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2019/11/07 第200回国会 参議院 参議院会議録情報 第200回国会 外交防衛委員会 第2号
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2019/11/07 第200回国会 参議院

参議院会議録情報 第200回国会 外交防衛委員会 第2号

#1
第200回国会 外交防衛委員会 第2号
令和元年十一月七日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十九日
    辞任         補欠選任
     清水 真人君     中曽根弘文君
     三浦  靖君     武見 敬三君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         北村 経夫君
    理 事
                宇都 隆史君
                中西  哲君
                羽田雄一郎君
                秋野 公造君
                井上 哲士君
    委 員
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                武見 敬三君
                中曽根弘文君
                松川 るい君
                三宅 伸吾君
                山田  宏君
                小西 洋之君
                榛葉賀津也君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                山口那津男君
                浅田  均君
                鈴木 宗男君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     茂木 敏充君
       防衛大臣     河野 太郎君
   副大臣
       厚生労働副大臣  稲津  久君
       厚生労働副大臣  橋本  岳君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  尾身 朝子君
       防衛大臣政務官  岩田 和親君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       三貝  哲君
       内閣府大臣官房
       審議官      小平  卓君
       外務省大臣官房
       審議官      桑原  進君
       外務省大臣官房
       参事官      遠藤 和也君
       外務省大臣官房
       参事官      河津 邦彦君
       外務省大臣官房
       参事官      長岡 寛介君
       外務省総合外交
       政策局長     山田 重夫君
       外務省総合外交
       政策局軍縮不拡
       散・科学部長   久島 直人君
       外務省アジア大
       洋州局長     滝崎 成樹君
       外務省北米局長  鈴木 量博君
       外務省欧州局長  正木  靖君
       外務省中東アフ
       リカ局長     高橋 克彦君
       外務省国際法局
       長        岡野 正敬君
       文部科学省大臣
       官房審議官    森  晃憲君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    大坪 寛子君
       厚生労働省大臣
       官房審議官    辺見  聡君
       林野庁国有林野
       部長       織田  央君
       国土交通省航空
       局交通管制部長  河原畑 徹君
       防衛省大臣官房
       長        島田 和久君
       防衛省防衛政策
       局長       槌道 明宏君
       防衛省整備計画
       局長       鈴木 敦夫君
       防衛省人事教育
       局長       岡  真臣君
       防衛省地方協力
       局長       中村 吉利君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    菅原 隆拓君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○外交、防衛等に関する調査
 (米軍機による事故等に関する件)
 (中東地域への自衛隊派遣の検討に関する件)
 (世界エイズ・結核・マラリア対策基金に関す
 る件)
 (北方領土問題に関する件)
 (日韓関係に関する件)
 (日中関係に関する件)
 (陸上自衛隊宮古島駐屯地の整備に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、三浦靖君及び清水真人君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君及び中曽根弘文君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(北村経夫君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 外交、防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官三貝哲君外二十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北村経夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(北村経夫君) 外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○白眞勲君 おはようございます。
 立憲・国民.新緑風会・社民の白眞勲でございます。
 まず、厚労省にお聞きいたしたいと思います。
 シベリア抑留者の関係です。シベリア抑留者の遺骨として外国人の遺骨を持ち帰った問題についてお聞きしたいと思うんですけれども、内部調査の結果、五百九十七人もの遺骨が日本人ではない可能性があり、そのうち三百三十六人分の御遺骨は東京の千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨しているとの報道がありますが、まず、その事実関係についてお話しください。
#7
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
 千鳥ケ淵戦没者墓苑には、現在、埋葬地資料、現地調査で得られた証言、入手可能な証拠に基づき日本人の遺骨である蓋然性が高いと収容時に判断し持ち帰った遺骨であって、御遺族に引き渡すことができないものを納骨をしているところでございます。
 状況といたしましては、ロシアから持ち帰りました御遺骨のうち、日本人ではない可能性があると指摘を受けたもの五百九十七柱のうち三百三十六柱については千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨されているところでございます。
#8
○白眞勲君 これ大変なことですね。この日本人ではないという専門家からの疑問の声が上がったのは二〇〇五年の五月であると。それ以降、今年七月に報道されるまで九回も指摘されていたのにもかかわらず、公表せずに放っておかれたようなんですが、何でこんなことになっちゃったんですか、お答えください。政府参考人で結構です。
#9
○政府参考人(辺見聡君) 千鳥ケ淵戦没者墓苑に納骨した経緯については、関係する資料等に基づき判断をして行っているところでございますけれども、現在、戦没者遺族のDNA鑑定人会議において指摘された、日本人ではない遺骨が収容された可能性が指摘された埋葬地に係る遺骨について、有識者会議の下に設置されました専門技術チームにおいて日本人である可能性に係るDNA鑑定等を進めているところでございます。
 御遺骨のその結果を踏まえまして、御遺族等を始めとする関係者の声を伺いながら適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
#10
○副大臣(橋本岳君) 御遺骨の状況については今審議官答弁のとおりでございますけれども、なぜその指摘をされながらそのような状態があったのかというお尋ねでございましたので、そちらの方をお答えをいたしますが、現在のところ、その状況を踏まえまして、今、外部の有識者で構成されている調査チームを設置して検証を行っているところでございます。
 私たちとしても、その遺骨の収集というものは、まずはやはり一刻も早くきちんと御自分の御家族の御遺骨を御遺族の元にお届けをしたいという思い、しかもそれを正確でできるだけ早くしなければいけないということ、しかしながら、その中で今回のようなことが起こってしまったことについては本当に反省をしなければならないと思っておりますし、そうした対応ができなかったことについて、きちんと検証結果を踏まえて今後対応してまいりたいと考えております。
#11
○白眞勲君 これ、二〇〇五年ですから、十五年も前の、約十五年前の話ですよね。にもかかわらず、今になってその検証を始めるというのはこれは本当に問題、放っておかれたわけですよね。今、まあ反省しているということですから。やはりこれ、もう指摘がされたときにすぐ遺骨を返すと、これ当たり前のことなんだと思うんですよ、私。これ失礼な話ですよ、日本人でない御遺骨を持ってきちゃうなんて話は。これ、外交上、本当に問題だと思う。
 ちょっと外務大臣にお聞きしたいと思いますけれども、外交上、物すごい問題ですよ、これ。失礼な話じゃないですか、ロシアの人たちに対して。どのように思われるか、ちょっと外務大臣のコメントをいただきたいと思います。
#12
○国務大臣(茂木敏充君) 御指摘の旧ソ連軍抑留中死亡者遺骨収集派遣事業は、一九九一年に締結されました日ソ間の協定に基づいて、厚生労働省が所管して取り組んできた事業であります。そういう前提の上で、外務省としては、厚労省からの要請に基づいて、外交ルートを通じて事業の年間計画をロシア側に伝達するなど、必要な支援というのを行ってきております。
 また、御指摘の事案につきましては、日本人でない遺骨が収集された可能性が明らかになった七月以降、厚労省との間で事実関係の確認等も含めて、本件についてのやり取りを行ってきております。
 今まだ調査中ということでありますので、外務省としては、厚生労働省からのロシア側との協議の要請について外交ルートを通じて先方に伝達するなど、引き続き必要な支援を行っていきたいと思っております。
#13
○白眞勲君 いや、全くそのとおりです。どんどん支援をしてもらいたいんですけれども。
 そういう中で、この前、厚労省はロシアと話し合っていますよね。その結果はどうなっているんですか。
#14
○副大臣(橋本岳君) 今回のことを踏まえまして、九月下旬に課長級の職員がロシア外務省を訪問し、意見交換を行っております。その結果といたしまして、今後も情報共有と意見交換を継続して行う必要があること、そして、ロシアにおける遺骨収集は、協定に定められているとおり、人道的視点に立脚し、両国民間の相互信頼の下、実施してきたところであり、今後とも継続して行う必要があることについて双方が一致したところでございます。
 先ほど答弁申し上げましたように、なぜそうしたことが起こったのか等々、現在検証中でございますが、またその結果等も出ましたらば、その議論の内容をロシア側とも共有をし、御理解をいただきながら協議を進めてまいりたいと考えております。
#15
○白眞勲君 ロシアに謝ったんですか、これ、ロシアの方に。ロシアの方に謝ったんでしょうか。
#16
○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
 現時点における意見交換の概要につきましては、継続して意見交換を行うことを、継続して遺骨収集を行うことということについて一致しているところでございます。
 御指摘の謝罪等につきましては、今後の検証結果等を踏まえて適切に対応してまいりたいと考えております。
#17
○白眞勲君 いや、これ、だって、もう取り違えた可能性あるんだったら、まず謝ることからスタートだと僕は思いますよ。副大臣、どうですか。
#18
○副大臣(橋本岳君) 一点補足をさせていただきたいと思うのですけれども、幾つかの埋葬地、九つの埋葬地で日本人ではない御遺骨が交じっている可能性が既に指摘をされていたというのが今回の話でございます。
 ただ、その中で、例えば、要するに全部がロシア人の事例であったのかというと、例えば一つの例を挙げれば、タンボフ州というところの例でいうと、五十七柱の収容をし、その中で日本人ではない御遺骨が交じっている可能性というのは指摘をされているわけですが、同時に、その中に十四柱、身元が特定をされた、すなわち日本人であったという御遺骨もあったというのが状況であります。
 ほかの埋葬地においても、身元が判明した例もあるということもありますので、今現在、それで実際、じゃ、先ほど御指摘をいただいた御遺骨についてどうするかということも併せて検証をしているところでございますけれども、そうしたことがやはり明らかになり、なった上で、した上で、きちんとロシア側においても、また日本の皆様においても、きちんと私たちとして誠意を持って対応すべきことであろうというふうに考えております。
#19
○白眞勲君 一体でも、お一人分の御遺骨がロシアの方であったとしても、申し訳ないという気持ちが必要だと私は思います。
 そういう中で、この五月から戦没者の遺骨収集の推進に関する検討会議が始まりましたけど、私も何度か傍聴しましたけど、その席でこの遺骨の取り違えについて報告したという、私の記憶ではないんですけど、どうなんですか。何でなかったんですか、そして、もしやらなかったというのなら。
#20
○副大臣(橋本岳君) 重ねてになりますけれども、今回のロシアの事例において、日本人の遺骨ではない可能性が指摘されながら適切な対応が行われていなかったこと、それによって遺骨収集事業への信頼性が問われているということは真摯に反省しなければならないことだと考えております。
 御指摘の検討会につきましてですけれども、の時期というのは、今年五月から七月頃に開催をしておったと承知をしておりますが、まだその段階ではロシアとの協議方法や協議に必要な資料の検討等に時間を要していたということで、まだ公表するに至っておらず、検討会議で議論を行うことはしていなかったということでございます。
 ただ、現時点で振り返ってみれば、その検討会議の場においてこのような事例の存在について報告をし議論していただくということができていなかったということは御指摘のとおりでございまして、これも検証の中で恐らく取り扱われることになろうと思いますけれども、反省をすべき点があったのではないかというふうにも思っているところでございます。
#21
○白眞勲君 全くそのとおりだと思いますね。ですから、これしっかりと今後もこれ誠意を持って取り組んでいただきたい。特に、遺骨の収集事業、DNA鑑定については私も非常に注目しております。是非誠意を持ってこれに取り組んでいただきたいということを言いまして、委員長、もうこれで厚労省さんはお引き取りくださって結構です。いてもいいんですよ、いてもいいんですけど、結構です。帰ってもいいです。
#22
○委員長(北村経夫君) 退室、結構です。どうぞ。
#23
○白眞勲君 岩国のアメリカ海兵隊と嘉手納基地におけるパラシュート降下訓練の問題についてお聞きしたいと思います。防衛大臣ですね。
 もう詳しい内容について、もう時間の制約ですので私もここでもうしゃべりませんけれども、地元の住民の理解がアメリカ軍の安定的な駐留において極めて重要であるというふうに私は思っておりますし、また、大臣もそういうふうに御答弁もされているようなんですけれども。
 もう一度ここで防衛大臣にお聞きしますが、今回の一連の問題について、このような日米間の約束がほごにされることに対して大臣としてどうお考えなのか、お聞かせください。
#24
○国務大臣(河野太郎君) 日本を取り巻く安全保障環境が大変厳しくなっている、こういう状況の中で、日米同盟の維持、そして米軍の即応性の維持というのは非常に重要だと思っておりますが、そんな中で、この同盟を維持する、あるいは在日米軍の安定的な駐留を維持するためには、やはり地元の御理解というのが大前提でございます。地元の御理解をいただくためには、米軍がこの安全に最大限の配慮を払うということが何よりも大切であり、事故、事件が起きたときには速やかな情報公開あるいは自治体への連絡というのが必要だろうというふうに思っております。
 そういう中で、こうした様々な事案が続いているということは自治体の御理解をいただくのに極めて問題であるというふうに思っているところでございまして、在日米軍あるいはインド太平洋軍司令官にその旨申し上げてきているところでございまして、私は先方がそうした状況をよく理解をしているというふうに考えておりますので、今後は連携がもっと速やかにできるようにしっかり努力をしていきたいというふうに考えております。
#25
○白眞勲君 いや、今大臣のおっしゃったとおりだと思います。しっかりとその辺りの運用についても私は考えてもらいたいと思うんですけど、事故が起きたら、当然、その原因と再発防止策、また原因といっても、運用上もちろん話せない部分というのは当然あるとは思いますが、やっぱりシカトするというのはよくなくて、ある程度やっぱり差し支えない範囲内で情報はやっぱり公開するべきだと私は思っておりますが、そういった方向性での運用方法の見直しを提案するべきではないかと思いますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#26
○国務大臣(河野太郎君) しっかりと情報をお伝えをするというのは大事だと思っております。もちろん、米軍の運用に関わるような情報については外に出せないものもございますが、そうでない限り、やはりしっかりと御説明をしてまいりたいというふうに考えております。
#27
○白眞勲君 もちろんそうなんですけど、いや、運用方法の見直しというものについてもやっぱりアメリカ軍には提案する必要はあると思いますが、その辺についてはどうでしょうか。
#28
○国務大臣(河野太郎君) 即応性の維持というのは我が国の安全保障にとっても大切なことでございますから、運用方法の見直しといいますか、この訓練のやり方について日本側ももう少しコミットして、この訓練がしっかりと安全にできるようなやり方を双方一緒に考えるということは大事だと思っておりますので、そうしたことはしっかりやってまいりたいと思います。
#29
○白眞勲君 今の非常に重要な御答弁だと思います。やっぱりコミットして、日本側もコミットして、お互いにやっぱりその辺りをしっかりと日本の防衛に資するような形に持っていくというのは非常に重要だというふうに私も思っておりますが。
 ちなみに、日米地位協定の改定というのは考えていらっしゃいますでしょうか。
#30
○国務大臣(河野太郎君) 何度も繰り返し申し上げておりますように、一番効果的、現実的な方法でしっかり対応できるように努力してまいりたいと思います。
#31
○白眞勲君 では次に、政府が中東にこの度自衛隊を独自派遣するという方針を固めたことに対して質問をしたいというふうに思います。
 菅官房長官は、十月十八日の記者会見において、中東地域への自衛隊派遣の目的については情報収集体制の強化であるとして、防衛省設置法第四条第一項第十八号の所轄事務の遂行に必要な調査及び研究として実施することを考えているというふうに述べられたんですけど、この防衛省設置法というのを見ますと、第四条の主語は、防衛省は、という主語なんですね。で、その十八として所轄事務の遂行に必要な調査及び研究を行うことになっている。つまり、自衛隊ではなくて防衛省としての所轄事務の遂行としての調査及び研究ですね。
 ちなみに、第五条に自衛隊の任務等々書いてあるわけですよ。ですから、この項目で何で自衛隊が派遣されてしまうのか、教えていただきたいと思います。
#32
○政府参考人(槌道明宏君) 従来より、この情報収集あるいは平素から行っております警戒監視の根拠についてでございますけれども、これらの活動につきましては、それ自体が実力行使を行うものではなく、公権力の行使を伴うものではございません。そうしたことから、その根拠につきましては、この設置法の防衛省の所掌事務の遂行に必要な調査研究ということで従来より解しているものでございます。
#33
○白眞勲君 いや、ですから、自衛隊の任務等々は五条で書かれているわけですよ。この四条の項目は、だから、防衛省の職員が調査及び研究のために中東に派遣するというんだったら私は分かるんです。何でこの四条で行けるのか、もう一度お聞きしたい。
#34
○政府参考人(槌道明宏君) 繰り返しのお答えになるかもしれませんけれども、自衛隊の部隊等が行うそうした、調査研究として行う情報収集というものにつきましてでございますので、この防衛省設置法における調査研究を根拠にして従来より行っているというものでございます。
#35
○白眞勲君 そうすると、今のお答えですと、今は海上自衛隊が出てくるという話になっていますけど、これ、陸も出てくることも可能ですね。
#36
○政府参考人(槌道明宏君) 今、中東に限らず、一般的な意味で陸上自衛隊が行う情報収集ということであれば、陸上自衛隊が情報収集を行う際にも、その根拠規定はこの防衛省設置法第四条ということになります。
#37
○白眞勲君 つまり、陸上自衛隊も調査研究で海外に行けるということじゃありませんか。
 ちょっと、もう一回聞きます。政府としてどのような目的で中東地域に自衛隊を派遣して、具体的にどのようなことを調査研究するのか、お答えください。
#38
○政府参考人(槌道明宏君) 今回は中東地域におきます船舶の航行の安全の確保ということ、そのための情報収集ということで参るわけでございます。
#39
○白眞勲君 そうすると、よく分からないんですけど、航行の確保といったって、調査研究と言うんですけれども、別に今のところ直ちに自衛隊による日本関係船舶の防護を必要とすることではないということですよね。
 何を一体そういう中での調査をするのか。何を一体調査するんですか。それをもう一回ちょっとお聞きしたいと思います。
#40
○政府参考人(槌道明宏君) 具体的に自衛隊のアセット、すなわち艦艇や航空機を用いてどのような情報収集を行うことができるかということについては、まさに今検討を行っているところでございます。具体的な内容についてはまだお答えできる段階ではございませんけれども、まさに自衛隊の艦艇あるいは航空機を用いて行えるような情報収集を行うということでございます。
#41
○白眞勲君 いや、全然分からないんですよ。
 だってさ、だってさじゃない、検討をして、検討をした上で何を出すか決めるんじゃないんですか、普通は。艦艇を出すけどその内容についてはこれから決めるんですと、目的はというのは、これ逆転していませんか。どうなんですか、その辺は。
#42
○政府参考人(槌道明宏君) まず、今回、中東地域の情勢を踏まえて、我々として船舶の航行安全の確保のために、おっしゃるように、船舶の防護を必要とする状況ではございませんけれども、情報収集することについて検討を開始するということでございます。
 まさに検討を開始するということでございますから、まだ具体的にどういうアセットをということは決めているわけではございませんけれども、官房長官からの御説明がありましたように、その対象としては、新規に艦艇を派遣をする、若しくは現地におります海賊対処部隊の活用、その可能性について検討すると、そういうことでございます。
#43
○白眞勲君 いや、ちょっとはっきりとしません。
 二〇一五年七月二十九日の安保法制に関する特別委員会において、当時の中谷防衛大臣は、防衛省設置法上の調査研究について、例えば国連PKO派遣の検討の根拠として調査チームの派遣、出張を行うことは可能であるというふうに答弁しているわけですね。防衛省設置法上の調査研究を根拠に不測の事態が生起する可能性の高い中東地域へ自衛隊を派遣することは、これ同条の規定するところなのかどうか、同じ、この条文のですね。調査研究を名目にすれば何でもありじゃないですか。内閣会議の判断でどこへでも自衛隊を海外に派遣できることになってしまうんじゃないんでしょうか。
#44
○政府参考人(槌道明宏君) まず、この所掌事務の範囲内で我が国に関係する船舶の安全を確保するための取組を中東を念頭に行うということでございますので、その場合には、そのための情報収集を調査及び研究として中東で行うということは、それは根拠になることであるというふうに考えております。
 それは、我々の所掌事務の遂行に必要であるかどうかということにおいてでございますので、それに関係のないような、どこでもできるというものではないということであろうと思っております。
#45
○白眞勲君 全然言っていることが分からないんですけど、その中で、今、先ほど槌道さん、こうおっしゃいました、陸でも大丈夫だと、調査研究だったら。だったら、今回は情報収集を目的として海上自衛隊の艦艇を派遣することにはなっていますけれども、法理上は陸上自衛隊も可能であるということですね。
#46
○政府参考人(槌道明宏君) 具体的にどのような情報収集を行うかというのはこれから検討すると申し上げましたけれども、まさに船舶の航行の安全を確保するということであり、またその地域については、まさに公海を中心に検討すると言っておりますので、陸上自衛隊の部隊を派遣するとおっしゃる趣旨、ちょっと必ずしもよく分かりませんけれども、ちょっと、この領域内に陸上自衛隊の部隊を派遣するということは、それはちょっと想定されないかと思います。
#47
○白眞勲君 いや、ですから今言っているじゃないですか。別に、今回は海上自衛隊の艦艇を派遣するということです。私が言っているのは、先ほど、調査研究をするんだったら陸でも含まれるって答弁したじゃありませんか。だから、法理上は陸上自衛隊も、今回の件に限らずということです、法理上は派遣可能であるということですよね、今後。
#48
