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2019/05/22 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 決算委員会 第8号
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2019/05/22 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 決算委員会 第8号

#1
第198回国会 決算委員会 第8号
令和元年五月二十二日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     小西 洋之君     又市 征治君
     浜口  誠君     矢田わか子君
     熊野 正士君     杉  久武君
     浅田  均君     行田 邦子君
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     青山 繁晴君
     中西 祐介君     元榮太一郎君
     又市 征治君     川田 龍平君
 五月二十二日
    辞任         補欠選任
     石井 浩郎君     井原  巧君
     矢田わか子君     木戸口英司君
     杉  久武君     宮崎  勝君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石井みどり君
    理 事
                岩井 茂樹君
                豊田 俊郎君
                西田 昌司君
                伊藤 孝恵君
                竹谷とし子君
                仁比 聡平君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                石井 浩郎君
                島村  大君
                そのだ修光君
                二之湯 智君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                藤末 健三君
                古川 俊治君
                松下 新平君
                宮本 周司君
                元榮太一郎君
                小川 勝也君
                風間 直樹君
                川田 龍平君
                木戸口英司君
                古賀 之士君
                矢田わか子君
                秋野 公造君
                宮崎  勝君
                石井 苗子君
                行田 邦子君
                高木かおり君
                吉良よし子君
   国務大臣
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  石田 真敏君
       環境大臣     原田 義昭君
       国務大臣
       (復興大臣)   渡辺 博道君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  野上浩太郎君
   副大臣
       復興副大臣    浜田 昌良君
       内閣府副大臣   左藤  章君
       財務副大臣    鈴木 馨祐君
       厚生労働副大臣  高階恵美子君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        長尾  敬君
       復興大臣政務官  安藤  裕君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        笹嶋  正君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       藤原 通孝君
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房内閣審
       議官       阪本 克彦君
       内閣官房内閣審
       議官       二宮 清治君
       内閣府大臣官房
       審議官      黒田 岳士君
       内閣府大臣官房
       審議官      米澤  健君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        川又 竹男君
       宮内庁長官官房
       審議官      小山 永樹君
       復興庁統括官   末宗 徹郎君
       復興庁統括官   東   潔君
       復興庁統括官   小山  智君
       復興庁審議官   角田  隆君
       総務大臣官房総
       括審議官     宮地  毅君
       総務大臣官房総
       括審議官     安藤 英作君
       総務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        横田 信孝君
       総務大臣官房地
       域力創造審議官  佐々木 浩君
       総務省行政管理
       局長       堀江 宏之君
       総務省行政評価
       局長       讃岐  建君
       総務省自治行政
       局長       北崎 秀一君
       総務省自治財政
       局長       林崎  理君
       総務省自治税務
       局長       内藤 尚志君
       総務省総合通信
       基盤局長     谷脇 康彦君
       厚生労働大臣官
       房審議官     田畑 一雄君
       厚生労働大臣官
       房審議官     本多 則惠君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       椎葉 茂樹君
       厚生労働省政策
       統括官      藤澤 勝博君
       林野庁国有林野
       部長       小坂善太郎君
       国土交通大臣官
       房審議官     眞鍋  純君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   五道 仁実君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   徳永 幸久君
       国土交通省道路
       局次長      榊  真一君
       国土交通省港湾
       局長       下司 弘之君
       観光庁観光地域
       振興部長     平岡 成哲君
       環境大臣官房環
       境保健部長    梅田 珠実君
       環境省地球環境
       局長       森下  哲君
       環境省水・大気
       環境局長     田中 聡志君
       環境省自然環境
       局長       正田  寛君
       環境省環境再生
       ・資源循環局長  山本 昌宏君
       環境省環境再生
       ・資源循環局次
       長        森山 誠二君
       環境省総合環境
       政策統括官    中井徳太郎君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     山形 浩史君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第一局長   三田  啓君
       会計検査院事務
       総局第三局長   森   裕君
       会計検査院事務
       総局第五局長   戸田 直行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○平成二十九年度一般会計歳入歳出決算、平成二
 十九年度特別会計歳入歳出決算、平成二十九年
 度国税収納金整理資金受払計算書、平成二十九
 年度政府関係機関決算書(第百九十七回国会内
 閣提出)
○平成二十九年度国有財産増減及び現在額総計算
 書(第百九十七回国会内閣提出)
○平成二十九年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第百九十七回国会内閣提出)
 (復興庁、総務省及び環境省の部)
    ─────────────
#2
○委員長(石井みどり君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、浅田均君、小西洋之君、熊野正士君、浜口誠君、宇都隆史君及び中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として行田邦子君、杉久武君、矢田わか子君、川田龍平君、青山繁晴君及び元榮太一郎君が選任されました。
 また、本日、杉久武君が委員を辞任され、その補欠として宮崎勝君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石井みどり君) 平成二十九年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、復興庁、総務省及び環境省の決算について審査を行います。
    ─────────────
#4
○委員長(石井みどり君) この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(石井みどり君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#6
○委員長(石井みどり君) 速記を起こしてください。
    ─────────────
#7
○委員長(石井みどり君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○青山繁晴君 自由民主党の青山繁晴でございます。
 国会審議は全て意義深いのでありますが、この決算委員会は特に意義深いというふうに理解しておりますので、質問の機会をいただきましてありがとうございます。党利党略でなく、国益のためにこそ質問いたします。
 まず、原田義昭環境大臣にお尋ねいたしたく存じます。
 福島原子力災害の被災地におきましては、今も、この瞬間も父祖の地を取り戻すための努力が続いています。予算を投入して除染が行われまして、既に完了した地域もあります。しかし、住民の方々のふるさと復帰はなかなか進まないのが現実であります。そこには複合的な深刻な要因がありますけれども、本日は質問時間が短いですから、一つに絞ってお聞きします。
 それは、事故の発生当時に、IAEA、国際原子力機関の国際原子力事象評価尺度において、チェルノブイリ事故と同じくレベル7とされていることです。
 不肖私は、民間時代から実務上の専門分野の一つが危機管理でありますから、事故の発生直後の西暦二〇一一年四月十五日に、許可を得て、当時の警戒区域を含む被災地を広範囲に回って状況を調査いたしました。翌週の四月二十二日には、これも許可を得て、作業員以外では初めて福島第一原発の構内に入り、状況を調べました。その際、放射線量も自ら測り続けました。その結果として申せば、チェルノブイリ事故とは福島の現実は全く異なることは、その当時から既にして明らかでありました。
 例えば、放射線障害。直接の放射線障害で亡くなった方は、現在のところ福島においてはゼロです。ところが、チェルノブイリにおいては、当時の、はっきり申せば情報公開しないソ連当局の発表でも三十三人でありましたが、世界の専門家では、はるかに桁違いの直接の放射線障害による死亡された方がいらっしゃるというのは広く推定されているところです。
 誤解があってはいけないのであえて申しますけれども、福島原子力災害におきましても、事故の関連死、すなわち誤った避難の仕方などによって不幸にも亡くなられた方は、何とおよそ二千人に及ぶという現実は一方であります。こうした事実は私が国会に出ましてから何度も質問いたしまして、原子力規制委員会などから御確認をいただいているところです。
 しかし一方で、IAEAの前述の基準において、チェルノブイリと福島が同じだと、同じレベル7だと区分されている以上は、世界と日本の多くの人々がこの二つは同じような事故だと考えるのもある意味当然のことです。
 例えば、直近のことでいいますと、WTOの上級審におきまして、福島を含めて日本の安全な水産物を輸入禁止にしている韓国の不当な措置について、これを認めるかのような決定がありましたけれども、これも根っこの背景としては、日本国民が考える以上にこのレベル7というものの影響は深甚なものがあると言わざるを得ません。つまり、レベル7である限りは、陸で官民の連携による除染が完了してもなお、それから海で水産物への汚染がなくなってもなお、人々の疑心暗鬼はなくなることがありません。
 レベル7とされた当時、IAEAの内部では、私の知る限りでは、フローリー事務局次長が、チェルノブイリと福島は全く違うのになぜ日本政府はそのようなことを言ってくるんだと、思わずフローリーさんが記者団の前で吐露してしまったこともありましたし、そのことも踏まえて、IAEAの内部ではかつて、今はレベル7が一番悪いケースなんですが、レベル8を作ってチェルノブイリはそこに上げて、福島とは違うということを明確にすべきだという意見が実はIAEAの内部で出ましたが、日本政府からは何の働きかけもなかったので、そのままになっているわけです。
 その上で、IAEAはまだこれ暫定としたままなんですね。実に八年間、暫定のままであります。したがいまして、公正公平な見直しを促すには日本政府全体の取組が不可欠であります。
 今日は除染効果の検証に責任をお持ちの原田環境大臣に御見解をお尋ねします。
#9
○国務大臣(原田義昭君) ただいま青山委員から貴重なお話をいただいたところであります。
 福島第一原子力発電所事故などの原子力発電所事故のINES評価、これは国際的な評価機関でありますけれども、INES評価やその手法については、IAEAにおける議論等を踏まえて、日本においては専門的な知見を有する原子力規制委員会が独立した立場で判断するものと、そういうふうにまた考えております。
 また、IAEAにおける議論への対応方針等についても、原子力規制委員会が説明するべきものと考えておるところであります。
#10
○青山繁晴君 大臣が今おっしゃいましたとおり、直接には独立性の高い規制委員会で検討されることはよく私も承知いたしております。
 大臣、よろしいですか、もうちょっと付け加えてよろしいですか。
 その上で、先ほども申しましたが、この三年間の間に何度もこの件は国会で質問いたしまして、原子力規制委員会からは答弁いただいているんですけれども、独立性が高くても原子力規制委員会も日本政府の一部でありますから、規制委員会の見解、作業を尊重しつつも、環境大臣も含めて、できればそれぞれの御見解をいただければと思います。もしも付け加えてくださることありましたら、いかがでしょうか。
#11
○国務大臣(原田義昭君) 今それぞれの御見解というお話もございましたけれども、私どもは、制度上、原子力委員会が国家行政組織法上、第三条の規定に基づきまして、環境省の外局として設置され、専門的、独立の立場からこの業務を行っているというふうに思っておりまして、原子力規制委員会の活動の内容や方針については私どもとしては差し控えさせていただきたいなと、こう思っております。
#12
○青山繁晴君 政府全体で、内部ではよく議論していただいて、先ほど申しました、IAEAの中で既にレベル8を設けるべきじゃないかという議論が行われていますから、それを促すように向かっていただきたいと思います。
 一つだけ付け加えれば、今大臣がおっしゃった評価尺度は実はかなり変更が行われていて、レベル6などに新しい一九五〇年代の事故が入ったり、実はずっと検討をやっているんですね。それで、日本の実務当局もそれを知らないはずはないのに、実は今回質問するに当たり、僕のルートでもう一度確認したんですけれども、ほとんど福島がレベル7になっていることについて発言も動きもないということでありますから、出先の方々の踏ん張りを促すためにも、政府全体としてできれば取り組んでいただければと願います。ありがとうございます。
 じゃ、次の質問に移ってよろしいでしょうか。
 環境省をめぐる決算書もじっくり拝見いたしまして、皆さん御存じのとおり、除染が進めば進むほど新たな放射性廃棄物が出てくるという現実があります。事故の起きる前に通常運転していた、あるいは今再稼働している原発から言わば普通に放射性廃棄物も出てくるわけですが、中間貯蔵までは行っても、その最終処分ができないという現実がずっと続いているわけです。
 この除染に絞って申しますと、福島原子力災害に関連して出た放射性廃棄物というのは中間貯蔵から三十年以内に最終処分に入る約束だと私は理解しておりますが、そうしますと、中間貯蔵は既にもう始まっていますから、今から検討しないととても間に合わないです。であると同時に、今から検討して国内の他の都道府県のどこかに最終処分場を造るというのは、これまでの通常分の困難な歩みからしても極めて難しい、もっとはっきり言うと、現実にはできそうもないと。そうすると、福島原子力災害の大事な部分もいつまでたっても終わらないということになります。
 そこで、せっかく決算委員会で質問させていただきますから、ちょっと今まで世の中に申していなかったことをあえて専門家の端くれとして申せば、陸が無理であればほかの空間を考えざるを得ない。それは、そのように決めるべきだと申しているのではなくて、検討せざるを得ない。そうすると、陸でないところというのは、現実には宇宙空間と海洋しかないわけです。
 実は、私の知友の科学者の中にも宇宙空間での処理を提案なさる方もいらっしゃいます。しかし、それを三十年というタームでやるというのは現実にはとても無理だと、まあ個人的見解ですけど思います。そうすると、もしも陸上の都道府県に置くことができないのであれば海洋を考えざるを得ない。
 放射性廃棄物を固め上げて、日本のEEZは実は世界第九位の、海で考えると九位、陸地を含めると第六位の面積になるという広大なところですから、しかも、深海部分、深いところを考えれば日本の深海技術は世界トップです。つい先日もJAMSTECが、海洋開発研究機構ですね、五千五百三十五メートルの深海底を掘削しまして、そこからレアアース泥を実際に取ってくるという大変な世界的成果を二月に上げたばかりであります。
 そうしますと、単なる海洋投棄ではなくて、こうした日本の深海技術を生かした海底下への処分を少なくとも検討はしないと、仮に最終的に陸上で処分せざるを得ないとしても、本当にできることをみんな尽くしてやった上でうちの都道府県にお話が来ているのかという住民の方々の疑問に答えることも難しいと思います。
 これも誤解なきように申せば、私は海洋資源の調査、開発も専門分野の一つでありますから、海の尊さは知り尽くした上で、議論を前に進めるためには、あらゆる可能性を一旦政府が研究した上で、責任ある再提案を政府がなさることが政府の責任ではないかと思います。
 先ほどの質問でも申しましたが、これも政府全体の取組が必要だと思いますので、その一環として原田環境大臣の見解を伺えればと思います。
#13
○国務大臣(原田義昭君) まさにこの問題は、政府、一環としてですね、一団として、またしっかり取り組まなきゃならない問題だろうと思っております。
 その上で、除去土壌の扱いにつきましては、三十年以内に県外での最終処分ということは決まっておるところであります。それをこれからどうやっていくかについては、相当な困難も伴いますけれども、しかし、これはしっかりやっていかなければいけない案件であります。
 ただ、今お話の中では、この除去土壌等を海洋に投棄するというのはどうだろうというような御指摘のようでありますけれども、今のところは、私ども、この海洋への投棄というのは想定の範囲に入っておりませんで、何としても、まずは中間処理施設の中で、例えば減容化の技術を開発する、さらには再生利用技術を開発するということで、できるだけその量を最小限化したところで県外に持っていくというのが今考えておるところであります。
 御指摘のとおり、本当にこの問題、様々な観点から様々な検討を加えなきゃいけないなと、こう思っているところであります。
#14
○青山繁晴君 今大臣がおっしゃいました量を最小限度にするという考えは、不肖私も強く賛成いたします。実は相当可能だと考えています。
 その上で、ちょっと僕の質問の言葉が良くなかったと思うんですが、大臣も今、海洋投棄とおっしゃったんですが、これ、僕のせいですけど、誤解を招くので、この言葉はやめたいと思います。
 投棄、投げ捨てるわけじゃなくて、さっき海底下と申しましたけれども、さっき申しましたとおり、世界の常識覆して五千メートルを超える水圧のところで海底の掘削に成功して、その下にある、これ、掘削五、六回やった上でその下のレアアース泥を取り出したりしましたから、したがって、潮の流れとかあるいは海水の影響で変化したりする懸念のない深いところに処分するということでありますから、投棄という言葉は、私の質問に間違いなくありましたけれども、今撤回したいと思います。
 それからもう一度、海洋で処分することを決めてくれという質問ではもちろんありませんので、量をちっちゃくして、しかも実は放射性物質の性質も弱めた上でということになるかと思います。要望としては、できるだけ早く検討を深めていただければと思います。
 それでは、今日はお願いをいたしまして官房副長官にもおいでいただいております。ありがとうございます。
 違う質問に入りたいんですけれども、よろしいでしょうか。
 令和の新時代を国民みんなで明るくことほいでいるというとてもいい時代が私たちの前にあります。同時に、実は、皇位継承の安定の問題が目の前に迫り来ているという現実があります。
 御譲位を実現しました特例法の附帯決議におきまして、皆様御承知のとおり、その安定への努力がうたわれておりまして、「女性宮家の創設等」という表現がありますが、「等」という言葉は、一般社会よりも法においてはとても大切な一言であると理解しております。したがって、女性宮家の創設にこの安定のための対策が限られたわけではないということは言えると思います。
 その上で、これまでの立場を超えて、つまり、これからいよいよ具体的に方策を政府におかれても、あるいは国会においても考え、議論せねばなりませんから、これまでの立場を超えて公正公平に検討しなければならないのが、日本がかつて占領下で主権を失っていた時代にGHQが強権によって、宮家のうち、つまり皇位継承のためにつくられた宮家のうち実に十一までを皇籍から外し、そのときにいらした二十六人の男子の方々から皇位継承者となる資格を事実上奪ったという冷厳なる事実があります。ちなみに、この二十六人というのは、私の個人見解ではなくて、国会審議において答弁があったところです。
 今の段階は、この国会の場でいたずらに私の個人的見解を申し上げる段階ではないと思います。そこは慎みつつ申し上げれば、このいわゆる臣籍降下、難しい言葉ですけれども、臣籍、つまり普通の戸籍に降りていただく、皇統譜から降りていただくということがなければ、当時の二十六人という男子の方々を考えても、現在の皇位安定の課題は生じていなかったんではないのかというのは、これも立場を超えて普通に考えられるところです。しかも、そのGHQの措置というのは、ただ占領下にあったというだけで行われています。あえて言えば、法的根拠がないと、これはちょっと私の個人的見解ですけれども、思っていますから。
 したがって、宮家の方が宮家を離れられてから七十数年過ぎているということがよく言われるんですけど、巷間よく言われますが、これは話が逆で、占領が終わって実に今六十七年たっているわけですから、占領下で行われたことについて私たちが独立国家として検討を加えるのは当たり前のことであろうと。個人的見解とはとても思えません。したがって、宮家を強制的にお戻りいただくとか、そんな話ではもちろんなくて、お戻りいただける方々にはお戻りいただければということを少なくとも解決の選択肢の一つとして研究するのは、右も左もなく、冷静に考えればむしろ当然のことではないかと思います。
 しかし一方で、先ほどの人口に膾炙している七十数年も過ぎたという話の中には、その二十六人いらっしゃった男子の方は今はどうなんですかというのは当然、国民であれば、関心のある方であれば考えられるところであります。すなわち、現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと、議論がこれ以上できないです。
 したがいまして、実は、この決算委員会の質問の機会をいただくのは、かなり前からお話を余裕を持っていただきましたので、政府機関の協力も得て調べました。旧宮家の方々は、もう一度申しますが、現在、一般のお暮らしをされていますから、例えばプライバシーの尊重にも十分な配慮をいたさねばなりません。あくまでその範囲で申せば、悠仁親王殿下と余り年代がお変わりない、すなわち十五歳以下の男子の方々五人がいらっしゃると承知しております。さらに、二十代前半の男子の方々がお二人いらっしゃって、少なくとも七人の方々については、もしも皇統譜にお戻りいただければ皇位継承者となり得るということが考えられると思います。これは、先ほど令和の時代をことほぐ明るい日々を私たちは実は過ごしているということを申しましたけれども、皇位継承が安定するということにつながる実は国民の明るい希望の話でもあると思うんですね。
 つきましては、まず、政府としてはどのような確認をなさっているのかをお尋ねいたします。
#15
○政府参考人(小山永樹君) お答え申し上げます。
 昭和二十二年に皇籍離脱をされた方々の御子孫につきましては、具体的には承知していないところでございます。
#16
○青山繁晴君 政府参考人からこういう答弁あっても、微妙な情勢ですからそれは理解しなくはないんですけれども、しかし、先ほど申しましたとおり、このままですと議論の前提がないんですよね。旧宮家の方々の、例えば未成年の方々の御意思とか、それから例えば御両親の方々の御意思とか、丁寧に、プライバシーなどを守りつつ、広く人権全般を守りつつ考えなければいけないのは必ずそうしなければいけないことでありますけれども、しかし、皇位継承者になり得るような男子の方がいらっしゃるか、いらっしゃらないか、何にも分からないまま旧宮家の方と御相談、仮に政府が今後非公式になさるとしても、それは逆に失礼なことだと思います。
 したがって、委員長、お願いがございまして、先ほど申しました十分なプライバシーの尊重などの徹底的な配慮をいたした上で、政府からこれに関連した資料を国会に、この委員会に出すことをお願いいたしたく存じます。
#17
○委員長(石井みどり君) この件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#18
○青山繁晴君 是非期待いたしたいと思います。協議いただくことに感謝いたします。
 その上で、仮定の話になって恐縮なんですけれども、当然、私たち国会にいる者で考えなきゃいけないのは、もし仮に旧宮家から皇統譜に、皇籍に復帰いただく場合があるとしたらどのような法的手続が必要なのかということは、これもあえて申せば事前に国会として熟知していなければ議論ができないと思います。
 まず、どのような改正、特に皇室典範、最初に皇室典範の改正についてはどういうことを考えねばならないでしょうか、お尋ねします。
#19
○内閣官房副長官(野上浩太郎君) 委員御指摘の旧宮家の皇籍復帰等を含めた様々な議論があることは承知をいたしておりますが、安定的な皇位の継承を維持することは国家の基本に関わる極めて重要な問題でありまして、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら、慎重かつ丁寧に検討を行う必要があります。
 また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等につきましては、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であると認識をしております。この課題への対応等については様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためにはこれはまた十分な分析、検討と慎重な手続が必要であります。
 政府としましては、まずは天皇陛下の御即位に伴う一連の式典が国民の皆様の祝福の中でつつがなく行われるよう全力を尽くし、その上で、衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重して対応してまいりたいというふうに考えております。
#20
○青山繁晴君 今日はなかなか困難なお答えが多いんですけれど。
 それは今、副長官がおっしゃったように、別に与党だからそう申すんじゃなくて、実は、令和の時代始まっていますし、もう本当に幸いにも無事につつがなく進行しているわけですけれども、十一月、少なくとも十一月までの一連の行事が終わらないと御代替わりが本当に幸せに達成できたとは言い切れない状況ですから、危機管理の観点からしましても、今の段階ではそういうお答えになることもあり得るとは思います。
 ただし、先ほどの最終処分をどうするかと、大臣が残っていらっしゃるのでわざと言うわけではなくて、やっぱりこれ微妙かつ難しい問題ほど早く検討しなければいけないのは当然のことでありまして、そうすると、この国会の任務としても、先ほどの最も難しいその放射性廃棄物の最終処分の問題にしても、皇位継承の問題にしても根っこは同じでありまして、資料が、早めに国会に提出していただいて、与野党の垣根なく良き議論ができると思いますので、それを改めてお願いいたしたいと思います。
 ちょっと早いんですが、私はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
#21
○元榮太一郎君 自由民主党の元榮太一郎です。
 決算を重視する参議院ということですので、この決算委員会で質問の機会をいただきましたことを心より御礼を申し上げたいと思います。
 今日は復興庁、総務省、そして環境省の省庁別審査ということですので、渡辺大臣、石田大臣、原田大臣の順に伺ってまいります。よろしくお願い申し上げます。
 まず、渡辺復興大臣にお伺いしていきます。
 東日本大震災から八年が経過しました。被災三県を中心に復旧復興は着実に進展してきたと思っております。
 その中で、被災三県といいますが、渡辺復興大臣と私、そして豊田理事、地元であります千葉県においても、死者が二十二人、行方不明者が二人、負傷者二百六十一名など、甚大な被害が発生しています。
