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2019/03/14 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 厚生労働委員会 第2号
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2019/03/14 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 厚生労働委員会 第2号

#1
第198回国会 厚生労働委員会 第2号
平成三十一年三月十四日(木曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     青木 一彦君     関口 昌一君
     馬場 成志君     佐藤 信秋君
     宮島 喜文君     堀井  巌君
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     木村 義雄君     中野 正志君
     佐藤 信秋君     馬場 成志君
     関口 昌一君     小野田紀美君
     堀井  巌君     宮島 喜文君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     小野田紀美君     進藤金日子君
     中野 正志君     木村 義雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                川合 孝典君
                山本 香苗君
    委 員
                石井みどり君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                木村 義雄君
                進藤金日子君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                中野 正志君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                福島みずほ君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                東   徹君
                倉林 明子君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
       厚生労働副大臣  高階恵美子君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       上野 宏史君
       厚生労働大臣政
       務官       新谷 正義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       大坪 寛子君
       文部科学大臣官
       房審議官     森  晃憲君
       厚生労働大臣官
       房長       定塚由美子君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宮嵜 雅則君
       厚生労働大臣官
       房審議官     八神 敦雄君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       厚生労働省職業
       安定局雇用開発
       部長       北條 憲一君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    浜谷 浩樹君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    橋本 泰宏君
       厚生労働省老健
       局長       大島 一博君
       厚生労働省保険
       局長       樽見 英樹君
       厚生労働省年金
       局長       木下 賢志君
       厚生労働省政策
       統括官      藤澤 勝博君
       農林水産大臣官
       房審議官     小川 良介君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (厚生労働行政等の基本施策に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、青木一彦君及び木村義雄君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君及び中野正志君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長吉田学君外十五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石田昌宏君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政等の基本施策に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○宮島喜文君 まず、質問に入る前に、今国会で問題となりました厚生労働省の毎月勤労統計の不適切な処理については、政府が行う統計全般の信頼が失われたこと、甚だ遺憾でございます。一日も早く厚生労働行政、やっぱり国民の信頼を取り戻すよう、再発防止策など対策をしっかりと努めていただくよう、根本厚生労働大臣に一言申し上げます。
 では、質問に入りたいと思います。
 さて、大臣の所信的表明にもございましたが、二〇二五年を念頭に進められてきました社会保障と税の一体改革で、地域包括ケアシステムの構築、地域医療体制の整備など、具体的な施策が進んでおり、これについて幾つか課題がございますので、質問させていただきます。
 まず最初に、地域間の医師の偏在の解消策でございます。
 医師が大都市に集中し、地方の医師不足が深刻化しているこの地域間の医師の偏在については、平成二十年度以後、医学部の定員の大幅な増員や地域での勤務を義務付けた地域枠などを導入することにより対策が講じられてきましたが、いまだ地域偏在は解消されておりません。
 先日、厚生労働省の医師需給分科会で公表されました医師偏在指標では、現在でなく将来になりますが、二〇三六年の時点で都道府県で必要とされる医師数を推計すると、最も医師の確保が進んだ場合においても、十二道県で合計五千三百二十三名の不足が見込まれるとされております。
 また、現時点で見ますと、私が六年前まで勤務しておりました長野県立木曽病院が所在する二次医療圏では、これは香川県の面積と匹敵するほどの広さがあるわけでございますが、地元の開業医の高齢化、後継者の不足などある中で、唯一のその地域の中核病院として入院施設を持っております。院長以下職員が全員一丸となり、三百六十五日二十四時間の救急など地域医療を担っているわけでございますが、大変厳しい労働環境であります。この医療圏は、医師数は、大学病院がある隣の隣接する松本でございますが、その三倍の格差があるという形になっております。
 長野県は元々医師の少数県であり、さらに、この地域は、医療圏については、医師の少数区域と言えるわけでございます。医師の確保が厳しい中、以前から地元の住民の方々は、最大の心配事はこの医師不足ということでございます。全国でもこのような事例は多数あるのではないでしょうか。
 さて、先ほど申し上げましたが、二〇二五年には団塊世代が後期高齢者になり、超高齢化社会に突入するため、医療や介護の提供体制の見直しが行われてきたわけでございます。医師の偏在は、この地域医療構想を推進するためにも何とかして解決しなきゃいけない課題と考えております。
 こうした中から、昨年七月二十五日に医療法及び医師法の一部を改正する法律が公布され、その一部を除き平成三十一年の四月一日から施行することになりました。
 この法改正において、医師の養成過程を通じた医師の確保対策の充実が盛り込まれて、都道府県知事から大学の医学部に対する地域枠や地元出身入学者の枠の設定や拡充、臨床研修病院の指定、また研修医の募集定員の設定など、権限が国から都道府県に移譲され、都道府県の実情に応じた医師の確保対策が進むことが期待されているわけです。さらに、専門研修においても、都道府県からの意見を聞いた上、国が日本専門医機構等に対して地域医療を確保する観点から必要な措置の実施を意見する仕組みを創設するなど、様々な対策が、都道府県知事の権限の追加が盛り込まれております。
 今回の法改正は医師偏在の解消の第一歩であるということで私も考えているわけでございますが、今後の実施、また運用がまさに重要だと考えております。法律が改正されまして、そして公布後、もう八か月が経過しつつあります。都道府県においては、医師会とか関係団体とともに施行に向けた協議がなされていると思いますが、その効果を速やかにかつ定期的に検証した上で、更なる対策の必要性の有無を検討することが肝要だと思っております。
 改正法を実施するに当たり、都道府県、関係団体から様々な声も上がっていると聞いておりますけれども、厚労省はこれをどのように受け止め、どのように対応していくか、厚生労働大臣にお伺いをしたいと思います。
#7
○国務大臣(根本匠君) 委員今お話しいただいたように、改正医療法、医師法の施行に向けて、都道府県などから様々な意見をいただいております。医師偏在指標や医師確保計画について、例えば施行に当たって具体的に何をしたらよいか、あるいは地域枠、人をどのように派遣したらよいのかなどの声が上がっていると承知をしております。
 厚生労働省においては、改正法の趣旨や内容、医師需給分科会の議論の状況などについて、都道府県などを対象とした研修会等において丁寧に説明をしております。さらに、都道府県に対して、医師確保計画等の策定のためのガイドライン、これを今年度中にお示しすることにしています。また、関係団体との間においても、様々な機会を捉えて、地域の偏在是正や取組状況などについて情報共有を図っていきたいと思っています。
 今後とも、関係団体あるいは都道府県と意見交換する場を持って連携しながら改正法の施行に取り組み、医師の地域偏在の是正を図っていきたいと考えています。
#8
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 先ほど述べましたが、この医師の養成過程を通じた医師確保対策の充実を図るほか、都道府県では地域医療対策協議会の機能強化やなんかも盛り込まれているわけでございます。そういう中で、各都道府県内における偏在の是正というものは進んでくるとは思うわけでございます。
 ただ、この医師偏在指標という新たな指標が公表されたことから、現在の医師の多数地域から、いわゆる医師の少数区域への都道府県間の偏在の是正について、国は何らか、都道府県に委ねるのではなくて、追加の対策を練るべきじゃないかと考えますが、国の考え方はいかがでしょうか。
#9
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 都道府県内における医師の偏在是正を進めることに加えまして、都道府県間で偏在を是正するためには全国レベルでの対策が必要でありまして、国が主導すべきという課題だというふうに認識をしてございます。
 そのため、先ほど来委員御指摘いただいております昨年成立いたしました改正法に基づきまして、主に三つの柱で進めます。
 一つは、医師少数区域などで勤務した医師を厚生労働大臣が認定する制度を創設し、医師少数区域で勤務することに対する社会的評価を高めるとともに、認定取得に向けたインセンティブを付与するということにしてございます。このため、医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会におきまして、認定のための具体的な要件など、この法の施行に向けて必要な検討を現在行っております。あわせて、全国的な医師調整が可能となる仕組みについて検討を続ける予定でございます。
 二つ目に、専門研修についても、地域医療確保等の観点から、厚生労働大臣が日本専門医機構などに対して意見あるいは要請を行う仕組みを導入いたしました。昨年十月には、専攻医が都市部に集中しないよう五都府県におけるシーリングの遵守をお願いしたところでございますが、今後も同機構などとも議論を尽くした上で丁寧に進めたいと思っております。
 三つ目に、医師偏在指標に基づいて医師少数都道府県等が明らかになることから、医師少数都道府県において都道府県知事から大学に対して地域枠や地元出身枠の設定あるいは拡充を要請していただく、さらには知事からの要請により医師多数県などの大学に設けられる医師少数県での勤務を条件とする地域枠、いわゆる県またぎの地域枠を設定する、さらには魅力的な研修プログラムを設定することなどにより他県からの医師を確保していただくことを促進するなどなどの取組によりまして、全国的な医師偏在の是正が進んでいくというふうに思っております。
 このような取組を通じまして、関係者の理解あるいは協力を求めながら都道府県間の医師の偏在是正の解消に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
#10
○宮島喜文君 ありがとうございました。都道府県間の、是非進めていただきたいと思います。
 それで、先ほども少しお話が出ましたが、医師の少数区域での勤務経験を厚生労働大臣が評価する認定制度を創設し、認定医師のみを地域医療支援病院等の一定の医療機関の管理者にするという内容が含まれているわけでございます。これは前回、それこそこの法案審議の際にもこれについて、インセンティブがこれだけじゃ弱いんではないかということが指摘があって、附帯決議においても、認定を受けた医師や医師派遣要請に応じて医師を派遣する病院に対する効果的、経済的なインセンティブの付与を検討することということが求められておりますが、その後、この検討は具体的に進んでいるかどうかお聞きしたいんですが。
#11
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 昨年改正法の今御指摘いただきました附帯決議に基づいて、今後、効果的なインセンティブの付与について検討するということにしておりますが、まずは、私ども今、認定に必要な医師の業務内容や勤務期間など、その改正法の具体的な運用について、先ほども申しました医師需給分科会において検討を行っておりまして、二月の二十七日に議論の取りまとめの案を提示していただいております。
 そこでも、医師少数区域などでの勤務を促進するために、認定を取得した医師個人、さらには認定医師によって質の高いプライマリーケアなどが提供されている医療機関、そして三つ目に都道府県等から要請に応じて医師を少数区域に派遣する医療機関、この対象に経済的インセンティブの設定について検討を行う必要があるというコンセンサスをいただいているところでございますので、私ども、引き続きこの医師偏在の解消のために改正法の着実な施行に向けての準備を進める中で、この認定制度、二〇二〇年の四月が施行期日でございますので、その施行に向けて、インセンティブの具体的な内容について更に検討を深めてまいりたいと考えております。
#12
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 この経済的なインセンティブという中では、税制の問題とか相当思い切ったことが私は必要ではないかと思いますので、是非御検討をいただきたいと思うわけでございます。
 では、続きまして、介護人材の確保の状況についてお聞きしたいと思います。
 第七期介護保険事業計画の介護サービスの見込み量などに基づいて都道府県が推計した介護の人材需要を見ますと、全国で、二〇二〇年度末までには二百十六万人、二〇二五年度末には二百四十五万人が必要とされているということでございます。これを見ますと、さらに二〇二五年まで見ますと約五十五万人ということになりますので、年間六万人程度の介護人材を確保する必要があるんではないかと思います。
 現在、有効求人倍率が全国各都道府県で一倍を超える、介護はさらに四・二四倍と、これは平成三十一年一月でございますが、そんな数字が出ておりますので、こういう人手不足の中、需要に見合う人材をどのように確保していくのかというのが大きな課題だと思っております。
 このことを受けて、厚生労働省は介護離職者ゼロ、これへ向けてということで取り組んでいるということを聞いておりますし、また、国は都道府県の事業を支援するために地域医療介護確保総合基金などを積み増してこれを後押ししているという状況にあるわけでございます。
 この中で、厚生労働省としては、この介護の人材をめぐる現状についてどのように、計画は立てたにしても、どのように考えているか、分析しているかということ、そして、二〇二五年に向けてこの人材確保をもっともっと具体的に進めなきゃとは思うんですが、これをどう考えているか。都道府県の進捗状況も含めて御説明願いたいと思います。
#13
○副大臣(大口善徳君) それでは、私の方からお答えさせていただきます。
 今委員御指摘のように、二〇二五年度末までに約二百四十五万人を目指して、毎年六万人程度の介護人材の伸びを必要と見込んでいるところであります。また、御指摘のように有効求人倍率も、介護関係職種の有効求人倍率で見ますと、三十一年一月、全国平均で四・二四、東京などは七・二七と、こういうことでございまして、全職種と比べ高い水準になっております。
 そういうことで、処遇の改善や就業促進、職場環境の改善による離職の防止、人材育成の支援などを含めて総合的に取り組む必要があると、それが重要であると、こう考えております。
 具体的には、これまでの処遇改善に加えて、本年十月、消費税引上げに伴いまして、その財源を使いまして、リーダー級の介護職員について他産業と遜色のない賃金水準を目指し、経験、技能のある介護職員に重点を図りながら行う更なる処遇改善、月額最大八万円、これをやっていく。それから、介護分野へのアクティブシニア等の参入を促すための入門的研修の普及や再就職準備金の貸付けによる就職支援等による多様な人材の活用、そしてICTや介護ロボットを活用した生産性向上の推進による現場の負担の軽減、職場環境の改善、こういうことをしっかりやっていくということにしたいと思います。
 また、都道府県の取組の進捗状況につきましては、都道府県から、地域医療介護総合確保基金の取組等の実績のほか、都道府県介護人材確保担当者に対する進捗管理の実施状況に関するヒアリングあるいはグループディスカッションを通じて把握に努めているところでございます。引き続き、この取組を着実に進めることで介護人材の確保に全力を尽くしてまいりたいと思います。
#14
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 人口減少が進んでいる中で、当然、生産年齢人口が減少しておるわけでございますから、ますます介護の人材を確保するということが厳しい状況に入ってくるんだろうと思います。ですから、先ほどのお話にございましたように、リーダーだけ八万円上がるんではなくて、底上げしなきゃ、リーダーを雇うわけではございませんから、その辺は基本的なベースを上げるということが一番肝腎じゃないかと私思うわけでございます。
 その後も質問する予定ではございましたが、ちょっと今日は時間がございませんので、申し訳ございませんが、次回にまた回させていただきます。
 どうもありがとうございました。
#15
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会・希望の会の石橋通宏です。
 今日は、大臣所信質疑ということで、おとといお聞きした根本大臣の所信に対して根本大臣に中心的にお聞きをしたいと思いますので、大臣、毎回お願いをしておりますが、是非ここは、もう大臣所信に対する政治家同士の質疑ですので、できるだけ質問に対してしっかりお答えをいただきたいということを、まず冒頭お願いをさせていただきたいと思います。
 その上で、今日、最初に、女性の活躍、女性活躍について大臣も所信で触れておられますが、まず、隗より始めろ、厚生労働省における女性の活躍について、一点確認方お聞きしておきたいと思います。
 大臣、先般、厚生労働省内における女性の昇進、昇給差別について裁判の判決が出た。これ、中身については、大臣、つまびらか、御存じでしょうか。
#16
○国務大臣(根本匠君) 女性職員の昇任差別に関する訴訟については、現在係争中でありますから、私からのコメントは差し控えたいと思います。
#17
○石橋通宏君 地裁判決が出たわけですが、判決文は御覧になりましたか。
#18
○国務大臣(根本匠君) 国側が勝訴したということは聞いております。
#19
○石橋通宏君 原告の訴え、裁判中に出された主な意見書、なかなか直接大臣はお読みになれないと思いますが、事務方からブリーフィングは受けておられますか。
#20
○国務大臣(根本匠君) そういう裁判をしているということについては報告を受けました。
#21
○石橋通宏君 そういう裁判をしているじゃなくて、なぜそういう訴えが、どういう課題、問題があったのかということについて、主な点について報告はちゃんと受けておられますか。大臣、それ、答弁書見られることじゃないです。受けておられますかと聞いているので、それに対して答えてください。
#22
○国務大臣(根本匠君) 裁判の中身に関する話ですから、それは事実を確認してから答えるのが私は当然だと思いますよ。相手方が、例えばですよ、例えば、原告は、男性職員は年功序列的に昇進、昇格した一方で、原告は、平成八年に係長に昇任して以来、十八年間昇任していないというのが女性蔑視の原因である等々主張しているということは聞いていますよ。
#23
○石橋通宏君 大臣、今結局後ろから渡された資料をお読みになっている。
 私は、大臣がこの裁判の原告の訴えのポイント、過去、厚生労働省においてどういう採用が行われていたのか。これ、なぜあえてお聞きするかというと、統計情報部の話なんです。統計籍の女性なんです。統計籍の採用という過去の厚生労働省における女性の採用、ノンキャリアの採用、そしてその昇進、昇格。これ、意見書が出ているんです。大臣、それはお聞きになっているのか、それを聞きたかったんですよ。その意見書では、まさにそういう厚生労働省内の人事、昇進、昇給、昇格の在り方が今回の統計不正につながっているというふうに訴えられているから、原因究明と再発防止を考えるときに、これ重要な要素ではないのかという観点でお聞きしているんです。
 大臣、ポイント聞いておられますか。考えておられますか。
#24
○国務大臣(根本匠君) 人事は適材適所でやっていると聞いております。
 で、今委員が中身を言えと言うから、それは確実に中身は言えないと、私が感覚で言うわけにはいかないですよ。だから、私は、大臣の答弁としてきちんとどういうことを言われているのかということを確認して申し上げた、こういうことであります。
#25
○石橋通宏君 いや、私、中身を大臣に説明してくださいとは言っておりません。だから、大臣、きちんと質問者の質問をお聞きいただいて答弁してくださいということを重ねてお願いをさせていただいた。もう一度、そのことはお願いをしておきたいと思います。
 大臣、重ねて、是非、まだのようですから、意見書の中身も含めて、ポイントについては事務方に説明を求めてください。統計籍で採用された方々が、一切、統計に関わるのに、統計についての教育訓練を受けておられなかったという証言もされております。統計についての教育訓練も受けないままで統計にずうっと長年関わっていたと。もしこれが事実であるとすれば、これはゆゆしき事態だと思います。厚生労働省の人材育成、まさに統計という国の根幹に関わる重要な問題でこういうことが起こっている。私は、原因に関わる重要な話だと思います。
 それについて、重ねて、大臣、是非、改めて、この意見書も含めて、過去どういう経緯だったのか、今後の再発防止に資する話だと私は思います。それに対しては、大臣、是非この場で改めてそれ確認してみたいということで、それだけ答弁いただけますか。
#26
○国務大臣(根本匠君) 今回の一連の特別監察委員会でも様々なことが指摘されました。公的統計の意義やその重要性に対する意識の低さ、あるいは幹部職員の公的統計に対する無関心、組織としてのガバナンスの欠如、こういうことが特別監察委員会の報告でも指摘されております。このことについては真摯に受け止めております。