○政府参考人(槌道明宏君) 法理上はと、法理上はというふうにおっしゃいますけれども、それはまさに、まず所掌事務の遂行に必要なものであるかということがまず大前提でございます。
 その上で、陸上自衛隊ということになりますと、当然、まあ想定されるのは他国の領域内ということをおっしゃっているのだと思いますけれども、それにおいては、その公海上における調査研究、情報収集とはおのずと差異があるものというふうに考えております。
#49
○白眞勲君 いや、ですから、全然、話を横にそらさないでください。
 法理上は陸上自衛隊も派遣可能じゃないですか、調査研究を目的でって。単純な質問です、単純な質問です。これお答えください、ちゃんと。
#50
○政府参考人(槌道明宏君) 済みません。法理上とおっしゃられましても、陸上自衛隊の部隊をということであろうかと思いますので、その部隊を情報収集のために今どこかに派遣するということはちょっとにわかに思い浮かびませんので、可能かどうかということはお答えし難いということでございます。
#51
○白眞勲君 いや、一般論で聞いているんです、私は。一般論で聞いているんですよ。何で一般論で答えてくれないんですか。
 今、先ほど、調査研究の中には陸も含まれるとおっしゃいましたでしょう。だから私はそういうふうに聞いているんですよ。派遣可能になるんじゃないんですかということを言っているんじゃありませんか。それについてちゃんとお答えください。もう一度聞きます。
#52
○政府参考人(槌道明宏君) 先ほどの情報収集を行う場合、一般的に、常にこの防衛省設置法第四条の調査研究を根拠として行うということを申し上げました。それは、ふだん、例えば災害派遣等が行われる場合において、陸上自衛隊が駐屯地を出て情報収集を行うと、こういう場合もこれを根拠に行うことはございます。そういった意味で、陸上自衛隊が行う場合もその調査研究が根拠であるということを申し上げたところでございます。
 他方におきまして、どこでもできるのかということについては、まさにその所掌事務の遂行に必要なということでございますから、その所掌事務とひも付けて行われるものでなければならないということでございますから、どこでも、どの自衛隊でもできるのかということについて一般的に申し上げるのは困難かというふうに考えます。
#53
○白眞勲君 いや、一般的に私聞いているんです。当然、一般的に話聞いているんですよ。だから、一般的に答えは困難だという、その根拠はどこにあるんですか。
 調査研究目的で派遣しているんだったらどこでも行けると言ったときに、陸も行けますと言ったじゃないですか。だから、私はもう一回聞いているんです。
 陸上自衛隊も調査研究の、もう何度も私、同じこと聞きたくないんですけれども、情報収集を目的として陸上自衛隊が、じゃ、もう一回、ちょっと逆に聞きましょう。陸上自衛隊が行っちゃいけない場所ってあるんですか。
#54
○政府参考人(槌道明宏君) もう先生既に御案内のように、この所掌事務の遂行に必要な調査研究ということについては、例えば派遣の地域であったりということについて、特に法律上の要件が明記されているわけでは確かにございません。そういう意味で、行っちゃいけない場所があるのかと言われれば、そういう法律上の規定はございません。
 ただ、先ほどから申し上げておりますように、あくまで所掌事務の遂行に必要なものに限られるということでございます。
#55
○白眞勲君 ですから、所掌事務の遂行に限られる以上は、法律上どこでも行けるということじゃありませんか。これは大変なことですよ、これ。陸海空全部、調査研究目的で世界のどこにでも、今の条件さえあれば行けるわけじゃありませんか。アメリカ軍と密接な情報共有がなされるということは、何でもありということになりませんか。
 そういう中で、二〇一六年十二月に国家安全保障会議において決定された自衛隊法第九十五の二の運用に関する指針には、我が国を防衛するために必要な能力を向上させるための共同訓練について、米軍等の武器等防護を実施し得るものであるということが記載されていると。
 中東地域における共同訓練についても、我が国の防衛に資する活動であるとして米軍艦艇等の防護を実施することは、法的に可能になってしまうんじゃないんでしょうか。どうでしょうか、この辺は。艦艇についてです。
#56
○政府参考人(槌道明宏君) 具体的な自衛隊のこれからの活動の内容ですとかあるいは米国との連携の在り方については、まさに検討しているところでございますので、お答えするのは困難でございます。
#57
○白眞勲君 いや、今、米軍等の武器等防護を実施し得るものである、もう実質記載されているじゃありませんか。何で答えてくれないんですか。
 中東地域における共同訓練においても、我が国の防衛に資する活動であるとして米軍艦艇等の防護を実施することは、これは法的に可能になってくるんじゃないんでしょうか。
#58
○政府参考人(槌道明宏君) まさに九十五条の二、米艦に限りませんけれども、他国の装備品等の、武器等の防護に係る規定は、先生おっしゃったような要件が掛かっておりますので、その要件に当てはまるものでなければならないということであろうと思います。
#59
○白眞勲君 つまり、要件に当てはめられれば可能だということですよね。
#60
○政府参考人(槌道明宏君) 済みません、繰り返しになるんですけど、要件に当たるものでなければならないということだと思います。
#61
○白眞勲君 これも大変な話です。要件に当てはめられるということを決めれば守れるということじゃありませんか。
 これ本当に私、ちょっと驚いているんですけれども、ちょっとこれ、もう少し踏み込んで聞きましょう、では。
 今回、武器等防護で自衛艦がアメリカの艦船を守ることができるわけで、状況によっては、共同訓練などで、例えば陸上自衛隊とともに活動するアメリカ陸軍、海兵隊の活動が我が国の防衛に資するとなれば、これ逆に言うと、今、槌道さんおっしゃったように、法理上、米軍等の武器等防護は可能ということになりますよね。論理的には、海で守れて陸は守れないということはないんじゃないんでしょうか。この辺についてお聞きします。
#62
○政府参考人(槌道明宏君) 先ほども申し上げましたように、別に陸上自衛隊の部隊を派遣するというわけではございませんし、それから、そもそもその前提として、我が国の防衛に資するということであればとおっしゃっているのであって、我が国の防衛に資するかどうかというのが大前提だということでありますから、そうでなければ防護はできないということであります。
#63
○白眞勲君 ということは、そうでなければ防護はできない、だけど、そうであるならば防護ができるということでしょう。
#64
○政府参考人(槌道明宏君) 先生はまさに法律の要件そのものをお尋ねになっていますので、それはお尋ねのとおりだと思います。
#65
○白眞勲君 だから、これそうすると、時と場合によっては、アメリカ軍とともに事実上の軍事作戦が、国会の審議も経ずに、もう調査研究目的で出しておいて、何でもできるということになるんじゃありませんか。物すごく私はこれは問題であるということを最後に申し上げて、私の質問はこれで終わります。
#66
○小西洋之君 立憲・国民.新緑風会・社民の小西でございます。質疑の機会を御配慮いただきまして、委員長始め理事の皆様に感謝申し上げます。
 私も、今の白先生の自衛隊の中東派遣から質問をさせていただきます。
 政府参考人で結構でございますけれども、今の防衛省設置法の四条十八号の調査研究でございますが、この度の十八日の官房長官のおっしゃったこの調査研究、所掌事務の遂行に必要な調査研究を行うと、法律の規定でございますけれども、具体的に、自衛隊法の第六章の自衛隊の行動について、具体的に、この所掌事務として自衛隊の行動の何を想定して自衛隊を送ることを考えていらっしゃるんでしょうか。網羅的におっしゃってください。
#67
○政府参考人(槌道明宏君) まず、所掌事務については、今先生御指摘になりましたように、自衛隊の行動に関することを考えております。
 その行動とは具体的には何かということでございますけれども、もちろん、具体的な活動の内容をこれから検討するわけでございますけれども、かかる措置について、要するに、この官房長官の発言の中でも船舶、状況が変化した場合に、我が国に関係する船舶の安全を確保するための自衛隊の措置を検討するというふうにしてございますけれども、この措置をとる場合、その法的な根拠は海上警備行動の発令になろうかというふうに考えられますので、現時点において、この行動としては海上警備行動というのが考えられるんだと思います。
#68
○小西洋之君 その自衛隊の行動ですが、想定しているのは海上警備行動のみですか。それ以外の行動、防衛出動だとか重要影響事態だとか、海上警備行動のみを想定しているのが十八日の政府方針であるという理解でよろしいですか。簡潔に答えてください。
#69
○政府参考人(槌道明宏君) 防衛出動等を想定しているわけではございませんで、現時点において、このかかる措置について、海上警備行動以外に具体的に想定している行動はございません。
#70
○小西洋之君 分かりました。
 では、次に行きます。
 この調査研究ですけれども、まず一般論から。調査研究に持っていける自衛隊の装備なんですが、調査研究に必要不可欠な装備しか持っていけない、調査研究に必要不可欠でないような装備は持っていけないという理解でよろしいですね。
#71
○政府参考人(槌道明宏君) 一般論としてということになりますけれども、必要最小限というのは、ちょっといま一つ私は……(発言する者あり)必要不可欠、もちろん自衛隊の派遣、派遣する場合、その目的はこの情報収集体制の強化でございます。その必要な範囲でその装備品も選定をいたしますし、携行するものもそのようにするということだろうと思います。
#72
○小西洋之君 いや、だから、必要不可欠でない装備を持っていくということは違法であるという理解でよろしいですね。
#73
○政府参考人(槌道明宏君) 不可欠というところがあれなんですけれども、必要なものを持っていくということでございます。
#74
○小西洋之君 必要なもののみを持っていくという理解でよろしいですね、必要なもののみしか持っていけないという。自衛隊、実力組織ですから、調査研究に必要でないたくさんの船や飛行機を持っていくと、それ自体が専守防衛、平和主義に反する、あるいは紛争も呼びかねない。必要なもののみしか持っていけないという理解でよろしいですね。
#75
○政府参考人(槌道明宏君) 今おっしゃっているのは、どんな、例えば戦闘機を行かせるのかとかそういうお尋ねでしたら、そんなことは当然ございません。もちろん調査研究に必要な、調査研究にふさわしい装備品を選定して、もし派遣する場合には派遣するということであると思います。
#76
○小西洋之君 いや、ふさわしいじゃなくて、もう、ちょっと時間稼ぎ、必要なもののみしか持っていけないという理解でよろしいですね。
#77
○政府参考人(槌道明宏君) 想定しているのが艦艇や航空機でございますので、ちょっと持っていくというのがちょっと私、いま一つ理解できないんですけれども、まさに、そのような必要な艦艇や航空機を選んでということでございます。(発言する者あり)はい、ということでございます。
#78
○小西洋之君 のみですねと今聞いたので、必要なもののみとおっしゃってください。もう時間稼がないで。
#79
○政府参考人(槌道明宏君) 必要な艦艇や航空機のみでございます。
#80
○小西洋之君 この調査研究なんですけれども、先日の十月三十日の共同会派の部会で、政府の方が、米軍と密接に協力をして調査研究をやるんだと、密接な連携協力というのを何度も何度も繰り返していらっしゃったんですけれども、米軍と密接な連携協力を調査研究で行うということを考えていらっしゃるということでよろしいですね。
#81
○政府参考人(槌道明宏君) 従来より、米国とは密接にいろんなところで連携しているわけでございますけれども、官房長官の会見の中でもおっしゃられたように、従来どおり、引き続き米国とは密接に連携をしていくということでございます。
#82
○小西洋之君 その密接な連携の在り方ですが、例えば自衛隊が派遣するその護衛艦ですね、艦船が米軍の艦船と一緒に走ったり、そうしたことも含まれ得ると、そうしたことも排除されないという理解でよろしいですね。絶対に排除されるわけではないと、含まれ得るという理解でよろしいですね。
#83
○政府参考人(槌道明宏君) まず、自衛隊がどのような行動を行うかと、活動を行うかについては、まさに今検討をしているところでございます。
 他方におきまして、我々は米国が提唱するイニシアチブには参加をしないということを言っておりますので、今おっしゃった趣旨は、ちょっと私も、どうかな、一緒に走るという意味がちょっと理解なかなかできないんですけれども、そのように共にIMSCの下で行動するということは想定はされていないということでございます。
#84
○小西洋之君 確かに、官房長官の政府方針にも、この米軍のこのイニシアチブといったものには参加しないと言っているわけですけれども、そうすると調査研究で派遣された自衛隊の艦船がアメリカ軍の船の、一緒に並行して航行するだとか、そういうことはないという理解でよろしいですか。
#85
○政府参考人(槌道明宏君) 済みません、並行して航行するというのは、そのまさにこの地域、いろんな船がいるわけでございますから、全く、たまたまそういうことが起きないかと言われると私もなかなかお答え難しいんでありますけれども、いずれにしても、この情報収集を行うという目的は、我が国の関係する船舶というものについての安全を確保するということについて独自の取組として我々が行うということでございますから、米国と例えばそれを共同して行うとか、そういうことはないということでございます。
#86
○小西洋之君 共同して行わないという明確な答弁をいただきましたけど、ただ、近くに一緒に米軍の艦船と調査研究やっている自衛隊の船が走っていると、第三者から見ると、まるで一緒の軍事行動をしているように見えるわけですから、そうしたような受け止めですね、この有志連合の活動をしているアメリカ軍と自衛隊の艦船が一緒に行動をして、同じような、まあ分かりやすく言うと、同じような視界の中で行動をする、そうしたことはないという理解でよろしいですか。
 念のため、米軍は、まさに防護をしている米軍もあれば、自衛隊と同じように調査研究やっている米軍もあると思うんですが、いずれにしても、派遣を想定している海域で米軍の船と自衛隊の船が同じ視界の中で留まるだとかそんなことはない、そんなことは想定していないという理解でよろしいですか。
#87
○政府参考人(槌道明宏君) この地域、それほど広いエリアではないところに多くの国が艦艇を派遣しているわけでございますから、その視界の中に必ず米国の船も日本の船も入るようなことはないということはなかなかお約束しかねるわけでございます。
 いずれにしても、我々は、このアメリカの提唱するイニシアチブには参加しないということを表明しておりますし、そのことについては、自衛隊が活動する場合には、その周辺国に誤解がないように丁寧に説明してまいるということだと思います。
#88
○小西洋之君 幾らアメリカ軍の行動に、アメリカの行動に参加しないというふうに言っても、はたから見れば、同じようなあの空間、海域にいるんであれば、第三者から見るとそういうふうには見ていただけないのじゃないかということでございます。
 ちょっと、海上警備行動を法的に想定しているというふうにもおっしゃっていましたけれども、そこを伺います。
 一般論として、海上警備行動、国又は国準に対して海上警備行動を行うことを想定して、海上警備行動を行うことはできるんでしょうか。
#89
○政府参考人(槌道明宏君) 一般論としてのお尋ねでございますので、あくまで一般論として申し上げますと、海上警備行動は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持を目的として、いわゆる警察権の行使として行うものでございます。海上警備行動を命ぜられた自衛官は、警察権の及ぶ範囲で武器を使用し得ると、その範囲のものであるというふうに解しております。
#90
○小西洋之君 国又は国準に対して海上警備行動を行うことに憲法九条とどのような関係がございますか。私の手元に平成二十一年の宮崎法制局長官の答弁がございますけれども、過去の答弁もきちんと踏まえながら答えてください。
#91
○政府参考人(槌道明宏君) 海上警備行動を命ぜられた自衛官による武器使用につきましては、その相手方が武力攻撃を行っている国又は国の組織であることが明らかな場合には、警察権の範囲を超え、認められないものであろうというふうに理解をしております。
#92
○小西洋之君 つまり、憲法九条に違反になるということですけれども、では、この度の、この十八日の政府決定において、イランあるいはイラン軍に対して海上警備行動を行うことを想定していますか。
#93
○政府参考人(槌道明宏君) 特定の国や組織を念頭に置いているものではございません。
#94
○小西洋之君 特定の国や組織を念頭に置かずに自衛隊を海外に出したことが過去ありますか。
#95
○政府参考人(槌道明宏君) 海外にというのはあれですけれども、特定の国や、別に相手から侵害されるという前提でいるわけではございません。我々は、今回、あくまでも情報収集体制の強化のためのアセットの派遣について検討しているということでございます。
#96
○小西洋之君 いや、その海上警備行動を想定しているというのはもう明言しているわけですから、海上警備行動を行わなきゃいけない相手が当然想定されているんですけれども、その想定の中にイラン又はイラン軍は入っていないということですか。イラン又はイラン軍はこの政府方針の中に海上警備行動の対象として入っていますか。イエスかノーで答えてください、イエスかノーかだけで。
#97
○政府参考人(槌道明宏君) 今回の派遣に際しまして官房長官からは、現在、現時点において我が国の船舶、防護で必要あるというような、直ちに防護が必要であるという状況にはないということをはっきり申し上げております。その上で、情報収集のために必要だということでございますので、海上警備行動発令を前提としているということではないということは御理解いただきたいと思います。
#98
○小西洋之君 いや、海上警備行動を想定しているとはっきり言っているじゃないですか。
 現時点において海上警備行動の必要は考えて、承知していないというふうには言っていますけれども、現時点から更に先ですね、この海上警備行動をすることも想定して調査研究を行うということを言っているわけなんですから、もう繰り返し聞きます。海上警備行動のその相手としてイラン又はイラン軍を考えて、想定の中に入っていますか。イエスかノーかで答えてください。三回目です。
#99
○政府参考人(槌道明宏君) イエスかノーかでお答えできるお問い立てではございませんので、繰り返しでございますけれども、今回の派遣はあくまでも情報収集を目的としたアセットの派遣の検討でございます。
 ただ、状況が変化した場合に、我が国に関係する船舶の安全を確保するための自衛隊の措置については併せて検討をするということになっているわけでございます。その措置をとるとすれば海上警備行動が考えられると、そういうふうに御説明させていただいているところでございます。
#100
○小西洋之君 先ほどの問いのあれでいきますけれども、イラン軍が武力攻撃の態様を持って、武力攻撃という実質を持って自衛隊あるいは日本の船を襲うと。武力攻撃という実質ですよ。日本政府がそういうふうに認めるんですよ。だからそれに対処するのは防衛出動ですよね。そういう理解でよろしいですか。
#101
○政府参考人(槌道明宏君) 我々は、イランとは今外交的取組をやろうとしているところでございますので、その上において、イランが我が国に対して武力攻撃を行うという前提での仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいと思います。
#102
○小西洋之君 私は、安保法制のときから、イランは日本の友好国であって、そのイランを敵視して、存立危機事態の集団的自衛権の対象にしている政府を厳しく批判してまいりましたので。
 それはさておき、さっきからずっと答えないんですが、イラン又はイラン軍に対して海上警備行動を行うことも想定して自衛隊を派遣するのは憲法違反ではないですか。憲法上何の問題も生じない、憲法上何の問題も生じないというふうに政府は認識していますか。
#103
○政府参考人(槌道明宏君) 繰り返しでございますけれども、特定の国名を挙げての御質問でございます。そのような仮定の御質問にはお答えし難いのですけれども、国、国準と海警行動の関係については先ほどお答えしたとおりでございます。
#104
○小西洋之君 ちょっとその関係ですけど、宮崎長官の答弁を読みますけれども、任務遂行を妨げる企てを排除するための武器使用についてですね、海上警備行動における、相手が国又は国家に準ずる組織である場合には憲法九条一項に禁ずる武力の行使に該当するおそれがある。この政府見解は安倍政権も維持されていますか。
#105
○政府参考人(槌道明宏君) 済みません、具体的に何年のと私は承知をしてございませんけれども、海上警備行動と国又は国に準ずる組織との関係についていろんな政府答弁があるところでございますが、先ほど申し上げましたように、海上警備行動を命ぜられた自衛官による武器使用につきましては、その相手方が武力攻撃を行っている国又は国に準ずる組織であるということが明らかな場合には警察権の範囲を超えると、こういう考え方だというふうに理解をしております。
#106
○小西洋之君 警察権の範囲を超えるから海上警備行動では対処してはいけないし、また、それが我が国に対する武力攻撃の発生でないのであれば憲法違反、自衛隊の海外派兵そのものになるわけでございます。
 ちょっと時間なので、もう一つ質問をいたしますけれども、海上警備行動で自衛隊を派遣する場合に、現に紛争が起きている地域あるいは紛争が起きる具体的な危険性が想定し得るような地域に海上警備行動で自衛隊を派遣することにどのような憲法上の問題がある、あるいはそのような地域に自衛隊は派遣できるというふうに政府はお考えなんでしょうか。
#107
○政府参考人(槌道明宏君) まさに一般論としてのお尋ねということかと。今我々が検討しているのは、あくまでも、先ほど来申し上げているように、現時点において直ちに自衛隊アセットによって我が国の関係船舶を防護するような状況ではないというのを申し上げておりますし、ましてや今紛争が起きるということを前提に考えているものではございません。その上で、情報収集体制の強化のための自衛隊アセットについて検討を行うということでございますから、そうした状況において特に憲法上の問題があるとは認識はしてございません。
#108
○小西洋之君 防衛省、もう一度聞きますけど、十八日のこの政府方針、必要な更なる措置、海上警備行動というものを想定しているというふうにおっしゃっていましたけれども、何かこの自衛隊の行動に関する法律を政府として国会に提出をして、今回のこの中東の事態に対処する、そういう方針は一切ないと。法律で対処、法律に基づくその対処を行うという考えは政府として一切ないという見解でよろしいですか。
#109
○政府参考人(槌道明宏君) 法的な根拠については、先ほど来申し上げているように、情報収集を行う、情報収集については、あくまでも防衛省設置法を根拠として考えてございますし、仮に今後状況が変化して対応するという場合も、現行法におきます海上警備行動もあるいは考えられると申し上げているところでございますので、新しい法律を策定するという前提を今検討しているわけではございません。
#110
○小西洋之君 明確な答弁聞きました。
 防衛大臣に伺いますけれども、防衛大臣、よろしいですか。
 過去自衛隊が、何らかの紛争が発生し得るようなところに自衛隊を出す場合は、PKO法あるいはテロ特措法のように、自衛隊が紛争に巻き込まれない、あるいは自衛隊が行く地域には紛争が絶対生じないという法的枠組みを作って出していたわけでございますけれども、今政府の答弁として、そういう法律の枠組みは用意しないというふうに明言されましたけど、そういうような形で海上警備行動を想定して調査研究を行う、あるいは海上警備行動を将来行う、行い得ることを言っていますから、それは憲法上極めて問題ではないですか。
#111
○国務大臣(河野太郎君) 今どのような形でアセットを派遣をするか、また、どのような形で情報収集をするか検討をしているところでございますが、この自衛隊の行動は憲法の範囲内で当然に行われるものでございます。
#112
○小西洋之君 憲法の範囲内で行うための法律を国会に出さないというふうにもう明言されましたから、それで行われる自衛隊の海上警備行動がイランやイラン軍などを相手にする場合は憲法の範囲を超えますので、そういう問題を指摘させていただきました。
 時間ですので、ちょっと災害の関係に、自衛隊の災害の派遣について移らせていただきます。
 内閣府に質問をいたしますけれども、私、千葉の選挙区なんですけれども、県の発表でも四万軒以上の家屋の損壊が報告等されているところでございますけれども、そうした家屋にブルーシートの設置を自衛隊が頑張ってやってくださったわけですけれども、自衛隊のそのブルーシートの設置、それに関する、あっ、失礼しました、ブルーシート、一般ですね、一般論ですね、ブルーシートの設置に関する都道府県及び市町村のその行政の事務は、災害対策基本法五十条一項三号に規定する被災者のための応急対応措置というものが該当するという理解でよろしいでしょうか。
#113
○政府参考人(小平卓君) お答えいたします。
 災害対策基本法第五十条第一項におきましては、災害応急対策につきまして、「災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に災害の発生を防御し、又は応急的救助を行う等災害の拡大を防止するために行うもの」とされてございます。今先生御指摘のブルーシートの展張につきましても、この災害応急対策の趣旨に該当するのではないかと考えてございます。
#114
○小西洋之君 ありがとうございました。
 続いて、法律の関係ですけれども、自衛隊がブルーシートを張ってほしいというふうに千葉県知事は防衛省・自衛隊に要請をしたわけでございますけれども、それは、災害対策基本法の五十条及び七十条の災害応急対策あるいは応急措置の一態様であると、そのように理解してよろしいでしょうか。
#115
○政府参考人(小平卓君) お答えいたします。
 五十条につきましては、今御説明をさせていただきましたとおり、災害応急対策というのはこういうものであるということを明記しているところでございます。
