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2019/03/20 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 農林水産委員会 第3号
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2019/03/20 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第198回国会 農林水産委員会 第3号
平成三十一年三月二十日(水曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     大沼みずほ君     礒崎 陽輔君
     宮島 喜文君     進藤金日子君
     渡辺 猛之君     山田 俊男君
 三月十四日
    辞任         補欠選任
     岩井 茂樹君     今井絵理子君
     進藤金日子君     小野田紀美君
 三月十五日
    辞任         補欠選任
     今井絵理子君     岩井 茂樹君
     小野田紀美君     進藤金日子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         堂故  茂君
    理 事
                上月 良祐君
                藤木 眞也君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                岩井 茂樹君
                進藤金日子君
                高野光二郎君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                山田 俊男君
                小川 勝也君
                鉢呂 吉雄君
                藤田 幸久君
                徳永 エリ君
                森 ゆうこ君
               佐々木さやか君
                里見 隆治君
                儀間 光男君
   国務大臣
       農林水産大臣   吉川 貴盛君
   副大臣
       農林水産副大臣  高鳥 修一君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       高野光二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       財務大臣官房審
       議官       小野平八郎君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       農林水産大臣官
       房審議官     小川 良介君
       農林水産省消費
       ・安全局長    池田 一樹君
       農林水産省食料
       産業局長     新井ゆたか君
       農林水産省生産
       局長       枝元 真徹君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       農林水産省農村
       振興局長     室本 隆司君
       農林水産省政策
       統括官      天羽  隆君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      別所 智博君
       水産庁長官    長谷 成人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○平成三十一年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)、平成三十一年度特別会計予算(内閣
 提出、衆議院送付)、平成三十一年度政府関係
 機関予算(内閣提出、衆議院送付)について
 (農林水産省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十三日、宮島喜文君、大沼みずほ君及び渡辺猛之君が委員を辞任され、その補欠として進藤金日子君、礒崎陽輔君及び山田俊男君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(堂故茂君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、財務大臣官房審議官小野平八郎君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(堂故茂君) 去る十四日、予算委員会から、本日一日間、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 吉川農林水産大臣から説明を求めます。吉川農林水産大臣。
#6
○国務大臣(吉川貴盛君) 平成三十一年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。
 平成三十一年度農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて、二兆四千三百十五億円、その内訳は、公共事業費が八千百六十六億円、非公共事業費が一兆六千百四十九億円となっています。農林水産予算の編成に当たっては、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村を実現するため、農林水産業・地域の活力創造プランに基づく改革等を実行するのに必要な予算を重点的に措置したところであります。
 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。
 第一は、担い手への農地集積、集約化等による構造改革の推進であります。
 農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を人・農地プランの実質化等を通じて更に加速化するとともに、農地利用の最適化に向けた農業委員会の積極的な活動を支援してまいります。また、農業の働き方改革を推進するとともに、多様な担い手の育成確保に向けた支援を実施してまいります。
 第二は、水田フル活用を経営所得安定対策の着実な実施であります。
 米政策改革の定着に向けて、飼料用米、麦、大豆等の戦略作物の本作化や高収益作物への転換を進めていくとともに、TPP11や日EU・EPAの発効も踏まえて、経営所得安定対策を着実に実施してまいります。また、収入保険制度の実施に必要な措置等を講じてまいります。
 第三は、強い農業のための基盤づくりとスマート農業の実現であります。
 農地の大区画化、汎用化や、老朽化した農業水利施設の長寿命化・耐震化対策等を進めるとともに、農業用機械、施設の導入を農業経営体の規模に応じ切れ目なく支援してまいります。また、TPP11や日EU・EPAの発効も踏まえて、畜産、酪農の経営安定対策を着実に実施するとともに、先端技術を活用した最先端のスマート農業の全国展開を加速するための技術開発、実証を進めてまいります。
 第四は、農林水産業の輸出力強化と農林水産物・食品の高付加価値化であります。
 本年の輸出額一兆円目標の確実な達成に向けて、JFOODOによる輸出先国への重点的、戦略的なプロモーション活動やグローバル産地の形成等を推進するとともに、輸出促進に資する動植物検疫等の環境整備を進めてまいります。また、日EU・EPAに基づくGIの相互保護等に向けたGI産品の普及啓発など知的財産、規格、認証を戦略的に推進してまいります。
 第五は、食の安全、消費者の信頼確保であります。
 国産農畜水産物の安全性の向上や薬剤耐性対策を推進するとともに、家畜の伝染病や農作物の病害虫の発生予防等に取り組んでまいります。特に、豚コレラに対しては、徹底した防疫措置や蔓延防止等の万全の対策を講じてまいります。
 第六は、農山漁村の活性化であります。
 農山漁村における所得の向上を図るため、経営規模の大小にかかわらず意欲的な取組を後押ししていくこととし、中山間地の特色を生かした多様で豊かな農業の実現や、地域コミュニティーによる農地等の地域資源の維持、継承等に向けた総合的な支援を行ってまいります。また、障害者の皆さんに農業で活躍していただくための農福連携や農山漁村の所得向上を図る農泊等の取組を推進してまいります。このほか、多面的機能支払交付金など日本型直接支払を着実に実施するとともに、鳥獣被害対策とジビエ利活用の推進に向けた取組を講じてまいります。
 第七は、林業の成長産業化と生産流通構造改革の推進であります。
 本年四月に施行される森林経営管理法に基づく新たな森林管理システムを維持するため、森林の経営管理を集積、集約する地域や意欲と能力のある林業経営者に対し、間伐や路網整備等の森林整備や機械導入を集中的に支援するほか、川上から川下までの連携等による流通コストの削減を進めてまいります。また、激甚化する災害に対応するため、治山事業により山地防災力を強化してまいります。
 第八は、水産改革を推進する新たな資源管理と水産業の成長産業化であります。
 水産業の基礎である水産資源の持続的な利用を図るため、新たな資源管理システムの構築を進めるとともに、資源管理を強化する中で漁業の成長産業化を図るため、浜の構造改革に必要な漁船、漁具等のリース方式による導入や水産バリューチェーンの構築等を支援してまいります。また、水産改革と一体で水産資源を守るための外国漁船対策や多面的機能の発揮対策に引き続き取り組んでまいります。さらに、漁港機能の再編、集約化や漁港施設の有効活用等を促進するための水産基盤整備を推進してまいります。
 第九は、重要インフラの緊急点検等を踏まえた防災・減災、国土強靱化のための緊急対策であります。
 平成三十一年度予算の臨時特別の措置として、ため池や治山施設等の農林水産分野の重要インフラの緊急点検結果等を踏まえた防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を集中的に実施してまいります。
 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に所要の予算を計上しています。
 最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借入れなど、総額五千三百七十九億円となっています。
 以上で、平成三十一年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
#7
○委員長(堂故茂君) 以上で予算の説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#8
○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也でございます。
 自由民主党会派の先生方が質問を放棄されましたので、久々のトップバッターということで、気持ちよく質問をさせていただきたいと思います。
 予算の概要を今御説明をいただきました。時代が移り変わってきておりますので、自慢するわけではありませんけれども、私も二十数年国会におりまして、中身がどんどん変わっていく、その姿を今まじまじと感じ入っているところであります。
 当然、時代の移り変わりとともに、賛同できる分野、ここはちょっと残念だなと思う分野、たくさんあるわけでありますけれども、要点について大臣あるいは関係者に質問をさせていただきたいと思います。
 もう我々にとっては耳に慣れておりますけれども、第一は、担い手への農地集積、集約化、これ何回も何回も聞いているんですけれども、すとんと落ちないこともあります。このことに相当傾倒し過ぎているのではないかというふうに危機感を持って捉えているからであります。
 そして、そのことは、つい昨日の日本農業新聞の一面にも現れております。お手元の資料に配付をさせていただきました。昨日の朝刊でありますので、御覧になられた先生もおられるかと思います。いわゆる農林水産省の食料・農業・農村政策審議会の企画部会が食料・農業・農村基本計画の見直しを見据えて意見聴取を始めたという記事であります。「基本計画聴取始まる」、これは当たり前のことであります。誰も驚かないし、何も感じないわけでありますけれども、「平たん部の若手だけ選定」「中山間含め幅広い声を」、これはまあ当たり前のことをしていただいているんですけれども、悪意があってとは思いませんけれども、私と同じ思いがこの見出しを付けられた方の思いの中にあるなというふうに共感を持って見させていただきました。
 安倍政権になってから、企業参入をちらちら見据えながら、担い手へのいわゆる集積、平たん地のいいところは集積するんだ、効率化を進めるんだ、このことは方向性としては間違っていませんけれども、それ以外の分野、ここにも書いてあります中山間、どうするんだと。人口減少、農業者の減少。そして、安倍政権は集積や輸出だけを見て農業政策を実現していってしまうと、まさに荒れ果てた農村になってしまうという懸念を持っているのは、私だけではないというふうに思います。
 まずは、効率化とかお金を稼ぐとか輸出をするということも大事でありますけれども、改めて農業政策あるいは農林予算の使われ方の中には、地域をしっかり守るんだというその中身が私は必要だと思います。どのような予算が盛り込まれていくかという、まあ細部にわたってのことは質問をいたしませんけれども、その地域を守る政策について、大臣から一言御答弁をいただきたいと思います。
#9
○国務大臣(吉川貴盛君) 農山漁村におきましては、高齢化ですとか人口減少が都市部に先駆けて進行をいたしております。小川委員の御指摘のとおり、地域によりましてはコミュニティー機能ですとか地域資源の維持にも影響が生じていると私も認識をいたしております。
 このように、人口減少が進む農山漁村におきまして地域を活性化していくためには、中山間地域等直接支払ですとか多面的機能支払等により地域の活動を下支えをしていかなければなりません。その上で、地域全体の所得向上を図る六次産業化の推進ですとか、高齢者や子供の見守りサービスですとか、移動販売車による買物支援など、地域の助け合いを後押しする取組への支援も必要だと考えております。
 農泊や農村への移住、さらには定住促進等の支援など、総合的に今講じているところでもございますけれども、引き続き、これらの施策を着実に推進しますとともに、若者や高齢者が誇りと生きがいを持って住み続けることができる環境というものを確保していかなければならないと思っておりまして、関係省庁の施策とも連携をしながら、農村社会におけるこのコミュニティー機能の維持、発揮も図ってまいりたいと存じております。
#10
○小川勝也君 加えまして、やはり中山間については一言問いをさせていただかなければいけないというふうに思っています。
 平地につきましては、中間管理機構の問題提起、あるいは、この後法律案の審議もあるようでありますのでしっかり問題を提起させていただきたいと思いますけれども、さほど心配はしていません。効率よく営農のできる農地につきましては誰かがしっかりとその農地を利用してくれる、これはもう当然のことであります。
 しかし、心配なのは条件が不利な農地であります。総称して中山間というふうに言ってもいいかと思いますけれども、いわゆる、これから後で議論させていただきますけれども、スマート農業、大きな平たんの田畑であれば、これからはGPSを利用した無人のトラクターが延々と耕地を耕してくれる。しかし、中山間はそうはいきません。
