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2019/11/13 第200回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第200回国会 法務委員会 第7号
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2019/11/13 第200回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第200回国会 法務委員会 第7号

#1
第200回国会 法務委員会 第7号
令和元年十一月十三日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 松島みどり君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 越智 隆雄君
   理事 鬼木  誠君 理事 田所 嘉徳君
   理事 葉梨 康弘君 理事 稲富 修二君
   理事 山尾志桜里君 理事 浜地 雅一君
      井野 俊郎君    上野 宏史君
      奥野 信亮君    門山 宏哲君
      神田  裕君    国光あやの君
      小林 茂樹君    出畑  実君
      中曽根康隆君    藤井比早之君
      古川  康君    本田 太郎君
      宮崎 政久君    山下 貴司君
      吉川  赳君    和田 義明君
      逢坂 誠二君    落合 貴之君
      高木錬太郎君    日吉 雄太君
      松田  功君    松平 浩一君
      山川百合子君    竹内  譲君
      藤野 保史君    串田 誠一君
    …………………………………
   法務大臣         森 まさこ君
   法務副大臣        義家 弘介君
   法務大臣政務官      宮崎 政久君
   衆議院議事部長      今岡 武史君
   最高裁判所事務総局総務局長            村田 斉志君
   最高裁判所事務総局人事局長            堀田 眞哉君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 河野  真君
   政府参考人
   (法務省大臣官房政策立案総括審議官)       西山 卓爾君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          金子  修君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小出 邦夫君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    小山 太士君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    名執 雅子君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 高嶋 智光君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           森  晃憲君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十三日
 辞任         補欠選任
  黄川田仁志君     本田 太郎君
  和田 義明君     上野 宏史君
同日
 辞任         補欠選任
  上野 宏史君     和田 義明君
  本田 太郎君     黄川田仁志君
    ―――――――――――――
十一月十二日
 会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
 会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出第一一号)
同日
 国籍選択制度の廃止に関する請願(高木美智代君紹介)(第一三号)
 同(西村智奈美君紹介)(第一四号)
 同(荒井聰君紹介)(第二二号)
 同(中川正春君紹介)(第二三号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第四七号)
 同(荒井聰君紹介)(第四八号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第四九号)
 同(近藤昭一君紹介)(第五九号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第六八号)
 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(高木美智代君紹介)(第一五号)
 同(西村智奈美君紹介)(第一六号)
 同(荒井聰君紹介)(第二四号)
 同(中川正春君紹介)(第二五号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第五〇号)
 同(荒井聰君紹介)(第五一号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第五二号)
 同(近藤昭一君紹介)(第六〇号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第六九号)
 共謀罪法の廃止に関する請願(高木錬太郎君紹介)(第二一号)
 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(神谷裕君紹介)(第七七号)
 同(松田功君紹介)(第七八号)
 同(村上史好君紹介)(第七九号)
 同(海江田万里君紹介)(第八二号)
 同(福田昭夫君紹介)(第八三号)
 同(山崎誠君紹介)(第八五号)
 同(阿久津幸彦君紹介)(第一一〇号)
 同(山花郁夫君紹介)(第一一四号)
 同(屋良朝博君紹介)(第一二〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)
     ――――◇―――――
#2
○松島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官河野真さん、法務省大臣官房政策立案総括審議官西山卓爾さん、法務省大臣官房司法法制部長金子修さん、法務省民事局長小出邦夫さん、法務省刑事局長小山太士さん、法務省矯正局長名執雅子さん、出入国在留管理庁次長高嶋智光さん及び文部科学省大臣官房審議官森晃憲さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○松島委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局総務局長村田斉志さん及び人事局長堀田眞哉さんから出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#6
○松島委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鬼木誠さん。
#7
○鬼木委員 おはようございます。自由民主党の鬼木誠でございます。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、そして検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質問をさせていただきます。
 私は九州大学法学部の出身でございまして、この秋は同窓会シーズンでございます。十月には地元福岡で九州大学法学部の同窓会がございまして、それに参加いたしますと、やはり弁護士始め法曹出身といいますか、法曹の方がたくさん参加されておられまして、その人たちに法務委員会の理事に就任しましたという報告、また、給与法について今度質問させてもらうんですよという話をしました。大変喜ばれまして、頑張れと、そして、裁判官そして検察官だけではなくて、弁護士についても、その処遇の改善といいますか、若い人たちが法曹界を志望してくれるように、こういうふうに後押ししてほしいといった声、さまざま受けてきましたので、広く法曹界に若者が志望して、優秀な人材が来てくれるようにといったところから、広い視野で質問させていただきたいと思います。
 それでは、まず、裁判官、検察官の給与改定に当たりまして、同じ国家試験、司法試験に合格して法曹となって活動するわけなのですが、弁護士の所得水準に準拠するのではなく、一般の政府職員の俸給表に準じて、人事院勧告を踏まえた見直しを行うのはなぜかということにつきまして、法務当局に伺いたいと思います。
#8
○金子政府参考人 お答えいたします。
 裁判官及び検察官は、国家公務員という立場で職務に従事し、定額の給与の支給を受けるのに対し、弁護士は、一般的には、みずから顧客と契約を締結し、その契約に基づいて、経費を負担しつつ報酬を得るという事業主的な営業形態をとってその職務を行っております。
 このように、裁判官及び検察官と弁護士とでは、その所得を得る態様や職務内容が大きく異なっており、裁判官及び検察官の給与と弁護士の所得とを単純に比較して給与水準を論ずることが困難であるという事情がございます。
 また、裁判官及び検察官も国家公務員でございまして、その給与につきましては、国家公務員全体の給与体系の中でバランスのとれたものとする必要があるということが言えます。
 したがって、裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額の改定に当たりましては、弁護士の所得に準拠するのではなく、人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じて行っているところでございます。
#9
○鬼木委員 性格上、同じ物差しでは比べられないというところはあるかと思います。
 そういう中で、今回の改定、若手の裁判官、検察官の給与を引き上げることを内容とするものであるということです。十分な給与水準などの待遇が確保されることによって、若者が法曹を志望する環境整備の一つとなればいいなと考えております。
 そうしたところで、近年の法曹志望者数の動向について法務当局に伺います。
#10
○金子政府参考人 お答えいたします。
 近年の法曹志望者数ということですが、法科大学院の志願者数について見ますと、平成十六年の制度創設当初は七万二千八百人でございましたが、その後、長く減少傾向が続き、平成三十一年度は九千百十七人にまで減少しているところでございます。
 このような法曹志願者数減少の原因としましては、法科大学院全体としての司法試験合格率や、法曹有資格者の活動の場の広がりなどが制度創設当初に期待されていた状況と異なるものとなっているということ、法曹資格取得までの時間的、経済的負担がかかることなどがあるものと認識しております。
 そうした中で、本年六月に法科大学院改革や司法試験制度の見直しを内容とする改正法が成立し、これらにより、法科大学院教育の充実や法曹資格を取得するまでの時間的、経済的負担の軽減が図られるとともに、資格取得の予測可能性の高い法曹養成制度が実現されることで、法曹志願者の回復につながっていくものと期待しております。
 法務省としては、今回の改正を踏まえた法曹養成制度がしっかりと機能していくよう、文部科学省を始めとする関係機関等と連携、協議の上、必要な検討を進めてまいりたいと考えております。
#11
○鬼木委員 やはり、冒頭申し上げたとおり、法曹志望者数の減少というのが大きな問題だと思います。やはり、若い優秀な人が志を持って法曹にどんどん来てもらえるように、さまざまな手だてが必要かなと思っております。
 一時期、弁護士の就職難というのが話題になりました。昔は居候弁護士のことをいそ弁と言っておりました。法律事務所に就職をして、そしてその事務所の中で居候をして、給料をもらいながら実務をやって勉強していくということで、居候弁護士、いそ弁と言っておりましたが、最近では、居候させてもらえない、給料を払って雇う余裕もなく、居候させることができない、軒だけ貸すから給料なしで働いてくれということで、軒先で働く弁護士を軒弁と言われている時代がありました。
 いそ弁、軒弁と来て、最近は本当に軒先も貸してもらえないということで、入れないということで、即独といって、即独立するという弁護士、即独立する、お客も何もないけれども即独立、即独、さらに、自宅に事務所を構えて独立するのを、自宅の弁護士で宅弁というらしくて、さらに、固定電話を引く経費もないということで、携帯電話を名刺に書いて営業するということで、携帯電話で営業する弁護士を携弁と。
 宅弁、携弁というふうに、どんどん若手弁護士の勉強する場所、修行を積んだり人脈をつくる場所というものが、環境が悪化してきて、弁護士はなかなか厳しいよというふうに、環境が悪化していったというふうな言葉が、この何弁という、ノリ弁みたいな弁当の名前みたいに略した言葉で、いそ弁、軒弁、宅弁、携弁というふうに、自嘲ぎみにそういう言葉があらわしていたわけですね。
 そういう中でも、だんだん制度も安定してくる中で、弁護士さんの活動の幅、社会の中での役割などもだんだん変わってきまして、近年では就職状況等も改善傾向にある、法曹業界全体にとっても明るい兆しが見えていると聞きます。
 司法修習を経て弁護士となった者の最近の就職状況につきまして、法務当局に伺います。
#12
○金子政府参考人 弁護士となった者の最近の就職状況につきまして、日本弁護士連合会の調べによりますと、平成三十年十二月に司法修習を終えた司法修習第七十一期の者になりますが、これらの者の、修習終了後三カ月を経過した時点で、裁判官、検察官に任官せず、かつ弁護士登録をしていない弁護士未登録者数は五十四名で、修習終了者全体の三・六%でございます。
 この数字は、平成二十六年十二月に司法修習を終えた第六十七期の場合、このときは七・九%でございましたので、これと比べまして半数以下となっていることなど、ここ数年で減少傾向にございます。
 このような事実からしまして、弁護士となった者の就職状況は、委員御指摘のとおり、近年改善傾向にあるものと考えております。
#13
○鬼木委員 未登録者数が減ったということは、資格を持ってしっかり法曹界で頑張っていこうという人がふえてきているということでありまして、改善傾向が見られるということであります。
 司法試験に合格するというのは、もう時間的にも経済的にも本当に大変な苦労をしてなるものでありまして、私も、たくさんの苦学をして法曹界に入った友人がおりますから、そこまでして志を立てて頑張って司法試験に合格した人たちが、やはり登録をして、しっかり法曹界で活躍していただくというのは本当に大事なことだなと思っております。
 そういう中で、同窓会や日ごろつき合う友人たちの中で、やはり働き方が変わってきたなと思うような出来事があります。
 先日の同窓会では、法律事務所で働いていた後輩が、今度は、先輩、私、就職しましたといって名刺を持ってきまして、それは地元の企業の企業法務の弁護士なんですね。つまり、インハウスのローヤーになるということで、法律事務所から企業内の弁護士ということで勤めになった。生まれて初めて会社員になりましたといって名刺をくれて、そういうふうにインハウスローヤーがふえれば、外部の弁護士に発注する業務量も増加するということも言われておりまして、これは法曹界を活性化する上でもいい話だなと思いながら後輩と話をしました。
 また、私の同級生で、これは高校の同級生なんですけれども、商社に入社したんですが、その商社が潰れてしまいまして、それから苦学をいたしまして弁護士資格を取った友人が、いわゆるGAFAのようなテック企業の日本の法務部門に就職をいたしまして、そしていろいろな、海外企業が日本に進出するに当たって、日本の法務を担当するという大事な仕事をしていたんですね。それはそれで大変やりがいがあったんだけれども、やはり四十代のうちに独立したいということで、東京で独立しまして、今度は企業法務から独立して弁護士事務所を立てたというふうに、非常に働き方の多様化だとか、あとは働き方の流動性というものが生まれてきているなということで、そういうふうに社会が法曹人材を必要として活用しているという意味では、司法改革の流れの中で、いい兆しが見えてきているのではないかなというふうに感じたことでございます。
 将来の法曹志望者を確保するためには、学校教育段階にある児童生徒に対して、司法を担う法曹の役割の重要性やその魅力を伝えていく必要があると考えます。法曹が学校現場に赴き、法教育授業を行うなどの取組も行われていると聞きますが、法務省としては、法教育につきまして、今後どのように取り組んでいくのか。教育といえば義家先生に伺いたいと思います。法務副大臣にお伺いします。
