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2019/04/17 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 国際経済・外交に関する調査会 第3号
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2019/04/17 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 国際経済・外交に関する調査会 第3号

#1
第198回国会 国際経済・外交に関する調査会 第3号
平成三十一年四月十七日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 二月二十七日
    辞任         補欠選任
     糸数 慶子君     伊波 洋一君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     上月 良祐君     朝日健太郎君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     元榮太一郎君
     伊藤 孝恵君     大野 元裕君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         水落 敏栄君
    理 事
                小野田紀美君
                堀井  巌君
                丸山 和也君
                牧山ひろえ君
                古賀 之士君
                三浦 信祐君
                石井 苗子君
                武田 良介君
    委 員
                朝日健太郎君
                猪口 邦子君
                今井絵理子君
                岩井 茂樹君
                大野 泰正君
                酒井 庸行君
                藤川 政人君
                三木  亨君
                宮島 喜文君
                元榮太一郎君
                小川 勝也君
                川田 龍平君
                伊藤 孝恵君
                大野 元裕君
                木戸口英司君
                高瀬 弘美君
                横山 信一君
                伊波 洋一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長
       東京大学名誉教
       授        北岡 伸一君
       慶應義塾大学特
       任教授
       国際連合食糧農
       業機関(FAO
       )親善大使    国谷 裕子君
       特定非営利活動
       法人気候ネット
       ワーク理事長
       弁護士      浅岡 美恵君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○国際経済・外交に関する調査
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、SDGs、
 パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内
 体制構築への課題について)
 (派遣委員の報告)
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、文化、人的
 交流などのソフトパワーを活用した信頼醸成の
 取組の課題及びSDGs、パリ協定などの国際
 公約を推進、実施する国内体制構築への課題等
 について)
    ─────────────
#2
○会長(水落敏栄君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、糸数慶子さん及び上月良祐君が委員を辞任され、その補欠として伊波洋一君及び朝日健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(水落敏栄君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
 本日は、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題」について参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
 本日は、独立行政法人国際協力機構理事長・東京大学名誉教授北岡伸一参考人、慶應義塾大学特任教授・国際連合食糧農業機関(FAO)親善大使国谷裕子参考人及び特定非営利活動法人気候ネットワーク理事長・弁護士浅岡美恵参考人に御出席いただいております。
 この際、一言御挨拶を申し上げます。
 各参考人におかれましては、御多忙のところ本調査会に御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、各参考人から忌憚のない御意見を賜りまして、今後の調査の参考にいたしたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
 本日の議事の進め方でございますが、まず、北岡参考人、国谷参考人、浅岡参考人の順でお一人二十分程度御意見をお述べいただいた後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
 なお、御発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、北岡参考人から御意見をお述べいただきます。北岡参考人。
#4
○参考人(北岡伸一君) 北岡でございます。お招きありがとうございます。
 今日は、二つ、SDGs及びパリ協定を中心としてお尋ねというふうに存じております。前者は後者をやや抱合するような広がりを持っておりますので、SDGsの方についてやや長め、そしてパリ協定をその残りという形で、合わせて二十分お話をさせていただきます。
 二〇一五年は、ちょうど私がJICAの理事長になった年でございますが、SDGs、持続可能な開発目標が九月に国連で採択され、また年末にはパリ協定が採択されまして、これは、国際社会が協力していかなければ将来にわたって人類が発展していくことはできないという、そういう合意がある種頂点に達した時期でございました。
 他方で、その翌年は、トランプ大統領の選出とかブレグジットとか、そうしたそれに反対の動き、あるいは北朝鮮情勢の緊迫化というふうな、個々の国々が自己主張を強める動きが強まってきたと。こういう、非常に、必要性はみんな分かっているけれども、他方でそれぞれの国が自己主張を強めるという矛盾した動きが生じていると、そういうのが前提だと思っております。
 ところで、我々の国際協力機構の元来の目標は、国際社会の平和、安定、途上国を含むその繁栄、それをどう確保するか、それに貢献するというのが仕事でございますので、このSDGsもパリ協定も、我々にとっては大変有り難い方向が合意されたというふうに考えております。
 今日は、これにつきまして、日本国内の体制やJICAの取組についてお話ししたいと思います。
 まず最初に、SDGsの採択の前のMDGsについて一言お話しさせていただきたいと思います。
 二〇〇〇年に、ミレニアム開発目標というので、MDGs、ミレニアム・ディベロップメント・ゴールズというのが採択されました。それは、極度の貧困と飢餓の撲滅等八つの目標について、途上国にフォーカスした目標を決めたわけでございます。私はちょうど二〇〇四年から六年まで国連大使をしておりましたので、このMDGsにどう取り組むかということが大きな課題でございました。
 他方で、このMDGsについて、日本の国内の知名度は非常に低かったのでございます。ですから、それに大変苦労したのを覚えております。それに比べますと、SDGsの方はかなり理解が広がっていて、有り難いなというふうに思っている次第でございます。
 MDGsは一定のかなりの成果を上げたと私は思っております。例えば、絶対貧困層の数が半分になったとか、五歳未満児の死亡件数も半減するというような成果があったのでございますが、そのかなりの部分は例えば中国やインドの成長のせいでありまして、最も苦しんでいるところのサブサハラ地域のアフリカでは余り改善がなかったという、そういう課題も残りました。
 これは二〇一五年を目標にしていたところで、今度はそこでもう一つ大きな枠組みを打ち出そうとして合意されたのがSDGsでございます。それは、十七ゴールがあって、いろんなカラフルなゴールがありまして、こういうバッジになっているのは皆さん御案内のとおりだと思います。
 資料にございますので個々の問題についての説明は省かせていただきまして、これにつきまして、日本政府は、安倍総理大臣が本部長を務められ全閣僚で構成されるSDGs推進本部というものを二〇一六年の五月に設置されております。そして、同年末にSDGs実施指針というのを決定されて、そのビジョンは、「持続可能で強靱、そして誰一人取り残さない、経済、社会、環境の統合的向上が実現された未来への先駆者を目指す」というふうに打ち出されたわけであります。
 SDGsの実施方針につきましては、八つの部分で優先的に取り組むということになっておりますが、これ、またちょっと時間の関係で、必要な場合は後でまた振り返りますが、ちょっとここはスキップさせていただきまして、次にJICAの取組でございます。
 JICAは、開発協力、途上国の発展に貢献して、もって日本とその国の関係を良くしようというのが目標でございます。ですから、MDGsやSDGsが採択される前から、これに相当するような事業は随分いろんなことをやってまいりました。保健、教育、環境、インフラなどが我々いろいろやってきたものでございます。SDGsの十七の目標、ターゲットのほとんどの部分は、ほとんどのところを我々はやっております。
 しかるに、我々の歴史を振り返りますと、大きく分けてJICAの活動は二つに中心がございます。
 一つは、人間の安全保障でございます。一九九〇年代から、あるいはまた緒方理事長時代から、国際社会、国連等で打ち出してきた人間の安全保障、これは、要するに、全ての人間には尊厳を持って生きる権利があると、そして国際社会はこれをサポートする義務があると、こういう考え方からきたものでございます。
 もう一つのJICAの活動の柱は、質の高い成長でございます。質の高いというのは、別に非常に高度のインフラという意味ではございませんで、質の高いというのは、包摂的、インクルーシブであり、それから持続可能、サステーナブルであり、そして災害を含む様々なショックに対して耐えることのできる、レジリエント、強靱性を持った成長と、こういうものでみんなが成長していこうということでありまして、これまたJICAの伝統の一つでございます。
 日本のODAは、元々東南アジア諸国に対する賠償、それを引き継ぐところから発展してきて、その多くの部分はインフラを提供するというところからきたので、これも一つの伝統でございます。
 特に、SDGsに近いものとして、JICAがやってきて国際社会から大きな評価を受けているものを四つ紹介させていただきますと、例えば一つは母子手帳でございます。母子手帳は、日本人では当たり前ですが、世界ではそうでない国が多いのであります。生命を授かったときから、お母さんに母子手帳を渡して、そして出産、その後に至る重要なデータをきちんと記録していただくと。おなかに赤ちゃんのいる、そしてまた小さな赤ちゃんを育てているお母さんにとって最も大事なものの一つであって、これを世界に広げようと。これなんかも全く人間の安全保障の中心であり、また、このSDGsでいいますと、ゴール三の保健部分に非常にぴったり当てはまるものであります。
 また、もう一つ、もうちょっと大きくなりますと子供は小学校に参りますが、日本式の教育というのが、割合、世界で今日評判が高うございます。
 エジプトの大統領は、三年前、私お会いしたときに直接交渉されまして、日本式の学校を造りたいと、二百校造りたいと言うので、これをお受けしてやっているところでございますが、要するに、まず、そこに行くと、子供は石けんで手を洗うんです、学校へ行くと。そして、授業の中には、音楽、図工、体育というような、それからクラスの討論会のようなものがあるわけです。
 私は、最初、大統領に言われたとき、本当ですか、日本じゃ子供が掃除するんですよと言ったら、それだ、それをやらせたいんだと、こうおっしゃって、これをやっておられて、ちょっと私は実験校をのぞきに行きましたら、大統領にお会いしたら、どうですかと言われるから、いや、なかなかうまくいっていますねと言ったら、そうだろう、エジプト中やるんだと、こうおっしゃっているんですが、とにかく、割合、方々で日本の小学校、国内ではいろいろ批判もあるんですが、海外では人気があり広がってきております。これなんかも、人間の安全保障、そしてSDGsのゴール四、教育に非常に関連するものだと思います。
 それから、カンボジアでは、もうプノンペンの奇跡ということがございまして、水道をやったことがあるんですね。日本の自治体などの協力を得ましてプノンペンの水道公社に施設整備をやりまして、二十四時間水道の水が飲めるようになったと。これはプノンペンの奇跡として知られているものでございます。今のは水ですから、実はインフラなんですね。これはゴール六に関係します。
 そして、もう一つインフラ系では、インドのデリーで地下鉄を造りました。今やデリーの地下鉄は、全部合わせると東京の営団地下鉄より長いんです。都営と合わせた同じぐらいほぼあります。ここは、皆さん、インドの鉄道といいますと、人が殺到して、下手をすると屋根まで上るというイメージだと思うんですけれども、実は、この地下鉄ができた結果、インドの方々が地下鉄に乗るために行列を作るようになったと。これは奇跡だと、あるいは文化革命だと言われたんですが、それは不思議はなくて、三分後に次の電車が来ますということが分かったら何もそんなことをする必要はないのです。一種の文化的なショックも及ぼしたと。
 かつ、女性専用車両をつくりました。その結果、女性の中に、押し合いへし合い男性に触れられないで乗れるというので非常に好評でありまして、乗客数が増えて収入が増えたというようなこともございまして、これなんかは、インフラですけれども、同時にSDGsのゴールのファイブ、ジェンダーとか、イノベーションとか、あるいは都市とか、イノベーションは九番で都市が十一番でございますが、これにも関係するものでありまして、それぞれについてというよりは、我々のプロジェクトがいろんな意味合いを持って展開されている例でございまして、まだまだございますが、こういうことをやっております。
 さらに、これを推進するためにあとは何をやるべきか。我々は、大学の受験なんかと同じで、得意科目は伸ばす、苦手科目はしっかり補うようにするというのがございまして、SDGsの中で、強いて言えば、JICAが苦手なのはパートナーシップでございます。民間の参加、他の主体との協力をいかに確保するかというのはやや得意ではございませんでした。これにも力を入れるようにしておりまして、地域でいいますと、関西で関西SDGsプラットフォームというのをつくっていただいて、民間企業、市民社会、大学、自治体などが一緒になって協力するフォーラムをつくっております。
 また、全国的に日本には中小企業が大変多いと。特に地方に非常にイノベーティブな中小企業の方々が多いわけでございます。そういう方々のノウハウと、それから途上国の必要性、デマンドを結び付ける仕事をしようといって、JICAの事務所で、地方でそういう能力のある会社を発掘し、途上国を紹介して企業進出していただいている。これは、日本再興戦略にも貢献するだろうというので、そういうことをやっております。
 またさらに、最近、やはり国民の間に、貢献、世界、社会に貢献しようという意識がやっぱり高まってきているような気がいたしまして、社会貢献債、JICA債というのを発行いたしまして、これは日本最初のソーシャルボンドとして発行されまして、無事、速やかにはけた次第でございます。
 というようなことをやっておりまして、ちょっと時間が食い込むといけませんので、慌てて後段のパリ協定の方に行かせていただきます。
 私は、昨年七月に、総理の御指名でパリ協定長期成長戦略懇談会というものの座長を務めさせていただきました。その議論の結果は、今年四月二日、今月の二日に提出をさせていただきました。
 この背景は、日本はかつて京都会議などで環境問題の先進的な地位にいたのでありますが、その後、東北の大震災、福島の事故等の結果もあって、ちょっと停滞しております。そして、このパリ協定の中で長期戦略を策定するようにということが義務付けられておるわけでありますが、G7の中で長期戦略を出していないのは、直前、すぐこの間、今の時点で日本とイタリアだけなんですね。ほかの国はみんな出している。ですから、ちょっと後れを取っているわけであります。これに何とか対応しなくてはいけないと。
 今年はG20の会合がございますし、これは、昨年はアルゼンチン、来年はサウジアラビアということなので、やっぱり日本は非常に重要な位置を占めております。ここで日本がそう格好の悪い提案は出せないということで、何かを考えてくれと言われまして、しかし、この懇談会は事務局が三省から出ているというなかなか難しいものでありまして、環境省、外務省及び経産省、それぞれの意見は控えめに言って同じでないわけであります。そこで出てくるのはなかなか難しかったのでありますが、総理の最初の御指示で、大胆なものを出してほしいと、野心的なものを出してほしいと言われたわけであります。かつ、気候変動への取組を制約とか障害と考えないで、これをチャンスとして考えるようなものを出していただきたいと。これまたますます難しいわけでございますが、というふうに言われまして、これを取り組んだわけでございます。
 この中には、有識者の方々、それから産業界の方々、金融界の方々、それぞれ代表的な方々が網羅されてやったわけでありまして、その提案が出た後、新聞などの、要旨は、御案内のとおり、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すということであります。それから、一・五度Cの目標、つまり、産業革命以後、二度ではなくて一・五度、もうちょっと高い目標で頑張ろうと、一・五度の努力目標を含むパリ協定の長期目標に、実現に向けて貢献しようというのを掲げたわけであります。
 簡単に言いますと、新聞等の評判では、何か全然野心的ではないというふうに言われたのでございます。まあそのコメントの趣旨は分からないでもないのです。それは、国際会議ではよくあることなんですけれども、猪口先生なんかも御案内のとおり、みんな確信がないことを平気で言うんですよね。ですから、そういう国に比べれば、確かに余り野心的ではないんです。しかし、これを各論で、これをどうやって実現するかというところに下ろしていきますと、これは実に相当野心的な難しい課題を含んでおります。ですから、会議の中ではかなり激論もいたしました。こんなことはできるはずがないという方もあれば、こんなのでは生ぬるいという方もあって、それを何とか、懇談会ですので、コンセンサスに持っていったというのが実態でございます。
 特に難しいのは、やはりエネルギーの分野でございます。CO2問題の八割がエネルギーの問題なわけであります。日本は、日本の立地条件その他から考えて原発は難しいと、それからリニューアブルエナジーも難しいと、それから他の国とのコネクティビティーも難しいという中で、どうやっていくかというのはなかなか確信を持つ案はできなかったんですけど、とにかく目標は決めようというので、今言ったような目標を決めたわけであります。
 ただ、明らかなことは、これはビジネス・アズ・ユージュアルではできないということなんですね。ですから、是非、大胆な取組のエッセンスはイノベーションなんですね、イノベーションをとにかくやっていこうと。相当なお金をつぎ込んで、そして、かつ世界中からお金をつぎ込んで、日本に投資をすることが世界の気候変動に貢献できるというような姿勢を見せることによって世界の資金を日本に誘導して、そしてこの問題に取り組んでいこうと。
