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1951/02/09 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第6号
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1951/02/09 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第6号

#1
第013回国会 運輸委員会 第6号
昭和二十七年二月九日(土曜日)
    午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 岡村利右衞門君
   理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君
   理事 山崎 岩男君 理事 淺沼稻次郎君
      大澤嘉平治君    岡田 五郎君
      尾崎 末吉君    片岡伊三郎君
      玉置 信一君    坪内 八郎君
      畠山 鶴吉君    江崎 一治君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 村上 義一君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      荒木茂久二君
        建 設 技 官
        (道路局長)  菊池  明君
 委員外の出席者
        運 輸 技 官
        (運輸技術研究
        所長)     服部 定一君
        運輸事務官
        (運輸技術研究
        所管理部会計課
        長)      野津 法秋君
        日本国有鉄道総
        裁       長崎惣之助君
        日本国有鉄道理
        事
        (輸送局長)  木島 虎藏君
        日本国有鉄道理
        事
        (経理局長)  三木  正君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
二月七日
 秋田県生保内駅より岩手県雫石駅に至る連絡鉄
 道建設に関する陳情書(盛岡市議会議長北太
 郎)(第三五五号)
 宇野、高松間貨物輸送力増強に関する陳情書(
 香川県知事金子正則)(第三五六号)
 川池線鉄道敷設促進に関する陳情書(香川県知
 事金子正則)(第三五七号)
を本委員会に送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 小委員の補欠選任
 昭和二十七年度運輸省及び国鉄関係予算に関す
 る件
    ―――――――――――――
#2
○岡村委員長 これより会議を開きます。
 前会に引続き昭和二十七年度運輸省及び国鉄予算に関し質疑を続けます。大澤嘉平治君。
#3
○大澤委員 私はこのたび国有鉄道の予算の審議にあたりまして、一言総裁に所信をただしておきたいと思つているのであります。現在日本の国有鉄道が新線建設あるいは電化設備、電源設備等に対しての予算を見ましても、まことに苦しい予算を組んでいることはよくわかるのであります。現在の財政等の見地からいたしまして、新線建設にあたりましても、電化あるいは電源開発等に対しましても、あるいは車両等の改善に対しましても、非常に予算の面は切り詰めてあるように見受けられるのでありますが、何と申しましても少い予算で、全日本の国有鉄道の完全なる運営をして行くことが、当事者としての理想であり、目的でなければならないと思うのであります。かような点から見ますと、東海道線の電化、あるいは高崎線の電化にしましても、二十七年度の予算には五十一億しか見積られておらないが、これも全国的に見ればまことにへんぱな計画であると思うのであります。全国の国有鉄道のすみからすみまで国民は平等に負担し、国民としての権利も義務も盡しておるのでありますから、国有鉄道は国民全般に対して公平にやらなければならないと思うのであります。従いまして一方の方面にすべての予算を注ぎ込むということであつては、国民に対して必ずしも公平でない、一つのへんぽな扱い方ではないかと考えられるわけであります。新線建設については、建設審議会で十分審議されることではありましようが、電化の面では、今申しましたように非常に限られた予算であつて、国有鉄道全体から見てはなはだ当を得ない、心細いものではないかと私は心配せざるを得ないのであります。少くとも少い予算ならば少いなりに、全国的に公平に振り向けるべきであつて、一部の面にのみ振り向けて行くということでは、国家全体の文化の発展も、経済の発達もあり得ようはずはないのであります。そこで予算が少ければ少いなりに、全般に振り向けるというお考えを持つておるかどうか、伺つておきたい。
#4
○長崎説明員 大澤委員の御意見はまことに、ごもつともでありまして、財源が許しますれば、もちろん全国的にやるべきだと存じます。しかし、少いながらも全国的にという仰せでありますけれども、やはり資金を投ずる以上、貴重な資金でありますから、早く効果を上げなくてはならない。効果を上げずに散発的にばらまくということも考えられますが、今の乏しい日本の財政状況におきましては、やはり考えなくてはならない問題でありますから、できるだけ少い資金を投じて、早く効果を上げるということもねらつているわけであります。しかし資金が許されますれば、ただいまの御意見のように、あらゆる面に向つて検討しなくてはならぬということは考えております。なお案としましては、あらゆる方面に電化の計画もございますが、それは絵に描いたもちのようで、裏打ちがございませんから、実際においては少い資金をなるべく早く効果を上げるという意味で、ただいまのような計上をいたしているわけであります。
#5
○大澤委員 総裁の御説明によりますれば、一応少い資金で最高の能率を上げるという意味で、この案をつくつたのだというお話であります。しからば東海道線にいたしましても、すでに電化の必要であることは私が申し上げるまでもないのでありますが、多額の金を出して電化をして、そのために機関車等の余つたものをローカル線へ振り向けることが簡單にできるものかどうか、技術的の面であるとは思いますが、一応この点をお尋ねしておきたい。
#6
○木島説明員 ただいま大澤委員から、東海道の車両をローカル線に使えるかどうかというお話でありますが、これはなるほどまつすぐには使えないものでございます。しかしそれをだんだんおろして行きまして、たとえば東海道で出ましたDの五〇というような機関車を、中間の東北線とか山陽線、九州本線べと持つて行きまして、そちらで使つている機関車をローカル線に入れるというふうに、ちようど長男の着物を次男に着せ、三男に着せるというやり方をやつて結局はローカル線に潤つて行くわけであります。
#7
○大澤委員 そういう説明を伺いましても、国鉄は予算もないので、人間も少いということを言われておるのに、これは一つの例でありますが、いろいろな技術的の面にいたしましても、そういう手数をかけてまで少い資金をそこへ使うということよりも、今申し上げましたように、国家的見地から見れば、それをはずせばすぐにも他の方に使えるというようなところも、電化をするにしてもまだ十分あると思います。そういう手数をかけて複雑な技術的のことをやらなくても、ただちにそれがその日にも他に運用でき、しかも能率も上るというような、経済的に見てもまことに効果的な方法が他にあると思います。それを煩雑な手数をかけ、しかも技術者の面でもそうなればいろいろの変動があると思いますし、そういうように人を動かせば動かしただけに、移転料とかいろいろの経費もかかると思います。そういうように手数を煩わし、経費を使わなくとも、全国的にこのとうとい資金を使う方法が十分あるのではないかと考えるのであります。なおしかしこれも国鉄の総裁とすれば、一応これは案であつて、実際の問題はこの予算の範囲内で、また検討をするのだというような御意見もありますが、しからば電化の面ももちろんこれで十分だとは言えないことはよくわかりますが、少くとも国の産業の中心地であるとか、あるいは国鉄から見れば一つのローカル線ではあるが、地方の産業は、わが国の輸出産業という面から見ても、まことに重大なるところの任務を果しておる。一つのローカル線等に対しましても、予算の面においては何らの手を打つていないのであります。こういう点からいたしますれば、このたびの予算にいたしましても、もう少し方法があるのではないか。たとえて言えば、デイーゼル・エレクトリック・カーというようなものにいたしましても、地方の産業の開発とか発展とかいう面から見て、ローカル線等に対しましてもこのデイーゼル・エレクトリック・カーのようなものをもう少しまわしてやる。この予算の面でも大切な金を一部に偏した使い方をしないで、たとい少しでもそういう方面に気持が現われておるならば、これはやむを得ないとしても、この予算の面をいろいろ検討してみますと、例をあげて言えば両毛線のごときにいたしましても、これに対して予算の面から何らの手が打つてないということを考えますときに、もちろん電化とか新線というものは必要ではありまするが、そういう方面の地方産業の発展とか、あるいはわが国の輸出産業の面においてこれをもう少し振興させて、独立国家として独立した経済が立ち得られるように、われわれ政治を担当する者としては考えなければならない問題であると思います。従いまして国の唯一の機関である国有鉄道が、もう少しそういう方面に対する考え方をここに現わすべきではないか。私はこれを強く主張しておるわけであります。そういう点に対して一応説明を伺つて、その上で十分これを検討して行かなければならない問題であると思いますので、先ほど私の申し上げましたような点に対して、国有鉄道当局が手を打つてあるのかどうであるか、この点をお伺いいたします。
#8
○長崎説明員 ただいま御質問の要点は、要するにデイーゼル・カーの問題ではなかつたかと思いますが、聞き違いでありましたら訂正いたします。デイーゼル・カーの問題でございますれば、今年度の予算に、両数は僅少でございますけれども、若干計上してございます。それで両毛線の問題も、実施にあたりましては十分考慮いたしてみたいと思います。
#9
○大澤委員 総裁の説明によりますれば、考慮しておるということでありますが、この際輸送局長の意見をもう一応お伺いしておきたい。
#10
○木島説明員 ただいまのお話は、全国的にもう少しいなかの方も考えろということであつたと思いますが、それはいよいよ予算の御審議を願い、予算がきまりましてからでもできますし、もともと私どもの考え方といたしましては、一部に偏しないように、できるだけいなかの方も考えたいと思つております。それでディーゼル・カーの点でありますが、予算の関係で実は客車もボロがたくさんありますし、その他いろいろな諸施設にも金がかかりますので、やむを得ずそういうことになつておりますが、なおよく検討いたしまして、できるだけ全体のバランスをとるように考えて行きたいと思つております。
#11
