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2019/03/13 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 本会議 第8号
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2019/03/13 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 本会議 第8号

#1
第198回国会 本会議 第8号
平成三十一年三月十三日(水曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第八号
    ─────────────
  平成三十一年三月十三日
   午前十時 本会議
    ─────────────
 第一 国務大臣の報告に関する件(平成三十一
  年度地方財政計画について)
 第二 地方税法等の一部を改正する法律案、特
  別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関す
  る法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に
  関する法律案及び地方交付税法等の一部を改
  正する法律案(趣旨説明)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 日程第一 国務大臣の報告に関する件(平成三十一年度地方財政計画について)
 日程第二 地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 以上両件を一括して議題といたします。
 まず、総務大臣の報告及び趣旨説明を求めます。総務大臣石田真敏君。
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#4
○国務大臣(石田真敏君) 平成三十一年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、平成三十一年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 本計画の策定に際しては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、人づくり改革の実現や地方創生の推進、防災・減災対策等に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。
 あわせて、引き続き生ずる財源不足については、適切な補填措置を講ずることとし、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。
 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
 以上の方針の下に、平成三十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ二兆六千九百五十七億円増の八十九兆五千九百三十億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ九十二億円減の一兆九百八十七億円などとなっております。
 次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現下の社会経済情勢等を踏まえ、経済の好循環をより確かなものとし、地方創生を推進する等の観点から、地方税の税源の偏在性の是正に資するための特別法人事業税の創設に合わせた法人事業税の税率の引下げ、自動車税の税率の引下げ、環境への負荷の少ない自動車を対象とした自動車取得税、自動車税及び軽自動車税の特例措置等の見直し、自動車重量譲与税の譲与割合の引上げ等の車体課税の見直しを行うことといたしております。
 また、地方公共団体に対する寄附に係る個人住民税の寄附金税額控除における指定制度の導入等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
 次に、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 地方税の税源の偏在性の是正に資するための特別法人事業税を創設し、その収入額に相当する額を特別法人事業譲与税として都道府県に対して譲与することとしております。
 次に、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 森林の有する公益的機能の維持増進の重要性に鑑み、市町村及び都道府県が実施する森林の整備及びその促進に関する施策の財源に充てるため、森林環境税を創設し、その収入額に相当する額を森林環境譲与税として市町村及び都道府県に対して譲与することとしております。
 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 平成三十一年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十六兆一千八百九億円を確保するとともに、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うほか、環境性能割の臨時的軽減に伴う地方公共団体の減収額を埋めるために地方特例交付金を拡充することとしております。また、平成三十一年度分の震災復興特別交付税について、新たに三千二百五十億円を確保し、総額四千四十九億円とすることとしております。
 以上が、平成三十一年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
    ─────────────
#5
○議長(伊達忠一君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。又市征治君。
   〔又市征治君登壇、拍手〕
#6
○又市征治君 立憲民主党・民友会・希望の会の又市征治です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律等四法案について質問をいたします。
 法案の前に、現下の課題三点について見解を伺ってまいります。
 第一に、統計不正問題等の政治責任についてです。
 昨年から、森友、加計問題の公文書の隠蔽、改ざん、虚偽答弁、自衛隊の南スーダンPKOやイラク派遣部隊の日報隠蔽、裁量労働制や海外技能実習生の労働実態をめぐるデータ捏造や不適切な調査、そして今回の毎月勤労統計を始め基幹統計の不正など、民主主義の根幹を揺るがす不祥事が次々発覚をいたしました。このような場合、民間企業では企業トップが自ら職を辞してけじめを付けるのが通例ですけれども、しかし、安倍政権では、政治家誰一人責任を取っていません。だから、世間では、改ざん、偽証、捏造、安倍晋三内閣などとやゆされるほど、行政と政治への不信が広がっているわけです。
 総理、かかる不祥事、国会と国民への冒涜は全て官僚の責任であって、所管大臣らの出処進退を問う必要はない、このようにお考えでしょうか。お答えください。
 第二に、辺野古新基地建設の是非を問う沖縄の県民投票についてです。
 投票では、埋立て反対が投票者の七二%、四十三万票を超えました。シングルイシューの県民投票で辺野古新基地建設反対の民意が明確に示されました。
 総理、あなたは度々、沖縄県民の心に寄り添うと言い、投票結果についても真摯に受け止めると表明されました。であれば、直ちに埋立工事を停止をして、県民の意思を反映した取組を進めるべきじゃありませんか。
 ところが、投票日の翌日も、現地で抗議する県民を強制排除して埋立工事が強行されています。これでは、かつてアメリカ占領軍が銃剣とブルドーザーで土地を強制接収した行為と変わりません。
 真摯に受け止めるとは沖縄県民の心を無視すると同義語であって、言行不一致も甚だしいと言わねばなりません。これがあなたの常套語である、自由、民主主義、人権尊重の政治の姿ですか。沖縄県民、国民に明確に説明ください。
 あわせて、沖縄の民意を真摯に受け止めるのであれば、投票結果を基に普天間基地の機能停止を含めアメリカ側と再協議すべきです。その用意はありますか。
 また、全国知事会が昨年七月に米軍基地負担に関する提言をまとめ、日米地位協定の抜本的な見直し、基地の整理縮小を提言しましたが、これはどうなったのか。
 以上三点、総理に伺います。
 第三に、全国一律産業別最低賃金制について伺います。
 昨年末、十分な審議も尽くさぬまま入管法改正案が強行採決され、来月から外国人材の受入れ拡大が始まります。その受入れ対策に多くの懸念がありますが、その一方策として、厚労省では、外国人材が大都市部に集中しないように、介護や建設など受入れ業種ごとに、日本人も含めて最低賃金を全国一律にすべきだという意見もあるやにお聞きします。
 現在、最低賃金は、東京が時給九百八十五円で、最も低い鹿児島が時給七百六十一円ですから、二百二十円以上も格差があり、この差が東京一極集中の一因でもありますから、産別最賃の検討は当然すべきです。厚生労働大臣の見解を伺います。
 では、法案の質問に移ります。
 まず、地方財政の財源不足とその解消策について伺ってまいります。
 地方財政計画は、対前年度比二兆六千九百五十七億円増の八十九兆五千九百三十億円となり、また、地方税収の伸びにより、一般財源総額も前年度比五千九百十三億円増の六十二兆七千七十二億円となっています。しかし、今回の地財計画には、消費増税に伴う社会保障費の積み増しや、投資的経費の補助、単独事業費の一時的な景気対策の上積み部分が入っており、中期的な視点から見ると、今後も安定的に維持されるか、甚だ疑問であります。
 また、地方交付税の増額分も、地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用や二〇一八年度からの繰越金に依存しています。変動準備金は今年度で打ち止めとなり、もとより決算剰余金は当てにはできません。
 地方の財源不足は四兆四千百一億円に縮小し、赤字地方債である臨時財政対策債も抑制され、確かに地方財政が好転しているかに見えます。しかし、臨財債を新たに三兆二千五百六十八億円発行せざるを得ず、また臨財債残高は一八年度末五十四兆円に達し、元利償還も本来交付税で手当てされるはずが、新たな臨財債発行で賄うというサラ金地獄のような事態に陥っています。
 このような来年度の地方財政状況についての認識と、あわせて、二〇一九年度で折半ルールの期限が終わりますけれども、二〇二〇年度以降の財源不足の補填方法の見通しについて、総務大臣の見解を伺ってまいります。
 このような地方の財源不足は二十三年間連続して発生し、それゆえに、毎年、衆参両院の総務委員会を始め地方六団体からも交付税の法定率引上げが強く求められてきましたが、僅かの改正や臨財債発行という小手先の手法で抜本改革は先送りされてきました。
 そこで、総理に伺います。
 総理は、昨年から人づくり革命や生産性革命ということを声高に叫んでおられますが、であれば、地方創生のためにも、財源不足に陥っている地方財政の状況を抜本改革するために、国土交通省の生産性革命本部に倣って総務省に地方財政革命本部でも設けて、地方交付税法第六条の三第二項の規定にのっとって、地方財政確立革命という歴史的な偉業を行ってはどうですか。見解を伺います。
 次に、一般財源総額実質同水準ルールについて伺います。
 いわゆる骨太の方針で、地方の一般財源総額は、新経済・財政再生計画等を踏まえ、一八年度地方財政計画の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保するとし、一般財源総額は拡大し、過去最高になったと宣伝されています。しかし、過去最高といっても、国の政策や制度改革に伴う補助事業の裏負担など事実上の義務的支出が増えており、一般財源の拡大は必ずしも地方財政の自由度の増を意味しません。
 また、自治体独自の財政需要は年々増大しており、実質同水準では本当の意味で地方の財政需要に応えたとは言えず、自治体の財政状況は依然厳しいと考えますが、総務大臣の認識を伺います。
 続いて、まち・ひと・しごと創生事業の地方交付税への算定方法について伺います。
