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1951/05/14 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第31号
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1951/05/14 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第31号

#1
第013回国会 運輸委員会 第31号
昭和二十七年五月十四日(水曜日)
    午後一時五十二分開議
 出席委員
   委員長 岡村利右衞門君
   理事 黒澤富次郎君 理事 原   彪君
      稻田 直道君    大澤嘉平治君
      岡田 五郎君    尾崎 末吉君
      關谷 勝利君    玉置 信一君
      坪内 八郎君    畠山 鶴吉君
      江崎 一治君    木村 俊夫君
 出席政府委員
        航空庁長官   大庭 哲夫君
        運輸事務官
        (航空庁次長) 粟澤 一男君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
五月十三日
 中学生徒の通学運賃引下げ等に関する請願(大
 石ヨシエ君紹介)(第二六三二号)
 青果物に対する貨物運賃の等級引下げに関する
 請願(關谷勝利君紹介)(第二六三三号)
 江差港修築に関する請願(冨永格五郎君紹介)
 (第二六四九号)
 新庄、清水間鉄道敷設の請願(圖司安正君紹
 介)(第二六七四号)
 戰時中強制命令による業務休止中の出石鉄道会
 社に対する国庫補助金交付に関する請願(有田
 喜一君紹介)(第二六七五号)
 鶴岡、間沢間鉄道敷設の請願(圖司安正君外一
 名紹介)(第二六九三号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 航空法案(内閣提出第一七九号)
    ―――――――――――――
#2
○岡村委員長 これより会議を開きます。
 航空法案を議題とし、質疑を続けます。尾崎君。
#3
○尾崎(末)委員 昨日各條章にわたつて御質問申し上げたのでありますが、その継続といたしまして、第七十條からあとについて疑義の点を御質問申し上げます。第七十條に「航空機乗組員は、酒精飲料又は麻酔剤その他の薬品の影響により航空機の正常な運航ができないおそれがある間は、その航空業務を行つてはならない。」こうした規定をいたしてあります。これは当然のことなのでありますが、過般のもく星号の遭難に関しても、この問題についてはいろいろの風説でありますが、そういうものが出たくらいでありますので、この七十條に関して、実際これを適用するには、どういうやり方で七十條を適用するのか。具体的なやり方についての御構想を承つておきたいと思うのであります。
#4
○大庭政府委員 飛行場に政府から出ました監督官がいるわけでありまして、出発前には飛行計画というものをつくりまして、それを政府の監督官の方へ提出することになつております。そのときに乗組員の状況が判定されるわけであります。それによつてもし酒気を帶び、あるいは操縦に影響を及ぼす傾向が見受けられたときは、飛行を禁止するという手続にしたいと考えております。
#5
○尾崎(末)委員 その際、診察のような形式でもおとりになることになるわけでありますか。
#6
○大庭政府委員 大体は目で見るだけでございますが、もしそれが診察する必要があると判断された場合には、備えつけの医務室があるわけでありますから、そこで診察いたすような結果が生ずるかもしれませんが、大体におきましては目による判断に待つ考えでいます。
#7
○尾崎(末)委員 その点はわかりました。次に身体障害、第七十一條であります。「航空機乗組員は、第三十二條の身体検査基準に適合しなくなつたときは、第三十三條の航空機乗組員免許の有効期間内であつても、その航空業務を行つてはならない。」こう規定してありまして、これも当然のことでありますが、この「身体検査基準に適合しなくなつたときは、」という、身体検査基準に適合しなくなつたことを認めるためには、本人からの自発的な申出を待つのか、それともときどきいわゆる健康診断等をおやりになるというような手続によるものですか、それらの点について御説明を願いたい。
#8
○大庭政府委員 本人からの届出による場合と、常時監督官が監督しておるわけでありますから、それの判定とに待ちまして、これは厳格な検査基準があるわけでありまして、こちらで指定した病院に参らせまして、その規定に従う検査をいたした後に判定をいたすことになるわけであります。