 その上で、特別監察委員会でもいろいろなことは今提言されておりますので、再発防止策として、幹部職員も含めた統計の基本的知識の習得や意識改革の徹底、当然、研修の話も入ってまいります。ガバナンスの強化を目的とした管理職を含めた研修の強化など、今提言をいただいておりますが、これらも含めて、これからしっかりと統計に対する意識、これを根本的に考えて、そして今までの事案も参考にして、これからの統計部門の再発防止に努めていきたいと思います。
#27
○石橋通宏君 今の大臣の御答弁聞いても、本当に問題をしっかりと見詰め直して、原因究明そして再発防止徹底的にやられるという気持ち、済みません、一切感じられません。
 重ねて申し上げます。統計に長年関わった方々が、講習たった二日間だったという話も聞かせていただいております。こういう実態、大臣、ちゃんと御存じいただかないと再発防止なんかできないですよ。だから申し上げているんです。今約束いただけませんでしたが、重ねてお願いをしておきます。
 ちゃんと、こういう厚生労働省内で、女性の昇進、昇給差別の裁判が起こされたこと自体ゆゆしき事態だと受け止めていただいて、一審の判決は出ておりますが、重ねて改めて、なぜこういう事態も含めて起こっているのか、統計に関わる問題だということも認識も含めて是非ブリーフィングを受けていただいて、その上で、今後の再発防止に役立てていただきたい。そのことをお願いをし、今後、どこかまた適切なタイミングでフォローさせていただきますので、そのことを改めてもう一回お願いをしておきたいと思います。
 その上で、統計不正問題について、これ、理事会でも別途また集中審議の開催含めて重ねて要求をさせていただいておりますので、今日は何点かだけ確認をさせていただきたいと思いますが、この間、いろいろと資料要求もさせていただいて、厚生労働省の方で対応いただいていることには、改めてこの場でお借りして感謝も申し上げておきたいと思います。
 資料の一にその一部を今日抜粋してお配りをさせていただいておりますが、ちょっと幾つか確認です。この確認は官房長でも結構です。
 二の役割分担で、平成十五年以降、厚生労働省になって以降、じゃ、抽出の場合の抽出率の決定と、それから実査と言われる実際の作業ですね、それから、調査結果が返ってきて集計、復元をする作業を誰が担当していたのかということをお聞きすると、抽出率の決定と復元も企画調整係と、当時ね、という話でしたが、これは事実ですね。その確認を。
#28
○政府参考人(定塚由美子君) 抽出率、抽出表の決定と、それからサンプルの抽出、それから復元でございますけれども、これは、平成十五年度から二十三年度までは雇用統計課の企画調整係、二十四年から二十八年六月までは雇用・賃金福祉統計課の企画調整係、二十八年六月から二十八年度までは雇用・賃金統計福祉室企画調整係、二十九年度以降は雇用・賃金福祉統計室毎勤第三係が担当しているということでございます。
#29
○石橋通宏君 確認したかったのは、抽出率の決定と復元は同じ担当係が、今ちょっと十五年、十六年辺りに絞ってお聞きしますが、同じ担当係でやっていたという理解でよろしいですね。
#30
○政府参考人(定塚由美子君) 今答弁しましたとおり、抽出等については同じ係で行っているということでございます。
#31
○石橋通宏君 大臣、そうすると、特別監察委員会報告がちょっとおかしくないですかね。平成十五年、十六年の東京を抽出に変えた、それなぜ復元がされなかったのかという問題があるわけですね。監察委員会報告では、抽出をやった係とその復元をやった係の連絡調整という話だったんですが、同じ係がやっていたら連絡調整も何もないんじゃないんですか。大臣、おかしくないですか。
#32
○国務大臣(根本匠君) それは、ちょっと事実関係を確認してから答弁したいと思います。
 調査報告書の中に、私の記憶でも企画調整係とシステムを担当する係、彼らは、要は東京都の全数調査を三分の一にしようとした、三分の一に抽出してやるということにした。私の報告書の記憶では、確認させていただきますが、企画調整係が三分の一にしますよと言って、システムを担当する係に伝えたということが報告されていると思いますが、ちょっと確認的に答弁をさせていただきたいと思います。
#33
○石橋通宏君 これは、この点を確認したくて事前にちゃんと厚生労働省に出してくださいということで、これ監察委員会報告には、システム係という名前が出てきて、そこの復元の連絡がうやむやむやむやと書いてあるんです。でも、これ企画調整係が復元も担当されていると、今、先ほど官房長がこの場で答弁をいただきました。
 同じ担当係がやっているということであれば、連絡不行き届きもありませんね。抽出を決めた、大規模を勝手に抽出することに決めた。そして、調査が終わって、調査結果が返ってきて、復元も同じ担当係、企画調整係がやられた。何で復元しなかったんですかね、大臣、これおかしいですね。これは、それ自体、おかしい、ゆゆしき事態だし、重ねて監察委員会の報告が間違っていることになってしまいます。ですので、これ重ねて、改めて大臣、これ大臣の責任において、これどっちが間違っているのか、これ是非委員会に答弁いただきたいと思いますが、委員長、これ、よろしくお願いします。
#34
○委員長(石田昌宏君) 今、多分、答弁。
#35
○政府参考人(定塚由美子君) 先ほど私が答弁した調査後の復元という意味につきましてですが、復元に関しての、復元どのようにするかという企画を行っている、これが十五年度以降であれば企画調整係ということで、それを実際にシステムの変更をしている、これはまた別の係ということでございます。
 こちらの方で答弁申し上げましたのは、復元の企画といいますか、考えるということについての係が企画調整係ということでございます。
#36
○石橋通宏君 いや、しかし、私の事前の質問は復元についてお聞きしているので、もし、官房長、今のような答弁であれば、それをちゃんと我々に返していただかないと正確な質疑できませんよ。それ、ちょっと事務方含めて今の質問時間返してもらいたいぐらいですが。
 官房長、我々ずっと、大臣、要求しているんですね。システムの改修したときの改修のそのシステム書、改修するときは必ず、必ずですよ、それを内輪でやろうが何しようが、システムの仕様書というものを作るはずだと。それを出してくれと言って、いまだに出してきてないわけです。それずっとペンディングになっています。だから今のようなことが分からないわけですね。
 いや、復元のやり方、当然それ企画調整係でサンプル調査にしたわけだから、復元についてもちゃんと復元の仕様書作らなきゃおかしいわけです。仕様書作って仕様書渡していれば、システム担当、間違えようがないんです。だから、それを証拠として出してほしいと。いまだに出てこない、それをうやむやにされている。でも、お認めになったのは、復元の仕様については企画調整係がやりましたということはお認めになった。だったら何で復元ができなかったのか、意図してやらなかったとしか疑い、いや、疑います、本当に。
 重ねてそこの辺について、今の答弁も含めて甚だ不十分です。これ、改めてそこの部分、経過と仕様書も含めて提出をいただくようにお願いしたいと思いますので、重ねてこれ併せてお願いします。
#37
○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議いたします。
#38
○石橋通宏君 大臣、もう一点。結局、抽出にしているので、当然サンプルの入替えがあるわけです。これも確認したら、三のように、サンプルの入替えは、その他中規模と一緒にサンプルの入替えを定期的に同じタイミングでやっていましたというふうに言われています。
 これ、そういうことなんだと思いますけど、つまり、東京の大規模も、これ、三年、二年ごとにサンプルの入替えをやっていました。その都度、当然、抽出の復元どうしようかという作業をやっていた。三年、二年ごとにそれやっていて、三年、二年ごとに何回も何回もシステム等のエラーがあったんですかね。十五年の時点で連絡が不行き届きだ、じゃ、その後もずっとサンプルの入替えをやって、そのたびに必ず復元の仕方、抽出の仕方、議論しているはずです、三年、二年ごとに。必ずそのときの担当課、関わっているはずです。
 つまり、歴代の担当課は脈々と大規模について不正を受け継いで、引き継いで、みんな担当課の関わっていた人たちは組織的にそれ知っていたということですね、大臣。そういう理解でよろしいですね。
#39
○政府参考人(定塚由美子君) 報告書におきましても、システム改修につきましては処理の誤りを起こしやすく、誤りが誤りのまま実施されないように適切なチェック体制を整備せず、プログラム改修を部下に任せきりにしていた責任は重いという記述がございます。
 ただ一方で、御質問のように、このサンプルの入替え時に、ではどのようにシステム改修係に連絡をしていたかということまで全てのものについて把握しているわけではないと承知をしております。
#40
○石橋通宏君 官房長、ちょっと答弁が分からなかった。
 私が聞いているのは、平成十五年、十六年の時点だけで何が起こったかということだけではない。毎回毎回、定期的にサンプルの入替えを行っている。そのたびに抽出率の決定、復元の方法の決定、必ずやっているはずなんです。つまり、担当課は脈々とそれを三年、二年、定期的にやっているんです。担当課長以下、関わっていた人間は必ずそれに関わっているはずなんです。組織的隠蔽じゃないですか。
 大臣、どうお考えになりますか。
#41
○国務大臣(根本匠君) これは我々の、要は、私は答弁しますけど、要は、特別監察委員会で統計の専門家、そして法曹の専門家、中立的、客観的に、これは担当のヒアリングもしていただいて、その事実関係、あるいはどういう動機、目的、認識でやったか、これは報告書で明らかにされております。その意味で私は、どういうことがあったかというのは、私は、報告書であれだけやっていただいたわけですから、その報告書でどういう記述がなされているのか、私はそれが事実だと思います。
 その意味では、漫然と過去に適切な復元処理が行われていなかったこと及びそれを公表することなく放置していたのは、単に前例を踏襲し、業務が多忙であったり、復元処理による影響が小さいと判断したことを理由とするものであると、こう書いてありますよ。
 だから、それは客観的、中立的にヒアリングをして、そしてこういう分析をしていただいた、事実関係を明らかにしていただいた。私は、今私が申し上げたことが事実だと思います。
#42
○石橋通宏君 大臣、今私が指摘していることは御存じなんですか。監察委員会の報告にこれ書いてあるんですか。そんなことまで監察委員会ちゃんと調べて、そして、大臣、その報告書を読んで、こういう実態が実はあった、監察委員会の報告にはそれ書いていない。大臣であれば、監察委員会の報告に書いていない、つまり、監察委員会、この点に着目してやっていない、この事実を見れば、改めてもう一回これ確認しなきゃいけないぐらい、大臣、思わないですか。そうしなかったら、あれだけをもって組織的な隠蔽がないなんて、結論ありきでやられている。だから、それ自体我々は到底受け入れられないと。
 多くの国民が、あの監察委員会報告は受け入れられない、信用できないと言っているその事実ですよ、大臣。我々もだからこうやって調べているんです。これ、どう考えても脈々と、二年、三年に一度、必ず抽出率、見直し、復元の方法やっている、関わっているんです。つまり、必ず、担当の皆さん、関わっている皆さんはずうっと歴代受け継いでいます。こういうのを世間的に言えば組織的隠蔽と言います。
 大臣、改めてこの点については、組織的隠蔽の存在も含めて、監察委員会、これ、この点について再度調査含めてすべきだと思いますが、大臣、それだけ、大臣知らないこと、監察委員会報告に書いてないことだからお願いしているわけです。その点だけ約束してください。
#43
○国務大臣(根本匠君) 監察委員会報告書については、抽出調査をしていながら適切な復元処理がなされていないことを放置していたことについてということで、どういうことが確認されているか。
 調査の結果、抽出調査を実施していながら、適切な復元処理がなされていないことを認識していた者が複数名いることが確認された。まず、平成二十年に担当係長となった者は、全国の担当者を集めて行う研修会のための資料を作成する過程においてシステム上で適切な復元処理がされていないという事実に気付いたが、長年にわたって適切な復元処理をしてこなかったことに何らかの合理性があるのではないか、それまでの歴史ある調査の持続性の観点からこのままでよいかなどと考えたりしたために、その事務処理の誤りを課内の誰にも指摘せずに放置した、こういうことと。
 それから、先ほど私は、過去に適切な復元処理が行われていなかったこと及びそれを公表することなく放置していたのは、単に前例を踏襲したり、業務が多忙であったり、復元処理による影響が小さいと判断したりすることを理由とするものであり、適切な復元処理が行われていなかったことを殊更に隠そうとする意図があったことは認められない。しかし、これは報告ですよ、しかし、これらの課の担当者らについては……(発言する者あり)もうちょっと、これが大事なんですよ、規範意識の欠如、事の重大性に対する認識の甘さがあったことは否定できない。特に雇用保険や労災保険等の給付に影響が及ぶものであるにもかかわらず、これを放置し続けたことは、公的な情報基盤としての基幹統計の重要性をおよそ認識していないものとして厳しく非難されるべきものであると、こう指摘をされております。
#44
○石橋通宏君 大臣、時間稼ぎやめてください。質問にちゃんと答えてください。そんなことをお聞きしていません。
 今引用されたことも、全くそれは十五年、十六年の経緯から基づいて判断されたとしか思えない。私はそれ聞いていないんです。その後の、この長年にわたる不正の在り方を聞いているわけです。大臣、全く答弁になっていませんので、これ、厚生労働省、今大臣の責任も含めて、隠蔽に加担しているとしか思えないというのを我々ずっと申し上げてきた。重ねて、そのことを大臣、そういう答弁繰り返されれば、大臣も全くやる気がないというふうに断ぜざるを得ません。そのことを改めて申し上げておき、我々引き続きこれ追及していきます。
 次やりたいので、次行きます。
 大臣、ちょっとこれ、ずっと確認したかったんですが、今回の統計不正、毎勤だけじゃなく賃金構造もそうですが、統計不正、毎勤含めて、これ年金に全く影響がないと、大臣、言い切れるんでしょうか。年金について一切関わりない、関係ない、影響ない、大臣、それ言い切れますか。
#45
○政府参考人(木下賢志君) お答えいたします。
 年金への影響ということでございますけれども、まず、公的年金につきましての年金額の計算につきましては、毎月勤労統計における賃金データは全く用いてございません。
 平成十六年の改革以来、年金額の計算、物価等による毎年のスライド改定が共に法定化されまして、個々の受給者の年金額計算には厚生年金保険法に基づく標準報酬が使われております。スライドの改定の基礎となります名目手取り賃金変動率につきましても標準報酬が使われておりますので、毎勤、毎月勤労統計は使用していない、影響はないというふうに考えております。
 ただ、次期財政検証の推計に用いる実績データというところにつきまして、我々はいろいろ検討し、これまで賃金の財政検証の経済前提につきまして、経済前提の専門委員会で議論をする過程におきまして実質経済成長率と実質賃金変動率の関係性をいろいろ議論をさせていただきました。
 その際に、特に実質賃金は毎勤の統計との比較データを用いながら議論を進めたということでございました。それは二月の専門委員会でございますけれども、その際にこういう賃金問題というのがございましたので、毎勤問題がございましたので、我々としては、民間企業の実態調査を用いて比較をし、実質経済成長率と実質賃金につきましての関係についての分析をしたということでございます。
 いずれにしても、財政検証におきましても、そういう形で毎勤を使わずに今回も検証を進めるということでございます。
#46
○石橋通宏君 これ大臣に通告をしていて、昨日のレクまで厚生労働省は、大丈夫です、一切影響はありませんというレクの答弁を私に返していた。急に変えましたね、年管審。
 大臣、昨日まで厚生労働省は、一切関係ありませんと、堂々と私に対しても言うていたんです。ところが、関係があるじゃないかということが、幾つか事例が判明した、それが今答弁されたとおりです。関係してないわけじゃないんです。
 資料の二でお付けしていますが、今年一月三十日に行われた年金部会で突然、昨年の年末まで経済前提専門委員会で様々な経済前提の話、大事な話ですね、議論をされていた、そこで使われていた一つの分析が突然削除されました。なぜ削除されたかというと、毎勤使っていたからなんです。これでどよめきが起こったそうですが、これ、毎勤、関係しているじゃないか。
 資料の三。実は、過去の二回の議論の中で、実はこれも毎勤が使われていた。これ、ポートフォリオ、分散投資効果を求めるための期待リターンを算出するときの計算に毎勤統計を使っていたという資料が残っています。それが突然、資料の四ですが、今回それを用いず別の形でやるということが突然出てきたそうです、説明がなしに。
 これ、過去、毎勤使って経済前提、分散投資効果、大臣、やっておられたことは御存じだったんでしょうか。それをちょっとまず確認させてください、大臣。
#47
○国務大臣(根本匠君) これ、五年前の経緯ですから、局長から答弁させます。
#48
○石橋通宏君 いや、今回大臣担当されているはずです。今まさに年金の今後の在り方、財政検証をやっておられる。過去の経緯も含めて、ちゃんと大臣も関わって議論されているんでしょう。どういう前提で。
 昨日も、今日も倉林さんは怒っておられましたが、予算委員会でも、この経済前提の議論、年金の在り方、とりわけ年金の支給額が、マクロ経済スライド、キャリーオーバー、今回も一%物価上昇があるのに、マクロ経済スライド、キャリーオーバー含めて〇・一%です。切り下がるんです、現行の制度では。それについてどういうふうに考えるのか。
 前回、二年前の年金制度改革の議論のとき、我々はさんざん議論しました。現実的なちゃんと仮定を置いて、賃金が下がることがあるだろう、いや、この間ずっと下がっているじゃないかと、だから、そういうケースもちゃんと踏まえて、シナリオで経済前提やって議論してくれという話も含めてやっているわけです。
 大臣、当然、ブリーフィングを受けて、しっかり議論しているんでしょう。指示出しているんでしょう。附帯決議ありますよ。分かっているんでしょうね。だから聞いているんです。大臣、そういう過去の経過、毎勤も使って分散投資効果、リターンの計算もされていた。今回それを変えた。変えたんだから、それ、ちゃんと聞いておいてくださいよ。なぜそれを変えたのかという合理的な説明がないと、国民に対しても、そのことを我々は問うているわけです。
 大臣、今まさに財政検証、またしても現実的でない、何かすごいいい数字並べてしかまたシナリオ書いておられないようですが、二年前の附帯決議、これを踏まえてちゃんと現実的なシナリオ含めてやるように、これ改めて大臣の責任において指示出していただかないと我々到底納得しませんが、大臣、そういうことでよろしいですね。
#49
○国務大臣(根本匠君) 経緯もありますから年金局長に答えさせますが、私は、今回、財政検証のケースが、六ケース出しましたよ。あれは専門家が分析して多様なケースを出しているんですよ。これはあくまでも、将来を見通すというよりは、むしろ将来の財政検証の絵姿を投影するという観点からあれだけの六つのケースを出した。そして、六つのケースのそれぞれのケースについては専門家がきちんとしたケースを出していただいていますから、私はそれを見て、ああ、これは、なるほど六つのいろんなケースについて様々な、財政検証に当たっての様々なケースを提示していたんだなと私は理解をしております。
 詳しくは年金局長から。
#50
○石橋通宏君 大臣、それを見た上で我々は質問をしているわけです。あれでは到底二年前のあの激烈な国会質疑、附帯決議、我々議会の意思を踏まえた財政検証になっていないのではないか、これでは将来の正しい姿、国民に結局知らせることができないのではないか、そういう懸念、心配で言っているわけです。
 だから、大臣、国会の話をちゃんと聞いてください。そのことを踏まえて財政検証をやって、是非、参議院議員選挙ありますから、その前に財政検証の結果出していただいて、国民の皆さんにしっかりと年金の未来像、あるべき姿も含めて問うということを、最後に大臣、それだけお願いして、答弁いただいて、終わりにしたいと思います。
#51
○国務大臣(根本匠君) 今、財政検証に必要な前提を基に作業しておりますが、公表予定については作業が終わり次第公表することを予定していますが、既に成立した制度改正の織り込みやオプション計算のボリュームなどによるため、現段階では申し上げにくいことを御理解いただきたいと思います。
 それから、先ほどの財政検証の六つのケースの話ですが、幅を持って解釈する必要があると考えております、幅広い複数のケースを設定しておりますから。
 それから、年金財政における経済前提に関する専門委員会において、平成二十八年度年金改正法附帯決議の課題に対応するために、賃金上昇率が変動する中で一時的にマイナスとなるケースなどの前提も設定されていると承知をしております。
#52
○石橋通宏君 以上で終わりますが、これ、年金の問題、大変重要なので、引き続き当委員会でも議論していきたいと思います。
 済みません、内閣官房から来ていただいておりましたが、質問できず、また別の機会にやらせていただきますので、おわび方申し上げておきたいと思います。
 ありがとうございました。質問を終わります。
#53
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 まず、私からは、薬事法改正案、これ、今朝のニュースですのでちょっと通告間に合わないんですけれども、これ、法令違反を犯した製造販売業者らを対象に新設するこの薬事担当役員の変更命令規定が改正案から外れる見通しということですが、これ本当ですか。
#54
○政府参考人(宮本真司君) お答えいたします。
 ちょっと御通告いただかなかったものですから十分な答弁にならないかもしれません、申し訳ありませんが。
 今御指摘ありましたように、現在、私ども厚生労働省におきまして検討しております医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律におきまして様々な改正規定を用意させていただいたところではございます。今回、過去の違法事案、幾つかございましたが、それに対する様々な対抗措置といいますか対策の問題といたしまして、幾つか用意しております。
 代表的なものとしましては、一つは、各個別の業許可を取っていらっしゃいますメーカーあるいは流通それから薬局等のそれぞれの業者の法人の方々に対しまして、法令遵守体制の整備を義務付けるというものでございます。それからもう一つは、当初考えておりましたのが、今先生御指摘のような、非常に大きな事案があって、やむを得ず役員変更、責任を有する役員を変更しないとこの事案が改善しないという可能性がある場合には、役員の変更、解任じゃなくて変更ですね、これを導入したらどうかという提案をさせていただいたところではございます。
 しかしながら、一方におきまして、ただ、この場合、薬機法、薬事法等に関係する団体といいますか、業界、業者の方々というのは、全く私的自治の範囲のところで活動されている、自由な経済活動に基づいて団体を設立され、その中で事業を行っている方々であり、そのガバナンスにつきましての、不十分かもしれませんけれども、一定の規律の中で行っているところに、非常に限定的な話とはいえ、一段階目で法令遵守体制について厳しい措置を導入した上に、そこの上に更にその役員の変更命令をすることというものについて御疑問もございましたので、改めまして、この法規と二段階で法令遵守体制プラス役員変更命令が加えられることによる効果、過去の事例によりますと、役員を変更しても組織的に非常に大きな不安を抱えているところについては、必ずしも役員が変わったことによって組織全体の法令遵守体制がきれいにはならない可能性があるといったこと、それから、他制度との比較によりまして、やや今回の話につきましては、まだ一段階目について十分な措置が、法律が通ってからやることになりますので、まずはそちらの方の法律の措置を、第一段階目の措置をきちんとすることをもって、それで更に足らなければ次のステップの話としてそのような問題も含めて議論すべきではないかという結論に至りましたので、今回の法案の内容からは、役員変更命令につきましては先送りをさせていただいているところでございます。
