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2019/11/26 第200回国会 参議院 第200回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和元年11月26日
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2019/11/26 第200回国会 参議院

第200回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和元年11月26日

#1
令和元年十一月二十六日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     岸 真紀子君     小西 洋之君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     中曽根弘文君     清水 真人君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北村 経夫君
    理 事
                宇都 隆史君
                中西  哲君
                羽田雄一郎君
                秋野 公造君
                井上 哲士君
    委 員
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                清水 真人君
                武見 敬三君
                松川 るい君
                三宅 伸吾君
                山田  宏君
                小西 洋之君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     河野 太郎君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       河野 義博君
       経済産業大臣政
       務官       中野 洋昌君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房TPP
       等政府対策本部
       政策調整統括官  澁谷 和久君
       内閣法制局第三
       部長       高橋 康文君
       内閣府政策統括
       官        宮地  毅君
       消費者庁政策立
       案総括審議官   橋本 次郎君
       総務省国際戦略
       局次長      渡辺  健君
       外務省大臣官房
       参事官      遠藤 和也君
       外務省大臣官房
       参事官      河津 邦彦君
       外務省大臣官房
       参事官      御巫 智洋君
       外務省経済局長  山上 信吾君
       外務省領事局長  水嶋 光一君
       財務省主計局次
       長        角田  隆君
       厚生労働省大臣
       官房生活衛生・
       食品安全審議官  浅沼 一成君
       農林水産省大臣
       官房総括審議官  浅川 京子君
       農林水産省大臣
       官房審議官    神井 弘之君
       農林水産省生産
       局農産部長    平形 雄策君
       農林水産省生産
       局畜産部長    渡邊  毅君
       経済産業省大臣
       官房審議官    春日原大樹君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       黒田淳一郎君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     飯田 陽一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締
 結について承認を求めるの件(内閣提出、衆議
 院送付)
○デジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国
 との間の協定の締結について承認を求めるの件
 (内閣提出、衆議院送付)
○連合審査会に関する件
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、岸真紀子君及び中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として小西洋之君及び清水真人君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房TPP等政府対策本部政策調整統括官澁谷和久君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北村経夫君) 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○山田宏君 おはようございます。今日も、自由民主党・国民の声を代表いたしまして、日本国の尊厳と国益を守る立場から質問をさせていただきたいと思います。
 貿易協定のテーマでございますけれども、貿易の前提、安全保障でございまして、そのことについてお話をお聞きしたいと思います。
 まず、ちょっとGSOMIAが、この破棄が延期というか、なったわけですけれども、その日韓の合意内容についてお互いいろいろとそごがあるようですけど、これ文書で取り交わしているはずなんですね。なので、正確に、どういうところが合意されたのかということを、その文書に基づいて御報告いただきたいと思います。
#7
○国務大臣(茂木敏充君) 韓国政府によります日韓GSOMIAの終了通告、提出する旨の通告について、日本政府としては、北朝鮮問題等への対応のため、安全保障上の日韓、日米韓の緊密な連携が重要であると考えておりまして、現下の地域の安全保障環境を踏まえ、韓国政府としてもこのような戦略的観点から今回の判断を行ったものと受け止めたいというふうに思います。
 なお、輸出管理の見直しに関する発表の詳細につきましては主管省庁である経済産業省にお尋ねいただきたいと思いますが、二十二日、同省は、韓国側からWTO紛争解決手続を停止をすると、こういう通報があったことから、輸出管理政策対話を行うこととした旨の発表をしたものと承知をいたしております。
 日韓双方の発表について様々な指摘があることについては承知をいたしておりますが、いずれにしても、二十三日に日韓の外相会談を行ったところでありまして、前の晩に康京和韓国の外交部部長、このG20の外相会談に来るということが決まりまして、二十三日に行ったんですが、そこで一致したことは、輸出管理政策対話の再開について、有意義な対話となること、これを期待しているということでありまして、言っていることに違いがあるどうということよりも、これから協議していくということが重要なんだということで韓国の外相との間では一致をいたしております。
#8
○山田宏君 外務大臣が認識されているというところの点で構わないんですけれども、報道では、韓国側は、GSOMIAの破棄を見送る条件として、日本側のやった輸出規制の厳格化を日本側も見直すということが対案としてなっているということですけど、そういうことではないんですよね。
#9
○国務大臣(茂木敏充君) そのようなことではないと理解をいたしております。
#10
○山田宏君 ありがとうございました。
 この、今回に至った経緯は、アメリカの大きな圧力と日本側の毅然たる態度というものが一つの結果をもたらしたものと大変評価をしております。これからも是非そういった姿勢で頑張っていただきたいと思います。
 それでは、この間私が質問させていただいた点について、お聞きをさせていただきたいと思います。
 スパイ容疑で九月に拘束をされました北大教授が、十一月十九日、無事解放され、帰国しました。安倍総理、茂木外相、そして外務省の努力を多としたいと思いますが、なぜ急転直下、中国政府は解放に応じたのか。今までそんなことなかったですよね、要求してすぐ解放というのは。
 私は、十一月七日の本委員会でこの問題厳しく追及させていただきました。習近平主席が国賓として来日されるということについても異を唱えました。佐藤委員も異を唱えました。今回も、この中国政府の恣意的な、そして不透明、不当拘束に怒っているということも明らかにして国民世論に訴えたいと、こういう思いでございました。
 政府は、これまで中国での邦人拘束事案には、その具体的な内容をほとんど明らかにしてきませんでしたが、むしろ事案の不透明さ、不可解さ、不当を明らかにした方が、国会や世論の後押しも生まれて政府間交渉も有利に進められるという面もあるんじゃないかと、こう思うんですね。
 これまでの事案、今回帰ってこられたわけですけど、これまでもスパイ容疑で拘束をされているという日本人、どういった今状況にありますか、その数字等をお聞かせいただきたいと思います。
#11
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。
 日本政府といたしましては、中国での一連の邦人拘束事案につきまして、二〇一五年以降合計十四名の事案を公表してきておりまして、そのうち五名は既に解放され、日本に帰国をしてございます。それ以外の九名につきましては、いずれも国家秘密の窃取等、国家の安全に危害を与えた罪で既に有罪判決を受けております。
 判決の内容は、最も長い刑で懲役十五年、最も短い刑では懲役三年、加えまして、個人財産没収の最高額といたしまして五十万元、最も低い額として三万元であります。九件のうち七件については既に刑が確定をしておりまして、二件は上訴中というふうに承知をしております。
 政府といたしましては、邦人保護の観点から、引き続き領事面会あるいは御家族との連絡などできる限りの支援をしてきておりまして、今後とも御家族の心情を踏まえつつ、最大限の支援を行ってまいりたいと考えております。
#12
○山田宏君 それぞれの方が拘束されたときには、その事由も何の法律に抵触するかもほとんど明らかにならないまま裁判が行われて判決が出て、有罪が確定した人が七名、二名が控訴中ということで、拘束中ですね、九名が。
 このそれぞれ、この判決が出た方々の行為が何の法に抵触してどのような行為がそれに当たったのかという、その判決内容について伺いたいと思います。
#13
○政府参考人(水嶋光一君) 各公判につきましては、実は判決文を書面で入手することができないという状況にございます。ですから、いかなる行為が国家の安全に危害を与えた罪となるのかにつきましては、必ずしも全容を把握できているわけではありませんけれども、いずれも国家秘密の窃取等、国家の安全に危害を与えた罪で有罪判決を受けているというふうに承知をしております。
#14
○山田宏君 驚きですよね。判決文が手に入らないと。一体何の法律でどのような行為がそれに抵触したのかというのが分からないまま九名の邦人がいまだに拘束されていると。これ不当拘束じゃないですか。不可解で、そして不透明と。こういった事態、我々から見れば不当な拘束だと、こういうふうに私は考えておりますけれども、どうお考えですか。
#15
○政府参考人(水嶋光一君) 政府といたしましては、邦人拘束事案につきまして、先ほどもお答えを申し上げましたけれども、総理、外務大臣を始め様々なレベルや機会を通じて中国側に前向きな対応を求めてきております。
 加えまして、そもそもどのような行為が違法とみなされ得るのかということについて明らかではないということを踏まえまして、中国側に対しては関連の情報提供をこれまでも求めてきておりまして、今後ともそういう働きかけを続けてまいりたいというふうに思っております。
#16
○山田宏君 私は不当な拘束だと思いますし、日本政府はそう取って、やはり強力、強烈に解放を要求するという私は義務があると思うんです。それは、我々の同胞ですよ、皆さんの家族かもしれないんですよ、とんでもないことじゃないですか、これ。
 これまでも強力にこの要求はしてきた。しかし、要求をして帰ってくるということはもうめったにないと思うんです。やはり、一つの帰ってくる方法は、向こうが要求した要求をこちらがのんで、だから返してくれと、こういう交渉もあり得るかもしれない。しかし、こんなことはやっぱり正義に反しますよね。そうすると、向こうが人質を返さざるを得ないようにやっぱり仕向けていく、こういうことが非常に大事だと思うんですね。やはり、このまま解放しないとまずいぞと、こう思わせるということが非常に大事だと、こう思っておりまして、今、米中の対決状況、国際世論が、香港を含めて、中国の人権状況への非常に強い懸念、こういった中で、私は、この間も申し上げたとおり、今回このこういった事案、不当な拘束が続いているにもかかわらず、何で国賓として習近平国家主席を招待しなければならないのか。招待して、国賓じゃなくて、いろいろ話し合うことは大事ですよ。この間、外務大臣もおっしゃいました。いろんなルートを持って、来日されて、いろんなことを話し合っていくことは大事だ。しかし、何で国賓で、そして天皇陛下がにこやかに握手をして、晩さん会やって、そしてまた、儀仗兵の閲兵をする、こんなことまで待遇をするような環境なのかと、非常に疑問だと思っているんですけれども、この点についての外務大臣のお考えをお聞きして、終わりたいと思います。
#17
○国務大臣(茂木敏充君) 拘束されましたあの北海道大学の教授の解放に関しましては、王岐山国家副主席が訪日された折、即位の礼の際、私から二回にわたってこの問題の早期解決、こういったことを求めたところであります。総理も同じような働きかけをされて早期の解決につながったと思っておりますが。
 日中両国の間には、御指摘のような邦人の拘束案件を始め、様々な懸案が存在しておりますが、それらを解決していくためにも、両政府のハイレベルが大局的な観点から率直に議論して中国側に前向きな対応を促していくことが大切だと考えておりまして、来春の習近平国家主席の訪日に向けて更に日中間ハイレベルでの意思疎通を積み重ねて環境整備に努めてまいりたいと考えております。
#18
○山田宏君 終わります。
#19
○小西洋之君 立憲・国民.新緑風会・社民の小西洋之でございます。
 まず、今、山田先生からも御質問ありました、ちょっとGSOMIAの失効回避の件について伺いたいと思います。
 外務大臣にお願いしたいと思いますが、今般、失効が回避されたということは私も非常によかったことだと思っているんですが、そこに至った経緯について御説明いただけますでしょうか。
#20
○国務大臣(茂木敏充君) 現在、北朝鮮問題等の対応のために安全保障上の日米韓の緊密な連携が重要であると、この点につきましては、日米、そして日韓、また米韓、三か国の間でも様々なやり取りをしてきておりまして、この緊密な連携が重要であるということについては日米韓三か国で一致をしていたと考えております。
 そして、政府としては、現下の地域の安全保障環境を踏まえて、韓国政府としてもこのような戦略的な観点から今回のGSOMIAに関する判断をしたものと受け止めております。
#21
○小西洋之君 報道では、アメリカからの働きかけが功を奏したですとかいろいろ言われておりますけれども、今の御答弁は、安全保障環境について、この三か国の安全保障環境に対する認識とそれに対するこの三か国のしっかりとした連携が重要だという認識が一致していて、そうした中で様々な取組がなされていたということ、答弁だと承知しましたけれども、アメリカからのこの働きかけというのは非常に重要だったと、そういう御認識でしょうか。
#22
○国務大臣(茂木敏充君) 今申し上げたのは、GSOMIAの失効回避について、アメリカ側からの働きかけということではなくて、米韓の様々なやり取りについて完全に承知する立場にありませんが、安全保障上の日米韓の緊密な連携が重要であるということについては日米韓三か国で一致をしておりましたし、恐らく米韓の間でもそういったやり取りがあったんだと思っております。
