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2019/11/26 第200回国会 参議院 第200回国会 参議院 文教科学委員会 第4号 令和元年11月26日
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2019/11/26 第200回国会 参議院

第200回国会 参議院 文教科学委員会 第4号 令和元年11月26日

#1
令和元年十一月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十九日
    辞任         補欠選任
     森屋  宏君     世耕 弘成君
     塩村あやか君     蓮   舫君
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
    三原じゅん子君     石井 準一君
     横沢 高徳君     芳賀 道也君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     芳賀 道也君     横沢 高徳君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君    三原じゅん子君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     古賀友一郎君
     蓮   舫君     勝部 賢志君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     松川 るい君
     古賀友一郎君     宮崎 雅夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉川ゆうみ君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井 浩郎君
                こやり隆史君
                水岡 俊一君
    委 員
                上野 通子君
                古賀友一郎君
                佐藤  啓君
                松川 るい君
               三原じゅん子君
                宮崎 雅夫君
                伊藤 孝恵君
                石川 大我君
                勝部 賢志君
                横沢 高徳君
               佐々木さやか君
                高瀬 弘美君
                梅村みずほ君
                松沢 成文君
                吉良よし子君
                舩後 靖彦君
   国務大臣
       文部科学大臣   萩生田光一君
   副大臣
       文部科学副大臣  亀岡 偉民君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       総務省大臣官房
       審議官      森  源二君
       文部科学省総合
       教育政策局長   浅田 和伸君
       文部科学省初等
       中等教育局長   丸山 洋司君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
       スポーツ庁次長  瀧本  寛君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    吉永 和生君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に
 関する特別措置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、塩村あやかさん及び森屋宏さんが委員を辞任され、その補欠として勝部賢志さん及び古賀友一郎さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(吉川ゆうみ君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、来る二十八日午前十時に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(吉川ゆうみ君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官森源二さん外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(吉川ゆうみ君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(吉川ゆうみ君) 公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府からの趣旨説明を聴取いたします。萩生田文部科学大臣。
#9
○国務大臣(萩生田光一君) おはようございます。
 この度、政府から提出いたしました公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の教師の業務は長時間化しており、近年の実態は極めて深刻となっております。持続可能な学校教育の中で教育成果を維持し、向上させるためには、教師の働き方を見直し、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようにすることが急務であります。
 この法律案は、このような観点から、公立義務教育諸学校等における働き方改革を推進するため、教育職員について労働基準法第三十二条四の規定による一年単位の変形労働時間制を条例により実施できるようにするとともに、文部科学大臣が教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針を策定及び公表することとするものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、かつて行われていた夏休み中の休日のまとめ取りのように集中して休日を確保すること等を可能とするため、公立の義務教育諸学校等の教育職員について労働基準法第三十二条四の規定による一年単位の変形労働時間制を条例により実施できるよう、地方公務員法第五十八条第三項の規定の適用について必要な読替規定を定めることとしております。
 第二に、文部科学大臣は、教育職員の健康及び福祉の確保を図ることにより学校教育の水準の維持向上に資するため、教育職員が正規の勤務時間及びそれ以外の時間において行う業務の量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針を策定及び公表することとしております。
 第三に、この法律案は、令和三年四月一日から施行することとしておりますが、教育職員の業務量の適切な管理等に関する指針に関する改正規定は令和二年四月一日から施行することとしております。
 このほか、必要な準備行為を定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 以上です。
#10
○委員長(吉川ゆうみ君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○こやり隆史君 おはようございます。自民党のこやり隆史でございます。
 先日の本会議の質疑に続きまして、今日質疑の機会をいただきますことを改めて御礼を申し上げたいというふうに思います。
 それでは、早速質疑に入りたいと思います。
 先ほども趣旨説明の中にもありましたけれども、日本の教職員の労働環境が悪化している、これは今に始まったことではなくて、長らく指摘をされてきたことであります。
 もちろん、学校教育を支えているのは教師であり、その教師の質が子供たちの未来を左右する、そういう重要な職であることはもう言うまでもありません。最新、二〇一五年に実施されましたOECDの国際学力調査によりますと、中学三年生については数学あるいは科学的リテラシーはOECD加盟国で引き続き一位になっているということを考えますと、子供たちの教育のレベルについては引き続き世界でも有数、トップレベルの水準にあるということは言えるんだというふうに思います。
 そうした状況であるからこそ、今、この教師の労働環境、これをしっかりと改善をしていく、長い労働時間を強いられる、そうした現状を今こそ変えていかなければならないというふうに思っています。今日は、そのための様々な取組について確認をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、法案では、月四十五時間、年三百六十時間という勤務時間外の在校等時間の上限目安、これを決めたいわゆる上限ガイドライン、これを法律に基づく指針に格上げするということになっています。ただ、当然ながら、指針で定めるだけで超過勤務が減るということはにわかには考えられません。月四十五時間、年三百六十時間という勤務時間外のこの上限目安、これを達成するためには、しっかりと現状の教師の業務量、これをいかに減らしていくかということが大事になってくるというふうに思います。
 そのためには様々な取組が必要になります。例えば、教員定数の改善、あるいは外部人材活用などの条件整備、学校、教師の担う役割の見直し、教科担任制導入など様々な制度改正を、これは本当に全体を見渡しながら、総合的に、計画的に進めていく必要があると思います。そのためにはやっぱり政治のリーダーシップ、これが欠かせないと思いますけれども、大臣の御決意をまずお伺いしたいと思います。
#12
○国務大臣(萩生田光一君) 先生御指摘いただきましたとおり、学校における働き方改革は特効薬のない総力戦であり、文部科学大臣である私の責任において、あらゆる手だてを尽くして総合的に取り組む決意であります。
 具体的には、今回の給特法改正により、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインの考え方を踏まえた指針を法律に定めることで実効性を強化するとともに、夏休み等の休日のまとめ取りを推進するほか、文部科学省として、社会への明確なメッセージの発信や労働安全衛生管理の徹底など、学校、教師の業務の適正化を進めてまいります。
 また同時に、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実を図るため、令和元年度予算においては、小学校の英語教育のための専科教員千人増を始めとする定数改善に係る経費等を計上しているところであり、令和二年度概算要求においても更なる充実を盛り込んでいるところです。
 さらに、学校における働き方改革の観点も踏まえつつ、本年四月から中央教育審議会において、小学校高学年における本格的な教科担任制の導入など新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて、教育課程、教員免許、教職員配置の一体的検討が行われています。
 これらの検討については、今年度中に方向性を、来年度には答申をいただいた上で、令和四年度以降に必要な制度改正が実施できるよう、文部科学省として検討を進めてまいります。
 加えて、チームとしての学校を実現するため、令和元年度予算において、部活動指導員は前年度倍増の九千人、スクールサポートスタッフは前年度六百人増の三千六百人、スクールカウンセラーは全公立小中学校への配置を可能とする二万七千五百人、スクールソーシャルワーカーは全中学校区への配置を可能とする一万人など、専門スタッフ、外部人材の配置拡充に係る経費等を計上しているところであり、引き続き、令和二年度概算要求においても更なる充実を盛り込んでいるところです。
 さらに、学校の環境整備を充実していくため、令和二年度からの新学習指導要領に対応した教材整備指針において、授業準備の負担軽減にも資する複合コピー機等を新たに明記し、その設置を促進していくこととしています。
 また、教師はもとより、児童生徒もICTを十分活用することのできるハードウエア、ネットワーク等の環境整備を着実に達成するため、統合型校務支援システムの導入や一人一台を視野に入れた整備にしっかりと取り組んでまいります。
#13
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 様々な取組について、その御決意をお伺いをいたしました。もう少し各論に入って確認をさせていただきたいというふうに思います。
 今の大臣からの御答弁の中にもありましたけれども、学校教師の担う役割の見直し、これを進めていくということは大事であります。ただ、役割を見直しても、結局、教師の業務を移す移し先がいない、要するに、ほかに担い手がやっぱりなかなか見付けるのが難しいんではないか、これが大きな不安の要素になっているんだというふうに思います。
 本年の一月、中環審の答申で、学校教師が担ってきた業務、例えば登下校の安全に関する対応、放課後の見回り、学校徴収金の徴収、管理、こうしたものを基本的には学校以外が担うべき業務として整理をしています。整理はいいんですけれども、実際整理をして外に出した業務をしっかりと地域なりが担っていただく、そういう担い手が必要になってまいります。
 そのためには、地方公共団体あるいは地域、保護者などのしっかりとした共通認識が必要になりますし、無駄な業務を廃止していくということについても、やっぱり廃止することに対する不安も出てきますので、そういう意味でこういう業務を見直す、あるいはこういうことをやっていくということについて、どれぐらい本当に学校の先生の負担が減ってそれが教育に注がれるのかということを明らかにした上で、みんなで共通認識を持っていくということが何よりも大事になってくるというふうに思います。
 そうした中で、学校における働き方改革について、先ほども申し上げましたように、具体的にどのような業務をどの程度やることによって超過勤務がどの程度減っていくのか、また、それをどのように学校、保護者、地域社会、地方公共団体、国が認識を一つにして進めていくのか、その方策についてお伺いをしたいというふうに思います。
#14
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 業務縮減に向けた取組としては、例えば、登校時間等の見直しによる出勤時刻の適正化で年間約百五十時間、また、スクールサポートスタッフの配置や留守番電話の設置等により年間約六十時間、中学校における部活動指導員等の外部人材の活用により年間約百六十時間、学校ICT、これは統合型校務支援システムの活用によるものですが、その負担軽減により年間約百二十時間などの在校等時間の縮減が可能であると考えており、予算、制度、学校現場での改善の総力戦を徹底して行い、その組合せで成果を出してまいります。
 実際に各教育委員会における取組の成果として業務を大幅に縮減した例も出てきているところであり、文部科学省としても、全国の教育委員会における効果的な取組事例の収集や訪問調査を行い、条件整備や制度改正の検討に加え、これらの事例の横展開のために、積極的に情報発信を行ってまいります。
 また、働き方改革を進めていく上で、保護者や地域の御理解は不可欠であり、文部科学省では、保護者、地域の皆様に対して、働き方改革への御理解、御協力を求める文部科学大臣メッセージを三月十八日に発出をしました。これを受けて、日本PTA全国協議会からは、教員が本来あるべき業務に集中し、教員が子供たちにとって最も身近な憧れの存在である姿を見せられるよう、PTAも大いに関与し、学校の働き方改革に理解を示し、協力していく旨を保護者へ呼びかけたメッセージを発出していただきました。
 各自治体においても、保護者や地域の皆様に御理解、御協力を求める手紙やポスターなどを配布をし、留守番電話や学校閉庁など、特に保護者や地域の理解が得られないと進められない取組について、丁寧に説明をしながら進めてまいります。
 働き方改革は特効薬のない総力戦です。あらゆる手だてを尽くして取り組む必要があり、学校、保護者、地域社会、地方公共団体、国が共通認識を持って取り組んでいけるよう、文部科学省が学校と社会の連携の起点、つなぎ役としての役割を前面に立って果たしていきたいと考えております。
#15
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 まさに共通認識を持って進めていっていただきたいと思うんですけれども、今まさに様々な主体との共通認識の取組をお話をいただきました。その地域において、様々な主体の中でもやっぱり一番大事なのは地方公共団体との関係であるというふうに思います。国として、まさに大臣から最初、冒頭決意をいただきましたけれども、条件整備をしっかりと進めていく、また、学校現場においても業務縮減のための地道の取組を進めていくとしても、やっぱり引き続き、この各地域における学校現場において本当に実効性が高まるのかということについては疑問といいますか、不安があるということが一番大きな不安の要素であるというふうに思います。
 大臣は、これまでの審議におきましても、条例や規則等が法律案の趣旨や目的に沿ったものになることが必要不可欠であって、同じ思いを共有して条例等の制定に取り組んでいただけるよう、全国の教育長、首長、地方公共団体等が集まる会議など様々な場を活用して今回の改正の趣旨や意義を周知徹底するという旨、お話をいただいております。ただ、本当に、国は笛を吹いても、そうした笛を吹いても地域が付いてこない、笛を吹けども踊らずという事態に陥るのではないかという懸念があります。
 そこで、文部科学省として、こうした労働環境の改善に向けて、大臣が御答弁されているように、地域の中核である地方公共団体が本当に同じ思いを持って、その思いを共有していただけるように、もう少し具体的な取組をお聞かせいただきたいというふうに思います。
#16
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 今回の法改正において新たに作成をする指針は、業務の量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置について文部科学省が定めるものとしております。
 これを踏まえまして、教育委員会が学校の業務の管理上の責任を果たす観点からは、本指針を参考にして各地方公共団体で所管の公立学校の教師の勤務時間の上限に関する方針などを作成し、条例や規則等で根拠付けることが重要であり、文部科学省において条例モデル案を作成をし、各地方公共団体にお示しの上、条例や規則等の制定を促し、その状況を積極的に発信することとしております。
 また、本法律案の実効性を高めるためには、各地方公共団体と思いを共有し、条例や規則などが本法律案の趣旨や目的に沿ったものになることが必要不可欠であると考えており、文部科学省としては、全国知事会、全国市長会、全国町村会などに対する協力依頼、教育委員会、団体の主催する会議や文部科学省が主催をする研修会など全国の教育委員会などが集まる会議での周知、各都道府県教育委員会に協力を要請をし、全国各地へ担当者を派遣した説明会の実施、今回の改正法案の趣旨を分かりやすく解説をした動画の作成などにより、今回の改正の趣旨や意義の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#17
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 様々な取組をしていただくということだと思います。
 今お答えいただいたことに加えて、やっぱり各地方公共団体あるいは教育委員会の窓口の実際の担当される方がやっぱり一番不安に思ったり困ることになると思います。そういう意味で、説明会とかいろんな形での情報提供が大事なんですけれども、やっぱり日々の、まさに本省と各地方とのやり取りであるとか、その本省がどれだけ本気でこれを進めていこうとしているのかという意思をしっかりと日々の業務において見せていくということが大事だというふうに思いますので、その点も踏まえて施策を推進していっていただきたいというふうに思います。
 次に、変形労働時間制について一点質問させていただきたいと思います。
 今回、公立学校の教師に一年単位の変形労働時間制を導入するということになりますけれども、これまでの審議の中で、文部科学省は長期休業期間中の休日のまとめ取りが本制度の目的であるというふうに説明をしてきておりますし、学校閉庁日の設定をそのために推奨をしています。
 他方で、先日の本会議でも指摘をさせていただきましたけれども、この新しい制度が柔軟化を目指すものであるというふうに理解をしておりますけれども、この柔軟化を目指す制度を入れることによってかえって勤務時間が増加するんではないかということが、現場からやっぱり不安として引き続き残っているということも事実であるというふうに思います。だから、こうした不安をしっかりと払拭をしていくということがこの制度を各地域で実際に使っていただくためには不可欠であるというふうに思います。
 こうした、今申し上げたように、一年単位の変形労働時間制というのは、あくまでも休日のまとめ取り、労働時間を柔軟化をしていくということが目的であって、一日単位の休日とする以外の、まさにかえって労働時間が増えるような懸念がある、そうしたことには絶対に使えないというか使わないということをしっかりとメッセージを発していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
#18
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 一年単位の変形労働時間制においては様々な労働日や労働時間の定め方がありますが、公立学校の教師については、具体的に、一時間単位の勤務時間の積み上げによる休日のまとめ取りという中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえた運用が各教育委員会や学校においてなされることが担保される制度とすることといたしております。
 具体的には、文部科学省令において、本制度の趣旨が長期休業期間等における休日のまとめ取りであり、それに限って運用されるべき旨を明確に示した上で、公立学校で休日のまとめ取りのために本制度を活用する場合には、今回新たに策定をする指針に従うべき旨を規定することを考えております。その上で、指針においては、勤務時間の配分に当たっては、勤務時間の短縮ではなく休日のまとめ取りを行うことなどを規定することといたしております。
 このように、文部科学省としては、一年単位の変形労働時間制を導入する場合には、各教育委員会や学校において休日のまとめ取りという中教審答申の趣旨を踏まえた運用がなされることが担保される制度となるよう、本国会での審議内容も踏まえながら、詳細な制度設計を行ってまいります。
#19
○こやり隆史君 私は、この制度、本当にそういう意味では労働環境を改善する第一歩だというふうに思っておりますので、この制度をしっかりと育てていくためにも、要らない、要らぬ、不必要な不安を払拭されるようにしっかりと周知をしていっていただきたいというふうに思います。
 次に、教師の本来業務である授業について一点確認をさせていただきたいと思います。
 現在は、小学校は学級担任制、中学校は教科担任制という違いがありますけれども、この義務教育の六年、あっ、九年間になりますか、この九年間というのは、児童生徒の発達段階を踏まえて義務教育を九年間連続的に一貫して捉えて教育を行っていくことが大事だというふうに思っています。
 私、米国勤務をしていたときに、子供二人おりまして、幼稚園、小学校、中学校と、現地の小学校に通わせておりましたけれども、まさにアメリカも州によっても違いますけれども、例えば小学校が五年間であり、中学校が四年間にするというような州もありますし、そういう意味ではこの九年間というものを、まあそれぞれの地域の考えはありますけれども、やっぱり柔軟に捉えて教育をしていくということを、もう既にいろんな、アメリカを始め様々な国でされています。
 まさに日本においてもこうした、この九年間を一体に捉えたような形での教育というのを進めていく。そのためにも、例えば今の小学校六年制のうちの高学年などにおいて教科担任制も入れていくということは、教育を集中的にやっていく、教師にとってもプラスになる面も多いんだというふうに思います。そうしますと、今のまさに日本の教師免許制度についても、これまでではなくて、変更を加えていく必要が出てくるというふうに思います。
 また他方で、先日も指摘しましたけれども、学校現場というのはIT環境がいろんな社会の中でも脆弱であるということも事実でありますし、そのITを活用する教師の指導力もまだまだ不十分であるという指摘もあります。そのために、従来の教師だけではなくて、多様な経験を持つような外部の人材の活用というのも大事になってきます。また、部活動についても、その部活動自体を教えるということ自体がやっぱりかなりの負荷になっている、あるいはもう既に学校によってはそうしたことができない、そういう状況も見て取れます。
 今、新しい時代の初等中等教育の在り方について中環審で包括的に議論がされているというふうに聞いておりますけれども、これは本当に、国家百年の大計ではありませんけれども、やっぱり生煮えの状態でこの制度を動かしていくということは避けなければなりません。そういう意味で、しっかりとこの制度を固めた上で皆さんの共通認識を持って進めていくということが何よりも大事であるというふうに思います。
 そこで、こうした中環審における議論において、先ほども申し上げましたように、新たな時代に即して腰を据えて検討して、大胆なしっかりとした改革案を示していくべきであるというふうに思いますけれども、現状、検討状況あるいはこれからのスケジュールについて確認をしたいというふうに思います。
#20
○副大臣(亀岡偉民君) 今、こやり委員の質問のとおり、ソサエティー五・〇時代の到来といった急激な社会変化の進む中で、これからの時代に応じた初等教育の在り方について、現在、中央教育審議会において御議論をいただいているところであります。
 その中で、義務教育九年間を見通した教育課程、教員免許、教職員配置については、新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて、小学校高学年から教科担任制の本格的導入のために、小学校、中学校までに基礎的、基本的な知識及び技能を確実に習得させるための方策を含めた義務教育九年間を見通した教育課程の在り方、義務教育標準法の在り方も含めた教科担任制に必要な教員定数の確保の在り方、教科指導の専門性を高める教員養成研修の仕組みの構築や、学科指導、探究活動等の専門性の高い教師の学校種を超えた配置の推進など、教育職員免許法の在り方も含めた義務教育九年間を見通した教員養成、採用、研修、免許制度、人事配置の在り方などについて一体的に検討を進めていただいております。
 これらの検討については、本年中に論点を取りまとめ、来年度中に答申をいただいた上で、令和四年度以降に必要な制度改革が実施できるよう、文部科学省として検討を進めてまいります。
 新しい時代の学び方の在り方を見据え、子供たちが予測不可能な未来を自律的に生き、社会の形成に参画するための資質、能力を一層確実に育成することができる教育の実現に向け、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
#21
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 方向性はそのとおりだと思います。あとはしっかりとした制度を組んでいただいて、実効性がある改革にしていただきたいというふうに思います。
 先ほど、私、中教審のことを中環審というふうに言い間違えたみたいですので、訂正をさせていただきます。
 最後になりますけれども、やはりこうした様々な取組について、これからまさにいろんな主体とともに前に進めていかなければなりません。そうしたときに、様々指摘があるんですけれども、やっぱりこの給特法自体の、今回の改正も踏まえた上で、もう少し抜本的に改正をしないといけないのではないかというようなお声も多くのところで聞かせていただいております。
 大臣は、三年後に実施予定の勤務実態調査などを踏まえながら、教師に関する労働環境について、給特法などの法制的な枠組みを含む検討を文部科学大臣として必ず行うという旨を答弁をされています。ただ、これ、給特法、まさにこの基本的枠組みができたのが昭和四十六年であるということであります。その在り方を抜本的に見直すというのは、これは容易なことではありません。
 そうした意味で、この三年後の調査結果を待つことなく、やっぱりしっかりと早め早めに検討のための準備を進めていくことが大事になってくるんではないかというふうに思います。その際には、やっぱり勤務の在り方、一律に例えば給料を上げたらいいのかどうか、めり張りを付けた方がいいのかどうか、様々やっぱり現場に即した形でいろんな工夫が必要になってくることも事実だと思います。
 三年後の勤務実態調査を踏まえた給特法の抜本的見直しを、これからまさにどうやって、単に三年後の結果を踏まえたということではなくて、どのようにその見直しを進めていくのか。また、その際には、様々な先ほど申し上げましたような工夫といいますか、制度の仕組みをいろんな形で工夫をして実態に合うような形でつくっていかなければいけないというふうに思っておりますけれども、最後、大臣の御見解をいただきたいというふうに思います。
#22
○国務大臣(萩生田光一君) 先生、様々な視点で御指摘をいただきました。