#55
○川田龍平君 何のためにこれ薬機法を改正するのかということが、やっぱりこれによって中抜きになるんじゃないかと、業者寄りじゃないかと思います。本当に規制官庁としてやっぱりしっかりやっていただきたいと。これ、法案に書いてあったとしても、それを施行するかどうかというのは、これはその判断もあるわけですから、それを書いておくことがやっぱりすごく意味のあることだと思いますので、本当にしっかりやっていただきたいと思います。
 五年に一回のこの改正でもって、今回、薬事法改正、予定のこの中身でありますけれども、第三者機関について、私もこれ初当選以来ずっと取り組んできた薬害防止、薬害再発防止というために必要な機関であるということで、早期の設置を訴えてきたものです。今国会でようやくこの薬機法改正案の中に医薬品等行政評価・監視委員会、仮称ですけれども、この設置が盛り込まれたということは一定の評価をしていたんですけれども、この機関のありようについて、大臣、これから厚生労働大臣がやっぱり勧告を行える強い権限を持たせるということにしなければなりません。しかしながら、今回、これ大臣所信の中で、この医薬品等行政評価・監視委員会には文章として触れられていませんでした。
 これ、大臣の言葉というのは厚生労働省という組織を代表する重みのあるものだと思いますが、しかし、軽いんですね。厚生労働大臣にとって、この第三者組織、これはその程度の存在でしかないということでしょうか。大臣の見解を求めます。
#56
○国務大臣(根本匠君) 厚生労働省の使命は、国民の命と健康を守ることであります。医薬品による悲惨な健康被害を再び発生させることのないよう、医薬品の安全性、有効性の確保に最善の努力を尽くす、これは最も重要な課題の一つだと考えています。
 過去の薬害への反省から、医薬品等の安全性を確保するための制度の充実や体制の強化を図ってきたところであります。委員も御尽力をいただいております。それでもなお薬害が繰り返されてきた歴史があること、一たび薬害が発生すると悲惨な健康被害が広範囲に及ぶことから、公正中立の立場で医薬品の安全性の確保等に関する取組を評価、監視する組織を設置すること、これは重要だと考えています。
 このような考えから、今回、医薬品医療機器等法の改正法案において医薬品等の行政評価・監視委員会を設置することを検討しております。評価・監視組織、これが重要であると考えております。
#57
○川田龍平君 この医薬品等行政評価・監視委員会、まあ仮称ですけれども、これ、厚生労働省の中の官房に設置されるということになっております。
 これ、理想としては、私はこれは消費者委員会に設置されることがいいと思っているんですが、今まで中立の立場で医薬品等の監視をする機関が全くなかったので、それから、厚生労働省が、大臣がやろうということで厚生労働省内につくるのも仕方ないかなと思っていたんですが、しかしながら、毎月勤労統計問題について調査を行った第三者組織、第三者委員会の有様を見る限り、監視委員会の組織自体を厚労省内に置くということが一体どこまで中立性を担保できるのか不安に感じているんですが、いかがでしょうか。
#58
○政府参考人(宮本真司君) 医薬品等行政評価・監視委員会につきましては、先ほど大臣がお答え申し上げましたように、厚生労働省に設置されました薬害肝炎事件の検証委員会の最終提言におきまして、三条委員会又は内閣府の八条委員会として設置することが望ましいが、一刻も早く実現する観点から、当面厚労省に設置することが提案されております。この提言やこれまでの薬害肝炎の原告団の皆様などとの話合いなどの結果などを踏まえ、厚生労働省の審議会として設置することを考えております。
 委員御指摘のように、この委員会は、公正中立の立場から医薬品等の安全性確保に関する施策の実施状況を評価、監視することが重要と認識しております。このため、大臣の諮問を待つまでもなく委員会自らの判断で開催できる、あるいは、委員は独立して自らの見識に従い会議に参加して審議することが明らかになるような仕組みにすることを考えております。
#59
○川田龍平君 また、この医薬品の行政評価・監視委員会の委員それから職員については、極めて厳しい中立性が求められております。特定の企業、団体から研究委託費や補助金、奨学寄附金などを受領している場合、当然発言にもバイアスが掛かる可能性があります。
 これ、前国会の厚生労働委員会でも質問したところでありますが、再度この利益相反について質問いたします。
#60
○政府参考人(宮本真司君) 医薬品等行政評価・監視委員会の委員の方々につきましては、製薬企業等との利益相反について十分留意する必要があるということは先生御指摘のとおりだと思っております。
 例えばでございますが、現在の薬事・食品衛生審議会におきましては、薬事分科会の決定事項といたしまして、審議参加規程を策定し、製薬企業から一定金額以上の資金提供を受けている委員は審議に参加できないなどのルールを定めているところでございます。
 今般の医薬品等行政評価・監視委員会におきましても、こうした取組を御参考にしていただいて、委員会として利益相反に関するルールを定めていただきたいと考えております。
#61
○川田龍平君 過日、医薬品の審査管理を担当するPMDAでまた不祥事が発覚しました。PMDA職員が副業として製薬企業からの仕事を受注するという、利益相反に抵触する事例です。
 審査機関が製薬企業と癒着しているという疑いを持たれてしまっては、我が国の審査承認業務の信頼性を損なうことになり、また過去の反省が全くもって生きていないと言わざるを得ず、利益相反が疑われる事例であり、審査機関としての在り方を問われる問題です。
 第三者機関は、当然にこのPMDAのこうした不祥事についても調査し、意見を言う権限はあるという理解でよろしいでしょうか。また、人事についても意見を言うことができると考えてよろしいでしょうか。
#62
○政府参考人(宮本真司君) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構、PMDAにおきまして、職員が製薬企業からの委託を受けてコンサルティングなどの兼業を行い懲戒処分を受けたということは、誠に遺憾だと我々も思っております。
 現在検討中の医薬品等行政評価・監視委員会におきましては、医薬品等の安全性確保に関する施策などの実施状況について評価、監視することを業務とする予定でございます。したがいまして、PMDA職員の不祥事を調査したり人事について意見を言うことはこの委員会の役割には当たらないのではないかと考えております。
 なお、PMDAには、PMDAの運営の業務全般に関しまして審議する運営評議会が設けられておりまして、いわゆる薬害被害者の代表の方々にも御参加いただき、審議に加わっていただいているところでございます。また、独立行政法人、PMDAは独立行政法人でございますので、の組織管理を含む業務実績につきましては、独立行政法人通則法に基づき、毎年度、厚生労働省におきまして有識者の意見を伺い、評価することとされております。このような仕組みを通じまして、PMDAにおいて、運営評議会の活動も含め、適切な対応が行われるようしっかりと見てまいりたいと考えております。
#63
○川田龍平君 これ同時に、本当に第三者と言える中立的な人選がなされなければ、人選を実際に行う政府側の意向を反映したものとなる可能性がありますが、これ、人選についてはどのように行う考えでいますでしょうか。
#64
○政府参考人(宮本真司君) 平成二十二年の薬害肝炎事件の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討委員会の最終提言におきましては、委員の構成につきまして、薬害被害者、市民、すなわち医薬品ユーザーの立場、それから医師、薬剤師などの例が挙げられております。
 検討中の法案につきましては、現在、国会提出のための手続を進めているところではございますが、委員会の業務内容を考えますと、委員については、医薬品等の安全性の確保などに関して優れた識見を有する方々から任命することが適当と考えております。
 いずれにしましても、委員の選任は、委員会の設置が決まった後に、医薬・生活衛生局の外に置かれます事務局において、先ほどの最終提言なども参考にしつつ具体的に検討されるものと考えております。
#65
○川田龍平君 これまたしっかり法案審議の中でも詰めていきたいと思います。
 次に、時間の関係で、遺骨収集について先に伺います。
 これ、終戦から既に七十四年が経過しているところですが、百十二万柱、これ海没した分を除いても約八十二万人分の遺骨がいまだに収集されていないという現状です。これ、三年前にこの戦没者遺骨収集推進法が制定され、二〇二四年度までこれ集中期間として国の責任で、国の責務でこの戦没者の遺骨を収集することになっておりますが、これ活発とは言えない状況です。
 先週、今日もありましたけれども、マーシャル諸島での戦死された方々の遺骨の引渡式にも出席いたしました。異国の地で様々な思いで戦死された皆さんが、一人でも多くの方、この遺骨を収集して家族の元に返すことが最大の供養だと思っていますが、しかしながら、これ戦後七十四年、平成も終わるという中で、遺骨の収集作業の進みが大変遅いと言える状況です。
 かつては常に数千柱の遺骨が収集されていましたが、法制定以後、数百柱程度しかこれ収集されていません。遺骨もだんだん傷んでくる中で、この二〇二四年度までにどのようにこの残りの八十二万人もの戦死者の遺骨を収集する考えでいるのでしょうか。今後の見通しをお示しください。
#66
○政府参考人(八神敦雄君) 戦没者の遺骨収集につきましては、平成二十八年度から三十六年度までが遺骨収集の集中実施期間となってございます。
 遺骨収集につきましては、戦没者の遺骨収集の推進に関する法律、これに基づきまして、厚生労働大臣が指定をしました日本戦没者遺骨収集推進協会と一体となって実施をしておるところでございます。
 海外における戦没者の概数は約二百四十万柱でございます。現在までに百二十八万柱収容してございます。今、川田委員から御指摘ございましたけれども、加えまして、相手国の事情等によりまして収容が難しいものなどございますので、こういうものを除きますと、約五十九万柱の御遺骨が収容できていないという状況でございます。
 こうした中で、御遺族、戦友の高齢化、こうしたものに伴いまして、当時の状況を知る方々が少なくなり、遺骨を探す手掛かり情報といったものが減少してきておるという状況でございます。
 厚生労働省といたしましては、まず、平成二十九年度までを情報収集の集中期間ということで、さきの大戦の交戦国の公文書館等におきまして、日本兵の死亡や遺体埋葬に関する資料調査といったことを実施をしてきておるところでございます。
 今後とも、関係省庁と連携をして現地調査を進め、一柱でも多くの御遺骨を収容し御遺族に引き渡すことができるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#67
○川田龍平君 このDNA鑑定について、これはかつて歯のところでなければしないということだったのが、ようやく四肢骨までDNA鑑定をするようになって、そして今、遺品がなくても、これは沖縄の四地域ではこれ先行して今DNA鑑定をするということになっていますが。
 これ、さきの、先月十八日の毎日新聞の記事、一面トップにありました。硫黄島で発見された遺骨に関して、これ厚生労働省が遺品のないものについてDNA鑑定をしないとしていますが、これ今、この硫黄島の遺骨、二十六体分がこれ焼かれずに残っています。この遺骨のDNAを鑑定すれば身元が明らかになるかもしれないという、常にまた御遺族の方、生存している御遺族の方が強く希望しているにもかかわらず、遺品の有無を問わずにこれDNA鑑定を行うべきではないかと考えますが、厚生労働大臣の答弁を求めます。
#68
○国務大臣(根本匠君) 一柱でも多くの御遺骨を御遺族にお返しできるよう、記名のある遺留品や埋葬者名簿などがなくても、ある程度戦没者が推定できる場合に、その遺族に対しDNA鑑定を呼びかける試行的取組、委員から御紹介ありましたが、現在、沖縄で行っております。しかしながら、当該取組においては、これまでのところ御遺骨との血縁関係の認められる御遺族は見付かっておりません。
 南方などの戦闘地域の戦没者遺骨のDNA鑑定については、沖縄における試行的取組の結果も踏まえると、なお検討すべき課題も多いと考えています。今年度末までに一定の方向性をお示しする予定であり、専門家等の御意見も聞きながら検討を行っております。
 なお、DNA鑑定を希望する御遺族のDNAデータを国が保有することについては、DNAは究極の個人情報でありますので、慎重な検討が必要であると考えています。
#69
○川田龍平君 これ、大臣、是非ここは大臣の決断でこの硫黄島のこと、是非これ決断していただきたいと思うんです。もう本当に遺族の方どんどん高齢になっていて、もう本当にこの御遺族がいない場合に、返ってきたとしても、返すことができなくなってしまうんですね。
 これ、大臣、一日も早く、特にこの毎日新聞の記事読まれているかと思うんですが、この近藤龍雄さんの例ですけど、所属部隊も分かっているんですね。陸軍混成第二旅団中迫撃砲第二大隊ということで、ここまで、部隊まで分かっていて、そこにいるかもしれないということが分かっている遺族にとっては、本当にもう最後の望みですよね。是非、大臣、これ決断してください。いかがですか。
#70
○国務大臣(根本匠君) 今申し上げましたように、検討すべき課題が多いんですが、今年度末までに一定の方向性をお示しする予定であり、専門家などの御意見も聞きながら今検討を行っております。
#71
○川田龍平君 これ、一日も早く是非取り組んでいただきたいと思います。
 この遺族のDNAについては、御遺族からの検体の提供などを求めたり、これアメリカ側ですとかオーストラリア、ニュージーランドなど、この資料を取り寄せて再精査するなどして、同時に最先端のDNA鑑定の技術も利用して、本当にこれ一日も早く取り組んでいただきたいと。もう本当に高齢化している御遺族の方たちの中で、もう本当にこれ亡くなられた方の思いや遺族の思いを考えても、少しでも多くの遺骨について、それから遺族の方が提供したいという検体についても、できるだけDNA鑑定を行えるようにするべきと考えますが、いかがですか。
#72
○政府参考人(八神敦雄君) お答えいたします。
 米国との関係でございますけれども、DNA鑑定等の技術協力も含めていろいろと情報交換とか、協力関係を深めていけるようにしたいと、このように考えてございます。
#73
○川田龍平君 公文書館ですとか、本当に様々な資料を収集して、遺骨がどこにあるのかということをやっぱりしっかりとこれは調べて、本当に確度のあるところの調査をやっぱりしっかり発掘していただくということが大事だと思うんですが、これ、遺骨収集に係る来年度予算、これ二十三億円のうち十三億円を硫黄島での遺骨収集に充てるとのことですが、この十三億円のうち実際遺骨収集のために使用される額はどの程度なんでしょうか。また、残りの十億円の用途についても説明をお願いいたします。
#74
○政府参考人(八神敦雄君) 戦没者の遺骨収集の推進に関する法律の施行を踏まえまして、平成三十一年度予算案におきましては、遺骨収集のための経費として約二十三億六千万円を計上してございます。
 この内訳でございますが、今委員から御指摘ございました硫黄島の遺骨収集や滑走路における面的なボーリング調査といったことに必要な経費として約十三億六千万円でございます。また、硫黄島以外の南方地域や旧ソ連地域の遺骨収集に必要な経費といたしまして約七億六千万円でございます。また、身元特定のためのDNA鑑定や現地での人種鑑定に必要な経費といたしまして約一億九千万円、それから、御遺骨や遺留品の御遺族への返還などに必要な経費として約六千万円ということでございます。
#75
○川田龍平君 この遺骨収集に関わるこの予算で、会計検査院から一度、不正な取扱いがあったということなどもありました。本当にそういったことで、もうこの遺骨の収集が遅くなるようなことにならないようにしっかり取り組んでいただきたいと思いますし、本当にこういった問題については一日も早くやっぱりやっていただく必要があると思いますので、是非積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、ネオニコチノイド農薬について伺います。
 ネオニコチノイド農薬の現状について、これEUにおいては、蜜蜂への影響を理由として欧州委員会がネオニコチノイド系農薬三種類、屋外での使用の禁止を決定して、フランスでは昨年九月一日に、ネオニコチノイド系農薬五種類の作物への使用を禁止する法律が施行されました。
 そのような中で、日本では、このネオニコチノイド農薬の使用量、主な使用用途、登録の取扱いなど、どのようになっているかについてお伺いいたします。
#76
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 我が国において登録されているネオニコチノイド系農薬、これは約二十年前から使用されておりまして、今七種類の成分を含む農薬が登録されておりますが、稲、果樹、野菜等の農作物に対する殺虫剤として広く使用されております。
 このネオニコチノイド系農薬の国内出荷量は、平成二十八年十月から平成二十九年九月までの一年間の集計では、製剤ベースで約一万八千トンとなっております。
#77
○川田龍平君 これ、ネオニコチノイド農薬の適用範囲が広がったりですとか、本当に今も新たに認可しているわけです。これ、ほかの国で使わなくなったものを日本だけ使っている、これ薬害エイズと全く同じような構図でして、昨年十一月八日にアメリカのハーバード大学の研究チームが、ネオニコチノイド系の殺虫剤によって蜂の社会的行動が損なわれ、餌の摂取や幼虫の世話に支障を来す様子が確認できたとする研究結果を発表しました。これまで指摘されてきたネオニコチノイド系農薬、殺虫剤の有毒性を示す証拠を裏付けるものだとしています。
 日本ではこれ、蜜蜂に関する調査をどのように行っているのでしょうか。欧米のようにしっかりやるべきだと考えますが、農林水産省ではどのように考えますでしょうか。
#78
○政府参考人(小川良介君) 我が国における農薬が原因と疑われる蜜蜂の被害状況につきましては、平成二十五年度から三年間調査を行い、この調査の結果では、年間五十件程度の被害が報告されていること、それから、被害規模は巣箱一箱当たりの死虫数が一千から二千匹以下の比較的小規模な事例が多数を占めていること、さらに、被害の多くは水稲のカメムシ防除時期に発生していること等の結果が得られております。こうした被害実態を踏まえ、平成二十八年度以降も調査を継続するとともに、農家と養蜂家との農薬散布情報の共有や、これによる散布時の巣箱の退避等の対策を進め、被害の軽減に効果を上げているところでございます。
 一方で、農薬の蜜蜂に対する安全性を一層向上させるため、蜜蜂への影響評価法の充実を検討しているところでございます。具体的には、蜜蜂が農薬を直接浴びた場合の影響を評価していた従来の方法に加えまして、農薬が残留した花粉や花の蜜が巣箱内の成虫や幼虫に与える影響など、農薬の使用による蜂群に対する様々な影響を評価することとしております。
#79
○川田龍平君 もう終わりますが、これ本当に深刻なんです。蜜蜂がいなくなると人類も四年で滅びると言われているぐらい、蜜蜂の影響というのはすごく大きな、農作物に対する影響だけじゃなく、本当に人類への影響も大きなものがあります。大臣、そのことを御存じでしたか、それだけお答えください。
#80
○国務大臣(根本匠君) 私も養蜂農家はいろいろ知っていますけれども、今の委員の御指摘については、今委員から教えていただきました。
#81
○川田龍平君 また引き続き質問をいたします。予算委員会でも是非やりたいと思っていますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#82
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。本日はどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 先日、大臣の方から所信の聴取を行いました。改めて、厚生労働大臣のこの業務範囲の広さというものをこの所信を聞かせていただくたびに感じます。
 その中で、今回大臣、トップに毎月勤労統計に関する事案ということで持ってこられました。これだけの幅広い議論をしていかなければいけないお立場の中で、一番最初にやはりこの毎勤統計を持ってこられたということ、これはやはり、その重要性についてしっかり認識をしているということの私は意思表示だというふうに受け止めましたし、その中で、大臣、省全体として、統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止の徹底に努めると、こういう言葉も中にございました。全くもって、この大臣の言われた中身については、私は同意をしたいと思いますし、共有をさせていただければというふうに思います。
 大臣がそれほどやはり大きく扱われている案件でありますので、今日のこの厚生労働委員会、大臣所信の中で扱わないわけにはいかないと私思いましたので、今日はしっかりとこの点について、根本から正せるように、再発防止の徹底ができるように、そういった観点で今日は質疑をさせていただきたいと思います。
 先日の予算委員会でも私申し上げました。やはり肝は、とにかく今回の不正を二度と起こさないことだと思います。そのためには、徹底的な再発防止の中身をつくり込まなければいけないし、それを確実に行動に移していかなければいけない。その再発防止をしっかりとつくる上で必要なのが徹底した原因究明だと。徹底した原因究明なしに再発防止はつくれないということはこの間の予算委員会でも申し上げましたので、やはりこの観点を主軸にして、今日は何点か質問をさせていただきたいというふうに思います。
 それで、ちょっと冒頭、これまでの間、この特別監察委員会も立ち上がって様々な報告書が出て、国会の中でも様々な質疑が進んでいますが、それと並行して様々な団体からこの報告書の中身について厳しい意見が出されているところ、これは皆さんも御案内のとおりだと思います。
 総務省の統計委員会、あるいは日本統計学会、あるいは経済統計学会などという、真に第三者の立場の方々、学会などから厳しい意見、さらには、第三者委員会報告書格付け委員会という、これは任意団体ではありますけれども、こちらの評価においては、AからDの四段階評価においてFランクという、つまり評価に値しないと、それほど厳しい、この報告書に対する厳しい指摘と評価が行われているわけですが、こうした一連の厳しい評価と指摘に対する、まず大臣の受け止めを確認をさせていただきたいと思います。
#83
○国務大臣(根本匠君) 今般の事案や特別監査委員会の報告書について各方面から様々な御指摘を受けていることは承知しておりまして、御指摘は真摯に受け止めたいと考えています。
 統計監察委員会は、統計の専門家を委員長として、統計の専門家、元高等裁判所長官、弁護士などの民間有識者のみで構成され、報告書を一月二十二日におまとめいただきました。さらに、国会質疑での御議論を踏まえ、元最高検検事の方を事務局長に加えて、民間有識者で構成される事務局を設置するなど、中立性、客観性をより高めた形で、更に集中的かつ精力的に検証作業を行っていただきました。今般の事案の事実関係、関係職員の動機、目的、認識等、さらに責任の所在を明らかにすべく、追加報告をまとめていただきました。
 今回の報告書を踏まえ、厚生労働省として、統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止を徹底するとともに、私が先頭に立って、厚生労働行政の重みに対応したしっかりとした組織のガバナンスを確立していきたいと思います。
 また、統計委員会での統計技術的、学術的な検証についても、お求めに対して適切に説明していきたいと考えています。
#84
○礒崎哲史君 その答弁は今まで何十回も聞いていますのでもう要らないんですけれども、今その委員会のことで、また改めて統計委員会の委員長も務められた方をというふうに言いましたけれども、日本統計学会、経済統計学会、統計に関する専門家がつくられた団体です。その団体が駄目出ししているんです。分かりますか、大臣。それから、弁護士の方を入れたとおっしゃいました。第三者委員会報告書格付け委員会は、日弁連が作られた第三者委員会をつくる際のガイドラインに基づいて評価をされています。つまり、弁護士の皆さんが評価をしているのと同等の扱いになると言ってもいいんではないでしょうか。つまり、弁護士の皆さんが駄目出ししているんです。
