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2019/03/28 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 国土交通委員会 第4号
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2019/03/28 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 国土交通委員会 第4号

#1
第198回国会 国土交通委員会 第4号
平成三十一年三月二十八日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     足立 敏之君     太田 房江君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     太田 房江君     足立 敏之君
     堀井  巌君     吉田 博美君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     山下 雄平君
 三月二十七日
    辞任         補欠選任
     山下 雄平君     朝日健太郎君
     吉田 博美君     小野田紀美君
     矢倉 克夫君     里見 隆治君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         羽田雄一郎君
    理 事
                井上 義行君
                酒井 庸行君
                中泉 松司君
                青木  愛君
                三浦 信祐君
    委 員
                足立 敏之君
                阿達 雅志君
                朝日健太郎君
                小野田紀美君
                金子原二郎君
                末松 信介君
                高橋 克法君
                塚田 一郎君
                中野 正志君
                牧野たかお君
                野田 国義君
                舟山 康江君
                増子 輝彦君
                魚住裕一郎君
                里見 隆治君
                行田 邦子君
                室井 邦彦君
                山添  拓君
                平山佐知子君
   国務大臣
       国土交通大臣   石井 啓一君
   副大臣
       国土交通副大臣  塚田 一郎君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       田中 英之君
       国土交通大臣政
       務官       阿達 雅志君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  佐々木 浩君
       厚生労働大臣官
       房審議官     迫井 正深君
       厚生労働大臣官
       房審議官     諏訪園健司君
       水産庁増殖推進
       部長       保科 正樹君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        南   亮君
       国土交通省国土
       政策局長     麦島 健志君
       気象庁長官    橋田 俊彦君
       海上保安庁長官  岩並 秀一君
       環境大臣官房審
       議官       鳥居 敏男君
       防衛大臣官房サ
       イバーセキュリ
       ティ・情報化審
       議官       小波  功君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振
 興開発特別措置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(羽田雄一郎君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、堀井巌君及び矢倉克夫君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君及び小野田紀美君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(羽田雄一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省国土政策局長麦島健志君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(羽田雄一郎君) 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○中泉松司君 おはようございます。自民党の中泉でございます。今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 この後、酒井理事からも質問がありまして、そちらの方で小笠原の方について主に質問されるということで伺っておりますので、私からは奄美についてを質問させていただきたいと思っています。
 今回の法案の審議に先立ちまして、先月二月二十八日から二日間、酒井筆頭理事と共に奄美を訪問させていただき、現地の視察と現地関係者との意見交換会を行わせていただきました。視察では、昨年の台風二十四号で大きな被害を受けた名瀬港の整備状況、世界遺産登録に向けた取組の現状や島の伝統であります大島つむぎの継承への取組などを拝見し、意見交換会では、群島十二市町村中七市町村の首長、副町長、副首長といいますか、と鹿児島県の大島支庁長などに御出席をいただいて意見交換を行わせていただいたところでございます。意見交換では、奄美始め各地の皆様から、これまでの奄美群島成長戦略ビジョンの取組の御紹介をいただいた後に様々な御意見をいただいてまいりました。
 正直言って、私、訪問する前は、いわゆる奄振交付金、奄振交付金と地元では言われておりましたけれども、その交付金を羨ましいなというふうに思いましたし、雪国交付金というのもあってもいいかなと思ったぐらいでありましたけれども、実際お話を伺って、もしこれ、意見交換でハードルの高い要望をいただいたり、交付金もっとくれというような話であればちょっと嫌だなというふうな思いを正直率直に持ちながら意見交換に臨んだわけでございますけれども、各首長さんからは、一言目には一様に心からの感謝の思いを述べられて、そして、成果を丁寧に御説明をいただいた上で、今後の継続した支援を何とかお願いしたいということでありました。その成果も伺いまして、奄美に対する支援のこの効果の大きさ、そして期待の大きさも感じてきたところでございます。
 意見交換会で具体的に出たお話について質問させていただきたいと思いますが、例えば具体的に、沖永良部の和泊町の副町長さんからは、花卉に対して、お花ですね、花の取組を一生懸命やっているんだけれども、輸送費の支援、奄振交付金の中でこれをいただけたことによって、本当にこれまで難しかった定住の促進や所得の向上につながっているんだ、是非これは支援を拡大してほしいというお声もいただいてきました。
 また、宇検村や瀬戸内町の町長さん、村長さんからは、離島留学、この奄美らしい留学を子供たちに是非させてあげたいんだということで、その取組の紹介もいただきました。交流人口増加への非常に重要な取組だとも伺いましたけれども、一方で、受入れ体制の整備がまだまだ不十分だというお話もいただいてきたところです。
 こういった具体的な行為に今回の法案ではどのように応えているのか、お伺いをまずいたします。
#7
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美群島におきます農林水産物の輸送費につきましては、これまで奄美群島振興交付金を活用し、奄美群島外に出荷する企業や団体に対しまして、奄美群島と鹿児島県本土間の輸送費に相当する額の支援を行ってまいりました。さらに、平成三十一年度予算におきましては、地元からの要望を踏まえ、輸送費支援の対象品目に奄美群島で製造された加工品、原材料等を追加をしたところでございます。
 また、離島留学につきましては、平成二十九年度から奄美群島振興交付金を活用した奄美らしい離島留学推進事業を実施しているところでございます。この事業では、本土等の児童生徒が奄美群島の小中学校に留学するために必要な里親の受入れ等に係る経費への支援、受入れ環境の整備や体験活動等を実施する団体への支援等を行っているところでございます。
 輸送費支援や離島留学につきましては、農業を含めた産業の振興にも寄与するものでございます。今後、地元からのニーズを的確に把握しつつ、連携して取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#8
○中泉松司君 ありがとうございます。是非、期待の大きさを感じてきましたので、よろしくお願いをいたします。
 また、加えて、地元から期待の大きかったものとして、今回は特定重点配分対象事業ということで、地元の負担を軽くする、民間とうまく連携をして交流人口の増などにつなげるものに関しては、そういった取組もしていただけるというふうに伺っております。これに関しては、まず、新しい内容となると思いますので成功事例をつくっていくということが何よりも大事だと思いますので、是非ともそこも併せてお願いをしたいと思います。
 そして、今回の訪問では、一番最初に申し述べましたとおり、世界遺産登録に向けた取組の状況についても視察をさせていただきました。
 二〇一七年の二月に一度推薦書を提出しておりますが、世界遺産委員会諮問機関、IUCNの指摘を受けて一度この推薦を取り下げて、そして整理をした上で本年の二月一日に改めて推薦書を出し直しております。早ければ今年夏から秋にかけてのIUCNの現地調査を経て、来年、二〇二〇年夏頃の登録を目指しているということでありますけれども、これに関しても現地では大きな期待が寄せられております。
 世界遺産登録による観光面での効果と今後の見通しについてどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
#9
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美、沖縄世界自然遺産登録に向けましては、本年二月一日にユネスコ世界遺産センターへ推薦書を提出しており、今後IUCNによります現地調査を経まして、早ければ、先生御指摘のように、二〇二〇年夏頃の登録が期待されるところでございます。
 観光面で見込まれる効果につきましては、平成二十三年に世界自然遺産に登録をされました小笠原におきましては、それ以前に二万人前後で推移をしておりました入り込み客数が、ピークの平成二十四年度には約四万人と倍増をいたしたところでございます。平成二十五年度以降の入り込み客数は、落ち着きを見せまして三万人程度で推移をしてございますが、この間の一人当たり観光消費額は世界自然遺産登録前に比べて高い水準となっているという状況でございます。
 世界自然遺産登録の効果を一過性のものとせず持続的な観光振興につなげていくためには、こうした事例も踏まえつつ、奄美での受入れ環境整備等に計画的に取り組むことが重要と認識をしてございます。
 国土交通省といたしましては、共に世界自然遺産登録を目指している沖縄県と連携をいたしました観光キャンペーン等に取り組みますとともに、奄美らしい魅力を体験できる観光スタイルの構築や、来訪者の満足度を高めるためのキャッシュレス化等の推進、環境整備を支援してまいりたいと考えているところでございます。
#10
○中泉松司君 是非しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 私の地元秋田県にも、青森県とまたがっていますけれども、白神山地という世界遺産があります。世界遺産登録いただくと、一方では、自然をしっかりと守らなければいけないという、そういう重い責任も生じるわけでありまして、そこは課題になってくるわけでありますけれども、その課題をクリアしながら、訪れていただけるお客様方にしっかりとその世界遺産のすばらしさを感じていただくということも大事なんだと思います。
 そういった意味で、世界遺産登録されることによって、多分これまでとはまた劇的に、もしかすると観光面でも変わってくるのかもしれません。そこら辺は、これからの推移をしっかり見守っていただいた上で、取組ということを考えて、また次のタイミングで考えていかなければいけないということもあると思いますので、是非ともそこは注視をしていただきたいと思います。
 また、来年、二〇二〇年は、日本では東京オリンピックがありますけれども、鹿児島県では、その夏の奄美の世界遺産登録、そして国体、今は国民スポーツ大会と言うらしいですね、国民スポーツ大会が決まっているということでありまして、本当にそれ相乗効果も含めて大きな期待が寄せられておりましたので、是非ともその地元の期待に応えられるように取組を進めていただけるようにお願いをいたします。
 今回、短い期間でありましたけれども、視察をさせていただいて改めて感じましたのは、そこに暮らす方々というのは、あくまで、別に我が国を守るために住んでいただいている防人でも何でもありませんし、そこに暮らしていただいておりますけれども、そこに暮らす方々がなりわいや生きがいをしっかりと持って生活をして充実した人生を送っていただく。そして、その上でそのバトンを次の世代にとつないでいってそこに暮らし続けていただくということが、結果として我が国の形、ありようであったり国境を守るという、そういったことにもつながってくるんだなということ、これは全国どこでも同じことなんですけれども、その国境離島付近に住む方々の暮らしぶりを見て改めてそういうことを感じさせていただいたところでございます。
 国境離島地域の振興策というのは大変重要だと思いますけれども、大臣の御見解をここで伺わせていただきたいと思います。
#11
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島と小笠原諸島を含む離島の振興は、我が国の領域や排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用等、国益の保護と増進の観点から重要と認識をしております。
 離島は、四方を海等に囲まれ、厳しい自然的、地理的な条件不利性を抱えており、その改善や地域特性を生かした振興を図るため、奄美、小笠原の特別措置法や離島振興法に基づく各種施策に取り組んでまいりました。
 それぞれの離島は特色ある自然や文化等の地域資源にあふれており、近年は、屋久島や小笠原諸島などの世界遺産登録、壱岐、対馬、五島の日本遺産認定等により離島の魅力に対する認知度が向上し、観光面での追い風が見られます。また、本土企業と離島地域の連携を通じた新たなビジネスの創出事例が見られるほか、都市部の子供さんが離島の学校に入学をする離島留学が全国で広がりを見せるなど、新たな取組も進められております。
 国土交通省といたしましては、交付金等によりまして地域の創意工夫を後押しをし、離島の定住促進などを通じた自立的発展に向けましてしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#12
○中泉松司君 ありがとうございます。
 特に、地元では、離島留学等に関する心意気、意気込みというものを聞いてきました。
 全然話は、まあ同じような話ですが、地域は全然違いますけれども、卒業式シーズンで、私の地元で本当に過疎が進んでいる地域で、小学校卒業式、卒業生三名というところがありましたけれども、その三名のうちの一人は、東京で暮らしていて不登校になって学校に行けなくなってしまった子供が改めて編入をされて、そして田舎暮らしをすることによって中学校からまた通える勇気が湧きましたという、そういったこともありましたので、これは離島でも同じことが全く言えるんだろうというふうに思います。大変大切なことだと思います。
