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1951/04/15 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第10号
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1951/04/15 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第10号

#1
第013回国会 決算委員会 第10号
昭和二十七年四月十五日(火曜日)
    午後一時三十五分開議
 出席委員
   委員長 中垣 國男君
   理事 大上  司君 理事 菅家 喜六君
   理事 三宅 則義君 理事 熊本 虎三君
      金光 義邦君    高橋 權六君
      渕  通義君    船越  弘君
      井之口政雄君
 出席政府委員
        大蔵事務官
        (主計局次長) 東條 猛猪君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        官
        (事務総局次
        長)      山名酒喜男君
        專  門  員 大久保忠文君
        專  門  員 岡林 清英君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 昭和二十五年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和二十五年度国有財産無償貸付状況総計算書
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 連合審査会開会要求に関する件
 昭和二十五年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の2)
 昭和二十五年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の2)
 昭和二十五年度特別会計予算総則第六條並びに
 昭和二十五年度特別会計予算補正(特第1号)
 総則第四條に基く使用総調書
 昭和二十六年度一般会計予備費使用総調書(そ
 の1)
 昭和二十六年度特別会計予備費使用総調書(そ
 の1)
 昭和二十六年度特別会計予算総則第七條に基く
 使用総調書
 (承諾を求める件)
    ―――――――――――――
#2
○中垣委員長 これより決算委員会を開きます。
 まず昭和二十五年度一般会計予備費使用総調書(その2)外五件を一括議題とし、前会に大蔵当局からその説明を聽取いたしたのでありますが、本日はただちに質疑に移ります。質問の通告がありますからこれを許します。井之口委員。
#3
○井之口委員 六件についての審議でありますが、細部にわたつてこれを検討するとすれば、実に莫大な時間を要するわけであります。そこでおもな点についてお聞きしてみたいと思いますが、まず二十六年度の一般会計予備費使用総調書(その一)のところであります。平和條約締結のために全権団が派遣されて、約四百二十万円の予備費を支出しております。四百二十八万三千円となつておりますが、全権団として向うに派遣されたのは、相当の人数であり、たつた四百二十八万円というような少額な経費ではなかつたろうと思うのであります。この点について何人行つたか、そうしてどれくらいの費用を使つたものか、決算に当然出て来なければならぬと思いますから、大蔵当局におかれては、そこら辺の事情をまとめて、ひとつ明らかにしていただきたいと思うのであります。
#4
○東條政府委員 平和條約締結のための全権団の派遣に伴います必要な経費の金額が、この程度ではなくて、もつと多いのではないかという御質疑でございますが、御承知の通り、昭和二十六年度の予算のうちで、海外拂いになりますところの経費につきましては、別に大蔵省所管に海外拂いの経費といたしまして計上いたしてある次第であります。従いまして、ここにあげてございますものは、いわば支度料、あるいは全権が海外に派遣されるに伴いまして、外務本省におきまして、いろいろの通信、あるいは各種の運搬費と申しますか、あるいは輸送費と申しましようか、そういう国内関係の国内拂いになります経費と二つにわかれるわけでございまして、ここにございますのは、いわば後者の国内拂いになります部分を予備費として支出をいたした次第であります。それで海外拂いになりますのは、このほかに先ほど申し上げました大蔵省所管の海外拂いの経費から支出をいたしておるわけであります。
 全権団の数はどれくらいかというお話でありましたが、三十四人程度の人が、国費に伴いますところの全権団の派遣費として、支出された、かようなことに相なつておる次第であります。
#5
○井之口委員 三十四名が派遣された、この人数も三十四名に間違いないのでございますか。それだけが派遣されてそうして海外拂いの方面からも相当出ているという今のお答えでありますが、そういうものを総計してみてどれくらいになつておるのであるか。また海外拂いでそれが支出できるとすれば、何も予備金を使わぬでも、全部そつちから支出してもさしつかえないものではなかろうか、こう思うのでありますが、この点について、どうでしようか。
#6
○東條政府委員 ただいま申し上げましたように、この三十四人の人が派遣せられたに伴います海外拂いの分の金額は、五千百九十万六千円でございます。
 それからその金額のほかに、そちらから出るならば、別に予備費を支出せぬでもいいではないか、こういう仰せでありますが、先ほども申し上げましたように、海外で使われますものは、つまり外貨を必要といたしますものは、今申し上げました五千百九十万六円でありますが、日本の国内におきますところの支度料でありますとか、あるいは通信費、運搬費というものは、日本の円貨をもつて支拂うことに相なりますもので、予算の海外拂いの経費からは支出ができません。従つて日本の国内の分につきましては、予備費の支出をいたしておる、かようなことに相なつております。
#7
○井之口委員 この全権団の派遣というふうなことは、これは前もつて予定されていなかつた事件でありまして、そういうふうなものの支出としては、海外拂いというものが、もうすでに予備費の性格を持つておるものと思われるのでありますが、もしそういうことにするとすれば、そのほか海外に派遣される一切の、たとえば全権の方々の費用とか、それから場合によつてはユネスコに行く人たちやら、あるいは国際スポーツに行く人たちやら、そういう人たちのものも、こうした二つに割られて国内の分だけは予備費から出す、それから外国の費用は海外拂いの方から出すというふうな仕組みになつているのでしようか。
