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1947/03/03 第2回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第002回国会 水産委員会 第6号
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1947/03/03 第2回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第002回国会 水産委員会 第6号

#1
第002回国会 水産委員会 第6号
昭和二十三年三月三日(水曜日)
    午前十一時二十分開議
 出席委員
   委員長 青木清左ヱ門君
   理事 庄司 彦男君 理事 鈴木 善幸君
   理事 馬越  晃君 理事 三好 竹勇君
   理事 西村 久之君
      金野 定吉君    藤原繁太郎君
      松本 眞一君    矢後 嘉藏君
      吉川 兼光君    宇都宮則綱君
      小澤專七郎君    森 幸太郎君
      多賀 安郎君    外崎千代吉君
 出席國務大臣
        大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
 出席政府委員
        農林事務官   藤田  巖君
 委員外の出席者
        総理廳事務官  内田 常雄君
        專門調査員   小安 正三君
    ―――――――――――――
二月二十三日
 美川漁港修築の請願(竹田儀一君紹介)(第一
 五号)
 江差漁港修築並びに拡張工事施行の請願(冨永
 格五郎君紹介)(第一七号)
 熊石村に船入潤築設並びに拡張の請願(冨永格
 五郎君紹介)(第一八号)
 田老港に船溜築設の請願(鈴木善幸君紹介)(
 第二五号)
 香深港築設の請願(坂東幸太郎君紹介)(第三
 一号)
 氷見漁港浚渫に関する請願(内藤友明君紹介)
 (第三九号)
 魚の公定價格改訂に関する請願(中村俊夫君紹
 介)(第四九号)
 川南村通山濱に漁港築設の請願(押川定秋君紹
 介)(第五〇号)
 鼠ケ關港修築の請願(泉山三六君紹介)(第五
 一号)
 青森漁港修築促進の請願(山田岩男君紹介)(
 第六一号)
 知床半島に漁港築設の請願(飯田義茂君外一名
 紹介)(第七四号)
 魚の公定價格改訂に関する請願(中村俊夫君紹
 介)(第七五号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 漁港に関する予算につき説明聽取
    ―――――――――――――
#2
○青木委員長 これより会議を開きます。
 漁港に関する予算につき説明聽取の件を議題に供します。開くところによれば、政府においては昭和二十三年度の暫定予算につき編成中である模樣でありますが、特に日本の水産業の前途の上から、水産に関する予算は、農林当局からも相当多額のものを要求して、水産業の発展に渾身の努力を拂う覚悟は、当然あるべきことと考えておるのであります。特に本日はそのうちの漁港の建設並びに修築に関する予算について、いかなる方針をもつて、政府は昭和二十三年度の予算を編成せんとするか、農林当局並びに大藏当局、経済安定本部の御意見を聽取したいと考えておるのであります。これは單なる流説にすぎないかもしれないのでありますが、農林当局の要求しておりまする予算を査定する場合にあたりましては、既設の継続費の予算は認めますけれども、新規の築設費の予算は、経費その他の関係上、削除される運命にあるかのごときことを聞いておるのであります。なお從來水産関係の予算というものは、他省に比べまして、非常に少い比率をもつておるのであります。戰後の状況より見て、予算面におきましても、相当の飛躍の必要性をもつておるのでありまするが、これが査定にあたりましては、既往の各省関係の予算の比率を、そのまま踏襲して査定に当られておらるるかのごときことも聞いておるのであります。かくのごとき状態でありまするならば、われわれの期待しておりまする日本の水産業を、しかも國民の主食の一部としての重要使命をもち、また貿易の見返物資としての重要な使命をもつておる水産業の前途に、むしろ暗影を投げておるのではないかということを考え合わせられるのであります。本日はこの点に関しまして、この三当局の忌憚なき意見と説明を聽取したいと考えておる次第であります。まず農林当局の、昭和二十三年度の漁港の築設並びに修理に関する予算の編成方針を承りたいと存じます。藤田水産局長。
#3
○藤田政府委員 漁港、船だまり関係の予算は、昭和二十二年度におきましては、全体の公共事業のうちで、たしか〇・六%つまり一%足らずのきわめて貧弱な経費であるのでありまして、水産の現在の重要な使命に鑑み、また將來の水産の健全な発展を期する上からいたしましては、どうしてもその基礎でありますところの、漁港船だまり関係に積極的な力を注がなければならぬことは申すまでもないのであります。その意味からいたしまして、私どもといたしましては、昭和二十三年度におきましては、漁港船だまり関係の費用といたしまして、約十二億見当の予算を当初の要求として提出をいたしておる次第であります。しかしながら現在國家財政も非常に窮迫をいたしておるわけでありまして、暫定予算しか立たないというような実情もいろいろ考えまして、私どもといたしましは、どうしてもこの十二億をいただきたいということには変りはないのでありますが、財政上の種々の点から考えますれば、少くとも最小限度の要求をいたすといたしましても七億三千万円見当は、これはぜひとも要求をいたさなければならぬ。そういうように思つておるのであります。しかも私どもといたしましては、きわめて消極的な、不満足な額であろうと思つておりますが、國家財政の全体から考えまして、いろいろの点を考慮しました最小限度のものと御承察をいただきたいと思うのであります。その要求をいたす根拠を御説明申し上げますと、既定の計画というものは、これはやはりどういたしましても遂行をいたしてまいりたい。いつまでも継続々々で事業が完成いたしませんことは困るのであります。既定の計画は、事業量はそのままにいたしまして、ただ補助率について、要求は五割と相成なつておりますが、この補助率を從來通りの四割というふうに考えて、若干そこに要求額を減少せしためのであります。それから新規の分につきましては、これはわれわれからいたしましても、季節的にどうしても年度当初から計画をいたして実行をいたしませんと、完成を期し得ない地方もあるのであります。そういうふうな点については、ぜひともこれは暫定予算において、当初から計画を立てなければいかぬと思つております。それからなおそのほか重要性からいたしまして、現在漁船が多くなり、あるいはまた漁船の船型が大きくなりました関係上、どうしても漁港船だまりの設備を完成いたしませんと、災害が起り、あるいはまた生産をあげます上に幾多の障害になつておる地方があるわけであります。そういうふうな場所を選びまして、ぜひともいたしたいと考えております。新規のものも本土において二は十三ケ所、北海道においては七ケ所、これはぜひとも計上いたしてまいりたい、さように思つておるわけであります。大体さような考えをもつております。