 また、なりわいについて本当しっかりと持っていただくということは大事だと思っておりまして、今日、委員会始まる前に野田国義先生にはもう気付かれてしまったんですけれども、今日、私、大島つむぎのネクタイをさせていただいております。龍郷という地域で伝統文化として作っているものでありますけれども、お話を伺ってちょっとすごく感動したんですが、ここに、(資料提示)龍郷ではエッセーコンテストというのをやっているらしくて、大島つむぎをテーマに入賞作品の紹介をしていただいておりますけれども、これの最優秀賞が、東日本大震災当時に被災地に暮らしていて、津波にのまれ、命からがら助かって家に戻ったときに、和服が大変好きな若い女性だったんでありますけれども、家に戻ったときに、持っているたんすの和服は全て駄目になっていたと。本当にもう心打ちひしがれたときに、大島つむぎだけがきれいに残っていたと。その御縁で今奄美に移り住んで、移住をしたという、その人のエッセーが載っています。
 なぜ大島つむぎだけがきれいに残ったかというのは、これは奇跡的な話ではなくて、大島つむぎというのは、絹を泥田に何回も何回も浸して、泥に含まれる鉄分がこの素材感を生み出すということで、泥をずっとくぐらせて、何十回も何百回もくぐらせているのでこういう丈夫な生地になるということでありまして、津波にも負けなかったと。もうこういうことはすごく地元の誇りなんだよということを龍郷の町長さんが熱く語っておられましたし、これは何としても残さなければいけないんだ、何とか支援してくださいという心も伺ってきたところでもあります。
 しっかりと離島地域でも生きがいと、そしてなりわいを持って、誇りを持って暮らして、魅力ある地域づくりができるように、是非とも今回の法案がその後押しとなることを期待を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#13
○酒井庸行君 自由民主党の酒井庸行でございます。
 今日は、こうして小笠原、奄美群島の特別措置法案の質問をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
 今、中泉委員からも奄美の方の視察のことのお話がありました。私は、泥大島、家内に買ってあげようかと思いましたけど、ちょっと無理でしたのでほかのものを、でも自分のものじゃなくて家内に買いましたので、というふうに思っておりました。
 私からは、小笠原のことについてお話をお聞きしたいというふうに思っております。非常に小笠原にも実は行きたいなというふうに思っておりましたけれども、なかなか行くことは困難でありますので、皆さんからのお話を聞きながら御質問させていただきたいというふうに思います。
 五年前に、私も委員会で、室井委員も野田委員もいらっしゃいました、この質問をされたというふうに思います。我が党からは江島先生が質問をされました。そのことも踏まえて御質問をさせていただきたいと存じますけれども、歴史的に言うと、やはり小笠原というのは、さきの戦いで非常に大変な戦火に巻き込まれております。そして、やはり、そこに住んでいた人たちは疎開をさせられたというか、させられて、そのままその小笠原の島々が何の手付かず、もう手も付けず、やはりアメリカの統治下であったということもあってそのままだったということがあって、二十年間の間、いわゆる島に戻ることができなかったというお話も実は聞いております。そういう意味で、硫黄島もそうだったということも聞きました。硫黄島も、もう今もやはり住むことは難しいのでと、いまだに、もう帰ることはできないという状況が続いているということでございます。
 それで、小笠原諸島が本土復帰して五十年ということであるということも、昨年が五十年ということもお聞きをいたしました。この復帰のために大変なその旧島民の人たちは御尽力をされてきたというふうに思いますし、ここに関わった方々は本当に厳しい中での御努力をされたと思います。その労苦に私たちは敬意を表しなければならないと思いますし、また、しっかりと私たちがやれることはやっていかなきゃならないというふうに思っております。
 その意味で質問をさせていただきたいと存じますけれども、五年前からの法案があって、それから今日こうしてまた審議をするわけですけれども、五年間たちました。この五年間の間に国費としてどのぐらいのお金をつぎ込んだのか、そして具体的にその成果がどんなものであるかをまずお聞きしたいというふうに思います。
#14
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 御指摘の小笠原諸島振興開発事業費補助金につきましては、平成二十六年度から平成三十年度までの五年間の予算総額として約七十六・七億円を計上してきたところでございます。この五年間で、道路、港湾等のインフラや新造船の整備のほか、農業におきましてはかんがい施設やハウスの整備、また漁業におきましては漁船修理施設の改修や船員厚生施設の整備を行いますとともに、自然環境の保全に対する支援や生活環境の整備等を実施をしてきたところでございます。
 その成果といたしまして、農業生産額は、平成二十二年一・二億円から平成二十八年一・四億円と約二割の増加、また漁獲金額で見ますと、平成二十二年四・九億円から平成二十八年七・七億円と約六割の増加という状況になってございます。
 世界自然遺産登録後、減少しておりました入り込み客数も近年は増加傾向にございまして、人口につきましても、現在も旧島民の帰島が続いているほか、Iターンが盛んで、僅かながら増加傾向にあるという状況でございます。
#15
○酒井庸行君 今の話を聞きますと、順調にというか少しずつきちんと振興の、この特措法の成果が出ているというふうにお伺いをします。
 次に、この小笠原に関して、小笠原村のホームページを見ると、それを私の質問としては頼るしかないというところもあるんですけれども、それを見ると、父島は東京から九百八十四キロ、母島が千三十三キロというふうに書いてあります。小笠原諸島というのはその大小三十の島々から成り立っていると。
 例えば、沖ノ鳥島がありますね。これは沖縄とグアムの間ぐらいに位置するんだそうですね。これも小笠原諸島なんですね。日本の最南端ということでありますし、それから南鳥島、これは父島から東南東に千三百キロ、硫黄島から千百キロの最東端にあるというふうに書いてありました。
 こういう父島、母島を中心ですけれども、いわゆるその距離にあるところを考えると、生活あるいは産業を生むということ、先ほど順調に振興はして伸びているということもありますけれども、そのいわゆる生活をする、あるいは産業を生むという条件としては非常に厳しいところになるということがあります。
 そこで、特に生活をする、あるいは物流の関係もそうですけれども、交通手段ということで特にお聞きをしたいというふうに思います。
 先ほども、私行ってみたいと思いましたけれども、六日間、六日に一便しかないおがさわらという船しかないということであります。この状況で島民の皆さんたちがこれから生活をするにしても産業を生んでいくにしても、いろいろなことを考えていくときに、改善あるいは観光ということを考えたときに小笠原の皆さんたちは大きな課題だというふうに思いますけれども、特に交通問題の関係に関して、アクセスに関してお伺いを、どんなふうになっているかをお聞きしたいと思います。
#16
○大臣政務官(阿達雅志君) 小笠原諸島は東京から南に約千キロ離れた外海に位置しており、住民生活の利便性の向上、産業の振興等を図るためには交通利便性の確保が重要です。この五年間の交通アクセス改善については、唯一の定期交通手段である航路について、平成二十八年七月から本土と父島を結ぶおがさわら丸と、父島と母島を結ぶははじま丸の新造船が就航しています。
 おがさわら丸及びははじま丸の建造に対する支援として、国土交通省が建造費に対する補助を行うとともに、鉄道建設・運輸施設整備支援機構は長期低利の資金的支援や必要な技術支援を行っております。また、父島、母島航路の運営費と住民運賃割引への補助を行ってきたほか、港湾施設の整備改良に係る取組を支援してきたところです。
 このような取組により、航海時間の短縮や快適性が向上、また旅客定員の増加がありました。その結果として、小笠原村を訪れる観光客が新造船就航後約二割増加するなどの効果が出ております。
#17
○酒井庸行君 今の政務官のお話を受けてでありますけれども、この小笠原の海の周りというのの環境、先ほど奄美の世界遺産の話もありましたけれども、その自然環境あるいは観光ということで少しお話をお聞きしたいと思います。
 平成の二十三年に世界遺産に登録をされております。世界的にも大変貴重でかけがえのない自然環境に恵まれていまして、小笠原固有の希少な野生動植物などもあり、自然環境の保護、保全に取り組むということとともに、この自然環境の豊かさを生かした観光振興を図るということも考えなければなりません。
 小笠原村のホームページを見るとすばらしい写真が、絵がいっぱい出てくるんです。皆さんに本当はお配りしたいぐらいですけれども、大変なものだったので、皆さんホームページを見てください。そんなふうに思いますけれども、その効果というのを考えたときに、しかも世界有数のその透明度を持っているということも分かりました。
 そこで、その観光の部分でいきますと、その環境を守りながら観光をどうするかということでありますけれども、登録をしたとき、二十四年度は四万人が、先ほどちょっと話がありましたけれども、皆さんが訪れていると。その後、少し減少しているんだけれども、それでも今三万人もいらっしゃるということをお聞きをいたしました。
 大変にすばらしいところであるからこそこういう状況が続くんだというふうに思いますけれども、環境問題と同時に、この観光についてのお考えをお聞きしたいと思います。
#18
○副大臣(塚田一郎君) お答えいたします。
 小笠原諸島における観光振興を図る上では、世界自然遺産にも登録された貴重な自然環境を将来にわたって維持しながら、観光資源としての利活用を図ることが重要であると認識をしております。
 このため、東京都と小笠原村は、東京都知事が指定した自然環境保全地域の適正な利用のルール等を定めています。具体的には、指定地域における利用経路や一日当たりの利用者数の上限の設定、立入りの際の認定エコツアーガイドの同行の義務付け等により、小笠原の希少野生動植物等に対して過剰利用による人為的影響が及ぼされない仕組みを構築しております。
 国土交通省といたしましても、このようなルールの実効性を高めるため、利用者への指導や解説等を行う認定エコツアーガイドの養成講習に対して補助金による支援を行っているところです。小笠原諸島における自然環境の保護、保全と両立する持続的な観光振興を図るため、引き続きエコツーリズムの推進に取り組んでまいります。
#19
○酒井庸行君 副大臣からお話をいただきました。本当にすばらしいところだというふうに思いますので、また注意深く見守っていっていただければというふうに思っております。
 インフラのことをちょっとお聞きをしたいというふうに思いました。住んでいる方の水道のことだとか、それから津波が来るということも考えてということがあるのですけど、もう時間がちょっとなくなってまいりましたので、ちょっと飛ばさせていただいて次の質問に移りたいと思いますけれども。
 この小笠原の質問をしようと思ったときに頭に浮かんだのは、やはり、すばらしいこの地域の漁場があるわけですけれども、そこにサンゴがあって、そこに中国の船が来ていろいろ荒らしたということを思い浮かべました。これ、南鳥島とか沖ノ鳥島もそうですけど、あの周りにもサンゴ礁がいっぱいあって、あのときの状況が今これどうなっているのかなというふうに実は思うんです。そこら辺のところのお尋ねをさせていただきたいと思います。
#20
○政府参考人(岩並秀一君) お答えいたします。
 海上保安庁では、平成二十六年九月以降、小笠原諸島海域等におきまして多数の中国サンゴ漁船と見られる漁船を確認したことから、大型巡視船や航空機を集中的に投入しまして十隻の中国サンゴ漁船を検挙するなど、厳正な取締りを実施したところでございます。
 平成二十七年一月を最後に中国漁船は小笠原諸島海域において確認されていない状況となりましたが、その後、巡視船、航空機による哨戒を実施しておりましたが、今年に入りまして二月二日には、小笠原諸島周辺の我が国EEZにおきまして航行中の中国漁船一隻をEEZ漁業法違反で検挙したところでございます。
 また、小笠原諸島周辺海域における海上保安体制の強化につきましては、巡視船配備のために必要な岸壁、宿舎、燃料供給体制等の調査を行うとともに、東京都、小笠原村等との調整を進めているところでございます。平成三十一年度予算においては、これまでの調査等を踏まえまして、小笠原の拠点機能を強化するため、岸壁を改修するために必要な経費及び宿舎整備に必要な経費を盛り込んでおります。
 今後とも、巡視船、航空機による哨戒を行うとともに、これらの整備を着実に進めまして、小笠原周辺海域の監視警戒に万全を期してまいりたいと思っております。
#21
○酒井庸行君 本当にとても大切なところだというふうに思いますので、やっぱりこの自然を守るためにもしっかりと、水産庁あるいは海上保安庁にはお願いをしておきたいというふうに思います。
 最後の質問になります。
 もう五十年を経過したこの小笠原でございますけれども、石井大臣も式典等に行かれたというふうに聞いております。難しい言葉で言えば、大臣からのそのときの所感ということになるんでしょうけれども、そのときにどんなふうに、易しい言葉で言えば、どんなふうにお感じになられたのかなと、島々を回って島民の皆さんとお話をされてどんなことをお感じになられたかなということを最後にお聞きして、終わりたいと思います。
#22
○国務大臣(石井啓一君) 小笠原諸島は、昭和四十三年六月の復帰後、五十年余りにわたり特別措置法に基づく振興開発が実施されてきた結果、道路、港湾等のインフラ整備は着実に進んでまいりました。その成果として、現在も旧島民の方々の帰島が続いているほか、Iターンが盛んで、人口は僅かながら増加傾向にございます。
 私、昨年六月三十日に父島で開催をされました小笠原諸島返還五十周年記念式典に出席をいたしまして、地元の方からこれまでの御苦労と御努力についてお聞きをいたしまして、感銘を受けました。
 一方、島の子供たちや働き盛りの若者たちとの交流を通じまして、明るい未来を切り開いていく力が満ちあふれていると感じました。特に、子供たちがたくさん町の中にいらっしゃると。最近めったに見受けられない光景が展開をされておりまして、非常に子育ての環境もいいのだということを実感をいたしました。
 小笠原には、交通アクセスや生活環境面になお課題がございます。今後は、災害対応に万全を期すとともに、子供たちの教育環境の確保のための小中学校の整備、若者の雇用を維持するための産業の振興、交通アクセスの改善等にハード、ソフトの両面から取り組んでいくことが重要と考えているところでございます。
#23
○酒井庸行君 終わります。
#24
○野田国義君 立憲民主党の野田国義です。どうぞよろしくお願いいたします。
 昨日、大相撲でございますが、貴景勝が大関昇進ということでございました。それで、昨日から今日にかけて、口上ですか、挨拶、何を述べるかというのが非常に注目を集めるわけでありますけれども、武士道ということで、義を貫くと、そして、勝っておごらず負けて腐らずというような言葉を口上で述べたということでございまして、相撲道そしてまた人間の道と申しますか、そういう中で是非とも成長して頑張ってほしいなと、そういう思いがし、我々もしっかりやっていかなくちゃいけないなと、この言葉を聞きながら思ったところでございます。
 そこで、私、今回の特措法、御承知のとおり五年に一度と酒井議員から御紹介いただきましたように、五年前も何か質問したような気もするわけでありますけれども。
 特措法、五年あるいは十年に一度延長というような形になっているわけでありますけれども、これ行政評価、政策評価、御承知のとおり、奄美群島は昭和二十九年からですか、それから小笠原諸島は昭和四十四年からずっとこの振興法と申しますか特措法があるわけでございますけれども、私、しっかりとこのPDCA、これを回していくというのが非常に行政をやっていく上で大切なことであると思っておりまして、御案内のとおり、平成十三年に政策の評価法を施行をされたということでございまして、ただ五年がたったから更に延長するということではなくて、しっかりとそこに検証ということが必要であるということを含めて、どういう評価をこの五年間の施策の中でされているのかということを大臣にお聞きしたいと思うところでございます。
