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1951/04/19 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第21号
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1951/04/19 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第21号

#1
第013回国会 運輸委員会 第21号
昭和二十七年四月十九日(土曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 岡村利右衞門君
   理事 黒澤富次郎君 理事 滿尾 君亮君
   理事 山崎 岩男君
      大澤嘉平治君    岡田 五郎君
      關谷 勝利君    玉置 信一君
      坪内 八郎君    前田  郁君
      飯田 義茂君    熊本 虎三君
      江崎 一治君
 出席政府委員
        海上保安庁長官 柳澤 米吉君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 海上警備隊の職員の給與等に関する法律案(内
 閣提出第六〇号)
 運輸省に国際観光局設置に関する件
    ―――――――――――――
#2
○岡村委員長 これより会議を開きます。
 海上警備隊の職員の給與等に関する法律案を議題とし、これより質疑に入ります。質疑の通告がありますから、これを許します。岡田五郎君。
#3
○岡田(五)委員 二、三お尋ね申し上げたいのですが、まずお尋ね申し上げたいことは、海上警備隊職員の給與がはたして警察予備隊員の給與と均衡がとれておるのかどうかという点につきまして、もし均衡がとれておるという御説明ができれば、具体的な数字をお示し願いたい、かように存ずる次第であります。
#4
○柳澤(米)政府委員 海上警備官の給與の実態でございますが、これは基本観念といたしまして、陸上に勤務する人とその基本の給與は同様にしておるわけであります。法律案の別表にありまする階級による号俸は、大体予備隊のものと同一のものをとつております。ただこの階級別は、予備隊の階級別と一箇所違つたところがあります。この別表で海上壷青堀監以下、一等海上警備正、次が一等海上警備士、それから一等海上警備士補、その次に一等海上警備員とありますが、この員のわけ方が、こちらは一等、二等、三等というふうになつておりまするが、予備隊におきましてはこれが二等までになつておるわけであります。この階級のわけ方が一つふえておるという点が、一つ違つておるわけであります。陸上におきましても、この点につきましては近く改正をして、これと歩調を合せたいというふうな考慮を持つております。以上申し上げましたように、この号俸は陸及び海というものが、基本の一つの号俸の上に立つという観念で来ているわけであります。
#5
○岡田(五)委員 それでは次に移りまして、警察予備隊に対しましては退職手当の特例が認められているようでありますが、海上警備官につきましてなぜ退職手当の特例を認められなかつたのか、その理由につきまして御説明を願いたいと思います。
#6
○柳澤(米)政府委員 警察予備隊におきましては、大体その任期が二年というような條件で採用いたされているわけでございます。この二年という期間勤務いたしました場合に、一定の退職金が支給されるというようなかつこうになつていると思うのであります。しかし海上警備官につきましては、御承知の通りその職務に必要な一定の技術を習得するまでに、陸上に比べますと相当の長い期間を要するわけなのでございます。大体少くとも七、八年というような経路を経まして、初めて技術が習得できるという状態でありまして、この任期というものが相当長くなつている。もちろん業務能率を考えまして、海上警備官につきましても一定の停年制というものは設けまするが、二年というような短期間ではとても海の方の技術の習得はできないということになつております。陸上に比べますと長期間の勤務ということに方針がきまつておりますので、この点につきましては特別の退職手当を設けないで、他の国家公務員に適用されております退職手当の支給に関する法律によるというふうな考え方にいたしたわけであります。
#7
○岡田(五)委員 次に二、三承りたいと思います。恩給法の適用を受けるようになつているにもかかわらず、第二十五条の第二項において国庫納金制度を除外されていると考えるのでありまするが、その理由を御説明願いたいと思います。
#8
○柳澤(米)政府委員 この点につきましては、恩給に対する国庫納金は本俸の中に勘定して差引いてあるわけであります。このやり方は警察予備隊の職員の給料の算定の仕方と同様に歩調を合せまして、本俸の中からこれはすでに引いておきまして、その給與の基準をとつておりますために、別にこれを差引くことを行わないというふうな考え方でございます
#9
○岡田(五)委員 それから勤務地手当というものが大体俸給に加算してあるという話があるのでありますが、はたしてどの程度までこの勤務地手当を俸給の中に加算してあるのでありましようか、この点をお伺いいたします。
#10
○柳澤(米)政府委員 御承知の通り勤務地手当は各地によつて現在差等がこぎいますが、これにつきまして大体の平均値を出しまして警察予備隊におきます基準その他とあわせて勘案いたしまして現在大体一五%というものがこの勤務地手当の平均ということになつております。これを本俸に加入しているわけでございます。
#11
○岡田(五)委員 海上警備官の俸給が日給制度になつているのでありますが、大体月俸を原則としているのが一般公務員、また地方公務員の実態であると考えるのでありますが、何がゆえに海上警備官のみにつきまして俸給を日割制をとられたのか、その理由について御説明願いたいと思います。
#12
○柳澤(米)政府委員 この問題につきましては、諸種の給料の算出の仕方、その他計算に便宜のために日給ととているのでありまして、この日給額という制度を現に警察予備隊ではとつております。これに対して矛調を合せて行くということでございますが、日給にいたしました方がその給料の算出に便利であるという意味におきまして日給制をとつたわけでございます。
#13
○岡田(五)委員 これは海上警備官に日割制をとつた一つの理由に、海上警備官に乗船手当、あるいは航海手当という海上勤務者に対する特殊な手当が考慮せられておる。そういう関係から日割制という制度をおとりになつたのか。先ほどの御説明のように、陸上の警察予備隊も日給制をとつておる。日給制をとつた方が便利がいいという單なる均衡と、さような不便宜、便宜という考え方から出ておるのか。その辺のところをさらに御説明願いたいと存じます。
#14
○柳澤(米)政府委員 まつたく御説の通りな点は頭に加味しておるわけでございまして、たとえば乗船をしまして乗船の手当その他を與えます場合に、これは日にち別で支給をいたされますので、その基本となります給與につきましても日にち別にした方がいい。しないと算定が非常にむずかしくなるという点がございますので、もちろんそれは大きなる一つの理由でございまして、先ほど申し上げました計算の便利という意味の中に含まれておると思うのであります。先ほど申しました通り、今御指摘の点のほかにも日額制で行く方が便利の点があるというふうに思いますと同時に、予備隊の給與その他と差等をつけないように、日額制というものをとつて行きたいと考えておる次第でございます。