#4
○小澤(專)委員 私はまず第一に、最も重大であるべき水産事業、その基盤である港湾、漁港及び船だまりのことにつきまして、現在の金で十億くらいの金は、はたしてそれほど大きな金であるのかどうか。かつてわれわれの記憶しておる健全な通貨の安定時代に比べるならば、約二百倍に上昇しておるこのインフレ状態における通貨價値において、一つの小さな事業を行うにすら及ばないような、十億程度のこの予算を本委員会が政府に要求することについて、われわれは少くとも確信をもつて、その要求額の最低の線と決めて、これは強硬に要求すべきものと私は確信をしております。もちろん現在の國家財政の窮乏することは、本委員のみならずわれわれすべてよく承知しておる者でありますけれども、貧困なる國家財政を健全な財政にもつているということは、必ずしも金を使わないということでは断じて立ち直りません。もつと積極的に、使うべき金はどんどんと使つて、働く人々にも働いてもらつて、とるべきものはとつてもらつて、その收穫に裏づけられるところの健全な財政でなければ、通貨のテクニツク等で、金の出し入れだけを考えておるというようなことでは、とうてい國家の財政は立ち直りません。かような観点から、國民の食糧の問題にはもちろん、今後われわれは、海外に向つて貿易を雄渾に開始する上におきましても、水産事業はその雄であるということは、いまさら言う必要もないのでありまして、そのときにおいて今日の水産企業家というものは、われわれどの縣の選出代議士の話を聽いてみましても、われわれが新聞紙上の言論機関を通じてみるような、決して量氣のよいものではありません。むしろ現在におきましては、相次ぐいろいろな不漁であるとか、その他資材の不足であるとか、あるいは塩、あるいは冷藏庫等、いろいろのものが壞れたために、水産企業家というものが非常に窮乏に瀕しておるという現状でありまして、われわれ委員は、すべて水産界から代表する委員でありますがゆえに、このことはよく承知しておるのであります。このときにあたりまして、税金はうんととられる、企業はやつていけない、しこうして、せつかく本年度は重工業事業というものが日本からなくなつて、平和産業に重点がおかれる。從つてわれわれの水産事業というものにも、大きな重点的な投資あるいは資材の援助等もあるものだということを、確信をもつと働いておるところの企業家諸君が、こうしたごく軽微な予算をなお減らされるということを聽いたならば、彼らはどんなにがつかりすることであろうと思うのであります。從つてここに表示された縮小要求というようなことは、われわれは少しも考えずに、さいわい安本からおいでになつておられるのでありますから、この際われわれ國民の食糧事情から考えても、なお貿易その他の関係から考えても、当初の要求であるところの十一億という額に対して、これを最低の線として、われわれの意思を貫徹していただきたいということを、この際申し上げたいと思うのであります。
#5
○外崎委員 今農林省の方の御説明でありましたが、各省の説明を待つて質問したいと思います。
#6
○青木委員長 それでは経済安定本部の査定方針について御説明願います。内田説明員。
#7
○内田説明員 先ほど委員長が吐露せられました水産業の重要であるという御意見、また藤田政府委員の御説明、御要求、小澤委員のお話、事実これはもつともでありまして、安定本部の建設局といたしまして、これに何ら反対の意向をもつておりません。ただ前々回の委員会の際にも、私から可なりの長廣舌を振りまわして、水産事業を含むところのいわゆる公共事業、すなわち政府の建設復興開発事業、それに伴う予算状況というようなものにつきまして、詳しい御説明、しかもこれは官吏としては、今までの説明の仕方を逸脱したような御説明を申し上げまして、皆さんの十分の御理解を得たと思う次第でありまして、本日純れを繰返す意思もございませんが、一應予算につきましての現状を申し上げます。
 すなわち水産関係の予算について申し上げますと、先ほど議論が出ておりましたように、全体の公共事業の予算、すなわち建設開発等に関する予算の中からみると、非常に小さいものであることは御指摘の通りであります。すなわち本昭和二十二年度におきましては、水産関係の建設予算は、これは災害の関係もありましたが、一應災害復旧の方を除きますと、わずかに六千九百万円、それに災害復旧の関係が六千百万円ほどはいりまして、合計で一億三千万円、こういつたような窮屈な金額でありまして、これは小澤委員の御指摘をまつまでもなく、二十二年度の財政二千億以上に対して一億とは何事だということは、御指摘の通りであります。そこで水産の重要性があることは十分わかつておりますので、二十三年度の予算編成にあたりましては、ほかの事業の関係とも見比べまして、水産事業の優位性をできるだけの範囲で進めてまいりたい。こういう氣持をわれわれももつておつたのであります。この予算は実は問題にならなくなりまして、ここで申し上げても何にもならないのでありますが、御参考までにわれわれの氣持を申し上げてみますと、先ほど申しました二十二年度の水産予算一億三千万円という金額は、國全体に対するパーセンテージは小さ過ぎて出ませんけれども、われわれの主張しているところの一切の復興公共事業費に対する割合は、さつき藤田君からお話がありましたように、災害関係を除きますと〇・六なんぼ、〇・七%に足りない数字になるのでありますが、それに災害復旧を加えましても、その水産事業費予算が〇・三%、まだ一%にも足りないものになつておりますけれども、これを二十三年度においてはもう少し上へもつていく。これはまだ小さいというようにお叱りを受けるかもしれませんけれども、そう炭鉱のように、漁港が殿樣のお通りだというところまでは、お互いの努力が足りないのか、そういうところまではもつてまいれませんので〇・九%のものを一・四%と、二倍まではいかないで、これに〇・五%を加えてやつてコンマ以上にしたいというので一・四%、こういうふうに比率を若干とりました。小さいながらも相当上つてまいつた。さつきどなたかが言われましたように、また來年もほかの事業と同じように、同じ比率でそのままもつてくるということはいたさないで、ある程度は上げたいという氣持で、二十三年度予算について大藏省と折衝しておつたわけであります。かりに一・四%をもつていきましても、小澤さんから叱られるので、この金額は三億六千五百万円くらいしかない。