 あわせて、今よく言われておりますように、日本の学会、大学等で、なかなか仕事がない、定職がないという方々に、そうしたお金を出すことによって彼らを鼓舞して、しっかり研究してもらおうということを願って、そういう方針を政府が打ち出されることを期待してこういう提言をまとめたわけでございます。
 一つだけ、非常に難しかった例を一つ挙げておきます。それは、石炭火力発電の輸出という問題であります。これは、一方でとんでもないという方もいらっしゃるんです。他方で、本当に貧しい国で石炭火力しか当面安いエネルギーは考えられないという国もあると、そういうときに一体どうするのかという問題で、これは私は高度の政治・外交判断を政府、内閣がされるしかないというふうに思うわけでございます。
 ですから、このときの会合のときにも、ここは、これについてはっきりしたことは書きませんでした。しかし、そういう幾つかの意見があったことは最終回で御報告いたしまして、これに対して、最後の締めくくりで河野大臣が、例えばそうしたどうしても石炭火力が必要だという国があって、日本が断ったら他の国が支援するかもしれないし、またその国との関係に傷が付くかもしれない、そういう判断は政府に委ねたいというのが私の、座長としてそれでまとめたんですが、そこは政府でしっかり引き取っていきたいというふうに言われていたわけであります。
 ほかにもたくさん論点はございましたけれども、最後にこれを御紹介することで、取りあえず私の御報告は以上とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#5
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、国谷参考人から御意見をお述べいただきます。国谷参考人。
#6
○参考人(国谷裕子君) 国谷裕子でございます。
 今日は、発言の機会をいただきましてありがとうございます。
 今日は、この三年ほど私がSDGsの取材、そして啓発活動に関わってきた者としまして、SDGsの国内での広がりがどのような状況になっているのか、浸透度の状況、国内での推進体制につきまして感じている幾つかの課題、そして若干の提言を申し上げたいと思っております。
 私は組織に全く所属しておりませんで個人として活動しておりますので、この場で、ごく簡単にですけれども、なぜSDGsの取材、啓発活動を行うようになったのかということにつきましてお話しさせていただければと思います。
 私がSDGsに初めて出会いましたのは、全加盟国でSDGsを採択することになります国連の七十周年記念総会のときで、SDGsは実は数年前から、各国の政府や政府関係者、NGO、そして市民、学者など、目標策定に向けたかんかんがくがくの議論がずっと数年間行われていたんですけれども、私はそのことについて全く気が付かず、そして「クローズアップ現代」のレーダーにも捉えられることはありませんでした。発足七十周年を記念する総会に向けての取材の準備をするに当たって、初めて知ることになったわけです。
 SDGsというものが非常に新鮮であるということに感じられましたのは、解決をしなければならない課題に一つ一つ個別に対応するのではなく、それぞれの課題がつながっているということを深く認識して、それぞれの課題解決がほかの課題解決にもなるよう総合的に、統合的に進めていこうというものだったからなんです。経済、そして社会、環境、それぞれの課題を切り離すことなく、一つ一つの目標の解決がほかの目標の解決も促すという相乗効果により解決に至るというふうにつくられていたわけなんですね。そのことに、大変新鮮な驚きとともに、そして感銘を受けました。
 三年前の三月まで「クローズアップ現代」という番組をキャスターとして担当してまいりましたが、一つの問題が起きて、その問題について番組で取り上げて、解決策だと考えられていたことを番組で提示したことが、数年たってみてまた取り上げてみますと、その解決策だと思えたことから新たな問題が生まれていました。あのとき一体自分は何を伝えたんだろうか、そう悩むことがございました。そういう思いが深まる中でSDGsに出会って、その考え方、進め方というのがとても新鮮に思えました。何か番組で続けながら悩んでいたことに対して解決策を与えられたような、そんな印象を持ちました。
 そして、もう一つ、ニューヨークで取材をして、番組を出して日本に戻ってまいりますと、今後の世界、日本に大変大きな影響をもたらすであろうSDGsについてメディアが余り取り上げていない、伝えていないということにも衝撃を受けました。私自身が、申し上げたように、SDGsを知るということが大変遅かったわけですから大きなことは言えないんですけれども、そういうこともありまして、番組を離れましてからこの三年、SDGsの取材、啓発に微力ながら個人として関わってきております。
 国連で採択されましてから三年半たちました。政府内に、先ほどの北岡理事長のお話にもありましたように、SDGs推進本部が発足しましてもう三年になります。
 国内での浸透度がどうかということについて申し上げますと、最初の二年ほどはなかなか浸透しませんでした。この一年を見ますと、企業、自治体、生活協同組合などの協同組合、大学など、幅広いステークホルダーの中で浸透度、認知度は急速に高まってきているように思えます。
 とりわけ、大企業においてこの動きが顕著です。積極的に経営計画に取り込んで、統合報告書に経営課題とSDGsがどのように関係しているかを記述する企業が増えています。企業にとりましてはSDGsが新たなビジネスチャンスをもたらすという側面もあるんですけれども、大きな影響をもたらしているのは、ヨーロッパを中心に急速に広まっていますESG投資が、日本にもその波が押し寄せているからだと思われます。
 ESG投資は、企業が環境、社会的課題にどのように向き合っているのかが重要な投資判断基準になります。このため、企業はSDGsが掲げる様々な社会的課題の解決を企業経営に取り込もうとしています。さらに、年金積立金管理運用独立行政法人、世界最大の機関投資家、GPIFがおととしからESG投資に関わる資金運用を始めたことも大きな影響をもたらしています。特にグローバルな展開をしている企業は、当然かもしれませんけれども、海外のグローバル企業、そして海外の政府のSDGsに向き合う動向に非常に敏感に反応しています。
 しかし、大企業全体にSDGsが十分な浸透を見るまでには至っていません。企業の社会的責任を重視する大企業で構成されていますグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンの会員企業へのアンケート調査を見ますと、SDGsが経営に定着したと答えた企業が急速に増えて、昨年の秋の調査では五九%にまで達しています。そして、取締役会で議論したという企業も七〇%になっています。しかし、中間管理職に定着したと答えたところは、増えているとはいえ、まだ一八%、従業員に定着したと答えたのは一七%にとどまっています。
 さらに、中小企業への浸透度を見ますと、ほとんど浸透していません。関東経済産業局が昨年十月に一都十県の中小企業五百社を対象に行ったアンケート調査によりますと、SDGsについて全く知らない、今回の調査で初めて知ったとする企業は八四・二%に上りました。SDGsに対して対応してアクションを起こしている若しくは検討していると答えた中小企業は、全体の僅か二%でした。
 これからの時代、ESG投資やSDGsの動きは、グローバル企業、大企業にとどまらず、中小企業も無縁ではありません。サプライチェーンを含む、原材料から製品の消費段階に至るまでのあらゆるビジネスプロセスがESGやSDGsの視点でチェックされる時代が来ようとしています。中小企業にとってもビジネスチャンスの機会が生まれる可能性があるわけです。そのために、中小企業への浸透というのが急がれます。
 一方、自治体を見てみますと、SDGsに対する関心が高まっています。国が地方創生にSDGsを原動力として位置付けました。昨年からSDGs未来都市の選定を始めたこともあります。SDGsの認知度が高まりました。二〇三〇年のありたい未来を描いて、そこからバックキャスティングして現在の課題解決の方向性を見出していくというSDGsの手法が、人口減少などに悩み、未来に向かってどう行動したらいいのか苦闘している地方自治体に地域づくりの新しい視点をもたらしているんです。例えばある町では、住民が参加して、SDGsが掲げる社会課題に照らし合わせて自らの課題を見出し、将来こうなりたいというビジョンを描いて、そこから地域づくりの総合計画を作り上げています。
 一般市民への浸透はどうでしょうか。これはまだまだといった感があります。私もSDGsの講演を頼まれて伺った会場などで、SDGsを知っていますかと手を挙げてもらいますと、SDGsを知っている人はまだ僅かです。ある新聞社が継続的に東京、神奈川県在住の三千人を対象に調査を行っていますが、この二月の調査で、SDGsを聞いたことがあると答えた人一九%、五人に一人といった感じでした。
 最近、食品ロス、使い捨てプラスチック問題など、SDGsにとっても大きな目標であり、また市民、消費者にとっても身近で自分事になりやすいテーマが大きな問題として浮かび上がっています。こうした身近な問題が入口になってSDGsへの理解が広がればと期待がございます。そして、先ほどの新聞社が行っている調査ですけれども、SDGsについて知ると共感する傾向が高いのは若者と女性たちというトレンドが見られます。
 SDGsが実質スタートした二〇一六年から四年目に今年は入ったわけですけれども、日本の中ではSDGsへの取組は大きなうねりとはまだなっておりません。この三年間啓発活動に取り組んできた実感として、SDGsを作らざるを得なかった背景が十分に知られていないと、そこが大きな要因ではないかと感じています。
 このSDGsというのは、地球の持つ、私たち人類の生命を維持してくれている地球システムが危険な状況に近づきつつあるという強い危機感からSDGsが作られたわけですけれども、それがなかなか共有されない、SDGsが自分事として受け止められていないということが大きいと思っています。更なる推進の強化、そして啓発活動の強化が求められていると思います。
 その点から、様々な取組を取材して感じているのは、SDGsを強力に推進していこうという政治の意思がまだ希薄だということでございます。
 先ほどグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンによる加盟企業へのアンケートを御紹介しましたけれども、このアンケートでは、SDGsに影響力のあるセクターはと尋ねますと、政府、政府系団体がトップとして挙げられます。また、自治体へのアンケート調査でも、取組の障害として、先行事例や成功事例がないといった理由と並んで、国や地域の盛り上がりが乏しい、国の方針が分かりづらいためどう推進していいか分からないという答えが上位を占めています。
 SDGsの目標は全世界共通のものであって、様々なステークホルダーが同じ目標を目指して進むわけですが、その目標達成に向けての方法、プロセスはそれぞれの状況に応じた自主的な方法に任されています。こうした多様な人々が参加し、自主性を重んじた方法は、思いもしないようなアプローチやイノベーションも生み出す可能性を秘めています。
 その一方で、SDGs達成に向けて一体何をすべきか、どう取り組んでいけばいいのかといった戸惑いを与えているのも事実です。そうした中で、国、政府の役割はどうあるべきでしょうか。
 三年前の二〇一六年五月に、政府に全閣僚によるSDGs推進本部が設置されました。その下で策定された実施方針により、八つの優先課題と具体的施策が決定されています。そして、それに基づいて二〇一八年からはアクションプランも策定されています。また、政府が実施しているジャパンSDGsアワード、昨年から始まったSDGs未来都市の選定は、先進的にSDGsに取り組んでいる自治体、企業、NPOなどを広く社会的に知らせ、SDGsに取り組もうとしている組織や人々に先行モデルとして多くの刺激を与えています。
 しかしながら、このような取組が行われているにもかかわらず、なぜSDGs推進に向けた政治の意思が強く受け止められていないのでしょうか。
 それは、一つには、具体的施策として挙げられているものが、SDGsに取り組む以前から各省庁が既に提案し進められている施策を八つの優先課題別に整理されたもので構成されていて、SDGsに取り組むに当たっての国家戦略であるとされながら、二〇三〇年へ向けての新しいビジョン、新たな政策としてはくっきりと示されておらず、SDGsによって何をどう変革していくのかが見えていません。
 また、SDGsには、様々な目標、ターゲットの達成に向けての行動がお互いに連関し、相乗効果、シナジー効果を生み出すことによってその達成をより確かなものにするという特徴があります。そのことを可能にする強力な仕組みが必要だと思われますが、その仕組みは実現していません。
 SDGs達成のためには、できることを積み上げていくというのではなく、野心的な目標を掲げて、やらなくてはならないことをスピード感を持って実施していかなければなりません。そのためには、複雑に絡み合う課題を統合的に検討し、その具体化施策を策定していく核となる強力な専任スタッフ部門、例えば内閣府にSDGsを推進する部局の設置などが必要ではないかと思われます。この省庁縦割りを超えたスタッフ部門と、現在推進本部の下にある円卓会議に参加している様々なステークホルダーのメンバーが深く連携し、その議論の中から二〇三〇年を目指す様々な施策を生み出すといった方法が取れないでしょうか。
 円卓会議は、SDGs達成に向けた日本の取組を広範な関係者が協力して推進していくためにつくられたもので、円卓会議は今、年二回の開催にとどまっています。意見交換する場、ややもすれば政府から出されたプランにお墨付きを与える場としてしか機能していない、具体的な政策形成の場となっていない面があり、この円卓会議の機能を大幅に見直し、強化することが重要だと思われます。
 実施指針には、省庁横断的な分野別の事項についても、事項に応じて関係するステークホルダーとの意見交換や連携のための場の設置等を検討すると書かれています。テーマ別の分科会も積極的に行って、より深い検討を行い、新たな政策形成に反映させていただければと思います。
 そして、SDGsは国際法のような法的拘束力を持つものではないんです。世界共通の目標に向けて、各国は進捗状況をきちんと把握して、国際社会でどこまで進んだのかということを明らかにしなければなりません。そして、それをハイレベル政治フォーラムなどでその進捗が比較評価されることで各国の積極的な行動を引き出そうというものです。
 SDGsは、目標、ターゲット、指標から成っていて、その進捗をモニタリングして評価するという、ある意味、測って比べるという分かりやすい仕組みを持ったものです。推進に当たっては、強い政治の意思の下、その仕組みがシステマティックに動くようつくっていかないと、スピーディーな目標達成ができないというふうに思います。そして、現在の推進体制では、フォローアップの、進捗把握の、個々の政策担当の省庁任せになりかねませんし、各種政策の統合効果の測定もできないまま終わる可能性がございます。
 そして、もう一点だけ申し上げたいのは、今年、実施指針の改訂が行われるということですので、多くのステークホルダーの参加の下で大胆な改訂をしてほしいと思いますし、そしてもう一つ、この場で申し上げたいのは、政治の強い意思を内外に示すためにSDGs推進基本法を制定する必要があるというふうに考えます。政治の意思の本当に強度を保つためにも、立法措置による政府や自治体など行政組織に対するある種の縛りというものが必要ではないかと思います。
 基本法についてはもう少し申し上げたいこともありますけれども、時間となりましたので、私の発言はここで終わらせていただきたいと思います。
 このような場で発言させていただく機会をいただきましてありがとうございます。
#7
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、浅岡参考人から御意見をお述べいただきます。浅岡参考人。
#8
○参考人(浅岡美恵君) 浅岡でございます。
 本日は、お招きいただきましてありがとうございます。
 私は、気候ネットワークというNGOの関係で本日お邪魔をさせていただいておりますが、気候ネットワークは、九七年に京都議定書が採択されました国連の会議のためにといいますか、その関係で設立されましたNGOで続けております。既に二十年経過いたしまして、気候変動に関わってまいった経過から、本日は、パリ協定を中心として、SDGsの関係も触れながら申し上げたいと思います。
 先ほど国谷参考人の御意見を拝聴しておりまして、まさに私が関するところはほぼ共通の考え方であります。それを気候変動に落とし込めばどうなるんだろうということを申し上げたいと思っております。
 まず、パリ協定でありますけれども、御案内のとおりであり、北岡参考人からもお話ございましたが、世界の協力によりまして地球の平均気温の上昇を産業革命の前から二度、一・五度にも努力するということに世紀を掛けて取り組もうということでありますが、その実現のための大きな目標が、今世紀の後半にも、脱化石時代、実質的なCO2の排出をゼロとすると。一・五度にいたしますということは、もうそれが二〇五〇年にも求められているという、タイムラインがあるという問題であります。
 そのために各国が目標を定め、提出し、またそれを実施をしていくということがパリ協定の四条二項に書かれておりますが、先ほど国谷参考人からもありましたように、自主的に目標を定めるということが一つの課題となっております。ただ、足りない目標を引き上げていくというプロセスがこの中に組み込まれておりまして、日本も今、二〇二〇年に二〇三〇年目標を引き上げられたいという要請、また、二〇五〇年の目標も八〇%削減から更にもっと引き上げるようにという要請を受けている中の立ち位置にございます。
   〔会長退席、理事堀井巌君着席〕
 こうした中で、日本がこの気候変動問題につきまして国際的な存在感を持って対応していくというためには、遅れながらではなく、やはり先陣を切って取り組んでいるということなしには、国内対策がしっかりできているということなしには国際貢献も難しいと。国際社会への貢献もそういう観点からなされる必要がある。
 とりわけ、本日は、石炭に関する国内の対応、そして国際的な海外への対応につきまして、そして、その反面であります再生可能エネルギーの体制が遅れているんだということにつきまして、御案内とは存じますが、申し上げてまいりたいと思います。
 少しパワーポイントを用意いたしましたが、一枚目の下は今のことでございますが、裏をめくっていただきまして、パリ協定は二〇一五年に採択されまして、翌年には発効いたしました。トランプ政権が誕生いたしましたが、発効し、そして、そのルールブックと言われます詳細運用ルールも、基本的にはもう昨年のCOP24で採択されました。大変積極的な動きが見られているわけであります。
 これが、どうして国際社会がこのように動いているのかということにつきまして、世界の動きの中で重立ったことをスライドの三に挙げてみましたけれども、IPCCを中心といたします科学からの示唆が大変大きいと。科学ベースで国連の枠組みもパリ協定も採択され、構成されているということであります。
 どうしてそこまでなってきているのかというのは、もう世界中の人々の生命、健康、生存に関わるというところまで現実になっているという意味で、ある意味で人権問題として捉えられるようになりました。
 やるべきことは分かるけれども、じゃ、どうやって脱化石時代を築くのかという点につきまして、再生可能エネルギーに大変急速に、この数年、経済合理性が高まってまいりました。非常に安くなったわけであります。もう石炭よりも安いというぐらいになってきているわけであります。
 そして、こうした世界の動きに国際社会が動き出す、ビジネスも動き出すということが既に起こっております。金融も明確にそうした動きを見せております。
   〔理事堀井巌君退席、会長着席〕
 そして、国の責務は当然ですが、州とか都市とか自治体が取り組んでいるということが出ておりますし、日本におきましても世界におきましても、やはり地域、ある意味でこれまで貧しかった地域の問題としてこの再生可能エネルギーが非常に大きな役割を担っているということがあります。
 これらを動かしているものにもなりますが、市民セクターも大変行動的であります。このグレタさんの写真は最近日本でも見るようになりましたが、子供たち、中学生、高校生が毎週学校ストライキをするというような目覚ましい行動力があります。
 これらの動きは世界的に動いていることでありまして、日本はどれも弱いと。科学とパリ協定は共通でありますけど、そのほかの部分は弱い。そして、二〇五〇年八〇%削減、政府が閣議決定しているんですということを御存じの国民は一体何人いるだろうかと、SDGsにとても及ばないと、このような現実があるわけであります。