 また一方で、都道府県の責務というのは、災害対策基本法にもございますけれども、まあ、ちょっと、ちょっと条文違いますが、四条一項におきまして都道府県の責務が規定されてございます。都道府県は、基本理念にのっとり、当該都道府県の地域並びに当該都道府県の住民の生命、身体、財産を災害から保護するためと……(発言する者あり)あっ、済みません、失礼いたしました。はい。都道府県は、都道府県の地域に係る防災に関する計画を作成し、及び法令に基づき実施する責務を有すると書いてございますので、こういう規定に基づいてやっているものと理解してございます。
#116
○小西洋之君 ちょっと、まあ分かりました。
 ちょっと時間なので、ちょっとこれから問題提起をさせていただきたいと思うんですけど、実は十月一日の災害特委でも私質問をさせていただいたんですが、千葉県が自衛隊にブルーシートの設置を要請するに当たって、千葉県は、要配慮者、三者でございます、独り暮らしの御老人、二人暮らしの御夫婦、そして障害者のいらっしゃる自宅。それ以外の一般市民の家屋はブルーシートの設置を要請しないというやり方を千葉県いたしましたので、十月一日、私が質疑をいたしましたときに、内閣府と防衛省の答弁でございますけれども、その段階で千七百十五件のブルーシートを張ってほしいという市民からの要望が、県が、取りまとめがあった。そして、十月一日、これ秋晴れの天気の日でございましたけれども、二千名のブルーシートを張る講習を受けた自衛隊が即応態勢を取っていたんですけれども、十月一日、県内でブルーシートの活動をやった自衛隊員はゼロ人でございました。
 雨男とおっしゃった大臣、その姿勢はやめていただけますか。雨で打たれて暮らしも財産も悲惨な目に遭っている県民や国民のための質問です。
 そして、つまり、その十月一日の秋晴れの日、二千名のブルーシートを張る自衛隊員は誰一人行動しなかったわけでございます。こうした千葉県の防衛省・自衛隊に対する要請の在り方が災害対策基本法及び災害救助法に違反するのではないかという私は問題意識を持っております。
 内閣府に伺いますけれども、災害対策基本法あるいは災害救助法の規定、また基本理念の規定がございますけれども、そうした規定に照らして、この千葉県のこの自衛隊への要請の在り方は適切なものだったというふうにお考えでしょうか。
#117
○政府参考人(小平卓君) お答えいたします。
 今回お話のありました自衛隊の災害派遣につきましては、活動内容を含めまして、千葉県知事が防衛大臣又はその指定する者に要請する権限を有しているとございます、と理解してございます。
 内閣府といたしましては、自衛隊が行うブルーシート設置支援の対象について千葉県にも助言をしてきたところでございますけれども、千葉県におかれましては、自衛隊法の規定であるとかこういった助言を含めまして、総合的に勘案されて対応されたものと理解をしてございます。
#118
○小西洋之君 今、内閣府が千葉県に助言をしていたというふうにおっしゃっていましたけど、その内閣府の助言、まあ、私も一緒に取組させていただいていましたけれども、要配慮者の家屋だけではなくて一般市民の家屋も自衛隊の力で一刻も早く次の雨までに救う、そのような災害対策をなすべきではないかという助言をしていたという理解でよろしいですか。
#119
○政府参考人(小平卓君) 先ほども先生から御指摘ありましたけれども、千葉県が自衛隊にブルーシートの設置支援を要請してございます。
 内閣府といたしましても、千葉県に派遣しているリエゾンを通じまして、適時、千葉県に対しまして、独居老人、高齢者夫婦、障害者といった要支援者のほかに、自力でブルーシート設置をすることが困難な方々についても対象にするようにしたらいかがかという助言は行ってまいりました。
#120
○小西洋之君 実は、この小平審議官は千葉県に派遣されていた方でございまして、まさに一般市民家屋のブルーシート設置を自衛隊に要請すべきというのを、私も一緒に連携して、小平審議官に何度も何度もお願いをして働きかけていたところでございます。
 台東区の、十九号の、台風十九号のときに、台東区の避難所でホームレスの方が拒否されるという事件が起きました、人権侵害だと思いますけれども。
 災害救助法の事務取扱要領にはこのように書いてあります。衣食住の基本的な要件を脅かすこと、ものに対しては、法による救助は、こうした事態に行われなければいけない。つまり、衣食住ですね、雨が、損傷した家屋にブルーシートを張れずに雨が降り込むわけですから、まさに住の基本的な要件を脅かすものだというふうに思います。事情のいかんを問わず、現に救助を行わなければ被災者の保護に欠けると認められるときは、ひとしく救助の手を差し伸べなければならない。被災者の経済的な要件などは必ずしも問われず、現に救助を要しているか否かにより判断されるべきであり、現に救助を要する場合は平等に行われるべきである。
 この救助法の体系の平等原則などのこの原則は、災害対策基本法も含めてブルーシート設置にも適用される、その趣旨はですね、当然に及ぶという理解でよろしいですか。
#121
○政府参考人(小平卓君) ただいま災害救助法の平等の原則に関する御質問がございました。
 災害救助法に基づく救助は、画一的、機械的に行うものではなくて、個々の被災者ごとに、どのような救助がどの程度必要なのかを判断して行うものというふうになってございます。被災地の状況に合わせて、救助の仕方としては、例えば応急修理をすることであるとか、場合によっては避難所の設置であるとか応急仮設住宅の供与など様々なものがあります。
 千葉県におかれましても、被災者に対して様々な救助の手法で手を差し伸べているものと理解をしてございます。そういう意味では、平等の原則には必ずしも反しないものではないかと理解してございます。
#122
○小西洋之君 千葉県がなぜ自衛隊に一般市民家屋の、設置を要請しなかったと、何度も聞きましたが、これ県議会でも答えています。こういう理由なんですね。一般市民の皆さんの中には自費で業者を見付けてブルーシートを設置できた人がいる、自衛隊は無料でやってくれますので、そうすると、一般市民の中に自分で自費でやった人と無償でやってもらう人が出て、不公平が生じて社会的な混乱が生じる、これ、真顔で言っているんですね。
 もう一度、内閣府、聞きますけれども、一般の方、これ毎日新聞の報道が私手元にありますけど、館山の布良地区で六十二歳の娘さんと八十歳を超えるお母様の二人暮らし。これ、要配慮者に該当しないんです。六十五歳以下でないと該当しない、つまり自衛隊張ってくれないんです。こうした家が千葉で多く残されて、雨で損傷、損壊していたわけでございますけれども。
 よろしいですか、もう一回聞きますよ。
 ひとしく救助の手を差し伸べなければならない、現に救助を要する場合には平等に行われるべきである、こうした災害対策のこの原則と千葉県のやっていたことに課題があるとは思いませんか。
#123
○政府参考人(小平卓君) お答えいたします。
 千葉県におきましては、いわゆる三要件の方だけではなくて、自力でブルーシートを設置することが困難な方々についても対象とすると聞いてございます。個別具体の当てはめにつきましては千葉県の方で適切に判断をされていると理解してございます。
#124
○小西洋之君 さっき、私はこれ、内閣府のあなたの部下と何度も確認していますよ。
 さっき私が申し上げたこの災害救助法の体系でありますけど、この平等原則ですね、常識の原則だと思いますけど、この平等原則は、災害対策基本法は親法なんですから、災害対策基本法を含め災害対策一般の原則として適用される、そういう趣旨が及ぶという理解でよろしいですね。簡潔に答えてください。
#125
○政府参考人(小平卓君) 平等の原則の中身につきましては先ほど御説明したとおりでございますけれども、かなり一般的な規定であるという、一般的な考え方であるとは理解してございます。
#126
○小西洋之君 ちょっと時間でございますので、防衛大臣に伺いますけれども、よろしいですか。姿勢を横にせず、せめて人間性を持って答えていただきたいんですけれども。
 御自分の政治資金パーティーで雨男という発言をされました。あなたがおっしゃっているその台風を始めとする、豪雨も含みますけれども、雨によって、千葉県民あるいは全国民の皆さんの大切な命そして財産が損傷されました。そして、暮らしも大きく今脅かされて、大変な危機の事態に陥っています。それに対して、内閣府、今半分いい答弁して、半分何か情けない答弁だったですけれども、政府の職員、そしてあなたの部下である自衛隊員の皆さん、様々なボランティアの関係者、みんな、何とかして命を救おう、何とかして暮らしを守ろう、財産を守ろう、奮闘されました。あなたのその雨男という発言を、あなたの部下である、ブルーシートを一生懸命千葉県民のために張ってくれた自衛隊員、あるいは自治体のその頑張った職員、駄目な職員もいらっしゃいましたけれども、そういう方々に対して謝罪するお気持ちはありますか。
#127
○国務大臣(河野太郎君) 私の発言で不快に思われた方に対しては、先般おわびを申し上げたところでございます。被災地、被災された方の中でそうした方がいらっしゃれば、改めておわびを申し上げたいと思います。
#128
○小西洋之君 その雨の被害であるブルーシートの質問をしているときに、何で半身の体で、椅子に肘をついて座っているんですか。どういう気持ちで座っていらっしゃいましたか、先ほど私が注意するまで。
#129
○国務大臣(河野太郎君) 済みません、腰が悪いものですから、多少いろんなところでいろんな形で椅子の中で動きます。お許しいただきたいと思います。
#130
○小西洋之君 それは、体が悪かったということで、失礼いたしましたけれども、大臣、ただ、表情ですね、表情、非常に傲岸不遜な表情。しかも、この質問の間に……
#131
○委員長(北村経夫君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#132
○小西洋之君 はい、終わります。
 外務大臣と笑い声のお話もされておりました。こういう大臣の下のこの自衛隊の派遣、そして災害対策は国民を守れない、防衛大臣は即刻辞職すべきということを申し上げて、質疑を終わります。
 ありがとうございました。
#133
○秋野公造君 公明党の秋野公造です。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 十月三十一日、首里城が焼失をいたしました。沖縄県も、そして日本国中にも悲しみに包まれている状態であります。九州・沖縄サミットの夕食会も行われた場所でありまして、装飾された柱は中国、日本には例がなく、沖縄特有の文化でありました。
 十月三十一日には公明党としても緊急要請を行いまして、国土交通大臣も、そして総理も力強いメッセージを地元に発していただきましたが、十一月二日、斉藤幹事長を先頭に私も同行させていただきまして、火災現場の調査を行った後に、希望が抱ける再建を行うために、有識者、地元の皆様とも意見交換を行ったところであります。
 お話は、ノウハウはあるけれども人材と材料があるかということでありました。二十七年前の再建のときも県産材を確保することができずにいたということを考えますと、まず林野庁にお伺いをしたいと思います、過去に首里城に用いられていたチャーギの木が今回の首里城の再建に使えるものとして国有林にある、その可能性はありますでしょうか。
#134
○政府参考人(織田央君) お答えいたします。
 チャーギ、いわゆるイヌマキにつきましては、九州、沖縄の国有林に生育はしておりますが、天然林においては極めて僅かな量が点在しているという状況でございます。そういう中で、前回首里城が復元された三十年ほど前にイヌマキを国有林から供給した実績は見当たらないというところでございます。また、人工造林されたイヌマキもございますけれども、イヌマキは非常に成長が遅くて、直径が三十センチメートル以上に育つまでに百年から二百年は必要とされているところでございます。
 これらのことを踏まえますと、イヌマキ材の供給の可能性は極めて低いと言わざるを得ないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、林野庁といたしましては、この首里城再建に向けた木材の調達に関しまして全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
#135
○秋野公造君 となりますと、首里城を再建するに当たって木材を確保するためには、二十七年前にも用いられた台湾ヒノキがやはり第一候補になってくるかと思います。台湾ヒノキは輸出禁止措置となっておりまして、当時も大変な御配慮をいただいたと承知をしております。
 焼失した首里城の再建に向けて、首里城の建材として用いられていた木材を台湾から輸入するようなことになった場合、いかなる形で台湾側と交渉するのか、お伺いをしたいと思います。
#136
○国務大臣(茂木敏充君) 首里城は、沖縄県民にとって誇りとも言える、かけがえのない極めて重要な建造物であり、沖縄のシンボルでもあると認識をしておりまして、今般の火災につきましては大変心を痛めております。
 その上で、首里城の再建計画、まだ固まっていないために、一般論になるわけでありますが、我が国は台湾との関係を非政府間の実務関係として維持をしてきておりまして、公益財団法人日本台湾交流協会を通じて各種の実務関係を処理をしてきているところであります。
 首里城の復元につきましては、政府一丸となって全力で取り組んでいく方針でありまして、外務省としても、関連省庁であったり、また必要に応じて日本台湾交流協会と連携をして、できる限りの取組を行いたいと思います。
#137
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 林野庁、委員長のお許しいただけたら退室していただいて結構です。
#138
○委員長(北村経夫君) 林野庁、退室されて結構です。
#139
○秋野公造君 グローバルファンドについてお伺いをいたします。
 総理は、世界エイズ・結核・マラリア対策基金、グローバルファンドの第五次増資期間に向けて当面八億ドルの資金を供出するということを発表いたしました。公明党としても、令和二年度の予算概算要求の重点要望にて、このグローバルファンドの複数年度にわたる拠出金を拡充するといったようなことを要望したところでありまして、大変、早速反映をいただき、高く評価しているものであります。
 このグローバルファンド、二〇〇〇年の、先ほど首里城のところでも触れましたG8九州・沖縄サミットで主要課題として取り上げたことが設立のきっかけとなりました。このSDGsを達成するために、そして我が国が推進をしているユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進においても大きな役割を果たすことになるかと思います。
 その上で、あえてその質を高めるために私はお話をしたいわけでありますが、二〇一六年、私は日本リザルツの皆様とケニアを訪ねました。スラム街を尋ねたときに、失礼しました、エスンバ村という奥地を尋ねたときに、エイズの薬はグローバルファンドの支援により届いているが結核の薬が届いておりませんで、重複感染者にとっては、エイズの治療を受けることはできても結核の治療を受けることができないでお亡くなりになっていると、そういった方々のお墓も見て回ったところであります。
 二〇一三年には、ヨランダ台風の支援のためにフィリピンに伺いました。屋根が飛んで医療が失われたということで、産む場所がないと、あるいは結核のカルテが全て失われたということでありまして、国立東ビサヤ病院の支援について御提案をして、外務省、JICAには早速取り組んでいただいたところでありますけれども、この結核の診断のためのキットが、日本製のいいキットがあるにもかかわらず外国製のものが用いられているような状況でありまして、こういうことでありますと、せっかく結核の制圧へ向けて頑張っている世界において耐性菌などが生じてしまうと、その取組は台なしになってしまうということであります。
 これだけの拠出を行うからには、感染症対策や保健システムの強化のためにグローバルファンドの活動は効率的で効果的でなくてはならないと思います。我が国のグローバルファンドのガバナンスに適切に関与するのは当然のことでありまして、日本企業が開発する質の高い結核薬や検査薬を推進して世界に貢献する方策を検討すべきであると考えますが、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
#140
○政府参考人(桑原進君) お答えいたします。
 日本政府は、人間の安全保障を重視する観点から、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを長年推進してきています。委員御指摘のとおり、グローバルファンドも二〇〇〇年のG8九州・沖縄サミットを契機に二〇〇二年に設立されたことから、日本政府は言わば生みの親と言えます。
 政府は、本年六月のSDGs推進本部会合において、約百万人のエイズ、結核、マラリア患者の命を救うことを総理から表明し、八・四億ドルのプレッジを行うことといたしました。
 我が国は、グローバルファンドの理事会において意思決定に関与するための議席を有しており、引き続き、積極的に日本の意見を反映すべく、適切に関与する所存であります。
 グローバルファンドにおける日本の拠出はドナー国の中で第五位でありますが、日本企業の調達率は第四位と、拠出に比べ高い状況であります。結核、マラリア分野においては、日本企業が開発している種々のイノベーションが今後も期待されています。更に調達率を上げるべく、在外公館も積極的に取り組んでおり、御指摘のあった点も踏まえ、官民一体となって世界の感染症対策に貢献いたします。
 また、現在、世界的にも薬剤耐性結核や薬剤耐性マラリアが大きな問題となりつつありますが、そうした感染症が日本に流入することを防ぐためにも適切な感染症対策は重要であります。
 以上です。
#141
○秋野公造君 よろしくお願いをしたいと思います。
 先ほど申し上げたように、私がケニアに伺いましたのは、エイズ、結核、マラリアに対する調査でありましたけれども、実は大きな問題が横たわっておりました。
 資料を今日、一ページ目、準備をしてございますが、何度か国会にて取り上げをいただきまして、当時の河野外務大臣のお力添えをいただいたスナノミの案件であります。
 二センチの大きさのノミが高齢者と子供の足を食い荒らしており、そして、それは切断に至っているという事例があるということをお伺いをいたしまして、調査をしてまいりました。中央の足の跡、そこからかさぶたを除去いたしますと、写真の左側にありますように、白と黒の塊を出すことができまして、これを私の母校であります長崎大学のケニア出張所、これは「風に立つライオン」のモデルとなりました柴田紘一郎先生が活躍した場所に持ち込みまして、私が撮影した写真であります。
 白の一匹のノミで二センチの大きさということでありまして、白い塊はまさに雌の血を吸ったノミである、黒い塊は卵を抱えているノミであるといったような結果も、帰国をしてから厚労省そして外務省の職員の皆様方には御報告をさせていただくとともに、ケニアの保健省にてマイル大臣に対してもこういった話をお伝えをさせていただいたとおりであります。
 外務省とJICAには、学校を造っていただいたり研究を始めていただいたり、そして私どもは靴を集めたりと、様々な取組もさせていただいたわけでありますけれども、今日申し上げたいこと、これは、このスナノミという病気は、ケニアでエイズや結核の普及啓発に関わっている方々にさえも差別、偏見を生じるような、最貧困のそういった地域で蔓延をしている病でありまして、まさにWHOが定めるNTD、すなわち顧みられない熱帯病に位置付けを行いまして、しっかりと支援をすべきではないかということをこれまで申し上げてきたところでありますが、厚労省稲津副大臣にお伺いをしたいと思います。
#142
○副大臣(稲津久君) お答えをさせていただきます。
 スナノミ症対策の重要性につきましては、議員から御指摘をいただきまして、改めて確認をさせていただきました。特に南米やアフリカ等の貧困層を中心に広がっておりまして、先進国や製薬企業等からの注目を浴びにくい、そういうことで対策も進んでこなかったと、このような背景があり、留意すべきものだというふうに考えております。
 先日、議員よりスナノミ症がこのWHOのNTDsの定義に含まれるかどうかという照会をいただきまして、初めて厚生労働省の事務方からWHOに問合せを行ったと、このように承知をしております。その結果、WHOは、二〇一七年にNTDsのリストを改訂した際に感染症とその他の外部寄生虫症を追加しておりましたが、これまで、外部寄生虫症にスナノミ症が含まれるということにつきましては明らかにされておりませんでした。今般のこの問合せによりまして、スナノミ症がNTDsに含まれるというWHOの見解を日本政府として初めて確認をすることができました。
 厚生労働省といたしましても、国際貢献の観点から、開発途上国を中心に蔓延しているNTDs対策を支援していくことが重要であると、このように考えておりまして、今後積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
#143
○秋野公造君 スナノミがNTDに含まれるという解釈を引き出してくださったことは大変すごいことだと思います。世界においてもその認識はないはずであります。まだ明示をされていない状況でありますので、ここまでやっていただきましたので、引き続き、厚労省におかれて、このスナノミをNTD、顧みられない熱帯病のリストの中に明示的に位置付けるよう計らっていただきたいと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。
#144
○副大臣(稲津久君) 今、このスナノミ症がNTDsに含まれるということを是非明示をすべきという御指摘をいただきました。是非、厚生労働省として明示するようWHOに働きかけてまいりたいと思います。
#145
○秋野公造君 ありがとうございます。
 ということであれば、このNTDsのための薬剤を開発する仕組みでありますグローバルヘルス技術振興基金、GHITの枠組みの中でこのスナノミに対する薬剤の開発を行うことができるのではないかと考えますが、このGHITの枠組みで支援が可能になるという理解でよろしいでしょうか。
#146
○副大臣(稲津久君) お答えをさせていただきます。
 このNTDsですとか結核、マラリア、こういった開発途上国を中心に蔓延する疾病の医薬品等の研究開発につきましては、先進国において需要が少ないという理由から十分なされていないという、そういう現実がございます。このために、厚生労働省は、外務省とともに、グローバルヘルス技術振興基金、GHITファンドへの拠出を通じて、日本の製薬産業の優れた研究開発力を生かしたこれらの疾病に対する医薬品等の研究開発を促進をしているところでございます。
 スナノミ症につきましても、NTDsに含まれることから、GHITファンドによる医薬品等の研究開発支援の対象になり得ると、このように考えております。
#147
○秋野公造君 ありがとうございます。
 改めて、我が国がスナノミ症をNTDsの中に含まれているという見解を引き出していただいたことというのはすごい貴いことであるし、すばらしいことであるし、世界的にもこういった支援が広がっていくかと思います。
 申し遅れましたが、私は超党派のNTDs議連に塩崎会長の下で事務局長を務めております。
 今後のスナノミ支援の参考として、我が国のNTDsに対する支援の状況についてお伺いをしたいと思います。
#148
○政府参考人(大坪寛子君) お答え申し上げます。
 NTD全般についてのお尋ねであったと承知をしておりますが、我が国は、WHOの本部、また地域事務局などを通じまして、WHOのNTDs対策を支援をしております。特に、我が国が属しておりますのはWHOの西太平洋地域でございますが、そこでは日本人の専門家の派遣などを行っておりまして、島嶼国の診断サーベイランスの強化のための様々な技術支援などを行っております。例えば、最近では、キリバスにおきましてフィラリアの排除、こういったものにも貢献をさせていただいております。
 我が国といたしましては、今後も地域レベルにおけるWHOのNTDs対策を中心に支援を進めてまいりたいと考えております。
#149
○秋野公造君 せっかくスナノミを入れていただきましたので、WHOにおいてはこのNTDsの次期ロードマップの策定作業に入っていると承知をしております。このスナノミの戦略についても盛り込むよう厚生労働省から働きかけをお願いしたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。
#150
○政府参考人(大坪寛子君) ありがとうございます。
 御指摘のとおり、現在、WHOでは二〇二一年から二〇三〇年までのNTDsのロードマップを準備中というふうに聞いております。我が国といたしましても、国際貢献の観点からも、このスナノミ症対策の重要性、十分認識をしておりまして、今回の改訂において、NTDsの一つとしてスナノミ症対策についても盛り込むことを検討していただけないかとWHOの方にも働きかけをしてまいりたいと思っております。
#151
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。
 ケニアにおけるスナノミ症、そしてアフリカにおるスナノミ症に関して、日本による今後の支援につきまして、茂木大臣の決意をお伺いしたいと思います。
#152
○国務大臣(茂木敏充君) 臨床医師としても御活躍をされまして、また創傷治療の分野で国内外から高い評価を受けている秋野委員の方からケニアのスナノミ症につきまして問題提起いただいて、私も、今この資料を拝見いたしまして、改めて痛ましい映像だなと、こんなふうに思っているところでありまして、我が国はこれまで、草の根・人間の安全保障無償協力によりまして、ケニアの小中学校の床、板張りをしたり、またコンクリート敷きにするといった支援を実施することで、スナノミ症の予防に今貢献をしてきております。
 また、昨年の委員の予算委員会におけます提案も踏まえまして、JICAの草の根技術協力事業におきまして、我が国の大学から提案のありましたケニアにおけるスナノミ症対策プロジェクトを採択をしたところでありまして、案件実施に向けてケニア側、関係機関との間でも調整中であります。
 こうした取組を通じて、引き続き、我が国としてもケニアにおけるスナノミ症支援対策に取り組んでいきたいと。こういった疾病、病気に光を当てる、そしてそれに対して国際社会も巻き込んでしっかりした支援体制を取っていくと。極めて重要なことだと思っております。