 それから、担い手がどんどん少なくなっていく、農業者が減っていくというふうに考えたときに、今まで先人が耕作してくれた中山間の農地全てを継承できるとは考えられないわけであります。すなわち、地域としっかり連携をし、議論をし、どの農地を守っていくというメッセージを農林水産省が発揮していくのか。
 また、人がいなくなれば、そこはイノシシや猿やあるいは鹿の天国になります。今、鳥獣害対策で大変な苦悩の中に全国の農業地域がある中で、この中山間の政策はこの戦いがどんどんどんどん平地に下りてくるということを意味します。そのことを踏まえて、中山間の政策が極めて大事だと私は考えています。
 今大臣から、農地を利用するだけではなく、農泊や様々なことを含めて都会から人を受け入れることも考えていく、これも当然大事なことでありましょう。しかし、一義的には、農村で生まれ育った方が引き続きその地域で営農できるように、あるいは次男坊、三男坊が長男坊の兄貴と違う農業をその地域でできる農業、あるいは高齢者になって、あるいは定年して戻ってこれ、そこで新しい農業に着手できる幅広な農業が大事だろうというふうに思っています。
 北海道農業に象徴されるような大規模な農業は初期投資が半端じゃないんで、これは本州での大型の平たん地を利用する農業とて同じだろうというふうに思います。初期投資が少なく、しっかりと農に接する喜びを享受しながら、そのすばらしい地域で生きていく生活の在り方、そのことを踏まえ、中山間地をめぐる政策について、大臣の希望あるいは考えをお伺いをしたいと思います。
#11
○国務大臣(吉川貴盛君) 中山間地域の政策というのは私も大変重要だと認識もいたしております。
 その上で、農業経営の大規模化を目指すのみならず、小規模な農業者も含めた地域全体のコミュニティー機能の発揮ができますように、先ほども少し申し上げましたけれども、日本型直接支払ですとか六次産業化あるいは農泊等の施策も総合的に進めて、住民が定住、定着しやすい環境整備に取り組んでいるところでもございます。
 それから、小川委員が常日頃おっしゃっております農地と山林とのゾーニングということもございますが、ゾーニングの適切な運用もしっかりと合わせていかなければならないと思います。これらの取組を更に積極的に進める必要があるのではないかと、このようにも思っております。
#12
○小川勝也君 全て納得したわけではありませんけれども、問題を提起させていただきましたので、御配慮をいただけるものと信じたいと思います。
 次に移らせていただきます。
 私も北海道選挙区で活動させていただいて、北海道農業の規模の大きさ、人手不足、これから大変だろうなというふうに思っています。人手不足の話題は後にも触れさせていただきますけれども、やはりAI、機械化、ロボット化、そしてこれから質問させていただきますドローン、これはまさに農業者にとっては救世主になろうかと思っています。ですので、資料の二枚目、御覧をいただきたいと思いますけれども、農林水産省がドローンについていろいろ政策を議論されている、このことは適切だろうというふうに思います。
 しかし、ちょっと気になった点があります。見出しにあります、農林水産省がドローン普及へ数値目標。私は、これはちょっと違うんではないかというふうに思っています。農業者が便利なドローンを利用して営農の様々な負担軽減になるということは歓迎でありますけれども、数値を決めて利用させるということではないかと思います。ドローンは安全に適切に事故なく使えればすばらしいものでありますけれども、一たび事故になれば、あるいは間違った使用がなされたときには、その反響も絶大になります。あってはならないことだとは思いますけれども、例えばドローンがいわゆる操縦不能になって子供の上に落下をする、あるいは高齢者を含め見知らぬ農業関係者以外の方々に農薬をぶっかけてしまう、あるいは近くの小学校や保育園に間違って農薬を散布する、こういったことはあってはならないというふうに思います。
 ですから、私は、ドローンについては積極的にその施策を推進していただきたいという立場ではありますけれども、数値目標を決めるのではなく、厳格に、事故が起こらないように、万が一のことがないように、様々な観点からルールを設定をしていただいて適切な用法がしっかりと正しく全国に定着する、このことが正しい使用法だろうというふうに思っております。
 そのことについて言及をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
#13
○副大臣(高鳥修一君) 小川委員にお答えをいたします。
 住宅地等における農薬使用に当たりましては、農薬の飛散等により周辺住民等への健康影響を及ぼさないようにすることが大切だと考えておりまして、使用方法を遵守するとともに、事前に周辺住民や学校等の施設等に農薬散布を周知する、また、風が弱いときに行う等、近隣に影響が少ない天候や時間帯を設定し、風向きや散布方向に注意をするといった指導をしてきたところでございます。
 特に、ドローンの利用に当たりましては、ただいま委員が御指摘になられましたとおりでございますが、農薬飛散の防止対策などの安全対策を適切に講じた上で利用することが重要であり、風向きを考慮した飛行経路の設定、散布高度の維持、強風時の散布の中止等の対策を講じるよう指導しているところでございます。
 また、操縦者のほかに補助者の配置を不要とする等の見直しを予定をしておりますが、緩衝区域を設定する等の一定の条件下で行うことを国土交通省の審査の要件とするなど、飛行の安全水準の維持を図ることといたしております。
 今後とも、航空法を所管する国土交通省と連携をいたしまして、ドローンによる農薬散布における安全飛行及び農薬の適正使用を推進してまいりたいと考えております。
#14
○小川勝也君 細部については、行政でしっかりとおまとめをいただくこと以外にないというふうに思います。
 再三申し上げますけれども、事故がないように、そして、事故があるリスクを冒してまでも目標の百万ヘクタールに近づけることはナンセンスであります。適切なドローンの使用で我が国の農業が正しく発展できますように御努力をいただきたいと思います。
 次に、三枚目の資料を見ていただきたいと思います。これ、昨年もこの委員会に提出をさせていただいた資料でありますけれども、吉川大臣におかれましても、副大臣の御経験もございますので、いろんな情報に摂取しておられるかと思いますけれども、新しい大臣にはしっかりとこのことについても私は言及をさせていただかなければならないというふうに思っています。
 農薬につきましては、いわゆる除草剤のグリホサート、それから、定番でありますネオニコチノイド系農薬の二つにわたって質問をさせていただきたいと思います。
 まずはグリホサートでありますけれども、これは私たちの国のホームセンターで気軽に安価に手に入れられる除草剤でありまして、これを使っておられる方は農業者、農業者以外、たくさんおられます。そのグリホサートをめぐって、例えばアメリカ合衆国でどんなことが今行われているのか、あるいは起こっているのか、知識を披瀝をしていただければと思います。
#15
○政府参考人(池田一樹君) グリホサートを有効成分といたします農薬のラウンドアップにつきましてですが、昨年八月、米国で、がんと診断された男性が提訴をいたしました裁判でモンサント社に賠償を命じる判決があり、同社は控訴を申立てをするとしたことを承知をしているところでございます。
#16
○小川勝也君 アメリカは訴訟国家でありますので、弁護士さんの売名行為でいろんな訴訟が行われるということも存じ上げております。ですけど、警鐘が発せられたのも事実であります。一つのニュースが起きたから、何らかのことがそのことによって行われるということは適切ではありませんので、総合的にルールに基づいていろんなことが起きればいいというふうに思っておりますが、そのことについては後でまとめて質問もさせていただきたいと思います。
 実は、今は議席がありませんけれども、前農林水産大臣を務めた山田正彦さんがブログにこのことについて言及をされておりまして、たくさんの全国の方々に反応を巻き起こしています。それで、いろいろとSNSの発信やその他の情報集積をさせていただきますと、この残留物質が人の髪の毛にも残留するということで、当委員会にも大事な髪の毛を供出された委員がおられるようであります。私は、残念ながら豊富ではありませんのでその検体にはなっておりませんけれども、非常に興味深くその結果を見守っているところであります。
 そのラウンドアップ、グリホサートでありますけれども、これはいろんなことが言われています。例えば、本当に雑草の根が枯れてしまうので、いわゆる畦畔、あぜとかが土がもろくなってしまう、あるいはその近くにいた猫が死んでしまった。これは、私は直接検証したわけではありませんので、これはしっかりとした基準に照らし合わせて検証していただく以外にはないというふうに思います。
 しかし、このことも踏まえて、後で質問をさせていただくのは、私は政策決定のルールをお伺いをしたいわけでありますけれども、この資料に基づく、緩過ぎる日本の残留農薬基準とありますけれども、何でこんなに緩いのかというのが率直な疑問であります。
 こういった、このアセタミプリドの残留農薬基準を含める我が国の残留農薬基準というのはどういうふうに決まっていくのか、お伺いをしたいと思います。
#17
○政府参考人(吉永和生君) 食品中の農薬の残留基準につきましては、食品安全委員会による食品健康影響評価を踏まえまして、農薬を適正に使用した場合の残留試験の結果、また国際機関でございますコーデックス委員会の国際基準などに基づきまして、薬事・食品衛生審議会の審議を経て、人の健康を損なうおそれのないよう設定、変更しているところでございます。
 具体的には、残留基準値につきましては、食品を通じた農薬の摂取量が、一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康の悪影響がないと推定される量でございます一日摂取許容量、及び二十四時間又はそれより短時間に摂取しても健康への悪影響がないと推定される量でございます急性参照用量を超えないように設定、変更しているところでございます。
 引き続き、科学的知見に基づきまして適正に残留基準の設定、変更を行ってまいりたいと考えているところでございます。
#18
○小川勝也君 もうこれは何回も聞いている話であります。
 先ほどのグリホサートをめぐっては、三十数か国で使用禁止にしています。私たちの国では、例えばこの除草剤を製造している会社がいわゆる関係各位に、アメリカで裁判は起きているけれども、私たちの国の当局からは何も言われていないので安心して使ってくださいという紙が発せられる国であります。
 それで、当然、今御答弁をいただいた方はまあ科学者ではないと思いますけれども、こんなに差が出るんです。イチゴについては日本が三、EUが〇・〇五、お茶っ葉につきましては日本が三十、EUが〇・〇五、何でこんなに開くんだと。ヨーロッパの科学者や国は治験が本当に下手なのか、あるいはそろっていないのか、あるいは逆に私たちの国だけが平気で緩いのか、これはどこかで真剣に議論すべきだと私は思います。
 このことともう一つあるのは、いわゆる残留基準と農薬の使用基準の違いであります。農薬の使用基準を決めるのは農林水産省ですか、これはいかがでしょうか。
#19
○政府参考人(池田一樹君) 登録に当たりまして、使用基準を定めております。
#20
○小川勝也君 当然、これ残留農薬基準をクリアしないと市場に出荷できないということになりますので、この基準に合わせて農薬の使い方などを多分マニュアルを作って、農家の皆さんに指導する紙ができ上がるんだというふうに思います。
 ですので、吉川大臣、いいですか、農林水産省はこの委員会で農薬の話をすると必ず、お決めになるのは厚生労働省ですから、それから食の安心、安全は消費・安全局でも関係しているマターではありますけれども、消費者庁がしっかりウオッチしていますからと、こういうふうに言うんですね。でも、私は、それだけで本当にいいのかという思いをずっと持ち続けています。
 吉川大臣にあえてこの話題を振らせていただくのは、もう大臣御案内のとおり、大臣の師匠筋であります鳩山邦夫先生、お亡くなりになられましたけれども、農薬を大変厳しくウオッチしてこられました。それは、チョウの敵であったからであります。それから、ゴルフ部に属しておられましたけれども、ゴルフ場に相当の農薬がまかれているという現実を知り、ぴたりとゴルフをやめました。そして、御自身でも農業をやられ、農薬を使用しなくてもおいしい野菜ができるということを自ら検証をされました。農薬の中でも、いわゆる土壌消毒剤クロルピクリンを、いわゆる固有名詞を挙げて非難をし続けました。
 これは、農業をする方々に厳しい農薬使用基準を課すと大変だという思いを私も持っています。しかし、一番大事なのは人の健康であります。そして、子供たちの未来であります。そんなことを踏まえて、私は、こういった議論を厚生労働省は厚生労働省、農林水産省は農林水産省でということではなく、いやいや、今、除草剤の問題やネオニコの問題でいろいろあるけど、ちょっと話しようじゃないかと根本厚生労働大臣と議論をしていただきたいと、このことを吉川大臣に要望させていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#21
○国務大臣(吉川貴盛君) 御指摘をいただいていることは大変重要なことだと思いますので、私も必要に応じて、大臣のみならず、農林水産省と厚生労働省がしっかり連携を取りながらこの農薬等の課題については議論をして、常日頃から議論をしなければならないと存じております。
#22
○小川勝也君 追い打ちを掛けるわけではありませんけれども、ネオニコチノイド系農薬については、蜂、蜜蜂の大量死、蜂群崩壊と関連付けて議論をさせていただいてまいりましたけれども、実はもうフェーズが変わっておりまして、人の発達障害、神経毒性というフェーズに移っています。このこともあえて申し上げさせていただきたいと思います。
 そして、言わずもがなで、こんなことは本当は言いたくありませんけれども、来年は東京オリンピック・パラリンピック二〇二〇であります。私たち日本国民の中には、日本の食品、農産物あるいは野菜はおいしくて安心、安全だというふうに自負をしております。確かにきれいでありますけれども、その残留農薬基準はここに書いてあるとおりでありますので、ヨーロッパから来られた方はこの基準を見て日本の野菜はどういう野菜だと感じるか、このことも認識をしなければならないというふうに思います。
 つらいことを申し上げましたけれども、吉川大臣、どうぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 そして、次に、酪農現場で起きていることについて幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 搾乳ロボットあるいはミルキングマシンと、こういう言い方があります。農家の、酪農家のところにお伺いをいたしますと、大変高価な機械が中に入っております。農林水産省に資料をいただきましたら、オランダのレリー社、スウェーデンのデラバル社、ドイツのゲア社などから導入をしている方が多いというお話を伺いました。私のところに入ってきた情報というのは、いろんな大変なことがあるということであります。
 一つは、お値段が高いと。これは、私はこう言いました。まあ海の向こう側から運んでくるんだし、そして説明書やカタログも誰かが翻訳をしなきゃならない、そしてメンテナンスをする人も技術を学ぶために学びに行ったり、あるいはその費用も掛かるので、お値段が高いのはしようがないじゃありませんかと、こういうふうにお話をさせていただいたところであります。
