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1951/05/14 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第14号
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1951/05/14 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 決算委員会 第14号

#1
第013回国会 決算委員会 第14号
昭和二十七年五月十四日(水曜日)
    午後一時二十九分開議
 出席委員
   委員長 中垣 國男君
   理事 大上  司君 理事 畠山 重勇君
   理事 熊本 虎三君
      奧村又十郎君    高橋 權六君
      田中 角榮君    多武良哲三君
      渕  通義君    竹山祐太郎君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  西村 直己君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 東條 猛猪君
 委員外の出席者
        会計検査院長  佐藤  基君
        専  門  員 大久保忠文君
        専  門  員 岡村 清英君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員及び小委員長の選任
 昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二
 十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五
 年度政府関係機関收入支出決算
    ―――――――――――――
#2
○中垣委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先だつて、あらかじめ御了解を得たいと存じますが、前会に決定いたした本日の議題は、昭和二十四年度決算の議決予定でありましたところ、案文起草の都合上、これを延期するのやむなき事情に相なつた次第でございます。従つて、十六日の議題を便宜上繰上げまして本日の日程に掲げたわけでございます。この点をお含み願つておきます。
 また、前会に設置されました小委員の選任につきましては、委員長一任になつておりましたので、この際委員長より御指名いたします。国有財産に関する小委員には
   大上  司君  田中 角榮君
   高橋 權六君  艦越  弘君
   畠山 重勇君  井之口政雄君
   赤松  勇君
その小委員長は大上司君にお願いいた
します。
 公社等の経理に関する小委員には
   奧村又十郎君  多武良哲三君
   渕  通義君  三宅 則義君
   竹山祐太郎君  熊本 虎三君
その小委員長は三宅則義君にお願いいたします。
 この際、設置された両小委員会は、随時並行的に開会、審査運営の上、検討の結果を、各小委員長は委員会に御報告くださるようお願いいたす次第であります。
    ―――――――――――――
#3
○中垣委員長 それでは、ただいまから去る三月二十四日に付託となりました昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五年度政府関係機関收入支出決算を議題とし、大蔵省及び会計検査院当局の総括的説明を聴取したく存じます。まず大蔵直当局より説明を伺います大蔵政務次官西村直己君。
#4
○西村(直)政府委員 昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算及び同特別会計歳入歳出決算並びに同政府関係機関決算報告書を、会計検査院の検査報告とともに今国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。
 昭和二十五年度予算は、昭和二十五年四月三日に成立いたしました本予算と昭和二十五年十二月四日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和二十五年度の本予算は、前年度に引続きまして、国民経済の安定を強化しつつ、さらにその再建復興のための諸施策を積極的に実施することを目標として、総合予算の均衡、財政規模の縮減、税制の合理化、教育文化及び社会政策関係費の充実等、一連の構想のもとに編成されたのであります。なお、本予算成立後朝鮮動乱の勃発に伴いまして、特需及び輸出貿易の著しい伸張を見まして、経済界も活況を呈したのでありますが、一方、海外物価の高騰による国内物価の動きは、必ずしも楽観を許さぬ面もありましたので、補正予算編成にあたつても、引続き経済安定の確保に意を用いたのであります。
 なお、予算の施行にあたりましては、財政と金融との総合的、一体的な運営を図るとともに、財政法その他の会計法令を改正いたしまして、その適正を期した次第であります。以下、決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 一般会計の歳入の決算額は七千百六十七億円余、歳出の決算額は六千三百三十二億円余、でありまして、歳入歳出を差引きいたしますと、八百三十四億円余の剰余を生ずる計算であります。この剰余金から、昭和二十六年度に繰越しました歳出の財源に充てなければならない金額三百七十億円余及び昭和二十四年度剰余金の使用残額百九十五億円余を差引きますと、二百六十八億円余が本年度新たに生じた純剰余金となるのであります。
 なお、右の剰余金八百三十四億円余は、財政法第四十一條の規定によりまして、一応翌年度の歳入に繰入れるものでありますが、そのうち、本年度に新たに生じました純剰余金二百大十八億円余の二分の一を下らない金額は、同法第六條の規定によりまして、公債または借入金の償還財源に充てることとなるものであります。
