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2019/05/23 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 文教科学委員会 第11号
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2019/05/23 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 文教科学委員会 第11号

#1
第198回国会 文教科学委員会 第11号
令和元年五月二十三日(木曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     山下 芳生君     吉良よし子君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     元榮太一郎君     水落 敏栄君
     蓮   舫君     小川 敏夫君
     古賀 之士君     大島九州男君
 五月二十三日
    辞任         補欠選任
     赤池 誠章君     こやり隆史君
     中西  哲君     元榮太一郎君
     橋本 聖子君     朝日健太郎君
     吉良よし子君     山添  拓君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         上野 通子君
    理 事
                石井 浩郎君
                江島  潔君
                神本美恵子君
    委 員
                赤池 誠章君
                朝日健太郎君
                今井絵理子君
                小野田紀美君
                大野 泰正君
                こやり隆史君
                中西  哲君
                橋本 聖子君
                水落 敏栄君
                元榮太一郎君
                小川 敏夫君
                伊藤 孝恵君
                大島九州男君
                山本 太郎君
                新妻 秀規君
                浜田 昌良君
                高木かおり君
                松沢 成文君
                吉良よし子君
                山添  拓君
   国務大臣
       文部科学大臣   柴山 昌彦君
   副大臣
       法務副大臣    平口  洋君
       文部科学副大臣  浮島 智子君
   大臣政務官
       文部科学大臣政
       務官       白須賀貴樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        戸田 浩史君
   政府参考人
       法務大臣官房司
       法法制部長    小出 邦夫君
       文部科学省高等
       教育局長     伯井 美徳君
   参考人
       京都大学大学院
       法学研究科教授  土井 真一君
       法科大学院を中
       核とする法曹養
       成制度の発展を
       目指す研究者・
       弁護士の会発起
       人
       弁護士      内山  宙君
       法律事務所フロ
       ンティア・ロー
       代表弁護士
       ロースクールと
       法曹の未来を創
       る会事務局長   宮島  渉君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関
 する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、山下芳生さん、元榮太一郎さん、古賀之士さん及び蓮舫さんが委員を辞任され、その補欠として吉良よし子さん、水落敏栄さん、大島九州男さん及び小川敏夫さんが選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(上野通子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長小出邦夫さん外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(上野通子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(上野通子君) 法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○江島潔君 おはようございます。自由民主党の江島潔です。
 文科大臣は法曹資格もお持ちでいらっしゃいますので、まさにこの法科大学院に関する今回の改正は、また文科大臣というお立場を更に超えて非常に御関心も強い分野ではないかと思っております。
 私事になりますけれども、私は物心付いた頃から理系の道をずっと歩んでおりまして、およそこの法学部関係というのは余り人生の中で振り向いたことが実はございませんでした。地方自治体を預かるときにも、ちゃんと法務担当の職員がいましたので、今でこそ吐露しますけれども、地方自治法も余り開くことなく何とか職務を全うできたところでありますけれども。
 やはり、日本が今、今日、世界で信頼される国であるということの一つの根拠に、やはりしっかりとした法治国家だということが、これはもうまさに内外認める法治国家だということが挙げられるんではないかと思います。
 これ、つくづく、日本にいるときにはそれほど日本が法治国家だということを意識することはないんですけれども、外国に行きますと、まあ具体的に言っちゃいますと、中国に行きますと、もちろん中国にも法律があるんですけれども、ただ、余りにも例えば地方政府による朝令暮改が非常に多いということを例えば現地進出をした企業から聞きます。本当に朝の法律がいつもあっという間に違う法律に変わっていると。まさにそこの地を治めているトップの人間の判断でもう本当に変わっていくんだと。よくそれを、いやあ、中国はまだ人治国家だななんということを言う人もいますけれども、もちろんそれぞれの国にそれぞれの言い分があると思いますけれども、少なくとも日本はきちんとした法律の中で運営をされているということは、私、誇っていい一つではないかと思います。
 そういう中で、その法律の一番しっかりと守ってその運用に携わっている現場にいらっしゃるのがまさに法曹関係の方だと思います。
 法科大学院の設立当時あるいは今日に至るまで、最近は余り、弁護士業というものに対してむしろ逆風が吹いているようなニュースばかりが聞こえてくるのは事実でありまして、いわく、弁護士資格を取ってもなかなか就職できないとか、なかなか弁護士資格だけで食べていけないとか、そういうニュースだけ聞いていると、これから弁護士資格を取りたいなという学生がちょっとひるんでしまうんじゃないかなと思うような、そんなニュースしかありません。
 そういう背景の中でのこの司法制度改革審議会というものが行われたというふうに私は認識していますけれども、この度の法科大学院を中核とする法曹養成制度につきまして、司法制度改革審議会の成果と課題というものを、まず文科大臣の方からその辺を少し披瀝していただければと思います。
#7
○国務大臣(柴山昌彦君) 今委員から御指摘、御紹介をいただいたとおり、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度は、今を遡ること十年以上前になりますが、平成十六年度、質、量共に豊かなプロフェッションとしての法曹の養成を目指して導入をされ、その後十五年が経過した今、幅広い分野や司法過疎地域で活躍する弁護士などが増加するなど、一定の成果を上げてきたところではあります。
 しかし、制度発足時に法科大学院の参入を広く認めた結果、数多くの法科大学院が設置されて過大な定員規模となり、司法試験合格者数についても当初の目標が実現できないという中で、法科大学院修了者の合格率が当初目標としていた七、八割どころか二、三割と、全体として低迷する事態となっております。また、法曹を目指す学生の多くも時間的、経済的負担が大きいと感じるようになっています。さらに、法曹の将来にわたる需要についても当初の見込みとは大分異なってきているという御指摘があります。
 こうした状況の中で、法曹志望者の大幅な減少を招く状況となってしまったということから、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定に基づいて、平成三十年度までを集中改革期間として、法科大学院教育の向上などに取り組んできたところであります。
 率直に申し上げまして、繰り返しになりますが、この法科大学院を中核とする法曹養成制度は、当初の見込みとはかなり異なる状況を生み出してきたということは認めざるを得ません。こうした課題を解消するために、プロセスとしての法曹養成制度は引き続き重要であるという認識の下に立ちつつ、法科大学院教育の改善充実に取り組んでいかなければいけない、こういう認識でございます。
#8
○江島潔君 法律改正をしてまでやはり今回の制度を変えなきゃいけないというところを、もう少しずばり聞かせていただけますか。やはり、当初の目標で立ち上げた、そのときも十分にいろいろ議論されたんだと思うんですけれども、なぜ今ここに来てこれほど大きな改正をしなければいけないのかというところを聞かせてください。
#9
○国務大臣(柴山昌彦君) ずばりということになりますと、やはり定員の見通しが甘かったということ、それから、時間的、経済的負担が学生にとって非常に大きいという、この二つが大きなポイントになってくるのかなというふうに思います。
 そして、その上で、じゃ、法改正までしてどういう形でこれらの問題点に対応するのかという御質問でありますけれども、高度の専門的な能力及び優れた資質を有する法曹人材の確保を、希望する学生たちが減ることなくしっかりと確保をするために何が必要かという観点から、まず法曹となる者に必要とされる学識や能力を始め、法科大学院において涵養すべき学識等を具体的に規定するということに加えて、負担軽減の観点から、学部の早期卒業を念頭に置いた法学部の三年と法科大学院二年のルート、3プラス2を制度化するとともに、在学中受験資格による司法試験受験も可能とするということ、そして、法務大臣と文部科学大臣の相互協議の規定を新設して法科大学院の定員管理の仕組みを設けるということとしております。
 これによって、法科大学院教育の充実が図られるとともに、この3プラス2のプロセスを、標準的な運用と在学中の受験によって従来より二年程度短縮して学部入学から最短六年間で法曹資格を取得することが可能となることによる時間的、経済的負担の軽減、そして、法科大学院の定員管理によって予測可能性の高い法曹養成制度を実現するということが可能になるということを考えております。
 さらには、法科大学院教育の充実によって、国際的に通用する実践的で戦略的な思考能力を養う渉外法務に係る科目など、より実務に即した分野を学ぶ機会を充実することで多様な法曹人材の養成が可能になるということですとか、あるいは、この3プラス2を制度化することによって、法科大学院を設置していない、あるいはなくなってしまった地方大学の法学部であっても、法科大学院と連携をすることが可能となって地方の法曹人材の確保に資すること、こういった効果も見込まれると考えております。
 こうしたことによって、一人でも多くの有為な若者が、地方も含めて、法曹を目指すということを期待した法改正でございます。
#10
○江島潔君 今大臣がおっしゃられた、地方への法曹を増やす可能性というのは大事な視点ではないかなと思います。これは弁護士の先生も同じく、やはりこの偏在と言われる、大都市に集中というのは顕著に見られる職業の一つではないかと思いますので、そういうものに対しての、少しそれを是正することができる改正であれば私どももう本当に大いに賛成でございます。
 それでは、少し、法科大学院の教育を充実をするという観点も入っているということなので、その辺を少し聞かせていただこうと思います。
 まず、法科大学院というのは、もちろん当初の目標としては、単なる法律の知識を持っているだけではない、もっと本当に幅広い全人格的な人間をつくっていくということも目標であったんだろうと思うんですけれども、冒頭で大臣がおっしゃられたように、いかんせんその合格率が、当初の大体七、八割は合格させようというものが余りにも今低い合格率にとどまっているというのは、これはやはり、これはこれで大きな問題ではないかと思いますし、法科大学院を目指した以上はやはり法曹資格を取るということが目標だったわけでしょうから、例えば医学部に入って医師になる割合に比べると、余りにもこの法科大学院というのはもう合格率が低過ぎる、それでは本当に学生は行かないんではないかと思います。
 その辺の、もう一度改めて、ちゃんと司法試験に受かる教育というものを今後どう充実していくのか、これは事務方の方に聞かせていただければと思います。
#11
○政府参考人(伯井美徳君) 法科大学院は、法曹養成に特化した専門職大学院でございます。その課程の修了者には司法試験の受験資格が与えられるという特別な役割を有しているものでありまして、このような位置付けを踏まえれば、司法試験で問われる学識等を身に付けさせることは法科大学院の本来的な役割であると。そして、そのような役割をしっかり果たせるよう、今回、連携法第四条を改正し、司法試験で問われる学識等を含め、法科大学院において涵養すべき学識等を具体的に規定することとしているものでございます。
 改正案が認められれば、この連携法の規定を踏まえまして、法科大学院の教育の在り方ということで、例えば専門職大学院設置基準を改正し、論述能力を涵養するための指導の実施であるとか、成績評価や修了認定の厳格化の徹底といったことを規定することを予定しておりまして、法曹を志望する者が法科大学院を経由して司法試験にしっかりと合格することができるような法科大学院における教育の充実ということを図ってまいりたいと考えております。
#12
○江島潔君 今度は、全く逆の観点からの質問をさせていただこうと思います。
 司法試験にまず受かる大学なんだというのがこの法科大学院という認識があるぐらいに、医学部行って医者になると同じぐらいに、法科大学院行って弁護士になるというような合格率というのを是非とも達成してもらわないと、なかなか法科大学院はうまく機能しないんじゃないかと思いますけれども、一方で、やはりその中身というか、実務家としての必要な能力を司法試験を終えた後でもちゃんと有するという能力をやっぱり法科大学院で教育をしてもらわなきゃいけないわけなんですよね。
 特に、衆議院の議論の中で、早く弁護士をつくるために期間を短縮すると、特に在学中に試験を受けられるという項目についての質疑が随分されたかと思います。それはどういうポイントかというと、やはり在学中に受けるということで、結局、受かってしまえばその後はもう関係ないわけで、関係ないというか、もう目標を達しているわけですから、結局その大学の中のそういう教育の充実というものがおろそかになってしまうのではないかという懸念、随分議論されたかと思います。
 その辺の、きちんと合格率を上げてもらわなきゃいけないんですけれども、弁護士になるための予備校であっては困るわけなんですよね。その辺は、懸念、全くさっきの直前の質問からはまた逆の質問になりますけれども、その辺はいかがでしょうか。
#13
○政府参考人(伯井美徳君) お答えいたします。
 法科大学院は、将来の法曹として必要な理論だけじゃなくて、実務能力を培う場としての役割も担うものでございます。法科大学院の在学中受験資格に基づいて司法試験を受験し、これに合格した者については、司法試験の合格に加えて法科大学院の修了を司法修習生の採用要件とすることとしているため、法科大学院を修了するまでの三年間又は二年間の学修プロセスは確保されておりまして、プロセスとしての法曹養成制度の理念は引き続き堅持されるというものでございます。
 法科大学院の最終年次に司法試験を受験した後に、例えば、国際的に通用する実践的で戦略的な思考能力を養う渉外法務に係る科目など、より実務に即した分野を学ぶ機会を充実することで多様な法曹人材の養成が可能となるというふうに考えておりまして、プロセスとしての法曹養成制度の中核である法科大学院における教育の充実にこの在学中受験を導入したとしても、そうしたものに資する仕組みであるというふうに認識しております。
#14
○江島潔君 その国際的に通用する弁護士を養成するというのは、本当に私、最近つくづくその必要性を感じております。
 先般、WTOに対して東北六県の水産物の禁止処置を不当だということを訴えてきたのが、日本政府としては最善の陣容をそろえて、弁護士団をそろえて臨んだにもかかわらず、残念ながら日本にとっては芳しくない結果と出ました。
 こういうものも、もっと日本にそういう本当に国際弁護士がたくさんいたらなということをいつも日本が敗訴するたびに感じるわけでありますけれども、そういう、もちろんこの法科大学院だけの期間で急にそんなに世界に通用するスーパースターが誕生するとも思いませんけれども、やはりそういう人材を集めるという、その第一歩としてのやっぱり魅力ある法科大学院をつくっていかないと、やはり優秀な人材は集まってこないのではないかというふうに思います。
 そういう観点からは、この時間的な経済的な負担の軽減を図るというのは、やはり、これから何になろうかという若者が法曹の道へ進むのか、あるいは金融マンになるのか、あるいは全く別の理系の道を選ぶのかというその選択肢のときに、その負担が軽いということは魅力の一つであろうと思います。
 その法曹コースですか、それから法曹養成連携協定、この二つが今回の改定の一つの目玉ではないかと思いますが、その趣旨と内容を改めて説明してください。
#15
○政府参考人(伯井美徳君) 法曹コース、法曹養成連携協定についてのお尋ねでございます。
 従来、法科大学院と法学部との連携、接続については制度的には規定がされておりませんでした。今回の改正案における法学部の連携法曹基礎課程、法曹コースの制度化は、その優れた資質、能力と明確な法曹志望を有する学生が、法学部の在学段階から、学部の早期卒業を前提に、法科大学院と一貫した教育を受けることができるようにするものでございます。
 そして、その法曹養成連携協定でございますが、これは連携法曹基礎課程、その法曹コースを実施する法学部と法科大学院との間で締結され、当該課程を実施するに当たり、その早期卒業を前提として、法科大学院と円滑に接続できる教育課程の編成、あるいは成績評価基準、入学者選抜方法等をこの連携協定によって規定するものでございまして、その内容については文科大臣が認定するということとしております。
 これらによりまして、その法曹資格取得までの、御指摘いただきましたその時間的、経済的負担の軽減ということに資するというふうに考えておりまして、学部在学中から法曹を目指す若者のニーズに幅広く応えることができるというふうに認識しており、この法曹コースの三年と法科大学院の二年、3プラス2のルートを標準的な運用として考えていきたいというふうに考えております。
#16
○江島潔君 もう一点、先ほど大臣から御案内がありました、現在法科大学院がない都道府県との連携という点について質問させていただきます。
 現時点で、四十七都道府県のうち、いわゆるその法科大学院、この対象となるあれですね、これがない都道府県が三十を超えているというふうに聞いております。つまり、三分の一しかこの法科大学院はないわけでありまして、しかしながら、この法曹コース、法曹養成連携協定を、これを活用していけば、法科大学院のない地方の大学の法学部と他県の法科大学院が連携をすれば、言わば地方の大学で三年まで行って、それから大学院に移れるという、言わば三十の都道府県にも、都道府県というのは多分県だけでしょうね、これ、県だけにも、この法曹人材育成にも資することになると思うんです。
 これは、非常に地方に住む人間、地域にとっては、その地方での弁護士が増えるということにつながるので大変うれしいニュースだと思います。その辺は改めてお聞かせください。
#17
○政府参考人(伯井美徳君) 先ほど御説明いたしました法学部の連携法曹基礎課程、法曹コースというのは、必ずしも自大学だけではなく他大学との連携も可能であるということで、特に地方の法科大学院の募集停止というのが相次ぐ中、法科大学院が存在しない地域との、大学との連携ということは、その地方における法科大学院の進学機会の確保の観点から必要性が高いというふうに認識しております。
 現に、今回の制度化を見据えまして、法科大学院を設置していない地方大学におきましても法学部に法曹コースを設置する検討が進められておりまして、文部科学省としては、その法曹コースの設置における留意点などをまとめたガイドラインの策定を通じて各大学、大学院における法曹コースの設置を奨励し、地方の法曹人材育成ということにも資していきたいというふうに考えておりますし、また、今後、中教審における議論を踏まえまして、法科大学院における入学者選抜について、地方大学から当該法科大学院を専願する者を対象とする選抜枠を設定するということを認める方向で検討してまいりたいと考えているところでございます。
 司法制度改革の理念に照らしまして、御指摘いただきましたように、地方においても十分な司法サービスを担う法曹を確保するということが重要でございますので、法曹コースがそれに資するものとなるというふうに対応していきたいと考えております。
#18
○江島潔君 そうすると、この法曹コースというのを選ぶ学生というのは、もう四年でやるべき勉強を三年でやって、そのまま大学院行って弁護士になろうと、もう十八の時点で相当強い、固い意思を持って弁護士を目指す、まあでもそれぐらいの意思を持ってやはり目指してもらわなきゃいけないと思いますけれども、かつ、結構ハードな時間になると思いますので、それが、最初のエントリーが自分たちの住む地域の大学から行けるとなれば、私、本当にこれ可能性というのは広がってくるかなと大いに期待をしております。
 それから、もう一つの、いわゆる十八歳からもう真っすぐ弁護士を目指す人と、それからある程度社会人としてのいろんな経験を積んだ人、あるいは理系だった人とか、そういう人も法科大学院に進んで、それまでの経験を生かしながらこの法曹資格を目指すという、そういう趣旨は私はやはり依然として非常に法科大学院としての重要な役割の一つではないかと思います。
 今回の改革は、どっちかというと、この法曹コースも含めて、いわゆるもう法学部からどんどん育てていこうということで、ちょっと、他学部の出身、あるいは社会人から大学院、法科大学院を目指そうという人たちにとっては、若干今までに比べると少し目が行かなくなるのかなというような懸念もありますんですけれども、また実際にそういうような声も少し聞かれるようであります。
 こういういわゆる純粋培養された法学部出身の学生以外の法曹養成というものに関しましては、この今度の改定等を通じてどのような対策を講じているか、聞かせてください。
#19
○政府参考人(伯井美徳君) 先ほど法学部在学中から法曹を目指す若者のニーズに応えるコースとして3プラス2のルートを標準的な運用としていきたいというふうに答弁申し上げましたけれども、これを奨励いたしますが、決して他学部とか社会人など多様な人材を法曹として養成するという基本理念を変更するわけではございません。
 法曹コースから法科大学院への接続を確保するため、法曹コース以外の学生や未修者、社会人の枠も確保する必要があることから、法曹コース修了予定者を対象とする選抜枠は、各法科大学院の入学定員の二分の一を上限とすることとしております。これによりまして、法学未修者や法曹コース以外出身の法学生に対する法科大学院への進学機会をしっかりと確保することとしたいというふうに考えております。
 また、今回の改正案におきましては、未修者や社会人に対する入学者選抜上の配慮ということも規定しております。さらに、法改正と併せた改革として、未修者教育、社会人教育への支援を含む、そうした対応をしているところへのめり張りある予算配分ということを継続することとしておりまして、こうした取組を通じて、法科大学院における多様性の確保ということもしっかり推進してまいりたいと考えております。
#20
○江島潔君 それでは、次の質問に入らせていただきます。
 衆議院の審議の中から少し拾い上げたいと思いますんですけれども、議論の中の一つに、司法試験の在学中受験資格という新しい制度の導入でありますけれども、これを決めていくその意思決定プロセス、これに瑕疵があるのではないかというような質問が多くあったかと思います。
 これはやはり、教育の在り方ですから、慎重な上にも慎重な、様々な有識者の議論を経て決定をしていくというのが一般的な定め方、日本のまさにその法治国家としてのルールをきちんと守って進めていくんだろうと思うんですが、今回のこの法案提出に至るプロセス、これは適切だったのか、その辺を再度聞かせてください。
#21
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 この在学中受験資格の導入につきまして、法務省では、昨年の七月以降、文部科学省による法科大学院改革の進捗等を踏まえつつ、司法試験制度の見直し、この在学中受験資格導入を含む制度見直しに関する検討を進めてまいりました。
 その検討のプロセスについてですけれども、まず、そもそも司法試験制度の見直しに当たって特定の審議会での議論を経ること、これは予定されていないところでございまして、今回の見直しでもそのことは同様でございました。ほかに意見調整のための適当な検討枠組みも設けられていなかったところでございます。
 そこで、法務省といたしましては、法科大学院制度を所管する文部科学省や司法修習を所管する最高裁判所との協議のほか、法曹養成の運営に深く関わる法科大学院協会及び日本弁護士連合会と様々な意見交換を行いながら慎重に検討を進めて方針を決定したところでございます。その手続、このプロセスはこれまでの取扱いと異なるところはなく、その検討のプロセス、これは適切なものと考えております。
 もっとも、在学中受験資格の導入につきましては、法科大学院の教育に大きな影響を及ぼすものでございますので、この改正法案の成立後、法務省が設置する会議体におきまして、関係省庁はもとより、大学関係者や法曹関係者等により司法試験の在り方についてしっかりと検討を進めていくことを予定しておりまして、また、中央教育審議会においても、今後、法科大学院のカリキュラムの在り方について必要な検討がされていくものと承知しているところでございます。
#22
○江島潔君 もう一点聞きます。
 やはり同じく衆議院の審議の中であった議論の一つに、この在学中の受験資格の導入という制度に関しまして、一部の関係者からしか意見聴取を行っていないんではないかというような疑問の声がありました。
 改めて、そういうような指摘というのは当たらないということをもう一度、少し、どういう関係団体とちゃんと意見交換したということも含めて詳しく聞かせてください。
#23
○政府参考人(小出邦夫君) 先ほど申し上げたとおり、法務省といたしましては、この在学中受験資格の導入につきまして、文部科学省や最高裁判所との協議のほか、法科大学院協会、日本弁護士連合会などと様々な意見交換を行いながら慎重に検討を進めて方針を決定したものでございます。