○大澤委員 それでは経理局長がお見えになつたようでありますから、一言経理局長に昭和二十七年度の予算の面についてお伺いいたしたいと思います。先ほど総裁あるいは輸送局長にお尋ねいたしましたところ、この予算は局部的に偏して使つてはいない、一応そういうふうに見えても、これは最小限度の予算で最高能率を上げるために、そうしてあるのだという御説明でありました。私は先ほど申したように、東海道線の電化にしても、九州まで電化しなければとうていこの目的を達せられるものではないと思う。しかるにこの予算の面を見ますると、ほとんど東海道線あるいは高崎線という二つの線に限られておる。しかも東海道線の電化を実施した場合には、その従来の機関車が他のローカル線には使えない。これを他の本線に持つて行つて、また本線の機関車をローカル線に持つて行くのだというような複雑な手段を煩わして、しかも予算もない、人間も少いと言つていながらも、そういう非常に複雑したやり方をやることを説明されておるようでありますが、そういう点からいたしまして、私はこの予算に、たとい十億でも十五億でも、少くともこの他のローカル線であろうが――先ほど申し上げましたように、地方の産業の現状を考えましたときに、まことに重要な場所は幾らでも全国においてあると思います。そういう点からいたしましてそういう方面に対してこの予算を少しわけても、デイーゼル・カーというものをもう少しふやして、一般のローカルの車両の改良にいたしましても、あるいはディーゼル・カーの運行にいたしましても、もう少し考えを公平に、しかも文化の配分を公平にやらなければならぬというような見地からいたしまして、経理局長はこの予算の面を、たとい十億でもあるいは十一五億でも、そういう方面に振り向ける意思があるかどうか、この点をお伺いをいたしたいと思います。
#12
○三木説明員 来年度の予算は、総裁その他から申し上げました通り、非常にきゆうくつな予算でございます。ことに損益勘定におきましては、人員の面、あるいはそういう面を見ましても、相当きゆうくつな予算であります。さらに物価が、今のところは大体おちついておるのでございますが、一部銅及び銅製品、電気部分品というようなものに、相当値上りが見られておるのであります。それはそう大した量を占めるものではございませんが、一番危惧をいたしておりますのは、石炭の値段でございます。御承知の通り、この予算にはトン当り五千五百八十一円という單価で見込んであるのでございますが、少々の値上りでありますればいいのでございますけれども、これが相当の値上りを見せるということになりますと、相当な危惧を生ずるおそれがある、こういうふうに考えておるのでございます。それから工事勘定におきましては、再々申し上げました通り、私どもとしては新線建設を除いて六百億くらいの資金を見込まなければ、最小限度といいますか、現在の輸送に対処しつつ、老朽のものをとりかえて行くことができない、こう考えておるのであります。現状は御承知のように輸送力の増強――輸送力が不足しておるという面が強調されると同時に、現在の施設、車両というものが相当疲労しまして、戦争中、戦後もそのとりかえに努力はしましたけれども、いろいろな面の制約を受けて十分でない。よほどの注意をもつて運行して行かなければ、正常な運行にも事欠くというような情勢にある。その二つの面を消化するためには、最小限六百億くらいの金がほしいと思つたのでございますが、運賃は、御承知の通り運賃値上げの際にも論議されましたように、改良であるとかそういう方面の金を運賃で回収すべきではない。そういうものは借入れによつてやれというような輿論が非常に強く、とりかえに要する費用も三百億程度見込む、それ以上見込むのは妥当でない、こういうような説が多く、運賃はそういうふうにきまつております。さらに借入金の方は、国家財政の方にしましても資金運用部の資金にしましても十分でありませんので、そういう結果で、自己資金が三百億と借入金が百十億、合計しまして約四百十六億余という勘定になつております。そこで六百億以上いると思われたものが、実際の予算が四百十六億になつた場合にどうするかということでございますが、いろいろ考えた結果、熾烈な要望のある新線に二十億、それから電化も適当な要望があるのでそれに五十一億、残りを電源開発並びに一般の改良に充てる、こういうのでありますが、電源開発は御承知の通り信濃川の千手の発電所が昨年の八月一日から送電を開始いたしまして、その予備機をつくらないことには効果的でありませんので、ぜひこれを一つつくりたい。そういうことをいたしますと残りはごくわずかになりますが、その大部分はあげてこれをとりかえに使いませんと、車両にいたしましても、よくおしかりを受けます地方におきましては、四等車とか五等車とかいわれるような、非常な危險の一歩手前にあり、しかもそれを相当の金をかけて修繕しても、なかなかその効果が得られないような客車が多い。貨車にしましても現在輸送力が足りない。あぶない車を運転してはいけない。どうしてもそれは廃車をして、輸送力を減殺しないように置きかえのための新車をつくらなければならない。橋梁にいたしましても、線路にいたしましても、あるいは電線にいたしましても、運転の安全確保と正常なる現在のサービスを保持するためには、どうしても三百億余りの金を使わないと危険に瀕するわけであります。それもできるだけ設備をだましだまし使つて行く、あるいは少々不経済でも修繕費を使つて使えるものは使つて行く、こういうふうに考えて参りまして、現在の予算の内訳というものをつくり上げたわけでございますが、それにいたしましても、客車のごときも廃車しなければならぬ数と新しくつくり得る数とは、新しくつくり得る数の方が少いというような現状にもなり、非常にきゆうくつになつておるわけであります。
 ディーゼル・カーと申しますものは、現在單車あるいは二両で運転しておるのでございますが、さらにこれを集中制禦と申しますか、相当両数連結すれば、煤煙のない、あるいは運転のサービスのできる非常にいいカーなのでございますけれども、客車に比べますとエンジンを含むだけ、値段も高うございますし、客車一両とディーゼル・カー一両と同じ値段というわけにも参りません。それを相当車両つくりますことは、さらに客車のとりかえに要する客車の新造を減らすことになりまして客車の運転に支障を来す、こういうようなことも考えなければならぬので、現在この予算の内訳として出してありますのは、デイーゼル・カーを三十五両、客車を二百五十両というような案で出しておりますが、さらに輸送局、車両局等において、最も効率的な運用をするために、安全を確保しながら、少しでも国民の皆様方の御便益になるにはどうしたらいいかということを、目下研究中でありまして、予算にはこう書いてありますが、実行いたします場合に多少の異動はあると思われます。ただいまのところではそう大幅にディーゼルカーを――たくさんつくるという気はもちろんございますけれども、その財源を、どこを創るかということに苦慮しておるような状態でございます。
#13
○大澤委員 この予算の作成の時期は、いつの現在でこれを作成されたか、その点をお伺いいたしたいと思います。私が昨年の秋ディーゼル・カーの問題で国鉄に、地方民と一緒に陳情にお伺いしましたとき、一応五十両を来年度はつくるという話をしておつたわけであります。しかるにこれを見ると三十五両に減つておる。従いまして陳情に来た人との約束というものが、大きくくつがえされておるように見受けられるのであります。こういう点を経理局長といたしましては、将来この予算の範囲内でまたやりくりをして変化があるということも申されますが、われわれは別として、国鉄として地方民と約束したことは一応守つていただかないと、まことに重大なる結果を来すのではないか、かようにも考えられますので、その辺のところはかえる意思があるかどうかということをお伺いいたします。
#14
○三木説明員 幸い私どもの予算は、その款項のうちではある程度まで融通して使用することができることにお許しを得られると思いますので、そういう点はその当時における輸送の情勢を十分考えまして――これは輸送局長が輸送の情勢に直接タッチしておるわけでございますから、その輸送の情勢に照し合せて考えて行かなければならない。またそういうふうにいたして行くつもりであります。そうして客車をどれだけつくる、あるいはそのほかに機関車が十五両ございますので――これは古い機関車のとりかえのためにお願いをしておつたのでございます。古い機関車は廃却しなければなりませんけれども、廃却しても現在の手持機関車をうまく使うことによつて、機関車の数を減らして輸送ができますれば、そういうことをやることによつてデイーゼル・カーをふやす、客車をもつとふやすというようなことももつともつと考えなければならぬ、目下各主管局で私ども集まりまして、どういうふうにするかということをいろいろ研究しておるような次第でございます。
#15
○大澤委員 いずれにいたしましても、国鉄そのものは、国家の文化にいたしましても経済にいたしましても、一応基礎になる重要な役割を持つている国家の施設でありますので、そういう見地からいたしまして先ほど申しましたように、一般地方の産業を潤すとか、あるいは全国的に地方に見合せて、適当のところに予算を使うという気持があるといたしまするならば、一応地方民と約束した程度のことくらいは、責任を持つ考えがあるならば、どの面からでも、たとえば五億や十億の程度のものはまわさなくてはならぬと思います。どこへまわすということは、説明を伺つてどうこうと私は申しませんが一応その意思があるかどうか、気持の点を総裁と経理局長にもう一言伺つておきたい。
#16
○長崎説明員 私は就任以来地方の方方に、そういうような約束を申し上げたことはないのであります。しかしながら公約のあるなしにかかわらず、いやしくも地方なり日本全体なりを見ますと、最も公平な、しかも効率のいい仕事をして行ぎたいということを、ここではつきり申し上げておきたいと思います。
#17
○三木説明員 私どもは総裁の指示に従いまして、担当の部門である経理の部門から予算を忠実に執行し、会計を正確に経理して行くことに努力するのはもちろんのこと、理事として国有鉄道の仕事をさしていただいております以上、全般的の産業、経済、文化の動脈である国鉄に勤めさしていただきます以上は、自分の経験なり知識をあくまでも使つて、総裁が今申しましたように何らかの形でお手伝いができるように、意見も述べてやつて行きたい、こういうふうに考えております。
#18
○黒澤委員 先ほどから大澤委員は電化の問題に対して、普遍的に総花式にやつたらどうかというような御説でありますが、総裁はこの電化問題に対して、限られた五十一億とかいうほんとうにわずかの金を、普遍的にやるのかあるいは重点的にやるのか、その御方針を承りたいと考えます。
#19
○長崎説明員 先ほども申し上げましたように、私は日本の現在の財政状況は、非常に考慮を要する問題のように、大蔵大臣並びに運輸大臣なりのお話で伺つております。従つて金を使うには、少ければ少いだけに、早く効果が上るようにしなければならぬと思います。総花的に方々に五億だ、二億だといつて使つたのでは、何年たつたら効果が上るのか、十年か二十年たてば全般的に燃え上るでしようけれども、あしたからは効果が上らぬということではだめではないかということで、早く効果を上げるよう、順次片すみから重大問題を片づけて行くということの方がいいのじやないか、私はそういうふうに思つております。
#20
○黒澤委員 それでは今おつしやつたことは、重点的であると解釈してよろしいでしようか。
#21
○長崎説明員 さようでございます。
#22