 こうした観点で見ますと、私は弁護士として法律家でありますが、このパリ協定という国際条約は、気候や環境に関する条約ではありますけれども、既に人権条約であり、また経済のルールに関する条約であるという機能を持ってきているということになろうかと思います。
 とても今日は時間が限られますので、この後ははしょらせていただきます。
 下にありますIPCCの特別報告は、COP24に私も出ておりましたけれども、ここにありますように、一・五度Cに止めるということは、二度あるいはそれ以上の気温上昇にとどめるようなことよりも明らかに世界中の国民に便益があるんだ、大変だという以上にもっと便益があるんだと、非常にチャンスなんだ、チャレンジなんだと、すべき機会なのだということが強調されております。
 次のページのところでありますけれども、ヨーロッパがとても先進的であるように皆様にも伝わっていると思いますけれども、私も二十年この交渉を見てまいりまして、大きな転機は二〇〇二年から三年にあったと思います。どこも頭では分かっているわけでありますが、二〇〇二年から三年にヨーロッパは非常に広範囲に大洪水に見舞われ、多くの命や財産をなくしましたし、二〇〇三年には何万人という人が熱波で亡くなりました。これは、気候変動の影響はどんな姿かということが現実になったと、ここから取組が本気になったと、経済的な仕組みも入っていったと思います。
 日本も、去年、おととし、大変な災害に見舞われております。その下にも、これ六ページにも、六枚目にもありますが、都市が大変脆弱でありまして、日本の都市も多くの都市がその脆弱なところに番付が入っております。東京もゼロメートル地帯が多いことはよく御案内のとおりであります。
 それで、次のところを見ていただきまして、少しデータに基づきお話ししたいと思いますが、一・五度の特別報告といいますのは、COP24でも報告されました、直前に出されましたものでありますが、ある意味で衝撃なものでもありましたが、COP24を契機といたしまして、非常にスムーズに皆さんが受け入れていったというか、これをちゃんと頭に置いてやっていこうということの流れが顕著になってきたという空気を感じております。
 その一・五度報告には、図が四つありますけれども、P1、P2、P3、P4の四つのルートが書かれておりますが、P3、P4というのは、今しばらくは排出をして後で大気から回収すると、こういうことのシナリオで、オーバーシュートと呼んでおります。それはあり得ないことだ、できない、これに期待するわけにはいかないと、P1、P2で求めてやっていくといたしますと、その下のものが、地球全体で、一番上の赤いラインはCO2の排出削減量、下のラインが一次エネルギーに占める石炭の削減量であります。下に書いておきましたが、CO2は二〇三〇年までに二〇一〇年比で世界で半減する。そして、火力と製鉄が、一次エネルギーに占める石炭でありますが、二〇一〇年比に六から八割は減らしていると。大変大きく減らすということが必要であり、脱石炭ということが世界中で課題である。日本は先進国でありますので、より早くそれを実現していくという立場にあるということであります。
 次のページ見ていただきますと、こうした要請を受けまして、イギリスやフランス、主要国がどのような取組をしているのかということであります。メモにしましたが、二〇三〇年、日本よりも大きな削減目標を掲げ、逆に再生可能エネルギーも大きく目標を掲げ転換をしていくと。脱石炭の目標年というものは二〇二〇年代。ドイツも、いろいろありましたが、二〇三八年という設定をいたしました。それに引き換え、日本は、二〇三〇年にまだ二六%持つのだと、こういうことになっております。
 その下に、オランダのハーグ地裁の判決から、排出量の小さい国は大きく貢献することはないという主張とか、それからオーバーシュートの方法もあるではないかというような議論を裁判で、国から、オランダの政府からなされたものに対する判決が出されております。このように、こうした議論は、裁判所の中で何をすべきかということが議論され、先ほどの一・五度報告に沿うような形で取り組むべきことが既に、何といいましょうか、判決の中、高裁判決にも出てくるというようなのが国際社会の動きだということであります。
 次のページを見ていただきますと、十一ページありますが、もう本当に時間がありませんのであとははしょらせていただきますが、そこで、今回、長期戦略が出てまいりました。いろいろ工夫されているところは拝見をするのでありますけれども、申し上げておきたいことは、IPCCの一・五度報告というのは、考えてみようというレベルではなくて、もう既にそこに向かって多くの社会、国際社会が動き出しているものであると。ビジネスも動き出していると。そして、SDGsとの関係は、国谷参考人がおっしゃいましたように大変深く絡み合っていると、各論がここに全て表れているということであります。
 そこに欠けているのは野心的なビジョンと、まあビジョンにも含まれるかもしれませんが、日本に欠けているのは、本当にいつ脱化石に向かうのか、いつ脱石炭に向かうのか明確な目標数値、目標年を設定し、それを更に引き上げていく、また、その数字だけではなくて、それを実現していくための政策措置を策定し導入する、これがほとんどない状況だと今は言わざるを得ません。これはSDGs全体と共通であります。
 それで、二〇五〇年につきまして非連続的なイノベーションということで、特にここの、今回の長期戦略では、非常に今はとても無理だなということが明確なものとか、CCSのようなものとか、非連続な技術に頼ろうとしているところがありますが、そうではない取組が世界中で行われているということであります。
 その下にありますのは、今申し上げましたように日本の排出の経過でありまして、八〇%削減に向かう。この図で注目いただきたいのは、下の赤い線ではなくて黒いところ、これが発電部門から排出される二酸化炭素であります。約四割を占めます。この中の半分以上が石炭によるものであります。これを早く減らしていくということなしには駄目なのではないか。
 しかしながら、なぜこれがなかなか難しいかといいますのは、今回の長期戦略のベースになっておりますエネルギー基本計画、同じく去年のものでありますけれども、ここに、電源における脱石炭ということが明確、明確とは言いましたが、そうはなっていなくて、非効率の石炭の新設はやめると、非効率なものだけ、効率のいい石炭は国内でも進めるということになっています。輸出も同じように進めるということになっております。
 再生可能エネルギーをどうするかという点につきましては、主力電源化に向けてという言葉は入ったのですけれども、それを実現するための系統制約をどう克服するのかということについてまだ何も手付かずだと言わざるを得ません。
 その下にあります表は、エネルギー基本計画長期戦略のベースになっております経済産業省の長期エネルギー需給見通しというものでありますが、これの右の方を見ていただきましたら分かりますように、石炭を電源の二六%程度にするということは二〇三〇年の目標としてですが、震災前十年間も同じものであると。二〇〇〇年から二〇三〇年まで日本はエネルギーの、電力の構造を変えないということがこのベースになっているわけでありまして、ここから斬新な長期戦略が出てくるということは大変難しいと、こういうことだと思います。
 次は、念のために入れましたが、もう本当に時間がありますのではしょりますが、UNEP、国連の機関におきまして、日本も不十分ですが世界もみんなよくできているわけではなく、全体としてまだ大きく削減量が二度のラインにも足りません。そこで、まずすべきことはといってここで書かれておりますところに、新規の石炭火力発電所は建設しないと、フェードアウト、既設のものも早くフェードアウトしていくということは一丁目一番地の対策として出ているということであります。
 このようにしていくということが、下に書いてありますのは、日本は化石燃料をこれほど毎年輸入をしているわけであります。輸入量と輸入額の表を入れてありますが、非常に価格変動が大きいものですから輸入額は、に払う金額は大きく変動しておりますが、輸入量は余り変わっておりません。まあ若干減る傾向に来ているかなと思います。他の先進国でこのように化石燃料を輸入している国は、これらの輸入代金が国外に出ていく、流出を回避するということで、早く取り組むことが大変大きな国の経済としてのインセンティブにもなっているということで、日本においても同様であります。
 次のページのところを御覧いただきたいと思いますが、日本の国内の石炭政策、国外も含めてでありますけれども、先進国で、海外のNGOがランキングを毎年のようにするのでありますが、二〇一七年でも最下位で、バツバツばかりであります。二〇一八年も最下位でありましたけれども、二〇一八年、一つ加わりましたのは、民間の融資先の方、金融側が若干方針を変更するところが現れてきているということで、その評価が幾分入りました。
 こういうふうな最下位の評価になりますということはどうしてかといいますと、その下にありますように、日本では震災後、五十基もの石炭火力の新設計画が起こりました。そして、その右下に書いてありますように、この数年間の間にもう既に建設され、稼働を始めたところがかなりの部分があります。一部、融資先が撤退すること、融資先の事情から撤退したところも、するというところも出てきましたけれども、なお今まだ計画が進行しているところがある。これは、ほかのG7の国々から見ましても本当に特異なことである、だからこそ非常に国際社会からの批判を受けております。これを政策変更していただくことは急務であると思います。
 次の十九枚目の図でありますけれども、なぜこのような新設ができるのかという点は、日本の政策が電力業界の自主目標に由来し、省エネ法では発電事業者の全体としての基準しかなく、エネルギー供給高度化法というのは小売業者の規制しかなく、個々の発電所に関する規制が全くないということがあるからであります。
 じゃ、どうしたらいいのかという点は、先ほどの海外の対応でもありましたように、やはりCO2の排出規制を発電所においてはちゃんと設けていただいて、石炭ができないようにする。また、ここの右の方の図は、環境省が作りました世界の排出量取引制度が導入されている国の状況、あるいは炭素税が導入されているところでありますけれども、こうした大規模排出源に対しては排出量取引制度のカバーが必要だということであります。
 時間になりましたので終わらないといけないと思いますけれども、一、二点だけ付け加えさせていただきますと、日本には石炭だけではなくて天然ガス火力の発電所もたくさんもう既にありまして、非常にそういう意味ではもう十分なキャパを持っているということ。
 そして、次の二十二枚目からは、再生可能エネルギーが世界でどのように投資が進んでいるのか、どのように次はコストが下がっているのかということ。経団連も若干そうした動きが見えるのかなというふうに思われたところであります。
 最後のところは、一番最後には、日本の民間からの投資あるいは公的な投資が、やはり石炭に対する投資が大変世界的にも顕著な、海外への投資も顕著だということが国際社会での非難も受けていると。脱化石に向かうというのは世界どの国も向かうと。そういう時代に途上国にどう支援するかということが問われているわけであります。
 最後のページは、SDGsにつきまして、国内でこの気候変動に対応していくといたしました場合は、どのような課題、ゴールがどのように関係性を持って関わっているだろうかということを私なりに整理を仕立てたというものでありまして、御参考になればということでございます。
 どうも、長くなりまして失礼いたしました。
 ありがとうございました。
#9
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見聴取は終わりました。
 これより質疑を行います。
 本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
 質疑及び答弁の際は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただきますようお願いいたします。
 まず、各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただきたいと存じます。
 委員の一回の発言時間は答弁を含め十分以内となるよう、また、その都度答弁者を明示していただきますよう御協力をお願いいたします。
 それでは、質疑のある方は挙手を願います。
 猪口邦子さん。
#10
○猪口邦子君 三人の参考人には、大変重要な御指摘の数々をいただきましてありがとうございます。大変参考になったところでございます。
 私は主として北岡先生にお伺いしてまいりたいと思いますが、北岡先生は研究者であり、教育者であり、また大使経験者であり、そして今JICAの責任者であるということでございまして、冒頭、正しくも、MDGsについては国内で知られることが少なかったけど、SDGsについては広く考えられているという御指摘です。この理由は、MDGsの場合は途上国を助ける、途上国の問題解決というような人ごと的な考え方があったかもしれませんが、このSDGsは自分たちの課題でもあると、先進国、途上国併せた課題であるという、こういうフレームができて、まさにそうなったんだろうと思います。
 そこで、日本としてのこのSDGsとの関係での課題ですね、これについてどう考えていらっしゃるかということを伺いたいんですね。
 例えば、この十七のゴールズを見ても、例えば一の貧困をなくすといったら、子供の貧困の問題、我らは抱えている。あるいは、三番の全ての人に健康と福祉をといえば、高齢化社会の医療、地域包括ケアなどどうなのか。五番のジェンダー平等といえば、まさに男女共同参画の不足がまだまだ見受けられる。あるいは、十一番の住み続けられるまちづくり、都市計画の問題などですね。あるいは、十三番のこの共通の課題であります気候変動。先進国も課題としてこういうふうにあるなということでございます。
 これとの関係で、日本は、今年G20、そして来年オリパラ、そして、そのオリパラの年の九月には、ニュートリションサミットといいまして、栄養に関する首脳会議が日本で開催されます。こういう世界に対する重要舞台を日本が提供するという場合に、北岡先生としてはどういうふうにこのSDGsの課題、特に日本としての課題も含めて考えていらっしゃるかということを伺いたいと思います。
 それから次に、研究者でいらっしゃるわけですけれども、途上国の特にSDGs解決するのに研究というのは非常に重要だと思うんですね。本当の問題の原因といいますか、解決への答えは何なのかということなくして難しいです。
 先生おっしゃった乳幼児死亡率、これを半減させることができたと、そのとおりなんですけれども、ここにはすごい研究の成果がありまして、どうやったら乳幼児死亡率を少なくできるのか。それは食糧支援だろう、いや、医薬品の支援だろう、みんなこういうふうに思うわけですが、ここで国連の研究者の報告書によって、女児の識字率こそが乳幼児死亡率を劇的に減らすことができる。要するに、識字のある母は自分の赤ちゃんの命を守るそのすべや情報により的確に接することができると。こうして、まさに、マララさんではないですけれども、女児の教育ということが一気に強化される。
 ですから、こういう研究と、それから問題解決、ソリューションとの関連性、そしてその研究というのがどういうふうにこのSDGsの解決に関わってくるのかということを伺いたいと思います。
 それから三番目に、エジプトの日本式の教育についての御指摘があるんですが、私、初代の食育大臣というのを経験したことがあるんですけれども、日本の給食制度こそ世界に広めてもらいたいと。そして、この栄養サミットにおきまして、この給食など、日本がかつて大きな問題を抱えていたかもしれないけれども克服できたSDGs的な課題、これについての発信、発言をやっていただければと思っております。
 それから、この部分で最後なんですけど、これは浅岡先生にも同じテーマを伺いたいと思うんですけど、環境問題について発言する若い世代ということがあります。
 北岡先生も、学生運動、こういうことの記憶があると思うんですけれども、ちょうど五十年ぐらいたっているわけですね。あのとき、世界を改革するといったソルボンヌに始まるあの運動は大学生。ところが、今は高校生で、そのスクールストライキというのは、スウェーデンの高校生、ハイスクールのグレタ・サンバーグさんが、金曜だけは学校に行かずにこのスクールストライキをするということですね、この気候変動問題に対する大人の取組が弱いんじゃないかと。で、頭のいいあなたがそんなことをしたら自分の未来を台なしにするでしょうと言われたら、何の未来、あなた方が自分の、私たちの未来を壊しているでしょうということで、ヨーロッパ中にこれが広がって、今もう何百校とこのスクールストライキ現象というのが出ているんですよ。
 それで、この主張の若年化……
#11
○会長(水落敏栄君) 答弁者の時間も考えて。
#12
○猪口邦子君 あっ、そうですね、済みません。
 そういうことをどうお考えかということをお伺いしたいと思います。
 そして、国谷先生には、ESGにつきまして、ちょっと更にどういうふうに投資行動があるかということを教えていただきたいと思います。
 以上でございます。
#13
○参考人(北岡伸一君) 御質問ありがとうございました。
 最初に、MDGsよりはSDGsの方が上がってきている、幾つか理由がありますが、私は、一つの理由は、間口が広いということだと思います。どこか、これだったら、あれ、自分も関係できるかなと思う人が多いと、それが一つでございます。
 それから、過去数年間統計を取っておりますと、ODAに対する支持は増えているんですね。かつて、ODAは減らすべきだ、増やすべきだ、現状でいいというのを比べますと、余り多くなかったんですが、最近は増やすべきだとそれから現状維持でいいというのを合わすと八割近くになっているんです。以前よりかなり増えているんです。それは、一面では、この数年間、経済状況が良くなっていることと関係しているかもしれません。
 また、小中学生に対して、国際協力についてのJICAではエッセイコンテストをやっておりますが、この参加者は年々増えているんですね。ですから、今の若い人は希望を持てるんじゃないかなと私はちょっと思っている次第です。
 もう一つ、更にこれをやるためには、SDGs及び、特に気候変動もそうなんですけれども、私は小学校ぐらいからこの問題を教えなくちゃいけないんじゃないかと思うんですね、気候変動の問題を。これが大変大事ではないかと思っております。
 二番目の御提案の、御質問のいろいろなんですけれども、幾つかお答えをしますと、我々は、日本の教育の輸出といいますか、やっておりますが、それと同時に、幾つかの国では、給食まで含めた、特に西アフリカにおいて、みんなの学校と言っておりますが、スクール・フォー・オールというプロジェクトをやっておりまして、給食まで視野に入れると。給食を視野に入れれば、子供たちが栄養も取れるし、子供は三食食べれる子がみんないるわけじゃありません、学校へ行きたがるんですね。そうすると社会が安定するんです。いろいろな意味で良いことなので、ただ、お金も掛かるんですが、これを、日本がかつてそうだったように、コミュニティーの中心が学校であり、コミュニティーが学校を支えるという制度を幾つかの国で導入して、東だとマダガスカルなんかでやっておりますが、これはとても良いことだと思っております。
 ただ、若干足りないのは、就学前教育にはもうちょっと工夫が必要かなというふうに思っています。
 それからもう一つ、我々は、よその国とちょっと違うのは、UHC、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジであります。我々のJICAが特に、日本、JICAが特に強調しているのは、治療より予防だと、予防が大事だと。私もかつてマラリア予防のオリセットというキャンペーンやったことがあるんですけれども、予防が大事だと。欧米の方は、企業とのパートナーシップはいいんですけれども、製薬会社がどうも薬を売りたいという動機と結び付いていやしないかというのを時々邪推するんでありますが、そういうことを考えます。
 こういうところは、一つ一つのプロジェクトの成果を簡単なプロジェクトストーリーにして、また研究者の方に還元できるような研究と実務の両立というのを考えております。
 ちょっと私はここで一応止めさせて、あとの時間、譲らせていただきます。
#14
○会長(水落敏栄君) 浅岡参考人、お願いします。時間が迫っておりますので、恐縮ですが。
#15
○参考人(浅岡美恵君) はい。
 グレタさんの行動に関しまして少し申し上げます。