#14
○義家副大臣 お答えいたします。
 法教育とは、法律の専門家ではない一般の方々が、法や司法制度の基礎となっている価値を理解し、法律的な物の考え方を身につけるための教育であり、自由で公正な社会の担い手の育成を目的としております。
 その上で、この法教育の内容には、司法の意義や、それに携わる法曹の役割についての理解を深めることも含まれており、法教育を実施することは法曹志願者の確保にもつながるものと考えております。
 また、委員御指摘のように、法曹志願者を確保するために、その魅力を積極的に発信していくことも重要であろうと思っております。
 法務省においては、これまで、学校現場における法教育授業の実施が進むよう、教員用の副読本として、小学校、中学校、高校向けの法教育教材の作成を行っており、全国全ての各学校に配付しております。これは私も目を通しましたが、できばえとしてはかなりいいものでありまして、これをより積極的に学校現場で使っていただきたいというふうに考えておりますし、また、教員向けの法教育セミナーを実施するなどの取組も適宜行っております。
 さらに、法務省では、小中高校等に検察官を講師として派遣し、法曹の役割等についての法教育授業を実施したり、大学生や法科大学院生を対象に検事の仕事の内容等に関する説明会を開催したりするなど、法教育を通じるなどして法曹の魅力を発信する取組も進めてきたところでございます。
 法務省としても、自由で公正な社会の担い手の育成とともに、将来の法曹志願者を確保する観点からも、今後とも法教育に対する取組をより一層充実してまいりたいと思っております。
#15
○鬼木委員 ありがとうございます。
 今、給与法の議論をしておりますけれども、やはり法曹に進んでいただく人たちには、その志といいますか、社会正義の実現だとか、困っている人を助けたいという気持ち、児童生徒の持っている純粋な気持ちに教育の中で訴えかけていくというのはすごく価値のあることだと思いますので、ぜひ法務省挙げて、そうした取組、随分私が思った以上に頑張っておられますが、更によろしくお願いいたします。
 続きまして、経済のグローバル化やインバウンドが急速に進んでおります。法務省では、出入国管理法を改正いたしまして、外国人労働者の受入れ拡大を進めているところでございます。
 そうした中で、日本の法令状況を正しく国際発信していき、国際的な信頼を得ることが重要でございます。日本法令の外国語訳整備事業を更に充実させてほしいと考えますが、日本法令外国語訳整備を進める実施体制や今後の課題について法務当局の方に伺います。
#16
○金子政府参考人 日本の法令を外国語訳して国際発信する取組は司法制度改革の一環として始まりまして、平成二十一年度からは、法務省が政府全体の法令外国語訳の品質管理や一元的公開業務等を行っております。現在、法務省の法令外国語訳専用の公開ホームページでは、約七百五十の日本法令の英語訳を公開しているところ、近年は利用件数も拡大しておりまして、一日当たり十万件を超えるアクセスがございます。
 法務省では、内部に担当の専門部署を設けるとともに、法令を所管する各府省庁から提出された翻訳原案につき、法律に関する専門知識を持つネーティブアドバイザー等による翻訳の検査を行い、さらに、弁護士や研究者により構成される日本法令外国語訳推進会議におきまして専門的検討を行った上、専用ホームページにおいて高品質な英訳法令の迅速な公開に努めているところでございます。
 この法令外国語訳整備事業の今後の課題ですけれども、法改正に対応したタイムリーな翻訳の提供、司令塔となる官民会議体の立ち上げ、法令概要情報の翻訳提供サービスの開始、AIの活用等があると考えております。
 これらはいずれも、本プロジェクトが法務省において本格開始されてから十年を契機として、昨年十二月に立ち上げました有識者会議である日本法令の国際発信に向けた将来ビジョン会議の本年三月の提言において提示していただいたものでございまして、いずれの課題も、日本の法制度を国内外において迅速かつ正確に理解してもらい、日本の法制度の国際的な信頼性を高める上で貴重な御指摘であると真摯に受けとめているところでございます。
 なお、このビジョン会議の提言につきまして、その内容を関係省庁から成る関係会議で取り上げて認識を共有し、推進しているところでございます。
#17
○鬼木委員 さきに日本で開催されたラグビーワールドカップも、本当に、日本のチームも、いろいろな国の出身の選手も一緒になって、ワンチームとして日本代表として戦ってくれた、日本国民に大いに勇気と感動を与えてくれました。まさにこのワンチームが日本のあるべき共生社会の姿を一足先に体現してくれたかなというふうに感じました。
 そういう中で、日本法令に対する正しい理解の推進、より迅速かつ正確な法令外国語訳の整備、発信に努めることによって、外国の人たちに日本の法令をわかって安心して来てもらう、そういう必要がございます。法務省にはぜひその先頭に立ってほしいと思います。
 法務省として法令外国語訳整備にどのように取り組んでいくのか、法務大臣に伺いたいと思います。
#18
○森国務大臣 鬼木委員には、環境大臣政務官をなさっていたときに、環境委員会の方で御活躍のお姿を拝見しておりました。
 今ほど御質問の、国際化に対応したインフラ整備としての法令外国語訳整備でございますけれども、我が国の法制度に関する情報発信として、私自身も日本の国益に資する優先度の高い課題と認識しておりますので、今ほど事務方が答弁したビジョン会議の本年三月の提言を受け、本年九月から重要な改正法の概訳の英訳を公開する取組も開始しておりますし、現在、法令外国語訳整備プロジェクトの司令塔となる官民会議体について、本年内の開催に向けて準備中であります。
 委員の御提言もしっかりと受けとめて、関係省庁とも協力の上、より一層取り組んでまいりたいと思います。
#19
○鬼木委員 終わります。ありがとうございました。
#20
○松島委員長 次に、浜地雅一さん。
#21
○浜地委員 おはようございます。公明党の浜地雅一でございます。
 給与法の質疑に入らせていただきますが、今国会、提出されております大きく三本の閣法のうちの本当にやっと一本目が審議になるということで、我が法務委員会としても、大事な法案が、この後、会社法や外弁法が控えておりますので、極力急いで審議をしなきゃいけないなというふうに理事の一人として思っております。
 きょうは、私の方、非常に技術的な質問が多うございますので、大臣始め政府三役の方には大変申しわけないんですが、答弁者として指名をしておりませんので、質疑を聞いておいていただければと思っております。
 まず一問目なんですが、先ほど鬼木委員からもお話がございましたが、一般国家公務員の給与改定と裁判官の報酬また検察官の俸給との関係について、少しお聞きをしたいと思っています。
 今回、人事院の勧告を受けまして、一般職は、初任給及び若年者を中心に、主に三十代前半まで、いわゆる任官されて十年目程度の皆様方を中心に給与がアップすることになります。
 しかし、裁判官や検察官におきましては、裁判官でありますと判事補の八号から十二号、検事におきましては十六号から二十号ということで、これは主に任官して二年目までの方々が対象で、三年目以降の方々は今回昇給、アップになっていないということでございますが、こういったことがなぜ起きるのか。
 いわゆる一般職の公務員の給与改定と裁判官、検察官の給与改定との関係について、私が今指摘した点も踏まえて御答弁いただければと思います。
#22
○金子政府参考人 お答えいたします。
 裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額につきましては、従前より、人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じて行っているところでございます。
 これは、人事院勧告の趣旨は、一般職の国家公務員の労働基本権制約の代償措置として、その給与水準を民間の給与水準に準拠して定めるというもので、合理性があると認識していることによるものでございます。
 次に、その改定額につきましては、その職務と責任に応じまして、一般の政府職員の給与水準に比べて一定の格差があることを前提に、その対応する一般の政府職員の俸給月額と同じ改定率で定めております。
 本年の人事院勧告は、民間の初任給との間に差があること等を踏まえ、初任給及び若年層の俸給月額を引き上げること等を内容とするものであるところ、この御審議いただいている二法案は、このような人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じまして、俸給表上、これに対応する裁判官及び検察官の給与を改定するという考え方によっております。それによりますと、判事補八号以下及び検察官十六号以下等の給与を改定するということになるというものでございます。
 このように一般の政府職員の俸給表の改定に準じて裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額を改定する方法は、一方で裁判官及び検察官の職務と責任の特殊性を反映させつつ、他方で人事院勧告の重要性を尊重し、国家公務員全体の給与体系の中でのバランスの維持にも配慮するという理由に基づくものでございまして、給与水準の改定の方法として合理的であると考え、今回提出をしている次第でございます。
#23
○浜地委員 ありがとうございます。
 趣旨は理解しました。しましたが、いわゆる一般職の公務員に、当然、公務員ですから準じなきゃいけないんですが、それによって、司法権の独立を担う裁判官の任官や、また公訴権をお持ちであり、きちっと、準司法作用としての検察官の任官の状況が悪化してしまうと、これは本末転倒になろうかというふうに思っております。
 先ほど鬼木委員の方から、弁護士の報酬も、今、所得も上がってきているというような状況もございます。
 そこで、現在、裁判官の任官の状況、また検事の任官の状況について、そういった報酬を、俸給を定めている状態で、何か変化はございませんでしょうか。しっかりリクルーティングできているのかどうか、その状況も含めて、端的にこれは最高裁判所と法務省にお聞きをしたいと思います。
#24
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 最近の判事補の任官者数でございますが、平成二十八年度、修習の期で申し上げますと六十九期になりますが、七十八名、二十九年度、七十期が六十五名、三十年度、七十一期が八十二名となっております。
 裁判所といたしましては、できる限り判事補の採用に努めているところでございます。
 一方で、判事補に採用するためには、裁判官にふさわしい資質、能力を備えていることが必須でありますところ、判事補の給源となります司法修習終了者の人数が減少しておりますことに加えまして、大規模法律事務所との競合が激化しておりますことや、大都市志向の強まり、配偶者が有職であることの一般化といったことに伴いまして転勤への不安がふえているといったことから、裁判官としてふさわしい資質、能力を備えた上で裁判官への任官を希望する者の人数が伸び悩むという状況になっているところでございます。
 いずれにいたしましても、裁判所といたしましては、実務修習において裁判官の職務や働きぶりを間近に見て、そのやりがいや魅力を実感してもらうほか、司法研修所におきましても、折に触れて、司法研修所の教官が裁判官のやりがいや魅力を司法修習生に伝えるようにするなどして、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者を少しでも多く採用することができるよう、引き続き努めてまいりたい、そのように考えているところでございます。
#25
○西山政府参考人 過去三年間の検事の任官状況をお答えいたしますと、平成二十八年度、六十九期ですが、七十名、平成二十九年度、七十期が六十七名、平成三十年度、七十一期が六十九名になってございます。
 法務当局としましては、検事任官者は適切に確保できていると考えてございまして、今後とも、引き続き、検事としての能力、適性を備えた検事任官者を積極的に確保してまいりたいと考えてございます。
#26
○浜地委員 具体的な数字をいただきましたけれども、今、合格者が、次にちょっと質問しますけれども、大体二千人時代になって、千五百人程度に少し減少はしておりますが、大体七十名とか六十名というのは、五百人合格時代と余り変わらないんじゃないかなと。そうでもないですかね、私の記憶だとそういう意識があるんですけれども。先ほど最高裁の方からは、なかなか大手事務所との競合で伸び悩んでいるというようなこともございました。
 ですので、これはなかなか難しい問題だと思うんですが、例えば、安全保障の世界だと、自衛官の方、今回は人事院勧告とは別に初任給を大幅に上げました。これは、ほかの公安職との競合ということもありまして、約三%以上初任給を上げました。これは、いわゆる人事院勧告とは別の措置としてやっておりますので、しっかり任官状況を見ていただきながら、決して給与だけが裁判官や検事になる動機だとは思いませんけれども、弁護士との格差が広がってきますとそういったことも考慮されるかもしれませんので、いつかやはり初任給を含めて考える時期が来るのではないかなと私は個人的には思っておりますので、そういった意味で御質問をさせていただきました。
 次に、新司法試験についてお聞きをしたいと思っております。
 先ほどお話をさせていただきましたが、令和元年の合格者が千五百二名ということで、一番多いときが二千百二名出しておりました。しかし、このときの受験者数は、出願者数ですね、平成二十三年が一万一千八百九十一人受けましたが、だんだん、平成二十六年に一万人を切りまして、何と令和元年は四千九百三十名しか受験をしなかったうちの千五百二人が合格をしまして、合格率が三三・六三%ということで、これは、新試験と旧試験は試験の質が違いますが、私が受けた旧試験から比べると夢のような数字でございます、私のときは一・七%でございましたので。
 ある意味、しっかり法曹をふやそうということで始まった制度でございますので、これはこれでよろしゅうございますが、これだけ出願者が少ない中で、本当に法曹の質が担保されているのかなというのが、やはり純粋な、法曹界の人間ではなくても、懸念ではないかと思っています。
 そこで、実は、平成二十七年の六月三十日に、法曹養成制度改革推進会議決定で、これは与党も関与したわけでございますが、とにかく司法試験の合格者を千五百人程度で推移させるよう考慮するような記載がございます。
 ですので、私は、出願者が少ない中、もしかすると、この推進会議の決定で示された合格者千五百人程度というものが非常に考慮され過ぎて、合格水準が低下するなどの傾向があるのではないかなというふうに懸念をしておりますが、現在の新司法試験において、合格水準の低下など、特に、この千五百人の合格者を出すという推進会議の決定が影響してそのようなことになっていないか、御答弁をいただきたいと思います。
#27
○西山政府参考人 御指摘の決定におきましては、司法試験の合格者数について、千五百人程度は輩出されるよう、必要な取組を進めるとされているところでございますが、他方において、この決定においては、輩出される法曹の質の確保を考慮せずに達成されるべきものではないとも付言されているところでございます。
 また、司法試験の合格者は、そもそも法曹になろうとする者に必要な学識及びその応用能力を判定するという観点から、司法試験考査委員の合議による判定に基づき、司法試験委員会において決定されるものでございまして、あくまで実際の試験結果に基づいて適正に行われているものと承知しております。
#28
○浜地委員 そのように御答弁されました。
 ですので、一つ、合格者の質が落ちていないという担保として、司法修習が終わるときに二回試験というものがございます。これは、何日も何日も、何日間かかけて、朝から晩まで、下手したら昼飯も途中で自分でとりながら、一日七時間ぐらいの試験を受けて、記録を読んで実際の実務の能力があるかどうかを試す試験でございますが、これに合格しないと最終的には法曹資格が付与されないわけでございます。
 この司法修習におけるいわゆる二回試験、この不合格者の数にもし推移があれば、やはり質が低下しているというふうに言えると思いますが、この二回試験の不合格者の数というのは、旧司法試験時代に比べ、また、新司法試験が始まり、ここ最近合格率が高くなる中で、変化はあるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
#29