 よろしくお願いいたします。
#25
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島、小笠原諸島両地域とも、港湾等のインフラ整備は着実に進んだものの、地理的要因による自然災害への対応が引き続き必要であるとともに、生活面でも依然本土との格差が残されております。
 奄美群島では、前回の改正で奄美群島振興交付金を創設をいたしまして、農林水産物の輸送費や航路、航空路運賃の軽減を支援をしてまいりました。依然として人口流出は続いておりますが、社会減は縮小傾向にございます。また、世界自然遺産登録に向けた取組とも相まって、入り込み客数が着実に増加をいたしまして、平成三十年は過去最高の八十八万人台を記録をしたところでございます。
 小笠原は、本土と約一千キロメートル離れておりまして、交通アクセスや医療等の生活環境面になお課題がございますが、Iターンが盛んで、人口は僅かながら増加傾向が続いております。
 こうした状況を踏まえまして、引き続き両地域の自立的発展に向けまして、災害対応に万全を期すとともに、観光等の豊かな地域資源を生かした産業の振興や交通アクセス等の定住環境の改善にハード、ソフトの両面から取り組むことが必要と考えております。
#26
○野田国義君 次に、老朽化した公共施設の維持管理についてお伺いをしたいと思います。
 私も、前の委員会におきまして、予防保全による長寿命化、計画的な更新をやっていかなくてはいけないというようなことを言わせていただいたわけでありますけれども、まさしくここの奄美群島も小笠原諸島もそういう施設、例えば港とか浄水場、あるいはし尿処理場、診療所、保育施設あるいは学校、そういうものがたくさん、もちろん道路や河川というようなものもあるかと思いますけれども、たくさんあるかと思いますけれども、これらをやっぱり予防保全の考えに基づいて早く対応をしておくと、そして長寿命化を図っていくというようなことも必要である。
 新しいものばっかりやっていくんじゃなくて、そういうこともしっかり目配りしながらやっていく必要があるのではなかろうかと思っておるところでございますので、どうなっているのかということを、施設名、あるいは築年数、建て替えの費用、総額等も含めてお聞きできればと思っているところでございます。
#27
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美群島及び小笠原諸島におきましては、復帰以降に整備を進めてきた各種施設が五十年以上経過をいたしまして老朽化が進んでおり、その更新を進めていくことは重要な課題だと認識をしてございます。
 奄美群島におきましては、例えば奄美市を例に取りますと、名瀬港の岸壁の改良工事を平成二十四年度より直轄で実施をしてございます。また、インフラ長寿命化基本計画及び公共施設等総合管理計画に基づきまして、他の公共施設等につきましても防災・安全交付金等を活用し、長寿命化対策等を進めているところでございます。そのほか、行政機関の中枢であります奄美市役所も本年二月に新庁舎が完成したところでございます。
 一方、小笠原諸島でございますが、小笠原諸島振興開発事業費補助金によりまして、母島の沖村浄水場につきまして平成二十年度より建て替えを行っております。また、父島の二見港につきましては平成三十年度より岸壁の改良工事を実施しているところでございます。そのほか、小笠原村の診療所につきましては、平成二十二年五月に新たな診療所を整備、開設をしたところでございます。
 国土交通省といたしましては、住民の安心、快適な生活環境の実現や物流基盤の確保に向けまして、地元自治体と連携しながら、老朽化した公共施設の維持管理が計画的に進められるよう支援をしてまいりたいと考えております。
#28
○野田国義君 ありがとうございました。
 引き続きまして、小笠原ですね。こちらは船ということで、約二十四時間ですか、そしておおむね六日に一便のみということでございまして、活性化する、これからですね、小笠原はまた非常に皆さんの期待も高まっていることだと思います。それにはやっぱり、いわゆる飛行場と申しますか、航空路の開設というものが必要になってくるかと思うところでありますけれども、お聞きするところによりますと、何か三案があり、それを検討されているともお伺いをしているところでございますけれども、この飛行場、航空路についてはどのように今講じておられるのかということをお聞きしたいと思います。
#29
○政府参考人(麦島健志君) 航空路についてのお尋ねでございます。
 小笠原諸島は、我が国の排他的経済水域の約三割を確保するなど極めて重要な役割を担っております。交通アクセスの改善は島民生活の安定や離島振興の観点から重要であるというふうに考えてございます。一方、世界自然遺産登録地域でもありますことから、自然環境への影響につきましては十分な検討が必要であるというふうに認識をしてございます。
 小笠原航空路に関しましては、平成三十年七月に開催をされました東京都と小笠原村が設置してございます小笠原航空路協議会におきまして、洲崎という場所を中心に今後一千メートル以下の滑走路案について検討する旨、東京都から報告がなされたところでございます。航空路の実現に向けましては、自然環境への影響や就航機材の確保等の課題に関します十分な検討、及びその検討を通じました関係者間の合意形成を行うことが重要であると認識をしてございます。
 国土交通省といたしましては、東京都が進めます検討についてよくお話を伺いながら、引き続き専門的な見地から助言を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
#30
○野田国義君 開設に向けてしっかり取り組んでいただきたい、また研究もしていただきたいと思うところでございます。
 それから、最後になりますけれども、測候所ですね、奄美名瀬の測候所があるようでございますけれども、警報、注意報などの防災情報を発表をしているわけでありますけれども、防災専門部署の設置はなく、体制は不十分でないかとお聞きをいたします。
 地域の防災・減災対策の拠点強化への必要性からも気象台への格上げや防災専門部署の設置が重要かと考えるわけでございますけれども、この測候所については、どのように今後のことを含めてお考えになっているのかということでお尋ねしたいと思います。
#31
○政府参考人(橋田俊彦君) お答え申し上げます。
 ただいま名瀬測候所についてお尋ねがございました。
 平成十八年六月に閣議決定をされました国の行政機関の定員の純減についてというのがございまして、五年間で行うものとして気象庁の測候所を原則廃止するとされたところでございましたが、名瀬測候所につきましては、奄美地方の広域的な予報、警報業務を担当していることから、同地方の関係機関への支援を確保するため存続することといたしました。
 御案内のように、近年、気象庁では、地域における気象防災業務の強化を推進しているところであります。名瀬測候所におきましても地方気象台とほぼ同等の機能を有しておりまして、平時からの防災気象情報の利活用に関する普及啓発、緊急時には警報等の的確な発表に加えまして市町村へのホットラインの実施等に取り組んできているところでございます。
 名瀬測候所が担っている業務は地域住民の安全、安心を守る観点から大変重要だと認識しております。今後とも、奄美地方における的確な防災気象情報の提供等を通じて地域防災に貢献してまいりたいと、このように考えております。
#32
○野田国義君 終わります。
#33
○青木愛君 国民民主党・新緑風会の青木愛です。
 早速質問に入らせていただきますが、重なる部分も多々ございますけれども、どうぞよろしくお願いをいたします。
 日本は、六千八百五十二の島嶼により構成され、四方を海で囲まれた島国であります。本州、北海道、四国、九州などに比べまして他の島嶼部は厳しいハンディキャップを抱えており、その解消、改善のために、昭和二十八年に離島振興法が制定されました。その後、奄美、小笠原、沖縄がアメリカの軍政下から復帰をし、それぞれ特別措置法が制定され、振興策が実施をされてきたところでございます。
 そこで、まずお伺いをいたします。
 この度のこの特措法につきまして、今回の改正は五年前の改正の単純な有効期限の延長という位置付けとなっているかと思います。この五年間でどの程度振興策が達成されたのか、また新たに浮かび上がった課題は何だったのか、また新しい振興策が盛り込まれなかったのはなぜだったのか、その辺りからまずお伺いをさせていただきたいと思います。
#34
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島、小笠原諸島とも、本土復帰以来、特別措置法の下で振興開発を実施してきた結果、道路、港湾等のインフラ整備は着実に進んできております。
 このような中、奄美群島におきましては依然人口減少が進んでおりますが、定住促進の取組等によりまして社会減の幅は減少をしております。また、平成三十年の入り込み客は八十八万人台で、平成二十五年から約二十万人増加をしております。
 また、小笠原諸島におきましては、Iターンが盛んで、人口も微増をしているところでございます。
 一方、課題といたしましては、奄美群島では一人当たり所得が対全国比で約六七%にとどまっておりまして、また生活保護率が、全国は約一・九%のところ、奄美におきましては約四・八%となってございます。
 小笠原諸島におきましては、医療面におきまして、小笠原村の診療所で対応できない救急患者は内地への緊急搬送を必要といたしまして、病院収容に平均九時間半掛かる状況であります。
 また、物価は、食料品価格や水道料金など全体として全国より高い状況にあるなど、両地域については、経済面、生活面で本土との格差がなお存在をしております。
 このため、今回、奄美群島振興開発審議会及び小笠原諸島振興開発審議会におきまして、地元の御意見を伺いながら意見具申を取りまとめていただきました。これを踏まえまして、現行法を延長し、引き続き特別の措置を継続するとともに、この特別の措置の実効性を高めるため、平成三十一年度予算では交付金において成長戦略の推進に係る制度の拡充等を、また平成三十一年度税制改正では帰島促進の特例措置の延長等を措置することとしたところでございます。
 このような今回の取組は地域の御意見を十分に踏まえたものと認識をしております。引き続き、各制度を有効に活用いたしまして、両地域の振興開発に取り組んでまいりたいと考えております。
#35
○青木愛君 ありがとうございます。
 様々な角度からの課題を示していただいたと思います。これまでの五年間よりもちょっとスピードアップをいたしまして、大臣がおっしゃるように、地元の要望に応える形で進めていかなければならないと改めて思うところでございます。
 それでは、奄美群島に関してまずお聞きをしていきます。
 奄美の名産品として、先ほども御紹介ありましたが、大島つむぎと黒糖焼酎が有名でございます。豊かな自然環境や個性的な伝統文化を生かした観光産業にも期待が持てるところです。地元では、奄美群島の成長戦略として、農業と観光と情報通信産業、これを三本柱として位置付け、産業の振興を図り、そして定住を促進をしているところでございます。
 そこで注目したいのがこの情報通信産業なんですが、いわゆるIT産業、高速通信網を整備すれば、空間的距離あるいは時間的距離など地理的な不利性を軽減できる数少ない産業であると認識をしております。離島や半島など交通の不便な地域、ほかにもたくさんありますけれども、なぜ奄美がIT産業に注目をしたのか、またそのきっかけは何だったのかをお伺いをしたいと思います。
 そして、あわせて、地元では既存施設を活用した起業者創業支援施設、インキュベート施設、奄美市ICTプラザかさりというのを整備をして、情報産業の創設、育成を支援しているとお聞きしています。事業所の規模は決して大きくはありませんけれども、情報関連企業、事業所は順調に伸びていると伺っております。今後の見通しについても併せてお伺いをさせていただきたいと思います。
#36
○国務大臣(石井啓一君) 情報通信産業は、地理的不利性を抱える離島におきましても定着が可能であることから、平成二十四年に国土交通省の補助金を活用いたしまして、御指摘いただきました奄美市ICTプラザかさりが開所いたしまして、これまで十四社の情報通信企業が事業活動を行ってまいりました。また、地元の十二市町村が連携をいたしまして平成二十五年二月に策定をいたしました奄美群島成長戦略ビジョンにおきましても、ICTの活用は成長のための重要な鍵との共通認識の下、情報通信を農業、観光とともに重点三分野と位置付けているところでございます。
 この戦略ビジョンを踏まえまして、地元自治体は情報通信企業の技術力の向上や起業の促進に取り組んできておりまして、国土交通省も交付金により必要な人材育成等を支援をしてまいりました。こうした支援策によりまして、情報通信関連の事業所数及び従業者数は、平成二十三年度の七社五十三人から、平成二十八年度には十七社百四人へと着実に増加をしているところでございます。
 国土交通省といたしましては、地元自治体の情報通信産業の振興に向けた取組によるこのような効果が継続するよう、引き続き支援をしてまいりたいと考えております。
#37
○青木愛君 ありがとうございます。
 人口減少が進む日本におきまして、離島やへき地の人口減少は深刻な問題となっております。奄美のほかにも、最近、例えば和歌山県の白浜町にIT企業が進出をしているとお聞きをしております。ここは交通の便が決して良いとは言えませんけれども、温泉で有名でもあります風光明媚な観光地で仕事をするということは、そこで働く技術者、また従業員にとっても大変快適な仕事空間であり、また生活空間であるということであります。
 こうした事例、条件不利地域である離島やあるいは半島においてその産業振興に大変役立つものと思いますので、この奄美の事例を是非またモデルともさせていただきまして、また様々な成功事例の御紹介、またアドバイスなど、国交省にはお願いをさせていただきたいというふうに思います。
 続いて、最近質問でよく取り上げられております地域おこし協力隊についてお伺いをさせていただきます。
 都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動しまして生活の拠点を移した方々が、地方公共団体が地域おこし協力隊員として委嘱をしております。隊員は一定期間地域に居住をして、地域ブランドや地場産業の開発、販売、またPR等の地域おこしの支援、また農林水産業への従事、住民の生活支援などの地域協力活動を行いながら、終了後はその地域への定住、定着を図ることとしております。
 受入れ自治体数及び隊員数は年々増加の傾向にあります。平成三十年度の実績は、自治体数が一千六十一団体、隊員数は、農林水産省でも田舎で働き隊百五十四名行っておりますが、それを合わせますと五千五百十三人にも上っております。平成三十年度は奄美群島の一市九町二村全ての市町村で協力隊が活躍しているということであります。
 これまでの成果、また終了後の定住、定着、また新たな課題についてお聞かせをいただきたいと思います。
#38
○政府参考人(佐々木浩君) お答えいたします。
 地域おこし協力隊は、委員御指摘のとおり、現在、隊員数五千五百十三人、受入れ自治体数も千六十一団体となる見込みでございます。そのうち現役の隊員の約四割が女性、それから二十代、三十代の隊員が七割を占めるなど、若い方々の感性で地域を元気にしてくれている状況にございます。また、隊員の約六割は任期終了後も同じ地域に住み続け、引き続き地域の担い手として活躍されている状況にございます。
 このようなことから、地域おこし協力隊は、地方への新しい人の流れをつくり、持続可能な地域社会の構築に向けて着実に成果を上げてきているのではないかと考えております。
 今後の課題といたしましては、隊員のなり手の掘り起こし、それから受入れ、サポート体制の強化、定住、定着への一層の促進ということではないかと考えております。
 まず、隊員数につきましては、六年後、二〇二四年度に八千名まで増やしていきたいと考えておりまして、青年海外協力隊の経験者やシニアの方、あるいはJETプログラムを終了した外国人の方々など、隊員のなり手の掘り起こしも取り組んでまいりたいと考えております。また、受入れ、サポート体制の強化として、隊員として活動する前に二泊三日以上の地域協力活動を体験していただくおためし地域協力隊を来年度から創設し、ミスマッチを防いでいきたいと考えております。