#9
○尾崎(末)委員 ずつと飛びまして、運輸に関する協定、百十條に「定期航空運送事業者は、他の運送事業者と連絡運輸に関する契約、運賃協定その他の運輸に関する協定をしようとするときは、運輸大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも同様である。」このことにつきましては、他の運送事業者と連絡運輸は、できるだけこれを円滑にやつていただいた方がいいのでありますから、これはひとつ積極的にやつていただきたいと思うのであります。たとえて申し上げますと、九州の例でありますが、博多まで飛んで参りました飛行機が、最南端の鹿児島に行く急行列車に、わずか三十分か四十分時間がおそいために連絡ができない。従つて半日博多で待たなければならない。これはひとり福岡の連絡場所だけでなく、あちこちにこういうものが出て来ることが予想されるのでありますが、こういう問題に関しましてはむしろ積極的に、いわゆる連帶運輸をおやらせになることが必要だと思つておるのでありますが、こういう点につきまして何か具体的の御構想がありますれば、承つておきたいと思うのであります。
#10
○大庭政府委員 今の仰せは、私たち急速にやらなければいけない一つの計画になつておるわけでありまして、汽車あるいは船等と航空機の連絡ができて、初めて交通という意味を成就して来るのじやないかと考えておる次第でありまして、できるだけ早い機会に、それらの関連ができるように、すなわち一枚の切符でどこへでも行けるように、鉄道あるいは船の利用ができるようにはかりたいと存じておる次第であります。仰せの通り急速に、また多方面にわたつてやりたいと考えておるわけであります。
#11
○尾崎(末)委員 これに関連いたしまして、強い要望を申し上げておきたいのであります。昨日当委員会の観光小委員会における参考人の意見の中に、航空機発着所とその他の交通機関等に連絡をする場所の道路が非常に悪くて、スピードがうまく出ないことと、いわゆるごみだらけになるような場所が非常に多いので、これらは交通の円滑を期する上からも、あるいは観光の上からも、道路について何とか特に急いで配慮する必要があるという意見があつたのであります。まことに当然なことだと私も考えて聞いておつたのでありますが、このいわゆる連絡運輸をやるそこにおける道路等に関しましては、これはひとつよい機会でありますから、運輸省におかれても、十分にこれらのことは御考慮になつておいていただきたいということをここに強く要望いたしておきます。これらの点について、長官のお考えがあれば伺つておきたいと思います。
#12
○大庭政府委員 御承知のように航空機はその速度というものが、他の交通機関に比例を見ない交通機関であるのであります。しかしながら都心から飛行場に出る間の使用時間は、相当の時間を要するような現状でありますが、これは道路が改善されればその間の時間も短縮されて、より以上に交通の便、航空の便がはかられるという結果を招来することになるのでありまして、航空庁といたしましても、建設省あるいは各都道府県市に対しまして、できる限り積極的に行動をとつているわけであります。そのうち例をあげますと、御承知のように千歳と札幌間の四十五分にわたる距離、かつまたそれの道路の不備、あるいは冬季間における除雪というような問題につきましては、道庁と十分な打合せをとりかわし中であります。またおひざ元の東京の羽田、御承知のように京浜国道から羽田の飛行場に入るあの道路が、国の玄関である羽田としてまことに不体裁きわまる道路になつているわけでありますが、これらにつきましては、東京都と十分の折衝をいたしておるところであります。その他福岡の板付につきましても、現在迂回道路になつているわけで、これは北方の道路を選択すれば、そこに十分くらいの差を生ずるわけでありまして、これについても福岡県と折衝をいたしておるようなわけであります。それら各飛行場につきまして、できる限り関係当局と連絡をいたしておるわけでありますが、漸次それらが改善されて来る時期も近いのではないかと存じておる次第であります。
#13
○尾崎(末)委員 その点よく了承いたしました。
 不定期航空運送事業、第百二十一條であります。「不定期航空運送事業を経営しようとする者は、運輸大臣の免許を受けなければならない。」とありますが、この不定期航空運送事業と申しますものは、種類はどういう種類の運送事業であるのか。その種類の数を、あるだけひとつ御説明願いたいと思います。
#14
