くにさくロゴ
2019/03/20 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 財政金融委員会 第5号
姉妹サイト
 
2019/03/20 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 財政金融委員会 第5号

#1
第198回国会 財政金融委員会 第5号
平成三十一年三月二十日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     徳茂 雅之君     宮沢 洋一君
     西田 昌司君     小野田紀美君
     宮島 喜文君     大家 敏志君
     竹谷とし子君     杉  久武君
     小池  晃君     武田 良介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         中西 健治君
    理 事
                長峯  誠君
                羽生田 俊君
                三木  亨君
                風間 直樹君
                藤巻 健史君
    委 員
                愛知 治郎君
                小野田紀美君
                大家 敏志君
                西田 昌司君
                林  芳正君
                藤末 健三君
                古川 俊治君
                松川 るい君
                宮沢 洋一君
               渡辺美知太郎君
                長浜 博行君
                大塚 耕平君
                古賀 之士君
                熊野 正士君
                杉  久武君
                中山 恭子君
                小池  晃君
                大門実紀史君
                武田 良介君
                渡辺 喜美君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
   副大臣
       財務副大臣    鈴木 馨祐君
   大臣政務官
       外務大臣政務官  辻  清人君
       防衛大臣政務官  鈴木 貴子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        前山 秀夫君
   政府参考人
       内閣法制局第一
       部長       岩尾 信行君
       内閣府大臣官房
       審議官      林  伴子君
       宮内庁長官官房
       審議官      野村 善史君
       金融庁監督局長  栗田 照久君
       外務大臣官房参
       事官       船越 健裕君
       財務大臣官房総
       括審議官     茶谷 栄治君
       財務省主計局次
       長        神田 眞人君
       財務省主税局長  星野 次彦君
       財務省関税局長  中江 元哉君
       財務省理財局長  可部 哲生君
       財務省国際局長  武内 良樹君
       国税庁次長    並木  稔君
       厚生労働大臣官
       房政策立案総括
       審議官      土田 浩史君
       厚生労働大臣官
       房審議官     諏訪園健司君
       経済産業大臣官
       房商務・サービ
       ス審議官     藤木 俊光君
       経済産業大臣官
       房審議官     島田 勘資君
       観光庁観光地域
       振興部長     平岡 成哲君
       防衛大臣官房施
       設監       平井 啓友君
       防衛省防衛政策
       局次長      石川  武君
       防衛省地方協力
       局長       中村 吉利君
   参考人
       株式会社日本政
       策金融公庫代表
       取締役総裁    田中 一穂君
       株式会社国際協
       力銀行代表取締
       役総裁      前田 匡史君
       日本銀行総裁   黒田 東彦君
       日本銀行副総裁  若田部昌澄君
       日本銀行理事   内田 眞一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成三十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成三十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(金融庁)、財務省所管、株式会
 社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行
 )
○所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、竹谷とし子君、徳茂雅之君及び宮島喜文君が委員を辞任され、その補欠として杉久武君、宮沢洋一君及び大家敏志君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣法制局第一部長岩尾信行君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁田中一穂君、株式会社国際協力銀行代表取締役総裁前田匡史君及び日本銀行副総裁若田部昌澄君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(中西健治君) 去る十四日、予算委員会から、三月二十日の一日間、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱されました予算について政府から説明を聴取いたします。麻生財務大臣兼内閣府特命担当大臣。
#8
○国務大臣(麻生太郎君) 平成三十一年度一般会計歳入予算並びに財務省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明を申し上げます。
 まず、一般会計歳入予算額は百一兆四千五百七十億円余となっております。
 この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は六十二兆四千九百五十億円、その他収入は六兆三千十六億円余、公債金は三十二兆六千六百四億円余となっております。
 次に、当省所管の一般会計歳出予算額は二十五兆四千七百四十四億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十三兆五千八十一億円余、復興事業費等東日本大震災復興特別会計への繰入れは一千八百四十八億円余、予備費は五千億円となっております。
 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。
 国債整理基金特別会計におきましては、歳入歳出いずれも百九十兆七千百五十三億円余となっております。
 このほか、地震再保険等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。
 株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入一千六百四十一億円余、支出八百八十六億円余となっております。
 このほか、同公庫の農林水産業者向け業務等の各業務及び株式会社国際協力銀行の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。
 以上、財務省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 なお、時間の関係もございまして、既に配付をいたしております印刷物をもちまして詳しい説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださいますようお願いを申し上げておきます。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
 引き続きまして、平成三十一年度における内閣府所管金融庁の歳出予算について御説明申し上げます。
 金融庁の平成三十一年度における歳出予算額は二百五十五億円余となっております。
 このうち主な事項について申し上げますと、金融庁の一般行政に必要な経費として二百三十億円余、金融市場の整備推進に必要な経費として十億円余、国際会議等に必要な経費として四億円余となっております。
 以上、内閣府所管金融庁の歳出予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。
 よろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
#9
○委員長(中西健治君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 なお、財務省関係の予算の説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#11
○古川俊治君 おはようございます。一番最初、自由民主党の古川俊治から質問をさせていただきます。
 今日、今、麻生大臣の御説明にもありましたように、財務省の本年の国債費は二十三兆五千億余りと、まだこの国債が問題になるんですけれども、昔というか、これ数年前なんですが、麻生大臣に埼玉県に来ていただきまして、そのときに御講演を伺いました。
 そのときには、今の日本国債は円建てであると、全て。そして、多くが、日本は経常黒字なので、円の信認というのは問題がないだろうと。それから、ほとんどが日本国民が持っているから、日本国民が九割を所有していますよね、日本国債、それなので、皆さんが借金のツケ回しを、先送りをしていると言うんですけど、実際は債権を残してあげているんだと、そういう大変元気の出る御講演で、なるほどと非常に感心した次第でございます。
 それで、私、議員になりましてから、最近特に社会保障費を、自然増を抑制しろというふうに言われまして、ここ三年は大変厳しい状況で頑張ってきたわけであります。
 麻生大臣、僕、自分も、この政権復帰してから、麻生大臣になられてから六年間のうち四年間この委員会に置かせていただきますけれども、麻生大臣には本当に長い御経験をすごく踏まえまして、すばらしい御答弁いつもされていて、すごい感心しているんですけれども、その上で、ちょっと御見解を伺いたいと思って今日質問させていただきます。
 配付いたしましたのは、これからの人口構成の動きなんですね。それで、資料一でありますけれども、しばらくここから団塊の世代と言われる人たちが七十五歳以上になります。その後、一時期七十五歳になる人が減ってきまして、そして今度は団塊ジュニアという人たちが七十五歳になってくると。そういう一時的な団塊の世代と団塊ジュニアの時期を過ぎますと、これ二〇六〇年ぐらい、二〇六〇年ぐらいになると、多分ここにいる人たちはみんな死んでいるんですよね、多分。そのぐらいになると、実は、人口は減少するんですけれども、人口構成はほとんど変わらなくなるんですね。ですから、言ってみると、そこまで、その間まで、ここから、今から二〇六〇年ぐらいまで日本の経済状態がうまくいけば何とかなるんだろうという気はしているんですけれども。
 その上で、今、この委員会でもずっとこれだけ財政赤字がまずいまずいと言いながら、消費税もなかなか上げないで、軽減税率もやるわ、幼児教育無償化はやるわということで、先延ばししてもいつもこの議論になるのは、円高どうしようとか、あとデフレどうしようとか、全然、円の信認とかインフレとかいう話に全くならないんですね。
 そう考えてみますと、あと四十年ぐらい、アメリカではもう既に全部自国建ての債券で出していて、物価が安定しているならば幾ら財政赤字出したって構わないという議論も今出ているようなんですね。そう考えてきますと、もう日本はこの後四十年ぐらいは何とかそこを、ちょうど人口が増える、高齢者が増えるときだけは取りあえず国債増発していけばいいんじゃないかと、そういう気になってくるんですけれども。
 もう一つ、次のページめくっていただいて、二〇二二年からはこの団塊の世代がいよいよ七十五歳以上になるために、ここでいわゆる社会保障費の自然増というのは急に増えるわけですよ。
 ここで、麻生大臣は、これからいよいよ、国債についてあるいは社会保障費についてどういうふうに御見解をお持ちなのか、ちょっと伺いたいと思います。
#12
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、人口推計というのは、いろいろなこの種の将来予想で最も当たる確率のでかいと言われているのはこの人口推計と言われておりますので、そういった意味では、アバウト、こういったような流れになっていくんだろうと想像しておかないといかぬのだろうと思っております。
 その上で、やっぱり少子化、加えて高齢化ということによってこれは社会保障費と言われるものが増大して、今、国家予算のほぼ三分の一ということになりますので、そういったことになってきておるという現状で、これは今の状態においてすら十分な財源が確保できていないということで、借金が累積していっているという状況にありますので、今のようによく借金のツケ回しという話がありますけど、これは債権を負っているのは政府であって国民ではありませんから、政府が債務を負っているのであって、いわゆる国民は債権者という、この発想を全然変えておかれないと、新聞に載せられた話というのはやめた方が、危なっかしい話で、少し違うと思いますので。
 こうした中で、更なる高齢化ということの社会保障費の増加だけでなくて、支え手が少子化で減少するわけですから、そういった意味で財源の縮小、おまけに医療が更に高度化していくということは更に高額化するという形にもなっていきますので、医療費が増大するといったことを考えなきゃいけませんので、基本的にはやっぱり、古川先生も、給付と負担というもののいわゆる見直しというものがまず基本に置いておかないとこれはどうにもならぬのだと思いますが、あの制度を更に重点化するとか効率化するとか、支え手を増やすためにどうするとか、今、一・八、特殊合計出生率一・八にするとか、いろいろ併せて実行していくことが不可欠なんだと思っておりますが。
 具体的には、やっぱり、今、我々どもには、改革工程表に定められた歳出改革というのを確実に進めていくというのはこれ大前提ですが、給付と負担の在り方を含めた社会保障の総合的かつ重点的な取り組むべき政策というのを取りまとめて、基盤強化内という期間を二〇二一年までに、から実行に移していくということをしておるんですけど、これらの解決を真摯に取り組むということで社会保障の制度というものを持続していくということなんだと思っておりますので。
 これ、生半可な話じゃとてもないんでありまして、今ちょっとおっしゃった、MMTですかね、モダン・マネタリー・セオリーでしたっけ、あの種の話が出てきて、これは一部の方の話なのであって、決して間違っているわけではありませんし、日本のように自国通貨だけで国債を賄っておる大国というのは、日本以外ですとアメリカ、スイス、ノルウェーかどこかその辺だったと思いましたけど、どこか一か国あったと思いますが、こういったことが、実際問題として日本の場合は明らかに純債権国ですから、こういった話としては、一つの理屈としては成り立つと思いますけど、じゃ、これおまえやるかといったら、これはちょっと、この種の話を実験場として日本をそれにやってみるというようなうかつなことはとても、政権を預かっている与党として、この種の話に簡単に乗れる話ではないと、基本的にはそう思っております。
#13
○古川俊治君 また診療報酬改定等で御相談していただきたいと思いますけれども、できるだけ財務省の方にもいろんなことを勘案していただいて、少し御容赦いただきたいというふうにまずお願いをしておきたいと思います。
 別の観点で、国債管理についてなんですが、日本国債は先進国の中で一番海外の保有率が低いということなんですね。アメリカやドイツなんかに比べて著しく低いです。ただ、ここに来て海外主体による国債の所有率がだんだん上がってきて、今シェアが一一%ぐらいというふうに伺っておりますけれども。
 ちょっと文献で調べたんですが、日本政府としては、円とかあるいは日本国債の国際化という観点から、海外主体の保有というのを意外と喜んでいるというか、望ましい姿と歓迎しているようなんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。鈴木副大臣。
#14
○副大臣(鈴木馨祐君) 古川先生の御指摘にお答えしたいと思います。
 実際、今、長期保有ということでいうと一一%を少し上回るぐらいの水準になっています。
 海外の投資家ということで申し上げると、私も年一、二回、東海岸とかあるいはロンドン中心にいろんな投資家回っていますけれども、やはり彼らは、いろんな見方がそれぞれの投資家によってあります。これは短期から非常に長期、年金に至るまで、これはたくさんあります。
 そうしたいろんな方向を向いている投資家が保有をしていただくということは、基本的には、ある意味マーケットの厚みを増すということになりますし、そういった意味では安定性に寄与するということで、そうした観点から、これまでも、私どもとしても、海外のIRというところに努めているところでございまして、基本的には歓迎すべき流れというふうに考えております。
 その一方で、セカンダリーのマーケットについて申し上げると、かなりこれは、海外の投資家のアクティビティーはかなり増しています。実際、例えば先物のシェアにおいては六割をもう超える水準になっているということもありまして、そこはしっかりと注視をしていく必要があると思います。
#15
○古川俊治君 売買の金額からいうと二割ぐらいもう海外主体がやっているということでありまして、そのシェアから比べると随分多いんですけれども。ただ、国債の海外保有を、少し、一応歓迎していく姿があるということなんですが、これ、長期保有のリスク考えると、ドイツとかアメリカとか、あれだけ格付があって信認のある国債であれば、それは海外の人、いろんな保有の人たちが出てくれば価格も安定しますし、それは望ましいと思っているんですけど、日本の場合はちょっと事情が違っていて、例えば今の状況で南海トラフとか首都圏直下型が来た場合には、これはもう海外の人たちはどんどん売る可能性があると思うんですね。日本人の方がまだそこは頑張ろうという気になるわけでありまして。海外の保有がどんどん広がっていてこの債務状況ですと、そういうリスクというのはどういうふうにお考えなのか。
#16
○副大臣(鈴木馨祐君) 御指摘のような懸念があるということは私ども承知をしているところであります。
 その一方で、海外の投資家ということに限りませんけれども、やはり投資家が着目するところが、短期であれば当然イベントリスクということになりますけれども、長期保有の場合というのはファンダメンタルズ、あるいは経済の状況、財政の状況がどうなのか、そういったところに注目が集まるというのが一般的な傾向だろうというふうに思っています。
 そういった意味で、若干、今感応度が全体として下がっているところはあるんだと思いますけれども、ある意味そこは海外の投資家のボリュームも増えてくるというところで、しっかりそこは適切な国債管理政策というものをしていく、あるいは日本の現状というものをしっかりと正確に発信をしていく、そういった必要性があるというふうに考えています。
#17
○古川俊治君 皆さん買ってくれるのは大変有り難いことなんですけれども、これから何が起こるかちょっと分からないところもありますので、特に地震とかいうときにはしっかり対応していただきたい、危機管理は本当によろしくお願いしたいと思っております。
 それから、もう一つの問題として流動性が低下しているということがよく言われます。現先の取引、これはヘッジの、金利のヘッジですけれども、あと、日本特有のレポ取引ってありますね、リパーチェスですかね、あれをやるような、買戻しをする約束をして。その取引は金利ヘッジのために一定を保たれているんですけど、特に現物の流動性が最近著しく低下してきているということになりますね。日銀側は、買いオペをしたり、あるいは国債の入札のときには一定の流動性があるようなんですけれども、特にオフザランの銘柄がどんどん落ちてきているということでありまして、そうすると、やはりその価格がなかなか、急に金利が高騰すると価格が下がるといったり、あるいは結構買い集めのターゲットといいますか、価格操作がされやすいという問題があるというふうに伺っているんですけれども。
 今政府として、これだけ流動性が落ちているということについてはどのようにお考えで、それについて何か、どういう対策を取られているのか、教えていただきたいと思います。
#18
○副大臣(鈴木馨祐君) 流動性という話ですけれども、流動性、どうやって捉えるかというのは一義的になかなか申し上げることは難しいんだろうというふうに思いますが、基本的にはやはり流動性は高い方がある意味リスクがそれは下がるというのはこれ事実だと思いますので、そこはそういった観点で、一つの課題としては私どもとしても認識をしているところであります。
 そうした状況ということを踏まえまして、財務省としても市場関係者との意見交換も含めて、今、例えば流動性供給入札の活用であったり、あるいはリオープン発行による一銘柄当たりの発行額の増額、あるいは最近であれば国債の発行のいろんな長さというか、そういったところについても、いろんな多様化というか、そういったことを図っていくことで国債市場全体の流動性を上げていくということで今努めているところであります。
 引き続き、これは様々なマーケットの方々とも意見交換をさせていただいてしっかりと現状把握に努めて、しかるべき流動性をしっかりと維持できるような国債管理政策に向けて努めてまいります。
#19
○古川俊治君 ありがとうございます。
 先ほど副大臣おっしゃいましたけど、特定銘柄が結構選ばれたりすると、それもちょっとゆがみがあるということも言われていますし、流動性が何をもって流動性というかというのも確かに問題もあるんですけれども、一般的にはなるべく頻繁に売り買いができてビッドとアスクの違いが低いと、スプレッドがですね、そういう体制が基本的にはいいと考えられるので、そこは注意をして、特に市場関係者とうまくコミュニケーションを図っていっていただきたいと思っております。
 この流動性の低下について、一つ、私、いろんな文献を読ませていただいたんですけれども、今の日銀の量的緩和とそれからマイナス金利という二つの政策に絡んでいるんじゃないか、それがちょっと債券市場をゆがめているんじゃないかと、そのために流動性が低下しているんじゃないかという議論があるようなんですが、それはどのように、関連性についてはどのようにお考えでしょうか。
#20
○副大臣(鈴木馨祐君) 古川先生がおっしゃりたい意図は何となく分かりますけれども、政府として申し上げるとすれば、国債市場の流動性は、金融政策運営だけではなく、投資家のニーズや金利動向等様々な要因を背景に決まるものであると考えております。
 いずれにいたしましても、発行当局としては、引き続き、国債市場の状況や投資家の動向等を注視しつつ、市場関係者との丁寧な対話を行いながら適切な国債管理政策を努めてまいりたいと思っております。
 その一方で、例えば昨日の終値がマイナスで〇・〇四%という状況でありまして、先ほど申し上げましたように、ある意味で、マーケットの流動性が下がると、これはマーケットのファンダメンタルズに対する感応度が下がるということは、それはリスクとして我々もきちんと感じておかなくてはいけないと思っています。やはり、マーケットは一つカナリア的な役割というのも本来はあるんだろうと思いますので、しっかりそこは適切な国債管理政策を行いながら、しっかりと運営に努めてまいりたいと思っております。
#21
○古川俊治君 なかなかこういう金融政策下の国債管理なので難しいのはよく分かりますけれども、もう是非、信認が落ちないように、急な金利上昇がないように御努力していただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。これで終わります。
#22
○長浜博行君 おはようございます。
 今日は予算の委嘱ということで、税の基本的な問題について伺えればというふうに思っております。
 新聞を見てみると、何か雑誌の広告でしょうか、血税乱費という四文字が出ていまして、何か日本で一番大きな地方自治体のことらしいので、この国家のことではないとは思いますけれども、百兆円を超す一般会計という初めての予算の中で、いただいた税を一円でも無駄にすることがなく使うということはとても大事なことではないかなというふうにも思っております。
 いわゆる社会保障と税の一体改革の中で、軽減税率を考えるということは確かにあのときに項目の一つとしてあったというふうに思っておりますけれども、軽減税率に加えて今回はポイント還元ということで、前回も申し上げましたけれども、事実上、五つの複数税率というような形になってしまって、税の基本と言ったらいいんでしょうか、多くの先生方は税理士の先生方による後援会をお持ちだというふうに思いますけれども、私のなどに出てみると、もはや公平、中立、簡素などということは遠くなったねというような発言が出たりする場面に遭遇するわけであります。
 公平は、経済力が同等の人に等しい負担を求める水平的公平と経済力のある人により大きな負担を求める垂直的公平があるというふうに習いましたし、中立は、税制が個人や企業の経済活動における選択をゆがめないようにするのが中立の原則ですということも習いましたし、簡素、税制の仕組みをできるだけ簡素にし、理解しやすいものにするということでありますので、消費税率が二〇%のときに軽減税率を考えるということはヨーロッパ諸国でも行われていることでもありますけれども、この段階で非常に複雑な制度に結果的に、あくまでも軽減税率は一〇と八だと言えば議論が進みませんけれども、五段階という状況、現実的になっているところで、租税の三原則から著しく逸脱しているというふうにはお考えにならないでしょうか。
#23
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 ただいま委員より、税の三原則について御紹介がございました。一般的には公平、中立、簡素が掲げられることが多く、この三原則が税制全体の在り方の指針となると考えております。ただ、公平、中立、簡素の三原則、常に全てが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないというトレードオフの関係に立つ場合もあると考えております。
 税制の場合、例えばその消費税の軽減税率制度について申し上げれば、単一税率と比較して複雑であるという指摘もあるところではございますけれども、他方で、いわゆる消費税の逆進性が緩和されていわゆる垂直的公平に配慮しているという点、また、対象品目を酒類、外食を除く飲食料品全体ということで、飲食料品を全て含むこととすることによりまして可能な限り簡素な仕組みとなっているという評価もできるのではないかと考えております。
 こうして、軽減税率制度を考える際にも、税制の三原則ということについては考慮に入れながら、制度の仕組みは考えているところでございます。
 他方、ポイント還元事業につきましては、これは軽減税率とはまた別の事業として行っているものでございまして、軽減税率制度が複雑になっているということではなくて、そこはきちんとそれぞれの制度趣旨を御説明していくことによって理解を広げて、混乱のないように施行してまいりたいというふうに考えております。
#24
○長浜博行君 そうすると、もう一つ公平の中で、お金持ちとお金持ちじゃない方ということの公平ではなくて世代間の公平、つまり、異なる世代を比較して負担の公平が保たれているか、将来の世代にツケ回しをしない、つまり、増税によって、今回の消費税もそうですが、増税によって収支の均衡を図っていくというこの世代間の公平に対する考え方は、この消費増税ではどのようにお考えになっているのでしょうか。
#25
○政府参考人(星野次彦君) 公平の概念を考えたときに、先ほど申し上げました垂直的公平、これはまさに所得水準、担税力に応じて税率等々を変えていくということでございます。もう一方で水平的公平という考え方がございまして、これはある意味担税力が等しい方、ある同様のグループの中では同じような負担を求めていくということかと考えております。
 今先生から御指摘ございました世代間の公平ということについても、これも制度を考えていく上で考えていかないといけないということではございますけれども、今般、消費税を社会保障と税の一体改革の全体の中で負担を求めながら、逆にその社会保障制度を安定化させていくということを通じまして、これは社会保障のある意味全世代型に変えていくということも含めて公平を図っていくという、そういう理念で行われているというふうに理解をしております。
#26
○長浜博行君 次に、ポイント還元予算について伺います。
 財務省の厳しい査定を通ったこのポイント還元予算でございますが、この政策目的について教えてください。
#27
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 今お尋ねございました消費者関係、キャッシュレスの消費者還元事業でございますが、これにつきましては、一つは消費税率引上げ後の反動減ということに対して需要をいかに喚起していくのかという観点で行うものということもございます。あわせまして、今諸外国に比べて遅れております我が国のキャッシュレス導入について、これを促進していく、そのきっかけとするということを目的とするものであるというふうに考えてございます。
#28
○長浜博行君 まず、一点目のその需要の平準化の問題でありますけれども、私など、周りの人と話をしていると、当然のことながら十月一日までは買い控えをする、そして九か月間、お上がつくったバーゲンセールで買いたいものを買い、もちろん、それが終了する六月三十日をもって買いたいものの買物を終了するということでありますから、平準化どころか、買い控えとそれからこのポイント還元終了の壁というのが現実には私はあると思うんですが、それはどうお考えになりますか。
#29
○政府参考人(藤木俊光君) まず、一点目でございます。前回の消費税率引上げ時に起こりました駆け込みの需要増とそれに伴う反動減ということがあったわけでございますので、今回についても同様のことがなるべく起こらないようにということで、今回消費税上げ後の対策ということで、このポイント還元事業を含め、様々な対策が考えられているというふうに考えているところでございます。
 それから、当然のことながら、この事業をずっと継続的、永続的にやるわけにもまいりません。一時的な措置ということでございますので、いずれ終わらなければならないということでございますが、他の例えば商品券の事業、それからこの事業、その他の事業ということで、時期をそれぞれ工夫をしながら大きな崖ができないように工夫をしていくということではないかというふうに思ってございます。
