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2018/11/27 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 厚生労働委員会 第5号
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2018/11/27 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 厚生労働委員会 第5号

#1
第197回国会 厚生労働委員会 第5号
平成三十年十一月二十七日(火曜日)
   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     木村 義雄君
     礒崎 哲史君     古賀 之士君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     古賀 之士君     礒崎 哲史君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                山本 香苗君
                川合 孝典君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                木村 義雄君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
       厚生労働副大臣  高階恵美子君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣官房水循環
       政策本部事務局
       長        佐藤 克英君
       警察庁長官官房
       審議官      高田 陽介君
       総務大臣官房審
       議官       沖部  望君
       財務省理財局次
       長        古谷 雅彦君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宮嵜 雅則君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       厚生労働省雇用
       環境・均等局長  小林 洋司君
       厚生労働省保険
       局長       樽見 英樹君
       国土交通省航空
       局航空ネットワ
       ーク部長     久保田雅晴君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○水道法の一部を改正する法律案(第百九十六回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日、青山繁晴君が委員を辞任され、その補欠として木村義雄君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石田昌宏君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水道法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房生活衛生・食品安全審議官宮嵜雅則君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(石田昌宏君) 水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○宮島喜文君 自由民主党の宮島喜文でございます。
 今日は、水道法を一部改正する法律案について質問させていただきます。
 我が国の水道事業は、明治二十三年、水道条例が制定、公布され、当初はコレラなどの伝染予防の見地から港湾都市において早期に整備され、その後、昭和四十年代に、高度経済成長期に全国各地で急速に水道の整備が進められているということでございます。そんなことから、平成二十八年度の調査では、水道の普及率は九七・九%に達し、大都市では一〇〇%の普及率になっていると。現在では、それこそ国民生活の基盤として必要不可欠なものとなっているところでございます。
 このように、急速に整備が進められたということで現在は多くの問題を抱える水道事業について、対応すべき対策が喫緊の課題になっているというふうに認識しているところでございます。このような問題を本当に解決するということで今国会にこの水道法の一部改正する法律案が提出されたものと認識しているわけでございまして、これから質問をさせていただきます。
 まず第一に、水道事業者の現状でございます。
 先ほど申しましたように、我が国の水道普及率九七・九%ということで、国民のほとんどが水道による水の供給を受けていると言うことができるようになったわけでございます。
 水道の設備、これも、先ほど申しましたように、過去に、よく見ますと、整備の大きなピークが二回あった。その最初のピークの時期、昭和四十年代の高度経済成長期でございます。二回目が平成の初期でございます。最初のピーク時整備された水道施設、管路等の耐用年数の四十年をもう今では超し、更新時期を経過しておる事実がございます。これに加え、日本の人口というものは平成二十二年頃から減少に転じておりまして、これに伴い水道水の給水量も減少し続け、さらには水道料金の収入も減ることが今後ますます予想されるわけでございます。
 水道事業には、給水人口の五千一人以上の上水道事業、それに給水人口が百人以上五千人以下の簡易水道、そして水道用水供給事業者の事業形態があるわけでございます。
 まず、地方公共団体等で経営されている全国にあります五千百三十三の簡易水道、この現状でございますが、それぞれの財政状況、管路等について厚生労働省はどのように認識しているかということ、そしてまた、給水人口が五千百人以上の全国の千三百三十三の地方自治体等で経営されています上水道事業、これについても現状と課題についてどう考えているか、厚生労働省の見解を伺いたいと思います。
#7
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 簡易水道につきましては、委員からもお話ありましたが、平成二十八年度末で全国に五千百三十三の事業が存在しまして、約三百七十万人が利用しているところでございますが、その多くは集落等を対象に小規模な単位で運営されておりまして、また、山間部等の人口密度の低い地域にございます。そのため、こうした地理的条件により人口当たりの水道管路の延長が長くなるなど、効率的な事業経営が難しい場合が多く、水道料金の収入だけでは運営を維持できず、一般会計から繰入れを行われている状況もございます。
 一方、上水道事業につきましては、これも平成二十八年度末の数字ですが、全国に千三百五十五事業存在しておりまして、そのうち約七割は人口五万人以下の小規模な上水道事業となってございます。水道事業は独立採算が原則となってございますが、小規模な水道事業者ほど経営基盤が脆弱な傾向にございまして、上水道事業のうち約三割が給水原価が供給単価を上回る、いわゆる原価割れの状況となっております。
 我が国の水道は、委員からもお話ありましたが、高度経済成長期に急速に施設が整備されてきたため、今後、施設の老朽化がますます進む一方で、人口減少に伴う料金収入の減少が見込まれているところでございます。また、昨今の大規模災害におきまして水道施設が被害を受け、長期間にわたる断水が発生しているところでございます。
 こうした現状を踏まえまして、スケールメリットを生かして事業を効率化する広域連携とか、あるいは水道施設の維持、管理及び計画的な更新、あるいは民間事業者の有する技術やノウハウを活用する官民連携などの取組を促進し、基盤強化を図ることが必要であると考えているところでございます。
#8
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 簡易水道は一般会計の繰入れまでしていると、一方、上水道の方も非常に原価割れしていると、こういう非常に厳しい状況に来ているということを改めて確認させていただきました。
 そこで、これから考えるに当たって、この水道法をどう考えていくかということでございますが、基本方針の策定や都道府県の役割について質問させていただきます。
 現行の水道法第一条には、水道を計画的に整備し、及び水道事業を保護育成するとなっております。今回の改正法については、水道の基盤強化となっており、今まで一〇〇%の水道普及率というのを目指して整備を拡大してきたということがございますが、今後は、この布設された水道設備を計画的に維持管理に努め、地震等の耐震化等に、災害に強いインフラ整備に改良する必要があろうと思います。
 御承知のとおり、上水道事業、簡易水道事業を問わず、管路の更新や耐震化、小規模事業者の広域化については喫緊な課題だろうというふうな思いはしているところでございます。
