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1951/06/17 第13回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第45号
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1951/06/17 第13回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第013回国会 運輸委員会 第45号

#1
第013回国会 運輸委員会 第45号
昭和二十七年六月十七日(火曜日)
    午後一時五十七分開議
 出席委員
   委員長 岡村利右衞門君
      岡田 五郎君    尾崎 末吉君
      片岡伊三郎君    黒澤富次郎君
      關谷 勝利君    玉置 信一君
      坪内 八郎君    畠山 鶴吉君
      前田  郁君    滿尾 君亮君
      山口シヅエ君    石野 久男君
 出席政府委員
        通商産業事務官
        (通商機械局
        長)      佐枝 新一君
        運輸事務官
        (大臣官房観光
        部長)     間嶋大治郎君
        運輸事務官
        (自動車局整備
        部長)     中村 俊夫君
 委員外の出席者
        参議院議員   石村 幸作君
        専  門  員 岩村  勝君
        専  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
六月十六日
 委員玉置信一君辞任につき、その補欠として鹿
 野彦吉君が議長の指名で委員に選任された。
同月十七日
 委員鹿野彦吉君及び滿尾君亮君辞任につき、そ
 の補欠として玉置信一君及び田中萬逸君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員田中萬逸君辞任につき、その補欠として滿
 尾君亮君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 旅行あつ旋業法案(参議院提出、参法第七号)
 自動車行政に関する件
    ―――――――――――――
#2
○岡村委員長 これより会議を開きます。
 旅行あつ旋業法案を議題とし、これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、これを許します。畠山君。
#3
○畠山(鶴)委員 ただいま提案になりました旅行あつ旋業法案につきまして、私は二、三お尋ねしておきたいと思います。この旅行あつせん業は、かねてより業者の間において、何かはつきりした法律をつくらなければならないというのが一般の声でありまして、たまたま参議院におかれまして石村先生がこの問題を取上げて、これを法案化されたことは、私は趣旨としては賛成であります。ただこの機会に二、三お尋ねしたいことは、このあつせん業というのは今までばらばらになつておりました。俗にいう野放し式の営業政策になつておりましたので、ややもすればこれに誤解を招くような点が幾多あつたのです。一つの例を申し上げますと、何々旅館の専属案内人とか、あるいはあつせん業、あるいはある会のあつせん業者であるとか、いろいろに名称を異にして、今までいろいろな形でもぐつておるようなことがしばしばありましたので、業者の立場から非常に苦しんでおる点がありましたことと、それから旅行に対しますところの一番大元締めであります交通公社が、在来からあつせん業を目的としてすべての政策を推進しておりました関係上、まず交通公社は今後これらに対しましてどういう意見を持つておられますか、一応お尋ねしてみたいと思います。
#4
○石村参議院議員 俗に案内所といつておりますが、この法案にいうあつせん業であります。これが御説の通りいろいろな状態で多種多様、しかも数もほとんどわからないくらいたくさんあるのでありますが、現在調査いたしました数が三百三十幾つ、外人を扱うのが十五、六、こういう状態であります。もちろんこれは運輸省で調査した数でありまして、これ以上相当の数があると思うのであります。もちろん今御説の通り、その三百数十の中にも、たとえば旅館の直接案内のようなかつこうになつているのもあります。私の記憶しておるのでも、たとえば旅館から一定数の出資をさせまして、そうしてやはり営業は普通のあつせん業者と同じ営業をやつておるのもあります。一応この法律によりまして、全国のこういう業者を把握するということがまず第一番にできる。そこで今後この法律の定めるところによつてこれを取締り、同時にこれに規正、助長させる、こういう意味でこの法案を効果的にしたい、こういうつもりであります。
 次にこの交通公社が御説の通りわが国のあつせん業者の最有力の優良なる業者であるということはもう御承知の通りでありまして、交通公社としての意見といたしましても、この法案に対してあまり保護助成の意味がないという点を非常に心配しておられたようであります。しかしこの法律が成立いたしますれば、つまり登録をしない旅館業者、これはもちろん法によつて営業はできないのであります。登録した業者もこの法律に基いて今までのような不正なことはしなくなる、つまりこのあつせん業を営んでいるものがみな向上する。つまりあつせん業に対する信用というものが非常に高まる、こういう点をよく説明いたしまして、交通公社も納得されたのであります。すなわちこの法律には直接助成の面が欠けていることは事実でありますけれども、一応この法律をつくつて、そうして全国の業者の数を把握し、それからその内容をよくきわめまして、そうして次にまたこれらの業者の助成面についてもいろいろ考案できる、こういうふうに考えているのであります。
#5
○畠山(鶴)委員 ただいま石村議員の説明一応納得できますが、ちよつと納得できない点もあります。私は一番主要でありますところの交通公社は、これを非常に考えているじやないかと思われる一点と、それからここにありますこの許可制に対しましては、運輸大臣がこれを許可するということに一応なつているようですが、これらに関連しましてホテル整備法の問題にしても、いまだ運輸大臣の権限がありながらに薄弱な点がある。これと同一にあつせん業の許可問題にしても、こういうようなきらいがあるのじやないかということを、まず観光部長に一応お伺いしておきたいと思う。
#6
○間嶋政府委員 この法律によりますと、旅行あつせん業者は運輸大臣によつて登録を受けなければならない、こういうことに相なつているのでありますが、登録の条件を見ますと、第六条にいろいろございまするが、その中に「登録の申請前二年間に旅行あつ旋に関し不正な行為をした者は」登録を拒否しなければならないと、こういうことに相なつております。いずれにしろこの条件に該当している者は登録を拒否しなければならないが、それ以外のものは運輸大臣としては登録しなければならない、こういうことに相なるわけであります。またそれ以外の監督条項としましては、登録後にこの法律に違反するような行為、あるいは不正なる行為があつた場合は登録の取消しをする、あるいはまた料金の届出がありました場合に、不当にそれが高額である場合には取消しを命ずることができるというのが、大体この法律の監督の内容のようでありますが、運輸大臣といたしましてはもちろんこの法律にきめられた範囲内で指導監督するわけであります。この法律の定められたところにより、またその趣旨に沿つて十分なる指導監督をしなければならない、こういうふうに考えている次第でありますが、交通公社に対しましては一般的に交通公社が公益法人といたしまして、運輸大臣の監督下にあるわけであります。それでありますので、この法律でもつてもちろん旅行あつせん業による監督、交通公社の行う事業全般について、運輸大臣が主管大臣として包括的監督権を持つている、こういう立場に立つております。でありますので運輸大臣としては普通の業者よりも交通公社に対して、これが公益法人であるという理由によりまして、十分公益性を発揮するように監督しなければならな
 い責任があるわけでありますが、その点につきましてはわれわれも運輸大臣
 の命を受けて十分いたしているつもりでりますが、間々いろいろ悪評等もあります。この点につきましてはこう
 いう旅行あつせん業法がもし出ましたならば、さらに指導監督を強化いたしまして、いやしくも公益法人であつて、今石村先生の言われましたように最有力の旅行あつせん業者が、他の業者あるいは一般の業者から指弾を受けるというようなことのないように努力いたしたいと考えております。
#7
○畠山(鶴)委員 観光部長の御答弁はいつも同じような穏当な御答弁で、一応わかる点がありますが、私のお伺いする点は、ホテル整備法の特例を見まして、このホテル整備法の監督方面についていささか薄弱のような点がある。しかしこのあつせん業法ができてもかような薄弱な点があるということは、ホテル整備法によりますと融資のあつせん問題あるいは取締りの問題が、厚生関係と建設関係といろいろまたがつているので、非常にやりにくいということがはつきりわかつております。同時に運輸大臣が許可いたしましても、観光方面については運輸省の観光部がこれを全部担当されている。そのもとの根本が薄弱なために、せつかくの機構を持ちながらその取締りがゆるいといいますか、どうも権限が薄弱だといいましようか、そういうような点がしばしば見えますので、この機会に私どもはこのホテル整備法とかみ合せまして、旅行あつせん業者に確たる信念のある法律をつくつていただきたいということをお伺いするのですが、これらにつきまして運輸大臣にしても提案者の石村先生にしても、どうもあまり私ははつきり答えられないだろうと想像いたしますが、しかし今後この点は十分権限のあるような措置を講じていただきたいということを付言いたします。
 続きましてさつき案内業者の関係で途中になりまして恐縮でありますが、現在バスが非常にはやりまして、熱海、伊豆伊東方面には一日に何百台というバスが行つている。このバス会社もしくはこのバスの運転手、車掌さんが、ほとんど旅行案内人の役割を果している。たとえて言えば前に今度ひとつ運転手さん、車掌さん、あなたが私のうちへお客様を連れて来てくださいといえば、その人と約束しておればそのうちにばかりそのバスのお客様を連れて来る。ですからこれは一体業者といいましようか、営業といいましようか、今後あつせん業ができた場合に、これらを取締る方法があるか、またこれらの問題について法律の取締りができるかということをお伺いしてみたいと思います。
#8
○石村参議院議員 バスの場合は二色あると思うのであります。つまり普通の、この法律案でいいます第二条の
 一、二、三とありまして、一の場合の普通のあつせん業者がバスを利用して案内する場合と、それから交通会社自体が案内をやる場合と、二つあると思います。そこで今のお話のバスの従業員が直接そういう行為をする場合に、普通の交通機関を持たない場合ですと、これは決して案内人の直接の仕事ではないと思います。そこでこの第二号の自分でみずから運輸機関を持つている場合ですと、これはみずからあつせん業を営むのでありますから、その従事員は直接その会社の使用人として関係があると存じますので、取締る場合にはいずれにいたしましても取締りができることと思いますが、交通機関を持つていない、他人の交通機関を利用した場合ですと、直接使用人にこの法の適用はできないと思います。従つてそれはそのバスを頼んだあつせん業、その方に責任が行くんじやないか、こう考えております。
#9
○畠山(鶴)委員 これは非常にデリケートな問題で、ちよつと答弁にも困る問題だと想像いたしますが、現在において何々旅館なら旅館へ約束しておりましたそのバスが、その運転手、車掌のいかんによつて、それが乙の旅館に持つて行かれてしまう例がたくさんある。甲の旅館では一生懸命で待ち受けて、お客様が来るのを待つていると、その自動車はあちらの旅館に行つ
 てしまつて、こつちへはもう来ないというようなことがしばしばあるのですが、この取締り問題が実際そこまで監督ができるか。実際これはあり得ることでありますが、その点につきましてひとつお伺いしたいと思います。
#10