#30
○長浜博行君 私は車をクレジットカードで買った事例を存じ上げておりますけれども、今回の場合は車とか家はこのポイント還元には含まれませんけれども、車一台よりも高い宝石、絵画等は入るようでありますので、今御説明のように、そんな簡単に影響というか平準化、まさに政策目的の平準化が私は阻害されるんではないかなというふうに思っております。
 二番目のキャッシュレス、現在の状況と、この政策効果を通じて実現できる見込みといいますかはどのようになっているんでしょうか。
#31
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 現在、我が国のキャッシュレス比率はおおむね二〇%程度ということでございまして、政府としてはこれを二〇二〇年代半ば、二〇二五年頃に四〇%まで高めていくと、こういう目標を掲げてございます。
 それから、この事業の対象となります中小・小規模事業者におけるキャッシュレス比率につきましては、この二〇より低く、現在は一四%程度というふうに考えているところでございます。この事業を通じてどれくらい伸びるかということでございますが、予算額の積算に当たりまして様々ヒアリング等を行いまして、大体キャッシュレス取扱比率、伸び率で一七%くらいというような見積りを持っているところでございます。
#32
○長浜博行君 そうすると、今おっしゃいましたこの政策の効果分析ですね、道路のときに盛んにはやったBバイCというやつですが、費用対効果は、これは財務省、査定された財務省に聞くのか、あるいは経産省に聞くのかよく分かりませんけれども、この効果分析はどのように評価されているんでしょうか。
#33
○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 一つは、この事業を通じてどれくらいキャッシュレスの導入が広がったかという数字的なことで評価していくということは当然あると思っております。
 加えまして、今新しい様々な決済手段というのも入ってきてございます。こういった新しい決済事業者の方がどれくらい入ってこれたのか、そして、そういったサービスがどのぐらい広がったのか、そして、この事業を通じてこのキャッシュレス決済ということに取り組む消費者の方がどれぐらい増えたかといったようなことから評価していくというふうに考えてございます。
#34
○長浜博行君 今の御説明を聞いて、財務省、何かコメントございますか。
#35
○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。
 今、経産省から申し上げたとおり、この事業には複合的な目的がございます。具体的に申しますと、今回のポイント還元事業、その需要の平準化対策の一環として、大企業は自ら価格引下げを含む注意喚起を行える一方で、中小企業は自ら対応することに限界があることを踏まえまして、消費税率引上げの影響を受ける中小・小規模事業者を支援し、引上げ前後の需要を平準化するとともに、ほかの先進国に比べ立ち遅れている日本のキャッシュレス取引を加速し、生産性向上や消費者利便の向上を図ることを目的としているわけであります。
 その効果が不透明であるという委員の御指摘でございますが、こうした目的を踏まえまして、事業の実施に当たりましては、経済産業省において、クレジットカードのみならず、ポイント付与のできる電子マネーやQRコードなど、簡易な決済手段を含めた多様なキャッシュレス手段を選択肢として利用可能とするとともに、中小・小規模事業者に対し端末などの導入費用や手数料を補助することとして、事業者、加盟店にとって利用しやすい仕組みとしているものと承知しております。
 こうした取組が適切に実施され、キャッシュレス取引が普及することとなりましたら、消費者の利便性の向上に加えまして、中小加盟店にとっても、レジ締めの手間の削減による生産性向上、インバウンド消費による売上げ拡大といった、消費者、事業者双方にとってメリットがもたらされるものと考えておりまして、こうした多面的効果がしっかりと発現されるよう、適切に執行されるべきものと考えております。
#36
○長浜博行君 予算の段階で今の御説明をいただきましたけれども、決算の段階でも政策目的の効果分析、効果があったのかどうかということも厳密に調べていかなければならないんではないかなというふうにも思っております。
 憲法三十条で、「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」と憲法に書かれているわけでもありますし、それから、国税庁の職員の皆様方は一生懸命その現場で税金を集めてこられているわけでありますので、税金の使い道が正しくないという状況の中、仮にですよ、これは全てが正しくないと言っているわけではありませんが、正しくない状況の中では、職員の士気にも関わってくることではないかなというふうに思っております。
 財務省の「もっと知りたい税のこと」などを拝見すると、税の意義と役割は、税は社会の会費です、公的サービスを賄うのに十分かつ安定した税が必要ですと、こういうふうにも書かれておりますし、国税庁のホームページでは、税は社会を支える会費のようなものだということが書かれているわけでありますので、会費を払ってくれる人たちが納得をしっかりできるような形にしなければならないと思います。
 さっき国税職員の話もしましたけれども、暗号資産など新たな経済活動の拡大により、仕事が質的にも量的にも増加している現下の状況で、納税者全体への税務コンプライアンス向上に努力をしていらっしゃる国税職員の士気、つまりやる気に影響するのではということも考えられるわけでありますので、職員の目配りもしっかりやっていただきたいと思いますが、こういった、納税教育と言ったらいいんでしょうか、健全な納税教育の中におけるある種のゆがみを感じさせるような複雑な税制度、税理士の先生方からもはっきり申し上げれば評価されていない複数税率、この段階でのですね、について、財務省あるいは国税庁はどのようにお考えになりますか。
#37
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 国税庁としてのお答えということで申し上げますと、国税庁はまさに内国税の賦課徴収を行う歳入官庁でございまして、様々な政策も含めた我が国の財政という機能の基盤を支える重要な役割を担っていると考えております。
 現場の税務職員は、このような国税庁の歳入官庁としての役割を十分理解して、その歳入確保に向けた税制の適切な執行に強い使命感と責任感を持って士気高く日々の職務に精励しておりまして、これは今後も変わらないというふうに考えております。
#38
○国務大臣(麻生太郎君) 今、国税庁の方から答弁を申し上げたとおりなんだと思いますが、現場のいわゆる税務を執行する職員におきましては、やっぱり強い使命感とか責任感とか、そういったものを、やっぱり士気が極めて高い職場の一つだと私は思っておりますので、引き続き、極めて厳しい環境になっているとは思いますけど、職務に精励していくものだと思っております。
#39
○長浜博行君 せっかくという言葉がいいのかどうか分かりませんが、増税をするんでありますから、やっぱり財政健全化という目的に関してもお忘れなきようにお願いをしたいというふうに思います。特に、財政制度等審議会から、これは臨時国会のときでしたか、十一月に発表された建議がありますので、それを踏まえて、財政健全化に対する御決意というか、御覚悟と言ったらいいんでしょうか、それについて発言を求めたいと思います。
#40
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二年に始まりましたんですが、これ、公債残高約百六十六兆円ぐらいだったと記憶しますけれども、それが今八百九十七兆円、国債だけでということになろうと思いますので、税制が確かに悪化の一途をたどっていったというようなことがあれ書いてあったんだと存じますけれども、御指摘の点につきましては間違いなく事実、数字でいえば間違いなくそれは事実でありますので、重く受け止めておるところでありますけれども。
 この今の政権におきまして、財政再建化といわゆる経済再生というのに取り組まさせていただいて、名目GDPが最高に伸びたというのを背景にして、税収も国と地方と合わせますと約三十、二十七、八兆伸びた、二十八兆伸びた形になろうと思っておりますし、歳出改革の取組も継続させていただきましたので、二十四年度当初に比較して、二次安倍内閣がスタートした二十四年に比較して約十一兆、十二兆、いわゆる新規国債発行というものを減額させていただいておりますので、私どもとしては、国と地方のバランスを見ましても、平成二十四年度と比較しますと十四兆、十五兆ぐらい改善ということになっておりますので、財政健全化に一定の成果を上げているんだとは思っておりますけれども。
 これは、引き続き、きちんとしたこういったのを継続していかないと駄目だと思っておりますので、債務残高の対GDP比というのを安定的に引き下げていくというのが、長期的にはこれ継続させていただかねばならぬところだと思っております。
#41
○長浜博行君 終わります。
#42
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平でございます。
 今日は委嘱審査ということですので、まず財務省の体制に関する予算についてお伺いします。
 その前提として、国税職員、あるいは、今日は関税法ではないんですが、税関職員等、双方併せて、その人員の充足状況について御説明をいただけますでしょうか。
#43
○国務大臣(麻生太郎君) 財務省の現場を取り巻く環境ということで言わせていただければ、これは国税庁におきましては、これはもう経済活動というものが国際化したりIT化したり、いろんなものに伴って調査とか事務の業務がえらい複雑化してきているというのはもう間違いないと思いますし、また、税関等におきましては、在日外国人というものの数が急激に増えておりますので、輸出入申告物件数というものがえらい増加しております。また、いわゆる国際化というか、暗号資産というようなものの新しい分野に対応するための業務が高度化しているというか複雑化しているとかいう変化というのがありますので、それに対応するのに極めて厳しい状況にあると思っておりますので、限られた人数ではありますけれども、業務の効率化等々について引き続き努めてまいらねばいかぬところだと思っております。
#44
○大塚耕平君 済みません、私の手違いかもしれませんが、今日は、主税局長、委嘱審査は同席しても結構ですよというふうに申し上げていたんですが、ちょっとうちの事務所の事務ミスかもしれませんので、大臣には実務的なこともいろいろお答えいただきますが、短時間ですから、よろしくお願いします。
 今お伺いした国税職員、税関職員の状況を踏まえて、今回の予算では、財務省予算の中にどのような予算措置が処置されているかについてお答えください。
#45
○国務大臣(麻生太郎君) 今、大塚先生のあれです、いわゆる総人件費抑制方針というものの下で、限られた人数で業務の効率化を推進させてきていただいているんですが、これは先ほどちょっとお答えしましたように、行政需要というものに適切に対応するためにはちょっとある程度マンパワーというのは必要だと思っておりますんで、私どもとしては、平成三十一年度の予算で、国税庁の職員は純増で九、税関職員が純増で二百九、財務局の定員は純増で一というような形で、各組織の業務の増大に対処するに当たって、業務の効率化を続けるとともに、現場職員の定数の不足等々やっておりますけれども。
 特にこの税関の職員のところは、少なくとも今まで飛行機で行くのが一回三百人ぐらいのものだったのが、船だと一回三千から五千という数になりますと、とてもじゃないけど対応できるようなあれではありませんので、船の発着が一番多い福岡が、七、八年前まで年間二十数隻が今、去年は三百隻を超えておりますんで、そういった形で、今、船の着く件数はもう神戸、横浜どころじゃない、福岡が一番になっていると思いますけれども、そういった形になっておりまして、ここの税関職員なんというのはとてもじゃないんで、私どもとしては主に重点的にそういったところに対応するというような形をさせていただいております。
#46
○大塚耕平君 今、増員、予算を組んでいるということで、それはそれで結構なことですが、ちょっと桁が違うかなと。もっと増員すべきだと思いますし、どうも我が国の行政機構は、他国と比べると、他国と桁の違う少なさの部門が結構ありますので、ここの税務職員のところもそういう分野だと思いますので、そこは現場の状況を踏まえて御対応いただきたいと思います。
 この国会では統計不正が問題になっているんですが、統計調査員が本来足を運んで調べるべきところ、ないしは関係省庁が足を運んで調べるべきところが全部郵送で行われていたとか、そういう話も出てきていて、ところが、こういうところにも統計調査員の予算は毎年付いていて、じゃ、一体これは今までどう使われていたんだとか、人員が付いている、既に付いているところで疑問がいっぱいあります。十数年前は、たしか米価の調査員、これは農水省の予算の中に含まれるんですが、実際には調査をしていなかったとか、足を運んでいなかったということが大分問題になりました。
 この際ですから、他省庁の実際には稼働していない定員の部分やそういう予算を削ってでも、この局面は税務職員、これは国税も税関も両方ですけれども、充足すべきだと思いますので、そこは大胆に御対応いただきたいというふうに思います。
 今日は限られた時間ですのでちょっとほかの質問もさせていただきますが、今日、午後の所得税法の総理質疑で、元々、私、昨日のお昼頃に通告した内容の中に皇統継承のための総理の考え方いかんというのを入れていたんですよ。そうしましたら、夕方、ここの質疑で渡辺委員が陛下の税の取扱い等について御質問になられまして、そのことも聞きましたので、ちょっと質問を追加させていただきました。
 今日は法制局においでいただいたんですが、昨日、渡辺委員と法制局とのやり取りは、私も聞かせていただいて、皆さんも聞いていたわけですけれども、陛下が国民に含まれるか否かということについて、昨日のような答弁を過去何回ぐらいしているのか、あるいはそれに類する質問主意書に何回ぐらい昨日と同じ内容で回答しておられるのか、お答えいただきたいと思います。
#47
○政府参考人(岩尾信行君) お答えいたします。
 御指摘の昨日の本委員会での答弁でございますが、渡辺委員からの御質問に対しまして、天皇がお尋ねの国民に含まれるかについては、天皇は日本国を構成する人であり、その意味で国民に含まれるとも言えると思うが、憲法第一条において「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」と規定されていることから、一般の国民とは異なる位置付けがあるものと理解される旨答弁いたしました。
 その上で、同様の答弁といたしましては、例えば昭和五十七年五月十三日に衆議院決算委員会におきまして、当時の山本宮内庁次長が、「天皇、皇族といったような方々がいわゆる広い意味での国民に入るかという御議論がときどきございますが、これは、広い意味におきましては御指摘のとおりやはり入るものと存じます。」と述べておりまして、また、昭和五十年十一月二十日に参議院内閣委員会におきまして、当時の吉國内閣法制局長官が、「日本国憲法で基本的人権を保障しておりますのは、国民ということになっておりますが、この国民という中には、基本的人権の規定の性質からいたしまして天皇あるいは皇后その他の皇族も含まれておるということは多数の学説であろうと思いますが、ただ、天皇はもちろん象徴としての地位を持っておられますし、皇后は天皇の配偶であるという地位、またその他の皇族も象徴たる天皇に連なる家族であるという地位を持っておられます関係からいって、基本的人権の享有についておのずからそこに制限がある」と述べているところでございます。
 また、質問主意書に対する答弁といたしましては、天皇の納税義務に関連いたしまして、平成元年七月四日閣議決定した答弁書におきまして、天皇は、憲法上、日本国及び日本国民統合の象徴であり、また、その地位は世襲とされている点で、特別の地位を有されており、この意味で一般国民の取扱いと異なった面があることは御指摘のとおりである。このことから相続税の課税に当たっては、相続税法第十二条第一項第一号において、皇室経済法第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受けたものについては、その特殊性に鑑み非課税とされているところであるが、それ以外の財産、例えば有価証券、預金などについては、一般国民と同様相続税の課税の対象とされているところであると述べているところでございます。
#48
○大塚耕平君 後で議事録は精査しますが、今私がここで聞かせていただいた限りにおいては、衆議院の昭和五十七年の答弁では国民に含まれるというふうに明確な語尾で述べておられる。これは法制局長官ですね、そのときは。うなずいていただければ結構です。(発言する者あり)ああ、失礼しました。それから、参の方は、今聞いた限りでは、学説上そうであるというふうに思われるところというふうに述べておられますね。
 昨日、御答弁聞いていて非常に違和感があったのが、今御自身ちょっとはしょっておっしゃったんですけれども、天皇は日本国を構成する人でありまして、その意味で国民に含まれるとも言えると思うところでございますと。これは、陛下のお立場を議会の場で述べる、これ未来永劫議事録に残りますからね、ちょっとこの答弁の言葉の使い方としていかがなものかという気がいたしました。これは個人差がありますのでね。
 国民に含まれるとも言えると思うところでございますと。思うというのは誰が思っているんですか。
#49
○政府参考人(岩尾信行君) 答弁する立場においてそう考えられるということでございますし、学説といたしましても、国家の人的な構成員として国民というものがあるという位置付けで、そういう意味での国民の中に天皇も含まれているというような学説の考え方もあるということで、そういう意味での国民に含まれるということは言ってもよろしいんではなかろうかということで答弁させていただきました。
#50
○大塚耕平君 表現が稚拙な上に、更にそれを重ねているような気がいたしますが。
 さっき私、きちっと申し上げました。今、今日御説明していただいた参議院の昭和五十年の答弁では、学説ではそうなっていると思われる、これはいいんですよ、これはいい。衆議院の方は、きちっと定義を明確にしておられる。しかし、昨日のここで聞いていた答弁は、国民に含まれるとも言えると思うところでございますって、これ学説の話でも何でもなくて、何か法制局の感想を述べているような気がして、これはよろしくないと思いますよ。反省をこの場で求めておきたいというふうに思います。
 どんな組織でもトップの体質というのはだんだん組織に蔓延していきますので、法制局長官の最近の言動とその部下たる皆さんの姿勢に何がしか因果関係がないことを祈りますけれども、昨日の答弁の表現は適切ではないということを申し上げておきたいというふうに思います。
 その上で、財務大臣にお伺いをいたします。
 昨日、渡辺委員は皇室の今後の安定性というお立場から御質問をされたと思うんです。私も全く同じ問題意識を持っておりまして、そういう意味で、官房長官が新天皇御即位後に皇統継承の在り方についてできるだけ速やかに議論をしていきたいというようなニュアンスの御発言をされて、新聞記事にもなっておりますけれども、そういう意味では、まず新天皇の御代が長く続かれて安定されることをお祈り申し上げますが、先々ずっと安定的に皇統が継承していくためには、女性天皇の話も今もちろん出ております、まあこれ、どうされるかは今後の対応でありますが。それから、GHQの指示で皇籍離脱をされた方々がたくさんいらっしゃるわけであります。
 この女性天皇の在り方と皇籍離脱をされた皆さんの考え方について、副総理として麻生副総理のお考えを伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(麻生太郎君) 財政金融委員会で述べるのはいかがなものかという感じが率直なところですな。少なくとも、この種の話は相続税法の話から入った話で、昨日はね、話でしたけど、相続税法で語られるようなレベルの話ですかね、これは。憲法とか民法とか、そういったようなレベルの話から入ってこないと、この種の話はうかつなことは申し上げられないのではないのかなと、昨日、渡辺先生の質問のときに似たようなことを御答弁申し上げたと思いますけれども。
 そういった形で、この女性天皇、女系天皇、いろいろお話がありますけれども、私どもとしては、一番の肝腎なことは、少なくとも国家は、今百九十幾つ世界中に国があるんだと思いますけど、その中で百二十五代にわたって天皇というものがきちっと存続して、まあ皇紀二千六百七十八年とかいろんな表現ありますけれども、そういった中でこういったものが綿々と続いているというのは、これは日本の最も世界に冠たる宝なんだと、私どもはそう思っておりますので、そういった意味では、これまで続いてきた長い間の伝統とかいうものをうかつに変えられるというのは、我々の知恵とか我々のレベルの話で、もっと広く多くの方の知識、見識、そういったものを集約した上でこの種の話は語っていただかぬと、我々の浅はかな知恵でうかつなことを申し上げるのはいかがなものかというのが率直な実感です。
#52
○大塚耕平君 おっしゃる意味はよく分かります。私も、軽々にこの件について私見を述べたり、何か特定の方向性をお示しすることは差し控えたいと思います。
 さりながら、当然、今年の今上天皇の御退位、新天皇の即位に関連して予算も掛かるわけですし、まあ私はこれ別に予算節約、この部分については節約しろという立場ではなくて、日本の伝統を守るのにふさわしい対応をしていただきたいと思いますが、あわせて、おっしゃるように相続税から入る話ではありませんが、しかし、先々、日本に唯一残っているこの伝統のある系譜というものが財政面で、財産的な観点から維持できないようなことになってはこれはまた大きな問題でありますので、昨日の渡辺委員の質問、大変共感しながら聞かせていただいた次第でございます。
 今日は所得税法の話でありますが、午後、総理に元々この話をお伺いするつもりでございましたので、今の麻生副総理のお考えも踏まえた上で総理にも聞かせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#53
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は、予算の委嘱審査でございますので、財務省関連の予算を中心に順次質問したいと思います。
 まず、先ほども少し話に出てまいりましたが、国税庁職員の定数について伺います。
 先週の本委員会でも指摘したとおり、国税職員がこの二十年間で千五百人近く少なくなっております。ただ、一昨年の平成二十九年度から何とか下げ止まっておりまして、平成二十九年度では一人、平成三十年度では七人の増員が認められ、本日審査します平成三十一年度予算案では九名の増員が要求をされているところであります。
 しかしながら、平成三十一年度予算の概算要求ベースでは、財務省が必要であるとした人数は五十三名でございましたので、単純に、要求ベースで見ますと、本予算案では二割にも満たない数しか認められていないと、こういったことになります。
 そこで、まず国税庁にお伺いをしますが、今般の定員査定についてどのように考えているのかということを確認するとともに、要求ベースに対して二割弱という定員査定の中で国税庁としての機能維持や調査体制の整備が十分に進められるのか、どのように対応するおつもりなのか、確認をしたいと思います。
#54
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 国税庁の担う税務行政を取り巻く環境を見ますと、経済活動の国際化、ICT化に伴う調査、徴収事務の複雑困難化や申告件数の増加などによりまして、必要とする事務量が増加しているという状況にございます。このような状況の下で適正、公平な課税徴収を引き続き実現していくためには、税務執行体制の強化を図っていくことが重要であると考えております。
 こうした中、平成三十一年度予算におきましては、先ほど御指摘のありましたとおり、国税庁の定員は、民泊サービス、仮想通貨取引といった新たな経済活動等への対応、国際的な租税回避等への対応、税制改正等への対応等を図るため、プラス九名の純増、機構では、国際課税に係る調査等を担当する国際税務専門官等プラス六の増設などが認められたところでございます。
 その上で、国税庁の調査体制の整備について申し上げますと、ただいま申し上げました新規に査定された機構、定員の増設、増員に限りませず、既存の定員も含めまして業務の効率化を図った上で、国際的な租税回避や富裕層への対応といった必要性が高い分野に重点的に定員を再配置するといったようなことによりまして、その体制の強化を図っていくこととしているところでございます。
 さらに、調査の人員についても、近年、実地調査割合が低水準で推移している中、実地調査は多額の申告漏れや悪質な所得隠しが見込まれる事案を優先して実施するとともに、他方で、簡易な誤りであれば電話や書面により納税者の自主的な見直しを要請するなど、事案に応じためり張りのある接触を行うことで、限られた人員の中で効率的かつ効果的な調査等の実施に取り組み、税務コンプライアンスの維持向上に努めていきたいと考えております。
 引き続き、業務の効率化を図りつつ、必要な定員、機構を確保し、税務執行体制の強化を図っていきたいと考えております。
#55
○杉久武君 是非、限られた人数の中ではございますけれども、よろしくお願いしたいと思います。
 なぜこの視点で今日質問させていただいたかといいますと、国税庁の適正な、また公平な徴収に支障を来しているのではないかと思われるケースがあるからでございまして、それは会計検査院からの指摘でございます。
 先日、会計検査院から「会計検査のあらまし」という冊子が配付をされました。これは、昨年十一月九日に内閣に送付されました平成二十九年度決算検査報告の内容を分かりやすく記述したもので、毎年三月に発行されております。
 この中で、会計検査院が不当であるとした財務省の指摘事項の中に、租税の徴収額に過不足と、ほとんどが不足なんですけれども、という項目があります。そして、不足額として二億六千二百七十三万円が不当であるという、こういう指摘を受けておりますが、そこで国税庁に確認をいたします。
 会計検査院より租税の徴収額不足との不当の指摘を受けたのは過去十年でどの程度あったのか、また、不当と指摘を受けた租税の徴収額不足の中で最も不足金額の多い税目は何なのか、確認をしたいと思います。
#56
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。
 会計検査院が実施する検査決算報告において、租税の徴収に当たり、平成二十年度から平成二十九年度までの十年間で、年度により増減はございますけれども、一年間当たりの平均で見た場合、指摘事項は約百十五件、徴収不足額は約三億八千七百万円との指摘を受けているところでございます。また、指摘を受けた租税の徴収不足の中で、税目別では各年度とも法人税が最も徴収不足が多く、同じく十年間の平均で、一年間当たり指摘事項は約六十三件、約二億五千万円の指摘を受けているところでございます。
 国税庁といたしましては、こうした状況を重く受け止めまして、従来から各種会議、研修等を通じて税法等について職員の一層の習熟を図るとともに、指摘事項の対応を分析、検討し、事務処理上の留意点を詳しく示して注意喚起を図るなどの取組を行ってきておりまして、その結果、平成二十年度と直近の平成二十九年度を比較いたしますと、指摘事項は二百七十六件から六十件に、徴収不足額は約九億六千八百万円から約二億六千三百万円に減少しているところでございます。
 国税庁としては、これらの取組を通じまして、引き続き徴収不足額の解消に努めてまいりたいというふうに考えております。
#57
○杉久武君 今御説明ありましたとおり、平成二十年と比べると減少はしてきておりますけれども、毎年これは会計検査院から指摘をされているわけでございます。
 なかなか、私も公認会計士として監査という業務を長年やってくる中で、同じ、中身は多分年々変わっているんだとは思うんですけれども、こういった指摘が毎年続くということについては、私はやはり財務省としては不名誉なことなのではないかなというように思いますが、そこで大臣にお伺いいたしますけれども、租税の徴収額不足について毎年のように指摘を受ける事態は収税官庁として誠に恥ずべきことだと思います。二度と指摘を受けないよう、抜本的にやはり対策を講じるべきだと思いますけれども、大臣の御見解を伺います。
#58
○国務大臣(麻生太郎君) 今、国税庁の方から答弁があっておりましたけれども、このような事態というものを改善するために、これは従来から職員に対する研修とか指摘を受けた事項に関するいわゆる注意喚起等々を通じて徴収不足の解消に努めているところなんですが、加えまして、申告書審査のシステムというものをいわゆる申告誤りが自動的に検出できるように改修するとか、それから、申告時の誤りをできるだけ少なくしていくという観点から、納税者に対して申告の適否等を簡単にチェックできるようなシートを、また実践的な申告の手引等々を提供するなどということを、いろいろ取組も進めていると聞いておるんですが、いずれにいたしましても、徴収不足の解消に向けてこれは引き続きしっかり取り組ませていきたいと考えております。
#59
○杉久武君 是非必要な手だてをしっかりと打っていただいて、こういった指摘がされないように取組を是非お願いしたいと思います。
 次に、税関職員について伺います。
 税関の皆様も、激増するインバウンドや輸入貨物の円滑な対応を始め、金地金の密輸入や知的財産侵害への対処など、名実共に水際での取締りをしていただいております。そこで、本日は、税関業務の中でも不正薬物の密輸入について伺います。
 平成二十八年以降、不正薬物の押収量が劇的に増加し、特に覚醒剤は史上初めて三年連続の一トンを超える大量摘発が続いております。そのほかにも、大麻やヘロイン、コカインやMDMAなど、顕著な増加が見られております。他方、押収量そのものは、一義的には税関職員の皆様による高度な摘発能力のおかげであるということは言うまでもありませんが、摘発量そのものの急増は密輸量総体の増加も考えられますので、大変憂慮すべき事態であります。
 そこで、財務省に伺いますが、これら不正薬物について、密輸入の摘発件数と押収量の急増の背景についてどのように認識をしているのか、また税関での検査・摘発体制について確認をしたいと思います。
#60
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 平成三十年の不正薬物の摘発状況を見ますと、摘発件数は八百八十六件、押収量は約千四百九十三キロと、依然として高止まりの状況にあります。このうち、覚醒剤の押収量が約千百五十六キロと全体の八割近くを占めておりまして、御指摘のように、三年連続で一トンを超えるなど、深刻な状況となっております。
 摘発件数と押収量が高止まりしている背景について確たることは申し上げられませんが、まず覚醒剤については、我が国に根強い需要が存在していることのほか、国際的なネットワークを有する薬物犯罪組織がアジア太平洋地域において覚醒剤の取引を活発化させているといったことがあるのではないかと考えられるところであります。また、近年、いわゆる危険ドラッグの取締りが強化されたことに伴いまして、その代替として、従来から若年層を中心に需要のあった大麻の需要が更に増加している可能性がございます。