 改正法の第五条の二第一項に、厚生労働大臣は、水道基盤を強化するための基本的な方針を定めるものとされ、また、同法の第五条の三第一項には、都道府県は、水道の基盤強化のため必要があると認めるときは、水道基盤強化計画を定めることができるとされています。
 このように、国は基本計画を定めることになっているわけでございますが、都道府県は定めることができるということで、ちょっと違いがあるわけでございます。現行の水道法第六条二項において、水道事業は原則市町村が経営するものとなっているものでありますので、このような規定になっているのかなという気もするわけでございますが、水道事業を今後広域化していくということを考えますと、都道府県が積極的に関与する必要があると考えています。
 今回整備されました条項のこの狙い、どのようなことが可能になるかということ、また、この計画に基づく整備について補助金等の優先配分等がなされるかと、これについて厚生労働大臣の見解を伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(根本匠君) 今般の法案では、委員御指摘のとおり、厚生労働大臣は、広域的な水道事業者間の連携の在り方など、水道の基盤を強化するための基本方針を定める、そして、都道府県は、基本方針に基づいて、水道の基盤強化を図るために都道府県や市町村が講ずべき施策などを盛り込んだ水道基盤強化計画を定めることとしております。
 水道事業は主に市町村単位で経営されておって、今も審議官からいろんな現状の問題点、課題が答弁がありましたが、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であります。このような現状を踏まえ、都道府県には、市町村を超えた広域的な見地から水道事業者間の調整を行って、広域連携の推進役を担っていただくことにしたものであります。
 厚生労働省としては、今後、水道基盤強化計画に基づく施設整備に対して財政支援、例えば生活基盤施設耐震化等交付金というものがありますが、財政支援を行っていくことを予定しておりまして、このような支援を含めて都道府県を推進役とした広域連携を推進していきたいと思います。
#10
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 都道府県の役割は重要だということを認識されているというふうに受け止めましたけれども、それでよろしいということですね。はい、分かりました。では、都道府県に仕事をしていただくにしても、国も財政的なことも当然考えるということだと思って、理解しました。
 では次に、この水道施設整備補助金について伺いたいと思います。
 過去に、先ほど申しましたように、高度経済成長期に水道が普及して急激に上昇したわけでございますが、この整備のピークは、先ほど申しましたように、二回あったわけでございます。この最初のピークで整備されたものはもう耐用年数を迎えているということで、もう既に経過しているということはお話ししたところでございます。厚生労働省の資料によりますと、平成二十八年度の管路経年化率の全国平均が一四・八%となっております。管路の更新率も年々減少し、耐用年数が経過するスピードが速いのでもう更新が追い付かない状況だというふうに見ているわけでございますが。
 そこで、これに対する予算でございます。水道施設整備費の予算を見ますと、配付資料を見ていただきますと分かるかと思うんですが、ここに、平成二十一年度当初予算では九百五十八億円でございました。平成三十年度の当初予算は三百七十五億円ということになっておりますので、整備費全体として見ますと約六〇%の減少額ということになってきます。この十年間の予算額の推移に対して厚生労働省はどのようにこれを評価、考えているんだろうかということをお伺いしたいと思います。
#11
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今議員から御指摘がございましたが、水道施設整備費補助金につきましての当初予算額につきましては、二十一年度が九百五十八億円であったものが、二十六年度には二百五十五億円まで減少してございます。その後、水道施設整備費補助金に加えまして、水道事業の広域化や施設の耐震化などの支援を目的とした生活基盤施設耐震化等交付金を創設いたしまして増額を図ってきておりまして、平成三十年度予算額におきましては前年度予算額に対して二十億円増の三百七十五億円を計上しているところでございます。これは委員から御指摘あったところでございます。
 厚生労働省といたしましては、厳しい財政状況ではございますが、引き続き水道事業の広域化や水道施設の耐震化など、水道の基盤強化を図るために必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#12
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 厚労省としては予算の確保に努めるというお話でございましたが、この水道施設整備予算でございますが、これについてもうちょっと考えてみたいと思います。
 今後、厚生労働大臣が先ほど申しましたように基本方針を示して、都道府県が水道基盤計画に基づき実施されます整備については、耐用年数が経過がスピードが速いということで、整備費を増やしても追い付かない水道事業者が更に多くなるんじゃないかと、そういうふうに危惧しているところでございます。
 公共事業費の予算については公共事業ごとに予算額のシェアが決められているとは思いますけれども、公共事業費に占める水道事業費、これは年々シェアが低下していると認識してよろしいわけでしょうか。
 平成二十六年度補正予算からいわゆる非公共予算として生活基盤施設耐震化等交付金での経費も計上されているわけでございますが、今後、南海トラフ地震の発生も言われている中で考えてみますと、もう少し進めなきゃいけないというふうに思うわけでございます。
 それには、補助率を通常よりもかさ上げし、耐震化を進むべきだというふうに私考えるわけでございますが、水道施設整備の公共予算の確保を今後どのように考えていくのか、また、計画的にこの整備を進めるために当初予算をもっともっと増額していくべきじゃないかと思うわけでございますが、厚生労働省のお考えをお聞きしたいと思います。
#13
○国務大臣(根本匠君) 委員御指摘のとおり、近年、公共事業費全体の予算額、これはおおむね六兆円程度で推移している中で、水道に係る公共事業予算額とその割合、年々減少を続けております。我々も、当初予算をできるだけ増やしていく、あるいは補正でもしっかりと確保していく、そういう努力をしてまいりました。
 一方で、公共事業予算とは別に、水道施設の耐震化などの支援を目的に創設した生活基盤施設耐震化等交付金、これについては創設以来増額を図っております。公共事業予算額と合わせた水道施設整備費予算全体としての平成二十七年度以降の当初予算、これは増額となっております。
 今委員も御指摘がありました大規模災害時においても、安全で安心な水を提供していくために水道施設の耐震化を推進していくことが重要であると認識しておりまして、厳しい財政状況ではありますが、引き続き必要な予算の確保に努めていきたいと思います。
#14
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 これは、限られた財源の中でどのように予算を確保するかということで、方策はいろいろあろうかと思いますが、私は、基本的には当初予算をきちんと考えるというところがやっぱりこれ厚労省の立場だと、頑張ってもらわなければいけないと私は思っておりますので、是非よろしくお願いしたいと思うわけでございます。
 では次に、指定給水装置事業者制度について少しお話をお聞きしたいと思います。
 平成八年の水道法の改正により創設されました、この指定給水装置工事事業者制度です。これは創設直後の平成九年でございますが、二万五千者ということでございましたが、平成二十八年度、これは二十三万二千者と約九倍ぐらい増加しております。
 この指定工事事業者リストになかなか連絡が取れない業者も掲載されているということも聞いておるところでございますし、業者の運営実態の把握が困難になっているのではないかということで、住民の苦情にもなっているということもあるわけでございます。
 なぜこの事業者数が急増したのか、その背景と、事業者数が増加したことによる弊害と、問題点が起こってきていることがあればお教え願いたいと思います。
 また、いわゆる業界、関係団体であります日本水道協会や全国管工事業協同組合連合会からこの制度における要望がいろいろ出ておるということも聞いております。この背景、そしてどのように今分析しているかについてお聞きしたいと思います。
#15
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 給水装置工事事業者につきましては、従来、各水道事業者が独自の指定基準で指定していたところでございますが、規制緩和の要請も受けまして、平成八年の水道法改正により全国一律の指定基準が設けられたところでございます。その結果、水道事業の区域を超えた参入が進み、事業者数が大幅に増えたものでございます。