  以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入におきましては、予算額六千六百四十五億円余に対して五百二十二億円余の増加となるのでありますが、このうちには、前年度剰余金の受入が予算額に比べて三百八十五億円余を増加しておりますので、これを差引きますと、純歳入におきましては百三十七億円余の増加となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における増加額百十三億円余、官業及び官有財産収入における増加額百六十六億円余、特別收入における増加額九億円余、雑収入における減少額百五十二億円余となつております。
 一方、歳出におきましては、予算額六千六百四十五億円余に前年度からの繰越額百八十九億円余を加えました予算現額六千八百三十五億円余から、支出済額六千三百三十二億円余を差引きますと、その差額は五百二億円余でありまして、そのうち、翌年度に繰越しました額は、前に申し上げました通り三百七十億円余、不用額は百三十一億円余となつております。
 右の翌年度への繰越額のうち、財政法第四十二條但書前段の規定によつて、あらかじめ国会の承認を得て翌年度へ繰越しました金額は二百六十四億円余でありまして、その内訳のおもなものは、終戦処理事業費におきまして、工事、需品、役務等の調達要求書の発出時期の関係から、年度内に支出を終らなかつたもの及び価格調整補給金におきまして、食糧、鉄鋼、肥料の各補給金の精算確定数量の確認が年度内にできなかつたために年度内に支出を終らなかつたもの等であります。また、財政法第四十二條但書後段の規定によつて避けがたい事故のため翌年度へ繰越しました金額は十三億円余でありまして、その大部分は、公共事業費、一般施設費等のうち、天候、資材、その他の避けがたい事由によつて年度内に支出に至らなかつたものであります。
 なお、ポツダム政令の規定に基く翌年度への繰越しでありますが、その一は、警察予備隊令附則第三項の規定に基くもので、その金額は六十七億円余でありましてこれは警察予備隊の発足に伴う物品及び施設費等の経費で、年度内に支出を終らなかつたものであります。その二は、海上保安庁法等の一部を改正する政令附則第三項の親字に基くもので、その金額は二十四億円余でありまして、これは朝鮮動乱の影響に伴い、造船関係の諸資材入手が困難となり、船舶新造費等の経費で年度内に支出を終らなかつたものであります。
 次に不用額でありますが、そのうち、おもなものは、終戦処理費における六十億円余、産業経済費における十七億円余等でありまして、終戦処理費につきましては、主として事業費でありまして、連合国軍の調達要求が少かつたこと等によるものであり、また産業経済費につきましては、主として運航船の民営還元等により商船管理委員会の事業が縮少されたこと、及び朝鮮動乱等により低性能船舶の買入れが少かつたこと等に、よるものであります。
 次に、予備費でありますが、昭和二十五年度一般会計における予備費の予算額は四億五千万円でありますが、その使用総額は二億八千三百万円余となつております。そのうち、昭和二十五年十一月までの使用額二億千五百万円余につきましては、第十回国会において御承諾をいただいております。また二十六年一月から三月までに使用いたしました金額六千八百万円余につきましては、今国会に提出いたしまして御審議いただいておりますので、その費途及び金額につきましては、説明を省略させていただきます。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。財政法第十五條第一項の規定に基く国庫債務負担行為の限度額は三十一億円余でありましたが、実際に債務を負担いたしました額は三十億円余でありまして、これに既往年度からの繰越額を加え、昭和二十五年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きました金額四十九億円余が翌年度以降に繰越されたこととなります。また財政法第十五條第二項の規定に基く国庫債務負担行為は、本年度はございませんので、既往年度からの繰越額のうち、昭和二十五年度中に支出その他の事由によつて債務の消滅いたしました額を差引きますと、翌年度以降へ繰越した額は二千百万円余となります。
 以上は、昭和二十五年度一般会計の決算につきましてその概略を申し上げた次第であります。
 次に、昭和二十五年度特別会計の決算につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思いますが、同年度における特別会計の数は三十二でありまして、これら各特別会計の歳入の決算総額は二兆九百二十億円余、歳出の決算総額は一兆九千億円余であります。
 これを一般会計の決算額と合せ、相互の重複額等を控除調整いたしました決算の純計額は、歳入において二兆一千二十八億円余、歳出において一兆八千百二十八億円余となる計算であります。
 次に昭和二十五年度政府関係機関の決算でありますが、同年度における政府関係機関の数は二十三でありまして、その収入支出決算の内容につきましては、それぞれの決算書によつて御了承願いたいと思います。
 最後に昭和二十五年度財政の特色の一つであります政府関係債務償還の状況につきましてその実績を申し上げます。
 年度当初における政府及び政府関係機関の債務総額は、国債二千九百十六億円余、政府借入金及び一時借入金千二百六十八億円余、食糧証券その他の短期証券千三百三十七億円余、政府関係機関借入金千四百十六億円余、計六千九百三十七億円余でありまして、このうち政府及び政府関係機関部内で保有しております分を控除いたしました対民間純債務額は四千百八億円余でありましたが、各種債務の償還措置が講ぜられました結果、年度中における対民間債務の減少は千百六十四億円余に上つたのであります。なお、年度末における国債の現在高は二千四百二十一億円余、政府借入金及び一時借入金の現在高は九百四十四億円余となつております。
