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2019/11/28 第200回国会 衆議院 第200回国会 衆議院 憲法審査会 第4号 令和元年11月28日
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2019/11/28 第200回国会 衆議院

第200回国会 衆議院 憲法審査会 第4号 令和元年11月28日

#1
令和元年十一月二十八日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   会長 佐藤  勉君
   幹事 岩屋  毅君 幹事 小林 鷹之君
   幹事 齋藤  健君 幹事 柴山 昌彦君
   幹事 新藤 義孝君 幹事 山下 貴司君
   幹事 奥野総一郎君 幹事 山花 郁夫君
   幹事 北側 一雄君
      石破  茂君    稲田 朋美君
      衛藤征士郎君    鬼木  誠君
      上川 陽子君    城内  実君
      黄川田仁志君    白須賀貴樹君
      田所 嘉徳君    田野瀬太道君
      高木  啓君    中谷  元君
      中山 泰秀君    長島 昭久君
      丹羽 秀樹君    野田  毅君
      平沢 勝栄君    福井  照君
      藤井比早之君    船田  元君
      務台 俊介君    森  英介君
      逢坂 誠二君    源馬謙太郎君
      近藤 昭一君    階   猛君
      玉木雄一郎君    辻元 清美君
      照屋 寛徳君    中川 正春君
      古川 元久君    前原 誠司君
      道下 大樹君    山尾志桜里君
      國重  徹君    浜地 雅一君
      赤嶺 政賢君    本村 伸子君
      足立 康史君    井上 一徳君
    …………………………………
   衆議院憲法審査会事務局長 加藤 祐一君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十八日
 辞任         補欠選任
  越智 隆雄君     高木  啓君
  大串 正樹君     田野瀬太道君
  後藤田正純君     白須賀貴樹君
  馬場 伸幸君     足立 康史君
同日
 辞任         補欠選任
  白須賀貴樹君     後藤田正純君
  田野瀬太道君     大串 正樹君
  高木  啓君     越智 隆雄君
  足立 康史君     馬場 伸幸君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件(衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団の調査報告を踏まえて)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤会長 これより会議を開きます。
 日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する件について調査を進めます。
 前回及び前々回は、令和元年衆議院欧州各国憲法及び国民投票制度調査議員団の調査報告について自由討議を行いましたが、この際、これらを踏まえて自由討議を行います。
 本日の議事の進め方でありますが、まず、各会派一名ずつ大会派順に発言していただき、その後、順序を定めず発言していただきたいと存じます。
 この際、委員各位に申し上げます。
 発言を希望される委員は、お手元にあるネームプレートをお立ていただき、会長の指名を受けた後、御発言ください。発言が終わりましたら、ネームプレートは戻していただくようにお願いいたします。
 発言は自席から着席のままで結構でございます。また、発言の際には、所属会派及び氏名をお述べいただくようお願いいたします。
 なお、幹事会の協議により、一回当たりの発言時間は五分以内といたします。委員各位の御協力をお願いいたします。
 発言時間の経過につきましては、終了時間一分前及び終了時にブザーを鳴らしてお知らせいたします。
 それでは、齋藤健君。
#3
○齋藤(健)委員 佐藤会長、ありがとうございます。
 海外調査を踏まえての自由討議ということでありますので、私からは、教育に関して行われましたドイツにおける直近の基本法改正につきまして、感じることを申し上げたいと思っています。
 先日の御報告や御発言の中で、ドイツでは六十三回もの基本法改正が行われていること、そして、それだけ多くの改正が行われた背景というものには、まず第一に、与野党間の妥協に代表される政治のあり方、足して二で割るというよりも足して倍にするような妥協のあり方でありましたけれども、そういったものが一つ。
 それから、もう一つの背景といたしましては、連邦制における連邦と州の関係というものが挙げられて、六十三回の改正のほとんどは、連邦制からくる連邦と州の権限配分の見直しなどの技術的な改正であった、こういうお話がございました。
 直近の六十三回目の基本法改正につきましても、デジタル教育を含む教育インフラの向上のために連邦から州への財政支援を可能にする、そういう内容であったということで、いわばドイツが連邦制をとっているがために必要となった改正でありまして、我が国では予算措置で実現可能ではないか、そういう御指摘もあったところでございます。
 ドイツにおける教育行政、デジタル教育などについて調べてみますと、ドイツでは、二〇〇六年の連邦制度改革により地方分権の徹底が図られることになりまして、教育分野における連邦政府による財政的な関与が弱まったということがございました。その結果として、ドイツ各州で教育格差が想定以上に広がりまして、学校のデジタル環境にも大きな差が出ている、そういう見方もあるようでございます。
 また、近年、IT技術ですとかICT技術の進展を背景といたしまして、それらを活用したデジタル教育というものが諸外国で取り入れられるようになってきている。デジタル教育には、単に知識や技能を習得するということだけではありませんで、児童の思考力ですとか判断力ですとか表現力の育成、あるいは主体的に学習に取り組む態度の涵養、そういった教育の質の向上、効率化も大いに期待されるところで、私は非常に重要なテーマだと思っております。
 ドイツにおける今般の基本法改正は、このような各州での教育格差を是正するとともに、デジタル教育のためのインフラを強化していくことによって、子供たちに良質な教育環境の提供を目指すというものでありまして、確かに、基本法の改正内容そのものは連邦と州の役割分担を見直すという技術的な改正に見えるかもしれませんけれども、その背景をよく見てみますと、ドイツという国家レベルにおける教育の理想像をいかに実現していくかということが改正の背景に、私は、厳然と存在しているんじゃないかというふうに思っています。