#8
○東條政府委員 海外拂いのおもな使途といたしましては、ただいまお話のございましたような一般の、在外公館とは申せませんが、日本の外務省の出張所が海外にございます。そこの経費でございますとか、あるいは各種の條約の加盟が認められましたに伴いまして、それらの條約に伴います分担金のようなものてございますとか、あるいは各省、各庁の国家公務員が海外に出張ないし派遣せられます場合の出張旅費でございますとか、あるいはごく異例の場合でございまするが、海外から直接国が機械を購入するというような物件費系統でありますとか、そういう海外拂いの金は、今申し上げましたような大蔵省に組んでございますところの海外拂いの経費からすべて支出をいたしておるわけであります。ただ、たとえば運動選手でありますとか、あるいはユネスコという御事例でありましたが、その旅費の性質が、国において負担すべきものでないという場合におきましては、これは申し上げるまでもなく海外拂いの経費を充当する限りではございませんが、国費でもつて負担すべきすべての外貨を必要とするところの経費につきましては、今申し上げました海外拂い関係の経費から支出いたしました次第であります。従いまして大体仰せのように国内の一般の経費、その経費が各省におきまして予想しないために不足を生ずるような場合におきましては、この事例にあります場合のように予備費支出が行われますが、相当程度は既定の予算でもつて、支度料その他におきましては国内拂いの一般の予算でもつて支弁をいたしておる、かようなことに相なつておるわけでございます。
#9
○井之口委員 それではこの海外拂いは、前もつてどれくらいいるのかなんということは、予定できないことになるのじやなかろうかと思います。海外拂いの予算は、約二十億組んでおると思うのでありますが、それの内容というものは、ほとんど全部前もつてわかつていないもので、自由にどれにでも支出できるような形になつていはしないかと思うのでありますが、どうでしようか。
#10
○東條政府委員 海外拂いの経費が、的確に見通しをつけることが困難であるという点につきましては、お話の通りでございます。従いまして、昭和二十六年度予算におきましては、お話の通りに二十億円を一応大蔵省の所管に計上いたしておきまして、先刻申し上げましたような各種の使途が確定をし、必要となるに従いまして、その必要に応じまして随時支出をいたしておるわけであります。そういうことは、昭和二十六年度の予算で申し上げますれば、国会の議決をいただきました予算の予算総則で、必要に応じまして、大蔵省から各省に移しかえて使用できるという趣旨のことがあるわけでありましてその使いました実際の結果につきましては、決算におきましてあらためて御審議をいただく、かようなことに相なるわけであります。
#11
○井之口委員 これはもとより会計検査院の検査を受けているのでございましような。
#12
○東條政府委員 仰せの通りでございます。
#13
○井之口委員 それではこの予備費から支出されたところの四百二十八万円というものが、国内で使用されているのですか。その使用の内容は、どういうふうになつておりますか。
#14
○東條政府委員 お手元の五十六ページでごらんをいただきますように、四百二十八万三千円は、旅費が三百三十七万七千円でございます。これは先ほど申し上げましたように、すべてが全権以下の支度料であります。支度料の金額は、旅費に関する法律の定めるところによりまして、法律によつて、この支度料の金額は定まつております。それからその次の九十万六千円は、通信費と運搬費にわかれるのでありまして、その内訳は、八十七万五千七百二十円を通信費として出しております。これは全権が海外に派遣をいたされましたに伴いまして、電話あるいは電信、あるいは航空便というような各種の通信上の金がいりまするので、その金が八十七万五千七百二十円でございます。それからあと三万円は運搬費でございまして、これは会議に提出することを必要といたしますところの各種の資料を、国内で包装して運搬する金でありまして、その金が三万円と相なつております。
#15
○井之口委員 支度金としてこれが出されたものといたしますれば、項目は旅費になつておりますけれども、別に飛行機の料金として拂われたものでもなし、アメリカの汽車の旅費として拂われたものでもなし、まつたくその人たちの服とか、くつとかいうもの、そうしたものになつていると思いますが、その支度金の分配は、個人的にどれくらいのものになつているのでございましようか。
#16
○東條政府委員 これは、その内訳でございますが、全権につきましては二十万円、全権代理につきましては十五万円、首席随員につきましては十二万円、それから十一級以上の公務員につきましては、端数がございますが、六万一千九百八十五円、十級以下につきましては五万三千九百円ということが、それぞれ定まつておるわけでありまして、その通り出しております。
 それから使途は、つまり仰せのように旅行のしたくてありまして、これを受取られた各人がお使いになるわけでございますが、支度料の性質上、仰せのように、文字通り、洋服でありますとか、あるいはくつ、そういうことに使われることが多い、かように考えております。
#17
○井之口委員 吉田さんも大分りつばなくつをはいて行かれたようであります。そこでこれが積り積つて、そういうものが四百二十八万円支出されておりますが、この金額は全部消費されておりますか。予定は多分三十四名分でありながら、三十四名行つていないのじやなかろうかと思うのでありますが。なおこれが余つた分とか、なんとかというものがあるのじやないでしようか。
#18
○東條政府委員 各人に渡されました支度料は、これはもう御承知の通りに、各人がそれぞれお使いになるのでありまして、支度料はいわば渡し切りになるものであります。
 それから、予備支出をいたしまして、実際その必要がない場合におきましては、それは場合によりまして、不用にいたすということは、予備費の性質上、あり得るわけでありますが、本件につきましても、予備支出をいたしました金額に多少残額が出たのではなかろうかと思つております。
#19
○井之口委員 人数は二十九名じやなかつたかと思うのですけれども、もしそうした予備費があるとするならば、その予備費の中のまた予備費は、どんなふうに帳簿上取扱いになるのですか。それはもう今日でも、出したことにして帳面には記帳になるのでしようか。これはもうすでに決算報告だと思うのですが、そうすると、完全に使つたものだけがここに出て来るのじやなかろうか、こう思うのです。
#20