○大庭政府委員 実は定期航空と不定期航空運送事業というものの区別は、実につけづらいものでありまして、アメリカにおいてもその区別に苦しんでいるような現状でございます。しかしながら今後日本で新しく起る航空につきまして、それの申請というものを審査する段階において、それが不定期であるか定期であるかをきめたいと考えているわけでありますが、不定期と申すのは、例をあげますと貨物あるいは旅客を毎日一定のスケジュールによつて運ばない、たとえば東京、大阪というものに対して日にちが不確実である、あるいは今想定されるのは遊覧用の飛行でありますが、そのほかローカル線として不定期に飛ぶ航空運送事業というものが起るのではないかという想定のもとにつくつているわけでありまして、大体におきましては定期航空運送事業というものと、その次にありまする使用事業というものとを判別していますから、それに属しないものが不定期航空というふうに大体御承知願えればいいのではないかと思います。
#15
○尾崎(末)委員 現在の段階におきましては、これは非常に不十分なことのように思いますが、航空事業の発達に従つて、相当これは大きな問題となると思われるから御質問を申し上げておるのです。たとえば将来航空機が発達をいたしまして、貸切飛行機というものが出ることを予想せられるのであります。そういうものもやはり不定期航空に入るわけでありますか。
#16
○大庭政府委員 そうであります。
#17
○尾崎(末)委員 航空機使用事業、第百二十三條であります。「航空機使用事業を経営しようとする者は、運輸大臣の免許を受けなければならない。」2「第百條第二項及び第三項並びに第百一條(第一項第一号及び第二号に係るものを除く。)の規定は、前項の免許について準用する。」こうあるのでありますが、この航空機使用事業というものは、これは免許を受ける際に、航空運送事業を行つておる同一のその事業者であつても、航空機使用事業の免許を受けることができるわけでありますか。あとの第百二十五條に免許の條件が抽象的に規定してあるようでありますが、このものについての御説明をお願いいたします。
#18
○大庭政府委員 普通の定期航空をやつている会社も、別に免許を受ければ使用事業もできるわけであります。
#19
○尾崎(末)委員 第八章、外国航空機の航行、第百二十六條「国際民間航空條約の締約国たる外国(以下單に「締約国」という。)の国籍を有する人又は締約国の法令に基いて設立された法人その他の団体の使用する航空機(第百二十九條の許可を受けて旅客又は貨物の運送の事業を経営する者(以下「外国人国際航空運送事業者」という。)の当該事業の用に供する航空機を除く。)は、左に掲げる航行を行う場合において、その上空を航行することが危険な区域として運輸省令で定める区域の上空を航行しようとするときは、航空庁長官の許可を受けなければならない。一、本邦外から出発して本邦内に到達する航行、二、本邦内から出発して本邦外に到達する航行、三、本邦外から出発して着陸することなしに本邦を通過し、本邦外に到達する航行」2「外国、外国の公共団体若しくはこれに準ずるもの、締約国以外の外国の国籍を有する人又は締約国以外の外国の法令に基いて設立された法人その他の団体の使用する航空機(外国人国際航空運送事業者が当該事業の用に供する航空機を除く。)は、前項各号に掲げる航行を行う場合には、航空庁長官の許可を受けなければならない。」これはこの前の航空機の登録の場合に、今読み上げました中の外国の航空機もしくは外国人の三分の一以上の議決権または重役等を有するもの、そういうものには登録を許さないという規定があるようでありますが、この條項と対照してこれができておるのが第百二十六條だというふうに思われるのであります。今申しました「航空庁長官の許可を受けなければならない。」というのでありますが、これは場合によつては航空庁長官はこれらの許可の申出に対して、これを拒絶することができるのかどうか。また拒絶をすることがあるとするならば、どういう場合に拒絶することができるのか。その点について御説明を願いたいと思う。
#20
○粟澤政府委員 御説明申し上げます。この規定は前の登録関係と違いまして、外国の航空機の出入国に関する事項として規定しようとするものであります。従つてこの飛行機が日本の国籍を持つかどうかということは、別に問題にしておらないのであります。外国の航空機が日本へ飛んで来る、あるいは日本の上空を通過するということに対する規定であります。この規定が出て参りますもとは、国際民間航空條約の第五條に根拠があるわけであります。この條約の規定によりますと、航空機を国の航空機と民間の航空機とにわけております。民間の航空機につきましても、定期航空運送事業を行う航空機とそうでない航空機とわけております。條約によりますと、民間の航空機であつて、定期航空運送事業を行つている航空機でないものにつきましては、国際民間航空條約の締約国の飛行機は、特に許可を受けることなしに、締約国に対しましては自由に出入りができる。