 たとえどんな人を入れようが、その専門家の皆さんが集まった組織が駄目出ししているということ、このことについて大臣はどのように受け止めていますかということを私はお伺いをしているんです。今までの答弁を繰り返されても困ります。このことについてどう受け止めていますか。もう一度御答弁いただけますか。
#85
○国務大臣(根本匠君) それは、様々な指摘については真摯に受け止めたいと思います。
 しかし、特別監察委員会は、もう繰り返しになりますが、繰り返しになりますが、私は、中立的な客観的な立場で有識者として構成し、精力的に検証作業を行っていただいたと考えています。
#86
○礒崎哲史君 大臣、真摯に受け止めるというふうにおっしゃったんですが、真摯に受け止めて、何を真摯に受け止めるんですか。
#87
○国務大臣(根本匠君) 私は、特別監察委員会は中立的、客観的な立場で有識者で構成して、そして主体的にやっていただきましたから、そこはいろんな御意見はあるとは思いますが、我々は、特別監察委員会で事実関係、関係職員の動機、目的、認識、責任の所在、これを明らかにしていただいたと考えています。
#88
○礒崎哲史君 結局、何を真摯に受け止めておられるのかが分かりません、大臣。
 では、この点については言ってももう恐らく同じ答弁を繰り返されると思いますので、具体的なそれぞれの団体からの指摘について確認をしていきたいんですけれども。
 まず、総務省の統計委員会から指摘が今回出されています。この指摘も、まあ少なくともこの三つについてということで、まだまだいろいろと統計委員会としては御意見があるというふうにここの中には書かれていますけれども、これを見ますと、やはりもう一回再調査必要ではないのかなということが、私としては、この統計委員会の指摘、意見書を見た限りでは感じられるんですけれども、大臣、この再調査、やはりこの統計委員会の意見書に対して応えるために再調査が必要だと思いますけれども、その点についてのお考え、いかがでしょうか。
#89
○国務大臣(根本匠君) 今回の特別監察委員会は、事実関係、関係職員の動機、目的、認識、さらに責任の所在を明らかにする、こういう観点で厳正に調査をし、結果を報告していただいたものであります。
 一方で、統計委員会については、統計技術的、学術的観点、この視点で再発防止策やその必要性やその内容、要は、西村委員長の命によって総務省の担当室から厚生労働省へ要望書をいただきました。追加報告における再発防止策を前提として、統計的、学術的観点からの再発防止の必要性やその内容を聞くものとなっていると承知しております。
 厚生労働省としては、要望書への対応も含め、統計委員会での統計技術的、学術的な議論にはお求めに応じ誠実に対応しながら、その議論も十分に踏まえて、省を挙げて再発防止に取り組む決意です。
#90
○礒崎哲史君 大臣、少し総務省の統計委員会の指摘をちょっとスコープを狭め過ぎて見ていないですかね、これ。
 学術的に見てくれとか技術的に見てくれじゃなくて、そもそも、平成十六年の一月に行われた抽出はどういう学術的な見解の下にこういうことがなされたのかという、現場で実際に何が行われたのかということを明確にしてくれという言い方をしているんですよ。学術的にどうのこうのというのはそのときに使われている言葉ですよ。
 つまり、現場でどういう判断が行われて、それが何も明確になっていないから明確にしてくれということを言っているんですよ。そういうふうに、特にこの二つ目の指摘というのはそのことを言っていますよね。そういうふうに読んでいただけないでしょうか。
 何も今学術的な見解をもって今回の原因究明してくれと、そんなこと言っていないですよ。そもそもなぜこういうことが起きたのかという、学術的にどういうことが現場で話し合われたのか、そういうことすら一切調査がされていないということが問題だという指摘なんですけれども、大臣、どうでしょう。
#91
○国務大臣(根本匠君) まさに今回、平成十六年のときの、東京で全数調査としたものを三分の一に、抽出調査をした、なぜそういうことをやったのかと。これは、特別監察委員会において当時の職員からしっかりとヒアリングをしていただいて、どうしてこういうことをやったのか、行ったのかと、こういうことを特別監察委員会で厳正に調査をしていただきました。
 例えば、東京都の大規模事業について抽出調査に変更された理由、これは東京都に大規模事業所が集中し、これは、担当者がどうしてそういうことをやったのかということで、適切な復元処理をなぜやらなかったんだと。それは、担当者が三分の一にする、実はそれは、復元しなさいというのを企画担当係からシステム係に口頭で言ったけど、それが実は復元されていなかったという、これが事実ですから、そのときに精度が、全数調査にしなくとも精度が確保できると考えたということもここで明らかにされていますから。
 だから、統計委員会からすれば、何でここの、実際、具体的な制度設計、どうしてやったのかということを、どんな設計に基づいて抽出が行われたのか、これは私は当然の疑問だと思います。ただ、そのときの担当者の認識ですから、ですから、そこは学術的、統計的な観点についての問いについては我々も誠意を持ってお答えしたいと、こういうことであります。(発言する者あり)
#92
○委員長(石田昌宏君) 大臣、質疑者の趣旨に対して簡潔に明瞭に答弁をお願いしたいと思います。
#93
○礒崎哲史君 いや、ですから、大臣、これ三つ、少なくともこの三つについては真摯に答えてもらいたいということ、これが統計委員会からの意見書なんです。今のような答弁されていたら、これ統計委員会とも全く意見かみ合いませんよ。かみ合わなかったら、これ何にも物事前へ進んでいきませんよ。
 私、ここで大臣に難癖付けるために質問しているんじゃなくて、本当の意味で再発防止するためにどうしたらいいか、当時何が行われていたのかというのをはっきりさせたいからこういうことをお話をさせてもらっているんです。
 今のような大臣の答弁では、これ統計委員会と全く話かみ合いませんからね。是非、この後、統計委員会と、意見を求めたいということ、説明を求めたいということは意見書として出ていますから、本当に真摯に対応いただきたいというふうに思います。
 それともう一つ、別の団体、日本統計学会が再発防止を検討するための委員会を三月中に立ち上げるということを声明として出されました。
 これ、大臣、日本統計学会がつくられた再発防止検討のためのこの委員会が、厚労省に対して情報提供若しくはヒアリングをさせてほしいという対応の要請があった場合、厚労省としてお受けになりますか。
#94
○政府参考人(藤澤勝博君) 一月の二十八日に一般社団法人日本統計学会の声明が出されております。そちらの方では、再発防止策を講ずるに当たり、統計作成部局における統計教育の体系化による経験を蓄積できる体制の構築、それから統計法に基づく調査計画の詳細の公表などの点を中心に、専門的な立場から協力する旨の表明がなされているものと承知をしてございます。
 したがいまして、厚生労働省といたしましては、先般来大臣も答弁申し上げておりますように、猛省の上に立って、追加報告で御指摘をいただいた再発防止策にとどまることなく、また統計委員会での御議論なども十分に踏まえながら、省を挙げて再発防止に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
#95
○国務大臣(根本匠君) 日本統計学会の声明、これは、多少繰り返しになりますが、統計作成部局における統計教育の体系化による経験を蓄積できる体制の構築、統計法に基づく調査計画の詳細の公表などの点を中心に、専門的な立場から協力する旨が表明されているものと思っております。
 特別監察委員会の報告においても、再発防止策として、幹部職員を含め、職員に対する統計の基本的知識の習得や意識改革の徹底、統計法の遵守を徹底するとともに、調査計画を変更する場合の担当部署内の手続のルールの明確化などの点をいただいております。
 これは、猛省の上に立って、我々も、追加報告で御指摘いただいた再発防止策にとどまることなく、統計委員会での議論も十分に踏まえて、省を挙げて再発防止に取り組む決意です。こうした中で、日本統計学会の専門的な知見が必要になった場合には、是非御協力をいただきたいと考えています。
#96
○礒崎哲史君 だから、御協力の要請があったときに受けるんですかと聞いています。
#97
○国務大臣(根本匠君) 必要に応じて協力を求めていきたいと思います。
#98
○礒崎哲史君 求めていきますではなくて、求められたときに受けますかと聞いています。
#99
○国務大臣(根本匠君) これは統計の再発防止ですから、それぞれいろんな御意見があると思いますので、その様々な御意見については耳を傾けていきたいと思います。
#100
○礒崎哲史君 協力要請があったときに、厚生労働省として協力をするんですか、しないんですか、どっちですか。
#101
○国務大臣(根本匠君) 専門的な立場から協力する旨が表明されているものと承知をしておりますので、やはりここは専門的な知見が必要となった場合には是非御協力をいただきたいと思っております。
#102
○礒崎哲史君 御協力をいただきたいということは、厚労省の方から日本統計学会に相談をすると、そういうことですか。
#103
○国務大臣(根本匠君) 協力をいただきたいと思っております。率直な意見交換もしたいと思っております。
#104
○礒崎哲史君 意見交換の場は持ちたいということでありますので。
 大臣、これ、向こう側も、だから、日本統計学会も真剣なんですよ。真剣に何とかしたいと思っているんですよ。真剣に何とかしたいと思っている人たちのそうした要請だとか協力要請というものに対して、今こんなにやり取りしないと答弁が出てこないということ自体が私、問題だと思います。是非、大臣、もう一度その点、御自分の今の発言、後ほど振り返っていただきたいと思います。
 もうちょっと時間が全然なくなってきてしまったんですけれども、ちょっと一個だけ、最後にこれだけ聞きます。中飛ばしまして、終わりの方の質問にします。
 平成十六年一月からのデータ抽出が行われましたが、一般的に厚労省の中でこうしたデータ抽出のような統計の見直しが行われるときには、省内のルールとして、こういう手続を踏まなければいけないというようなルールというものはそもそも存在するんでしょうか。
#105
○政府参考人(藤澤勝博君) お答えを申し上げます。
 二月二十七日の特別監察委員会の追加報告書によりますと、平成十六年頃のことでございますけれども、当時適用のありました平成十九年改正前の統計法七条二項に基づきます総務大臣の承認が必要であったか否かは、承認の要否が個別の案件ごとに判断をされることから必ずしも明らかではなく、承認を得ずに変更したことが直ちに同法違反であったとは言い難いが、調査方法の変更という重要な事務について担当課限りで決定したこと及びこれを公表しなかったことは不適切な対応であったとされております。
 その後、平成十九年に統計法が改正されまして、二十一年から施行されておりますけれども、基幹統計調査において報告を求めるために用いる方法等の変更の際にあらかじめ総務大臣の承認を得なければならないこととされました。その後、平成二十三年に、地域別に異なる抽出方法を行わないことを意味する産業・規模別の層化無作為一段抽出という方法によって抽出を行うこと、また平成二十八年には、規模五百人以上事業所については全数調査を行うことについて調査計画に明記をし、承認を受けるという手続を行っております。
 なお、一方で、産業・規模別の抽出などの詳細につきましては、経済構造の実態を反映するために統計の作成者に委ねられているものと承知をしているところでございます。
#106
○礒崎哲史君 私は、ルールがあったかどうかだけですよ、聞いたの。何でこれ聞いているかといったら、ルールがなければ、ルールがないことが今回の根本的な原因かもしれないでしょう。ルールがあったのに守っていなかったんだったら、それが問題になるわけじゃないですか。ルールがあってそのとおりやったのにおかしいことになったんだったら、ルールがおかしいということになるじゃないですか。つまり、対策で何打たなきゃいけないかが全然変わってくるんですよ。
 だから、その根本的な問題として、ルールがそもそもあったんですかという初歩的な基本的なことを一個聞いただけですよ。何でそのことにもきちんと答えられないんですか。何の報告書ですか、今回の第三者委員会の報告書は。だから外部の人たちからこれだけひどい評価を受けるんですよ。Fランクになるんですよ。
 ということを改めて自覚をしていただきたいということを申し述べまして、私の質問時間が来ましたので、終わります。
#107
○足立信也君 国民民主党の足立信也です。
 去年の十二月と今年の二月に医政局から二つの、二通の通知が出まして、それが、死亡診断書記入マニュアル、これが変更されました。そのことについて質問します。
 まず、去年の十二月五日の死因等確定・変更報告の通知、これは決裁者は誰で、大臣はこの内容を御承知ですか。
#108
○国務大臣(根本匠君) 三十年十二月五日の医師による死因等確定・変更報告と取扱いについての最終決裁者は医政局長及び政策統括官であります。また、本通知については発出後にその内容の報告を受けております。
#109
○足立信也君 報告を受けているということですので、では、まず、これは局長でもいいのかもしれません、局内あるいは省内のどの会議でこれを決めたんですか。それから、大臣は承知しているということですので、大臣にお伺いします。この意義ですね、このことの意義。この二点、お願いします。
#110
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今委員御指摘の通知、先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、医政局長と政策統括官名で出しております。私ども、内部において担当者、そして私、最終、医政局長まで議論をさせていただいた結果として発出をさせていただいております。
#111
○国務大臣(根本匠君) 本通知は、医師法第二十条に基づいて、死体検案書等を交付した医師が死体検案書などを交付後、医師の判断により実施された解剖、薬毒物検査、病理組織学的検査の結果等により死因などを確定又は変更した場合に、速やかに厚生労働省政策統括官付参事官付人口動態・保健社会統計室に対し死因等を確定又は変更した旨を報告することを定めたものであります。
 こうした報告によって、当初死因不詳等として交付された死体検案書などを基に作成された死亡統計が、解剖、薬毒物検査、病理組織学的検査の結果等を踏まえた内容となって、我が国の死亡統計がより正確になることが期待されていると考えています。
#112
○足立信也君 私、これ大変意義深いものだと思います。我が国の死因統計そのものが非常に精度が悪かったわけでして、私はこれは評価します。
 最初にいいことを言って、あとは徹底的に議論したいと思います。医師法二十一条の解釈変更通知、この件です。これは決裁は医事課長ですが、まず、大臣はこの内容についても御承知ですか。だとすれば、承知であるならば、以降の質問は全部大臣になりますが。
#113
○国務大臣(根本匠君) 二月八日付けの医師による異状死体の届出の徹底についての最終決裁者は、医政局医事課長であります。また、本通知については、委員の通告があって、今日その内容の報告を受けました。
#114
○足立信也君 じゃ、報告を受けてきちっと理解されているかどうかの質問になってしまうかもしれませんけれども、これは医事課長決裁。
 まず、先ほどの質問、これは局長でも結構です。どの範囲のどの会議体でこれ決めたんですか。どの会議体を用いて決めたんですか、あるいは課内だけの話ですか。
#115
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘いただいた通知は、医政局医事課長の名前による通知でございます。ただ、私ども、この課長通知を発出するに当たり、当然ながら担当課においての議論を行っておりますけれども、私はその上司として、こういう課長通知を発出したいという報告を受け、中で議論をし、その上で課長通知として発出することについての了解をしております。
 ただ、今、中というお話をされました点でいえば、私ども厚生省外の人間と会議体などを用いて御議論をいただいた結果ではございません。実務的に私どもの中で検討をさせていただいたものでございます。
#116
○足立信也君 皆さんのところに資料が行っていると思います。この一の内容です。
 これ、後々私の質問で大事になってくるところは、まず、「死因究明等の推進につきまして」と書いてあることです。それから、三行目のところに「薬物中毒や熱中症」という具体の例が出ているということです。それから、「記」よりも下のところに「死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況等諸般の事情を考慮し、」というのが書かれてあると。これが後々ポイントになってくることですので。
 じゃ、今現在どうかといいますと、これはもう皆さんは御存じだと思いますけれども、この二十一条の解釈というのは、二〇〇四年、平成十六年の最高裁の判決でこれが判例となっていて、これは、検案というのは、外表面から医師が死体を検査して、異状があればその時点が出発点となって二十四時間以内に警察署に届け出ると、こういうふうになっているわけですね。現場はどうかといいますと、まず、警察へ届け出た方がいいもの、あるいは届け出なければならないものというのを区別して対応しているんです。当たり前のことだと思います。現状はそうやっているわけです。
 この通知を見て、これはおかしい。これ、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況等諸般の事情を考慮し、医師法第二十一条に基づき届け出ることになっているわけです。これは判例とはまるで違う。これはおかしいと思います。おかしいと思ったものは全て届け出る義務があるわけです、罰則付きの。そうなっているわけです。全く最高裁判決、判例に反していると私は思いますよ。
 先ほど、礒崎さん、それから石橋さんもやられましたが、毎勤統計や賃金構造基本統計、これ統計の問題。統計というのは、ある人の言葉を借りるとタコつぼであって、全く外からも目が届かないというようなことを言いますが、私は、それだけじゃなくて、これは、厚労省は遵法精神に欠けているんだと思いますよ。判例に基づいてこれまでいろいろ議論して、マニュアルまで変えてきたわけですよ。それをいきなり課長通知でひっくり返してしまうということがあるんでしょうか。非常に私は危険性を感じます。
 具体の内容に入っていきますが、これ、先ほど私、例を挙げましたが、薬物中毒や熱中症によると、こう書いていますね。これは、死因の種類としてはどこに分類されるんですか。
#117
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 薬物中毒、熱中症という表現をさせていただいておりますが、死亡の原因であるところの死因の種類、これは十二種類でございますが、その死体検案等を行っています医師が個別具体的に判断する性格だというふうに思っております。
 その上で、例えばということで申し上げますと、死因の種類については、その死亡の原因が例えば薬物中毒である場合に、過って薬物を過剰摂取して死亡した例では不慮の外因死のうちの中毒ということが考えられると思いますし、例えばでありますが、自ら命を絶つために薬物を過剰摂取した例では自殺ということになる。
 いずれにいたしましても、医師が個別具体的に判断した上で死亡検案等において整理をされるものというふうに私どもは理解をしております。
#118
○足立信也君 これ、死亡診断書記入マニュアル、今申し上げた薬物中毒や熱中症は外因死に入るんです、外因死。
 資料の二を御覧ください。これ、平成二十七年度に、一番下にありますね、外因による死亡又はその疑いのある場合に二十四時間以内に所轄警察署に届け出るというのを削除したんですよ。削除したんですよ。もう一つが、異状のところが上から二段目にあります。ここも削除したんです。これはこの後行きますからね。
 私は、ちょっと振り返りますと、当時、二〇〇七年、八年辺り、医療崩壊という言葉が本当に広く流布しましたね。私は、その原因は、まずは医療費抑制策、それから医療人材を抑制していこう、医療費亡国論ですね。それと、医療訴訟問題に警察の捜査が端緒になっていること、このこと。そして三つ目が、私は、医療を提供する側と受ける側のリテラシーの違い、ギャップ、ここにあるということで、この問題は大きく取り上げられて、特に警察の関与が医療訴訟問題の端緒になっていると、このことですよ。
 皆さん、大野病院事件のことを御存じだと思いますが、これは事故報告書が端緒だったわけです。医療崩壊を食い止めるために、医療事故調査制度を訴訟の端緒にするのではなくて、あくまでも医療安全、再発防止のためにつくると。これは、恐らく与野党を問わず皆さん強い決意で臨んだはずです。
 そこで、医師法二十一条は、これは診療があったかなかったかは関係ありません。医療現場に警察がいきなり逮捕状を持って乗り込むことのないように、二十一条の解釈を判例に基づいて忠実に行うことが最低限の必要条件だったんですよ。そのことで、先ほど資料二に申し上げた死亡診断書記入マニュアルを変えようじゃないかということを、私、再三にわたって質問してきたんです。
 今、死因究明等推進基本法で診療関連死とそれ以外を切り分けることが、あのときやりました、これも前提条件でした。切り分けたので、警察の捜査が端緒にならない、訴訟の端緒にならないということに診療関連死にとってなったわけですよ。そのことが極めて大事。
 しかし、死亡診断書記入マニュアルは、最高裁判例とは異なった内容だったんですよ。それが先ほどもお示ししたこの資料二の二十六年度分の内容ですよ。だから、その二項目を削除していったんです。この削除によって、私どもが判例を基に変えていったということは繰り返しますが、二十一条の検案という概念は、解釈は、外表面から医師が死体を検査することだと、そして異状があったら、そこから二十四時間以内に警察に届け出るんだと、これは義務だと、罰則付きのですね、そういうことです。
 この資料の二の病理学的のところの二段目、異状とは病理学的異状ではなく、法医学的異状を指しますということは、そしてその後、法医学会が定めている異状死ガイドラインも参考にしてください。これは間違っているということで、前半部分は、当時の原医政局長もそのように答弁されていますけれども、ここは、法医学会が定める異状死ガイドラインと、二十一条に言う異状は全く別の概念だという答弁も得られて、医師法二十一条問題は整理されて、医療事故調査制度が警察捜査の端緒ではなくて純粋に医療安全、再発防止の仕組みとしてつくられたわけですよ。これが今までの経過です。
 じゃ、大臣は報告受けましたということですので、お答えは難しいかもしれません。今回通知を出した、変更した、この意味は何ですか。
#119
○政府参考人(吉田学君) 今委員、経緯も含めて御指摘をいただきましたので、少し私どもも経緯を含めて御答弁させていただきたいと思います。
 まず、先ほど委員お示しいただきました資料の中での法医学会のガイドラインの例も含めて御指摘をいただきました。今御質問の中でも引用されましたように、これにつきましては、平成二十六年六月の当時参議院の厚生労働委員会で、時の政府参考人から、この法医学会の異状死ガイドラインについては、異状というのはかなり幅広いものとして捉えておるということを申し上げ、法二十一条の異状と同じ異状という意味でも中身は違うと解釈しておりますという整理を私どもの方から申し上げております。
 その上で、今回の二月八日に出しました医事課長につきましては、今資料でお配りいただいておりますように、検案するに当たっては、死体外表面に異常所見を認めない場合であっても、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況等諸般の事情を考慮し、異状を認める場合に、二十一条に基づき届け出ることを明らかにしたものでございますが、これは、これまで、二〇一二年十月二十六日の医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会において、当時、私どもの医事課長が、基本的には外表を見て判断するということですけれども、外表を見るときに、そのドクターはいろんな情報を知っている場合もありますので、それを考慮に入れて外表を見られると思いますというふうに発言をしております。