 一方で、現行の制度では、指定の有効期間がなく、指定工事事業者の廃止、休止等の状況が反映されにくいために、指定工事事業者の実態を把握することが困難となっているところでございます。また、無届けで工事を実施するなどの不適切工事等も発生しているところでございます。
 議員からも御指摘がありましたが、関係団体から指定の更新制導入の要望書が出ているところでございますが、これは今申し上げましたような背景を踏まえまして、指定工事事業者の実態把握や資質の保持のために出されたものというふうに承知しております。
#16
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 一般的に、水道事業者に寄せられた苦情のほとんどは、それぞれの家庭などで行う修繕工事などの際に発生しているんじゃないかと思うわけでございます。数字を見ますと、平成二十八年度は三千八百八十五件となっております。一方、国民生活センター又は全国の消費者生活センターなどに寄せられた水道工事及び水道等の修理のサービス、これに関する相談件数も年間千件程度で推移していると聞いておるところでございます。
 そもそも一般の水道の利用者からすれば、指定給水装置工事者に頻繁に仕事をお願いするということはほとんどないわけでございますが、いざ業者にお願いしようと思うと、なかなか本当に悩むのではないかと私は思うわけでございます。
 現段階においても、この指定給水装置工事事業者の情報、これがなかなか分かりにくいと、入手もしにくいということがあろうかと思います。この法改正によって、本当に利用者にとって利便性の向上につながる契機となるかということについてお伺いしたいと思います。
 また、この法案により指定給水装置工事事業者の指定が五年制に更新される、更新制が導入されるわけでございますが、この更新制の導入により、廃業しているような事業者、これが分かるとともに、悪質と申しますか、適切なサービスをして責任を持ってやってくれないような事業者、これを淘汰することにもつながるのかなという思いがしているところでございますが、その効果をどのように考えているのかということについてお聞きしたいと思います。
#17
○副大臣(大口善徳君) 宮島委員にお答えをいたします。
 指定給水装置工事事業者の名称あるいは所在地、連絡先の情報については、多くの水道事業者がホームページで提供を行っております。今回の改正によりましてこの指定の更新制度が導入されるに伴って、水道事業者は更新時に指定給水装置工事事業者の業務内容等を確認することになっております。それらの情報のうち、対応工事の内容、定休日、営業時間等、あるいは利用者に有用なものを情報提供することによって利便性向上につなげることも可能であると考えておりますし、関係団体にもやはりこの情報提供に協力していただけるようにお願いしていきたいと思います。
 また、更新に際しては、講習会の参加実績、主任技術者等への研修機会の確保の状況、配管技能者の配置状況を確認し、必要に応じて指導を行うことから、不適切な工事を行う事業者等が減り、工事事業者の質の向上にもつながると考えております。
#18
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 情報提供をいかに国民の皆さんに分かりやすくお伝えするということがまず第一だと思うわけでございますが、今回、いろんな情報が出てくる、出してくるということでございますので、期待したいところでございます。
 この指定給水装置事業者制度を今後どういうふうに考えていったらいいかということでございますが、日本水道協会の給水装置及び構造材質及び指定給水装置工事事業者に関する調査検討業務報告書によれば、一部の水道事業者では、優良な指定工事事業者を表彰するような制度、又は好事例の展開の検討とか、適正な事業を運営しているという事業者に対して優遇措置などの検討を求めているというふうに聞いているところでございます。
 これらに対して、この報告書に書かれているようなことに関して厚生労働省はどのように検討されているのか、また実際現場で実施している状況を把握しているかどうかについてお聞きしたいと思います。
#19
○政府参考人(宮嵜雅則君) 議員から御指摘のございました報告書におきまして、優良な指定工事事業者の表彰制度の調査及び好事例の展開の検討につきましては、今回の法改正による更新制の導入とともに検討を行うことが提言されておりますことから、更新制の導入を進めつつ、今後、調査や横展開の方法を検討してまいりたいと考えております。
 また、適正な事業運営を実施している優良な指定工事事業者に対する優遇措置等の検討につきましては、この報告書におきまして、更新制の導入等の対策を講じた上で、その施行の状況や効果について確認し、必要に応じて更なる方策として検討することが提言されているところでございます。
 このため、まずは今回の法改正により更新制を導入した上で、その施行状況等を踏まえて、必要に応じて検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。
#20
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 法が施行されてから考えることだということの答弁で、何ら進んでいないような気もしますが、まずは調査して、どのような現状にあるかということをやっていくことを是非お願いしたいと思うところでございます。
 では、この水道事業でございますが、人材確保ということの面から少しお話をさせていただきたいと思います。
 総務省の研究会で、高齢者人口、これがピークを迎える二〇四〇年ぐらいというふうに想定した課題として、行政が維持できない小規模の自治体が出てくるので、この小規模自治体は共同で行政サービスを実施する仕組みをつくることが必要だと、また、そういう意味でいえば、高度経済成長期に整備されたこのインフラが大きな課題でございまして、作業に当たるような自治体の専門職員も不足してきているということが懸念されているというふうな報告が出ておりますけれども、今後、この水道事業に関わる人材の確保について厚生労働省はどのような考えを持っているか、またどのような支援が必要なのかということについてお聞きしたいと思います。大臣、できたらお願いします。
#21
○国務大臣(根本匠君) 水道事業を支える職員の数、これは昭和五十四年をピークに減っておりまして、平成二十八年時点ではピークから約三割減少しているなど、水道事業における人材確保、これは極めて重要な課題だと認識しております。
 こういう状況の中で、水道事業における人材確保を図る観点から、地域内で人材の融通が可能となる広域連携、あるいは民間企業の技術、経営ノウハウや人材の活用を図ることのできる官民連携、これが有効な方策であると考えております。
 厚生労働省では、これまでも広域連携を進めるための都道府県の検討経費、あるいは広域化に必要となる施設整備事業に対して財政支援を行って広域連携を推進してまいりました。また、水道の基盤強化のための地域懇談会や水道分野における官民連携推進協議会において、広域連携あるいは官民連携に関する優良事例を発信することによって全国的な好事例の展開を図ってまいりました。
 引き続き、これらの取組を実施するとともに、今回の改正法案によって広域連携と多様な官民連携を更に推進し、水道事業者における人材確保に対する支援、これを行ってまいりたいと思います。
#22
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 そういう形で進めるのも一つこれから重要だとは思いますが、この人材確保に関して私は一例をここで御紹介し、お聞きしたいと思います。
 私の住んでいる隣の近くの村なんですが、長野県の天龍村というのがございます。これは静岡と愛知県境の、非常に長野県で南端でございますが、人口が千三百人弱でございます。天竜川の両側にまたがっている村でございまして、天竜川のいわゆる渓谷に幾つかの支流がございまして、その間に集落が点在しているという非常に地形的には厳しいんですが、風光明媚でございます。ここでは、シュロとかユズという長野県でいえば北限の植生があるということで非常に暖かいところでいい面もあるわけでございますが、ここに実は長野県が、この天龍村村内で簡易水道事業の設計、積算、工事、管理等の事務の代行を代替執行という形で実施していると、こう聞いております。
 このような山村の小規模自治体にとりますと、自分のところでスタッフを確保することができないとか、こういうこともございますし、またこの委託設計費も縮減できるということもあるわけでございます。このような実態に応じた広域連携というのは水道法の改正を別に待たずにできるわけでございますので進めるべきだと考えているところですが、厚労省としてはどのようにお考えか、お聞かせください。
#23