○堀田最高裁判所長官代理者 司法修習生の考試、いわゆる二回試験の不合格者数についてでございますが、近年大きく増加するような状況にはございません。
#30
○浜地委員 ありがとうございました。
 数字は結構です、私、数字は見ましたので。むしろ若干減っている、人数からいうとですね、そういったこともあるようでございますので、そういった意味では、新司法に合格され、しっかり司法修習を経験され、以前に比べて、一年間という期間で非常に短くはなったわけでございますが、この二回試験という不合格者の数に推移がないということでございますので、ここは一つ質の担保のエビデンスになろうかなと思っております。
 ただ、やはり一番大事なのは、出願者また受験者数をふやす中で、合格者数というのは大体千五百人程度で今後推移していくわけでございますけれども、多様な人材をロースクール、法科大学院に入学をさせ、やはり母体をふやすことが大事であるということは、恐らくここにいらっしゃる委員の方々また政府の方々は共通認識だろうというふうに思っております。
 そこで、私、社会人経験のある法科大学院の入学者をしっかりふやしていくことも一つの方策であろうというふうに思っております。
 先ほど、ちょっと鬼木委員の話ばかりして申しわけないんですが、非常に、直近は、即独であるとか軒弁であるとか、そういった人がふえているということがあるんですけれども、私も実は社会人経験受験生でございました。三十三歳から試験に挑戦しましたが、私は半年間で独立することがたまたまできたわけですが、これはやはり社会人の経験があったからであろうと思っています。やはり人脈もありましたし、また、さまざま法律や社会科学の中で、いろいろな事象に、自分自身は少ない経験ながら接しておりましたので、そういった意味では、やはり社会人経験者の占める法科大学院入学者の割合というのは、法曹の多様性を高める中では、私自身が経験した中で必要だというふうに思っております。
 そこで、きょう、一枚だけ資料をお持ちしました。これは、平成十六年、新司法試験、いわゆる法科大学院が始まったときからの社会人経験者の占める割合を示したものでございます。
 未修者に占める割合が一番上のオレンジの部分の折れ線グラフでございますけれども、平成十六年、法科大学院制度が始まったときは、何と五一・三%、半数以上の方々が社会人経験を有されておりました。それから年々、やはり三〇%台に下がり、ひいては二七%台という、かなり下がった中でございましたけれども、平成三十一年、この入学者を見ますと、久しぶりに右肩にグラフが上がっております。三八%の方、約四割の方々が社会人経験のある法科大学院生として入学をされております。これは非常に珍しいといいますか、近年においては珍しい傾向かと思っておりますが、非常にいい傾向だと思っています。
 そこで、この平成三十一年、二七・五%が前年であったにもかかわらず、三八%に社会人経験者の法科大学院の入学者に占める割合がふえた原因について、どのように分析をされているのか、これは文部科学省にお聞きをしたいと思います。
#31
○森政府参考人 お答えいたします。
 法科大学院入学者に占めます社会人経験者の割合の増加につきましては、今委員が御説明いただいたとおりでございますけれども、入学者数についても、法科大学院全体が平成三十年度から令和元年度にかけて二百四十一名増加したんですが、そのうち、社会人経験者が百七十一名の増ということになってございます。
 現段階では、一つの年度間の傾向でございますので、その要因を一概に申し上げるのは難しい面もございますけれども、志願者数自体がふえたところがございまして、社会人経験者にとって受けづらいとの指摘がありました入学者選抜における適性試験が昨年度より実施されなくなり、各法科大学院の個別試験のみで入学者選抜が行われるようになったということが一つの要因として考えられるのではないかというふうに思ってございます。
 文部科学省といたしましては、さきの通常国会で成立をいたしました改正法において、社会人経験者等に対する入学者選抜における配慮について規定されたことなども踏まえまして、法科大学院における多様性の確保に努めてまいりたいというふうに思っております。
#32
○浜地委員 確かに、適性試験が免除されたというのは、一つ大きな要因であろうというふうに思っております。
 あとは、先ほどもお話が出ましたが、前国会で成立をしました法科大学院の教育と司法試験等との連携に関する法律、これは一部改正されましたので、ことしの高校三年生ですね、現在の、この新しい新司法試験が始まる対象になるのが恐らく今の高校三年生、今度大学一年生になる生徒であろうかと思っています。あっ、違いますか、違う。済みません、ちょっと答えてもらっていいですか。
#33
○森政府参考人 今の大学一年生からですね。
#34
○浜地委員 わかりました。済みません。
 もう今の、既に大学一年生から新司法試験が少し新しくなって、どんどん受けやすくなるわけでございますので、若い人への周知徹底、高校生も含めてやっていただくことと、社会人経験者というもの、やはりさまざまな多様性を法曹に求めるということが一つのこの制度改革の趣旨でございますので、両面しっかりと頑張っていただきたいなと思っています。
 最後の質問にしますが、先ほども出ました司法試験との連携法、前国会で成立しました、この第十条に、職務経験を有する者への配慮という規定が設けられまして、法科大学院に入学する者について、特に、就業者その他職業経験を有する者についてはさまざまな配慮をしなければならないというような規定が設けられましたが、具体的にはどのような配慮を検討されているのか、最後、御答弁いただいて、質問を終わりたいと思います。
#35
○森政府参考人 具体的な配慮の例といたしましては、入学者選抜の複数日実施あるいは試験の休日実施など、就業者に考慮した入学者選抜の日時の工夫、さらには、インターネットを利用した面接の実施等、遠隔地の就業者に配慮した面接方法の工夫、それから、各法科大学院の養成したい法曹像に応じました社会人経験の評価、そういったことを想定しておりますけれども、こうした取組に限らず、各法科大学院の創意工夫による多様な取組が実施されることを期待しているところでございます。
#36
○浜地委員 時間になりましたので、終わります。
 ありがとうございます。
#37
○松島委員長 次に、松田功さん。
#38
○松田委員 立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムの松田功でございます。
 質問をさせていただきたいと思いますが、まず、森大臣におかれましては、好きな言葉が最後まで諦めないということがホームページの方に載っておりました。非常に法務行政、外国人問題やいろいろあります。これはもう最後まで諦めずにぜひ進めていっていただきたいというふうに強く願うばかりでございますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、早速質問の方に入らせていただきたいと思います。
 まず、検察官の働き方改革について御質問をさせていただきたいと思います。
 検察官を職として選ぶに当たり、転勤の多さやまた労働時間の長さなどわかった上で志願されると思いますが、年数を重ねるにつれ、結婚や出産などにより人生に変化があると思います。有能な方が離職をされることなく検察官として働いていただくには、働き方改革が必要になってくるのではないかというふうに思います。
 弁護士の報酬が一時期に比べ高くなっている昨今、検察官から弁護士へ転職をされる方もいらっしゃると思います。転勤の多さや、転勤拒否によって待遇が悪くなるとか、また育児などの家庭環境の配慮もなされないなど、労働環境に問題を抱えた場合、普通であれば労働組合などに相談すると思いますが、検察庁の場合、労働組合がありませんので、その場合はどうなされているのでしょうか。また、各種ハラスメントなどに遭った場合にはどこに相談をなさっているのか。また、これまでに労働組合の結成の動きなどはございますでしょうか。御質問させていただきます。
#39
○小山政府参考人 お答えをいたします。
 検察官の働き方改革でございますけれども、法務省・出入国在留管理庁・公安審査委員会・公安調査庁特定事業主行動計画、これは通称アット・ホウムプランと申しますが、これに基づきまして、検察官につきまして、育児休業、配偶者出産休暇、育児参加休暇等の各種休暇制度を周知し、それらの取得を促進するとともに、早出遅出勤務の活用等により、個々の事情に応じた柔軟な勤務を可能とするなどの取組を行っているところでございます。
 また、育児の関係でございますが、育児休業中の検察官に対しましては、職務への復帰に向けた有用な情報を提供するなどの支援を行い、子育て中の検察官に対しましては、保育園等の情報を提供するなど、さまざまな形で検察官の活躍促進、活躍推進及びワーク・ライフ・バランス実現に向けた取組を積極的に推進しております。
 また、議員御指摘のハラスメントの関係でございますが、これは、働きやすい職場環境を構築するために、各検察庁にハラスメントに関する苦情相談員を配置いたしまして容易に相談できる体制を整備しているほか、全ての職員に対してハラスメントに関する研修を行うなど、職場環境を阻害するハラスメントの防止及び排除に努めております。
 なお、組合を結成する動き等については、私ども当局としてこれまで承知しているところはございません。
#40
○松田委員 済みません、ちょっともう一回ハラスメントの関係で、中でされているとは思うんですけれども、上司が聞くとか、第三者が聞くとか、いろいろあると思うんですけれども、もうちょっと詳しく教えてください。
#41
○小山政府参考人 セクハラにつきましては、各庁におきまして苦情相談員を配置しております。
 それで、この苦情相談は、それはもちろんポスト指定という部分もございますけれども、女性の相談員を置いたりいろいろな形で、それ自体、第三者のものではございませんけれども、相談しやすい環境、あるいはいろいろグレード別に、検察庁の中には、御承知と思いますが、検察官以外にも副検事、検察事務官等の職種もおりますので、そのグレードに対応して相談しやすい体制、こういうものを構築しているところでございます。
#42
○松田委員 なかなか、すごく繊細な相談事になる可能性があって、相談しやすさという部分に関しては非常に、相談室をつくるのはあれなんですけれども、相談をされる側の人の感覚は、非常にこれは難しい部分が昨今いろいろ出てきているということもありまして、特に法務省ですから、そういったことは、されやすい環境というのは、法務省としてはどんどんそういったことを推進する側でありますので、相談員の人がされやすい環境づくりというのは積極的に行われている形、要は相談員同士というか、そういう感じはちょっとどうですか。
#43
○小山政府参考人 委員御指摘のとおりでございまして、ただ建前的に組織があっただけでは意味がないということでございます。
 ただ、昨今、検察庁の方でも、いろいろ各庁ごとに庁務の運営状況についてアンケート調査を行ったりいたします。あるいは、検察官、検察事務官、副検事でもございますけれども、そういう者に対していろいろな形で面接して、特に勤務の半年ごとの折々等についても面接をいたしまして、そういうハラスメントがあるかないかみたいなこともちゃんと尋ねるようにしておりますので。
 そういう面では、建前としてそういう組織があるというよりも、個々の人に実際に当たって、いろいろな、広い意味での情報も含めてお伺いできる体制にはなっているのではないかなと思っているところでございます。
#44
○松田委員 全国、そういった問題に対して、やはり模範となるような体制づくりをぜひつくっていっていただくところになるというふうに思っておりますので、また今後ともいろいろ教えていただければというふうに思います。
 次の質問に入ります。
 今回、保釈中の被告が収容から逃げようと逃走する事件がちょっと多発しております。そのことについてちょっと質問させていただきます。
 令和元年六月十九日、神奈川県内において、保釈が失効した男性が刃物を振り回して逃げた事案が発生をいたしました。
 それを受け、八月の六日に、適切な収容のあり方についての検証結果報告が最高検察庁から出されました。その中で、現状認識の部分において、本年六月の時点における収容業務に関するマニュアルの整備状況については、内容面においては、本件のような事態への対処方法の記載がないなど、マニュアルの整備が不十分な庁が多く見られたと。その六月以降の、八月の発表に見られたとありました。
 そして、今後の対策などについてが書かれておりまして、早期に対処方針を策定し、適正な収容体制を構築するとともに、担当間で事前の打合せを実施し、警察官に協力を求める場合には、十分な情報提供を行って対処方針を共有するなどとすれば、本件と同様の事案についても逃走を防ぐことは可能であると考えられると報告があります。
 しかしながら、その後、大阪府内において、十月三十日に、女性被告が収容のため大阪地検岸和田支部を訪れた後、逃走、そして、十一月九日、大阪地検が、護送中の男性被告がワゴン車から逃走と続いております。
 八月の六日に出された、適切な収容のあり方についての検証結果報告で出された対応策はきちんととられたのでしょうか、お答えください。
#45
○小山政府参考人 お答えをいたします。
 議員御指摘のように、逃走事案が連続して発生していることはまことに遺憾でございます。
 既に御指摘がございましたことしの六月の事案を受けまして、検察当局におきましては、この検証、検討を行いまして、検証結果、これは最高検察庁において検証いたしまして、これを公表し、全国の検察庁に対して、収容体制の整備等に関して、事前準備の徹底、マニュアルの整備、それから地方自治体等関係機関との連絡体制の構築などを指示したところでございます。
 そういう状況の中で、今議員御指摘の大阪府内の事案が二件立て続けに起こっているわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもとしても、この状況について、今の時点でつまびらかに承知しているわけではございませんで、むしろ、検察当局において、この問題につきまして、再発の防止のため、さらなる検討を行うということにしておりますので、まずは、その検証、検討の結果、あるいはそれに基づきまして、その最高検の先般の検証の結果がちゃんと実施されているのか、あるいは、それをしたとしてもまだ不足で、さらなる再発防止策が要るのかどうか、そういうところも含めて検討をしてまいりたいと考えております。
#46
○松田委員 検討していかなきゃいけないんですけれども、検討だけじゃだめで、実際は行動に起こしていただいて、そうならないようにしなきゃいけない。
 今回のその話だけでも、六月、十月は二回ですから、半年ない中で三回、これはちょっと多いなと思うんですね。そうは思わないですか、いかがですか。
#47
○小山政府参考人 件数の多寡について、私どもが評価するのは差し控えたいと思います。
 ただ、いずれにしても、議員もう既に御指摘のとおり、この最高検の検証結果を受けてもなお事案が発生しておりまして、そういう部分についてはしっかりと検証、検討する必要があると考えているところでございます。
#48
○松田委員 この報告書をちょっと見させていただいた中で、執行する検察事務官の方たちが、警察官と異なり、実力行使を伴う制圧になれていないということも記載はされております。そのことも含めるならば、非常に、刃物を振り回されて、警察官でなければ制圧するのはこれは結構怖いことだと思います。僕も空手をやっていましたけれども、やはり制圧するというのは結構大変なことなんですよね、正直。そのことを考えると、記載をしているんじゃなくて、それをどうするか、実効性も考えられて、そうした方がいいということも出ているということですから、そのことがちょっと生かされていないんじゃないかというふうにどうしても捉えられる可能性があります。
 これをやはりぜひしていただかないと、住民の皆さんが、ましてや大阪で二件、なっているということで、非常に怖い思いをされているということになります。
 裁くべき部分のことを考えられる法務省が逃走を多くさせてしまっているということになると本末が転倒してしまいますから、そういった意味においては、十分にこの件については検討をしていただいて、即時各庁において実行していただくようにぜひ進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#49
○小山政府参考人 お答えいたします。
 委員の御指摘の中に今示唆がございまして、実際のところ、収容の対象の被告人、その罪名もございますし、男女の別とか、それまでの前科の関係とか、いろいろございます、あるいは特定の組織に加入しているとか、一般の方とか。それに応じて、やはり、ケース・バイ・ケースといいますか、適切な対応をとらなければいけないのだろうと思います。
