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2019/05/15 第198回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第198回国会 文部科学委員会 第15号
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2019/05/15 第198回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第198回国会 文部科学委員会 第15号

#1
第198回国会 文部科学委員会 第15号
令和元年五月十五日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 亀岡 偉民君
   理事 大塚  拓君 理事 神山 佐市君
   理事 馳   浩君 理事 村井 英樹君
   理事 義家 弘介君 理事 菊田真紀子君
   理事 城井  崇君 理事 鰐淵 洋子君
      青山 周平君    池田 佳隆君
      上杉謙太郎君    小此木八郎君
      尾身 朝子君    大串 正樹君
      小林 茂樹君    下村 博文君
      白須賀貴樹君    高木  啓君
      中村 裕之君    根本 幸典君
      福井  照君    船田  元君
      古田 圭一君    宮内 秀樹君
      宮路 拓馬君    八木 哲也君
      和田 義明君    川内 博史君
      中川 正春君    初鹿 明博君
      村上 史好君    吉良 州司君
      牧  義夫君    稲津  久君
      中野 洋昌君    畑野 君枝君
      杉本 和巳君    吉川  元君
      長島 昭久君    笠  浩史君
    …………………………………
   議員           盛山 正仁君
   議員           高井 崇志君
   議員           城井  崇君
   文部科学大臣       柴山 昌彦君
   外務副大臣        あべ 俊子君
   文部科学大臣政務官    中村 裕之君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    白須賀貴樹君
   厚生労働大臣政務官    上野 宏史君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 生川 浩史君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          清水  明君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          永山 賀久君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君
   政府参考人
   (厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)           藤原 朋子君
   文部科学委員会専門員   吉田 郁子君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十五日
 辞任         補欠選任
  宮川 典子君     和田 義明君
  笠  浩史君     長島 昭久君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 義明君     宮川 典子君
  長島 昭久君     笠  浩史君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 学校教育の情報化の推進に関する法律案(遠藤利明君外六名提出、第百九十七回国会衆法第一三号)
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○亀岡委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房長生川浩史君、総合教育政策局長清水明君、初等中等教育局長永山賀久君、高等教育局長伯井美徳君及び厚生労働省子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長藤原朋子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○亀岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○亀岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。義家弘介君。
#5
○義家委員 おはようございます。自由民主党、義家弘介でございます。
 本日の一般質疑は、馳筆頭が本部長を務めている自民党の教育再生実行本部で、私自身が主査を務めてまいりました高校の充実に関する特命チームで昨日取りまとめた提言を踏まえながら、高校教育改革についての議論をさせていただきたいというふうに思っております。
 ちなみに、私も馳筆頭も元高校教師でありまして、高校の現場や課題や問題について長らく話し合ってきた先の今回の改革案の提示でございました。
 現在、高等学校への進学率は九九%、ほとんどの若者が高校に進学しております。ちなみに、昭和五十年代はおよそ五〇%でございましたから、大きく、高校制度が発足したときとは変わった状況になってきているわけです。また、令和四年四月一日以降は、成人年齢が現在の二十から十八歳に引き下げられます。順調に現在の子供たちが進級をしていたら、高校三年生で彼らは成人を迎えることになります。また、既に選挙権も十八歳となっております。
 そこで、まず大臣の見解を披瀝いただきたいと思いますが、価値観はそれぞれ、さまざまだと思いますけれども、大臣の考える成人とはどのような存在でしょうか。
#6
○柴山国務大臣 ありがとうございます。
 成人とは、今御紹介をいただいたとおり、参政権が与えられるとともに、経済取引の面でも一人前の大人として扱われるようになることで、若者が立派な社会の構成員として自立し、また、現在及び将来の国づくりの担い手として責任ある立場となることも意味していると考えております。
 若者が十八歳で成人となり、社会のさまざまな分野において積極的な役割を果たしてもらうことは、少子高齢化が急速に進む我が国の社会に大きな活力をもたらすものであって、大変大きな意義を有するものであると考えております。
#7
○義家委員 役所が答弁を書くとそういう話になるわけでありますけれども。
 やはり、成人というものは何なのか。我々は、国会の意思で成人年齢を引き下げたわけでありますから、成人とは一体何なのかということを、もう一度原点に立ち返って考えていかなければなりません。
 私自身は、大人、成人とは、自由を手にした存在であるというふうに認識しております。そして、これまでも生徒たちにそのことを問い続けてまいりました。子供たちに自由とは何ですかという問いかけをずっと行ってきましたが、多くの場合、ファーストコンタクトではこう答えます。他者からの制約や干渉を受けずに自分の意思で振る舞えること、これが彼らにとっての自由。私自身も、子供のころそういう自由を求めました、それで大失敗した人間でありますけれども。
 そんな自由は、この現代社会の中ではあり得ないわけです。つまり、自分の身勝手な自由と他者の身勝手な自由がぶつかってしまえば、当然、社会は成り立たなくなります。やりたいことをやりたいときにやりたいように振る舞うなんという自由は、現代社会においてはない。
 では、現代社会における本質的な自由とは何なのか。これは、自分自身のかけがえのない人生を責任を持って選択する自由。どういう職業についてもいいし、社会の構成員としてどんな生き方を選んでもいい。かけがえのない自分自身の一度しかない人生を、責任を持って選択する自由。つまり、言いかえれば、教育とは、子供たちを、多くの選択肢の中から責任ある選択をし、自分の人生を歩いていくように成長させていく営みである。まさに高校も同様であります。
 三年後、生徒たちが在学中に成人年齢を迎えることになる。高校は義務教育ではありません。子供たちが人生で初めて選択し、受験し、そして合格を手にし、学び、成長する場所、つまり、大人になる場所が高校であるということをもう一度我々はしっかりと受けとめた上で、では、今の体制が本当に彼らにとって有意義な環境であるのかどうかということの議論を、これまで高校というのがあったからという議論ではなくて、これからの高校というものを考えていかなければならないと思います。
 あらゆるところで言われていますが、現在、人工知能、AIが極めて発達してきた中で、今ある職業のおよそ半数がなくなってしまうという状況にある中で、ならば、高校教育でどのような力を身につけさせればいいのかということを、きょう、質問の中で考えてみたいと思います。
 文科省では、二十一世紀出生児縦断調査という継続調査、これは文科省だけではなく厚労省も内閣府もそうですが、この調査を見ると、特に成績が中位から下位の高校生において、当該生徒の中学時代に比べて、学校外での学習時間については、しない、一時間未満という生徒が大きくふえておりますが、文部科学省は、この二十一世紀出生児縦断調査の大まかな概要と、そしてこの理由をどのように分析しているか、お答えください。
#8
○清水政府参考人 お答えいたします。
 まず、二十一世紀出生児縦断調査は、平成十三年に生まれた子供の実態と経年変化の状況を継続的に観察することにより、国の諸施策の検討、立案をするための基礎資料を得ることを目的に、当初、厚生労働省が平成十三年度から同一の客体を対象にして毎年実施してきたものを、平成二十九年度から文部科学省が引き継いで実施をしているものでございます。
 この平成二十九年調査におきましては、高校一年生となった子供に対して、中学校三年のときの成績がどうなのか、それから学校の授業の予習、復習や、受験勉強のために家や塾など学校外における勉強時間の長さがどうなのかといったようなことについて調査を行ったところでございますが、中学校三年のときの成績が学年の中で下位であると認識している子供ほど、高校入学後も、学校の予習、復習等に費やす勉強時間が、しない、あるいは一時間未満であると回答する割合が高くなっている状況がございます。
 それから、調査対象者全体の学習時間の経年変化でございますが、中学校の時代と比較して高校入学後は勉強時間が減っている、あるいはしないと回答する率がふえているという状況があるところでございます。
 これらの状況が生じている背景については必ずしも明らかではございませんけれども、高校一年生、高校受験を終えた直後であるといったこと、また、生徒の学習ニーズの多様化に高等学校が十分に対応できていないこと等が、勉強時間が減っている、そういったことに影響している可能性があると考えているところでございます。
#9
○義家委員 更にお聞きしますが、高等学校への受験、進学は、生徒本人の積極的選択によって行われていると文科省は認識していますか。
#10
○永山政府参考人 生徒の学校の選択に関する指導の方ですけれども、これは、学校の教育活動全体を通じまして的確に把握した生徒の能力、適性、興味、関心や将来の進路希望等に基づき、また、進学しようとする高等学校や学科の特色等を生徒自身に十分理解させた上で、保護者とも連携しながら進路選択がなされるべきものと考えております。
 しかしながら、実態としては、生徒の合格可能性を重視したいわゆる偏差値に過度に依存する傾向や、生徒の進路意識や目的意識が希薄であったり、進路選択の能力が十分に育成されていない、そういった理由から、生徒が必ずしもみずからの進路を主体的に選択できていない状況が一部にはあるものと認識をいたしております。
#11
○義家委員 はっきり申し上げて、認識が甘いですね。
 一部にはありますという程度の問題ではなくて、進路を、つまり、進学する高校を積極的に選択しているのは、成績上位者の数%ですよ。あとは定員があるわけです。内申点、三年間の平均評定、これでランク分けするわけですね。A、B、C、D、E、Fとランク分けして、そして、五教科の総合点、大体、五教科で五百点満点中四百五十点以上はこの学校が可能、四百点以上はここ、三百八十点以上はここ。つまり、平均評定とテストの合計点によって、君の行ける高校はこのゾーンですよということしか、そうやって受験が行われているわけです、現在。特に郡部に行けば行くほどそうです。東京とか神奈川のようないっぱい選択肢があるところは、自分自身で、じゃ、ここがいいな、ここがいいかとなりますけれども。
 私、塾でも教えていたときがあったんですけれども、心苦しい選択というのはありましたよ。都市部の普通科公立高校が二校しかなくて、そこは全部ランクと点数で割り振られていくわけですね、定員以上は落ちてしまいますから。すると、そこに行きたかった子がどこに行くかというと、工業高校、あるいは商業高校、あるいは私立高校しかもう選択肢がなくなっていくわけですよね。そうすると、家庭で苦しい状況の場合は、本当は私立に行ってこんな勉強をしたいけれども、じゃ、でも普通科には入れないからここに進学しようというような状況が生まれているわけです。
 これをしっかりと捉まえた上で政策を進めていかなかったら、大きな失敗になります。恐らく、文部科学省の役人も、そして、ここにいる国会議員も、積極的選択を高校において行った数%の人たちなんですよ。しかし、そうじゃない者たちが、行きたかったけれども行けなかった、学校の進路指導でここしか受けられなかったというところに進学して、果たして勉強する意欲が湧いてくるのかということなんです。
 一部の積極的選択ができる人たちのものを基準にして高校教育の改革を進めていったら、これは大変なことになってしまう、まさに不自由な大人だけがふえていってしまうという問題点を指摘しておきます。
 その上で、先ほどもちらっと言いました。現在、高校生の七三%が普通科に在籍しています。この普通科とはどのような学びをする教育であるとされているのか、文科省、お答えください。
#12
○永山政府参考人 高等学校は、義務教育として行われる普通教育の基礎の上に、心身の発達及び進路に応じて、高度な普通教育及び専門教育を施すことを目的とするものでございます。
 そのうち、高等学校の学科は、普通科、専門学科、総合学科に区分されているところ、御指摘の普通科については、普通教育を主とする学科として法令上規定されております。
 ここで言う普通教育というのは、一般的に、全ての人にとって日常の生活を営む上で共通的に必要とされる一般的、基礎的な知識、技能を施し、人間として調和のとれた育成を目指すための教育であるものと解されているところでございます。
#13
○義家委員 では、更問い、質問させていただきます。
 義務教育で行われる基礎的普通教育を発展させた高度な普通教育が行われているという整理ですが、では、普通科となっている全ての普通科で高度な普通教育が行われているという認識ですか。
#14
○永山政府参考人 まず、法令上は、高等学校の普通科におきましては、学校教育法等の関係法令及び趣旨を踏まえて、主に高度な普通教育を施すこととされています。
 一方で、高等学校への進学率が約九九%まで上昇するなど、中学校を卒業したほぼ全ての子供たちが進学する中で、普通科においても多様な生徒が在学をしていることから、高等学校学習指導要領において、学校や生徒の実態等に応じ、必要がある場合には、義務教育段階での学習内容の確実な定着を図る学校設定教科、科目等の開設や補充的な学習の実施などの工夫を行うことなどを規定しているところです。
 しかしながら、政府の教育再生実行会議の議論を始め、生徒の個性や社会の人材需要等に基づいた学校の特色を発揮し切れていないという課題が指摘されているものと認識をいたしております。
#15
○義家委員 一回立ちどまって、この普通というものを、普通科というものを考えていかなければならないと我々は思っております。
 普通という言葉を辞書で引くとどうなっているか。ごくありふれたもの、特に変わっていないもの、一般的、平均的という、これが普通という定義です。
 私が教壇に立っていて一番びっくりしたのは、これは二〇〇〇年代に入ってからですけれども、ある大学で講義をしたときに、一人の学生が授業に三十分ぐらいおくれてきたんですね。出席のカードがありますから、それをとりに来たときに私は聞いたんです。何で遅刻したんだと言ったら、えっ、普通にと言ったんですよ。びっくりしましたね。おい、普通に遅刻するって一体何なんだ、そう私から問われたら、その子は、ついつい昼休みに学食で友達と盛り上がっちゃって、気づいたらこの時間になって遅刻しちゃいました、済みませんなんですね。でも、彼らは、普通に遅刻すると表現する。この普通というものの使い方が随分現代は変わってきている。
 例えば、普通においしい。何ですか、それは。おいしいというのは普通の上にあるわけでありまして、だからこそ、この普通の中に込められたものというものを我々は考えていかなければならないものです。
 とりわけ、これから時代は大きく変革して、平均的なものや普通なものは、みんなこれは人工知能により代替されちゃうわけですよ。つまり、人間にしかできないこと、その子にしかできない能力をいかに伸ばしてあげるかが、大人になる高校三年間の高校あるいは教育行政の責任だと私は思います。
 確かに、国語や地歴、公民、数学、理科、保健体育、芸術、外国語、家庭、情報など、さらなる学びの基礎となる知識を高校時代に習得する、あるいは、その弱いところがあったら強くしてあげるというのは大事ですけれども、やはり全教科の内申点と五教科の平均点のみをもって序列化していって、そして何となく高校に行って、そして多くの若者が、何をしたいのかわからない、将来どんなふうに生きていきたいのかわからないなんという状況になって、本当に令和の未来をつくっていけるのか。
 そのことを我々はしっかりと考えながら、現在の高校受験は、チャレンジではなくて選択なんです。平均評定と五教科の平均点の高い一部の生徒は、先ほども言ったとおり、積極的選択ができる。しかし、それ以外の大半の生徒は、消極的選択により進学している現状なわけです。
 党の教育再生実行本部では、現在の普通科については、共通認識を必要とする力を育成する教育をベースとしながらも、入学者選抜、どんな生徒に来てほしいのか、教育課程の編成、実施、どんな教育課程で、どこに力を入れて、どういう力を伸ばしていくのか、それから単位認定、さらには卒業認定の各段階で一貫した教育が行われるように、それぞれの高校にスクールポリシーの策定を義務化するという提言をまとめました。
 例えば、これはあくまで例示ですけれども、社会や国語は中学時代は苦手だった、暗記教科は苦手だった、しかし、理系分野やプログラミングなどコンピューター分野で突出した力を持っているという生徒がいるわけです。平均点で判断していくわけじゃなくて、突出した能力を評価して、例えば社会、国語が平均評定五段階で二だったとしても、この突出した能力を認めて入学を許可して、更にその能力を伸ばしていく。例えば、我々の提言では、サイエンス・テクノロジー科なんという類型も具体的事例として出しました。
 あるいは、国際教育だけではなくて、海外の大学に進学するんだ、そんな希望者を受け入れる、バカロレアも採用するようなグローバル科、あるいは、スクールポリシーに掲げた幾つもの課題について徹底的にそれぞれが探求を行っていく探求科などに分けることも考えられます。高校の消極的選択から令和の時代は脱却し、子供たちが積極的選択にかじを切る、それこそが本来のアクティブラーニングなのではないかというふうに思います。
 もちろん、こんな声も聞きます。まだ高校生のうちに自分の人生や強みなんてわからないだろう、これは子供と向き合っていない人の言葉です。大体、自分は文系分野が強い、理系分野が強い、うちの息子も高校一年生ですが、自分でわかっていますよ、どこに課題があって、どの分野が自分が得意なのか。そして、どの分野に関心があるのかだって本来わかっているわけで、子供と向き合いもせずに、それがわかっていないと嘆いていることの方がむしろ問題なわけでありまして、では、高校になって変わらないかといったら、それは変わります、思春期ですから。では、変わったときにどうするのか。これは進路変更をして、何度でもチャレンジすればいいじゃないですか。