 また、二〇一四年六月十日の参議院厚生労働委員会におきまして、当時の厚生労働大臣から、この医事課長発言を引用する形で、我が省の担当課長からこのような話がありました、死体の外表を検査し、異状があると医師が判断した場合には、これは警察署長に届ける必要があるというふうに答弁をさせていただいておりまして、今般発出させていただきました二月八日の通知につきましても、これまで私どもとして示しておりました解釈と同趣旨の内容のものを確認として改めて示したものというふうに整理をさせていただいてございます。
#120
○足立信也君 全く違う。罰則付きの二十一条の届出義務に入るわけがないじゃないですか。
 先ほど私、最高裁の判例で言ったのは、外表異状説と一般的に言われています。この今説明があったこと、先ほどの法医学会の異状死のガイドラインの異状と二十一条の異状は全く別の内容だ、これは原医政局長ですね。そのとおりです。別なんですよ。しかし、このガイドラインに、同じような、死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況、身許、性別等諸般の事情を考慮というのがあるわけですよ。だから、これを削除したんですよ。外表異状、それが何よりも大事なんだと。
 そこで、今回の内容ですが、これは、今私が申し上げたのは経過異状説といいますけど、一九六九年、四十四年ですね、昭和四十四年、万博の一年前です。私、小学校六年生ですがね。東京地裁の八王子支部の判決にある文章と極めて似ているんですよ。そこ、申し上げますよ。先ほどの資料の通知の「記」の下のところを見てほしいんですが、八王子の支部の判決です。死体が発見されるに至ったいきさつ、死体発見場所、状況、身許、性別等諸般の事情を考慮し、ほとんど一緒じゃないですか。この文章は、この判決を引用したんですか。
#121
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今般の二月八日の通知につきましては、私ども、この東京地裁の判決を引用したというものではございませんで、先ほど御説明申し上げましたように、これまでの医師法第二十一条について、厚生労働省として法解釈を示したものを改めて確認をさせていったものというふうに整理をしてございます。
#122
○足立信也君 それは、判例に異論を唱えたということですか。
#123
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 判例に意見をというお話でございますが、今御指摘をいただいております判例とおっしゃいますのは、都立の広尾病院事件の平成十六年の最高裁判決を先ほど来の御質問の文脈からしておっしゃっているというふうに思います。私どもとしては、この広尾事件の十六年の最高裁判決、医師が異状を認めるか否かを判断する際の考慮事項、今回、二月の私どもの通知が示したものは──失礼しました。ちょっと整理して申し上げます。
 今回の二月の私ども医事課長においてお示ししたものは、医師が死体を検案するに当たって異状を認めるか否かを判断する際に考慮すべき事項を示したものというふうに思っております。広尾事件の最高裁判決、十六年判決は、医師が異状を認めるか否かを判断する際に考慮すべき事項を示しているものではなくて、私どもとしては、今回の通知がこの最高裁判決の判示内容と矛盾するものとは考えてございません。
#124
○足立信也君 考慮すべき事項を書いたんだと、そこがどうして医師法第二十一条に基づき罰則付きの警察署に届け出る条件になるんですか。
 経過を言いますよ。先ほど私は経過異状説と申し上げましたが、八王子の支部の判決ですね。これは、その後もずっとこの説を唱える人がいます。実は、今、広尾病院の事件のことを吉田さんはおっしゃいましたけれども、地裁ではこれを採用しているんですよ、医師法二十一条違反。しかし、控訴されて、東京高裁でそれは棄却されているんですよ。この法律の解釈からいって、経過異状説は取らない。そして、それを踏襲した最高裁の判決で判例になっているわけですよ。そういう経緯があるわけですね。
 今回のこの通知、そして死亡診断書記入マニュアルに書いてあることは、まさにこの経過異状説に戻っている感じなんですよ。考慮する、考慮するじゃないですよ。これに基づいて、その結果、届け出なかったら医師法二十一条違反ですと書いてあるわけですよ。それは違いますよ、全く。
 これは、そのことを経過異状説と先ほど申し上げました。八王子判決から続く経過異状説ではなくて、外表異状だという形を二〇〇四年の最高裁の判決でなった。厚労省はそれを守るべき立場ですよ。あるいは、今までの経過異状説をいまだにおっしゃる方はいるけれども、それを正す立場ですよ。その結晶が、田原課長の先ほどの発言であったり、それから二〇一四年の田村大臣の発言じゃないんですか。そうやって守ってきたんじゃないんですか、その判決を、判例を。それを自ら壊している。しかも、医事課という非常に狭い範囲内で突然出てきた。
 これ、先ほど八王子支部判決を引用したものではないとおっしゃいました。これは、じゃ、厚労省の職員がこのことを、一々この文言をひねり出したんですか、そういう意味ですか。
#125
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、重ねて申し上げておりますように、私ども、今回のこの課長通知におきましては、今、この今回の御質問でも引用いただきました、私どもとしての、二〇一二年における当時の医事課長あるいは二〇一四年における当時の大臣の発言内容を踏まえた同じ趣旨の内容として今回の通知を出しているということを申し上げさせております。
 その上で、個々の具体的な文言につきましては、最終的に部内において検討する過程においてこの表現を取らせていただいたというふうに御理解いただきたいと思います。
#126
○足立信也君 昨日の衆議院で橋本さんの質問でも同じものだと強調されて、そこで時間切れみたいな感じになったとすれば、聞きますよ。
 判例に沿って私は確認したいと思います。検案とは死体の外表面を医師が検査することである、それでいいですか。
#127
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まさに委員御指摘の都立広尾病院事件の最高裁平成十六年の判決におきまして、医師法二十一条に言う死体の検案とは医師が死因等を判定するために死因の外表を検査することをいい、当該死体が自己の診察していた患者のものであるか否かを問わないというふうに判示をされているというふうに承知をしてございます。
#128
○足立信也君 検案とはそういうことだと。
 それで、資料の三番目に今回の変更のものが出ているわけですが、下の四角のところを先ほどから申し上げている、その内容ですね。ただ、二十一条に言う検案とは、今申し上げた、外表から医師が検査することだと。
 じゃ、届出義務の発生は、今申し上げた検案をして異状を死体に認識した時点、最高裁の判決はそうだと思いますが、それはそれでいいですか。
#129
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、医師法の二十一条の条文そのものに、異状があると認めたときは届けなければならないとなっておりますし、その上で二十四時間以内ということでございまして、その起算点は、死体を検案して異状があると認めたときということだと思います。
 委員御指摘の都立広尾病院事件の平成十六年の最高裁判決においては、異状死体の届出義務の起算点にする解釈そのものは判示されてございませんが、その最高裁判決において維持された、先ほどもおっしゃっていただいた控訴審判決、平成十五年の東京高裁の判決におきましては、起算点について、厚生労働省と同趣旨の解釈を取った上で事実認定がなされているというふうに私どもとしては認識してございます。
#130
○足立信也君 その検案も届出も今までと解釈同じですね。
 じゃ、異状とは異状死体のことである、それでいいですか。
#131
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 異状死体といういわゆるその言葉につきましては、医師法二十一条に言う異状を認める死体というふうに解されるというふうに思います。ここで言う異状とは死因等の異状であるというふうに考えます。
#132
○足立信也君 解釈はそのまま踏襲しているけれども、医師法二十一条の解釈変更の通知を出して、そして死亡診断書記入マニュアルまで変えたということなんですよ。それがどういう意図を持っているのかという話なんですよ。
 じゃ、最高裁の判決で、これ、全国民が憲法によって保障されている自己負罪拒否権、当然、自分に不利なことは自分から発しなくてもいいということですが、二十一条には当然のことながら、先ほど申し上げているように、診療関連死も含まれます。当然、診療があろうがなかろうが関係ない、含まれます。
 であるならば、医師の自己負罪拒否特権にどのように配慮した判決なんでしょうか。
#133
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 委員御指摘の自己負罪拒否特権は、これ、憲法上の権利、憲法三十八条一項に由来し、何人も自己に不利益な供述を強要されないというところから導き出されるものというふうに承知をしておりまして、医師のみならず、何人に対しても配慮されるべき重要な権利であるというふうに思っております。
 都立広尾事件判決、最高裁の平成十六年の判決におきましては、医師法二十一条とこの自己負罪拒否特権との関係性について、死体を検案して異状を認めた医師は、自己がその死因等につき診療行為における業務上過失致死等の罪責を問われるおそれがある場合にも、本件届出義務を負うとすることは、憲法三十八条一項に違反するものではないと解するのが相当であるというふうに判示をされていると承知をしてございます。
#134
○足立信也君 これ、その中に、私が思うのは、含まれているのは、やはり検案は外表からの検査を医師がしたときであってという、このことの中に、今までの診療経過等々については、いきさつ、状況を勘案しというものが、そこで自己負罪拒否特権の形で私は外表の検査に限定されるんだというふうに、免除されているんだと、私はそう解釈していますよ。じゃないと成り立たないですね。なぜ医師だけが自分に不都合あるいは不利なことも全部やらなきゃ、届け出なきゃいけないのかということになってくるわけです。そこに外表異状説というものがちゃんとそこを担保しているということなんだと、私はそう解釈しています、ずっと。私はその解釈に余り間違いはあるとは思えないんですけど。
 じゃ、先ほどから出ています、この解釈は変わっていないと言いながら、これ、実は私、このことを知ったのは日本外科学会からの個人へのメールなんですよ。こういう通知が出ましたから皆さん気を付けてくださいと。その通知が、実はこれ、全国の医療機関、学会、警察、それから刑事局、法務省の。そしてこれ、臨床研修をやる人にとっては、死因究明の基本計画の中で、この死亡診断書記入マニュアルについてしっかり研修すると書いてあるわけです。だから、この記入マニュアルを私は変更する必要があるとずっと言い続けて、変更されたわけですよ。その研修機関の医療機関まで全部通知が行っているんですよ、今、あっという間に。この通知がそれだけ行っているとなったら警察だって動きますよ。当然、刑事局だって、ああ、そうか、こういうふうに変わったのか、誰もがそう考えるじゃないですか。
 これ、実は似ているなと思ったのは、外科学会からのメールが来ました、でも、私が属している癌学会や癌治療学会や消化器外科学会からは来ていない。これ、死因究明の大綱案、二〇〇八年、あのときの賛否に非常に近いなと感じましたよ。大綱案に比較的賛成の人の方からメールが来ていて、これはけしからぬという人からはこの通知は私には来ていないですね、現時点では。
 これは一体誰の要請かという話なんですよ。医事課の内部だけで考えて、文言まで考えて、判決は参考にしていませんと言い張るけど、一体誰の要請なんですか、これは。それが非常に私は気になる。
 また、今、死因究明等推進基本法、あるいは医療基本法ということが言われているけれども、私はセットでこれが動いているような気がしてならないですよ。どんどん警察へ届け出る死亡届、これをまず増やしていこうという流れになっているんではないかと極めて私は懸念します。
 これ、先ほども言っているように、死因究明等推進基本法の前提が崩れる話なんですよ。この二十一条の解釈を変えると崩れちゃうんですよ。私、一歩も前に進めないんじゃないかと思いますよ、このまま放置したら。
 そこで、今回の通知の最大の間違いは、医師法二十一条に基づく罰則付きの警察への届出義務を勝手に広げたことですよ、勝手に。それは最高裁判決と違う内容である。そして、そのことを学会や医療機関、警察、刑事局、教育機関、臨床研修機関に送り付けている、そういうことなんですよ。これは私は大変なことになると実は思っていまして、医療崩壊再びという可能性だってありますよ。すごいことをやったなと、びっくりしているんですけど。
 これ、じゃ、吉田さん、答えられる中で、本当に厚労省の内部だけで考えたことなんですか。どこかからの要請があったんですか。正直に答えてくださいよ。
#135
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 委員の御質問、三点あったかと思います。
 まず一つ、端的に、今回の通知に至りました端緒といたしましては、委員お示しになりましたこの通知にもございますように、近年、死体外表面に異常所見を認めない場合は所管警察署へ届出が不要であるとの解釈、これはいろんなところから私どもの担当課の方に、そういう情報があるのではないかというふうに寄せられたものというふうに承知をしておりますが、その解釈により、薬物中毒や熱中症による死亡等、外表面に異常所見を認めない死体については所轄警察署へ届出が適切になされないおそれがあると、これは私どもとして懸念が指摘を受けているという事実があり、そういうことも踏まえて今回の通知に至ったというのが経緯でございます。
 また、重ねて申し上げますが、今回の通知、先ほど来引用いただいておりますように、これまで厚生労働省として示しておりました医師法二十一条に関する解釈については変えるものではなく、同趣旨のものとして改めて明らかにしたこと。
 そして、いろんなところにこの通知が一斉に送付をされた云々という形での御指摘をいただきました。正確にちょっと確認をしなければいけないのかもしれませんが、通常、私ども、この辺りの通知、解釈を示す場合には関係方面との情報共有を的確に行うためにいろんなところに情報共有をさせていただいているという、通常の従来からの行政運用の中で、今回の通知についても関係方面にお届けしたというふうに私どもとしては理解をしております。
#136
○足立信也君 前段部分のことは、私は大きな間違いだと思っていますよ。今現場はどうしているかと、冒頭、私、話したじゃないですか。
 届出義務を負っている医師法二十一条の警察への届出と、これは、亡くなった原因に何かおかしいと思って、これは検視に協力するためにしっかり警察へ届けようと、この二つがあるんですよ。その今私が申し上げた後者の方が概念的なものとおっしゃりたいわけでしょう。これは、調べた方がいいんではないかと、亡くなった原因をね、警察に協力しながらという話ですよ。それと、医師法二十一条に基づいた罰則付きの届出義務とは別だということですよ。
 だとしたら、二つ方法があると思います。一つは、今までの解釈と変わらないんだったら、変わらないんだったら、この通知は撤回すべきですよ。これが一点。二点目は、罰則付きの医師法二十一条に基づく、死体の外表を検査して、そして異状があると認めたときは警察に届け出るというものとは別に、国民が、みんなが負っている、これはおかしい、何かの犯罪に関係しているのではないか等は、国民の皆さんみんな届け出るわけじゃないですか。医師だってみんな同じですよ。おかしいと思ったら届け出るわけですよ。
 そういう、例えば児童虐待防止法、皆さん協力していろいろ作ったじゃないですか。これ、国民に対する通告義務というのがあるわけですよね、六条に。そして五条には、学校や児童福祉施設、病院関係者は特に早期に発見する可能性があるから、努力義務が課されているわけです。
 つまり、国民全体に当然のことながらこれはおかしいから届け出るべきだという内容のものと、これは医師の罰則付きの義務として届け出なければいけないものというのをしっかり書き分けるべきですよ。それがないから、皆、また元の議論に戻っちゃったわけですよ。
 今、二点申し上げました。解釈が何も変わらないんなら撤回すべきであるというのが一点。これは大臣しか答えられないかもしれませんよ。次は、これは、死因をはっきりさせるため、あるいは犯罪がそこに隠れている可能性があるから警察に協力をしてしっかり届出をやろうというものは別建てでそういうものを規定する。この二つだと、どっちかだと思いますよ、あるいは両方かもしれない。その点についてはどうお考えになりますか。
#137
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、今回の二月八日にお示しをいたしました私どもの医事課長通知を撤回しろという御提案でございますが、先ほど来申しておりますように、私どもとしては、従来の解釈を変えるものでない中で、先ほど引用させていただきました、近年云々という形での届出が適切になされないおそれがあるとの懸念の指摘を受けて私どもとして判断をさせていただいたものでございまして、この趣旨については、本日御質問いただきましたように、いろいろな機会を通じて私どもとしてもきちっとこの趣旨について御説明をすることの努力はさせていただきたいと思いますけれども、この通知を撤回するという考え方は今のところは考えてございません。
 また、二つ目の御提案としていただきました、罰則のない報告努力義務といいましょうか、別の形での、いろいろな異状と思われることがあった場合に通報するといいましょうか、情報を提供するような仕組みというものについては、その規定、そういうのを法律上設けることに関しての必要性、あるいは社会情勢の変化、医療現場の状況等を総合的に勘案した上で慎重に考えるべき御提案というふうに受け止めさせていただきたいと思います。
#138
○足立信也君 今撤回しないと、えらい明言、思い切っちゃったことを言いましたけど、大変なことをはらんでいると思いますよ。先ほど連携のこと、これから私調べますからね。それはもう一回しっかりやろうと思います。
 吉田さんは医系ではないからだと思う、現場はどうしているかということを分かっていないんですよ。届出義務が存在するものは届出していますよ。しかし、これは明らかに明確に病死じゃないと判断されない、されなかったものは届けているんですよ、実際。それを罰則のある届出義務だとしてしまう、二十一条に基づいてと書いてしまうのが大きな問題だということを申し上げているわけです。
 この問題は早急に対応しないと、もうかなり現場も混乱していますから。そのことを申し上げて、質問を終わります。
    ─────────────
#139
○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、小野田紀美君及び中野正志君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君及び木村義雄君が選任されました。
    ─────────────
#140
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 東京都渋谷区の児童養護施設若草寮で施設長の大森信也さんが、この施設に高校卒業まで暮らしていた男性に刺されてお亡くなりになりました。大森さんは、施設の子供たちのお父さんのような存在でした。本当に残念でなりません。心からお悔やみを申し上げたいと思います。
 今回の事件によりまして、子供たちが施設を出た後いろんな課題を抱えているということが改めて明らかになりました。子供たちのほとんどは十八歳になると施設を出ます。大人になる準備ができていなくても自立しなくてはならない、家も仕事も自分で何とかしなければならない、施設を出た途端、失敗は許されない、全て自己責任と、そういうプレッシャーを抱えて、苦しくても声を上げられないと。借金、ホームレス、そうした困難を抱えているケースは少なくありません。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
 今回の事件の加害者も、施設を出た後に会社に一旦は就職したんですが、独り暮らしを始めたんですけれども、約一か月半で退職しています。その後も別の仕事に就いたけれども長続きはしなくて、ネットカフェなどを転々としていて、逮捕時の所持金は数百円だったと報じられています。
 施設に恨みがあったと供述しているということでありますけれども、私は、施設にしか行き場がなかったんじゃないかと思います。今回の事件で彼がしたことは決して許されることではありません。しかし、なぜ彼がこうした事件を起こしてしまったのかと、こうしたことを私たちは深く考えなくてはいけないと思います。
 施設を出る前に社会で自立していく力を身に付けなくてはなりませんけれども、施設で全部教えられるわけではありません。だからこそ、施設を出た後の支援、アフターケアが不可欠なんです。しかし、現状の施設の人員体制では無理です。マンパワー不足で現にいる子供たちの対応に追われていて、施設を出た子供をきめ細やかに支援する余力はありません。
 施設を出る前、また出た後に施設においてきめ細やかな支援ができるように自立支援担当職員を置くなど、施設における人員体制の強化を早急に図っていただけないでしょうか。
#141
○副大臣(大口善徳君) まずは、亡くなられた施設長には心より御冥福をお祈りいたします。
 児童養護施設を退所される方々が円滑に社会生活を送ることができるよう、継続的に支援することは重要である、これ、委員御指摘のとおりであります。このため、児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業や社会的養護自立支援事業などを実施をしています。
 一方で、施設関係者からは、退所後の支援を丁寧に実施していくためには職員体制の強化も必要と聞いております。現状では、施設に自立支援を専任で担当する職員は配置されていません。児童養護施設等に入所する子供たちは、虐待などの理由で保護者から支援を受けづらい状態にあります。こうした子供たちにしっかりと寄り添いながら丁寧な支援を行っていくことが必要であると考えております。そのためには、児童養護施設等の自立支援体制の強化が必要であります。例えば、施設の自立支援を専任で担当する職員を配置するといった、そういう体制の強化が必要だと思います。財源確保と併せて、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
#142
○山本香苗君 是非、それをまずやっていただきたいと思います。
 ただ、施設や、また里親さんが支援を抱え込むようなことがあってもならないと。そういう意味で、平成二十九年度から社会的養護自立支援事業というものを実施しております。実施状況を教えていただけますか。
#143
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 委員御指摘の社会的養護自立支援事業の平成三十年度の実施状況でございますけれども、児童相談所を設置する六十九の自治体のうち、五十六の自治体、三十七都道府県十九市で実施されております。この事業には五つの支援メニューがございます。
 それぞれの支援メニューごとの実施状況を見ますと、まず支援を統括する支援コーディネーターの配置については二十七の自治体、それから措置解除後の居住費支援につきましては四十一の自治体、それから措置解除後の生活支援につきましては四十二の自治体で、生活相談、これにつきましては四十の自治体、二十七都道府県十三市、それから就労相談につきましては十八の自治体、十二都道府県六市で実施されております。
#144
○山本香苗君 今御説明いただきましたとおり、この事業には五つのメニューがあると。その中で、全く一つのメニューもやっていないという都道府県が十あります。生活相談支援、一番大事なところでありますけれども、これを実施していないところが二十もあります。生活相談ができる場所が都道府県の中に一か所もないと、これは直ちに解消していただきたいと思います。具体的に手だてを講じていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#145