 我々、この法案を提出するときに、冒頭申し上げたように、この法案一つ可決をしていただければ全てバラ色になるわけではなくて、もう様々な取組をしていかなくてはならない、その覚悟で提出をさせていただきました。同時に、この趣旨が徹底するためには、法律が成立するだけではなくて、直接現場を持っている地方自治体の皆さん、地方教育委員会の皆さんが同じ思いで取り組んでいただかなければ何ら効果をせしめないわけでありまして、そういった意味では、日本中同じ方向に向いて、共通の認識を持って取り組んでいかなきゃならないと思います。
 その上で、当然、議論の中で給特法の見直しの御指摘も数いただいております。大変な仕事でありまして、そのため、検討に当たっては、今後、文部科学省内の、内外の英知を集めて議論をしっかり深めていきたいと思っています。省内で職務にかかわらず知見のあるメンバーで検討チームを編成して幅広い観点から議論する必要があり、文部科学大臣としても先頭に立って進めさせていただきたいと思います。
 給特法などの法制的な枠組みの検討については、その段階における働き方改革の進展や三年後に実施予定の教師の勤務実態状況調査の結果などを踏まえる必要があるため、現段階では方向性を見定めることは困難ですが、検討の観点としては、本年一月の中教審答申を踏まえた働き方改革の総合的な取組の中で、教師の職務と業務の量をどう捉え評価をするか、また、これからの時代における教師の職務にふさわしい給与等の処遇の在り方をどう考えるか、教師集団の流動性や多様性を高める中で、それぞれの教師のライフステージやキャリアパスを踏まえ、子供たちと向き合い、教育の質の向上に取り組もうとする教師の意欲や能力の向上に資する給与等の処遇の仕組みをどう構築するかなどが考えられます。
 御指摘の観点も踏まえて、教師の意欲を引き出す処遇の在り方を検討してまいりたいと思いますし、三年後の勤務実態調査やりますけれども、その間何もしないというわけではなくて、今申し上げたように、今後の教員を取り巻く、言うならば働き方の環境をどうするか、日々取組を前に進めていきたいと思っております。
#23
○こやり隆史君 ありがとうございます。
 まさに、できることからしっかりとチーム文科省で検討を進めていっていただきたいというふうに思います。
 やっぱり教育制度というのは、単なる制度の改革ではなくて、各地域の先生方あるいは職員の皆さんにどれだけ理解をしていただけるかということが一番、あるいは保護者も含めて一番大事でありますし、地域の協力がないと教育というのは成り立ちません。そういう意味で、様々な制度の周知も必要ですし、先ほど申し上げましたように、文科省全体としての意思の強さ、意気込み、これがやっぱり問われているんだと思います。
 そういう意味で、子供たちの未来のために、まさに今こそ文科省の職員の皆さんの熱意が求められているんだと思います。大臣筆頭に、まさに一つの方向を向いて、しかも、現場でしっかりとその認識が共有されながら各地域に寄り添って、まさに各担当の皆さんに寄り添いながら、日々大変だと思いますけれども、それを一つ一つ進めていくということが何よりも大事だと思いますので、その方向でしっかりと進めていただきますことを要請いたしまして、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#24
○横沢高徳君 立憲・国民.新緑風会・社民の横沢高徳です。本日は、初めて質問をさせていただきます。
 まず、今回、私を始め三名の車椅子を利用する議員のために合理的配慮をいただきました理事の方々、委員長を始め参議院の委員部、そして事務局の方々に心より感謝を申し上げます。
 我が委員会でも、つい先日、新国立競技場を視察に行ってまいりました。非常に車椅子で行っても不自由なく利用でき、そして全ての人がスポーツを楽しめる環境が整っておりました。二〇二〇のオリンピック・パラリンピックが成功に終わることを私も心より願っております。
 二〇二〇オリンピック・パラリンピック後のことについて一言質問をしたいと思います。
 今、オリンピック競技団体は、新国立競技場の横にオリンピック・スクエアとして競技団体が入る施設があります。しかし、今パラリンピックスポーツは、二〇二〇年後、ただいまの日本財団のパラサポセンターから次への移転先が決まっておりません。世界的な流れとして、オリンピックもパラリンピックも同じスポーツとして、各国、世界各国は取り組んでおります。
 このパラリンピック競技団体がその二〇二〇年後、しっかりとした体制を整えていくことが必要だと考え、そしてアスリート、競技団体の方からもそのような声が寄せられております。この件につきまして、文部科学大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#25
○国務大臣(萩生田光一君) パラリンピックの競技団体には、財政基盤などの面で脆弱な団体もあり、現在、日本財団パラリンピックサポートセンターがパラリンピック競技団体に対して共同事務所の貸与、翻訳、経理等の事務の支援、競技普及や広報活動の支援を行っていただいております。同センターは二〇二一年度までの五年間の計画で設立されたものであり、関係団体においては東京大会終了後のこれらの支援がどのようになるのか御心配もあると承知をしております。
 現在、スポーツ庁において、二〇二〇年大会終了後のパラリンピック競技団体の支援の在り方について関係団体と検討を進めており、御懸念の点も踏まえながら、二〇二〇年大会のレガシーを円滑に定着していく観点に立って検討を前向きに進めていきたいと思います。
#26
○横沢高徳君 それでは、給特法の質疑に入る前に、現役高校生、大学生が不安を抱えている二つの問題について質問をさせていただきます。時間も限られておりますので、通告の二番から質問をさせていただきます。
 先週十九日の本委員会における高大接続改革に関する参考人質疑では、大学入学共通テストにおいて記述式問題を導入することについて、参考人の方々から様々な懸念を伺いました。
 全国高等学校協会の萩原参考人は、アンケートで記述式問題の導入を期待できるとする声が二年前は半数を超えていたのが、今年は四割と減少していること、不安要素として、民間業者の採点体制、そして機密保持などが挙げられているとおっしゃっていました。
 また、福井県立大学の木村参考人は、問題の質、受験生の解答、採点、自己採点、それぞれの段階に深刻な問題があり、その原因は、大量の記述答案を短期間で採点するという無理にほぼ尽きることを指摘されました。
 さらに、日本大学の紅野参考人からは、大学入学共通テストの記述式試験には、制度上の問題、内容上の問題、試験形式が後に与える長期的影響があると説明をいただきました。
 大学入学共通テストにおける記述式問題の導入は中止、若しくは英語民間試験と同じように一旦延期して、立ち止まって考え直すべきではないでしょうか。文部科学大臣のお考えをお伺いいたします。
#27
○国務大臣(萩生田光一君) 大学入学者選抜において大学入学希望者の高等学校段階までに育成された思考力、判断力、表現力を的確に評価するためには、共通テストか個別選抜かにかかわらず、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるように根拠に基づいて論述することが必要な記述式問題の導入が重要であると考えています。
 その上で、国立大学の二次試験においても、国語、小論文、総合問題のいずれも課さない学部の募集人員は全体の六一・六%となっており、令和二年度からの大学入学共通テストにおいて記述式問題を導入することとしました。
 文部科学省としては、共通テストと個別選抜の双方において、それぞれの特質を踏まえながら記述式問題の充実を図ることが重要であり、それにより、高等学校教育だけでなく、大学教育の改革充実にも好影響を与えることが期待できると思っております。
 引き続き、記述式問題の採点方法や、あるいはどのような改善が可能であるか、様々な方策について検討して、受験生が安心して受験できるよう、円滑な実施に向けて万全の準備をしてまいりたいと思っております。
#28
○横沢高徳君 続いて、就職活動中の大学生が不安を抱えているリクナビの問題についてお伺いをいたします。
 今や大学生が就職活動の際にほぼ必ず登録する就職情報サイト、その大手で年間約八十万人の学生が利用するリクナビを運営するリクルートキャリアが、サイトに登録した学生の内定辞職率をAIで予測し、企業に販売していたことが問題となりました。
 就活サイトは、就職活動をする学生と求人活動をする企業とをつなぐ媒体として、現在の就職活動に欠かせない存在であります。学生は、就活サイトを信頼して、自らの大切な個人情報である志望企業を登録したり、様々な企業の情報を閲覧するのです。
 しかし、学生が登録した情報や閲覧履歴が学生の知らないところで収集され、そして企業側に漏らされていたとなれば、もはや学生は就活サイトを用いて自由に就職活動を行うことが困難となります。
 学生の人生を大きく左右する就職に関し、その個人情報を取り扱う企業が学生の同意を十分に得ないままデータを収集し販売していたという行為について、学生保護の観点からいかがお考えか、文部科学大臣のお考えをお聞かせ願います。
#29
○国務大臣(萩生田光一君) まず、私としては、本件が結果として就職活動を行う学生に不安を与えることとなり、大変遺憾に思っております。
 本件については、個人情報保護委員会が勧告及び指導、東京労働局が職業安定法に基づく指導を実施しておりますが、株式会社リクルートキャリアにおいては、今回の結果を真摯に受け止めながら、適切な対応がなされることが重要と考えます。
 文部科学省におきましても、就職・採用活動については学生が安心して就職活動に取り組むことができるようにすることが重要であると考えており、関係省庁と連携しつつ、就職・採用活動に関わる就職支援事業者、企業などが学生の個人情報の取扱い等について関係法令を遵守し適切に対応されるよう、必要な対応を行ってまいりたいと思っております。
#30
○横沢高徳君 この問題をめぐり、学生やまた大学側は不信感を募らせております。一方で、このサイトなくしては就職活動を行えないのが現状でございます。こうした不安に対し、文科大臣の適切な対応、そしてこれからの対応をお願いいたします。
 それでは、給特法に関して質問をさせていただきます。
 時代の流れとともに教員の働き方にも変化があります。部活動指導や保護者への対応など、業務量がかなり多くなってきております。現場の先生方からも、月百時間を超える残業をしているとか、朝四時から持ち帰り仕事をしているとか、こういう現場の声を聞きました。
 そういった中で、そもそも月の平均残業時間が八時間であった約五十年前に残業代の代わりに四%の教職調整額を規定する給特法に現状無理があると感じますが、文部科学大臣のお考えをお聞かせ願います。
#31
○国務大臣(萩生田光一君) 給特法は、時間外勤務命令をいわゆる超勤四項目に限定した上で、時間外勤務手当及び休日勤務手当は支給しない代わりに、勤務時間の内外を問わず包括的に評価して教職調整額を支給する仕組みであります。
 しかしながら、この仕組みにより所定の勤務時間外に行われる超勤四項目以外の業務は教師が自らの判断で自発的に働いているものと整理され、この時間については勤務時間管理の対象にはならないという誤解が生じているのも事実であります。また同時に、教師の時間外勤務を抑制する動機付けを奪ってしまい、長時間勤務の実態を引き起こしているとの指摘もございます。
 このような現在の給特法の仕組みは教師はどこまでが職務であるのか切り分け難いという教師の職務を踏まえたものですが、一方、給特法制定から半世紀を経た現在、保護者や地域の意識の変化の中で業務が大きく積み上がっています。また、働き方改革の推進の観点からも労働法制も大きく転換しておりますが、見直しに当たっては確かなデータと国民的な議論が必要です。
 そのため、今回の法改正も踏まえ、まずは教師でなければできないことに教師が集中できるように、働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、三年後、令和四年度に教師の勤務実態状況調査を実施し、その結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について、給特法などの法制的な枠組みを含め検討を行ってまいりたいと思います。
#32
○横沢高徳君 課題山積でございますが、そうですね、まず、スクールサポートスタッフや部活動指導員、教員の業務量を減らすためにこのような取組がなされると思いますが、地方ではなかなかスクールサポートスタッフや部活動指導員の人材がないという声があります。制度と現場との乖離があるという声もたくさん聞かれますが、この件に関して、大臣、どのように考えていますでしょうか。
#33
○国務大臣(萩生田光一君) 学校における働き方改革を進めるためには、教師でなければできない業務以外の多くの仕事を教師が担っている現状を抜本的に変えるとともに、教師の業務についても負担軽減を図ることが必要であり、多様な人材との連携も進め、チームとしての学校を実現することも重要と考えております。
 このため、令和元年度予算においては、中学校における部活動指導員について対前年度倍増、九千人、スクールサポートスタッフとして対前年度六百人増の三千六百人に係る経費等として、対前年度七億円増の五十五億円を計上しており、引き続き、令和二年度概算要求においても更なる充実を盛り込んでまいりたいと思います。
 なお、教育は自治事務であり、基本的には設置者が当該学校に係る運営費を措置するものでありますが、今御説明申し上げた各事業については、その普及の観点から国費による支援を行うものとしたものです。
 国の補助制度ができる以前から自治体独自の取組は既に始まっており、例えば横浜市では、学校の事務業務をサポートするために職員室業務アシスタントの配置を平成二十七年度から始めており、今年度より市内全小中学校に配置をしています。和歌山県や広島市では、部活動指導を支援する外部人材の配置を独自に始めていました。
 これらの事業がより多くの自治体で活用できるように国費による支援の拡充を図ってきたところですが、全ての学校で取り組んでいく上では、設置者独自の取組が自走する環境の整備も重要だと考えております。
 先生御指摘の、地方などではなかなかそういう人材が集まらないという御指摘もありました。他方、地方はクラス数が少ない中で事務職員の配置がなされていると思います。事務職員の皆さんが先生の授業以外のことのサポートをしてもらえるような管理体制というのは、学校のマネジメントの中でも是非知恵を出してやっていただければなと、こんなことも考えておりまして、いずれにしましても、国と地方が一致協力してこうした環境整備を進めることで学校における働き方改革に取り組んでまいりたいと思っております。
#34
○横沢高徳君 確かに、予算を付けていただき、先生の中には前向きな取組だという意見もありますが、どうしてもやっぱりなかなか人材がいないんだという声がありますので、そこは引き続きしっかりと対応をお願いいたします。
 そして、今学校現場では子供のいじめ、暴力行為などが多くなっていることが、二〇一九年十月公表の文科省調査でも分かります。教員は、そのような問題行動を起こす児童や生徒、そしてまた保護者の対応に要する時間が増えています。それに対応できる専門性を持った職員の増員が必要だという現場の声がありますが、このような時代的な流れに対する文科大臣の考えはいかがでしょうか。
#35
○国務大臣(萩生田光一君) 学校において、いじめ、不登校等の様々な課題を抱える児童生徒に対し、心理の専門家であるスクールカウンセラーや福祉の専門家であるスクールソーシャルワーカー等の職員と教員が連携協力し、個別の児童生徒の状況に応じてチームで支援を行うことは重要であると考えております。
 こうした認識の下、文部科学省においては、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の充実に努めており、今年度予算において、スクールカウンセラーを全公立小中学校に、スクールソーシャルワーカーを全中学校区に配置するための経費を計上しています。
 文科省としては、引き続き生徒指導上の諸課題に適切に対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー等の専門スタッフの配置の充実に努めてまいります。
#36
○横沢高徳君 ありがとうございます。
 確かに、文科省だけではなく厚労省の管轄にもなるとは思うんですが、一体的な取組が現場では必要だという声が上がっております。
 済みません、時間も限られていますので、通告の十番に移りたいと思います。厚労省の方にお伺いいたしますので、済みません、大臣は。
 それでは、給特法そのものの部分からお尋ねしていきたいと思います。
 初めに、平成二十九年一月二十日に作られたガイドラインにあると思いますが、労働時間の定義を厚労省にお伺いいたします。
#37
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のガイドラインでございますが、労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインでございますけれども、この労働時間につきまして、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たると示しているところでございます。
#38
○横沢高徳君 要は、使用者に言われなくても労働時間に当たるということですね。
 続きまして、超過勤務についてお伺いいたします。
 超過勤務命令は、黙示の指示があれば労働時間に当たります。そして、例えば残業していることを使用者が知っているにもかかわらず見て見ぬふりをしているケースや、使用者から残業は認めていないから早く帰りなさいと指示を受けていないケースなどは、黙示の時間外勤務命令に当たります。このような見解で、厚労省、一般論として間違いはありませんでしょうか。
#39
○政府参考人(吉永和生君) 御指摘のとおりでございますが、お尋ねのように明示的な超過勤務命令が行われていない場合につきましても、客観的に見て使用者の黙示的な指示により労働者が業務を行っているものと認められる場合には労働時間に該当するものでございます。
#40
○横沢高徳君 要は、言われなくても残業に当たるということですね。
 さらに、さきのガイドラインでは、業務に必要な準備行為などについても労働時間として扱わなければならないとしています。厚労省、この見解で間違いはありませんでしょうか。
#41
○政府参考人(吉永和生君) 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインにおきましては、使用者の指示により就業を命じられた業務に必要な準備行為を事業場内に行った時間につきましては労働時間として取り扱うものとしてございます。
 お尋ねのように、準備行為につきましても、使用者の指示により就業を命じられた業務に必要な準備行為と認められるものを事業場内に行った場合につきましては労働時間に該当するものと考えてございます。
#42
○横沢高徳君 準備に要した時間も労働時間ということで。
 それでは次に、国立大学附属校や私立学校について、一般論として厚労省にお伺いいたします。
 教員にとって授業の準備の時間は業務に必要な準備を行う時間ですが、所定時間外に行うこともあると思います。また、部活動も職員会議などで顧問が決められ、その役割分担に基づいて行われているかと思います。
 所定時間外の授業準備や部活動指導も労働時間に当たるのではないでしょうか。国立大学附属校や私立学校における一般論としてお答え願います。
#43
○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 労働時間に当たるかにつきましては、先ほど申しましたとおり、個別具体的に判断する必要はございますけれども、客観的に見て使用者の指揮命令下に置かれていると評価できる時間については労働時間に該当するものでございます。
 お尋ねの授業準備行為あるいは部活動の指導時間につきましても、使用者の明示的又は黙示的な指示により労働者が行っているものと認められる場合につきましては労働時間に該当するものと考えてございます。
#44
○横沢高徳君 では、更にお伺いいたします。
 今年七月、労働基準監督署が都内の私立学校に対して残業代の不払ということで労基法違反で是正勧告をしたとの報道がありました。報道によれば、学校側がボランティアと主張していた部活動を労基署は労働時間と認定しています。
 この事例のように、部活動という指揮命令下に置かれている場合は労働時間に当たると考えますが、一般論としてこの理解でよろしいでしょうか。
#45
○政府参考人(吉永和生君) 個別の事案につきましてお答えすることは差し控えていただきますが、一般論として申し上げますと、個別具体的に見て客観的に使用者の指揮命令下に置かれていると評価できる時間につきましては労働時間でございます。
 お尋ねの場合につきましても、使用者の明示的又は黙示的な指示により労働者が業務を行っているものと認められるものでございました場合につきましては労働時間に該当すると考えてございます。
#46
○横沢高徳君 それでは、それを踏まえまして文科大臣にお伺いをいたします。
 国立大学附属校や私立学校で行われている授業準備や部活動指導は、公立学校で行われているものと比べて業務の性質が異なるものなのでしょうか。もし同じだとすれば、当然、勤務時間外に行われる授業準備や部活動指導も労働時間に当たるのではないかと考えますが、文科大臣、いかがでしょうか、お伺いいたします。
#47
○国務大臣(萩生田光一君) 私立学校の教師については、各学校の設置者と教師との契約に基づき教師の給与等の勤務条件が決定され、労働基準法が直接適用されることとなります。他方、公立学校の教師については、公務員であることから、教師の給与等の勤務条件は給特法等の法律や条例等に基づき決定されることとなります。
 このような仕組みの中で、給特法は、時間外勤務命令をいわゆる超勤四項目に限定した上で、時間外勤務手当及び休日勤務手当は支給しない代わりに、勤務時間の内外を問わず包括的に評価して教職調整額を支給する仕組みとなっています。そのため、所定の勤務時間外に行われる超勤四項目以外の業務は労働法制上の労働時間とは位置付けられておりません。しかし、先生が御指摘になったように、仕事は一緒だろと言われれば、もちろんそのとおりです。
#48
○横沢高徳君 それでは、通告十七番。
 さて、民間においては、働き方改革により、月四十五時間、年三百六十時間の時間外労働の上限が設けられました。公立学校教員の勤務時間についても上限ガイドラインが今年一月に定められ、自主的、自発的時間を含み在校等時間という概念として時間管理を行うことになりました。ということは、これは厚労省答弁の労働時間に当たるようにも思われます。つまり、文科省自身がトータルに時間管理の必要性を認識しているということですので、であれば、もはや自主的、自発的時間も労働時間であることを文科省は明らかに認めていることにならないでしょうか。この点について、大臣、見解をお伺いいたします。
#49
○国務大臣(萩生田光一君) 労働基準法上の労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間とされています。
 一方、教師に関しては、校務であったとしても、使用者からの指示に基づかず所定の勤務時間外にいわゆる超勤四項目に該当するもの以外の業務を教師が行った時間は、基本的には労働基準法上の労働時間には該当しません。しかしながら、超勤四項目以外であっても校務として行うものについては、超過勤務命令に基づくものではないものの、学校教育に必要な業務として働いていることには変わりはなく、教師の長時間勤務の改善は喫緊の課題となっております。
 そのため、文部科学省としては、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定し、超勤四項目以外の業務を行う時間を含めて在校等時間として定め、これを勤務時間管理の対象とすることを明確にした上でその上限の目安時間を示したところであり、指針においても同様の内容を示すことを予定をしております。
#50
○横沢高徳君 それでは、校務の定義についてお伺いいたします。
 十一月十三日の衆議院文科委員会で、文部科学省答弁から、自主的、自発的時間は校長の指揮命令下ではないが、校務として行う業務であり、実質的に校長が管理運営にも責任を持っているとの見解が出されております。
 文科大臣、そもそもなのですが、校務の定義を教えていただけませんか。よろしくお願いします。
#51
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 校務とは、学校において行われる学校教育の実施のために必要な仕事の全てを指すものであります。そして、教師が働いている時間は、基本的には全て校務のために働いている時間に当たるものということでございます。
#52
○横沢高徳君 学校教育法に、「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する。」となっているという認識でよろしいですね。
 校長は校務をつかさどっているということで、でも、校務が勤務時間外になると、自主的、自発的ということで指揮命令下にはないとされます。これは非常に矛盾だと思いますが、校長の指揮命令下にない校務とは一体全体何でしょうか。文科大臣、矛盾と思わないでしょうか。この点、矛盾はしていないでしょうか。
#53
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 先ほど、校務とは学校において行われる学校教育の実施のために必要な仕事の全てを指すものという答弁を差し上げましたが、そして御指摘のその指揮命令でございますが、労基法における指揮命令なのであれば、まさにそれは使用者の指揮命令下に置かれている時間が労働時間であって、学校においては、所定の勤務時間外に校長の超過勤務命令によらずに教師が働いている時間は指揮命令下にあるとは言えません。
 ただし、ただし、先ほど申し上げましたとおり、この時間も含めて教師が学校において働いている時間は全て学校教育の実施のため必要な時間であるため、校務として業務に当たっている時間というふうに言えると思います。
#54
○横沢高徳君 ちょっと堂々巡りになってきて、時間も限られていますので、通告の二十五番に行きたいと思います。
 本来、給特法は、原則教員には残業させない、超勤四項目に限って残業を例外的に認める、認めているという趣旨でございます。もし超勤四項目に当たらない業務を勤務時間外としている教員がいましたら、本来は、給特法の趣旨からいえば、学校側が、先生が今されている学年末のテストの採点は超勤四項目に当たらないから給特法上残業をしてはいけません、仕事を持ち帰らずに、お持ち帰りくださいと言うべきであり、こうした学校運営であるべきでございます。
 しかし、勤務時間外に超勤四項目以外の業務をやらなければ学校運営が成り立たないのであれば、自主的、自発的勤務や在校等時間などという概念をつくってごまかすのではなく、労働基準法上の労働時間としてきちんと認めるべきなのではないでしょうか。大臣、いかがでしょうか、お伺いいたします。
#55
○国務大臣(萩生田光一君) まず、ごまかすつもりは全くありません。
 今回新たな概念をきちんと入れて、先ほど先生の問題意識は、超勤四項目以外のことについては指揮命令がないんだから、それなのに学校で働いている場合、これ誰がどう評価するんだ、誰が責任持つんだというのが多分問題意識だと思います。がゆえに、在校等時間というのを明確にして、そこはもう仕事をしているわけですから、それをまず縮減していこうということで、これが将来の、三年後の勤務実態調査を含めた全体の改革にもつながっていくと思っていますので、まずその点は前提として御理解いただきたいと思います。
 校務とは、学校において行われる学校教育の実施のために必要な仕事の全てを指すものです。そして、教師が働いている時間は、基本的には全て校務のために働いている時間に当たるものです。御指摘の労働時間が労働基準法における労働時間であればまさに使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、学校においては、所定の勤務時間外に校長の超過勤務命令によらず教師が働いている時間は指揮命令下にあるとは言えません。
 ただし、この時間も含めて教師が学校において働いている時間は全て学校教育の実施のために必要な時間であるため、必要な仕事をしているため、校務として業務に当たっている時間というふうに位置付けをさせていただいております。
#56
○横沢高徳君 現行の教員の勤務時間制度は矛盾をはらんでいることは明らかです。今後、給特法の抜本的見直しに着手していただけることを期待して、次の質問に移ります。
 タイムカード等時間管理に対する質問でございます。
 自治体における上限ガイドラインの規制条例化の際には、勤務時間を客観的に記録するタイムカードなどの設置が必要でございます。このタイムカードなどの設置は、地方自治体に任せるのではなく、今すぐ補正予算を組み、上限が指針化される予定の四月一日に間に合わせるべきではないでしょうか。文科大臣、お伺いいたします。
#57
○国務大臣(萩生田光一君) 勤務時間管理は、従来より、労働法制上、教育委員会や学校の責務とされていましたが、働き方改革推進法による労働安全衛生法等の改正により、タイムカードなどの客観的な方法等による勤務時間の状況の把握が公立学校を含む事業者の義務として法令上明確化されました。
 文部科学省としても、従来より勤務時間管理の徹底を呼びかけてきたところですが、本年一月に策定した公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインにおいても、在校時間はICTの活用やタイムカード等により客観的に計測し、校外の時間も本人の報告などを踏まえてできる限り客観的な方法により計測することとしており、今回の改正による策定によることとしている指針においても同様の内容を示すことを想定をしております。