#15
○岡田(五)委員 それから提案理由の説明を読みますと、海上警備官の収入につきましては、乗船手当及び航海手当というものが大体俸給の四五%くらいつく、こういう御説明もあるようでありますが、かような乗船手当、航海手当プラス本俸その他扶養手当というようなものを入れまして、大体現在の一般商船、商船にもいろいろ等級がございましようが、いわゆる船員の給與の実態が、ほかとのつり合いといいますか、均衡といいますか、そういうものは大体どういう状態になるものか、この点についての御説明を願いたいと思います。
#16
○柳澤(米)政府委員 一般の船員と比較いたしましてどうかという御質問でありますが、大体この法律案におきまして本俸と乗船手当あるいは航海手当というものの算出の基礎は、現在の海上保安官というものが、特別の給與の形式をもちまして船員の俸給を受けておる。この船員法とマツチするように特別職の給與を考えておるわけであります。従いまして現在採用されております一般職の船員給與というものとやや似た額に相なるわけでございます。しからばこれらのものが民間におきまする船員とどういうことに相なるかということでありますが、これらの給與をきめましたときに、大体民間におきましては、給與の差が非常に高いものと低いものとあるわけでございます。この給與の高いもの低いものを考えまして、これらの間で高いものと比べますれば、ある程度低くなつている。高いもののみをとるわけに参りませんので、その辺を勘案いつたしまして船員の給與というものをきめておりますことに相なつております。これと大体歩調を合せまして、今回の職員の給與というものも定めておる状態であります。
#17
○岡田(五)委員 それから多少問題がこまかくなるのでありますが、この法律案の第三条によりますと、隊員の給與は直接隊員に支払わなければならない、こういう文字が入つておるのでありますが、この直接という言葉によりまして、俸給の受領につきまして、委任受領というものを許さないのかどうか、その点につきまして、非常にこまかい問題でございますが御説明を願いだいと思います。
#18
○柳澤(米)政府委員 委任受領についての御質問でございまするが、委任の形式は原則として認めておらない。しかしこれらの人々が非常に長期間にわたつて不在になるというようなことが起り得ることを考えまして、たとえば救難に出かけまして相当期間、外にいるというようなことで、しかも支払い期日のときに外におるというようなことを考えまして、家族渡しということは考えておるわけであります。
#19
○岡田(五)委員 これは非常にこまかくなつて恐縮ですが、実際この給料を受取る場合に、事実上給料受取代理人というようなものを設けて一括受取られてその人から個々に渡されるというのが実務じやないかというふうに思うのでありますが、そういう場合もこの法案の直接ということにひつかかるものか、この直接という文字を直接的に解釈して、個々の隊員が判を持つて給料を受取ろ場所に行かなければならないのか、その辺のところを具体的に承りたいという意味において、非常にこまかい質問でございますがお聞きするわけであります。その点いかがでございますか。
#20
○柳澤(米)政府委員 その点につきましては、われわれの考え方としては給與の原則といたしまして、その間に仲介の人々が入らないような方式を考えております。現在国家公務員法によります一般職の人々も、給與は直接支払うということを原則としておりますので、この原則は破らずに進みたいという考えを持つておるわけで、ございます。
#21
○岡田(五)委員 それでは第三条の二項に入りたいのでありますが、「隊員が自己又はその収入にとよつて生計を維持する者の疾病、災害その他の政令で定めるこれらに準ずる非常の場合の費用に充てるために給與の支払を請求したときは、隊員の受けるべきその日までの給與をすみやかに隊員に支払わなければならない。」、こういうことになつております。そういたしますとこれを頻繁にやれば、月に三回も四回も支払つてやらなければたらない。この法文の精神は私非常にいいとは思いますが、実務上相当煩雑な点も出て来るのではないかと思うのであります。こういう規定は本法律案に初めてのものでしようか、ほかの方にもそういう規定があるのでございましようか、その点事例がありましたらお示し願いたいと思います。
#22
○柳澤(米)政府委員 大体本法の趣旨といたしましては、隊員が月一回の俸給を、どちらかというとあと払い式にもらうことになります。従いましてその間に自己の疾病、災害その他の非常事態が起きた場合には、これを支払うということは当然老実なければならないというふうに考えているわけでございます。過払いにならないような関係に相なるのではないかと思うのであります。なおこの考え方でございますが、これは一般の公務員法にもこれと同じような考え方をもちましたやり方をとつておるのであります。従いましてこれだけが新しいというわけではないと考えております。
#23
○岡田(五)委員 それでは第十七条に移りまして「海上警備官には、その職務の遂行上必要な被服その他これらに類する有価物を支給し、又は無料で貸興する。」、こういうことになつておるのでありますが、「被服その他これらに類する有価物」ということについて大体どの程度のものを考えておられるのか、その点御説明願いたいと思います。
#24
○柳澤(米)政府委員 「被服その他」とありますが、これにつきましてはわれわれが考えておりますのは、電子あるいは下着、それから貸與いたしますものには寝具、すなわち毛布であるとか、あるいは敷布というものを考えているわけでございます。
#25
○岡田(五)委員 なるほど被服に帽子、下着、寝具というものは必要でございますが、おそらく海上警備官といえどもはだしではいけないと思うのでありますが、はきものその他についてなせ考えられなかつたか、ややもいたしますと官庁の支給または貸與品の中にはきものが抜かれておる傾向が、国鉄においてもその他においても一般の通例になつております。これは非常に大きなミスではないかと思うのであります。国鉄あたりに比較いたしまして下着が支給される、また農具も支給されるということは非常にけつこうであり、また進歩したと思うのでありますが、大きな忘れものであるはきものをお忘れになつておるのではないか。この点につきましてどういう考え方をお持ちになつているか承りたいのであります。
#26
○柳澤(米)政府委員 まことにお説の通りでありまして、貸與品につきましては被服という中に一応くつを入れておる考え方であります。くつの貸與その他、どういうものを貸興するかという点につきましては、政令ではつきりきめたいというふうに考えておりますが、そのときにくつは絶対に忘れないようにいたしたいと考えております。
#27