○黒澤委員 実は東海道線の電化に対しまして、浜松、米原間というようなことが先年まで出ておつたのですが、長野やあの附近の人から非常に峻烈に、これが効果の上る経済線であるという陳情を、再三再四受けておるわけでございます。昨年高崎線を第一にしたのは、ただいま局長さんから申されたように、信濃川の第三発電所が八月一日で完成するので、ロスの少い高崎線から始めるのだというようなことて高崎線をやつたものであると私ども聞いているわけですが、たまたま来年度は東海道線の浜松、米原間をやるというようなことを、その当時局長さんが申されたと考えている。ところがことしを見ると五十一億のうち二十五億を浜松、米原間ということでなくて浜松、姫路間という非常に漠としたような説明がここに出ているわけです。これでは重点的がかえつて普遍的になるような気持がいたしますが、それはどんな状況であるのか、御説明を願いたいと思います。
#23
○三木説明員 いまさら申し上げるまでもございませんが、電化の非常に有利といたします点は、非常に固定設備に金はかかるのでございますが、運転の区間に比べて電力料金による動力費が安いのであります。もちろん快的であるとか、あるいは勾配に対して強いとかいう面もございますが、一番の主眼点はそういうところにある。もう一つはわが国の石炭の状態を考え、あるいは水力の利用可能の範囲というようなことから考えて、電化というものを取上げられたと思うのでございますが、その電力費を安くするための一番の要点をなすものは何かと申しますと、機関車のロング・ランにあるのでございます。設備を安くするためにも、機関車を長く走らせるというところに、非常な強みがあるのでございます。蒸気機関車でございますれば、水を飲まなければならないとか、石炭を積まなければならないとか、そういう点である程度制約を受けるわけでございますが、電気機関車でございますと長く走れる。長く走ることによつて機関車の数も少くて済み、機関車の回転設備も転向設備も少くし得るということろに、電化の妙味を発揮する原因があるのでございます。それで短区間に電気運転をやるとすれば、そういう面からもちろんほかの隧道区間にそれをやることによつて、隧道の煤煙から避け得られるとか、あるいは非常な勾配区間にやることによつて、線路設備をあまりかえないで、前後一貫した強い輸送力で輸送ができるということも、場所によつてはございますけれども、今申し上げた通りロング・ランをやることが、設備を少くして経費を浮かすということの根本なのでございます。それからもう一つは、もちろん輸送力が多い。始終列車が走ることによつて、固定設備の単位当りの負担額を少くし得るということでございます。そこで戰後電化問題を取上げました際にも、第一番に東海道線の電化ということを考えたのでございます。そして東京、大阪間――大阪と申しますのは大阪だけでは不十分なのでございまして、神戸から姫路までを考えた。東京、大阪間が最初に電化されるべきであろうと考えておつたわけでございます。しかし最初非常に景気よく数十億の金を投じてやりたいと考えましたことも、諸種の事情でできなくなり、遅遅として進んでおらないわけでございますが、高崎線は御存じの通り、上越方面が電化しており、東京付近が電化しているのに、高崎、上野間あるいは山手線が切れているために、機関車のロング・ランができず、蒸気をまたつけなければならない、そういう不便を解消するために高崎線をやる。さらに東海道線の完全な使命を果すために、どうしても貨物列車は吹田まで、乗客列車は大阪近郊、姫路までということになります。ただ資金の状態が十分でありませんで、さしあたり大阪まで行けないから途中まで行くということになりますと、旅客列車は名古屋あるいは米原まで、貨物列車は稻沢までというものを考えなければいけないわけであります。米原までと考えます際にもそれでは不十分なので、どうしても大阪あるいは姫路まで行くことによつて、一つの体形ができるわけでございますが、資金の関係などを考え合せて、さしあたりは旅客列車は名古屋または米原まで、貨物列車は稻沢までということを一応考えたわけであります。その二年間でやります中の一年分に必要な経費を、この予算に盛つたわけでありますが、それはあくまでも以前から申しておる吹田、姫路辺までの電化の一環をなしておるのであります。
#24
○黒澤委員 ここのところで急に浜松、米原間というのを姫路間に直して予算を出したのですが、今その理由を聞くと、長々といろいろ言うおるのてすが、簡單にその理由をお聞かせしてくださること。それから二十五億円でやりますと、東海道線浜松からどの付近まで行けるかということを御説明願いたい。
#25
○三木説明員 今年度の予算におきまして東北線と書きまして、非常に誤解を生じたのであります。われわれの線路名称と申しますのは、東北線という一つのグループがありまして、その中に東北本線と支線の欄に高崎線があるのであります。高崎線をやるつもりでしたが、われわれ部内の線路称号規程から申しまして、東北線電化と書きましたために、非常な誤解を受けてトラブルを生じましたので、今度は東海道線並びに山陽線という書き方でなしに、すでに電化されました部分を除いて、電化区間である浜松、姫路間というように区間を区切つて書いたわけであります。それから二十五億の内容は、そのうちの五億くらいを電気機関車の注文に充てまして、二十億くらいを地上設備に充てたいと思いますが、先ほど申しました通り、一部の効力を現わす稻沢、あるいは名古屋辺まで入るといたしましても、地上設備だけでも六十億あまりかかると思いますが、それを途中まで二十億でするということは非常に困難ではないか、かように考えております。もちろん資金を寐させて使わないのは非常に残念でありますから、なお研究してみたいと思つておりますけれども、現在のところにおきましては二十八年度における開通を目ざして、それに一番段取りよく仕事を進めて行くという程度にとどまるのでありまして、途中の岡崎、豊橋というところまで電気運転をするということは、非常に困難ではないかと考えております。
#26
○黒澤委員 岡崎、豊橋というところに電気運転をするのは非常に困難ではないかと考えているというお話でしたが、そこまで開通するとどういうことになりますか。
#27
○三木説明員 岡崎まで運転するに要するところの、将来は不要になる設備をたくさんやらなければならないということになります。
#28
○黒澤委員 そうすると、もう少し向うまで行かなければいけないことになりますけれども、もう少し向うに行くような構想がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
#29
○三木説明員 名古屋まででありますと、名古屋において蒸気機関車と電気機関車のとりかえをしなければなりませんが、その設備に非常に金を食うのであります。次に延びることを可能と考えますれば、少くとも旅客列車は名古屋、貨物列車は稻沢辺まで行かなければならない、そういう構想のもとに工事を進めたいと思います。
#30
○黒澤委員 先ほど信濃川の小千谷の発電所でございましたか、昨年完成をいたしまして送電しておるというようなお話がございましたけれども、あそこはたしか五万キロを完成したというように私どもは聞いておるわけです。その五万キロのうち、高崎線に使用したといたしましても、非常に電気が余るというようなことを聞いておりますけれども、その電気の配分関係と申しますか、使用関係はどんなふうになつておるか、お聞きしたいと思います。
#31
○三木説明員 鉄道電気は、御承知の通り朝晩のラツシユに一番たくさんいります。山手線あたりでございますと、深夜は運転をいたしませんので、非常に少いわけでございます。そういういろいろな事情がございますが、現在のところにおきまして、千手発電所ができましてから、余剰の電力がございます。これは関東並びに東北の電力会社に売つております。
#32
○黒澤委員 自分の発電している電気を売り、また他から買うということになると、その差額が非常に大きなものが出ると思うのです。自分のものを自分で使つて安い電気でやるということは非常に効果的に考えられるのですが、その辺はどんなものでございますか。
#33
○三木説明員 なるべく自分のところで発電した電気を、自分のところでフルに使いたいと思つております。御承知の通り発電所から使うところまで、送電線をつくらなければなりません。他の会社の送電線に委託して送つていただく、こういうことを考えなければなりませんが、可能な範囲において自分のところの電気を使うことにいたしております。しかし非常に遠隔の地で、それがすぐ融通できず、足らないところにおいては買い、また余るところにおいては売るというような結果になるのでございます。しかし将来東京近郊がさらに電化されて参りますれば、そういうことはなくなると思います。ただいまのところはそういう状況でございます。
#34
○黒澤委員 東京近郊に使われておるほかに、東京電力とか、東北電力に売つており、しかもよそへ持つて行くには非常に送電線にかかるということになると、信濃川の千手発電所の五万キロというものは、まつたく死んだ電気のように私ども考えられるわけです。それを一番近い、送電線も何もいらない上越線に向けるとか、東北線にやるとか、常磐線にやるとかいうことが、一番効果的のように私ども考えられるのですが、その辺の御見解はいかがですか。
#35
○三木説明員 御説の通りでございまして、上越線は御承知のように一部自家発電で、南部の方は信濃川の電気を使い、北部の方は大分買つておつたのでございますが、本年度三億ばかりの金を投じまして送電線をつくりまして信濃川の電気を使うようにいたしました。それが一万三千キロくらいだと思います。さらに本年度高崎線が完成いたしまして、四月早々から運転を開始することになりますと、さらに一万数千キロのものがそこに使われる、かように考えております。
#36
○黒澤委員 今のお話によりますと、約二万五、六千キロ、半分以上は余つていることに相なると思います。そのほかに貯水池をつくると、信濃川の千手発電所は二十八年には二万五千キロ起きるということを話に聞いておりますが、そうなると信濃川の電気は、鉄道電化のためではなくて、よそに売るための電気がつくられることになると思いますが、その点はいかがでしようか。
#37
○三木説明員 そうではございません。在来におきましても、在来の発電所だけは不十分で、電力会社から買つておりました。さらにまた渇水期あるいは非常なピーク時におきましては、川崎の火力発電をたいておつたのでありますが、そのたく分がそれだけ減るわけでございます。今その詳しい数字等は持ち合せておりませんけれども、二万数千キロというもの以外は余つておつたということではなくて、それによつて前から買つておつた分を買わないことにし、さらに火力で石炭をたくと非常に高くなりますが、それをたかずに済むという効果を上げております。これを上越線に使いましたが、高崎線に使うということになつて参りますと、やはり一方火力でたく量がふえて来ることになるわけでございます。
#38
○黒澤委員 発電設備費が十七億ばかり出ております。これは信濃川の千手発電所の第三期工事に使われるようになつておるようですが、先ほどからの説明を聞いても、五万キロの数字とあとの出て来る電力の数字等を見ても、いらないようなものをつくつているような感じがするわけです。送電線がない、あるいは遠くへやるとロスが多くなるということになると、東海道線の電化は、信濃川から送るよりも、天龍川とか木曽川とかいう方で開発できるところがあれば開発してそちらからやつた方が非常によいように考えておりますが、総裁はこの発電設備に対してそうしたような構想はおありですか。
#39