 県内最大の人的被害がありました旭市では、千葉県と合同で追悼式を毎年三月十一日に開催しておりまして、大臣も含めまして私も毎年出席させていただいております。
 昨年十二月には渡辺大臣も浦安市と旭市を視察していただきまして、当時の被害状況やそして復興の取組を御覧いただいたと承知しておりますけれども、浦安市と旭市の被害状況と現状をどのようにお感じになられましたでしょうか。
#22
○国務大臣(渡辺博道君) 元榮委員にお答えをさせていただきます。
 元榮委員は千葉県でございますし、理事の豊田委員も千葉県、そして私も千葉県ということでございまして、御質問いただいたことに心から感謝申し上げる次第でございます。
 昨年の十二月、私は、東日本大震災によって大きな被害を受けました浦安市及び旭市を訪問し、復興大臣就任の御挨拶と並びに現地視察をしたところでございます。
 浦安市においては、内田市長とお会いし、液状化被害の状況等についてお話をお伺いするとともに、液状化が起きた現場を視察したところでございます。
 また、旭市においては、同市を訪問した復興大臣としては初めての大臣として、明智市長から津波被害の状況や復興の取組の状況等についてお話をお伺いをするとともに、防災資料館で当時の被害映像やパネルを見せていただきながら、同館の館長よりお話を伺ったところでございます。
 視察を通じまして、大震災が千葉県にもたらした被害に改めて思いを致すと同時に、私が発災直後に両市を訪問したときに見た悲惨な状況と比べ、今は力強く復旧復興がなされているということを感じ、自治体や地域住民の御尽力を実感したところでございます。
 今後とも、現場主義に徹しながら、一日も早い復興の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
#23
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 復興期間は二年を切っておりますけれども、渡辺大臣のモットーであります現場主義を徹底していただいて、復興の達成に向け、引き続き御尽力いただきたいと思います。
 さて、先ほど出ました千葉県の旭市ですが、津波避難道路の整備が課題となっております。用地取得が調ったものから順次進めているというところですが、この復興交付金事業の計画期間中に事業が完了しないのではないかという、そんなおそれも聞かれています。
 この復興・創生期間内の完了を必ず達成するためにも、是非とも復興庁としても更なる後押しをいただきたいと思うのですが、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#24
○国務大臣(渡辺博道君) 先ほど私、現場を視察をさせていただいたということをお話しさせていただきましたけれども、旭市においては津波避難道路、具体的に言いますと横根三川線といいます、横根三川線の整備については、平成二十五年度から復興交付金を活用し、復興・創生期間内の完了に向けて鋭意事業を推進していると承知しております。
 復興庁といたしましても、事業の進捗管理を徹底すること等によりまして、復興・創生期間内完了に向けて引き続き全力で支援をしてまいりたいというふうに思います。
#25
○元榮太一郎君 ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。
 次に、浦安市の液状化についても伺ってまいります。
 先ほど渡辺大臣からも浦安市の状況について触れていただきましたが、浦安市では三万七千二十三世帯が液状化により被災し、その液状化の面積は実に市の面積の八六%に上っています。これに対し、市は復興交付金を活用した市街地液状化対策事業によって地盤改良を計画いたしましたが、自己負担額が大きい等の事情もありまして住民の合意形成がなかなか進まず、十六地区で事業計画の作成を行ったものの、工事着手は三地区にとどまり、そのうち二地区は途中で中止になってしまったということですが、この事業に関してこれまで復興交付金としてどのくらいの金額が交付されたのでしょうか。
#26
○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 浦安市の市街地液状化対策事業につきましては、これまでに復興交付金として国費二百二十億円が交付されました。その後、工事着手に至らず不用となりました国費百八十六億円が平成三十年十二月に返還されたところでございます。
#27
○元榮太一郎君 この事業について住民の合意形成が至らなかった背景には、自己負担の部分もあったんですが、技術的な課題もあったというふうに思います。
 今後、復興交付金制度が期限を迎えて終了となりますと、そのような課題を克服して液状化対策を推進できるのか、浦安市としても危機感を抱いているというふうに聞いております。そのため、液状化被害に対する復旧復興に向けた具体的工法の開発、これについて、国が主体となって官民が連携して促進するように浦安市から、渡辺大臣が昨年十二月に視察した際に要望されたとも承知しております。
 既成の市街地の戸建て地区にも適用しやすい、より安価な工法というのが開発されれば、これは浦安市だけでなく全国的に液状化対策が進むというふうに思いますので、新たな工法の研究開発促進に向けて是非国が先頭に立って前向きに取り組んでいただきたいと思いますが、渡辺大臣の御見解を伺いたいと思います。
#28
○国務大臣(渡辺博道君) お答えいたします。
 液状化対策の推進に向けては、当然、私が視察へ行ったときにも市長から要望も承ったわけであります。その際、東日本大震災で得られた知見等を踏まえまして、国土交通省において液状化対策に関する技術開発を支援しているというふうにお伺いをしております。
 引き続き、これらの支援等を通じまして液状化対策に係る新工法の研究開発が促進されるよう、私自身も期待をしているところでございます。
#29
○元榮太一郎君 ありがとうございます。是非力強く働きかけていただきたいと思います。
 今日は国土交通省の政府参考人にもお越しいただいておりますので、この点について国交省の見解も伺います。
#30
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 既成市街地における液状化対策につきましては、狭隘地での施工となるなど制約が多く、様々な技術的課題が残されていると認識しております。このため、国土交通省では、平成二十三年度以降、液状化対策に関する技術研究開発を民間や大学等から提案を募集し、優れた提案に対して助成をする建設技術研究開発助成制度を活用して支援をしているところでございます。
 例えば、近年では昨年度、今年度の二か年にわたり、熊本地震における液状化被害も踏まえ、液状化地区を道路等を活用し格子状に囲み込む対策ができない場合にも効果的な液状化対策に関する技術研究開発を支援しているところでございます。
 今後も、引き続き、液状化対策に係る新工法の研究開発促進に向け支援を行ってまいります。
#31
○元榮太一郎君 よろしくお願いいたします。
 その液状化対策ですが、言うまでもなく全国的な課題ですが、政府においては、昨年の重要インフラ緊急点検を踏まえまして、平成三十年度第二次補正予算によって全国の盛土、液状化マップを作成する取組を始めたと聞いております。
 各地での取組が進むよう是非積極的に進めていただきまして、この液状化マップの作成、公表を行っていただきたいなと思います。どこがどう液状化のリスクがあるのかということをまず見える化するところからやはり対策は始まると思いますが、取組の概要と目標について国交省に伺います。
#32
○政府参考人(徳永幸久君) お答え申し上げます。
 国土交通省では、昨年行った重要インフラの緊急点検の中で、液状化ハザードマップの作成、公表状況について緊急点検を実施いたしました。緊急点検の結果、液状化ハザードマップを公表しているのは三百六十六市区町村で、全市区町村の約二割でありました。この結果を踏まえ、防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策において、国土交通省が全国の区域を対象に液状化ハザードマップを作成し、二〇一九年度中に公表を行うことといたしました。現在、国土交通省において、液状化ハザードマップの作成に向けた調査を進めているところでございます。
 以上です。
#33
○元榮太一郎君 この液状化マップが二〇一九年度中に公表されるということですが、公表されるとそこから対策に進むという必要があると思います。
 この点、液状化の危険性が高い地域においては、液状化対策を例えば行わなければ開発ができないような形にするなど、何らかの対策が必要かと考えます。といいますのは、今の現状ですと、やはりどんどん埋立地が増えていきます。そこに対しては、まだ液状化の対策というのが万全ではない、そういうような土地が多く含まれるということになりますから、何らかの対策が必要かと思うんですが、現状と今後の方針を国交省に伺います。
#34
○政府参考人(徳永幸久君) お答え申し上げます。
 液状化ハザードマップによりまして、大地震時に液状化が発生する可能性が高い地域が明らかになりますので、このことが契機となって、市街地の面的な地盤改良や住宅の建設に合わせた地盤改良などの液状化対策が進むことを期待しております。また、このような液状化対策が円滑に進められるよう、液状化の対策工法や支援制度について情報提供してまいります。
#35
○元榮太一郎君 液状化マップの作成で終わることなく、この東日本大震災による液状化の被害の教訓を大いに生かしまして、液状化の防止対策が強力に推進されることを強く望みまして、まず復興庁関係の質疑は終わります。
 次に、今後の移動系サービスの中心的存在となります第五世代移動通信システム、いわゆる5Gについて総務省に伺ってまいります。
 5Gは、最近、報道等でも非常にいろいろと話題になることが多いですが、現行の4Gに比べまして通信速度が格段に増加するというふうに言われています。通信の遅延がほとんどなくて、そしてまた同時接続できる機器も増えるとされておりまして、我が国におきましてもソサエティー五・〇の主要な取組の一つとして位置付けられているところです。
 こうした5Gの特徴について、現行のLTE及び4Gと比較してどの程度性能が向上することになるのか、この点について総務省に伺います。
#36
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、第五世代携帯電話システム、いわゆる5Gは、二時間の映画を三秒でダウンロードできるという超高速、それから身の回りの多数のものが同時にネットワークにつながる多数接続、さらに遠隔地でもロボットなどの操作をスムーズに行える超低遅延といった特徴がございます。
 こういった三つの特徴につきまして、まず超高速につきましては、最大の伝送速度がLTEの百倍、4G、第四世代携帯電話システムの十倍となります。また、多数接続につきましては、多数同時接続の端末数がLTEの百倍、また4Gの十倍となります。また、超低遅延につきましては、遅延時間がLTE、4Gの十分の一になるとされているところでございます。
#37
○元榮太一郎君 この点なんですが、4Gと言われていましても、LTEと4Gがあって、ここら辺の区別というものも、国民の皆さん、もっともっと知っていただきたいなというふうに思います。
 4Gとの比較でいうと、通信速度の超高速性については十倍にとどまるんですが、ただ、LTEに関しては百倍ということですので、劇的に通信速度が速くなるということにおいては変わりはないんですけれども、皆さんがお使いの端末で4Gを使っているのかLTEを使っているのかでその通信速度の、5Gに変わってからの高速度実感というのが変わってくるということですので、いずれにしてもすばらしい技術革新ではあるんですが、そういったところもしっかりと理解した上で国民的にこの5Gというものを活用していくことが大事かなと思いましたので、今こちらについて質問させていただいたというところでございます。
 いずれにしても、すばらしい可能性を秘めている5Gということの導入に向けた我が国の取組の現状についてこれから質問させていただきますが、5Gについては現在導入に向けて各国が積極的に取り組んでいます。
 先般、報道等でもありましたが、米国及び韓国において5Gの商用サービスがスタートしたということで、どっちが早いんだというような議論なんかも呼んでおりまして世界的に話題となっておりますが、我が国におきましては、本年の四月十日に、5Gの導入のため、特定基地局の開設計画の認定というものが行われまして、いつもの三キャリアに含めて楽天も含めた四事業者に対して認定が行われたということであります。
 今後の見通しとしましては、本年秋に試験的に導入されるものの、本格的な導入は二〇二〇年の春ということでありまして、取組が遅れているのではないかという心配の声も聞かれるわけでありますが、総務省としては、こうした状況をどのように評価し、今後5Gの導入、普及にどのように取り組んでいくお考えでしょうか。
#38
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 アメリカにおきましては、昨年の十月より、一部の都市におきまして、一般家庭へのインターネットアクセスサービスとして5Gのサービスが開始をされております。また、本年四月には、委員御指摘のとおり、アメリカ及び韓国におきましてスマートフォン向けの5Gサービスが開始をされたところでございます。
 我が国におきましては、本年四月十日に携帯電話事業者四者に対しまして、我が国初の5Gの開設計画の認定を行ったところでございますけれども、本年九月にスタジアムなどでの5Gの先行サービスを提供し、来年春に商用化する予定となっておりまして、世界的に見ても5Gの実現が決して遅れているわけではないというふうに認識をしております。
 総務省は、5Gが地域の活性化あるいは活力の向上を図るために不可欠な二十一世紀の基幹インフラになると考えておりまして、可能な限り速やかに全国においてサービスが提供できるようになることが重要だと認識をしております。このため、開設計画の認定に際しまして、各者に対しまして、二年以内に全都道府県でサービスを開始することを義務付けるとともに、広範で着実な全国展開を求める条件を付したところでございます。
 なお、5Gサービスの普及に当たりましては、全国各地で多様なサービスが円滑に開始されることが重要でございます。こうした観点から、平成二十九年度から5Gの総合実証実験を総務省において実施をしておりまして、遠隔医療や建機の遠隔制御など様々な産業に5Gを応用することを想定をいたしまして、自治体や企業など多様な主体の参画を得て実証を行っておりまして、引き続き、こうした実証実験にも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
 このように、総務省としては、世界に先駆けて5Gを活用した様々なサービスが全国展開されるよう、需要と供給の両面から必要な取組を引き続き推進してまいりたいと考えております。
#39
○元榮太一郎君 広範かつ着実な全国展開というのは非常に大事だと思っておりまして、二年以内ということでございます。
 こちらは民間の事業者が行うということであるんですが、かなり高い営業利益も出している、そういうような三キャリアを中心に、楽天はもちろんなんですけれども、しっかりと全国展開の早期実現に向けて総務省からもバックアップをお願いしたい、いただきたいというふうに思います。
 この5Gには、超高速、超低遅延、多数同時接続というような特徴がありますが、今後はこれらの高機能を生かしたサービスが様々な分野で進展するというふうに期待されます。自動車分野でのイノベーション、農業、観光、建設分野などでの地域活性化、地方創生、人手不足に対する労働生産性の向上など、様々な面での活用が想定されておりますが、総務省が現時点で期待する社会実装の事例とはどのようなものでしょうか。また、その際、IoT、ビッグデータといった、こういったものとの連携も必要になりますが、どういうようなお考えでしょうか。その点を具体例を即して御説明いただきたいと思います。
 そして、あわせて、この5Gの実現によって何がどう変わり、生活の利便性がどれだけ向上するのかについての国民の周知啓発についてどうお進めになるつもりか、伺いたいと思います。
#40
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 5Gには、先ほど御答弁申し上げましたとおり、超高速、超低遅延、多数接続といった特徴がございます。こうした特性を生かしながら、5GとIoTあるいはビッグデータを組み合わせることで、都市と同じ仕事や、また建機の操作が地方でも可能となり、サテライトオフィスの設置などが進むことが期待されます。また、多数のセンサーの情報を活用しながら、遠隔制御によって農業機械を使った農作業の効率化ということも期待されます。また、自宅におきまして、4K、8K映像を用いた専門医による遠隔診療が実現するといったことも想定されるところでございます。
 また、委員御指摘のとおり、5Gの実現による効果につきまして国民の皆様に広く周知啓発を行っていくことが極めて重要だと認識をしておりまして、総務省におきましては、自治体や企業など多様な地方の主体の参画を得て、遠隔医療や建機の遠隔制御など様々な分野に5Gを応用した総合実証試験を全国で実施するとともに、その成果を発表するシンポジウムを開催しているところでございます。
 こうしたことに加えまして、昨年度は地方発のアイデアを掘り起こすことを目的として5G利活用アイデアコンテストを実施いたしまして、個人も含めて全国から七百八十五件の応募をいただいたところでございます。さらに、二〇三〇年から二〇四〇年に5Gが広く使われた社会をイメージしたビデオを昨年五月よりネット上で公表するなどの取組を行っております。
 総務省におきましては、こうした取組を通じて国民の皆様への周知あるいは啓発を行いながら、5Gの普及、展開を推進してまいりたいと考えているところでございます。
#41
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 この5G利活用アイデアコンテストというものもすばらしい取組だと思います。
 やはり、通信速度が百倍になるとか超低遅延、多数同時接続、今までになかった技術でありますので、思ってもみないようなところに非常に有効であるというような可能性も多々あるのではないかなと思っておりますので、まさに国民的な英知を結集して、世界に出ていけるような、そういうような5Gのサービスをこの日本から生み出すということで是非積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、何度も御答弁いただいているとおり、この5Gというのは二十一世紀の基幹インフラということで、これはすばらしいキャッチフレーズだなと思います。高速道路や新幹線と同じように、目に見えないものであるけれども本当に基幹のインフラなんだということですから、やはり国民の誰もが知っている、そういうような5Gとして、これから積極的な周知啓発をお願いしたいなというふうに思います。
 その5Gが、少しまだ続くんですが、今度はローカル5Gというものであります。
 総務省は、地域に密着した柔軟利用環境を提供することを目的とした新たな割当て制度としてローカル5Gの導入を検討しています。今後、地域における産業の活性化や課題解決のために、このローカル5Gというのをどのように普及、発展させていくお考えでしょうかということを伺いたいと思いますが、先ほどの四携帯事業者とは別に、ほかの事業者がこのローカルで5Gを利活用できる、そういうようなローカル5Gも非常に大きな可能性を秘めておると思うんですが、お考えを聞きたいと思います。
#42
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 5Gの持っている技術的な特性を生かしまして、様々な産業への応用や地域の課題解決を図ることが期待されているところでございまして、速やかな全国への展開が求められていると考えております。
 このような多岐にわたる5Gへのニーズに応えるため、総務省におきましては、携帯電話事業者のみならず、自治体や地域の企業などの多様な主体が免許を取得し、工場内などの限られたエリアで独自の5Gシステムを構築できる、いわゆるローカル5Gにつきまして制度化に向けた検討を行っているところでございます。
 現在、ローカル5Gを実現するための技術的条件等につきまして情報通信審議会で御審議をいただいているところでございまして、特に一部の帯域につきましては年内にも制度化をし、免許申請を受け付けたいと考えております。また、その他の帯域につきましても検討を急ぎまして、来年の夏には制度化を行う予定でございます。
 総務省といたしましては、携帯電話事業者による5Gの整備と併せまして、多様な主体が5Gネットワークを自ら構築できるローカル5Gを推進し、全国各地で5Gが早期に展開できる環境を整えてまいりたいと考えているところでございます。
#43
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 最後に、石田総務大臣に伺っていきますが、今国会の所信表明において、都市と地方の情報格差のないソサエティー五・〇時代の地方を実現するためとして、5Gについて二年以内の全都道府県への展開を求めるという御発言をされています。先般の5Gの導入のための基地局の開設計画の認定に当たっても、広範かつ着実な全国展開を求める条件を付したということでありますが、各者の計画によりますと、必ずしも地方における5Gの導入に積極的とは言えないのかなというところも見受けられます。
 今後の地方も含めました全国における5Gの展開をどのように進めていくとお考えでしょうか。
#44
○国務大臣(石田真敏君) まず、委員御指摘のように、5Gは私は二十一世紀の基幹インフラだと考えておりまして、地域間格差をなくすためにも全国への速やかな展開が極めて重要だと考えております。
 四月に認定をいたしました各者の5Gの全国への展開率や基地数等の計画にはばらつきがあるわけですけれども、これらはあくまで申請段階で確実に実現を見込んでいるものというふうに我々は認識をいたしております。
 認定を受けた各者には、開設計画の認定に際しまして、先ほどもお話がありましたけれども、二年以内に全都道府県でサービスを開始することや、五年以内に十キロ四方メッシュの全国五〇%以上で基盤となる5G基地局を整備すること等を義務付けるとともに、申請に当たっては広範かつ着実な全国展開を求める条件も付したところでございます。
 また、各者には認定の条件も十分に踏まえつつ全国各地で早期に5Gを展開いただきたいと考えておりますけれども、総務省としても、整備が遅れがちな条件不利地域におきまして、光ファイバー整備費用の一部を補助することといたしております。
 総務省としては、携帯電話事業者による5G全国エリア整備の促進に加えまして、先ほどもお話ありましたように、地域のニーズに応じたローカル5G、これを推進をいたしまして、これはもう今年の暮れ、あるいは来年ぐらいから制度化しますので、全国各地で5Gが早期に御利用いただける、そういう環境を整えてまいりたいと考えております。
#45
○元榮太一郎君 力強い御答弁をありがとうございます。
 やはり、かなり設備投資が掛かるというところで民間事業者もどちらかというと少し気後れしがちな部分も、それは営利企業ですのであるかと思いますので、ここはやはり石田大臣のリーダーシップでしっかりと、この二十一世紀の基幹インフラとしてのまさに姿を実現していただきたいと思います。
 あわせて、せっかくやるならば、やはり世界トップクラスのスピード感と品質を実現していただきたいと思います。そしてまた、5Gがようやく来年から商用開始ですが、もう6Gみたいな話も聞かれておりますので、ここら辺はもう日進月歩で新しい技術規格が開発されていきますので、どんどんどんどん、遅れることなく、むしろ次の6Gは世界で初というようなことを掲げながら、是非とも強力に御推進いただきたいなというふうに思います。
 次に、環境省に伺います。
 気候変動問題への対応ということですが、やはり人類最大の二十一世紀の課題の一つということで、この温暖化対策ということになります。その気候変動問題への対応について、カーボンプライシングを導入すべきだと、こういうような主張があります。
 こちらについては、環境省と経済産業省がそれぞれ有識者による検討を行い、提言を発表しています。両省は低炭素社会を構築していくという方向では一致をしていますが、カーボンプライシングをてこにイノベーションを目指す環境省、これに対して、海外展開や技術開発支援、こういったものを重視する中でイノベーションを期待する経済産業省という形で、少し関係性が異なるのかなというふうに私は見ておりますが、先日、総理の下で設置されたパリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略策定に向けた懇談会の提言が発表されました。
 課題整理と問題提起にとどまっているという印象がやや強かったのですが、このカーボンプライシングについては今後の議論が必要だというふうにだけ書かれておりまして、これまで導入を目指してきた環境省はこの提言についてどのように受け止めていらっしゃるのかというところを伺いたいと思います。
#46
○政府参考人(中井徳太郎君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、パリ協定長期戦略懇談会におきまして、カーボンプライシングにつきましては専門的、技術的な議論が必要と提言をいただいたところでございます。この点、現在、中央環境審議会におきまして、新たな経済成長の原動力としてのカーボンプライシングの活用の可能性について審議されているところでございます。
 環境省といたしましては、その議論を踏まえながら、カーボンプライシングの在り方について検討をより深めつつ、低炭素社会の実現に向けたイノベーションの促進に努めてまいりたいと考えてございます。
#47
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 まさに議論が始まったというところだと思うんですが、やはりこういうカーボンプライシングも含めてこの脱炭素を実現するために、そういう技術革新はもとより、こういうような何かインセンティブが働くような制度設計というのは、是非、諸外国の例も含めまして、もう既に御検討いただいていると思いますが、私としてはこういったものも一つの方法として有益かなと思っておりますので、環境省においても更なるお取組をお願いしたいなというふうに思います。
 もう一つ、パリ協定ということですが、この二〇一五年末に採択されたパリ協定においては、世界共通の長期目標として二度C目標が設定され、さらに一・五度Cに抑える努力を継続するというふうにされたところであります。このため、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出と吸収のバランスを達成するよう、世界全体の温室効果ガス排出量のピークをできるだけ早期に抑えて、そしてまた、最新の科学に基づいて迅速な削減に取り組むということになりました。
 これを受けて、我が国では、二〇一六年の五月に地球温暖化対策計画を閣議決定して、二〇三〇年の中期目標とともに、二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すと、このような長期的な目標を掲げたところであります。
 そして、その後、パリ協定を決定した際のCOP決定を受けて、昨年の十月にIPCC一・五度C特別報告書が採択されたところですが、このメッセージ、主な点について言いますと、まず一つ目は、二度Cではなく一・五度Cの上昇に抑えることがより世界にとって安全であること、そして二つ目は、現状の各国の目標では二〇三〇年に一・五度Cの上昇トレンドに抑えるのは困難であること、そして三つ目ですが、一・五度Cの上昇に抑えるためには世界の排出量を二〇五〇年には実質ゼロにしなければならない、ゼロにする必要があるということが報告されております。
 このような動向の下で、パリ協定長期成長戦略懇談会の提言や、これを踏まえて策定された政府の長期戦略の案を見ると、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会の実現を目指すとされております。
 先ほどのIPCCの一・五度C報告書で示された科学的知見を踏まえますと、そこでは、一・五度Cの上昇に抑えるためには世界の排出量を二〇五〇年には実質ゼロにする必要があるというわけですから、我が国の長期戦略においては、我が国が二〇五〇年までにカーボンニュートラルを達成すると、こういうようなことを言い切ることが実は必要であり、それによって世界の脱炭素化を牽引し、そして企業もイノベーションを起こしてその脱炭素化社会に向けていろいろな技術革新が行われる、こういうようなことを促すことにもつながると考えるのですが、そういったところまで明言するという点についてはいかがでしょうか。
#48
○国務大臣(原田義昭君) 今委員御指摘のとおり、政府で検討中の、今、長期戦略案については、IPCC一・五度特別報告書の公表を始めとする脱炭素社会に向けた国際的議論の高まりを踏まえまして、今世紀後半のできるだけ早期に脱炭素社会、すなわち実質排出ゼロの実現を目指すという長期的なビジョンを掲げております。この戦略が決定されれば、G7で初めて実質排出ゼロの目標を定めた戦略ということになるわけであります。
 また、このビジョンでは、目標の実現時期を今世紀後半のできるだけ早期にとしており、パリ協定の二度目標よりも実現の前倒しを図っているところであります。さらに、このビジョンを踏まえ、各分野での脱炭素社会の実現に向けた挑戦や、可能な地域、企業から二〇五〇年を待たずにカーボンニュートラルを実現するといった野心的な方向性も盛り込んでいるところであります。
 また、世界の温暖化対策の原点とも言える京都におきまして今月上旬に開催されました四十九回IPCC総会に私も参加して、門川京都市長を始め地域の関係者とともに、二〇五〇年頃までに実質排出ゼロを目指すことを内容とする、一・五度目標を目指す京都アピールを発表したところでございます。
 今後、まず本年六月のG20までに長期戦略を策定すべく、作業を加速いたします。その上で、非連続的なイノベーションを通じた環境と成長の好循環を実現して世界の脱炭素化を牽引してまいりたいと、こういうふうに思っているところであります。
 特に、昨年の十月にIPCCが特別報告書を出しまして、一・五度目標というのが、目標ではありますけれども、それが公の形で出たところであります。従来は二度目標を今世紀中に何とかしてそれを実現しなきゃいけないということだったんですが、二度目標は目標、そして一・五度というのは努力目標というような書き方されておりましたけれども、今やだんだん主力が一・五度目標を達成すべきじゃないか、そういう機運が盛り上がってきているのは事実でございます。
 そういう意味で、京都アピールの話も申し上げましたけれども、今月の初旬に京都におきましてIPCC総会、昨年の秋に引き続き行われたときに私どもが強くそのアピールを働きかけまして、何としても京都でこのことを更にやろうということになったところであります。
 いずれにいたしましても、大きな目標でございますし、何かたった〇・五度の差じゃないかみたいなことはありますけれども、これは極めて大きな差があるようでございまして、更に高い目標を目指して私どもも頑張りたいなと、こう思っております。