 これは、気候変動という被害の特徴でもあると思います。ほかの環境での取組というのは、努力、世界が取り組むことで少しは良くなっていくということに行くと思うのですけれども、気候変動は、これから明らかに予測されていることは、悪くなるわけです。悪くなる程度をどこにとどめるかというものであります。二酸化炭素は大気中に蓄積されておりまして消えていきませんので、追加的な排出がある限り悪くなるわけです。
 今、グレタさんのような十代の人たちは、私が五十歳になったとき、七十歳になったとき、どんな気候ですかということをイメージすることによって、それを何とかしてくださいと、少しは良くして、もっと改善してくださいということを言うと。抽象的に気候がこう変わるというようなことから、自分の生きる社会がどうなのかとイメージすると。子供たちがそうしたことを一生懸命考えている、これは教育の在り方にもあると思います。
 京都市では、そうした小学校の教育を取り組んでくださり、私たち気候ネットワークは全部の、全ての小学校に行っているんですけれども、ただ、それは、日本で子供がストライキすると言うと、先生はいけないと言うでしょうと。ヨーロッパでは先生も一緒にやっている学校があると。この辺りはやはり大きな違いがあるのではないかと思います。
#16
○猪口邦子君 終わります。
#17
○会長(水落敏栄君) 牧山ひろえさん。
#18
○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会・希望の会の牧山ひろえでございます。
 本日は、参考人の皆様、大変お忙しい中、SDGs、パリ協定等の国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題というテーマにつきまして、大変ためになるお話をありがとうございます。
 現在の国際的な潮流で最も懸念されるのは、世界中に広がりつつある自国第一主義だと思います。かつては国際協調の牽引役となっていた欧州諸国でも、反EUや反移民、難民を合い言葉に自国第一主義を掲げる急進的な右派政党が急速に支持を伸ばしている、こういった事実がございます。
 本日のテーマであります国際公約は国際協調を基盤とするものであり、国際協調と自国第一主義は相反するテーゼだと思います。私は、自国第一主義の潮流が強いからこそ、逆にODAを重視すべきではないかなと考えております。
 そこで、国際協力機構の理事長であられる北岡参考人にお伺いしたいんですけれども、自国第一主義が広がる国際的な潮流が強い中でのODAの意義について、改めて御所見をお伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。
#19
○参考人(北岡伸一君) 我々は、よくODAの意義について聞かれるときに、次のように説明します。我々は、国内では、高収入の人はたくさん税金を払い、そうでない方々にお金が回るようにしていると。これは、国境の外には無関心でいいんだろうかと。やっぱり、豊かな国はそれなりの貢献をして、そして途上国の発展に貢献する義務があるのではないかと。ですから、OECDでは、各国GDPの〇・七%を目標にしてODAをやりましょうということになっているわけであります。
 しかし、日本は、昨年で〇・二三%、今年はちょっと計算方法が変わったせいで〇・二八に、実質的に増えてはいないんですけれども、計算上〇・二八に上がっていたのですが、これは、一%出している国があり、そしてイギリスなどは〇・七%を出すというのを法律で決めていると、そういうところに比べて大分少ない。ドイツは〇・六とか、独仏に比べても少ないので、日本は決して自慢できるほどではないと。もう少しやらなくてはいけないんじゃないでしょうかねということを言うと、多くの、かなりの方は賛成してくださって、さっきデータに触れましたとおり、増やしてもいいんじゃないかという方がちょっと増えているというのが現実でございます。こうして途上国を発展させると。
 アフリカを取ってみますと、今年はTICADが夏に横浜で開かれますが、二〇五〇年ぐらいになりますとアフリカの人口は世界の四分の一になるんですね。四分の一の人口、四人に一人がアフリカ人という世界で、もしアフリカが発展を続けていれば、これは我々の大きなマーケットになると。しかし、もし発展に失敗すれば、混乱して世界の大変大きな課題になってしまうと。そうならないようにしていこうではないかということを、長期戦略で見ればほとんど自明のような気がいたします。
 牧山先生おっしゃるとおり、自国第一主義という大きな制約がございます。ただ、一方で、例えばアメリカでも州や企業の間ではこうした問題へのコミットメントが結構強くて、ですから、アメリカの状況が絶望的だとは私は思わないんですね。ヨーロッパでも企業の方のコミットはかなりありますし、NGOも強いですし、ですから、自国第一主義というのは確かにあるんですけれども、ODAの潮流、途上国支援ということについてはそれほどまだ打撃はなくて、日本はこの方面でこうした国々を引っ張るように努力しなくてはいけないというふうには思っております。
#20
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 自国第一主義についてですが、私は批判的ですけれども、国のかじ取りは最終的にはそれぞれの国の国民が行うものであり、他国がむやみやたらに口を挟むわけにはいかないと思うんですね。そのような限界がある中で、ソフトに、かつ長い目で見たアンチテーゼになれるのがODAではないかと私は考えております。
 その意味で、最近のODAに関する日本の方向性につきましては、短期的な国益を目的としたり、あるいは同盟国との政策的な協調が前面に押し出され過ぎている傾向があります。そのような方向性については、私は深い懸念を感じております。
 以前、我々は開かれた国益を提唱したことがありますが、開かれた国益という概念というのは、国際公約を重視することにも結び付き、前進させる力があるんではないかなと考えております。
 さて、「SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題」という今日のテーマに関しましてですが、国や地方自治体の取組もさることながら、それも取組施策が国民の理解と関心に結局基づくことが何より重要ではないかなと感じております。
 私はアメリカの弁護士として海外で働いていた時期が長かったんですけれども、欧米諸国では、このような地球規模の政策課題につきまして、市民がより身近に、そして自分たち自身に関わる問題として捉えているという、そういった印象を私は強く受けました。
 ここで国谷参考人と浅岡参考人にお伺いしたいんですけれども、災害の対応でも称賛されていますように、日本国民は決して倫理観が低いというわけではないと思いますし、そういうことではないにもかかわらず、地球規模の課題に関するこの距離感の遠さは一体どこからくるのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#21
○会長(水落敏栄君) まず、国谷参考人、お願いします。
#22
○参考人(国谷裕子君) 日本国民の間で、SDGsのその課題、国際的な課題の認知度が低い理由なんですけれども、先ほどのお話でも少し申し上げましたけれども、まずは、SDGsが生まれた大きな背景というのが、我々人類の生命を維持してくれている地球システムそのものが壊れるかもしれないという強い危機感で作られたということが十分伝わっていないことと、もう一つは、そういった気候変動がもたらす様々な、そしてその気候変動の影響というものが、IPCCの一・五度報告書にもありますように、これまで考えられていたよりもよりスピードが速く、そしてシビアな形で災害等となって現れてきていて、それが世界全体を不安定化させるという状況を生み出している、この二つの不安定化させているということと、そして地球そのもののいわゆる生命を維持してくれている機能が壊れてきているという、そのコアにあるなぜSDGsが生まれたかということが十分に伝わっていないのではないかと。
 そしてもう一点は、我々の生活、よく言われるのは、今一番気候変動の影響を受けている国や地域というのは、温暖化に責任がない、今まで温室効果ガスなどを排出してこなかった地域の人々がより苦しんでいるということの理解も十分に進んでいないのではないかというふうに思われます。
#23
○参考人(浅岡美恵君) 一つは、本当に必要な情報がやはり国民に届いていないと。あふれているように見えますけれども、大事なメッセージが抜けているんだと思います。本当に、今、国谷参考人がおっしゃったことと共通いたしますけれども、深刻さ、また何が由来するか。これだけ情報があふれているのであるから国民は自分から求めていけばいいではないかと。確かにネットで探せば得られるようなものではありますけれども、そこまでの主体性がやはり日本の国民性の中に少し欠けている面もあるというふうには思います。
 ただ、それをどうやって補完していくかということで、海外の国々と比べて私が感じますところは、政治のメッセージがやはり欠けていると思います。本当に、国が向かう削減目標を安倍首相からちゃんと語られたということは余り私は見ませんし、ほかの国では大統領、首相たちがやはりそう言っているわけです。それから、国外の化石燃料を購入することを避けることでどれだけ国の経済にもいいのかということをトップから話がされていると。そういう政治的なメッセージあるいはシグナルというものを日本にもっと強化していただきたいなと思っております。
#24
○参考人(北岡伸一君) 一つだけちょっと。
#25
○会長(水落敏栄君) 北岡参考人、まとめていただきたいと思います。
#26
○参考人(北岡伸一君) 牧山委員が最初、今の日本のODAが国際協調を支援するという流れに必ずしも十分に貢献していないと、あるいは同盟国本位になっているのではないかという御懸念が表明されたので、それは具体的にどういうプロジェクトを指しておられるのか。私はちょっと誤解ではないかと思うので、お聞きしたかった次第であります。御指摘いただければ御説明いたします。
#27
○牧山ひろえ君 ちょっと時間の制限がありますので、後ほど個別によろしくお願いします。
#28
○参考人(北岡伸一君) 一言だけ。そういうことはないと申し上げておきます。
#29
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。
 大変参考になりました。皆様、ありがとうございました。
#30
○会長(水落敏栄君) 伊藤孝恵さん。
#31
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
 三人の参考人の皆様、本当に貴重な御示唆、御提言をいただきましてありがとうございました。
 私、お三方にお伺いしたいというふうに思います。
 SDGsの目標というのがあります。SDGsの目標については二〇三〇年までにということですが、現時点で進捗はどうなんでしょうかというようなふうにお伺いをすると、SDGsの多くの目標、ジェンダー平等などの分野を除き、達成しつつありますというふうに政府側は説明をします。これは先進国、途上国併せた課題でありますので、例えば十五歳から十八歳未満の結婚女性の割合というのももちろん含まれます。そういったものも含んでほぼ達成しつつありますという御説明なんですけれども、じゃ、例えば全ての尊厳が尊重されているか、人間らしい、誇りを持って生きているのか、誰も置き去りにしていないのか、そういう人間の安全保障のアプローチというところで、誰がどこにどう取り残されているのかを可視化できているのか、そういったところにも私はまだまだ課題があるというふうに思います。
   〔会長退席、理事堀井巌君着席〕
 私がお三方にお伺いしたいのは、SDGsの目標というのはもちろんあります、それを日本版の目標、今我々の国にある課題に置き換えて解決していこうというアプローチをするときに、これがSDGs上の目標、日本版に置き換えるとこうだというようなものを、私たちも一生懸命、政府側ももちろん一生懸命アプローチをしているんですけど、例えば目標十六とかで、平和と公正を全ての人にという目標ですけれども、国際人権法違反を報告した人口の割合というのを日本版に翻訳すると、二〇二〇年国連犯罪防止会議の出席者数なんていうふうに置き換わっちゃうんです。まあ大事です、大事ですけど、そういった会議に何人出席したかも大事ですけど、もっと我々の国には課題がいっぱいあります。
 例えば、子供。七人に一人の子供が貧困と言われています。一人親家庭に限っては二人に一人の子供が貧困と言われて、おなかがすいて眠れないというふうに言っています。何県にそういう子たちが何人いて、どのくらいおなかがすいていて、そういった統計というのはありません。その細かい統計というのはありません。
 なので、行政とか政治は、その子供たちをゼロにするためのロードマップというのも描けていませんし、その具体的な数値目標も持っていないのでモニタリングもできていません。やっぱり、この指標をSDGs上から日本版に置き換えたときに、この指標を追うんだ、そしてモニタリングしてなくしていくんだ、ゼロにしていくんだ、良くしていくんだ、そういうようなアプローチが必要なのかなというふうに思います。
 政治のメッセージが欠けているとか、政治の意思が希薄、ここにも課題があると思いますが、では、その日本版のしっかりした課題に置き換えるにはどういうふうな作業が必要なのかというところ、北岡参考人から順に教えていただければと思います。
#32
○理事(堀井巌君) それでは、まず、北岡参考人。
#33
○参考人(北岡伸一君) 済みません、こういう場であれなんですけど、十七の中で圧倒的に我々弱いのはジェンダーです、日本の中で。この国会がそうなんです。これは、多くの国でクオータ制を導入したり、あるいは閣僚の三分の一あるいは半分は女性にするということを決めて実行している国があるんですよね。ですから、政治の意思は何よりも国権の最高機関たる国会に表れますから、国会の意思である法律でそういう方向を、勧告的なものではなくて、マストで何らかの罰則を伴った、ちょっと政治学者として申し上げますと、その候補者数のクオータで不十分な国には、例えば政党助成金を削減するというふうな方向もあるかと思いますし、もっと厳しくやる方法もあると思いますが、国外で一番我々がちょっと肩身が狭いのはジェンダーでございます。
 もう一つジェンダーの関係でいいますと、先ほど猪口委員からも御指摘があったんですけれども、途上国の発展のやっぱり鍵は女子が中等教育に行けるかどうかなんですね。義務教育はまだ行くんです。ところが、そこから先に行けないこと、比重が圧倒的に多いんですよね。ですから、そこの奨学金を充実するというふうなことで、そこで勉強すると。ちょっと勉強して、あとそれから小さなエネルギーがあれば、それでもうインターネットで世界とつながれるんですよね。そういうことは世界的には大事だというふうに思っております。
 私、今一番関心のあるのはその辺でございます。
#34
○参考人(国谷裕子君) まさに、おっしゃったこと、何を優先してどういったことを課題として重視していくか、そういった幅広い議論を行う仕組みがまさにない。
 先ほど申し上げましたように、内閣府に例えばSDGs推進をする部局をつくり、そして、今既にある円卓会議の機能を、年に二回ほどの意見交換の場にとどめるのではなくて、例えば目標別に緊急課題、取り上げたい課題を、目標別に何か部会をつくっていく。そして、どのように、何を目標にして、ターゲットにして、その指標を使って進捗をモニタリングするのか、評価するのか。本当に、SDGsというのは、目標とターゲット、指標から成り立っていて、その進捗をモニタリングして評価するという、測って比べて進めるという分かりやすい仕組みなんですけれども、それをシステマティックに動くような仕組みをつくっていかなければならないと思うんです。
   〔理事堀井巌君退席、会長着席〕
 その仕組みが今のところなくて、現在の推進体制では、そのフォローアップも進捗把握も恐らく個々の政策担当の省庁任せになりかねなく、複雑に連関して絡み合った課題であっても、各種政策の統合効果の測定なども今の体制ではできないままに終わる可能性があるように思います。
 ですので、今年、実施指針の改訂が行われるのに当たって、おっしゃっているような、どのようなモニタリング体制をつくっていくのか、本当に優先していって進めていく課題を何にするのか、多くのステークホルダーが参加する下で検討して、大胆な改訂やその見直しといったものが必要なのではないかというふうに思えます。
#35
○参考人(浅岡美恵君) 気候変動に関わる問題では、ほぼこのSDGsにそれぞれ関係いたしますことの各論を具体的に提起をしております。今日申し上げたことは、特に発電、電力供給に関する部分でありますけれども、そのほかの建築でありますとか交通でありますとか、一次産業に関連いたしましても、NGOとしてもそれぞれ幾つかの団体が提起をしておりますし、また、最近では、ビジネスの中でも、再エネ一〇〇%を掲げる人たちの団体の中で提起されております。
 それらのなすべき対策はほぼ共通しておりまして、ターゲットもそんなに違いはありません。ただ、その議論は、私はずっと見ていまして、九〇年代、二〇〇〇年の初めからもうずっとほとんど余り質的にも変わらないと。数字が具体化してきたというぐらいだと思いますが、それが国の方針の中に反映しないということが非常に痛感されるところであります。
 それは、国の審議会行政で政策形成されていく中に、どういう人たちを選ぶかというところで結論も決まる、そういうような方向性を定めて審議会も構成されると、こういうことがずっと続いておりますことと、広く国民と議論をしながら、これは国民全体に関わることですから、議論をしながら問題意識をみんなが深めて、国の未来であるとともに、国民全体、特に子供たちの未来に関わることだからちゃんと議論しましょうという形で議論提起がなされる仕組みがない。これは、日本の意思形成の過程として非常に大きな課題としてある、気候変動に限らず多くの問題に共通した問題でありまして、早晩改善をお願いいたしたいなと思っております。
#36
○伊藤孝恵君 国谷参考人の資料に、「SDGsを伝える言葉を求めて」という言葉がありました。非常に心に響きましたし、我々も、誰も置き去りにしない日本にするために政治は何をするべきか、しっかりと考えていきたいと思います。
 ありがとうございます。
#37
○会長(水落敏栄君) 次に、高瀬弘美さん。
#38
○高瀬弘美君 公明党の高瀬弘美です。
 今日は、三人の参考人の先生方、大変にありがとうございました。それぞれのお立場から大変勉強になるお言葉をいただきまして、感謝を申し上げたいと思います。
 SDGsに関しまして、MDGsに比べて、民間においても、また国の立場においても認知度も広がっているというような御意見がございました。私、福岡県の選出でございますが、福岡県の中でも特に北九州市が、このSDGs、一生懸命今取組をしておりまして、行政はもちろんのこと、一般の市民社会の皆様もSDGs広く認知をしていただいておりまして、本当に一体となって取り組んでいる、そういう姿が見られていることにすごく感動をしております。
 そういう中で、今日のお話を伺いながらも感じたんですけれども、SDGsにしましてもパリ協定の目標達成にしましても、国がなすべきことはたくさんあると思います。それと同時に、やはり民間の皆様に一緒に取り組んでいただく必要があるという中で、民間の皆様に対して政策的なインセンティブをきちんと用意をしていくということが大事ではないかなというふうに思っております。
 例えばですけれども、国が今やっておりますSDGs未来都市の選定、これは予算がしっかり付いているものになっておりますし、SDGsアワードにつきましても予算がしっかり付いて、こういうものをやることでSDGsについて知っていただこうという動きの中で行われておりますけれども、こういうきちんと予算を付けた形で民間の皆様にも取り組んでいただけるインセンティブを提供する、これをやっていくことが必要だと思っておりますが、参考人の先生方それぞれにお伺いをしたいのは、何か具体的なアイデアといいますか、私どもが取り組んだ方がいいのではないかと思われる、そういうインセンティブを提供できるようなものございましたら、教えていただければと思います。
#39
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。
 JICAの九州センターが北九州にございまして、大変お世話になっております。といいますのも、我々は日本の近代化の経験を様々な形で途上国にシェアしていただくのがとても重要だと思っております。もちろん失敗も含めてでございます。その点、一つの我々モデルケースは、産業都市、産業地域の北九州の発展と公害の克服モデルであります。そして、先ほどの、プノンペンの話をしましたが、外国における水道事業などでは、あるいはごみとかでは北九州市には大変お世話になっております。