 例えば、グローバルに行ったけれども、やはり地域人材として僕は学びたいんだといったら、全部、設置者は、公立高校であったならば単一の教育委員会なわけですから、進路が変わるときは、こういう転校手続で、この科に今度は路線変更することができるというような複線化をつくっていくことによって、より積極的に、十八歳で成人を迎える高校生たちに、みずからの判断で選んでいくという体制をつくっていけるというふうに思っております。
 このことについて、大臣、いかがお考えでしょうか。
#16
○柴山国務大臣 非常に示唆に富む御指摘だと思います。
 自民党の教育再生実行本部の高等学校の充実に関する特命チームにおいて、今御指摘になったスクールポリシーの策定に関する御議論がなされていることは承知をしておりますけれども、まさしく高等学校が、普通科を始め各学校で掲げる教育理念に基づいて、生徒の受入れ、教育課程の編成や実施、修了認定などを通じた一貫した教育活動が行われるような仕組みを構築することがこれから重要になってくるというように考えます。
 実は今、まさしく政府の教育再生実行会議においても、普通科のあり方を含む新時代の高等学校改革の検討が進められているところでありまして、間もなく第十一次提言として取りまとめられることとなっております。
 ことし四月には、新時代に対応した高等学校教育のあり方を含む、新しい時代の初等中等教育のあり方について中教審に諮問をしたところでありまして、教育再生実行本部の御議論も踏まえつつ、生徒の学習意欲を喚起し能力を最大限伸ばすための普通科改革を推進することができるように、必要な検討を進めていきたいというように考えておりますので、引き続き御指導いただければと思います。
#17
○義家委員 私の勤務していたのは、北海道の余市というところにある、全国から中退生、不登校生が集う私立高校でしたけれども、科は普通科なんです。しかし、明確なスクールポリシーを示して、全国で中退生、不登校、あるいはいろいろな悩みを抱えながら挫折した者たちを地域ぐるみで受け入れて、そして自己肯定感を取り戻して、みずからの人生を考え、成長していく、やり直しの場所である。だから過去は問わない、今の決意と、そして未来のみがある。これを、入試の、スクールポリシーを掲げて、それに合致する生徒たちを受け入れ、もちろんそんなにうまくいきません、いろいろなことがありますけれども、その中でそれぞれが自分らしさを取り戻して、それぞれの進路へと羽ばたいていく。
 普通科というカテゴリーの中にあっても、その学校が何をし、何を伸ばし、どういう能力を育成する場所なのか、それを示す責任が、十八歳成人になったからこそ、より大きくなったと私は思っています。
 次に、通信制、定時制について質問したいと思います。
 通信制、定時制課程は、戦後の勤労青年に教育機会を保障するために制度化され、現在に至っております。
 そこで、質問いたします。
 現在、勤労の理由によって通信制、定時制に通っている生徒はどのくらいの割合だと文科省は把握していますか。
#18
○永山政府参考人 定時制、通信制課程に在籍している理由については把握をしておりませんけれども、文科省では、平成二十九年度に定時制、通信制高校に対してアンケート調査を実施をいたしております。この中で、生徒の就業状況について調査をしております。
 この調査結果によりますと、回答のあった高校に在籍する生徒のうちで、約五%の生徒が社員、これは正社員と契約社員、派遣社員の割合の合計ですけれども、これが五%。それから、パート、アルバイト等を含めると約四八%の生徒が就業しているということでございます。
#19
○義家委員 つまり、本来は、職業として働いている勤労青年たちに教育の機会を与えようとしてできたわけですけれども、職業として中心に働いている割合がもう五%なんですね。
 残りの九五%は、では、どんな生徒たちなのか。これは多種多様な生徒たちです。例えば、発達障害などの課題を抱える子供たちもいるでしょう。あるいは、いじめられて対人不信、対人恐怖症になって、通信制、定時制から始めている子もいるでしょう。再チャレンジしている子もいるでしょう。いろいろな、多様な生徒が現在入っている通信制にもかかわらず、制度上は、いまだに勤労青年なんです。
 例えば、昭和二十二年の文部科学省令で出された学校教育法施行規則第百二条では、今も、勤労青年の教育的配慮に努めるものとする等々の話が書かれているわけですが、これは文科省、見直すつもりはありませんか。
#20
○永山政府参考人 御指摘のとおり、学校教育法上、全日制課程の修業年限が三年であるのに対しまして、同法施行規則においては、高等学校定時制、通信制課程の修業年限を定めるに当たって、勤労青年の教育上適切な配慮をするよう努めるものとすると定められております。
 こういった時代の変化に応じた制度の見直しにつきましては、これは不断に取り組むべきものと考えておりまして、今後も、教育再生実行本部の御議論や中教審の議論も踏まえながら、定時制、通信制課程のあり方について検討し、法令規定の見直しについても、必要に応じて検討してまいりたいと考えております。
#21
○義家委員 昭和二十二年の話なんですよ。文科省は、昭和二十二年の体制から、誰かに検討してもらわないと判断できないんですか、局長。そのうち、その答弁、人工知能に代替されますよ。
 だって、昭和二十二年の社会状況と令和の時代の社会状況が全く違っていて、労働、勤労を主にしている通信制、定時制に通っている子が五%しかいない中で、誰かに議論してもらわなかったら見直しを考えられないんですか。
 こういう昭和の体制、もう昭和、平成、令和ですから、とにかく不断の見直し、これは省令ですから、自分たちで議論して見直せばいいだけの話なわけですね。
 また、昭和二十八年、議員立法で成立した高等学校の定時制教育及び通信制教育振興法も、勤労青年に教育機会を保障するという目的の法律でありまして、これも、現在の状況を鑑みながら、多様な生徒に教育機会を保障する、そして多様な生徒に寄り添っていくというような法改正も必要であると我々は考えております。これは議員立法ですので、野党の皆様とも相談しながら改正作業を行ってまいりたいと思いますが、ぜひとも御理解をいただきたいと思います。
 続いて、高等学校専門科について、提言とリンクさせながらお話ししたいと思います、質問したいと思います。
 現在の日本の高度経済成長は、まさに工業高校、商業高校などの専門科が輩出した人材に支えられてきました。しかし、昭和から平成、そして令和となり、社会も求められる人材も大きく変化しており、専門学科の改革だけではなく、さらなる強化を今だからこそしていくべきであろうというふうに考えております。
 教育再生実行本部の高等学校の充実に関する特命チームでは、現場からのヒアリングも行いました。専門学科として先進的な取組をされている東京都立六郷工科高等学校の実践と報告で、私自身も多くのことを考えさせられました。
 ヒアリングには、統括校長の佐々木校長先生が一人の生徒を連れてきてくれました。この生徒とは、この四月からオートモービル科の二年生になったサキャ・アシス君という、ネパールからやってきた生徒です。この六郷工科高校では、平成三十年度から日本の物づくり企業への就職を希望する在京外国人入試という新たな制度を開始して、サキャ・アシス君はそれに基づいて入ってきたわけでありますが、卒業までにN3レベルの日本語をしっかりと習得してもらう、そして日本の技術も習得してもらう。
 さらには、これは外国人だけではなくて、百九十の地域企業と連携して、一年次はインターンシップで一社当たり十日間を三社で体験、個々の適性に合った職種や職業を見きわめさせた上で、二年次、三年次は二カ月の長期就業体験を実施し、まさに即戦力の人材を輩出しているところであります。
 このアシス君、ネパール語と日本語と英語を使って世界で活躍するエンジニアになりたいと目を輝かせて語ってくださいましたが、まさにこの強化というものは大変重要なことであるというふうに思っております。
 その中で、先生方のお手元にも添付資料を配らせていただきましたけれども、この資料は校長先生からいただいた資料で、なかなか我々、強化していきたいという思いがあっても、現実がこうなんですという。
 これはもう見ていただいたら説明は要らないと思いますけれども、大切に大切に使ってきたんだと思います。歴史をかけて直して、大事に大事に使ってきた。これもこれで誇らしいことではありますが、この昭和四十六年というのは、私の生まれた年ですよ。もう四十八年前のものが今の令和の時代の新たな工業の中の教材としてふさわしいのかどうかといえば、大切に使ってきたものもありますけれども、骨とう品として使えないものだってある話でありまして、これは国を挙げて、やはり物づくりは日本の強みですから、国を挙げてしっかりと支援していくべきだというふうに思います。
 改めて、専門学科だけではなく、総合的に、大人になる高校三年間の中で、この令和の時代の高校教育の改革について、大臣の見識とそして決意を最後に語ってください。
#22
○柴山国務大臣 まさしく時代の変化に伴って、今の御指摘になられた専門学科、あるいは専門高校などにおける産業教育の強化が必要になってくると考えます。
 今の資料、大変深刻な状況でございまして、施設整備に関する経費の補助、また各学校の設置者に対する通知の発出による産業振興等の所管部門との連携など、企業等ともしっかりと共同して充実をさせていただくよう依頼をさせていただきましたし、これからもしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
#23
○義家委員 ぜひとも、我々も協力しますので、省を挙げて、大人になるこの高校三年間をどう過ごしてもらうのか、改めての高校改革を提言し、私からの質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#24
○亀岡委員長 次に、鰐淵洋子君。
#25
○鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。
 きょう、質問させていただきますが、少し声がお聞き苦しいかと思いますが、最後まで元気いっぱいに質問させていただきます。(発言する者あり)はい。ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。
 まず初めに、文部科学省改革について質問させていただきます。
 昨年十一月の大臣所信に対する質疑におきまして、文部科学省における不祥事が立て続けにあり、信頼回復に向けて真摯にそして全力で改革に取り組むよう申し上げました。
 その後、文科省におきましては、本年三月二十九日に、不祥事の再発防止策を始め文部科学省の人事改革、政策立案機能の強化等、多くの改革実行方策が盛り込まれました文部科学省創生実行計画が取りまとめられたものと承知をしております。
 文部科学省におきましては、計画を策定しただけで満足せず、今後、しっかりとした推進体制を設けまして、この計画を着実に実行に移していくことが重要だと考えております。
 また、今後、文部科学省が国民の信頼を取り戻すために、今般の不祥事の再発防止を徹底することに加えまして、子供たちのための教育施策を充実させるためにも、これまで以上に現場に出向いていただきまして、現場の皆様方、先生方の声を伺いながら、政策立案に生かしていくことが重要であると考えております。
 文部科学省創生実行計画の実行に向けた決意と今後の取組について、大臣にお伺いをしたいと思います。
#26
○柴山国務大臣 若手職員を中心とした文部科学省未来検討タスクフォース報告なども踏まえつつ、御紹介をいただいた本年三月の文部科学省創生実行計画を取りまとめさせていただきました。
 その計画の中で、組織風土改革やガバナンスの強化、人事政策、人材育成のあり方の見直し、政策立案機能の強化、広報機能の強化や業務改善の徹底など、四十六の取組を盛り込んでおります。
 これらの取組を、今おっしゃったように、しっかりと着実に実行していくために、四月十七日に私を本部長とする文部科学省改革実行本部の第一回を開催し、スピード感を持って進めるように指示をさせていただきました。
 今後、本本部において定期的に進捗状況を確認し、文部科学省が霞が関改革全体のフロントランナーとなるべく、私自身が先頭に立って取り組んでいきたいと考えております。
#27
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今大臣の方からも、定期的に進捗状況を確認しながら、大臣のもとしっかりとやっていくという御決意でございました。
 やはり国づくりの基本は人づくりということで、文科省が、いろいろな意味で中心となって、政治も進めていくという大きな役割もあるかと思います。そういった意味で、着実に信頼回復と、また国民の皆様に信頼していただける政治ということで、しっかりと大臣のもと取り組んでいただきたいことを、改めて重ねて要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、通学路の安全対策について伺ってまいりたいと思います。
 先週、園児の列に交通事故を起こした自動車が突っ込みまして園児が亡くなるという、大変に痛ましい事故が起こりました。保護者の方の悲しみを思いますと、胸が張り裂ける思いでございます。亡くなったお二人の御冥福をお祈り申し上げますとともに、事故に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 通学路の安全対策につきましては、これまでも、スクールゾーンの設置や交通安全教室の実施、地域住民や教職員による見守り登下校などさまざまな取組がなされてきたものと承知をしております。
 今回の事故を受けまして、改めて、いろいろ環境を整えたとしてもやはり事故に巻き込まれてしまう、そういった可能性はまだまだあるということも実感をいたしまして、引き続き学校や地域住民、警察、保護者等で力を合わせて、子供たちを守るための通学路の安全対策、しっかりと万全を期していかなければならないと思いました。
 今、各自治体、地方におきましても、我が党におきましても、地方議員の皆さんが各首長にも要望を申入れをさせていただきまして、通学路の安全点検等、また具体的に対策を講じていくようにということで、現場でもさまざま対応は進めておりますけれども、改めまして、文科省におきましても教育委員会等に対して通学路の安全対策の徹底をしっかりと求めて対応していただきたいと思いますが、文部科学省の御見解をお伺いしたいと思います。
#28
○清水政府参考人 お答えいたします。
 このたびの大津市における大変痛ましい事故を受けまして、文部科学省では、まず、全国の教育委員会等に対して五月十一日付で事務連絡を発出いたしまして、幼稚園等における安全管理の徹底に向けて改めて注意喚起をしたところでございます。
 また、五月の十一日から二十日にかけて実施をしている二〇一九年春の全国交通安全運動に際しまして、交通安全に対するさらなる意識の向上が図られるよう通知を発出したほか、今月末には各都道府県及び政令指定都市等の安全教育担当指導主事を集めた会議を開催いたしまして、事故予防の留意点等について情報を周知いたしまして、交通事故防止に向けた取組を促す予定としております。
 文部科学省といたしましては、引き続き、あらゆる機会を捉えて交通安全確保の徹底を図っていくことが重要だと考えておりまして、関係省庁と連携をしながら、通学路における児童生徒の安全に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。
#29
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今御答弁にもありました、全ての関係者の皆様と連携をとった上で、ここまでやれば大丈夫だというものはないと思いますので、しっかりと声をかけ合いながら安全対策をしっかりとやっていただきたいと思います。
 また、学校におきましては、学校保健安全法に基づきまして、通学路の安全を含め学校安全計画の策定が義務づけられておりますが、現在の策定状況についてお伺いをしたいと思います。
#30
○清水政府参考人 お答えいたします。
 学校安全計画の策定状況でございますが、平成二十八年三月三十一日現在の数字でございますが、全国の学校における学校安全計画の策定状況、九六・五%となっているところでございます。一〇〇%に達していないところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続きさまざまな機会を捉えて、全ての学校で学校安全計画が策定されるよう教育委員会等に働きかけてまいりたいと考えております。
#31
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今、策定状況が九六・五%ということで、そういった状況の御報告もありました。
 今御答弁にもありましたが、全ての学校におきましてこの学校安全計画が策定できるように、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そういったことも取り組みながら、この通学路の安全対策、万全を期していただきたいと思いますが、こういった策定も含めて、取組について大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
#32
○柴山国務大臣 ありがとうございます。
 今お話ししてくださった学校安全計画の策定状況なんですけれども、特に、幼稚園がまだ八九・二%ですとか、あるいは幼保連携型の認定こども園が八八・九%ですとか、また、高等学校段階になると九五・六%ですとか、そういったところで若干課題があるのかなというように感じております。
 そういったことも含めて、学校安全計画、まさしく今御指摘になられたとおり、学校保健安全法に基づいて策定が義務づけられている、児童生徒の安全を守るための学校単位の取組の基本となる計画でありまして、文部科学省といたしましては、都道府県教育委員会教育長を集めた会議や、各地域において主導的な役割を果たす学校安全を担当する教員等に対する研修など、さまざまな機会を通じてその策定を促し、全ての学校でこの学校安全計画が策定され、それに基づく安全確保が行われるよう取り組んでいきたいと考えておりますし、今委員から御指摘があった関係省庁間での連携による安全確保、警察ですとか道路管理者ですとか、そういったところとの連携、こういったこともしっかりと進めていきたいと考えております。
#33
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 今大臣の方からも具体的な課題等もおっしゃっていただきました。ありがとうございました。しっかりと子供たちの安全、また命を守るということで重要な課題だと思っております。しっかりと引き続き対応をお願いしたいということで、重ねて要望させていただきたいと思います。
 次に、高等学校等就学支援金について質問をさせていただきたいと思います。
 先般の衆議院本会議におきまして、私立高校授業料の実質無償化に向けた取組について質問をさせていただきました。大臣からは、「安定的な財源を確保しつつ、着実な実施に向けてしっかりと取り組んでまいります。」との答弁をいただきました。現在、来年四月からの実施に向けまして、政府において検討が進められているものと承知をしております。
 経済的な理由で私立高校への進学機会を奪うことのないようにするためには、来年四月の時点で既に私立高校に在学する生徒についても就学支援金の引上げの対象とすることが不可欠であると考えますが、文部科学省の御見解をお伺いしたいと思います。
#34
○永山政府参考人 私立高校の授業料の実質無償化につきましては、来年四月から、年収五百九十万円未満世帯の生徒を対象として、高等学校等就学支援金の支給上限額を私立高校の平均授業料の水準を勘案した額まで引き上げることで実現することを想定しておりますが、その際に、御指摘の対象ですけれども、新入学者のみならず、在籍している全学年の生徒に適用すること、これを想定しているところでございます。
