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2019/11/26 第200回国会 参議院 第200回国会 参議院 厚生労働委員会 第6号 令和元年11月26日
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2019/11/26 第200回国会 参議院

第200回国会 参議院 厚生労働委員会 第6号 令和元年11月26日

#1
令和元年十一月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     羽生田 俊君     山田 太郎君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     山田 太郎君     滝波 宏文君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         そのだ修光君
    理 事
                石田 昌宏君
                小川 克巳君
                足立 信也君
                石橋 通宏君
                山本 香苗君
    委 員
                片山さつき君
                自見はなこ君
                島村  大君
                高階恵美子君
                滝波 宏文君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                古川 俊治君
                本田 顕子君
                山田 太郎君
                川田 龍平君
                田島麻衣子君
                田村 まみ君
                芳賀 道也君
                福島みずほ君
                下野 六太君
                平木 大作君
                東   徹君
                梅村  聡君
                倉林 明子君
   国務大臣
       厚生労働大臣   加藤 勝信君
   副大臣
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       小島 敏文君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       文部科学省大臣
       官房審議官    森  晃憲君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    森  和彦君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宮嵜 雅則君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  樽見 英樹君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  藤澤 勝博君
       厚生労働省保険
       局長       浜谷 浩樹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性
 の確保等に関する法律等の一部を改正する法律
 案(第百九十八回国会内閣提出、第二百回国会
 衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、羽生田俊君が委員を辞任され、その補欠として山田太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(そのだ修光君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬・生活衛生局長樽見英樹君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(そのだ修光君) 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言をお願いします。
#6
○福島みずほ君 立憲・国民.新緑風会・社民の福島みずほです。
 まず冒頭、ハラスメント指針案について一言お聞きをいたします。
 十一月二十日、検討会が行われました。それで、就活、フリーランスの人々などについてなんですが、ここで少しだけ盛り込まれましたが、これで十分ではないと思い、質問をいたします。
 これでは、就活生は相談があれば対応するとなっているんですが、相談窓口にしっかりこの問題が入ること、相談窓口を設けてもらうこと、あるいは就活生に対してハラスメントをすれば対象に、様々な処分の対象になることなど、相談の前にしっかり対応するということでよろしいですね。
#7
○政府参考人(藤澤勝博君) 十一月の二十日の労政審の雇用環境・均等分科会でそのような議論が行われておりまして、その議論の過程でも指針案の内容が変更するということで修正をされまして、おっしゃったようなとおり、相談対応は事後だけではなくて事前についても対応するということで、指針の案をこれからパブコメを掛けるということで審議会でまとまったところでございます。
#8
○福島みずほ君 相談があればでなく、就活生に関して相談窓口を設ける、相談の窓口に就活生に対するハラスメントが入る、そして、就活生に対してハラスメントをしたような人、もちろんこれにはフリーランスとかほかのも全部実は入りますが、の人は処分の対象になることなど、全部に掛かる、全部対応すると、事前の啓発それから予防も全部入るということでよろしいですね。
#9
○政府参考人(藤澤勝博君) 指針案の具体的な表現で申し上げますと、今申し上げました十一月二十日の分科会の途中で示されました修正案では、四の措置も参考にしつつということで記載がなされております。
 それにつきましては、指針案の項目の四において記載されております(2)の相談体制の整備から(3)、(4)の(1)から(3)までの措置と併せて講ずべき措置、プライバシー保護措置等までの雇用管理上の措置として求められております内容全体を参考にするという意味でございまして、相談があった場合の事後的な対応のみに限定されるものではございません。
#10
○福島みずほ君 四の措置によるというのは全部含むと、全部、事前も含んで、啓発、相談窓口を設けるということも全部入るという趣旨であるということを言っていただいて、確認することができてよかったです。
 大臣、是非、厚労省は、経団連など使用者側に行動指針を作るように是非言ってほしい。これはいかがでしょうか。
#11
○国務大臣(加藤勝信君) 今お話があったセクハラ指針の中で、事業主が自らの雇用する労働者以外の者に対する言動に関し行うことが望ましい取組の中に、事業主の方針の明確化、あるいは今お話があった、相談があった場合に社内のハラスメントに関する雇用管理上の措置を参考にして適切な対応を行うように努めるということが盛り込まれておりまして、これはこれからパブコメを経て最終的に確定するわけであります。
 本件も含めて、いずれにしても、それぞれの団体や経済団体を始めとした関係団体に今回決まった中身について改めて説明をしたり、そうした趣旨の徹底を団体からも当該傘下の企業等にも呼びかけていただく等、様々な対応を考えていく必要があるんだろうと思います。
#12
○福島みずほ君 今後、パブコメですが、これ就活生やフリーランス、その人たち、インターンの人たちは望ましいというふうになっているので、是非、経団連や様々なところに、行動指針を作れとか、強力に厚生労働省として指導していただきたいと思います。
 大臣、是非、就活ハラスメントをなくしてほしいという声が女子学生、まあ男子学生もあるんですが、女性の学生からたくさん出ています。最も弱い労働者というか、潜在的私たちは部下であると。弱いんですよね。だって、訴えることが本当にできない、それを会社に訴えたら採用されない可能性がもちろん高いわけで、会社自身もそういうことが自分の会社で起きているということを把握しにくいんですね、声が上がらないので。
 というので、是非、まず大臣、この就活のハラスメントについて話を聞いていただきたい。いかがでしょうか。
#13
○国務大臣(加藤勝信君) 就活ハラスメントについては、対策を求める緊急声明が大学生の団体からも出されているということは承知をしております。ただ、いずれにしても、今パブリックコメントを求めている段階でありますし、今委員御指摘の弱い立場というのは、就活のみならず様々な方もいらっしゃいます。
 いずれにしても、この作業はこの作業でやらせていただきながら、他方で様々な声は我々としていろいろ聞かせていただく、これは当然の姿勢だと思います。
#14
○福島みずほ君 是非政務三役で、インフォーマルでもというか、是非声を聞いてください。実感を持っていただいて対応していただきたい、そう思います。
 ところで、就活ハラスメントなどに関しては、連合とそれからビジネス・インサイダーが調査をしておりますが、厚生労働省の調査はありません。パブリックコメントを求めると同時に、厚生労働省としてこういう職場の問題について、とりわけ就活ハラスメントなどについて調査をしていただきたい、実態調査をしていただきたい。いかがでしょうか。
#15
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 厚生労働省で確かにおっしゃったようなハラスメントに関する調査はございませんけれども、内閣府の委託調査によりまして、令和元年度の委託調査で、学生の就職・採用活動開始時期等に関する調査というのがございます。その中では、就職活動の過程、例えば就職活動の過程においてセクシュアルハラスメント行為を受けたことがあるかについて、あるという回答をされた方が二%であったと、そういった結果があるところでございます。
#16
○福島みずほ君 内閣府の調査はありますが、是非、これだけ議論になっているので、実態調査しないと厚労省としても施策を打ちにくいと思いますので、是非実態調査をしていただきたい。強くお願いいたします。
 次に、薬局に関する説明資料について確認をさせてください。
 前回質疑における足立議員の質問に対して、今回できる地域連帯薬局と従来からの健康サポート薬局の関係が厚生労働省の答弁ではよく分かりませんでした。改めて、どのような関係なのか、説明をしてください。
#17
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 前回御質問の際には、足立先生の方から薬局の基本的な在り方という流れで御質問をいただいたわけでございますが、私の方からはちょっと個別の薬局認定の要件という形で御答弁をさせていただいたものですから、言葉足らずのものであったというふうに思います。その点について初めにおわびを申し上げたいと思います。
 その上で御説明させていただきますと、薬局には、日頃から健康や病気について気軽に相談できる機能、それから、いざ病気になったときに処方箋に基づく調剤と継続的な服薬指導等を行う機能、そういう二つの基本的な機能がそもそも求められるというふうに考えているわけでございます。
 それを前提にしながら、今回の地域連携薬局の制度は何かということで申しますと、薬局、この二つの機能を持つべきだという考えに立った上で、地域住民が自分のニーズに適した薬局を選べるようにするために、一定の要件を満たす場合に名称の表示を可能にする制度ということでございます。
 その要件として、具体的には、いざ病気になったときに、医療ニーズの高い方、あるいは入院や在宅、介護施設を行き来するような方、そうした方々も含めて在宅医療の多様なニーズに対応できるということを満たすことを求めたいというふうに考えているわけでございまして、それが具体的には、前回申し上げましたような麻薬の調剤でありますとかあるいは無菌調剤への対応、あるいは医療機関や介護機関との間でより密な連携、情報連携を行うという要件を含むということになるわけでございます。
 現在、健康サポート薬局という形でやっていただいているわけでございますけれども、したがいまして、現在健康サポート薬局である薬局も、そのままでこれを満たす場合には地域連携薬局の看板を掲げていただけますし、まだそれ足りないというときには、在宅対応を少し充実させていただいて地域連携薬局の認定を受けることができるわけでございます。また、そうしたことが期待をされるものでもあるというふうに考えているわけでございます。
 地域連携薬局の認定を受けないという薬局でございましても、日頃から健康や病気について相談できる機能というものは重要でございますので、また、引き続いて健康サポート薬局という表示の仕組みは続けてまいりますので、そういう制度を活用する等によってこれに取り組んでいただきたいというふうに考えているわけでございます。
 今申し上げたような関係にございます。こうした薬局の基本的な機能、それから、それぞれの表示制度の要件、そうした関係については、法施行後につきましてもしっかりと理解されるよう、また、それを踏まえて各薬局に取り組んでいただけるようにしっかりと周知に努めていきたいというふうに考えているところでございます。
#18
○福島みずほ君 薬害根絶をとにかく国会でも行政でもしていかなければなりません。
 サリドマイド、スモン、薬害エイズ、ヤコブ、薬害肝炎など、なぜ起きて、なぜ広がったのか。この総括をどう厚生労働省としては考えていますか。
#19
○国務大臣(加藤勝信君) まず、薬害が生じる原因については、平成二十二年の薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会の最終提言の中にも指摘をいただいております。具体的には、最新の知見を承認審査や薬害防止を含めた市販後安全対策に活用するための仕組みの構築ができていないこと、情報収集体制が十分でないというだけではなくて、職員、組織の意識に問題があること、既に製薬企業や行政が把握していたリスク情報の伝達等が十分に行われていなかった、あるいはリスク情報の不当な軽視により適切な対策、対応が取られていなかった、入手していた情報の評価を誤り、行政が規制するという意思決定が行われなかったということが指摘をされております。
 こうした指摘も踏まえながら、私ども厚生労働省、何といっても国民の健康を守るということが私たちの重要な任務であります。そういった意味においても、薬害の発生を防止を図っていく、検証委員会におけるそうした指摘も真摯に受け止めながら、引き続き薬害の発生防止について全力で取組をさせていただきたいというふうに思っております。
#20
○福島みずほ君 サリドマイド、スモン、薬害エイズ、ヤコブ、薬害肝炎など、本当にもっと早く手を打つ、もっと早く違うことをやっていれば薬害はこんなに起きなかったということを私たちは本当に思っています。
 ただ、今回の法律は、監視委員会を設けることはとても評価できるんですが、他方、条件付早期承認制度など規制緩和の面があります。今まで、薬害が起きると少し規制する、薬害が起きると少し規制するとやってきたんですが、今回、条件付早期承認制度を設けることが本当に大丈夫かという声が薬害被害者の中から起きております。
 この条件について、条件を付けるものだが、条件について満たされない場合は何回も条件を変更することが可能になるのでしょうか。
#21
○政府参考人(樽見英樹君) 条件付早期承認制度ですけれども、承認時に条件を付けさせていただいて、それに基づいて調査等を実施して情報収集を行って、その結果を厚生労働省に提出していただくということになるんですけれども、じゃ、その結果を厚生労働省に提出するその条件というのが、例えば、これだけの期間で終わらなかったので、また条件、それを延ばすとか何かその条件を緩くするとか、そうしたようなことについては、合理的な理由なくそういうことを、例えば期限を何度も延長するとか条件を変えるとか、そうしたようなことについては考えておりません。
#22
○福島みずほ君 これは解除条件付なんでしょうか。条件が満たされない場合に取消しをする定めがありません。取消しになるんですか。
#23
○政府参考人(樽見英樹君) 仮に承認時に付した条件が守られなかった場合には、恐縮でございます、改正後の法律七十四条の二第三項第六号というのがございまして、承認を取り消すこと、あるいは承認を与えた事項の一部の変更を命ずることができるということになっております。
#24
○福島みずほ君 十四条と七十七条は別のもので、条件が満たされない場合は取り消すこともあり得るわけですが、そもそも行政手続の処分に当たるので、こういう場合に取消しがあるということをもっときちっと、取り消した場合にどういう効果があるかも含め、法律で定めるべきではないですか。
#25
○政府参考人(樽見英樹君) まさに取り消すということになりますと承認がなくなるわけでございますので、それは現在の改正法の法文上、これは明らかになっているというふうに考えています。
#26
○福島みずほ君 取り消した場合の効力はどうなるんでしょうか。
#27
○政府参考人(樽見英樹君) 承認の効力がなくなります。
#28
○福島みずほ君 その場合、じゃ、今まで被害が起きた場合にどう手当てをするのか、誰が責任を負うのか。遡って無効になるんじゃなく、将来に向かって取り消すということになるんですか。
#29
○政府参考人(樽見英樹君) 承認の効力ということになりますと、取り消すということで将来にという形になりますけれども、副作用被害の救済に関しては遡って対象になります。
#30
○福島みずほ君 期限を付ける定めがありません。再生医療等製品についての条件及び期限付承認制度については条件及び期限としております。期限を付ける定めがないので、何年も例えば条件変更することが可能になるとか、そういうことが起きるのではないでしょうか。
#31
○政府参考人(樽見英樹君) 再生医療等製品に関しましては、元々、生体材料を使っておるというようなことから、その有効性、安全性というものについて、安全性が確認できて有効性が推定できる場合に承認するというような仕組みもございまして、そういうことに伴って期限を付けた承認という形をやっているわけでございますけれども、この条件付早期承認制度につきましては、一定のデータによりまして有効性、安全性とも一定のレベルで確認をするという上で承認をするということでございますので、そこが再生等医療製品とは違っているという形になっているわけでございます。
 いずれにしましても、条件付早期承認制度につきまして、先ほど申し上げましたように、例えば条件を何度もその後緩めるとか期限をどんどん延ばすとか、そうしたようなことというのは考えておりません。
#32
○福島みずほ君 ただ、期限がないので、極端に言えば、五年、十年、三十年、百年可能なんですね。それはやっぱり不適切なのではないか。それは期限の定めがないんですが、きちっとこれは非常に長期にならないようにということを強く要望いたします。
 次に、医薬品等行政評価・監視委員会の設置についてお聞きをいたします。
 条件付承認制度との関係では、委員会がきちっと作動するということを見越した上で、それで条件付承認制度をするなど、順番が逆ではないでしょうか。
#33
○政府参考人(樽見英樹君) 条件付早期承認を含む医薬品の承認につきましては、薬事・食品衛生審議会に審議をお願いをしまして、専門的見地から医薬品の品質、有効性、安全性というものについて審議をしていただいた上で答申いただいて、それに基づいて承認を行うということになっているわけでございます。
 医薬品等行政評価・監視委員会、今回設けることになりましたけれども、これについては医薬品等の安全性の確保に関する施策の実施状況を評価、監視するということでございますので、しかも、これは大臣の諮問によらず自ら議題を決めて随時審議できるというふうになっていることでございます。
 したがいまして、この二つの審議会についてはそれぞれ異なる観点から各々の審議事項について審議をするということになっておりますので、薬事・食品衛生審議会で専門的見地から医薬品の品質、有効性、安全性について審議して答申いただく、こうしたような手続をやっておるといったようなことも含めて、全般の医薬品施策の実施状況というものについて評価、監視していただくということになりますので、これについては、順番ということではなくて、それぞれの役割ということで御理解いただければというように考えているところでございます。
#34
○福島みずほ君 この委員会がきちっと機能するかどうか、これは、例えばある医薬品が極めて副作用が多く問題ありと、これは取り消すべきでないか、ここまでやれるわけですよね。
#35
○政府参考人(樽見英樹君) 具体的な個々の医薬品の承認を取り消す取り消さないというところについては、これは、言わば先ほど申し上げました薬事・食品衛生審議会が専門的見地から審議して答申いただいて、それに基づいて行うという制度でございますので、今度の行政評価・監視委員会が個別の品目について、それをこの審議会の意見に基づいて直ちに取り消しますとか承認しますということにはならないと考えていますが、ただ、薬事・食品衛生審議会が専門的見地からこうやって審議して答申して承認したと、そうしたようなことも含めまして、医薬品行政の在り方としてそれが適切であったのかなかったのかというような議論というものはされる可能性があるというふうに思いますし、医薬品行政の在り方としてそういう承認の実務ということについて御意見をいただいたときにはその御意見を尊重して対応するということになろうと思います。
#36
○福島みずほ君 薬害根絶するためにこの委員会がきちっと機能する必要があって、極端に言えば牙を持たなくちゃいけないと思います。
 法律を見ると、これは、消費者庁と消費者委員会があって、消費者委員会の在り方を条文上は参考にしているというふうに思いました。消費者庁ができるときに、消費者委員会、オンブズマンを入れろというのが当時の民主党の考え方で、消費者委員会の役割は非常に大きかったと思います。消費者委員会は、私は実質的初代担当大臣だったのでずっと一緒にやっていたんですが、エコナについて問題にする、マーガリンにおけるトランス脂肪酸について問題にし、やめるようにやっていくとか、様々なことをやりました。
 何が言いたいか。医薬業界について物を言える委員会でないと、これは役に立たないんですよ。はい、そうですか、まあまあということでは駄目なんです。これ、非常勤なんですね。非常勤だと、審議会に行って役所のことを説明聞いてという、どうしてもそういう形になる。非常勤ですが、もっとこの人たちの権限を強めることが必要ではないですか。
 事務局体制なんですが、初代の消費者委員会などはNGOから事務局に入って、事務局がまさに行政とは別に動かしておりました。この事務局、厚生労働省が動かすんじゃなくて外部からの、私は薬害オンブズパースンのような人やそういう薬害に闘ってきた弁護士やいろんな人たちを入れてこの事務局強化すべきだと思いますが、いかがですか。
#37
○政府参考人(樽見英樹君) この医薬品等行政評価・監視委員会が言わば公正中立な立場で評価、監視を行えるということが大事だということでございます。そのために、独立性を確保するということも大事でございます。
 そのために、今回の法律案におきましては、この監視委員会は厚生労働大臣の諮問によらずとも自ら議題を決めて審議する仕組みとする、それから、法律上、委員会の委員は独立してその職権を行うというふうに明記をするというほかに、事務局は大臣官房に置きまして、私どもの現在扱っております医薬品行政というものからは独立させるということにしているところでございます。
 事務局体制ということにつきましては、したがいまして、厚生労働省内の大臣官房に置いて業務がしっかりとできるような事務局体制というものについてはつくっていくというふうに考えているところでございます。
 それから、非常勤ということについての御指摘があったわけでございます。
 この医薬品等行政評価・監視委員会、評価、監視ということをやるわけでございますけれども、所掌事務と権限が法律に定められた常設の機関という形で置かせていただくという法律案になっているということでございますし、先ほども申し上げましたけれども、大臣の諮問ということを受けて活動するということではなくて、諮問がなくてもいつでも委員会自らが審議事項を決めて随時審議できるという形にするわけでございます。
 こうした仕組みの中で、委員が非常勤ということであっても、委員会の目的である医薬品行政の評価、監視ということを遂行するということは可能である、十分に可能であるというふうに考えられることから、平成十一年に閣議決定されました審議会等の整理合理化に関する基本的計画というもので、審議会の委員は原則として非常勤というふうにされておりますので、それを踏まえて委員を非常勤というふうにしたものでございます。
 ただ、いずれにしても、今申し上げたように、非常勤でありますけれども、この委員会は常設でございます。事務局は常にございます。そうした中で医薬品行政の評価、監視ということについて適切に対応していただきたいというふうに考えているところでございます。
#38
○福島みずほ君 学者や医者が製薬会社からお金をもらっていたり講演料を多額にもらっていたり、たくさんここで議論をしてきました。ここで利益相反について条文がないけれども、しっかり利益相反の起きないように、そして、やっぱり闘う人を入れてくださいよ。闘う人でなければ薬害根絶なんかできないですよ。薬害オンブズパースンの人たちを事務局に入れてください。厚生労働省がそのままやるんだったら変わらないですよ。