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 広域連携を進めるに当たりましては、事業の統合に限らず、経営の一体化、あるいは施設の共同化、あるいは事務処理の一体化など、多様な形態がございますことから、まさに御指摘ありましたように、地域の実情に応じて適宜適切な方法を選択することが重要であるというふうに考えております。
 議員から御紹介のありました長野県企業局と天龍村の事例のように事務の代替執行制度を活用するということや、あるいは福岡県北九州市と宗像地区の事務組合の事例のように、これは隣接する水道事業者間でございますが、業務の受託、委託をするということも有効な選択肢の一つだというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、地域の実情に応じた広域連携が可能になりますように、先ほど大臣からも御答弁しましたが、水道の基盤強化のための地域懇談会等におきまして、広域連携に関する優良事例を発信することなどによりまして全国的な好事例の横展開を図ってまいりたいというふうに考えております。
#24
○宮島喜文君 ありがとうございました。
 これ、村の方の側からしてのいい点も当然あるわけでございますが、ここに例えば県の方から職員にとってのスキルアップにもつながっているんだという話も聞いております。是非そういう意味で、財政基盤が弱い自治体に関してはいろんな様々な支援の手を伸べていかなければいけないという立場からしますと、是非こういう事例もいろいろお知らせいただいて活用することを推進していただけたらと思うわけでございます。
 もう時間ございませんので、これで終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
#25
○小川克巳君 自由民主党の小川克巳でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 四十分の質問時間いただいておりますが、早速質問に入らせていただきたいと思います。ただ、水道法改正案に入る前に、二、三ちょっとお尋ねしたいということがございますので、少しお時間を頂戴いたします。
 先日の委員会でも馬場委員を始め多くの委員の方々から厳しい指摘がありましたが、私もリハビリテーション専門職の一人として障害をお持ちの方々に寄り添う立場でもありますので、やはりこの問題に触れないわけにはまいりません。
 まして、政府は、超高齢超少子社会の支え手として、高齢者や女性そして障害者の就労者としての機能を発揮していただくことに大きく期待を寄せているところでもあります。そのような中において、民間企業に対して指導するべき立場にある中央省庁でこのようなことが長い間改善する努力もなされずに放置されてきたことに、改めて怒りと落胆を禁じ得ません。関係省庁には猛省を促したいと痛切に思います。
 今回の事態につきましては、検証委員会が設けられ、十月に提出された報告書に伴って一定の対応策が提案されたと承知しています。今回このような事態に至った背景には、報告書の中で指摘されたようなこともあるかもしれませんが、中央省庁における障害者の就労についての認識がそもそも甘いのではないかというふうに感じています。
 第一に、検証委員会のメンバーとして、当事者である障害をお持ちの方が誰一人参加していません。連絡会議においてヒアリングはなされていますが、検証委員会のメンバーとして当事者が関わっていただくことは必要だというふうに考えております。当事者が参画していない有識者委員会等は、このほかにもたくさんあります。利益誘導あるいは利益相反等に対する配慮かもしれませんが、行き過ぎた配慮は無意味な議論と無意味な結果をもたらしかねないというふうに考えています。
 この点についてはまた別の機会にいろいろお伺いすることとしまして、本題に戻りますが、障害をお持ちの方々にその持てる能力を十分に発揮して存分に働いていただくためには、まずは個別の障害の内容を熟知すること、次にその障害の状況を踏まえて環境をその方に適合するようにしっかりとつくり上げること、この二つが不可欠であります。つきましては、厚労省にそうした点についての認識をお伺いしたいと思います。
#26
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 まず、今般の事態につきましては、障害者雇用制度を所管する立場から大変重く受け止めておりまして、改めて深くおわびを申し上げたいと思います。
 その上で、今お尋ねのございました点でございますけれども、まず、私ども、これから公的部門の中で障害者雇用を進めていくに当たりましては、障害のある方が、それぞれ意欲と能力に応じてこれを発揮し活躍できるように、障害の特性に応じまして、今御指摘のございましたように、職員の理解を進め、また、担っていただく具体的な業務を選定するなど、職場環境を整えていくということが重要であるというふうに考えておるところでございます。
 このため、関係閣僚会議で決定をいたしました基本方針に基づきまして、まず、厚生労働省として、経験豊かなアドバイザーの方を選任する、これは、民間企業あるいは就労支援機関で豊富な支援経験を有している方をアドバイザーとして選任をさせていただきまして、障害者が活躍できる具体的な業務の選定であるとか働きやすい職場環境づくりについて、各府省に対してその実情に応じた専門的な助言を行うという体制を整備をいたしますとともに、各府省における取組といたしまして、障害者雇用を進めていく実務責任者を配置をすること、あるいは、セミナーや講習会を受講していただくことを通じて、人事担当の方や障害のある方と一緒に働く同僚、上司の障害に対する、あるいは障害者雇用に対する理解の促進を図っていくこと、そしてまた、働く障害をお持ちの方御本人からの相談を受け付ける相談員の配置をしていくことなどを通じて必要な職場環境の整備を行ってまいりたいというふうに考えております。
 厚生労働省としては、このような取組を最大限支援又は協力をしていくことによりまして、障害をお持ちの方が活躍できる場を拡大していきたいと考えております。
#27
○小川克巳君 ありがとうございます。
 専門アドバイザーについては九人の方がおられるというふうに伺っております。この九人の方々の属性等をここにいただいておりますけれども、これは特定の資格とかなんとかってお持ちじゃない方なのかなというふうに思いますけれども、ただ、この九人の専門アドバイザーの方々が各府省に出向いて指導をする、あるいは相談を受けるというふうな体制だと伺っております。数ある府省に対してこの九人で足りるのかというふうな思いもありますし、個別の障害者雇用、これはもうカスタムメードというかオーダーメードの環境づくりをしないと全く役に立たない環境なんですね。その就労が定着できるかできないかというのは、この環境づくりと障害とのマッチングというのは非常に大事だというふうに思っております。
 そうした手厚いフォローがあって初めてこの就労支援というのが推進されていくというふうに考えておりますけれども、専門職、障害をしっかりと認識している専門職だとかの介在とかという点については考えていらっしゃらないのか。お尋ねについてはお答えは求めませんけれども、改めて、もう少しきめの細かい対応、本気で障害者就労に取り組むのであればそれなりのしっかりした仕組みを考えないと、頭の中で、絵柄だけで考えているとこれは進まないというふうに考えますので、是非実効性のある仕組みをもう一度御検討いただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。
 次の問題ですけれども、女性が働きやすい環境づくりについてお伺いしたいと思います。
 特に、医療や介護等の業界では、女性の就労比率が高く、女性の心身の特性等を踏まえた働き方についての検討が各方面で進む中、医学部入試における女子差別問題等、何ともあきれる実態が現存していることに驚きました。これのみに限らず、就労現場での女性の働きにくさには想像を超えるものがあるということを感じています。
 先日の三連休の初日に、産み育てやすい社会をつくるために私たちができることと題して、これはもう厚労省の後援をいただいて開催されたものですけれども、リハMAPという団体、MAPというのはママ・アンド・パパということのようですけれども、リハMAPという団体が十周年記念シンポジウムを開きました。このシンポジストには、女性医師の池田裕美枝さんを始め、不妊カウンセラーの看護師さん、放課後デイサービス経営者の作業療法士、この方は男性ですけれども、そして小児療育や産後のリハに関わるなど様々なキャリアを有する理学療法士三名の、六人によるシンポジウムでした。フロアからも活発な意見が飛び出して活況を呈していたわけですが、上司に妊娠したという報告ができないというような発言が出たときに、会場は大きなため息に包まれました。妊娠は罪なのか、私は悪いことをしたのかと、ついそう思ってしまう、そんな現状があるということが訴えられ、私も、驚きとともにやるせない気持ちになりました。
 先日の委員会で薬師寺委員からも御指摘があった妊婦加算なども、全く流れに逆行していると私も思います。様々な問題がある中で関連省庁も御苦労なさっておられるとは承知しますが、せっかくの仕組みや制度が、単なる言葉だけにとどまらず、実効性のあるものにしていただければというふうに願っています。