 これ、法科大学院協会及び日本弁護士連合会、これは現在の法曹養成プロセスの担い手といたしまして、司法試験制度の見直しに強い利害関係を有すると同時に、法曹養成制度の在り方を検討するに当たって最も的確な意見集約を図ることができる団体であることから、この日本弁護士連合会や法科大学院協会との意見調整を行うことが必要かつ相当と考えたことによるものでございます。その上で、法務省といたしましては、日本弁護士連合会や法科大学院協会のみならず、複数の学会や弁護士関係団体、その他の関係団体等からも様々な形で幅広く意見を聞き、これらの意見をも総合的に考慮した上で慎重に検討を進めてきたものでございます。
 したがいまして、日本弁護士連合会、法科大学院協会あるいは文部科学省、最高裁といったところと意見調整を行ったということで、これ、一部の関係者からしか意見聴取を行っていないという指摘は当たらないというふうに考えておりますが、更に幅広い学会あるいは弁護士関係の団体からも意見を聞いて検討を進めてまいったところでございます。
#24
○江島潔君 分かりました。そういう疑問の声が出ないように、しっかりと幅広い意見を引き続き参考にして進めていっていただければと思います。
 それでは、法曹人口の在り方についてお伺いします。
 今回は、新たに養成、輩出されるこの法曹の規模に関する司法試験合格者でありますけれども、これは千五百人程度という指針がありますけれども、やはりこの法曹の社会のニーズというのは、やっぱり景気も影響するでしょうし、あるいは今後どれだけ訴訟社会になっていくかというなかなかこの予測付かないファクターも出てくるんだろうと思うんですけれども、この千五百人というものは、今後、その指針を見直すという可能性があるのか、そういう検討が行われる可能性があるのか、その辺を教えてください。
#25
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきましては、法曹人口の在り方につきまして、法曹の需要や供給状況を含め、様々な角度から実施された法曹人口調査の結果等を踏まえまして、新たな法曹を年間千五百人程度輩出できるよう必要な取組を進め、さらには、これにとどまることなく、社会の法的需要に応えるため、より多くの質の高い法曹が輩出される状況を目指すべきとされているところでございます。
 法務省といたしましては、この推進会議決定を踏まえまして、関係機関、団体の協力を得ながら、裁判事件数の推移、また国の機関や地方公共団体に在籍する弁護士数の推移、企業内弁護士数の推移など、法曹需要を踏まえた法曹人口の在り方に関する必要なデータ集積を継続して行っているところでございます。
 現時点におきまして、この法曹人口の輩出規模に関する推進会議決定の千五百人という内容と異なる新たな指針を設定する状況にはないものと認識しております。
 もっとも、法務省といたしましては、今後とも、この推進会議決定の趣旨を踏まえまして、また、今回の制度改革の成果等を注視しつつ、必要な情報収集を引き続き行った上で、あるべき法曹の輩出規模につきましてしっかりと必要な検討を引き続き行ってまいりたいと考えております。
#26
○江島潔君 この法曹人材をどういうふうにつくっていくかというのは、冒頭に申し上げましたように、まさに法治国家日本の今後をきちんと運営できるかどうかという、その根幹に関わる問題だろうと思います。決して法科大学院が制度を変えたからといってそれで良くなるものではなくて、これは全体の制度、司法試験の在り方も含めて、これは議論をする必要がある課題なんだろうなと当然私は考えておりますけれども、今後の法科大学院も含めた在り方について、取組の御決意というものを、今回の法案の主管大臣である、そして弁護士でもいらっしゃる柴山文科大臣と、そして、あわせて、法務省を所管する平口副大臣、このお二人から是非今後の制度に関する御決意のほどを聞かせていただければと思います。
#27
○国務大臣(柴山昌彦君) 委員御指摘のとおり、法科大学院における教育の改革だけで現在直面している法曹養成に関する全ての課題が解決できるとは思っておりません。今御指摘になられた今後の法曹に関する需要もしっかりと不断に検証していく必要もあるというようにも感じております。
 この法曹養成に関わる制度のうち、今いろいろと議論をされているのが予備試験の制度でございます。この予備試験については、今回の法科大学院改革の実施状況を踏まえて法務省において必要な検討が行われるべきものであると承知をしておりますけれども、予備試験の本来の制度趣旨を踏まえて、是非しっかりとした議論をしていただきたいと考えております。もちろん、文部科学省としても必要な協力をしてまいりたいと考えております。
 また、制度改正後の司法試験の在り方についても、今後、法務省において、文部科学省はもとより、大学関係者や法曹実務家を構成員とする会議体を立ち上げて必要な検討が行われると伺っております。
 文部科学省としては、今後、より密接に法務省を始め関係機関との連携を図り、必要な検討を進めてまいる所存でございます。
#28
○副大臣(平口洋君) お答えをいたします。
 法曹志望者数が大幅に減少している中で、法務省といたしましては、今回の法案により法科大学院改革を中核とするプロセスとしての法曹養成制度改革をしっかりと進めるということが最優先であると考えております。
 法務省といたしましては、今回の法案の成立後には、法科大学院教育と連携した司法試験の在り方の検討について、司法試験委員会と連携したしかるべき会議体を速やかに設置する予定でございます。そして、司法試験の在り方について必要な検討がしっかり行われるものと考えております。その上で、委員御指摘のとおり、今回の法案成立後も、法曹養成制度の様々な課題に取り組んでいかなければならないものと認識しております。
 法務省といたしましては、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえ、予備試験の在り方の検討や法曹有資格者の活動領域拡大に向けた取組などについて、引き続き、文部科学省はもちろん、関係機関との連携を十分に図りながらしっかりと取り組まなければいけないと考えております。
 今後とも、法曹志望者の回復に向けた必要な取組を一層の力を注いで全力で進めていきたいと考えてございます。
#29
○江島潔君 これで終わります。
#30
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。
 私は、法科大学院のことを質問しに、法務委員会ですけれども、この委員会に来たんですけれども、大変残念なことに、その前に白須賀政務官にお尋ねしなくてはなりません。
 白須賀政務官、今年の一月十二日、あなたは午後に松戸商工会で開かれた自衛隊OBの新年会に出席しましたですね。この日、何かあなたが乗っている車が物損事故を起こしたそうですが、この新年会に向かうときですか、帰りですか。
#31
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 向かうときでございます。
#32
○小川敏夫君 あなたは、その前には船橋のグランドホテルで開かれた自動車整備の団体の新年会に出席していますね、そこから松戸に向かったわけで。松戸のこの新年会は何時に始まった新年会ですか。
#33
○大臣政務官(白須賀貴樹君) ちょっと今、正確な時間を覚えておりません。ちょっと済みません、今、時間を正確には覚えておりません。
#34
○小川敏夫君 じゃ、その新年会の時刻を追ってこの委員会に提出してください。
#35
○委員長(上野通子君) 後刻理事会で協議します。
#36
○小川敏夫君 はい、どうも。
 政治家の皆さんは実感すると思うんですけれども、新年会のシーズンですと、同じような時間に新年会がいろいろ開かれているものですから、急ぐんですよね。移動で本当にゆっくりしていられないと、急ぐようなことがあるんじゃないか。そういったことで、私も、あなたは相当急いでいたんじゃないかということで、この新年会の時間に関心がありますので、客観的な資料を基にこの新年会の時間を教えてください。
 それで、このとき、あなたは乗っていて知らなかったというようなことを取材で答えておるようですけれども、乗っている車がこうした物損事故を起こしたときに普通は急停止するものなんですけれども、この車は急停止しなかったんですか。
#37
○大臣政務官(白須賀貴樹君) まず始めに、今回のこの物損事故に対して、私は全く隠すことなく包み隠さずお話をさせていただきたいと思っておりますし、まず事実関係を、コメント等を出したことあるんですけど、これを読むことはよろしいでしょうか。(発言する者あり)私は寝ていて、気が付いておりません。(発言する者あり)
#38
○委員長(上野通子君) ちょっと待ってください。
 もう一度、小川敏夫議員の質問に誠実に答えてください。
#39
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 眠っていて、気付いておりません。
#40
○小川敏夫君 疲れていたんですか、お酒に酔っていたんですか。
#41
○大臣政務官(白須賀貴樹君) お酒は飲んでいなかったと思いますが、私は寝ていました。
#42
○小川敏夫君 例えば、遠くに行ってゴルフに行って、ああ、疲れたなというと寝ちゃうことはあるんですけれども、政治家が新年会で比較的近いところを車で移動していると、そんなに眠る暇もない、熟睡しちゃうような状況はないと思うんですが、あなたは全く寝ていたということですか。
#43
○大臣政務官(白須賀貴樹君) はい、私、車に乗ると寝てしまいます。
#44
○小川敏夫君 このドアミラーを交換したいと、交換したそうですけれども、それは結局、ドアミラーが使い物にならないから交換したわけですよね。
#45
○大臣政務官(白須賀貴樹君) ドアミラーの外側の一部が破損したところで、そのカバーの交換をさせてもらいました。
#46
○小川敏夫君 あなたは、秘書に対してそのドアミラーの損傷についてどのように質問した、あるいは秘書からどのような説明を受けたんですか。
#47
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 私が次の会合に入る前にコンビニエンスストアに寄ったとき、うちの秘書から、実はドアミラーぶつけてしまいましたと話を聞きました。私、そのときには、よく農道等にございます、車幅規制のためのブロックの柱があるんですが、そこにぶつけたものだと勝手に思い込んでおりまして、相手がいるぶつかっているものだとは正直思わなかったんです。それも、ドアミラーの外の周りのところの一部が破損しただけだったので、よもやほかの対向車のドアミラーとぶつかったとは、正直私、そこも私のミスかもしれませんが、頭の片隅にもありませんで、ドアミラーをぶつけたという報告をいただいたので、じゃ、それ直しておきなさいという話をしました。
#48
○小川敏夫君 そうすると、その日のうちに聞いたということですね。松戸の新年会に出た帰りに聞いたということですね。
 それで、私、お話聞いてちょっとおかしいなと思うんですよ。対向車と擦れ違いざまにぶつかったんなら右の前のドアミラーですよね。ブロック塀にぶつけたんなら左の前じゃないですか。おかしいですよね。右のドアミラーをぶつけるときに、わざわざ右側車線、反対車線の更に右側に行かなきゃぶつからないじゃないですか。だから、ちょっと事実を追うと、あなたの説明はおかしいんですよ。対向車なら、対向車と接触したのが右側のドアミラーですよ。損傷したのも右側のドアミラーですよ。
 あなたは、ブロック塀にこすったというと、それブロック塀にこするんだったら普通は左側のミラーでしょう、聞いてすぐ分かるんじゃないですか、話がおかしいということ。
#49
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 大変申し訳ないんですけれども、私自身、そのときにぶつかったところの損傷具合を見て、正直車と、私の認識がまずいのかもしれませんけど、車同士ぶつかったらドアミラーごと吹っ飛ぶぐらいの、そのようなもののイメージしか今まで正直ありませんでしたし、ですから、ぶつけたと言われたときに主語がなかったので、私は、そういった車幅規制のブロック塀に、ブロック塀というか、ごめんなさい、ブロックの柱にその秘書が昔こすったことがございまして、また同じことをやったのかなと思って、私の思い込みはすごくありました。
#50
○小川敏夫君 客観的な説明がおかしいわけですけれども、もう少し時間的なことを調べて、また日を改めてお尋ねしたいと思います。
 では、本題のこの法案についてお尋ねしますけれども、まず、そもそもこのロースクール制度、法科大学院制度というのは、司法制度改革、総理大臣を本部長とした司法制度改革推進本部を基に、行政府も、私の記憶では国会でも全会一致で賛成して成立した制度だと思うんですけれども、もちろん裁判所もそれに意見を述べて参画していると。
 まさに、国を挙げて進めた司法制度改革、このロースクール制度なんですけれども、そこでのときの、みんなで合意したこのロースクールの在り方というもの、これは、司法制度改革審議会の意見にも書いてあるように、ロースクール、点ではなくてプロセスでしっかり勉強すると、知識だけではなくて幅広い法曹としての人間性を備えた人を教育するんだと、中身のある充実した教育をしたロースクールの卒業生はおおむね七割から八割が司法試験に合格すると、こういう制度設計だった。それからもう一つは、幅広い人材を受け入れる、法曹に養成すると。そして、地域にも満遍なく、地方にも配慮した、地方からも法曹を養成すると、こういう理念に基づいて法科大学院制度というものが設置されたわけであります。
 そこで、お尋ねする趣旨は、その当時、司法試験合格者は千二百人でしたけれども、まず千五百人にすると、それから早い時期に三千人にするということでした。ですから、発足したときに千五百人であれば、その七割、八割が合格者ということであれば、法科大学院の修了生あるいは定員は大体二千人ぐらいが適正であると。最終的に司法試験の合格者が三千人であれば、法科大学院の定員はやはり四千人ぐらいが適正な数字ということは、これは論理必然的に、数字の計算ですから、出てくるわけであります。
 ところが、文科省はロースクールをどんどんどんどん、法科大学院を、手挙げたところをまるで全部設置を認可するようなことにして、六千人近くもの定員を初めに認めて認可してしまったんですよ。
 そうすると、出発から制度の理念に合わないですよね、ロースクールを学んだ人は七割、しっかり学んだら七割、八割が司法試験に受かるという。しかし一方で、司法試験の合格者は千五百人から始めるというときに六千人も定員認めちゃったら、六千人の七割、八割って、千二百人の三倍、四倍ですよね。だから、さっき大臣がおっしゃられたように、七割、八割が合格するという、そういう制度設計の法科大学院なのに、実際の合格者はその二割とかその程度であると。これは当たり前の話ですよ。千五百人しか合格者がいないところに、本来なら二千人しか定員を認めちゃいけないものを六千人近くも認めちゃったんだから。
 私が言いたいのは、国家を挙げて、国を挙げてこういう理念でという大学院制度というものをつくって、そういう理念で出発したのに、文科省が最初からぶち壊しにしたんですよ。
 それで、私の質問です。
 文科省は、そういう理念があるのに、何で六千人もの定員を、その法科大学院の設置を認めたんですか。
#51
○国務大臣(柴山昌彦君) それは、もう全く委員の御指摘のとおりです。
 私も、実はこの法科大学院が制度創設時に当たって言わばバブルというかブームのような形になっていたことを、当時、一議員として非常に懸念をしておりました。
 当時はまだ法曹に対する非常に大きな期待があった、また、法科大学院という新たな制度が創設されたということもあって、今委員が御指摘のとおり、非常に多くの大学が、言わばブームに乗るような形で法科大学院の設置に手を挙げたわけです。そして、政府の側としても、事前規制から事後チェックへという規制緩和の流れで、基準を満たした法科大学院については、これは私は本当に問題だと思うんですが、一律に広く参入を認めて、教育の質の確保は競争による自然淘汰に委ねるという姿勢を取り続けてきたわけであります。その結果、教育力に課題を有する法科大学院も含めて、過大な規模となってしまったわけです。
 こういったことを率直に反省をし、そして、当初の見込みと異なる状況を生み出したことがその後の今委員が御指摘になられた非常に多くの問題点を生んだということは、正面から反省をし、認めたいというように思っております。
#52
○小川敏夫君 大臣も法曹ですので、問題点分かっていただいて反省していただくという姿勢は、大臣の姿勢は、その部分については評価しますが、ただ、今御説明いただいた広く受け入れるという話。いや、でもそれは加計学園の問題で議論しました獣医学部とか医学部を見てください。別に広く設置なんか認めていないじゃないですか。初めにこれだけという方針があって、医学部一つの大学は百人ちょっとの定員だと。加計学園の獣医学部でいけば、つくらないと。
 何でそういうふうなスタンダードでやっているときに、この法科大学院だけ、もう国全体がですよ、国全体が総意で決めたこの仕組みが立ち行かなくなるような、法科大学院で学んだ人の七、八割が受かるという、それが初めから達成できないような数字を幅広く受け入れたということがおかしいし、大臣が今言われたその初めに広く受け止めるというスタンダードは、医学部や獣医学部に対して取っている文科省の姿勢とは全く真逆の姿勢なので、ですから、それは事務的な単なる私は説得力がない言い訳だとしか思わないんですが、どうですか。医学部や獣医学部のしっかり定員を管理しているという、この大学行政に関する姿勢と違うことについてはどう思いますか。
#53
○国務大臣(柴山昌彦君) これは、現在、医学部、医師等の養成に係る学部等の新設や定員増は、御指摘のとおり、認めないこととしております。この施策は、これらの分野で活躍するのは国家試験に合格した者であって、関連する学部等を修了することでその受験資格が付与されるというところ、受験者の質が人材の質に影響するため、受験者の質と規模についても一定の水準を維持する必要がある、そして、分野の人材の需給を見据えつつ入学の段階で規模の管理を行うことで、少人数による講義、実習など教育内容を充実させることが必要であることといった政策的な必要性に基づいて実施をされているということであります。
 そして、法科大学院については、まさしくこの医学部などともちろん共通をする部分があろうかというように思います。ですので、今回、遅ればせながら、我々、文部科学大臣と法務大臣が協議の上、その制度に倣ってしっかりとした制度的管理を行うことにより予測可能性を担保することが大事だという認識に至ったわけでございます。
#54
○小川敏夫君 いや、その理念は大事だというのは分かりますけどね。初めにさんざんぶち壊しておいて今から大事だからやりますといっても、もう本当にこの初めの理念とは違った法科大学院の形になってしまった。
 これは大変に悲劇も生んでいますよ。ロースクールでしっかり学べば大体法曹になれるんだということで、それまでの職を退職してロースクールに学んだ人もいる。それで成功した人もいるから、成功した面、幅広い人材が法曹になったといういい面がありましたけど、でも、数的には話が違うじゃないのと。結局、そうして職も辞めて、そして時間と費用を掛けてロースクール通ったけど、受からないじゃないですかと。決してトップの成績は取れないけど、真ん中以上の成績は取っていたって、今の司法試験じゃ受からないわけですよ。そういう不幸な人をたくさん生んでいますよ。
 それから、そういう状態だからこそロースクールが、結局何だ、気が付いてみれば受験予備校と変わらないじゃないかと。単なる法律の知識を学ぶ場じゃないんだと、法曹としての幅広い倫理観も備え、幅広い教養、幅広い判断力を備えた法曹としてふさわしい人間を育てるというのがロースクールの理念だった。だけど、結局、卒業生が司法試験に受からなきゃ困るから、それから、ロースクールの格付も何か司法試験の合格率で決まっちゃう、司法試験の合格率が悪いと入学希望者が減ってしまったり質が悪くなると。そんな状況が生まれてしまって、結局どうなったか。法科大学院の教育の内容が、どんどん司法試験を目標にした、ああ何だ、受験対策校になっちゃうじゃないかと。全てをぶち壊ししたんですよ、この法科大学院の理念をね。
 まあ、私のその言いたい思いを大臣も理解いただいているようなんで有り難いですけれども、私は、まさに今回の法律は、こうして全てをぶち壊しておいて、ただちょっとばんそうこうを貼ってごまかそうというだけのものであって、本来のこの司法制度改革審議会の意見は国全体で決めた方針なんですよ。それを変更されていないんですよ。それも否定されていない。
 大臣もおっしゃられたように、今からでも遅くないから、そういうふうに理念に戻ろうというんだったら、もっと抜本的な改革をして、本来のあるべき理念のあるところに持っていかなくちゃいけないじゃないですか。そう思いますが、どうですか、大臣。
#55
○国務大臣(柴山昌彦君) 抜本的な制度改革が必要だということ、また、当初の、最初の司法制度改革、今委員が御指摘のとおり、各党がしっかりと思いを込めて、党派を超えてキックオフをしたと、そこに立ち返るべきだという思いは私は共通をしているというように思いますし、ここまでやはり問題がこじれた、いろいろ要因は私なりに、それは実は文部科学省に根付く問題ということも含めていろいろ思いが多々ありますけれども、それはまたちょっと別の機会に。私自身、今取組、改革を進めているところでもありますので、そういうことについてもこれからしっかりと音頭を取っていきたいというように思っております。
 ただ、今おっしゃった小手先でばんそうこうを貼っただけだというところだけにはちょっと申し上げたいというように思っておりまして、まさしくこの法科大学院が予備校化をしてしまっているという、ここをやっぱり改めなければいけない。そのプロセス養成としての本分をまさに取り戻すために、その教育内容も含めて、近視眼的な教育内容にしてはならないという思いから、この教育内容も含めた大きな見直しをしていこうというふうに考えております。
 法曹を志望する学生がより安心して法科大学院への進学を選択することができるように、その教育の内容、それから今申し上げたようなより早期にかつ経済的な負担を軽減して合格できることができるような仕組みを整え、そして、もう先ほど来委員が御指摘のとおり、この需給の見込みについてもしっかりと法務省と連携して抜本的な管理の仕組みをつくりつつ対応していきたいと、このように考えております。
#56
○小川敏夫君 この法律は、大臣はそういうふうにおっしゃられるけど、だけど本来は理念、やっぱり法曹というのは法律屋じゃないんだと、あくまでも、法律はそれは知らなくちゃいけないけれども、幅広い倫理観、幅広い世の中の常識、幅広い豊かな適正な判断力というものを総合的に養う、それが法曹の養成だと思うんですよね。
 だけど、どうでしょう。今度、学部に三年コースをつくる。うまくいきゃ三年で大学院に行けるよ、今度は大学院に行ったら別に修了前だって受験できるよ。そうしたらみんな法律の勉強ばっかりに走っちゃうじゃないですか。
 私は、大臣が理念を求めているというのは、大臣のお考え、御決意として大変に評価しますし、賛同しますけれどもね。だけど、実際にでき上がっている法律は、大変残念ながら、結局、法律知識にたけた人を生む競争を生むだけで、そうした本来のじっくり法曹としての幅広い人材を生み出そうとした理念からは私は離れるというふうに思いますよ。まあ、ここは意見の対立になりましたけどね。
 あと、じゃ、最後に一点だけ。
 私は、このロースクール制度、文科省が理念を踏みにじった、その一つ、もう一つとして、地方にもしっかりと法曹を養成するということで、地方のロースクールも法科大学院も必要なんだということでした。
 だけど、文科省はどういうことをやったか。東大三百人、そのほか早稲田とか中央とか京都大学、明治大学、まあいい大学だから個名を挙げましたけれども、都会の有力校に大勢の定員を認めたわけですよ。有力校に定員を多く認めれば、みんなそっちに殺到しちゃうじゃないですか。千五百人しか合格しない、だけど都会の有力校だけでもう千五百人以上の学生が行っちゃうわけですよ。多分優秀でしょう。そういう方は合格率は高いわけで、人材はどんどんどんどん都会の有力校に吸収されちゃうと。で、結局、司法試験の合格者も都会の有力校ばっかりが集まるから、どんどんどんどん都会の有力校ばっかりに行っちゃうから、結局、地方のロースクールは衰退しちゃったじゃないですか。結局、文科省がめちゃくちゃなことをやったことによって、この地方にも法曹を育てるという理念も全く失われてしまった。大変残念に思います。
 時間が来ましたので、私の指摘にして、また次回質問させていただきます。
    ─────────────
#57
○委員長(上野通子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉良よし子さんが委員を辞任され、その補欠として山添拓さんが選任されました。
    ─────────────
#58
○大島九州男君 国民民主党・新緑風会の大島九州男でございます。
 法科大学院の関係について御質問をさせていただきますが、今日、小出法制部長さん、わざわざおいでいただいているので、ちょっと法律的なことをお伺いいたしますが、世間で一般的に言う当て逃げというように言われるやつというのは、どういう罪があるんでしょうか。
#59
○政府参考人(小出邦夫君) 済みません。突然の御質問ですので、お答えは差し控えさせていただきます。
#60
○大島九州男君 何言っているのあなた、法制部長でしょう。いや、分かんないなら分かんないって言って、いや、正直。別に難しい話聞いているわけじゃなくて、法律的なことを聞いているんですよ。
 僕らは一般人だから当て逃げという言葉で聞くんだけれど、いや、本当に知らないんだったら、そんなの法制部長なんかやっているあれじゃないよ。知らないの、どうなんですか。
#61
○政府参考人(小出邦夫君) 当て逃げと申しましてもいろんな事案があって、その事案事案に応じて最終的に適用法が決まり、罪名が決まるということでございます。
 私は法制部でございますけれども、所管外ということもございまして、具体的にどういう罪になるかということについてはお答えを差し控えさせていただきます。
#62
○大島九州男君 法制部長はそれで務まるわけだね。
 じゃ、ちょっと聞きますけど、今言ういろんな具体的な事案という話で、別にいじめているわけじゃないからね、普通に聞いているわけですから。じゃ、ちょっと聞きますけど、法制部長、大体法務省の方って弁護士資格とか裁判官の資格とか持たれているじゃないですか。部長はそういう資格持たれていますか。
#63
○政府参考人(小出邦夫君) 個人的なことをお答えするのもちょっとあれですけれども、私は裁判官の資格持っております。
#64
○大島九州男君 いや、裁判官ならそういうことを御存じですよね。
 いや、だから、後ろの人が何か一々どうこうじゃなくて、普通に、別に難しいことを聞いているわけじゃないんですから、ちゃんと教えていただかないと質問できないじゃないですか。今日は法科大学院の私が質問をするのにわざわざおいでいただいているから部長に聞いているわけですよ。
 だから、例えば、普通、一般的に接触事故を起こしましたと。接触事故を起こしたら、普通は警察に連絡をして、そして事故処理をしてという、そういう対応じゃないですか。そういう対応をしないで、一般的によくテレビで言われる当て逃げだとかひき逃げだとかいうのは、単純に言うとこれは罪になるんでしょう、何かの罪に。
#65
○政府参考人(小出邦夫君) 一般論として申し上げますれば、道路交通法等の罪に当たる、当たり得る事例だと思います。
#66
○大島九州男君 いやいや、そういうことですよね。
 いや、だから、大臣、もし大臣が自分の車運転していて、そういう接触事故を起こしたらどういう対応を取られます。
#67
○国務大臣(柴山昌彦君) 突然の御質問でございますけれども、恐らく今法制部長がお話をされたように、道交法上の報告義務というものが課せられると思いますので、それは、もちろん当該事故についてしっかりと認識をすることが大前提ですけれども、やはり必要な相手方との協議ですとか、あるいは警察当局への報告というようなことをするのではないかというように思います。