 実は、二十二年前に京都議定書というのが、西田議員のお膝元でありまして、京都議定書から京都アピールということで、私どもも高い目標を日本から発信すると、こういうことを言っておるところでありまして、どうぞまた御指導いただきたいなと、こう思っております。
#49
○元榮太一郎君 原田大臣、ありがとうございます。
 冒頭にも申し上げましたが、今世紀人類最大の課題の一つだと思っておりますし、ここでまさに日本のリーダーシップというものを発揮すると、やはり世界の中ですばらしい価値貢献ができると思っております。そしてまた、やはり成長産業が限られてきたこの日本の中においても、例えば二〇五〇年までに脱炭素社会やる、もう決めたらそこから逆算して、それこそ京都も含めましていろいろな企業家たくさんいますので技術革新が生まれてくるかと思いますので、そういった意味で、既にG7の中でもすばらしいお取組だと思いますが、是非とも今後も力強い推進をお願いして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#50
○川田龍平君 立憲民主党・民友会・希望の会の川田龍平です。
 今日は又市先生の代わりに代理で質問させていただきます。
 まずは、福島第一原発事故に関する福島県内の土壌の除染について質問いたします。
 平成二十九年十月より、福島県内の除染に伴う除去土壌等は、県外での最終処分までの間の中間貯蔵施設内の土壌貯蔵施設での貯蔵が開始されました。環境省は、二十八年の三月、当面五年間の見通しを公表し、中間貯蔵施設用地の取得について、三十二年度末までに敷地面積約千六百ヘクタールのうち累計六百四十から千百五十ヘクタール程度の取得を目指すとし、三十年の十二月末時点で、契約済みは全体の六九・六%の約一千百十四ヘクタール、民有地が約千七十五ヘクタールで公有地が約三十九ヘクタールとなっています。
 一方、二十七年より中間貯蔵施設の保管場へ除去土壌等の搬出を開始し、三十一年の四月二日時点、今年の時点で、累計の搬出済みの量は二百六十三・八万立方メートルということで、三十年の十月に推計された輸送対象の除去土壌等の約千四百万立方メートルの一八・八%となり、会津地方や中通りの一部市町村からの輸送が終了しています。
 この除染事業における相次ぐ不適切事案について、昨年本院がこの平成二十八年度決算審査において、内閣に対して是正を促すべく二年連続となる警告決議を行いました。しかし、最近も除染業務を請け負っていた会社の役員報酬のうち約三十億円が過大であると国税局が指摘したとの報道もなされ、除染をめぐる問題が続いている状況です。
 四月八日の本委員会で、昨年の警告決議に対する政府の講じた措置について説明を聴取いたしましたが、こうした措置により効果が十分現れているでしょうか。環境大臣に伺います。
#51
○国務大臣(原田義昭君) 除染事業における不適切事案については、関係する事業者の指名停止措置を行うなど、事案に応じて必要な対応を行ってきたところでございます。また、再発防止策として平成二十九年十月には、環境省福島地方環境事務所における会計に係る確認を強化するとともに、受注業者に対する指導や建設業界に対する企業統治の強化等の要請を行ったところであります。さらに、昨年四月には同事務所の組織を大幅に見直し、監督体制の強化を図ったところであります。
 引き続き、除染事業の適切な実施及び再発防止に努めてまいりたいと思っております。
#52
○川田龍平君 国が直轄して除染を行う地域、この除染特別地域は、平成二十九年の三月までに市町村が除染を行う地域、汚染状況重点調査地域は三十年三月までに除染が完了しています。これらの除染に要した費用は、東京電力に求償するとはいえ、国費によって賄われています。
 本院の検査要請に基づき会計検査院が東日本大震災からの復興に対する事業の実施状況について二十九年四月に報告したところによると、集中復興期間、二十三年から二十七年度の環境省に係る除染の費用は一兆三千七百四億円とのことでしたが、現在の復興創生期間、二十八年度からを含め、これまで除染に要した費用についてお伺いいたします。
#53
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 平成二十三年度から平成二十九年度までの放射性物質汚染対策特別措置法に基づいて行われました除染等の措置等に要しました支出済額の累計は、二兆九千六百二十一億円でございます。
#54
○川田龍平君 このように、この除染には多額の国費が投入され事業がなされてきたところですが、一方、福島県内の除染に伴う除染土壌等や一定の値を超えて放射性物質に汚染された廃棄物は、県外での最終処分までの間、中間貯蔵施設で管理、保管されることとなっており、平成二十九年十月より施設内での貯蔵が開始されました。しかし、中間貯蔵施設用地の取得については、三十一年三月末時点で、契約済みは全体の六九・六%にすぎません。
 福島県内に仮置きされている除染土壌等を適切に処理するためには中間貯蔵施設を整備していくことが必要ですが、用地取得のための契約が一部済んでいない状況です。所有者が不明な用地の取得も含め、今後の中間貯蔵施設の整備が進展しなければ除去土壌等の処理も遅れていくこととなるため、整備が進むよう適切な対策を取らなければならないと考えますが、環境省の取組方針と見通しについてお伺いいたします。
#55
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 中間貯蔵施設につきましては、現在、用地取得を進めるとともに、施設の整備を進めているところでございます。
 用地につきましては、議員御指摘のとおり、約七割を取得するなど着実に進捗しており、大切な用地を御提供くださった地権者の皆様に心よりお礼、感謝を申し上げる次第でございます。
 また、施設の整備につきましては、一部工区において除去土壌の貯蔵を開始しておりますが、現在も複数の工区で土壌貯蔵施設等の整備を進めているところでございます。また、減容化施設、廃棄物貯蔵施設もそれぞれ着工し、整備を進めているところでございます。
 引き続き、昨年十二月に公表しました二〇一九年度の中間貯蔵施設事業の方針に沿いまして着実に事業を進め、福島の復興に貢献してまいります。
#56
○川田龍平君 平成二十七年より中間貯蔵施設の保管場へこの除去土壌等の搬出が開始され、一部市町村からの輸送が終了しているものの、累計の搬出済量は対象の二割程度にとどまっております。除去土壌等はできるだけ速やかに中間貯蔵施設へ搬入することが望ましい一方で、輸送の際の安全確保に万全を期さなければなりませんが、環境省の資料によると、定められたルートからの逸脱などの事例が報告されております。
 同省が三十年十二月に示した二〇一九年度の中間貯蔵施設事業の方針によると、令和三年度までに福島県内に仮置きされている帰宅困難地域を除く除去土壌等の搬入完了を目指すとし、これに向けて今年度は身近な場所から仮置き場をなくすとしています。計画されている除去土壌等の輸送量が十分確保できるのか、また、除去土壌等の輸送における安全管理の対策が確実に取られているかについて、環境大臣にお伺いいたします。
#57
○国務大臣(原田義昭君) 中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送は、まず何よりも安全を第一に実施することが必要であると考えております。
 仮置き場の早期解消に向けては、二〇二一年度までに帰還困難区域を除く除去土壌等の輸送をおおむね完了させることを目指しております。今年度は四百万立米程度を輸送、搬入するつもりであります。
 安全対策につきましては、GPSを用いた全輸送車両の常時監視等を実施しております。また、万が一の事故が発生した場合に備え、警察等と連絡し、迅速に対応できる体制を構築しているところでございます。引き続き安全かつ確実に除去土壌の輸送に取り組んでまいります。
#58
○川田龍平君 国は、この中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものと法律上明記されています。その上で、環境省は、再利用に係る戦略を策定して、県外での最終処分に向けて再生利用の対象となる土壌等の量をできるだけ増やし、最終処分量の低減を図るとして、除染土壌等の大部分は再生利用可能になるとの推計を行っています。県外での最終処分量を減らすことは考え方としては理解できますが、しかし、除去土壌等の再利用については、放射性物質の人体、環境への影響を見極め、検討する必要があると考えます。
 現在、福島県内の二か所において実証実験が実施されていますが、その結果を注視する必要があり、本格的な再利用には地元住民の十分な理解が不可欠です。今後、どこで、どの程度、どのような使途で再生利用していくつもりなのか、環境大臣の見解をお伺いします。
 あわせて、再利用に対する説明を丁寧に行い、住民の懸念を払拭した上で事業を進めていくことについて、環境大臣の認識をお伺いします。
#59
○国務大臣(原田義昭君) 御指摘のように、除去土壌等の減容化、再生利用化を進めていく政府方針を既に示しているところであります。除去土壌に関する減容処理技術の開発、再生利用の推進等の中長期的な方針として、平成二十八年に減容・再生利用技術開発戦略及び工程表を取りまとめたところでございます。これらに基づき、除去土壌の再生利用実証事業を進めるとともに、除去土壌等の処理技術の開発、再生利用の推進などの取組を着実に進めているところであります。
 また、再生利用を進めるに当たっては、住民の皆様の御理解が何より重要であることから、再生利用の必要性や放射線に係る安全性等について、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。
#60
○川田龍平君 去る四月十日に福島県大熊町の一部の地域で避難指示が解除され、被災地は復興への歩みを進めています。
 一方で、令和二年度に復興・創生期間が終了し、復興庁の設置期限を迎えますが、同期間終了後も、東日本大震災からの復興を成し遂げるため、対策を講じ続ける必要があります。帰宅困難地域で除染事業も続いている中、放射性物質に汚染された廃棄物や除去土壌等の処理状況や最終処分への見通しは地元住民の日常生活に密接に関わる重要な問題です。また、除染や廃棄物及び除去土壌等の処理に係る事業は多額の国費が費やされてきております。
 そこで、除染の実施状況やその効果、放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理がどのように行われているかなどについて改めて検証する必要があると考えます。このため、国会法第百五条に基づいて、東日本大震災に伴い放射性物質に汚染された廃棄物及び除去土壌等の処理状況について会計検査院に対して検査要請をすべきと考えるので、委員長によろしくお取り計らいをいただきたいと思います。
#61
○委員長(石井みどり君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#62
○川田龍平君 ありがとうございます。よろしくお願いします。
 次に、奄美大島におけるクルーズ船の受入れについて質問いたします。
 昨年六月十二日にも質問主意書に出しました。そしてまた、前回、再質問主意書も出しておりますが、この琉球諸島、島嶼生態系として世界的に貴重な地域であります。生態系の保全のための具体的な施策がまだ行き届いているとは言えないと思いますが、幾つかお伺いいたします。
 前回、再質問主意書の答弁書において、政府としては、奄美大島はクルーズ船の受入れが可能な人口を有していると考えていると答弁をされていますが、奄美大島が受入れが可能な人口を有しているとする具体的な論拠は何でしょうか。奄美大島は人口が五万人ほどの島ですが、大型クルーズ誘致を進めるほかの大都市の那覇市三十二万人、鹿児島市六十万人、下関市二十七万人などと比べると圧倒的に人口が少ないと考えられますが、それでも受入れが可能とする根拠はどこにあるのでしょうか。
 また、平成三十一年の二月一日に奄美大島を世界自然遺産としての登録を国が再推薦したことで、遺産の登録が地元の悲願となり、最優先の政策課題となっております。
 平成三十一年の二月二日には、瀬戸内町において、ロイヤル・カリビアン・クルーズ社が、RCL社が、ただ一社が寄港地建設のプレゼンテーションをしている状況で、RCL社のアジアにおける通常の配船規模を考慮したとき、RCL社の大型クルーズ船の誘致は受入れ可能であると考えているのでしょうか。
#63
○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。
 まず、奄美大島が大型のクルーズ船を誘致を、寄港をするに値する人口規模を有しておるのかという御質問でございますが、クルーズ船についてもいろんなタイプがございます。今主流を占めております中国を発着点といたしまして、超大型のクルーズ船で三泊四日程度で日本の大規模な都市に寄港して周辺の観光をして帰られるというパターンが大勢を占めておりますが、カリビアン社が今委員御指摘のございました地元の協議会においてプレゼンテーションをしてございますが、地元の優れた環境を生かして、一日、ワンデー滞在をするというようなコンセプトの寄港を目指したいという意向のようでございます。
 そういった観点からしますと、奄美大島は、寄港するに際して一番最優先されるべきは寄港に適した自然環境を有しておるかという観点になろうかと思います。そういった意味では、人口規模等については余り大きな重要な点ではないのではないか、寄港するに際してそれを支える地元の産業がしっかり、例えば地元産品があるかどうか、そういった点が重視されるのではないかというふうに考えてございます。
#64
○川田龍平君 このクルーズ船の利用客が奄美大島の自然環境に与える影響についての分析について、クルーズ船の寄港地の開発が具体化していない現段階においては、寄港地の開発により自然環境に対してどのような影響がどの程度生じるかについて想定することは困難であり、今後、寄港地の開発の具体化の状況に応じて実施が検討されるべきと考えているとこの答弁書でもありますが、平成三十一年の二月二日の瀬戸内町におけるクルーズ船寄港地に関する検討協議会においてRCLただ一社が寄港地建設のプレゼンテーションをしていますが、RCL社のアジアにおける通常の配船規模である十七万トンクラスの大型クルーズ船が池堂地区へ寄港した場合における自然への影響を想定し評価することはできるのでしょうか。できないのではないでしょうか。
#65
○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。
 世界の大きなクルーズ会社においては、いろんなタイプの、ラグジュアリータイプであるとかエコノミータイプ、様々なクルーズ船を保有しておられます。ロイヤル・カリビアンにおいても、恐らく奄美大島に適した利用形態、寄港形態を想定して事業戦略を練っておられるというふうに考えてございます。
 ただいま御指摘ございましたが、自然環境への影響については、現時点において具体的な開発計画でありますとか寄港計画、こういったものがまだ提示されておる段階ではございませんので、私どもといたしましては具体的な環境に及ぼす影響について現時点でコメントできる状況ではございませんが、平成二十八年から二十九年にかけて周辺の環境の状況については把握をしてございます。
 同調査におきまして、この瀬戸内町の地区でございますが、まず船舶の安全な航行という観点から申し上げますと、大型船を受け入れる、可能な静穏な水域を有しておるといったこと、そういった点からは非常に適した水域であるというふうに理解をしております。また、自然環境につきましては、水域、陸域共に国立公園には指定されておりませんが、サンゴ礁が少し離れた、八百メーターぐらいに近接してサンゴ礁が、一部、被度五%から五〇%程度の被度のサンゴ礁が確認できております。
 それ以外、漁業の状況、こういったものについても調査を行いまして、現況は把握してございましたが、繰り返しになりますが、環境に及ぼす影響という意味では具体的な計画が出てまいりませんとなかなかどういった影響が予想されるといったことについてコメントはできない状況でございます。
 いずれにいたしましても、現時点ではこのように計画がないため影響を評価することは困難でございますが、クルーズ船の誘致に際しましてはこうした自然環境への影響への配慮、これが必要であるというふうに理解をしてございます。
#66
○川田龍平君 国際自然保護連合、IUCNによるこの評価書というものについて、この答弁書でも、「the State Party pursue the activation of the tourism development plan and visitor management plan for key tourism development zones and attraction areas, according to their interest to visitors and carrying capacities, including the installation of adequate visitor control mechanisms, tourism management facilities, interpretation systems, and monitoring arrangements.」の記載がされたことは事実であるが、当該記載は、延期勧告の理由ではなく、推薦国に対して対応を要請しているものであると。延期勧告の理由は、国際自然保護連合において延期の勧告がなされた理由は、推薦区域の設定について、主に、推薦地の連続性の観点で、沖縄県の北部訓練場返還地が重要な位置付けにあるが、現段階では推薦地に含まれておらず、また、各島の中の推薦地は連続性に欠け、遺産の価値の証明に不必要な、分断された小規模な区域が複数含まれているという課題があるとされていることであると述べたとおりであると答弁をされています。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
 これを踏まえて、伺います。
 平成三十一年二月二日の、先ほども申しました瀬戸内町のクルーズ船寄港地に関する検討協議会においてプレゼンテーションをしていますが、このRCL社の寄港地建設のプレゼンテーションによりますと、これは自然遺産候補地において大型クルーズ船によるマスツーリズムを導入する計画ですが、日本政府として、国際自然保護連合に要請された内容に基づいて、大型クルーズ船の計画についてRCL社ないしは瀬戸内町に何らかの対応を取るべき事案には該当しないのでしょうか。
 特に、環境省がユネスコに再推薦した奄美・琉球世界自然遺産の推薦書の世界遺産地域への責任ある訪問という百八十八ページほかで集計されている主な観光利用地域とその規模にRCL社が進める瀬戸内町池堂、西古見集落地域は一切対象となっておりません。今回の遺産登録に向けた推薦の根拠資料やその必要情報としての欠陥があるのではないでしょうか。これ、いかがでしょうか。
#67
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 まず、今回の再推薦につきまして、IUCNの勧告の主な指摘といたしましては、委員御指摘のとおり、一つには、沖縄の北部訓練場返還地の候補地への追加と分断された小規模な推薦区域の解消、この二点でございました。あわせまして、これらのほかに、外来種対策の推進や観光管理の仕組みの構築等の課題についても指摘があったところでございます。
 今回の再推薦に当たりましては、これらの指摘に対しまして、地元の自治体含めて関係者の協力を得まして真摯に対応し、推薦内容を見直して本年二月に再推薦したところでございまして、まずは、世界遺産の登録につきましては、確実な登録に向けまして引き続き万全を期してまいりたいと考えております。
 また、観光利用等を図る場合におきましても、やはり遺産地域のオーバーユースが起こらないように、自然環境保全と両立した持続可能な観光利用に留意して進めることが必要であると考えているところでございます。
#68
○川田龍平君 大型クルーズ船の観光客を含めた全ての観光利用を管理することを強く求めているという質問に対しても、この奄美大島において、観光利用が集中する可能性のある地域や時間に行われる自然観察のルールの構築や、当該ルールの観光客への普及啓発等を行う施設の整備の検討を進めていくこととしていると。なお、同島におけるクルーズ船の寄港地の開発に関しては、現時点においては具体的な計画が存在していないため、御指摘の大型クルーズ船の観光客に対する対応についてお答えすることは困難であると答弁されています。
 先ほど質問した欠損した推薦書の情報により、IUCNによる再々指摘及び地元住民や環境団体による遺産登録への抗議、反対につながる運動が拡大すると考えられますが、どうお考えでしょうか。
#69
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 環境省といたしましては、奄美大島を始めとする世界自然遺産候補地について、希少な野生生物の保護増殖や外来種対策を始めといたします自然環境の保護の取組と併せまして、関係機関等と連携しながら適正利用のルールを策定するなど、観光振興との両立を図ることが重要であると認識をしてございます。
 現在、鹿児島県が策定をしてございます奄美群島持続的観光マスタープランにおきましては、群島全域の観光につきまして、それぞれの地域の特性を生かして、少人数利用を前提とする地域と多人数利用を展開する地域とを明確にした上で、それぞれの地域の特性を生かした観光を適切に管理しながら進めることが重要とされたところでございます。
 いずれにいたしましても、自然環境保全と両立した持続可能な観光利用に留意して進めることが必要であると考えているところでございます。
#70
○川田龍平君 前回、再質問主意書で、この寄港地開発の候補地が世界自然遺産推薦区域から外れていても、大型クルーズ船の観光客の奄美大島での行動は、国内外の外来生物の非意図的導入など、世界自然遺産推薦区域に間接的ではあるが深刻な悪影響を及ぼす可能性があることを懸念するべきではないかと質問したのに対して、お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、一般的に申し上げれば、外来生物の非意図的導入の観点で、クルーズ船により来訪する観光客がその他の手段で来訪する観光客と比較して、自然環境に対して悪影響を及ぼす可能性が特に高いとは考えていないと答弁をしています。
 しかし、大型クルーズ船の来港に伴い、一時的に大量の人数が世界自然遺産の周辺管理地域に入り込むことを意味するんですが、このことが自然環境に与える影響は考慮の必要はないのでしょうか。また、同協議会においてRCL社が発言した寄港地周辺地域の土地買上げや遊歩道の整備、開発について、国としてどのような対策が必要だと考えているのでしょうか。
#71
○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。
 私どもも地元の瀬戸内町が主催する協議会にオブザーバーとして参加してございますので、そこで行われておる議論の状況については把握しておるつもりでございますが、まだ具体的に、クルーズ会社の方から具体的な提案がなされておるとは私ども理解してございませんので、ただ、県道まで二百メーターぐらいの区間、既存の道路がないという状況は私ども把握してございますので、そこにつながる何らかの遊歩道的なもの、そういったものが必要になる可能性はあろうかというふうに認識をしてございます。
#72
○川田龍平君 対策は取られていないということですが、国土交通省のまとめた持続可能な観光政策のあり方に関する調査研究で示された持続可能な観光政策を積極的に採用すべきではないかという質問に対し、御指摘の調査研究は、個別具体の観光政策についてのものではなく、今後望まれる持続可能な観光政策の在り方の検討に資することを目的として行ったものであると回答しています。
 世界自然遺産の地の観光の在り方として、奄美大島に対して持続可能な観光の考え方を積極的に採用していくという考えはないのでしょうか。
#73
○政府参考人(平岡成哲君) お答えをいたします。
 観光分野における主導的な国際機関である国連の世界観光機関では、持続可能な観光について、訪問客、業界、環境及び訪問客を受け入れるコミュニティーのニーズに対応しつつ、現在及び将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光との定義を持続可能な観光ということで置いているところでございます。
 一般論として申し上げますと、観光施策の推進に当たりましては、先ほど申し上げましたとおり、経済、社会、環境の三領域間の適切なバランスが取れていることが持続可能な観光の実現の観点から望ましいと考えております。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
#74
○川田龍平君 奄美群島の地域の観光政策としては、現在、鹿児島県が作成し、エコツアーに重点を置いた奄美群島持続的観光マスタープランが存在しますが、国交省港湾局はそれを無視するかのように、当マスタープランと本質において矛盾する大型クルーズ誘致によるマスツーリズムを奄美大島において推進しようとしています。
 日本政府は、世界自然遺産登録を目指す地域に対しては、明確な観光政策を打ち出し、環境重視の持続可能な観光を推進すべきではないでしょうか。少なくとも、大型クルーズ船誘致のような、持続可能な観光の動きに逆行してマスツーリズムを助長するような動きは控えるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#75
○政府参考人(下司弘之君) お答え申し上げます。
 先ほど観光庁の答弁にもございましたが、私どもも、奄美大島における持続可能な観光を実現するという観点から、先ほど答弁ありましたように、現在及び将来の経済、社会、環境への影響を十分に考慮する観光、これを実現すべきであるというふうに認識をしてございます。
 また、先ほどより委員の方からも御指摘ございますが、瀬戸内町が設けました協議会、瀬戸内町におけるクルーズ船寄港に関する検討協議会でございますが、こちらの方も事務局である瀬戸内町の方から二つの基本コンセプトが提示をされてございます。御紹介申し上げますが、まず一つに、旅客を無秩序に行動させるのではなく、適正な観光管理を行うとともに自然環境保全の啓蒙などを行う、これが一つ。さらに、二点目としまして、地域経済波及効果があるよう地元産品の販売や地元企業によるサービス提供を行う、こういったコンセプトが提示されております。
 この二つを照らし合わせましても、持続可能な観光開発、表現は異なりますが、同じ方向を向いた議論が進められておると私どもは理解をしてございます。
#76
○川田龍平君 最後に、環境省として、この周辺海域は国立公園の普通地域に、また、海岸を含む一帯が生物多様性の観点から重要度の高い海域になっており、十分な保全管理措置と世界遺産登録上の問題が生じる可能性についてどう考えていますでしょうか。
#77
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 先ほども御答弁申し上げましたが、まず自然環境保護と利用の両立というものが必要だと考えてございます。そういった点で、地元自治体を始めといたしまして、今、観光利用のルール作りも進められておるところでございますので、引き続き、関係者と協力いたしまして、その辺についての十分な配慮に取り組んでまいりたいと考えております。
#78
○川田龍平君 三月十四日に、衆議院で改正奄美振興法案において附帯決議が付されております。四、奄美群島、小笠原諸島は、自然環境面において極めて貴重な地域であることから、その振興開発に当たっては、自然環境の保護、保全に積極的に取り組むとともに、エコツーリズムなどの自然環境の保護、保全と両立する持続的な環境振興が図られるような配慮をという附帯決議もなされております。
 是非、そういった観点からこの観光について進めていただきますよう、よろしくお願いします。
 終わります。ありがとうございました。
#79
○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也でございます。
 私は、今日は、動物愛護の関係と野生鳥獣と森林の関係と、二つのテーマについてお伺いをしたいと思います。
 今まさに、動物愛護法の議員立法をまとめるべく、衆参与野党で様々な詰めの議論をしているところであります。最近は、テレビ番組でペットが出てくるケースも非常に多くて、また、特に高齢世帯の潤いのためにペットはなくてはならない存在であります。また、動物愛護に関しては市民の皆さんの関心も高くて、できれば殺処分をなくしたいというふうに強い思いを持って動いておられるNPOの方も非常に多いと思います。
 まずは、通告していないんですけれども、原田大臣は、犬か猫、あるいは両方に特別な思いを持っておられるとか、飼っておられるとか、飼っていたとか、そういう思い、あるのでしょうか。
#80
○国務大臣(原田義昭君) よく聞いていただきました。実は、私はもう大変な動物好きでございまして、最近まで犬が、ほとんど欠かさず犬を家庭では飼っておりまして、つい最近その愛犬が亡くなったということで多少心を痛めておる、そんな段階であります。
 いずれにいたしましても、動物を飼うということは、私たちの人生を豊かにするという意味では、あくまでもこの動物愛護というのは大事な仕事ではないかと、こう思っております。
#81
○小川勝也君 その大臣の思いも含めて、議員立法がうまくまとまればいいなと、我々も、決算委員会も、そして環境省も応援していただければという思いで今日は質問をさせていただきます。
 まずは犬猫の殺処分の件数でありますけれども、環境省事務方から最近の数字をお伺いをしたいと思います。
#82
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 犬猫の殺処分数につきましては、平成二十九年度は約四万三千頭となってございます。この数字、十年前と比較いたしますと、約七分の一まで減少してきたところでございます。
#83
○小川勝也君 見せていただいて、すばらしい数字だろうというふうに思います。今御紹介がございましたように、環境省からいただいた数字を見ますと、平成十六年現在で三十九万四千頭余りの殺処分数、それを平成二十九年度、四万三千二百十六頭というところまで縮減をしていただいております。
 次用意した質問には答弁は要りませんけれども、私は質問通告するときに、環境大臣は殺処分ゼロにしたいという希望はあるかというふうに通告をしたところ、事務方が自信を持って、ありますと、こういうふうにお答えをいただいたので、先ほどの大臣の思いで、私はこの答弁は要らないというふうに判断をいたします。
 次に、これも打合せ済みでありますけれども、この殺処分全体に係る費用は幾らでしょうか。
#84
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 動物愛護につきまして取り組んでございます各自治体の施設において、殺処分に関する費用は、施設全体の管理費でございますとか人件費といった全体費用の中で賄われております。このため、殺処分に係る費用だけを取り出して把握するのは困難なことが実態でございます。
 したがいまして、殺処分に係る費用の現状につきましては把握はしておりません。
#85