 翻って我が国を見てみますと、直面する少子高齢化ですとかグローバル化、もっと言えば、生産年齢の急速な、人口などに対応していくためには、ICT技術などを活用して教育の質の充実というものを図っていくことが非常に重要な課題だと思っております。つまり、国家百年の計であります教育の重要性ということにつきまして、国民全体が意識をしっかり共有していくということが今後の日本にとって不可欠ではないかと考えております。
 一方、我が国の憲法におきましては、教育を受ける権利、あるいは無償の義務教育について、こういったことは規定をされているわけでありますけれども、教育の重要性をうたう理念のようなもの、こういったものは書かれておりません。我が国は、資源も食料もエネルギーも輸入に頼らなくちゃいけない資源小国でありますが、唯一の資源が人材ということでありますので、そういった我が国の国のあり方を考えてみますと、ドイツにおいて教育の理想像を実現するような改正がなされたということは、まさに参考になることではないかなというふうに強く感じた次第であります。国の根本法規に、我が国の場合特に、このようなことがなくていいのかという思いを強くしたという私の感想を申し上げまして、意見とさせていただきます。
 ちょっと短かったかもしれませんが、以上です。
#4
○佐藤会長 次に、奥野総一郎君。
#5
○奥野(総)委員 立国社の奥野総一郎でございます。
 前々回ですか、視察の報告をさせていただきましたけれども、若干補足等をさせていただきたく、発言の機会をいただきました。
 これまで緊急事態条項については、各国の情勢を見て、我が国憲法にも必要じゃないか、こういう意見が多数出されていますが、一言述べておきたいと思います。
 私が訪れたのはドイツとウクライナなんですが、確かに両国にも、いわゆる緊急事態条項、国家緊急権が規定はされています。
 ドイツでは冷戦下の一九六八年、大連立政権によって、まさに政治のディールによって設けられたということでありますけれども、内容をよく見てみますと、法律によらずに命令で国民の権利を制限できるような規定はそもそもありませんし、また、基本的人権、自由権を制限するような規定もほとんどないということであります。また、専ら、非常時の連邦と州の役割分担が書かれておりまして、我が国の国民保護法制、有事法制、あるいは災害時の災害対策基本法に対応するというような印象を受けました。また、メラーズ教授も、民主主義を侵すような形にはなっていないと述べておられたことを強調しておきたいと思います。
 それからもう一点、ウクライナ憲法ですが、これは非常に強い権限がありまして、非常事態が布告されると広範に人権を制限できる。憲法上は、通信の秘密や思想及び表現の自由も制限できるつくりとなっています。ヒアリングの際には、そういうことはしないと言っていましたが、憲法の規定には明確に書かれているわけですよね。そのためか、実際に発動されたのは一回だけでありまして、肝心のと言うと変ですが、ロシアとの一番戦闘が激しかった二〇一四年から二〇一五年にかけては、戒厳令は実は出されてないんですね。一番戦闘が激しかった時期には戒厳令は出されていません。
 唯一の発動されたのが二〇一八年の十一月二十六日、これは翌年の大統領選挙の直前でありまして、このときに、当時のポロシェンコ大統領は突然、六十日の戒厳令を議会に求めたということであります。
 その理由として当時言われたのは、大統領選挙が迫る中で、支持率が低迷を続けているポロシェンコ大統領は、選挙の延期を目的とするために戒厳令を導入したんじゃないかということが当時言われていた。ヒアリングでもそういうふうな、選挙の延期が目的ではないかという意見が確かにありました。
 ウクライナの憲法によれば、戒厳令がしかれていれば、選挙も投票もなく、任期が全て自動延長になるということでありまして、この大統領選挙の延期、みずからの任期の延長が目的ではなかったか、こういうふうに言われているわけであります。
 結局、議会がある意味機能しまして、戒厳令が、提案どおり六十日じゃなくて三十日、半分に短縮され、しかも、大統領選挙の日程の変更もなく、適用される地域も、全土ではなくて、実際に戦闘が行われているロシア、ベラルーシ、モルドバなどとの国境を接する十州のみとなって可決をされたということであります。短期で、地域も限定しての戒厳令であったということです。
 この話から言えるのは、二つあると思うんですが、議員任期の延長は政治的に行われ得るので、やはり、自動的に非常事態の際に議員の任期を認めるような制度は慎重に考えるべきじゃないかという点。それから、議会が機能するような仕組みがあれば、やはり非常事態は不要じゃないか。ウクライナは限定的に戦闘が行われているのでありまして、議会は機能しているわけですから。この二点だと思います。
 我が国でいえば、参議院の緊急集会などを活用すれば、あえて議員任期の延長も不要じゃないかということだと思います。
 以上、ドイツ、ウクライナの例を見ても、我が国の現行法制で十分であって、いわゆる緊急事態条項について、直ちに日本国憲法の改正が必要だとは言えないと思います。
 また、最後に、国民投票法制についても触れておきたいんですが、この前も申し上げましたけれども、国民投票で否決されたイタリアの例について、これもメラーズ教授が、お金の動きを明確にすべきだ、こういうふうにおっしゃっておりました。
 アメリカの大統領選挙などの例を見ても、外国政府の干渉を受けたりしないように、我が国の国民投票法制についても、資金の動きの透明化、国民投票運動への資金の透明化を図るべきでありますし、また、外国政府等の運動への寄附を禁止すべきではないかと思います。
 さらには、ネット規制についても、ネットについても一定の規制の検討が必要だと思います。
 国民投票法制定時、現行法について、制定時には想定されていなかったグローバル化やネット社会が到来しています。地上波のCM規制については、民放連がガイドラインで対処できないということですから、検討することは必要でありますが、それ以外にも、こういったネットや、あるいは資金の透明化、外国人の関与のあり方について、抜本的な見直しが、国民投票法、必要じゃないかと思います。
 ぜひ、公正な投票結果を得られるように、こうした点にも議論いただきたいし、そうした論点を盛り込んだ我が党の国民投票法案の並行審議を求めてまいりたいと思います。
 以上です。
#6
○佐藤会長 次に、國重徹君。
#7
○國重委員 公明党の國重徹です。
 先日の森団長報告において、ネット社会での表現の自由と人権との兼ね合いについて言及がありました。これに関連して、インターネットにかかわる問題、特にネット広告とフェークニュースの二点を取り上げたいと思います。
 まず、ネット広告ですが、現行の憲法改正国民投票法では、テレビ、ラジオのCM規制はありますが、ネット広告に対する規制は全く設けられておりません。
 しかし、近年、ネット広告費が地上波テレビ広告費に迫り、本年には追い抜くとも予想されており、ネット広告の影響力は拡大をしております。とりわけ、ネット上の政治広告は、利用者の閲覧履歴を分析するなどして、その政治的志向に合った広告を打つことができるため、選挙での投票の判断をゆがめるとの指摘があります。
 こういった指摘を踏まえ、グーグルやツイッターなど米国の大手IT企業の間で、政治広告の取扱いを自主的に見直す動きが加速しています。