それでも今年度からみると相当殖えております。この予算を通じて大藏省と執拗に折衝を開始しておりましたところが、不幸にして政変があつた。そうして二十三年度予算は四月からすぐに施行しなければいかぬ。そこで内閣も正式にできないのに、來年の予算は大藏省としても組めない。これは大藏大臣がいらつしやつておりますから、なお御説明があると思いますが、のみならず二十三年度においては、どうせこれは御想像の通り、四月、五月には物價、賃金の改訂がある。その他運賃とかの改訂もすでに前から問題になつておる。また收入の面におきましても、今の税制というものは行き詰まつておつて、彈力性がない。專賣益金にいたしましても、あのまずい新生を無理して賣つてみても、行き詰まつておる。この点においても專賣收入の改訂ということをおそらく考えておられると思う。そうしますと、物價、賃金等の歳出の面、あるいは運賃等の歳入の面におきましても、二十三年度においては思い切つた予算の編成によつて、最低限、歳出の方途につきまして、新内閣のもとでいろいろ政策を出されるだろう。してみると、われわれ属僚どもが、一年間の予算をこれぐらいですというので組んでみても、すぐ御破算になるべき性質のものだ、そこで一年間の予算は組めない。四月から明年度が開始されるから、四月一ケ月とか、五月か六月までのせいぜい三月ぐらいの、事務的に可能な予算しか組めない。そこで経済安定本部で、一年間の予算を組んでもちこんでまいりましても、それは預りだ、さしあたり今の物價、今の收入状況で可能な範囲において、まず出だしの事務的予算を組むよりしかたがなかろう、こういうような大藏省の御意見に相なりまして、そこで一年計画の予算をただいま一應留保して、一月予算か、あるいは三月予算のかつこうでまいる。そこで先ほども申しましたように、來年は相当水産方面の予算のパーセンテージもきまるちもりでありましたところが、この暫定予算になりますと、これは事務予算でもあり、かつまた税金制度なんかも、すぐ四月から改まるものではないですから、大きな財源が見積られるわけではない。のみならず私の想像では、税金の納期というものは、一年の後半期に遍つておるために、おそらく四、五、六というような月は歳入が少いだろうと思います。それに歳出を見合わせていきますと、むちやくちやな足を出していかぬ限り、そう大きな歳出も組めないということで、われわれが携わつておりますところの公共事業費予算につきましても、來年一年月の予算のかつこうの四分の一まではいかないで、ほんの走り出しのちよつぴりしたものになる。しかもその内容は、もつぱら既着手の事業を継続していくだけに止まるような内容に、いきおいなつてまいる。これは先般も御説明申し上げましたのですが、漁港について申し上げますと、去年かかつておつた漁港が六十三港ある。それが今年の三月までに大体でき上るものは、わずかに五港しかない。五十八港というものは繰廷べになつておる。これは資材や資金がないというような事情から、さような有様で、本來ならば、六十三港手を着けておるものなら、半分くらいでき上つて、そうして新しい水産増強の情勢に應じて、二十三年度には三十入れるとか、四十入れるとかしたいのですけれども、わずかに五港しかできないで、五十八も繰延ばしておるということになると、さきつ藤田君も言われましたように、内地四十八、北海道十三も入れたいのだということになるけれども、五十八もすつかりできぬのに、新しいものがぶら下つてくる、魚をとらぬ漁港がいつまでも置いておかれるということになりますから、二十三年度の予算におきましては、既着手の予算のものを少しも早く完成していくほかないというむづかしい立場に追いこまれております。來年度の予算を組むとすれば、藤田君の要求まどはいかぬまでも、若干新規の予算を組みたいという氣持で、正直のところおるのでありますが、今大藏省の暫定予算が変らざる限りにおいては、掛規の予算は入れようがないという状況であります。
 ついでに、これは皆さん御承知の通り、漁港、船だまりについても、資材はセメントであります。メセントの生産というものは、これまた実に情ないものであります。戰爭中あるいは戰爭前は、日本で六百万トンできたのでありますが、二十二年度におきましては、百二十万トンか百三十万トンしかないわけであります。そのうち進駐軍工事に対して相当の割合――おそらくは半分か、それ以外の割合も使つてありまして、國内事業に使い得るめせんとは四十万ントがせいぜいじやなかつたかと思います。五、六十万トンでしよう。言いかえますと昔の十分の一です。來二十三年度におきましては、政府は石炭の増産に一生懸命骨折ることになつており、石炭が殖えますとまたセメントが殖えるのでありますが、石炭ばかりじやなしに、ほかの源料も要るわけじしようが、二十三年度はやや明るい見透しを、今のところわれわれはもつたのでありますが、これがまたなかなか、実は今もんでおる最中で、ある新聞等にも出ておりましたが、來年度はぜひセメントは二百万トンくらいはつくりたい氣持でありますのが、おそらくは不可能ではなかろうかという関係方面からのお話もあるようでありまして、それがまた酒年のような状態よりあまり殖やし得ないとしますと、このセメントの隘路から、いきおい港湾とか、漁港、船だまりの方にも、当然去年と変らない状態が出てまいるということになると、水産がたいへんだ。漁港を一遍に百港くらい上げて、小澤さんと言われるように二十億や三十億は使つてもよいと言われましても、使えない状態が出てまいる。かような状態でありますことは一應申し上げておきます。
#8
○青木委員長 ただいま大藏大臣栗栖赳夫君が出席されましたから、なるべく大藏大臣に対する質疑を先に願いたいと存じます。
#9
○宇都宮委員 小澤氏の質問に関連して、私も同じようなことでありますが、今日の汽車、電車を見ましても、あの大半は買出しに行く連中が座席を占めておるという状態であります。これはみな食わなければ死ぬ。生くるためにやむを得ず、法を犯してでも買出しに行くというような状態でありますが、歸するところは、これは生活であります。何としても農漁ということについて、漁業を復興させなければ、日本の行き詰まつた食糧状態を解決することができぬと思うのであります。そこですべてを一時放擲しても、漁業問題についてはすべての力を打ちこんで、日本再建のためにやつていただきたい。こういう氣持に、ひとつ安本の方も大藏省も、すべてが何もかも一切をあげ、漁業でなければいかぬというくらいな氣持でやつてもらえば、行き詰まつた生活問題は解決ができるのではないかと思う。つまらないものには融資はしないでしようけれども、たとえば炭鉱のごときは、つまらない炭鉱も相当な金額を持つてやつておりまするが、そうして毎日爭議を続けておるというような状態で、政府の金でもつて爭議をやり、遊んでおるというような状態も、ある種の事業では見受けられるのですが、私は食うことに國民を安心させる意味において、もう少し政府が金を入れれば――漁業なんかというものは、金を入れればすぐこれは現われて出ることなので、これにうんと力を入れてもらつて、國民がほんとうに食うことには心配がないというところまでやつていただきたいと思うのです。これはあまり骨の折れることではないのです。金をほんとうに、小澤氏の言うように二、三十億も振りこめば、日本の漁業というものは非常な勢いで復興するのでありますから、その氣持で政府当局の方は、しばらくはほかのことをやめてでも、漁業によつて日本人の生活を保障するのだという氣持になつていただきたいと、私は考えておりますから、どうかその氣持になつていただきたいのであります。