○岡田(五)委員 被服の中にくつが入るか入らないかということは議論もあろと思いますが、要するにかような法の解釈はともかくといたしまして、私の希望といたしましては貸與または支給する中に、はきものをぜひ入れていただきたい。また政府委員の御説明によりますと、入れるおつもりのようでございますので、ぜひさように実現することを気望いたしたい。つきましてはこれに関連いたしまして、海上警備官についてはかような被服その他必要なものは貸興または無料支給されるようでありますが、陸上勤務である海上警備隊員――警備隊に所属して、警備官にあらざるその他の警備隊員につきましては、何らこの被服その他有価物が支給または貸與にならないように、この規定では拝見いたすのであります。実際隊員に対しましては、かような被服その他の有価物を貸與、支給されないのでありますか、また支給されるつもりでありますか、その辺のところを御説明願いたいと思います。
#28
○柳澤(米)政府委員 警備官以外の人人につきましては、その職務に必要な、たとえば作業衣であるとか、あるいはその職務を執行するに必要な被服、そういうものにつきましては、一般の公務員にも貸與があるわけであります。そういう程度の意味におきまして、被服の貸與ということも考えておるわけであります。
#29
○岡田(五)委員 それからもう一つお尋ね申し上げたいことは、海上保安庁法の一部改正中、二十五条の二十一の規定によりますと、海上警備官は長官が指定する場所に居住しなければならないということになつておるのでございますが、この居住の宿舎その他について十分御用意ができておるものであるかどうか、この点につきまして概略でけつこうでありますから御説明願いたいと思います
#30
○柳澤(米)政府委員 一定の場所に居住しなければならないというふうに規定したいと思つておりますが、その宿舎につきましては、現在われわれの方針といたしましては、できるだけ既存の建物を使いまして、これを改造その他によりまして宿舎とするという方針をもちまして、現在各地におきまして基地に宿舎を設けたいという方針で進んでおるわけであります。現在われわれの方といたしましては、横須賀地区におきましては、既存のものを改造してできる見込みが立つております。なお港湾の他の作業をあまり阻害しない地区におきましては、たとえば舞鶴、佐世保等におきまして、多少不便でありましても、既存の建物のあるところにつきまして、それを改造して居住に充て得る場所を見つけまして、逐次準備を進めておるわけであります。現在大体佐世保あるいは舞鶴、大湊等においては見つけ得ると考えておるわけであります。
#31
○岡田(五)委員 もう一つ簡單に質問いたしまして、私の質問を打切りたいと思います。第二十五条の九におきまして、隊員の任用に際しましては「試験以外の能力の実証に基く選考によることを妨げない。」こう規定してあるが、具体的にどういうことが能力の実証に基く選考ということに該当するのか。御説明に光だつて私から申し上げるのはどうかと思いますが、たとえば元海軍の軍籍々持つておつたという、過去の軍の経歴というようなことがこの事項に該当するのかどうか。その点簡軍でけつこうですから御説明いただきたいと思います
#32
○柳澤(米)政府委員 御質問の御趣旨は、特に二十五条の九につきまして、海軍の軍歴その他を主として考えるためにこの規定があるのではないかというお話でございます。われわれといたしましては旧海軍の軍人であつた、そうでないということにつきましては、別にそこに何らの差等を考えていないわけであります。旧海軍軍人であるから特に排除するというような考え方は、一切持つておらないわけであります。この任用の方法、手続は、大体功績の評定あるいは勤務の評定によりまして、特にこれを用いようというような考え方を持つておるわけであります。経歴についても相当考えますが、その経歴は海軍軍人であつたということは考えずに、海事関係にどういうふうに従事しておつたかという意味をもちまして考慮をいたすつもりでおるわけであります
#33
○岡村委員長 坪内君。
#34
○坪内委員 この法律案は予算措置もしてあるし、またこの法律案が通らないと募集ができないということでありますので、私はすみやかにこの法律案が通ることを希重いたしますが、二、三お尋ねいたしたいと思います。この法律案の通過によつて警備隊員を募集するのでありますが、何名募集するのでありますか。
#35
○柳澤(米)政府委員 定員が大体六千名ということに相成なつておりますが、これが期日にろつてわかれておるわけでございます。船舶の貸與の状況その他を予測いたしまして、予算中にも書かれておるわけであります。さしあたり早急に入れたいと思うものが約三千名ばかりおります。この三千名が済みましたら、近いうちに残りをやりたいというふうに考えております。
#36
○坪内委員 そこで隊員の募集にあたりましては、国家公務員法の試験というようなものも、特別職であるから課せないで募集するそうでありますが、その募集については相当自信がございますか。
#37
○柳澤(米)政府委員 自信でございますが、大体数におきましては、今までの例によりますと、海上保安大学あるいは訓練所の例を見ますると、海上保安大学におきまして大体三十倍ないし四十倍の受験生を持つております。なお訓練所におきましても、大体七十倍ないし八十倍という受験者がおるわけであります。従いまして今度の隊員募集でございますが、この隊員募集がそのような率で行くかどうかということは疑問がある。しかし今までの海上保安庁の募集の状況から見ますると、相当に高率なものになる、かように考える次第であります。下級の人々についてはそういう状態が現出すると思いますが、但し上級の人々につきましては、現在の海運の関係その他を勘案いたしますと、下級に比べてさほど高率な競争になるとは考えられない状態になつております。
#38
○坪内委員 隊員の募集につきましてのいろいろなお話を承りましたが、実際問題として、優秀なる隊員が集まるかということについては、非常な疑問があろうと思います。試験もやらない。また例のうわさに聞くところの、警察予備隊におきましても、あまり優秀な隊員がいない、あるいは警察官にいたしましても、試験をいたしましても比較的質のいもものが集まらないというような現状にある今日におきまして、はたしてこれに優秀な隊員が募集できるか、これは相当の努力を払わなくちやならぬと思います。いろいろな関係からにらみ合せまして、この海上撃備隊は、どこが魅力でみんながこれに集中するということになるでありましようか、隊員が応募するにつきまして、海上警備隊はどこが魅力か、その魅力についてちよつとお話を願いたいと思います。
#39
○柳澤(米)政府委員 ただいままでの海上保安庁といたしましての考え方というものは、先ほど申し上げました通り大学において五十倍あるいは訓練所において八十倍というような倍率になつて、非常に優秀な人々が得られるという点は、海上保安庁のやることが、人間の最も崇高なる精神に基いておるという点が相当の魅力である。しかしながらこれに加うるに、日本国民の特有に持つておりまする海の生活というものが、ほんとうの大きな魅力ではないか、ことに若い人に対しましては、船に乗るということが相当の魅力というふうに考えるわけであります。先ほど申し上げました通り今回募集いたしますものが、前に募集いたしましたような比率で来るとは考えられません。しかしいろいろ勘案いたしますると、若い人は相当の倍率になつて優秀な人が得られるのではないかと思います。なお御質問の中に、試験選考によらないというお話がございましたが、試験選考によらない任用の方法をとることは非常にまれなのでございまして、ほとんど全部は試験をこまかくやりまして、これをもつて採用することになつております。
#40