 もちろん、日本としてもそのことは韓国に対してこれまでも何度も説明をしてきたところでありまして、そういった一連の流れの中で、韓国政府としても戦略的な観点から今回のGSOMIAに関する判断をしたものと受け止めております。
#23
○小西洋之君 米韓の間でも一定のやり取りがあったのではないかというような答弁でございましたけれども、このGSOMIAの失効回避自体はよかったことだと思っているんですが、いわゆる徴用工の皆さんの問題で韓国の最高裁が賠償の判決を出したということは、私、これ一議員の見解ですけど、言わば我が国にとっても一種の非常事態だと思っておりまして、何とかこの問題を外交の力でしっかり対処していただきたいというのが私の思いでございました。
 そうした中で、七月の貿易管理措置の日本の発動というのは、二つあるわけですが、ホワイト国と三品目があって、ちょっと三品目の方は日本の企業の責任だというようなことを当時の世耕大臣も明確におっしゃっておりますので、だったらどうなのかなというような思いはあったんですが、質問通告しておりますけれども、国益全体の観点の判断、現状に鑑みた国益の判断で、通告はしておりますけど、ここは今パスをさせていただきたいと思います。
 では、桜を見る会について伺わさせていただきます。
 本年の桜を見る会でございますけれども、内閣の閣議で配られた開催要領におきまして各国大使なども招かれておりますので、我が国における極めて重要な外交に関する事柄であるという認識から、本委員会で質問をさせていただきたいと思います。
 外務大臣に伺いますけれども、これまで、衆議院議員のお立場でも結構なんですけれども、これまで国会議員になられてから桜を見る会に出席されたことはありますでしょうか。
#24
○国務大臣(茂木敏充君) 私、国会議員になってもう二十六年以上たちますので、過去の全ての行事について一つ一つ確実に出席したかしていないかと、そこまでの記憶はございませんが、少なくともここ数年は桜を見る会には出席をいたしておりません。
#25
○小西洋之君 いや、総理主催の桜を見る会に、じゃ、新宿御苑に行かれたことはありますか、国会議員になられてから。
#26
○国務大臣(茂木敏充君) 別件で行ったことはあります。
#27
○小西洋之君 桜が咲いている春の時期に新宿御苑に行かれたことはございますでしょうか、国会議員になられてから。
#28
○国務大臣(茂木敏充君) 桜が咲いている時期、まあ日本全国、季節によって違いますが、桜が咲いている時期に行事に出たということはありますが、先ほども申し上げたように、二十六年間国会議員やっておりますと、様々な行事に参加をすることもあります。その一つ一つについて全て、この行事は出ました、何年の、二〇〇三年のこの行事は出ました、二〇〇四年は欠席をして、おりません、そういったことまで残念ながら私の記憶の能力に及ぶところではありませんが、少なくともここ数年については私は出席をしていないと、このように申し上げております。
#29
○小西洋之君 大臣が永田町でも随一のそのすばらしい頭脳の持ち主だということは皆様お認めになっていることだと思うんですけど、何年とは伺っておりませんので、もう一度伺います。
 国会議員になられてから、あの総理主催の桜を見る会に出席されたことはございますか。
#30
○国務大臣(茂木敏充君) 全ての記録を残しているわけではないわけですね、事務所においても。絶対に出ている、出ていないという話になると、こちらの国会での答弁ですから、正確を期したいと思っております。
 私が少なくとも記憶している範囲においては、ここ数年間は出ていない、それは明確に申し上げます。
#31
○小西洋之君 今日は防衛大臣にもお越しいただいていますけど、防衛大臣に伺いますけど、議員になられてから桜を見る会に出席されたことはありますでしょうか。
#32
○国務大臣(河野太郎君) 防災担当大臣のときに行ったんだと思います。二〇一六年の春ですかね。二〇一七年にも行ったかもしれませんけど、ちょっとそこは定かではありません。行ったとすれば二〇一六年。二〇一七年はちょっと記憶が曖昧です。それの一回、二回ということだと思います。
#33
○小西洋之君 ありがとうございました。
 では、ちょっと防衛大臣に、行ったことがあるという防衛大臣に伺いたいんですけれども、桜を見る会なんですけれども、私、残念ながらまだ行ったことはないんですが、開催要領を見ておりますと、皇族の方々あるいは三権の長、先ほど申し上げました各国大使など、まさに各界を代表する方々、また、今まさに大活躍中の芸能人の皆さんですとか、そうそうたる方々が出席されている場ですけれども、なかなか一般市民の皆さんでは行くことができない、通常の社交を超えた世界であるという認識でよろしいでしょうか。大臣の常識的な感覚を伺っております。
#34
○国務大臣(河野太郎君) 宮中の園遊会などと比べるとかなり人が多いだろうと思います。
#35
○小西洋之君 園遊会は私もお招きいただいて行ったことはあるんですけれども、園遊会ではございません、桜を見る会なんですけれども、三権の長など各界を代表するような方々、普通は会えない方々、もちろん手続上も、総理大臣の招待が、行政手続がなければ行けないわけですけれども、普通の市民の皆さんが参加できないような、そうした場であるという御理解でよろしいでしょうか。
#36
○国務大臣(河野太郎君) いろんな方がいらっしゃっているわけですからそれは全くオープンな場ではありませんけれども、多くの方が来られているというふうに思います。
#37
○小西洋之君 私の手元にこの一月二十五日の閣議で配付されました桜を見る会の開催要領がございますけれども、これ閣議で配付されている言わば一種の了解事項なんですけれども、ちょっとお手元の資料三ページを御覧いただきたいというふうに思います。
 河野大臣に御質問させていただきますけれども、お手元の資料三ページですね。これは公職選挙法の逐条解説というものでございます。総務省の官僚の皆さんが書かれたもので、全国の選挙管理委員会もこれを使って執務をいたしております。私も、かつて総務省選挙部で働いていたときにこれの編集に一部関わっていた者でございます。
 今、国会答弁などで確認されている事実関係として、安倍総理の後援会関係者八百名、後援会関係だけでなくて一般市民の皆さんも含まれているようですけれども、八百名余りが今年の桜を見る会に招待を受けました。そのことが公選法の買収罪に該当するとしか私には考えられないんですけれども、河野大臣に伺わさせていただきますけれども、この三ページの左側でございます、買収罪の構成要件を書いております。財産上の利益を有権者に与える行為。誰が与えても買収罪が成立するんですけれども、ちょっと読み上げますけれども、本罪の構成要件を成す財産上の利益とは、およそ人の需要又は欲望を満足させるに足りるものであって財産上の価値を有すれば足りる。要するに財産上の利益とは、その供与される利益が社会一般の常識としての社交上の当然の儀礼と認められる程度を超えたもの、あるいは選挙人あるいは選挙運動者の心を動かし得ると認められる程度のものをいいというふうに書いてあります。
 河野大臣に伺いますけれども、皇族の方々、あるいは三権の長、あるいは当代の芸能人の皆さんがいるような場に一般の市民の皆さんが、である方々が招かれている、これは、安倍総理の行ったこの招待行為というのは、公選法の買収罪に該当するとお考えになりませんか。内閣の一員として答弁ください。
#38
○国務大臣(河野太郎君) 公職選挙法の解釈についてお答えをする立場にございません。
#39
○小西洋之君 公職選挙法の解釈を伺っているのではなくて、公職選挙法の解釈はこれ今書いてあるとおりでございますから、内閣を構成する大臣として、安倍総理の行ったことは買収罪に該当するのではないか、そのことについて答弁をお願いいたします。
#40
○国務大臣(河野太郎君) お答えする立場にございません。
#41
○小西洋之君 先ほど申し上げましたように、外務大臣でいらっしゃったはずですから、一月二十五日の閣議でこの開催要領配付されているんですね。開催要領には、各界の代表者であり、その趣旨は、各界を代表するような、いわゆる功績、功労ある方というふうにされております。
 安倍晋三後援会が、コピーを使ってでも、刷り増しでも結構ですから、この案内状を使ってどなたでもお越しくださいというふうにして八百名余りの方々を招待したことは、もうこれ事実として明らかになっております。そうした有権者の方々を本来来れるはずがない桜を見る会に招くことは公選法の買収罪に該当するとお考えになりませんか。
#42
○国務大臣(河野太郎君) お答えする立場にございません。
#43
○小西洋之君 では、茂木大臣に伺いますけれども、ちょっと余りこういうことを私も言いたくないんですが、何年か前に香典を秘書の方がお持ちになったということで、まさに公選法上の問題で予算委員会でも何度も大臣も答弁に立っていらっしゃると思います。なので、公選法の買収罪のことはよく御存じだと思うんですが、同じ質問でございますけれども、安倍総理の後援会あるいは山口の有権者の方々が、本来行く資格がないのに安倍総理の招待行為によって、安倍晋三事務所の推薦及び安倍総理の招待行為によって桜を見る会に招かれた、これはまさに公選法の買収罪そのものであるというふうにお考えになりませんでしょうか。
#44
○国務大臣(茂木敏充君) まず、公選法の解釈については所管の省庁にお聞きをいただきたいと思いますし、また、個別の事案、今御指摘の事案について、私はその内容を承知をいたしておりません。その事案がどのような解釈に当たるか、これも所管の省庁にお聞きいただく性格の問題だと思っております。
#45
○小西洋之君 いや、だから、解釈は、もうこの逐条解説なので、選挙部に聞いても買収罪というのはこのとおりだということで、それもう解釈は明らかになっております。財産上の利益とは、その供与される利益が社会一般の常識としての社交上の当然の儀礼と認められる程度を超えたもの、あるいは選挙人の心を動かし得ると認められる程度のもの。一般の市民の皆さんが桜を見る会に招かれたら、皆さん感動するんだと思います。ネットにはそういう感動の声であふれておりますけれども。
 もう一度、茂木大臣に伺いますが、安倍総理の行った招待行為は公選法の買収罪に該当すると、内閣を構成する大臣として、一人の政治家として、公選法の解釈、法理を聞いているんじゃない、それはもう明らかですから、当てはめていただいて、買収罪に該当するとお考えになりませんか。
#46
○国務大臣(茂木敏充君) 今お答えした後半の部分でありますけれど、この御指摘の個別の事案について、私は詳細を承知をいたしておりません。それが公選法のどういうあれに当たるかということは、事実関係を承知していないのでお答えできる立場にございませんと申し上げております。
#47
○小西洋之君 でしたら、内閣の一員として、内閣法に、いつでも各大臣、両大臣に申し上げますが、閣議の招集を要求して国政の課題を議論することができるというふうに内閣法に書いておりますから、安倍総理は国会に出てきませんので、どうか安倍総理が予算委員会に出るように、茂木大臣に伺いましょうか、茂木大臣からも安倍総理に働きかけていただけますでしょうか。
#48
○国務大臣(茂木敏充君) 委員会の運営、国会の運営におきましては、国会において、また各委員会において御判断いただく内容だと思っております。
#49
○小西洋之君 いや、憲法の規定で、議題があれば大臣は、総理大臣もいつでも国会に出席することができますので、安倍総理に予算委員会にちゃんと、あるいはほかの委員会でも結構ですが、出ていただきたいというふうに思います。
 では、日米貿易地位協定の方に、失礼しました、貿易協定の方に質問を移らせていただきます。
 まず、外務大臣に伺いますが、今年九月の二十五日のこの共同声明に、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らないということが記載をされております。これについて、大臣ら政府は、アメリカが自動車などの追加関税措置を課さないという趣旨だというふうに言っておりますけれども、この共同声明の今申し上げた文言が追加関税を課さない趣旨だというのは安倍総理の首脳会談の場で確認されたと言っておりますけれども、具体的に、その場でトランプ大統領がどういう表現で、これは追加関税を課さない、そういう趣旨だというふうにトランプ大統領が確認をしてくださったんでしょうか、答弁を願います。
#50
○国務大臣(茂木敏充君) 自動車、自動車部品に係ります米通商拡大法二三二条の扱いにつきましては、本年九月二十五日の日米首脳共同宣言のパラグラフの四におきまして、両国は、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動は取らない、この旨をまず明記をしたわけであります。そして、この文書に関しまして、安倍総理から、これは日本の自動車、自動車部品について追加関税を課さないという趣旨であること、これを少人数会合、これは安倍総理と私、それからトランプ大統領とポンペオ長官、この少人数会合及びライトハイザー通商代表が入ったりこちら側もある程度の関係者が入った拡大会合、二度にわたって安倍総理からトランプ大統領に対して明確に確認をさせていただいたということであります。
#51
○小西洋之君 ちょっと質問の前に失礼いたします。
 防衛大臣、もう結構でございます。あと経産省の参考人も結構でございますので、委員長、退室をお願いいたします。
#52
○委員長(北村経夫君) 防衛大臣、経産省の皆さん、御退室されて結構です。
#53
○小西洋之君 今の関連の質問ですが、大臣の答弁は、二度にわたって安倍総理がトランプ大統領に確認をしたというふうに言っているんですが、私の質問は、その確認の際にトランプ大統領が具体的にどういう表現、まあ表現、一言一句の表現が無理であれば、どういうような内容によって追加関税は課さない、そういう意味にアメリカ側は受け取っているというふうに確認されたんでしょうか、答弁ください。
#54
○国務大臣(茂木敏充君) 個別の詳細なやり取りにつきましては、外交上の問題でありますので控えさせていただきますが、今の内容について、安倍総理から、こういう趣旨ですねと、こういう理解でよろしいですねということで、トランプ大統領もそれで結構だという内容でした。
#55
○小西洋之君 それで結構だというのは、イエスのような極めて短い言葉なんでしょうか、あるいは、具体的にトランプ大統領の言葉で、この文言はアメリカ側も、追加関税措置はアメリカ側がしないと、そういう意味であるというふうに確認しているというふうにおっしゃったんでしょうか。
#56
○国務大臣(茂木敏充君) 今申し上げましたように、外交上の詳細なやり取りにつきましては様々な配慮もありますので控えさせていただきますが、まずは、この共同声明の文書の中、パラグラフの四に、両国は、協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動は取らないという旨を明記をした上で、この趣旨というのは日本の自動車及び自動車部品に対して追加関税を課さないという趣旨であるということを総理の方から申し上げ、それで結構だという内容でありました。
#57
○小西洋之君 外交のことなので配慮が必要だと言っておられますけれども、今日の通告の四番ですけれども、我々国会でございますので、条約を承認しないといけません。国民に対する責任を我々は、あっ、承認というか、審議をしなければ、承認権に基づいて条約について審議をしなければいけません。その審議する以上は、本当にそういう約束がアメリカとの間であるのかどうか我々なりにその確証を得なければいけないんですけれども、いや、そういうことを決めてきましたから、話してきましたから、相手がそう言っていましたからといって、具体的にそれを証明するものが何もないのであれば、内閣の言うことを国会はただ黙って聞けということになってしまいますので、審議の前提を欠くわけでございます。
 そのため、四番、質問通告させていただいておりますけれども、アメリカに、日本の国会で、追加関税を課さないとアメリカがそういうふうに約束したその根拠について、日本の国会で、これは衆議院にわたってもそういうふうに何度も何度も大臣、質問されておりますけれども、要求をされていると。よって、こういう範囲であれば日本の国会で答えていいですかということをアメリカと協議した上で、アメリカが追加関税措置をしないということを約束していることを根拠を出してくださいというふうに質問通告をさせていただいております。