#35
○鰐淵委員 ありがとうございました。ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 また、現在高校進学を目指している中学生の進路決定に影響が出ないように、その制度設計につきましても早期に示していくことが必要と考えますが、検討のスケジュールも含めまして、大臣から御見解をお伺いしたいと思います。
#36
○柴山国務大臣 おっしゃるとおり、中学生の進路検討にも影響が出てきますので、なるべく早期に学校関係者や保護者などにお知らせをしていくことが重要であります。
 制度の詳細は、先ほど答弁をさせていただいたとおり、来年度予算編成を通じて定めていくものではありますけれども、現時点においてお知らせできる内容につきましては、まずは、今月下旬に予定している教育委員会との協議会ですとか、全国の中学、高校の校長会、私立学校関係団体の会議での説明、リーフレットの展開などを通じて、しっかりと前広に周知をしていく予定であります。
 今後も引き続き、随時、必要な情報提供に努めてまいりたいと考えております。
#37
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 ぜひとも、早期にということと丁寧にということと、また、私たちもしっかりと力を合わせて取り組ませていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、高等学校等就学支援金の取扱いについて質問をさせていただきます。
 高等学校における授業料の徴収につきましては、あらかじめ就学支援金相当分を差し引いた上で徴収することが原則であるところ、学校によっては、入学後、授業料を数カ月間徴収した後に、自治体からの支援金の交付を待って家庭に還付しているという例がございます。その結果、入学後数カ月間の授業料を払うことが困難な家庭もあると聞いております。
 また、就学支援金相当額を含め授業料を全額徴収していた学校において、入学後に授業料の全額を納入しなければならない時期があることを生徒募集要項において周知していなかった事例もあったと伺っております。
 この点につきましては、昨年二月、行政相談を受けた総務省から文部科学省に対しまして、改善に向けた措置をとるよう求められたものと承知をしております。
 文部科学省はこれまでどのような対応をとってきたのか、お伺いしたいと思います。
#38
○永山政府参考人 高等学校等就学支援金につきましては、確実に授業料の支払いに充てるために学校による代理受領を原則としておりますけれども、例外的に、就学支援金の支給前に学校が授業料を徴収せざるを得ない場合には、授業料を負担することが困難な者に対してその徴収を猶予するなど、生徒、保護者の負担に十分配慮するよう、従来から都道府県及び学校設置者に対応を求めてまいったところでございます。
 しかしながら、昨年二月には、就学支援金制度の運用に関する御指摘のような事例を踏まえまして、総務省から、生徒、保護者の負担に配慮した授業料の徴収が行われるよう都道府県を指導するよう、改善措置に関するあっせんがあったところでございます。
 文科省では、これを受けまして、事例ごとに対応方法を示した通知を都道府県に発出し、指導を行ったところです。また、進学希望者やその保護者が正確な情報を入手できることについても、学校設置者が募集要項やホームページ、学校説明会で適切な案内を行うこと等の対応を求めたところでございます。
 文科省といたしましては、生徒、保護者の負担に配慮した授業料徴収が行われることは重要であると考えておりまして、引き続き、都道府県及び学校設置者に対して適切な対応を求めてまいりたいと考えております。
#39
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 また、ちょっと大臣にもお伺いしたいと思いますが、高等学校等就学支援金の支給に関する法律におきまして、学校の設置者は受給権者にかわって就学支援金を受領し、受給権者の授業料債権の弁済に充てることとされていることを踏まえますと、全ての高校において入学当初から就学支援金相当分を差し引いた上で授業料を徴収する、この就学支援金交付金の交付ルールを検討すべきと考えますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#40
○柴山国務大臣 御指摘のように、就学支援金は学校設置者が有する授業料に係る債権の弁済に充てるとされていることから、あらかじめ就学支援金の相当分を差し引いた上で授業料を請求することが基本であると認識をしております。
 一方、ちょっと現場の状況なんですけれども、学校における事務手続上の問題として、都道府県の認定結果が確定するまでは授業料から正確な就学支援金相当額を差し引くことができないから、仮に認定前に差し引くことになると、後に、正確な支給額に基づく追加での授業料徴収、又は今御指摘になられた還付が生じるなど、学校における事務が煩雑となる場合があるということですとか、授業料の額や徴収方法、時期など、授業料設定のあり方については、基本的には各学校設置者の裁量に委ねられているということがあるということですので、直ちに一律のルールを設けることは難しいということなんですけれども、やはり生徒や保護者の負担軽減となるように、就学支援金の事務処理のあり方について都道府県に示しているところであります。
 具体的には、都道府県における認定手続をそもそもしっかりと早期化してくれということですとか、あるいは、授業料全額を負担することが困難な生徒や保護者に対しては、プライバシーに配慮しつつ、授業料徴収を猶予することなどの対応を示しているところであります。
 いずれにいたしましても、引き続きしっかりと適切な対応を求めてまいりたいと考えております。
#41
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 経済的負担軽減を図りまして、実質的な機会均等を図るという制度の趣旨からも、ちょっと繰り返しになりますが、入学当初から就学支援金相当分を差し引いて授業料を徴収する、こういったことをしていくのが理想ではあると思います。
 しかし、今おっしゃったように、事務的ないろいろ課題もあるということで、ぜひとも、当事者の方々の状況を見ていただいて丁寧に対応するということで、重ねてになりますが、この点も要望させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続きまして、ちょっと話はかわりますが、がん教育について質問させていただきたいと思います。
 御存じのとおり、二人に一人の方ががんになると言われておりまして、がんは国民病の一つと言えます。しかし、早期発見、早期治療で治る病気でもありますし、がんについて正しく理解していただくことは大変に重要であると思っております。
 また、がん患者やその御家族、医師の方からお話を聞くことによりまして、命と健康の重要性を実感することもできるかと思います。そういったことからも、私たち公明党も、がん教育の充実ということでこれまでも取り組ませていただきました。
 現在、児童生徒へのがん教育は、がん対策基本法の改正、第三期がん対策基本計画による強化によりまして、大きく進んでいるものと承知しております。
 こうしたがん教育の推進力となりましたのが、医師やがん経験者の実践はもちろんでございますが、平成二十六年度から三年間続きました文部科学省の「がん教育」の在り方に関する検討会、これも大きな役割を果たしたと思っております。同検討会の報告書では今日のがん教育の方向性が明示されましたが、同検討会は平成二十九年三月で終了しておりまして、識者の間では継続すべきという声が当時からあったと聞いております。
 文部科学省も、こうしたことを受けまして、ことし二月に、浮島副大臣も出席して、旧検討会委員による「がん教育」に関する懇談会が開催されたと承知をしております。
 第三期がん対策推進基本計画では、取り組むべき施策といたしまして、「都道府県及び市町村において、教育委員会及び衛生主管部局が連携して会議体を設置し、医師会や患者団体等の関係団体とも協力しながら、また、学校医やがん医療に携わる医師、がん患者・経験者等の外部講師を活用しながら、がん教育が実施されるよう、国は必要な支援を行う。」とございました。
 これらを踏まえまして、文部科学省にがん教育の検討会をしっかりと設置していただき、がん教育の取組状況を把握し、がん教育実践者の御意見も伺いながら、そのあり方を評価し、がん教育の充実を図っていくべきと考えますが、文部科学省の御見解をお伺いしたいと思います。
#42
○永山政府参考人 がん教育の取組を推進していくために、医師や教育関係者等の有識者から意見を伺うことは大変重要であると私どもも認識をいたしております。
 お話にありましたとおり、これまでも文科省におきまして、「がん教育」の在り方に関する検討会を設置をいたしまして、「学校におけるがん教育の在り方について」の報告及び外部講師を用いたがん教育ガイドライン、がん教育推進のための教材の作成等を行ってまいりました。
 現在は、これらの検討会の成果に基づきまして、新学習指導要領に対応したがん教育の普及啓発を図るために、教員向けの研修会、それから外部講師向けの研修会、シンポジウム等を開催いたしまして、教材等の周知や委託事業における好事例を全国に展開するなど、さまざまな取組を進めているところであり、これらの機会を通じて、全国のがん教育の進展状況を把握するとともに、施策の実施に当たり参考としているところでございます。
 今後とも、きめ細かく、引き続き、現場の御意見を伺いながら、がん教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
#43
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 これまで取り組んできたさまざまなことを御答弁いただきましたが、ちょっと先ほども触れさせていただきましたが、検討会の設置ということで、当時の関係者の方からもしっかりと設置するべきだという声が上がっていたということも御紹介させていただきました。
 今後の方向性についてどのように検討されているのか、再度質問させていただきたいと思います。
#44
○永山政府参考人 先ほど申しましたとおり、がん教育を推進していくためには、現場有識者からの意見を伺いながら取組を進めていくことは大変重要であると認識をいたしております。
 現時点で、今すぐ検討会を設置ということまでの検討に至っておりませんけれども、必要に応じてそういった場を設置するということ等も含めて、きめ細かく現場の御意見を伺いながら、がん教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
#45
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 しっかりと関係者の声を伺いながら反映させていくという上で大変重要なことだと思いますので、設置も含めてしっかりと対応していただきたいということで、これも重ねて要望させていただきたいと思います。
 次ですけれども、がん教育の実施状況に関する文部科学省の調査結果でございますが、昨年十月に公表されております。平成二十九年度にがん教育を実施したとする小中高校でございますが、五六・八%に達しているということでございました。平成二十九年度分の調査結果につきまして、現時点において都道府県別の結果はまだ公表されていないと承知をしておりますけれども、いつごろ公表される予定なのか、お伺いしたいと思います。
#46
○永山政府参考人 平成二十九年度におけるがん教育実施状況調査のうちで、都道府県別の結果につきましては現在精査中でございまして、今月中に公表する予定となっております。
#47
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 このがん教育の実施につきましては、授業で多少とも何かがんに触れればがん教育を実施したことになると判断されている、そういった例があるということで、そういった指摘もあると伺っております。
 そこで、今後、がん教育の充実を図るためにも、この平成三十年度の調査におきましては、がん教育について具体的にどのような教育が行われたか等を調査する方式とする、こういった調査内容の検討もする必要があると考えておりますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#48
○永山政府参考人 先ほどの平成二十九年度分の調査におきましては、外部講師の活用の有無に加えまして、その効果と課題、外部講師を活用しなかった理由などを調査いたしております。
 平成三十年度分、これはこれからということですけれども、御指摘があったような、具体的にどのような教育が行われたか、これを把握するために、がん教育で扱った内容、例えば、がんとはどのような病気でしょうかとか、がんの経過とさまざまながんの種類、がんの予防等々、こういった幾つかの選択肢を用意いたしまして、そういったがん教育で扱った内容を新たに調査項目に追加をするということを今検討しているところでございます。
#49
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 丁寧な調査ということで、ちょっと矛盾するかもしれませんが、現場の負担にもならないように、ただ、しっかりと調査をしていただいて、がん教育の充実につながるようにということで、しっかりと対応していただきたいと思います。
 その上で、もう一度ちょっと確認ですけれども、しっかりと調査をしていただくということで、それをしっかりとまた今後がん教育の充実に還元していく上で、三十年度の調査も早期に実施をしていただいて公表していただきたいと思いますが、改めて御見解をお伺いしたいと思います。
#50
○永山政府参考人 平成三十年度の調査につきましては、近日中に関係機関、教育委員会等に対して依頼をする予定となっております。
 その後、速やかに集計、分析して、結果を公表することといたしております。
#51
○鰐淵委員 ありがとうございました。
 人生百年時代と言われる中で、先ほども申し上げましたが、二人に一人の人ががんになるかもしれない国民病の一つということで、これは自分自身の命、健康を守るという上でも、このがん教育、大変重要になってくるかと思います。
 さまざまな方からやはり御協力いただかねば、なかなか充実というところで進まないかと思います。しっかりと専門医の方、また、がん患者の方、御家族の方、さまざま御負担をおかけすることになると思いますけれども、しっかりと御協力いただきながら、がん教育の充実にしっかりと引き続き文科省の方で取り組んでいただきたいということを、重ねてになりますが御要望させていただきたいと思います。
 私たちとしましても、また今後、そういったさらなる充実した教育が進むように応援させていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 以上で質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
#52
○亀岡委員長 次に、牧義夫君。
#53
○牧委員 国民民主党の牧義夫でございます。
 お聞き苦しいかもしれませんけれども、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 まず、文部科学行政についての一般質疑でございますけれども、冒頭、昨日の東京新聞朝刊一面に載っておりましたが、白須賀政務官が、昨年十月の就任からことし三月末までに、在京当番として都心で待機しなければならなかった延べ二十日のうち少なくとも十三日は、選挙区など、一時間圏内から離れていたという報道がございました。
 白須賀政務官は、原子力研究施設などを所管する科学技術担当だというふうに聞いております。大規模災害や原発事故などに対応する立場だと思うんですけれども、万が一のとき、どっちみちこんな無責任な人が官邸にはせ参じたところで何の役にも立たないとは思いますが、しかし、あえて、この場をおかりして、その任にあらずと言わざるを得ないと私は思います。
 後でまた他の質問者からもお話があろうかと思いますので、まず私は一般論から入りたいと思うんですけれども、こういった在京当番の人たちがどういう責務を負ってどういう仕事をするためにこういう仕組みがあるのかという、まず一般論からお聞かせをいただきたいと思います。
#54
○生川政府参考人 お答えいたします。
 いわゆる在京当番の趣旨、目的についてでございますが、平成十五年十一月二十一日閣議了解の「緊急事態発生時における閣僚の参集等の対応について」におきまして、緊急事態への備えとして、各閣僚が東京を離れる場合には、あらかじめ副大臣又は大臣政務官が代理で対応できる態勢をとることとされており、このことを一般的に在京当番というふうに呼んでいるというものでございます。
 したがいまして、いわゆる在京当番は、緊急事態への備えとして、あらかじめ副大臣又は大臣政務官が大臣の代理で対応できる態勢をとるためにあるということでございます。
 なお、大臣の代理対応の運用につきましては、府省統一的な基準があるわけではございませんが、各省に運用が任されているところであります。
 文部科学省としては、緊急事態発生からおおむね一時間以内に官邸等に参集できる態勢をとるということとしているところでございます。
#55
○牧委員 緊急事態への対応というのは当たり前の話で、そんなことはわかり切ったことなんです。
 私が聞きたかったのは、その対応については、いろいろな判断というのは当然優秀な官僚の皆さんが一義的には判断をされているんでしょうけれども、ただし、形式的にやはりそういった政務の方が決裁をしなければならない場面があるから、だからこそ、そこにはせ参じるんだというふうに私なりに理解しているんです。
 そこで、私が聞きたかったのは、どういう決裁が必要になってくるのか、あるいは、この人たちがいないと何も前へ進まないのか、何か事例があったら教えていただきたいと思います。
#56
○生川政府参考人 不測の事態が起きたときにどういう対応になるのかという御質問だと理解をいたします。
 平成十五年十一月二十一日の閣議了解の「緊急事態発生時における閣僚の参集等の対応について」におきましては、各閣僚は、緊急事態の発生を了知した場合には速やかに所属する省庁に参集をするということになってございます。また、首都直下等大規模地震の場合及び内閣総理大臣等との緊急協議みたいなものを行うという場合は速やかに官邸に参集をするということになっております。
 したがって、在京当番の方々はこういった役割を果たすということでございます。
 なお、緊急事態発生時に大臣が離京している場合、今も申し上げましたが、副大臣又は大臣政務官が代理で文部科学省若しくは官邸に参集をするという役割を負われているということでございます。
#57
○牧委員 わかりました。
 ただ、いわゆる政務三役の中でも、最初に申し上げたように、原子力研究施設等を所管する立場の者として、今説明があったような緊急事態というのは、本当の意味で、場合によっては国家の存立にかかわるぐらいの大きな問題であるというケースが想定されるわけで、その職を軽んじていたとしか思えない今回のこの報道ですけれども。
 事実関係はまだ役所として確認しているかどうかはともかくとして、私は、こういった責任感のない方については、任免権は総理にあるのかもしれませんけれども、直属の上司として大臣から、これは本当に総理に罷免を具申するぐらいの話だと思いますけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。
#58
○柴山国務大臣 国及び国民の安全に重大な影響を及ぼすさまざまな緊急事態に迅速かつ的確に対処することができる体制を構築することは、政府の重要な責務であると考えております。