○石村参議院議員 今の御質問の趣旨はよくわかりましたそういう場合が特に観光地には往々あるように見受けられます。そこでこの被害を受けるのは要するに施設を持つている旅館業者でありまして、必ずそこには一つの不正が存在していると思いますので、法律ができますればそういう場合にはその被害を受けた旅館が、そういうことを監督する当局に報告なりしていただく、そうすればこれに対してその行為が不正であつた場合には、相当の委員会がありまして、そこで審査して、たとえば登録を取消すとか、また一時中止とかいうような処分の適用ができる、こう思つております。
#11
○畠山(鶴)委員 一応わかりましたが、この点につきましては私は何らか取締る方法を強固に考えていただきたいのです。在来から言いますと、旅館が食事のしたくまでしてよそへ持つて行かれて、しりの持つて行きようがなくて困る例がたくさんありますことと、今後これらを取締る上において、このあつせん業の法律が確立することができ得るかという問題です。とにかくだれでも少しぶらぶらしている者は、お客でも連れて行つて幾らかでももらおうという、もぐりの多い商売であります。これにつきましては旅館の番頭問題なんか、重要な問題がたくさんありますけれども、これとは法律を異にしておりますから申し上げませんけれども、ややもすれば一番やりやすい、一番ずるい、一番簡便にできる営業でありますから、これらの点を十分に留意していただきたいと思います。
 次にお尋ねしたいことは、このあつせん業の法律ができた場合におきまして、国鉄営業所との関係であります。現在国鉄営業所と交通公社の関係が微妙になつております。在来におきましても交通公社関係とかあるいは弘済会関係というものはいくら法律を定めましても、一種独特の権限を持つておる。交通公社、弘済会等の事業に対しては、結局法律の方が負けるような形になつておりますが、これにつきましてこの営業所と交通公社はあつせん業でありますが、これらの取締りに対する見解についてはどういうようなお考えを持つておりますか、お伺いしてみたい。
#12
○石村参議院議員 今お尋ねの国鉄の営業所といいますけれども、名前は国鉄営業所でありますけれども、あれはたとえば昔の運輸事務所のように考えております。その運輸事務所の中に営業係というものがありましたが、そういうふうに旅客輸送に関する出先機関と考えておりますが、現在の国鉄営業所、たとえば横浜営業所、熱海営業所、こういうところの仕事はこの法にいうあつせん業ではない、こう考えております。今の交通公社の場合は当然ここにいうあつせん業であり事事が、国鉄の営業所は対価も得ておりませんし、またこの法律の二十七条ですかにもうたつてあります通り、国鉄の仕事一切はこの法律から除外されておるのであります。国鉄がみずから案内し、また請負的に自分で鉄道団体をつくつて輸送をする、こういうふうなことも現在は事実行われておりません。またあるかもわかりませんが、こういうふうなのはこの法から除外してある次第であります。
#13
○畠山(鶴)委員 そこのところが非常に漠としておりますが、きようは国鉄営業所の方も見えておりませんようですから、はつきりしたお尋ねはできませんが、現在国鉄は全国に一万軒近い推薦旅館を持つております。これは旅館業者の大部分を占めておる。しかるにこの会合は、御承知の通り各地区でしばしば客のあつせんあるいはいろいろの点で協議をされておりますが、実際の表面に現われたものは、今の国鉄営業所の使命は那辺にあるかということに非常に苦しむ問題であります。この機会にあつせん業者ができるならば、国鉄営業所はこのあつせん業を指導してやつて行くつもりがあるのか。これらと国鉄営業所は別個のものであるという見解をはつきりしておく必要があるのじやないか。そういたしませんと、この問題は今後大きな問題になつて来るのではないか。しかし私の希望としては、鉄道営業所ができた以上は、この営業所ももつと活発に、つまり業者の推進をはかつていただかなければいかない。現在地区的の寄合い等においてはしばしば行われておりますが、表面にこれが出ていないことは、どこかに欠陥があるのじやないかと考えられます。この点につきましてのお考えはどうでありましようか。
#14
○石村参議院議員 国鉄の営業所は先ほども申し上げました通り、決してこの法律でいうあつせん業者ではございませんので、そこで国鉄の営業所の任務といたしましては、これは私が答弁するのは少し僭越かもわかりませんが、私の考えといたしましては、このあつせん業者を育成して行くという立場には当然立つべきはずであります。同時に今畠山委員のおつしやられた通り、この法律でいう利用する設備を持つている。すなわち交通業、バスとかその他の交通業及び旅館、こういう面に対してこれが育成をして行く、それから指導をして行く、こういう立場であることは、これは当然過ぎるほど当然と考えておりまして、今後ますますそういう方面において推進してもらわなければならぬと考えております。
#15
○畠山(鶴)委員 どうも石村さんではつつ込んで御質問ができないので、まことに躊躇しておりますが、私は今後かような法律ができ、かような機関がある以上、ことに運輸省の観光部もありますから、これらの機関によつてもう少し強固なりつばな推進ができるように、法律ばかりできてもただ名前だけで終るような結果でなく、今後このあつせん業の使命というものは重大であります。日本は観光問題によつてまずこれを確立し、見えざる貿易として外貨の獲得をいたし、祖国の経済自立をはかることは今いうまでもありません。その玄関口を扱う、その一線のお客を扱う人が薄弱であつてはならぬ。これはりつぱな人間を育成して、そうしてりつぱな使命を果すようにしてもらいたい。このあつせん業者ばかりでなく、旅館の女中にしても、番頭にしても、まずお客さんが来て気分をよくしてもらおうという、第一線を扱う者の教育、育成という面に、まだ日本の法律、すべてのことが欠けていることは申し上げるまでもありませんが、いやしくも一番先に法律としてあげたあつせん業者のこの任に当る方は、りつぱな人間をつくるということが最も賢明な策だ、これが一つの基本ともなろうと思いますので、私はこれらの点を強く強調いたす次第であります。しかしこのあつせん業のできることにつきましては、ぜひ私はりつぱなものをつくつていただきたい。この法律につきましては全面的賛成の意を表するものであります。一応私の質問を終ります。
#16
○岡村委員長 岡田君。
#17
○岡田(五)委員 簡単に二、三お尋ね申し上げます。まず第一にこの旅行あつせん業につきましては、この法律に基きまして、外国人または外国法人もまたこの法律の適用を受けて登録すれば、日本国内において旅行あつせん業ができるものと解釈するのでありますが、さように解釈してよろしゆうございますか。
#18
○石村参議院議員 御説の通り外国からたとえば登録するとか、その他の外国の案内人とか、それが日本に出張所または営業所を出します。その場合はやはり日本人同様にこの法を適用することはもちろんであります。
#19
○岡田(五)委員 それでは次に移りまして、第十二条の旅行あつせんの料金でございますが、これは大臣に届け出るということになつております。この料金は私よくわからないのですが、大体旅行あつせんを依頼した旅行者の方が出すものなのか、それとも旅行者がとまる宿屋が実際は出すものなのか、通常の慣例でもけつこうでございますが、お話を願いたい。またこの法律ではどつちを期待しておられるのか、あわせて御説明を願いたいと思います。
#20
○石村参議院議員 この法でいいますいわゆる対価を得てという、この対価というのはお客から、つまり依頼者からとる手数料だけでありませず、たとえばバス等の交通業者及び旅館から俗にいう割もどしをとる。これもこの対価とみなしております。従つて御存じの通り両方から手数料及び実費を割もどしの形式で対価を得ることが認められるのであります。
#21
○岡田(五)委員 そういたしますると、旅行者からもとり、バス業者からもとり、旅館業者からもとる、三者からとるという場合も予想できますし、また旅行者とバス業者からとる場合と、また旅行者だけからとる場合と、一者を選び、二者を選び、三者を選ぶ場合が考えられるような御答弁でございまするが、その合計額がはたしてきめられた料金に超過しているか、していないかというようなことの判定は、非常にむずかしいのじやないかというように考えるのでございますが、その点はどうでありましようか。
#22
○石村参議院議員 ごもつともなお尋ねであります。主としてこの旅館の手配を依頼するとか、それから客室を予約するとかという、こういうのは今までの習慣上旅館から割もどしをとつておるように存じます。たとえば交通公社においては、今度旅館券、クーポン、これを発行しております。そういう場合には旅館から割もどしをとつておると存じます。こういうようにやつております。それから第二条の三号にあります主として団体募集をし、請負でいろいろの団体の案内する、こういう場合に二色あると存じます。つまり今の旅館及び私鉄またはバス等から割もどしをとる形式でやつておるのと、それからその料金を、事実上の実費をみな書き出して、五分とか、ある一定の率をかけた手数料をとる、こういう二色をやつておるのもありまして、まちまちであります。そこでこの法律ができますれば、一応今までの習慣的に行われている、また今後行おうとしている料金を各業者からおのおの届出をさせまして、そうするとここに全国のこういう業体がどういう線でやつているかという内容が一応把握できますので、それを検討いたしまして、そうしてあまりに高価に失するものは、監督官庁でこれを是正してもらう、こんなふうに考えております。
#23
○岡田(五)委員 十二条の二項の二でございます。「特定の者に対して不当な差別的取扱をするものであるとき。」これはあつせん業を営む者に対して変更を命ずる場合でありますが、先ほどお話がありましたように、旅館業者が旅行あつせん業者にいろいろ割もどしをする。この割もどしの額に、旅館によつていろいろと厚薄が――厚薄というと何でありますが、差があるだろうと思います。非常にたくさん割もどしをしてくれる旅館に対しては、先ほども畠山さんが言われるように、バス業者なり旅行あつせん業者が、旅行者の希望いかんにかかわらず、割もどしの多い宿へ持つて行くというような場合が出て来ると思うのでありますが、そういうような場合もまたこの特定の者に対するところの差別的な取扱いをなすものという条項に当てはまるものなのかどうか、御答弁を願いたいと思います。
#24
○石村参議院議員 今お尋ねのような事実は、確かに存在していると思つております。そこでこの特定の者に対して不当な差別的取扱いをなすもの、これはいろいろな意味があります。たとえば外国人のごときは、日本の事情がわからないというので、また特に不当な料金をとるようなこともある。また今のお話のいわゆるよけい割もどしをくれるところへお客を曲げて連れて行く。こういうふうなことは、当然これに該当するのでありまして、そこでこれは一応あらかじめ料金が届け断られて登録されておりますので、もしもその登録してある料金以上のものを、こういうふうな他の旅館へ持つて行つて、よけいもらつたというようなことがあると、これに該当すると思うのであります。従つてここで処分をすることができる、こうはつきりしております。
#25
○岡田(五)委員 もう一つ二つ、ごく簡単にお尋ねいたします。この登録の事務でございますが、この法文には運輸大臣に登録することになつておりまするが、もちろんこのお役所の窓口としては地方陸運局なり地方海運局が一応の窓口になつて、運輸本省に上申されるものと私は考えるのでありますが、さように考えてよろしゆうございますか。
#26
○石村参議院議員 届出の場合は、外国人を扱うあつせん業は、これは運輸省の出先機関、海、陸運局に届け出ます。そうして法人の場合には、この委任事務といいますか、職権の委任をするというので、都道府県に届け出ることになつております。その内容は登録のこと、また登録の変更の場合、料金の届出及びこの報告の聴取、こういう点について届出一切を都道府県知事に扱つてもらうべく、職権を委任するわけであります。
#27