○東條政府委員 これは予算に計上いたしております予備費の項目から、これだけのものを予備費として支出をいたしましたということの御報告を申し上げて御審議を願つておるのでありまして、予備費として出ました金が、現実に今度はほんとうに国庫から使われたかどうかということは、これはまた別な話であります。予備費から出ましたものは、予算決定後の増加で、予算現額の方に参ります。それが現実に支出されましたものが支出済額でありましてここに予備費といたしまして支出いたしましたものが、即支出済額になるわけではございません。その点につきましては、決算のときに御審議願う、こういうことに相なるわけであります。
#21
○井之口委員 それじや、海外拂いから出ております部分の内訳について、ちよつと簡単に項目別に御説明願います。
#22
○東條政府委員 項目は五項目にわかれるのでありますが、第一は雑給與、これは百三万七千円でございます。それから旅費が二千五百四十三万四千円でございます。それから物品費でございますが、これが五十七万六千円でございます。それから役務費でございますが、これが八百六十五万円でございます。それから交際費でありますが千五百六十二万六千円であります。これが合わせまして五千百三十二万三千円でありますが、先ほど申し上げました五千百九十万六千円との違いの五十八万三千円は旅費でありまして、全権団が派遣されたに伴いまして、海外にございますところの外務省の出張所に勤務しております人が、サンフランシスコにいろいろ連絡のために出て参つたという旅費の五十八万三千円というのが、内訳であります。
#23
○井之口委員 そうすると、このうちから向うでの宿泊料も出ておると思います。なお日当も旅費も出ておると思いますが、一人当りどれくらいの宿泊料、日当、旅費を拂つているのでございましようか。
#24
○東條政府委員 これは旅費に関します法令によつてそれぞれ定まつておるわけであります。恐縮でありますが、きよう旅費に関する法律を持つて来なかつたのでありますが、先ほど申し上げましたように、一応予算の積算におきましては、三十四人の人を予定いたしておりまして、それに関しますところの旅費が先ほど申し上げました二千五百四十三万四千円でございます。もろちん上は全権、下は十級以下の公務員がございますので、いろいろその間に階層はございますが、達観的にごらんいただきます場合は、三十四人で二千五百万円の旅費が使われた、かように御承知いただきたいと思います。
#25
○井之口委員 それらの不自由ないだけのものを持たせて、なおその上に千五百六十万円からの交際費で、これはいわば宴会に使われたものだと思いますが、そうでございましようか。
#26
○東條政府委員 交際費の使途の問題でありますが、交際費につきましては、申し上げるまでもなく、この経費の交付を受けました人が、最も適当と思うところの用途に使います。この場合におきましては、全権団がこの会議の重要性にかんがみまして、最も適切と思いますところの使途に充てられたわけであります。大蔵省といたしましては、交際費支出を認めました上におきましては、それをいかに使用するかということは、各自の判断におまかせいたすわけでありますが、あれだけの会議でありますし、たくさんの外国の政府の代表者ともいろいろ会談をせられたことでもありますし、また在留邦人の皆さん方ともいろいろまた会談をせられた機会もあろうかと思いますので、交際費の相当部分は、今お話の宴会と申しますか、そういう会合に使われたことであろう、さように推察いたす次第であります。
#27
○井之口委員 それで、大体経費の点はよくわかりましたが、両條約に対しては、国民はみな反対して、この條約によつて、日本はまつたく独立を失つて、ほとんどアメリカの植民地になつてしまうという憤激の感を抱いていたわけであります。そういうもののために、約五千五百万円以上の金を使つて、全権が向うに行つて、宴会費にも千五百六十万円も使つて帰つたということに対して、国民は快からず思つておるだろうと思います。
 なおそのほかに、日本重要古美術の展覧会が、ちようどサンフランシスコの講和條約を前にして、これを見越して向うで開かれて、その費用が八百六十七万円、さらに持つて帰る費用が二百三十六万円と、これも約一千万円からの支出がなされておるようでありますが、それほどのことをやらなければ、この講和條約は締結できなかつた。まるでこれは、日本の重要美術品を向うへ持つて行つて見せて、ごきげんをとり、そうしてこの條約を通過させることに努力したと思われるのでありますが、この費用も、向うから出なかつたものでございましようか。日本の美術品を向うへ運ぶのですから、向うがそういうものを貸してくれと願つて貸してやつたものであるなら、こんな費用はかからなかつたと思うのですが、どんなものでしようか。いわんや持つて帰る費用まで、全部日本で負担しているようでありますが、この点どうでございましようか。
#28
○東條政府委員 政府といたしましては、この両條約は、現在の各種の情勢から見まして内容が適当であり、またわが国の今後のために非常に重要と考え、かつ適当なものであるというふうに考えておりますことは、私ごとき者から申し上げるまでもないことであると思います。この両條約の締結のために、海外拂い五千五百万円も使つたのは多過ぎるというおとがめかと思われたのでありますが、私どもといたしましては、両條約がきわめて重要かつ適当なものであるという政府としての確信のもとに、全権団が派遣いたされますに伴い、必要やむを得ない経費につきましては、事務的に十分検討の上、必要な経費と認めた次第でありまして、この間に冗費にわたるものはない、かように考えております。
 次いで、日本重要古美術展覧会についてのお話でありますが、日本の今後のいろいろな観点からいたしまして、日本にございます重要古美術の展覧会を開きまして、日本の文化の進んでおる面、あるいはきわめてまれなる点につきまして、適当なる機会をとらえては、海外に日本の国情を紹介するということは、適当なことだと思います。たまたまサンフランシスコの両條約の締結と時期を同じくいたしまして、サンフランシスコでこういう展覧会が持たれましたことも、私どもといたしましては、きわめて時宜を得たものである、かように考えておる次第であります。経費の分担につきましては、それはアメリカ側で持てというようなことも、一つの考え方でありますが、今申し上げましたような時期、あるいは内容におきまして、むしろわが国といたしまして積極的に努むべきことであるという考え方のもとに、この八百六十万円、二百三十万円の両方の予備金支出をいたした次第であります。
#29
○井之口委員 この計画に対して、アメリカ側は幾らぐらい負担したか、その点わかりませんですか。
#30
○東條政府委員 先方でどの程度の経費の負担をいたしましたか、承知いたしておりません。しかしながら、会場設営費その他に、相当額を結果的には出したことは間違いないと思います。