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、全ての地域で児童養護施設の退所者の自立支援に向けた支援策、特に生活相談が実施されることが重要であるというふうに考えております。
 昨年七月には都道府県等に対しまして、二〇一九年度中に策定する社会的養育推進計画の中で、社会的養護自立支援事業の実施時期あるいは実施メニューを盛り込むよう依頼いたしました。また、この三月一日に開催されました全国児童福祉主管課長会議におきましても、社会的養護自立支援事業の積極的な実施をお願いしたところでございます。
 一方で、実は退所後の生活相談につきましては、実施する適当な民間団体が見付からない等の課題も指摘されております。先進事例といたしましては、地域若者サポートステーション、これは全国で百七十五か所ございますけれども、これを社会的養護自立支援の生活相談と同一の方針で行っているものとして、広島県、神戸市の例がございます。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
 こういった地域若者サポートステーションを運営している団体の活用など、先進的な事例を都道府県等に紹介していくことなどを通じまして、全ての地域で事業を実施されますよう支援してまいりたいというふうに考えております。
#146
○山本香苗君 今、広島と神戸のことをおっしゃっていただきましたが、実は大分県では今年度からおおいた青少年総合相談所というものを開設をして、施設等を巣立つ子供たちに対する生活相談、就労相談を行う児童アフターケアセンターおおいたに加えて、今おっしゃっていただいたような不登校や引きこもり、ニート等の支援を行う青少年自立支援センター、もう一つがサポステですね、大分におけます地域サポートステーションのこの三つの機能を一か所で集約して、生きづらさを抱えている若者を全体で支援するという、こういった形を取っております。
 どうしても児童福祉というとその分野の中で対応しようとしがちなんですが、大分県のように、分野を超えて、そして関係する機関が連携して一体となって支援することによって支援ツールは増えるわけです。そして、状況によって柔軟にいろんな支援ができる、適切な、かつ多様な支援ができるわけで、是非こうした好事例を紹介しつつ、各都道府県における積極的な対応を促していただきたい。適切な団体がないなんてあり得ませんから。
 しっかりとその点を促していただきたいと思いますし、また、退所後の自立支援における児童相談所の役割も大事なんです。大事なんですが、里親さんが、巣立った里子さんから相談を受けたときに児童相談所に相談をしたら関与を断られたという話をよく伺います。児童相談所にこの自立支援の担当の方を置いていただくのが、もうそれが一番理想的ではあるんですが、それができなくても、少なくともそういった生活相談支援をやっているところにつなぐとか、最低限情報提供ぐらいすべきなんです。児童相談所がやらなくてどこがやるんですかと思うわけでありまして、是非この点も含めて、退所後のこの支援の体制強化を是非とも図っていただきたいと思います。
 ちょっと具体的に聞いてまいりますが、平成三十年度の第二次補正予算で、先ほど副大臣もおっしゃっていただいた、児童養護施設退所者等に対する自立支援貸付事業の貸付原資、これが二十・三億円積み増しになりました。この事業は、施設を出て就職する場合は二年間の家賃、そして進学した場合は在学期間中家賃と生活費を貸し付けて、その後五年間就業継続すると返還免除をする、そういう仕組みであって、今この施設を出た後の進路を支える極めて重要な施策となっております。
 しかし、運用面で問題が生じております。といいますのも、貸付期間が終わった後の就業継続期間に仕事を失った場合は、就職活動をしていれば就業継続とみなすということは見解としてはっきり示されているんですけれども、この貸付期間中に離職をした途端に貸付けが打ち切られそうになったことがありました。このケースは、幸い離職したその日に就職が決まったので、就業継続とみなされて打ち切られなかったんですが、これが例えば、貸付期間中に仕事を失った途端に収入が途絶えますよね、途端にこれは貸付けも打ち切られて家も失っちゃうわけです。その上、借りたお金も返さなくちゃいけなくなると。これじゃ借りたくても借りれなくなっちゃうと。
 この事業の趣旨は、自立支援の促進であります。ですので、貸付期間中において離職したとしても求職活動をしている場合は直ちに貸付けを切らない、中退した場合であったとしても、例えば求職活動など、就職しようと、自立しようと、そういう努力をしている場合は打ち切らない、こうした運用にしていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#147
○政府参考人(浜谷浩樹君) 委員御指摘のとおり、児童養護施設退所者等に対する自立支援資金貸付事業につきましては、現行では、貸付期間、就職者二年間、大学等進学者四年間でございますけれども、この期間中に離職又は退学した場合には一律に貸付契約が解除され、返還を求めることとなっております。
 一方で、御指摘のように、貸付期間中に企業側の事情によりまして離職せざるを得ないケース、あるいは経済的な理由により大学を中退し働かざるを得ないケースもあると聞いております。したがいまして、こうしたケースにつきましては、求職活動を行っている間は、半年間に限りでございますけれども、貸付けを継続するなどの運用改善を図る予定でございます。近日中にも各都道府県にこの改善についてお示しをしたいというふうに考えております。
#148
○山本香苗君 ありがとうございます。
 次に、文部科学省に来ていただいておりますが、二〇二〇年四月から高等教育無償化を実施するための法律案、今日から衆議院でという話でありますけれども、施設の子供たちの進学を大きく後押しするものとして大変期待が高まっております。
 そこでお伺いしますが、申請に当たって親の同意が必要とされておりますが、施設等に入っている場合は施設長の同意でよろしいんでしょうか。施設を退所した子供が先ほどの自立支援貸付けを利用しながら今回の新たな支援を利用することは可能なんでしょうか。また、児童養護施設や里親の元で生活している子供たちは、自宅外生と自宅生のどちらに位置付けられることになるんでしょうか。施設の子供たちの立場に立って御説明いただけますか。
#149
○政府参考人(森晃憲君) 高等教育の無償化は、住民税非課税世帯及びこれに準ずる世帯の学生に対して授業料減免と給付型奨学金を併せて措置するものであり、社会的養護を必要とする者については、学生本人の所得が非課税区分に該当すれば満額の支給を行うこととなります。
 具体的には、国公立大学の学生については、授業料約五十四万円、入学金約二十八万円。私立大学の学生については、授業料約七十万円、入学金約二十六万円をそれぞれ上限として減免を行う予定でございます。短期大学や高等専門学校、専門学校の学生についても、それぞれ設定された額を上限として授業料及び入学金が減免される予定でございます。
 加えまして、給付型奨学金については、児童養護施設等を退所して住居費を本人が負担しながら大学等に通う場合、自立支援資金貸付事業による貸付けを受けているかどうかにかかわらず、自宅外通学として、国公立の大学、短大、専門学校の学生に対しては年額約八十万円、私立の大学、短大、専門学校の学生に対しては年額約九十一万円をそれぞれ月割りで毎月支給することと考えております。
 児童養護施設等や里親の元から大学等に通学する場合、父母と同居しているわけではないため自宅通学とは状況が異なるものでございますけれども、施設等の住居について、本人は住居費を負担していないことから一般的な自宅外通学とも状況が異なるものでございまして、社会的養護を必要とする者が学生生活を送るのに必要な額が賄えるように十分配慮した支給を行うこととしたいと考えております。
 それから、貸与型奨学金との併給につきましては、今回の無償化措置は、授業料等の減免に加えまして学生生活費を賄うための給付型奨学金を支給するものでございまして、更なる無利子奨学金の併給については、無償化措置対象外の学生との支援のバランスの観点から併給を制限する方向でございます。
 一方、有利子奨学金については、本人の希望する額を引き続き貸与することとしたいと思っております。
 なお、児童養護施設等の子供たちが奨学金を申し込む場合、親権者等に代わって施設長等の同意、署名、捺印により申込みができることとしておりまして、引き続き、実態に応じて十分な配慮を行うこととしたいと考えております。
#150
○山本香苗君 もう一個配慮していただきたいことがあるんです。
 今回の支援制度は、もらったとしても成績等が悪ければ打ち切られるということなんです。給付型奨学金、授業料減免、セットで打ち切られるということは、特に施設を出た子供にとってはイコール中退につながるという可能性が極めて大きい。こうした事情に最大限配慮をしていただけないでしょうか。
#151
○政府参考人(森晃憲君) 今回の高等教育の無償化においては、高校在学時の成績だけで否定的な判断をせず、本人の学習意欲や進学目的を確認して対象とする一方で、大学等に進学後は学習の状況に一定の要件を課して、これに満たない場合には支援を打ち切る方針としております。特に、修得単位数や学生成績が一定以下の場合には警告を行い、これを連続で受けた場合は打ち切るということとしております。
 これらの要件のうち、平均成績等が下位四分の一以下の場合ということにつきましては、制度の検討過程におきまして、例えば、国家資格の取得を目的とする専門学校などにおいては成績が下位四分の一以下に属する学生であっても資格を取得できるケースもあるとの意見があったことを踏まえまして、しんしゃくすべきやむを得ない事情がある場合の特例措置について検討することとしております。その検討に当たりましては、現場や専門家の意見を踏まえながら具体化を図ってまいりたいというふうに思っております。
#152
○山本香苗君 配慮していただけるのか配慮していただけないのか、よく分からない答弁だったんですけれども、しっかり配慮してください。よろしくお願いいたします。
 もう一回答弁していただけますか。
#153
○政府参考人(森晃憲君) こういったしんしゃくすべきやむを得ない事情がある場合の特例措置については、今後、検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#154
○山本香苗君 じゃ、検討していただいて、まずは結論を出していただきたいと思いますが、別に特別扱いしてくれと言っているわけじゃないんです。平等なスタートラインに立てるようにしてもらいたいということでございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 こういうふうに奨学金制度が充実していく一方で、いろんなものが複雑になっていますので、施設の職員がそれを全て網羅的に理解して子供たちに伝えるというのは極めて難しいんです。学生支援機構において、スカラシップアドバイザーというのがありますよね。これ、是非、児童養護施設等にも派遣していただいて、個別に相談する体制、つくっていただけないでしょうか。
#155
○政府参考人(森晃憲君) 奨学金事業につきまして、生徒や保護者、教員等にしっかりと周知を図っていくことは大変重要なことと認識をしております。このため、平成二十九年度から、今御指摘のございましたように、日本学生支援機構において、大学等へ進学のための資金計画や返還困難時の救済措置などの奨学金制度の理解を促進するため、スカラシップアドバイザーとして養成、認定したファイナンシャルプランナーを各高等学校等の保護者、生徒向け説明会に派遣するスカラシップアドバイザー事業を開始し、活用していただいているところでございます。
 今回の高等教育の無償化に関しましては、制度について一層周知するということが重要でございまして、児童養護施設等についてもスカラシップアドバイザーを活用していただけるように、本事業の広報、周知に努めていきたいと考えております。
#156
○山本香苗君 それは児童養護施設等にも派遣していただけるということでございますね。よろしくお願いしたいと思います。
 もう一つ、施設やまた里親の方々からよく就職先につきましても御相談をいただきます。実は、大阪府においては施設を出た子供たちを積極的に雇用して支援する企業を表彰するという制度がございます。国においてもこうした表彰制度を是非ともつくっていただきたいんですが、いかがでしょうか。
#157
○副大臣(大口善徳君) 児童養護施設の退所者等の自立支援を推進する上で、民間企業にも支援の手を差し伸べていただくことは重要であります。このため、御指摘のような取組が全国で広がるよう、事例を都道府県等に周知することとしたいと思います。
 また、全国規模で活動する児童養護事業の功労団体に対しては厚生労働大臣から感謝状を贈る仕組みがあります。今後、この仕組みを積極的に活用するとともに、企業などに対し、雇用を含め社会的養護の子供たちの自立支援へ協力を働きかけていきたいと思います。
#158
○山本香苗君 是非、大臣、これ、こういう制度があるんですけれども、積極的に雇用している企業には一回も出したことないんです。雇用という観点には全く、考慮して出しているものではなくて、そして、かつ頻繁にも出していないんですね。是非これ、積極的に新たな観点からそういう企業に対して感謝状を出すとか、お金が掛かるものではありませんので、是非お願いしたいと思います。
 最後に、大臣にお伺いしたいと思います。
 今回の事件について、社会的養護を巣立った当事者たちから、甘えているという批判の声もありましたけれども、その一方で、あいつは俺だったかもしれないと、それぐらい追い詰められる気持ちは分かると、彼だけじゃない、彼は特別じゃない、そう思う子たちがたくさんいたと、支援されている方々からお伺いしました。その話を聞いて、もう胸が締め付けられるような思いになりました。施設等を出た直後だけではなくて、その後どういう状況にあるのか、どういうことに困っているのか、どういう支援を求めているのか。こうした実態を、是非、国としてもしっかり把握をしていただきたいんです。そして適切な支援につなげていただきたいんです。大臣、いかがでしょうか。
#159
○国務大臣(根本匠君) 児童養護施設などに入所していた子供たち、虐待などの理由で退所後も保護者からの支援が受けづらい状態にある。今、委員から様々な御意見をいただきました。退所後の自立支援策の充実を検討するには、退所後に抱える課題や生活状況等の実態を把握すること、これが重要だと思います。これは委員の御提言のとおりだと思います。
 このため、今年度、全国規模の実態調査の実施に向けて、学識経験者や施設関係者などから意見を伺いつつ、都道府県等による既存の実態調査を分析し、課題を整理中であります。その結果を踏まえて、来年度、詳細な調査手法を検討することとしておりますが、障害の有無による課題の違いや退所された方の意見などもしっかりと把握できるような手法を検討していきたいと思います。
#160
○山本香苗君 是非、大臣、今回の事件を契機にして、一過性のものではない支援をしっかりと打ち立てていただきたいと思うんです。そのためには、一応、今年度そういった形で取っかかりはあるという話ではありますけれども、来年度、三十二年度という話をちらっと聞いたんですが、そうではなく、できるだけ早くそうした実態調査を全国的にやっていただきたい、そして、かつ、当事者の方々の意見もしっかりと聞いていただきたいと思いますので、是非よろしくお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#161
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 私からも毎月勤労統計の不正問題について、最初に質問させていただきたいと思います。
 この毎月勤労統計の不正問題について、特別監察委員会の方から追加報告書も出てまいりましたけれども、なかなかすとんと納得いくような報告がないというか、解明されていないなというふうな部分があります。その中でも一番納得がいかないのが、やっぱりその東京都の全数調査を三分の一だけの抽出調査に変えたという理由なんですね。これ、何で変えたのかというところなんですね。
 この追加調査の部分を読みましたけれども、何かこう核心たる、あっ、そういうことであったのかというようなものがないんですね。理由としては、これ、都道府県からの要望があったというふうなことが書かれております。ただ、東京都は明確にそこは否定しているわけですよね。大阪府も、確認しましたら、要望はしていないということなんですね。
 平成十五年度の会議の場で神奈川県から抽出調査への変更を求める意見が出されたということなんですけれども、それは正式な要望でもないんですが、ただ、神奈川県からの意見なのに、神奈川県ではなくて東京都だけがこれを変更しているということで、何で東京都を抽出調査に変えたのかというところがすとんと納得いかないんですね。
 これ、やはりその都道府県からの要望があったということではなさそうなような気がするんです。これ、別の理由がやっぱりあったんではないのかなというふうに思うんですが、根本大臣、ここどういうふうにお考えになられますか。
#162
○国務大臣(根本匠君) 私は、今回の問題、これはやはり、担当者がどういう目的、どういう動機、そしてどういう認識でやったのかと、これがこの問題の事実を解明するためのポイントだと思います。
 先生も、一月報告書、そして追加報告書もじっくり読んでいただいているので、私が繰り返すのはどうかと思いますが、一月報告においては、当時の担当係長は、継続調査の全数調査の事業所については企業から特に苦情が多く、大都市圏の都道府県からの要望に配慮する必要があった、理由は都道府県の担当者の負担を考慮したからだと思うが、誤差計算しても大丈夫だったという話だったと記憶している、こういうことを述べているということであります。そして、平成十五年七月に通知された十六年度調査の事務取扱要領、これは全部出しているわけですが、東京都の規模五百人以上の事業所について抽出調査とした理由が記載されていて、規模五百人以上事業所は東京に集中しており、全数調査にしなくても精度が確保できるためであると事務要領に記載されております。
 そして、具体的に都道府県、どういう都道府県から要望があったかと、こういうことについては、一月に出された報告書では、平成十五年度毎月勤労統計調査ブロック別事務打合せ会質疑応答集という題名の資料がありますが、その質疑応答集の資料においては、規模五百人以上の事業所の抽出率が一分の一、要は全数調査ということですけど、となっており、継続して指定され、対象事業所からも苦情が来ているが、継続指定を避けることができないかという都道府県からの質問に対して、今回から全数調査をしなくても精度が確保できる東京都の一部の産業で標本調査としたとの回答が担当係の見解としてその資料に記載されているという事実が明記されておって、追加報告でも同様の記載がなされております。
#163
○東徹君 やっぱり具体的なことが書かれていないんですよね。具体的に東京都のどういった立場の人からこういう苦情があったとか、もう少し具体的に何か書かれていたらいいんですけれども、都道府県からの要望がって、都道府県ってどこの都道府県ですかみたいな形の書き方になっているわけですよね。だから、全然何かこれ信憑性がないというか、なかなか説得力がないような報告書になっているわけですよ。それで、これではやっぱり事実の解明は何かなされていない、やっぱり何か隠されているんじゃないかというふうに取られても仕方がないと思うんですね。
 この調査方法の変更について、これ要望があったというふうなことを言って取り上げていますけれども、実際は東京都も否定しておったりとかするわけです。これは、追加報告書のヒアリングにも厚生労働省の職員が庶務としてこれ立ち会っていたということですけれども、どのようなヒアリングが行っていたのか、ここ一番大事なところだと思っていまして、課長以下へのヒアリングに関する記録、氏名とかこれは隠したらいいと思うんですけれども、これ開示したらどうかと思うんですが、いかがですか。
#164
○国務大臣(根本匠君) 特別監察委員会においては、職員などに対するヒアリング、これは委員や事務局員のみで聴取するなど、中立性、客観性をより高めた形で調査を行っていただいて、二月二十七日に追加報告をまとめていただきました。具体的なヒアリングはそれぞれの、樋口委員長も国会で答弁されておりましたが、委員が手分けして、東京都にもヒアリングを、四都府県だったと思いますが、にもヒアリングに行った、そして職員からもヒアリングをした、これは委員会の御判断で適正に行っていただいております。
 今般の事案に関わるヒアリングの記録を開示すべきとの委員の御指摘ですが、監察を適正に実施するという事柄の性格、そして処分に関連するものであるので、これは特別監査委員会において非公開を前提に行われております。このため、関連する情報公開法の規定も踏まえると、これを開示することは適当ではないのではないかと考えております。
#165
○東徹君 やっぱり、本当にこの問題をしっかりとオープンにしていかなかったら駄目じゃないかなと思うんですね。これ、ずっと質問、答弁を聞いておってもなかなか、やっぱり一番大事なのはここの部分だと思うんですね、なぜ全数調査から抽出調査に変えたのかというところ。ここは僕はもう肝中の肝だと思っていまして、やっぱりここは是非記録を名前は隠して開示していただきたいなと思うんですね。
 厚生労働省、この役人の組織ってそうじゃないですか。なかなか今までやってきたことを変えるというのは、よっぽどのことがないと変えませんよね。大概、すごく前例踏襲主義の役所じゃないですか、まあ、どこの役所もそうですけれども。やっぱり役人の人たちのすばらしいところは、前例踏襲主義みたいなところがあって、これがなかなか、前例踏襲主義というものがずっと続けられている。それが今回変わったわけですから、これ、よっぽどのことがあったんだなというふうに思いますよね。
 これ、NHKの世論調査でもそうなんですけれども、特別監察委員会の再検証で実態が解明されたという問いに対して、解明されていないと回答した人の割合が七六%ですよ、これ。七六%、これ非常に高い数字が出ていて、余り解明されていない、全く解明されていないというのは、全く解明されていないというのは三三%なんですね。
 だから、これ本当にきちっとやっぱりやらないと、今後の厚生労働省としての信頼につながることだと思うんですね。これ、もう本当にずっと何の数字を見ても信頼されないというような状況がまだまだこれから続くんではないかなというふうに思うわけです。
 じゃ、開示されないということだったら、もう一回、違うメンバーでそこの部分だけでも一回調査してみたらどうですか。(発言する者あり)全部とまでは言いませんけれども、そこの、何で全数調査から抽出調査に変えたのかというところだけでももう一度調査すべきというふうに考えますが、いかがですか。
#166
○国務大臣(根本匠君) 私も結局は、担当者が、あるいは担当課長、室長がどういう動機、目的でどういう認識でやったのか、ここが肝だと思います。そこは委員と私も同じだと思います。
 だから、直接厚労省がやるんではなくて、要は有識者、しかも統計の専門家、そして裁判所の長官、名古屋の長官、あるいは検事、あるいは弁護士、そういう有識者で直接ヒアリングをして、担当者から、そしてこの報告書をまとめていただいたと思います。これは本当に厚労省は全く入らないで、その専門家の皆様に、有識者の皆様に合議制でやっていただきながら、どういうヒアリングをするかを含めて直接それは有識者にやっていただきました。そして、その結果が、先ほど私が申し上げた当時の担当者はこう考えていたという供述、これは報告書に、そこはきちんと報告書に整理されていると私は思います。
 ですから、そこは特別監察委員会というまさしく有識者でやっていただいたわけですから、私は、直接担当者にも詳しくヒアリングをしていただいてまとめていただいておりますので、そこの原因とか動機、目的、それについてはここは明らかにしていただいたと思っております。
#167
○東徹君 恐らく、この調査報告書を、これ読んで、ああ、そういうことだったのかと納得、恐らく多くの方が多分されないと思うんですね。