○長崎説明員 電力の問題は、ちよつと考えますと電気屋さんと同じような仕事のようにお考えになるだろうと思いますが、蒸気機関車は御承知の通り自分でもつて蒸気をつくつて動力になるのでありますが、電気機関車になると、発電所と電気機関車が一緒になつて動くのでありまして、これは密接不可分のものであります。そういう関係で自家発電、自分で自由になる電源を持つことは、もとよりわれわれの欲するところであります。しかしながら一方日本の電力の実情を見ますと、そういうことばかり言つて自分だけがよい子になるということもいけないことでありますから、これは目下せつかく政府において考慮中のものでありますが、日本の電力開発をどうするかという問題とからみ合いまして、決定を見るべき問題であります。しかし天龍川なり大井川なり、あるいは関西でありましたならば十津川なりに、自分の自由になる電力をほしいということは申し上げるまでもないことであつて、そういう希望は持つております。しかしこれはわれわれの希望でありまして、やはり国家全体から見て、電源の開発というものを考えなければならぬと思つております。なおただいまの御質疑中に、信濃川の発電所の電力はよそに売るとかなんとかいうお話がありました、朝夕のラツシユ・アワーにおいては、自分の発電している電力だけでは足りなくて、よそから買つているような状況であります。売つたと先ほど経理局長が申しましたのは、晝の間の閑散時あるいは夜の電力です。それはいりませんし、水を流すのももつたいないからよそに出しておるので、これは不定時の電力でございます。
#40
○黒澤委員 私は今信濃川の発電所が不要だとは言わなかつたわけです。ああしたところで大きく電気が起きる、また第三期工事ができて五万キロも起きるということになれば、一番重点的に振り向けるには、常磐線、東北線の電化に持つて行つたらロスが少い。近いところは近い方で使えば送電線もいらぬから、一番効果的に行くのではないかという意味に私は考えておるわけですが、そうしたような構想はおありかどうかちよつとお聞きしたのです。
#41
○長崎説明員 電化の問題につきましては、いろいろの考え方がございますけれども、まずさしあたり一番効果的に電力を使用するには、先ほど経理局長か申し上げたようないろいろな理由から、まず東海道線を電化することです。東海道線は四六時中夜も書も同じに使つておる。晝は旅客列車が多いし、夜になると貨物が多いということで、ほとんど間断なく列車が動いております。そういう意味からいたしますとよく電気を使うというわけで電気を最も有効に使うのにはまず東海道線であろう。そのほかにも理由はございますが、そういうような意味もありまして、東海道線の電化をやろうじやないかということは、二十年ほど前からございます。そういうような意味で、私は東海道線の電化に着目すべき点があるだろうと思います。私もその点に大いに賛成でありますから、東海道線はまずやるべきである。次にはどこをやるかということは調査しておりますから、順次そういうふうに拡張して行きたいと思つております。
#42
○大澤委員 ただいま総裁なりあるいは経理局長なりの御説明を伺いますと、理想としては、わが国の国有鉄道は東海道線に限らずすべて電化をしたいとか、あるいは予算の許す限りどういう方面でも電化の計画があるのだというようなお話でありますので、まことにその点は意を強くするわけであります。しかし予算かないために思うように行かぬ。従つて逐次一つく仕上げるために、すでに着手しておるという御説明であります。それはごもつともでありますが、私は国有鉄道の使命というものは、申すまでもなくわが国の国民経済あるいは国力の原動力をなすものであると思うのであります。従いまして先ほど来申し上げましたように、偏した形をもつてこれが運営に当られるとするならば、国家全体から見てまことにゆゆしい問題であると思うのであります。何といたしましても戰後国民は、経済的にも非常に苦しんでおるというような立場からいたしまして、一日も早く経済の復興、産業の復興をしなければならないということは、国民全部が考えており、真剣に闘つておる現状であります。従いまして国の動脈であり、国の経済の原動力である国有鉄道には、絶対に目を配つてもらうということが、根本の理念でなければならないと私は深く信ずる次第であります。従いまして東海道線の電化もけつこうでありましよう、あるいは新線の建設もけつこうでありますが、何と申しましても地方の産業の育成という面をもう少し取上げていただくことを、強くこの際に主張しておく次第であります。なおそういう面からいたしまして、国鉄の財政も非常に窮乏しておるように見受けられますが、戰後六年の問に五回ないし六回の運賃の値上げをしており、国民にすでに負担を負わしておるのが現実の姿であるのであります。ときによればわれわれ政治を担当しておる立場から見ましても、まことに心苦しいわけであります。一般国民の経済に直結するところの国鉄を、各地方の産業経済とにらみ合せて一何とかもう少し考えていただくように特にお願い申し上げます。
 なお次に一月の十三、四日だつたと思いますが、読売新聞に、国鉄の外郭団体であるところの交通公社あるいは弘済会というような団体が、国鉄の傘下にあるようでありますが、これが新聞によりますと、まことにゆゆしき問題でもあるし、一応国民に対して、総裁の考え方なりあるいは国鉄の当事者の考え方なり、あるいはこれが監督行政に当るところの運輸省の考え方なりをただしておかなければならぬ、かように考えますので、当時の読売新聞を読んでおられると思いますから、総裁なり鉄道監督局長なりの御意見を一言聞いておきたいと思います。
#43
○荒木政府委員 鉄道弘済会並びに交通公社は、公益法人として運輸省所管に相なつておる次第でありましてその予算につきましては事業計画等を拝聴し、特に交通公社に関する限りにおきましては、補助金の支給がございまして、その補助金の支給の面は対外宣伝の事業の分でございますから、その分につきましては特に詳細に事業報告並びに事業計画、予算並びに決算報告を聽取しておる次第でございます。われわれの関知いたします限りにおいては、違法とかいうようなことは発見していないわけでありますが、読売新聞に出ておりますこともございますので、一層監督を厳重にして、公益法人たる本来の使命に向つて邁進するように、さらに嚴重な監督を行いたいというふうに考えておる次第であります。
#44
○長崎説明員 弘済会あるいは交通公社について、世上とかくの議論がございます。私はそういうことはないと確信いたしておりますが、なお一層いろいろの問題を起さないようにすることは、私として考えなければならないと思つておりますので、そういう意味で監督ではありませんが、見て行くつもりであります。
#45
○坪内委員 同僚大澤委員より鉄道弘済会あるいは交通公社の問題につきまして質問がありました。これにつきましては新聞紙上で、いろいろと愕然とするような報道がなされまして、われわれも驚いた次第でありますが、大体弘済会につきましては問題が非常にありまして、その内幕なり、運営については、十分監視をしなければならぬということが、いつの国会におきましても議題になつておる。また参議院選挙のときにもそうであつたのですが、かつての弘済会の理事長であつた堀木鎌三氏が、選挙に出るために弘済会の金数千万円を、全弘済会の末端に至るまで流して、そうして検察当局の一網打盡の検挙によつて、理事その他が検挙せられたという問題もありまして、私が当委員会においてその点を十分糾明いたしました。加賀山総裁はそれらの点が明らかになつたならば、十分責任をとるという御答弁であつたのであります。それはまだ検察当局において捜査中のものであつたから、結論が出てから御報告するという御答弁で終つておつたのでありますが、その後あの堀木鎌三君についての選挙違反に関連して、弘済会の幹部諸君がどういつた処置を受けたのか、この際報告を願いたいと思うのであります。
 さらにまた近くこの国会においても、衆議院においては任期一ぱいやるのか、あるいは解散か、あるいは任期をさらに延長するのかということで、世上この問題は論議されておりますが、将来衆議院が解散、あるいは任期一ぱい担当して選挙を行うということになりましても、またこの弘済会が選挙に関連して、いろいろな問題を起すようなことがあつては相ならないのであつてこの際その点につきましても総裁の意見を聞いておきたい、この二点をお尋ねいたします。
#46
○長崎説明員 その前段の結果がどういうふうになりましたかについては、はつきりしたことを存じておりませんが、検察当局が一応調べましたけれども、何もなかつたというように覚えております。
 将来の問題につきましては、個人個人の意思をどうというわけには参りませんが、弘済会を足がかりにして云々ということはやらせない、私はそういうふうに思つております。
#47
○坪内委員 この問題は検察当局が愼重に調査した結果、結局何もなかつたということであるというお話でありますが、世上選挙に関連して、いろいろな物議をかもしておるのであれば、多少の責任がないとは言えないと思うのであります。そこで加賀山総裁がああいつた事情で御辞任なさつたあとに、現長崎総裁が就任いたされたわけでありますが、就任以来長崎総裁は、いろいろな機関を通じて抱負なりあるいは構想なり、国鉄運営のいろいろな方針についての考えを発表されたり、あるいは話されたと思うのです。私は長崎総裁の就任当時はちよつと外国に旅行しておりまして、知らないのでありますが、この機会にお尋ねしてみたいと思うのですが、長崎総裁とかつての加賀山総裁との間に、国鉄運営の方針について顯著な相違があるのかどうか、もつとも加賀山総裁のあとの仕事を踏襲されるということも考えられるわけでありますけれども、かつて加賀山総裁のとつた運営よりも、こういう点は自分は大いに方針が違うのだというような顕著な例でもあれば、この際ひとつお聞きしておきたいと思います。
#48
○長崎説明員 その点につきましては、坪内委員は御旅行中でありまして申し上げたこともないのでありますが、私就任当時当委員会に参りまして、いろいろ御質問をいただいたのであります。私は長い間国鉄にごやつかいになつておつたために、世上何か私を専門家ででもあるように申されるのであります。何か鉄道の経営について、特殊な力でもあるかのようなお話し方をなされる方がございます。なるほど私は長い間国有鉄道にごやつかいになつておつたことは事実でありますが、しかしながら当時の私の経験と今日の日本の姿とでは、憲法がはやすでに非常な変化を来しておりますし、国会の性格もかつての国会とは非常なかわり方でありまして、そういう時代において過去の経験などというものは一向役に立たぬものだと思います。そういう意味合いにおきまして、私はこれから一年生になつたつもりで勉強して、現代の日本、現代の世界に処して、国有鉄道がいかにあるべきかというその姿を、今後なるべく早い機会に習得してその経験に基いて自分の考えをまとめて行きたいということを申し上げておつたわけであります。まだ就任以来ようよう半年でございまして、別にこれといつて、どこが違つているのだというようなことを申し上げることではないのであります。まあ今まで見たところでは、国有鉄道が公共企業体になつた、あるいは独立採算制である、いろいろなことが申されておりますけれども、かつての国有鉄道の運営におきましても、収支の均衡を得る、自分であげた運賃収入で自分の経費をまかなつて行くのだということは同じであります。また公共的な利益を擁護しなければならぬ、日本の開発、日本の経済の進展に大きな寄與をしなければならぬということも、かつての国鉄においても同様でありました。その点についての考えは同じことであります。ただここで非常に違つて参りましたのは、憲法の精神が違つておる、国会の意思が非常に大きく出ておる、国の根本は国会にあるのだという点、またもう一つは労働組合、これは私どものおりました当時はなかつたものであります。労働組合員諸君の権利も大いに尊重しなければならぬという点、その二点がいささか違つておるだけでありまして、これはまだ私六箇月でありますから、至らない点がたくさんあると思います。そのくらいのものでありまして、その他の点においては私は毫も違つておらぬと思つておりますから、十分な自信を持つて仕事をして参りたい、かようなつもりでおります。その他の点につきまして至らぬ点がありましたら、どうぞ御遠慮なくおしかりを頂戴して、できるだけりつぱな鉄道、一層国民の信頼を得る鉄道にして参りたいと考えております。