#10
○青木委員長 小澤君、何か大藏大臣に御質疑ありますか。
#11
○小澤(專)委員 あります。大藏大臣に質問する前に、委員長に対してまず一言提議をしたい。今安定本部の内田さん、並びに水産局長から、いろいろと予算の最も窮乏せることの実情を聽きましたが、これは私もよく熱知しておる次第であります。少くとも政治家として、國家の財政がどうなつておるかということは、私どもよく承知しております。しかしこの窮乏せる財政をどうして健全な財政にもつていくかということは、いろいろ考え方もありましよう。けれども要すれば、ただ通貨の出し入れだけに手加減せずに、その通貨を裹づけるところの物資の生産に大きな、重点的な、かけるべき金をかけて、健全な財政にもつていき、それを國内に消費し、あるいは國外にこれを賣つて、金を取るということより以外にないと思うのであります。今までの予算というものは、多く水産に属するものは、水産局長とか、その他いろいろその係その係によつて官廳方面が折衝され、それをきめられておつたのでありますが、われわれの委員会というものは、終戰後何のためにつくられたか、われわれは國民の意思を代表して、國会議員として出てきて、われわれの專門に属するところの仕事に特別な委員会を構成して、特別な会議を日夜やるということについては、少くとも水産委員たるわれわれは、水産事業を今までのそれよりももつと強化し、上昇するという方向に努力し、また実現しなければ、こんな委員会の必要は断じてないと思うのであります。從いまして私は委員長並びに委員各同志諸君に提言したいことは、われわれの政治感覚の頭の切替えが必要であると思う。官僚の驥尾に附して、そのきめられたところの予算に、ああしてもらいたい、こうしてもらいたい、あたかもわれわれが金をそれらの人々から貰うようなことでなく、もつと大義名分に即したところの、少くとも國家の財政、國家の予算というものは、代議士がこれをお互いに相談して、國を憂い、國民の生活を憂えて、水産事業というものはこの観点からどうしても強化しなければならなぬということの確信に立つて、われわれ自身が予算の要求額をきめて、水産局長並びに係官の事務的折衝を開始してもらうことが、本筋であつて、少くともわれわれの國民生活に直接関係あるところの予算に、われわれが初めてふたを開けられてびつくりして、そしてああしてもらいたい、こうしてもらいたいということは、少くともわれわれを選んでくれた國民諸君に申訳け立たぬと思う。殊に先ほど申し上げました通り、今日の水産事業家というものは、決して言論機関によつて上つ面に報道されるような景氣のよいものではありません。まつたく深刻な経済状態にあるということは、宇都宮君、三好君ともに水産事業に携わる方であるからよくおわかりだと思う。そういう窮乏にあるところの水産事業家がたつた一つの喜びは、辛うじて船がつくられた、とうとう何年目に船だまりができた、漁港ができた、そういう一つの歓喜に彼らは躍動するのでありまして、それすらも終戰後において重工業事業がなくなり、そして平和産業、殊に水産事業などは最も重点的な方面になるのだから、君らは明るく希望をもつて働けと、われわれは選挙民諸君に言つてきた。それなのに今回われわれの信頼する水産局並びにその他係の人々によつてきめられた予算というものは、わずかに十億いくら。ただいま申しました通り、今日の十億は二百倍になつておるところのインフレの通貨價値から言えば五千万円、一つの事業をやるにさえ足りないようなはした金であります。この金をなお切つて最低の線を七億、それさえとり得ないということでは、われわれは何のかんばせあつて漁民諸君に顏を合せられるかと言いたいのであります。從いまして、どうか委員長もわれわれ委員もともに、この委員会こそ最も重要な予算請求その他については眞劍に討議すべき権限をもつて、またこの確信に立つて、権威に立つて、われわれは委員会の構成、運営というものをしなければならぬということを、お互いに確信しなければならぬと思うのであります。さいわい大藏大臣がおいでのようでありますから、大藏大臣は少くともわれわれと党を同じうし、常にいろいろと國家財政のことも憂慮している間柄でありますから、この窮乏せる現在の財政下に、無理をお願いすることは忍びないことでありますけれども、ただいま宇都宮氏が言つたことく、重点事業と傾斜生産というので、少くとも石炭事業などに対しては、いい加減な金を使われていることは、私自身も承知しております。そういう一つの地下何千尺の鉱脈をもつところの石炭事業が重点事業ならば、海の中に魚類の鉱脈をもつところのこの水産事業に対しても、大藏大臣はこれを最も重要なる事業ということを確信されて、何とかこの貧乏地帶の中にも工面されて、この農林省の請求であるところの十何億という予算は、最低の線なのだということを確信をもたれて、安本の方からもいろいろ御説明があつた通り、なるほど事情忍びないことも重々おありのことは、私もよく察しておりますけれども、何とかこの全國漁民の感情的奮起をこの際促す意味においても、どうかこの農林当局の要求された最低の十一億何がしの予算は、何とかこのまま通していただけるように、御努力をお願いいたす次第であります。
#12