 このような状況の中、税関といたしましては、乗客予約記録、いわゆるPNRと呼んでいますが、乗客の予約記録や国内外の関係機関との情報交換の促進等による有効な情報の活用、エックス線検査装置、麻薬探知犬、その他の取締り検査機器の有効活用、また広域的な事案に対する警察、海上保安庁等関係機関との合同取締りの実施等の対策を講じております。
 今後とも、関係機関との密接な連携の下、不正薬物の流入防止のため、水際対策に取り組んでまいりたいと考えております。
#61
○杉久武君 是非この薬物対策について引き続き御尽力をお願いしたいと思います。
 ほかにも税関による水際での取締りといたしましてテロ対策がございますけれども、本年は我が国で初めてとなりますG20が開催をされます。私の地元大阪でも六月二十八日から二十九日にかけましてG20サミットが開催をされますが、私も公明党のG20サミット推進本部の事務局長を仰せ付かっておりまして、本日はこのG20サミットのバッジも付けておりますけれども、このサミットは三十七の国や国際機関が参加し、各国首脳など約三万人が大阪を訪れる見通しとなっております。
 私も、昨年より関係省庁と定期的に会合を行いながらG20の成功に向けた支援について、特に国と大阪府・市との連携について様々関わってまいりましたが、やはり常に最大の関心事となるのがテロ対策としての警備体制でございます。
 警察による各種の交通規制から医療、消防のバックアップ体制に至るまで、G20は期間中は文字どおり陸海空にわたる危機管理を行う必要がございます。その中でも、税関の検査体制につきましては、大阪ではG20サミット期間中に三万人が押し寄せてまいりますし、また、インバウンドでも大阪は大変今多く、訪日観光客の都道府県別訪問率ではもはや東京と並ぶ勢いであります。その玄関口となるのが関西空港でございます。
 そこで、財務省に伺いますが、この関西空港を中心として、インバウンドの円滑な受入れ体制と同時にG20のテロ対策強化という相反する課題に両立する特別な体制を組む必要があると考えますが、この難しい課題にどう対処されるのか、伺いたいと思います。
#62
○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 本年開催されますG20大阪サミット及び関係閣僚会議に向けて、税関におきましては、テロ対策等に必要な人員の確保、高性能エックス線検査装置等の取締り検査機器の配備、それから事前情報を活用した積荷、旅客等のリスク分析、国内外の関係機関との積極的な情報交換等を実施しているところでございます。
 大阪におきましては、関西国際空港を中心にインバウンドが旺盛であり、今後も増加が見込まれます。そのような中、特にサミットが開催される大阪市咲洲地区や今申し上げました関西国際空港につきましては、委員御指摘のように、円滑な受入れとテロ対策の強化の両立が重要となります。したがいまして、全国からの応援職員の派遣ですとか、あるいは取締り検査機器の増強の、増強して配備する、そういうことなどにより、取締り体制の強化を図ることといたしております。
 税関としては、こうした取組により、インバウンドの円滑な受入れとともに、G20大阪サミットに向け、もう来年度も、新年度も間近でございます。四月以降、水際でのテロ対策をより一層強化、加速し、万全を期してまいりたいと考えております。また、G20以降も続く重要な国際行事に対しても、しっかりと対応してまいる所存でございます。
#63
○杉久武君 最後に、このG20に関連して大臣にお伺いしたいと思います。
 先ほど御紹介した大阪でのG20サミットに先立つ六月八日と九日には、麻生大臣の御地元である福岡におきましてG20財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されます。世界経済の安定的かつ持続可能な成長の達成に向けて、この福岡での会合は大変重要なものになると私も注目をしております。
 そこで、最後に大臣に伺いますが、大臣所信の中でも触れられておりましたが、金融行政のところで、G20の議長国として、国内外共通の新たな課題について各国と知見を共有しつつ、解決に向けて主導と、このような文章がございましたが、この国内外共通の新たな課題とはどういったことを想定しているのか。またあわせて、福岡で開催のG20財政大臣・中央銀行総裁会議、また、それに先立つ四月にはワシントンで財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されると伺っておりますが、世界の経済成長と繁栄に向けて麻生大臣がどのようにイニシアチブを取られるのか、財務大臣として、また金融担当大臣としての両面からの御見解を伺いたいと思います。
#64
○国務大臣(麻生太郎君) これは、金融分野におきましては、国内外で今高齢化が一層進展しているという点、また技術革新、いわゆるフィンテックと言われる部分ですが、そういった分野の課題への対応が求められているんですが、まず高齢化の進展ですけど、これは日本が高齢化先進国という点においては間違いないところだと思いますので、高齢化において金融サービスというものの在り方について、日本でもいろいろ話題になっておるわけですけれども、この話がいわゆる金融審議会等々でこれまでも議論をしていただいているんですが、二〇五〇年には世界で約二十億人以上が六十歳以上ということになるんだと言われておりますので、これへの対応というのについては、これは新興国を含めまして世界共通の課題と言えるんだと思っております。
 また、金融分野でのいわゆる技術革新というのは、いわゆる金融のデジタライゼーションとかいう、いろんな表現がありますけれども、あの暗号資産をめぐる課題というのは、これクリプトアセッツという言葉に定着しつつありますけれども、これは御存じのように一か国だけで対応できる話では全くありませんので、そういったものは実効性がありませんので、世界で対応していただかぬとどうにもならぬのだと思っておりますので、こういったことを踏まえまして、このG20財務大臣・中央銀行総裁会議で、この高齢化の課題、またそれへの対策、またいわゆる金融部門におけます技術革新といったようなものをプライオリティーとしているところなんで、四月のワシントンとそれから六月の福岡での会合において、日本がこの点に関しては結構進んでいるところでもありますので、この議論を主導するとともに、国際的議論というものを通じまして国内の問題解決というのにも対応させていただければと思っております。
#65
○杉久武君 ありがとうございます。
 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
#66
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会・希望の党を代表して質問させていただきます。
 昨日の財政金融委員会、多くの先生が税の所得再配分機能について触れられていたんですね。ちょっと違和感があったので、今日はまず最初にお聞きしたいと思うんですが、具体的には星野局長で、根本的なところは麻生大臣にお聞きできればというふうに思います。
 昨日、大門委員が発明されたという所得階層別の所得税負担率が話題になりましたし、お聞きするところによると、財務省のホームページからも取れるという話を聞いていたんですが、昨日の議論というのは、一億円以上になると負担率がどんどん減っていくと。それは、金融課税、金融に関して、株なんかは二〇%課税なので、それが影響してだんだん高所得者層ほど負担率が減っていくという話。だからこそ、金融課税、要するに、金融税制二〇%からもっと上げろとか、高所得者層からもっとお金を取って低所得者層に回せという議論だったと思うんですが、私が違和感を感じるというのは、日本って高所得者層なんていないんですよね。
 私もグローバルな世界にいましたから、いろんな世界の金持ち見ましたから、超金持ちいるわけだし、日本にいる金持ちというのはせいぜい小金持ちにしかすぎないわけですよ。サッカー選手とかプロ野球選手とか企業の経営者見れば分かりますけれども、高所得者層なんてほとんどいないわけです。
 昨日の話でも、何か一応、百億円以上の年収のある方は十三人だとおっしゃった、ちょっと私の記憶が正しければですよ。一億円以上の方が一万三千人ぐらいだとおっしゃったんですけど、ここで一〇%上げたところで幾らの増収があるかと、税収増があるかということですよね。一万三千人いて一億円で一〇%、一千万円上げたって、一万三千人だと一千何百億ですよね、たった。例えば、消費税だったら一%で二・八兆円ですから、もう本当に高所得者層を課税しても微々たるものしか増収にならないんですよね。それを低所得者に回せといったって、低所得者層はほとんどないですよ、そんな、ほとんど税収の増税がないんですから。
 だから、金融課税とか何かをしてぐっと高所得者層から金を取るというのは、別に、だからといって低所得者層が益をというか、何というかな、利益を得るわけでもないわけで、まさに高所得者層を引き下げるだけの効果しかないと思うんですよね。
 私は、やっぱり格差是正というのは、低所得者層を引き上げることによって格差是正を図るべきで、高所得者層を引き下げることによって格差是正なんか図っていたら、もう全員が貧乏で、ひとしく貧乏になっちゃうだけで、やっぱりそれは違うんじゃないかと思うんですよね。
 なので、その大門先生の、別に私、大門先生好きですけど、別に議論ですから、ちょっとあれですけど、この表で高所得者層から低所得者に回せというのは、所得が正規分布で、高所得者層もたくさんいて低所得者層もたくさんいるんだったら分かるんですけれども、本当に上げたところで何の格差是正図れるのという話なんですよ。
 だから、それはやっぱりそういうところで国の勢いを落とすんじゃなくて、例えば若者に夢を持たす、何か一生懸命成功したらああいう生活ができるんだという、これアメリカは典型的にそういう社会ですから、そういう機会を与えると。結果平等じゃなくて、機会を平等の税制をつくるというのが私はあるべき姿であってね。だから、それで、昨日、風間先生もおっしゃっていましたけれども、やっぱりこういう金融課税を上げていくと、株なんかの税率を上げていくと、それは株価に悪影響を与えますし、私はバブルのときの経験からして、やっぱり資産価格というのはめちゃくちゃに景気にとって重要だと思うんですよね。資産価格がおっこっていったら、もう景気どんどんおっこっていっちゃいますから。
 そういうことを考えると、やっぱりそういうことの方をよく考えていただいて、要するに、高所得者層の税率を上げたところで所得再分配が起こるのということをよく考えていただいて結論を出していただきたいなと思うんですが、もし技術的なことが、星野局長、あれば言っていただくし、なければ、麻生大臣、御回答いただければと思います。
#67
○国務大臣(麻生太郎君) そうですね、今、中西健治先生が元お勤めになっておられたJPモルガンの社長のジェイミー・ダイモンというのはまだ社長をやっているのかな、あれが世界一の給料取りで、三十五億円だったかな、何かこの間出ていたけれども、今何億円だか忘れましたけれども、倍率で幾らですかね、アメリカ人の一般の人で二万ドルとして三十五億ドル、結構な倍率なんだと思いますが。傍ら、日本の場合、仮に二百万円の初任給だとして、社長の給料が二億円なんていう人は余り聞いたことがないので、その格差は、今、藤巻先生言われるように、アメリカに比べればはるかに少ないですよ。もうそれは、格差は拡大拡大というのはよく新聞に書いてありますけれども、それはかつてに比べれば格差は拡大しているのかもしれませんけど、ほかの国の場合はもうそれより更に格差が広がっておるというのが私の知っている、少なくともG7の財務大臣会合で出てくるのは、ここが一番大きな話題になるので、日本はどうしてそんな少ないのかと言われたから、ああ、ノーブレスオブリージュの違いだろうと言って、それだけの違い。話題はそれ以後、二度とその話は出なくなりましたけれども、基本的にそうだと思っております。
 その上で、今、この種の話が出ておりますけれども、御指摘のように、所得税の在り方というのを検討する上で、どの程度の税収につながるかという御指摘の点は確かなんだと思いますけれども、所得に応じた適切な負担を求めるというのは、これは所得の再分配というものを進めて、いわゆる税負担というものの垂直的な公平性とよく言われるところですけれども、これを確保していくという点もこれは重要なんだと思っておりますので、格差が固定しないとか、あるいは認められないような格差が生じるとか、そういったような社会を構成するというのがこの重要な課題なんでして、所得税の再分配機能というものにつきましてはこれは常に、税務当局としてか、財務省としてか、そういった意味では、政府としてはこれ不断に検討しておかねばならぬという観点も忘れてはならぬところではないかと思っております。
#68
○藤巻健史君 大臣のおっしゃることよく分かるんですけれども、一つちょっと気になったのは格差のない世界を目指すと。そんな、格差がなくなったら誰も働かなくなりますから、適度な格差は必要だと私は思っておりますので、一応それは言っておきます。
 次に、オーストラリア、中国、シンガポール、韓国からの訪日観光客と、逆にこちらからそれらの国々にどのくらいの人たちが行っているのかというのを、二〇一八年と四十年前、一九七八年とちょっと比べていただければと思うんです。昨日も今日の朝の新聞にも五か月、訪日客が増えているという記事ありましたけれども、まずはその数字をお聞かせいただけばと思います。
#69
○政府参考人(平岡成哲君) お答え申し上げます。
 まず、訪日旅行者数の方でございますけれども、一九七八年に日本を訪れた旅行者数は、日本政府観光局の発表によりますと、オーストラリア三万三千九百八十一人、中国七千二百二十人、シンガポール一万一千七百九十六人、韓国九万五千三十一人となっております。
 次に、二〇一八年の数字でございますけれども、JNTOの発表によりますと、それぞれ、オーストラリア五十五万二千四百四十人、中国八百三十八万三十四人、シンガポール四十三万七千二百八十人、韓国七百五十三万八千九百五十二人となっております。
 次に、日本人の旅行者数でございます。一九七八年の数字でございますが、JNTOの発表によりますと、オーストラリア三万四千三十六人、中国二万七千八百二十八人、シンガポール二十万九千二百七十一人、韓国六十六万七千三百十九人となっております。
 二〇一八年の数字でございますけれども、各国の発表によりますと、オーストラリア四十六万九千二百人、シンガポール八十二万九千六百六十四人、韓国二百九十四万八千五百二十七人となっております。中国の二〇一八年の数字はまだ発表されておりませんけれども、国連世界観光機関の発表によりますと、二〇一七年の数字でございますが、二百六十八万三十三人となっております。
#70
○藤巻健史君 一概に、昔は日本から向こうへ行く、外国行く人たちの方が多かったけれども、今は逆転しているという認識でよろしいですね。
 で、お聞きしたいんですが、そのときの、その四十年前と今の為替レート、オージー・ダラー、人民元、シンガポール・ダラー、韓国ウォンの対円レートをいただきたいんですが。
#71
○政府参考人(武内良樹君) お答え申し上げます。
 まず、オーストラリア・ドルでございます。一九七八年には一豪ドル当たり二百二十一・八一円でありました。それが、二〇一八年には一豪ドル当たり七十七・五九円でございます。次に、人民元でございます。一九七八年は一人民元は百二十二・三〇円、二〇一八年は一人民元十五・九八円でございます。次に、シンガポール・ドル、一九七八年は一シンガポール・ドル当たり八十九・一五円、二〇一八年は一シンガポール・ドル当たり八十・七二円でございます。韓国ウォン、一九七八年は一韓国ウォン当たり〇・三九九円、二〇一八年は一韓国ウォン当たり〇・〇九八円でございます。
#72
○藤巻健史君 基本的には、円安が進んではいるところもあるし、余り為替が動いていないところもあるわけですね。
 最後にもう一つ、日本、オーストラリア、中国、シンガポール、韓国の名目GDP、自国通貨建てですけれども、一九七八年と比べていただきたいんですが。
#73
○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 各国が公表しています各国自国通貨建て名目GDPの値を用いて機械的に計算しますと、一九七八年から二〇一八年にかけて、日本は二・七倍、オーストラリアは十七・一倍、中国は二百四十四・七倍、シンガポールは二十六・六倍、韓国は七十一・二倍となっております。
#74
○藤巻健史君 いろいろお聞きしましたけれども、大臣、日本が観光立国になってこれだけの外国人が来るようになった、四十年前はこちらから観光していたのに、今は向こうからどんどんどんどん観光客が来るようになった、この理由は何だと思われますでしょうか。
#75
○国務大臣(麻生太郎君) 今言われたように、政権交代前の三・七とか四倍とか言われますけれども、増えておりますので、三千万台に乗っかったという形になっているんだと思いますけれども、通貨が安くなったという点もあるんだと思います。ただ、その通貨が安くなったって、いつのときに比べて安くなったかと言われれば、八五年に比べれば二百四十円が百二十円になり、今百十円まで上がっておりますから、その点に比べれば上がっておりますけれども、かつての、いわゆる十年ぐらい前までは一ドル七十九円、八十円ぐらいというのがありましたので、それに比べれば円安になっているというところもあろうかと思いますが、一番こういったようなところで増えてきたのは、やっぱりビザが緩んだというのが一番大きかったと思いますけれども。
 そういった意味では、私どもとしては、プロモーションとかいろんなことをやりましたし、多言語の受入れとかいろんな形で随分とこういったようなものに関しましても、外国人観光客向きに少なくとも英語しか書いていなかったような、私どものところで、そうですね、板付空港なんというのを英語で書いてあったので、ここに来るお客の一番多いのは中国人じゃないの、次は韓国人だろうと、その点から、何だったら、外国人の紹介、まずは中国語で書けと、それから韓国、それから英語というような順番に書き直したらどうなんというような当たり前の話をさせていただいたりなんかして、随分いろいろな評価が、えらいお褒めいただいたそうですけれども、そういったような形とか、いろいろ外国人観光客を呼ぶという努力をしてきた成果がつながったんだと思っております。
#76
○藤巻健史君 御当局の努力というのは非常に認めますが、私が今一番心配しているのは、やっぱり日本が貧乏になったからこれだけ来るんじゃないかなと思うんですよね。我々が若い頃は、東南アジア旅行ってたくさん行きましたよ。なぜかというと、東南アジア、まだ低開発国で安かったから、全てが。だから行ったんですよ。
 今、中国人がたくさん日本に来ていますけれども、むちゃくちゃに増えてきているわけですね。でも、本来には、今お聞きしたところによると、通貨は八分の一ですよ。通貨が八分の一になれば、普通、海外旅行なんか行けないですよ。日本人で、ドル・円で考えれば、一ドル百円だったものが一ドル八百円になったら、ハワイ旅行行けないですよ。千ドルのハワイ旅行というのは、百円のときは十万円かもしれないですけど、一ドル千円の円安になったらば八十万円なんですから、普通、海外旅行行けないんですよ。
 でも、通貨が八分の一になったのにもかかわらず中国人がこれだけ日本に来ているということは、さっきお聞きしましたように、GDPが約二百四十何倍ですか、二百四十五倍になった、日本が二・七倍しかなかったのに中国は二百四十七倍になったからということで、それは通貨が八分の一になっても、名目GDPが二百四十七倍、人口変わらなかったら一人当たりの収入も二百四十何倍になっているわけで、通貨が八分の一になっても三十倍のすばらしい生活ができるわけですよ。だから日本に中国人は来るわけですよね。
 だから、今、政府というのは観光立国だって、すばらしいって自画自賛されていらっしゃいますけれども、違うんじゃないかと、これは憂うべき現象じゃないかと。要するに、日本が相対的に彼らの国々に比べて貧乏になっちゃったから、たくさんその安い日本を求めて来るんではないかと、こういう認識が私はあるのですが、いかがでしょうか。
#77
○国務大臣(麻生太郎君) 見解が違うと思いますけど、そういう御見解があったって別におかしくはないとは思いますけれども、それだけが全てなんではないのではないかというのが率直な実感で、いろんな意味で、中国に比べれば、何が一番日本に行きたいんですかって、治安がいいからだ、ほとんどの人が言いますよ。数字なんかと全然関係ありませんな、そういった意味では。だから、いろんなものが、複合的なものだと思いますので、一概にGDPがどうたらとか通貨がどうたらというだけの話ではないのではないかと思いますが。
#78
○藤巻健史君 私は、やっぱりこの観光客が増えたということを単に楽観的に喜んでいるだけじゃなくて、やっぱり日本のGDPが世界断トツにびりの成長しかしていない、何とかしなくちゃいけないという発奮の材料にすべきだろうなと私は思っております。
 ちょっと時間がないのであれですけれども、日銀、若田部さん、わざわざ来ていただいて申し訳ないんですけれども、日銀審議委員の原田教授なんですけれども、早稲田大学のときにこの参議院の予算委員会の公聴会に来ていただいてお話しされたんですけど、第一次安倍政権時には政府債務の対GDP比率が低下しておりまして、財政が再建されていったということが明らかですと。
 それでは、じゃ、第二次安倍政権の下では政府債務の対GDP比というのはどうなっているのでしょうか、お聞かせいただけたらと思います。
#79
○参考人(若田部昌澄君) 政府債務残高、これ政府の総債務残高になりますけれども、地方と国の公債、それと短期国債証券、短期政府証券、借入れなどを合わせたものの対GDP比率は、一九九〇年以降上昇傾向をたどってまいりましたが、二〇一三年から足下にかけてはその上昇ペースが緩やかになっているという事実はございます。こうした点を踏まえますと、財政再建に向けた取組が着実に進められていると考えます。
 一方で、政府も述べておりますとおり、これまでのところ、その政府の総債務残高の対GDP比率が着実に低下するという状況には至っていないのも事実でございまして、このため、政府において、経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下で、デフレ脱却と経済再生の実現と歳出歳入改革の加速、拡大に取り組んでいると私どもは認識しております。
#80
○藤巻健史君 時間がなくなっちゃったのでこれで終わりますけれども、本来申し上げたかったことは、やっぱり政府債務が増えていないというのは、日銀が異次元の量的緩和で長期国債を買いまくって金利を低く抑えているからじゃないかと私は思うんですが、ちょっと時間がないので、今日はこの辺でやめておきます。
 ありがとうございました。
#81
○大門実紀史君 大門です。
 先ほど格差是正の話がございまして、一言だけ。私も藤巻さん好きですけど、やっぱり私と藤巻さんの間そのものに所得格差があると、それが捉え方の違いではないのかなと、仕方がないのかなと思って聞いておりまして、まあ階級闘争でございます。
 今日は委嘱審査ですので、金融行政についてちょっと触れさせていただきたいと思いますが、昨年、損保代理店の問題を何回も取り上げまして、麻生大臣の御指示がありまして、金融庁の努力も大変な努力してもらって、自民党の西田先生にも御協力いただいたり、大塚先生にも協力してもらって、他党の皆さんの御支援、御協力もあって、一定、この損保代理店が置かれている状況については改善の方向に進んできております。
 あくまで顧客本位という観点でおかしなところを正していってほしいということで、そういう点で、地域の中小の損保代理店が大手から一方的にいろんなひどい扱いを受けているというのはお客さんのためにもならないというようなことで取り上げさせていただいてきたところでございます。
 この問題の根っこがどこにあるのかなんですが、要するに、大手損保による言わば優越的地位の濫用ではないかというふうに思いまして、その具体的な表れは大手損保と代理店の委託契約書にあるのではないかと、中身が余りにも一方的で大手損保の利益優先になっているんではないかということで、昨年十二月のこの委員会で金融庁にお願いをしたわけでございます。
 一つは、今現在、大手損保各社が作成している代理店委託契約書、これがどういう法的根拠に基づいてやられているのかというところを確認してほしいということと、また実態がどうなっているかという点をヒアリングなりしてもらえませんかということを申し上げて、局長から実態把握に努めるという答弁をいただいて、実際に機敏に対応していただいたということでございます。
 まず、一点目の代理店委託契約書の法的根拠はどういうふうになっているか、資料の三枚目にペーパーにもしてもらいましたけれど、ちょっと説明をお願いしたいと思います。
#82
○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 保険会社が保険代理店へ損害保険代理店業務を委託するに当たりましては、委託業務範囲ですとか対価など、権利義務関係を定めて契約をしているものと承知しております。保険会社と保険代理店との間で締結される委託契約は、保険会社が保険代理店に対して代理又は媒介を委託することを約しておりまして、民法上、代理については委任契約、媒介については準委任契約に該当するものであると承知しております。
 代理店委託契約書は、保険会社が業務を委託する際、委任、準委任の内容を明確化し、書面にしたものでございます。その際に、代理店委託契約書に、保険業法が求めております重要な事項の顧客への説明ですとか顧客情報の適正な取扱いなどの内容も盛り込まれているものと承知しております。
#83
○大門実紀史君 この法的根拠という資料の下の方ですけど、これ保険業法百条の二だと思うんですけれど、要するに、お客さんに対してちゃんと説明、保険の内容とか説明するということと顧客情報をきちっと扱いなさいというのは、これは保険会社が顧客本位という対応をしてほしいということで、保険会社が代理店に業務委託する際に担保するといいますか、委託契約書に入れるというのは、これは当たり前のことだというふうに思います。
 問題はそれだけなのかと、そういうことだけが盛り込まれているのかということでございまして、次のページに実際にヒアリングしていただいた結果が、これもペーパーにしていただいております。これもちょっと説明をお願いしたいと思います。
#84
○政府参考人(栗田照久君) 代理店委託契約書につきまして、その実態把握のため、大手損保会社に対してヒアリングを行いました。
 その中で、委託契約書の内容について外部の弁護士によるリーガルチェックを行うことで適切性を確保する運営としている、あるいは、新規に代理店委託契約書を締結する際に、代理店に対し委託契約書を手交し、内容の説明を行い、理解してもらった上で署名捺印をいただいているといった声が大手損保代理店から聞かれております。
 他方で、損保会社におきまして、改めて代理店委託契約書を確認した結果として、損保会社にとって一方的に有利な内容とすることを意図したものではないんですけれども、そのように捉えかねない点があるということを認識したという声が損保会社から聞かれております。このような損保会社におきましては、代理店委託契約書の内容を再度確認し、見直しを検討するということをお伺いしております。
 それから、代理店手数料体系の改定に当たりましては、手数料体系改定に係る資料を代理店に事前送付し、代理店が集まる会議ですとか個別に代理店を訪問するなどして説明をしている、あるいは、代理店にヒアリングなどを実施し、手数料体系改定に活用しているといった声が大手損保会社から聞かれております。その際、代理店側からは、手数料体系の頻繁な変更は避けてほしいですとか、前年度からのポイントの下げ幅に限度を設けてほしいなどの意見が出ているということでございまして、損保会社ではそのような意見を代理店手数料体系に順次反映させているものと承知しております。
 いずれにいたしましても、損保会社と保険代理店の委託契約というのは民民の契約でございまして、その在り方については当事者間でよく話し合っていただくものだと考えておりますけれども、行政官庁としても引き続き注視してまいりたいというふうに考えてございます。
#85
○大門実紀史君 私は、本当に金融庁の姿勢はすばらしいなと思うんですよね。今までこういうことは余りなかったんじゃないかと思いますけれど。率直に、書き方は非常に気を付けておられると思うんですけれど、一方的な内容とすることを意図したものではないけれど、そのように捉えられかねない点があるということを認識したという点で、まあ実際は意図してやっていたんじゃないかというのはいっぱいあるわけですけど、一応そういうことを文字で金融庁が指摘をして認識をしたという点は、今までにないような金融庁の本当に公正な対応ではないかと思いますし、各社がその委託契約書の内容を確認して見直しを検討するとしていると。これもよく金融庁が指導されたから実際にはそうなってきていると思いますので、大変すばらしい対応をしていただいたと感謝を申し上げたいというふうに思います。
 代理店手数料体系の方なんですけれど、これはこういうふうに建前でこうなっているんですけれど、後で具体的に指摘させてもらいますが、一方的判断でやっているということは実態ではないかと思います。
 それで、こういうふうに金融庁本当に頑張ってもらって、現場の人たちは本当に、今までは金融庁にとか言っても、いろいろ、聞いてもくれなかったというのが、今は本当に耳を傾けていただいているということで感謝をされておりますので、今回のことも大変喜ばれることではないかと思います。
 その上で、ただ、そう簡単に大手損保の姿勢が改まるとも思えない面もありますので、これからちゃんとやってもらうという意味で、一枚目に戻りますけれど、実際にどんなひどい契約書になっているかという実態を取り上げておきたいというふうに思います。
 B損保となっていますけど、これ、ちなみにBというイニシャルの大手損保はございません。AだとあるからBにしただけのことでございまして、余りにひどいんで、今までだったら名指しで取り上げるんですけれど、今あったようにこれから改善されるという方向だと思いますので、イニシャルにしておきました。
 まず、一番最初の八条の一のところから非常に違和感を感じるんですけれど、代理店の格付等となっております。会社は、代理店の実態に応じて、別に定めるところに従って、代理店の格付その他の代理店区分を決定すると。私、この格付ということを使っていることそのものに物すごい違和感があるんですけれども、商法会社上は対等な関係ですよね。それがなぜ大手損保が代理店を格付すると。ひどい上から目線といいますか、強権的な感じがするんですけど、まず、これそのものが私は大変違和感を感じるんですけれども、局長、ありのままの感想で結構ですから、いかが思われますか。
#86
○政府参考人(栗田照久君) 御指摘のように、代理店委託契約書に格付という文言を使用している損保会社があるということは御指摘のとおりでございまして、ヒアリングの中で聞いておりますところによりますと、代理店に委託した業務に関連して保険会社が代理店を業績や業務品質といった一定の基準でグルーピングをした上で事務遂行しているところ、こうした取扱いについて格付という文言を使っているということでございました。なお、当該損保会社からは、代理店を何か順位付けするとか差別するとかそういうことをいたしたものではないけれども、そういうふうに取られかねないということを認識したため、これは見直すというふうには聞いてございます。