#31
○井之口委員 その問題はこのくらいにいたしまして、二十六年度の分を見てみますと、皇室費として大分出ておるようであります。多摩東陵の分とか、皇族に必要な経費というようなものが、たくさん出ておるようでありますが、こうした費用は、一般予算の中からまかなえるものではないでしようか。冠婚葬祭について、官吏にしたところで、別にだれしも政府から特別の支給は受けておりません。こういう皇室費は、皇太后の葬儀に必要な経費その他陵の造営等についての経費が出ておりますが、こうした修理費とかいうものも、予備費からいつも出すような仕組みになつておるのですか。
#32
○東條政府委員 皇室費の内容は、御承知のように、内廷費と宮廷費と皇族費にわかれているわけであります。いずれの経費にいたしましても、当初予算を積算いたします場合におきましては、内廷費にいたしましても、あるいは皇族費にいたしましても、法律で定まつておりますところの定額だけを予算に組みますことは、従来の通りになつておるのでありまして、しかもその定額は相当余裕があるかどうかという点でありますが、私どもの考え方からいたしますと、内廷費にいたしましても、皇族費にいたしましても、その経費はきわめて切り詰めたものである、かように考えておる次第であります。それから宮廷費にいたしましても、天皇が国の象徴としてのお立場におきましての必要経費でありますが、それらの経費につきましても、きわめて金額は切り詰めたものになつております。従いまして、この予備費の内容でごらんをいただきますように、当初予算の編成にあたつて予想いたしておりません皇太后陛下の崩御せられたという場合におきましては、この大喪儀に必要な経費でありますとか、あるいは多摩東陵を造営いたしますような経費は、とうてい当初予算ではまかなえないわけでありまして、二千九百万円と三千何万円の予備金支出をいたしておるわけであります。それから皇族費につきましても、やはり皇室経済法、皇室経済法施行法で定額がきまつておりまして、予算編成当時の員数によりまして金額が計上いたされておりますので、ごらんいただきますように、三笠宮にさらに第二皇女がお生れになりましたので、経費がふえまして、予備金支出をいたしたわけであります。こういう、予算編成当時におきまして予想しておりませんところの事態が起りました場合におきましては、予備金支出をいたすのが当然でありますし、予備費はそういう目的のために支出をするように国会で議決をせられている、かように存じておる次第であります。
#33
○井之口委員 次に、裁判所所管で、風水害復旧のために三千四百万円の支出をしておる。それから警察庁舍も同じく風水害を受けて二千百九十万円の支出、行刑施設に対しても風水害の損害で三千九百万円出しておる。こういう金が支出されておりますが、厚生省管轄で一般人の災害救助に必要な分として出されておるのが、わずか五千万円にすぎないという点を見ますのに、これらの予備費の使い方がきわめてへんぱであつて、牢にほうり込んだり、最近の警察なんというものは、実にこん棒やピストルをもつて人民をなぐりつけることばかりに主力を注いでおるようで、この間の大学教授の跡をつけて、それを特高的に調べ上げたりするような費用の方には、予備費が、少しの風水害のためにでも三千万円あるいは四千万円というふうに出ている。これが全国民に対しては、たつた五千万円しか出ていない。よつてこれらの予備費の使い方が、いかに反人民的な使い方になつているかということが察せられるのでありますが、この災害救助に必要なのがたつた五千万円で、一体どれくらいのことができたものでしようか、その点を伺いたい……。
#34
○東條政府委員 災害救助費の点でありますが、昭和二十六年度の元の予算におきまして、災害救助費といたしまして約五千万円の予算が計上いたされておるわけであります。災害が起りました場合におきましては、御承知の災害救助法という法律がございまして、これに基きまして、応急のたき出しでありますとか、あるいは薬品類、そういうものを配布いたします金でありますとか、あるいは応急の小屋がけでありますとか、そういうことがとりあえずの応急対策として行われるわけであります。その応急対策が行われますにつきましては、第一次的には、地方公共団体がその経費を負担いたすわけでありますが、地方公共団体の財政力を考えまして、これも法律の命ずるところに従いまして、その財政力に応じましてその一部を国が負担をいたすというのが、災害救助費の支出の建前に相なつておりますことは御承知の通りであります。
 一体この元の予算の五千万円、予備費支出の五千万円で、どの程度の救助が行われたかという点でありますが、災害救助費の総額といたしましては、五億三千百万円の救助費の支出が行われております。それに対しまして、今申し上げましたように、元の予算あるいは予備費、なお精算の結果、これで足りません場合におきましては、二十七年度予算というようなことで精算をいたすわけでありますが、救助費の総額といたしましては、五億三千百万円が支出いたされておるわけであります。
 それから官庁営繕でありますが、私どもといたしましても、災害で各省各庁の建物が破損をいたしました場合におきましては、できるだけやむを得ない箇所だけを復旧し、その復旧のやり方につきましても、なるべく経費をむだなく使うように、政府部内が一致した心構えで臨んでおるわけでありまして、災害の起りました場合におきましては、最小限度必要な建物、応急施設の回復をはかります。その建物はここでごらんいただきますればわかるのでありますが、やはり裁判所でありますとか、あるいは警察、病院等にいたしましてもむろんでありますが、單に役人が使うというだけではありませんで、やはり一般公衆の方がお使いになるのでありますから、御迷惑をかけるわけには参りません。また国務の遂行上最小限度の復旧はいたさねばならぬということで、予備費の支出をいたしておるわけでありますが、これらの経費の支出につきましては、特に営繕経費等につきましては、特に内容を愼重かつ詳細に検討いたしまして、いやしくも経費が他に流れないということに努力をいたしております。
#35
○井之口委員 今の場合ですが、五億幾ら災害救助に支出されたと言つておりますが、これは前年度分には、いろいろなもののために、それだけの大きな支出になつているのであつて、この二十六年度の分として急に救済を必要とした分は、五千万円くらいのものじやないでしようか。もし五億幾らの大きな支出がその年度の分を目的としているとすれば、あともう五千万円くらいは、何もこういう特別の予備金から出さぬでも、災害救助の予備費から出して、一般会計のそういう方面から出して償われたではなかろうかと思うのですが、どうでしようか。