 大臣の代理対応の運用については、今答弁をさせていただいたとおり、府省統一的な基準があるわけではなく、各省に運用が任されているところではありますけれども、文部科学省としては、これまでのさまざまな経験等に基づいて、緊急事態発生からおおむね一時間以内に官邸等に参集できる態勢をとることとしております。
 今般、御指摘の白須賀政務官の活動につきましては、文部科学省といたしましては、おおむね一時間以内に参集できるとの判断のもとで行われたものと認識をしております。
 なお、現時点において、現行の在京当番の運用を原因とする問題が発生したことはありませんけれども、他省庁の状況なども参考にしながら、引き続き、緊急事態対応について、遺漏なきよう万全を期してまいりたいと考えております。
#59
○牧委員 今の大臣の御答弁によりますと、新聞が問題提起しているそれには該当しないというふうに受けとめさせていただきました。一時間圏内であったという認識だということをおっしゃっていただいたわけで、これについては、またいろいろと細部、議論があろうかと思いますので、時間の都合でここまでにしておきたいと思います。
 次に、外務省の外交青書について。
 これは多分、外務委員会でももう既に議論になっていると思いますが、二〇一九年版の外交青書で「北方四島は日本に帰属する」との表現が削除をされたことについて、これは、河野外務大臣は、総合的に勘案をして書いている、政府の法的立場に変わりはないというふうに述べておられるわけでございますけれども、変化していないのなら、なぜ記載しないのか。これは、改めてちょっとお伺いをしたいと思います。
 まず、考え方が変わったのか変わっていないのかということも含めて、考え方が変わったかというように誤解されかねない、こういったこと、これは、ただ単にロシアを刺激しないように配慮しただけなのかどうなのか。ただ配慮しただけだといっても、これは、考え方を変えたというメッセージを世界に向けて発信したことに結果としてなってしまったと言っても過言ではないと私は思います。その点について、御答弁を外務省からお願いを申し上げたいと思います。
#60
○あべ副大臣 委員にお答えいたします。
 政府の法的立場に変わりはございません。そうした中で、外交青書に関しましては、当該年度における我が国の外交活動を総合的に勘案して作成しているものでございまして、あらゆる内容について記載しているわけではございません。
 いずれにいたしましても、政府として、領土問題を解決して平和条約を締結するという基本方針のもとで、引き続き粘り強く交渉に取り組んでいきたいというふうに考えております。
#61
○牧委員 まあ、考え方に変わりはないということをあえて繰り返しおっしゃっていただかなきゃいけなかった。それぐらい、今回これは、削除されたということは一つの、私にとっては衝撃でもございました。
 これは学校現場でも学習指導要領等において、今回の改訂学習指導要領においても、更にこの領土についての意識をしっかりと子供たちに教えていくんだということが文科省としての意思表示であると思いますけれども、しっかりとそれを打ち出されているわけで、大臣にもその辺のところのお考えを改めてはっきりおっしゃっていただきたいと思います。
 いろいろ、北方領土は戦争しなきゃ返ってこないぞみたいな変なことを言う人もおりましたけれども、そういうことじゃなくて、きちっきちっとこれまで積み上げてきた私どもの考え方があるわけですから、それを学習指導要領でも、小学校、中学校、高等学校の、あるいは今度、教科用図書の検定基準なんかにもこれは多分に影響してくると思いますけれども、その辺の考え方に変わりはないということをはっきりおっしゃっていただければというふうに思います。
#62
○柴山国務大臣 北方領土は、我が国が主権を有する島々であり、この我が国の立場は、学習指導要領を改訂した時点と現在において、何ら変わりはありません。このため、文部科学省としては、御指摘の外交青書に関する記述の変更が学習指導要領に影響するものではないと認識しております。
#63
○牧委員 そこら辺は、やはりきちっと、政府部内においてしっかり意思統一をしていただければというふうに、改めてお願いをしたいと思います。
 新しい学習指導要領、二年前の文科省の教育課程課長のインタビューの記事もありますけれども、そこで課長がおっしゃっているのは、「教育基本法は、教育の目的として「国民の育成」と規定しています。我が国の立場をきちんと伝えるのが先生の役割なので、」これは外国の人に対して、「「君はそう思っているかもしれないが、我が国の立場はこうで、国際法的にも、歴史的にも妥当です」と言い切ってもらう必要があります。」と。この国の立場を言い切る指導をするんだということを、あえて教育課程課長がおっしゃっているわけで、そのことをしっかりと貫いていただきますように、改めてお願いを申し上げたいと思います。
 ちょっと話題を移しますが、もう一つ、ことしの二月十九日の大臣の、これは定例会見ですかね、これまで、二〇〇九年の文科省の指針で、小中学校へのスマホの持込み原則禁止ということでありましたけれども、二〇一九年二月十九日、ちょうど十年たったところで、大臣がこの原則持込み禁止を見直す方針をとるかのような御発言があったというふうに聞いております。その理由についてお聞かせをいただきたい。
#64
○柴山国務大臣 学校における携帯電話の取扱いについては、文部科学省において、今御紹介をいただいたように、平成二十一年に通知を発出し、小中学校における携帯電話の持込みの原則禁止や、学校における情報モラル教育の充実、ネット上のいじめなどに関する取組の徹底について周知をしているところでありました。
 ただ、近年、児童生徒へのスマートフォンを含む携帯電話の普及が進んでいるとともに、災害時や児童生徒が犯罪に巻き込まれたときなどに、携帯電話を緊急時の連絡手段として活用することが一部期待をされてきているところでもございます。
 このような学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化を踏まえ、この、十年前、平成二十一年に発出した通知について見直しに係る検討を進めるとしたところでありまして、今後は、さまざまな御意見をしっかりと受けとめつつ、慎重に検討を進めていきたいと考えております。
#65
○牧委員 まだ検討段階だということで、一安心ではございますけれども、今の大臣の御説明で、二〇〇九年のときの状況と今がどのように変わったのかということがいま一つちょっとよく見えてこないわけで、例えばSNSを使ったいじめですとか、あるいはゲームに対する依存症ですとか、また不適切な動画の投稿ですとか、さまざま、いろいろなことが考えられる。そういう状況については、この十年間、何にもいい方向に変わっているとは私認識しておりませんし、文科省として何かそういった実態の調査というのがあるんでしょうか。
#66
○永山政府参考人 平成二十一年の通知を発出するに当たりましては、全国の公立学校や教育委員会を対象とした調査を行っておりますけれども、今般は、まだ現時点でそういった実態調査を行っておりません。また、今後何らかの実態調査を行うかどうかについても未定ですけれども、さまざまな御意見をしっかりと受けとめながら検討を行ってまいりたいと考えております。
#67
○牧委員 今大臣お聞きになったと思うんですけれども、実態調査は何もしていないんですよね。やはりこれは早急にしていただきたいと思いますし、大体、例えば小中学生の何人に一人がスマホを持っているのか。これは多少報道でもありますけれども、必ずしもみんなが持っているわけじゃないということだけは確かで、こういうこと、持込みが解禁されると、多分親御さんとしては、ほかの子も持っているのなら買ってあげなきゃなという方向にどうしてもなってしまうと思います。その辺の配慮もきちっとしていただければ。まだまだ解禁にはほど遠いなというのが私の率直な意見でございますし、災害対応というお話もありましたけれどもGPS機能を備えたキッズ携帯みたいなもので十分対応ができるわけで、スマホがなきゃ対応できないということでは決してないと思いますので、その辺も含めて検討していただきたいと思います。
 また、スマホの持込みについては、教育関係者のみならず、例えば医学の分野ですとか、さまざまな分野からの指摘があると思いますけれども、その辺についての文科省の認識というのはあるんでしょうか。例えば、子供の発達、脳の発達にこんな影響があるとか、いろいろな御意見あろうかと思いますけれども、文科省としてそこは把握をしておられますか。
#68
○清水政府参考人 お答えいたします。
 スマートフォンの普及に伴いまして、例えばインターネット利用の長時間化等により、使用する子供の健康面の影響などが懸念されているということはあろうかと思います。
 文部科学省といたしましては、平成二十六年度に、タブレットPC等を活用した教育を実施する上での留意事項といたしまして、「児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブック」を取りまとめているところでございますが、このガイドブックにおいて、専門家からのコメントとして、タブレットPC等を集中して見続けるとドライアイになりやすくなるために配慮が必要であるといったことでありますとか、画面の明るさから寝つきが悪くなる可能性があるため、夜更かしを防止する意味でも、睡眠前の強い光を発する機器の利用は控えることといったような、そういう専門家からの指摘も取り上げているところでございます。
 また、平成三十年度から、ICT機器の健康面への影響に関する国内外の論文を収集、整理することを目的とした調査研究を実施しているところでもございます。
 そういった調査なども踏まえまして、引き続き、スマートフォン、スマートフォンを含めましたICT機器の適切な利用に関する教育啓発のあり方を検討していきたいと思っているところでございます。
#69
○牧委員 私も、教育現場におけるICTの活用というのは大いにこれからも進めていくべきだと思いますけれども、今の議論のスマホの持込みというのは、それとは全く次元を異にする話であって、生徒児童が個人的にこれを学校に持ち込むだけの話で、これを学校の教育に利用するわけでもございませんし、どういう場面で使うのかということも、ただ行き帰りだけ持って災害に備えるというだけの話なのか、あるいは、休み時間に友達とゲームをやることも許容されるのか、そういったことも含めて考えると、ICT教育とは全く無縁の話だと思います。
 その上で、子供の発達に与える影響や健康についてのさまざまな指摘があるというお話もありました。ぜひ、その辺のところはしっかり情報を集約していただいて、科学的な見地でその辺のところをしっかりと立証をしていただければと思います。
 ちなみに、ちょっと調べたら、フランスなんかですと、学力低下やいじめ防止、トラブル回避のため法律でこれを禁止されているというふうに伺っておりますし、スウェーデンでも、脳に与える影響を考えて、ほとんどの学校では禁止をしているというお話であります。
 これは外国は外国だというふうに言い切ってしまっては決してならないお話だと思いますので、そこは、検討に入るということであれば、これは十分にしっかり検討していただけますように、お願いを申し上げたいと思います。
 また、学校の現場というのは、やはり人と人がフェース・ツー・フェースでコミュニケーションできる能力をつくる場所というのが、まさに学校現場だと思います。電子機器でやりとりして済むのであれば学校なんか要らないわけで、家にいて、先生とスマホでつながっていればそれでできちゃうわけですから、まさにそうじゃなくて、フェース・ツー・フェースでコミュニケーションできる能力を高めるのが学校現場だというふうに私は理解しておりますので、その辺のところの大臣のお考え方もちょっとお聞かせいただければと思います。
#70
○柴山国務大臣 健康面もそうですし、また、ネットリテラシーあるいはネットによるマナーなどについても、しっかりと勘案しなければいけないというように思っております。
 先ほど申し上げたとおり、あくまでも検討ということを申し上げたところでもありますし、また、委員先ほどからスマートフォンという言葉をお使いになっていますけれども、私が会見で用いたのは、携帯という言葉を使っておりまして、必ずしもスマートフォンについてのみ検討するというわけではなく、それ以外の機器についての検討もやはりしっかりと行わなければいけないというように考えているところでもございます。
 いずれにいたしましても、幅広に、さまざまな影響、また、今御指摘になられた海外での動向も踏まえながら慎重に議論をするべきだと考えております。
#71
○牧委員 よろしくお願いをいたしたいと思います。
 新聞の見出しがスマホ容認と出ていたものですから、そのように誤解をしたことをおわび申し上げたいと思います。
 次の議題に移りたいと思います。
 この間の地方分権一括法で、学童保育の設置要件が緩和になりました。私は、これはそんな、地方分権の一くくりの中で軽々に議論してそそくさと決めてしまうべき議題ではないというふうに思っておりましたし、現に、学童の父兄の皆さんからは質の低下をかなり懸念する声も上がっております。
 そこで、学童保育については厚労省の所管ということでございますけれども、放課後子供教室は文科省所管で、これは役所に聞けばそれぞれ目的が違うんだという説明があろうかと思うんですけれども、多分、親御さんの方から見ると、子供を預かってくれる場所だということで、私たち、地下鉄に乗るときに、都営地下鉄なのか東京メトロなのか、そんなこと関係なく地下鉄に乗るのと一緒で、その辺の壁をもうきちっと取っ払うべきときが私は来ているんじゃないかなというふうに思います。
 今回、学童の要件緩和ということで、待機児童が約一・七万人というお話も聞いておりますのでこれはいたし方ないのかもしれませんけれども、そういう中でどうやってきちっと質を担保するのか、まずそこを厚労省からもしっかりお聞きをしたいと思います。
#72
○上野大臣政務官 今委員から、放課後児童クラブの質の確保という質問をいただきました。
 厚労省といたしましては、放課後児童支援員に対する研修により支援員の質の向上を図ること、放課後児童支援員の処遇改善の推進、活動内容に関する質の向上のための評価の推進、好事例の普及、展開、そして、放課後児童クラブを巡回して育成支援の質の向上を図るアドバイザーの市町村への配置等を行うことにより、放課後児童クラブの質の向上に努めてまいりたいと思います。
#73
○牧委員 ぜひ本当に、質の向上はきちっと担保していただければと思いますし、もう一つは、時間がないのでもうはしょって申し上げますが、学童保育を充実していく上で一番障害になっているのが、地域によって違うんでしょうけれども、うちの地元なんかでいうと、やはり場所の確保なんですね。やはりこれは、学校施設をもっともっと開放していただく以外に今後の学童の充実というのはないと思うんですけれども。
 その意味で、例えば私、今からもう十年以上前、大阪池田小学校の事件があった後、いろいろ学校用務員の問題についてもお話をしました。子供たちの安全を守るのが義務ではないにしろ、一義的にそういう場面に遭遇することも十分あり得るわけで、これをアウトソーシングでいいのか悪いのかということも踏まえて、学校現場というのが本当に誰の責任のもとにあるのかということ、これをもう一回この辺で整理をしなければならないときに来ているというふうに思います。それをきちっと整理した上で、今後、学童と放課後子供教室、これらを同時にきちっと拡充していけるようになると思うんですけれども。
 最後に、ちょっと大臣に、この辺の、現場の権限と安全に対する責任等々の整理が私は必要であると思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#74
○柴山国務大臣 新・放課後子ども総合プランにおきましては、市町村が学校内で放課後児童クラブを実施する際には、学校教育に支障が生じない限り、余裕教室などの徹底的な活用を促進するというふうにしております。
 それで、今おっしゃった、教育委員会規則等における、学校開放時の利用に係る責任の所在についても含めた規定がされているところでありまして、一義的には、学校開放時における責任は、学校ではなく、利用する事業の実施主体が負うということになっております。
 いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、厚生労働省と連携して、学校施設の管理運営上の責任の所在について、学校、教育委員会、利用する事業の実施主体等の間で取決めが行われやすくなるように、参考となる実例やひな形を近く示すこととしておりまして、こうした取組を通じて、今御指摘のような学校施設開放の推進に努めてまいりたいと考えております。
#75
○牧委員 今大臣がおっしゃったのは大事なことだと思います。
 実施主体が責任を負うということをもうちょっとしっかり広めていただかないと、現場の校長先生、教頭先生、何かその辺、面倒くさがるのかよくわかりませんけれども、学童に限らず、地域に開かれた学校というのをもっとつくっていただけるように御指導をお願い申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#76
○亀岡委員長 次に、村上史好君。
#77
○村上(史)委員 立憲民主党・無所属フォーラムの村上史好でございます。
 きょうは、新聞報道でございました当番不在問題についてと、学力テストについて、いろいろな諸問題を現場では抱えておりますので、その点について文部科学省の見解を伺っていきたいと思っております。
 その前に、質問通告をしておりませんのでまことに恐縮なんですけれども、大臣、昨日、一昨日ですかね、丸山穂高議員が北方領土をめぐる問題で戦争発言をされたということで、党は離れられたんですけれども、あの発言に対して大臣はどのように受けとめられたのか、通告をしておりませんけれども、見解を伺いたいと思います。
#78
○柴山国務大臣 発言のなされた具体的な状況等、正確には承知をしていないんですけれども、まさしく、その発言の内容につきましては、我々政府がこれまでとってきた経緯ですとかあるいは立場と全く異なる発言でありまして、その及ぼす影響等も考えますと、極めて遺憾な発言であったというように考えております。
#79
○村上(史)委員 文部科学省として、行政としても、平和を大事に教育を子供たちにしていく立場でございます。そういう立場からしても、憲法で許されていない戦争をしかけるような、こういうとんでもない発言は議員辞職に値する発言だと私は思います。そういう認識でこれからも国会議員として私自身も一生懸命頑張っていきたいなというふうに思いますけれども。
 それでは、質問に入らせていただきたいと思います。
 当番不在問題について、これについてはマスコミ報道ということで私も知ったわけでありますけれども、まだその内容を御存じでない委員もいらっしゃるかと思いますので、一部、報道を読み上げさせていただいて、質問に入りたいと思います。
 これは、東京新聞の五月十四日付の記事であります。
 原子力を含む科学技術担当の文部科学政務官である白須賀氏が、昨年十月の就任からことし三月末までに在京当番として都心で待機しなければならなかった延べ二十日のうち、少なくとも十三日は選挙区がある千葉県内にいて、選挙応援などをしていたことがわかった、当番は、原子力研究施設で事故が発生した場合などに大臣にかわって対応することもある大事な役割である、危機管理への認識が問われるという内容でございます。
 そこで、まずお伺いをしたいと思いますけれども、先ほど答弁でもございましたが、この在京当番というのは、平成十五年の閣議了解で、大臣が不在のときに副大臣並びに政務官がそれにかわって対応する危機管理の一環として設けられたというふうに認識をしております。
 東北の大震災が起こる前からの、いわゆる緊急時の危機管理は大事だという内閣としての認識だと思うんですけれども、この在京当番というのは公務でしょうか。
#80
○生川政府参考人 お答えをいたします。
 公務か政務か、なかなか難しい御質問かと思いますが、在京当番で大臣のかわりとして例えば対策本部等に参加をいただくということは、これは確実に公務としての仕事になるということであろうかというふうに理解をいたしております。