 本来、こういうものを発生しておきながらと思われるかもしれませんが、各庁において基本的にはいろいろそういうことを考えて体制は組んでいるのだとは思います。でも、いずれにしても、まさに御指摘ございました、今回の件を受けました検証、検討を受けまして、その結果、直ちに全国の中で実施できるようにしてまいりたいと考えております。
#50
○松田委員 起きているのは現場で起きていますから、その辺についてのレスポンスをぜひ上げていただきたいと思いますし、制圧するのは本当に大変だというふうに思っておりますから、その辺についてぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に移らせていただきたいと思います。収容・送還に関する専門部会について質問をさせていただきます。
 森法務大臣の私的懇談会でございます出入国管理政策懇談会の中に、収容・送還に関する専門部会が立ち上がったと聞いております。新聞によりますと、出国を促す取組や送還拒否に罰則を設けるなど、とにかく被収容者を出国させるためにはどうすればいいかという方法論のみが議論されるのではないかと心配をしております。
 国連人種差別撤廃委員会でも、国連国際人権自由権規約委員会でも、日本に対し、収容は最後の手段として、収容以外の代替措置を優先すべきと勧告していることを考えますと、この専門部会で話し合われるべきことは、収容すること自体の問題を検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
 また、月に一、二回開催されるそうですが、その都度話し合われた内容、議事録は開示していただけますでしょうか。答弁をお願いいたします。
#51
○森国務大臣 お答え申し上げます。
 送還忌避者の増加や収容の長期化といった課題に対応するために、本年十月二十一日に法務大臣の私的懇談会である、御指摘の収容・送還に関する専門部会が設置されたところでございます。
 さまざまな課題に対応するためでございますので、具体的に何を議論、検討すべきかというのは、委員の御指摘もございますので、多様な角度からの自由闊達な御議論がなされることを期待しているところでございます。
 議事録に関する御質問については、事務方から答弁させます。
#52
○高嶋政府参考人 議事録についてお答えいたします。
 議事録につきましては、準備ができ次第、個人情報等、公にすることが相当でない部分を除きまして、法務省のホームページ上で公開することとしております。
#53
○松田委員 今大臣の方も多様化を含めた中でと、いろいろな角度で懇談をしていただける、いろいろ研究していただけるというふうに思いますが、世界的に見ても、そういった状況を踏まえた中でございますので、送り出すことではなくて、全体的に見た、しっかりと人権のことを考えながら、ぜひ進めていただきたいというふうに思っているところでございます。
 次に、専門部会の委員の選定について教えていただきたいと思います。
 今回立ち上がった専門部会にIOMのメンバーが入っておりません。法務省が送還忌避者の送還について進める活動として、IOM送還プログラムという自主的帰国及び社会復帰支援プログラムを実施しているのに、協力者であるIOMの方が入っていないのは疑問でございます。ぜひIOMの方に委員になっていただくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 また、長期収容に対する抗議、ハンストが相次ぎ、大村入管では死亡する事態となりました。これは、身体面のみでなく、精神面のケアが必要と考えますので、精神科医も委員に入っていただくべきではないでしょうか。
 ぜひ、大臣より二名を委員に選定していただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#54
○高嶋政府参考人 二点御質問がありましたが、当局の方からお答えさせていただきたいと思います。
 まず、IOMの方がメンバーに入っていないということでございますが、我々もIOMとの間では、業務上、さまざまな点で接点がございまして、我々自身も相当部分、理解しているところもございます。また、メンバーに入ってはおりませんけれども、必要に応じてIOMの方から話を聞くという機会も設けることも可能でありますので、それは今後のこの部会の運営の中で検討していただくことになるのかなというふうに考えておるところでございます。
 それから、大村の事案に関して、精神面のケアという観点から、この部会にも精神科医が加わるべきではないかという御質問が、御指摘がございました。
 メンバーの中で、元八王子医療刑務所長をされていた大橋委員に入っていただいております。大橋委員は、今御説明しましたとおり、八王子医療刑務所に長く医師として勤めておられた方でして、当然ながら、精神障害の面についても見識があるというふうに聞いております。さまざまな受刑者の中で精神的な障害を持っている方がございますので、そういう点でも見識がある方と承知しておりますので、その点から意見を言っていただけるかというふうには思っております。
 ただ、必要に応じて、更に別の精神科医からも意見を聴取することが必要であるという事態になりましたときには、しかるべき、専門部会の中でその旨の判断がなされるものではないかというふうに承知しております。
#55
○松田委員 大臣、後でお伺いしますから。
 今、精神科医の話で、確かに委員の方でそういう経験もと言われていますけれども、刑務所と、また収容施設の部分で、入管の収容施設はやはりちょっと趣が違うんですよ。精神的なストレスが全然違う部分もあるんです。ですから、精神科の専門医の先生をぜひ入れてほしいという意味が一つでございます。
 また、IOMのメンバーの方は、また上の方でというふうにお話もあったので、そういったことを言われるなら、大臣が、私的な機関でございますので、大臣の方がぜひ入っていただいてと言っていただければ、このメンバーに入って、より充実した会になると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
#56
○森国務大臣 専門部会の委員については、送還忌避者の増加や収容の長期化を防止するための方策について幅広い観点から御議論、御検討をしていただけるように、さまざまな分野の有識者に就任していただきました。
 具体的には、関係する分野を専攻され、又は出入国在留管理行政に御意見を有する、大学教授、医師、日本弁護士連合会の推薦を受けた弁護士、NPOの代表者等に委員に就任していただいたものでございます。
 専門部会においては、送還忌避者の増加、収容長期化の現状や課題を踏まえつつ、法整備を含む具体的な方策について、委員の皆様の専門的知見に基づき、多様な角度から自由闊達な御議論がなされることを期待しておりますが、委員の御指摘のとおり、IOMのメンバーの方からの御意見も聞く必要があるかどうかについては、委員の皆様の御意見も伺った上で、IOMのメンバーの皆様のお話を聞く機会などを設けることについて検討してまいりたいと思います。
#57
○松田委員 断続的な、何というかな、そのときだけ聞きましょう、そのときだけ聞きましょうではなくて、後で質問もしていこうと思いますが、やはり、IOMのこの送還プログラム自体は非常にいいことをやっていらっしゃる部分もありますから、そういった意味では、入っていただいて、きちっと取組を進めていくことが重要だと思うんですね。
 だから、その部分でしっかりと、ぜひこのメンバーに精神科医の方も含めて入っていただくことを強く望みますので、ぜひ一度御検討をいただきたいというふうに思います。
 次に移らせていただきます。
 私が入管の収容施設を視察した際に話した被収容者の方から感じたところは、収容されていることに納得がいっていないということでございました。
 技能実習生として来日し、雇用先でひどい目に遭い、逃げてきたという被害者だと言っておりました。悪いことをしていないのになぜ収容されるのかわからないという声を聞いています。そのため、あらゆる手段を講じて送還を忌避しているのではないのでしょうか。
 入国審査官による違反審査、特別審理官の口頭審理、そして法務大臣の裁決について、それぞれの段階で出される判定、裁決について、そう裁決されるに至った理由、そして情状についてどう判断されたのかなどを示すべきではないでしょうか。そして、在留特別許可を出す出さないにも理由を述べるべきではないでしょうか。
 審査の過程が透明化されれば、どの部分がだめで在留特別許可がおりなかったのかなど、理由がわかります。納得できるかどうかは別としても、理由がわかることは被収容者にとって大きいと思います。退去強制に関して三審制をとっているとはいっても、退去強制事由に該当するかどうかの審査のみではないと思われます。被収容者の情状酌量を求めようとすれば退去強制令書の取消し訴訟を行うしかないというのは、問題ではないでしょうか。
 再度の質問になりますが、強制的に帰国させることができる方策を考えるのではなく、今申し上げたように、帰国となるにしても、被収容者が納得した上での帰国となるようなシステムを考えるなど、そのような議題も専門部会で議題となり得るのか、大臣の御所見をお伺いいたします。
    〔委員長退席、田所委員長代理着席〕
#58
○高嶋政府参考人 さまざまな処分についての理由の点については、非常に技術的なところでございますので、当局の方から御説明させていただきたいと思います。
 退去強制事由自体はもう法律に法定されておりますので、そこに該当するかしないかという部分につきましては極めてわかりやすい判断がなされているし、本人もそこはわかっているとは思います。
 しかしながら、在留特別許可につきましては、これは、退去強制事由があることを前提に在留特別許可をするかどうかという点は、個々の事案ごとに、在留を希望する理由、それから家族の状況、それから日本での素行、内外の諸情勢、人道的な配慮の必要性、我が国における不法滞在者に与える影響等、諸般の事情を総合的に勘案して判断しているところでございます。
 特定の事由に該当するかどうかということについては、非常に、総合的な判断であるからこそ、なかなか示しにくいところがございますし、難しいというふうに思っております。
 したがいまして、在留特別許可についてなぜ認められなかったかということについては、実務的に非常に困難であるというふうにお答えさせていただきたいと思います。
 以上でございます。
#59
○松田委員 済みません、大臣というふうに僕は申したんですけれども。
 今当局から説明がありましたが、結局、できないというふうに言っているんだけれども、そこをしっかり透明化していくことが非常に重要だということなわけなんですよ。そういうことを今後していくという意味で、大臣に、やっていけるのかどうかということをお伺いしているわけです。
 事務方の話はそうだというふうには思いますよ。それはそうですよ、大変だとは思うけれども、それをやっていくことが重要なんです。難しいことをやっていくから次へつながっていく。そういうことをやるのが、大臣の方からぜひやっていきましょうと、そういったことを私はお伺いしたいわけで、大臣、いかがでしょうか。
#60
○森国務大臣 今、まさに専門部会が設置されておりまして、さまざまな論点について御議論をいただく最中でございますので、委員御指摘の点も踏まえて、送還忌避者の増加、収容長期化の現状や課題などについて、その具体的な方策についてどうすべきかということを御議論をいただくことを期待しているところでございます。
#61
○松田委員 具体的にそういった議論、要は、強制的に、帰っていけ、帰っていけということを中心にやるのではなくて、きちっと、世界的に見た人権のことを含めた中の取組をしていくということを専門部会で議論をぜひしていっていただきたいということなんですよね。
 そういったことについては、大臣、やはり気持ちは共有していただけるのかなと思って、再度お伺いいたします。
#62
○森国務大臣 まさに委員の御指摘のとおり、さまざまな論点がございますので、この専門部会において、自由闊達な議論の中で、委員御指摘の点も踏まえて議論をいただくことを期待しているところでございます。
    〔田所委員長代理退席、委員長着席〕
#63
○松田委員 ぜひ、当局の方においても、そういった形で透明化していくことが、より犯罪やいろいろなことも減っていくことの一つだと私自身も思っておりますし、難しいことはわかっている部分もありますが、しかし、それをやっていかなければいけないということをぜひ御理解いただいて、ぜひ進めていただきたいと思います。
 次に移りたいと思います。
 送還忌避者について御質問をさせていただきます。
 法務大臣は、所信において、退去強制令書が発付されたにもかかわらず、さまざまな理由で送還を忌避している者に対して、適正手続にも十分配慮しつつ、迅速な送還実現及び長期収容状態の着実な解消に努めてまいりますとおっしゃられました。
 送還忌避者の増加は問題だと思いますが、そもそも、送還忌避者をどのように定義をされておりますでしょうか。訴訟中の人は含まれますか。また、難民申請中の人も含まれますか。自費出国をしないまま収容が長期化している人は含まれますか。お答えをください。
#64
○高嶋政府参考人 送還忌避者の定義についての御質問でございますが、送還忌避者とは法令上の用語ではなくて、入管実務で用いている用語でございます。
 我々は、入管では、退去強制令書の発付を受けたにもかかわらず、みずからの意思に基づいて、法律上又は事実上の作為、不作為によって、日本からの退去を拒んでいる者を送還忌避者というふうに呼んでいるところでございます。
 その送還忌避者に難民認定手続中の者や訴訟中の者が含まれるのか、こういう御質問でございますが、今御説明しましたとおり、送還忌避者というのは、自分の意思によって退去を拒んでいるかどうかという観点から定義しているものでございますので、難民認定手続中か訴訟中かということは、その際には、送還忌避者に当たるかどうかという際には、この点は考慮しておりません。
 しておりませんが、送還忌避する理由の中に、難民認定申請しているからとか、現在、訴訟中であるからという理由が加わる場合があるということでございます。現象としてそういうことでございます。
 それから、何らかのその他の理由によって送還できない者につきましても、あくまで本人が送還を忌避しているかどうかという点から、自己の意思により退去を拒んでいるかどうかという観点から、送還忌避者というものに当たるかどうかということを我々は決めているものでございます。
 ちなみに、送還忌避者につきましては、護送官をつけて国費で送還することになりますので、その可能性があるという観点から、送還忌避者という言葉を定義して、実務上使っているものでございます。
#65
○松田委員 ちょっと、時間の方が来ておりますので、少し質問を飛ばさせていただきたいと思います。六番の方にちょっと入らせていただきたいと思います。
 入管の収容施設の収容者の処遇と外国人受刑者の処遇について比較をさせていただきたいと思います。
 入管施設に、六カ月以上、長期収容者は何人おり、その方たちはどのような生活をしておりますか。また、現在、外国人受刑者は何人おりますでしょうか。この受刑者の生活はどのようなものでしょうか。そのうち、不法残留のみの罪で服役されている方は何人でしょうか。
#66
○高嶋政府参考人 二点ございましたが、入管収容施設に収容されている者についての御質問の方からお答えさせていただきたいと思います。
 令和元年、ことしの六月末現在、全国の地方出入国在留管理官署の収容施設におきまして収容中の者は全部で千二百五十三名でございましたが、このうち、収容期間が六カ月以上の者は六百七十九人でありました。
 被収容者の生活状況でありますが、入管法六十一条の七におきまして、被収容者は「保安上支障がない範囲内においてできる限りの自由が与えられなければならない。」と規定されていること、それから、被収容者処遇規則では、それぞれの国の様式の尊重に関する規定がございまして、これらの法令に基づいた処遇をしているところでございます。
 具体的には、開放処遇時間中は、入浴や電話が自由にできますし、施設内ではありますが、屋外で運動することも可能であります。また、品数に制限はございますけれども、物品購入もできますし、宗教やアレルギーに応じた特別食も支給しているところでございます。また、宗教上の礼拝が可能となるよう、方位を部屋に明示するなどの配慮もしているところでございます。
#67
○名執政府参考人 外国人の受刑者についてお答えいたします。
 平成三十年末時点に、外国人受刑者数は、全受刑者四万四千百八十六人中、二千二百八十一人となっております。