 こういうような点も含めまして、損保会社と保険代理店の関係がうまくいくように、我々としてもよく注視していきたいというふうに考えております。
#87
○大門実紀史君 この大手損保は正直な方で、あからさまにこういう言葉を使っているだけまだ正直な方なんですよね。ほかも同じような位置付けでやっているということでございますので、言葉だけの問題じゃないし、いろいろ今言い訳しても、実際にこういうこと、こういう立場でいろんなひどいことが行われてきたということでございますので、言葉を直すだけじゃなくて姿勢を直してもらわなきゃいけないということでございます。
 ちなみに、第九条の、次の手数料も、この格付に応じて、大手損保が勝手に決めた格付に応じて手数料も決めますよということで、更にひどく入っていくわけですね。
 九条の四もそうですけれども、この代理店手数料規定を変更するときも、通知はするけれど、会社がやらしてもらうということで、先ほどありましたけれど、手数料については代理店にヒアリングをして説明をすると、ヒアリングをして説明するというようなことと全然違うことをやっているわけですね。一方的に決めて、ただ通知をするだけというようなことになっているわけであります。これがこの委託契約書の今までの実態でございます。
 第二十八条のところにも、これはまたひどいんですけれども、会社は、代理店に法令違反があったとき、これはまあ当然だと思うんですけれど、あと会社が定める諸規定への違反その他本契約に違反する行為があったと会社が認めたときに契約の解除をすると、手数料の減額をすると。もう非常に一方的なんですね。
 この会社が定める諸規定への違反その他本契約に違反する行為、これがくせ者でございまして、これは会社の判断で恣意的にいざとなれば契約は解除できる、格付を引き下げる、代理店手数料を減額することができるというふうになっているわけですね。これ、何かもう全てが表れているんですけれども、大変ひどい契約書になっていて、まさに優越的地位の濫用ではないかというふうに思います。
 じゃ、嫌ならやめりゃいいじゃないかと、そんな大手損保と契約やめりゃいいじゃないかというふうに思われる方がいるかも分かりませんが、契約解除をしたときにどちらが不利になるかといいますと、その代理店が持っている顧客データは大手損保に返還させられるわけですね。実は、その顧客データというのは代理店が開拓してきた顧客名簿なんですけれど、それを損保会社に返還するということを求められますので、一遍に営業ができなくなってしまうということがありますので、契約解除は平等、対等のようなふうに思われますが、実際にはそうではないというふうなことですね。
 しかも、ほかの損保会社も似たり寄ったりでございますので、どこへ行っても同じような扱いを受けるということが今問題になっているということでございます。
 この現在の状況というのは、実は二〇〇三年四月に代理店手数料制度というのが変わりまして、その際、金融監督庁、当時ですね、こう説明しているんですね。損保代理店制度の見直しについてというのが二〇〇〇年五月二十四日に出ておりますけれども、代理店手数料の設定方法は、基本的には、損保会社と代理店が、自由競争の中で、消費者のニーズに対応しつつ、主体的に決めるべき事項と。
 ところが、御紹介したように、消費者のニーズというのはどこにもないんですね。要するに、ポイント制度は、何度も指摘しているように規模と増収で、つまり大手損保がもうかるかどうかだけで決めているというようなことでありまして、二〇〇〇年当時の金融監督庁が想定した自由競争によって顧客にもメリットがあるというふうな、そういう想定したことと全く違うふうに今なってきているのではないかと思いますが、局長の認識を伺いたいと思います。
#88
○政府参考人(栗田照久君) 金融庁といたしましては、損保会社に限らず、金融機関に対しましてはお客様本位の取組を進めていただくようお願いしているところでございまして、この点については今後とも強くお願いをしていきたいというふうに考えております。
 なお、損保会社と保険代理店の関係は、民民間の委託契約に基づくものではございますけれども、やはり規模の大きい損保会社に対して規模の小さい損保代理店が劣位に立ちがちなことは事実でございまして、そのようなことも踏まえまして、損保会社におかれては、丁寧に代理店の意見を聞くとか、そういう対応をしていただきたいというふうに考えております。
#89
○大門実紀史君 引き続き金融庁頑張ってもらいたいと思いますけど、麻生大臣に一言、最後に。
 やっぱり本当に頑張っていただいていて、ずっといろんなことをやっていただいていて、麻生大臣の御答弁があって、それに基づいて頑張ってきてもらっているところでございます。とにかくいい損保業界になってほしいという点で私も取り上げておりますので、現場の皆さんも本当に感謝されて、この前、遠藤長官のところにお礼も行かれましたし、今度は麻生大臣のところにもお礼に伺いたいというふうに言っておりますので、本当にこれからも顧客本位という点を大事にして損保代理店にも頑張ってもらいたいと思っているんですけど、全体いい方向に進んでおりますけど、更に御努力いただきたいという点で、大臣のお言葉、一言いただければと思います。
#90
○国務大臣(麻生太郎君) この損害保険代理店というのは、これは損保業界と、いわゆる損保業というのとそれから地域のお客との間をつなぐ、いわゆる媒体役として最も肝腎なところだと思いますので、特にお客というか顧客のニーズに合わせていろいろなことを、損害保険会社との間を、特に中小のところはつないでいただく大事なところだと思っておりますので、いろいろ御指摘のあるとおりなので、偏ったことにならない、今までのようなことではいかぬという御指摘を受けてこの対応をさせていただいておりますので、引き続き、この方向でうまくそこのところが、両方でウイン・ウインの関係にならぬと意味がありませんので、きちんとやらせていただきたいと思っております。
#91
○大門実紀史君 終わります。
#92
○渡辺喜美君 私の地元に那須の御用邸というのがございまして、これは皇室用財産という位置付けになっているかと思います。今上陛下が即位されましたときに、軽井沢に御用邸が移っちゃうんじゃないかという心配が地元民から出ました。というのは、明治天皇の夏の御用邸は日光の田母沢、大正天皇が塩原、後に視力障害者センターになったところでありますが、昭和天皇が那須というわけであります。我々の心配は杞憂に終わりました。それは、御案内のとおり、皇室経済法という法律がございまして、そう簡単に御用邸を移転したり新しく新設したりするということが極めて困難になったからであります。
 昨日も申し上げましたように、戦争直後、戦時利得の没収という目的を持ってGHQから財産税というかなり強烈な、最高税率九〇%、そういうお触れが出されたわけであります。この財産税で取った税収百五十五億円でありますが、天皇陛下が支払われた財産税は何とそのうちの五分の一を超える三十三億円を超えておりました。つまり、これは天皇財閥を解体するという意味を持っていたわけであります。残った天皇陛下の財産というのは一割になってしまった。不動産や御料林というのは、当然これは切り離されて今管理されているわけであって、天皇陛下のパーソナルビロンギングスとか金融資産のみが今残っているというわけであります。
 相続税法や所得税法では、皇室経済法を持ってきまして非課税を明示すると。多分これは限定列挙ということになるんでしょうが、相続税を非課税にする、天皇陛下の相続税を非課税にするという場合には法改正が必要ですか。
#93
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 相続税法の規定におきまして、皇室経済法第七条の規定により皇位とともに皇嗣が受けたものについては、その特殊性に鑑み非課税とされております。それ以外の財産、例えば有価証券や預金などにつきましては、天皇陛下におかれましても一般国民と同様に相続税の課税対象とされているところでございまして、仮にこれらを非課税とする場合には、租税法律主義の観点から法改正が必要となるものと考えられます。
 ただ、本件は、現行法制全体、憲法や民法あるいは皇室経済法など、そういった全体の問題に関わる話でございまして、相続税法だけの中で完結する問題ではないというふうに考えております。
#94
○渡辺喜美君 つまり、この問題は、戦後レジームの根幹に関わる非常に厄介な問題であるということですよ。
 当時の交渉過程、これは芦部信喜先生が編さんされた皇室経済法の制定過程に関する本というか、資料も相当含んでおりますけれども、ここで、アメリカ側の交渉者が、本国の了解が得られないという表現がしょっちゅう出てくるんですね。結局、相当強硬な姿勢で臨んでいたということがこれで分かるわけであります。一方、宮内庁の方は、天皇陛下が国民生活の救済と産業振興及び賠償負担への充当のために皇室財産の大半を政府に下賜することを望むとの宮内大臣からマッカーサー将軍に宛てた承認を求める書簡も出されたわけでありますが、これは無回答の上、却下になっているということであります。
 結局どういう具合になったかというと、GHQは、純然たる私有財産を除いて旧来の皇室財産を全て国に帰属させ、その後も皇室が再び財産を蓄積することを厳重に規制するという方針で、従来の皇室財産を全て天皇個人の私的資産として取り扱い、財産税課税によって皇室財産の解体が進められたと、先ほど私が説明したとおりでございます。
 大臣にお尋ねいたしますが、内廷費は非課税なのに、なぜ天皇陛下の金融資産に相続税が課税されるのか、その背景にある思想、哲学について御所見を伺いたいと思います。
#95
○国務大臣(麻生太郎君) これは御存じのように、現行憲法におきまして、日本国及び日本国民統合の象徴と憲法第一条に書かれているところでありますけれども、その地位は世襲とされている点等々、特別の地位を有されているのははっきりしております。この意味で、一般国民の扱いとは異なった面もあるとは思いますけれども、その他の面において一般国民と同様の法規の適用があると解されております。
 このため、相続税のいわゆる適用とか課税というのに当たりましては、相続税法の規定において、皇室経済法第七条の規定にもよって皇位とともにいわゆる皇嗣が受けたものにつきましては、その特性に鑑み非課税とされておりますけれども、それ以外の財産、例えば有価証券とか預金等々につきましては、一般国民と同様の相続税の課税の対象とされております。
 この結論に至るまでには、これは非常に法律に忠実に従うということを当時の昭和天皇の時代にこの考えは示された上で、現行法の定めるところにより処理するということが国民とともに歩んでおる皇室の姿として一番適切なものではないかということに、当時これ物すごい議論がありましたのは御存じのとおりですけれども、そういったことを従来から考えられていたことによるもので、結果としてこの形に落ち着いたというように理解をいたしております。
#96
○渡辺喜美君 内廷費は納税資金に使えますか。内廷費を相続税の納税資金に使うことはできますか。局長でもいいです。
#97
○政府参考人(星野次彦君) 内廷費に対してその課税を充てるというのは、それは予算上、税を内廷費に充てているわけでございますので、そこは何というか、当たっているといえば当たっている、使っているということでございます。
#98
○渡辺喜美君 内廷費は非課税ですが、昭和天皇の相続のときには内廷費は納税資金としては使っていません。これは、昨日も申し上げたように、相続財産を削って納税をしているはずであります。
#99
○委員長(中西健治君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。
#100
○渡辺喜美君 この問題は引き続きやらせていただきます。
#101
○委員長(中西健治君) 以上をもちまして、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁、財務省所管、株式会社日本政策金融公庫及び株式会社国際協力銀行についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#102
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時六分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#103
○委員長(中西健治君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として武田良介君が選任されました。
    ─────────────
#104
○委員長(中西健治君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務省主税局長星野次彦君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#106
○委員長(中西健治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁黒田東彦君及び同理事内田眞一君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(中西健治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#108
○委員長(中西健治君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#109
○風間直樹君 よろしくお願いします。
 昨日に続きまして、今日は在日米軍基地の費用負担の問題について取り上げたいと思います。
 この財金委員会で在日米軍基地の問題、地位協定等取り上げるのは比較的珍しいかと思いますけれども、私、長年外交を専門とし、また、外交防衛委員会でも議論をしまして、我が国の財政が非常に困難な中で、やはりこの在日米軍基地の費用負担についてしっかりと原則を確認することが大切だと思っています。
 それで、最初に外務省の参考人にお尋ねをしたいんですけれども、この費用負担につきましては次回の見直しが二〇二一年と聞いておりますけれども、この見直しの交渉をする場というのが当然設けられると思うんですね。この場にもちろん日本側からも政府の担当者たちが出ていくと、アメリカ側からも向こうの担当者たちが出てくると。
 お尋ねをしたいのは、アメリカ側の構成メンバーがどういう方かということなんです。これ、シビリアンもいらっしゃるでしょうし、米軍人もいらっしゃる、両方それぞれ含まれると思うんですけれども、このアメリカ側の構成メンバーのうちシビリアンと軍人の割合でも結構ですし、あるいは人数でも、大体分かればで結構なんですが、外務省の参考人、御答弁お願いします。
#110
○政府参考人(船越健裕君) お答え申し上げます。
 委員御指摘いただきましたとおり、現行の在日米軍駐留経費負担特別協定は二〇二一年三月末まで有効でございます。
 日本とのアメリカとの新しい交渉についてはまだ始まっておるところではございませんが、あくまで一般論として申し上げますと、先般、米韓の特別協定の交渉で米側の代表をしておりましたのはティム・ベッツ国務次官補代理でございます。また、前回の日米特別協定の交渉につきましても国務省の次官補代理クラスがヘッドを務めておりまして、通常、国防省の担当幹部、さらには在日米軍、さらには大使館等の担当者も協議に参加するというのが、一般論としてそういう状況でございます。
#111
○風間直樹君 例えば、日米合同委員会というのがありますね。これ、毎週木曜日ですか、日本の外務省でやるときと、それから麻布にあるサンノーホテルでやるときと、交互にやっていると聞いていますけれども、このときの構成メンバーも、たしかアメリカ側は、トップはそこの米大の首席公使ですかね、で、あとは米軍人だと。つまり、このアメリカ大使館の公使以外は軍人がみんな出てくるというふうに聞いていますけれども。
 この費用負担の交渉の場合はどうなんでしょう。やはり今おっしゃった国防次官補代理というのがシビリアンでは一人だけ入っていて、あとは全員米軍人と、こういう構成なんでしょうか。
#112
○政府参考人(船越健裕君) お答え申し上げます。
 まず、日米合同委員会でございますが、米側の代表は在日米軍の副司令官でございます。それで、委員御指摘のとおり、通常、米国大使館の公使も参席するということになっております。
 また、特別協定の交渉について申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、米韓の交渉も前回の日米の交渉も国務省の次官補代理が首席交渉官を務めておったと承知しております。ただ、これまで私の経験上も、シビリアンも軍人も両方おりましたが、代表はシビリアンであるところの国務次官補代理が務めておったところでございます。
#113
○風間直樹君 そうすると、合同委員会の場合とはかなりメンバーの顔ぶれが異なると、こういうことですね。
 つまり、私が確認したかったのは、非常にすぐれてこの我が国の財政負担の問題ですので、この大事な交渉をお互いにシビリアン同士できちっとやっているのかという確認をしたかったんですが、そういうことで間違いないですか。
#114
○政府参考人(船越健裕君) 次回交渉はまだ始まってございませんが、前回の日米の交渉につきましても米側の首席交渉官は国務次官補代理でございまして、我が方の、もちろん最終的な政治判断はございますが、事務的な交渉といいますのは外務省、防衛省のシビリアンを中心に交渉をしておったところでございます。
#115
○風間直樹君 ちょっとしつこいようですが、アメリカ側の交渉担当者たちもこれはシビリアンが中心ということでよろしいんですね。例えば、向こうの構成メンバーのうち半分以上を軍人が占めているということではないんですね。
#116
○政府参考人(船越健裕君) 記憶で申し訳ございませんが、過去の交渉におきまして、在日米軍の軍人が交渉に参席しておったとは思いますが、それが多数を占めておったとは認識しておりません。
#117
○風間直樹君 分かりました。これはちょっと後日また詳細確認させていただきます。
 それで、次の質問ですが、今日、配付資料で地位協定の二十四条をお配りしております。
 昨日もこれやらせていただいたんですけれども、要は、この二十四条の一項で在日米軍基地の費用に関する大枠、誰が何を負担するかという大枠を抽象的に定めていると、二項でそれを具体化していると。これは、日米安保条約、地位協定等々、日米間の安全保障に関わる取決めにほぼ共通するパターンであります。
 それで、お尋ねは、この二十四条に示される日本側の負担とそれから米側の負担、恐らくそれぞれ、これ外交交渉ですから、この地位協定が決まった当時、お互いの原則というものを確認したはずなんですね。日本側がどういう思想、原則に基づいて何を負担するか、同様に、アメリカ側がどういう思想、原則に基づいてどの部分を負担するか。その原則について、日本側の負担と米側負担の原則は何か、お尋ねします。
#118
○政府参考人(船越健裕君) ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、経費の分担に関しまして、日米地位協定第二十四条は、同条一におきまして、日本に米軍を維持することに伴う全ての経費は、同条二により日本国が負担するものを除くほか、米国が負担する旨を、また、同条二において、日本は、日米地位協定第二条及び第三条に定める全ての施設・区域及び路線権を米国に負担を掛けないで提供する旨をそれぞれを規定しております。
 この規定そのものが、まさに委員御指摘の原則というものを定めたものと認識しております。
#119
○風間直樹君 そうしますと、私の理解では、日本側の負担の原則というのは、基地、それからその出入りに必要な路線権、そして相当の場合の補償と、この三点かなと理解をします。一方で、米側の負担の原則というのは、米軍を日本国内で維持するための全ての経費と。こういう理解で間違いないでしょうか。
#120
○政府参考人(船越健裕君) 具体的には日米地位協定第二十四条に規定しておるとおりでございまして、今委員から御指摘いただきました日本側が実際に負担している経費につきましては、従来、この規定に従いまして国有財産の無償の提供を行うとともに、土地の借料等を負担しております。さらに、昭和五十年以降、我が国は労務費の一部及び提供施設整備、FIPに関する既定経費等を日米地位協定の範囲内で負担しているところでございます。
#121
○風間直樹君 そうすると、結局アメリカ側の負担というのは、この日本国内で在日米軍を維持するためのほかの全ての経費という理解で間違いないわけですね。
#122
○政府参考人(船越健裕君) 繰り返しで恐縮でございますが、日米地位協定第二十四条は、同条一におきまして、日本に米軍を維持することに伴う全ての経費は、同条二により日本国が負担をすべきものを除くほか、米国が負担する旨を書いておるところでございます。また、委員御案内のとおり、その後、昭和六十二年以降は、日米地位協定の特則であるところの特別協定に沿って日本側が一定の負担をしているところでございます。
#123
○風間直樹君 分かりました。お互い同じことを言っていると思いますので、それで結構です。
 それで、もう一つ、ちょっと重要なことをお伺いしたいんですが、在日米軍に対して日本がその基地を提供していると。それはみんな知っていることなんですけれども、じゃ、その見返りとして、その対価としてアメリカ側が提供するものは何かと。この点がちょっと国民の間でも、それは、アメリカ側はこれを提供しているねという明確な理解の共有がないと思うんですけれども、このアメリカ側が日本の基地提供に対する見返りとして日本に対し提供しているものは何なのでしょう。
#124
○政府参考人(船越健裕君) お答え申し上げます。
 見返り、対価という観点から御説明申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じますが、委員御案内のとおり、日米安保条約五条に基づきましてアメリカは日本の対日防衛義務がございまして、また、日本は第六条に基づきまして施設・区域の提供等を行っているところでございます。この日米安保条約の実施のために日米地位協定が存在するところでございます。
#125
○風間直樹君 なぜこのことをお尋ねしたかというと、今、船越さんが御答弁された内容をアメリカの同盟国でつぶさに検討してみると、比較してみると若干の違いがあるんですね、御案内のように。例えば、NATOに対するアメリカの提供するものと日本に対してアメリカが提供するものというのはかなり違う。特に私が一番大きな違いだと思うのは、日米安保条約の場合、アメリカ側がその国内法の規定に基づいてという、そういう趣旨の一文が入っていますね、これはたしかNATOの方にはなかったと思いますが。そういう意味では、同盟国によっても一律ではないということなんだろうと思います。
 私自身は、もろもろの分析をしてみると、結局、日本が基地を提供する、それに対してアメリカが日本に提供しているものはいわゆる核の傘、拡大抑止と言われるものに集約されるのではないかなというふうに考えています。例えば、これは一九七二年に当時のキッシンジャー、このときは大統領の補佐官でしょうか、ニクソン大統領に対してしたためた覚書の中にこういうものがあります。日米同盟においては、我々が日本に核の保護を与える代わりに、日本は我々が基地を使えるようにしなければならないと。これが一つのアメリカ側が考えているそれぞれの負担の原則ではないかというふうに思います。
 それで、一応確認をしておきますが、この地位協定の二十四条で日本が負担する費用については原則が明示されているわけですけれども、この日本の費用負担に対してアメリカ側が何かを対価として提供する、何かを見返りとして提供するという、そういう対の形になっているようなものはあるんでしょうか、ないんでしょうか。
#126
○政府参考人(船越健裕君) お答え申し上げます。
 繰り返しで恐縮でございますが、まさに日米地位協定第二十四条は、同条一において、日本に米軍を維持することに伴う全ての経費は、同条二により米国が負担するものを除くほか、米軍が負担するという規定になっておるところでございます。
#127
○風間直樹君 費用負担に対する向こうの対価、見返りはないというふうに理解をいたしました。
 それで、次の質問なんですけれども、配付資料の三ページ目なんですが、防衛省の資料で、過去五年間に日本側が負担した米軍岩国基地における支払実績、施設整備関連についてという資料を配付いたしました。ちょっと具体的にお尋ねをしていきたいと思います。
 まず、この山口県にある米軍の岩国基地ですが、これは米軍のどの軍隊の何のための基地なのか、政府委員ですかね、御答弁をお願いします。
#128
○政府参考人(石川武君) お答え申し上げます。
 岩国には第一二海兵航空群という海兵隊の航空部隊が所在をしておりまして、そこには、例えばF35BですとかあるいはFA18といった戦闘機、あるいはその電子戦機が所在をしておりまして、海兵隊に対するエアカバーを提供しておるところでございます。
#129
○風間直樹君 局長、済みません、ちょっと声が小さくて聞き取りにくかったんですが、御答弁から推測して質問します。
 要は、海兵隊部隊がそこにいて、海兵隊、米海兵隊に対するエアカバーを提供している、こういう趣旨だったと思うんですけれども、エアカバーというのは何ですか。
#130
○政府参考人(石川武君) お答え申し上げます。
 海兵隊は、地上部隊と航空部隊が基本的に一体として行動するような群を組んでおりまして、地上部隊が行動することに際して、必要に応じて固定翼機が言わば援護射撃をするという状況でございます。
#131
○風間直樹君 今日は、外務、防衛の政務官お二人と、あと政府委員では、外務省から船越さん、そして防衛省からお二人お越しいただいているんですが、ちょっとこの五人の皆さんに簡単でいいのでお答えいただきたいんですけど、皆さん、岩国基地の視察に行かれたこと、何回ぐらいございますでしょうか。
#132
○大臣政務官(辻清人君) 委員にお答えします。
 公務として昨年に政務官に就任してからは岩国基地には行ったことありませんが、ほかの基地として、昨年、横田にペンス副大統領訪日への出迎えで一度、また、本年に入って在日米軍司令官新旧交代式でまた再度横田には行っています。
#133
○大臣政務官(鈴木貴子君) 私は、政務官に就任をいたしましてからは、まだ岩国基地の方には視察へは行っておりません。
#134
○政府参考人(船越健裕君) 現職では岩国基地に視察しておりませんが、地位協定室長をしている時代、岩国基地を視察させていただきました。
#135
○政府参考人(平井啓友君) 私は施設の関係の仕事が多かったものですから、今までに十回ほどは岩国の方へ行って現場を見ております。最近は余り行っていませんけれども、過去十回ほど行っています。
#136
○政府参考人(石川武君) お答え申し上げます。
 私も、現職ではございませんけれども、数年前に視察したことがございます。
#137
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 現職において一度ございます。それ以前においても何度か訪問させていただいたことがございます。
#138
○風間直樹君 ありがとうございました。大変参考になりました。今日の質疑をする上で、現地岩国基地を見ていらっしゃるかどうかというのが極めて大事なものですから。
 今伺った限りでは、恐らく一番視察、訪問されているのが平井施設監でしょうかね。それから、石川さんと中村さん、船越さんも一度以上はいらっしゃっていると、こういうことだと思います。
 これ、ちょっと、政務官お越しいただいているのに政府委員と質疑をして大変恐縮なんですが、この岩国に行かれた方、例えば平井さんが一番いらっしゃっているので平井さんに御答弁をお願いしたいと思いますが、あそこに行って相当感じることがあると思うんですよ。非常に大きな印象を受けると思うんですね、恐らく日本人があそこに行くと。
 平井さんの場合、今まで何度も足を運ばれていらっしゃいますが、どんな印象をお持ちでいらっしゃいますか、米軍岩国基地という基地に関して。
#139
○政府参考人(平井啓友君) 済みません、私、過去十回ほど行っているんですが、沖合移設の頃にかなり行っているということで、沖合移設が終わってからここ十年近く行っていないということもあって最近の状況はよく分かっておりませんが、平面図等で見る限り、かなりのものが整備をされているというふうに感じております。
#140
○委員長(中西健治君) もう一度お答えいただけますか。
#141
○政府参考人(平井啓友君) 平面図で見る限りは、かなりたくさんの施設が整備をされてきたというふうに感じております。
#142
○風間直樹君 例えば、じゃ、外務省、船越さんの場合、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(船越健裕君) お答え申し上げます。
 私が地位協定室長時代に視察したときに比べまして、そのときもまさに海上滑走路の移設というのが大きな話題になっておりましたが、その後、様々な観点から最新の整備というのが展開して、非常に更に重要な基地になっているというふうに認識をしております。
#144
○風間直樹君 ありがとうございます。
 私、ここに行きまして非常に衝撃を受けました。なぜかというと、今日の配付資料を御覧いただきたいんですが、平成二十五年から二十九年度までに我が国の国費としてここに投入されている金額というのがすさまじい金額なんです。
 例えば平成二十五年度の場合、これ、単位が百万円ですから約五百億ですね。その後、六百六十億、千三十億、千五十億、九百七十億と、こういう推移で過去五年来ているんですけれども、これ全部五年間トータルしますと多分四百五十億ぐらいになると思います。これだけの工事を単年度にこの規模で地方の一自治体に投じている例というのは、多分我が国ではないと思います。これ五年だけの資料ですが、更に過去に遡ると、よりこれは膨らむと思いますね。
 これは今御答弁にありましたように、様々なこの施設関連に関する工事を今なお継続して行っているために出ている経費です。言ってみますと、もう何かそこだけ盆と正月とクリスマスが全部一緒に来たような雰囲気ですね。物すごい量の工事用車両が出入りをしていますし、工事も非常に活発に行われています。そういう意味では、私は、岩国市の地域経済というのはこの施設整備関連の工事だけでもかなり潤っているんじゃないかと思うんですけれども、今日質疑したいのはそういうことじゃなくて、これ何のためにやっているかということなんですよね。
 この施設関連の整備、これは目的何なんでしょうか。これも政府委員で結構です。
#145
○政府参考人(石川武君) お答え申し上げます。
 全ての施設の目的につきまして今申し上げるような資料は持っておりませんけれども、岩国は昨年、厚木から空母艦載機部隊が移駐をしまして、相当数の固定翼機が岩国に移ってまいりました。それの関係で、隊舎ですとか庁舎ですとか、そういったものが相当増えたということでございます。
#146