 定住、定着の一層の促進のため、各地の事業引継ぎ支援センターと連携いたしまして隊員による事業承継を支援するほか、隊員の起業に向けた金融面での支援を新たに実施し、起業支援を更に充実させ、任期終了後の出口も多様化してまいりたいと考えております。
 これまでの課題を検証し改善を重ねていくことが重要であると考えており、引き続き、地域協力隊制度の発展に向けてしっかりと取り組んでまいります。
#39
○青木愛君 ありがとうございます。
 おためし地域協力隊、入口としてはとてもいい案ではないかなと、今お聞きしてそう思いました。
 四割が女性ということで、奄美においてはICTの学習支援、また地域文化の保存、発信なども行っているというふうなことも伺いました。本当に期待をするところでございますので、今後、この隊員の方々が各地で様々な経験から得られた実績を一度集めていただいて、またそれぞれの地域に還元していただくと、そういったことも是非取り組んでいただけたら有り難いなというふうに思います。
 続きまして、奄美群島の自然災害についてお聞かせをいただきたいと思います。
 奄美群島は亜熱帯に属しております。毎年、数多くの台風の通り道になっています。昨年も、九月二十九日に台風二十四号が、十月五日には二十五号が襲撃し、多数の家屋を損壊、サトウキビを始めとした農産物に甚大な被害など、各方面に大きな爪痕を残しました。
 徳之島にあります伊仙町では、市町村単位で指定します局地激甚災害の対象に指定されました。現在の復旧状況と今後の防災対策についてまずお伺いいたします。
#40
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 伊仙町につきましては、昨年の台風二十四号による被害を受けまして、同年十一月に局地激甚災害の対象に指定をされたところでございます。町管理の道路一か所、河川一か所、港湾五か所、漁港三か所が被災をしておりますが、現在災害復旧事業を進めているところでございまして、本年中に完了する予定でございます。
 伊仙町を含みます奄美群島は、御指摘のように台風の常襲地という厳しい自然条件下にあり、災害時には島民が孤立するおそれがあることなどから、ハード、ソフト両面からしっかりと防災対策を行うことが重要だというふうに認識をしてございます。
 奄美群島振興開発審議会からも、台風等の災害に備え、防災施設の整備、避難救助体制や防災教育訓練の充実等の防災対策を計画的に推進すべきとの意見具申をいただいているところでございます。
 国土交通省といたしましては、防災・安全交付金や奄美群島振興交付金等を活用しながら、引き続き防災対策の推進に対して支援をしてまいりたいと考えてございます。
#41
○青木愛君 よろしくお願いいたします。
 近年、自然災害はますます激甚化をしているわけでございます。台風常襲地域に位置する奄美群島の住民を自然災害から守り、島民の安全、安心を保障するためには、やはり測候所がその場所に存在し、観測員が現場の状況を一刻一刻肌身で実感し、判断することが重要だと考えます。先ほど野田委員からも指摘がございました。私もかねてから地元より陳情をいただいている案件でございます。
 気象予報に関しましては、静止気象衛星「ひまわり」や全国各地の観測地からデータを収集し、解析し、気象を予報する技術は年々進歩しているとはいえ、住民の命と暮らしを機械に任せるわけにはまいりません。地元からは名瀬測候所の地方気象台への格上げが強く要望されております。かつて存在しておりました沖永良部測候所は、地元の強い要望にもかかわらず、二〇〇八年十月に無人化の自動観測システムである特別地域気象観測所に格下げをされました。
 政府が掲げる防災・減災の観点からも、地方気象台への格上げなど、体制強化及び機能強化が必要と考えますが、ここは石井大臣の御見解を是非お伺いをしたいと存じます。
#42
○国務大臣(石井啓一君) 気象庁の測候所につきましては、平成十八年の六月に閣議決定をされました国の行政機関の定員の純減についてにおきまして原則廃止することとされました。しかしながら、名瀬測候所につきましては、奄美地方の広域的な予報、警報業務を担当していることから、同地方の関係機関への支援を確保するため存続することといたしました。ちなみに今、全国で測候所が残っているのは、この名瀬測候所を含めて二か所でございます。
 近年、気象庁では、地域における気象防災業務の強化を推進しているところであります。元々測候所というのは気象を観測するところでございますから、観測がメーンの業務でありまして、数名程度しか置かないという測候所もたくさんあったところでございます。これは、自動観測が進むようになって必ずしも人が観測しなくても気象観測ができるということから、多くの測候所が廃止をされてきたという背景がございますが、名瀬測候所におきましては地方気象台とほぼ同等の体制、機能を確保しておりまして、平時からの防災気象情報の利活用に関する普及啓発、緊急時の市町村へのホットラインの実施等に取り組んできているところでございます。
 名瀬測候所が担っている業務は地域住民の安全、安心を守る観点から大変重要であると認識をしておりまして、名前は測候所でありますけれども事実上は地方気象台に近いということでありますので、実態は地方気象台に近いということでございます。今後とも、奄美地方における的確な防災気象情報の提供等を通じまして地域防災に貢献してまいりたいと考えています。
#43
○青木愛君 そうですね、気象台に近いということであれば、気象台にしていただけると奄美の方々の精神的な安心感にもつながると思いますので、決して沖永良部のような格下げなどはならないとは信じてはおりますけれども、やはり防災・減災は国土交通省の最大の役割でありますし、何よりもこうした支援はやはり地元の要望にできるだけ沿う形で取り組んでいただくということが望ましいのではないかと思いますので、是非とも、今後とも、石井大臣を始め国交省の皆様方に、気象台への名称の変更、そして体制強化、機能強化に向けて鋭意御努力をお願いをしておきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 それでは、先ほどもございましたけれども、世界自然遺産についてお伺いをさせていただきます。
 平成三十一年二月、政府は奄美群島を含む地域を世界自然遺産に再推薦したと聞いております。世界自然遺産登録に向けた動きについて、これまでの経緯と、また今後の認定の見通しについてお聞かせください。
#44
○政府参考人(鳥居敏男君) お答え申し上げます。
 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録に関しましては、諮問機関であるIUCN、国際自然保護連合からの延期勧告を踏まえまして、沖縄の北部訓練場返還地の推薦地への追加や分断された小規模な推薦区域の解消等必要な作業を進めた上で、先月一日に推薦書を再提出したところでございます。今後は、IUCNによる今年夏頃の現地調査等を経て、二〇二〇年夏頃に開かれます世界遺産委員会において世界遺産への登録の可否が審議される予定でございます。
 環境省といたしましては、関係機関や関係自治体等とも十分な協議を重ね、IUCNの指摘に真摯に対応してまいりました。再推薦の経緯や内容については御理解いただけるものと考えておりますが、確実な登録に向けて引き続き万全を期してまいります。
#45
○青木愛君 世界自然遺産登録に関しまして、小笠原諸島は平成二十三年に登録をされています。その効果があって、それまで小笠原村の入り込み客数は二万人前後から平成二十四年には四万人近くまで増え、その後は三万人前後で安定をしていると伺っています。
 奄美群島も、世界自然遺産に登録されることにより、観光客の増加が予想されます。小笠原諸島へは三万人前後ですが、奄美群島では現在でも八十万人以上が訪れていると聞きます。それ以上に増加しますと、奄美群島固有の生態系への悪影響が出ることを大変心配するところでございます。
 奄美群島には、アマミノクロウサギやアマミヤマシギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなど、多くの固有種や絶滅危惧種を含む貴重な在来生物が生息、生育しています。観光客の増加あるいは外来種の侵入によって固有の生態系が乱される危険性が更に高くなります。申請の中身は生物の多様性と伺っております。
 奄美群島における観光振興と生態系保護について、基本的な考え方、また具体的な対策をお伺いしておきたいと思います。
#46
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島における観光振興を図る上では、世界的にも貴重な奄美の自然環境を将来にわたって維持をしながら、観光資源としての利活用を図ることが重要と認識をしております。
 世界自然遺産登録を見据えまして、鹿児島県は、平成二十八年三月に奄美群島持続的観光マスタープランを策定をいたしまして、計画的な観光管理の取組を国、県、市町村、民間が協力して推進することとしております。例えば、自然保護上重要な地域におきましては、マイカー規制や利用人数の制限、認定ガイド同行の義務付け等のルールを設定することによりまして、増加する観光客による過剰利用を防止をし、貴重な動植物を保護するための取組が進められているところであります。
 国土交通省といたしましては、奄美群島振興交付金の活用によりまして、これらの取組やエコツアーガイドの育成等、地元におけるエコツーリズムの推進のための取組を引き続きしっかりと推進してまいりたいと考えております。
#47
○青木愛君 よろしくお願いいたします。
 それでは、小笠原諸島について何点かお伺いをさせていただきます。
 大半の離島は年々人口が減少しておりますが、小笠原は増加をしています。平成二十二年度に対する平成二十七年度の人口増加率を比較しますと、全国の離島がマイナス七・四%に対して、小笠原はプラス八・五%の増加傾向にあります。また、六十五歳以上の人口構成比は、平成二十七年度で全国離島が三四・二%に対しまして、小笠原は一二・七%、これは全国平均の二六・六%よりも低い値となっております。高齢化率が低いということであります。これをどのように評価をされておられますでしょうか。
#48
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 小笠原諸島の人口は僅かながら増加傾向にございまして、高齢化率は御指摘のように平成二十七年度国勢調査で一二・七%、人口ピラミッドを見ましても、全国と比較して若い世代が多くなっているという状況でございます。
 今後ともこのような状況を継続し、活力ある島であり続けるためには、Iターンを増加をさせるとともに、その方々の定住を図っていくということが重要であるというふうに認識をしてございます。今後更に定住を促進するためには、従来からの基盤整備の効果を生かしつつ、産業振興、雇用拡大等ソフト面にも重点を置いた対策を講じていく必要があると考えてございます。このため、地域資源を生かした観光振興によりまして雇用の場を確保するとともに、島に住み続けられるよう医療や教育等の環境整備にも力を入れる必要があるというふうに考えてございます。
 国土交通省といたしましては、関係省庁等と連携しながら、補助金等も活用しつつ、今後とも小笠原の定住の促進に向けて取り組んでまいりたいと考えてございます。
#49
○青木愛君 先ほど大臣からも御答弁がございましたが、小笠原、子供たちであふれているという、そういうほかにはなかなか見られない情景を御覧になったというお話がございましたけれども、子供の数も大変増えているということでありまして、保育所や幼稚園、また小学校、中学校の受入れ体制が、手狭になっているというお話も聞いておりますが、その辺の体制は大丈夫でしょうか。
#50
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 小笠原村には父島と母島それぞれに保育園、小学校、中学校が一施設ずつ整備をされており、小中学校の学級数は一学年一クラスで、平成二十年度以降増減はございませんが、人口の増加に伴いまして、この五年間で小学校は二十八名、中学校は三名、児童生徒数が増えているという状況でございます。
 このような中、父島の小中学校は、教室が手狭で空きがない、さらに、築後四十五年以上経過をして老朽化が進んでいる状況にございます。このため、平成三十一年度より、小中学校の整備に向けまして、施設規模や敷地の有効活用、教室の適正配置等を盛り込んだ基本計画の策定を行う予定になってございます。
 また、母島でございますが、母島の小中学校は平成十六年度に建て替えを行いましたが、母島の保育園は老朽化が進んでいるため、平成二十七年度より整備を進めている状況にございます。
 国土交通省といたしましては、東京都及び小笠原村と連携をしながら、子供たちの教育環境の整備に向けまして、補助金による支援を通じ、引き続き計画的な取組を進めてまいります。
#51
○青木愛君 そして、高齢化率が低いということは、医療あるいは福祉体制、また交通のアクセスが不便だからという指摘もございます。この辺の医療体制、また生活あるいは交通インフラについて、今後の対策をお聞かせいただきたいと思います。
#52
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 小笠原諸島における医療につきましてでございますが、東京都保健医療計画及び小笠原諸島振興開発計画に基づきまして整備をされております。
 父島では小笠原村診療所、母島では小笠原村母島診療所を設置をいたしておりまして、島内における医療を提供しております。医師につきましては、東京都から医師派遣によりまして、小笠原村診療所で三名、小笠原村母島診療所で一名を確保しております。それから、救急患者への対処につきましては、東京都知事などからの災害派遣要請によりまして、自衛隊機による急患輸送を実施をしております。
 こういったことによりまして医療提供体制を確保しているものと承知しておりまして、国におきましては診療所運営費の支援や医療機器購入費の支援などを行っておりまして、引き続き、必要な支援の予算につきまして確保に努めてまいりたいと考えております。
#53
○政府参考人(麦島健志君) 加えまして、交通アクセスについてお尋ねがございました。
 交通アクセスの関係でいきますと、まず父島の二見港及び母島の沖港につきましては、岸壁の改良等について補助金で現在支援をしてございます。
 また、唯一の定期交通手段でございます航路につきましては、平成二十八年七月に、本土と父島を結びますおがさわら丸と父島と母島を結びますははじま丸、新船が就航したところでございます。これによりまして、本土との航海時間につきましては約一時間半短縮したという状況でございます。国土交通省、建造費に対します補助を行いますとともに、父島と母島を結ぶ航路の運営費、住民運賃割引への補助を行っているという状況でございます。
#54
○青木愛君 それでは、時間がありませんので、最後の質問とさせていただきたいと思います。
 経産省さん、来ていただいておりますが、大量の南鳥島周辺の海底のレアアース、その取組については、また次回、機会を見てお聞かせをいただきたいと思います。
 最後に石井大臣にお尋ねをいたします。
 先ほど酒井委員からも御指摘ございました中国船によるサンゴの密漁、あるいは韓国による対馬の土地買収など様々な問題が指摘されている中で、数多くの島嶼と、また世界第六位の広域の排他的経済水域から成るこの日本におきまして、離島の振興と海洋の保安確保、重要な課題だと思いますが、最後に、その点、石井大臣にお伺いをして、質問を終わります。
#55
○国務大臣(石井啓一君) 四方を海に囲まれた我が国は、北海道、本州、四国、九州、沖縄本島を含めまして六千八百五十二の島嶼により構成される島国でありまして、国土面積の十二倍にも及ぶ領海及び排他的経済水域を有する世界有数の海洋国家であります。
 離島の振興は、我が国の領域や排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用等、国益の保護と増進の観点から重要と認識をしております。奄美、小笠原の特別措置法や離島振興法に基づき、各種施策に取り組んできたところであります。
 国土交通省といたしましては、今後とも、離島の定住促進と自立的発展に向けまして、ハード、ソフト両面での支援にしっかりと取り組んでまいりますとともに、領土、領海の堅守に万全を期しまして、国民が安全、安心に暮らすことができる平和で豊かな海を守り抜いていく所存であります。
#56
○青木愛君 ありがとうございます。
 質問を終わります。
#57