○坪内委員 今日の日本の国民経済というものが、非常に複雑な状態になつておることは御承知の通りでございまして、海上警備陰を希望する人々が、單にいわゆる愛国の熱情といいましようか、あるいはそういつた海事思想のみから応募するということは、そう簡單に行かないだろうと思います。これに関連いたしまして、どうしても職員の優遇というような面もよほど考慮しなければならないと思いますので、奨来はそういうことも大いに考えて善処していただきたいと要望するものであります。
 そこで、この海上警備隊の職員に海上保安庁から転職することがあろうと思いますが、この転職する人はどのくらいの数になるのでありましようか。この点が第一点と、それから転職した人が海上警備隊の幹部になるのか、この二点だけ伺つておきます。
#41
○柳澤(米)政府委員 現在の海上保安庁に職を奉じている人たちが、新設される警備隊にどのくらい入るかというお話でありますが、現在のところ約五百名ということになつております。この五百名の人々が幹部になるかどうかというお話でございますが、現在の考え方といたしましては、これらの人々を十分に教育するが、この人たちは幹部から下級の人々まで一団となる。この人々は各ランクにおきまして、船長さんから水夫の人までおるわけでありまして、この人々がおのおの入つて来た人をまた教育して行くというような考え方をとつております。従いましてお説のように、幹部を海上保安庁から入れるというような考え方ではなく、全般的にわたり、一応四年間海上保安庁において訓練された人がまた再訓練されまして、これが骨子となつて各層に全部入つて行くという考え方であります。
#42
○坪内委員 この法律案の国会通過に伴い、ただちに隊員募集が始まるだろうと思いますが、海上保安庁から約五百名の人々が整備隊員になることになりますと、海上保安庁においても五百名というような大量の人々が一時に職をあけることになり、海上保安庁の職務遂行に何か空白ができるように考えられますが、その点はどんなことになりますか。
#43
○柳澤(米)政府委員 この五百名の人の充て方でありますが、これは海上保安庁の人間の補充ということも同時に考えなければならぬと思います。現在海上保安庁といたしましても、人間の不足を感じているわけでございますが、これを逐次補充いたしますと同時に、逐次そちらの方に入つて行くことをなるべく早急にやりたいと考えております。なお今後海上保安庁法の改正案が通り、本法案が通りますれば、ただちに三千人募集してこれを入れようとするものでありますが、これが通つてから広告をして募集をし試験をするまでに約一箇月かかる。それから試験を済ませてから採用するまでにどうしても二週間くらいかかる。それで一箇月半で大体選考がきまる。募集を初めてから一箇月半くらいかかつてこれを入れ、これをまた教育して乗船させるということに相なりますので、事務当局として、非常に急いでやらなければならぬというふうに考えておるわけであります。なお講和條約が発効いたしますれば、そのときからわれわれの方といたしましては万遺漏のない処置をとりたいというふうに考えているわけでありましてこの人間の募集その他に関しましては、早急に手を打ちたいというふうに考えます。
#44
○坪内委員 ただいまのお話で了承いたしました。
 次にこの海上警備隊員は、一般から募集してただちに隊員としての仕事ができて役に立つような者はいないのではないかと思いますが、そういう点で具体的などんな方法が講ぜられておるか。たとえば何か講習でもやるのでありますか。
#45
○柳澤(米)政府委員 海の経験者でありますれば、割合に早く役に立つわけでありまするが、経験のない人々はある程度時間がかかると思います。大体幹部の方におきましは主として海の経験者を目途とし、そういう経歴のある者を採用するという行き方をとつております。しかし警備員というような点になりますると、この者が一番数が多いのでございますが、これらは海の経験のない人々であります。それでお話のように、これらの人々を艦に乗せるというまでに訓練を必要とするわけであります。これらの人々の訓練につきましては、大体各基地におきまして最低限二箇月間というものは、陸上におきまして船に乗るに必要な訓練を行いまして、それから後は船に乗せまして訓練を行うという行き方をとつて行きたいと思います。従いまして基地そのものが訓練の場所というふうに相なると考える次第であります。
#46
○坪内委員 警備隊の募集にあたりまして、海上保安庁といたしましても、こういつた。大量の募集については、過去におきましてもそう経験が深くないと思いますので、慎重を要することだと思うのでありますが、御承知の通り国家警察官にいたしましても、あるいは警察予備隊にいたしましても、慎重な選考試験によつて隊員を募集したにもかかわらず、その警察官、隊員の中には極右極左と申しましようか、あるいは共産主義を奉ずる者、共産党の党員というようなものが入り込みまして、れぞれいろいろなトラブルを起しておるというような実情もあります。また現に検察庁にさえ共産主義を奉ずる者、または共産党の党員がいるというような事実があるということでありますが、警備隊の職員を募集するにあたりましては、そういつた思想的問顯について相当慎重に検討を加えて募集しなければならぬと思いますが、そういつた点について何か基本的な方針があるかどうか、この際伺つておきたい。
#47
○柳澤(米)政府委員 隊員の募集につきましては、試験を行いまして、競争試験によりまして優秀な人々をとるという考え方で進んでおります。しかしながらこれに対するその者の素質というものにつきましては、口頭あるいは学術の試験だけではただちに決定できない点もある。そういう点につきましては約六箇月間の条件付採用ということに相なつております。その期間におきましてその人の性格なりその他が、隊員として適当であるかどうかということを審査いたしまして、それによりましてその期間中万金を期して、不適格な人々のないように努力したいというふうに考えておるわけであります。
#48
○山崎(岩)委員 二、三点お尋ねを申し上げたいと存じます。この海上警備官の階級の呼称が非常にめんどう過ぎるので、これはもう少し簡單な呼称の仕方をくふうされる余地がないものでしようか。たとえば三等海上警備正とか、あるいは一等海上警備士補とかいうような、私どもいなかものにはまことにわかりづらいようなめんどうな呼称なんですが、何とかこれは考えておらつれませんか。
#49
○柳澤(米)政府委員 この呼称でございまするが、御承知の通り船に乗りまして、船の中の秩序その他につきまして、大きい船ならば、船長さんは割合に給料の高い人が乗ります。小さい船ならば、同じ船長さんでも給料はあまり高くなくともいいのではないかというような点がございますると、ここに同じ船長さんでも三つくらいの階級が必要になるのではないか。このランクが大体正という点でございます。従つて船長さん、機関長さんというものがこの正のところで、これが三つくらい必要じやないかというふうに考えております。その下につきます航海長あるいはその他の人々のランクが、警備士ということになるのであります。その下に係長さんのような実務の長をされる方が、船により階級が三つくらいになるという考え方であります。こういうふうに考えて参りますると、このくらいのランクをとつておかないと、一緒に仕事したり、統制をとつて矛盾が起らないようにやつて行くためには、このくらいのランクがいるじやないかという考え方でございます。
#50