 アメリカが追加関税措置をしないということを約束しているその根拠、話せる範囲で話していただけますでしょうか。
#58
○国務大臣(茂木敏充君) 小西委員の要望、確認の仕方といいますか、それが、こういうやり方がいいんではないかなということについては理解をしたつもりでありますが、先ほど来申し上げておりますように、この件に関しましては日米首脳間で明確に確認をしてございます。そして、同盟関係にあります日米の首脳間の合意でありまして、極めて重いと、守られるものだと当然考えておりますし、更に申し上げますと、この協定を誠実に履行している間、こういうふうに書いてございまして、日本として、この協定、御承認をいただいて発効いたしましたら誠実に履行してまいりたいと、それは当然条約でありますから、そのような形を国として取っていくという限りにおいてはこの二三二条が発動されることはないと、これは明確であると思っております。
#59
○小西洋之君 いろいろおっしゃっていただいているんですが、結局、アメリカとそういう約束しているから大丈夫だということしかおっしゃられないんですけれども、それだとこの条約を審議する前提をもうひたすら欠いていることになるんだというふうに思います。
 ちょっと一点、必要でしたら政府参考人からの答弁補佐でも結構なんですけれども、先ほどから繰り返し、この共同声明の声明の精神に反する行動を取らないと、これについて、追加関税措置は行わないという意味であるというふうに確認をしておりますけれども、私、役所いたとき私も外交交渉を担ったこともありますけれども、これ何か順序が逆だと思うんですね。でき上がった共同声明案の中に日本語として具体的に書いていない追加関税措置はやらないという約束を読み込むんじゃなくて、事前の外交交渉でアメリカは追加関税措置はやらないという約束を両国政府間でちゃんと文書で作って、それを共同声明なりで触れる、あるいはちゃんとしたこの協定案の中に盛り込むのが外交でありまして、もうこの一般原則、精神に反する行動を取らないというものを作って、それに追加関税措置は取らないという読み込みをしているというのは、大臣、これ実はきちんとした外交ができていないんじゃないんですか。
#60
○政府参考人(澁谷和久君) 他の文書等でなぜ確認をきちんとしていないのかという御趣旨の御質問だというふうに理解いたしましたが、先ほどから大臣が答弁しておりますように、共同声明のこの趣旨、これが自動車、自動車部品に対して追加関税を課さないという趣旨だということは首脳会談で安倍総理からトランプ大統領に確認をしたところでございまして、これは同盟関係にある日米の首脳間の合意でございます。極めて重い了解事項だと考えているところでございます。
 そもそも、この二三二の話は通常のこれ関税引下げ交渉で扱う性格のものではないと理解をしておりまして、また、日本の自動車、自動車部品に二三二条が課されない趣旨は昨年の共同声明でも同じような趣旨が明記されているところでございまして、こうしたことを踏まえて、昨年の九月と同様に、共同声明に記載するということで日米で合意したものでございます。
#61
○小西洋之君 じゃ、政府参考人に聞きますけれども、通告の五番ですけど、一方で、農産品のセーフガード措置の発動水準の調整協議、これは協定ですかね、あの中に書き込まれているわけですよね。こっちの方はしっかり協定の中に文章として具体的に書いてあるのに、なぜ、自動車について追加関税を行わないということは、協定あるいは附属書、あるいは交換公文でもいいですけれども、文書上に明確に書かずにこの共同声明で読むと、そんなことをしているんでしょうか。
#62
○政府参考人(澁谷和久君) 牛肉のセーフガードなどにつきましては、確かに、いわゆるサイドレターで何日以内に協議を開始するとか、どちらかといいますとかなり技術的な内容について補足的な記述をしているということでございますが、この二百三十二条の案件は、これは、ひとえにこれはトランプ大統領の御意向に左右されるものでございまして、首脳同士の意思の確認というのは極めて重たいものだというふうに考えているところでございます。
#63
○小西洋之君 政府参考人に重ねて聞きますが、じゃ、トランプ大統領の意向に左右されるということは、この九月の二十五日の首脳会談までは、追加関税措置はアメリカはやらないという、そういう確認、アメリカ政府との関係で約束はできていなかったという理解でよろしいですか。
#64
○政府参考人(澁谷和久君) 茂木大臣とライトハイザー代表との間で何度も協議を行ったわけでございますが、ライトハイザー代表を通じて、トランプ大統領の意向というものは私どもとしては確認をしているところでございます。
#65
○小西洋之君 じゃ、そのトランプ大統領が追加関税措置をやらないという意向を持っていたのであれば、それを具体的に何らかの文書で取るべきじゃなかったんですか。この精神に反する行動は取らないという、これ、一般原則じゃないですか、ただの。なぜ、これで読むような外交をやったんでしょうか。
#66
○政府参考人(澁谷和久君) 先ほど申しましたように、牛肉のセーフガードのような技術的な内容とはこれは異なるものだというふうに理解をしているところでございます。
#67
○小西洋之君 いや、技術的なものは文書で取って、追加関税やるかやらないかというのは、これはもう外交の、このまさに関税交渉の本丸そのものですよね。技術的なものは文書で取って本丸を文書で取らないその理由を言ってください。
#68
○政府参考人(澁谷和久君) あくまでも、首脳同士の会談で明確に確認をしたということで尽きるということでございます。
#69
○小西洋之君 何か、ほかの分野でも、桜を見る会、冒頭やりましたけど、詭弁と虚偽を連発している。とにかく安倍政権をこの外交においても信じてくれということを言っているだけでございますけれども、まあ、信じることは非常にできないということでございます。
 次、自動車の数量規制の方に、質問の六番、伺わさせていただきますけれども、茂木大臣に伺いますけれども、この自動車やその部品に関する数量規制などでございますけれども、茂木大臣とライトハイザー氏の間の閣僚会談で確認しているということでございますけれども、なぜ、トランプ大統領が参加した首脳会談では確認していないのでしょうか。
#70
○国務大臣(茂木敏充君) これ、通常の貿易交渉に関わる問題でありますから、交渉担当責任者であります私とライトハイザー通商代表との間で合意をいたしております。
#71
○小西洋之君 この数量規制については、この新NAFTAなどでは盛り込まれているところでございますけれども、では、大臣に伺いますけれども、トランプ大統領の間で確認ができていないのであれば、将来、トランプ大統領の御意向によって、先ほど政府参考人がおっしゃいましたけど、御意向によって、数量規制仕掛けられることがあるんじゃないですか。
#72
○国務大臣(茂木敏充君) 例えば、今お話のありました新NAFTAといいますか、USMCA、さらには米韓の間の新KORUS、これ、数量規制が明確に協定の中に盛り込まれているわけであります。ですから、数量規制を使うことはできるわけでありますが、今回の日米の貿易協定にはこの数量規制入っておりませんから、それを発動することはできないと考えております。
#73
○小西洋之君 発動すると言って、協定に基づいて発動すると言っているんじゃなくて、トランプ大統領から確認が数量規制取れていないのであれば、将来、トランプ大統領の御意向によって数量規制、日本もやれというふうに迫られることが起こり得るんじゃないですか、将来。そのことを聞いております。
#74
○国務大臣(茂木敏充君) それには協定の改正が必要になります。
#75
○小西洋之君 そうした協定の改正を含め、トランプ大統領から要求されることがあるんじゃないかということを二回伺いましたけれども、明確な答弁がいただけないところでございます。
 じゃ、関連の、自動車の今度関税撤廃の方に行かせてもらいます。質問通告の十番になりますけれども。
 この間、安倍総理は、自動車に関するこの度のこの協定について、日本自動車工業会が会長名で発表した、日米間の自由で公正な貿易環境が維持強化されることを歓迎しますと、これは今質問をさせていただいた追加関税措置や、あるいはその数量規制というものが盛り込まれなかったことを評価しているんだと思うんですが、この声明の都合のいいところだけ使っているんですね。それを使って、鬼の首を取ったように業界も支持してくれるということをおっしゃっているんですが、その次にこういうふうに書いてあるんですね。ついては、ついてはですね、日米自動車産業の持続的な発展と国際競争力の更なる向上に資する成果を得られるよう、両政府が引き続き尽力されることを期待します。
 政府参考人に伺いますけど、今私が読み上げた部分というのは、自動車の関税撤廃ということを業界として求めている、そういう理解でよろしいでしょうか。
#76
○政府参考人(春日原大樹君) お答えいたします。
 我が国の自動車業界は、グローバルなサプライチェーンを踏まえた事業展開を行っておりまして、米国等の重要な市場との間でより一層の事業化が進むことは、自動車産業の持続的な発展と国際競争力の更なる向上に重要でございます。
 御指摘の日米自動車産業の持続的な発展と国際競争力の更なる向上に資する成果につきましては、米国に限らず世界各地の様々な市場において関税削減、撤廃が着実に行われるなど、ビジネス環境の整備への期待が含まれていると確認をいたしております。
#77
○小西洋之君 今、政府参考人の答弁のとおりなんですね。数量規制やあるいは追加関税が回避されたことは明文の上ででは評価しているんですが、ついてはと言っているんですね。ついては、今、日米間のこの関税撤廃というのをちゃんとやってくれということを業界としては言っているわけでございます。安倍政権、常にこういう声明、都合のいいところだけ使うんですね。こうしたことに注意が必要であるというふうに考えるところでございます。
 では、この関税撤廃、伺いますけれども、大臣に伺いますが、これ衆議院でもずっと審議されておりますけれども、アメリカ側のこの譲許表に、関税の撤廃に関して更に交渉をする、ウイズ・リスペクト・ツーという表現がございますけれども、まず伺いたいんですけれども、撤廃の時期すら決めることができなかったのはなぜなんでしょうか。
#78
○国務大臣(茂木敏充君) 今、ウイズ・リスペクト・ツーというところを強調されましたが、重要なのはウイズ・リスペクト・ツー・エリミネーション、この撤廃という言葉がきちんと入っているということが極めて重要でありまして、この自動車、自動車部品の関税については、本協定におきまして、まず、協定本文、この第五条の一において、各締約国は附属書Ⅰ又は附属書Ⅱの規定に従って市場アクセスを改善すると両締約国、日本及びアメリカの義務を規定した上で、それぞれの締約国の附属書において市場アクセスの具体的な改善の仕方を記載しているわけであります。自動車、自動車部品につきましては、アメリカ側がどうするかですからアメリカ側の附属書の方に書いてありまして、そこには関税の撤廃に関して更に交渉すると書かれておりまして、これが第五条の一に基づいて市場アクセスをアメリカが行う具体的なやり方となるわけであります。
 このように、自動車、自動車部品については、関税撤廃がなされることを前提に、市場アクセスの改善策として、その具体的な撤廃時期等について今後交渉が行われることになります。
 御案内のとおり、今TPP12と、この交渉を行いましたときも、自動車については二十五年、さらにはトラックについては三十年と、こういう長いステージングでありました。今後の交渉におきまして、この撤廃時期、これを短縮することも含めて交渉したいと思っておりますし、また、自動車部品等々につきましては、今、自動車産業、技術革新等、大きな変革期を迎えている、こういった中で、結局、エンジン、これもモーターに変わっていくという中で、今の自動車、一般的には部品点数三万点ぐらいでありますが、電気自動車になりますとこれが二万点に変わる、さらにその重要度も変わってくる、そういった変化を見極めながら、しっかり今後の交渉を行ってまいりたいと考えております。
#79
○小西洋之君 茂木大臣は安倍総理と違って論理で勝負できる方だと思うので、時間稼ぎの答弁はやめていただきたいというふうに思います。
 大臣、通告の十二番ですけれども、これは野党の部会でも政府に対して要求させていただいているんですが、今おっしゃったように、関税の撤廃が前提になっている、そのことの証拠となるものを出してくださいと言うと、このウイズ・リスペクト・ツー以下しか、ものしか出てこない、しかないというふうに言うわけでございますけれども、質問の通告、先ほどと同じですけれども、この本委員会のこの答弁のためにアメリカ政府と協議して、こういう表現であれば関税撤廃を前提としている、すなわち関税撤廃を約束しているという証明として日本の国会で答弁していいとアメリカ政府と協議した結果のその関税撤廃の約束の根拠となる、そのことを、ものを示していただきたいと思います。
#80
○国務大臣(茂木敏充君) まさにそれが協定のアメリカ側の附属書でありまして、関税の撤廃に関して更に交渉すると、このように書かれている。
 先ほど小西委員の方からウイズ・リスペクト・ツーという話がありましたが、その後にエリミネーションが入っているわけです。ウイズ・リスペクト・ツー・カスタム・デューティーズだったら関税について交渉するなんですけれど、関税の撤廃について交渉するということは、もうこの附属書に明確に書かれていることだと思っております。
#81
○小西洋之君 ジ・エリミネーション・オブ・カスタムズ・デューティーズがどういうふうに扱われているのかが問題なんであって、それがウイズ・リスペクト・ツーであれば撤廃が前提というふうに英語の訳として読めないんじゃないかということを言っております、それは結構ですが。
 じゃ、政府参考人に聞きますけれども、先ほどの追加関税のところでも聞きましたけれども、二度にわたって質問通告、今回させていただいていますし、あと野党の部会でも要求させていただいておりますけれども、この関税撤廃を前提としているということについて、こういう言い方、こういう範囲であれば日本の国会で述べていいと、そういうことをアメリカ政府と、この本委員会の答弁に当たって協議していただいているでしょうか。その協議の事実関係の有無を御答弁ください。
#82
○政府参考人(山上信吾君) 日米間の交渉の結果、こういう協定の文言になった。先ほど大臣から御説明しましたように、五条一項、附属書の規定になっているというのは、これは日米のもう共通の合意事項でございまして、また国会で、このような形で日本の国会で説明しているということはるるアメリカ側に説明をしてきておるところでございます。
#83
○小西洋之君 いや、だから、この今回の私の質問に当たって、アメリカ側とその答弁のために説明ぶりについて協議したか、その協議の事実関係の有無を聞いています。時間稼ぎしないでください。イエスかノーかで答えてください。
#84
○政府参考人(山上信吾君) 度々のお答えになりますけど、このような形で説明しているということはアメリカ側と始終連絡を取り合ってきております。
#85
○小西洋之君 いや、だから、質問、国会議員が質問通告して、国民に対する説明責任、国会、私は今果たさなきゃいけないわけですから、あるいは国民に対する国会審議の責任を果たさなきゃいけないわけですから、だから、説明できる範囲をアメリカと協議して答弁してくださいというふうに質問通告していますが、アメリカと協議しましたか。イエスかノーかだけ、事実関係を答えてください。
#86
○国務大臣(茂木敏充君) 協定及び附属書、これは明確に書かれていることであります。その内容を正確に国会に御説明を申し上げると。別に、日本とアメリカで、お互い解釈が違うけどこういう説明をしようと、こんな打合せはしておりません。協定の内容、これについて正確に丁寧に御説明する、それが政府の責任であると思っております。
#87