 我々力を入れておりますのは、先ほど申し上げましたが、地方のセンターを、何となく以前は、JICAの人は外国に行って仕事をするのが一番やりがいがあると、それで本部で仕事をすると、国内のセンターへ行くと何となく左遷されたような気分があったんですけれども、そうではないと。それを変えろと言って意識変革をやっておりまして、地方の活力をどうやって導入するかというのを前からやっていまして、このSDGsのパートナーシップにちょうど都合が良いものでありますから、さっきも御紹介しましたように関西フォーラムをつくりまして、そうするといろいろ、それまで余りお付き合いのなかった、まあ財界は財界でお付き合いがあったんですけれども、それが大学、NGOとお付き合いをするようになる、そういう場をつくることで意見がいろいろ出てくると。
 それから、地方で幾つかの企業さんに海外に行っていただくということをしますと、それが、かつ地方銀行さんと提携してそれをやっているんですね。それが地方の新聞に載りますと、あっ、あの会社がそういうことをできるならうちもできるかもしれないといってインパクトがございまして、今、中小企業の海外展開は全国都道府県、全部漏れなくできるようになりました。これを更に力を入れていこうという格好で、中の組織変更もいたしまして、更に宣伝に力を入れて、理事長、副理事長を始め全国のセンターを回って激励していくということをやって、最近とみにその方面で士気が上がっているような気がいたします。
 また、JICAは留学生の支援、招聘をたくさんやっておりまして、あるいは研修生の招聘ですね、こういう人たちが例えば会社でインターンをしていただくと、そういうことをきっかけにこういうところにいろんな結び付きが出てくるということがございまして、いろいろ小さなものですけれどもたくさん例がございますので、また必要があれば事務局の方から御紹介させていただきたいと思います。
#40
○参考人(国谷裕子君) 高瀬さんがおっしゃいましたように、未来都市の選定、そして、そこに十都市が四千万円の予算が付いたといったことが大きな自治体の刺激となって、未来都市を目指そうという動きが自治体の中では加速していますし、SDGsアワードも、多くのいろいろな企業そしてNGO、いろんな方々、そのベストプラクティスのモデルになる事例が紹介されていて、非常に役に立っているというふうに思います。
 ただ、企業の、民間の人々というのは、やはりどこまで国は本気なんだろうかというところも、先ほどの私の報告の中でも申し上げましたけれども、やっぱりそこを見ているかと思います。
 SDGs推進基本法の制定ということを御提案させていただいたんですけれども、そういった中で、本当に、SDGsの特徴である、経済、社会、環境、この三側面を統合的に解決するためのステークホルダーが参加する仕組みができましたとか、専門スタッフ部門がつくられましたとか、目標達成のための進捗管理の仕組みができましたとか、そしてさらには、例えばこの国会におきまして、国家戦略としてのSDGsの具体案を本当に国民の議論の場であるこの立法府の国会でも活発に議論しているというようなことが基本法などに盛り込まれますと、あっ、本当に本気なんだということが伝わってくるのではないかと思います。
 私は、そういう意味では、政治しかできないこの基本法作りというものに期待したいと思っております。
#41
○参考人(浅岡美恵君) 気候変動に関して見ますと、やはり一番大きいのは、これまで二十世紀型でずっとやってまいりました、原子力と石炭をベースロード電源とし、再生可能エネルギーへの転換は余り気が乗らないという政府の方針あるいは経済界の基本的な方針がずっと続いているわけであります。これが国際社会と大きく乖離をしていると。それを少しずつ政府の側も、このままではいけないんじゃないかというので、少し様子を見るようにはなっているんですけど、しばらく様子を見よう、将来はまだ分からないというのが今の現状かと思います。
 こういう状況の中で、国民的な認識あるいはSDGsへのメッセージもこの分野では伴って出てこない、強まらないわけでありますが、国内でもビジネスの方々に少し変化が出てきた。一番、国際的な社会の中で、アメリカでトランプ政権が生まれても、決してそれで止まることなく進んでいるのは、やはりビジネスの大きなうねりがもう既に生まれているということがあると思います。
 アメリカにもウイ・アー・スティル・インという非常に強い影響力を持つ企業グループが、アメリカの人口やGDPでも半分ぐらい占めるというような拮抗した状態があるわけであります。日本でそうしたビジネスの動きが本当は求められると思います。それを早くしないと日本のビジネスは国際競争力を失うという危機感が少し生まれかけておりますが、先ほどのお話からもいろいろ出てきておりましたけれども、ビジネスにとってインセンティブというよりも、今はむしろこのままでは取り残されるのではないかという危機感がやっと生まれかけていると。
 ビジネスが動き出すことは、国が、政府の方針が動き出す以上に本当は大きな力があると思います。そのことによって消費者は大きなメッセージを得ることもできます。やはり、日本の経済界がいま一歩早く政府を動かしていただくように取り組んでいただきたい、それは日本の経済のためであるというふうに私は思っております。
#42
○高瀬弘美君 時間が参りましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
#43
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、石井苗子さん。
#44
○石井苗子君 参考人の三人の皆様、ありがとうございました。
 本日はよくお話を聞いてから質問をさせていただこうと考えておりまして、今までのところ、SDGsのその意味と意義が日本にはまだ浸透していないということがよく分かりました。
 それから、ビジネス・アズ・ユージュアルという言葉が出てまいりましたけれども、これがこれまでのことを積み上げていくだけでは駄目なんだという日本語訳でいいかなと思うんですね、新しいことを大胆にやっていかなければなりませんという。それでもって、政府に対しては大変お叱りを受けているような感じがいたしまして、日本政府はどこまで本気なんだということで、SDGs推進基本法を作ってほしいとか、内閣府にSDGsの専任スタッフを持って、推進局というんですか、部局をつくってほしい、円卓会議ももっとちゃんとやってほしいという御意見があって、要は、本気を出せるほどまだみんなが内容が分かっていないんじゃないかという気がいたしまして、それでは、何をやっていいかよく分からないのでは、スタッフを置いてもSDGsアワードという賞を置いてもしようがないわけなんですね。
 それで、今日は北岡先生に中心として教えていただきたいんですけれども、先生の書いたものを読んでいますと、政府資金だけでは足りないということが冒頭にありまして、企業の力が必要なんだと。これが大胆に、これまでのことじゃなくて、新しい形で持っていかなければならないと。
 それが、説明聞いていますと、SDGsというのは、一つの目標にゴールを求めて、それが完成したからいいということじゃなくて、その波及効果みたいになって、これが良くなったらこっちも良くなったじゃないかという解決方法を非常に賢く考えていかなければならないと思うんですね。
 この北岡先生がおっしゃっている企業を巻き込んでやっていけという考え方なんですが、御著書読んでおりますと、スピルリナというものの開発がありまして、大手の企業がやっていましたですね。それからもう一つ、公文式の塾の紹介とかというのもあったんですが、JICAとしてはどういった取組をしているのかと。開発を続けていくのは政府だけでは足りないということであれば、企業側にとっても新しいビジネスチャンスをつくっていかなければならないんですけれども、これをどうやってビジネスチャンスをつくっていって成功していけばいいかという点について、先生の御示唆をいただきたいと思います。
 もう一つはODAなんですけれども、先ほど、今は賛成の意見が増えてきたということがございまして、私は、実はODAに行きますと、強い批判を日本から返ってくるのがありまして、日本の側からですね、なかなか日本の国民の皆様に説明ができない。ODAにしても、なかなか国内の経済に余裕がないというのにODAかという御批判をいただくんです、政府側としてはですね。
 まずは、機材持っていっているがニーズがあるのか、その後軌道に乗っているのかとか、試験段階で終わっているケースが多いじゃないかと、どこかの企業が行ってやっているというのはビジネスとして成り立っていないケースが多いじゃないかと、途上国というのは約束をほごする国が多いじゃないかというような、そういう御批判を受けるんですが、その点については先生はどのようにお考えでいらっしゃるかということをまずお伺いいたします。
#45
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。
 最初にSDGsの件でございますけれども、これは、私、基本法とか会議とかと言ったのは私ではございませんで、私が強調したのは、ビジネス・アズ・ユージュアルではできないというのは、今のとおりではできないのです、達成は。ですから、つまるところ、非常な科学的なイノベーションが必要だと。それはいろんな分野でございます。蓄電池、それから水素、それから太陽光発電等々いろいろあるんですね。それも我々もいろいろ考えておりますが、そういうところでぼんとお金を付けるということだと思いますね、こういう方面の研究にお金を付けると。そうすると、それによって外国の資金も呼び込むということができればいいなというふうに思っているんですね。
 これは、よそでも例がないわけではなくて、例えば私の分野、元来は大学でございますけれども、オックスフォード大学のお金というのは圧倒的にイギリス、アメリカから来ているんですよ。オックスフォードで何かこういうことを研究してもらえるということでお金が来るんですよね。それで彼らは地位と名声を保っているんですよね。そういうことがもしできれば、環境問題で、これグローバルな課題ですから、貢献するためには、日本が新たな分野でチャレンジしてやってくれるんならお金出そうということになればよいなと。
 そして、ビジネス・アズ・ユージュアルでないというのは例がないかというと、実は七〇年代の公害の克服とか大気汚染の克服というのはそれでありました。日本の自動車の排気ガス規制の基準は、こんなものとてもできないと思う基準をセットして、それにチャレンジして、これを乗り越えたことから日本の自動車産業は世界に更に力を伸ばしていったわけでありまして、そういうことができないかなということが今回のこの提言なわけであります。
 それから、企業が、それで、さっきちらっと例を挙げましたけれども、例えばマラリア対策で一番効果があったのは、オリセットという、蚊帳の繊維にある薬を塗り込めた蚊帳なんですよね。これは住友化学が圧倒的に強かったんです。これが世界を席巻して、何百万人という人の命を救ったんですね。そういうことも、日本でそういうイノベーションを出して世界の魅力を引き付けることができたら、それが世界に貢献し、かつ日本のビジネスのパワーにもなるだろうということであります。
 あと、こんなこともやっています。例えば、いまだにポリオというのがはやっている国がありまして、それはナイジェリアとかパキスタンなんですね。ここには、我々はゲイツ財団と協力してこの予防注射をやっているんです。我々が、彼らは、パキスタン政府にやって本当に予防注射ができるかどうか分からないと、だからJICAがお金を貸してパキスタン政府に予防注射をやってもらって、もし、予想、期待、約束どおりに一定程度まで行ったら、そうしたらゲイツ財団がその債務を肩代わりしましょうという格好でビジネスのお金を呼び込むと、こういうこともあるわけであります。
 さて、ODAに対する一般的な御関心でありますが、さっき申したような、幾つか、後で詳しいのが必要ならお届けしますが、世論調査において、徐々にですが、どっちかといえば賛成というのは、強い賛成ではありません、しかし増えているのは確かです。それから、これはよその国よりもやや高いぐらいなんですね。ですから、そんなことをするならうちの地元に何とかしてくれというのは、昔はあったんですけれども、以前より減っています。
 その理由は、もう一つの理由は、日本のODAがかつての半分しかないということなんです。日本のODAは九七、八年がピークで、今や半額になっています。とても自慢できるような金額ではないのです。そこで、それを何とか、私、着任してからいろいろ政府にお願いして、微増に転じて、四年連続、本当にちょっとずつですけれども増えているというので、何とか約束を果たしているというのが現状であります。
 そしてまた、お金がちゃんと渡っているのかどうか。それは、厳密に言うとなかなか難しいです。本当に仕事をきちっとやれる国だったらとっくに発展しています。そうでないから発展していないんです。
 彼らが発展できないのは彼らのせいか。そうでしょうか。そうでは私はないと思います。英仏その他の植民地に心ならずもされて、ひどい目に遭った結果、発展できなくなっている国もあるので、それは彼ら、英仏がやればいいですけれども、我々もやっぱりそういう国の発展に貢献しようではないか。
 日本は国際社会の中で名誉ある地位を占めたいというのを憲法の前文にも書いてございます。私、憲法全部賛成というわけではありませんが、この部分には大変賛成なんですね。日本が世界で信頼され、尊敬される国でありたいと思っているものですから、そうした国には是非協力したい。その際、ちょっとした事務的なミスがあるとか、そのことで余り目くじらを立てないで、しっかりサポートしていきたい。
 また、難しいのは、お金をあげればいいというものじゃないんですね。お金をあげると、下手をすると独裁者のポケットに入ります。あるいは、きちんと使えません。ですから、我々は協力して一緒に使っていくしかないんですよね。一緒に使うと、下手をすると内政干渉になるんですけれども、それをどうそう思われないでお互いの協力の中でやっていくかということに苦労しているつもりでございます。
#46
○石井苗子君 ありがとうございました。
 質問あるんですけれども、二分しかないので、次の方に譲りたいと思います。
 ありがとうございました。
#47
○会長(水落敏栄君) それでは、武田良介君。
#48
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 今日は、三人の参考人の先生、本当にありがとうございます。
 気候変動の問題についてお伺いをしたいと思っています。
 私がこれまでも疑問に思っていたことなんですけれども、気候変動のパリ協定に代表されるような世界的な流れというのはもう大きな流れになって、誰も否定することのない大きな流れだと思うんですが、いつも、例えば環境省などからもお話を聞いていると、環境と経済の好循環、環境と成長の好循環ということもありますかね、先ほどの北岡参考人の長期戦略の提言のポイントの中にも出てきておりましたし、お話にもありましたけれども、その表現についてなんですが、SDGsにも関わるような話だと思うんですけど、持続可能な社会を構築していくために、環境問題をその新たな成長要因と捉えて、環境の保全と経済の活性化を一体させていくと。チャンスという言葉もありましたけれども、そういったことがある。
 これは、私、そのとおりだなと、否定は全くしませんけれども、私、ここから感じることは、経済と環境保全ということが相反する部分、ぶつかり合う部分もやはりある、それを何とか一体にということなんですが、こういう表現といいますかスローガンが使われることによって、その現実の経済と環境がぶつかり合う部分を覆い隠してしまうような、そういう効果が出ないだろうか、とりわけ国内なんですけど出ないだろうかというふうに思いますし、現実的には、その環境を守っていくなりパリ協定の目標を達成していくという取組が遅れることはないだろうかということを懸念するんですけれども、その点についてお話を、御見解をお伺いできればと思うんですが、三人の参考人の方、それぞれのお立場でお伺いできればと思います。
#49
○会長(水落敏栄君) それでは、まず北岡参考人からお願いします。
#50
○参考人(北岡伸一君) では、簡単に。
 さっき申し上げた七〇年代の環境問題と自動車というのは一つの例でございまして、必ずうまくという保証はありませんが、厳しい目標はあったと、それを何か乗り越えようと努力があったと。その結果、日本の自動車は非常に環境にフレンドリーな車になって、その結果、世界を席巻したということがあるわけで、そういうことがこの分野で起こらないかなというのが我々の目指しているところでありまして、ぶつかり合う可能性はないことはありませんが、是非今言ったような方向でいきたいということでございます。
#51
○参考人(国谷裕子君) 確かに、ずっと今までは、経済か環境か、で、環境に取り組むことはどちらかというとコストであるという捉え方がずっとされてきたと思うんですけれども、今我々が直面している地球環境の問題を見ると、環境をコストというふうに捉えるということをしていくと、健全な地球環境があってこそビジネスが成り立つというふうにマインドを転換していかなければいけない時代というふうに、国際会議などに参りましても、そういった発言が多々聞こえてきます。
 ですので、コストということが捉えられないようにする上でも、どんなインセンティブを設けるのか、どんな政策誘導をしていくのか。今のままではコストになるといったものも、誘導の仕方等でまたそれがビジネスチャンスとして受け止められていく方向に変えていく可能性があって、先進的な、例えばアメリカなどでは州法を作ったりとかいろんなことなど、あるいはフランスなどでもそうですけれども、ルールを作って、そちらの方向に強く誘導していくという施策が取られているように思えます。
#52
○参考人(浅岡美恵君) SDGsの元も、元々は、プラネタリーバウンダリーといいますか、もう地球的な限界が予測される、見えていると。気候変動は、それの一つの非常に顕著な場面として、全ての生活にも事業活動にも基盤が破壊されるものになると、そういう大きなスケールの中でどう取り組むかという議論をしているわけですが、ここで非常にこれまでと違うところの大きな重要な視点は、短期的な計画ではない、取組ではないということで、ここ三年で投資を回収するのかと、こういう視点ではこの問題は全体は解決しませんし、ビジネスの取組方としてもそうではない形に転換をすると。気候変動も、数十年を掛けて脱炭素にどうトランジットするのかと、ソフトランディングできるのかと、これにこの十年間、これからの十年間が極めて重要な地位を占める。ここの段階で少しサボりますと、それこそもう、何というか、安全な着地ができないということになるという、そういう問題だと思います。
 長期的に上手にトランジットしていくということの視点で、国際的、先進的な国やビジネスの人たちはやはりそういう目で投資としても見ているし、自分たちは十年後、二十年後、どういう国際競争の中で地位を占めているのかと見ながら、今何をするのか。そうしたときに、将来に、今後ずっと起こってくる被害の大きさを、ダメージの大きさを考えますと、その前に取組をして、それを今の内部コスト化していって転換をしていくということは極めて経済合理的なことだというふうになっていくと、そういう思考回路に変わっています。
 それでも、最初はやっぱり大変チャレンジングなことですが、再生可能エネルギーで見れば、FITというものが始まったドイツの二〇〇〇年代、九〇年代から二〇〇〇年代、特に二〇〇〇年代の初期の取組というのは非常に挑戦的でした、少し大きなコストを負担しても。では、なぜそうするかというと、長期的に安いコストに転換するためだと。それは、もう急速にコストが下がり、太陽光ですら大変コストが下がりまして、安いものになった、経済合理性を整えるものになったと。
 そういう観点で、今申しました経済と環境との好循環というものは、そういう大きな枠組みの中で、ある意味で、だから政治の非常に長期的な視野に基づくリーダーシップも求められるわけでありますし、ビジネスもそういう観点だと。私は、それができる最後の今十年ぐらいに来ていると。これが遅れ遅れするともうそんな余裕が本当になくなるといいますか、誠に、災害に直面した、何というか、なすすべもないそうした国々、地球になっていく、国際社会になってしまうと、こういう分かれ道にあると。今だからこそ言えるこの好循環だと思います。
#53
○武田良介君 二分、どうしますかね。