○山崎(岩)委員 そこでその階級を置かなければならぬという了解がつくのでございまするが、言葉の点におきましてもつと簡便な呼称を御研究いただいた方が、将来たいへん都合がいいのではなかろうかと考えるのでございますので、それでお尋ね申し上げたわけでございます。
 先ほど給與の関係につきまして岡田委員から御質問がございましたが、ちよつと疑問に思いまするのは、日額制にいたしました結果、たとえば病気で二日休んだ、三日休んだというような場合には、それが差引かれるというようなことがありはしませんか。その点どうなりましよう
#51
○柳澤(米)政府委員 病気につきましては、普通の場合も同様でございまするが、給與は払うことに相なります。
#52
○山崎(岩)委員 その他、日給にいたしました結果、月給と違いまして一週間休んだ場合には差引かれる、二週間休んだ場合には差引かれるというようなことはありませんか。月給の場合は、一日出ればその月の一箇月分は支給されるということに相なつておるわけであります。日給のために、そういう不都合を生ずるようなことがあれば困るので、お尋ね申し上げたいのでございます。
#53
○柳澤(米)政府委員 ただいまの山崎先生のお話でございまするが、一般公務員におきましても、病気その他の場合には、休みましても給料は払う。その他理由なく休みました場合には給與は払わない。それからたとえば一時間遅れましても、それに対しては休暇その他に加算されて、休暇がある場合にはもらえます。が、それが済みますと、給料はもらえないということになります。それと同じような組織で、特別の理由なく休みますると、こちらの方の給料は払わないということになりますが、これは一般公務員と同じ考え方であります。
#54
○山崎(岩)委員 そうしますど、月給とかわりはございませんですね。
#55
○柳澤(米)政府委員 そうです。
#56
○山崎(岩)委員 わかりました。それでは簡単にお尋ね申し上げますが、一般の国家公務員に支給されております勤務地手当を平均して俸給に加味いたしたということは、まことにけつこうなことと私は考えるのでございます。つきましてはもう一歩進めまして、私は長官に一つお考えをいただきたいと思いまするのは、石炭手当並びに寒冷地手当の問題でございます。寒冷地手当につきましては、北海道並びに青森県は五号地になつておるわけでございまして、この点は北海道と青森県とは違いがないのでございます。ところが石炭手当となつて参りますると、これは北海道だけに支給されまして、青森県には支給されていないのです。そこでこれはいろいろな点から考えてどうも不合理だ、北海道と青森県とを比較いたしまして、寒さの点からいいましても、積雪の点からいいましても、これは差等がない。しかるに寒冷地手当においては同じ立場に立つ五号地ということになつておりながら、石炭手当において北海道と青森県との間に差等があるのは、はなはだ当を得ていないと考えまして、私は人事委員会等にも出席いたしまして、いろいろ政府と折衝を遂げているのでありますけれども、この点まだ未解決なのであります。青森県におきましては北海道並に支給しなければならぬということを、今までの間に四度衆議院の委員会におきましても決議をしたのでありますが、今日までその筋においてどうしても許可してくれなかつた。四回も決議したにもかかわらずまだそのオーケーをいただけないという状態なのであります。ところで私は元、大湊の町長をやつておりまして、海軍の方々の勤務の状態をよく見ておつて、まことにあの方々の立場が気の毒であるということを私痛感しておつたのでありますが、どうも僻陬の土地でありまして、寒さの点におきましても北海道と全然かわりがない。しかるにかかわらず北海道と全然別個の立場にある内地並の取扱いを受けるのであるけれども、内地の横須賀あるいは呉、佐世保、舞鶴といつたような場所とは違いまして、非常に僻陬の土地にありますので、費用も非常にかかる。しかるに全然内地並と同じような取扱いをいたされるというので、大湊勤務を非常にきらつた例があるのでございます。そこで青森県に対する公務員の方々の立場を私は考えまして、何としてもこの石炭手当を北海道並にもらつてあげなければならぬと思つて、今日までいろいろ苦心をして参つているのでありまするが、この石炭手当をこれも給料の中に入れるか何かして特別に寒冷地帯――東北、北海道、に在勤するところの人に対しましては、何か特別なくふうをすることができなかつたかどうか。この点についてお考えがないものか、ひとつ承りたいと思います。
#57
○柳澤(米)政府委員 現在の状態といたしましては、寒冷地手当及び石炭手当につきましては、国家公務員に対する寒冷地手当及び石炭手当の法律に基いてやりましたが、それをそのまま踏襲しているわけでございます。しかしお説の通り寒冷の地帯で、しかも石炭手当等がもらえないということになつて、非常に勤務員に対して苛酷な取扱いになるということに相なりますならば、われわれといたしまして極力そういう手当がもらえるように努力すべきではないかと考えております。現在におきましては具体的に申しますと、具体的の地区その他が政令その他でまだ明確になつておらないが、これが明確に相なりましてそこへ勤務するというようなものは、その土地の事情をよく考えまして、お説のような心配の起らぬように努力したいというふうに考えております。
#58
○山崎(岩)委員 長官のまことに御同情あるお言葉を排聴いたしまして、私も非常に意を強うするのでありますが、この点につきましては長官とまた同一歩調をとりまして、政府にも要望して行きたいと私考えるのであります。つきましてはこの寒冷地手当の支給関係については、三等海上警備士補以上にだけ支給をいたしまして、警備員に対しては支給してないということは、警備員は家庭を持たないという予想のもとにこのような取扱いをいたしたものでありましようか。
#59
○柳澤(米)政府委員 大体警備員といたしましては若い人々が多い。従いましてこれらの人々に対します給與を考えますときに、これらの人々は大体営内居住が多いのではないかというような考え方があるので承ります。しかしこれらの人々でも寒冷地手当その他を考えないというわけには参らないので、この人々に対しましては特に寒冷地手当等を俸給の中に加味してあります。従つて先生のお話のような、若い人々に対しましては俸給の中に一部加味してやつているというような考え方になつております。
#60
○山崎(岩)委員 どうかそのようにおとりはからいを願いたいのであります。寒さの強い土地になりますと、独身の方でありましても防寒具その他いろいろな点において、出費が非常に多いのでありますから、特別にそういうような点をも御考究のほどをお願い申し上げたいのでございます。
 それから先ほど警備隊の設置の場所につきましては、まだ政令をもつて明確にされていないということでございましたが、何か原案といつたようなことでもありはしませんか、ありましたらひとつお漏らし願いたいと思います。
#61
○柳澤(米)政府委員 先ほど岡田先生の御質問、あるいは坪内先生の御質問のときに申し上げたと思いますが、現在はつきり基地としてきまつておりますところは、横浜がきまつたところでございます。そのほかに考えておりますものは佐世保、舞鶴、大海というものを大体考えております。
#62
○山崎(岩)委員 わかりました。
#63
○岡村委員長 満尾君。
#64