#68
○大島九州男君 まさに、一般的にというか、倫理的においても普通、普通です。私もやっぱり運転していますから、そういう事故を起こしたことというか、接触事故を起こしたこともありますから、当然そういうふうに報告するというか、警察に言って、保険の適用だったりとか、何か、あと、けがしていないかとか、いろんなことをやるんですね。
 今回私がちょっと聞きたかったのは、運転していた人は公設秘書だと聞いていますけど、公設秘書ですか。
#69
○大臣政務官(白須賀貴樹君) そのとおりです。
#70
○大島九州男君 公設秘書の人が運転していて、ぶつかったことを認識したんでしょうか、していないんでしょうか。
#71
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 本人は認識、ぱんとぶつかったということは後で私は報告を受けております。
#72
○大島九州男君 ということは、本人は認識していたけれども、通り過ぎていっちゃったということで間違いないですか。
#73
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 本人から聞いたときには、ドアミラー同士のぽんだったので、大丈夫なのかなと思って、あちらも動いていたので動いたという報告は受けております。
#74
○大島九州男君 それはこう擦れ違いに行くんですから当然動いているし、ぽんとぶつかったという認識があるというんだったら普通は止まる。自分は止まったけれども向こうが行っちゃったというんだったら、向こうが当て逃げなのかどっちが当て逃げなのか、そういう議論になると思うんですけど。
 私がお伺いしたいのは、一般人でもそうなのに、公設秘書というのは、私はいつもうちの事務所の皆さんに言うんですけど、給料はお国からいただいているんですよね。だから、そういう意味からすると公人ですから、だから、そういう公的な仕事をしている人がその事故を起こしたと認識をして通り過ぎてしまうという、そこの倫理観はどうですか。
#75
○大臣政務官(白須賀貴樹君) まず、私の秘書が今回そういう接触事故を起こしたことに関しては、本当に心からその被害を受けられた方に対して私もおわび申し上げますし、真摯に対応していきたいと思っております。そしてまた、今おっしゃられたとおり、彼が報告をしなかったことに対しては、これは問題があるとは思っております。
#76
○大島九州男君 報告を受けたのはいつですか。
#77
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 事故が一月十二日でございまして、そのときにぶつかったという主語がなくて私は聞いて、それで修理を出しました。その後、二月の末ぐらいにその修理を出した工場の方から、警察がそういったことでぶつかっている車を探しているという報告を私のところに連絡来たんですけれども、正直私、何を言っているか最初意味が全く分からなくて、今回の自分の、今回ドアミラーを破損したこととその修理工場の方が言っていることが全く最初はかみ合わなかったんです。
 そして、それを秘書さんに聞いたら、あっ、実は今回ぶつかったことに関しては相手方がいるものなんですと言われたから、それだったらそれはもうすぐ届出出しなさいということで、たしかその次の日に警察の方に彼が出頭したというのが今回の流れです。これ、もう全く隠すことないので、そのままです。
#78
○大島九州男君 秘書さんが修理に車を出したいと言ったのはいつですか。
#79
○大臣政務官(白須賀貴樹君) そのコンビニでこれぶつけちゃいましたと言われて、ミラーの、ドアミラーのこの表面の、何ですか、その外側の破損が一部だったので、すぐ修理出しちゃえばと言って、次の日に出したと思っております。
#80
○大島九州男君 それは一月十二日の話。
#81
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 修理のたしか、ちょっと正確には覚えていないんですけど、部品を取りに、部品が来ないと直らないはずだからということで、十四日に出してその日のうちに直ったと思っております。
#82
○大島九州男君 いや、それは一月十四日に直ってきたという話でいいんですね。
 いやいや、だから、言うなれば、一月十二日の午後二時頃にそういう事故があったという話ですから、その後にドアミラーを直したいと言われて十四日に直ったと。そういう事実関係ありますねと。
 私が問いたいのは、公設秘書というのは、私どもも、私が任命するわけですわね。今言うように、私設秘書だからいいとかじゃないんですよ。当然、公設秘書というのは、そういう公的な秘書ですよ、今言う、お国から税金をいただく。そういう人がその上司に、まさに先生に、重大なことですよね、だって事故を認識していたんだから。そのことを言えなかったのか、言わせなかったのか。そういう、はっきり言うとうそですよ、言わなかったこと、隠蔽というのはうそですから。素直にそういうことを言っていないわけでしょう。それに対してどういう指導をされました。
#83
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 確かに、うちの秘書が主語を付けずに車をぶつけましたという、ぶつけましたと、ミラーがちょっと壊れましたという報告しか受けていなかったので、私の本当に勘違いがあって、確かにその相手がいるかいなかったか確認しなかった私も悪かったですし、また、秘書がちゃんと説明しなかったことは本当に申し訳ない、悪いこと。報告、私に対する報告義務はなかったと思っておりますので、これからはそういったことがないように、うちのスタッフの管理も含めてしっかりやっていきたいと思っております。
#84
○大島九州男君 私に対する報告義務はないということなら、警察に報告する義務はあるという、そういう認識ですか。
#85
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 私にも報告する必要はありますし、警察にも報告する義務はあると思っております。
#86
○大島九州男君 いや、だから、先生にも報告する義務があるのに報告しなかったんだから、どういう指導をしたんですかと聞いているんです。
#87
○大臣政務官(白須賀貴樹君) しっかりと、本当にこういったことは駄目だと怒りました。
#88
○大島九州男君 そうしたら、秘書さんは何て言いました。
#89
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 大変反省しておりました。
#90
○大島九州男君 じゃ、秘書さんはなぜその場ですぐ対応しなかったと推測されますか。
#91
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 私が、秘書さんに、気持ちがどうなっていたかというのは私はよく分かりませんですが、今答える、私が答える内容ではないとは思っておりますが、ただ、おっしゃるとおり、私になかなか報告できなかったという雰囲気があったのかもしれません。そこは私も真摯に反省して、今回は、本当に自分自身も今回の事故に関しては責任があると、自分でもそう思っておりますので、スタッフ一同、しっかりと気を引き締めて、本当にしっかりと運営していきたいと思っております。
#92
○大島九州男君 基本的に、新年会で急いでいると、だからその秘書さんは、急がなきゃというから、今言うような狭い道を通って擦れ違いざまに事故に遭ったんでしょう、多分。そういう中で、寝ていて気付かなかったということもあったかもしれません。でも、秘書さんは気付いていたんだから、その秘書さんがそれを隠蔽をするというようなそういう状況って、これは大変なことですよ。
 だから、たまたまけががなかったかもしれないけれども、それが大事故につながっているわけじゃないですか。だから、そういったことをやはりどういうふうに受け止めるかってすごく大事なことで、まさに、先生が秘書さんに対して指導する、事務所全体がそういうふうに気を付けるということはもう当たり前のことなんですけれども、現実、報道によりますとというか、コメントを求められたら、現在捜査中の案件のため捜査等の影響を考慮してコメントは差し控えていただきますというふうにコメントしたって、これは事実ですか。
#93
○大臣政務官(白須賀貴樹君) はい、事実でございます。
 それは、週刊誌からの取材が夕食中に掛かってきまして、次の日に質問文という形で来たんですが、全部の日にちの確定も含めて正確なものが出せない、そのときに、また違った情報を出してしまうとそごが発生すると問題になると思ったので、まずはそのコメントを出させていただきました。
#94
○大島九州男君 これ、捜査中というのは警察が捜査していると受け取っているんですけど、そういう認識でいいですか。
#95
○大臣政務官(白須賀貴樹君) はい、そうでございます。
#96
○大島九州男君 ということは、警察が捜査をしているということは、被害届が出て、そしてそれに対する捜査をしていると。当然それになれば、起訴されるのか、不起訴になるのか、書類送検されるのか、それはどうなったんでしょうか。
#97
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 今現在確認したところ、書類送検等は何も行われておりません。
#98
○大島九州男君 ということは、まだ起訴も不起訴も決まっていないということで、理解でよろしいですか。
#99
○大臣政務官(白須賀貴樹君) そのとおりであります。
 そしてまた、私の秘書は、その相手、被害を与えた方に対して弁済をしたいという旨は申し出ております。
#100
○大島九州男君 じゃ、相手方はそれに対してどういう回答ですか。
#101
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 警察を介して、今その方、まだ接触させていただいてもらっていない状態で、警察を通してその旨を伝えてあるところでございます。
#102
○大島九州男君 その方にけがあったかどうかというのは確認しましたか。
#103
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 確認しておりません。
#104
○大島九州男君 まず、やっぱりそういう事故があって、自分のところは被害が小さくても、もしかしたら相手には大きなことがあるかもしれないんだから、そうすると、まずは、けがなかったですかと、御迷惑掛けましたという会話があってしかるべきで、そういうところが抜けているから駄目なんじゃないですか。
 この日というのは、在京当番の日ですか。
#105
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 在京当番の日でございます。
#106
○大島九州男君 在京当番の日に、あるべき自分の与えられた使命の役割を果たしていればちゃんと守られるけど、結局そういうことを何度も何度も繰り返している、そういった行動に気付きをいただいたと。まさに、そこで自分が本当に反省して、そして自分がそのことを本当に悔い改めればこういうことは起こらないけど、もうそういう、ここが変わらないから、今言う、ただぶつかっただけだと、だから秘書も、別に報告もしなくてもいいと、まさにそういったことに広がっていくというのが、政務官のまさに日頃の行いがなせる業なんですよ。本当にそのことを反省しない限りは、また起こりますよ。
 そこら辺のところをちゃんと腹に落として、在京当番のときはいかなることがあろうとも歩いて行けるぐらいのところに自分はいますと、それぐらいの覚悟と責任を持ってやるべき、そういう仕事なんですよ。そういうことを軽く考えているから、全てのことを軽く考えるから、そうやってちょっとぶつかっただけだから、秘書もそういうふうにして届けもしない、先生にも言わない。そういうふうなことが広がっていく人がこの文部科学の政務官であっていいのかということなんですよ。
 自分は有権者の皆さんから票をいただいて国会議員という特別な仕事をさせていただいていることに感謝、あるんですか。そして、政務官という、これは日本をいつもリードする文部科学省の政務官なんですよ、そういう信念を持ってやらないからこんなことがどんどん広がるんです。そのことはしっかり改めて反省してください。
 それでは、ちょっと本来の質問させてもらいますが、まさにそういう心が大事ということでいうなら、この法科大学院の制度の創設の目的と、制度、事業、どういう目的でつくったのか、ここを簡潔に教えてください。
#107
○国務大臣(柴山昌彦君) 法科大学院導入の当初は、いわゆる点という、旧司法試験で法曹選抜をしていた、そして、そのことが、受験生が様々な受験テクニックに走るというような問題が指摘をされ、そして、一回の試験で選抜されるもちろん人数も少なかったということもあって、運に左右されるということも指摘をされていた、そういう中にあって、プロセスとしての法曹養成ということが審議会で議論をされ、そしてそれが導入されたというように承知をしております。
#108
○大島九州男君 そして、年間三千人を輩出するという当初の目的を掲げたけれども、今度は千五百人程度の合格者でいいよねというように方向転換しているみたいですが、そこら辺の変節はどういう状況ですか。
#109
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 まず、三千人の目標についてでございますけれども、平成十三年の司法制度改革審議会意見書におきましては、専門的知見を要する法的紛争の増加、あるいは弁護士人口の地域的な偏在が是正されることなどによる法曹需要の増大への対応のために法曹人口の大幅な増加を図ることは喫緊の課題であるとして、平成三十年頃までに、先進国の中で国民一人当たりの法曹の数が最も少ないフランス並みである実働法曹人口五万人に達することを見込んで、年間三千人程度の新規法曹の確保を目指す必要があるとされたところでございます。
 もっとも、この数値目標、三千人という数値目標につきましては、審議会意見書の期待していた状況とは異なる状況が生じていたことから、二十五年七月の法曹養成制度関係閣僚会議において、現実性を欠くものとして事実上撤回されまして、その後の平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定では、法曹人口の在り方につきまして、新たな法曹年間千五百人程度を輩出できるよう必要な取組を進めるとされたところでございます。
#110
○大島九州男君 今回の改正案の目的は何ですか。
#111
○国務大臣(柴山昌彦君) 今回の改正案は、まさしく、今法制部長からも答弁があったような様々な問題が生じてきたということを踏まえ、私が当初答弁した、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度の理念は堅持しつつ、そういった課題を克服するという目的の上で、法科大学院において涵養すべき学識等を具体的に規定するということに加えて、早期の卒業を念頭に置いた法学部三年と法科大学院二年のルート、3プラス2を制度化するとともに、在学中受験資格による司法試験受験を可能とすることによって経済的あるいは時間的な負担を軽減をするということ、そして、法務大臣と文部科学大臣の相互協議の規定を新設することによって法科大学院の定員管理の仕組みを設けるということを目的としております。
#112
○大島九州男君 司法試験自体の改定というのは考えていますか。
#113
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 今回の制度改革におきましては、法科大学院教育の充実を前提といたしまして、在学中受験の資格を創設することを司法試験法の改正によって実現させていただきたいというふうに考えているところでございます。
 ただ、この司法試験の在学中受験の資格の導入ということは法科大学院のカリキュラムに大きな影響を及ぼすということでございますので、この法改正が実現した暁には、司法試験の在り方につきまして、特に、在学中受験を導入することにより、法科大学院のカリキュラムとどう対応するのか、あるいは学生の学修の習熟度が確保できるのかといった観点から非常に関心が高いところでございますので、法務省において会議体を設置いたしまして、文部科学省、最高裁判所、それから法学関係者、また弁護士会等の関係者の参集を得まして、しっかり今後の司法試験の在り方についても検討を続けてまいるということにしております。
#114
○大島九州男君 今日はちょうどたまたま文部科学省と法務省ですから。これ、文部科学省が大学制度改革、入試改革ってやっているでしょう。これ、何でそういうふうになったかというと、これは、十数年前に、グローバルな人材を育てたい、四技能をできるような人材を育てたいと。そのときに、東進衛星のナガセの社長が何と一言言った、一言ですよ、大学入試変えればいいんだと。だから、大学入試変わったから今変わるんですよ。だから、簡単なことなんですよ。司法試験を変えればいいんですよ、変えれば。
 それが起こるとどうなるかというと、今、六法全書と過去の判例を一生懸命勉強しておけば受かる、そういう試験だから予備試験でも合格できるんですよ。私が言いたいのは、さっき大臣が言ったプロセスを大事にすると、そういうことで法科大学院つくったという、それが元々の生まれの願いですから、その願いにかなった試験をすればいいんですよ。
 これからグローバルな社会がってさっき小出部長がおっしゃった、専門的なと。私は、前の弁護士連合会の中本会長がいつもおっしゃっていた、海外の訴訟をやると日本は駄目なんだ、それに対応する人材がいないんだと。外国同士の訴訟をやるのに、弁護士が出ているんじゃなくて役人が出ていっているというんですよ。役人が出ていってと、役人も裁判官だったり検事だったりするからそれでいいと思っているかもしれないけど、それじゃ勝てないよねって話なんですよ。
 だから、私が願うのは、そういう専門的な本当に弁護士さん。例えば、トヨタだったら、トヨタの海外に進出するのにいろんな現地の皆さんと交渉したりする専門家が欲しいなと。丸紅だったら、商社として、その商社の中でも、当然、石油も扱う人もいれば、医療を扱う人もいれば、いろんな人がいるわけでしょう。
 だから、そういう専門的な弁護士を養成するなら、さっきフランスの何とかで五万のといって三千人というのはあり得るんですよ。ところが、今の日本のいろんな問題、交通事故の当て逃げだったりとか、そういういろんな問題をやるようなあれだったら五千人要らないんですよ。ところが、今言うように、専門的なことをしっかりやるようなそういう法曹人材だったら、これもしかしたら五千人でも足りない、三千人でも足りない、五千人でも足りないのかもしれない、そういうことなんですよ。
 だから、私ははっきり言わせてもらうと、試験をまず変えると。その試験もどういう試験にするかというと、具体事例。例えば、海外でこういう訴訟が起こりました、その訴訟について日本の法律ではこういうふうな部分では対応できないものがあると、海外ではこういう事例の中からこういうあれで私たち日本は不利な結果を得たと、そういったものを判例として勉強するんだという、そういうカリキュラムの試験だったら法科大学院でしか学べないんです。予備試験じゃできないんですよ。今までの試験じゃ試験に対応できないんですよ。だから法科大学院に行って学ぼうと思うんです。
 だから、ちゃんと出口がきっちりして将来が見えればいいんですよ。海外の弁護士さんって、何か訴訟して何億って稼いじゃうんでしょう。そしたら、その夢と希望があるじゃないですか。よし、俺も海外の弁護士になって、いろんな問題を解決する、そういう弁護士になるんだと。そしたら五年でも十年でも頑張って、自分はそういうふうな人材になるぞ。そして、そういう法科大学院には、今言った外務省であったり法務省であったり文科省であったりする人たちが一緒に入って、そういう具体事例研究をしていくわけですよ。そうすると、そこで研究するいろんな問題を、じゃ、これを試験に上げていこうとか、こういう問題をやっていこうと。
 特に、外務省や法務省の皆さんというのは海外でいろんな起こっている事例というのは一番よく分かっているわけですよ。それを解決したいんですよ。訴訟したら勝ちたいんですよ。だから、そこにどんどんそういう知恵が出てくるじゃないですか。そして、そこに若い人材が入ってきて、フレッシュなそういう頭脳で、そこで新たな人材がどんどん育っていくと。だから、もう試験変えりゃ簡単なことなんですよ。それを、今言うように法科大学院の仕組みを変えますと、そして、さっきおっしゃった3プラス2、いや、そんなことは枝葉なんですよ、はっきり言わせてもらえば。
 だから、本質、本が一番大事。その根っこは、法科大学院というのはプロセスを大事にするということを学ぶためにつくりました、専門人材を養成するようにつくりましたというんだから、そしたら試験をそのようにしてあげなかったら意味がないんですよ。だから、試験さえ変えればそういう人材が育っていって、黙っていても目指す人は法科大学院に行くんです。
 そして、なおかつ、そういう夢と希望を見せなかったら子供たちは入ってきませんよ。だから、自分はそれで億万長者になれるんだみたいな、海外のいろんな弁護士呼んできて、自分はこういう訴訟をこういうふうにやってこういう財を築いたと、それをその人たちは社会に還元していると。ここら辺までやらないと、ただもうけて、自分が何かいい車に乗って、いい飯食って遊んでいるみたいな、そんなんじゃ今言うようにいい人材は育たないんです、やっぱり心が大事だから。だから、そうやって得た資産をしっかり社会に還元していくんだという、そういう心が必要。
 私がもう一つ言いたいのは、大学は生徒入れなきゃいけないから、経営を考えるから、もう正直言って数取りたいんですよ。私も学習塾やっていましたから、やっぱり数をやらないと経営できないと。でも、私が言いたいのは、そういうトヨタだったり商社だったり、そういうところが、専門人材育ててくれて一緒に事例研究してくれるんだったら金出しますよ、大学に、法科大学院に。そしたら、少ない人数でもきっちりしたそういう教育ができる、これが私が言った民間教育なんですよ。
 民間教育というのは、学習塾や、私たちのような人たちが教える教育ではなくて、まさにいろんな問題解決をしていかなきゃならない事例を、その企業だとか、そういう関係する省庁が一緒になって勉強していく、これが民間教育だと。先日私が言いました民間教育の概念というのはこういうことなんですよ。
 だから、まさにこういう場で、私が今質問させていただくタイミングに政務官のそういう当て逃げ事件が出てきたけど、やはりその事件一つ、みんながどう考えるのかですよ。これには、倫理観もあれば、そういう法的な問題もあれば、やはりいろんなものが絡んでくる。そういうことをしっかり考える人材を育てていないから、ただバックミラーとか、ミラーがぶつかって壊れただけだと、その点だけ見ているけど、そうじゃない、全てはいろんなところにつながっている。
 だから、その根っこになっているのは何かといったら、最初のその章なんですよ。だから、法科大学院はどの願いで生まれたかという、ここをしっかり見詰めていないから今みたいな変なことが起こるわけ。だけど、ちゃんと最初からそのプロセスと専門人材を養成するためにできたんだから、そうしたら出口のその試験はそのようにしなきゃ行くところないでしょう。大臣、だから、やるべきことはまず司法試験を変えることなんです。どう思いますか。
#115
○国務大臣(柴山昌彦君) 全くおっしゃるとおりだと思います。司法試験を変えることによって、それにつながるプロセスが変わってくるという性格があるということは私も同意できる部分でありますし、また、その試験をやはり変えるというためには、まさしく企業の高いニーズをしっかりと取り入れていく。今回、学生の関心に応じた多様な法領域、例えば国際法などですね、こういった科目もしっかりと法科大学院に入れていく、そして今回そういった科目も試験の中に選択科目としてしっかりと残すということになりましたので、やはり試験が大事だということはおっしゃるとおりです。
 ただ、一つ申し上げさせていただくとなると、やはり目先の我々の非常に大きな課題として、学生の時間的あるいは費用的な負担を軽減させるということ、そして過剰なこの法科大学院の定数をきちんと管理しなければいけないということ、これが非常に大きな我々にとっての喫緊の課題ということ、それによって法曹志望者が大幅に減少してしまっているということ、ここにやはり迅速に対応しなければいけないということで、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進審議会の決定に基づいて、平成三十年度、ですからもう昨年度になってしまうわけですけれども、その平成三十年度までを集中改革期間としてそのプロセスの改善をしなければいけないという、こういう中でまず法科大学院の在り方について見直しをしたということなんですね。
 ですので、まさしく今おっしゃったように、これから司法試験がどうあるべきかということを、これは法務省が中心となって、今委員が御指摘になったことをしっかりと踏まえて検討を集中的に迅速にやっていただかなければいけないというように思っています。もちろん、我々もしっかりとした協力をしていきたいと考えております。
#116
○大島九州男君 まさに今日はそういう御縁で、文科省はもう既に大学入試改革をするということで大きく教育の転換をしたんです。だから、そのプロセスがいろいろこれから変わってきて、まさに論理的思考のできる、そういう人材を育てていくわけですよね。
 だから、法務省は、一つお願いがあるのは、国際法、当然そういうこともいいんです、当然必要な基礎知識ですから。それは、計算する上においての四則計算のそのルール。そうしたら、四則計算のルールあったら今度それを使ってどういう二次方程式、三次方程式を解いていくかというものは、具体的事例をいろいろ本当にディベートしながらそういう能力を高めていかなきゃいけない。当然、そうすると語学力も必要になってくるし、そういう試験を入れなきゃ駄目なんですよ。そういう試験を入れなければ予備試験だけで終わっちゃうと。
 だから、知識だけというのは、もう今はAIだとかそういう部分でできちゃうんです。だから、これからの人材の養成というのは、あらゆるそういう知識とかそういうものをいかに組み合わせて、そしてそれを一つの創造的なものにしていくか、まさにそういう芸術的な部分が必要になってくるので、試験にそういうディベートだったりそういう感覚を入れていくという試験にならない限りは、法科大学院、また元のもくあみになりますので、是非そういった試験改革をやっていただくことを要望して、質問を終わります。
 以上です。
#117
○新妻秀規君 まず大臣に、司法試験後の法科大学院での学びについて伺いたいと思います。
   〔委員長退席、理事江島潔君着席〕
 法科大学院を創設した目的の一つに、司法試験合格に向けた学修のみにとどまらず、法曹養成のプロセスにおいて幅広い知識を身に付けられるようにすることが挙げられます。これは本当に、江島先生、大島先生も質疑に挙げられたとおりです。
 本法律案において、司法試験で求められる能力、資質の定着を念頭に、法曹となろうとする者に共通して必要となる学識等を段階的かつ体系的に涵養すべきことを大学の責務として規定することにより、法科大学院における教育課程の編成、つまりカリキュラムですね、が司法試験合格のための学修に偏重し過ぎないように是非ともしてほしいと思います。
 また、新制度では、法科大学院の卒業を待たずに在学中の受験が可能となり、この試験が夏頃になる想定で伺っているところです。ここで、司法試験後の卒業までの約半年以上の期間の学び、これが、プロセスとしての法曹養成、最短の場合、飛び入学プラス3プラス2で五年間、約一割を超える期間を占めまして、極めて重要だと思うんですね。
 この期間の学びを消化試合のようにしては断じてならないと思うんですけれども、どのような工夫が考えられるのでしょうか。
#118