 端的に、じゃ、ちょっと一つだけお伺いしたいんですが、先ほど北岡参考人のお話の中に、石炭火力発電所の海外の事案についてはということで、最後に難しい問題としてお話がありましたし、北岡参考人が最後に、政治判断でやっていただくしかない、政府の判断が必要だということでここには書かなかったんだというお話をされまして、そのとおりだなと私も、そのとおりというか、政治判断というところでやるしかないというのはそのとおりだというふうに思っておりまして、その点共感をしたわけですけれども。
 確かに国会でも、インドネシアだとかベトナムだとか、各地でそういった計画がされているところの現地の方が国会にいらして、農地が使えなくなってしまう、漁場が使えなくなってしまう等々のお話を私も聞かせていただいたことがありまして、北岡参考人は先ほどそういうお話だったので、国谷参考人、浅岡参考人はそういった現実をどのように捉えられるかということをお伺いしたかったんですが、時間が。そうですね、二巡目も含めて。でも、しっかり聞いてしまったのであれですね。
#54
○会長(水落敏栄君) もう時間が来ましたので、まとめてください。
 じゃ、お二人代表して、浅岡参考人。
#55
○参考人(浅岡美恵君) 済みません。じゃ、簡単に。
 先ほどのような逡巡の気持ちというのは、パリ協定の前、発効する前は我々にも若干はありました。けれども、それは低炭素という時代でした。
 これからは、パリ協定の後、世界全体、途上国も脱炭素という目標が明確になり、そのターゲットの年限も非常にクリアになっていきました。そういう中では、脱炭素に向かうということは、効率がいい石炭火力はという議論は極めて理由はなくなった。
 またさらに、代替の電源方法はないのかといいますと、それは十分に選択肢があるということも非常に強まってきました。そこは大きな変化がここ数年にあったと思います。
#56
○武田良介君 ありがとうございました。
    ─────────────
#57
○会長(水落敏栄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎君が選任されました。
    ─────────────
#58
○会長(水落敏栄君) 質疑を続けます。
 伊波洋一君。
#59
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 本日は、参考人の皆さん、ありがとうございます。
 最初に、北岡参考人にお伺いいたします。
 パリ協定の脱炭素化の構築について、成長産業、成長戦略にもつながるイノベーションを重視していることが分かりました。
 その方向ではないんですけれども、私は沖縄から出ておりまして、全国各地へ行くと、この日本は森の国、森林の国だということをいつも感じております。山の国ですね。その森が、今放置されております。そして、そういう意味では、この森が脱炭素化に向けた一つの資源として検討されたことはないのでしょうか。そこら辺について、もしあれば教えてください。
#60
○参考人(北岡伸一君) JICAの仕事は外国でやっておりますので、我々は、世界の三大森林地帯であるアマゾン、それからインドネシア、そしてアフリカのコンゴ盆地で、いずれも森林の保全等の事業をやっております。そして、特に最近は衛星を使って不法な伐採を監視する、そして森林の保全に貢献するという仕事をやっておりまして、これは要するに、この温暖化対策というのはグローバルな課題ですので、よそのところで貢献するというのも日本に期待されている仕事の一つでありますし、我々はそれを更に続けていきたいと思っております。
#61
○伊波洋一君 済みません、趣旨は、国内の取組としてという意味で質問させていただきました。つまり、日本がこれだけ森林の国であるわけだけれども、この森が今放置されているように思われるので、その森が自然資源として、いわゆるあれは炭素を吸収して成長しますので、そのことを今御検討されたことはないのでしょうかという。
#62
○会長(水落敏栄君) 伊波委員、会長の指名を受けてから質疑を行ってください。
#63
○伊波洋一君 済みません。済みませんでした。
#64
○会長(水落敏栄君) どうぞ、北岡参考人。
#65
○参考人(北岡伸一君) 済みません、ついJICAの職責で答えてしまいましたが、国内で森林を重視するというのはもちろんのことでございまして、それは大変重要なことだと思っております。
#66
○伊波洋一君 次には、国谷参考人にお伺いします。
 私、「クローズアップ現代」、最初からずっと見ておりまして、今日、このように質問ができること、それからお話聞けたことを大変うれしく思います。
 私は、日本も、SDGsについてお伺いするんですけれども、やはり大きな問題を抱えていると思っております。まず一つは、成長しない国になっていること。それから、人口減少で都市に集中する方向で進んでいて、いわゆる限界集落あるいは限界自治体と言われるものがもう出始めていること。それから、SDGsを利用して自治体が自分たちの地方の活性化をしようという提起があるということもお話ありましたが、今申し上げた森の話なんですね。森林の話なんですね。
 私は別の委員会で五島にも行ったんですが、杉はいっぱい成長しているんですよ。でも売場がない。今、日本の森を買おうとしているのは、中国が荷物を外へ輸出するために、枠材としてね。だから、そういう意味では、一つは、間伐をすればそれは燃やすことのできるものにもなりますし、いろんなことがあるんですけれども、そういうSDGsというものが、この日本で取り組むとしたら、いわゆる地方のこの衰退をどうにか弱めていく、あるいは、そういう、政策として、集中じゃなくてやはり地方を支える仕組みでSDGsが、先ほど内閣府の話での、基本法の成立の話もありましたが、そういった観点で日本にこのSDGsを適用したらどうなるかということを、もしいろいろアイデアがあれば教えてください。
#67
○参考人(国谷裕子君) まさに、政府の二〇一八年のアクションプランでも、地方創生にSDGsを活用していこうということが三つの柱のうちの一つになっております。
 おっしゃいました森林資源を活用した地域創生でございますけれども、SDGsアワードの大賞を取りました北海道下川町というところでは、森林資源を本当にフルに使って、まさに六十年に一度伐採して、そして育て、そこから商品を作り、そしてさらに、バイオマス発電をすることによって、下川町という冬ではマイナス三十度ほどにもなる寒い地域における熱エネルギーの五〇%以上を今や地元のバイオマス発電で行って、地域から外に出ていくお金を減らすということにも成功しています。
 もう一つ、地域活性化に向けてSDGsの活用が非常に期待されるのは、やはりジェンダー平等の五番目の目標でございます。
 というのも、ジェンダー平等を進めることがなぜ地域活性化につながるかといいますと、今多くの若者たちが地域を離れて大学、専門学校など高等教育を受けに都市に出かけていくんですけれども、男性が戻ってくる割合の方が女性が戻ってくる割合より高くなっています。ですので、女性がなかなか地元に戻ってこないということで、人口減少への対策、女性が戻ってこないということは非常に大きな問題となっていますので、SDGsの五番の目標を地方でより強力に推進することが、あっ、ここに帰ってくれば自分たちは活躍できるんだ、ここに来れば自分たちの自己実現ができるんだと女性たちが思えるようになるという意味では、SDGsの五番というものを強力に地域地域で推進していくことが大事ではないかと考えます。
#68
○伊波洋一君 ありがとうございました。
 次に、浅岡参考人にお伺いします。
 先ほど来のお話で、日本の石炭火力の新設が世界の潮流から外れているという御指摘が特にあったと思っております。その意味で、そのことについてのいま一度のお話と、それから、今申し上げている日本における代替資源としての森林の活用、それは例えばヨーロッパ等の別の例等がもしあったりしたら、そのことも含めて御意見を伺いたいと思います。
#69
○参考人(浅岡美恵君) ありがとうございます。
 先ほどの長期戦略がイノベーションだということを言ってもらいました中のことにも関わるのですけれども、イノベーションというのは技術だけではなくて、やっぱり社会のシステムといいますか、そういう社会制度というようなことを日本は変えていかないといけない、それがこの電力政策に非常に関わってきていると思います。
 石炭火力を新規創設して、そこから二酸化炭素が出ても、それを、CCSとか、地中に埋める、CCUと、それ用の、二酸化炭素を使って何か物づくりをするとか、植物を育て、過剰に成長させるとか、そんなことを考えるとか、果てに至っては宇宙太陽光発電に投資をするとか、そういうようなことでこのエネルギー問題、気候変動問題に対応するということをイノベーションと私は思いたくはありません。
 そうではなくて、石炭火力発電所は、例えば天然ガスに比べると一キロワットアワーの電力を生み出すのに二倍、天然ガスの二倍の二酸化炭素を出すわけでありますから、それを削減しましょうと。それはまさに世界の潮流であるという、そこはもうしっかり実現していく。
 じゃ、再生可能エネルギーでそれが転換できるのか。原子力はなかなかその皆さんのパブリックアクセプタンスは無理でしょうという中で、再生可能エネルギーは使いにくいんだということしか言わないわけですけれども、日本の場合は、しかし、もう既にヨーロッパは六割、七割というようなことを入れていくシステム、非常に多くの、様々ないろんな、それこそ現在ある知見や気候の予測性やら、あるいはチューニングのシステムとかいろいろ加えまして運営しているわけでありまして、日本にできないはずはないわけですね。
 それをしようと思ったときには、再生可能エネルギーをちゃんと優先するような、根本的にやっぱり送電体制あるいは接続問題を解決していかないかぬ、そういうことに挑戦しましょうということをイノベーションとして日本に、海外ではそれは当たり前になっているんですけど、我が国においてはまさに今求められているイノベーションだと思います。
 そういう中に、バイオマスと呼ばれるような森林の問題というのはもちろん入ってくるわけでありますし、再生可能エネルギーの豊かなところはやはり中山間地域が多いわけですね。そこは、多くは森林資源なども共有しています。これらを全部合わせまして地域の中で循環をさせると。その最も効率的によく使って、地域の温熱環境まで、生活の温熱環境も改善したような下川町というのは誠に先駆的な例だということですけど、そうした例はヨーロッパでは、あるいはアメリカなんかでも一部ありますが、別に珍しいことではないと。そういう取組は、森林資源の多いところ、あるいは風力の資源の多いところなどでは非常にもう取り入れられていることだというふうに思います。
 ただ、バイオマスについては、燃やして電力にするだけで森林を、その燃やすための材料としてだけ考えていくということは、やはりなかなか、総需要関係ではなかなかにそれは難しい面があるということも今指摘されてきていたりいたしますし、石炭の火力発電所に海外からバイオマスを輸入してきまして混焼して、炭素をどう下げるみたいな使い方もよろしくないというふうに言われております。
#70
○伊波洋一君 どうもありがとうございました。三名の皆さん、ありがとうございました。
 これで終わります。
#71
○会長(水落敏栄君) 以上で各会派一巡をいたしました。
 これより二巡目の質疑に入ります。
 時間の制約もありますので、二名の委員に質疑を行っていただきます。
 川田龍平君。
#72
○川田龍平君 今日は、参考人のお三方の皆さん、参考人としての調査、御協力いただき、どうもありがとうございます。御意見ありがとうございました。大変参考にさせていただきたいと思います。
 国谷参考人にお聞きしたいんですけれども、SDGs推進基本法についてということで、これちょっと是非お聞きしたいと思っているんですが、私もこのSDGsの基本法を是非作りたいと思って準備をしているところです。
 それから、是非こういった課題について国会決議を出すべきではないか。委員会決議とか国会決議とかありますが、SDGsに議会としてこれ積極的に取り組むという意味でも、政府だけではなく議会の役割としても、SDGsを喚起する上で決議の役割というのは非常に重要ではないかと。法律を作る、法律案を作るということはもちろん重要で、またかなり時間が掛かることですけれども、決議を提案するということはいかがでしょうか。
#73
○参考人(国谷裕子君) まだそこは考えておりませんでした。けれども、国会の中においてSDGsが活発に議論をされる、国民討議の場である国会がそういう議論を行っているということは、SDGs推進には、そして認知度を広げていく上では大変に役に立つのではないかと思われます。
#74
○川田龍平君 SDGs基本法についても、是非詳しくもう少しお聞かせいただければと思います。
#75
○参考人(国谷裕子君) SDGsというのは、国際社会において、今まではルールを作って国際法で縛って物事を統治するというやり方が行われてきたんですけれども、SDGsは全く新しいやり方で、目標を設定して、そしてそれぞれの国で自主的に取り組んで目標とターゲットと進捗を図って、そしてそれらがどう推進されているかということをフォローアップしてレビューしながら進めていくという、かなり新しいといいますか、これまでにないやり方、そのやり方をどうやったら効果的に進められるのか。
 国際社会の中で、ハイレベル政治フォーラムの中でそれぞれの国々が自分たちの進捗状況を報告することになっていますので、世界のモデルになろうという意欲を見せている日本としては、システマティックな仕組みができないと統合的なSDGsの推進というのが難しいのではないかというふうに思えますので、基本法を作ることによって、どういう仕組みがまさに必要なのか。
 先ほど石井委員の発言を伺って、もうどうやって進めたらいいのかと。恐らく世界各国で、この新しい国際的なガバナンスのやり方に対してどうやったらいいんだろうかと非常に模索をしなければいけないような状況になっていて、その方策というのがこれからつくられていく。そういう意味でも、基本法ができて、いろんなステークホルダーが入った議論の場、専門部局ができて、どうしていけばいいのかということも真剣に議論されるという機運がつくられることが大事なのではないかと思います。
 余り具体的なお答えになっていなくて恐縮ですけれども、そのように思います。
#76
○川田龍平君 私は、東京選出の議員だったこともあり、離島振興議員連盟というのに入っているんですが、その離島の中には、長崎県の壱岐市ではSDGsの未来都市計画というのを作って、SDGsを通じて地域振興を図っていたりですとか、それから相模原でも、この間の、さきの、先週ですかね、先週の市長選挙で、マニフェストにこのSDGsを取り入れて相模原の施策を訴えた候補が今回新市長となりました。本当に、そういう意味では、やっぱり都市でも地域でも、そういった地方都市がそういったSDGsに取り組むことで、かなり今積極的に取り組んでいるところが出てきているんではないかと思っています。
 昨年十二月の第二回の政府のジャパンSDGsアワードでも、副本部長賞というのを今度、鹿児島県の大崎町が受賞して、自治体として受賞したということで、非常にそういった自治体として取り組んでいる町が各地にあるということは、やっぱり非常に日本を、これからSDGsに取り組む上で、とても地域からやっていくことというのはすごく重要ではないかと思うんですが、それについての事例についてなど、国谷参考人からもしあれば教えていただければと思います、ほかにもあれば。
#77
○参考人(国谷裕子君) 地域においては、それぞれの自らの課題に鑑みて、未来都市部会というのをつくって、住民そして議員の方々が入って議論をして、そして総合計画を作っていこうという動き、あるいは鎌倉市などでは、神奈川県もそうですけど、プラスチック問題にどう取り組んでいったらいいのか、SDGsを掲げて積極的な施策を打ち出そうとしておりますし、先ほどお話に出ました北九州などでも非常に積極的に取り組んでいらっしゃいます。
 それぞれの自治体が、自分たちが何を大事にするのか、どういう地域を目指したいのかということを掲げて、恐らく、おっしゃいました大崎町などでは、サーキュラーエコノミー、資源循環をとことんやっていこうと、そういった目標を掲げながら自分たちの地域の在り方を議論する。一方で、私、慶應大学のSDGsコンソーシアムというものに参加をしているんですけれども、人口減少が著しい豊岡市の但東町というところに入りまして議論をしたんですけれども、SDGsの十七の目標に照らし合わせながら、自分たちの問題は何か、初めて今まで話すことができなかった課題について住民の方々がお互い議論できるようになったといった、そういうSDGsの一番、何でしょうか、初期段階にいらっしゃるところもあります。
 ですので、本当に皆さん様々で、一番いいのは、先進的な自治体の例がどんどんどんどん皆様に報道などを通して伝わっていくことが非常に大事ではないかというふうに思います。
#78
○川田龍平君 ありがとうございます。
 私もこのSDGsのバッジをいつも付けているんですけれども、いろんな人に、これ何のバッジですか、カラフルでおしゃれですねということで、なかなかSDGsそのものの認識が広がっていない中で、大分、生協ですとか連合ですとか、それから大企業の人たちが付けることによって、かなりこのSDGsのバッジを付けている人が、朝、駅頭に立っていてもかなり見かけるようにはなってきたなと思っていて、認識がかなり広がってきているんではないかと思うんですが、なかなか、このUNAIDSが作ったSDGsの中にレッドリボンが入ったバッジも珍しくて、かなり声掛けられて、ILOの人が今度、ILOのロゴが入ったバッジを作って、いろいろそれぞれがやっぱり創意工夫してそういったSDGsを広めていくことがやっぱりこれからとても、そういったいろんな創意工夫がこれからイノベーションを起こしたりとかいろんな相乗効果を起こして、SDGsをこれから推進していく上で、ゴールに向かっていくことがすごく大事ではないかと私も思いますので、是非、今日のを参考にして、また国会でも取り組んでいきたいと思います。
 時間があれば聞きたかったんですけれども、ずっと、パリ協定の問題についても、私もドイツに留学していたときに、COP5のボンでの会議に参加したときに浅岡参考人とはお会いして、国際社会におけるNGOの活動というのがやっぱり非常に積極的に行われて、このNGOと政府との関係性というものがやっぱりこのCOPの活動などでは大変興味深く、関心を持ってずっと見てきたんですけれども、国際社会における市民社会が世界に与える、政府だけではない、外交とかそういった国際的課題についての取組というものがこれから重要ではないかと思っていますので、是非、このハーグ地裁判決のことですとか、また、SDGsとパリ協定についての関係についての浅岡参考人の二十八ページのこの資料なども是非聞きたかったんですけれども、時間ですので終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#79
○会長(水落敏栄君) 木戸口英司君。
#80
○木戸口英司君 国民民主党・新緑風会、自由党の木戸口英司です。
 今日はありがとうございます。早速質問させていただきます。
 今、川田委員から質問があったことに関連して、もう少し、私、具体的に国谷参考人からお聞かせいただきたいと思うんですが、その推進基本法についてですけれども、もちろん、いろんな主体がそれを構築していく、話合いしていくことが大事だということ、よく分かります。そういう中で、SDGs実施指針、今年後半に改訂になるということ、また、今そこに向けてアクションプランが国によって定められていると。
   〔会長退席、理事堀井巌君着席〕
 ここが一つ、たたき台というか基本になってくるんだろうと思うんですが、こういったところを国谷参考人見ておられて、今の日本のありようと照らし合わせながら、やはりここが例えば弱いんじゃないかとか、ここをもう少し強調していくべきではないかとか、あるいは、参考人が活動していく中で、思いの中で、こういったところを特に実現していく、非常に網羅的なものになると思いますので一つとは言えないところだと思うんですが、あるいは懸念される、こういうところが少し弱くなってくるという懸念はないかとか、そういったところを少し具体的に御示唆があれば、いかがでしょうか。
#81
○参考人(国谷裕子君) 基本法を作るというのは、まさに立法府の方々が御専門でいらっしゃいますので、私は余り詳しくございません。
 ただ、基本法に含まれてほしいなと感じることは、一つは大きなその理念の部分ですね、どういう社会を目指したいのか。SDGsを踏まえて、二〇三〇年、どういう社会といいますか、理念、目的。そして、それぞれのステークホルダーにはどういう責務があるのかということを明記していただきたいですし、どういう体制が求められているのか。