 そして、是非委員に薬害被害者を複数入れてほしい。まさにここにも薬害オンブズパースンや弁護士を入れてほしい。闘う人を入れてください。そうでなければ薬害根絶のための仕組みにはならない、そう思っています。強く要望いたします。
 次に、血液法の改正についてお聞きをいたします。
 複数の採血業者に許可されると、競争原理が起きて安全面で問題は生じないでしょうか。採血基準、検査基準、それから製造基準、献血者へのサービス基準が下がってしまうのではないでしょうか。
 ヨーロッパのEFPIAという医薬品の団体が手を挙げております。EFPIAの日本支部が参入者のモデルを示しただけではありますが、外資系が参入するという可能性もあるわけです。しかし、非営利団体でも、投資に見合わない場合、国内からの撤退もあり得るし、混乱も生ずるおそれがあります。
 血液は大事です。なぜHIV感染が起きたか。アメリカから大量の血液を輸入し、それで製剤して起きたということがあり、血液は本当に大事です。外資系などへの規制緩和、大丈夫ですか。
#39
○政府参考人(樽見英樹君) おっしゃるとおり、血液は大変大事でございます。
 そうした観点から、今回新たな採血事業者が参入できる、今でもできるんですけれども、その基準を明確にするということで法律案にその要件を盛り込んでいるわけでございますけれども、現行の血液法でも、不適切な採血事業者が参入し献血者と血液製剤の安全性が損なわれることがないように、有料での採血というのは禁止する、それから、許可申請者が営利を目的として採血しようとする者でないことということを採血業の不許可要件ということで定めているわけです。これは改正後も変わらないわけでございます。
 今回の法改正で採血業の許可基準を明確にするということですが、こういう要件を加えるということでございます。
 採血の業務の管理及び構造設備に関する基準に従って採血を適切に行うに足りる能力を持つ、それから、健康診断を行うために必要な措置を講じている、それから、健康上有害であると認められる者からの採血を防止するために必要な措置を講じている、それから、ほかの採血事業者が現に用いている名称と同一の名称やほかの採血事業者と誤認されるおそれのある名称を用いようとする者でないというようなことでございます。
 それから、今申し上げた健康上有害であると認められる者からの採血を防止するために必要な措置というところで、ほかの採血事業者におきます採血履歴も含めて、採血って一定の間隔を置いて献血していただくということになっていますので、そうした採血間隔の確認等についても行うということを考えているところでございますけれども、こうした要件を入れる、こうしたことによって、献血血液の安全性が損なわれるというようなことにはならないというふうに考えているところでございます。
 また、採血事業者が事業をやめようというときには、そのために厚生労働大臣の許可を受けなければならないということになっています。そもそも、採血業の許可時に、今申し上げたいろんな要件というものをしっかりと確認をして入っていただくということになっていますので、それと併せまして、献血血液の安全性というものについてこれからもしっかりと守られるように運営していきたいというふうに考えております。
#40
○福島みずほ君 献血者の情報共有はどのようにするんでしょうか。同じ人が何度も献血するなど、献血の日数が近い場合など、それぞれの事業者が適切に判断できるのか。献血者にとっては個人データの扱いが適切に行われるのか不安がないようにすべきですし、データベースを複数業者が利用できるようになってしまうと個人情報流出の可能性もあります。そうしたシステムを構築する財源はどうするのか。たくさん問題があると思いますが、いかがですか。
#41
○政府参考人(樽見英樹君) まず、今回の改正で、情報ということに関しては、採血事業者がほかの採血事業者との間で、例えば血液製剤による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずるために必要な場合には、ほかの採血事業者と情報を共有するんだということを書いています。これは、血液で何か異常が見付かったような場合に、それをほかの事業者にも共有する。それから、今御指摘のように、先ほど私申し上げましたが、採血の履歴を確認して、余り頻繁に献血ってしていただくのはよろしくありませんので、それを確認するということになります。
 こうした個人情報の保護ということについては、基本的には個人情報保護法等に基づいて適切に管理するということですが、先ほどのような献血履歴の確認みたいなことについては、御本人の同意を得た範囲においてその情報を提供するということを考えているところでございます。
 現在、日本赤十字社が唯一の採血事業者でございますけれども、具体的に個人情報を取り扱う担当者というものを決めて配置するとか、あるいは管理台帳できっちり管理するとか、そうしたようなことをやっていただいておりますので、こうしたものも参考にしながら、新たな採血事業者に対しても適切な管理を求めていくということにいたしたいと思います。
#42
○福島みずほ君 時間ですので、終わります。外資系が撤退するなど問題が起こり得るのではないかということを申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。
#43
○川田龍平君 会派を代表して質問いたします。
 今日は、委員長にもかかわらず質問の機会を設けていただきましたこと、まず感謝をいたします。ありがとうございます。
 私は、この薬機法については何としても質問に立ちたいという思いでこの委員会に臨んでまいりました。
 大臣、まずは、ちょっと通告はしていないんですけれども、十二月一日、これは何の日か御存じでしょうか。
#44
○国務大臣(加藤勝信君) いろんな意味がある日ではありますけれども、御質問の趣旨から見ると、世界エイズデーということだというふうに思います。
#45
○川田龍平君 そのとおりです。世界エイズデーということで、このエイズについては、私も十歳のときに感染をいたしました。血液製剤を通じて感染をした薬害の被害者として、こうした薬の安全性の問題については、何としても薬害をなくしたいという思いで国会議員になったのも、この薬害が自分の国会議員としての原点でもあります。
 これを防止するための施策として、今回、この法律の中には第三者組織、この監視機関をしっかりとつくるということが盛り込まれてもいるわけです。
 しかし、エイズについてはいまだに、このエイズ、当時十歳のときにはエイズだということを知られないように差別と偏見の中で生活をしておりましたので、このエイズデーであったりエイズの言葉が出てくると自分には関係ないという態度を取らなければいけなくて、本当にエイズという言葉が出てくるだけでも不安の中で暮らしをしておりました。
 しかし、今このエイズに対しては、今、死の病ではなくなってきております。二〇一八年に内閣府が行った世論調査では、半数以上の国民がいまだにエイズイコール死の病であると回答しているということで、また、国会議員の中にも二割の方がまだ死の病ということでアンケートに答えております。毎年、二〇一七年、一八年と国会議員を対象にアンケートを行っておりますが、五%と大変低い回答率ですけれども、本当に国会議員の人たちには是非正しくやっぱり理解していただきたいということと、そして、このエイズについては、予防については、治療をすることで予防をすることにもつながると。今、UイコールUという言葉もあって、アンディテクタブル・イコール・アントランスミタブルと、検出限界以下に治療が進んでいれば感染する能力もないということで、感染する力もないということになりますので、是非治療もしっかり進めていただいた上で予防にしっかり力を注いでいただきたいというふうに思います。
 法案の審議に移ります。
 私自身は、まず初めに、この薬機法改正案と審議会機能の在り方について質問いたします。
 責任役員の変更命令を例に伺いますが、今般の薬機法改正は、厚生労働省の省内手続として、専門家で構成される厚生科学審議会で取りまとめ案が作成されたと聞いています。この案には、医薬品製造販売事業者が再三の改善指導に従わない場合の行政指導処分として、責任役員の変更命令の必要性が例示として示されていたと聞いています。しかし、与党の法案審査を受けた後の法改正案を見ると、この責任役員の変更命令の文字がどこにもありません。
 宮本前医薬局長に責任役員変更命令がなくなった理由をお尋ねしたところ、人事権侵害が経済活動の自由を侵すおそれがあるからという説明でした。しかし、本当にそうでしょうか。再三の事業改善命令に従わない事業者に対してその製造販売について管理責任がある役員を変更させることのどこが人事権侵害で、どう自由な経済活動を阻むのか、お答えください。
 薬機法を守らず、行政から繰り返し改善指示がされてもなお違反行為を続ける企業を放置することは、国民の命と健康に関わる医薬品の安全管理という国の義務を怠ることと同じです。薬機法第一条に何と書いてあるのか。保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行う、薬を売る際に企業の経済活動より最優先されるべきは命だと言っているんです。医薬品を製造販売する者が薬機法という業法に従わないのなら、製造業者として自ら不適格であるということを示しているのと同じです。ならば、速やかに管理責任者を変更し、法に従う社会ガバナンスを改善させるべきだと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
#46
○政府参考人(樽見英樹君) 法律の中身について御説明申し上げたいと思います。
 まさに、製造販売業者あるいは製造業者、薬局あるいは卸売販売業者など、薬機法の許可業者による法令違反の発生を防止するということで、まず、この改正法案におきましては、こうした許可業者に対して法令を遵守して業務を行う体制を整備する義務ということを今回課すことにしているわけでございます。そういう中で、例えば役員、こういう薬事に関する責任を持つ役員を置くでありますとか、役員と現場責任者の責任範囲を明確化するとか、あるいは法令遵守に向けての社内規程とか手順書とかそうしたルールを整備するとか、そうしたようなことをやってくださいということになっているわけでございます。
 そうした許可業者によります体制の整備が不十分であるときには、それに対する改善命令というものが出せるということになっています。それからさらに、当然、許可業者として行っているその業務に法令違反があったりおかしいことがあるというときには、現行法下におきましても業務の改善命令あるいは業務停止命令といったような措置を行うことができるというふうになっているわけでございます。
 そうした仕組みの中で、先ほど御指摘のような責任役員の人事ということについて国の方で直接関与するということに関しましては、他法令を見てもそうした役員解任命令というものを導入する例というのは極めて限定的であるということに鑑みまして、審議会の御意見を踏まえながらも、その後いろいろ御意見を伺って法案をまとめるという過程において、今般の改正法案においては導入を見送ることというふうにしたものでございます。
 ただ、こうした変更命令を含む更なる措置の導入の要否ということについては、当然ながら、改正後の法の施行状況というものを踏まえながら引き続き検討していきたいというふうに考えているところでございます。
#47
○川田龍平君 例えば、自然人である薬剤師が薬機法違反を犯した場合には、薬剤師免許が剥奪される場合もあります。例えば、自身が経営し、また実地に管理する薬局で薬機法違反を繰り返していれば、薬剤師免許取消処分もあり得るわけです。このときに、この処分に対して、経済自由の原則に反するなんてことを理由にして処分取消しはおかしいなんて議論は起こらないはずです。また、管理薬剤師の責任が問われれば、管理薬剤師も当然に替えさせられます。業を実施する規則に違反すれば業免許が停止されるのは当然でしょうし、その業務を実地に管理する者も処分されて当然と考えるからでしょう。自然人の場合には、業免許制度の下で緊張した関係にあります。
 では、管理責任が同じようにある法人の責任役員はなぜ替えなくてもよいのでしょうか。法人が業を営むとなると、何で経済活動自由の原則で人事権の侵害となるんでしょうか。同じように医薬品を取り扱っているのであれば、薬機法の精神、医薬品を安全かつ確実に国民に届けると実践できないような者は、企業人であってもきちんと処分する武器を持つべきではないでしょうか。自然人である薬剤師と同じように、医薬品を扱う企業においても、経営陣がその責任者を決め、責任を持って製造販売をするようにさせるのは当たり前のことです。法令遵守を心掛けていれば責任役員の変更はないんです。
 そもそも、この変更命令は会社法の役員を辞めろと言っているのではなく、薬機法の規定する責任役員を替えろと言っているだけのことです。誰かほかの役員に替えればよいだけなんです。何が経済活動の自由を制限するのか分かりません。更に言えば、医薬品の安全、つまりは国民の安全より経済活動の自由が大切という姿勢は理解できません。医薬品の安全性確保よりも経済活動が優先するということなのでしょうか。
 国民の命を第一に考えるのであれば、大臣の責任で、責任役員の変更の検討はもちろんですが、調剤薬局チェーン、製薬企業、現金問屋などいろいろ業種ありますが、薬機法や保健医療へのコンプライアンスがなっていない法人に対する対抗策を自然人と同じくらいに厳しいものにする道筋を付けるとお答えいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#48
○政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございますが、薬剤師に対する行政処分と許可業者に対する行政処分、それぞれの趣旨、目的に応じて課されているということでございまして、薬剤師に対する行政処分で、御指摘のように免許の取消しとか業務停止命令とあるわけですけれども、業者、許可業者で薬機法違反があったときにはそこでの業許可の取消しあるいは業務停止命令というようなことが行えることになっておりまして、これは結局、薬剤師の方の免許の取消しというのと同様に、業者が事業を継続するということができなくなるという、そういう重い行政処分という形になっているわけでございます。
 したがいまして、個人か法人かということでございますけれども、個人に行っていると同じ、ほぼ同じような効力を持つ行政処分を法人に対して行っているということでございまして、それが直ちに法人の中の人事という形のものに国の方から直接介入するということとは直接結び付かないのではないかというふうに考えているということでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、許可業者の法令違反を防止するための様々な措置、今回、こうしたコンプライアンス体制の整備ということ以外にも法令違反を防ぐための措置、今回の薬機法改正でいろいろ盛り込んでございますけれども、そうしたようなものについても含めて、今後の施行状況を踏まえながら、よりしっかりと各業者に事業を遂行していただけるような、そういう体制というものについては不断の検討を続けていきたいというふうに考えております。
#49
○川田龍平君 ここまで、業務停止ということまで繰り返し言うということであれば、これ、違法を繰り返していた業者に対してはしっかり業務停止を出すということでよろしいですね、大臣。
#50
○政府参考人(樽見英樹君) そのまさに違法ということの中身によりますけれども、業務停止をすべきような業者であれば当然業務停止命令というのを出すということになると思います。
#51
○川田龍平君 しっかり業務停止命令まで本当に出せるのかというのも疑問に思いますが、しっかりこれはやっていただきたいと思います。
 次に、厚生労働大臣の諮問機関である厚生科学審議会の制度部会、つまり審議会の意見として役員変更命令を入れてはどうかと答申しているわけですが、しかし、厚生労働大臣は、この意見は聞いたかもしれないが、実際には法案には入れていない。これでは何のための審議会の答申なのか分からないのではないでしょうか。
 今回の薬機法改正の目玉でもあります薬事行政監視のための委員会も審議会という扱いであります。つまり、答申をしてもその時々の都合で簡単に中身を変えるということなのか。だとすると、民主党政権時代から話題に上がってきたこの第三者機関としての監視機能は張り子の虎ということでしかなくなりますが、どうやって実効性を担保するつもりなのか、大臣のお考えをお示しください。
#52
○国務大臣(加藤勝信君) 法案の作成作業においては、やはりこうした審議会とか有識者会議からいろいろ御報告をいただきながら我々が案を作り、そして、与党と様々な議論の調整をして最終的にでき上がっていく、そして、その中においては、当然審議会等の意見も踏まえながら更に多面的な議論がなされていく、これが一般の法律制定過程でありますから、元々出したものと一言一句違ったらおかしいということではないんだろうと思います。もちろん、作り上げた法案については国会の場において審議をいただくということは、これは当然であります。
 また、今の、今回の医薬品等行政評価・監視委員会、これの委員会については、委員会の意見、勧告が行われた場合、これは我々、今度厚生労働省に対してということでありますから、これに対しては我々しっかりとそれを受け止めて、必要な対応を取っていきたいというふうに思います。
#53
○川田龍平君 次に、医薬品等行政評価・監視委員会の中立性の確保について政府の見解をお聞かせください。
 先ほどの責任役員変更命令の議論でも説明しましたが、この薬機法改正のための取りまとめ案というのは、厚生労働省の八条委員会たる厚生科学審議会でまとめられたものです。しかし、その取りまとめ案が、内容がどこかよく分からない事情でゆがめられ、この法案には変更、役員変更命令なんて文字はどこにもありません。これは、自民党政権下では審議会の答申機能なんてものはないと。劣化ではないでしょうか、これはもう審議等を軽視してもよいという行政判断の劣化なのではないでしょうか。
 本法案で設立される医薬品等行政評価・監視委員会も、さっきの厚生科学審議会と同じ審議会です。このくだんの責任役員変更命令を軽々に法案から削除したかのように、この医薬品等行政評価・監視委員会の意見も指摘も軽々に無視するようなことはないということでよろしいでしょうか。
#54
○政府参考人(樽見英樹君) 先ほど、全体、大臣の方から御答弁申し上げておりますのでそれ繰り返しませんが、一点、私の方からちょっと補足して説明する事項を申し上げたいと思います。
 今回の監視委員会は、厚生労働大臣に対して意見を述べ、勧告する権限を持っている。で、勧告権限があるということに伴いまして、ほかの例でもございますけれども、委員会はその意見又は勧告の内容を公表しなければならない、それから、厚生労働大臣は委員会の意見又は勧告に基づき講じた施策について委員会に報告しなければならない、こういうことを法律に規定するということになっているわけでございますので、こうした規定の趣旨も踏まえながら、厚生労働省としてしっかりと、御意見については、いただきましたらば、必要な政策を講じてまいりたいというふうに考えているところです。
#55
○川田龍平君 この医薬品等行政評価・監視委員会、審議会の機能というのは、単に意見をできるだけでは無意味なのです。あくまでも強制力という武器があって初めて薬事行政を真に監視することができるんです。大臣、これ、張り子の虎の組織にしないようにしていただきたいと思います。
 そして、最も大事なことですが、この委員会が真に機能するために、核心は人事です。委員の選任に当たってはどのようなプロセスで決定するのかは決まっているのでしょうか。
#56
○政府参考人(樽見英樹君) この委員会の委員でございますけれども、医薬品等の安全性確保等に関し優れた識見を有する者のうちから十名以内を厚生労働大臣が任命するということになっているところでございます。
 具体的な人選につきましては、この法案の成立させていただきました後に検討するということにしておりますけれども、委員の構成につきましての今の考え方を申し上げますと、平成二十二年に取りまとめられました、先ほど大臣が御答弁でも触れました薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会の最終提言、あるいはこの委員会の創設に至るまでの経緯といったようなものも踏まえながら、幅広い分野の優れた識見を有する方の中から公正中立な立場で評価、監視していただくのにふさわしい委員、そういう方々を選任するということにしているところでございます。
#57
○川田龍平君 人事に当たっては、決して偏った意見の者ばかりを集めたり、あるいは与党なり行政なりのちょうちん研究者ばかり集めることなく、公正公平な視点で偏りのない人事を心掛けていただきたいと思います。
 また、これも重要なのですが、例えば厚生労働省の意向なり立法府の意向なり与党の意向なり官邸の意向なりに反するような意見を言う委員がいたとしても、簡単には罷免できないような仕組みにしていただきたいと思います。中立公正を担保するためには、人事の安定は絶対の条件だと思います。逆に、老害と言っては申し訳ないですが、長く君臨して委員会の判断に悪影響を与えるような人を置くようなことも控えるようにしていただきたいと思います。活発に議論し、真に公正公平な判断をできる委員会となるように育てていただきたいと思います。
 その意味では、公平な人事が実行されているかをチェックする意味で、国会同意人事という考え方もあるかと思います。国民の信頼に足る人選と自由闊達に意見が言える環境の構築、そして人事の安定性と刷新性について、大臣の御意見はいかがでしょうか。
#58
○政府参考人(樽見英樹君) まさにこの委員会が医薬品等の安全性の確保等に関する施策の実施状況について評価をし監視をするということでございますので、それをしっかりと効果的にやっていただくというためには、優れた識見を有する方が委員になる、それから、選任された委員が自らの識見に基づいてしっかりと意見が言えるということが大事であるというふうに思っています。
 したがいまして、この法案の中で、この委員会の委員は医薬品等の安全性確保等に関し優れた識見を有する者のうちから厚生労働大臣が任命するということと、委員会の委員は独立してその職権を行うということを明記をしているということでございます。
 こうしたことによって、言わば人選あるいは自由に意見が言える環境ということについて配慮した形になっているというふうに考えておりますけれども、国会同意人事という御指摘がございました。国会同意人事のものというのはどういうものかといいますと、厚生労働省でいいますと、三者構成を取る会議の公益代表委員の選任について国会同意人事を要するというふうにされているものがございます。例えば、いわゆる中医協でありますとか中労委の公益委員といったようなものが国会同意人事になっているということでございますが、今回の委員会はこうした例とは性質が異なっておりますので、国会同意人事というふうにはしなかったものでございますし、また、先ほど来触れられております検証委員会の最終提言の中でも国会同意人事というようなことについての指摘はなかったということでもございますので、そういう形にはなっておらないということでございます。
 ただ、委員会の公正中立な立場からの評価、監視を受けると、これは誠に大事なことだというふうに考えておりますので、安全性確保に関する施策について適切に御意見いただいて、私どもとしてもそれを尊重して薬害の発生防止ということにつながるようにしていきたいというふうに考えています。
#59
○川田龍平君 衆議院の附帯決議におきましては、この委員には薬害被害者を含めることとありますが、私もこの薬害被害者をしっかり委員の中に入れていただきたいと思います。そして、複数名入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#60
○政府参考人(樽見英樹君) 先ほど来申し上げましたように、具体的な委員の選任ということについては法案成立させていただきました後に検討して行うという形になりますけれども、附帯決議でいただきましたことにつきましてはしかるべく尊重して対応したいというふうに考えているところでございます。
#61
○川田龍平君 ありがとうございます。
 政府の審議会を見ていると、審議事項と照らして利益相反に問題がありそうな人がいないわけではありません。この医薬品行政評価・監視委員会への期待を考えれば、この人選に当たって、製薬企業、職能団体、特定の研究分野、国との関係性などとの関係性をきちんと明らかにすべきだと思います。逆に言えば、利益相反がある委員だとしても、その方のバックグラウンドがはっきりしていれば、その意見がどういう立場のものからのものかという判断も付きます。
   〔委員長退席、理事石田昌宏君着席〕
 利益相反の留意した上での利益相反関係の開示ということも検討していただきたいと考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#62
○政府参考人(樽見英樹君) この委員につきまして製薬企業等の利益相反関係を厳格に管理すると、これ大変重要なポイントだというふうに思います。