○岡田(五)委員 それから十九条のこの登録の取消しの場合がありますが、この取消しの場合、また登録の抹消の場合でございまするが、これは運輸省においては、運輸審議会におかけになり、この取消しの命令または抹消をされるのでありまするか、さような諮問機関に諮問せずに、運輸大臣の独断――独断という言葉は強いのでありますが、単独で御判断なすつた行政行為でこれをおやりになるのですか。その点提案者の御説明を願いたいと思います。
#28
○石村参議院議員 そういう行政的処分をする場合には聴聞をいたします。これはあらかじめ場所、時期をきめまして、この聴聞を公開いたしまして、そこでよく審議してこれを決定いたします。
#29
○岡村委員長 坪内君。
#30
○坪内委員 二、三簡単にお尋ねいたしたいと思います。この法案について私は反対ではないのでありますけれども、少し物足りない点もありますのでお尋ねしてみたいと思うのでありますが、大体私の気持を常識的に申し上げますと、こういう法律は私はいらないというような気持もあるのであります。そこでこの提案理由の内容にもございますように、こういう法律ができたということは、国内におけるいわゆる悪質の旅行あつせん業を営むものがおつて困つておるから、こういう法律にしたということでございますが、大体そういう悪質の旅行あつせん業を営むものを取締る、あるいは監督するということにつきましては、こういう法律をつくらないでも、現在担当しておる監督の立場にある観光部なりあるいは出先のそれぞれの関係業者なり、あるいは新聞なり、あるいは雑誌なり、あるいはラジオなり、そういつた適当な啓蒙機関をもつて、こういう悪質の者がおるぞということを、大衆の旅行者なりあるいは旅行しようという計画をしておる団体なりによく啓蒙すれば、こういう法律の必要はないのであります。こういう法律をつくつて、非常に何かまた登録までさして、いろいろ複雑なことになつておるようでありますが、そういうことで私は取締りができるんじやないかということも考えますが、そういう点について提案者なり政府当局の説明員なりにひとつ御説明を願いたいと思います。
#31
○石村参議院議員 お説の通り万事世の中のことが道徳的にまた徳義的に、道義を尊重してやつてもらえれば問題ではないのでありますが、特にこの旅行のあつせん業につきましては、過去の例に見ましても非常に不正行為が行われております。提案理由にも説明申し上げました通り、その被害者となるのは、主として利用される設備としては旅館、交通業者等でありますが、旅行者のうちで一番たくさんの被害を受けるのは学校がおもであります。また金額が一番多額に上るのも学校であります。その跡始末となると非常に困るのでありまして、いろいろな方法で道義を高揚さして、お互いにこういう不正が行われないようにする。それは当然で、けつこうな話でありますが、現在におきましても、この法律がなくても、刑法的の不正な行為は当然現行法で取締りが行われるのでありますけれども、その裏をかくといいますか、非常に悪質なものもたくさんありますので、やむなくこういう法律をつくつて、一応現在の業態を把握しまして、今後そういう不正を断つと同時に、たくさんあります業者を育成して行く道も講じたい。そこでこの法律は、先ほども畠山委員からお説があつた通り、非常になまぬるい法律であることは確かであります。すなわち許可制でなくしてただ登録であります。こういう自由営業でありますので、あまり圧迫を加えないで、一応登録さして全国的に業態を把握しよう、こういう意味であります。
#32
○坪内委員 提案者のお述べにならんとする趣旨はよくわかるのでありますが、ただいま提案者がお話になりましたように、こういつた悪質のあつせん業者にひつかかるものは、主として学校とかそういつた団体が多いというお話でございます。それならば私が先ほどお話申し上げた通り、そういう特定の団体に限られておることであるから、そういう団体に対して何らかの通信の機関を通じてか、あるいはその他のいろいろな方法で、その特定の団体を啓蒙して置けば、そういう悪質のあつせん業者にひつかかることがないのであつて、その面を私は啓蒙しなくちやならぬ、かように考えますので、私の言うことと提案者が言われることと少し話が違うのではないか、かように思つております。
 それから第二点は、こういつた悪質の業者は、大体東京とか大阪とかあるいは京都というふうな、大都会を舞台にするものが非常に多いと思います。従つてそういう大都会を舞台にして、いわゆる悪質のそういつた詐欺的行為をしなければ、もうけも薄いだろうし、寒村僻陬の地に行つてこういう詐欺行為をしようと思つても利益にならないから、そういうところでは犯罪はあつても少いと思います。そういう関係からそういつた大都会のみに主として行われるような犯罪を、広く国内全般を取締ろうとするこういつた法律を施行しようということは、私はどうもふに落ちない、かように考えるわけでありますが、その点の二点をお伺いしたいと思います。
#33
○間嶋政府委員 最初にこういう程度の法律がはたしていいかどうかというようなお話につきましてお答え申し上げますが、先ほど石村先生からもお話がありましたごとく、最近旅行が非常に自由になりましてから、旅行あつせん業者が非常にたくさん出て参りまして、その反面弊害も非常に多くなつた。またその弊害が学校の修学旅行等に一番多いということは事実でございます。これにつきましては、われわれも十分な関心を持つておりますが、われわれ教育委員会等におきましては、教育上に及ぼす影響も非常に多い。ことに詐欺等にかかつた場合に、非常に大きな結果を及ぼしますので、この点では十分な関心を持ちまして、修学旅行研究会とか、そういうふうなものも持ちまして、こういうものの指導に努められておられるようであります。しかし実際問題としましては、今までのところまだこの弊害を十分除去するまでには至つていない。と申しますのは、私どもの見まするところでは、ことに学校等を対象とする修学旅行というものが、旅行あつせん業者から見ますると、もうけが割合多くて、手があまりかからなくて、しかもはつきり言えばだましやすい、こういうところにあるのではなかろうかと思うのであります。そういうことによりまして関係方面では非常に関心を持つて、ひつかからないようにということでいろいろ研究会をやつたり指導をやつておりましても、事実まだそういう事態が相当各方面で惹起されておるのであります。文部省系統におきましては、これは前から非常に待望せられておりまして、むしろ登録制度では手ぬるいというようなことを盛んにやかましく言われておるのであります。
    〔委員長退席、黒澤委員長代理着席〕
そうしてこういう仕事を、できれば自分の方でもやつてもいいというようなことまで実は言われておるのであります。もちろん今お話のように適当な方法で注意を喚起し、業者の良識に訴える、またいい業者を推薦するといつたようないろいろな方法はございますが、しかしそういうことによりましてはやはり限度がありまして、これまで起つておりますいろいろな弊害を除去するまでには至らない、こういうふうに私どもは考えております。ことに悪質業者は一度やりますと味が忘れられないのか、名前をかえたり場所をかえたりしまして、方々へ行くわけですが、それがいくら集中方法を講じましても、やはり非常に詐欺的行為のうまい者はどこへ行つてもうまいので、ひつかかるものが多い。結局この法律によりますと、過去二年間に不正行為をやつた者は登録できないことになつておりますし、またそういう不正行為をやれば登録が取消されて仕事ができないということになつておりますので、そういう意味におきましては悪徳業者の根絶ということには、相当の効果を発揮するのではなかろうか、こういうふうに考える次第でございます。それから第二番の、大都市に主として多いから、こういう一部にのみ起る現象の問題を全国的に施行するのはどうかというお話でございました。確かに修学旅行は都会へ来る場合がかなり多いのでありますが、しかし実情を見ますと、たとえば東京等を囲む関東の各県、これは結局東京を控えておりますために、東京へ修学旅行なり団体なりを送り出すための業者がかなりおるのであります。また関西におきましても同様な現象があります。それから九州等へ参りますと、やはり阿蘇とか別府とか、そういう北九州へ送り出しますために、北九州の各県には業者が多いというふうな関係で、観光地あるいは大都市に業者がおりますと同時に、そこへ送り出すための業者もかなり全国的に存在しておるということも事実でございます。
#34
○坪内委員 そういつた観光事業あるいは観光行政について、絶えず熱心にやつておられる当局に対しては私も敬意を表するものでございますが、ただいまいろいろ御説明がありましたけれども、どうも私たちと考え方が違つておるようであります。特に文部省の教育委員関係、あるいは文部当局関係の者からもそういつた要望が強いというようなことは申されておりましたが、大体犯罪者の心理状態をよく聞きますと、警察と教員は一番だましやすいというようなことを聞くのであります。非常に単純であるというような関係から、特に教育関係の者なんかは非常にすなおな人たちが多いために、すぐひつかかるということもあつたように聞いております。だからむしろ私はそういう点も関心を持たなくてはならぬし、さらにまた教育の力でもう少し道徳を高揚して、そういつた犯罪の起らないようにするのが理想でありましようけれども、現実はそうではない。そういう点もよくわかります。しかしながら先ほど私が申し上げました通り、こういつた団体が主として悪質の業者にひつかかるということであるから、その団体者というのは、団体の一個人一個人がそういつた悪質の業者にだまされたり、ひつかかるのではなくて、それを指導して行く引卒者、あるいはそれを世話する世話係というものが、うつかりしてそういう犯罪にひつかかる。私たちも中学以来大学に至るまでいろいろ国内、国外を旅行したり、また団体旅行もいたしましたが、その引卒者なり、あるいは世話人なり、あるいは統卒者がしつかりしておれば、決してこういうことにはかからないというのが実情であります。そういう関係から、私が言わんとするところは、こういう法律を広く用いるのではなくて、そういう特殊の団体の引卒者なり指導者を十分啓蒙して、そういつた面ではつきり連絡をとつてさえおけば、そういう犯罪にかからないだろう、私はそういう指導者に対して何らかの方法で啓蒙しておく必要があるということを申し上げている次第であります。従つてそういう点は釈迦に説法でありましようけれども、ひとつ十分考えていただきたい、こういうふうに思うのであります。さらにこれを取締る、いわゆる行政面に当る者は、実際犯罪が上ると、警察のいわゆる司法上の問題にもなるかと思いますが、実際取締りの面といたしまして、そういうあつせんでだましたという場合は、一体どういうようなことで取締るのか、たとえばそういう犯罪者を見つけた、それを警察に通報して警察官が来て、それを取締るのか、あるいは何かそういつた担当の運輸省所管の関係においても、尾行して密告するとか、それを報告するとか、一体現実の問題としてはどういうぐあいにして取締ることになるのでありましようか、その点を政府に伺います。
#35
○間嶋政府委員 この法律がもし通りました場合の取締り方法でございますが、これにはいろいろあると思うのであります。刑事上の犯罪になるほどのことでありますと、これはもちろん警察の問題にもなりますので、十分警察と連絡をとつて行くことになると思うのでありますが、それ以外に、刑事上の問題がなくても、旅行あつせんの内容が不正あるいは不当だと思われるようなこともかなり多いのであります。実際問題としてその内容を一々把握することは非常に困難でありますが、われわれの考えておりますのは、やはります第一には業界の協力を求める。現に二百あるいは三百の業者を擁する旅行あつせんの団体がございます。こういうところが非常にこの問題につきまして関心を持ち、また業界の粛正向上をはかりたいという意図を持つておられますので、そういうようなことについては十分団体の協力を求めたい。別に密告を奨励するわけではありませんが、そういう粛正を意図しておられる団体もありますので、そういうような努力をして行きたいということでおるわけであります。それから料金等につきましては、この法律に基いて届け出た料金以上にとらないことを監督をしなければならないわけでありますが、もちろん不正行為がありました場合に、この法律を周知させることによつて被害者からの申入れということもありましようが、それをまたずにこの仕事を委任されました地方の都道府県あるいは陸、海運局の職員を適当に派遣する。一々全部やるわけには参りませんが、適当に派遣してやらせる。それから学校等につきましては、たとえば東京の教育委員会に連絡をとりますと、修学旅行につきましては学校に全部報告を出すことになつておるのであります。その結末について報告を出さなければならないことにもなつておりますので、われわれはその方面にも連絡をとることによれりまして、修学旅行中に起きたそういう事件についてもある程度把握することができるのではないか、そういうふうに存じておるのであります。とにかく旅行の内容が千差万別でありますので、これを一々チエツクすることは実際問題として確かに困難ではありますが、そういうようないろいろな方法を併用するよりほかにいたし方がないのじやないか、そういうふうに存ずる次第であります。とにかくもしこの法律が実施されましたならば、不正の根絶ということが目的でありますからして、関係の職員を動員すると同時に、関係団体の協力を求める、また教育委員会その他との連絡を十分にし、警察その他とも絶えず連絡をとりまして遺憾のないようにいたしたい、こういうふうに存じております。