○小川勝也君 これもいただいた数字で分かっております。各都道府県、各政令市、各中核市ごとに殺処分数がきちっとまとめられております。
 ですけれども、当然のことながら、それぞれの自治体で、市民の皆さんの後押しを得ながら、それぞれの自治体で殺処分をなくしていこうという努力をしているんだな、これも数字の減少の中で見て取ることができます。ただし、殺処分数が少なくなったとはいえ、殺処分にお金が掛かることは事実だろうというふうに思います。
 後に海外での様々な取組事例についてお伺いをしたいというふうに思いますけれども、私が持っている最新の情報では、アメリカ合衆国の州ごとにいろいろな法律を作って運営している、まあ合衆国でありますので、カリフォルニア州、もうペットショップでは保護犬、保護猫、保護ウサギ以外の生体販売を禁止という、まさに最新の事例を本年の一月から施行したという情報であります。このことは最近テレビ番組でも報道された、バラエティー番組で放送されたようであります。これも、やむにやまれずということが原因だったと書かれています。全米で毎年もらい手がないまま殺処分となる犬や猫は三百万頭を超すと推定される、そしてカリフォルニア州では毎年二億五千万ドルの州税が殺処分に使われてきたと。
 ですので、このことは、当然、殺処分される動物がかわいそうだという思いは強いわけでありますけれども、いわゆる財政も圧迫するということがダブルでこの施行される原因になったろうというふうに拝察する次第であります。
 日本の場合は国全体としての数字がないわけでありますけれども、殺処分に係る数字はどんどんどんどん少なくなればそれにこしたことはないというふうに思っています。
 今、カリフォルニア州でのこの先進事例をお伺いをいたしましたけれども、私の手元にも環境省からいろんな情報をいただいておりますが、先進事例としてはどういうことが今のところ環境省で学んでいるのか、簡潔に御説明をいただければと思います。
#86
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 環境省では、動物愛護管理法で定められております動物取扱業に係る飼養管理基準の明確化等を図っていくことを目的に検討会を設置しておるところでございますが、この検討会の中での御検討に当たりまして必要な情報等の調査を進めたところでございます。
 その中で、客観的なデータとして私ども収集いたしました海外の事例でございますとか規制の状況でございますが、例えばイギリス、これはイングランド地方になりますが、二〇一八年施行の動物福祉規則では事業者に対して規制を行っており、同規則の下にあるペットの販売に関するガイダンスに基づき自治体ごとに飼養管理の基準を設定していること、さらには、欧州では、EU規則として商業目的の長距離輸送時における動物の保護を定めた規則があること、ドイツでは州又は自治体レベルで犬の登録がなされ、犬税があること、こういった情報を把握したところでございます。
 環境省といたしましては、引き続き、こうした海外事例の情報収集に取り組んでまいりたいと考えております。
#87
○小川勝也君 前の質問者が4G、5Gという情報伝達速度の話もしていただいたようであります。ですので、今ドイツでどういう行政が行われているのか、イギリスでどういういわゆる動物の保護行政が行われているのか、瞬時に情報を得ることができるわけでありますので、最新の事例を常に把握しながら次の政策立案に資していただきたいというふうに思います。
 そんな中で、環境省からいただきました動物の虐待事例等報告書というのがあります。様々な事例があるわけでありますが、幾つか分類することが可能です。一つは個人の例です。そしてもう一つは、保護をする団体などの事例であります。そして、最も私が今回申し上げたいのは、いわゆる業としている方々に対する規制であります。いわゆるブリーダーであります。ブリーダーは、これ、もうけようとしているわけでありますので、そして、その人たちが原因で殺処分につながるとすれば、その方々がもうけるということで殺処分数で税金を使うということになると、これは国民としても許し難い事例であります。
 劣悪な状況でいわゆるブリーダーの方々が動物を飼うことによってそのペットが殺処分に即つながるということではありませんけれども、今回の質問を契機に私が学んだ中では、ヨーロッパの先進事例を考えると、従業員一人当たり何頭まで飼っていいのか、それから、犬、猫の大きさによってそれぞれどのぐらいのスペースが必要なのかというふうに、いわゆる人権ならぬ犬権や猫権をしっかり把握した中でブリーダーに規制をするということがヨーロッパなどでは先進事例として報告をされます。今回の与野党の動物愛護法のいわゆる協議の中では、そのことは今回入っていないのではないかというふうに思いますけれども、何とかそのことも検討をいただければというふうに思います。
 今回、前国会でも動物愛護法が待たれたわけでありますけれども、この国会はまだ一か月と数日あります。何とか動物愛護法が与野党で、議員立法でありますけれども、しっかりまとまりますように、原田大臣からの応援もいただきたいというふうに思います。そして、その後、私が今提案をいたしましたブリーダー規制についての所見があれば、併せて御答弁をいただければと思います。
#88
○国務大臣(原田義昭君) 御指摘のように、現在、議会の方で、国会の方で議員立法を目指して様々な議論が行われている、しかも、かなりまとまってきたというところまでは伺っているところであります。私ども、情報提供も含めまして、しっかりまた議会の皆さんにお役に立てるように努力をしたいと、こう思っております。
 あわせまして、ブリーダーを含む、犬、猫を販売する、事業にする皆さんは、都道府県等の登録を受けなければならないというふうにされておるわけであります。ただ、登録という形でありますけれども、登録後も五年ごとに審査を受け、その更新を行う必要があるということであります。また、都道府県知事は、動物の飼養管理方法等に関する基準を遵守していない事業者に対し勧告や命令を行うことができる、命令に違反した場合には取消しをする、様々な法的規制が行われておりまして、いずれにしましても、法の運用についてはその実効性が確保できるように私ども努めてまいりたいと、こう思っております。
#89
○小川勝也君 全ての事例を申し上げるつもりはありませんけれども、いわゆる多頭飼育で大変な劣悪な状況で業が営まれているというニュースも散見されますので、期待をさせていただきたいと思います。
 次のテーマに入ります。
 今日午前中、国有林野の管理経営に関する法律の本会議質問をさせていただきました。当然、この国有林は国民全体の大きな財産でありますし、これを財として利用するのも当然であります。しかし、森は人間だけが好き勝手に使っていい場所ではないと、こういう教えもいただいているわけであります。
 今を遡ること二十年前、参議院国土・環境委員会という委員会で鳥獣保護法の審議が行われました。これは、野生鳥獣の保護に関する法律というふうに名前はなっているわけでありますけれども、すなわち、いわゆる野生鳥獣の中で農作物等に被害を与えるものに対して鉄砲で撃つという話でありました。
 その折に、現在もこの国有林の法律改正でいわゆる要請をいただいております一般財団法人日本熊森協会、兵庫県に本部がある団体でありますけれども、ここから大事な指摘をいただきました。すなわち、野生鳥獣が人里に出てくる理由は幾つかあると。一つは人里に人が少なくなったからであるけれども、もう一つは山の奥に木の実が少なくなったからだと。
 これは今日の午前中の質疑でもお訴えをさせていただきましたけれども、昭和三十年代から四十年代、木材の需要が大変高くなりましたので、切った後、また需要があるものと思って針葉樹中心に人工林を植え過ぎたおかげで、広葉樹と針葉樹のバランスが全国的に崩れてしまっているということであります。その後、この針葉樹だけではない、広葉樹やドングリ等のなり物のある混交林が野生鳥獣との間でどういう関係にあるのかということは、まだまだ議論の余地があることであります。
 すなわち、この団体が望むように、熊森協会という名前でありますので、ツキノワグマのためにいい森になればいいわけでありますけれども、イノシシや鹿が喜んで繁殖をしてまた人里に出てくるというリスクもゼロではありません。私は、物事に表があれば裏があるというふうに知悉をしている頭の柔らかい政治家であるとは自負をいたしておりますけれども、何とかこのドングリも、針葉樹だけではなくて植えてほしい、広葉樹も植えてほしいという思いを持っています。
 ちょうど国有林の法律が通るときでありまして、伐期ですので、どんどん切ります。しかし、状況によっては、本当に切りやすいところはまた五十年後に切るべく人工林として整備をする、しかし、ここはちょっと次は切りにくいのであるいは混交林に戻すのかな、こんな考え方があっていいのだというふうに思いますが、残念ながら、大臣に確認をいたしますけれども、今回の国有林の大改革の中で、環境大臣として、環境省として、国有林側と打合せはされたでしょうか。
#90
○国務大臣(原田義昭君) 特にこの問題について林野庁と話し合ったという記憶はございません。
#91
○小川勝也君 国有林、すなわち林野庁は、どの木を植えればどういうふうに成長するということに対して知見はそろっていますけれども、野生鳥獣との関係については全て万能ではないかというふうに思います。私が今申し上げましたように、地域によっても、樹種によっても、そこに暮らす野生動物の種類によってもいろいろ変わっていくわけでありますけれども、環境省として、国有林や林野庁に対していわゆる生物多様性でアドバイスできることはあるのかないのか、お答えをいただきたいと思います。
#92
○政府参考人(正田寛君) お答えいたします。
 まず、環境省におきましては、国全体の生物多様性のための基本計画になります生物多様性の国家戦略というものを策定いたしまして、各省とともに取り組んでいるところでございます。
 また、国有林と非常に関係ございます、例えば自然公園法というものがございまして、これは非常に国有林と密接に関わっているところでございます。そういった中で、自然環境保全上豊かな重要な地域として自然公園を指定しているところでございまして、そういった中で必要な協議、調整等を進めているところでございます。
#93
○小川勝也君 先ほど私の考え方も申し上げましたけれども、かつて林野庁でもコリドーなどという政策を非常に宣伝をしておりましたけれども、最近はなかなかホームページも更新されておらないようでありますけれども、国有林が伐期を迎えて、この後また造林をしていくわけであります。
 野生鳥獣に配慮した、いわゆる生物多様性に配慮した国有林にしていくという上で、林野庁から答弁をいただきたいと思います。
#94
○政府参考人(小坂善太郎君) 国有林についてお答えいたします。
 国有林の管理経営は、管理経営基本計画など国有林の森林計画に基づき行っております。とりわけ、野生動物の生育環境の保全等、生物多様性の保全については、環境省と管理に関する調整とか各種様々な情報の共有、そういった連携を図りながら、例えば保護林、緑の回廊、そういったものの適切な設定や管理、さらには針広混交林化、これは、人工林のうち、基本計画の中で、一千万ヘクタール人工林ございますけど、やっぱり条件の悪い三分の一程度の人工林については将来的には針広混交林など複層林に持っていく、そういう考え方が示されていますので、そういう考え方に基づいて多様な森づくりを進めているところでございます。
 こうした取組によって、環境省さんのアドバイスもいただきながら、きっちり国有林の管理、取り組んでまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#95
○小川勝也君 国有林の法律は未来投資会議がもっともっと木を切ってもうけようという法律でありますけれども、それ以外にも大事な概念がたくさんあるということを申し添えさせていただいて、今答弁をいただきましたように、環境省としっかり調整の上、野生鳥獣にも優しい国有林にしていただければと思います。
 終わります。
#96
○伊藤孝恵君 国民民主党・新緑風会の伊藤孝恵です。
 厚生労働省の毎月勤労統計不正問題は、雇用保険等の過少給付という国民生活に直接の悪影響をもたらし、平成三十一年度当初予算案の閣議決定をやり直すという異例の事態に発展しました。保険の追加給付額は五百六十四億円、対象者は二千万人近くに及び、システム改修等の追加的な事務費用も二百億円弱、一連の対応作業は長期化する見通しです。
 さらに、厚生労働省自身による事態究明の調査では、特別監察委員会を設置して本年一月に報告書を公表したものの、身内による調査だったり、報告書の原案を厚生労働省が自ら作成したりと、その中立性や客観性を疑われる方法で調査したため再調査を余儀なくされました。しかし、時間と労力とコストを二重に掛けて調査を実施したものの、二月に公表された再調査の結果は前回とさして変わらず、事態の究明と言うには程遠い内容でありました。
 また、賃金構造基本統計でも、本年一月の政府の一斉点検の際には問題ないとしていたにもかかわらず、政府全体の点検検査結果の公表後に厚生労働省は不正があったことを報告するという言語道断の事態が発覚いたしました。この問題については、総務省行政評価局が調査し、三月に緊急報告として公表をしております。
 ちょっと通告していないんですけれども、石田大臣、大臣にお伺いいたします。閣議決定をされた張本人でいらっしゃいますので。この閣議決定というのをやり直すという事態について、どういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。
#97
○国務大臣(石田真敏君) 閣議決定、いろいろやっていますので、もう一度、どういう閣議決定であったかおっしゃっていただけたら有り難いんですが。
#98
○伊藤孝恵君 もう一度申し上げます。
 この統計不正問題について、一度閣議決定されたものをもう一度、この厚労省の一連の統計不正によって閣議決定をもう一度やり直すという事態にまで発展をいたしました。そういった部分について、閣議決定をやり直すというのについてどういうふうに受け止めておられるか、この不適切統計について、毎勤統計等についての、当初予算案の閣議決定について。
#99
○国務大臣(石田真敏君) 今回の毎勤統計に関わりましては、本当に国民の皆さん方に大変な御迷惑をお掛けしたわけでございまして、申し訳なく思っております。
 そういう中で、閣議決定をして予算案を確定をしておきながらそれを変更するということは、これは本来あってはならないことでございまして、誠に申し訳なく思っておる次第であります。
#100
○伊藤孝恵君 政府が予算案の閣議決定をやり直した例というのを聞いてまいりましたところ、財務省によると、一九九〇年度と二〇一〇年度の過去二回あるそうです。そして、ただ、政府の不正やミスに伴うやり直しというのは初めてで、これはまた極めて異例な事態だというふうにおっしゃっておりました。
 これやっぱり、私も、ああ、閣議決定ってやり直せるんだと、私もそうですけれども、多くの国民の皆様も驚きを持って受け止めたというふうに思います。やはり、政府の信頼ですとか行政への信頼、政治への信用というのを著しく傷つけたという事態であったというふうに、大臣もそうだと思いますけれども、感じております。
 その上で、高階副大臣、よろしくお願いいたします。今回の統計不正に対する責任、今の行政に対する信頼、政治への信頼というのを傷つけたというのも含めて、今回の厚生労働省の責任、どのように考えていらっしゃるか、御答弁お願いいたします。
#101
○副大臣(高階恵美子君) お答えいたします。
 政府統計というのは本来正確性を期すべきものでありまして、今回、不適切な取扱いとなっております毎月勤労統計、このことについても、総務省の統計委員会の承認の下に実施するということでありますから、当然ながら、手順をしっかりと約束どおり進めていくということは基本中の基本だと思います。そうした中で、担当課の判断によって調査の手法が変更されているということ、これは非常に安易な変更だったということで、報告書等でも記載されているとおり、誠に遺憾であります。
 またさらに、そうしたことが長く改善されなかったということ、それによって国民の皆様に不利益を生じさせたということ、こうしたことが二度とあってはならないという気持ちで、私も極めて深刻な事態だと受け止めております。
 この間、多くの皆様方に御心配、御負担をお掛けいたしました。そして、国会審議にも大変なお時間を頂戴いたしました。改めて、この点、おわびを申し上げ、そして、不利益を被りました国民の皆様には一刻も早くこの追加給付を進めていくということ、あわせて、公的統計、この指標をしっかりと出せる組織に生まれ変わる、この組織改革が極めて重要だと思っております。この点に関し、私も含めまして、力を合わせて改善に取り組んでまいります。
#102
○伊藤孝恵君 お役人の書いた答弁書を読まずに御自身のお言葉で誠実な答弁をいただき、ありがとうございました。
 やっぱり、組織改革というのにも言及していただきましたけれども、事態を究明しなきゃいけない、にもかかわらず、今回、残念なことに、特別監察委員会の委員長というのは厚労省所管の労働政策研究・研修機構の理事長でありました。厚労省の外郭団体のトップで、過去には厚労省の審議会の会長も歴任しているという、いわゆる身内を就任させる、そういうことについての副大臣の違和感というのはおありになったんじゃないかなと推察しますが、いかがでしょうか。
#103
○副大臣(高階恵美子君) 様々な形で原因究明をしていく、その委員会のお役を引き受けていただくからには、それなりに公正性をしっかりと身に秘めて、そして取り組んでいただけるものと思っております。
 そういう意味では、私どもの仕事にかねて何らかの御指導をいただいてきた方であっても仕事を引き受けていただいたということ自体、大変勇気の要ることだったのではなかろうかと思います。しかし、厳正にかつ公正にこの原因究明のための仕事に取り組んでいただいた、お休みの日も含めですね、大分お時間をいただいたというふうに思っております。それを振り返りましても、改めてしっかりとした組織改革、これをしていかなければいけないという気持ちを深くしております。
#104
○伊藤孝恵君 副大臣おっしゃるように、公正性というのがやはりポイントだったというふうに思います。
 日本弁護士連合会の第三者委員会ガイドラインによると、利害関係を有する者は委員に就任することができないというふうにあります。この人選自体が調査の中立性を、まさにどうだったかというのも大事ですけれども、外に向かって、この調査は中立です、公正です、皆さん信じてくださいというときに、何かネックになる、そういうような人選だったと、世の中が、私たちも含め見ているとすれば、それはすごく残念な人選だったのかなというふうに思います。自らを律するというような意識、それから国民の皆様からどう見えるんだろうという感覚、普通感覚が著しく欠如していたというふうに私は感じております。
 この点について、副大臣、今後こういうことはあってはなりませんけれども、こういう際に、副大臣のお立場で、この人選について、もしコメントがあればお願いいたします。
#105
○副大臣(高階恵美子君) この国の未来、そしてかかる人々の暮らしを良くしたいという思いはみんな一緒だと思います。そういう点からして、御協力いただく際には、そうした個人の自律性、あるいは仕事に向かうときの倫理観、こういったものをあらかじめお示しいただいているといったようなやり取りもございますので、ゆがんだ人選であったかと問われれば、そこは当たらないのではないかなというふうに思います。
#106
○伊藤孝恵君 ゆがんだ人選だったとは私も思いませんが、自分たちの指標とともに、物差しとともに、国民の皆様から見える物差しというのは、副大臣を始め、持っていただきたいなということでございます。
 ただ、特別監察委員会の報告書の中には、厚労省の担当職員が、自分たちはやってはいけない統計処理をやっていると分かっていたからこそ総務省に虚偽の説明をしたという指摘が現にございます。隠蔽のこれは認定根拠と言ってもいいかもしれませんけれども、しかもこれ、一個人の判断ではなくて担当課又は室という組織としての判断だと断罪していらっしゃいます。これは報告書の中にあります。でも、結論は、厚労省による組織的、個人的な隠蔽を否定する。いやいやいやと。述べている、書かれていることと結論というのがちょっとそごがあるんじゃないかなというふうに思っております。この不正は衝撃的ではあるが、隠蔽ではないというような表現になっております。
 この強弁については、副大臣、どうお感じになりますか。
#107
○副大臣(高階恵美子君) 振り返りますと、各関わったであろう職員への聞き取り、これは非常に丁寧にやられていたというふうに承知しています。そうした中で、当時何があったか、どう思っていたか、どういう指示系統で動いていたかといったことのやり取りが確認されていたと承知しています。
 その際に、例えば調査設計が変更されていた、そして本来全数のところが抽出に変えられている、もし抽出の設計が正しく行われてやられているとすると、統計的には復元作業というのをしなければならないわけです。全数が無理だからといって抽出した、そのやり方もまたずさんだったということになるんだと思うんです。意図的に何か改ざんをしようというしっかりとした考えがあってというよりは、私も研究歴のある者として、稚拙だなという印象を持ちます。そうしたところからすれば、意図的に何かこれをゆがめるといったようなことにはなっていなかったんだろうというふうに思います。
 もう一つ、組織は組織でありますから、担当者が一人で仕事をしているわけではありません。管理職もいます。そうしたところにはしっかりと確認作業が行くだろうと、こういうふうに思うのが普通だと思います。ところが、例えば決裁書は決裁されている、しかしその中身が把握されていないといったようなこともあります。こうした点から見ると、組織としてのしっかりとした動かし、健全なシステムとしての機能が果たされていたのかという疑問が生じます。
 こうしたことを総合的に考えますと、やはり個人の責任のみならず、組織のしっかりとした改革、これが両方ないと、今回の事案の再発防止はなかなかできないだろうと、こんなふうに思います。
#108
○伊藤孝恵君 おっしゃるように、総務省の行政評価局からも、問題の根底というのをやはり考えなきゃいけないと。一人一人、誰が悪かったんだ、どの悪者なんだというのではなくて、やはりおっしゃったようなガバナンスの課題というのも大きくあったというふうに書かれていますし、問題の根底は遵法意識の欠如と事なかれ主義の蔓延、どんな背景で問題が起こったかを掘り下げられていない、現場と幹部間で意思疎通が不足した原因の究明が足りない、よって、これは再発防止策につながらないというふうに指摘をされているわけであります。
 この中で、これは政府参考人で構いませんので、伺います。
 追加報告書の中に、復元処理を隠した経緯というのを、担当室長は影響を試算したが大きいものではないと判断したとの記載がありますが、どういう試算をどの数字で用いて行ったのか。総務省から情報提供を求められているというふうに思いますけれども、これ対応されていらっしゃいますでしょうか。
#109
○政府参考人(藤澤勝博君) お尋ねの点でございますけれども、三月の六日に統計委員会での議論が行われまして、そこで統計委員会の委員の先生方からもそういった点について言及がなされて、その後、総務省の御担当のところから厚生労働省に対して情報提供の要望をいただいている、その中の一点についての御質問ではないかと思います。
 その中で、御要望をいただいた後に、三月の十八日の統計委員会、また四月の十八日の統計委員会において、いただいた要望に対して厚生労働省から回答といいますか報告を申し上げておりますが、いただいた要望は三点ございましたけれども、その中で二点目の不適切処理の経緯についての御質問だと思います。
 そこで、御要望いただきましたので、改めてその当時の雇用・賃金福祉統計室長にも確認をして報告をしております。そのポイントは、当時の担当室長は、過去の復元処理による五百人以上の常用労働者数の増加を通じた間接的影響に思いが至らず、複数月ではなく単月について復元方法を変えて集計することにより算定したと。一方で、事案が発覚してから厚生労働省が行いました再集計値は別の計算の仕方で行っておりますので、この結果、当時の試算が過小評価となった、そういったことを統計委員会に報告を申し上げたところでございます。
 今申し上げた点も含めて、四月の十八日の統計委員会では、当時の経緯を正直に話してもらったといったような評価をいただいたところでございまして、厚生労働省の説明に一定の御理解をいただけたものというふうに考えているところでございます。
#110
○伊藤孝恵君 総務省にも伺います。
 総務省は統計行政の中核を担っており、統計委員会は公的統計の整備に関する司令塔というふうにされております。
 これ、総務大臣に伺いたいというふうに思います。
 司令塔であるからには、五十六の基幹統計、二百三十二の一般統計がそれぞれ何を試算する際にどういうロジックで用いられるのか、把握されているのか聞いたら、何と把握されていないということでした。各省庁内でどんな使われ方をしているのか、どの数字がどの指標を導く際に用いられるのか、マトリックスというのはないんですかと言ったら、ないというふうに言われましたが、これ、このままでいいのかなというふうに疑問に思いました。
 適正に調査実施をされているか以前に、その調査自体が必要か不必要かの判断をしないといけないのではないかというふうに思いますし、毎年、昨年行っているから今年も調査をする、年に一回だけ、ちょろっとだけ使うからまあ今年もやっておこうと、そういったような漫然と続いていく。それから、去年もやってもらったからこの人に今年も発注しようというような、表向きそうではないと言いながら、コストダウン交渉というのもなかなかされぬまま調査が行われている可能性というのも否定できないんじゃないかというふうに思います。
 こういった全体像を把握するということについての必要性、大臣、どう思われますか。
#111
○政府参考人(横田信孝君) 私の方からお答えさせていただきます。
 基幹統計調査それから一般統計調査につきましては、先ほど御質問にもございましたように、各府省がそれぞれ施策に利活用する、さらには民間の方でも意思決定、研究活動に利用されるというようなものとしてやってきておるところでございます。
 総務省でのこの利活用の把握ということでございます。具体的にやっておりますのは、基幹統計調査それから一般統計調査につきましては、統計法に基づきまして、個別の統計調査の変更が生じた場合には承認申請、そういう手続がございます。その際には個別に利活用の状況を確認しているというところでございまして、それを踏まえまして、各府省におきましても見直しに向けた検討を行っているというような実態はあるわけでございます。
 ただ一方で、御質問にございましたように包括的に把握しておるかというところについては、そういう形では把握していないというところが実情でございます。
 この点につきましては、今、この統計問題につきまして統計委員会で点検検証部会を行いまして、再発防止策等の議論が行われているところでございます。再発防止策は、まだこれは議論の最中でございますが、この中でも、やはり利活用状況を把握するということが再発の防止にも非常に重要ではないかというような御指摘をいただいたところでございます。
 これを踏まえまして、この利活用状況等について点検、評価を行うことをルール化するとか、さらには、この結果を踏まえて、利活用が低調な調査の中止であるとか、あるいは調査事項の削減といったことを措置していくべきではないかといったような議論がなされているというところでございます。
 これはまだ再発防止策として確定したわけではございませんが、今現在の議論としてはそういう形になっておるというところでございます。
#112
○伊藤孝恵君 これ、全体把握するって、総務省しかできないミッションだと思うんですね。是非、御検討いただければというふうに思います。
 こちらは大臣に伺います。
 今年一月、政府の一斉点検によって、国の五十六基幹統計のうち約四割の二十四統計について計三十四件の不適切な取扱いが判明しました。また、先日行われた一般統計二百三十二統計の点検でも、全体の六割を超える百五十四統計において不適切な対応があったことが明らかになっております。
 総務省は、平成二十九年一月にも、経済産業省所管の繊維流通統計調査における不適切事案を契機に、一般統計も含む三百七十七統計について一斉点検を行っており、その際にも四割弱に当たる百三十八統計について問題が発覚しておりました。
 この二年間、統計所管の省である総務省は、過去の反省を踏まえて有効な対応策を講じることができていたと言えるのでしょうか。こういったことについて、大臣、御答弁お願いいたします。
#113
○国務大臣(石田真敏君) 二年前の一斉点検は、全ての基幹統計調査及び一般統計調査を対象に各府省において自己点検を実施をしていただいて、そして総務省に報告をいただいたものであります。
 また、その報告の結果については、その後の総務省における承認審査におきまして、順次、個別に確認、改善を図ってきたところでありますけれども、こういう状況の中で再び平成三十年度に不適切な事案が発生をしたわけでございまして、こうしたことから、今般の一般点検では第三者機関であります統計委員会に新たに設置をされました点検検証部会におきまして、書面調査あるいはヒアリングも行いつつ徹底した検証を進め、再発防止策等を検討いただいているところでございます。
#114
○伊藤孝恵君 私、今お伺いしたのは、有効な対応策というのが例えば二年前に発見できていて、それを講じていたにもかかわらず今回のことが起こったのか、それとも二年前の反省を今回踏まえることができなかった、だから今回頑張るのか、どういうような御認識でいらっしゃるのか、大臣、もう一度御答弁をお願いいたします。
#115
○国務大臣(石田真敏君) 先ほど答弁申し上げましたように、二年前の一斉点検の際には、各府省において自己点検を実施していただくと、で、それを総務省に報告をいただいて、その報告結果に基づいて、その後総務省が行うということでやってきたということであったわけですね。
 ところが、今回また新たに起こったものですから、そういうことではいけないということで、先ほど申し上げましたように、点検検証部会というのを新たに設置をいたしまして、そこで今やっていただいているということでございまして、先ほど審議官の方からも答弁させていただきましたけれども、今、点検検証部会には、そういうことも踏まえまして、いろいろ再発防止策について御議論いただいておるということであります。
#116
○伊藤孝恵君 何を改善すれば信頼に足り得る統計というのが維持管理できるか、そういったところが一番議論するポイントだというふうに思いますので、今般の事態について、統計の重要性に対する政府の認識不足のほか、統計調査等に従事する職員数が減少し続けていることや諸外国と比較して少ないこと、予算が十分でないこと、各省ごとの縦割りといった統計業務の実施体制の問題など、様々な課題が国会の審議の中でも指摘をされております。
 政府は、問題事案の再発防止及び統計の品質向上を目指して、おっしゃるように、今年一月に設置されました統計委員会の点検検証部会において、基幹統計に加えて全ての一般統計についても検証を行っており、先日、その再発防止策の素案というのも示されたところを拝見いたしました。
