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2020/01/30 第201回国会 参議院 第201回国会 参議院 農林水産委員会 第1号 令和2年1月30日
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2020/01/30 第201回国会 参議院

第201回国会 参議院 農林水産委員会 第1号 令和2年1月30日

#1
令和二年一月三十日(木曜日)
   午後四時四十六分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         江島  潔君
    理 事         高野光二郎君
    理 事         堂故  茂君
    理 事         舞立 昇治君
    理 事         徳永 エリ君
    理 事         宮沢 由佳君
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江島  潔君
    理 事
                高野光二郎君
                堂故  茂君
                舞立 昇治君
                徳永 エリ君
                宮沢 由佳君
    委 員
                岩井 茂樹君
                野村 哲郎君
                藤木 眞也君
                宮崎 雅夫君
                山田 修路君
                山田 俊男君
                石垣のりこ君
                打越さく良君
                郡司  彰君
                森 ゆうこ君
                河野 義博君
                塩田 博昭君
                谷合 正明君
                石井 苗子君
                紙  智子君
   衆議院議員
       農林水産委員長  吉野 正芳君
       農林水産委員長
       代理       宮腰 光寛君
       農林水産委員長
       代理       神谷  裕君
   国務大臣
       農林水産大臣   江藤  拓君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       農林水産省消費
       ・安全局長    新井ゆたか君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国政調査に関する件
○農林水産に関する調査
 (CSF及びASFの発生状況と対策に関する
 件)
○政府参考人の出席要求に関する件
○家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
    ─────────────

#2
○委員長(江島潔君) ただいまから農林水産委員会を開会をいたします。
 国政調査に関する件についてお諮りをいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#3
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#4
○委員長(江島潔君) 農林水産に関する調査を議題といたします。
 CSF及びASFの発生状況と対策に関する件について、政府から説明を聴取いたします。江藤農林水産大臣。

#5
○国務大臣(江藤拓君) 本日は、CSF及びASFの現状と現在の対応について、私から資料に基づき御説明申し上げますので、資料を御覧ください。
 二枚おめくりをお願いいたします。一ページ目です。
 CSFとASFを括弧書きで豚コレラ、アフリカ豚コレラと記載しておりますが、本日提案される議員立法が成立すれば、豚熱、アフリカ豚熱と、法律上の用語も変更されます。これは日本獣医学会からの提言を受けたものと承知しております。他方、呼称は引き続きCSF、ASFを使用してまいります。
 二ページ目でございます。
 CSFの我が国の飼養豚での発生状況でありますが、一昨年九月の岐阜県での発生以来、黄色く塗った八県で発生しております。今月八日には、沖縄県においても発生いたしました。
 三ページ目は沖縄県の状況でございます。
 私自身、発生が確認された当日に沖縄県で知事と面会し、沖縄県との連携を確認し、速やかな防疫措置がとられました。国からも、自衛隊の協力も含め、人的支援や物的支援を行っております。
 四ページ目をお願いいたします。
 CSFウイルスの侵入経路につきましては、疫学調査チームの報告によれば、新たに海外から侵入したものではなく、また、加熱が不十分な肉製品を含んだ食品残渣の給餌により感染した可能性が否定できないことが示されました。
 次に、ASFでございます。
 五ページ及び六ページを御覧ください。全世界及びアジアにおける発生状況です。
 ASFは、より病原性が強く、ワクチンもありません。我が国では未発生ですが、一昨年八月の中国での発生以来、アジア各国で感染が相次いでおります。昨年九月には近隣の韓国でも発生しましたが、速やかな防疫的殺処分により、十月以降は発生が抑止されております。
 七ページを御覧ください。まず、野生イノシシ対策でございます。
 CSFもASFも、ウイルスに感染する野生イノシシの対策が重要であります。このため、環境省とも協力しながら、イノシシの捕獲を強化してまいります。また、経口ワクチン散布につきましては、昨年九月にワクチンベルトを構築したところでありますが、今後、更なるワクチンベルトの拡大を実施するとともに、防衛省の協力もいただきながら、空中散布などの効果的な散布方法により、対策を強化してまいります。
 八ページ目をお願いします。
 CSFの感染拡大を受け、防疫指針を改正し、昨年十月から予防的ワクチンの接種を開始いたしました。当初、CSFの感染が確認された都道府県に限って推奨地域としておりましたが、野生イノシシでの感染拡大やワクチンの増産状況を踏まえ、昨年十二月に、感染拡大が想定される地域を先行して追加いたしました。現在、沖縄県を加えた二十一都府県を指定しております。
 九ページ目をお願いします。
 飼養豚への感染経路を遮断するに当たり、野生動物の侵入を防止するために農場を防護柵で囲うことや、沖縄県の事例から明らかになったように、飼料による感染を防止するためにエコフィードの加熱を厳格に行うことが重要であります。このため、飼養衛生管理基準を改定し、これらの内容を盛り込むことといたしております。さらに、残飯を通じたイノシシへの感染を防ぐため、自然公園やキャンプ場での野外のごみ箱対策を強化してまいります。
 十ページ目をお願いいたします。
 水際対策につきましては、情報発信や摘発の強化など、関係省庁が一体となって取り組んでおり、韓国におけるASF発生以来、特に警戒を強化しております。昨年十一月には、中国の税関である海関総署との間で協力覚書を結んでおります。対策の内容としては、相手国から持ってこさせないための取組として、現地の旅行代理店等を通じた注意喚起や機内アナウンス、現地空港カウンターでのポスター掲示といった取組を行っております。
 最後に、十一ページ目をお願いいたします。
 日本に入れさせないための取組として、検疫探知犬の増頭、畜産物の違法な持込みに対する対応の厳格化、税関申告書の様式の変更などの取組を行っておりますが、オリンピック、パラリンピックに備えて、更なる体制の増強を図ることといたしております。
 これらの取組を総動員し、また委員各位の御協力をいただきながら、引き続き、CSF、ASFの対策に万全を期してまいります。
 私からの説明は以上でございます。