#36
○坪内委員 簡単に質問して終りたいと思います。いろいろ今お話がございましたが、これを実際に取締るということになると、いろいろとむずかしい問題が出て来るのではないかと思いますので、その点は十分に慎重にひとつやつていただきたい。そこで提案理由にもいろいろ御説明がありましたが、この法律の出た理由は、将来そういう悪質の業者が続出するようなことが予想されるからこういうことになつたのか、あるいは過去の実績から見てそういう悪質の業者を取締ることができないような事態にあつたからこういうことになつたのか、あるいはその両面からということであつたのかどうか、その点をお伺いいたしたい。
#37
○石村参議院議員 ただいまのお尋ねは、過去を見ましても事実そういう不正な実績がたくさんあつたのであります。それをほつておきますならば、今後も必ずそういうことが行われる。むしろ旅行の普及とともにますますこれが拡大されて行くのではないかと考えております。そこでこの法律を提案する必要を感じましたのは、ただ単にそういうふうな被害者からだけの要望でなくて、あつせん業を現在まじめに営んでおるあつせん業者自体からのこういう取締り、こういうようなところから一つの法律のできるということを常に長い間要望されておつたのであります。
#38
○坪内委員 その点は了承いたしました。先ほど間嶋観光部長から、この取締りにあたりましては関係職員を動員して、その取締りに万遺憾なきを期するというお話でございましたが、現在あなたの方におられる職員も観光全般のことをやつて、それぞれ手一ぱいの仕事をやつておられるので、そういう法律の施行に伴つてあなたの方の職員で十分やつて行けるのかどうかということをお尋ねいたします。
 それからもう一つ最後に、ここに罰則の規定があるのでありますが、こういつた違反を犯した者は一万円以下の過料ということにしておるのでありますが、団体客などをねらつての悪質の業者があつて旅行賃を詐取する、ごまかすとか、あるいはかご抜け的な詐欺をやるということは、厖大な費用をとるのであつて、一万円くらいの過料では軽いではないか、もつと数万円以上の過料に処するようなことを考えてもいいのではないかと思いますが、その点の御所見もあわせてお伺いいたします。
#39
○間嶋政府委員 最初のお尋ねのこの法律を施行するに要する人の問題でございますが、これにつきましては運輸本省及び地方陸、海運局の職員で、必ずしも十分であるとはいえないのであります。私どもといたしましては、最小限度の人員を要求してとりたいと思いますが、しかし万一そういうような定員がとれないときには、こうした法律に基く仕事は非常に重大な仕事でありますので、私の考えといたしましてはほかの仕事をさしおいても優先にやるべきであると存じております。従来も法律に基く仕事につきましては、そういう建前で来ておるのであります。それから地方の都道府県にもかなり仕事をやらせますが、これの見通しといたしましては、国家予算と違いましてかなり予算をとることも楽のようでありまして、地方としては委任された仕事の程度に応じて、予算なり定員なりを配置する、こういうところが大部分でございます。
 それから罰則のお話でございますが、罰則の罰金の程度につきましては、最近出ました同種の法律の罰金等の程度と勘案してきめたものでございまして、これによりまして十万円以下の罰金、五万円以下の罰金、一万円以下の罰金というふうに書いてあるのであります。先ほどお話の詐欺的な行為等がありました場合には、それは刑法上の問題及び民法上の問題にもなりますし、それ以外にこの法律によりまして十万円以下のそれぞれの行為に応じた罰金がありますので、私どもの考えといたしましては、必ずしもそう低いということは言えないと存じております。
#40
○坪内委員 過料の関係については、刑法上や民法上の違反であつた場合には取締りができるというお話でございますが、同一のものが同時に刑法上のいわゆる罰金刑なり過料と併科せられるということは、いろいろこれは法律的に問題があると思いますが、そういうときは犯罪の重い方で処罰するということで、むしろ過料というものは立消えになるということも考えられますが、この点は御答弁いりません。
 そこで最後に御要望を申し上げまして質問を打切りたいと思いますが、先ほどから提案者の説明並びに政府の説明によりますと、そういう犯罪が跋扈して、将来もそういうおそれがあるから、この法律で取締るのだということが主のようでありますが、その考えは間違つていないか。こういう犯罪の起らないように予防することが建前である、しかも犯罪の対象になるものは団体が主だということを明らかに申されておりますので、そういう団体の指揮者なり、指導者なり、引卒者なり、世話係なりを十分啓蒙しておけば、こういう犯罪に比較的にかからないで済むということが、実際問題としてはあると思います。当局としてはこういう法律の施行によつて厳罰に処するということよりも、むしろそういつた関係方面を動員し、あるいはあらゆる適当な機関を通じ、適当な方法を講じて、それらの人を啓蒙することが第一であると考えますので、そういう点を主としてやつていただいて、そのあとから、網をくぐつて犯罪を犯したり悪質の業者が生れたというときに、こういう法律で厳重に取締つてにいただきたいということを要望いたすものであります。法律には賛成でありますけれども、先ほど来申し述べておきました点も十分参考にして取締つていただきたいと考えます。
#41
○黒澤委員長代理 ほかに質疑はありませんか。――なければこれにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際暫時休憩いたします。
    午後三時三分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時二十八分開議
#42
○黒澤委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。
 自動車行政に関し滿尾委員より質疑の通告がありますので、これを許します。滿尾君亮君。
#43
○滿尾委員 昨日の委員会で通産関係の政府委員の方にお願いをいたしたのでございますが、その資料を若干いただいておりますけれども、私のお願いしました要点とは必ずしも一致いたしてりおりません。しかしその前にちよつとお伺いいたしますが、昨日の午後五時に、今回のクーポンの裏づけとなるべきドルの発行方につきまして、実は自由党の総務会の決定に基き、私外三人の委員がそろつて通産政務次官の部屋にまかり出て、政務次官とお話を申し上げ、政務次官において大体七十六万ドルのドルを裏づけすること、為替の関係で四月から九月までの外貨の計画のうち、中古自動車に最初引当てられました百万ドルのうち、実際に使われた二十四万ドルを除いた残りの七十六万ドルを即刻出していただくということの御了承を得たのでありますが、通産当局はその方針についてどういうような手段をおとりになりましたか、御報告をいただきたいと思います。
#44
○佐枝政府委員 先般四月ないし六月という期間のクーポンが二千枚出まして、それに対してクーポンがからクーポンにならぬように措置してくれというお話がございました。われわれとしては、極力そういうことにならぬように措置をいたす方針でございます。
#45
○滿尾委員 私は原則論と伺つたのではない。原則論はもうお互いにわかり過ぎるくらいわかつているのであります。その具体的措置といたしまして、昨日の午後も会談がありました。それに基いて通産大臣はいかなる具体的な措置をお講じになつたかということをお尋ねしているのであります。昨日の午後五時以後今日に至るまで、何らの行政措置を講ぜられなかつたのであるか。何らか手段をおとりになつたのであるか、国会に御報告をいただきたい。当委員会を通じて国民に知らせていただきたいとお尋ね申し上げているわけであります。
#46
○佐枝政府委員 ただいま申し上げましたような方針に基きまして、極力現在発行しておりますクーポンに対して裏づけができるような措置をとつております。
#47
○滿尾委員 いかなる措置をおとりになりましたか、具体的に承知いたしたいのでございます。
#48
○佐枝政府委員 これは御承知の通り日本政府だけではできない問題でありまして、結局は駐留軍関係の当局者におきまして、軍人、軍属及びその家族の所持いたしております中古自動車が販売できるように措置をされる必要があります。その方を促進しているわけであります。
#49
○滿尾委員 政府委員の御答弁は私は真相でないと思う。この七十六万ドルの為替の裏づけをしてやることは、日本政府だけでできます。これは進駐軍の意向を伺う必要はない。進駐軍は円貨で自動車を売ることを禁止している。四月二十日でもつて彼らは禁止した。しかしドルで売ることは禁止しておらぬ。その点で機械局長は事情を誤解しておられるか、知つてわざと別のことを言つておられるか、どういうようにお考えになつているか、明らかにしていただきたいと思います。
#50
○佐枝政府委員 私の了解しております限りは、行政協定に基く駐留軍軍人軍属及びその家族、これの持つております中古自動車と日本国内在住者に販売するという手続につきまして、まだ駐留軍関係で完了しておらぬ。そのために一時駐留軍の方で全般的に売りどめをいたしている、この解除をするということが先決問題であると心得ております。
#51
○滿尾委員 それではその駐留軍の措置の書類をひとつ至急に取寄せていただきたい。私の了解しているところでは、円貨をもつて売ることを禁止しているだけで、ドル貨でもつて手放すことを駐留軍は禁止しておらぬと了解しているのでございますが、さようなことはございませんか。
#52
○佐枝政府委員 私の了解しておりますのは、全般的に講和発効後販売することを禁じている、こう承知いたしております。
#53
○中村(俊)政府委員 運輸省で駐留軍の司令部と折衝をいろいろいたしておりますので、ただいまの通産省の政府委員の言われることを少し補足させていただきたいと思います。駐留軍が自動車を売りどめしているということはございません。しかし四月二十日付の駐留軍の司令部から出しているノーテイスといいますか、レターといいますか、通達によつて、品物を売つて円貨を得ることはいけない。従つてドルで取引をすることは自由でありますし、現実に自動車がやみのドルで売られていることは事実でありまして、ただいまの通産省政府委員のお話は少し違うと思います。ちよつと補足させていただきます。
#54
○滿尾委員 通産省の政府委員のお話の通りであるとすれば、その証拠の書類をひとつお出しを願いたい。アメリカの出しました指令の写しでもけつこうでございます。これはぜひ提示していただきたいと思います。もしそれが通産省の政府委員の誤解に基くものであつて、その協定ができなければ軍人軍属関係の車が日本に来ないのだという御見解をとつておられる。そのことによつて今回のクーポンの多数のものが空に帰したという結果が近き将来に起つたとするならば、これはまつたく通産省の責任であることを私は確認したいと思いますが、さように了解してよろしゆうございますか。
#55