 ただ、一方、国の統計業務の適正を期すためには、やはり、まずはその実施体制、実施状況について全体像を網羅的に把握する必要が、先ほどから述べているとおり、あると思うんですけれども、我が国の統計機構は多くの省庁に分散しており、また、中央省庁のみならず地方にも及んでおりますので、全体像を把握しづらい側面がございます。また、不正事案の点検や再発防止等を目的とした統計委員会の検証のみならず、会計経理等の面から、統計業務が法令に従い、かつ効率的、経済的に行われているか、政策効果を上げているかといったチェックも併せて重要だと思います。
 そこで、こうした観点から、実地検査等を行う権能を持ち、内閣から独立した機関である会計検査院に対して、国会法第百五条に基づき、公的統計の整備に関する業務の実施状況及び政策立案への影響と効果等について検査要請をすべきと考えますので、委員長によろしくお取り計らいをお願いいたします。
#117
○委員長(石井みどり君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
#118
○伊藤孝恵君 それでは、お手元に配付されております資料一を御覧ください。
 これ、我が党の玉木代表の調査により発覚した、マイナンバー制度とハローワークをつなぐ中間サーバーに関する問題点を報じた新聞の記事であります。
 厚生労働省がおよそ八十億円を掛けて整備をし、年間約十億円の維持管理費が掛かるにもかかわらず、利用率が設計当初の想定の〇・一%と著しく低調である事態が報道されております。しかも、ほとんど稼働していないにもかかわらず、また数年後には更新時期を迎えて新たに整備費が掛かる見込みというふうに言われております。
 実績と想定が懸け離れ過ぎており、当初の見積りが適正だったのかについて疑問の声が上がっておりますけれども、本件についてどのように認識をしているか、厚生労働省に伺います。
#119
○政府参考人(田畑一雄君) ハローワークにおきましては、各種申請等の添付書類の省略による国民の利便性の向上や公平公正な社会の実現などを目的といたしまして、他の行政機関等とマイナンバー制度に基づく情報連携を行うためのサーバー等を整備しております。
 このサーバーの設計上の月当たり最大件数を約三百八万件としたところでございますが、この設計に当たっては、ハローワークシステムにおける中間サーバーの設計時点では正確な情報連携の規模を把握することが困難であった一方で、将来的に他の行政機関等との情報連携が進み、最大限利用された場合においても必要なデータを遅滞なく照会、提供できるようにする必要があったことから、業務ごとの繁忙期の処理件数や情報提供対象となる者の数を基に将来の拡張性も考慮したものでございます。
 この三百八万件、システム上で安定的に処理できる上限数でありまして、情報連携件数の目標として設定した数値ではございませんが、マイナンバーの利用が全体として低調になっていることは事実でございまして、マイナンバー制度に基づく情報連携の環境を整えて国民の利便性の向上を図っていくことは重要と考えており、このための取組を進めているところでございます。
#120
○伊藤孝恵君 五月二十日の衆議院の決算委員会における今の厚労省の答弁を聞いて、私、驚いたんですね。この三百八万件につきましては、システム上安定的に処理できる上限数でございまして、情報連携件数の目標として設定した数値ではないということから、利用率というような観点、先ほど〇・一%というお話がございましたが、こういった観点から議論をすることは必ずしも適切ではないものと考えておりますというふうにお答えになっていらっしゃいます。
 私も会社員時代、マーケティング局で、その業務で、広告の受発注システムをゼロからつくったことがあるんですけれども、こういう作業って、まず業務量を可視化しますよね。そして、タスクを、ちゃんとスペックを割り出して、工数を確認して、それからコストを抑える最大限の努力をしながら自分で仕様書も書いて、そしてベータ版から始めて本番環境に乗せていくと、こういうようなことだと思うんですけれども、こんな何か最初から大盤振る舞いの、フルスペックのものをつくる必要ってあったんだろうかと。
 余りにもコスト感覚がなさ過ぎるというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#121
○政府参考人(田畑一雄君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、サーバーの設計に当たっては、ハローワークシステムにおける中間サーバーの設計時点で正確な情報連携の規模を把握することが困難であった一方で、将来的に他の行政機関等との情報連携が進み、最大限利用された場合においても必要なデータを遅滞なく照会できるように、業務ごとの繁忙期の処理件数や情報提供対象となる者の数を基に将来性の拡張性を考慮して設計をしたところでございます。ハローワークが他の行政機関と情報連携を行うに当たり、必要なものを準備をしたということでございます。
 先日、三百八万件の件につきまして、利用率ということで御答弁を担当の局長からしておりますけれども、この三百八万件、システム上で安定的に処理できる上限数ということで、情報連携件数の目的として設定した数値でないということを御説明申し上げたものでございます。
#122
○伊藤孝恵君 これ、おっしゃいますけれども、将来的に見込めないのならば、ミニマムスタートをするというのだってきっとあったと思うんですね。これ容量が大きくなればなるほど高額になりますから、そういった部分もちゃんとコスト感覚を持って。そして、今、〇・一って言いましたけれども、正確には〇・〇八ですよね。余りにも懸け離れ過ぎているの度を越しております。
 資料二を御覧ください。
 利用率が低調なのは厚労省だけではございません。マイナンバー制度関連システム全体概要図、これ資料二ですけれども、総務省の中間サーバーについてもこれ調べてみました。平成二十五年から三十年度に執行した経費の総額は二百五十八・六億円です。この経費というのは、当初開発費六十五・一億円、当初ソフトウエア開発費十七・五億円、機器費用六十二・一億円、追加開発費十四・四億円、このほかに保守、運営費などが九十九・五億円などを指します。これら、大いに活用されていれば何ら問題はありませんけれども、これ、月ごとの利用数、設計時点の想定は、月ごと三千三百五十万件でございます。
 大臣、これ実際の利用率、御存じですか。
#123
○政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。
 情報連携が始まりまして、月ごとの利用件数はそれぞれ月ごとに異なるわけでありますが、今、利用件数の最大を申し上げますと、平成三十年七月の二百六十一万二千百十五件となっております。最小では二十三万三千二百六十六件、平成三十年二月の数字でございます。
#124
○伊藤孝恵君 今御答弁いただきましたように、最大ではおよそ想定の七・八%ですけれども、最小では〇・七%になります。そして、平均すると、七十二万五千七十二件ですので、およそ二・二%の利用率になっております。
 厚労省の〇・〇八%というのは論外ですけれども、この総務省の二・二%もかなり問題だというふうに思いますが、大臣、認識されておりましたか。
#125
○国務大臣(石田真敏君) 御指摘の自治体の中間サーバーは、マイナンバーを用いた自治体と国との情報連携を行うために、地方公共団体の委託を受けまして、地方公共団体情報システム機構において整備、管理を行っているものでございます。
 設計時点で想定した利用件数とこれまでの月ごとの利用件数を比べると差がありますが、これは、本格運用の対象となる事務手続数が平成二十九年十一月時点の約八百五十から平成三十年十月時点の約千二百に増加しておりまして、対象となる事務手続数が少ない時期の数値も含まれていること、また、それに加えまして、実際の情報連携の件数におきまして相当程度のウエートを占める年金関係の情報連携が稼働していない数値であることといった要因があるものと考えております。したがいまして、日本年金機構等との情報連携が本格的に開始されることにより利用件数は今後大きく増加する見込みでございます。
 内閣官房が実施をいたしました調査によりますと、現行法で情報連携の対象となっている事務手続の本格運用が完全実施された場合、添付書類の削減件数は年間約九千三百万枚と見込まれておりまして、情報連携は国民の利便性向上や行政運営の効率化に大きく資するものと考えております。
 引き続き、関係府省と連携して、情報連携の本格運用を更に推進するとともに、その積極的な活用を促すなど、効果が最大限に発揮されるように取り組んでまいりたいと思っております。
#126
○伊藤孝恵君 政府参考人にお伺いいたします。
 この自治体中間サーバーの落札率というのはお分かりになりますでしょうか。
#127
○政府参考人(宮地毅君) 現在稼働しております自治体中間サーバーの稼働率、ちょっと今数字を持ち合わせておりません。申し訳ございません。
#128
○伊藤孝恵君 後ほど教えていただけますか。
#129
○政府参考人(宮地毅君) 承知しました。
#130
○伊藤孝恵君 今、教えていただけるというので安心したんですけれども、これ実は国の出資がされていないことを理由に落札率は非公表というふうになっております。
 おとといの衆議院決算行政監視委員会でも、厚労省の中間サーバーにおける入札の妥当性についての質疑がございました。百億円を超えるような業務の入札にもかかわらず、一者入札が半分を占める、その疑義が述べられております。世界のサーバー利用量の一五%を占めると言われているネットフリックスのサーバー整備費でさえ四百五十億円なのに、日本国内での利用が月平均二千五百八十件のサーバー整備費が何で八十億円なんだと。入札コストによるコスト競争、コスト圧縮が効いていない証左ではないかとの指摘がありました。
 自治体中間サーバーの落札率やその整備費の妥当性について把握したいというふうに思いますので、是非数字の方をお伝えいただければというふうに思います。
 さて、二〇一五年から設計を開始し、二〇一七年から稼働しているこの総務省のサーバーですけれども、二〇二一年には更新が予定されています。大体こういうサーバーの保守期間というのは五、六年ですので、まあ更新するんだなという期間なんでしょうけれども、この利用率、この投資にもかかわらず、次世代サーバーをまたお金を掛けて整備をするということなんですよね。今度は更にフルスペックのものにすると聞いていますが、本当にこれ大丈夫なのかというふうに思います。
 これ、総務省の事務方にお伺いいたします。
 前回設計を担当した方と次世代サーバーの設計を担当する方は当然違う方なんじゃないかなというふうに思います、二、三年で異動をされるでしょうから。その際、初代システムの仕様書を書いた業者などに引き続きお願いした方が楽だなんていう、せっかくのコストリダクションの機会を逃すような事態はないのかというふうに心配します。
 資料三を御覧ください。こちらは、会計検査院がこれまでに実施した情報システムに係るこれまでの主な検査報告一覧です。資料四は、中でも、平成十七年に本院が検査要請した各府省等におけるコンピューターシステムに関する会計検査の結果報告概要を添付しております。システム調達における特定事業者との随意契約が繰り返されることやそのために契約が割高になっていることなど、経済性への疑義のほか、システム開発に携わる職員のリテラシーへの課題が繰り返し述べられております。
 大臣に、マイナンバー関連でもう一点お伺いしたいというふうに思うんですね。
 報道によれば、子育て関連の行政手続等をオンライン上でできるマイナポータルについて、三百四十六億円もの予算を計上して整備しているにもかかわらず、利便性に課題があり、利用が低迷しているとの報道がございました。
 マイナポータルを利用するには現状ではマイナンバーカードが必要であるが、マイナンバーカードの普及率も現在では一割強と低い。そして、カードを所有していても、パソコンからログインする場合は専用のカードリーダーの購入が必要となりますし、また、スマートフォンの場合はカードをかざすことによりこれを読み取ることができるんですけれども、日本で高いシェアを占めているアイフォンはまだ読み取りに対応しておりません。
 マイナポータルの利便性に係る課題に対する認識というのは本当に深刻に真剣に課題を認識していただきたいんですけれども、このマイナポータルの当初想定に比べた利用率について、数字、教えていただければと思います。
#131
○政府参考人(向井治紀君) マイナポータルも幾つか機能がございますが、電子申請ということに限って言わせていただきますと、マイナポータルの電子申請は、私どもで件数の把握をしていますものは、マイナポータルの、マイナポータルから入ってマイナポータルの電子申請システム、メモリーを使って申請するものだけでございまして、マイナポータルに入った後いきなり自治体の方に飛ぶやつについては把握しておりませんが、それにつきましては、利用率という点でいきますと、私どものこの電子申請はクラウドでございますので、いわゆる当初設定とかそういうのはございませんのでメモリーの利用率ということになろうかと思うんですが、メモリーの利用率はおおむね一〇%から四〇%の間で推移しているところでございます。
#132
○伊藤孝恵君 そういった当初予想に比べて必ずしも高いと言えない状態だということを是非、マイナンバー担当大臣、御認識いただければというふうに思います。
 そして、資料のこれ五になりますかね、御覧ください。
 左下のグラフを見ていただくと、政府の情報システム関係予算は年々増加して、全府省でおよそ今、年間七千億円、特別会計分を含めれば優に一兆を超えてまいります。政府は、各省庁が別々に整備、運用してきた情報システムに対し、政府全体で共有化するための情報通信基盤として、平成二十五年三月から政府共通プラットフォームを運用しております。
 このプラットフォームに関しては、平成二十八年九月の会計検査院報告において、二十七年度末時点で既に百七十億円の整備、運用経費を投じているにもかかわらず、@同プラットフォームへの移行対象システム数が移行対象外システム数を大きく下回ること、それで、履行によりシステム運用経費の低減が図られているとは判断できないこと、またCPUの平均使用率が一〇%未満のシステムが八割に上ることなどが明らかになっておりまして、本委員会において平成二十九年六月に運用経費の削減等を求める措置要求決議を行っております。
 政府は本年二月に政府共通プラットフォーム第二期整備計画を策定していらっしゃいますけれども、本委員会の決議に照らし、第一期整備計画の結果をどのように評価しているか、特に運用経費の削減効果やITリソースの利用率等について、具体的な数字を基に御答弁いただきたいというふうに思います。
#133
○政府参考人(堀江宏之君) 御指摘の政府共通プラットフォームですが、各省が共通して利用する情報システムあるいは中小規模の情報システム、これを共通基盤の上で運用することによりまして、セキュリティーの向上あるいは運用コストの低減を図るために運用しているものでございます。現在、九十九のシステムがプラットフォーム上で運用されております。また、御指摘のとおり、来年度中に第二期の運用を開始すべく、現行第一期の評価、反省の上に立って検討を進めているところでございます。
 第一期についてでございます、現行のものについてでございますが、全てのシステムにつきまして二十四時間の有人監視を行うといったようなセキュリティーの向上という観点からは効果があったものと考えております。
 その一方で、円滑な移行あるいは安定的な稼働というものを重視いたしまして、サーバーなどのリソースにつきましては各業務の年間のピーク時を念頭に厚めに確保してきたという経緯がございまして、そういったことからリソースの精査が十分でないのではないか、あるいは、先ほど御指摘ありましたように、現状を分析した上で運用経費も削減すべきではないか、そういった御指摘をいただいたところでございます。
 この指摘を踏まえまして、サーバーの入替えのタイミングが平成二十九年から始まっております。このタイミングで、システムごとのリソース利用率を踏まえまして、CPUコア数、サーバー台数の削減などを行っております。平年度ベースで約二十億円程度の運用経費削減策を実施しているところでございます。
 なお、第二期につきましては、第一期の経験を基に、近年進展をしておりますクラウドサービスを用いた政府のプライベートクラウドとして構築したいと考えております。これによりまして、従来、業務のピーク時に合わせてリソースを確保しておりましたが、今後は業務の繁閑に応じて柔軟にリソースを確保したい、あるいは、個々の情報システムに合わせてサーバーの設定作業などを行っておりましたが、標準化、共通化されたサービスを利用して手間を減らしたい、こういうことを考えております。
 こういうことを踏まえまして、本年二月、先ほど御指摘いただきました整備計画におきましては、第一期に比べて五割を超える運用経費削減を目指すということにしたところでございます。
#134
○伊藤孝恵君 そうですね、PF運用も含めて今九十九システム動いておりますけれども、今、第一期をちゃんと精査した上で第二期を策定しているというふうに御答弁いただきました。そして、五〇%の削減を目指しているということですので、それがどうなったか、ちゃんと目標達成したのかどうか、しっかりと教えていただければというふうに思います。
 こういった政府情報システムの整備、運用には毎年度多額の予算が計上されておりまして、もちろんデジタル社会の進展に応じて今後も引き続き多額の投資が見込まれるというふうに思います。
 一方、マイナンバーに関して、今、私が質問させていただきましたように、巨額の国費を投じたシステムの利用率というのが著しく低いといった事例も見られます。こうした事態は恐らく氷山の一角なんだというふうに思います。他の政府情報システムでも同様にあるのではないか。
 また、政府は、各府省が縦割りで別々に情報システムを整備、運用している実態を踏まえ、システムの統廃合や政府共通プラットフォームへの移行などの取組を進めていますけれども、まだまだ中途半端ですし、まだまだスピード感が足りないというふうに思います。
 行政効率化やコスト削減などの効果は不透明でありますし、情報システムの調達というのが、やはり内容が専門的ですし、そして、物が一般の国民の皆さんの目に見えてこないものですから、本当に国のために必要なものを必要なだけ調達しているのか、有効に利用されているのか、単にシステム関連会社を利するだけの結果となっているのではないかというような疑念が国民感情としてありますし、そしてそれに対してちゃんと説明をする責任がありますし、本委員会としても検証が必要と考えております。
 本院では、今から十四年前の平成十七年に、会計検査院に対し、各府省等におけるコンピューターシステムに関する契約の状況、競争性、経済性の状況、電子申請などのシステム利用の状況、情報セキュリティー対策の状況等について検査を要請したことがあり、後日、要請に基づく報告書が提出されました。先ほど御覧いただいたものが抜粋になります。
 また、会計検査院はそれ以降も、府省共通業務・システムの状況、政府共通プラットフォームの状況、マイナンバー制度に係るシステム整備の状況等について累次にわたり国会に対して随時報告を行うなど、多くの検査実績がございます。
 したがって、以上のような状況を踏まえ、マイナンバー関連システムや政府共通プラットフォームなどを含めた政府情報システム全般に関し、整備、運用、利用の実態はどうなっているのか、また、国民の利便性向上や行政効率化などの効果が上がっているのかどうか、国会法第百五条に基づき、会計検査院に対して検査を要請すべきと考えるので、委員長によろしくお取り計らいをお願いいたします。
#135
○委員長(石井みどり君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議いたします。
#136
○伊藤孝恵君 さて、大臣にお知らせしたくて、資料六を付けさせていただきました。本日、「困りごと 手続きの壁」とタイトルされた新聞記事を添付いたしました。この中で、一人親の当事者グループで支援活動を続けていらっしゃいます、しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長の赤石千衣子さんの記事を御参照ください。福祉が必要な人ほど制度は届いていないんじゃないか、役所の手続などが煩雑で、時に窓口の対応に痛め付けられたりするといったような内容が書かれております。
 私が特に胸をつかれたのはこの部分です。あるシングルマザーが、児童扶養手当の毎年の更新時に、交際中の男性や妊娠の有無を確認されます。事実婚関係の男性から扶養されている場合は対象外となるためですけれども、職場であればセクハラとなる質問であり、また、交際したら扶養されるわけでもありません。手続を煩雑にしている。これは、お金をもらうのだから仕方がないだろうとする差別意識と、それを受忍せざるを得ない側の事情が背景にあります。そこでは福祉を利用するのは権利であることが隠れてしまっています。日本の福祉政策は、政治のせめぎ合いの中で改築を重ね、複雑な迷路のようです。制度をつくる側は、細目をつくることで納税者に説明責任を果たしているつもりなのでしょう。
 これ本当なのとシングルマザーの友人に私も聞いてみました。そしたら、彼女言っていました。私もシングルマザーの当事者になって、このハラスメントを毎年強いられている、とても悔しいと。特に、離婚を決めて心身共にしんどいときに、離婚届を提出しに行った先の市役所でたらい回しにされながらいろんな申請をしなくてはいけなかったことや、子供と一緒に籍を抜けなかったこと、困窮者制度だって誰も教えてくれなかった、なぜなんだろうと今でも思うというふうに彼女言っていました。
 この行政ハラスメントと言ったらいいのか窓口ハラスメントと言ったらいいのか、そういった実態を大臣に知っていただき、そして、今まさに窓口総合改革というのを検討されているというふうに聞いております。この検討項目に入れていただきたいというふうに思います。大臣、いかがですか。
#137
○国務大臣(石田真敏君) 自治体の窓口は、住民の多様な相談をお受けする場、あるいは住民のニーズをすくい上げるという重要な役割を持っております。
 議員御指摘の点に関連して、例えば、御指摘のように、児童扶養手当の現況届の窓口対応について、支給要件についての十分な説明がないままに異性との交際関係を質問する事例があったということでございまして、厚生労働省から自治体に適切な窓口対応を促す事務連絡を昨年八月に発出したと聞いております。
 自治体の窓口は、住民の相談に応じて的確に説明や助言を行い、必要な行政サービスを提供することが求められるものであり、適切な対応を取っていただきたいと考えているところであります。
#138
○伊藤孝恵君 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 こういったやっぱり離婚したときとか大切な人を亡くしたとき、必要だから役所に行くわけですけれども、そこで投げかけられる心ない言葉やたらい回しの対応はより心を傷つけます。逆に、そこで掛けられた温かい言葉や対応というのは傷ついた人を救うかもしれません。実際、先ほど紹介した友人も、そこで役所の男性職員の方に、お母さん大変ですね、何かお困り事はありませんかと声を掛けられたときのうれしさが今でも心に残っているというふうに言っておりました。
 大臣は、この行政ハラスメント、窓口ハラスメントというのを、現状を打破できる、その力を一番持っている方ですので、どうか聞き捨てされることなどなきよう御対応いただきますようお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
    ─────────────
#139
○委員長(石井みどり君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石井浩郎君が委員を辞任され、その補欠として井原巧君が選任されました。
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#140
○竹谷とし子君 トラフィック実態把握について総務省に質問いたします。
 インターネットによる利便性が高まる一方で、我が国のブロードバンドサービス契約者の総ダウンロードトラフィックが爆発的に増加をしています。今後、第五世代通信方式が始まると通信速度が数十倍にも上がると言われ、期待を集めていますが、それ以前に、現在のネットワーク状況を見ますと、足下でインターネットの速度が低下しているとの苦情があります。また、トラフィックが東京に集中し、万一東京が大災害に見舞われた場合に全国の通信が中断されてしまうリスクがあるのではないかとの指摘も専門家からあります。
 今後、ビッグデータの利活用により新市場、新産業の創出が世界中で期待されている中、安定した通信網がない地域に明るい未来がないことは明白です。ネットワーク逼迫対策の取組を促進しなければならないと思います。
 まず、総務省が関係事業者に御協力をいただいて、地域、事業者間の偏在やコンテンツの種類の分析等、トラフィックの実態を収集、把握し、解決に向け検討していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
#141
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。
 総務省におきましては、インターネットトラフィック、すなわちインターネット上を流れる通信の量が急激に増大していることなどの環境変化を踏まえまして、昨年の十月から有識者で構成されますネットワーク中立性に関する研究会を開催をいたしまして、ネットワーク接続事業者等が尊重すべきネットワーク中立性に関するルール等につきまして検討を進めてきたところでございます。
 本年四月に取りまとめられたこの研究会の中間報告書におきましては、現在実施している我が国全体のトラフィックの総量の把握だけではなく、地域や事業者間の偏在などの実態を収集、把握し、客観的なデータを公開すること、また、コンテンツの効率的で安定的な配信の実現に向けて幅広い関係者による協力体制を整備し、ネットワーク逼迫対策の取組を促進すること等の御提言をいただいたところでございます。
 総務省といたしましては、今般の中間報告書を踏まえまして、関係事業者の協力を得て、委員御指摘のトラフィックの実態の収集、把握、公開を進めるとともに、トラフィックを効率的に分散処理するための環境整備など、良好なインターネット利用環境の実現に向けて積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
#142
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。
 政府機関の調達コスト削減について総務省に伺います。
 現在、各府省の調達はばらばらに行っているものもあり、非効率なものが残っていますが、どこから購入しても機能的に変わらないような調達については、電子調達システム等による共同調達を行うことでコストを削減できる余地があると考えます。
 総務省ではこれに関する調査を行っていると思いますが、その分析結果を踏まえ、今後、総務省がリーダーシップを取って、各府省の協力を得ながら、政府機関の調達物品の標準化、共同調達に向けたシステム化等の準備を進め、コスト削減に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#143
○政府参考人(安藤英作君) お答え申し上げます。
 まず、政府全体でございますけれども、内閣官房におきましては、調達に関します各種情報システムとデータの効率的かつ効果的な利活用を推進することによりまして各府省の調達状況を共有化いたしまして、各府省横断的に各種備品やサービス等の共同調達を可能な限り進め、調達コストの低減化につなげる取組を現在進めているところでございます。
 総務省におきましては、今委員から御指摘のございました電子調達システムを管理するという役割を政府の中で負っているわけでございますけれども、この政府全体の取組の一環といたしまして、各府省における備品等の調達品七品目につきまして調達額の調査を昨年度から実施してまいりました。
 調査の結果によりますと、同類調達品におきましても各府省ごとに調達額に高低があるということが分かりました。このデータを各府省で共有することによりまして、一定の削減効果が見込まれるというふうに考えてございます。一方、各府省庁で調達品情報が統一されていないこと、また、所によりましてはデジタル化もされていないというようなことがあることが課題として判明してございます。
 このため、データを共有した調達コスト削減に資するためには、関係各府省と協力を得ながら調達品情報の統一したデータフォーマット及び入力ルールを進めますとともに、そのために必要な電子調達システムの機能拡充、改修を行いたいと考えてございまして、できれば今年度中から着手をしたいというふうに考えてございます。また、これらの取組を踏まえまして、調達品目の拡大の検討も進めてまいりたいというふうに考えてございます。
 今後とも、内閣官房と連携をいたしまして、電子調達システムを使用しました調達コストの削減に取り組んでいきたいと考えている所存でございます。
#144
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 次に、地方公会計改革について総務省に伺います。
 先進的な自治体では、従来の官公庁会計に加え、複式簿記、発生主義の手法を取り入れた新しい会計制度を導入し、予算の策定や財政運営の改善に役立てています。総務省が主導して全国の自治体で統一的な基準による地方公会計の改革が進められているものと認識をしております。好事例としてどんなものがあるか、また、その横展開に向けた取組について伺いたいと思います。
#145
○政府参考人(林崎理君) お答えいたします。
 地方公会計につきましては、現金主義による予算・決算制度を補完するために、委員御指摘のように、発生主義、複式簿記など企業会計の手法に基づく財務書類等の作成を推進しているところでございます。
 平成二十九年度末時点において、ほぼ全ての地方公共団体におきまして統一的な基準による財務書類等が作成されたことを踏まえまして、今後は財務書類等を適切に更新し、開示をする、あわせまして、資産管理や予算編成、行政評価等に活用していくことが重要であるというふうに認識しております。
 お尋ねの好事例といったようなことございますけれども、特に財務書類から得られる情報を資産管理等に活用する方策の一つとして、事業別、施設別に財務書類を作成をいたしまして、そしてコスト等の分析を行うセグメント分析がございまして、今の先進事例といたしまして、例えば、ある合併団体におきまして、旧市町村単位で設置をされていました図書館の一冊当たりの貸出コストなどを比較分析いたしまして、図書館の統廃合の検討に当たっての客観的な根拠とした例などがございます。
 このような先進事例につきまして実務担当者向けの研修等において周知をしているところでございまして、今後とも、セグメント分析など財務書類の活用手法の研究とその普及啓発を進めるとともに、マニュアルの充実等を通じまして先進事例の横展開を図り、地方公会計活用の更なる推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#146