 つきましては、女性の働き方改革など、女性の社会参画を推進するための方策などについて、その具体的な対応をお伺いします。あわせて、かねてより女性医療職の働き方について精力的に取り組んでこられた高階副大臣から、夢や希望を持てるお考えを是非お伺いしたいと思っております。
 よろしくお願いします。
#28
○政府参考人(小林洋司君) 初めに、私の方から事務的なお答えをさせていただきます。
 女性が能力を十分発揮し続けられるような職場環境を整備する観点から、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法におきまして、妊娠、出産、育児休業等を理由とする不利益取扱いを法律で禁止しております。また、妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントに対する防止措置を事業主に義務付けております。その履行を確保するため、都道府県労働局におきましては、労働者からの相談を受け付けるとともに、法違反に対する是正指導や労使の紛争解決の援助を行っているところでございます。また、女性の職業生活におけます活躍を推進するため、女性活躍推進法に基づきまして、企業における行動計画の策定、公表を進めておりますが、その対象範囲の拡大について、現在、労働政策審議会で御議論をいただいておるところでございます。
 今後とも、こうした関係法の履行確保を進めることや取組の充実を図ることによりまして、女性の就業環境の整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#29
○副大臣(高階恵美子君) 小川委員から大変重要な論点をお示しいただきました。
 我が国は、二〇一三年から女性活躍の推進を成長戦略の中核に据えまして様々な環境整備を進めてまいっておりますが、今ほど、夢と希望をという御指摘いただきました。生涯を通じた女性に特有の心身、社会的な健康課題、ここに着目をしつつ、労働面、教育面にも視野を広げて、そして、存分に自分らしさを発揮していただくには、更なる分野横断型の女性政策を強化充実していくことが求められていると考えております。
 委員がお話しなさいましたとおり、妊娠、出産というイベントのみならず、女性の人生を見通したライフデザインが描けるような優れたモデルも必要になるのではないかなと考えています。その点で、医療福祉職というのは我が国で女性比率が高い職種でもありまして、全体を平均しますと七七%ぐらいが女性で占められているんですね。もちろん職種ごとの差異はありますけれども、これは、女性の経済活動が先進的に進んでいる我が国の分野でもあると言えると思います。
 この分野でのお知恵を、しっかり現場の声をいただきながら、これからの分野横断的な女性政策、そして実効性の高い働き方改革を進めていきたいと思いますので、委員の皆様にもいろいろ御助言いただければと思います。
#30
○小川克巳君 ありがとうございました。
 これで夢を持てるといいんですけれども、女性に求められる役割というのは今非常にキーと思っていまして、一方では一億総活躍、女性が輝く社会づくりって、結局、労働力としての女性を期待している部分もあるし、一方ではやっぱり少子化に対応する鍵を握っているというのも女性であるというふうなことで、どちらかといえば相反するようなその二つの要件が求められているというふうなことでなかなか大変な時代だなというふうに思いますが、その二つが実現できる方策もあろうかと思いますので、是非早く、早い段階でその辺りのことに、解決といいますか光を差していただければというふうに考えております。これは根本大臣にも率先してよろしくお願いいたします。
 済みません、もう一つ最後にお願いしたいんですが、訪問看護や訪問リハなど、在宅支援事業による看護訪問時に駐車違反で検挙されて、事業実施に難渋しているという声が上がっています。当該車両の一時的な駐車について、違反適用を緩和するなど何らかの方策は考えられないんでしょうか。今後は、在宅介護のみならず在宅医療が強力に推進される中にあって、この問題は、在宅医療に積極的に取り組もうとする医療施設や居宅支援事業者等にとっては事業展開の大きな障害となり得るというふうに考えています。
 先日、レクの中で、平成二十六年にこうしたことに対する通達が出ているというふうにお伺いしました。私、不勉強でその辺り知りませんで、多くの事業者がまた私のところにそういったことの相談を寄せるということで、周知度がやっぱりもう少し足りないのかなというふうにも思います。
 改めて、啓発の意味も含めて御答弁をお願いしたいと思います。
#31
○政府参考人(高田陽介君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、訪問看護や訪問リハビリテーション等に使用する車両が、訪問先に駐車場所がないために駐車禁止場所に駐車せざるを得ない場合があることは承知しております。このような場合には、状況に応じて警察署長の駐車許可を受けることが可能となっております。そして、訪問看護等における駐車許可については、こうした業務の実情に鑑み、一つの許可で一定の期間、複数の場所に対応できるよう手続の簡素化、柔軟化を図り、申請者の負担軽減に努めております。
 警察としては、引き続き、訪問看護等の必要性と道路交通の安全、円滑の両面に配慮しながらきめ細やかな対応に努めるとともに、委員今おっしゃいました通達に関しまして、こうした制度の更なる周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
#32
○小川克巳君 ありがとうございます。是非周知をよろしくお願いいたします。
 ここまで御答弁いただきました高田審議官それから土屋局長につきましては、御退席いただいて結構です。どうもありがとうございます。
#33
○委員長(石田昌宏君) 御退席されて結構です。
#34
○小川克巳君 では、本題の水道法の一部改正案につきましてお尋ねをいたします。
 この水道法の今回の改正につきましては、全般、総論的に申し上げれば、私も特段問題にすることは余りないかなというふうには思いますが、ただ、官民連携の推進につきましては、これまでも大きな議論になっておりますし、読み込めば読み込むほどちょっと理解不能なところも出てくるというところで、もう一度具体的なところで御説明をお願いしたいというふうに思います。先ほど宮島委員の方からもかなり突っ込んだお話がなされておりまして、一部重複するかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。
 まず、コンセッション方式を導入する、これに至った経緯、それからその必然性、これは選択肢の一つとして一応提示をされているというふうには承知しておりますが、そうした経緯と必然性について説明をお願いいたします。
#35
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道施設の老朽化や人口減少による料金収入の減少など、水道の事業基盤の急速な悪化が懸念される中で、コンセッション方式を始め民間企業の技術や経営ノウハウ等を活用できる官民連携は、その有効な対応策の一つであると考えております。
 コンセッション方式につきましては、現行のPFI法においても水道事業に導入することは可能でございます。現行制度では、地方自治体が水道事業の認可を返上した上で民間事業者が新たに認可を受けることが必要という形となってございます。これに対しまして、地方自治体から、不測のリスク発生時には地方自治体が責任を負えるよう、水道事業の認可を残したまま運営権の設定を可能としてほしいという御要望があったところでございます。そのため、地方自治体が引き続き水道事業者としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣の許可を受けることにより民間事業者に運営権を設定できる制度を設けることとしたところでございます。
 この際、コンセッション方式が官民連携の有効な選択肢の一つとなりますように、海外の先行事例等の教訓を踏まえまして、安定性、安全性、持続性の確保に十分留意した制度を整備するということでございます。
#36
○小川克巳君 ありがとうございます。
 次の質問ですけれども、運営権を民間事業者に設定をする、そもそもこの水道事業に関してはかなり収支が悪化しているということがベースにあるというふうにされておりますけれども、この不採算部門に民間業者が参入するのかというふうなことが素朴な疑問として出てくるわけですが、その点についてのお考えを伺います。
#37
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 過疎地域など事業の採算性が悪い地域であっても、例えば複数の地域を対象にコンセッション方式の導入を図ることにより、スケールメリットを生かしつつ民間事業者がその技術や経営ノウハウによって効率的に事業を実施することで、民間事業者が参入できる余地が生まれる可能性はあると考えております。具体的には、奈良県において、中山間地域にあります三つの自治体で検討例があるというふうに承知しております。