 他方で、インターネットはテレビとは異なり、各個人がいつでも自由に発信できるという特性があり、ネット広告のみを規制しても、インターネット全体で見たときに、その効果は限定的なものにとどまるのではないかという疑問も生じます。国民投票運動におけるネット広告については、このようなことを踏まえた議論が必要であると考えます。
 次に、フェークニュースについて。これについては、国民投票運動にとどまらない問題も含めて述べたいと思います。
 フェークニュースと評価される情報の拡散は、インターネットがない時代においても大なり小なり存在し、現在指摘されている問題も、いわば程度問題ではないかとも思われます。しかし、インターネットは匿名性が高く、また、発信した情報が瞬時に世界じゅうに拡散するという、これまでの媒体にはなかった特性があります。量的問題が質的問題に転換し、これまでとは比べ物にならない影響力を持つに至っているとも評価できます。
 現に、例えば、二〇一六年の英国EU離脱国民投票の際に、離脱支持派から、EUへの拠出金が週三億五千万ポンドに達するとのフェークニュースがSNS上で拡散されました。その結果、イギリス国民の六七%がこの情報に接し、そのうち四二%が真実と信じ、これが国民投票の結果に大きく影響したと報道されるなど、諸外国では、国政の重要な場面においてフェークニュースがばっこしている現状があります。
 さらに、技術の進展に伴い、例えば、AI技術などを活用し、画像や音声を加工して本物に見せかけたにせ動画など、人の目では真偽を判別できないディープフェークをつくることも可能になっており、その影響力はますます大きく、民主政治をゆがめるといった点でもその深刻度は増しております。
 このようなことを踏まえますと、フェークニュース対策を検討する必要性は高いと考えます。ただし、実際に何らかの規制をしようとした場合には、そもそもフェークニュースは何なのか、その明確な定義づけをどうするのかという、基本的で本質的な問題があります。
 さらに、フェークニュースに対する規制は、表現の時、所、方法に対する規制とは異なり、その発信内容、表現内容に着目せざるを得ない以上、憲法二十一条の表現の自由との関係で、より慎重な判断が求められます。
 この点、海外調査を行ったドイツでは、一定のSNS事業者に対し、違法なコンテンツに対する苦情処理手続の策定を義務づけ、違法なコンテンツに該当すれば削除することを求める、仮にこの義務に違反した場合には高額な過料が科されるという内容のネットワーク執行法を制定しております。しかし、この法律に対しては、SNS事業者による過剰な削除が起きることにより表現の自由が阻害されているのではないかといった懸念が指摘されており、この点に関する議論がされているところです。
 以上のように、フェークニュースに対する規制については多くの難しい問題もあることから、私としては、これらの論点について議論を深めつつ、まずは民間の自主的な取組を基本とした対策を進めていくことが必要なのではないかと考えております。
 それに加えて重要なことは、フェークニュースに惑わされることがないよう、情報を適切に受け取り、発信するという、受け手の情報リテラシーの向上であります。近年のSNSの発達により、不確かな情報を真偽を確かめないまま拡散してしまう行為が助長されています。フェークそのものを社会からなくすことはできませんが、そのフェークが大規模に拡散して社会を混乱させることがないよう、時代の変化に応じた情報リテラシー教育を更に充実させていくことが重要であると考えます。
 以上です。
#8
○佐藤会長 次に、赤嶺政賢君。
#9
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 視察報告では、憲法の体系を崩さないよう十分注意をすべきだとの発言があり、前回の審査会でも議論になりました。私は、日本国憲法の体系と矛盾する日米安保条約とその法体系について、改めて目を向ける必要があると思います。
 まず指摘したいのは、米軍が引き起こす事件、事故によって基本的人権が脅かされていることです。
 沖縄県では、米兵による婦女暴行事件や強盗殺人、実弾射撃訓練による原野火災など、基地あるがゆえの苦しみが続いています。米軍機は毎年のように墜落や炎上、部品落下を繰り返していますが、日本の警察は機体の調査、検証もできず、事故現場への早急な立入りさえできません。原因究明も再発防止策も明らかにされないまま、訓練が再開されています。米軍は、土壌や水質汚染も何度も引き起こしてきました。今も基地由来の有害物質が河川から検出されていますが、沖縄県は基地内に立ち入って調査することもできないのです。
 沖縄だけではありません。青森県三沢では、民間の牧草地に米軍機が模擬爆弾を落下させました。横田基地に配備されたオスプレイは、銃口を住民に向けたまま低空飛行訓練を行っています。
 岩国基地の空中給油機は、全国各地で接触事故や墜落事故を繰り返しています。その事故調査報告書で、米軍パイロットの飲酒や薬物を服用しての操縦や、操縦中の読書や自撮りといった実態が明らかになりました。国内法では明らかな違反であり、操縦する資格などあるはずがありません。ところが、日米安保のもとで、航空法を始め憲法に基づく国内法は、ことごとく米軍への適用を除外されています。まさに主権は侵害され、基本的人権もじゅうりんされているのが実態です。
 重大なのは、米軍の配備、訓練、運用の実態が国民に隠されていることです。日米安保体制は、一九五一年九月八日、サンフランシスコ講和条約を締結した裏側で、事前に国民に知らされることなく秘密裏に調印されました。日本側は、吉田茂首席全権のみでした。米軍の駐留のあり方について定めた日米行政協定は国会で一切審議されることなく取り決められ、日米地位協定もその内容をそのまま引き継いでいます。そのもとで、全土基地方式、基地の自由使用、日本側の裁判権の放棄など、米軍の特権が維持されてきたのです。
 日米地位協定の解釈や米軍の運用について協議する日米合同委員会は、全くの密室の中で行われます。合同委員会での合意事項は数千によると言われていますが、外務省がホームページで公表しているのはわずか六十余りにすぎません。その議事録は一切明らかにされず、国民は、何が議論されているのかさえわかりません。
 その合同委員会によって横田ラプコンの設定や米軍訓練空域の拡大などが決められ、米軍は、危険な低空飛行や戦闘飛行訓練、パラシュート降下訓練を行っているのです。住民は、いつどのような訓練を行うのかも知らされず、米軍が重大な事故を起こしても、地方自治体や住民には十分な通報さえないのであります。
 米軍の運用に係る取決めを隠し続けることは、国民の知る権利を踏みにじることにほかなりません。政府は、日米安保にかかわる密約を全て明らかにすべきです。憲法の上に安保条約がある現実を根本から正すべきだということを申し上げて、発言を終わります。
#10
○佐藤会長 次に、足立康史君。
#11
○足立委員 日本維新の会の足立康史でございます。
 党を代表して、欧州調査に関連する発言を申し上げたいと思います。