 例えば、薬事・食品衛生審議会、具体的に個々の医薬品の承認を行っていただいている、そういうところでは、薬事分科会の決定事項としまして審議参加規程というものを決めておりまして、その中で、製薬企業から一定金額以上の資金提供を受けている委員は審議に参加できない、それから、委員から提出された寄附金等に関する申告書は分科会終了後に厚生労働省ホームページ上で公開すると、こうしたルールを定めております。
 この医薬品等行政評価・監視委員会におきましても、こうした取組と同様に、利益相反に関するルールというものを委員会として決めていただくということを考えているところでございます。
#63
○川田龍平君 医薬品行政評価・監視委員会の事務局機能についても教えてください。
 専従の事務職員を置くという理解でよろしいでしょうか。また、この職員も、厚生労働省のスパイと言ってはなんですが、厚生労働省の強力なサポーターであっては困るのです。委員会の事務局として委員会の運営を迅速かつ適切に補助できる者である必要があります。そういうことも勘案した人材を配置すると考えてよろしいでしょうか。
 また、ここに配置されたら最後、出世の道が閉ざされるなんということもない、むしろ将来の次官候補が進んで事務局に配置されるというようであってほしいと思うのですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#64
○国務大臣(加藤勝信君) この委員会、委員御指摘のように、中正、公正中立な立場からの評価、監視を通じて安全性確保に関する施策について適正な実施を担保し、薬害の発生を防止するという、この目的があります。したがって、大事なことは、このメンバー皆さん方がそれを担うという形で広く信頼が持っていただける、そういう環境で、先ほどの利益相反については、これは委員の中でお決めいただくことなのかもしれません。
 それから、選定についても、これからではありますけれども、どういう選定をすることが今申し上げたようなそれぞれの委員の方々に対する信頼につながっていくのか、その辺も我々よく考えていかなきゃいけないと思いますし、加えて、今事務局のお話もありました。大臣官房に、いろんな議論の中で大臣官房に置くといった経緯に至っているわけですから、そのことを十分尊重しながら、メンバーの選定を含めて対応していきたいというふうに思います。
#65
○川田龍平君 それでは、医薬品行政評価・監視委員会の情報提供について確認させてください。
 厚生労働省は、委員会の要請に基づき全ての情報を開示するという理解でよろしいのでしょうか。また、委員会が必要と認めれば、秘密保持契約を結んでいる外部調査機関等に情報の調査分析を依頼できると考えてよいのか、政府の考え方を教えてください。
#66
○政府参考人(樽見英樹君) 今回の改正案では、委員会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができると明記をしてございます。この資料提供の求めについて誠実に対応することが極めて大事というふうに考えておりまして、厚生労働省が保管している資料について提供依頼があれば、個人情報などの配慮というところは必要だろうと思いますけれども、その上で委員会に提出をしたいというふうに考えております。
 それから、委員会が外部に情報の調査分析依頼できるかということで、ちょっと具体的にどういうふうになるかということで、そのときに検討すべき要素というのがあるのかもしれませんので、一般論として申し上げますと、委員会の事務局が情報の調査分析を外部調査機関に契約を結んで依頼をするということについては、一般論でございますが、可能でございます。
#67
○川田龍平君 私も、この第三者組織については本当に外部に本来は置くべきだという立場も取った時期もありました。それから、消費者委員会のようなところで、消費者委員会と同じ権能、権限を持っている監査委員会としてしっかりやるべきではないかという意見もありました。しかし、今、現時点ではこの第三者組織を厚生労働省内に置くということで閣法として出されてきたわけですので、しっかりこれをつくった上で、その後のこともやっぱりしっかり検討していっていただきたいというふうに思います。
 次に、薬剤師の調剤後の服薬状況の確認と新薬十四日処方ルールの必要性について聞きます。
 療養担当規則には、医薬品の使用安全という観点から、新しく承認された新薬の処方は十四日を限度とするルールがあります。これは、新薬の安全性確認と患者の健康保持という観点からもすばらしい制度だと考えます。
 しかし、今般の薬機法改正案では、薬剤師に調剤後の患者ケアも義務付けるとされました。であれば、この十四日目のチェックを薬剤師に担わすこととして、十四日ルール自体を撤廃してはいかがでしょうか。新薬が処方された場合には、十四日目をめどに薬剤師が患者の服薬状況や身体状況を確認して医師にフィードバックする、それくらいのことは薬剤師に担わせてもよいと思うのですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#68
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 医療現場で初めて使用される新薬につきましては、御指摘のとおり、処方医による一定の診察頻度を確保いたしまして患者の観察を十分に行う必要があるとの観点から、薬価基準収載の翌月の初日から一年間は原則一回十四日分を限度として投与することとされております。
 新薬の安全な使用に当たりましては、患者を診察し処方した医師が処方後の患者の状態を把握し、その後、処方内容や指導管理を決定する必要があるというふうに考えております。このため、処方医による定期的な診察を実施いたしますとともに、薬剤師も服薬状況を把握いたしまして、医師や薬剤師が連携しながら安全性を確保することが重要であるというふうに考えております。
#69
○川田龍平君 この薬機法改正には薬剤師が調剤後に患者ケアをすると明記されているんですが、服薬状況の確認というのは、体調の変化や状況の変化なども含めてチェックをするということだと思います。
 新薬であろうとそうでなかろうと、チェックをするのが薬剤師の役目ということでよろしいですね。
#70
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、薬剤師が適切な服薬指導、それをしかも継続的に行うというのが薬剤師の仕事であろうと思います。
#71
○川田龍平君 十四日処方ルールというのは、医薬品の安全確認というルールという観点で見るだけでなく、処方という観点で見なくては駄目だと薬系技官OBの方が先日主張されていたと話を聞きました。つまり、処方は医師の領域にあるので薬剤師が関与する問題ではないということでしょうか。また、十四日ルールは、処方の責任を医師に帰すことで、患者に生じる突発事項などを十四日目にもう一度確認する責任が医師にあるということを明確にしているということなんでしょうか。
   〔理事石田昌宏君退席、委員長着席〕
 薬系技官のトップである森審議官にお聞きしたいのですが、薬剤師にはもちろん処方はできません。しかし、処方された期間中に起こる身体状況を確認するのは無理だと思われているのでしょうか。処方の問題だと言われるのであれば、医政局の医事課や保険局ときちんと話をして、薬剤師にやらせるような省内交渉をやるべきではないかと思いますが、それが薬系技官の責務だと思いますが、どうでしょうか。
#72
○政府参考人(森和彦君) 先ほど御答弁申し上げておりますが、いわゆるその十四日のルールというのは、新薬の使用に当たって患者さんの安全確保という観点から設けられているものでございますが、今回の法改正において、繰り返しになりますが、薬剤師に、調剤時のみならず、調剤して薬を渡した後も患者さんの服薬状況の把握や指導を継続的に行うこと、把握したその情報を処方した医師に提供することなどを求めるようにしたところでございます。
 こうした服薬期間中における服薬状況の確認や指導につきましては、新薬の服用を始めてから十四日目に限ることなく、薬剤師の責任において患者個々あるいは薬剤に応じてその必要性を判断してその上で実施することによりまして、患者さんにとって有効で安全な薬物療法の提供に寄与できるものというふうに考えてございます。
#73
○川田龍平君 法案のこの文章というのはすばらしいですが、実効性が伴わない机上の空論ならば、結果的に国民の理解を得られず、薬剤師への風当たりが厳しくなると思います。政策決定をするのであれば、その裏付けとなる業務なり責任なりを与えるべきと考えます。
 そこで、薬学部六年制についても確認をさせてください。
 薬学部六年制が二〇〇六年に始まってから十年以上が経過しています。高度な専門性の人材を輩出するために六年制が導入されたにもかかわらず、いまだにその専門性が発揮できる場が十分にないという話を若い薬剤師さんから聞きます。逆に、現場の薬剤師さんの皆さんからは、六年制卒業者が必ずしも期待したほどに高度な専門性を備えているわけではないという話も聞いたりもします。これは大学教育の問題なのでしょうか。現場を知らない教員が現場のニーズを理解できない、現場で必要とされるような能力を開発させられない、そんなことでよいのでしょうか。
 そこで聞きますが、薬学部の教育水準やカリキュラムについて、単に職能団体の意見を聞いたというようなアリバイ工作ではなく、しっかりと現場のニーズを調査し、教育内容や教員の質について検証を行っているのでしょうか。
#74
○政府参考人(森晃憲君) 薬学教育については、平成十八年度に修業年限が延長され、病院、薬局での実務実習を充実するなど、教育内容の充実が図られてきたところでございまして、六年制課程を卒業した薬剤師の資質について、医療に関する知識水準、技術水準等が旧四年制課程を卒業した薬剤師と比較して高くなったとの評価が就職先である病院、薬局からなされているところでもございます。
 文部科学省では、平成二十五年度に薬学教育モデル・コアカリキュラムを改訂するなど、引き続き各大学において質の高い薬学教育が行われるよう取り組んでいるところでございますけれども、一方で、教育の質の確保に向けた一層の取組も必要と考えておりまして、各大学において学生の修学状況等の分析結果に基づいた改善計画の策定、そしてそのPDCAサイクルを機能させること等の取組を行うとともに、入学者に対する六年間での卒業者及び国家試験合格者の割合の公表など、情報公開も含めた適切な対応を求めているところでございまして、これらの取組を通じて臨床に係る実践的な能力を有する薬剤師の育成に努めてまいりたいと考えております。
#75
○川田龍平君 厚生労働省に伺いますが、薬学部六年制を卒業した薬剤師の給与水準や業務実態の調査を行っているのでしょうか。六年という長い期間を教育に割き、また多くの学費を納めてきた社会人が、それに値する給与と業務をあてがわれているという理解でよろしいでしょうか。六年制にしたものの、あてがわれる業務は定年までルーチンワークばかりなんということはないですよね。調査の実態をお知らせください。
#76
○政府参考人(樽見英樹君) 薬剤師の平均給与あるいは業務の実態ということにつきましては、厚生労働省、それから薬剤師の関係団体が実施する調査といったようなものが行われているところでございます。
 薬剤師の給与に関しましては、私ども厚生労働省で行っております医療経済実態調査におきまして、薬局や医療機関における薬剤師の平均給与、これ、平均給与年額と賞与の合計ということになりますけれども、それが取りまとめられているということになるわけでございます。
 給与水準についての評価ということになりますと、これは勤務先の種類あるいは業務によって異なるということもございますので、それが妥当かどうかということについて一概にお答えすることはなかなか難しいということについては御理解を願いたいと思います。
 薬剤師の業務の中身ということでございますけれども、厚生労働省におきまして、かかりつけ薬剤師・薬局の取組に関する調査というものを行っております。予算事業として行っているところでございまして、そこで薬剤師が行っている対人業務の実施状況というようなことを調査をしているということでございます。
 六年制の導入によりまして臨床実践能力を持つ薬剤師の方が養成されているということでございますので、薬剤師は対物中心の業務から対人業務へシフトする、専門性の高い業務に関わって、それによって有効で安全な薬物療法が提供できるということになるわけでございます。
 これらの業務実態を把握しながら、こうした取組が更によく進むように努力をしていきたいというふうに考えています。
#77
○川田龍平君 この委員会でも、薬剤師の役割、本当に多く議論されておりますが、大臣、これ、六年制が始まって十年以上たっています。薬機法も改正され、薬剤師には高い専門性が求められるようになりました。これを機会に、薬剤師の職場環境や業務実態を調査し、文部科学省としっかり連携して薬学教育の根本的な改革を断行するべきだと考えます。
 次に、神戸で開催された日本薬局学会で、樽見局長が、法案を十一月中に通過させ、十二月の中医協における調剤報酬の議論に間に合わせたいかのような発言があったと報道記事で読みました。つまり、中医協で点数化するために法案成立を急ぐというようなことにも取れるのですが、その意味での御発言でしょうか。あるいはもっと深い意味があるのであれば、樽見局長、その発言の真意を教えてください。
#78
○政府参考人(樽見英樹君) 誠に恐縮でございます。
 今年の十月十九日に神戸でございました日本薬局学会学術総会というところで講演の機会をいただいたわけでございます。その中で今回の法案に言及をしまして、政府としてはできるだけ早く成立するように全力を挙げて対応したいというふうに述べました。その際、一般的には十二月になりますと診療報酬の関連の議論というものが本格化をするということになりますので、その議論に資するためにもといいますか、そういう議論がなる中で、薬機法というのが成立するかしないか決まっておらないという状態ということは避けたいということを申しました。
 したがいまして、個別の何か調剤報酬の評価がどうこうということではなくて、まさにその診療報酬の関連の議論が本格化する前に、薬機法については、これは成立するということに向けてはっきりさせておいていただけるように我々としては最善の努力を尽くしたいということを述べたものでございまして、それ以上の深い意味というようなものがあるわけではございません。
#79
○川田龍平君 後発医薬品の質問に移ります。
 後発医薬品の販売中止が相次いでいると聞きます。原薬の供給が滞り、抗生剤の製造販売中止などで現場が混乱したという話を聞いています。単に原薬の調達先の責任というよりも、問題の本質は、原料である原薬の調達計画についてのリスクマネジメントができているのかどうか、広く国民に医薬品を供給できる企業かどうかだと思います。原薬の調達問題ではなく、この原料調達も含めて一連の製造販売プロセス全体について責任を持てなければ、必要なときに必要な医薬品がなくなるリスクをもたらすからです。
 安定供給されない医薬品を国民は信頼するでしょうか。後発医薬品の安定供給が危ういということになれば、その信頼は落ち、せっかく今八〇%に近づきつつある使用率もまた下がってしまうでしょう。薬の供給とは一体誰のためにあるのか。本来、国民のためであるはずです。
 安易な販売中止を繰り返す企業に是正を加えるだけでなく、その根本である製造販売能力自体をしっかりと検証する審査制度の導入を検討するべきと考えますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#80
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘いただきましたように、後発医薬品に限らず、医療用医薬品というものの供給停止が起これば、それは国民医療に重大な影響を及ぼすおそれがあるというふうに深刻に受け止めています。そのため、販売製造業者の方がその製造を停止しようとする場合には事前に厚生労働省に届出を行っていただき、関係団体に支障がないか私どもの方で確認した上で薬価基準からの削除を認める。あるいは、製造上のトラブルなどの不測の事態を除き、需要があるにもかかわらず予告なく販売中止に至った事例が相次いでいるという認識は私どもにはございません。
 また、特に御言及ございました後発医薬品につきましては、その信頼性を確保するためにも、厚生労働省において医療機関や薬局からの個別の医薬品の供給不安事案に対する苦情を受け付けるという仕組みを設けておりまして、必要に応じて当該医薬品の製造販売業者に対して調査や改善指導を行う仕組みを設けてございます。
 また、製造販売業者に対しましては、製造上のトラブルなどの不測の事態により安定供給に支障が生じる事案が発生した場合には、同一成分の医薬品や代替薬の製造販売会社に対して増産、出荷調整等による対応を求めておりまして、供給不足分をカバーするための対応も行っております。加えて、さらにでありますが、新たに薬価基準に収載する際には、その安定供給の確保のために、少なくとも薬価基準収載後五年間は継続して製造販売することを製造販売業者に求めるとともに、過去に供給不安を起こした製造販売業者には個別に供給体制の確認を行うなど、御指摘のいただきましたように、安定供給という観点から製造販売業者に対して含めていろいろな取組を行っているところでございます。
#81
○川田龍平君 次に、条件付早期承認制度、この条件付・期限付早期承認制度と再審査制度についても聞きたいと思います。
 この二〇一五年に成立をした再生医療の条件付・期限付早期承認制度によって、これまで何種類の、そしてどのような製品が承認をされていますでしょうか。
#82
○政府参考人(樽見英樹君) 再生医療等製品として承認されているものでございます。
 これまでのところ、製品としては七つの製品が承認をされているというところでございます。直近は今年の三月に承認されたものまでということでございます。
#83
○川田龍平君 その中で、さらに条件付・期限付早期承認制度で申請され、承認されたものは幾つでしょうか。それは何という製品でしょうか。
#84
○政府参考人(樽見英樹君) 失礼いたしました。
 条件・期限付承認制度によって承認されたものは三つでございます。
#85
○川田龍平君 今、早期承認制度については、特にこの条件付・期限付早期承認制度についてメリットが言われておりますけれども、デメリット、問題点についてはどのように考えているでしょうか。
#86
○政府参考人(樽見英樹君) この条件・期限付承認というものにつきましては、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、再生医療等製品ということで、薬物治療についての有効性、安全性ということについて、安全性はこれは当然確認しなければいけませんけれども、有効性というところについて、生体組織を材料にしているというところから一定の限界があるというものにつきましてこの条件付、期限付ということでやっているものでございまして、そうした条件あるいはその期限というものに基づいて制度を運用するということによって、言わば有効性、安全性というものとその有効な医薬品、医療機器を早期に上市をするということのバランスを取りながら運用する制度ということでございます。
#87
○川田龍平君 現在、この早期承認の日本の薬事制度がネイチャー誌によってかなり強く批判されているが、どのような批判されているか、その内容を御存じでしょうか。
#88
○政府参考人(樽見英樹君) ネイチャーでございます。今年の一月に、再生医療等製品、先ほど申し上げた三つのうちの一つでございますけれども、ステミラック注という薬に関しまして、二重盲検による比較臨床試験が実施されていないということで、有効性が十分に評価されていないにもかかわらず販売されているという批判がされているということだと承知をしています。
#89
○川田龍平君 そのステミラック、そして一つ目に承認をされたハートシート、どちらもこれ非常に少ない承認試験でもって承認されているということで、非常にこの臨床試験の成績、大変非常に問題ではないかなと思うところもあるわけでございます。
 特にこのハートシート、我が国では、問題となっているのは、世界中で有効性が確認できていない薬を日本だけで承認をしていると、この承認プロセスの基準が非常に低いと言われています。たった七人の臨床試験で、二例は悪化、五例は不変、それだけで有効性を認めて承認してしまっています。つまり、こういうことです。ハートシートで治療しなければ全例で悪化したはずだ、だから、使用して変化のなかった五例も全て有効例にする。これは、どう見ても承認ありきで基準を下げていると言わざるを得ません。
 それを裏付ける報告があります。五百九十六例の心不全患者を前方視的に検討した東北大学では、通常の薬物療法のみでも四四%に改善が見られ、悪化したのは僅か一六%でした。つまり、ハートシートを使わなければ全例悪化するという判断は当てはまりません。
 それでは、そうやってスピード承認したハートシートの有効性評価は今どうなっているのかというと、承認後五年以内にハートシート治療群六十例以上と対照群百二十例以上を比較して有効性を調べる予定だったのが、結局、五年で十人余りしか患者が集まらなくて比較試験ができないからと、三年の延長を申し出ています。そうこうしている間に、このハートシートの開発者である澤教授は、この骨格筋由来のハートシートでは十分な効果が得られないとして、今度は御自身が出資するクオリプス社と第一三共でまた別のiPS細胞由来のハートシートを共同開発をし始めています。
 この命を守るための、命に関わる薬を承認する国の役割というのは一体誰のためなのでしょうか。薬の安全性、それから有効性について承認や販売を優先させている今の政府のやり方は、私はこれ大変非常に危険であり、至急改めるべきではないかと考えますが、局長、いかがでしょうか。
#90
○政府参考人(樽見英樹君) まず、先ほどのネイチャーの指摘について若干補足をさせていただきますと、このステミラックという薬、急性期の脊髄損傷の患者から骨髄を採取して幹細胞を培養して患者に戻すという製品でございますので、ネイチャーは二重盲検やっておらないという指摘なんですが、それをやるということになりますと、被験対象者から骨髄は採取しながら、プラセボ、偽薬を投与するということをやって比較するということをやらないといけませんので、そうしたことについては倫理的に問題が生ずるというふうに考えておりまして、二重盲検による比較試験ではないが、適切に設計された臨床試験の成績に基づいてPMDAにおいて審査をしているんだということについて反論を投稿しまして、載っけてもらっているという状況になっています。
 今申し上げたように、PMDAにおいて、なかなか十分な、通常と同じような試験ができないようなものにつきましても、PMDAにおいて一定の設計に基づいて、合理的な設計に基づいて、品質、有効性、安全性というものについて調べるということを基本的にしておりまして、したがって、何といいますか、企業の製品を上市をするということを何よりも優先してやっているというような、そうしたような態度でやっているのではないということについては御理解を賜りたいというふうに考えております。
#91
○川田龍平君 骨髄採取をしておいてプラセボは投与できないということですが、それをしなくても、標準治療との比較など既存の治療法と比較する有効性の確認はできるはずですが、なぜそれをやらないんでしょうか。
#92
○政府参考人(樽見英樹君) まさにその条件付、期限付ということと関わってくるということだと思いますけれども、これは、そういう形で安全性はこれ当然確認をしているわけでございますけれども、そういう有効性のところにつきましては、先ほど申し上げたように、一定の設計に基づく調査というもの、審査というものに基づいて、一定のその有効性というものが考えられるというものについて承認をしまして、これについて上市後にデータをきっちりと集めるという形でこれについての有効性を言わば検証するという形になるわけでございます。
#93
○川田龍平君 この時間を掛けて集めると言っていたデータも集まっていないということになってきています。例えば第一例目のハートシートの件もそうですが、この再生医療に関わる承認制度については、特に効果が不確実な薬を判断基準を大きく下げて承認してしまっている日本のやり方、この政府のやり方に対して、当然ながら国際的に強い批判の声が上がっています。二〇一九年八月のサイエンス誌が、各国が再生医療の製品化を争う中で、日本が経済的あるいは政治的理由で承認のハードルを下げてスピード承認した結果、それに追随する国が現れ、全世界レベルで有害な結果をもたらしていると、日本の薬事行政を名指しで批判しています。
 その記事から一部読み上げます。
 日本の早期承認制度が海外で知られた結果、幾つかのベンチャー企業が日本での治験開始を申請し、米国でも同様の制度を要望する動きが見られる。短期の経済的利益を追求するために承認のハードルを下げることは医療費の無駄になり、保険財政に弊害をもたらす危険性があることを日本政府は自国の有権者や納税者に伝えるべきだ。
 また、今の日本政府の規制改革についても、こう批判しています。規制改革は、しばしば民間や政府が支援する企業の利益や威信のために実行されることに注意しなければならない。国際的な科学者団体あるいは保健機構は、薬事行政の規制を弱めることが公的資金の浪費を招き、科学研究への信頼を損ないかねないと、強く警戒すべきだと書いてあります。