こういう條約の規定になつております。半面申し上げますと、国の航空機あるいは軍の航空機、それから定期航空運送事業に従事する航空機は、許可を受けなければ入れない、あるいは各国で許可を受けなければ入つてはいけないと言つてもよろしいのであります。こういう條項になつております。従いましてこの規定はそういう国の航空機、軍の航空機、定期航空運送事業に従事する航空機以外の航空機は入つてよろしい。しかしそうでない、今申しましたような條項に該当するものは、許可を受けなければ入つていけないという條項と、なおその許可を受けなくても入つていいという規定につきましては、條約では、近づきがたいか、または適当な航空保安施設のない地域の上空に対しましては、特別の許可を受けなければ入つていけないという権利を各国に留保しております。そういう地域に入ります場合には、民間の定期航空運送事業を行うものにつきましても、こういうことが書いてあるのでございます。法文といたしましては非常にめんどうなんですが、趣旨はおわかり願えると思います。
#21
○尾崎(末)委員 一通りわかりました。そこで同條の第四項において「第一項及び第二項の航空機は、第一項各号に揚げる航行を行う場合において航空庁長官の要求があつたときは、遅滯なくその指定する飛行場に着陸しなければならない。」こう規定されておりますが、その「航空庁長官の要求」というのは、どういう場合に要求が起るものであるか。これについての御説明を求めたいと思います。
#22
○大庭政府委員 その飛行機がその国の特権を侵害するとか、あるいは人民に危險を及ぼすというような特殊の場合であります。
#23
○尾崎(末)委員 特殊な場合と申しますものの中に、たとえば航空法の中で禁止してあります爆発物、もつと詳しく申しますれば、兵器、爆彈等を搭載しているという疑いがあるとか、あるいはまた何か特殊の規定に反して、諜報等に関する航空をやつているとか、こういうような場合もこれによつて着陸の要求をすることができるのであるか。
#24
○大庭政府委員 当然できるわけであります。但し無線通信で指令するわけでありますが、着陸しなかつた場合には、飛行機を持つていなければ、これの命令は貫徹しないことになつております。
#25
○尾崎(末)委員 次に移ります。外国人国際航空運送事業、第百二十九條であります。「第百條第一項及び第百二十一條第一項の規定にかかわらず、第四條第一項各号に掲げる者は、運輸大臣の許可を受けて、」さきに申しましたいわゆる登録の資格のなかつたものをここに規定してあるようでありますが、「他人の需要に応じ、有償で第百二十六條第一項各号に掲げる航行(これらの航行と接続して行う本邦内の各地間における航行を含む。)により旅客又は貨物を運送する事業を経営することができる。」この第百二十九條について、その内容をできるだけ具体的に御説明を願いたいと思います。
#26
○粟澤政府委員 これは具体的に申しますと、ただいまパン・アメリカンなど外国の定期運送事業者が運輸大臣の許可を受ければ、外国から飛んで来て日本へ旅客を輸送して来てもよろしいという規定になつております。各国のこれらの航行と接続して行う各地間における航行といいますのは、たとえばアメリカから飛んで参りまして羽田に参つて、それがまた大阪まで足を延ばしたいという場合も、許可を受ければそれはやつてよろしい、こういう規定であります。
#27
○尾崎(末)委員 第百三十條の外国人国内航空運送の禁止、これもただいま御説明のあつたその内容に関連するものでありますか、その御説明を伺いたい。
#28
○粟澤政府委員 ただいま申し上げましたように、許可を受ければ羽田飛行場に一度着いて、それから伊丹の飛行場まで足を延ばしてもよろしいということになるのであります。羽田、大阪間は国内航空の多いところでありまして、各国ともそういう国内の旅客、貨物の輸送は、外国人に禁止しておりますので、この点は日本でも外国の定期航空運送事業用航空機が、国内相互間に運ぶことはいけない、こういう意味の規定であります。
#29
○尾崎(末)委員 わかりました。次に移ります。
 航空運送代理店業の届出、第百三十三條であります。「航空運送代理店業(航空運送事業者のために航空機による運送の契約の締結の代理を行う事業をいう。以下同じ。)又は航空運送取扱業(自己の名において航空機による運送の取次を行う事業をいう。以下同じ。)を経営しようとする者は、運輸省令で定める事項を運輸大臣に届け出なければならない。届出をした事項を変更しようとするときも同様である。」この第百三十三條は、結局航空運送代理店業を行おうとする者はその航空会社との話合いで、その話合いがきまれば届出さえすれば、何人でもこれを行うことができる、こういうことになるわけでありますか。