 既に党幹事長の馬場伸幸幹事、委員から再三申し上げていますように、今回の欧州調査団に維新はメンバーを派遣いたしませんでした。その判断に当たって、私は、前回、平成二十九年の調査団に参加し大変有意義であったとの観点から、今回も党としてメンバーを派遣すべきとの意見を党内で表明し、馬場幹事長と取っ組み合いのけんかをいたしました。しかし、欧州調査からお戻りになった皆様による今回の調査報告を拝見し、正直申し上げて、恐縮でありますが、これなら行く価値なし、馬場幹事長の判断が正しかったと、みずからの不明を恥じている次第であります。
 例えば、ドイツにおける憲法改正の回数について議論があるようでありますが、わざわざドイツに行かなくても、「世界の憲法集」という著名な著作の中に、ドイツの憲法改正について、実質的改正と呼べる大きな改正は四度に絞ることができる。四度あるんです。再軍備に関する一九五四年の改正、緊急事態法に関する一九六八年の改正、経済財政に関する一九六七年の改正、統一後の整備、一九九〇年。これだけ見て、いや、日本も当然憲法改正するんだろうという発想が当たり前の発想なのに、欧州に行って、ドイツの憲法改正は回数だけだったといってデマを振りまくようでは、もう海外調査の必要はないと思います。
 そこで、限られた時間内でございますが、山花委員に御意見を賜りたいと思います。二十秒以内で御回答いただければと思います。
 私は、こういう内容を繰り返しているようでは、欧州調査はもう必要ないと考えていますが、山花委員は、憲法改正の発議に向けてあと何回海外調査が必要とお感じになられましたか。必要だとすれば、何がわからないから調査が必要ですか。よろしくお願いします。
#12
○山花委員 回数の問題を提起されておりますけれども、私は、少数者調査権などの運用についてということで、書物ではわからないことがよく理解できたということをこの場でも申し上げました。
 回数というよりも、いろいろ、先ほどインターネットの議論がございましたけれども、時代の変化に応じて調査をするということはあり得べきことであると思っています。
#13
○足立委員 続けていいですね。
#14
○佐藤会長 はい。
#15
○足立委員 既に、憲法調査会の時代に五回、特別委員会で二回、そしてこの憲法審査会になって四回、一体何回海外調査したらわかるんだと。しっかりと事前の準備をして、判断できるまで勉強してきたらいいじゃないですか。いいかげんにしろと、こう申し上げたいと思います。
 さて、あわせて、憲法裁判所の議論がなされています。
 我が党は、平成二十八年三月二十四日に、既に憲法裁判所について詳細な解説つきの憲法改正原案を公表をさせていただいています。
 山花委員、海外の勉強はいいですが、国内で我が党がもう三年以上前に公表している憲法改正原案の憲法裁判所の箇所について、既に当然お目を通していただけていると思いますが、御意見を賜れればと思います。二十秒以内でお願いします。
#16
○山花委員 これも以前この場で申し上げましたけれども、どこどこ党の案ということをベースにして議論をするのは、最終的な国民投票まで見据えたときには適切ではないと思っております。具体的な立法事実があるのかどうかというところからスタートをするのが議論のあり方だと思っています。
#17
○足立委員 山花委員は、この憲法審査会の場で、政党として、どこの党の案という形で改憲案を出すべきではないとおっしゃっています。ひどい話です。
 これは政党が集まって、もちろん自由闊達な議論をしたらいいですよ。しかし、政党政治であり、政党の了解なくして憲法改正原案の発議はできません。それが前提でしょう。それなのに、あたかも党の枠組みが関係ないかのような発言をするのは、まさに議論のための議論、先延ばしをするための議論だと思います。
 平成二十九年、さきの海外調査において、キャメロン前首相ともお会いしました。イタリアのレンツィ前首相の側近の方ともお会いしました。そのときにわかった結論は、憲法改正の議論を政局から切り離すことはできないという結論なんです。世界の国においてさまざまな憲法改正が行われてきましたが、政局から切り離すことができた国はありません。
 したがって、時の政権が憲法改正を主導したら失敗するとか、野党の協力を得るために時間をかけるべきだと解釈するのは大きな間違いであります。日本の憲法は成文憲法であり、そして、イタリアのように国会の絶対多数で可決することによって国民投票を避ける方法もないんです。だからこそ、リスクがあっても、国民の手に憲法を取り戻すために国会議員が責任を果たすべきだと考えています。
 もう一つ、教育無償化……
#18
○佐藤会長 発言時間が終了いたしております。
#19
○足立委員 終了しましたか。
 では、以上で終わります。
#20
○佐藤会長 次に、井上一徳君。
#21
○井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。
 今回の海外調査は国民投票が調査テーマの一つでありましたので、この国民投票に関連する国民投票法改正案について意見を述べさせていただきたいと思います。
 昨年六月に提出されました投票環境の向上を図るための国民投票改正案、これについて、CM規制の議論を今後どのように進めていくかで与野党が合意できずに、残念ながら、今国会でもいまだに審議、採決が行われておりません。
 私としては、まずは、趣旨説明も既に行われた国民投票改正案、これについて審議、採決し、その上でCM規制のあり方をしっかり議論すべきとの考え方であります。
 国民投票法の改正については、平成二十八年に投票環境の向上を図るために公職選挙法が改正されたことを受け、それと同様の規定の整備を国民投票法において行おうとする極めて技術的な改正だというふうに思っております。
 改正案では七項目の改正事項を定めておりますが、それぞれの事項については、基本的には、全会一致で可決された公職選挙法並びの改正となっております。
 七つ申し上げますと、一つ目は、共通投票所の創設です。この共通投票所は、投票日当日に、投票日ごとに設けられている既存の投票所とは別に、市町村の区域内のいずれの投票区に属する投票人も投票することができる共通投票所を、例えば駅構内、ショッピングセンターなどに設置することができるようにするものです。
 二つ目は、期日前投票の事由に天災や悪天候の場合を追加したこと、投票者の利便性を高めるために、期日前投票所の開始時刻の繰上げと終了時刻の繰下げを、それぞれ二時間の範囲内で弾力的な時間設定ができるようにするものです。
 三つ目は、投票所に入ることができる子供の範囲の拡大で、これまでは投票所に入ることができる子供は幼児に限られていたのを、主権者教育の観点も踏まえ、児童生徒その他の十八歳未満の者にも拡大するものです。
 四つ目は、洋上投票の対象の拡大で、ファクシミリ装置を用いて投票する洋上投票を、便宜置籍船の船員や実習のために航海する水産学校の学生や生徒などにも対象を拡大するものです。
 五つ目は、繰延べ投票の期日の告示の期限の見直しです。悪天候等により投票を行うことができないときなどに行う繰延べ投票の期日について、これまでは告示の五日後以降に行うとされていたものを、告示の二日後以降に設定できることとし、これによって繰延べ投票を早期に実施できるようにするものです。
 六つ目は、個人情報保護の観点から、投票人名簿等の縦覧制度を廃止し、閲覧できる場合を明確化、限定した閲覧制度を創設することです。これは、投票人名簿の内容確認手段を公職選挙法と横並びにするためのものです。