 今政府がやっているこの規制改革が、国民の命や健康よりも一部企業の経済的利益を優先した政治的なものであることを国際社会は見抜いています。これは日本一国だけのことではありません。薬という最も人間の命に関わる分野で、安全性、有効性という最低限の責任を果たせなくなってきているというこの日本政府のやり方が、我が国だけではなく、世界全体の薬に対する扱い方をおとしめている、そのことへの辛辣な批判と警鐘です。
 今年三月に条件付、期限付で承認された日本で三件目の再生医療製品、コラテジェンについても同じです。この製品も、海外では有意性が証明されていないのに、ハートシートやステミラックと同様に、またしても日本は僅か六例という少ない症例数で有効と判断し、世界に先駆けて承認してしまっています。これについては、この製品の主任研究者がくだんの加計学園で問題となったゴルフ仲間の一人であり、規制改革会議の主要メンバーでもあるという不審な報告もされています。
 一体、薬事行政の承認基準はどこまでゆがめられているんでしょうか。こうした早期承認制度は、日本のマスコミでは成長戦略だなどとメリットばかりが強調されていますが、命に関わる薬に関しては短期的な結果だけで薬事行政を進めるべきではありません。それについて、大臣、いかがでしょうか。
#94
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、そのサイエンスの批判というのも、まさに短期的な経済効果というものを期待をして、再生医療等製品における有効性、安全性評価を犠牲にしているのではないかというような点があるということだろうと思います。
 そのためには、厳密かつ大規模な臨床試験で有効性、安全性を評価すべきではないかということになってくるということだろうと思うんですが、先ほど申し上げましたように、まさに厳密かつ大規模な臨床試験というのはできないものというものがあるということでございますので、そういうものであっても、適切に設計された臨床試験の成績に基づいて有効性、安全性の評価ということを行うことは可能だというふうに考えているということから、今のような再生医療等製品の条件付、期限付の承認といったようなことをやっているわけでございます。
 また、その承認に当たっては、PMDAでちゃんと審査をするということもそうですが、先ほど来申し上げているように、薬事・食品衛生審議会の専門家の御意見を聞いて、その答申を得て承認をするという形になっているわけでございますので、有効性とか安全性評価を犠牲にしているものではありません。
 そもそも、これはもう先生もおっしゃっているとおり、医薬品、医療機器というのは、まさにその安全性、有効性があっての製品でございまして、それがいいかげんという形で、むしろ害が出るというようなことはあってはならないものですし、それは医薬品、医療機器というものに対する信頼感を損ねるものである、これは先生おっしゃるとおりでございますので、そうしたことを言わば侵すような、そうしたようなことについては私どもやっていないというふうに考えているところでございます。
#95
○川田龍平君 この日本の早期承認制度を海外に輸出しているという話もありますが、それについてはいかがでしょうか。
#96
○政府参考人(樽見英樹君) 私どもとして、何かそういうことを海外で使ってくださいというふうにお願いしているわけではありませんので、これについてはそれぞれの国において判断をされた結果であろうというふうに思います。
#97
○川田龍平君 結果として、この競争の中でほかの国にも薬事制度が、早期承認制度というものがほかの国でも浸透していくということによって、世界的な規模でこの薬の有効性がしっかりと審査されなくなってしまうという危険性を大変憂慮しております。
 もう一つ深刻なのは、医療費の圧迫です。例えば、先ほどの六人中二例が悪化して残りは変化がなかったのに有効だと言って承認したハートシート、これ一回使うのにこの製品だけで約千五百万円掛かります。こんなやり方で承認していったら、医療費を圧迫して、国民皆保険はもたなくなると考えますが、それについてはどう考えているんでしょうか。
#98
○政府参考人(浜谷浩樹君) 承認された医薬品につきましては、医療保険において収載するのが基本的な考え方でございます。ただ、市販後に一定程度規模が拡大するなど医療保険上懸念があるものにつきましては、再算定などの仕組みで対応しているところでございます。
#99
○川田龍平君 今回の法案改正におけるこの条件付早期承認制度、これについては、やはりこの条件をしっかりと厳しくするべき、特にそういったランダム化試験ができないような製品に限るとか、そういった限定的な条件が付いているのかどうか、そこをはっきりしていただきたいと思います。
#100
○政府参考人(樽見英樹君) これはまさに、その医薬品、医療機器の性質によって、そういう条件を付さなければいけないようなものを対象にしているということでございます。
#101
○川田龍平君 具体的には、それをはっきりと言っていただきたいと思いますが。
#102
○政府参考人(樽見英樹君) 条件付早期承認制度の対象となる医薬品でございますけれども、一定の有効性及び安全性が示されているものであって、例えば、救急医療に用いる医薬品で倫理的に試験を実施することができないもの、あるいは患者数が少ない等の理由で検証的臨床試験の実施が困難なものというものを対象として考えているところでございまして、必ずその後データを集めるということによって有効性、安全性というものについて確認するということでございます。
#103
○川田龍平君 私も、生まれつき血友病という難病に生まれ、そしてその使ってきた血液製剤によってHIVに感染をするという患者の立場で、特に薬害の被害に遭った、そうした政府の情報隠蔽によって薬害の被害に遭ったこの自分の立場として、本当にこの先も生きている限り、この血液製剤の使用、そしてウイルスを抑える薬を使い続けなければなりません。もちろん、医学の進歩によって、もしかしたら血友病も、遺伝子治療が今できるようになってきているという話もありますし、HIVについても、これも根治薬ができるかもしれないという可能性もありますが、非常に今も強い薬を飲み続けることによって体に大きな負担が掛かっています。
 患者というものは、常にもっと有効でもっと副作用のない薬を待っているのです。今、この日本の政府のやり方で、特に経済的な利益を優先してスピード承認されて薬を出されたとしても、本当に安全性、やはり有効性というものが担保されたものでなければ私は使いたくはありません。
 もちろん、まだ薬ができていない段階で、治験にも私も参加をしてきました。子供のうちにこうした治験の薬を使ってきたこともありました。例えばインターフェロンなどもそうです。そういった薬なども、私も治験段階から使ってきた一人でもあります。
 そういう意味では、もちろん治験というものでしっかりと、薬の有効性や安全性をしっかりと確認するための治験に参加することはもちろんしますけれども、市販後調査と治験では違うと思います。治験の段階では、しっかりとした保険によって補償もされます。しかし、市販後調査では、実際の補償の問題であったり、そして有効性のデータについての取り方についても違うと思いますが、それについて、しっかりとこの早期承認制度においてそういった治験と違った市販後調査、さらにはリアルワールドということについて有効性がしっかり確認できるとお考えでしょうか。
#104
○政府参考人(樽見英樹君) 言わば、逆に有効性をしっかりと確認をしていくということで取り組まなければならないという性質のものだというふうに考えております。
#105
○川田龍平君 このリアルワールド、臨床試験を行わない、実地診療で得られるデータを活用した調査を利用することについては、この検証的臨床試験を必要としないとしている点はとても問題だというふうにも考えます。特に欧米でも議論が、検討が始まったばかりであり、FDAでさえも、二〇一八年十二月に公刊したリアルワールドデータの利用についてのガイダンスで、医薬品承認への利用については慎重な扱いをしているということでもあります。日本が先駆けてこのようなことを次々とやっていく結果として、我が国の薬事行政をこれ以上やっぱりゆがめることはしてはいけないと思います。
 一部の企業だけに利益を与える一方で、日本国民と皆保険制度、納税者にツケを払わせ、薬も再生医療も、短期的利益だけではなく、本来命を救うためにあるという世界全体の医療行政の根幹をゆがめるやり方として、これはしっかりと限定をした上で、これ直ちに誤りがあったのであれば正すべきだと強く主張したいと思いますが、いかがでしょうか。大臣、いかがでしょうか、最後にお願いいたします。
#106
○国務大臣(加藤勝信君) 川田委員からも、御自身の経験も踏まえながらの御質問だったというふうに思います。
 もちろん、一方で、こうした新たな薬を待っておられるいろいろな、例えば難治の患者さん等々、多くの方がおられます。そうした希望にもしっかり応えながら、しかし、結果的に治療されたことが逆に悪化するようなことがあってはならないわけでありますので、今委員御指摘のように、安全性はもとより、有効性も含めてしっかりとチェックをしていく。ただ、そこに限界があるものもあります。ですから、そこの運用というものを含めてしっかり我々として対応させていただきながら、これはあくまでも患者さんを救っていくための対応だ、そこに原点を置きながらこの行政をつかさどっていきたいと思っております。
#107
○川田龍平君 是非、しっかり命を守る、患者のための医療のためにしっかりやっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#108
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 ちょっと今日は、前回の質問の続きも含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。
 まず、PMDA、独立行政法人医薬品医療機器統合機構でありますけれども、前回質問させていただいたときに、PMDA―WESTなんですが、これ大阪にあるんですけれども、テレビ会議システム、これを利用するときは二十八万円掛かると。いや、これはおかしいんじゃないですかということで質問させてもらうと、政府参考人の方からは、システム利用料二十八万円を徴収しないとすれば事業者全体の手数料に上乗せしなければならなくなる、しかも、ほかの地域の方は東京に来てもらっているので、二十八万円の利用料、全国の事業者に上乗せすることは納得を得難いのではないかという答弁がありました。本当に中央集権的な考えの最たるものなのかなというふうに思った次第であります。
 これ、せっかくPMDA―WESTができたわけですから、テレビ会議、できるだけやっぱり利便性を考えてあげて、東京まで行かなくても審査を受ける、相談できる、そういったためにこれPMDA―WESTができたわけですから、是非ここ、二十八万円の利用料を取らなくても、全体的な経営努力によってコストを減らすとかしてでも、これ利用者の負担を減らすということが本来の考え方ではないのかというふうに思うわけですが、大臣、このことについてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#109
○国務大臣(加藤勝信君) 前回も委員からも御指摘がありました。
 元々、本件については、大阪府から薬事に関する全ての相談を関西支部で実施できるようにという要望がありました。その結果、平成二十八年六月から高度なテレビ会議システムを用いた関西支部における対面助言が開始されたわけでありますけれども、その手数料については、PMDA、大阪府、業界団体等で結ばれた協定書において、通常の相談手数料とは別に、追加で手数料を定めて徴収すると、こういうことで物事がスタートしてきたわけであります。それはもう委員御承知のとおりだと思います。
 そうした取扱いをした背景には、先般、事務局からも説明させていただいたように、PMDAの審査業務が全国の事業者の納める手数料で賄われている中で、一部の事業者のみが利用するテレビ会議システムのコストについて、受益者負担の観点からそうした整理がなされたということであります。
 この手数料については、協定書の中でも、今後の利用実績や賃貸料等の費用変動を踏まえて必要に応じて見直しの協議を行うと、こうされているところでありますので、この枠組みの中でそうした様々費用変動などを踏まえながら、また御意見を踏まえながら適切な対応を考えていきたいというふうには思っております。
#110
○東徹君 是非、やっぱり何でもかんでも東京へ来ないと利用できないというのではなくて、できるだけやっぱり東日本、西日本とか、そんな感じでこういった審査ができるという環境が私は大事だというふうに思いますので、是非見直しを検討していっていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 続いて、医療情報連携ネットワークについてお伺いをいたします。
 前回ちょっと中途半端に終わってしまいましたけれども、先週の委員会で、基金、決算ベースで見ると、平成二十二年度から平成三十年度は地域医療再生基金、平成二十六年度以降は地域医療介護総合確保基金というものを使って、ネットワークの普及をこれ支援しているわけです。そして、現状は都道府県を通じて調査中ということでしたけれども、この事業に基金から幾ら使っているのか、まずお伺いしたいと思います。
#111
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 委員御指摘のように、地域医療情報連携ネットワークにつきましては、平成二十二年度以降、地域医療再生基金と地域医療介護総合確保基金で支援を行っておりますが、その合計は約五百億円でございます。
#112
○東徹君 すごいお金を使ってこの医療情報連携ネットワークというのを構築していっているんです。
 前回の質疑で県域全体のネットワークをつくっているところが二十六県あるということでしたけれども、具体的にこれどのようなネットワークとなっているのか、お伺いしたいと思います。
#113
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今委員御指摘のように、基金で支援をいたしましたネットワークのうち全県単位にしておるものが二十六県となってございますが、この個々のネットワークの稼働状況につきましては、一方で、きめ細かな情報連携を行うことで質の高い効率的な医療提供に寄与しているものもございます。また一方で、参加する患者や医療機関などが限定的、あるいは活用されていない事例もございます。
 ということから、私ども、今委員も御質問の中にございましたが、二十六県の全県単位のネットワークを含めまして、これまで基金において支援をいたしました地域医療情報連携ネットワークについて、その参加医療機関数や登録患者数等の実態について、現在、都道府県を通じて改めて調査、実態把握に努めているところでございます。
#114
○東徹君 大体、基金をつくって、基金を使って、あとはほったらかしというのが大体これまでの状況だというふうに思います。
 五百億円も掛けてこのネットワークをつくっているわけですね。このネットワークができると、やっぱりこれまで余分な重複していた検査とか、それから無駄な重複した検査とか重複した薬とか、そういったことを防ぐことができるわけですよね。こういったことを本当、是非やっていかなきゃいけないにもかかわらず、限定的で活用されていないということであります。
 これ、是非やっぱりこういったものを全国で広めていかないと、無駄な検査とか無駄な投薬、こういったものがやっぱり減らないわけですよね。こういったネットワークを使って見れるようにすれば、ほかの病院へ行っても検査結果はこうですよということが見てもらえるわけですから、これは非常に便利なものなので。
 五百億円も掛けているにもかかわらずこれが実際使われていない、これは本当無駄なことだと思います。これ、いつまでにどのように、ネットワークをどの程度普及させていくのか、これ、大臣にお伺いしたいと思います。
#115
○国務大臣(加藤勝信君) 今委員から御指摘ありました地域医療情報連携ネットワークの状況については、会計検査院からも、活用されていない事例、利用が低調な事例もあるとの指摘を受けておりまして、ネットワークの機能が有効に活用されるものに厳格化しながら支援を行うようにという指摘も受けているところであります。
 また、今実態の把握をしているということは先ほど局長からも答弁を申し上げたところでございます。したがって、そういった状況でありますから、また、それぞれの地域特性によっても随分変わってくるわけであります。全国一律の目標を持って設定することはなかなか難しいんではないかなというふうに思っております。
 ただ、薬剤情報等については、居住する地域にかかわらず医療機関間で共有することで医療の質の向上や効率化が図られることから、費用対効果を踏まえた上で患者の保健医療情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みの構築が必要であるというふうに考えておりまして、レセプトに基づく薬剤情報や特定健診情報を全国の医療機関等で確認できる仕組みの稼働に向けた準備を進めており、また、薬剤情報や特定健診情報以外のデータを医療機関等で確認できる仕組みについては、その実現のための工程表を二〇二〇年夏までにも策定しているところであります。
 こうした全国的な取組と並行しながら、地域レベルにおける取組、さらには地域レベルと全国レベルの医療情報連携の在り方、それについては今後しっかりと検討しながら一歩一歩着実に進んでいくよう努力していきたいと思っております。
#116
○東徹君 こういうのこそやっぱり大臣が、やっぱりしっかりと進めていかないといけない私は仕事だというふうに思うんですね。なかなかこれ、医療情報を見せるということになると、無駄な検査がなくなるということはこれ医療機関にとっては収入が減るということにもつながってくるわけでありますし、他方、一方では、やっぱりこれからの社会保障制度を持続可能に考えていく上においては、やっぱりできるだけ給付費を下げていくということをしていく努力というのは一方では必要だと思うんですね。だから、こういったことはやっぱり是非これは大臣が進めていただきたいというふうに思うんですけれども。
 今日、新聞にも、新聞記事をお配りしておりますけれども、民間ではこれ税金を掛けずにやっているところもあるんですね。これ、大臣御存じかどうか知りませんが、岡山県の岡山市にあります岡山旭東病院というところがあるんですけれども、医療情報のクラウドサービス等を手掛けているNOBORIという会社があるわけですが、これが岡山旭東病院と連携して、患者自身が自分の医療情報をスマホで確認できるという、そういったサービスをこれ始めたんですね。よく病院がもうこういうことにやってくれるなというふうに思うわけですけれども、でも、やっぱりそれをすることによって病院の信頼性が上がっていくんだということもあるということで、病院も積極的にこれを進めているということなんですね。これ、提携している病院というのはまだまだ限られているんですけれども、このようなサービスが普及してくれば、患者自身の健康管理だけではなくて、ある病院の検査結果や投薬の情報などが別の病院に提供できて、検査や投薬の重複を防ぐことにつながっていくわけです。
 先ほど質問したような厚労省が進める医療情報連携ネットワークは、多額の税金を投入しているのに見合った効果がこれ出ていないわけでありまして、このような民間サービスは税金を使うことなく情報の連携をこれ進めているんです。
 こういった情報開示に積極的でない医療機関、スマホを持っていない高齢者について家族のスマホを使うのかといった課題ももちろんあると思いますけれども、特にネットワークの構築が難しい大都市では患者を起点にした情報共有、こういったものを是非これは進めるべきだというふうに思いますが、これ、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#117
○国務大臣(加藤勝信君) 岡山旭東、我々は、我々って、私も副大臣も岡山でありますし、よく存じ上げている、また、いろんな展開をされている病院だというふうに認識をしております。
 その上で、今委員御指摘のような、まさにこうした医療データをうまく活用していくということは、患者さんの治療においてより有効な治療につながっていく、それが結果的において効率性といいますか、そういったことにもちろんつながるわけでありますけれども、そういった観点からこうした情報がそれぞれの患者さんごとに蓄積がされ、それに基づいてより的確な診断、診療が行われていくということ、それからもう一つは、こうした診療が集まることによって、例えば創薬をするとか医療技術の全体としての進歩にもつながっていく、そういった観点も含めて、私どもとしてはこうしたまさに医療情報をうまく統括しながらそれを活用していく。
 先ほど委員から御指摘があった地域の仕組みにおいても、これは非常にうまく使っているところもあるんですね。どっちかというとコンパクトな地域の方が多いかもしれません。そういったうまくいっているところを使っていただく。あるいは、我々も別に公的なお金で公的な仕組みの中で全て進めようと思っているわけではありません。民間の様々なサービスともうまく連携をしながらより効率的な全体としての仕組みをつくっていくことで、最初に申し上げたより有効な治療がそれぞれにおいて行われる、あるいは、個々人のパーソナルデータについて見れば、それを見ることによって個々人が健康づくりを含めて自分の健康管理に関心を持っていただいて、それに対して適切に対応していただく、そういう環境をしっかりつくっていくことが大事だというふうに思っています。
#118
○東徹君 大臣も、そしてまた橋本副大臣も岡山ということで、多分よく御存じだというふうに思います。こういったことがどういったメリットになっていくのかという御理解もしていただいているものだというふうに思いますので、是非ともこのことを進めていっていただきたいと、特に全国的に、そしてまた特に大都市においてはやっぱり進めていくべきだというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 平成二十七年に作られた患者のための薬局ビジョンでは、かかりつけ薬剤師、かかりつけ薬局の実現に向けて、電子版お薬手帳の活用推進として、二〇一八年度までを目標とする地域医療連携ネットワークの全国各地への普及と併せて電子版お薬手帳を普及させるというふうにされておりますけれども、そもそもこれ、今年三月までの目標としたネットワークの普及自体、現在どのようになっているか調査中で、必ずしもこれはうまくいっていないというふうに思いますけれども、電子版お薬手帳も普及、活用されていない現状、これをどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#119
○政府参考人(樽見英樹君) 電子版お薬手帳の状況でございます。
 厚生労働省が平成三十年度に実施した調査によりますと、電子版お薬手帳を導入している薬局は調査を行った薬局全体の四八・一%ですけれども、患者、電子版お薬手帳を使用している患者という方は全体の五・一%にとどまっているということでございまして、電子版お薬手帳を活用している実態というのは多くないというふうに認識しております。
 電子版お薬手帳、紙のお薬手帳に比べますとメリットがいろいろありまして、携帯性が高い、受診時にも忘れにくい、それからデータの保存容量が大きいので長期にわたる服用歴の管理が可能、それから、お薬の服用歴以外にも、システムの中で例えば運動の記録とか健診履歴とか、そうしたような健康づくりの情報というものも管理が可能というようなメリットがありますので、そうした点から電子版の普及を進めるということが必要であろうというふうに私どもとしては考えているところでございます。
 電子版お薬手帳の記載項目、あるいは備えるべき機能の……。あっ、よろしいですか。
#120
○東徹君 もう答弁はできるだけ簡潔にお答えいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 お薬手帳って、僕持っていったことないんですね、実は、申し訳ないんですけれども。やっぱり行くときというのは緊急に行くときの方が多いので、持っていったこともありません。いつも持っていませんと、いつも言うんですが。
 電子版お薬手帳も、これも先ほどのサービス、情報連携ネットワークを使えば、これも要らなくなるんですよ。要は、先ほど言っていたように、NOBORIという会社、旭東病院なんかそうなんですけれども、スマホで全て検査データ、投薬状況、これが見れるわけですから、こういったことを是非進めるべきだということを言わせていただきたいと思いますので、是非進めてください。
 次に、薬局の在り方についてお伺いしたいと思います。
 前回もこの薬局の在り方について、足立委員とか、そしてまた梅村委員からもあったように記憶はしておるんですけれども、今回の法案では、新たに地域連携薬局と専門医療機関関係薬局、この二種類の形について新たな都道府県の知事の認定の対象にするということですけれども、そのうち専門医療機関連携薬局、これについては、在宅医療が進んで通院しながらがんと闘う患者さんも更に増えていくと考えられることから普及を進めていくべきだというふうに思いますけれども、まずこの専門医療機関連携薬局、これについてはどの程度普及させるのか、まずお伺いしたいと思います。簡潔で結構です。
#121
○政府参考人(樽見英樹君) 簡潔にお答えいたします。
 地域ごとの違いというのはあると思いますけれども、専門医療機関が整備される圏域、基本的には二次医療圏ごとに少なくとも一つ以上の薬局が認定を得ることが望ましいと考えております。