 SDGsのこの実施指針は、そういったビジョンとか優先課題とか全部書かれてはあるんですけれども、どうも読み込んでいきましても、本当にどういう理念でどんな社会を目指そうとしているのかがいま一つ伝わってこない。伝わってこないので、なかなか浸透しないのかなという印象を持ちます。
 ですから、SDGsを一つのムーブメントにしていくためには、そういった部分での深い議論、実施指針の改訂に当たってステークホルダーを巻き込んだ議論がされ、そういった議論そのものがやはり報道されることによって認知もまた広がっていくのではないかと思います。
 済みません、この程度ぐらいしか申し上げられません。
   〔理事堀井巌君退席、会長着席〕
#82
○木戸口英司君 ありがとうございます。いや、そのとおりだと思います。
 人間の安全保障という柱もあるわけですけれども、最近、地方自治体でもこの人間の安全保障という柱を立てていろいろ議論をしていることが始まっていると思いますが、やっぱりそういう理念、人権ということを大きく柱にしながらやっていくということ、その中でどういう社会が望ましいかということ、非常に重いテーマだと思いますので、我々も一生懸命やりたいと思います。
 それで、じゃ、浅岡参考人に、これもまたちょっと具体的な話になるんですが、先ほど北岡参考人から懇談会提言、非常に御苦労をされてまとめられたということの中で、やはりマスコミ等でも若干批判的な指摘もあったところの脱炭素社会ということの分野だろうと思うんですが、その中で特に、報道でもありましたが、カーボンプライシングですね、両論併記ということで、非常に困難さが、この文章を私も読ませていただきましたけれども、この懇談会提言のですね、非常にまとめるのに御苦労されたということがにじみ出てくる文章だったと思いますが、その中で、浅岡参考人は、このカーボンプライシングの導入、そしてCO2削減へのシグナルを発信することということを提言されておりますけれども、この日本の今の現状、困難さの中で、ここに向かっていく御提言などをいただければと思いますが、お願いいたします。
#83
○参考人(浅岡美恵君) こういうカーボンプライシングという名前で言いますとよく分からないかもしれませんが、環境に負荷を与えているものについてはその負荷を現在のコストの中に取り込んでいくということは、昔の大気汚染も同じようなことを考えてしたわけでありますが、CO2とか気候変動についてもそれが標準的なことになったということについて、今日お配りいたしました資料の二十枚目に、環境省が地球上のどの、どういう地図、実施地図状況にあるのかということを作っておりましたので加えておきました、ちょっと小さくて見えづらいですけれども。中国など途上国も含めて、標準的なものに今はなっていると。
 もうやらなければいけないことが分かっているので、それを仕組みの中に取り込んでいくということで、大規模の排出源については、例えば発電所でありますとか製鉄所でありますとかそういうものについては、排出量取引制度という形で削減していくことの経済的負担も事業者にとって計算でき予測ができるような形でコスト化していく道筋をつくっている、小口のところについては炭素税という形で設定していっていると、こういう流れになっているわけであります。
 日本は若干、炭素税という形でほんの少しだけ入れているんですけど、大規模排出事業者、電力とかエネルギーをたくさん使う製造業者のところは事業者の方の抵抗が大きくてなかなか入ってはいないのですけれど、そういうことが十年、二十年続いてきて今日に至ったと。本当に二十年たったとき、京都議定書の頃から世界はそういう取組を始めました。日本はそれを、そんなことはしなくても自主的取組でやれるんだと言って二十年経過しました。
 この間にとても大きな乖離ができたということは、この本日の表の中の、ちょっとスキップいたしましたけれども、二十五枚目のスライドを御覧いただきたいと思うのですけれど、そうした経済的な仕組みを組み込んでいく、あるいは市場、マーケットがその経済的仕組みに代わるものとして機能していくという形を取っていくことで、排出を削減しながら経済はむしろ若干ながら成長していくという、デカップリングと呼んでおりますけど、これがやっぱりやろうとしてやって実現できたということになっている。実証できたわけであります、ある意味で。
 ということを、日本の政治の領域、議会におかれましても、またビジネスの方におかれましても、やはりそういう目的的な意思を持って取り組むこと、そして、それをみんながやるルールになることによってA企業、B企業の不公平さというのはなくなるわけです、ルールベースができるわけでありますので。そうすることで日本の競争力は高まる、技術力も高まるということにやっぱりもう気付いていただいて取り組んでいただくということが大事だと思います。
 北岡先生からお話ありましたような大気汚染対策というときも、ルール化したからこそ日本の競争力も高まったと、経済的にもそれが良かったと、こういうことであります。自主的な取組でなかなか実現しなかったと、実効性を上げなかったということはもう十分に実証されたということであります。
 一言だけ、ちょっと、時間なくなって恐縮ですが、国谷参考人からありました、こういうある意味で自主的な国の目標設定というのは、気候変動においてもよく似てはいるんですけれども、気候変動の場合は、パリ協定の中で、かなりいろいろな形で少し国がやらなければいけないことの縛りが一部入っております。また、目標をどうやって引き上げていくのかというものも、グローバルストックテークというプロセスで五年ごとに見直すという仕組みを組み込んでおります。それをオープンに情報も開示してやるということでありますので、そういう意味で、これらも活用しながらやっていただければと思います。
#84
○木戸口英司君 ありがとうございました。
 北岡参考人にもお聞きしたかったことがあったんですが、ちょっと時間になってしまいましたので、これで終わります。
#85
○会長(水落敏栄君) 本日の質疑はこの程度といたします。
 一言御挨拶を申し上げます。
 北岡参考人、国谷参考人及び浅岡参考人におかれましては、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、おかげさまで大変有意義な調査を行うことができました。調査会を代表いたしまして、各参考人のますますの御活躍を祈念いたしまして、本日の御礼とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#86
○会長(水落敏栄君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#87
○会長(水落敏栄君) 次に、先般本調査会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。牧山ひろえさん。
#88
○牧山ひろえ君 委員派遣について御報告を申し上げます。
 本調査会の水落会長、小野田理事、堀井理事、丸山理事、古賀理事、三浦理事、石井理事、武田理事、伊波委員及び私、牧山の十名は、去る二月二十日及び二十一日の二日間、文化、人的交流などソフトパワーの活用に向けた取組と課題及び国際的行事の開催を通じたSDGsなど国際公約の推進に向けた取組等に関する実情調査のため、大阪府及び京都府に派遣されました。
 以下、調査の概要について、日程に沿って御報告いたします。
 第一日目は、まず関西国際空港を訪問し、顔認証ゲートや自動化ゲートなど、入出国審査における最新機器の活用状況や検疫、税関検査等の状況を確認しつつ、空港関係者から、人的交流を通じた相互理解の促進に貢献しているインバウンドの状況及びその対応、特にCIQ部門を中心とする安全確保の取組等について説明を聴取いたしました。
 現在、政府は二〇二〇年に訪日外国人旅行者四千万人の目標を掲げ、また同年には東京オリンピック・パラリンピックの開催も控える中、国際空港での外国人の出入国審査等における円滑化と厳格化の高い次元での両立のための取組が課題となっております。
 派遣委員からは、顔認証ゲートの設置・利用状況、入国後の発病に対する国内の検疫体制、指紋、顔写真といった個人識別情報の照合機能の精度、税関検査における取締り状況等について質疑が行われました。
 次に、独立行政法人国際交流基金関西国際センターに移動し、関係者から、我が国のソフトパワーや外交力向上の観点から重要である日本語教育を中心とした国際交流活動を行っている同センターの取組について説明を聴取し、館内施設を確認した後、三つのグループに分かれて、外交官、公務員等約三十名の外国人研修生と意見交換を行いました。
 同センターでの外交官・公務員研修にはこれまでに九百九十七名の者が参加しており、その中から十三名の駐日大使が輩出されるなど、海外での知日派、親日派育成の上で同センターの活動が重要な役割を果たしております。
 研修生との意見交換において、派遣委員からは、好きな点など日本の印象及び参考になった日本の取組、世界の国の中から日本を選んだ理由、日本語習得における苦労、日本語研修プログラムの感想等について質疑が行われました。
 第二日目は、まず外務省よりG20大阪サミットの準備状況等について説明を聴取しつつ、同サミットが開催される大阪市咲洲のインテックス大阪内の会場予定地を訪問するとともに、隣接する大阪府咲洲庁舎に移動し、高層階よりインテックス大阪と大阪市夢洲の二〇二五年関西・大阪万博開催予定地の全景を確認した後、夢洲の予定地に移動し、大阪市関係者より概要等について説明を聴取しました。
 G20大阪サミットや関西・大阪万博ではSDGsの日本モデルを発信すべく諸準備が進められており、こうした国際的行事の成功裏での開催が我が国の発信力を強化する上でも有意義であるとのことであります。
 派遣委員からは、G20大阪サミットにおけるセキュリティーの方針、会場設備の詳細、SDGsの日本モデル発信に向けた取組、夢咲トンネルの整備状況、夢洲の防災対策等について質疑が行われました。
 次に、京都府に移動し、京都市が目指す都市の理想として宣言された世界文化自由都市宣言の具体化に向け、市民レベルの幅広い国際交流活動を推進するための拠点である京都市国際交流会館を訪問しました。同会館では、京都市及び公益財団法人京都市国際交流協会の関係者から、姉妹都市交流等の国際交流や多文化共生などに関する取組について説明を聴取しました。
 意見交換において、派遣委員からは、外国籍市民相談事業等におけるボランティアの活用状況、ボランティアの質の確保に向けた育成事業の現状、国際交流及び異文化理解のためのイベントの開催状況、NPO活動における京都市の支援等について質疑が行われました。
 最後に、京都迎賓館を訪問し、館内において具体的な展示などを確認しつつ、関係者から使用状況や今後の在り方などについて説明を聴取しました。
 同館は、平成十七年の開館以来、国公賓等百三十六回の接遇を行っているほか、平成二十八年七月からは、接遇等に支障のない限り通年で一般公開や特別開館を実施するなど、東京にある迎賓館とともに、国公賓など賓客の接遇の場として役割を果たしております。
 派遣委員からは、賓客接遇におけるおもてなし精神の在り方、伝統技能とハイテク技術を融合させた建築、四季折々の変化を表した庭園等について質疑が行われました。
 調査の概要は以上でございます。
 今回の委員派遣では、国際的行事を見据えた安全確保及び発信力強化の取組、日本語を含む日本文化の理解促進を通じたソフトパワーの強化及び二国間関係の深化、市民主体の多種多様な取組を通じた国際交流、国際協力の推進等について、現場で関わっている方々から率直な意見を伺うことにより理解と認識を深めることができ、大変有意義であったと感じております。
 最後に、今般の委員派遣に際し、御協力いただきました関係機関の皆様に心より感謝を申し上げます。
 以上です。
#89
○会長(水落敏栄君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
    ─────────────
#90
○会長(水落敏栄君) 次に、委員間の意見交換を行います。
 本日は、最終報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「文化、人的交流などのソフトパワーを活用した信頼醸成の取組の課題」及び「SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題」等について委員間の意見交換を行います。
 意見交換は、あらかじめ発言者を定めずに行います。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言いただくようお願いいたします。
 まず、各会派から一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言いただきたいと存じます。
 また、時間が限られておりますので、委員の一回の発言時間は五分程度となるよう御協力をお願い申し上げます。
 それでは、発言を希望される方は挙手を願います。
 堀井巌君。
#91
○堀井巌君 「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」ということで、三年間にわたり調査が行われました。五つの課題が取り上げられております。本年度は二つでありますが、この五つの課題について、これまでの質疑の成果も踏まえながら意見を述べさせていただきます。
 まず、「外交能力及び戦略を向上させるための取組の課題」でございますが、まず一点目として、政府の外交実施体制の強化が重要と考えます。在外公館の数については、G7主要国や中国と比べればまだまだ日本は低い水準にあります。増設強化に取り組むべきであると考えます。
 二点目に、ODAの拡充が重要と考えます。日本外交の貴重な手段であり、諸外国からも評価をされています。本日の参考人質疑の中でも、SDGsの推進にも資するとの見解も述べられておりました。ODAの拡充が重要であろうと、質及び量の両面から拡充を図っていくべきであると考えます。
 三点目に、国際機関で働く日本人職員を増強していくことも重要であると考えます。国際社会との連携、また、国際社会において日本の主張がより円滑に理解されるためにも、国際機関で働く日本人職員の増強は大事な点であろうと思います。
 四点目に、NGOなど多様な主体との連携が重要であると考えます。私もかつて、海外で日本のNGOが活躍している姿を拝見したことがございます。今後、多様な主体がますます外交の中で重要になっていく中で、NGOなどの主体との連携が重要になってくると思います。
 五点目に、外交においてこの議会の役割がますます重要になってきているということを指摘したいと思います。二年前に、酒井委員を団長としまして、この調査会よりメキシコ及び米国に委員派遣が行われましたが、その際にも、議員外交の重要性について改めて、海外で実地調査を行い、認識が共有されたと伺っております。こういった調査会の場などを通じながら、この議員外交が更に強化されるような仕組み、制度について、派遣、海外の渡航の在り方、その仕組み、制度などについて超党派で参議院として議論が行われていくことが望ましいというふうに考えております。
 あわせて、これは立法府の立場から、国会審議の重要性をしっかりと踏まえつつ、政府の閣僚等の海外出張等についてどのようなルールで行っていくかということについても、こういった調査会の場で、超党派の貴重な場で、参議院としてしっかりと議論を冷静に行っていくことが重要であると、このように考えております。
 次に、「国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題」及び「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」という点について申し上げます。
 こういった課題については、以前、二国間関係、日米、日韓、日中関係等についての議論も行われたと承知しておりますが、多国間協力という観点から申し上げれば、自由で安全な海洋の実現、宇宙空間のガバナンス、サイバーセキュリティーをめぐる協力、また東京オリンピック・パラリンピックを踏まえたテロ対策、気候変動問題への対応、防災協力、海洋ごみ問題への対応などで、更に日本が多国間協力を行っていくことが重要だと存じます。
 本年度の課題、二つの課題がございましたが、SDGsの推進など、重要な点を更に推進していくことが重要と考えます。
 以上です。
#92
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、川田龍平君。
#93
○川田龍平君 「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」、「文化、人的交流などのソフトパワーを活用した信頼醸成の取組の課題」及び「SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築への課題」などについての意見を述べさせていただきます。
 今以上に海外において日本文化を発信していく場所が必要であるとともに、日本語を積極的に発信していく機関をつくるべきと考えます。英語での発信を通じて日本の仕組みや表向きの政策を理解してもらうことは可能ですが、文化外交の観点からは、それがソフトパワーとして相手国の国民による日本へのサポートにどの程度つながるかという問題があり、この点、日本語を現地の方に学んでいただくことが重要であると考えます。その意味で、是非、この海外での日本語学校や文化会館などの充実を図るべきと考えます。
 韓国、中国を始めとするアジア各国と日本との間の単位互換制度に基づく大学、大学院の交流プログラムをもっと盛んに行うべきと考えています。ヨーロッパのエラスムスプロジェクトのような枠組みを東アジアにおいても前に進めるべきであると思います。
 文化の共有という観点からも、欧州のように、共通のテレビ番組をそれぞれの言語で見ることができるような仕組みが日本でも必要と考えています。特に、ヨーロッパでは、音楽番組など、音楽のコンテストなど、そういったものを海外でやっていますので、是非そういったものをアジアでも取り入れてほしいと思います。
 それから、和食文化の普及に向けた方策について、これについても、健康であることや見た目の美しさのみならず、季節感や器など、和食は自然を大切にして、使ったものを自然に戻していくという日本人の思想の根幹を表しており、日本の文化を総合的に代表したものであるということで、見せることに加えてそうした説明を加えることで、和食への関心をますます高めることにつながると考えます。
 それから、国際放送の強化に関し、NHKの政府からの独立性の状況が最近変わってきていると考えますが、基本的には、自由な報道、自由な発言、それが国境を越え、地域を越えて回ることで理解が進むものである以上、一般論として、国家がすべきことは、自由な交流を妨げないということ、またこの原則を徹底することが必要であると考えます。
 また、医食同源という日中韓で共通した文化があると考えますが、食育を通じてこの文化を醸成していくことが重要と考えております。この点についても、日中韓の食事の大本には共通性があり、西洋料理と比較してその共通性が分かり、そうした共通性が親しみにつながり、日中韓の相互理解、相互信頼の醸成につながる大きな力を秘めているということも参考人から意見を伺いました。
 そして、この二年間の間にも、外交と議会の役割ということで、特に議会の外交における役割というのがこれから重要視されていくのではないかと。特に、様々な国際会議への日本の議員の参加が少ないということ、毎回人が替わることによって、また短時間であるために議論への貢献が難しく、機会を失っているということ、また、多くの国ではCOPなどの国際会議に継続的に同じ議員が参加していることを踏まえて、日本でも同様に、同じ議員が参加したり、専門性のある議員を育てる必要があると考えます。
 私も、IPUのエイズ、HIVに関する専門委員会の委員として選ばれたこともあって、国連のエイズ・ハイレベル会合に出席をしたことがありますが、日本人の議員の参加というのは大変少なく、そういった意味で、この議員外交というものがもっとより充実することが必要だと思います。
 それから、IPUの会議においても、これまで、日本では昔は一人の議員の人が継続してIPUの会議に参加していたことで、日本の議員、日本の議会の意味というのが大変大きかった時代があったと聞いております。そういった意味でも、IPUの会議にもそうした継続的に参加する人というものを設けて、この議員外交をしっかりできるようにしていくということが必要ではないかと考えます。
 それから、NGOとの連携についてもこの調査会で話が出たものと思いますが、外交の機能と効果、多様性を向上するためにも、NGOと外務省との人材交流、NGOへの資金提供の柔軟化、国際協力基本法や国際協力庁などの必要性についても言及をしておきたいと思います。