 以上昭和二十五年度一般会計及び特別会計並びに政府関係機関の決算につきまして、その概略を御説明申し上げたのでありますが、詳細につきましてはさらに御質問の都度説明申し上げたいと存じます。
 何とぞ御審議のほどお願いいたします。
#5
○中垣委員長 次に会計検査院当局から決算検査の概況説明を承りたいと思います。会計検査院長佐藤基君。
#6
○佐藤会計検査院長 昭和二十五年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 昭和二十五年度決算検査報告には、国の收入支出の決算の確認、検査上不当と認めた事項のほか、会計事務職員に対する懲戒処分の要求及び検定、検察庁への通告事項、政府関係機関その他の団体に関する検査事項等を記述いたしてあります。
 昭和二十五年度の一般会計決算額は、歳入七千百六十億余万円、歳出六千三百三十二億余万円、各特別会計の決算額合計は歳入二兆九百二十億余万円、歳出一兆九千億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計の決算額を総計いたしますと、歳入二兆八千八十八億余万円、歳出二兆五千三百三十三億余万円となりますが、各会計間の重複額等を控除して歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入一兆九千八百九十一億円、歳出一兆八千十四億円となり、前年度に比べ歳入において三千六百二十二億円、歳出において二千三百六十六億円の増加となつております。
 政府関係機関の昭和二十五年度決算額の総計は、収入一兆千三百五十一億余万円、支出九千八百七十五億余万円でありまして、前年度に比べ歳入において三千百十七億余万円、歳出において三千三百億余万円の減となつております。
 以上申し上げました国の会計及び政府関係機関の会計の決算額のうち、会計検査院においてまだ検査が済んでいないものは、総計百十三億二千二百余万円でありまして、そのおもなものは、終戦処理費関係の歳出十六億六千八百余万円、米国対日援助物資等処理特別会計の歳入九億三千四百余万円、肥料配給公団の収入五十四億千八百余万円などであります。
 次に、会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として昭和二十五年度決算検査報告に掲げました事項の件数は、租税に関するもの二百八十八件、未牧金に関するもの八十三件、予算経理に関するもの百十一件、工事に関するもの百八十五件、物件に関するもの百五十七件、役務に関するもの三十二件、資金管理に関するもの八件、財務諸表に関するもの三十件、会計事務に関係のある職員の不正行為に関するもの百九十三件、その他二十六件、合計千百十三件の多数に上つております。
 今これを経理の態様に従つて金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が二億七百余万円、架空経理など法令または予算に違反して経理したものが十四億九千五百余万円、検収不良のためまたは計算上の過誤等のため誤拂いまたは過渡しとなつているものが八千余万円、補助金等で交付額が適正でないと認めたものの差額分が三億三千九百余万円、歳入等で徴収決定が漏れていたり、その決定額が正当額を越えていたものが五億八千六百余万円、二事請負代金、物件購入代金等が高価に過ぎたり、または物件売渡し代金、不動産貸付代金等が低価に過ぎたと認めたものの差額分が九億六千余万円、不急不用の工事の施行、不急不用の物件の購入等または工事の破行など経費が効率的に使用されずいわゆる死金を使つたと認めたものが九億千五百余万円、財務諸表の表示が適実でないと認めたものが六十三億三千八百余万円、その他の雑件を含めて総額百四十九億四百余万円のものが、本院の指摘した批難金額の集計となります。
 また、このほかにも経理上妥当と認めがたいものとして、それぞれの関係責任者に対し、厳重な注意書を発した事項も多数あります。国民の租税をおもな財源とする国及び政府関係機関等の会計において、このような事項が毎年多数発生しますことは、はなはだ遺憾にたえませんので、善後処置について責任を明確にするとともに、その発生の根源をふさぐことに努力を傾けておる次第であります。
 ここに不当事項の全体を通覧して、その概要を説明いたします。
 第一は、歳入の収納未済についてであります。一般会計の二十五年度の収納未済額は五百六十二億余万円で、収納未済額の徴収決定済額に対する割合は約七・二%に当り、前年度の約一二・五%に比べますと相当好転しております。この一般会計の収納未済額に、特別会計の収納未済額三百二億余万円を合せると、収納未済額は八百六十四億余万円に上り、そのうちおもなものは、租税収入の四百六十八億余万円、食糧売拂代の七十五億余万円であります。これら改納未済額のほか、まだ徴収決定をしていないものが貿易特別会計で二十四億余万円あることなどを考慮すれば、事実上の収納未済額は、なお多額に上るものと認められます。これらの収納未済額については、国の財政の現状にかんがみ、その徴収の促進について、なお一段の努力の要があると認められます。
 第二は、契約の締結についてであります。契約の締結について十分な注意が行き届かなかつた事例が相当見受けられます。すなわち、競争契約に付したならば、より低価に購入し、またはより高価に売り拂うことができたと認められるのに、随意契約によつたものがあり、あるいは予定価格の算定がずさんであつたなどのため、結局契約価額において不利を来したものがあります。また契約締結後、経済事情の変化に応じて契約単価を改められるような條項を設けておくべきであるのに、このような処置がとられていなかつたりするなどの事例もありますので、これらの点について関係職員の注意を機会あるごとに喚起しております。