 そして七つ目は、国外に住所を有する投票人に関する在外投票人名簿への登録についての規定です。これに関しても、非常に技術的な改正となっております。
 繰り返しになりますけれども、以上の七項目は、いずれも投票環境の向上を図るための改正で、既に改正されている公職選挙法と横並びにする技術的なものです。
 憲法改正の是非、憲法改正の内容については各党会派で考えは違ったとしても、国民投票法は憲法自体が必要としている基本的な法規です。国民投票法に改善すべき点があれば速やかに改正することは、当然のことではないかと考えております。
 七項目の改正内容については、基本的には各党各会派の反対はないはずですので、国民投票法改正案の早期成立を求め、私の発言とさせていただきます。
#22
○佐藤会長 それでは、発言を希望される委員は、ネームプレートをお立てください。
#23
○玉木委員 立国社、国民民主党代表の玉木雄一郎です。
 まず、苦言を呈したいのは、前回の、先週のこの会が開かれませんでした。非常に円満に、こうして札を上げて議論が進んできましたけれども、やはり国民投票法採決という話が出て少し混乱したやに理解しておりますけれども、信頼関係が非常に大事だと思います。
 今、井上さんからもありましたけれども、七項目については我々も賛成です。
 ただ、それだけやって、今から申し上げるCM、広告規制や、あるいは外国人の寄附規制、こういった新しいテーマもしっかり議論をしていただかないと、不十分な国民投票法のもとで憲法改正をするわけにはいかないという思いがありますので、しっかりとした信頼関係の中で議論を積み重ねていってもらいたいと思いますし、少なくとも現場ではそれができていると私は認識しておりますので、この憲法審査会における与野党の信頼関係、こういったことを醸成しながら、丁寧な合意形成をぜひしていきたいということ、あるいは、していってもらいたいということをお願い申し上げたいと思います。
 その上で、海外視察もいろいろとお聞きをしていて、やはり一番感じることは、国民投票法制定当時には想定されなかった二つの大きな要素、インターネットの発展とグローバル化ということ、このことに対してやはり法的にも手当てをしていかなければならないと強く感じます。
 その上で、我が党は、具体的な対案として、国民投票法改正法案を既に出しております。
 大きく二つ申し上げたいのは、一つはネット規制であります、ネット広告規制。
 いわゆるCMのスポット規制についてはこれまでも議論をされてきましたけれども、今公明党さんからもありましたが、ネットに関する規制というのはもう少し真剣に考えていかないと、世論の形成がどう図られていくのか、そこに公正性をどう担保していくのかということについては、特に国の最高法規についての議論ですから、これはしっかりと与野党で議論を積み重ねていきたいと思っております。
 あわせて、外国人の寄附規制であります。特に、安全保障に関する条文を議論するときに外国の勢力の影響を私たちはどこまで受けていいのかということについては、もっと真剣な議論が必要だと思います。
 我々国会議員は、外国人から寄附を受けることが禁止をされています。それは皆さんもよく御存じの規定でありますけれども、しかし、国民投票運動をするに当たって、その運動する者に対して、個人であれ法人であれ、そこに対しての外国人の寄附規制は、一切、現行法の中では何らの規制がありません。
 もし、外国人が、あるいは外国勢力が大量の寄附を国民投票運動を行う者に対して行い、その者がネット広告を使って大量にそのお金で広告をした場合に、しかも、それが安全保障にかかわる条文に関する国民投票に対しての運動であれば、大きな影響を我が国の外交、安全保障に及ぼし得るということについては、今日的な課題として真剣に考えなければならないと思っています。
 その意味で、私たちはそういった条文を盛り込んだ改正法案を出しておりますので、これをぜひ、奥野議員からもありましたけれども、ぜひ並行審議をしていただきたいと思います。
 あわせて、表現の過度な規制にならないように、インターネット規制については十分な配慮をすることも盛り込んでおりますし、また、国民投票広報協議会がガイドラインを設けること、こういったこと、間接的な規制にとどめるということもあわせて入れておりますので、ぜひこれは七項目にあわせて並行的に審議をいただきたいと思います。
 最後に、自由討議の場でありますから、少なくとも我が党のここにいる所属議員は自由に発言していいということを、これは党の代表として私は申し上げたいと思います。ただ、この委員として選んだ以上は、当然、我が党の考え方の範囲内で発言すると思いますが、それでもなお、国の最高法規に関する議論ですから、それぞれの思いを自由に述べてもらっていいと私も思っていますし、私も述べたいと思います。
 その意味で、自民党の先生方におかれても、本当に現行の四項目のイメージ案でいいのか、特に九条に関して、九条二項を残したまま本当に矛盾が解決できるのか。石破先生も稲田先生も思うところは本当は違うのではないかなと私は思っているんですけれども、ここは本当に大事な議論だと思いますから、二〇一二年の自民党憲法改正草案と今示されている四項目は本当に矛盾がないのかどうか。自民党の案ですと言われても、我々はにわかに信頼できないし、一体それは何の、誰の意見なのかということについて、ここは与野党を超えて、本当にそういった真摯な議論を、個々人の政治的信条をぶつけ合う場としてぜひやらせていただきたいと思いますので、与党の先生方にもぜひこのことはお願いしたい。
 以上です。
#24
○柴山委員 発言の機会をありがとうございます。
 先ほど来、先端技術の進展とグローバル化ということについて、玉木委員からもお話がございましたけれども、このことについては、国民投票法のみならず、憲法本体の議論についても非常に大きく私は影響を持ってくるというように考えております。
 先ほど、政党の草案は離れてというお話がありましたけれども、既に複数の政党から、教育の無償化、あるいは機会均等について、複数の素案が提案をされています。
 また、先日行われた団長報告においては、森団長から、エストニアが独立時からe―エストニアを国是としてIT国家の建設を推進してきたというお話ですとか、新藤幹事からも、e―エストニアの推進と到達度については目を見開かされるものがあったというような発言がございました。
 確かに、エストニアでは、電子政府化とあわせて、国家としてデジタル教育を徹底的に推進しておりまして、論理的思考力や問題解決能力を身につけることに力を入れています。また、全国の教育機関、教員、学生などの教育情報を統合した情報データベースも開発されて、そこで集めたデータをさまざまな教育政策に活用しているということも聞いています。
 また、大事なのは、e―スクールという、教師や親や生徒などの間で必要な情報の閲覧ややりとりを行うということができるシステムが利用され、教師の事務作業の軽減、これが非常に、時間が半分に減るというほどの効果がもたらされているということ、また、親も子の教育により積極的に関与するようになったという効果も報告されているわけです。