 また、外交と議会の役割に戻りますが、特に国会議員や政府関係者とのだけではなく、本当に特にNGOと議会というのが非常にもっと交流をすることによって、議会の中にそういったNGOの意見を取り入れていくことも必要ではないかと思います。
 そして、日本とアジア近隣諸国における官民交流を促進し、特に国会、地方議会、地方自治体間の交流や外交に取り組むこと、日中韓、あるいは更に北朝鮮も加えた中でのバイ又はマルチの議会交流、議員交流に取り組むようにすべきであるという意見もこの調査会で出されました。
 調査会は、六年間の参議院議員としての長期的な調査というものが意味のあるものと考えますので、是非、この調査会における提案を法律や決議などに上げることによって、かつては、この調査会によって、高齢化社会対策基本法であったりDV防止法など、調査会が独自に提案することで法律を作ってきたり、また行政監視委員会などをつくることも調査会の役割として出てきました。今回SDGsの話なども出たことをきっかけに、SDGs対策基本法であったりSDGsに対する推進の決議など国会に是非調査会として提案できればというふうに思いました。
 ありがとうございます。
#94
○会長(水落敏栄君) 次に、古賀之士君。
#95
○古賀之士君 古賀之士です。
 早速意見を述べさせていただきます。
 直近で我が国で行われます今年のラグビーのワールドカップ、そして来年のオリンピック・パラリンピック、ソフトパワーとしてこれをどう活用していくのか。期間がもう迫っておりますけれども、これまでの国際スポーツイベントにおける国際交流を分析をして、そして戦略的に行動していくことが重要ではないかと思います。
 もちろん、メダリストの方、それからボランティアの方、大会を支える皆さん方、そして指導者の方、そういったソフトパワーの活用はもちろんなんですが、と同時に、LGBT、それからムスリム、先ほどもお話に出ましたジェンダーなど、日本の社会の受入れが必ずしも整っていない分野、こういった分野への対応をこのオリンピック・パラリンピックあるいはラグビーのワールドカップでどのように対応していき、また、それをきっかけに、どう皆さんたちに理解を深めていくのか、そういうチャンスだと考えております。
 それから二つ目でございますが、日本が誇る伝統文化、着物、和食、こういったものをどう活用していくか。
 確かに、民間企業やNPOの取組も重要ですし、また、大きく皆さんたちのその働きぶりは目立っております。そこに政治や行政がどう関わっていくのか。クールジャパンの政策について、伝統文化的な要素も更に取り入れていく、古きを知りという部分をしっかりと取り入れていくことによって、風前のともしびとも言える伝統文化に新たな光を当てることができたり、あるいは事業承継問題で本当に困っている日本の伝統文化に新しい希望を生み出すこともできるのではないかと考えております。
 三点目は、文化を活用した取組を行うには、やはり教育、日本人自身が日本の文化をより深く知って、そしてそれを理解し、そして伝えるということです。
 この皆さんたちの中にも、英語や外国語、堪能な方は大勢いらっしゃると思いますが、じゃ、畳の作り方はどうするんだとか、米はどうやって作るんだと、実際に外国語で説明していくのは大変難しいことだと思います。
 私自身は、実は地元が福岡ですので、豚骨ラーメンを作れる唯一の国会議員だと今思っておりますけれども、作れるんです、でも、実際に福岡の人に、じゃ、豚骨ラーメン作ってよと言われると、恐らくほぼ九九%の方が豚骨ラーメンの作り方そのものも知らないんだと思います。知らないうちに、御存じのようにワールドワイドになっております。
 そういった意味では、豚骨ラーメンは、実は文字どおり豚の骨を割って、そして湯通しをして、そういうしっかりとした仕込みがあって、それから深いあの味わいのあるスープが生まれるんだよ、そういったことを、それぞれの地域でもおいしい食べ物がありますし、また伝統文化があります、畳やそれから障子、それから様々な木造建築、日本の誇る伝統文化、職人の世界を是非学校教育の中に取り入れていただいて、そして理解をし、広めていただく、そういうことがこれからますます重要になってくるのではないかと思っております。
 それから四番目に、今日も参考人の方がお見えでした、SDGsへの取組のうち環境技術、日本が得意とすると言われておりますこの分野をどのようにして海外に広めていくかということです。
 水、それから大気、地球の温暖化、CO2の削減等、様々な環境の問題が今世界中で起きております。それを事前にどうやって防ぐのか、あるいは既に環境が悪化している分野に対してどのような対応を取っていったらいいのか。我が国がそれこそ標準化、スタンダードをつくり、ルール化し、そしてイニシアチブを、しっかりと各国の現状をリサーチして適切な対応を取っていく、こういうことが今後我が国にとって必要かつまた重大な使命ではないかとも考えております。
 時間が来ました。以上です。
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#96
○会長(水落敏栄君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、伊藤孝恵さんが委員を辞任され、その補欠として大野元裕君が選任されました。
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#97
○会長(水落敏栄君) 三浦信祐君。
#98
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」を調査課題とした本調査会の三年目に当たり、意見交換に際して意見を述べさせていただきます。
 二〇一五年九月、持続可能な開発目標、SDGsが国連で採択をされました。SDGsの達成は、国際社会全体が取り組むべき目標であると同時に、平和主義や人間の安全保障の推進を外交の基軸とする我が国が特に率先してリーダーシップを発揮し、その達成に向けて取り組むべき目標であると考えます。
 SDGsが掲げる課題はいずれも重要で、一つも欠かすことはできませんが、その中でも、気候変動等への対応は、先進国、開発途上国を問わず、国際社会の国々全てが直面する喫緊の課題であります。パリ協定では、二度目標が掲げられるとともに、より実効的な温暖化対策という観点から、一・五度の努力を追求されるものとされております。
 脱炭素、脱化石燃料に向けた国際世論の流れの中で、我が国としてもそうした流れを前向きに捉え、再生可能エネルギーの更なる導入に向けて、政府は、技術革新への投資やそうした技術を社会実装していくことへの環境整備をより推進していかなければいけないと私は考えております。
 また、SDGsやパリ協定が定める目標の達成に向けて、日本が具体的にどのようにして成し遂げていくかということを明確化すると同時に、国際社会全体がその目標を達成していく上で、国際協力等を通じて日本がどういった貢献をできるかという視点が不可欠であります。
 国際協力を進める上では、地理的な特性とその国が置かれた環境に応じて、太陽光、風力、地熱等をどのように組み合わせていくべきか、加えて、限られた資源をどのように投入していくべきかという点について共に検討していくべきだと考えます。
 同時に、短期的、中期的にベストなエネルギーミックスの在り方を考えた場合、経済構造等によって長期的な形とは異なるのもやむを得ないとも思います。現状では、東南アジアを始めとして原子力や火力に対するニーズも依然として高く、そうした点を踏まえつつ、我が国がこれまで蓄積してきた技術、人材、知見を幅広く活用して国際協力を行うことは、最終的な目標達成に向けた取組を進める上でも意義あることだと考えます。
 加えて、ODAやJICAの取組を通じた技術提供による取組も欠かせません。インドのデリー・メトロのように、公共交通機関の建設への投資により、交通渋滞の緩和、省エネ化、建設工事における安全と納期・工程管理の定着による効率化等、CO2排出低減にも直接効果をもたらしていることも極めて重要な国際貢献であると思います。
 技術力で世界の平和と経済を両立させることは、日本こそが取り組める力であると私は考えます。これまで述べてきた考え方に基づきつつ、SDGsやパリ協定の目標達成に向けた我が国自身の基本的なスタンスを立て、国際社会に向けて発信していくべきです。
 加えて、世界の先進国に比べて十年以上高齢化社会が進展しているということをチャンスに変えていくということも、世界にとってのSDGsへの役割として日本が貢献できることだと思います。そのためにも、政府は、高齢化社会をチャンスにするための様々な施策を政党を超えてしっかりと議論ができる体制をつくるべきだと考えます。
 加えて、こういう発信に関しては、調査会で議論してきたようなソフトパワーを活用した我が国の発信力も問われることになります。しっかりと日本の立場を発信することができる専門人材を育成することが重要であるとともに、人材交流等を通じて産業界や学術界からも知見を有する方にも参画していただきながら、強力に積極的に発信を行っていくべきだと考えます。
 当然、議員交流の活発化が国際社会における日本の信頼醸成に果たす役割が大きいことは論をまちません。それと同時に、そうした政策広報を下支えする文化広報や人的交流についても専門家を養成していくとともに、特に国際世論に大きな影響を与えるような国々を中心に十分な予算や人的な手当てをしていくことが必要ではないでしょうか。
 我が国は、平和と安定へのトップランナーとしての使命を果たすべく、持続可能な地球、世界、社会のためにも、日本が持ち得る力を積極的に活用して世界に貢献することが重要であることを強く強調して、私の意見表明を終わります。
 ありがとうございました。
#99
○会長(水落敏栄君) 次に、石井苗子さん。
#100
○石井苗子君 ありがとうございます。
 SDGs、パリ協定などの国際公約を推進、実施する国内体制構築の課題などにつきまして意見を申し上げます。
 これまでと異なった目線で一歩踏み込んだ新しいことを掲げてやっていかなければならないという、この示唆の下につきまして、国際社会においてSDGsを達成していく上で、開発途上国におけるニーズと日本の企業が持つサービスやスキルをマッチングして、ウイン・ウインの関係を生み出すことができることがこの先重要と考えます。
 政府の持つ資金、人材、ノウハウだけではSDGsを達成することは不可能であります。企業を始めとする民間の資源、活力をいかに巻き込み、SDGsの達成に向けて共に取り組んでいくかという視点が大変重要であると考えます。日本の経済の発展を考える上でも、潜在的なビジネスチャンスを積極的に開発していくことが不可欠であると考えます。そうした意味で、日本の中にあります中小企業などがどう強みをこれから発揮していくかということを、ゴールを決め、ターゲットを定めて、目標達成と成果を図っていくことが必要だと考えます。
 民主主義ということを普及していく意味におきましては、国際社会におきまして民主主義を含むリベラル的な価値観が今動揺している時代でありまして、ここにおきまして改めて今後の日本の民主主義を、経済の根源の在り方を整理して日本的な発展モデルとして発信していくことが、日本の国際社会においてのリーダーシップを発揮するのみならず、開発途上国が持続可能な形で発展していく上でも有意義と考えられます。
 冷戦が締結した後、停滞したと言われております世界ですけれども、日本におきましても、既得権益を打破して規制改革を行う必要性が示唆されていると、こういうことを特に重要視して考えていく必要があると思います。
 SDGsがいまだ十分に認知されていたり理解されていないという御指摘がありました。SDGsの発達に向けて、一人でも多くの人がSDGsを自分事として捉えていく必要性があると考えます。SDGsの普及に当たっては、国民の皆様お一人お一人から自分事として捉えるにはどうしたらいいかということを把握してもらわなきゃならない。そのためには、メディアや企業、自治体などといった対象となっている皆様に、ターゲットに応じて普及の目的、手法、アプローチの仕方といったものを具体的に考えていく必要があると思います。
 SDGsやパリ協定の目的を達成していく上では、企業の積極的な関与が不可欠と考えます。この点について、そうした追加的な関与、短期的にはコストとして企業が抱える目標というのもあると思われますが、長期的には、そうした取組が企業価値を高めるということとともに、新たなビジネスチャンスを発見していく起爆剤となることを積極的に周知していくことが必要だと思います。その点で国やメディアが果たす役割は大きく、きめ細かにやっていく必要があると考えます。
 次に、パリ協定の目的達成に向けた脱化石燃料や脱火力の国際的な流れの中で、日本としても、石炭火力発電からフェーズアウトをすることや、途上国への火力発電支援を途上国であっても停止する必要があるということも述べられております。こうしたフェーズアウトをしていくことの途上国への支援、これの流れをこれからもきめ細かく、国の政策的な関与として考えていく必要があると思います。
 以上です。
#101
○会長(水落敏栄君) ありがとうございました。
 次に、武田良介君。
#102
○武田良介君 大きく二点に絞って意見表明をさせていただきたいと思います。
 まず、気候変動、とりわけ石炭火力発電所に関する問題です。
 気候変動問題は、国際的最重要課題の一つになっております。災害が頻発をし、海面上昇によって島嶼国始め存立の危機にさらされている国もあり、水や食料不足が発生し、紛争のきっかけにすらなっているからであります。
 気温上昇を二度未満に、今世紀の後半には脱炭素社会を実現するということを目標にしたパリ協定が採択をされました。全ての加盟国が責任を果たさなければなりません。
 日本はこれまで大量のCO2を排出してきた国であり、自国の排出削減に世界の中でも最も先進的に取り組むべきグループに位置をしています。日本のCO2排出削減のために最大かつ迅速な削減は、電力部門で石炭火力発電を減らしていくことであります。イギリスやカナダを始め、年次的期限を区切っての脱炭素政策を明確にしている国がある中、国際的共通の目標であるパリ協定の実現へ日本の態度が問われております。
 本調査会のアジア太平洋における平和の実現、地域協力というテーマから見て、インドやベトナム、インドネシアへの石炭火力発電のプラント輸出支援をめぐり現地住民の方が来日され、農地が奪われた、漁場が奪われた、政府による支援を止めてほしいと訴えられていることを見過ごすことはできません。
 先日来日されたインドネシア・インドラマユの方は、国会での要請の後、都内の大学で学生と懇談をされております。被害に対する補償、環境汚染の現状などについて意見交換をした後、学生から、日本人である私たちに腹が立たないのかと質問をされ、インドネシアの方は、私は皆さんに敬意を持っている、私たちはそこに住み働く権利を守りたいのだと話をされたそうであります。
 人的交流が重要な役割を果たしているというふうに思います。同時に、地元住民の方との合意のない事業は推し進めないことなど、国家アクターの行動に対して私たちはきちんと注視し続けていかなければならないということを肝に銘じる必要があると考えております。
 民間や経済界レベルでSDGsの取組が進み、石炭火力からのダイベストメントも高まりを見せております。持続可能で環境や人権に配慮した投資行動、経済行動が求められ、企業もそれに応えていく流れが生まれております。SDGsを言葉だけにせずに現実のものとする手だてを取るよう、政策転換、また具体的手だてが求められる時期を迎えているというふうに思います。
 第二に、各国との間で進む文化、人的交流と平和の実現についてであります。
 先日の調査会で、近藤誠一元文化庁長官は、御自身が日韓文化・人的交流推進に向けた有識者会合の座長として取りまとめられた提言について、政治的な対立が国民感情や市民交流に影響を与えてはならないということをきちんと認識をし、政府としては、市民は引き続き民間交流をやりなさい、お互いをもっと知りなさい、それが中長期的な日韓の友好関係、秩序の基礎になるんだということをはっきり言うべきで、これが提言の一番の肝だと、このように述べられました。日韓の友好関係を強化していく上で重要な指摘だと受け止めております。
 加えて、国が前面に出て、これが日本の文化だと誇示をすることは余り得策ではないということも述べられ、理屈ではなく感性で日本の文化の良さが伝わっていく環境を徹底的につくるというのが政府の役割であり、それに必要な資金を提供するのが企業の役割だと、そのようにはっきりと役割分担をすることが日本の文化外交の一番重要な点だと指摘をされておりました。
 アジアでの国際交流、信頼醸成を進めていく上で、これらの観点を踏まえて行動していく必要があるということを感じたところでございます。
 以上、大きく二点を申し上げ、意見表明といたします。
#103
○会長(水落敏栄君) 次に、伊波洋一君。
#104
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 文化、人的交流などソフトパワーを活用した信頼醸成の取組の課題について意見を申し上げます。
 日本国内には、アジア太平洋地域の近隣諸国である中国、韓国について、ソフトパワーを欠いているとの根強い批判があります。それでは、翻って我が国自身はソフトパワーを適切に行使していると言えるのでしょうか。
 我が国の外交においては、常に日米同盟重視ということで対米関係が最優先され、その他の国際関係は背景に追いやられています。中国や韓国に対する外交においても、軍事的に、あるいは経済的にハードに対抗していこうという流れが強いように思われます。
 元米国国防次官補のジョセフ・ナイ氏は、「スマート・パワー 二十一世紀を支配する新しい力」という本で、ソフトパワーでは相手がどう考えるかが特に重要であり、相手が行為主体と同じく重要であると、魅力と説得は社会的に構成される、ソフトパワーは言わばパートナーを必要とするダンスなのであると書いています。
 中国、韓国に関して言えば、かつての大戦での侵略行為や植民地支配により、いまだ癒やされない傷や被害感情が残っていることは紛れもない事実です。こうした被害の現実や感情を直視し、相手国の国民感情も理解した上で文化交流と人的交流を支援していくことこそが国には求められているのではないでしょうか。
 次に、SDGs、パリ協定など国際公約を推進、実施する国内体制の構築への課題について申し上げます。
 日本では、SDGsやパリ協定などについて、まだまだ国民的な関心が高くないのが実情です。SDGsやパリ協定にトランプ政権の米国の関心が薄いことをそんたくしてか、日本政府としての情報発信も少ないように思います。
 一方で、SDGsについては、あたかも経済成長戦略などの文脈で語られているように思います。しかし、本来の趣旨は、「「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」というキーワードが示すとおり、排除しない、包摂していく社会をつくっていく取組です。十七のSDGsの目標、その中に、十四、十五は、海の豊かさ、十五の陸の豊かさを守ろうで、十六は平和と公正を全ての人にというふうにあります。沖縄におりますとなかなか、我が国の姿勢が必ずしもそれを守っていないように思います。
 また、パリ協定についても、脱炭素社会に向けて、化石燃料依存からエネルギー構造を自然エネルギーへ大きく転換しなければなりません。別の形で将来に負担を先送りする原発に頼ることができないことは言うまでもありません。
 私は沖縄から来ていますが、日本は森林の国だと思います。しかし、その森林の多くが放置されています。今問題になっております花粉症の原因でもあるのでしょう。日本は森林の価値を再評価していくことが大事だと思います。それは限界集落の問題や地方の再生にもつながることです。
 SDGsやパリ協定への対応については、市民社会やNGO、民間企業などが主導しています。政府だけでは目が届かない地道な作業、インクルーシブな社会に向けた一人一人に寄り添ったサポートやエネルギー構造転換に向けた民間の取組など、NGOや市民社会が主体となり、政府は、情報発信を努めつつ、市民社会の取組を一歩引いたところでサポートするという姿勢が求められているのではないでしょうか。
 以上を意見といたします。
#105
○会長(水落敏栄君) 以上で各会派一巡をいたしましたので、他に発言を希望される方は挙手を願います。──他に御発言もないようですので、委員間の意見交換はこの程度といたします。
 委員各位には貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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