#81
○村上(史)委員 そんな曖昧なことでよろしいんですか。
 いざというときに大臣のかわりを務める立場で、緊急時にはすぐに官邸に集まらなければならないとか、そういう任務を負った立場ですから、当然、公務だと思うんですが、どうですか。
#82
○生川政府参考人 在京当番の場合は、そういう役割、一応、そういうことがあった場合には公務として対応いただけるような対応をいただくということでございます。
 したがって、少し難しいのは、その在京当番の間でも例えば政務をこなしていただくということは十分あり得るわけでございまして、そういう意味で、先ほど申し上げたようなことでお答えをさせていただいたところでございます。
#83
○村上(史)委員 全く納得できませんけれども、これについては後ほどまた具体的な話をさせていただきたいと思います。
 この新聞報道による指摘のあった政務官の日程と所在地について、文部科学省の方からこういう形で一覧をいただきました。
 十月二十一日から十五日間にわたって東京を離れて、地元を中心に千葉県の方に行かれておったということがわかるんですけれども、先ほど、おおむね一時間以内だったら離れてもいいというような答弁でありましたけれども、現実的には印西市と都心とをどのぐらいの時間で帰ってこれるのかなというふうに調べたんですけれども、車でも一時間半、また電車でも一時間半という距離であります。はるかに、二時間近く、交通事情によってはもっとかかるかもしれない、そういう状況で東京を離れるということはいいのかどうか、その点について伺いたいと思います。
#84
○白須賀大臣政務官 お答えをさせていただきます。
 今、一時間、お時間の件を……(村上(史)委員「一時間半」と呼ぶ)車と電車を使いますと、私の選挙区、大体一時間、おおむね一時間で行けるところを政務として回っております。
 以上です。
#85
○村上(史)委員 時間的な問題ももちろんそうなんですけれども、危機管理という側面から見ますと、たとえ一時間以内であっても、一時間をもちろん超えておればそれ以上ですけれども、大災害が起こったとき、交通機関はとまります。車も、事故に遭遇するかもしれない。そうなると、帰りたくても帰れないという状況が生まれてくるわけです。
 だから、危機管理というのは、最悪を想定して、それに対応できるような体制を維持する、つくっておく、そのことが危機管理では大変重要なことだと思うんですけれども、帰れるから大丈夫なんだという発想は間違っているんじゃないですか、政務官。
#86
○白須賀大臣政務官 お答え申し上げます。
 文部科学省におきましては、大臣の代理対応を担う場合には、緊急事態発生からおおむね一時間以内に官邸に参集できる態勢をとるとされております。
 今御指摘の私の活動につきましても、文部科学省の運用にのっとり対応しているものであり、いわゆる在京当番として大臣の代理対応にかかわる役割を果たしていると認識しております。
#87
○村上(史)委員 ですから、何もなければ対応できるかもしれないけれども、いろいろな事態が想定をされる、最悪を想定してこそ危機管理というのが成り立つはずなんですよ。
 そういうことを前提に考えることがやはり重要ですし、ほかにも政務三役を経験された方もたくさんいらっしゃると思いますけれども、先輩の発言でもありますけれども、やはり在京当番で担当するときには、内閣の一員としてすぐに対応できる、そして地元で行事があっても断る、そのぐらいの責任があるんだということをおっしゃっている先輩の政務官がいらっしゃいます。
 それが危機管理というものではないのか。その点についての見解を伺いたいと思います。
#88
○白須賀大臣政務官 私の政務は、おおむね一時間以内に参集できる、官邸等に参集できることを確認した上で行っておりますが、ただいま委員の指摘がございましたので、このたびの報道等で誤解が生じたと思っております、こういった誤解が発生しないように、私、これからは政務に対する深い配慮をしていきたいと思っております。
#89
○村上(史)委員 政務、政務とおっしゃいますけれども、まず公務があるはずなんですよ。
 ほかにも在京の政務官、いらっしゃいます。地元に帰りたい、行事にも出たい、でも、当番だから東京にとどまる、地元にはお断りする、そういうのが普通じゃないですか。ちょっと、一時間圏内だから、それに近い距離だから帰ってもいいだろう、そういう発想がだめなんじゃないかということを私は政務官に伝えたい。
 ですから、一時間以内だからという答弁は納得できない。どうですか。
#90
○白須賀大臣政務官 ただいまの御指摘もしっかりと踏まえた上で、これからは深い配慮をしていきたいと思っております。
#91
○村上(史)委員 これからは控えるということですか。
#92
○白須賀大臣政務官 深い配慮をしていくということです。
#93
○村上(史)委員 そうしたら、帰るということじゃないですか。あくまでも、当番のときでも地元に帰らせていただく、そういうことを宣言しているようなものじゃないですか。
 では、最後に聞きます。
 それと、いただいたこの日程表がありますけれども、特に三月二十九日、三十日、三十一日、三日連続地元に帰っておられる。これは当番、成り立つんですか。
 おまけに、三月二十九日といえば、県議会議員選挙の告示日です。公務より選挙応援を優先されたんですか、政務官。
#94
○白須賀大臣政務官 私の政務に関しては、おおむね一時間以内に官邸に参集できるところにいました。
#95
○村上(史)委員 そういうことを尋ねているのではなくて、公務と政務、政務官はどちらが大事なんですか、そのことを問うているんです。
 在京そのものが公務なんですよ。だから、ほかの方は在京でずっと張りついているじゃないですか。
 この日程でわからないのは、政務官は東京に戻られたかどうかわからないんですよ。昼間の日程、政務をした。どうしたんですか。その都度その都度東京に戻っておられるんですか。
#96
○白須賀大臣政務官 私が在京当番のときには、ほとんど、全て都内にいます。都内の家にいます。
#97
○村上(史)委員 それでは、それぞれの日報を資料として出していただくように、委員会で取扱いいただきたいと思います。よろしくお願いします。
#98
○亀岡委員長 意見として承ります。
#99
○村上(史)委員 それと、私が特に政務官の認識がどうかなと疑うのは、公務をほったらかしにして政務に走っている、それをSNSに上げて知らしめているわけですけれども、その中には、政務官の危機管理意識というのを全く感じないんですよ。やはりこういうこと自体が、日ごろから危機管理意識というのが希薄になっているんじゃないか、そういう心配をするんですけれども。
 大臣、一連の質疑を通して、今回の政務官の対応について、大臣として、本来大臣がいらっしゃらなかったから在京当番という形になったわけですから、大臣としてもそれなりの責任を感じられると思うんですね。大臣の見解を最後に伺いたいと思います。
#100
○柴山国務大臣 先ほど来答弁をさせていただいている、緊急事態発生からおおむね一時間以内としている文部科学省における閣僚の参集などの代理対応ルールは、策定した当時の他省庁の状況、そして文部科学省としてのこれまでの業務などをしっかりと考慮して、緊急事態発生時に閣僚の参集の代理として遺漏のない対応が可能となるようにとの趣旨で定められたというように承知をしておりまして、また、先ほど白須賀政務官から答弁をさせていただいたとおり、今回、一連の部分について、おおむね一時間以内に参集できると政務官が判断をされた上で対応されたということを認識しております。
 現時点において現行の在京当番の運用を原因とする問題が発生したことはありませんけれども、今回の御指摘あるいは他省庁の状況等も参考にしながら、引き続き、緊急事態対応については遺漏のなきよう万全を期してまいりたいと考えております。
#101
○村上(史)委員 白須賀政務官にかかわらず、最近、安倍内閣の危機管理意識というのは大変薄くなっているんじゃないか、弛緩しているんじゃないかという心配をしております。やはりいま一度、いざという、また、国民の生命財産、安全を第一義に考える行政として、もう一度内閣の危機管理意識というものをチェックしていく、そのことが必要ではないかな、そのことを申し述べまして、この問題について終わらせていただきたいと思います。
 政務官、どうもありがとうございました。
#102
○亀岡委員長 どうぞ御退席ください。
 村上史好君。
#103
○村上(史)委員 それでは、学力テストの問題について伺っていきたいと思います。
 まず、この学力テストをめぐる、現場はさまざまな混乱が生じております。生徒の立場から、また教師の立場からも、それぞれ大きな問題を抱えているのが実態だと思っております。
 そこで、文部科学省にお尋ねをしたいんですけれども、中学校の教育現場では、中間テスト、期末テストがあるわけです。その上、全国学力テスト、また自治体が独自で実施をしている学力テストということで、生徒や教職員には大きな負担となっているという声が上がっておりますけれども、そういう声を文部科学省は認識をされているのかどうか、お尋ねします。
#104
○清水政府参考人 お答えいたします。
 全国学力・学習状況調査は、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握いたしまして分析を行い、教育施策や教育指導の成果と課題の検討や、その改善に役立てることを目的として実施をしているものでございます。
 この調査自体は、通常の授業時数の中で実施をするものでございますので、学校現場にとって過度な負担になっているとは認識していないところでございます。
 また、この調査は、毎年度、参加主体である教育委員会の参加意向確認を経て実施しているところでございますが、各教育委員会は、調査の意義、目的、効果を御理解の上、参加をしていただいているところでございますので、その調査の意義、重要性と比べてということでございますけれども、教育現場の負担が大き過ぎるといった御意見は聞いていないところでございます。
 なお、中間、期末テストに加えて、全国学力・学習状況調査又は独自の学力調査等が行われているということと現場での負担との関係につきましては、学校の活動全体を把握しております学校や教育委員会において判断されるべき事項と考えているところでございます。
#105
○村上(史)委員 そういう官僚答弁ではなくて、現実にそういう声があるんです。それを私はきょう皆さんにお伝えしているわけなんですよ。そういうふうに捉えていただかないと、細かいことまで私たちは知りませんと言ってしまえば元も子もないので。
 我々が考えていかなければならないのは、生徒児童にとってこういう今のテストのあり方がいいのかどうかということは絶えず考えていかなければいけないことですから、そういう声があるという認識をまず持っていただきたい。全国学力テストだけのことを言っているんじゃない、教育現場全体のことを言っているという認識を持っていただきたいと思います。
 それでは、大阪府で実施をしておりますチャレンジテストと称する学力テストについて質問をさせていただきたいと思います。
 このチャレンジテストというのは、大阪独自の呼び名でございますので、一般の方は余り御存じないかもしれません。各自治体で独自にやっている学力テストなんですけれども、大阪の場合は、中学一、二年生ではチャレンジテストの結果で一人一人の内申点を決めることにしているわけです。三年生では内申点、学校の平均点を決めるために実施をしている、これが大阪のチャレンジテストでございます。
 そこで問題になりますのは、まず一点。一、二年生にとって、学校が責任を持って、この一年間生徒が一生懸命頑張った評価、高くつけたい、成績も上がってきたというふうに現場で成績をつけたとしても、このチャレンジテスト一回、点数が悪ければ、日ごろの評価は無理やり下げられるというシステムになっているんです。子供にとったら、一生懸命努力をして成績を上げて内申の評価を上げているのに、この一回のテストで個人の評価が決まってしまう、下げられてしまう、そういう事例が起こってしまっているという問題点がまず一点。
 そして、三年生に至っては、これは学校間の競争といいますか、学校同士、学校の内申の平均点をつけるために実施をされます。個人ではありません、学校のランクをつけるためのテストが三年生のときに行われる。
 そして、問題なのは、内申点、いい中学、低い中学、この差は直接そこの生徒にダイレクトに影響してくる。平均点が四だったら、ほぼ四、五、三あたりで皆さん内申が決まるわけです。
 ところが、内申二という評価を受けた学校では、五なんてつけられない。平均をつくるためには、低い評価をせざるを得なくなってくる。それが子供たちの内申の評価としてつけられてくる、点数をつけられてくるということで、高校入試を控える生徒にとっては、一生懸命頑張ってきたのに、学校が平均点が低いので、そこで在籍する生徒の内申の評価も下げられる、こういう状況が生まれてきて、不公平じゃないかという声が上がっております。
 その上、テストは五教科ですけれども、音楽、美術、体育、技術家庭、これはテストがございません。ふだんなら、学校での生徒の頑張りで内申を評価するんだけれども、この実技教科に関しても学校の内申の点数によって自動的に内申が決定されるということで、これも低い学校に在籍する生徒は低い点数しか内申点はとれない。日ごろ、音楽ですぐれている、体育にすぐれている、そういう評価があっても、されないような仕組みになっているわけです。ですから、不公平感が生まれてくる。こういう問題が現実に起こっております。
 この点について、文科省としてはどのように見解を持っておられるのか、お尋ねします。
    〔委員長退席、馳委員長代理着席〕
#106
○永山政府参考人 大阪府の教育委員会では、平成二十八年度の高等学校入学者選抜における調査書の作成から、相対評価ではなくて絶対評価により調査書を作成することとなりましたけれども、それに当たりまして、その信頼度を高めるための取組の一環として、大阪府独自に実施する学力検査であるチャレンジテストを利用していると承知をしております。
 具体的には、チャレンジテストは各学校の調査書の評定が適正かどうかを確認するために用いるものであり、チャレンジテストの点数で調査書の評定が決まるものではありませんが、中学校一、二年生においては、チャレンジテストの結果を使って評定と点数の結果を整理した評定の範囲を定めまして、中学校三年生におきましては、チャレンジテストの結果を使って学校ごとの評定平均の範囲を算出する、そういった上で評定を決定しているものと聞いております。
 その上で、委員御指摘、三点ございました。
 一点目が、中学一、二年生の評定がチャレンジテストの結果で決められていることは問題ではないかという点につきましては、これは大阪府の資料なんかも拝見をしておりますけれども、調査書の評定は学校でのふだんのテストや授業などの学習状況を見て各学校の判断で決められており、チャレンジテストはあくまで各学校の調査書の評定が適正かを確認するために用いられているものである。
 二点目の、中学三年生の評定がチャレンジテストの学校平均点によって左右されることは不公平ではないかという点につきましては、中学校三年生の評定平均の範囲、これは各学校の三年生全体の評定の平均を確認するものであって、それによって個々の生徒の評定が高くなったり低くなったりするものではない。
 それから三点目の、中学校三年生の五教科のチャレンジテストの結果が実技教科の評定にも影響を与えることは不公平ではないかという点につきましては、過去の実際の評定の状況を踏まえて、五教科の評定平均の傾向と九教科の評定平均の傾向がほぼ同じであるということから、五教科のテストの結果をもとに九教科の評定の信頼度を確認することができ、また、評定平均の範囲には幅があるので、適正に評定を確認することができる、そういったものであるというふうに理解をいたしております。
 文科省といたしましては、高等学校入学者選抜における調査書の取扱いにつきましては、入学者選抜の実施者である教育委員会等において適切に判断すべきものと考えておりますが、調査書のあり方としては、選抜のための資料としての客観性、公平性を確保するように留意しつつ、生徒の個性を多面的に捉えたり、生徒のすぐれている点や長所を積極的に評価しこれを活用していくことが重要であると考えておりまして、大阪府教育委員会においても、このような趣旨を踏まえるとともに、保護者や地域に十分な説明を行って入学者選抜を実施していただきたいと考えております。
#107
○村上(史)委員 今の答弁では、時間が余りないのでこれ以上はちょっと突っ込みませんけれども、現実に、認識がちょっと甘いといいますか、違うんですよね。現場では、現実に評価を変えざるを得なくなっているというのが現場としてはあるということはまず認識しておいてほしいんです。この点については、機会を見てまた質問させていただきたいと思いますけれども。
 それでは、次に移りますが、大臣に、内申書の問題、今やりとりさせていただきましたが、文部科学省のホームページでは、内申書は何のためにあるのかというQアンドAがございますけれども、生徒の平素の学習状況等を評価し、学力検査で把握できない学力以外の生徒の個性を多面的に捉えたり、生徒のすぐれている点や長所を積極的に評価し活用していくのが趣旨ですという答案になっております。
 大阪のチャレンジテストを、先ほど来申し上げているように、内申点の評価をする大きな目的に使われているということを考えるならば、文部省が考えている内申書の趣旨に照らせばおかしいことではないのかなと私は思うんですけれども、その点についての大臣の見解はいかがでしょうか。
    〔馳委員長代理退席、委員長着席〕
#108
○柴山国務大臣 今御紹介をいただいたとおり、高等学校入学者選抜の資料となる調査書については、客観性、公平性を担保するよう留意しつつ、生徒の個性を多面的に捉えたり、生徒のすぐれている点や長所を積極的に評価しこれを活用していくということが重要であります。
 調査書の取扱いについては、入学者選抜の実施者である教育委員会等において適切に判断すべきものでありまして、大阪府教育委員会においても、高等学校入学者選抜の実施に当たっては、チャレンジテストの利用も含めて、先ほど申し上げた趣旨をしっかりと踏まえるとともに、保護者や地域に十分な説明を行った上で実施をしていただきたいと考えております。
#109
○村上(史)委員 まさに現場では、親も納得できないという声も今の制度ではあるということで、またこの問題についても、追って質問をさせていただきたいと思います。
 それでは、最後にお尋ねをしたいと思いますが、大阪教育委員会では、一月二十九日の総合教育会議で、独自に実施している学力テスト、いわゆるチャレンジテストの成績を小学校長の人事評価に反映させる方針を示しました。二〇二〇年以降、成績によって賞与や給与の額にも影響させるという方針が出されたわけですけれども、これは本来の学力テストの趣旨、目的を逸脱するものではないか。本来、別の話をひっつけているこの方針というのは間違っているんじゃないか。
 というのは、以前に、大阪市の市長が全国学力テストの結果によって管理職の人事評価をしたいということを表明したら、当時の林大臣が、学力テストの趣旨、目的とは違う、適切に判断をしてくれという見解を述べられて、大阪では学力テストによる人事評価というのはなくなりました。
 ところが、今回、チャレンジテストでは同じようなことをしている。これはおかしいじゃないかということで、最後に、大臣のこれに対する見解を伺いたいと思います。
#110
○柴山国務大臣 地方公務員法において、任命権者には人事評価を行う権限と責任があり、人事評価を給与その他の人事管理の基礎として活用するものと規定がされております。
 地方公務員の人事評価は、それぞれの任命権者が、その責任において、評価の基準や方法等について定めるものとされております。こうした仕組みの中で、公立学校の教師の人事評価に当たって、子供たちの学力面に着目した学習指導を評価項目として各教育委員会が設定することは一般的にあり得ると考えております。