 処遇につきましては、外国人受刑者に対しましても、日本人受刑者と同様に、作業、改善指導などの矯正処遇が義務づけられており、作業を行った場合には、釈放の際に作業報奨金が支給されることになります。また、改善指導につきましては、日本語での会話や読み書きができる場合、必要に応じて実施しております。運動、入浴、発受信、面会、電話などについても、日本人受刑者と同様に実施しております。
 ただし、矯正処遇を適切に行うためには、外国人受刑者と職員との間での意思疎通が不可欠であります。日本語のみにより十分な意思疎通を図ることが困難であるような外国人受刑者については、国際対策室が設置されているなど通訳、翻訳体制のある施設に収容し、所内生活上の規則等を理解可能な言語で説明するなどの配慮を行っております。
 また、日本人と風俗、習慣を異にする外国人受刑者に対しましては、食事、宗教等の点で相応の配慮をしております。
 食事については、宗教上の配慮として、例えば豚肉を使わない食事を給与するなどの配慮をしております。宗教行為につきましても、一人で行う礼拝等は制限していないほか、宗教家の行う宗教上の儀式行事に参加し、宗教教誨を受けることができる機会を設けるように配慮しております。
 なお、不法残留のみにおいて受刑している受刑者の数については、申しわけありませんが、手元にございません。
#68
○松田委員 ちょっと時間の方がなくなってきておりますので、では、最後に、入管法の違反容疑で逮捕された被疑者は、通常ですと検察に送致されることになると思いますが、一方で、検察に送致されず、入管へ直接送られる場合があると聞いております。
 このように、被疑者を直接入管へ送ることを決める判断基準はどういうものになるのでしょうか。また、明確な判断基準があれば、お答えをください。また、検察に送るか、入管に送るかの判断は、いつ、誰が行うのか、お答えください。
#69
○河野政府参考人 お答え申し上げます。
 出入国管理及び難民認定法第六十五条第一項には、不法残留等同法第七十条の罪を犯した者であること、他の罪を犯した嫌疑がないことといった一定の要件を満たす場合には、刑事訴訟法の規定にかかわらず、逮捕した被疑者を入国警備官に引き渡すことができる旨が規定されております。
 一般論として申し上げれば、警察におきましては、出入国管理及び難民認定法第六十五条第一項の要件への該当性や事案の性質等を個別具体的かつ総合的に勘案し、被疑者を出入国在留管理局に引き渡すか否かを判断しているところであります。
 また、出入国管理及び難民認定法第六十五条第一項は、司法警察員は、一定の要件を満たす場合には、逮捕した被疑者を入国警備官に引き渡すことができる旨、規定しております。司法警察員が当該判断をするに当たっては、当該入管法違反被疑者を取り扱う警察におきまして組織的に判断した上で行うこととなります。
#70
○松田委員 ありがとうございました。質問を終わります。
#71
○松島委員長 次に、稲富修二さん。
#72
○稲富委員 立国社の稲富修二と申します。
 きょうは質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 給与法の質疑をまずさせていただきます。
 先ほど来、同僚委員の皆様が質問されてまいりましたが、今回の給与改正の中で、裁判官の報酬については判事補、簡易裁判所判事の若年層、若手、そして検察官の俸給については検事、副検事の若手が今回引上げの対象ということでございますが、若い方々を手厚く引上げするということに大いに賛同するものでございますが、その意味と目的についてお伺いをいたします。
#73
○金子政府参考人 裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額につきましては、その職務と責任の特殊性を反映させつつ、人事院勧告の重要性を尊重し、国家公務員全体の給与体系の中でのバランスにも配慮するため、従前より、人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じて行っているところでございます。
 そして、本年の人事院勧告は、民間の初任給との間に差があること等を踏まえ、初任給及び若年層の俸給月額を引き上げること等を内容としております。
 御審議いただいている二法案は、このような人事院勧告を受けて行われる一般の政府職員の俸給表の改定に準じて行うものであるため、これに対応する裁判官及び検察官の給与を改定する、こういう趣旨に基づいているものでございます。
#74
○稲富委員 ありがとうございます。
 次に、検察官の人権教育についてお伺いします。
 先日、同僚の日吉議員からも刑事手続について質問がありました。その際、大臣からは、刑事手続における身柄拘束については長期にわたる等々批判があるということは認識はあるという御答弁があり、また同時に、刑事訴訟法に基づき、具体的な事例に応じて適正に運用されているということも御答弁がございました。
 長期勾留、家族との接見禁止等々で、人質司法などと批判をされることもございます。まさに人権意識が問われているわけでございますが、仕組みそのものをどう考えるかということもそうですけれども、やはり検察官自身の、人権というものが、また同時に意識が必要なのではないかと思います。
 「検察の理念」という紙がありまして、二〇一一年九月二十八日制定ということで、「検察は、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、」ということ、あるいは「基本的人権を尊重し、」ということも明記をされております。
 検察官の人権教育、その必要性について、大臣の基本的なお考えを伺いたいと思います。
#75
○森国務大臣 御質問ありがとうございます。
 人権教育及び人権啓発の推進に関する法律において、人権教育とは、人権尊重の精神の涵養を目的とする教育活動をいうと規定されておりますけれども、このような人権教育は、検察官に対するものを含め、重要なものと認識しております。
 同法律に基づく人権教育・啓発に関する基本計画においては、人権にかかわりの深い特定の職業として、検察職員について、研修等による人権教育、啓発の充実に努めるものとされております。
 このようなことも踏まえて、法務省においては、検察官に対し、国際人権関係条約に関する講義など必要な人権教育を実施しているものであり、今後も徹底してまいりたいと思います。
#76
○稲富委員 この点はぜひ、これまでもそうでしょうけれども、引き続き、大臣のもと、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 引き続きまして、裁判官と検察官の働き方改革について、これも同僚委員から累次にわたって質問がありましたが、私からも、重なりますが質問させていただきます。
 裁判官にしても検察官にしても、超過勤務手当は支給されないということになっている、あるいは労基法の適用がされないということ、裁判官については、勤務時間を決めることがそもそも困難である、一般職の職員とは異なるという取扱いをしているということ、あるいは検察官については、時間外の勤務時間は計測困難であり、裁判官に準じて俸給水準を決めている等々ございます。
 なかなか、実務上あるいは仕事の中で労働時間を管理していくというのは、長時間をどうするかということは難しいということかと思いますが、政府として働き方改革を進める中で、どのようにこの長時間労働の是正をしていくかということはこの両者にも当てはまるものと思いますが、どのように対応するのか、お伺いをいたします。
#77
○堀田最高裁判所長官代理者 まず、裁判官についてお答え申し上げます。
 裁判官につきましても、仕事と家庭生活の両立、いわゆるワーク・ライフ・バランスは重要であると考えておりまして、各庁の事件動向等に応じた配置や担当事務の分担の工夫などを行いますほか、仕事と家庭の両立支援制度の周知に努めるなどいたしまして、積極的に取り組んでいるところでございます。
 裁判官につきましては、委員御指摘のとおり、勤務時間の定めはないところでございますけれども、その職責の重大さに照らしまして、心身ともに健康な状態で職務に当たることができるようにすることは重要であると考えております。
 そのため、事件動向等を踏まえて、各裁判所に適切に人員を配置いたしますとともに、各地の裁判所におきましては、個々の裁判官が休日や夜間にどの程度仕事をしているのかや、手持ちの事件数や内容も含めた負担がどの程度かについて、部総括裁判官を始めとする周囲の者がさまざまな形できめ細かく把握するように努めておりまして、必要に応じて、その働き方について指導助言をいたしましたり、事務負担を見直したりするなどして、裁判官の心身の健康に配慮しているものと承知しております。
#78
○小山政府参考人 検察官の関係についてお答えいたします。
 検察官の長時間労働の是正に関しましては、心身の健康確保、人材確保等の観点から、管理職員において、勤務状況や休暇の取得状況等について適切かつ実効的に把握し、業務量を調整するなどしているところでございます。
 引き続き、良好な職場環境を構築、維持できるよう努めてまいりたいと考えております。
#79
○稲富委員 ありがとうございます。
 次に、裁判官、検察官についての定年引上げの検討についてお伺いします。
 国家公務員の定年に関しては、平成三十年八月、定年を段階的に六十五歳に引き上げるべきとの方針が人事院から意見として発出、申出がございました。
 今後、裁判官、検察官、定年年齢のあり方についてはどのような検討をされていくのか、あるいはされているのか、現状をお伺いします。
#80
○堀田最高裁判所長官代理者 裁判官についてお答え申し上げます。
 裁判官の定年は、最高裁判所及び簡易裁判所の裁判官が七十歳、高等裁判所、地方裁判所及び家庭裁判所の裁判官が六十五歳となってございます。
 最高裁といたしましては、裁判官の定年年齢を引き上げるか否かにつきましては、国家公務員全体の定年年齢のあり方等も踏まえる必要があると考えておりまして、裁判官の職務の性質や求められる資質、能力等を前提としつつ、慎重に検討すべきものと考えているところでございます。
#81
○小山政府参考人 検察官の関係についてお答えいたします。
 検察官につきましては、検察庁法によりまして、検事総長は六十五歳、その他の検察官は六十三歳が定年年齢と規定されておりまして、他の一般職の国家公務員とは異なる定年年齢となっております。
 国家公務員の定年に関しましては、平成三十年八月、人事院から、定年を段階的に六十五歳に引き上げるための国家公務員法等の改正についての意見の申出がなされ、国家公務員の定年を段階的に六十五歳に引き上げるべきとの方針が示されたところでございます。
 検察官の定年の引上げにつきましては、人事院から示された意見の趣旨を踏まえ、また、検察官の職務と責任の特殊性等も考慮しつつ、検討を進めているところでございます。
#82
○稲富委員 ありがとうございます。
 次に、外国人の技能実習生、そして新しい在留資格について質問してまいります。
 まず最初に、大臣にお伺いをいたします。
 この外国人、先ほど来も質疑にもありましたけれども、長期の収容の問題もあり、外国人の人権をどう考えるのか、あるいは、外国人を労働者として受け入れる際に我が国としてどういう態度をとるのかということは、私は極めて大事だなと思います。
 大臣の所信にも、こうあります。来年四月に開催される京都コングレスにおいて、法の支配や基本的人権の尊重といった基本的価値を国際社会において確立させるべく指導力を発揮すると。あるいは、司法外交の積極的な推進ということを強くうたっておられます。
 私は、外国人というのは、もちろん日本では少数派になってくる、その少数派に対してどう社会として受容し、受けとめるかということは、まさに国柄にかかわることだと思います。ですので、以降、幾つか私は質問させていただきますが、外国人労働者、昨年の国会でも大変問題になりましたけれども、私は、人権の面からもちろん外国人を守らなければいけないと同時に、やはり、外国人を、ある意味外から見ると食い物にしているとか、あるいは搾取をしているというような姿は、日本の国益を著しく傷つけていると私は思います。
 この問題は、単に日本国内だけではなくて、日本があらゆる外交のステージにおいてどうしても克服しなければいけない課題だと私は思います。それはやはり政治主導でこれをやらないといけないのではないか、そう強くこの問題は思っております。
 その意味で、ぜひ大臣の基本認識を、この点を伺いたいと思います。
#83
○森国務大臣 技能実習制度については、多くの技能実習生が実習を全うし、中には、帰国後、身につけた技能を生かして起業する者も出るなど、送り出し国政府から評価をされております。そのため、適正化を図りつつ維持発展させるべきものと思っております。
 技能実習生については、一部の受入れ企業等における労働関係法令違反等の問題や失踪の問題などが生じ、指摘されていることは重く受けとめておるところでございます。そのため、技能実習制度については、その適正化に向けて、技能実習PTが取りまとめた改善方策を実施するなどの取組を進めておりますし、また、失踪技能実習生の減少に向けて改善方策を更に充実させる施策を取りまとめたところでございます。
 技能実習制度についてはこのような取組でございますが、今ほどの委員の質問を聞いておりますと、技能実習生を含む外国人全般ということでございますので、私の考えということで述べさせていただきますと、委員も留学経験があり、私も海外に行った経験があり、海外では少数派になるわけでございますが、そこにおいてどう扱われるかということ、国柄にかかわる問題だという委員の指摘、共通認識を持っているところでございます。
 京都コングレスにおいて我が国の取組を広く世界に広めてまいる、そういう機会もございますので、この外国人にかかわるさまざまな問題については、しっかりと、日本国の取組が世界から評価されますように、前に進めてまいりたいと思います。
#84
○稲富委員 ありがとうございます。
 お手元の資料一ページをごらんください。技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況という、これは厚生労働省が八月八日に出した監督状況のものでございます。
 この中には、実習実施者に対して七千三百三十四件、監督指導を実施し、しかし、七〇・四%に当たる五千百六十件で労働基準関係法令違反が認められたということで、この下にグラフが出ております。
 これを見ると、大体、労働関係法令違反というのが七〇%台で変わらず推移している、そして件数自体はどんどんふえていっているということ、そして労働時間の違反が一番、下の欄ですけれども、労働時間の違反、労働基準法違反、割増し賃金の支払い、この違反等々、非常に、まあ言うと、その問題があるということなんですけれども、大臣、もう一問だけおつき合いください、これだけ。
 先ほど申し上げたように、こういったことがまだ続いているわけです。これは何とかやはり解決しなきゃいけないと思うんですが、先ほど来、同じような質問になってしまいますが、ぜひ、これ、大臣の指導力を私は発揮していただきたい。後ほど細かな質問をさせていただきますけれども、やはり大臣の決意、あるいは大臣の率先した取組が何としても必要だと思います。
 その意味で、もう一度、率直な、こういう数字を見ての大臣の思いを教えていただければと思います。
#85
○森国務大臣 技能実習生の労働環境等に関する御質問だというふうに思います。
 技能実習生については、その適正化に向けて、平成二十九年十一月に施行された技能実習法に基づく措置に加えて、平成三十一年三月に技能実習PTが取りまとめた改善方策を実施するなどの取組を進めてきました。また、今般、失踪技能実習生の減少に向けて改善方策を更に充実させる施策を取りまとめたところでございます。
 技能実習制度については、関係省庁とも連携し、技能実習法の趣旨に沿った適切なものとして活用されるように、引き続き制度の適正化に努めてまいりたいと思います。
#86
○稲富委員 ありがとうございます。ぜひ積極的な取組をお願いいたします。
 以下、さまざまな、少し細かな点も含めての質問をさせていただきます。議事録にしっかりと残して、私としては引き続きこの問題を追っていきたいと思いますので、御答弁をお願いいたします。
 まず、先ほど来ある、技能実習制度の運用に関するPTの調査という中で、これは昨年の失踪技能実習生の件で、PTが、調査対象五千二百十八人分、実習実施機関が四千二百八十機関ということがあったと思います。しかし、その中で百十三の機関が調査拒否をしていたということがございました。
 この実習実施機関については平成三十一年度末までに実地検査をするということになっていたかと思いますが、この拒否をした百十三の実施機関、所属する技能実習生の数、実地検査の状況、調査結果、あるいは新たな技能実習計画の認定、あるいは特定技能の在留資格申請についてはどのような対応をしているのか、まとめて御答弁を賜ればと思います。