 しかし、問題は、お値段が高いのは当然承知の上で買うわけでありますけれども、その後のメンテナンス、様々に差が出てくるということであります。壊れやすい機械、あるいはちょっと調子が悪くなる、そして、当然、牧場と代理店の立地にもよりますけれども、すぐ駆け付けてくれる人、あるいはなかなか来てくれない人、部品の交換のときにどのぐらいリスクがあるのかなどなどであります。
 農林水産省として、先ほども、スマート農業、先ほど、AIやロボットやあるいはドローンが大事だという話も共通認識とさせていただきましたけれども、この酪農においての搾乳ロボットの導入はまさに必須であります。そういった酪農家の方々の高額のミルキングマシン、搾乳ロボットをめぐる不安や現状について、どこまで現状を把握しておられるのか、あるいはこれからどの程度関与していくおつもりなのか、お伺いをしたいと思います。
#23
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 御指摘の搾乳ロボットは、搾乳の作業負担を著しく軽減できる画期的な機械でございますけれども、二十四時間稼働するために切れ目がないメンテナンス体制が必要であること、また牛を自発的にロボットに向かわせるような管理が必要であることなど、議員御指摘のように、従来の搾乳機器とは根本的に異なるメンテナンス、準備が必要であるというふうに考えてございます。そういう中で、先生からもお話ございましたけれども、搾乳ロボットに生ずる不具合等々の事例はいろいろ承知はしてございます。
 そういう中で、農林水産省としては、搾乳ロボット販売業者との間で定期的な意見交換を行っているところでありまして、これを通じまして、保守点検技術者の研修施設の増設、保守点検技術者の増員及び技術の向上、インターネット回線を活用した遠隔操作によるリアルタイムの故障対応、ロボット導入に必要な準備を分かりやすく解説した農家向けの資料の作成、これらについて協力をお願いしているところでございます。
#24
○小川勝也君 今、全業種、全業態で人手不足でありますので、いわゆる搾乳ロボットの代理店のメンテナンス要員だけが豊富に人材が足りているということにはならないというふうに思います。要員の基礎的な知識、技術、これは大変つらいものがあるというふうに農林水産省も御認識をいただいておるものと思っておりますので、今御答弁をいただきました。
 さらには、酪農地帯というのは距離が離れているところで大きな牧草地を持って経営するというのが常でありますし、そういったところでたくさんの牛を飼うからこういう機械が必要になります。いわゆる都市から離れている場合があります。
 これも小耳に挟んだ話でありますけれども、今局長が言われましたように、その機械とインターネットでメンテナンス要員の方々のスマートフォンが結び付いている、すなわち、不具合があったら夜中であってもどのぐらい離れていても駆け付けなきゃいけないという職務の方がおられるようであります。
 今回、予算の中に、農業分野も働き方改革、こういった文言がありました。農業は、純粋にいわゆる営農耕作をしている人たちだけが農業ではないというふうに思います。そういった中で、幅広な農業関連の方々の働き方についても着目をしていただければ有り難いというふうに思います。
 これは特に北海道に関係した案件でありましたので、その他の皆さんには大変失礼をいたしました。
 最後に、家畜ふん尿のバイオガスをどう利用していくのかということであります。
 高野政務官におかれましては、十勝、御視察をいただいたようであります。私も、いわゆる十勝エリアを中心に何軒か、いわゆる当初の実験段階から幾つかのところを見させていただきました。幾つかの懸念があります。それは、そのプラントがいわゆる日本製のものではなくて外国製のものがほとんどであるということ、それから、いわゆるFITの関係で、どれだけ送電線網にアクセスできるかというのは、それぞれの地域事情といわゆる電力会社の様々な要件と合致しなければならないということ、それから、これ私の得意なフレーズでありますけれども、価値の高いものは長期間、長距離運んでもいいけれども、価値の低いものは運んではいけない、すなわちふん尿の移動距離であります。短い距離でしっかりと効果を上げるという、そして地域のエネルギー事情を明るくする家畜ふん尿のバイオガスでありますけれども、困難なこと、希望、これを御視察をいただいた政務官に答弁をいただければと思います。
#25
○大臣政務官(高野光二郎君) 詳しく問題提起いただきまして、誠にありがとうございます。
 家畜排せつ物を利用したバイオマス発電の取組は、家畜排せつ物の有効活用により地域内への利益還元が可能であること、安定的な発電可能な電源であることから重要な取組でありまして、御指摘にありましたFIT制度による支援を受けて北海道を中心に普及をしておりまして、全国で百五十九施設となり、施設の安定稼働のための運営管理技術の蓄積が進んでおると承知をしております。
 こうした中、プラントの主要設備は、残念ながら、御指摘にありましたとおり外国製がほとんどであるものの、例えば北海道の清水町では、バイオマス発電施設の周辺設備の一つである消化液貯留槽を従来のコンクリート槽ではなく掘り込み式にすることでコスト低減をさせるという努力もしていただいております。
 国内の企業によるバイオマス発電施設の技術、製品開発については、委員の御指摘もいただきまして、農林水産省としても重要な課題と承知をいたしております。引き続き、付加価値が高く採算性が確保された家畜排せつ物のエネルギー利用を促進できるよう、国内におけるバイオマス発電施設に関する開発のため必要な対策を検討してまいりたいと考えております。
#26
○小川勝也君 終わります。
#27
○田名部匡代君 おはようございます。国民民主党・新緑風会の田名部匡代です。今日はよろしくお願いいたします。
 通告していませんが、高野政務官、今の御答弁を伺っていても、とても力強いですし、体を張って現場を守ってくれそうな気がしましたので、高野政務官にお伺いをしたいと思います。
 日本農業新聞にまたしても、私がすぐ反応する規制改革推進会議、株式会社による農地取得について重点事項として議論をしようと求めているということが書かれておりました。もう何度も何度もこの場で申し上げてきましたけれども、現場の声を全く無視し、現場の実情も分からず、勝手な議論をするのはおやめいただきたいと、しっかりとそのことを守っていただきたいというふうに思うんですね。全くこれまでは規制改革推進会議の提言に対して言いなりでありました。
 政務官、いかがでしょうか。政務官の現場に対する熱い思いをお聞かせをいただきたいと思いますし、規制改革推進会議の提言どおりには勝手に進めさせないと、しっかり国会で議論をして現場の声を反映させる、こういうお気持ちをお聞かせいただきたいのですが、いかがでしょう。
#28
○大臣政務官(高野光二郎君) この十月の四日に政務官に就任させていただく前は、党の部会等でこの規制改革会議のいろいろな状況を聞かせていただいておりまして、ちょっとおかしいなと個人的に思うこともいろいろございました。
 その上で、政務官に就任をさせていただきまして改めて御答弁を申し上げますと、報道にあった企業の農地取得に関する規制改革推進会議におけるやり取りについては、公表された議事概要は拝見しているが、実際にその会議に出席しているわけではないのでその詳細については承知をしておりません。
 企業の農地取得に関しては、十一月八日の規制改革推進会議農林ワーキング・グループの会合において、平成二十八年にスタートした議決権要件の緩和に関する利用状況と、次いで同月十五日に同ワーキンググループにおいて、八日に示した実態を踏まえ、農地法における企業の農地取得に係る要件そのものは見直さず、農業者内部から要望があった親子会社における役員の常時従事要件の緩和について認定農業者制度の枠内で対応することと説明したところでございます。
 農地の所有適格法人の更なる要件緩和については、企業が農業から撤退したり廃棄置場になったりするのではないかという農業、農村現場の懸念もあることから、慎重に検討をしてまいりたいと思っておりますし、現場の声を大臣とともに、副大臣とともにしっかりと大事にしていきたいと思っています。
#29
○田名部匡代君 ありがとうございました。
 まるでこの質問が出ることを想定したかのような準備をしていただいていたように思いますけれど、政務官おっしゃっていただいたように、現場の声をこれからも大事にして頑張っていただきたいと、そのように思います。
 それともう一点、これは大臣にお聞きいたします。
 役所の定員合理化に関してでありますけれども、五年ごとの計画で、今回の計画が平成三十一年度までということだと思います。いよいよ次期の合理化に対しての取組というか議論が始まっていくと思うのでありますけれども、豚コレラの議論でもありましたけれども、水際対策というのは非常に重要でありまして、その体制は不十分である。それらの管轄区域が広域をしてしっかりと体制を整えていかなければならないということも含めて、増加する検疫業務に対応する人員の確保、それ以外でもそうですけれども、しっかりとそれぞれの現場現場で業務量に見合った人員の確保というのは必要だと私は思っています。
 以前もこの場でお話をさせていただきましたけれども、何やら農水省さんは真面目にどんどん人を吐き出して、どんどん少なくなっているような気がしてなりません。重要な業務がたくさんあるわけですから、必要な人員はしっかりと要求して確保していただきたい、そのように思うのですが、改めて大臣からお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#30
○国務大臣(吉川貴盛君) 必要な人員を確保するということは、私は田名部議員と同じ考え方でもございます。
 二〇二〇年度からの次期合理化計画につきましては、今、現計画の取組状況ですとか行政需要等を踏まえて今後政府として検討されるものと私は認識をいたしておりますけれども、農林水産省といたしましては、今後策定されるこの次期の定員合理化計画におきましても、将来の業務運営に支障が生じないようにしなければならないと思っておりますし、さらに、地方農政局等の地方支分部局も含めて必要な定員の確保に努めなければなりませんので、今後しっかりと対応もしてまいりたいと思います。
 また、豚コレラの発生等々によりまして、さらにはアフリカ豚コレラ等の水際作戦等においても探知犬を増頭というお話もたくさん頂戴をいたしておりますし、探知犬のみならず防疫官も検疫官も増やさなければなりませんので、そういったことも含めてこれからいろいろな点を検討もしてまいりたいと思います。
#31
○田名部匡代君 まさにその水際対策で、今ある人をどう配置するかということではなくて、今大臣おっしゃっていただいたように、どれだけの人員が必要なのかということをきちんと積み上げていただいて体制を強化していただきたいと、そのように思いますので、よろしくお願いをして、質問に入らせていただきたいと思います。
 これも以前取り上げさせていただきましたリンゴの黒星病についてであります。
 いよいよ雪が解け、まさに木も活動を始動する、始めるという時期になりました。雨の降る時期というか、その降り次第では、また黒星病の発生が早くなるのではないかというような懸念の声が地元青森のリンゴ農家の皆さんから上がってきております。その発生、青森では連続して発生したわけなんですけれども、その要因としては、まさに今申し上げたように、感染しやすい状況下で雨が降ったであるとか薬剤の耐性菌の発生などが考えられます。
 青森県でも、非常に、その防除基準を改定したり、現場としっかり連携しながら、枯れ葉、落ち葉の除去であるとか、また被害の果実の摘み取りや剪定、こういったことを非常に熱心に行っていますし、農薬を効果的に無駄なく散布するための工夫や努力ということを重ねながら感染拡大を防いでいる状況であります。ただ、特に現場からは、今効かなくなった薬に代わる新しい農薬、その新薬が出ることに非常に大きな期待を持っています。
 昨日ヒアリングをさせていただいたときに、新たな治療薬の開発が順調に進んでいるようなお話でありました。その状況がどうなっているのか、また、それら承認がされるかどうかという今後の見通しについてお聞かせください。
#32
○政府参考人(池田一樹君) お答えをいたします。
 御指摘のように、従来、青森県で使われて、多用されていました特定の殺菌剤が効かない耐性菌が出現をしたということがございます。こういったことを受けまして、青森県は農薬メーカーと共同で試験を実施をしている新しい薬剤がございます。これにつきまして、委員から御質問ございましたので青森県にも伺ったところ、農薬メーカーにおいて申請に向けた最終段階だというふうに聞いております。
 そういうことでございますので、青森県からも早期登録の要望を既に受けております。登録申請がありますれば速やかに手続を進めてまいりたいと考えております。
#33
○田名部匡代君 是非よろしくお願いいたします。
 また、承認までもまだ少し時間を要するんだと思いますが、それまでの間、またこれ現場の要望ですが、全国で取り組んでいる効率的な落ち葉の処理方法であるとか、どの程度までそれを処理すればいいかなど、細かい事例や情報をしっかり共有をして十分な拡大防止に努めていきたいということでありましたので、これも、各自治体、青森県でも取り組んでもらっていると思うのですけれど、国としてもそこに責任を持って丁寧な情報提供に努めていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#34
○政府参考人(池田一樹君) お答えをいたします。
 黒星病の防除につきましては、まず、農林水産省といたしましても、防除対策がより省力的かつ効果的となるように、青森県さんを始めとするリンゴの生産県の方々と連携をして、落葉処理や薬剤散布の適切な実施方法の開発、あるいは効果の高い代替剤の選抜といったようなことに取り組んでございます。
 また、これもまた御指摘ございましたが、昨年十二月ですが、青森県を始めとするリンゴの生産県の関係者と対策会議を開催をいたしまして、例えば、落葉の収集機、これが効率的であるとか、耕うんによる落葉のすき込みが病原体の不活化に効果的であると、こういった本病の被害軽減に有効な知見、経験の共有を図らせていただきました。その結果を踏まえて、各県では、被害軽減に向けましてパンフレットを作成していただいたり、分かりやすい情報の周知に努めていただいていると承知してございます。
 今後とも、こういった取組で関係県と密接な連携を図りながら、防除対策の確実な実施に万全を期してまいりたいと考えております。
#35
○田名部匡代君 是非よろしくお願いします。
 それと、私も昨年現場に視察に行かせていただいたんですけれども、やはり気掛かりだったのは、放任園であるとか管理不行き届きのリンゴ園、リンゴ園というか、園地でありました。
 青森県では、これも市町村で対応マニュアルを策定したり、一斉点検なども計画していますし、また、その一斉点検を、調査をした後に所有者へ通告をする、そして、その回答がない場合は農地法や条例に基づいて緊急的に行政代執行を行うような仕組みも検討しているということなんです。
 こういうことを見ると、本当に県も他県とはまた違うこの黒星病に対する徹底的な体制をつくってくれているなということを思うわけですが、にしても、やはり管理不行き届きの園地の場合は、全く手を着けていない、誰も見る人がいない園地と違って、一定程度手は入れているわけですよ、不行き届きであり、十分じゃないということで。そういうところに対して対策が難しいという声もありますし、また、特に現場の若い人たちからは、所有者不明であるとか放任園に関しては早く木を切って焼却処理などをしてほしいけれど、人、金、時間も要するというような現場の苦労も聞こえてきました。
 これらの問題に対して、国としてはどのような対策、また支援が行われているのでしょうか。