○佐枝政府委員 私の当局者として了解しておる点が正しいと思います。もし誤まつておるとすればいつでも訂正いたします。しかしいずれにせよ駐留軍関係のおそらくサーキユラーというか、軍令が出るであろうと思いますが、それが急速に出るように目下折衝を続けております。またその見込みでありますから、御安心願いたいと存じます。
#56
○滿尾委員 御努力になつておることは大いに多といたしますが、その前に私が先ほどから念を押しておりますものは、事態の真相をもし通産省当局が正確に把握していなかつた、その誤解に基いて今回のクーポンが失効するようなことがございますれば、これは通産大臣の責任なりと私は断定いたしますが、通産省当局もそのことを是認されますか。
#57
○佐枝政府委員 もちろん責任の一半は通産省にあろうと思います。あろうと思いますが、御承知の通りこのクーポンの発行につきましては、両省共管という建前になつております。いろいろな経緯でわれわれとしては少しく大きに過ぎるようなクーポンが出されたという経緯にあることは、滿尾委員の御承知の通りと存じております。
#58
○滿尾委員 私は二千枚のクーポンのうち、それがまるまる消化されなつたと言つて文句を申し上げておるのではないのでございます。わずかあと五百枚かそこらのことでありまして、かりに多く出され過ぎたという見解にあながち同調はいたしませんけれども、数歩を譲つて少し多かつたとお考えになつたといたしましても、その部分はわれわれがもう二千枚が二千枚現物化するとは思つておらぬのであります。またお願いしておるのもわずかに三十六万ドル、これも千ドルか千五百ドル、換算して考えてみれば四、五百台分しか当らないのでありますから、相当多過ぎるという方の議論は、お互いの両面から償却されまして問題にならぬのであります。
 私もう一つさらにくどいようでありますが、通産省政府委員の御了解になつておられ、さように判断せられることについては、ただ空理空論でさような御判断があるとは私は思わない。これは役所のことで公のことでありますから、確固たる資料に基いての御判断、少くとも責任者が進駐軍の責任者と会つて、何月何日こういう話があつた。あるいはそれ以上に進駐軍は何月何日付をもつて日本に自動車を売つてはならぬというサーキユレーシヨンを出したなら出した、その写しを持つておると思いますから、その証拠書類をひとつ御提示を願いたい。これは国会の権能において私は通産政府委員に要求するのであります。はつきりこれは御提示を願いたい。もしそれらの事情について何らかの誤解が存在して、そのためにこのクーポンの処理について通産省の打つべき手が非常に遅延した、その結果として多数のものが失効したということになりますれば、私はこれはどうしても通産大臣の責を問わざるを得ません。そのことをとくとお考えをいただきたいと考えるのであります。われわれはきのう本間政務自次官を信用して、いかなる具体的手段をとらんとするのか聞きたかつたのでありますけれども、他の同僚議員がまあまあと言いますので、実はそこまで切り込まないで帰つて来たのでありますが、今日に至るまで具体的な措置がとられず、かつ進駐軍との交渉に籍口せられるということになれば、私はこのクーポン問題というものは非常に前途は悲観すべき状態にあると思う。しかしながら政府委員は今ベストを尽しておられる。ベストを尽すということと期間内に事が成就するということとは別個の問題だ。希望的観測と事実事が行われることとは、まつたく截然とわけて考うべきことであります。そこで通産政府委員は、希望的観測でなくて実際の見通しとして、あと今月末日までの間にこれらのクーポンを、全部とは申しませんけれども、少くとも七十六万ドルに該当する四、五百枚のものについて、これを消化する見通しを持つておられますかどうか、お伺いをいたしたい。
#59
○佐枝政府委員 クーポン全部の枚数がはたして妥当であつたかどうか、これはわれわれ自身がそれを了承して出した以上、全責任を負うべきでありますが、その点につきまして滿尾委員のまことに御理解のある御発言がございまた。この点まことわれわれも了としておるのでございますが、ただいまお話の、その一部でございますが、そういう台数の中古自動車の裏づけ、これにつきまてはわれわれは確信があると断言してさしつかえないと存じております。
#60
○滿尾委員 これは巷間いろいろ伝えるところ、また各個人が個人同士の話におきましていろいろの説が出るのでございますけれども、私は二千枚全部はもとより問題にしてない。あと四、五百枚のクーポンを問題にしておる。ところがその四、五百枚のクーポンなるものは、決して特定グループの便益のためにのみ出さるべきものではない。これは必ず国民全体に対して、機会均等の態勢において出ざるべきものである。もちろんあと千枚以上残つておるかもしれませんもののうち四、五百枚でありますから、そこに差は出て来るかもしれませんけれども、その差は事実上の問題、時間的な問題、地理的な問題といつたような物理的な事情によつて、おのずから選択が行わるべきものであつて、意識的に特定グループのためにこれを役に立て、そのグループを滿足せしめたからといつて、能事足れりとされたのでは、私は官庁のお仕事としてははなはだ不適切だと思うのであります。その点についていかなる範囲のものについて、どういうふうに措置せられようとするのであるか、お話を伺いたい。私は今日のわが国の行政事務に関しては、いわゆる軍事上の機密というものはなくなつたのでございますから、行政官吏が国政に関し国会に御報告になることについて、秘密があるということを認めないのであります。絶対に御報告をいただきたい。いかなる措置を具体的にとらんとしておるか。私は国会の権能に従つてこれを要求いたします。
#61
○佐枝政府委員 御意見まことにごもつともでございまして、実はわれわれとしてもこれについては、これからなお研究をいたします。お話のような公正な方法で行きたいと思いますが、おのずから緊要な用途に流れる、こういうことになろうかと考えております。
#62
○滿尾委員 私はそれは政府委員の非常なお考え違いであろうと思う。これら全体を満足させることはできない。どうしても一部分になる。それは私もしかたがないと思う。ただしかしその一部分の問題ですが、政府委員は五人でも一部分である、二十人でも一部分である、百人でも一部分であると仰せられる。そういうような遁辞を仰せられては困るのであつて、私は少くとも五百枚、あるいは金額の関係もございますから、五百枚を固執はいたしませんけれども、七十六万ドルのドルで大体まかない得る限度、それが四百台ないし五百台だろうと思いますが、その限度をまかなつていただきたいということを要請しておるのであります。その点についてまずお答えをいただきたい。
#63
○佐枝政府委員 お話の御趣旨のようにできるだけ公正に、しかもいろいろの面から考えまして、緊要な用途であるという方向に裏づけできるように処置したい、こう考えております。
#64
○滿尾委員 ただいまの政府委員の御答弁は、的をはずして御答弁になつておる。私は四百台、五百台という数字を念頭に置いて、一部分の要請に応ずるということになると考えておるのであるか、五台、十台でも一部分であるという形式論理をもつてお考えになつておるのかどうかをお尋ねしたい。つまり全部に及ばぬことは私も了承する。しかしその一部分とは何であるか。たとい三十台でも二十台でも一部分である。四百台でも一部分である。しかしわれわれは、ここに最初の計画に従つて七十六万ドルという一応の合理的な数字があるのでありますから、少くとも因縁のついた数字があるのでありますから、この程度の部分的な救済をお考えいただきたいと要請しておるのでありまするが、通産省当局の考えておられる一部分とは、この四百台、五百台の数字と著しく間隔のある数字でございましようか、お伺いいたします。
#65
○佐枝政府委員 われわれとしてはできるだけ御趣旨のような方向へ実現したいというふうに考えております。
#66
○滿尾委員 できるだけという副詞のついた御答弁がありましたが、これまた私は非常に不満足であります。そういうあいまい模糊たるお話ではわれわれは満足できない。もつと明確なお話をしていただきたい。できるだけというのは消してもよろしゆうございますか、お伺いいたしたい。
#67
○佐枝政府委員 われわれは主観にはそういうできるだけというものを消してもよろしいようなつもりで考えておりますから、御了承願います。
#68
○滿尾委員 さてその四百台見当を御努力願えるということはまことに欣幸にたえない。つつしんでお礼を申し上げますが、今のお話のうちに、緊要なる用途に向けるというお言葉がありましたが、私はこの段階においてそのものさしは使うべきでないと思う。二千台のうち若干X台は消化された。あと残つたもののうちまあ四、五百台を考える。その四、五百台を考えるときの標準というものは、これは実際問題としての話であつて、さてそのうちでだれのクーポンが最も大事なクーポンであるかというように、ここで取捨選択をいたしますことは、クーポンを出しました精神に違反しておると思う。クーポンが出されますときに、重要性その他のことをお考えになつて、一応各種の段階において、各種のウエートに従つて出された以上は、クーポンは大体ひとしい価値があると私は考えます。ひとしいチャンスを持つべきだと思う。たとえば重要産業ならば、申込み三台について一台もらつた。比較的重要ならざるものは、三十台の申込みに対して一台しかもらわなかつた。ここですでに価値判断のウエートの差によつてきまつたクーポンでありまするから、たとい現在あるクーポンが比較的重要ならずと御判断になるような産業関係のものでございましても、そのクーポンの陰には何十倍という落された請求者があるのでありまするから、残つておりまするクーポンにつきましては、どのクーポンも一応ひとしい値打があるとお考えになるのが適当でないか。しかしながら全部をやることはできないのでありますから、その取捨選別は、たとえばそのクーポンの所持者が今長崎におる。これは四、五日のうちにはとても間に合わぬ。あるいは北海道におる。そういう人が落ちるのはしかたがない。またクーポンの権利を重視しないで、クーポンの事情がどうなつておるか知らないで済んでおるような人たちは、これまたしかたがないのであります。そういうような物理的な一つの機縁によりまして、おのずから取捨選択さるべきものであつて、官庁において、出されておるクーポン券に意識的に緊急であるとか緊急でないとかいうような差別をつけられることは、私は現段階においてははなはだ不穏当だと思う。その差別をつける段階はすでに済んだのでありまするから、さらに二度目の階段をこの際つけることは公平の観念に反すると思うのでございまするが、通産政府当局はいかにお考えになりますか。
#69
○佐枝政府委員 お話のような物理的ないろいろの事情から、自然に淘汰ということはおかしいのですが、比較的短かい期間でございますから、購入の可能性の範囲がきまつて来るということであれば、まことに穏やかな無理のない行き方だと存じます。
#70
○滿尾委員 そこで努力せられるお気持はわかつた。目標も四百台、五百台ということもよく了承いたしましたが、さて今後どういう方法をとられまするか。たとえばデイーラーに対して具体的に何か指令をお出しになりますか、どういう趣旨の指令をいつお出しになるか、どういう措置をとられるか。その具体的な措置を伺いたい。これを官庁だけのお考えでおやりになる、われわれはそれを干渉するものではない。しかしどういう措置をとられんとしておられるか、あるいは現にとられましたかということをお伺いする権利があるのでありまするから、そのことを私に説明していただきたい。私に御表明になることは、国会の委員会を通じて国民一般にお知らせになることである。ぜひこれを御明示いただきたいと思うのであります。
#71
○佐枝政府委員 本問題の発表の方法、あるいは具体的な取扱い手続その他の上から、これらにつきましては実は今いろいろと検討いたしております。もちろんわれわれは何も現在軍機保護というような問題はないわけでありまして、官庁のやつておることは何でも洗いざらい申し上げるのが筋だと存じますが、遺憾ながら検討中でございまして、ただいま申し上げる段階に至つておらない次第でございます。その点御了承願います。
#72