○小西洋之君 ちょっと、委員長、政府に資料要求をお願いしたいんですけれども、追加関税についてはトランプ大統領との首脳会談が確認しているから信用してくれと。で、関税撤廃が前提になっているということはこの英語の文言。私もいろんな法律専門家、アメリカ、海外との契約に関する専門家にも聞きましたけれども、こんな文章でそんなこと読めませんよと皆さん言っていますよ。
 ですので、委員長、是非、アメリカ政府と日本の国会に対して、我が委員会に対して、今言った二つのその根拠ですね、追加関税がトランプ大統領が確認している、また関税撤廃が前提となっている、そのことで日本の国会にこの範囲であればアメリカとして説明していい、そのことについて日本政府が協議して、本委員会に資料提供することを求めます。
#88
○委員長(北村経夫君) 後刻理事会で協議いたします。
#89
○小西洋之君 政府参考人に聞きますけど、今伺ったその追加関税あるいはこの関税撤廃、このやり取りですね、会議録はあるということですが、保管期間、保存期間は何年になっていますか。
#90
○政府参考人(山上信吾君) 日米首脳会談の記録ということであれば、一般論として申し上げると、原則としては三十年ということになっております。
#91
○小西洋之君 では、その間、シュレッダーに掛けないように求めたいと思います。
 政府参考人、この十三番ですね、協定の法解釈として伺いますけれども、結果的に、仮にアメリカが追加関税を撤廃しなかったら、アメリカはこの国際条約ですね、それに法的に違反することになるんでしょうか。
#92
○政府参考人(山上信吾君) 先ほど茂木大臣からるる御説明いたしましたように、自動車、自動車部品については、関税撤廃がなされることを前提に、市場アクセスの改善策としてその具体的な撤廃期間等について今後交渉が行われることになっています。その根拠として、協定の五条一項、それから附属書の規定ぶりを御説明をしたところでございます。
 もとより、日米貿易協定のこうした協定本文や附属書の文言というものは、アメリカとの交渉で合意したものでございます。これらの規定は日米間の共通の理解が表現されておりまして、アメリカが自動車、自動車部品の関税を撤廃しないというようなことは想定されておりません。
#93
○小西洋之君 だから、想定するかしないかじゃなくて、協定の、国会に承認を求める法解釈を聞いているんですよ。アメリカが追加関税を撤廃しなければ、それはこの協定に違反する、アメリカが条約違反を犯すことになるかどうかという、その単純な法解釈を聞いています。答えられないはずないわけですから、答えてください。
#94
○政府参考人(山上信吾君) 同盟国であるアメリカと交渉事で決まったこと、これが協定本文であり附属書の規定でございまして、それとたがうような前提を置いた想定はしていないということでございます。
#95
○小西洋之君 いや、私もアメリカは重要な同盟国だと思いますけれども、同盟国相手のその条約だったら、その条約の解釈を国会で述べないんですか。
 もう一度聞きます。関税が撤廃されなければ、これは、アメリカはこの協定の条約上の違反になる、その法解釈を聞いています。それについてイエスかノーかで答えてください。答えられるはずですよ。
#96
○政府参考人(山上信吾君) そのような想定の上に立って申し上げる、国会の場で申し上げることは適切ではないと考えております。
#97
○小西洋之君 じゃ、内閣法制局に伺いますけど、協定ですから内閣法制局も審査しているはずですけど、内閣法制局は法解釈を述べるための機関ですから、答えてください。
 仮にアメリカが関税を撤廃をしなければ、アメリカはこの協定に法的に違反することになるかどうか、答弁ください。
#98
○政府参考人(高橋康文君) 御質問は条約の話でございますので、一義的には主務官庁の方から御答弁いただくことが適当と考えておりますので、今御答弁があったとおりであるかと思います。
#99
○委員長(北村経夫君) 小西君、時間が来ております。
#100
○小西洋之君 ちょっと時間で、答弁拒否でございますので、内閣法制局は協定、条約を審査する、それは当たり前のことでございますので、委員長、委員会に、アメリカが関税を撤廃しなければこの協定違反に法的になるかどうかについて、政府の見解の資料提出要求を求めます。
 で、質問を終わります。
#101
○委員長(北村経夫君) 後刻理事会で協議いたします。(発言する者あり)
 御静粛にお願いいたします。
#102
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 さきの委員会で、私は自由貿易を推進する我が国の立場につきましてお話をお伺いをさせていただきました。日米貿易協定に対する期待はあります。一方で、例えば我が国が全ての有税工業品の関税を維持したこと、こういったことは当然国益に資する交渉が行われたものだと思っておりますけれども、米国が自動車、自動車部品の関税を現時点において維持したということ、こういったことで自由化率の低い貿易協定の策定が行われたことがWTOの協定の整合性あるいは貿易自由化の趨勢に及ぼす影響がどうなのかといったような懸念もよく聞くところであります。
 世界のリーダーとしての日本と米国、それがWTOの整合性や協定の位置付けをどのように整理をしたのかということ、そして、自由貿易を推進する日本に対する国際社会、特にTPP加盟国の評価の影響について外務大臣にお伺いをしたいと思います。
#103
○国務大臣(茂木敏充君) 個別の数字等につきましてはまた政府参考人の方から答弁をさせていただければと思うんですが、この三十年間、世界経済、グローバル化が大きく進んでまいりました。例えば、日本の貿易量もこの三十年間で二・六倍になっております。海外への投資が六倍以上に増える、こういった中でグローバル化は進んできております。
 しかし、その反動として、間違いなく世界的に、先生の方からも御指摘のあるような保護主義の動きというのが台頭してきている。そういった中で、我が国が自由貿易の旗手として自由で公正な貿易ルールを作っていくと、このことを主導する、こういった立場からTPP11、そして日EU・EPA等々をまとめ、発効させてまいりました。
 今回の日米貿易協定も、世界のGDPの第一位と第三位を占める日米間で自由で公正な貿易を規定する、こういう内容でありまして、この日米貿易協定も加えますと、日本を中心に、日米、そしてTPP、日EU、六割をカバーする巨大な市場ができ上がってくる、このことも極めて大きな私は意味を持っていると考えております。
 先週末、名古屋でG20の外相会談開催をされまして、各国の外相、それはTPP参加国も含めて会談を行ってまいりましたが、難しい交渉を日本としてよくまとめてくれた、こういう評価をいただいております。
#104
○秋野公造君 是非お願いをしたいと思います。
 ジェトロの報告では、輸出の際にFTAを利用する企業の割合が約五割ということであります。私が指摘をしたいのは、大企業の利用率が六割、中小企業の利用率が四割、企業の規模によって差が見られておるということでありまして、このFTAの利用が低いことに対する政府の分析とこれからの取組、特に中小企業の海外展開の後押しにつきまして、中野政務官からお伺いしたいと思います。
#105
○大臣政務官(中野洋昌君) 秋野先生の御質問にお答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、これは二〇一八年のジェトロのアンケート調査によりますと、日本のEPA締結国へ輸出を行う企業のうち、EPAを利用して輸出をしている企業というのは、全体では四八%、中小企業では四四%ということでございます。ただ、二〇一七年の調査では、企業全体が四五%、中小企業が三九%ということでございますので、足下では利用率は増加傾向にございます。
 このEPAを利用していない企業の中には、そもそもEPAを知らないという声に加えまして、関税メリットを利用するための原産地証明等の手続を具体的に知らない、あるいはその利用が煩雑、利用負担が大きい、こうした声があることも承知をしております。
 先生御指摘のとおり、より多くの日本企業にEPAを活用いただくことがEPAの効果の最大化につながることから、経済産業省といたしましても、特に中堅企業、中小企業等に対しまして、相談窓口の設置や原産地証明手続等を分かりやすく説明した解説書等の作成、配布、説明会の開催等を行ってきたところでございます。今後、更にe―ラーニングの提供や業種別のセミナーの開催等、取組の拡充を図ってまいりまして、きめ細やかな情報提供に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、中小企業の海外展開につきましては、新輸出大国コンソーシアムを通じまして、海外展開に意欲のある中堅・中小企業に対し、事業計画策定から商談成立までの専門家によるきめ細やかなサポートを実施しているところでございまして、引き続き海外展開を後押ししてまいりたいと考えております。
#106
○秋野公造君 私が調べた限りでは、大企業と中小企業の際立った利用が進んでいない理由として、制度を知らないといったようなことがあったかと思います。どうぞ促進をお願いをしたいと思います。
 次に、アメリカには、この貿易を自由化することで損失を被った労働者、企業等に対して、所得補償、技術支援等を実施する国内法、貿易調整支援、TAAがあると承知をしておりますけれども、このTAAの中には、労働者向け、企業者向け、農林漁業従事者向け、分野別の細かな支援形態があって、経営難に陥った企業等のセーフティーネットとして機能をしているということでありますが、我が国の総合的なTPP等関連政策大綱の改訂と併せて、こういった経営セーフティーネットの整備拡充をしっかりと行っていただきたいと思っておりますが、御見解について、河野政務官、お伺いしたいと思います。
#107
○大臣政務官(河野義博君) TPP11や日EU・EPA、そして今般の日米貿易協定におきましては、農林水産分野につきまして、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかり確保したところでございます。それでもなお残る農林漁業者の不安を受け止め、安心して再生産に取り組めるよう、総合的なTPP関連政策大綱に基づきまして、現在万全の対策を講じております。
 このうち、農業者向けのセーフティーネットといたしましては、牛肉や豚肉の販売価格が生産費を下回った場合にその差額の一定割合を補填するいわゆる牛・豚マルキンにつきましては補填率の引上げを講じまして、九割の補填を行っているところでございます。また、全ての農産物を対象に、自然災害、価格低下など収入減少を補償するため、収入保険を本年一月より開始したところでもございます。
 他方、秋野委員御指摘のとおり、米国におきましては、農産物の輸出増加により収入や生産などに影響が出る品目の農業者に対しましては、経営改善に向けた技術指導や経営改善計画の策定を要件に本計画実施の費用などを助成する貿易調整支援、いわゆるTAAという制度があるというふうに承知をしてございます。
 農業はどの国におきましても国民の食料の安定供給や地域経済の発展などに重要な役割を果たしており、アメリカのこうした支援措置も米国における課題に対応するために実施されているものというふうに考えてございます。
 今後、年末に向けまして総合的なTPP等関連政策大綱の改訂に当たりましては、現行大綱で示しました政策についてしっかりとした検証を行いつつ、必要な施策を検討してまいりたいというふうに考えております。
#108
○秋野公造君 ありがとうございました。
 委員長、よろしければ、中野政務官、河野政務官、御退室いただいて結構であります。
#109
○委員長(北村経夫君) 中野政務官、河野政務官、退室されて結構です。
#110
○秋野公造君 次に、デジタル貿易協定についてお伺いをしたいと思います。
 前回の質疑におきましては、TPP以降の社会の変化を踏まえて、TPPの範囲を超える範囲も交渉したといったようなことをお伺いをしたところでありますが、まず一番最初にお伺いしたいこと、それは、このデジタル貿易協定、電子商取引ではなくデジタル貿易と呼称をした理由、これにつきまして外務大臣からお伺いをしたいと思います。
   〔委員長退席、理事宇都隆史君着席〕
#111
○政府参考人(澁谷和久君) アメリカとここはかなり議論をしたところでございますけれども、電子商取引という言葉、古い言葉でございまして、今ではデジタル貿易と同じようなふうに使われておりますけれども、何かネットによる物販のようなイメージを持っている方も多いということで、デジタル貿易という言葉を使おうということになったところでございます。
 国際的に電子商取引、デジタル貿易、定義があるわけで、確立されているわけではありませんが、より新しく使われている言葉を使おうということでございます。
#112
○秋野公造君 この協定は、自国における輸入、販売等の条件として、ソフトウエアのソースコードやアルゴリズムの転移等を要求してはならないと、こういった規定が定められているところでありますけれども、今申し上げたことはTPPには定められていない要素であります。
 このアルゴリズムが規定をされた意義と、逆にTPPに盛り込まれなかった背景、そしてソースコードとの位置付けとの重要性の違いについてお伺いをしたいと思います。
#113
○政府参考人(澁谷和久君) 御指摘のとおり、日米デジタル貿易協定におきましては、自国でのソフトウエアの販売や流通等の条件として、TPPでも規定されていたソースコードに加えまして、アルゴリズムを開示することを原則として要求してはいけないということを規定しているところでございます。
 安倍総理が提唱しておりますデータ・フリー・フロー・ウイズ・トラストの、ウイズ・トラストに沿う内容、非常に重要な規定だというふうに考えておりますけれども、この分野での高い水準のルールを整備するため新たに盛り込まれた、TPPではなかったというのは、TPPの電子商取引章の交渉をしておりましたのは今から五、六年前でございまして、その後のこのデジタル貿易市場の実態等を踏まえて今回盛り込んだということでございます。
 アルゴリズムといいますのは、一連の定められた手順でありまして、計算方法、あるいはコンピューターを動作させるための一種の計算手順のようなものでございます。ソースコードは、コンピューター言語による文字列でありまして、このアルゴリズムを表現するプログラムそのものであるわけですけれども、そのプログラムの根っこにあるアルゴリズムということについても保護の対象にするということでございます。
#114
○秋野公造君 もう一点お伺いしたいと思います。
 これ、TPPに見られないルールで、SNS等の双方向コンピューターサービスについて、情報流通等に関連する損害の責任を決定するに当たって、SNSサービス提供者等の情報の発信主体として取り扱う措置、これを採用、維持してはならないという規定であります。
 これにつきましても、この十八条、規定された趣旨と意義について、また逆にTPPで盛り込まれなかった背景についてお伺いをしたいと思います。
   〔理事宇都隆史君退席、委員長着席〕
#115
○政府参考人(澁谷和久君) TPPでは、第十八章の知的財産のチャプターにおきまして、インターネット上でのこれ著作権の侵害コンテンツの対策のためのプロバイダー事業者の免責等についての制度が規定されているところでございますが、今回、知的財産は対象外としているところでありますし、また、TPPで交渉しているときから、先ほども申しましたように五、六年経過をしておりまして、その間、SNS等の双方向コンピューターサービス、非常に各国において相当活用されているということがございまして、そうした動向を踏まえまして規定することとしたものでございます。
 日米デジタル貿易協定第十八条、いわゆるSNS等ですね、これをデジタル貿易を増進させるために不可欠なものだというふうに重要性を認識した上で、その上で、コンピューターを利用した双方向サービス提供者等が書き込みを削除した場合、あるいは削除しなかった場合の民事上の責任を一定の限度で制限する、例えばSNS上で他人の名誉を毀損するような書き込みがされた際に、一定の条件下でSNSの運営者側は責任を問われないという規定がなされているところでございます。