#30
○大庭政府委員 そうであります。
#31
○尾崎(末)委員 運輸審議会への諮問、第百三十六條であります。「運輸大臣は、左に掲げる処分をしようとするときは、運輸省設置法(昭和二十四年法律第百五十七号)第五條の運輸審議会にはかり、その決定を尊重してこれをしなければならない。一、第百條第一項の規定による定期航空運送事業の免許、二、第百五條第一項の規定による定期航空運送事業の運賃及び料金の認可、三、第百十二條の規定による定期航空運送事業の運賃又は料金の変更の命令、四、第百十四條第一項の規定による定期航空運送事業の譲渡及び譲受の認可、五、第百十五條第一項の規定による定期航空運送事業者たる法人の合併の認可、六、第百十九條の規定による定期航空運送事業の免許の取消又は事業の停止」こうなつておるのでありますが、この條文の中で「第五條の運輸審議会にはかり、その決定を尊重してこれをしなければならない。」こう出ておりますが、運輸審議会においては、一から六までの各項目にあげられておる事柄の可否を決定することができるわけであります。決定というその字句の説明からまず伺いたい。
#32
○大庭政府委員 運輸審議会は大臣の諮問機関でありまして、事業に対する許認可、あるいは料金等に関しまして大臣の諮問に応じて、これらのことをなすことになつているわけであります。どこまでも諮問機関でありまして、決定機関ではありません。
#33
○尾崎(末)委員 そうすると「その決定を尊重して」ということは、少し穏やかでないように思われるのでありますが、この点はどういうことになりますか。
#34
○大庭政府委員 これは運輸審議会の決定を尊重してということになるわけなので、普通慣例としてこういう言葉を使つているらしいのでございます。
#35
○尾崎(末)委員 そうしますと、ここに出ておる決定というのは、いわゆる運輸大臣の諮問機関としてのその意見をさすのであつて、強い意味の、いわゆるあとにあげられた一から六までの項目に対する決定権を意味するのではない、こういうふうに了承してよろしゆうございますか。
#36
○大庭政府委員 さよう御了承願いたいと思います。
#37
○尾崎(末)委員 大体におきまして第一條から第百三十七條までの間の各條章にわたるおもな点につきましての、一通りの質問をこれで終りまして、あと第十章からあとの罰則に関する点を、他の委員の御質問にお譲りいたしたいと思います。
#38
○岡村委員長 坪内君。
#39
○坪内委員 第十章の罰則について質問を申し上げたいと思います。私が申すまでもなく嚴重な罰則を設けて、こういつた事故を未然に防ぐ、さらにまた安全な運行をはかるということは申すまでもないことでありまして、第十章に罰則が設けられてあるということは賛成であります。そこでこの罰則を設けた基本的な方針というようなものについて、一応まずもつて伺つてみたいと思います。
#40
○粟澤政府委員 御承知のようにこの法律は、航空の安全をはかるという点を第一に考えております。そういう点につきましていろいろと規定してありますことがいずれも、お言葉のように飛行機航行安全に密接な関係のあることばかりであります。それに対しましては相当の罰則を付随させまして、その規定の励行をはかるということが必要と存じまして、これらの罰則を設けたわけでございます。
#41
○坪内委員 信賞必罰を明らかにするというような御趣旨のようでございますが、私も賛成であります。
 そこで各條文にわたつて具体的なこまかいことはあとに質問いたしたいと思いますが、この罰則を一通り見ますと、大体搭乘員、乘組員に対する罰則が主であつて、従つてその乘組員と関連の深い会社というものは、密接な関係があるわけだけれども、搭乘員の過失により、あるいは搭乘員の事故によつて、会社側にその責任が及ばないような関係にこの罰則はなつておると思うのでございますが、私はただいまの当局の御趣旨からいたしましても、搭乗員の指導監督の任に当つておるのは会社側でございますので、会社側の搭乗員が、そういつた過失なりあるいは不始末によつて、あるいは勤務の怠慢によつていろいろな事故を生じた場合は、当然会社側がそれに関連して相当の処分なり処罰を受けるべきが当然だと思うのでございますけれども、この内容はほとんど会社側の関係もありますけれども、搭乗員の罰則が主となつておりますが、そういうふうに会社側の関連ということは考えなかつたのかということについて、お尋ねいたしたいと思います。
#42