#153
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いをしたいと思います。
 稲津副大臣、厚労省、委員長の許可があれば退室していただいて結構でございます。
#154
○委員長(北村経夫君) 厚労省、退席していただいて結構です。
#155
○秋野公造君 続いて、ちょっと地元の話を相談したいと思います。
 長崎市の南山手には元ロシア領事館、総領事館の跡地がありまして、現在、空き家の状態が続いております。従来から外務省の皆さんには御相談を続けておりましたが、域内の樹木が公道にはみ出してきたり、そして側溝が経年劣化になって少々破損をしたり、あふれ出た土砂が排水路を塞ぎ始めるのではないか、こういった懸念がある状態であります。
 私自身も長崎市始め地元の関係者とこの解決に向けての知恵を絞っているところでありますが、外務省におきましても、これ引き続き、この私も含めて、関係者の相談に乗っていただきたいということをちょっとこの場でお願いをしたいと思いますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#156
○政府参考人(河津邦彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の元ロシア帝国総領事館跡地の問題につきましては、従来から委員からもお話を伺ってきているところでございます。
 外務省といたしましても問題の早期解決を望んでいるところでございまして、国内関連省庁と連携しながら関係国との意思疎通を行っていく、こういう考えでございます。
 本件問題に関しまして、関係者におつなぎ申し上げる、そういうことも含めまして、委員、ひいては地元の関係者の方からの御相談に引き続きしっかりと応じてまいりたいと思います。
#157
○秋野公造君 よろしくお願いをしたいと思います。
 十月二十一日、核軍縮のための実質的な進展のための賢人会議の白石座長から若宮外務副大臣に対して議長レポートが提出をされました。このレポートは、五回にわたり開催された賢人会議での議論を総括をして、核廃絶のために向き合うべき困難、それを特定、検討して、国家や社会市民が取り得る行動を提案をしたという形であります。
 このレポートを拝見をさせていただきましたが、二〇二〇年までに取り得る行動として、長崎、広島への訪問が挙げられております。被爆地を訪問して被爆者の声を聞くということ、これなしには核兵器の廃絶への道のりは遠いものになると思います。
 この観点から、私自身、この長崎への訪問、そして長崎の城山小学校への訪問ということを、重要性を改めて申し上げたいと思います。
 国の指定文化財となりました城山小学校は、中に入ることができまして、そして、中に入りましたならば、被爆者の方々がそこを運営をしておりまして、被爆者の方から直接様々なお話を聞くことができる、そして、それが小学校の敷地内にあることから、被爆の継承もきちっと行われている、そういう場所であります。
 外務省では、国連軍縮フェローシップという招聘プログラムを支援していると承知をしておりますけれども、このプログラムに参加をしていらっしゃる外交官の方々は、これから長きにわたってそういったキャリアを培っていく、そういった場所であるということを伺っているところであります。
 来年のこの国連軍縮フェローシップのプログラムにおいて、城山小学校への訪問を実現をしていただけないでしょうか。被爆地への訪問の促進に向けて、外務省の取組をお伺いをしたいと思います。
#158
○政府参考人(久島直人君) 唯一の戦争被爆国としまして、我が国は核兵器のない世界の実現に向けた国際社会の取組をリードしていく使命を有していると認識しております。世界の指導者、政府関係者、民間の方々が被爆地を訪問することを通じまして、国際社会が被爆の実相に関する正確な認識を持つことは、核軍縮に向けたあらゆる取組のスタートとして重要であると考えております。
 委員が御指摘になりました賢人会議のメンバーと昨年三月、懇談された席上に、御言及ありました城山小学校への賢人会議のメンバーの訪問を促され、その結果としまして、メンバーによる訪問が実現したということを承知しております。
 我が国政府といたしまして、要人の被爆地訪問を始め被爆の実相を伝える取組を積極的に推進しております。また、我が国が本年提出しました核兵器廃絶に向けた決議案におきましても、世界の指導者や若者による長崎及び広島への訪問を歓迎する旨盛り込んでおります。
 こうした取組を通じまして、核兵器使用の惨禍を国境と世代を超えて伝えていく努力を重ねていきたいと考えておりまして、その中で、今委員御指摘の国連軍縮フェローシップに際しましての城山小学校への訪問につきましても、実現できるように努力いたしたいと思っております。
#159
○秋野公造君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 資料の三枚目に、ホウ素中性子捕捉療法というがん治療の新しい治療につきまして付けてございます。このホウ素中性子捕捉療法、BNCTは、本年十月の十五日、世界に先駆けて我が国で初めて製造販売の承認申請が行われて、間もなく臨床の現場で活用が見込まれるすばらしい薬剤であります。
 簡単に説明をいたしますと、資料の三枚目、黄色い丸でがん細胞をお示しをしておりますが、このがん細胞だけに赤の丸で示したホウ素を取り込ませて、そのホウ素に対して中性子を照射することでがん細胞だけを除去することができる、希望ある、夢のある治療ということでありまして、四ページ目に、大変手術で切除するのは困難な難治性の唾液腺がん、頭頸部のがんなどに対する臨床応用が期待をされているところであります。
 国際原子力機関、IAEAにおいて技術的な指針を作る動きがあるということを承知をしておりますが、我が国で開発をされる薬剤であります。我が国でしかこの情報は持ち得ないものでありまして、我が国がこの臨床的な、技術的な指針作りに大きく関与をすべきではないかと考えますが、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
#160
○政府参考人(久島直人君) IAEAにおきましては、故天野事務局長が平和と開発のための原子力という精神をモットーとして掲げ、その中で核医学、がんの放射線治療の普及にも力を入れてきたと承知しております。IAEAのBNCTの関連活動もこうしたIAEAの取組の一つと承知しております。
 外務省といたしましては、IAEAの関連会合の案内を含めました情報共有を中心に、我が国の専門家とも連携してきております。通常、IAEA会合には、外交ルートでIAEAに通報された専門家が出席されております。
 BNCTを含めまして、我が国の知見、経験が国際的な指針作りに反映されるということは大変重要だと考えておりまして、御指摘の、我が国の核医学分野の適切な、臨床に精通した専門家がIAEAの関連会合、BNCT会合に出席できるように、IAEAの動向を踏まえまして、引き続き積極的な役割を果たしていきたいと考えております。
#161
○秋野公造君 もう一問あるんですけれども、ちょっと時間がないので次回にしたいと思います。
 ありがとうございました。
#162
○鈴木宗男君 委員長、私、防衛省には質問ありませんので、大臣、どうぞ退席してもらって結構でありますけれども。大臣、どうぞ、将来ある人ですから、腰を治してください。そして、腰を良くするには腹筋が大事ですから、是非とも、腹筋をしてもらったら少しは楽になるのでないかなと。これも私の若干の経験からお知らせしておきたいと思うんですが。
 もし、委員長、よろしければ、どうぞ。
#163
○委員長(北村経夫君) いや、防衛大臣は委員会張り付けとなっておりますので、このまま、済みませんが、よろしくお願いします。
#164
○鈴木宗男君 あっ、いるんですか。担当だから。そうなんですか。それは申し訳ないですな。
 それでは、質問させてもらいます。
 国会での質問は十年ぶりでありますので、私はちょっと気が弱くて声が小さいものですから、失礼の段もあるかもしれませんけれども、お許しをいただきながらお話をさせていただきたいと思います。
 茂木大臣、冒頭に、先ほど来、首里城の焼失の話出ていましたけれども、私は、あの三十一日、朝早くにテレビ付けたら燃えている映像を見まして、びっくりしました。しかし、私はこの安倍内閣ですごいと思ったのは、官房長官が間髪入れず午前の記者会見で全面的に政府が責任を持つと言われました。当然、茂木大臣や河野大臣の協力、お支えもあったものだと私は心しておりますけれども、是非とも、これ両大臣にお願いしますけれども、この首里城復元に向けてもう最高のサポートをしていただきたいし、ここは与党も野党もなく、国会も挙げて応援していくということを私は提案したいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、茂木大臣、私は、茂木大臣を見ておりまして、平成八年から同じ政策集団で一緒にやってまいりました。初めての小選挙区で自民党から出ていただきまして、当時、橋本政権でありましたので、私が自民党の副幹事長で選挙責任者やっておりましたので、あの当時から茂木大臣を知っている者として非常に感慨深いものがあります。なるべくしてなったと、私はこう思っておりますし、河野大臣が外務大臣から防衛大臣に横滑りされて、私はゴールデンコンビだと、こんなふうにも思っておりますが、改めて、外務大臣に就任した茂木大臣に日本の国益を守る観点からも決意の一端を披瀝いただきたいと思います。
#165
○国務大臣(茂木敏充君) 改めて、鈴木議員の御当選、心からお祝い申し上げたいと思っております。鈴木委員には、もう当選以来、私、先輩議員として様々御指導いただいてまいりまして、今後とも様々な形での御指導をよろしくお願い申し上げる次第であります。
 安定政権の下で、今、安倍政権、地球儀を俯瞰する外交と、こういったものを進めております。それを更に前に進めていく、このために包容力と力強さを持った外交を私は進めてまいりたい、こんなふうに考えております。日米の問題、さらには近隣諸国、ロシア、そして中国、また朝鮮半島の問題、様々な大きな課題、そして中東の問題もありますし、SDGs、日本が直面する大きな課題に多くの皆さんのお力を借りながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 そして、冒頭お話のありました首里城の問題でありますが、政府一丸となって復元に向けて、まさに沖縄のシンボルであります。小渕政権の頃、野中官房長官、そして鈴木副長官、まさに沖縄の心を心として取り組む、そういう姿勢をそばで見てきた者として、しっかりこの問題にも取り組んでまいりたいと考えております。
#166
○鈴木宗男君 大臣、今の発言、非常に心強く思っておりますので、沖縄に対する御配慮を、防衛大臣共々、今後ともよろしくお願いをする次第であります。
 外務大臣、チリでのAPECが治安の関係でこれ中止になりました。安倍総理とプーチン大統領との首脳会談も予定されておったものですから私はとっても残念に思っているんですが、早急にやはり日ロ首脳会談の私は日程はセットすべきだと、こう思っているんです。特に、昨年十一月十四日にシンガポールで安倍総理が大きな決断をなされて、新たなステージに立った日ロ関係なんですね。そういった意味でも、是非とも早いうちにこの首脳会談を行うべきだと思います。
 特に、今月の二十二、二十三ですか、愛知県で、名古屋でG20の外相会議があるという日程も入って、ラブロフ外務大臣も来られるわけですから、是非ともこのときまでに外交協議して首脳会談の日程を詰めることが国益だと、こう思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#167
○国務大臣(茂木敏充君) チリでのAPEC首脳会談がチリの国内事情によりまして中止ということになりまして、これについては非常に残念に思っております。それに伴いまして、様々な重要なバイ会談、これも延期であったりとか日程の再調整と、こういうことになるわけであります。
 ただ、今月の二十二、二十三日に名古屋で行われますG20の外相会合にはラブロフ外務大臣も出席の予定でありまして、また、首脳会談、既に御案内のとおり、安倍総理とプーチン大統領の間二十七回重ねてきております。そういった信頼関係に基づいてこの領土問題を解決して平和条約を締結する、これを実現させていかなきゃならない、そのための日程調整、重要だと考えております。
#168
○鈴木宗男君 是非とも、ラブロフ外務大臣と茂木大臣もいい関係のスタートを切ったというふうに聞いておりますので、早期の首脳会談の日程をつくっていただきたいと思います。
 外務大臣、懸案というか、四年前の十二月、長門で安倍総理が提案した北方四島における共同経済活動、ここで先週初めて観光パイロットツアーが実現できました。河野大臣も前大臣として非常にこの点尽力をいただいたことに感謝をしながら、取りあえず、私はこれ実施できたことに意味があると、こう思っているんですね。ただ、残念ながら天候の関係で、船なものですから、波があるということで、日程も短縮して終わらざるを得ませんでした。
 私は、この観光ツアー、是非とも来年もやるべきだし、来年以降は、大臣、飛行機を使うということも一つの私は案でないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#169
○国務大臣(茂木敏充君) 十月の三十日から十一月の二日まで、北方四島におけます共同経済活動として観光パイロットツアーを実施したところであります。確かに天候の都合がありまして、択捉島の滞在時間短縮をされて主要なところしか見られなかったと、これは天候の事情でありますから、また観光企画に参加された方の安全等々も考えた策であります。
 ただ、その上で、今回このパイロットツアー、実際に実施をしたと、これについて、この成果というものもしっかり検証しながら、様々なパイロット事業、これを一回で終わるものではないと、継続をしながら更にそれを充実していくということが重要だと思っております。
#170
○鈴木宗男君 飛行機については、もう墓参で、これも安倍総理、また前河野大臣始め、岸田外務大臣のときから検討してきまして実施されております。もう飛行機での墓参も三年連続になりましたですね。この知恵を生かせれば、また観光ツアーなんかも、行きは飛行機、帰りは船だとかいろんな組合せできると思いますので、これは知恵を是非とも出していただきたいと思います。
 あわせて、外務大臣、このパイロットツアー、行われましたけれども、北方領土隣接地域、一市四町ありますね。根室、羅臼、中標津、別海、標津とあるんですけれども、もっと一市四町の皆さん方が関わり合いを持ちたいという希望を持っているし、元島民の皆さん方の声も聞いてほしいという希望があります。
 今回はやはり実施が優先で、一般の旅行会社にお願いしてのお客さんの人集め等でもありました。やっと地元の関係者が二人だけ中に入ることができたんですけれども、これも大臣の配慮で感謝申し上げますけれども、もっともっと、これ地元の声を聞くという観点からまた日程も考えていただきたいし、いろいろ、今五つ決まっているわけですから、この五つを更に動かしていただきたいと思います。
 同時に、その五つの中で、取りあえずこの観光とごみのいわゆる減量をやるとなったですね。このごみの減量は、私は、早くこれも日本の技術なんかを生かした方がいいと思うんですね。これも是非とも進めてほしいんです。私が早くごみをやった方がいいと思うのは、北方四島行った人は分かるとおり、山積みです、ただ捨てているだけなんです。非常にきれいな自然の宝庫である島がもったいないですね。
 この点、このごみの減量もメニューに上がって、お互い日ロでやるということになっていますけれども、この点、大臣のお考えはいかがでしょうか。
#171
○国務大臣(茂木敏充君) まず、こういったパイロット事業を実施をするに当たりまして、北方領土隣接地域、根室市であったり中標津であったり、様々な地域の皆さんに御参加いただく、また、その地域の皆さんの関与であったりとか、それがその地域にも裨益するような事業になっていくということは極めて重要でありまして、今回も御地元から、そういった観光ツアーにも御地元で参加されたいという方がありましたので、どうにか事業の中におかげさまで組み込めたと、こんなふうに思っております。
 そして、ごみ処理のプロジェクトでありますが、おっしゃるように、あの地域、たくさんのごみがあるわけでありまして、今、日本のごみ処理の技術、かなり優れている。かなりというか、非常に優れております。コンパクト化等したりとか、まずはそのノウハウを提供するだけでも相当大きな私は成果につながるのではないかなというふうに思っておりまして、五つありますプロジェクトの中でもこのごみ処理のプロジェクトは特に早めに優先的に取り組む必要がある、また取り組むことができるプロジェクトだと考えております。
#172
○鈴木宗男君 その上で、大臣、国後、択捉、私は世界自然遺産に推薦した方がいいと思っているんです。知床が世界自然遺産です。同じ希少植物や希少動物いますね。とっても自然が美しいところです。私は、文化の面で日ロが協力することには誰も問題ないと、こう思っていますね。
 私は、以前からこの北方四島世界遺産構想というのを持ってきたんですが、外務省は、ロシアが実効支配している未解決の地域だからここは協力しかねるというのが一つの考えだったんですけど、私は、安倍総理が昨年、一九五六年宣言を基礎にして平和条約の締結交渉を加速するということでこれ合意したということで、新たな土俵、舞台ができたわけでありますから、この点、私は、国後、択捉を世界遺産に向けて、私は、日本もここはロシアとしっかり相談していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#173
○国務大臣(茂木敏充君) 日本とロシアの関係、信頼関係を様々な形で醸成をしていくと、こういった観点から共同経済プロジェクトと、こういったものも実施をしているわけでありまして、信頼関係の醸成、また信頼関係の強化につながる様々なアプローチというのは重要なんだと思っております。
 今改めて御提案いただきましたので、現行の形の中でどんなことができるか、ちょっとよく自分なりにも勉強してみたいと思います。
#174
○鈴木宗男君 ありがとうございます。
 私は、これ平和条約を結べばすぐできる話だと思いますので、そういった意味でも、一にも二にもこれまた平和条約ということに懸かってまいりますので、大臣の大きなリーダーシップを期待しているものです。
 あと、大臣、この共同経済活動で一市四町の皆さん方が関心持っているのは、水産物の増養殖事業です。これも日本の持っているノウハウを生かした方がまたロシアの理解も得れると思いますので、この水産物の増養殖事業に関しても、農水省ともよく相談しながら、同時に、地元が一番これはタッチできる事業でもあるということを頭に入れて、来年また事務協議等々あると思いますし、恐らく昨日かおとついも次官協議やっているんですが、モスクワで、そういった様々な場で協議していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#175
○国務大臣(茂木敏充君) 海産物の増養殖につきましては、本年十月に専門家の協議を行いまして、日ロ双方の専門家が魚種やその育成条件について専門的な見地から意見交換を行い、このプロジェクトの、プロジェクト候補の具体化を更に進展させるよう、引き続き精力的に取り組んでいくことを確認をしております。
 かなり絞り込まれてきております。できるものとなかなかできない魚種がありますので、かなり絞り込んだ中でこんな方向でというのを今詰めているところでありまして、この実現に向けては、こういった取組は平和条約を締結する上で大きなプラスになるとの考え方の下、今後とも、先生おっしゃるように、北方領土隣接地域の関与であったりとか隣接地域の裨益、こういった観点も踏まえつつ、精力的に取り組んでいきたいと思っています。
#176
○鈴木宗男君 非常に前向きな今答弁を聞いて、地元の皆さん方もほっとしていると、私はそんなふうに思っております。
 なお、大臣、先ほど私、飛行機を利用するという話しましたけれども、今、墓参でも自由訪問でもビザなし交流でも、「えとぴりか」一隻だけなんですね。五月から十月の頭までもうびっしり、あとロシアからの受入れも入りますから、もう「えとぴりか」の余裕はないんですね。だから、私は飛行機も生かした方がという、しかも、もう既に三回も墓参で使っているわけでありますから、私は、やりやすい、もうレールは引いてあるわけですから。そういった意味で、「えとぴりか」のこれ限界もあるということを踏まえて飛行機という話でありますので、この点、是非とも大臣、前向きに捉えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#177
○国務大臣(茂木敏充君) 今お聞きした範囲において大きな障害があるとは思っておりません。いろんな課題等があるようだったら、ちょっと今回のまずツアーの実施状況を精査した上で来年以降どうするかということになると思うんですが、前向きに検討したいと思います。
#178
○鈴木宗男君 ありがとうございます。
 茂木大臣、私は、日ロ平和条約についてですが、一九五六年宣言が日本にとって領土問題解決の基本的な文書と、こう考えておりますが、いかがでしょうか。
#179
○国務大臣(茂木敏充君) 安倍総理とプーチン大統領の昨年十一月の会談におきまして、この五六年宣言、これを基礎にしながら、領土問題の解決、そして平和条約の締結につなげていく、こういう方針で今後の交渉を進めるということでありまして、私も交渉の責任者としてその方針の下で進めてまいりますが、御案内のとおり、この五六年の共同宣言、これが両国の国会でそれぞれ承認された、何というか、唯一の文書であるということは間違いありません。
 ただ、同時に、それ以外にも日ロ間では様々な、旧ソ連も含めて様々な首脳間のやり取りによりまして様々な宣言というものも行われているところでありまして、そういったものも総合しながら、先ほど申し上げた方針で交渉に臨みたいと思っております。
#180
○鈴木宗男君 もう大臣、さらには前大臣の河野大臣は既にもう十分御認識、頭に入っていると思いますけれども、私は、ここにいる委員の先生方にも、やはり北方領土問題が起きた経緯、歴史の事実を、しっかり真実を認識しなければいけないと、こう思っております。少なくとも、一九四一年に不幸なことに戦争が始まりました。それ以後、どういう経緯であったかということ。
 一九四三年の十二月、カイロ宣言があります。このカイロ宣言では、一九一四年の第一次世界大戦で日本が奪取、占領した領土の返還というものが明確に書かれております。四五年二月にはヤルタ協定がありました。この中には、南樺太をソ連に返還、千島列島をソ連に引渡しとなっております。同時に、このときは密約ですから、日本は知らないでその後のポツダム宣言受諾と行くわけでありますけれども、その一年後にはアメリカ国務省から日本に通告があって、これは公になって、今でも外務省の資料等にもヤルタ協定、皆さん方も学校でも習ってきた経緯であります。そして、四五年の六月には国連憲章ができまして、これも国連憲章には、既に日本は、敵国条項と書かれているわけであります。戦争の終わる三か月前であります。
 四五年の七月、ポツダム宣言が作られました。その八項にはカイロ宣言の履行が書かれております。日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国、諸小島に制限と、こう書かれております。それをもって一九四五年九月の二日、ミズリー号で署名して戦争が終わったということであります。
 よく八月十五日が戦争終結と言いますけれども、十四日にポツダム宣言受諾を受け入れ、決めて、十五日、陛下のお言葉があったということであって、国際法的の戦争終結はこれは九月二日であるということもしっかりこれは事実として認識しなければいけないと、こう思っております。
 そして、一九五一年九月にサンフランシスコ講和条約が結ばれて、その二条(c)項に、日本国は、千島列島並びに日本国が一九〇五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに隣接する諸島に対する全ての権利、権原及び請求権を放棄するとなっております。
 同時に、このときの吉田茂全権の受諾演説も皆さん方には是非とも読んでいただきたいし、読む必要があると思っております。この中でよく、外務省も「われらの北方領土」の中では吉田全権の前段の演説文だけは利用しておりますけれども、第二に、日本はこの条約を受諾するに当たって四五%の領土を喪失するのでありますと明確に述べているんです。それは、樺太も入れば、台湾も入れば、国後、択捉も入っているということであります。これは今でも文書として残っておりますし、これは私も国会図書館でも取り寄せて、これ皆さん方の、いつでも引き出しできますから、ここは是非とも目にしていただきたいものだと思います。
 それを踏まえて、五六年十月に日ソ共同宣言が作られまして、その九項に、ソ連は、日本国の要望に応えかつ日本国の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本国に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本国とソビエト社会主義共和国連邦との間の平和条約が締結された後に現実に引き渡されるものとすると、こう書かれております。
 あわせて、これも皆さん方に分かってほしいのは、日本はサンフランシスコで講和条約に署名しました、いわゆる平和条約に。国際社会に復帰はできましたが、正式な復帰はできませんでした。それはなぜか。ソ連が拒否権を使って、五一年からですよ、国連の加盟は認められなかったんです。この五六年宣言を発して、その二か月後の十二月にソ連の協力で日本は晴れて国連に加盟されたということであります。このことをいかほどの国会議員がしっかり認識しているかどうか、私は、ここら辺がこの領土問題が時間掛かってきた私は問題点もあると思っております。
 同時に、吉田全権が何を言ったかということをここで分かっている先生方が何人いるかということも私はお尋ねしたいぐらいのこれは話であります。
 同時に、この五六年宣言が発せられた頃、東西冷戦が厳しくなってまいりました。そして、一九六〇年には安保条約の改定もありました。ここが大きな転機です。外国軍が駐留する国は領土問題はないという当時のグロムイコさんの話があって、それからまた日本は四島一括返還という強硬な物言いに行ったわけであります。