 なお、大阪市が市独自の学力調査の結果を人事評価においてどのように取り扱うかということについては、現在も大阪市教育委員会において検討中であると承知をしておりますけれども、当該調査の趣旨、目的を始め、具体的な評価の方法や人事評価全体におけるウエートなどにも十分配慮しつつ、大阪市教育委員会において適切に判断されるべきものであると考えております。
#111
○村上(史)委員 時間が来ました。
 終わります。ありがとうございました。
#112
○亀岡委員長 次に、畑野君枝君。
#113
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 三月十五日の当委員会で、教員の働き方改革にかかわり、標準授業時数を大幅に上回る授業時数の設定の問題を指摘いたしました。
 その際、必要以上に過大な授業時数の計画を容認するような二〇〇三年の通達は働き方改革のもとでは今日的には変えられているという旨、確認をさせていただき、また、現在では、教員の時間外勤務の増加につながらないよう配慮する二〇一八年の通知を示しているという柴山大臣の御答弁もいただきました。
 その後、三月十八日付で事務次官通知「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」が出され、その中でも、「各学校の指導体制を整えないまま標準授業時数を大きく上回った授業時数を実施することは教師の負担増加に直結するものであることから、このような教育課程の編成・実施は行うべきではない。」と強調されたところです。
 伺いますが、三月二十九日に「平成三十年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査の結果及び平成三十一年度以降の教育課程の編成・実施について」が公表されました。この趣旨は何でしょうか。
#114
○永山政府参考人 文部科学省におきましては、御指摘の平成三十年度公立小・中学校等における教育課程の編成・実施状況調査を実施いたしまして、その結果を三月二十九日付で各都道府県教育委員会等に通知をいたしたところです。
 本調査によりまして、例えば、中教審の働き方改革答申において標準授業時数を大きく上回った授業時数の一例として指摘されました、小学校第五学年で千八十六単位以上の年間総授業時数を計画している学校が約二五・七%あるということがわかりました。
 このような状況を踏まえまして、今回の通知では、指導体制に見合った授業時数を設定する必要があること、災害や流行性疾患等の不測の事態を過剰に意識した授業時数の確保は不要であること、それから学校における働き方改革に配慮した教育課程の編成、実施が重要であること等をお示しして、学力の定着と学校における働き方改革が両立するような具体的な手だてを考えていただくよう依頼をしたものでございます。
#115
○畑野委員 そのような実態調査の結果だったという報告です。
 それでは伺いますが、標準授業時数を大幅に上回る計画がなぜ立てられているのか。その原因をどのように考えていますか。
#116
○永山政府参考人 標準授業時数を上回る計画が立てられる理由については、個別に調査をしているということではないんですけれども、一般的には、児童生徒の負担に配慮しつつ、災害や流行性疾患等による学級閉鎖等の不測の事態への備え、それから指導内容の確実な定着に必要な授業時数を確保する、そういった観点から、各学校において標準授業時数を上回る授業時数が設定されているものと考えております。
#117
○畑野委員 災害や流行性疾患、インフルエンザなど不測の事態に備えるといっても、そうした対応は、例えば年間十日もあれば足りるということも聞くわけですね。
 二〇一七年度の小学五年生の年間総授業時数は平均で千四十・二単位時間で、標準授業時数九百八十単位時間よりも六十・二時間も多いんですね。これは、授業内容の定着とかいろいろいいますけれども、加えても到底説明がつかない、本当に過大な中身になっている。それで、しかも二〇二〇年度から全面実施される新小学校学習指導要領で、小学校三年生から六年生の標準授業時数がふえるわけですよね。本当に、どうしたらいいのかと、現場は。
 ですから、私は、学習指導要領そのものを見直していく、このことを加えて求めておきますが、何でこんなに多いのかと。その理由の一つに、全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力テストがあるのではないか。学校現場では、学力テストによる学校間の競争が強まり、標準以上の授業時数の確保が至上命題となって、小学校でも毎日六時間授業などの実態があるというふうに伺っております。
 そこで伺いますが、二〇一六年四月二十八日に「全国学力・学習状況調査に係る適切な取組の推進について」という通知が出されました。この中で、四月前後になると、例えば、調査実施前に授業時間を使って集中的に過去の調査問題を練習させ、本来実施すべき学習が十分に実施できないなどといった声が一部から寄せられているという状況が生じていますと言われています。
 通知を出して以降、この実態はどうなりましたか。
#118
○清水政府参考人 御指摘の平成二十八年度に出しました通知でございますけれども、これは、仮に数値データの上昇のみを目的とするととられかねないような行き過ぎた取扱いがあれば、それは本調査の趣旨、目的を損なうものであると考えられることから、関係者間において、いま一度原点に立ち戻って、本調査の趣旨、目的に沿った実施がなされるよう、各教育委員会及び所管の学校に対して依頼をする目的で発出したものでございます。
 文部科学省といたしましては、現在、各学校において、数値データの上昇のみを目的とするととられかねないような行き過ぎた取扱いが行われているというように認識しているわけではございませんが、この調査の趣旨、目的に沿った実施がなされるよう、引き続き指導等に努めていきたいと考えているところでございます。
#119
○畑野委員 そういう通知まで出して、大臣も当時懸念を示したということで、実態を何か調べたんですか。
#120
○清水政府参考人 お答えいたします。
 そういった形での実態を調べているわけではございませんけれども、各年度、全国学力・学習状況調査につきましては、それぞれの教育委員会に協力をいただき、合意を一致するという形で実施をしてきているものでございますので、それぞれ市町村の教育委員会とは、学力調査についていろいろとお話を聞く機会はあるところでございますが、そういった中で、こういった数値データの上昇のみを目的とするととられかねないような行き過ぎた取扱いがあるといったお話は伺っていないところでございます。
#121
○畑野委員 実態調査をしないで、そういうことを言えないと思うんです。
 それで、きょうは、資料につけさせていただきました「「学力テスト」実態調査アンケート集計結果について」、二〇一八年九月十二日、全日本教職員組合の出したものを紹介したいと思います。さきの通知が発出されてから三年がたったわけですが、全日本教職員組合が、昨年、二〇一八年四月から六月にかけて行った調査のアンケートです。
 一枚おめくりいただきますと、事前の特別な指導について、行ったが四四・八%、小学校では五二・八%です。どのような指導が行われましたか、過去問、過去問題の指導をした、七三・〇%、学テを想定した宿題を出した、四〇・六%。その後、全国学力・学習状況調査実施後の結果の利用について、学校の平均点が公表(ホームページや学校便り等で)されているが一八・四%。結果の利用について、学校で解答をコピーし独自に採点、分析している、三四・七%。こういうことが行われているではありませんか。何にも変わっていない。
 このアンケートの調査結果では、今紹介したように、独自採点、集計、分析なども教職員の大きな負担になっているわけです。採点、入力作業に大変な時間を費やした、勤務時間外に採点、入力をする、インフルエンザの間も家でやりました、そういうものもありました。
 文科省は、働き方改革と学力テストの関係についてどのように認識されていますか。
#122
○柴山国務大臣 全国学力・学習状況調査の採点は文部科学省が一括して行っておりまして、平成三十年度からは、各学校において調査結果をより早く児童生徒の指導に生かせるように、従来より一カ月早い七月末に公表、提供しております。
 また、先ほど答弁をさせていただいたとおり、本調査自体については通常の授業時数の中で実施するもので、その実施自体が教職員に大きな負担となっているとは認識をしておりません。
 ただ、今御指摘になったように、調査結果を年度当初からの指導改善に役立てるために、調査実施日に公表、提供している解答の類型を活用して、学校や教育委員会の判断で独自に採点を行っているという例もあるというように伺っておりますけれども、これにつきましては、調査の効果的な活用の観点ですとか、あるいは今の学校における働き方改革の観点などもしっかりと踏まえつつ、各学校の実情などに応じて、その必要性あるいはその実施の合理性などについてしっかりと精査をしていただくべきというように考えております。
#123
○畑野委員 現場は、子供たちの状況を本当に見たいわけですよ。だからやらざるを得ないという状況があるわけですよ。それは、学力テストを文科省がやるから。
 資料の三枚目を見てください。実施する教科の授業の進度や学習単元の順を変更した、一一・五%、中学校一四・九%。実施する教科の授業時間数を増やした、九・三%、小学校一二・三%ですよ。
 それから、子供たちはどうなっているか。資料の四枚目、三つ目の丸ですが、「学力調査を繰り返すことで、「できない」と意識する児童が苦手意識を強めることになり、どんどん算数嫌いが増えている。」。私、きのう、算数、小学校六年生、中学校三年生の数学を見ましたよ。難しいですよ、本当に。「学力的に問題をかかえている子、前日に大暴れ。当日も登校しぶる。問題文を十分に理解できないうえに質問もゆるされないので、二時間何もすることなくひたすらすわっているだけだった。」。
 下の教員のところ、「年度初めの多忙な時期に大変な作業量が求められる。授業スタートが技能教科など一週間遅れた。」、「年度始めの大切な時にテストづけで学びへの意欲がそがれる。特に六年は全国と市の二つもテストがあり大きな負担。」、「六年生は四月のテストまでほとんど授業していない。五年生は夏休みの宿題が大幅に増えた。」、こう書かれているんですね。
 私、もっと聞こうと思ったんですが、時間が参りましたので。
 柴山大臣、こういう教職員組合のアンケートの結果が出ているんですね。文科省はやっていないと言うんですけれども、こういう実態をちゃんと調べて、そして、新しい働き方改革をやる上で、私は、学力テストを廃止すべきだと。やはり今、情報公開の中で、全部出さざるを得ないという事態も出てきているわけです。ですから、私は、そういった見直しを含めて、大臣、ちょっと現場の状況、実態をしっかりつかんでいただきたいと思いますが、いかがですか。
#124
○柴山国務大臣 今いただいたアンケートも踏まえて、検討させていただきます。
#125
○畑野委員 ぜひしっかりやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#126
○亀岡委員長 次に、笠浩史君。
#127
○笠委員 笠でございます。よろしくお願いをいたします。
 先月の一般質疑のときに、私、子供の自殺の問題というのを、大臣と少し現状について議論させていただきました。その中で、大臣の方からも、やはりこれはもう全力で取り組んでいく、そのための一つの、SNS等を活用していく有効性、あるいはそこに力をしっかりと入れているんだというようなお話もありましたので、ちょっときょうは、このSNSを活用した、自殺やあるいはいじめ、いろいろな悩み、そういったことの相談体制というか、その取組について幾つか確認をし、また議論をさせていただきたいと思います。
 まず、お伺いしたいんですけれども、昨年の取組状況について、三十自治体、都道府県が十九、指定都市が八、そして市町村が三つの自治体で取り組まれていたということでございますけれども、今年度の実施自治体の見込みというものがどういうふうになっているのかをお尋ねしたいと思います。
#128
○永山政府参考人 近年、若年層の多くがSNSを主なコミュニケーション手段として用いている中、文部科学省としては、平成二十九年度補正予算及び三十年度当初予算において、児童生徒を対象に、いじめ等のさまざまな悩みを受け付けるSNS等を活用した相談体制の構築に必要な経費を計上し、昨年度、御指摘のとおり、当該事業で三十の自治体を支援したところですが、今年度予算におきましては、昨年度に引き続き、SNS等を活用した相談体制の構築に対する支援を行うこととしておりまして、現在のところ、二十八の自治体を支援することとしております。
#129
○笠委員 減っているんですよね。
 ちょっと私、大臣に確認したいんですけれども、これはやはりなるべく早く、もう今、大分有効なケース、あるいはいろいろな問題点等々、課題も出てきています。文科省としては、少なくとも、都道府県あるいは指定都市等々、指定都市ぐらいまでは全ての自治体で実施を目指していくというような方針なのかどうかを大臣に伺いたいと思います。
#130
○柴山国務大臣 減っているということなんですけれども、昨年度実施した自治体のうち、今年度私ども文科省に対する申請がなかった自治体、具体的に言えば、兵庫県、鹿児島県でございますけれども、こちらの方は、厚生労働省の自殺対策事業によってSNS相談を実施されるということでありまして、SNS相談自体をやめてしまったということではないというように伺っております。
 その上で、今委員から御指摘になったように、SNSを活用した相談事業をやはりしっかりと広げていく必要があるということは、まさしく我々も認識を共有させていただいております。
 人材の確保、あるいは、SNSなどを使った相談技法のノウハウの育成、その自治体における財政状況の克服、こういったことを課題として挙げられているというように承知をしておりますので、我々としても、そういった課題の克服に向けて協力をしていかなければいけないと考えております。
#131
○笠委員 今、この実施に向けて、大臣の方から幾つかの課題というものもありましたけれども、中には、自治体で導入をしたい、しかし、財政的な問題や、あるいは、どういう体制をつくるのかという人材の確保と、あるいはそのリーダー的な育成ですよね、そういったところの課題をやはり乗り越えていかなければ、この導入あるいは取組にはというところで、非常に頭を抱えられている、悩んでおられるところも私も承知をしております。
 ただ、今、一つちょっと大臣の方から、私もレクを受けたときに、文科省の事業は去年よりはことし二つ減っているけれども、兵庫県、鹿児島県については、今の厚労省における自殺対策の相談事業について、そちらに手を挙げて、文科省の方じゃなくそちらの方を選択をしたということで、SNSの事業自体は続いているんだということをおっしゃったんですけれども、そこが私、実は問題だと思っていて。
 ただ、これは学校現場に限定しているわけじゃありませんので、これは大人まで含めた全体の対象としている事業なので、その中身はやや違うんですけれども。ただ、やはり、ある意味では、今いろいろな形で文科省と厚労省と連携をしながらさまざま取組をやっていることは私も理解しています。
 しかし、例えば自治体が使うときに、これは文科省だったら教育委員会が窓口になる、厚労省の事業は、当然、今度は知事部局が大体窓口になっていくことになるわけですけれども、例えば自治体の側から見たときに、学校だろうと何だろうと、やはり、子供たちの自殺、何とかこれをなくしていく、もうこれをゼロにしていく、あるいは、子供たちがそこに追い込まれないためのいろいろなカウンセリング、あるいは相談、その気づき、そういう意味では、やはり、もう少し何か、窓口を一つにして、活用するのはどちらでもいいんですよ、だから、そこをもう少しわかりやすく一体化して、例えば、財務省に対する予算の獲得も目指していくというような方向に私はかじを切っていく方がいいのではないかというふうに思いますけれども、その点、どのように考えられているのかをお伺いしたいと思います。
#132
○柴山国務大臣 今御紹介をいただいたとおり、文部科学省におけるSNSの相談事業と厚労省におけるSNSの相談事業は、対象ですとか、あるいはさまざまな目的や体制などにおいて異なる部分があるんですけれども、ただ、おっしゃるとおり、相談員の育成など、共通する課題も多いわけですから、これまでも、文部科学省のSNSなどを活用した相談に関する有識者会議にオブザーバーとして厚生労働省にも参加をしていただくなど、厚生労働省と連携をしながら進めてきております。
 ちょっと、予算の面をどうするかというのは若干また違う問題があるかと思うんですけれども、文部科学省といたしましては、引き続き、SNS相談に関するノウハウの蓄積や共有において、厚生労働省とも緊密に連携をさせていただきながら、効果的、効率的な、活用した相談体制の構築について検討していきたいと考えております。
#133
○笠委員 それともう一点は、やはり、今のこの予算ということで申し上げると、これは単年度ごとなんですよね、この文科省のSNSの相談事業。
 たしか昨年は、これは補助事業で上限が一千万円というふうに承知をしておりますけれども、今年度は八百万に下げられているんですね。金額が下がっている。全体の予算は確保できていても、それぞれの自治体に対する補助という意味では八百万が上限となる。
 やはりこの予算をきちっとふやしていくということと、もう一つは、自治体の方々の中に、これは単年度なので、本当に毎年毎年継続してきちんとその補助がもらえるのかという不安の声も一部にあるようです。
 ですから、こうした事業をきちっと軌道に乗せるためには、やはり集中して二、三年ぐらいはまとめてきちっとした形で先ほどの人材育成なども行っていくというような、このスタートの部分が非常に大事で、私、行く行くは、自治体がそれぞれみずからの力でやってもらえるような、物すごく人をふやさなきゃいけないとかそういうのではないので、ある意味では、SNSの強みというのはそういったことで、どんどんどんどん予算を限りなく使わないとということよりも、効率的には、いろいろなシステムができればかなりその相談体制というものは充実をしていくことができるので、そこの、やはりまずは各自治体がしっかりとそういう体制をつくるための、本当に二、三年でもいいから、来年も再来年もこの予算はきちっと獲得するので大丈夫だというようなことを、まずはきちっと大臣の方から、ぜひ、その意思と、あるいはそういった決意をちょっとお願いをしたいと思います。
#134
○柴山国務大臣 御指摘のとおり、質の高い相談員の育成には経験と定期的な研修が必要であって、一定の期間を要すると認識をしております。
 今おっしゃったように、文部科学省では、昨年度本事業を実施した自治体については、原則、本年度においても継続して支援を行っておりまして、今後とも、このような集中的かつ継続的な取組を通じて持続可能な相談体制の構築に努めてまいりたいと考えております。
#135
○笠委員 それと、ことしから新規として、補助事業に加えて委託事業というのがスタートをしたというふうに承知をしております。恐らく、その委託先というものがこれから選考される、決まっていくということになろうかと思いますけれども。
 この委託事業というのは、例えば、今まだ自治体として、都道府県でもいいんですけれども、県でいいんですけれども、まだこういった取組を始めていないようなところを、むしろこういう相談体制あるいはSNSの活用というものをしっかりと呼び込んでいく、そういったことを、取組へ向けた一つのきっかけになるようなことを想定されているのか、その目的などについてちょっとお伺いしたいと思います。
#136
○永山政府参考人 今年度予算におきましては、新たに、一つの民間団体が複数自治体、三自治体以上を参画させるというような条件がありますけれども、そういった複数自治体の拠点となって広域的にSNS相談を行う、SNS等を活用した相談体制の在り方に関する調査研究を実施する経費を計上しております。