○国務大臣(柴山昌彦君) 今委員が御指摘になられたとおり、法科大学院の改革後、司法試験の受験後も含めて、この在学期間である三年間あるいは二年間を通して、司法試験で問われる学識や能力のみならず、実務の基礎的素養ですとか弁論能力もしっかりと涵養するということが必要になってまいります。
 この在学中受験資格の導入後の法科大学院におけるカリキュラムの在り方については、法案が成立した後に中央教育審議会において具体の検討を進めていくこととしておりますけれども、各法科大学院においては、この司法試験の後に、例えば、法律事務所におけるエクスターンシップをやるですとか、あるいは特に先端的な法領域に関する科目について学びの機会を提供するなど、より実務に即し、自身の関心に沿った内容の科目を充実させるような工夫が行われるというふうに考えております。
 我々文部科学省といたしましても、カリキュラムの検討に当たって、司法試験の後の教育内容を魅力あるものにする観点から御議論をいただくとともに、めり張りある予算配分を通じて各法科大学院における創意工夫を支援をしてまいります。
#119
○新妻秀規君 今大臣がおっしゃった様々な工夫、是非とも、好事例の展開とかを通じて、まためり張りのある予算配分を通して推進をしていただきたいと思います。
 次に、法曹有資格者の活動領域の拡大について、これは法務省に伺います。
 平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定事項といたしまして、法曹有資格者の活動領域の拡大に向けた環境整備を引き続き実施していくとしているところですけれども、それでは、これまでの取組をどのように評価をして、今後どのように環境整備を進めていくのでしょうか。
#120
○政府参考人(小出邦夫君) 法曹有資格者が国の機関や地方自治体あるいは企業など社会の様々な分野で活躍することは、より多くの有為な人材が法曹界を目指すことにつながるものであり、重要であるとまず認識しております。
 御指摘の二十七年六月の推進会議決定を踏まえまして、法務省といたしましては、文部科学省とともに法曹養成制度改革連絡協議会を開催しておりまして、法曹有資格者の活動領域の拡大を含めまして、その取組状況に関する情報共有等を行ってきたところでございます。例えば、昨年二月には企業の分野、また昨年の十二月には海外展開の分野における法曹有資格者の活動領域の拡大を主たる議題として取り上げまして、関係機関、団体に出席いただいた上で、ヒアリングの実施、情報共有、意見交換等が行われたところでございます。
   〔理事江島潔君退席、委員長着席〕
 この法曹有資格者が社会の様々な分野で活躍する人数は増えているというふうに認識しておりまして、例えば平成十八年に企業内弁護士は百四十六人でありましたものが、平成三十年には二千百六十一人へと大幅に増加しております。また、任期付公務員として自治体等に勤務する弁護士につきましても、平成十八年には四十名にとどまっておりましたが、平成三十年には二百七人と大きく増加しております。
 このように、社会の様々な分野で活躍する法曹有資格者の数、これは着実に増加しておりまして、この有資格者がその専門性を様々な場面で発揮することができるような環境が定着しつつあるものと認識しております。
 法務省といたしましては、今後も社会の様々な分野におきまして法曹有資格者がこの専門性を活用できると、そういった流れが加速されるように、関係機関の協力を得て、引き続き必要な取組をしっかり行ってまいりたいと考えております。
#121
○新妻秀規君 協議の結果が実際もう本当に活動領域の拡大に、実態につながるような、そうした取組をフォローアップをお願いをしたいと思います。
 次に、制度移行時の取扱いについて伺います。
 この法が可決、成立となれば制度は切り替わるわけなんですけれども、その制度が切り替わるときの受験生につきましては、それまで五月に実施して受験ができていた司法試験が夏まで待たなくちゃいけないと。また、研修の開始も、現行の秋、司法修習ですね、秋から翌年の春まで待たなくちゃいけないということで、こうした、かえって待ちの期間が出てしまうんじゃないかと思うんですけれども、これについては、法務省さん、どのようにお考えなんでしょうか。
#122
○政府参考人(小出邦夫君) まず、司法試験の実施時期あるいは司法修習の開始時期につきましては、まず司法試験の実施時期につきましては、今後設置予定の会議体での議論を踏まえまして、最終的には司法試験委員会において決定する事項であると。司法修習の開始時期等につきましては、最終的には最高裁判所において定められる事項でございまして、現時点で今回の法案を踏まえた司法試験の実施時期あるいは司法修習の開始時期がどうなるかはまだ決まっていないという状況でございますが、仮に司法修習の開始時期が法科大学院課程の修了直後になるといたしますと、委員御指摘のとおり、新しい制度に移行した後には、在学中受験をせずに法科大学院修了後に司法試験を受験して合格した者にとりましては、現行制度との比較におきまして、法科大学院の修了から司法修習開始までの期間が三、四か月程度長くなる結果になるということは確かでございます。
 しかしながら、この点につきましては、法科大学院在学中受験資格を導入して法曹志望者の時間的、経済的負担を最大限軽減することによりまして多くの学生に在学中受験を可能とする制度設計を行ったことに不可避的に生ずるものであり、全体としての制度設計としては合理性があるものと考えております。
 また、三、四か月程度長くなるということでございますが、司法修習の修了時期も年度末ということになりますので、法曹資格の取得時期、これは年度初めの社会における就職動向にも合致するということも言えるのではないかと思います。
 いずれにいたしましても、この法改正が実現した後の司法試験の実施時期、また司法修習の開始時期を含むこの新たな法曹養成制度の運用につきましては、文部科学省あるいは最高裁等関係機関と十分に協議して適切に対応してまいりたいと考えております。
#123
○新妻秀規君 それでは、今後の展望について文科大臣にお伺いをしたいと思います。
 本法律案、法科大学院の教育の改善充実を中心に据えて、優れた資質を有する法曹人材を確保しようとするものですけれども、今後、今回の法律案が可決、成立、そして施行になった後の話なんですけれども、今回の改革の成果についてどのようにして検証していくのでしょうか。
#124
○国務大臣(柴山昌彦君) 今回の改正案の成果としては、各法科大学院における教育の充実などを通じて、法曹志望者がまず増加をするということだと思います。また、もう一つは、法科大学院修了者の司法試験合格率が向上するということであろうと思います。
 一人でも多くの有為な人材が法曹を目指して、プロセスとしての法曹養成を経て法曹となる状況を実現するためには、御指摘のとおり不断の検証が必要であると考えておりますので、文部科学省といたしましては、この法科大学院教育の一層の改善充実を図る観点から、法科大学院への入学者数や司法試験合格率といった数値目標を設定をいたしまして、継続的に把握、検証を行って、この改正法の趣旨が実現されるようにしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
#125
○新妻秀規君 次に、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律の一部改正について伺います。
 まず、法曹養成連携協定や連携法曹基礎課程、いわゆる法曹コースの設置推進の具体策について伺います。
 今回の第六条の条文におきまして、法曹志望者が学部段階から充実した教育を受けられるよう法曹養成連携協定や連携法曹基礎課程、いわゆる法曹コースの設置を推奨していくとのことですけれども、具体的にどのように進めていくのでしょうか。
 本法律案における法曹養成連携協定に対する文部科学大臣の認定は、その内容が適切である旨を周知するものであって、政府による支援を伴う制度ではありません。法科大学院と法学部等が一体となった法学教育を促進するためには、この取組を行った法科大学院に対する法科大学院公的支援見直し強化・加算プログラムにおける加算率を引き上げるなど、財政面における支援も併せて行うことも選択肢となり得るのでしょうか。
#126
○政府参考人(伯井美徳君) 連携法曹基礎課程、法曹コースでございますが、法学部の法曹コースの開設を検討する大学が制度改正の趣旨を十分理解し、そして大学間の協議を進めていくということは極めて重要でございまして、文部科学省としては、大学向けの説明会の開催など丁寧な情報提供を現状できる範囲で努めているところでございます。
 各大学においては、この法案をお認めいただいた後に速やかに対応ができるようしっかりと準備を進めていただく必要があるということで、文部科学省といたしましては、法曹コース開設のためのガイドラインの策定などを通じまして、各大学、大学院におけるコースの設置というのを奨励していきたいと考えております。
 また、予算面の支援でございますが、平成二十七年度予算からの公的支援見直し強化・加算プログラム、御指摘いただきましたが、実施しております。法科大学院に対する運営費交付金や私学助成のめり張りある予算配分を通じて、法学部との連携を含め、法科大学院における教育の質の向上のための取組の促進をしておりまして、法学部との連携も含めた法科大学院教育の更なる充実改善を促すという観点からも、このプログラムを継続実施してまいりたいというふうに考えております。
#127
○新妻秀規君 次に、法曹コースを卒業した学生が法科大学院に進学しない場合の取扱いについて伺います。
 大学が法曹コース設置に伴う大学の早期卒業制度を導入するに当たって、法科大学院への進学を早期卒業の要件とすることは考えられるのでしょうか。
 また、このコースに在籍して早期卒業制度を活用する学生が結果として法科大学院への進学を希望しないという場合、法科大学院に進学しないことを理由に早期卒業を取り消すことは適当でないと考えますが、どうでしょうか。
#128
○政府参考人(伯井美徳君) 早期卒業制度は、三年で卒業に必要な単位を各大学が定める優秀な成績で修めることができ、かつ本人が希望する場合に大学の判断で適用されるものであるということから、卒業後の進路は早期卒業の条件とはならないというふうに考えております。
 今回の改正案による連携法曹基礎課程、法曹コースから連携先の法科大学院への進学、すなわち3プラス2の場合、早期卒業の活用を前提としており、法学部と法科大学院との連携協定の認定基準の中でも文部科学省令において早期卒業に関する規定を設けることを予定をしておりますが、法曹コースを早期卒業する学生が必ず法科大学院へ進学しなければならないという、そういう制度設計にはなっていないものでございます。
#129
○新妻秀規君 次に、法学部の役割について伺いたいと思います。
 今回の法改正によって法曹コースを設置、拡充するというふうにしておるんですけれども、ここで、リーガルマインドを持った人材は法曹界以外にも重要な貢献をしていると思います。ここで、法曹コース以外の法学部の役割はどのような学びを目指すのでしょうか、今回の法改正によって変更はないのでしょうか、また、法学部内でのコースの変更は可能なのでしょうか。これ、大臣、お願いします。
#130
○国務大臣(柴山昌彦君) 法学部は、法的思考や政治学的識見の基礎を身に付けた人材の養成など、幅広い目的を有するものでありまして、法曹だけでなく、幅広い業種の民間企業や公務員など、多様な進路に人材を輩出するという役割は今後も変わるものではありません。
 コース変更については、各大学が法学部内で開設する複数のコースでは、それぞれのコースの目的に応じてカリキュラムが編成されているために、受入れ可能な人数ですとか各コースの必修科目の配当時期などの様々な事情を考慮して、各大学において判断されるものと考えます。
#131
○新妻秀規君 今の大臣の答弁と若干絡むんですけれども、早期卒業の推進による学部でのカリキュラムへの影響について伺います。
 法曹コースでは、早期卒業を前提としたカリキュラムを組むことになると思います。ここで、例えば東大のように、一、二年を教養学部として、専門学部、専門科目の学びは二年次の後期以降に本格化させるような大学もあります。ここで、カリキュラムへの影響はないのでしょうか。また、教養課程を重視する大学の方針に影響を与えることはないのでしょうか。また、何か例えば教養科目のように削られてしまうような科目が出てくるおそれはありませんでしょうか。また、早期卒業の場合でも通常卒業と同じ単位数が求められることになるのでしょうか。
#132
○政府参考人(伯井美徳君) 法曹コースにおきましては、法科大学院の既修者コースへの接続を前提としておりまして、基本的な法律科目については、法科大学院の未修一年次の内容を修得できるカリキュラム編成をすることが求められております。
 他方で、法曹コースの学生につきましても、他の学生と同様、外国語とか社会科学、自然科学など、法律科目以外の一般教養科目についても幅広く履修し法科大学院に進学するべきであるというふうに考えておりまして、中央教育審議会において、そうした考え方の下、法曹コースの具体的なカリキュラム等の制度設計について提言されているところでございます。
 法曹コースは早期卒業を前提とするものでありますが、早期卒業は一般教養科目も含めまして通常の卒業の場合と同じ単位、百二十四単位以上でございますけれども、これを学士の学位を授与するのにふさわしい優秀な成績で修得した者に認められるものであります。求められる学修の質と量は四年で卒業する者と変わるものではないということでございまして、したがって、早期卒業を前提とする法曹コースにおきましても、学部における多様な学修は可能であるというふうに認識しておりまして、学修内容が過度に法律科目に偏ることがないよう、制度の設計、運用をしっかり行ってまいりたいと考えております。
#133
○新妻秀規君 次に、法学未修者の合格率低迷と対応策について伺います。
 第十条で法科大学院における入学者の多様性の確保について規定をしております。ここで、法学未修者の累積合格率が既修者の七割に対して五割と低迷した理由をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。また、この課題にどのようにして取り組んでいかれるのでしょうか。
#134
○政府参考人(伯井美徳君) 七割に対して五割と低迷した理由でございます。
 未修者コースには多様な者が含まれておりまして、入学時点において法学に関する学識や専門的知識には差がございます。こうした多様な学生に対して十分な学修支援がきめ細やかにできなかったこと、あるいは、各大学の未修者教育の創意工夫の成果を共通的に把握する仕組みがなかったことなどが、法科大学院修了時点での法学の基礎的知識の修得や法的思考力の修得の定着度に関して、既修コースの学生に比べ十分でなかったということが一つの要因というふうに考えられております。
 多様なバックグラウンドを有する者が法律に関係する分野でその知見を生かせるようなチャンスを開くということは極めて重要でございます。今回の改正におきましても、入学者選抜の時期、方法等について未修者に対する配慮義務を規定しておりますし、また、そういう未修者教育の改善充実に取り組む大学へのめり張りある予算配分の継続であるとか、共通到達度確認試験、本年度から本格実施しておりますけれども、そういった取組を推進することによりまして、引き続きこの未修者教育の充実といったことにも配慮してまいりたいと考えております。
#135
○新妻秀規君 今局長がおっしゃったそうした対応策が効果をしっかり出しているかどうかをしっかりフォローアップしていただきたいと思うんですね。多様な人材が法曹界で活躍する、これは非常に重要なことだと思いますので、是非とも取組の推進をお願いをしたいと思います。
 次に、社会人志願者の激減と対応策について伺います。
 六条での多様性の確保につきまして、未修者というより社会人志願者は大きな課題がありまして、もうとにかく志願者が激減していると。この理由をどのように考えていらっしゃるのでしょうか、また、この課題にはどのようにして取り組むのでしょうか。
#136
○政府参考人(伯井美徳君) 法科大学院への社会人入学者が減少、激減した理由は、法科大学院修了者全体の司法試験合格率が二、三割というふうに低迷したことによりまして、有職者が退職してまで法曹を目指すということを敬遠したこと、働きながら夜間や土日に学べる環境がまた不十分であったということが要因として考えられます。
 先ほども申し上げましたように、多様なバックグラウンドを有する者が法律に関係する分野でその知見を生かせるようなチャンスを開くということは極めて重要でございますので、今回の法律案におきましても、法科大学院の入学者の多様性の確保、一層促進の観点から、入学者選抜の時期、方法についての配慮義務を規定すること、また、そういう時間的な問題ということも要因でございますので、例えば社会人が出張先からでも一定程度授業の受講を可能とすることや、あるいは授業の録画配信とか、あるいは社会人を対象にICTを活用した教育といったようなことを行っている大学も既にございますので、そういうICTの活用に関しても積極的に促進をしていきたいと思っております。
 こういう法改正と併せた改革として、社会人教育への支援を含むめり張りある予算配分の継続といったことも併せまして、法曹となる多様性の確保に努めてまいりたいと考えております。
#137
○新妻秀規君 次に、法務大臣と文科大臣の相互協議の規定の新設について伺います。
 十三条に、法務大臣と文科大臣の相互協議の規定が新設されました。現行の法律でも両大臣の相互協力については規定されているんですけれども、何でこの条でのこうした新しい仕組みの新設が必要になったのでしょうか。
 また、両大臣は、法科大学院の学生の収容定員の総数その他の法曹の養成に関する事項について、相互に協議を求め、又は大学その他法曹の養成に関係する機関の意見を聴くことができるとしていますけれども、ここで、聴くとはどの程度の具体的な拘束力を持つものなのでしょうか。
 また、収容定数の総数については二千三百人程度となる想定と伺っております。しかし、平成三十年度においては総数二千三百三十の定員に対し実入学者は千六百二十一人であり、七割しか充足していません。このような定員割れが生じている状況において入学定員総数の上限を定める意義は一体何なんでしょうか。
#138
○政府参考人(伯井美徳君) 今回の改正案には、今御指摘いただいた法科大学院の定員を制度的に管理することがございますが、これに加えて、司法試験で問われる学識、能力を始め法科大学院において涵養すべき学識等に関する具体的な規定の整備、それから、司法試験の在学中受験資格の導入などが行われることで法科大学院における教育と司法試験がより一体的、連続的なものとなるということで、法務大臣と文科大臣との一層緊密な協力を確保する必要が出てきております。そのため、改正案におきましては、従来文部科学大臣から法務大臣に対して求めることができると規定されていたその協議について、両大臣が相互に協議を求めることができるというふうにしているものでございます。
 また、今回の制度改正の円滑な実施に万全を期して更なる改善を図っていくためには法曹養成に関係する機関との連携も不可欠であると、こういう観点から、改正案におきましては、法務大臣及び文部科学大臣が法曹の養成に関係する事項について関係機関の意見を聴くことができるというふうにしております。この意見聴取の結果につきましては十分に尊重して対応すべきものであるというふうに認識しているところでございます。
 さらに、法科大学院の定員管理の必要性でございます。
 今回、法科大学院教育を抜本的に改善充実するとともに、法曹志願者を回復させるということを目指しておりますが、こうした中……
#139
○委員長(上野通子君) 局長、時間が来ておりますので、簡潔に。
#140
○政府参考人(伯井美徳君) 法科大学院の定員規模が更に過大とならないよう、これまで届出事項として扱われていた法科大学院の定員について、今回の改正案により制度的に管理するということをいたしまして、予測可能性の高い法曹養成制度の実現を図るということとしております。
#141
○新妻秀規君 終わります。
#142
○松沢成文君 日本維新の会・希望の党の松沢成文でございます。
 私はまず、この法曹養成制度ができた経緯、特に法科大学院ができた当時の議論から始めたいと思うんですが、まず、今年二月に発売されたある経済誌に、法務省の元幹部の話を交えて以下のような趣旨が掲載されていて、私は非常に興味深く感じたんですが、ちょっと読み上げます。
 法務省は当初、アメリカのロースクールをモデルに制度設計をしようとしたが、これに法学部を抱える大学と文部科学省が反対した、アメリカの大学には日本の法学部に当たる学部がなく、新設する法曹養成機関がアメリカ型になってしまうと既存の法学部を潰すことになるのではないかと大学と文部省側が危惧したと、そして、法務省は妥協し、結局、法学部の上に法曹養成学校である法科大学院をつくるという屋上屋を架す形を採用してしまったと、こういう指摘があったんですね。なるほどなと思いました。
 このように、法学部の上に更に法科大学院をつくるという法曹養成機関をつくること自体に私はこの失敗の根本的な原因があったんじゃないかと思います。アメリカのロースクールのように、大学の中の法曹養成コースをつくって、そこを出れば司法試験を受けられる。実務家を大学時代から育てられるわけですね。この屋上屋を重ねて大学院にしてしまった、ここの失敗からあったんじゃないかと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#143
○国務大臣(柴山昌彦君) 法科大学院は専ら法曹を養成するための専門職大学院であるのに対して、法学部は法的素養を備えた多数の人材を社会の多様な分野に送り出すという意義と機能を担っており、法学部と法科大学院は役割が異なることから、共存することは可能であるというふうに考えております。
#144
○松沢成文君 また、今度の法案では大学の中に法曹コースをつくるということで、何か逆行しているような感じもしますけれども。
 次に、司法制度改革に合わせて二〇〇三年に施行した法律、法科大学院の教育と司法試験との連携などに関する法律では、司法試験に関して、法科大学院における教育との有機的連携の下に、裁判官、検察官又は弁護士になろうとする者に必要な学識とその応用能力を有するかの判定を行うということを求めています。
 しかし、法科大学院で教えた経験のある多くの教授や実務家教員からはこういう声が出ているんですね。法科大学院は文科省、司法試験は法務省、実務を学ぶ司法修習は最高裁判所と所轄が分かれており、縦割りで分かれており、余りにも連携が取れているとは言えないと。この縦割りがあるのでこの改革なかなか進んでいないんじゃないかという認識なんですが、この認識には大臣はいかがお考えでしょうか。
#145
○国務大臣(柴山昌彦君) 法曹養成制度を充実させるためには、この文部科学省と法務省と最高裁判所が連携を図ることが不可欠であります。これまでも定期的に法曹養成に関する情報交換とか認識共有を図ってまいりましたけれども、今回の連携法改正案においては、新たに、法務大臣と文部科学大臣は、法科大学院の収容定員の総数その他の法曹の養成に関する事項について、相互に協議を求めることができるということなどを規定することとしておりまして、法科大学院の収容定員の総数のほか、法科大学院における教育課程の編成や教育水準の在り方と、それを踏まえた司法試験の在り方との相互関係、法曹養成教育と法曹実務の懸け橋のための方策などといった事項について協議をすることとしておりまして、より一層文部科学省や法務省などによる連携を密にしております。
 また、法案成立後に法務省が設置する予定の司法試験の在り方を検討するための会議体に文部科学省及び最高裁判所も参画、参集することが想定をされていると承知をしておりますので、より一層こういった事柄を通じて連携を深めてまいります。
#146
○松沢成文君 法曹養成の改革の理念というのが点からプロセスへということはよく言われておりますけれども、そのプロセスをつくるためにはこの三者の連携というのは最も大事ですので、今回の改革案というか法案にはちょっと連携が取れていないんじゃないかという部分がありますので、後々また指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、予備試験というのが導入されました、法科大学院ができた後にですね、二〇一一年頃だったでしょうかね。この目的は、元々、経済的な事情で法科大学院に進学できない人たちのためにつくったということで、これは特別な受験資格はなくて誰でも受けられると、そして合格すれば法科大学院修了と同等にみなされて司法試験を受けられるために、法曹への近道として大変人気が出ていると。今、どんどんどんどん予備試験合格者の司法試験合格率がどんどんどんどん高まっているわけですよね。
 それで、文科省と法務省が司法試験合格者上位の法科大学院を持つ大学に実施したアンケートでは、衝撃的な結果が出ています。予備試験を受験する理由について、少しでも早く法曹資格を取りたかったからというのが六〇%を超えちゃっているんですよ。とにかく早く弁護士さんなり法曹者になりたいから予備試験を受けたというんですね。その制度の目的である経済的な問題では、経済的余裕がなく法科大学院に進学できないから予備試験を受けたという学生は一五%にとどまっているんです。
 このことからも、時間を節約して経済的な負担も軽減できるバイパスコースとして予備試験が活用されている実態は明らかだと思いますね。むしろ、経済的な理由よりも時間節約で、早く法曹者になりたいからこっちの方がいいじゃないということでみんな流れてしまっているわけですね。
 二〇一五年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定は、このように制度趣旨を見失った現状を鑑みて、本来の趣旨を踏まえて予備試験制度の在り方を早急に検討し、必要な方策を講ずるというふうに述べています。
 そうであれば、今回の法改正の中に、予備試験の受験者に例えば資格制限を設けたり、あるいは司法試験の合格者の中のクオータ制で、これ国家試験ですからここまでやることについては議論があるかもしれませんが、法科大学院出身者は八割、あるいは予備試験経てきた人は二割とか、こういうクオータ制を設けるなり、あるいは予備試験の皆さんの経済的な困窮度というのを一つの予備試験の受験資格にするなり、何らかのやはりハードルを付けていくという方向も考えられたんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
#147
○副大臣(平口洋君) お答えいたします。
 法務省といたしましては、喫緊の課題でございます法曹志願者の回復ということに向けて、現在御審議いただいている法案の実現により、まずは法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度改革を進めたいと考えているところでございます。
 他方、予備試験制度の現状については、平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定においても、本来の制度趣旨に沿った機能を果たしている一方、委員の御指摘と同様に、その受験者の半数近くを法科大学院生や大学生が占める上、予備試験合格者の多くが法科大学院在学中の者や大学在学中の者であるなど、制度の趣旨と現在の利用状況が乖離しているとの指摘がなされているところでございます。
 その上で、予備試験の在り方については、先ほどの推進会議決定において、予備試験の本来の趣旨に沿った者の受験を制約することなく、かつ予備試験が法曹養成制度の理念を阻害することがないよう、必要な制度的措置を講ずることを検討するというふうにされておりまして、法務省といたしましては、予備試験の在り方につきまして、予備試験制度の趣旨や今回の制度改革の実施状況も踏まえつつ、文部科学省等とも連携し、しっかりと必要な検討をしてまいりたいと考えております。
#148