○青木委員長 お答えいたします。衣食足つて礼節を知るということは、われわれの先輩がすでに言つていることなのでありまして、私は現下の情勢から見てもまことに卓言であると考えるのであります。食糧の面は二つありまして、一つは陸産の面であり、一つは水産の面であると考えるのであります。陸の方におけるいわゆる田や畑から得る收穫というものは、その一定面積と、また反当收穫というものにも限度がありまして、私どもの見るところでは、もう現在の労働力のないしは肥料の逼迫している現状より見て、これ以上の増産はまことに至難であると考えるのであります。しかしながら水産の方は、天然に與えられた無限の資源があるのでありまして、これが魚田の開発いかんによりましては、わが國の食糧の面に寄與するところは多大であると考える。この意味において、この水産の基礎となるところの漁船の建造、並びにこの漁船を守るべき、また漁船に乘組む尊い漁夫の生命を守るべき漁港の完成ということについては、われわれは何としてもこれを等閑視することはできないと考えておつたのであります。ところが先にわれわれの考えに同調されましてか、農林当局におきましては、漁港築設五ケ年計画というものを立てられまして、不肖私にもその内容の一端を見せていただいたのでありますが、これを通覽いたしますときに、私は一つの疑問をもつてきたのであります。それは戰爭前と戰爭後の状態において、漁港の築設及びその構造等につきましても、その位置等につきましても、相当の考慮を要する点がある。すなわちわが國の漁業の重点がどこにあるか、しかもその基本となるべき漁港築設の重点をどの地域におくかということについては、よほど研究しなければならない。從つて農林当局の立てられました漁港の五ケ年築設計画というものも、ただいま小澤さんの申されるように、一概にこれを全部のむわけにはいかなぬ。水産委員会は水産委員会としての独自の考えをもつて、この農林当局の原案に私は筆を加えなければならぬと考えまして、これが発表は一時見合わすよう要求いたしたのであります。第一回國会におきましては、本委員会には百数十という請願書が出てまいりまして、われわれは一々これを檢討したのでありますが、中には農林省の五ケ年計画の中に含むものもあります。しかしこれに含んでおらないで、なお重要であり、ただちにこれが漁港を築設しなければならない終戰後の状態にあるものをも、われわれはその請願の中から見出したのでありますがゆえに、これらのものは、特に本会議におきまして委員長の報告の中に織りこみまして、農林省の計画の外にあるけれども、即時これが建設に着手すべきであるということを説明したし、本会議において採択されておる現状なのであります。ただいま経済安定本部方面の御意見を聽きますと、いろいろ予算の査定の面において苦心されれておる模様でありますけれども、その暫定予算というものは、要するに四月から六月までのものといたしますならば、陸上における機事と違いまして、漁港築設のごとき海の中の仕事は、荒天にはできないのであります。從つて四月から五月、六月という期間が最も漁港築設の上の重要な期間であつて、おそらく漁港に関する全予算は、むしろ四月から六月に至るまでの暫定予算に全額を繰入れなければならない状態にあるものと考えられるのであります。また今までの継続費のみに重点を注いで、新規事業は査定の外に出るというような大藏当局の御見解、これももつともでありますけれども、さきに申したように、どこに重点をおくかということは、戰前と戰後に大きな距りをもつてきておる。だから継続事業のあるものは適当な方法によつてこれを打切り、もしくは変更して、また新しい観点に立つたところの漁港の築設をやらなければならぬ。われわれはさきに少澤君から申されておりますように、選挙民の大きな期待をもつて出てきておる。その選挙民の期待がどこにあるかということをよく知つておる。このわれわれの廣汎なる知識をもちまして、農林当局の漁港築設五ケ年計画に対して、相当の変更を加えるということも、当然起つてくる問題であると思うのであります。從つてわれわれは第一回國会において、この問題に対する請願を採択したのでありますが、しかしこれを予算化するということが、現在われわれとして非常に重大な任務であると考えたのであります。今度の新しい憲法下における委員会の使命というものは、單にいろいろな問題について決議するばかりでなく、これが実面の面においても相当の責任が負わされておるのであります。從つて私は委員会における決議事項の実行に関し、なおこれが予算化に関する特別な使命をもつた小委員会を本委員会の中につくりまして、その小委員諸君を原動力として、特別な考慮を拂つて、これらの問題を実現さしていきたいとかねて考えておりましたのでありますが、まだその機会を得ておりません。ただいま政変中でいろいろ議員諸君がお忙しいし、政府の方でもお忙しいけれども、このお忙しい中を特に委員会を開きましたのは、この問題はただいま暫定予算を編成中であつて、一日もゆるがせにしてはならない。われわれの意思はこの暫定予算の編成にあたつて、特に織りこんでもらわなければならないというわれわれの期待から、この委員会を特別に本日開いたような次第であります。この点委員長の意思を十分おくみとりあらんことを切望する次第であります。
#13
○栗栖國務大臣 今われわれ党を同じくしております小澤氏議士からの、水産に関する予算その他についてのお尋ねがあつたわけでありますが、私は單に大藏大臣として予算その他をいたすという関係からここでお答えするだけでなしに、國務大臣といたしまして、水産事業についてはいささか金融その他について十数年の経驗をもつております次第でありまして、ここでこのいい機会をとらさせていただきまして、水産事業の振興ということと、それから予算あるいは金融の措置というような点をも併せて述べさせていただきたいと思うのであります。
 私大藏大臣としてただいま辞表を提出いたしておりまして、この次の大藏大臣がどうなるかということはわからないのであります。ここでの委員各位の御意見は、新大藏大臣にもお傳えいたしますし、また私もあるいはこの次の内閣におきましても、何かの大臣としてのポジシヨンをもつことになるかもしれないとも付度しておるのであります。そういう場合におきましては、実行にも全力を盡したい。かように考える次第でございます。そこで水産事業その他の全体について私意見を述べさせていただきたいと思うのであります。その結果予算その他に話を及ぼしたい。こう考える次第であります。
 この水産事業は遠く南氷洋に出ます大きな遠洋の関係のものもありますし、近海の関係もありますし、近海と申しましても、東支那海、あるいは遠く大洋の中に出るのもあるのでありまして、千差万別でありますが、しかし各種の水産事業を通じまして、單に日本の食糧問題あるいはそういうような國内的の問題だけで、これの振興が現下の状況において必要だ、こう認める以外に、これはやはり貿易産業としても相当の重点をもつと思うのであります。中華民國その他南方への海産物、水産製品を輸出するという点、及びあるいはやがて欧米諸國へカン詰その他を輸出するという点におきましても、日本の國民経済の上に非常に大きな地位を占めておるのであります。そういう意味におきまして、この振興は單に國内経済の面のみならず、國際経済の上におきましても、ぜひこの関係は振興をしていくことが刻下の事業として非常に大事だということを、まず第一に申し上げたいと思うのであります。
 そうしますと、振興の面においてでありますが、それについては今の漁港の問題、漁獲施設の完備という点ももちろん大事であります。私どもの郷里であります下関にいたしましても、仙崎、北九州、あるいはこの間も大分縣の方に参りました。また伊豆その他の方面、千葉の方面、この間も福島の小名浜にも参つたのでありますが、ああいう所においての漁港を修築し、建設改善をすることの必要ということは最も大きな問題であります。