 第三は、不急不用または不経済な経費の使用についてであります。工事について見ますと、事前調査が不十分であつたり、計画が未熟であつたため、不経済な施設となつたものがあり、また物品について見ますと、年度末に予算残額で多量の不急不用品を購入したり、検収が粗漏であつたため、粗悪品を受け取つたものがあり、また役務について見ますと、運送料、倉庫料等の支拂いが高価についているものなどがあります。
 今、二、三の事例をあげて見ますと、電気通信省で、電報電話局局舎を完成させながら、遊休の状態となつていたものがありますが、工事開始の際、このような結果となることが予想されたのに工事を施行したものであり、また局舎の建築工事と局舎内に施設すべき機械すえつけ工事とが破行していたり、あるいは多額の経費を使用して工事の手直しを実施しているものがあります。また農地事務局で、地盤の関係から使用できないドラグラインを多数購入したり、あるいは日本専売公社で、具体的な使用計画もないのに、年度末に鋼材等を多量に購入したり、特別調達局で身入りドラム・カン等の海上輸送代金または石油類受拂い役務の支拂いが高価についているものなどがあります。このような事例に徴し、予算の効率的使用について、なお一層の改善を要するものがあります。
 第四は、架空の名義による支拂いその他不法の経理についてであります。経費使用の事実がないのに、その事実があつたように関係書類を作成して、その経費相当額を別途に経理して使用する事例につきましては、すでに昭和二十三、二十四両年度決算検査報告に掲記したところでありますが、二十五年度においても、なおその跡を絶たないばかりでなく、著しく増加しており、後述の公共事業費における四億余万円を合せ、五億二千万円に上つております。すなわち、工事費から人夫費、材料購入費、自動車借上料等の架空の名義で支拂つたことにして、実際はその金額を手元に保有し、これをほしいままに他の工事請負代金、労力費、材料費、給料、諸手当、食糧費等に使用したり、また許されていない借入れをして、ほしいままにこれを使用し、その返済のため、工事費から架空名義で支拂うなど、事実に合わない経理をした事例が多く見受けられます。
 このような経理の根本の原因は、予算及び経理の諸規定を軽視した点にあると認められ、不正行為の誘因ともなるので、厳重に関係者の責任を追究しております。
 第五は、公共事業費についてであります。本費は一般会計決算額の一六%を越える多額の経費でありますが、工事施行の状況を見ますと、建設省所管の道路、河川改修及び災害復旧工事、農林省所管の各種改良工事及び災害復旧工事、運輸省所管の港湾改修及び災害復旧工事におきまして工事箇所なり、また工事方法について研究が不十分のため、工事費を徒費した結果を来したもの、計画または施行が不良のため、工事の手もどり及び工事費の増大を来したもの、また設計に対して出来形不足のものなど、留意すべき事項が多いのであります。
 しかし、それとは別に経理の方面で、国の直営工事において架空の経理を行つて資金を捻出し、これを他に使用した事例が、建設省所管の道路、河川の改修及び災害復旧工事において四億円を越え、また地方公共団体施行の災害復旧工事において、原形を超過して施行したと認められるものに対し、全額国庫負担の対象としたため、国庫負担金の超過交付を来したものが、建設、運輸両省所管の分について二億円を越える状況であります。
 右のほか災害をこうむつた事実が認められないのに、災害復旧に便乗して改良工事を施行したり、設計だけを作成して実際には工事を施行しなかつたり、また予算消化をはかるため必要以上の機械を購入して、これをほとんど使用しないで放置したり、その他予算を目的外に使用したものなどの事例が見受けられます。このような不当事項が多数発生していることは、まことに遺憾にたえないところで、予算の効率的使用及び国庫負担の適正並びに経理の真実性を確保する必要を痛感いたします。
 第六は、物品の経理についてであります。物品の経理につきましては、従来から現金に比べ、とかく軽視される傾向が少くありません。すなわち現品の把握や帳簿整理が不十分なまま簿外品があつたり、不足分があつたり、また保管上の注意が行き届かないため亡失投損、品質低下を生じさせ、または退蔵となつている事例が多く、はなはだしいのは、ほしいままに関係職員により領得または処分されたものもあります。また工事や物品の製造委託についての交付材料の善後処置が適切でない事例も見受けられますので、物品の経理については、さらに検査を徹底させたいと思つております。
 第七は、職員の不正行為についてであります。会計事務に関係ある職員が、不正行為により国または政府関係機関その他に損害を與えたもので、この検査報告に掲記したものの件数は百九十三件、その金額は二億七百余万円に上る状況でありまして、二十六年十月末現在補填された額は四千百余万円であります。このように不正行為が毎年跡を断たないのは、会計事務を執行する職員の倫理観及び責任観の低いことを直接の原因としますが、上司もまた管理監督についての不行届きの責を負うべき事態と認められ、民事責任と行政責任の追究はもちろんでありますが、それと相まつて、なお一層会計事務職員の資質の向上をはかり、責任観念を高揚し、会計経理の監督を嚴にするの必要があります。
 なお、検査務告の説明を終るにあたりまして、会計検査院の検査方針及び検査状況について、一言つけ加えたいと思います。
 国及び政府関係機関の会計経理に対しましては、会計検査院は特に収入の確保及び支出の節約をはかり、経費を効果的に使用し、また事業を能率的に運営し、物件を経済的に管理処分するとともに、一般的に当務者の経理の適正を期し、かつ、不当事項の是正及び発生の防止をはかるなど、適正な経理事務の執行を確保するよう検査の徹底を期したいと存じている次第であります。