#36
○東條政府委員 先ほど申し上げましたように、五億円の金は、ケイト、ルース、この災害救助の経費といたしまして、地方公共団体で第一次的に支出をいたしたわけでありまして、たとえば鹿兒島県で申し上げますれば三億七千三百万円、宮崎県で申し上げますれば四千三百四十万円、大分県で申し上げますれば三千九百万円、山口県で申し上げますれば六千四百万円、徳島県においては一千百万円というのが、この五億三千万円の内訳になつておるのであります。そこでその金は地方公共団体で支出をいたしておきまして、税收入とも見合いの上で、予算に計上いたしておりますところの五千万円、あるいはこの予備金支出の五千万円というものを出しまして、これで精算の結果不足いたします場合におきましては、二十七年度予算に災害救助費として計上をいたすということにいたしておるわけでありまして、この場合におきましては、五億三千百万円が救助費の総額であるということは、間違いないことであります。
#37
○井之口委員 もし、そういうふうなことが地方自治体に対してもできるといたしましたならば、たとえば、職安なんかで失業労働者が非常に困つている場合に、仕事のわくを広げてくれというような要求がある。そういう要求の場合には、これはもう予算できまつているのだからわくは広げられない。一にも予算、二にも予算、こういうふうにして事実上は何ら広げられないことがしばしば起るのであります。しかし、こういう災害の場合には、そうした手段もとられ得るものであるとすれば、人民の広汎な層が失業のために悩んでいるという場合には、こうした予備費をどんどん支出してその方面に使用するということも、この財政面においては明確に可能であることを立証すると思うのですが、どうでしようか。
#38
○東條政府委員 先ほども申し上げましたように、災害救助費は、災害救助法という法律の規定がございまして、災害が起りました場合におきましては、臨時応急の措置といたしまして、各地方公共団体が――これは法律がなくとも行うべきことでありますが、法律の命じておりますような災害に対する応急対策を講ずるという経費がこの内容でありますことは、先ほど申し上げました通りであります。予算の編成されました当初におきましては、もちろんどの程度の災害が発生いたすか予知できませんので、予算額といたしまして五千万円を計上いたしておつたわけでありますが、ケイトあるいはルースという台風が起りまして、五千万円ではとうてい足りないということで、予備費の支出をいたしておるわけであります。
 それから、失業対策費のようなものは、一体どうなんだ。こういうわけでありますが、失業対策費につきましては、いわばよほど特別の事態が起りませんと――大体の場合におきましては、ぜひとも予備費を支出しなければならないというような、予算の編成の当初に予想しておりましたような事態でない場合が起るということは、比較的少い。それから予算の金額がそれでは不足をした場合はどうか、こういうことでありますが、予備金の性質上、絶対失業対策費に予備金の支出が不可能であるという筋合いのものではございませんが、昭和二十六年度の予備費の金額は、予算で御承知のように十億円であります。この十億円の予備費をいかなる目的に使用することが、各種の情勢を総合して最も適当であろうかという、これは判断の問題になりますが、災害救助のごとき臨時緊急、しかも予算編成の当初に予想もつかなかつたような場合にこそ、支出をするのが適当であるのでありましてその意味におきまして、ここに五千万円の予備費の支出が行われたわけであります。法律的に可能、不可能の問題と、どういう経費に支出するのが適当であるかということは、これら予備費の金額あるいは個々の事案、それらのことを勘案いたしまして、総合的に決定すべきことである、かように考えております。
#39
○井之口委員 これはそういうふうにして決定するものでしようが、失業者が非常に続出しておるというふうな事情のもとにおいては、これを失業対策費に支出しても違法ではない、そういうことがなし得るものであるということだけは、お認めになるのでございましようか。
#40
○東條政府委員 たとえば失業対策事業費予算額は、二十六年度七十七億五千万円でありますが、この金が不足を生じたという場合におきまして、予算額が不足をするからといつて予備金の支出をすることは、違法ではないと思います。
#41
○井之口委員 それでわかりました。
 それから国内の航空路線の拡張等に伴つて必要な経費でございます。当時日本には、まだ航空事業は許されていなかつたと思うのですが、そういう航空路線のために八千八百万円も使つておる。しかるに最も必要なところの家畜の衛生試験場やいろいろなものが火災にあつたとか、種畜牧場の建物が風水害にあつたとか、農民にとつて必要な、緊急やらなければならぬところは千五百万円とか千二百万円くらいなわずかなものしか支出されておりません。日本にとつて不必要なものに八千八百万円も出ておるようでありますが、これはどういうわけでこんな不必要なものに出ておるのでございましようか。
#42
○東條政府委員 国会で議決をいたされましたところの国内航空運送事業法という法律が一般に実施されておるのであります。それに基きまして五月の二十二日に日本航空株式会社が航空の免許を受けまして、その業務を開始することに相なつた次第であります。これらの事態が起りました場合におきまして、国といたしまして、やはり各種の通信の施設その他、国といたしましての飛行場その他の施設をいたすにつきまして経費を支出することは、やむを得ないと思うのでありまして、法律の実施に伴いましてこの経費の支出を見るに至つた次第でございます。
#43
○井之口委員 そうすると、そういう法律が出るのですから、当然これに対する予算は、一般的に明確に組まれて、そうしてその中から支出さるべきものじやなかろうかと思う。何もこういう予備費をもつて八千八百万円から出してそういう法律を満たすというようなことは、われわれは常識的にもちよつと考えられないのでありますが、どうでしようか。
#44
○東條政府委員 国会で予算と法律とを御審議に相なる場合におきまして全然予算の裏づけがない法律は成立しないというようなことが、完全に行われますれば、それは今、井之口委員からお話のように、当初予算、法律案と両方が十分にらみ合わされまして、予算の裏づけのない法律が議決をせられる、あるいは予算があるにかかわらず、それを実施に移すところの法律が成立しないで、予算が不用に終るというようなことはないはずでありまするけれども、現実はそうではございませんで、やはり当初予算が編成成立をいたします場合におきましては予想されておらなかつたような法律が、新たなる事態とともに国会におきまして議決成立を見るという事例がございます。この国内航空運送事業法もその例でありまして予算の編成の当初におきましては、この法律の議決成立ということを予定せられておらなかつたのでありますが、その後の事態に即応いたしまして、国会でこの事業法というものを議決せられました以上は、その法律の施行に必要な経費を、万やむを得ない場合におきましては予備費をもつて支弁するということは、政府として国会がこの法律を成立せしめて、施行を命ぜられております以上、やむを得ないことである、かように考えております。