#49
○坪内委員 時間もないので簡潔に質問したいと思います。ただいま総裁の御意見があつたのですが、これは非常に重要な問題でありまして、総裁といたしましても率直に申し述べることは、いろいろ研究を要すると思うのでありますが、それでは前加賀山総裁のいろいろ計画を立てた、あるいは加賀山総裁が今日までいろいろの運営をやつたのであるが、前加賀山総裁の考え方を、現在の長崎総裁は踏襲するのであるかどうか、その点を伺いたい。
#50
○長崎説明員 前総裁がやりましたことで、いいことはそのまま踏襲するつもりであります。しかし悪い点があれば、是正して参りたいと思います。
#51
○坪内委員 そこで、私は長崎総裁の言葉じりをとらえるわけではないのでありますが、先般私が総裁に鉄道公債の問題並びに新線建設の予算のことなどにつきまして御質問を申し上げたときに、総裁はこういうようなことを言つた。大蔵省との折衝にあたつては、自分は運輸大臣の指揮監督下にあるので、大蔵省との直接の折衝はしないのだというお話があつたのであります。私はこの考え方はまつたく不満でありまして、国鉄法において職務権限がいろいろ規定されてあろうと思いますけれども、現在においては運輸大臣は国鉄の監督あるいは指揮というものばかりにはとらわれておらないのであつて、むしろ積極的に総裁が大蔵省なり、あるいは大蔵大臣に折衝されて、国民の要望を満たしてくれる、あるいは国会の意思を尊重してもらうという行き方が、私はほんとうじやないかと思うのであります。その点はただいまの総裁のいろいろな御意見とにらみ合せて、多少私は食い違いがあると思うのでありますが、この際それを聞いておきたいと思います。
#52
○長崎説明員 あのときも、どの委員にお答えしたか、ちよつと忘れましたが、形式的にはその通りであります。しかし事実問題としては自分の仕事ですから、ぶつかつておるし、話もしておりまするし、あるいは努力もいたしております。しかしこれはほんとうの陳情なり運動みたいなものでありまして、公式的に権限がないものですから、形式的にそう申し上げるより以外に方法がないのでありますが、事実上はそれが自分の仕事でありまするし、皆さんの御要望のほどもよくわかるのでありますから、大いにやつております。
#53
○坪内委員 それでは公式的にそういつた権限はないから、大蔵省なりあるいは大蔵大臣に折衝はできなかつたのだというような印象を、当委員会に與えたのであるけれども、内面的にはそれぞれの立場で十分努力された、かように了承していいのでありますか。
#54
○長崎説明員 さようであります。
#55
○淺沼委員 私は質問というよりも、資料を出してもらいたいと思うのであります。今同僚から外郭団体のことについて御質問がありましたが、私はこれは運輸省並びに日本国有鉄道の経営の上におきましては、大きな課題であろうと思うのであります。従いまして弘済会、交通公社、観光協会、食堂会社、鉄道工業株式会社、こういうような外郭団体がたくさんあるはずでありますが、これと当局との関係で、いろいろ議論が出て来ようかと思うのであります。従いまして任務と機構、こういうものについて資料の御提出を願いたいと思うのであります。またその関係においてかつて鉄道に関係のあつた方々が、もしこれらのものに関係をしておる場合におきましては、マルをつけて御提出を願いたいと考えるのであります。
 それからもう一つこれに関連して伺つておきたいのは、鉄道の旅行というものは、幾分か気持をやわらげる気持で旅行する。またサービスをする方々は、その気持をそらさぬようにしなければならぬと思うのでありますが、外郭団体の弘済会、交通公社、あるいは弘済会以外の公社の方々の中には、案外物を売る方に重点を置かれて、サービスがなくなつておるような形があるのではなかろうかと思うのであります。たとえば戰前車中販売をすることは許されなかつたのであります。車中で物を売ることは、戰前におきましては非合法なこととして取締られておつたのでありますが、現に弘済会以外のものは非合法として取締られておるのであります。ところが弘済会もしくは食堂車に対しては公然と許されておる。それなら戰前において非合法であつたことも、やつて悪いということはなかつたと思うのでありますが、私ども汽車に乗つておりますと、幾分か静かな気持でものを考えて旅行する。一面においては慰安的な気持もあろうと思うのでありますが、何かいりませんかと来ると、そのやわらいだ気持がすぐ刺激される。そうして一時間おき、二時間おきに来るということは、また来たのかということで、大いに見解をかえなければならぬと思うのであります。鉄道を運営される方々の中で、どなたでもよろしゆうございますが、こういうことについてどう考えるか。鉄道の外郭団体というものはサービス機関として、運輸省並びに日本国有鉄道の足りないものを補給して行くということでなければならぬと思うのでありますが、それについての答弁を伺つておきたいと思うのであります。
 それから交通公社に関することでありますが、交通公社が海外に対して観光を勧誘するところを設ける。ところが運輸省の観光課でやつておる仕事と交通公社の仕事というものは、大体において似たり寄つたりの仕事をしておるような気がするのでありますが、一面においては補助金を出して、外郭団体にやらせながら、観光課でも同じことをやるなら、何もやらなくてもいいという形が出て来はしないかと思うのであります。また観光協会も同様だと思うのであります。観光協会と観光課の仕事も重複している形が現われておりはしないかと思うのでありますが、きようはこの程度にしておきます。資料が出ましたら、資料について質問をしてみたいと思います。
#56
○長崎説明員 ただいまのお話は、国鉄ばかりでなく、鉄道の旅行についてはサービスが第一であるという御見解は、まつたく私の所見と一にするものであります。サービスがまつ先であるということは、就任当時から申し上げておる次第であります。従いましてその点につきましてまだ不十分な点がありましたら、十分に今後とも留意いたしたいと思います。それに関連して、車内販売その他の点につきましても、今後さらに研究をいたしまして、処理して参りたい、かように考えております。
#57
○大澤委員 先ほど申し上げた例の鉄道の外郭団体に対しては、これは公益法人であるし、しかも運輸省からこれに補助金を出しておることは、先ほどの監督局長からの御説明によりまして大体の様子はわかつたのでありますが、しからばどの程度の補助金を出しておるか、マル通あるいは食堂会社に対してももちろんですが、交通公社とか、そういうものに対しての補助金の額を、この機会にわかつていたら御説明願いたい。
#58
○荒木政府委員 政府から補助金を出しておりますのは、先般会計課長から全般的に御説明申し上げたときに申しましたように、今年度においては三千五百万円でございます。それは全日本観光連盟に対して千二百万円、交通公社――これは交通公社の事業ではございませんで、交通公社の中の特別会計的な別会計で宣伝事業をやらしておりますが、それに対して二千三百万円でございます。来年度におきましては三千万円増額いたしまして、そのうち四百万円を全観連、残りを交通公社に交付する、こういうことに予算では相なつております。それから日通とかその他の関係は、政府と直接関係があるわけではございませんので、鉄道と一会社との契約関係でやつて参りたいと考えております。
#59
○大澤委員 補助金の点は大体了解できましたが、新聞を拝見しますと、交通公社の資本金は出発が二千円である、弘済会は五千円であるというように見たのでありますが、資本金が二千円で十何年間のうちに何億とか、相当な額に資産がなつておるということでありますが、国家が財政的に苦しんでおるのに、そこへまた補助金を出すということになると、こういう点に対して国民としても心配をされるのではないかと考えますので、この点をただすわけであります。もともと資本金が二千円あるいは五千円で出発して、何年間でどういう利潤があつて、どのくらいの資産になつたかということを御説明願いたい。もし資料がなくてできないというならば、あとで資料をもつて御説明願いたいと考えますが、もしわかつたならばこの機会に、概略でもけつこうですから御説明願いたいと思います。
#60
○荒木政府委員 御存じのように交通公社、鉄道弘済会は公益法人でございまして資本金というものはないわけでございます。寄付行為によりまして資金が維持され、その基金があるわけであります。その基金はちよつと正確な数字は覚えておりませんが、二千円や三千円とかいう数字ではないのであります。しかしこれはいわゆる株式会社の資本金に該当するものではございませんので、そう多額のものではございません。後ほど調べて御報告申し上げます。なおその財産というようなものにつきましても、今数字を持ち合せませんので、貸借対照表その他の資料を調べまして、次の機会に申し上げたいと存じます。
#61
○玉置(信)委員 大臣がおいでになりましたので、大きな問題を先にお伺いし、次に当初予算に対して事務当局の御答弁を願つた上、政策的の問題について国鉄総裁にお伺いいたしたいと思います。
 御承知のごとく北海道の置かれておる立地條件と申しますか、将来の国内治安の上から考えまして、青函連絡が今のように船によつて連絡されておるということは、近代的に考えまして非常に不合理だと私は思います。ことに予算等の関係からいたしまして、あの海底トンネルをつくるということが、相当厖大な資金を要して容易でないということもわかつておりますが、しかしこの青函海底トンネルの問題は、二十年前以来私ども中央にしばらく参りまして、政府当局と折衝した経過もあるわけであります。当時からこれは懸案の一つとして問題にされておるのでありますが、もうそろそろ海底トンネルの問題を取上げて、事業化する時代になつて来たのではないかと思うのでありますが、これに対して運輸大臣並びに国鉄総裁はいかなる見解を持つておりますか、この点をお伺いいたします。
#62
○村上国務大臣 青函間の海底隧道について、もう着工する時期が来たのではないかというお話を伺いましたが、この問題はお示しのようにずいぶん古くから問題になつておるのであります。今の日本国有鉄道ができるずつと以前におきまして、一応の調査もあつたと記憶いたします。しかしながらこれはほとんど図上の調査でありまして、技術的にまた工事法上の検討、調査というまでには、まだ入つておらないのであります。何分にも非常に巨大な工事費を要することは、これは御意見の通りでございまして、今のわが国の財政力から、まことに遺憾ながらその進度は浅いと申さなければならぬのであります。のみならず今国鉄全般をながめますと、老朽の車両、その他老朽の施設がずいぶん多いのでありまして、今日までに取替工事のできていない分が二千億円になんなんとしておるというような次第でございます。もちろん北海道の特異性ということを考えますときには、特別の考慮をしてしかるべきだと私も考えておりますけれども、早急にこれが実現を期すということはどうも至難じやないか、これは率直に申し上げてそういうふうに考えておる次第でございます。