 この点もどうぞ皆さん、歴史の事実を踏まえて、私はこの平和条約交渉は世論喚起と、さらにバックアップ体制を取るべきだと、こう思っております。
 その後、田中角栄先生がモスクワに行って、平和条約交渉を継続するというだけの合意で、領土問題についての具体的な話はなく、ずっと来ました。
 そしてまた、皆さん、大きな転機は九一年であります。ソ連が崩壊してロシア連邦共和国になりました。十二月に正式にロシア連邦共和国でありますけれども、その前年の九月にロシア共和国、エリツィン大統領がなっております。
 そして、エリツィン大統領はこう言っております。戦後の国際社会の枠組みは、戦勝国、敗戦国に分けられているが、私はその垣根を取っ払う、クリル、いわゆる千島です、千島列島ですね、これは未解決の地域だから、法と正義に基づいて話合いで解決すると言ってくれたんです。
 当時は海部政権でした。中山太郎さん、あのお茶の水博士みたいな頭した外務大臣が、十月、モスクワに行ってですよ、そこで日本は四島一括返還の旗を下ろしたんです。いわゆるソ連の変化を鑑みて、四島の帰属の問題を解決して平和条約の締結、大きくかじを切ったということ。今でもこの国会で四島一括返還が日本の国是だと言う国会議員はいますけれども、しっかり私はこれは勉強してもらいたい。外交は積み重ねでありますから、信頼でありますから、このことを私はしっかり踏まえなければいけないと思っております。
 その後、橋本政権でのクラスノ合意だとか、あるいは小渕政権でのモスクワ宣言もありましたし、森総理の二〇〇一年の三月二十六日のイルクーツクが一番近づいたと思います。しかし、その後、残念ながら、小泉政権ができて、空白の日ロ関係十年になって、今、日ロが具体的に動き始めたのは七年前から、安倍総理が復帰してからであります。で、その間もウクライナ問題等がありましたけれども、安倍総理は地道に努力されて、今、先ほど茂木大臣からもお話があったように、二十七回の首脳会談、今度行えば二十八回目まで来ております。
 そして、昨年の十一月十四日、大きな決断をされております。私は、この安倍総理の判断しか領土問題の解決と平和条約の締結はない、歴史の事実を踏まえてもですね。
 当時、東西対立の中で日本も翻弄された場面もありましたけれども、しかし、間違いなく今、日ロ両首脳は、平和条約の重要性と、さらに日ロ関係の世界における大きな価値、重みというものを踏まえて私は交渉されている。その点でも、是非とも私は茂木大臣には、五六年宣言を基礎にして安倍総理がカードを切った、これはもう河野大臣のときでもありますから、このお二人が外務、防衛の両大臣でいるわけでありますから、国家の基本は国家安全保障と外交でありますから、しっかりここはスクラムを組んで、私は、茂木大臣にはより一層安倍総理を支えていただきたいし、現実的解決するしかないと、こう思っておりますので、この点、茂木大臣の決意と将来に向けてのタイムスケジュール等、分かる範囲で、細かな中身は結構であります、外交でありますから。大きな柱だけを国民に訴えていただきたいと、こう思いますのでよろしくお願いします。
#181
○国務大臣(茂木敏充君) 今、鈴木委員の方から、私も含めここにいる委員の皆さんに対して、鈴木委員が熱心に取り組んでこられたこの北方領土問題について、カイロ宣言、ヤルタ協定からポツダム宣言、そしてサンフランシスコ講和条約に至る過程、その後の過程、様々な日ロ間の合意等につきましてお話をいただいたところであります。我々としても、鈴木委員と同じように、この問題を何とか解決をしなければいけない、そんなふうに思っております。
 今、この東アジアの情勢、これが緊迫化の度を増す中で、このアジア地域において唯一、ジグソーパズルでいいますと抜けてしまっている大きなピース、これがまさに日ソの平和条約だと考えておりまして、それができることによって、これは日ロ間だけではなくて、地域全体の安定、そしてまた発展にもつながっていく問題だ、こういう思いで、安倍総理そしてプーチン大統領は、自分たちの手でこれを解決すると、次の世代に先送りはすることはない、こういう強い意思を確認しております。その下で、私も交渉責任者として全力を尽くしたいと思っております。
#182
○鈴木宗男君 時間ですからこれでやめますけれども、委員長始め委員の皆さん方も、ここは私はオールジャパンで安倍総理を支えることが平和条約締結の一番の道だと思いますので、是非とも、この歴史の事実を踏まえていけば、安倍総理が決断した道が一番現実的な解決論だということはお分かりいただけると思いますので、この点、私は、委員の皆さん方にも是非ともなる御理解と御協力をお願い申し上げて、質問を終えらせていただきます。
 大臣、ありがとうございました。
#183
○委員長(北村経夫君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   正午休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#184
○委員長(北村経夫君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、外交、防衛等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#185
○松川るい君 自由民主党の松川るいです。
 質問の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。実は私、外交防衛委員会で質問させていただくのは今日が初めてであります。本当に、両大臣、先ほどどなたかもおっしゃっておられましたが、ゴールデンコンビということは私もまあ同感だと申し上げた上でですが、ちょっと、実は質問通告、十月三十一日にして、随分前でしたので、働き方改革の観点から大変良かったと自分では思っているんですけど、ちょっと順番を、現下の情勢に鑑みて変えさせていただくことをお許しいただきたいと存じます。
 順番は、今日私の問題意識は、予算委員会でも少し触れたんですけれども、やはり今、米中の覇権争いであるとか、それからアメリカ・ファーストでいろんなところで力の空白というのが生じている部分がアメリカのコミットメントについてあると。日本は、日米同盟は強固なわけですけど、そういう中で日本のサバイバルというのがやはりこの歴史的転換期の中で非常に重要で、今までの従来どおりということではいかないなというところがいろいろ、これは外交、防衛だけではないんでしょうけど出てきているという問題意識の中で、やはりインド太平洋戦略、それから自主防衛の強化が必要でありますし、加えて、やはり今朝からも議論になっておりますが、日本にとって近隣諸国、これはロシア、中国、北朝鮮、韓国、まあモンゴルはもう既にいいわけですけど、近隣諸国との関係というのをやはり安定的なものにしていくというのが、日本が人口減少していく中で負担を軽減するという観点からも大変大事だと思っているということでございます。
 まず最初に、韓国についてお伺いしたいと存じます。
 今、やはり韓国と日韓関係は非常に、戦後最悪と言われる状況でありますし、その原因は、旧朝鮮半島出身労働者問題の判決が、結局、日韓請求権協定という現在の日韓関係を覆すような違反状態をつくっているということにあるわけであります。最近は文喜相議長が来ていろんな案を、解決策の案というのを出されたり、韓国国会でも何かいろんな案が飛び交っているやに聞いているんですけれども、これは政府の案ではありませんし、韓国政府が。私、次の現金化の後は、になると、もう本当に対抗措置を打つなどになってしまうと、もう日韓関係がもう一段悪くなって収拾が付かなくなるなと思うものですから、是非ここは何らかの形で日韓政府が知恵を、ここは解決策を、知恵を出し合うことはいいことだと思っておりまして、知恵を出し合って、何とかその違反状態を解決できるような、解決策というのを模索していただきたいと思うのですけれども、取組状況やそれから御方針などについてお伺いできれば幸いです。
#186
○国務大臣(茂木敏充君) 松川委員には、外務省時代もまさに女性活躍のシンボルとして御活躍いただき、今は参議院で頑張っていただいているわけでありますが、確かに日本を取り巻く様々な環境、大変厳しくなる中で、北朝鮮問題等について今ほど日韓の連携というのが、日米韓の連携というのが重要な時期はないと、このように考えておりまして、未来志向の日韓関係をつくっていくということが重要だと思っております。
 ところが、韓国、旧朝鮮半島出身労働者問題をめぐる問題で現在に至るまで国際法違反の状態を是正せずに、また原告側によります資産の差押えの動きが進んでいることに対して、政府、これを深刻に受け止めているところであります。これが現金化が進むということになりますと、更に事態は深刻化すると。九月、国連総会の際に行いました日韓の外相会談におきましても、日本側としてこの問題について強い懸念、これを表明したところであります。
 いずれにしても、日本企業の正当な経済活動の保護の観点から、引き続き関係企業と緊密に連携を取りつつ、あらゆる選択肢を視野に入れて、毅然として対応していく考えであります。
 もちろん、外相含め、外交ルートでの意思疎通と、こういったものはしっかり図っていきたいと思っておりますが、今ボールは韓国側に間違いなくあります。韓国側の方からしっかりした回答を出す、このことが何よりも重要だと思っております。
#187
○松川るい君 韓国側にボールがあって、韓国が案を示さなければならないということは全くそのとおりであります。私も、この問題については日本は毅然とした態度をやはり続けて、しっかりと、もう文在寅大統領からリーダーシップを取って解決をしなければならない、韓国政府が責任を取って解決をするということを決断してもらうということが大事だと思っているところです。
 私も韓国に三年ほど駐在しておりまして、韓国の民主主義国であるがゆえの難しさというか、やはり国民情緒といいますか、それが、国際法の観点とかいろんなことを言うと、日本の主張が正当なことには一点の曇りもないと私は思うんですけれども、韓国の世論というのは非常に、何というか、なかなか難しいものがあるなというのは自分の実感としてもあります。
 で、私は、日韓請求権協定のこの問題についても、法律論は既にもう日本は完璧にやっているんですけど、少し相場感というんでしょうか、良識といいますかコモンセンスというか、そういうものをもう少し出したら韓国世論にも多少のポジティブな影響があるんじゃないかと思っております。
 それはどういうことかというと、日本は韓国に五億ドル払って、一九六五年時点で個人の請求権を含めて二国間の請求権をセトルしたというのが、これが日本政府が発信していることでありまして、これは正しいんですけれども、ただ、全体で見ますと、実はそれだけではないんですよね。
 私は、やはり、当時、六五年当時の日韓の、韓国の国家予算は三・一億で、それを、五億ドルだから一・六倍だと。もうそれだけでも巨額なんですけれども、それだけではなくて、当時、在外、日本人の、私人もそれから国有財産も全部含めてですけれども、在外資産というのを全部放棄をしているわけであります。これは、民間の人の分だから日本政府が出したものじゃないじゃないかというのは、これはそうではないと私は思います。なぜならば、日本国民をして、その在外資産、国民分、国有財産分全部放棄させたんです。それは日本の責任でそうしたわけです。その額は幾らかと。これは、正確な額はなかなか難しいという指摘もありますが、終戦直後にGHQが引揚者からの在外財産報告書や日本側関係当局からの資料を集めて推計したとする情報によりますと、在朝鮮半島日本財産は、国有財産、企業財産、個人財産合わせて約五十二億ドル、うち南朝鮮分は二十二・七億ドルという情報が私は持っております。
 これは、総計しますと、さっきの五億ドルと合わせると、二十三億ドルが韓国分とすると三十億ドル、これ実は終戦直後なので、六五年当時はもっと増えていたと思うんですよ、ドルの価値が上がっていたと思いますから。しかし、三十億と仮定したとしても、当時の韓国の十倍の国家予算に当たる分を日本は韓国に引き渡してきたわけであります。
 私は、一般の韓国の国民の方だって、いや、国家予算の当時の十倍を日本は渡して、そして韓国は発展したんだと、しかも、交渉過程において、個人の請求権についてはこちらからオファーをしたのに、韓国政府は、それでは取り分が減るから嫌だと、全部まとめて渡してくれれば自分が責任を持って分配するといって一括解決になったんだと、こういうことが分かれば、もう少しその反応が違うと思うんです。
 韓国メディアも韓国政府も言わないんですから、是非、私は、今後説明をするときに、在外資産についても検討、含めて発信をしていただくのがよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#188
○大臣政務官(尾身朝子君) 日韓国交正常化に当たっては、十四年に及ぶ長い交渉の結果、当時の韓国政府の国家予算の約一・六倍に当たる五億ドルを日本政府から韓国政府に供与するとともに、両国及びその国民の間の財産請求権に関する問題につき、完全かつ最終的な解決を確認しております。
 また、終戦直後の連合国最高司令部の推計によれば、在朝鮮の日本企業財産及び個人財産の合計は約四十二・五億ドルとされ、そのうち南側は約十八・三億ドルとされておりますが、日韓国交正常化までにこれらの在韓財産についても全て放棄しております。
 韓国側が大法院判決によって、日韓請求権協定に明確に違反し、日韓関係の法的基盤を根底から覆していることは極めて遺憾に存じます。韓国側には、引き続き、賢明な対応を強く求めるとともに、国際社会にも我が国の立場をしっかりと伝えてまいります。
#189
○松川るい君 ありがとうございます。
 今お調べいただいたような数字もあるわけですから、私は是非、韓国の、リーガルな主張だけではなくて、韓国の一般国民の良識ある方々の心に届くように、あっ、そうだったんだと、なるほど、それだけいただいておけば、今更蒸し返すということがどれぐらいのことなのかと、それで本当に日韓関係が駄目になっていいのかということに関して、心ある人は思いを致してくれると私は思っております。
 同じ観点からなんですけれども、先般の予算委員会で私、旭日旗ですね、これは日本の正式なナショナルフラッグで、自衛艦、自衛隊が現在は使っている旗でありますが、これを軍国主義の象徴であるということを喧伝して、オリンピック、来年の、我が国がまさに国運を懸けてやろうとしているオリンピックに向けても使うべきではないといった主張を、オリンピック委員、それから各国に対して繰り広げています。
 これは、もちろん働きかけをしっかり外交当局からなさっていただいているとは承知しますが、しかし、やっぱり、韓国の一般の国民の方にもそれがいかにおかしなことなのかと、大漁旗で使っています、本当に昔から日本が使ってきたもので、まあ言ってみれば朝日ですから、アリゾナ州から、それからアリゾナ州旗にも、それからマケドニア国旗にも使われている、そういう一般的なものなんだということを是非発信してもらいたいとお願いを申し上げて、その場で茂木大臣からは、韓国語版のホームページの発信、善処しますという前向きな御回答をいただきました。本当に感謝をしています。
 あれが十月十六日なんですけれども、現在の進捗状況ですね、お伺いできますでしょうか。
#190
○大臣政務官(尾身朝子君) 委員御指摘の資料の韓国語版作成や資料へのアクセス改善を含めまして、旭日旗に関する対外発信の在り方については、十月十六日に茂木大臣が答弁させていただきましたとおり、前向きに検討しているところでございます。
#191
○松川るい君 ありがとうございます。引き続き、よろしくお願い申し上げます。
 そしてまた、私はやはり、日本の長期的な立ち位置を考えると、国際的な発信力というのを高めておくことが非常に大事だと思っております。そうなりますと、一つ非常に重要だなと前から思っているのが国際機関のトップ、それから、できればUSGとか、アンダー・セクレタリー・ジェネラルとか、アシスタント・セクレタリー・ジェネラルというのが、ASGというのが、この局長級、省庁でいうところの、そして、USGというのは、何でしょうね、外務審議官とか、いや、次官ぐらいなんですかね、大臣がトップだとするとですね。
 とにかく、そういうトップレベルの人材をもっと日本人が取るべきだと。特に、国際機関も聞くところによると百三十ぐらいあるということで、非常に多数ありますので、重要な、日本として重要だと思う国際機関をリストアップし、そこに計画的にいい人材を送り、日本人を送り込んでいくということが大変国際的な発信力、そして日本の発言力を確保する上で重要だと思っております。ただ、今はトップレベル人材というのがちょっと、トップレベル人事に日本人が結構少ないんじゃないかと思うんですね。
 現在、どのような答え方でも結構ですが、ASG以上とかUSG以上とかで日本人の幹部は何人ぐらいいるのか、教えていただけますか。
#192
○政府参考人(山田重夫君) お答え申し上げます。
 今、御質問のございましたASG以上、国連の事務次長補以上でございますけれども、それに相当する幹部ポストには十一名の日本人が就任しております。
#193
○松川るい君 ありがとうございます。
 この十一人が多いか少ないかというのはこの数字を聞いただけでは分からないので、できれば他国ですね、例えばフランスとか中国とか、他国との比較でもう少し詳しく教えていただけますでしょうか。
#194
○政府参考人(山田重夫君) 先ほど私が申し上げました数字は、日本の外務省として計算している日本人の就任人数で十一名と申し上げました。これは、昨年の二〇一八年十二月末現在でございます。
 別途の統計といたしましては、国連が作っている資料がございます。国連が作っている資料を拝見いたしますと、これは今年の十月時点ということでございますが、アメリカ人が二十六名、イギリス人が十二名、日本人は六名という形になっております。ちなみに、中国人は三名というふうに承知しております。
#195
○松川るい君 ありがとうございます。
 済みません、数字ばかり聞いて本当に申し訳ないんですけど、でも、もう一つ教えてください。
 じゃ、トップレベル、ASGというのは局長級以上なんですね。日本は、そのトップ、いわゆる機関の長は何人いるのか、USGは何人いるのか。そして、それは英国、まあ英国は英語圏なんでちょっと、少しげたを履いているところあると思うんですけど、まあフランスとかですね、比較で、皆様に分かるように、相場感が分かるように教えていただけると有り難いんですけど。
#196
○政府参考人(山田重夫君) ただいま手元にある資料によりますと、USG、これはアンダー・セクレタリー・ジェネラル、事務次長クラスでございますけれども、日本人は三名、国連アフガニスタン支援ミッション事務総長特別代表、それと、国連事務次長軍縮担当の上級代表でございます。それと、人間の安全保障事務総長特別顧問、この三名が日本人として就任いたしております。それ以外の国につきましては、大変申し訳ございません、今手元に数字ございません。
#197
○松川るい君 過去に日本がトップを取っていた一番最大の人数って何人なんでしょうか。お分かりになりますでしょうか。済みません。
#198
○政府参考人(山田重夫君) 済みません、今手元に数字ございません。
#199
○松川るい君 申し訳ありません。元先輩に大変恐縮です。失礼いたしました。
 要するに、日本人は、いないわけではないけれども、かなり少ないというのが現実です。
 私は、人事というのは、皆様も、先生方も三年後に選挙があって、私もそうなんですけど、参議院選挙と同じで、国際機関の人事というのは、いつ空くのかというのはもう何年も前から分かっているわけであります、任期が決まっていますので。
 つまり、私が是非お願いしたいのは、そこに人材を送り込もうとすると、例えば、トップレベルであれば、国連だと、なんかだったりすると、やっぱり元首相じゃないと駄目だとか、有名どころのユネスコとかWHOとか、そういうところだと元閣僚とかが多い、ぐらいですねとか、まあそうじゃないトップの行政官ということも専門性によって多いわけでありまして、別に元大臣じゃなきゃなれないということは全く、むしろない。ただ、その専門性のある分野において一流人材であるということは必要だと。英語もできないといけないとか、いろんな多分国際機関によってリクワイアメントがあって。
 で、ここからなんですけど、要するに、何年も前から大体のキャンディデートを決めて候補者を見繕っておいて、そして、例えば何とか大使だとか、その人のポストは、じゃ、この機関に行くんだったらこれを、この畑を経験させてみようとか、いろんな、そこに送り込める人材の、CVに書き込めるものをたくさん付けながら育てていって、それでやっと勝負になるということでありますので、何年かの長期計画で、十年とは言いませんけど、五年ぐらいの長期計画で人材を発掘し、そして箔を付け、そして選挙で日本得意の選挙戦展開していただいて送り込むという、そういう戦略が必要だと思いますが、どのような方針で現在取り組んでおられるのか、そして、今後そのような方針を取っていただくことについて御検討いただけるか、教えていただけますでしょうか。
#200
○国務大臣(茂木敏充君) まず、この機会に、国連難民高等弁務官、そしてJICA理事長等を歴任された緒方貞子さんが先月の二十二日にお亡くなりになられたことに対して、その高い御功績に改めて敬意を表し、御冥福をお祈り申し上げたいと思います。
 緒方さんに続くような人材、国際機関の幹部ポストの獲得というのは極めて重要な外交政策上の課題でありまして、まさに私の指揮の下、次官や総合外交政策局長にとどまらず、総合外交政策局が主導します日本人国際機関職員増強タスクチーム等を通じて、各局長、そしてまた、関係の在外公館の大使、さらには関係省庁も一丸となって取り組んでいるところであります。
 御指摘のとおりに、こういった国際機関幹部ポスト、一朝一夕には獲得できないわけでありまして、恐らく五年、十年単位で人材育成をすると、そして人材のリストを作り、人材のプールをすると、そういったきめ細かい対応が必要だと思っておりまして、外務省としては、長期的な視点に立って国際機関における日本人の採用や昇進への支援を実施をしていきたいと。
 更に申し上げると、やはりロールモデルになるような人って必要なんだと思います。若い人で、国内にとどまるだけではなくて国際機関で働いてみたいというときに、ああいう緒方さんのような人がいるとか、誰々のような方、人がいると。じゃ、自分は今大学で国際関係論を勉強しているけれども、そういう道に進んでみたいという人も必要でありまして、そういったロールモデルをつくっていくということも極めて重要だと思っております。
#201
○松川るい君 大臣、ありがとうございます。
 私も緒方貞子さんにとても憧れて、それだけが理由ではありませんけれども、外交を目指すことになったなという、そういう思い出がございます。本当に御冥福を私もお祈りしたいと思いますし、また、今大臣から、タスクチームでしっかりと各省とも連携をしながら、また高い関心を持って、大臣御自身も高い関心を持って主導していただけるという趣旨の御発言をいただいたと思います。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 特に、これは財務省ポストだとか、これは外務省ポストだとか、そういうことを言っている場合ではない場合もあると思うので、もう本当にオールジャパンで、民間からも含めまして良い候補者を早く探し出して、大臣、そしてまた高いレベルの省内の幹部のアテンションを持って率いていただいて、日本人の幹部を世界の国際機関で増やしていただくということをお願いしたいと存じます。
 次に、ちょっと中国についての質問をさせていただきたいと存じます。
 中国、来年は習近平国家主席の国賓訪日というのも予定されているということでありますし、今、米中関係が良くないことの反射的な効果も一部あるとは思いますが、やっぱり米中関係に関係なく、日中というのは独自の生産的な関係、安定的な関係をつくっていただくことが日本の長期的な国益にとって極めて大事だと思っております。
 この前、予算委員会では総理の方に質問させていただいて、そういう安全保障面ではしっかり毅然と対応しながらも、しっかり日中関係を、正常な軌道に戻しただけじゃなくて一段高めていくのであるという御答弁をいただきました。
 日中関係は、日本はアメリカと違って隣の国、地理的に近いので、安定的関係が死活的なのは当然なんですけれども、ただ、安全保障面ということに目を転じますと、日中関係は改善、全体としてはしていますけれども、全く安全保障面では私、反対に中国の圧力というのはどんどん増えていますし、むしろ悪化していると言うべきだというふうに認識をしています。
 具体的にお伺いしますけれども、領土問題は、朝にも御議論があった北方四島、これロシアと交渉中と、竹島については、ICJ提訴を持ちかけたけど韓国が拒否をしているという状況、尖閣諸島というのは、我が国固有の領土であって領土問題は存在しないというのが、しないんですけれども、しかし中国は違う主張をしていると。しかし、日本が実効支配をしている、そういう、他国から文句を付けられているけど実効支配をしている唯一の領土でありまして、非常にここが日本の領土であり続けるということは極めてもう大事だと。これ、単に領土が戦略的価値がどうとかそういう話ではなくて、主権国家としてもう死活的だと思っております。
 じゃ、その尖閣とその周辺に対する中国の行動というのはこの十年ぐらいでどう変わってきたのか。特に現在は、今この一年ぐらいで好転しているという日中関係の中で、現在は、この一年ぐらいでじゃ尖閣諸島の周りというのが、の安全保障状況、中国からの圧力というのは好転したのかどうか、教えていただけますでしょうか。
#202
○政府参考人(槌道明宏君) 東シナ海におきまして、中国海軍艦艇は尖閣諸島周辺を含めその活動範囲を一層拡大しておりまして、昨年一月には潜没潜水艦及び水上艦艇が同じ日に同諸島周辺の接続水域を航行するなど、力を背景とした現状変更の試みを継続している状況にございます。
 また、中国の公船でございますけれども、二〇〇八年十二月に初めて尖閣諸島周辺の領海に侵入し、近年では、我が国の強い抗議にもかかわらず、月におおむね三回の頻度で尖閣諸島周辺の領海への侵入を繰り返しております。また、その運用体制は着実に強化されているものと考えられまして、具体的には、近年、尖閣諸島近海に派遣される公船の大型化が図られております。また、機関砲と見られる武器を搭載した公船が侵入するようにもなっております。