 それからさらに漁船の建設その他についての大きな必要な問題があるわけであります。これも一昨年の四、五月でありますれば、手操船がトン当り七千円くらいでできたのでありますが、それが秋には一万円となり、あるいは二万円となり、二万円をさらに超すという現状におきましては、採算の上においても、事業会社自体の上においても相当のリスクがあるのであります。こういうリスクを、政府といたしましてはなるべく安定した船價でもつてつくらすようにする。そうしてやつていく。これがなかなか現在の状況においては困難な問題でありますけれども、船價がうなぎ上りに上るというようなことでございますと、なかなか船を安心してつくれぬ。從つて後に申しますように、金融の面においても十分いかぬ。こういう点もあるのでありまして、政府といたしましては、そういう漁船その他の建造についても、一連の政策をもたなければならぬと私は考えておるのであります。
 それからいわゆるその他の整備についてもであります。また会社の濫設というようなこともいかぬ代りには、弱小の企業がたくさん濫立しまして、結局競爭倒れになるということもいかぬのであります。そういう点におきましても、指導といたしましては、適当な企業主体の規反のもとにこれをやつていくということも、もちろん必要であるわけであります。そういうような点を合わせて、この企業の主体の面あるいは漁港その他施設の面、船舶、漁具その他建造の面を合わせていかなければいかぬのであります。ところで資材その他に非常な制約を受けております現在におきまして、安本といたしましてもできるだけの割振りをして、そういう方に多くまわすことが一つの大きな施策に相なるわけであります。それと同時に資金の面でありますが、資金の面をいかにするかという点であります。これは予算的措置でいたしますのと、金融的措置でいたしますのと、この二つの面を政府といたしましては考える必要があると思うのであります。ただいま問題になりました漁港の問題のごときは、予算的措置の問題であると思うのであります。これは実は政変がたまたま起りまして、二十三年度の予算編成が、さしあたり暫定予算編成ということに相なつてきましたので、非常に困難なる問題にも逢着いたしたのであります。しかし私ども大藏当局といたしましては、暫定予算ではありますけれども、やはり一年を通じての大体の計画、財源支出というものを見合わして、そういうものを見合わしながらも暫定予算を組むということが必要であると思うのであります。いきあたりばつたりで暫定予算を組んでは、とうてい健全財政の実質おもつかみ得ないのみならず、この危機の脱却もできないと思うのであります。そういう面におきましてこの財源をつかみ、そうして大体の一年の計画を見透しをつけながら、今回の暫定予算を組むということに相なつたわけであります。実はこの組閣も完了し、この國会において各位にお諮りをして、この財源等につきましても、一般收入のほかに私一個の考えでありますが、次の内閣でどういうようにか表現されるかと思つておりますけれども、さいわいにこの政策協定のできつつある中でも、生産公債ということがうたわれておるのであります。財政法でも許しますので、建設的なこと――漁港の建設というものにはこの公債の発行ということも考えられるのであります。この公債も、單にインフレーシヨン下におきましては、日本銀行の引受のもとに公債を発行するということはゆゆしい問題でありまして、これはあくまで避けなければならぬのであります。しかし市場消化、金融機関の再建整備も進み、貯蓄の増強、そういうものによつて市場で消化される範囲においては、公債というものも発行は一向差支えない、現に御審議を経、御承認を得た昨年のあの大きな追加予算のもとにおきましても、そういう意味の建設事業への投資については、公債の発行を認めておるのであります。これも市場消化の範囲で認めておるのであります。今回の二十三年度におきましては、そういう方面においても建設公債としてこれが考えられるのであります。財源も一般財源で賄いきれぬところは、市場消化の許す範囲においてはそれも考えられる。こういうような点において、われわれは能うだけの大きな金額を、やはり市場の他との振合いで許す範囲においては、漁港の建設その他にも振り向けたい。これは財界その他についてとまつたく同じでありまして、そう考える次第であります。現下の状態においては、生産ということがまたインフレーシヨンを仰止する大きな働きをもちます。そういう意味においても、生産面に向う公債、しかも市場で消化されてインフレーシヨンに惡い影響を與えないものにつきましては、これを採用していく、こういうことに政策もかえ、そういう点においても漁港方面にまわる資金を多くしなければいかぬのであります。こう考える次第であります。ただ、ただいま組閣中でありまして、暫定予算でありますから、その全貌を現わすことはできないと思いますけれども、暫定予算に次いで本予算などの編成ができます場合には、そういう点を十分あげるべきであり、私はそういう考えを年來もつておりますので、ここで表明いたしたいと思うのであります。
 それから金融の面であります。これは実は水産金融についても若干の経驗をもつているのでありますが、これはおもに運轉資金と、建設の方の長期資金であります。まず長期資金について申し上げます。長期資金はまず船價の問題であります。船をつくる場合に、こう船價が上りますと、普通の金融ではなかなかできない場合がしばしばあるのであります。私の記憶でも、先ほども申し上げましたが、いま一度申し上げますと、実は一昨年の四、五月ころ手繰船その他の船をつくるときに融通しましたのは、船價が非常に高いといつて、トン当り七千円であつたのであります。それが一昨年の七月から九月にかけては一万円になりました。一万円でたいへんだろうと言つておつたのでありますが、それが二万円になり、さらに二万円を超すというような現状であります。そこで一般の普通金融ということはなかなかむずかしいので、復金の金融へと移行してくるのであります。この復金ということも、石炭金融で三分の一を使うとか、あるいはその他で大きな金を使つておりますけれども、復金がスフインクスのようになることも大きな問題であります。復金の貸出などは、現にこの委員会その他を経て取締つて金融をしておりますけれども、しかも相当大きな金融になるのでありまして、その金融ということになりますと、復金のあり方などもなおいろいろ見かえていかなければならぬと思うのであります。しかしこの水産金融などで、船價その他の点において普通金融ができぬ場合においては、復金の保証とか、あるいは復金で金融をするということになります。しかし大体決済の行詰りが底になつて、上向くことになれば、一般の市中金融、殊に地方銀行の金融としては最もいい対象であります。そういうような点も善導し、たまたま金融機関再建の整備が、新旧勘定を年度末までには合わすことになつて、増資その他で再出発をすることになつておりますので、こういう点について一般金融の疏通ということも本則でありますから、十分考えたいと思うわけであります。復金ももちろん活用しますけれども、復金の資金については大体限度がありますから、一般金融へその方を流ししていくというのも考えなければならぬと思うのであります。そういうものについては、もちろん水産事業家も経営の堅実ということをして、一般の金融でも十分受ける資格があるようなところへもいつていただかなければならぬと思うのであります。