 この事業の狙いですけれども、広域によるSNS相談のあり方について、例えば、その専門性向上のための研修マニュアルの作成ですとか、相談技法の開発、実施体制の適正規模の研究、あるいは、命にかかわるなど緊急の対応が必要な相談や通報を受けた際の関係機関との連携、対応マニュアルの作成、SNS等を活用した相談と電話相談の有機的な統合のあり方の研究等を踏まえて、その効果、課題等を調査研究することを目的としておりまして、まだこれまでやったことのないような自治体も大いにここに手を挙げていただくことを期待しているところでございます。
#137
○笠委員 この委託事業、今局長がおっしゃったようなことについても、実はもう厚生労働省の方のSNSの相談事業においては、前半、四月から九月と、後半の十月から三月に分けて、半期ごとで、通年のところもあるんだけれども、大体六つぐらいの民間の団体がこの相談事業というのをやっているんですね。
 ということは、これも本当に、文科省とも連携すると言っているけれども、ある意味ではまさにそこあたりは一体で、手を挙げるところというのは同じようなところしか多分なかなかないと思うんですよ。こういった、やはりいろいろな人材を持っていたりノウハウを持っているような団体というのは、そんなにまだ数多くありませんから。
 ですから、やはりそういったところは特に、もう少し、協力をする形で広げていく、予算もふやす、あるいは使途もどんどん広げていくための取組を来年度の予算へ向けてはぜひやっていただきたいと思いますけれども、その点についてお答えをいただきたいと思います。
#138
○柴山国務大臣 非常に重要な御指摘だと思います。しっかりと周知をするとともに、予算の獲得に努めてまいります。
#139
○笠委員 それと同時に、やはり先ほど来の人材確保のためには、どうしても全ての、例えば、これはSNSといってもさまざまなツールがあるわけですけれども、やはりその難しさもあろうかと思います、対面ではございませんから。まずは、SNSを通じて、その中身についてどういうふうに解釈をしていくのか、あるいは何が必要なのか、次にどうつなげていく、次のレベルにどのような形で持っていくのかというようなことが非常に重要になってくる。
 そういう意味では、やはり民間と連携をしながら、それぞれの地域のリーダー的な役割をしっかり果たしてくれる人、あるいはそこと学生なんかがまた連携をしていくような体制を含めて、今後の人材育成、あるいは人材の確保についての文科省の取組をぜひお聞かせいただきたいと思います。
#140
○永山政府参考人 人材の育成というのは非常にキーになるポイントでございますので、そういった事柄については、新しい事業を実施する場合、あるいは既存の事業を継続する場合でも、意を用いてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
#141
○笠委員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#142
○亀岡委員長 次に、吉川元君。
#143
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 この国会、一般質疑で教員の働き方改革の質問をさせていただきましたが、まだ最後まで質問できなかったものもありますので、今回、引き続き、働き方改革について尋ねたいと思います。
 たしか三月十五日の委員会だったと思うんですが、給特法の廃止、見直し抜きに、月四十五時間、年三百六十時間の長時間労働ガイドラインの根拠を法律上規定した場合、その上限まで、実質は今七時間四十五分か七時間半ですかね、それを超えるものについてはただ働きを合法化することになるのではないか、こういう指摘をいたしました。
 その際、大臣からは、給特法上の所定の労働時間を超えて業務をしても超勤四項目以外の業務は違法なただ働きにはならない、けれども、勤務時間管理の対象にしないのは間違っていて、超勤四項目以外の業務を行う時間を含めて在校等時間として勤務時間管理の対象にするものだ、こういう答弁がされまして、ただ働きの合法化ではないということをおっしゃられました。
 私、勤務時間管理の対象とする業務に対し、残業代として対価が支払われないというのは、やはりこれは幾ら聞いても納得いかないわけです。
 逆に、大臣の言うように、給特法は変えない、だから超勤四項目以外の残業代支払いの対象にならないという理屈に基づけば、教員みずからの自発的な勤務に対し長時間のガイドラインを設ける、つまり、例えば教員がみずからの意思で校内において行う自発的な活動、これに規制を設ける、これはまたこれで矛盾をするものなのではないかというふうに思いますけれども、大臣のお考えを改めて伺います。
#144
○柴山国務大臣 いわゆる超勤四項目に時間外勤務命令を限定した上で、勤務時間の内外を問わずに包括的に評価して教職調整額を支給し、時間外勤務手当や休日勤務手当を支給しないという給特法の仕組みは、目の前の子供たちの状況に応じて専門性を活用して臨機応変に対応するという教育公務員の職務に適合した仕組みであると考えております。
 ただ、この仕組みによって、所定の勤務時間外に行われる超勤四項目以外の業務は、今おっしゃった、教師がみずからの判断で自主的、自発的に勤務しているとこれまで整理されてきて、この自発的勤務の時間については勤務時間管理の対象になってこなかったという実態があったのは極めて問題であると私は考えております。
 自主性、自発性が強調される余り、勤務時間を管理するという意識が希薄化し長時間勤務につながってきたのみならず、適切な公務災害認定も妨げる事態が生じてきました。しかしながら、超勤四項目以外であっても、公務として行うものについては、職務命令に基づくものではないとしても、学校教育に必要な業務として勤務していることに変わりはないと考えております。
 そして、給特法は、これらの業務も含めて、勤務時間の内外を包括的に評価して教職調整額を支給する仕組みであると考えております。したがって、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインを策定して、超勤四項目以外の業務を行う時間も含めて、校内に在校している時間を基本として、ここに校外での勤務時間等を加えた時間を在校等時間として定めて、これを勤務時間管理の対象にすることとした上で、その上限の目安時間を示したところであります。
 このように、自主的、自発的な勤務ということが強調されてきたその実態をしっかりと見直して、教師の勤務している時間について上限を定めるということは、私は現行の給特法と理論的整合性を欠くものではないと考えております。
#145
○吉川(元)委員 いや、整合していないと思いますよ。学校業務に必要ということでしょう。だとすれば、それはいわゆる業務でしょう。そこに対して対価が払われないというのは、それはおかしな話ですよ、やっぱり。
 また、先ほどから言われている超勤四項目という話ですけれども、これは、一九六六年の調査に基づいて、四%の、当時は八時間だったと思いますけれども、業務が実態として存在したと。だから、この部分について、給特法ということで、残業代という形ではないけれども、調整給という形で支払うことで整理をしてきたんです。
 実態がもうずれちゃっているんですよ。当時とは時間も違いますし、また、当時、いわゆる今言われているような自発的な活動というものがこれほどまでに膨大にはなっていなかったんですよ。だから、当時はそれで、いい悪いは別にして、整理できたものが今もう整理できなくなってきている。それを、言葉をいろいろ使い分けて、いや、整合していると言うのは、やはり非常に苦しい答弁だと私は言わざるを得ないというふうに思います。
 関連いたしますけれども、この中教審答申、給特法の見直しを求める意見に対して、教育の職務の本質を踏まえると教育の成果は必ずしも勤務時間の長さのみに基づくものではないとか、あるいは、教職員の人材確保法を考慮すれば必ずしも教師の処遇改善につながらないといった懸念が示されたと記述されています。これは委員の方の御意見なんでしょうからここで質問はいたしませんが、私はこれは言っている意味がよく理解できません。
 それで、関連して、四%の調整額について触れた部分があります。現在の教師の勤務実態を踏まえると不十分との指摘もあると記述されておりますし、まさにそのとおりだろうと。ところが、これについては、現在の勤務実態を追認することなく学校における働き方改革を確実に実施することを優先すべきであり、今後これらの取組の成果を踏まえつつ必要に応じ中長期的な課題として検討すべきである。こういうふうになっているわけですね。
 実態を追認することなく働き方改革を優先する、まあ、非常に聞こえはいいです。ですが、これを簡単に言えば、これからは長時間労働が抑制されるのだから今調整額をいじる必要はない、こういうふうにも聞こえるわけです。しかし、これは長時間のただ働き、いわば定額の働かせ放題の現実に目を閉ざしていることになるのではないか。この点、いかがお考えでしょうか。
#146
○永山政府参考人 本年一月二十五日の中教審答申におきましては、まず、教師の職務の現状につきまして、「社会の変化に伴い子供たちがますます多様化する中で、語彙、知識、概念がそれぞれに異なる一人一人の子供たちの発達の段階に応じて、指導の内容を理解させ、考えさせ、表現させるために、言語や指導方法をその場面ごとに選択しながら、学習意欲を高める授業や適切なコミュニケーションをとって教育活動に当たらなくてはならない。これこそが教師の専門職としての専門性と言えるものであり、時代が変わり社会全体が高学歴化しても相対化されることがない教師の職務の特徴である」と、改めてその特徴について捉え直したところでございます。
 その上で、審議の過程においては、給特法を見直した上で労働基準法に定められた三六協定の締結や時間外勤務手当などの支払いを原則とすべきといった意見も示されましたけれども、先ほど述べた、教師の職務の本質を踏まえると教育の成果は必ずしも勤務時間の長さのみに基づくものではないのではないか、給特法だけでなく、人確法によっても形づくられている教師の給与制度を考慮すると、必ずしも教師の処遇改善につながらないのではないかといった懸念が示されたと。
 そのため、まず、給特法の基本的な枠組みを前提とした上で、教師の在校等時間の縮減のための取組を総合的かつ徹底的に推進し、学校における働き方改革を確実に実施をする、そういった仕組みを確立して成果を出すこととしたものでございます。
 御指摘の点につきましては、こうした議論の上で、同答申において、中長期的な課題として、労働法制や教師の専門性のあり方、公務員法制の動向等も踏まえ、給特法を含む、公立学校の教師に関する労働環境についての法制的な枠組みについて、必要に応じて検討を重ねることが必要だと指摘されたものでありまして、今後、提言いただいたさまざまな施策を総合的に取り組み、学校における働き方改革を推進してまいりたいと考えております。
#147
○吉川(元)委員 なるたけ答弁を短くしてもらえますか、質問時間が非常に短いものですから。
 だとすると、ちょっと確認いたしますけれども、この書きぶりだと、例えば仮に、今、働き方改革に取り組んでいらっしゃいます、働き方改革の成果が仮に出ず、そして長時間労働が依然として蔓延をしている、この先、何年先かわかりませんけれども、そういう実態が続くのであれば、この調整額の見直しをするというふうに理解してよろしいんでしょうか。
#148
○柴山国務大臣 理論的に極めて貴重な御指摘だと思います。しっかりと御指摘も踏まえて検討したいと考えております。
#149
○吉川(元)委員 別に、調整額をふやせと言っているんじゃないですよ。とにかくこの長時間労働を是正することが一番必要なことであって、その中で、調整額は、パーセンテージ等々についてはとりあえずおいておいて、それ以外の取組をやる。それで、もちろん調整額のこの問題はやはり根源的な問題の一つではあるわけですから、仮にうまくいかないという状況になった場合には、こちらも含めて、きちんと根本的、抜本的にぜひ改正をしていただきたいというふうに思います。
 もう一点、時間管理を徹底し、そして在校等時間を削減できたとしても、いわゆる持ち帰り残業がふえてしまっては長時間労働の是正は絵に描いた餅だろう。最近新聞に出ておりましたけれども、民間企業なんかで働き方改革をやるということで、非常に残業をきちんと規制をする、結果として昼休みの時間もずっと仕事をせざるを得なくなった、そういう実態が新聞報道で紹介をされておりましたが、学校でも持ち帰り残業というのを無視するわけにはいかないだろう。
 二〇一六年度の勤務実態調査でも、小学校の場合、持ち帰り時間、平日で二十九分、土日で一時間八分、一月にするとかなりの時間が持ち帰り残業になっております。この規制については、働き方改革特別部会はどのような議論をしているんでしょうか。
#150
○永山政府参考人 中教審の働き方改革特別部会の議論におきましては、教師の業務の実態として持ち帰り業務が存在することについても問題意識が提示をされまして、これを縮減することも含めて、教師の業務負担軽減を総合的に進めるべきとの御議論をいただいたところです。
 特に、公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドラインについての議論の中では、勤務時間の上限を示すことが業務の持ち帰りをふやすようなことになってはならないといった御意見がありました。
 こうした御意見を踏まえまして、平成三十一年一月二十五日に文科省が策定した上限ガイドラインにおいては、その留意事項として、「実際より短い虚偽の時間を記録に残す、又は残させたりすることがあってはならない」、「上限の目安時間を守るためだけに自宅等に持ち帰って業務を行う時間が増加してしまうことは、本ガイドラインのそもそもの趣旨に反するものであり、厳に避けること。」としたところでございます。
 こうした点について、文科省としてしっかりと指導していくとともに、中教審の答申を踏まえまして、勤務時間管理の徹底や学校の組織運営体制の確立など、学校における働き方改革を総合的に進めてまいりたいと考えております。
#151
○吉川(元)委員 これは以前も指摘させていただいたんですが、教員という職業、非常にブラックという見方をされ、そして、現場の教員の方々とお話をすると、自分の子供が教員になりたいと言ったときに、よし、頑張れというふうになかなか言えない、心からそういうふうに言えない、そういう実態にあるというようなお話も伺いました。
 これはもう既に新聞で報道されておりますけれども、教員の採用の倍率、一体今どうなっているのか、その数字の点をまず教えていただけないでしょうか。
#152
○清水政府参考人 教員採用試験でございますけれども、文部科学省におきましては、その年度に実際に採用された教員の数と同時に調査する形にしておりますので、最新の調査は、平成三十年度に採用された教員の選考試験の実施状況になるわけですが、これによりますと、受験者は前年度よりも五千四百一人減って十六万六百六十七人、採用者は千二十四人これはふえておりまして三万二千九百八十五人。したがって、全国六十九県市の平均倍率でございますが、四・九倍、前年度よりも〇・三ポイント減という状況でございます。
#153
○吉川(元)委員 これは、新聞報道では、小学校に限って言えば、倍率はもう三・二倍だと。この数字でよろしいんでしょうか。
#154
○清水政府参考人 小学校の教員で限定しますと、三・二倍ですので、前年度よりも〇・三ポイント減ということでございます。
#155
○吉川(元)委員 もう時間が来ましたので終わりますが、新聞報道等見ますと、やはりその背景には、今の学校現場の働き方、ここが、実は学生が、教員を最初は目指そうと思っていたんだけれども、いろいろ知るにつけて、やはりこれはやめた方がいいんじゃないか、こういう実態があるわけです。
 先ほど、最初、整合性がある、なしという話がありました。大臣の頭の中では整合性がついているのかもわかりませんけれども、その矛盾は全部現場に行っているんですよ。そのことをぜひ省を挙げて考えていただいて、教員の働き方改革、更に進めていただきたいということを最後にお願いして、質問を終わります。
#156
○亀岡委員長 次に、杉本和巳君。
#157
○杉本委員 維新の杉本和巳であります。
 教育、スポーツ、科学にかかわる衆議院委員会の委員として、まず、質疑に先立ちまして、一言申し上げます。
 同僚議員が、北方領土ビザなし交流で、憲法九条と憲法九十九条の尊重擁護義務のある国会議員として逸脱する発言をしたことと、それにより国民の皆様また関係の方々に極めて不快な思いを抱かせてしまっていることに、同僚議員として、また党会派をともにした議員として、皆様に心からおわびを申し上げます。
 それでは、質疑に入らせていただきます。
 まず、大臣に質問をさせていただき、その後は政府委員の方に質問をさせていただきますので、もし中座の必要がありましたら御遠慮なくお願いしたいと思います。
 この後、議員立法という形で、学校教育の情報化の推進に関する法律案が審議されるという予定でございますが、それで、その法案の趣旨というか要旨は、全ての児童生徒がその状況に応じて効果的に教育を受けることができる環境の整備を図るため、学校教育の情報化の推進に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、学校教育の情報化の推進に関する計画の策定その他の必要な事項を定めるものということを審議するということで今進んでいるかと思います。
 きょうは、英語の教育についてお伺いをしたいと思う中で、まず大臣に、この後の法案にもかかわるということで、大臣に御答弁をいただきたいと思います。
 五島列島で小学校が廃校になるとか、そういうようなニュースも見せていただいたりしている現下の状況にあって、離島で学ぶ子供たちに、ALT、アシスタント・ランゲージ・ティーチャーは配備されているのかどうか。
 そうでなくて、配備が難しいということであれば、これから議論するICTを活用して、ネーティブの話し方というのは極めて抑揚をつけて話すのですが、日本人の発音というのは、私も海外で逆にネーティブの方から物まねされて、フラットな言い方をするとおまえの言い方だと、かなり抑揚をつけて自分はしゃべっているつもりでも通じにくいような、そういった抑揚の大切さなんかも、離島の子供たち、離島に限らず英語を学ぶ日本全体の将来を担う子供たちには、抑揚の大切さ、伝えることの大切さみたいなのを認識していただくということは極めて重要であると私は認識しておりますけれども、この点についての状況なり取組なりを文科省としていかがか、大臣に御答弁いただければと思います。
#158
○柴山国務大臣 英語教育において、ネーティブスピーカー等の、英語が堪能な人材をALTとして活用することは大変重要であると考えております。
 そして、離島や僻地等においてもALTを活用できるように、文部科学省では、総務省や外務省等との連携によって、海外から外国人青年を招致するJETプログラムによって希望する地方公共団体へALTの配置を行っております。
 このJET―ALTにつきましては、実際の配置人数に応じて地方財政措置も行われており、離島を抱える地方公共団体においてもぜひ積極的に活用していただきたいと考えております。
 また、御提案のように、ICTを活用して、離れた場所にいるALT等と児童生徒が英語でコミュニケーションをとることも大変有意義であると考えております。
 ことし三月に公表した、新時代の学びを支える先端技術活用推進方策の中間まとめにおきましても、英語教育における遠隔教育の活用を掲げているところでありまして、今後とも、ALTやICT等の活用によって英語教育の充実を図っていきたいと考えております。
#159
○杉本委員 ありがとうございます。事情がよくわかりましたし、取組もぜひお願いしたいと思います。