 我が国でも、翻ってみますと、国としてICT教育に係る施策の推進に本格的に取り組んでいるところでありますけれども、こういったエストニアなどと比べると、我が国のデジタル教育に向けた取組は、残念ながら、おくれていると言わざるを得ませんし、先ほど来お話が出ている、ネットリテラシーですとか、あるいはネチケットと言われている分野においての教育も、私は、まだまだ道半ばではないのかなというように考えております。
 そういう中で、憲法を見ると、教育を受ける権利は、御存じのとおり、憲法二十五条の生存権の次に位置しておりまして、義務教育の無償制は定められておりますけれども、正面から機会均等の明文があるというわけではございません。また、先ほど齋藤幹事も紹介をしてくださいましたけれども、その重要性とか理念についても定められておりません。
 こういう中にあって、私は、今の教育環境の整備、あるいは教育の理念というものをしっかりと憲法に位置づけをし、そして教育の無償化もしっかりと書き込むことによって、私たちの教育に関する施策というものを前に進めるドライブにしていかなければいけないということを感じております。
 以上です。
#25
○中川委員 中川正春です。
 発言の機会をいただいて、感謝をします。
 視察の報告、あるいはこれまでの議論を踏まえて、せっかくの機会でありますので、この憲法審査会のあり方といいますか、これからの議論の中身も含めてコメントをしたいというふうに思います。
 まずは、懸案の国民投票法の修正案、これをどうするかという問題があります。
 与党案は既に提出されて、先ほどのお話のように、私も問題ないというふうには思っています。しかし、私たちは、これだけでは不十分だということを申し上げてきました。いわゆるコマーシャル規制について文案化したものをこれに加えて修正案とすべきだということ、あるいは先ほど議論の出ましたインターネットの問題、あるいはまた新たに我々が課題としていかなければならない諸問題をこの際議論をして、この中にしっかり加えていくべきだということであります。
 もとの国民投票法自体が議論をされたときに、私たちの理解は、コマーシャル規制については民放連が自主規制をまとめた上で運用をしていくということが前提であったと理解をしています。
 しかし、ここに来て、先般の民放連に対する聞き取りからわかったことは、民放連に自主規制の意思はないということであったと思うんです。それだけに、じゃ、これをどうするかという問題について我々は結論を出していかなきゃいけない。私は、法規制を与党の皆さんも一緒に議論をしながら考えていくという方向が出てこなければ、このまま押し切っていかれるということではないんだろうというふうに思います。
 そして次に、憲法議論そのものについてでありますが、この審査会の目的は、憲法を論じること、そこで与野党の議論をまとめることができれば、調査会と違って、審査会は議案として提出する手続に移るということが前提になっています。
 そうした意味で、現在の私たちの立ち位置をはっきりさせなければならないというふうに思うんです。私たちは、現状では、まだ入り口の議論もできずに、ここで立ちどまっている状態だと思うんです。
 それに対して、もう一回、原点に戻って問いかけなければならないと思います。それは、これまで憲法をしっかり論じることができてきたのかということ。憲法の何を論じるのか、また、なぜ論じることが必要なのか、その結果、改正が必要だとすればどの項目から論じていけばいいのかというような問題提起があって、私たちの中にそこに対する共通した認識ができているのかどうかということ、これが問われてきます。
 私は、まず、この入り口の論議を整理をして、各党の合意をつくらなければ、次の議論には進めないのだというふうに思うんです。
 一方で、なぜそうした建設的な議論から入っていけないかといえば、与野党の信頼関係が崩されてしまっているということにほかならないというふうに思います。安倍総理や自民党の一部のリーダーの皆さんの言動からいうと、自民党案なるものをこの審査会に一日でも早く提出すべしという思いがあるというふうに推測ができます。
 しかし、さきに述べた地ならしの議論をせずにそれをやったらどうなるか。自民党案なるものを出せば、それは憲法論議そのものを破綻に導くことになるというふうに私は思っています。合意形成を求めるのではなく、この審査会の議論を分断と対立に導く結果になるということ、今の状況を踏まえて言えば、それは必定であるというふうに感じております。
 安倍政権は、憲法論議で、国会だけでなく国民の世論を分断して、対立した野党を力で抑えるということを目指しているように私には目に映るんです。
 憲法論議は、本来、国民の合意をつくり出していくためのものでなければならないんだというふうに思うんです。私たちの今のこの場の議論を見て、そういう形で議論が収束をしていくということを、双方努力しなければいけないと思います。
 自民党の皆さんには、そうした懸念というのを払拭する努力をぜひしていただきたいということ、これは私から改めてお願いを申し上げて、議論に参加をさせていただきました。
 以上です。
#26
○新藤委員 きょうは、建設的な、またそれぞれ率直な意見ができているということ、これは皆で歓迎をしたい、このように思うんです。
 その中で、ただいま中川委員、そしてその前に玉木委員、さらには井上委員からも言及をいただきましたので、私、この件について、この国民投票法の今の七項目の質疑、採決について、これについて見解を述べたい、また、筆頭間及び幹事の中で話し合っている状況を御説明させていただきたい、このように思っております。
 まず、七項目は、皆様が御案内のとおり、与野党が合意をして、質疑に入りましょうということで、昨年の七月五日に趣旨説明が完了しております。そして、趣旨説明を聴取するということは、審議入りをして、そして遅滞なく採決を行い、審査会としての結論を出すのは、これは国会の責任だ、そういう手続に入っているということをまず共有をしたい、このように思います。
 そして、井上委員からも、皆さんからもお話がありましたように、前回、たしか赤嶺委員でしょうか、済みません、間違っていたら恐縮ですが、これまでの幹事間の間でも、この国民投票法七項目についての内容に大きな問題があるとは考えていないというお話を、ごめんなさい、手を振っていますから違いますね。はい、わかりました、それは違いますが、そういうようなことで、内容についての特別な対立がない中で、一年半近くにわたってこの手続が行われないこと、これが異例であって、私は、この与野党の信頼のもとで、まず、この趣旨説明を行っているものについては手続を進めようではないかということをずっとお願いしておりますし、これはこの憲法審査会の幹事間の協議の中では前提となっております。そして、その前提は、遅滞なく今の手続の、投票機会の拡大をする七項目の採決をするとともに、速やかに、今委員の皆さんがお話しされているCM規制の問題ですとか、インターネットの問題だとか、そういったものに入っていこうという、もう前提が、そういう合意ができているわけでございます。
 同じく、CM規制の法案というのは、実は国民投票法の改正ですから、全く次元の違う話をこれから進めようではないかと、これは私たちも進めましょうということで合意をしています。
