、F35A戦闘機や空中給油機などを取得するための歳出化経費、つまり兵器購入の分割払の前倒しです。既に発注済みの兵器の後年度負担分を繰り上げて払うことに緊急性はなく、ましてや経済対策でもありません。
 補正後の後年度負担は、新規が二・六兆円、総額は五・四兆円に達しています。本案は、将来の財政を圧迫し、国民生活に必要な施策ができなくなる危険性を増大させるものであり、断じて容認できません。
 政府が行うべきは、巨額の軍事費で際限のない軍拡に突き進むことではありません。憲法九条を生かした政治への転換こそ求められていることを強く指摘するものです。
 消費税一〇%増税の強行で、日本経済は新たな消費不況に陥りつつあります。山形で創業三百二十年の老舗百貨店が消費税増税を契機に自己破産するなど、地域経済の苦境とともに、増税による売上げの減少や複数税率の対応などで中小・小規模事業者の廃業が加速しています。消費税増税が暮らしと経済を冷え込ませ、二〇一九年度の税収見通しも二兆三千百五十億円もの減額となっています。
 本案は、その穴埋めのために二・二兆円、経済対策のために二・二兆円、合わせて四・四兆円もの国債を発行しようとしています。これは消費税増税分とほぼ同額です。一方で、高速道ネットワーク化、世界レベルのホテル建設を含む民間都市開発、日本の大企業によるMアンドAやインフラ整備など、新規大型開発の大盤振る舞いをしています。不要不急の財政支出はやめ、社会保障、暮らしに予算を回すべきです。この点からも、本補正予算案に賛成できません。
 富裕層、大企業に応分の負担を求め、消費税を五%に戻し、社会保障の充実、国民生活の応援をしてこそ、景気の好循環をつくることができます。
 格差を是正し、暮らしを応援する政治へ、税金の集め方、使い方を抜本的に改めることを強く求めて、反対討論を終わります。(拍手)

#10
○議長(山東昭子君) 片山大介さん。
   〔片山大介君登壇、拍手〕

#11
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私は、会派を代表して、令和元年度補正予算三案について、賛成の立場から討論いたします。
 冒頭、新型コロナウイルスについて述べさせていただきます。
 現在、世界的な広がりを見せてきていて、予断を許さない状況です。政府の情報発信が不足していては、国民の不安が増すばかりです。政府には、信頼度の高い情報発信を求めます。そして、水際対策に偏らず、国内でやれることを全てやる積極的な対策とともに、民間の検査会社などを活用した検査体制の早期確立を求めます。
 さて、本補正予算は、自然災害による被害への対応、防災・減災対策や国土強靱化の強力な推進のための費用二・三兆円が計上されています。台風の規模が年々大きくなり、防災・減災の体制が追い付いていないことは被害の現状から明らかです。なので、災害対策の予算には賛同いたします。
 しかし、補正の予算の在り方について、毎回言っていることではありますが、改めて指摘させていただきたいことがあります。
 まず一点目、補正予算の常態化についての懸念です。
 財政法二十九条は、法律上又は契約上国の義務に属する経費の不足を補うほか、予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出に限り増額補正ができると規定しています。なので、災害からの復旧復興と安全、安心の確保以外の項目を補正予算に入れることは、財政法に照らして適切ではありません。
 例えば、加工施設再編等緊急対策事業に二十一億円が計上されています。これは、TPP対策として、平成二十七年度補正予算から毎年、補正予算で計上されてきました。平成三十年度の予算執行率が八六%であり、見直しが議論されるべきなのに、問題とされずに補正で予算化されています。ほかにも執行率が低い予算が補正で計上されている事例が見受けられます。
 言うまでもなく、財政法第二十九条の予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出には該当しません。補正予算が常態化すると、財政規律という意味で大きな問題です。
 指摘の二点目、公債発行額を低く見せかけるのは公正ではありません。
 財政法第六条一項は、各会計年度の歳入歳出の決算上の剰余金の二分の一を下回らない金額を公債などの償還財源に充てなければならないと規定しています。そこで、今回、剰余金の処理の特例に関する法律案が国会に提出されました。規定を適用しないための特例法です。国債発行額を小さく見せかける小手先の策ではないでしょうか。
 安倍総理は、施政方針演説で、公債発行は八年連続で減額と述べました。しかし、これは本予算に限定した話です。補正予算を合算すれば、平成二十八年度、そして平成三十年度の公債発行額は前の年度を上回っています。実際には八年連続減額ではなく、公正ではありません。公債は、将来に回すツケであって、正しい姿を国民の前に分かりやすく示すことが公正なのです。小手先でごまかし、国民を欺くようでは困ります。財政規律の確保と公債発行の歯止めとして、財政法第六条一項を尊重することを求めます。
 指摘の三点目は、建設国債の発行が増えることへの懸念です。
 本補正予算の建設国債の新規発行額は二・二兆円です。第二次安倍政権以降、平成二十五年度から平成二十七年度の補正予算では、建設国債の新規発行はありませんでした。しかし、熊本地震の復興のための平成二十八年度補正予算では、合計二・九兆円の建設国債が新規に発行されました。熊本地震の復興のためには、建設国債の発行は致し方なかったのかもしれません。しかし、その後も新規発行が続いています。災害対策という名目があれば、建設国債なら発行しても構わないと考えているのではありませんか。建設国債発行の歯止めが外れたと思えてなりません。
 アベノミクスが好調だった当初は、国債を発行することなく補正予算を組むことができました。ところが、アベノミクスが不調となり、補正予算に建設国債が当たり前のように財源にされていることに危惧の念を抱かざるを得ません。
 以上、指摘した三点について、迅速かつ誠実な対応を取ることを政府に強く要望いたします。
 さて、本補正予算の主たる目的である災害対策の話に戻ります。
 去年は立て続けに大型台風に襲われました。以前から地球環境の変動が言われており、世界各地で自然災害の規模が拡大してきていることを懸念しています。風水害の規模が大きくなり、従来の基準や考え方では国民の生命と財産を守れません。
 日本維新の会では、去年の台風被害の後、防災プロジェクトチームを立ち上げ、意見と提言を集約した上で、十二月に武田防災大臣に提案書を提出しました。
 台風の進路予測精度は向上しています。また、地震や火山とは異なり、台風は被害予測が可能になってきました。しかし、その利点はまだまだ生かされているとは思えず、従来の防災・減災の枠内の対応に終始していると思えてなりません。台風の予測進路上にある自治体において、事前の対処で被害を最小化できると考えています。
 私たちの提案を、政府が進める三か年緊急対策に活用していただくことを要望いたします。そして、今回の補正予算により、今年の台風シーズンまでにしっかりと防災・減災に資する緊急的な取組を行っていただきたい、そう思います。
 そのために、日本維新の会は、熟慮に熟慮を重ねた上、令和元年度補正予算三案に賛成することを決めました。是非我々の考えを受け止めていただきたい、そう思います。
 そして最後に、今回の補正予算の審議では桜を見る会などにほとんどの時間が費やされましたが、とても残念なことでした。確かに、廃棄を正当化する公文書管理の運用の仕方など、政府にも大いに問題はあります。でも、国民が今一番知りたいこととは随分違うと言ってよいでしょう。国民が何を求めているのか、我々国会はもっと謙虚にそれを知り、応える努力をしていく必要があると思います。
 以上、御清聴ありがとうございました。(拍手)

#12
○議長(山東昭子君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────

#13
○議長(山東昭子君) これより三案を一括して採決いたします。
 三案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

#14
○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

#15
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数          二百四十  
  賛成            百六十一  
  反対             七十九  
 よって、三案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────

#16
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#17
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長江島潔さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔江島潔君登壇、拍手〕

#18
○江島潔君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、豚コレラ及びアフリカ豚コレラの名称を、それぞれ豚熱及びアフリカ豚熱に変更するとともに、有効な予防液がないアフリカ豚熱が近隣諸国で蔓延している状況に鑑み、当分の間の措置として、アフリカ豚熱の急速かつ広範囲な蔓延を防止するために予防的殺処分を行うことができることとする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、提出者の衆議院農林水産委員長吉野正芳君より趣旨説明を聴取した後、緊急に法改正を行う理由等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#19
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

#20
○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

#21
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十三  
  賛成           二百四十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────

#22
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 地方交付税法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#23
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。総務委員長若松謙維さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔若松謙維君登壇、拍手〕

#24
○若松謙維君 ただいま議題となりました法律案につきまして、総務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、地方財政の状況等に鑑み、令和元年度における地方交付税の総額を確保するとともに、同年度に発生した災害等及び東日本大震災に係る復興事業等の実施のための特別の財政需要に対応するため、同年度分の地方交付税の総額について加算措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、過大な税収見積りとなった要因と地方交付税の後年度精算の在り方、臨時財政対策債等の残高削減に向けた対応、特別交付税増額の算定根拠と財源確保策等について質疑が行われました。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して伊藤岳委員より反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#25
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

#26
○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

#27
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十三  
  賛成           二百二十八  
  反対              十五  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────

#28
○議長(山東昭子君) この際、日程に追加して、
 平成三十年度歳入歳出の決算上の剰余金の処理の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#29
○議長(山東昭子君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。財政金融委員長中西祐介さん。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔中西祐介君登壇、拍手〕

#30
○中西祐介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、財政金融委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、令和元年度補正予算等を編成するに当たり、平成三十年度の一般会計歳入歳出の決算上の剰余金の処理についての特例措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、決算上の剰余金による財源確保の是非、補正予算の歳出の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────

#31
○議長(山東昭子君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

#32
○議長(山東昭子君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

#33
○議長(山東昭子君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百四十三  
  賛成            百六十四  
  反対             七十九  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────

#34
○議長(山東昭子君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後七時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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