 こればっかり言うていてもあれなので、もう一つ大臣にお伺いしたいのは、これ、平成十六年一月の調査分から東京都の大規模事業所については全数調査が抽出調査に変更されたわけですけれども、十五年間ですよ、十五年間ね、十五年間もこの本来の調査方法とは違っていると、違っていると認識をしながらですよ、認識をしながら、これを放置されたまま、是正されることもなく、ここでまた前例踏襲主義がずっと続くんですよ、十五年間も。本来違っているんだということを認識しながらも十五年間も続くというこの組織体質、これ本当恐ろしいなと思うんですね。みんなが分かっているんだけれども、これを誰も声も上げようとしない、改善しようとしない、問題を明らかにしようとしない、しかも十五年間。これは本当恐ろしい組織だと思います。こんなの、単に研修してどうのこうのという問題じゃないですよ。もう根本的にやっぱり組織の体質を変えていくことをやらないと、この体制って変わらないと思うんですね。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
 ここは、大臣、どうやってこういう体質を変えていこうと考えているのか、お聞きしたいと思います。
#168
○国務大臣(根本匠君) まず、特別監察委員会については、事実関係、あるいは動機、目的、認識、担当者の、そして要はどうしてこういうことが起こったのか、これは厳正にやっていただきました。
 特別監察委員会の一月報告においては、委員が御指摘のように、統計の集計に当たっての復元プログラムの重要性に対する認識が低かった、システム改修の体制が、事務処理に誤りが生じやすく、発生した事務処理の誤りが長年にわたって発見されにくい体制となっていた、そして、適切なチェック体制を整備せず、プログラム改修を部下に任せきりにしていた部長、課長等の責任が強く問われると、こういう指摘を受けております。
 今回の二月二十七日に取りまとめられた追加報告書においては、公的統計の意義やその重要性に対する意識の低さ、幹部職員の公的統計に無関心、組織としてのガバナンスの欠如などが厳しく指摘されておりますので、このことについては私も真摯に受け止めております。そして、再発防止策としては、幹部職員も含めた統計の基本知識の習得や意識改革の徹底、ガバナンスの強化を目的とした管理職を含めた研修の強化など、八項目にわたる提案をいただいておりますが、次の三点を柱とする改革案の策定に早急に取り組みたいと思います。
 一つは、統計に対する認識、リテラシーの向上。これは、例えば全職員に対する統計研修の実施や、他府省や民間の統計専門家などの人事交流、これが考えられる。そして二つ目は、統計業務の改善。統計の調査内容の正確な公開や利用者の視点に立った統計の見直しなどが考えられます。そして三つ目は、組織の改革とガバナンスの強化であります。統計を外部有識者により審議する仕組みの強化や、民間人材の活用、内部組織の強化などが考えられますが、これは、統計に対する姿勢を根本から正して再発防止を徹底するとともに、しっかりと組織のガバナンスを確立していきたいと思います。
#169
○東徹君 そういうことではなくて、やっぱり誰かが、これは方法が違うなと、間違っているなと、間違っていることをやっているなと、そういうことを思っていたら、きちんとそれを上に上げて改善していくという、そういう組織体質をつくっていかないと、また同じように、いろんなところで、違う形でまた不正問題みたいなものが出てくるんじゃないですかというようなことを言わせていただいているんです。
 これまでもいっぱい不正問題は出てきているわけですから、この統計の話だけじゃないんですよ。やっぱり役所の組織全体として、そういう問題が、意識があったとしてもなかなか改善されないと、そういう体質があるんじゃないですかということを申し上げさせていただきまして、そこを改善しない限りやっぱり改善されないと思いますね。
 ちょっと介護離職についてお伺いしたいと思いますけれども、介護離職、これ、介護離職ゼロを掲げておりますけれども、これ本当ゼロになるのかなと思うんですが、今の時点でどれぐらいの成果が出ているのか、お伺いしたいと思います。
#170
○政府参考人(大島一博君) 家族の看護、介護を理由とする離職者数は、直近の数字で九万九千人となっています。これは、五年前の前回の調査が十万一千人でしたので、それと比べますと二千人の減少となっています。
 また、その間、介護をしながら働く方は五十五万人増加しているという調査結果になっております。
#171
○東徹君 介護しながら働く人は五十五万人いてて、介護離職ゼロですから、十年前と比べてもほとんどこれ変わっていないとは思うんですけれども、これ、ゼロという数字、これできるものなんですか、大臣に伺います。
#172
○国務大臣(根本匠君) 仕事と介護が両立できる環境の整備、これは大きな課題であります。
 ニッポン一億総活躍プラン、これ我々策定していますが、二〇二〇年代初頭までに約五十万人分の介護の受皿整備や相談支援の強化など、介護離職ゼロの実現に向けた取組を推進しております。
 その目標に向かって、各自治体において計画的に受皿整備を進めています。特にやはり人材の確保、育成が重要になりますので、総合的に対策を推進しております。処遇改善や就業促進、職場環境の改善による離職の防止、人材育成の支援などであります。さらに、働く方が離職せずに仕事と介護を両立できるよう、育児・介護休業法に基づく介護休業等の周知徹底など、職場環境の整備にも取り組んでおります。
 このような取組を着実に進めることで、介護離職ゼロを目指してしっかりと施策を推進していきたいと思います。
#173
○東徹君 まあ、これ待機児童ゼロよりも、よっぽどこっちの方が大変だと思うんですね。余りこれゼロ、ゼロと言うと、何かほら吹きのように思えますよ。厚生労働省って何かほら吹きかみたいなね。ちょっと余り実現性のないことをやっぱり言うべきじゃないと思いますよ。いつ、何かこう、本当にできるのかということを聞いているのに、こうやります、やっていますという話だけで、じゃ、いつまでに必ずこれゼロできるのかというのは、これ本当難しいと思うんですね。
 介護離職ゼロ、ゼロというか、介護離職やっぱりなくしていくというのは非常に大事なことだとは思うんですけれども、その中で、要介護者を病院へ連れていったりするためにこれ時間が掛かるわけですよ。そのために仕事を休まなきゃならないということがあって、その対策としてかかりつけ医によるオンライン診療というのがあるんですけれども、これが普及すると介護する人の負担も減らすことができるのではないかなと思うんですけれども、地方の医師不足対策にもこれつながっていくと思うんですね。どのようにこれ普及進めるのか、大臣の見解を伺いたいと思います。
#174
○国務大臣(根本匠君) 委員の貴重な御提案だと思います。
 オンライン診療については、患者の通院負担の軽減や医師の少ない地方、特に離島、へき地、ここにおける医療の確保の観点から、その適切な普及推進、これを図っていくことが重要だと考えています。
 具体的な指針についてでありますが、今年一月から検討会を開催し、これはオンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会ですけど、この検討会を開催して、医療現場における運用などを踏まえて、指針の内容の明確化など、より良い指針の見直しに向けた検討を開始して、本年の上半期の改定を目指したいと思います。
 要は、平成三十年三月に、医療上の安全性、必要性、有効性の観点から、オンライン診療の適切な実施に関する指針というのを発出していますけど、これを本年上半期の改定を目指していきたいと思います。
 今後も、オンライン診療の普及状況、安全性、有効性に係るデータなどの収集結果などを踏まえて、オンライン診療に関する制度の見直しなどを行い、適切なオンライン診療の普及推進に努めていきたいと思います。
#175
○東徹君 もう時間ですので終わらせていただきますけれども、これ非常に要件が厳しいんですね、これ。半年以上同一の医師が診察し、三か月に一回は対面診療を組み合わせると。半年以上同一の医師が診察しというのは、これはなかなかちょっとハードルが高過ぎると思うんですね。これではなかなか恐らく普及しないなと思いますので、是非見直しをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
#176
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 私から、毎月勤労統計について一問だけやらせてもらいたいと思うんですね。
 大臣は、特別監察委員会について、中立的で客観的だと一貫して答弁されているんですね。ところが、ここに大きな疑念が生じているんですよ。そこを私はしっかり受け止める必要があるというふうに思うんです。
 最初の報告についても、第三者性についての疑問が噴出する中で、再調査、結果としてはせざるを得なくなったというふうに思うんですね。しかし、この再調査を踏まえた報告書、追加報告書について、今度、国会でも様々な御議論ありましたけれども、統計委員会から、必要な情報が著しく不足していると、こういう深刻な意見書が出されているし、先ほども紹介あったとおり、弁護士や学者で構成する第三者委員会の格付け委員会も最低ランクになっているわけですよね。これをしっかり受け止めた対応が今本当に求められているというふうに思うんです。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
 予算委員会では、樋口特別監察委員会委員長と厚労省は一体ではないかと、こういう一体ぶりについても疑問が呈されました。私は、国民の信頼を本気で取り戻そうと思ったら、政府から独立した中立的な組織をつくってやっぱり検証のやり直しからやらないと、信頼回復には至らないと思います。どうですか。
#177
○国務大臣(根本匠君) 私は、特別監察委員会、そもそも監察チーム、省内に監察チームで年末からやっていましたけど、中立的、客観的な対応が必要だということで特別監察委員会をつくっていただきました。その後の御議論も含めて、要は統計の専門家、名古屋高等裁判所長官、そして弁護士、先生みんな御存じですよね。
 ですから、私はこれは客観的、中立的に、本当に厳正に精力的にやっていただきましたから、今回の事案の事実関係や動機、目的、認識、あるいはその原因、これについては明らかにしていただいたと思っております。
#178
○倉林明子君 いや、そこに対して国民の信頼、先ほどNHKの調査の結果の報告もありましたけれども、国民が信用していないんですよ。そこをしっかり受け止めないと、幾ら大臣が中立だ客観的だと説明しても理解得られないと。改めて委員会での集中審議を求めておりますので、引き続きの議論はやらせていただきたいと思っております。
 そこで、次に医師の働き方改革について質問をいたします。
 医師の働き方改革に関する検討会、二月二十日に事務局案が示されました。一般の勤務医が年間九百六十時間、年間、若手勤務医のところでいうと千八百六十時間、地域医療の勤務医ということで一部千八百六十時間。この案にはさすがに驚きました。
 何で医師の時間外労働時間の上限が年間千八百六十時間なのか、御説明いただきたい。
#179
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 御指摘いただきました今の時間数は、医師の働き方改革に関する検討会におきまして、厚生労働省として事務局が提案しているものの一つでございまして、二つのカテゴリーでございます。
 一つは地域医療確保のためにやむを得ず医療機関を限定した上で設定する暫定的な特例水準、もう一つは集中的に自らの技能を向上させたい医師に適用される特例水準ということでございまして、いずれも年間の時間外労働の上限、みんなここに張り付くのではなくて、時間外上限でありまして、現在、提案に基づき、検討会において御議論をいただいているところでございます。
 この案、平成二十九年八月以来の検討会での議論を踏まえまして、医師の診療業務には公共性、不確実性、高度の専門性などの特殊性があることから、時間外労働規制については一般労働者に適用されるものとは異なる水準が必要であるとの趣旨から提案をさせていただいております。
 具体的に、時間数の根拠としましては、二〇一六年に実施をいたしました医師の勤務実態調査における勤務時間の分布を基に、まずは確実に分布の上位一割に該当する医師の労働時間を短縮することとして設定をした上で、医師の健康を確実に確保するための一般則よりも強化した措置を義務付けることとセットで提案をさせていただいております。
 また、この水準につきましては、現状において年間三千時間近い時間外労働をしているドクター、医師もいる中で、幅広いタスクシェアリングあるいはタスクシフティングなどの推進や、地域医療の立場からの様々な支援あるいは取組というものを行うことにより大幅な時間外労働を削減してこそ達成できる水準でございまして、そのため、全力で私ども取り組む必要がある水準であるというふうに考えております。
#180
○倉林明子君 いや、現状がこうだからということで上限の引き方になっているんですよね。
 私、大臣に聞きたいと思うんですね。医師がこの案の時間上限まで働いて亡くなる、こういうケース、実際に起こっていますよ。この上限を定めた後、こういう働き方で亡くなった場合、当然過労死が認定されるというふうに思いますけれども、いかがですか。
#181
○国務大臣(根本匠君) 仮定の御質問への回答は差し控えますが、過労死については、脳・心臓疾患と精神障害に関して労災認定基準を策定しております。医師についてもこの基準によって保険給付の支給又は不支給を判断しております。
 具体的な労働時間に関する基準としては、脳・心臓疾患の認定基準では、発症前一か月間におおむね百時間を超える時間外労働又は発症前二か月間ないし六か月間にわたって一か月当たりおおむね八十時間を超える時間外労働、また、精神障害の認定基準では、発病直前の連続した二か月間に一か月当たりおおむね百二十時間以上の時間外労働又は発病直前の連続した三か月間に一か月当たりおおむね百時間以上の時間外労働が認められる場合には労災認定されることになります。
 その上で、一般論で申し上げれば、実際に認定されるか否かは業務以外の心理的な負荷など個別の事案に応じて総合的に判断されることになります。
#182
○倉林明子君 これ、千八百六十時間といいますと、月百五十五時間、十二か月連続という勤務になるんですね。個別の要件あったとしても、本当に労災基準を上回るという時間になっているということは重大だと思うんですよ。
 この案に対して、医師である家族を過労死で亡くした遺族、医師には人間らしく健康に普通に生活する権利はないのか、そして、過労死ラインの二倍働かせるなんて正気の沙汰とは思えない、医師は死ねと言うのかと、こういう抗議の声が上がっております。
 私、大臣に聞きたい。こういう医師を過労死で亡くした家族、遺族の声というのは聞いているんですか。
#183
○国務大臣(根本匠君) 医師の健康を確実に確保するために、今回の時間外労働の上限規制案においては一般則を大きく超える上限となる場合であっても医師の健康を確実に確保するための措置の義務化等も併せて提案している、これをちょっと申し上げたいと思います。例えばインターバルの確保等々でありますが。
 その上で、医師の働き方改革に関する検討会においては、平成二十九年十二月二十二日に行われた第五回委員会で、東京過労死を考える遺族の会の代表の中原のり子さんからヒアリングを行っていて、私も担当部局からその内容は報告を受けております。
#184
○倉林明子君 この過労死で亡くした遺族の声、抗議の声というのは、千八百六十時間という上限を聞いた上で抗議されているんですよ。さっきの検討会の話というのは、それ以前の話なんですね。
 だから、改めて、この上限設定についてで大臣は聞いたのかということでしたので、改めて聞きたいと思いますが、研修医だった二十六歳の娘さんを自死で失った方がいらっしゃいます。お父さんです。彼女は年間七十七回の当直をしておりました。残業時間は月二百時間を超えて、研修二年目、まだ四月の段階だったんですけれども、自ら筋弛緩剤を点滴して亡くなったんですね。過労死ラインをはるかに超える年間千八百六十時間、これ容認するなど常軌を逸した水準なんだと強く怒りを表明されておりました。
 政府として、私は、結論を出す、省令で決めていくということになるんだろうと思うけれども、結論出す前に過労死医師の遺族の意見、私、大臣、改めて聞くべきだと思いますよ。どうです。
#185
○国務大臣(根本匠君) 現在議論を進めている検討会においては、過労死した医師の遺族の方からもヒアリングを行った上で検討を進めております。
 引き続き、医師の健康確保という観点を十分に踏まえながら、今月の取りまとめに向けて丁寧に議論を進めていきたいと考えています。
#186
○倉林明子君 いや、大臣に直接聞いてほしいって言っているんですよ。答えてください。
#187
○国務大臣(根本匠君) その点については、厚生労働省として適切に対応させていただきたいと考えています。
#188
○倉林明子君 私は、当事者の声をしっかり受け止めるという大臣であってほしいと思います。強く要望しておきます。
 医師も人間なんですよ。同じ労働者なんですよ。医師が過労死してしまえば、医療提供体制、守れるものも守れないんですよね。過労死容認の上限規制というのは、私は断じて認められないと強く申し上げたい。これ引き続きやります。
 次に、生活保護基準について改めて質問をいたします。
 生活保護基準を二〇一三年から平均六・五%、最高一〇%、これ引き下げたことに対し、全国で現在千名を超える原告が訴訟に立ち上がっております。そのさなかである昨年十月から更に三年掛けて、年間百六十億円の引下げを決定されています。これ、二〇一八年からの生活保護基準引下げに対し、新しい方ですよ、新しい引下げに対し、不服申立ては全国で何件出されているでしょうか、つかんでいますか。
#189
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 平成三十年、二〇一八年十月からの生活保護基準改定に対して提起されました審査請求の件数でございますけれども、平成三十一年、今年の一月末現在で、三十九都道府県におきまして合計で六千百四十二件提起されていると承知しております。
#190
○倉林明子君 二〇一三年の引下げに対して裁判で闘っている原告が千名を超えていると、そして今回、二〇一八年の引下げに対しても不服申立てが六千件を超えるという規模になっていますね。
 相次ぐ引下げに対して、生活保護受給者からは、これ以上何を切り詰めればよいのか、いつまで引下げが続くのかと、こういう悲鳴の声だと受け止めるべきだと思うんですね。納得できない当事者が全国で声上げているわけですよ。
 そもそも、二〇一三年の生活保護基準の見直し、この目的は何だったのか、二〇一三年六月五日の衆議院厚生労働委員会で村木参考人が答弁をされています。その部分、読み上げて紹介してください。
#191
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 平成二十五年六月五日の衆議院の厚生労働委員会におきます民主党の長妻昭議員からの、生活扶助相当CPIの算出に当たりまして、なぜ平成二十二年基準の品目やウエートを使ったのかとの御質問に対しまして、村木政府参考人より、今回の政策目的でございますが、平成二十年と二十三年、同じような生活を生活保護受給者の方がした場合に、同じような生活水準を維持していただくためにどれだけの扶助費があればいいかということを見るということが大きな目的であるという旨答弁しているところでございます。
#192
○倉林明子君 つまり、同じような生活水準を維持していただくためにどれだけの扶助があればいいのかという説明なんですね。ところが、この基準の大幅な引下げで、生活保護利用者は以前と同じ生活ができなくなっているんですよ。
 原告の声を私、相当読ませていただきました。切実ですよ。基準引き下げられて以降、食事の回数を減らしています、大好きな焼き魚は缶詰にしました、お茶は水に変えていますという、節約迫られていますね。深刻なのは、祝儀あるいは葬儀、これ最低限の親戚付き合いも控えざるを得ないということで、人間関係を絶たざるを得ないと。孤立を深めているというのは極めて深刻だというふうに思いました。この生活がですよ、この生活が、憲法が保障する健康で文化的な最低限度なのかと問われる中身だというふうに思うんです。
 そこで、二〇一三年の、実際はこれ大幅な生活水準の引下げがやられたものだったと思うわけですけれども、二〇一三年のこの生活保護基準引下げに対して、社会保障や統計学の研究者百六十四人が今年二月二十七日に撤回を求める共同声明を発表されています。それ、資料でお付けをいたしました。これ、厚労省が独自に用いた生活扶助相当CPI、先ほど長妻さんの質問のところでも出てきておりました、これが物価偽装だという指摘なんです。撤回を求めております。
 そこで、改めて厚労省に確認したい。この生活扶助相当CPI、どんな指標でしょうか。
#193
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 まず、生活扶助は食費や光熱水費といった基礎的な日常生活費を賄うものでございまして、生活扶助相当CPIは生活扶助に相当する消費品目の物価指数のことでございます。
 具体的に申し上げますと、品目別の消費者物価指数のうち、家賃、教育費、医療費など生活扶助以外の扶助で賄われる品目、例えば家賃は住宅扶助で賄われますので、そういった品目を除いております。またさらに、自動車関係費、NHK受信料など原則生活保護受給世帯には生じない品目、こういったものを除いた品目を用いて生活扶助相当CPIを算出しているものでございます。
#194
○倉林明子君 これ、電気製品の消費を一般の世帯より購入比率が高くなる、こういう出方するんですね。実際の生活保護世帯の消費動向を反映したと到底言えない代物だというふうに私も見せていただいて思いました。
 さらに、その運用、これも極めて不可解なんですね。
 生活扶助相当CPIによりますと、二〇〇八年から二〇一一年にかけてCPIが四・七八%下落したと、こういうことで生活保護基準引下げの根拠とされました。ところが、二〇一七年の生活保護基準部会に提出された資料、これAということで付けております。これ、要は生活扶助相当CPIをずっと二〇一六年まで表にしたものなんですね。これで見てみますと、二〇一一年から二〇一六年にかけては、生活扶助CPI、五・二%これ上昇しているんですよ。じゃ、この上昇分というのは二〇一八年度の基準見直しにどう反映されているんでしょうか。
#195
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 平成三十年の生活扶助基準の検証におきましては、平成二十六年の全国消費実態調査のデータを基にいたしまして生活扶助基準の給付水準と一般低所得世帯の消費水準との比較を行い、おおむね均衡していることを確認しております。
 この比較対象となりました一般低所得世帯の消費水準には、全国消費実態調査実施時点である平成二十六年までの物価の影響も盛り込まれております。
 また、平成二十六年から直近の平成二十八年までの社会経済情勢の変化につきましては、生活扶助相当の物価指数はプラス〇・九%である一方、生活扶助基準は一般国民の消費水準の動向を踏まえることが基本である中で、家計調査におきます生活扶助相当指数を見ると一般世帯ではマイナス二・一%などとなっておりまして、各種データの動向には一貫性がないことから、生活扶助基準には反映しておらないところでございます。
#196
○倉林明子君 いや、本来、消費税分差し引いてもこれ二・三%のプラス改定になるはずなんですよね、この二〇一三年度の考え方でいったら。ところが、二〇一八年度も引下げですよ、今の説明のとおり。
 引下げの根拠、合理的な説明が、合理的な根拠が私はころころ変わっているんじゃないかというふうに思うんです。政府の生活保護費削減ありきと、それに合わせているんじゃないのかという疑念さえ持っているわけです。
 改めて大臣に確認したいと思います。
 二〇一三年当時、新たな生活扶助相当指数、いわゆる生活扶助CPIというやつですけれども、これを用いることについて総務省統計局及び社会保障審議会生活保護基準部会に意見を求めたんでしょうか、確認させてください。
#197
○国務大臣(根本匠君) 平成二十五年、要は二〇一三年の生活扶助基準の見直しでは、生活保護基準部会の検証結果を受けた適正化のほか、デフレ傾向にもかかわらず、平成二十年以降基準が据え置かれていたことを踏まえた適正化を行っています。その際、厚生労働省において生活扶助相当CPIを用いたものであります。この際、総務省統計局や社会保障審議会生活保護基準部会には意見は求めておりません。