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 私は今回、国土交通委員会で奄美・小笠原特措法の審議ということでございましたので、あえてお願いをして質問の機会をいただきました。関係の先生方には御礼を申し上げたいと思います。
 私は、実は与党の筆頭の酒井先生と同じ愛知県の選出でございますが、全国的には公明党の離島対策本部で活動させていただいておりまして、実は愛知にも離島が三つございます、日間賀島、篠島、佐久島と。これら三島はもとより、全国の離島対策に取り組ませていただいております。
 また、特に私、実は両親共に奄美群島の徳之島天城町の出身でございまして、その御縁で昨年も二度に分けて十日間、奄美大島、徳之島、与論島を訪問してまいりました。
 この訪問の一環で、プライベートもあれば政務、公務としても行っておりますけれども、公明党の奄美ティダ委員会、ティダというのは太陽ですね、奄美ティダ委員会の一員として、大島つむぎの生産現場や、また地域活性化の拠点、農業施設など、現地の実情を視察させていただくとともに、地元の朝山奄美市長を始め十二の市町村の首長、議長の皆様からも様々な御要望をいただいております。
 これらを取りまとめて、昨年の六月には公明党といたしまして、小笠原振興開発を含めての公明党離島振興ビジョン二〇一八、これを取りまとめて、その後、石井大臣にも御要望させていただいたところでございます。
 本日は、このビジョンの内容を踏まえて、御対応いただいていること、また今後御対応いただくべきことを確認させていただきたいと思います。
 まず、石井大臣にお伺いをいたします。
 石井大臣には、昨年六月にも決算委員会でこの奄美振興開発について質問させていただきました。昨年視察で訪れた奄美黒糖焼酎の工場では、歴代の国土交通大臣であります、例えば冬柴大臣とか太田大臣が視察された際の写真が大きく掲げられておりまして、いつかは石井大臣もこの工場に大臣としての写真を、また訪れていきたいなと、そんなことを石井大臣にもお願いしてまいりました。
 その意味で、大臣には本年一月、奄美に訪問をいただきまして、私も大変うれしい出来事でございましたので、大臣には、実際に現地を視察されての感想、また現地を視察いただいた上での奄美の振興開発に対する意気込みについてお伺いいたします。
#58
○国務大臣(石井啓一君) 私は、本年一月に約三十年ぶりに奄美大島を訪問いたしまして、奄美群島の各市町村長や奄美基金の理事長と意見交換をしてまいりました。
 現地では、奄美空港や名瀬港、国道五十八号和光バイパス等の整備状況を確認をいたしますとともに、奄美自然観察の森やマングローブパークを視察をいたしまして、世界自然遺産登録に向けた取組が着実に進んでいると実感をいたしました。
 現地視察を通じまして、世界的に貴重な自然や地域の特性を生かした産業等、奄美の持つポテンシャルを肌で感じてきたところであります。また、意見交換を通じまして、地元市町村が自立的な発展を目指して、振興開発に今まで以上に主体的に取り組んでいこうという熱意を感じたところであります。
 国土交通省といたしましては、ただいま御審議をいただいております改正法を踏まえまして、関係省庁と連携をして奄美群島振興開発基本方針を速やかに策定をし、次の五か年に向けた取組を滞りなく進める環境を整えたいと考えております。
 今後とも、地域と連携をしながら奄美群島の振興に万全を期してまいりたいと考えております。
#59
○里見隆治君 大臣には、大変お忙しい中御訪問いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。
 その上で、欲を言えば切りがありませんけれども、これ、名瀬市、また奄美大島の本島は、まだ鹿児島、あるいは東京、大阪からも非常に近いわけですけれども、その隣、例えば喜界島だとか加計呂麻島、徳之島、ほかの島も更にそこからが非常に空路、海路を通じてまた遠い道のりがあるわけでございます。大臣には、是非次回は奄美大島以外も御訪問をいただければと、そういうことをまた念願をし、お願いをさせていただきたいと思います。
 その点、田中政務官におかれては、本年二月に奄美大島だけではなくて加計呂麻島も御訪問いただいているというふうにお伺いをしております。奄美群島全体の振興開発、また地域活性化ということを考えますと、奄美大島の、しかも、中心の名瀬市だけではなくて群島全体を面として捉え、大島の地方部やまた他の有人離島にも目配りをしていくことが大変重要であると考えております。
 そこで、田中政務官にお伺いいたしますけれども、こうした奄美大島の地方部、また有人離島に目配りをしていくこと、この重要性について、また、そうした観点からの支援策についてどのようにお考えか、お伺いをしたいと思います。
#60
○大臣政務官(田中英之君) お答えいたします。
 私も、本年二月に奄美大島と加計呂麻島、この島に訪問をさせていただきまして、奄美群島の市町村長さんを始め地域の方々とも意見交換をさせていただいてまいりました。特に加計呂麻島のある瀬戸内町では、行政の方だけではなくして、農業や観光NPOの仕事をされる方々とも、いろんな立場で地域の活性化に取り組んでいる、特に若い世代の皆さんとも率直な意見交換をさせていただきました。こうした意見交換を通じて、奄美群島の有人八島ごとに、また地域ごとの多様な特性があり、それぞれの特性を生かし魅力ある地域をつくるために活動していこうという、そういった地域の方々の思いを実感して帰ってきたところであります。
 国土交通省としては、各市町村における創意工夫のある新たな取組や、また、地域の方々の熱意を支援しつつ、市町村長間の広域連携をも含めて、群島全体としてポテンシャルを最大限に発揮できるようにしっかりとサポートしてまいりたいと思います。
#61
○里見隆治君 ただいま石井大臣、また田中政務官からお話をいただいたとおり、奄美の魅力をどのように引き出し、また組み合わせ、発信をしていけるか、このことが振興開発をしていく上で大変重要だと考えます。
 私が昨年訪問して感銘を受けたものの一つ、様々多くありますけれども、その一つが徳之島の闘牛でございます。徳之島に伝わる闘牛文化、これ、娯楽というようなレベルを超えて地域の伝統文化として保護をし、そして次世代に継承していくことが大変重要だというふうに考えます。
 本年五月には、徳之島の天城町で第二十二回全国闘牛サミットin天城大会という大会が開催されるとのことで御案内もいただいております。全国で闘牛が盛んな地域といえば、岩手県の久慈市とか新潟の旧山古志村、それから島根県の隠岐の島、また愛媛の宇和島、それから沖縄のうるま市、そして徳之島の天城町、徳之島町、伊仙町三町、こうした市町から集結をされるということでございます。こうした奄美における闘牛文化と観光資源としての活用、こうした点も地元、また周りからも期待をされているところでございますので、公的な支援をお願いしていきたいと思います。
 これはお願いにとどめておきますけれども、もう一点、支援策について国土交通省にお願いをしたいのが、地元の活力による地方創生のための活動への公的支援でございます。
 先ほどは地域おこし協力隊のお話がございました。もちろん、外からお越しをいただいて活性化に御尽力いただく方、また島の中で、若くしてそうした外の力と中の力をうまくコーディネートして地域おこしをしている方、いらっしゃいます。昨年、奄美ティダ委員会で視察をした奄美大島の大和村の国直集落、そこにNPO法人のTAMASUという組織が、まさに地域活性化、地方創生の好事例として御紹介できるのではないかと思います。
 昨日たまたま私の事務所に、これ季刊でございまして、日本離島センター、公益財団法人が機関誌で季節ごとに「しま」という雑誌を発刊していただいておりまして、たまたまこの最新号でもこのTAMASUが御紹介をいただいておりました。
 TAMASUというのは、奄美大島の方言に由来していて、自然や文化、コミュニティーなどの地域の宝を地域住民が、自分たちだけではなく、島の内外の方と共に守り分かち合うという、そういった思いで名付けられたというふうに伺っております。非常にいいコンセプトだと思います。
 実際にどのような事業をされているかというと、これは一例でございますが、トビウオ漁の体験ツアーを行ったり、あるいは島の自然、文化に触れ、体験を通して島の内外の方が住民と交流をする、そうしたプログラムが好評を博しているということでございます。こうした地方創生、観光振興の取組を公的にも協力をしていく必要があると思います。
 こうしたソフト面の事業を後押しする仕組みとしましては、まさに奄振法の五年前の改正で交付金制度が創設をされ、非常に柔軟にこうしたソフト面の事業を支援をいただいている。私ども公明党奄美ティダ委員会としても後押しさせていただいて、この五年間で様々な予算面、また対象の事業面でも拡充をいただいてきたわけでございます。
 この交付金制度を使って、さらに柔軟な活用を通じてこうした地域の取組を支援を強化していくべきと考えますけれども、国土交通省としてのお考えをお伺いします。
#62
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、たますにつきましては利益の共有と均等分配を意味する方言でございまして、奄美大島ではたます分けという風習があるというところでございます。
 大和村の国直集落ではこうした伝統に基づきまして、NPO法人TAMASUが設立をされまして、集落の方々が主役となって、生活に密着した自然や文化等を来訪者の方々への体験プログラムとして提供してございます。奄美らしい観光振興、集落活性化の先進事例と我々も認識をしているところでございます。
 交付金の御指摘がございました。平成三十一年度予算におきましては、奄美群島振興交付金において、交流人口の拡大や人材育成等の取組をより強力に支援をするため、地方自治体への負担軽減の措置を講じました新たな事業制度を創設をしたところでございます。
 TAMASUの取組のように民間と連携した奄美らしい体験型観光の取組は、まさにこの新制度の趣旨に合致するものと考えてございます。こうした取組が奄美群島の各地域で広がるように、国土交通省としてもしっかりと支援をしてまいります。
#63
○里見隆治君 次に、奄美、沖縄の世界自然遺産登録についてお伺いをいたします。
 先ほども質疑応答ございましたけれども、既に本年二月一日にユネスコ世界遺産センターへ推薦書が改めて提出をされております。昨年五月に、IUCN、国際自然保護連合から登録の延期勧告を受けました。私、まさにその当日、奄美におりまして、町の、また島の皆さんと大変ショックを受けたのを記憶しております。その際の指摘を受けた事項、反省点を踏まえて、今回の再推薦に当たってどのような取組を行っていくのかも非常に重要な点だと思います。
 国としては、鹿児島県や沖縄県とも連携をして諸課題の克服のための支援を行っていく必要があると考えますけれども、これは環境省にお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(鳥居敏男君) お答え申し上げます。
 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の世界自然遺産登録に関しましては、一昨年に推薦したものの、国際自然保護連合、IUCNから延期勧告を受けたため、昨年六月に推薦書を一旦取り下げております。
 この延期勧告を受けまして、IUCNの勧告において指摘された、沖縄の北部訓練場返還地の推薦地への追加、また、分断された小規模な推薦区域の解消等には全て対応いたしまして、推薦内容を見直す等必要な作業を進めた上で、先月一日に日本政府として推薦書を再提出したところでございます。
 今後は、IUCNによる今年夏頃の現地調査等を経て、二〇二〇年夏頃に開かれる世界遺産委員会において世界遺産への登録の可否が審議される予定でございます。
 環境省といたしましては、確実な登録に向けて、関係機関や関係自治体等とも十分に連携しつつ、引き続き万全を期してまいります。
#65
○里見隆治君 ありがとうございます。
 このように世界自然遺産登録に向けて取組をいただく一方で、並行して島における内外からの受入れ環境、受入れ体制を整備していくことが、これ並行して進めていくことが必要だと考えます。
 例えば、島にお客さんが入ってきて、レンタカーでできる方はいいとして、タクシー、バスの運転手が不足していて島内の移動がままならないといったお声も聞いております。また、海外の方がいらした場合、キャッシュレス化が遅れていて、外国人観光客が増えた場合どうするのかと、そうした不安の声も伺っております。
 一方で、貴重な自然環境の適正利用によるオーバーツーリズムの防止という課題もございます。
 私もプライベートで以前息子と旅行に行きまして、親戚の車に乗せてもらって、希少生物であるアマミノクロウサギを観察にまいりました。といっても、簡単なことではございませんで、夜遅く、しかも山奥に行って、そのときはですけれども、一時間で一羽二羽見付けられればいい方だと、そんな状況でございました。私たちと同様にライトを付けて走る車が数台擦れ違ったわけでございます。
 これもし、自然遺産登録がなされ、様々な方が島の外から入ってこられた場合、もうライトを付けた車がそんじょそこら、渋滞だなんということになると、もうアマミノクロウサギ、恐らく山に入り込んで出てこないんじゃないかと、そうすると一体何をしに来たんだと、お互いライトを付けた車同士を見合って終わりというようなことにもなりかねない、そんなことも感想として抱いたわけでございます。
 世界遺産登録を見据えて、受入れ環境整備についてどのように取り組んでいかれるか、国土交通省にお伺いいたします。
#66
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美群島における観光振興につきましては、世界自然遺産登録に向けた動きを追い風といたしまして、御指摘の受入れ環境整備への計画的な取組が重要でありますとともに、世界的にも貴重な奄美の自然環境を将来にわたって維持しながら、観光資源として利活用を図ることが必要というふうに認識をしてございます。
 御指摘の受入れ環境整備でございますが、国と鹿児島県、地元市町村等の関係機関との連携体制を構築をいたしまして、有識者の方々の意見も聞きながら、戦略的な情報発信等を含めまして、今後、具体的な必要方策を検討いたしますとともに、その実施に当たりましては、国土交通省として、奄美群島振興交付金により支援をしていきたいというふうに考えてございます。
 一方で、自然環境の過剰利用を防止するため、自然保護上重要な地域におきまして、認定ガイド同行の義務付け等のルールを設定し、動植物を保護するための取組が進められているところでございますが、このようなエコツーリズムの推進のための取組に対しましても、交付金によりしっかりと支援をしてまいりたいと考えてございます。
#67
○里見隆治君 今御答弁いただいたような受入れ環境の整備と併せて、中を整備したと。そうしますと今度は島の外との人流、物流、この中でもそのコスト、その更なる低廉化を進めなければ、いいものを作ったとしても出入りで抑制されてしまうと。
 そういった意味で、先ほど来お話があった交付金の充実に関して、先ほど御紹介をいたしました公明党の離島振興ビジョン二〇一八で、例えば黒糖焼酎などの加工品や養殖の餌など、農林水産物の生産に係る原材料の輸送コスト支援、あるいは航路、航空路に対する運賃軽減策の拡充など、人流、物流コストの更なる低廉化を政策提言いたしました。
 国交省の対応状況についてお伺いいたします。
#68
○政府参考人(麦島健志君) お答えをいたします。
 人の往来や物資の輸送に係ります費用の低廉化についてのお尋ねでございます。
 前回、法改正で創設をいたしました奄美群島振興交付金によりまして、住民の航路、航空路運賃の割引や農林水産物の輸送コストの軽減に対する支援を行ってきましたが、離島振興ビジョンで御提言をいただいたことも踏まえまして、平成三十一年度予算では、人流、物流コストの更なる低廉化のため、交付金の制度拡充を盛り込んだというところでございます。
 具体的には、航路、航空路の割引について、奄美群島の住民に扶養をされておられます学生等を対象に加えますとともに、輸送費支援につきましては、群島内で製造されました加工品の移出と、そして原材料等の移入を対象にするという措置を講じたところでございます。
 国土交通省といたしましては、引き続き、地元自治体と連携をしながら、生活の利便性の向上や地域の特性に応じた産業の振興に向けました取組を支援をしてまいりたいと考えてございます。
#69
○里見隆治君 石井大臣にも同様の観点でお伺いをいたします。