○滿尾委員 私もごく簡單な質問を二、三したいのです。海上警備隊が保安隊とわかれる今回の給與の規定を見ておりますと、海上警備隊というものは一般公務員とまつたく同一の権利義務の関係にあるのでございましようが、業務の実態から見ますと、普通のデスク・ワークの公務員とはもとより違つておる。そのために特別職になつておるのでありますが、何か義務関係というような方面の規定が別途にあるものでございますか、その点をお伺いいたしたい。またかような特別の権利義務の関係に立つものとするならば、給與の面においても一般公務員よりは特別の措置、何かこの点は一般公務員より一段進んでおるといつたような部分があるのでございますか。総括的にお伺いいたしたい。
#65
○柳澤(米)政府委員 一般の公務員と違いますことは、御説の通りに居住の制限、なお年齢の制限があるのでございますが“これらを考えております。権利義務に関して何ら違つたことはないというお話でございますが、この辺につきましても一般公務員と違いますことは、常時待機態勢にあるということが違つておるわけでございます。これに対しましてはいつでも出動できるということになつておりまするが、しかし実際問題として体力その他を考えまして、政令その他によりまして勤務時間等きめて行かなくてはなりませんが、しかしいつでも出動できる態勢にあるという点が違つております。これらは俸給にそういう意味で超過勤務手当等を加味しておるという状態に相なつておるわけであります。
#66
○滿尾委員 私の質問したい要点は、今の御説明と少し違うのであります。たとえば非常な荒天の場合がある。しかし海上警備隊なり保安隊の本来の職務として、その荒天を冒して出動しなければならぬような場合がある。そうするとある上官は部下に向つて、その人の具体的な生命の危険を冒しても、出動を命令しなければならぬ立場にあるので、従つてそのことは一般公務員の場合と署しく職務の内容に違つた特色があるのじやなかろうか。かような意味において一つの公務員法のきめた一般原則だけでものを考えておられるのか。特別の職務権限といいますか、服務紀律と申しますか、そういうようなものをお考えになつておるかどうかをお伺いいたしたい。従つてかような特別の性格のものでありますから、そのことは必ず半面において給與の裏づけがなくてはいけない。たとえば非常な荒天に難破しておる船を救いに行く、救いに行く方があぶないかもしれない。しかし後顧の憂いをなくしてこの間伺いましたところによりますと人類愛に基調を置いて御教育になつておる。しかしその人類愛の精神主義だけではいけないのであつて、ほんとうに身命をなげうつて公の利益のために殉ずるという色彩が、特にこの職名についてきつく出て来るわけでございますから、国家はその点にふさわしいだけの給與のめんどうを見るべきだ、私はかように思うのです。たとえば恩給婆か、いろいろの面においてどの程度のめんどうを見ておられるか、私はこまかいことはわかりませんが、ある程度のことは見てあるのかどうかということをお伺いいたしたい。
#67
○柳澤(米)政府委員 お話の点につきましては、たとえば警察官その他におきましても、お話のような例があるわけでございますが、警察官は一般の職員と違う俸給をもらつておるわけであります。それと同じような俸給は、海上保安官ももらつておるわけであります。しかし今度の警備官というものはそれとやや似ておりますが、常時体制を持つておるという点で、それに時間的にはプラスになるということでございます。従いまして恩給その他につきましても、普通の官吏は十七年たたなければ恩給がつかない。しかしこの海上警備官の一等警備士補以下という人々は、十二年で恩給がつくというふうなことを考えておるわけでございます。
#68
○滿尾委員 まだ政府委員の御答弁は隔靴掻痒の感を免れないのでおりまするが、積極的に危険性を持つている業務に対して指揮命令をとるという形にある。それに対しまして何らか服務紀律というものに特別の色彩が出て来なければならぬと私は思うのであります。命令する者も命令される者も、そこに非常にむずかしい立場がある。みすみす部下を危難に降れるかもしれないけれども、命令しなければならぬ立場があるし、また進んで危難におもむかなければならぬ立場がある。それに対して服務紀律というような特別な法律、法律でなくてもいいですが、そういうものが用意されておるかどうかということが一点、それからもう一つはそういう場合に万一殉職したような者に対して、一般公務員、あるいは警察官と同じような程度のめんどうしか見ていないのかどうか。その物質的給與の点について、日常の普通の勤務状態の特別待遇でなしに、危難に直面してたじろがないだけの物質的待遇というようなものをお考えになつておるかどうかをお伺いいたしたい。
#69
○柳澤(米)政府委員 お話のように荒天その他に出かけるという場合には、相当に危険を伴うが、それに対してどういうふうに考えておるかというお話でありますが、お話の通りに非常に危険でございまするが、それに対しては、現在のところ災害の補償その他につきましては、一般の国家公務員と同等の取扱いで、公職上の殉職という取扱いと同じような取扱いをしておるわけでおります。これらの点につきましては、いろいろとわれわれといたしましてもできるだけそういう方面に対して特別の処置をとらねばならぬであろうということは考えておりまするが、現段階におきましては大体警察官あるいは海上保安官と同等のような考え方で進んで来ておるわけでございますが、これはお説の通り相当に考慮すべき問題であると考えられます。なお非常に荒天その他で指令するのにもめんどうではないかということでありますが、実際問題といたしましてわれわれの方といたしましては、われわれの方の職員自身もそういう危険にさらされましても、万一のことのないようにという点については、われわれとして非常に苦心を払つているのでありまして船舶の整備その他によりましてそういう点は人を救う前に自分が犠牲になるということのないように、これは人命のとうといことは、職員自身もとうといわけでありますから、その点を十分考慮いたしまして、船舶の警備その他に当つているわけであります。まだ不備の点はありますが、今後そういう点については十分注意をして行きたいと思いますが、一応現段階に器きましては今お話のような災害補償の点につきましては御指摘の通りでございますが、実際問題としましては普通の国家公務員と同じような災害補償ということを考えております。
#70
○滿尾委員 政府委員の御答弁を了といたしますけれども、そういう角度から見ますと、海上警備隊なるものの本質からみまして、給與の面が非常に立遅れていると思う。現在のお考えの程度では不徹底きわまるものであつて御認識が足らないと思う。いろいろ客観情勢があつて、政府としてはこの程度の案より出なかつたかもしれませんけれども、今後もう少しつつ込んだお考え方をされて、もつと徹底した待遇方法をお考えになつたらどうか、私思いますのは、集団保険なんかを国がかけて、災害が起つた場合、殉職等がありました場合には、相当な金額のものが裏づけされるような仕組みをお考えになつたらどうかと思う。政府当局にそういうお考えはないものかどうかお伺いしたい。
#71
○柳澤(米)政府委員 その点につきましては御指摘のようないろいろの考え方があると思いますが、お話のようなことを実現すべく、現在まだ努力しているわけでございます。なお現在聞き及ぶところによりますと、保安庁というものが内閣にできるようなお話であります。そういう際にはできるだけそういうことを実現し得る機会があるかと考えております。