○粟澤政府委員 ただいまの御疑問は、第百五十九條に使用人その他の従業者が、「違反行為をしたときは、行為者を罰する外、その法人又は人に対しても各本條の罰金刑を科する。」こういうような規定がございまするので、御趣旨のごとく的確に参りますかどうか多少疑問でありますが、そういう趣旨は盛り込んであるつもりでございます。
#43
○坪内委員 第百五十九條の点はその通りでございますけれども、私が申しますのは、そういつた搭乗員の不始末あるいは過失、そういうことにおいて重大なる事故が生じた場合に、運輸大臣が発行するいわゆる耐空証明のごときは、これを取消すというような厳重な処罰規定があつていいのではないか、かように思つておるのですが、単なる罰金とかあるいは科料という程度にとどまつておるのは、いかなる事情でございましようか。
#44
○粟澤政府委員 ただいまの御指摘のような、たとえば事業を停止し、あるいは免許の取消しといつたような、大きな処罰とは必ずしも当らないかもしれませんけれでも、そういう事業の停止あるいは免許の取消しというふうなことも、第百十九條で一応満たし得るようにはしてあるつもりでございます。
#45
○坪内委員 その点はざらに研究することにいたします。
 次に第百四十條に、いわゆる業務上過失致死あるいは傷害と申しましようか、ここでは業務上人を傷害させた関係の罰則規定が設けられてありますが、申すまでもなく、刑法によりまして殺人罪を構成した場合は、「死刑又ハ無期若クハ三年以上」ということになつておりますが、この條文では七年以上ということになつております。私のお尋ねは司法関係になりますので、御答弁がどうかと思いますが、刑法との関係はどういうふうになりましようか。
#46
○粟澤政府委員 特に航空関係の業務上過失致死というようなことは、重く罰する必要があるのではないかという観点から、若干刑法の規定よりも重い刑をここに規定したわけでございます。
#47
○坪内委員 それではその御趣旨から行きますと、第百三十九條に航行中の航空機を墜落させ、あるいは転覆させた場合は、無期または三年以上の懲役ということになつておりますが、これはもちろんその航空機に人が乗つていない場合、あるいは単に航空機の機体そのものを破損または沈没、転覆させたということになりましようから、人が死亡した場合とか、負傷したというような事柄とは違うでしようけれども、そういつた考え方から行くと、いやしくも航行中に故意に航空機を転覆させたり、あるいは墜落させたりした音は、一律に相当の厳罰をもつて報いるべきだと思うのでございますが、こういうふうにわけてやつているのはどういう関係でありましようか。ざらにお尋ねいたしますが、私の考えるところによりますと、百三十九條は人に対する被害はないが、航空機そのものに対する障害であるという建前で、こういうふうに区分してあると思うのですが、その点どうでございますか。
#48
○粟澤政府委員 百三十九條と百四十條のわけ方は、おつしやる通りでございます。
#49
○坪内委員 百四十三條についてさらに要点のみを簡単にお尋ねいたしますが、この規定によりますと、航空機を使用する者がいわゆる合格をしないで航空機を使用するというような事態が生じた場合に、こういう罰則規定になつていると思うのですが、合格もしない者が航空機を使用するということが、実際問題としてあるでありましようか。
#50
○粟澤政府委員 普通に考えますと、ちよつと起り得ないようでありますが、こういう場合も必ずしもないことはないということを考えまして規定したわけでございます。
#51
○坪内委員 百四十四條に「虚偽の表示をして、航空機を航空の用に供したときは、一年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。」ということになつておりますが、先ほど来の信賞必罰という趣旨から言いますと、こういう規定はむしろ軽いのではないか。いやしくも虚偽の表示をして航空の用に供するということは、一旦事故が起きた場合には先ほどの規定にもありますように、航空機を墜落させたり、あるいは人に対して死傷を与えるというような重大なる事故を生ぜしめる原因ともなりますから、もう少しこういう点は厳罰に処すべきだと思うのでございますが、これに対する御所見を承りたいと思います。
#52
○粟澤政府委員 あるいは仰せの通り若干軽いかとも考えられますが、大体他の法律の罰則その他を参照いたしまして、虚偽の表示程度ならばまあこのぐらいというふうな見当で、検務局の方とも相談いたしまして、大体きめた規定であります。
#53