#122
○東徹君 私は、この専門医療機関連携薬局というのはやっぱり必要なのかなというふうに思うんですが、この間からありました地域連携薬局とか健康サポート薬局、で、健康サポート薬局というのは全国に千五百六十七軒、たった二%しかないということなんですよね。名前もおかしいじゃないですか。健康サポート薬局って、調剤薬局が、薬局が健康をサポートするのは当たり前ですし、地域連携薬局も、薬局が地域連携するのは当たり前なんですよ。当たり前な名前付けてどうするのかなというふうにこれ思うんですね。だから、専門医療機関連携薬局はこれは必要だけれども、それ以外はもういいんじゃないのというふうに思うわけですけれども。
 また、これ、理由の一つとして、夜間や休日、二十四時間対応ができないということが挙げられていますけれども、そもそも薬局に二十四時間対応って、これ必要なんですかね。
#123
○政府参考人(樽見英樹君) まさに、今日も先ほど御答弁しましたが、言わば地域連携薬局というのは、いざ病気になったときにかかりつけとして安心して在宅医療のパートナーとなれる薬局ということでございますので、何かあったときに相談できるという機能というものについてはお願いをしたいというふうに考えているところでございます。
 ただ、単独の薬局で二十四時間開いていなければいかぬと、コンビニのようなことを求めているわけではございませんので、情報連携をふだんから行っているほかの薬局と連携して対応できるというようなことも、かかりつけとして必要な機能を満たしている、果たせるというふうに評価をしたいと思っています。
#124
○東徹君 それは、在宅で、救急車呼ぶか呼ばないか、これどうしようかと迷うときってやっぱりあると思います。これは、多分皆さん御存じのように、ハイフン七一一九、電話すれば相談に乗ってくれると思います。ただ、薬の情報に関して二十四時間対応がこれ必要なのかなと思うんですね。
 是非、これ大臣、健康サポート薬局も全く普及していないということを考えれば、健康サポート薬局も地域連携薬局もちょっと見直すべきじゃないかと思いますが、いかがですか。
#125
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど福島委員に、この健康サポート薬局あるいは地域連携薬局等について局長から答弁をさせていただきました。
 そういった位置付けの下でこれから進めさせていただきたいと思っておりますけれども、そうした中身をよく御理解いただく、あるいは要件を設定するときに、今二十四時間のお話もありました、単一の薬局だけで二十四時間というのはこれはなかなか難しいわけでありますから、連携して対応できる状況をどう考えるかとか、やっぱりその辺は弾力的な仕組みにする中で、それぞれの薬局がその本来の、まさに当たり前のことを当たり前にやっていただくということに向けて進めさせていただきたいなと、その一助になるようにしていきたいなというふうに思っております。
#126
○東徹君 これ、健康サポート薬局とか地域連携薬局とかなると、将来的にはこれ診療報酬上何か上がるとか、そういったことが考えられるんですか。
#127
○政府参考人(樽見英樹君) 地域連携薬局につきましては、この法律公布後二年以内に施行ということになっておりますので、しばらく、実際に出てくるのは先ということになりますけれども、診療報酬上どういう位置付けにするかということについては、中医協における議論という場でお願いをしていきたいというふうに考えております。
#128
○東徹君 是非、患者さんが求めているものは何なのかということをまず考えていただきたいなと思います。患者さんが求めているのはやっぱり利便性だし、やっぱり早くお薬もらいたいし、そういったことで、間違いのない、そしてまたきちっとやっぱり専門的な立場から指導してくれる、そういったことがやっぱり一番大事なのかなと思いますので、二十四時間対応なんてどうなのかなと本当思いますので、是非お考えいただきたいと思います。
 薬局において、医師への疑義照会ですね、ちょっと薬が多過ぎるんじゃないですかとか、この薬はどうなんですかというような疑義照会なんですが、これ全体の約二・八%しか処方変更につながって、全体の二・八%ではなくて、そのうち処方変更につながっているのが僅か〇・九%しかないということなんですね。
 今日お配りしている資料の二枚目に、多剤服用、有害リスクという記事があります。これ、多くの薬を服用することで転倒や記憶障害などの有害な症状が現れるポリファーマシーということが問題になっておりますけれども、七十五歳以上の患者の一か月の院外処方による薬剤の種類は、四一%がこれ五種類以上になっているということなんですね。いかに多い薬を飲んでいるかということなんですけれども、このようなポリファーマシーの問題、残薬の問題などを考えると、医師の処方が全て正しいから疑義照会が少ないというよりは、やはり私はこれ薬剤師が医師に意見しづらいという状況があるというふうに思うんですね。
 薬剤師が本来果たすべき役割がこれ十分に果たせていないからこのような数字になっているというふうに思うんですが、この現状についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#129
○政府参考人(樽見英樹君) 今の、薬剤師が処方内容を確認して医師に問い合わせた割合が処方箋全体の二・八%で、変更になった割合が約一%というのが調査の結果でございますけれども、これが多いか少ないかという評価、なかなか難しいと思いますけれども、しかし、処方箋は全体で八億枚ございますので、一%でも八百万枚の処方箋で処方変更がされたということからすると、一定の役割は果たしているということは言えるんではないかなというふうに考えているところでございます。
 ただ、まさにポリファーマシーの実態みたいなものがあるということも言われておりますので、そうした中で薬剤師が更に力を発揮できるように、そのための今回の改正ということでもございますので、そういうことに向けて引き続きその環境整備に努めていきたいと考えています。
#130
○東徹君 是非、やっぱり四一%、七十五歳以上の患者さんの四一%が五種類以上になっているということは、これはやっぱり非常に多いというか、やっぱり問題だというふうに思いますよね、今の実態から考えればですね。だから、やっぱりそういうことから考えれば、もっと疑義照会というのはあっていいはずだと私は思います。
 ポリファーマシーについてですけれども、これは、通院だけではなくて入院の場合もこれは問題だというふうに思うんですね。
 これは資料をお配りしていますけれども、これ、和歌山県の橋本の市民病院では、院内にポリファーマシー対策チームというのをつくって、入院患者の処方薬が適正かどうか、中止できる薬があるかどうか、こういったものを検討して、その結果処方薬を半分程度に減らすことができたということなんですね。
 これは、やっぱりたくさんの薬飲むことによってそれはやっぱり有害になってくるわけですから、やっぱりここはこういった対策チームでもって、専門家の立場としてやっぱり減らしていくという努力というのは、非常に僕これいい取組だと思うんですね。
 これは患者のためにもなりますし、こういったことは全国の病院でこれやっていくべきというふうに思いますが、これ、厚生労働省として取り組んでいくというおつもりが、是非やっていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
#131
○政府参考人(樽見英樹君) ポリファーマシーの問題につきまして、私どもの方としては、高齢者の医薬品適正使用の指針というものをまとめまして、主に医薬関係者に対して考え方をお示ししているということでございますけれども、こういうことで多剤処方を避けたりあるいは見直していくと、そういう考え方というものをお示しをしているということでございます。
 あわせて、診療報酬の方におきましても、入院時に六種類以上の内服薬を服薬している患者に対して、服用薬を総合的に評価、調整して二種類以上減少した場合には診療報酬上評価をするというようなことをやっているわけでございます。
 私ども厚生労働省としては、今申し上げましたようなポリファーマシーを避けるための指針ということも出していますので、こういうものを周知をし、橋本市民病院のような取組が広がるということを期待するというふうに考えておりますし、診療報酬での対応とも必要な連携を図って、高齢者を始めとする患者にとって適切な薬物療法が行われるよう努力をしていきたいと思います。
#132
○東徹君 樽見局長、その指針を出しているというふうに、よく厚生労働省は私らこうやってやっていますと言うんですよ。実際どこまでやられているかどうかって確認できますか。
#133
○政府参考人(樽見英樹君) この医薬品適正使用の指針について、これに基づいてこうやっていると個別の話について聞いておりますけれども、これについての実態調査というものもこれから行いたいと思います。
#134
○東徹君 本当に、これから行いたいという答弁すごく多いんですけど、本当にできるのかなと思うわけですね。いつもそうなんですよ、これから行いたいというふうに言うんですけれども、本当できるのかなと思います。
 これも、私も父が入院したとき十種類以上ありまして、もうこれは本当大変、本人も嫌がるわけですよね、飲むのも、もう。そんなのでも、やっぱり医師、病院側からは飲みなさい飲みなさいと言われますよね。だから、やっぱり本当に患者さんのことを思ってやっぱり見直していくという、そういったやっぱり対策というのは僕は必要だと思いますので、是非検討していただきたいと思います。
 あと、ジェネリックの使用状況についてちょっとお伺いしておきたいと思いますけれども、ジェネリックの使用状況、数量シェアが昨年で七二・六%ですが、来年二〇二〇年九月までにはこれ八〇%以上ということですけれども、これはまだちょっと目標には程遠いのではないのかなと思いますが、これ、ジェネリックの使用、これからどうやって増やしていくのか、お伺いしたいと思います。
#135
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 後発医薬品の数量シェアの目標を達成するには二つアプローチがあるのだと思っております。
 一つには、今の後発医薬品の数量シェアが地域差がございます。それぞれの地域の中で特にシェアの低いところについてどういう実態にあるのか、どうして低いのかという点については、私ども昨年度からそれぞれの地域に入って実態を伺いながら、そこでどうやって上げるかということを分析させていただき、取組につなげております。
 もう一つは、やはり医師の方々の後発医薬品に対する信頼性あるいは医療保険上のインセンティブなどを付与することによって、ドクターの方の医薬品の使用促進が必要ではないかというふうに思っております。
 そういう観点から、例えばでありますが、診療報酬上において、後発医薬品が存在する全ての医薬品を一般名処方している場合の評価の導入などの取組をしておりますし、二つ目として、情報発信という意味では、後発医薬品メーカー自身による情報発信に加えて、国においても医療関係者向けに後発医薬品の品質に関する情報でありますとか、あるいはインターネットを活用した品質に関する専用ページの開設、あるいはPMDAメディナビなどを活用した情報配信サービスなどを行っているところでございます。
 さらに、今後、目標に向けて、数量シェアの低い地域での取組の支援、さらには都道府県や業界団体等と連携した医療関係者向けのセミナーなどの開催を通じて更なる使用促進を図ってまいりたい、それによって目標達成に向けて近づいてまいりたいと考えてございます。
#136
○東徹君 吉田局長はそうおっしゃいますけど、二〇二〇年九月までには八〇%以上ですから、責任持ってこれは対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ちょっと時間の関係で、もう余り時間がありませんので、ちょっと飛ばして、先駆け審査指定制度の関連でちょっとお伺いしたいと思います。
 今回の法改正では、現在これ通知でやっている制度を法制化するとのことでありますけれども、例えば、G47デルタという人の口唇ヘルペスの原因とされている単純なウイルスの遺伝子を、これを組み換えて、正常な細胞に影響せずにがん細胞だけをなくすというウイルス療法に使われているものが既にこの制度の対象になっておるわけなんです。
 先日、十一月十七日に東京のビッグサイトで第五回がん撲滅サミットがこれ開催されたんですけれども、このG47デルタの研究者である東大医科学研究所の藤堂教授もこれ講演されていたんですが、現在は悪性腫瘍を対象にしているということなんですけれども、将来的には全ての固形がんに使えるようになるだろうと。ごめんなさい、悪性脳腫瘍にですね、対象としていますけれども、将来的には全ての固形がんに使えるようになるだろうということで、これは、期待と同時に、時間のない患者さんにとっては一日でも早くこれは治療法の完成を望んでおられます。
 厚労省として、新しい治療法の開発をこれどのように支援して世の中に送り出していくのか、これは大臣にお伺いしたいと思います。
#137
○国務大臣(加藤勝信君) 国民のニーズ、様々な、特に患者さんのニーズに応える優れた医薬品、医療機器等を安全にかつ迅速に患者にお届けしていただいて、より良い医療のサービスを受けていただくということは非常に重要でありまして、そういった意味では、今回、先駆け審査指定制度、あるいは条件付早期承認制度について、これまで試行的に実施してきたものを今回法制度という形で恒常的な仕組みにさせていただく、こういったことを通じて、企業における開発の予見性が向上して、我が国における開発を行うインセンティブが高まって革新的な医薬品や医療機器の創出に一層貢献をすることを期待しているわけでありますが、我々としては、これらの制度を適切に運用して優れた医薬品、これはもちろん安全性を確保したという上においてでありますけれども、できるだけ早期に患者に届けることができるよう承認審査体制をしっかり整備をしていく、そして承認審査の迅速化に少しでも努めていく、そういったことを通じて、先ほど申し上げたような今回の制度の適切な運用、そしてひいてはより優れた医薬品を待っておられる患者さんに一日も早くそうした医薬品が届けていけるように努力をしていきたいと思います。
#138
○東徹君 このG47デルタなんですけれども、これ、ウイルス療法のためにウイルスの遺伝子を組み換えようとすると、薬機法による通常の審査とは別にカルタヘナ法という法律の審査をこれ受けなければならなくなるということなんですね。アメリカとは違って、日本ではこれ治験を行う前にカルタヘナ法による審査を受けなければならないということで、この審査に掛かる時間の分だけ開発が遅れてしまうということが問題だということです。
 カルタヘナ法の審査も薬機法の承認に係る審査もどちらもPMDAでこれやっているのであれば、がんで苦しむ患者に早く新しい治療法を提供できるようにするために、医薬品等を対象から外すということも含めて審査の方法などを見直したらどうかと考えますが、この点についてお伺いいたします。
#139
○政府参考人(樽見英樹君) カルタヘナ法におきまして、生物の多様性を確保するという観点から、遺伝子組換え生物等の使用に先立って環境への影響評価を求めるということになっているわけでございまして、そういう意味で医薬品等の治験開始前にこの承認を得るということが、厚生労働大臣の承認を得るということが必要になるという仕組みになっているわけです。
 このカルタヘナ議定書というものが国際的に決まっているわけですが、アメリカはこれを批准しておりませんので、そういう意味でこれについての承認というのを取るということになっておらないんですが、EUや私ども日本は環境への影響評価というのを実施しています。ただ、アメリカも実際上、薬事の審査の中で環境への影響評価を行っているというふうに聞いております。
 一方で、速やかに治験を実施できるようにするということが必要ですので、これまでも、元々は薬食審、医薬・食品審議会で一遍このカルタヘナの関係の審議ということを行っていたんですけれども、この薬食審における審議というものは事後報告に変更する、それから申請書のひな形あるいは記載要領というのをあらかじめ公表する、それからPMDAでカルタヘナ申請前の相談制度というものを新設するといったようなことで、このカルタヘナ法に基づく承認手続を少しでも迅速化できるような取組ということで努力をしてきたところでございます。
 今までの取組の効果も踏まえながら、これからも迅速化ということに更にどういうことができるかということについては努力をしていきたいと思います。
#140
○東徹君 続いて、もうちょっと時間がないので最後の質問になると思いますが、昨日でしたか、報道でも出ておりました、東芝が十三種類のがん識別のリキッドバイオプシー技術を開発したということで、血液でがんを検査することができるということなんですね。リキッドバイオプシーによって、胃がんや肺がんなど切除可能ながんの七〇から八〇%をこれは検出できるということです。非常にこれ有効性もあるというふうに思いますが、厚労省はこれ、リキッドバイオプシーの研究は進めると過去に答弁されておりますけれども、がん検診の中にこれを含めることについては、死亡率の減少にどこまで効果があるか分からないということで、非常にこれ否定的でした。
 日経新聞によると、乳がんの超音波検査など、厚労省が指針で示している検査方法以外のがん検診も自治体では行われており、国の指針に沿っているのは百二十八自治体で、全体の僅か七%しかないということなんですね。まさに国の考え方と市民の要望がこれ合っていないということを示しているわけですけれども、国の言うように死亡率の減少効果を見極めようとすると、検診として導入するまでこれ何年も掛かってしまいます。
 これ、リキッドバイオプシーについて、研究は進めるけどがん検診には使わないというのであれば、何のために研究を進めるのか分かりません。この点についてどう考えているのかを大臣にお伺いしたいのと、もう一つ、このリキッドバイオプシー、一回で二、三万でできるというメリットがあって、特に働き盛りの世代に受けてもらって、がんの早期発見と治療につなげることで本人や家族の負担を軽くして、結果的に我が国を支える働き手をこれ確保していくことにもつながるというふうに考えます。
 例えば、がん検診としてでなくても、会社帰りの人が希望すれば駅中で簡単にリキッドバイオプシーを受けてもらえるようにすれば非常に効果が大きくて、早期に実現できるように取り組むべきというふうに思いますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#141
○国務大臣(加藤勝信君) このリキッドバイオプシー、その個別についてちょっと申し上げるのは控えたいと思いますけれども、がん検診については、がんの早期発見、早期治療による死亡率減少を目的に、科学的根拠の確認された検診を指針において定めて、市町村に対してその指針に基づいた検診の実施について技術的な助言を行っているところであります。確かに、委員御指摘のように、我々が推進しているもの以外についても、自治体の権限と責務において実施されている現況にはもちろんあります。
 現在、それで、リキッドバイオプシーについては、検査方法として、今御指摘のように、研究段階であります。検査後の介入方法を含めたがん検診としての死亡率減少効果等についてもいまだ確立をしていない、したがって、国が推奨するがん検診の項目には含まれていないというのは今の状況でありますけれども、これ、これからそうしたがん検診の指針に反映するか否かということのためにも研究を進めて、がんの科学的な知見の収集を図っていく必要があるということで、今、研究開発をお願いをしているというか、進めているということでありまして、もうしないことを決めて研究開発をしているわけではなくて、研究開発はあくまでもそれを、結果を反映してこのがん検診の指針に反映するかどうか、そういう観点から進めているということであります。
#142
○東徹君 大臣、これ、血液でがんの検査ができたらすごくいいと思いませんか。それをやっぱり是非もう早く進めようというふうに思いませんか。是非その点だけお聞かせください。
#143
○国務大臣(加藤勝信君) いや、より簡易で、そしてより検診を受ける方に対する侵襲が少ない方法、これ私は、というようなものをどんどん取り入れるべきだと思いますけれども、ただ、それが効果があるかないかというのも非常に大事でありますから、そういった意味においても、先ほど申し上げた、そういったいい技術であるからこそ、その効果をしっかり調べるために今研究開発を進めているということであります。
#144
○東徹君 是非その研究を進めていって、一日も早くそういったものが普及できるようにしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#145
○委員長(そのだ修光君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#146
○委員長(そのだ修光君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 本日、山田太郎君が委員を辞任され、その補欠として滝波宏文君が選任されました。
    ─────────────
#147
○委員長(そのだ修光君) 休憩前に引き続き、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#148
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。先週に引き続きまして、薬機法改正案、質問に立たせていただきます。
 先週、そして今日の午前中と、充実した審議を進めてくることができて、改めて、でも今日、私自身のテーマとしては、この法案の審議に際しまして、まだまだそのいわゆる利用者、つまり患者ですとか国民の側の視点というのはまだ審議尽くされていないのかなという気がいたしております。その意味では、先週の議論、またあるいは今日の午前中という、テーマとして重複するところ出てくるかもしれませんけれども、そういった角度で是非、後で議事録読んだときに、一般の知識のない方が読んだときにも、ああ、要するに薬局は、薬剤師さんはこう変わるのかということが読んで分かるような、そんな答弁を是非お願いをしたいというふうに思っております。
 その中で、今日、まず問いとしてお伺いをしたいのは医薬分業というテーマなんですね。
 これ、私も改めて今回勉強してみて分かったんですが、これまで医薬分業って基本的には着実に進展をしてきているんだろうというふうに思っております。何をもってそう言っているかというと、いろんな指標があるわけです。例えば、一つ分かりやすい指標は、いわゆる処方箋の発行率ですとかあるいは薬局での受取率と言われているものなんですけれども、薬局で処方箋をどれだけ扱っているかという比率、これが五〇%を超えたとか、今だと七割を超えたとかという、着実な推進があるわけであります。
 一方で、この受け取られた処方箋がどうなっているか、ここも午前中の審議でもありましたけれども、疑義照会されているものが大体二・八%、そして実際に処方が変更されているのが一%ということでありますから、これが高い低いというのは確かに判断のしようがないところはあるわけでありますけれども、ある意味、こういった数字で測ることができる部分、つまり処方箋の動きを追いかけることでどの程度進んでいるのかということを測ることができる部分、量の部分というんでしょうか、ここは医薬分業って進んでいるんだなというふうに思うわけであります。
 改めて、こういう量の部分が進んでくる中で、でも、質が伴っていますかということが改めて今問われている。これが、医薬分業ということに関して、近年、これは規制改革会議でも、あるいは厚労省の厚生科学審議会においても、最近大分厳しい指摘もなされているわけでありますが、この質の部分どうなんだという、こういう視点が今向けられているんだろうというふうに思っております。
 改めて、今回のこの法改正、薬剤師の方がその職能と専門性を存分に発揮して、患者さんですとかあるいは国民の皆さんがそのメリットを十分に実感できるようにするための私は法案だろうというふうに思っているわけですが、改めて、患者あるいは国民の皆さんにとって医薬分業に期待される役割って一体どういうもので、そして、本法案がその推進にどのような形で貢献するものなのか、御説明をいただきたいと思います。
#149
○政府参考人(樽見英樹君) 御指摘のように、医薬分業のメリットいろいろあるわけですけれども、それがなかなか国民の皆さんにその感じ実感できないというような指摘もいただいているというところでございまして、医薬分業のメリットというのは何かということで申し上げますと、薬局の薬剤師が医師と独立した立場で服薬情報を一元的、継続的に把握した上で、複数医療機関をはしご受診したというようなことによって重複投薬があったり、あるいは薬の相互作用といったものがあったり、そうしたものを確認をして、患者がより安全で有効な薬物療法を受けることができるというような意義があるということが端的な意義だと思います。
 特に、近年、高齢化が進んだり、あるいは新しい薬ができたり、新しい医療技術というものの開発が進むことによって、がんなどの専門的な薬学管理を外来で受ける方も増えている。それから、入退院あるいは在宅医療の対応など、地域で様々な療養環境の下で薬物療法を受けると、そういう方が増えているということでございます。