#36
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 放任園地なり管理が十分されていないというところがまた黒星病の発生、拡大の原因にもなるというふうなこともございまして、先生今お話ございましたとおり、青森県、条例等も作って様々な対策を進めているというのを承知してございます。
 国の方でも、放任園地等の発生を防止するという観点から、改植事業等の活用に当たりまして、産地で維持すべき園地等を明確にする農地利用計画の策定を要件化することで、放任園地になる可能性が高い園地をほかの担い手の方に円滑に承継、集約していただくということを進めてございます。その際、農地バンクを活用する場合には、機構集積協力金の支援対象とすることによりまして、そういう連携も図ってございます。
 また、それに加えまして、省力樹形の導入ですとか加工原料用の生産への転換など、省力生産が可能な栽培体系の導入を支援し、園地の管理作業を軽減することも大事じゃないかというふうに考えてございます。
 今後とも、これらの対策を総合的に講ずることで、放任園地における本病の蔓延防止、また発生の未然防止を推進してまいりたいと存じます。
#37
○田名部匡代君 いろいろメニューを用意していただいているようですが、何せ、どの分野も同じ問題を抱えていると思いますけれども、人手が足りないわけでありますよね。担い手、規模拡大したいだとか意欲を持っている若い人の声も確かに聞こえてくるんです。ただ、一方で、担い手へ園地を任せたいという要望があっても、傾斜地であったり中山間地にある園地では、やはりなかなかその担い手のニーズに合わないだとか集積が難しいという状況もあり、これらがネックになっているという現状もございます。
 担い手の確保、労働力の確保というのは非常に重要な問題でありまして、この担い手確保に対して国としてはどういう方針で取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。
#38
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 まず、担い手、経営者という意味での担い手の確保、これにつきましては、新規就農の促進でありますとか、担い手の方が経営しやすいようなまとまった農地、果樹の場合は園地でございますけれども、を集積できるような農地バンクの取組、これを生産局の事業と一緒になった連携した取組、こういうものをまず進めていきたいというふうに考えております。
 労働力につきましては、これは果樹についてはやはり年間作業時間の半分が、例えばリンゴの場合には摘果、収穫、調製、出荷という形で集中してくるということもありますので、農作業ピーク時における労働力の確保、こういうことも必要だというふうに思っております。
 これについても従来から事業をやっておりまして、短期のアルバイトを地域が一体となって確保できるようなものについての支援事業というのを実施してきたところでございます。この取組につきまして、平成三十一年度からは、農業の新しい働き方確立支援事業というものを立ち上げまして、従来から行っている募集、マッチングの支援に加えまして、人材派遣会社や社会保険労務士などの専門家から助言を受けるための経費、こういうものも支援の対象に追加しながら推進してまいりたいというふうに考えてございます。
#39
○田名部匡代君 人手が足りないことで、農家からは、手が行き届かなくてリンゴが小玉になったなどという、そういう問題もありますし、今、新規就農者とおっしゃっていただきましたが、確かに親から子だけではもうなかなかリンゴの産地というか、守れないという状況にあって、もちろん今まで関わったことのない人にも意欲を持って入ってきてほしいなという希望はあるのですけれども、まあ現実的にはその一歩が踏み出せないというのはそのとおりだと思って、リンゴの場合、技術も必要ですし、苗木からリンゴ取れるまで、収穫までの期間というのは一定の年数を要するわけで、リンゴの木が育ったからといって、今申し上げたように、技術も磨かなければならないというような問題、畑を買ったり、機材を買ったり、苗木だとか、もう全て初期投資にもお金が掛かるわけですよね。ですから、そういう一定の期間を要することも含めて、若い人たち、新たに参入する人も含めて、支援を充実をさせていっていただきたいというふうに思います。
 労働力の確保で、これ私の地元青森県のまたことなのですが、そのマッチング、求職者と農家のマッチングの支援を国でも行っているということなのですけど、これが結構うまくいって期待が持てるというようなことが記事で載っていました。国で取り組んでいる支援事業がこうして効果を出しているものはいっぱいあると思うので、是非、うまくいっているものはますます推し進めていただきたいと思いますし、逆にもっと使い勝手がいいようにするにはどうしたらいいのか、現場の声も聞いていただきながら事業を進めていただきたいと、そのように思います。
 申し上げたように、これ、農林水産省が平成二十九年十月から十一月に実施をした若者農業者向けのアンケートでは、果樹農業者の経営課題の第一位は労働力不足、これは五三・六%。分野別で見ると、酪農に次いで高い割合となっています。果樹生産では、収穫作業等の作業ピーク時に多くの外部の労働力を必要とすることが多く、だからこそ労働力の確保が必要。今までだったら、家族で子供さんたちにも手伝ってもらったり、また、家にいるおじいちゃん、おばあちゃんに手伝ってもらったりということがあったと思うのですが、多くはもう高齢化をしていて、そしてお手伝いをしてくれるはずの子供さんたちは共働きでなかなか仕事を休めない、だから家族の手もなかなか頼りにならないという現状だと思いますので、是非、そのマッチングの事業を含めて、確保をしていっていただきたいと思います。
 先ほども伺いました、いろんな支援事業を準備しているんですけれども、読む資料が多いだとか手続に手間暇掛かるだとか、面倒くさいということがないようにできるだけ簡素化をしていただきたいと思いますし、まあ条件があれやこれやと付いて使い勝手が悪いということのないようにしていただきたいと思いますし、総合的に支援をしていきたいとおっしゃっていただきました。
 ファストフードのメニューのように、希望するこれとこれとこれが食べたいというものがセットになって見やすいと、ぽんと注文しやすいわけですよ。どういう支援が必要としていて、それはパッケージで、こういう支援が、農地を取得するにはこうですよ、苗木を改植するにはこうですよ、人を確保するにはこうですよという、あっちに行って聞かなきゃいけない、こっちに行ってまた手続しなきゃいけないみたいなことがないように、いろんな支援事業を使い勝手のいいものにしてお示しをしていっていただきたい、その工夫をしていただきたいと。これは要望ですので、答弁は結構です。
 生産活動、傾斜地での作業なども多くて、剪定など高度な技術を必要とする上、一年中手を掛けて出荷までしているわけであります。この労働力の負担の軽減、今申し上げた人手というだけではなくて、この労働力の負担軽減、短縮には、機械化に適した園地の整備、また矮化栽培の普及など、園地や改植整備というものが必要だと考えます。
 この省力化に対してどのような支援メニューがあるか、教えてください。
#40
○政府参考人(枝元真徹君) お答え申し上げます。
 リンゴを始め果樹農業につきましては、水田農業等と比較して労働集約的である、作業時間が長い、また先生おっしゃったように非常に高度な技能というようなものが必要になると、様々な面がございます。そういう中で、矮化樹形の導入ですとか基盤整備によって省力化を行って労働生産性を向上させていくということは極めて重要だというふうに思ってございます。
 このため、平成三十一年度当初予算におきましても、大幅な作業の効率化を可能といたします省力樹形の導入を行う場合には、改植事業の優先採択を行うなど支援内容を強化するとともに、省力樹形の導入には多くの苗木が必要になりますので、その苗木を安定的に確保するために苗木業者と農業生産者団体等が連携して行う苗木生産体制の構築を新たに支援するほか、樹園地の緩傾斜化、園内作業道の整備など、省力樹形の導入や作業効率の向上を図る基盤整備に取り組みやすくするように面積要件を緩和するなど、新しく対応も打っているところでございます。
 また、青森県を始めとする雪の多い地域におきましては、現在の省力樹形では融雪の際の枝折れ等の被害が発生する課題もございます。地域特性に応じて枝折れが生じにくい樹形の改良についても支援を行っているところでございます。
 これらの取組を通じまして、果樹農業における作業労働時間の短縮、省力化を推進してまいりたいと存じます。
#41
○田名部匡代君 それぞれの地域に適した支援、今枝折れの話もしていただきました。確かにそういう視点も大事ですし、あわせて、農家の皆さんからすると、いかにおいしいものを作るかということは大事でありますから、良質な食味のいい果樹生産に資する、それに適した支援というか情報を提供した上で、災害にも強い、枝折れもしにくい、更においしいということがセットでなければいけないというふうに思いますので、是非よろしくお願いします。
 今この省力化、いろいろ調べてみますと、今や果樹を機械で摘み取るところまで技術が進んでいると。指、三本の指で果実を摘み取る試作機をワシントン州でテストしようとしている。いや、普通に考えると、何かこれ、その三本の指で取る前はバキュームみたいなので吸い込んでいたんでしょうかね。リンゴに傷が付かないのかな、こんなことで、私が考えるに、果樹はなかなか機械化難しいだろうと思っていたところ、世の中というのはもうこういうところまで来ていたのかと驚くような状況であります。ますますこうした高度な技術の革新というものは進んでいくのかもしれませんし、まさに日本でも、そうしたスマート農業の推進に加速化実証プロジェクトなど多くの予算を付けて取り組んでいく、進めていくということだろうと思います。
 ただ、なかなかスマート農業といっても、自動走行の無人トラクターのイメージが私としては強くて、どうしても大規模で条件のいい地域に適したものは進むけれども、本当にまあ必要なというか、条件の悪いところこそこういうことが進めば効率よく作業ができるし、その土地も生かせるということだと思うのですけれども、そういうところまで行くにはどのぐらいの時間を要するのかな、一刻も早くそういう研究が進めばいいなという期待を持ちつつ、国としてはどういう方針でこれから進めていくおつもりなのか、そのことについてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#42
○国務大臣(吉川貴盛君) スマート農業の推進に向けた国の方針でありますけれども、まさに今、田名部議員が議論を今いたしております人手不足の解消ですとか、あるいは生産性の飛躍的な向上などの実現を図る上で、先端技術を活用したこのスマート農業には私は大きな可能性があると期待もいたしております。
 今、果樹や中山間地域等の条件不利地域の農業におきましても必要性がもちろんございますし、これまでも研究開発を進めてきたところでございまするけれども、既に導入可能な主な技術といたしましては、ドローンによる農薬散布技術ですとか、あるいは急傾斜地にも対応可能なリモコン式自動草刈り機等が実用化されているところでもございます。これからまた、農業者が導入しやすい価格の除草ロボットですとか、あるいはリンゴや梨等の自動収穫ロボット等、自動収穫に適した樹形の仕立て技術なども今研究も進んでおります。ドローンやセンサー等を活用したこの鳥獣被害対策技術などの開発も進めているところでございまして、ロボットですとか、AI、IoT等の先端技術を生産現場に導入をして、生産から出荷まで一貫した体系として実証する取組等も支援することといたしております。
 平成三十年度の第二次の補正予算及び今年度の平成三十一年度の予算におきましても所要の額を計上いたしておりまして、この取組において果樹や中山間地域への技術導入も支援をしていくことといたしておりまして、世界トップレベルのこのスマート農業の実現を目指してその社会実装も加速化をしていきたいなと、このように考えておりますので、また御支援もどうぞよろしくお願いをいたしたいと思います。
#43
○田名部匡代君 スマート農業で熟練した農業者の知識やノウハウをデータ化して活用するというような取組もしているわけですけど、それらを実施するに当たって、その情報通信基盤がしっかり整備されていなければならないというふうに思います。これらについてどういうふうにしていくのか。
 また、今後データ収集といったって、リンゴも、青森県一つ取っても津軽と南部では全く事情違いますから、そういう情報のデータについてこれからどんなふうに収集していくのか。また、そのベテラン農家の方の協力が不可欠であるわけですけれど、そのベテラン農家さんが自分の長年培ってこられたその経験を提供してくださるのかどうか、それをどんなふうに提供に向けてインセンティブを持たせていくのか。これらについて簡潔に御答弁願います。
#44
○政府参考人(室本隆司君) 今委員から御指摘のあったとおり、スマート農業を推進していくためには、特にその農村部におきましてその基盤となる情報ネットワーク環境等の整備が非常に大きな課題であるというふうな認識をしております。
 このため、私ども農水省では、スマート農業の社会実装に向けた環境整備の一環といたしまして、総務省が進める光ファイバーの整備と連携しながら無線局等を整備することで、農村部における光ファイバーと無線を組み合わせたスマート農業に適した情報ネットワーク環境が構築できるよう、今後三年程度掛けまして検討を進めていくこととしております。
 今委員おっしゃいましたそのデータの入手とか提供につきましても、この光ファイバーと連携したその無線局を整備する段階でどのように扱うかという辺りについて、しっかりその辺のことにも留意しながら検討していきたいと、このように考えております。
#45
○田名部匡代君 また、本格的に導入していくときに、規制緩和の面であるとか技術面、また安全性など、他省庁としっかり連携して取り組まなければならない課題も多いというふうに思います。今後、それらの課題に対してどのように対応していくんですか。
#46
○政府参考人(枝元真徹君) ドローン等のスマート農業技術を農業現場に導入していく上では、技術開発に加えまして利用に際しての安全確保に係る規制等との調整も必要になります。その意味で、他省庁との連携は非常に重要だと認識しています。
 例えば、ドローンの農業利用におきましては、航行の安全確保等に関しまして国土交通省等との連携が必要になります。このため、農林水産省では、国土交通省、総務省、経済産業省等と連携いたしまして農業用ドローンの飛行に関して現場で利用の支障になっている規制等を含めて、官民が意見交換を行う農業用ドローンの普及拡大に向けた官民協議会を今週の十八日に立ち上げたところでございます。
 また、圃場内を無人で自動走行するロボット農機が既に実用化されておりますけど、将来的には、自動走行による圃場間の移動など、スマート農業技術が更に発展するに従って、関係省庁と調整連携が必要な制度、規制も新たに生じ得るというふうに考えてございます。
 今後とも、各種制度、規制を運用する関係省庁と連携を密にし、先ほどの官民協議会の場も活用いたしまして、スマート農業の現場実装に取り組んでまいりたいと存じます。
#47
○田名部匡代君 先ほど小川委員からも御質問にありましたけれども、安全性の問題は非常に重要な問題で、進めたいからといって安全をおろそかにしてはならないですし、しっかりとこれから他省庁との連携の中で安全性ということも踏まえて、どういうその課題に取り組んでいくのかということを真剣に議論していっていただきたいというふうに思います。