○竹谷とし子君 総務省が主導いたしまして、全国の自治体でこの新公会計制度の改革に取り組まれていることに敬意を表したいと思います。これからはそれをどう活用していくかということが非常に重要になってくると考えておりますので、この取組を更に加速して好事例をどんどん生み出していっていただけるように後押しをしていただきたいというふうにお願いをいたします。
 続きまして、応急仮設住宅と災害公営住宅について伺いたいと思います。
 お配りいたしました資料の二にありますように、最近、応急仮設住宅が多様化してきております。こちらでは一番目に従来型の建設型仮設住宅として挙げられていますが、従来はプレハブがほとんどでありましたが、東日本大震災のときに一部木造の仮設住宅が造られたというふうに認識をしております。それ以前もあったかもしれませんけれども、非常に木造がいいという評判をそのときから伺っております。
 ただ、調達には、プレハブ協会さんなどの御協力でプレハブ型が非常に迅速にでき得る今状況にあるというふうには認識をしておりますので、まだ全てに木造型ということも難しいということは理解をしているところではございますが、熊本の地震の際にも見学をさせていただきましたが、非常に木の香りがして居住性が高いというふうに感じてきたところでございます。
 二番目の借り上げ型の仮設住宅は、通常のアパートやマンションを借り上げるという形でありますけれども、これもかなり活用をされているというふうに認識をしております。
 そして、最近出てきましたのが、その他というところに書いてありますが、トレーラーハウス、コンテナハウスなどということで、こちらも拝見をさせていただきました。トレーラーハウスのモデルルームにも行っていろんな種類のものを見ましたし、岡山県の西日本豪雨の際に導入されたものも実際に視察をさせていただきました。見た目以上に居住性が高そうだなということを感じてきたところでございます。
 一方で、次の資料にございますけれども、仮設住宅のコストというものが非常に高くなってきているということがこの資料の中でも分かります。コストというのは基本的に一般基準があって、平成三年のときには一戸当たり百二十万九千円というふうに定められておりましたが、東日本大震災のときにはその約倍近い一戸当たり二百三十八万七千円ということになっていますが、実際には更にその倍以上のコストが掛かっているという状況にあるというふうに認識をしております。
 東日本大震災以降の大きな災害時の仮設住宅一戸当たりのコストというものがどのくらいになっているか、内閣府にお伺いいたします。
#147
○政府参考人(米澤健君) お答え申し上げます。
 東日本大震災以降の建設型仮設住宅の一戸当たりの平均コストにつきまして主なものを申し上げますと、東日本大震災では、委員の配付資料にもございますように、プレハブ建築協会提供の資料によりますと、岩手県で約六百十七万円、宮城県で約七百三十万円、福島県で約六百八十九万円となっております。また、平成二十八年熊本地震におきましては約八百二十万円、平成三十年七月豪雨災害におきましては約八百四十万円、各県ごとに申し上げますと、岡山県で約八百三十万円、広島県で約八百六十万円、愛媛県で約八百四十万円となっております。
#148
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 仮設住宅というのは、被災者の方が必ずしもいいとは言えない体育館等の避難所から早く次の住まいに移っていただくために迅速に提供しなければならないということで、コストが、特に暑い夏や寒い冬などはもう早くということもあって、また人手不足もあってコストが高まってきている状況にあるというふうには思っておりますが、基本的に二年お住まいになる、長く延長されるときもありますけれども、その間住む本当に仮設という目的のためには非常にコストが上がってきているなというふうに感じるところでございます。
 また一方で、次は、仮設住宅を出て自力で住宅を再建できない方々のよりどころとなる災害公営住宅というものも国として提供をしていく大切なものでございますが、この東日本大震災における災害公営住宅、これについて、一戸当たりのコストは幾らだったか、また、造ったけれども入居されなかった件数というのが何件に上るかということをお答えいただきたいと思います。
#149
○政府参考人(眞鍋純君) 災害公営住宅について御質問いただきました。お答え申し上げます。
 東日本大震災により被災した八県において公共団体が供給しております災害公営住宅は、三万百六十七戸の整備が計画されておりまして、平成三十一年二月末時点で二万九千五百五十五戸が完成に至っております。個々の災害公営住宅の建物の構造や階数などは様々でございますので、戸当たりの建設コストも様々、一概にお示しするのは困難でございますが、用地取得費や造成費を除きまして建設費用を単純に平均した場合、おおむね二千万円、戸当たり二千万円程度となってございます。
 また、未入居の状況ということでございますが、これは詳細には分かりませんが、昨年の十二月末時点で空室になっているもの、これを被災した八県の災害公営住宅について調べましたところ、管理戸数二万九千四十八戸のうち二千七十九戸が空室、空室率は約七%程度というふうになっております。
#150
○竹谷とし子君 ありがとうございます。
 建設費で一戸当たり二千万円で、その他の土地取得費用等も含めると二千八百万円程度というふうに伺っております。空室が二千七十九戸ということは、約五百六十億円掛かったけれども使われていないと、造った途端空室になっているという、そういう状況であると思います。
 これは、現地に行きましても、様々な事情があったことは私も承知をしております。希望をされていても予定を変更された、気持ちが変わられるという場合もありますし、完成までの時間が掛かった、あるいはできた場所についてどうしてもそこには希望されないというようなものもあり、入居者がいない、使い道がないということでございますが、非常にもったいないことであるなというふうに感じるところでございます。災害時の住宅提供の在り方について、今後、こうした状況を踏まえて検討していく必要があるというふうに感じているところでございます。
 一方で、避難環境の改善に向けた取組も重要でございます。迅速に、そしてできるだけ快適な住宅提供を行っていくということは大変重要でございます。
 先ほどお示しをいたしました仮設住宅の新たな形態、資料四のところにありますように、トレーラーハウス、モバイルハウスの導入が西日本豪雨、また北海道胆振東部地震などでされているわけですが、導入した自治体によると、その理由として、内装設備が一体で耐震性にも優れている、断熱性、気密性にも優れている、また、被災者の御事情に合わせて、一戸単位で遠くに、酪農家さんなどは牛舎の近くにとか、そういうニーズもあるかと思います。そうしたニーズに合わせて住宅整備ができることなど、有効性が挙げられているようでございます。
 今後、内閣府でこの導入状況をモニタリングしていただき、ほかの応急仮設住宅と比較しても有効性が遜色ないものであれば、このトレーラーハウス、モバイルハウスの提供に関する協定について検討していっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#151
○政府参考人(米澤健君) お答え申し上げます。
 いわゆるトレーラーハウス、モバイルハウスにつきましては、平成三十年七月豪雨災害で五十一戸、また北海道胆振東部地震で六十一戸の供与が行われたところでございます。
 これらは、今委員から御指摘いただきましたように、耐震性や断熱性に優れ、また一戸単位が整備できるということで、そういった特質がある一方で、製造側に平時からのストックがないために納品に時間を要すること、また、トレーラーハウス等の設置だけではなくて、給排水設備や電気工事等の別途発注する工事が必要であること等、手間と時間を要するといった事情もございます。また、委員御指摘のように、自治体が協定を締結しようとした際に、業界としても統一的な団体がないという御事情もあるやに聞いております。
 内閣府といたしましては、トレーラーハウスやモバイルハウスは応急仮設住宅としては供与を開始したばかりでございますし、まずは使い勝手、暮らしやすさなど活用事例を収集させていただきまして、検証を行った上で各自治体に対しその有効性等について周知を行ってまいりたいと考えております。
   〔委員長退席、理事西田昌司君着席〕
#152
○竹谷とし子君 最後に、復興庁に伺います。
 被災地の一日も早い復興に向けて国の総力を挙げて取り組んできた結果、発災からこれまでの八年間で復興は大きく前進してきたと思います。一方で、復興・創生期間後も対応が必要な課題があり、こうした課題に対して、復興施策の総括を適切に行った上で今後の対応を検討する必要があるとされていると認識をしております。
 先ほど、被災者の方々の生活に重要な応急仮設住宅、また災害公営住宅に関する施策に関して、単位当たりのコストや利用状況、また他の災害で導入されたものとの比較など、データを示していただいたことで、今後のより良き対応を考える上で参考になるということが分かりました。
 復興基本法では、九条に国の資金の流れの透明化が定められています。復興事業の総括は、残る課題のために行うとともに、今後の災害に備えるための貴重な情報となり得るものですので、復興施策に掛かったコスト、またその成果、課題などを取りまとめて見える化していただきたいと思います。いかがでしょうか。
#153
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 復興・創生期間、あと残り約二年という状況でございまして、先ほど被災者支援に係る住宅などのやり取りもございましたけれども、残された二年の間で、この復興・創生期間における復興施策の進捗状況、これを把握してその効果を検証する、非常に大事なことだと考えております。
 復興庁といたしましては、委員も御指摘ございましたように、復興は着実に進展しているところでございますが、まだ心のケアといった被災者支援、あるいは原子力災害被災地域では帰還促進のための環境整備、事業者、農林漁業者の再建といった課題も残ってございますので、こういった課題を解決していくためにも、三月に閣議決定をいたしました復興の基本方針におきまして、復興期間中に実施された復興施策の総括を適切に行うということを明記したところでございます。
 先ほど委員が御指摘のあったような点も含めまして、基本方針に沿って復興施策の総括をこれから適切に行ってまいりたいと考えております。
#154
○竹谷とし子君 よろしくお願いいたします。
 終わります。
    ─────────────
#155
○理事(西田昌司君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、矢田わか子君が委員を辞任され、その補欠として木戸口英司君が選任されました。
    ─────────────
#156
○秋野公造君 公明党の秋野公造でございます。お役に立てるように質疑をしたいと思います。
 今日は、原田大臣、どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 PCBについてお伺いをしたいと思いますが、このPCBは、電気絶縁性が強く、燃えない、安定性が高いということで広く用いられてきました。
 水に溶けず脂肪に溶けるということで、体に一度入るとなかなか排せつすることができなくなるということ、そして安定をしておる性格上、一度例えば皮下脂肪などに入りますと、いつまでも刺激を与え続けるということで、治らない、そういう問題もありまして、黒い赤ちゃん、みんな本当に気の毒だと思います。二度と繰り返してはならない、しっかりとPCBの処理をしていかなくてはならないわけでありますが。
 今日、資料の中に通知を提出してございます。その後には国会の会議録もお示ししておりますが、かつてはPCBがあればPCBの汚染物として処理をするとしていたものを、通知によって、含有濃度が〇・五ミリグラム・パー・キログラム以下のものは低濃度PCBの汚染物には該当しないと、そういう整理をしたものであります。
 まずは、この通知を発出するに至った経緯についてお伺いをしたいと思います。
#157
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 低濃度PCB廃棄物につきましては、その処理した後の処理物の濃度基準、いわゆる卒業基準は規定されておりますが、今御指摘のありました、何が低濃度PCB廃棄物に該当するかという該当性の判断基準は、今まで一部の廃棄物を除いてこれまで明確になっておらず、自治体が判断が分かれていることなどから課題となっておりました。それでPCB廃棄物の適正な処理の推進における支障となっていたことから、今般、低濃度PCB汚染物の該当性判断基準を明確化したところでございます。
#158
○秋野公造君 塗膜についてお伺いをしたいと思いますけど、新たな判断基準、新たに示された判断基準でPCB非該当とされた塗膜による環境中へのPCB排出量、どのようにお考えになっておりますでしょうか。
#159
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 ただいま御指摘のありました判断基準によりまして低濃度PCB廃棄物に当たらないと判断された塗膜につきましては、通常の産業廃棄物としてその性状に応じて廃プラスチック類あるいは汚泥に分類されることになります。これらにつきましては、基本的には焼却処理をされて判断基準以下で存在しているPCBも分解されるということでありますので、環境中に排出されることはないと考えております。
#160
○秋野公造君 これまで低濃度PCB廃棄物は八百五十度二秒の燃焼で処理をしてきたかと思いますけれども、通常の産廃で扱いますとどのように燃焼することになりましょうか。
#161
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 廃棄物処理法の施行規則によりまして、技術上の基準、維持管理基準が定められておりまして、通常の産業廃棄物処理施設におきますと、燃焼ガスの温度を八百度C以上、二秒以上の滞留ということとされてございます。
#162
○秋野公造君 この八百度二秒でPCBは分解されると考えてよろしいでしょうか。
#163
○政府参考人(山本昌宏君) 八百度C以上で滞留時間二秒以上の条件によりまして微量PCB含有油のPCBは分解されるということが技術的には確認されてございます。
#164
○秋野公造君 焼却されずに埋立処分をされるものはありませんか。その対応について見解を伺います。
#165
○政府参考人(山本昌宏君) 多くは焼却されていると考えますが、非該当と判断された塗膜のうち、一部の汚泥について埋立処分が行われることというのは考えられます。
 ただ、仮に埋立処分される場合におきましても、管理型あるいは遮断型最終処分場において行われることになりますので、まず、管理型最終処分場につきましては、浸出液の処理設備を設けて、放流水が排水基準に適合するということになっておりますので、PCBや鉛が混入した汚泥が仮に埋立処分をされても、各有害物質に係る排水基準に適合するように水処理が行われることとなっております。
 また、遮断型最終処分場におきましては、地下水等から遮断された形で埋立処分されることから、環境中に流出するおそれはないと考えております。
#166
○秋野公造君 今までの話は、PCBの濃度が一様であるという場合に限られる話になろうかと思います。私が問題意識を持っているのは、資料をカラーでお示ししているものを御覧いただけたらと思います。
 塗膜を、先ほど申し上げましたけれども、濃度の濃淡があるものについては高濃度のPCBが混入する可能性があるのではないかというのが私の問題意識でありまして、例えば、たまたま薄いところを測定をして、それでもって例えばPCB非該当であったりするようなことがあってはならないということでありまして、この塗膜の取扱いについては、この塗膜のPCB濃度分析の取扱いについては基準を示すべきではないかということを指摘しておりますが、見解をお伺いしたいと思います。
#167
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 御指摘のありましたように、塗膜につきましては、場所によって濃淡があるということがございますので、事業者が試料採取すべき箇所や数を現場で個別に判断した上でPCB濃度を分析して、その濃度に応じた処理が実施されているということではありますが、御指摘のとおり、施設の部位でありますとか塗装の塗り替えの頻度、あるいは使用された塗料の種類等に応じて区分けをするなど、合理的な方法によりサンプリングしたものを分析してPCB濃度を把握することは必要だと考えております。
 現在、御指摘も受けまして、適切なサンプリングの方法につきましては検討に着手しておりまして、速やかに結論を得た上で周知を図ってまいりたいと考えております。
#168
○秋野公造君 提案を対応していただけるということは感謝を申し上げたいと思いますが、問題は、その基準が示されるまでの間、どうするかということであります。
 大臣にお伺いをしたいと思います。
 この昭和四十一年から例えば四十九年の辺り、この頃の塗料の中にはPCBが含まれている可能性があり、先ほど申し上げたとおり、高濃度PCBといったものも混入する可能性が私はあるのではないかと思います。この基準が示されるまでの塗膜の取扱いについては、現状どおり、ポリ塩化ビフェニルの染み込み又は付着等が確認できればPCB汚染物に該当するとして処理をするような、そんな考え方があってもいいのではないかと私は考えますが、大臣の御見解、お伺いをしたいと思います。
#169
○国務大臣(原田義昭君) これまでPCB汚染物の該当性の判断基準が一部明確でなく、適正な処理の支障となっていたために、今般、判断基準を定めました。その必要性について御理解いただきたいと考えております。
 また、御指摘の塗膜のサンプリング方法につきましては、速やかに結論を得た上で周知を図ってまいりたいと思います。
 また、御指摘の塗料が使われた施設についても、自治体に対する注意を周知いたします。
 なお、サンプリング方法を周知するまでの間、自治体が、入念なサンプリングの代わりに、PCB染み込み又は付着等の確認をもって全体をPCB汚染物に該当するものとして常に安全側で取り扱うということも、むしろそちらの方が望ましいのではないかと、こう考えております。
#170
○秋野公造君 ありがとうございます。
 大臣の今の御答弁のあった塗膜の取扱いに対する考え方についても自治体に周知しますか、御見解をお伺いします。
#171
○政府参考人(山本昌宏君) ただいま御答弁申し上げた内容につきましては、情報を整理の上、自治体に周知してまいります。
#172
○秋野公造君 どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 国土交通省は、橋梁等の対応についてどのように対応されるおつもりか、考え方をお伺いしたいと思います。
#173
○政府参考人(榊真一君) お答えを申し上げます。
 国土交通省におきましては、橋梁の塗装塗り替え工事におきまして、塗装に含まれるPCBや鉛の飛散を防止するため、工事着手前までに、塗装履歴などを踏まえ、成分調査を行い、PCB等の含有について確認することとしております。
 また、PCB等が含有していることが確認された場合には、厚生労働省が定めた作業上の安全に関する基準に基づいて作業を行うこととしております。
 さらに、工事で剥ぎ取ったPCB等を含む塗膜くずについては、平成二十八年七月に閣議決定されましたPCB廃棄物処理基本計画及び関係法令に基づき、適切に廃棄処理を進めております。
 国土交通省におきましては、従前と変更なく、PCB等を含む塗膜について安全かつ適切に処理を進めてまいりたいと考えております。
#174
○秋野公造君 ありがとうございます。
 国がこの安全域で処理を行うということは、国民に対して安心、安全を与えることになろうかと思います。どうぞよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 一方で、このPCBの処理に当たり、この鉛を含有しているものにつきまして、鉛を含有していますと、例えば炉を傷めるといったようなこともあるとは聞いておりまして、それによって、鉛も含有していると受入れをなかなか渋ったりするような例もあると聞いております。
 鉛を含有した塗膜を適正に処理する体制は十分に確保されているのか、見解をお伺いします。
#175
○政府参考人(山本昌宏君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありました鉛を含有した塗膜につきましては、現在、十三のPCBの無害化処理認定事業者がおりまして、そちらで塗膜処理を行っていると。鉛の観点からは、塗膜処理の本格実施に先立ちまして、塗膜を試験的に処理をして、ばいじん中の鉛の溶出量を測定して、溶出基準を超過しないということを確認していると聞いております。また、これらの無害化処理認定事業者は、焼却過程への鉛等の重金属の投入量を調整するということで、ばいじん中の鉛の溶出量が基準を超過しないように配慮しながら塗膜処理が実施されていると承知しております。
 ただ、PCB、鉛が含有しているということでありますので、鉛精錬等の技術を持っていると考えられる処理施設においてその多くが処理されている、こういう実態があるということを承知してございます。
#176
○秋野公造君 ということになりますと、炉があると鉛も含めて処理がしやすくなるということであります。
 私は、一度質疑もさせていただきましたが、例えば鉛を処理して回収をして再利用するといったことは非常に重要なことだと思っておりまして、鉛だけでなく、ほかのものも処理、回収できるとより良いのではないかという思いから、ちょっと今日資料を付けるべきでありましたが、有用金属と有害金属を沸点、融点の差から分けることができる溶融還元熱分解炉といったものを用いることができるならば、PCBの処理も鉛の処理も、そして先ほど申し上げた有用金属、有害金属を分けるようなそういったことにつながり、このPCB及び鉛の廃棄物の処理の推進につながるかと思いますが、御見解、お伺いをしたいと思います。
#177
○政府参考人(山本昌宏君) 御指摘のような処理技術につきまして、個別の処理業者より無害化処理施設の認定申請をいただいた場合には、認定要件に照らしまして、また実証試験の結果等を踏まえて、専門的な者の意見を聞いた上で、科学的、技術的知見を含めた総合的な判断がなされることにはなります。
 ただ、今御指摘のありました溶融還元熱分解法、これは過去に個別の企業が開発したもので、環境省のPCB等処理技術調査検討委員会において技術評価済みのものがございます。これにつきまして、PCBの分解を可能とする処理システムであることが認められておりますのと同時に、処理の過程で鉛を回収することも可能だということで、資源循環に資するものと承知しております。
 今後、こうした金属回収の技術等が活用されることにより、PCB汚染物だけでなく、鉛含有廃棄物の処理が一層促進されるものと考えております。
#178
○秋野公造君 是非よろしくお願いをしたいと思います。
 もう一つ資料を一番最後に付けてございます。それは、先ほど申し上げた塗膜を剥がす際に使う溶剤、この論文の一ページ目を開けていただきますと、ベンジルアルコール、これが三四・八%も含まれていたということで急性ベンジルアルコール中毒を来したという一例の論文であります。
 要旨のところを見ていただきますと、この使った方、気管挿管となって人工呼吸器まで陥ったということ、二十四日後に退院でありますので、かなり長期の入院を要したということ、ベンジルアルコール中毒の治療の論文がないということを考えますと、医療として確立されたものもなかなかないということを考えますと、起こしてはならないことだと思います。
 この論文の二ページ目を見ていただきますと、例えば目張りをした閉鎖環境で使われたということでありまして、お医者さんでありますから、この論文を書いた先生方は、一番最後のページ御覧いただきますと、閉鎖空間の開放ができたならばということを書いてくれておりますけど、飛散させてはならないということを考えますと、それもなかなか難しい、できないような状況であったということであります。
 私は、これは命に関わる事例でありますので、この再発防止の観点から、労働現場での使用方法について広く注意喚起すべき例ではないかと思いますが、御見解、お伺いをしたいと思います。
#179
○政府参考人(椎葉茂樹君) お答えさせていただきます。
 職場におきまして化学物質を取り扱う際には、安全データシート、いわゆるSDSの危険有害性情報に基づきましてリスクアセスメントを実施し、その結果に基づく健康障害防止対策を講じるよう、事業者に対して広く周知、指導しているところでございます。
 塗膜の剥離等の作業におきまして、湿潤化のために剥離剤等を使用する場合におきましても当然これらの措置を実施していただく必要がありまして、作業の内容に応じて、空気呼吸器等の十分な性能を有する呼吸器用保護具を使用するなどの暴露防止措置を講じていただくことが必要でございます。
 今回、議員御指摘の事案も踏まえつつ、引き続き、化学物質による健康障害防止対策について広く周知、指導していきたいと考えております。
 なお、今回、このベンジルアルコールにつきましては、厚生労働省で運営しております職場のあんぜんサイトにモデルSDSを掲載しているところでございますが、この情報につきまして、今回御指摘いただいた症例報告など最新の知見を踏まえて情報の更新を行い、周知を図っていくこととしたいと考えているところでございます。
#180
○秋野公造君 PCB処理を行うためにはどうしてもこの剥離剤は必要でありまして、三四%もこのベンジルアルコールが入っていますと、酸素分圧なども下がって呼吸も非常に困難な状況にも陥ったのかなといったようなことも想像しております。
 安心、安全にPCB処理が行われますように周知をいただけますことは、本当に感謝であります。どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 終わります。
#181
○行田邦子君 日本維新の会・希望の党の行田邦子です。よろしくお願いいたします。
 決算委員会ということで、私はまず初めに決算委員会らしい質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 総務省が行っている交付金事業で、ちょっとこれは何かなと注目をした事業がございまして、ローカル一万プロジェクトというものでございます。日本の経済をより活性化するためには、東京一極集中だけではなくて、それぞれの地方、それぞれの地域にある資源を生かして、そしてその地域の経済を活性化をさせてまた雇用を生み出していくということが必要かと思いますし、また、そのために政府も様々な取組を行っているというふうに承知をしておりますけれども、この総務省が行っているローカル一万プロジェクトなんですけれども、ちょっと目を引きましたのは、まず、総務省という役所が民間事業者が行う事業に対して支援を行うというスキームになっております。ここがちょっとなぜなのかなというふうに思いました。なぜこのようなことを総務省が行うのかということを思いました。
 まず、総務省に伺いたいと思うんですけれども、このローカル一万プロジェクト、どのようなプロジェクトなのか、その概要を聞かせていただきたいのと、そしてまた、民間事業者が行う事業に対してなぜ総務省が支援を行うのか、その趣旨をお聞かせいただきたいと思います。
#182
○政府参考人(佐々木浩君) お答えいたします。
 ローカル一万プロジェクトは、各地域の特色ある地域資源や地域の人材と地域の豊富な資金を結び付け、将来にわたって持続的な経済活動を創出する事業であり、地域経済の好循環の拡大によって地域力の強化を図るものであります。
 具体的には、地域金融機関等から融資等を受けて事業化に取り組む民間事業者が事業化段階で必要となる初期投資費用等について、地方自治体が助成する経費に対し総務省が補助するものであります。これにより、地域金融機関の融資等を地域に引き出す投資効果、地元に雇用を創出する地元雇用創出効果、地元産品を原材料として活用する地元原材料活用効果、融資期間中における課税対象利益が創出されるキャッシュフロー創出効果など、地域に様々な効果が期待されるものであり、地方創生に取り組む総務省として重要な施策と考えているところでございます。
#183
○行田邦子君 このプロジェクト、ローカル一万プロジェクトの概要をお聞きしますと、まあなかなかいい交付金だなというふうに思っておりますし、また、ちょっと発想として新しいのかなと思いますのが、これ、地域の金融機関が融資を、この事業だったらばオーケーですよというふうに地域の金融機関がまず目利きをしてくれると。で、そのお墨付きというか目利きをした事業に対して県なり市町村が国に対して交付額の申請をするということですので、市町村、また都道府県、地方自治体にとっても非常にこれは使い勝手が良いというか、非常に良いスキームなのかなというふうにも思ったんですけれども。
 ただ、ここのところの予算、決算の金額を見てみますと、配付資料、お手元にお配りしておりますけれども、この交付金事業が始まったのは平成二十四年度の補正からなんですけれども、最初の三年間ぐらいはまあ良かった、三年、四年ぐらいは良かったんですけれども、徐々に徐々にこの予算に対しての消化率といいますか決算の額というのが非常に悪くなってしまっていると。要するに予算をうまく使えていないという状況になっているようであります。これはなぜなんでしょうか。お聞かせいただきたいと思います。
 また、今後、プロジェクトの活用を増やすための取組としてどのようなことをお考えでしょうか。
#184
○政府参考人(佐々木浩君) ローカル一万プロジェクトについては、事業開始以来、累計三百七十七件の交付を行ってきたところであり、濃淡はあるものの、全都道府県で事業採択されてきている一方、委員御指摘のとおり、交付金の予算執行率が低迷していることは事実でございます。
 その要因として、創業支援のニーズの掘り起こしが十分でないことが考えられるところでございます。これまでも、地方自治体に対してはもとより、本事業が民間融資と協調した支援であることから、金融庁や中小企業庁とも連携して、地域金融機関や商工会議所など関係機関への制度の説明を行ってきたところでございます。
 これらの取組を今後とも引き続き進めていくとともに、今後は、地域おこし協力隊等、起業に取り組む活動家に対し直接的なPRの機会を設けるなど、様々なルートを通じて積極的な働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 また、自治体において案件組成に要する期間の長期化が見られることから、相談体制の充実も含めた使い勝手の改善についても取り組む必要があると考えております。具体的には、全国の自治体、事業者へ効果的に展開していくためのこれまでの優良事例集の作成や、交付先決定時や交付先事業者の経営悪化時に地域力創造アドバイザー等の経営専門家からの助言を受けられる仕組みの導入等の運用改善を本年度行っていくこととしております。
#185
○行田邦子君 私がおります埼玉県では実績が四件ということで、三市町での実績があるんですけれども、クラフトビール・ツーリズムとか、ワインの製造販売と農家レストランの展開などですね。聞いてみますと、これ使って良かったという声があります。