 なお、このコンセッション事業者の選定に当たりましては、事業の検討段階において幅広く民間企業の投資意向調査を行うことや、公募手続において官民対話を実施することで複数の民間の候補者と情報共有や意見交換を行いながらその選定を行うこととなっておりまして、民間事業者はそうした選定過程の中でメリットを見出した場合には参入するというふうに考えております。
#38
○小川克巳君 十分民間企業が営利企業として経営が成立する、大規模化、特に大規模化することによって、広域化と言い換えてもいいかと思いますが、そういうことで成立をするというふうにお考えだというふうに理解します。それでよろしいですか。
#39
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今御答弁申し上げましたように、そういうところを検討されてメリットがあるということであれば参入する可能性があるというふうに考えているところでございます。
#40
○小川克巳君 ありがとうございました。
 では、運営権者は設定された運営権の範囲で水道施設を運営するというふうに記載をされております。この運営権の範囲というのは具体的にどういったことを含むのかという点についてお伺いします。
#41
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式を導入しようとする地方自治体は、PFI法に基づきましてコンセッション事業者の選定手続等の枠組みを規定する実施方針に関する条例を制定し、より詳細なものとして実施方針を策定いたしますとともに、コンセッション事業者が具体的に行う事業を選定することとされておりまして、これらによって運営権の範囲が定められます。
 具体的には、施設の更新や大規模修繕、増築等の施設の整備に関する業務、施設の運転管理、点検、水質検査等の施設の管理に関する業務、料金の設定、収受、利用者の窓口対応等の営業・サービスに関する業務、災害、事故等への対応等の危機管理に関する業務等について、コンセッション事業者に委ねる業務の範囲が定められるというところでございます。
 個々の事例における業務の範囲につきましては、水道事業者たる地方自治体とコンセッション事業者との間の個々の実施契約によって個別具体的に定められることとなります。
#42
○小川克巳君 ありがとうございます。
 その中でちょっとやっぱり気になるのは、料金の設定についてということでございます。いろいろなところでも今回指摘されておりますけれども、民間企業が入ることによって水道料金の高騰リスクというのは上がるんじゃないかというふうなことで指摘をされております。この辺りについてはどういうふうに考え、どういうふうにその対応をしようとしているのか、その辺についてお伺いします。
#43
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道料金の高騰に対しての御懸念の御指摘がございましたが、水道料金につきましては、コンセッション方式を導入する場合、まず、PFI法に基づいて地方自治体において、施設整備を含む業務の範囲、サービスの水準、料金などの枠組みを事前に条例等で定めますとともに、今般の水道法改正法案によりまして、厚生労働大臣が、施設整備も含め、確実性及び合理性のある計画となっていること、原価を適切に算定して料金を設定していることなどを確認した上で認可をすることとしております。
 加えて、事業の開始後につきましては、PFI法に基づいて地方自治体においてコンセッション事業者に対して業務の実施状況等に関する報告徴収や実地調査を行いますとともに、今般の水道法改正法案に基づきまして、厚生労働省がコンセッション事業者に対する報告徴収、立入検査等を実施することとしております。
 このように、今回の水道法改正法案におきましては、水道料金が高騰していくことがないような仕組みとしているところでございます。
#44
○小川克巳君 今お答えいただきました、いわゆる地方公共団体は運営権者が設定する水道施設の利用料金の範囲等を事前に条例で定める、こういうふうなことになっておりますが、水道料金算定について、能率的な経営の下における適正な原価に照らし、健全な経営を確保することができる公正妥当なものであること、また、料金が定率又は定額をもって明確に定められていることなどというふうにされております。
 この点につきまして、今改定で「健全な経営を確保することができる」というふうな句が挿入されておりますが、この狙いは何なのかといったことをお尋ねしたいと思います。見方によっては水道料金の大幅値上げによる赤字の解消と収益の確保の容認というふうに、うがった見方をすれば読めなくもないというふうに思っております。
#45
○政府参考人(宮嵜雅則君) 水道料金につきましては、現行法におきましても、水道事業を将来的に継続させるための資産維持費等も含め、供給サービス提供に必要な総括原価に基づき設定することとされております。しかしながら、全国の水道事業者の中には給水原価を供給単価が上回っている、いわゆる原価割れを起こしている事業も一部存在するところでございます。このような背景から、今般の改正におきましては、既存の水道施設を将来に向かって維持することの重要性に鑑みまして、能率的な経営の下における適正な原価に照らし公平妥当なものであることとされている現行規定に、健全な経営を確保することができることを入念的に明示したものでございます。
#46
○小川克巳君 何をもって能率的経営、公正妥当というふうに判断するのかという議論が一つ残るかなという気がしますが、企業会計等で何%であれば損益の、いわゆる損をしない経営を維持することができるというふうな営利企業の基準があるのかなというふうには思いますけれども、その辺りの上限額等ですね、そういったものの条件などがありますでしょうか。
#47
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業の経営に当たりましては、長期的な視野に立った計画的な資産管理、いわゆるアセットマネジメントを求めることによりまして、水道事業者が自ら必要な更新費用等を原価に積みつつ適切な料金設定をすることが必要と考えております。
 その上で、今般の制度改正におきますコンセッション方式の導入に当たりましては、料金につきましては、先ほども申し上げましたPFI法に基づいて地方自治体が事前に条例で基本的な料金の枠組みを定めますとともに、今般の水道法改正法案で厚生労働大臣も原価を適切に算定して料金を設定していることを確認して許可することとしております。
 料金が適切に設定されているか否かにつきましては、例えば、コンセッション事業の維持管理予定総額及びその算定根拠、その調達方法、あるいは負債の元利金の償還計画などが確実かつ合理的かについて審査を行うということを考えておりまして、今後、省令やガイドラインにおいて許可基準に関する技術的細目や留意事項等を示してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#48
○小川克巳君 ありがとうございます。
 モニタリング等、いわゆる監視体制といいますのはかなりきめ細かにやっていく必要があるのかなというふうに思っております。一応そういった体制もしっかりと組まれているというふうには理解をしますけれども、実際にそれが運用されているのかいないのかといったことについて、それを取り仕切る国としてはしっかりと目配りをしていただきたいというふうに考えておりますが。
 そもそも、設備の老朽化等に関しましては、もう敷設の時点で、結局大型修繕というのは、マンションなんかでもそうですけれども、新築時点でそういった計画立てるわけですよね。それがきちんと計画にのっとってされなかったということなども含めて、少し対応が甘過ぎるかなという気もちょっとしておりますので、是非そこら辺、運営権を設定する民間事業者にしっかりその点を周知をしていただきたいというふうに考えております。
 それから次ですけれども、地方公共団体は運営権者の監視、監督を行うということで、具体的に、経営状況、サービスの状況、料金設定、水質管理、施設維持、更新計画の実施状況、今お答えいただいたとおりですけれども、そういった監視、監督をどのように、具体的にどのように行うのかといったことを想定されているのか、その内容についてお伺いをしたいと思いますが、これはいずれにしましても経費を伴う行動であろうと思います。その支出を考えても民間に設定することがいいというメリットがあるというふうにお考えなのかどうか、もし数値等で示されるようなことがありましたら教えていただきたいと思います。
#49
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式を導入する場合、地方自治体は、施設の運転データや水質データ等に関する日報とか、あるいは財務状況などにつきましては、四半期とか年度で定期的に報告を求めるとともに、必要に応じてコンセッション事業者の業務の実施状況を抜き打ちで検査することなどによりまして、コンセッション事業者の業務、経理の実施状況等が適正に実施されていることをモニタリングすることを考えております。