○松沢成文君 法曹養成制度改革をプロセスとしてやっていくというのであれば、予備試験の改革も一緒にやっていかないと私は成果が出ないんじゃないかなと思っています。
 さて、法科大学院の方ですけれども、現状では、未修者、既修者を問わずほとんどの法科大学院生が、実態としては、伊藤塾だとか、辰已法律研究所だとか、LEC東京リーガルマインドといった民間の司法試験予備校の講座や答案練習会を利用して一生懸命勉強していると聞いています。
 このこと自体が、法科大学院の講義が司法試験の合格に十分結び付いていない。だから、みんな法科大学院に行きながら予備校に一生懸命通っちゃっているわけですよ。これ、完全な制度の方向、趣旨と矛盾した実態があるわけですね。ある意味で法科大学院が予備校化していると言いますが、予備校にもなっていないわけです、法科大学院は。ほかの民間の予備校に行っているわけですから。
 このような実態を大臣はどう認識しているんでしょうか。
#149
○国務大臣(柴山昌彦君) 正確な司法試験予備校の利用状況については、学校外における学習状況に関するものでありまして、大学としても文部科学省といたしましても正確には把握をしていないところであります。ただ、御指摘のような状況は巷間よく言われているところでありまして、非常にゆゆしき事態であるというように思っております。
 司法試験で問われる学識等を身に付けさせることは法科大学院の本来的な役割でありまして、法科大学院のカリキュラム、講義が司法試験の合格に十分に結び付くことが必要だと考えます。その役割をしっかりと果たすように、今回の改正案においては、司法試験で問われる学識等を含め、法科大学院において涵養すべき学識等を具体的に規定することとしております。
 また、改正案が認められれば、中央教育審議会において、改正法の規定を踏まえた法科大学院の教育の在り方を検討することとしております。
 例えば、専門職大学院設置基準を改正して、論述能力を涵養するための指導の実施、また成績評価や修了認定の厳格化の徹底について規定することを検討する予定でありまして、法科大学院を経由して司法試験にしっかりと合格ができるように法科大学院における教育の充実に努めてまいりたいと思いますし、また、先ほど大島議員の方からも御指摘がありましたけれども、司法試験そのものも、やはりそういった法科大学院を卒業すれば合格するという試験に変わっていかなければいけないというふうに考えております。
#150
○松沢成文君 大臣、今いみじくもおっしゃいましたし、大島委員からも指摘がありましたけれども、本当にプロセスとしての改革を言うのであれば、予備試験どころか司法試験の在り方自体から見直していかないとこれ改革は成就できないんで、それはこれからだという先ほど答弁もありましたけれども、しっかりとここはやっていただかなきゃいけないと思います。
 多くの法科大学院が行き詰まったのは、これまで御指摘があったように、教育体制が整わない大学院までもが参入して乱立を招いたということが要因と指摘されています。当初は二、三十校と見込まれていた学校数は、制度開始時点で一挙に七十四校まで、うちもやる、うちもやるって膨らんだわけですね。関係者は、当時を振り返ってこう言っています。文部科学省の基本的なスタンスは、準備をしていれば設置を認めるという方向だった、結果的に合格者を出せるかどうか不安な大学の申請も含めて全て認めてしまったと発言しています。
 その後の急激な志願者の減少だとか、あるいは半数近い法科大学院が撤退する現状を見る限り、審議会の意見書発表から僅か三年でスタートしてしまったこの制度設計が不十分で、甘い見通しに基づいていたと言わざるを得ないんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。
#151
○国務大臣(柴山昌彦君) 残念ながら、御指摘のとおりであります。
 先ほど小川委員からも御指摘がありましたけれども、法科大学院の制度創設時においては、非常に多くの大学が言わばブームに乗るようにして法科大学院の設置に手を挙げることとなりました。そして、政府の側としても、事前規制から事後チェックへという規制緩和の流れの中で、基準を満たした法科大学院については一律に広く参入を認めて、教育の質の確保は競争による自然淘汰に委ねるという姿勢を取った結果、教育力に課題を有する法科大学院を含めて過大な定員規模となりました。また、将来的な法曹に対する需要の見込みも甘かった、思ったように需要が増えなかったと、法曹に対するですね、ということも事実だと思います。こういうことから、当初の見込みとは異なる状況を生み出したことは率直に認めざるを得ません。
 こうした課題を解消するために、プロセスとしての法曹養成制度は引き続き重要であるという認識の下で、法科大学院教育の改善充実に取り組んでまいる所存でございます。
#152
○松沢成文君 当時は、小泉政権の規制緩和、競争原理という社会的な風潮もあったんで、それに乗ってこういう判断になってしまったのかなという感じもいたします。
 さて、二〇〇二年に、政府は法科大学院の創設に当たって、先ほど小川委員からの指摘がありましたけれども、司法試験合格者三千人を目指し、法科大学院修了者の七、八割が合格できる教育を行うとしました。司法試験合格者を二〇一〇年頃に三千人まで増やす閣議決定をしましたが、その後、二〇一五年に合格者目標を三千人から千五百人に下方修正しました。
 そもそも、政府が合格者目標を三千人とした根拠は何でしょうか。また、当初は七、八割に達すると予想された司法試験合格率が、これどんどん下がっていった理由は何だというふうに分析していますでしょうか。重複しますが、もう一度お答えください。
#153
○副大臣(平口洋君) お答えをいたします。
 平成十三年六月の司法制度改革審議会意見書においては、専門的知見を要する法的紛争の増加や弁護士人口の地域的偏在の是正の必要性などによる法曹需要の増大への対応のために、法曹人口の大幅な増加を図ることが喫緊の課題であるとされたところでございます。それを踏まえて、同じ意見書では、平成三十年頃までに、先進国の中で国民一人当たりの法曹の数が最も少ないフランス並みである実働法曹人口五万人に達することを見込んで、年間三千人程度の新規法曹の確保を目指す必要があるとされたところでございます。
 この意見書の内容を踏まえて、平成十四年三月の閣議決定により、司法試験の合格者の増加に直ちに着手することとし、平成二十二年頃には司法試験の合格者数を年間三千人程度とすることを目指すとされたところでございます。
 以上でございます。
#154
○松沢成文君 法科大学院創設当初からあった入学者に占める未修者や社会人の割合を三割以上とする努力目標が昨年見直されましたが、その理由は何でしょうか。
#155
○政府参考人(伯井美徳君) 御指摘の法学部以外の出身者と未修者や社会人の割合を三割以上とする努力義務を課す文部科学省告示につきましては、法科大学院において、受験者の適性を的確かつ客観的に判定するための入学者選抜を実施し、質の高い多様な者を入学させて法曹として輩出するということを促すため、平成三十年三月、多様な知識又は経験を有する者を入学させる努力義務というのは堅持しつつも、その数値基準は設定しないということとしたものでございます。
 他方、多様な人材を確保するという理念には変更はございませんので、今回の改正においても、先ほど来言っております未修者や社会人に対する入学者選抜の配慮義務を規定するほか、様々な取組を進めることによりまして、法曹となる者の多様性の確保といったことに引き続き意を用いてまいりたいと考えております。
#156
○松沢成文君 法学を本格的に学んだ経験のない学生を主な対象とする未修者コースで、昨年入学した社会人経験者は百四十人にとどまっておりまして、実はこれ、制度の初年、二〇〇四年の制度発足時の一割をも下回っているんですね。
 社会人経験者を含む未修者コースの入学者が激減した理由と、未修者コースを存続させる必要性についてはどのように分析をしているか、また、未修者コースが担うはずだった多様な人材へ門戸を開くという役割を実はもう予備試験の方が担っているというこの皮肉な現象が起きていることをどう考えますでしょうか。
#157
○国務大臣(柴山昌彦君) 社会人経験者を含む未修者コースの入学者が激減した理由でございますけれども、法科大学院修了者全体の司法試験合格率が、先ほど平口副大臣から御紹介があったような需要のやはり見込みですとか、あるいは、我々が当初想定をしたよりもたくさん法科大学院を認めてしまったということによって合格率二割から三割という形で低迷をしたこと、特に既修者コース以上に未修者コースの合格率が非常に低くなってしまったということが大きく影響していると認識をしております。
 その一方で、グローバル化の更なる進展やビジネスモデルの転換などが行われる中で、多様なバックグラウンドを有する者が法律に関係する分野でその知見を生かせるようなチャンスを開くことはやはり極めて引き続き重要であるというように考えておりますので、未修者を含む多様な人材を法曹として養成すると、先ほど局長が申し上げたような形での支援を引き続き行っていきたいというように考えております。
 予備試験については法務省の方で検討をされるということだと思います。
#158
○副大臣(平口洋君) 法務省といたしましては、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度が適切に機能し、法科大学院において未修者を含む多様かつ有為な人材が法曹の担い手として養成されていくことは重要であるというふうに考えております。
 また、法科大学院においては、法学部以外の学部の出身者や社会人等の多様なバックグラウンドを有する人材を広く受け入れるため、未修者コースが設けられているものと承知しております。
 このような観点を踏まえ、今後とも文科省による法科大学院教育の充実等の取組に対し必要な協力を行ってまいりたいと、このように考えてございます。
 他方、予備試験につきましては、経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための道を確保する目的で設けられた制度であるところ、出願時に社会人である者が相当数いるなど、多様な人材に門戸を開いているという一面がございます。その一方で、制度の趣旨と現在の利用状況が乖離しているとの指摘もされているところでございます。
 法務省としては、まずは法科大学院改革を含む今回の制度改革を着実に実施していくことが重要と考えておりますが、予備試験の在り方についても、今回の制度改革の実施状況も踏まえつつ、文部科学省等と連携し必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
#159
○松沢成文君 時間ですので、終わります。
#160
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 文教科学委員会で初めて質問させていただきます。私自身も法科大学院の出身の一人ということで、この法案については是非とも質疑に立たせていただきたい、こういう思いでやってまいりました。
 ただ、今朝、白須賀議員の秘書の当て逃げの報道がありましたので、限られた時間ですので一点、白須賀政務官に質問させていただきたいと思いますが、在京当番に東京を離れていたという問題や、またその離れていた日の一日において同乗されていた車が当て逃げを起こした。この委員会でも答弁をされておりますけれども、これで政務官として説明責任を果たしたのだ、これ以上述べることはない、こういうおつもりでしょうか。
#161
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 今回の事故を起こした件の一月十二日も在京当番でございましたし、その行っていた場所もおおむね一時間以内の場所ではございます。これはもう文部科学省のルールでございますが、今回の件も含めて、文部科学省のルールとは別に、私自身でしっかりともっと厳しく在京当番をやっていきたいと思っております。
#162
○山添拓君 いや、これでもう国民の皆さんは納得をした、だから説明をこれ以上する必要はない、こういうお考えですか。
#163
○大臣政務官(白須賀貴樹君) それは在京の話ですか、それとも今回の事故の話ですか。
#164
○山添拓君 いずれもです。
#165
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 在京当番の件も私はルールどおりやっていたということでちゃんと御説明をさせていただきましたし、委員からの御指摘をいただきましたから、それに関しては真摯にこれからは行動していきたいと思っております。
 そしてまた、事故の件も、私は全く隠す気もございませんし、ちゃんと全部真実を述べているつもりでございます。
#166
○山添拓君 それでもう説明はしないということなんですか。
#167
○大臣政務官(白須賀貴樹君) 説明をしてくれと言われたら、説明をします。
#168
○山添拓君 事実経過も含めて、まだまだ多くの方が納得をされていないと思います。説明責任をきちんと果たすべきだということを改めて重ねて強く申し上げまして、その意味では、今日の御説明だけでは到底納得が得られるものじゃないということを重ねて指摘をさせていただきたいと思います。
 さて、その上で法案について伺います。
 時間を要しましたので一問目は飛ばさせていただきますが、二〇〇一年の司法制度改革審議会が、法科大学院を中核とするプロセスとしての法曹養成制度を整備すべきだ、こう述べたのは、法曹が社会で期待される役割を果たすための人的基盤を確立するためだと、事実と法に基づいて基本的人権の擁護と社会正義の実現を担う、その役割を期待される法曹を多様に豊富に生み出すために法科大学院を中核としたプロセスが重要だとされたものだと理解をしております。それ自体に当時から様々な意見がありました。しかし、今日、法科大学院志願者が激減をし、今年の司法試験出願者数は昨年の五千八百十一人から八百八十一人減少し四千九百三十人だと。プロセス全体の見直しが求められてきたと言うべきだと考えます。それは先ほど来指摘のあるとおりです。
 プロセスとしての法曹養成は、法科大学院だけではなく、司法試験、司法修習を含めた一連のものであるはずです。ところが、本法案を受けての司法試験や、また予備試験や、司法修習の時期や内容、位置付けの変化については、その多くが今後の会議体での議論に委ねられております。
 大臣と、そして法務省に伺いますが、プロセスの全体が定まらないのに、一部分を取り出した法案を今回提出したのはなぜですか。
#169
○国務大臣(柴山昌彦君) 法曹養成制度は、まさしく法科大学院、司法試験、司法修習、これらの有機的連携の下にしっかりと検討をされるものであります。
 しかし、過大な定員規模や法科大学院修了者の合格率の低迷、時間的、経済的負担など、法科大学院に関連する当初の想定と異なる諸課題を要因として法曹志望者の大幅な減少を招く状況はまさしく喫緊の改革の対象とされました。そこで、法曹養成制度改革推進会議の決定において、平成二十七年度から平成三十年度を法科大学院の集中改革期間として位置付け、この改革を大きな柱の一つとして具体的な改正案を提出したところであります。
 一方で、今回の改正案における法科大学院教育の充実や在学中受験の導入に伴って、今後、当然のことながら、司法試験の時期などについてもしっかりと検討する必要があります。法案が成立した際には、法務省において、司法試験の時期などを含め、法科大学院教育と連携した司法試験の在り方について会議体を設置して、我々文部科学省のほか、大学関係者、法曹実務家を構成員として必要な検討が行われると承知をしておりまして、文部科学省もしっかりとその議論に参画してまいります。
#170
○政府参考人(小出邦夫君) お答え申し上げます。
 法務省では、昨年の七月以降、文部科学省の進める法科大学院改革を前提としつつ、法科大学院在学中受験資格の導入を含む司法試験制度の見直しにつきまして、関係機関との意見交換等を経ながらその当否や制度設計に関する検討を進めて、今回の法案提出に至ったものでございます。
 この在学中受験資格を導入するとなりますと、この在学中受験資格の導入自体のほかにも、司法試験の受験可能期間の起算点をどうするか、あるいは試験科目をどうするか、また司法修習生の採用要件がどうなるかといった、その司法試験法あるいは裁判所法の改正に関わる検討事項が生じます。そこで、法務省といたしましては、今回の司法試験制度の見直しに当たりまして、関連する法律の内容を精査した上で、法律改正の要否が問題となる事項につきましては、新しい制度内容のパッケージといたしまして検討を進めて、その結果、法律改正を要する事項について今回の法案に盛り込むとしたところでございます。
 他方、委員御指摘の司法試験の実施時期や試験の出題内容等につきましては、これは司法試験委員会において、また司法修習の時期や内容につきましては最高裁判所において、それぞれ司法試験及び司法修習の実施や運用に関する事項として決定される事項でございまして、法律で規定する事項ではございません。そして、これらの新たな実施、運用に関する見直しにつきましては、今回の法律改正、これがお認めいただくことが前提となりますし、また、今後文科省の方で具体的に検討される法科大学院のカリキュラムにも密接に関わるものでございます。
 したがいまして、今回の法案による制度改正が実現する前の段階で、これらの新しい制度の実施、運用に関する事項が定められていないということは、全体の制度枠組み、検討の順序として不合理ではないものというふうに考えております。
 もっとも、先ほど大臣からもお話ございましたが、今回の法案が実現した折には、この改正を前提とした司法試験等の円滑な実施や運用に向けた連携、協議が不可欠と考えております。
 したがいまして、本法案成立後に、法務省といたしましては、司法試験実施時期を含め、法科大学院教育と連携した司法試験の在り方について、司法試験委員会とも連携したしかるべき会議体を設置して、国会での御議論も踏まえまして、文部科学省を始めとする関係省庁のほか、教育関係者や法曹実務家などを構成員としてしっかりと検討を進めていくことを予定しているところでございます。
#171
○山添拓君 全然答えになっていないと思いますね。結局、終わってから、法案が通ってから会議体で決めるのだと。プロセスとしての法曹養成制度といいながら、プロセス全体を議論せずに、しかも中教審で議論もされていない在学中受験まで入れ込みました。これは、法案提出のプロセス自体が不透明で不十分な検討によるものだと言わざるを得ないと思います。
 司法試験や司法修習、ひいてはいかなる法曹を育てようとするのか。これを国会で議論するには、少なくとも法務委員会との連合審査が必要だと思います。委員長、御協議いただきたい。
#172
○委員長(上野通子君) 後刻理事会で協議します。
#173
○山添拓君 法科大学院志願者の激減が法案提出の背景とされます。二〇一九年度、今年度の志願者、入学者数、そして一八年度からの変化について御説明ください。
#174
○政府参考人(伯井美徳君) 本年度法科大学院入学者選抜の合格者数は三千六百二十七人、志願者数は九千百十七人となっています。昨年度と比較いたしますと、合格者数は百六人、志願者数は千五十九人、それぞれ増加しているところでございます。
#175
○山添拓君 増えているんですね。定員充足率も改善したと伺っております。これは一つには、ロースクールがPRを行ったことや、適性試験と呼ばれる事前の試験が任意化をしたものだと伺っております。ですから、現在の制度の下でも志願者が増える余地はあるということです。
 大臣が先ほど御紹介された二〇一五年六月の法曹養成制度改革推進会議決定は、法科大学院改革に関する基本的な考え方として、一五年度から一八年度までを集中改革期間とし、この間に法科大学院の教育の質の向上や経済的支援の更なる充実、そして優秀な学生を対象とした在学期間の短縮によって経済的、時間的負担の縮減を図るとしておりました。集中改革期間は二〇一八年度、すなわち今年の三月までです。そして、その期間経過後速やかに法科大学院生の司法試験の累積合格率その他教育活動の成果に関する客観的状況を踏まえて分析、検討し、必要な改革を進めるとされておりました。
 この分析、検討は終わったんですか。
#176
○政府参考人(伯井美徳君) 平成二十七年六月の法曹養成制度改革推進会議決定では、教育の質の向上、あるいは時間的、経済的負担の軽減などのために必要な方策を講じることとされ、御指摘ありました本年三月までの期間が法科大学院集中改革期間と位置付けられておりました。今回の改正案も、当該推進会議決定を踏まえた取組の一環として、集中改革期間内に提出させていただいたところでございます。
 御指摘をいただきました本年三月までの集中改革期間の成果の分析、検討につきましては、推進会議決定において期間経過後速やかに行うこととされております。今後、速やかに実施し、中教審の法科大学院等特別委員会における報告、審議を経て、推進会議決定の進捗状況等を把握するために設けられております法務省、最高裁あるいは文科省などを構成員とする連絡協議会等の場において報告することを考えておりますし、法改正を含めた全体の改革状況については、法科大学院への入学者数等、数値目標を設定して継続的に把握、検証を行っていきたいというふうに考えております。
#177
○山添拓君 要するに、三年間の検証はこれからなんですよね。これはおかしいと思います。推進会議の決定の中で既に教育の充実も時間的、経済的負担の軽減も言われておりました。その効果はこれから分析、検討しなければならないことだと思います。
 私は、この推進会議決定に言う法科大学院の認証評価の在り方や、あるいは所得連動型の返還型奨学金制度の導入など、これ全てよしとするわけではありませんが、しかし、少なくともこれ、集中改革期間と称した三年間の取組の結果を踏まえることもなく制度の大改変を加えると。
 大臣、伺いたいんですけれども、これ、制度が変わるたびに翻弄され見通しが遮られるのは学生や法曹志望者であります。その立場に立つべきじゃないですか。
#178
○国務大臣(柴山昌彦君) 今回の改革についても、集中改革期間に検討すべきまさに学生の費用及び期間的な負担の軽減ということに立ってしっかりと制度設計をさせていただいた、まさしく今おっしゃった学生本位の改革であるというように考えております。
#179
○山添拓君 果たしてそうだと言えるのかと。
 法案は、時間的、経済的負担の軽減を骨子としております。その根拠として、文科省は、法学部生に取ったアンケートを示しております。資料でお配りしておりますが、一枚目は最新の二〇一八年のアンケートです。現在、法曹を志望している学生の不安や迷い、その中で最も多いのは、司法試験に合格できるのかという不安、六二%、次いで、法曹としての適性があるか分からない、四四%、ほかの進路にも魅力を感じている、四〇%、法科大学院修了までの経済的負担は二六%、同じく修了までの時間的負担は二三%です。
 主たる原因は、つまり法曹を志望しない主たる原因というのはほかにあるんじゃないですか。
#180
○政府参考人(伯井美徳君) アンケートにつきましては、御指摘いただいたとおりでございますが、まあ自分の能力に自信がないとか司法試験に合格できるか不安というのも大きな原因でございますが、これらの解消にはその法科大学院教育の充実を行うということと、それから時間的、経済的負担の軽減をセットで行うということが必要と考え、私どもといたしましては、この三十年のデータの前に二十九年度でも同様のデータを取っておりまして、この傾向に変化はなかったわけですが、中教審でもそういうデータをお示ししながら議論していただいた結果、時間的、経済的負担の軽減が必要であるという今回の案を提出したというものでございます。
#181
○委員長(上野通子君) お時間です、おまとめください。
#182
○山添拓君 時間がありませんので、この続きをしなければなりませんけれども、法曹志望者が減っているということを理由にするのであれば、現在法曹を志望している学生ではなく、法曹を志望したことのない学生の不安や迷いを重視するべきです。
 それは資料の二ページ目にお付けしました。二〇一七年に実施された分では、ほかの進路に魅力があるとか、適性の問題だとか、能力の問題だとか、法曹に魅力を感じない。法曹を志望したことのない学生のその理由として経済的負担を挙げたのは一六%、時間的負担を挙げたのは一三%にすぎません。ですから、これを理由としてこの法案を出すということは、これ理由にならない、立法事実として見直す必要があるんじゃないか、このことを指摘をいたしまして、続きは次回に譲りたいと思います。
 ありがとうございました。
#183
○委員長(上野通子君) 午後二時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十六分休憩
     ─────・─────
   午後二時開会
#184
○委員長(上野通子君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。
 この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、中西哲さん、橋本聖子さん及び赤池誠章さんが委員を辞任され、その補欠として元榮太一郎さん、朝日健太郎さん及びこやり隆史さんが選任されました。
    ─────────────
#185
○委員長(上野通子君) 休憩前に引き続き、法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、参考人として京都大学大学院法学研究科教授土井真一さん、法科大学院を中核とする法曹養成制度の発展を目指す研究者・弁護士の会発起人・弁護士内山宙さん及び法律事務所フロンティア・ロー代表弁護士・ロースクールと法曹の未来を創る会事務局長宮島渉さんに御出席をいただいております。
 この際、参考人の皆さんに一言御挨拶申し上げます。
 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 参考人の皆さんから本日は忌憚のない御意見をお述べいただき、本案の審査の参考にさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、土井参考人、内山参考人、宮島参考人の順でお一人十五分程度で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。
 また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることになっておりますので、御承知おきください。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず土井参考人から御意見をお述べいただきます。土井参考人。
#186
○参考人(土井真一君) 京都大学の土井でございます。
 本日は、貴重な機会を与えていただき、ありがとうございます。
 私は、平成十六年の制度開設時から法科大学院教育に携わってまいりました。また、中央教育審議会の委員として、法科大学院教育の更なる改善充実に向けた検討にも関わっております。本日は、このような立場から、法科大学院制度及び司法試験制度の改善の在り方について意見を述べさせていただきます。
 法科大学院は、司法制度改革の柱の一つとして、質、量共に豊かな法曹を安定的に輩出するために、プロセスとしての法曹養成制度の中核を成すものとして創設されました。平成十六年四月の学生の受入れ開始から十六年目を迎えておりますが、既に法科大学院修了資格による司法試験合格者は二万人を超えており、弁護士の半数近くが法科大学院教育を経ておられます。数多くの修了生が法曹あるいは他の法律専門職として様々な分野で活躍し、我が国の法の支配を支える主力を担おうとしてくれていること、これこそが法科大学院教育の最大の成果であり、その教育に携わってきた私たちにとっての誇りでございます。
 法科大学院教育の内容、方法等につきましては、この十五年間、制度創設の理念を実現すべく懸命に努力を積み重ねてまいりました。難しい課題に直面しつつも、総体として見れば成果を示してきていると思います。