 一方でなんですけれども、同じ埼玉県内の首長さんに何人かに聞きますと、このローカル一万プロジェクト自体を知らないという方が結構いらっしゃいます。ちょっと埼玉でも、私も早速こんなものがありますよということをPRしたいなというふうには思っていますけれども、やはり、これ知られていないという、PR不足ということが一番大きな、このプロジェクトの活用がなされていない一番大きな原因かなというふうに思いますので、総務省としてもしっかりとPRに取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、次になんですけれども、エビデンスに基づく政策立案、EBPMの推進について伺いたいと思います。
 EBPM、これ日本にとって、我が国にとっては非常に新しい概念というか、概念的にはエビデンスに基づく政策立案というのは前からあったものだと思います。証拠に基づいて政策を立案しましょうというのは、これは前からあったと思うんですけれども、この第四次産業革命の昨今の中において、EBPMという言われ方での推進、議論というのは非常に新しいものなのかなと思っております。元々、欧州や米国で始まったものというふうに承知をしていますけれども、我が国政府におきましては、平成二十八年の秋頃からこのEBPM推進の議論が始まったというふうに承知をしております。
 そこで、石田大臣、総務大臣に伺いたいんですけれども、EBPMの推進は総務省が所管をしている政策評価とも密接な関わりを持っているかと思いますけれども、この政策評価を所管をしている大臣として、EBPM、エビデンスに基づく政策立案がなぜ必要なのか、そしてまた、どのように政策評価の質の向上に生かすことが期待されるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#186
○国務大臣(石田真敏君) 行政が限られた資源を有効に活用して直面する課題に適切に対応して国民から信頼され続ける、そのためには、その政策立案が客観的データなどのエビデンスに裏付けられたものである必要があると思っております。エビデンスに基づいた政策立案はそういう意味で非常に重要であると考えているわけでございます。
 一方、政策評価制度では、各行政機関が自らの所掌に係る政策について、客観的な情報やデータに基づき、政策効果を把握した上で評価を行い、政策の見直し、改善に適切に反映することとされておりまして、政策評価とEBPMは表裏一体のものであるというふうに考えております。
 今後、各府省におきまして、EBPMの普及、定着及び政策評価の更なる質の向上が実現するよう、総務省としても鋭意努力してまいりたいと考えております。
#187
○行田邦子君 EBPMのEはエビデンスですけれども、よく言われるのが、これまでの行政というのは、政策を立案するときに職人芸的に、その方の個人的な経験とか勘とか、主観的とあえて言いますけれども、主観的な、何というか、知見に基づいたエピソード・ベースド・ポリシー・メーキングなんというふうにも言われているようでありますけれども、職人芸だったと思います。
 それを科学に変えていくというのがEBPMなんだろうなと思っておりますけれども、今、総務省だけではなくて日本政府全体としてこのEBPM推進に取り組んでいるというふうに承知していますけれども、それでは伺いたいんですけれども、EBPMを推進するための体制はどのようになっていますでしょうか。
#188
○政府参考人(阪本克彦君) お答えいたします。
 政府におきましては、平成二十九年五月の統計改革推進会議の最終取りまとめなどに基づきまして、EBPM推進の要となる機能の整備を行っております。
 具体的には、まず、平成二十九年八月に、政府横断的なEBPMの推進組織として、各府省から構成するEBPM推進委員会を立ち上げました。また、昨年度、各府省におきまして、EBPM推進の取組を総括する責任者といたしまして政策立案総括審議官などを新設するとともに、これらを支えるスタッフの新設、増員などを行ったところです。
 このEBPM推進委員会では、これまで、EBPM推進に必要な人材の確保や育成の方針、あるいは統計等データの利活用促進のための政府共通ルールの整備、各府省におけるEBPMの取組事例の共有などに取り組んでおります。
 また、政策立案総括審議官などは、各府省で具体的なEBPMの取組の中核として、あるいは部内の人材育成や組織内外からのデータ利活用の要望に対応する、そういった責任者として精力的に取り組んでいただいているところでございます。
 さらに、関連する政策評価あるいは行政事業レビューなどとも随時連携を図っているところであり、こういった体制、取組により、EBPMの政府全体への定着、浸透を進めているところでございます。
#189
○行田邦子君 内閣官房が中心となってEBPMの推進に取り組んでいて、また、今御答弁されたような体制で行っているということですけれども、EBPM推進委員会の構成員には、各府省庁から政策立案総括審議官、EBPMの統括責任者という立場で参加をされているということです。こういった体制を整えるということは一つ意義のあることだともちろん思います。
 けれども、それと同時になんですけれども、それぞれの府省庁におきまして、人材の育成、EBPMを推進するための、EBPMを行うための人材の育成、また確保が重要かと思っております。
 そのときに、やはりこれは、若い柔軟な頭を持った方たち、若い官僚の皆さんができるだけたくさんEBPMということを実際に行って、試して、そして、そのごくごく一部の限られた官僚の皆さんだけができるということではなくて、政策立案に携わるできるだけ多くの官僚の皆さんがEBPMということに慣れ親しむというか、という体制が必要かと思いますけれども、人材の育成、確保についてはどのようになっていますでしょうか。
#190
○政府参考人(阪本克彦君) お答えします。
 統計データなどを用いまして政策の課題の把握、立案、検証などを行いますEBPMは、行政機能や政策効果の向上を図り、国民により信用される行政の展開のために重要です。
 今後、取組を本格化していくためには、EBPMの実践や推進の中核となる人材層を構築するだけでなく、委員の御指摘のとおり、この裾野を広げていく、そういったことが重要であると考えております。
 このため、政府といたしましては、国家公務員の採用の際の広報におきましてEBPMを紹介していく、研修やOJTをやっていく、あるいは研究者との協働や地方、民間への情報発信など、EBPMに関する人材について、採用、人材育成、あるいはコミュニティーの形成など、全般にわたる取組方針を昨年四月に策定いたしました。
 この方針に基づきましてこれまで具体的な取組を進めており、例えば採用につきましては、内閣人事局が主催しております国家公務員志望者向けの政策アイデアソンにおきまして統計等データを利用した政策立案を体験するワークショップを実施する、あるいは人材育成につきましては、行政改革推進本部事務局、私どもが、具体的な政策を素材にワークショップ形式でEBPMの基本的な思考プロセスやその実践方法を学習する府省横断勉強会を開催しております。また、各府省におきましても独自のEBPMの研修が行われております。
 さらに、言わばOJTによる人材育成として、各府省がEBPMの観点で政策の見直しや新規の政策の立案を行い、その実例をEBPM推進委員会を通じて共有していくという実例創出の取組も行っておるところでございます。
 各府省の中には、行動経済学の理論を活用しまして人に望ましい行動を促すナッジということの実施、そういったことなど先進的な取組にチャレンジしている、そういった府省も見られるところでございます。
 政府のEBPMへの取組はまだ緒に就いたばかりでございますが、先ほども申し上げました政策立案総括審議官あるいはEBPM推進委員会などの体制や枠組みも活用しながら、こうした人材確保あるいは能力開発の取組の充実を図ってまいります。
#191
○行田邦子君 まだ政府としても試行錯誤の段階だと思いますけれども、やってみるということが重要かと思っております。
 そうした中でなんですけれども、総務省におきましては、これ平成三十年度ですね、実証的共同研究ということで、四つのテーマを選んでロジックモデルの作成というのを実施しています。そこから得られた知見、それから今後の検討課題など、お聞かせいただければと思います。
#192
○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、総務省では、平成三十年度において、関係府省及び学識経験者との間で政策効果の把握、分析に関する実証的共同研究を実施しており、具体的には、四つですが、IoTサービス創出支援事業、二つ目として女性活躍推進、三つ目として競争政策における広報、四つ目として訪日インバウンド施策の四つのテーマを題材としてEBPMのリーディングケースの提示などに取り組んだところであります。
 今回の実証的共同研究を通じて、適切な政策効果の把握のためには、その前提として、まず政策の目的を明確に捉え、政策の手段と効果との間の論理的なつながりを御指摘のロジックモデルなどの形で整理した上で、当該手段が目的の達成に貢献しているかについてデータなどに基づき分析しエビデンスを形成していく、そういった枠組みを当該政策の特性に応じて設定することが重要であるという認識に至ったところであります。
 今後の課題といたしましては、各府省においてEBPMの取組が定着していくためには、単なる分析手法の紹介ではなく、今回の実証的共同研究のように具体の政策を題材にした実例を数多く発信し、政策実務担当者の参考にしていただくことが重要であると考えております。
 そのため、当面は関係府省及び学識経験者と協働し、実証的共同研究を通じて実例を創出し、分かりやすい形で研究結果を共有することで政府におけるEBPMの進展につなげてまいりたいと考えております。
#193
○行田邦子君 今回四つのテーマを選んだということで、今御答弁にあった四つのテーマということですけれども、そもそもなんですけれども、このEBPM、エビデンスに基づく政策立案はどのような政策分野に適していると思われますでしょうか。
#194
○政府参考人(讃岐建君) まず、EBPMにつきまして我が国において明確な定義がなされているわけではありませんが、定義によっていろいろな側面があろうというふうに思いますけれども、総務省として今回の実証的共同研究を取り組む中で、先ほど、若干繰り返しになりますが、まずEBPMにおきましては、政策の目的を明確に捉え、そのための政策手段を論理的に整理することと、その上で、手段が目的の達成に貢献しているかをエビデンスに基づき検討することが重要であると考えられるところであります。
 このような考え方を取りますと、分野といたしまして、どのような政策分野においても合理的な政策形成にとって重要であるということであると思いますが、一方、エビデンスには定量的なものから定性的なものまで様々なレベルのものがあり得るところであります。
 したがって、それぞれの政策分野に適したエビデンスを、数量的なデータを用いた、学術的に厳密な手法だけにとらわれず、限られた資源、時間的制約の中で現実的な可能な方法により追求していくということが、エビデンス、EBPMの定着にとって重要であるというふうに考えております。
#195
○行田邦子君 そもそも今やっている政策につきましてこれをEBPMでいろいろ立証していこうというふうになると、そもそもそのデータがないというようなことも、こういった壁にぶち当たることもあるかと思いますけれども、そうしますと、今後は政策を立案する前から、じゃ、どのようなデータがあらかじめ必要なのかといったことも準備をしておかなければいけない、こんな、何というか、サイクルになっていくのかなというふうに思っております。
 それでなんですけれども、この四つのテーマの分析を行った中の一つに競争政策広報というのがありますけれども、ここではランダム化比較試験を行っているということであります。EBPMの有効な手法として、このランダム化比較試験、RCTというのが非常に有効だよというふうに言われているんですけれども、これは元々、医療分野でどのような治療が効果を発揮するのかと科学的に分析をしようということが元々の発想だったということで、それを政策に展開をしていくということだというふうに聞いていますけれども。
 確かになるほどなと思う反面、例えば欧米での事例なんかを私も見ますと、例えばアメリカでは学校教育にこのRCTを用いるということで、あるグループには、どのような教育をどのような段階、何歳ぐらいで行うのが一番学力が上がるのかというようなことを実験するときに、あるチームには政策介入をするという、あるチームにはあえてしないという、比較をするというようなことだと思うんですけれども。
 うん、なるほどと思いながらも、ちょっと何というんですかね、教育、子供に関わることで、教育に関わることということで、その後の子供たちの将来それから学力にも影響を及ぼすことだとしますと、ちょっと中には、倫理的なといいますか、抵抗感を感じる方もいるのではないかなというふうに思います。
 ですので、こうしたそのRCT、ランダム化比較試験のような手法を進めていく際には倫理規定の整備が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#196
○政府参考人(讃岐建君) お答えいたします。
 御指摘のランダム化比較試験といいますのは、一言で申しますと、特定の政策の対象とするグループと対象としないグループを分けて、それらのグループの間の一定期間経過後の影響を比較し、有意な相違があるかどうかを分析することにより政策の効果の有無をエビデンスとして示そうという分析手法であります。
 御指摘のとおり、学術的には有用性が高い分析手法とされておりますが、現実の適用に際しては、効果を把握しようとする政策以外の様々な要因をどれだけ排除できるかなどといったこととともに、対象者の理解や同意の必要性も含めてどのように適切なプロセスを確保するかという倫理的な側面の課題も指摘されているところであります。
 いずれにいたしましても、政府におけるEBPMの取組は緒に就いたばかりであり、まずはEBPMの取組に係る実例の抽出、蓄積を進めていくことが重要であり、その過程で検討されるべき課題であるというふうに考えております。
#197
○行田邦子君 今後の検討課題ということですけれども、最後に大臣に伺いたいと思います。
 EBPMについては国もまだ始まったばかりということで、一方で、地方自治体でも関心を寄せている自治体が中にはあるかと思いますけれども、こうした関心を寄せている自治体とともに例えば共同の実証研究を行ったり、あるいはその知見やデータを共有する、もちろん個人情報を守った上でですけれども、こうした取組をすることがEBPM推進に有益なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#198
○国務大臣(石田真敏君) 地方公共団体との知見やデータの共有につきましては、平成二十七年の七月に参議院において行われました政策評価制度に関する決議におきまして、地方公共団体への情報提供についての指摘をいただいたところでございまして、これも踏まえまして、国の機関及び地方公共団体の職員等を対象に研修等を実施をいたしまして評価手法等に関する情報提供を行っているところでありまして、このような場も活用いたしまして地方公共団体へのEBPMに関する知見の提供にも取り組んでいるところでございます。
 御指摘のように、国だけでなく、現場で政策を担っている地方公共団体においてEBPMを推進することも非常に重要であると考えておりまして、総務省の実証的共同研究の実施に当たっては、地方公共団体との連携の可能性についても検討してまいりたいと思っております。
#199
○行田邦子君 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#200
○石井苗子君 日本維新の会・希望の党の石井苗子です。
 今日は、復興庁の方々にお集まりいただきまして、予算を付けた復興事業の執行率、まさしくEBPM、データに基づいた率ですけれども、この点につきましてそれぞれ質問をさせていただきます。
 震災から復興が進んでいる業種、遅れている業種、それぞれどんな業種か教えていただくとともに、遅れている理由を教えていただきたいと思います。復興庁の方、お願いします。
#201
○大臣政務官(安藤裕君) お答えいたします。
 被災地では、グループ補助金等の前例のない支援制度により事業の復旧が進んでおり、産業、なりわいの再生は着実に進展をしております。こうした支援を受けたことに加え、建設業、運送業といった業種は、震災需要等を背景に復興が進んでおります。一方、水産加工業や観光業、とりわけインバウンド分野においては、販路の喪失や風評被害等の影響により復興に遅れが見られているところもございます。
#202
○石井苗子君 確かに、建設、鉄鋼、電子電気、輸送機械、この製造業が進んでおりまして、一方、水産加工、観光などが遅れています。昨今のニュースでも、韓国が販路におきましては輸入の制限を掛けてきたということもございます。
 そこでですけれども、遅れている業種に関して支援策はどのようなものを取っていらっしゃいますか、教えてください。
#203
○大臣政務官(安藤裕君) お答えいたします。
 水産加工業や観光業においては、失われた販路の回復やインバウンドの呼び込みなどの課題を抱えております。このため、政府としては、引き続き事業再開を支援するとともに、被災地企業の販路開拓や新商品開発への支援、地域の発案に基づくインバウンドを呼び込む取組の支援等の課題解決に向けた取組をきめ細かく実施をしております。
 今後とも、被災地の声をよく聞きながら、産業、なりわいの再生に全力で取り組んでまいります。
#204
○石井苗子君 この販路の開拓が全くできておりません。
 海外と国内とでございますと、現地の方の意見を聞きますと、どうしてでもこの販路の拡大をしてもらいたいと、風評被害を払拭すると政府の方は言っているんだったら、もうちょっと交渉能力を持ってほしいということでございます。
 香港、シンガポール、今交渉はどのぐらい進んでいるでしょうか。
#205
○政府参考人(角田隆君) 海外におけます輸入規制の緩和につきましては、外務省に相当精力的に取り組んでいただいているところで、一定の効果が出てきていると思いますけれども、先ほど御指摘の韓国の件などもございますので、引き続き関係省庁と協力して取り組んでまいりたいと考えております。
#206
○石井苗子君 私が伺ったことによりますと、チームになって輸出支援を行っている、シンガポール、香港などにそれを行っているということなんですけれども、日本の国益になるように交渉を頑張っていただきたい。相手国の言いなりの交渉ではないように是非やっていただきたいと思います。
   〔理事西田昌司君退席、委員長着席〕
 次に、平成二十九年度の復興関連予算、これにつきましての先ほどのエビデンスでございますが、執行状況報告書というのがございます。
 この執行率というのを見てまいりますと、今日ちょっとその資料をお配りすればよかったんですけれども、六六・一%。これ一〇〇%から引きますと大体三三・九%という計算になります。ところが、その三三・九%から、一〇〇から六六・一を引くんではなくて、あるパーセンテージを執行率ではなくて執行見込み率というところに換算して見ていきますと、そのデータを、エビデンスを見ていきますと、あたかも執行がいいような印象を受けるように数字が書かれているんですね、エビデンスでは。
 六六・一%となっている執行率、これが大変私は低いと思うんですが、執行率の低い事業というのはどの分野の事業で、その執行率が低い理由は何なのかを教えてください。
#207
○大臣政務官(安藤裕君) お答えいたします。
 執行率が低くなると見込まれる事業としては、災害廃棄物等処理及び災害関連融資が挙げられます。
 災害廃棄物等処理については、埋立処分に係る焼却灰の搬出や埋立処分の方法等について地元調整に時間を要したこと、また、災害関連融資については、融資の申込件数が想定を下回ったことが理由でございます。
#208
○石井苗子君 私がお伺いしたかったことは見込み執行率ということでございまして、ここに六六・一%の執行率というのがデータで出ておりますが、執行見込み率を見ますと八八・三%というふうに書いてあります。
 これ先ほどのEBPMではないですけれども、時間的な制約がある中で可能な限りその執行を高めていくということであれば、この八八・三%という計算は一体どこから出てきたのかという御説明をお願いいたします。
#209
○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 執行率の方は六六・一%であると、それに対してその次の年に繰り越した執行の確度が高い事業があるわけでございます。それらを含めると予算現額に対する割合が執行見込み率として出しておりまして、いずれの数字も出してございますので、何かを隠そうとかそういう話を申し上げているわけではございませんで、例えば二十九年度の決算を組んだときに、三十年度に繰り越した事業があると。繰越しが認められたということは、それは三十年度においてほぼ確実に執行されるであろう事業ということになりますので、私どもとしてはしばしばその執行が遅れているのではないかということで厳しい御指摘をいただいているものでございますから、この繰り越した分というのはかなりの程度進むものなんですよと、次の年にはということをお示ししたいという気持ちがございまして、このような数字も併せて公表させていただいているということでございます。
#210
○石井苗子君 この三十年度の繰越し見込みということが本当にできたかどうかということについては、次の決算でまた意見を述べさせていただきますが、再質問させていただきます。
 基本的に、その年度中で執行見込みのある事業に予算を付けることが必要なのではないでしょうか。
#211
○政府参考人(角田隆君) それはもとより、その年度のうちに執行できるものを予算に計上するというのはもう大原則でございます。
 復興事業の場合は、多少ともその執行が前に進めていかなきゃならないという、その限られた期間の中でということでございますので、予算を余り制約的に付けるのではなくて、可能性があるのであれば予算を計上しようというふうに前向きに計上しておりますので、場合によっては地元調整等に時間を要して思うように進まないということもあるということは想定もされるわけでございますけれども、それは結果としてはそういうことになると思いますけれども、できる限り前に進めるという気持ちを予算に込めさせていただいておるという次第でございます。
#212
○石井苗子君 つまり、整理整頓しますと、次年度以降の執行見込みを入れると八八・三%になる、公共事業は、地元との協議が難航した場合、年度内に事業の執行ができなかったことが原因となると。ですから、例えば災害廃棄物処理は六三・八%ですが、終了が見込みとして見込まれていることになる事業だったというふうに判断するわけです。
 災害関連融資に関しては六四・〇%でしたが、これは融資の申込みが少なかったというふうにこのデータを見るわけなんですけれども、やっぱり少し見込みというものが見通しとして甘過ぎるということは、これは予算を付けて本当に執行率を見たときに、ちゃんとそれが妥当であるかどうかという、ランダム、トライアルまでいかなくてもいいですけど、妥当性というのを見ていかないと、やはりきっちりとしたポリシーメーキング、政策にはならないのではないかと思います。
 執行率が低い事業だということは、必要性の低い事業だということになりませんか。ならないという御説明をしてください。
#213
○政府参考人(角田隆君) 復興事業につきましては、全て地元の自治体と調整をさせていただいて、これを是非やるべしというものを予算に計上させていただいておりますので、事業そのものが必要であるということはこれは動かない話だと思っております。
 申し訳ないのは、それが予算どおりにきっちりと年度内に終わらなかったということでございまして、これにつきましては、関係省庁と連携して、引き続きしっかりと予算が執行できるように努めてまいりたいと考えております。
#214
○石井苗子君 是非よろしくお願いします。
 必要性が低いというよりは、必要だが年度内に執行できない事情があったということであると、必要な事業だと認識しているというお答えをいただいたんだと思いますが、今度は環境省に質問させていただきます。
 除染についてです。先ほど川田議員も質問していらっしゃいましたけれども、大変な予算を掛けてやっております。熱心におやりになっていて、これは、除染に関しては、インフラがどのくらい進んでいるかというのは現地に行って私もよく知っておりますが、除染が完了した地域にまたフォローアップをしているという現地の情報でございます。
 完了後にどのように継続的にフォローをしているんでしょうか、教えてください。環境省の方、お願いします。
#215
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 除染につきましては、平成三十年三月に帰還困難区域を除きまして八県百市町村の全てで面的除染が完了しております。除染実施後は必要なモニタリング等を実施しております。国が直轄で除染した地域で、おおむね半年から一年後に実施した事後モニタリングにおいて、空間線量率は除染前から平均で約七割低減し、面的に除染の効果が維持されていることが確認されております。
 また、事後モニタリングの結果等を踏まえまして、除染の効果が維持されていないと認められた場合には、実施可能性などを考慮した上でフォローアップ除染を実施しております。フォローアップ除染は、雨垂れや水みち、のり面、植栽等において実施してきておりまして、結果としておおむね五割程度の低減効果が確認されております。
 引き続き、地元の声に耳を傾けながら丁寧に対応してまいります。
#216
○石井苗子君 現地では、このように言われております。除染が完了したのに、なぜまた除染しているんでしょうかという。一旦除染したのに、なぜ改めて除染が必要になるのかという。これは、私はよく分かります。雨どいのところに、水が通るところになると、またモニタリングするとそこに線量が増えていくわけですから、そこをまた除染すると。しかし、これは、地元の人は、じゃ、水がたまったところがあったら危険だと思わなければいけないのか、だったらどこに連絡すればいいのかというふうになってまいります。
 難しいことではないんですね、一ミリシーベルト年間ということは。しかし、彼らは持ってませんから、モニタリングは。そうすると、ここは除染したんじゃなかったのか、完了したんじゃなかったのか、もう一回やるってどういうことなのだということになるんですけれども、現在までにどのくらいフォローアップでもう一度除染というのをやったでしょうか、スポット的に。お答えください。
#217
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 事後モニタリングの結果等を踏まえながら、これまで約一万軒の家屋においてフォローアップ除染を実施しているところでございます。
#218
○石井苗子君 これ、雨どいだとか溝に一万軒です。一万軒、フォローアップでまた除染しているんだということの意味をちゃんとかみ砕いて、被災した方に寄り添ってというのであれば、こちら側も、除染してこれだけの膨大な予算を掛けてやっているんだったらその効果が見たい、効果を知りたいと思っていらっしゃるわけです。
 なので、副大臣にお伺いしますけれども、これ現地に、その効果はあるのだ、心配しなくても大丈夫なのだということをかみ砕いてどのように報告していらっしゃいますでしょうか。あっ、今日は副大臣いらっしゃらない。じゃ、大臣どうぞ。
#219
○政府参考人(森山誠二君) 除染の効果につきましては、定期的に事後にモニタリングしながら、ホームページを通じながら実際の線量の減り方とかいったものを逐次公表しまして、その効果を見える形にしているところでございます。
#220
○石井苗子君 ホームページを伝ってアクセスしてこいではなくて、やはりこっちからプッシュ型で、なぜ一万軒もまたフォローアップといって除染をしているのか、心配ないのだということを知らせていただきたく思います。
 もう一点につきまして、福島特措法がこれ平成二十九年に改正されました。帰還困難区域の除染の状況ですが、特定復興再生拠点区域の除染、これどうなっていますでしょうか。
#221
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 帰還困難区域における特定復興再生拠点区域の整備につきましては、環境省としましては、福島復興再生特別措置法に基づいて市町村が作成し国が認定した計画に沿いまして、家屋等の解体、除染を行うこととしております。
 現在、双葉町、大熊町、浪江町、富岡町、飯舘村及び葛尾村の六町村の計画が認定されておりまして、昨年十一月二十日に葛尾村における家屋等の解体、除染に着手し、これにより、全ての町村において除染を実施しているところでございます。
 これら六町村の計画におきましては、特定復興再生拠点区域全域の避難指示解除の目標はそれぞれ二〇二二年春頃から二〇二三年春頃までとされておりまして、避難指示解除に向けて、引き続き関係自治体や関係省庁と連携しながら着実に除染を進めてまいります。
#222
○石井苗子君 平成二十九年に改正されました特措法に基づいて、拠点区域は除染インフラ整備をして二〇二二年の避難指示解除を目指しているというお答えだと思うんですが、それは分かっております。
 ところが、拠点区域以外の除染の計画はどうなっているかということをどなたかお答えいただけますでしょうか。復興庁の方、お願いします。
#223
○政府参考人(小山智君) お答えいたします。
 特定復興再生拠点区域を除く帰還困難区域につきましては、この三月八日に閣議決定をいたしました「「復興・創生期間」における東日本大震災からの復興の基本方針の変更について」という中におきまして、特定復興再生拠点区域の整備の進捗状況、住民の帰還意向、放射線量の低減状況等を踏まえ、今後、特定復興再生拠点区域外の対応を検討していくというふうになっております。
#224
○石井苗子君 ということで、どなたもよく分からないということなんですね。
 この拠点区域以外の除染の状況がどうなっているんですかという質問を受けまして、これは担当が復興庁なのか経産省なのか環境省なのか、それぞれなかなか踏み込んだ答えをいただけないんです。そうすると、国会議員も分からない、国民の皆様にも説明できない。経産省しか答えられないのではないかというようなお答えをいただくと、役所の方もよく分かっていないんじゃないかというような感じがするんですが。
 拠点区域以外の除染の状況の計画というのがなるべく早く分かるようにしませんと、先ほど来お話がありますように、エビデンスに基づいた政策の執行ということが制限がある時間の中でどれだけ効率よく効果を出していくかということになりませんので、できるだけ早く、長期的に帰還を目指しているのであれば出していただきたいと思います。
 それで、私、前回の決算でも質問しましたけれども、中間貯蔵施設へのトラックが通る道の道路のことでございます。