○坪内委員 第百四十五條でありますが「同項の規定による検査を受けず、又はこれに合格しないで、航空機に装備する指定無線通信機器を使用したとき。」あるいは「第六十條の規定に違反して、無線設備を設置しないで、航空機を航空の用に供したとき。」これらは十万円以下の罰金ということになつておりますが、これもいささか軽いのではないか、かように私は考えております。目下国会には提案されていないけれども、御承知の通り通産省から提案されようとしておるところの航空機製造法の原案をちよつと見ましても、製造に対する認可証というものが通産大臣から交付されるようになつて、そうして完全な整備された生産によつて航空機ができ上るという段階になつて、初めて耐空証明というものを運輸大臣が発行するという形になるのではないかと思われるのに、そういう制度もない。あるいは合格検査も受けないような飛行機を運輸省の所管で検査を受け、あるいは耐空証明認可をもらうということが、実際問題としてはないように思うのでありまして、むしろこういう規定は必要ではない。もしこれを必要とするならば、もう少し厳罰に処すべきであるというふうに私は考えますが、そういう点のことについて御意見を承つておきたいと思います。
#54
○粟澤政府委員 航空機製造法によりましても、試験的につくる場合その他につきましての製造法の確認あるいは検査を受けない場合があるように記憶しております。そういう場合にはやはり御指摘のようなことが起り得るのではないかと考えます。またたとえば無線設備にいたしましても、一応設備いたしまして合格したその後になつて、あるいはその設備をとりはずしてしまつたということもあり得るかと思うのであります。こういう例は船舶等の場合に、法定の備品を一応検査のときには備えておくが、その後実際に使うときにはそれだけそろつておらぬということがありますので、航空機の場合もあり得るのではないかと考えます。
#55
○坪内委員 御趣旨はよくわかるのでありますが、いやしくも事人命に関することで、私が申すまでもなく船舶とか、あるいは交通機関である汽車あるいはバスとまつたく異なる事情にありますので、愼重にひとつやつていただきたいと思います。
 さらに第百四十六條についてお尋ねいたしますが、許可を受けないで飛行場を設置した者は、これまた三十万円以下の罰金ということになりますが、事実こういう事態は起らないと思う。もし許可を受けないで飛行場を設置することについては、飛行場の許可を出せばよいのであつて、こういう條文は必要ないと思うのでありますが、その点の御意見を承つておきたいと思います。
 さらに四十七條にも関連して、許可を受けないで航空保安設備などをする者は、もしそういうことをしたとするならば、それぞれの所管省で許可を出せばよいので、こういう條文は必要ないと思いますが、何らかの必要によつてこういうものが置かれておるのか、その点を承つておきたいと思います。
#56
○粟澤政府委員 飛行場を設置した場合に、特に航空庁の許可あるいは検査を受けないで使うという場合はちよつと考えられないのでありますが、ごく小型な飛行機あるいは練習機等につきましては、そういう事例も必ずしもないことはないというふうに考えられるのであります。
#57
○坪内委員 どうもその点は納得できませんが、次に移りたいと思います。第百五十條でございますが、本法案の第三十四條で航空長官の証明、いわゆる計器飛行証明を受けて初めて事業用操縦士あるいは自家用操縦士の資格が得られるようになつておりますが、そういう人々がそういう規定に違反して、計器飛行またはそういう教育をした者については五万円以下の罰金、こういうことでございます。この点は私もちよつと疑問に思いますが、たとえば大学などで航空学を教授をする。すでに御承知の通り各大学などでは連盟とかクラブをつくつて、航空に関するいろいろな研究をやつておる。そういう場合に、大学の教授が航空学に基いて実際の教授をしようというようなことにもなるかと思うのでありますが、そういう点についてこういう規定があると、あるいは学問の自由を押えるようなことになるのではないか、あるいは航空学の教授に支障を起すのではないかということも考えられますが、その点を少しはつきりと御説明いただきたい、かように考えております。
#58
○粟澤政府委員 第百五十條で申しております操縦の教育と申しますのは、第三十四條のいわゆる運輸省令で定める航空機の操縦の教授というふうに、ごく限定して考えております。大学等で航空学を教授するというようなことは、この中に含んでおらぬつもりでございます。
#59
○坪内委員 それでは大学などでいわゆる航空学の教授などで、そういつた学問上操縦の教育をするというようなことについては、これの適用を受けないわけですね。
#60
○粟澤政府委員 それが実際航空機の操縦という実務を教育するということになりますと、今の第三十四條の操縦の教育の條文によりまして、該当すると思います。
#61
○坪内委員 ここで大学の教授なども第三十四條の規定によつて、それぞれの証明を受けておらなければ、大学のそういつた教授はできないということになるわけですか。