○風間直樹君 先ほども御答弁いただきましたけれども、これは海兵隊の基地です。現地に行きまして気付きますのは、米軍の海兵隊が要は紛争地、戦闘地にまず真っ先に投入されるときに、それを空から援護するための戦闘用の兵器が全てここに置かれています。戦闘機もあるでしょう、攻撃用のヘリもあるでしょう。圧倒的な攻撃力に私は非常に圧倒されましたという基地です。この基地を岩国に日本の理解の下に置いているというのは理由があると思うんですね、過去の日米間の様々な交渉の中での理由があると思います。
 それで、ただ、残念ながら、今この配付資料に書かれています例えばFIPとか空母艦載機の移駐等のための事業、それぞれの費用項目からこれだけの税金が投入されているということは、余り国民には理解されていないと思います。
 そこでお尋ねしたいんですが、このFIPというのはどういう趣旨の費用なんでしょうか。
#147
○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。
 FIP、フィップと通常言っておりますが、提供施設整備につきましては、日米安保体制の円滑かつ効果的な運用を確保するという観点から、日米地位協定に基づきまして日本側の負担で施設を整備し、米側に提供しているものでございます。
 個々の施設整備を行うに当たりましては、日米地位協定の範囲内で米側の希望を聴取をするとともに、日米安保条約の目的達成との関係ですとか我が国財政との関係、さらには社会的な影響等を総合的に勘案をして、個々の施設ごとに我が国の自主的判断によって措置をしてきているものでございます。
 岩国飛行場におきましては、昭和五十四年度から平成三十年度までに、滑走路の移設事業を始めとしまして、隊舎や家族住宅などを整備をしてきているというところでございます。
#148
○風間直樹君 最後にお尋ねしますが、この空母艦載機の移駐等のための事業、これも念のため御説明いただけますか。
#149
○政府参考人(中村吉利君) 空母艦載機の移駐につきましては、先ほど御答弁ありましたとおり、厚木飛行場から空母艦載機を移駐いたします。それに伴いまして必要となる家族住宅ですとか司令部庁舎、格納庫等の施設の整備を行っていたというものでございます。
#150
○風間直樹君 時間が来たので、また後日、引き続きやりたいと思いますけれども、こうした在日米軍に関わる費用、我が国が負担しているものについて、我々国会が一つ一つを正確に把握しておくということも非常に重要なことだと思っています。そのための質疑、また引き続きさせていただきます。
 ありがとうございました。
#151
○古賀之士君 国民民主党・新緑風会の古賀之士です。
 委員会の皆様、それから関係各省庁の皆様方、連日お疲れさまでございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 まず、昨日、国交省が公示地価を発表いたしました。四年連続で全ての項目で地価は上昇と。中でも、住宅地に関しては二十七年ぶりに平均プラスというニュースがメディアから流れておりました。地価が上がり、御存じのように固定資産税という形での税収の増収が望めると。
 また、所得税のこの改正案の中には、住宅取得控除ということで、消費税増税をにらんだ新たな住宅を取得しやすいような税制も盛り込まれております。
 一方で、財務大臣にお尋ねをいたしますのは賃貸住宅でございます。賃貸住宅における家賃の税控除、あるいは企業などの住宅手当に関しての非課税化、これについてはどのようにお考えをお持ちでしょうか。
#152
○副大臣(鈴木馨祐君) 古賀先生御指摘のポイント、これは持家を持たない方々への支援ということの観点だろうと思いますけれども。
 まず、購入に当たって持家の場合には当然消費税が課税をされております。その一方で、こうした家賃の支払については消費税の課税がされていないということが現状あるということはまず御理解をいただいているところだろうと思います。加えて、例えば従来より、それぞれ自治体において家賃補助制度であったりとか、あるいは公営住宅、こうしたものの適切な供給等々が行われているところであります。これに加えて税制上のそうした措置をとるかどうかというところでありますけれども、これについては、その必要性等も含めてこれは慎重に検討していくということが今のスタンスであります。
 そして、この低所得者の方を念頭に置いた政策ということで考えたときに、例えば所得税ということで考えれば、所得が少なくて納税額が少ない方々にとってどのぐらいこのメリットというものが出てくるのかというところも一つ考えていかなくてはいけない課題であろうと思います。
 一方の住宅手当の非課税化というところでありますけれども、住宅手当はそもそも、生活費の掛かり増しの費用を補う給与としての性格を有するということで、所得税の計算上非課税とされていないというところであります。仮にこれを非課税とした場合には、例えば同じぐらいの所得を得ていて同じ程度に家賃を払っている者でも、こうした住宅手当ということではなくて給与だけでそうした給与を受けている者もいるわけでありまして、そうしたところとのバランスというところについても考えていかなくてはいけないところであろうと思います。というところを含めまして、慎重に検討していかなくてはいけないところではないかと考えております。
#153
○古賀之士君 賃貸住宅にあえて絞ったお尋ねをさせていただいたのは、一つは税の問題というのももちろんあるんですけれども、その重税感の中で、例えば今、日本の大きな課題になっている子育て、これに関しても、例えば結婚をしてできるだけ広い部屋に住みたい、あるいは、今大学の寮などでは非常に二人部屋ですとか四人部屋というのはなかなか敬遠されるという話は皆さんもどこかでお耳になったこともあると思いますが、個室化と。そういったことを考えて、結婚がしやすい環境の中にやはり賃貸住宅の問題。
 それから、子育て支援の意味でも、仮に一部屋余計に広いお部屋を借りることができれば、それによって子供を授かるチャンスがより広がる可能性もあるという視点もお含みおきいただいて、是非、賃貸住宅に関しての税制の控除というのは、恐らく単純に税の控除と負担額の軽減というだけにとどまらず、これまでとはっきりと住環境が変わったという実感を利用者の方が持てば、結婚やそれから子育てに向けてより具体的に見える化することができるんではないかと思っております。その辺を踏まえて御所見を伺えればと思いますが。
#154
○副大臣(鈴木馨祐君) 御指摘の観点も当然あろうというふうに思いますが、その一方で、先ほど申し上げましたように、やはりこの税というところで措置する場合にはいろいろな意味での比較考量をしていかなくてはいけないところもあります。そうした中で、当然、税に限らずいろいろな、従来の自治体からやっている支援であるとか、あるいは財政的な問題であるとか、そういった様々なところを総合的に勘案していくべきではないかと思っておりまして、御指摘の観点ということでは理解をいたしますし、それは大事なポイントだと思いますけれども、税という措置ということでいえばやはり慎重な検討が必要かというふうに思っております。
#155
○古賀之士君 では、次の質問に移ります。
 特に今、住居の話をさせていただいていますけれども、毎年のように今大災害に見舞われまして、その災害に見舞われた中で特に住まいを失うというのがやはり大きな問題になっておりますが、雑損控除から独立した災害損失控除についてはどのような所見をお持ちなのか、お尋ねをいたします。
#156
○副大臣(鈴木馨祐君) 古賀先生御指摘のように、大変災害の頻発というところが、気候変動の影響もありまして、非常に増えている状況というものは私ども大変大きな課題として認識をしております。
 その上で、やはり、例えばこれはある意味共助のところで、それぞれが保険という形でやっているところもあるでしょうし、あるいは財政というところもあるでしょうし、あるいは今御指摘の税というところ、そういったところのバランスが大事なんだろうというふうに思っています。
 その中で、御指摘の点で申し上げると、やはり所得税の課税所得の算出ということで申し上げますと、まず所得を得るための必要な経費を収入から差し引く、これは事業所得の必要経費であったり、あるいは給与所得控除等々ということになりますけれども、まずそこを差し引くと。その上で、それぞれの世帯構成等に配慮をした担税力の調整を人的控除等で行っていくという、そういった仕組みになっております。
 恐らく、御指摘の仕組みというところで言わせていただきますと、やはりこの災害による住宅あるいは生活必需品等生活の基盤に生じた損害ということはまさに直接的な担税力の減殺に当たるものでありますから、ある意味、収入から差し引く必要経費に言ってみれば近い、そういった性質のものというふうに考えられます。
 したがいまして、こうした人的控除、これは世帯構成による担税力の配慮というところによるものでありますけれども、その前に差し引くべきものであろうというのが我々の基本的な考え方でありまして、そういったことで考えれば、今の雑損控除というところが適切な制度というふうに考えているところであります。
 いずれにいたしましても、税制ということだけではなく、先ほど申し上げましたように、これは自助、共助のところもありますし、あるいは財政というところもありますので、しっかりとそうした生活再建、あるいはそうした被害を受けた方々の生活をしっかりと立て直すというところに一番寄与していく、そうした仕組みを政府としてもしっかりと追求してまいりたいと思っております。
#157
○古賀之士君 是非その辺をお願いします。
 トータルで雑損所得をある意味その所得から使い切ってしまって、残念ながら更に重篤な被害に関してのなかなか控除が受けられないという現実もあると思いますので、是非、災害にこれだけ、副大臣も自らも頻発という状況をおっしゃいましたように、これからもう、今年もあるいは来年もそういうことに備えていかなければならないというのは、もう釈迦に説法でございますが、そういうことも含めると、災害に向けた損失に関しての控除というのは、独立した大きな項目立てということがやはり国民の安心、安全にもつながってくる部分はあるかと思いますので、慎重な検討は必要かと思いますけれども、是非その辺も含めて今後御検討いただければと思っております。
 では、次はポイント還元関連についてお尋ねをいたします。
 まず、普及と今後の見通しについてお尋ねをいたします。全国でICチップカード及び対応端末の普及率と今後の見通しについて、今どうなっているでしょうか。
#158
○政府参考人(島田勘資君) 今委員御指摘の、例えばタッチで決済をする、非接触でプリペイド型の例えば電子マネーといったようなものの主要事業者の決済額が二〇一七年で約五・二兆円ということになってございまして、これ年々増加傾向にあるという状況でございます。
 こういった電子マネーにつきましては、信用審査を要することなく簡単に作成ができ、スマートフォンがなくてもカード決済可能ということで、日本でも広く普及してきておりますし、今後も普及するのではないかというふうに考えているところでございます。
#159
○古賀之士君 それに関して、今後の見通しも含めて、いわゆる消費税の増税並びにその軽減税率が今検討されている予定ですが、二次補正でのその軽減税率向けのレジ改修費、これが五百六十億円、そして、それとはまた別にキャッシュレス端末の導入費補助という名目がございますけれども、これ、レジの改修費五百六十億円とキャッシュレス端末導入費補助、これは具体的にどういう違いがあるのか、教えていただけないでしょうか。
#160
○政府参考人(島田勘資君) まず、キャッシュレス・消費者還元事業の方でございますけれども、これは、中小・小規模の事業者に対しまして、キャッシュレスの決済を導入する際に決済事業者が提供するキャッシュレスの決済端末という箱形の装置がございますが、こういった決済端末などについて、導入費用の三分の一を決済事業者が負担をすると、残りの三分の二を国が支援をすることで、加盟店である中小事業者の負担が実質ゼロになる形での導入支援をするというふうな仕組みにしてございます。
 一方で、軽減税率対策補助金でございますが、これは、軽減税率の対象となる飲食料品、こういったものを扱い、複数税率対応のレジの導入が必要な中小の事業者に対しまして、レジ本体とその附属機器など中小事業者が自ら購入するものについて、その費用の四分の三を国が補助するというものでございます。
 このように、キャッシュレス・消費者還元事業と軽減税率の対策補助金、これは補助対象事業者あるいは補助対象経費の範囲が異なるということになってございます。中小・小規模事業者である加盟店がそれぞれの状況に応じて選択をいただくということになってございますが、若干複雑な制度でもございますので、しっかりとその違いについて周知徹底をしていきたいと考えてございます。
#161
○古賀之士君 今お話を伺っていて、いわゆるレジの改修費五百六十億円の内訳はレジの本体とその附属機器という御答弁いただきました。もう一つ伺ったのは、キャッシュレスの端末の箱形の機器だというようなお話。
 ちょっと疑問に思うのは、そのレジの改修費五百六十円の中の、レジの本体はまあいいんです、その附属の機器とキャッシュレスの端末というのがかぶっていないかなという思いですが、その辺はかぶらないという認識でよろしいんでしょうか。
#162
○政府参考人(島田勘資君) これは、対象事業者の方の範囲が若干違っているということでございます。
 キャッシュレスの方につきましては、決済事業者の方が整備をし貸し付けるというふうなものでございまして、他方、軽減税率の対策補助金につきましてはお店側の方のレジというふうな整理でございます。
#163
○古賀之士君 逆にかぶる可能性もあるんじゃないかと、済みません、思ったりするんですが、それは大丈夫ですか。逆に言うと、お店側が申請するのと決済端末業者が申請するの、もしかするとそれぞれでかぶる可能性ってありませんか。
#164
○政府参考人(島田勘資君) 制度がどちらでも利用が可能な場合につきましては、事業者側の方でそれぞれの状況に応じて選択をしていただくというふうなことを考えてございます。
#165
○古賀之士君 これは大事な税金を投入して行う事業ですので、是非その辺の使い道というものの当然チェックは必要でしょうし、そのチェックされた後に、それが本当にかぶっているかかぶっていないかというようなことも含めての何かチェック体制や仕組みづくりが必要だと思いますが、その辺についてはいかがですか。
#166
○政府参考人(島田勘資君) 制度の実施に当たりまして、しっかりと制度の仕組み等々についての周知等々は行っていきたいと思っております。
#167
○古賀之士君 よろしくお願いいたします。
 では、その決済端末のさらに決済データに関する質問をさせていただきます。
 その決済データ、民間の会社でもその決済データが海外にあるというようなお話を伺ったりすることもありますが、その決済データの保存場所、これに関しての制限というものは掛かるのか掛からないのか、それからあと、例えば海外にそういった決済データが保存されるということになった場合、その調査の権限というのは我が国にあるのかないのか、その辺についてお伺いいたします。
#168
○政府参考人(島田勘資君) 今回の制度に参加をする決済事業者に対しましては、データの保管場所についての制限等々というものではございませんで、個人情報の漏えい防止措置の実施といったような形で十分なセキュリティーを担保するというふうなことを求めることとしてございます。
 具体的には、決済事業者を登録していただきます際にセキュリティーに関する外部認証を取っていただくですとか、あるいは社内規程の提出を求めるといったようなことで、どこでデータの処理、保存をするかによらず、十分なセキュリティーが担保されているかの審査を行うというふうなこととしてございます。
 その上で、仮に制度の実施を通じて十分なセキュリティーが担保されなくなった場合には、当該決済事業者の参加資格を停止する等の厳しい措置をとろうと考えてございます。
#169
○古賀之士君 是非お願いですが、それこそ税金を投入してそういった形でのポイント還元をしていく、そのデータを保存をしていたところが仮に海外だとして、その海外からそういった個人情報を含む決済データが流出してしまって、なおかつそれに関しては海外だから全く手を付けられないというようなことが起きないように、是非その辺の規制なり、あるいはきちっとしたガイドラインなりの必要を求めておきます。よろしくお願いをいたします。
 さて、続いては、細かい話かもしれませんが、外国の方が例えば日本に来られて、プリペイド式のカードを購入されて、そのプリペイドカードで購入した免税品の扱いについて伺います。
 このプリペイドカードというのは、例えば交通系のカードだったりコンビニで売られているコンビニのカードだったりするわけですけれども、こういった形で購入して、免税に結局その後、買ったものがなる、これは今回のポイント還元の趣旨には適合しているのかどうか、お願いします。
#170
○政府参考人(島田勘資君) 今回のポイント還元制度におきましては、主として国内に居住する消費者に向けた決済サービスを提供する事業者を対象とする予定としてございますが、対象として認められたキャッシュレス決済手段を利用するのでありますれば、当該利用者が外国人であるか否かにかかわらずポイント還元の対象にすることとしてございます。
 また、免税の対象となる商品につきましても、家電、バッグ等々でありますが、免税店の許可を受けた店舗におけるこれらの商品の購入について、国内の居住者によるものかあるいは免税手続を受けた訪日外国人によるものなのか、決済事業者において決済事業者の時点での区分というものが非常に困難であるという事情にも鑑みまして、免税品についても今回のポイント還元の対象からは除外しないこととしてございます。
 今回の制度は消費税率の引上げの影響を受ける中小事業者の支援といったようなことも目的としてございますので、制度の趣旨には沿っているものと考えてございます。
#171
○古賀之士君 是非、悪用されないようなふうに祈りたいと思っておりますし、また、その趣旨に適合したいのであれば、またそれに対する仕組みづくりの検討も必要だと思います。
 そのポイントなんですけれども、これ、税務上の取扱いというのはどうなっているんでしょうか、ポイント自体は。
#172
○政府参考人(並木稔君) お答えいたします。
 御指摘のポイントにつきましては様々な仕組みのものが存在しておりまして、その課税環境を一概に申し上げることは困難であるというふうに考えております。
 例えば、特定の店舗において顧客が商品を購入した際にポイントが付与されまして、その後、その顧客が同じ店舗で商品を購入する際、金銭を支払う代わりに当該ポイントを使用するような場合、ポイントは特定の顧客に対して将来の商品購入時における値引きを約束するものと評価し得る一方で、ポイント付与時の購入商品の価額との関係で、その値引きが課税の対象となるような経済的利益に当たるかどうかは必ずしも明確ではないということでございますので、このため、ポイントの付与、使用を直ちに経済的利益として課税関係を生じさせるものとすることは困難であることなどを御理解いただければというふうに思います。
#173
○古賀之士君 ポイントは適合しないということで伺いました。
 それでは、時間もなくなってまいりましたので、ほかの委員や理事の方も御質問されましたが、税務職員に関する質問を少し深掘りさせてください。
 まず、国税庁、国税局職員の平均残業時間というのはどれぐらいなんでしょうか。
#174
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 平成二十九年一月から同年十二月までの間の一人当たり、一月当たりの平均残業時間は、国税庁職員については平均約三十五時間、国税局職員については平均約二十一時間の水準となっております。
#175
○古賀之士君 さらに、女性の税務職員に占める割合、それから女性管理職の割合、それぞれどうなっているでしょうか。
#176
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 国税庁全体におけます平成三十年七月一日現在の女性職員の在職割合につきましては二一・六%となっております。また、国税庁本庁課長補佐相当職以上の者を管理職職員として申し上げますと、その女性職員の在職割合については一三・五%となっております。
#177
○古賀之士君 さらに、障害者雇用の水増しについてもお尋ねします。これについての原因を改めてお伺いします。
#178
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 昨年、国税庁において、障害者雇用率の制度の対象となる障害者の計上が不適切であったということが判明し、法定雇用率を達成していないことが明らかになったことは、民間に率先して障害者雇用に取り組むべき立場としてあってはならないことであると深く反省しているところでありまして、心からおわび申し上げます。
 この不適切計上は、身体障害者手帳等を確認することなく、前年までに障害者として報告していた者と同程度の障害を有する者を報告対象の障害者として計上すると、そういう実務慣行を歴代の担当者が安易な前例踏襲により引き継いできたことに起因するものであると考えております。
 国税庁といたしましては、障害者の計上が不適切であったという今般の事態を改めて真摯に受け止めまして、深く反省するとともに、公務部門における障害者雇用に関する基本方針に沿いまして不適切計上の再発防止に取り組むことはもとより、組織全体として障害者雇用を推進するという意識を徹底し、その取組を強化してまいりたいというふうに考えております。
#179
○古賀之士君 この件に関しまして財務大臣にまとめて御所見いただきたいんですが、今伺った残業時間、女性活躍、それから障害者雇用、こういったものも含めて、先ほどもお話がありましたが、定員自体をどのように増やしていくのか、現状の、今後の仕事の増加ぶりも含めて御所見伺えればと思います。
#180
○国務大臣(麻生太郎君) 古賀先生、日頃から税務行政に関しますいわゆる御理解いただいて感謝申し上げますが、今言われておりますように、国際取引というか、いわゆる経済取引がえらく国際化する、それからインターネット、ICT等々によっていわゆる調査とか徴収事務というのはえらい複雑化しているんだと思っておりますので、環境は厳しさを増しておるとは思いますが、こういった中で適正な、かつ公平な課税徴収というのを引き続き実現していくというためには、これは業務の効率化を図ると同時に、必要な定員というのはこれは絶対確保せないかぬところなんだと思っておりますので、税務執行の動作を図ってまいりたいと思っておりますが、他の職員を徴税にぽいと回すって、そんなこと簡単な話ではありませんので、この話は。
 そういった意味では、経験も要りますので、私どもとしては、この働き方改革の中でも、いわゆる経験者というものの需要って非常に大事なものですから、そういったものも考えないかぬ。また、女性職員の活躍と今御指摘のありましたように、こういった部分、また、ワーク・ライフ・バランスというようなものとか、今言われております障害者というのの雇用等々、いろんな、他部門に積極的に今取り組んでいるところなんですけれども、いずれにしても、職場環境の改善というのを含めて対応していかないかぬところがいっぱいあろうかと思いますので、私どもとしては、この部門につきまして引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#181
○古賀之士君 終わります。ありがとうございました。
#182
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会・希望の党を代表して質問をさせていただきたいと思います。
 今回も、暗号資産の税制、そして外貨預金の税制についてお聞きしたいと思うんですが、現在、暗号資産は雑所得ですね。雑所得というのは、他の九分類と違いまして、他の九種類の所得区分にいずれにも該当しない所得と規定されているわけです。ですから、暗号資産を雑所得として国税当局が主張している限り、譲渡所得であるとか一時所得であるということを否定するのは私ではなくて、私がそれを立証する必要はなくて、国税当局が、譲渡所得ではないよ、一時所得ではないよ、だから、それに当てはまらないから雑所得だよというロジックをおっしゃらなくてはいけないはずだと思います。
 そこで、前回の質疑を振り返ってみると、結局、私が暗号資産の譲渡益というのは譲渡所得ではないかというふうに申し上げたときに、国税当局の方は、暗号資産は改正資金決済法上もそれから消費税上も支払手段であるから、だから譲渡所得という資産ではないよと、こういうロジックだったと思うんですよね。
 ちょっと確認をしたいんですけれども、要は、暗号資産というのは支払手段であり、資産ではない、だから譲渡所得ではないよと、こういう主張かと思いますが、いかがでしょうか。
#183
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 前回の繰り返しになる部分もございますが、所得税法上、譲渡所得は資産の譲渡による所得と定義されておりまして、当該所得に対する課税は、資産の値上がりによりその資産の所有者に帰属する増加益を所得として、その資産が所有者の支配を離れて他に移転するのを機会にこれを清算して課税する趣旨と解されております。
 この点、ビットコインなどのいわゆる暗号資産は、資金決済法上、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されており、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられていることから、暗号資産の譲渡益は資産の値上がりによる増加益とは性質を異にするものと考えられるところでございます。
 このため、国税当局としては、暗号資産は、資産ではあるものの、譲渡所得の起因となる資産には該当せず、その譲渡所得による所得は一般的に譲渡所得には該当しないものとして取り扱っているところでございます。
#184
○藤巻健史君 ちょっと議論の論点が明確になりました。要するに、暗号資産というのは、資産としては認められるけれども、譲渡資産に起因する資産ではないという説明でよろしいんでしょうか。
#185
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 今答弁したとおりでございまして、そのとおりでございます。
#186
○藤巻健史君 じゃ、ちょっとその後、これは後でまた申し上げますけれども、暗号資産というのは支払手段でもあるというふうにおっしゃっていましたけれども、支払手段というのはキャピタルゲイン、値上がり益とか値下がり損というのは生じるんでしょうか。
#187
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 ただいま国税庁からお答えしたとおり、暗号資産は資金決済法上、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値と規定されております。消費税法上も、支払手段に類するものとされているところでございます。
 こうした現行法令を踏まえれば、暗号資産につきましては、外国通貨と同様に本邦通貨との相対的な関係の中で換算上のレートが変動することはあっても、それ自体が価値の尺度とされており、資産の価値の増加益を観念することは困難と考えております。このため、国税当局においては、暗号資産の譲渡による所得は一般的に譲渡所得には該当せず、雑所得に該当するものとして取り扱っているというふうに承知をしております。
#188
○藤巻健史君 アメリカでは、暗号資産を支払手段と定義して、かつ、それでいながらキャピタルゲインを認めているわけですけれども、日本とはどうしてそれが違うんでしょうか。
#189
○政府参考人(星野次彦君) アメリカの税法上の扱い、日本とはかなり立て付けが違っております。税法上、所得区分がそもそもなくて、原則総合課税になっているわけですけれども、総所得に含まれる所得を列挙しています。この中には給与とか資産の譲渡益とかいろんなものが列挙されていて、この資産の譲渡益から資本資産に当たるもの、それは除いて、それ以外の通常所得というものに対して総合課税をするというようなことになっています。
 ちなみに、為替差益は原則通常所得の中に含まれているわけですけれども、資本資産の中にまさにこの暗号資産が含まれているというようなことでございます。具体的にはアメリカの内国歳入庁の指針で規定されておりまして、連邦政府における暗号資産の課税上の取扱いは資産、プロパティーとされております。為替差益を生じさせる通貨としては取り扱われないというふうに規定をされているところでございます。
 それから、暗号資産の売買又は譲渡によって生じた所得の性格は、当該資産が納税者にとって資本資産か否かによって決定されるというふうに規定されておりまして、例えば納税者が株式、債券、その他投資資産のように投資目的で所有しているのであれば、納税者にはキャピタルゲインが発生するという、そういう立て付けになっているということでございます。
#190
○藤巻健史君 アメリカの税制は分かりましたけれども、ちょっと議論を脇道に一回それますけれども。
 前回、暗号資産の譲渡益とかそれから外貨資産の為替益というのは、損益通算とかそれから翌年への損失のキャリーオーバーができない。その理由として、これらは、為替とかそれから暗号資産というのは、時期を選んで実現損ができる、実現益が出る、出られると、恣意的に時期が決定できる、だから、譲渡、暗号資産とか為替、外貨預金というのは雑所得、キャリーオーバー、損のキャリーオーバーとか損益通算ができないよという御回答があったと思うんですけれども、これやっぱり違うと思うんですよね。
 今おっしゃったように、暗号資産の譲渡益とか外貨預金の為替益というのは雑所得である、雑所得だからキャリーオーバー、損のキャリーオーバーはできないし、損益通算はできない、これがロジックだと思うんですが、いかがでしょうか。
#191
○政府参考人(星野次彦君) 先生おっしゃっているとおりだと思いますけれども、これまでこの話については当委員会でも何度か議論になっておりまして、それで、先生からその他の所得との損益通算や損失の繰越しを可能とすべきではないかといったような御趣旨の質問もこれまであったものですから、それで先ほど申し上げたような一定程度取引のタイミングを調整して損益の発生時期を選ぶことが可能であるので、その損益通算を認めない方が適当なんだといったような御答弁もしたわけでございますけれども、この前の委員会で先生がおっしゃっている、まさにその所得区分がどうだという、そこのその定義をめぐっての話につきましては、これは、これが雑所得に入るかどうか、雑所得についてなぜ損益通算が認められないのかということで整理をするのが正しいと思っております。
 その上で申し上げますと、その雑所得の中には様々な態様のものがその所得区分の性質上含まれておりますので、その損失についても様々な経費によるものがあると考えております。
 したがいまして、総合所得の課税ベースの計算に当たってこうした様々な経費を広く勘案することは税負担の公平性等の観点から慎重な対応が必要であるということから、雑所得の損失の金額を他の各種所得の金額から控除することや、雑所得の損失を繰越控除とすることは認めていないということでございます。その上で、これまでの議論どおり、雑所得に所得分類として入るということを申し上げているわけでございます。
#192