 かつての法学教育では、大教室で教員が講義を行い、学生の皆さんはそれをノートする形式が一般的でしたが、法科大学院では少人数教育が基本です。予習課題が示され、事前学習に基づいて、授業では、双方向、多方向的な対話方式により、知識、理解が正確か否かを確認した上で、法的問題を的確に分析し、その解決策を構想する思考力、判断力や、自らの考えを説得的に主張し、合意を形成する対話能力を育成しています。さらに、多数の実務家教員の参画を得て、理論と実務の架橋を図ることにより、現実社会における構造的課題や最先端の問題に取り組むために必要な能力を育成しております。
 法科大学院教育にとって、司法試験で確認される法的知識、能力の修得ももちろん重要でございますが、その先を見通して、優れた実務家となるために必要な力を身に付けてもらうことも大切でございます。
 本学でも、一学年百六十名の学生に対しまして、専任、みなし専任の実務家教員十名、さらに八十名近くの実務家に非常勤講師として教育に携わっていただいております。年長の経験豊富な実務家による指導が学生の皆さんにとって有益であることは言うまでもありませんが、法科大学院教育を受けた若い世代の皆さんが後輩の指導のために熱心に関わってくれていることに心から感謝しております。
 学生の皆さんは、自主的な学習会等で切磋琢磨し、課題に能動的に取り組む姿勢や実務家の先生方との交流を通じて法曹としての実務感覚や使命感などを身に付けてくれているように思います。先達の背中を見ながら人と人との関わり合いの中で育つこと、そのような見えないカリキュラムも高度専門職業人教育にとって大切であると考えております。その教育の成果として、多くの優れた修了生が、国際関係を含めビジネスの最先端の分野、国や地方自治体などの公共的な分野、そして市民生活に密着した分野に至るまで、社会の様々な方面で活躍しております。
 私の専門である憲法分野でも、ICTやAIなど新たな情報科学技術の発展に対応して、プライバシーや表現の自由をいかに保障するか、あるいはこれからの家族の在り方はいかにあるべきかといった新たな課題領域を若い実務家の皆さんが研究者と連携しながら切り開きつつあります。また、このような新しい領域において、工学や医学など多様な学問的基礎や社会人経験を有する法曹が重要な役割を担うことが期待されています。
 法科大学院制度は、このような皆さんに対して法曹となる機会を提供してきました。実際、法学未修者コースを経由して法曹となり、多様なバックグラウンドを生かして活躍されている皆さんのうち少なくない方が、法科大学院制度がなければ法曹を目指さなかったと話しておられます。
 このように、教育課程につきましてはその理念の実現が図られつつあるところでございますが、制度を取り巻く環境との関係で解決すべき大きな課題があると認識しております。
 まず、法学既修者につきましては、法科大学院規模の適正化と教育改善を通じて、課題とされてきました司法試験合格率も、修了後三年の累積合格率が法科大学院全体で七割程度まで改善されております。本学について申し上げますと、平成三十年の司法試験における既修者の合格率は、単年度で約七三・八%、平成三十年三月に新たに修了した既修者の合格率は八二・九%に達しておりますので、実績ある法科大学院を中心に司法制度改革審議会意見書が示した目標を実現してきている状況にあると言ってよいのではないかと思います。
 ただ、そのような状況の中で、法科大学院修了までの時間的、経済的負担の問題が重要になってきています。
 司法試験の合格に対する期待にある程度応えることができるようになるにつれ、早く合格することへの期待が高まってきていると言ってよいのかもしれません。確かに、法学部に入学してから司法修習を修了するまでに最短でも八年近く掛かることから、医師や薬剤師など他の専門職と比較して負担が大きいと映ることも理解できないわけではありません。また、法曹を志望する学生も多様であり、短期間に要領よく学ぶことが得意な者もいれば、時間を掛けて深く学ぶことに適した者もいます。
 したがって、法曹が魅力ある進路であるためには、学生の個性や目標に応じて養成課程における時間的、経済的負担の軽減を図ることが喫緊の課題となります。しかし、他方で、これまで法科大学院が重視してきた教育理念や内容等を切り捨てて、とにかく期間を短縮するというのは余りに安易な対応であると考えます。
 そこで、今回の法律案のように、法学部と法科大学院の連携を強め、法曹を志望する学生が学士課程から効果的な教育を受け、法科大学院修了までの五年間で法曹に必要な能力、資質を身に付けることができるようにし、さらに、修了から司法修習開始までの空白期間を解消することによって最短六年で法曹資格を取得できる制度を整備することが適切であると考えます。
 法律案に規定されている法学部の連携法曹基礎課程では、法曹を志望する学生が三年間で課程を修了して法科大学院既修者コースに進学できるようにすることが求められています。法科大学院での学修の基礎となる知識、能力を確実に修得するために濃密なカリキュラムになることが考えられますが、法学部教育を担当してきた経験から申し上げますと、三年で目標を達成する高い意欲と能力を持った学生は相当数いると思います。このような学生のために標準的に三年間で修了することができる連携法曹基礎課程を創設し、時間的短縮を可能にすることは非常に有益であろうと思います。
 他方、時間を掛けて深く学ぶことを希望する学生や、法律学の学修だけでなく多様な経験を積むことを大切にする学生も、これまでどおり法学部から法科大学院に進学することが可能です。
 したがって、この改革は、法学部における学修の可能性を広げるものであり、学生の個性や目標に応じて法曹養成の基礎となる教育を充実させることで、豊かな意味で有為な人材が法曹の道に進んでくれるようにできればと思います。
 なお、法科大学院規模の適正化が図られる中で法科大学院が大都市圏に偏る傾向があるのではないかという懸念が示されているところです。今回、法科大学院のない地域の法学部にも連携法曹基礎課程が設置され、法科大学院との連携が強めることになれば、多様な地域からプロセスとしての法曹養成課程に進む機会を実質的に保障することにつながると期待しております。
 また、法科大学院の最終学年で司法試験の受験を可能とすることは、司法修習との接続を円滑にし、時間的、経済的負担の軽減にとって重要であると考えます。
 試験の実施時期については、今後関係者を交えたしかるべき場で検討されることになると存じますが、仮に最終学年の夏に実施することになれば、法科大学院のカリキュラムについて必要な見直しを今後行うことになります。その際、最終学年の夏休みや後期において、学生が司法試験の準備にとらわれることなく、例えば国際的な教育プログラムや、より実践的、臨床的な実務教育など、各法科大学院の特色を生かした理論と実務を架橋する豊かな学修が可能となります。
 制度創設時には、学生の多くが将来を見据えて司法試験に関係しない科目であっても進んで履修していたのですけれども、予備試験の影響等もあってその数が減る傾向にあり、今回の改革を通じて、この点について対応することができればと考えております。
 次に、未修者教育についてですが、本年四月には、他学部を卒業し、あるいは社会人で法科大学院に入学した方が全国的に増加したと承知しています。法曹の活動領域を拡大し、急速に展開する第四次産業革命等に対応する高度な法的サービスを提供することができるようにするためには、各法科大学院が引き続きこのような多様な人材を受け入れ、優れた法曹として輩出することが必要であると考えております。
 これまでも、各法科大学院において未修者教育の改善充実に向けた努力を継続してきております。例えば、本学の未修者コースでは、開放性、多様性の確保を重視し、専ら他学部出身者や社会人を受け入れるように努めてまいりました。近年、このような皆さんの受入れを更に促進するために、志願者一人一人に時間を掛けて丁寧に口述試験を行う方式を新たに導入し、手応えを感じているところであります。また、法文書を起案し添削指導を受けることのできる科目を新たに導入するなどして、法的知識を具体的な紛争の解決のために活用する力を育成し、説得的に法的主張を展開する文章力が身に付くように、手厚い学修支援体制をしくようにしてきております。
 ただ、未修者教育の改善は各大学の取組に委ねるだけでは十分でなく、制度として持続可能な発展を図ることができるように、今期の中央教育審議会において、各大学の特色のある取組を参考に、専門家による評価、分析等を踏まえて重点的に検討することが必要であると考えております。
 このように、今回の法改正が実現されれば、法学部教育と適切に連携しつつ、学生の多様な個性、目標に応じて法科大学院教育の充実を図ることができると考えております。ただ、法科大学院教育は、プロセスとしての法曹養成の中に位置付けられた制度です。したがって、その所期の目標を十分に実現できるよう、司法試験の在り方についても検討していただきたいと考えています。
 また、特に予備試験につきましては、その運用の在り方によっては、プロセスとしての法曹養成という基本理念を否定することになりかねません。司法制度改革審議会意見書において、経済的事情や既に実社会で十分な経験を積んでいるなどの理由により法科大学院を経由しない者にも法曹資格取得のための適切な道を確保する制度として位置付けられていることに立ち返って、今回の改革の進捗状況も踏まえつつ、必要な対応を検討していただくように要望しております。
 以上、意を尽くせない部分も多々あろうと存じますが、法科大学院教育に携わる者として意見を申し上げさせていただきました。
 今回の改革を実りあるものにするために、法科大学院教員は、法学部教員や実務家の皆さんの協力を得ながら、より一層の努力が求められていると思っております。しかし、問題を先送りしてはならないと思っております。今回の改革は次世代のために労を惜しんではならない課題であり、それに取り組むことによって有為の人材を養成し、我が国の法の支配の実現に寄与することができればと考えております。
 御清聴ありがとうございました。
#187
○委員長(上野通子君) ありがとうございました。
 次に、内山参考人にお願いいたします。内山参考人。
#188
○参考人(内山宙君) 静岡県弁護士会、それから法科大学院を中核とする法曹養成制度の発展を目指す研究者・弁護士の会発起人の内山と申します。発起人といいましても、何人かいるうちの一人にすぎません。
 プロフィール的なことを申し上げます。
 中央大学法学部で旧司法試験の勉強をしておりましたが、在学中では合格せず、裁判所事務官となりました。その後、書記官を五年、事務局の係長を三年やりまして、その事務局係長のときに仕事と並行して夜間で成蹊大学の法科大学院に通い、三年で修了いたしました。そのことは職場には言っておりませんでした。修了の年、最高裁民事局民事訴訟係長をしていたときに新司法試験を受験して合格し、退職いたしました。ですので、旧試験と新試験の両方を経験しているということになります。
 日弁連では、最初、給費制維持活動を何年かやりまして、その後、法科大学院センターにここ何年か関わっていて、法曹の魅力を発信したり、今回の制度変更の議論もしてまいりました。そのほか、海外で開催される様々な国際的な法曹団体の総会に参加して、海外の最先端の議論に触れつつ、海外の法曹の様子を目の当たりにしてまいりました。
 そこで感じたことは、日本法や日本の法曹の存在感のなさです。日本は法的に鎖国しているような状況でして、海外の法曹は日本をスルーしているという感じがしています。他方、お隣の韓国は、人口も少なく国内のリーガルマーケットも小さいので、積極的に海外に出ることを意識して、法曹になる過程で語学が必須になっていたりします。日本が予備試験を導入して法科大学院が低迷した失敗に学んで予備試験を導入しなかったということもありまして、ひとまず法科大学院制度が順調に運営されているというところからも学ぶところは多いかと思います。
 それでは、日本はどうすべきなのかということでございます。
 私が申し上げたいことは、研究者・弁護士の会の意見書、それから静岡県弁護士会の会長声明、私の実施したネットアンケートの取りまとめの七ページから八ページにかけてのまとめ担当者の評価などに書いてありますので、この場では重要なことに絞ってお話をしたいと考えております。
 まず、身も蓋もないことを申し上げますけれども、自分にとっては、もう法曹になってしまっておりますので、実はある意味、法曹養成関係ない話になります。しかし、自分が法科大学院で多くの多様な仲間と一緒に勉強をして刺激を受け、そのおかげで法曹になれたことに恩義を感じておりまして、後輩の役に立てればというふうに思い、恩返しのつもりで関わっております。
 同じように、議員の皆さんにとっては、法科大学院関係者や法曹志望者の数はとても少ないので、別に票につながるわけでもありませんし、ある意味、私よりももっと関係ない話ということにもなります。
 しかし、良い法曹が育っていることは、日本や日本国民のためになります。優秀な学生に法曹を目指してもらいたい、良い教育にしたい、日本を支える人材になってほしいと皆さん真剣に考えていただいていることと思います。ですから、ここにいる全員が同じ思いで、ある種、純粋な気持ちで関わっているのだろうと思っております。
 ですから、法科大学院が危機的な状況なので何とかしたい、そのために、今回の3プラス2であるとか、在学中受験という、ちょっと邪道かもしれない手法も進めたいという気持ちも理解できるところです。
 ただ、問題は、方法、手続としてどうかというところでございまして、私は相当に問題があるのではないかというふうに思っております。そう思いましたので、日弁連の法科大学院センターの中でいろいろ意見を言ってまいりました。しかし、何を言っても日弁連執行部はぬかにくぎという感じでして、対外的に立場を明確にせず、反対意見を出すこともありませんでした。法案通過後にできるといううわさの会議体に期待するばかりでして、交渉しようという気概も感じませんでした。
 そんな状況では、どうせこの法案は通ってしまうのだろうというふうに思いまして、もう法科大学院教育からは手を引こうというふうに思っていたところに今回の参考人のお話がございまして、正直、出てくるべきかどうか迷いました。どうせ何を言ってもネットでたたかれます。しかし、次の世代のことを考えますと、あるいは、ひいては日本の将来のことを考えるということになりますと、まあ最後の機会だろうというふうに思いまして、来ることにいたしました。
 先ほど土井先生も言及がありました次の世代ということなんですが、私にとっては、私の高校の同級生のお嬢さんです。ドラマの「HERO」というのがありましたけれども、それを見て検察官を目指すことになったと。その子は興味を持ってから日弁連のジュニアロースクールに何回か参加して、裁判を傍聴したり、弁護士の話を聞きに行ったり、法律に関する本を読んだりしていると。中学生です。
 その子のお母さんから法曹になるにはどうしたらいいかということを聞かれたわけですけれども、この子の場合は予備試験ではなく法科大学院で幅広くきちんと勉強した方が大きく伸びるのではないかというふうに思いまして、その制度の説明をし、今、制度変更が議論されていること、法曹コースの導入を見越して、合格率の高い法科大学院のある大学がいいのではないかという話をしてきました。
 日本の将来というような大それた話ではなく、この子に対する責任として、高い志を持った若者がきちんと勉強してきちんと法曹になれる仕組みにしていく責任があるだろうと思ったので、今日ここに立っているということです。
 さて、現状ですけれども、法科大学院が危機的状況にあることは事実ですし、何か対策をしなければならないことも事実でございます。では、その危機的状況になった原因は何だったのかということですが、私の資料の静岡県弁護士会の会長声明、二ページの四番にございますけれども、法科大学院の乱立、定員過剰、需要や合格者数の過剰、弁護士の急増と就職難、待遇悪化、収入減などから将来の不安を招いたこと、その一方で、合格率低迷、受験回数制限でのハイリスク、一年の修習が必要なのに給費制が廃止されたことなどが挙げられます。そのほかに、未修者の合格率が低いことも他学部出身者をちゅうちょさせていると考えられます。
 一方、参議院のこの法案の資料で、一ページ目、提出の経緯というポンチ絵がございます。その一番で、法曹養成制度の理念と現状というところには、法曹志望者の激減という項目がございまして、一番下のところですけれども、経済的負担約二八%、合格率が低いこと約二六%、時間的負担二二%などと挙げられています。
 しかし、元の資料、参議院の先ほどの資料集の八十七ページ、現在志望・選択肢の一つとして考えている学生の不安や迷いというところの、元の資料を見ますと、一番多いのが、自分の能力に自信がないが六四%、適性への不安が四三%、ほかの進路に魅力を感じるが三七%となっていて、そして先ほどの数字が続くということになっています。本来、こちらをポンチ絵に書くべきだったのではないかと思います。
 さて、これらの問題に対する対策としての与党案について意見を申し上げます。
 まず、一つ目の3プラス2についてですが、これ自体は分からないではないと思っております。既修に関しては相当充実するという面があるのかなというふうにも思っています。ただ、未修一年分の教育を法学部の法曹コースでという分担だと考えますと、未修者はまず法曹コースに行けというメッセージと受け取られかねないというところがあります。法曹コースでは二、三年法律を学んでいるのに対し、法科大学院の未修では一年ということになりますので、不十分と見られかねないということになります。そうすると、未修では法曹を目指せないと思われて、そもそも目指さなくなるおそれもあります。
 この点について、私がネットで実施したアンケートの結果を御覧いただきたいのですけれども、このグラフなどのあるところ、九ページの質問四の二に対するもので、在学中受験の影響の有無に関する理由で、悪影響があるとする理由として、他学部出身で未修だったが一年ではおよそ既修に追い付けなかった、在学中受験は未修にとって司法試験を絶望的なものにし、実務科目も履修できなくなり、ロースクール制度の意味がなくなるというものがありますけれども、これに象徴的に表れていると思います。
 これは、ひいては、日本はいかなる法曹を養成したいのかという問題につながります。多様性のある法曹を養成することが社会の多様なニーズに応えていくことにつながるとして司法制度改革をやったはずでございます。実際、私と同じ法科大学院一期生では、医者であるとか元外交官、社長、商社マン、銀行員、新聞記者、公認会計士、弁理士、司法書士、検察事務官、裁判所書記官とか、そういった多様な人材がおりまして、とても刺激的でした。
 多様な法曹を養成するには、このような多様な人材に法曹になってもらうか、普通の人材であっても多様な教育をするということのどちらかが必要ですが、3プラス2で法律しか勉強していない受験エリートの人材だけがある意味優先的に法曹になれるという仕組みをつくりますと、それ以外の多様な人材は来なくなるおそれがあります。多様な教育を用意しても、在学中受験の準備でそんな勉強をする暇がないということになりますと、多様な法曹を養成できません。社会のニーズを酌み取れる法曹が養成できないということになりますと、議員の皆さんの地元の有権者が困るということになります。
 そして、3プラス2というのは多様性をある意味捨てるわけですけれども、法曹養成制度は司法制度改革から方向性を変えるということなのでしょうか。旗振り役だった京大の佐藤幸治先生はどのようにお考えを変えられたのかというところがちょっと興味がございます。
 そして、変えるのであれば、司法制度改革の当時と同じように様々な意見を聞き、時間を掛けて議論して結論を出すべきと考えています。今、あの司法制度改革のときのような熱気は法科大学院周辺にはありません。制度を動かすのは人です。しかし、この状況では厳しいと言わざるを得ません。
 要するに、今回の制度変更にはどのような法曹を養成したいのかというビジョンがないのです。ですから、本来の制度趣旨とそごを来すような制度変更をしようとしてしまうのではないかと思います。
 今後、日本がどのような法曹を養成すべきかについてもネットアンケートでは聞いておりまして、二十ページの下から二行目から二十二ページまでにまとめておりますので、参考にしていただきたいと思います。
 ここでアンケートの説明を簡単にさせていただきますと、アンケートは二月十七日の深夜から始めまして、十日で八十六通の回答がありました。三月三日の段階で八十九通となりまして、そこで締め切りました。アンケートは、グーグルフォームというものを利用して作成いたしております。抜粋いたしますと、自分を振り返って在学中受験に何らかの悪影響があるという回答は六一・四%、何らかの良い影響があるという回答は一四・八%にとどまりました。在学中受験への賛否は、賛成、反対、それからどちらとも言えないというものが拮抗しておりますけれども、どちらとも言えないという回答が非常に多いのは、情報がないからではないかなというふうに思いますし、議論が熟していないということではないかというふうにも思います。
 次に、在学中受験について申し上げます。
 3プラス2は時間的負担についての対策であるわけですけれども、在学中受験もそれを更に進めるということにはなります。しかし、ここを解消しても、先ほど述べた上位三位までの事情、つまり、能力不足、適性の不安、魅力のなさというこの三つを解消しなければ法曹志望者が増えることにはならないので、対策としては的外れであり、立法事実がないと考えております。
 また、予備試験との競争という極めて小さなパイの取り合いだけになっていると考えられまして、これは、明らかに受験生のためではなく、法科大学院の都合のための制度変更と考えられます。パイを大きくするという対策こそ取るべきだというふうに考えます。
 在学中受験の時期がいつになるかにもよりますけれども、通常、試験前数か月は受験勉強に集中し、法科大学院の勉強をする余裕はありません。講義に出ても内職するのが目に見えています。なぜなら、文科省の指導で、法科大学院では受験指導をしてはならないということになっているからです。単位が取れる程度の勉強をするということが、在学中受験をする学生としての合理的な選択です。
 実施時期が例えば現行と同じ五月ということになりますと、最終年度の四月、五月は授業をまともに受けず、崩壊することになると思います。夏実施ということになると、前期の授業が全部崩壊するということになります。せめて、法科大学院の試験が全て終わった二月や三月に実施すべきではないでしょうか。例えば、択一だけでも三月中に合格発表をし、身の振り方を考える時間を与えつつ、論文の採点者を大幅に増やして論文の合格発表を五月にする。ギャップタームを現状より短くするということは可能だと思います。
 また、私は、ギャップタームの解消がそこまで重要だとは思っておりません。例えば、受験が終わった後の期間を利用して法律事務所のインターンに行くようにしてもいいし、そこに日弁連が協力してインターン先をあっせんするようにしてもいいというふうに思うわけです。インターン先を履歴書に書いて、ここでどんな経験をしたのかということを就活で生かせばよいのではないかと思います。なぜ在学中受験を導入する前にできることをやろうとしないのかというふうに思うわけです。
 ところが、今回のギャップターム解消が関係する人というのは、一部の優秀層ということになります。在学中でも合格するような人だけになります。恐らく多くの方は在学中受験では不合格になったり修了後に受験するということになると考えられますが、そうすると、そういった多くの方にとってはギャップタームはかえって長くなるということになります。
 さらに、ごく一部の優秀層に引っ張られまして普通の層も在学中受験のための勉強をするようになりますけれども、その結果、受かりもせず、授業も中途半端に受けるということで力も付かないという結果になりかねません。しかも、未修者からしますと、既修者との差が絶望的に開くということにもなりかねません。在学中の合格が優秀層ということになって任官や就職で有利ということになったら、未修者は法曹を目指すということ自体を敬遠することになりかねません。ですから、中教審でメリット、デメリットをきちんと議論すべきだったのではないかというふうに思っております。
 最後にですけれども、今回の議論の進め方について問題があったのではないかと考えております。
 在学中受験は、昨年秋頃に急に浮上いたしました。うわさしか聞こえてこず、箝口令がしかれているような状況で、中教審でも実質的な議論はされていませんでした。自民党の部会が言い出したということを法務省の官僚が説明しておりましたが、いかなるニーズやエビデンスを基に提案されたのか分かりませんでした。
 これに対して、私の実施したネットアンケートでは賛否両論、様々な意見が出ておりまして、メリット、デメリットがいろいろあるようです。
 この私の実施したネットアンケートの程度では不十分だとか、偏っているというふうに言われるかもしれません。それはそう思います。ですから、そういうことであれば、日弁連に協力してもらって意見を聞いてはどうでしょうか。あるいは、法科大学院協会を通じて現役の法科大学院生に聞いてもいいと思います。
#189
○委員長(上野通子君) 内山参考人、お時間過ぎておりますので、御意見おまとめください。
#190
○参考人(内山宙君) はい。
 政策を決めるに当たっては、実情やニーズをきちんと把握することは必須だと考えておりますので、是非そのような努力をしていただきたいというふうに思っております。
 本当に最後ですけれども、実情が分からないということになると、いいかどうかも分からないのに政策を決めるということになってしまいますが、これでもし失敗したら誰がどのように責任を取るんでしょうか。最後の責任は決めた議員にのしかかってまいります。さらに、一度決めてしまうとその影響は相当長期間に及びますので、日本の法曹養成に長期にわたり深刻な影響を与えてしまうおそれがありますので、長期にわたり迷惑を被るのは法曹志望者であり国民だと考えております。
 私の習ってきた憲法では、行政がおかしな法案を出してきたら立法府が止めるということができるわけです。三権分立ということになります。一旦止めませんかと、きちんと議論しませんかということを申し上げて、私の意見陳述を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#191
○委員長(上野通子君) ありがとうございました。
 次に、宮島参考人にお願いいたします。宮島参考人。
#192
○参考人(宮島渉君) 弁護士の宮島渉です。
 この度は意見陳述の貴重な機会を賜りまして、誠にありがとうございます。
 まず、簡単に自己紹介をさせてください。
 私は、法科大学院の出身の弁護士です。内山参考人と違って、旧試験というものは受けたことがございません。二〇一〇年の新司法試験に合格しました。現在、弁護士になって八年目です。
 私は、司法書士の試験に合格した後、監査法人系のコンサルティング会社で働いていました。三十歳の頃でした。その仕事をしている中で、クライアントが抱える問題をしっかりと解決するためには弁護士の資格が是非とも必要だというふうに実感する出来事がありました。
 そこで、弁護士になる方法をいろいろ調べてみましたところ、夜間の法科大学院というものがあることに気付きました。そこで、これなら働きながらでも弁護士になれるぞということで、大宮法科大学院の夜間四年コースというのを選択しまして通いました。そこを修了して、今、弁護士として活動しています。
 現在は、東京都千代田区にある法律事務所フロンティア・ローという事務所の代表弁護士をしております。当事務所には九名の弁護士が所属していまして、客員弁護士以外の六名は全員、法科大学院の出身者でございます。
 これから、こうした経歴等を踏まえまして、本法案に対し、反対の意見を申し上げます。
 本法案は、司法試験の受験資格を得るまでの時間的、経済的負担を軽減することにより法曹志望者数を回復させることを目的としており、究極的には、法曹志望者を増やすことによって社会が求める法曹を増やそうということにその眼目があるものと思います。