 本年実施した教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査においても、勤務時間管理の状況を調査し、今後、客観的な方法により在校等時間の把握をしていない教育委員会名を公表するなど、取組状況を都道府県、市町村別に公表することとしていることであり、文部科学省としては、引き続き、客観的な方法により勤務時間管理の徹底を促してまいります。
 なお、今後、教師はもとより、児童生徒もICTを十分活用することのできるハードウエア、ネットワーク等の環境整備を着実に達成するため、一人一台を視野に入れた整備にしっかりと取り組むこととしておりますが、その中で、教師の在校等時間の客観的な把握のための統合型校務支援システムの整備を図ってまいりたいと思います。
 最後に、この法律を御提案する以上はこの管理体制がしっかりできなきゃいけないんで、今までも地方財政措置でタイムカードを買ってくださいねということをお願いしてきましたけど、まだ整備をされていないところがあります。この法律の施行に合わせて、その勤務状況を把握するためにも、タイムカードに限りませんけれども、パソコンのログイン、ログアウトでも結構なんですけど、何らかの方法できちんとした勤務実態が把握できる、その準備は徹底してまいりたいと思います。
#58
○横沢高徳君 では、次の質問に行きます。教員の休憩時間の件でございます。
 所定労働時間が七時間四十五分ということで、教員の休憩時間は本来四十五分であるところ、多くの教員の方は、児童生徒の給食の指導もあり、ほとんど休憩時間が取れておりません。休憩時間を確保するために、また、変形労働時間が採用されれば八時間を超える勤務になるので、本来であれば六十分の休憩時間が確保されなければいけません。
 変形労働時間制の導入に伴いまして、この休憩時間、先生たちが休憩時間を取ることを確保する必要があると思いますが、文科大臣、それについてお伺いをいたします。
#59
○国務大臣(萩生田光一君) 労働基準法第三十四条において、使用者は、勤務時間が六時間を超えて八時間以下である場合には少なくとも四十五分、八時間を超える場合には少なくとも一時間の休憩時間を与えなければならないことが規定されており、公立学校の教育公務員については、服務監督権者である教育委員会及び校長の責任の下、確保されるべきものであると認識をしております。
 労働基準法第三十四条において規定をされる休憩につきまして、一年単位の変形労働時間制を導入し労働時間が八時間を超える場合には、休憩時間を一時間以上設定する必要があります。このことは労働基準法に明確に規定されている事項であり、改めて省令や指針等において要件として規定することは考えておりませんが、これまでも文部科学省では、本年三月の学校における働き方改革に関する取組の徹底に関する通知において、教職員が適正な時間に休憩時間を確保できるよう指導、助言してきたところです。
 本法案をお認めいただいた際には、適切な休憩時間の設定や確保について改めて周知し、指導、助言を行ってまいりたいと思います。
#60
○横沢高徳君 指導していただいているんですが、今日の朝もメッセージで、本当に休憩する時間もないという教員の方の声を聞きました。是非、力を入れてやっていただきたいと思います。
 続きまして、一年単位の変形労働時間制というのは、業務の繁忙、閑散を見込んで労働時間を配分するという制度です。しかし、教員の勤務実態は、夏休み中も部活動やプール指導、また特に研修が夏休み中に入ってくる。そして、最近多いのが、文科省や県からの調査に対する対応が増えているという声があります。
 このように、常に時間外勤務が発生している現状では、一年単位の変形時間労働制を導入する前提条件を満たしていないと考えます。制度を導入する際に恒常的な時間外勤務がないことを条件とすべきと考えますが、このような夏休み中のいろんな先生たちの対応に対して、文科大臣、それを軽減することはどうお考えでしょうか。よろしくお願いいたします。
#61
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のとおり、平成六年に一年単位の変形労働制が導入された際の労働省の通知においては、突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であることとされています。これは、一年単位の変形労働時間制は、あらかじめ見込んだ業務の繁閑に合わせて労働時間を配分するものであり、あらかじめ予想される繁忙による対応等は本制度による労働時間の配分で対応することを前提とする制度の趣旨を述べたものと承知をしております。その上で、この一年単位の変形労働制を導入する場合でも、労働基準法第三十六条の規定により、時間外労働があり得るものとされています。
 公立学校においては、まず業務の削減を徹底した上で、学校行事等に伴いあらかじめ予想される時間外勤務について、一年単位の変形労働制の活用により勤務時間を延長し、それを一時間単位で積み上げて長期休業中に休日のまとめ取りを行うものとしており、あらかじめ予想される恒常的な時間外労働はないものと前提する制度の趣旨に合致をしております。
 先生の問題意識は、そうはいっても、夏休み、先生方、いろんな仕事があるじゃないかと、本当にきちんとまとめ取りができるのかという御指摘だと思いますので、これは、例えば学校の閉庁日を設ける自治体の取組も既に実施をしておりますし、また、御指摘のあった我が省からの調査ですとかアンケート、これは、国、都道府県、市町村と同じような調査を一年のうちに行っているようなことの見直しも今させていただいておりますし、また、教職員の研修については、具体的に、例えば夏休みの真ん中にどんとあればこれ長期の休暇が取りづらくなりますので、その間は一切研修をしないということで来年の準備をしておりますので、様々な取組をもって長期の休暇が取りやすい環境づくりを応援してまいりたいと思っています。
#62
○横沢高徳君 お時間も限られております。通告の、ちょっと飛ばしまして三十四番に。教員給与の改善について。
 さて、近年、教員採用試験の倍率が低下傾向にあり、自治体によっては小学校教員の採用試験の倍率が一倍台に落ち込むなど、教育の質への影響が懸念されております。教職の魅力を向上させ、優秀な人材に教職を志してもらうことは非常に重要であり、今回の改正案もこのような観点から検討されたものと承知しております。
 今年九月、OECDが発表した資料一にあります「図表でみる教育」の二〇一九年度版によると、多くの国で学級規模が縮小され教員の給与水準が上がっている一方で、日本では学級規模はほぼ横ばいで、教員の給与水準は、ギリシャ、イギリスに次いで下落率が高かったことが明らかになりました。調査を取りまとめたOECDの教育スキル局長は、教員給与を見ると教員の魅力的な職業になっていない、優秀な人を誘致できるか疑問が残る、教育の質は教員の質だと忠告したいと述べております。
 今回の改正案は、教職調整額の水準の見直しなど教員給与の改善に踏み込んだものとなっておりません。教職の魅力の向上をするためには、休日のまとめ取りよりも、ほかの地方公務員のように働いた分だけ残業代をもらえるようにすることこそが必要なのではないでしょうか、文科大臣の見解をお伺いいたします。
#63
○国務大臣(萩生田光一君) 現在の給特法の仕組みは教師がどこまで職務であるのか切り分け難いという教師の職務を踏まえたものですが、一方、給特法の制定から半世紀を経た現在、保護者や地域の意識の変化の中で業務が大きく積み上がっています。また、働き方改革の推進の観点から労働法制も大きく転換しておりますが、見直しに当たっては確かなデータと国民的な議論が必要です。
 そのため、今回の法改正を踏まえ、まずは教師でなければできないことに教師が集中できるように、働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、三年後に教師の勤務実態状況調査を実施し、その結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について、給特法などの法制的な枠組みを含め検討を行ってまいりたいと思います。
 まず仕事量を縮減をしないと、例えば、今御提案があったように、普通の地方公務員と同じように残業を払ったらどうだというのも一つのアイデアではあるんですけれども、それでは勤務時間の縮減にはなりません。他方、繰り返し申し上げていますけど、この法律を提案をして、これでもう全て、教師の働き方は全て完了したなどということは申し上げるつもりは全くございませんので、その辺、今申し上げたように、先生方の働き方や勤務体系どういうものがいいんだろうか、給与体系としてどういうものがいいんだろうか、この辺はしっかり検討を重ねて、結果を出していきたいと思っています。
#64
○横沢高徳君 最後になりますが、校長の安全配慮義務に関する最近の裁判例を挙げてお尋ねをいたします。
 二〇一一年七月十二日の最高裁判決では、校長らの安全配慮義務違反はなかった、そして、教師の残業はそもそも自主的、自発的行為であって労働ではないとされておりました。確かに、こうした判決が従来の代表的なものでありました。しかし、近年、従来とは異なる新たな判決が出されるようになってきております。長時間勤務で自殺をした公立中学校教員の遺族が損害賠償を求めた訴訟の判決を御紹介いたします。
 今年、二〇一九年七月十日の福井地裁での判決によれば、本件校長は要するに安全配慮義務を怠ったと認める、安全配慮義務違反と死亡との間に因果関係が認められるとされました。割増し賃金の件と公務災害の件で事案は違うとも承知はしておりますが、時代が変化するにつれ、民間労働法制も大きく転換をしております。私は、学校における労働法制も転換の必要性が迫られていると感じております。文科大臣の見解をお伺いいたします。
#65
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 校長や教育委員会は学校の管理運営一切について責任を有しておりまして、教職員の健康を管理し、働き過ぎを防ぐことなど、所属職員の安全配慮を確保することについても責任を有しています。
 御指摘の判決につきましては、校長の安全配慮義務に関し、平成二十三年七月の最高裁判決は、校長は明示的、黙示的にも時間外勤務を命じておらず、外部から認識し得る具体的な健康被害等の事実の認定はなく、ストレスによる健康状態の変化を認識し又は予見することが困難な状況にあったことから、健康保持の配慮義務に違反した過失があると言うことはできないとされたものであります。
 一方でまた、本年七月の福井地裁の判決でございますが、明示的な勤務命令はないものの、原告教諭の業務内容や経験年数からすれば所定の勤務時間外に業務を行わざるを得ず、自主的に従事したとは言えず、業務状況が心身の健康状態を悪化させ得るものであったことが認識可能であり、業務量を適切に調整するなどの措置などをとるべき安全配慮義務を怠ったものであると承知をいたしております。
 個別の判決については、それぞれの具体的内容に即して裁判所において判断が行われたものというふうに承知をしておりますが、いずれにせよ、志のある教師が勤務の長時間化等の中で過労死等の事態に至ってしまうことは、本人はもとより、その御家族にとって計り知れない苦痛であるとともに、児童生徒や学校にとっても大きな損失であると考えており、文部科学省としては、教師の過労死などの事態が起こらないよう、学校における働き方改革の取組をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
#66
○横沢高徳君 未来のこの国を担う子供たちを育てる教職員の方が希望を持って働き、働く喜びを感じられる環境をつくるためにも、直ちに学校における労働法制の抜本的な見直しに向けた検討に着手していただくことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。
#67
○勝部賢志君 立憲・国民.新緑風会・社民の勝部賢志です。今日は、この委員会に出席をさせていただき、質問の機会をいただきました。委員長始め議員各位の皆さんに心から御礼申し上げます。
 さて、給特法改正案に対する質疑をさせていただきます。
 この度の給特法改正案は、学校現場が多忙化を極め、過労死ラインを超えて働いている実態を放置し続けた行政の不作為を省みず、小手先の対応でお茶を濁そうとするものであり、超勤解消の手だてとしては極めて不十分なものであります。といいますのも、改正案の柱は、超過勤務を上限ガイドライン以内に抑え、忙しい時期の勤務を延長し、他の時期に休日をまとめ取りするための一年間の変形労働時間制を適用しようとするものですが、しかし、膨大な業務と人手が足りず、行き届いた教育が実現できない学校現場の現状を何ら変える具体的な策を示さずにこのような制度を導入しても、教員の超過勤務を解消することができず、むしろ超勤実態を追認し、超勤を固定化、常態化させないものだからであります。また、制度上の不備や給特法と超勤実態とのずれが生む矛盾もあり、極めて問題の多い法案と言えます。
 教員の多忙化の解消は、教職員の命や健康を守ることはもちろん、そのことが何よりも子供たちと向き合う時間を増やすことにつながることから、子供たちへの行き届いた教育を実現するための必須条件であり、文部科学省はその条件整備に全力を尽くすべきであります。
 そのような観点から、以下、伺ってまいります。
 まずは、上限ガイドラインと一年間の変形労働時間制の実施について伺います。
 これまでの説明では、変形労働時間制の導入について、在校等時間の超過勤務を少なくとも上限ガイドライン以内とし、これは導入の大前提としています。ということは、この制度を進めていくためには、超過している勤務時間を上限ガイドライン以内にすることがとても重要ということになるわけですが、少なくとも上限ガイドラインが遵守されなければ変形労働時間制は導入できないということになりますが、そのような理解でよろしいか、端的にお答えをいただきたいと思います。
#68
○国務大臣(萩生田光一君) お答えします。
 休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用については、本年一月の中教審答申においても一年単位の変形労働時間制を導入することで学期中の勤務が現在よりも更に長時間化しては本末転倒であることが指摘されており、導入に当たっては、まず業務の削減を前提とする必要があると考えています。そのため、御指摘のとおり、上限ガイドラインが遵守されていることが一年単位の変形労働時間の活用による休日のまとめ取り導入の要件であります。
 具体的には、法改正が成立した場合に新たに制定することとなる文部科学省令や指針において導入に当たっては指針の上限時間や部活動ガイドラインの休養日や活動時間を遵守することを明記することで、各教育委員会や学校において中教審答申の趣旨を踏まえた運用がなされることが担保される制度とすることとしております。
#69
○勝部賢志君 今の答弁は、ちょっと詳しく説明をいただいて長かったですけれども、要は、上限ガイドラインを守らなければ変形労働時間制は導入できないということを確認をさせていただきます。そういう答弁でよろしいですね。はい。
 それでは、さらに、上限ガイドラインを設定しそれを守らせるためには、在校等時間における正規の勤務時間以外に行っている仕事の位置付けを明確にした上で、一日に勤務した時間全体、いわゆる在校等時間をしっかりと把握、管理することがまずは必要だと思います。これがなければ、上限を設けたところで、上限を超えているのか超えていないのかも分からないわけですから、外形的に、客観的にしっかりとした勤務時間を把握する手だてが必要だということになります。
 そこで伺いますけれども、まず、在校等時間の中で、七時間四十五分のいわゆる正規の勤務時間のほかに、勤務時間前あるいは勤務時間後、つまり正規の勤務時間外に行っている仕事は上限ガイドラインで規制しようとしている超過勤務時間という位置付けでよいですか。これにも端的にお答えをいただきたいと思います。
#70
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 本年一月に策定をしました上限ガイドラインにおいて、教師が校内に在校している時間及び校外での勤務の時間を外形的に把握した上で合算し、そこから休息時間及び業務外の時間を除いたものを在校等時間としており、所定の勤務時間外に行っている業務については、委員御指摘のとおり、上限ガイドラインで在校等時間として扱う時間の業務という理解になります。
#71
○勝部賢志君 いや、私が聞いたのは、在校等時間の中で時間外にした仕事については時間外勤務、超過勤務という意味ですねというふうに聞いたんです。
#72
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。端的にお答え申し上げます。
 超過した時間の業務という理解になります。
#73
○勝部賢志君 それで、ちょっと資料を用意しているんですけれども、お手元にお配りさせていただきましたので、一枚めくっていただいてガイドラインのQアンドAを見ていただきたいんですけど、ちょっと分かりにくい表現、誤解を生みやすいかなというふうに思うので、ちょっと確認をさせてください。
 下に一ページと書いてあって、公立学校の教師の勤務時間上限に関するガイドラインの運用に係るQアンドAというところで、四つ目の丸なんですが、給特法の仕組みによりというところなんですけれども、超勤四項目以外の業務は教師が自らの判断で自発的に勤務しているものと整理され、この時間については勤務時間管理の対象にならないという誤解が生じていると。大臣もよくここを引用されて御答弁されています。しかしながらというのが次の丸にあって、超勤四項目以外であっても、校務として行うものについては、超過勤務命令に基づくものでないものの、学校教育に必要な業務であると、それは変わりないと。したがって、最後のところに、下線引いてある一番下の方ですけれども、超勤四項目以外の業務のための時間についても在校等時間として勤務時間管理の対象になることを明確にしたというふうに、こう書かれているんです。
 そういうことですから、今お聞きをしたように、この時間は超過勤務時間ですねとお聞きしたら、そうですとお答えになったということですね。
 次のページをちょっと見ていただきたいんですが、二つ目の丸のところで、下線が引いてあって、教師に関しては、校務であったとしても、その下の方の右側に、教師の自発的な判断により行った時間は、労基法上労働時間には含まれないと。これは、先ほどから答えている労基法に当てはめるとそういうことだということなんですが、分かりにくいのはこの最後なんですよね。三つ目の丸の下の方なんですけれども、教師が校内に在校している時間及び校外で勤務の時間を外形的に把握した上で合算し、そこから休憩時間や業務時間の時間を除いたものを在校等時間とした上で上限の目安を導入しようとするものであり、労働基準法上の労働時間とは異なるものですといって、ここで終わるんですよね。
 労働基準法の労働とは異なるが、教師の場合は、これは明確に勤務時間管理の対象になるものですというふうにまで書いてくれれば意味分かるんですけど、労基法をここに持ち出して、労基法とは違いますよという説明をここであえてする必要ないと思うんですね。何か意味がよく分からなくなると。
 これは、実は本会議でうちの斎藤議員も同じような質問させていただきました。明確に答弁がなかったのですが、先ほど御答弁いただいたように、この在校等時間で正規の勤務時間以外のものは時間外勤務、勤務時間管理の対象になるというふうに再度確認をさせていただきたいと思いますが、よろしいですか。
#74
○政府参考人(丸山洋司君) そのとおりでございます。
#75
○勝部賢志君 それで、先ほど横沢委員から、ICTやタイムカードによって外形的にしっかり把握する必要があるという質問があったんですけれども、私は、これは、何というんですか、各学校や地教委にそれをやるようにというようなことをこの間もやってきているというふうに大臣御答弁あったんですが、年明けからこの制度がもしこのとおりに進むとすれば、そういうことがスタートするわけですし、現在も超過勤務が非常に多いという実態なので、一刻も早く全学校にこういうことが分かるような、例えばタイムカードにしてもICTのものにしても導入すると、それはもう文科省が責任を持って整備するんだと、そういう姿勢が私は必要だと思います。見解を伺います。
#76
○国務大臣(萩生田光一君) この法律をお認めいただいた上で、運用面で三年後の勤務実態調査をやっていく上で、これ、きちんとしたタイムカードなりICTなりを活用して客観的に管理ができなかったら、その実態を把握することができません。したがって、新年度までにこれは徹底したいと思います。
#77
○勝部賢志君 是非、文部科学省として責任を持って全校に配置できるように、お取組をお願い申し上げたいというふうに思います。
 それでは次に、今質問をした、そういう機材を使って在校等時間を記録として正式に各学校では記録をしていくということになると思いますので、この記録は公務災害認定などの際には大変重要な資料になるものというふうに思います。
 したがって、この記録は公文書として各学校にしっかりと保管をさせるということが大事になってくると思いますが、まずは公文書という位置付けでいいかどうかということと、加えて、最低五年間はしっかりと保管すべきだと考えますが、見解を伺います。
#78
○国務大臣(萩生田光一君) 在校等時間の記録は公務災害の判定資料にもなり得るため、その記録は適切に保存すべきものであると考えており、その旨は今後作ります指針の中でもしっかり示していきたいと思っております。
 また、この記録は基本的には行政文書に該当するものと考えられ、地方公共団体の行政文書の定義や保存年限については各地方公共団体の公文書管理に関する条例等において適切に規定されるものと認識されておりますが、御指摘を踏まえ、一定期間の保存がなされるように指導をしてまいりたいと思います。
 今後とも、在校等時間の記録の扱いについて適切な運用がなされるよう、教育委員会や学校に周知を図ってまいります。
#79
○勝部賢志君 是非、それは条例ですとかあるいは規則にも書き込む必要がありますし、それに向けては文部科学省からしっかりとした通達を出してその対応をしていただきたいというふうに思います。
 次に、今、このような形で記録を取りながら上限ガイドラインが遵守されているのかどうかということを把握をしていかなければならなくなりますけれども、上限ガイドラインがしっかり守られているのか、あるいは一年間の変形労働制を導入するその条件が満たされているのかどうか、それは誰がどのように点検あるいは指導するのでしょうか。
#80
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 本年一月の上限ガイドラインを基に策定をします指針については、服務監督権者である各教育委員会において、本指針を参考にして所管の公立学校の教師の勤務時間の上限に関する方針などを教育委員会規則等として作成をし、都道府県や市町村の条例等で根拠付けることが重要であるというふうに考えており、本指針の趣旨等にのっとった適切な運用がなされるということが必要であると考えております。
 また、休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用については、その検討や決定において、改正後の給特法や文部科学省令、指針などを踏まえ、これらに適合する運用をしなければならないのは当然であり、まずは服務監督権者である教育委員会や校長において適切な運用がなされる必要があります。
 その上で、委員御指摘のとおり、これらが適切に運用されているかどうかと、そういったことについては、人事委員会が置かれる市にあっては当該人事委員会、それ以外の市町村においては首長が具体の運用をチェックすることとなります。また、条例に沿った運用について、都道府県の人事委員会においても必要に応じ適切な対応を行うよう、総務省とも連携を図りながら、文部科学省としても要請することといたしております。
 また、地方公務員法に基づいて、人事委員会や公平委員会は職員の苦情を処理をするということとされていることから、公立学校の教師の場合も一年単位の変形労働時間制に関する苦情等について人事委員会や公平委員会に対して相談をすることが考えられます。地方公務員法第四十六条の規定により、「職員は、給与、勤務時間その他の勤務条件に関し、人事委員会又は公平委員会に対して、地方公共団体の当局により適当な措置が執られるべきことを要求することができる。」としていわゆる措置要求が認められているため、一年単位の変形労働時間制に関して人事委員会又は公平委員会に措置要求を行うことも可能であります。
 このような仕組みを通じて、今回の法改正の趣旨に沿った休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の導入とその運用がなされるものと認識をしておりますが、文科省としても、必要に応じてしっかりと指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
#81
○勝部賢志君 丁寧にお答えをいただいたというふうに思っていますが、少し確認をさせていただきたいと思うんですけれども、今お答えにあったところでいうと、まずは、指導、点検は各級機関、地教委ですとか、あるいは人事、公平委員会もないところでは首長さんが、市長がということで、あるいは苦情なども受け付ける、そういう窓口なども設置をするというようなお話がありましたんですが、そのことをちょっと後で聞こうと思っていたんですけれども、それはそれとしまして、今のような仕組みをしっかりと周知をさせる必要があると思いますが、その方法はどのように考えておられますか。
#82
○政府参考人(丸山洋司君) 周知ということについての御質問だと思います。
 それで、そういったことについてはあらゆる機会を通じてしっかりとそういった今回の法改正の趣旨等々について伝えていきたいと思いますが、例えば、全国の教育長や首長、それから地方関係団体が集まる会議など、そういった場を使って、今回の改正の趣旨、それから意義というものについてしっかり周知徹底を図っていきたいというふうに考えております。
#83
○勝部賢志君 ちょっと次の質問の中でももう一度同じようなことが出てきますので、そのことをちょっとお話を聞きたいと思うんですけれど、質問、先に移ります。
 国家公務員につきましては人事院が人事委員会規則で超勤の上限時間を月四十五時間、年三百六十時間と規定したことを受けて、地方一般公務員について総務省が各自治体に通知を出して、同様の上限時間数を条例、規則に定めるように求めています。文科省も上限時間数を大臣告示として法的根拠を持たせる以上、実効性を担保するためには、自治体の勤務時間条例あるいは規則等に在校等時間の上限時間数を明記させるようにすべきだと思います。そして、先ほど答弁いただいたことについても私は条例や規則にしっかりうたうべきだというふうに考えますが、見解を伺います。
#84
○国務大臣(萩生田光一君) 本年一月に策定した公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインは、あくまで指導、助言として各教育委員会に対して通知をしているものにすぎないため、その実効性を高める観点から今回指針に格上げをし、その根拠を法令上位置付けることとしております。
 具体的には、改正案の七条第一項において、文部科学大臣は、教育職員の健康及び福祉の確保を図ることによる学校教育の水準の維持向上のために、教育職員が正規の勤務時間及びそれ以外の時間において行う業務の量を適切に管理するなど、服務監督権者である教育委員会が講ずべき措置について指針を定めると規定をしております。
 このように、今回の改正案では、教育職員の健康及び福祉の確保を図るために服務監督権者たる教育委員会は一定の措置を講ずる責務を有することを前提に、その責務を果たすために必要な事項を指針として定めるという文部科学大臣の役割が明確に求められております。
 このような服務監督権者である教育委員会として責務を果たす観点から、本指針を参考にして各地方公共団体において所管の公立学校の教師の勤務時間の上限に関する方針等を教育委員会規則等として作成し、条例等で根拠付けることが重要であると考えております。このため、文部科学省において条例モデル案を作成し、各地方公共団体にお示しの上、条例や規則等の制定を促し、その状況を積極的に発信することとしております。
 なお、本法律案の実効性を高めるためには、各地方公共団体において制定することとなる条例や規則等が本法律案の趣旨や目的に沿ったものとなることが必要不可欠であると考えており、文部科学省としても、同じ思いを共有して条例等の制定に取り組んでいただけるよう、全国の教育長や首長、地方関係団体等が集まる会議など様々な場を活用して、今回の改正の趣旨や意義の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#85
○勝部賢志君 しっかりとした徹底を図るようにお願いをしたいと思います。
 それから、先ほどちょっと私からも発言をしましたが、通報システムとか通報窓口をしっかり設ける必要があるというふうに思いますので、この点についてはいかがですか。
#86
○国務大臣(萩生田光一君) 勤務時間を含む勤務条件一般については、人事委員会が置かれている市にあっては当該人事委員会、それ以外の市町村においては首長が具体の運用をチェックするほか、地方公務員法に基づき、教師自らが人事委員会や公平委員会に対して本制度に関する苦情や相談を行うこと、勤務時間等の勤務条件であるものとして措置要求を行うことが可能となっていることから、文部科学省としてもこうした制度の更なる周知を行いたいと考えております。