 なお、厚生労働省といたしましては、地方自治体のモニタリング体制等を確認した上で国が許可するとともに、国がコンセッション事業者に対して報告徴収、立入検査を行うということとしております。
 また、官民連携の選択肢の一つでございますこのコンセッション方式は、モニタリングに係る費用も含め、導入に係る費用と比べ住民サービスの向上や業務効率等のメリットが大きいと判断した自治体のみが導入するというもので、メリットがあるというよりはメリットがあると判断した自治体が導入すると、あくまでも選択肢の一つとして提供をしているものでございます。
#50
○小川克巳君 分かりました。
 では、次ですけれども、運営権を設定する対象ですが、この民間事業者には外資系企業は含まれるのかという点でございます。仮に含まれるとした場合の指定基準は国内民間企業と同等と考えてよいかということをちょっと確認させていただきたいと思いますが、これにつきましては、一部で、要するに命に関わる水というものが海外の企業の手に握られてしまうことに対する懸念の声が上がっているということを踏まえてお尋ねをしたいということでございます。
#51
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御懸念お示しございましたが、コンセッション方式における外国企業の参入につきましては、PFI法では、コンセッション事業者の選定については公募の方法等により選定することを基本としておりまして、欠格事由に該当しない限りは外国企業が応募することに制約はございません。したがって、運営権を設定する対象に外国企業は含まれ、その参入条件につきましても国内民間企業と同等でございます。
#52
○小川克巳君 ありがとうございました。
 次ですけれども、運営権の設定に当たりましては、運営権対価、コンセッションフィーを算定し、設定を受けた民間事業者はこれを通常一括で地方公共団体に支払うこととされています。これにつきまして、厚労省の方ではどういうふうに想定あるいは考えておられるのか、その点についてお伺いをいたします。
#53
○政府参考人(宮嵜雅則君) コンセッション事業者の選定に当たりましては、事業の検討段階において幅広く民間企業の投資意向調査を行うことや公募手続において官民対話を実施することで、複数の民間候補者と情報共有や意見を交換しながらその選定を行うこととなっておりますが、民間事業者はそうした選定過程の中で提示された公募条件等を勘案しながら運営権対価を算定することとなります。
 内閣府の公共施設等運営権及び公共施設等運営事業に関するガイドラインにおきましては、運営権対価の算出に当たっては、運営権者が将来得られるであろうと見込む事業収入から事業の実施に要する支出を控除したものを現在価値に割り戻したものを基本とするとされているところでございます。このように算出された運営権対価につきまして、地方自治体の方におきましてその妥当性等を判断することになると考えております。
#54
○小川克巳君 ありがとうございます。
 今回、水道事業の民営化、運営権を設定するという法案の改正につきまして、心配される点が、先ほど申し上げました水道料金が高騰するのではないかという点と、それから災害時の対応、そしてもう一つは経営破綻等による再公営化ということ、この三点だろうというふうに認識をしております。
 そうした中で、次の二番目の、災害時のリスクといいますか災害時の対応について、特に事業者と自治体の責務を中心に分かりやすく説明をしていただきたいと思いますが、このことによる損害については基本的に所有権者たる市町村が負うというふうに理解してよろしいかということについてお願いいたします。
#55
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式につきまして、今回の水道法改正法案におきましては、水道法に基づく許可を有する水道事業者は地方自治体のままとしておりまして、これまでと変わりございません。このため、災害時の対応につきましては、地方自治体が事業の最終的な責任を負った上で進めることとなります。
 その上で、災害時の対応についてどこまでを民間企業に委ねるかは、あらかじめPFI法に基づく実施方針及び実施契約で決めることとなります。このため、契約で義務付けることにより、断水、漏水した場合の復旧や給水車による応急給水などのほか、他の水道事業者が被災した場合の応援を民間事業者に行わせることも可能でございます。
 また、災害等の非常時における当面の事業継続の措置を講じるための費用についても、PFI法に基づく実施方針及び実施契約の枠組みに従い負担することとなります。
 今回の水道法改正法案におきましては、コンセッション方式を導入するに当たり、水道事業者である地方自治体は、災害時の、非常時における当面の事業継続のための措置をあらかじめ定めることが求められておりまして、厚生労働大臣がその措置について確認した上で許可を与えることとしております。
#56
○小川克巳君 ありがとうございます。
 次の質問ですけれども、再公営化について、その可能性、まあ言及するのは難しいかと思いますが、再公営化の可能性とその対応についてお伺いをしたいと思います。
 再公営化という事態を招かないためにとられる措置を、現に再公営化した都市における制度との相違点を踏まえて御説明をいただきたいと思います。フランス・パリなんかではもう再公営化、まあ幾つかの都市では再公営化はされているというふうに聞き及んでおります。そうしたところと今回の仕組みの違い等について御説明をお願いします。
#57
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘のありましたパリ市等の海外の再公営化事例における問題点といたしましては、一つには、民間事業者に求める水道施設の管理運営レベルや設備投資の内容が不明確であり、管理運営レベルの低下や設備投資の不履行が発生したケース、あるいは、料金の設定方法が不明確であり、料金が高騰したものがあるというふうに承知しております。
 これらを踏まえまして、サービス水準につきましては、まず、PFI法に基づき、地方自治体があらかじめサービス水準を定め、地方自治体によるモニタリングにより早期に問題を指摘、改善を行うことに加えまして、今般の水道法改正法案によりまして、厚生労働大臣が地方自治体のモニタリング体制を確認した上で許可することとしております。さらに、厚生労働省が直接コンセッション事業者に報告徴収、立入検査を行うこととしております。
 水道料金につきましては、これもPFI法に基づき、地方自治体が事前に条例で料金の枠組みを定めることに加えまして、今回の水道法改正案によりまして、厚生労働大臣も適切な水道料金設定であることを確認して許可することとしております。
 このように、海外での先行事例の教訓を踏まえ、事業の安定性、安全性、持続性の確保に十分留意した制度になっているというふうに考えております。
#58
○小川克巳君 ありがとうございます。
 一応三つ、先ほど挙げました三つのリスクについてはそれぞれの措置がなされているということで理解をいたします。
 計画どおりにいくというふうに私も信じたいなと思いますが、是非、監視あるいはモニタリング、そこら辺につきましてはしっかりと体制を取っていただきたいというふうに思います。
 多くの水道事業が小規模で脆弱である現状を踏まえて、本改正案で改善できるという明確な根拠等がありましたらお尋ねしたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
#59
○国務大臣(根本匠君) もう委員が既に御指摘のように、水道事業、市町村単位で経営されておりますから、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱でありますので、基盤強化のためには広域連携を進める必要があると考えています。そのため、都道府県には、市町村を超えた広域的な見地から水道事業者の間の調整を行って広域連携の推進役を担っていただきたいと考えています。
 具体的には、今回の改正法、都道府県に対して、広域連携を推進するよう努めなければならないとする責務を設けました。都道府県は広域連携に向けた協議を行う協議会を設置することができる、そして、都道府県は国が策定する基盤強化の基本方針に基づいて水道基盤強化計画を定めることができるとしております。このような枠組みを用いて都道府県には市町村の水道事業者同士の調整を進めていただきたいと考えております。これが広域連携の観点からの対応ですが。
 もう一つは、これは私も非常に大事だなと思っているんですが、小規模な水道事業者が非常に多いので、水道事業における資産管理、これが大事だろうと思います。長期的な視点からの水道施設の計画的な更新や、その費用を含む事業収支の見通しの作成、公表に関する努力義務を新たに設けることにしております。あるいは、資産台帳もしっかり整備してくださいと。