#45
○井之口委員 これは、むしろその本質は、日本の飛行機のためよりもアメリカの飛行機のために、占領軍の飛行機のために、こういう費用を急速に予備費からでも出してやらなければならなくなつたのではなかろうかと思いますが、その点はどうですか。
 さらに、もう一つ労働省所管で、連合国軍労務者のあつせん業務に必要な経費として五百十八万円が出されておるのであります。こういうものは、当然終戦処理費から出さるべき性質のものではなかろうかと思いますが、とにかく適格労務者のあつせんに関する業務を迅速円滑に運営する必要があつてこれをやつたということになつております。この点から考えてみて、これは特に予備費の中からこういうものを出したので、ございましようが、これは終戰処理費の中の予備費なのでありますか。
#46
○東條政府委員 前段のお尋ねの航空関係の経費でありますが、これは先ほど申し上げましたように、国会の立法に基きまして日本の国内の会社が発足するに伴いまして、国として施設すべきことを施設したということは、先ほど申し上げました通りであります。
 それから、ただいま連合軍の労務者のあつせん業務に必要な経費についてのお尋ねでありますが、これはここにございますように、予算の項目といたしましては、終戦処理事務費でありますが、終戦処理事務費の金額が不足いたしましたので、この項目に予備費から支出をいたしたということに相なつておるわけであります。そこで、これらのものは連合軍関係の労務者のあつせんのためなんだから、負担関係がおかしくはないか、連合国側で負担するのが筋合いではないか、こういうお尋ねと承つたのでありますが、昨年の七月、いわゆる進駐軍用の労務要員の方々の給與は、米軍の使用しておりますものは米国側で負担をいたすということに制度がかわりまして以後、直接の給與のみではなく、労務者のあつせんに必要な人件費あるいは事務費、そういう総掛り的なものにつきましては、同様米国側からドルでもつて償還を受けるということになつておりまして、その総掛り的な経費は、ここに計上いたしておりますところの労務者あつせん業務に必要な経費を十分まかなえるということに相なつておるわけであります。
#47
○井之口委員 もう一つ、二つお尋ねしますが、この一番最後にある国営競馬支拂金に必要な経費というのが七億ありますが、これはどうしたものですか。
#48
○東條政府委員 これはここの説明に書いてございますように、当初予算の場合に予定いたしておりましたより以上に、勝馬投票券の発売が著しく増加したのであります。つまり投票券の売行きが増加したのでありますから、これに伴いまして支拂金がふえるということも、うらはらといたしまして当然のことであります。そういう場合に備えまして、昭和二十六年度の特別会計予算総則第七條の規定によりまして当初予算で見込んでおつた以上に投票券の発売が増加した場合には、それに伴うところの支拂金は予算額を越えて支弁してもよろしいという国会の議決を願つておるわけであります。それに基きまして、投票券がよけい売れた、それに伴いまして支拂金がふえるということのための経費の支出でございます。
#49
○井之口委員 そうすると、別に当りくじが多くてよけいこれだけ支拂つたというわけではないのですか。収支決算の方は、政府はこれだけの損失になつておるのですか。
#50
○東條政府委員 申し上げるまでもなく、発売金額と当りとの割合いは、一定の比率がございましてそれ以上は出ないわけでありまして、拂いもどし金は申し上げるまでもなく七五%ということに相なつております。七五%というのが拂いもどし金でありまして、あとは各種の経費であります。この場合は、拂いもどし金が一定の金額ふえた結果穴があいたというわけではないのでありまして、全体の発売金がふえた。従つてそれに伴いまして全体として支拂金がふえた。裏から申し上げますならば、逆に国庫の収入はよけい上つた、こういうことに相なるわけであります。
#51
○井之口委員 国庫はばくちをやらせて、てら銭がよけい上つた、こういうわけですか、早く言えば――。そう理解しておきます。
 それから、この外国為替の分で、これはたくさんいろいろな支出が出ておるようでございますが、これはいかなるわけ合いの問題であるか。この四十億の預かり金の拂いもどしまたは売拂い収入の拂いもどしとなつておりますが、これはどういう償還になるのですか。
#52
○東條政府委員 外国為替の特別会計の予備費で、二十一ページの二つの案件につきましてのお尋ねと承つたのでありますが、上の一億八千五百万円は、ここに書いてございますように、特別預金勘定に関する政令というものがございまして、これは、たとえば外国から外人が日本に送金をして参ります。その場合におきまして、一定の期間がたつたならば、また外国にその金を返すという―とりあえず一応日本に金を置いておく必要があるという場合におきましては、政令に基きまして、いわば政府といたしまして、そういう将来外貨を提供することを約束いたす一種の特別の預金があるわけであります。その特別の預金に関するいろいろな手続あるいは仕組みをきめておりますのがこの政令でありますが、当初予定いたしておりましたよりも、外国からの日本への送金がたくさんあつた。従いまして、一時預かり金がふえておつたわけであります。ふえておりましたが、その後に至りまして、日本に置いてあつたその金を、また外国に持つて帰るという場合におきましては、その預かり金は当然返してやらなければなりません。そういう仕組みのもとにこの特別預金勘定ができておるわけであります。従いまして、予算に見込んでおりましたより以上にこの預かり金がふえて、従つて後日の預かり金の償還がふえたということで、この一億八千五百万円の、前段に書いてございますように、外国為替特別会計において頂かつていた特別預金の償還金が増加したのである、というわけであります。