 さらに、それとは別に、学校などにおいて不適切な運用がなされている場合において、都道府県教育委員会においても分かりやすい相談窓口を設置するなどの体制整備を行うように、都道府県等に対しても指導、助言を行ってまいりたいと思います。
 また、各地方公共団体において適切に本制度に関する運用がなされるよう、このようにしっかりと体制を整えたいと考えておりますが、文部科学省においても、仮に都道府県や人事委員会等においてもなお不適切な運用がなされている場合には、その不適切な運用の実態について相談できる窓口を設けて対応したいと考えております。
#87
○勝部賢志君 次に、各級段階における交渉あるいは確認の必要性について伺いますが、大臣から答弁では、職員団体との交渉を踏まえつつ検討する、施行の通知等でその旨を通知するという御答弁がありました。
 都道府県教委や市町村教委、校長段階、特に学校でも、その施行後、第五十五条に基づいた労使交渉や協定というのが必要だと思いますが、見解、端的にお願いをします。
#88
○政府参考人(丸山洋司君) お答えを申し上げます。
 地方公務員の勤務条件は、住民自治の原則に基づき住民の同意が必要であり、議会が団体意思として制定をする条例によって決定をするということとされております。公立学校の教師も地方公務員であり、休日のまとめ取りの推進のための一年単位の変形労働時間制は勤務条件に関する制度であることから、勤務条件条例主義にのっとり、労使協定ではなく条例により導入することが必要であるというふうに考えております。
 地方公務員法においては、職員の勤務条件に関する事項は職員団体との交渉事項であり、法令等に抵触しない限りにおいて書面による協定を結ぶことができる旨が規定をされております。本制度の導入についてもこの勤務条件に該当することから、導入に当たっては、各地方公共団体において職員団体との交渉を踏まえつつ検討されるものと考えております。
 また、校長と職員団体との間で地方公務員法第五十五条の交渉を行うことは想定をしづらいですが、具体的に今回の制度を活用する対象者を決めるに当たっては、校長がそれぞれの教師と対話をし、その事情などをよく酌み取ることが求められていると考えております。各地方公共団体において条例等の制定に取り組んでいただく際には、このようなプロセスを通じて働く教師の意思が反映をされなければ、職場の環境は変わりません。
 したがって、当然のことながら、しっかり話合いをしていただき、教育委員会、校長と現場の教師とが共通認識を持って制度を活用していただく必要があると考えており、施行通知等でその旨をしっかり周知をするとともに、各地方関係団体で同じ思いを共有をして取り組んでいただけるよう、全国の教育長や首長、地方関係団体などが集まる会議など様々な場を活用して、今回の法改正の趣旨や意義の周知徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
#89
○勝部賢志君 職場段階でお互いの共通理解を高めるというか、共通理解に立って進めていくということが非常に重要ですので、その趣旨を徹底していただきたいというふうに思います。
 さて、私、冒頭に、この法律案については非常に矛盾があり問題だという発言をさせていただきました。どのようなことを私が感じているのかということをまたあえてお話をさせていただきたいと思うんですけれども、この上限ガイドライン、あるいは一年間の労働時間を変更していくという取組は、私は、上限ガイドラインを設けて超勤を縮減しようという考え方は、この結果、大きな成果があるかどうかは別にして、全く理解できないというものではありません。しかしながら、給特法はそもそも時間外勤務を基本的に命じない、命じたとしても限定四項目だということを規定しているものですから、現状明らかに超勤が常態化している今とこの法律ができたときとは全く状況が違うと。実態と懸け離れたこの法律をそのまま存置して小手先で対応しようとするからいろいろと矛盾が生じてくるというふうに思っています。
 ちょっと時間がなくなりましたので急いでお話をしますが、資料をお配りしましたので、ガイドラインの関係のイメージというのをちょっと見てください。
 ちょっと早口で恐縮ですけれども、民間企業等、これは月四十五時間、三百六十時間と、これは労働基準法に基づいてこのように規定されていると。国家公務員は人事委員会規則で同じように月四十時間、三百六十時間と、こう規定されていると。この二つには、超過勤務手当が、もし超過勤務をした場合、この四十五時間や三百六十時間には超過勤務手当が支給されるわけですよね。
 地方公務員、これはこの下の図になるんです。先ほど横沢委員からも指摘があったところはここと、私と少し同じような趣旨なんですが、いわゆる一般の地方公務員はこの左側です。この左側、黄色くなっている部分は超過勤務命令に基づいているから超勤手当が出るというんですけれども、教員はこの右側なので、つまり超勤四項目しか、手当というか四%で出されているわけですけど、それ以外のこの青い部分は、これはつまり全くのただ働きだということなんです。
 この現状を指摘し、これを何とかしろと、これが大きな課題になっているにもかかわらず、この部分を残したまま、なぜ教員は給特法下で超過勤務が認められていないにもかかわらず労基法などで規定をしている四十五時間とか三百六十時間を当てはめるのかというのが私は非常に大きな矛盾だと思っているんです。おかしくありませんか。大臣、いかがですか。
#90
○国務大臣(萩生田光一君) 現在の給特法の仕組みは、先生、現場をよく御存じだと思います、教師の皆さん、どこまでが職務であるのかを非常に切り分け難いという教師の職務を踏まえてでき上がったものです。一方、給特法制定から半世紀を経た現在、保護者や地域の意識の変化の中で業務が大きく積み上がっている状況も否定できません。働き方改革の推進の観点から労働法制も大きく転換しており、給特法の在り方について検討する必要があると考えておりますが、見直しに当たって確かなデータと国民的議論が必要です。
 そのため、今回、法改正を踏まえ、まずは教師でなければできないことに教師が集中できるよう、働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、令和四年度に教師の勤務実態状況調査を実施し、その結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について、給特法などの法制的な枠組みを含め検討を行う必要があり、文部科学大臣としてこれは必ずやるというお約束を衆議院でもしておりますので、是非御信頼をいただきたいと思います。
 私、現状で十分だとは全く思っていません。先生方の御苦労、あるいはこれからの仕事の内容を考えたら、それにふさわしい給与体系というのも同時に見直していきたいと思っています。しかし、この長時間の今の現状をまず改善していくことの方が先だろうと。その上で、この給特法についてはよく全体見渡して、先生、今この資料を作っていただきましたけど、これ厳密に言うと、この黄色のところ以外はと言うんですけど、給特法の概念でいうと、この青まで入っちゃっているのがある意味給特法ということになるんだろうと思います。要するに、時間外のことについてもなるんだと思います。他方、人確法の問題もありますので、私は、やっぱり普通の公務員とは違う、ある意味では先生方の大切な仕事というものをしっかり守っていきたいと思っていますので、その点はまたいろいろ御示唆をいただきたいと思います。
#91
○勝部賢志君 ここの部分については後ほどまた水岡委員から指摘をさせていただきますが、今答弁いただいた中で一つ、とにかく矛盾があるというか、こういう実態にあるということはお認めいただいていると、これを何とか改善したいということだという趣旨は理解をしました。
 でも、これ根本的に給特法を変えないと、あるいは給特法を廃止して新たな法律を作ることをしなければこの矛盾はいつまでも解消しないというふうに思いますので、最後にそのことを指摘をさせていただいて、私、実は小学校の教員を十九年ほどしておりました。それをちょっと語りたかったんですけど、思いは水岡先生にちょっと託して、ただ、現場の先生方は、いろいろ忙しくても、それから子供たちが抱える課題たくさんあっても、本当に真面目に真剣に、ある意味真面目過ぎるぐらい一生懸命頑張っているんですね。だからこそ、命を削りながら、病気をしても頑張ろうと思って頑張っていると。でも、それが限界だということを是非理解をしていただきたい。先ほど特効薬はないとおっしゃいましたけれども、目の前にもう今にも亡くなりそうな患者がいて、何もできない、何もしないで見ている、特効薬ないから仕方がないんだと、こういうようなことでは、本当に文科省としての責任ある対応なのかと言わざるを得ないというふうに思います。
 十分その点も理解をして取り組んでほしいと思っていますが、最後に、この制度の一番の欠陥は、上限以内に勤務時間を抑え込むことを大前提に一年間の変形労働時間を導入すると言っていますが、その前提条件となる上限以下にすることがどこにも担保されておらず、実はそのことが一番難しいということなんです。つまり、前提条件とする目標を掲げても、その目標を達成することができる具体的な手だてが施されていないことが何より問題なんです。仕組みだけつくっても超過勤務の解消にはつながらないということです。超過勤務を解消するために必要なことは、大幅な教職員増、あるいは業務を大幅に削減するしかありません。あるいは、その両方を実現すること以外にはないと私は思っています。
 是非、そのことも含めて、指導要領の見直し、部活、指導主事や文部科学省の研究指定、あるいは全国一斉の学力調査、あるいは各種の調査も含めて、業務の精選を全力で取り組んでいただきたいということを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#92
○水岡俊一君 立憲・国民.新緑風会・社民の水岡俊一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 大臣、私はこの夏までの三年間、浪人をしておりました。その時間、私は全国四十七都道府県を歩いて、学校を中心とした働く仲間からいろんなことを聞かせていただきました。大変貴重な経験をしたという意味では貴重な三年間だったなと、こんなふうに思っております。永田町にいたのでは到底聞くこと、見ることができないことばかりだったなと、そんなふうに思っております。
 それは、やはり多くが厳しい現状でありました。例えば、学校のクラスに子供たちはみんな座っている、しかし担任がいない、そんなことが今全国の学校で起こっているんですよ、大臣。そんなことがあるのかと大臣が例えば後ろを振り返って文科省の皆さんに聞かれても、いや、そんなことはないですよという答えが返ってくるんでしょう。だから、大臣は認識がないかもしれないけれども、実はそうなんです。
 先日、北海道から報告が上がってきました。少しだけ御紹介しましょう。一九年、今年の四月末で、北海道内の公立小中高校、特別支援学校の札幌を除いた一般教員の欠員は四十八人、五月末で五十一人、六月末で四十五人、七月末では五十八人、八月末で七十六人となって、欠員は全然解消されていないということがあるわけです。
 担任がいるかいないか、統計上では見えないことがあるんですね。それはどういうことかというと、統計上では担任がいないということを、校長や教頭がカバーをすることによって事実上はいますよと、そういう話の報告が上がるだけで、本当の子供たちと一緒に学んでくれる、遊んでくれる先生はいないということが全国各地で起こっているんです。大臣、どうですか。これは何でこんなことが起きていると思いますか。
#93
○国務大臣(萩生田光一君) まず、先生、御存じないだろうと言われたんですけど、その実態については我々も問題意識を持っています。また、職員も持っています。
 教員不足の実態に関しては、二十九年度に十一県市の教育委員会に対してアンケート調査を実施して、各都道府県・指定都市教育委員会における教員不足の要因や対応策などについて把握に努めてまいりました。実態を更に深く把握するために抽出で聞き取りをして、今先生が御指摘になった、実際には担任がいらっしゃらない、しかし教頭がそれを代役をしている、こういう実態も数多く上がってきておりまして、まずその実態は承知しています。
 なぜと言われれば、これはやっぱり先生方の勤務状況非常に厳しくて、心身共に現場になかなか立ち続けられない、そういうまさに限界に来ているんだと、こう思っております。
#94
○水岡俊一君 大臣、可能な限り現場の状況を大臣の目で見て対応を考えていただきたいなと、こんなふうに思います。
 また、もう一つ報告をすると、福岡県からこんなお話が来ました。二〇一九年度、臨時免許授与件数、小学校四百三十五件、中学校百十一件。この臨時免許というのは一回授与されると三年間有効なんでありますから、臨時免許で働いている教員はもっともっと多くいるわけですね。そうなると、一つの学校にたくさんの臨時的任用の方がいらっしゃる。一番多いところで、大規模、四十四学級の学校で十一人いるそうです。本務者の一七%に当たる。割合で一番多いのは小規模校、八学級で五人の三一%という学校があります。
 大臣、三割の教員が臨時免許で働いているという現実です。これの持つ意味、大きいですよね。つまり、人がいないから、免許はないけども臨時免許を与えるから働いてくれと言っている。それでも見付からないという状況がある。三割の人間が臨時免許で働いているという現状を捉えるならば、教員免許更新制度って一体何なんでしょうね。そんなこと意味ありますか。教員免許更新制度をがたがた言っているよりも、ちゃんと教員が配置できるように、免許を持った教員が配置ができるように考えるのが大臣の仕事じゃないかと思いますが、いかがですか。
#95
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生の御指摘は、もうまさに教員の免許を持っていても職場に出ようという意思のある方がどんどん減ってしまっている、臨時教員を頼もうと思っても、その人たちもなかなか現場に出てきてくれない、結果として臨時免許を出しているという、こういうもう本当に限界の状況に来ていると思います。
 先生方の働き方を変えて、是非魅力ある職場、魅力ある仕事にしていくことが今私に課せられた仕事だと思っておりますし、御指摘の免許更新制につきましても、そのことが負担になって、研修と相まってその年は大変な事態になっているというのも現場で聞いておりますので、これらも含めて、今回、この法律提案させていただく以上はもう全体像を見直しをさせていただく覚悟でいますので、その点につきましても重く受け止めて、私自身は検討をしてまいりたいと思います。
#96
○水岡俊一君 大臣、教員免許更新制度が現職の教員に大きな負担になっているということは御理解いただいたと、御理解いただいていると。
 私が今申し上げたかったのは、それにまた加えて、その免許更新制度があるからゆえに、免許を取得をして大学を出たけれども学校に行っていなかった、でも免許が失効してしまう、あるいは、一旦学校を辞めて家庭にいたけれども免許を更新できなかったということで、対象者がどんどんどんどん減っているんですよ。そういう面もあるということを是非頭の中に入れて全体像を見直すということに着手をしてほしいと、こういうふうに思います。
 さて、大臣にお聞きをしたいのは、この給特法ですね。この給特法というのは、もう御存じのとおり、昭和四十六年に成立をして四十七年の一月一日から施行されたと、こういう法律ですが、その当時にこの給特法はどういうイメージを持っていたのかということが私はとても気になります。
 皆さんにもちょっと聞いていただきたいんですが、昭和四十六年四月の十四日に文科委員会が開かれておりまして、そこでこの給特法成立に向けてのいろんな議論が行われているんですね。その中で、当時の文科大臣というのは坂田さんという方です。坂田文科大臣が答弁で言っています。
 少なくとも私どもは、これからの文教政策というものがいかに政治の上においても大事かということを考える場合において、その担い手である教職員には、いい先生方を確保するということがまず至上命令だと考えておるわけです。その方々が働きやすい、あるいは安心してその職場に専念できる、あるいは魅力のある職場にするということは、何をおいても文部大臣としての私の職務であり、文部省としての責任である、かように考えて実は今度の法案を提出した、こういう発言があるんですね。
 極めて文科省、当時は文部省、そして文部大臣はこの教職員の給与改善という意味で大きな決意を持ってこの法律を出しているという、そういう思いだったと私は理解するんですが、大臣はいかがですか。
#97
○国務大臣(萩生田光一君) その議事録からは、私もそういうイメージを持たせていただきます。
#98
○水岡俊一君 大臣はちょっと今あっさりと答えてくれましたけれども、当時は何を目指したか。実際には、じゃ、今回の、半世紀たった今回の改正案は何を目指すのか。そこの思いというのは私は大事じゃないかと思うんですね。
 だから、今回の改正案の目指すところ、五十年前に目指したもの、どこに違いがあるんでしょうか、大臣。
#99
○国務大臣(萩生田光一君) 教師の勤務状況の現状としては、長時間勤務の実態は極めて深刻であり、持続可能な学校教育の中で教育成果を維持し、向上させるためには、教師のこれまでの働き方を見直し、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるよう、学校における働き方改革の推進が急務となっています。
 学校における働き方改革は特効薬のない総力戦であり、上限ガイドラインの策定、業務の役割分担、適正化……(発言する者あり)いいですか。
 要は、五十年前ともう本当に教員の皆さんの多忙感が変わってきていると思います。これを全体的に見直す第一歩にさせていただきたいと思います。
#100
○水岡俊一君 じゃ、大臣、聞き方を変えましょう。当時の教員の残業時間は大体何時間だったというふうに見ておられますか。
#101
○国務大臣(萩生田光一君) 法案制定時、後の勤務実態調査は度々披露されておりますけど、月八時間というふうに承知をしております。
#102
○水岡俊一君 それでは、現在はどの程度だと認識をされていますか。
#103
○国務大臣(萩生田光一君) 現在、二十八年度の実態調査では、小学校で五十七時間二十九分、中学校で六十三時間二十分でございます。
#104
○水岡俊一君 平均でその時間ですよね。過労死ラインを超える八十時間を超えている教員が、小学校では三割、中学校では六割という、そういう現実があるわけですね。だから、そういう現実、五十年前の成立当時の状況と今の状況と見たときに、この法律が大きくその思いを変えない限りは対応できないんじゃないですか。
 先ほど大臣は、勝部委員の提出をされたグラフで指されて、この部分も給特法の対象ですよねと、私は考えているんだと、こういうふうにお話しになりました。給特法というのは、四%の調整額を支給すると書いてあります。これって超勤手当ですか、大臣。
#105
○国務大臣(萩生田光一君) 超勤手当ではございません。
#106
○水岡俊一君 では、先ほどの勝部さんの質問に対する答弁はおかしくありませんか。
#107
○国務大臣(萩生田光一君) 繰り返し申し上げているその学校にいる時間は、私、勤務時間だということを申し上げておりますので、そういった意味で包含されている時間に値するという意味で申し上げたつもりでございます。
#108
○水岡俊一君 教職調整額が何を意味をするのかということは、これは大事なことだと思っています。
 ややもすると、これが超勤手当見合い分だというようなお話がよく出てきます。でも、これは法律というものを極めて、あるいは文言というものを極めて重要視されている省庁の方々にとってみれば実に明確だと思うんですよね。これ、手当とは書いていない、調整額と書いてある。だから、超勤手当見合いでも何でもないんです。そこのところの理解をちゃんとやらないと私は駄目だと思うんですね。
 さて、ちょっと皆さん方には資料をお配りをいたしました。一枚物でありますが、私、ちょっと皆さんに見てもらえるように、パネルをちょっと用意してまいりました。(資料提示)ちょっと御覧になれますか、見えますか。
 学校の始業時間というのは大体八時十五分という例が多いですね。八時十五分に始まって十六時四十五分まで勤務をしたと、こういうふうに考えられますね。今、ここに四十五分の休憩が入っているところを見ていただけると思いますけれども、この休憩というのは、本当はこの勤務の中にちゃんと入っていなきゃいけないわけですね。これは、この四十五分を入れると一日の勤務時間というのは八時間三十分になるんですが、これを休めたと仮定をして、こういうグラフをちょっと作ってみました。
 このことについてはまた時間があればお聞きをしたいなというふうに思っていますが、今ここで御説明をしたいのは、ここの部分ですね。勤務が終わる三十分前から、本会議で斎藤委員が質問したのは、採点をしていた、期末テストの採点をしていた、その採点が終わった後、子供たちと進路相談をしていた、この時間は勤務時間になるんですかという問いがありました。大臣はあのときどうお答えになったか覚えておられますか。そんなに遠くないんですけど。
#109
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#110
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を起こしてください。
#111
○国務大臣(萩生田光一君) 失礼しました。
 本会議での発言なので正確に披露したいと思いますが、御指摘の業務は、いわゆる超勤四項目に該当せず、教師が自らの判断で自発的に働いているものと整理されます。他方で、御指摘の業務は校務として行われているものであり、超過勤務命令に基づくものではないものであっても、学校に必要な業務として働いていることに変わりはありませんと答えています。
#112
○水岡俊一君 ここでは私は一時間半を例に取っているんですが、この一時間半というものをどういうふうに捉えていくかというのは、これは本当にこの給特法の中でも非常に重要な点だと私は思っているわけですね。
 これが職員会議だったらどういう扱いになるのか。これが職員会議だったらどういう扱いになるのか。つまり、限定四項目の中の勤務だったらどうなるかと。これはもう、言わずとこれは勤務になるわけですね。そうすると、ここの部分、今ここで私が示しているのは、三十分が勤務時間内で、一時間が勤務時間外に、時間外の勤務になったという例になっています。この場合は超過勤務をしていますから、この超過勤務を何らかの形でケアしなきゃいけませんね。ですから、この一時間をほかに動かしていく。ほかに動かしていくというのは別の日に、別の日の例えばここの勤務の最後のところにこうやって動かしていく。これを勤務の割り振りと言いますよね。こういう考え方でよろしいですか。これは省庁の方でもよろしいので、お尋ねします。
#113
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#114
○委員長(吉川ゆうみ君) 速記を起こしてください。
#115
○政府参考人(丸山洋司君) 先ほど委員の御指摘の部分というのは、基本的には一か月単位の変形労働時間制を取ればそういった振替できる、移すということが可能になると思いますけれども、勤務時間については、各自治体の勤務時間、これは条例で決まっておりますので、今のような扱いというのは、そこで勤務時間の振替ということはできないというふうに考えております。(発言する者あり)
#116
○委員長(吉川ゆうみ君) 丸山局長、もう一度、明確に。
#117
○政府参考人(丸山洋司君) 一日の七時間四十五分という勤務時間を減らすということはできないと思います。
#118
○水岡俊一君 おかしいね、それは。勤務の割り振りという考え方が、文科省、ちゃんと示しているじゃないですか。何を言っているの、しっかりこれ答えないと。
#119
○政府参考人(丸山洋司君) 各自治体で条例で勤務時間が七時間四十五分というふうに決まっておりますので、一か月単位の変形労働時間制という制度を取り入れなければ、それはできないと思います。
#120
○水岡俊一君 いいですか。いいですか。限定四項目等において超過勤務を命じた場合は勤務の割り振り等を行うと、文科省の出した通知や通達の中に書いてあるでしょう。ちょっと後ろのみんな、しっかりしなさいよ。
#121
○政府参考人(丸山洋司君) 委員の今の御質問の趣旨は、その割り振りというのは一か月単位の変形労働時間制を導入したということではないでしょうか。(発言する者あり)
 七時間四十五分という勤務時間は、これは各自治体の方の条例で決まっておりますので、それを動かすことはできないと思います。
#122
○水岡俊一君 いや、ちょっと予想外の返事だったんで、こっちが戸惑っちゃいましたよ。その話はちょっと調べていただきたい、どこにそういうことが書いてあるのか。
 確かに、一か月単位の変形労働制の中でもっと大掛かりに認めていくというのは、それはもう当然だと思っているし、そういったことは生きていくと思いますけれども、勤務の割り振りがなかったらどうするんですか。要するに、限定四項目はさせ放題ですか。じゃ、職員会議が三時間も四時間も続きました、それはもうそれで終わりですか。修学旅行二泊三日で出ていった、超勤時間は一泊につき十何時間出てきますよね。二泊三日もしたら二十何時間出てくるじゃないですか。これはそのままですか。あり得ぬでしょう、そんなことは。思わず声が裏返ってしまったわ、ほんま。
 そんなことを今頃言われたんじゃ、もうこんなんお話できぬ、こんな、給特法の話なんか。ちゃんと答えて。
#123
○政府参考人(丸山洋司君) 超過勤務についてはもちろん、失礼、職員会議については超過勤務命令を発しているということでございます。
#124
○水岡俊一君 最も適当な文書がちょっと今手元にないので、これ今、私、文部科学省が出した教員の職務についてという解説書です。これ、文科省の資料の中で見るんですが、この中に、勤務時間外の場合、つまり職務として位置付けて勤務時間外に行った場合に、解説がこう書いてあるんです。そもそも、教職員は、勤務時間の割り振り等により時間外勤務が生じないようにする必要があり、勤務時間外に業務を命ずるときには超勤四項目に限定をされると書いてある。教育職員については、正規の勤務時間の割り振りを適正に行い、原則として時間外勤務を命じないものとすると書いてある。
 こんな基本的なことも分からないで局長やっているんですか。見損なったわ、俺。
#125
○政府参考人(丸山洋司君) 先生、その一か月単位の変形労働時間制を適用してそういう扱いをしているんじゃないかなと思います。
#126
○水岡俊一君 そんなことどこに書いてある。書いてあるやつを今すぐ調べて持ってきてほしいな。いやいや、もうこんなの話にならぬよ。この話については、それは絶対今の承服できないから、すぐさま調べて。僕の時間あと十分ぐらいだから、はい、調べてください。
 それで、せっかくの時間だから、ちょっと次にお話をしておきましょう。
 局長にお尋ねをします。
 衆議院の文部科学委員会で奇妙なことをお答えになった。それは何かというと、途中だけ抜粋しますね、その意味で二種類の時間があるということになりますがと、こういうふうなくだりがございます。今回の法改正により、超過勤務命令に基づき校長の指揮命令下で業務を行う勤務時間を含め、上限ガイドラインに基づく在校等時間を管理することが云々と、こういうふうにある。
 二種類の時間って何、これ。何ですか、これは。
#127
○政府参考人(丸山洋司君) 教師に関しては、校務であったとしても、使用者からの指示に基づかず所定の勤務時間外にいわゆる超勤四項目に該当するもの以外の業務を教師が行った時間は、基本的には地方公務員法上の勤務時間には該当しません。そのため、地方公務員法上の勤務時間と、いわゆる超勤四項目以外の業務であっても学校教育に必要な業務として働いている時間を含む在校等時間とは異なるものであります。その意味で二種類の時間があるというふうに申したわけでございます。
 今回の法改正により、超過勤務命令に基づいて校長の指揮命令下で業務を行う勤務命令を含め、上限ガイドラインに基づく在校等時間を管理することが学校における働き方改革を確実に進める上で必要であるというふうに考えております。
#128
○水岡俊一君 いや、全然分からないです。
 私が問題意識を持っているのは、二種類の時間といって、結局、法を擦り抜けるような時間の設定を考えているんじゃないか、私はそこに問題意識持っているんですよ。でなかったら、二種類の時間なんていう、そんな詭弁が通用するはずないよ、これは。
 また別な言い方をしましょう。じゃ、今さっき、こういう時間があったときに、斎藤委員がお話をした丸付けだとか進路指導だとか、そういうものは校長の指揮命令下にないと、こういうふうにおっしゃったかな。
 同じように、じゃ、これ部活だったらどうするんですか、これ、部活。これ、部活だったら、これは指揮命令下にないんですか、大臣。
#129
○国務大臣(萩生田光一君) いわゆる超勤四項目に入っていないという意味では同じです。
#130
○水岡俊一君 じゃ、この部活のときに事故が起こったら、これは誰の責任になるんでしょう、大臣。
#131
○国務大臣(萩生田光一君) 超勤四項目ではないですけれども、学校の校務でありますし、在校時間に起きる事故でありますから、当然、学校に責任がございます。
#132
○水岡俊一君 それでは、指導している教員が事故によって死亡した場合、公務災害になりますか。
#133
○政府参考人(丸山洋司君) 基本的には個別の事例に沿って判断をすることになると思いますが、学校管理下で起こった事故であるということであります。その辺りはしっかりと勘案してやっていくということだろうと思います。
#134