○滿尾委員 具体的な行政措置について、国会に対して報告の義務があるという原則を御了承いただいたことは、私の非常に欣幸とするところである。しかしながら私がこの国会でこの問題について通産当局の御考慮を求めました第一回は、去る十日の委員会であつたと思います。きようはすでに十七日、一週間の間通産当局は何もしなかつた。まだこれから具体的方法を研究するのだというお託宣である。これは実に驚き入つたる御答弁と言わなければならぬ。こういう国政上の怠慢というものは許さるべきではないと思う。これは実に驚き入つたる御答弁で、いまだにその方法がきまつておらないというようなことになれば、あしたもあさつても、とうとう六月三十日まできまらなんだ、考えているうちに、小田原評定をしているうちに、クーポンの期限は流れてしまつたということになる。非常に懸念にたえないのであります。これは一体どういうわけでありますか。私はまつたく了解することはできない。日本の官僚がしかく怠慢であるということは、私の常識に反している。これは奇蹟である。もし現在通産官僚の諸君がさような御心境であられるとするならば、これは実に現代の奇蹟である。ぜひこれは高橋通産大臣に警告を発しなければいかぬ。こういうことは国会に対してあるまじき御答弁だと実は感ずるのでありますが、ほんとうにまだきまつておらぬのでございまするか。冗談を言つておるんじやないかというような気がするのでありますが、ほんとうにおきめになつておらぬのでございまするか、なおもう一ぺんお聞かせを願いたい。
#73
○佐枝政府委員 前回御答弁申し上げました通りでございます。
#74
○滿尾委員 そういたしますと、私がいろいろとお願いをし、注意を喚起し、自由党の代議士会におきましても、代議士諸公の一致した支持を受けました。総務会におきましてもこの問題はもう論議の余地はない。本間君を呼んでここで即刻きめろという意見であつたのでありますが、たまたま彼氏がまだ登場しなかつたものですから、委員をきめて談判に行けということになつた。通産当局というものはまことに政党内閣のもとにおきましても、与党の意向を無視するというお考え、何のためにさような無理をせられるか。私は通産御当局のほんとうのお気持をいろいろ端摩臆測をせざるを得ないような気持に追い込まれる。まことに残念なことであります。われわれが国会においてこれほど注意を喚起いたしましても、あなた方は雲煙の過眼視し、何ら措置しないということになれば、これは国政を監督するという実体を失うわけでりある。日本の政治のために、日本のデモクラシーのために、これくらい残念なことはない。あなたはそれでもつてみずからの官僚としての良心に恥ずるところはございませんか。
#75
○佐枝政府委員 お話をいろいろ伺いますと、どうもはなはだ怠慢しごくである、あるいはさようかもしれません。しかしきまつていないことをきまつているのだと申し上げるよりも、検討中であれば検討中であるということをはつきり申し上げた方が、官吏としての良心に合致するだろうと考えております。
#76
○中村(俊)政府委員 クーポンは先ほど満尾先生からお示しがございましたように、運輸省と通産省とよく相談してやつたことなんでありまして、通産省を――言葉は悪いかもしれませんが、しきりにおしかりになつておるのでございますが、運輸省といたしましても非常に責任は痛感いたしておる次第でございます。けれども、最初二千枚のクーポンを出しますときにも、過去の経験から見ましても、当然その中の五十枚や百枚のものがからになるであろう、これは公平を期しますために、非常に多くの部分を抽籤をいたしますので、抽籤をすればお金のない方にも当る。たいへん失礼な言い分でございますが、国会議員でクーポンに当られた方の中にも、お金がないから買えないと御相談になつた方もあるくらいでございますので、これが従来の二千六百枚のときの経験から見ましても、五十枚や百枚はあるだろう、しかしその残りは当然消化されるのだという考え、その裏には当時の事情からいたしまして、当然百万ドルのドルのまだかなりの部分が残つておりますし、またドルで買うこともできたのでありますから、考えておつたのでありますが、それがいつの間にか事情の変更――これは運輸省としてははなはだ申訳ないのですが、事情が知らないうちに変更になつてたな上げになつておつた。そこで六月十日の午後に当委員会で滿尾先生からお話があり、本間通産政務次官から明日といつても無理だけれども、処置するという御答弁がありました。この御答弁はひとり通産省ばかりでなくて、半分の責任者であります運輸省にも適用されることだと存じましたので、翌十一日午前中通産省に参りまして車両部長のところでよく打合せをいたしました。また同日の午後大蔵省にも参りまして、大蔵省とも打合せをいたしました。こまかい内容は申し上げません。十二日には通産省の通商局長にお願いをしまして、通商局、振興局、機械局と打合せをいたしましようということを十一日にきめておいたのでございますが、通産省の御都合で十二日には会議ができずに、十三日の午前中打合せを通商局長のところで、通商局、振興局、機械局及び運輸省の自動車局といたしまして、とにかく七十六万ドルのドルはつけることにいたそう、こういうことに相なりました。私ども運輸省の側はにさらに同日の午後、この車を売つてくれる相手方である司令部へ参りまして、当面の向うの責任者でありますGIセクシヨンのアンダーソンという人に頼みました。私ども約束して参りましたとき、通産省の自動車課長の佐々木さんも行つておりましたが、一緒に行つてもらえばよかつたのですが、すぐ帰つてしまいましたので、私どもと向うと打合せをしましてお頼みしましたことは、ドルをつけるから車を売つてくれ、この点はよろしいという回答を得ました。なお私どもの見解では、ドルをつけただけではなかなか急速には動かないだろう、先ほど申しますように、一応円では車を売らない、車ばかりでなく、他の物も売らないという状態でありますので、円で買うことも認めてほしいということを申しましたところが、それは話はわかるが、自分だけではきめかねる。特にこれは経理の主任官、憲兵司令部とも打合せをしなければいけないという返辞だつたのでございます。そこで通産省の方に対しましては、こういう話だから早くドルをつけてやつてくれということは頼んであつたのでありまして、もちろん御承知かと存じますが、駐留軍が無関税で参ります自動車――自動車に限りません。そのほかの物を日本に売り渡すときには、日米行政協定の第十一条の六項の日本とアメリカの両当事者の合意した条件がなければ処分してはならない、この合意する条件はまだ成立していない。これは特に日本側の通産省、大蔵省、運輸省の各省の意見が実はまだ一致しておりません。しかしそういう少し長いものにわたるものは別といたしまして、このクーポンを処理いたしますための事情もよく司令部に説明いたしまして、それはよくわかつたということでございましたので、この部分だけを抜き出しまして処理すれば早くできるかと思うのでございます。また昨日の総務会に私もすみつこにおりましたので、よく承知しておりますが、実はドルそのものをつけることは運輸省の仕事ではございませんので、やつていただけたものだと了解しておりました。きようは私司令部に参りませんので、ほかの者を代理にやりましたところ、私の頼みましたところの円繰りの問題も、多分今晩中くらいには決済がとれるだろうという返事をいただいておりますが、いずれにいたしましても、第十一条六項の暫定的な協定をいたしませんと、向うとしても命令が出せないのだ。これは当然日米合同委員会にかけなければいけません。日米合同委員会は明日でございますが、これが延びますと多分一週間延びるのだろうと思います。そういつた事情で先ほど私が申し上げましたように、五十枚や百枚はもともと抽籤の関係でだめになるということは覚悟しておりますが、非常に多くの部分、五百枚とか八百枚とか、現在現物化していない部分が、今月中に現物化するということは非常に困難というよりも、まず不可能と申し上げた方が率直だろうと思います。この点は私どもといたしましても責任は重々痛感はしておりますが、少くとも前回二千六百枚を出しました当時のように、八十何パーセント、九十パーセント近くのものが現物化することは、遺憾ながら現在の進み方ではできないだろうと思いまして、これはまことに申訳ない、これはおわび申し上げなければならないということを率直に申し上げる次第でございます。
#77
○滿尾委員 通産省の政府委員にお伺いしますが、今運輸省の政府委員が申されましたように、明日の会議に御提議になる御用意が進んでおりますかどうか。
#78
○佐枝政府委員 ただいま運輸省の政府委員からお話がありましたように、すでに向うの内部決済が全般にわたつて済んでおるということであれば急速に参る、こう思つております。
#79
○滿尾委員 御答弁の筋が少し違つておる。私は明日の日米の御相談の会議にこの問題を提議されて、御相談になる御用意が進行いたしておりますかということを伺つたのであります。従つて具体的に明日相談するつもりとか、いやそのつもりはないという御答弁があつてしかるべきだ、そのいずれかを期待しておるわけであります。
#80
○佐枝政府委員 と申しますのは、われわれの方はすでに準備を了しまして、前々から合同委員会に話を持ち込んで進めているわけであります。ただ米軍側の内部決済が済んでいないという問題があります。従つてこれは合同委員会が双方の会議できまるわけでございますかう、そういう関係で今日まできまらなかつた。向う側が今お話のように済んでおるとすれば、これは急速に行くかと思います。
#81
○滿尾委員 明日の合同委員会に御提議になる予定でございますかどうかを伺いたい。
#82
○佐枝政府委員 私がその点をはつきり申し上げませんでしたのは、私が合同委員会の議案として作成されておるかどうかということを確認しておりませんから、その点について確答申し上げなかつたわけでございます。いずれにせよわれわれとしては日本側の態度は前からきまつております。再三外務省の当該担当者を通じて合同委員会の方へ連絡をいたしております。かりに明日きまらぬとしても、その次の機会には必ずきまる、こう考えていただいてけつこうであります。
#83
○滿尾委員 この次の機会にきまつたのでは、一週間に一ぺんでは間に合わないのです。明日これがきまるかきまらないかという問題につきまして、それがどういうぐあいに事務的に御準備ができておるかということについて、機械局長として御確認がないということになりますと、やはりこの問題について通産当局は御熱意がなかつた、これを解決してやろう、何らかのチヤンスをつかまえてぜひやろうという熱意がなかつた。もちろん当該関係の深い局長さんがそれを御存じない、また自分でそれをしようと思つて努力しておられないのでありますから、これはまた何をか言わんやというような気がするのであります。実は私は先ほどから機械局長に対してはなはだ失礼なことをたびたび申し上げまして、まことに申訳なく思つておるのであります。しかし、私の持つております貧弱な日本語をもつてしては、もうこれ以上のものの言い方を知らぬのであります。私として私のヴオキヤブラリイの最大級のものを動員して申し上げたつもりでありまして、これ以上はどういう表現を用いたらいいかわからぬ。従つて私はしみじみ感じますことは、行政権と立法権と三権分立の形になつて、こういう政治の機構をとつておる。しかるにすでに一週間前から私は熱心に注意を喚起している問題について、ついぞ今日に至るまで行政府の方におかれては、国会の申しますことをまじめに取上げてやつてやろうという気で動いておられないことは、もう歴々として明らかであります。そうなれば日本の現在の政治機構というものはくずれる。死んでいる。官僚がやる気がなければ、あらゆる論議を国会において尽しても何ら動くことはできない。なるほど人は馬を引いて流れのほとりに行くことはできるが、水を飲みたくない馬に水を飲ませることはできない。われわれは国会において種々官僚の批判はいたしますけれども、やる気のない仕事に官僚を携わらせることはできない。そうするとこの政治機構というものは実に奇々怪々なるものである。これでは日本の政治というものはこわれる、かように考えます。通産政府委員におかれましてはぜひこの点に深く思いをとめられて、御反省をいただきたい。私はこれ以上もう言うべきことを知らない。本問題につきましては一応打切ります。しかしながらこの事情につきましては、私は将来通産当局が後悔せられる時期が必ず来るだろうと考える次第でございます。
#84