 会計検査院の検査は、書面検査及び実地検査の二方法によるのでありまして、書面検査においては、二十五年十二月から二十六年十一月までの間に、国及び政府関係機関等の歳入、歳出等に関する計算書及び証拠書類を検査したものは十七万七千余冊、七千四百余万枚であります。また同期間中に実地検査を施行した箇所は約二千六百箇所であります。会計検査に伴い関係者に対して質問を発したものは一万千余件に上つていますが、会計検査院の検査の結果及び経理上の所見に対しましては、検査を受ける側の一層機敏な反応による内部是正が望ましい次第でありますので、国会におかれましても、この点についての一層の御支援をいただきたいものと存じております。
#7
○中垣委員長 以上で、大蔵省及び会計検査院当局の説明を終つたのでありますが、この際決算の総括的質疑を願います。畠山君。
#8
○畠山(重)委員 この際会計検査院長にお伺いいたしたいと存じます。昭和二十四年度にも同様な御趣旨の説明がありまして、またさらに二十五年度の本日の御説明でも、不当事実に対する御説明がありましたが、性格としては、会計検査院は何となく事務的にこれを扱つておる感を持つものでございます。従つて、この検査報告は、何ら政府執行機関に対して拘束を與えておるような感じはいたしません。ここにおいて国の法律制度において欠陷があるものとしたならば、会計検査院長は、国民のために毎年かくのごとき状態を繰返すことのないように改めたい所存があられるかどうか。もし改めるものとすれば、いかような方法をとるべきかということについて、御所見を伺いたいと思います。
#9
○佐藤会計検査院長 お話の通り、民主国におきまして会計検査院の職責といたしましては、国民のために検査するという気持でおります。そこで、ことに現在のような国民が重税に苦しんでおるときに、その重税の行方というものが、国民のためにならない不当の支出をする、不経済な使い方をするというのでは困るのでありまして、そういう意味において、われわれはできるだけ経費を効率的に使い、予算及び法規に従つて適正に使われるようにということを念願し、検査をその意味においてやつておるのであります。この点は会計検査院法におきましても、検査の目的と申しますか、そういう趣旨の規定があるのでありますが、そこで会計検査院としては、そういうふうな民主国の会計検査院としての職責を感じ、これを完全に行うために、職員の検査能力の向上という点を考えまして、過去相当努力して来たつもりであります。幸いに職員も非常に一生懸命に勉強してくれまして、過去数年間の決算検査報告と御比較になりますと、よくおわかりになると思いますが、検査成績は相当上つております。その成績が上つたことと、行政官庁に対する関係でありますが、検査をしただけではなくして、検査した結果是正すべきものがあつた場合には、翌年度においても、あるいはその次の年度においても、跡始末がどうなつておるかということは、必ず注意しております。その結果がこの検査報告にも出ておりますが、そういう関係で、関係省はその是正に努力するし、また検査院法その他の法律によりまして、会計職員が国に損害を與えるとかいう場合には、弁償を命ずることもあるし、あるいはまた懲戒を要求するということもあります。その規定によりまして、弁償を命じたものもあるし、また懲戒を要求したものもありまして、漸次検査の目的は達しておるものと思います。すなわち現行制度の運用によりまして、検査の目的は達せられるであつて、この際特に制度等を直さなければならぬ、急にやらなければならぬというものは、今のところ考えておりません。
#10
○畠山(重)委員 ただいま会計検査院長の御説明によりますれば、現在の制度によつて、適正にその事務を扱つておる結果が、ただいすのお話のごとく、前年度において指摘せられた事故については、翌年も繰返して見ておる。しかしながら、新たにまた同一の種類の不当事故ができておる、こういつたことが、これを扱つておる政府機関は拘束を受けず、ただ單に扱つた公務員が刑法に従つて処罰せられるというような小さな処分によつてのみ処理せられるということは、国民の貴重な財産を経理するにあたつては、まことに国民の納得ができないことだと思います。ここにおいて、会計検査院の制度を改善する、あるいは法律をもつて強化して、会計検査院に指摘せられたならば、あるいは大臣までその責任を負わなければならぬというようなことでなければ、国民が納得しがたいと私は思います。そうした意味において、院長が現在の制度をまじめに実行しておるだけでなく、より以上政府を拘束する程度の強い会計検査院となることに対して、忌憚のない御所見を伺いたいと存じます。
#11
○佐藤会計検査院長 ただいまの点でありますが、現行制度の運用に関しまして、さらに今の御趣旨で改善すべき点が、実は若干あるのであります。と申しますのは、会計関係の職員等が、いろいろなあやまちをする場合に、その者の責任は追究しておりますけれども、それに対する監督者、今申されました大臣と申しますか、上級職員の責任し申しますか、そちらの方に対する追究が、現在においては多少足らぬのじやないかどいう、実は気がしておるのであります。そこで最近におきましては、検査した場合に、経理上不当な事故があつたという場合には、その不当事故の実態はもちろんきわめますが、どうしてそういう事故が生じたか。要するに、関係職員の不注意とか怠慢とかいうことはありますけれども、また一方におきましては、それに対して指揮監督する責任ある者の指揮監督が不十分じやないかという点については、今まではどつちかというと、それほど検査の関係において手がまわらなかつた。ところが、最近においては、そういう点その他事故の発生原因を広く見よう、そしてれの原因について、検査を受ける官庁にも注意しまして、検査院としても、また検査を受ける政府としても、事故の発生を防止するように、お互いに協力し合おうという線の方へ、検査の重点を向けつつあるのであります。そうすれば、上級の者の指揮監督の責任が不十分なために同じことが繰返されるということは、非常に減るものと思つております。