○水岡俊一君 非常にここがおかしい話なんですよ。
 指揮命令監督下にないのかあるのか、これをはっきりしましょうや。部活動は指揮命令監督下にあるんですか、ないんですか。
#135
○政府参考人(丸山洋司君) 繰り返しになりますけれども、校務というのは校長がつかさどる業務ということで、学校において行われる学校教育の実施のために必要な仕事全てでございます。教師が働いている時間は校務のために働いている時間ということ、そういうふうに理解をしております。
#136
○水岡俊一君 いや、何かもっと端的に答えてほしいんですが、これ、校務であるけど職務でないって言っているんですよね、そういう話でしょう。
 じゃ、厚生労働省の方にちょっとお聞きをしたいと思いますが、一般論で言えば、校務、職務、この違いはどこにあるかといったら、校務は公務災害の対象にならない可能性ありますよね。職務は公務災害の対象になると思います。厚生労働省の方、もし分かればお答えをいただきたいんですが、どうでしょう。
#137
○政府参考人(吉永和生君) 通常の労働者、労働基準法の世界であります場合につきましては、客観的に見て使用者の黙示的な指示により労働者が業務を行っているものと認められれば労働時間に該当するものでございまして、この間に事故が起これば労働災害に該当するというふうに考えてございます。
#138
○水岡俊一君 じゃ、この部活動の時間は一体何という時間になるんですかね。校務であるけれども職務ではなくて、そして公務災害の対象になるやらならぬやらよく分からない。そんなような時間が学校の中にずっと存在をしてきたこと自体おかしいじゃないですか。
 今、労働界でいうと、日本の労働法制の中でいうと、労働時間というのが非常に重要になっていますね。厚生労働省の方、そうだと私は思うんですがね。労働時間というのは、法的な言葉で言うと使用者の指揮監督下に置かれている時間をいうと、こういうふうに定義をされている。じゃ、明示があった仕事なのかそうでなかったかだけでそれは区別ができるかといったら、そうではないですね。一般的に言うと、自主的時間外労働の場合は労働時間ではないが、黙示の命令があると判断されるような場合は労働時間に当たると、こういう認識が労働基準法的に言うと正しいと思うんですが、厚生労働省の方、どうでしょう。
#139
○政府参考人(吉永和生君) 私どもで労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインというものを定めてございますけれども、この中では、労働時間とは、使用者の指揮命令下に置かれている時間のことをいい、使用者の明示又は黙示の指示により労働者が業務に従事する時間は労働時間に当たるというふうに記載しているところでございます。
#140
○水岡俊一君 大臣、学校におけるこういった時間をどういうふうに扱うかというのは、これ本当に大事なことじゃないですか。局長が言うような二種類の時間だとか、校務だけれども、学校管理上あるいは学校運営上大切な業務だからと。じゃ、何なの、それは。そういうような明確なことがやっぱり得られないような状況の中でこの給特法が議論されていることが非常に問題だと私は思うんですね。
 時間がもうなくなってきましたが、給特法の第六条にはこう書いてあります。「教育職員を正規の勤務時間を超えて勤務させる場合は、政令で定める基準に従い条例で定める場合に限るものとする。」、これ生きていますよね。大臣、どうでしょう。
#141
○国務大臣(萩生田光一君) 生きております。
#142
○水岡俊一君 この意味を教えてください。つまり、超えて勤務させる場合は、法令で定める基準に従い条例で定める場合に限るものとするという意味合いを、大臣、教えてください。
#143
○国務大臣(萩生田光一君) 超過勤務命令を出せる場合の四項目、また、あるいは必要に応じて自治体が条例で定めたものというふうに判断できると思います。
#144
○水岡俊一君 つまり、部活動、あるいは進路指導、丸付け、そういったものはどうなんですか。
#145
○国務大臣(萩生田光一君) 現状、四項目には当たりません。
#146
○水岡俊一君 ということは、超過勤務命令出せない、超過勤務をさせてはいけないという判断がここにあると思いませんか。
#147
○国務大臣(萩生田光一君) そこが教員の多分働き方の難しかったところだと思うんですけれども、超過勤務命令は出せませんけれども、学校業務としてそれはどこかでやっぱりこなさなきゃならない仕事であって、そういったものが非常にグレーゾーンになっていたので、我々文科省としては学校に、いわゆる滞在時間そのものは全て学校の校務として位置付けようというのが今回指針で示したい趣旨であります。
#148
○水岡俊一君 大臣、そこがおかしいんですよ。そこがおかしい。要するに、超過勤務命令を出さない、出せない、だから超勤手当は払わない。なのに、学校に必要だからといって、教員が働いていることを黙示していたら駄目じゃないですか。
 今回の法律は、改めてそういう時間を文科省は黙認するんですか。そういう法律になっていませんか。これがおかしいですよ。これが定額働かせ放題であったり、無賃労働という範囲に入ると思います。これはおかしいですよ。
 厚生労働省にお聞きをします。
 今のような形で、勤務命令を出していないけれども、学校も周りもこの勤務は重要だと考えている、大臣もそういうふうにおっしゃった、そういうような勤務は労働に入るんじゃないですか。厚生労働省の方、どうでしょう。
#149
○政府参考人(吉永和生君) 労働時間に当たるかにつきましては、個別具体的に判断する必要がございます。客観的に見て、使用者の指揮命令下に置かれていると評価できる時間につきましては労働時間に該当するものでございます。
 客観的に見て、使用者の黙示的な指示により労働者の業務を行っているものと認められる場合には労働時間に該当するという考え方かと思います。
#150
○水岡俊一君 通常は労働時間として認める、つまり職務になってくるし、超過勤務手当を払わなきゃいけない対象と。超過勤務手当が払えないんだったら、払えないんだったら命じてはいけないわけです。そういうことわりがちゃんとできない限りは、この法案の審議というのは本当に無意味になると私は思っています。
 先ほどの問いに対しての答えは次の回でも結構ですから、ちゃんと文書で示していただきたい。これはもう見捨てておけない、聞き捨てならないお話ですから、ちゃんとした文書で証明をしていただきたいというふうに思っております。
 私の質問は以上で終わります。
#151
○委員長(吉川ゆうみ君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#152
○委員長(吉川ゆうみ君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、古賀友一郎さん及び上野通子さんが委員を辞任され、その補欠として宮崎雅夫さん及び松川るいさんが選任されました。
    ─────────────
#153
○委員長(吉川ゆうみ君) 休憩前に引き続き、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#154
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。よろしくお願いいたします。
 それでは、給特法に関して質問をさせていただきます。
 今回の給特法の改正はあくまでも始まりであり、この後の働き方改革につなげていくために矢継ぎ早に対策が進んでいくものという理解をしております。
 つまり、現在の長時間労働を是として単に超過勤務代を払うのではなくて、まずは学校の先生の業務を見直して、先生たちが本来の業務に集中できる環境をつくる。そのためには、先生のお手伝いをするスクールサポートスタッフを増やし、紙文化であります学校の教育現場をIT化できるところはして、時間の短縮ですとか業務の簡素化を図り、先生たちが対応に追われているようなケースはスクールロイヤーやスクールソーシャルワーカーの力も借りて業務をしっかりと見直すと。そして、校長先生を始め管理職の方にも業務と業務外をしっかりと分けて勤務時間を管理するという意識を持っていただいて、業務時間を減らして、その上で実態にふさわしい給与体系にしていく、そのようなプロセスの第一段階として今回の改正があると理解をしておりますけれども、その理解で正しいのか、また、今後の方向性も含めて大臣に確認をいただければと思います。
#155
○国務大臣(萩生田光一君) 今先生が質問の中でいろいろ解説を加えていただいた思いがまさに今回の法案提出の思いでございまして、そのとおりでございます。
 教師の長時間勤務の実態は極めて深刻であり、学校における働き方改革の推進が急務となっております。学校における働き方改革は特効薬のない総力戦であり、上限ガイドラインの策定、業務の役割分担、適正化、小学校における英語専科指導の充実等の教職員定数の改善や、外部人材の確保などの取組を総合的に進めてこそ成果が上がるものです。
 今回の改正法案は、こうした総合的な取組の一環として、本年一月の中教審答申を踏まえ、上限ガイドラインを法的根拠のある指針へ格上げすること、休日のまとめ取りの推進のため一年単位の変形労働時間制を活用できるようにすることを内容とするものです。
 一方、給特法制定から半世紀を経た現在、保護者や地域の意識の変化の中で業務が大きく積み上がっている状況もございます。また、働き方改革の推進の観点から労働法制も大きく転換しており、給特法の在り方について検討する必要があると考えておりますが、見直しに当たっては確かなデータと国民的な議論が必要です。
 そのため、今回の法改正を踏まえ、まずは教師でなければできないことに教師が集中できるよう、働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、三年後に教師の勤務実態状況調査を実施し、その結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について給特法などの法制的な枠組みを含め検討を行ってまいります。
 給特法などの法制的な枠組みの検討については、その段階における働き方改革の進展や三年後に実施予定の教師の勤務実態状況調査の結果などを踏まえる必要があるため、現段階では方向性を見定めることは困難ですが、検討の観点としては、本年一月の中教審答申を踏まえた働き方改革の総合的な取組の中で、教師の職務と業務の量をどう捉え評価するか、これからの時代における教師の職務にふさわしい給与等の処遇の在り方をどう考えるか、教師集団の流動性や多様性を高める中で、それぞれの教師のライフステージやキャリアパスを踏まえ、子供たちと向き合い、教育の質の向上に取り組もうとする教師の意欲や能力の向上に資する給与等の処遇の仕組みをどう構築するかなどがあると考えております。
#156
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今大臣のお話の最後の部分で給与のお話もございましたし、先生の働き方ですとか、行く行くは教員免許の在り方とかも含めた新しい議論となっていくのではないかと思いますけれども、今どの業界でももう働き手が不足をする中で、今までの先生の在り方というのもこれから三年間掛けて調査もやっていく中で変わっていくのではないかと思います。そういう新しい議論についての大臣のお考えをお聞かせください。
#157
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほど申し上げましたとおり、今後の給特法の見直しに当たっては、観点の一つとして、教師集団の流動性や多様性を高める中で、それぞれの教師のライフステージやキャリアパスを踏まえ、子供たちと向き合い、教育の質の向上に取り組もうとする教師の意欲や能力の向上に資する給与等の処遇の仕組みをどう構築するかがあり、これは、御指摘のとおり、給特法だけではなく、教育職員免許法などにも幅広く関わる課題だと認識しております。
 次代を担う子供たちには、単に知識を習得するにとどまらず、知識を活用したり自ら探求したりする力が求められていますが、そのためには、教師自身が、知識を教えるだけでなく、自らの多様な経験を生かして子供たちの学びや議論を引き出し、思考を深めるといった役割を担う必要があります。
 他方、年齢構成の偏りによる定年退職者数の増加等に伴って、特に公立小学校の教員採用選考試験の採用倍率が低下傾向にある中で、多様な経験や職歴を持つ適任者を広く教育界内外から確保し、教師の流動性や多様性を高めるためには、教職の魅力向上や教員養成、採用、免許制度も含めた対応が必要です。
 これらを踏まえ、本年四月から中教審において、これからの時代に応じた教師の在り方について審議を重ねております。具体的には、多様な背景を持つ人材によって教職員組織を構成できるようにするための免許制度や教員の養成、採用、研修、勤務環境を議論いただいており、来年度には答申をいただいた上で、必要な制度改正を行うこととしております。
 給特法などの法制的な枠組みを含めた検討に当たっては、教師の在り方や教員免許の在り方等も含めた一体的な検討を行ってまいりたいと思います。
#158
○高瀬弘美君 ありがとうございます。大変新しい議論になっていくのだなということを感じました。
 今回の給特法の改正によりまして、三年後に勤務実態調査が行われることとなっております。そのためには、午前中の質問の中でも度々ございましたが、勤怠状況の正確な把握というのが非常に大事になってまいります。
 大臣の方からも、タイムカードですとか、また、パソコン上のログイン、ログアウトで勤怠をするというようなお話もございましたけれども、一点懸念しておりますのは、実態上仕事はしているのに、例えば校長先生だったり職場の方にタイムカードを押しなさいと言われて押させられたり、あるいはパソコン、ログアウトしなさいと言われて、実態に沿わない形の勤務実態調査になるのではないか、この点危惧しておりますけれども、それをどのように防いでいかれますでしょうか。
#159
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 勤務時間管理は、従来より、労働法制上、教育委員会や学校の責務とされておりましたが、働き方改革推進法による労働安全衛生法等の改正により、タイムカードなどの客観的な方法などによる勤務時間の状況の把握が公立学校を含む事業者の義務として法令上明確化されました。
 文部科学省としても、従来より勤務時間管理の徹底を呼びかけてきたところですが、本年一月に策定をした公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインにおいても、在校時間はICTの活用やタイムカード等により客観的に計測し、校外の時間も本人の報告等を踏まえてできる限り客観的な方法により計測することとしており、今回新たに策定をする指針においても同様の内容を示すことを想定しております。
 業務改善を進めていく基礎として客観的な勤務時間管理は不可欠ですが、上限の目安時間の遵守を形式的に行うことが目的化し、実際より短い虚偽の時間を記録に残したり、残させたりすることがあってはなりません。
 仮に、教職員が虚偽の記録を残している場合には、校長等はこうした管理運営に係る責任から適正な記録を残すように指導する必要があり、また、万が一、校長等が虚偽の記録を残させるようなことがあった場合には、求められている責任を果たしているとは言えない上、状況によっては信用失墜行為として懲戒処分等の対象ともなり得るものだと考えられます。
 こうしたことは、上限ガイドラインや公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインの運用に係るQアンドAにおいて示してきたところですが、今回新たに策定をします指針等にも同様の内容を示すとともに、各地方公共団体において同じ思いを共有して取り組んでいただけるよう、全国の教育長や首長、地方関係団体などが集まる会議など様々な場を活用して、その趣旨や意義の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#160
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 虚偽の申告があった場合には厳しい罰則もあり得るということで、是非ともこういう虚偽の申告がないように努めていただきたいと思います。
 また、現場の先生たちが、そういうタイムカードの件ですとか様々、相談窓口としてどういうものがありますかという質問をお聞きしようと思いましたが、午前中の質疑の中で、人事委員会ですとか様々、また文科省の中にも窓口を設置するというようなお答えがございましたので、是非相談体制もしっかりと整えていただきたいと思います。
 質問を一問飛ばしまして、育児や介護をしている学校の先生についてお尋ねいたします。
 労働基準法の中に、育児を行う者等に対する配慮、これは介護をしている方も含まれますけれども、その規定がありまして、その規定が学校の先生についても適用になると考えられます。変形労働時間制が採用されますと、例えば春の忙しい時期は少し長めに働いてくださいというふうになりまして、周りの先生方が長く残るような状況が発生し得ると思います。そういう状況にありましても、例えば育児中の学校の先生は、保育園に六時とか七時までに迎えに行かなければならない、そのためには五時とか六時には学校を出なければならないという場合もあるかと思います。
 ほかの先生たちがまだ遅くまで残って働いている中で、育児や介護に安心して取り組めるように配慮が必要となります。これをどのように文科省としては担保する予定でありますでしょうか。
#161
○国務大臣(萩生田光一君) 今回の休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用については、各学校や教師等の個々の事情を踏まえた上で、活用するかどうかも含めて各地方公共団体において判断がなされるものです。
 育児や介護等を行っている教師については、現行の労働基準法施行規則においても、「育児等に必要な時間を確保できるような配慮をしなければならない。」と規定されているところですが、法改正後に新たに策定する文部科学省令においてもこの旨を明示したいと思います。
#162
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 これ、是非学校の現場でもこのことがきちっと周知されるようにお願いをいたしたいと思います。
 関連しまして、今回の働き方改革というのは、校長先生や教頭先生を始め管理職の時間管理の意識を変えることや、また、先生たち一人一人にとりましても業務と自己研さんなどの業務外をしっかりと分けていくことなど、また、休むべきときにはしっかり休んでいただくなど、職場の雰囲気も含めて変えていかなければならないことが多いと思います。
 今回のこの給特法の改正については、まだまだ中身について誤解も多くあるかのように聞いております。全ての学校関係者が変形労働時間制の意味ですとか最終的なゴールがどこにあるのかということを共有することが大変重要と考えますが、このために文科省としてはどのように取り組まれるでしょうか。
#163
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のとおり、学校における働き方改革は、管理職だけではなく学校全体で取り組むことが重要であり、実際に取組が進んでいる学校では、管理職のリーダーシップだけでなく学校職員全員がチーム一丸となって、働き方改革の目指すべきゴールの共通理解の下、プロジェクト化をしてチームを分けて具体の業務改善を求めているケースや、校長のリーダーシップの下、各職員のボトムアップで具体策を積み上げ、業務改善を推進しているケースなどが見受けられます。
 今後、このような効果的な取組事例については積極的に発信し横展開を図るとともに、これまでの業務改善取組状況調査の内容を抜本的に見直し、調査の結果については市町村別に公表し、各自治体や学校における取組を促すことで改革サイクルを確立してまいります。
 また、文部科学省としては、教育委員会、校長と現場の教師とが共通認識を持って制度を活用していただく必要があると考えており、施行通知等でその旨を周知するとともに、各地方公共団体で同じ思いを共有して取り組んでいただけるよう、全国の教育長や首長、地方公共団体などが集まる会議など様々な場を活用して、今回の法改正の趣旨や意義の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
 働き方改革は特効薬のない総力戦です。あらゆる手だてを尽くして取り組む必要があり、文部科学省が学校と社会との連携の起点、つなぎ役としての役割を前面に立って果たすことはもちろん、各教育委員会や各学校がそれぞれの実情に応じた取組を行う中で、一人一人の教師たちが学校における働き方改革が進んだと真に実感することができるよう、条件整備や情報発信、制度改正に総力戦でしっかり取り組んでまいりたいと思います。
#164
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今、学校関係者というお話ございましたけれども、この学校関係者の中には、先生たちだけではなくて、ほかにも非常勤で勤める講師の方もいらっしゃいますし、また学校の事務職員さんにも共有していただく必要があると思います。
 学校の働き方改革に関する文科省事務次官通知というのが平成三十一年三月十八日付けで出ております。この中には、一部読ませていただきますが、総務、財務等に通じる専門職である事務職員は、中略しまして、学校運営について副校長、教頭とともに校長を補佐する役割を果たすことが期待されていると明記をされております。
 そうであるならば、働き方改革や時間管理の面で各学校にいらっしゃる事務職員さんを活用すべきと考えますが、大臣のお考え、いかがでしょうか。
#165
○国務大臣(萩生田光一君) 学校組織マネジメントの中核となる校長、教頭などの業務負担の増加などを背景に、学校管理職がマネジメント機能を十分発揮できるようにするため、平成二十九年三月に学校教育法の一部改正により、事務職員について、事務に従事する職から事務をつかさどる職へと職務規定の見直しを行いました。本改正の趣旨も踏まえて、学校の働き方改革の推進や勤務時間管理に当たっては、学校組織において唯一の総務、財務等に通じる専門職である事務職員の役割は極めて重要と考えます。
 実際に各自治体においては、例えば事務職員が学校運営改善推進リーダーとなり事業計画の作成や業務改善案の立案を行っているケースや、事務職員のコミュニティ・スクール運営の積極的な参画を目指し、事務職員が地域連携担当を担うケースなど、事務職員が積極的に活用されている例が見られます。また、共同学校事務室の設置により、個々の学校事務の効率化や業務負担軽減が進んでいる例も見られているところです。
 このように、事務職員が学校運営事務に関する専門性を生かしつつ、主体的、積極的に校務運営に参画し、学校管理者、管理職を補佐する役割を果たしていくことができるよう、先進事例も展開しながら事務職員の積極的な活用を促してまいりたいと思います。
#166
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 事務職員さんの活用についての法律も変わったということで、是非ともこの働き方改革の中で事務職員の皆様にも御活躍をいただきたいと思います。
 この同じ通知の中で、共同学校事務室の設置、活用の推進ということもございます。事務職員の質の向上や事務機能の強化もしていきなさいということがこの通知の中に書かれておりますけれども、この通知の中にあります共同学校事務室とはどういうもので、働き方改革においては何を期待されていますでしょうか。
#167
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 学校事務の共同実施は、従来、各教育委員会における自主的な運用として行われており、ミスや不正の防止、学校間の事務処理の標準化、事務職員の職務遂行能力の向上等の効果が見られていましたが、実際に当たっての権限、責任関係が明確でない、共同実施を行う業務の範囲が曖昧であるといった課題がありました。
 このため、平成二十九年の地教行法改正により、共同実施を行う場合の服務監督に係る責任、権限関係や業務の明確化を図るために、共同学校事務室が制度化をされました。
 働き方改革の観点からは、共同学校事務室の設置により、備品の共同購入や教職員の給与及び旅費の支給、各種手当の認定業務等を共同処理することによる個々の学校事務の効率化や業務負担の軽減とともに、事務職員の資質向上による学校運営への積極的な参画が図られることが期待をされております。
#168
○高瀬弘美君 ありがとうございます。是非この共同学校事務室も活用しながら進めていただきたいと思います。
 法改正後の令和四年をめどに勤務実態調査が行われます。こうした勤務実態調査ですとかいじめの調査などは既に行われておることであります。
 福岡県の中学校の先生にお聞きしましたところによりますと、こうしたアンケートというのは数十ページの紙の束がどさっと下りてくると。それを一つ一つ書くのも大変で、しかも、こうした調査は年に何回も同じようなものが下りてくるということも聞いております。先生たちが時間を掛けて記入したものを教務主任が取りまとめをして提出をするので、教務主任にとっても大変な重荷になる。そういう中で、学校の現場には、またそういうアンケートが来ると、ああ、また来たよというような雰囲気も実際あるというふうに聞いております。
 そういう中でありますので、この令和四年に行われる予定の勤務実態調査というのは、今後の先生たちの給与体系も含めて大事な資料となっていきますので、先生方にもなるべく答えやすい形できちんと御記入をいただきたいと思います。
 そのためには、この勤務実態調査が先生方のお給料に関わってくる大事な調査なんですよということがきちんと伝わって、かつ、学校ごとに今までみたいにまとめて出すのではなくて、できればオンラインで直接国が集計できるようにすべきと考えますけれども、大臣のお考え、いかがでしょうか。
#169
○国務大臣(萩生田光一君) まず冒頭、先生御指摘の各種調査、国、都道府県、市町村、教育委員会などが非常に類似の調査を年間を通じて現場にお願いしている実態があります。
 今回、法案を提出するに当たって、これの見直しもしっかりさせていただいて、同類の調査は都道府県、市町村などでやらないようにして、一つ出た結果を皆さんが共有できるような仕組みというのをつくっていきたいと思います。そのためにも、今御指摘のあったオンライン化というのは極めて重要だと思います。
 平成二十八年度の教員勤務実態調査においては、個人が特定されないよう、無記名の回答の上、個人単位で封入、封緘し、学校単位で取りまとめ、そのまま委託業者に提出することとし、管理職を含め本人以外の人の目にその回答内容が触れることがないよう配慮をしたことを行いました。といいますのは、目の前にいる上司に、上司の指示によってこういう実態があるってなかなか渡しづらいところもありますから、そういう意味では、もう直接やっぱり声を聞いていかなきゃいけないと思っています。
 令和四年度に実施予定の調査については、今後、この調査方法について検討してまいりますが、御指摘の学校のICT環境の整備状況も踏まえつつ、オンラインによる調査実施も含めて、回答者に配慮した調査が実施できるように、積極的な検討を行ってまいりたいと思います。
#170
○高瀬弘美君 ありがとうございます。是非とも御検討をよろしくお願いいたします。
 今のアンケートの話にも関わってまいりますけれども、報道によりますと、経済財政諮問会議の中で安倍総理大臣は、学校でのICTの活用をめぐりまして、パソコンが一人一台になるのが当たり前ということを国家の意思として明確に示すことが重要だと述べられたとあります。
 一人につきパソコン一台というのは、これは当然すべきということで我が党もかねがね主張してきたことでありますけれども、このパソコン一人一台につきまして萩生田文科大臣にも是非とも応援していただきたいと思いますが、大臣のお考え、いかがでしょうか。
#171
○国務大臣(萩生田光一君) 就任記者会見のときから、これから令和の時代の新しい学校というのは、例えば今まで平成はパソコンやタブレットはあったらいいなという教材だったけれども、これからの時代はなくてはならない教材だということをしっかりと宣言をして、今まで取組をしてまいりました。
 経済財政諮問会議でも、あるいは未来投資会議の中でも皆さん同調していただいて、それについては多くの応援をいただいているところでございます。ソサエティー五・〇時代の社会を迎えるに当たって、端末整備などの学校ICT環境の整備は必要不可欠です。
 しかしながら、我が国の学校におけるICT活用状況は世界から大きく後塵を拝しており、また学校のICT環境は地方自治体間で整備状況にばらつきが見られるなど、文部科学省としても現状に危機感を抱いているところです。このため、最終的に児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ちICTを十分活用することのできるハードウエア、それから端末はあっても教室の画面が止まってしまうようなことでは、これは授業にも活用できません。しっかりとしたネットワークなどの環境整備を達成するため、あらゆる機会を捉えてその整備促進を図ってまいりたいと思います。
 これにより、我が国の学校が令和の時代にふさわしいものとなるように、関係省庁や産業界とも連携しながら、スピード感をもってICT環境の実現を図ってまいる決意でございます。
#172
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。是非とも大臣のリーダーシップの下でお進めいただきたいと思います。