 それから売為替の際における超過納付金の拂いもどしが増加したというのは、これもここに書いてある通りでありまして、売為替の際に納付金をとつておりましたところ、それが超過いたしておる場合がある。それの拂いもどし金がふえたという、この場合のきわめて技術的な問題であります。これは金額として一億八千五百万円程度でありますが、その次の三十八億九千四百万円につきましては、やはりここの説明に書いてございまするように、スキヤツプ・コマーシヤル、いわゆる司令部の商業勘定の外貨で、米綿とかマニラ麻を輸入したのでありまするが、その後整理の結果、これはガリオアの物資であつたということが決定いたしまして、そちらに振りかえになつたわけであります。そこで、ガリオアでございますと―貿易特別会計がスキヤツプ・コマーシヤルであるという前提のもとに、米綿であるとかあるいはマニラ麻であるとか、そういう物資を輸入いたしました場合の代金は、貿易特別会計からこの輸入為替代金をとり入れておるのでありますが、それをガリオアになりましたために拂いもどさなければならぬという、つまり外貨が当初普通の勘定で、普通の外貨であると思つておつたのが、爾後ガリオアであることがわかつたという、外貨の振りかえに伴いまして、外国為替特別会計といたしましては、貿易特別会計にこの金を返さなければならぬという、きわめて技術的な問題でございます。
#53
○井之口委員 もう一つ最後に……。いろいろな保険金の予備金からの支出が大分多い。健康保険給付費に必要な経費とかいうふうな項目が、たくさん出て来ておるようであります。あの時分には、なかなか健康保険の適用もうまく行かないで、医者の方々からたくさん支拂いを要求して来ておつたようでありますが、これはああいうものが支拂いとして出て来たのでしようか。こういうものは、やはり特別会計に特殊な現象としてこれが起つて来ておるものですか。
#54
○東條政府委員 ここに予備費としてごらんをいただいておりますものは、たとえば上の厚生保険の健康勘定で申し上げますと、当初予算で予定しておりましたものよりは受診率が上つた。当初予算におきましては、大体毎月〇・二%程度だろうと考えておりましたものが、〇・二〇八%に上つたという、この受診率の上昇に伴いまする分であります。それからあとの分も、やはり給付事由の発生が、当初予算で予定しておりましたより非常にふえたという関係でございます。ただいま井之口委員のお話の、一般の保険医として指定せられておるところのお医者さん方に対する支拂いが遅延しておる、これは一体それの対策になるだろうかというお尋ねの点でありまするが、健康勘定―下の年金勘定は、お医者の関係という関係はないのでありますが、健康勘定で申し上げますれば、予備金の支出をいたしません場合におきましては、やはりまわりまわつて保險医に対する支拂いが遅延をするということに相なるわけであります。直接これがすぐきくというわけではありませんが、結局まわりまわつてきくということに相なるわけであります。
 それから全般的に、この特別会計のみならず、政府の関係でございますれば、共済組合の関係あたりにも、従来相当医者に対する支拂いが遅れておるという非難もあるのでありますが、これは御承知のように、支拂い保険基金という基金制度を設けてできるだけそういう支拂いの遅延いたしておりますものは回復に努めまして、なるべく保険医に対する支拂いを促進しよう。従いまして共済の例で申し上げますれば、私の手元で常に基金の方と連絡をとりましてどこの組合が支拂いが遅れておるという場合におきましては、しよつちゆうその組合に警告を與えまして、基金への拂込みを促進するように、ひいては基金から保険医への支拂いが円滑に行くようにということで努力いたしております。最近におきましては、やはり遅れてはおりますが、一時に比べれば相当改善されたのではなかろうか、かように存じております。
#55
○井之口委員 この厚生保険のところに、三つの勘定があげられておりますが、そこに予備費予算額として数字が上つております。この予備費予算額というものは、これは保険勘定の支拂い準備金みたいなものになるのでございましようか。
#56
○東條政府委員 二十五年度の厚生省の厚生予備費の例で申しますと、健康勘定の予備費は八億九千四百八十四万八千円、年金勘定におきましては六千四百三十七万二千円、業務勘定におきましては二千二百九十三万四千円というのが、特別会計の各勘定の予備費といたしまして、予算で議決をお願いして成立いたしております。従いまして、健康勘定について申し上げますれば、今のように、たとえば受診率が上つて、当初予算額では支拂い切れないという場合におきましては、この健康勘定の八億九千四百万円の予備費から支出をせられますので、その意味におきましては支拂いの準備金のような効能を果しておるようなことに相なるわけであります。年金勘定の六千四百万円も何様で、たとえば年金の給付がふえました場合には、やはりこの予備金から支出する次第でありますから、やはり支拂い準備金のような効能を果しておるわけであります。業務勘定について申し上げますれば、この業務の取扱い費に不足を生じました場合に、その不足額の補填に充てられますことは、あたかも一般の予備費と同様でございます。
#57
○熊本委員 初めて出て来ましたので、なかなか情勢がわかりませんで、愚問かもしれませんが、ただいまの質疑応答を聞いておりまして、なるほど理由としては、予備費から支出されたものの案件でございます。そこで支出の分だけを説明されて、ここに承認を求めようとされておると思うのです。ところが、質疑応答の中で、たとえば外国為替特別会計の問題につきましても、それから競馬の予備費の支出につきましても、これは収支のバランスをとれば、必ずしも予備費を支出しないでもいいと思う。そういうことについては、こういう案件について何か参考資料として、支出の結果をわれわれに知らすというような親切なことがあれば、質疑応答をしなくてもいいものがありはせぬかと思う。そういうことは慣例があるかないか、そういうことはやらなくてもいいのかどうか、ちよつと今の質疑応答の中で感じたことですが……。
#58
○東條政府委員 お尋ねの点でありますが、外国為替特別会計あるいは国営競馬特別会計の収支の全体の問題につきましては、予備費の御審議をいただきます場合よりは、むしろ事後、決算委員会等におきまして、この予備費支出をした結果、収入がどうなつて、支出がどうなつて、当初予算にとつたよりは、従つて会計のしりはどうなつたということを御審議いただきます機会といたしましては、決算委員会でいろいろとまた御意見を拝聽いたします方が適当であろうか、かように考えるわけであります。
 それから、資料として前にこういうものを出せというお話がございますれば、政府といたしましては、御要望に沿うような資料を御提出申し上げまして、御審議の参考にしていただきますことは、もちろんそういう用意もございますし、御要求がありますれば、それに従うわけであります。従来とも、予備費につきましては、むしろ支出自体を中心といたしまして、いろいろ御審議を願つております関係上、比較的そういう全般的な資料につきましての御要求を承つておることは少いのでございますが、御要求があれば、それに沿うということになると考えております。