 本州や九州等の本土に移転をした奄美出身者のみならず、本土と奄美の往来を盛んにすることと併せて、近年旅行客が増加をしている沖縄との往来、これも非常に活性化ということでは重要な観点でないかと思います。こうした奄美への入り込み客を増やすための支援策が必要だと考えます。
 航空路については、この五年間で、東京や大阪から奄美大島への直行便が増えてまいりました。また、昨年八月からは愛知県の中部セントレアからも、鹿児島経由ではありますけれども、奄美大島へのアクセスが格段に良くなっております。また、昨年七月からは、沖縄ルートで、沖縄から与論、沖永良部、徳之島、奄美大島を結ぶ奄美群島アイランドホッピングルートも開設をされております。
 今後も様々なルートが開設される中で、これは地元の関係者等の御要望も踏まえながらということでしょうけれども、航空運賃の低廉化についてしっかり国交省としてもお取組をいただく必要があると考えます。
 石井大臣にこの点お伺いをいたします。
#70
○国務大臣(石井啓一君) 全国各地にお住まいの奄美出身の方々を含めまして、本州や九州等との間の交流拡大や、現在、奄美と共同で世界自然遺産登録を目指している沖縄との連携強化は、奄美群島の振興を図る上で重要と考えております。
 このため、国土交通省では、東京、大阪、福岡、鹿児島と奄美群島とを結ぶ航空路線を対象といたしまして冬期における運賃割引等の取組を支援をし、全国各地と奄美との交流の促進を後押しをしてまいりました。
 また、沖縄との間の航空路線に対しましては、今委員から御紹介いただいた奄美群島アイランドホッピングルートや、与論島と沖縄本島間の運賃割引、鹿児島県と沖縄県が連携した広報宣伝等の取組を通年で支援をしているところであります。
 今後とも、奄美群島における交流人口の拡大に向けまして、地元自治体と連携しながら、航空運賃の軽減や情報発信等の取組を進めてまいりたいと考えています。
#71
○里見隆治君 済みません。ちょっと奄美に思いが込められ過ぎて、残り時間が一問分しかなくなってしまいました。
 小笠原諸島について一問だけ、最後お聞きしたいと思います。
 小笠原諸島では、昨年の八月から雨が少ない傾向が続いていてダムの貯水率が低下をしていることから、本年一月に小笠原村に渇水対策本部が設置されたというふうに伺っております。平成二十八年後半から平成二十九年前半にかけても深刻な渇水が発生をいたしました。こうした渇水対策についての現状、お伺いしたいと思います。
#72
○政府参考人(麦島健志君) お答えをいたします。
 先生御指摘のとおり、小笠原諸島におきましては、昨年八月から少雨傾向が続いており、ダムの貯水率が低下をいたしまして、昨日時点で、父島が二九・二%、母島が四〇・九%となっている状況でございます。
 このため、小笠原村におきましては、今年一月に渇水対策本部が設置をされまして、現在、給水制限の実施、海水淡水化装置によります造水、住民や観光客への節水の協力の呼びかけということを実施をしているところでございます。これに加えまして、東京都におきましては、海水淡水化装置の追加配備をすべく、必要な予算を来年度予算に計上されているというふうに承知をしているところでございます。
 水道水の確保につきましては、住民生活の安定を図る上で極めて重要な課題であると認識をしており、国土交通省においては、小笠原諸島振興開発事業費補助金によりまして、小笠原村が行う第二原水調整池の整備に対して支援を行っているという状況でございます。
#73
○里見隆治君 ありがとうございました。
 以上で終わります。
#74
○室井邦彦君 日本維新の会・希望の党の室井邦彦です。
 今日は、まず最初に、麦島局長さんに改めて敬意を表したいと思います。その大島つむぎのネクタイは今日のためにしてこられたんでしょうか。
#75
○政府参考人(麦島健志君) 今日のためにしてまいりました。
#76
○室井邦彦君 大臣、すばらしい心構えの局長がおられます。よろしく御認識をしていただきまして。
 この奄美群島振興開発特別措置法につきまして、それぞれ、私も二十五歳のときに、青年会議所という団体がありまして、奄美との友好提携を結んでおりましたので、当時、尼崎港から客船が出ておりまして、尼崎港から随分長い時間掛かりましたけれども、名瀬港まで行った記憶がありまして、着いた途端に焼酎と乾杯ということで大変な思いをしたという経験があります。
 それ以降、随分、奄美大島、奄美群島の方々とのお付き合いが若い頃からございまして、尼崎、阪神間にも、日曜日たびに交友会がありまして、郷友会というんですか、民謡大会とか物産展とか、各駅にそういう敬老会とか、たくさんございまして、日曜のたびに私も出席をさせていただいておると、こんな環境でありまして、特に思い入れと申しますか、この特措法のことにつきましてはよく耳にしております。中には、沖振の方が良かったなとか、こういう話も出るぐらいでありますけれども、この辺の部分を質問させていただきますけれども、随分この特措法に関しましては、十二市町村の首長の方々は非常に有り難く感謝をしておられますことを御報告を申し上げておきたいと思います。
 また、私も、大臣政務官を拝命させていただいたときに、航空局と港湾局も担当しておりましたので、いろんなところを現地を調査をさせていただいたこともございます。
 しかしながら、いまだにこの人口の流出、人口減が続いておることは確かでありまして、経済面、生活面で、また本土との格差が存在していることも事実であります。その点を少し捉えて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、観光の支援についてお考えを聞かせていただきたいんですが、非常に奄美群島の観光についてはなかなかお金を落とすところが少ないといいますか、私ももう何回入ったのかと言われると数え切れないほど奄美群島には訪問させていただいておりますが、ただ、有り難いことに、この平成二十三年頃から増加傾向に転じて、実際、三十年には八十八万五千人、平成七年、八年に比べると十万人近く、八万人強の方々が、入り込み客数が増加をしていると。非常にうれしいことでありますけれども、この観光客がお金を使いたくなるような魅力のあるコンテンツの形成、こういう取組について国土交通省はどう考えておられるのか、お聞かせを願いたいと思います。
#77
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 平成三十年の奄美群島への入り込み客数は過去最高の八十八万人台を記録したところでございます。こうした追い風を地域活性化に生かすためには、豊かな自然や独自の食文化、伝統芸能等の地域資源を活用しながら、奄美らしい魅力を体感できる質の高い観光スタイルの構築が必要というふうに認識をしてございます。
 その際には、例えば地場の企業等と連携をして、大島つむぎの泥染め織り体験ツアーや黒糖焼酎の蔵元巡りツアー等のコンテンツを充実することによりまして、観光客の皆様に対して地場産品の認知度を上げ、購買意欲を喚起していきたいというふうに考えているところでございます。
 加えまして、こうした地域資源に身近に触れることができる民泊の促進等を図ることによりまして、観光客が滞在を延ばしたくなるような着地型観光の受皿の整備を推進しまして、リピーターの定着を図るということも重要と考えているところでございます。
 国土交通省といたしましては、地元自治体と連携をしながら、奄美の魅力を国内外に発信していくことを含めまして、交付金の活用等により地域が進める観光振興の取組をしっかり支援をしてまいりたいと考えてございます。
#78
○室井邦彦君 関連の質問でありますけど、この交通ネットワークについてちょっと愕然とするような情報が、耳にしたわけでありますけれども、こういう方向で右肩上がりだと、そして、昭和六十三年の七月ぐらいですかね、奄美航空のジェット化に伴う奄美大島―鹿児島・大阪間のジェット機の就航や、平成四年の十二月ですか、奄美大島―東京直行便の就航による時間の短縮及び輸送力の強化が図られてきたと。非常に好ましいことでありますけれども、この交通条件の改善によって群島外からの入り込み数が増加をしておるということでありますが、その後、平成十三年七月、ANK、エアーニッポン鹿児島便の撤退、平成十六年四月のJAS、日本エアシステムとJALが合併したことなど、こういう関係、起因して、奄美群島外からの入域客数、これが平成八年をピークに年々減少傾向があるという数字が出ております。
 平成二十六年七月のLCC、バニラエア成田―奄美便の就航、また奄美の観光入り込み客数の増加に大きくこれは貢献しておったわけであります。交付金等による運賃軽減の支援も行われてきたわけであります。そのように承知をしております。
 ここで、ピーチ・アビエーションとバニラエアの経営統合によって、関西―奄美大島便がゴールデンウイークから冬期ダイヤ期間まで運休するとの報道発表があったわけであります。これには、せっかく右肩上がりで入り込み数が増えておる中、なぜこのようなことが起きたのか。また、国土交通省として、奄美の観光に水を差すような残念なことになっておるんですが、この辺のことの見解についてお聞かせを願いたいと思います。
#79
○政府参考人(麦島健志君) お答えをいたします。
 御指摘のピーチ・アビエーションとバニラエアは、昨年十二月十七日に、両社の統合に伴うバニラエアの運航とピーチへの路線移管について発表をいたしました。関西―奄美大島便は、五月六日にバニラエアとしての運航を終了し、その後、本年十月二十七日から来年三月二十八日までのウインターダイヤ期間中にピーチが運航を再開するという予定であると承知をしているところでございます。
 路線の運休、再開等につきましては、航空会社の経営判断によるところではございますが、奄美の観光振興を図る上で同便の早期再開は非常に重要であるというふうに認識をしてございます。今後とも、鹿児島県や地元市町村と連携をしながら、ピーチ・アビエーションによります奄美路線の再開が更なる地域活性化につながるように、奄美群島振興交付金によりまして受入れ環境整備等の取組を支援していきたいと考えてございます。
#80
○室井邦彦君 是非、その点、強調してお願いをしておきたいと思います。せっかくいい方向で進んでいることでありますので、皆さん方、島の方々、がっくりしておられましたので、その点はしっかりと御認識をいただきたいと思います。
 続いて、人的ネットワークについてお尋ねをしたいと思いますけれども、冒頭申し上げたように、奄美の方々はふるさとに対する思いが非常に強いものがあり、四十七都道府県の中で一番郷土愛というか、郷土の民謡とか芸能に対して皆さん方が愛着を感じて、多くの方々が集まってお酒を飲んで語り合うという一番精力的な活動をされておるんじゃないのかなというふうに私は感じておりますけれども、こういうところに町長さんや議長さんや町会議員さんたちが、尼崎や大阪や神戸に集まってこられまして、こういう人的ネットワークをうまく利用されて、奄美に住んでおられない、以外の方々にもこの地域の連帯感が私は不可欠と思うんですけれども、この点、国交省はどう捉まえておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
#81
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美群島における交流人口拡大の観点から、全国にお住まいの奄美出身の方々との連携は非常に重要というふうに認識をしてございます。
 国土交通省では、平成二十六年度から、東京、大阪、福岡、鹿児島と奄美群島を結ぶ航空路線を対象として冬期における運賃割引の取組を支援し、全国各地と奄美との交流促進を後押しをしてきたところでございます。
 また、交付金の活用によりまして、地元地域の自治体が協力して、関西を含みます大都市圏での観光誘客プロモーション等々展開をしておりますが、昨年十月に大阪で奄美と観光の物産展を開催をした際には関西奄美会にも出展等に御協力をいただいたというふうに承知をしているところでございます。
 今後とも、奄美にゆかりのある方々との連携も念頭に置きながら、奄美ブランドの発信等の取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
#82
○室井邦彦君 よろしくお願いいたします。
 私も、こういう郷友会のときには出席をさせていただき、また御挨拶の機会もいただいておるわけでありますけれども、やはり現地、島に生活されている方、また大阪、神戸にお住まいの方々、そういう方々が交流してやはり盛り上げていただかないといけないということはよくお話をさせていただいております。
 ところで、やはり奄美の観光発展、奄美にお金が落ちると、いろんな調査でも、奄美の方々、また鹿児島の方、どういう方向でこの宝島を発展させていけばいいのかということは、やはりほとんどの方が観光だというようなことを言っておられます。
 そこで、発想の転換というか、この沖縄の観光、平成三十年に沖縄に観光に来られている方々が一千三百五十七万人と、こういうことであります。この一千三百五十七万人の方々を、方向を変えてそれから奄美群島の方に、石垣島とか宮古からぐっと上がってこられるというような、そういう発想ができないのか、またそういうことが考えられないのか。この一千三百五十七万人の方々をもうただ横目で見ているだけじゃなく、奄美の魅力を訴え、もちろんこの奄美の世界自然遺産の登録もありますし、いろんないい条件が整ってきたと思うわけでありますけれども、その点、国土交通省としてそういう発想があるのか、また、どういうふうに、考えておられるなら取り組もうとされておられるのか、その点をお聞きをしたいと思います。
#83
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美群島と沖縄とは地理的、歴史的、文化的につながりが深く、また、現在共に世界自然遺産登録を目指しており、その連携を強化していくことは奄美群島の交流人口拡大の観点から重要であるというふうに認識をしてございます。
 現在、奄美群島と沖縄本島の間に航路、航空路が整備をされている中、鹿児島県と沖縄県では、両地域の交流、連携を進めるため、航空路線の運賃割引等の観光キャンペーン事業に共同で取り組んでいるという状況でございます。
 国土交通省としても、奄美群島振興交付金によりまして、奄美大島から徳之島、沖永良部島、沖縄本島へ次々と島をつないでいきますアイランドホッピングルートや、与論島と沖縄本島を結ぶ航空運賃の割引等の取組を支援をしているところでございます。
 今後の観光振興の取組におきましては、世界自然遺産登録に向けた動きも追い風としながら、大都市圏や海外からの観光客を沖縄をゲートウエーとして奄美へ呼び込むという視点も十分に踏まえながら、必要な取組を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#84
○室井邦彦君 是非よろしく、十二市町村の首長さんたちとも連携を取られて、お願いをしたいと思います。
 それでは、安全保障上のやはりここは戦略拠点ということにもなろうかと思いますけれども、今日は防衛省の方からもおいでいただいているということで、今、奄美の観光、自然遺産登録ということで盛り上がりながらそういうお話を、またお願いを、現状の報告をいろいろとさせていただいておるわけでありますが、こういう中で、安全保障の重要拠点として位置付けられている、今申し上げたように世界の自然遺産登録も見据えて奄美を、観光振興を進めていこうとしている。こういう中で、逆の対応ではないかなという現地では懸念をする声もあるわけでありますけれども、その点を払拭するようなというか、また御意見をお聞かせいただきたいんですけれども。
 私としては、この千二百キロある長いところ、災害対策特別委員会に私は所属しておりますので、災害が起きたときに、こういう離島に自衛隊がこうして配置されているということは、逆に安全面、自然災害面においては非常に安心、安全、心強いものがあるなと、私はそう思う部分もあるんですけれども、ちょっとお聞かせください。
#85
○政府参考人(小波功君) お答えいたします。
 先生御指摘のいわゆる南西地域については、その全長が約一千二百キロメートルにも及ぶ広大な地域でございまして、防衛省としては、平素から警戒監視を含めて必要な体制を保持している一方、沖縄本島及び与那国島以外には陸上自衛隊の部隊が配置されてきておりませんでした。このような自衛隊配備の空白地域となっていた島嶼部への平素からの部隊配備は極めて重要だと考え、奄美大島には本年三月二十六日、奄美駐屯地及び瀬戸内分屯地を開設したところでございます。