 業務の削減には、学校の先生方が本来の業務である教えることに集中できるように、先ほども申しましたけれども、スクールサポートスタッフですとかスクールソーシャルワーカーなど、いろんな専門の方の力が必要になってまいります。
 そういう中で、例えば業務について、子供たちの出欠管理ですとか成績管理などはICTで解決できるものがたくさんあると思います。
 文部科学省が考えるICTによる業務軽減とは具体的にどういうものになりますでしょうか。
#173
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 働き方改革を実現するに当たって、ICTを活用した教員の業務負担軽減は必要不可欠であると考えております。具体的には、成績処理等の教務系、健康診断票等の保健系、指導要録等の学籍系、学校事務系などのシステムを統合した機能を有している統合型校務支援システムの導入が掲げられます。
 この統合型校務支援システムを導入することで、データ連携による業務時間の短縮、正確な集計作業、全教職員での児童生徒情報の共有、各種資料の共有等が可能となり、これまでの紙資料の手作業から、校務のICT化を通じて業務負担を例えば年間二百二十時間程度軽減ができるというふうに考えております。
 このほかにも、授業準備や保護者への連絡といった場面においてもICTは有効であると考えており、このようにICTの活用を促進することで、教員の働き方改革の実現を目指してまいりたいと考えております。
#174
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 この統合型校務システム、大変重要と考えますけれども、実際の学校現場ではどの程度これ導入されていますでしょうか。
#175
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 統合型校務支援システムは、教員の業務負担軽減に有効であり、文部科学省としては、二〇二二年度までに統合型校務支援システムの一〇〇%導入を目指しているところであります。それから、整備の現状でございますが、現状としては、整備率は、三十一年三月の数字でございますが、五七・二%となっておりまして、また地方自治体間でも整備状況にばらつきが見られるなど、文科省としても現状に危機感を抱いております。
 このため、これまでの地方財政措置を活用した環境整備の促進に加え、校務の効率化も含めてICTを十分活用することのできるハードウエア、ネットワーク等の環境整備を達成するため、その整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。これにより、教員の働き方改革を促進をし、令和の時代にふさわしい学校となるようICT環境の充実を図ってまいります。
#176
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 是非とも、これ学校教育現場でしっかりと進めていただきたいと思います。こうした先生たちの負担を減らす取組、非常に重要であると思いますので、そのための予算も含めて、大臣のリーダーシップの下で是非お願いしたいと思います。
 本法案が改正後の話になりますけれども、変形労働時間制というのを入れる場合には、先ほど大臣からもお話ありましたけれども、各市町村ごとに決めていただくというふうになります。県の条例も必要になってくるわけでございますが、この本法案の改正後に、それぞれ県、市町村、そして教育委員会、それぞれどういう取組が必要となるか、御説明ください。
#177
○副大臣(亀岡偉民君) 今回の法改正における指針については、本年一月に策定した公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインの根拠を法令上規定し、その実効性を高めるものです。
 服務監督権者である各教育委員会には、教師の健康及び福祉の確保を図るための学校の管理運営上の責任を有することから、本指針を参考にして各地方公共団体において所管の公立学校の教師の勤務時間の上限に関する方針等を教育委員会規則等として作成し、都道府県や市町村の条例で根拠付けることが重要であると考えております。このため、文部科学省において条例モデル案を作成し、各地方公共団体にお示しの上、条例や規則等の制定を促し、その状況を積極的に発信することとしております。
 また、休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制については、活用に当たり業務の縮減が大前提であると考えており、各地方公共団体においては、まずは業務の縮減に向けた取組を徹底して進めることが必要です。
 その上で、実際の運用に当たっては、公立小中学校の場合、まず各学校で検討の上、市町村教育委員会と相談し、市町村教育委員会の意向を踏まえた都道府県教育委員会が改正後の給特法や文部科学省令、指針などを踏まえて条例案を作成し、都道府県議会で成立の上、この条例に従って、学校の意向を踏まえ、市町村教育委員会が導入する学校や具体的な導入の仕方、勤務時間の配分や対象となる教職員等などを決定することとなると考えております。
 また、その過程においてはしっかり話合いをしていただき、教育委員会、校長と現場の教師とが共通認識を持って制度を活用していただく必要があると考えており、施行通知等でその旨を周知することとしております。
 なお、各地方公共団体において制定することとなる条例や規則等が本法律案の趣旨や目的に沿ったものとなることが必要不可欠であると考えており、文部科学省として同じ思いを共有して条例等の制定に取り組んでいただけるよう、全国の教育長や首長、地方関係団体等が集まる会議など様々な場を活用して、今回の改正の趣旨や意義の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
#178
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 大変関係者が多くなるわけでございまして、地方公共団体また教育委員会、そして県の議会でも条例定めていかなければいけないということで、是非ともこの正しい中身の周知について文部科学省にも御尽力をいただきたいと思います。
 この変形労働時間制の話になりますと、夏休みのまとめ取りの話が中心となっておりますけれども、例えば年末年始ですとか、また春休みもまとめ取りの可能性としてはあるかと思いますけれども、この点、文科省の見解、いかがでしょうか。
#179
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 本制度による休日のまとめ取りは、各地方公共団体において、それぞれの地域や学校等の事情を踏まえ、その実施時期も踏まえ、どのように活用するかが判断が行われるものであります。現在の学校の運営状況を踏まえれば、長期休業期間中の、特に夏休み期間に一定期間のまとまった休日を取得することが一般的に想定をされるところですが、御指摘の年末年始や春休み期間についても、例えば比較的年末年始の冬休みが長い地域などでは活用される可能性があるんではないかというふうに考えております。
 いずれにせよ、長期休業期間中等の業務量の縮減によって確実に確保ができる休日の日数を考慮した上で本制度の活用、運用がなされることが重要であるというふうに考えており、このことは指針においても明示をすることといたしております。
#180
○高瀬弘美君 ありがとうございます。各地域の実情に踏まえた形でこの変形労働時間制も取り入れていただくということかと思います。
 これにて質疑は終わらせていただきますけれども、大変大事な改革の第一歩だと思っておりますので、文部科学省におかれましては、是非とも円滑なこの実施のために関係各所にきちんとコミュニケーションを取っていただきますようにお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#181
○梅村みずほ君 日本維新の会の梅村みずほでございます。
 文教科学委員としてこのマイクの前に立たせていただくのは今日で三回目となりますが、一回目は高大接続改革に関する参考人質疑、そして二回目は本会議での登壇でございましたので、萩生田文部科学大臣始め委員の皆様にも御挨拶するチャンスがございませんでした。大変申し訳ございませんが、少しだけお時間をいただきまして御挨拶をさせていただければ幸いでございます。
 私は、大阪府選出で初当選をいたしました新人議員でございます。この政治の世界には二世、三世の議員の皆様もいらっしゃるかと思いますが、私は二世、三世の筋金入りの無党派層として生きてまいりました。今年のお正月には議員になるというようなことは全く想定しておりませんでしたが、御縁があってこの場にやってまいりました。
 私は二人の子供を育てております。長男は八歳、小学二年生です。長女は五歳の年中さんです。私は、子供を産まなければ恐らく議員になることなく、今も無党派層の一人として生活していたと思いますが、やはり子供のためにこの人生を懸けて考えていきたいことがあるということで、今回この場に立たせていただいております。
 そういう背景がございますので、私が委員の皆様と、そして大臣や副大臣、文部科学省の皆様、参議院の関係者の皆様、その他たくさんの方々と一緒に、この教育、文化芸術、学術、スポーツ、科学といった分野で活発に議論ができるというのは大変な光栄でございます。知識、経験が乏しく思考も未熟ではございますが、精いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 また、私が今後質疑をしていく際にお願いしたいことが一点ございまして、一般の無党派層だった感覚からいうと、本日もちょっと拝見していたところがあるんですけれども、局長の後ろにいらっしゃる方がこういうふうにお答えになるとよろしいかと思いますというふうにささやかれるというシーンがあるかと思いますけれども、私は、一番その私の質問に答えていただける方に答えていただければいいと思っております。その方の発言の責任はその長が取ってくださるということは重々承知しておりますので、場内にいらっしゃる方の中で一番的確にお答えいただける方に御答弁いただければ幸いでございます。
 また、今回は、忘れないうちに申し上げておきたいんですけれども、ICTというキーワードも、今回の給特法、さらには高大接続改革についてもキーワードになっておりますけれども、また、理事の皆様にも要望させていただくかもしれませんが、この文教科学委員会の場でもパソコンの持込みを是非お許しいただきたいと思っております。
 私は、本当に委員の皆様、他党の皆様も、広く資料を集め、文章を構築し、本当に未来のことを見据えて質問を考えていらっしゃるというのが私はこの場に来てよく分かったんです。そして、先生方お一人お一人の御発言の中で、あっ、これはなるほどなと思ったことを一生懸命今メモをしているんですね。一生懸命、必死に話を聞きながらメモしています。これを、私は自分の会議室に戻ってパソコンに打ち直さないと検索ができないんです。これは私の働き方改革として大事なところなんですね。
 なので、私たちがパソコンをここに持ち込んで、実際にICTということで実際にやっていく中で、学校現場でもWiFi環境整ってないといけないよねという新たな問題が出てくるということもあると思うのです。やっぱり現場と議論の場が全く違う温度差であるというのは問題だと思っておりますので、是非ともICTの活用をというのであれば、ソサエティー五・〇というのであれば、この場でもそれにそぐう時代の環境というのを整備していきたいなと思っておりますので、よろしくお願い申し上げまして、質問に入らせていただきます。
 長くなりました。ありがとうございます。
#182
○委員長(吉川ゆうみ君) また後刻理事会で協議いたします。
#183
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 では、給特法でございます。
 今回の改正案がどこか短絡的で無責任だと感じてしまう理由の一つは、小学校と中学校と高校、これ先生方の忙しさの原因が全く違うにもかかわらず、給特法という一つの法案によって何とか一くくりに解決しようとしていることにあるのではないかなと思っております。例えば、時間を効率よく使おうとするときに、民間企業のサラリーマンであっても主婦であっても学生であっても、今現在の時間のやりくりの中でどこに問題が生じているかということを考えると思うのですね。
 文部科学省では、平成二十八年に教員勤務実態調査を行っていらっしゃいますけれども、小中高、そのほか諸学校、それぞれの抱える多忙の根本原因は何であると考えていらっしゃるのでしょうか、お答えいただければ幸いです。
#184
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 文部科学省が実施をいたしました平成二十八年度の教員勤務実態調査においては、小学校、中学校いずれの職種においても、十年前に実施をしました同調査と比較をして勤務時間が増加をしており、教師の厳しい勤務の実態が明らかになっております。
 平成十八年度と比べて勤務時間が増加をした要因としては、教師の年齢と勤務時間との間には高い関連性があり、年齢が下がるほど勤務時間が長くなる傾向にある中で、三十歳以下の教諭の割合が小学校で約二六%、中学校で約二四%と、十年前の調査と比べて小学校で約一一%、中学校で約一二%増加をしていること、また、一学年当たりの週の標準授業時数が、十年前と比べて小学校で一・三こま、中学校で一こま増加をしていること、さらに、中学校の教諭では土日における部活動指導の一日の平均時間が二時間九分と、十年前の調査に比べて一時間三分の増加となっていることなどが分析結果としてございます。
 また、平成二十八年度の勤務実態調査では高等学校は対象となっておりませんが、中教審の学校における働き方改革特別部会の議論の過程におきまして関係団体からヒアリングを行ったところ、高校は、様々なタイプの高校があり、忙しさの質が学校により異なる、小中学校と比べて専門性が高く、教材研究の負担が大きい、また部活動の負担が大きいなどといった回答があったところでございます。
#185
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 小学校では先生の年齢が低いととても時間が掛かっていてという情報がありまして、また中高では部活動という言葉も出てまいりました。
 先ほど、サラリーマンであっても主婦であっても学生であってもというお話をしましたけれども、例えばサラリーマンであれば、メールチェックに時間が掛かっているのかプレゼンの資料作りに時間が掛かっているのか、それともそもそも仕事の受注件数がもう自分の限界を上回っているのかということを考えると思います。主婦であれば、掃除、料理、洗濯、いろいろあるかと思います。学生であれば、勉強、読書、ゲーム、LINE、習い事。そして、無駄な時間やキャパシティーを超えて抱え込んでいるタスクが何なのかというのを分析することで、メスを入れていかなければならない分野が見えてまいります。
 その結果、メールチェックにサラリーマンの方が時間取られているのであれば、例えば、よく使う言葉をパソコンの単語登録しておいてすぐ出るようにしておくであるとか、メールは基本的に五行以内に収めるというマイルールを定めたりとか、主婦であれば、もう買物に時間が掛かっているのであれば宅配をお願いしようとか、食事を作るのに時間が掛かっているんだったら副菜は買ってこようとか、いろんな工夫をしていくわけなんですね。
 今回、部活動という言葉が出てまいりました。部活動というところも検討するということなんですけれども、大きな考え方としては、今回、閑散期と繁忙期でプラスマイナスして時間を調整してうまいことしてくださいねというような感じの改正案に受け取っているのですけれども、もう少し踏み込んだ方向性の提示が欲しいところですが、どのようにお考えでしょうか。
 また、部活動という点でですけれども、中高で時間外勤務の多くを占める部活動、先週金曜日の参議院の本会議で先生方の部活動負担の軽減についてもお尋ねいたしましたところ、部活動のガイドラインを基に短時間で効果を上げる指導をする等御答弁くださいましたが、それができれば既にやっているのではないかと思うわけなんですね。部活動による勤務時間短縮のための具体策についてもお答えください。
#186
○国務大臣(萩生田光一君) お答えします。
 文部科学省としては、部活動における短時間で効果的な指導を実現するため、競技団体に指導の手引の作成を依頼するとともに、その活用を図るため、教育委員会等に対して周知を行っています。実際に短時間の練習で全国大会に出場した公立中学校の部活動があり、この事例について、学校の働き方改革に関する文部科学省のホームページにおいて広く周知を行っております。
 あわせて、文部科学省としては、外部部活動指導員の配置の促進や部活動の地域スポーツへの移行など、教師の働き方改革に資する部活動改革にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 先生御指摘の、ガイドラインがあって、それで守れるんだったらとっくにできているじゃないかという問題意識、そのとおりでございまして、もちろんそれで随分現場は変わってきているんですけれども、あくまでガイドラインでした。今回、法律の中でこういったものも指針として書き込みをしますので、そうやってくれば現場は大きく変わってくると思っておりまして、その方向を目指して努力したいと思います。
#187
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 ただいまの大臣のお言葉の中で、このガイドラインに沿って実施したところ、部活動の時間短縮が可能になった事例があったということなんですけれども、この質問は大臣でなくても構いません、それが一体どこの地域で、何部で、どんなふうに変わったのかというのがもしお分かりになるようでしたらお聞かせいただきたく存じます。
#188
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣から、このガイドラインを踏まえて実際に短時間の練習で全国大会に出場した公立中学校があるということで御答弁をさせていただきましたが、これは実は北海道の伊達市の伊達中学校というところでございますけれども、中学校のサッカーの大会、サッカーですので人気のスポーツでございますけれども、短い時間で集中して取り組み、具体的に言うと、平日の練習はもう二時間程度、土日祝日は半日程度、週二日以上の休養日を設けるというほぼガイドラインに沿った対応をした中で、これは、済みませんが、二十六年度ですけれども、全国中学校サッカー大会においては準優勝まで果たしておられるというような事例などがございます。
 ありがとうございます。
#189
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 まさにそういった具体的な事例というのが浸透して、皆さんにも、あっ、やろうと思ったらできるんだということが広がっていけば、現場の意識というのも大分変わっていくのではないかなと思います。
 そして、先ほどから、こちらはこやり委員の質問のときに関して丸山局長がお答えになっていたかどうか、ちょっと間違っていたら申し訳ないんですけれども、周知をしていくと、今回の給特法もそうであるが、うまくいっている事例に関しても周知を徹底させていくというようなお言葉がございました。
 現段階で、この今教えていただいた伊達中学校のサッカー部のことであるとか、ホームページ上に載っているというようなことはございますでしょうか。
#190
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 ただいまの事例については、子供たちに対するスポーツの機会の確保という側面よりは、先生の側から見た働き方改革という観点で、こういう実際に成果も出しながら先生方の勤務の改善にも役立っているということで、働き方改革に関する文科省のホームページの中で周知をさせていただいているところでございます。
#191
○梅村みずほ君 ありがとうございます。是非、今日は自分の事務所に帰ってチェックをしたいと思います。
 そして、そういった成功事例をどんどん目に留まるような形で、こそっとホームページに載せるとなるとやっぱり分からないわけなんですね。私がずっと民間で生きてまいりました経験で申し上げますと、やはりこういったお役所といいますか、語弊があるかもしれませんけれども、ちょっと堅いホームページで、どこを見たらいいのか分からないというようなこともあると思います。なので、先生方が本当にヒントを求めて探したときに、すぐ知りたい情報を得ることができる、具体的な事例というのをすぐ見付けることができるように、ウエブ上でも工夫を凝らしていただければと思っております。
 さて、部活動ですけれども、こちらも先日の本会議でも少し質問させていただいたところと関連してきますが、夏季に、夏休みに大会のある部活動も大変多くございます。
 夏季に大会があるという場合は、例えば夏の甲子園なんかは本当に最たる例かと思いますけれども、本選開催を前倒しにしようとすると、今、真夏の大会で当然地方予選があるわけで、そうなると、本選を春に持ってこようとなったときに、地方大会は、じゃ、いつやるんだという問題がございます。卒入学シーズンに重なってくるが大丈夫か。例えば、その本選を、じゃ、秋以降にいたしましょうとなった場合には、地方大会はいつやるんだ、あるいは、本大会が遅くなるということで受験生が受験対策に支障を来さない形でできるのかどうかというところも問題になってくると思っております。
 先日、大臣は、部活動について、学校体育団体に対し主体的かつ速やかな見直しを求めているということで御答弁いただいたかと記憶しておりますけれども、運動部、文化部共にまずどれだけの種類の部活動が夏の大会を有しているのか、まずそこの把握からですし、把握していらっしゃるのかどうか。
 また、期限を切らずに自主目標としてそれぞれ、学校体育団体、あるいは文化的な団体でもそうですけれども、開催時期の見直しを自主的に求めた場合に、ずるずると現状が続いていくだけなのではないかなというふうに危惧をしております。具体的な働きかけや調整はどのようになさるのか、お答えください。
#192
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 夏季に様々な部活動の大会があるわけでございますけれども、私どもとして、どれぐらいの大会があるかというところについては、現実には、例えば特に中学校とかですと、市町村、特定の市町村における大会であったり、県内のある特定地域における大会とかもございますので、そこまでの網羅的な大会の把握はできておりませんけれども、例えばですが、全国の中体連が主催する全国大会、あるいはその予選大会というのは当然ございますが、申し上げますと、大体で言いますと、全国大会は、例年、八月中旬から下旬の九日間程度というのが多い事例でございますが、それに向かって地方の予選大会が、おおむね市町村や、その上の地区大会が五月中旬から六月、都道府県大会ないしは更に幾つかの都道府県を束ねたブロックの大会が七月の中旬から八月上旬に開催されているというのがおおむね、こういう中体連に関わるような競技ですとなっていると承知しております。
 こうした実態がある中で、部活動の大会の見直しにつきましては、私どもとして、本年三月に中体連を含めて学校の体育団体各団体に対して、主催をされる大会の見直しについて、主体的かつ速やかな検討、見直しを依頼したところでございます。
 今後、スケジュールということでございましたけれども、私どもからの依頼を踏まえて、中体連も高体連もそれぞれ特別の検討組織を設けて検討を着手しているところでございますけれども、中体連からは、来年度中に結論を得る見込みということで聞いております。
 それからあと、先ほど冒頭に、特に市町村等の自治体レベルでの大会が網羅的には把握できていないということを申し上げましたが、そういう地方大会の中には全国大会とは直接関わりのない大会もかなりあると承知をしておりまして、これらの大会については、全国中体連とか高体連ではなくて、各都道府県の教育委員会等を通じて都道府県の学校体育団体に見直しを要請しているところでございます。
 こうした中で、既に幾つかの事例では、地方大会の精選といいましょうか、そうした見直しをされているところもございますので、文部科学省としては、このように関係団体の検討状況も十分注視をしながら、日程も含めた大会の見直しを促してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#193
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 今お答えいただいたのは、恐らくスポーツの団体に関してかと思います。自分が考えていたよりもちゃんと、期限を区切らずとはおっしゃりながら、ある程度具体的なめどというのがある団体も存在するのだなというところに少しだけ安心をいたしました。
 一方で、実は私、以前の仕事といたしまして関わっておりましたのが高校の放送部の大会です。地方予選の審査員を十年以上させていただいておりましたが、やはり文化部でもそういった大会が数多くございます。今日はひょっとしたら、文化庁さんの管轄になるかと思いますが、お越しいただいていないかもしれませんが、文化部の活動についてはいかがかということをお伺いしたいのですが、どうでしょうか。(発言する者あり)そうですね、通達の中には入っておりませんので、今の質問に絡んで気になったというところでございますので、お分かりいただける範囲で。もしお分かりでないようでしたら。はい、済みません。
#194
○副大臣(亀岡偉民君) 文化部も実はスポーツ部に併せながら各学校に依頼をしておりますが、ただ、文化部の活動の大会というのがなかなか全部把握できておりません。今、これから学校を全部調べていこうということで、文化部も併せてできる限りそういう時期をしっかりと考え直そうということで、これからしっかりと調査してまいりますので、今の段階ではちょっと詳しいものはありませんので、お許しいただきたいと思います。
#195
○梅村みずほ君 ありがとうございます。要旨にない質問で申し訳ございませんでした。
 続いてですけれども、部活動を支えるための外部指導員やスクールサポートスタッフの活用についてお伺いしたく存じます。
 教員の部活動負担を軽減するために多様な人材の活用を検討されていると認識しておりますが、外部の方にお願いする場合、その資格要件でありますとか報酬ですとか、けがや何か起こった際の責任の所在が問題となってくるかと思います。この辺りは地域の傾向なども踏まえて地方自治体に任せることになるのかもしれないのですけれども、国の方向性としてのお考えがあればお聞かせください。
#196
○国務大臣(萩生田光一君) 学校における働き方改革を進めるためには、教師でなければできない業務以外の多くの仕事を教師が担っている現状を抜本的に変えるとともに、教師の業務についても負担軽減を図ることが必要であり、多様な人材との連携を進め、チームとしての学校を実現することも重要と考えております。
 このため、令和元年度予算においては、中学校における部活指導員について対前年度倍増の九千人、スクールサポートスタッフについて対前年度六百人増の三千六百人に係る経費等として、対前年度七億円増の五十五億円を計上しており、引き続き、令和二年度概算要求においても更なる充実を盛り込んでおります。
 お尋ねの部活動指導員については、学校教育法施行規則にその職務を位置付け、非常勤の公務員として任用することを資格要件とすることで、教師に代わって部活動の顧問ができるようになっています。
 また、スクールサポートスタッフについては、国としてその資格要件などは定めておりませんが、各自治体において就業要綱等において必要な要件を定めているところです。
 なお、教育は自治事務であり、当該学校に係る運営費の確保、外部人材の具体的な人事に関する事項やその報酬の額の決定などについては、基本的には当該設置者が責任を有しています。
 一方で、これらの外部人材を活用した取組がより多くの自治体で普及されるよう、先行して実施されている効果的な取組事例を参考に、国費による支援の枠組みを創設し支援の拡充を図ってきたところですが、全ての学校で取り組んでいく上では、設置者独自の取組が自走する環境の整備も重要だと考えております。
 いずれにしましても、国と地方が一致協力してこうした環境整備を進めることで学校における働き方改革にしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#197
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 こういった外部指導員やスクールサポートスタッフの活用の仕方というのは現場も戸惑うところではないかなと思っているのですが、先ほど大臣の御答弁の中で、どちらかの委員の質問に答えて、和歌山ですとか広島での外部人材の活用が、あと横浜でしょうか、功を奏しているというようなお話もお伺いいたしました。
 今日は、瀧本スポーツ庁次長がいろいろとスポーツ関連の私の質問に答えていただいておりますので、御存じでしたらお伺いしたいのですが、そういった和歌山、広島、横浜での外部人材の活用例についてもホームページ等で紹介されているのでしょうか。
#198
○政府参考人(瀧本寛君) 大変申し訳ありません。その例が今文部科学省なりスポーツ庁のホームページに掲載されているかどうかについて、申し訳ございません、確認をさせていただきたいと思います。私、現在、ただいまの段階では承知をしておりません。申し訳ございません。
#199
○梅村みずほ君 ありがとうございます。素直にお答えいただき、感謝申し上げます。
 本来、そういうスタイルでいいのかなと実は一般の感覚で思っておりまして、知らないものは、あっ、済みません、知りませんと言ってくださるのは本当に私が今まで思っていた政治像と違っていて、ちょっと良かったなと勝手に思っております。ありがとうございます。