○佐枝政府委員 ただいまいろいろと御注意を賜わりました。われわれとしては十分立法府の権威を尊重して今後行政をいたしたい、こう考えます。いずれにせよお話の趣旨によりまして、われわれとしては極力努力いたしたいので、御了承願いたいと思います。
#85
○滿尾委員 クーポンの問題は打切りまして、次の問題に移ります。実は昨日の当委員会におきまして私は佐枝局長に御質問申し上げたけれども、手ぶらでいらつしやつて御用意がなかつたようでありますから、私はあえて深く追究しなかつたのであります。はなはだ失礼な申分でありますが、これは武士の情として、御用意のないときに不意打ちをしたくないという精神に出たものであります。本日は予告いたしまして十分の御用意を願い、御所管の仕事に関してお尋ねするのでございますから、そのつもりで十分の御答弁をいただきたい。本日は私はちつとも仮借をいたしません。
 第二の問題は、通産告示第百十四号の関係でございます。この関係のよつて来るところは、私は為替管理令の第二十六条に該当し、そのうちの特に自動車の関係が国際収支上重要であり、かつまた資本の逃避のおそれがある、このいずれかの条項に該当するというお考えでこの百十四号が出たように解釈いたすのでございますが、解釈上間違いはございませんでしようか。
#86
○佐枝政府委員 御指摘の通り今回の日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の実施に伴う外国為替管理令等の特例に関する政令の第十一条、この規定は外国為替管理令第二十六条の規定によるものでありまして、この二十六条の規定と申しますのは、御承知の通り本来ならば外国為替管理令によりまして、許可を要するときめられております行為または取引につきまして、大蔵大臣、通産大臣または外国為替管理委員会が国際収支上重要でなく、または資本逃避のおそれがないと認めた場合には、当該行為または取引について許可を受けないで済ますことができるというふうになつております。この規定によるものであります。従つてこの二十六条というものは国際収支上重要であり、資本逃避のおそれがあるから許可を受けなければならぬというのではなくて、本来許可を受けなければならぬという規定がありまして、しかし国際収支上重要でなくまたは資本逃避のおそれがないというものについては、許可を要しないというふうにきめたのであります。従いましてそれから出て来ますこの第十一条の場合には、結局いろいろ駐留軍あるいは軍人軍属、家族が持つております所持品等を処分する場合、たとえば一例を申し上げますと、時計を持つておつてそれを処分するというふうな場合、これらは国際収支上重要でなく、または資本逃避のおそれがない、こういう見地から許可を要しないことにするというのであります。しかしそういう物資につきましても、この政令を施行しまして、その後の状況から見まして、たとえばある品物が非常にたくさん処分されている。つまり経済の見地から問題があるというふうな場合には、これはまた追加して許可を要する本来の形にもどすというわけであります。
#87
○滿尾委員 御説明いただきましたが、私もその趣旨はよく存じておるのであります。でありますが、簡単に申しまして、通産省告示第百十四号で、外国製自動車を譲り受けるときには許可がいるときめられましたことは、軍人軍属の持つておる車を日本人が買う、その価格を合計したものをもつて、つまり通産大臣は資本逃避のおそれありとしたか、もしくは国際収支上重要なりとお考えになつたから、この百十四号が出たのではありませんかとお伺いしておるのでありますが、いかがでありますか。
#88
○佐枝政府委員 御質問を裏返して申しますと、自動車を国際収支上重要でなく、また資本の逃避のおそれがないと認めて、許可を要しないというふうになぜしなかつたかという御質問でありますか、はなはだ失礼でありますが、もう一度お願いいたします。
#89
○滿尾委員 結論は今政府委員の仰せられました通りでありますが、まず表の方からお尋ねいたしますれば、この第二十六条を反対解釈いたしまして、つまり告示の第百十四号というものが出た。平たく申しますれば、通産大臣は軍人軍属の中古自動車を日本人が買いますことをもつて、国際収支上重要な事項と判定した、もしくは資本逃避のおそれありと判定せられたから、この百十四号のとりきめが出たのではございませんかと伺つておるのです。
#90
○佐枝政府委員 どうもお話にまともに御答弁申し上げないようで、まことに失礼でありますが、私どもは結局自動車については、特にこれが国際収支上重要でない、また資本逃避のおそれがないと積極的に認めて、許可を要しないというふうにする必要はない、こう考えたのであります。さよう御了解を願いたいと思います。
#91
○滿尾委員 これはどうも少し法律の読み方についてお互いに食い違いがあるのかどうか、おかしいのでありますが、つまり百十四号を出された根拠はこの二十六条にある。二十六条にあるということは、まさか外国人の自動車を買うことをもつて、わが国の資本が外国に逃避するとはお考えにならぬだろうと思う。なぜならば、その払つた貨幣価値は、自動車の形で本人の手に残つておるのであります。つまり資本逃避というものは、貨幣価値が外国に逃げて行くことなのです。私はこの自動車を買つても資本逃避にはならぬと思う。その同じ値打のもの、お互いにひとしい値打と認めたものを交換したにすぎないで、特にある金持が日本から逃げて資本をよそへ逃亡させるという理由にならない。従つて通産大臣はおそらくは自動車の場合も、中古自動車の売買をもつて国際収支上重要事項として御判定になつたのではないかと私は判断するのであります。同じことを繰返しても同じでありますが、しからばこの中古自動車を買うことが国際収支上重要であるかどうかという問題、これには一体どのくらいの金額になるか、それがわが国の国際収支上にどの程度の重要性を持つておるかということによつて判断されねばならないわけで、私はきのうこの数字を御用意願いたいとお願い申し上げたところ、いただきましたものは、通商振興局からOASの販売の実績表が出ておる。これに二千万ドルばかり三年、四年間に何したという数字が出ておりますが、これだけではわからぬ。この販売実績はわが国の国際収支の全体に対してどんな比率を持つておるか、あるいは他の一つ一つの項目、その他と並べて、どのくらい関係的な重要性を持つておるかということを明示していただきたい。なるほど通産大臣の判断には間違いがない、中古自動車の売買がそんなにわが国の国際収支上大事な地位を占めておるか、それならまことにやむを得ない、私もこういうふうに了解したいのでありますが、遺憾ながら私の持つておる常識、またいただきましたこの資料をもつて判断するところでは、どうしても国際収支上重要だからとは考えられない。通産大臣は故意に事実を曲げ、この二十六条の解釈を曲げて、間違つてこの告示第百十四号をお出しになつたのではないかと私は思うのでございますが、この百十四号の根拠について明確な御答弁をいただきたいのでございます。
#92
○佐枝政府委員 法律的な根拠につきましては先ほど申し上げた通りでございますが、なお中古自動車の輸入が大体そのぐらいの金額かは、これは御承知の通りこれまで中古自動車についてクーポンを出しました枚数が、第一回三千枚、第二回六百枚、これは間違いで第一回六百枚、第二回二千枚かもしれませんが、今回の二千枚を別にいたしまして、合計二千六百枚で、この平均の価格を、いろいろ見方があると思いますが、かりに千七百ドルというふうにいたしますと、二千六百台だと四百四十二万ドル、こういう数字になります。これは一例をあげまして他の輸出品等と比べて申せばわかると思います。われわれ今いろいろと輸出振興をやつております。たとえば直接私どもの所管しております機械関係のものにつきまして一例をあげてみますと、ミシンでございますが、これは終戰後非常に盛んになつた輸出品であります。これらは年間相当の数量を出しまして、金額が一千万ドル、自動車があります。これも昔からの輸出品で、業界は盛んにこれの輸出振興をやつております。これが一千万ドル足らずで、私の記憶では九百万ドル見当かと思います。そういう関係で、この四百四十二万ドルという数字は、もちろんこの二千六百枚全部が消化されなかつたという点もあろうかと思いますが、一応この四百四十二万ドルという数字をとつてみますと、大体そういう重要輸出品の年間の輸出額――これはドル地域はかりではございません。ポンド地域、オープン・アカウント地域をも通じての輸出の数字でありますが、そういうようなものの大体半額というような程度でひとつ御了承願いたいと思います。
#93
○滿尾委員 中古自動車の購入価格が貸借上重要であるという御説明でありますが、その御説明は私は見当がはずれておると思うのであります。一つ一つの商品等の例をとつて御比較になるのは当らない。そんなことを申せば焼物はどうだ、何はどうだということになつて、自動車を比較するのが適当かどうかの問題になる。私はわが国の輸出入の総合計の中で、外国製自動車というものがいかなる重要さを占めておるかということで判断して行きたい。ミシンのごときは私アメリカへ行つて調べてみたら、日本のミシンは猛濫売をいたしまして非常にきらわれておる。こんなばかげた輸出の指導はない。ダンピングに次ぐダンピングですつかり声価を落しておるように感じて私は帰つて参つたのであります。従いまして外国自動車というものを奢侈品と考えてはいけない。これは産業活動において欠くべからざる重要な要素なのでありますから、物の持つております実際の値打と、全体の貸借上の計数的なバランスとの関係において判断しなければならぬと思います。なぜ外国自動車だけこんな許可制をしかなければならないのかということについて、私どもは計数上の点において疑念を持つておる。通産省がお出しになりました資料は、その疑念を解くには何ら役に立たない。そういう資料しかいただいておりませんから、いまだこの点に対する疑念は釈然といたしません。もしできるならばもう少し私を納得せしめる計数上の資料を御提出を願いたい。
 この点に関します第二の論点は、物調法が三月末で失効いたしますとき、経済自由の原則に立ち返ろうといつて最も議論した問題が、石油の統制と外国自動車の販売の制限であります。二つともわれわれ自由党としては重要政策として、これを自由にするという建前をとつておつた。ところがたまたま通産大臣は、今の国際収支上の重要性に藉口して――私はあえて藉口してと申し上げる。藉口してこれを不自由にされた。かような重大な事柄を簡単な告示で出してけろりとしておる。多くの代議士諸公は、こういうこまかい法令の末まで目の通らぬ人が多い。従つてやられても知らぬうちに済んでしまう。たまたま私のような妙な男がいるので発見してやかましく申し上げるのであつて、もし私がいなかつたらどういうことになつたかと思つて、そぞろに心が寒くなるのでありますが、これは自由党のよつてもつて立つております基本的な性格、考え方にも正面衝突しておることを注意を喚起いたしまして、善処方を願い、この法令は断じて撤去していただきたい。もちろん前会の御説明にもありました通り、ブローカー的働きをする若干の悪い軍人、軍属につきましては、先ほどお話のありました日米合同委員会におきまして米国側にその取締り、コントロールをしていただくようにすれば十分である。ぜひ日本側においてはこれを自由にしていただきたい。
 次に第三点として、もう一ぺんお尋ねを申し上げますが、通商振興局長からお出しになつておりますOASの販売業者あての二十七年四月七日付のコンヴアーテツド円販売についての通牒がございます。この法規はすなおに読みますと、日本人に米国製の新車を売つてはならぬということは書いてない。しかしながら米国人に対する自動車を確保するため、ドル地域から輸入された自動車については云々と書いてありまして、もし今後日本人にその米国製の新車を売つた業者には、次期のドルの割当の基準を減すぞということが書いてあつて、間接に日本人には米国製の新車を持たせないという御趣旨の通牒である。これはなかなか威力のある通牒で、わが国の業者はこの通牒に反するだけの勇気のある人物はおらないのであります。従つてこの通牒の実効といたしましては、日本人は米国製新車には絶対に乘れないという状態がここに発生したわけであります。かようなことが一体法規上の根拠においてどういうふうにできているか。この通牒は驚いた通牒でございまして、これは明らかに日本国憲法に違反していると私は思う。こういう通牒がみだりに行政官庁においてどんどん出されることになつたならば、私は国民の基本的権利が侵害されると思うのであります。憲法の第二十九条には「財産権は、これを侵してはならない。」と書いてある。財産権の内容は公共の福祉に適合するように法律でこれを定めると書いてある。従つてこういうことをなさろうと通産当局が欲するならば、当然法律の手続をもつてなさるべきであります。私はこういうことがいいか悪いかはまず第二の議論といたしまして、第一点においては法律的な見地からのお話を申し上げておるのであります。もしこれをなさんとするならば、物調法のかわりになりました世界的な稀少物資云々という統制法規ができて、あれの附則か何かにこれをつけて統制されなければ、行政官庁の行政上の方針で、一片の通知だけでかような重大な御決定をなさることはとんでもないことである。法治国を乱すもはなはだしいものである。通産大臣は法律の知識がないのかと実は不可思議に思つている次第であります。この法規上の根拠についてまず通産当局の御見解を伺いたい。私が間違つておればぜひ教えていただきたいと存ずる次第であります。