 時間がなくなりました。最後に、女性活躍についてお伺いをしたいと思います。
 農業における女性活躍の推進ということで取り組んでいらっしゃるようですけれども、女性農業者を地域リーダーに育成するための研修などを目的とする女性が変える未来の農業推進事業、この予算、随分女性の活躍を推進しようと言いながら減少している、減らしちゃっているんですね。進めたいのか、なぜ減らしたのか、よくちょっと進めたいのか分からない。なぜこれ予算減ったんですか。
#48
○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおり、女性が変える未来の農業推進事業につきましては、三十一年度概算決定額七千九百万、本年度予算額九千六百万に比べまして一千七百万の減額となっております。これにつきましては、基本的に研修を受ける方の意見もお伺いしながら、その研修のやり方について効率化を図った結果だというふうに考えております。
 具体的に申しますと、リーダー研修の中で、例えば現地研修というのを二回やっていたんですけれども、そういう研修受けれる方が二回も違うところに行くということはなかなか日程的にも難しいというところもございまして、これを一回にした代わりに、現地で模範となるような女性の方々をむしろ東京とか大阪とか実際にこの研修を主にやるところに招いてそこでやるということになりましたので、その移動分が節約されたり、あるいはe―ラーニングというものを、昨年からいろんな座学的なものについてはe―ラーニングの教材を同時に作っておりまして、これをなるべく女性の方々、時間を確保するのがなかなか難しいので、今まで座学でやってきた部分の一部をこのe―ラーニングに代えると、こういうような効率化を図った結果でございます。
 予算額が減ったことが女性に対する農林省としての取組が後退したと取られないように、よく説明してまいりたいと考えております。
#49
○田名部匡代君 まだ言いたいことありますが、時間なので終わります。
#50
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 私は二問質問をさせていただいて、その後、佐々木さやか議員に譲りたいと思います。
 先ほどの予算の説明の中で、大臣からこのようにお話がありました。障害者の皆さんに農業で活躍していただくための農福連携や様々な事業等の取組を推進してまいりますというふうに御説明がございました。
 既に全国で農福連携が進み、多くの好事例が展開をされ取組が進められているということも事実でありますが、反面、現状はまだまだ厳しいというお声も伺っております。
 私の地元からもそのようなお声が届けられておりまして、その方は社会福祉法人の代表で、愛知県の知多半島で農福連携に熱心に取り組まれております。私も昨年、実際に訪問をしてまいりました。
 今日は、その方からお手紙をいただいておりまして、大変厳しい御指摘ではありますけれども、まさにこれから推進方策を検討していかれるということでございますので、あえてそのまま引用する形で一部御紹介をしたいと思います。
 その一つが、農福連携によって、農業者に雇われた障害者がひどく劣悪な条件で雇われて問題となる事件がありました。株式会社の農業への参入が進む中で、障害者が雇われることはいいことですが、ただ障害者が利用されているだけでしかない実態がある。また、農福連携対策として農山漁村振興交付金制度の活用を勧められたが、農業機械等の諸設備のための二分の一の自己資金は、多くの障害者を抱える福祉団体としてはとてもそんなお金が用意できないので諦めた、一般企業と異なる農福連携の対象となる福祉団体の実情を踏まえた制度を考えていただきたいと、一部ではありますけれども、そのような声を頂戴をしております。
 そこで、吉川農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
 これらの点については、必ずしも農林水産省だけで解決できない事項も多く含まれていると思います。しかしながら、こうした御意見にもしっかりと耳を傾けていただき、これは是非とも他の閣僚ともよく連携をし、また協力をして、内閣を挙げて農福連携に当たっていただきたいと思います。
 先般お伺いをいたしました所信表明の中でも、農福連携については、今後、農福連携を国民運動として強力に推進するための方策を検討というふうに打ち出していただいておりまして、大変力強く思っております。
 こうしたお声も踏まえつつ、今後どのように具体的に進められていくか、大臣の御所見を、また御決意を伺いたいと思います。
#51
○国務大臣(吉川貴盛君) 農福連携でありますけれども、これは農業側の労働力不足という課題解決のためのものではございませんでして、障害者の皆さんの農業分野での活躍を通じて、自信や生きがいを創出をして社会参画を促す取組であると認識もいたしております。農林水産省といたしましては、大切にこの農福連携を、育てていきたい政策の一つでもございます。
 現在、農福連携対策におきましては、福祉農園の整備といったハード対策、他の施設整備事業と同様に補助率二分の一で実施をしておりますが、障害者の農業技術習得に対する支援等のソフト対策でありますけれども、これもまた定額補助で実施もいたしております。
 ハード、ソフト一体となったこの支援で、障害者が働きやすくなる環境づくりを推進しているところでありますけれども、今後更にこの農福連携を推進するためには、農業側、福祉側の双方の意見を踏まえて、平成三十一年度の当初予算におきましては、農業者と福祉事業所とのマッチングを担うコーディネーターの人材育成に対する支援ですとか、さらに、農林水産省の研修所に障害者の方を雇用をいたしまして、農業法人や福祉施設のスタッフ等を対象としたこの農福連携の研修も実施をするための農業用ハウス等の整備も盛り込んでいるところでもございます。
 今委員からも御指摘をいただきましたので、この農福連携対策の補助事業者において、御指摘をいただいたような必要な条件で障害者が雇用されている実態が確認をできた、劣悪なですね、失礼しました、劣悪な条件で障害者が雇用されている実態が確認をできた場合においては、厚生労働省とも情報をしっかりと共有をしながら、これはやっぱり適切に対応していかなければならないなと思っております。
#52
○里見隆治君 是非、横の連携をよろしくお願いいたします。また、閣僚間だけではなくて、これは、連携というのは、大臣間というよりもむしろ現場での連携なくしては実際には動かないというふうに思います。大臣、そのことを改めてお願いいたします。
 また、大臣から今、労働力不足ではないという言及もございました。まさに、先ほどのお手紙で御紹介をさせていただいたとおり、障害者が利用されているだけでは仕方がないという、そういったお声もあります。どうか、農業者また障害者、それぞれの立場が生かされるウイン・ウインの形になるような事業展開をお願いしたいと思います。
 続きまして、収入保険制度についてお伺いをしたいと思います。
 一月から収入保険制度がスタートいたしました。自然災害や農産物の価格が低下した場合など、農家の収入を補う保険制度として期待をされております。先ほどの大臣の予算の御説明の中でも、収入保険制度の実施に必要な措置を講じてまいりますという御発言ございました。
 既に、実際の手続は始まっておりますけれども、現に始まってみますと、加入申請をしようという農家の方からは、まあ初年度ということもあると思うんですが、加入申請手続が煩雑であるとか保険金の支払をもっと早くできないのかというお声を頂戴しております。
 具体的に幾つかあるお声の一つを挙げますと、保険金の支払は確定申告後三か月後となっている、事前に有利に資金を借りる仕組みがあるが、条件が厳しく該当しにくい、すなわち収穫量が半分以下にならないと発動できない、この収穫量半分以下の条件を緩和できないものだろうかという点でございました。
 実際、収入保険制度は今スタートしたばかりでございます。これは実際、農林水産省で運用しながら、今後こうした条件の見直しということも柔軟に行っていくべきであろうというふうに考えますけれども、農林水産省の御見解をお伺いいたします。
#53
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 委員が事例として挙げられましたつなぎ融資でございますけれども、この制度の趣旨は、自然災害等による損害の発生時に当座の資金が必要となられる場合もあるでしょうということで、補填金の支払の前にそういう方に無利子で融資を行えるようにしているという制度でございます。この制度をなるべく迅速に貸付判断ができるようにという趣旨で、圃場単位で半分以上の損害、半分以上の数量減少が生じると見込まれる場合に行うということでスタートいたしております。
 もちろん、この一月から、先生御指摘のとおり、収入保険始まったばかりですので、どういうような利用者の方々が問題だと感じておられるところがあるのかということは、やはり常に、一月からも事業を執行しております共済組合の方が真摯に聞くようにしております。
 そういう今のような御指摘も含めまして、各種の貸付条件なり手続につきまして、この加入から補填金の支払までまず一回回してみましてこの事務処理の状況を検証した上で、必要に応じて改善を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#54
○里見隆治君 収入保険制度、スタートしたばかりですけれども、法律事項未満の様々な運用レベルでの措置が盛り込まれていると思います。是非今後、実施をしながら柔軟な御対応をお願いしたいと思います。
 私からは以上で終わります。ありがとうございました。
#55
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。
 私の方からは、まず豚コレラ対策について伺います。この問題については前回の委員会でも多くの先生方から議論がございましたけれども、私の方からも改めて伺いたいと思っております。
 私の地元の神奈川県内の養豚生産者の皆さんも、今回の豚コレラの拡大に危機感を持っていらっしゃいます。衛生管理基準に基づく防疫対応など、農場のセキュリティー管理に全力を尽くしていただいておりますけれども、いまだこの感染経路が特定できていないという状況の中で、生産者の皆さんは目に見えない脅威にさらされているという状況であります。仮に県内に感染が及んだ場合、都市の中で経営する養豚業の再建というのは極めて難しいと思います。再起不能というような壊滅的なダメージを受けてしまうことになるおそれが高いと思っております。
 今回の豚コレラについては既に対策も全力を挙げていただいていると思っておりますけれども、早急な感染経路の特定また今後の感染の拡大を絶対に防止をすると、食い止めると、この早期終息に向けた大臣の御決意を改めて伺いたいと思います。
#56
○国務大臣(吉川貴盛君) これまでの発生事例につきましては、拡大豚コレラ疫学調査チームの報告によりますと、豚への感染につながる要因として、まず衛生管理区域内に車両や人が立ち入る際の消毒、それからイノシシなどの野生生物の侵入対策が十分でなかった等が指摘をされております。
 こういったことを踏まえまして、農場における飼養衛生管理基準の遵守を徹底することが重要と考えておりまして、農林水産省におきましては、岐阜県内の三十三の全ての養豚場に対しまして、国が主導をして、県、養豚診療獣医師等から成るチームを編成をいたしまして、遵守状況の再確認及び改善指導も実施をしてきたところでございます。さらに、愛知県その他の全国の養豚場におきましても改善指導を現在も進めているところでもございます。
 また、野生イノシシによるウイルスの拡散防止を徹底するために、防護柵の設置ですとかわなを用いた捕獲のほかに、国が主導いたしまして野生イノシシ向け経口ワクチンを来週から散布することといたしております。
 今、極めて重要な局面を迎えていると認識をいたしておりますので、国が主導いたしまして、各府省、都道府県と一層緊密に連携をしながら対策にしっかり取り組んでいきたいと思います。
#57
○佐々木さやか君 ありがとうございます。
 今大臣からもお話がありました野生イノシシ対策、非常に重要だと思っております。豚コレラに感染したイノシシが確認された地域については経口ワクチンの散布を行うと、このようにも聞いております。それとともに、今もお話ございましたけれども、侵入防止策ですね、防護柵ですとかわなの設置、非常に重要なことだと思います。
 しかしながら、例えば神奈川県内、比較的規模の余り大きくない、そういう養豚の生産者の皆さんにつきましては、こういった設置に係る費用ですとか、こういったことも非常に負担も大きくなりますし、ここに対する助成というのが大変声が大きくなっております。神奈川県内でも、この野生イノシシの生息分布は拡大をしておりまして、個体数の削減、これも徹底強化をしなければならないと思っております。
 これらの野生イノシシ対策について取組の強化ということでお願いをしたいと思いますが、この点、改めて伺います。
#58
○政府参考人(小川良介君) お答え申し上げます。
 豚コレラの発生を予防するためには、ウイルスの農場への侵入防止が重要になります。このため、農場等における飼養衛生管理基準の遵守を徹底することが重要と考えております。これに加えまして、地域が一体となって野生動物の侵入を防止するため、養豚場周辺に防護柵やわなを設置などをする場合、消費・安全対策交付金や鳥獣被害防止対策交付金で支援をしているところでございます。
 このような支援や対策について、漏れがないようにしっかりと生産者の皆様に周知しながら、農場へのウイルスの侵入防止及び野生イノシシの個体数の削減を図ってまいりたいと考えております。
#59
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いをいたします。
 都市の中で行われております養豚業は、大きな消費地に近いという立地を生かすなどしながら、新鮮でおいしい豚肉を消費者に供給をしております。また、地元産の畜産物を食べたいという消費者の皆さんのニーズも高く、安定的な供給が求められています。それとともに、都市の中で行うということで、例えば子供たちへの食育のための出前授業ですとか、命、食を大切にする、そういう心を育てる教育の担い手でもあります。また、未利用資源を餌として利用し、堆肥を供給する資源循環ですね、こういった機能も担っているなどの様々な重要な役割がございます。
 しかしながら、年々、戸数、頭数共に減少をしておりまして、先ほど言ったような重要な役割を果たしていくためにも、都市型養豚業の活性化が大切だと思っております。
 都市の中で経営をしているという特性上、土地制約が大変厳しくて、規模を拡大するということは難しい。また、住宅街の中ですので、臭気対策等の環境対策、これも大変必須というところもあります。国内外の産地間競争が激化する中で、一定の施設規模の中で環境に配慮をしながらいかに生産性を高めていくかと、こういうことが課題だと思っております。
 大臣におかれましては、こうした都市型養豚業の役割や課題、そして活性化についてどのような御認識をお持ちか、御所見を伺いたいと思います。
#60
○国務大臣(吉川貴盛君) 今御指摘をいただきましたように、神奈川県等の都市部におきまして養豚を営むということは、土地の制約ですとか環境問題の対応が極めて難しい等の課題があると承知もいたしましておりますが、今、佐々木委員が言われましたように、一方で、食品残渣等の未利用資源を飼料として利用しやすいという利点もございますし、また、生産者が地元の学校を訪れて授業を行うなど、食育の取組も行われていることも承知をいたしております。