 まず、地方交付税は、地方の固有財源、地方共有税であって、地方交付税の算定を国の政策に誘導するために使用することは許されないと私たちは考えますが、総務大臣、この点は確認を願います。
 また、まち・ひと・しごと創生事業の算定は、今年も人口減少等特別対策事業費と地域の元気創造事業費によって行われています。人口減少等特別対策事業費は、取組の必要度、取組の成果の指標によって算定されていますが、徐々に取組の成果に比重が置かれているようになっています。
 この方法によって自治体の取組の成果がどの程度拡大されたのか、また、この移行により、他地域より困難な条件に置かれた自治体への否定的影響は見られないのか、伺います。
 また、そもそも地方の活性化事業の成果が上がらないのを各自治体の責任に帰することは適切ではありません。輸出産業の利益のために農業を疲弊させるTPPなどの国の政策が地方創生と真逆の方向を向いている面もあるというこの認識を総務大臣はお持ちですか。
 さらに、児童虐待事件に対応し、政府もようやく児童福祉司の増員を打ち出しました。しかし、地域の元気創造事業費の行革努力分の交付税の算定は、指標として職員数や人件費の削減率、ラスパイレス指数等を用いられており、職員数や人件費を全国平均より多く削減しないと算定額が割増しにならないという矛盾をこれまで指摘をしてまいりました。児童福祉司等の職員の増員が必要である以上、当該算定は見直すべきです。この点、どのように是正を図るのか。
 以上、総務大臣、四点お答えください。
 次に、特別法人税・譲与税の創設についてです。
 法人事業税の一部を分離し、特別法人事業税、特別法人事業譲与税を創設することは、地方税の偏在是正が目的だとしても、自治体固有の地方税を国税化することは、課税自主権の侵害であり、自主財源を縮小させ、地方分権の推進に逆行するものではありませんか。その認識を伺います。
 そもそも、法人が受けた行政サービスに応じて負担する地方税を応益関係にない地方に配分することは、応益負担や負担分任という地方税の大原則に反します。地域間の税収格差の是正は地方交付税で調整されるべきであり、地方交付税の充実と国からの地方への税源移譲を行うべきなのではありませんか。
 最後に、応能負担の原則に逆行する消費税増税について伺います。
 周知のように、消費税は、社会保障拡充を理由に一九八九年、平成元年に三%で導入され、以後、五%、八%に引き上げられ、そして今年十月には一〇%が予定されています。しかし、この間、社会保障は、例えば年金は支給年齢が六十歳から六十五歳に延ばされ、プラス保険料アップ、医療費は保険料アップに加えて窓口自己負担が一割から二割、二割から三割に引き上げられ、介護保険料も一号は一・九倍、二号は二・八倍になるなど、改善どころか、改悪、負担増続きですよ。
 なぜこうなっているのか。一般会計税収の推移を見ると、消費税は大きく伸びているのに、逆に法人税と高額所得者を中心とした所得税が大幅に減っているからです。例えば、一九八九年度と二〇一六年度の国税収入を比較すると、税収総額は五十五兆円前後でほぼ変わりませんけれども、中身を見ると、法人税は八・七兆円マイナス、所得税は三・八兆円マイナス、合わせて十二兆四千億円の減収になっているけれども、消費税だけが十四兆円の増収となっているわけで、つまり、消費税収は法人税と所得税の減税による減収の穴埋めに回って、社会保障拡充には回っていない勘定になります。
 総理、まずこの事実を認めるかどうか。少なくとも、認めるならば、消費税増税を言う前に、この不公平の是正こそが先決ではありませんか。
 税は応能負担が原則です。そのために、まず年収五千万円以上の所得税の累進制強化と金融・証券課税を二〇%から三〇%に引き上げる、また半減してきた大企業の法人税率の引上げと研究開発などの租税特別措置の廃止や見直し、そして国の一般会計の四・五倍にも上る企業の利益剰余金、今日四百四十六兆円にも上る、そのうちの現金、預金が二百二十二兆円、社会貢献としてこれに二%の課税も真剣に検討すべきじゃないでしょうか。とすれば、消費税増税は不要となるばかりか、社会保障の拡充、交付税の法定率の引上げ、プライマリーバランスの黒字化が図れます。
 長期安定政権を誇るならば、こうした岩盤こそ安倍政権は打破すべきじゃありませんか。それをやらずに、弱い者いじめの消費税増税をあくまで断行するおつもりかどうか、明確にお答えいただきたいと思います。
 以上、明快な答弁を求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#7
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 又市征治議員にお答えをいたします。
 統計不正問題等の政治責任についてお尋ねがありました。
 行政をめぐる様々な問題について、国民の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として大きな責任を痛感しており、率直におわびします。
 真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように、全力を挙げて、再発の防止に向け、関係大臣と共に、総理大臣としての責任を果たす覚悟であります。行政府の長として一層身を引き締め政権運営に当たることにより、国民の皆様の信頼を取り戻してまいります。
 沖縄の県民投票、米国との再協議、全国知事会の提言についてお尋ねがありました。
 沖縄に米軍基地が集中する現状は、到底是認できません。沖縄の基地負担の軽減は、政府の大きな責任です。そして、普天間飛行場をめぐる問題の原点は、普天間の全面返還を一日も早く実現し、その危険性を除去することです。
 このための政府の取組について、これが自由、民主主義、人権尊重の姿なのかとの御指摘がありましたが、私は、住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が、固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならない、そう強く思っています。そして、この思いは、政府と地元の皆様との共通認識であると思います。普天間の全面返還を日米で合意してから二十年を超えた今もなお返還が実現しておらず、もはや先送りは許されません。
 一方、普天間の持つ抑止力は、我が国の平和と安全のため必要不可欠なものです。抑止力の維持と危険性の除去、この二つを考え合わせ、検討を重ねた結果が現在の方針です。その上で、この方針は米国政府との間で累次にわたり確認されてきており、トランプ大統領の間でも改めて確認したところです。
 全国知事会の御提言については、知事会のお考えとして受け止めています。日米地位協定については、今後とも、目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、あるべき姿を不断に追求してまいります。
 今後とも、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、現行の日米合意に基づき、普天間の一日も早い全面返還を実現し、同時に、米軍基地の整理、統合、縮小、返還により負担軽減を図るため、全力で取り組んでまいります。
 地方財政の抜本的改革についてお尋ねがありました。
 アベノミクスの政策により来年度の地方税収や地方交付税の法定率分が増加となったことに伴い、平成三十一年度の地方財政対策では、財源不足が大幅に縮小し、臨時財政対策債の発行額を七千億円減と大幅に抑制しました。その上で、地方交付税を始めとした一般財源総額を前年度から六千億円増となる六十二・七兆円確保しております。これらの内容については、地方六団体からも高い評価をいただいているところです。
 今後とも、法定率の見直しなど制度的な対応の議論も行いつつ、歳入面では、地域経済の好循環を全国津々浦々で一層拡大することなどにより地方税等の更なる増収を図るとともに、歳出面では、めり張りを付けて歳出構造を見直すことで、臨時財政対策債のような特例債に頼らないよう、財務体質の強化を図ってまいります。
 各税目の税収の動向と消費税収の使途についてお尋ねがありました。
 一九八九年以降の所得税や法人税の減収の背景としては、所得税に関しては、三位一体改革の中で地方に税源移譲を行ったことなど、また、法人税に関しては、企業活力と国際競争力を維持強化するための改革を行ったことなど制度改正要因に加え、バブル期以降の資産価格の下落等、経済情勢の要因があると考えられます。
 他方、消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定しており、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから、社会保障に係る費用を賄うための財源としてふさわしく、引上げによる増収分は法律にのっとって社会保障の財源として活用されてきており、消費税収が社会保障の充実に回っていないとの御指摘は当たりません。
 消費税率引上げと、富裕層と大企業への税制の在り方についてお尋ねがありました。
 本年十月の消費税率一〇%への引上げは、全世代型社会保障の構築に向け、安定財源を確保するためにどうしても必要なものであります。
 反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はありません。
 なお、所得課税については、これまで、再分配機能の回復を図るため、所得税の最高税率の引上げや、金融所得課税の見直しにより税率を従来の一〇%から二〇%に倍増するなどの施策を既に講じてきたところです。
 また、企業に対する税制については、企業が収益力を高め、より積極的に賃上げや設備投資に取り組むよう促す観点から成長志向の法人税改革に取り組んでまいりましたが、同時に、租税特別措置の縮減、廃止等による課税ベース拡大に取り組んできたところです。
 なお、御指摘の内部留保課税については、二重課税の問題等の課題があるものと承知しております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(石田真敏君) 又市議員にお答えをいたします。
 まず、来年度の地方財政の状況と財源不足の補填についてお尋ねがございました。
 地方財政の状況につきましては、平成三十一年度においても四・四兆円もの財源不足が生じておりまして、地方の借入金残高は約二百兆円規模で推移しているなど、引き続き厳しい状況にあると考えております。
 しかしながら、平成三十一年度の地方財政対策におきましては、地方税の増収等により財源不足が大幅に縮小し、折半対象財源不足が平成二十年度以来十一年ぶりに解消するとともに、臨時財政対策債を〇・七兆円縮小することができました。
 また、地方の財源不足について国と地方が折半して補填する現行の折半ルールについては、平成三十一年度までの特例措置となっているところです。平成三十二年度以降に財源不足が生じた場合の補填方法につきましては、これまでの取扱いを踏まえつつ、地方団体が地域に必要な行政サービスを確実に提供しながら安定的な財政運営を行えるよう、今後検討してまいります。
 次に、一般財源総額実質同水準ルールについてお尋ねがございました。
 新経済・財政再生計画におきまして、地方の一般財源総額については、平成三十年度地方財政計画の水準を下回らないよう、実質的に同水準を確保することとされています。これは、地方の歳出水準について、国の一般歳出の取組と基調を合わせつつ、社会保障関係費や公債費の動向などの増減要素を総合的に考慮し、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額を確保していくという趣旨であります。
 平成三十一年度の地方財政対策におきましては、幼児教育の無償化を始めとした社会保障関係費の増加等を踏まえて適切に歳出を計上し、一般財源総額を前年度から〇・六兆円増の六十二・七兆円確保したところであります。
 今後とも、社会保障関係費などの歳出の増加を含め、必要となる歳出を適切に地方財政計画に計上し、このために必要となる一般財源総額をしっかりと確保してまいります。
 次に、地方交付税を国の政策誘導に使用することは許されないのではないかとのお尋ねがございました。
 地方交付税は地方の固有財源であり、また使途の制限ができない一般財源であります。したがって、国が特定の施策を奨励する国庫補助金とは性格が異なり、国の政策誘導のために用いるものではありません。
 なお、まち・ひと・しごと創生事業費の交付税算定におきましては、地方創生に積極的に取り組み、成果を上げた団体ではより多くの経費が生じていると考えられることから、各地方団体の取組の成果を財政需要の算定に反映しています。
 次に、人口減少等特別対策事業費の算定についてお尋ねがございました。
 地方創生の取組が進められ、経済、雇用などに関する指標が改善傾向にあるなど、成果が現れつつあることを踏まえまして、まち・ひと・しごと創生事業費のうち人口減少等特別対策事業費につきましては、平成二十九年度より、取組の必要度から取組の成果に応じた算定へ三年間で一千億円シフトすることとしています。
 また、シフトに当たっては、過疎法や離島振興法の対象となっている団体について算定額を割り増すなど、成果を発揮する際の条件が厳しいと考えられる地域への配慮を行ってきました。平成三十一年度の算定におきましても、引き続き条件不利地域に配慮した算定を行うことといたしております。
 次に、国の施策と地方創生の関連性についてのお尋ねがございました。
 地方団体の置かれている状況はそれぞれ大きく異なり、地方創生の課題や取組も地域の実情に応じて様々であります。このため、地方団体が自主的、主体的に地方創生に取り組むことができるよう、地方財政計画に一兆円のまち・ひと・しごと創生事業費を計上するとともに、地方創生推進交付金などを活用して地方独自の取組を全力で後押ししています。
 また、まち・ひと・しごと創生事業費の交付税算定におきましては、できるだけ多くの成果指標を採用し、地方団体の努力を多面的に反映することとしております。
 次に、職員数削減率等を用いた交付税の算定についてお尋ねがございました。
 まち・ひと・しごと創生事業費のうち地域の元気創造事業費の算定におきましては、職員数削減率といった指標を用いて行政改革の取組を算定に反映しています。
 一方、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき児童相談所の体制強化を行う必要があること等を踏まえ、職員数削減率を用いた算定につきましては、平成三十二年度算定以降、見直しを行う予定であります。今後、地方団体の意見を踏まえ、算定方法について検討してまいります。
 次に、特別法人事業税及び譲与税の創設についてお尋ねがございました。
 地方創生、地方分権を推進するためには、地方税の充実確保が必要であります。しかし、税源に偏在があれば、地方税を充実すると地域間の財政力格差が拡大をいたします。このため、地方税の充実確保を図る前提として地方税源の偏在是正が必要であり、両者は車の両輪として常に考える必要があります。
 また、新たな偏在是正措置は、形式的には国税という形となりますが、税収の全額を譲与税特別会計に直入し、客観的な基準に基づき地方団体間に再配分される仕組みであり、実質的な地方税源であることは明確であります。こうしたことから、地方分権の推進に逆行するとの指摘は当たらないと考えております。
 最後に、地域間の税収格差の是正についてお尋ねがございました。
 地方交付税は、地域間の財源の不均衡を調整し、全ての地方団体が一定の行政水準を維持し得るよう財源を保障する重要な役割を果たしており、今後も財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されるよう必要な交付税総額の確保を図っていくことが重要であります。
 一方で、基準財政収入額が基準財政需要額を上回る不交付団体の超過財源には地方交付税の財源調整が及ばないことから、交付税制度のみでは地域間の財政力格差の解消には至りません。
 また、国から地方への税源移譲につきましては、国、地方とも厳しい財政状況にあることや、国と地方の役割分担の議論などを踏まえて検討することが必要であると考えております。
 今回講じることとしております偏在是正措置は、偏在性の小さい地方税体系を構築する観点から、地域間の財政力格差の拡大や、経済社会構造の変化等に対応し、企業の事業活動の実態以上に大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するものであります。
 議員から特別法人事業税等の創設は応益原則に反するとの御指摘がございましたが、今回の措置によりまして、地域における事業活動により生ずる付加価値の総計である県内総生産と地方法人課税の税収の分布がおおむね合致することになることから、企業の事業活動に伴う受益と負担の関係が全体として確保されることになるものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(根本匠君) 又市征治議員にお答えをいたします。
 最低賃金についてお尋ねがありました。
 最低賃金の全国一律化については、賃金だけでなく、県民所得や企業の付加価値生産性など、経済指標に大きな地域間格差があること、最低賃金額を地域ごとの物価水準の差を反映せずに一律に定めることは、中小企業を中心として労働コストが増加することにより経営が圧迫され、かえって雇用が失われる面があるなどの課題があり、慎重な対応が必要であると考えております。(拍手)
    ─────────────
#10
○議長(伊達忠一君) 森本真治君。
   〔森本真治君登壇、拍手〕
#11
○森本真治君 国民民主党・新緑風会の森本真治です。
 ただいま議題となりました平成三十一年度地方財政計画及び地方税法等改正案外三法案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 今国会の論点の一つがアベノミクスの評価です。政府・与党も度々述べられるのが、着実に景気回復が続いているが、実感できないとの声も多く聞かれるということ。国民一人一人の給料が上がり、国民生活が向上しているのか、その判断をする上でも重要なのが実質賃金の実態です。しかし、政府は正確な数値を示そうとしません。
 政府の発表では、二〇一八年の実質賃金は前年比〇・二%増で二年ぶりのプラスとなっていますが、サンプルデータを入れ替えていない共通事業所だけで野党が試算したところ、〇・四%のマイナスとなっています。政府は、実質賃金の過去データとの比較を公表するかどうか検討していますが、世論の鎮静化を待つための時間稼ぎとしか思えません。検討にそんなに時間の掛かる問題ではない上、野党の試算の方が賃金動向の実態に近いことは明らかです。なぜすぐに参考値を出せないのか、具体的に何に時間が掛かっているのか、厚労大臣にお伺いします。
 アベノミクスの成果を検証する上で、実質賃金とともに我々が問題視してきたのが消費支出です。地方消費税の譲渡割の収入見込額について、平成三十年度当初見込みが三兆四千八百三十四億円だったのに対し、平成三十一年度の収入見込額は三兆三千四百九十億円と、一千三百四十四億円も減少しています。
 また、内閣府の消費動向調査でも、消費者態度指数が昨年来低下傾向にあります。三月一日に発表された二月分は、二〇一六年十一月以来の低水準。暮らし向き、収入の増え方といった項目を中心に低迷しています。
 本当に景気回復しているのであれば消費も持ち直すはずですが、そうはなっていません。安倍総理が幾らアベノミクスの成果を喧伝しても、やはりこういうところに厳しい現実が現れているのではないでしょうか。総理に所見を伺います。
 私たちは、消費支出が伸びない原因は、実質賃金が上昇しないことと併せ、国民の将来に対する不安にあると考えています。将来不安を解消するため、人への投資や、税制における再分配機能を重視すべきです。しかし、安倍内閣が打ち出す軽減税率やポイント還元などの租税関連政策は、国民からすれば一見得をするように見えるけれども、実は高所得者を優遇する制度であり、いずれも所得再分配に反するものばかりです。こうした高所得者優遇政策を粗製乱造するのをやめ、所得再分配機能が十分に作用する税制を実現するべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
 地方税収の見通しについて伺います。
 平成三十一年度地方財政計画では、地方税が対前年度七千三百三十九億円増の四十兆一千六百三十三億円が計上されています。
 しかし、景気動向指数は三か月連続で低下し、一致指数の基調判断が下方修正され、景気は後退局面となりました。日本経済研究センターの調査では、来年度名目経済成長率の下方修正が続き、民間は一・五五%を見込んでいます。OECDの見通しに至っては名目経済成長率が一・二%であり、いずれも政府より低い数値となっています。まさにアベノミクスの失敗、破綻が露呈したと言わざるを得ません。総理の景気動向に関する現状認識について伺います。
 その上で、現在の我が国経済の実態を見れば、地方税収の七千三百三十九億円増という見積りは楽観的であると言わざるを得ません。地方税収は増加すると、この場で言い切れるのでしょうか。総務大臣の答弁を求めます。
 政府は、全体として地方税収が増加するとしていますが、各自治体の財政を取り巻く地域の経済状況は千差万別です。平成三十一年二月の景気ウオッチャー調査で景気の現状判断DIを見ますと、甲信越地方は二・六ポイント低下、沖縄は四・六ポイント低下となっており、地域によって大きなばらつきがあります。今後、自治体ごとに地方交付税の算定が行われますが、このような地域経済の差異を踏まえて算定することが必要です。また、景気が下振れした場合に個別自治体で財源不足が、不足しないようしっかりと措置することも必要であると考えますが、総務大臣の認識を伺います。
 地方交付税について伺います。
 平成三十一年度の地方交付税総額は、平成三十年度からの繰越金四千二百十五億円を含め、対前年度一千七百二十四億円増の十六兆一千八百九億円となりました。この繰越金は本来ならば平成三十年度中に地方団体に交付されるべきものであって、平成三十一年度で活用するのであれば、繰越金を除くベースで総額を確保し、繰越金分の四千二百十五億円は純増となってしかるべきものであります。地方には依然として四兆四千百一億円もの財源不足があるので、繰越金に頼らず、平成三十一年度は平成三十一年度の財源でしっかりと地方交付税総額を確保すべきです。
 したがって、平成三十一年度の地方交付税総額が対前年度一千七百二十四億円増という規模では不十分であると考えますが、総務大臣の所見を伺います。
 自動車関連諸税についてお伺いします。
 私たちは、従来から、九種類もの不条理で過重な税を課している現状を抜本的に改めるべきと主張してきました。今回の改正案には、自動車税の税率引下げや税源移譲等による地方税財源の確保など、我が党の対案である税制改革新構想と方向性を同じくする部分もあります。しかしながら、ユーザー負担軽減の観点でいえば道半ばです。税制の簡素化に関しては、むしろ複雑さが増し、自動車取引の現場で混乱が生じるおそれがないのか懸念します。
 今回、与党の税制改正大綱が、車体課税の見直しについては今般の措置をもって最終的な結論とするとしている点は承服できません。石田総務大臣も、衆議院で我が党議員の質問に対し、総務省としては抜本改革以来の懸案について最終的な結論を得たものと考えていると答えていらっしゃいます。
 我々は、ユーザー負担を軽減し、家計を支援する観点からの抜本改革を行うまでは最終的な結論とは言えないと考えますが、こうした改革を行う考えはないのか、改めて総務大臣に伺います。
 最後に、災害からの復旧復興について伺います。
 東日本大震災から八年が経過いたしましたが、復旧復興に当たっては、人手不足が依然として深刻な課題となっています。平成三十年七月豪雨に関しても、広島県を始めとする被災した各地域では、技術者が不足し、復旧復興事業がなかなか進まないという現状があります。
 安倍総理は、全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えたことを再三にわたってアピールしてきました。しかし、そのことがもたらす弊害にも目を向ける必要があります。
 有効求人倍率を職業別に見ると、建設業は平成二十五年の二・三倍から平成三十年度には四・七倍、建築・土木・測量技術者は平成二十五年の三・二倍から平成三十年には五・五倍へと大きく伸びており、人手不足が顕著となっています。測量士や技術士など国家資格を持つ技術者が不足し、被災県内の事業者だけでは復旧復興事業を受注し切れない事態も起こっています。
 人手不足が災害復旧の妨げになっているという現状についてどのような認識をお持ちなのか、安倍総理に伺います。あわせて、現状の改善に向け、政府はどのように対処しようとしているのか、明確な道筋をお示しください。
 以上、質問してまいりました。
 総務省が発表した昨年の人口移動報告では、東京への転入超過は八万人、我が広島県は六千人の転出超過となっています。こうした流れに歯止めを掛けることはもとより、それぞれの地域で暮らす人々がいる限り、常にその人たちに寄り添い、地域を、暮らしを守る。
 私たち国民民主党は、これからも完全地方主義を第一に努力していくことをお誓いし、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#12
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 森本真治議員にお答えをいたします。
 アベノミクスの成果についてお尋ねがありました。
 地方消費税収については、国内取引に係る譲渡割だけでなく輸入取引に係る貨物割も合わせた税収全体で見ることが消費の動向を把握する上で適切であり、税収全体では増収傾向にあります。
 また、消費の動向を見ると、二〇一四年四月の消費税率八%への引上げにより大きな駆け込み需要と反動減が生じ、景気の回復力が弱まることとなったものの、その後のアベノミクスの取組により、GDPベースで見て、二〇一六年後半以降、増加傾向で推移しています。
 消費者の意識については、御指摘の消費者態度指数は弱含んでいるものの、景気ウオッチャー調査では二月の現状判断DIが前月から上昇するなど、一概に悪化している状況ではありません。
 その上で、消費を取り巻く環境を見ると、二〇一二年から二〇一八年までの六年間で、生産年齢人口が五百万人減少する中にあっても就業者数は三百八十万人増加し、景気回復により仕事が増加したことにより、正社員の有効求人倍率は調査開始以来最高の水準となり、正規雇用者数も百三十一万人増加、賃上げも、連合の調査によれば、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが実現し、中小企業の賃上げは過去二十年で最高となるなど、確実に経済の好循環が生まれています。
 また、この春、高校、大学を卒業される方々の十二月時点の就職内定率は過去最高の水準となるなど、雇用・所得環境の改善が進んでおり、消費は引き続き持ち直しが続くことが期待されます。
 今後も、引き続き、経済最優先で、通商問題の動向、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性に十分留意しつつ、経済運営に万全を期してまいります。
 軽減税率制度やポイント還元施策、税制における再分配機能についてお尋ねがありました。
 軽減税率制度は、ほぼ全ての人が毎日購入している食料品等の税率を八%に据え置くことにより、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるとともに、低所得者ほど収入に占める消費税負担の割合が高いという、いわゆる消費税の逆進性を緩和できるという利点があることから低所得者への配慮として実施するものであり、高所得者優遇との御指摘は当たりません。
 また、ポイント還元については、誰でも簡単に加入できるプリペイドカードなど多様な選択肢を用意することで、クレジットカードを持たない方々も含め、幅広い消費者がポイント還元のメリットを受けられるようにすることから、高所得者優遇との御指摘は当たりません。
 また、税制の在り方については、これまで、再分配機能の回復を図るため、所得税及び相続税の最高税率の引上げ、所得税の基礎控除の見直し等の施策を講じてきたところであり、まずは、こうした改正の効果をよく見極めてまいります。
 景気動向について御質問がありました。
 一月の景気動向指数は前月から二・七ポイントの低下となりましたが、景気動向指数では、構成する各経済指標の結果をそのまま指数化するため、本来であれば景気の基調とは分けて考えた方がよい一時的な要因もそのまま指数に反映されることには注意が必要です。
 その上で、景気動向については、雇用・所得環境の改善が続く中で民需の増加に支えられた成長となっており、これまでの月例経済報告では景気は緩やかな回復が続いていると判断しているところであり、アベノミクスが失敗、破綻しているという御指摘は当たりません。
 ただし、通商問題の動向や中国経済の先行き等には留意する必要があるのは事実であり、そういった点も踏まえて、経済運営には万全を期してまいります。
 また、十月の消費税率の一〇%への引上げに当たっては、前回の反省の上に、いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとしてまいります。
 なお、来年度の政府経済見通しにおいては、こうした消費税率引上げに対応した各種政策の効果も相まって、引き続き雇用・所得環境の改善が続き、内需を中心とした景気回復を見込んでいるところであります。
 災害復旧復興のための人手不足についてお尋ねがありました。
 建設業の現場の状況については、全国的に見れば人手はおおむね確保できる状況にありますが、大規模な災害からの復旧復興工事が続いている中国地方や北海道地方などにおいては人手不足感が強くなっていると認識しております。
 足下では人手不足による災害復旧への影響は落ち着いている状況にあると認識しておりますが、災害からの復旧復興を着実に進めるためには、事業の円滑な施工確保を図ることが極めて重要であり、今後の復旧復興事業の施工状況を注視しつつ、最新の労務単価など被災地の実情を反映した適正な予定価格の設定や、地域外からの労働者確保に要する費用の積算への反映を通じ、建設業従事者へ適切な賃金支払を行うなど、人材確保に必要な環境整備をしっかり行ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(石田真敏君) 森本議員にお答えをいたします。
 まず、地方税収の見通しについてお尋ねがございました。
 平成三十一年度地方財政計画における通常収支分の地方税収は四十兆一千六百三十三億円であり、対前年度計画額と比較して七千三百三十九億円の増を見込んでいるところであります。
 この地方税収の見込みは、最近の課税実績や政府経済見通しなどを反映した国税の動向等を踏まえて積算し、地方財政計画に計上しているものであり、適切な見込みであると考えております。
 次に、地方交付税の算定についてお尋ねがございました。
 普通交付税の交付額は、個別の地方団体ごとに、基準財政需要額から基準財政収入額を控除した財源不足額を基準としています。基準財政収入額の算定に当たっては、各地域の経済の状況等を踏まえ、原則として、各地方団体の前年度の課税実績に基づき算定をいたしております。
 このような算定によりまして、全国どのような地域であっても、一定の水準の行政を維持するために必要な財源を保障しております。
 また、景気の動向が税収に反映される法人関係税等につきましては、課税実績が基準財政収入額を下回った場合、財政運営に支障が生じないよう、減収補填債を発行した上で、後年度、その元利償還金を基準財政需要額に算入することとしております。
 次に、平成三十一年度の地方交付税総額についてお尋ねがございました。
 平成三十年度補正予算に伴う地方交付税の増額につきましては、平成三十一年度においても巨額の財源不足が見込まれたことから、災害対応を踏まえた特別交付税の増額分等を除く四千二百十五億円について、平成三十一年度に繰り越し、地方交付税総額に加算することとしたところであり、必要な措置であると考えております。
 また、平成三十一年度の地方財政対策におきましては、地方交付税総額について、前年度を〇・二兆円上回る十六・二兆円を確保しており、地方税が増収となる中で、七年ぶりの増額となったところであります。このことは、地方六団体からも高い評価をいただいております。
 今後も、昨年閣議決定された新経済・財政再生計画に沿って、地方交付税を始めとした一般財源総額を適切に確保してまいります。
 最後に、自動車関係諸税の見直しに係る認識についてお尋ねがございました。
 今回の税制改正におきましては、地方税の恒久減税の実現と環境性能割の臨時的軽減といった車体課税の大幅な見直しを行い、自動車ユーザーの負担軽減を図っております。
 加えて、平成二十八年度税制改正における自動車取得税の廃止と環境性能割の導入による軽減効果を合わせれば、自動車ユーザーの税負担は大幅に軽減されているものと考えています。
 これによりまして、税制抜本改革法以来の累次の与党税制改正大綱において懸案事項とされてまいりました車体課税の見直しにつきましては最終的な結論とするとされたと承知しており、総務省としても同様の認識を申し上げたところであります。
 今後の自動車関係諸税の在り方につきましては、自動車を取り巻く環境が大きく変化することに伴い、中長期的な視点に立って検討していくことが重要であると承知をしております。
 その際、自動車関係諸税は、国、地方の行政サービスに係る貴重な財源となっていることから、国、地方を通じた財源を安定的に確保していくことが前提となるものと承知をいたしております。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#14
○国務大臣(根本匠君) 森本真治議員にお答えをいたします。
 毎月勤労統計における共通事業所の実質賃金についてお尋ねがありました。
 共通事業所の賃金については、有識者を参集した検討会において、前年同月との共通事業所群と翌年同月との共通事業所群は異なる事業所群になり、各月に二つの実数が併存すること、同じ事業所での前年同月比を見るものであるため、前月と同月では異なる事業所群となることから、経年変化を見る指数化にはなじまないという課題が指摘されています。
 こうした共通事業所の名目賃金について、実質化、すなわち価格変動の影響を取り除くことにより長期的な賃金価値の推移を示すことが可能なのか、現在、精力的に議論いただいております。
 検討会において、三月中をめどに中間的な取りまとめを行うよう努力してまいります。(拍手)
#15
○議長(伊達忠一君) 少々お待ち願います。
 答弁の補足があります。総務大臣石田真敏君。
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(石田真敏君) どうも失礼をいたしました。
 先ほど、私の答弁のところで、もう一度改めて答弁をさせていただきます。
 自動車関係諸税の見直しに係る認識についてお尋ねがあったところでございます。
 今回の税制改正におきましては、自動車税の恒久減税の実現と環境性能割の臨時的軽減といった車体課税の大幅な見直しを行い、自動車ユーザーの負担軽減を図っています。
 以上のように訂正させていただきたいと思います。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(伊達忠一君) 若松謙維君。
   〔若松謙維君登壇、拍手〕
#18
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 私は、自民・公明を代表して、ただいま議題となりました平成三十一年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案等四法律案について、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
 初めに、地方財政計画について伺います。
 安倍総理は、一月二十八日の施政方針演説で、この六年間、三本の矢を放ち、経済は一〇%以上成長し、国、地方合わせた税収は二十八兆円増加したと述べています。これは、アベノミクスの成果であることは間違いありません。
 平成三十一年度の地方財政計画の規模は八十九・六兆円ですが、大震災前、民主党政権下の平成二十二年度八十二・一兆円から七・五兆円増加しており、高齢化等に伴う財政需要に対応しています。一方、平成三十一年度の地方交付税十六・二兆円は、平成二十二年度十六・九兆円と比べ微減しています。しかし、平成三十一年度地方税等収入四十二・九兆円に対して、平成二十二年度三十四・四兆円から八・四兆円増加しました。その結果、平成二十二年度十八・二兆円あった財源不足が平成三十一年度には四・四兆円まで減少し、平成二十二年度の折半対象財源不足額十・八兆円が平成三十一年度はゼロとなり、十一年ぶりに解消しました。
 自公政権の下、地方創生が進展し、その一例として、会津若松市では平成二十六年に、市、会津大学、アクセンチュアの共同提案で内閣府の地方活性化モデルに採択され、以降、市の事業として進めてきたICT関連企業を集積するICTオフィスビルが今月完成し、五百名以上の若い世代が会津地方に移住するだけでなく、地方大学卒業生の受皿としても機能します。
 このような施策を一層推進し、地域経済が更に活性化すれば、地方団体の税収増、地方財政の改善が進み、地方経済の更なる好循環を生み出す相乗効果が大きいと考えますが、安倍総理の御所見を伺います。
 次に、幼児教育の無償化について伺います。
 幼児教育の無償化に係る平成三十一年度の地方負担については、地方消費税率引上げに伴う増収分が十分でなく、必要となる地方の一般財源所要額の全額を国負担とし、平成三十一年度地方財政計画では、子ども・子育て支援臨時交付金二千三百四十九億円が計上されました。
 このように、安倍内閣では、子育て世帯に対する支援をしっかりと行いつつ、地方負担に十分配慮し、全世代型社会保障への転換に取り組んでいますが、子育て支援に対する決意と平成三十二年度以降の地方財政に対する配慮の必要性について、安倍総理の御認識を伺います。
 次に、緊急自然災害防止対策事業費について伺います。
 昨年は、西日本豪雨や台風による災害、大阪北部地震、北海道胆振東部地震など、甚大な被害が発生しました。近年、多発する大規模な自然災害に対応するため、平成三十一年度から、防災・減災を目的として自治体が策定する緊急自然災害防止対策事業計画に基づいて実施される単独事業に七〇%の交付税が措置されます。
 自公政権で重要な政策に位置付けてきた防災・減災対策を今後地域特有の課題に使えるようになり、大きく前進したことを評価します。
 本事業費の意義と防災・減災対策に対する安倍総理の御決意を伺います。
 次に、地方税改革による地方の活性化について伺います。
 現在の法人事業税は、法人所得が多い大都市圏に集中し、地方税収入の四分の一は留保財源として自治体が自由に使える財源となっていますが、地方では十分に確保できない現状があります。
 今回の改正による特別法人事業税と特別法人事業譲与税の創設は、自主財源が不足している地方団体にとって地域の活性化に活用できる貴重な財源となります。一方、大都市には大都市特有の住民ニーズもあり、その財源の確保にも配慮することが重要であり、都市も地方も支え合い、連携を強める税制にすることが必要です。
 まずは、今回の地方税制改正の意義を安倍総理に伺います。
 特別法人事業税は都道府県税である法人事業税を分離したものであり、特別法人事業譲与税の譲与先は都道府県です。大事なことは、この譲与税により生じた財源を様々な住民ニーズを抱える市町村にしっかり届け、地域を活性化することにつなげることであり、今後、どのような考え方又は方法で進めていくのか、総務大臣に伺います。
 車体課税の見直しについては、千三百二十億円の自動車税の恒久減税を行いながらも、あわせて、エコカー減税等の見直しや自動車重量譲与税の譲与割合の引上げ等で、これに見合った地方税財源を確保する配慮がなされています。
 走行距離に応じた課税についての議論もありますが、仮にそうなれば、生活の足として走行距離が長い地方の自動車利用者の負担が重くなる懸念があります。今後の検討に当たっては、財源の確保とともに、地方の生活者への配慮が必要と考えますが、車体課税のあるべき姿について、安倍総理の御見解を伺います。
 また、技術革新により自動車の燃費効率は著しく向上していますが、パリ協定の二〇五〇年までに二酸化炭素八〇%削減という目標に向けた議論が開始され、電気自動車の導入が世界的に加速化している中で、地方税としての自動車税制の将来像をどのようにお考えか、総務大臣に伺います。
 次に、森林環境税及び森林環境譲与税について伺います。
 森林は地球温暖化防止や土砂災害防止などの公益的機能を有していますが、機能の持続には森林の適正な管理が重要です。それにより、山村地域の雇用確保の効果も期待されます。
 平成三十一年度から譲与される森林環境譲与税が森林整備に有効に活用されてこそ、平成三十六年度から課税される森林環境税を納得して納めていただくことになるため、今後の市町村の実施体制の整備が重要となります。
 森林の適正な管理の推進と人材の確保に向けた決意を総務大臣に伺います。
 次に、税制における子供の貧困対策について伺います。
 平成三十一年度税制改正では、子供の貧困に対応するため、未婚の一人親に対し個人住民税の非課税措置が講じられるとともに、臨時特別の予算措置として、児童扶養手当に上乗せする形で一万七千五百円の給付が行われることになりました。これは子供の貧困対策を一歩前進させる大きな成果ですが、課題も残されています。
 税制上の更なる対応等の要否については、年末の与党税制協議会において引き続き議論することになりますが、未婚の一人親の経済的負担を軽減することは、子供の貧困解消のみならず、子育て支援の観点からも重要であると考えます。安倍総理の御見解を伺います。
 東日本大震災、原発事故より八年が経過しました。改めてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、被災された全ての方々に心よりお見舞い申し上げます。
 先日も、公明党東日本大震災復興加速化本部として、福島の帰還困難区域内の特定復興再生拠点を視察し、いよいよ復興はこれからだと改めて認識しました。
 福島が創造的復興を成し遂げられるよう、平成三十二年度以降も、復興の進捗により生じる新たな課題に対応する復旧復興事業について、通常収支とは別枠で震災復興特別交付税を維持し、確実に財源措置することを強く要望します。安倍総理の答弁を求めます。
 本法律案は、地方創生に資する重要な法律案であると認識していますが、地方創生の取組はまだ道半ばであり、地方の声に耳を傾け、ニーズをしっかり反映させていくことがますます求められます。平成三十一年度予算案と併せて本法律案を早期に成立させる必要があることを申し上げ、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 若松謙維議員にお答えをいたします。
 地域経済の好循環についてお尋ねがありました。
 御紹介いただいた会津若松市の事業を始め、安倍内閣では、これまで、地方ならではの特色ある農林水産品、観光資源、地場企業の技術力などを生かした地方独自の創意工夫を全力で後押ししてまいりました。
 こうした中で、史上初めて全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えるとともに、政権交代前と比べ、地方の法人関係税収はほとんどの県で四割から五割増加いたしました。来年度の地方税収は、過去最高、四十四兆円を超えています。
 地方の特色を生かし、それぞれの地方に魅力ある働く場をつくることは、若松議員御指摘のとおり、地方経済の活性化のみならず、地方財政の充実を通じ、更なる地方創生の可能性を拡大するものです。
 元気な地方なくして日本の再生なし、その決意の下に、今後もこうした地方創生の好循環を全国津々浦々に広げていくため、一千億円規模の地方創生推進交付金などを活用し、全力で取り組んでまいります。
 子育て支援に対する決意と地方財政に対する配慮についてお尋ねがありました。
 子供たちこそこの国の未来そのものであり、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくり上げることが重要です。
 そのため、今回の消費税率引上げにより生み出される財源を思い切って投入し、本年十月からの幼児教育、保育の無償化に加え、二〇二〇年度から、真に必要な子供たちの高等教育を無償化するなど、これまでとは次元の異なる政策を実行することにより、子育てや教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を、子供たちを産み育てやすい国へと大きく転換してまいります。
 また、幼児教育、保育の無償化を円滑に実施するためには、実務を担う地方団体の財政運営に十分配慮する必要があると考えており、二〇二〇年度以降の無償化に係る地方負担分についても、地方財政計画の歳出に全額計上し一般財源総額を増額確保した上で、個別団体の地方交付税の算定においても地方負担を全額算入することにより、必要な財源をしっかり確保してまいります。
 緊急自然災害防止対策事業費の意義と防災・減災対策に対する決意についてお尋ねがありました。
 集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など、昨年は異次元の災害が相次ぎました。災害への対応は、もはやこれまでの経験や備えだけでは通用せず、命に関わる事態を想定外と片付けるわけにはいきません。
 このため、昨年末に、インフラ総点検の結果などを踏まえ、事業規模が七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめ、必要となる経費を今年度補正予算及び来年度予算にも計上しております。
 この緊急対策と連携しつつ、地方自治体が単独事業として実施する防災インフラの整備を推進するため、来年度の地方財政計画において、新たに緊急自然災害防止対策事業費三千億円を計上しております。
 今後とも、ハードからソフトまであらゆる手を尽くして、三年間集中で対策をしっかりと実施し、災害に強い国づくり、国土強靱化を進めてまいります。
 地方法人課税の偏在是正についてお尋ねがありました。
 地方創生を推進し、地方団体が安定的に行政サービスを提供していくためには、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築が必要です。
 平成三十一年度税制改正では、地方法人課税における新たな偏在是正措置を講じることとし、特別法人事業税及び譲与税を創設することとしております。これは、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、企業の事業活動の実態以上に大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するものであります。こうした措置により、地方が自らのアイデアで自らの未来を切り開く取組を後押ししてまいります。
 走行距離に応じた課税と今後の自動車関係諸税についてお尋ねがありました。
 走行距離に応じた課税については、議員御指摘のとおり、国、地方を通じた財源の確保や、地方の自動車ユーザーへの配慮といった点も含め、様々な論点があるものと認識しています。
 今後の自動車関係諸税については、平成三十一年度与党税制改正大綱において、技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、国、地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、その課税の在り方について、中長期的な視点に立って検討を行うとされていると認識しています。
 政府としては、今回の車体課税の見直しをお認めいただき、着実に施行することとしたいと考えております。
 税制における子供の貧困対策についてお尋ねがありました。
 一人親家庭の自立を支援し、子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されることのないよう、これまでも児童扶養手当の増額など積極的な支援を実施してきました。さらに、子供の貧困に対応するため、平成三十一年度与党税制改正大綱を踏まえ、児童扶養手当の支給を受けており、所得が一定以下の一人親に対し、個人住民税を非課税とする措置を今回の法案に盛り込んだところです。
 未婚の一人親に対する更なる税制上の対応の要否等については、与党において、平成三十二年度税制改正において検討し、結論を得ることとされており、政府としては、そうした議論も踏まえつつ適切に対応してまいります。
 復興・創生期間後における復旧復興事業の継続についてお尋ねがありました。
 東日本大震災からの復興は、政権発足以来、安倍内閣の最重要課題です。これまで被災地の一日も早い復興に向けて全力で取り組んできましたが、福島の復興再生は中長期的対応が必要であり、復興・創生期間後も引き続き国が前面に立って取り組んでいく必要があります。このため、復興の基本方針を見直し、復興・創生期間後における基本的な方向性を示しました。
 特に、福島については、帰還促進のための環境整備、福島イノベーション・コースト構想を軸とした産業集積、事業者、農林漁業者の再建等について対応が必要であり、今後、こうした事業を確実に実施できるよう、御指摘の震災復興特別交付税を含め、具体的な在り方を検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(石田真敏君) 若松議員にお答えをいたします。
 まず、偏在是正により生ずる財源の活用についてお尋ねがございました。
 地方法人課税の新たな偏在是正により生ずる財源につきましては、平成三十一年度与党税制改正大綱において、地方が偏在是正の効果を実感できるよう、必要な歳出を地方財政計画に計上するなど、その全額を地方のために活用するとされています。
 偏在是正措置による税収の影響が生じる平成三十二年度に向けて、大綱に沿って、地方のためにどのように活用すべきか、市町村も含め地方団体の意見も伺いながら、今後検討してまいります。
 次に、環境の観点からの自動車税制の将来像についてお尋ねがございました。
 これまでも、環境性能がより優れた自動車の普及を促進するため、エコカー減税やグリーン化特例など、環境性能に着目した特例措置を講ずるとともに、その政策インセンティブ機能を強化する観点から、逐次見直しを行ってきたところであります。
 また、本年十月には、自動車取得税を廃止し、グリーン化機能を維持強化する環境性能割を導入することとしています。
 自動車関係諸税につきましては、今後も、自動車を取り巻く環境変化の動向や環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、中長期的な視点に立って検討していくことが重要であると考えています。その際には、国、地方を通じた財源を安定的に確保していくことが前提となるものと承知をいたしております。
 最後に、森林環境税及び森林環境譲与税についてお尋ねがありました。
 森林環境税及び森林環境譲与税は、森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保する観点から創設するものであります。市町村による事業の実施体制は地域によって様々であると承知しており、森林整備に加え、森林を担う人材の育成や担い手の確保を森林環境譲与税の使途に含めるとともに、市町村の体制整備等の支援を行っていただけるよう、都道府県にも税収の一部を譲与することとしています。
 総務省としては、森林環境税及び森林環境譲与税制度を通じて、市町村の実施体制の整備、さらには市町村が実施する森林整備等がより一層推進されるよう取り組んでまいります。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(伊達忠一君) 行田邦子君。
   〔行田邦子君登壇、拍手〕
#22
○行田邦子君 日本維新の会・希望の党の行田邦子です。
 私は、会派を代表して、平成三十一年度地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律案外三法案について質問いたします。
 日本維新の会・希望の党は、統治機構改革による完全な地方自治を実現し、東京一極集中ではなく、多極分散型の成長する国家の実現を目指しています。しかしながら、現行憲法においては、地方自治について僅か四か条しか規定されておらず、しかも抽象的な記述にとどまっているにすぎません。
 そこで、私ども希望の党は、地方自治の本旨を明確化、具体化し、地方自治体が課税自主権を有することを特記した具体的な憲法改正条文案を提案しています。
 このことを踏まえて質問に入ります。
 まず、法案の中身の前に、税制の国会審議の在り方について伺います。
 税制に限らず多くの制度は、まず全体の制度設計を考えて、そして国と地方とで役割分担を配分しています。したがって、自民党、公明党が毎年出している税制改正大綱や政府税制調査会の答申も、国税と地方税とを一体とした内容となっています。
 ところが、国会における法案審議は、国税は財政金融委員会、地方税は総務委員会と別々に行われています。このようなやり方は、税制全体の整合性、合理性、効率性を審議するには不適切ではないでしょうか。例えば、今回も、自動車関係諸税の一体的な改正は、国税、地方税に分かれているため、ばらばらに審議することになります。
 総理に質問します。税は国の根幹そのものです。国会において税制全体の議論ができるよう、税法の改正については国税と地方税を合わせた一括法案として提出すべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。
 今回の法律案は、今年十月一日の消費税増税について所与のものとしていますが、消費税増税に反対であることを改めて強調します。
 理由は、過去二回の増税の失敗を繰り返すおそれがあるからです。現在の日本経済は、デフレ基調から回復しつつあるものの、完全に脱却したとは言えません。
 平成二十六年十一月十八日、一回目の消費税増税延期の際、安倍総理は記者会見で、GDP速報が発表されました、残念ながら成長軌道には戻ってはいませんと発言されています。さらに、平成二十八年六月一日、二回目の消費税増税延期の際の記者会見では、世界経済はこの一年余りの間に想像を超えるスピードで変化し不透明感を増しています、最大の懸念は中国などの新興国経済に陰りが見えることですと総理は発言されています。
 現在の世界及び日本の経済状況は、米中の貿易戦争、日本経済の減速など、予断を許さない状況にあります。過去二回の消費税増税延期発表時と状況が非常に似てきています。
 総理に質問します。過去二回の消費税増税の失敗を繰り返すことはないと、いかなる根拠を持ってお考えなのでしょうか。
 地方税源の偏在の是正について伺います。
 本法案では、法人事業税の一部を国税化して特別法人事業税とし、特別法人事業譲与税の形で偏在是正するものとしています。偏在の是正が必要であることは言うまでもありませんが、このような地方税を国税化する手法は、地方分権の方向性に真っ向から逆行するのではないでしょうか。
 もし、今回のような制度が許されるのなら、次は固定資産税、その次は住民税と、地方間で偏在があるものは何でも国税化して再配分することも可能となり、地方税の存在意義そのものを否定することとなります。
 地方税源の偏在を是正するのであれば、税収が不安定で税源が偏在している法人住民税や法人事業税は国税にシフトさせて、税源の偏在性が低い消費税を地方税とすべきと考えます。まさに、かつて総務省が主張していた税源交換です。社会保障と税の一体改革で消費税は社会保障の財源とすることになっているのは重々承知していますが、地方税源の偏在を是正するのであれば、消費税の地方税化を含む税源の大転換が必要と考えますが、総理の御認識を伺います。
 地方間の偏在が少ない産業の一つにパチンコが挙げられます。
 パチンコに関しては、消費税導入前は、地方税の娯楽施設利用税として、パチンコ一台につき月額二百八十円が課税されていました。パチンコ産業の売上げ規模は年間約二十兆円ですので、売上額の一%に課税しても、年間約二千億円の税収が見込まれます。これを国税ではなく地方税とすれば、地方税源の偏在是正にも貢献します。地方税としてのパチンコ税の創設について、総理のお考えをお聞かせください。
 このようなパチンコ税を創設するには、現在、風俗営業として認められているパチンコという存在と正面から向き合う必要があります。そもそも、パチンコは風俗営業なのでしょうか。パチンコを風営法の下ではなく、パチンコ業法を新たに制定し、その下に置く方がパチンコという存在の実態に即した規制が行えるのではないでしょうか。様々な圧力やしがらみを物ともしない安倍一強の突破力に期待します。パチンコ業法制定について、総理はいかがお考えでしょうか。
 ふるさと納税について質問します。
 今回の地方税法改正案では、ふるさと納税の特例控除対象寄附金とされる基準は総務大臣が定め、対象となるには総務大臣の指定を受けなければならないとされています。これでは、事実上の個別認可制度ではないですか。地方自治体の自主性、主体性を否定し、創意工夫や良い意味での競争関係を封殺する立法ではないかと考えますが、総務大臣の御認識をお聞かせください。
 さらに、指定を受けられなかった場合又は指定を取り消された場合、地方自治体はいかなる手段で争うことができるのか、例えば、国地方係争処理委員会や行政不服審査法の手続によることが可能なのか、総務大臣、お答え願います。
 真の地方自治を実現するには、住民にどのような地方税を納めてもらい、それを何に使うのかは、地方自治体の自己決定、自己責任でなされるべきです。
 しかしながら、現行の地方税法は、課税客体、課税標準等の細部に至るまで規定されており、地方自治体が自主的に定めることができるのは、制限税率の範囲内での超過課税などに限られています。地方税法の見直しを行い、制限税率の定めの廃止や、法定外税を創設する際の総務大臣の同意制度の廃止など、地方自治体の課税自主権を強化すべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
 日本の成長は地方の活性化によって生み出すべきものであると確信しています。私たち日本維新の会・希望の党は、中央集権的で画一的な社会を脱し、多極分散型の成長する国家の実現に努めてまいりますことを改めて申し上げまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#23
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行田邦子議員にお答えをいたします。
 税制の国会審議の在り方についてお尋ねがありました。
 国会における法案の付託先や委員会の所管など、委員会審議の在り方については、国会でお決めになる事柄であり、政府としてコメントすることは差し控えますが、近年では、財務省が所管する所得税法等の改正法案と総務省が所管する地方税制に関する改正法案等をそれぞれ国会に提出させていただき、所管する財政金融委員会と総務委員会で御審議をいただいているものと承知をしています。
 消費税率の引上げについてお尋ねがありました。
 二〇一四年十一月の消費税率引上げの延期については、消費税率八%への引上げによって個人消費が大きく落ち込む中で、経済再生、デフレ脱却を確かなものにするため、延期を判断したものであります。
 また、二〇一六年六月の消費税率引上げの延期については、景気は回復基調にあったものの、アジア新興国や資源国の経済の減速など、世界経済が様々なリスクに直面し、内需が腰折れしかねない状況となっており、こうしたリスクに対する国際的な共通認識の下、経済再生、デフレ脱却に万全を期すべきであったことから、経済対策の策定とともに延期を判断しました。
 これらに対し、現在は、通商問題の動向、中国経済の先行き等によるリスクに留意する必要がありますが、世界経済全体としては緩やかな回復を続けているとの認識に変わりはなく、我が国経済も、雇用・所得環境の改善を背景に、経済の好循環が着実に回り始めていると認識しています。
 今回の消費税率引上げについては、前回の八%への引上げの際に耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じた経験を踏まえ、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応することとしており、いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとしてまいります。
 地方税の偏在是正と税源交換についてお尋ねがありました。
 地方自治の強化のためには、自らの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想であり、地方税の充実確保を図りつつ、偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むことが重要であると考えています。
 今般の偏在是正措置はこうした観点から講じるものであり、新たに創設される特別法人事業税の税収の全額は、譲与税として客観的な基準に基づき地方団体に再配分される仕組みであり、実質的な地方税源であることから、地方分権の方向性に逆行するとは考えておりません。
 一方、消費税は、社会保障・税一体改革において、引上げ分の税収について全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて国と地方に配分することとされました。
 消費税が、このように国、地方それぞれの社会保障の財源とされていることを踏まえれば、地方法人課税と消費税の税源交換という御提案については慎重な検討が必要と考えております。
 地方税としてのパチンコ税の創設についてお尋ねがありました。
 パチンコに対しては、かつて地方税である娯楽施設利用税の対象として課税していましたが、平成元年の消費税導入の際に個別間接税見直しの一環として廃止された経緯があります。また、平成九年度には地方税としての地方消費税も創設されたところです。
 こうした廃止の経緯や地方消費税拡充の流れを踏まえれば、地方税としてパチンコ税の創設という御提案については慎重に検討すべきものと考えています。
 パチンコ営業の規制についてお尋ねがありました。
 パチンコ営業については、その態様によっては、客の射幸心を著しくそそるなど、善良の風俗と清浄な風俗環境を害し、又は少年の健全な育成に障害を及ぼすおそれがあるため、風俗営業の一つとして風営適正化法に基づき実態に即した必要な規制が行われているところです。このため、新たに御指摘の特別法を制定する必要はないものと認識しています。
 地方自治体の課税自主権についてお尋ねがありました。
 地方税法では、国民の租税負担、国と地方の税源の配分、地方団体間の課税権の調整等の観点から、地方税制の基本的な部分を法律で規定する一方、法定外税の創設や超過課税を地方団体の判断で行うことを可能としており、地方団体がこうした課税自主権を活用していくことは、地方分権の観点から望ましいと考えております。
 これまでも、地方分権を推進するため、法定外目的税制度の導入、個人住民税や固定資産税の制限税率の廃止などを通じて、自由度の拡大を図ってきたところです。
 御指摘の制限税率や法定外税の同意制度などの現行の仕組みは、先ほどの地方税法の趣旨から必要なものと考えていますが、政府としては、課税自主権の一層の活用が進むよう、引き続き地方団体への必要な支援を行ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(石田真敏君) 行田議員にお答えをいたします。
 まず、今回のふるさと納税制度の見直しについてお尋ねがございました。
 ふるさと納税は、ふるさとやお世話になった地方団体への感謝の気持ちを伝える制度であるとともに、税の使い道を自分の意思で決めることができる制度であります。
 ふるさと納税につきましては、過度な返礼品の送付について批判があり、これまで二度にわたり全国の地方団体へ大臣通知を発出するとともに、あらゆる機会を通じて見直しをお願いしてきましたが、依然として一部の地方団体が過度な返礼品によって多額の寄附を集める状況が続いたことから、これを是正することが避けられない状況となりました。
 今回の制度見直しが実現することにより、過度な返礼品を送付する一部の地方団体にふるさと納税が集中する状況が改善され、法律で定められた一定の客観的なルールの下で地方団体がそれぞれに創意工夫を凝らすことにより、ふるさと納税制度が健全に発展していくことを期待をしております。
 次に、指定を受けられなかった場合等の手続についてお尋ねがございました。
 地方団体を指定すること又は指定を取り消すことについては、地方団体に対する国の関与の一類型に該当するものと考えています。仮に指定を受けられなかった場合等に地方団体がどのように対応されるかについては、地方自治法等の規定に基づき、それぞれの団体が御判断されるものと考えています。
 なお、一般論として申し上げれば、地方自治法上、地方団体の事務に関する国の関与のうち一定のものについては、国地方係争処理委員会に対して審査の申出をすることができることとされております。(拍手)
    ─────────────
#25
○議長(伊達忠一君) 山下芳生君。
   〔山下芳生君登壇、拍手〕
#26
○山下芳生君 日本共産党を代表して、安倍総理並びに関係大臣に質問します。
 東日本大震災、東京電力福島第一原発事故から八年がたちました。改めて、犠牲となられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、今も避難生活を強いられている方を始め、被災された方々にお見舞いを申し上げます。政府が被災者支援に最後まで全力を尽くすこととともに、東電が最後のお一人まで誠実に誠意ある賠償を行うことを求めます。
 震災の教訓を生かすために、野党は、津波で根こそぎ住まいを失うなど、被災された方々への支援金の上限をせめて五百万円に引き上げる被災者生活再建支援法改正案、いまだ四万人を超える方がふるさとに戻れない福島の現実を踏まえた原発ゼロ基本法案を提出しています。
 総理、二法案を真剣に検討すること、与党が審議に応じるようイニシアチブを発揮することを強く求めます。
 地方自治に関わって二点聞きます。
 沖縄で辺野古埋立ての是非を問う県民投票が行われました。全市町村で反対が賛成を上回り、全県で反対が七割を超えました。昨年の県知事選挙で玉城デニー知事が得た過去最高の得票をも上回っています。
 総理、投票結果を真摯に受け止めるというのなら、直ちに土砂投入を中止して、沖縄と誠実に対話すべきではありませんか。
 ところが、総理は、三月五日の予算委員会で、我が党の小池議員に、県民投票の結果が示す沖縄の民意は辺野古基地建設反対だということを認めるかと何度問われても、結果について評価は差し控えたいとしか答えず、辺野古基地反対が沖縄の民意であることを最後まで認めませんでした。
 総理、なぜ認めないのですか。自分の気に入らない民意は認めないということですか。
 岩屋防衛大臣の、県民投票の結果に関わりなく、あらかじめ埋立事業を続けることは決めていたとの答弁にも驚きました。菅官房長官も同様の考えだと語っています。総理、安倍政権には民主主義も地方自治も関係ないということですか、お答えください。
 総理は国会答弁で、六割以上の自治体から自衛隊員募集の協力が得られていない、誠に残念だ、このような状況に終止符を打つためにも自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要と述べました。しかし、自衛隊施行令には、防衛大臣は、自衛官募集に関し、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な資料の提出を求めることができるとあるだけで、自治体に応じる義務はありません。だから、多くの自治体は、募集対象者情報の提出、すなわち若者の氏名、生年月日、男女の別及び住所を名簿にして提出することを求められても、個人情報保護、プライバシー保護などの観点から提出していないのです。これは、地方自治の原則からも当然のことであります。
 歴代の防衛庁長官、防衛大臣も、私どもが依頼しても自治体は応える義務というのは必ずしもございません、石破防衛庁長官、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしております、中谷防衛大臣、と繰り返し答弁しています。防衛大臣、政府はこうした立場を変えたのですか。
 このような自治体の対応に終止符を打つとして、憲法に自衛隊を書き込むと言い出した総理の狙いは何か。若者の名簿の提出をお願いすることしかできない現状に終止符を打ち、自治体に強制的に名簿を提出させるようにすること以外ないのではありませんか、答弁を求めます。
 厚生労働省の統計不正を調査する特別監察委員会の樋口委員長が、二〇〇一年以降、同省の審議会や研究会など三十二の会議で、会長、座長、委員などの役職を務めていたことが明らかになりました。これでは、特別監察委員会の第三者性は到底確保できません。現に、同委員会の追加報告書に対し、国の統計を所管する総務省の統計委員会から、分析も評価もなく、再発防止を考える際に必要な情報が著しく不足していると厳しい意見が出ています。
 総理、統計に対する国民の信頼を取り戻すためには、真に第三者性が確立された体制で調査をやり直すことが必要だと考えますが、いかがですか。
 地方財政について質問します。
 国と地方を合わせた支出のうち、地方の支出の割合は六割を占めるのに、税収全体に占める地方税の割合は四割しかなく、十年前より後退しています。全国知事会など地方六団体は、巨額の財源不足が解消されていない、地方交付税の法定率の引上げなど特例措置に依存しない持続可能な制度の確立をと求めています。
 総理、毎年出されるこの要請に、政府として、いつ、どのように応えるつもりですか。
 来年度の地方財政計画は、十月からの消費税増税を前提に、地方税収が大幅に増えると見込んでいます。しかし、消費税を三%から五%に引き上げた際、上向いていた景気が急速に悪化し、地方の税収総額は減りました。家計消費も実質賃金も落ち込んでいる今、消費税一〇%への増税が地方財政を悪化させないという保証はどこにあるのですか。総理、お答えください。
 安倍政権は、自治体の様々な業務にトップランナー方式を導入し、基準財政需要額の単位費用を、民間委託などを前提に削減してきました。導入された十八業務での削減額は一千六百三十二億円にも上ります。
 政府はさらに、自治体の窓口業務にまで導入しようとしていますが、窓口業務は、住民のニーズを直接つかみ、新たな政策につなぐ最前線です。総務委員会で意見陳述された富山市の森市長は、職員がフェース・ツー・フェースで様々な相談に対応でき、市民に安心感が生まれると、窓口業務の民間委託に反対されました。
 石田総務大臣、この声をどう受け止めますか。窓口業務の民間委託を進めるための財政誘導は断念すべきではありませんか。
 次に、女性と子供の貧困の問題です。
 現在、税制上の寡婦控除は、婚姻歴のない非婚、未婚の一人親には適用されません。そのために、税や保育料などの支払が年間十万円ないし数十万円も高くなるなど、非婚のシングルマザーは大きな不利益を受けてきました。同じシングルマザーでも婚姻歴があるかないかで差別される、これは憲法十四条の平等原則にも子どもの権利条約にも反する事態だと言わなければなりません。
 総理、余りに理不尽であり、不合理だと思いませんか。
 世論と運動によって、公営住宅の入居資格や賃料、保育料などについては、非婚の一人親世帯に対しても寡婦控除のみなし適用がされるようになりました。地方税においても本法案で二〇二一年から住民税への非課税措置が適用されます。しかし、所得税については、与党内で検討するとしながら数年にわたってストップが掛かったままです。
 総理並びに麻生財務大臣、所得税における非婚の一人親世帯に対する寡婦控除の適用を直ちに決断すべきではありませんか。
 虐待によって子供の命が脅かされることがあってはなりません。児童相談所に付設される一時保護所は、心も体も傷つけられた幼い子供に二十四時間体制で丁寧に対応する大事な役割を果たしています。ところが、全国に百三十七か所しかない一時保護所では、定員を超えて子供を保護する事態や受入れを断らねばならない事態が広がっています。背景には、施設整備の補助単価が低く、自治体負担が重いことがあります。
 子供の命を守り抜くために、児童相談所とともに一時保護所の整備と職員配置への十分な財政措置を急ぐべきです。
 総理の見解を求めて、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#27
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山下芳生議員にお答えをいたします。
 野党提出法案の審議についてお尋ねがありました。
 被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた方に対し、全都道府県の相互扶助及び国による財政支援により最大三百万円の支援金を支給するものです。支援額の引上げについては、国や都道府県の財政負担等の課題があり、慎重に検討すべきものと考えます。
 また、いわゆる原発ゼロ基本法案に関しては、現在、多くの原発が停止する中で、震災前と比較して一般家庭で平均約一六%電気代が上昇し、国民の皆さんに経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。
 資源に乏しい我が国にとって、こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えないと考えます。
 いずれにせよ、御指摘の両法案については、議員立法によるものであり、その取扱いについては国会において御判断いただくものと考えています。
 沖縄の県民投票、その結果の評価、辺野古移設についてお尋ねがありました。
 沖縄に米軍基地が集中する現状は、到底是認できません。沖縄の負担軽減は、政府の大きな責任です。今回の県民投票の結果を真摯に受け止め、これからも政府として基地負担の軽減に全力で取り組んでまいります。
 住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が、固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは地元の皆様の共通認識であると思います。普天間の全面返還を日米で合意してから二十年を超えた今もなお返還が実現しておらず、もはや先送りは許されないと思います。
 先日、沖縄県玉城知事にお目にかかり、知事とは今後とも様々な形で意見交換を行っていくことで一致したところです。長年にわたる地元の皆様との対話の積み重ねの上に、これからも御理解を得る努力を続け、普天間飛行場の一日も早い全面返還の実現に向けて全力で取り組んでいく考えです。
 県民投票は地方自治体における独自の条例に関わる事柄であり、その結果について政府として評価を加えるようなことは差し控えたいと思います。
 安倍政権においては、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するという基本方針で取り組んでおり、この方針の下、移設工事については防衛大臣が適時適切に判断しているところです。いずれにせよ、民主主義も地方自治も関係ないとの御指摘は当たりません。
 政府としては、今後とも沖縄の基地負担軽減に全力を尽くし、一つ一つ着実に結果を出してまいります。
 憲法に自衛隊を書き込む狙いについてお尋ねがありました。
 憲法改正の内容について、内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えるべきものと思いますが、お尋ねであるため、あえて申し上げれば、近年の調査でも自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は二割にとどまります。かねてから申し上げているとおり、君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれというのは余りにも無責任ではないでしょうか。
 私は、国民のため命を賭して任務を遂行する自衛隊員の諸君の正統性を憲法上明文化し、明確化することは、国防の根幹に関わることだと考えています。このような状況に終止符を打つためにも、自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けることが必要ではないか、このような私の考えを申し上げているものであります。
 なお、自衛官募集については、自衛隊法第九十七条において、都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官の募集に関する事務の一部を行うと規定されており、法律上、自衛官募集は自治体が行う事務とされています。一般論として申し上げれば、行政機関に対して法律に基づいて与えられた事務について、行政機関はこれを適切に遂行すべきものと考えられます。
 いずれにせよ、法令に基づき自治体の事務とされている事項について、六割以上の自治体が求めに応じていないことは事実であり、残念であると申し上げているものであります。
 統計問題についてお尋ねがありました。
 特別監察委員会の樋口委員長は統計や労働経済研究の専門家であること等から、その個人の資質に着目して委員長をお務めいただいているものと承知しています。また、委員会の下に元最高検検事の方を事務局長に迎え、独立性を強めた上で、先般、追加報告書が取りまとめられたところであり、その内容については、中立性、客観的な立場から検証作業を行っていただいた結果であると考えています。
 特例措置に依存しない地方財政制度の確立についてお尋ねがありました。
 アベノミクスの政策により来年度の地方税収や地方交付税の法定率分が増加となったことに伴い、平成三十一年度の地方財政対策では、財源不足が大幅に縮小し、臨時財政対策債の発行額を七千億円減と大幅に抑制しました。その上で、地方交付税を始めとした一般財源総額を前年度から六千億円増となる六十二・七兆円確保しております。これらの内容については、地方六団体からも高い評価をいただいているところであります。
 今後とも、法定率の見直しなど制度的な対応の議論も行いつつ、歳入面では、地域経済の好循環を全国津々浦々で一層拡大することなどにより地方税等の更なる増収を図るとともに、歳出面では、めり張りを付けて歳出構造を見直すことで、臨時財政対策債のような特例債に頼らないよう、財務体質の強化を図ってまいります。
 消費税の増税に伴う地方財政への影響についてお尋ねがありました。
 家計消費について、世帯当たりの消費を捉える家計調査の家計消費支出は、世帯人員の減少などから長期的に減少傾向となっています。一方で、一国全体の消費を捉えるGDPベースで見ると、二〇一六年後半以降、増加傾向で推移しており、持ち直しています。
 消費を取り巻く環境を見ると、生産人口が減少する中でも雇用が大幅に増加し、国民みんなの稼ぎである総雇用者所得は名目でも実質でも増加が続くなど、雇用・所得環境は着実に改善しており、消費は持ち直しが続くことが期待されます。
 その上で、今回の消費税率の引上げに当たっては、前回の八%への引上げの際に耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じた経験を踏まえ、いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講ずることとしています。これにより消費を下支えし、景気の回復軌道を確かなものとして、地方税収の確保も図ってまいります。
 なお、御指摘の実質賃金については、毎勤統計では、アベノミクスによる雇用拡大で女性や高齢者などが新たに雇用された場合は平均賃金の伸びも抑制され、さらに、デフレではない状況もつくり出す中で物価が上昇すれば一層抑えられるという特徴があることに留意が必要だと考えています。
 未婚の一人親に対する税制上の対応についてお尋ねがありました。
 一人親家庭の自立を支援し、子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されることのないよう、これまでも児童扶養手当の増額など積極的な支援を実施してきました。さらに、子供の貧困に対応するため、平成三十一年度与党税制改正大綱を踏まえ、児童扶養手当の支給を受けており、所得が一定以下の一人親に対し、個人住民税を非課税とする措置を今回の法案に盛り込んだところです。
 未婚の一人親に対する更なる税制上の対応の要否等については、与党において、平成三十二年度税制改正において検討し、結論を得ることとされており、政府としては、こうした議論も踏まえつつ適切に対応してまいります。
 一時保護所への財政措置についてお尋ねがありました。
 一時保護は、子供の安全確保のため、個々の子供の状況に応じ適切に行われることが重要です。このため、適切な環境で一時保護を行うことができるよう、来年度予算においては、施設整備に関する補助単価を加算するほか、一時保護を実施するための専用施設に対する補助などを行うこととしています。
 御指摘の一時保護所の整備と職員配置への財政措置の拡充については、実情を踏まえた適切な対応を検討してまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣石田真敏君登壇、拍手〕
#28
○国務大臣(石田真敏君) 山下議員にお答えをいたします。
 まず、窓口業務の役割についてお尋ねがございました。
 住民の多様な相談を受け住民のニーズを把握することは、地方公共団体の重要な役割の一つであります。他方、質の高い公共サービスを効率的、効果的に提供する観点から、外部資源を活用しながら業務改革を進め、そこで捻出された人的資源を職員が自ら対応すべき分野に集中することも重要であると認識いたしております。
 このため、例えば窓口業務のうち定型的な申請、届出等は民間委託の対象としつつ、住民からの相談については職員が担当することにより、職員が住民ニーズを直接把握しながら業務改革を行うことが可能であると考えています。
 いずれにいたしましても、窓口業務の民間委託を含め、どのように業務改革を進めるかについては、各地方公共団体において地域の実情に応じて適切に判断されるべきものと考えております。
 次に、窓口業務へのトップランナー方式の導入についてお尋ねがございました。
 トップランナー方式は、多くの団体が民間委託等の業務改革に取り組んでいる業務について、その経費水準を単位費用の積算基礎とするものであります。窓口業務へのトップランナー方式の導入につきましては、現時点におきまして多くの団体が民間委託を導入している状況にないため、平成三十一年度においては導入を見送ることとしております。
 今後、窓口業務の委託につきまして、委託が進んでいない理由を踏まえた上で、地方独立行政法人の活用や標準委託仕様書の拡充、全国展開などの取組を強化し、その状況を踏まえ、トップランナー方式の導入を検討することとしています。
 なお、地方交付税は使途が制限されない一般財源であり、トップランナー方式の対象業務をどのような手法で実施するかは各地方団体において自主的に判断されるものであります。(拍手)
   〔国務大臣岩屋毅君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(岩屋毅君) 山下芳生議員にお答えいたします。
 自衛隊員の募集に対する自治体の協力についてお尋ねがありました。
 自衛隊法第九十七条において、都道府県知事及び市町村長は、政令で定めるところにより、自衛官等の募集に関する事務の一部を行うと規定されております。また、自衛隊法施行令第百二十条により、防衛大臣は、自衛官の募集に関し必要があると認めるときは、都道府県知事又は市町村長に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができると定められており、これらの法令上、自衛官等の募集は、法定受託事務として自治体の行う事務であります。
 防衛省としては、自治体から募集に必要な資料を当然に提供いただけるという前提で、丁寧に依頼を行っているところであります。
 御指摘の答弁におきまして、当時の防衛大臣が、私どもが依頼しても応える義務というのは必ずしもございません、あるいは、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしておりますと答弁したのは、自治体に対し、法令に基づく事務として資料の提出を求める一方、これを強制することはできないことを述べたものであります。この意味において、御指摘の答弁の趣旨は現在も変わるものではありません。
 今後とも、より多くの自治体から資料の提出をいただくべく、丁寧に働きかけてまいります。(拍手)
   〔国務大臣麻生太郎君登壇、拍手〕
#30
○国務大臣(麻生太郎君) 山下議員から、未婚の一人親に対する税制上の対応について、一問お尋ねがあっております。
 未婚の一人親に対する税制上の対応につきましては、先ほど総理から既に答弁がありましたとおり、今回の地方税法の改正法案におきまして、子供の貧困に対応するため、一定の一人親に対し個人住民税を非課税とする措置を講ずることとしているところであります。
 平成三十一年度与党税制改正大綱では、更なる税制上の対応の要否等につきましては、平成三十二年度税制改正において検討し、結論を得ることとされております。
 政府といたしましては、与党における議論を踏まえ、適切に対応してまいります。(拍手)
#31
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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