 では、現在、社会はどのような法曹を求めているでしょうか。
 債権回収や不動産、相続や離婚といった分野に精通した弁護士でしょうか。もちろん、そうした分野にたけた弁護士は必要でしょう。しかし、今まさに求められているのは、AI、バイオテクノロジー、先端医療、宇宙工学、仮想通貨、原子力などの分野の専門知識を持った弁護士ではないでしょうか。あるいは、高い外国語能力を持ち、国際取引や国際情勢に精通している、そういった弁護士ではないでしょうか。
 こうした法曹は、ただ志願者を増やせば増えるというものではありません。このことは、旧司法試験の時代にたくさんの法曹志望者がいたにもかかわらず、そうした法曹がほとんど生まれてこなかったことからもお分かりになると思います。
 本法案の最大の問題点は、そうした社会が求める法曹といったものをいかにして増やすかという観点が全く欠けていることです。
 では、どうすればそうした社会が求める法曹を増やせるでしょうか。
 我々は既にその答えを知っています。私が通った大宮法科大学院の夜間コースには、医師、アナウンサー、プログラマー、商社マン、省庁や自治体で働く方、Jリーグの関係者、金融、IT、製薬などの業界で営業や開発などをしている方、公認会計士、税理士、弁理士など、様々な分野や業界で働く人、活躍している社会人がたくさんいました。また、外国育ち、外国で勤務していた、外国の大学を出たといった、外国語が堪能で、かつ国際情勢などに詳しい社会人という者も大勢いました。
 そうした社会人が自らのバックグラウンドを生かして、これまでの法曹が対応できずに、あるいは放置してきた問題を何とかしよう、日本の司法を変えてやろう、良くしてやろうという強い意気込みや夢を持って、仕事や家族を抱えながらも法科大学院に入ってきたのです。そして、それは大宮法科大学院に限ったことではありませんでした。
 法科大学院の設立当初は六千人近くの入学者がいました。そのうち約三千人は社会人経験者でした。しかも、そういう人たちが全国の津々浦々にいました。地元で法曹になって活躍しようといって地方の法科大学院に入学した人もたくさんいました。上野委員長の地元である栃木県にも白鴎大学の法科大学院があります。設立初年度は、三十二人の入学者のうち何と二十一人の社会人経験者がいらっしゃいました。司法制度改革審議会の意見の言うように、本当に法科大学院修了者の七、八割程度が司法試験に合格していたならば、先ほど申し上げた社会が求める法曹が全国各地に多数誕生していたはずです。
 では、どうしてこれらの人は法科大学院の門をたたいたのでしょうか。それは、法律を全く勉強していない人でも三年間法科大学院でしっかり勉強すれば七、八割が司法試験に合格できる、そういう制度だったからです。ところが、残念ながら、大宮法科大学院の仲間たちのほとんどが司法試験に合格しませんでした。必死になって三年間法科大学院で学び、修了したものの、夢破れて法曹への道から去っていきました。
 ピーク時には、法科大学院は全国に七十四校ありました。しかし、現在は、大宮法科大学院や白鴎法科大学院も含め、実に三十八校が募集停止と閉鎖に追い込まれてしまいました。地方の法科大学院のほとんどがなくなってしまい、法科大学院が一つもない都道府県が三十を超えています。残った法科大学院でも社会人経験者は減り続け、その割合は入学者全体の十数%にまで落ち込みました。平成三十年度に入学した社会人の数は、法科大学院設立当初の十分の一以下にまでなってしまいました。
 本法案の3プラス2や在学中受験は、高校を卒業したばかりの人に五年間法律を勉強させて司法試験の受験資格を与えようとするものです。しかし、そうやって生まれてくる法曹は、果たして社会が求める法曹と言えるでしょうか。各分野の専門知識もない、語学もできない、ビジネスの経験もない、法律や司法試験の勉強ばかりした多様性のない法曹が増えるだけではないでしょうか。
 さて、議員の皆様、我が国と我が国企業は現在様々な国際的なトラブルに直面しています。例えば、昨年の国際司法裁判所の調査捕鯨に対する判断、韓国の最高裁判所が下した徴用工判決、今年WTOが下した韓国による水産物輸入禁止措置への判断、そして最近の欧州委員会が三菱UFJ銀行に対して巨額の制裁金を科した件などです。こうした事態に対応するには、語学力はもちろんのこと、国際機関や海外の法制度、そういったものについて専門的な知識や経験のある弁護士が大勢必要です。
 御存じのとおり、アメリカでは年間約五万人、韓国では年間約千七百人の弁護士が生まれています。中国に至っては、私たちが行ったイベントで中国から大学教授をお招きしてお聞きしたところでは、中国の人口と同様、正確な数字は分からないが、毎年二万人程度が合格しているだろうとのことでした。
 翻って、本法案の3プラス2や在学中受験は、五年間法律だけを勉強させて、毎年千五百人程度の法曹をちまちまとつくり出そうとするものです。このようなことで日本の将来は大丈夫でしょうか。私は極めて疑問に思います。
 しかも、本法案の在学中受験によれば、既修者は法科大学院に入学した後一年ほどで、未修者は入学後二年ほどで司法試験を受験することになります。つまり、入学早々、強い司法試験のプレッシャーにさらされます。これによって学生が、アメリカ法、EU法、法曹倫理といった司法試験に直結しない科目をおろそかにして、司法試験科目ばかりに力を入れることは容易に想像できます。法科大学院は司法試験の予備校に成り下がってしまうことでしょう。
 さて、議員の皆様、日本の法曹養成は脳梗塞を起こしているようなものです。血流が滞って体が動かなくなっているようなものです。この脳梗塞の最大の原因は司法試験です。合格率が低過ぎる司法試験によって、法曹養成制度全体が機能不全に陥っているのです。すなわち、司法試験の合格率が三割にも満たない、そういうことによって、本来来てほしいはずの人材が来ず、志望者も増えないのです。実際、先ほど申し上げた様々なキャリア、経験、知識を持った多くの人たちが夢破れて去っていったのです。
 私たちは、現役の弁護士が司法試験の問題を解いてそれを有識者に採点してもらうというイベントを三年間行いました。私も受験しました。本日お配りしております「現役弁護士が司法試験を解いてみた」という本を御覧いただければ分かりますが、日本有数の弁護士や世界的に活躍する弁護士であっても合格水準には達しませんでした。一流と言われる実務家でもできないことを求めているのが今の司法試験です。
 議員の皆様は御存じないかもしれませんが、パソコンで書類を作ることが常識になっているこの時代に、司法試験では二時間手書きで解答を書く、それを八科目分もやる、そういう試験を今どき平気でやっているわけです。現在の法曹養成制度の機能不全を何とかしたいとお考えであれば、司法試験にこそメスを入れるべきです。
 司法制度改革審議会の意見書が言うように、法科大学院修了者の七、八割を合格させれば、今抱えている、志望者が少ないとか多様性がないとか、そういう問題はおのずと解決されるのです。
 にもかかわらず、本法案は、脳梗塞の治療に抗がん剤を投与するようなもので、全く効果がないばかりか、かえって法科大学院の健全な教育機能を破壊して、法科大学院を中核とする法曹養成制度を死に追いやるものです。
 以上により、私は本法案に反対です。
 以上です。
#193
○委員長(上野通子君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#194
○江島潔君 自由民主党の江島と申します。
 今日は、三人の参考人の先生方に大変貴重な御意見を拝聴させていただきまして、本当に感謝を申し上げます。私、何回も参考人のこういう形の委員会出席しておりますけれども、その中でも最も興味深く今日は拝聴させていただきました。本当にありがとうございました。
 まず、土井参考人にお伺いをさせていただきます。
 まさに、土井参考人は、この教育の最前線において、法科大学院の教育を通じて、新しい法科大学院を通じた法曹を養成をしてきていただいているわけでございますが、その中を通じて今までの制度の課題点等もお感じになっているかと思います。それと同時に、参考人の御意見の中で、やはり期間が長いということが一つのハードルになっているということもお伺いをしました。
 そういう中での、今、3プラス2で在学中に受験ができるという制度が今回のこの一つの改正案の目玉と言っていいのかと思いますんですが、今までの議論の中でやはり課題になりましたのは、その受験後の残りの在学期間が、これが一つ、簡単に言うと、学生がもう受かったので怠けてしまうんじゃないかというような懸念も出たところでありますけれども、何か、この受験後の、卒業までの期間を有意義に過ごす方策といいますか、若しくは、例えば受験後も必ずこういう科目なり履修をしないと合格はしたけど卒業はさせないよというような、何かそういうような取組というのは教育機関として何かお考えなのか、その辺をお聞かせいただければと思います。
#195
○参考人(土井真一君) 御質問ありがとうございます。
 夏に司法試験を仮に実施するということになりますと、夏休み、それから後期をどう活用するかということに問題が出てくるだろうと思います。
 先ほど他の参考人からも出ましたように、例えば語学が学ぶ機会が必要だとか、あるいは、現在でも法科大学院、外国の大学と国際的なプログラムというのを提携をするという試みをしておるところです。ところが、やはり司法試験が近づいてきますと、そういう科目を取るというインセンティブがかなり学生の中ではないと、なくなってきているというのが現状でございます。
 やはり、司法試験を早い段階で受験をして、その後期あるいは夏休み等をそれに活用することができるということになりますと、司法試験である程度手応えを感じた学生たちがそういう機会を利用することが可能になってくるだろうというふうに思っております。
 もちろん、カリキュラムとしては全体三年で組んでおりまして、司法試験が終わった段階でカリキュラムが完成するというわけではありませんので、当然、後期にもいろんな科目があるわけで、その科目をしっかり履修しなければ法科大学院は修了できないというのは教育課程として当然でございますので、その辺で学生たちが、もう試験が終わったからというような形で、言わばたるむというようなことのないように、法科大学院として当然注意していきたいというふうに考えております。
#196
○江島潔君 それでは、内山参考人と宮島参考人にもお伺いさせていただきます。
 両参考人は、この新しい新司法試験の下で、法科大学院で学ばれて法曹資格を得られたというお話を聞かせていただきました。また、その中で、特にお二人は、同僚というか同級生の多様な人材のすばらしさ、こういう人材から法曹になるべきという、そういう御意見、私、全くそのとおりだというふうに思っております。
 午前中の質疑の中で、新しい制度の中には3プラス2で五年間で養成していくと、これは言わば法曹資格を得るまでに長過ぎるという課題に対する一つの回答案としてそういうコースをつくるという意見を聞きましたんですが、同時に、いわゆる社会人枠というか、法学部以外の、いわゆる三年で大学院に入ってくる学生以外の枠も半分ぐらいは確保していきたいと、そういうことによって多彩な人材もつくっていきたいという答弁を政府から聞いておりますんですが、この辺の割合というか、要するに、全てがこの3プラス2で卒業生ではなくて、半分ぐらいは多彩な人材というような今のこの文科省の考え方について、それぞれ御意見を聞かせていただければと思います。
#197
○参考人(内山宙君) 先ほどの御質問いただきました社会人枠を半分くらいというのは、法科大学院の総定員の半分という趣旨なのかなというふうに受け止めましたけれども、現状を御説明いたしますと、二〇一八年度の社会人の入学者の割合というのは一七%です。そもそも、社会人が目指さないような状況になっているところで枠だけつくっても、来ないのではないかというふうに思うんですね。
 一番社会人が多かったのが初年度でして、私も初年度で入ったんですけれども、二〇〇四年で社会人の比率が四八・四%でした。一番活気があった、法科大学院に行って法曹になろうぜというふうに思ってたくさん入ってきた時代でさえ五割超えていないんですから、その半分の枠をつくってもちょっと難しいのではないかなと思いました。
 以上です。
#198
○参考人(宮島渉君) 私も内山参考人とほぼ同意見なんですが、総定員の半分にしたところで、先ほど意見陳述で申し上げましたように、そもそも社会人の入学が十数%にとどまっておりますので、ほとんどその半分の枠というのは意味がないと思います。
 それよりも、先ほど申し上げたように、やっぱり司法試験の合格率を七、八割にして、定員も充実させて、それで広く多様な人材が来たいと思えるような制度にすべきだと思います。
 以上です。
#199
○江島潔君 宮島参考人がさっき御意見の中でお話しになられました捕鯨の問題に関する国際司法裁判所の判決とか、あるいはWTOの先般の敗訴とか、この辺は本当に私も、水産に関わってきた者としても非常にじくじたる思いもありますし、また、特にこのWTOのときには、国際裁判に負けないためにしっかりと外国人の弁護団を使いましたと自信を持って外務省が言っていたんですけれども、そういうときに日本人の弁護団で大丈夫ですという言葉がなかったのはちょっと残念でありました。そういう意味では、本当に参考人の先生方の御意見は非常に貴重な今後の糧とさせていただきました。
 ありがとうございました。
#200
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫でございます。
 限られた時間ですので、今回の改正について否定的な立場から土井参考人に集中的に質問させていただきたいというふうに思っておりますが、ただ、限られた時間ですので、在学中の受験ということにちょっと絞って少し御意見を伺いたいと思いますが。
 かつての旧司法試験ですと、四年間勉強して、四年のときに司法試験受かれば司法修習二年ということで、六年で法曹になれたわけであります。
 今回、くしくも、今回の制度ですと、学部で三年、それからロースクールで二年、で、在学中に受かっていれば卒業と同時に修習になって、一年間の修習で六年ということで、同じような六年間で法曹資格が取れるというような制度設計になっておるんですけれども。
 ただ、そうした優秀な学生を、そうした道を開くというのはそれは一つの意義があるかもしれませんが、ロースクール制度そのものが、そうした司法試験の合格ということに向けた知識だけの修得では足らないんで、より幅広い豊かな人間性を備えた法曹ということで、それをしっかりロースクールでやるんだということがロースクールの理念だったわけであります。ロースクール制度がその理念を失って、ただ司法試験に受かればいいというのであれば、もうロースクール制度はやめちゃって、昔の試験に戻った方がいいというような極論の意見も出てくるような状況だというふうに思います。
 それで、一つ具体的にお尋ねさせていただきますと、三年間学部で法曹を目指して勉強してきた、かなり法律知識に偏った勉強をしていると思うんです。それからロースクールに来て、一年間勉強したところでもうすぐ受験に入るというと、やはり、ロースクールが理念としていた幅広い豊かな人間性を養うための勉学に触れる機会というものが、ないとは言わないけど、非常に少ないままの状態で試験に臨んでしまう、むしろ試験に集中してしまうんではないか。そうしますと、ロースクールの本来の理念には離れてしまうんじゃないかなと私は危惧しておるんですが、いかがでございましょうか。
#201
○参考人(土井真一君) 先ほど江島議員からも御質問のあった点と関わってくるんですけれど、現在の司法試験の実施時期からしますと、法科大学院教育全体が終わってから司法試験という形になります。それが早い段階で行われるということになりますと、ある意味で、法科大学院教育全体の時間を司法試験の準備のために使うという動向が学生の中からある意味相当数消えるという可能性がございます。
 つまり、ある段階までのところである段階までの能力を判断するけれども、その後、残る、例えば先ほども申し上げました夏季休暇であるとか、三年次の後期なんかの教育課程については、基本的に法科大学院が自由にその設置理念に関わる教育を活用してほしいという、そういう機会でもあるわけです。
 実際、それを活用できるかどうかは我々法科大学院の方に懸かっているわけですけれども、この制度が実際に動くということになれば、やはりその後期の時間等については、各法科大学院ができるだけ各法科大学院の教育理念に従って充実したプログラムを提供すべきだと思いますし、学生にその履修を求めるということが可能になるというふうに私は受け止めております。
#202
○小川敏夫君 現実にロースクールといいましても、やはり初学年は、いわゆる法律科目の勉強といいますか、授業が多いと思うんですね。次年度辺りから実務が入ったりとかというような状況があると思うんです。そういう傾向からすると、やはり初年度は、法学部、法学知識、法律学の勉強が多いという状態で司法試験の受験に臨むとなれば、やはりどうしても幅広い豊かな教育ということから離れるんじゃないかなと、これは私の意見ですけれども。
 試験に受かった後、勉強といっても、受かった後にどの人がどれだけ勉強するかなと。やる人は別にロースクールじゃなくたってやるでしょうし、やらない人はやらないので、ちょっと不安があるんでありますけれども、ちょっとそれは私の意見としましてですね。
 もう一つは、今度、在学生受験を認めると。ただ、受かった人も卒業しなければ、大学院を修了しなければ司法修習生になれないと。そうしますと、結論から言えば、法科大学院の在学生が卒業したときに司法修習を始めないといけなくなると、そうでなければ早めた意味がないわけですね。
 ですから、現行ですと、九月に司法試験の合格が発表されて、二か月後の十一月には司法修習が始まると。これが、もし現行のままですと、在学中九月に受かったって、修習卒業は翌年三月ですから、合格した九月の後の十一月には司法修習生になれないわけです。九月に受かったって、あなた、在学中だから司法修習になるのはまた来年十一月よというんじゃ制度の意味がないから。
 そうすると、司法修習は、今は司法試験があった年の、九月に合格発表があった年の十一月に司法修習が始まるんだけど、これからの運用は、この在学中に合格した人が司法修習に入れることを待つために、司法修習の開始時期が九月の司法試験合格発表であっても翌年四月になるわけです。在学生が修習するのを待つ結果ですね。
 そうすると、在学中に受かった人は大変うれしい。これまでですと、卒業した年に受験して首尾よく受かっても卒業した年の十一月にならないと司法修習生になれなかったけど、今度は在学中に合格すれば、三月に修了するとすぐ四月に修習生になれるということで、実質的には七か月、一年ではなくて、今の仕組みですと七か月早まると。
 しかし、待ってくださいと。でも、残りの人は、つまり在学中受かった人じゃない人は、これまで九月に司法試験受かったのに、十一月に司法修習入れた、今度は在校生の修了を待つために、九月に司法試験受かったって司法修習が始まるのは翌年の四月なんです。
 ということは、百人の優秀な人は七か月早く司法修習に入ることができると。ところが、それ以外の圧倒的多数の人は全員五か月間司法修習が遅れるんですよ。法曹になるのが五か月間遅れる。ですから、千五百人中恐らく百人もいないその優秀な人が、在学中に合格する人が結果的に七か月修習が早くなるだけのために、残りの千四百人が五か月も全員そろって修習が遅れる、法曹になるのが遅れるという、非常に全体から見ると不合理な仕組み、本当に一部のエリートだけを優遇した仕組みだと思うんですけれども。
 単純な計算をすれば、百人が七か月早くなれば七百か月、総数はですね、千四百人が五か月遅れれば七千か月、すなわち七百か月時間を早めるために七千か月を遅らせてしまうんですよね。全体的に言えばそれだけ法曹になる人が遅れてしまうという仕組みなので、余りにも一部の優遇のために全体を犠牲にしているんじゃないかと私は考えたんですが、いかがでしょうか。
#203
○委員長(上野通子君) 時間になりますので、簡潔にお願いいたします。
#204
○参考人(土井真一君) 今、小川委員の方からおっしゃっていただいた、まず、その二百人に限定されるかどうかというのは今後やってみないと分からないということもありますが、3プラス2、在学中受験というのをできれば標準化していきたいというふうに思っておりますが、実はほかにもいろんなやり方を学生たちは選択できまして、例えば、学部は四年やるけれども法科大学院を二年で在学中受験をしたいという子も出てまいりますし、学部は三年でやるけれども法科大学院は二年で修了受験でいいという子たちもいます。
 こういう子たちは結局トータルでは短くなりますので、そのギャップタームの解消のところだけを本当に最短でやる人間がどれだけかということだけで期間の短縮を考えていただくと、ほかの可能性というものが失われてしまいますので、全体として見ると、様々な過程で期間の短縮が可能で、一番問題になるのは、四年法学部で学修して、二年法科大学院で学修して、さらに修了受験をするという、この一つの選択肢の子については確かに期間が延びてしまうという問題がありますが、ほかの選択肢の子たちにとってはいろいろな面で期間短縮になるわけですので、百人だけが利益を得てほかが不利益を得るというシステムではないと私は理解しております。
#205
○小川敏夫君 いや、在学中に受かった人だけが期間短縮で、ほかはないと思うんですがね。
#206
○委員長(上野通子君) もう時間ですので。
#207
○小川敏夫君 時間が来ましたので、終わります。
#208
○大島九州男君 どうも、国民民主党・新緑風会の大島でございます。
 今日は、参考人の先生、ありがとうございます。
 午前中に私質疑させていただいたのであれなんですが、細かいことはもう時間がないので、簡潔にお伺いします。
 法科大学院の生まれた使命というのは、それこそ多様な人、専門的な人、そういうものの人を養成するということで生まれたんだけれども、出口が一つなんですよね。それは何かといったら、法曹の試験受けて、司法試験、これに合格しないとあれだからというんで、みんな、じゃ、それの一番短い道を選ぼうとするわけですよね。だから、そうすると、予備試験の方でも結局同じ道なんですよ。だから、法科大学院の存在意義がないんですよ。
 私は、それこそ多様な人材だったら出口も多様にしてあげるんですよ。それは何か。国際的な専門をやる、そういう試験があり、そしてまた日本国内の部分があり、いろんな目標の出口があったら必ず多様性のある人が生まれてくるんですよ、結果として。
 ところが、もう出口が一つだから、結果として多様性がない。それで、みんな最短行こうとするから、もう丸覚え。それこそ、本当にただ知識だけという、知恵のない、そういう法曹人を生んだって意味がないと。それを弁護士の先生に言うと、いや、基本は。
 いや、当然、基本はみんなそれぞれあるんだから、必ず専門的な分野の試験をきっちりやって、そこの出口があれば多様な人材がそろうんだから、そういうことをやればいいんじゃないですかというふうに思っているんですけど、土井参考人、どう思われますか。
#209
○参考人(土井真一君) 基礎となる部分と専門的な部分をどのような課程で養成するのかを真剣に考えた方がよいのではないかという御指摘だと思います。それはそのとおり、そういう側面もあるんだろうと思います。
 ただ、医師の養成につきましても、現在の医師というのはかなり専門化して医療を行っておられますけれども、やっぱり基本になるところは、外科医だから内科が全く分からないといったようなことをやっておられるわけではなくて、やっぱり基礎となる部分をしっかりやっておられるんですね。
 問題は、その基礎となる部分をどの程度の内容、水準に精選していくかということは御指摘のとおり重要な点ですので、今回の制度改革を始め司法試験の改善等も御検討していただけるということであれば、全体としてその点について検討する必要があると私は思っております。
#210
○大島九州男君 ありがとうございます。
 検討すべきという、枝葉の切りそろえはいっぱいあるんですよ。だから、根本をしっかりやるには、もう試験変えれば変わるんだから、もう基本、試験を変えるべきというのが私の考え方なんですね。内山参考人、どうですか。
#211
○参考人(内山宙君) 今の御質問を拝聴しておりましてちょっと思ったことがありまして、選択科目がございますので、国際的なことに対応できるということであれば、例えばもう語学を司法試験に入れちゃうと。あるいは、外国法の試験であるとか、外国語による契約書のレビューであるとか、そういったものの試験を入れるということは一つ考えられるんだろうなと。
 何だったら、その選択科目を複数にして、何かの資格を持っていたらそれは何か免除になるとか、そういうことをすれば、そういう人が参入しやすくなるということはあるのかなと思います。
 また、別の観点ですけれども、例えばイギリスなんかですと司法試験がないと。その法曹養成課程でしっかり勉強してきているということを前提として、ただ、実務研修を二年とか三年とかちゃんとやらないと自分でできないという仕組みになっていて、その研修先がなかなか見付からないという問題がありますけれども、その法曹養成機関でどういう勉強をしてきたのか、そこでどれだけ優秀だったのかということが重視されるということもあるようですので、そういうことであれば多様性に寄与する面はあるのかなというふうには思いました。
#212
○大島九州男君 私の持論ですけど、例えばアメリカとか、まあ要は外国の訴訟にいろいろ対応できる、そういったことが勉強できるのは法科大学院でしかできないんだと。
 私、今日午前中言ったんですけど、そこに法務省だとか外務省だとか文科省が一緒に入って研究しろと。そうすると、それぞれ訴訟で負けた企業なんかはそういった人材が欲しいんだから、その企業もお金出してくれるし、そしてそこで、日本の法律のここも変えなきゃいけないねとか、日本の教育制度もこうやって変えなきゃいけないねと、法科大学院でそういうことが学べるようになって、そこを卒業して得た資格で、それこそ外国の訴訟に勝って億万長者になるんだみたいなぐらいの夢を持った、そういう生徒を育てていく方が夢があっていいんじゃないかというふうに言ったんですけど、宮島参考人、どうでしょうか。
#213
○参考人(宮島渉君) はい、お答えします。
 私は、基本的には司法試験はやっぱり法曹となるための最低限の素養とか知識を試すものにして、まず簡単にして、要は。それによって多様な人を集めて、そういう専門的な教育はむしろロースクールでやるべきだと考えています。
 アメリカなどはこういうモデルを取っているはずでして、法学部がありませんので、ロースクールで他学部の人を受け入れて、それを三年間教育して、司法試験は言わば非常に簡単ですので、その三年間の中で自分の専門性とかを磨くと。ですので、むしろ司法試験何番で受かったとか、そういうことではなくて、どこのロースクールでどんな勉強をしたかということで評価される。だから、そういう制度の方が私は良いと思います。
 ですので、試験改革としては、司法試験を最低限の試すものにするというのがいいと思います。
#214
○大島九州男君 土井参考人に聞きますが、結局、学者の人たちは、こう言うとあれですけど、一生懸命勉強して、そういうアカデミックなことを一生懸命やると、それはそれでいいんですよ。私は、そういうものプラス、現実の社会で求められている弁護士というのは、問題解決能力、その訴訟において自分が損したり得したりするわけだから。
 だから、そういう人材ともう両線で行くぐらいの気持ちを持って改革していって試験決めていかないと、もうアカデミックな人ばかりそろえたって海外の訴訟には勝てませんから、そこは是非、土井参考人、いろんな審議会で発言できる立場であるので、是非そういうことを言ってもらいたいと思うんですが、どうでしょうか。
#215
○参考人(土井真一君) 本来、法科大学院ってそういうもののためにつくっておりますので、先ほども意見陳述のところで申し上げましたけれども、先生方が大学におられたときとは比べ物にならないぐらい実務家が実際に教えていただいております。言わば研究者と実務家が共同して今おっしゃっていただいたようなことに取り組むための仕組みですので、したがって、この仕組みそのものを安定させる必要がまずあって、それが安定すれば、おっしゃっていただいたように、夢のあることがたくさんできるということですので、是非その方向で頑張れればと思っております。