#12
○畠山(重)委員 大蔵省の方にお伺いしますが、ただいままで会計検査院長の説明を伺いますと、やはり上級に対する責任追究が軽いような感じを持たれる。ここにおいて、昭和二十四年、二十五年、二十六年と、こうした不当事故が、さらに多くなつておるだろうと推察いたします。ここで独立日本としても、会計検査院制度をさらに強化いたし、内閣総理大臣と同格の資格を持つた権威あるものにし、国民のための予算の運用をなされるお気持はあられるかどうか、そうする必要があると痛感せられないかどうかということを伺いたいと思います。
#13
○東條政府委員 会計経理上の不正事件、不当事件の件数が、昭和二十五年度まで累年増加いたしておりますことは、御指摘の通りでありまして、この点、私どもといたしましても、まことに遺憾に存じておる次第であります。これが対策といたしましては、もちろん先ほど来器話のございますように、各方面にわたりましての対策を講じなければならない。しかもその対策を常に目々怠りなく講じなければ、実は会計経理の不当不正の問題を減少せしめるということは、容易ならざることでありまして、その意味におきまして、大蔵省といたしましても、常に努力を傾けておるつもりでございます。それで、ただいまお話の出ております当該国家公務員のみならず、その上級の監督者に対する責任追及の点でございますが、御承知の通りに、昭和二十五年度からは予算執行職員等の責任に関する法律が施行せられた関係もございまして、法制的に申しましても、上級監督者に対する責任の追及は整つたのであります。あとはこの整いました法制的制度をいかに運用して参るかという実施面に、問題が相当残つておると存ずる次第であります。ただいま佐藤院長からも、どつちかと申しますれば、上級の監督者に対する責任を問うという点が、従来比較的軽かつたのではなかろうかという趣旨のお言葉があつたのでありますが、私どもといたしましても、まことにその点は同感でありまして、国の会計経理の建直しのためには、当該公務員のみならず、いやしくも責任のある者に対しましては、それぞれ適切な追究の措置がとらるべきである、またそれが会計経理を正当に立て直すべき一つの有力な手段である、かように存じておる次第であります。従いまして、今後におきます会計検査院の権限、地位その他につきまして、いろいろ研究の要があろうかとは存じますが、まず今日の最大の問題は、現行制度におきまして、いま少しく十分に盡すべき手がなかろうか。あるいはそれらの点につきまして、会計検査院の方と政府と、十分に今後ともいろいろとお互いに協力努力を重ねまして、さらに一層の努力を重ねるということが、まず今日のとるべき策ではなかろうか、かように存じておる次第であります。
#14
○畠山(重)委員 ただいまの御説明で、現行制度を強化いたすということのようでございますが、現行制度を強化いたさなくとも、もしも拘束がし得られるものとするならば、すでに責任を政府機関がそれぞれとつておるべきだと思います。しかるに、その当該の一公務員のみ刑事事件の被告となつて、大勢に何ら影響のないところからかんがみまして、私は法的に会計検査院の強化をはかるべきだと考えます。
 もう一つお伺いしたいと思うことは、かりに、この決算を、現在提出になつておる二十五年の決算でも審議いたした結果が、会計検査院が不当としておられることであるから、これを委員会において承認せずという結論を提出いたしましても、内閣はほおかむりで、何ら拘束せられないということであつたならば、国民がまことに迷惑千万なことで、こんな国会であるならば、国会も認めないというような結果になるかと私は存ずるのであります。そうした意味から、承認を與えないという結果が出て来たと仮定したならば、どういう結論になるか、御所見を伺いたいと思います。
#15
○東條政府委員 政府全体といたしまして、会計検査院から検査報告が国会に対して出され、そうして各種の不当事件、不正事件につきましての御指摘がありました場合におきましては、その指摘せられた点につきましては、事実を究明し、そして関係者を処罰すべき場合におきましては処罰をし、また今後の是正の対策というものを考究して実施に移しておるわけであります。ただ終戰後昭和二十五年度までの実績におきましては、御指摘の通りに、各種の不正、不当事件が累増いたしておりまして、この点はまことに遺憾に存ずるのでありますが、事実はその通りであります。その累増しております事実に対しましては、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、あるいは公務員の資質向上の問題、あるいは責任観念の確立の問題、あるいは予算の制度、あるいは予算の編成の仕方の改善の方途を講ずべき問題、あるいは会計職員の知識の向上、再研修の問題、あるいは上級者の監督上の責任を追究する問題なり、各方面の対策を講じなければならないというふうに考えておるわけであります。従いまして、今日まで累増いたしておりますことは、まことに遺憾でありますが、この事態を直視いたしまして、政府全体といたしましては、あらゆる努力を傾けなければならないと存じております。国会の決算委員会あるいは本会議におきまして、かりにこれを御承認いただきましても、不当、不正事件のあつたことは事実でありまして、政府といたしまして十分戒慎をいたすべきでありますし、また政府の会計経理のやり方がだめだということで承認をいただけないということにつきましては、もちろん大問題でありますが、われわれの方といたしましては、いずれにいたしましても、検査院からの御指摘があります場合におきましては、盡すべきは盡し、全力をあげてこれが匡正に当らなければならぬと存じておりますし、またさように努力をいたしておる次第であります。
#16
○熊本委員 せつかく検査院の報告書が出ておるにかかわりませず、私まだ詳しく拝見する機会を得ておりませんので、はなはだ申訳ないと存じますが、大綱について御質問を申し上げたいと存じます。