 私ども農林水産省といたしましては、この飼養規模の拡大が困難な都市部養豚の生産性向上にも資するように、まず家畜改良による種豚の能力向上、それからエコフィードの給与装置等の機械導入等を推進をするとともに、臭気等の環境対策を確実に行うためには脱臭施設や装置等の導入、さらに臭気の低減等に関わるより効果的な技術の開発、臭気対策等の優良事例の普及なども今推進もしているところでもございます。
 また、神奈川県におきましては、地方創生交付金を活用をして、県の畜産技術センターにドイツ製の新しい微生物の脱臭システムを採用して、豚舎に導入をしていると聞いてもおります。この都市の中で環境に配慮した効率的な生産体制を構築するための実証に取り組んでいるとも承知をいたしておりまして、当省としても、その導入に当たりましては技術的助言を行ったところでもありますけれども、引き続き、その成果も注目をしております。
 今後とも、都市近郊の養豚を含めて、地域に根差して発展ができるようにしっかりと支援もしてまいりたいと存じます。
#61
○佐々木さやか君 力強い御答弁いただきまして、ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。
 次に、水産と観光の両面による漁港の活性化について伺いたいと思います。
 漁港は、地域活性化という観点から見ますと重要な観光資源でもあるなと、こう思っております。水揚げや競りの様子を見に来たりとか、新鮮な海産物を味わっていただいたりと、観光客や地元の市民の皆さんを引き付ける魅力を多く持っています。
 私の地元の神奈川でも、漁港を開放して水産フェスティバルというものを開催したところ、年々来場者も増えて活性化につながっていると、こういう事例もございます。本当に、自分の住んでいるところでこういうものが捕れるのかとか、子供たちがノリの摘み取りの体験をしたりなんかして、こういった地元の漁業や港への理解を深めていただくいい機会になっていると感じております。また、神奈川県では、例えば横須賀、三浦、小田原といったところでも水産と観光の両面から港の整備を行いまして、直売所や食事のできる施設を造るなどの取組も行われております。
 こういった中で、漁港に多くの市民の皆さんが訪れることによって、水産業への理解の促進、また消費の拡大、こういったことに結び付いて、地域の水産業の振興にも非常に良いのではないかと思っております。
 水産庁として、是非この水産と観光の両面による漁港の活性化ということに取り組んでいただきたいと、こう思いますが、いかがでしょうか。
#62
○政府参考人(長谷成人君) 委員御指摘のとおり、漁港、漁業地域の活性化に当たりましては、基幹産業である水産業の振興と食や体験など魅力ある地域資源を活用した観光促進、この両面による取組は大変重要であると認識しております。
 このため、水産庁では、平成二十五年度より、地域が主体となって漁業所得の向上や地域の活性化を目指す行動計画である浜の活力再生プランを推進してきたところでございます。この各浜プランにおきましては、生産や流通の改善強化に向けた取組のほか、消費拡大や来訪者増大につながる水産物の直接販売、漁業体験や水産関連のイベントの開催なども積極的に実施されているところでございます。
 水産庁といたしましては、直販施設の整備など、浜プランにおける取組を支援するため、浜の活力再生・成長促進交付金として、平成三十一年度当初予算において約五十四億円を計上しているところでございます。また、地元水産物を扱う直販施設やレストランなど、地域資源を生かしたにぎわいの場として漁港の有効活用を推進しているところでございます。
 今後とも、漁業地域の活性化のため、浜プランを始めとした取組の推進を図ってまいりたいと考えております。
#63
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。また、現場の声も聞いていただいて、いろいろな使いやすい制度にしていただければと思います。
 最後にお聞きしますが、藻場の保全、再生について質問させていただきます。
 海藻類などが生えることで形成されます藻場、これは、例えばアワビ、サザエ、イセエビなど、いそ根資源の生息に欠かせないものでありますし、また、水産生物の産卵、稚魚の育成、そういったための場所としても非常に重要な役割を果たしております。
 しかし、近年、各地でこの藻場が失われておりまして、例えば、災害、台風などによる土砂の堆積ですとか、それから食害ですね、アイゴやガンガゼという食害が神奈川では非常に問題になっておりますけれども、こういった生物によって海藻が食い尽くされてしまうと、こうしたいそ焼けの発生が確認をされております。
 その対応として、こうした食害を起こす生物の駆除というものも根気強くやっていただいているわけでありますけれども、なかなか思うような再生というところに結び付いていない部分もございます。
 こういった藻場の保全、そして再生について、本当に地元の皆さんは困っていらっしゃいますので、水産庁として是非力を更に入れていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#64
○政府参考人(長谷成人君) 藻場は、水産生物の産卵場所や幼稚仔魚の隠れ家、餌場等として重要な役割を果たしておりますけれども、近年、海水温の上昇やウニなどの食害生物によるいそ焼けの進行等により藻場が減少しておりまして、水産資源に深刻な影響を及ぼしております。
 このため、水産庁では、いそ焼けの要因とその対策をまとめたガイドラインを策定いたしまして、その普及を図るとともに、水産基盤整備事業による海藻の着底基盤等の設置や水産多面的機能発揮対策事業による食害生物の除去など、ハード、ソフト両面からいそ焼け対策への支援を行っております。
 このような取組によりまして、例えばでございますけれども、大分県名護屋湾においては、平成十九年からの十年間で九十一ヘクタールの藻場が回復しているなどの例もございます。神奈川県沿岸におきましては、横須賀市や三浦市など四市六か所において、漁業者だけでなく、地域住民や地元企業も参加して行う母藻の設置や海藻を食べるウニや魚類の除去等の活動に対して支援しているところでございます。
 また、水産庁では、いそ焼けが著しい三浦半島西岸の久留和漁港地先において、平成三十年度から母藻からの種の拡散を考慮した藻場回復技術について実証を行うなど、技術開発にも積極的に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、地元、地域と連携しつつ、これらの取組を推進して、藻場の保全、回復に努めてまいりたいと考えております。
#65
○佐々木さやか君 新しい技術の開発等にも期待をしたいと思います。是非よろしくお願いします。
 以上で終わります。
#66
○儀間光男君 維希の儀間でございます。
 質問に入りますが、この委員会で泡盛の話ができる最初の質問だと思うんです。そういうことでお聞きいただきたいんですが、泡盛は、琉球泡盛で有名ですが、これ起源は、琉球王国時代から王府が管理して、原料も王府から提供されて、ずうっと時代を変遷しながら、米とアワを交ぜて造ったこともあるんですね。それから、ずうっと時代が流れてまいりまして、アジア各地で確保していた米が、大正の末期から昭和の初期にかけてタイ米が定着するんですね。タイ米で原料とするということで定着。この理由は、硬質米でさらさらとしておって作業が非常にしやすい、米こうじ発酵するときの、作るときに作業が非常にやりやすい、それからアルコール分が多く採取できるというような利点があって定着したようでありますが。
 昨日行われた沖北委員会で宮腰大臣は、この沖縄の泡盛の原料のタイ米を国内米に変えていきたいというような強い意思を持っておって、今どんどん沖縄でいろんな団体に会って指導して、この夏から、一期植えから、桃色十色じゃなしに夢十色、夢十色という品種を沖縄で植えていこうと、そして、これを泡盛の原料に変えていこうというような試みをずっと情熱を持って進めています。しかも、予算も農林水産予算から剥ぎ取って充てていて、これいろいろやってその成果が非常に期待されるんですが。
 ここで大臣、先方も大臣でしたから大臣のお答えをいただきたいんですが、こういうことで、桃色十色という品種の作付けを、宮腰大臣に言わせると、水田の使用でもって主食米をこれに変えていくというような情熱を持ってやっているんですが、農林水産省としてこれにいかにどうサポートしていくか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#67
○国務大臣(吉川貴盛君) 今、儀間委員から御指摘といいますか、お話をいただきました琉球泡盛のブランド価値を高めるために、今、地域、いわゆるテロワールに根差した原料米を調達することにより、その魅力を最大限PRしていくことが極めて私は重要な課題だとも考えております。
 このために、内閣府の沖縄総合事務局を中心にして、今お話をいただきましたように、沖縄県庁、JAおきなわ、沖縄県の酒造組合等がプロジェクトチームをつくりまして、現在、沖縄県内で泡盛の原料米生産に向けた検討が進められておると承知をいたしております。
 農林水産省もこれに積極的に今協力もいたしているところでございまして、具体的には、国際農林水産業研究センターでこれまでの試験栽培の結果ですとか、あるいは農研機構の研究者を通じて沖縄県や市町村に対して栽培等に関する技術的な助言を行っております。
 さらに、原料米の作付けに向けましても、水田活用の直接支払交付金を活用できることも情報提供もいたしているところでございまして、引き続き、琉球泡盛と沖縄県産の原料米を結び付けるこの琉球泡盛テロワールプロジェクトを積極的に応援をしていきたいと思っております。沖縄県における水田農業の活性化にもつなげていきたいとも考えております。
#68
○儀間光男君 御答弁ありがとうございました。是非そうしていただきたいんですが。
 ただ、問題は、沖縄県で主食米取れるのが実は二千四百トンちょぼちょぼ、前後ですね。で、このタイの泡盛原料用の米の輸入量は平均して一万四千トン前後を推移してずっと来ています。そうしますというと、沖縄の田んぼ全部夢十色に変えても二千四百しかございませんから、これ、国内他の県の皆さんにもこの夢十色を作付けしていただいて国内調達をするまで至らないというと、なかなか定着は難しい。あるいは、農業、沖縄の米産業、農業振興にもなかなか難しい面があるんではないかと、こういうような思いをしているんですが、この辺、どういう感じかをお答えいただきたいと思います。
#69
○政府参考人(天羽隆君) ただいま御質問いただきました琉球泡盛海外輸出プロジェクトについてでございます。
 この琉球泡盛海外輸出プロジェクトは、今お話がございましたとおり、従前タイ米を原料としていたところを国産米、国産長粒種をもって原料に変えるということを考えておるわけでございますが、私ども伺っているところでは、この琉球泡盛海外輸出プロジェクトの輸出目標、まずは二〇二〇年で七十キロリットル、二〇二二年で百キロリットルというふうに伺っており、それぞれ必要な作付面積は十七ヘクタールと二十四ヘクタールというふうに承知をしております。まずはこの面積でしっかり沖縄産の長粒種を作っていくということが大事だと考えております。
#70
○儀間光男君 ありがとうございます。
 私は沖縄の北部のちっちゃな離島の出身です。伊是名島というところです。ここで伊是名酒造というのがありますが、二年前に実はコシヒカリで試作して、二千本限定でやったんですね。やって、私も三本しか譲ってもらえなくて、一本は飲んで二本は置いてあるんですが、なかなかいい味して、会社から聞いてみますというと、やはりアルコール抽出分が少ないと、そういう意味で、そこがやっぱり課題だということを言うんですね。
 それから、タイ米入れているんですが、酒造会社が直接入れるんじゃなしに、国が商社を指定して商社経由で国から回ってくるんです。そこにはやっぱりコストがあったりいたしまして、なかなか、それを解消するには国産品に限るという、難しい面と期待する面、両面あるんですね。
 そういうことも含めて、これは是非ともやっていただきたいと、こう思うんですが、先ほど申し上げましたように、水田のフル活用をしても二千四百トンしかない。せめて、じゃ、主食米は他県の米を食べて、フル活動で二千四百トンぐらいは長粒種米作ろうかという、農家が決意するかどうかはよく分かりませんが、強い指導と支援が必要だと思いますから、どうぞ、大臣、ひとつ、おっしゃったように、指導と御支援をいただきたいと思います。
 それから次に、パラオ水域の話を少しやりたいんです、長官に。
 パラオから、二〇二〇年、日本漁船、これはもう一〇〇%沖縄の二十トンクラスのマグロ船です。二十杯ぐらいおるんですね。これが二〇〇〇年には全部排除されるというような状況下にあるわけであります。こうなると、なかなかこれ大変なことで、実は沖縄の全漁獲高、これは平成二十九年の数字確認したんですが、一万六十一トン揚げているんですね。そのうちパラオからのカツオが二千百二十八トン、おおむね二〇%あるんですね。これが排除されて漁獲しなくなるというと、沖縄の魚市場が非常に混乱する。沖縄の県民生活に相当影響が起きる。
 しかも、この人たちが帰ってきても、県内の漁場でやるにしても、日中漁業協定、日台協約、それ等々がありますし、さらに尖閣という優良漁場を中国のあの辺の、何というんですかな、漁獲を狙うんじゃなしに、漁業を狙うんじゃなしに、実効支配を狙っているというような、思ってもいいぐらいのたくさんの船団、大型船団で、中には武装している船団もおるというようなことから、とうとう向こうへ日本の漁民、沖縄の漁民、行けなくなったんですよ。漁場を放棄せざるを得なくなった。危なくてしようがない。こういうことで、日中漁業、日台協定、あるいは尖閣の状況から、だんだんだんだん、いわゆる漁民で言うと、おかの田畑と同じ、自分たちの職場がだんだん狭められてきている。これじゃ生活できぬから、補助金を出すからやめると言ってしまえばそれまでですが、そういう意味では文化が廃ってしまうというようなことですから、そうあってはならない。
 今交渉中だという返事は分かりますが、さきに大統領、お見えになりましたね、総理との首脳会談したわけです。そういうところで要請をしなかったのか、話題にしなかったのかどうか、示していただきたいと思います。
#71
○政府参考人(長谷成人君) ただいま委員から御紹介いただきましたけれども、パラオの二百海里水域は我が国カツオ・マグロ漁業にとって重要な漁場でございます。主に沖縄漁船が操業しております。
 二〇二〇年からこの水域での外国漁船の操業を禁止するパラオの国内法であるパラオ国家海洋保護区法が二〇一五年に制定されましたけれども、この法律の制定過程から、パラオ側に我が国漁船の入漁が継続できるよう要請してきておりまして、パラオ側も、制定即時禁止とせず、二〇一九年までの猶予期間を設けるなど一定の配慮を行ってきた経緯はございます。しかしながら、操業が禁止される二〇二〇年が迫っておりまして、沖縄の漁業者が強い不安を抱いていることは認識しております。
 このため、総理を含めたハイレベルから、二〇二〇年以降の我が国漁船の入漁が継続できるよう、パラオ側に累次にわたり要請を行っておりまして、本年に入ってからも、実は一月十六日には吉川農林水産大臣から、それから三月八日ですね、先日の大統領来日の際には総理からレメンゲサウ大統領に直接働きかけを行ったところでございまして、引き続き協議を行っていくということになりました。
 引き続き、二〇二〇年以降も我が国の漁船の操業が可能となるように、沖縄の漁業者とも相談しながら、ハイレベルの働きかけを含め力を尽くしてまいりたいというふうに思っております。
#72
○儀間光男君 平成二十七年度、二〇一五年度ですね、今おっしゃる国家海洋保護区域設置の法案が可決しまして、それが実施されるんですが、その年に参議院のODAの調査団がパラオへ行って、大統領と会っているんですね。そのお話を調査団が申入れしているんです。日本の沖縄県の漁船が操業しており、今後その影響が非常に懸念されると。したがって、ついては、日本漁船への配慮をお願いしたい。