 この規定は、まさにこれもウイズ・トラストに相当するものでございますけれども、権利侵害による被害、これをどうやって防止するか、又はそういう被害者を保護するかということと、双方向のコンピューターサービスを使った自由な情報の流通、このバランスをどういうふうに取るかということの、これを、こういったルールを世界に示すことに意義があるということで規定をしたものでございます。
#116
○秋野公造君 今御説明をいただきましたけれども、これにつきましては日米両国において国内法制の相違があるということを伺っておりますが、まずその具体的な相違点について確認をしたいと思います。
#117
○政府参考人(澁谷和久君) 我が国では、総務省が所管しておりますプロバイダー責任制限法という法律が規定しているところでございます。アメリカは、一九九〇年代ぐらいから随時更新されておる法律でございまして、コミュニケーション・ディセンシー・アクトと、これ通信品位法と訳すんでしょうか、で規定されているところでございますが、このアメリカの法制度におきましては、サービスの提供者を発信者として扱ってはならないという形で責任の制限を規定しておりますけれども、プロバイダー責任制限法は必ずしもそういう規定ではないということでございます。また、プロバイダー責任制限法と通信品位法は、アクセス制限に関する免責事由など相違点があるところでございます。
#118
○秋野公造君 これは、日本国内で本協定の規定をどのように実施をするのでしょうか。日本の法制で行うのかということについて確認をしたいと思います。
#119
○政府参考人(渡辺健君) そうした双方の規定上の相違点を踏まえまして日米間での種々の議論をした結果、協定署名時の日本国政府と米国政府との交換公文におきましても、いわゆるプロバイダー責任制限法が本協定第十八条の規定に反しないこと及び同条の規定を遵守するために日本の現行の法制を変更する必要がないことを確認をし、合意をしております。
 したがいまして、日本国内では、日米デジタル貿易協定第十八条の規定につきまして、プロバイダー責任制限法を始めとする日本の現行の法制を通じて実施していく考えでございます。
#120
○秋野公造君 そうなりますと、米国内では本協定の規定をどのように実施をするのか、確認をしたいと思います。
#121
○政府参考人(澁谷和久君) このデジタル貿易協定の実施は、日米がそれぞれ責任を持って行うということでございます。米国内においては米国内の現行の法律を適用し、誠実に履行されるものと承知しております。
#122
○秋野公造君 その日本のプロバイダー責任制限法が十八条に反しないということでありますけれども、どのようにそのことを担保したのか、仕組みについてお伺いをしたいと思います。
#123
○政府参考人(澁谷和久君) この点は、お互い、日米それぞれいわゆる法制度、基本となる法制度が書きぶりが異なっているということはお互いに認識をしていたところでございますが、これはかなり相当長い時間を掛けて、日米の担当者同士でお互いの制度、またその運用について相当議論をしたところでございます。
 これ、アメリカと日本のそもそもの法体系の違いでありますけれども、アメリカというのは法律においてかなりばくっと規定をして、その個々のケースに応じた判例の積み重ねで実際のルールが決まっていくというのがアメリカ式でございます。日本の場合、特にこのデジタル分野につきましては、官民で長年いろいろ議論をしてガイドラインのようなものもでき上がっておりまして、そうしたものを踏まえて法律ができ上がっていると、こういう立て付けでございます。
 アメリカの制度は、確かに一見日本の制度と異なる態様でございますけれども、個々の判例を見てみますと、例えばディストリビューターとしての責任がまた問われるようなケースもあるわけでございまして、個々のケースでいうと日米に大きな差はないということの確認も取れたところでございまして、したがって、最終的に我が国のプロバイダー責任制限法、これは日米で取り交わしました交換公文におきまして、第十八条の規定に反しない、こういう両国政府の認識が確認されているというところでございます。
#124
○秋野公造君 ちょっとくどいんですけれども、国内法制と異なる内容が規定をされておりますので、これによる影響、問題、これは出ないということを、そう考えているかということを確認したいとともに、もしも影響、問題が出た場合の対応、どのようにすればいいかということについて確認をしたいと思います。
#125
○政府参考人(澁谷和久君) 日米デジタル貿易協定、先ほども申し上げました、日米間で円滑で信頼性の高い自由なデジタル貿易を促進するための法的基盤を確立し、また、これからの時代の経済を牽引するデジタル貿易のルール作りにおいて日米両国が引き続き主導的な役割を果たしていく、そういう基盤になるものだというふうに考えておりまして、そういう観点で日米の考え方というのは全くそごがないということでございます。
 また、第十八条につきましても、先ほどお答えしたとおりでございまして、我が国のプロバイダー責任制限法が同条に反しない旨が確認されております。これは、相当詳しくお互いの制度の運用等についてお互いに紹介をし合って、個々のケースの実態上の判断において日米間でそごがないということを確認した上で規定をして、また交換公文を結んだところでございます。
 本協定、先ほど申しましたように、権利者の保護、それからデータの自由な流通、このバランスを取るという、この微妙なバランスを取ることの必要性というものは日米間で完全に共有されているところでございますので、今後、日米間でこの問題に関して何か影響なり問題なりが生じるということは想定していないということでございます。
#126
○秋野公造君 日米との間はそういうことになろうかと思いますけれども、国内において、日米との、例えば事業者と利用者の責任の決め方も異なっているわけであります。こういった観点から、国内法の改正、この要否について検討する必要はなかったのか、このことも確認をしておきたいと思います。
#127
○政府参考人(渡辺健君) 双方の規定上の相違点を踏まえた日米間の種々の議論の結果、協定署名時の交換公文におきましても、両締約国がそれぞれの法制に相違があることを認識した上で、いわゆるプロバイダー責任制限法が本協定第十八条の規定に反しないこと及び同条の規定を遵守するために日本の現行の法制は変更する必要がないことを確認し、合意をしております。
 したがいまして、本協定十八条を実施するための国内法制の変更は必要ないと考えております。
#128
○秋野公造君 更に細かい議論はあるのかもしれませんが、微妙なところでまとめたということがよく分かりました。
 終わります。
#129
○鈴木宗男君 茂木大臣にお伺いしますけれども、私は昭和四十四年から国会議員の秘書をやって永田町にいて、昭和五十八年から国会議員として、その間、様々な経験をしながら今に至っておりますけれども、日米通商交渉を見てきて今でも印象に残るとすれば、あの昭和四十七年の日米繊維交渉であります。田中角栄さんとジョン・コネリーさんの、財務長官との会談、あるいは昭和五十三年の中川、ストラウスUSTR代表との牛肉・オレンジ交渉の妥結、あるいは平成七年の橋本龍太郎通産大臣とカンターUSTR代表との会談等、思い出されます。大変タフな厳しい交渉だったと思いますが、皆さん、それぞれの立場で責任を持って解決してきました。
 そこで、茂木大臣、田中先生も繊維交渉を終えて、次のポストに就いたのが総理大臣であります。中川一郎先生もこの日米交渉をやって、あるいはIAEAの原子力協定なんかもまとめて自民党の総裁候補になったと思っていますね。橋本龍太郎先生もカンターさんとのこの会談を終えて、翌年、総理大臣になりました。
 そういった意味では、今回、日米貿易協定をやった茂木大臣は、もう現にポスト安倍総理の一員として名は連ねておりますけれども、実績的に見ても相当私は今回のこの日米交渉は評価に値すると、こう私は思っております。これからも自信を持ってこの通商交渉、最後の仕上げをまた成し遂げていただきたいと、こう思っておりますけれども、茂木大臣、この交渉を振り返って、大臣としての評価、思いを国民に知らせていただきたいと思います。
#130
○国務大臣(茂木敏充君) 私も様々な過去の、今、鈴木先生からお話のありました交渉等につきましては記憶に残っております。特に、ミッキー・カンター通商代表と橋本当時の通産大臣の交渉、橋本通産大臣、武士道をもって臨むということで、竹刀を持ったシーンと、これは非常に印象的だったなと思っております。
 それぞれの、田中通産大臣にしても中川先生にしても厳しい交渉をしたと思っておりますが、今回の日米の貿易交渉も、決して最初からライトハイザー代表との間で意見が一致していたわけではなくて、相当、何というか、隔たりがある中で交渉を進めました。特に、今年の四月から交渉が本格化したわけでありますが、五か月、九月までの間で八回にわたりまして閣僚会議を実施をいたしまして、そして基本的にライトハイザー代表と意見の一致を見る八月後半の会合は八月二十一日から二十三日まで三日間ぶっ続け、閣僚会合だけでも十一時間に及ぶ厳しい交渉でありましたが、日本としては、自由貿易の旗手であると、こういう立場からTPPを既にまとめていたと、そして日EU・EPAも発効していた。
 そういった中で、アメリカとしては、今オーストラリアであったりとかほかの国に劣後している状況と、これを一刻も早く解消したいと。一方、日本としては、この昨年の共同声明に盛り込まれたように、特に農業分野について、過去の経済連携協定で約束した内容が最大限である。こういう両側の立場が最終的に一致をした、これが今回の日米の合意だと、こんなふうに考えておりまして、実際に一日も早くこの後、協定を発効させて、これを日米関係の発展、これにつなげていきたいと思っております。
#131
○鈴木宗男君 まさに茂木大臣のしっかりした交渉が私は功を奏したと思っておりますし、何よりも、今回の交渉でいろいろ懸念、心配はありますけれども、これは国内対策でしっかりやればいいと私は思っております。
 同時に、農産物にしても自動車関連にしても、自動車工業会も、JA、農協中央会も、今回の交渉を評価していますね。あとは、小さな国内対策はしっかりやってほしいということと、関税についてもきちっとこの撤廃という担保は取ってほしいという声はありますけれども、大きな反発はありません。そういった意味では、是非とも、私はこれは自信を持って茂木大臣には今後ともこの交渉等をやっていただきたいなと、こう思っています。
 そこで、私は、農家にしろあるいは各種この団体にしても、一番心配しているのが国内対策で財源であります。
 今日、財務省の方、来られていると思いますけれども、何といっても、過去も二国間交渉で、先ほど言った日米繊維交渉なんかでは、これ、今日ここにいる委員の皆さん方覚えておられると思うけれども、当時、通産省の予算、たった二千億でした、一般会計予算。あのときの繊維交渉の国内対策、緊急融資、特別融資含めて、一般会計予算と同じ二千億、田中大臣は用意しましたね。これがまた田中大臣の評価につながったわけでありますけれども。
 是非とも、財務省、農家も、あるいは様々な関連業界も、心配しているのは国内対策でありますから、何があってもやっていける、今よりも所得は上がっていく、そういう、補正予算にしろいわゆる一般会計予算にしろやっていくという、その財務省の判断が必要かと思いますけれども、その点、明快な答え、心構えをお聞きしたいと思います。
#132
○政府参考人(角田隆君) 農家の皆様の御不安がまだ残っていますよということだと思いますけれども、これまでも累次の対策を講じてまいりましたし、今後も生産基盤の強化等を通じまして強い農林水産業、農山漁村の構築に取り組んでまいる覚悟でございます。
#133
○鈴木宗男君 次長、今農水省が出した試算が六百億から千百億と言われていますね。アバウトに計算しても、その最低でも三倍ぐらいの私は予算枠は必要でないかと、こう思っているんですね。この点、具体的な数字が、まだこれから補正で積み上げるにしても、決まっていませんから言えないと思いますけれども、十分、例えば農水省が要求をしたことに対してはこたえられると、財務省として。その決意だけはしっかり示してもらったことによって、茂木大臣の交渉結果も生かされるし、多くの人が納得もすれば安心もすると、こう思うんですね。この点、どうでしょう。
#134
○政府参考人(角田隆君) 二十七年補正以来、着実にその施策を積み上げてきておりますので、その流れの中にあるというふうに理解をいたしております。
 具体的なことは差し控えさせていただきたいと思います。
#135
○鈴木宗男君 今の段階では具体的な数字はそれは示せないのは理解しますけれども、是非とも、次長さん、あなたが力持っているわけですから、ここら辺は主計官とよく相談して、是非とも、安心が一番なんです。
 特に、これ皆さん、農家というのは、十年二十年この政策は変わりませんよ、だから後継者もしっかり居着いてください、問題ないですよというメッセージを送らないと大変なんですよ。今、生産は上がっています。所得も増えているけれども、離農が増えているのはそこなんですね、将来性に対する不安ですから。それは、私は財源しかないと、こう思っていますので、次長、是非ともこの点、もう委員会挙げて財務省の重きを成すような決定態度をお願いしたいと思いますので、これはもう農林水産省の人らも一生懸命頑張ってくれると思いますから、御理解いただいて、よろしくお願いしたいと思いますが、もう一回、決意のほどをお願いします。
#136
○政府参考人(角田隆君) 外交防衛委員会だと思って参りましたけれども、これまでもしっかりタッグを組んでやってまいりましたので、その延長上にあるというふうに考えてございます。
 以上でございます。
#137
○鈴木宗男君 私は、役所の中の役所は大蔵省、そして今の財務省だと、こう思っておりますし、国益を踏まえて一番頑張っているのもまたこれ外務省でもありますし、やはり、農は国の本とも言われておりますから農水省の役割も大きいわけでありますから、是非とも、次長さん、よろしくお願いをいたします。
 もうよろしいです。はい。ありがとうございました。
#138
○委員長(北村経夫君) 角田次長、退席されても結構です。
#139
○鈴木宗男君 寺岡さん始め皆さん、若い人たちによろしくお伝えをいただきたいと、こう思います。
 茂木大臣にお尋ねしますが、GSOMIAについて、この二十二日の深夜の決定に至るまでいろいろありましたけれども、ちょっと確認したいんですけれども、茂木大臣は、あれは十二日でしたか、アメリカの制服組のトップであるミリー統合参謀本部議長とお会いしましたね。このとき、日米韓の足並みの乱れは、北朝鮮だけでなく、中国、ロシアにも利すると伝えたと、こう言われております。ミリー氏は、日米共通の話題は北朝鮮と中国だと、こういう言い方をされています。
 そして、二十二日の十八時過ぎの安倍総理のぶら下がり会見では、安倍総理は明確に、GSOMIAの破棄は北朝鮮を利するだけだと、こう明確に述べられました。ここは、安倍総理の言うGSOMIAの破棄は北朝鮮を利するだけだというこの総理の判断でよろしいんでしょうか。
#140
○国務大臣(茂木敏充君) それで結構です。
 その上で、ミリー議長との会談について言及いただきましたが、基本的に、こういう日米韓の連携が乱れたらこれは北朝鮮を利する、そしてそれは、この地域におきましては中国、ロシアという国があるわけでありまして、そこにも少なからぬ影響が及ぶと、こういう文脈の中で申し上げたことです。
#141
○鈴木宗男君 今の説明、よく分かりました。
 一部、例えばロシアの報道なんかによると、ロシアという言葉入っているものですから、ちょっとワンパッケージ的に見られて、北朝鮮とですね。この点、私は、今、安倍総理がまさに総理大臣として一番力を入れている一つに、私はこの日ロの平和条約があると思うんですね。平和条約交渉をしているときに間違ったメッセージを与えることは良くないと思ったから今確認をしただけでありますので、今の茂木大臣の説明を聞いて納得をいたしました。