 そうした中、昨年七月には、こうした公船が所属する中国海警部隊を中国海警局といたしまして、中央軍事委員会による一元的な指揮を受ける人民武装警察部隊、いわゆる武警に編入をいたしたと承知しておりまして、こうした体制変更につきましても、現在進行中とされる軍改革の進展と併せて注視していく必要があると考えております。
#203
○松川るい君 注視だけじゃなくて対処もしていただいていると思っております。
 二〇〇八年に一番最初に来たときに中国が何を言っていたかというと、日本には、これからしょっちゅう尖閣に行くので慣れてもらう必要があると中国は言っていたんです。実際に、私たちはもう尖閣諸島に日々、領海は月二、三回ですけど、そうじゃない接続水域は毎日来ているわけですね。慣れちゃっているんですよ。ニュースにもならない。でも、今まさに防衛省から御説明があったように、サラミ戦術は明らかじゃないかと思いますので、ここは絶対に手が出せないというようなニューサンスバリューをつくっていただくという防衛体制をお願いしたいと存じます。
 もう一つ私が大変気になっていることが、南西諸島方面だけじゃなくて日本海方面の方にも活動領域を広げていると。これは北極海航路ができることを前提に、日本海というのが次のシーレーンになるということを前提に行動しているんじゃないかと私は思っているんですけれども、その中で、単に範囲が広がるだけじゃなくて、やはり中国とロシアの軍事協力が進んでいるように見受けられます。
 この同盟とかはちょっと今年の、先月の初めにプーチンさんが言って、プーチン大統領が言及していたような気もしますけど、この日本海域方面における中ロの軍事的協力とか行動、演習なんかもありますが、この中ロの軍事協力についての評価と、それから、どのように対処していこうとか見ていこうということについて御見解があれば教えてください。
#204
○政府参考人(槌道明宏君) 中ロ両国は従来から共同訓練などを実施しておりまして、例えば、二〇一二年以降、中ロ海軍による共同演習、海上協力を黄海、東シナ海、日本海などにおいて実施してきておりますが、本年七月二十三日には、中国の爆撃機H6二機及びロシアの爆撃機TU95二機が日本海から東シナ海までの長距離にわたる共同飛行を実施いたしました。自衛隊として中国とロシアの爆撃機による我が国周辺での長距離共同飛行を確認したのは本件が初めてでございます。こうした動向に加えまして、本年九月六日、中ロ両国は、軍事及び軍事技術協力に関する文書に署名したとされておりまして、中ロの軍事協力は進展していることがうかがわれます。
 同盟関係についての御言及がございましたけれども、ロシアのプーチン大統領は、完全な意味での全方面における戦略的パートナーシップの同盟関係であるということを述べたというふうに承知していますけれども、一方におきまして、中国国防部の報道官が、中ロ関係は軍事同盟関係とは完全に異なるものであると述べるとともに、ロシアのラブロフ外相が中ロ両国とも軍事同盟を設けることは計画していないと述べていると、一方においてはそのように承知しております。
 いずれにいたしましても、この中ロの軍事動向につきましては、引き続き重大な関心を持って我々としても対応してまいりたいというふうに考えております。
#205
○松川るい君 ありがとうございます。
 日米同盟は最強の同盟だと私は思いますけど、日米に匹敵できるのは中ロだけだと思うので、是非注視をしながら対処も長期的に考えていただきたいと思います。
 と同時に、やはりロシアとの日ロ関係の改善、日中関係の改善ということが、地理的に近接して、かつ軍事面では圧力がある中で、非常に日本の安全を守る上では外交の努力も大事だというふうに思っております。そしてまた、中ロが建設的なパートナーになっていくような形で、この地域の、地域全体を考えるといったことも必要ではないかと思うところでございます。
 同時に、日ロ、日中、良好な関係をつくるためには、力がある国にしか反応しない国ですので、是非防衛力の強化もお願いしたいと存じます。
 次に、日中関係改善の中で私が非常に心を痛めている案件がやはりございまして、それは四十代の邦人の男性が拘束をされているという事案なんですけれども、これ、総理も度々首脳会談の場でももちろん取り上げていただいているとは承知するんですけど、この四十代の邦人男性の拘束事案が解決されないままで国賓来日をして、本当に日中関係が次の段階に上がったというような雰囲気になるのかということが心配であります。
 今どのような取組をされているのか、もちろん個人のお話ですので制約はあろうかと思いますが、教えていただければ幸いです。
#206
○国務大臣(茂木敏充君) 在外での邦人の安全確保、そして邦人の保護は、外務省としても最も重要な業務の一つであると考えております。
 本件につきましても、これまで領事面会であったり、御家族との連絡等、できる限りの支援をしてきておりまして、引き続き、御家族の心情を踏まえつつ、御家族に寄り添いながら、早期の解決に向けて最大限の支援を行っていきたいと思います。
 また、一連の邦人拘束事案につきましては、先月の王岐山国家副主席によります安倍総理の表敬や先般の李克強中国国務院総理と安倍総理の日中首脳会談においても、中国側に対して前向きな対応を強く求めておりまして、今後、引き続き様々なレベル、機会を捉えて中国側に対して前向きな対応を求めていきたいと思っております。
 日中関係、今正常な軌道に戻っていると。しかし、安全保障面、そしてこういった問題について課題があるわけであります。こういった課題を適切に処理していくためにも、様々なレベルで会談を持って、そして解決していく、こういった努力が必要だと思っております。
#207
○松川るい君 ありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。そのような決意で取り組んでいただけることを感謝いたします。
 邦人拘束事案については、多分中国は大したことないと思ったんじゃないのかと思いますけど、これは、この委員会、中国が見ているとは思いませんけど、本当に大したことなんだと、重大なことなんだということを改めて申し上げて、解決に向けての取組を引き続きお願いしたいと存じます。
 最後に、北朝鮮についてお伺いしたいと思います。
 北との関係も、私は、行く行く諸懸案を解決して、是非正常な関係を取り戻すことが日本の長期的な戦略として非常に大事だと思っているわけですが、現在、北朝鮮のやっぱり安全保障面の方を見ますと、ミサイル技術の向上、しかも、もうしょっちゅう撃ってきて数えられないぐらいなんですよね。
 我が国は、こういう北朝鮮のミサイル技術が非常に向上している中、どのように我が国を守っていくということなのか、教えていただけますでしょうか。
#208
○政府参考人(槌道明宏君) 北朝鮮は、二〇一六年から一七年にかけまして四十発の弾道ミサイルを発射いたしました。また、今年に入りましても、弾道ミサイルなど二十発を超える頻繁な発射を繰り返しておりまして、その中でミサイル技術の高度化を図っているということは明らかでございます。
 例えば、移動できる車両に搭載したミサイルを用いることによりまして、いつでもどこからでも発射をできる、そうした形によりまして秘匿性や即時性を向上させる、あるいは奇襲的攻撃能力を向上させる、また、SLBMを用いたり、あるいは固体燃料化を推進しているというようなところでございます。また、正常の軌道よりもより高い軌道で発射する、ロフテッド軌道と言われる、そうした発射も行っております。
 これに対しまして、我が方といたしましては、新たな防衛大綱、中期防の下で、イージス艦の増勢、あるいはPAC3の能力強化に加えまして、常時継続的な迎撃態勢の維持ですとか、先ほど申しましたロフテッド軌道にも対処できる、あるいは同時発射された複数のミサイルにも対処できる、そうした能力の向上のためにイージス・アショアの導入など、ミサイル防衛能力の強化を着実に進めているところでございます。
 さらに、我が国に飛来し得るあらゆる空からの脅威に対処できるようにするためには、ネットワークを通じまして、弾道ミサイル防衛用の装備品とそのほかの防衛のための装備品を一体的に運用する、そういう総合ミサイル防空能力の強化、このための取組が必要と考えておりまして、それを進めているところでございます。
#209
○松川るい君 ありがとうございます。
 私も、イージス・アショアは絶対にそういう観点から必要だと思っていますが、しかし、イスカンデルみたいに段階を飛ぶような軌道とか、さらに飽和攻撃なんかがあると、本当にそれだけで守れるのかということは、非常に技術的に困難ではないかと思います。
 そう考えますと、この現実に対処するためには、やはり敵基地攻撃能力とか、ただ、敵基地攻撃能力も敵基地が分かればいいですけど、今おっしゃられたように、どこに潜っているか移動式で分からないとかいろんなことがあるわけであります。私は、通常兵器による抑止力ということを日本は真剣に考えた方がいいんじゃないのかなと思いますが、どのように思われますでしょうか。
#210
○国務大臣(河野太郎君) いわゆる敵基地攻撃は、これは日米同盟の中で我が国は米国に依存するということにしておりまして、これを変えるということは今考えておりません。
#211
○松川るい君 ありがとうございます。
 もちろん、いろんなこれはことを考えないと、軽々に話ができるものでないことは重々承知ですけれども、最後に、盾で防ぎ切れないときは抑止するしかないというのは、これはもう軍事の中の常道というか、そんなことは大臣は百も御承知でそうお答えになっていると思うんですけれども、私は、是非、どうやったら本当に現実的に日本の国を守れるのかということをやっぱり考えないといけないときがそのうちというか、もう来ているんだと本当は思うので、是非いろんな観点から御検討をお願いしたいということをお願いとして申し上げておきます。
 最後にサイバーについてお伺いしたいと思います。
 今のはミサイルという目に見える兵器で、これは私は日本も同じような、まあ何というか、通常兵器による抑止しかないんじゃないのかなと思ってはいるんですけれども、サイバーというのは、これは国の大小とかお金の多寡とかということが余り関係のない非常にフラットなフィールドで、だからこそ北朝鮮始め、が非常に得意な分野であるんじゃないかなと思うんですけど、これ、北だけじゃなくて中国も非常に力を入れておりますし、ロシアもそうでしょうし、アメリカもだと。
 このサイバー部隊ですね、日本もつくったというふうに承知はしておるんですけど、一体どのような現状なのか。今私が名前を挙げたような国との比較で現状を教えていただければ幸いです。また、今後の方針もお教えください。
#212
○政府参考人(鈴木敦夫君) 諸外国の軍のサイバー関連部隊の規模につきましては、各国の軍のサイバー関連部隊が具体的にどのような任務を担っているのかについて明らかでない部分も多いことでございますので、その規模を単純に比較することは困難でございますが、その上で申し上げれば、各種のその公刊情報によれば、米国についてはサイバー任務部隊が六千二百名規模、それから中国においては戦略支援部隊隷下のサイバー攻撃を担当する要員数は約三万人、ロシアにおきましてはサイバーセキュリティーを担当する部隊の要員数は約千人、北朝鮮においてはサイバー戦を担当する要員数は約六千八百人といった指摘があるというふうに承知してございます。
 自衛隊でございますけれども、自衛隊につきましては、サイバー関連部隊の体制について申し上げますと、令和二年度におきまして、陸海空自衛隊の共同の部隊でございますサイバー防衛隊、この体制を約二百二十名から約二百九十名に拡充するほか、陸上自衛隊におきましては、今、仮称でございますけど、サイバー防護隊という百四十名の部隊を新編するなどの要求を行ってございます。
 これらの要求によりまして、令和二年度末において、自衛隊のサイバー関連部隊の体制というものは、令和二年度末時点におきまして約六百六十名へと拡充するように取り組む考えでございます。さらに、これについては、中期防の最終年度、令和五年度でございますが、これをめどに全体として千数百名の規模まで拡充するように努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#213
○松川るい君 今は本当に大きな差が、例えば百人対六千人とか三万人とかあるわけですけど、政治の方でもしっかりこの拡充ができるように応援をしていきたいと思うので、是非サイバー能力の向上に努めていただき、防護能力の向上に努めていただきますようにお願いを申し上げます。
 あと、もう時間がないので、質問じゃなくて、時間がある間に、お願いといいますか、サイバーについて、私、もう一ついいことがあると思っていまして、イスラエルに六月に行ってきたんですけど、イスラエルでは、全員皆兵、女性も男性も皆兵なので、日本でいうところのどこの大学出身というのがどこの部隊出身みたいな、そういう質問が交わされるわけなんですが、サイバーとかインテリジェンス出身というのはもうすごいハイテクで、大体そこの出身者は軍を出たら仲間とチームを募ってスタートアップしてもうけるというのが結構あるわけですね。
 やっぱりサイバーとか、インテリジェンス部門もそうなんですけど、非常に、第一級、第一線の技術を使わないといけない分野が拡充するというのは、やはりその組織全体の、何というんですか、イメージを上げるといいますか、高度な組織なんだということで、イメージを上げることにもなると思いますし、またそこでの能力というのが、他国の例でいくとうまく生かされている場合もあるので、自衛官になりたいという方が、若者が増えるとか、また、自衛隊に入った後にそれを卒業とか途中中退されたときに有利であると、自衛隊出身なのか、すごいと言ってもらえるようなそういう組織になる、そういうことへの波及的効果というんでしょうか、副次的な良い面も、良い影響もあるかと思いますので、あわせてそういう観点からもサイバーを応援したいと思っているということを申し上げたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#214
○山田宏君 自由民主党・国民の声の山田宏でございます。今日も日本の尊厳と国益を守るという立場から質問をさせていただきたいと思います。
 まず、茂木外務大臣、また河野防衛大臣、御就任おめでとうございます。
 茂木大臣は、私は、非常に皆さんが認める、頭脳明晰でありつつも、もう一方で大変なタフネゴシエーターで、今回の貿易協定も、それまでの経済関係の担当大臣として相当やはり手ごわい相手に向かってすばらしい交渉をされてこられたと、日本人の中では珍しいと、こう思っておりまして、是非これからも頑張っていただきたいと思います。
 それから、河野大臣ですけれども、外務大臣としてのいろいろなお取組を見ておりまして、筋を通す、そして言うべきは言うということをしっかりお話になってこられたと、これまでの外務大臣にはない、大変大きな期待をしております。
 どうか、このお二人が我がこの外交防衛委員会の担当大臣であるということは、日本の将来をこれから担う人がどういう考えを持っているのかということをいろいろお聞きするいいチャンスだと思っておりますので、そういう視点からも質問をさせていただきたいと考えております。
 とは申しながらも、今日は日中問題についてお話をさせていただきたいと思いますが、今、松川委員の方からもお話がありました。習近平国家主席が桜の咲く頃、国賓として来日されるということで歓迎ムードということなんでしょうけれども、私はいささかこの国賓として招待をするということについて疑問を禁じ得ません。その点から、少し政府のお考えをお聞きしておきたいと思っております。
 まず、総理もお話しになりましたけれども、日中関係が完全に正常な軌道に戻ったと、こういうことを大臣もお話しになるし、総理もお話しになっているんですけれども、この意味がよく分かりません。一体、完全に正常な軌道に戻ったというのはどういうことを指しているんでしょうか。
#215
○国務大臣(茂木敏充君) 日中間には様々な懸案が存在するのは事実であります。安全保障の問題、そして拘束事案、人権問題等々、様々な問題が現実に今存在をしております。関係改善を図る中で主張すべきは主張し、そうした懸案に適切に対応していくことが重要なんだと考えております。
 日中関係が完全に正常な軌道に戻ったと。過去、首脳間の往来というのはほとんど行われずに、正常な意思疎通が難しい状況が続いた時期がありましたが、昨年、首脳、外相間の相互往来が実現すると、定期的なハイレベルの接触が行われるようになり、懸案を含めて率直な意見交換を正常に行うことができるようなことになったと。さらには、二国間関係だけではなくて、国際社会における様々な課題についても、この日本、中国、解決していく上で共に責任を持つ、こういう責任感についても共有をすると。
 こういったことから日中関係は完全に正常に戻ったと、このように述べているところでありまして、政府としては今後ともハイレベルの往来を積み重ねて、一連の邦人拘束事案を含みます諸懸案に対する中国側の前向きな対応等もしっかり求めると同時に、地域及び国際社会の課題に対して中国が建設的な役割果たすように求めていきたいと考えております。
#216
○山田宏君 つまり、ハイレベルの日中間での、会えることがなかなかできなかったのが会えるようになってきたということなんだろうと、こう思っておりますけれども、会えなくなったのはなぜかというと、中国の、尖閣諸島周辺における漁船がぶち当たってくるとか、また、民主党政権時代に国有化され、尖閣諸島が国有化されて、それ以後、強烈な挑発行為を行ってくるとか、もう我が国が何かして関係が悪くなったんじゃなくて、もう一方的に中国側が挑発的な行為を繰り返してきたからであって、何か、戻ったといっても余り喜べないなと、こう思っております。
 なぜ戻ったかというと、米中対決が厳しさを増している、また中国に対して人権問題なんかを含めた世界の世論が厳しさを増している。四面楚歌の状況になってきて、ここはやばいということで、日本との関係を、やはりちょっとハイレベルの会える環境ぐらいは整えておこうかと、こんな程度なんじゃないかと、こういうふうに思っているわけです。ですから、そういうような国際環境の変化の中で中国が言わば優しい声に変えたと、戦略的に、こう見ておりますし、恐らく政府もそうお考えなんだろうと思っております。
 国民世論もやはり全然改善していないわけです。言論NPOの調査では、九月の調査では、中国に良くない印象を持っている人は、二〇一二年、八四・三%だったのが、二〇一九年の九月には八四・七%。全く中国に対しての日本人の感情は悪いままであります。その大きな理由は、尖閣諸島周辺での領海、領空侵犯というものを挙げる方が五一・四%ということで、何ら、国民から見ると何ら改善されていないと、何ら正常化していないというのが印象。だから会わなきゃいけないんだというのは分かりますけれども、こういう中で本当に国賓として招待という状況なのかなというふうに考えております。
 ペンス副大統領は、アメリカの、十月二十四日のウィルソン・センターでの米中関係の将来と題する演説の中では、この東シナ海の状況に対して、中国の挑発行為に対して、二〇一九年、東シナ海では、我が国の親密な同盟国である日本は過去最多の戦闘機の緊急発進という事態になっていると、こういうふうに言っているわけですけれども、防衛省に伺いますが、中国機に対するスクランブルの回数は、二〇一五年から一体どうなっているのか、簡単に御答弁お願いします。
#217
○政府参考人(菅原隆拓君) お答え申し上げます。
 中国機に対するスクランブルは近年増加傾向にございまして、平成二十七年度が五百七十一回、二十八年度が八百五十一回、二十九年度が五百回、三十年度が六百三十八回となっております。また、この四か年平均で、全体の約六割と最も高い割合を占めているところでございます。なお、今年度上半期の中国機に対するスクランブル回数は三百三十二回と、過去数年と同じ水準になっているところでございます。
 以上でございます。
#218
○山田宏君 そうですよね、これ過去最高になっているんですね。これ、ペンス副大統領のおっしゃるとおりですよね。
 また、ペンス演説では、日本の施政下にある尖閣諸島周辺海域での連続六十日以上の公船派遣というようなこともお話しになっておられます。
 皆さん方のところにお配りしたように、海上保安庁のこのグラフを見ても、もう全く、この尖閣諸島周辺での中国公船による接続水域への接近、また領海への侵犯というものは全く変わっていないと、むしろ増える傾向にあるんじゃないかと、こういうような中に、これで、全く改善されていない状況の中で、日中関係が完全に正常な軌道に戻ったというふうに、まあ会談はできるかもしれないけれども、そこまで言うのはどうかなと思うんですけれども、外務大臣、いかがでしょう。
#219
○国務大臣(茂木敏充君) 様々な意見あると思っております。
 そして、山田委員がおっしゃるように、首脳レベルも含めて様々なレベルでの意思疎通ができるようになり、そして、それは会談ができるということもありますが、同時に、より率直に東シナ海の問題、南シナ海の問題、力を背景にした一方的な現状変更と、これについては日本として一貫して反対する、こういった率直な意見をお互いに述べられると、こういう関係になり、そして二国間の問題だけではなくて、国際社会に関わる様々な問題についても責任を共有しようと、こういうレベルまでなっていると。こういった意味で、今までとは違ったレベルの対話ができるようになった、これをもって完全に正常な関係に戻ったと思っておりますが、更にこれを高みに引き上げていく、そのためには、当然、日中間にあります様々な諸懸案、これを一つ一つしっかり解決していくことが重要だと思っております。
#220
○山田宏君 ということは、正常な軌道に戻ったんだから、これから習近平国家主席の来日も含めて、今申し上げたような問題も改善をされなきゃおかしいですよね。同じのままだったら、会ったってしようがないんだから。
 改善されますか。
#221
○国務大臣(茂木敏充君) 来春の習近平国家主席の訪日をにらんで、諸懸案の解決に努め、また訪日の機会が更にその進展になるような形に持っていきたいと思っております。
#222
○山田宏君 期待をしております。
 それから、松川委員もお触れになりましたけれども、中国での邦人の逮捕、勾留事案について伺います。
 九月に、四十代の邦人男性、報道によりますと北大の教授が中国政府によって逮捕、勾留されているということが判明いたしました。この政府が把握している事実について、お聞きをしたいと思います。
#223
○政府参考人(長岡寛介君) お答えいたします。
 在中国日本国大使館は、北京市で四十代の邦人男性一名が中国の国内法違反があったとして本年九月に中国当局に拘束された旨を確認をしております。この事案に対しまして、政府としては、邦人保護の観点から、領事面会を行ったり御家族との連絡を密に取るなど、でき得る限りの支援をしてきております。
 なお、事柄の性質上、人定事項を含めた詳細についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
#224
○山田宏君 この教授と申し上げておきましょうか、日中近代史の専門家として防衛研究所又は外務省の職員として日本のために働いてこられた経験も持っておられます。三年前は、アブダビでユネスコの世界記憶遺産についてのルールをちょっと、やはりきちっと正していこうという会議にも御出席をされておられまして、我が国にとっては大変心強い方であります。
 今回の訪中は、聞くところによりますと、中国の国務院所属の社会科学院の招聘で九月、九月の三日に訪中されて北京のホテルに入られたというふうに聞いております。そして、九月六日以降、全く連絡が取れなくなったということであります。
 これ、後からこの問題にも触れますけれども、日中領事協定の八条では、接受国の権限にある当局は、領事機関の領事管轄区内で、派遣国の国民、日本の国民が逮捕された場合、当該国民の要請があるか否かにかかわらず、そのような事実及びその理由を、遅滞なく、遅くともこれらの逮捕、留置、勾留又は拘禁の日から四日以内に、当該領事館に、領事機関に通報するというような規定がございますが、通報はあったんでしょうか。
#225
○政府参考人(長岡寛介君) お答えを申し上げます。
 中国当局より在中国日本国大使館に対しましては、今委員が御指摘になった日中領事協定に基づき、領事通報がございました。
#226
○山田宏君 いつ通報がありましたか。
#227
○政府参考人(長岡寛介君) 事柄の性質上、具体的な日にちについてのお答えについては差し控えたいと思います。
#228
○山田宏君 これは重大なんですよ。なぜ重大かというと、これも重大な、なぜ重大かというと、この教授、日本国政府に関与していました。と同時に、中国の国家機関、シンクタンクである社会科学院から招聘をされたと。これは御家族の方もお話も聞いています。
 招聘されたとすればですね、すればですよ、中国は、国が来てくださいと招待した人を取っ捕まえたと。国が招待するんだから大丈夫だろうと誰でも思うんですよ、これは。だけれども、それが訪中して三日以内に、まあ何かしたから捕まったのか、それとも、そうでないならば、わざわざこの人を中国に国家機関が呼んで、そして、はいはいといって応じて、そこで捕まえる。こんなこと近代国家にあり得べきことじゃないでしょう。これはもう国家間の約束もへったくれもないですよね、仮にそうならば。
 だから、いつ通報を受けたかというのが大事なんですよ。つまり、この九月三日に北京のホテルへ入られたというのは知っているんです。六日以降連絡が取れなくなったというのも知っているんです。この三、四、五の三日間に何か特別なことをやって捕まったのか、それとも、そうでなくてそれ以後捕まったのか。それ以後であれば、わざわざ中国に呼んで、そしてそこで勾留、逮捕、勾留したということになりませんか。
 これは重大な問題なんですよ。だからその事実を聞いているんですね。どうなんでしょう。
#229
○政府参考人(長岡寛介君) お答え申し上げます。
 繰り返しの答弁で大変恐縮でございますが、中国当局からは、私どもの在中国日本国大使館に対しましては、日中領事協定に基づいて通報がございました。協定の中身については先ほど委員がお話しになったとおりでございます。
 しかしながら、事柄の性質上、拘束の日、通報の日等の詳細については、お答えすることは適切ではないと考えております。
#230
○山田宏君 これ、ちゃんと事実をここで発表できなくても、外務省は今私が申し上げたようなことの事実も把握しているんですか。もちろん把握していると思うんです。把握しているとすれば、ここで発表できるできないにかかわらず、やはり我が国がメンツを、又はこの条約を潰して、国が招待した人を逮捕するって、もう行けないじゃないですか、幾ら何だって、これは、こんな国は危なくて。逮捕されるために呼び出されるかもしれない、そういう可能性があるんじゃないかということが疑われる事案なんですね。
 これはやはり相当深刻な問題だなと、こう認識をしていただきたいと思いますが、先ほど茂木大臣の方から、ハイレベルのいろんな話ができるようになったと、これは、これを通じて諸問題の解決に努める、こういうことだと思うんです。
 しかし、これまで日本人が、邦人が中国国内において何人も、報道によると、一応お聞きしておきましょうか。
 二〇一三年以来、何人の日本人が拘束され、そして何人戻ってきて、何人が今勾留ないし懲役刑に服しているのか、お話しいただけますか。
#231
○政府参考人(長岡寛介君) お答え申し上げます。
 世界各国において拘束されている邦人の数については、事柄の性質上、従来対外的には公表しておりません。これについては、中国内で拘束されている邦人についても同様の理由でございます。
 以上です。
#232
○山田宏君 これ、何でですか。じゃ、ハイレベルで今度、外務大臣がおっしゃったように、総理も習近平国家主席と会っていろいろ話をすると、毎回抗議もされている、これも報道で聞いています。しかし、何もつながっていないじゃないですか。ハイレベルでやったって、何もつながらない可能性ありますよね。
 これまでだって、ほとんどそういったことで、ハイレベルで文句を言って、まあ四人帰ってきたと聞いていますけれども、十三名のうち四人釈放され、九名が起訴、そのうち八名が五年から十五年の懲役と、懲役ですよ。これ、それで外務省は向こうの説明に納得しているんですか。断固戦わなきゃおかしいじゃないですか、これは。自分の家族だと思ったらどうなんですか。
 ハイレベルで会えるようになるというのはいいですよ、それはそれで。それがちゃんと生きるかどうか、生きるかどうか、生かさなきゃいけない。まあ、相手は、相手、ああいう国ですからね、大変難しいのはよく理解しています。ですから、これは攻撃をしているんじゃないんです。しかし、こんな事態になっていて、やはりもう少しがつんとやってほしいと。日本は怖いんだぞと、怒らせるとただじゃおかないぞと。だって、今アメリカと中国があんな対決状況になっていて、世界中が中国の人権問題に関心を持っている最大の好機じゃないですか。もっと毅然と対処ができるような日本の最大の好機じゃないですか。このときに毅然と対処をして問題が解決できなければ、どんな状況だって解決できませんよ。
 私は、本当に、こういった拉致、拉致というか、逮捕されて勾留されている日本人が全員日本の国に返還をする、そのためにきちっと、これをやはり外務省が中心となって、やっぱり今の好機を生かしてやはり頑張ってほしい。やっぱり、こういう強い、こっちがかなり強く出たって、今、中国が強く出られる状況にはないんですよ。懸案を、せっかく習近平、私は国家主席が今国賓として来るというのには違和感ありますけれども、それを生かして懸案の解決につなげたいというのであれば必ずつなげていただきたいと思っております。
 外務大臣、いかがでしょう。
#233
○国務大臣(茂木敏充君) 山田委員と意見を共有する部分がございます。
 その一方で、実際に、今、中国政府に拘束をされている日本人、これの早期解放に努めなければならない。様々なそのやり取り、公になることによってそういったやり取りに不利益が出るようであっては、私は、何というか、本来の目的であるその早期解放というものにつながらない、そのように考えております。
 今回の事案につきましても、私なりに情報についてはしっかり、どういった形であったかと、納得しているわけではありませんけれど、相手側の説明も含めて細かく聞いております。その上で、王岐山副主席に対しましても私から二度にわたって抗議をさせていただきました。そういったことを引き続き行っていきたいと思っております。
#234
○山田宏君 今が中国に対して厳しく交渉できる絶好のチャンスなんだ。そして、こちらの外務大臣は、日本唯一のと言ってもいいぐらいのタフネゴシエーターの茂木大臣ですよ。これで解決できなきゃできません、これ。国賓待遇を、国賓での訪日待遇というのを事によっては見直すぞと、これぐらい出たっていいんじゃないですか。
 なぜ、今そこまでやらなきゃいけないのか。私は、それぐらいのカードも持ちながら、やはり中国との交渉を前進させる絶好の好機だと思う。それはもう、今大臣との考えも共有はしていますが、しかし、こちらがお願いします、お願いしますってやっているだけでは、それは何にも変わらない。言いましたよと、習近平国家主席に言いましたよという程度では変わらない。王岐山さんに言いましたよということでは変わらない。やっぱり相手がそうせざるを得ないような立場に追い込む、そういう絶好のチャンスだと思います。なので、ここはタフネゴシエーターの茂木大臣、頑張ってくださいね。期待しています。
 今申し上げたように、私は、どうしても、この日本の、日本の、我々の邦人、我々の同胞が、どういう理由で、どんな事実で、もっと詳しく、なぜ逮捕され、なぜ勾留され、なぜ懲役刑まで受けたのかという具体的な細かい事実を、きちっとこれをやはり私は委員会に報告をしていただきたいと、求めたいと思いますが、委員長、よろしくお願いいたします。
#235
○委員長(北村経夫君) 後刻理事会で協議いたします。
#236
○山田宏君 それでは次に、中国における人権侵害等の事案について幾つかお聞きをしておきたいと思います。
 この点についてもペンス演説では何度も触れられています。我が国も、自由と民主主義、法の支配、人権擁護、こういった共通の国際的な価値を擁護し、これを前進させるという、我々は何回もそういうことを表明しております。ですから、中国における、国際社会における人権侵害への懸念については、我が国はどう対応してきたかということをまずお聞きをしておきたいと思いますが。
 まず、香港の民主化運動、六月からずっとこういう事態になっておりますけれども、このことについて、現在のところの日本政府はどういうコメントをされているのかというのをお聞きしておきたいと思います。
#237
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。
 昨今の香港情勢について、デモ隊と警察等の衝突により多数の負傷者が出ていることを大変憂慮しておるというところでございます。自制と平和的な話合いを通じた解決を関係者に求めるとともに、事態が早期に収拾され、香港の安定が保たれることを強く期待しておるというところでございます。
 香港は、御案内のとおり、我が国にとって緊密な経済関係、人的交流を有する極めて重要なパートナーでございます。自由で開かれた香港社会は、日本を含むこの地域の繁栄と発展にとっても重要でございます。中国に対しては、様々なレベルで引き続き、一国二制度の下、自由で開かれた香港が繁栄していくことの重要性を指摘しております。
 引き続き高い関心を持って情勢を注視してまいります。
#238
○山田宏君 まあ一触即発の状況になりつつあると見ておりまして、もし平和的でない解決というものが図られたときにはしっかり対応していただきたいというふうに考えております。
 二つ目、ウイグルでございますが、中国国内におけるウイグル人、イスラム教徒のウイグル人に対しての弾圧ということについてもペンス演説の中で触れられております。昨日も、昨日の報道でも、十一月五日、ポンペイオ国務長官がこのウイグルについての声明を発表しておりまして、非常に懸念をしているということで非難声明を出しておられます。ここまで非常にアメリカも関心を持ってやっている。
 日本国内におるウイグル協会、ウイグル連盟も、ペンスさんは百万人以上のイスラム教ウイグル人が投獄されているということですが、ウイグル連盟によると三百万人から五百万人収容所に入れられていると、こういったことも発表されております。
 また、この新疆ウイグル自治区におけるウイグル人の置かれている状況、それからまた、昨日ポンペイオさんがお話しになったように、国外のウイグル人に対して、反中国的なことを発言をしたり、こんなことが起きているということを言った人に対して、家族、国内にいる家族に対して弾圧が行われると、こういったことについても国務長官は指摘をしています。
 この新疆ウイグル自治区のこれらの状況に対して、我が国政府としてはどういう考え方を持っているんでしょうか。
#239
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。
 我が国政府といたしましても、自由、基本的人権の尊重、法の支配は国際社会における普遍的価値であると考えておりまして、新疆ウイグル自治区における人権状況についても注視をしてまいっておるところでございます。
 我が国の立場につきましては、様々な機会を捉えて中国側にも伝えてきておるところでございます。二国間の文脈では、昨年十月、本年六月の日中首脳会談においても、ウイグルの情勢を念頭に中国国内の人権状況について考えを直接伝えたところでございます。
 また、ジュネーブにおける国連人権理事会の普遍的・定期的レビューの対中国審査における発言として、ウイグルの人権状況等に言及しつつ勧告を行うなど、国際場裏においても我が国の立場を伝達、発信してきてまいっておるところでございます。
#240
○山田宏君 まあ余りよく見えないですね。もう少しはっきり明確に、タイミングよく声明を発して、国際社会と我々は一緒に歩んでいるんだということをアピールしてもらいたい。日本が何か抜け駆けをしているんじゃないかというふうに捉えられないように、足下を見られないように、是非この問題についてはこれからも発信をしていただきたいと思いますが。
 このウイグル人、中国国内のウイグル人を含めた宗教的少数派又は政治犯に対して、その政治犯たちが生きたまま臓器を取り出されて、そしてその臓器が中国での臓器移植に使われている、これに中国政府が関与しているということが数々の国際機関又は数々の議会、世界の議会で指摘をされております。
 ちょっと委員長の御了解いただいて本を掲示させていただきたいと思いますが、(資料提示)「中国臓器狩り」又は「中国の移植犯罪 国家による臓器狩り」。これは、デービッド・マタス、この人はカナダの人権弁護士、そしてデービッド・キルガー、この人はカナダでの元国務大臣、こういった方々が告発をしています。また、スローターという、これは何と訳すんですか、虐殺かな、スローターという本をガットマンという人が、イギリスのジャーナリストが書いている。
 全世界的に、この中国の行われている臓器移植の臓器が、ドナーからによるものじゃなくて政治犯や少数の宗教での弾圧を受けた人たちから取り出されているという数々の証拠が世界中で取り沙汰をされています。
 そこで、今年六月十七日に英国ロンドンで発表されました民衆法廷の最終裁定の内容を御紹介ください。
#241
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。
 御指摘の最終裁定は民間の取組でございまして、政府としてお答えする立場にはなかろうかとは存じます。その上で申し上げさせていただければ、ホームページに掲載されている裁定には、中国でかなりの期間、多くの臓器収奪が行われてきた等の記述があるものと承知しております。
#242
○山田宏君 私が紹介して、だから、外務省として立場はそういう立場じゃないというのはよく分かるんです。だけど、こうやって質問をすると勉強してくれるでしょう。そうすると、いろいろ読むじゃないですか。そこがすごい大事だと思っているんで、ごめんなさいね、外務省としての意見を聞いているんじゃありませんよ、紹介してくださいということなので。
 ちょっと簡単に言い過ぎていますけど、要はどういうことが行われているかというと、私もこういう本を読みましたけれども、政治犯、中国行くと、アメリカではドナーが一億二千万人いるんですね。しかし、大体これ移植まで二、三年は待たなきゃいけない、二、三年はね、大体、普通は。中国はですよ、中国発表のドナーの数というのは三十七万三千五百三十六人。一人、一人の単位まで出しているところが正確なのか怪しいのかよく分かりませんけれども。
 ここで、中国の場合、腎移植とか何かするにおいても、長くても数週間、待ちが。早いと数日で来るんです。オンデマンドなんです、オンデマンドなんです。あり得ますか、そんなの。いろいろ体に合うかどうかを調べなきゃいけない、それも全部調べた上で、二、三年、アメリカの一億何千万もいるところで二、三年待たなきゃいけないのに、中国でやると数日、早ければ、遅くても数週間で自分の腎臓が手に入る、肝臓が手に入る。あり得ないでしょう、これ。来てから殺害して、そして取っていくということ以外これ証明できない。しかも、すごい数が上っているということが世界中で報告をされております。
 この民衆法廷というのは一体どんなものなのか、なぜ中国における臓器収奪が取り上げられることになったのか、お調べした範囲で御答弁をお願いします。
#243
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおりでございまして、この民衆法廷自体につきましては、あくまでも民間の取組でございます。そうした観点から、政府として詳細についてお答えを申し上げるという立場にはなかろうかと存じます。その点、御容赦を賜れればと存じます。
#244
○山田宏君 このカナダのマタスという弁護士、私も会ったことありますが、この方によると、中国に渡れば心臓を十三万ドル、腎臓を六万五千ドルで移植することができる、臓器を提供するのは強制収容所や刑務所の収監者、その大部分は法輪功の信者だが、中にはチベットやウイグルの少数民族も含まれている、この人類史上未曽有の犯罪をストップさせるには、国際社会に広く真相を知らせる以外ほかに方法はないと。こういうことで、このマタスさんもキルガーさんもノーベル平和賞の候補としてノミネートされたこともあるんですね。
 で、まあ一度皆さんもこの本を読んでいただきたいと思うんですが、もしこんなことが行われているんであれば、ヒットラーどころじゃないと、もう本当におぞましいことだと、もう原始社会に戻ったような話だと私は非常に危惧をしております。
 これまでも各国議会でもこういった問題がもうずっと取り上げられておりまして、中国における臓器収奪の非難決議等がいろいろ採択をされてきていると思うんですが、その主なものを挙げていただきたいと思います。
#245
○政府参考人(遠藤和也君) お答え申し上げます。
 これも網羅的に申し上げる立場にはございませんが、その上で申し上げますと、例えば二〇一三年十二月に欧州議会で採択された決議では、臓器収奪が行われているとの報告に深い懸念を表明するとした上で、中国に対して、収奪を即刻停止すること、欧州連合による完全で透明性のある調査を行わせること等を要求していると承知しております。
 以上でございます。
#246
○山田宏君 二〇一三年、欧州議会は分かりましたけれども、二〇一六年の六月、米国の下院でも満場一致でこの問題について、これをよく調査せよという決議が、非難決議が上がっています。それから、二〇一八年十月にはカナダの上院で、これは臓器収奪に係るこの問題についての非難決議が可決をされている。こういった、そのほか、イスラエル、スペイン、イタリア、台湾では、事実上、中国での臓器移植というものを禁止するという法律が成立をしていると。国際社会はここまで来ているんですけど、日本は、日本人も結構行っているというふうに報道されているんですけれども、これ、もしそんなことが起きているとすれば、それは殺人への加担ですよね。
 私は、そういうことを考えますと、やはり日本政府もこういった問題について、世界の各地が、各議会又はいろんな国際機関が関心を持っているわけですから、是非、我が国でもこういった問題に関心を持って情報収集をしていただきたい。そしてまた、その収集をしていただくと同時に、もしそれがおかしいということであれば、やはり我が国なりの調査、例えば日本人が中国に何か移植で行くというときに、そういうことについてもう少し、これは外務省の問題じゃありませんが、少しそういう、移植ビジネスと言ってもいいと思うんですけれども、そういったものに対しての規制を強化するとか、やっぱりこういうものについて、これまでは日本の国は全然発言しなかった、まあおかしいと思う。普通、人権、人権だとこうやって言っておられる政治家の方々も、この問題になるとなぜか口をつぐむんですね。おかしいと。それから、メディアもそうです。おかしいんですね。みんな中国に支局持っているから、だからこういったことをやっぱりみんな取り上げない。政治家がやっても必ず圧力が掛かるんです。
 で、私は、ただ、調査をして、本当なのと、こういう情報収集をするということはやっぱり大事だと思うんです。もし日本が自由と民主主義と人権とそれから法の支配と、こういった共通価値観に基づいた世界をきちんと日本も引っ張っていくんだということを国際社会にも高らかにうたうんであれば、こういった問題があるんだなということでいろいろと見ていただいた上で、今、御答弁をいただいて、外務省としての考えじゃないけれども、調べた結果をお話しいただいたのは、外務省もよく認識をしていただきたいというふうに考えたからなんですね。
 もし事実じゃなきゃ、中国は事実じゃないと言うんですよ。だけど、世界中がまあ情況証拠をみんな出して、おかしい、おかしいと、こういうことを言って非難を出している中で日本がじっと黙っているというのは、どう見ても違和感があります。
 なので、これは、このことにつきましては我が国としても関心を持って情報を集めていくべきじゃないかというふうに考えておりますけれども、外務大臣にその辺のところ、今までのお話を聞いていただいてどういうふうな御感想を持たれたか。是非、私としては、外務省としてもこういった問題に関心を持って情報収集をしていただきたいと考えております。
#247
○国務大臣(茂木敏充君) まずもって、この問題について、外務省に様々な学習の機会、山田委員の方から与えていただいたことを感謝を申し上げる次第であります。
 御指摘のような懸念であったりとか事実が他国の議会やNGOにあるということは答弁をさせていただいたとおりでありまして、政府としては、自由、基本的人権の尊重、法の支配、これは国際社会における普遍的な価値でありまして、これらが中国においても保障されることが重要だと考えております。
 同時に、山田委員も御案内のとおり、こういった動き、比較的各国において議会を中心に進んでいるというところもあるわけでありまして、また日本の議会におきましても、私が申し上げる立場ではありませんが、様々な動きというのはまた注視をしたいと思っております。
#248
○山田宏君 是非外務省としても情報収集をお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#249
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 まず、外務大臣にお聞きいたします。
 昨年七月に全国知事会が日米地位協定の抜本改定を求める提言を全会一致で決議をいたしました。航空法や環境法令を米軍に適用すること、訓練ルートや日時の事前提供などを求めております。この決議を受けて、全国の地方議会で地位協定の抜本改定を求める意見書が相次いでおります。安保破棄中央実行委員会の調べでは、昨年七月以降、八道県百七十二市町村議会に達しております。
 政府はこれまで、地位協定について運用改善や補足協定などの努力を積み重ねてきたと、こういうふうに繰り返し答弁をしてきましたけれども、それでは問題が全く解決しないからこそこういう抜本改定の要求が広がっていると思いますけれども、政府の見解、いかがでしょうか。
#250
○国務大臣(茂木敏充君) 我が国を取り巻く安全保障環境は、引き続き今大変厳しい中、日米同盟の抑止力を維持しつつ、同時に米軍の円滑な駐留を確保するためには、地元を含む国民の御理解と御協力を得ることが極めて重要だと考えております。各地方自治体の提言、全国知事会の提言を含めてでありますが、こういった提言につきましては、それぞれのお考えとしてしっかりと受け止めたいと思っております。
 日米地位協定、これは同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的枠組みでありまして、政府としては、事案に応じて効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じて、一つ一つ具体的な問題に対応してきているところであります。こういった取組を積み上げることによって、日米地位協定のあるべき姿、不断に追求をしてまいりたいと考えております。
#251
○井上哲士君 過去そういう答弁を繰り返されてきましたけれども、それでは解決しないから、全国知事会が提言を決議して、そして自治体の意見書が広がっているんですね。それぞれのお考えと言って横に置くような話ではないということなんです。しかも、それどころか、今、在日米軍基地の強化、そして日米の軍事一体化の下で様々な被害や不安が全国に広がっております。そのことをしっかり直視をしていただきたいと思うんですね。
 その中の大きな問題の一つが、米軍機が勝手に日本上空に訓練ルートを設定をして、事前連絡もなしに住宅地の上空でも低空飛行訓練や夜間訓練などを行うと、そういう傍若無人の訓練への被害の拡大であります。
 日米地位協定の下で、特例法によって米軍は航空法の最低安全高度などの適用除外になっております。政府は、九九年の日米合同委員会の合意で、米軍にどこでも低空飛行訓練をやることを認めた上で、米軍も航空法と同じ最低安全高度の規制を適用しているとしておりますけれども、あくまでも米軍任せなわけですね、その下で被害が広がっております。
 私、通常国会では、五月三十日に佐久市、長野県佐久市の上空での横田基地所属のC130輸送機による低空飛行訓練の問題を取り上げました。住宅や学校、病院、保育所などの公共施設が密集をする市街地の上空で超低空飛行訓練、住民からは、もう墜落すると思ったと不安と恐怖の声がたくさん寄せられました。当時、防衛大臣の答弁は、米軍からは合意を遵守している飛行をしていると回答がありましたと、まあ米軍の言い分を繰り返すだけでありました。
 しかし、自らこの低空訓練を目撃をした佐久の市長さんが目撃画像の提供を呼びかける中で、たくさん市にも寄せられております。
 私どもの佐久市議団が、この画像を基に、市民団体の低空飛行解析センターと測量会社に依頼をして、撮影された地点から測量調査をして画像を解析いたしました。地元紙で大きく報道されました。お手元にその一面を配っておりますけれども、そこに方法も書いてありますが、実際の機体の大きさと画像での大きさから距離を推計をして、そしてそれを仰ぎ見る角度から高度を推計をしております。同じ機体を千曲川の両側から撮った画像が複数ありましたので、より精度の高い解析となりました。
 二枚目に、その解析センターの報告書の図を配付をしておりますが、これによりますと、市内中心部の学校や住宅上空を二機飛んだんですが、一機は地表から二百十五から二百三十メートルの高さで、もう一機は二百九十メートルの高さから一気に二百三十メーターまで降下して飛行したということが明らかになりました。
 航空法は、住宅地の場合は建物より三百メーターというのを最低安全高度としているわけでありますが、それより低い高度なわけですね。当時、こういう調査もない下で、防衛大臣は、米軍は合意を遵守して飛行していると、こういう言い分を、米軍の言い分を繰り返したわけでありますが、これでもそういうことが言えるとお考えなのか、まずお聞きしたいと思います。
#252
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘の五月三十日の長野県佐久市周辺における飛行状況につきましては、米側に確認したところ、横田基地所属のC130が日米両政府間で合意した協定に従って飛行していた旨の回答があったところでございます。米軍機の低空飛行訓練に関する一九九九年の日米合同委員会合意においては、在日米軍は、国際民間航空機関や日本の航空法により規定される最低安全高度を用いており、低空飛行訓練を実施する際、同一の米軍飛行高度規則を現在適用しているとされており、現在も、低空飛行訓練を行う際はこれを遵守し、適切に運用しているものと承知しております。
 他方、本件を含めて地元自治体などからの不安の声があることは事実であり、防衛省としては、引き続き米側に対し、日米合同委員会合意などを遵守するとともに、安全面に最大限配慮しつつ、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるよう求めてまいりたいと思っております。
#253
○井上哲士君 十月一日には、長野の県知事、県の市長会会長、町村会の会長の三者で、低空飛行訓練に関わって、この問題に関わって、危険な訓練の中止や情報提供、地位協定の抜本改定を求めているんですよ。今、従来の答弁を繰り返されましたけれども、そういう下で実際にこういうことが起きて、不安と恐怖の声が上がっているんですね。にもかかわらず、合意を遵守しているという米軍の言い分を繰り返しても、これは住民の安全を守れません。
 大体、例えば高速道路の危険なあおり運転があれば、民間のドライブレコーダーとか目撃情報など、あらゆる情報を集めて違法行為を明らかにして処罰するんですよ。これだけのことが起きているわけですから、こういう民間の解析結果も参考にして、防衛省もたくさんの情報あるわけですから、それちゃんと入手をして解析も行って、これは問題だと、正すべきだということをアメリカに迫るというのは、国民の安全を守るために当然じゃないですか。改めて答弁お願いします。
#254
○国務大臣(河野太郎君) 米軍が訓練を通じてパイロットの技能の維持及び向上を図ることは、即応態勢という軍隊の機能を維持する上で不可欠の要素であり、日米安保条約の目的達成には極めて重要なものであります。他方、米軍は全く自由に訓練を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきであることは言うまでもありません。
 こうした件につきまして、米側からは、日米合同委員会合意などに従って飛行していた旨の回答を受けているところでありますが、本件を含めて地元自治体などからの不安の声があることは事実であり、防衛省としては、引き続き米側に対し、日米合同委員会合意等を遵守するとともに、安全面に最大限配慮しつつ、周辺地域に与える影響を最小限にとどめるよう求めてまいります。
#255