 しかし、まず最初に手続に入った、趣旨説明を終わっているものを処理しないまま、また次の法案の趣旨説明をして、そして進めるというのは、これは、じゃ、一年半にわたるこの不作為は何だということになってしまわないかと、私はその筋を申し上げているのであって、今先生方から御案内の出ているさまざまな国民投票にかかわるものは、投票機会の拡大は既に、今、七項目は法案となって、ここに、テーブルにのっています。しかし、それに加えて、既に二項目は、公職選挙法が投票機会の拡大の改正がなされております。それから、この先に郵便投票の問題も出てくると思います。さらには、時代に合わせて公選法の改正というのは順次進んでいくわけでございます。
 その投票機会の拡大を国民投票に反映させるかどうかの議論は常にあるわけでありまして、私どもは、この七項目の採決を終わらせたらば、それでピリオドを打ってその先に進むということは毛頭考えていないということは何度も申し上げています。
 ですから、ぜひとも皆様が議論しようとこのようにおっしゃっていただいているわけでございますから、私は、憲法審査会を先に進めるためにも、その手続はきちんと、国民への責任を果たして、その上で前に進んでいこうではないか、議論を深めていこうではないか、そして政局から離れた憲法論議というものを深く進めていかなければいけない、このように思っている次第でございますので、ぜひそこの事実の部分は共有をいただきたいとお願いいたします。
#27
○古川(元)委員 立国社、国民民主党の古川元久です。
 会長、こうして発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は、憲法調査会の時代、中山太郎会長の時代からこの憲法の議論に参加をしてまいりました。特に、この国民投票法を制定するに当たりましては、当時の会長代理であった仙谷先生と、そして枝野さんと私の三人が民主党の担当という形で、その議論の最初から最終的に採決に至るまで、深くかかわってまいりました。今離席されましたけれども、船田先生とかですね。
 そうやってみますと、当時の国民投票法の制定に深くかかわった先生方、たしか辻元さんもいらっしゃったのかな、かなりかわってしまっているんですけれども、当時を思い出しますと、中山太郎会長は、憲法改正という内容の議論に入っていく以前に、手続法である国民投票法については、やはりこれは圧倒的な多数の理解と合意を得てつくっていかなければいけないということで、極めて丁寧な議論を行われました。
 当時、そもそも国民投票法の手続法の制定自体に反対であった共産党さんなども含め、同じテーブルに着いて、最後のぎりぎりのところまで議論をして、私自身、本当に思っていましたが、最後は、だんだんそれぞれの、当時の与党と、そして当時の民主党案、少しずつ違いを詰めていって、最終的なところではこれは合意をして、そして、国民投票法、圧倒的な多数で成立をするという一歩手前まで来ておりました。それが壊れたのは、当時の安倍総理が不必要な発言をされた。
 もともと、憲法の議論というのは、発議権があるのは国会だけです。ですから、まさにこの憲法の議論というのは当時の調査会の中に委ねられている話のところに、総理が突然、新年の会見で、この通常国会で必ず国民投票法を成立させるというその一言がきっかけになり、せっかく、もう与野党を超えて、丁寧な議論の末に、最終的にはまとまって成立させようとしていた国民投票法、それが結局、我々は、我々の案を出すけれども反対ということで、私も、大変残念な思いで、当時、反対討論に立ったことを鮮明に記憶をいたしております。
 その後の憲法調査会からこの審査会への動きの中で、こういう状況になってきたのは、やはり、そこまでの丁寧な運び、特に、与野党を超えた、まさに国会議員がこの憲法というものは議論するんだ、立法府だけが唯一発議もできるんだ、そういう中で、憲法改正に賛成の人も反対も含めて、みんなが議論していく、そして幅広い合意形成を行って発議をするということが、やはりそこの一番ベースの原点のところに立っていくということが極めて私は、もう一度、大事なんじゃないかと思います。
 そういう中で、先ほど来からきょう議論に出ております国民投票法は、当時は我々も、そのときに考えられる範囲でつくったものでありますけれども、日本でやったことがない初めての国民投票でありますし、当時の状況の中でつくったという意味では、いろいろ不完全なところはあるだろう。やはり、その不完全な部分は随時直していかなきゃいけないという認識での、とりあえずの案であったのが当時の国民投票法だったと思います。
 そういった意味では、先ほどからお話がありますように、世の中の変化というものがあって、私自身も、あのときに携わった者として考えますと、今の国民投票法はやはり抜本的に見直しをするということが必要になってきている。
 ですから、まさに、あのときと同じように、やはり手続法であるわけでありますから、そこについては、幅広い合意、圧倒的な多数の合意の上でちゃんと必要な改正がされる、そのことをぜひ、会長のリーダーシップのもとで、与野党の中でやっていただきたいということをお願いさせていただいて、私の発言を終わらせていただきます。
#28
○佐藤会長 発言希望のある委員が多くいらっしゃいますので、御発言を、大変恐縮でございますが、短目にしていただき、御協力をお願いをしたいと思います。
#29
○上川委員 自由民主党の上川陽子です。
 先般の自由討議の中で、北側委員から、ドイツを始め多くの国では、法律でできるような事項まで憲法に書き込まれており、そのため憲法改正が多くなっているのに対し、日本国憲法は、基本的な理念を簡潔に定め、その詳細は、これに基づく基本法その他の憲法附属法規において定められており、憲法改正のハードルが高いとの御指摘がありました。全く同感でございます。
 日本国憲法は、諸外国の憲法典と比べて、その規律密度が低い、いわゆる簡短概括型の憲法であると言われていますが、改めて、その特性についてしっかりと認識すべきと考えております。
 また、ウクライナ憲法改正に関しまして、森団長より、総則規定や憲法改正手続規定などの重要事項に関する改正につきましては国民投票が必須であるのに対し、他の改正事項につきましては国民投票が不要であるなど、改正手続が簡素化されているとの紹介もありました。改正の内容の重要性によりまして複数の憲法改正手続を定めているということにつきまして、大変興味を感じました。
 国の基本法である憲法でございます。歴史、伝統、文化、密接不可分であるということで、改めて、我が国においての憲法論議、憲法改正のプロセス、我が国なりのやり方についてしっかりと見定め、改正の議論を進めていく必要があると考えております。
 前回、辻元委員から、私の発言を引用しつつ、現行憲法に対する評価について与野党の共通認識を形成すること、そして国民と政治の信頼関係をつくることが憲法審査会における議論の土台である旨の発言がございました。私の発言に理解を示していただきまして、光栄でございます。
 そこで、与野党の枠を超えた共通認識を形成するという観点から、憲法審査会で今後の議論を進めるに当たり、一つの問題提起をしたいというふうに考えております。