 今回の改正では、そういう中で国民が安心して薬物療法を受けることができるような手だてとしまして、まず薬剤師の対人業務を強化、継続的な服薬指導の義務化ということで薬剤師の対人業務を強化すると、それから患者さんが自ら必要な機能を持つ薬局を選択できるような薬局の認定表示制度というものを導入するといったようなことを新たに規定することとしています。
 ですので、御指摘のような患者さん側ということでいいますと、今度、地域連携薬局、専門医療機関連携薬局という表示もできます。そうしたことについても私どもとしてもこれからもしっかりと周知を図って、患者さんの側に医薬分業というもののメリット、それを享受できるような薬局への相談の仕方ということについても分かるように周知もしていきたいと思います。
#150
○平木大作君 今、様々な観点から御答弁いただきました。
 改めて、例えば例示として一つ今お示しいただいたような薬剤師さんの対人業務の強化という観点に即して言うと、これ端的に言うと、利用者の側からすると、病気じゃないときも病気になったときも薬の専門家である薬剤師さんに気軽に相談できるということですとか、そういう気軽さみたいなものですとか、あるいは薬局閉まっている夜間でもある意味いつもの薬剤師さんが対応してくれる、こういうことの安心感とか、こういう一つ一つ、利用者にとってはいろんな側面が多分あると思っていて、これってどれもなかなか数値化はしにくいんだろうというふうには思っています。
 ただ、一方で、まさに医薬分業の質ということに関心が高まってくる中にあって、やっぱりこれは政策を推進する行政の側としては、これきちっとどの程度今できているのかということは把握をしていただかなければ私はいけないんだろうというふうに思っています。
 そこで、患者や国民の皆さんの実感という質の面に重点を置いて医薬分業を進めていく上で、今後どういうものをしようとして見ていくのか、ベンチマークとして見ていくのか、お答えいただけたらと思っております。
#151
○政府参考人(樽見英樹君) 質を見るためのベンチマークということなんですけれども、厚生労働省といたしましては、経済・財政アクション・プログラム二〇一六というものにおきまして、患者のための薬局ビジョンに基づき医薬分業の質を評価できる指標ということで置いているんですが、医師に対しまして患者の服薬情報などを文書で提供した薬局数、それから在宅業務を実施した薬局数、それから健康サポート薬局研修を修了した薬剤師を配置しており、その薬剤師が地域ケア会議等の地域の多職種と連携する会議に出席している薬局数、それから患者の服薬情報の一元的、継続的把握のために電子版お薬手帳又は電子薬歴システムなどICTを導入している薬局数といったような指標を設定しておりまして、こうしたものについて、各都道府県、薬局機能情報提供制度ということで情報を都道府県が集めて公表しております。この制度の中で今のような数字を定期的に把握をするということにしているところでございます。
#152
○平木大作君 今御答弁いただいたのもそのとおりだなと思う反面、これ、基本的に今御紹介いただいたもの、在宅対応ですとか研修の修了数ですとか、こういったものって観測のポイントがやっぱり薬局なんですよね。私は、是非これ、やっぱり実感のところを測るんであれば、その先、薬局の先にある、つまり患者の皆さん、国民の皆さんの声をどう拾うのかというところに是非挑戦していただきたいというふうに思っています。
 これ、結局のところ、理解度、医薬分業に対する理解度とかあるいは評価というところになるわけですから、なかなかこれも難しいのはよく分かるわけですけれども、最終的には、この利用者の皆さん、例えばかかりつけ薬剤師制度を知っていますかという問いにどの程度答えられる人が実際にいるのか、あるいは今あなたにかかりつけの薬剤師さんいますかとか、あるいはこの一年間で何回薬剤師の方とお話ししましたかということが、調査をしてみてちゃんとそれなりに意味のある数字になってくるところまでやっぱり行かないと、実際にはこの実感というものにはつながらないんだろうというふうに思っております。もし何かあれば。
#153
○政府参考人(樽見英樹君) 私どもとして、あわせて、かかりつけ薬剤師・薬局の取組状況の把握ということで、薬局を通じて患者さんにアンケート調査というのもやっています。
 これは、ここ三年間、予算事業の中で実施してきたということになっているんですけれども、ここでいいますと、御自身に対応する決まった薬剤師がいて良かったこととか、かかりつけ薬剤師の認知度とか、そういうものを聞いています。
 良かったことということでいうと、以前から服用している薬との相互作用について確認してもらえたと回答した患者が六三・一%とか、あるいはかかりつけ薬剤師ということでいうと、よく知っていると答えた方が三三%、少し知っていると答えた方が三九%というようなデータが出ておりまして、一定の評価はしているということであろうと思いますけれども、まだ認知度を高めていかなければならないなというようなことも考えているところでございます。
#154
○平木大作君 ありがとうございます。
 こういった取組をしていただいているというのはうれしく思う反面、やっぱり薬局を通じてという今お話でありましたので、直接是非声を聞いていただきたいと思っております。
 今回の法改正に当たりまして、例えば抗がん剤などを用いて通院で治療に当たっている患者の皆さんからも大変期待の声というのが実は寄せられております。ちょっと今日、具体的に一つ、そのお声というのを御紹介したいと思っていますので、まずちょっと聞いていただければと思うんですが。
 これは、多発性骨髄腫という、血液細胞の一種である形質細胞のがんを患われている方、患者の方からの声でありますけれども、こういう声であります。外来で抗がん剤治療を受けることが多くなっている中、今回の法改正は、薬を処方されるとき以外にも継続的に薬剤師からのフォローを受けられるようになるんじゃないかと期待しています。自宅で経口の抗がん剤を毎日服用しながら、大体二週間から一か月に一度通院をして診療を受けているが、次回診療までの間に小さな体調の変化が起きることがよくある。体調に不安があるとき、今日も抗がん剤を飲んで大丈夫だろうかと気になりつつも、主治医に電話するのを遠慮してしまい、不安なまま服用したり、服用を自らの判断でやめたりすることがある。このようなときに薬剤師に相談できる体制になることを期待しています。また、この新しくできる地域連携薬局や専門医療機関連携薬局では、より専門性の高いフォローが受けられるんじゃないかと、こういう期待の声も寄せられているわけであります。
 改めて、この薬局薬剤師の在り方がどう変わるのか、具体的にどのようなサービスを期待できるのかということについて、今例えば例示でちょっと御紹介したような患者の皆さんに分かるような御説明をいただけたらと思うんですが、これ、大臣、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の法改正、薬剤師、薬局の機能を強化するということで、調剤時のみならず調剤後も患者の服薬状況を把握するとともに継続的な指導を行う、また、把握した情報を処方医等に提供する、これは法律で義務付けられております。また、法律において、患者が自ら適した薬局を選択できるよう、専門医療機関連携薬局と地域連携薬局という特定の機能を有する薬局を認定する制度、患者さんから見たら選びやすい仕組みにしているわけであります。
 今、委員から抗がん剤の治療を受けている方のお話がありました。本当に、治療中において体調の変化等、いろんな不安や御懸念になって、できれば専門家にとは思いつつも、なかなか確かにお医者さんに連絡するって非常にしにくい、しにくいというか、ちょっとちゅうちょするということも間々あるわけでありまして、そういった意味においては、近くにおられる薬局の方がそうした服用の不安に対して、特に例えば今がんのお話がありましたけど、がんの薬物療法に専門的な知識を有する薬剤師さんがそこにおられて、そしてまた、その方が、実際自分がかかっている医療機関との間の連携をすることによってどういう治療を受けているかも把握をしていただく中で的確な指導が行われる、そしてまた、今申し上げたように気軽に相談できる。結果的により安心して薬物療法を受けるということが可能になるわけであります。
 そういった意味での専門医療機関連携薬局というのはどういうものかということで、法律においては、構造設備がどうなっているか、あるいは医療提供施設との共有する体制ができているのか、専門的な薬学的知見に基づく調剤及び指導の業務を行う体制があるかということが一応チェックされる中でそうした認定を行っていくということによって、ここだったら安心して、特に例えばがんの薬物治療であれば受けることができる、こういうことが可能になっていくというふうに思いますし、また、そうなっていくように、我々もこの制度の周知を図りながら、そうした様々な不安を持っている皆さん方の解消につながっていけるように努力をしていきたいというふうに思います。
#156
○平木大作君 今大臣から御答弁いただいたいろいろな具体的なお話、一部は実はこのかかりつけ薬剤師の制度を使えばできなくはないというか、できるようになっているわけですけれども、ある意味、患者の皆さんに必ずしも知られていない。こういう中で、今回法律の中にきちっと書き込んで体制をつくるというのはとても大事なことだと思っていますし、最後大臣にお話しいただいたように、周知徹底をやっぱりこれしていただいて、一人でも多くの方の、患者の方のやっぱり力になるような、そういう制度にしていかなければいけないというふうに思います。
 その上で、もう一つ、これに関連してなんですけれども、こういう専門医療機関連携薬局みたいなものがそもそも自分たちがちゃんと日常的に使えるのか、手の届くところにあるのかどうかということはとても関心が高いわけでありまして、実際にどの程度の認定件数を見込むものなのか。中学校区に一個みたいな話なのか、都道府県で一個みたいな話なのかというのはやっぱり大分距離感が違うわけでありまして、この点について御答弁いただけたらと思います。
#157
○政府参考人(樽見英樹君) 薬局の数を何か正確に見込むのはなかなか難しいんですが、考え方で申しますと、地域連携薬局については日常生活圏域ごとに、それから専門医療機関連携薬局については、専門医療機関が整備されるべき圏域となりますと基本的に二次医療圏ですけれども、二次医療圏ごとに、いずれも少なくとも一つ以上の薬局が認定を得ることが望ましいというふうに考えているところでございます。そのために、十分周知を図る、それから構造設備等について税制改正要望を行っているところでございますし、それからその手続が薬局にとって重い負担にならないように工夫するといったようなことをやっていきたいというふうに考えているところです。
 また、先生の御趣旨でいうとアクセスということだと思いますので、患者さんにまさにどこの薬局がそういうふうになっているかということを分かるようにしていくということも必要だろうと思います。先ほど申し上げたように、各都道府県のホームページで、薬局機能情報提供制度とホームページに載っけていますので、この認定を受ける場合には、こういうことを通じて、どこの薬局が認定を受けているかということができるだけ患者さんに分かりやすくするということについても意を用いていきたいと思います。
#158
○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。
 ちょっとテーマを変えまして、これも実は先週も、今日も午前中出てきたテーマなんですが、やっぱりなかなかこの新設される地域連携薬局とこれまで推進をしてきた健康サポート薬局について、消費者にとって違いが見えにくいという点があろうかというふうに思っています。
 この点については、これまでもいろいろもう答弁もありました。機能という面で見たときに、やっぱりかかりつけ薬剤師・薬局機能というものを両方ともある意味必要としていることもあって、なかなかちょっとその重複する部分が見えにくさにつながっているのかなというふうに思っているわけですけれども、利用される国民の皆さんにとって、なかなか機能面をいろいろ羅列されても選べないというところがあるかと思っています。
 改めて、この二つの制度、どのような基準で一般の国民の皆さんは選んでいったらいいのか、選んで使っていったらいいのか。そして、ここもちょっと確認になりますけれども、両制度とも今後政府として推進していくのかということについてお伺いしたいと思います。
#159
○政府参考人(樽見英樹君) 午前中も申し上げましたけれども、薬局、基本的に日頃から気軽に相談できるという機能、それから、いざ病気になったときにしっかりとお薬をいただいて服薬指導をしてもらえるというそういう機能、これはどちらも基本的な機能として必要なわけでございます。
 その上で、今回の地域連携薬局というのは、医療ニーズの高い患者さんも含めて、在宅医療というものを安心して相談できる薬局ということになるわけでございますし、健康サポート薬局というのは、これは従来からある制度ですけれども、主に日頃から、一般用の医薬品でありますとか健康食品でありますとか、そういったようなところも含めて健康相談が実施できる薬局というところがそのメリットという形になるだろうと思いますので、これを、どちらも表示の制度でございますのでそういう表示を見ていただいて、また、患者さんが見て行きやすいような、先ほどのような例えば情報提供なんということも含めて、我々としては引き続いて努力をしていきたいと思いますし、患者さんの行きやすさということにつながるようにしていきたいと思います。
 健康サポート薬局の今まで届出している薬局が地域連携薬局の認定を受けるということは、これ当然できますし、そういうふうになっていってもらいたいなというふうにも思っているわけでございますし、また、地域認定薬局の認定を受けないというところが健康サポートという機能をしっかりやっていくと、これもあっていいというふうに思います。
 そういう意味で、法改正後、これで地域連携薬局進めていくわけですが、法改正後も従来の健康サポート薬局についても引き続き推進していくということになります。
#160
○平木大作君 今御答弁の中で、両制度ともいわゆる表示に関わることだというお話がありました。私もそのとおりだなと思うわけですが、そういったときに、健康サポート薬局に関してはもうこの三年ぐらいやってきているわけであります。
 改めてこれ問いたいんですが、一般の方にこの健康サポート薬局制度、あるいは、今ロゴマークって使っているところもあるわけですけれども、このロゴマーク、どの程度認知されているのか。政府としてもこれ認知度の向上ということにやっぱりしっかり取り組んでいただく必要があると思っているんですが、ホームページの表示ということだけじゃなくて、何かもっとこの認知を上げる取組すべきじゃないでしょうか。
#161
○政府参考人(樽見英樹君) 健康サポート薬局の認知状況ですけれども、平成三十年度に私どもが実施しました薬局に来局した患者さんに対する調査というところで、健康サポート薬局について知っていますかということでいうと、知っていると回答した方は患者全体の一九・六%でした。ですが、同年に日本薬剤師会が全国の二十歳から七十九歳の男女千サンプルで意識調査を行っているんですが、こちらでは、健康サポート薬局知っていますか、知っていると答えた人は全体の八・四%でした。なので、おっしゃるように、まだまだ認知度も十分ではないというふうに思います。
 健康サポート薬局である旨の表示については、薬局の外側の見えやすい場所に掲示することとしまして、厚生労働省基準適合というふうなことを併せて表示していただいてもいいですよというようなことを言っているところでございますし、ロゴマークは関係団体において作って使用されているというものでございますけれども、こうした点も含めまして、今回の法改正を契機に、健康サポート薬局、あるいは今度の地域連携薬局、専門医療機関連携薬局、こうした制度の趣旨についてしっかりと周知を図って認知度の向上に努めていきたいと思います。
#162
○平木大作君 今、一九・六%とか八・四%とお示しいただいたわけですが、実際にこれ、薬局の店頭まで来てアンケートにまで御協力いただける方の認知なわけですから、一般になかなか、そうそう行かないなという方はもっと低くなるんだろうというふうに思うわけです。
 改めて今、門前薬局というものがとても注目を集めているというか、批判されているわけですけれども、これ裏を返すと、多くの方にとって薬局を選ぶ基準ってやっぱり圧倒的に利便性、立地がほとんど全てを決めるというような世界が今あるわけですね。病院を出て右隣が薬局ですと言われて、いやいや、隣に薬局あるんだけれども、私はあの薬局に行くんだ、あの薬剤師さんのところに行くんだといって、ある意味その選ぶ基準が大きく変わるかどうかというのはとても重要な話でありまして、これに、例えば努力なしに立地だけに甘んじることがないように調剤報酬を変えるとか、そういったやり方は当然あるわけですけれども、これはあくまでも国民の側には関係のない話なわけですね。
 やっぱり、知っていただいて、そして選んでいただいて何ぼということでありますから、ある意味そうするには、今、今回の法律でまさに決めていただいたように、一つはやっぱり様々な選択肢を作っていただくということと同時に、それをいかに見える化していくかということだろうというふうに思っております。是非とも、この認知度の向上、積極的に取り組んでいただきたいとお願いを申し上げたいと思います。
 ちょっと時間も押してきましたけれども、付随して、ここまでの問いは大体利用者の側の視点からお伺いしてきたんですが、ちょっと供給側の方も確認をしておきたいと思うんです。
 これまで届出を済ませられました健康サポート薬局について、経営の実態とか、今どの辺が課題を持っていらっしゃるのか、これ、政府として、厚労省としてどの程度把握しているのかということをお伺いしたいんです。
 例えば、私がちょっと店頭へ行っていろいろ聞いたときに言われたのは、いわゆる新たに取りそろえたOTC薬、これが結構期限切れで廃棄しなきゃいけない、これは重荷なんだという声をいただいたわけですけれども、これ、政府の御認識をお伺いしたいと思います。
#163
○政府参考人(樽見英樹君) 健康サポート薬局、平成二十八年十月から届出を開始しておりまして、それ以降いろんな御意見があるということでございます。
 厚生労働省のかかりつけ薬剤師・薬局に関する調査というものの一環として、薬局を対象にしてアンケートもやっております。アンケートでございますので数値的な処理ということには適さないと思いますけれども、健康サポート薬局の要件についてこんな意見がありました。業務が忙しくて薬剤師が健康サポート薬局に係る研修を受講する時間がない、あるいはその認定の手続が煩雑である、それから、先生御指摘の一般用医薬品は、これ置かないといけないんですが、売れなければ期限切れ廃棄にしかならず、小さな基準では基準が満たせないといった御意見が出てきております。
 こうしたものについて、これまでもQアンドA等で基準を明確化するとともに、柔軟な運用が可能であるものについてはお示しをするようにということで努めてきたところでございますけれども、引き続きまして、ちょっと薬局等関係者の意見などをこの機会に改めて丁寧に聞きながら、健康サポート薬局の課題などを把握をして、必要な要件の見直しなどに取り組んでいきたいというふうに思います。
#164
○平木大作君 この点についてはアンケート調査等をやっていただいているというふうに聞いてちょっと安心もしたんですが、研修については二万人を超える薬剤師の皆さんがもう受けられているという答弁もこれまでにありました。そういった研修を受けたんだけど、実際にこれ看板掲げてしまうと経営がちょっとやりづらくなるから、ある意味まだこの健康サポート薬局の看板を掲げていないというところもあるかもしれませんので、そういったところ、しっかり見ていただきたいと思います。
 この法案の議論の中で、薬剤師の役割として対物から対人へということをずっと繰り返し語られてきたわけですが、私、ちょっとここで議論が一周しちゃうようなところがあるんですが、こうやって学んでくると、改めて、対人も当然大事なんだけれども、見えないところで行われている対物業務ってやっぱり大事だなということも同時に今思い至るところがありまして、なかなか、これから高齢化がどんどん進んでいく、先ほども多くの薬剤を服用される方のお話がありましたけれども、この服用、いろんな種類の服用をちゃんとチェックしなきゃいけない、診断どおりの薬が出ているかどうかをチェックしなきゃいけないみたいな中で、ある意味、最近ちょっと話題にもなっていますけれども、偽造薬の調剤、流通みたいな不正あるいは事件、こういったものを防止もしなければいけないということがある。
 いろんな実は対物業務についても負荷というか責任が重くなってくるわけでありまして、改めて、薬剤師の皆さんの倫理規範の確立ですとか薬剤を扱う上での更なる専門性の向上、こういったところについて厚労省としてどのように取り組むのか、教えていただきたいと思います。
#165
○政府参考人(樽見英樹君) まさに先生おっしゃるとおり、二十七年の薬局ビジョン以来、対人業務充実と言ってきたんですが、ただ、これは対物業務を軽視するという趣旨ではございません。薬局で医薬品を適切に管理して、薬剤師が専門的な知識に基づいて正しく調剤するということ、これを当然の前提にしたものというふうに考えているところでございます。
 その上で、薬剤師の倫理ということになりますと、日本薬剤師会が平成三十年に薬剤師行動規範というものを制定をしてございます。そこで、薬剤師は、社会的使命、責任等を踏まえて、薬剤師としての具体的な行動の価値判断とその基準を示しているということになっているわけでございまして、厚生労働省としてもこの行動規範を様々な機会を捉えて周知をしているという取組をしております。
 不正事案につきましては、この薬剤師行動規範において法令の遵守が規定されているということでございますし、今回の法改正においても許可等業者の法令遵守体制というものを義務付けるということにしているところでございますので、こういうものと相まって、不正事案というのが起きないようにしていくというふうに思います。
 また、この薬剤師行動規範では生涯研さんということも規定をされております。専門性を高めるということ、重要でございますので、厚生労働省におきましても、関係団体が実施している薬剤師の専門性向上に必要な知識、技能を習得させるための研修プログラムというものを、その作成などを支援しているという取組をしております。
#166
○平木大作君 時間なくなりましたので、最後一問飛ばしまして、最後の問い、オンライン服薬指導について私も一問ちょっと確認をしておきたいと思います。
 今例外とされる、よく説明されるオンライン服薬指導ですけれども、なし崩し的に原則化するんじゃないかということがやっぱり現場から懸念の声として上がっているわけです。
 実際にこれ、厚労省で今説明していただいている説明資料とかポンチ絵みたいなのだと例外的に行うと確かに書いてあるんですけど、法律読むとそうは書いていないんですね。これ、薬剤師が対面で行うと書いてあって、この対面の中に括弧書きでオンラインでの指導を含むと書いてあるわけでありまして、こうなるとどうなんだというふうにやっぱり思うわけであります。だからこそ、今後、省令の中で定めるこの運用の基準がどうなるのかということがとても大事なわけであります。
 いろいろあると思うんですけれども、ここをしっかりと、そもそもこの制度を導入するに当たっての原点に立ち返って、やっぱりかかりつけの薬剤師の方がちゃんとこれはやるんだということについては明確に基準の中に入れるべきだと私は思うんですが、最後、いかがでしょうか。
#167
○政府参考人(樽見英樹君) このオンライン服薬指導、テレビ電話等による服薬指導と言っておりましたけど、オンライン服薬指導については、実は診療の方で、これも以前から申し上げておりますけれども、医療の診療の方で平成三十年三月にオンライン診療というものについてガイドラインができて、これに基づく診療というものが行われているというふうになっているところでございます。そこで、初回は必ず対面診療にするとか、あるいは診療の計画というものを作成して、共有した上で行うんですということが書いてあるわけでございます。
 今回のいわゆるオンライン服薬指導ということについても、こういうオンライン診療が一定のルールの下で実施されているという状況を踏まえて、薬剤の適正使用を確保することが可能と考えられる場合に限り服薬指導を認めるということでございますので、法律上要件が明示的に書いていないからどんどん広がってしまうというものではないということでございます。
 このオンライン診療ガイドラインの方を踏まえまして、基本的には対面とオンラインによる服薬指導というのを適切に組み合わせるということがオンライン服薬指導を行う上での条件というふうになるというふうに考えているところでございまして、御指摘の点含めまして、今後、各専門家の御意見も聞きながら、ルールの整備ということを行ってまいりたいと考えております。
#168
○平木大作君 ありがとうございました。終わります。
#169
○古川俊治君 それでは、自由民主党、古川俊治から質問させていただきます。
 私は四年ぶりにこの委員会に帰らせていただきまして、四年間鬱憤がたまっていますので、是非遠慮せずに突っ込みを入れたいというふうに思いますから、覚悟していただきたいというふうに思います。