 地図を用意いたしました。ちょっと小さいんでございますけれども、この地図の中の右側の赤いところが原子力発電所、それを取り囲むように中間貯蔵施設がございます。黄色いところが特定復興再生拠点区域です。黄色いところです。これが、二〇二二年に帰還できる計画を目指しているところを走っている道路がピンクでございます。もちろん、高速道路は上を走っていますからいいんですけれども、降りてくるわけです、インターチェンジ。インターチェンジを降りてきて、この黄色いところにどっぷり入っているところが、道路がございます。
 私、今まではどなたも住んでいなかったんですが、これからは人が住むことになるんですから、不安をつくらないように道路をちゃんと考えてくださいとこの間の決算で申し上げましたが、ここ通っていますね、黄色いところ、駅に向かって通っておりますけれども。この左の下、ピンク色の丸いところが大川原地区というところで、人々が帰ってきているわけですね。で、だんだんだんだん黄色いところに来るわけなんですが。
 これは、二〇二一年までに運び終わるからいいとしているのか、それとも、間に合わなかったときのことを考えて、トラックがたしか一日平均二百台ぐらい通るということでした、この間の決算ではそうだったんですけれども、三台ユニットで通るわけです、一時間にすごく通るんですが。
 ここのところに青い点々がありますけれども、これはここを迂回して通るということの点々でしょうか。これ、環境省提供の資料なんですけれども、教えてください。必ずそこを通らないように道路を迂回してくれとお願いしたんですが、これはどういう計画になっていますでしょうか。
#225
○政府参考人(森山誠二君) お答え申し上げます。
 この青い点々は、工事で使う道路ということで現在整備を進めているところでございます。
#226
○国務大臣(原田義昭君) まず、二点あります。
 一点は、先ほど、拠点区域外の汚染を、最新の状態はどうなっているかについて、これは経産省、復興庁、私どもと、しっかり答えを出させていただきたいと思います。
 それから、二点目の今道路をどういう形で輸送しているかということでありますけれども、環境省といたしましては、中間貯蔵施設への輸送ルートの設定に当たりまして、各市町村の意向を踏まえて行っております。例えば、先月、大熊町、今お話ありました、において避難指示が先行解除されました大川原地区については、今年度から原則輸送ルートとして活用しないということにしております。
 また、中間貯蔵施設への除去土壌の輸送につきましては、帰還困難区域を除き、二〇二一年度までにおおむね完了させることとしております。
 一方で、大熊町の拠点区域全域の避難指示解除の目標は二〇二二年春頃までと承知しており、大熊町の拠点区域全域の避難指示解除時点において大量の輸送車両が通行することはないというふうに認識しております。
 いずれにしましても、引き続き、安全を第一に、地域の状況や地元の御意向を踏まえて、除去土壌等の輸送を進めてまいりたいと思います。
#227
○石井苗子君 安全はもう当たり前のことなんですが、二〇二一年までに搬入が完了するので、輸送と二〇二二年の皆さんの帰還とは重ならないと説明してよろしいでしょうか。よろしいですか。
#228
○国務大臣(原田義昭君) まさにそういうことで、二〇二二年の春頃までに拠点区域の避難解除は出てくるわけでありますから、それは一応重ならないというふうに私どもは理解しております。
#229
○石井苗子君 是非よろしくお願いをいたします。
 それでは、ソフトの面で、心のケア事業というところに予算を付けていらっしゃるんですが、よく向こうで聞かれることなんですね。復興・創生期間後の二〇二一年度以降、被災者の見守りはどうなっていくのでしょうかという質問をたくさん受けます。心のケアが必要ですと。
 心のケアは必要だ、寄り添うということを政府の方はよくおっしゃいますけれども、現在どのような支援をしてくれているのか、どのような支援が行われていて、いつまで継続して支援をしてくれるのかということにつきまして、復興庁の方にお答えをいただきます。
#230
○政府参考人(末宗徹郎君) お答えいたします。
 これまでどのような支援を行っているかという点につきましては、被災者の生活再建のステージに応じて、見守り、コミュニティー形成、心のケアといったことで、被災者支援総合交付金というのがございまして、これに基づいて、自治体、NPOと連携して支援を行っているところでございます。
 また、復興・創生期間後の取扱いということでございますが、これは今年の三月に基本方針の見直しを閣議決定いたしまして、その中におきましても、心の復興については非常に大事だということで、心のケア等の被災者支援、これは期間後も対応することについて検討が必要な課題と整理されたところでございますので、その他の課題と併せまして現在検討をしているところでございます。
#231
○石井苗子君 最後に大臣にちょっと御感想をお願いいたします、心のケアの復興につきまして。
#232
○国務大臣(渡辺博道君) 心のケアというのは、本当に私は現地に行って大変重要なことだというふうに認識をしております。
 復興・創生期間後においてやるべきこと、もう本当に重要な課題が心のケア、私どもは心の復興というふうに述べておりますけれども、この部分についてはしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#233
○石井苗子君 時間が来たので終わりますが、この予算の付け方と心の復興の執行率とその効果ということにつきまして、国民はまだ復興税を払っておりますので、効果のことにつきましては今度また復興特で質問させていただきます。
 ありがとうございました。
#234
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 私は、水俣病問題について、全ての被害者を救済する国の責任について、今日、大臣にお尋ねしたいと思います。
 水俣病は、御存じのとおり、公害病の原点ですが、いまだに被害者が救済をされないという中で、今日質問をさせていただくに当たって、解決を見ずに亡くなられた被害者、患者の皆さんの御冥福を心からお祈りを申し上げるとともに、なお現在苦しんでおられる多くの、そして全ての被害者の皆さんにお見舞いを申し上げたいと思います。
 まず、環境大臣の基本認識をお尋ねしたいと思うんですけれども、今年の二月八日付けで原田大臣宛てに、水俣病被害者・支援者連絡会、この団体から要望書が出されております。この団体は、我が国の水俣病被害者の患者団体そして支援団体が言わば一堂に会して、今、完全な解決を求めて運動をしておられるわけですけれども、水俣病互助会、チッソ水俣病患者連盟、水俣病被害者の会、水俣病不知火患者会、水俣病被害者互助会、水俣病被害市民の会、そうした会の代表の皆さんから大臣への要望書の冒頭にこうあるんですね。
 水俣病の公式確認から六十三年、新潟水俣病公表から五十四年を経過しようとしています。しかし、いまだに水俣病患者の救済さえめどが立たない事態が続いています。水俣病に係る裁判は全国で十件、約千八百名にも及ぶ患者たちが被害の補償を求めています。水俣病の被害者たちは、体と心の苦しみを背負いながら、今も闘いを続けています。高齢化する被害者たちをこのまま放置することなど、決して許されるものではありませんという要望なんですが。
 まず、いまだ水俣病の救済を求める被害者が多数存在しているというこの現状を大臣はどう御認識していらっしゃるんでしょうか。
#235
○国務大臣(原田義昭君) 御指摘のとおり、水俣病は、環境が破壊され、大変多くの方が健康被害に苦しまれてきた我が国の公害、環境問題の原点というような大事な問題であると認識しております。政府としては、長い時間を経過した現在もなお、公害健康被害補償法の認定申請や訴訟を行う方が多くいらっしゃるという事実も重く受け止めなければならないと思っております。
 環境省としては、地域の人々が安心して暮らせる社会を実現するために、公健法の丁寧な運用を積み重ねることはもとより、地域の医療、福祉の充実や地域の再生、融和、振興に引き続きしっかりと取り組んでいかなければならないと、こういうふうに思っております。
#236
○仁比聡平君 重く受け止めなければならないとおっしゃりながら、被害者の訴え、救済を求める裁判に対して徹底的に争っておられるのが環境省であり政府なんですよ。この政府が被害者を切り捨てようとしている線引きにこれ合理性は全くないんですね。
 資料の一枚目をお配りをいたしましたが、それも見ながら御覧いただいたらと思いますけれども、水俣病被害者救済特別措置法というのがあります。これ議員立法で、二〇〇九年にこの国会で成立をいたしまして、二〇一二年にその申請期限が打ち切られるという下で一定の救済が図られてきたわけです。その特措法の成立をという動きになっていったのは、二〇〇五年に提訴をされたノーモア・ミナマタ訴訟、この解決ということが大きな政治課題にもなる中でのことでした。その裁判は、二〇〇四年に、いわゆる関西訴訟の最高裁判決によって、国、県の法的責任が明白に断罪をされたという下で起こってきたものなんですけれども、その下で、資料を御覧いただきますように、五万五千九百五十人という方々が合わせて救済を受けました。
 その救済範囲というのは、政府が対象とした指定地域、これは元々グレーの資料なんですが、うまくコピーが写っていませんけれども、その対象地域を超えて、イエローの地域、指定地域外、対象地域外の地域に大きく広がっております。加えて、昭和四十四年以降の出生者、若い世代にも救済対象者が広がっているわけですね。
 大臣にお尋ねをしたいのは、この事実というのはチッソが排出したメチル水銀による被害がどれほど広く健康への深刻な被害をもたらしてきたかを示しているのではないかと思うんですが、その御認識はいかがですか。
#237
○国務大臣(原田義昭君) この健康の被害をどこまで補償されるかにつきましては、今日までの様々行政上の措置、また裁判上の判断で進められているというふうに思っておりまして、いまだにそれについて悩んでおられる方、疑問を感じておられる方、たくさんおられると思いますけれども、それこそまさに訴訟等の法的な手続の中で議論されているものと、そう思っておりますので、そこの部分については、また私ども、しっかりまた誠実に対応しなきゃいけないと、こう思っております。
#238
○仁比聡平君 悩んでいる、疑問に思っている、そうした被害者の声に応えなきゃいけない、誠実に対処しなきゃいけないと。悩んでいるというよりは、それは苦しんでいるんです。誠実に対応しなければならないとおっしゃりながら、裁判手続で被害を認めずに、徹底してその救済を拒んでいるのが大臣が今責任を持っておられる環境省なんですよ。
 そもそも、国の法的責任というのはどんなものなのかと。一九五六年、昭和三十一年にチッソ株式会社の附属病院から類例のない疾患が発生したと水俣保健所に報告をされたというのが、六十三年前の公式確認ですね。けれども、環境異変や人体への被害というのは、これ戦後間もなくから現れていたわけです。
 資料の二枚目に、水俣市の協立クリニックの高岡医師が作成された昭和の水俣病の歴史、水俣病における認定救済患者数という図を配っておりますが、一九四〇年には二十六歳の男性が手足のしびれで発症して、視覚障害、歩行障害を起こして翌年に亡くなっている。四三年には十七歳の男性が発症して狂騒状態となり、一九四七年には亡くなっているというような事態が既に起こっていたわけですね。
 そして、遅くとも、一九五九年、昭和三十四年には、チッソは自ら猫実験というのを行って、工場からの排水が原因だということを認識をしていました。ところが、チッソはその後も増産に次ぐ増産を行って、昭和四十三年、一九六八年に千葉県の五井に工場を造って生産体制が整うまで、ずっと垂れ流し続けたわけです。
 ですから、高岡ドクターが描いていらっしゃるとおり、この間に、潜在的、顕在的な、どちらかは問わずですね、患者数というのはどんどん大きくなっていったわけですよ。ですから、大臣も患者さんにお会いになられたことあるかもしれませんが、チッソがもっと早くに排水を止めてくれたなら私の体や家族の体はこうはならなかったのにと、そういう声が出るわけでしょう。
 ところが、国は、この事実を知りながら、県とともに患者を抑え込んでチッソの増産を擁護し支援する、そうした態度に取られた。だから、最高裁判所は、この被害を発生させ拡大をさせたという国、県の責任を断罪をしたわけですね。国が背負っている責任というのはそういうものじゃないですか。
 その下で、国が今、裁判において示しておられる態度というのは、資料の四枚目を御覧いただければと思いますが、救済策に様々な分断、差別をもたらしてきました。
 行政認定患者という、一九六九年以来現在まで二千二百八十二人という認定をされています。この行政認定が余りにも狭いと、だから救済をということで集団的に提訴された裁判の闘いの中で、一九九五年の政治解決策というのが行われ、一万千五百三十七名の救済が図られました。けれども、これにとどまらず、二〇〇四年の最高裁判決を受けて、ノーモア・ミナマタ一次訴訟で二千七百九十四人、その中で、先ほど確認をしたように、特措法の救済で合わせて五万五千九百五十人という救済対象者がいるわけですね。
 この救済対象となった全てで六万九千七百六十九人、およそ七万人ですが、この方々は、水俣病、つまり原因企業チッソが排出したメチル水銀と関係のない人々だなんということはあり得ませんよね。ならば、全ての方々を救済すべきではありませんかね。
#239
○国務大臣(原田義昭君) 歴史的にお話をいただいたところでありますけれども、政府といたしましては、その時々にできる限りの努力をしてまいりました。法律も作り、長い時間を経過した現在もなお、公害健康被害補償法の認定申請や訴訟を行う方が多くいらっしゃるという事実を重く受け止めなければならないと、こういうふうに思っているところであります。
 環境省としては、地域の人々が安心して暮らせる社会を実現するために、繰り返しますけれども、公健法の丁寧な運用を積み重ねることはもとより、地域の医療、福祉の充実、地域の再生、融和に引き続き取り組んでいかなければいけない、こういうふうにまた思っているところでございます。
#240
○仁比聡平君 大臣、私の問いにお答えになっておられないんです。
 少し歴史を長く御紹介をしましたので質問の焦点が不鮮明だったかもしれませんが、つまり、そのような裁判、国は被害を否定しようとする、しかし、患者や支援の運動が大きく広がって医学的にも解明が進むという中で、行政認定、つまり公害健康等補償法に基づく政府の認定患者以外に、九五年政治解決、それからノーモア・ミナマタ訴訟の勝利和解の救済者、特措法の救済者が六万人を超えていらっしゃるわけですね。この方々はチッソが排出したメチル水銀と関係してこの被害を受けたに違いない、そうでなければ水俣病被害者として政府が救済するわけないわけですから。だから、水俣病被害者でしょうと、チッソのメチル水銀の排出と無関係ではないでしょうということをお尋ねしているんです。
#241
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 平成七年の政治解決、そして水俣病特措法も、公害健康被害の補償等に関する法律に基づく判断条件、これを満たさないものの救済を必要とする方々、このような方々を対象者として受け止めをし、救済措置が講じられたものでございます。したがいまして、救済対象となった方々が水俣病問題と関係がないという認識には立っておりません。
 しかしながら、いずれの方々も差別や偏見を受けることがなく地域で安心して暮らしていける社会の実現に向けて、今後も真摯に取り組んでまいりたいと考えております。
#242
○仁比聡平君 当たり前のことを問うているのに、大臣が答えることができずに環境部長が出てきて答弁をされた上に、水俣病問題と無関係とは考えていないと、答弁をまたごまかされる。
 私はそんなことを聞いているんじゃないんです。チッソが排出したメチル水銀の結果起こっている被害でしょうということを問うているんですよ。部長、いかがですか。
#243
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 平成七年の政治解決におきましては、水俣病とは判断できないがボーダーライン層に対して何らかの対策が必要という審議会の指摘を受けて、そのような方々を対象とし、また、水俣病特措法におきましては、公健法に基づく判断条件を満たさないものの救済を必要とする方々、これらの方々を水俣病被害者として受け止めをし、その救済を図るという、そのような方、このような立場で、対象として対策を行ってきたところでございます。
#244
○仁比聡平君 そんなふうに言葉をごまかされても、水俣病被害、つまり、原因企業チッソが排出をしたメチル水銀による健康被害だからこそ、社会的な大問題となり、救済も前進をさせていっているわけですよ。今の部長がおっしゃるような環境省の論理だけを振り回して、というのは、つまり、昭和五十二年につくった判断条件に金科玉条のようにしがみついて、被害者を水俣病患者ではないといって救済を拒否するというのは、その態度はもはや私、無意味だと思うんですね。
 昭和五十二年判断条件に当てはまって公健法上の救済を受ける被害者の方々いらっしゃいます、もっといらっしゃると思うけれども。その五十二年判断条件に当てはまらない方々もメチル水銀による健康被害というのを受けているじゃないかということが、例えば裁判ではもうはっきりしていますよね。
 二〇〇四年の最高裁判決は、四肢末梢優位の感覚障害のみで水俣病罹患は認められると判決をしましたし、例えば二〇一七年の十一月二十九日に新潟水俣病行政訴訟の東京高裁判決がありますが、メチル水銀の暴露歴があり、それに相応する四肢末梢優位の感覚障害が認められ、その感覚障害が他の原因によるものであることを疑わせる事情が存しない場合は、その感覚障害はメチル水銀の影響によるものである蓋然性が高いと言うべきであると。これ当然ですよ。そうした判決を支えてきた被害の実態の解明というのはどんなものなのかと。
 資料の三枚目を、大臣、御覧いただきたいと思うんですが、先ほど来御紹介申し上げている水俣協立クリニックの高岡ドクターによるメチル水銀暴露の程度と健康障害の重症度という図なんですが、つまり、感覚障害が起こる責任病巣というのは、これは中枢神経なんですよね。脳なんですよ。だから、メチル水銀の暴露が重ければ重いほど、公式確認当時に国民の皆さんがよく覚えていらっしゃる劇症、重症の被害者の方々があります。
 そして、先ほど来環境部長も言われる判断基準、これはおおむねハンター・ラッセル症候群と言われる症状の複数の組合せを求めるという判断基準だと思いますが、これは、四肢の感覚障害、運動失調、難聴、言語障害、求心性視野狭窄、震えなどの共通の症候群だというふうに言われている。そうした被害者の方々は当然いらっしゃいますよ。けれども、メチル水銀の健康被害というのはそこにとどまらず、むしろその基礎として広い感覚障害のみという症状がある。
 しかも、この間の研究で、その下の図にありますが、二〇〇九年、千人の被害者の方々を検診をされた結果から、三人に二人は一九六八年以降にそうした症状を発症するという事実を解明をされました。つまり、遅発性というのはあり得るということです。加えて、中枢神経細胞障害のメカニズムがこの間解明をされてきて、症状が変動するということは、これ医学的な根拠があるんだということがはっきりしてきた。しかも、低濃度のメチル水銀であっても、これがどれだけいかに強い毒性を持っているかということがこの軽症から無症状の間に、高岡ドクターが胎児、小児、高感受性集団への影響とお書きになっているように、水俣病被害によって生まれてくることができなかった命が多数あると。多くの被害者が流産を繰り返しているし死産を繰り返す、そうした深刻な被害があって、当然、そうした被害者たちは生まれてこないんだから救済対象になっていないじゃないですか。こうした病像というのが裁判を支えてきた医学的な理解ですよ。
 そこで、大臣にお尋ねしたいと思うのは、こうした水俣病の確認といいますより、発生以来、膨大な被害者を見てきた医師、医学者の解明に対して、これを否定するような、多数の検診を行い調査を行ったことというのはあるんですか。データに基づいて、この私が今申し上げた、素人なりに申し上げたこうした病像を否定するという調査研究を行ったことが一度でもありますか。
#245
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 様々な民間のドクターの方々、調査研究をされているということは報道等で承知しておりますが、調査研究の詳細は承知しておりません。
 しかしながら、平成二十一年に制定された水俣病特措法の規定等に基づきまして、政府といたしましては、メチル水銀が人の健康に与える影響を把握するための調査等の手法の開発を図ることとしておりまして、現在、着実に取組を進めているところでございます。
#246
○仁比聡平君 環境部長がまたとんでもないことを言うので、もう条文読んでください。水俣病救済のその特措法ですね、三十七条一項、これ、部長、何と書いてありますか。
#247
○政府参考人(梅田珠実君) 御指摘の水俣病特措法の三十七条、調査研究に関するものですが、「政府は、指定地域及びその周辺の地域に居住していた者の健康に係る調査研究その他メチル水銀が人の健康に与える影響及びこれによる症状の高度な治療に関する調査研究を積極的かつ速やかに行い、その結果を公表するものとする。」となっております。そして、それに関して手法の開発を図るということとなっております。
#248
○仁比聡平君 という答弁を二〇〇九年の法成立のときのこの参議院の審議以来ずっと言い続けているんですよ、十年間。その間にどれだけの被害者が苦しんで裁判を闘っているか。裁判に手を挙げるなんて普通の人できませんからね。そこを大臣はどう認識しているのかということなんですよ。
 今のような態度を取りながら、自分たちは住民、被害者についての健康調査をまともに行わない、熊本県知事が要求をしたことのある、要求をしてきた悉皆調査、これを行わずに、実際には切り捨ててこられたわけです。
 資料の一枚目をもう一度御覧いただきたいと思いますけれども、対象地域による線引きというのは一体どういうものなのかと。
 このイエローの対象地域外と言われるところに四角く囲んであるのは、不知火患者会の会員さんで特別措置法の救済を受けた方なんですよ。例えば姫戸町というところ、現上天草市ですけれども、ここに七十九人いらっしゃる。同じように暮らしてきた方が、ノーモア・ミナマタ第二次訴訟として百六十七名いらっしゃるんですね。
 実際には、この地域は水俣市から離れているように見えますが、実際に船に乗って水俣湾の沖まで漁に行っていましたし、例えば芦北の漁師さんたちがここに大量の魚を積んで港に着けたりしてきました。これ、劇症患者も当時あったのではないか。猫の狂い死にというのを記憶しておられる方もあるんですけれども、そうした下で、この百六十七名、これは二〇一五年八月時点のものですけれども、その原告の被害者性を国は徹底して今争っておられるわけです。ほかにも、そのようなことになっているわけですが、この対象地域の線引きというのはもはや全く合理性がないものだと私は思うんですね。
 先ほどの高岡ドクターの示す、水俣病とは何かというところを見ればそれは明らかですが、加えて、二〇〇四年から二〇一六年にかけて一万人を超える水俣病被害者の検診をされて、その結果について、いわゆる一万人検診記録というふうに言われていますが、朝日新聞と共同で医師団が分析をされました。
 救済対象地域に一年以上居住歴がある千八百五十四人と一年以上の居住歴はないという千六百十九人を比べると、症状の現れ方はほぼ同じなんですね。うまく話せないというような言語障害だったり、あるいは難聴だったり運動失調だったり、それから感覚障害、この出方というのは対象地域にいる人とそうでない人と全く同じなんですよ。
 汚染されるはずのない奄美大島と比べたら、これはもう格段の差がある、当たり前ですよね、これ。それを否定するような調査、これはされてこられましたか、部長。
#249
○政府参考人(梅田珠実君) お答えいたします。
 御指摘の民間医師団が行った調査の詳細については承知はしておりません。したがいまして、検診時の所見の記録ですとか検診の方法や分析の在り方について、情報が不十分な中で評価することはできませんので、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
#250
○仁比聡平君 私は、医師団の研究について評価せよと言っているんじゃないんですよ。あなた方がやってきましたかと言っているんです。
#251
○政府参考人(梅田珠実君) 御指摘の線引きに関してのお尋ねですが、水俣病特措法の対象地域や出生年、これはノーモア・ミナマタ訴訟において裁判所が示した和解所見を基本に、訴訟をしなかった団体との協議も踏まえて定められております。
 また、対象地域外の方や昭和四十四年以降に生まれた方でも暴露の可能性が確認されれば救済の対象とすることとされておりまして、関係県において丁寧に審査がされてきているものと承知をしております。
#252
○仁比聡平君 そうやって、協議に基づいたと言って自らを正当化しようとしているけれども、そうやってあなた方が引いた線引きが全く合理性がないから、この第二次訴訟において、提訴以来、二〇一三年の提訴ですから六年間も、熊本でも近畿でも東京でも新潟でも、被害者たちが苦しんでいるんです。その裁判を最大長引かせているのは、今の部長を始めとした環境省の応訴態度ですよ、大臣。
 これ、一番最初から、今申し上げているように、不知火患者会で救済された人というのは分かっていますから、同じように暮らしてきた人が、ここの町に暮らしてきました、同じように生活しています、同じように魚食べてきたんだから、だから暴露されているに決まっているじゃないか、だったらば、同じ症状が認められれば水俣病被害者として同じように救済されるべきじゃないかと。
 ですから、不知火患者会などに参加をしておられる方以外の、当然特措法救済を受けているわけですから、その方々の情報を明らかにしてくださいということが求められてきました。皆さんが応じないものだから、政府が応じないものだから、だから裁判の争点になって、大阪地方裁判所には二〇一六年に文書送付嘱託というのが申し立てられました。裁判所は、当然、当裁判所は本件の争点の審理に資すると考えるといって、その送付嘱託、情報を出しなさいという決定を二〇一八年の三月に行ったんですが、その後、やっと国が、あるいは県が裁判所に提出したのは、この間の三月のことなんですね。
 その裁判の審理の中で争われたのは、大臣、それから議場の皆さん、今ここで私が環境部長と議論をしている中身ですよ。既に救済した人たちと同じ症状なのに水俣病患者じゃないと、なぜかというと、昭和五十二年の判断条件に合わないからだと、そんなことを言って、出せる資料も出さない。裁判所は、当たり前のように、それは審理に必要でしょうという決定をして、国、県、お出しになったわけですが、この間、裁判だけでいっても三年を超えているでしょう。何でこんなに苦しめるんですか。そんな争い方はやめて、速やかに被害者を救済すると、そうした態度に立って、支援、救済の枠組みそのものも、私、考え直すのが大臣の当然の責任だと思いますよ。
 時間が迫ってきて、一問しかお尋ねができる時間がないでしょうから、ちょっと認識を併せてお尋ねしますけれども、資料の八枚目、九枚目に、この間政府が原因企業チッソに対する債務の返済猶予を行っているという記事を紹介しました。今申し上げてきた水俣病特措法に基づく未認定患者に対する一時金などのために、県債として九百九十三億、これチッソは借りなきゃいけなかった。これの当然利子が付くわけですが、返済期限が今年度から始まる。ところが、これを返済できる見通しが立たないと。以前からの公的債務、これを先行させるということだけでも、それも難しいという状況の中で、とうとう無利子で、各年度判断するということだけれども、返済猶予しましょうと。今年はやれるのかもしれない、払えるのかもしれないけれども、今の特措法の債務というのは、これ返済には至らないんですよ。
 こういうチッソの支払能力にひも付けられた枠組みでは、全ての被害者の救済というのはこれできないじゃないですか。こういう補償枠組みによって全ての被害者の救済が限定されてはならないと、新たな支援枠組みをちゃんとつくらなきゃいけないと思いますが、大臣、最後、一言いかがですか。
#253
○国務大臣(原田義昭君) 非常に大事なことを歴史的な状況に遡って議論されたことは本当に有り難いことだと思っています。
 その上で、私どもは、先ほどから申し上げましたように、その時々にできる限りの努力をしてまいりました。法律を作り、そしてそれに当たらない人は被害者救済という形で行政措置もとってきたところであります。
 今委員が、それに漏れた人がたくさんいて、その上で、その人たちはどうするかと、それは結局訴訟に訴えて、それしか方法がなかったと、それを三年間やったけど何の変化も見られないと。
 先ほど、委員が争うという言葉を何回もおっしゃいましたけど、別にこれは、政府はそれを否定しようとしてやっている訴訟でも行政的な議論でもありません。それは、皆さん方の意見をしっかり聞いて、そして私どもが今基準として考えるところ、線引きという言葉がありますけど、物というのはどこかでやっぱり線を引かなきゃならないんです。
 ですから、今言いましたように、今に出てきた病状と過去の認定された病状との間、あるいは似ているかもしれないし、あるいは違っているかもしれない。そういうことも含めて、しっかりとした研究体制でそれを見てもらうということが今政府がやっているところなんです。
 ですから、そういう意味では、争うという言葉はいかにも頭から否定しているかのようなことを言っておられるようですが、決してそういうことではありません。私どもは、皆さんたちのお話を、意見を本当に誠実に聞いた上で、それが私どもが今まで法律で作った基準、さらには訴訟で、行政訴訟で、処分で作った基準等々を開きながら、しかし、今の段階でそれをどう見るかということについては真剣に検討しているということをまず御理解いただきたいと思います。
 その上で、今、チッソ株式会社の補償については、私どもはその補償金をきちっと払うということを最大の仕事と考えております。株式会社ですから赤字になることもあると思います。そういう意味では、その分について政府が特別な融資を、ないしはそれを、支払遅延を認めているというのも、一にも十にもその被害者に対する損害を払わなきゃならないというその法的な義務を守ろうとしていることであります。
 今委員が本当に思いを込めて訴えられたことは、私どもは本当に十分理解した上で、さらに改善することがあれば努力いたしますし、ただ、私が申し上げましたことをしっかりまた御理解いただきたいなと、こう思っております。
 冷たいようですけど、どうぞよろしく御理解いただきたいと思います。
#254
○仁比聡平君 大臣、真剣に検討しているんだとおっしゃった大臣の言葉を是非実らせていただきたいと思います。
 現実には、今日明らかにしたように、まともな調査研究もせず救済を拒んでいるのが政府の態度ですから、これ以上被害者を苦しめることは許さず、全ての被害者の救済のために新たな枠組みを是非ともつくっていただきたいということをお願いして、質問を終わります。
#255
○委員長(石井みどり君) 他に御発言もないようですから、復興庁、総務省及び環境省の決算についての審査はこの程度といたします。
 次回は来る六月三日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三分散会
ソース: 国立国会図書館
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