 これらの駐屯地において、普通科を中心とした警備部隊、中距離地対空誘導弾部隊及び地対艦誘導弾部隊が配置されることにより、南西地域の自衛隊配備の空白状況の一部を解消し、抑止力が強化されるとともに、先生御指摘の災害を含む各種事態が生起した際の初動対応、迅速な展開、対処能力の向上に資することとなることから、防衛省としては非常に重要な意義を有するものと考えているところでございます。
 また、お尋ねの観光業等につきましては、防衛省の立場からお答えすることは困難でございますけれども、これまでも駐屯地新設のための施設整備の際に必要な環境調査を行うなど、自然環境に十分配慮するとともに、その他の地元の御懸念にも丁寧に対応してきておりまして、引き続き、地元の皆様の御理解を得られるよう駐屯地運営を行ってまいるつもりでございます。
#86
○室井邦彦君 じゃ、最後の質問であります。大臣がお答えしていただけるようでありますが。
 るる、いろいろと各先生方も奄美のことを触れられてきました。いずれにしましても、奄美群島は観光は非常に大事な資源だと思っております。やはり奄美だけで物事を考えるのではなく、沖縄の話も出ましたけれども、広域的に連携を取って奄美の観光の強化につなげていかないといけないんじゃないのかなというふうなことを感じております。
 大臣として、このことについてどのようにお考えを、将来について、奄美の観光についてお考えなのか、またお聞かせをいただきたいと思います。これ、最後に質問させていただきます。
#87
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島におきましては、地元の十二市町村が連携をして振興開発に取り組むための組織として奄美群島広域事務組合が設立されているほか、広域連携による観光振興のため、一般社団法人奄美群島観光物産協会も設立をされております。
 こうした体制の下、平成二十五年には、地元市町村が自らの手で十年後の姿を描いた奄美群島成長戦略ビジョンが策定をされ、また、先月には、この成長戦略ビジョンの実現に向けて後期基本計画が策定をされたと承知をしております。
 成長戦略ビジョンに盛り込まれております奄美らしい観光スタイルの構築や質の高いエコツアーガイドの確保等を進めるためにも、各市町村の広域連携を一層強化し、広域事務組合等の枠組みがこれまで以上にその機能を発揮していくことが必要と考えております。
 国土交通省といたしましては、各島が連携をいたしました観光振興の取組を交付金により支援するなど、奄美群島全体の活性化に取り組んでまいりたいと考えています。
#88
○室井邦彦君 終わります。
#89
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 本法案は、奄美群島及び小笠原諸島の特殊事情を踏まえた振興策を継続するためのものであり、我が党も賛成です。
 小笠原特措法について質問をいたします。
 二〇一四年の法改正で目的規定に定住の促進が追加されました。資料の一ページに小笠原村の人口を示しておりますが、一四年度末二千四百七十四人から一七年度末には二千五百八十五人へと、確かに増えております。ただし、中長期的に見れば、日本復帰の一九六八年以降九五年度まで大幅に増加をし、その後は微増傾向にとどまっているのが現状です。
 二〇一五年の国勢調査では、総人口に占める転入数の割合が一一・七%、これは離島の平均三・二%より高いのですが、その一方で転出数の割合も一三・二%、これは離島の平均三・九%ですから、それより高くなっております。
 大臣に伺いますが、定住の促進という目的、それとの関係ではまだまだ遠いというのが現状ではないかと思いますが、御認識はいかがでしょうか。
#90
○国務大臣(石井啓一君) 小笠原諸島におきましては、昭和四十三年の本土復帰以来、特別措置法の下、インフラの整備等諸施策が実施をされ、一定の成果を上げてきたところであります。
 人口に関しては、全体として僅かながら増加をしておりますが、一方、御指摘の転出入の割合が高い点に関しましては、公務員の比率が三割程度と大変高く、その異動等があることも一因と考えられ、このことは小笠原諸島における人口ピラミッドにおいて若い世代の比率が高くなっていることにも関連していると考えられるところであります。
 今後、更にIターンを増やし、その方々の定住を促進するためには、これまでの基盤整備の効果を生かしつつ、自然環境や戦跡等の地域資源を生かした観光振興により雇用の場を確保するとともに、島に住み続けられるよう医療や教育等の環境整備にも力を入れる必要があると考えているところでございます。
#91
○山添拓君 確かに公務員の数が、全体の就業者の二三%が公務員だということで、それが一番多いという現状はあるのだと思います。高齢化率が全国の半分以下、若い世代の流入がありますが、その背景には高齢者にとって住み続けるのが困難な実態もあるのだと思います。この点は、また後ほど触れたいと思います。
 一九四四年の強制疎開から、戦後、アメリカによる占領が終わるまで二十四年間、ほとんどの旧島民が帰島できず、当時六千四百人余りだった旧島民のうち、返還後に帰島し、今も住み続けているのは四百人弱にとどまるのだとされます。
 資料の二ページに付けました。政府は、昨年の四月、旧島民の帰島に関する意向調査を行っています。帰島の意向があると答えた人は合計で一四・六%、今のところ決めていないが三二・三%、帰りたいとは思わないが四八・二%でした。定住の促進を図るのであれば、旧島民やその家族で帰島できていない方への支援が重要な柱になると思います。
 しかし、その実態はどうかと。来年度の地方税制改正には、小笠原諸島への帰島に伴う課税の特例措置の延長が含まれております。旧島民が帰島をする際に本土で手放す不動産の譲渡所得税や小笠原での不動産取得税の負担を軽減するものです。
 まず、その特例ですね、実績どうなっているか、その点だけ伺えますか。
#92
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 帰島促進税制の実績でございますが、譲渡所得の特別控除に関しましては昭和五十年以降、また不動産取得税の課税の特例につきましては昭和五十四年以降、実績がないという状況でございます。
#93
○山添拓君 四十年以上実績なしなんですね。
 それはなぜだと認識をされているでしょうか。そしてまた、それで実績がないということであれば、国として支援の在り方を別途検討する必要もあるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#94
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 適用実績がない理由といたしましては、島での医療に対する不安が大きく帰島をしていないことや、帰島したとしても、今後の生活を考慮し、不動産をそのまま本土に残しているということ等であるというふうに認識をしてございます。
 その上で、国土交通省が実施しております、先ほど御紹介がございました小笠原諸島旧島民意向調査によりますと、本土の旧島民等のうち一四・六%の方々に帰島の意向がある一方で、帰島の阻害要因としては、病気や出産など緊急時の対応や交通アクセスに関することなどが挙げられているというところでございます。
 このようなことから、今回、法の延長を御議論を賜っておりますが、法を延長し、帰島を希望する旧島民等の受入れに対応していくための環境整備等を講じていきますとともに、帰島促進税制を延長することで実際の帰島を後押しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
#95
○山添拓君 帰島の意向がある方の中でも、条件が整えば帰りたい、あるいはいずれは帰りたいという方が多数を占めておりますので、旧島民の意向も改めてよくつかんでいただきたいと思います。
 住宅事情が深刻だと伺います。国立公園が全体の面積の八割を占めるという特殊さもありまして、住むことができる土地が限られています。地価や賃貸物件が高く、ワンルームアパートの家賃が月六万円程度だと。新しいアパートが計画されると予約が殺到するといいます。旧島民の帰島の阻害要因として最も多かったのも、土地や家がなく居住環境の確保が困難、こういう声でありました。
 都営の小笠原住宅は、父島に二百九十七戸、母島に九十六戸、全世帯の約三割が居住しておりますが、老朽化に伴う建て替えを機に村営に移行する準備が進められております。これ帰島政策の一環として現在は家賃が低廉に抑えられておりますが、使用料の値上げなども懸念をされています。
 賃貸住宅の家賃など、住宅確保が困難な現状を国交省として把握をされているでしょうか。また、定住の促進を図る上で、この点でも国としての適切な支援が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
#96
○政府参考人(麦島健志君) お答えをいたします。
 御指摘のように、小笠原諸島におきます住宅の確保は、今後の帰島やIターン等による定住の促進を図る上で大きな課題であるというふうに認識をしてございます。
 先ほども御紹介申し上げましたが、旧島民等を対象といたしました帰島意向等に関するアンケート調査におきましても、居住環境の確保が困難であるということが帰島を阻害する要因として挙げられているという状況でございます。
 小笠原諸島では、社会資本整備総合交付金を活用した公営住宅の整備が検討をされているところでございますが、昨年八月の小笠原諸島振興開発審議会の意見具申におきましても、小笠原村において村全体の住宅政策を検討するほか、小笠原村と東京都は関係機関の連携の下、定住者の住宅確保に向けた取組を推進すべきと指摘をされているところでございます。
 これらを踏まえまして、国土交通省としても、定住促進に向けた住宅確保の在り方について東京都と小笠原村と連携しながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#97
○山添拓君 高齢者向け住宅の建設などを含めて、是非、国としても積極的な対応を検討いただきたいと思います。
 定住する上で最も大きな課題が医療です。先ほど来出ておりますが、交通アクセスの困難さに加えて麻酔医がおりません。そのために手術ができず、急患の場合には海上自衛隊の救難飛行艇を使い、夜間はヘリで一旦硫黄島に搬送した上で都心に向かうと。このために、病院にたどり着くまで平均でも九時間半以上掛かるということでありました。資料の三ページにございますが、年間三十人前後が搬送されておりますが、二〇一七年度には搬送途中に亡くなる方もいたと伺います。
 私、質問を準備するに当たりまして、小笠原に赴任経験のある東京都の職員の方に話を伺いました。本土ならすぐに治療できるような骨折だったのですが、いわゆる開放骨折ではなかった、骨が皮膚の外に露出するような骨折ではなかったと。そういうけがでなければ緊急搬送の対象にはならないということのようで、この方は痛みに耐えて二十四時間、船で東京まで我慢して来たということでした。そういうこともあり得るということで、赴任するに当たっては、もし何かあったら無事には帰れないかもしれないと、こういう覚悟を決めて行かれたともおっしゃっておりました。こういう地域はほかにないと思います。
 今、先ほどの答弁の中では、必要な医療提供体制を確保しているというお話も厚労省からありましたが、十分とは言い難いと考えます。厚労省に伺いますが、村内の医療体制を充実させるために更なる支援が必要ではないでしょうか。
#98
○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 委員御指摘のとおり、小笠原諸島における医療提供体制につきましても、地域の実情を踏まえまして、東京都保健医療計画及び小笠原諸島振興開発計画に基づきまして、父島及び母島における診療所の設置でございますとか当該診療所に対する医師派遣などによりまして、医療提供体制を確保しているものというふうに承知をいたしております。
 国におきましては、引き続き、診療所運営費の支援でございますとか医療機器購入費の支援等を行っているところでございますけれども、さらに、都道府県における実効的な医師確保対策をより一層進めるために、昨年の通常国会で成立をいたしました医療法及び医師法の一部を改正する法律に基づきまして各都道府県が医師確保計画の策定を行うこととしておりまして、当該計画に基づく医師確保対策の実施体制の強化を図ったところでございます。
 国といたしましては、このような取組を通じまして、医師の地域偏在の更なる是正を図れるように各都道府県に対して必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
#99
○山添拓君 小笠原は産めなくて安心して死ねない島と、こう表現する方もおられるほどです。これまでの延長ではない支援が求められているということを指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、この間、航空路の開設が改めて具体的に検討されております。資料四ページ、御覧ください。
 空港建設については、九五年の兄島案、九八年の時雨山案、二〇〇一年の洲崎地区活用案、硫黄島活用案、水上航空機案、聟島案など、提案と撤回が繰り返されてきました。その最大の原因は何でしょうか。
#100
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 先生御指摘のように、小笠原の航空路につきましては、これまで東京都が兄島や父島の時雨山に空港を置くことを前提に環境への影響を議論してきた中で、都と村によります平成二十一年の第四回小笠原航空路協議会以降、洲崎地区活用案、硫黄島活用案及び水上航空機案の三案が検討されたというのが過去の経緯であると承知をしてございますが、いずれにいたしましても、最初に申し上げました兄島とか時雨山に空港を置くことを前提にしたときの議論は、環境への影響という議論が大きかったというふうに認識をしてございます。
#101
○山添拓君 自然環境への配慮とともに、十分な情報開示と開かれた議論を重ねて住民の意思を尊重するということが不可欠だと考えます。本土と小笠原との交通アクセスの充実が安心して暮らせるためのライフラインとして重要ですけれども、こうした点がやはり不可欠であろうと思います。
 その点で、小笠原諸島は二〇一一年に世界自然遺産に登録をされました。世界遺産というのは、十ある登録基準の一つ以上を満たし、かつ完全性の要件を満たし、締約国の国内法で適切な保護管理体制が取られていることが必要です。保存が危うい状況だと判断されれば危機遺産リストに登録をされ、場合によっては登録を抹消されます。小笠原は、大陸と一度も陸続きになったことがなく、独特の進化を遂げた豊かな固有種の存在、その生物進化の過程、生態系が評価をされ、自然遺産への登録を果たしています。
 環境省に伺います。世界遺産への登録時に侵略的外来種対策の継続を要請され、現在でも外来種による脅威への対策がイタチごっこになり、大変な苦労だと伺っています。その実態と、環境省が具体的に取り組んでいる内容を御紹介ください。
 同時に、そうした下で空港建設などの開発行為を行うに当たっては、自然遺産区域の内外を問わず、遺産としての価値を損なうことのないようにすることが求められていると思いますが、御認識を伺います。
#102
○政府参考人(鳥居敏男君) お答えをいたします。
 小笠原諸島においては、世界自然遺産としての価値を将来にわたって維持していくために、外来種の対策等を重点的に進めているところでございます。例えば、外来種であるグリーンアノール、トカゲの仲間でございますが、これについては、平成三十年に策定いたしましたロードマップに沿って、粘着トラップによる捕獲や長距離遮断柵の設置等による対策を実施しているところでございます。
 環境省といたしましては、今後とも、各種開発や観光客の増加等に伴い世界自然遺産への外来種による更なる影響が生じないよう、関係自治体や関係機関と緊密に連携して対応してまいりたいというふうに考えております。
 また、小笠原航空路につきましての御質問がございましたが、これにつきましては、まず東京都が検討されるものと考えておりますけれども、環境省といたしましては、世界自然遺産、国立公園という日本の宝というべき小笠原の自然環境を守るという観点で技術的な助言をしっかり行ってまいりたいというふうに思っております。
#103
○山添拓君 一度外来種が入り込んだ地域は元に戻らないということで、もう本当に小笠原のありのままの姿が残されている地域はほとんどないと言われています。南硫黄島ぐらいだというふうに言っておられる研究者の方もおられます。今でもぎりぎりのところで自然遺産の価値が保たれている状況です。