○藤巻健史君 今の議論に関しては、これも前回申し上げたと思うんですけれども、税区分を考えるときに、そういうように毎年大きいボラティリティー、損をしたり得をしたりするボラティリティーあるものが雑所得に入るなんて思ってもいなかったからそういう区分になっているんじゃないかなと、私は逆にそう思っています。
 今、もう一つそれに関して申し上げちゃうと、昨日、風間議員の株式の質問に対して星野局長は、株式売却などその時期を今おっしゃったように選べる、だからこそ分離課税の二〇%にしたとおっしゃったと思うんですけれども、だったらば、暗号資産の譲渡益もそれから外貨預金もまさに時期を選べるんだから、分離課税二〇%にしてしまえばそういう恣意的な操作ができなくなる、だから二〇%にしろという議論もできるんじゃないかと思うんですが、いかがですかね。
#193
○政府参考人(星野次彦君) 上場株式の税制をめぐりましては、昨日の質疑でも申し上げましたけれども、個人の資産を貯蓄から投資に向かわせるという、そういう政策判断の下に個人のリスクをなるべく低減させ、またその金融市場に対するゆがみをなるべく少なくするという、そういう観点から一律の課税にしております。
 これによって、いつ売っても買っても、どういう金融商品であってもある意味中立性が補完されるような制度になっていると、そういう趣旨で申し上げたわけでございまして、今般のこういった暗号資産についての損の取扱いについてどうするかというのは、これは雑所得に分類されるというふうに整理をしておりまして、雑所得について損が、繰越しなり損益通算が認められないというのは、先ほど申し上げたような雑所得の性質からきているというふうに考えているところでございます。
#194
○藤巻健史君 最初の質問に対するお答えで、暗号資産というのは、資産ではあるけれども譲渡所得に該当する資産ではないというお答えだったと思うんですが、それは一応、コンファーム的なことなんですけれどもね。
   〔委員長退席、理事三木亨君着席〕
 今、改正案、所得税法第二条第一項十六号の改正案ではこう述べているわけです。卸売資産のところで、事業所得を生ずべき事業に係る商品、製品、半製品、仕掛品、原材料その他の資産(有価証券、第四十八条の第二第一項(仮想通貨の譲渡原価等の計算及びその評価の方法)に規定する仮想通貨及び山林は除く。)で棚卸しをすべきものとしては政令で定めるものをいう、こう書いてありますから、これはもう確実に国税当局が、資産であると、後で譲渡所得の起因する資産かどうかは別として、資産であるということは確実にここで認められたわけですよね。
 なぜかというと、ここで卸売資産ではないというふうに明言しているということは、資産であることを認めている証左だと思うんですけれども、一応そういうことで、そういう理解でよろしいですね、資産で。
#195
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今回、所得税法の改正案におきまして、棚卸資産の範囲から仮想通貨、すなわち暗号資産を除くこととしておりますけれども、これは所得税法の改正案におきまして、暗号資産の必要経費に算入する金額の計算方法、これを法令上明確化するに当たりまして、所得税法、現行の所得税法において既に規定されている棚卸資産の原価等の計算方法に関する規定が重複して適用されないことを明らかにするために行う改正でございます。
 お尋ねになられましたように、暗号資産の売却益等が資産の譲渡による所得として定義される譲渡所得に該当しないとされていることに関しまして、財務省、国税庁は暗号資産が税法上の資産になること自体を否定しているのか、資産として認めているのかという御趣旨であると受け止めましたけれども、この点については暗号資産は資産ではあるということでございまして、これは今回の改正でも明確でございます。
 繰り返しになりますけれども、譲渡所得の起因となる資産には該当せず、その譲渡による所得は一般的には譲渡所得に該当しないということを説明させていただいております。
#196
○藤巻健史君 そうしますと、前回も申し上げましたけど、租税法の大家である金子先生ですね、金子宏先生。この先生が書いていらっしゃる代表的教科書に、これ一か月ぐらい前に第二十三版というのが出て新しい書きぶりに変わったわけですけれども、「租税法」二十三版、二十三版の第二百六十一ページですけれども、譲渡所得における資産とは、譲渡性のある財産権を全て含む概念で、ビットコイン等の仮想通貨などがそれに含まれると書いていらっしゃるわけですよね。確かに仮想通貨と書いて、ビットコインというふうには書いてはありますけれども、その大家の先生が、資産であり、かつ国税当局が否定している譲渡所得になり得る資産であるということを明言されているわけです。学説でそうあるわけですよね。
   〔理事三木亨君退席、委員長着席〕
 先ほども申しましたように、雑所得であるというふうに国税当局が主張するためには、こういう先生のことを明確に否定しない限り駄目なわけですよ。だって、雑所得というのはそういう譲渡所得とかいうものに含まれていないものであるというふうに規定されているわけですから。明らかに学説の、その租税法の大家の先生が言おうと何だろうと、これは違うんだ、だから雑所得だというふうな論法をしていただかないと、これは納得できないですね、やっぱり法律上ね。いかがですか。
#197
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 いわゆる租税法に関しましては大学教授など多くの有識者の方による研究が行われておりまして、委員御指摘の金子先生の「租税法」のほかにも様々な御意見があることも承知しておりますが、国税当局として租税に関する個々の学説についての見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、いわゆる暗号資産の譲渡益に係る所得区分について国税当局としての見解を申し上げるとすれば、先ほど来御答弁申し上げている内容となるところでございます。
#198
○藤巻健史君 ちょっと時間がなくなってきたのでちょっとはしょりますけれども、最初にちょっとお聞きしたんですけど、最終的な結論は、今おっしゃったように、学者の先生が譲渡所得の可能性もあるというふうにおっしゃっている、あと私は一時所得の可能性もあるかなと思っているんですけれども、もしこの暗号資産の譲渡益が雑所得の可能性もある、一時所得の可能性もある、そして、まあ雑所得の可能性もあると、こういう可能性があるんであるならば、これはやっぱりあとは政治判断でいいと思うんですよね。これは確かに、暗号資産の所得がこれが例えば利子所得であるなんといったら、これは絶対否定されるんですけれども、大家の先生までも言っている学説の一つであるならば、それはあとは国税当局が主張するんじゃなくて、政治的にもこういうものだというふうに言っていいんじゃないかと思うんですよ。
 特にまた、これは暗号資産の話もそうなんですけれども、時間がないのでちょっと外貨預金の方の話もしますけれども、外貨預金って、この前もちょっと申し上げましたけど、雑所得ですけれども、雑所得である限り最高税率五五%で、損失はキャリーできないし、それから損益通算もできない。そんな税制だったらば、誰も外貨預金なんかしないですよ。私だって絶対嫌だもんね。ドルのMMFとか、そういう方はまだ源泉分離二〇%ありますけれども、そんな税制であるならドル預金しないですよ。
 もしドル預金をするようになれば、やっぱりドル高円安になりますよね。これ、この前も申し上げた繰り返しになりますけれども、そうであるならば、わざわざ出口のないと言われている異次元緩和なんかはしなくてもいいわけですよ、こんな副作用のどでかいね、やらなくても、ドル預金の税制を変えるだけでもうドル高は進行して、デフレ脱却できちゃうんですから。
 そういうことを考えてやっぱり税制というのは考える。それはもう国税当局がそれを判断できることじゃないということは十分分かっています。国税当局としては、分かっていますけれども、それはやっぱり麻生大臣なりそれから総理が主導して、そういう範疇にあるのならばこれでいこうという政治判断できておかしくないと思うんですが、それについて、麻生大臣、ちょっとお聞かせ願えますでしょうか。
#199
○政府参考人(星野次彦君) 外国為替の話が出ましたので、これが雑所得に入っている理由でございます。
 これは、暗号資産についてもるる述べましたのと同様でございますけれども、外国通貨については、通貨という位置付けのほかに物という性格があるのではないかという、そういう御意見もあります。物としての価値の変化を捉まえて譲渡所得課税すべきという議論もございますけれども、やはり譲渡所得という所得区分は、資産が一定期間保有されて、その間に経済的価値が累積していった場合に、それをまさに手放す際にまとめて生ずる税負担を二分の一課税や五十万円の特別控除を通じて緩和をするといったような趣旨で区分が設けられているという、こういった制度趣旨に鑑みましても、外為法上の対外支払手段として随時様々な資産の対価の弁済に用いることができる、こうした外国通貨について一般的な資産と異なる課税方式としていることは、それは税負担の求め方としては合理性はあるのではないかというふうに考えているところでございます。
#200
○藤巻健史君 今の話も、円という通貨であるならば何となく分かるんですけれども、外貨の場合には、特に外貨の場合には、円との関係においてやっぱり値上がり益、値下がり損というのがあると思うんですよね。だから、やっぱり値上がり益、値下がり損のある資産として考えてもおかしくないんじゃないかと私は思うんですが。
 そう思っているのは私だけじゃなくて、先ほど申し上げました租税法の権威である金子先生が、やっぱりこの「租税法」第二十三版の二百六十二ページに、外貨も資産の一種であり、外貨と円貨との交換からは資産の譲渡損益として為替差損益が生じると記載してあるわけですよ。やっぱり大家の先生が、為替の譲渡益というのは、譲渡益、譲渡損というのは、別に雑所得でなくていいという、じゃないという感じですかね、譲渡益だというふうにおっしゃっているわけですから、それを完璧に否定するというのはどうかなと思うんですよね。
 先ほど申しましたように、雑所得というのはそういう範疇に、要するに譲渡所得とか一時所得に入っていないということを説明責任があるのは国税当局なんですからねと私は思うんですけど、いかがですか。
#201
○政府参考人(並木稔君) 繰り返しになりますけれども、いわゆる租税法に関しては多くの有識者の方による研究がございまして、委員御指摘のものも含めて様々な意見があることは承知しておりますけれども、当局として個々の学説について見解を述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 その上で、外国通貨と邦貨との交換による、生じる為替差損益に係る所得区分について、国税当局としての見解を申し上げれば、為替差損益は外国通貨を邦貨などの他の通貨と交換する際の交換レートの変動により生ずるものでありまして、外国通貨自体の価値が変動したものとは考えられず、資産の値上がりによる増加益とは性質を異にするものと考えられるところであります。
 このため、国税当局といたしましては、外国通貨は資産ではあるものの、譲渡所得の起因となる資産には該当せず、外国通貨と邦貨との交換により生ずる為替差損益、つまり外国通貨の譲渡による所得でございますけれども、これは一次的に譲渡所得には該当しないものとして取り扱っているところでございます。
#202
○藤巻健史君 もう時間がないので国税当局との話はここで終わりにしたいかと思うんですけれども、国税当局のロジックというのは十分分かります。国税当局というのは、別に政治判断をするべきところではなくて、やはり税の論理で物事を進めるというのが皆さんの役目ですから、これ以上、だからどうだと責める気はないんですけれども。
 ここで一つ、財務大臣にお聞きしたいんですが、政府が十五日に閣議決定した改正案では、暗号資産は新たに金融取引上の規制対象になると聞いております。金商法の網が掛かるということだと思うんですけれども、これで金融商品として位置付けられるならば、仮想通貨を他の金融所得同様に二〇%の源泉分離で考えてもよろしいんじゃないかと、それこそ投資の中立性ということを考えますと、まさに租税法で分離課税二〇%ということを導入してもいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(麻生太郎君) 委員御指摘がありましたように、これは資金決済法の一部改正法というんですけれども、これは暗号資産の交換という業務につきましては引き続き資金決済法の対象ということにしておりまして、法令上の呼称は確かに仮想通貨から暗号資産に変更することとしておりますけれども、その定義を変更するということではありません。
 すなわち、いわゆる暗号資産というものが、いわゆる資金決済法上、引き続きこれまでの仮想通貨と同様に、代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができる財産的価値として規定されることになります。したがって、消費税法上も支払手段に類するものとして位置付けられているということから、外国通貨と同様に、その売却益等は資産の値上がりによる譲渡所得とは性質を異にするものと考えておりまして、一般的に雑所得に該当するという現行の取扱いを変更する必要はないと考えております。
#204
○藤巻健史君 余りちょっと納得できないんですけど、支払手段だけじゃないというから金商法で縛りを掛けるんだと私は理解するんですけれども、支払手段のままであれば金商法なんか関係ないですよね。いかがですか。
#205
○国務大臣(麻生太郎君) そういう御見解もあろうかと思いますが、私どもの答弁は先ほど申し上げたとおりです。いろいろ御見解はありますから。
#206
○藤巻健史君 あと二分ほど時間があるので、ちょっとまた戻させていただきますけれども、カジノの所得ですが、これは何所得になりそうなんですか。
#207
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 御質問のカジノ収入による所得につきましては、いわゆるIRにおけるカジノに関して現時点で制度設計の詳細が明らかでないため、その課税関係についての確たることは申し上げられませんが、そういう意味で、一般論で申し上げますと、日本国内に住んでいる居住者がいわゆるカジノにより得た所得については一時所得に区分されるものと考えておるところでございます。
#208
○藤巻健史君 以前、麻生大臣が私の質問に対して、給与所得と暗号資産での利益とで不平等じゃないかというお話をしたんですけれども、カジノでもうけたものが一時所得、一時所得というのは五十万を引いた後、それを半額にして税率を掛けるわけですから、支払う税金というのは半分になるわけですよ。一方、暗号資産でもうかった利益は最高五五%まで行くと。これ、それこそ不平等感ないですか。カジノでもうけたら税金半分、暗号資産でもうけたのはそのままというのは非常に不公平じゃないかという気がするんですけど。
#209
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘は、多分雑所得とされている為替取引とかいわゆる暗号資産取引というのとは異なって、一時所得とされている、いわゆるカジノですかね、そういったものの利益というのは、所得金額の五〇ですから、二分の一だけに課税されることは不公平だという話をされておられるんですか、そういう御意見のように見えました、聞こえましたけれども。
 その点につきましては、先ほど国税庁の方から説明があっておりましたけれども、一時所得につきましては所得金額の二分の一として課税する仕組みとなっているんです、というのは御存じのとおりですが、これは一時所得が一時的とか偶発的とかそういった所得なんで、一度にまとめていわゆる生じる税負担への配慮というのが必要になるために設けられている仕組みなんだと思っておりますので、一時所得というと例えば競馬とか競輪とか公営ギャンブルなどもありますけれども、競馬では払戻金の課税については原則として外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できないというのは御存じのとおりだと思いますが、この暗号資産については、為替と同様に、売り越し、買い越し等々を繰り返した場合でも、年間を通じた損益ベースとして課税が行われるという違いが基本的にあるんだと思っております。
 したがいまして、一時所得、雑所得、どちらが得かとかいう話ではなくて、それぞれの所得の性質、性格を踏まえて異なる課税方法が取られているということなんだと理解しておりますが。
#210
○藤巻健史君 競馬とかそっちの方は分かるんですけど、カジノとの不平等感がないような税制を考えていただければと思います。
 終わります。
#211
○大門実紀史君 大門でございます。
 税法の法案に入る前に一つ、税の申告にも関係いたしますけれど、今現場で切実になっている問題を一つ質問させていただきます。
 お手元に資料をお配りしておりますが、兵庫県議会で全会一致で採択された意見書でございます。加齢性難聴者、つまり高齢に伴う難聴の方が補聴器を購入するときに公的な補助制度をつくってほしいという意見書でございます。
 書いてあることを簡単に御紹介いたしますと、加齢性難聴というのは、コミュニケーションの問題含めて生活の質を落とすということ、あと最近ではうつ病や認知症の原因にも考えられているということ。そして、しかし、日本において補聴器の値段は、片耳当たりですから両耳ですともっとなるわけですが、片耳でも三万―二十万、両耳だと四十万、五十万というふうになるわけですね。これが保険適用ではないために全額自費となっていて、今現在ですけれども、要するに、身体障害者手帳が交付される障害者の方の高度・重度難聴の場合には一割の負担はありますけれど、支給制度はあると。中度以下の場合は医療費控除あるんですけれども、しかも九割はその重度、高度以外の難聴の方が多いんですが自費で購入しているということで、特に低所得の高齢者の方々にとってはこれはもう切実な問題になっているということで。
 更に言えば、欧米ではいろんな公的補助制度があるんですけれども、日本でも一部の自治体で、都市部では少し広がってきておりますけれども、高齢者の補聴器購入に対する補助を行っているということも踏まえて、国においてこういう加齢性難聴者の補聴器購入に対する公的補助制度を創設してほしいと、強く求めるというような意見書が兵庫県議会で全会一致で採択されてきたわけであります。
 これは古いようで新しい問題でございまして、高齢に伴う難聴というのは前からあるわけでございますが、今は時代の要請との関係で特に大変切実になってきているわけであります。つまり、耳が聞こえにくいと社会生活あるいは仕事に困るということなんですが、これから政府の方向も、方針もそうですけど、高齢化が更に進んで、同時に高齢者の社会参加、また定年延長や再雇用ということで働いていってもらいたいといいますか、働けといいますか、そういう流れになっている中で、耳が聞こえにくい、聞こえないということは、何といいますか、もう大きな、社会参加、働く上で大きな障害になってくるわけでございまして、高齢者にとっては補聴器というのは社会参加のもう必需品というふうになってくるわけでございます。
 そういう点では、県レベルで意見書が上がってきたのは初めてだと思いますが、市町村ではほかにも上がっております。意見書という形だけではなくていろんな要望が上がっておりまして、東京二十三区でも既に五つの区で独自の補助制度をスタートさせております。これから広い要求として、大きな要求として上がってくるのではないかというふうな新しい問題でもあるわけでございます。
 少し現状がどうなのかということで資料を作って配付してございますけれども、まず二枚目でグラフ一と書いてございますけれども、これは欧米諸国と日本の補聴器の所有率でございます。どれぐらいの比率で補聴器を付けておられるかということで、難聴者のうちですね、日本の難聴者は、推計ではありますけれど、これは補聴器工業会調べですが、一千四百三十万人と。その中で、補聴器を付けておられる方は一四・四%の二百十万人にすぎないということでございます。グラフにあるとおり、欧米に比べて極端に低いわけですけれども、これは日本人だけ耳がいいわけではありません。難聴率は欧米と同じレベルですが、補聴器を実際に付けている方はこんなに少ない、欧米の半分以下だということですね。
 少ない理由の第一は、先ほど申し上げましたとおり、価格が高い、補聴器が高過ぎるということでありまして、一台二十万、三十万、五十万とするということでございます。それが次のページのグラフですね。補聴器一台幾らか。平均は十五万円ということになっていますけれども、専門家に聞いてみますと、補聴器というのは、もちろん安いのからあるんですが、大変な精密機器でございまして、人それぞれの聞こえに合わせるにはやっぱり金額的にいいますと三十万円以上のものでないと人に合わせた微調整ができないというふうに聞いております。
 したがって、収入が少なくなっていく高齢者あるいは年金生活の方々にとっては、三十万円以上となりますとかなり負担が大きいと。低所得の方々、生活保護を受けている方々などはもう諦めてしまうということがありまして、全く耳が聞こえない、ほとんど聞こえないまま毎日を過ごされているというようなことが今実際にあるわけで、大変深刻な問題になっているというふうに思います。
 日本の現状をちょっと確認しておきたいんですけれども、厚労省に来ていただきましたが、まず厚労省に伺いますけれど、現行の補聴器購入に対する公的助成制度、一体どうなっているか、ちょっと説明をお願いしたいと思います。
#212
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 障害者総合支援法に定めます補装具費支給制度におきましては、障害者等の身体機能を補完、代替する用具といたしまして、補聴器を始めとする補装具の購入等に要する費用の一部を支給いたしております。
 補聴器への助成制度の対象者は、聴覚障害六級以上として身体障害者手帳が交付された方でございまして、両耳の聴力レベルが七十デシベル以上の方、若しくは、片側の耳の聴力レベルが九十デシベル以上であって、もう一方の耳の聴力レベルが五十デシベル以上の方となってございます。
#213
○大門実紀史君 つまり、高度、重度、七十デシベル以上で障害者手帳が交付される方のみ補助制度があるということですが、この七十デシベル以上、七十デシベルというのはどういうことか、皆さんに分かるように説明してくれますか、どういうレベルなのかですね。
#214
○政府参考人(諏訪園健司君) 失礼いたしました。
 七十デシベル以上というのは、一般的には高度難聴と言われている方でございます。大きな声の会話、耳元で大きな声で話すと聞き取れるという方が、分かりやすく言った場合の例でございます。
#215
○大門実紀史君 あなたは、あれですか、担当の審議官なんですか。そんなこともぱっと分からないんですか。
 両耳でいいますと、四十センチ以上離れられると、四十センチ以上離れられるとその会話が理解し得ないと、本当この四十センチの範囲でしか会話が理解できないというのが七十デシベルですよね。ですから、相当の重度、高度の難聴ということでありまして、そういう方だけに限定して今支給制度があるということでございます。
 厚労省に聞きますが、審議官なら当然御存じだと思いますけれども、WHO、世界保健機関では何デシベル以上に補聴器を付けるということが奨励されておりますか。
#216
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 五十六デシベルからというので、準重度という方たちからというふうに承知しております。
#217
○大門実紀史君 四十一デシベル以上ではないですか。
#218
○政府参考人(諏訪園健司君) 申し訳ございません。四十一からの中等度の方からでございました。失礼いたしました。
#219
○大門実紀史君 しっかりしてくださいね。
 つまり、四十一デシベルというとどういうレベルかといいますと、時々人の言うことがちょっと聞き取れない、人の声によっては、音域がありますから、聞き取れないというようなレベルでありまして、基本的には聞こえる、だけれどもかなり聞き取りづらくなってきているのが四十一デシベルですね。
 もうそのレベルでWHO、世界保健機関は補聴器を付けた方がいいと。これは、なぜそういうふうにWHOが言っているかは御存じですか。
#220
○政府参考人(諏訪園健司君) 済みません、急な御質問で、承知してございません。急な御質問で、承知していないことを申し上げます。
#221
○大門実紀史君 知らないんですか。じゃ、教えてあげますけど、要するに、そのレベルでも早く付けた方がいいというのは、そのレベルをほっておきますと更にひどくなるということと、そのまま行きますともう認識できない音が増えていくんですね、増えていくんです。ですから、もうその段階で補聴器を付けた方が音の認識が保てるというようなことがありまして、決して軽いうちから付けた方がいいよというようなことじゃなくて、非常に意味があるんですね、意味があるんです。四十一デシベル以上から付けるべきだとWHOが言っているのはそういう意味があるということでございますので、よく勉強してほしいなと思いますが。
 更に聞きますけれども、そうしますと、逆に言うと、日本には障害者手帳交付される人以外は何の公的助成もないと、今の段階ではないということでございますか。中軽度の方にはないということなんでしょうか。
#222
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げました支援法に定める補装具支給制度において、先ほど申し上げたような聴力レベルを基に認定基準を設定して、障害者手帳を交付し、その方たちを対象とする、そうでない方に対しては対象としないということでございます。
#223
○大門実紀史君 ないということですね。なぜないんですか。
#224
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 身体障害者手帳は、身体に一定以上の障害が永続する方に交付されるものでございます。身体障害者手帳の認定基準につきましては、様々な障害種別間のバランスを考慮しながら、医学的な観点からの身体機能の状態を基本としつつ、日常生活の制限の程度によって定められているものでございます。
#225
○大門実紀史君 そんなこと聞いていないんですけどね。要するに、中軽度の方々が放置されていると、それに対してどう考えているのかという意味で聞いているわけですけど、まあ後でまとめて聞きますけれども。
 国税庁に聞きますが、じゃ、先ほどちょっとありました医療費控除ですね、今どういう基準で、補聴器を購入した場合、医療費控除、税制上の措置があるか、これ簡潔に説明してくれますか。
#226
○政府参考人(並木稔君) お答え申し上げます。
 医療費控除の対象となる医療費は、基本的に医師等による診療又は治療などの対価とされております。御質問の補聴器の購入費用につきましては、医師等による診療や治療を受けるために直接必要なもの、例えば医師等による治療の一環として補聴器の購入を求められた場合などであれば医療費控除の対象となるとの取扱いとなっているところでございます。
#227
○大門実紀史君 それで、今の医療費控除の仕組みからいきますと、ちょっと計算してみたんですけれど、どれくらいの負担減に、負担が減るのかということなんですが、六十歳くらいの人として、所得で二、三百万、税率適用は一〇%と仮にそういう人という方で想定しますと、例えば三十万円の補聴器を購入いたしますと、もちろんちょっと手続が要るんですよね、医療の情報提供書とかですね、それと領収書を付けて医療費控除を申請すると、三十万円の補聴器の場合は、十万円を引いて残りの二十万円、これに税率の一〇%を掛けて、控除額は二十万円掛ける一〇パーで二万円ということになるわけですね。つまり、六十歳ぐらいで所得が二、三百万、まだ働いておられるという方で三十万円無理して買っても、医療費控除をしてもらえるといっても二万円の負担減しかならないというふうな非常に貧しい制度になっているわけですね。
 次の資料を御覧いただきまして、グラフなんですけれども、補聴器をもっと早く使用すべきだったと思いますかということでお聞きすると、今の段階では、はいという方が五四%、いいえという方は四六%いらっしゃいますが、まあ諦めているということも多いかと思います。これがやっぱりこれから高齢者の社会参加ということになりますと、早く付けた方がいいというのが当然広がってくるというふうに思います。
 右側に、はいと答えた人への質問ですが、もっと早く補聴器を付けていたら何が得られたかと思うかという質問ですけれど、一番はより快適な社会生活と。いろんな場面に出ていった場合でも、聞こえる、聞こえないというのは大きいわけですね。二つ目にはより安定した精神状態とあります。これがやっぱり重要でございまして、先ほどありましたうつとか認知症にも関わってくるわけですね。で、より良い仕事に就けたんではないかと。実は、これがこれから政府の方針としても大きくなっていくんじゃないかというふうに思われます。
 ですから、何といいますかね、まさにこれからは高齢者が働きに出ていく、出ていかざるを得ないというのは問題なんですけれども、そういう社会になっていく中で、補聴器は高齢者にとって、まあ働かなくても、社会参加という点でいっても本当に必需品になっているというふうに思います。
 厚労省に改めてお聞きしますけど、審議官は障害者の担当、障害者対策の担当かと思いますけれど、もっと広い、大きく見て、障害者の障害者手帳を交付されない方でも、さっき言ったように、強いニーズが出てくると思うんですね。やっぱり厚労省全体として、この中軽度の加齢性の難聴者の方々に対してどういう対応が可能なのか。やっぱり諸外国の例も参考にしながら、諸外国は障害のカテゴリーじゃないんですよね、医療のカテゴリーで補助制度があるわけですね。そういう点では厚労省全体でお考えいただく必要があると思いますが、いずれにせよ、これだけの要望が出てきて、更に急速にこの要望は高まっていくと思うんですね。厚労省として何ができるのか、どうしていくべきなのか、研究含めて検討を進めてほしいと思いますが、いかがでしょうか。
#228
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたが、現行制度では、年齢にかかわらず、一定の聴力レベルを認定基準として身体障害者手帳を交付いたし、その下で支給制度の対象になるという扱いであるということはお答え申し上げたところでございます。
 今、研究についてお話ございました。難聴が、先生も御指摘のとおり、認知症の危険因子である可能性が指摘されておりますことから、補聴器を用いた聴覚障害の補正による認知機能低下予防の効果を検証するための研究を日本医療研究開発機構におきまして平成三十年度から開始したところでございます。まず、このような研究について引き続き推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#229
○大門実紀史君 やっぱり厚労大臣ときちんと議論すべきちょっと大きな政治的なテーマかというふうには思います。審議官一人で制度を考えますという答弁、今日ここではできないのかも分かりませんが、ただ、大きく考えていただいて、その認知症とかうつ病とか、これ病気にも波及していく問題ですよね。これをきちんと早く対応することによってそういう病気に進行することも防ぐという意味では、これに対して補助をしていくということがかえって医療費を抑える、厚労省は抑制したいわけだから、抑制にもつながるというふうになって、決してただ支出が増えるだけとは限らないといいますかね、むしろ早く対応した方がいろんな病気に発展するのを防げるということもありますので、全体としてどういうことが可能なのか、今の研究も含めて更に進めていってほしいと思います。