#59
○井之口委員 十ページのところに、連合国軍傭船の検疫に必要な経費が三百六十五万円の支出になつておりますが、朝鮮動乱の影響により、連合国軍傭船の検疫を実施する必要があつたので、そのために使つた費用となつております。しかるに朝鮮動乱は、国際連合軍の警察行為というものであつて、別に占領軍のやつたものではない建前になつておると思うのですが、そういうもののために、日本の政府がこれだけのものを支出しておるのでございましようかどうですか。
#60
○東條政府委員 これは私から申し上げるまでもないことでありますが、検疫の問題は、事柄が病気に対する検疫の問題でありまして、日本に出入りいたします船舶につきましては、全般的に検疫制度を実施いたしませんと、衛生対策上その当を得ないわけであります。従いまして、日本の港湾に出入りいたします船は、国内船であろうと、あるいはそれが連合国軍の船であろうと、あるいは今御指摘のような朝鮮におきまして作戦をいたしておりますような船が日本に入つて来た場合におきましても、そのすべてを一貫的に検疫をやらなければならぬということは当然のことでありまして、日本の国内の防疫対策、衛生対策の見地から、この検疫を実施する必要があり、その経費がいるということは、当然のことだと思うのであります。
#61
○井之口委員 そうすると、予備費から出さぬでも、特別にそういう費目があつて―これは正常の検疫制度の費用でありますから、別にここに出て来る必要はないと思いますが、ここに特に「朝鮮動乱の影響により」ということが記載されている以上、やはり朝鮮動乱に対して、日本の政府がこれだけの影響をこうむつておるということがわかるのであります。日本の政府としては、何も検疫をする義務もなければ、むしろ彼らの費用をもつてやらせることが当然であり、そのために病気の伝染等の危険性があるとすれば、その船の入港を禁止するという方法もあるのでありますが、そういう手段をとるべきじやなかろうかと思います。
#62
○東條政府委員 もちろん厚生省の予算には、検疫を実施するに必要な経費は計上しておるわけですが、その経費では不足を告げましたので、ここに予備金を支出をいたした次第でございます。それから、日本といたしましては、日本の現状で許される限りにおきましては、国際連合諸国との間の協力関係も惜しむべきではないことも御了承の通りでありまして、また国内衛生対策、防疫対策の観点から見ましても、検疫をぜひ実施する必要がございまして、当初の予算額では不足を生じましたので、予備金の支出をいたしたものでございます。
#63
○井之口委員 当時は、国際連合軍に協力する義務も何もなかつたわけであります。しかし、そういう考えであつたならば、これは吉田総理自身言つておることでありますから、おそらく協力して、日本の冨を濫費したものであるとわれわれは理解いたします。
 さて、これらの一切の決算に対しまして、会計検査院においては、調査した結果、どういう結論に到達しておるのでありましようか、会計検査院の総括的な結果の御報告を願います。
#64
○山名会計検査院説明員 二十五年度の一般会計及び特別会計の予備費使用法定の段階における使用決定の手続並びに内容について、私の方として不当批難と認めた事項はございません。また使用決定を受けました予備費の金額で、そのうちそれによつて支拂いをいたしました費途について検査をいたしました結果においても、取上げて不当批難する事項もございませんでした。二十五年度の総体会計につきましては、二十五年度の決算検査報告に提出してございますが、予備費関係の事項は掲載いたしてございません。
#65
○井之口委員 二十六年度は。
#66
○山名会計検査院説明員 二十六年度は、検査の段階の途中でございまして、まだ終結いたしておりません。
#67
○井之口委員 二十六年度は、会計検査院の検査もまだ済んでいないといたしますれば、これは国会において承認を與えるとも、不承認ということにもならない建前の問題じやないかと思いますが、どうでしようか。
#68
○山名会計検査院説明員 ただいま二十六年度の検査の未了ということを申し上げましたのは、二十六年度の予備費使用決定を受けましたその金額で、支拂いをいたしました経費の個々についての問題でございまして決算に現われる数字についての御説明を申し上げたわけでございます。
#69
○中垣委員長 ほかに御質疑はありませんか。―それでは質疑は終了いたしました。
#70
○菅家委員 ただいま議題となりました昭和二十五年度一般会計予備費使用総調書及び外五件に対し、この際討論を省略して、ただちに採決されんことの動議を提出いたします。
#71
○中垣委員長 ただいま菅家委員から動議が提出されましたが、この動議の通り決するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○中垣委員長 御異議なしと認めます。討論を省略してただちに採決に入ります。
 右六件は、いずれも承諾を與えるべきものと議決するに賛成の諸君の起立を願います。
    〔賛成者起立〕
#73
○中垣委員長 起立多数。よつて右予備費使用総調書六件は、承諾を與えるべきものと決定いたしました。
 なお、議長あてに提出の報告書作成に関しましては、委員長において作成することに御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#74
○中垣委員長 御異議なしと認め、さよう処置いたします。
    ―――――――――――――
#75
○中垣委員長 この際お諮りいたすことがあります。ただいま大蔵委員会で審議中の国有財産特別措置法案は、きわめて重要法案で、当決算委員会にも関連するところ多大なものがあると存ぜられます。また本決算委員会といたしましても、同法案に対して関心もあることであります関係上、大蔵委員会と本決算委員会との連合審査会を開くことにいたしたく存じます。この際連合審査会の開会を申し入れることに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○中垣委員長 御異議なしと認め、大蔵委員会に連合審査会を申し入れることに決定いたしました。
 なお開会日時等は、両委員長の間で話合いの上、適当な機会をきめたいと思いますから、手続は委員長に御一任願つておきます。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後二時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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