 大蔵次官の先ほどの説明と、検査院の報告とを受けまして、私は大蔵政務次官に質問したい、かように思つておるのでございます。政務次官の報告を見ますと、国民経済の安定を強化し、さらに再建復興のために諸施策を積極的に実施するというように、まことにもつともなことだけを書いてあります。しかるに、ただいま会計検査院長の報告によりますれば、大綱としては、次官から報告があつた通りであろうかと存じますけれども、その具体的運用の面において、はなはだ不都合がある。この面について一言も触れておらない。このことははなはだもつてわれわれは不誠意きわまるもの薫ると考えております。そこでお尋ねいたしたいことは、ただいま会計検査院の方から御説明になり、御指摘になりました件数において一千百十三件、それに関する金額百四十九億四百余万円に上る不当、不正事実のあつたことについては、大蔵当局は、検査院のその指摘をそのまま承認するという、やむを得ざる非行があつたかどうか、この点についてまずお尋ねいたしたいと存じます。
#17
○東條政府委員 お答え申し上げます。毎年この決算を御審議いただきますときに、さようとりはからわさせていただいておるのでありますけれども、検査院の報告、特にその批難事項に対します政府側の説明につきましては、各案件に応じまして、政府側の説明なり所見を、別途印刷物といたしまして提出をいたしましてごらんを願い、御審議をいただくことに相なつております。昭和二十五年度の分につきましては印刷が遅れまして、御審議の間に合いませんでしたことは、たいへん恐縮でございますが、あと数日の間に印刷を完了いたしまして、お手元に提出をいたしますので、詳細その政府側の各案件に関する説明書につきましてごらんをいただきまして、御検討を煩わしたいと存じます。
#18
○熊本委員 まだ報告説明書が遅れておるということでございますが、私は大体において、検査院長の報告されました指摘の点については、大蔵当局においてこれを説明して、その間の理由について了解を得る資料があるかないか。もしかくのごとき不当、不正事実が報告されて、そのまま大蔵省の方からこれを説明して、了解してもらう点がないということであるならば、われわれ検査制度のしかれておる今日、やすやすと二十五年度の決算報告を承認するわけには参らぬと思います。その金額、その比率が、大小の相違はあるといたしましても、私ただいまここに報告書の一、二ページをちよつと拾つただけでありますけれども、特にその中に許すべからざるものは、今論議の対象になつております警察予備等の不正事実、特にその中には、金額の大小にかかわらず、百十円で買いとつたものを二百七十五円で納入している。かような厖大なる不当利得を得て納入せしめるがごとき事実が国民の前にさらけ出された場合、今、独立を前にして、さなきだに過激分子が非常なる悪質な行動を起さんとしつつあるということで、他方において破壊活動防止法案を制定し、あるいは労働組合法に関しましても、労働組合運動の制約をしながら日本の再建に資そうとする政府が、他方においてかくのごとき不正事実があり、それを取締らんとする予備隊等において、かような問題まで惹起しておきながら、それを金額その他において軽少であるということによつて、ほほかむりの形においてこれを承認させようということは、断じて私承服できないのであります。でありますから、大蔵次官が、いかにももつともらしく、国民全体のために熱意と誠意をもつて予算の執行に当つたという説明のみあつて、犯したるかような不始末に対して何ら一言も触れずして、説明のしつぱなしで帰つてしまうということは、いかに大蔵省が国民に対してその責任を軽んじておるかということについて、不満しごくであります。その点について、いま一度御答弁を願つておきたいと思います。
#19
○東條政府委員 二十五年度の検査報告におきまして、千百件を越え不る当事件、不正事件の報告が検査院からあり、政府部内といたしまして、これを詳細に検討したという事態がございますことは、まことに遺憾でございます。しかしながら、一面この厖大な国の財政会計の経理に当つております予算執行職員、会計職員の大部分は、きわめてまじまに、予算の執行に当つておるということも、お認めいただきたいと存じます。その意味におきまして、先ほど大蔵次官から申し上げました決算の説明につきましては、政府といたしまして予算の適正なる執行に努力をいたしておるという意味合いのことを申し上げましたことを、御了承願いたいと思います。個々の案件につきましては、先ほど申し上げましたように、千百件にわたりますところの、一つ一つの事案につきまして、政府側といたしましての見解あるいは弁明、あるいは説明というものを、印刷物にいたしましてごらんに入れまして、十分詳細に御検討いただきたいと思います。
#20
○熊本委員 直接最高責任者がいないのでありますから、事務を担当して誠心誠意やられた方に、あまり強く質問申し上げることはどうかと考えます。しかし問題ははなはだ重大でありますので、私今日までのところ不勉強で―少くとも政府がものを執行する場合、そうしてときどきに派生しました幾多の事実は、新聞その他で見ております。しかしそのことについては、かつてある公団の総裁が、女中のつまみ食いだというような暴言を吐いたことがありましたが、それにいたしましても、不始末が出たならば、その者を罪に問えばよろしいというがごとき最高首脳部の考え方があるところに、問題は複雑化して来る。要するに、社会思想の激化混乱するゆえんもまたそこにあると、私は考えております。従いまして、これは私の相談でありますが、こういう事実を拝聴いたしましたが、せつかくの報告書がございますので、私もできるだけ目を通しまして、この問題についての慎重審議をいたしたい、かように考えますので、本日はでき得るならば質問を保留いたしまして、次会に質問続行の形において、きようの委員会を閉じていただければ幸いだと存じます。