 日本では、開発行為が事業として決まった後に事業主体が自ら環境アセスを行っています。世界自然遺産を審査する国際自然保護連合、IUCNは、実施決定の前にアセスを実施をし、結果次第では開発行為をやめるという選択も検討すべきだと指摘をしています。
 小笠原のような唯一無二の自然に向き合う際にはより一層の慎重さが求められるということを指摘をさせていただき、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#104
○平山佐知子君 無所属クラブの平山佐知子です。
 先ほど来からありますように、去年は、戦後、米軍軍政下に置かれていた小笠原諸島が復帰をして五十年という節目の年でございました。これは、奄美群島それから小笠原諸島だけでなく沖縄も含めて言えることかもしれませんけれども、さきの大戦によって最も厳しい状況に置かれた地域には国の責任におきましてしっかりと手だてをしていくというのは当然のことだと思いますので、本法律案に関しては全面的に賛成をいたします。
 それを申し上げた上で、本法律案の中身とは少し離れてしまうところもあるかと思いますけれども、先ほど申し上げたとおり、歴史上非常に厳しい状況に置かれたこれらの地域に国として何ができるのか、そこに住む方々は何を求めているのかということを考えながら質問をさせていただきます。
 まずは人口減少について、先ほどからもありますように、奄美群島については、おととしに鹿児島県が行ったアンケート調査で、在住者、出身者、事業者、いずれも今後の課題は人口減少とする意見が最も多かったということでした。奄美群島は、一九五五年以降、若者を中心に流出が続いて、六十年余りで人口はほぼ半減しているということでございます。今回、この奄美特措法を延長して、UIOターンや定住の更なる促進を目指すとしていますけれども、具体的にどのように人口減少を食い止めていくのか、説明をお願いいたします。
#105
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 奄美群島におきましては、大学進学や就職を機に地元を離れる若者がいまだ多く、定住を促進するためにはこうした方々のUターンを促進するとともに、IOターンを希望する方々を群島に取り込んでいくということが重要であると考えてございます。
 まず、Uターンの促進に向けては、平成三十一年度予算におきまして、奄美群島外の学校等に在学し奄美群島の住民に扶養されている方等につきましても、住民並みの運賃割引を適用できるよう必要な措置を盛り込まさせていただいたところでございます。また、IOターンの促進のためには、まずは一人でも多くの方々に奄美群島を訪れて島々の文化や暮らしに触れていただくということが重要と考えてございます。閑散期の運賃低減支援や航空事業者等と連携した広報宣伝を行ってきたところでございます。その中から更に関心の高い方々へ向けては、離島留学や移住体験等の取組を行う地域に対して交付金による支援を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
 奄美群島の人口の社会減は縮小傾向となってきたところでございますが、今後ともUIOターン等による定住の促進につながる支援を着実に行ってまいりたいと考えてございます。
#106
○平山佐知子君 確かに、若者、学生にとってこの運賃割引などがあれば、やはり帰ってきやすくなるし、有効だというふうに私も考えます。ただ、結局のところ、地元に帰ってきても、きちんとした収入が得られる魅力があるような、そんな仕事がなければ戻ることができないということもあるかと思います。
 鹿児島県の推計では、群島の一人当たりの所得は二〇一五年度二百四万四千円で、県民所得の八五・七%、国民所得の六六・八%にとどまっています。お金が全てではないと思いながらも、これではやはり親御さんたちは帰ってこいというふうになかなか言いにくい状況なのかなというふうにも思います。本土と全く同じではないにしろ、地元に戻ってきちんと食べて生活できるという、そういう当たり前のことをつくるために、本法案、どのような支援をされているのか、お願いいたします。
#107
○政府参考人(麦島健志君) お答えを申し上げます。
 UIOターンによる移住者が地域に定着をし、暮らしを継続していくためには、御指摘のように、安定的な雇用の場を確保するための産業振興が重要であると考えているところでございます。
 これまでも、奄美群島振興交付金により、主要産業の一つでございます農業におけるハウス等の施設整備とか、観光関連の新規起業や事業拡大等への支援を行ってきたところでございます。奄美群島振興開発基金におきましても、UIOターンによる移住者に対します農業就業や観光業の開業への融資実績があるところでございます。
 さらに、平成三十一年度予算におきましては、若年層の定住促進につながる雇用拡充や人材育成等の取組をより強力に支援をするため、地方自治体の負担軽減の措置を講じる特定重点配分対象事業制度を創設することとしたところでございます。
 このような措置を通じまして、引き続き、UIOターンによる移住者の着実な定住の促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。
#108
○平山佐知子君 ありがとうございます。
 あわせて、様々な支援があるということを地元を遠く離れた方々にちゃんとお知らせできなければ、やはりそれは意味のないことにもなりますので、その辺りも併せてお願いを申し上げたいと思います。
 先ほど奄美群島の人口減少についてもお話ししましたけれども、小笠原諸島は、先ほど来からも出てきていますけれども、人口は、戦前の七千七百十一人には及ばないものの近年も増加傾向にあるということでございます。しかも、村の六十五歳以上の人口の割合は一二・七%ということで、これも全国最低。これは、自然豊かで、犯罪も少なくて、交通事故も心配が少ないということもありまして、子育てするのにはもってこいの環境であるということで、若い世代がやはり移住してこられるパターンが多いのかなと思いますし、その分出生率も高いということでございます。
 そんな中、小笠原では、先ほどもありましたけれども、宅地に適した平たんな土地が少なくて、割安な都営住宅は慢性的に入居希望者、これが募集枠を大きく上回っているということ、また、父島の小笠原小学校の児童数は過去最多となって、上限三十人のクラスに三十六人が机を並べるという状況もあると伺っております。
 今の段階でもこのような状況ですし、今後更なる人口増加も見据えて何らかの手を打っていくべきだと考えているんですけれども、国としてはどういうような支援を考えているのか、教えてください。
#109
○政府参考人(麦島健志君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、小笠原諸島の人口は、昭和四十三年の本土復帰当初から三千人を目標に取組を進めてまいりました。住民基本台帳によりますと、平成二十九年度末時点で二千五百八十五人、近年も僅かながら増加傾向にあるという状況でございます。また、人口ピラミッドを見ても、全国と比較して若い世代が多くなっているという状況でございます。
 そのような中、御質問の教育環境の点でございますが、父島の小中学校は、児童生徒の増加によりまして教室が手狭で空きがなく、さらに、築後四十五年以上が経過して老朽化が進んでいる状況にございます。このため、平成三十一年度より、小中学校の整備に向けまして、施設規模や敷地の有効活用、教室の適正配置等を盛り込んだ基本計画の策定を行う予定となってございます。また、母島保育園に関しても、老朽化が進んでいるため、平成二十七年度より整備を進めてございます。これらにつきましては、いずれも小笠原諸島振興開発事業費補助金により支援をしてまいりましたし、今後ともしてまいりたいと考えてございます。
 国土交通省といたしましては、住民の皆様の安心、快適な生活環境の実現に向けまして、住宅確保の問題を含めまして、東京都、小笠原村と連携しながら計画的な取組を進めてまいりたいと考えてございます。
#110
○平山佐知子君 子供たちの安心、安全な教育環境を整えるためにも、引き続きよろしくお願いいたします。
 そういう若い方々が移住してくる一方、先ほどからもありますように、高齢者の方にとっては厳しい生活環境となっている面があるとすれば、やはり医療の面だというふうに思います。
 現在、やはり小笠原村には総合病院はなくて、父島、母島にそれぞれ一つずつの診療所があるのみということで、病院収容までの平均の時間というのは九時間から十時間というふうに先ほどからも伺っています。また、島内には産科医も常駐していないということで、妊婦さんは妊娠八か月ぐらいから上京して、慣れない内地での長期滞在をしなくてはならないという状況もあります。そういった面からも、島民の皆様の要望が多いのが航空路線の整備ということでございます。今までも東京都を中心に様々議論されてきているということでありますけれども、世界自然遺産に登録されているために開発行為が難しい、そんな理由で現実化していないというふうにも伺っております。
 便利さ、それから観光面というそういった意味合いもありますけれども、何よりも島民の命をつなぐライフラインとしても航空路線の整備は必要ではないかというふうに考えているんですが、国としては今までこの議論にどういうふうに関わってきたのか、また今後の展望をどう見ているのか、大臣に伺います。
#111
○国務大臣(石井啓一君) 小笠原諸島への交通手段は、約六日に一便、片道二十四時間の定期船のみであり、小笠原村の診療所で対応できない救急患者が発生した場合は、自衛隊等の協力により本土の病院へ搬送している状況でございます。しかしながら、病院収容まで平均九時間半を要しておりまして、高齢者の医療や救急搬送への対応等の面からも交通アクセスの改善は重要であると認識をしております。
 小笠原航空路に関しましては、平成三十年七月に開催をされました東京都と小笠原村が設置をしております小笠原航空路協議会におきまして、今後、一千メートル以下の滑走路案について検討する旨、東京都より報告がなされたところであります。
 航空路の実現に向けましては、自然環境への影響や就航機材の確保等の課題に関する十分な検討及びその検討を通じた関係者間の合意形成を行うことが重要と認識をしております。
 国土交通省といたしましては、東京都が進める検討について、引き続き、専門的見地から助言を行うなど、連携を強化してまいりたいと考えております。
#112
○平山佐知子君 日本は島国であり、実に六千八百五十二もの島々の集まりで成り立っている国であります。その中でも小笠原諸島は数少ない有人の国境離島であり、ここを守っていくということは、国防の面、経済の面など、様々な面におきまして大変重要だというふうに考えています。
 二〇一四年に中国漁船によるサンゴの密漁が多発して、海上保安庁の取締り強化によって鎮静化しました。しかし、今年の二月、再び中国漁船の活動が確認をされまして、海上保安庁は巡視船などを派遣して現在も二十四時間体制で警戒、取締りに当たっているというふうに伺っています。我が国の、とりわけ小笠原諸島に住む人々の安心、安全のために、昼夜を問わずこの活動をされている海保の皆様には心から敬意と感謝をまずは申し上げたいと思います。
 その上で伺います。二〇一四年にはピーク時に二百十二隻もの中国漁船が確認されたという話ですけれども、現在の状況、それから今後の対策を海上保安庁に伺わせていただきたいと思います。
#113
○政府参考人(岩並秀一君) お答え申し上げます。
 海上保安庁では、平成二十六年九月以降、小笠原諸島海域等におきまして、多数の中国サンゴ漁船と見られる漁船を確認しましたことから、大型巡視船や航空機を集中的に投入しまして十隻の中国サンゴ漁船を検挙するなど、厳正な取締りを実施したところでございます。その後、委員御指摘のとおり、今年の二月二日には、小笠原諸島周辺の我が国EEZ内におきまして航行中の中国漁船一隻をEEZ漁業法違反、立入検査忌避で検挙したところでございます。
 また、小笠原諸島周辺海域における海上保安体制を強化すべく、巡視船配備のために必要な岸壁、宿舎、燃料供給体制等の調査を行うとともに、東京都、小笠原村等との調整を進めているところでございます。
 今後とも、巡視船、航空機による哨戒を行うとともに、これらの整備を着実に進めまして、小笠原周辺海域の監視警戒に万全を期してまいります。
#114
○平山佐知子君 ありがとうございます。これからも離島に暮らす方々の安心、安全のために政府一丸となった対応をまた引き続きお願いを申し上げます。
 以上で終わります。ありがとうございました。
#115
○委員長(羽田雄一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#116
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木愛君。
#117
○青木愛君 私は、ただいま可決されました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・国民の声、立憲民主党・民友会・希望の会、国民民主党・新緑風会、公明党、日本維新の会・希望の党、日本共産党及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。
 一 奄美群島及び小笠原諸島の振興開発基本方針の策定に当たっては、地元の創意工夫が十分に発揮できる内容となるよう留意すること。
 二 奄美群島及び小笠原諸島における定住の促進に資するため、医療・介護を始めとする生活環境の改善について具体的かつ充実した施策の実施に努めるとともに、両地域における交流人口の増大や物価格差の是正等のため、人の往来及び物資の流通に要する費用の低廉化に資するための施策の充実について検討を加え、所要の措置の実現を図ること。
 三 奄美群島振興交付金制度は、主にソフト面での支援施策として、地域が主体的に施策を実施するためのものである趣旨に鑑み、積極的な活用が図られるようきめ細かな配慮をすること。また、大島紬・黒糖焼酎等の地場産業のより一層の活性化、奄美群島の条件不利性を克服するための情報通信産業の振興等が図られるよう配慮すること。
 四 奄美群島及び小笠原諸島は、自然環境面において極めて貴重な地域であることから、その振興開発に当たっては、自然環境の保護・保全に積極的に取り組むとともに、エコツーリズム等の自然環境の保護・保全と両立する持続的な観光振興が図られるよう配慮すること。
 五 離島航空路線が住民の生活路線であること、他地域との交流の活発化に欠かせないインフラであること等に鑑み、地元の意見や自然環境との調和に十分配慮しつつ、本土・奄美群島間の航空の利便性向上や小笠原諸島における航空路の開設を含め、必要となる取組に努めること。
 六 奄美群島及び小笠原諸島は、台風の常襲地帯に位置するとともに、南海トラフ地震に伴う津波被害も想定されるなど、災害を被りやすい地理的・自然的条件にあることから、必要な防災・減災対策をより一層推進すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#118
○委員長(羽田雄一郎君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#119
○委員長(羽田雄一郎君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。
#120
○国務大臣(石井啓一君) 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興開発特別措置法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝を申し上げます。
 今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。
 ここに、委員長始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。
 誠にありがとうございました。
#121
○委員長(羽田雄一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(羽田雄一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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