 ただ一方で、やはりその周知という点でいえば、身内の中でも周知できていないというのが実態だということが分かると思います。それをやはり一般レベルで知らしめていくためにはどうしたらいいのか、省内でもそんなのあったっけ、知らないな、ホームページ載っているの分からないなというふうになるということは、やはり現場にいらっしゃる方が知っているわけがないと思うんです。なので、引き続きそちらの、先ほどの部活動の時短、時間削減での好例、今回は外部人材の活用の好例というものを皆さんに分かりやすく知っていただくという工夫が一層必要なのかなと思っております。
 続いて、また地域での連携、これもまた部活動関連になりますけれども、やはり部員の少ない部活動なんかでは、近隣の学校同士で連携をしてチームを組んで大会に出るというような取組もあるとお伺いしております。地域での連携の具体例について、御存じでしたらお聞かせくださいませ。
#200
○政府参考人(瀧本寛君) お答え申し上げます。
 子供たちの少子化に伴いまして、ただいま委員から御指摘された、いわゆる合同部活動といった取組が各地域で生じてきております。
 例えばということで申し上げますと、神戸市におきましては、競技ごとに拠点校を設けて、生徒が希望する部活動が行われていない学校からその拠点校に生徒が練習に参加ができるような合同部活動の取組を進めていると承知をしております。
 イメージでいいますと、A校、B校、C校には柔道部がないけれども、D校には拠点校として柔道部の顧問教員がいて、かつ、そこには外部の部活動指導者も参加をして指導してくれる、そこにA校、B校、C校の柔道部入部希望者が行って練習をするというようなケースがございます。同様に他の、例えばですけどバスケット部とかでも同じような取組が行われておりまして、こうした取組を神戸市としては推進をしようと現実に取り組んでおられるところでございます。
 また、先ほど委員から地域との関わりということも御指摘がございましたが、学校部活動のいわゆる地域移行につきましては、例えばですけれども学校の部活動の活動日数を縮減をして、その代わりに地域のスポーツクラブにおける活動として地域の指導者による指導を受けて、部活動と同様のスポーツ活動を実施している例もございます。
 ただいま申し上げたのは茨城県のつくば市の中学校における事例でございますが、学校の平日の部活動は週三日に限定をして、別な平日の日に地域のスポーツ活動、これ現時点では一日だと思いますが、一日は地域のスポーツ活動の活動日と。スポーツクラブといってもあくまで地域のですので、地域の関係者が地域の指導者の登録なんかも受けながら開催をしているものでございますけれど、場所は学校の中で実施をし、用具類についても学校で保有する備品等を活用しているということで、この際、一つのポイントは、スポーツクラブのその指導者は、あくまで学校の活動方針を遵守をして、学校と連携をして進めているという内容でございます。私ども聞いているところでは、将来的には近隣の複数校とも連携をした上で、地域単位での活動に移管していくことを目指しているというふうに聞いております。
 これ、ただいま申し上げたのが地域と連携をした部活動ということでございますけれども、合同部活動であれこの地域との連携であれ、こうした取組は、子供たちのスポーツ活動の機会を確保するということとともに、部活におきます教師の負担軽減にも資するものでございまして、文部科学省としても、モデル事業による支援等も含めて、こうした合同部活動や部活動の地域移行に関して支援を推進してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#201
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 そういった好例をたくさん輩出して、広く、じゃ、うちの自治体でもこれをトライしてみようというような動きが広がっていけば、なかなか窮屈な中ではありますけれども、全体にその教職員の皆様に掛かる部活動負担を減らしながら、子供たちのスポーツの機会を奪うことなく、スポーツだけではなく、文化部でも機会を奪うことなく、ウイン・ウインの形が出てきたらいいなと思うところでございます。
   〔委員長退席、理事赤池誠章君着席〕
 さて、要旨六番目に移らせていただきます。
 現在、我が国にとって大変憂慮すべき点として、教員のなり手不足が挙げられます。先ほどからも、ほかの委員御指摘のとおりだと思います。
 文科省が発表されている最新データとしては、最新といってもちょっと古いなと思うのではありますが、平成三十年度実施の公立学校教職採用選考試験の結果を見ることができます。それによりますと、教員のなり手不足が一番深刻化しているのは小学校の教員と見ることができると思います。具体的には、新潟県では一・八倍、福岡県が一・九倍など、二人の志願者から一人を選ぶことすらできない状況となっております。
 なぜこのような状況となっているのか、改めて分析の所見をお聞かせください。
#202
○副大臣(亀岡偉民君) まさに今、梅村委員の言われたとおり、近年、公立学校の教員採用選考試験の採用倍率、低下傾向が続いており、特に一部の自治体で採用倍率が著しく低くなっておることについては危機感を持って受け止めております。
 まさに今の新潟県の一・八倍、福岡県が一・九倍、片や鹿児島県では七・四倍とか群馬県では六・三倍なんという例もあるんですが、ただ、この採用倍率が低下している原因としては、いろいろ議題に上がっておりますが、教育現場の厳しい勤務実態を指摘する声も承知しております。また、定年退職者の数の増加に伴う採用者数の増加や民間企業等の採用状況等、様々な要因が複合的に関連しているものと認識しています。
 文部科学省としては、このような状況を踏まえて、従前から教育委員会に対し中長期的な視野から計画的な教員採用、人事を促してきたところですが、これと同時に、教職の魅力ややりがいがある仕事についても積極的に発信し、教育に熱意のある多くの方に教職を志してもらえるように取り組むことが重要であると考えております。
 具体的には、教師の働き方改革による教師という職の魅力向上を目指す、特別免許証や臨時免許証等の活用による社会人や退職教員など多様な人材の活用、さらには採用年齢上限の撤廃や民間からのミドルリーダーの採用、教職経験者特別選考等の好事例の横展開といった取組を進めることを通じて、各自治体の取組を一層支援し、何とか魅力を高めていきたいというふうに考えております。
#203
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 副大臣がおっしゃった様々な策をどんどんと展開していただきたいんですけれども、やはり、先ほど水岡委員からも質問にありましたように、福岡で水岡委員は臨時免許で働いている方が四百数十、あれは要請でしたでしょうかね、とにかく、臨時の免許で働かざるを得ない状況があるというふうに御指摘ございましたけれども、本当にゆゆしき事態であるというふうに考えております。先ほど副大臣も様々な要因があるというふうにおっしゃいましたが、体がしんどいだけではない、心もまた疲れているのではないかと私考えているところでございます。
 特に、平成二十八年に教員勤務実態調査にございます教員のストレスの分析という項目、こちらによりますと、男性教員に比べて女性教員のメンタルヘルスの状態が小中共に不良とあります。教員の男女比で見ますと、中学、高校に比べて小学校の方が女性の教員が多いという文科省の別データがございますけれども、やはり女性教員のメンタルヘルスについて考えることも今後の教員志願者増加の鍵と言えるのではないかと考えております。これは、先ほど高瀬委員も子育てと介護がある教員に対しての配慮について御質問がございましたけれども、そこと重なるところでございます。
 そこで、改めて大臣にお伺いしたいのですが、世の中には育休、産休からの職場復帰をためらう女性も多いと考えますが、なぜとお考えになりますか。
#204
○副大臣(亀岡偉民君) 公立学校の教員については、地方公務員制度の中で、産休、産後休暇の取得、子供が三歳になるまでの育児休業の取得、育児短時間勤務などの制度が整えられている上、特に公立学校の教員が出産する場合には、産前及び産後の休業期間に代替教員を臨時的に任用するものとされているなど、出産、育児期においても就業を継続しやすくする制度が整えられております。
 他方、教師が育休や産休から復帰しにくいという御指摘については、客観的なデータを今持ち合わせておりませんけれども、そのような声があると御指摘の原因について、仕事と家庭の両立を図ることが難しいなどの理由が考えられるところであります。
 このため、教師が仕事と家庭を両立させ、学校が女性も働きやすい職場となるよう、働きながら出産や育児等がしやすい環境整備を図ることを各教育委員会に求めているところであります。
 また、教師の業務の長時間化を解消することも重要であると考えており、引き続き、あらゆる手だてを尽くして学校における働き方改革を強力に進めてまいります。一つではなくて、たくさんこれはしっかりと考えて、合わせて働きやすい環境をつくっていきたいと今考えているところであります。
#205
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 私は教育現場で従事していた経験がございませんので、私の周りにいる同年代の女性の教職に就いている者に聞くしかないんですけれども、知人、友人で教員をしている者が少なからずおりますので、いろいろと電話をしたり連絡を取って聞いてみましたところ、子供の入学式と我が子の入学式が重なった場合、仕事を優先せざるを得ない、卒業式や運動会、参観日についても同じことが言える。もう諦めているが、我が子には申し訳ないという声があります。
 これは女性だけではなく男性にも言えることですが、教員を目指す方というのは、子供が好きで教育者を志したという方が大変多くいらっしゃるはずです。そんな子供への愛情を持った方が我が子に寂しい思いをさせなくてはいけないとなると、ストレスが掛かるのは当然のことと考えております。
 世論としては、公務員なのだから家庭の事情よりも仕事である学校を優先すべきだという意見も一定数あるかとは思いますけれども、子供を産んだけれども、先輩教員からは、復帰後はお迎えの問題が出てくるよ。我が子が大きくなったら、自分は朝早く仕事へ行かなくてはいけないため、一人で家に鍵を掛けて学校に行ってもらわなくちゃいけない。本当は我が子に行ってらっしゃいと送り出してやりたい。お母さんは自分の子供より人の子供の方が大事なんだと言われ、大変ショックを受けた。子供をつくりたいが、今、育休中の先生が戻ってくるまでは待ってほしいと言われている。産休、育休の先生がいた場合は補填の先生を要請することになっているが、県内では数十人待ちでなかなか来てもらえない。自分の産休を取ると同僚の迷惑になることが分かっているため、子供をつくることに後ろめたさを感じる。そういった生の声が私にも聞こえてまいりました。
 不安やストレスが教員のなり手不足に影響しているとしたら、こういった問題はもはや地方にお任せというのではなくて、国として改善に向けた取組をする必要があると考えますが、大臣の御見解をお聞かせください。
#206
○国務大臣(萩生田光一君) 今、様々御披露いただいた女性の方の、言うならばキャリアアップに向かっての、結婚や出産やあるいはその後の産休など、確かに、自分が子育てをしている最中に同年代の人たちを担任として見なきゃならない小学校の教諭なども実在するわけでありまして、そういう働き方につきましても、やっぱり今までの何となく現場に我慢を強いてきた環境というのを変えていかなきゃならないのが今回のキックオフのまず第一歩だと思っております。
 是非、働きやすい職場環境というのを目指して、いろんな意味で、今までちょっと染み付いてしまった、学校の先生ってこのくらい我慢してしようがないよねというものをもう一掃して、大きく改革をしていきたいと思っております。
#207
○梅村みずほ君 ありがとうございます。
 今まで染み付いてきたという言葉が大臣から発せられました。まさにおっしゃるとおりだと思っています。
 実は、今回の給特法改正案、本日の委員会が午前中から始まって、ずっと考えながら本当に難しい問題だなと思っております。なぜならば、これは私たちの理想の働き方という概念と絡んでくるからだと思っています。
 給特法は、言ってみれば、もう時代遅れの継ぎはぎだらけのちゃんちゃんこのような、そんなイメージを私持っているんですね。四%を上乗せされたところで、今の価値観でいったらそんなものじゃ見合わないよ、そんな感覚を皆さんお持ちだと思います。でも、もうこんなに老朽化しているんだったら新しく作り直した方がいいじゃないかという声が聞こえてきて、やはり残業した分はお金を払ってもらわないとね、その考えもすごくよく分かります。
   〔理事赤池誠章君退席、委員長着席〕
 一方で、私どもの仕事も、議員という仕事もそうだと思うんですけれども、自分の使命と言えるような、自分の時間を割いてでも寝る直前まで仕事したい、そんなやりがいのある仕事に就いたときには、じゃ、もう寝る直前まで資料を調べて、皆さんもきっと質問を作るときに自分のプライベートの時間を割いて資料を集めていらっしゃると思います。じゃ、その分お金払ってほしいかといったらそうではなくて、自分がやりたいからやるんだという方も大変多くいらっしゃる。
 部活動もその最たる例で、残業代が出なくても部活動の顧問をやりたいという方もいれば、嫌々やっていて、いやこれはお金払ってもらいたいという人もいらっしゃる。両者いるというのが現実ではないかなと思うんですね。
 そして、私は民間にいたときに、国はお金があるんじゃないのと思っていましたけれども、議員という立場になって、思ったよりも袖はないのだということが分かってまいりました。七分袖ぐらいあるのかなと思ったら二分袖ぐらいしかなかったところでどこにお金を充てていくんだというふうに考えたときに、もちろん外部指導員にお金を払って報酬だとかそういう予算を付けるのもそうなんですが、確実にこれは先生のやる仕事ではなくて、これを減らすことによって確実にストレスや負担が減るんだというところ、例えば給食費の徴収であるとか、あとはやっぱりICTであるとか、そういうところにまずは限られた予算を充てていくというのも手ではないかと思っています。
 なので、本当に難しいなと思っているのですけれども、大臣が繰り返しおっしゃるのは、これで完全だとは思っていない、これをきっかけにどんどん働き方改革、先生方の働き方改革を進めていくのだという言葉を信じたいなと思っております。
 日本維新の会は、政府が提案する法案に対して何でも反対と言うつもりはなくて、是は是、非は非というスタンスでおります。今回の給特法改正案、私は、中高についてはなかなか期待どおりの改善は望めないと考えております、この改正案では。受験生は夏休みにだって学校にやってくる、毎日のように補講があり、学期中とほとんど変わらない、部活動の問題が横たわっている限り負担は減ることはない、そんな現場を耳にするからです。
 また、対策を取れば取るほど、その成果を見るために勤務実態調査など、先ほど高瀬委員からも御指摘ありましたように、書類に記入してもらう必要がありまして、それ自体がまた先生方の負担になってしまうという皮肉がございます。中途半端はむしろ現場の混乱や新しい負担になり得ます。これが今回の是々非々の非の部分です。
 一方で、小学校も夏休みにまとめて休暇を取る教員が増えると、その分の仕事を学期中にやってしまおうという動きが強まって会議などが前倒しで行われる可能性があるとか、地域のボランティアなどは減らないから結局サービス残業は永遠に続くなどの問題もある一方で、プール当番や登校日など、スケジューリングを徹底したら少しぐらいはましになる可能性はあるかなという声を私の周りで聞くこともありました。
 夏休み中にしっかりとリフレッシュすることが地域や学校によってはほんの少し可能、これが是の部分でもあります。ほんの少しでも改善の可能性があるならばやってみる価値はある。しかし、先ほどほかの委員からも御指摘がありましたように、三年スパンというのは遅いなと思っております。実態調査とはまた別の形で常に取組状況をチェックしていく、国主体の姿勢が必須条件だと考えております。
 ということで、これからも問題は山ほど出てくると思いますが、そのたびに大臣、副大臣、文部科学省の皆様、私ども委員で力を合わせ、徹底的に議論を尽くしていい方向に向かえばいいなと思っております。
 以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございます。
#208
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。
 午前中以来、様々法案について議論がされていますが、私は、本法案の最大の問題点は変形労働時間制、総労働時間の縮減ができないばかりか、長時間労働を更に加速させかねないこの変形労働時間制を学校現場に導入するということだと思っております。
 本会議でも申し上げましたが、変形労働時間制、厚労省の通知によると、恒常的な時間外労働がないことを前提とした制度とされております。しかし、大臣は、この前提については制度の趣旨だと答弁された上で、時間外労働があるものと承知しているという答弁をされました。ただ、私が伺ったのは前提なんです。制度導入後に結果として時間外労働があるかどうかということを聞いているわけではないわけです。
 そこで、もう一度大臣に伺いたいと思うんですけれども、現在、もう超長時間労働がはびこっている、多忙化している学校現場、深刻なこの長時間労働がはびこっている学校現場で、その労働時間が一切縮減できていなくても変形労働時間制導入可能ということでしょうか、お答えください。
#209
○国務大臣(萩生田光一君) 労働時間の縮減を前提として導入することを規定をしております。
#210
○吉良よし子君 労働時間の縮減が前提だというお話でした。じゃ、恒常的な時間外労働がないということが前提だということでよろしいんですね。
#211
○国務大臣(萩生田光一君) 御指摘のとおり、平成六年に一年単位の変形労働時間制が導入された際の労働省の通知においては、突発的なものを除き、恒常的な時間外労働はないことを前提とした制度であることとされています。これは、一年単位の変形労働時間制は、あらかじめ見込んだ業務の繁閑に合わせて労働時間を配分するものであり、あらかじめ予想される繁忙による対応等は本制度による労働時間の配分で対応することを前提とする制度の趣旨を述べたものと承知しています。その上で、この一年単位の変形労働時間制を導入する場合でも、労働基準法の規定により、時間外労働があるものとしております。
 公立学校においては、まず業務の削減を徹底した上で、学校行事等に伴いあらかじめ予想される時間外勤務について、一年単位の変形労働時間制の活用により勤務時間を延長し、それを一時間単位で積み上げて長期休業期間中に休日のまとめ取りを行うこととしており、あらかじめ予想される恒常的な時間外労働はないことを前提とする制度の趣旨に合致しています。
 他方、休日のまとめ取りを導入しても時間外勤務が生じることはあり得るものですが、今回新たに策定する指針における在校等時間の上限を踏まえ、業務の削減を徹底的に進めてまいりたいと思います。
#212
○吉良よし子君 やっぱり言っていることが分からないんですよね。
 恒常的な時間外労働がないということが前提だというならば、やっぱり今の学校現場で、在校等時間、勤務時間が、やっぱり時間外労働、残業と呼ばれるような勤務時間があってはならないということだと思うんです。一日七時間四十五分以上働いている教員が学校現場からいなくならない限り、変形労働時間制導入できないと言わなきゃいけないことだと思うんです。
 先ほど上限ガイドラインなどの話もありました。月四十五時間、年間三百六十時間というこの上限ガイドラインですが、これだって時間外労働が月四十五時間まで、年間三百六十時間まで可能だと言っている。もうその時点でやっぱり恒常的な時間外労働がないという前提から反している事態だと言わざるを得ないと思うんです。
 改めてもう一点伺いたいんですけど、じゃ、この大前提だとおっしゃっている上限ガイドラインだって遵守できるのかという疑問もあるわけなんです。改めて聞きますけど、この上限ガイドラインを遵守しているという状況というのは、この上限ガイドラインを超えて学校で働いている教員が一人もいない状況だということでよろしいでしょうか。
#213
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 改正法が成立した場合に新たに制定することとなる指針におきまして、休日のまとめ取りのために一年単位の変形労働時間制を活用するに当たっては、指針の上限時間を遵守することなどを規定をすることといたしております。
 一年単位の変形労働時間制の活用に当たっては、対象となる職員の範囲を定めることとなっており、活用する学校においてもその全ての教育職員に画一的に活用することを想定しているものではありません。このため、指針の上限時間の遵守については、一年単位の変形労働時間制を活用して休日のまとめ取りを行う教育職員それぞれについて、その在校等時間が指針の上限時間を遵守していることを想定をいたしております。
#214
○吉良よし子君 これも分かりにくい答弁なんですけど、つまりは、変形労働時間制導入する、適用される教員は上限ガイドラインが遵守されていることが必要だと、そういうことでよろしいですか。
#215
○政府参考人(丸山洋司君) そのとおりであります。
#216
○吉良よし子君 つまり、やっぱり上限ガイドラインが遵守されなければ変形労働時間制は導入できないと、全員が遵守できていなければその学校に変形労働時間制を導入することはできないということだということなんですよ。
 ここで確認します。現在、じゃ、月四十五時間を超えて超過勤務、時間外労働をしている教員は全体の何割になっているのか。二〇一六年の勤務実態調査で、上限ガイドライン以上で働いている教員、ざっくりですけれども、週五十五時間以上働いている教員の割合というのは足し上げるとどの程度になるのか、小学校、中学校、それぞれ答えてください。
#217
○政府参考人(丸山洋司君) お答え申し上げます。
 平成二十八年度に実施をした教員勤務実態調査の結果によりますと、週五十五時間以上勤務している教諭の割合は、小学校で五七・八%、中学校で七四・二%となっております。
#218
○吉良よし子君 小学校で約六割、中学校で七割以上が週五十五時間以上。
 ちなみに、月四十五時間の時間外というと、計算すると週五十一時間以上働いている場合が大体それに該当するんです。だから、五十五時間以上でも少ないぐらいで、実際はもっと多く、六割、七割以上の教員が今現時点で月四十五時間以上の残業を行っている。つまりは、もう今現時点で変形労働時間制導入できる前提は整っていないということでよろしいでしょうか、大臣。
#219
○国務大臣(萩生田光一君) 休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用に当たっては、指針における在校等時間の上限を遵守することとしており、まずは業務の削減に総力戦で取り組むことが必要であると考えています。
 他方で、実際に本年一月の公立学校の教師の勤務時間に関する上限ガイドラインを踏まえ業務を大幅に縮減した学校も出てきているところであり、このような状況を踏まえれば、一年単位の変形労働時間制を活用して、一時間単位で勤務時間を積み上げ、休日のまとめ取りを行い得る選択肢を増やすことは意味あることだと考えております。
 こうした状況を踏まえ、文部科学省としては、業務縮減に向けた取組として、予算、制度、学校現場での改善の総力戦を徹底して行い、その組合せで成果を出していくとともに、政令や指針によって適切な運営を担保した上で、夏休みのまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用に同時並行で取り組んでいきたいと考えています。
#220
○吉良よし子君 いや、そうじゃなくて、導入の前提の話をしているんです。
 ガイドラインの遵守は変形労働時間制導入の大前提だと大臣御自身がおっしゃっているわけです。現時点で、その月四十五時間以上働いている教員が、小学校で六割、中学校で七割、少なくともいるわけです。ということは、変形労働時間制を導入できるような状況にはない、現状はそういう状況ですねと確認をしているんです。現状について伺っています。
#221
○国務大臣(萩生田光一君) 先ほど局長が答弁した数字は調査結果で、いろんな実態があると思います。逆にこういうきっかけがないとやっぱり勤務時間の縮減はできないというふうに思っておりますので、ここは我々は法律を作り、そして現場で条例を作りますので、その間に在り方については是非しっかりと確立をしてまいりたいと思います。
#222
○吉良よし子君 それじゃ前提と言えないわけですよ。やっぱりガイドラインが確実に遵守されたと確認されなければ制度導入できないんだと、それが大前提だという話だと思うんです。
 もう一点確認をしたいと思うんですけど、じゃ、変形労働時間制を一旦導入したと、導入したけれども、やっぱり長時間労働が続いて上限ガイドラインが遵守できていない状況が続いたと、その場合は直ちにこの変形労働時間制の適用はやめると、そういうことでよろしいですか。
#223
○国務大臣(萩生田光一君) 改正法が成立した場合に新たに制定することとなる指針において、一年単位の変形労働時間制を活用することに当たっては、指針の上限時間を遵守することを規定することとしております。
 このため、年度途中等にこうした要件が明らかに遵守できない状況が生じた場合には、まずは各教育委員会等において遵守に向けて是正されるべきであると考えておりますが、それでもなお要件が遵守できないこととなれば、服務監督権者である教育委員会において、休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用の指定を取りやめることとなると考えております。
 ただし、例えば、一学期に所定の勤務時間を延長していた場合であって一学期中に要件の遵守が困難であることが明らかになったときは、既に所定の勤務時間を延長した分については夏休み等の長期休業期間中に確実に休日のまとめ取りを実施した上で、一年単位の変形労働時間制の活用の指定を取りやめるようにしてまいりたいと考えております。
 いずれにせよ、一年単位の変形労働時間制の活用に当たっては、要件がしっかりと遵守された上で適切に運用がなされるよう、人事委員会においても必要に応じ適切な対応を行うよう、総務省とも連携しながら、文部科学省としても要請しているところです。
#224
○吉良よし子君 大事な答弁だったと思うんです。
 要するに、変形労働時間制を導入した後であっても上限ガイドラインが遵守できていなかったとなれば、この制度の適用を取りやめるということなんですよね。これが大前提だというのであれば、やっぱりそれをきちんと書くべきだと思うんです。
 ガイドラインが遵守できなかった時点で適用をやめると、少なくとも省令でこの指針が遵守できなかった場合は制度を適用できないと、こう明記するべきと考えますが、いかがでしょうか。
#225
○国務大臣(萩生田光一君) 年度途中に一年単位の変形労働時間制の活用の指定を取りやめる場合は、その後具体的にどのように運用するかについて条例等を定める際にも工夫を要すると考えられるため、関係省庁とも相談の上、各地方公共団体に対して指導をしてまいりたいと思います。
#226
○吉良よし子君 そうじゃなくて、大前提だというなら、それが分かるように省令に書くべきじゃないかと言っているんですね。
 指針が遵守できない、上限ガイドラインが遵守できない場合は制度の適用はできませんとはっきりと省令等に明示するべきじゃないですか。
#227
○政府参考人(丸山洋司君) その件については、施行の通知の方でしっかりと書いて指導していきたいというふうに考えております。
#228
○吉良よし子君 施行通知とか、それで守られるのかというのが現場の声なんですよ。いや、ちゃんと省令に書くぐらい、本当は法文に書いてもいいぐらいのことだと思うんですけど、省令に書くぐらいやっていただきたいと思うんです。
 時間がないのでちょっと次に移りますけれども、このガイドラインを遵守するといったときに、やはり勤務時間の正確な把握、これも絶対に欠かせない条件だと思うんです。これも、この勤務時間の正確な把握というのも変形労働時間制の導入の前提となると思うのですが、それでよろしいでしょうか。大臣、いかがでしょう。
#229
○国務大臣(萩生田光一君) そのとおりでございます。
#230
○吉良よし子君 勤務時間の正確な把握というのは変形労働時間制導入の前提だということでした。
 この勤務時間の記録については、先ほど来議論もされていますが、中教審等でも強調されていて、二〇一七年以来、勤務時間の把握を形式的に行うことが目的化し、真に必要な教育活動をおろそかにしたり、虚偽の記録を残す、残させたりすることがあってはならないというふうなことが言われてまいりました。
 そこで、確認しますが、じゃ、現時点で、公立学校でこうした虚偽の記録は基本的には行われていないという認識なのでしょうか、いかがですか。
#231
○政府参考人(丸山洋司君) 現時点において、そういう状況については承知いたしておりません。
#232
○吉良よし子君 承知していないと。それで済むのでしょうかという話なんです。
 私、この間、都内の幾つかの区や市などで、その勤務時間の把握、どうなっているか伺ってきました、タイムカードは導入されたけれどもということで。ある区では、超過勤務月八十時間、週二十時間の人をゼロにするという目標達成ができなくなるので五時半には打刻してくれと管理職に言われているという実態がありました。ある市では、校長先生が勤務時間過ぎたらとにかく退勤と押してくれと指導していると聞きました。また、別の市の小学校では、副校長が早めに押すようにと指導していたり、また、別の市の中学校では、どんなに朝早く学校に来てもタイムカードは勤務時間になってからと言われているなどあるわけです。