#87
○高嶋政府参考人 まず、お尋ねの技能実習生の数、それから申請の件数等につきましては、調査協力を拒否した機関に特化したものの集計というのはしていないものですから、直ちにここでお答えすることが難しいことを御理解いただければと思います。
 もっとも、委員御指摘のように、調査協力を拒否した百十三機関につきましては、本年四月以降、順次実地検査を実施しているところでございます。現在も継続しております。
 当該機関から新たな申請がなされたような場合には、実地検査の結果、違反が認められないことが確認されるまでは、技能実習の在留資格に関するものはもちろんですが、新たな制度であります特定技能の在留資格に関するものも含めて許可等は行わないこととするなど、厳正に対処しているところでございます。
 また、監理団体等につきましても、必要に応じて適切な対応をすることとしているところでございます。
#88
○稲富委員 引き続いて、運用の改善方策の中で初動対応の強化ということが強くうたわれております。技能実習機構又は出入国在留管理当局が、失踪届があったらすぐに実地検査を行うということ、そして、技能実習生の賃金、労働時間に関する証拠を確保、保全するという国会答弁もございます。
 この初動対応の強化、もう半年たっておりますが、この間の失踪、死亡事故の件数、あるいは実地検査、どのような件数になっているのか、現状をお伺いします。
#89
○高嶋政府参考人 委員御指摘の初動対応につきましては、失踪とそれから死亡の場合と、二つに分かれます。
 まず失踪についてでございますが、技能実習生の失踪者数は、昨年は九千五十二名報告を受けておりますが、ことし上半期、六月までにおきましては四千四百九十九人を把握しているところでございます。初動対応はこの四月以降の実施でございますが、この上半期、一月から六月の数字でいえば四千四百九十九でございます。
 それから死亡者数でございますが、昨年は三十八人でございましたが、本年分は、現段階で集計が済んでいないため正確な数字をここでお答えすることが難しいのですが、上半期でおおよそ約三十人を把握しているところでございます。六月までで約三十人を把握しているところでございます。
 本年四月以降、技能実習生の失踪、死亡事案について、初動対応として実地調査を順次行っているところですが、その検査数は、これは機構も実施しているところでございまして、集計中で、本日この場でお答えすることは難しいことを御理解いただければと思います。
 いずれにしましても、入管庁におきましては、技能実習PTの改善方策の中で示された初動対応の強化も含めまして前に進め、引き続き制度の適正化に努めていきたいというふうに考えております。
#90
○稲富委員 ありがとうございます。
 この半年間、初動対応の強化といって実際に、すぐに対応するということを国会でも御答弁があったかと思いますが、いかがですか。もう半年たっていますけれども、これまで、そういう御答弁があったような対応、実際できているかどうか、いかがですか。
#91
○高嶋政府参考人 実際に実施はしておりますけれども、現在、その中身一つ一つ、私がここで答えられるほどの情報を把握しておりませんので、順次実施しているというお答えで御了解いただければと思います。
#92
○稲富委員 ごめんなさい、私、引き続き、今回はこれでやめますけれども、ぜひ、この国会では引き続き追っていきたいと思います。
 と申しますのは、これ、累次にわたっての国会審議を経てやってきたわけですので、司令塔としての役割を負うということになっておりますので、常に現状把握をし、どうなっているのかということをこれからもお伺いしてまいりますので、ぜひお取組をよろしくお願いします。
 次に、失踪防止のために、実習実施者や監理団体に対する審査、検査等を厳正に実施ということがありますが、具体的にはどういうことをされているのか、お伺いします。
#93
○高嶋政府参考人 委員御指摘の点でございますが、この三月に公表されました技能実習PTの報告書におきましては、実地検査や送り出し機関の情報などの各種情報を機構、入管及び厚生労働省が迅速に共有し、実施者や監理団体に対する審査や検査等を厳正に実施することが示されているところでございます。これは御指摘のとおりです。
 これを受けまして、機構、厚労省及び当庁で、慎重審査を要する機関のリストを新たにデータベースとして作成して、これを共有しているところでございます。
 このデータベースの中には、実習実施者や監理団体に対する、不正行為等の最新情報をどんどん更新することにしておりまして、これらの最新情報が関係機関の間で常に共有できているという状況でございます。
 これらの情報は、実地検査のみならず、技能実習計画の認定、監理団体の許可等に係る審査、それから在留資格、特定技能、新しい制度の方の特定技能でございますが、これに関する在留諸申請等の審査にも活用しているところでございます。
 入管庁としましては、技能実習PTで取りまとめられた改善方策を着実に実行しまして、引き続き制度の適正化に努めていきたいと考えております。
#94
○稲富委員 ありがとうございます。
 次に、特定技能についてお伺いします。
 新しい在留資格として導入されてから半年がたちますが、現在の取得者数、そして、最大見込み数を分母としたときの割合、今後の見通しについてお伺いします。
#95
○高嶋政府参考人 御質問の特定技能制度でございますが、ことし四月一日に施行されたものでございますが、その受入れ状況は、本年十一月八日時点の速報値としまして、特定技能の許可に係る手続をとられた方が三千二百九十九名、そのうち特定技能の許可に至った者、許可を受けた者が八百九十五名です。また、初年度受入れ見込み数は四万七千五百五十人という数字がございますが、これに対する許可数の割合はまだ約一・九%でございます。
 一号特定技能外国人につきましては、その技能水準を確認するため、技能試験を実施することとしておりますが、現在まで、介護、航空、宿泊、農業、飲食料品製造業及び外食業の六分野で技能試験が実施されており、国外試験としましても、六カ国で実施されております。これまでの各分野における試験の合格者数は三千二百人を超えているところでございます。また、更にビルクリーニング分野、造船・舶用工業分野で今月中に技能試験が実施される予定であります。
 このように、分野、それから国において若干違いはございますが、既にもうこの運用が走り出している分野、それから最近開始されたもの、それから今後開始されることになるもの、さまざまございますが、順次運用が行われておりまして、特定技能の資格を有する外国人数は、今後、着実に増加していくと考えているところでございます。
#96
○稲富委員 ちょっと重なるかもしれませんが、十四業種の中で、この八百九十五名という方の、かなりまだばらつきがあるということでしょうか。もし御答弁いただければ。
#97
○高嶋政府参考人 御指摘のとおりでございます。業種によりましては、まだ許可件数がゼロのところもございます。百を超えている分野もございます。
#98
○稲富委員 ありがとうございます。
 次に、悪質ブローカーの排除についてです。
 これも外国人技能実習制度で問題になった件ですけれども、二国間の取決めの進展についてお伺いします。
#99
○高嶋政府参考人 特定技能制度では、特定技能外国人から保証金などを徴収する悪質なブローカーの存在が指摘されておりまして、このようなブローカーの介在を防止するため、さまざまな措置を講じております。
 とりわけ、本制度におきましては、保証金等の不当な金銭の徴収が認められないことを特定技能外国人本人が就労開始前に認識できるようにしているところでございます。
 そのほか、送り出し国との間で御指摘のように二国間取決めの作成を進めることなどの取組もしているところでございます。本日までに、九カ国との間で協力覚書の署名、交換を行うに至っております。
 これらの対策は、悪質ブローカーを排除するためのものとして非常に有効なものというふうに考えているところでございます。
#100
○稲富委員 次に、技能実習生から特定技能へ移行する際の課題についてお伺いします。
 二年十カ月以上の実習経験がある技能実習生は、同じ職場であれば無試験で特定技能に移行することができる。移行すればそのまま実習先で働くことは可能だけれども、別の職場を希望した場合、実習で学んだ技能を証明する試験に合格するか、又は実習先に評価調書の作成をいただく必要があるということですけれども、この評価調書の作成を拒まれて、転職できないケースがございます。
 これをどれぐらい把握をされているのか、どう対応されるのか、お伺いします。
#101
○高嶋政府参考人 御指摘のような、評価調書の作成を拒否する事例が存在するということにつきましては、関係者からの問合せなどを通じて把握しているところでございますが、その性質上、網羅的なものはなく、統計も作成してございませんので、その数についてここでお答えすることは難しいことを御了解いただければと思います。
 しかし、いずれにしましても、当庁としましては、御指摘のような事例に対応する必要があるというふうに考えておりまして、法務省ホームページに公表しております特定技能外国人受入れに関する運用要領をことし九月二十七日に改定いたしました。評価調書を提出できない場合に柔軟な取扱いを行う旨、明確化して周知しているところでございます。
 具体的には、実習先から評価調書の提出を受けることができない場合には、評価調書を提出することができない理由書やかわりになる資料を提出していただいた上で、出入国在留管理庁において、技能実習二号を良好に修了したか否かを総合的に判断することとしております。
 いずれにしましても、制度の活用が進む中で、運用の改善を不断に図ることが大事であるというふうに考えておりまして、制度を利用される皆様の御意見に耳を傾けながら、引き続き制度の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
#102
○稲富委員 次に、特定技能の取得者の在住地についてお伺いします。
 これは法案審議の際にも、都市部に外国人材が集中するのではないか、あるいは地方の人材不足解消にはつながらないのではないかということは累次にわたって議論がされたものと思います。
 そこで、この新たな在留資格では、勤務先、住む場所等々、把握をされているのか。実際に今現在、八百九十五名という方、数字、先ほどありましたけれども、どういうところに住んでいらっしゃるのか、お伺いします。
#103
○高嶋政府参考人 日本に在留することとなる特定技能外国人につきましては、日本で住居地を定めた日から十四日以内に、入管庁に住居地を届け出ることとされております。これによりまして、当庁は、日本に在留する特定技能外国人の住居地を把握することとなっております。
 出入国在留管理庁におきましては、特定技能外国人の在留状況について三カ月ごとに公表することとしておりまして、九月末の在留状況につきましては近々公表する予定としております。
 その公表資料の中におきまして、日本に在留する特定技能外国人の住居地を市町村単位でお示しすることとしておりまして、これにより国内における特定技能外国人の分布状況がわかるということになりますが、これまでのところ、御指摘のような、大都市に集中しているというような状況はまだ認められません。
 これらの資料につきましては、公表後、関係各省庁にも共有することとしておりまして、関係各省庁とともに、特定技能外国人が大都市圏に集中しているか否かを検証し、必要な方策をとりたいと考えております。
 出入国在留管理庁としましては、引き続き、関係省庁と協力し、適正な受入れに努めてまいりたいと考えております。
#104
○稲富委員 少し時間が少なくなってまいりましたので、少し質問を飛ばします。
 大臣にお伺いします。
 本年四月に出入国在留管理庁が発足して半年ということでございますが、従来の入管が担っていた業務のみならず、共生社会の実現の司令塔としての役割を負ってくるということでございますが、例えば、全国市長会では、外国人受入れ問題について、国の対応が十分ではないんじゃないかという御指摘もあったかと聞いております。
 この半年にわたってのお取組についてお伺いします。
#105
○森国務大臣 昨年七月の閣議決定「外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針について」により、法務省は、外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行うことになりました。
 昨年十二月、官房長官と法務大臣が共同議長として主宰する外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議において、関係省庁と調整の上作成した、百二十六の施策を盛り込んだ外国人材の受入れ・共生に関する総合的対応策を決定し、さらに、本年六月には、その内容を充実させるための充実策を取りまとめたところでございます。
 出入国在留管理庁においては、共生施策の課題の把握のため、「国民の声」を聴く会を開催し、関係省庁とともに全国知事会等の幅広い関係者から継続的に意見を聴取するなどしながら、この総合的対応策及び充実策に掲げられた施策を推進していきたいと思っております。その上で、関係省庁と協力しながら、必要な施策を随時加えて充実させていくための検討を行ってまいりたいと思います。
 出入国在留管理庁においては、引き続きこれらの施策の実現、実施のための総合調整機能を果たすべく、関係省庁と連携して、外国人との共生社会の実現に向けた受入れ環境整備に万全を期してまいりたいと思います。
#106
○稲富委員 今大臣御答弁いただいた百二十六のうちの一つが、一元的窓口の設置支援ということがございます。
 この現状、整備状況についてお伺いします。
#107
○高嶋政府参考人 一元的相談窓口についての御質問でございますが、この窓口の整備、運営に関しましては、それを支援するため、外国人受入環境整備交付金を交付することとしておりまして、本年七月末時点で、入管庁から九十五団体に交付決定しました。
 さらに、現在も、全ての地方公共団体を対象に、第三次の交付金の募集を行っているところでございます。
 この九十五団体のうち、十月末時点で、八十団体でこの窓口を開設済みで、既に運営が開始しているというふうに承知しているところでございます。
#108
○稲富委員 ありがとうございます。
 この資料につけさせていただきましたけれども、この二ページで、一元的窓口で、「外国人が必要とする情報に」ということがあって、これは私も他の委員会で指摘をさせていただいたんですけれども、実は問題は、もちろん外国人のよろず相談をするということは必要なんですけれども、まあ言うと、生活者として受け入れる側の日本人がどう対応していいのかわからないということが、非常に多く課題としてあります。外国人と共生する中でのごみの問題、音の問題、さまざまな課題があって、日本人がどこに相談に行っていいのかわからないという課題があるということを従来から私は指摘をし、改善してほしいということを申し上げてまいりました。
 今回、六月の充実の施策の中で、多文化共生の、三ページ、資料ですけれども、実現に資する日本人からの相談への対応の検討ということが入っているのがその一つなのかなと思いましたけれども、この意図と、そして、大事なのは、もちろん外国人からのも必要ですけれども、日本人が、受け入れる側がどこに、生活者として外国人を受け入れる、その相談をするか、そこが必要だと思いますが、その点についてお伺いします。
#109
○高嶋政府参考人 委員御指摘の点はもっともでございまして、受け入れる日本人の側においてやはり相談をしたいという場合がございます。
 御質問の中にもございましたとおり、確かに、ごみの出し方を含めた生活習慣は随分、諸外国と日本の間では違うところがございますので、そういう点について、苦情のような形で相談が来る場合もございます。そういう場合が当初の総合的対応策には抜けていたのではないかという指摘もありまして、この充実策の方ではそれを加えさせていただいたということでございます。
 こういう点も含めて、細かいところに手が届くような形の施策を進めてまいりたいと思います。
#110
○稲富委員 終わります。ありがとうございました。
#111
○松島委員長 次に、藤野保史さん。
#112
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。
 まず冒頭、桜を見る会についてお聞きしたいと思います。