#63
○玉置(信)委員 第十国会でありましたか、当委員会において山崎委員から発言がありましたし、私も本会議において山崎運輸大臣に緊急質問をいたしたことがあります。また青函連絡の夜間航行開始の問題についてお伺いするのでありますが、当時の山崎大臣の御答弁及び国鉄当局のお話によりますと、もう近いうちに夜間航行ができるようなお話でありましたが、今日まだ再開されておりません。そこで浮流機雷が今日なお非常に危険な状態に置かれておりますが、どういう海流をたどつて浮流機雷があの海上を流れているのか、またいつ再開する御意思があるか、見通しはどうなつておりますか、お伺いいたします。
#64
○村上国務大臣 詳しいことは輸送局長が参つておりますので、輸送局長からお聞取りを願いたいと思いますが、とにかく今相当航行するラインから遠ざかつて、掃海監視をやつているのであります。従つて一定の機雷の動く速度と時間とを見はからつて、安全を確保している。ただ御承知のように夜間にこれを見つけることは非常に至難でありますので、夕方にできる限り遠方で確認をいたしまして、そうして外側にもしあるとしても、その距離をにらみ合せてある時間内には絶対安全だということを確保して、今航行をやつているような次第なのであります。今のところでは、夜間に浮遊機雷を発見する方法が的確に保障できなければ、四六時中航行するということはちよつとむずかしいのではないかと私、考えているのであります。なお詳しくはひとつ輸送局長からお聞き取りを願いた
#65
○木島説明員 昨年の八月ごろでしたか、当委員会でやはりこのお話が出まして、当時お話いたしましたように、九月四日から貨物便につきましては夜間運航をやりまして、御承知のようにただいままでの輸送を完遂した次第であります。旅客船の夜間運航は、先ほど大臣がお話になりましたように、十分警戒はしておるのでありますが、百パーセントという程度でないものでありますから、旅客船は晝間日照のときに、危険区域と思われる所を通るようなことを避けて、まだ続けております。そこであそこの函館の気象台長がその方の相当の権威でございまして、この方が戰争中にいろいろ実験されたところによりますと、一等危険性があるのは五月ごろだそうです。それから十月一ぱいで危険性がなくなつて冬になりますとよかろうという説も最初はあつたのでありますが、それに対して反対説がありまして、冬になりますと一旦海峡に入らなくて北上したものが、今度は北風で南に下つてまぎれて来る。だから必ずしも安全でないというようないろいろなお話があるものですから、旅客船の方は晝間、夜間の方は探照燈をつけるなり、あるいは監視員をつけるなり、その他いろいろの手配をして、今敢行しておるわけであります。
#66
○江崎(一)委員 関連して……。浮遊機雷の問題はいつも問題になるのでありますが、今まであの青函連絡船関係で、この浮遊機雷がどれくらい発見されておりますか。
#67
○木島説明員 ただいま的確な数字は持つて来ておりませんが、五月ごろに、三つか四つ続いて出たと思います。それから出ませんでして、たしか七月の初めでしたか出まして、それからとだえて、秋になつてから一つあそこを越えて出たような記憶がございますが、的確な数字を持つておりませんから、何でしたらあとで申し上げます。
#68
○江崎(一)委員 その機雷はどういうふうに処理なさいましたか。
#69
○木島説明員 それは海上保安庁の方に引渡しまして、そして海上保安庁に処理していただいております。
#70
○江崎(一)委員 その機雷はソビエト製ですか、それともアメリカ製ですか。
#71
○木島説明員 その点は、私存じません。
#72
○畠山(鶴)委員 時間がないようですが、私は国鉄総裁にお伺いしたいのです。先ほど来交通公社等についての補助の問題で、いろいろ御意見が出ておりますが、私はこまかい点をもう少し申し上げたいのです。本日は時間の関係で、それに関連いたしまして営業所所管問題について、最近における一つの例を申しますと、伊豆半島が静鉄管下に振りかえられる。今までは伊豆半島は、静鉄の管理局に配置されておりました。しかし営業所関係におきましては、東鉄関係に配置されておる。ところが最近に至つて、これをまた静鉄関係べ振りかえるということが起つておるようであります。これらの点について一方は静鉄だ、一方は東鉄だ、つまり一つの区域を、営業あるいは監督というようなことで二つにも扱われることは、土地の者として非常に困ることでありますし、本日はここに伊豆関係の代表者の方が見えて陳情したいと言つておりますが、この点について国鉄総裁にお伺いしてみたいと思います。
#73
○長崎説明員 ただいまの御質問は、前の議会においても問題になりました機構改革に関連がある問題であると思います。この点は御説も十分に拝聽いたしまして、善処いたしたいと思います。御説のように、同じ地方が二つにわかれておることは御不便である。それはよくわかつておりますから、機構改革を決定する際には、そういう問題も全部解決して参りたいと思つております。
#74
○畠山(鶴)委員 ただいまの総裁の説明では、機構改革によつてその区域をはつきり定めるということでありますが、御承知の通りこの地域は、かねて国会におきましても東鉄管内へ編入してくれなければあらゆる点、輸送の面においても、お客を取扱う上においても、貨車あるいは客車配置の上においても、不都合だからということをしばしば申し上げてありますけれども、まだこれが具体的に決定いたしませんが、この地方の人はこぞつて東鉄管内に置いてもらわなければ、何かに不便だからという要望が絶え間なく叫ばれておるのでありますから、この点を御考慮していただける気持があるかどうかを、ちよつとお伺いしてみたいと思います。
#75
○長崎説明員 先ほども申し上げましたように、また過般来申し上げておりますように、国鉄の機構というものは、内部の便宜だけでも行かず、やはり私どもはお客さん商売でありますから、外部の声をもつと尊重しなければならぬと思つておりますので、今の御説はよく耳の底にとどめておきます。
#76
○玉置(信)委員 私は劈頭に発言しかけました問題についてお伺いいたします。まず第一に事務当局にお伺いして、それから政策面について国鉄総裁あるいは大臣にお伺いすることにします。私はしろうとでよく内容はわかりませんが、損益勘定の中において特殊勤務手当というのがあります。こうした特殊勤務手当といつたようなものは、どういうことになつておりますか。
 それから休職者の数を相当見込んであります。これなんかはおもに病気だろうと思うのでありますが、この予算面の各部門を見ますと、厚生保健費に相当大きなものを盛つておりまして、昨年から見ますとかなりふやしておりますが、この機構と実施されておる面を、ごく簡單でいいから最初にお伺いして、次の質問に移りたいと思います。
#77
○三木説明員 特殊勤務手当と申しますのは、鉄道の業務には非常にいろいろな種類がありまして、たとえば架線と申しますが、そういう高圧の電流を通じた電線の修理作業を高所でやる場合とか、墜道に勾配のある場合、煤煙がなかなか抜けないのでありますが、そういう煤煙の中で作業をする者、あるいは列車密度が非常に頻繁で、深夜でなければ線路の修理ができない、その深夜作業に対する手当、こういうものを総括した費用でございます。
 それから厚生保険につきましては、治療機関について直営の医療機関と外部の医療機関を利用しております。直営の医療機関については、病院あるいは診療所というものを職員の多数住居しておるところに設置して、厚生省の監督を受けて、それぞれ病床なり設備なりをいたしまして、職員の予防衛生並びに疾病の治療に当つております。
    〔委員長退席、黒澤委員長代理着席〕
さらにそういう直営の医療機関を利用しがたい者については、外部の医療機関を嘱託して、職員並びにその家族の診療に従事していただいております。
#78
○玉置(信)委員 そこで国鉄総裁にお伺いいたしますが、ただいまの御説明によりますと、医療施設等も相当完備しておるようではありますが、私は内地の事情はよく存じませんけれども、北海道のごとき積雪地における国鉄従業員は、私が申し上げるまでもなく、現場に働く職員の方々は、非常な激務に当つているわけであります。従つて肺病患者が相当出ているようでありますが、こうした結核対策がどこまで徹底しておるかということが第一点。
 第二点は、一昨年当委員会が北海道へ視察に来られましたとき、私が御案内して――昨年も同様でありましたが、各地において国鉄従業員から陳情のあつたのは、手袋その他積雪地において使う特殊な衣料の配給が、内地並であるということであります。戦争当時経済統制によつて、暖かい国も、北海道のように零下二十度、三十度に下る地域においても、たびは同様に一定しか配給しなかつたという、非常に誤つた政策のとられた時代があつたのですが、今日なお鉄道従業員の面においては、不合理きわまる配給の仕方をしておる。私どもは国鉄当局に対して、この問題を早急に解決するよう要望いたしておるのですが、今日なお――昨年の話によりますと、手袋が一足だけ余分に渡つたということで、その他はまつたく顧みられない状態にあるのでありますが、国鉄総裁は、一体北海道のごとき寒冷地に対して、どういうようなお考えを持つておられるか。将来積雪地に働く従業員に対して、もう少し思いやりのあることをしてやる気持があるかないか、その点をお伺いしたい。
#79
○長崎説明員 まことに仰せの通りでありまして、案は私正月の八日に東京を立つてこの五月まで北海道に参りまして、親しく実情を見て、考えなければならぬ点の多々あることを知つたのであります。実ははなはだ申訳ないのですが、私は三十年前に一ぺん北海道に出かけたことがあるだけで、今回は二回目であります。ところで結核の問題でありますが、私帰りまして早々その方面の人に聞きましたところが、北海道は必ずしも結核の率は多くないそうであります。それで私は非常に安心いたしました。しかし結核対策については、国家の対策と両々相まつて――私どもは六万の北海道の従業員をかかえており、その家族等を合せますと相当の数おりますから、この対策は今よりも一層強めて行かなければならない。これは何も北海道だけでなく、全国的にそうだと思います。しかしこれは鉄道だけでなく、一般の対策と両々相まつてやらなければ効果は上らないのでありますから、それとにらみ合わせてやつて行きたいと思つております。
 それから被服その他の面につきましては、これまた各地において組合の方方その他の方々が、いろいろ陳情に見えたのであります。これもまことにごもつともでありまして、私は大体寒い国の生れでありますから、別段吹雪には驚かないのであります。ただ寒さのひどい、零下二十何度というものは、私全然経験がございません。これはまた非常に猛烈なものでありますから、これに対しては何らか考えなくてはならないと思つております。しかしながらこれまた北海道全般のあり方がそういうふうになつて行かないと、国鉄だけがそういうことをやりましても、これはだめだと思います。住宅の問題あるいは水の問題、電燈の問題など、まわりを見ますとやはり同じようなあり方を一般の方々がしておられるわけであります。住宅はただわずかに二重窓、あるいはストーブをたいているだけで、あとの構造は全然内地と同じであります。そういうときにわれわれのところだけがりつぱなものを建てましても、いかがかと思われるのです。やつて悪いことはないのですけれども、そういうことはまた考えなければならないという話をして参りました。しかし私は北海道の特殊な事情、酷寒の地であるということはよくわかりましたから、漸次北海道の従業員に対して、もつと住みよい、もつと働きやすいようにしてあげたい、かように考えております。