 あわせて、大臣、APECがチリの国内問題で中止になりまして、日ロの首脳会談がなくなりました。二十二日、ラブロフ外務大臣と名古屋で、G20の外相会談で会談したということも伺っておりますけれども、私は、首脳会談が今月十六、十七日で、これ、なくなってできなくなった。早くやることがこれは大事だと思うんですね。特に、来年は戦後七十五年という節目の年でもあります。ロシアは、この記念日というのは五年置きが一つの大きなイベントが行われますね。それを考えると、来年は大きな意味のある年になると思うんですね。
 そういった意味でも、一日も早く日ロ首脳会談を開いた方がいいと思うんですが、ラブロフ外務大臣にはその日本側の意向というのはお伝えになったんでしょうか。
#142
○国務大臣(茂木敏充君) 今後の日米の、あっ、失礼しました、日ロの平和条約締結問題につきましては、また大変これまでの経緯についてもお詳しい鈴木先生からいろいろ御指導いただいていきたいと思っておりますが、名古屋でG20の外相会談が開かれた。十数か国の外相とマラソン会談、バイをやりましたが、恐らくそこの中でも一番長い時間を使ってラブロフ外相と、今後の様々な協議の進め方であったり、さらには共同経済プロジェクト、共同経済活動のパイロットプロジェクトの成果であったり、また元島民のための人道的措置と、これはラブロフ外相も今後も協力したいと、こういう話もいただいたところでありますが、いずれにしても、首脳レベル、そして外相レベル、これで頻繁に会談を重ねていこうということでは一致をいたしておりまして、まず十二月にモスクワの方に来てほしいと、こういう要請を受けておりますので、諸般の情勢が許せば十二月の中旬にもモスクワを訪問して、この平和条約問題を含めてしっかりと協議をしてまいりたいと考えております。
#143
○鈴木宗男君 安倍総理は、自分の手でこの日ロ平和条約、北方領土問題解決、成し遂げると、こう言っておりますので、私は、歴代外務大臣も努力はされておりますけれども、特に今の状況では茂木大臣に対する期待と更なる大きなダイナミックな前進を期待するものでありますから、是非とも来月の訪ロの際、その首脳会談の日程等を決めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#144
○国務大臣(茂木敏充君) それも含めて交渉が進展するように努めてまいりたいと思っております。総理もまた、プーチン大統領と残念ながらAPECの機会に会えなくなってしまいましたので、早期の会談というのを望んでいると思いますので、それぞれの、安倍総理、そしてプーチン大統領の日程等々をにらみながら、できるだけ早期に日ロの首脳会談が実現できるように外務省としても全力を尽くしたいと思っております。
#145
○鈴木宗男君 くれぐれもよろしくお願いをいたします。
 農水省にお尋ねしますけど、私は北海道なものですから、やはり牛肉だとか小麦を含めて農産品、米はもちろんでありますけれども、農家の皆さん方の声を聞くと、協定は決まった、その中でやっぱりもう心配なのは将来がどうなるかということなんであります。
 この点、例えば牛肉にしても、輸入牛肉と競合するのは北海道のホル雄でありますね。この点の、価格について今後はどうなるかということを心配していますので、この点、農水省の見解をお尋ねしたいと思います。
#146
○政府参考人(渡邊毅君) お答えをいたします。
 先生今言及のございましたホル雄、いわゆるホルスタイン種という乳用種の雄のことでございますけれども、ホル雄の牛肉の価格は、肉ブームを背景にいたしまして、平成二十七年度からキロ当たり大体千円を超えて推移をしているということでございまして、TPP11発効前後で大きな変化は見られていないところでございます。
 また、近年、生産者がホルスタインの雌に性判別精液の活用ですとか和牛の受精卵の移植を進めている関係で、ホル雄の出生頭数というのがこの十五年間で三八%ほど減少しているということで、この傾向は今後とも続くと思っております。
 生産は非常に絞られてきているということですが、一方、需要の方は、家庭ですとか外食などにおきまして旺盛な需要がホル雄についてはあるものですから、ホル雄の牛肉価格は今後も堅調に推移をするんではないかというふうに考えているところでございます。
#147
○鈴木宗男君 これも農水省にお聞きしますけれども、農水省が試算した生産減少額、六百から千百億、これ、もう少しきちっと説明した方がいいと思うんですね。
 というのは、単年度で何かそれだけの減少額があるんでないかというちょっとした誤解がありますね。この点、もう少し丁寧な説明の仕方があるんでないかと思いますが、どうでしょうか。
#148
○政府参考人(浅川京子君) 日米貿易協定における農林水産物の生産減少額ですが、合意内容の最終年において約六百から千百億円ということで試算をしているところでございます。
 農林水産省としては生産者の懸念や不安を払拭することが重要であると考えておりまして、これまでも、今回の結果を含めまして、農業者等の方々へ周知するために、合意内容や試算結果に関する品目ごとの詳細な資料のホームページへの掲載や農業者などを対象とした説明会を全国各地で行ってきているところでございますが、今委員から誤解があるという御指摘を受けましたので、更に正確に理解をしていただくために、今後ともより丁寧な情報提供に努めていきたいと考えているところでございます。
#149
○鈴木宗男君 徹底した説明をすれば分かると思いますので、よろしくお願いします。
 この委員会でも皆さん心配しているのは、生産減少、所得減少ということですね。安定生産につながるのかというような懸念ばかりでありますけれども、私はこれ、委員長、自信を持って言えるのは、過去様々な通商交渉、二国間はもちろん、多国間でもそうです、ウルグアイ・ラウンドなんかが一番大きな問題だったと思いますが、あのときも大変な不安だとか心配の声が出ましたけれども、何かあったかというと、これ何もありませんでした。それは賢明な国内対策をしたからだと、こう思っております。
 あのオレンジのときでも、ミカン農家が全部潰れるなんといって、大変な、中川大臣のところに抗議が来たりもしましたけれども、一軒も潰れることなく、逆に品質向上して、アメリカよりも、オレンジよりもおいしい、あるいは手軽に食べれる品種改良等をやって、きちっと今日に至っております。
 私は、この生産者の努力というのも大変なものでありますから、それを担っているのは農水省でありますから、是非とも生産者の声によく耳を傾けて賢明な対策を取っていただきたい。先ほど財務省にも相当念は押して財源の話はしておりますから、これは国会の場以外でも財務省にはいろいろまたこの話はしていきますので、この点、農林水産省の後方支援をちゃんとやらせていただきますので、自信を持ってやっていただきたいなと、こう思います。
 最後に茂木大臣に確認しますけれども、この日米共同声明に書かれているのは、発効から四か月以内に対象範囲などを決めるとされた再交渉で、米を含む農産品を対象とすることは想定していないと再三答弁されておりますけれども、その点について確認をさせていただきたいと思います。
#150
○国務大臣(茂木敏充君) 今後の交渉、それは今御指摘のありました協定発効後の協議によってどの分野を対象にするかということを決めてまいりますが、関税に関する部分で申し上げますと、想定しておりますのは協定に明記をされました自動車、自動車部品の分野でありまして、米を含め農業については想定をいたしておりません。
#151
○鈴木宗男君 ありがとうございます。
 茂木大臣の明快な答弁をもらってまた安心する人もたくさんおられるんではないかと、こう思っております。
 私は、今回のこの日米貿易協定、極めてバランスの取れた結果であると評価をしております。私は、これは一日も早く本委員会でも審議、可決して、とにかく前に向けて、マイナス面ばっかりでなくてやっぱりプラス面があるということ、先ほども言いましたけど、これはGDP〇・八%、四兆円に値するプラス材料もあるということをもっともっとここは外務省も農水省もアピールして、ここはしっかりと国民に理解を得ることが大事でないかなと、こう思っております。
 時間ですので、これで終えます。
#152
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 日米共同声明に基づく第二ラウンドの対米貿易交渉の焦点の一つが食の安全であります。
 昨年十二月に米通商代表部、USTRが公表した対日貿易交渉目的には二十二項目が示されました。その中で、農業バイオテクノロジーを通じて開発された製品の貿易に関する具体的な約束を確立する、米国の食品及び農産物の輸出を妨げる不当かつ正当化されていない障壁を取り除くメカニズムを確立するということを掲げております。
 二十日に行われた米下院の公聴会でも、証人として出席したベッター元USTRの首席農業交渉官は、食品安全などの非関税障壁等を念頭に、日本とのより包括的な合意を求めるべきだと述べております。遺伝子組換え食品の表示や食品添加物、農薬を含む食の安全の基準緩和が迫られることになると、消費者から不安の声が広がり、また専門家からは食の安全の担保を問題視する声が出ております。
 まず、外務大臣にお聞きしますけれども、これまでの日米交渉でこういう食品分野での非関税障壁について米国からどのような要求が出されているのか、日本は食の安全どう守っていくのか、お答えください。
#153
○国務大臣(茂木敏充君) アメリカ側からそのような要求はなされておりません。
#154
○井上哲士君 今後の第二ラウンドで明確に掲げられているということを今申し上げたところでありますが、じゃ、今後どうなっていくのかと。
 トランプ大統領は、六月の十一日に、バイオテクノロジーを利用する多国籍企業を支援するために、バイオ農産物規制の枠組みの現代化という大統領令を公布をいたしました。この中で、遺伝子組換えやゲノム編集技術が農業生産に革命的な進歩をもたらすと手放しで持ち上げた上で、国内措置として、ゲノム農産物と、それとセットで使用量が増えている除草剤グリホサートに対する過剰な規制を洗い出して対処することを関係機関に指示をしております。
 重要なことは、これ、対外措置も盛り込んでいるんですね、この大統領令は。USTRに対して、農務相や国務相と協力しながら百二十日以内に不公正な貿易障壁を除去し、バイオ農産物の市場を拡大するための国際的な戦略を策定すると、こう指示をしております。日本では全くというほど報道されておりませんけれども、米農産品の大口輸入国である日本の貿易障壁もその除去のターゲットになるわけですね。
 このアメリカ大統領令の日本への影響について、大臣、どのような認識を持っていらっしゃるでしょうか。
#155
○政府参考人(山上信吾君) お答えいたします。
 委員御指摘の大統領令でございますが、今年の六月十一日でありました。農業バイオテクノロジーに関しまして、アメリカ政府としての戦略等を策定する内容の大統領令にトランプ大統領が署名したと承知しております。
 その内容でございますが、幾つかございます。一つには、農業バイオテクノロジー産品に関するアメリカ国内規制の合理化、二つ目には、農業バイオテクノロジー産品に対する消費者の信頼向上に向けた行動計画の策定、三つ目には、農業バイオテクノロジー産品の国際的な需要に向けた戦略の策定、こうしたものがございます上に、これらに加えまして、ただいま御指摘の農業バイオテクノロジー産品に対する不当な貿易障壁を取り除き、市場を拡大するための国際戦略を策定すること、こういったことが定められると承知しております。
 その後の動きでございますが、本件につきましては、このアメリカ国内の状況について公表されておりませんで、その後の実施計画等がどういう形になっているのか内容が明らかでございませんのでコメントすることは困難でございますが、政府としても今後のアメリカ政府の対応を注視してまいりたいと考えております。
#156
○井上哲士君 この大統領令に示された強い姿勢で、今後米国は交渉に臨んでくるわけですね。
 一方、こういうアメリカ側の要求を先取りするかのように、日本国内で食の安全の規制緩和が既にどんどん進んでおります。まず、この大統領令で過剰な規制を問題にしているグリホサートの問題です。
 この間、輸入小麦を使用した食パンから日本でもグリホサートが検出をされまして、消費者に衝撃を与えております。グリホサートは、米モンサント社の除草剤ラウンドアップに含まれる化学物質で、国際がん研究機関が二〇一五年に、人に対して恐らく発がん性があると発表をしております。
 まず、農水省、お聞きしますけれども、このグリホサートの日本の規制の現状はどうなっているでしょうか。
#157
○政府参考人(神井弘之君) お答え申し上げます。
 農薬につきましては、農薬取締法に基づき、防除の効果があり、かつ人の健康や環境に対して安全と認められたものだけを、使用方法を定めた上で登録し、使用できることとしております。
 グリホサートにつきましては、直近では二〇一六年に食品安全委員会による安全性評価が行われ、農薬としての使用方法を遵守すれば人の健康上の問題がないことを確認し、登録しております。
#158
○井上哲士君 農薬として登録できると。
 これ以外に、公園や公道、学校、鉄道周辺でも使われているわけですね。
 日本では、一七年の十二月に、このグリホサートの残留許容値を小麦で六倍、トウモロコシでは五倍、ソバは百五十倍、ヒマワリに至っては四百倍まで緩和をいたしました。
 厚労省、お聞きしますけれども、なぜ残留許容値をこのように大幅に緩和したのでしょうか。
#159
○政府参考人(浅沼一成君) お答え申し上げます。
 農薬グリホサートの残留基準値につきましては、小麦、キャベツなどの対象農作物に使用可能な製剤を追加することに伴いまして農林水産省等からの基準値変更の依頼があったことから、実際の使用方法による残留濃度等に基づきまして、二〇一七年十二月に改正を行ったところでございます。
 その際には、二〇〇五年十一月以降、グリホサートの残留基準値は改正されていなかったことから、その間に設定されました国際的な基準も参照し、食品安全委員会のリスク評価の結果も踏まえ、人の健康を損なうおそれのないよう設定したものでございまして、安全性に問題が生じていることはないと考えております。
#160
○井上哲士君 今、実際の使用状況に基づいてという趣旨のことがございました。つまり、アメリカの散布量から推計される残留量、これ考慮しているということなんですね。
 今、国際的なということも言われましたけれども、むしろアメリカの国内でも、そして世界でもこの反グリホサート、世論も規制も広がっております。そのことが農薬メーカーの株価等に悪影響を与えるなどなどある中で、先ほどのアメリカの大統領令が出されたわけですね。
 アメリカでは、グリホサートを長年使用した結果、がんを発症したとして、このモンサントに損害賠償を求める訴訟が一万件以上出ております。昨年八月にカリフォルニア州の上位裁判所の陪審が、学校の校庭の管理でグリホサートを年二十回から三十回使用した、その結果、末期がんを患ったとした男性の訴えを認めて、モンサントは警告義務を怠ったとして総額二億八千九百万ドル、約三百二十億円の支払を命ずる評決を出したんですね。これ以外にも、億単位の賠償命令を、支払を命ずる判決が相次いでおります。
 そうした中、アメリカの地方政府、地方自治体でもこのグリホサートの規制が広がっておりますけど、具体的にこうしたグリホサートの米国内の地方政府などの規制がどうなっているか、どのように承知されているでしょうか。
#161
○政府参考人(神井弘之君) お答え申し上げます。
 米国の地方レベルの動きについて全てを把握しているわけでございませんが、カリフォルニア州において、二〇一七年にグリホサートを含有する農薬のラベルに発がん性の警告を表示することを義務付けたということがあるのは承知しております。
 なお、米国で農薬の評価、残留基準値設定、登録等を担当しております環境保護庁では、グリホサートについて、農薬としての使用を遵守する限りにおいては発がん性は認められず、人への健康へのリスクはないという評価をしているということも承知しております。
 以上です。
#162
○井上哲士君 様々なところで使用規制や削減、特に公共的な場所での使用の禁止が広がっているんですね。今紹介あったカリフォルニア州でありますけれども、プロポジション65と呼ばれる法律で警告表示を義務付けております。