 それで、大統領はこう言っているんですよ。EEZの八〇%が保護区、残り二〇%が漁業区ですが、ここで取れる水産物や海産物は全てパラオに揚げることが条件。沖縄から行っているのは高い入漁料を払って、しかも最近は入札で入漁料がどんどん引き上げているような状況です。そんな中で、大統領、こう言っているんですよ。漁業が引き続き可能な二〇%部分についても、日本との友情に鑑み、国内的な手続を踏んだ上で、日本漁船が操業を続けられるようしていきたいということを平成二十七年度に参議院のODAの調査団の人に答えているんですね。だのに、まだ何かうまくいかないなんていうのは、これ、調査団だましになるのかな、どんなんなんでしょうね。
 もう二〇年といったら目の前ですよ。その辺、もう一度きちっとしたお答えいただけませんか。大統領、明言しているんです。
#73
○政府参考人(長谷成人君) まさに今、協議しておりますが、沖縄の漁業者の事情というのはもう十分お聞きして、それをパラオ側にも伝えて、先日もですね、伝えているところでございます。その結果として、引き続き協議ということになっております。何とか、何とか沖縄の漁業者の操業が可能となるように、二〇二〇年以降も可能となるように、これからも最大限努力してまいります。
#74
○儀間光男君 是非頑張っていただきたいと思います。
 この前の八日の首脳会談で、このこともあってなのか、中国に対する思惑があって言ったのか、ODAとは別に補助金もまた継続して出すと、支援金を、援助金を出すというようなことも、金額も添えてありましたから、どうぞ出しっ放しじゃなしに取るものは取っていただきたい、こういうことを期待しておきたいと思います。
 さて次に、この前の委員会でも、世界の趨勢は資源管理のために養殖業が五割であると、日本はそのうち二割だ、少ないじゃないかというようなお話申し上げたんですが、昨日の地元沖縄タイムスの報道によると、沖縄で、スジアラ、アカジンという、これ高級魚ですよ、赤い魚、キンキに似たような色して、あれよりは大きいんですが、それが養殖成功したんですね、御承知のとおりです。
 このアカジンについては、もう既に何回か国の研究機構から稚魚を得て、養殖を、沖縄の栽培センターで、本部にあるんですが、そこで養殖をして、何回か市場出してあるんですよ。その結果、鮮魚で一キロ当たり二千百円という高価が付いた。特に、赤坂、銀座辺りの中国料理屋で試食されたら抜群な評価があったというようなことで、非常に有望な養殖の魚になるわけですが、これと、これはスジハタというんですが、これはアマダイ、クロマチ、アカマチとあるんですが、アマダイのことをアカマチって、赤いアマダイはアカマチって言っているんですね。それからもう一つ、シロクラベラ、マクブと沖縄で言うんですが、私どもはこれはタイの一種だという、つまりブダイといってタイの一種だと思ったら、学名を調べたらベラの一種になっているんですね。それも高級魚なんです。
 この三大高級魚が沖縄にあって、これがそれぞれ養殖、このアカジンを成功させることに、養殖可能になったと。今後は、国の機構としては、種苗提供もやるんですが、技術を民間に移すところに主眼を置いてやっていきたいと、こういうことになっているんです。その辺、ちょっと答弁いただきたいと思います。
#75
○政府参考人(長谷成人君) 先生からは先日も養殖業の振興についてのお話を伺ったわけでありますけれども、その中でも、日本は世界と比べると、世界は半分ぐらいが養殖なんですけれども、日本は二割程度と少ないというようなお話ありましたが、実は沖縄はモズク養殖が非常に盛んでありまして、生産量でいきますと今でも養殖が半分を占めるという、そういう意味では、数字の上では沖縄は世界標準に近いというような状況であるんですけれども、それに加えて、新たに魚類養殖の話でございます。
 スジアラ、沖縄ではアカジンとかアカジンミーバイと言うそうでございますけれども、この陸上養殖技術につきましては、種苗生産技術を確立いたしました国立研究開発法人水産研究・教育機構、ここの西海区水産研究所亜熱帯研究センターというのがございますけれども、ここから石垣市が稚魚の提供や養殖技術の指導を受けて、二〇一三年から陸上での養殖試験を開始いたしまして、二年間で出荷可能な大きさまで成長させることに成功したところでございまして、その後、二〇一六年にはこのセンターが世界で初めて完全養殖に成功したということでございます。
 このスジアラ、赤い魚でございまして、中国では日本のタイのように、マダイのようにお祝いの席に使われるということだそうでありまして、東アジアや東南アジアを中心とする中華圏において市場拡大が見込まれております。
 今後、スジアラの陸上養殖は資源に優しい新たな養殖産業の創出につながる可能性があると期待しているところでございます。このため、スジアラにつきましては、平成三十一年度当初予算において、種苗の優良系統の作出ですとか高効率餌料の技術開発等に取り組むために必要な予算を計上しているところでございます。
 今後、さきの臨時会で成立した改正漁業法の適切な運用に加えまして、今申し上げましたような技術開発等々総合的に実施いたしまして、民間への技術移転に取り組むこと等によりまして、スジアラの陸上養殖も含めて、養殖業の振興を総合的に図っていきたいというふうに思っております。
#76
○儀間光男君 ありがとうございます。
 これの非常に特徴、いいのは、海の海洋生物をおかで栽培できるというところに非常に意味があるわけですね。これは海ブドウがそうだし、クルマエビがそう。モズクは海面でしかできない。ところが、これはおかでできる。ここが何とも言えない妙味なんです。味も妙味ですが、この技術が妙味なんですね。
 それで、出荷サイズが大体五百グラムでいくんですが、国の機構の研究の結果、大体二年ぐらい掛かる、出荷にね。稚魚が、二年ぐらい掛かるのが、国の技術、水温が二十七、八度、終年それを保つことによって一年半で出荷ができる、更に縮めることができる、量産もできるというような状況にありますから、ここの研究費用なんかもったいぶっちゃ駄目ですよ。ややもすると減らそうという努力が見えますから、それは減らしちゃ駄目ですよと言いたいんです。これは、沖縄の海域だけじゃなしに、日本全国の海域で、おかで海産物を取れるような研究をやったらいいんですよ。今から、海にしか頼れない海洋国日本、世界一になりましょうよ。そういうことで是非お願いしたいと思いますが。
 あと一つ、ウナギ、ウナギ。国の、石垣にあるんですが、研究機構で、ウナギも稚魚以前から、卵の状態からふ化させて、シラスさして、太さして成鰻へという段階で、成功の状況にある。僕はこれ二年前に行って確認した、タイ米のかめと一緒に確認して、二か年間行っていないんですが、現在、このウナギの動き、どうなっているんですか。くねくねですか。
#77
○政府参考人(長谷成人君) ウナギ養殖の種苗は、全量が天然シラスウナギに頼っていることから供給が不安定な状況ということで、この人工種苗の量産化がもう大きな課題となっております。
 平成二十二年にその水産総合研究センターが、現在、水産研究・教育機構と言っておりますが、ここが世界で初めて完全養殖に成功して以降、水産庁委託事業におきまして、この水産研究・教育機構を中心に産学官の連携によりまして人工種苗の量産化に向けた研究開発に取り組んでおりまして、その一翼を担う石垣島にある水産研究・教育機構西海区水産研究所八重山庁舎においても、ウナギ仔魚の成長や生残に最適な飼育環境を明らかにするための試験を実施しているところでございます。
 それで、これまでの研究開発によりまして、大型水槽でのシラスウナギの生産や一度に百万粒以上の受精卵を生産できるようになるなどの成果が得られている一方で、現在の技術レベルでは、天然に比べて、シラスウナギに変態するまでの時間が掛かる、奇形が発生する、飼育尾数を増やすために設備を大きくすると生残率が下がるとともに不安定となる、またコストが高いなどの課題がありまして、新たな餌の開発並びに飼育設備や給餌システム、餌を与えるシステムの改良などについて引き続き研究開発に取り組んでいるところでございます。
 三十一年度概算決定においては、ウナギ種苗の商業化に向けた大量生産システムの実証事業として、本年度よりも新たな飼料開発の強化をするなどによりまして、事業内容、予算額共に拡充いたしまして、三億七千万円を計上しているところでございます。
 今後とも、ウナギ種苗の量産化の早期実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
#78
○委員長(堂故茂君) 儀間光男君、時間が参っておりますので、おまとめください。
#79
○儀間光男君 はい。
 この農林水産というのは、私たち人類の夢、ロマンを将来に運ぶところなんですよ、農林省ね。そういう意味で、しっかりとひとつ、研究も怠らずやっていただくことをお願いして、終わります。ありがとうございました。
#80
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日はちょっと消費税の質問をいたします。
 最初に、消費税が八%から一〇%へと増税になります。それについてお聞きします。
 総務省の家計調査によりますと、二人以上の世帯の実質消費支出は、第二次安倍政権発足後の、直後の二〇一三年、平均三百六十四万円から直近一年間の平均で三百三十九万円ということで、二十五万円減りました。消費支出が増えないということは、これは生産者にとっても喜べることではありません。
 このような状況で消費税を増税することがいいのかということについて、まず大臣に御見解を伺います。
#81
○国務大臣(吉川貴盛君) 消費税率の引上げにつきましては、法律で定められたとおり十月に現行の八%から一〇%に引き上げられる予定であると承知をいたしております。
 農林水産省といたしましては、この消費税率の引上げに伴いまして、低所得者の負担を軽減するための飲食料品等を対象に実施される軽減税率制度や政府全体で措置されている各種関連対策につきまして、財務省、中小企業庁等の関係省庁や業界団体とも連携をいたしまして、農林水産関係事業者に丁寧に説明をしながら、その理解や準備も促してまいりたいと存じます。
#82
○紙智子君 それで、具体的に聞いていきたいと思います。
 まず、農業者の消費税の課税状況ということについてです。まず、農業者数は何人いて、そのうち免税事業者、それから簡易課税事業者、課税業者は何人でしょうか。
#83
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 二〇一五年の農林業センサスによりますと、農業者数という御質問ですが、農業経営体数は百三十八万経営体でございます。
 このうち、農産物の販売金額が一千万円未満の経営体、これはほとんどが免税事業者ですけれども、ただし、その中でも課税事業者選択することは可能ですので、正確には一緒ではございませんが、ほとんど免税事業者が、これが一千万未満の方が百二十五万経営体、それから、逆に言いますと、農産物販売金額が一千万円以上は全体で十二万七千経営体、これがほぼ課税事業者の数に相当いたします。そのうち、農産物の販売金額が一千万円以上五千万円未満、この方のほとんどが簡易課税事業者に相当いたすと思っておりますけれども、これが十一万経営体となっております。
#84
○紙智子君 農業の場合、この免税事業者が百二十五万人で、これ全体の九一%なんですよね。ほとんどが家族経営だと思いますけれども、消費税の増税が生産者にどういう影響があるのかということをお聞きしたいと思うんです。
 それで、まず財務省にお聞きします。消費税の事業者免税点制度があります。これ、なぜこういう制度をつくっているんでしょうか。
#85
○政府参考人(小野平八郎君) お答え申し上げます。
 事業者免税点制度についてのお尋ねでございます。
 消費税の事業者免税点制度につきましては、前々年又は前々事業年度の課税売上高が一千万円以下の小規模な事業者につきまして、消費税の納税義務を免除する制度でございます。これは、制度の公平性や透明性を著しく損なわない範囲内で、中小事業者の事務負担に配慮し、実務の簡素化のために設けた特例措置でございます。
#86
○紙智子君 つまり、課税売上高で一千万円以下の事業者はこの消費税納税を免除すると、それは小規模事業者の事務負担を軽減すると、そういう制度ということです。
 今年十月から消費税が八%から一〇%に引き上げられると。八%を適用する品目、軽減税率ですね、それと一〇%を適用する品目、標準税率に分かれますので、これ複雑になってまいります。
 そこで、免税事業者のケースについてお聞きします。生産者は、種子や肥料やこん包材、燃料などの仕入れには一〇%の消費税が課税されますけれども、食料品や米や野菜、食肉などですね、飲食料品に出荷するときには八%ということになります。生産者は自分で価格を決めることが困難です。免税事業者のケースですけれども、仕入れで消費税が二%上がりますけれども、その費用を価格には転嫁できないと。そうなると、農家の手取りが減少するんじゃないでしょうか。これ、大臣、いかがですか。
#87
○国務大臣(吉川貴盛君) 免税事業者でありましても、仕入れやこの諸経費の支払において消費税を負担をいたしております。この分は転嫁する必要があると存じますが、取引先が免税事業者であることを理由に消費税の転嫁を拒む場合は、消費税転嫁対策特別措置法の転嫁拒否、いわゆる買いたたきに該当することになります。このような場合におきましては、内閣府や農林水産省の転嫁等相談窓口に通報をいただけますれば、消費税転嫁対策特別措置法に基づきまして、消費税の転嫁を拒む事業者に対して調査、指導等を行い、改善を求めることになろうかと思います。
 いずれにいたしましても、必要な消費税の転嫁が円滑にできますように十分配慮をしてまいりたいと存じます。
#88
○紙智子君 免税業者も、ですから負担はしなければならないということになっているわけですけれども、それで、仕入れの税額が二%上がると、価格に転嫁できないから、その分は農業者の取り分は減少すると。
 それで、消費税の一〇%に上がることに伴ってインボイス制度が導入されるわけですけれども、財務省にお聞きしますけれども、このインボイス制度について説明をお願いします。
#89
○政府参考人(小野平八郎君) お答えいたします。
 インボイス制度につきましては、売手が買手に対し正確な適用税率や税額を伝える仕組みといたしまして導入するものでございます。課税事業者であります売手は、買手の求めに応じまして適格請求書、これがいわゆるインボイスでございますけれども、適格請求書の交付が義務付けられます。その上で、インボイスの保存というものが買手の方の仕入れ税額控除の要件となるという制度でございます。
 この制度は、欧州諸国も含め、諸外国の付加価値税制度の中で幅広く採用されているものでございます。複数税率が導入されますと、その下で、例えば売手が軽減税率で申告し、買手は標準税率で仕入れ税額控除をするといったような食い違いを防ぐことがこの制度によってできるのではないかと考えております。
#90
○紙智子君 なかなか聞いていても分かりづらいというふうに思うんですけれども、要するに、今、仕入れるときも出荷するときも今は税率は一本で八%ということなんですけれども、それが複数税率になると、出荷するときに八%なのか一〇%なのかと、こういうどちらの税率で売り渡したのか分からなくなってしまうと。だから、八%で売ったのか一〇%で売ったのかということを明確にするということでこういうインボイスなんだと思うんですね。
 それで、生産者は、出荷先や取引先がこの仕入れ税額控除を使いたいと、で、生産者にインボイスの発行を求めてきた場合どうするのかというふうに聞きますと、農水省は、それは経営者の判断だ、課税事業者になることもできるんだと、経過措置もあるんだというふうに言っております。しかし、現実的に、この免税事業者の生産者が出荷先、取引先から仕入れ税額控除ができないので取引を断られるというケースもこれ生まれるんじゃないんでしょうか、いかがですか。