 なお最後に金融の制度でありますが、これは漁業財團その他の制度があり、船舶抵当その他の制度があるのであります。ちようど私大藏大臣として申し上げてはどうかと思いますが、一言附けさせていただきますと、この委員会などで今の財團制度、あるいは船舶抵当制度というようなものなどをもつて簡便にし、もつと運用をよくするような制度を、この委員会でお考えを願つて、手続を簡便にするということになれば金融の面などでも業者も受けられ、從つて國の受ける利益も相当あると思うのであります。そういうような予算外にもわたりましたけれども、私は水産事業に対して、この際特に重大なことを考え、その資金その他の面においても、こういう点を十分考え、振興をしていきたいという意見をもつておりますので、一應述べさせていただいたわけであります。
#14
○外崎委員 各協交渉会がありますので簡單にお話しいたします。
 今大藏大臣初め、安本あるいは水産局長の懇切なお言葉に対しては、まことに感謝いたします。しかしただ先ほどから同僚の話されましたように、なるほど十億、二十億と言えばたいへんかもしらぬが、何せ魚を多くとる、とらないというよりも、まず漁民の生命の保障がなければならぬ。これが一番重大な問題であります。私も昨年委員長にお供して、日本海の方を一通りまわつてまいりました。その他各方面に三、四十ケ所の漁港は見てまいつておりますけれども、はなはだ不完全である。特に一番不完全なのは何かと言えば、先ほど水産局長の言われた通り、補助額五割を四割に下げてもということでびつくりしました。むしろ私は全額を國庫負担するまでに進んでいかれなければならぬ。それは少くとも魚をとるとらないという問題よりも、漁民に対する生命の保障をしてやることが一番必要ではないか。しかるにどこの港にいつて見ても、もう恐しいほど船がこわれておる。その損害は莫大なものである。どんな小さな港にいつても三艘、四艘と横わつておる船があることを見るときに、國家が今一厘惜んで百文損しておるような状態にあるのではないか。もつとも安本の説明によれば、それは物資もないであろう。ないであろうけれども、あれもこれもないというけれども、今全部がないのであつて、そこをむりしてでもやつていかなければ、漁港もできないし、とにかく三百五十万という漁民の生命は、國家がこれを保障していかなければならぬ。そういう観点に立つても、二十億や三十億の金は十分に融通して、完全なる漁港の設備をすることが最大急務ではないかと私は思います。もちろん米に次ぐに魚の蛋白質も大いに必要でしようし、その他外國に出すにしても、経済状態においても大いに必要であるけれども、まず第一番に漁民の生命を保障していかなければならない。こういう観点に立つても國家にやつていただかなければならぬと私は思う。有力なる大藏大臣の今の一言は、まことに漁民は喜ぶことであろうとわれわれは考えている。それをもう一歩進めて、專門的な水産局で調べていつた書類に対しては、大藏大臣みずからその書類を手にとつて、安本あたりと相談し、十億が二十億でもやつてもらいたいというのがわれわれの念願である。もう一つは、先ほども話があつたが、われわれの委員会である。この委員会は最高の委員会であるはずであつて、一々こまかい支出や專門的なものは、政府委員に來てもらつて説明を聽くのもよろいしが、少くともわれわれの委員会が專門的に研究してこれを要求した場合には、相当の権威がなければならない。しかるに、何らの権威がない。われわれまるきり役人の説明を聽いて、さようでございますか、お願いします、というような、そんなばかげた委員会ではない。この場合においても、委員長もわれわれ委員も、これを委員会に説明し、政府にも堂々と申しつけて、われわれが予算を完全なものを起草して、役人にそれをなさしめていくということが大事ではないかと私は考えております。
 最後に一つお聽きしたいことは、私の見るところでは非常な損害だが、一年間にどのくらいの船がこわれているか、そして今の價格でみたならばどのくらいの價格になつておるかということを、水産局の方でお調べがあるならば、今すぐでなく、後でもよろしゆうございますから、調べてもらいたい。なお本年度におむる十一億は暫定予算であるかもしれぬ。三万や四万の予算を組んでみたところで、三万や四万はそんじよそこらの大道商人でもそのくらいの予算をもつてするというのに、日本全國の漁村を相手にして、その生命をみていくのに、五億や十億の予算は恥かしい話である。將來においてもいかがかと思われる。この点もともとと御考慮くだされて、そして双方でよく相談して、一日も早く完全な漁港の建設を願いたいのであります。終り。
#15
○三好委員 ちよつと安本の次長さんが來ておられるから、お伺いしたいのであります。今日相当漁業資材がないことは皆さん御存知の通りでありますが、隠退藏物資として漁業方面にまわし得るところの品物が相当あると聞くのであります。この品物を一日も早くこの不足な漁業方面にまわしていただくことを、ひとつお願いしたいと思います。そうした物資のあることを水産局長は――もしもあるとするならば、水産局長の方からぜひとも水産の方に流すように、特段の御配慮を願つて、この不足な漁業資材の方に重点的に流してもらうことを、特にひとつお願いしたいと思いますが、その隠退藏物資が、今何ほど漁業方向にまわし得るものがあるか、大体御存じならばお知らせを願いたいと思います。
#16
○青木委員長 ただいまの三好君の御質問は、その係りの回答を求めることにいたします。さよう御了承願います。ちよつと速記をとめて……。
    〔速記中止〕
#17
○青木委員長 速記を始めて……。庄司彦男君。
#18
○庄司(彦)委員 先ほどからの政府当局並びに委員の御熱心な論議に対して、私拜聽して感激したものでありまするが、今までの水産の予算に対しては、積極的よりむしろ消極的な態度がとられているのではないかというところを非常に感ずるのであります。これは一つに水産当局の政治性の問題であると私は思うのでありまするが、近く水産廳ができ上りましても、こうした過去の傳統的な消極的な、ただ取締的ないき方では、絶対にその目的が達せられないだろうと思います。今度の予算のとり方についても、他の省に比べてきわめて貧弱であるということは、國の財政がどうだということよりも、水産当局の政治性の薄弱なことがわれわれには看取されるのであります。こうして点をよく水産当局において反省していただいて、今回われわれが予算の小委員をつくつて、その決議に從つて邁進するときに、十分これに協調してもらいたいということをお願いしたいのであります。