 今日は麻生大臣には、まだそういう段階でございますので、厚労省から何か要求が出てきている段階ではありませんけれども、現場ではいろんな要求が出ていますから、厚労省からそういう提案なり出てきたら財務省としても真摯に検討していただきたいと思いますが、麻生大臣、いかがでしょうか。
#230
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありましたように、今のところ、厚労省からいわゆる加齢性の難聴ということについて、いわゆる一律に対象とした補聴器の購入に助成を行うための予算というような要求をされてはおりませんので、おられてもいないのに、どうですかなんというような立場にありませんので、私の方は。そういった意味では、仕組みを創設するための要求というのがあった段階で、私どもとしては、いわゆる、何というんですかね、持続可能性のあります社会保障制度というのの構築とかいろんなことを考えて、受益と負担とかいろいろな観点をせないかぬものだと思いますけれども、やらないかぬものだと思っておりますし、加齢性に限らず、私のように鉄砲なんか撃っていたやつはほとんど左の耳は全く聞こえませんから。障害者手帳もらえるぐらい聞こえませんよ、私でも。付けているかって、補聴器は付けていますから、気が付かないだけで。結構高いものだというのは、私が払ったんじゃないので、ちょっとかみさんが払ったので、えらい高いものだったわねとか言われたのだけは記憶がありますけど、高いものだとは思っておりますので、こういったものが必要だというのはよく分かっております。
#231
○大門実紀史君 そして、是非厚労省にもっとしっかりしてほしいんですよね。本当に検討して、どうするのか。このさっきのグラフじゃないけど、恥ずかしいですよね、欧米諸国に比べてやっぱり遅れているということと、高齢化が進んでいるわけですから。
 もう一つ、これは財務大臣といいますか副総理としてお考えをお聞きしたいというか、ちょっと大きな話ですけどね。
 先日、研究開発減税について質問させていただいて、トヨタとかああいうところにちょっと固まっていますよという問題提起をさせてもらったんですけど、この補聴器はなぜこんなに高いのかというのはやっぱり疑問があるわけですね。所有率、補聴器を付ける人が増えれば、また市場価格ですから下がるというのもあると思うんですけれども、やはりもっと製品価格を下げられるんではないかと、いろんな努力でですね。非常に精密機器でありますから、研究も更に進めなきゃいけないというふうに思うんですけれども、こういう社会的有用性のある、まさに社会的有用性のある企業に対しての税制支援とか、研究開発なんかもそうなんですけど、そういうのをやっぱり強めていっていただきたいということが一つと。
 もう一つは、政府が打ち出されているように、これからの高齢化対応の社会ビジョンなんですけど、そういう全体から見ると、全体から見て大変重要な位置付けになるんではないかというふうに思ったりもするわけでありますので、何というんですかね、そういう総合政策、その推進ビジョンといいますかね、高齢化社会に対応する、そういう中にも位置付けていただく、高齢者が頑張って社会参加、あるいは働いてもらうという上で大変重要だというような、そういう大きな位置付けも必要ではないかと。
 そういう中で、例えば自治体で既に一部助成を始めておられるところもありますけれども、そういうところに例えば交付税措置で、頑張っているところには先に応援するとか、いろんなことがとにかく考えられるんではないかと思うんですね。
 そういう点でいえば、副総理といいますか、政府全体として、やっぱりその高齢化対応でこういうことも重要だという点でいろいろ考えていっていただきたいと思いますが、一言、同じかも分かりませんけど、副総理として一言もらえればと思います。
#232
○国務大臣(麻生太郎君) これ、今は補聴器のお話でしたけれども、補聴器に限らず、いわゆる高齢者の方々が増えておられる昨今なので、そういった生活というものが健やかにとか安全にとか安心にとかいろんな表現あるんでしょうが、暮らせるようにしていくという、この社会的な重要性というのは、これはもう大門先生御指摘のとおりなんだと思いますので、今、補聴器の製造等々を行っている企業に対する支援の必要性というものに関しましては、これは、まずは基本的には業界を所管するのは厚労省なんだと思いますので、政策意義などを含めて検討していただく必要があるんだろうとは思いますけれども、その上で、税制面についての支援としてあえて申し上げれば研究開発税制ですかね、そういったようなものにおいて、補聴器に限りませんけれども、物づくりの基礎となるような研究開発というものを支援しているところなので、こうしたところでの税制処置というのは積極的に活用していただいてもよろしいんじゃないかなという感じはします。
 ちょっと、今伺った範囲なので、そんな感じがします。
#233
○大門実紀史君 とにかく、まず厚労省がやっぱりしっかりして、要望を受け止めて、いろんな提案をしていくということが大事でございますので、そのことを重ねて求めて、質問を終わりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#234
○渡辺喜美君 先ほどの続きでありますが、私の地元の那須の御用邸に行きますと、昭和天皇陛下のお人柄がしのばれるような大変しもた屋風のお屋敷になっております。木造建築で、築何十年でしょうかね、もう戦前の建物ですよ。
 日常の生活は内廷費というところから支出をされるわけでありますが、相続税の納税資金として内廷費を充てることは可能ですか。
#235
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。
 内廷費についての御質問について宮内庁に確認をいたしましたので、改めて御説明をさせていただければと思います。
 内廷費は、天皇、内廷にある皇族の日常の費用その他内廷諸費に充てるものであります。皇室経済法第四条第一項の規定により、内廷費として支出されたものは御手元金となるものとされていることから、内廷費として支出されたものを相続税の支払に充てることは可能であるということでございました。
#236
○渡辺喜美君 昨日も申し上げたように、昭和天皇陛下の相続のときには四億円を超える税金をお支払いになっている。内廷費はそんなにありませんね。ですから、これはいろいろな、いざというときの出費のために積まれておかれる、本当につつましい生活をされて節約をされる。でも、その節約をしているとこれは金融資産だといって課税対象になるわけでしょう。違いますか。
#237
○政府参考人(星野次彦君) 御指摘のとおり、課税対象に基本的にはなります。例えば、預貯金から生じた利子などにつきましては一般国民と同様に所得税の課税対象となるわけでございます。相続税の対象にもなるものと考えております。
#238
○渡辺喜美君 大臣、そういうことですよ。自民党の税調会長も小委員長代理もいらっしゃるので申し上げておきますが、つつましい生活をして節約をされて、残った分を相続税で課税するってせこくないですか。いかがですか。
#239
○国務大臣(麻生太郎君) これは昨日も同じような質問をされておられましたので、同じような答えを申し上げるようで恐縮かもしれませんけれども、これは、現行法制自体、すなわち今、憲法とか民法とか、また皇室経済法、いろいろそういった法律全体に関わる話ですから、相続税法といったような中で完結するような問題じゃないんじゃないでしょうかね。
 そういった意味では、現時点で現行法制に基づいて適切に処理されるべきものだと言うしか今の段階ではお答えのしようがないんだと思っております。
#240
○渡辺喜美君 ですから、先ほどから、これは戦後レジームの根幹に関わる話だと申し上げているわけであります。
 時間がありませんので、黒田総裁、お待たせいたしました。
 お手元に配ってございますグラフ、これは高橋洋一教授の作ったものでありますが、これを見ますと、ゼロ金利解除の後、タイムラグを伴って景気の山が来るわけですね。量的緩和解除のときもタイムラグを伴って山が来る。この消費増税が、明らかにこれは山ですね。もう素人判断で、これは山だなと、これ、見た瞬間分かりますよ。結局、谷がどこかは、景気動向指数研究会、吉川教授、吉川座長のところで決めるというので、まだ決まっていない。相変わらず景気拡大は続いているんだと、こういう話でありますが、金融政策というのは、御案内のようにこれはタイムラグを伴って効果が出るわけであって、このグラフを見ると、イールドカーブコントロールの後、どうも山が来ているなと。二〇一七年の十二月辺りに山が来て、今下降局面に入っているというわけですよ。イールドカーブコントロールというのは、とにかくフラット化しちゃったものを立てるというわけですね。だから、マイナス零コンマ%ぐらいだったものをゼロ%にする、これって金融引締めじゃありませんか。露骨に金融引締めの効果がこのグラフに出ていませんか。いかがでしょうか。
#241
○参考人(黒田東彦君) 二〇一六年九月に導入いたしました長短金利操作付き量的・質的金融緩和によって、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、もちろん必要に応じて物価安定の目標の実現のために最も適切なイールドカーブの形成を促しております。
 こうした下で、我が国の長期金利は、実は海外の金利が大きく上昇するような局面でもゼロ%近傍で安定的に推移しておりますし、貸出金利も二〇一六年九月以降一段と低下して、既往最低水準で推移しております。また、大企業、中小企業のいずれから見ましても、金融機関の貸出態度は引き続き積極的であり、貸出残高も増加を続けております。
 こうした点を踏まえますと、日本銀行としては、イールドカーブコントロールの枠組みを通じて極めて緩和的な金融環境をつくり出して、企業や家計の経済活動をしっかりサポートしているのではないかというふうに認識しております。
#242
○渡辺喜美君 公式見解としてはそういうところでも構いませんけれど、ちょっと時間がないので、グラフ、中国関連のグラフの説明、聞いている時間がなくなってしまったんですが、このグラフを見ると、相当やばいですよ、これ、私の直感では。日本が不良債権問題に悩んで、それで失われた二十年、三十年を過ごしてしまったのでありますが、どうもそれと極めて似通った状況にありますね。
 バーナンキ議長の前のグリーンスパン議長がいろいろ手を替え品を替え、バブル崩壊をずっと先送りしてこられた。でも、結局サブプライムから始まってリーマン・ショックに至ったわけですね。そういう非常に危ういショックが来る可能性が、どうもこのグラフを見て思えてなりません。
 中国経済の動向について、いかが捉えておられるでしょうか。
#243
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の民間債務の対GDP比が非常に急速に拡大して、いわゆるシャドーバンキングの膨張ということで、中国政府もかなり懸念をして数年前からその抑制を図ってきたわけでして、結果的には今言わばピークアウトして安定した状況になりつつあるように思われます。
 ただ、その一方で、中国の実体経済の方がやや弱めの動きが広がっております。特に輸出は、米国による対中関税率の引上げ、あるいはITセクターの調整の影響から増加基調が一服して、一部には減少しております。また、個人消費は、全体としては小売売上高などを見ますと底堅く推移しておりますが、自動車などは相当大幅に売上げが減少するということで、やや弱めの動きも見られるということであります。
 こうした中で、中国政府はつい先日、李克強総理が今年六%から六・五%の成長率見通しを掲げておられましたけれども、既に大規模な景気対策を決定し、あるいは実施しつつあるということもありますので、先行き中国経済はおおむね安定した成長経路をたどるのではないかというふうに考えておりますが、やはり中国経済がアジア新興国を中心に他国に与える影響も大きいわけですし、間接的に日本経済に対する影響もありますので、今後の金融あるいは実体経済の動向については注意深く点検してまいりたいというふうに考えております。
#244
○渡辺喜美君 金融緩和をやる中央銀行はハト派と呼ばれて、金融引締めをやるところはタカ派と呼ばれますけれども、黒田総裁の日本銀行はどっちですか。
#245
○参考人(黒田東彦君) 私どもは、量的・質的金融緩和ということを通じて大幅な金融緩和を粘り強く続けているということでありますので、自分で言うのも変ですけれども、恐らく日本銀行はハト派ということになると思います。
#246
○渡辺喜美君 私は、黒田日銀はワシ派ではないかと思うんですね。
 タカとどう違うのかというと、ワシの方がずうたいがでっかいんですよ。タカというのは、飛ぶときに気流に乗って飛ぶんです、だから羽ばたかないんです。ところが、ワシはずうたいがでかいから羽ばたくんですよ。このイールドカーブコントロールなんてまさにワシの羽ばたきみたいなもので、影響が出ちゃうんですよ。
 だから、国内要因で例えばもう既に、まあ国内要因だけではないが、こういう下降局面に差しかかっているときに、なおかつ、これはこの後安倍総理にお伺いいたしますけれども、増税やろうというわけですよ。こんなときに増税やるなんていう無謀なことはやめていただきたいんですが、こういう下降局面のときに日本銀行が今までのスタンスでやる、やり続けるというのは、明らかにこれは間違っていると思う。国債買取り八十兆円の目標を作っているわけですからね。今まだその半分も買っていないわけじゃないですか。十分緩和の余地はあると思いますが、いかがでしょうか。
#247
○参考人(黒田東彦君) 従来から申し上げているとおり、日本銀行としては、経済、物価、金融情勢を踏まえて、仮に物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれるというような状況になれば、当然追加緩和を検討していくということになります。
 緩和の手段としては、長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入時に公表したとおり、短期政策金利の引下げ、長期金利目標の引下げ、資産買入れの拡大、マネタリーベースの拡大ペースの加速など、様々な対応が考えられます。その際には、政策のベネフィットとコストを比較考量しながら、委員御指摘の国債買入れの増額を含め、様々な手段を組み合わせて対応するなど、その時々の状況に応じて適切な方法を検討していくことになるというふうに思います。
#248
○渡辺喜美君 終わります。
    ─────────────
#249
○委員長(中西健治君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、西田昌司君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君が選任されました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#250
○委員長(中西健治君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#251
○委員長(中西健治君) これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#252
○風間直樹君 総理、今日はよろしくお願いします。
 最初に、日銀の物価上昇率目標について総理にお尋ねをしたいと思います。
 去る三月十五日ですが、麻生大臣が閣議後の記者会見でこうおっしゃっています。物価上昇率目標である二%にこだわり過ぎるとおかしくなるということを考えないといけないと。で、これに先立つ十二日の当委員会で大臣答弁されまして、日銀の金融政策運営については少し考え方を柔軟にやってもおかしくないのではないかと、こう述べていらっしゃいます。
 この麻生大臣の二%にこだわり過ぎるとおかしくなるという認識については、総理も同じ認識というふうに考えてよろしいでしょうか。
#253
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 麻生副総理の御発言については麻生副総理に聞いていただきたいと思うのでありますが、政府としては、引き続き、日本銀行が経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の実現に向けて努力されることを期待をしております。
#254
○風間直樹君 実は、私も麻生大臣のこれまでの御発言をずうっと追っているんですが、麻生ファンの一人としてですね、ちょっと総理の御認識と麻生大臣の御認識の間に違いがあるのかなという印象を持っています。
 というのは、例えば昨年の九月十八日なんですが、これも麻生大臣、閣議後の会見で、二%に責任感を感じて不必要なことをやるのはやめたらいいというのは政府と日銀の両方で一致していたと述べていらっしゃいます。
 政府と日銀の両方ということは、これ麻生大臣だけでなくて、安倍総理麾下の日本政府と日銀の両方で一致していたという御発言だと理解するんですけれども、総理、この点はいかがでしょうか。
#255
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 麻生総理と私、全く考え方は同じでございますが、日本銀行と我々、この協定を交わしているわけでございますから、二%の物価安定目標というのはこれは共有している、物価安定目標の実現に向けて、手段においては日本銀行に委ねているわけでございますし、この手段については、私も麻生副総理も黒田総裁の手腕を信頼をしているわけでございます。
 しかし、今現在二%に達していないではないかということでございますが、我々政府といたしましては、確かに二%の物価安定目標には達してはいませんが、この物価安定目標を追求することによって、例えば雇用に、金融政策が雇用に働きかけた結果、正規の有効求人倍率が初めて一倍を超え、四十七全ての都道府県で有効求人倍率一倍を超えているという、まさに雇用において、実体経済において大きな成果を出してきている中において、我々は現在の日銀の金融政策について了としているところでございまして、そういう考え方について麻生副総理が麻生さんの考え方と言葉で述べられたんだろうと、このように思います。
#256
○風間直樹君 配付資料にいわゆるアコードを今日は用意しました。平成二十五年一月二十二日付けの内閣府、財務省、日本銀行の資料、政府・日本銀行の共同声明であります。この二番目、線を引っ張りましたが、「この認識に立って、日本銀行は、物価安定の目標を消費者物価の前年比上昇率で二%とする。」と。
 総理、この点については、今の御答弁を踏まえると、引き続き総理としてあるいは政府として強力に日銀をサポートすると、こういう理解でよろしいですか。
#257
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この資料が政府と日本銀行の共同声明でございますが、まさにこの中で、共同声明にある目標等々に向けて今後とも日本銀行が努力をしていかれますことを期待しているところでございます。
#258
○風間直樹君 そうすると、この共同声明を現時点で修正する必要はないというお考えでよろしいわけですね。
#259
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今後、この二%の物価安定目標に向かって、日本銀行で適切な政策手段を取り、努力を続けていかれますことを期待しております。
 繰り返しになりますが、この二%の物価安定目標に向かって金融政策を展開することによって、重要な雇用等において完全雇用と言える状況をつくり出しているということについて我々は評価をしているということでもございます。
#260
○風間直樹君 麻生大臣に伺いますが、今の総理の御答弁を踏まえて、大臣、十二日の当委員会での御発言、あるいは十五日の閣議後の御発言、修正される必要があれば修正していただければと思います。
#261
○国務大臣(麻生太郎君) 全くありません。
#262
○風間直樹君 そうすると、どうも総理と副総理との間で認識の違いがあるんじゃないのかなと。
 深読みすれば、これ、麻生大臣の昨年九月の発言では、二%に責任感を感じて不必要なことをやるのはやめたらいいというのが政府と日銀の両方で一致していたと。当然、財務大臣という立場ですから、先ほどいらした黒田総裁とも様々な場面で膝を交えて話を、協議をされていると思います。そういう中でこの昨年九月の閣議後の発言になったんだと思うんですけれども、安倍総理は二%の物価上昇目標達成に向けて日銀を引き続きサポートすると、一方で麻生大臣は、御発言をそのまま引用すれば、二%にこだわり過ぎるとおかしくなる、少し考え方を柔軟にやってもおかしくない、政府と日銀の間では二%はまず無理だということを互いに認識していた。どうも違うんじゃないですかね。
#263
○国務大臣(麻生太郎君) 最後のところは本当にそれ私のせりふですか、最後、二%の話は、違っているという。
 重ねて申し上げますけど、これサインをして、共同声明に、今アコードと言われましたが、アコードという言葉は使ってありませんわね、まず。アコードと言われたけど、使っていないでしょう。今、アコードと言われた。アコード、使っていないはずですからね。共同声明になりましたでしょう。間違えないでください、そこのところは。これはホンダ自動車の販売やっているんじゃないんだ、俺たちはと言って断りましたから、このアコードという話は。だから、今急にアコードなんて言われたから、あれっと思ったんですけれども、いつの資料かなと思って見て、伺っていたんですけれども。
 少なくとも、この話をさせていただいたときには総裁は白川さんだったと記憶をします。そして、私どもは、黒田さんにはそれを引き継がれた形という形になっているので、黒田さんとサインしたわけではありませんからね、そこのところもしっかり認識をきちんとしておいていただかぬといかぬところだと思いますが。
 その上で、黒田さんに引き継がれたときには石油価格が急に百数十ドルからいきなり三十ドルぐらいまで下がったときでもありましたので、私どもとしては、こういったような状況が大きく変化しておりますので、この二%というのは極めて難しい状況になってきていると思っておりますという話はもう何回となく二人でしたことがあります。
 その上で、今、先ほど総理からの発言がありましたように、少なくとも、この二%という目標を掲げ続けていることによっていろいろな波及効果がある。先ほどの雇用の話も出ておりましたけど、その他いろんな意味で波及効果があるということも事実であろうと思いますので、こういったものを目標として掲げているということだと思っておりますが、それが、仮に二%が一・九九までになって、じゃ、二%じゃないからといって〇・〇一を、それにこだわる必要があるのか等々については柔軟な考え方を持っていいということを申し上げているんであって、総理との間に特にそごがあるというような感じは全くしておりません。
#264
○風間直樹君 いや、どうも分からないんですよね。
 大臣、この三月十五日のこれ会見のコメントでいらっしゃいますけれども、二%にこだわっているのは新聞記者と日銀、そういったことに詳しい人だけと。たしか十二日のこの委員会でもそういった趣旨の御発言をされたと記憶をしています。
 ところが、この政府と日銀の共同声明では、これ政府と日銀の共同声明として二%の前年比上昇率を目指すということを書いてあるわけですよね。決して新聞記者と日銀だけがこだわっているんじゃなくて、政府もこだわっていると私は捉えています。ところが、ああ、総理、何か御答弁。
#265
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはつまり、日本銀行と政府の共同声明でございますが、この中で二%という物価上昇率の目標を掲げております。
 この二%というのは目標であると同時に手段でもあるわけでありまして、私たちが求めているのは実体経済を良くしていく。特にやはり、これは世界の多くの中央銀行もそうなんですけど、雇用なんですね。この金融政策でもって雇用に働きかけていくという中においてデフレから脱却をし、そして雇用が良くなっていく、仕事が増えていくという状況をつくっていく上においてはこの二%の物価安定目標が必要ですねと、こういうことであります。
 これ、手段として二%の物価安定目標を置く中において、二%には達していませんが、それがつくり出す、雇用状況はつくり出しているわけでございます。
 一方、CPIにおいては、今、麻生副総理が説明をされたように、石油価格が下落をしたこと等もあり、我々はそこは理解をしますよと、そして、本来我々が進めて、本来の目標である実体経済においては十分効果を発揮している中においては、今の段階で二%に到達をしていないということについて政府としては理解をしているということでございます。
 それを副総理も、そういう状況なんだから、今すぐに二%をやるために何か、そのためだけに何か政策を取る必要、手段を取る必要はないという、そういう意味で言われたんだろうなと、こう理解をしております。
#266
○風間直樹君 総理と副総理の間にある言葉の差を私なりに理解しますと、安倍総理、今おっしゃったように、二%の物価上昇率目標というのはこれからも追求するんだと。ただ、その中で、情勢の変化とか様々な、達成されたものもあるし、状況が変わってきているので、現状、そういう部分はそういう部分としてしっかり見ながらも、引き続き二%は追求していくということに変わりはないという御答弁と理解しました。
 麻生大臣は、二%にこだわり過ぎるとおかしくなると。そこの違いを、これ責めているわけじゃなくて、マーケットに疑心暗鬼を与えるといけませんので、今ちょっとお二人で相談されて統一見解を出していただきたいと思います。
#267
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど総理の申し上げていることに変わりはないと、二人の間にそごはないと先ほど御答弁申し上げたんで、そのとおりなんであって、今更、殊更それを取り立てて言われようと探しておられるように感じますけれども、そんなつもりは全くありませんので。
 私どもは、二%というのは、最初、五年前、それから黒田さんと四年前に、急激に石油の値段が下がったときにも、これは将来、二%ということになりましたときにはこれはなかなか難しいですよと。当時は二年という約束でしたから、なかなかそんな簡単にいかないんじゃないのかと思いますのでと。ただ、目標としてこれを掲げていただくということに関しましては、両方にそごはありませんし、総理との間にもそごはありませんし、マーケットが間違って取ることもないと存じます。
#268
○風間直樹君 引き続きこの委員会で質疑させていただきます。
 ありがとうございました。
#269
○大塚耕平君 国民民主党・新緑風会の大塚耕平です。
 景気動向等についてお伺いする前に、昨日来、この委員会で所得税法等改正案に関連して、皇位の安定継承という観点から、天皇家の所得税や相続税の在り方について、渡辺委員からもるる御質問があって、私も今日も午前中、それに関連した質問をさせていただきました。その観点から先にこの質問をさせていただきます。
 今日、宮内庁に来ていただいていますが、敗戦後、GHQの指示によって皇籍離脱をした宮家及び男性皇族の人数をお聞かせください。
#270
○政府参考人(野村善史君) お答え申し上げます。
 昭和二十二年十月十四日に皇室典範の規定に基づき皇室離脱をされたのは十一宮家であり、男子は二十六方と承知しております。
#271
○大塚耕平君 総理、代表質問でも一度お伺いしたことがあるんですが、総理は、御自身の所信の中で、あるいは予算委員会の答弁の中で何度も戦後政治の総決算ということを言っておられるんですが、GHQの指示に基づいて皇籍離脱をされた宮家や皇族がこれだけいらっしゃるということについて、これを是認するお立場でしょうか。
#272
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 是認というのは、皇籍を離脱された方々が、言わば皇籍を離脱したということについて、それを認めるかどうかということ、という御質問でございますか。
#273
○大塚耕平君 いや、私がお伺いしたいのは、総理は戦後政治の総決算ということを何度もおっしゃって、もう六年も総理を務めておられる。大変長期間お務めになっておられることに敬意を表したいと思います。
 しかし、戦後政治の総決算というならば、せんだって私は日米地位協定の見直しについて質問をさせていただきました。米軍との関係の問題、それから、我が国にとってポツダム宣言を受諾した後に占領された北方領土の在り方、これらについてるる質問をさせていただいておりますが、総理からは、戦後政治の総決算という決意の割には、それに適合するような御答弁をいただけていないような気がいたしております。
 同様に、このGHQの指示に基づいて十一宮家と二十六人の皇族の方が皇籍離脱をしたという、これをこのままにしておいて本当に戦後政治の総決算ができるというふうにお考えですかという質問をさせていただいております。
#274
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 皇籍を離脱された方々はもう既に、これは七十年前の出来事で、七十年以上前の出来事でございますから、今は言わば民間人としての生活を営んでおられるというふうに承知をしているわけでございます。それを私自身がまたそのGHQの決定を覆すということは全く考えてはいないわけでございます。
 他方、恐らく皇位の継承との関係で御質問されているんだろうと、こう思うわけでございますが、同時に、この安定的な皇位の継承を維持することは国家の基本に係る極めて重大な問題であると考えておりまして、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があると、このように考えております。
#275
○大塚耕平君 宮内庁にお伺いします。成子内親王と東久邇宮盛厚様の系譜に男子が随分いらっしゃるということは、認識として正しいでしょうか。
#276
○政府参考人(野村善史君) 昭和二十二年に皇籍離脱をされた方々の段階については承知をしておりますけれども、その子孫の方々につきましては具体的には承知をしておりません。
#277
○大塚耕平君 それでは、調べて一度回答してください。私の存じ上げている限りでも、内親王と東久邇宮様の系譜にもう三代にわたって男子が今も御健在であると、かなりの人数であるというふうに理解をしております。
 総理にもう一つだけこの問題に関して質問をさせていただきます。皇位の安定継承は、これは我が国にとって大事な問題でありますので、皇籍離脱をされた旧宮家の皆様に対して、戦後政治の総決算の観点から法的な工夫をするということも皇位の安定継承の選択肢の一つだというふうに理解してよろしいでしょうか。
#278
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的な考え方については先ほど申し上げたとおりでございまして、これはまさに国家の基本に関わる基本的な問題でもございますし、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討していきたいと思っております。