 前の法務大臣も、いわゆる私費でアナウンサーの方に多額の給与を払ったということなどが報じられて辞任をされた。経済産業大臣も、私費でメロンやカニか何かを配ったということが報じられて辞任をしたということであります。私費でやったら大臣辞任、あるいは、今後の展開では議員の職もどうなるかもわからないというような大問題だということであります。
 これを、税金を使った公的行事で食べ物とかお酒とかお土産を配ったら許されるのかということが今大問題になっております。これは徹底的に究明しないといけないと思うんですね。
 ところが、内閣府は、さきの参議院予算委員会で、その文書、招待された人の取りまとめた文書はもう廃棄してしまった、だからわかりません、こんなことを言っておりまして、これは到底許されないというふうに思います。
 内閣府の方で一年未満だから破棄したというわけですが、逆に、各省庁から推薦して、こうこうこういう方がいらっしゃいますよ、例えば、法務省だったら、保護司で長年貢献されたとか、特別養子縁組で里親として長年貢献されたとか、こういう方がいらっしゃいますよと法務省から上げることもある、各省あるわけですね。そっちの文書の方は残っているというふうに思うんです、行政文書ですから。
 大臣にお聞きしたいんですが、この推薦者名簿というのは残っているんじゃないでしょうか。
#113
○森国務大臣 推薦者名簿については、事務方において現在精査中であるというふうに伺っております。
#114
○藤野委員 精査中ということは、存在するということでいいですね、廃棄していないということで。まず、それを確認したいと思います。
#115
○森国務大臣 現在、お尋ねの資料の有無を含めて精査中であると聞いております。
#116
○藤野委員 文部科学省では、大臣官房人事課の保存期間表というのがありまして、ここにもあるんですけれども、この期間表によりますと、栄典又は表彰に関する事項というのがあって、それの1から4まであって、4が園遊会、桜を見る会等となっておりまして、その園遊会、桜を見る会等に関する文書、そして内閣府からの推薦依頼、推薦依頼に対する回答、内閣府からの照会事項、そして照会事項に対する回答というのがありまして、これが十年になっているんです、保存期間、十年。
 今、精査中とおっしゃいましたが、精査しなくても出せるものもあるんですよ。それが、ここにある内閣府からの推薦依頼、そして内閣府からの照会事項、これはすぐ出せると思うんですが、出していただけますか。
#117
○森国務大臣 委員の御質問の趣旨を含めて、事務方にしっかりと調べさせたいと思います。
#118
○藤野委員 いや、これは調べなくても出せるはずなんです。別に何か個人情報があるとかいうわけではありませんから、これは全省庁に出しているわけですから、内閣府が。これをすぐ出していただきたいんですが。
#119
○森国務大臣 お尋ねの資料の有無を含めて、また、今読んでいただいたものも含めて、事務方にきちっと調べさせたいと思います。
#120
○藤野委員 いや、有無を含めてといいますか、これはあるわけですよ。
 じゃ、ちょっと角度を変えて聞きますけれども、法務省にもこの保存期間表というのはございます。ここにあります。これのどこの、根拠条文といいますか、今、文科省のは御紹介させていただきましたけれども、法務省の場合、今私が申し上げた内閣府からの推薦依頼、そして内閣府からの照会事項、これはどこに当たるのか、根拠規定を教えてください。
#121
○森国務大臣 お尋ねのことについては、事務方から答弁させたいと思います。(藤野委員「誰ですか。急いで。委員長、ちょっととめてください」と呼ぶ)
#122
○松島委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#123
○松島委員長 速記を起こしてください。
 藤野さん。
#124
○藤野委員 内閣府からの推薦依頼、あるいは内閣府からの照会事項、これに関する文書の保存等に関する根拠を教えてください。
#125
○森国務大臣 法務省の行政文書については、公文書等の管理に関する法律及び法務省行政文書管理規則等に基づき適切に管理をしております。
#126
○藤野委員 いや、そうではなくて、私が聞いたのは、文科省の場合はこういうのがあるわけです、保存期間表というのがありまして、各課ごとにあるんです。これは法務省にもあるんです、当然。おっしゃった法律に基づいてそういうのをつくりなさいというふうに出しているわけですね。ガイドラインもびっちりと書いております。ですから、各省庁、同じようにやっているんです。
 私が聞いたのは、法務省も人事課に標準文書保存期間基準というのがあると思うんです、ここのどこに書かれていますかということを私は聞いているんです。
#127
○森国務大臣 委員がおっしゃった表について、私の手元にちょっとございませんけれども、今申し上げましたとおり、法務省の行政文書については、公文書等の管理に関する法律及び法務省行政文書管理規則等について適切に管理しておりますので、詳細については、事務方において精査をさせたいと思います。(藤野委員「いやいや、だめだめ、これ」と呼ぶ)
#128
○松島委員長 では、速記をとめてください。
    〔速記中止〕
#129
○松島委員長 では、速記を起こしてください。
 藤野さん。
#130
○藤野委員 これは通告しておりまして、簡単にお答えいただけるのかなと思っていたんですが。
 要は、人事課の文書にも、大臣官房秘書課の文書にも、栄典又は表彰に関する事項というのがあるんですね。これは、先ほど御紹介した文科省のところでも同じなんです。栄典又は表彰に関する事項の中に、園遊会と桜を見る会等に関する文書というのが入っております。
 ここまで明示されていないんですけれども、法務省にも、栄典又は表彰に関する事項というのがあって、選考基準、選考案、伝達、受賞者名簿、こういうのがあるんです、秘書課のには。これは十年になっているんですね、保存期間。これが根拠なんじゃないですか、大臣。
#131
○森国務大臣 今、事務方において精査をさせたところ、文科省についてちょっと例をお示しになりましたけれども、法務省においては、法務省行政文書管理規則に基づく法務省大臣官房人事課の標準文書保存期間基準において、表彰に関する事項のうち、各種行事に関する文書の保存期間は三年となっております。
#132
○藤野委員 ちょっと精査していただいて、後でまた教えていただければと思うんですが。
 いずれにしろ、文書はある、三年分はあるということでありまして、今精査中ということですから、これは精査したら出していただけるということでよろしいでしょうか。
#133
○森国務大臣 必要な精査を行った上で、適切に対処してまいりたいと思います。
#134
○藤野委員 これは出していただかないと、安倍政権のもとで、従来一万人でずっと続いていたものが、一万八千人を超えるまでにふえているわけですね。なぜふえたのかというその根拠として、まず、各省庁が例年大体一万人ぐらいで来ている、それのバックデータになると思うんです、法務省が、じゃ、どなたを、どういうふうにやってきたのかというのがですね。それが、なぜこの間ふえてきたのかというところとの関係で極めて重要な資料になりますので、これはしっかり出していただきたい。
 三年とありましたけれども、これはどう考えても十年じゃないかと思いますので、そこはまた引き続き私も調べますけれども、いずれにしても、この問題は今後も確認をしていきたいというふうに思います。
 結局、きょう、もう朝日新聞が一面で報じておりまして、これは去年のでしたけれども、安倍事務所からの案内状と申込書というのが写真入りで報道されておりましたし、テレビ局は、朝日のは去年のなんですけれども、テレビ局はことしのやつも同じように案内状というものを報じておりました。
 ですから、正規のルートといったらあれですけれども、法務省の皆さんが上げていく推薦名簿と別のルートがあるんじゃないかというのが今問題になってきているわけでありまして、それとの整合性といいますか、関係を調べる上でも非常に重要ですので、ぜひこれはしっかり調べて出していただきたいと思います。
 それでは、法案について質問したいというふうに思います。
 最高裁は、ことし八月末に来年度概算要求を行いました。予算総額では昨年の要求額より増加しているんですけれども、問題は定員でありまして、定員で見ますと、増員数、要するに増員の幅が去年よりも下回っておりますし、全ての職種で。一定の職種でふえているところはありますけれども、差引き、合計でいえば十五名の純減要求となっております。
 この間、最高裁も、我々から見れば、もうちょっとふえてもいいんじゃないかと思いますけれども、一応増員を要求されていたんですよね。それが、財務省の査定といいますか、あれによって実質的には減ってきたということが繰り返されてきたんですが、ことしはもう概算の段階から、初めから減らして要求する。これは私はちょっと、私自身は初めてだと思うんですけれども。
 最高裁にお聞きしたいんですが、やはり国民の裁判を受ける権利というのを皆さん方が最後のとりでとしてやられているわけで、これはなぜ純減で要求されるのか、この理由をちょっとお聞かせください。
#135
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判所は、適正迅速な事件処理を実現するために、これまでも事件動向等を踏まえて裁判官、書記官等を増員してまいりまして、人的体制の整備を図ってきたところでございます。
 令和二年度におきましては、御指摘の中にもございましたけれども、民事訴訟事件及び家庭事件の適正かつ迅速な処理を図るために、判事の増員を要求させていただいております。また、家庭事件の適正かつ迅速な処理、それから事件処理の支援のための体制強化、さらには国家公務員の女性活躍、ワーク・ライフ・バランス推進を図るために、裁判所書記官及び裁判所事務官の増員をそれぞれ要求させていただいております。
 他方、裁判所は国家の一機関でございますので、事務の効率化等、必要な内部努力を行い、定員合理化に協力するということ自体は必要であると考えておりまして、令和二年度におきましては、技能労務職員等の減員を行うことといたしました。
 これらを考えました結果として、裁判所職員全体では、御指摘のとおり、マイナス、減員ということになっておりますけれども、裁判部門につきましては、今申し上げたような内容で要求をさせていただいておりますので、この要求している増員によりまして、現有人員の有効活用とあわせて、事務処理体制自体は強化できるというふうに考えております。
 いずれにしましても、裁判所としては、今後とも事件動向等を踏まえて、必要な人的体制の整備には努めてまいりたいと考えております。
#136
○藤野委員 初めから減員で要求するというのは、本当にちょっと、本当にこれで人権が守れるのかというふうに思うんです。
 衆議院にこれはちょっとお聞きしたいんですけれども、過去二十年以上にわたって同一件名で採択された請願というのは幾つあって、件名はそれぞれ何でしょうか。
#137
○今岡参事 お答えいたします。
 先生お尋ねの同一件名の請願といたしましては、腎疾患総合対策の早期確立に関する請願、北方領土返還促進に関する請願及び裁判所の人的・物的充実に関する請願が、採択の上、内閣に送付されております。
#138
○藤野委員 わずか三件ですね、二十年以上にわたって採択されていると。
 この裁判所の人的・物的充実に関する請願というのは、いつから提出されて、どのようになっているか、もう少し教えてください。
#139
○今岡参事 お尋ねの請願につきましては、平成八年の第百三十六回国会に初めて提出されて以来、ことしの第百九十八回国会までに二十五の国会で提出され、解散等の事情により審査未了になったものもございますが、十九の国会において採択の上、内閣に送付されております。
#140
○藤野委員 つまり、平成八年、一九九六年以降、解散等で、要するにやむを得ない事情で流れてしまったという以外は、全て採択をされております。
 与党の皆様もよく御存じのように、やはり与野党が一致しませんと請願というのは採択されないわけで、ここ二十年以上にわたってわずか三件ですけれども、そのうちの一件がまさにこの法務委員会の裁判所の人的・物的充実を求める請願ということであります。
 ですから、これは最高裁にお聞きしたいんですが、これはまさに国会の意思だと思うんですね。与野党を超えて、裁判所の人的、物的充実をしなきゃいけないんだということを、もう二十年以上にわたって求めてきている。この国会としての意思を裁判所としてはどう受けとめて、どう対応しようとしているのか、これをちょっとお聞かせください、率直に。
#141
○村田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたような請願の採択等については裁判所としても承知をしているところでございますけれども、裁判所の使命は適正迅速な事件処理の実現でございますので、事件数、事件動向、事件処理状況、こういったものを踏まえて、それが適切にできる体制整備をするということが我々の果たすべき使命と思っております。
 その観点から、先ほど申し上げたように、必要な体制整備をこれまでお願いをし、実現をしてきたものというふうに考えております。
#142
○藤野委員 もともと三権の一つである司法権には、内閣がこの間行われてきた定員合理化計画に協力する義務はないんです。もう皆さんも答弁されているように、協力する義務はないけれども協力するとおっしゃって、定員削減で物すごい、私から見れば過度の協力を行政府に対してはしてきたわけですね。
 ところが、他方、立法府だって、皆さん方に、こういうことが必要じゃないか、こういうことが必要じゃないかとずっと与党も含めて提起をしてきているわけですね。それに対しては全く応えない。これは一体どういうことなんだというふうに思うんですね。
 私は、これは、野党だけの要求でなく、もう国会として、当委員会そして本会議で二十年以上ずっと採択しているわけですから、この国会の意思をしっかりと受けとめるべきじゃないかというふうに重ねて求めたいと思います。
 その上で、これはちょっと大臣にもお聞きしたいんですけれども、この間、法務省というのは国会にさまざまな法案を提出されて、家事事件手続法とか民事執行法とか民法の特別養子縁組など、これらの法案審議をやってまいりました。私もやらせていただきました。
 この過程で、家庭裁判所調査官、今回はそこに限らせていただきますけれども、家庭裁判所調査官の役割は極めて重要だ、そういういろいろな参考人や政府の答弁があったと思うんですね。政府だけではなく、最高裁も答弁しております。
 時間の関係で私が紹介しますけれども、例えば、当委員会で、ことしの五月二十四日、特別養子縁組の質疑の際、私の質問に対して、最高裁の長官代理の手嶋あさみ氏はこう言っているんです。「家裁の役割それから家裁調査官の調査の重要性、そうしたものがますます重要になってきているということは、委員御指摘のとおりかというふうに存じます。」と。参議院でも同じように、「家庭裁判所調査官の役割が高まることはもう御指摘のとおりでありまして、」こういう答弁なんです。
 ですから、大臣にお聞きしたいんですけれども、政府が出された法案の審議の中で、やはりそれを執行していく上で家庭裁判所調査官は重要だと最高裁も認めているわけです。にもかかわらず、それが全くふえない。これでは、政府がやろうとしている仕事が本当に果たせるのか。法案を通して、後はもうお任せというわけにはいかないと思うんですね。法案を提出されたわけですから、それをどう執行していくのか。どうしてもやはり裁判所の人的、物的体制、充実は必要じゃないかということで、このままでは子供にしわ寄せがいってしまったりするわけですから、大臣として、今の状況、これを改善していくべきだと思うんですけれども、どのような御所見でしょうか。
#143
○松島委員長 質疑時間が終了しましたので、簡潔にお願いします。
#144
○森国務大臣 家庭裁判所調査官の提案を含め、裁判所の体制整備のあり方については、裁判所を取り巻くさまざまな状況を踏まえ、最高裁判所において適切に判断されるべきものと考えております。
 法務省としても、裁判所関連の法律を所管する立場から、引き続き、最高裁判所の判断を尊重しつつ、国民に身近で頼りがいのある司法を実現するため、適切に対処してまいりたいと思います。
#145
○藤野委員 質問を終わりますが、最高裁には人的、物的体制の充実を強く求めておきたいと思います。
 終わります。
#146
○松島委員長 次に、串田誠一さん。
#147
○串田委員 日本維新の会の串田誠一です。
 きょうは裁判官の報酬等をということでございますので、この報酬というのは、言うまでもありませんが、国民の税金で支払っていくということでありますから、果たして国民が納得するような報酬の値上げになるのかということを確認していきたいと思うんです。