#91
○政府参考人(大澤誠君) お答えいたします。
 まず、免税事業者である農業者が農産物を販売するルート、いろんな場合がございますので、それぞれに分けて御説明をしたいと思います。
 まず、農業者が消費者に直接農産物を販売する場合、これはもう最終消費者でございますので、それを消費者の方がまた売るとかいうことは考えないから消費者でございますので、そもそも仕入れ税額控除の問題が生じないということでございまして、この点につきましてはインボイス制度導入後も条件が変わるものではないというふうに考えてございます。
 それから次に、免税事業者である農業者が農協や卸売市場に委託して農産物を販売する場合、これは非常に多いと思いますけれども、これにつきましては、農協等の発行する請求書で仕入れ税額控除ができるという特例が措置されております。そういうことでありますので、これが多くの場合だと思いますが、これもインボイス制度導入後の条件は変わらないものと考えてございます。
 次に、免税事業者である農業者が農協などに委託しないで農産物を事業者に販売する場合、こういう場合でございますが、この場合につきましては、むしろ質や鮮度に着目した取引なので直接販売をするということになると思います。ですので、ここについては仕入れ税額控除の、インボイス導入後に条件は変わりますけれども、仕入れ税額控除ができるか否かという観点のみで取引が行われたり行われなかったりするというよりも、その鮮度それから質、こういうものに着目している場合が多いと思います。
 先ほど先生からも御指摘ございましたけれども、インボイス導入は二〇二三年の十月からでございますし、その後、三年間はこの仕入れの、免税事業者の仕入れの八〇%について仕入れ控除が可能でありますし、その後三年間はまた、ちょっと比率は減りますけどまだ可能だということで、十分な経過措置期間が設けられております。
 この十年間、ほぼ全体で十年間、今から数えると十年間でございますけれども、この十年間の中に、今お話ししたような利害得失いろいろ考えながら、免税事業者の方々が免税事業者のままでいるのか、それとも、一千万円未満であっても課税事業者に転換することは可能ですので課税事業者になるのか、それぞれの販売の仕方の形態を考えながら考えていただくということになると思っております。
#92
○紙智子君 要するに、取引断られるようなケースというのは全く出ないというふうにお考えなんですか。
#93
○政府参考人(大澤誠君) 個々の取引の場合でございますので、我々が、何というんですか、全くとかそういうことを言うというのは適当ではないと考えておりますけれども、今るる御説明しましたように、まず、そもそも大部分の場合は農協、卸売市場に関する特例がございますし、それから、実際上、直接委託しないで販売する場合も、現在においては、要するに、高く買い取りたい、安定的な取引先を見付けて、通常、そういう農協を通して委託販売をする場合よりも高く売りたいと、こういう合意が成り立ったときにできるものでございますので、消費税額控除ができるか否かという観点のみで取引が行われていることはないのではないかと。
 そういう意味で、いろいろな場合に対応した措置は行われているというふうに考えております。
#94
○紙智子君 その想定ではいろいろ言われるんだけど、これ、いや、本当にそうなんですかと、私、逆に聞きたいんですよね。もちろん、その質の問題だとかそういうところに着目しているから、そういう場合はないんじゃないかということもあるかもしれないけど、そうじゃない場合だってあるんじゃないですか。可能性全くないと言えるんですか。
#95
○政府参考人(大澤誠君) 先ほども御答弁いたしましたとおり、個々の経済実態の話でございますので、可能性が全くないということは私は申し上げませんけれども、大部分の場合である農協に委託するような場合については既に措置がされておりますし、直接販売する場合であっても、それについては価格の決め方の中で対応できる場合もあると。また、加えて、この十分な経過期間の中で、今免税事業者の方がこちらの方がいいということであれば課税事業者になる道も残されているということでございます。
#96
○紙智子君 みんながみんな農協を通すとは限らなかったり、それから課税業者に選択するかもしれないというのは、しない人だっているかもしれないじゃないですか。
 だから、可能性ないとは言えないんですよ。やっぱり懸念は残っていると思うんですよね。その時間があるんだからその中で考えるだろうと言うんだけれども、やっぱり、それはそれぞれの考えですから、ないということは言い切れないんだと思いますよ。
 それで、取引からもし排除されるという事態になった場合は、これは生産活動を続けられなくなるということにもなりかねないわけで、これは経営意欲をそぎかねないことも出てくるというように思います。
 それで、ちょっと次に行きたいんですけれども、農産物の直売所について聞きたいんですね。
 それで、一つは、全国の農産物の直売所の数、どれだけ売上げを上げているのかという売上額、説明してほしいということが一つ、もう一つは、生産者はなぜ直売所を活用するのかということ、それから三つ目に、農産物の直売所というのはこれ生産者が自分で価格を決められるんじゃないのかという三点、ちょっとお答えください。
#97
○政府参考人(新井ゆたか君) 農産物直売所についてのお尋ねでございます。
 まず、数、売上げについてお答えしたいと思っております。直近の調査によりますと、農林水産物の直売所は全国で二万三千四百四十事業体、年間総販売額は一兆三百二十四万円でございます。これを、直売所一事業体当たりの年間販売額を計算いたしますと、四千四百五万円ということでございます。趨勢といたしましては、事業体数は横ばいでございますが、販売額は増加傾向にあるということでございます。
 直売所のメリットでございます。直売所は近隣にあるということでございますので、小規模あるいは高齢の生産者が出荷可能であるということ、それから、かつ販売価格を生産者が決められる場合が多いということでございまして、生産者の所得向上につながっている。
 それから、もう一つ重要なことは、出荷した農林水産物の販売状況が分かるということで、生産の意欲の向上にもつながっているというふうに認識をしているところでございます。
#98
○紙智子君 生産者は、市場に出せば自分で値が決められない部分が多いという話がありました。直売所は自分で値が決められるわけで、所得が増えていくということがメリットとしてあると。消費者の反応を知ることもできるというのも、これメリットなんだと思うんですね。それで、だから直売所がずっとこの間増えてきたんだと思うんです。
 それで、生産者が免税事業者の場合、インボイスを発行できないわけですけれども、これ、農産物直売所に食材を買いに来た事業者がインボイスを求めたときに、誰が発行するのですか。
#99
○政府参考人(大澤誠君) 農産物直売所の主なユーザーは消費者だと思っておりますけれども、例えば、レストランなどの事業者が、新鮮で高品質な農産物を求めて直売所に行って、直売所で買手となっていう場合はあると思っております。数は多くはないと思いますけれども、あると思います。その場合にインボイスの交付を求めたらどうなるのかというのが先生の御質問だと理解しておりますけれども、これも二つの場合があります。
 まず、売手である生産者が課税事業者の場合には、これは二つの方法があります。一つは、農協など直売所を運営する事業者が売手である生産者に代わって、これ代理交付という形でインボイスを交付する、これはできます。それから、農協などの名前、登録番号でインボイスを交付するという制度も認めておりまして、これはいわゆる媒介者交付特例ということでございます。
 こういう二つの方法によりまして、直売所において、取引の実態を踏まえて対応を検討していくものと考えております。
 次に、売手である生産者がこれ免税事業者の場合でございます。このときには、先生の御指摘のとおり、インボイスを交付することはできません。
 その場合、買手である事業者は、やはり仕入れ、先ほどお話ししたとおり、レストラン等で、新鮮である、高品質であるというものを売りとして、それに魅力を感じて直売所で買うということだと思っておりますので、必ずしも仕入れ税額控除を行うことができるか否かという点だけではなくて、農産物の質や鮮度などを考慮して購入するかどうかを決めていくということになります。その際に、適切な値決めの中で考えていくということだと思っております。
#100
○紙智子君 免税事業者はインボイスを発行できないということなんですよね。それで、食材を買いに来た事業者がインボイスの発行を求めてきたらどうするのかというと、その業者との取引ができない場合も出てくるかもしれないと。で、課税業者に選択すればいいんだという話があるんだけれども、そういう道もあるかもしれないと。そういうことを結局生産者に対して迫ることになるんだと思うんですね、どちらかを選びなさいと。
 それで、課税業者になることを迫ると、これ税負担が発生しますよね。で、所得を向上できるという直売所のメリットにこれ反することになるんじゃないかと、免税点制度の役割も損なわれることになるわけです。農産物の直売所の運営がこれ混乱することになるんじゃないのかと、免税事業者にとってのメリットが損なわれることになるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
#101
○政府参考人(大澤誠君) 我々、この制度を円滑に導入するために、農業団体、JA等の関係団体も含めまして丁寧な説明に現在努めているところでございます。
 先生の御指摘の、直売所でむしろ、の販売促進が行われなくなるんじゃないかと、レストラン等が直売所で買う場合ということだと思いますけれども、その場合に、やはり、私が申し上げたとおり、最終的には適切な値決めをするということによって全ての問題を解決するということが一番だと思っておりますので、直売所の開設者でありますJA等も含めて、ケース・バイ・ケースでいろんなことを考えて、考慮点などを適切に指導してまいりたいというふうに考えてございます。
#102
○紙智子君 免税事業者は農産物の販売金額が一千万以下なわけですよね。それで、免税事業者に課税業者になれというふうに迫ると、これ直売所のメリットが損なわれることになると、まあ値決めという話もありましたけれども。事業者サイドでいえば、仕入れ額の税額控除を取るか、それとも自分が負担するというか身を削るのかという判断をすることになるわけですよね。それはそうですよね。
 それで、例えば私の知っている人で、こだわりの食材を使っている和食、フレンチ、焼き肉店などの飲食店についてお聞きするんですけれども、被災したところで、被災地で農業を再建して、評判のミニトマトを作っていると、そういう免税業者、家族農業ですけれどもいます。知り合いの飲食店がそのトマトがすごく気に入って、非常に甘くて安心できるということで食材に使っていると。ところが、生産者は免税事業者なので、インボイスが発行できないと。飲食店は仕入れ税額の控除を受けることはできないわけです。
 こういうケースの場合は、結局飲食店は、質がいいトマトだから契約は切りたくないという場合は、やっぱり自分がその身銭を切るということになるんじゃないんですか。
#103
○政府参考人(大澤誠君) 先ほどから申し上げていますとおり、最終的には適切な値決めの中で決まっていくということの中にも先生の御指摘したようなものは入ってくると思います。それは、その場合には、その決断を決める際にいろいろな要素がございまして、例えばその飲食店でありますと、飲食店に占める野菜なら野菜のその評判というのが自分にとってはどの程度であるか、それからそのコストがどの程度あるか、そういうものを総合的に判断して決めるものではないかというふうに考えております。
#104
○紙智子君 免税業者との取引をやめるか身銭を切るかということを迫ることになるというのが、果たして本当に生産者や飲食店のためになるのかというふうに思うんですね。
 実は、ちょっとこの後、農協についても聞こうと思ったんですけれども、ちょっと時間が来ましたので、一つに絞って聞きますけれども。
 今、生産者の九割が免税業者なんだけれども、農協に出す場合にはインボイスを導入しても影響はないと言っているんだけれども、農協が農産物を買い取る場合にはどうなるかというと、農林水産省としては、今、農協改革の一環として、農家の所得を一円でも二円でも上げるために、この農協に対しては農産物を買い取るように求めているんですよね。そうすると売手と買手を特定することができるということで、これ免税業者に課税業者になるように求めることになるんじゃないのかと。
 これ、農協改革ということなので大臣にお聞きするんですけれども、そうなんですか。
#105
○国務大臣(吉川貴盛君) 農協改革におきまして進めている買取り販売は、農協が自ら価格交渉等を行いまして有利な条件で農産物を安定的に販売できる販路を確保した上で、委託販売より有利な価格で農業者から買取りを行うことを目的としているものでございます。
 インボイス制度における農協特例でありますけれども、一般的に農協はどの農業者が生産したものか区別することなく農産物をまとめて販売しているため、農業者は自ら生産した農産物の買手を見付けてインボイスを発行することはできないということだと思います。
 流通プロセスの課題を解消する目的で設けられたものでございまして、農業者にとっての有利販売を目的とする農協改革とはそもそも目的が異なるのではないかと承知をいたしております。
#106
○紙智子君 要するに、先ほどから農協を通せばという話が出て、特例があるんだと。つまり、無条件委託方式、共同計算方式を行っているということで、これが仕入れ額の控除ができる特例というふうになっているわけだけれども、実際に今農協改革で進めているのは、買い取れと言っているわけで、買い取るということになったら、相手が分かるわけだから、そうするとこの控除の対象からは外れることになるんだと思うんですよね。そうじゃないですか。
#107
○政府参考人(大澤誠君) 御指摘のとおりでございます。
#108
○紙智子君 そうすると、やはり事業者のその免税点の制度という、まあ元々小規模な事業者への事務負担への配慮ということで、課税業者になることを求めることになれば、この制度の趣旨に反することになるわけですよ。
 結局、誰が相手先か分かるかということになったら特例は適用できないことになるわけで、そうすると、その場合は、やっぱり農水省が農協に農産物を買い取れと言っているわけなんだけれども、そういうことになったら、結局、農協を通しても特例が使えないということになるわけですよね。
 それで、やっぱりこういう制度そのものがやっぱり生産する側にとっても非常に困ることになるんじゃないかと。特に、免税業者について言えば、仕入れの税額が二%上がると価格に転嫁できないから、その分農業者の取り分は減少すると。一方で、課税業者になる道を選択しなければいけないということになったら、これ、税負担が発生するので所得が下がると。
 インボイスというのは、生産者を応援するんじゃなくて、やっぱりこういう複雑な手続と混乱をもたらして経営悪化をもたらしかねないというふうに思いますので、したがって、結論として、消費税の一〇%増税は中止すべきであるということを求めて、質問を終わります。
#109
○委員長(堂故茂君) 以上をもちまして、平成三十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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