#80
○玉置(信)委員 ただいまの国鉄総裁の御答弁によりますと、生活各般にわたつてのお考えを持つているがために、局部的な国鉄の従業員が吹雪の中に身をさらして働く面だけを、そう考えるわけには行かないというように私は解釈したのであります。もとより私どもは国鉄のみに限らず、四百方道民の生活改善の点について、しかも住宅の改善等は、これを北海道開発審議会に持ち出してまで、われわれはやつているわけであります。しかし十の要求を十満たすまで一を待つということは、きわめて政治的にぶざまなことだと思います。できるものから漸次やつて行くことが大事である。従つて吹雪の中で凍えて働いている従業員の作業衣、防寒被服の点を考慮してやるべきであると思うが、これに対して総裁はいかにお考えになりますか。
#81
○長崎説明員 まつたくお説の通りであります。あの状況を見ますと、全部根本的にやりかえなければならないような気持がいたすのであります。しかしこれはなかなか一ぺんにできるものではないのですから、お説の通りできる面から一つずつ漸次やつて参りたい、やりやすいものから順次やつて行くつもりでおります。
#82
○玉置(信)委員 休職者が一万八百七十三人あるようでございますが、どういう事情のためにこれだけの休職者が出ているのか、この内容について御説明願いたい。
#83
○三木説明員 確かな数字は申し上げかねますが、大体二千人ばかりが公傷者でございます。つまり仕事の途中でけがをした方でございます。残りのほとんど大部分が結核患者、こういうことになつております。それで先ほど総裁からも申し上げましたが、私どもの方でも厚生対策として、第一に傷害者の起らぬように、作業の特別危険な設備の改善ということに努めるとともに、結核の撲滅ということにあらゆる努力を拂わなければならぬと考えております。非常に残念なことでありますが、戰争勃発当時から結核に対する対策がだんだんと、お医者さんの数が減るとか、いろいろなことが非常に不十分になつて参つておりまして、予防の面で欠ける点があつたのでございますが、最近第一にお医者さんの給與の問題、あるいは大学等、そういう専門の高度の技術を持つておられるところとの連絡の問題、さらにはまたお医者さんの数、予防担当者の数をふやすというようなことも、もちろん十分とは申せませんが、二十七年度におきましても相当ふやしまして、全国的には参りませんけれども、特に結核患者の多い地域に対しましては、徹底的な予防方法、検査等をやりまして、罹病のおそれのある人には、即時休養を命じまして、さらに嚴重な検査を続けて行つて予防したい、こういうことで来年度はずつとやつて参るつもりで準備をいたしておるわけであります。
#84
○坪内委員 ちよつと議事進行について委員長にお尋ねいたしたいと思いますが、今日の委員会は、土曜日でもありますが、午後も続行するのですか。
#85
○黒澤委員長代理 半どんですから、午後はやらない予定です。このまましばらくごしんぼう願つて終りたいと思います。
#86
○坪内委員 それでは総裁にお尋ねいたしたいと思います。これは地方の問題で、まことに恐縮に思うのでありますが、長崎総裁と同じ名前の長崎急行の問題ですが、これはもう二年も三年も前から要望もし、また善処方をお願いしておつたのでありますが、実は長崎急行には、寝台車もなければ食堂車もない。こういうことで何とかこの際寝台車なり食堂車、あるいは食堂車はいらないから、寝台車だけでもつけてくれということを要望しておつたのでありますが、どうも採算がとれない、さらにまた車両が足らないということで、一向実現を見なかつたのでありますが、そういう要望のさ中に――ここには関係のある尾崎委員もおられますが、鹿児島急行には食堂もあり、一等寝台もついておつたのであります。そういう要望の中に、鹿児島急行にはさらに二等寝台もつけるということであります。これはどうもわれわれは全般のバランスから見て不公平なやり方じやないかというように思つておつたのでありますが、そういう際にも、鹿兒島急行から二等寝台をはずせということを私は申し上げるのでありませんが、鹿児島急行には一等寝台もあることでありますから、せめて二等寝台は長崎急行につけるべきだということを私は考えておつたのでありますが、その後長崎急行には何らそういう施設がなされなかつたということについて、非常に疑問に思つておる。さらにまたわれわれは国鉄の関係者以上に、九州、東京間は旅行ずるのでありますが、鹿兒島急行の二等寝台は利用者がそう多くない。しかし長崎急行については寝台利用者が非常に多い。そういつた面から考えましても、この際ぜひとも長崎急行には、食堂車はいらないから、二等寝台車をつけてもらいたいというふうに考えておりますが、その点をどういうふうにお考えになつておりますか。それからもう一点、二十七年度の予算において、車両の増結をはかつて、将来そうした関係についての急行には、寝台がつくようになるものであるかどうか、その点をお尋ねいたしたいと思います。
#87
○長崎説明員 ただいまの坪内委員の御要望は、十分考慮したいと思います。しかし今までそういうふうになつておつた点については、説明員からお答えいたさせたいと思います。
#88
○木島説明員 私どもといたしましては、できるだけそういう要望のあるところにつけたかつたのでありますが、いろいろ交通量とか、利用率とかいうようなものを勘案いたしまして、その関係でそういうふうになつておるのでありまして、別に長崎を軽視しているとか、そういうことではございません。その後状況もいろいろ変化しておりますから、なお検討いたしてみたいと思つております。
#89
○坪内委員 二十七年度からできるのですか。
#90
○木島説明員 二十七年度の新製でございますが、二十七年度の新製はまだこれからここで審議していただくことになつておるのでありまして、決定はしておりませんが、全体を申しますと、三等車や何かで非常に悪いというものがありまして、この方も捨てておけぬという実情にあります。
#91
○坪内委員 運輸技術研究所長が見えておりますので、ちよつと御質問させていただきたいのでありますが、私が申すまでもなく、また運輸面のみならず他の面も同様でありますが、サイエンスのない運輸政策、サイエンスのない運輸行政というものは行き詰まるのだということは、われわれよく聞くところでありますが、運輸技術研究所は現在どんな仕事をやつているのか、将来どんなところに目標を置いてやつているのかということについて、簡潔にお話願いたいと思うのであります。
#92
○服部説明員 運輸技術研究所は、運輸行政の裏づけになるような問題につきまして、研究をいたしておるのであります。技術内容につきましては、研究者が一番大事なわけでありまして、二十七年度は三百五十九名の定員を掲げておりますが、この中で学士が約八十数名おります。それから学位を持つている者、あるいは近い将来にそういうものを與えられるものが十名余りになると思います。わが国の現状におきましては、とにかく知恵でもつてこの国を立てて行かなくてはならぬということを深く感ずるのであります。その方面についてできるだけ精進して行きたいと考えております。
#93
○坪内委員 運輸技術研究所の所員の方には、そういつた方面にかけてのエキスパートの方々が、いろいろな面について研究なさつているということでありますが、それでは現在までにどういつたものが完成し、それを実際にはどういうふうに利用しているのかという点について、具体的な問題があればお話願いたいと思うのであります。
#94
○服部説明員 この問題につきましては、非常に広汎にわたつておりますので、短時間ではなかなか説明をしがたいと思うのでありますが、大体専門別にしますと、船舶関係、港湾関係、自動車関係及び鉄道関係並びにそれらに共通しましたものを、それぞれ研究しております。たとえて言いますと、最近ではガス・タービンの問題を昨年度予算を相当いただきましてやつたのでありますが、現在相当のところまで進んでおります。実用化一歩手前というようなところまで行つておると申し上げていいのではないかと思います。そのほか船の関係につきましては、最近では実船の強度当りにつきましてこれは設計の基準になる項目でありますが、私ども技術者としましては、安全率、セーフティ・フアクターというようなものを、いかに小さくとるかというようなことを始終念願しておるわけであります。とかくやはり設計その他の不備な点を安全率にかけるというふうな危険もありますので、それらの点を確かめるために、今度解体します船につきまして、それらの実船当の強度試験をやりまして、設計資料を提供しようと思います。申し上げると非常にたくさんになると思いますが……。
#95
○坪内委員 それでは予算の関係をちよつとお尋ねいたしたいと思いますが、二十七年度の予算は一億四千万円ばかりとつておりまして、昨年度の予算から申しますと七百九十四万円予算の増加になつておりますが、この増加の分は大体何に使うのでありますか。
#96
○服部説明員 ただいまお尋ねの二十七年度要求しております予算は一億四千二百万円でありまして、約八百万円近く増加になつております。しかしこれは職員給與の値上りといいますか、ベース・アップの関係で、ほとんど全部そちらの方に向けられておりまして、物件費につきましては、二十六年度が約七千九百万円、それから二十七年度予定しておりますのは約八千万円でございまして、大体において金額としてはあまりかわりがありません。ただ物価の値上りその他の点がありますので、これらの運用につきましては善処して行きたいと思つておりますが、やはり相当きゆうくつになるというふうに考えております。
#97
○坪内委員 時間がないのであと二点お尋ねして質問を打切りたいと思います。そこでこの予算額は、もちろん申すまでもなく満足すべき予算額ではないと思うのでありますが、あなた方の所期の研究に要するためには、相当予算が必要だと思うのでありますが、そういう理想的な予算額というものは、どういうふうに考えておるのか、あるいは要望しておるのか。またこの予算がいろいろな面で削減されたと思うのでありますが、当初要求予算というものはどの程度のものであつたのかということを、第一としてお尋ねいたしたいと思います。
 それから予算の内訳に研究施設整備費というものがございまして、二千七百二十八万円ばかり計上してございますが、この中で純然たる研究費は幾らになつておるのかという点をひとつ御説明願いたいと思います。この二点をお伺いいたします。
#98
○服部説明員 二十七年度考えております業務のあり方でございますが、これは新しく非常に人のいる研究とか、あるいは予算額が相当にかさむようなものにつきましては、極力割愛するようなはめになつております。二十六年度から継続しました研究は、なるべく早急にこれを完成しまして、成果を上げて行きたいというふうなつもりでもつて、二十七年度を運営して行きたいと思つております。