 これ、正確な記録どころか虚偽の記録が蔓延しているということだと思うんですけれども、これ、ちゃんと調べるべきじゃないですか。
#233
○政府参考人(丸山洋司君) 勤務時間管理につきましては、先ほども答弁をさせていただきましたが、労働法制上、これまで学校等の責務とされていたわけですが、昨年の働き方改革推進法によりまして、労働安全衛生法等の改正によって、タイムカード等による客観的な方法による勤務時間の状況の把握というものが公立学校を含む事業者の義務として法令上明確化をされたということでございます。
 文科省としても、従来よりこの勤務時間管理の徹底ということについては呼びかけをしてきたところでございますが、本年一月のガイドラインにおいても、在校時間についてはICTの活用等客観的に測定をし、校外の時間も本人の報告等を踏まえてできる限り客観的な方法により計測することといたしております。今回新たに策定をします指針においても同様の内容を示すこととしていくわけでございます。
 業務改善を進めていく上でこれは基礎となるものでございますから、客観的な勤務時間管理というものは不可欠であるというふうに考えておりますので、委員の御指摘のとおり、実際より短い虚偽の時間を記録に残すといったようなことは絶対にあってはならないということだというふうに考えております。
#234
○吉良よし子君 あってはならないのは当然で、そういう実態が蔓延しているということを私聞いているわけですから、そういった事態がもう全国にあるんです。東京だけじゃないですよ、全国でも、朝七時前に出勤しても打刻は八時半にしか付けられないなんという声が東京以外の現場から上がっているわけで、その状況を調べるというのは大前提だと思うんですけれども、改めてもう一つ聞きます。
 先ほど、虚偽の記録があった場合には懲戒の対象になるとありました。じゃ、この虚偽の記録によって懲戒をされた、そういう事例というのは今全国で何件ぐらいあるのか承知されていますか。
#235
○政府参考人(丸山洋司君) 委員の御指摘のとおり、万が一そういった虚偽の記録を残すようなことがあれば、これは状況によっては信用失墜行為ということで懲戒処分の対象となり得るものだと思いますが、現時点ではその状況について把握はしておりません。
#236
○吉良よし子君 要するに、実態の調査も行っていないし、懲戒すら行われたのかどうかも分かっていなくて、現場では適正な時間管理把握が行われていない状況なんですよ。
 これはもう本当に変形労働時間制なんて導入するような状況じゃないと思うんですが、大臣、いかがですか。
#237
○国務大臣(萩生田光一君) まさしく、そういう実態が私もないとは言えないと思います。実際には、タイムカードを押した後に引き続き職場に残って働いている方がいらっしゃる実態も承知をしております。
 だからこそ、こんなことを続けていたらやっぱり教員の皆さんがもう本当にもたなくなってしまうと思います。今回の法改正を機に、言うならば、労働管理というのを学校現場できちんとやって、そしてそれを客観的に教育委員会も把握をして、それを守れない者は公表してでもきちんと正していく、それが今回の決意でありまして、是非ここは皆さんのお力を借りて教育現場を変えていきたいと思っております。
#238
○吉良よし子君 私が聞いているのは、もちろん正確な労働時間を把握するよう徹底するのは是非やっていただきたいことですけど、結局、現時点では虚偽の時間把握が蔓延しているわけですよ。もうブラック企業と言ってもいいような状況だと思うんですけれども、それが全く実態も把握されていないようですけど、文科省の中では。これが問題だと、少なくとも、そういう一斉打刻なんかが行われている学校現場においては、虚偽の時間把握が行われている現場においては、変形労働時間制、これ導入なんてできる状況ではない、変形労働時間制の導入はできないと、それでよろしいかどうか、大臣、お答えください。
#239
○国務大臣(萩生田光一君) 勤務時間管理は、従来より、労働法制上、教育委員会や学校の責務とされていましたが、働き方改革推進法による労働安全衛生法等の改正により、タイムカードなどの客観的な方法等による勤務時間の状況の把握が公立学校を含む事業者の義務として法令上明確化されました。このため、一年単位の変形労働時間制の導入いかんにかかわらず、客観的な方法等によって勤務時間管理は不可欠であると考えております。とりわけ、一年単位の変形労働時間制の実施に当たっては、勤務時間管理が徹底されていなければ導入することはできないものと考えております。
 文部科学省としては、今後、客観的な方法により在校等時間の把握をしていない教育委員会名を公表するなど、取組状況を都道府県、市町村別に公表することとしているところですが、一年単位の変形労働時間制の導入に当たっては、必ず客観的な方法等による勤務時間管理が実施されるように徹底を促してまいりたいと思います。
#240
○吉良よし子君 時間把握、正確に行っていないと導入できないという御答弁でした。じゃ、これ、はっきりと省令等に書くべきだと思うんですね。虚偽の時間把握、虚偽の記録では変形労働時間制導入できない。正確に勤務時間実態を把握していなければ変形労働時間制は導入できないということを省令等に明示するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#241
○政府参考人(丸山洋司君) 先ほども申し上げましたけれども、一年単位の変形労働時間制の導入のいかんにかかわらず、まず、タイムカードなどの客観的な方法による勤務時間の状況の把握については、法令上明確に公立学校を含む事業者の一般的なこれ義務となっているわけでございます。
 このため、一年単位の変形労働時間制の導入の要件として、改めて指針において現在記載をするかどうかということを検討しておりますけれども、本年一月に策定をしました公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインにおいても、在校時間をICTの活用やタイムカード等により客観的に測定し、校外の時間も本人の報告等を踏まえてできる限り客観的な方法により計測をすることとしており、指針においては、一年単位の変形労働時間制の導入にかかわらず同様の内容を実施をするように示すということとしております。
#242
○吉良よし子君 いや、制度導入にかかわらずというのはそうだと思いますけれども、ただ、やはり変形労働時間制、先ほど来言われているとおり、上限ガイドライン、遵守することが大前提で、しかも、それをするためには、その遵守を確認するためには時間管理をきちんと正確にしないことにはあり得ない話なわけで、変形労働時間制を導入する上での前提であると、時間把握は、それはもうセットなんだよということを分かるようにするのは文科省の責任だと思うんですけれども、もう一度、省令に書くべきじゃないですか、大臣、いかがですか。
#243
○国務大臣(萩生田光一君) それ、大事なポイントだと思います。
 省令では今考えていませんけど、今局長答弁したように、指針の中できっちり伝えていきたいと思いますし、これも、ただ単に紙ベースじゃなくて、この法律が成立をさせていただいた後に、先ほどから申し上げているような様々な説明会の中でも徹底をしてまいりたいと思います。
#244
○吉良よし子君 しっかり明示して、書いていただきたいと思うんです。そうじゃなくても、指針に書いても書いてもそれが実行されていないのが学校現場なんです。それは学校現場が悪いんじゃなくて、文科省の責任なんですよ。文科省の責任でちゃんとそれが守れるような条件を整えていかなきゃ。この間だって、新学習指導要領で英語が教科化された。じゃ、増やすと言ってた英語教員は増えたのか。実際には専科教員じゃない教員が配置されるだけで、結局、多くの学校では担任の先生が英語も持たざるを得なくなった。業務が増えていると、そういう現実があるにもかかわらず、負担増がないなんて言っているのが今の文科省なんです。
 それだと、幾ら変形労働時間制で労働時間を縮減するなんて言われても信用できない、これが現場の教員の皆さんの本音だと思うんです。だから、それじゃ駄目なんですよ。人増やさない、業務は増やして、適切な時間把握すらできていない。そういう下でもう変形労働時間制導入なんて絶対にあり得ないんだということを強く申し上げまして、今日のところは質疑を終わります。
#245
○舩後靖彦君 れいわ新選組の舩後靖彦でございます。
 公立義務教育諸学校の教職員の給与等に関する特別措置法の一部改正法案につき質問いたします。
 これから秘書が代読し、最後にまとめて質問と意見を述べさせていただきます。御理解のほどよろしくお願い申し上げます。
 代読いたします。
 萩生田大臣、大臣は、教員の長時間労働、多忙化の実態を把握していらっしゃいますでしょうか。本法案が提出されてから、私の事務所には、教員の方々から変形労働時間制の導入に反対するファクスが何十枚も届いています。
 夏季休業中も、研修、会議、部活動指導で休めません。夏休み中にまとめて休むというのは、現場の実態に全く合っていません。人間の体は、寝だめができないように休みだめもできません。夏休み期間中に、ふだんの業務の中ではできない研究授業の準備、指導案作り、あるいは学校行事の準備に充てている。長時間労働をなくすには仕事量を減らすしかありません。
 教員生活二十年、都内の小学校に勤める先生は、この十年間で教員の多忙化が深刻化したと証言します。理科の授業でプラネタリウムなどへ校外学習する場合、十年前は週案を校長に提出し、校外学習の行き先、日時、経路などを報告するだけで済みました。現在は、実地踏査の報告書を校長に提出、二週間前に行き先や人数、交通費などの費用など詳細な項目を埋めて教育委員会に届け出、終了後に報告を提出と、膨大な書類仕事に追われています。
 ほかにもあります。研究授業の増加です。十年前は全校で年に一度だったのに、今では毎月です。しかも、研究授業のための指導案はA4判十ページにも及び、学年主任、主幹教諭、校長のチェック、修正、更に研究授業の講師によるチェックと、何度も修正を重ねます。一回の研究授業のために二か月ほど必要で、夏休みや連休を費やしているのが実情です。この先生は、教員の本来業務に掛ける手間暇が十年前の数倍となり、多忙化に歯止めが掛からないとため息混じりに語ってくれました。
 そこで、本法案です。文部科学省は、本法案により、教員の残業時間、残業の上限を月四十五時間、年間三百六十時間以内とするガイドラインを指針に格上げして、労使協定によらず、自治体が条例によって変形労働時間制導入の判断をするとしています。しかし、それで教員の長時間労働、多忙は解消されるでしょうか。
 さきに紹介した教員の声にありますように、実際には小中の教員とも夏休みにも休みを取れていないのが実態です。子供同士のトラブルや家庭の事情による子供の心身の状況の変化への対応など、予測できない突発的な業務、あるいは家庭との長期的関わりを必要とする業務も生じます。これは、通常の授業や授業準備時間外に行わざるを得ません。
 教員の仕事は物を製造する工場とは違います。文部科学省は、繁忙期の四、六、十、十一月に勤務時間の上限を週三時間増やす代わりに、夏休みなどの長期休業期間に休日のまとめ取りをして休日を確保するという形で変形労働時間制を適用できるとしておりますが、それがいかに現実離れしているかは明白だと考えます。実際、一年単位の変形労働時間制を導入している国立大学の附属学校の関係者は、導入前と比べ勤務実態に余り変化がなく、業務の削減、軽減につながっていないと訴えています。
 変形労働時間制の導入は、むしろ悪影響すらあるのではないかとも懸念します。業務の量が変わらなければ、繁忙期と判断される夏休み以外の学期中の労働時間はより長くなるおそれがあります。当然、閑散期とされる夏休みに今まで以上に休めるはずもありません。結果、長時間労働の実態は隠蔽され、教員の心身の健康破壊がますます広がりかねません。
 時間管理にも問題があります。指針の上限を上回ったかどうかの客観的な時間管理をどう担保するのか。上限を超えて勤務した場合、自治体が改善策を打てるのか。違反の罰則もありません。ガイドラインが指針になったところで、自治体任せで本当に改善するのでしょうか。
 次に、本法案が出された背景にある教員の多忙化、長時間労働に対する学校の働き方改革の推進について質問いたします。
 文部科学省が二〇一六年度に実施した教員の勤務実態調査によれば、教員一日当たりの平均学内勤務時間は、小学校は十一時間十五分、中学校で十一時間三十二分、所定労働時間の七時間四十五分を大幅に上回っています。小学校教諭の約三割、中学校教諭の約六割がいわゆる過労死ラインを超える勤務時間となっております。私のおいも小学校の教員です。学校の長時間労働の問題は、とても他人事とは思えません。
 今回、働き方改革の実現の施策として提案されている教員定数の改善やスクールサポートスタッフなどの専門スタッフの活用などは、一定有効だとは存じます。
 しかし、ここにも問題点があります。さきに御紹介した都内の先生は、安易に教員の仕事を委託することを危惧しています。委託業務で一番多いのはプリントなどのコピーで、二番目が日常のテストの丸付けだということです。このうち丸付けですが、単に正解か否かをチェックするのが仕事ではありません。子供たちがどこでつまずいているのかを知り、文字の様子などから何か問題を抱えているのではないかという気付きの機会であるのだということです。その機会を逸すると、教員の本来業務の放棄につながりかねないとも指摘されています。
 そもそも、教員の多忙化、長時間労働の第一の原因が、学習指導要領で決められた学ぶべき内容の増加です。本来業務に必要な時間が十年前の調査より軒並み増加しており、これらの業務は部活動指導のように校外の人材に任せるということはできません。二〇一八年度版過労死等防止白書では、教員自身も、所定時間を超えて残業する理由の第一に、自身が行わなければならない業務が多いためを挙げています。つまり、現在提案の内容では、教員の長時間労働の原因の本丸は解消されないことは明らかです。
 教員の多忙化、長時間労働の第二の原因は、授業計画書や各種報告書作成などの事務作業の時間の増加です。このことは、学校の組織が校長、副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、主任、教諭というピラミッド構造になり、教員への管理強化が厳しくなった結果です。教員集団の自主的な営みや協働よりも、管理職からの指示、報告という縦の関係が書類仕事を増やしているとも言えます。
 重要なのは、このことにより、本来教員が最も大切にしなければならない授業の準備や、子供たちとコミュニケーションを取ったり相談に乗ったり、子供や家庭の様子を確認する時間を奪うことになりかねないということです。教員が書類仕事や報告に追われて、多忙のため子供と向き合う時間がないというのは本末転倒と言わざるを得ません。
 多忙化、長時間労働、管理強化という働きにくい学校現場の実態は、現場の教員のやる気をそいでいます。教員同士のいじめに発展したり、過労によるうつ状態で休職、退職に追い込まれたり、最悪の場合、過労死すら引き起こしています。
 現在、教員志望の学生が激減しています。十月七日付け朝日新聞によりますと、今年度の小学校の教員採用試験の倍率は二〇〇〇年度の十二・五倍から約二・八倍に、中学校も十七・九倍から約五・五倍と大きく落ち込みました。新潟県や佐賀県など一倍台の県もあり、深刻な状況です。教員の質を確保するどころか、最低限の人員すら確保できない危機的な状況です。
 こうした現状を踏まえますと、今回、文部科学省が提案された働き方改革の推進、一年単位の変形労働時間制の導入は、解決策になるとは到底思えません。
 さきの朝日新聞の記事では、教材研究もいじめ指導も保護者対策もしなければならないのに残業代ゼロ、民間では許されないことがまかり通るのはおかしいという教員志望の学生の声が紹介されています。
 長時間労働の問題を解決し、教職の仕事のやりがいを高め、それに見合った労働条件に高めなければ、教員のなり手は枯渇し、ひいては公教育の質が低下しかねません。
 以上述べてきましたとおり、教員の多忙化、長時間労働を解消するために真に必要な改革は、子供の数の減少に合わせて学級規模を小さくし、正規の教員を増やし、給与面での待遇改善を図ることと考えます。
 改めて大臣にお聞きします。
 教員の業務はあらかじめ繁忙期、閑散期と分けることは不可能です。なぜ変形労働時間制を導入するのでしょうか。指針の上限を上回ったかどうかの客観的な時間管理をどう担保するのか、上限を超えて勤務した場合の改善策や国として関与する仕組みをどのようにつくられるのでしょうか。本法案は廃案とし、教員の多忙化、長時間労働を解消し、人材確保するため、学級規模の縮小、正規教員の増、残業代を支払うなどの教員の待遇改善は必要ではないでしょうか。
#246
○国務大臣(萩生田光一君) 舩後先生の質問、多岐にわたっておりまして、関連するところをお答えしたいと思います。
 まず、労働基準法に規定されている一年単位の変形労働時間制は、業務の繁閑に応じ労働時間を配分する制度であり、一年単位で考えたときに、全体として休日の増加などが期待される場合に有効な制度であって、これを単に導入すること自体が日々の教師の業務や勤務時間を縮減するものとは考えていません。
 他方、教師の業務については、他の地方公務員と異なり学校には法令に基づき児童生徒の長期休業期間があるため、年間を通じた業務の繁閑が見込まれ、実態としても学期中と長期休業中とでは勤務する時間について違いがあることが明らかになっております。
 そのため、まず教師の業務の縮減を徹底的に図った上で、比較的業務が穏やかになる長期休業期間を活用し、勤務時間を柔軟に設定することによって休日を確実に確保することは、教育の質の向上の観点からも重要な一つの選択肢だと思っております。現在でも、実際に休日の確保のために週休日の振替や年次有給休暇の取得によって長期間の学校閉庁日を実施している自治体の例もあります。
 しかし、現行制度上、週休日の振替は一般的には一日単位又は半日単位で行われ、一時間単位での割り振りはできません。また、年次有給休暇は特に初任者や臨時的任用の教師では日数も限られており、取得に当たっては教師の側から意思表示をしなければなりません。このため、一時間単位で勤務時間を積み上げ、休日のまとめ取りを行い得る選択肢を増やすため、地方公務員のうち教師については条例等に基づき一年単位の変形労働時間制を活用できるよう、法制度上措置すべきと考えております。
 なお、既に一年単位の変形労働時間制の実施が可能な御紹介のあった国立大学の附属学校では、附属学校を設置している約九割の国立大学法人において本制度が実際に導入されているところであり、既に導入している複数の国立大学附属学校を担当者が訪問し状況をヒアリングしたところ、職員の勤務時間管理への意識が向上した、夏休み期間はしっかり休めるなど、めり張りを付けた働き方が可能になったといった声もあるものと認識をしております。
 また、人材確保の点でございますけれども、業務縮減に向けた取組として、予算、制度、学校現場での改善の総力戦を徹底して行い、その組合せで成果を出していくとともに、政令や指針によって適切な運用を制度として担保した上で、夏休みの休日のまとめ取りのための一年単位の変形労働時間制の活用に同時並行で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
 なお、学級の編制の標準の在り方につきましては、平成二十三年の義務標準法改正の附則において、小学校の第二学年から六学年まで及び中学校に係る学級編制の標準を順次改定することとその他の措置を講じることについて検討を行い、その結果に基づいて法制上の措置その他の必要な措置を講じるものとするとされていることも踏まえ、今後とも、国として教育政策に関する実証研究等の知見を生かした必要な検討を行ってまいりたいというふうに思います。
 さらに、このような取組に加え、本年四月から中央教育審議会において、小学校高学年における教科担任制度導入など新しい時代を見据えた学校教育の実現に向けて、教育課程、教員免許、教職員配置の一体的検討が行われており、中教審での議論も踏まえ、引き続き、持続可能な学校の指導、事務体制の効果的な強化充実に取り組んでまいります。
 なお、これらの検討については、今年度中に方向性を、来年度には答申をいただいた上で、令和四年度以降に必要な制度改正が実施できるよう、文部科学省として検討を進めてまいります。
 教員の待遇改善については、まず、教師でなければできないことに教師が集中できるよう、働き方改革の強力な推進により業務を縮減し、その成果を社会に示しつつ、三年後の教師の勤務実態状況調査を実施し、その結果などを踏まえながら、教師に関する勤務環境について、給特法などの法制的な枠組みを含め検討を行ってまいります。
#247
○舩後靖彦君 代読します。
 大臣、ここで忘れていただきたくないことは、学校組織が校長、副校長、以下と多層化していることです。これだけ多いと自由闊達な意見交換は行われていないことが想像できます。校長の権限が絶大で、一般教員皆さんのストレスも相当なものと聞いています。
 ALS発症前、私が商社で働いていたとき、販売応援に行ったある支店のフェア会場で担当商品を保険の対象にならない形で持ち去られ、全額を自分で支払わなければならないという立場に追い込まれました。当時の金額で一千三百万円以上、サラリーマンでは払い切れるものではありません。俺は終わったと思いで、高層階にあった宿泊部屋に行き着きました。もしその部屋が窓が開く構造だったら、今私はここにいないかもしれません。
 人は誰しも承認欲求があります。人に認められないと感じたら、自殺したくもなります。現在の学校は、長時間労働が当たり前の風土の中で、教員は管理職の顔色をうかがい、自由に物が言えずにいます。校長に人事評価権を握られ、最低の評価を受け、それが東京都のように給料に直結する場合、承認されていないと感じた教員はやりがいを持って働き続けられるでしょうか。一年単位の変形労働時間制導入では、こうした学校の風土を変えることはおろか、教員の長時間労働、多忙の解決になりません。
 教員が自分の仕事にやりがいと誇りを持てるような改善策を再度お願いし、本法案に対する質問を終わらせていただきます。
 続きまして、本法案と直接関係はございませんが、急を要する案件として、障害のある生徒の高校受験における合理的配慮と定員内不合格に関する質問をさせていただきます。
 これは、障害だけの問題ではなく、子供たちの学ぶ場をいかに社会が保障するのかという根幹に関わる問題だと考えるからです。きっかけは、最近、沖縄に住んでいる重い知的障害のある男子生徒の御両親からいただいたお手紙です。
 抜粋します。小中学校は当たり前に地域の学校で共に学び、同級生が高校進学を目指す中、当たり前に普通高校受験に挑戦しました。代読など障害に対する受験上の配慮は受けましたが、障害のある彼が点数を取ることは困難でした。一年目は一名の定員オーバーで不合格、二年目は二クラス分の席が空いているにもかかわらず不合格とされました。沖縄県だけで毎年千三百から千五百の定員が空いているのに、百人以上の子供たちが教育の場から排除されています。
 点数が取れない君が悪いと自己責任を問う社会の中で、中卒という形で高校進学をした大半の同世代から切り離され、大したサポートもなく社会に放り出され、果たしてこうした形で人生設計を立て自立できる子供はどれだけいるのでしょうか。こうした子供たちこそ教育が必要なのではないでしょうか。
 手紙を拝見し、胸が痛みました。私は参議院議員という立場を得て、障害の有無を問わず、誰もが幸せに自分らしく生きられる社会を目指し、議員活動を進めていくことを誓いました。大臣所信に対する最初の質問でインクルーシブ教育について御質問いたしましたが、義務教育卒業後の問題についても取り組まなければならないと改めて思い、質問いたします。
 障害のある生徒に対する高校受験における合理的配慮は、一九八七年の重度脳性麻痺の生徒二名の都立高校受験のときに始まったと伺っております。しかしながら、受験時における合理的配慮をしてもなお、重い知的障害のあるお子さんや意思表示を読み取ることが難しいお子さんは、学力検査で点数を取ったり面接でのコミュニケーションが難しかったりする状況にあります。
 現在、特別支援学校高等部の本科、別科及び高等専門学校を含む高等学校等への進学率は九八・八%に上っています。そして、公立高校に通う大部分の世帯のお子さんが授業料無償となっています。ほぼ希望者全入と言っていい状況です。そこから排除されているのが、先述のような重度知的障害のあるお子さんなのです。
 ただ、これは知的障害のある子だけの問題ではありません。人工呼吸器を付け医療的ケアの必要な子、貧困や虐待などにより学ぶ環境が保障されなかった子、こうした生徒も入試による点数不足という線引きで入学を拒否されるのです。中には、一次募集、二次募集、三次募集と落とされ続け、何年も浪人しているという実態があります。資料一を御覧ください。
 学校教育法施行規則に基づき、高校への入学者選抜方法、合格者の決定基準は校長が決めます。沖縄県教育委員会は、定員内であっても不合格を出す根拠として、平成五年の文科省の通知にある、その教育を受けるに足る能力、適性等を判定して行うものに基づいていると言います。しかし、文科省は、平成九年の通知の中で、障害の種類や程度に応じて適切な評価が可能となるよう、学力検査の実施に際して一層の配慮を行うとともに、選抜方法の多様化や評価尺度の多元化を図ることと説明しています。
 確かに、高校進学率が七割、八割の時代であれば、適格者主義で選抜することに合理的意味があったかもしれません。しかしながら、約九九%の生徒が高校に進学し、かつ公立高校の授業料が無償化されている現在、高校はほぼ義務化、希望者全入の時代、状況です。
 高校無償化の制度をつくった際、文部科学省初等中等教育局審議官であり、見直しされた際は初中局の局長であった前川喜平前文部科学省次官は以下のようにお話しされています。高校無償化というのは、十五歳から十八歳までの全ての若者に学習機会を保障しますよという学習権の保障の思想なんですね。無償で学ぶ権利がありますというからには、入学を希望する全ての若者が学校に行けるようにならないとおかしい。
 つまり、希望者全入が実現しなければならないわけです。公立高校の募集定員というのは、設置者が都道府県民に向けて何名受け入れるという公約と捉えるならば、せめて定員内は全員合格とするのが公立高校の責務と考えます。現に、東京都、神奈川県、大阪府では教育委員会から定員内不合格を出さないようにという指導があり、定員内不合格を出していません。資料二を御覧ください。
 繰り返しますが、この問題は障害のある生徒だけの問題ではありません。貧困や社会的養護の環境にある子供たちも、低学力や内申評価が低いといった理由で定員内でありながら不合格とされ、社会に行く道を閉ざされているのです。小中学校で同世代と一緒に学び、多様な子供たちの中で育ち合ったからこそ、同じ障害の子だけが行く特別支援学校高等部ではなく、高校にみんなと一緒に行きたい、そんな当たり前な願いに対し、枠が余っているにもかかわらず、何年にもわたり不合格とされ、同世代とのつながりを絶たれてしまう。ほぼ全入の高校から希望する生徒を排除することは、将来にわたって地域で暮らしていくインクルーシブな社会づくりに反していると思います。
 最低限、学力という線引きによって排除されているこうした方々の定員内不合格を出させぬよう、学校設置者及び学校長への働きかけをするとともに、各高校が多様な生徒を受け入れることが可能になるよう、教員の定員配置の条件整備、カリキュラム、授業方法、評価方法等における合理的配慮が必要と存じます。大臣のお考えはいかがでしょうか。
#248
○国務大臣(萩生田光一君) 高等学校入学者選抜の方法等は都道府県教育委員会等の実施者が決定し、各高等学校長が、その学校及び学科などの特色に配慮しつつ、入学者選抜により判定し、入学を許可することとされています。
 文部科学省においては、障害のある生徒に対する入学試験の実施に際し、別室実施や出題方法の工夫など、可能な限り配慮を行うよう通知しており、各高等学校においても適切に対応いただくよう促しているところです。
 文科省においては、引き続き、障害のある生徒に対する入学者選抜が適切に実施されるよう、各都道府県に対し、各種会議等を通じて促してまいりたいと思います。
 あわせて、定員のお話がありました。
 公立高等学校の入学者選抜においては、志願者数が定員に満たない場合の対応等につきましては都道府県教育委員会における方針を調査しており、最新の調査の結果によれば、三十二都道府県が定員内でも不合格にする可能性がある、十五都道府県が定員内であれば原則不合格は出さないこととしているとなっております。ちょっと対応が県によって違うということです。
 実際の高等学校入学者選抜において志願者数が定員に満たない場合で不合格となった者の人数などは把握しておりませんが、高等学校入学者選抜の方法等は都道府県教育委員会等の実施者が決定し、これに基づき各高等学校長が合否を判定しているものであり、委員御指摘の合否の状況の調査については、入学者選抜の円滑な実施等の観点から、実施者である都道府県教育委員会の意向も十分に勘案した上で検討する必要があると考えております。
 以上です。
#249
○委員長(吉川ゆうみ君) 舩後靖彦さん、ただいま時間が参っておりますので、一言おまとめいただけたらと思います。
#250
○舩後靖彦君 代読いたします。
 ありがとうございました。
#251
○委員長(吉川ゆうみ君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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