 実は、先ほどの大統領令の後の八月八日にアメリカの環境保護庁が声明を出して、このカリフォルニア州の規制について、このような措置はもはや承認しないと、こういうふうにしたんですね。しかし、カリフォルニア州は、これはWHOの知見に基づいているんだという反論を出して、住民の知る権利を守るという立場からこの承認しないという措置に従っておりません。つまり、こういう表示をせよという規制を続けている、これが現にアメリカで行われていることなわけですよ。
 アメリカだけではありません。オーストリア議会は、今年七月、全面禁止を決定しました。フランス政府も、今年一月に一部製品の販売禁止に踏み切りました。EU議会としても、二〇二二年までに農薬としての使用を禁ずることを求める決議を上げております。
 農水省、更に聞きますけれども、開発企業の立場から規制緩和を命じたトランプ政権、そして日本では既に大幅な規制緩和を進めておりますけれども、こういう動きというのは今紹介したような世界の流れに私は逆行していると思いますけれども、いかがでしょうか。
#163
○政府参考人(神井弘之君) お答え申し上げます。
 グリホサートについては、先ほども申し上げましたけれども、直近では二〇一六年に食品安全委員会による安全性評価が行われております。農薬としての使用方法を遵守すれば人の健康上問題がないということを確認して登録してございます。
 また、今もお話ございましたけれども、米国やEU等でも同様の評価がなされていることから、直ちにグリホサートについて規制を強化する必要はないというふうに今考えておるところでございます。
#164
○井上哲士君 今紹介したように、米国のいろんな地方政府、そして世界でも様々な規制の強化は行われているんですね。私は明確に逆行していると思います。
 さらに、この大統領令で革命的進歩をもたらすとされたゲノム編集食品についてお聞きしますが、政府は、このゲノム編集技術で品種改良した農産物の大半について、遺伝子組換え食品とは異なる扱いとして、ゲノム編集食品であることの表示を義務付けないとするルールを九月に発表し、十月一日から届出や事前相談が始まっておりますが、まず、このルール、具体的な内容を御説明いただけますか。
#165
○政府参考人(橋本次郎君) お答え申し上げます。
 ゲノム編集技術応用食品の食品衛生上の取扱いにつきましては、厚生労働省において事前相談を行い、専門家による確認の結果、まず、自然界又は従来の品種改良技術でも起こり得る範囲の遺伝子変化により得られるものは従来の品種改良と同程度の安全性であることから、食品の開発者等から届出を求め公表、そして、それを超える遺伝子変化のものは安全性審査の対象とすると聞いております。
 そして、ゲノム編集技術応用食品の表示につきましては、厚生労働省の整理において、安全性審査の対象となるものは食品表示基準に基づき遺伝子組換え表示を行う必要がございます。
 また、安全性審査の対象とならないものにつきましても、ゲノム編集技術応用食品であるか否かを知りたいと思う消費者がいることは承知しているところでございます。このため、厚生労働省に届出されて同省のウエブサイトで公表されたゲノム編集技術応用食品又はそれを原材料とする食品であることが明らかな場合には、事業者には積極的に表示等の情報提供を行っていただきたいとの考え方を消費者庁より通知でお示ししているところでございます。
 しかしながら、現段階では、国内外においてゲノム編集技術応用食品について取引記録等の書類による情報伝達の体制が不十分であること、そしてゲノム編集技術を用いたものか科学的な判別が困難であることを踏まえまして、食品表示基準の表示の対象としないということといたしました。
 今後、流通実態や諸外国の表示制度に関する情報収集も随時行った上で、新たな知見等が得られた場合には必要に応じて取扱いの見直しを検討することとしているところでございます。
#166
○井上哲士君 表示の義務化は必要ないと、こういうことになっているわけですね。
 この方針によって、ゲノム編集を用いた食品が消費者が認識できない形で食卓に登場することになりますが、この間、この表示の問題で食品表示部会で議論されていますが、その議論は何回行われたんでしょうか。
#167
○政府参考人(橋本次郎君) お答えいたします。
 本年五月と六月の二回、消費者委員会食品表示部会で委員の方の御意見を伺う機会をいただいたところでございます。
#168
○井上哲士君 たった二回だけなんですね。
 それに先立つ薬事・食品衛生審議会の三月の報告書で、ゲノム編集について、「何らかの人の健康への悪影響が発生する可能性は十分に考慮する必要がある」としておりますけれども、この悪影響とは具体的にどういうものなんでしょうか、厚労省。
#169
○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 新開発食品調査部会報告書における「何らかの人の健康への悪影響」の記載につきましては、ゲノム編集技術により発生する可能性があるオフターゲットによる影響を指しております。具体的には、新たなアレルゲンの産生や既知の毒性物質の増強などを想定したものでございます。
 ただし、報告書では、このようなゲノム編集技術応用食品のオフターゲットによる影響の可能性につきまして、十分に考慮する必要があるとしつつも、同様の影響が想定される従来の育種技術を用いた場合でもこれまで特段安全上の問題が生じていないこと、また、品種として確立するために掛け合わせを繰り返し、育種過程で選抜されることを踏まえれば、そうした影響が問題になる可能性は非常に低いと考えられるとされております。
 ただし、安全性審査の対象となる場合はもとより、届出の対象となる場合であっても、開発者等からオフターゲットによる新たなアレルゲンの産生や毒性物質の増強を生じないことなどの情報も届け出ていただき、人の健康に悪影響を及ぼすおそれがない旨を確認することとしており、こうした取組によりましてゲノム編集技術応用食品の安全性の確保に努めてまいりたいと思います。
#170
○井上哲士君 同様の影響が想定される従来の育種技術ということ、比較と言われましたけど、これ、ゲノム、新しい技術なんですね。そして、いろいろ言われましたけれども、やはり健康への悪影響の可能性は否定できないわけであります。ですから、厚労省が一月から二月に行ったパブリックコメントに寄せられた約七百件の意見の多くは、長期的な検証をしてから導入すべきだという安全性への懸念でありました。
 食品表示部会では、拙速な議論に違和感を述べた委員もいたわけでありますが、先ほどありましたように、二回の審議で、規制しない、表示を義務付けないという結論になりました。何でこういう結論になったんでしょうか。
#171
○政府参考人(橋本次郎君) お答え申し上げます。
 ゲノム編集技術応用食品の表示の問題につきましては、社会的な関心も高いということから、消費者委員会食品表示部会におきまして、食品安全委員会の委員も務めるゲノム編集技術に関する専門家の科学的な御説明も踏まえた上で、ゲノム編集技術応用食品への懸念や表示の在り方など、様々な御意見を食品表示部会の委員から伺う機会をいただいております。
 消費者庁の方針は、本年九月十九日に通知を発出してお示しいたしましたが、当初、厚生労働省におけるゲノム編集技術を利用して得られた食品の食品衛生上の取扱いの運用開始が本年夏頃を目途として検討が進められていたことを受け、消費者庁もこのスケジュールを念頭に置いて検討を進めるために、先ほど御説明したとおり、五月と六月の二回の機会をいただいたところでございます。
 ゲノム編集技術応用食品の表示の在り方の整理は、食品表示部会委員の御意見も参考にして、消費者の意向、表示制度の実行可能性、表示違反の食品の検証可能性、国際整合性を総合的に考慮して消費者庁で判断したものでございます。そして、先ほども申し上げましたとおり、今後、流通実態や諸外国の表示制度に関する情報収集も随時行った上で、新たな知見等が得られた場合には、必要に応じて取扱いの見直しを検討するということとしております。
#172
○井上哲士君 今、厚労省の方で言われましたけど、厚労省の担当課長、五月二十三日のその会議で、米国では既にゲノム編集技術を応用した大豆が流通している可能性があると認識していると、日本にいつ入ってくるか分からないような状況になっており、夏をめどに作業を急いでいると。要するに、アメリカからの輸入をどうするかという話なんですね。私は、国民の食の安全がないがしろにされていると言わなければならないと思うんです。
 ですから、いろんなところから様々な意見が上がっております。中国新聞の社説、新たな技術で開発された食品にもかかわらず、何も知らせないまま口にする可能性がある、これでは消費者の不安を置き去りにしたままの見切り発車と言われても仕方あるまいと。誰もが自分の判断で食品を選べる環境の整備が欠かせない、消費者の権利を損なうことがあってはならないと言っております。日本消費者連盟は、消費者には、安全な、健康に暮らせるよう環境や食卓を守る権利がある、その権利を根底から奪うゲノム編集食品に反対するという反対宣言を出しております。
 消費者には、選択する、しない、こういう自由があるわけですよ。そのためには表示がちゃんとされなくちゃいけない。これで食の安全が守れるんでしょうか。消費者庁、いかがでしょうか。
#173
○政府参考人(橋本次郎君) お答えいたします。
 厚生労働省への届出の対象となるゲノム編集技術応用食品につきましては、国内外において書類による情報伝達の体制が不十分でございまして、ある食品がゲノム編集技術を利用して得られた食品かどうかの情報の真偽性を書類で確認することは困難であります。それからまた、海外においてゲノム編集技術応用食品の表示に関する具体的なルールを定めて運用している国等はないと承知しておりまして、輸入品等について特に情報を得ることが難しいと考えられること、さらに、現時点では、ゲノム編集技術を用いたものか従来の育種技術を用いたものか科学的に判別が不能であることから、事業者に表示を義務付けることは現時点では困難でございます。
#174
○井上哲士君 要するに、輸入に妨げになるということと、見抜くことが難しいというんですね。先ほどの中国新聞の社説は、見抜くことが難しいからといって表示しない理由にはならないと指摘をしております。
 そこで、最後、外務大臣にお聞きしますけど、今指摘したように、既に日本の国民の懸念をよそに、どんどんアメリカ政府に合わせるような規制の緩和がされております。日米貿易交渉の十月十日の本会議答弁で、安倍総理は、消費者の皆さんにとっては選択肢が増えるので、消費者にとっては利益になると答弁をいたしました。しかし、表示されなければ選択のしようがないんですよ。そういうことがもう既に起こっているわけですね。
 私は、この大統領令の下で今後の日米貿易交渉が進みますと、こういう遺伝子組換えやゲノム編集食品の輸入拡大を迫るアメリカから日本への圧力、更に強まると思うんですね。そうなれば、一層食の安全がないがしろにされることになる、消費者の選択肢を困難にする規制緩和が進むことになるんじゃないかと懸念しておりますが、大臣、いかがでしょうか。
#175
○国務大臣(茂木敏充君) 食品の安全確保、これは極めて重要でありまして、総理の答弁も決して、これとは違って、こういった貿易協定を結ぶことによって様々な商品が入ってくる、こういう意味において選択肢が広がると、こういう趣旨で述べられたんだと、こんなふうに考えております。
 いずれにしても、今後の協議につきましては、今後の交渉につきましては、今後、日米でどの分野を交渉するか、まずその対象を協議することとしておりまして、その後の交渉で、この協議において日米双方が合意したものについてのみ交渉することになるわけであります。次の段階の交渉、日米双方にとってウイン・ウインなものとなるようにしたいと、まずしっかり協議、コンサルテーションを行いたいと思っておりますが、交渉するにしても、我が国の国益に反するような合意を行うつもりはございません。
#176
○井上哲士君 時間ですから終わりますが、国民の食の安全をないがしろにし、選択すらできないようにするような、そんな交渉はあってはならないということを強く申し上げまして、質問を終わります。
#177
○伊波洋一君 ハイサイ、沖縄の風の伊波洋一です。
 前委員会で、私は、沖縄から中国への牛肉等の輸出のための環境整備について取り上げました。
 昨日のNHKニュースは、十一月二十五日午後、茂木大臣と中国の王毅外相は東京都内で会談し、日中両政府が日本産牛肉の輸出に必要な安全性に関する協定に署名したことを共同記者発表で明らかにしました。早ければ来年にも輸出が再開される見通しですとNHKは伝えました。
 二〇〇一年に国内でBSEが発生して以来、日本産牛肉は二十年近く中国に輸出できなかったわけですが、今日の中国はかつての中国とは大きく違い、巨大なマーケットに成長しています。テレビニュースは、カナダからの和牛がお店で百グラム四千円で提供されている映像を流しておりました。
 通告はしておりませんけれども、昨日のことですので、日本産牛肉の中国への輸出再開実現に向けた見通しについて、茂木大臣の今後の展望をお聞かせ願えないでしょうか。
#178
○国務大臣(茂木敏充君) 昨日、協定に合意をしたわけでありまして、一つの環境整備になってくると。
 今、御案内のとおり、日本産の牛肉、海外への輸出、非常に増加をいたしております。そういった中で、中国市場という大きな市場に対して、日本産の安全でそしておいしい牛肉や農産品、こういったものが更に輸出できるように努めてまいりたいと考えております。
#179
○伊波洋一君 是非、中国という巨大なマーケット、これを攻めることも大変大事だと思いますので、質問させていただきました。
 沖縄の言葉でウージと呼ばれるサトウキビは、沖縄県全体の農家数の約七割、耕地面積の約五割、農業産出額の約二割を占める基幹作物です。北海道のてん菜、奄美、沖縄のサトウキビなど甘味資源作物に対しても、この間の貿易協定は影響を与えることが懸念されています。日米貿易協定では、粗糖、精製糖も、加糖調製品についても除外、米国枠も設けないということで、影響がないということです。
 一方、TPP11では、粗糖、精製糖について、一部五百トンぐらいの試験輸入枠を設けたり、糖度が高いものの一部調整金の削減をする、加糖調製品については関税割当て枠を新設しています。この結果、TPP11については四十八億円、日EUについては三十三億円の影響があるということです。
 これに対する国内対策はどのようなものでしょうか。
#180
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。
 TPP11や日EU・EPA協定においては、糖価調整制度が現行どおり維持されたため、輸入糖と国産糖の価格調整を通じて国産糖の安定的な供給が確保されることから、国産糖から輸入糖への置き換わりは生じないものと考えております。
 一方、委員御指摘のとおり、両協定では、加糖調製品に関税割当てを新たに設定したことなどによりまして、国内産糖の価格が下落することで一定の影響が試算されております。また、競合する砂糖の輸入量が減少して、輸入糖からの調整金の収入を、これ減少をもたらしまして、生産者に対する支援に影響が生じることも懸念されるところでございました。
 このため、一つは、砂糖と競合する加糖調製品についても調整金の対象とすること、また、この調整金を原資として砂糖の国内支援に充当することを通じて国内産の砂糖の競争力を強化し、サトウキビなどの生産者や産地の製糖工場が将来にわたって安心して生産に取り組むことができるよう、改正糖価調整法、これを措置したところでございまして、この制度を着実に実施していきたいというふうに考えております。
#181
○伊波洋一君 サトウキビ農業と製糖業は一体のものですが、沖縄の特に離島では畜産業とともに製糖業が地域経済、社会を支えています。
 製糖業は、大きく分けて分蜜糖工場と含蜜糖工場に分類されます。分蜜糖とは、ミネラルなどを含む糖蜜を遠心分離機などで結晶と分離して作る蔗糖だけを精製した砂糖で、ざらめ糖、三温糖、上白糖、グラニュー糖などが精製糖の仲間となります。これに対し含蜜糖は、搾った汁をそのまま煮詰めて、蜜分を残して仕上げた砂糖で、沖縄の黒糖などがこれに当たります。
 沖縄にとって、サトウキビ生産の支援があっても、肝腎の製糖工場がなくなればサトウキビ農業が成り立たなくなってしまいます。そうなってしまえば、離島からの人口流出に歯止めが掛からなくなります。離島の維持のためにも、製糖工場の施設更新に対する支援が必要です。