 なお試験関係につきましては、研究と試験とわかれますが、試験関係につきましては、二十七年度の仕事量というふうな問題につきましては大体の予想がつきますので、運輸省の技術関係各位に対しては、あまり迷惑をかけないような運営をして行きたいというふうに考えております。
 それから今御質問がありました当初要求しました額は三億七千四百万円余りになりまして、人員としましも決定されたよりも九十名ほど多く要求したのでありますが、政府の方の非常な緊縮予算という建前から、こういうふうになつております。それからもう一つの御質問につきましては、会計課長から御説明いたします。
#99
○野津説明員 この研究施設整備費の二千七百二十八万円は、重要な器具機械その他の研究施設に使うものでありまして、そのほかに計測機械その他の消耗品などの庁費その他がございますので、物件費としての総額は八千万円となります。そうして純研究に使いますところの経費は大体六千五百万円程度になつております。千五百万円程度が一般管理、建物の維持とか、そういつた共通的な施設に充当されることになつております。
#100
○坪内委員 それでは今所長に、今度の予算関係におきましても、あるいは将来におきましても、特にこの点はこうしたいのだという強い要望があつたら、その点をお尋ねいたしたい。
 それから運輸技術研究所に外部からいろいろな発明的な、エシジンとかそういつたものを持ち込んで来て、大いにこれを検討してもらいたいというような場合に、運輸技術研究所の研究費をもつてこれが試験をやつておるのか、あるいはテストしてみるというようなこともやるのかどうか、さらにまた小さく考えて、そういつた外部からの発明品その他のことについては、全然考えないのだというふうな方針であるのかどうか、こう点をちよつとお尋ねしてみたいと思います。
#101
○服部説明員 今のあとの問題につきまして先にお答えいたします。外部からの試験研究の要望につきましては、二十六年度から受託試験というふうな規則を設けまして、その線に沿つて仕事をしております。二十六年度では三百五十万円ほど見ていただきました。二十七年度につきましては約二百万円ほど見ていただきまして、その範囲内におきましては、皆さんの要望にこたえて、実際業務にさしつかえない限り、御便宜を與えるというふうなことになつておりますので、その点はぜひ御利用願いたいと思うのであります。
 それから研究所予算につきましての希望を申し上げれば、非常にたくさんございますが、ただ一点申しますれば、航空の研究を将来やらなくちやいかぬのではないかと思つております。御承知のように民間航空が運輸省、航空庁で始まつでいますが、その線の裏づけというふうなことはむろんでありますが、なお航空につきましては、戰争中及び戰後におきまして、その運営は諸外国の線に対しまして非常に遅れたというふうな感じがしておりますので、早急にこれは整備強化して、この研究をやらなくちやならぬではないかと考えております。
#102
○滿尾委員 たいへん時間が遅れましたので、簡單に御質問を申し上げます。私は建設省関係について、道路の関係についてお尋ねいたしたいのであります。当委員会といたしましても、今日以後、わが国の道路の問題につきましては非常な関心を持つておりますので、これから密接に御連絡をお願いいたしたいと思うのであります。つきましては本日は時間もございませんので、まず資料のお願いを申し上げます。
 第一にお願いしたいのは、各府県維持によるところの道路費の最近三箇年間くらいの内容を示すに足る資料をいただきたいこと、第二には、本年度の直轄工事の経費額は上つておりますが、この道路計画の大要を拝聴いたしたいこと、第三は関門隧道の工事がどういうふうになつたか、これは隧道の建設計画の当初から、各年別工事経過を了承いたしたい。なお、休んでおつた時代もありましたが、将来にわたつて何年度で完成する予定であるか、その年度割、工事割というようなものをひとつ頂戴いたしたい。それから工事の内容はどの程度の工事ができつつあるのか、それを了承いたしたいのであります。さらに第四番目といたしまして、伝え聞くところによりますると、道路法の全面的な御改正をお考えになつておるそうでありますが、その資料を頂戴いたしたい。そうしてできればこの次の機会に、道路法について改正したいという問題になつておる要点について御説明いただいて、われわれも研究いたしたいと考えておる。もちろんその法律に関しましては、当委員会として建設委員会と合同審査をぜひお願いしたいという意向を私どもは持つておる。なぜと申しますと、道路法ができましてこれを直接利用するものは、交通業者なり一般人民であつて、当委員会の所管しておりますところと最も不可分の状態である。聞くところによりますると、たくさんの負担がこの面にかけられるという説もありますので、これはぜひ合同審査でお願いしたいつもりでおりまするから、資料を少し前広にわれわれの方にも流していただきたいと考えるわけである。本日お尋ねいたしますことは、そのほかに道路の理念について、建設当局はどういうふうにお考えになつておるか。私のお尋ねいたしまする要点は、道路というものを少くとも国道、指定府県道のクラスについて考えました場合に、建設当局としては道路の程度をどこまで考えておられるか。と申しますことは、たとえば鋪装というものは、道路にプラス・エツクスのものとお考えになつておるのか。鋪装道路にエツセンシヨナルなものと考えて欠くことができない、道路を考えたときには鋪装道路というものを考える、こういう考え方をしておるのか、つけたりの別個のものだという考え方をしておられるのか、この点についてひとつお考えを伺いたい。
#103
○菊池政府委員 われわれ道路に携わつております者といたしまして、ただいまの鋪装の問題は重要な問題と思つております。もちろん今日のあるいは将来の交通に対しまして、鋪装炉道路の必要條件である、欠くべからざるものである、鋪装しなければ道路でないという見方があることを、われわれは十分承知いたしております。そういうふうに考えて指導もいたし、予算等の措置もして参つたのでありまするが、何分御承知のように公共事業費関係で、道路費というものはきわめて貧弱であります。どちらかと申しますれば、戰後急速に上を通ります車の方が発達が早うございまして、道路の改良は、あるいは鋪装は、これに追随できないという現状でありまするが、まことに遺憾であります。われわれは決して鋪装を道路のつけ足しのものだというふうに考えておりませんが、今日までのわが国の道路の発達の歴史から申しましても――来年度に対しましては相当に鋪装の用意をいたしましたが、これ以上をさらによけいということになりますと、財源等の関係もありまして、なかなか容易でないと残念ながら思つております。
#104
○滿尾委員 私は道路の鋪装が、来年度の予算でできるかどうかということに要点を置いて、お尋ねを申し上げたつもりでは実はないのでございまして、建設当局が道路ということをお考えになりますときに、鋪装は道路の一部分である、鋪装というものは道路の建設ができてからプラス・エックス、余分なものをおつかけてやるのだというふうなお考えなのか、鋪装は当然道路という観念のもとに含めてお考えになつておるのか、この点を明らかにいたしておきたい。これが将来私の御質問申し上げます上において、非常に重大な影響を持ちますので、この一点だけ本日は明らかにしていただきたい。
#105
○菊池政府委員 道路工事をいたします際に、最初どうしても幅を広げて土工をいたします。ここで同時に鋪装をやつてしまえばまことにけつこうなのですが、ただいままでの工事方法であれば、なかなか下が固まらなかつたりします関係もありまして、後年度に鋪装いたすという習慣がついておりますので、鋪装はいくらかつけたりのように見える感もあります。また何分経費もかかることで、まず通れるような道を早くつくれという御希望も相当ありますので、人口の非常に密集いたしております交通量の多いところでは、鋪装ということは重要でありますが、山間あるいは未開発地帯の開発しなければならぬところにおきましては、何分自動車も入らぬ、通るのにも不備だというところもありまして、改良の方にも相当さかなければなりませんので、改良したものに鋪装ということを同時に考えることもできません。あとから考えてみるといかにもつけたりのように見えますが、できるだけ鋪装するように考えております。特に国道の改良のことを考えます場合には鋪装することにして、予算等はあらかじめ考えておる次第でございます。
#106
○滿尾委員 鋪装は道路建設の不可欠の一部分であるというふうに、大体お考えいただいておるようでありますから、その点はようやく安心いたしたわけであります。およそ文明国で、もしさような考えがなかつたとすれば、これはたいへんなことだつたと私は思うのであります。さらに次にお尋ねいたしたいことは、本年度の予算に高速度自動車道路調査費、同補助というものが若干上つておりますが、この東京守神戸間の高速度自動車道路建設計画につきましての、お考えの概略をちよつと御説明願いたいと思います。
#107
○菊池政府委員 東海道線は鉄道にいたしましても、道路にいたしましても、非常に交通量が多くて、飽和に近くなつておるということは、当委員会におきましては十分御認識のことであります。われわれも現在の国道を、特に見返り資金等によりまして、普通の交通に耐えられるようにはいたして参りましたし、また残つておりますものを今後続けてやつて行くつもりでありますが、何分にも都市内を通つております。この区間五百二、三十キロのうり、おそらく三分の二くらいはすでに都市計画区域の中を通つておる道路でありまして、将来も都市予定のところが相当多いわけでありますので、道を広げまして、あるいは鋪装いたしましても、高速度で走ることはできませんので、大量の輸送、高速の輸送には耐えられないことは明らかであります。この間にもう一本自動車が専用できますような、百キロないしは以上のスピードで走れるような道路をつくることが、将来必ず必要になつて参るだろうということをわれわれは考えまして、二十六年度に百五十万円、二十七年度に二千万円を要求いたしまするか、これでもつて将来の計画を立てるために用意いたしたいというわけであります。この内容は神戸まで五百二十七キロでございますが、どこを通るかということは、きわめて大ざつぱでありまするが、ただいま本年度までの調査であらかた見当がつきました。今後ほんとうの測量をやつて参るわけであります。この幅員を約二十二メートルにいたしまして、スピードを標準百キロということでいろいろ、の構造をしております。それから他の交通機関とは平面交叉をいたさないように考えております。大略はそういうことになつておりまして、来年度から詳細な調査に入る、こういうわけであります。
#108
○滿尾委員 本日はたいへん時間が経過いたしまして建設当局にお待たせいたしましたことをおわび申し上げておきます。
 なお本日お願いいたしました資料をいただいた上で、次の機会にさらに私はお尋ねを続行いたしたいと考えて、私の質問は終ります。
    ―――――――――――――
#109
○黒澤委員長代理 観光小委員坪内八郎君及び航空に関する小委員山本猛夫君より、小委員辞任の申出がありますりで、これを許し、観光小委員に山本猛夫君、航空に関する小委員に坪内八郎君を補欠選任いたします。本日はこれで散会いたします。
    午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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