 日本国憲法のように、条文の抽象度が高いとともに条文数が少ない簡短概括型の憲法におきましては、国の形は、憲法典と憲法附属法規や一連の基本法などの総体から成る生きた憲法、いわゆるリビングコンスティチューションとしてあらわれます。したがいまして、時代の変化に向き合うための法制度の制定や見直しに当たりましては、基本法等の法律レベルの制定、改正で対応するのか、更に進んで憲法典の改正まで行うのか、悩ましい判断が常につきまとうわけでございます。
 そもそも、憲法審査会におきましては、国会法で、日本国憲法に密接に関連する基本法制について広範かつ総合的に調査を行うことがこの憲法審査会の所掌事務の一つとして規定されているということに鑑みますと、基本法その他の憲法附属法規につきましても、大いに議論を闘わせることが重要ではないかというふうに考えております。
 時間で非常に恐縮でございますが、二点、具体的な法律に照らしてこのことを申し上げたいと思いますが、まず、犯罪被害者等基本法でございます。
 これは、故保岡興治先生とともに犯罪被害者等基本法の制定に、私、携わらせていただきました当時、実際の現場では、被害者の人権は守られていなかったと言ってもいいくらいの状況でございました。犯罪被害者の皆さんの視点に立った施策の実現のために、「犯罪被害者等の権利利益の保護」の重要な文言を前文及び第一条に盛り込みました。最終的には基本法レベルに落ちついたものの、立案時には、犯罪被害者等の権利は憲法事項ではないかとの議論がなされました。
 もう一つの題名は、まあ題名は基本法ではございませんが、公文書管理法もまた重要な憲法附属法規の一つであると考えております。
 公文書管理法は、立法、行政及び司法の国家機関について公文書の適正な管理等を定めるものでありまして、国民の知る権利や政府の説明責任といった憲法上の権利や原則に密接にかかわることは御承知のとおりでございます。
 例えば、スウェーデン、ベルギーでは公文書へのアクセス権が憲法典に規定されておりまして、我が国におきましても、法律事項にとどめるべきか憲法事項とすべきかは大いに議論の余地があるのではないかというふうに考えます。
 日本国憲法の規律密度の低さが、柔軟性の観点では長所でありますが、権力制限規範としての実効性の観点からは短所となってあらわれる例も見られるようになっているところでございますので、立憲主義の観点から、具体的な論点に関して、憲法事項と法律事項の区分及びその連関につきまして議論を行うべきではないか、これが私の問題提起でございます。
 ありがとうございます。
#30
○佐藤会長 次に、奥野総一郎君。簡潔にお願いいたします。
#31
○奥野(総)委員 先ほど、新藤筆頭からも経緯の御説明がございました。一年半にわたってということでありますが、おくれている原因の一つには、職場放棄発言など、与党側の場外からの不規則な発言があったことも一言申し添えておきたいと思います。
 また、CM規制等については、国民民主党、我が党としては、今、階さんがいらっしゃいますけれども、当時の階憲法調査会長、党の調査会長と事務局長の私で、まさに去年の秋ごろから、CM規制が必要だということで対案の検討を進めてまいりました。また、進める中で、外国人の資金の問題、資金の透明化の問題、規制の問題であったり、ネット規制の問題であったり、さまざまな論点があることがわかってきました。
 ということで、それをまとめて法案をつくり、それを、国民投票法、現行法制の時代に合った抜本的な改革が必要だということをずっと申し上げて、幹事会の場でも申し上げてきたところでございます。
 さらに、決定的になったのは、民放連のヒアリングの中で、民放連が、ガイドラインはつくれないんだ、ガイドラインでの規制はできない、賛否同時間にはできないと明確に否定した。これは従来の、現行法制の前提が崩れたわけですから、そこの見直しが必要だ、事情が変わってきたということもあろうかと思います。だからこそ、抜本的な改革を求めてきた。法案も提出もさせていただきました。
 さきの国会で、採決一歩手前まで行ったこともございました。新藤筆頭の方から、CM規制等を前提として議論をする、実現を前提として議論をするということで、議論することを前提として採決をする、こういう提案もあったんですね。
 しかし、実際に、じゃ、前提としてということの意味。我々としては、きちんと盛り込んでいただく、我が方の法案の審議をしていただくということを、まあ交渉の話ですから余り言っちゃいかぬのですが、求めたんですけれども、確約が得られなかったわけであります。だからこそ、採決もできずに今に至っている。
 この機会を逃すと、抜本的な改革はできないと思いますよ。七項目、確かに我々は賛成です。ここで採決をしてしまって、じゃ、次の議論に行きましょうということに恐らくなるんですよ。抜本的な改革をするのはこの機会をおいてはないと思います。
 ぜひ与党の皆さんにお願いしたいんですけれども、本気で憲法改正を皆さん考えておられるんだったら、きちんとした公正な投票、国民投票ができるような仕組みをつくらなきゃだめなんですよ。今の法制では、ネットの問題もあり、グローバル化、外国人の問題もあり、公正な投票結果は出ないと思います。
 ですから、真剣に憲法改正の議論をするんであれば、その前提として、真剣にこの国民投票法の抜本的な改正を議論しようじゃありませんか。我が党の法案も出ていますから、しっかり時間をかけて議論しようじゃありませんか。
 以上です。
#32
○中谷(元)委員 本日は、憲法審査会で自由討論ができるようになって、大変よかったと思います。
 やはり、与党は度量を持って、野党は良識を持って、この審査会は非常に丁寧にやっていくということが重要でありますが、もちろん国民投票法について、重要な法案でありますが、もう既に私が幹事のときから、付託をしてもう二年近くがたとうといたしております。幾ら何でも、丁寧にということにおいても、やはり貴重な国会の審議でありまして、本来、この憲法審査会というのは憲法について議論を深めるというのが趣旨でありますので、ぜひ、国民投票法の議論と憲法に対する自由討論、これは並行して行うべきではないでしょうか。
 そして、野党側からも、この改正について、国民投票法、具体的な御意見もありますので、ぜひ政党間で協議をして、また、審議をすればその内容も議論できますので、その審議を通じて、どうするのか、これは時間をかけてできると思いますので、ぜひ審議をして、そして採決をして、それに並行してこのような自由討論をしていただきたい。
 今から四年前、私は国会で平和安全法制を議論したときに政府の答弁をしましたけれども、この審議の中でも、自衛隊や自衛権について、憲法で認められる、認められないという議論がありました。まさに安全保障もこの審査会で議論するテーマでありますので、ぜひ貴重な審査会を有効に使っていただきたいと思います。
#33
○佐藤会長 発言希望のある委員全てに御発言をいただきたいところでございますが、予定の時間がございますので、本日の自由討議はこれにて終了させていただきます。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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