#94
○佐枝政府委員 実は通商振興局の各OAS販売業者あての通牒につきましては、いわゆる公権的な解釈を申し上げる立場に残念ながらありませんけれども、しかしお話の点につきましては、結局は現在外国替為及び外国貿易管理法というものがございまして、輸入につきましても輸出につきましても同様でございますが、それによつて現在法的な統制をやつておる建前でございまして、たとえばわが国の国際収支の関係、外価のポジシヨンの関係等から、現在はそういう状況ではございませんが、ある物資について、かりにドルが非常に不足しているので、綿花をドル地域から購入することができない場合には、これをポンド地域だとか、あるいはオープン・アカウントの地域からのみ輸入するというような場合がございます。従つて国内ではドル地域の綿花を使用できないということになりますが、これは結局国としての貿易政策といいますか、為替政策といいますか、そういう点から出て来るものでございまして、これはただちに基本的な人権を侵すということには相ならぬのではないかと考えております。
#95
○滿尾委員 政策上の見地の議論は第二段にいたしたい。私は第一段において、法規的な性格においてこの問題を論じておる。たとえばこれが為替の許可をされますときに、ドル地域からのものはこれこれ外国人には売つてはならぬという条件を、為替管理方式か何かでおつけになつてお出しになつておるのではないと私は思う。なぜかといいますと、この通牒によりますと、デイーラーがお役所の意思に反して日本人に売つたとします。売つたその自動車は適法に売つている。役所はその売買契約は取消すことはできない。もしくはなぜ日本人に売つたかと言つて罰を与えることはできない。これはまつたく適法に成立している。ただそのしつぺい返しとして次のドルをお前にやらぬぞ、こういうようにやつておる。つまり前段の起きた事態は絶対に適法なんです。その売買行為は何らの害もなければ支障もない。また通産当局としても何らこれに処分をなされる立場ではない。ただ江戸のかたきを長崎で討とう、そういうことをすれば、おれはお前には次はもうドルをやらぬぞ、こういうのです。こう考えてみますると、この通牒の法規的性格というものは、実に奇々怪々だと思う。もしかような重大なことをなされることが、ほんとうに国策上の必要によつて発生しているものならば、それは国会に対して法律をお出しになつて、ぜひそうやつていただきたい。われわれもその理由を伺つて決してそれに賛成するにやぶさかなものではない。しかるにそれらの適法の措置をとらずして、人がみな知らぬことをいいことにして、通産御当局だけが一片の通牒をもつて、かような国民の基本的な権利を侵害するような、それもひねくれた方法で侵害するような措置をとられることについては、非常に遺憾の意を表せざるを得ない。これは何人か行政訴訟を起したならば、明らかに通産大臣が負けると思う。またかようなあぶない間違つた方法でその施策を実行せられようとする振興局長なり、また機械局長も、通産省の高級官僚の一人でございますから、その連帯責任を免れないと思う。おそらく通産省は、かような重要政策は局長会議で御相談になつたのに違いない。従つて機械局長も責めを免れることができない、私はかように判断する。従つて私はかような法規的解釈をいたすのでありまするが、私の気のつかぬ根拠法規がどこかにございまするか、あつたらお示しを願いたい。私の見解の間違つておるところを改めますことについてはやぶさかでございません。ただいまの御答弁では私はその根拠法規についてのお示しをいただくことができずして、政策論的な御答弁をいただいたのでございますが、政策は次の段階にいていろいろお尋ね申し上げたい所存でございます。
#96
○佐枝政府委員 先ほど御答弁申し上げました例をさらに引いて申し上げますと、綿の例は適切でないかもしれませんが、かりに外人向けには、外人の生活慣習その他の事情から、特にドル地域から入つた綿をもつてつくつた製品の供給を確保してやる必要があるとします。そしてその製品は外人がドルを円に交換して、その円をもつて買う、こういうふうにする。その場合にはちようどこれと同じような仕組みになるかと存じます。そうしてこの通牒のあて先にも書いてありますが、OAS販売業者に対するもので――OAS販売業者というのは、御承知のように占領下におきまして外人向けの自動車を扱うのを本務として来た業者であります。これらに対しても、国際収支の関係からしてドルは非常に不足していると思うのでございます。ただ外人用には、特に外人の生活慣習等を尊重いたしまして、ドル地域からの輸入自動車も供給してあげる。しかしそれを外人が買うにはドルからかわつた円をもつて買つてもらう、そうしてそういつた方針を確保するためにこういう通牒が出されたのであると私は考えます。
#97
○滿尾委員 私はただいまの瞬間において法律論を展開しておるのでございますから、法律論としての御答弁をいただかないと困る。政府委員の御答弁は、失礼ながらことごとくポイントがはずれている。政策の議論はこの次にいたしたい。この通牒の根拠となるべき法規の御明示がない。してみれば通産大臣は、法規上の根拠がなくてかような重大なことをされたものと判断してよろしゆうございますか。私の了解するところでは、目的がいかに正しくても、手段を正当化することはできないのでございます。通産大臣が非常にりつぱな御精神で仕事をせられましても、この仕事をされる手段が合法的なものでなかつたならば、やはりこれは間違いでございます。わが国は法治国なのであります。役所は不善をなすことあたわず、役所のなすことは道徳的でなければならぬ。これは本質的要求だと思う。いかに善意であつても、法治国においてその手段方法が法律にはずれておりましたならば、やはり糾弾されなければならぬ。この点について法規上の根拠の御明示がなければ、通産大臣は法規を無視してこの通牒を出されたものと解釈してよろしゆうございますか。
#98
○佐枝政府委員 この通牒を出されました趣旨は、私がるる申し上げた通りでございまして、国の政策としてドル地域から輸入しました自動車については、従来の外人の習慣等を考えまして外人向けに確保したい、その方針を確保するためにこういう通牒が出されたのであります。
#99
○滿尾委員 これは驚くべき御答弁をいただいたもので、政府委員の御心臓の強さに私はほとほと閉口いたしました。私が法律論を申し上げておるのに政策論をもつて御答弁になるから、これはどこまで行つても平行線でありまして、ポイントは合わないわけであります。ここにおいて私は、通産省という役所は法律を理解しないで、法律に反してこの通牒を出したものであると断定せざるを得ないのであります。
 その次に私は、この通牒の内容についてお伺いをしたい。実は昨日この点について資料をお願いした。ただいまこの通牒を出されました御精神についての御説明がございました。ドル地域、ポンド地域というような地域ごとに一つの総合的計画があつて、地域別にものを考えて行くというようなお話であります。たとえばポンド地域はボンドが余つておるから新車を輸入して日本人に使わせるのだ、ドル地域においてはドルが足らぬので、とにかくドルを最後まで回収したいからこういうことにするのだというお話は、一応わからぬことはございませんけれども、それは程度の問題だと私は思う。結局これは、あるためにする言い訳にしかすぎないと思う。なぜかなれば、ドル地域でこのドルが大事なことはよくわかつておりますが、OASデイーラーが販売している限りにおいては、二割五分のコミツシヨンを頂戴しておりますから、ここにいただきましたところの外貨獲得高のこの数字を見ましても、莫大なドルをかせいでおる。決してドルは減らない。少くともコミツシヨンに該当するだけのものを日本人に渡したところで、もともとドルはとんとんであります。こういうぐあいに一台も日本人に売らぬということになると、自動車の面だけじやんじやんドルをかせげということになつて、私は非常に不公正だと思う。ここらにおいても通産省のこの政策というものは非常におかしい。でありますから全貿易計画の中で、このドル地域あるいはポンド地域またおのおのの地域において、自動車の関係がどんな関係で重要さを持つておるか、その総合的な資料の御明示を願いたいと御注文したにもかかわらず、本日いただいた資料の中にはそれがないようでありますが、――ああそうでもないか、全然ないわけではない、たまたま一つありますが、これは私の非常に理解するに困難な状況において出ております。私のいただいた資料は在日外国人用の品物に対する資金の割当明細表である。そうではなくて、日本とドル地域の総合的な貿易計画中において、このものがどの程度の重要性を持つておるかというところから判断しなければならぬ。在留外国人の資金手当のごときは九牛の一毛であつて、日本が特にドルについてかような施策をとろうとするならば、私はドル地域全体に対する日本全体の総合計画の一環としての御計画でなければならぬと思うのです。その点についての資料がない。われわれの考えておるところでは、外人タクシーが日本国内においていかにドルをかせいだか、またOASデイーラーが外車を扱いましたときに、ことにホーム・サイド・デイリバリー等の制度によつてドルをたくさんかせいでおる。にもかかわらず日本人はアメリカ製の新車には乘せないという特別な御政策をおとりになります。その心境について私は非常な疑念を持たざるを得ない。ことに今年の新車購入のドルの割当表を見てみますと、六百万ドルの新車を予定しておられる。ドル地域三百万ドル、ポンド地域二百万ドルというようなことでとつておられるのでありますが、そのドル地域の中に百万ドル保留ということがある。これはどういうわけで保留にせられたか、お伺いをいたしたい。
#100
○佐枝政府委員 今の百万ドル保留については、遺憾ながら私は存じませんので、ちよつとお答えいたしかねます。
#101
○滿尾委員 私が本日お尋ね申し上げたことに対する御答弁は、どれもこれも不満足でありますから、この次にもう一度お伺いしたいのですが、ドルの割当の問題で、ドル地域に対してどうしてそういうような総合的角度から施策をとらねばならぬかという理由について、数字をもつて御説明をいただきたい。それから二十七年度の四月九月の自動車用外貨資金の割当七百万ドルの全体の総合計画について、詳細なる御説明をいただきたい。これは自動車局長か振興局長か私はよくわかりませんが、御相談をいただきまして、そのことはわからぬというようなことがないように、一番適切な方からはつきりした御答弁をいただきたい。それから告示第百十四号の管理令二十六条の関係について、もう少し明確な御答弁をいただきたい。そしてこの次で私の自動車に関する通産省への質問を終りにさしていただくようにお願いする次第であります。本日は局長一人で通産省全体の責めをとられたようなかつこうになり、心ならずもきついことばかり申し上げて失礼いたしましたが、本日の私の質問はこれで終ります。
#102
○黒澤委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後六時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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