 この法案の審議の中でも、日本は医薬品と医療機器が総額で大体輸入超過が三兆円ぐらいあると、加藤大臣も衆議院の委員会で、この点について、基礎研究の力、開発の力、あるいは開発から実際の製品につなげていく力などが問題ではないかという問題意識を述べられているんですね。もちろん、私も、この日本で使われている新薬の多くが海外オリジンであるということ、できる限り日本の創薬力を上げていくことは大変重要だというふうに認識しているんですけれども、ただ、だから日本の企業の、今この日本経済にとってお荷物だとか、あるいは日本の公的な資源、財源が海外に流出しているという議論はちょっと正確ではないと、それは創薬力の問題ではないと思っています。
 これ、よく見ていただきたいんですが、資料一なんですけれども、これ圧倒的に世界で創薬力のある国であるアメリカは、世界一の実は医薬品の輸入超過国なんですね。これ、創薬力と全く関係ないんですよ。要はどこで作るかどうか。もうグローバル企業ですから、どこで作ってもいいんですね。これ、ちょっとよく見るとアイルランドなんか出ているんですけれども、ここは、アイルランドというのは、タックスヘイブンに逃げるような税制が認められる国であるので、これ税制の問題だというふうに私は思っているんですけれども。
 そうやって、いろんな事情で実は製造立地というものが決まってくると。ですから、もちろん創薬力を上げていくことは重要ですけれども、だから、創薬力を上げればこの輸入超過がなくなるというわけではないということをまず申し上げたいんですね。
 次に、資料二を見ていただきたいんですが、日本企業、これ見ていただくと分かるんですけれども、海外で四兆七千五百六十二億円売っているんですよね。ところが、医薬品の輸出は五千五百九十二億円しかないんですよ。ほとんど日本企業というのは現地生産やっているんですね、これ。一方で、海外の企業は大体売上高の、ちょっと輸出入見ていただければ分かるんですが、大体六〇から一〇〇%ぐらいを、実態で輸入と大体合うんですよね。多くの恐らく海外の企業というのは、日本で作ることはなく、他国で作って持ってきていると、こういうふうに思うんですね。
 あと、ただ、もう一つ注目していただきたいのは、これ日本企業の海外での売上高というのは、海外企業の日本での売上高よりも随分大きいんですよね、日本企業が外で売っている方が大きいんです。ということは、この売上げを通じて日本には技術収入が入ってくる。技術輸出は五千億ぐらいの黒字なんですね、これね。だから、技術はちゃんと輸出できている。で、ほかにやっぱり対外投資していますから、日本企業は。それによる利益も上がってくるわけですよね。ですから、全体で見ると実際どうなっているかよく分からない、これ。輸入超過だからと言うが、海外の保険の財源も日本には入ってきているんです、そういう意味では。
 今更、例えば日本がこれから税率を下げるとか、電気料金がとても下がるとか、人件費がとても安くなるとか、土地がとても大きくなるとか、そういうことは余り考えられないので、やっぱり製造立地ということだとすごく不利だと思うんですよ。これからどんなに恐らく創薬力上がっていっても、これは赤字、輸入超過の問題はなくならないと。ですから、余りそういった視点じゃなくて、日本はやはり創薬国、一つの創薬国としてもうグローバルに産業を育てていく、そして、SDGsに貢献をして、世界の人たちに貢献をして、世界経済を引っ張っていって、それに波及して日本の経済も上がっていくと、そういう視点が大事だと思うんですけれども、加藤大臣、いかがでしょうか。
#170
○国務大臣(加藤勝信君) 今、古川委員からお話がありました。
 輸入、輸出というのは単に物の動きでありますけれども、それに加えて知財収入等、技術に基づくそうした収入も、これをトータルで考えていかなきゃいけません。特に付加価値の高い知識集約型産業になれば、むしろそっちの要素の方が大きいのかもしれません。
 したがって、そういった意味において、この我が国の医薬品あるいは医療機器産業をしっかりと育てていくということが、単に物だけじゃなくてトータルとしての技術収入も含めて、これが海外からそういった所得が入ることがまたこの国の投資にもつながっていくわけですから、これは成長の大変大事な要素につながっていくというふうに思います。
 したがって、そうした革新的な医薬品、医療機器が生み出されていくその根源がちゃんとやっぱり国内にあって、生産拠点はどこでするかは別としても、そういう根源があるからこそ逆に、一国だけで全部じゃなくても、国際的な今共同研究というのがどんどん出てきますけど、やっぱりそれをするに当たっても国内的な基盤が一定なければそういった連携もできないんだろうというふうに思いますので、そういった点をしっかりと認識をしながら、特に研究開発投資が促進されていけるように我々としても積極的に展開をしていきたいというふうに思っております。
#171
○古川俊治君 是非、税制のこともございますし、あるいは診療報酬も一つのある意味では企業にとって環境ですから、余り、薬価下げればいいという話だけではなくて、もうちょっと世界でやっぱり医薬品を育てていくという観点からも、是非財務省に負けないで頑張ってください。
 次に、医薬品と医療機器の条件付早期承認制度の話をちょっとしたいんですけど、これは再生医療等製品の条件・期限付承認とは異なって、再申請要らないんですね。本承認なんです、これ。それで、この趣旨について、樽見局長は、患者数が少ないなどの理由で検証的臨床試験の実施が困難あるいは長期間要するものについて、企業の予見可能性を高めて開発のインセンティブを与えると、こういう御答弁をいただいています。
 患者数が少なくてなかなか検証的な試験ができないというのは別に医薬品と医療機器に限った話じゃなくて、再生医療等製品もそうなんですよ、希少疾患には使えますからね。ところが、再生医療等製品の場合は条件付早期承認制度じゃなくて、あくまでも条件・期限付承認制度に行かなきゃいけなくなっているんですね。これ、再生医療等製品にはないですから、条件付早期承認制度はですね。
 反対に、実は、有効な治療法がないそういう疾患、例えば胃がんなんかそうなんですけど、それで、ただ、患者数はとても多いので検証的な臨床試験は全然できるんですね。そういう疾患には実はこの条件付早期承認制度は認められない、患者数が多くて検証的試験ができるわけですから。ですけれども、今、実は抗がん剤なんかは二相、すなわち探索的な臨床試験でもう認めちゃって、そして三相試験は後にやる、承認後にやるということは運用としてずっとやってきたんですね。
 実は、それも今回もし制度化できるのであれば、医薬品についても条件付の、あるいは条件・期限付の早期承認制度というのを再生医療等製品と同じように認めた方がいいと私は思うんですね。
 だから、何を言いたいかというと、この条件付早期承認制度と条件・期限付承認制度、この二つは別に再生医療等製品と医薬品、医療機器で分ける必要はないんですよ。三つに共通して、どっちか合う方を使えばいいと思うんですね、二つの制度で。それがそういう制度になっていないんですけど、局長、いかがでしょうか。
#172
○政府参考人(樽見英樹君) 御指摘の再生医療等製品につきましては、ヒト由来の生きた細胞などを加工して製造されるということで、そういう意味で材料の品質が不均一であって、有効性の評価そのものが困難な場合があるという特性を持っているというところがこの再生医療等製品の特性でございます。そういう観点から、再生医療等製品については、有効性が推定され安全性が確認されれば、承認に期限を付した上で条件を付けて早期に承認できる仕組みということで、条件・期限付承認制度というものを平成二十五年の薬事法改正のときに設けたということでございます。
 ですが、一方で、この医薬品、医療機器の今回の条件付早期承認でございますけれども、重篤で有効な治療方法に乏しい疾患の医薬品などで、患者数が少ないなどの理由で検証的臨床試験の実施が困難なもの、あるいはそれに長期間を要するものについて、製造販売後に有効性、安全性の再確認のための必要な調査を実施するということなどを承認時に条件として付すことによって、医療上特に必要性が高い医薬品を速やかに患者に届けるということを図るものでございます。
 したがいまして、探索的臨床試験で一定程度有効性、安全性について確認する医薬品、医療機器の条件付早期承認の場合と、再生医療製品は元々品質が不均一なので有効性の評価が困難な場合があるということで、有効性の推定と安全性の確認ということに基づいて承認をするけれども期限を付けるというところについて、性質が異なるという扱いをしているという、そういう整理でございます。
#173
○古川俊治君 別段、生体材料を用いているから有効性の評価が難しいというのは、サイエンティフィックな議論じゃないんですよね。だって、どれだけ患者さんを使ってどれだけの成績が出たかということ、これは別に医薬品と再生医療等製品で評価を分けているわけじゃないですから。だから、もうそれは制度がそうなっているという今の説明なんですけど、両方適している、私が挙げた例のように、やっぱり制度としてありますから、検証的な臨床試験ができるのにやはり早期に承認すべきものというのは、現に抗がん剤なんてやっていらっしゃるじゃないですか。ですから、そういうのも含めて制度を今後うまく運用していただきたい。これだけはもう、ちょっと申し上げておきたいと思います。
 それから、この法案の審議の中で、先ほど川田委員からも御質問ありましたけれども、再生医療等製品の条件・期限付承認制度、これは問題じゃないかというお話があって、ただ、私は思うんですけれども、再生医療というのは、例えば脊髄損傷ですとか心不全、重症の、もう後戻りできない心不全ですね、そういうのについては、ほとんどほかに治療法がないんですよ、全くない。そういう中で、もう現に根本的な治療法になるかと期待できるようなデータが次々に出てきている。これは事実なんですね。条件・期限付承認制度というのは、あくまでも安全性については本承認と同じレベルで見るから。そうじゃないとないんですよ、ほかに治療法が。だからこそ、一回やってみて有効性については検証してみようと、そういう制度なので。
 ネイチャーには政府の方から実は反論を出しているんですけれども、一切取り上げないんですね。あれはちょっと公平性を欠いている私は態度だと思うんですね。
 ただ、今、再生医療等製品でやっているのって、生体幹細胞を使っているかiPSを使うかとか、あるいは自己の細胞を使うか他家を使うか、あるいはこれ、遺伝子治療まで全部入っているんですね。こういういろんなものをカテゴリーの中に入れちゃっている上に、再生医療って、今いろいろやっていますけれども、技術的にも非常に玉石混交です。技術レベルも様々です。一個何かこれから再生医療等製品のことで間違いが起こると、その間違っているカテゴリーだけじゃなくて全部が止まっちゃうような気がするんですね、いいものも全て。それを非常に私は懸念していて、これから先、今の再生医療等製品の評価、ここから先、本承認に行くんですけど、そこは本当に科学的にやっていただきたいというふうに思っているんですね。
 ちょっと言っておきますと、例えば、日本で初めて条件・期限付承認制度を通ったからとか、あるいは日本が発祥のiPSだからとか、そういう理由で何か政治的な背景で前に進めなきゃいけない、承認しなきゃいけないみたいなことを、実は前の某医薬・生活衛生局長はおっしゃったことがある、私、口走っているのをですね。やっぱりそういうプレッシャーを感じちゃいけないと、あくまでも科学的にやっていただきたいと思っていますが、ちょっと大臣、この点についてお願いします。
#174
○国務大臣(加藤勝信君) まさにおっしゃるように、こうした評価というんでしょうか、まさに科学的なベースにおいてしっかりやっていく、それに尽きるんだろうというふうに思います。
#175
○古川俊治君 ありがとうございます。
 もう次に行きますけれども、ちょっと資料の三を見ていただきたいんですね。これ、再生医療等製品の例と書いてあるんですよ、これ。それで、二〇一三年にこれを立法したときに、実は再生医療等製品として医薬品医療機器等法の中では、この二番目と三番目、エクスビボの遺伝子治療とインビボの遺伝子治療は両方とも医薬品医療機器等法では規制されています。両方とも再生医療等製品なんですね。ところが、その前の段階、未承認段階を規制する再生医療等安全確保法においては、エクスビボの遺伝子治療は規制されているんですけれども、インビボの遺伝子治療はこれは法的な規制掛けなかったんですね。ガイドラインだけに残しちゃったんですね。ですから、これのインビボの遺伝子治療は自由診療は全く無規制、そして臨床研究は一応の弱いガイドラインの規制と、そういう状況になったわけですね。
 何でこのときに、特にエクスビボの遺伝子治療というのは安全確保法の方でも第一種、一番厳しい審査ということになっているんですね。ところが、インビボの方は、全然この危険性ということは全く変わらないと思います、僕も正直言って、まだ未確立な技術ですから。ところが、こっちは無規制に終わっていたんですね。
 これ、再生医療等安全確保法とそれから医薬品医療機器等法で、このエクスビボの遺伝子治療、インビボの遺伝子治療、この取扱いが異なったというのはどういう制度趣旨だったんでしょうか。
#176
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 再生医療等安全性確保法、これは、再生医療等の医療技術の迅速かつ安全な提供及び普及の促進を図る目的ということで、当時、細胞を用いる医療技術というものに着目をして、それを対象に医療機関で行われる自由診療、臨床研究に対する規制を定めたというものだと思います。
 二つお話がございました。
 一つはインビボとエクスビボの関係でございますが、今申し上げましたように、この再生医療等安全性確保法が細胞を用いるというところに着目したということから、細胞を用いない医療技術であるインビボの遺伝子治療についてはこの安全確保法の対象に含まれていないと現在なっているということ。
 そしてまた、医薬品医療機器法、薬機法等のお話等もございました。医薬品医療機器等法につきましては、これは言わば製品の形態、使用目的に基づく物の規制というのに対して、再生医療等安全性確保法は医療技術に着目しているということにおいて、その時点における科学技術あるいは知見などに基づいて今のような整理をされたというふうに承知をしております。
#177
○古川俊治君 リスクに応じて分類をして規制したはずなんですけれども、インビボの遺伝子治療って全然リスクが別に低いわけじゃないんですよ、全く。これ見れば、どっちで入れているかだけですからね、遺伝子を、体外で入れるか体内で入れるかですから。ですので、この点は落ちちゃったというのは、ちょっと私も細かい審議はそのときできなかったので残念なんですけれども、今思えばこの両方やっていればよかったと思うんですね。こんなことも実際あります。
 それから、ほかにも、例えばエクソソームといって、今、細胞膜がなくなっちゃっているのがあるんですよ。細胞外小胞といいますけど、あれがいろんな物質を出してくる。サイトカインなんかをどんどん出していって影響しているということもあります。あるいは、細胞間の連絡に使われているということもあります。あれを培養して治療法に使うということももう起こっています、現実にですね。これはどうするのか、どうやって規制するのか、この議論は全くできていません。
 そのほかにも、例えば、衆議院の議論でしたかね、血液クレンジング療法とかいう、あれも、あの治療も話もありましたし、実は臨床研究法を作るときに、臨床研究ばっかり規制してああいうのを残しておくのはよろしくないと言って、二年間の附則を、見直し条項がちゃんと付いているんですね。あの件はやっぱりちゃんと検討して、自由診療もちゃんと規制をしていかなきゃいけないよということはそのときからもうずっと言っているんですけど。
 そのほかに、実は臨床研究法については、これは今年の春の厚生科学審議会の取りまとめにもちゃんと書いてありますけれども、要するに現場を圧迫しちゃっていると。今、認定臨床研究審査委員会をやるのに、例えば今、試算の中央値で百万円ぐらい、以上掛かるんですよ、お金が。そうすると、小さい研究者なんて百万集めてもそれで全部なんですね、公費が。それで、もう審査するだけで全く臨床研究ができないんですね。そういう状況にある。
 お金のこともそうですし、適応外の問題ですよね。例えば、今普通に使っている抗がん剤の用量、これ、ガイドラインなんかに全部載っているんですよ。これが、その添付文書を企業が変えていないから全部適応外になっちゃっているんですよ。これは法律ではなかなか読み込めないんですね、今の現状で。そういうことで、全部適応外で、全部その認定臨床研究審査委員会にかけなきゃいけない。大変な今現場は迷惑を被っています。もう半分ぐらいに減っちゃっています、今、臨床研究の実施がですね。そこは是非、私は、法律をちょっと変えないとうまくいかないので、鋭意、通常国会でも、これを改正をお願いいたしたいと思っているんですが、その点、いかがでしょうか。
#178
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今るる御指摘いただきました臨床研究法、これは、臨床研究の実施の手続等を定めることによって臨床研究に対する信頼の確保を図るということでその実施を推進するということであったと思います。
 今幾つか御指摘いただきましたこの臨床研究法につきましては、薬事未承認の医薬品あるいは適応外医薬品を用いる臨床研究等を特定臨床研究として法に基づく手続の実施を義務付けているというものでございますが、これにつきましては、その特定臨床研究の範囲、あるいはそれに至る手続に関する研究者の負担について、先ほどお話ございましたような指摘をこれまでいただいているところでございます。
 それも含めまして、この臨床研究法、先ほども委員御指摘いただきました法附則第二条における検討規定もございますことから、現在、厚生科学審議会臨床研究部会において様々な御意見、あるいはその御意見を踏まえて今後どうするかについての検討、御議論をいただいております。
 私どもとしては、その議論を踏まえまして、次なる対応について進めてまいりたいと考えております。
#179
○古川俊治君 この臨床研究法案、私が厚生労働部会長のときにまとめざるを得なかったので、非常に、やっぱり思ったことかと今思っているんですけど、ちょっと見逃した、見落としてしまった、適応外の方は完全にそのときに視野から落ちていたので、とにかく改正をしないと。ちょっとですから、是非野党の皆さんにも御理解いただいて、改正に賛成をしていただきたいというふうに思います。
 次に、ちょっとAIの話を、医療機器の話をちょっとしたいんですけれども、AI、これから恐らく臨床医の能力を超えるんじゃないかと、すごく期待が大きいんですね。
 今まで、機械学習と多分深層学習があって、機械学習だと、大体いろんな要素を入れていって重み付けを変えていく、いっぱい読み込ませることによって重み付けを変えていって、それで一番いい変数にして多分出てくるんだと思いますけれども、深層学習ということになってくると、特徴の見付け方をもう一回全部機械がやり始めるんですね。例えば、今まで分かっているようながん細胞の特徴なんかじゃなくて、全然違うところから比較をしてきて、どんどんどんどん勝手にアルゴリズムを作っていくと、こういうことになるんですね。
 私、今一番期待されているのは画像診断なんですけど、ある友人が放射線診断部の教授やっていますので、彼の意見聞くと、とにかく今出ているのはとても使えないと言っていますね。何でかというと、当たり前のところをたくさん表示してくるんだそうです。こんなところ見なくても、もう正常なところがちょっとこれおかしいんじゃないのと向こうが言ってきたり、あるいは、物すごくまれなものというのはどうしても見逃すんですね、あれ、たくさん読み込み要りますので。まれになると明らかな見落とし、どう考えても指摘しなきゃいけないような見落としが結構あるんだそうです。
 まだ、それ、ちゃんと実用に堪える段階ではなかなかないんですけれども、今後、実を言うと、これ出てきて、かなり精度が上がってきたときに、今まで例えばソフトウエアだったら、バグが出たときに、動かないとかそういうことですぐ分かった、臨床医の方もですね。だけど、これから先、AIということになってくると、何かぽんと答えが出てきて、結構それなかなか、不具合があってそれが出てきているのか、臨床医としては判断が付かないんですね、すぐ、これ間違っているという。これ、そういうリスクまで考えた上で規制しなきゃいけないと思うんですが、それはどのようにやっていくお考えでしょうか。
#180
○政府参考人(樽見英樹君) AIを使った医療機器について、こうした新技術について、次世代評価指標というものを幾つか技術について出しているんですが、そこで我々出している審査上の考え方では、医療現場で想定外の挙動、誤作動をしたときには、使用者側にそれが分かるようなシステムになるよう留意して開発してくださいという仕組みになっているわけでございます。ですので、それが分からないということは、今のところでいうと、そういうことがないように開発してくださいということに尽きるということになってしまうんですけど、これに限らず、製造販売業者、市販後にいろいろ不具合があれば、情報収集して必要な安全対策を行うということにされていますので、そういう措置は、それはそれとしてしっかりやっていかなければいかぬというふうに考えているところです。
#181
○古川俊治君 最後は多分、恐らく使うユーザーである医師の責任ということになってくる、そこで解決されるんでしょうけれども、やっぱりこれから、そういう意味では、製品事故等の問題が出てきて、本当に悪かったかどうかというのはそこで争われることになってくると思うんですね。
 今のような指針ですけど、やっぱりそういうユーザー側に分かるようにといったって、そこがまたうまくいかなかったらそれもリスクの一つですから、そこまでよく考えて、もちろんAIの臨床診断機器って物すごく期待されていますので、それも含めてよく考えていただきたいと思います。
 もう一つ、実はアメリカのAI、この診断機器というのは、医師の診断を補助するものと、それから医師の診断を代替するものということもあり得るんですね。アメリカでは医師の診断を代替するという触れ込みで、実は眼底の、網膜剥離ですかね、あれ、眼底からの、糖尿病性網膜症ですね、これを検出するような医療機器がもう承認されているんですね。
 これ、このシステムでは大体九百人の患者を対象に前向き試験を行いました。感受性が八七・四%、特異性は八九・五%で、今の世界の標準的なクライテリアを用いるよりもよく診断できたということなんですね。これで診断すると、その診断結果を基に医者にこの手術をしてくださいということをリコメンドすると、そういうシステムらしいんですね、眼科医にですね。
 恐らく、もちろんこれ医師の診断を代替するということになっていて、この診断に従うということが、一応それで医師の責任を恐らく逃れるんだと思いますけれども、最後、恐らく眼科医がそれ見て、最終的な手術の適応があるかどうかというのは多分その眼科医が判断しているんですよね。
 ということになってくると、要は、これからそのAIの画像診断なりあるいは診断補助技術というものをこれから日本で承認していく場合に、前向き試験をやらせるかどうか、あるいは後ろ向きの検証試験でいいか、この基準というのは私、非常に重要になってくると思うんですね。前向き試験をやると企業の負担もやっぱり重いですし時間も掛かる、後ろ向き試験であれば、たくさん今、枚数、画像なんかいっぱいありますから、それで済むわけですよね。
 そのときに、いずれにしても、医師を代替する目的でつくるんであれば前向き試験が必要ですよ、医師を補助するんであれば後ろ向き試験でいいですよという整理は私できないと思っていて、なぜかというと、アメリカのこういう機械なんかも、実は最終的には眼科医を補助する形になっているんですよ、これ。ということになると、どの程度診断や治療に影響しているかという、その程度の問題でしかないんですね。その程度の問題で恐らく前向き試験をやらせるかどうかが決まってくると。
 この点について、どのように今後考えていくんでしょうか。
#182
○政府参考人(樽見英樹君) なかなか難しい問題でございます。
 医療機器の有効性、安全性の評価というところでいいますと、今のような医療機器の特性、あるいはそれが使用される条件、またどういう効能効果を標榜するか、それから使用目的としてどういう範囲にするか、そういうものに応じてそれを証明するために必要な条件等というのが設定されるということになってこざるを得ない。したがって、ちょっとその前向き、後ろ向きということについても一概には言えないと思います。
 例えば、御指摘のように、画像から例えばがんの病変を検出してがんである確率を示すような診断機器というようなことでいうと、実際に使用される状況を想定した被験体を用いて標準とされる診断方法と比較をするということによってその医療機器の有効性などを評価するということになるということだろうというふうに思います。
 ただ、なかなかこういうものを一概には決められないものですから、むしろPMDAの治験相談なんかを活用していただいて、開発の段階からPMDAと相談していただいて、それが結果的に開発期間の短縮につながるということを期待したいと思っております。
#183
○古川俊治君 じゃ、次、ちょっと、PIC/Sの規制の調和の話をちょっとしたいんですけれども、今回GMPとGCTPの関係の改正もこの法案には含まれているということでお聞きしたいんですが、今までGMPは主に化合物を扱ってきましたのでその調和というのはよく分かるんですけれども、今、GCTPに関して、恐らくどこの国でも再生医療は多分始まったばかりなんですよ。