○井上哲士君 そういうことがやられていないからこういう不安の声が上がっているんです。一つ一つこういう実態を、事実を明らかにして是正を求める、こういうことなしに問題は解決しないんですよ。それをずっと繰り返してきたわけですよ。結局、米軍に航空法の安全基準の適用除外を続けて、こうやって自ら情報の収集もしないと、アメリカの言い分を繰り返すだけと。これでは、どこの国の政府かと、こういう声上がりますよ。私は、抜本的な地位協定の改定をして、こういう航空法の適用もするべきでありますし、今できること、きちっと情報はつかんで必要な抗議もするということを改めて求めたいと思います。
 そこで、合意を遵守し、安全に配慮してと繰り返されますが、しかし、全国で傍若無人の米軍機の訓練、問題になっております。
 高知県では、今年四月に突然の米軍機の低空飛行訓練があって、その四十分後にドクターヘリが飛びました。高知県知事などは、外務、防衛両大臣に要望書を出しておりますけど、その中でも、高知は過去四回こういう事故があったと言っているんですね。墜落事故があったと、その四回目が昨年十二月五日未明の高知県沖での米軍岩国基地所属のFA18D戦闘機とKC130空中給油機が空中給油訓練中に突然衝突、墜落をしたと、こういう事故であります。この報告書が今問題になっていますが、九月二十六日に発表をされました。
 まず、これ、米軍の部隊名は何か。そして、この報告書の中で事故原因としてこのパイロットの習熟度の問題、それから部隊の管理体制を挙げていると思いますけれども、具体的にどういうことを述べているでしょうか。
#256
○国務大臣(河野太郎君) まず、部隊でございますが、昨年十二月に高知県沖で発生した米軍機二機による空中接触墜落事故につきまして、今年九月二十六日に米海兵隊が公表した事故調査報告書によれば、FA18D戦闘機の方は第二四二海兵全天候戦闘攻撃中隊の所属、KC130J空中給油機は、第一五二海兵空中給油輸送中隊の所属であると承知をしております。また、この二つの部隊は、いずれも米海兵隊第一海兵航空団第一二海兵航空群の隷下部隊であり、岩国飛行場に常駐していると承知をしているところでございます。
 また、この事故調査報告書によれば、事故を引き起こした四つの重大な要因がある。戦闘機パイロットの夜間空中給油に係る練度の不足、部隊上層部による訓練及び運用に対する不十分な監督、戦闘機パイロットの平均を下回る飛行成績、職務上ふさわしくない部隊司令の姿勢、以上四つが挙げられておりまして、具体的には、当該パイロットは夜間空中給油訓練を実施する資格を有していないにもかかわらず実施を命ぜられたこと、さらに、部隊において未熟なパイロットへの訓練の認可や不十分な飛行前のブリーフィングなどが行われていたこと、そして、当該パイロットは教育課程において一貫して平均値を下回る成績であったこと、そして、当該部隊司令は隊員による規律違反の常態化や蔓延など、幹部に必要なプロ意識の水準を大きく下回っていたことなどであると承知をしております。
 また、このほかに可能性のある要因として、夜間空中給油訓練に適さない暗視ゴーグルの使用、過去に当該部隊において発生していた類似の空中接触事故に関する事故調査の未実施なども挙げられております。
#257
○井上哲士君 もう驚きますよね。岩国の地元の人の声が出ていましたけど、衝撃だと、ぞっとすると、こういうパイロットが運転しているということが言われております。
 報告書では、手放しの操縦や飛行中の読書、ひげを整えながらの自撮りを含む規則違反、そして、相次ぐ事故の背景として、部隊内に薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、指示違反といった職業倫理にもとる実例が存在したと、こういう指摘もされております。こういう状況のまま日本の上空を訓練をしていると、驚くべき実態だと思うんですね。
 しかも、この報告の中で、この部隊が三年前の二〇一六年四月二十八日に沖縄でも空中給油で接触事故を起こしてきたことが明らかになりました。この報告書は、このとききちんと調査をしていれば昨年十二月の高知沖での事故を防げたと指摘をしておりますけれども、政府は、この二〇一六年の沖縄での事故の報告はいつ受けたのか、今回のこの報告書を受けて米軍にどういう対応をしたのか、いかがでしょうか。
#258
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘の二〇一六年四月二十八日の事故、これは沖縄本島沖百四十マイルの場所で夜間空中給油訓練を実施していたところ、FA18戦闘機のミスでKC130空中給油機に接触し、部品の一部が損壊したという事案であり、この原因は、夜間空中給油訓練に適さない暗視ゴーグルの使用や戦闘機側のパイロットによる位置の見誤りなどであるとされております。
 この事故につきましては、高知県沖での事故に関する調査報告書で初めて言及があったものであり、事故発生時を含め、これまで日本側への通報はございませんでした。
 日米間には通報手続に係る合同委員会合意が存在するところ、この沖縄本島沖での事故につきましては、当該合意との関係も含め、米側に詳細を確認しているところでございます。その上で、このような事故が起きていたことに加え、米側から十分な説明がいまだなされておらず、地元の方々に対して大きな不安を与えるものであることから、事実関係を速やかに御説明できるよう、私から早急に米側からの情報を得るよう強く指示したところでございます。
#259
○井上哲士君 訓練も十分でなく、そして様々な問題を抱えたパイロットが訓練をしていたと。そして、この場合には、事故が起きても報告がされていなかったと。これでどうして米軍が合意を遵守して安全を考慮していると言えるのかという、ここが大きく問われていると思うんですね。
 この一六年の沖縄での事故でありますけれども、どこで起きたのかと。手元に、米軍のホームページで明らかになった沖縄周辺のアルトラブの地図を作っております。このアルトラブというのは、米軍のために一定の空域の中に一定時間他の航空機が飛行しないようにする管制上の措置と説明をされております。要するに、米軍の訓練のために管制によってその空域に民間航空機が飛行しないようにするものでありますが、ちょっと沖縄がありまして見えにくいですが、タイガーとかムース、イーグルなどのこのアルトラブの名前が付いております。Sアルトラブというのは固定型のアルトラブでありますが、米国の報告書は、この一六年四月の事故はこのタイガーと呼ばれるアルトラブで行われた訓練中としておりますけれども、このことは防衛省も承知をされているということでよろしいでしょうか。
#260
○国務大臣(河野太郎君) この事故調査報告書の添付書類の中にタイガー空域、タイガーエアスペースとの記述があることは承知をしております。しかし、この当該文書の性質等が不明であるために、当該文書の記述内容の事実確認も含め、現在アメリカに当該事故の詳細について確認をしているところでございます。
#261
○井上哲士君 これ、アルトラブというのは一時的、臨時的と言われますけれども、この米軍の資料がS、つまり固定型と言っていますように、事実上固定化されて、沖縄周辺の既存の米軍の訓練空域に加えて、この二年間で六割増えたと、こういうふうに言われまして、民間航空機も迂回を余儀なくされております。安全上大変脅かされていると。
 国交省にも来ていただいていますけれども、この沖縄周辺のアルトラブというのはいつから設定をされてきたのかと。そして、この米軍機の事故が起きた四月二十八日にはアルトラブが設定をされていたのか。その場合、アメリカからいつ申請があって、いつからいつまで設定をしていたんでしょうか。
#262
○政府参考人(河原畑徹君) お答え申し上げます。
 アルトラブの設定につきましては、米軍から事前に十分な時間の余裕を持って、時間、範囲など技術的な、技術的に必要な情報により要請を受けております。この要請を受けた航空局におきましては、民間航空交通を阻害することのないよう必要な調整を行い、安全かつ効率的な運航を確保するための管制業務上の措置をとることとしております。
 お尋ねありましたこの二〇一六年の沖縄での米軍事故の詳細については承知しておりませんけれども、いずれにいたしましても、アルトラブがいつどこで設定されているかということにつきましては、米軍の行動内容に関することでございますので、お答えを差し控えさせていただきます。
#263
○井上哲士君 米軍は、この地域にタイガーというアルトラブがあると地図も出して、そして、この日、タイガー空域で訓練していたと公表しているんですよ。アメリカが公表していることも何で日本が明らかにできないのかと。結局、合同委員会で米国の了承なしに公表できないとしていますけど、実際にはアメリカは出しているんですね。そして、その下で、いつ日本国民にアルトラブが設定されたのかも分からない。しかし、そこでやっているときに事故を起こして……
#264
○委員長(北村経夫君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#265
○井上哲士君 その事故報告もされていないんですよね。私はこんなことは許されてはならないと思います。こういう危険なアルトラブもやめるべきでありますし、こういう訓練を放置をしている地位協定の抜本改定が必要だということを申し上げまして、質問を終わります。
#266
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 質問に入る前に、突然の首里城火災につきまして、政府並びに国会関係者を含め国民の皆様に御心配をいただき、また早期再建に向けての御支援も始まっていることに心から感謝申し上げます。
 琉球国四百五十年を象徴する首里城は、さきの沖縄戦で焼失し、一九九二年に復元した正殿を公開して以来二十七年になります。今日、沖縄のシンボルとして、沖縄県民の宝であり、アイデンティティーを示すものになっています。今年一月末に最後の復元区域、御内原が完成し、翌月の二月に国から沖縄へ管理が移管されたばかりです。復元に当たっては、委員の皆様にも、国及び県を中心に早期に実現できるよう御支援をお願い申し上げます。
 それでは、質問いたします。
 自衛隊の南西シフトについてお伺いいたします。
 今年三月二十六日開設の陸自宮古島駐屯地で、防衛省は、市や住民に弾薬庫は建設せずミサイルなどの弾薬は保管しないと説明したにもかかわらず、秘密裏に弾薬庫を建設し、誘導弾や迫撃砲弾などの弾薬を持ち込んでいました。約束違反が発覚し、当時の岩屋防衛大臣は、四月二日の衆院安全保障委員会で、中距離多目的誘導弾や迫撃砲の弾薬の宮古島駐屯地への保管について明示的に説明していなかったことは事実と、大変申し訳なく思っておりますと謝罪し、弾薬の撤去と地元の皆様の御理解と御協力を得られるよう丁寧に説明を行ってまいりますと表明しました。配付資料のように、四月七日の会見でも岩屋防衛大臣は、きちんと明示的に説明できていなかったという点を反省し、これからはより丁寧に地域の皆様に分かりやすい説明を行っていきたい、そのように指示してまいりたいと謝罪しています。
 ところが、お手元の新聞資料にありますように、十月三日の沖縄防衛局による同市城辺保良の、保良鉱山への弾薬庫建設計画について、住民説明会において、防衛局が説明会のテーマを「保良鉱山地区の建設工事について」としました。住民が弾薬庫を明記するよう要求したのに対し、防衛局が拒否したため、約百人の住民は入室せず、会場外で抗議する中、約十名の住民のみに対して説明会が強行されました。入らなかった住民たちは、弾薬庫建設などを明示した説明会を開催するよう沖縄防衛局長に要請日程を取り付け、十月七日に沖縄本島に行って要請しました。
 驚くべきことに、防衛局は、要請日程を受けておきながら、十月三日の説明会をもって準備が整ったとして、要請当日の十月七日早朝から弾薬庫の建設作業に着手いたしました。私もその要請に立ち会いました。
 今年四月、岩屋防衛大臣が謝罪の際に、明示的に説明しなかった、これからは丁寧に説明するように指示したと述べた半年後に、地域住民が不安を抱いている弾薬庫建設を明示せず、曖昧にして説明会を強行し、再度の住民説明会の開催を求めて沖縄防衛局長に要請した日に早期に工事を強行する、これが岩屋防衛大臣が言った明示的で丁寧な説明でしょうか。
 防衛大臣、このような沖縄防衛局の対応は、河野大臣の指示を受けてのことですか。適切だったとお考えでしょうか。明示的で丁寧な住民説明会をやり直すべきではありませんか。
#267
○国務大臣(河野太郎君) 宮古島への陸自部隊配備に際し、部隊を配備する以上、その任務遂行に必要な弾薬を保管することは一般的なことであり、昨年一月、当時の福田政務官から下地宮古島市長に対して保良鉱山地区における施設配置案を説明して以降、二月には保良地区、三月には宮古島市民の皆様を対象とした説明会を開催し、保良鉱山地区に火薬庫を設置することについて、その他の施設を含めた配置案や建物リストを明示する形で明確に説明しております。また、様々な要請など、機会のあるごとに保良鉱山地区に火薬庫を整備することを御説明しているところです。
 工事に着手する前に実施した保良鉱山地区における建物工事の説明会の会場の案内に弾薬庫の記載がなかったことを隠蔽だとして説明会の場に入場いただけなかった住民の方がおられましたが、説明会の中で建設予定の火薬庫の説明があり、それに対する質疑が可能であったことは明らかであり、極めて残念に感じております。
 再度の説明会を開催する予定はありませんが、宮古島への陸自部隊配備は南西防衛態勢の強化につながる極めて重要な取組であり、防衛省としては、地元の皆様の御懸念を払拭するため、丁寧な説明に努めつつ、宮古島とも調整しながら保良鉱山地区における施設整備を着実に進めてまいりたいと考えております。
 保良鉱山地区における工事につきましては、地元住民の皆様を対象とした工事に関する住民説明会を開催し、その後、工事受注者における準備が整ったことから着手したものでございます。
 いずれにしましても、宮古島への陸自部隊配備は南西防衛態勢の強化につながる極めて重要な取組であり、防衛省としては、丁寧な説明に努めつつ、宮古島市とも調整しながら保良鉱山地区における施設整備を着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。
#268
○伊波洋一君 河野大臣、今の御答弁は、私はやはり宮古島住民を置き去りにするものだと思います。
 この保良地区の皆さん、百名余り集まったのは、その説明会で今回行われる弾薬庫の説明をしっかり聞こうと、そういうことで集まった、初めてのこれだけの人数です。その人数の皆さんがこの説明会の表示にやはり疑問を持ち、要するにアリバイ的に説明がなされるのではないかと、そういう思いでボイコットをしたんですよ。その場で、その担当者に対して、是非再度開催をしてくれと、中止をしてくれと言ったわけですけれども、そこは権限がないと。ですから、沖縄防衛局長に要請をして、そこで相談をしてくれと。その場で、そういうことならばということで文書を作り、そして、その週で要請をして、本当は四日の予定だったんですけれども、それが七日になったわけです。でも、しかし、その当日に、私も参加を求められて行ったわけですが、まさに宮古島から宮古島の代表団が来られて、そして説明をちゃんとやってくれということを求めたわけです。これから、その局長との話合いの中でも、局長は、それぞれの工事のたんびにその説明はまたやって、宮古島市と相談をしてやっていきたいと言っていたんですけれども、それはやはり国の責任だと思います。
 このような、この地区の皆さんが百名以上も集まっている中で説明会に入ろうとしていた者に対して、その思いをもう一回伝えに来たんですから、大臣として、やはりここは丁寧に明示的に説明をすると、そういう機会を是非つくっていただくようお願いしたいんですけど、もう一度答弁お願いします。
#269
○政府参考人(鈴木敦夫君) ただいま大臣から御説明ございましたように、これまでの住民の説明会ですとか様々な要請などの機会があるごとに、この保良鉱山地区におきましては火薬庫などを整備することを何度も御説明していることから、十月三日のこの御説明、説明会の中でこの地区に建設予定の火薬庫の説明があって、それに対する質疑が可能であったということは明らかであるというふうに思っております。
 今回の説明会の表題というものにつきましての御指摘ございましたけれども、この保良鉱山地区につきましては、火薬庫のみならず、覆道射場ですとか廠舎ですとか整備場など、保良鉱山地区に整備する施設の建設工事に関する説明会全体ということであることを踏まえたものであるということを御理解いただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、今後とも、私どもといたしましては、丁寧な説明に努めつつ、宮古島市とも調整しながら保良鉱山地区における施設整備を着実に進めてまいりたいというふうに考えてございます。
#270
○伊波洋一君 今年四月には、三月の開所では造らないと言った弾薬庫、そしてまた、入れないと言った弾薬を秘密裏に入れてあったということをマスコミに暴露されて、そして岩屋防衛大臣が謝罪をする事態になる。数々のこの間の取組は、大きな信頼を自ら壊しているんですよ。
 次の質問もそうなんですけれども、四月に開設された宮古島駐屯地の敷地内には、以前から住民の信仰の対象であるカーンミウタキという拝所、拝所の森がありました。防衛省は保全することを約束していますが、具体的にどの範囲の面積をどのように保全していく計画でしょうか。
#271
○政府参考人(鈴木敦夫君) 宮古島のいわゆる千代田地区というところに開設されました宮古島駐屯地におきましては、工事の着手前に現況調査を実施しておりまして、この調査において、既存の文献や地元の方々への聞き取りによりまして、御指摘ございましたように、この駐屯地の中にウタキ及び拝所、この存在を確認しております。こうしたこれらのものの存在の保全につきましては、地元の方々と調整をし、合意形成を経た上で計画を作成したものだというふうに承知してございます。
 具体的には、このウタキと拝所及び、それからあと、ここには鍾乳洞等の自然環境の保護もございます。そうしたものの必要な範囲として、約四千五百平米、これの保全範囲を計画するとともに、その周囲に緩衝地帯を設けまして、そこを柵で囲むと、それで保護することとしておりまして、その面積全体は約七千三百平米というふうになっていると承知してございます。
#272
○伊波洋一君 沖縄のウタキというのは、特に宮古島は農地改良が進んでおりますので、ウタキ地区というのは農地改良の間に、緑であります。普通、小山であったり、あるいは広い、平たいけれども緑地区であります。ここのウタキというのは、基本的にはこのゴルフ場の中にあるぽつんとした山です。これは一万平米あります。一万平米の中で、皆さんは七千平米を残すんだとずっと言い続けてきました。
 普通、我々が七千平米、七千三百平米残すというのならば、このウタキ、森を七千三百平米残すものだと思っているわけですよ、普通にはですね。でも、先ほど四千五百と言いましたけれども、これは、今、我々が指摘したからそう言ったんです、昨日指摘したから今日の答弁になっているんであって、ずっと七千三百と言ってまいりました。ところが、地域の住民との話では、皆さんが提示したのは二千三百でした。二千三百で、その後現況調査をして、四千五百なりのものにしているわけです。
 いずれにしろ、この平成三十年三月の宮古島駐屯地新設現況調査報告書の中で、その範囲を示していません。どのような、具体的にこれを示すかということについて、学術的な根拠も明記されない。ウタキという概念すら把握しないまま、やはり恣意的に示したものだろうと思います。
 資料に添付してございますが、三枚目の資料で、この話合いの議事録があります。話合いの議事録では、その後ろのページが、拝所として防衛省が提示したわけです、このエリアを残していきたいと。でも、沖縄の概念としてのウタキという、地域の皆さんが考えているウタキは一万平米あるわけです。その中で、皆さんは二千三百を提示し、そして、最終的には四千五百になっている。でも、この話し合った方々は、もう土地は防衛省のものだから、防衛省がやるのはもう何か当たり前に受け入れざるを得ないということだったんだろうと思います。
 私は、やはりその経過、なぜこの二千三百を提示し、四千五百になり、そして今七千三百と説明、ずっと説明し続けた経過、これを明らかにすべきだと思いますけれども、一体その保全すべきウタキの範囲を決めたのは誰なんですか。
#273
○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘ございましたこの宮古島駐屯地内におきますウタキですとか拝所の保全については、この地元のウタキ、拝所に詳しい方も含む地元の方々と調整をいたしまして、合意形成を経た上で計画を作成したというものでございます。
 経緯で申しますと、このウタキ、拝所でありますれば、御指摘のようなこの当時の、平成二十八年八月中旬のこうしたところでいいわけでございますけれども、それにプラスして、先ほど申し上げましたように、そこの近辺に鍾乳洞等の保存すべきものもあったということで、それを含めた形として四千五百平米の保全範囲というものを計画して、更にその周囲に緩衝地帯と、要するに、その外側は自衛隊の駐屯地でございますので、その周囲に緩衝地帯を設けまして、柵で囲って保護すると。その面積が七千三百平米ということでございますので、こうした数字で説明することももちろんございました。
 いずれにいたしましても、こうした地元の方々に対して保全範囲を示した資料等を提示するなどして調整を行わせていただいたものというふうに承知してございます。
#274
○伊波洋一君 委員長、今防衛省が回答した経緯ですね、何を根拠にウタキの保全範囲を決定したか、具体的な資料の提供を是非求めていただくよう、お取り計らいをお願いしたいと思います。
#275
○委員長(北村経夫君) 後刻理事会で協議いたします。
#276
○伊波洋一君 先ほど申し上げたように、実際に七千三百とずっと言い続けてきたんですよ。で、私たちが昨日、いや、皆さんが赤土防止条例で出しているのは四千五百平米の保全だと、なっているよと、それで初めて四千五百ということで今の答弁になっているわけですけれども。
 やはり、本当に七千三百を保全するというからには普通、緑のまま保全するのが普通で、そのそばには周りの柵があってしかるべきではないですか。それを、四千五百保全して、あと、足したあれは何もない空き地だと。これで保全と言えるんでしょうか。
 大臣、こういう防衛の言葉の使い方、七千三百を保全するという、こういう言い方は二枚舌ではありませんか。どちらが真実ですか。
#277
○国務大臣(河野太郎君) 御指摘の沖縄県赤土等流出防止条例により提出した事業行為通知書における約四千五百平米の範囲は、保全範囲として造成工事の対象外とする範囲を示しているものであります。
 具体的には、ウタキ、拝所及び自然環境の保護に必要な範囲として約四千五百平米の保全範囲を計画するとともに、その周囲に緩衝地帯を設け、柵で囲み保護することとしており、その面積は約七千三百平米となっております。この四千五百平米の保全範囲等につきましては、資料を提示するなどし、地元の方々と合意形成を得たものと承知をしております。
#278
○伊波洋一君 お手元資料の、先ほどの住民との説明会の議事録のところなんですけれども、地域の皆さんはこう言っているんですね。この範囲内に、拝所の下に井戸があったと記憶すると、工事の際はその井戸の場所を確認し、重機などで壊さないようにしてもらいたいと。それで防衛省は、工事着手前に確認するとともに配慮すると、こう答えました。
 この間、ずっと、この井戸が壊されているんじゃないかということをずっと指摘してまいりましたけれども、防衛局はずっと回答しないで無視をしてまいりました。しかし、この資料にありますように、拝みをする方がいらっしゃいます、各地区にですね。その方を案内してここに来たら、ここにあった井戸はどうなったんだと、誰が壊したんだと、そういう憤りの声を出したわけです。
 その工事、約束していたにもかかわらず埋めてしまっている、つまり全部潰してしまっている、そのことについて、これは約束違反ではありませんか。
#279
○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘のございました井戸につきましては、住民の方からの御要望も踏まえまして、関係者からも聞き取りを行うとともに、既存の文献の調査ですとか地元の教育委員会等が発行されているような文献、こうしたものにおける文献調査、それから現地踏査ということで現地を見て回りました。そうした確認を行いましたが、この場所のウタキ及び拝所の周辺において井戸は見当たりませんでした。
 ただ、いずれにいたしましても、宮古島駐屯地の整備に当たりましては、ウタキ及び拝所の保存について、地元の方々と調整した範囲を残した上で、その周辺の整備を適切に行ってまいりたいというふうに承知してございます。
#280
○伊波洋一君 防衛局が事前にやった現況調査、現況調査そのものはこの話の後に出てくるんですね。その中に、我如古さんという拝む方が出ております。実はこの近くに住んでいらっしゃる方で、その御本人も自分のところで拝所を持っている。ここもよく拝みに来る。その人が要するに壊されていると言ったわけですよ。つまり、皆さんが相手にしていた人たちは本当にこのウタキのことや拝所のことを知っている人たちだったのか、かなり疑問があります。
 防衛大臣、もし防衛省が、このように地元が大切にしてきた、約束していた井戸が壊されている、こういうことが明らかになった時点でこれを復元すると、こういうお約束をしていただけますか。
#281
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど事務方から答弁したとおりでございます。
#282
○伊波洋一君 事務方の答弁はどうだったのかというのは、私は聞いていても分からなかったんですね。いわゆる調べてやったんだと言っているアリバイなのか、あるいはこれから調べると言っているのか。
 どうぞ最後に、やるのかやらないのか。これ、すぐそばなんですよね、およそ何メートルもないところです、境界から。ひょっとしたら、皆さんが広げる……
#283
○委員長(北村経夫君) 申合せの時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
#284
○伊波洋一君 はい。
 最後に、やるつもりなのかやらないつもりなのか、お答えください。
#285
○国務大臣(河野太郎君) 先ほど事務方から御答弁申し上げたとおり、調査をした結果、見付からなかったということでございます。
#286
○委員長(北村経夫君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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