#62
○粟澤政府委員 おつしやる通りでございます。
#63
○坪内委員 それではずつと進みまして、第百五十四條のいわゆる航空礎乗組員でございますが、塔乗員に関係する罰則規定であります。いろいろここに各項目にわたつてうたつてありますが、罰金が五万円以下でございます。当初の事航空に関する限り愼重な運営によつてこれを監督しなくちやならぬというような趣旨から行くと、これはことごとく少し罰則が軽いような感がいたしますが、この程度で妥当でございましようか。
#64
○粟澤政府委員 大体罰則を通覧いたしまして、いろいろ程度によつてわけてございますので、本條に規定するような事項は、大体この程度でいいのではないかと考えております。
#65
○坪内委員 次に第百五十六條でございますが、第百二條に基いて、定期航空運送事業者とかあるいは不定期航空運送事業者または航空機使用事業者が、いわゆる規定の検査などに合格しないで運航を開始したということに対して、二十万円以下の罰金ということでありますが、こういうことがもしも事実ありといたしますならば、先ほども申し上げました通り、事人命に重大なる関係を持つものでございまして、さらにまた先ほどもお話申し上げました通り、かりに国会で航空機製造法というものが通過いたすということになりますと、その航空機製造法に基いて厳重な取締りを受けるようになつて、初めて運輸省所管の関係においても、耐空証明などを受けて運航を開始するということになると思いますので、こういう規定で、しかも検査を受けないで、合格をしないで運航を開始するということが、実際問題としてあるのか。もしありとしたならば、かくのごとき二十万円以下の罰金では軽過ぎる。おそらく乗組員にしても塔乗員にしても、そういう関係者はでたらめな乗組員、あるいは合格しない者が乗り組むことにもなろうと思います。この点が納得が行かないのでありますが、こういうことが実際問題としてあるかどうか。もしありとするならば、二十万円以下の罰金では軽過ぎる、かように私は考えるわけでありますが、その点ひとつ御所見を承つておきたいと思います。
#66
○粟澤政府委員 実際問題といたしましては航空事業は、航空機もなければならないし、飛行場もなくては仕事はできないわけであります。またもちろん役所といたしましても、できるだけそういうものは注意をいたしておりまして、こういう事態はないように努力するつもりでおります。但し規定といたしましては、やはりそういう違反があつた場合には罰を科することが必要であるというところから、規定しておるのでございます。あるいは二十万円というふうな罰金は軽いというお考えもあろうと思いますけれども、これにつきましては他の方に両罰規定もございますし、あるいは運航従事者あるいは機長の責任というので、機長の処罰規定もございます。必ずしもその規定だけでなくて、総合的に罰則を適用して行けるわけであります。かれこれ適用いたしまして、大体この程度でいいのではないかというように考えているわけであります。
#67
○坪内委員 第十章の罰則の規定につきましてはいろいろと意見がありますけれども、時間の関係もありますので、本日は一応この程度にとどめておきたいと思いますが、申すまでもなく航空の事故防止ということにつきましては、ひとりこういつた罰則規定があるから、完全な運航ができるのだということは考えられないのでありまして、その点につきましては政府においても愼重にお考えのこととは思いますけれども、十分に考慮してほしいと思うのであります。さらにまたこの航空法案の通過後におきましても、航空機製造法というような法律案がまさに提案されようとしておるやさきでございまして、これからの適用を受ける業者あるいは乗組員といつた関係の者は、非常に複雑な法律によつていろいろと取締りを受けるような関係にありますので、飛行機の運航の安全を期するためには、そういつた関係の諸法律も必要でありましようけれども、できれば簡易な法律あるいは取締りによつて、完全な運営ができるようになることが理想だと思うのであります。そういう点も十分考慮を払われまして、航空の事故防止ということについては、愼重な態度で臨んでいただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終ります。
#68
○岡村委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後二時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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