 その中で、様々な御議論があることは承知をしております。旧宮家の皇籍復帰等々も含めた様々な議論があることは承知をしておりますが、今申し上げたことを、考え方を基本に丁寧に検討していきたいと思いますが、いずれにいたしましても、国民のコンセンサスを得ることも必要であり、十分な分析、検討と慎重な手続が必要であると考えております。これは、皇位の継承について、皇籍の復帰ではなくて皇位の継承についてそういう考えで進めてまいりたいと考えております。
#279
○大塚耕平君 昨日も私自身申し上げましたが、この問題について軽々に個人的意見を申し上げるべきではないと思っておりますので、今の総理の御答弁を踏まえて国の安定に十分に工夫をしていただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。
 国が安定するということと豊かであるということが国民の皆さんにとっては大変重要なポイントであります。景気がいいということは全ての国民の皆さんにとって望ましいことでありますので、その観点から、最近の就業者数の増加、予算委員会でも聞きましたが、この理由について、総理の御認識を伺います。
#280
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政権発足直後から、女性の活躍の旗を高く掲げて、保育の受皿整備など女性が働きやすい環境づくりに努めてまいりました。その結果、この六年間で女性就業者は二百八十万人増加をいたしました。就業率は二十五歳以上の全ての世代で米国を上回ったところでございまして、また女性の平均賃金も月一万三千円増加をしまして、男女間の賃金格差も足下で過去最小となっているわけでございます。こうした中で、総雇用者所得は増加傾向が続いてきており、引き続き女性活躍の実現に向けて全力で取り組んでいきたいと、こう思っているところでございます。
 生産年齢人口が五百万人以上減少する中において三百八十万人雇用が増えたということにおきましては、女性の今就業者が二百八十万人増えた、そしてまた、六十五歳を超えてもなお継続雇用が可能となっていく中において六十五歳以上の高齢者の雇用も増えたということが大きかったと、このように考えております。
#281
○大塚耕平君 予算委員会では十分にお伝えできなかったので、残されたあと二分間でお伝えをいたしますが、ここに来て、特に昨年、女性や非正規の方の就業者数が増えているというのは、この委員会で可決をされて施行された配偶者特別控除の見直しというものの影響が大きいんです、総理。これまで百三万円の壁だったものが百五十万円の壁にシフトしました。三十八万円の配偶者特別控除全額の受益を受けるためにそのゾーンの女性の皆さんが働きに出た。しかも、二百一万円までは三十八万円フルではないけれども段階的に控除を受けられると、したがって、そのゾーンの女性の皆さんも働きに出た。
 これは、家計が豊かで所得が十分であれば必ずしも働きに出たいと思わない方もいらっしゃると思いますけれども、かなり所得環境がよろしくないから配偶者特別控除の見直しが就業者数の増加にプラスに寄与したということをせんだって財務大臣とここで議論させていただいたら、麻生大臣は、それはそのとおりですというふうにお認めになって、そういうこともちゃんと国民の皆さんにお伝えすべきではないかと申し上げたところ、やはりいいことばっかり材料を探して伝えないと支持率が下がるからとおっしゃったので、随分正直な御答弁だなと思ってびっくりしましたが、是非そういう要因もあるということを御認識されて今後の経済運営に当たっていただきたいと思いますので、最後に御所見をお伺いして、終わりにしたいと思います。
#282
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大塚委員らしい緻密な指摘ではあるというふうに承っておりますが、この配偶者控除の見直し、百三万円の壁を意識して労働時間を減らす、就業調整の問題に対応するために収入制限の百三万円を百五十万円に引き上げたわけでございますが、これは働きたいと思っている方々が働ける、あるいは企業側ももっと働いてもらいたい、これがまさに一致をしたところでございますが、ただ、ただですね、これが二百八十万人増えた大きな要因ということには当たらないと、こう考えておりまして、配偶者控除の見直し、大塚委員も御議論に参加していただいたものは、適用は二〇一八年からでございまして、実は政権を取ってから、二〇一二年から二〇一七年の間で既に女性の就業率は、就業者数は、調べてみたんですが、これ既に二百万人既に増えておりますので、これに関わりなく増えているということでございまして、ただ、この政策は、働きたいと思える女性が、もっと収入が欲しいとももちろん思っているんですが、働くことも可能となったと。これは地方においても大変歓迎された政策ではないかと、こう思うわけでございまして、そういう御議論に参加していただいたことについて敬意を表したいと思います。
#283
○大塚耕平君 宮内庁に最後にもう一回聞きます。成子内親王と東久邇宮盛厚様が御結婚されて、東久邇宮様は皇籍離脱をされた宮家でありますので、その系統に男性がもしいらっしゃるとすれば、かなり血統的には天皇家に近いという理解でよろしいでしょうか。
#284
○政府参考人(野村善史君) 血統的に近いということは、その親等をどのように数えてみるかということによろうかと思いますので、その数え方次第によるというふうに考えます。
#285
○大塚耕平君 終わります。
#286
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻です。日本維新の会、そして希望の党を代表して質問させていただきたいと思います。
 ちょっと質問の順番変えさせていただきたいんですが、まずは総理にイエスかノーかだけでいいのでお答えいただきたいんですが、ドル預金の譲渡益というのは今、雑所得なんですね。そのドル預金が雑所得だということが日本のデフレ脱却を遅らせているとか、それから景気回復を遅らせているという、そういうことを考えたことがあるかどうかだけ、ちょっとイエスかノーかでお答えいただければと思います。
#287
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この所得税における所得の取扱いについては、その所得の性格に応じて分類されるべきものであって、例えば為替相場に影響を与えるといった観点から判断されるべきものではないということは言うまでもないわけでございまして、その上で、こうした現行税制上の取扱いが例えば為替相場に特定方向の影響を与えているとの認識は、念のために申し上げておきますが、有していないということでございます。
#288
○藤巻健史君 私は長い間マーケットにいましたので、このドル預金が、為替益が雑所得であるということがかなり経済にも影響していると思うんですよね。
 もしドル預金をたくさんやる方がいると、ドル買い円安が起こってドル高になって、これデフレ脱却簡単にできますし、そして景気も回復するんですよ。ですけど、だけど、ドル預金を余りしないというのはなぜかというと、雑所得のせいというのがかなり大きいと思うんですね。要は、最高税率は五五%になるし、損をしても損益通算はできないし、損失の繰延べはできないんですよね。これだったら、普通の方はドル預金なんかしようと思わないですよ。
 ということになりますと、ドル預金が集まらない。これは日本の経済にも当然ですし、それから今、邦銀というのはドル調達苦しんでいるんですよ。本当はドル預金でお金、ドル集めたいと思うんですよ。それもできないんですよね。要は、ドル預金が雑所得ということでかなり大きい影響を与えている、これは私はマーケットにいた感じですごくするんですけど。
 今までちょっと議論してまいりました。本当に、外貨預金、これ、暗号資産の譲渡もそうなんですけれども、本当に雑所得かと、こういう議論をずっとしてきたんですね、今まで。
 雑所得というのは、ほかの九分類に所属しない所得が雑所得に入ると、こういうことなんですけれども、いろいろ議論していますと、確かに租税法の大家の先生も、これは譲渡所得になるとかおっしゃっているわけです。要するに、雑所得か一時所得か、若しくは譲渡所得になるんですよ。そういう可能性がある。
 ですから、これを国税が雑所得にするというのは、これは国税の、それは仕事柄国税の論理でやるので、これは当たり前の話で、別に国税が悪いわけじゃない、これはやっぱり国税は雑所得だと言ってもおかしくないんです。ですけれども、もしその可能性、譲渡所得か一時所得か、そして雑所得の可能性がある、それを全部否定されていないのであるならば、ここからは政治の役目だと思うんですよね。
 一番日本にとって悪い税制を選択する必要はなくて、政治の力で日本がどうやったら活力を得るかということを考えるべきだ。だとするならば、やっぱり私は外貨預金というのを二〇%の源泉分離にして、これは暗号資産もそうなんですけれども、そういうことによって国力を、国の力を勢い付けると、こういうことはやっぱり政治家の役目だと思うんですよね。
 そういうことをちょっと考えていただきたいなというふうに思うんですが、ちょっと時間がなくなるので、一つ、次に、お渡ししている消費者物価指数の表を見ていただきたいんですが、この表というのは、これかなりいろんなことを学べる表だと思うんです。
 これ、バブルのとき、一九八五年から一九九〇年のバブル、狂乱経済のときの表なんですけど、まず一番面白いのは、一九八九年、日本の日経が一番高かった三万八千九百十五円だったときに、ニューヨーク・ダウは二千七百五十三ドルですよ。あれ以降、ニューヨーク・ダウは約十倍、日経は半分。株というのはやっぱり国の勢いを示しますから、いかに日本がちょっと遅れているなと、じり貧だなということが分かるかと思うんですけれども。
 もう一つ面白いのは、一番左の表、全国総合の消費者物価指数見ていただきたいんです。生鮮食品を除く数字ですけれども、一九八六年から、〇・八、八七年、〇・三%、八八年、〇・四%なんですよ。今、日銀が目標としている消費者物価指数二%よりもよっぽど低い。でも、経済はあれだけ狂乱したんですよね。
 なぜそんな消費者物価指数が低いにもかかわらず経済があんなに狂乱したか。いや、狂乱し過ぎだったと思います。良過ぎたと思いましたが、経済はむちゃくちゃに良かった。これはなぜだというふうに思われますか。総理、この表を見てコメントいただきたいんですが。
#289
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時、当時のバブル時代でありますが、バブルとはこれ一般的に、資産価格が、ファンダメンタルズ、この経済の基礎的条件から大幅に乖離して上昇することを指しているわけでありますが、この当時、極めて地価が、地価と株価が上昇したわけでございます。地価とこの株価が上昇したわけでございますが、国民全体の中に資産価格上昇期待が高まった結果として、自己増殖的な投機行動により資産価格を経済のファンダメンタルズからは考えられないような水準までに上昇させたと、これがいわゆるバブルを引き起こすこととなったと、このように考えております。
#290
○藤巻健史君 そうなんですね。確かにバブルというのは狂乱し過ぎでした。でも、景気が良かったというのは事実で、それは総理が想像されたとおり、まさに資産価格、株と不動産が上昇したから、だからこそ、あんなに、消費者物価指数が極めて低かったにもかかわらず、景気がめちゃくちゃに良かったと、こういう現象が起きているわけです。
 先ほどもちょっと議論あったんですが、暗号資産も資産として認められているわけですよ。これ、暗号資産の価格も、不動産とかそれから株と同じように、これ価格が上がると極めていい効果を、経済効果を与えるということがあるんですね。それを税制改革によって押し下げちゃったんですね、この前、雑所得と認定することによって。これ、やっぱりまずいですよね。やっぱり、せっかく資産を上げるようなことを考えていかないと国民の経済が悪くなると、国民経済が悪くなるということはやっぱり認識していただきたいと思います。
 もう一つ、この表から非常に面白いことがあるんですけれども、なぜあのときに消費者物価指数が低かったか、極めて低かったか。これ、横のドル・円を見ていただきたいんですが、一九八四年に二百五十一円五十八銭だったものが、次に二百円、次の年、百六十円、次、百二十二円、こういうふうに円高が進んでいたんです、すごく。だからこそ消費者物価指数、極めて低いんですよ。ところが、その八八年に百二十五円九十銭付けてから、百四十三円四十銭に円安になりました。途端に消費者物価指数、ぽおんと二・四%、上がっているんです。要は、消費者物価指数というのは為替に物すごく連動しているんですよね。これは私がもう長い間マーケットにいた経験なんです。
 ということは、先ほど言いましたけれども、ドル預金の税制を変えることによって、そして皆がドルを買うようになる、ドル高になる、ドル高円安になる、そうすればデフレ脱却簡単なんですよ。今、出口がないとかいって副作用が、私なんか、もう徹底的に出口がなくて大変なことになると思っていますけれども、異次元の量的緩和などという出口がなくて副作用のあるそういう政策を取らなくても、税制をちょっと変えるだけでドル高円安でデフレ脱却できたはずなんですよね。だから、そういうことを考えるべきかなと思います。
 だからこそ、さっき申し上げましたように、国税の論理で、国税の論理は正しいと思いますよ、ある程度。ある程度というか、もう十分仕事されていると思います。ですけれども、国税の論理を一つ超えた政治の論理でやっぱり税制考えるべきじゃないか。要するに、ドルの外貨預金、ドルじゃなくてもいいんですけど、外貨預金の為替益、そして暗号資産の譲渡益、これを、やはり国が強くなる、要するに、雑所得じゃなくなれば、やっぱりドル高になって円安になって国が良くなる。
 それから、暗号資産、これもいつも申し上げていますけれども、ブロックチェーンの裏表にある関係で、ブロックチェーンを発展させたいんだったらやっぱり仮想通貨も発展させなくちゃいけないんです。
 それと、もう一つ言うと、仮想通貨というのは、支払手段としてはやっぱり相当ポテンシャリティーがあるんですよね。よく二十億人、今銀行口座を持っていない人たちがいる、その人たちが経済界に入ってくるためには、スマホ一つあれば決済ができる通貨が必要、まさに暗号資産が必要なんです。そういう意味でいうと、税制をちょっと変えるだけで将来の日本の飯の種ができるし、今の問題も解消できると思うんですよね。
 その点についてちょっとコメント、大臣でも総理でもどちらも結構です。
#291
○国務大臣(麻生太郎君) これは、いわゆる雑所得とか、また譲渡所得といったこの種の所得税における所得の区分のお話をされておられるんだと思いますが、その所得の性質に応じてそれは分類されると、これは当然のことなんだと思っております。為替相場に影響を与えると、そういった観点から判断されるべきものではないということははっきりしておるんだと思っております。
 加えて、先ほどもちょっと、午前中でしたか午後だったかな、お話があっていましたけど、この為替の差益について、異なる通貨の間で、これは総合的な換算レートの変化によって生じるんですけれども、そのときの外国通貨の価値自体というものが増加したものではないと考えられますので、当然のこととして、譲渡所得ではなく、これは雑所得として取り扱うべきものなんだと思っておりますので、これは政府見解とか、先ほどの役人のせりふではなくて、国際的に見てもこれが常識的な答えだと思っておりますが。
#292
○藤巻健史君 今の税制を、私は、別にその暗号資産とか為替の譲渡益を利子所得にしろとか、別に全く関係ない、学説にも合わないようなことを言っているわけじゃなくて、学説としてもそういう可能性がある、それも、特に租税法の大家がおっしゃっているような分類に変えてもいいんじゃないか、なぜそこで抵抗する必要があるのか。国税はそうかもしれないけど、これは政治で選んでもいいんじゃないか。それによって日本が発展するんだったら是非変えるべきだと私は思います。
 もう一つ最後に申し上げちゃうと、最後に申し上げちゃうと、ちょっと忘れちゃった。ちょっと言いたかったんですけど、ちょっと興奮し過ぎまして。ということで、じゃ、コメントいただけますか。
#293
○国務大臣(麻生太郎君) 今の最後の点につきましては、そういう学者さんの説というのはこれ実はいろいろありますので、その中の一つの御説として知らないわけではありませんけれども、そういう御説が一つはあるということは拝聴させておいていただきます。
#294
○藤巻健史君 いや、いろいろあるからこそ国益を考えろということだと思うんですよね。
 思い出しました。要するに、これは為替介入とかいって国際的に非難されるような方法ではないんですよ、税制区分を変えるというのは。それはもう、学説にないようにがらっと変えるのはともかくとして、認めたる中での選択なんですから、これは別に国際的には批判されない、それで円安ドル高行くんだったらいいじゃないですかと私は思います。
 以上です。ありがとうございました。
#295
○大門実紀史君 大門です。
 安倍総理、お疲れさまでございます。
 今回、予算委員会で総理と質問する機会がなさそうでございますので大変寂しい思いをしているんですけど、もし質問するならば、しようと思ったら、やっぱり消費税を中止すべきだということと、もう一つは賃金の問題なんですけれど、これは、今まで賃金上がったかどうかとか、それはもうああ言えばこう言う世界がいろいろあるんですけど、要するに、これから更に上げなきゃいけないという点は総理と一致するというふうに思うんです。これから賃金を上げていかなきゃいけないと、更にですね。
 その点でもう絞って、時間が短いのでお聞きしますけれど、この十九日の日経新聞にも出ておりましたが、やはり日本は最低賃金水準が世界でもとても低いと、遅れているというのが指摘されております。
 この点については、私も再三予算委員会で総理に質問してまいりました。要するに、我が党の主張は大幅に引き上げるべきであると。それをただ、中小企業は大変でございますから、中小企業にも必要な支援ということですけど、私は再三申し上げてきたのは、フランスやアメリカでは、単に最低賃金上げるから、中小企業大変だからということよりも、最低賃金を上げるということと中小企業に大胆な支援をやるということをセットで、経済対策として大胆に、規模も大きくやることが重要ではないかということを提案してきたわけでありますけど、これ、最初に安倍総理に提案させていただいたのは二〇一三年の二月二十日の予算委員会、安倍内閣がスタートして間もないときの予算委員会でございました。
 そのとき総理は、もう大変積極的な御答弁をいただいています。ただいま大門議員から重要な指摘があったと思いますと。言わば中小零細においてなかなか賃上げというのは勇気が要ることですけれども、結果として業績が改善していくということになれば、最低賃金を上げても中小企業の業績が改善していくということになれば話は別になっていくでしょうと。我々もそうした研究をしなければならないと、今委員の質問を伺ってそう思った次第ですと。日本の支援の仕方については、使われないと、制度ですね、などもあるので、使い勝手がいいようにと、そういうことも含めて検討していきたいということでおっしゃっていただきまして、私も是非頑張りましょうということで、何かエールの交換のような質問をやったことを覚えております。
 事実、その後、厚労省の担当者の方が私の部屋に見えて、今日の質問の資料を大臣からもらってくるようにと言われたということで来られて、確かにその後、その前のよりは最低賃金を上げていくということに踏み出されたということは理解しております。理解しております。
 ただ、金額からいきますと、大胆なと大幅にはちょっと程遠くて、物価の後追い的な最低賃金の引上げになっておりますし、中小企業に対する支援というのは余り拡充していないということがあって、提案させていただいた景気浮揚効果といいますか、経済対策といいますか、アメリカやフランスは、さっき言ったようにもう大きな経済対策としてあって、規模も何兆円規模のセットでやるということをやったわけですね。
 私は、あのとき総理が関心を寄せられたというのは大変重要だと思っておりまして、改めて、今やっぱり最低賃金を引き上げるということが全体に波及する、大変大事で、景気も良くするという意味で、改めて、ああいうような経済対策として関心を持っていただいたと、それを今、これから改めてやるべきではないかと。ちなみに、フランスやアメリカは、最初は中小企業団体が懸念を示したんですけれど、それを何回か繰り返すうちに消費が上向いて、自分たちの中小企業の売上げも伸びるので、むしろ中小企業団体の方からまたやってくれというような声が出るぐらいに今変わってきているというのがあるわけですね。
 それを、二〇一三年ですからもう今から六年前ですか、に議論させていただいたんですけれど、もう一度その最低賃金の引上げ対策について大きな規模で御検討いただけないかと思うんですが、いかがでしょうか、総理。
#296
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 経済の好循環を回していくために賃上げを進めていく、同時に最低賃金も上げていく意義、意味については、これは大門委員と大体、共産党の大門委員と大体これは共通認識でございますし、大門委員にも今までの努力について少しだけ評価していただいたと、こう思うわけでございますが。
 この最低賃金の引上げについては、経済の好循環を実現する観点からも大変重要であると考えておりまして、安倍政権では、最低賃金を政権発足以降の六年間で時給で百二十五円引き上げ、今年度は二十六円の引上げを行ったところでありまして、これはバブル期以来の引上げ幅でございまして、十分に評価していただけなかったんですが、これは大幅な引上げだと私は考えております。
 また、引き続きこの年率三%程度を目途として引き上げていく、今年は消費税を二%引き上げさせていただくわけでございますが、これを上回る形で引き上げて、目標として引き上げていきたいと、全国加重平均で千円を目指していきたいと、こう考えているところでございます。
 今までのこの六年間におきましては物価の上昇率を超える形で引き上げることができたと、こう思っておりますが、またこうした積極的な引上げを可能とするためには、大門委員がおっしゃったように、中小・小規模事業者に対してちゃんと支援もしていくべきだと、私もそう思っておりまして、生産性向上に向けた設備投資やコンサルティングなどの費用の助成、あるいは賃上げに積極的な企業への税制支援や生産性向上に向けた固定資産税ゼロの税制、また最低賃金引上げの影響が大きい業種の収益力向上に向けたセミナーの全国展開や下請企業の取引条件の改善など、中小企業が賃上げしやすい環境整備に向けて今後とも政府一丸となって取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#297
○大門実紀史君 やっぱり、この最初の二〇一三年二月のところから普通の話に戻っちゃっているなというふうに思うんですよね。
 アメリカは二百円、三百円規模で引き上げておりますので、まあ経済対策ですから、そこまで思い切ってやろうというようなことはあったと思いますけれど、それを是非お考えいただきたいのと、やっぱりGDPの六割家計でございますので、GDPを本当に、今数字は少しいいのが長く続いているというのはありますけれど、本当に良くしていくには、やっぱり家計の部分をどうしても伸ばさなきゃいけないと思うんですよね。それの決定的な鍵を握るのが、御提案申し上げている、ほかの国で成功しておりますので、是非研究をしてほしいというふうに思います。
 最後に、これはもう質問いたしませんけれど、この間の予算委員会の議論を、経済の議論を聞いていますと、何かもう、ああ言えばこう言う話ばっかりで、先に進まない。つまり、何か今の認識をやり合っているだけでということがあって、今日のような次の点の議論を本当はしてほしかったと、したかったというのがあるわけでございます。
 そうはいっても、一つだけ、ああ言えばこう言う話になりますけど、実質家計消費のグラフを配らせていただいております。
 これは何かといいますと、議論の中で、実質家計消費については二〇一四年以降落ち込んでいるんじゃないかということで、我が党もほかの野党の皆さんも、これに似たグラフを使って議論をしてきたところでございます。そのとき総理は、一世帯当たりの人員が減っているということも繰り返し述べておられましたので、そこで、参考までにということでこの資料を御提供するわけでございますが、これは、下に注がありますとおり、総理のおっしゃるような世帯人員の減少の影響を除いたものでございます。家計消費のデータの一つとして公表されてまいりました消費水準指数、これを年額換算したもので、二〇一八年十二月までしかちょっと数字ありませんけれど、要するに、世帯人員が減少したことの影響を入れてもやはり同じの形のグラフになるということでございますので、もう数字がああだこうだ言い合うよりも、やっぱり実態がどうなのかというところで、確かにちょっとしばらくは伸びているか分かりませんが、まだ落ちるかも分かりませんよね。まだ低い水準でございますので、これをどうするかということをやっぱり謙虚に耳を傾け合って考えるべきではないかというふうに思います。
 ですから、消費を引き上げるには購買力を引き上げると。購買力というのは実質賃金が大事でございますので、私は名目が上がることを否定しませんけれどね。結局、物を買うとき、もらったときじゃなくて、物を買うときは幾らの物が買えるかはやっぱり実質になりますので、そういう点では実質消費を引き上げるという点では、今日、今申し上げた最低賃金の引上げというのに本格的に取り組んでいただきたいということを改めて申し上げて、質問を終わります。
#298
○渡辺喜美君 総理は、今年の夏には佐藤栄作総理を抜いて戦後最長になられるかもしれない。また、秋には桂太郎さんを抜いて歴代一位になるかもしれない。
 私、第一次安倍内閣で閣僚をやらせていただいて、第二次以降の安倍内閣は第一次のときとはアプローチの仕方が違うなと思うんですね。第一次のときには、どっちかというと直接戦略、正面突破だった。第二次以降は間接アプローチという、孫子の兵法以来の定石に従ったやり方であります。ただ、私に言わさせていただくと、ちょっと中途半端な気がしてならない。
 例えば、アベノミクスというのは、積極財政、金融緩和、構造改革、この三点セットでありますが、この今の家計調査にも表れている、それから、私がお配りをした高橋洋一さんの作ったこのグラフにも表れている。二〇一四年の消費増税というのがせっかく始まったアベノミクスを台なしにしてしまっている。アベノミクスと整合的だったでしょうか。
#299
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 消費税については、この伸びていく社会保障費に対応するために必要なものであると、こう判断し、また、国の信認を確保する上において、消費税の引上げを判断したところでございます。
 今回の引上げにおきましては、そのときに確かに反動減があった、駆け込み需要とそして反動減が大きくあったわけでございますので、そのときの反省を生かし、万全の対策を取っているところでございます。
#300
○渡辺喜美君 残念ながら、この三十年を振り返って、日本経済は一・三倍にしか名目成長膨れ上がっておりません。アメリカ並み、先進国並みの経済成長を遂げておれば、アメリカのように三・六倍。改革・開放を始めた中国は、統計が正しいとすればの話でありますけれども、名目成長五十二倍になっております。
 購買力平価ベースでは、もう既に中国がアメリカを追い越したというのはIMFも世銀も発表しているとおり。軍事費の比較というのはこういう購買力平価でやるというのが常識でありますから、米中対立の根底にある話なんですね。
 結局、成長しない国になっちまったその最大の理由は、増税やっちゃいけないときに増税をやる、金融引締めをやっちゃいけないときに金融引き締める、もうこの二つですよ。ですから、日本が成長しない。残念ながら、平成元年の改元の年に導入された消費税が呪われた税制になっちまったんですね。
 成功すると思いました、あの最初の消費増税は。だって、減税先行でやるんですから、バブルの真っただ中ですから、こんなの失敗するわけないよって誰しも思った。ところが、ベルリンの壁が崩壊して、もう直後に金融引締めが始まった。さっきの話のように、一般物価は上がっていないんですよ。そういうときに金融引締めをやればどうなるか。バブル大崩壊が始まるわけですね。
 平成八年、私が一年生議員、安倍総理が二年生議員のときに、これも社会党政権のときに決めた増税を実行して、消費税だけのせいではないが、不良債権問題に火が付いちゃったという呪われた歴史があります。
 一四年の増税というのは、これは安倍総理の前の民主党政権の時代に三党合意で決められたんですね。第二次安倍内閣は異次元金融緩和をやる。これはすごいことが始まったなと思いましたよ。こんなことはもう経済学の常識で、物価と失業率というのは逆相関なんですよ。だから、金融政策というのは雇用の安定、これがもう常識の世界であります。そういうことを始めたにもかかわらず、やっぱり結果として増税は失敗だったんですね。
 国民負担のグラフを二枚目にくっ付けてあります。せっかく安倍内閣になって国民所得が増える、それにもかかわらず、この国民負担率の実績が連続して増え続けている。これ、いかがですか、アベノミクスと整合的ですか。
#301
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国民負担率については、高齢化等の進展により中長期的には増加傾向にはありますが、それでもOECD三十四か国中二十七位の水準となっています。また、アベノミクスの進展によって国民所得が増大する中で、ここ数年は横ばい傾向となっております。他方、こうした中でも、特に国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善をしておりまして、生産年齢人口が減る中においても雇用が大幅に増加をし、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続くなど、確実にアベノミクスによる経済の好循環が生まれていると考えております。
 今般の消費税の引上げは、社会保障を全世代型に転換していくための安定財源を確保するためのものでありますが、増収分を全てお返しするレベルの十分な、十二分な措置を講ずることとしておりまして、それにより景気回復の軌道を確かなものとしてまいりたいと考えております。
#302
○渡辺喜美君 予算が上がるまでは原稿棒読みでよろしいですよ。でも、予算が上がって、四月一日に新しい元号の発表をされるわけであります。今年は、生前退位でありますからおめでたい改元になるわけです。おめでたいときに消費税の呪いを解くということが大事なことなんです。
 呪いを解くのに一番いいのは、本当は減税です。五%に下げる。
#303
○委員長(中西健治君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。
#304
○渡辺喜美君 これはもう完璧に呪いが解けます。少なくとも凍結、これをやれば呪いは鎮まります。是非これを実行してください。
 以上、終わります。
#305
○委員長(中西健治君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト