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2019/04/12 第198回国会 参議院 参議院会議録情報 第198回国会 本会議 第12号
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2019/04/12 第198回国会 参議院

参議院会議録情報 第198回国会 本会議 第12号

#1
第198回国会 本会議 第12号
平成三十一年四月十二日(金曜日)
   午前十時十一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
  平成三十一年四月十二日
   午前十時開議
 第一 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 第二 航空法及び運輸安全委員会設置法の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 第三 道路交通法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第四 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一
  部を改正する法律案(内閣提出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、議員辞職の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員及び裁判官
  訴追委員予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員等各種委員
  の選挙
 一、子ども・子育て支援法の一部を改正する法
  律案(趣旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、議員の辞職についてお諮りいたします。
 去る八日、渡辺美知太郎君から議員辞職願が提出されました。
 辞表を参事に朗読させます。
   〔参事朗読〕
   辞 職 願
 この度(一身上の都合)により議員を辞職いた
 したいので御許可下さるようお願い申し上げま
 す
   平成三十一年四月八日
         参議院議員 渡辺美知太郎
  参議院議長 伊達 忠一殿
#4
○議長(伊達忠一君) 渡辺美知太郎君の議員辞職を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、許可することに決しました。
     ─────・─────
#6
○議長(伊達忠一君) この際、お諮りいたします。
 赤池誠章君及び室井邦彦君から裁判官弾劾裁判所裁判員予備員を、青木一彦君から裁判官訴追委員予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#8
○議長(伊達忠一君) この際、欠員となりました
 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員二名、
 裁判官訴追委員予備員一名、またあわせて
 検察官適格審査会委員予備委員、
 国土審議会委員各一名の選挙
を行います。
 つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、
 裁判官弾劾裁判所裁判員予備員に礒崎哲史君及び片山大介君を、
 裁判官訴追委員予備員に高木かおり君を、
 検察官適格審査会委員予備委員に宮沢由佳君を、
 国土審議会委員に有村治子君を、
それぞれ指名いたします。
 なお、裁判官弾劾裁判所裁判員予備員の職務を行う順序は、礒崎哲史君を第三順位に、片山大介君を第四順位といたします。
 また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、第二順位の石井浩郎君を第一順位に、第四順位の櫻井充君を第二順位に、第五順位の清水貴之君を第四順位に、高木かおり君を第五順位といたします。
     ─────・─────
#10
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。国務大臣宮腰光寛君。
   〔国務大臣宮腰光寛君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(宮腰光寛君) ただいま議題となりました子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 我が国における少子高齢化という国難に正面から取り組むため、消費税率の引上げによる財源を活用し、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、社会保障制度を全世代型へと転換していくこととしております。
 そうした中で、生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育の重要性に鑑み、子育てを行う家庭の経済的負担の軽減を図るという少子化対策の観点から、幼児教育、保育の無償化の取組を加速することとしており、市町村の確認を受けた施設等の利用に関し、新たな給付制度を創設する等の措置を講ずる必要があります。
 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、子育てのための施設等利用給付を創設し、その支給に係る施設等として、子どものための教育・保育給付の対象外の幼稚園、認可外保育施設等を市町村が確認するものとしております。
 第二に、市町村が認定した三歳から五歳までの子供又はゼロ歳から二歳までの住民税非課税世帯の子供が対象施設等を利用した際に要した費用について、その保護者に対し、施設等利用費を支給するものとしております。
 第三に、施設等利用費の支給に要する費用は、原則として、市町村が支弁することを基本とし、国はその二分の一を、都道府県はその四分の一を負担するものとしております。なお、平成三十一年度に限り、都道府県及び市町村の負担相当分について、全額国費で補填する措置を講ずるものとしております。
 最後に、この法律案は、一部の規定を除き、平成三十一年十月一日から施行するものとしており、これに伴う必要な経過措置について定めるとともに、所要の規定の整備を行うものとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#13
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。牧山ひろえ君。
   〔牧山ひろえ君登壇、拍手〕
#14
○牧山ひろえ君 立憲民主党・民友会・希望の会の牧山ひろえです。
 会派を代表して、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に関し質問いたします。
 冒頭、櫻田前オリンピック・パラリンピック担当大臣の辞任に触れないわけにはまいりません。
 一々挙げれば切りがない、これまでの数々の失言に加え、復興より議員が大事という暴言は全くもって論外です。不見識極まりなく、辞任は当然だと、この議場におられる全員が全員、思っておられると思います。被災された皆様、復興に携わる全ての人々を愚弄した罪は、万死に値します。櫻田氏には、二度と復興について口にしていただきたくありませんし、オリンピック・パラリンピックには今後一切関わっていただきたくありません。
 何より大問題なのは、その櫻田氏の繰り返される失言、暴言を一顧だにせず、なぜかかばいにかばい続けた安倍内閣総理大臣です。任命責任など当たり前です。任命責任があると自らおっしゃるのであれば、口先だけではなく、その全ての責任を具体的に取っていただかなければなりません。これだけの暴言です。謝っておしまいというわけにはいきません。総理は任命責任をどう取るおつもりなのか、行動でどう示すのか、具体的にお答えください。
 総理はこの櫻田前大臣を適任だと言い募ってきましたが、いかなる根拠をもって適任と考えておられたのか、我々には全く理解できませんでした。櫻田前大臣が適任だと主張し続けた根拠は何なのでしょうか。
 これまで守ってきた櫻田前大臣について、総理は今回、一転して辞任を認めました。数多くの妄言、失言があり、辞任のタイミングはこれまでにも多くあったにもかかわらず辞任を認めず、今回は適任ではないと判断した根拠をお答えください。
 次に、そんたく道路なる言葉を生み出した塚田前国土交通副大臣について伺います。
 塚田前副大臣の発言は、予算措置を利益誘導に使ったとんでもない暴言です。この発言について、総理は当初、発言の詳細を承知していない、本人が撤回し謝罪したので、説明責任を果たせばよいと決算委員会で答弁していました。なぜ、発言の詳細を承知していないのに、当初は続投させようとしたのでしょうか。
 その後、安倍総理は一転して塚田前副大臣の辞任を認めましたが、何が変わったのでしょうか。相変わらず発言の詳細を知らないまま辞任を認めたのでしょうか。塚田前副大臣の発言の何が問題と考え、辞任届を受理したのでしょうか。当初の姿勢からの違いも併せ、明確にお答えください。
 塚田前副大臣は発言を撤回しましたが、そんたく疑惑は解消されていません。国土交通省が公開した、吉田参議院議員、大家参議院議員が塚田副大臣に陳情に行った際の報告メールを見れば、そんたくがあったと考えるのが普通です。単にそんたくはなかったと言っても、国民の納得は得られないのです。やはり、そんたくがあったのかどうか、きちんと調査すべきです。
 複数の省庁にまたがる問題でもあり、是非、安倍総理のリーダーシップを期待したいと考えます。総理、調査されますでしょうか。
 吉田参議院議員と大家参議院議員は、塚田前副大臣にお願いに行く前日に麻生副総理にもお願いに行っておられます。国土交通省は正直に面談の様子についてメモを出しましたが、財務省は面談記録がなく、同席していた秘書官は麻生財務大臣がどのような発言をしたか記憶がないと言い出す始末です。
 森友学園問題で、公文書改ざんという日本の歴史上あり得ない罪を犯した財務省です。行政プロセスの透明化に向けてきちんと記録を取り、公文書を整理するのが当たり前です。しかし、信じられないことに、そんたく道路については、またも記録がない、記憶がない。これで財務省は反省していると言えません。財務省が面会記録すら残していないことを、総理は適切とお考えなのでしょうか。
 公文書改ざんという重大な罪を犯したにもかかわらず、麻生大臣は居座り続けています。図らずも、今回の記録も記憶もないという対応を見れば、麻生大臣は公文書改ざん事件を全く反省しておらず、大臣として不適任と言わざるを得ません。総理は、そんたく道路問題での対応を見ても、麻生大臣が適任とお考えなのでしょうか。その根拠とともにお答えいただきたい。
 櫻田前大臣や塚田前副大臣に限らず、安倍政権と政権与党の言動は目に余るものがあります。権力の上にあぐらをかいているがゆえのおごり、緩みは、もはや誰の目にも明らかであり、看過できません。おごり高ぶり、緩み切った自公政権によって、やってはならない隠蔽、改ざん、捏造が繰り返されています。もはやこれは安倍自公政権の腐り切った体質そのものであり、救いようがありません。率直に言って、政府・与党におごり、緩み、慢心があったとお認めになりますか。総理の認識をお答えください。
 子育てや教育に係る費用負担の軽減という観点からは、幼児教育、保育の無償化は一定の意義があると考えています。
 しかし、幼保無償化の前に、全ての子供が第一に、安全で質の高い幼児教育、保育を受けられる環境を整えなければなりません。環境整備することなく、ただ単に幼保の無償化を推し進めれば、待機児童問題はますます悪化し、安全性を欠く質の悪い幼児教育、保育が横行し、保育士、幼稚園教諭のなり手不足で現場が疲弊して、より一層人手不足に拍車が掛かり、結果として、無償化どころか、幼児教育、保育を受けられない人がたくさん生じることになりかねません。このような事態は絶対に避けなければなりません。この問題意識から本日の質疑を行います。
 まず、子ども・子育て支援は、未来を担う子供たちがより良く成長するための最重要の政策です。衆議院では、審議のたびに新しい問題点が浮上するような状況でありながら、我々の反対を押し切って、委員長職権により強行採決がなされました。熟議の府である参議院においては、このような乱暴な審議は行わず、国民の懸念を払拭するまで議論を尽くすべきと冒頭に申し上げさせていただきます。
 厚生労働省によると、昨年四月の待機児童数は一万九千八百九十五人にも上ります。いまだに二万人近い待機児童がいる深刻な状況を総理はどのように受け止めていらっしゃるんでしょうか。
 幼児教育、保育の無償化は、預け先のない方にとって何の意味もありません。無償化よりも、待機児童ゼロをし、保護者の窮地を救うことこそが優先されるべきではないでしょうか。待機児童ゼロよりも無償化を優先された理由を総理に伺います。
 新聞社の調査では、幼児教育、保育の無償化で今後保育ニーズが増えると答えた自治体が八割を超えています。実際、二〇一六年度から独自に第二子以降の保育料無償化を先行させた兵庫県明石市では、待機児童が急増し、調査対象の自治体の中で全国最多になっています。
 このような状況も鑑みて、無償化後、待機児童数はどの程度になると厚労大臣は予測されているのでしょうか。具体的数字をお答えください。
 政府は、これまでの答弁で、今般の幼児教育、保育の無償化は基本的に三歳から五歳までを対象としており、その九割以上が既に認可施設を利用できているため、三歳から五歳までについては待機児童への影響は限定的であるとの考えを示してきました。
 しかし、今、多くの自治体で三歳枠の受皿があふれつつあります。世田谷区では三歳児の落選率は四九・八%、更に激戦の港区では三歳児の落選率は八〇%にも及びました。これでもなお幼保無償化が待機児童へ及ぼす影響は限定的だと言えますか。総理の見解を伺います。
 先月、東京都葛飾区の認可外保育施設において施設長が児童に対して身体的な苦痛を与える保育を繰り返し行っていたとして、施設の名前が公表されました。東京都は、複数回にわたり立入調査を行い、改善勧告を行っていましたが、改善が図られなかったとのことです。熊本市の保育施設においても、先月、職員による暴言や長時間の叱責といった不適切な行為が認められました。このような悪質な保育の話を聞き、総理はどのように受け止め、原因を何だと考えますか。
 また、施設が改善勧告に従わないことや、保護者が録音機を忍ばせてようやく問題が発覚したことが示すように、現行の監査制度は不十分だと言えます。無償化政策の採否にかかわらず、保育の質を確保するためには、認可保育施設も含めて全ての施設に対して監査、監督を強めていくことが必要です。施設に対する立入検査はどの程度の頻度と内容で実施する方針でしょうか。厚労大臣に伺います。
 無償化よりも先に、全ての子供がどの施設においても質の高い幼児教育、保育が受けられ、保護者が安心して預けられる環境を整えるべきです。しかし、今般の無償化は、指導監督基準を満たしていない認可外保育施設についても五年間も無償化の対象とするものです。幼児教育の重要性をうたう姿勢と相反する政策とも言えますが、総理の見解を伺います。
 指導監督基準とは、ある有識者によると、これを守らなければ乳幼児が亡くなってしまうかもしれないという最低限の基準とのことです。しかし、二〇一六年度の調査ですと、四三%の認可外施設がこの基準を満たしていませんでした。私は、命を守りたいという思いで政治の世界に飛び込みましたが、本当に子供たちの命に関わる状況なのです。
 指導監督基準さえ満たしていない施設も無償化の対象とすることは、本来なら保護者の信頼を失い淘汰されるはずの質の悪い施設や、ニーズに合わない施設まで生き延びさせることにならないでしょうか。総理の認識を伺います。
 また、検査や巡回指導で是正すべき課題が見付かっても、施設側による改善が行われなくても、経過措置の五年間は引き続き無償化の対象となる可能性があるのでしょうか。厚労大臣に伺います。
 保育士、幼稚園教諭の給与は、全産業と比べて大きな差があります。二〇一七年度の保育士及び幼稚園教諭の年間給与額は、全職種の年間給与額に比べて百五十万円も少なくなっています。保育士、幼稚園教諭が日々担っている重責に対して、余りにも給与が安過ぎます。無償化に使う予算を、まずは保育士、幼稚園教諭の給与の改善に大胆に投じ、その職責に見合う給与を手にできるよう施策を講ずるべきです。
 我々は、一人当たり月額五万円の上昇を想定した保育士の処遇改善法案を議員立法として提出しています。一方、政府・与党が行った今月からの賃金引上げは、月額約三千円にすぎません。保育士、幼稚園教諭の処遇改善を、幼児教育、保育の無償化よりも後回しにされた理由を総理にお伺いいたします。
 有資格者でありながら保育士として仕事をしていない潜在的保育士は、八十万人とも言われています。ここ数年来、潜在的保育士の復職の状況はどのように推移したのでしょうか。どのような対策を行い、どのような結果に結び付いたのかについて、総理に御説明をお願いします。
 今回の無償化案は、国民を分断し、子供の格差を広げるものです。我々は、総理の対極に立ち、保育や幼児教育の真のニーズにしっかりと応え、安心、安全な子育てを実現していく決意を表明させていただき、質問を終わらせていただきます。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#15
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 牧山ひろえ議員にお答えをいたします。
 櫻田前オリンピック・パラリンピック担当大臣に関する任命責任についてお尋ねがありました。
 櫻田前大臣については、二〇二〇年の招致決定直後から文部科学副大臣として組織委員会の立ち上げなどに携わった経験等を踏まえ、オリンピック・パラリンピック担当大臣として任命しました。
 これまで問題を指摘された際には、その反省の上に立って職責を果たしていくことを求めたところですが、今回の場合は、被災地の皆様のお気持ちを傷つける発言を行い、辞任することとなりました。この発言について、私からも、被災地を始め国民の皆様におわび申し上げます。
 任命責任は、もとより内閣総理大臣たる私にあります。被災地に寄り添いながら復興に全力を傾ける、これは安倍内閣の揺るぎない方針であり、全ての閣僚が一層身を引き締め、しっかりと襟を正し、内閣の総力を挙げて東日本大震災からの復興を始め内外の課題に取り組むことで、国民の負託に応え、その責任を果たしてまいります。
 塚田前国土交通副大臣の発言についてお尋ねがありました。
 塚田前国土交通副大臣の発言に際し、私は、説明責任を果たせばよいと答弁したのではなく、そうした発言をしたことは問題とした上で、まずは本人からしっかりと説明すべきであり、そのことを肝に銘じて職責を果たしてもらいたいと答弁をしております。これは、まず本人が国会の場においてしっかりと説明をすることが重要であると考えたからです。
 その後、本人より、自らの発言により行政に遅滞を及ばすことがあってはならない、よって辞任したいとの申出が石井国土交通大臣にあり、大臣もその意向を尊重したとのことであり、内閣として副大臣を免ずることとしました。
 塚田前副大臣は、事実と異なる発言をしたとして、自身の発言を撤回し、謝罪した上で辞任しています。また、石井国土交通大臣も、先日の国土交通委員会において、省内ではそんたくあるいは利益誘導というものはなかったと考えていると答弁していると承知しています。このため、私の指示で調査を行うことは考えていません。
 財務省の公文書管理及び麻生財務大臣の資質についてお尋ねがありました。
 公文書の改ざんはあってはならないことであり、国民の皆様の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として大きな責任を痛感しております。改めて国民の皆様におわび申し上げます。
 政府としては、一連の公文書をめぐる問題を受けて、文書管理の実務を根底から立て直すべく、公文書管理の適正化に向けた総合的な施策を決定したところであり、財務省においても、こうした施策にのっとり、適切に行政文書の作成、管理を行っているものと認識しております。
 麻生財務大臣においては、財務省における一連の問題等を踏まえ、組織の立て直しに取り組まれているところであり、引き続きしっかりとその職責を果たしていただきたいと考えています。
 政権の姿勢についてお尋ねがありました。
 様々な御批判は真摯に受け止めたいと思います。政権与党の一人一人が一層身を引き締め、国民の皆様へのお約束を一つ一つ実行していくことで、その負託に全力で応えてまいります。七年前の政権交代の原点を決して忘れることなく、今後とも高い緊張感を持って政権運営に当たってまいります。
 幼児教育、保育の無償化と待機児童問題についてお尋ねがありました。
 待機児童の解消は待ったなしの課題であり、幼児教育、保育の無償化とともに、最優先で取り組んでまいります。
 こうした待機児童解消の裏付けとなる子育て安心プランは、女性の就業率が二〇二二年度末に先の先進国並みの八割まで上昇することを想定して策定しており、また、今回の幼児教育、保育の無償化は、基本的に既にほとんどの子供が認可施設を利用できている三歳から五歳児を対象としていること、ゼロ歳から二歳児については住民税非課税世帯に限定していることから、無償化による保育ニーズの増大があったとしても、十分対応可能なものとなっています。
 なお、保育施設の入所については、一次選考に漏れた場合であっても、四月入園に向けて、その後の二次あるいは三次の選考が行われることが通常であり、御指摘の落選率については、最終的な選考の状況を見定める必要があります。
 引き続き、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに待機児童を解消するため、全力で取り組んでまいります。
 保育施設における不適切な行為についてお尋ねがありました。
 保護者に代わって日中保育を行う保育施設において、御指摘のような不適切な行為が行われていたことは極めて問題です。その背景には様々な要因が考えられますが、こうした事態の防止のためには、職員の資質向上やこうした施設に対する指導監督の強化が必要と考えます。
 全ての子供には、適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される権利があります。国としても、保育施設における不適切な行為を根絶できるよう、職員の資質向上に向けた研修機会の確保や児童福祉法に基づく指導監督の強化に向けて、自治体と協力しつつ、しっかりと取り組んでまいります。
 認可外保育施設の質の確保についてお尋ねがありました。
 本年十月から実施する幼児教育、保育の無償化に当たっては、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がおり、こうした方々についても負担軽減の観点から無償化の対象とし、指導監督基準を満たさない施設が基準を満たすために、五年間の経過措置期間を設けることとしています。
 この経過措置期間において、子供の安全が確保されるよう児童福祉法に基づく都道府県等の指導監督の充実を図るとともに、認可施設に移行するための運営費の支援を拡充し、移転費の支援等も行うこととしております。無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上を図っていきます。
 引き続き、認可外保育施設の指導監督の実務を担う地方自治体の皆様の御意見をしっかり伺いながら、本年十月からの実施に向け、準備を進めてまいります。
 保育士、幼稚園教諭の処遇改善と幼児教育、保育の無償化についてお尋ねがありました。
 保育士、幼稚園教育の処遇改善は重要であり、幼児教育の無償化とともに取り組んでいます。
 具体的には、政権交代以降、月額約三万八千円に加え、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施しています。こうした処遇改善が反映された結果、保育士の賃金については、試算によると、平成二十五年からの五年間で、年収ベースで約四十八万円増加しています。さらに、今年度からは新しい経済政策パッケージに基づき月額三千円相当の処遇改善を行っていきます。
 高い使命感と希望を持って保育や幼児教育の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、引き続き支援に努めてまいります。
 潜在的保育士についてお尋ねがありました。
 出産、妊娠等により離職した保育士の復職については、保育士が働きやすい職場環境の整備や処遇改善に加えて、従来より保育士・保育所支援センターによる求職者のニーズに応じたマッチングを行ってきており、本年度から、さらに潜在保育士を試行的に雇用する際に必要な研修の支援を行うこととしています。
 潜在的保育士の復職に限った状況は把握しておりませんが、保育人材全体としては、こうした取組もあり、平成二十六年から二十九年の三か年で約八万三千人増加しております。
 引き続き、保育士確保のため、総合的な支援に力を尽くしてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(根本匠君) 牧山ひろえ議員にお答えをいたします。
 幼児教育、保育の無償化による待機児童数への影響についてお尋ねがありました。
 待機児童の解消は待ったなしの課題であり、最優先で取り組んでおります。
 具体的には、二〇二〇年度末までに待機児童を解消するため、子育て安心プランに基づき、保育の受皿三十二万人分を整備することとしています。
 この保育の受皿三十二万人分については、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二〇年度末に他の先進国並みの八割まで上昇することを想定して、必要な整備量を推計したものであります。したがって、今後、様々な要因によって保育ニーズの増大があったとしても、十分対応可能なものとなっております。
 なお、先行して無償化を実施した明石市において待機児童数が増加した背景には、無償化により周辺市町村からの人口流入が生じたことなどの事情があったものと承知をしています。
 保育施設に対する指導監督に関するお尋ねがありました。
 保育施設の保育内容や保育環境が適切に確保されているためには、各自治体が保育の現場に立ち入ることが重要です。
 このため、認可保育所については児童福祉法施行令により毎年一回以上、認可外保育施設については通知により原則として年一回以上、都道府県知事等による実地検査を行うことを義務付けています。
 加えて、保育所施設が守るべき基準の内容について助言などを行う巡回支援指導員について、平成三十一年度予算で都道府県等への配置を拡充しました。
 引き続き、保育の受皿の拡充と保育の質の確保を車の両輪としてしっかりと進めてまいります。
 認可外保育施設の経過措置についてお尋ねがございました。
 今般の無償化に当たっては、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人の負担軽減の観点から、認可外保育施設も無償化の対象としたものですが、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たすために、五年間の猶予期間を設けることとしています。
 この期間中に、基準を満たさない認可外保育施設の質の確保、向上が図れるよう、児童福祉法に基づく都道府県等の指導監督の充実を図るとともに、巡回支援指導員の配置の拡充や、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たし、さらに認可施設に移行するための運営費の補助等の支援などの取組を行います。
 都道府県等の立入検査の結果、改善指導が行われれば、改善指導に対する回答や改善計画の提出を求め、改善の見通しがなければ改善勧告を行うなど、都道府県等において適切に対応していただくことが必要です。
 さらに、待機児童の状況等が地域によって大きく異なることを踏まえ、今回の法案では、市町村が条例により対象施設の範囲を定めることを可能とする仕組みを盛り込んでいます。
 未来を担う子供たちの安全が確保されるよう、地方自治体の御意見をしっかり伺いながら、十月からの施行に向けて検討してまいります。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(伊達忠一君) 矢田わか子君。
   〔矢田わか子君登壇、拍手〕
#18
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 会派を代表し、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に対し質問します。
 まず最初に、一昨日、安倍総理大臣が櫻田オリンピック・パラリンピック担当大臣を更迭されたことについて伺います。
 櫻田元大臣は、昨年十月に就任されて以降、国会での答弁を含め、見識が疑われるような発言を繰り返してこられました。私たちは何度も辞任を要求いたしましたが、安倍総理大臣はこれまで適材適所と擁護され続けてきました。このことが、今回、被災地の皆さんの心を深く傷つける発言にまでつながったわけで、総理大臣として、任命責任と、これまで大臣職を続投させてきた責任は極めて大きいものがあると言えます。さきの塚田副大臣のそんたく発言といい、現内閣のおごりは、もはや国民の許容範囲を超えているものがあります。総理はどのように責任を取られるのですか、まず伺います。
 本題に入ります。
 保育、幼児教育の政策の最大の課題は、待機児童問題を解消することにあります。この春も、認可保育園の選考に漏れ、必死で認可外保育所を探し回り、何とか仕事を継続することができたお母さん方も多いと思います。一方、仕方なく育児休業を取得、延長したり、兄弟が別々の保育所を指定されたために入所を諦めたりする、いわゆる潜在的な待機児童もカウントすれば、本年度の待機児童数もまたかなりの数に上ることが推測されます。
 この待機児童問題の解消は国の政策資源を最優先に配分すべき課題であるにもかかわらず、政府は今回、無償化という施策を優先させ、消費税の増税分の一部を財源として、本年度で四千六百五十六円の予算を組まれました……(発言する者あり)億円の予算を組まれました。このことは、子供を抱える家庭にとっては、家計は確かに助かるかもしれませんが、一方で、いずれの保育施設にも入れない待機児童を抱える家庭においては、何らメリットを享受することができません。
 無償化によって保育所入所希望者が更に増えることも見込まれる中、待機児童をどのように解消されていくのか、その道筋と実現可能な施策について、総理大臣より見解を伺いたいと思います。
 次に、この待機児童問題解消に資する保育施設の増設については、単なる量的な拡大ではなく、いかに保育の質を確保していくのかが重要だということを指摘したいと思います。
 例えば、園児の死亡事故や負傷事故は相対的に認可外保育施設で多く発生しており、例えばうつ伏せ寝による子供の死亡事故の約八割は認可外保育所で発生しています。園児の安全確保のための環境整備や、資格のないスタッフの研修の充実などが緊急の課題となっています。
 とりわけ、今回、無償化の対象となる認可外施設については、五年間は指導監督基準を満たさなくてもよいという、そんなことがまかり通っておりますが、利用者の不安を取り除くために何らかの安全確保対策を講じていただきたいと思います。
 また、現在、保育ニーズの受皿となっている企業主導型保育所は、深夜保育や休日保育など多様なニーズに応えてもらえるメリットがありますが、一方で、一部の保育所では、経営面、安全面の質の確保の面において様々な問題が指摘されています。この問題は、日常的に監督指導する機能が非常に弱いことや、市町村との連携が取られていないことが要因として指摘されています。
 これらの安全確保を中心とした保育の質の確保とともに、子供たちの様々な能力開発につながる教育内容の充実といった質の確保も併せ、今後どのような対策を講じていかれるのか、宮腰担当大臣及び根本厚生労働大臣より見解を伺います。
 次に、無償化と社会政策における所得再配分機能との関係についてお尋ねします。
 政府の公表資料や様々な試算によって、今回の無償化は、世帯収入が高いほど制度の恩恵を受ける、つまり所得再配分機能が逆方向になっており、社会政策として問題ではないかという議論が起こっています。
 私どもも、今回の無償化について、従来の公費負担がどう変化するのかを所得階層別に試算いたしました。その結果は、例えば、年収二百六十万円から三百三十万円までの世帯は無償化によって年間約十万円の公費負担増にとどまりますが、年収一千百三十万円以上の高収入の世帯では五十一万五千円もの公費負担が増えることになります。
 今回の幼児教育無償化政策において、このように所得再配分という社会政策上の基本理念が取り入れられなかったことについて、総理大臣より見解を伺いたいと思います。
 次に、この所得再配分機能の問題と関連して、所得制限の問題について質問します。
 民主党政権時代に高校授業料無償化が実施されましたが、このとき、当時野党であった自民党から、所得制限を設けないのはばらまき政策だと批判を受けました。その後、安倍政権になって所得制限が導入されましたが、これにより、教育費負担が従来に戻った所得層からは、高校無償化は何だったんだとの不満の声が多く出されました。
 今回は、ゼロから二歳児の幼児教育の無償化には所得制限が設けられましたが、三歳―五歳児は所得制限が設けられていません。公的サービスにおける所得制限適用に関して一貫性がないように思えますが、安倍総理大臣より説明をお願いします。
 働く女性にとって、出産、育児に関わり大きな負担を強いられるのがゼロ歳―二歳の幼児を持つ時期です。しかし、今回の無償化は住民税非課税世帯に限定されました。その理由と、無償化対象をどのぐらいに見込まれているのか、宮腰大臣より説明をお願いします。
 私の周りには、無償化は有り難い、たとえ少額でも保育料を負担するのは、でも当然という気もする、その財源を保育士さんの処遇改善やゼロ歳―二歳児への支援にも使ってほしいという方々もおられます。
 政府として、今後、何らかの負担軽減策を取られるつもりはないのか、併せて宮腰大臣より見解を伺いたいと思います。
 次に、運用上、扱いが難しい幼稚園における預かり保育の無償化問題について質問します。
 専業主婦の世帯の場合は、預かり保育に対して無償化措置は行われませんが、市町村が保育の必要性を認定した場合は利用料が無償化されます。この保育の必要性については、妊娠、出産や保護者の疾病などが挙げられていますが、これらの要件は個々の状況によって判断されにくい曖昧なものがあります。例えば、母親が求職活動をしていても、その活動内容によっては認めてもらえない、そんなケースも想定されます。
 この預かり保育の見込み数と予算額を説明していただくとともに、保育の必要性の判断基準の明確化に関し、宮腰大臣の見解を求めます。
 あわせて、この無償化を機に、私立幼稚園などで保育料の便乗値上げが行われるのではないかとの懸念があります。かつて、二〇一〇年に高校授業料の無償化政策が行われ、私立高校においては高等学校等就学支援金という制度がスタートしましたが、このときも私立高校の便乗値上げの問題が出ました。
 今回、マスコミの調査では私立幼稚園の四割程度が保育料を引き上げるとのことですが、保育料の便乗値上げについてどのような対策を講じられるのか、宮腰大臣より伺いたいと思います。
 最後に、保育士の負担軽減について質問します。
 今日、保育士の確保が大きな課題となっている中で、保育士の定着や職場への復帰を促すためには、保育士一人一人に課せられる労働負荷を減らす政策が必須であると考えます。その一つに、保育ICTシステムの導入があります。例えば、延長保育料の計算の自動化やSNSを活用した保護者との連絡業務の効率化、あるいは子供たちのお昼寝時のモニター確認などですが、今後、政府として保育現場におけるICT導入についてどのような支援策を進めていかれるのか、宮腰大臣よりお願いします。
 本法律案によって実施される幼児教育無償化、本来であれば子供を育てる世帯から歓迎される施策であるはずです。しかしながら、高所得者優遇と指摘されている施策でもあり、待機児童の更なる増加やこれに伴う保育の質の低下の懸念など課題も多く、不安の残る施策でもあります。何よりも、消費税を上げて莫大な予算を投じるこの施策が我が国の最大の課題である少子化対策に本当につながるのか、極めて疑問であると言わざるを得ません。
 以上、安倍総理大臣並びに宮腰大臣、根本大臣の真摯な御答弁をお願い申し上げ、私の代表質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#19
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 矢田わか子議員にお答えいたします。
 櫻田前オリンピック・パラリンピック担当大臣や現内閣の姿勢についてお尋ねがありました。
 櫻田前大臣については、これまで問題を指摘された際には、その反省の上に立って職責を果たしていくことを求めたところですが、今回の場合は、被災地の皆様のお気持ちを傷つける発言を行い、辞任することとなりました。この発言について、私からも、被災地を始め国民の皆様におわび申し上げます。
 被災地に寄り添いながら復興に全力を傾ける、これは安倍内閣の揺るぎない方針であり、閣僚全員が復興大臣であるとの意識を改めて深く胸に刻み、強い責任感を持って、それぞれの持ち場において復興の加速化に全力を尽くしてまいります。
 任命責任は、もとより内閣総理大臣たる私にあります。全ての閣僚が一層身を引き締め、しっかりと襟を正し、内閣の総力を挙げて東日本大震災からの復興を始め内外の課題に取り組むことで、国民の負託に応え、その信頼回復に努めてまいります。
 待機児童問題についてお尋ねがありました。
 待機児童の解消は待ったなしの課題であり、幼児教育、保育の無償化とともに、最優先で取り組んでいます。二〇一八年四月時点の待機児童は、前年より約六千人の減少となり、十年ぶりに二万人を下回りました。
 こうした待機児童解消の裏打ちとなる子育て安心プランにおける保育の受皿整備三十二万人分については、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二〇年度末に他の先進国並みの八割まで上昇することを想定して、必要な整備量を推計したものです。したがって、今後、様々な要因によって保育ニーズの増大があったとしても、十分対応可能なものとなっています。
 引き続き、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに待機児童を解消するため全力で取り組んでまいります。
 今般の無償化と所得再分配の関係についてお尋ねがありました。
 幼児教育は、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の小中学校における義務教育の基礎を培うものであり、保護者の所得の多寡にかかわらず、全ての子供にとって重要なものです。
 今般の幼児教育、保育の無償化は、こうした幼児教育の重要性と、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策の必要性に鑑み、未来を担う子供たち、子育て世代に大胆に投資するものです。
 高所得者を優遇した政策であるとの御指摘については、元々、所得の低い方の保育料は既に公費を投じ負担軽減を図っており、さらに、安倍政権では、低所得世帯を中心に先んじて段階的に無償化の範囲を拡大してきており、今回の無償化による公費負担額のみをもって、高所得者層ほど大きな恩恵を受け、社会政策として問題であるとの指摘は当たらないと考えています。
 無償化の所得制限についてお尋ねがありました。
 高校の授業料支援については、家庭の経済状況にかかわらず教育の機会均等を保障する観点から、所得制限を設け、依然として負担が大きかった低所得世帯の生徒に対する支援を充実させたものです。
 一方、幼児教育、保育の無償化は、先ほども申し上げたとおり、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性と、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策の必要性に鑑み、所得制限を設けることなく、三歳から五歳までの全ての子供たちを対象に実施するものです。また、ゼロ歳から二歳児については、待機児童の問題もあることから、その解消に取り組みつつ、住民税非課税世帯を対象として無償化を進めることとしています。
 このように、それぞれ適切に判断しているものであり、所得制限に関して一貫性がないとの御指摘は当たりません。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮腰光寛君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(宮腰光寛君) 企業主導型保育事業の質の確保についてお尋ねがありました。
 企業主導型保育事業につきましては、制度創設から三年目を迎え、様々な問題が指摘されていることから、昨年十二月に、実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げました。
 検討委員会報告において、当面早急に改善すべき方向性として、「子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直す。」、「国・実施機関と自治体との間で、情報を共有しつつ、審査・運営の円滑化や指導監査、相談などについての連携を進める。」などが示されております。
 今後、検討委員会報告を踏まえ、保育の質を確保するという観点から、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、質の高い幼児教育を提供するため、昨年四月から、健康な心と体、思考力の芽生えなど、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿を新しい保育所保育指針や幼稚園教育要領において明確化したところであります。認可外保育施設である企業主導型保育施設においても、この保育所保育指針の内容に準じて保育を行うこととされています。
 今後とも、一人一人の子供が健やかに成長することができる社会の実現に向け、全力を尽くしてまいります。
 ゼロ歳から二歳までの無償化についてお尋ねがありました。
 今般の幼児教育、保育の無償化では、ゼロ歳から二歳までの子供については、待機児童の問題もあることから、その解消に取り組みつつ、住民税非課税世帯を対象として進めることにいたしました。
 今般の無償化の対象となるゼロ歳から二歳までの保育所等に通う住民税非課税世帯の子供は、約十五万人となります。
 更なる負担軽減策については、少子化対策や乳幼児期の生育の観点から、安定財源の確保と併せて検討することにしています。
 なお、ゼロ歳から二歳までの子供については、家庭で子育てをされる方々も多くいらっしゃり、このような方々への支援として、地域子育て支援拠点や子育て世代包括支援センターの整備などを進めており、今後とも、様々な子育て世代のニーズに応じ、きめ細かな施策の充実に努めてまいります。
 預かり保育と保育の必要性の判断基準についてお尋ねがありました。
 幼稚園等の預かり保育につきましては、保育の必要性のある子供が利用する場合に無償化の対象とすることにしています。その対象者と所要額は、平成三十一年度予算を基に平年ベースで試算すると、約五十六万人、公費で約三百七億円となります。
 幼稚園等の預かり保育を含め、今般新たに行う保育の必要性の認定は、現在の認可保育所の入所条件と同じとすることとしておりまして、市町村において適切に実施していただけるよう、丁寧に周知してまいります。
 無償化を契機とした私立幼稚園等の保育料の引上げについてお尋ねがありました。
 無償化の対象施設の大部分を占める子ども・子育て支援制度の幼稚園や保育所等の保育料については、公定価格を設定しており、便乗値上げ等の問題は発生しません。
 他方、新制度に移行していない幼稚園等において、今般の無償化を契機に、質の向上を伴わない、理由のない保育料の引上げが行われることは適切ではないと考えます。このため、関係団体からも質の向上を伴わない保育料の引上げが行われることのないよう呼びかけていただいていると承知しております。
 政府としては、引き続き、事業者に対する周知徹底を図るとともに、関係団体や都道府県、市町村等とも連携し、実態の調査及び把握についても検討してまいります。
 保育現場におけるICTの導入についてお尋ねがありました。
 高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々に仕事を続けていただくためには、保育士の業務負担の軽減は重要であり、厚生労働省を中心に、保育に関する計画、記録や、保護者との連絡、子供の登降園管理等の業務のICT化を行うための支援に取り組んでいます。
 引き続き、保育業務のICT化による業務効率化を一層進め、保育士の業務負担の軽減が図られるよう努めてまいります。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(根本匠君) 矢田わか子議員にお答えをいたします。
 認可外保育施設の質の向上、確保についてお尋ねがありました。
 待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がおり、こうした方々についても負担軽減の観点から無償化の対象とし、指導監督基準を満たさない施設が基準を満たすために、五年間の猶予措置を設けることとしています。
 無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上が図られるよう、児童福祉法に基づく都道府県等の指導監督の充実を図るとともに、巡回支援指導員の配置の拡充や、指導監督基準を満たさない認可外保育施設が基準を満たし、さらに認可施設に移行するための運営費の補助等の支援などの取組を行います。
 さらに、待機児童の状況などが地域によって大きく異なることを踏まえ、今回の法案では、市町村が条例により対象施設の範囲を定めることを可能とする仕組みを盛り込んでいます。
 未来を担う子供たちの安全が確保されるよう、地方自治体の御意見をしっかり伺いながら、十月からの施行に向けて検討を進めてまいります。(拍手)
    ─────────────
#22
○議長(伊達忠一君) 竹内真二君。
   〔竹内真二君登壇、拍手〕
#23
○竹内真二君 公明党の竹内真二です。
 ただいま議題となりました子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案につきまして、自民・公明を代表して、安倍総理並びに宮腰大臣に質問をいたします。
 幼児教育は、生涯にわたる人格の基礎を培う重要なものです。政府・与党は、全ての子供に質の高い幼児教育を保障するため、待機児童対策と併せ、低所得者世帯や多子世帯を優先しつつ、幼児教育の無償化を段階的に進めてまいりました。
 一方で、公明党が百万人訪問・調査と題して昨年実施したアンケート調査の結果では、幼稚園や保育所等に通うお子さんのいる方の約四割が、現在の授業料、保育料などの負担が重いと回答しています。また、国立社会保障・人口問題研究所の調査でも、理想の人数の子供を持たない最大の理由は、子育てや教育にお金が掛かり過ぎるからでありました。
 子育て世帯の経済的負担は依然として重いと言わざるを得ません。子育てを社会全体で応援し、経済的な負担を軽減していく、高齢者も若者も安心できる全世代型の社会保障への転換が必要です。
 今般の幼児教育無償化の意義と目指すべき全世代型社会保障のビジョンについて、安倍総理の答弁を求めます。
 子育て支援については、経済的負担の軽減とともに、待機児童の解消が待ったなしの課題です。二〇一二年十二月に自公連立政権が発足して以降、二〇一七年度末までの五年間で保育の受皿を五十三・五万人分拡大することができました。その間、保育の申込数も年々増加を続けており、引き続き受皿の整備を加速すべきです。
 政府は、二〇一八年度から二〇二〇年度末までの三年間で二十九・三万人分の受皿の拡大を見込んでいますが、それに見合うだけの保育士等を育成、確保することが不可欠です。これまで行ってきた処遇改善加算等について、保育士等の給与への反映状況を的確に把握、分析し、更なる処遇改善、人材確保へとつなげるべきです。
 保育士等の処遇改善、人材確保について、宮腰大臣に今後の取組を伺います。
 一方、共働きなどで保育を必要としつつも、保育所ではなく幼稚園に通うお子さんをお持ちで、時間を延長してお子さんを預かる預かり保育等を利用される方が少なくありません。私たちは、幼児教育無償化の範囲について、こうした幼稚園の預かり保育等と就学前の障害児の通園や入所による発達支援も対象とするよう政府に申入れを行ってきました。
 こうした主張も踏まえて、政府は幼稚園と預かり保育等の利用料や障害児の発達支援を無償化することとしており、本法案にはそのための給付が盛り込まれています。障害児の発達支援については、しっかりと現場まで周知徹底するとともに、受皿の整備にも取り組んでいただきたいと思います。
 預かり保育等については、実際に無償化の給付を受けるためには、保護者が市区町村から保育の必要性の認定を受ける必要があります。その際、円滑に制度を利用できるように、幼稚園団体からの協力を得つつ、お子さんの通う幼稚園を通じて申請できるようにするなど、利用者の立場に立って、手続に係る負担の軽減に配慮すべきです。
 手続等に係る利用者の負担軽減について、宮腰大臣の答弁を求めます。
 今般の幼児教育無償化は、認可外保育施設等についても、上限額を設けた上で保育料を補助するとしていますが、認可外施設は、認可施設に比べて保育士等が少なく、死亡に至る重大な事故も多いといった課題があります。また、指導監督の基準を満たす施設の割合は約六割を下回っています。認可外施設における保育の質をしっかりと確保し、子供たちの安全を守るための対策が急務です。
 認可外保育施設の質の確保や安全対策について、宮腰大臣の答弁を求めます。
 幼児教育無償化の対象となる施設には、二〇一六年度に創設された企業主導型保育が含まれます。企業主導型保育は、夜間、休日勤務等の多様な働き方や、育休明けの予約入園など、企業の実態に即した柔軟な対応を可能とし、待機児童対策の一翼を担っている重要な制度です。
 しかしながら、制度の創設から三年目を迎える中、保育の質や事業の継続といった面については課題が指摘をされています。利用される方々がお子さんを安心して預けることができるように、保育の質をしっかりと確保、向上させるとともに、事業の継続性、安定性を担保すべきです。
 企業主導型保育の運用改善について、宮腰大臣の御決意と今後の取組を伺います。
 今般の幼児教育無償化は、本年十月に予定されている消費税率引上げにより生じる財源を活用して実施されます。必要な経費が盛り込まれた新年度予算は先月既に成立しており、事業者や自治体などにおいても、鋭意準備が進められているところです。円滑な消費税率の引上げに向けて万全を期していただきたい。
 また、現在の子ども・子育て支援新制度は、制度が創設された当初から、合計で約一兆円が必要だとされてきました。このうち消費税率の引上げで実施するとされた〇・七兆円分のメニューについては、消費税率が八%に据え置かれた中にあっても、全ての項目が実施されています。
 一方で、消費税以外の財源で実施することとされた、質の確保、向上や保育環境の改善のための〇・三兆円分のメニューについては、その一部が実施されているものの、いまだ途上にあると認識しています。子ども・子育て支援の更なる質の向上のためにしっかりと財源の確保に努めるべきです。
 子ども・子育て支援の財源確保について、安倍総理の御決意を伺います。
 五月に令和の時代が幕開けします。新たな時代にあって、子育てを社会全体で支えるチャイルドファーストの社会を構築することが政治の責任であると考えます。引き続き、幼児教育の無償化と待機児童の解消に政府として最優先で取り組んでいくことを強く要望し、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#24
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 竹内真二議員にお答えをいたします。
 幼児教育、保育の無償化の意義と全世代型社会保障のビジョンについてお尋ねがありました。
 今般の幼児教育、保育の無償化は、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育の重要性と、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策の必要性に鑑み行うもので、小学校、中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。
 人への投資に力を入れてきた御党と共に、子供たち、子育て世代に大胆に投資し、これまでとは次元の異なる政策を実行することにより、子育てや教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を、子供たちを産み育てやすい国へと大きく転換してまいります。
 また、少子高齢化、そして人生百年の時代にあって、我が国が誇る社会保障の在り方も大きく変わらなければなりません。お年寄りだけでなく、子供たち、子育て世代、さらには現役世代まで、広く安心を支えていく全世代型社会保障への転換を成し遂げなければなりません。
 今般の幼児教育、保育の無償化はその重要な第一歩であり、今後、生涯現役時代の雇用制度改革や、医療、年金も含めた社会保障全般にわたる改革を始めとして、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築するため、改革を進めてまいります。
 消費税率の引上げに向けた決意と子ども・子育て支援の財源の確保についてお尋ねがありました。
 幼児教育、保育の無償化は、消費税率の引上げを前提として実施することとしており、政府としては、引上げに向けて十二分な対策を講ずるなど、経済財政運営に万全を期してまいります。
 また、御指摘の子ども・子育て支援の更なる質の向上を図るための〇・三兆円については、本年度予算において保育士等の処遇改善などのために約五百億円を手当てしております。今後も、各年度の予算編成過程において、引き続き安定的な財源確保に努めてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣宮腰光寛君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(宮腰光寛君) 保育士の処遇改善と人材確保についてお尋ねがありました。
 保育士等の処遇改善は大変重要な課題であると認識しています。このため、これまでも、二〇一三年度以降、月額約三万八千円に加え、二〇一七年度からは技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施してきました。このほか、厚生労働省を中心として、新規資格取得支援、就業継続支援、離職者の再就職支援といった総合的な人材確保の支援を行っています。
 こうした処遇改善が反映された結果、保育士の賃金については、三月に厚生労働省が公表した賃金構造基本統計調査を基に保育士の年収を算出すると、二〇一三年の年収は三百十万円、二〇一八年の年収は三百五十八万円となっておりまして、五年間で約四十八万円増加しています。
 さらに、今年度からは新しい経済政策パッケージに基づき月額三千円相当の処遇改善を行っており、高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、引き続き支援に努めてまいります。
 障害児の発達支援に係る取組や預かり保育等に係る利用者の負担軽減についてお尋ねがありました。
 障害児の発達支援に係る無償化の円滑な実施に向けては、厚生労働省と連携し、十分な周知、広報に取り組むとともに、障害児を抱える御家族が地域で安心して生活できるような環境づくりに取り組んでまいります。
 幼児教育、保育の無償化に係る手続については、利用者の負担軽減を図ることが重要であると考えています。例えば、幼稚園利用者が給付を受けるための手続においては、預かり保育の部分も含め、ふだん通われている幼稚園を経由して市町村に申請等を行うほか、子ども・子育て支援新制度の対象とならない幼稚園等については、市町村が実情に応じて、保護者が立替払をしなくて済む仕組みにできるようにしています。
 引き続き、利用者にとって分かりやすく負担が少ない手続となるよう、地方自治体等とも連携しながら準備を加速化してまいります。
 認可外保育施設の質の確保についてお尋ねがありました。
 幼児教育、保育の無償化に当たっては、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人についても、負担軽減の観点から、対象としました。
 子供の安全が確保されることが重要であり、厚生労働省を中心に、認可外保育施設が守るべき基準の内容について助言などを行う巡回支援指導員の配置の拡充や、指導監督基準を満たす認可外保育施設が認可施設に移行するための運営費等の支援の拡充といった取組を進めてまいります。
 また、改正法案においては、市町村長に対し、対象となる施設を特定する確認や、必要に応じた施設への報告徴収、勧告、命令、確認の取消し、さらには都道府県知事に対する必要な協力要請などの権限を与えるための規定を設けております。
 無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上にしっかりと取り組んでまいります。
 企業主導型保育事業の運用改善についてお尋ねがありました。
 企業主導型保育事業は、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献する重要な事業です。
 制度創設から三年目を迎え、様々な問題が指摘されていることから、昨年十二月に、実施体制を強化するための検討委員会を立ち上げました。
 三月十八日に公表されました検討委員会報告において、当面早急に改善すべき事項について、「子供の安全第一の観点から、保育の質の確保・向上を重視し、審査、指導監査の在り方を検証し、見直す。」、「待機児童対策への貢献や、企業の人材確保といった面で、職域及び地域において継続的に一定の役割を果たしていけるよう、また子供にとって安全で安定的な保育が可能となるよう、事業の継続性・安定性を確保する。」といった方向性が示されております。
 今後、検討結果を踏まえ、内閣府としてしっかりと改善を図ってまいりたいと考えております。(拍手)
    ─────────────
#26
○議長(伊達忠一君) 清水貴之君。
   〔清水貴之君登壇、拍手〕
#27
○清水貴之君 日本維新の会・希望の党の清水貴之です。
 会派を代表して、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 日本は少子高齢化が進んでおり、昨年の出生数は年間九十二万人にまで下がりました。ベビーブームと言われた昭和二十四年の出生数は年間二百七十万人であり、今はその三分の一。年々低下する傾向には全く歯止めが掛かっていません。
 子育て世帯に対するアンケートによりますと、理想の子供の数に比べて実際の子供の数は少なくなっています。その理由について、三十から三十四歳の八〇%以上の夫婦は、子育てや教育にお金が掛かり過ぎることを挙げています。また、どのようなことがあれば子供を欲しいと思いますかという質問に対しては、将来の教育費に対する補助や、幼稚園、保育所などの費用の補助を挙げる夫婦が六割にも達します。日本の教育機関への公的支出割合は、OECD加盟国中最低です。少子化が止まらないのは、子育て世帯への国からの支援が不足していることが一因であると考えます。
 日本維新の会は、経済的理由によって教育を受ける機会を奪われてはならないという強い思いを持っており、憲法改正項目の一つとして教育無償化を掲げています。法律において定める学校における教育は全て公の性質を有するものであり、幼児教育から高等教育に至るまで、全ての教育は無償であるべきです。そして、全ての国民がその適性に応じてひとしく教育を受けることができるようにすべきと考えています。
 教育は、将来への投資でもあり、教育を充実させることによって、強く成長力のある国家、社会を築いていくことは、日本の未来をつくる上でも非常に重要です。今や人工知能やロボットなど先端分野の技術開発は、世界各国が最優先課題と位置付けて進めていますが、開発現場では、個々人の能力だけではなく、共通の目標を実現するために協力し合うことも求められています。能力や協調性などは教育によってなされるものであり、その充実は喫緊の課題です。昔から言われているように、教育は国家百年の基礎を築く重要な事業であることを忘れるべきではありません。
 そのような立場から質問をいたします。
 政府案においては、無償化の対象施設に、国が定める認可外保育施設の基準を満たしていない施設も含まれます。経過措置として、基準を満たしていない場合でも無償化の対象とする五年間の猶予期間を設けるとのことではありますが、その五年の間は保育や教育の質が置き去りにされる可能性があり、無償化の対象施設だからと悪質な施設を信用して預ける保護者がいてもおかしくありません。
 なぜ無償化の対象を国の認可外保育施設の基準と一致させなかったのか、なぜ五年間の猶予期間を設けたのか、総理の見解をお聞かせください。
 政府案では、市町村が条例により、悪質と判断した認可外保育施設に対しては補助金を出さないようにすることができるとしています。しかし、そうなると、市町村によって無償化の対象施設の基準や範囲が異なることになり、住民の間で経済的負担に対する不公平感が生ずる可能性があるのではないかと思いますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
 今回の無償化の対象にはベビーシッターも含まれます。しかし、ベビーシッターは都道府県に届ければ業務を始めることができ、実際の利用状況を把握することが難しいことに加え、一人のシッターが何人の子供を見てよいかという基準もありません。
 総理に質問します。子供を預かるための基準が曖昧なベビーシッターを無償化の対象にする根拠は何でしょうか。また、曖昧な制度に補助金を付けることによって不正や様々な問題が発生する可能性が大きいのではないかと考えますが、対策はお考えでしょうか。
 幼児教育が公的負担ということになれば、そういう施設が出てこないことを願いたいですが、保育料を便乗値上げする施設が出てこないとも限りません。幼保の施設側の便乗値上げに対してはどのような防止策を取るのでしょうか、総理にお伺いをいたします。
 政府案では、幼保無償化を十月の消費税増税に合わせて行うとしています。しかし、まだ多くのことが決まっておらず、幼稚園、保育所からは、預ける保護者に十分な説明ができていないという声も上がっています。
 総理にお聞きします。無償化の実施まで半年を切っています。市町村における条例の制定や、施設、保護者への周知など、円滑な実施に向けての必要な手続が果たして間に合うのでしょうか。そのような不安の声を上げる地方自治体や施設に対して、政府としてはどのようなサポートをしていくつもりですか。
 二〇一六年度に企業主導型保育事業が導入されました。待機児童解消のために創設されましたが、現在までにサービスの質や自治体との連携など多くの課題があり、二〇一九年度から見直しが検討されています。自治体も企業主導型保育所の設置状況を把握していない、監査体制が非常に甘く、インターネットで申請しただけで開所できる、多額の助成金を当てにしたずさんな経営など、新たな問題も明らかになってきています。
 企業主導型保育所に関しては、こうした様々な課題がある中、子供たちを安全に預かる保育所として、政府としてどのように質の確保を図っていくのでしょうか、総理の見解をお伺いします。
 今回の法案のように、無償化が進むと保育の需要が増えます。保育の需要が増えると保育士の不足が心配されます。保育士の待遇改善のために、二〇一三年度以降、保育士の処遇改善とキャリアアップの仕組みを整える法改正がなされました。
 総理に質問をします。二〇一三年度以降の保育士の処遇改善の取組はどの程度の効果があったと考えていますか、お答え願います。
 少子化対策の視点で質問いたします。
 少子化対策の充実が人口増加につながっている好事例ケースとして、兵庫県明石市の取組があります。限られた財源の中で、市では、第一子からではなく、第二子以降を出産する世帯に対する支援を強化しています。第二子以降から手厚い支援をするというのは、子育て世帯のニーズに合っているとともに、合理的な考え方であると思います。
 このように、第二子以降に対する支援の拡大は費用対効果が高い少子化対策と考えますが、総理はどのようにお考えでしょうか。出生数が年々低下することを止められない中、政府の施策として導入することについてのお考えをお聞かせください。
 本法案は、本年十月一日に消費税を一〇%に引き上げることを前提とし、増税により財源を確保することとしています。
 しかし、昨年七月に始まった米中の貿易戦争は、今年になって悪化することが避けられたものの、これまでの関税措置により世界経済は大きな影響を受けています。国際通貨基金、IMFは、二〇一九年一月には世界経済成長率の予測を三・五%まで引き下げていましたが、更に引き下げて三・三%としました。
 世界経済が退潮傾向であることは明白であり、外需の更なる縮小が予測されることから、増税ができる経済状況ではなくなる可能性も念頭に置かなければならないのではないかと思います。
 総理に質問いたします。消費税率の引上げを延期した場合、恐らく延期は考えていないとお答えになると想像いたしますが、しかし、今回の幼保無償化は消費増税と一体ですのであえて聞かせていただきますが、引上げを延期した場合、幼児教育の無償化はどのようになるのでしょうか。代替財源を用意してでも進めるべきとの考えをお持ちなのでしょうか、お答え願います。
 私たち日本維新の会は、子育て世帯への支援の充実については大いに進めるべきであることを主張してまいりました。少ない人材で国家を運営せざるを得ない状況においては、教育の充実によって国が責任を持って人材を育てていくべきです。教育の無償化は日本が進むべき道であることを改めて主張いたしまして、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#28
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 清水貴之議員にお答えいたします。
 無償化の対象となる認可外保育施設についてお尋ねがありました。
 本年十月から実施する幼児教育、保育の無償化に当たっては、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がおり、こうした方々についても負担軽減の観点から無償化の対象とし、指導監督基準を満たさない施設が基準を満たすために、五年間の経過措置期間を設けることとしています。
 この経過措置期間において、子供の安全が確保されるよう児童福祉法に基づく都道府県等の指導監督の充実を図るとともに、認可施設に移行するための運営費の支援を拡充し、移転費の支援等を行うこととしております。無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上を図っていきます。
 また、この経過措置期間中の措置として、待機児童の状況等は地域によって大きく異なることから、保育の需給状況を勘案し、市町村が特に必要があると認める場合に、条例により指導監督基準を満たさない施設の範囲を限定できる仕組みを設けています。
 これは、地方自治体との協議を踏まえ設けた仕組みであり、引き続き、実務を担う地方自治体の皆様の御意見をしっかり伺いながら、本年十月から実施に向け、準備を進めていきます。
 無償化の対象となるベビーシッターについてお尋ねがありました。
 本年十月から実施する幼児教育、保育の無償化に当たっては、待機児童問題によりやむを得ずベビーシッターを含む認可外保育施設を利用せざるを得ない人がおり、こうした人々についても負担軽減の観点から無償化の対象とすることとしたものです。
 無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上が図られるよう、ベビーシッターについては、保育従事者の資格や研修受講などについて新たな基準の策定を行い、指導監督の強化を図ることとしています。
 引き続き、ベビーシッターを含む認可外保育施設の指導監督の実務を担う地方自治体の皆様の御意見をしっかり伺いながら、本年十月からの実施に向け、準備を進めてまいります。
 無償化を契機とした保育料の引上げについてお尋ねがありました。
 無償化の対象施設の大部分を占める保育所等の保育料については、公定価格を設定しており、便乗値上げ等の問題は発生しません。
 他方、認可外保育施設等において、今般の無償化を契機に、質の向上を伴わない、理由のない保育料の引上げが行われることは適切ではないと考えます。このため、事業者がサービス内容や利用料の変更を行う場合には、その理由の届出や保護者への説明を義務付けることなどにより、こうした不適切な値上げを阻止してまいります。
 地方自治体や施設への支援についてお尋ねがありました。
 無償化の円滑な実施に当たっては、国と地方が適切に役割分担をしつつ、連携、協働していくことが重要です。
 保護者や施設に混乱を生じさせることなく円滑に実施できるよう、これまで担当府省と地方自治体で実務に関する協議を行い、さらに、昨年十二月には、関係閣僚と地方団体の代表から成るハイレベルの協議の場を設置するなど、適切に意見を伺いながら準備を進めてまいりました。
 本年十月からの施行に向け、準備を加速化するとともに、保護者や施設の皆様へ必要な情報をできる限り速やかにお伝えしてまいります。
 企業主導型保育事業の課題と質の確保についてお尋ねがありました。
 企業主導型保育事業は、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献する重要な事業です。
 しかしながら、制度創設から三年目を迎え、様々な問題が指摘されていることは誠に遺憾であり、この制度が本来期待される役割を果たしていくためにも、運用の見直しが不可欠と考えます。
 こうした問題が生じた原因や背景については、内閣府に設置された検討委員会で先般取りまとめられた報告において指摘されているところであり、子供の安全第一の観点から、審査、指導監査の在り方を見直すなど、早急に改善を進めさせます。
 保育士の処遇改善の効果についてお尋ねがありました。
 保育士等の賃金その他の処遇の改善は重要であり、賃金の改善については、政権交代以降、月額約三万八千円に加え、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施しています。
 こうした処遇改善が反映された結果、保育士の賃金については、試算によると、平成二十五年からの五年間で、年収ベースで四十八万円増加しています。
 さらに、今年度からは新しい経済政策パッケージに基づき月額三千円相当の処遇改善を行っており、高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、引き続き支援に努めてまいります。
 第二子以降に対する支援の拡大についてお尋ねがありました。
 少子化の問題は、仕事と子育ての両立の難しさ、子育て中の孤立感や負担感、教育費負担の重さなど、結婚や出産、子育ての希望の実現を阻む様々な要因が絡み合っており、これらを一つ一つ取り除いていくことが重要です。
 例えば、夫の休日の家事、育児時間が長いほど第二子以降の出生割合が高いという調査結果もあることから、教育無償化や待機児童の解消のみならず、長時間労働是正等の働き方改革や、男性の家事、育児参画の促進等を着実に進めてまいります。
 継続的かつ総合的な少子化対策を推進し、子供たちを産み育てやすい日本へと大きく転換することで、希望出生率一・八の実現を目指してまいります。
 消費税率の引上げと無償化の実施についてお尋ねがありました。
 消費税率の引上げについては、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。
 反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はありません。
 幼児教育、保育の無償化はこの消費税率の引上げを前提として実施することとされており、政府としては、消費税率の引上げに向け、経済財政運営に万全を期してまいります。(拍手)
    ─────────────
#29
○議長(伊達忠一君) 田村智子君。
   〔田村智子君登壇、拍手〕
#30
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました子ども・子育て支援法一部改正法案について、総理に質問いたします。
 法案審議の前提としてお聞きします。櫻田大臣、塚田国交副大臣の相次ぐ辞任について、総理はどのような責任を取るおつもりなのでしょうか。
 櫻田大臣は、五輪担当大臣でありながら五輪憲章を読んだことはない、サイバーセキュリティー担当大臣でありながらパソコンを使ったことはないなど開き直り、まともな答弁ができない場面が繰り返されました。大臣としての資質、資格を著しく欠いていたことは、就任直後から誰の目にも明らかでした。
 しかし、安倍総理は、適材適所と評価し、職務を果たしてもらいたいとかばい続けたのです。その中で、重篤な病に直面した五輪出場選手への心ない発言、被災地を傷つける発言まで繰り返されてしまいました。辞任は余りにも遅きに失したと言わなければなりません。
 総理、これでも大臣として適任だったのですか。御自身の任命責任をどう考えておられるのですか。
 下関北九州道路構想をめぐり、安倍首相や麻生副総理が言えないから私がそんたくしたと発言した塚田副大臣についても、総理は、四月四日の本院決算委員会で、職責を果たしてもらいたいとかばいました。
 ところが、仁比聡平議員が、安倍総理が関門会の一員として、この道路の早期実現を国土交通大臣に要望していたこと、また、官邸で吉田幹事長らと会談し、早期実現に向けた活動にしっかり取り組むようにと話をされたことを追及し、これがマスコミでも大きく取り上げられると、翌日、突如、副大臣辞任となったのです。これは、辞任で終わらせるわけにはいきません。
 総理は、決算委員会で、総理であり要望する立場にないと答弁された。ならば、なぜ御自身の名前が使われた要望書が提出されたのですか。そのことが国土交通省の判断に影響を与えたのではありませんか。総理の指示でこれらを調査すべきではないのか、併せてお答えください。
 それでは、子育て支援について質問を行います。
 子育ての不安を取り除く、お母さん、大丈夫だよなど、保護者に寄り添う、子供たちの豊かな育ちを保障する、私が二十年以上前から政治に求めてきた子育て支援です。保護者の皆さんや保育、教育の現場の方々から、幾度となく要望や意見もお聞きしてきました。
 その経験から、二〇一七年総選挙で、安倍総理が突然、少子化という国難に立ち向かうため、三歳から五歳の全ての子供の幼児教育を無償とすると掲げたことに大きな違和感を抱かざるを得ませんでした。民主党政権が児童手当支給の拡充と高校授業料無償化を所得制限なく行ったことに対し、ばらまき、自助の考え方が欠如していると猛反対したのが自民党だったからです。
 総理は、年々進行する少子化を目の当たりにして心を入れ替え、子育て支援は社会全体で行われるべきという立場に立たれたということなのか、お答えください。
 子育て支援、少子化対策として、毎年、国会にも請願署名として寄せられる切実な要求は多々あります。その一つは、子供医療費無料化を国の制度とすることです。全国の全ての自治体が何らかの子供への医療費助成を行い、全国市長会も国の制度とすることを提言しています。全ての子供の命と健康を国の責任で守るために、国の制度として、所得制限なく、子供の医療費無料化に踏み出すべきではありませんか。
 教育費負担が少子化の要因であることは明らかです。子供が社会人となるまでに教育費が幾ら掛かるのかという不安が、希望する子供の人数と実際に出産した人数の乖離を生んでいるという指摘は、二十年以上前から行われています。子供の貧困対策として、低所得世帯への授業料無償化を行うだけでなく、大学、専門学校の授業料そのものの大幅値下げを進めるべきではありませんか。
 少子化を国難と位置付ける内閣として、今後、これらの課題に真っ正面から取り組むのかどうか、答弁を求めます。
 総理は、衆議院本会議の法案審議で、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼児教育、保育を一気に無償化することとしました、小学校、中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革でありますと答弁しています。
 しかし、法案には、所得制限なく幼児教育を無償とすると書かれていません。改正案第二条に、「子ども・子育て支援給付その他の子ども・子育て支援の内容及び水準は、」「子どもの保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮されたものでなければならない。」とあるだけです。
 民主党政権の高校授業料無償化法では、授業料を徴収しないと明記されました。なぜ同じように、無償とする、あるいは費用を徴収しないと規定しないのでしょうか。負担軽減の配慮では、時の内閣の政策判断、国の財政事情等で無償化でなくなることがあり得ると考えますが、総理の答弁を求めます。
 結局、幼児教育無償化は、子ども・子育て支援給付の支給額を政令にどう定めるかに委ねられますが、これは認可施設に通う子供に限定されます。そのため、無認可施設を対象とした施設利用給付制度を創設することが本法案の主な内容となっています。
 認可施設への入所を希望しても入れない子供が多数いる下で、無認可施設についても費用負担軽減を行うことは必要ですが、このことにより、無認可施設を政府の保育施策の柱としていくことにはならないのでしょうか、確認いたします。
 また、無認可施設の指導基準すら満たしていない施設でも五年間施設利用給付の対象とすることには大きな危惧を抱かざるを得ません。これは、保育士が一人もいない施設も給付対象となり得ます。劣悪な施設までもが無償化対象という国のお墨付きと公費を得て経営を続けることがあってはなりません。無認可施設での保育の質をどう担保するのか、お答えください。
 私自身は子供二人をゼロから二歳児まで無認可保育園に預けましたが、園庭もあり、ベテランの保育士さんが子供と親にしっかり寄り添ってくれました。無認可イコール保育の質が低いとは経験上も考えていません。しかし、多くの無認可施設は、ビルの一室で、外遊びにも苦慮していることは明らかです。企業主導型保育を導入したことにより、もうけを目的とした事業者が参入していることも看過できません。また、無認可施設では、本法案による費用負担軽減の措置がとられても、無償化にはならないでしょう。
 総理、保護者の要求、保育の質の確保のために、また、全ての三から五歳児の保育、教育を無償と言うのなら、企業主導型などではなく、認可保育所の増設で待機児童対策を進めると明言すべきではありませんか。
 私は、子供に対する給付や支援策は、家庭の状況にかかわらずひとしく行われるべきであると考えています。だからこそ、そのための費用は所得の再分配によって賄われるべきです。ところが、総理は、消費税増税分の使い道を出発点に幼児教育無償化を打ち出しました。なぜ財源は消費税に限定されるのでしょうか。
 子供はすぐに靴や服が小さくなります。成長とともに食費もかさみます。若い世代の収入を考えても、子育て世帯の消費税の負担感はとても重いことは明らかです。消費税増税は子育て支援に逆行するとは思わないのでしょうか。
 私たち日本共産党は、繰り返し、大企業、大富豪に応分の負担をと求めています。この真っ当な道で子育て支援を進める決意を述べ、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#31
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 田村議員にお答えいたします。
 櫻田前オリンピック・パラリンピック担当大臣に関する任命責任についてお尋ねがありました。
 櫻田前大臣については、二〇二〇年の招致決定直後から文部科学副大臣として組織委員会の立ち上げなどに携わった経験等を踏まえ、オリンピック・パラリンピック担当大臣として任命しました。
 これまで問題を指摘された際には、その反省の上に立って職責を果たしていくことを求めたところですが、今回の場合は、被災地の皆様のお気持ちを傷つける発言を行い、辞任することとなりました。この発言について、私からも、被災地を始め国民の皆様におわび申し上げます。
 任命責任は、もとより内閣総理大臣たる私にあります。被災地に寄り添いながら復興に全力を傾ける、これは安倍内閣の揺るぎない方針であり、全ての閣僚が一層身を引き締め、しっかりと襟を正し、内閣の総力を挙げて東日本大震災からの復興を始め内外の課題に取り組むことで、国民の負託に応え、その責任を果たしてまいります。
 塚田前国土交通副大臣の辞任についてお尋ねがありました。
 下関、北九州にゆかりのある国会議員の有志により結成された関門会の懇親会に参加したことはありますが、これは地元選出議員の立場で参加したものであり、当然のことながら、内閣総理大臣の立場で参加したものではありません。
 また、関門会から要望書が出され、かつ、そこに私の名前が連なっていたことについては、先日の国会審議において質問を受けるまで承知していませんでした。
 そもそも、内閣総理大臣は要望や陳情を行う立場にはなく、また、石井国土交通大臣も総理から指示があったとは全く思っていないと答弁しており、私が国土交通省の判断に影響を与えるようなことはなかったと承知しています。
 このため、私の指示で新たな調査を行うことは考えていません。
 今般の無償化において所得制限を設けない点についてお尋ねがありました。
 児童手当は家庭生活の安定等を図るため、また、高校の授業料支援は教育の機会均等を図るため、いずれも家庭の経済状況を勘案し、一定の所得以下の方に対する給付として行っているところです。一方、幼児教育、保育の無償化は、少子高齢化という国難に正面から取り組むため、子育て世代、子供たちに大胆に政策資源を投入し、社会保障制度を全世代型へと変えていくという新たな考え方に基づくものです。
 特に、幼児教育は、家庭における教育と相まって、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の小中学校における義務教育の基礎を培うものであり、保護者の所得にかかわらず、全ての子供にとって重要なものであります。
 さらに、少子化対策の観点からは、調査によれば、全ての世代において、理想の子供数を持たない理由は、子育てや教育にお金が掛かり過ぎることが最大の理由とされており、また、どのような支援があればあなたは子供が欲しいと思いますかとの質問に対し、所得階層にかかわらず、将来の教育費に対する補助との回答が最も多いとの結果が得られています。
 このため、これまで段階的に進めてきた幼児教育、保育の無償化を一気に進め、所得制限を設けることなく三歳から五歳までの全ての子供たちを対象に無償化を実施することにしました。
 子供の医療費無料化についてお尋ねがありました。
 子供の健やかな成長を確保することは重要な課題であり、既に医療保険制度において、未就学児は医療費の自己負担を三割から二割に軽減しています。そうした中で、自己負担を更に軽減するために自治体が独自に行っている助成制限を国の制度として、自治体が独自に行っている助成制度を国の制度として行うことについては、財源の問題もあり、慎重な検討が必要と考えています。
 大学、専門学校の授業料についてお尋ねがありました。
 大学、専門学校の授業料は、各学校における充実した教育研究環境を整える観点から、教職員や施設設備といった学校運営等に要する経費に充てられるものであり、基本的には、各大学、専門学校が適切に定めるものと認識しています。また、学生生活には授業料以外にも様々な費用が掛かり、こうした負担にも目配りすることが必要です。
 こうしたことも踏まえ、政府としては、授業料全体の引下げよりも、むしろ真に支援が必要な学生に対し、確実に授業料等が減免されるよう大学等を通じた支援を行うとともに、学生生活の費用をカバーするために十分な給付型奨学金を支給する高等教育の無償化を行うこととしているところです。
 このような取組を通じて、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちの誰もが自らの意欲と努力によって明るい未来をつかみ取ることができる社会をつくってまいります。
 今般の改正法案の規定と無償化の実施についてお尋ねがありました。
 子ども・子育て支援新制度の保育所、幼稚園等については、これまでも、保育料の上限を定めた国の基準を変更することにより、段階的な無償化を進めてきました。
 その上で、安倍内閣としては、選挙でお約束した幼児教育、保育の無償化を実施するため、消費税率引上げの増収分を活用し、安定財源を確保することにより、恒久的な施策として実施することを担保するものです。
 こうした選挙でお約束した政策を恒久的な安定財源を確保した上で実現するという前提の下に、今回の改正案においては、基本理念に子供の保護者の経済的負担の軽減について適切に配慮する旨を加えた上で、様々な対象サービスについて無償化を実現するため、加えて、あっ、無償化を実現するため、例えば保育園等については、必要な費用を全て給付することにより無償化となるような法令の整備を行うなど、各々のサービスに即して無償化が実現できるよう規定の整備を行ったものであります。
 認可外保育施設での保育の質についてお尋ねがありました。
 本年十月から実施する幼児教育、保育の無償化に当たっては、待機児童問題によりやむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がおり、こうした方々についても負担軽減の観点から無償化の対象とし、指導監督基準を満たさない施設が基準を満たすために、五年間の経過措置期間を設けることとしています。
 この経過措置期間において、子供の安全が確保されるよう児童福祉法に基づく都道府県等の指導監督の充実を図るとともに、認可施設に移行するための運営費の支援を拡充し、移転費の支援等も行うこととしており、無償化を契機に、認可外保育施設の質の確保、向上を図っていきます。
 引き続き、認可外保育施設の指導監督の実務を担う地方自治体の皆様の御意見をしっかり伺いながら、本年十月からの実施に向け、準備を進めてまいります。
 待機児童対策についてお尋ねがありました。
 保育の受皿については、保育の実施主体である市区町村が認可保育所等を中心とした整備を進めることが重要です。
 さらに、企業主導型保育事業により、従業員の多様な働き方に応じた保育を提供する企業等を支援するとともに、待機児童解消に貢献することが期待されています。様々な問題が指摘されていることは誠に遺憾であり、内閣府に設置された検討委員会で先般取りまとめられた報告を踏まえ、早速改善を進めさせます。
 引き続き、企業主導型保育事業による整備も含め、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までの三十二万人分の保育の受皿整備に取り組んでまいります。
 なお、認可外保育施設の利用料については、認可保育所の利用者との公平を図る観点から、認可保育所における保育料の全国平均額の三・七万円に限り無償化することとしています。
 消費税増税による今般の無償化の実施についてお尋ねがありました。
 幼児教育、保育の無償化の財源負担については、未来の世代に回すことなく、安定財源を確保した上で進めるため、消費税率引上げによる増収分を活用することにしております。消費税は、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定しており、勤労世代など特定の者への負担が集中しないことから、社会保障の財源としてふさわしいものであります。
 また、消費税率引上げに際しては、所得の低い方々など真に支援を必要とする層にしっかりと支援の手が行き届くよう、食料品等を対象に軽減税率制度を実施するとともに、所得の低い方々や小さな乳幼児のいる子育て世帯に対しては、税率引上げから一定期間使用できるプレミアム付き商品券を発行し、販売することとしています。(拍手)
#32
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#33
○議長(伊達忠一君) 日程第一 司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長横山信一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔横山信一君登壇、拍手〕
#34
○横山信一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近時の司法書士制度及び土地家屋調査士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、司法書士及び土地家屋調査士について、それぞれ、その専門職者としての使命を明らかにする規定を設けるとともに、懲戒権者を法務局又は地方法務局の長から法務大臣に改める等の懲戒手続に関する規定の見直しを行うほか、社員が一人の司法書士法人及び土地家屋調査士法人の設立を可能とする等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、使命規定を創設する意義、司法書士及び土地家屋調査士の懲戒の在り方、司法書士及び土地家屋調査士の業務をめぐる状況等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十二  
  賛成           二百三十二  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#38
○議長(伊達忠一君) 日程第二 航空法及び運輸安全委員会設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長羽田雄一郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔羽田雄一郎君登壇、拍手〕
#39
○羽田雄一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における航空機及び無人航空機をめぐる状況に鑑み、航空機及びその航行の安全並びに無人航空機の飛行の安全の一層の向上を図るため、航空機の耐空性の維持に関する制度の整備、無人航空機の飛行に係る規制の強化、運輸安全委員会の航空事故等に係る調査対象の範囲の拡大等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、新たな国産航空機の安全性の確保策、無人航空機の利活用に資する制度整備の必要性、航空機検査の在り方及び運輸安全委員会の組織体制の充実方策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して山添拓委員より本法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#41
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#42
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成            二百十七  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#43
○議長(伊達忠一君) 日程第三 道路交通法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長石井正弘君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石井正弘君登壇、拍手〕
#44
○石井正弘君 ただいま議題となりました法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、最近における道路交通をめぐる情勢に鑑み、自動車の自動運転の技術の実用化に対応した運転者等の義務に関する規定の整備を行うとともに、自動車又は原動機付自転車を運転中の携帯電話使用等に対する罰則の強化等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、本法律案の意義及び目的、自動運転中の運転者に許容される行為の範囲、携帯電話使用等に係る明確な取締り基準を設ける必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局した後、国民民主党・新緑風会の矢田理事より、政府は、自動車の自動運転等に係る技術の更なる高度化及びその実用化に対応するため、自動車に係る道路交通に関する法制度の在り方について、検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることを内容とする修正案が提出されました。
 次いで、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より原案及び修正案に反対の旨の意見が述べられました。
 次いで、順次採決の結果、修正案は賛成少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#45
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#46
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#47
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百二十九  
  賛成            二百十五  
  反対              十四  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#48
○議長(伊達忠一君) 日程第四 特定農産加工業経営改善臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長堂故茂君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔堂故茂君登壇、拍手〕
#49
○堂故茂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、農産加工品の輸入の増加等、特定農産加工業をめぐる厳しい経営環境に鑑み、特定農産加工業者の経営改善を引き続き促進するため、特定農産加工業経営改善臨時措置法の有効期限を五年間延長しようとするものであります。
 委員会におきましては、法律延長の意義、本制度の実績及び効果、支援措置の在り方等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#50
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#51
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#52
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成           二百三十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#53
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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