#198
○倉林明子君 そうなんですよ。この新たな考え方に基づく指数、指標を使うということに対して、合理的、客観的なものなのかどうかということを統計局に聞いたり、基準部会に諮ったりしていないんですよ。勝手に決めているんですよ。私は、物価偽装だという指摘、学者の先生、統計学の学者の先生から指摘されているのは、なるほどそうだというふうに思わざるを得ないんですね。
 そして、その背景に一体何があったか。二〇一二年の総選挙で自民党の政権公約に何が掲げられていたか。生活保護給付水準の原則一割カット、これが掲げられたのが二〇一二年だったわけですね。二〇一三年からの生活保護削減の根拠とされたこの生活扶助CPI、自民党の公約実現のために作られた指標、こういうことじゃなかったんですか。大臣、どうですか。
#199
○国務大臣(根本匠君) 生活扶助CPIについての考え方は、既に政府委員から説明がありました。
 そして、生活扶助相当CPIを用いることに関しては、当時の国会における質疑などにおいても丁寧に説明しており、この見直しについては適切なものと考えております。
#200
○倉林明子君 生活保護基準について、生活保護法の立法担当者だった小山進次郎氏、その著書にこうあります。保護の基準はあくまで合理的な基礎資料によって算定さるべく、その決定に当たり政治的色彩の混入することは厳に避けられるべきこと、及び合理的な基礎資料は社会保障制度審議会の最低生活水準に関する調査研究の完了によって得られるべきこととしているんですよ。
 私は、改めてこの立法の原点に立ち返り、生活扶助相当CPIについては第三者による検証をしっかりやっていただき、撤廃をしていただきたい、強く求めて、終わります。
#201
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。本日もよろしくお願いいたします。
 本日私が取り上げますテーマ、大変これ身近にある問題でございます。市販薬の依存です。
 昨日も芸能人が逮捕されたということで、薬物依存、問題になっておりますけれども、実は、コカインであったり、そういった麻薬のようなものではなく、ちまたでは一番多いのはこの市販薬依存ではないかという話もあるぐらいです。実際に、厚労省の調査の中で、私、探しましたけれども、市販薬依存の現状について、なかなか見付かりませんでした。
 宮本局長、どのような状態を把握していらっしゃるのか、まずは教えていただけませんでしょうか、お願い申し上げます。
#202
○政府参考人(宮本真司君) 厚生労働省におきましては、従来から、全国の精神科病床を有する医療施設に入院又は外来で診療を受けられたアルコール以外の薬物の使用に関する精神障害の患者さんを対象にして、患者さんが過去も含めそれまでの生涯において市販薬を治療目的以外に不適切に使用したことがあるかどうかを尋ねたり、市販薬も含めてそれぞれの患者さんの現在の症状に最も関連が深いと考えられる薬物の種類などを医師に尋ねる調査をほぼ二年に一回行っております。
 平成三十年度に実施されました調査におきましては、全国の調査対象施設千五百六十六施設のうち千二百六十四施設からの回答をいただきまして、このうち二百四十六施設から調査対象に該当する症例があると回答があり、合計で二千七百六十七症例が報告されました。
 このうち、面接による調査での回答を拒否された方などや、それから重要な情報が欠けている症例を除きました二千六百九症例のデータを基に分析が行われ、患者さんが過去も含めそれまでの生涯において市販薬を治療目的以外に不適切に使用したことがあるというお答えをいただいた症例は三百三症例でございまして、率にしますと一一・六%でございました。
 また、患者さんの、過去じゃなくて現在のですね、現在の症状に最も関連が深い薬物として一つ挙げていただきましたところ、市販薬のみという回答がいただけました症例は百五十五症例であり、率としては五・九%になっております。
 また、患者の症状に最も関連が深い薬物の種類が複数あるという御回答もいただいておりますのが百三十三例ございますが、率としては五・一%ございますけれども、これらの症例の中でその多剤の内訳につきましては調査の対象とはしていないところでございます。
#203
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、精神科施設でしか調査をしていないということなんです。だから、現状は分かっていないんです。
 皆様方にもお配りいたしておりますけれども、全対象者が生涯にわたり、先ほどおっしゃっていただいたように、一一・六%の皆様方、既にこれは精神科にいらっしゃる方々の中で一〇%以上の方が実際にこの市販薬依存であったという事実でございます。
 じゃ、この市販薬依存、現状は把握していらっしゃらないことは分かったんですけれども、対策について教えていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#204
○政府参考人(宮本真司君) 市販薬につきましては、使用する方の症状等を踏まえつつ、多くの市販薬から使用者、使う患者さんが最も適切なものを選択できるよう、必要な設備や体制を整えた薬局などにおきまして適正な方法により販売する制度を構築しております。
 具体的には、市販薬は、医療用医薬品以外の医薬品として要指導医薬品及び一般用医薬品がございます。医療用医薬品からスイッチされたばかりの要指導医薬品と、副作用や効能効果などからリスクが高いと評価されました一般用医薬品のうち、第一類に分類されているものにつきましては薬剤師が販売し、それ以外の第二類及び第三類につきましては薬剤師又は都道府県の実施する試験に合格した一定の資質を有する登録販売者が販売することとなっております。
 また、この販売の際には、市販薬の区分に応じまして、使用者の症状、既往歴等の必要な情報の確認、販売する市販薬に関する情報提供や相談に応じることなどを行うことによりまして適正な使用を確保する仕組みとしているところでございます。
#205
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、その適切に使用していないというこの現状はどのように厚労省として御理解いただいているのか。かつ、セルフメディケーション税制などによって推し進めていますよね。自分で買ってください、薬局に行って。だったら、もうちょっと責任持ってもらいましょうということなんです。
 正しく使っていただいていない方がいらっしゃる中で、それが分かっている中でそれを放置してはなりません。ですから、皆様方、資料一の下を御覧になっていただきたいと思います。乱用されていた市販薬、もう御覧になっていただいて、あっ、私も使ったことがあるわというような薬剤ばかりだと思います。でも、そのようなもので依存が起こってしまう、これが現状でございます。
 先ほども御説明いただきました様々な策というものが取られているわけで、資料三に付けておりますように、このエフェドリンでしたりコデインでしたり、様々、乱用のおそれのある医薬品につきましては、実際に、一箱以上買いたいというお客様に購入の理由を聞いたり、それが若者であったら名前を確認するということが薬機法で義務付けられております。
 適切な場合にだけ売ることになっておりますが、果たしてこの義務が守られているのか、局長、いかがでいらっしゃいますか。
#206
○政府参考人(宮本真司君) ただいま先生御指摘ありました一定の販売に際しまして事前に確認するというものにつきましては、乱用等のおそれのある医薬品という指定をいたしまして、先生御指摘のように、薬剤師又は登録販売者が一人一包装を超えて購入しようとする場合にはその理由、あるいは購入者が若年層、高校生、中学生等である場合には氏名及び年齢、それから、ほかの医薬品販売業者等からその当該医薬品を購入しているかどうかの確認といったことを指示しているところでございます。
 一方、それらの販売実態につきましては、毎年度調査を行っております。平成二十九年度、直近の医薬品販売制度実態調査におきましては、一般消費者の立場で販売ルールの遵守状況を確認しております。その結果、乱用等のおそれのある医薬品を複数購入しようとしたときにその理由を確認するなど対応が適切であったと調査員が判断した割合は、店舗の販売では六一%、インターネットの販売では約三七%という状況であり、医薬品販売制度において課題があると認識しております。
 厚生労働省におきましては、この結果を踏まえまして、都道府県等に遵守していない事業所等の監視指導を依頼する旨の通知を発出するとともに、今年度からはその指導結果について厚生労働省へ報告を求めることとしております。また、薬局等の関係団体に対しましては、改善協力を要請するとともに、今年度から、インターネット販売サイトの遵守徹底を図るため、インターネットモール事業者にも協力を要請するなどの対策を講じているところでございます。
 さらに、薬と健康の週間など様々な機会を通じまして国民の皆様に医薬品の適正な使用に関する周知も行っているところであり、引き続き一般用医薬品の適正使用を図ってまいりたいと考えております。
#207
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ちょうど風邪の時期でございますので、これ、せき止めなんかが多いんですよ。そうしたら、二箱幾らみたいな感じで売っているんですね、実際に店頭で。売っちゃいけないわけですよね。一箱以上買うときにはちゃんと注意をしなければならない。まあそんなものは私も受けたことがございません。ですから、全くこれあってないようなもの。これ、覆面調査だというふうに私は伺っておりますので、この調査自体はかなり精度が高いものであるとは思いますけれども、まだまだそういう逃げ道というものがございます。
 ですから、少年がそれを安易に手に入れられるようなものというものがこの日本で蔓延している中で、ようやくアメリカが動きました。これは最初は別の理由でございました。呼吸抑制があるので、コデインを含むせき止めというものは、十二歳未満でまずは切って、それ以下の皆様方には規制しようじゃないか、しかし、プラスアルファしっかりとこれは十八歳未満にするべきだよねというような判断を米国はしたんです。なぜならば、乱用、薬物中毒、そして過剰服用が心配だという理由でございました。
 しかし、日本は動かない。日本は十二歳未満だけの規制でよいとして、今年から実は十二歳未満はこのようなコデインを含むせき止め薬のようなものについては規制が掛かるということでございます。
 なぜ日本はこれに追随しなかったんでしょう。十八歳未満にしなかったんでしょうか。その理由を教えてください。
#208
○政府参考人(宮本真司君) コデインにつきましては、二十九年四月に米国FDAが、副作用の危険性等の理由から、コデインを含有する医療用医薬品を十二歳未満の小児へ使用することを禁忌、すなわち使用を禁止する旨の見解を発表したことを踏まえまして、厚生労働省におきましても、同年六月、二か月後の六月に薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会におきまして審議を行いました。
 その結果、人種差等により、欧米と比較して呼吸抑制のリスクはアジアの場合低いものの、予防的措置として、日本におきましても平成三十一年度中に、すなわちこの三月中にということになりますが、十二歳未満の小児への使用を禁忌とする結論を得たところでございます。
 その後、平成三十年一月に米国FDAが、米国内の乱用の実態などに鑑み、コデインを含有する医療用医薬品の十八歳未満への使用を制限する旨の発表をしたことにつきまして、三十年の三月に薬事・食品衛生審議会に報告いたしましたところ、日本国内の十二から十八歳において中毒や乱用に関する報告例がないこと、米国以外では当時十八歳未満での使用制限が実施されていないことなどから、平成三十一年度中に十二歳未満の小児への使用を禁忌とすることを維持することが適切とされたところでございます。
 済みません、先ほど今月中と申しましたが、失礼しました、訂正させていただきます。三十一年中の間違いでございます。
 この十八歳未満の使用制限が他国では実施されていないことから、平成三十一年中に十二歳未満の小児への使用を禁忌とすることを維持することが適切とされたところでございます。
 薬事・食品衛生審議会の結論も踏まえまして、引き続き、国内の中毒に関する副作用状況、乱用の状況等を見つつ、適時適切に対応を図ってまいりたいと思っております。
 済みません、失礼しました。
#209
○薬師寺みちよ君 済みません、私、最初に、資料一に付けております。この中に書いてあります。乱用の実態がないって、もう実態ここに調査してあるじゃない、これ科研費でやったものですよね。これはどう説明するんですか、教えてください。
#210
○政府参考人(宮本真司君) 資料一に付けて先生から御指摘いただいたものにつきましては、これは先ほど御説明いたしましたように、患者さんが過去も含めそれまでの生涯において市販薬を治療目的以外に不適切に使用したことがあるかどうかということをお尋ねしたものであるということでございます。
#211
○薬師寺みちよ君 ですから、これで、市販薬を治療目的以外に使用し、結局これで中毒のような症状を起こしていらっしゃる方もいらっしゃる。実際に様々な先生方がそういうものを出していらっしゃるにもかかわらず、その理由がないということ自体、今の説明、私は成り立たないと思いますけれども、いかがでいらっしゃいますか。
#212
○政府参考人(宮本真司君) 乱用の実態と副作用報告例の中におきまして、中毒や乱用に関する副作用が今のところ私どもも集めたものに接したことがないということでございまして、先ほど申しましたように、今後、その状況に応じまして、この乱用の状況に応じまして適時適切に対応を図ってまいりたいと考えております。
#213
○薬師寺みちよ君 済みません、これ、乱用されていた市販薬という、中に入っておりますけれども、これはどう説明するのかということを私は明確にしていただきたいと思うんです。
 大臣、これ、ここで局長とやり合っても仕方がないと思うんですけれども、このような形で、既にもう乱用されていた市販薬の中にコデインが含まれているんです。それを乱用されていた実態もあるにもかかわらず、日本ではそれがないということを理由といたしまして十二歳未満だけの規制でよいとしている。これは、その科学的根拠としてもまず成り立たないんではないかと思いますけれども、済みません、これ、大臣問いにするつもりはなかったんですけれども、ここまでちょっとおかしな理論で組み立てられているのでしたら、大臣からもお答えいただきたいと思うんですけど、いかがでいらっしゃいますか。
#214
○政府参考人(宮本真司君) 目的外使用をした割合を調査しているものでございますけれども、先生の御指摘のありましたものですね。
 したがいまして、その中で依存しているというものはまたもう少し分析することが必要だと考えておりまして、依存しているとは限らないということでございます。
#215
○薬師寺みちよ君 済みません、精神科のその病棟に行ってみられたらいかがですか。
 既に治療していらっしゃる例は何例もあるということが報告されております。にもかかわらず、厚生労働省としてそれを把握していないということはあり得ないかと思いますけれども。自分たちの手元に資料がないということだけで、更に調査を進める気はないんでしょうか。
 大臣、ちょっとこれは、私はおかしな議論になっているかと思いますけど、省内もう少し調整していただきまして、必要があれば必要な適宜指示を行っていただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
#216
○国務大臣(根本匠君) しっかり話を聞きたいと思います。
#217
○薬師寺みちよ君 ですから、まず現状を把握してください。
 もうこれは私どもの世代から言われていることでございます。そういう液体がございまして、本当だったら少しずつ飲むものを一気に飲んでしまってハイになる、それがもう自分と、そのハイになってくるこの感覚というものがもう癖になってしまいまして手放せなくなってしまう、これが実際にあるんです。風邪薬でも同様でございます。
 もう一つ私お願いしたいのは、この十二歳未満の使用不可というのを知らないお母様方が大変今多いんです。いきなり変わって、同じ成分で同じパッケージで売っております。後ろを見たら違う、えっ、何でと。後ろを見ないお母様方は、それをお子さんにいつものとおり与えてしまいます。こんなに危ないことはないんです。
 ですから、しっかりと私どもとしてもこのような広報にも努めていただかなければならないと思います。ただ、時間もございませんので、そこは、大臣、責任を持ってやっていただけるという御答弁いただきましたので、お願いをしたいと思います。
 スマートドラッグにつきましても私は質問をさせていただいたことがございます。スマートドラッグにつきましても、今後、厚生労働省の対応変わってきたと御報告いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#218
○政府参考人(宮本真司君) 集中力を高めるですとか頭がすっきりするなどを標榜して、海外で医薬品やサプリメントとして販売されている製品、一般にこれをいわゆるスマートドラッグと呼ばれているかと思いますが、につきましては、医師の判断なしに使用することによりまして健康被害が発生する可能性がある成分が含まれているものが確認されております。
 このため、厚生労働省におきまして、インターネット上の販売サイトや文献の調査を行いまして、専門家の御意見もお伺いした上で、いわゆるスマートドラッグとして販売されているもののうち、医師の指示なしに使用した場合、健康被害や乱用につながるおそれの高いと考えられる二十五成分を選定しております。
 製品の表示等により当該成分を含むことが分かる製品につきましては、本年一月から、数量に関わらずあらかじめ薬監証明と呼ばれます手続によりまして、その手続を経ない限り、一般の個人による輸入は認めないこととしております。
 なお、今回対象としました二十五成分以外も含めまして、スマートドラッグ対策を引き続き適切に実施してまいりたいと考えております。
#219
○薬師寺みちよ君 そちらはしっかりとお願いしたいと思います。
 カフェインにつきましてもいかがでいらっしゃいますか、教えてください。
#220
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 カフェインは、感受性の個人差が大きく、科学的知見も不足しており、国際的にも一日摂取許容量、ADIが設定されておりません。そのため、厚生労働省としては、食品健康影響評価に基づく食品基準という形ではなく、過剰摂取によるリスクを理解していただくことが重要というふうに考えておりまして、一昨年五月にこの場で先生から御指摘いただいておりますが、それも踏まえまして、カフェインの作用や飲用に関する注意喚起をQアンドAのような形式でその二か月後の七月からホームページやツイッターを通じて行っているところでございます。
 また、業界団体を通じてカフェインを多く含む清涼飲料水の生産量を把握しますとともに、カフェインの過剰摂取による健康被害を防止する観点から、業界団体が同年の十一月に作成したカフェイン含有清涼飲料水の表示に関するガイドラインに基づいて、カフェイン量の表示とともに、小児や妊婦に対して飲用を控える旨の表示対応が徹底されるように指導してきております。
 引き続き、関係者や食安委、消費者庁等関係省庁と連携しつつ、カフェインの効果や過剰摂取によるリスクの正しい理解の促進を通じてカフェインの過剰摂取を防ぐように努めてまいります。
#221
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 皆様方にも資料二、お配りいたしております。
 私は、ちょっとこれ特定のお薬を出しておりますけれども、これが悪いと言っているわけではなく、不適切に使用されているということなんです。実際に、これは、カフェインといってもコーヒー味がするわけではありません、爽快なメンソール味だというものです。
 受験の時期になると必ずこういう書き込みが出てくるんです。これを二錠飲めばいい、そうしたら眠らなくていい、かつ目がぱちぱち覚めるだけではなくて、やっぱりこれもハイになる。これが十五歳以上は服用できる。十五歳、いわゆる高校生、受験のときにこれ多用しています。実際に、私の息子の友人も、試験のときにこれを飲めよと言ってみんなに配っていたというような事例もございます。
 これ、実は第三類の医薬品です。インターネットでも販売されますし、全く野方図になったような状況で、これは三回を制限とするということになっておりますけれども、これ何錠も飲んじゃうんです、みんな。こんな危ないものを放置していていいのかということを何度も、私は、注意喚起してほしいということ以上に、また、十八歳未満使用禁止にすべき、若しくは、先ほどあったような乱用等のおそれのある医薬品等々にもやっぱり少し考えて入れていかなければ大変危ない状況というものがあるのではないか。特に青年は、わざわざこういうものなんか見ません。添付文書を見ずに友達の言われたとおりに飲んでいるこの現状。
 いかにして抑制していくかということは、私は社会的な問題だと思っておりますけれども、大臣、しっかりとした対策打っていただきたいと思いますが、いかがでいらっしゃいますか。
#222
○国務大臣(根本匠君) 無水カフェインを有効成分として含む眠気防止の一般用医薬品、これは、その用法、用量において、今も委員から既にお話がありましたけれども、十五歳未満は服用しないこととされております。一般に、医薬品の用法、用量においては十五歳以上を成人としているため、本剤は既に小児には使わないこととされております。
 そして、乱用等のおそれのある医薬品の指定については、乱用などのおそれのある医薬品、これは、乱用の実態やその医薬品の薬物依存を引き起こす作用の強さなどを勘案して指定しているところであります。眠気防止薬の乱用の報告は僅かであり、現在指定されている他の医薬品と比較して薬物依存を引き起こす作用は弱いと考えられることから、乱用等のおそれのある医薬品に指定することは現時点では考えておりません。
 眠気防止薬については、業界団体や職能団体を通じ、適正使用のための注意喚起に取り組んでいきたいと思います。
#223
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 適正に使用されていればいいんですけれども、やはりそうでない、その判断能力がない子供たちがこれを使っていることに問題があるのではないかというところです。しっかりと私はこれはもっと厚生労働省として責任を持つべきだと思う。セルフメディケーションを進めて、どんどん薬局でいろんなものを買ってくださいねというのは、もちろん自分の健康のためではないかもしれませんけれども、こうやってスマートドラッグの一つとしてこのカフェインというものが売られているのであれば、何らかしらの規制というものも私は必要になってくるかと思います。
 大臣、大変申し訳ございません、あとの質問というのが、先ほどの質問がちょっと延びてしまったがためにできなくなってしまったので、もう一言いただきたいと思います。
 ですから、まず、処方されるお薬については、もちろん様々な指導がございます。しかし、市販されているお薬については、厚生労働省としてまだまだ手が入れるところがあるのではないか、注意喚起をする方法もあるのではないか。例えば、こういうものであったら、学校にもしっかりと協力をしていただきながら注意喚起する方法もございます。
 ですから、私は、これから社会保障制度の中でどのようにこの市販薬というものを扱っていく必要があるのか、真剣に議論すべきところではないかと思いますけれども、大臣、最後に御答弁いただけますでしょうか、お願い申し上げます。
#224
○国務大臣(根本匠君) 適正使用のための注意喚起には取り組んでいきたいと思いますが、どういうやり方がより適切か、そこはよく考えていきたいと思います。
#225
○薬師寺みちよ君 もう時間になりましたので、終わります。
 今日は大変申し訳ございません。せっかくいらしていただきましたけれども、ちょっと質問時間延びまして質問できませんでしたこと、おわび申し上げます。
 ありがとうございました。
#226
○委員長(石田昌宏君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後五時散会
ソース: 国立国会図書館
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