 施設更新が必要なのは、一九五〇年代後半に建設されて、今や還暦、六十歳を迎える製糖工場が多いことです。分蜜糖工場の多くが昭和二十七年から昭和三十八年にかけて建設されており、建設時期、いよいよもう建て替え時期になっております。
 さらに、製糖工場における働き方改革への対応が必要とされております。そのためには、やはり省力的な製糖工場が求められています。製糖工場の働き方改革の時間外上限規制の適用は五年間の猶予をいただいており、老朽化している工場の改築等を通して、また働き方改革に資するためにも、農水省では産地パワーアップ事業、内閣府では沖縄振興事業として取り組んでいると思います。
 そこで質問です。
 現在、農水省、内閣府でそれぞれ支援していただいていると思いますけれども、制度の概要を御説明ください。
#182
○政府参考人(平形雄策君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、政府が一体となって取り組んでいる働き方改革の中で、沖縄県及び鹿児島県における砂糖製造業に対しましてはもう五年間の適用猶予がなされておりますが、この間に長時間労働の是正等が図られるよう、人材の確保、省力化等に対する支援を実施しているところでございます。
 この中で、農林水産省といたしましては、産地パワーアップ事業において分蜜糖工場における省力化施設の整備を支援しており、国の補助率十分の六となっております。残りの十分の四は、事業実施主体のほか、市町村、県が負担していただく例がございますが、その割合は各事案ごとに話合いで決めていただいていると承知しております。
 さらに、産地パワーアップ事業による分蜜糖工場への支援に当たりましては、全ての工場が対象となるように中小企業の要件の特例を設けましたり、整備計画を最大五年間まで認めるなど、運用上の配慮を行っているところでございます。
#183
○政府参考人(宮地毅君) お答えいたします。
 含蜜糖の製糖施設の整備につきましては、内閣府におきまして、市町村が行う工場の建屋や建屋内の設備の整備等については、国、内閣府と沖縄県とを合わせまして整備費の十分の九を支援しております。また、市町村が行う工場周辺の外構やストックヤードの整備等につきましては、国が整備費の十分の八を、それぞれソフト一括交付金を通じて支援をしているところでございます。
#184
○伊波洋一君 私は沖縄の風会派の高良鉄美議員とともに、今年九月と十月、宮古島や伊良部島、多良間島、久米島、石垣島の各製糖工場を訪ねて、働く方々やあるいは経営者、管理者の方々とも話し合ってまいりました。施設も見させていただきましたが、含蜜糖工場は見事に、新たに新設されている多良間工場なども見させていただきました。
 やはり沖縄の島々を行きますと、ほとんどはサトウキビ畑です。どこへ行くにも、市街地をちょっと中に入ってもう集落を越えれば全部サトウキビ畑です。そういう形で、今、沖縄の島々は農業を中心に暮らしています。そういう意味では、いろいろと貿易協定の影響もありはしますけれども、やはりそういう島々で暮らしが成り立つためには、製糖工場をしっかり私たちは更新していかなければならないと思っております。
 今、含蜜糖を内閣府、あるいは分蜜糖を農水省という形でやっておりますけれども、やはり足りないところは互いに助け合って、是非沖縄県を支援していただきたい。特に各市町村ですね、小さい島々です。その島々がまた大きな魅力を持って多くの観光客も受け入れているという中で、こういう産業が大変大事だと思っております。是非、離島における基幹産業としての製糖業の維持発展に向けて政府としてしっかり支援していただくようお願いして、両省には質問を終わりたいと思っております。
 それでは、日米貿易協定に絞って伺います。
 日米貿易協定について、令和の不平等条約、あるいは牛を取られて車は取れずなどと批判されています。日本政府は、日米貿易協定の成果として、米国による自動車、自動車関連部品への二五%追加関税措置を回避できたと言っています。そもそもトランプ大統領の、輸入車に安全保障を理由に追加関税を掛けるという脅し自体が国際貿易上のルール違反であり、米国がそれを断念したところで、不当なことをやめさせた、マイナスがゼロになっただけです。しかし、日本政府は、日米両国がこれらの協定が誠実に履行されている間は両協定及び本共同声明の精神に反する行動は取らないという共同声明の文言を根拠にして、追加関税措置回避の成果としてアピールしています。
 では、この日米両国は、これらの協定が誠実に履行されている間、両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らないとの九月二十五日の日米共同声明にいう本協定及び本共同声明の精神とは具体的にはどのようなものなのでしょうか。
#185
○国務大臣(茂木敏充君) まず、この日米貿易協定につきまして、単に二三二条の発動が見送られると、これによってウイン・ウインになったという説明はいたしておりません。例えば工業品につきましても、日本にとって輸出関心が高い、また貿易量が多い、こういった品目について、即時撤廃を含め関税の早期撤廃を勝ち取ることもできたわけでありますし、一方、日本にとって重要な米、これにつきましては完全除外をする、また、農産品につきましては全てTPPと過去の経済連携協定の範囲内に収めると、様々な要素を総合して日米双方にとってウイン・ウインな結果になっていると、このような説明を繰り返し丁寧に申し上げているつもりであります。
 その上で、本年九月二十五日の日米共同声明において記載のあります御指摘の両協定及び本共同声明の精神に反する行動を取らない、これどういう意味かということでありますけど、今回の日米貿易協定は、日米両国の二国間貿易を強力かつ安定的で互恵的な形で拡大すると、こういったことを基本的な目的としておりまして、こういった共同声明にも明記をされております協定の目的に反する行動を取らない、こういう意味であります。
#186
○伊波洋一君 日米貿易協定の本文第四条では、安全保障上の措置を例外とする条文が設けられています。特に、(b)項には、協定のいかなる規定も安全保障上の措置をとることを妨げないと明記されています。
 協定の精神なるものと本文協定、効力の上ではいずれが優先するのでしょうか。
#187
○政府参考人(山上信吾君) お答えいたします。
 ただいま御指摘がございましたこの例外規定でございますが、四条の安全保障例外、これは我が国がこれまで締結してまいりましたWTO協定、それから経済連携協定にも盛り込まれてきました一般的な規定でございます。したがいまして、この安全保障例外を盛り込んだことによりまして日本がアメリカの通商拡大法二百三十二条に基づく貿易制限的措置を容認したというようなことではないということは申し上げたいと思います。
 その上で、お尋ねの優先関係でございますが、そもそもこの日米貿易協定と日米共同声明というのは性質の異なる文書でございます。したがいまして、いずれかが優先するというような関係にあるものではございません。
#188
○伊波洋一君 いろいろ説明を聞いておりますと、貿易協定の方はより厳密に書いているので協定の方が効力があると、共同声明は政治声明であるというような説明もあったりします。
 そういう意味で、どちらも有効だということでいいんでしょうか。
#189
○国務大臣(茂木敏充君) 今、山上局長の方からも答弁させていただきましたように、性質の異なる文書であります。ですから、そのどちらが優先ということはございませんが、書いてある内容といいますか、方向性、趣旨につきましては、協定で結んだものも共同声明も同じであります。
#190
○伊波洋一君 百歩譲って、協定の精神なるものと協定本文が多少異なるとしても、協定の精神が協定本文に明記された内容と矛盾したり、ましてや協定本文の明文規定より優越した効力を有するわけではないということだと思うんですけれども、協定本文では安全保障上の措置を除外しています。
 仮に、トランプ政権が今後安全保障を理由として自動車や自動車部品への二五%追加関税措置をとったとしても、協定四条には合致したものであり、協定の精神に反しないのではありませんか。
#191
○政府参考人(山上信吾君) お答えいたします。
 先ほど御説明申し上げましたように、この日米貿易協定四条の安全保障例外の規定の意味でございますが、一般的な規定でございまして、日本としてこの二百三十二条に基づくような貿易制限的措置を容認したものではないということは御説明したとおりでございます。
 しからば、日本としてはどういう立場を伝えてきたかということですが、この二百三十二条による追加関税というものは、一つには、日本との貿易関係はアメリカの経済的繁栄のみならず安全保障にも貢献しているんだということで、日本からの自動車、自動車部品の輸入、アメリカにとっての輸入でございますが、これはアメリカの安全保障上の障害になったことはないと、これからもないと。それから、仮に自動車等に対して貿易制限的措置が導入される場合には、アメリカの自動車産業を含むアメリカ経済、世界経済、自由貿易体制にもマイナスの影響をもたらすと、こういった二つの大きな立場について、今回の日米交渉の機会、さらには各種の意見書、公聴会といったものを通じまして、明確にアメリカ側に伝えてきた次第でございまして、こうした我が国の立場に変わりはございません。
 したがいまして、日本の自動車、自動車部品に対しまして二百三十二条に基づく追加関税が課されるというようなことは、日米両国の二国間貿易を強力かつ安定的で互恵的な形で拡大していくと、先ほど大臣からも申し上げましたこの共同声明にも規定してある目的でございますが、こういった目的に反するものでございます。
 ということで、アメリカが追加関税を課すことがこの協定の、本共同声明の精神に反しないと、あるいはこの協定の安全保障例外の規定によって容認されるというようなことは全くないと考えております。
#192
○伊波洋一君 協定として文字にしたものをお互いにサインをしているわけです。その精神などという曖昧なもので追加関税措置を止められるわけが果たしてあるのでしょうか。自動車に対する追加関税措置は、トランプ政権の手持ちカードとして温存されているというふうに思っても不思議ではないと思います。
 自動車に対する追加関税措置というカードをちらつかせて、米などの農業分野やあるいは医療、保険、食の安全性、あるいは公共サービスなど、トランプ政権が更なる日本市場の開放を求めてくる可能性はあるのではないでしょうか。
#193
○政府参考人(澁谷和久君) 今後の交渉につきましては、繰り返し御説明していますとおり、まずはアメリカとの事前協議、コンサルテーションを行った上で、日米で合意したもののみが交渉の対象となるということでございます。
 農産品については、私どもとしてこれ以上の交渉をすることは想定しておりませんし、また、農水委員会において、江藤農水大臣、職責を賭して国益に反するような合意はしないということを明言されておりますので、そのとおりだというふうに考えております。
#194
○伊波洋一君 若干、時間が少しありますので、二点ほど追加で質問させてください。
 一番大きな疑問が、二つあるんですね。一つは、今回の協定に基づくいわゆる効果の問題ですね。これは、一つは、農産物の関税の問題は明確に決定をしている。それで、一方、自動車部品に対する日本側からの輸出に関する関税については必ずしも明確になっていない。しかし、最終的には撤廃だと書いているから、将来的に、いずれはゼロであると。そのゼロがいつであるか分からないけれども、それを計算上の利益としているということの考え方ですね。少し分かりにくいんですけれども、そういうものが本当に現実的であるのか。
 つまり、実際は、現実に日本が受ける輸入による産業の問題というのは明確に数字化されている。でも、いつ実現できるか分からないような関税撤廃というものについてもゼロになるということを前提に計算をしている。
 しかし、今、自動車部品は、自動車の状況というのは、まさにエンジンの自動車から電気自動車に移る時代で、この十年といえば、どういう時代、どういう自動車が輸出されるようになってくるのか、部品が輸出される、なるか分からないような、こういう動く時代です。そういう時代において、そういういつ実現するか分からない部品の輸出の関税の撤廃というものを計算している状況がおかしいんですけれども、これについて、基本的にそれが正しいというならば正しいという理由を説明していただけませんか。
#195
○国務大臣(茂木敏充君) 経済効果分析、基本的にはGTAPモデル、これスタティックモデルというわけでありますけれど、均衡点に達した時点での効果というのを分析するわけであります。その毎日の効果とか毎年の効果分析していたらこういう経済効果というのは分析できませんから、均衡点に達した時点でありますから、政府の試算、これについては正しいものだと考えております。
#196
○伊波洋一君 やはり分からないのは、この均衡点に達するということ自体も合意はされているとは必ずしも見えていないところにこの協定の問題点があるのではないかと思います。いつまでに協議をする、いつまでに合意をするということがないわけです。
 一方、アメリカ側は、いろんな意味では、この問題については四か月後には再度協議をするということを明確に日本に求めて、それを認めてもらっている。ほかのTPPなども含めて、普通のこういう協定は、七年とか何年というかなり長い年月が、そういう状況続いた上で、その様子を見て再協議ですけれども、この二本、今回の場合、四か月で再協議という、そういうことについて、やはりこんなに短いスタンスで再協議する話になることについて、ちょっと、どういう立場なのか、御説明をいただいて、終わりたいと思います。
#197
○国務大臣(茂木敏充君) 今後の協議につきましては、四か月、これを意図すると、インテンド・ツーと書いてあります。一つの目標として、四か月で協議をしてどの分野を交渉するかということを決めていきますが、いずれにしても、日米双方にとってこれからもウイン・ウインとなるような交渉分野を選んでいきたいと考えております。
#198
○伊波洋一君 終わります。
#199
○委員長(北村経夫君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
 政府側は御退席いただいて結構でございます。
    ─────────────
#200
○委員長(北村経夫君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件及びデジタル貿易に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件について、農林水産委員会及び経済産業委員会からの連合審査会開会の申入れを受諾することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#203
○委員長(北村経夫君) 次に、連合審査会における政府参考人の出席要求に関する件及び参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 両件審査のための連合審査会に政府参考人及び参考人の出席要求があった場合には、その取扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#205
○委員長(北村経夫君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 日本国とアメリカ合衆国との間の貿易協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、来る二十八日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#206
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#207
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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