#72
○岡村委員長 江崎君。
#73
○江崎(一)委員 海上弊備隊の人員については、六千人増員するように予算措置もできているようでありますが、そのうち三千名をまず採用するというお話であつたのでありますが、これに対する船の準備はどうなつておりますか。
#74
○柳澤(米)政府委員 講和条約が発効いたしますれば船舶は来ると思うのでありますが、実際は先ほどお話申し上げました通り、募集を開始いたしましてから、試験をするまで一月、それから採用するまで一月近くかかります。これが船に乗るまで陸上で訓練するのに二月かかる、こういうことになりますと、ただちに募集いたしましても、艦に乗れるまでには約三箇月半あるいは四箇月近くかかるのではないかと思います。この間に船舶は講和発効後日本が独立いたしましてから、その後着着と来るものとしましても、今から始めてただちに募集いたしましても、四箇月たたなければ乗れるまでにならぬ。また船に乗り得ても、船が使用できる状態になるのは、そのうちの数隻ということになると思います。
#75
○江崎(一)委員 実際に乗船するまでには時間を必要とするということはわかりますけれども、その船の状態がどうなつているか、日本で建造するのか、外国船を譲り受けるのか、その点はどうなつておりますか。
#76
○柳澤(米)政府委員 船舶は現在われわれとしましては、必要なものはこれだけほしいということをアメリカ側に要求しております。向うもそのくらいなら何とかなるだろうということで、大体行けるという目算をもつております。
#77
○江崎(一)委員 今の御説明を具体的に明らかにしていただきたいと思うのです。これは村上運輸大臣が今年の一月運輸委員会で言明しておられたのですが、横須賀にあるアメリカの艦艇を若干もらうのだ、しかし当時はまだ具体的には話がきまつておらぬということであつたのです。現在はどういうことになつておるか、その点を詳しく御説明願いたい。
#78
○柳澤(米)政府委員 こちらで要求しております船舶は、千五百トン級の船を十隻、二百五十トンないし三百トン級の船を五十隻ということを考えております。それらの船舶を貸してもらえるかということで向うと交渉しておりますが、向うとしては大体そのくらいならば何とかなるだろうという返事でありまして、それに対するわれわれの要望はいれられるのではないかと、向うの責任者も言つております。従つてそれは実現するものではないかというふうに考えられるわけです。
#79
○江崎(一)委員 ただいまのアメリカの艦艇の大きい方のフリゲート艦というのは、三インチぐらいの備砲を持つておるということを聞いておりますが、海上保安庁としては、その備砲はそのままでお使いになるのか、あるいははずしてお使いになるのか。
#80
○柳澤(米)政府委員 われわれの方といたしましては千五百トン級の船舶には、できれば停船命令を下す号砲に一三インチ見当のものはぜひほしいということも向うに言つてあるのです。従つてそういう要求に応ずるような舶が、トン数からいつて貸していただけるのではないかというふうに考えるわけであります。
#81
○江崎(一)委員 先ほどこれも坪内委員の海上保安庁の警備隊員には、どういう魅力があつて応募するのかという問いに対して、非常に崇高な目的のために隊員が集まつて来るのだという御回答であつたのですが、われわれが解釈しますと、これは戰争という崇高な目的というように聞えるのです。現にこの問題は口先だけの話ではなく、現実にそういう問題があちらこちらで起つておるわけです。朝鮮水域において、あるいは北辺の海域において起つておるわけです。こういうことになりますと、海上警備隊の職員の戰死ということもあり得ると思うのです。そういう場合の給與その他についてはどういうふうにお考えですか。
#82
○柳澤(米)政府委員 ただいまの江崎委員のお話でございますが、崇高な精神と申し上げましたのは、先ほどお話がありました通り、われわれは人命尊重という愛の崇高な精神のことを申し上げたのであります。戰争その他のことを連想されるのは、われわれとして理解のできないところであります。われわれとして崇高な精神と申し上げた意味は、今の愛の精神から発しておるわけであります。
#83
○江崎(一)委員 愛の精神であるということはよくわかるのでありますが、実際問題として北辺のマッカーサー・ラインの問題にしましても、日本の漁夫はこれを乗り越えて行かなければ、実は商売にならぬのです。従つて欲と二人連れといいますか、こういう問題がこれから頻繁に起り得ると思いますが、こういう漁船に対して海上保安庁は、マッカーサー・ラインを越えて行くことを援助するのか、越えてはいかぬというのか、そのために備砲を持つのか。その備砲ばどういう意思によつてお使いになるのか。
#84
○柳澤(米)政府委員 われわれといたしましては海上保安庁法に基きまして、日本の人命及び財産を保護するのが目的であります。従いまして法の許す範囲におきまして、日本の人命及び財産を保護して行きたいと考えております。他者急はありません。
#85
○江崎(一)委員 今の御回答は核心からそれておると思うのです。マッカーサー・ラインを越えて行く船に対して、越えてはいかぬとおつしやるのか、越えてもよいとおつしやるのか。
#86
○柳澤(米)政府委員 マッカーサー・ラインが講和後にどうなるか。マッカーサー・ラインが撤廃されるごとに相なりまして、日本船が自由に出て行くということになりますれば、これに対してわれわれは保護をしなければならぬ。しかしマッカーサー・ラインが独立後も残るのだということになりますれば、これに対する解釈はまたかわつて来ると思います。われわれといたしましては、独立後における日本には、占領期間中ございましたそういうものはなくなるのではないかというふうに考えております。
#87
○江崎(一)委員 マッカーサー・ライン存続の問題については、幾多議論があると思います。日本は非常に片手落ちな講和をしておるために、この問題は現実の問題として出て来ると思いますが、現実に今あの北辺におけるマツカサー・ラインを越えて拿捕されるという事件が起るとすれば、この問題について海上保安庁はやはり関心があると思います。この問題についてどうするつもりか。まず現在の状態に立脚してどう考えておられるか。現在の問題ですが、それをひとつ詳しく明快にお話願いたい。
#88
○柳澤(米)政府委員 現在におきましては海上保安庁としては、マツカーサー・ラインがございますから、従つてこれを突破することはしないように努力しておるわけでございます。将来につきましては、これが撤廃されるならば、これに対して出漁した船舶につきましては、日本の人命及び財産を保護する目的で保護せざるを得ないというふうに考えております。
#89
○江崎(一)委員 この際長官が来ておられるのでお伺いしたいと思います。先般来瀬戸内海並びに日本海における安全性のお話がございましたが、その後の機雷その他の状況はどうなつておりますか。
#90
○柳澤(米)政府委員 機雷につきましては、今月に入りまして日本海において二個発見されただけでございます。昨年の今月は十七ぐらいございました。従いまして非常に少くなつて来た、去年に比べますと非常に安全率が出て来ておるというふうに考えております。
#91