#216
○大島九州男君 大変今日はそういう有り難いお話を聞かせてもらいましたけれども、やはり人は何かの目的があって動いていくわけですよね。光があって、その光に向かって進んでいくわけですから、その出口の光を差すところが複数あれば、必ずそういう複数の道をみんな選択する、だから多様性が生まれるけど、今はもう一個の光しかないから。
 そういう意味で、予備試験だろうが法科大学院だろうが、みんな同じところを向いていくので、今おっしゃるように、いろんなほかの勉強、本来身に付けてもらいたい能力のところは後回しになって、まずは試験合格というのでそっちの道を選んじゃうから、まさしくそういういろんな出口の光を見せて、多様性のある人たちを、仕組みをつくればいいというふうに思いますので、是非そういうふうにしていただきたいという要望をして、質問を終わります。
 以上です。
#217
○新妻秀規君 まず、三人の参考人の先生方に、本当に貴重な意見陳述、ありがとうございます。
 まずお伺いをしたいのは、内山参考人が法曹の魅力発信の仕事をされていらっしゃったということをおっしゃいました。私、親友が、高校のときに法曹の方が学校に来て、そうしたその仕事の内容を聞くうちに是非とも自分も目指そうということで、それから本当に厳しい法曹の道を目指し出したというんですよね。
 やっぱり多様な人材が集まる前提として、どのようにして法曹がこういう活躍をしているんだよという魅力を発信をしていくことは、やはり多様な人材を集める本当に大きな原動力になるんじゃないかなと思うんですけれども、内山さんが携わったこの魅力発信の仕事の中身、ここで是非ともお聞かせをください。
 あと、あわせて、土井参考人も、昨年の三月十三日の中教審の大学分科会で、法曹への関心を高め、法曹志望者を広く集めてという御発言をされていらっしゃいまして、こうした情報発信とか魅力の発信ということについて、やはり課題、問題意識を持っていらっしゃるというふうに思うわけなんですね。
 今、この魅力発信とか、こういうことが本当にできていなくて、こういう課題があって、こういうことがやるのが望ましいんじゃないかというふうにお考えがありましたら、是非ともお聞かせいただきたいと思います。
#218
○参考人(内山宙君) 私が日弁連の法科大学院センターで取り組んでまいりましたのは、ほかの方と一緒になんですけれども、弁護士に会いに行こう企画というものがありまして、中高生の方が日弁連の方に申込みをして、例えば春休みの間に四日ほど弁護士と会えるという日を設けて、それで、例えば二十人くらいの中高生、いろんな学校の人がいますけれども、集めて、もう本当にざっくばらんにお話をすると。収入どれくらいなんですかという話が来ることもあれば、やりがいって何ですかとか、そういったことをいろいろ聞かれて、お答えをしていって、実際、じゃ、どうやってなるんですかというようなことを聞かれて、こういう制度だよということをお伝えしたりと。おおむね好評でございまして、大変良かったとか、そういった回答をいただいていると。
 やっていくうちにどんどんどんどん認知度が高くなってきたのか、どんどん参加者が増えているということはありますけれども、ただ、もう本当に個別にやっている形ですので、私なんかが考えると、面白いドラマを作って、法曹の活躍するドラマを作って、いいキャストでやると、これがもう一番じゃないかなというふうには思っています。
#219
○参考人(土井真一君) 情報発信するというのは非常に大事だと思っております。
 実は、私は法曹養成教育にも関わっておりますけれど、初等中等教育の方にも関わっておりまして、法教育を中心に進めてまいりました。今回、高校に公共という科目も導入されることになっておりますし、その科目の中で法曹を始めとして様々な専門家の方に来ていただいて実際的な話をしていただくという機会を設けることが可能になっておりますので、是非そういう機会に法曹の方々に法曹の仕事の魅力あるいは法曹の仕事の大切さというのを中学生、高校生に伝えていっていただくということが大事だと思います。
 それともう一つは、やっぱり法科大学院の魅力を伝えていくためには、法科大学院の修了生の方が多様な分野で本当に活躍していただく必要があると思うんですね。まさに両参考人はもうその典型例で、先ほど私、誇りだと申し上げましたけど、まさにお二人は誇りで、ようやくこういう修了されて法曹になられた方が十年目を超えてこられたというところなんです。
 やはり、修了されて一年目、二年目というのは、その仕事に就かれて、取りあえずそれに慣れるという段階であったんだろうと思うんですけれど、やはりもう何年も勤めてこられておられますので、いろいろなところで活躍されて、いろいろな発信ができるようになる、そういう世代になってきていただいていると思いますので、是非、まあ参考人としてもそうなんですけれど、いろいろな場で魅力を発信していただければなと思っております。
#220
○新妻秀規君 次に、また土井参考人にお伺いをするんですけれども、先ほど御発言の中で、予備試験の実際の活用のされ方というのは、当初は想定されていたような活用のされ方じゃないということで、必要な対応を要望したいということをおっしゃいました。
 土井参考人がこういうふうな在り方が望ましいんじゃないかなと思っている理想の姿があったら、是非とも御意見をお述べください。
#221
○参考人(土井真一君) 基本的には、やはり審議会の意見書においていろいろと検討していただいて示された方向性、すなわち、既に社会人で様々な経験を積んでおられるとか、それから経済的事情で法科大学院に進学するというのに非常に困難を抱えておられる方とか、そういう方々に対して門戸を開くというのが本来の趣旨でしたので、そちらの方向で制度を整備していただくのがよいのではないかと思います。
 現状は、どうしても若くて優秀な子たちが早く受かりたい、そして、その予備試験という一つのチャンネルを通ったことによって自分のプレステージを高めるんだという方向に行ってしまっていることが一番問題なんです。私から言わせますと、そういう子たちこそ、先ほど来出てきましたけれど、国際法の問題とか最先端の問題とか、そういうところで活躍してほしい人材がそちらの方に進んでしまっているために法科大学院教育にいろいろな困難をもたらしておりますので、その点について、本来の趣旨に合うように制度整備をしていただければ一番有り難いと思っております。
 ただ、それでもなお今回の改革が我々必要だと思っておりますのは、予備試験変えてもらうことが重要なんだ、司法試験なんかを変えてもらうことが重要なんだということも確かなんですけれども、しかし、法科大学院制度に御理解のある様々な方々からも、それはそうなんだけれども、しかし、それを言うのであれば、法科大学院制度にも問題があるのだから、まずは法科大学院の側がその問題点についてしっかり対応して、やれることはやっているんだということを示していただくことが理解を得るためには必要じゃないかという御指摘もいただいており、それについては我々も最善の努力を果たすべきだという、そういう思いで、今回のこの改革についても、次世代のためにやるべきことはやるというふうに申し上げているということでございます。
#222
○新妻秀規君 先ほど宮島参考人の方から、やはり社会人経験者だったり、そういう多様な人材を多く集めるために、大胆な御提案、例えば司法試験をぐっと難度を下げてというんですか、多くの方が受かるようにすべきだという、そういう大胆な提案がありました。
 私もやっぱり、本当に多くの多様なバックグラウンドを持った人材が法曹界で活躍するのは非常に重要だと思うんですけれども、ここで土井参考人、内山参考人、短めにお答えをいただきたいんですけれども、土井参考人には、今回、そういう多様な人材が集まるような仕掛けはどういうふうなところに今は盛り込まれているのか、内山参考人には、どういうふうな仕掛けをすれば多様な人材が集まるのか、それぞれお答えください。
#223
○参考人(土井真一君) 法曹志願者全体が減少しているということには様々な要因がございます。様々な要因についてこれまでも対応してまいりました。
 一つ重要なのは、やはり経済的あるいは時間的負担を軽減しながら、先ほど来出ておりますように司法試験の合格率をやはり高めていく。そうすることによって法科大学院に対する信頼を社会で築いていってもらうということが、恐らく、社会人の人たちからしますと、そういう信頼がなければ、職を賭して新たに法科大学院に来ていただくということはなかなかやっぱり心理的抵抗感がお持ちになるというのも当然だと思います。そのために、やはりその信頼に応えるために改革をしようとしているということだと私は思っております。
#224
○参考人(内山宙君) 多様な人材に来てもらうためにということでございますけれども、私は、夜間のロースクールをもっと拡充するということかなというふうに思っております。当初は四校、五校くらいはたしかあったかと思うんですけれども、どんどん閉鎖していきまして、私の出身の成蹊ロースクールも夜間を持っていたんですが、募集停止ということになってしまっております。
 先ほど職を賭してロースクールに来るのはなかなか難しいという話がありましたけれども、夜間であれば職を賭する必要がありませんので、まず、長期履修でいいので、例えば五年くらいでじっくり法律を勉強していって、ああ、これはいけるぞというふうに思って力も付いてきたなと思ったら辞めるということでもいいですし、あるいはずっと最後まで履修し終わって、それで受かりましたといって職場に報告して、やっていたんだねというふうに、私のようになっちゃうというパターンもありますけれども、そういうことであれば、リスクを下げていって他学部出身者の方も来れるのではないかなというふうには思います。
#225
○新妻秀規君 終わります。
#226
○松沢成文君 日本維新の会・希望の党の松沢成文と申します。
 三人の先生方、よろしくお願いします。
 まず、土井参考人と内山参考人に伺いたいのですが、今回のこの法改正、非常に単純化してちょっと国民目線で物を言わせていただくと、まず法科大学院制度を導入しましたが、十七年間でほとんど実績が上がらなかったというか、当初の期待されていた実績、国民の期待に全く応えられなかったというのが私は今までの結論かなと思っているんです、大変厳しい言い方しますが。
   〔委員長退席、理事石井浩郎君着席〕
 それは例えば、最初、これは文科省のやり方に無理があったんですが、七十四校ぐらいできて、それからどんどんどんどんどんどん潰れて、もう二十校、三十校前後になっていますね。半分ぐらいになっちゃっていますよね。それから、七割から八割の人は法科大学院を出れば司法試験に受かるんだという、そういう目標値も置いていながら、それがもう今は二割ぐらいになっちゃっている。その結果、法曹を目指す人を増やそうと思った改革が、どんどん減っちゃっているわけでしょう。
 ですから、これ、結果から見ると、失礼な言い方ですけど、関係者には、大失敗だったわけですよね。ですから、そうであれば、もう法科大学院制度は大失敗だったので廃止して、新しい法曹育成プロセスを考え直そうぐらいのことをやらないと私はなかなか解決できないんじゃないかなと。
 今回の法案見ていても、簡単に言えば、法科大学院の生徒が予備試験に取られちゃったので、それを取り戻すためのびほう策として3プラス2を考えてみたり、あるいは途中で司法試験を受けれるようにしてあげたりして、時間的な負担とか経済的な負担をどうにか解消してあげれば少し取り戻せるんじゃないかと、こんなびほう策にしか見えないんですよね。
 私は、むしろこの法科大学院制度、もう一度、一回全部チャラにして、全体的なプロセス構築に向けた議論を始めた方が日本の将来的には、二十年、三十年後の日本の法曹界にとってはいいというふうに考えているんですが、それぞれお立場はあると思いますけれども、いかがお考えでしょうか。
#227
○参考人(土井真一君) 厳しい御指摘だとは思いますが、実績を十分上げてきているのかどうかということに対する評価に関わると思います。
 私どもの方は、課題はないのかと言われれば確かにそのとおりで、大きな課題があるので対処しなければならないというふうに思っておりますが、先ほど来申し上げておりますように、両参考人のようにこの制度を使って法曹になられて活躍されておられるという方が、先ほども申し上げましたが、弁護士の半数を占めるという状況になっている。それを失敗だというふうに決めて、新しいものにしなければならないのだと言える状況にあるのかと言われれば、私は、今の制度をより良いものにしていくということが基本的に良い方向だというふうに考えております。また、その可能性は十分あるところです。
   〔理事石井浩郎君退席、委員長着席〕
 法科大学院の適正規模の問題は、確かに御指摘のとおりです。ただ、私自身、開設のときから関わってきたことを思い出しますと、これは決して一省庁の問題あるいは特定分野の問題ではありませんで、法科大学院を創設したときには、やはり規制緩和、市場による淘汰というのが時代の趨勢だったというふうに思います。
 したがって、現在、こういう形で法科大学院規模の適正化を図ってきた過程は、ある立場からすればそれは混乱なんだという立場になるかもしれませんけれど、別の立場からすればそれは当然市場の淘汰における適正な調整なんだという、そういう御判断になるんだと思います。
 それ自体に対して、私自身、どちらの考え方が正しいと言うつもりはございませんが、実際にその当事者としていろいろな課題に対して対応してきた立場からすれば、ようやくその苦労をある程度解決の方向に導いてきたこの段階で、全くまた新しいことになるんだということは適当ではないんじゃないかというふうに個人としては思います。
#228
○参考人(内山宙君) 失敗かどうかということについては、ちょっと当事者としては何とも申し上げられないんですけれども、じゃ、今回のその改正案、変更案というのは確かに非常に分かりにくくて、もうキメラのようにぐちゃぐちゃになってしまっているというのは、それは確かにそのとおりではあるんですけれども、3プラス2自体はそれなりにずっと中教審で議論もされてきたことですし、まあ頑張っていただければなというふうに思っているところなんです。
 ただ、在学中受験が通るんだったらもう私は手を引こうと思っていたというふうに先ほど申し上げたわけですけれども、ただ、ほかの方法もないわけではないわけでして、一番、ロースクールの人気が低迷しているというのは、やはり予備試験が本来と違う趣旨で使われてしまっているということで、ロースクール生も受験できるわけですね、予備試験というのは。元々の趣旨から考えますと、ロースクールに行けないような金銭的な事情であるとか仕事があるとか、そういった人が行けるようにという制度ですので、ロースクール在学生は予備試験受験できないということにしても何も問題ないのではないかと。そこをまずやると。
 先ほど、一番最初に韓国のお話をさせていただいたんですが、韓国は、日本は予備試験で失敗しているということでやらなかったんですね。ということを考えると、それも一つのやり方なのかなというふうにも思ったりしますので、いきなり全部なくしてしまいますと、これまで実務家がこれだけ法曹養成に取り組もうというふうになってきたこの成果を全く無に帰してしまうことになりますし、まだ、言っても日本では十七年くらいという歴史しかありません。アメリカでは百年からの法曹養成の歴史というのがロースクールでやっているわけですので、そういったところでもう少し成果を見ていただけたらなというふうには思います。
#229
○松沢成文君 宮島参考人に一つ伺いたいのですが、参考人は今の制度では駄目だと、もっと抜本的にということをおっしゃっていました。
 例えば、今度法曹コースを大学につくりますよね。ですから、アメリカ型に、ロースクールで、ですから、法学部には普通の法律を勉強する法学部と法曹を養成する法曹コースをしっかりとつくって、それでその上に司法試験。司法試験も、先ほどの御指摘もあったように、もう少し多様にして、本当に知識だけじゃなくて人間性を測るような試験も導入して、まあ一次、二次があってもいいと思うんですよね。その上に司法修習を付けて弁護士、法曹家になっていくと。
 このプロセスですか、をしっかりと組み込めば、関連性をつくってやっていけば、私は法科大学院がなくてもプロセスとして多様な法曹を養成するというやり方はできると思うんですが、もし宮島参考人の何かイメージとかビジョンがあったら、この法曹養成の、こういう改革案があると、あったら教えていただきたいんです。
#230
○参考人(宮島渉君) お答えします。
 私は、先ほど意見陳述でも申し上げましたとおり、やはりロースクール当初に例えば七、八割受からせていたらば、すごい多様な方が入ってきたことは、多様な法曹が生まれたことは間違いないと思います。
 ですので、むしろ、その司法制度改革審議会の意見書の趣旨から変えて、一度も七、八割とか三千人とか受かっていないわけですから、それなのに法科大学院ばかりどんどん潰れていくというような状態で、そこを変えるのが重要だと考えています。
 ですので、それを、じゃ、ちょっと法科大学院は潰して違うコースをつくってみようかとか、じゃ、予備試験はどうかとか、これは複雑になるばかりでほとんど意味がないと思います。少なくとも、社会人にとって安心して来れるとしたら、やはりそれは、七、八割受かるぞとか、ここでしっかり教育してもらえば受かるぞという、そういうシステムであることが必要だと思います。
 以上です。
#231
○松沢成文君 以上です。ありがとうございました。
#232
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 三人の皆さん、今日はありがとうございます。
 土井参考人に伺います。
 法科大学院在学中の司法試験受験を認めるこの目的について、法科大学院協会は、ギャップタームの解消によって法曹志望者を増加させると同時に、現在予備試験に流れている層を法科大学院に誘導するのだと、こう説明をしているかと思います。
 しかし、現在、学部や法科大学院に在学中に予備試験に合格していくような学生というのは、3プラス2だとか在学中受験が可能になったとしても、やっぱり予備試験も受けるんじゃないかと思います。学部に在学中も法科大学院に在学中も、いずれも受けていくのではないかと。先ほど土井参考人御自身も、若くて優秀な学生が早く合格したいということで予備試験に流れていると。そういう意味では、今度の3プラス2、在学中受験、こういう下でも、やはりそういう学生は予備試験を受けていくのではないか思います。
 そういう意味で、プロセスとしての法曹養成制度というのであれば、やっぱり本来は予備試験も含めた全体の見直しがこの議論の中で必要だったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#233
○参考人(土井真一君) 法科大学院の側からしますと、予備試験について適切な方向で制度の整備を考えていただきたいというのは全ての法科大学院関係者の願いでして、その点については委員のおっしゃるとおりだというふうに思います。
 ただ、政府での御決定もございますが、まずは法科大学院の方に様々な問題があるわけだから、それは平成三十年度中をめどに適切な改革を先行してしなさい、それに併せて、その進捗状況を見ながら予備試験について検討すべきだという、そういう方向性を示していただいておりますので、したがって、我々としては、予備試験について十分御検討いただきたいという願いはありますけれども、先ほども申し上げましたように、我々としてしなければならないことはしなければならないという判断で取り組んできておりますし、その結果としてこういう案をまとめていただいておりますので、できる限り責任を果たしたいという、そういう立場でございます。
#234
○山添拓君 今度の法案が必ずしもパーフェクトなものではないというようなお立場も含めたお話ではあろうかと思います。
 やっぱり予備試験に合格するような優秀で法曹志望が明確な学生を対象とした法案だろうと思いますが、それでは本当に法曹志望者を増やすということにつながるのかどうかというのが私は疑問だと感じます。
 次に、内山参考人に伺います。
 日弁連が昨年十月二十四日付けで、法科大学院在学中の司法試験受験を認める制度変更に関する基本的確認事項を公表しております。制度変更を行うのであれば次の点が明確にされなければならないとしまして、司法試験の受験資格は法科大学院修了を原則とし、在学中受験を例外的な位置付けとすることと、ここではこう述べています。
 一方で、柴山大臣は、3プラス2、そして在学中受験を含めて標準的な運用としていく、こういうことを繰り返し述べておりますし、先ほど、土井参考人の御意見の中でも、今度の法案の方向性が標準的なものだとお話がありました。
 一方の日弁連では例外的だと、こう考えているようなんですけれども、この点はどうお考えでしょうか。弁護士会での議論や受け止め、参考人御承知の範囲でお話しいただければと思います。
#235
○参考人(内山宙君) 日弁連を代表してここに来ているわけではございませんで、なかなか難しいんですけれども、基本的確認事項というものの性質からなんですが、まず日弁連の理事会で承認をされたんですけれども、対外的に公表しないという扱いになっているそうで、私、今回の資料に出すことができなかったんですね。
 十分に対応されなければ容易に賛成できないという中に、例外的な位置付けにすることというふうになっているわけですが、それが標準ということになるのであれば日弁連としては賛成できないと、それイコール反対なのかというのはちょっとよく分かりませんけれども、賛成できないという立場になるはずでございます。
 ただ、じゃ、そういう例外的な位置付けになるべきだということが何か例えば今回の法案に法文として落とし込まれているかということになりますと、全くそういうことはないようでございまして、日弁連の交渉がいかがなものだったのかなというふうにも思っております。
#236
○山添拓君 弁護士の中にも多様な意見がある問題ですし、短期間での意見集約というのはそもそも難しいものだったのではないかと思っております。
 次に、内山参考人、宮島参考人は、社会人出身で、夜間の法科大学院修了で司法試験に合格をされた決して多数派ではない出自で今日ここにおいでいただきました。法科大学院の教育やその環境について、もっとこういう点があればよかったとか、あるいはこういう工夫の余地があったとお感じのことが何かということをそれぞれ伺いたいと思います。またあわせて、土井参考人にも、法科大学院の現状の教育や環境について更に改善が必要な、とりわけそうお感じの点ですね。
 その観点として、私、法科大学院での教育というのは、法律そのものについての基礎的で基本的でそして体系的な理解、そしてそれに基づいてきちんと文字に表現をしていく、その訓練というのが求められていると思うんですね。しかし、その基礎的で基本的でかつ体系的な理解を得るというためには、かなりの時間また工夫が必要だと思います。司法試験の科目というのは幾つもありますけれども、民法だけできて刑法や行政法ができないということは余りないかと思うんですね。それぞれ体系的な理解ができて初めて司法試験に挑戦をし合格していく、そういう水準にも達していく、そしてそれにはやっぱり一定の時間が掛かるのが普通なんではないかと思っています。
 そういう中で、それぞれのお立場で、法科大学院で教えられ、あるいは学んでこられたお三方の立場で、こういう工夫の余地があるのではないかという点について御意見を伺いたいと思います。
 土井参考人から順にお願いできますでしょうか。
#237
○参考人(土井真一君) 委員おっしゃられるように、法律の基本的な知識を体系的に理解するということと、それを問題解決のために活用して文章にしていくという、その教育をしっかり行うべきじゃないかというのは、そのとおりだと思います。それについて時間が掛かるのではないかというのも、そのとおりだと思っております。
 ただ、今回の改革については、先ほど私も申し上げましたように、標準的にこういうコースを設定するということはそのとおりだと思うんですけれども、実際に学生がどのような選択をするのかということについては、かなり選択の余地を認める制度にしていただいていると思います。
 つまり、法学部の法曹コースに行けば必ず三年で修了しないといけないんだと言っているわけではありませんし、いわんや法曹コースに行かなければ法科大学院に行けないんだと言っているわけでもございません。在学中受験についても必ず在学中受験しないといけないんだと言っているわけでもないので、個々の、私が先ほど冒頭に申し上げましたように、多様な学生の多様な個性と目標に合わせて選択ができるように、可能性を広げる制度として構築していただいていると、そう理解しております。
 したがって、先ほどの能力の育成につきましても、それぞれの学生の理解力あるいは学修の仕方に合わせて期間を想定できるというふうに、既修についてそれを考えるという制度だと理解しております。
 未修者につきましては、今後、未修者教育をどうするのかということは、先ほども申しましたように、中教審でしっかり考えないといけないというふうに理解しておりますので、未修者教育における法律の基本的な理解についてはそこでしっかり検討させていただきたいと、そう考えております。
#238
○委員長(上野通子君) 質疑時間が迫っておりますので、済みませんけど、簡潔にお願いします。
#239
○参考人(内山宙君) こういった設備や仕組みがあったらよかったという点についてですけれども、私の出ました成蹊法科大学院では丸の内にサテライトの教室がございました。成蹊のキャンパスは吉祥寺にあるわけですけれども、都心で働いている人はその丸の内のサテライトのキャンパスに行って受けるということができました。また、欠席した回についても、録画されていましたので、復習するとか、その分フォローするということも可能だったので、かなり充実している方ではあったのかなとは思いますけれども。
 もう一つ付け加えるとするならば、アメリカのロースクール協会の総会に行ったときに見たんですけれども、ICTの時代ですので、もう授業がネットで、スマホで見れるみたいな、そういう仕組みもあるようなんですね。なので、いろんな立場の方がいると思いますので、仕事の空き時間であるとか、子供を面倒を見なければいけないというようなときでもそういったもので何とかなるとか、そういった仕組みがあってもいいのかなというふうには思いました。
 以上です。
#240
○委員長(上野通子君) 時間がもう終了しておりますので、簡潔にお願いいたします。
#241
○参考人(宮島渉君) お答えします。
 私は、大宮法科大学院は、カリキュラム自体、大変工夫されていてよかったので、むしろ司法試験のやっぱりプレッシャーで時間が取れなくて、エクスターンとかクリニックとか、そういうものを取れなかったことの方が残念だったかなと思います。
 あとは、先ほど大島議員もおっしゃっていましたけれども、もしあるならば、もうここの大学の、ここのローの、この科目を取ったならば、もうこの法律事務所が専門家として採るというぐらい売りになるような実務系の科目や教育とかゼミみたいなものはあったらいいのかなと思いますが、時間が必要だと思います。
 以上です。
#242
○委員長(上野通子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の皆様に一言御挨拶申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見を述べていただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表しまして厚く御礼いたします。ありがとうございました。(拍手)
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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