 それから私けさの新聞で拜見したのでありますが、ちようど安本の方も來ておられますから、その点について質したい。漁民の漁獲高に対する報奬物資、リンク制のものが敏速に渡されていないために、非常に生産意欲を害し、またようやく取締りその他によつて正常ルートに上つてきた漁獲高が、そのためにあるいはまたやみに流れるのではないかというような点を心配するものであります。水産課長の説明によると、安本の方において、報奬物資の割当については商工省との交渉がはかどらないために、約束した通りな報奬物資が思うように渡されていないということを新聞で発表しておりまするが、この点について一体安本はどういう考えでいるのかということを私は聽きたい。少くとも昨年の米の供出、あるいは魚の供出に対しては、これに裏づけするところの資材の配給と、報奬物資というものを前農林大臣は固く約束したのであります。しかるに今日の新聞を見ると、驚くべきところの欠陷がある。これの責任が水産当局に言わせると安本にあるようにわれわれは看取しておりまするが、この点についての次長の明快なお答えをお願いしたい。
#19
○青木委員長 ただいま庄司者より御質疑がありましたが、安本の副長官はただいま次官会議に出席中でありまして、二時半過ぎでなければ出席ができないという通知がありますので、これが出席を得た上で御答弁を求めることにいたしたいと存じます。小澤專七郎君。
#20
○小澤(專)委員 副長官も結構でありますが、ただいま御來席の内田さんあるいは水産局長は、少くともこういうことについての中堅でありまして、われわれは中堅と語りたいのであります。大藏大臣に対しても今廊下まで追いかけていきまして、あなたは留任されるかどうかわらかぬけれども、少くともわれわれはあなたの留任に反対ではない。同時に水産事業というものに対して、おざなりでなく、もう少し眞劍に具体的な処置を講ずる、ただいま外崎君が言つたことく、具体的処置をやる、自分でその書類を手にとつて、こういうことではいかぬ、根本的な措置を講ずるという積極的な行為に出てもらいたいということをただいま申し上げまして、快諾を得てきたのであります。今や政変で新しい内閣が誕生するに先だつて、少くとも第一回の水産委員として選ばれたわれわれは、ここに一應の交代期が來たと思うのであります。しかしてわれわれが各選挙区に帰つて、われわれを選んでくれた選挙民諸君、漁民諸君に対して、われわれ水産委員として、前議会並びに今議会においてどういうことをやつてきたかということを顧みますときに、まことに慚愧にたえないものがあるのであります。從つて小委員会をつくることも至つて賛成でありますけれども、この際水産、漁港並びに船だまりの問題に対しては、水産委員に選ばれたわれわれ全体が、ここに超党派的に決議なり何なりをいたしまして、そうしてきよう現職にあり、あす送つてもよろしいから、その最も中堅であるところの内田次長並びに藤田水産局長から、このわれわれの超党派的ないわゆる水産漁港並びに船だまりの問題に対しては、最も積極的な、好意ある協力をいたすということの誓約、御言明を願つて、そうして、あるいはこれがわれわれ水産委員としては最終であるかもしれませんから、選挙民諸君に対して、われわれはこうして闘つたのだ、しかるにもかかわらず國家財政かこういう段階であつたためにこうなつたということの事実を、私ははつきりしておきたいと思うのであります。これは水産委員長を通して各委員諸賢にお諮りしたいことなのであります。
#21
○青木委員長 ただいま小澤君から一種の決議をもつて政府に要求し、これに関する政府当局の回答を求めるという御提議がありました。この問題につきましては後ほどお諮りいたします。なお水産行政の整備並びに水産食糧の生産及び配給確保に関する事項につきまして、先般來開かれました委員会の意向をくみまして、委員長でありまする私が個人の資格をもつて、青木清左ヱ門外委員諸君二十九名の提出者といたしまして、水産行政の整備並びに水産食糧の生産及び配給確保に関する決議案を、衆議院に提出することにいたしました。ただいまその案文を朗読いたします。
 我が國現下の食糧事情より見て水産食糧の生産及び配給確保は極めて重大且つ緊急を要するものである。然して漁区の拡張、南極捕鯨等多大なる連合軍の好意によりこの方面の生産確保は極力計られつつあるも全國的に沿岸、遠洋漁業の生産増強の必要特に大なるものがある。尚政府さきに「生鮮食料品配給確保に関する具体措置」を以て現行配給方式に必要なる改善を加へその徹底に努力しつつあるが所期の成果は未だ挙つていない。
 依つて政府は水産行政の整備強化を図るために農林省に外局たる水産廳(仮称)を設置すると共に水産物の生産増強と配給の円滑を図る為速かに資材の確保、金融の斡旋、魚價及び集配機構の適正化等從來の施策に再建討を加へ所要の改廃を行ふことを要する。衆議院は院議を以て之を決議する。
 こういう案文に相なつております。各位の御了承をお願いいたします。
    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#22
○青木委員長 これをもつて休憩いたします。午後二時三十分に再開いたします。
    午後零時四十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五十八分開議
#23
○青木委員長 休憩前に引続いて全議を開きます。
 さきに小澤專七郎君の提議になる決議の文案の御報告を求めます。小澤七郎君
#24
○小澤(專)委員 朗読します。
  漁港船溜築設実現に関する決議
 水産業の重要性を確認し、その基幹をなす漁港船溜等の築設、修理に関しては、各水産委員は從來の水産事業に対する消極的なる考えを放擲し、きわめて積極的にこれが実現に邁進するものであつて、関係当局もまたこれに同調すべきであると信ずる。よつてその具体的行動の現れとして、本問題に関する限り超党派的に意志を同じうし、その実現を決議し、目的達成のため、強力に推進するものである。      以上
#25
○青木委員長 ただいまの決議案を本委員会の決議とし、即刻明日にても小委員会を設けて、この目的完徹のための行動を起されることを希望いたします。決議に関して御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○青木委員長 御異議なければさよう決定いたします。
 本日はこれをもつて散会いたします。
    午後三時散会
ソース: 国立国会図書館
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