#6
○委員長(江島潔君) 以上で説明の聴取は終わりました。
    ─────────────

#7
○委員長(江島潔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産省消費・安全局長新井ゆたか君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#8
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────

#9
○委員長(江島潔君) 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院農林水産委員長吉野正芳君から趣旨説明を聴取いたします。吉野衆議院農林水産委員長。

#10
○衆議院議員(吉野正芳君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、豚コレラ及びアフリカ豚コレラの名称を、国際機関において用いられている名称に即してそれぞれ豚熱及びアフリカ豚熱に変更するとともに、有効なワクチンがないアフリカ豚熱が近隣諸国で蔓延している状況に鑑み、家畜の伝染性疾病の発生の予防及び蔓延の防止の在り方に関し総合的な見直しが行われるまでの間の緊急の措置として、アフリカ豚熱の急速かつ広範囲な蔓延を防止するために予防的殺処分を行うことができることとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、名称の変更についてであります。
 豚コレラ及びアフリカ豚コレラの名称をそれぞれ豚熱及びアフリカ豚熱に変更することとしております。
 第二に、アフリカ豚熱に係る予防的殺処分についてであります。
 農林水産大臣は、当分の間、アフリカ豚熱が蔓延し、又は蔓延するおそれがある場合において、その患畜及び疑似患畜の殺処分、家畜の移動制限等の措置のみでは蔓延の防止が困難であり、かつ、その急速かつ広範な蔓延を防止するため、アフリカ豚熱の患畜及び疑似患畜以外の家畜であってもこれを殺すことがやむを得ないと認めるときは、関係都道府県知事の意見を聴いて予防的殺処分の対象となる地域及び家畜を指定することができることとしております。また、家畜以外の動物がアフリカ豚熱にかかっていることが発見された場合における指定は、周辺における当該動物の生息状況、アフリカ豚熱の病原体の拡散状況、家畜の飼養衛生管理の状況等を考慮するとともに、関係都道府県知事及び食料・農業・農村政策審議会の意見を聴いて行うこととしております。
 第三に、家畜以外の動物におけるアフリカ豚熱の蔓延による病原体の拡散の防止についてであります。
 当分の間、家畜以外の動物におけるアフリカ豚熱の蔓延によるその病原体の拡散を防止するため必要がある場合においても家畜等の移動の制限、消毒、通行の制限等の蔓延防止のための措置を講ずることができることとしております。また、当分の間、アフリカ豚熱の蔓延を防止するため必要がある場合においても飼養衛生管理基準の遵守に係る勧告及び命令を行うことができることとしております。
 なお、この法律は、一部を除き、公布の日から施行することとしております。
 以上が、本案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。

#11
○委員長(江島潔君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。

#12
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 まず初めに、各会派の御理解を得てこうした質問の機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げます。
 それでは、早速ですけれども、提案者に伺います。
 この改正案の大きなポイントは、アフリカ豚コレラ、豚熱というふうに変えるということなんですけれども、ASFが蔓延し又は蔓延するおそれがある場合であって蔓延防止が困難である場合、患畜及び疑似患畜以外の家畜、つまり健康な豚であっても、殺すことをやむを得ないと認めるときには予防的殺処分ができるという内容であります。
 それで、予防的殺処分は、二〇一〇年の平成二十二年に議員立法によって可能になったものだと思います。当時、宮崎で口蹄疫の感染が続いていて、その感染力の強さから、殺処分、埋却処分、処理が追い付かない状況に至って、そして地域社会や地域経済全体に深刻な影響を与えるおそれがあるということから、この予防的殺処分の規定を作ったというふうに理解をしています。
 そこでなんですけれども、口蹄疫の場合と今回は少し違うと。それは、口蹄疫の場合は既に感染拡大は続いていた状況だったわけですよね。今回は、国内でASF、つまりアフリカ豚コレラは発生まだしていないということであります。この状況で予防的殺処分を可能にする理由あるいは判断があったんだと思うんですね。
 そこで、提出者にお聞きするのは、国内でアフリカ豚コレラが発生していない状況の下でこの予防的殺処分を可能にせざるを得ないその緊急性、切迫性をどのように認識され、どのような議論がなされたのか、そして提出に至ったのかということをお聞きをしたいと思います。

#13
○衆議院議員(宮腰光寛君) ASFは、現在我が国で広がっているCSFよりも病原性が強く、口蹄疫と異なり、ワクチンも存在しておりません。また、ASFは、我が国ではいまだ発生していないものの、周辺諸国においては急速に拡大をしてきております。
 既に、水際では、一昨年十月以降、生きたASFウイルスが二件確認されたほか、ASFウイルスの遺伝子を含む肉製品等が八十件以上確認をされております。そして、昨年九月には近隣の韓国でASFが発生し、さらに、昨年十二月には我が国と同じく島国のインドネシアでの発生が判明し、島国でも侵入のリスクが高いことが改めて認識をされたところであります。こうした中、韓国では速やかな予防的殺処分が行われ、昨年十月を最後に飼養豚での発生が抑えられていると承知をいたしております。
 このような状況を踏まえると、ASFが万一我が国で発生した場合において確実にこれを封じ込めるためには、現行法では口蹄疫にしか認められていない予防的殺処分をASFについても可能とするための法整備を一刻も早く行う必要があります。
 なお、御指摘のとおり、平成二十二年の口蹄疫の発生時には予防的殺処分という法制度が存在せず、感染拡大のスピードを抑えるため、農家の協力を得て、殺処分を前提としたワクチン接種を開始いたしました。その後、与野党合意の下に議員立法で予防的殺処分を可能とする口蹄疫対策特別措置法を制定をし、その施行後直ちに予防的殺処分を行い、その封じ込めに成功したという経緯があります。
 口蹄疫の発生時の経緯も踏まえれば、ASFの急速かつ広範囲な蔓延を一刻も早く防止するためにはあらかじめ予防的殺処分を可能とするための法整備をしておく必要があり、家畜伝染病予防法の抜本的な見直しに先行して、与野党合意の下に緊急に法整備を目指すこととなった次第であります。

#14
○紙智子君 今お話もいただいて、予防的殺処分を導入するという場合、慎重な判断が必要なわけですけれども、同時に、アジアでASFに感染が拡大し、昨年の九月の段階で韓国に広がり、また、海を渡ってフィリピンやインドネシアまでということです。日本の国内の空港で既にウイルスの遺伝子検査で八十六例が検出されたと、うち二例は生きたウイルスが確認されたと。有効なワクチンが存在していない中で、やはり一刻も早くという話ありましたけれども、やっぱり国会として迅速に対応する局面なんだというふうに私も思います。
 そこでなんですけれども、農水大臣にお聞きします。
 予防的殺処分は健康な豚を殺すことを認めるということになりますので、これは、財産権を制限する、財産権に踏み込む公権力を行使するものになりますので重い規定だというふうに思うんですね。ですから、しっかりとした関係者の理解と補償が必要だというふうに思います。それで、農林水産省としてどのように対応するのかということを確認をしておきたいと思います。

#15
○国務大臣(江藤拓君) 紙先生のおっしゃるとおりでございまして、宮崎でも、予防的ワクチンを接種して、そしてまだ罹患していないにもかかわらず殺処分をしたとき、大変な怨嗟の声をたくさん私は直接聞きました。しかし、結果としてそれが宮崎県から外に出さずに済んだという効果を生んだことも事実だと思います。
 そのときに、先生おっしゃるように、やはりきちっとした説明、そういったものを、財産権に踏み込むわけですから大変なことですので。そして、産業動物とはいえ、それぞれの畜産農家は思いがあります、その動物に対して。その思いも含めて、我々は重く受け止めなければいけないと思っています。
 そして、今回は、野生動物で発生した場合においても、いろんな消毒とか移動制限とかの措置を講じた上で、最終手段としては、野生動物しか出ていなくても殺処分をする可能性があるという、そういった法律を用意していただいたことは、まさにこのワクチンのないアフリカ豚コレラに対して真剣に向き合っていただいているということで、これは、私は農林水産大臣として重く重く受け止めなければならないと思っております。
 今まで以上に都道府県、関係者の方々、それから農家の方々の理解や御協力いただけるように、情報もしっかりと提供していきたいと思っています。
 そしてまた、本法に基づいて殺処分を行った場合におきましては、現行法の第六十条の二、その第一項に基づきまして、評価額の全額を補償するということにいたしたいと考えております。

#16
○紙智子君 口蹄疫の際に、口蹄疫特別対策措置法は時限立法として作って、家畜伝染病予防法の見直しを求めていました。政府に必要な対策を求めておいて、私どもの質問といたします。
 ありがとうございました。

#17
○委員長(江島潔君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕

#18
○委員長(江島潔君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

#19
○委員長(江島潔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時六分散会
ソース: 国立国会図書館
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