○江崎(一)委員 この前に海上保安庁の方がお見えになつたときも、はつきりと言明をなさらなかつたのですが、日本海方面における機雷はどこの国のものであつたか。われわれが考えるまするのに、ソビエトの沿岸の防衛のために敷設した機雷もあるでしようし、アメリカの航空機が海上封鎖の目的で投下した機雷もあるでしようし、両方とも流れて来る危険があると思いますが、その点について明確なお答えがなかつたのです。幸いきようは長官がお見えになりますので、その点を詳しくお聞きしい。
#92
○柳澤(米)政府委員 浮遊機雷は、御承知の通りに流れて来ましたものを確認しなければならない。流れております浮遊機雷はどこ製であるか確認いたしておりません。確認しておりますものは第三国製のものでございます。われわれは第三国製であると申し上げれば大体見当がつかれると思います。それが多いというふうに考えます。
#93
○關谷委員 動議を提出いたします。この法案はさきに本院において可決されました海上保安庁法の一部を改正する法律案により、特別職に指定された海上警備隊の職員に関する給與等を定めるものでありまして、当然なさねばならぬ措置であります。その内容を検討いたしますと、いずれも適切妥当なものと認められ、またこれに要する経費も、すでに成立した昭和二十七年度予算に計上されております。なお海上保安庁法の一部を改正する法律案が近く提出される見込みでありまして本法案はそれと同時に遁用されるものであり、かつまた隊員募集等の関係上、緊急を要するものと認められます。よつてこれにて質疑を打切り、討論を省略して、ただちに採決せられんことを望みます。
#94
○岡村委員長 ただいまの關谷君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○岡村委員長 御異議なしと認めます。
 これより本案について採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
    〔賛成者起り立〕
#96
○岡村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。
 なお本案に対する委員会報告書につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○岡村委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#98
○岡村委員長 次に満尾君。
#99
○滿尾委員 政府においては、行政機構改革案が目下進行中だそうであります。私ども仄聞するところによりますと、運輸省に従来ありました観光部を廃止いたしまして、観光主任官というものを置くというような原案で進行している由に伺つておるのでありますが、講和発効後のわが国の態勢といたしまして、観光事業は最も今後力を入れて行かなければならぬ性格のものであろうと考える次第でございます。その意味は、外客を積極的にわが国に誘致いたしまして、わが国民との密接な接触をはかり、そうすることによつてわが国情を世界の各国民に十分理解徹底せしめ、お互いに相互の認識と理解を深めることが今後の国際社会を建設して行く上におきまして、世界の平和を維持して参る建前におきまして最も緊要なことであり、わが国民外交の本筋でにあろうと考えられます。またこの方策によりまして、貿易外の収支というものが非常に改善せられる。その実績を見ますると、昭和二十六年度におきましてさえも来訪の客は五万六千人、その国内における推定消費額は千五百万ドルで、日本の金に換算しますと五十三億円に達しておるのであります。今後の講和発効後のわが国の態勢といたしましては、これはますます増加する建前にございますので、わが財政事情に寄與するところも非常に大きなものがあります。かような意味におきまして、観光国策と申すものが、独立後の日本の重要国策の一つであらねばならぬと私は信ずるものであります。またこの観光の仕事というものは、国内において主としてめんどうを見る部署がなければ、その仕事はうまく行かない。なぜかと申しますると、この観光の事務は、その接触面が非常に多いのであります。もとより主として交通機関、船舶であるとか、鉄道、飛行機、自動車というような面が、これに密接につながつております。道路もつなる。またいろいろな観光資源の関係から、国立公園その他の面も非常につながつておる。また多客誘致のホテルの政策の面からいたしまして、衛生保健というような問題も深く入り組んでおるわけであります。またこれらの仕事を円満に途行いたしますために、財政的な面からこの観光事業をバツクしてやることが非常に必要でございますから、この複雑多岐な観光設備というものを対象といたしまする行政は、どうしてもここに強力なる一つの部局を持ちまして、その責めをとつて推進して行くよりほかないのであります。それが今回の行政機構によりますると、主任官というようなぐあいに、ほとんどあるかなきかに圧縮いたしますことは、前述して参りましたところの観光国策に照しまして、きわめておかしなことである。でありますから、これは單なる行政改革の一部局を節約するとか何とかいうような事務的な見解でなしに、ほんとうに講和発効後のわが国の政治的な大所高所からの考え方といたしまして、私は運輸省に観光局を一局として設置して、これらの事務を総合企画せしむることがぜひ必要であろうと考えるのであります。また最近の情勢として伺いますところによりますると、国際的な観光事業の活動というものがあつて。各国の観光機関の連盟がある。その中にわが国もすでに参加を許されておつて、いよいよ来年の四月にはアジア地区においてその会議が催される。しかもわが国がその会議の主導者として予定されて外国の期待を受けておるそうであります。かような際にあたつて、わざわざ日本政府が従来ありました観光部をあべこべに縮小するがごときことは、国際的な動きに照し、その期待に対してこたえるゆえんでもございませんので、どの角度から見ましても、今日の政府の行政機構改革のうち、観光部に対する措置はいささか逆転のきらいがある。従つて当運輸委員会といたしましては、ぜひ運輸省に観光局を設置する決議をこの際いたし、政府の反省と再考を求めたいと考えるのでございますが、さような意味において動議を提出する次第であります。案文をひとり読んでみます。
運輸省に観光局設置に関する決議案
平和条約発効後国際社会に復帰するわが国としては、この際外客を積極的に誘致し、わが国情を諸外国民に周知せしめ、諸国民間相互の認識と理解とを一層深くすることが、わが外交国策上最も緊要とするところであり、又右に伴う外貨建得による貿易外収支の改善を図ることが国家財政の上からも極めて緊要である。
かかる大局的見地より観光行政機構を整備強化するため、政府はこの際運輸省に観光局を設置すべきである。
右決議する。
#100
○岡村委員長 満尾君より提出されました決議案を、本委員会の決議とするに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○岡村委員長 御異議なければさよう決定いたします。なお本決議案の取扱いにつきましては、委員長に御一任を願います。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#102
○岡村委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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