#21
○畠山(重)委員 もう一つ、先ほど私が大蔵省に伺いましたことについて、もしも当委員会並びに本会議が承認を與えなかつたら、現行制度においてどういう結論になるかということをお尋ねした場合において、ただ單に重大なことになる、こういう御答弁でありますが、それだけでは私納得いたしかねるので、どういう責任を持つものであるかということを、御答弁願いたい。
#22
○中垣委員長 畠山委員に委員長からお答えいたしますが、次の委員会において政務次官が出席してから、説明させたいと思います。
#23
○畠山(重)委員 ただいま質問した問題は、会計検査院長に質問するということは、あるいは筋違いであるかもしれぬけれども、平素国民にかわつて責任を持つて、政府機関が執行したことを検査いたした以上は、單に検査が終ればよろしいというだけであつては、私は会計検査院の使命を全ういたしたとは考えられません。従つて、検査せられたこの事項は、ことことく明年度において改められなければならない。昔から、石川五右衛門は絶えることがないとはいうものの、今日絶えるという納得の行く制度がなくちやならぬと私は思います。このままで国会が多数をもつてことごとく承認を與えたということであつては、私は会計検査院長としてもまことに遺憾だろうと存ずるゆえに、この点に対して、会計検査院長の御所見を伺いたいと思います。
#24
○佐藤会計検査院長 この検査報告の中で批難した事項は、お話の通り、遺憾ながら繰返されておる場合が少くない。ことに、先ほど申しました架空支出なんか、むしろ今年の方が多いのです。それで非常に遺憾に思つているのですが、それに対してどういうことをやつておられるかというと、その架空支出をやつた者に対しては―全部は知りませんが、相当なものについては懲戒の手続を経ておるように聞いております。懲戒をどの程度やつておりますか、講責をしておるか、減俸しておるか、とにかく懲戒の手続をとつて、その犯した人には将来を戒めておるわけでありますが、それが結局一罰百戒と申しますか、その他の人にも影響するし、また一方におきましてそういうことがあつたということを建設省部内におきましては各方面に周知徹底して、建設省としては相当自粛自戒しておるということは聞いております。
#25
○畠山(重)委員 どうも会計検査院長の御説明は、私は納得いたしかねると思います。單に現行制度によつて会計検査院は検査の適正を期したといつたような御所見ばかりのようで、それによつてその人間を法律によつて処罰しておる。私はそうした事務的な問題でなく、会計検査院は、国の決算を検査するための一つの制度として生れておる。しかしながら、検査院長としては、あくまでも政府機関に向つて、これだけの不当事項をあげられておつても、政府は何らそこに責任のない状態に今日なつておる。先ほど大蔵省の方からは、重大なことになる、こういうお話ですが、しかしながら、その重大なことが今日まで何ら重大に処理しておられない。ここにおいて、院長として、現在まで、ただ扱つただけでなく、その責任の追究をなし得るような制度にいたしたいということは、先ほどから私は何回も申し上げておりますが、重大なことになるという大蔵当局の御説明に対して、院長としてはどうお考えになるかということを、くどくお尋ねを申し上げます。
#26
○佐藤会計検査院長 法律上の点については、先ほど申しました通り、会計検査院法とか、予算執行職員等の責任に関する法律とか、あるいは政府契約の支拂遅延防止等に関する法律とか、そういうようないろいろな法律がありまして、それによつてわれわれの方から関係者の懲戒を政府に要求する、政府がその要求に基いて懲戒するということはあります。それからまた、検査院法なり予算執行職員等の責任に関する法律におきまして、違法なる支拂いをした人、要するに国に損害を與えた者に対しては、その損害を與えた限度におきまして弁償責任を、会計検査院がその権限で検定する、あるいは弁償を直接命ずるという二つの制度があります。それから、たとえばある売買契約をやつたという場合、国の物を売つたという場合、あるいは民間から物を買つたという場合は、その契約が法律上正式に結ばれている以上は、重大な錯誤があるとか、詐欺があつたとかいう関係がない限りはその契約は有効になつている。ただ、不当に高い物を買つたとか、あるいは不当に安く売つたということになると、これは事後に直すことはできないので、これは結局そういうことをやつたことが非常な不注意かどうかということを、身分権のある各省の大臣その他がその官吏に対しまして、あるいはその監督者に対しまして懲戒するかどうかという問題であります。それから次に、もつと大きな見地から申しますとこれはあるいは私の方から言う必要のない、政府から言われるべきことかと思いますが、これは結局、今申しました通り、決算はこれで済んでいるのでありますから、いくら批難しても元にもどるものではない―もどるものもあります。たとえば契約違反で、まだ物が入つていないのに金を拂つたのを金を返してもらうとか、あるいは入つて来ない物を、履行を請求するという限度において是正することはあるけれども、大部分のものは済んでしまつたものであるから、いまさらどうにもできないので、結局その責任をどうするかという問題で―これは結局政治責任の問題と思うが、これは政府がそれを感ずるかどうか。ことに国会においては、検査院がせつかくこういうふうな報告を出しておるのでありますから、それを十分御審議になつて、政府のやり方が悪いというならば、十分政府に政治責任を追究していただきたい、こう思うわけであります。
#27
○中垣委員長 本日はこの程度とし、次会は十六日(金曜日)午後一時、国有財産関係二件について採決の予定であります。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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