 まず最初に、裁判官は憲法に条約を遵守することが記載されていることを知っているのかどうか、確認をしたいと思います。
#148
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 裁判官はいずれも、憲法九十八条二項が、日本国が締結した条約及び確立した国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とすると規定していることを知っているものと承知しております。
#149
○串田委員 裁判官は条約をどのような形で遵守しようとしているのか、具体的なものを挙げて説明していただきたいと思います。
#150
○堀田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
 裁判官は、自己研さん等によりまして、条約や確立された国際法規に関する知見及び理解を深めるなどといったことを通じまして、その職権を行使するに当たって、我が国が締結した条約等を遵守しようと努めているものと承知しております。
#151
○串田委員 今、個人に任せているようなことのようなんですけれども、条約に関して裁判官に研修を行っているというようなことはあるんでしょうか。
#152
○堀田最高裁判所長官代理者 裁判官の研修を担当いたします司法研修所におきましては、任官時を含めまして、新しい職務又はポストについた裁判官等に対しまして実施する各種研修の中で、条約や国際人権法をテーマとしたカリキュラムを実施しているところでございます。
#153
○串田委員 具体的には、本年二月に子どもの権利委員会、国連が勧告をしている。その中に、裁判官に子どもの権利条約の研修をしなさいという勧告がありました。これは、裁判所としては承知をし、そしてその勧告どおりに研修を行っているのかどうかを確認させてください。
#154
○堀田最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 委員御指摘の勧告については、裁判所としても承知しているところでございます。
 先ほどお答え申し上げましたとおり、裁判官の研修を担当しております司法研修所におきましては、任官時を含めて、新しい職務又はポストについた裁判官に対して実施する各種の研修の中で、国際人権法を専門とする大学教授や、人権擁護に携わっている国内及び国際機関の職員等を講師として招きまして、児童の権利に関する条約、いわゆる子どもの権利条約でございますが、を含む各種人権条約に関する講演のカリキュラムを実施しているところでございます。
 さらに、その他の研修におきましても、児童の権利保護及び福祉に関する諸問題を取り上げたカリキュラムが行われておりまして、その中で、児童の権利に関する理解を深めているところでございます。
#155
○串田委員 今指摘されました子どもの権利条約というのは、一九九四年に批准をしているわけです。これは、国民も大変期待をし、それに応えて、国会が承認をし、そして政府が批准をしてきた。
 この一九九四年を境にして、裁判所は、この子どもの権利条約をどのような形で現場の訴訟運営に活用してきたのか、調査をしてきたのか、これについて御答弁いただきたいと思います。
#156
○堀田最高裁判所長官代理者 先ほどもお答えいたしましたとおり、裁判官はいずれも、その職権を行使するに当たりまして、我が国が締結した条約を……
#157
○松島委員長 繰り返しは簡潔にお願いします。
#158
○堀田最高裁判所長官代理者 遵守しているものと承知しておりますが、具体的にどのように実践しているのかなどについて調査を行ったことはございません。
#159
○串田委員 調査を行っていないということなんですが、日弁連六十年記念誌に次のような記載があります。
 離婚紛争に伴い、親の一方が別居するに当たって子を一方的に連れ去ったり、別居している非監護親が子を連れ去ったりするなどの事態がしばしば生ずる。本来、子の監護をめぐる紛争は協議によって解決するか、協議が調わないときは家庭裁判所の手続によって解決すべきものであり、そのような手続を経ないで子を一方的に連れ去るのは違法である。しかし、我が国では、このような違法な連れ去りがあったとしても、現状を重視する実務のもとで、違法行為が全く問題とされないどころか、違法に連れ去った者が親権者の決定において有利な立場に立つのが一般である。
 これは、日弁連の六十年記念誌ですよ。一般である。これは、二十一年の、二〇〇九年ですね、日弁連六十年というのは。とうに、一九九四年の子どもの権利条約を批准してからもう随分たっているんです。たっていながら、違法に行った者を問題にしないどころか、違法に連れ去った者が親権者の決定において有利な立場に立つのが一般である、これが現状を重視する実務のもとでと書いてあるんです。実務を担当しているのは裁判官じゃないんですか。
#160
○堀田最高裁判所長官代理者 裁判官が個々具体的な事件においてどのような判断、運用をしているのかについては、最高裁の事務当局の立場といたしましてはお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
#161
○串田委員 調査もしていないわけですよ。そして、これは日弁連の六十年記念誌ということですから、現場を担当している日弁連が、一般であると言っているんですよ。
 これに対して、そうじゃないという言いわけをすることは、調査もしていないんだからできるわけもないだろうし、現実に、研修というのも個別にやっているというだけであって、一九九四年から実務がどれだけ変わったのかの調査もしていないわけでしょう。調査もしていない中で、二〇〇九年の段階で、違法な状況を問題にするどころか、その者を有利な立場にしているのが一般であると言っているんですよ。
 全く条約を生かそうとしていないどころか、違法な状況をそのまま看過しているだけではなくて、そちらを有利にしている、こういうようなことを家族法の中でやり続けながら、報酬を値上げするということ、今から反省しませんか。どうでしょう。
#162
○堀田最高裁判所長官代理者 先ほどもお答えしたとおりで、繰り返しになりますが、個々の判断、運用についてはお答えを差し控えたいと存じますが、一般的に申し上げまして、裁判官は、条約を遵守して日々の職務の遂行に当たっているものと承知しているところでございます。
#163
○串田委員 繰り返しの答弁になるかと思うので、日弁連が、こういう状況が一般であると言っているわけですから、本当に、一九九四年の子どもの権利条約を、現実の実務、これは、条約と法律というのは条約の方が上である、これはよく法律でも学ぶと思いますし、憲法では、裁判官を名指しして、条約を遵守しなさいと書いてあるわけですよ。
 そうなると、例えば七百六十六条に書かれていることも、これは明治時代からほとんど変わらないような規定の中で、協議をするというのは改正されました。改正されたというのは、協議をするということをこれは期待して書いてあるわけであって、そうでないようなアンフェアなやり方というのは違法であるというのは、これは日弁連もちゃんとはっきりしているわけですよね。
 そうだとするならば、ちゃんとこの条約を遵守して実務に生かしているのかどうか、早急に調査をしていただくということを約束していただけませんか。それとも、日弁連のこういう指摘というのは無視していいということでしょうか。いかがでしょう。
#164
○堀田最高裁判所長官代理者 裁判官がその職権を行使するに当たりまして、どのように条約を遵守しているのかなどといった事柄につきまして具体的に調査をすることにつきましては、裁判官の職権行使の独立との関係で慎重な検討を要するものと考えているところでございます。
#165
○串田委員 いや、思想、信条を調べよと言っているわけじゃないんですよ。憲法が要求していることを遵守しているかどうかというのを裁判官に聞くのは、これは当然じゃないですか。職務の執行をちゃんと行っているかどうかというのを監視した上で、そして報酬を上げるというようなことは当然あると思うんですよ。
 憲法を遵守しているかどうかの確認をすることがどうして問題なのか、説明してください。
#166
○堀田最高裁判所長官代理者 裁判官がその職権を行使するに当たりまして、条約をどのような形で適用し、それでどのような形の判断をするのかというのは、職権行使の独立と関係する問題というふうに考えておりまして、先ほどお答えした次第でございます。
#167
○串田委員 これも繰り返しで、続けませんけれども、職務の独立ということと、憲法を守る裁判官であるかということの確認というのは、私は違うと思いますよ。ちゃんと憲法にのっとって、条約を守るということは憲法に書いてあるわけですから、この憲法をしっかりと守っているかどうかということの確認をするのは当然だと思うし、国民は期待をして、条約を批准しているのを見守っているわけですよ。そして、それを、信託を受けた国会がいろいろな調べ等をして条約の承認を同意し、そして政府が批准しているわけでしょう。その条約を裁判官が守らなかったら、条約を批准した意味がないじゃないですか。
 そして、条約をとても守っているとは思えないようなことが日弁連からこうやって指摘されているんだったら、ちゃんと条約を遵守しているのかというような調査をするのは当たり前じゃないですか。それでも、独立ということで放置している、そういうことになるんでしょうか。
 もう一度、最後に、この質問についてはお答えいただきたいと思います。
#168
○松島委員長 堀田局長、質問に対する正しい答え方をしてください。
#169
○堀田最高裁判所長官代理者 裁判官が条約を遵守しなければならないということは委員御指摘のとおりでございますが、ただ、具体的に、どのような形で条約を遵守しているのか、していないのかということを調査をしようということになりますと、裁判官の判断事項と密接にかかわってまいりますことから、先ほどのようにお答えしたところでございます。
#170
○串田委員 昨日、参議院でもとてもいい質問があったと思うんです。その中で、養育費というのは、これは子供の貧困というものを考える上では改善していかなきゃいけないというのはよくわかるし、私は、前の成人年齢引下げにおいて、離婚調停を、その前につくられている、成人に至るまでというのは、これは二十というふうにちゃんと書かないと、十八歳と勘違いする人もいるということで、小野瀬民事局長と相当やり合って、法律に書いてくれと言ったんですけれども、それはできないというので、じゃ、ちゃんと広告してくれという話をしたら、法務省は、これについてはしっかりと広告をしていただきました。
 養育費を払うのは当然だと思うんです。しかし、きのうの参議院の質問の中では、面会交流もやはりこれは重要であるということのお話の中で、面会交流が順調にいっていれば養育費の支払いもスムーズにいくというアメリカの例もあるという説明を受けた際、大臣は、日米の違いもあるというお答えで、はっきりとお答えはいただけなかった。確かに、日米の違いはあると思うんですよ。
 ただ、今ちょっと質問させていただいた中で、日弁連も、違法な状況をそのまま看過した上で、さらに有利に扱っているという状況が一般的な今の法制度のもとで、やはり公平な形で、養育費も約束を守る、面会も約束を守り、さらには、それは子どもの権利条約に書かれているような共同で養育をするということを実現していくということが両輪でなければ、片方だけを一方的に何か重視しているんじゃなくて、両輪でなければいけないというのは、これは日米とは関係がないと思うんですよ。
 大臣、これは、通告の後の参議院の質問なので、ないですけれども、御本人のお答えですので、これについて、日米という問題ではなくて、両輪であるということをはっきりと明示していただきたいと思います。
#171
○小出政府参考人 お答えさせていただきます。
 家庭裁判所が親権者や監護者の指定をする場合におきましては、どちらの親を親権者、監護者とするのが子の利益に資するかという観点から判断がされているものと承知しております。
 具体的には、その子の出生以来、主としてその子を監護してきた者が誰かということのほか、父母の側の事情として、それぞれの養育能力、子に対する愛情、監護に対する熱意、居住環境、面会交流に対する姿勢、監護補助者の有無及びその体制を考慮するとともに、子の側の事情として、その年齢及び発達、心情や意向等の諸事情を総合的に考慮して判断がされるものと承知しております。
 それから、養育費と面会交流との関係でございますが、養育費は面会交流をすることができていない親でも支払う義務を負うものであります。他方、子供と同居している方の親は、養育費の支払いがされていないことを理由に面会交流を拒むことができるものでもございません。
 このように、面会交流と養育費の支払いとは制度上の直接の関連はないわけでございますが、実際上は、面会交流が十分に行われると養育費の支払いがより行われる傾向にあるとの指摘が一般的にされているものと認識しております。
 このため、養育費の支払い確保という観点、また面会交流が適切に行われるという観点、この双方は非常に重要なことであると考えているところでございます。
#172
○串田委員 それがそのまま本当にそのとおりにいっていれば、日弁連もこういう書き方はしないし、そして、昨年は二十六カ国のEUからの抗議文、ことしは二月の国連の勧告、アメリカの不履行国という認定もありましたけれども、日本のやはり家族法というものをもうちょっと謙虚に、諸外国からそういう指摘がある、日弁連からもそういう指摘があるということに関しては、独自に考えないで、やはり謙虚に、その条約にのっとった運営というものをしていただきたいと思います。これについては、今後また質問させていただきます。
 ありがとうございました。
#173
○松島委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#174
○松島委員長 これより両案を一括して討論に入ります。
 討論の申出がありますので、これを許します。串田誠一さん。
#175
○串田委員 裁判官の報酬等に関する改正法案に対して、反対の立場から討論します。
 日本維新の会は、人事院が大企業を前提とした報酬決定に関して、国民の生活水準から乖離しているということで、一貫して反対をしてきました。
 さらに、裁判官については、以下の理由から反対させていただきます。
 日本国憲法は、裁判官を指名し、条約の遵守を要求しています。
 条約は国会の承認のもとに政府が批准するものであり、三権分立の関係から、裁判官が独自の判断で拒絶することはできません。
 日本が一九九四年に子どもの権利条約を締結し、父母が共同して養育することを決めたのは、国会の承認のもと、政府が他国との信頼を築くために批准したものです。条約締結国は百九十六にも上る、最も締結率の高い条約です。
 裁判所も、この条約の締結した時点から、条約の趣旨にのっとり、法律解釈や運用において、条約の規定どおり、共同して養育がなされるような訴訟運営を行うべきことは、憲法上の義務でもあります。
 また、条約締結の五年後には、男女共同参画社会基本法が成立しました。男女が平等に育児を営むことも書かれています。
 現実はどうでしょうか。裁判官は条約を遵守していると言えるでしょうか。言えるとしたら、今日の他国からの非難も、このような形でなされていないはずであります。
 これらの状況を顧みると、とても報酬を上げることは国民の納得を得られないものと考えます。
 裁判官こそ、真っ先に家庭裁判所のビデオを見て、条約の趣旨を学んでいただきたいと思います。
 以上のとおり、反対の討論とさせていただきます。
#176
○松島委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#177
○松島委員長 これより採決に入ります。
 まず、内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#178
○松島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、内閣提出、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#179
○松島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#180
○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#181
○松島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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