 そうなってきますと、実を言うと、細胞のどのぐらい生きているかとかバイアビリティーとか、あるいはiPS細胞だと未成熟の細胞の割合ですとか、これどうやって測るというその標準的な手法もまだ開発されていないんですね。それで何か標準化していこうという議論はどうやって審議しているんだろうかなと思っていて、これ是非、さっきちょっと国際競争の関連もありましたけど、GCTPのやはり規制というのもなかなか今難しい中で、日本がリードしていくということはやっぱり必要だと思うんですが、この点についていかがですか。
#184
○政府参考人(樽見英樹君) 再生医療等製品については、最初に申し上げたとおり、生きた細胞などを加工するということで、品質の担保というのはなかなか容易ではないという特性があるわけでございます。したがって、医薬品のGMP、均一な製造、製品製造を行うための基準と違いまして、再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準ということでGCTPというものを省令で定めているということでございます。
 これ、じゃ、国際的にどうなっているかといいますと、それぞれの国において医薬品GMPの枠組みの中でその特性を踏まえた基準を策定して運用しているというふうに承知をしておりまして、国際標準になるような共通の基準が確立しているわけではない。これは、まさにおっしゃるとおり、なかなか難しい問題です。
 今、GMPについて、国際標準ということについての取組をやっているのが御指摘のPIC/Sということで、医薬品等の査察に係る基準の整合化を検討する協同スキームという言い方をしておりますけれども、そこにおいて再生医療等製品の品質管理の国際基準というものについて検討が進められているというところでございます。
 このPIC/Sは、今年、我が国で初めて十一月十一日から十五日まで富山市で開催されたということでございまして、我が国としても積極的に取り組んでいるところでございますので、この国際基準の検討に積極的に参画をし、また、それによって基準が策定された場合には、GCTP省令ということを改正するということを含めて、適切に対応していきたいと考えております。
#185
○古川俊治君 ありがとうございました。
#186
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 医療品等行政評価・監視委員会について質問いたします。
 薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討会、これがまとめました最終提言から九年、ようやくこれ、第三者組織、求められていたものが設置されることになったということです。
 これまでも繰り返し薬害を引き起こしてきた企業、被害の拡大を防止できなかった政府、これに対して監視、評価を行う組織ということですから、当然、より高い第三者性が要求されるということになろうかと思います。そこで、この第三者性の担保について、衆議院で樽見局長が答弁されています。自ら議題を決めて審議できる仕組みにしていると、これ、一番の理由に挙げられておりました。
 そこで、確認いたします。この委員会ですけれども、国家行政組織法に基づく八条委員会という位置付けでよいのか。そして、法文には、局長そう説明しているんだけれども、自ら議題を決めて審議できると、こういう規定はないんですよ。それ、一体どこで担保するのか。政令に書き込むと、こういうことでいいんでしょうか。
#187
○政府参考人(樽見英樹君) まず、委員御指摘のとおり、この委員会は国家行政組織法第八条に基づくいわゆる八条委員会という位置付けでございます。
 委員会が行う審議について法律にどういうことになっているかということでございますが、法律上、厚生労働大臣の諮問が前提とされておらないという仕組みになっておりますので、委員会が自ら議題を決めて審議できるということでありますので、特に政令に書くとかということではなくて、これはもうそういうものであると、委員会が、逆に、諮問がなければ議論できないという仕組みになっておらないので、そういうことができると、そういうことでございます。
#188
○倉林明子君 書いてないんですよ。政令でも書かないという意向らしいということが分かったんですけれども、やっぱり私は法文上もはっきりさせる必要があるんじゃないかということを指摘したい。
 それは、八条委員会の中でも消費者委員会、食品安全委員会、これ所管庁じゃなくて内閣府に設置をされております八条委員会ですけど、それぞれの設置に関する根拠法、これ読みますと、いずれも自ら調査や評価できると法文上も明確なんですよ。そういう意味では、法文には書かれてないわけなので、せめて政令でも私はしっかり明記する必要があるということなんです。
 確かに、今度の委員会では行政機関に対する勧告、意見が大臣に対して行えるということになるんだけれども、問題企業に対して直接命令とか勧告とか出すことできません。人事、予算、これも厚労省が決めることになります。公取のような三条委員会には及ばないし、同じ八条委員会でも消費者委員会とか食品安全委員会の独立性にもこれ及ばないと思うんですね。これでスタートすることに、私、合意せざるを得なかった原告団って、やっぱり苦渋の決断があったと思うんですね、九年間掛かってこのスタートということですから。
 大臣に聞きたいと思うんですよ。薬害根絶に向けて、委員会の在り方については、やっぱり原告団の意見も踏まえて、独立性、これ高めていくということについては検証と見直し、不断にされるべきだと思う。いかがでしょうか。
#189
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のとおり、長い期間掛けてきてやっと合意ができて、今回の閣法の中に盛り込ませていただいたわけでありますけれども、この医薬品等行政評価・監視委員会、公正中立な立場で評価、監視を行えるよう独立性を確保するということが大変大事でありまして、そういったように、今、最終提言やあるいは薬害肝炎訴訟の原告団との協議結果も踏まえて、今この法案でこうしたいろいろな規定を入れ込んでいるわけでありまして、まず大事なことは、これに沿ってきちんとした委員会を選任をし、大臣官房に事務局をつくりと、一つ一つやっていくということがまず私たちの役割だと思います。
 その上において、この法律には、施行五年を目途として、施行状況を勘案して、必要があると認めるときは改正後の各法律について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の検討規定が設けられているわけでありますから、当然、この医薬品等行政評価・監視委員会の在り方についても、この規定の趣旨を踏まえながら対応していくことになるわけであります。
#190
○倉林明子君 ちょっと確認するのを忘れたので、おさらいで確認したいんですけれども、法文上は、自ら決める、自ら審議できるというものはないと、政令にも書かない、書かないようだと申し上げたんだけど、政令にはせめて書き込むべきだと、これについては答弁もらっておきたい。どうですか。
#191
○政府参考人(樽見英樹君) 済みません、法律の言わば立て付けといいますか、法律上諮問が前提とされておらないので、委員会が自ら議題を決めて審議できるということになりますので、これに更に加えて政令に規定するということは今予定しておりません。
#192
○倉林明子君 自らできるということが明文化されないということが問題だと思っているんです。
 やっぱりこの委員会が果たすべき役割は、機能からいって、自らできるという規定を法律上も、法律上今回書かれていないということになっているので、今後やっぱり政令でも明文化する、根拠規定として私はきちんと置くべきだということで申し上げておりますので、その点は、もうこれで規定されているということにとどめずに、食品安全委員会とか消費者委員会とか、八条委員会でもやっているんだから、そこは是非検討を強く求めておきたいと思います。
 その上で、薬害の再発防止の目的に資する委員が選定されるのかどうか、議論もありましたけれども、私もこれ極めて重要だと思っております。薬害被害当事者が複数参加すること及び当事者の意見がしっかり反映できる仕組みというのが求められると思います。
 これ、あわせて、当然のことだと思うんですけれども、確認したい。委員会の議事録及び資料については公開が原則、これでよろしいでしょうか。
#193
○政府参考人(樽見英樹君) 法律上、この医薬品等行政評価・監視委員会の委員ですけれども、医薬品等の安全性の確保等に関して優れた識見を有する方の中から十名以内を任命するということになっているわけでございます。
 検証委員会の最終提言では、委員の構成について、医学、薬学の有識者、医薬品等の副作用による健康被害を受けた方、それから医薬品等を使う立場の市民、法律家などが考えられるということでございますので、具体的な人選については法律成立させていただいた後に行っていくことになりますけれども、まさにその公正中立な立場で医薬品行政を評価、監視していただくのにふさわしい委員ということで選任するということにしているわけでございます。また同時に、その人選の透明性を高めるということからしますと、委員を選任した際には、その理由というようなものについては明らかにしていきたいというふうに考えています。
 それから、公開でございます。一般に、国の審議会は、会議、議事録、資料を原則公開することというふうにされております。これは審議会等の整理合理化に関する基本的計画のところでそういうふうにされていますので、こうしたルールに即した公開ルールというものを委員会において決めていただくことになるというふうに考えております。
#194
○倉林明子君 一般的には公開ということで考えている、一般の審議会と同等に公開ということで考えているということで受け止めました。
 公正中立な人、識見のある人たちを選んでいくという話なんだけれども、私は、当然それは条件として求められることは言うまでもないんだけれども、この委員会については、さらに資質としてやっぱり薬害の再発防止、これが、もうこの目的に資するということが非常に大事になってくると思っているんです。だからこそ、薬害被害当事者の複数参加ということも重ねてこれ求めておきたいと思うんです。
 委員の任命権は厚生労働大臣ということになります。しかし、見てみますと、午前中の議論にもありましたけれども、法文上は製薬企業等の利害関係者を排除するというような規定はないんですよね。やっぱり被害当事者の意見がしっかり反映できる、こういう仕組みを強く求めておきたいというふうに思います。
 先ほど来議論もありましたけれども、薬害防止、これとやっぱり大きく矛盾すると思っておりますのが条件付早期承認制度の法制化であります。
 医薬品等の安全性、有効性の担保、これは、検証的臨床試験、これをしっかりされることにあるというのが大原則じゃないのかと思っております。今回の法制化によりまして、承認前後の検証的臨床試験を初めて法律で求めないと、条件は付けるけどですね、そういう踏み込んだ改正になっていると思うんです。承認条件である製造販売後の調査、これはリアルワールドデータ、片仮名はよう分からぬと、これ認めるというわけですけれども、このリアルワールドデータというのは一体どんなデータかと、そして、その活用によって医薬品等の安全性や有効性というのはどうやって再確認できるのか、分かりやすく説明いただきたい、短めにね。
#195
○政府参考人(樽見英樹君) 簡潔に御答弁するように努力します。
 条件付早期承認制度ですけれども、まさにこの制度に基づいて承認された医薬品等の有効性、安全性を適切に評価する、そのために製造販売後に試験や調査等の実施を課すということでございまして、そこの調査において実際の臨床の環境で収集されたデータも用いることは可能だと、この実臨床の環境で収集されたデータというところをリアルワールドデータというふうに言っているわけでございます。
 そのリアルワールドデータは、だから、まさに使えるデータでないといけませんので、それはどういうことかということで例を申しますと、例えば、患者数が少ない疾病の医薬品等に対して、その疾病の患者に対する医療情報を登録したデータベース、患者さんの登録みたいなことをやっているところがございます、こういうデータベースに含まれる検査値、副作用情報、あるいはそういう転帰などの各種データ、これを有効性、安全性を確認するために活用するということが想定されるということでございます。
 これ、今例として申し上げたんですが、まさに、ちょっと承認審査の個別の品目ごとにここはどういうデータが必要で有効かということについては検討していくという形になろうと思います。
#196
○倉林明子君 つまり、実際の治療の中で使っていったデータになるんじゃないかなと思うんですね。
 医薬品医療機器制度部会、この委員の先生から、やっぱりリアルワールドデータの活用によって有効性があるのかどうか分からない薬が承認されることにならないかと、つまり有効性の確実なデータとして使えるのかという指摘は、本当にそうだと思って私も読ませていただきました。
 新薬の承認の根拠として、このリアルワールドデータ、これを活用している海外の事例というのはあるんでしょうか。
#197
○政府参考人(樽見英樹君) 最近の事例を一つ御紹介いたしますと、今年の四月、米国のFDAが、ファイザー社が販売する女性乳がんの治療薬でございますパルボシクリブという薬がございますが、これを男性乳がんに対する効能効果の追加というものを承認したわけでございますけれども、この際に、男性の乳がん患者に本剤を使用した際の使用患者の背景情報、投薬の状況及び治療経過という、そういうものが含まれた医療記録、それからアメリカのレセプトですね、そのレセプトの情報、そういうものを利用して承認をしたというふうに承知をしております。
#198
○倉林明子君 一つはあったということらしいんですけれども、海外ではかなり批判的で抑制的だというふうに聞いております。
 先ほど議論もありました、既に再生医療等製品に導入されている条件付・期限付承認制度、これはもう既にやられているわけですけれども、世界初の再生医療等製品ということで開発されたのが脊髄損傷治療薬ステミラック注と、先ほど来出ていました。これ、昨年末、七年間の期限付で承認され、これ世界を驚かせたと、先ほど議論と反論の経過の説明がありました。
 これ、私も見ましたけれども、PMDAの審査報告書も読ませていただきましたけれども、たった十三例の症例のうち十二症例で改善が認められたということになっているんですね。無作為比較臨床試験実施されてもいないということで、指摘もありました。このステミラック注のPMDAの審査報告書を読みますと、設計がどうなっているかというところを見れば、標準的治療を実施した場合の経過に関する比較可能な対照データを取得しておくべきだったと、こういうふうに指摘があるんですよ。
 それもそうだと思うんです。なぜかといえば、脊損患者というのは毎年新規で五千人ほど症例があるというふうに伺っております。そもそも対象の患者さん、たくさんいるわけですね。希少疾患と言えるのかと。治療群と対照群の治験対象者そろえる、これに相当な時間要するようなものじゃないと思うんだけれども、これ、どうでしょうか。
#199
○政府参考人(樽見英樹君) 脊髄損傷の年間新規発生患者数、御指摘のとおり約五千人ということでございますけれども、このステミラック注の対象はその中での重症患者に投与する製品ということになりますので、対象となる患者は更に限定されるという関係にあるということでございます。これは薬価収載時の予測患者数という推計でございますけれども、年間二百四十九人というふうにされているということでございます。
 これは先ほどネイチャーの指摘等も含めて申し上げましたけれども、これについては、対照群から骨髄採取してプラセボを投与するといったようなことがなかなか難しい、倫理的に問題を生ずるというようなことでございますので、対照群の治験参加者を設定するというようなことはそもそもなかなか困難な事例ということであろうというふうに考えております。
#200
○倉林明子君 まだまだ症例数の少ない、製品数も少ないという中で、こうやって本当に拙速に進めていいのかということで、非常に危惧しております。有効性、そして安全性、もう最大限確保するというのが薬事行政には本当に求められていると思うんですよ。そういう意味で、これまでやってきた、通知等でやってきた、再生医療品等でやってきた、こういうものの安全性や有効性はどうだったのかという検証はやっぱり十分された上で提案されるべきものではないのかということは本当に強く指摘したいと思います。
 さらに、検証が不十分なまま踏み込もうとしているんじゃないかというふうに思っておりますのが、オンラインの服薬指導の問題です。薬剤師でもある与党の先生からもいろいろ課題はあるという心配の指摘があったし、私もそのとおりだと思います。これ、課題、この点でも十分な検証はどうだったのかということを指摘せざるを得ないと思います。余りにも拙速じゃないかと思うんですよ。大臣、いかがですか。
#201
○国務大臣(加藤勝信君) こうしたいわゆる情報通信技術が進展をしておるわけでありますから、それをどう安全な形の中でこれを医療提供等に取り込んでいくのかと、これは大事なことだというふうに思います。
 御承知のように、もうオンライン診療が既に平成三十年三月からスタートしておりまして、指針も策定され、それに基づいた診療が行われている。こうした中で、医師の処方に基づいて調剤された薬剤に対する服薬指導は、御指摘のように、現行法上、対面の実施が一律に義務付けられておりまして、特区以外においてはオンラインの服薬指導は認められていない、これが今の現状でありますが、今回の改正は、先ほど申し上げたオンライン診療の進捗状況などを踏まえて、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会における議論も踏まえた上で、薬剤の適正使用を確保することが可能と考えられる場合に限ってオンラインによる服薬指導を認めていこうとするものであります。
#202
○倉林明子君 今回の規制緩和の部分について言いますと、やっぱり繰り返し製薬業界からの要望に応えた形になっているんじゃないかという指摘をせざるを得ないと思うんですね。
 私、やっぱり薬害をこれだけ繰り返してきた我が国において、こういう規制緩和を進めるということについては、より慎重で、より検証の上に検証を重ねて進めていくべきものであるというふうに思うんですよ。
 再び薬害の被害を繰り返すようなことは絶対起こしてはならないと強く指摘申し上げまして、終わります。
#203
○委員長(そのだ修光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#204
○倉林明子君 私は、日本共産党を代表して、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行います。
 薬機法等の改定に当たっては、悲惨な薬害の歴史を二度と繰り返さない、医薬品の安全性確保に資するものでなければなりません。今回の法改定で、原告団との協議を踏まえ、ようやく医薬品等行政評価・監視委員会設置が盛り込まれました。しかし、その独立性は不十分なものであり、更なる見直しを求めるものです。さらに、本法案は、医薬品の安全性、有効性を大きく後退させかねない規制緩和が盛り込まれており、到底容認できません。
 以下、反対の理由を申し上げます。
 第一に、検証的臨床試験を承認前にも承認後にも求めない条件付早期承認制度の法制化は、医薬品の安全性、有効性を大幅に後退させる懸念があるからです。
 これまで例外的に少人数の臨床試験データで早期承認した場合でも、市販後に検証的臨床試験を実施して、安全性、有効性を証明することが求められてきました。しかし、今回法制化される条件付早期承認制度では、承認条件である製造販売後の調査について、臨床試験を伴わないリアルワールドデータの活用を認めることとしています。リアルワールドデータの活用には問題も多く、諸外国でも慎重な取扱いをしているのが現状です。医薬品の安全性、有効性を大幅に後退させる規制緩和を法制化してしまえば、悲惨な薬害の歴史を再び繰り返しかねません。条件付早期承認制度の法制化は認めるわけにはまいりません。
 第二は、実証の検証なしに、なし崩し的にオンライン服薬指導を解禁しようとしている点です。
 政府は、成長戦略の一環として国家戦略特区内の過疎地域などでの実証を進め、さらには都市部での実施も解禁しています。オンライン服薬指導は、医療情報の取得や提供の質、患者との信頼関係の醸成などに照らしても、離島、へき地など、医療機関や薬局に赴くことが困難な患者に対し、医療アクセスを保障する上でやむを得ない場合に限り、慎重に実施されなければなりません。なし崩しのオンライン服薬指導を解禁することは容認できません。
 以上を指摘し、私の反対討論といたします。
#205
○委員長(そのだ修光君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手をお願いします。
   〔賛成者挙手〕
#206
○委員長(そのだ修光君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
#207
○足立信也君 私は、ただいま可決されました医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲・国民.新緑風会・社民及び公明党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一、国民のニーズに応える優れた医薬品・医療機器等をより安全かつ迅速に医療現場に届けるため、医薬品医療機器総合機構の体制について更なる強化を図ること。
 二、アジア諸国等における革新的医薬品・医療機器等のアクセス向上に向けて、規制調和に向けた環境整備や規制当局間の連携強化を図るとともに、そのために必要な医薬品医療機器総合機構等における体制を整備すること。
 三、条件付き早期承認制度の対象となる医薬品等の適応疾患について、生命に重大な影響がある疾患(致死的疾患)、病気の進行が不可逆的で日常生活に著しい影響を及ぼす疾患、希少疾病といった、重篤なものや申請時に有効な治療法が確立していないものを中心とすること。
 四、条件付き早期承認制度により製造販売の承認をした場合は、速やかに有効性・安全性を再確認するために厳格な製造販売後調査等を実施すること。また、承認を受けた医薬品・医療機器の使用に際しては、製造販売後に再確認を必要とするものであることについて、患者に対して適切な情報提供がなされるよう努めること。さらに、承認を受けた医薬品等の評価に係る調査等結果の提出時期については、実施に必要な最低限の症例数を基に定めること。
 五、添付文書の電子化に当たっては、添付文書の情報が改訂された際に、それが直ちに確実に伝達されるための環境整備を図ること。また、災害等により、停電やサーバーに不具合が発生したような場合の添付文書情報へのアクセスを確保するための方策について検討すること。
 六、これまで進めてきた医薬分業の成果と課題を踏まえ、患者の多くが医薬分業のメリットを実感できるような取組を進めること。
 七、製薬企業等からの医薬品等の臨床研究に関する資金提供の情報等の公表について、臨床研究法の趣旨にのっとり、更なる透明性の確保が図られるよう、製薬企業等に対して趣旨の徹底を図ること。
 八、医薬品等行政評価・監視委員会を厚生労働省に設置することについて、委員会の独立性に疑念を招かないように細心の注意を払うこと。また、委員の利益相反がないよう厳格に運用すること。さらに、委員には、薬害被害者を含めること。
 九、新たな虚偽・誇大広告に対する課徴金制度についてその抑止効果の評価を行うこと。
 十、「薬機法等制度改正に関するとりまとめ」で提言された、責任役員による許可等業者の法令遵守を担保するため、必要な場合に、当該責任役員の変更を命じることができるものとする措置について、本法の施行状況を踏まえ引き続き検討すること。
 十一、「第五次薬物乱用防止五か年戦略」に基づく薬物乱用対策を着実に行うとともに、新たに付与される模造医薬品の流通事案等への対応に適切に対処するため、麻薬取締部における必要な体制を確保すること。
  右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#208
○委員長(そのだ修光君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題として、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いいたします。
   〔賛成者挙手〕
#209
○委員長(そのだ修光君) 多数と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、加藤厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤厚生労働大臣。
#210
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいります。
#211
○委員長(そのだ修光君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#212
○委員長(そのだ修光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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