 英語というか、日本の将来を考えると、例えばアジア圏でいくと、マレー半島でもいいんですけれども、あるいは台湾でもいいんですけれども、華僑というか中国系の方々というのは、もともと中国語がしゃべれて、しかも、言語体系が似ているということで英語に親しみやすいという環境がある中で、日本もやはり、少子化というのはなかなか、とめようという努力を我々は一緒にしていかなければならないと思いますけれども、一方で現実的な厳しさというのもあるので、その中で、アジアの中で我々は生き残り、食べていかなければならないという意味で、この言語の壁というのを何とか乗り越えて、アジアの広いマーケットに我々は市場を求め、国内市場も大きな市場ではありますが、だんだん縮小していくという状況の中で、この英語というものをやはり、英語に限らず本当はあらゆる言語、中国語もなのかもしれませんが、まずもってビジネスの世界では英語ということかと思いますので、この英語について、ぜひ、より子供たちに力をつけてもらいたいというふうに考えております。
 ちょっとお名前を出すのがいいかどうかわからないんですが、あえて申し上げると、林元文科大臣であるとか、あるいは齋藤健前農水大臣であるとか、社会人として、まだ政治家になられる前からおつき合いいただいているんですけれども、当時の、私も含めて問題意識を共有していただいていたかと思うんですが、英語という点については、それこそもう二十年以上、三十年近く前に一緒に勉強させていただいていた私でございますけれども。
 当時は、三十年ぐらい前というと、TOEFLもiBTという表現はなくて、単なるTOEFLというものだったんですけれども、このTOEFL、現在はiBTという括弧書きがついている試験の仕組みのようでございますが、三十年ぐらい前は、日本と韓国とは、余り英語のできない国として同水準程度であったという記憶を林さんも齋藤さんもお持ちであったかと私は記憶しているんですけれども。
 その後、月日が三十年たって、国際比較で見て、韓国はかなりいろいろな政策を有言実行されて、英語力を上げるという中で、やはり、生きていかなければならないという現実的な背中を押す部分も韓国の国民の皆さんにはあったかもしれないんですけれども、日本の場合は、まあ、島国の中で暮らしていけば何とかなるわというようなのもわからなくはないんですけれども。
 その現実の違いはあるかもしれないんですが、国際比較で見て、この英語力の現状、韓国との比較といった点でどう見たらいいかを確認させていただければと思います。
#160
○永山政府参考人 英語力に関する国際的なデータとしていいますと、まさに、今おっしゃいましたTOEFLiBTですね、この数値で見ますと、二〇一八年にTOEFLiBTを受験した者の平均スコア、これが全世界平均では八十三です。それで、日本の受験者では七十一、韓国の受験者では八十四となっています。これは、高校生だけでなくて、大学生、社会人も含む広い受験生の層ですけれども。中でも、スピーキングについて、日本はアジアでも最も低いという結果も示されているところでございます。
#161
○杉本委員 二つ質問を用意しておりまして、その二つ目の質問、この韓国との比較についてなんですが。
 まあ、文部科学省として、平均を超える韓国の状況に比べて日本は七十一点と今お話がございましたし、スピーキングの能力というかスピーキング力というかではちょっと劣っていますということを言っていただきましたけれども、韓国は、我々が参考にするような、参考にすべきようなことというのはどのようなことをしてきたかというのは、どんな御認識でいらっしゃるか。
 済みません、ちょっと時間がどんどんなくなっているので、残余の質問等については、ちょっとあらかじめですが、次回また一般質疑があるようなので、きょう御準備いただいている方に御迷惑だったらば、一応あらかじめ申し上げておきたいと思いますが、質問とさせていただきます。お願いします。
#162
○清水政府参考人 お答えいたします。
 韓国における英語教育の充実策についてでございますが、韓国では、一九九〇年代中ごろより、英語教育の充実に向けた取組が推進されてきたということを把握しております。
 まず、国際化への対応を背景に、一九九五年の教育改革において外国語教育の充実が強調された等を受けまして、一九九七年より、小学校三年生から英語が必修化されたところでございます。
 さらに、二〇〇八年、当時の李明博大統領が発表した英語公教育完成実践計画により、全ての児童生徒が高校卒業までに基本的な生活英語を会話できるようにすることを目標とする英語教育強化策が推進をされまして、二〇〇九年の教育課程改訂により、小学校三、四年生が週二こま、五、六年生は週三こまということで、当初よりそれぞれ週一こまずつ英語の授業時数を増加させ、現在に至っていると承知しているところでございます。
#163
○杉本委員 ありがとうございます。
 私どもというか、政府も、英語教育の拡充ということで、もうスケジュールが入っていて、ただ、始まると、三、四年生は活動で、五、六年生が教科みたいな、今伺わせていただいた、韓国の李明博政権なのかその前からなのかわかりませんが、大きな変更があった中での踏み出した一歩に比べて、ちょっと後ろに行っちゃっているんじゃないか、まだたどり着けていないんじゃないかということで。
 私、ちょっと記憶が正しくなければおわびしたいですけれども、ウラル・アルタイ語圏というか、韓国と同じ言語体系の日本国で、これだけ、一九九〇年代から、今二〇一九年でございますが、二十年、三十年の流れの中でこういった差異が出てくるというのは、やはり我々政治に携わる、私は当時政治に携わらせていただいていなかったですけれども、そういった意味で、やはり不作為の責任というか、そういった部分も正直あるのではないかと思うので、やらないより、できるだけ早く実行していくということの中で、今文科省さんが外国語教育の抜本的強化ということで進めていることは更に強めていただく必要があるというふうに感じていますが。
 それで、先ほど申し上げたような、大臣経験の方々などと勉強会をさせていただいているときに、よく議論に出たのは、大学の受験科目にTOEFLを入れちゃえば一気にみんな英語のレベルが上がるんじゃないか。これも何度か、林大臣とも、予算委員会、小委員会なんかでも質疑した記憶もございますけれども、ようやく文科省さんが動き出してくださったということなのか、更に強化することをお願いする必要があるのかどうかなんですが、その点で、ちょっと今、大学側の状況をお伺いしたいと思います。
 この二〇二〇年度からの大学入試改革において、英語科目においては民間試験導入の流れというふうになっているということを聞いておりまして、申し上げたような、歴史的な私の思いの背景の中で望ましいことと理解しておりますけれども。何かお伺いすると、大学、たくさんございますけれども、その中で、国公立、私立、両方ございますけれども、導入に余り積極的でない、余りか全くなのかわかりませんが、積極的でない大学があるやに伺っておりますけれども、いかなる理由でこの導入に積極的でないのか、独自に英語について、逆に一家言、二家言あるような学校があって、どんなことを言っておられるのかなど、教えていただければと思います。
#164
○伯井政府参考人 お答えいたします。
 大学入試における英語四技能評価の導入を促進するため、試験内容、実施体制等が一定の要件を満たしていることを大学入試センターが確認した民間の英語資格検定試験を活用するということとしているところでございますが、例えば国立大学におきましては、昨年三月に国立大学協会が示したガイドラインに基づきまして、大学入試センターが要件確認した全ての資格検定試験を対象として試験結果を活用することを基本としておるのですが、一部、国立大学につきましては、この英語の資格検定試験を活用しないとしている大学もございます。
 その理由は、公正な受検条件の確保に関して、受検料負担の問題であるとか、あるいは受検会場などの受検機会の公平性の課題であるとか、さらには、複数試験のスコアを比較する際の公正性に懸念があるというようなことを課題として挙げられているものと承知しておりまして、我々としては、高校、大学関係者、あるいは試験実施団体を構成員とする会議などを設置して、引き続き、円滑な実施に向けて全力で取り組みたいというふうに考えております。
#165
○杉本委員 ありがとうございます。
 学問の独立も大事なんですけれども、食べていくために英語が必要だと私は思いますので、大いに推進をしていただきたいとお願いして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#166
○亀岡委員長 次に、第百九十七回国会、遠藤利明君外六名提出、学校教育の情報化の推進に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。盛山正仁君。
    ―――――――――――――
 学校教育の情報化の推進に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#167
○盛山議員 ただいま議題となりました学校教育の情報化の推進に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、情報通信技術であるICTを活用した教育について、教育の質の向上や教育格差の是正に果たす役割が注目されており、地方公共団体や学校においては、ICTを活用した学習活動の充実に向けたさまざまな取組が行われてきております。ICTについては、時間的、空間的制約を超えること、双方向性を有することなどがその特性とされており、学校においても、このような特性を効果的に活用し、子供たちの興味、関心を高め、理解しやすい授業などを実現することが重要であります。
 この点、学校教育法が昨年改正され、本年四月から新たにデジタル教科書の使用が認められるようになったことから、今後は、デジタル教科書の活用により、子供たちの理解が進むとともに、多様な学習ニーズへの対応が期待されているところです。
 その一方で、ICTの活用を進めるに当たっては、授業での効果的な利用が期待される質の高いデジタル教材が不足していること、ICT機器の整備や校内ネットワーク等の構築にコストがかかり、地域によってその整備状況に差異が生じていることなどが課題となっております。
 そこで、本案は、全ての児童生徒がその状況に応じて効果的に教育を受けることができる環境の整備を図るため、学校教育の情報化の推進化に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、学校教育の情報化の推進に関する計画の策定その他の必要な事項を定めるものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、学校教育の情報化の推進に当たっての基本理念として、ICTの特性を生かし、児童生徒の能力、特性等に応じた教育や双方向性のある教育等の実施による知識及び技能の効果的な習得、デジタル教材による学習とデジタル教材以外の学習を組み合わせるなどの多様な方法による学習の推進、家庭の経済的な状況等にかかわりなく全ての児童生徒が学校教育の情報化の恵沢を享受できることなどを定めることとしております。
 第二に、学校教育の情報化の推進に関し、国、地方公共団体及び学校の設置者の責務を定めるとともに、政府は、学校教育の情報化の推進に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならないこととしております。
 第三に、文部科学大臣は、学校教育の情報化の推進に関する基本的な方針、期間、目標等を定めた学校教育情報化推進計画を策定することとしております。また、都道府県及び市町村は、国の計画を基本として、その地域における計画を策定するよう努めることとしております。
 第四に、学校教育の情報化の推進に関する基本的施策として、デジタル教材等の開発及び普及の促進、適切な内容のデジタル教材をデジタル教科書として使用するための教科書制度の見直し、障害のある児童生徒の教育環境の整備等の施策を講ずることとしております。
 最後に、本案は、公布の日から施行することとしております。
 以上が、本法案の提案理由及びその内容の概要でございます。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#168
○亀岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#169
○亀岡委員長 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省初等中等教育局長永山賀久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○亀岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#171
○亀岡委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、これを許します。畑野君枝君。
#172
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 ただいま提案されました学校教育の情報化の推進に関する法律案について質問いたします。
 まず、法案提出者に伺います。
 デジタル教科書を教育課程の一部で使用可能とする学校教育法改正の法案審議の中で、デジタル教科書は紙の教科書と併用して段階的に導入を進めること、活用方法は学校、教員の裁量に任されていること、教育効果、児童生徒の健康に与える影響に関する配慮、調査研究の必要性などについて確認をいたしました。本法案は、こうした考え方は反映されるのでしょうか。また、教育のICT化に向けた環境整備五カ年計画など政府の進める取組と本法案の関係について伺います。
#173
○盛山議員 畑野委員の御疑問、御質問に対してお答えをさせていただきます。
 本法案では、まず、第三条第二項におきまして、デジタル教材を活用した学習と紙の教科書を活用した学習とを適切に組み合わせるべきこと、第十一条におきまして、教科書に係る制度の見直しを不断に行うべきことをそれぞれ規定しております。
 そして第二に、第十九条におきまして、デジタル教材の教育効果や、ICTの利用による児童生徒の健康、生活などへの影響などについて国が調査研究を行うべきこととしているなど、先生御指摘の点については反映されていると考えております。
 また、本法案の第八条第三項では、本法案に基づいて文部科学大臣が策定する学校教育情報化推進計画は、教育基本法の教育振興基本計画との調和が保たれたものでなければならないこととされておりますので、本法案に基づく施策は、これまでの政府の施策との整合性を保った上で推進されていくものと我々は考えているところでございます。
#174
○畑野委員 次に、法案第十四条では、ICTを活用した教員の指導力向上のための研修の充実がうたわれています。
 現在、学校における働き方改革が進められ、新たな課題に対応した計画や業務については、スクラップ・アンド・ビルドの視点に立って進めることが強調されています。教員に対する研修もスクラップ・アンド・ビルドの視点に立って進めるべきだと思いますが、いかがですか。
#175
○高井議員 畑野委員にお答えいたします。
 御指摘のとおり、現在、学校における働き方改革が進められているところでありまして、平成三十一年の一月の中央教育審議会の答申でも、スクラップ・アンド・ビルドの原則を徹底することとされたところであることは承知しておりまして、提案者といたしましても、基本的にはこのようなスクラップ・アンド・ビルドの原則の重要性を認識しております。
 一方、本法案は、ICTを活用した教育の改善、充実や学校事務の効率化が図られるように、国に研修を通じた学校の教職員のICT利活用を図る資質の向上のための施策を義務づけたものでありまして、提案者としては、学校における働き方改革を後押ししながら、本法案の趣旨を踏まえ、適切に研修が行われることを期待しております。
 以上でございます。
#176
○畑野委員 また、基本理念、第三条第四項では、学校教育の情報化の推進による学校事務の効率化による教職員の負担軽減が掲げられています。統合型校務支援システムの導入促進等が事務職員などの削減の手だてとされてはならないと考えますが、いかがでしょうか。
#177
○城井議員 お答え申し上げます。
 第三条第四項では、通信情報技術を活用した学校事務の効率化により学校の教職員の負担を軽減することについて規定をしておりますけれども、この規定の趣旨は、教職員の多忙化を解消し、子供と向き合う時間を確保することで、児童生徒に対する教育の充実を図ろうとするものであります。
 したがって、本項は事務職員などの削減を目的として規定しているものではございません。
#178
○畑野委員 先ほどもお答えいただいたところですが、法案第十一条には、教科書に係る制度の検討が掲げられています。家庭の経済的負担軽減の観点からすれば、デジタル教科書やデジタル教材などは、義務教育段階で無償化の方向を目指すべきだと考えますが、いかがでしょうか。障害のある児童生徒にとっても求められることだと思います。
#179
○城井議員 お答え申し上げます。
 本法案の第三条第三項では、学校教育のICT化の推進は、全ての児童生徒が、その家庭の経済的な状況や障害の有無等にかかわらず、ひとしく学校教育のICT化の恵沢を享受し、もって教育の機会均等が図られるように行われなければならないと定めておりまして、家庭の経済的負担は極力軽減されるべきと考えます。
 その上で、第十一条では、教科書として使用することが適切な内容のデジタル教材についてはデジタル教科書として使用することができるよう、教科書に係る制度の見直しを定めており、教科書として使用されるデジタル教科書が実現される場合には、義務教育諸学校の児童生徒に対しては無償供与されるべきと考えております。
#180
○畑野委員 更に検討を進めていただきたいと思います。
 最後に、柴山昌彦文部科学大臣に伺います。
 学校におけるICT環境の整備状況には地方公共団体間で差があり、児童生徒の学習環境の格差につながりかねません。学校現場からは、児童生徒が使用するパソコンを始め、充電保管庫や高速インターネット回線の整備などの要望もあります。リースを含めた財政支援の充実が求められていますが、政府としてどのように支援をされていくつもりでしょうか、伺います。
#181
○柴山国務大臣 学校のICT環境整備は急務でありますけれども、今御指摘になられたとおり、整備状況に地域間格差があることは、私としても非常に大きな危機感を持っております。
 文部科学省といたしましては、まず各学校の設置者が、地方財政措置を積極的に活用し、計画的なICT環境整備を行っていただくべきだと考えております。
 ことし三月に公表した新時代の学びを支える先端技術活用推進方策の中間まとめにおきましても、学校ICT環境整備の推進を柱の一つとして、安価な環境整備に向けた具体策の検討ですとか、関係者の専門性を高める取組などを進めることとしております。
 今後、関係省庁や産業界などとも連携をしつつ、具体策を検討、提示していくことによって、これからの学びを支える学校ICT環境の実現を図ってまいります。
#182
○畑野委員 子供たちの状況を丁寧に見ていただきながら、また、国としての財政支援も、地方の状況をよくつかんでいただきながら進めていただきたいということを強く申し上げまして、以上で私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#183
○亀岡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#184
○亀岡委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 第百九十七回国会、遠藤利明君外六名提出、学校教育の情報化の推進に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#185
○亀岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#186
○亀岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#187
○亀岡委員長 次回は、来る二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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