 こういうことで、先ほど委員からも、何か余り将来見越していなかったんじゃないかという趣旨の御発言がありました。まさにこういう取組によって、水道事業者などが中長期的な観点から必要な財源を確保した上で施設の更新や耐震化を着実に進めていくことができるようになるものと思っております。このような広域連携や適切な資産管理、この取組を推進することによって、小規模で脆弱な水道事業体を含め、水道の基盤強化につながるよう取り組んでいきたいと思います。
#60
○小川克巳君 どうもありがとうございました。もう二つほどお尋ねをしたかったんですが、お時間参りましたので終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#61
○河野義博君 公明党の河野義博です。
 全国津々浦々どこに行っても蛇口をひねると透明な水が出てきまして、それが飲めて、しかも安いといった国というのは、私は前職時代いろんな国で仕事させていただきましたけど余り経験したことがないことでありまして、長年にわたりまして安心、安全の水道水を供給していただいております水道事業者、また、並びにそれを支えてこられました民間企業の方々に、まず心より感謝と御礼を申し上げたいというふうに思います。
 この質問に当たって、様々いろんなところからヒアリングをさせていただいて関わる方々のお話伺いましたが、皆口々に、ペットボトルの水は買わないと言っていました。皆さん自信を持って水道の水を飲んでおられる、喜々としてそういうことをおっしゃっていたのが印象深く感じております。
 一方で、水道管路の老朽化対策、耐震化率の向上、そして水道料金の適正化というのは直近する大きな課題でありまして、それに対応する必要がございます。その点から、都道府県を推進役として広域化を進めるということ、それから各々事業者の資産管理をしっかりと強化していくということ、官民連携を進めやすくするということ、そして指定供給事業者の指定に関して更新制度を導入するという、いずれも大変重要な取組でありまして、私はこの中身にもちろん賛成をしております。早期に成立させるべきだというふうに思っております。その上で個別の質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、大臣に、予算関連、伺います。
 我が国の水道普及率九八%でございますけれども、施設というのは多くは昭和五十年前後をピークに整備をされておりまして、配水管の法定耐用年数四十年ということを考えますと、施設の多くは耐用年数を迎えております。これまでの審議の中でも、これまでの大地震、例えば熊本地震や大阪北部地震における水道被害のことが取り上げられ、また、水道施設の老朽化対策並びに耐震化対策というのが注目されてあります。また、この度、この夏の西日本豪雨災害におきましても、飲料水の確保というのは大変重要な課題になっているわけであります。
 老朽化した施設の更新には莫大な工事費が必要となりますけれども、水道事業者は、人口減少とそれから節水意識の向上に伴いまして供給収益がそもそも減っている。十分な財源が確保できておりません。そのため、国からの財政支援はまさに不可欠でありますけれども、国の補助金というのは平成二十一年一千三十四億円ありましたが、平成二十三年には四百十六億円まで減額をされております。これによって、全国どこに行ってもいつでも蛇口をひねれば安心して安全な水を飲むことができる世界に誇る我が国の水道事業は危機的な状況になってしまっております。この状況を打開するため、私ども公明党では、政務調査会に水道事業促進委員会を設置をいたしました。また、党内に、上水道・簡易水道問題議員懇話会を立ち上げて、補助金の確保、それから水道事業の維持向上に努めてきたわけであります。
 水道施設の耐震化が進まない大きな原因の一つは、施設整備費の要望額に対し、需要の額が圧倒的に不足しております。水道事業は、上水道、配水管等、膨大な固定資産を有する装置産業であります。老朽化した水道施設の再構築には国の補助金は必要不可欠です。
 水道予算の確保の第一歩は、まずは厚生労働省内での位置付けにあるというふうに考えますけれども、予算確保に対する大臣の決意をお聞かせください。
#62
○国務大臣(根本匠君) 今の水道事業の抱える課題、あるいはライフラインである水道の強靱化の必要性、今委員がきちんと問題点や課題を指摘していただきました。我々も、やはり水道というのはライフラインですから、この水道の基盤をしっかり強化する、あるいは強靱化を進める、これは本当に必要な大切な課題だと私も思っております。
 このため、今般の改正法案の早期の成立をお願いしたいと考えておりますが、お尋ねの予算についても、引き続き厳しい財政状況ではありますが、今までの水道予算がずっと減ってきたのを、当初のじわじわと回復した、あるいは新たに非公共で生活基盤施設耐震化等交付金、こういうものも新たに考えて、そして補正も対応しながら、我々必要な予算を確保に努めてまいりましたが、これからも水道、ライフラインの重要性に鑑みて、しっかりと予算の獲得に全力を挙げて取り組みたいと思います。
#63
○河野義博君 全力を挙げて取り組むという力強い御答弁をいただきました。与党としても応援を是非ともしていきたいというふうに思います。
 続きまして、人材確保の観点であります。広域化を進めるということは非常に大事な観点でありまして、公共事業といいますと、電気、ガス、水道というのが真っ先に思い付きますが、電力でいいますと、電力の日本国内全部の売上げというのは十七兆円。それに対して、従来は全国十社でそれを担ってきたわけであります。民営化がされ、新規参入が、まあ民営化といいますか、電力改革によって新規参入が認められた、今なおこの十七兆円は五百三十社で担っているということです。
 それから、都市ガスは三兆円マーケットですが、従来はこれ二百三社でやっていました。新規参入が進む今、千三百六十五社になっておりますが、それぐらいの規模感で公共事業というのはやってきた。一方で、水道はどうかというと、二兆円産業の中で七千社、上水道、簡易水道合わせて七千社でやってきた。これだけ見ても、いかに効率化が進んでこなかったかということは明らかなんであろうというふうに思います。
 そういった観点からしてみても、広域化というのは喫緊の課題で、進めていくべき課題でありますし、この法案改正の趣旨に沿うものだと思いますけれども、一方で、人材はどうか。水道事業者には財政的な基盤の脆弱性に加えまして、職員の減少というのも大きな課題であります。平成十六年の水道ビジョン、それから二十五年の新水道ビジョンによりまして、水道事業者同士の事業統合などの広域化の取組が図られてきたわけでありますけれども、水道ビジョンが策定された平成十六年以降に広域化を行った水道事業者は約二割にとどまっているわけであります。
 こうした中、平成二十七年、水道事業基盤強化方策検討会で示された方向性を踏まえまして、水道事業の維持・向上に関する専門委員会が設置され、そして二十八年には専門委員会の報告書が取りまとめられました。この報告書に基づき、この度の水道法改正に至ったわけでありますけれども、ここに示された改革の案には、水道事業者だけにとどまらず水道工事関係者が待ち望んできたものでありまして、本日の審議は各所が注目している審議でございます。
 現行法におきましても計画的整備は含まれておりまして、水道事業の基盤強化の必要性というのは以前から指摘し続けられてきたことでありますけれども、先ほど述べましたように、広域化の取組はいまだ二割ということであります。
 今後、広域化を進めるに当たりまして、都道府県の役割を明確化するということになっています。都道府県は、市町村の実情を熟知しておりまして、広域災害が発生しても水道復旧に果たす役割は大きい。
 そこで、法律案では、都道府県に協議会の設置、また水道基盤強化計画の作成が求められております。しかし、水道事業は、市町村を中心に従来運営されてまいりました。都道府県には、水道行政に精通した人材が不十分ではないかという不安の声もあるわけであります。今後、広域連携の推進に当たって、都道府県の人材、どのように確保していくおつもりか、御所見をお聞かせください。
#64
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からも御指摘ございましたが、水道事業者は主に市町村単位で経営されておりまして、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であります。こうした現状を踏まえ、都道府県には、市町村を超えた広域的な見地から水道事業者等の間の調整を行い、広域連携の推進役を担っていただきたいと考えております。
 都道府県では、これまでも、給水人口の比較的少ない水道事業者については水道法に基づく事業認可や立入検査等の事務を行ってきているほか、都道府県の中には水道用水供給事業を行っているものもございます。こうした事務や事業における経験や人材を活用していただきますとともに、厚生労働省といたしましても、例えば、平成二十五年度から全国で実施している水道の基盤強化のための地域懇談会、これは水道事業者の方や都道府県それから厚生労働省が構成員ですけれども、の場を通じて、広域連携を進めるための知見や調整のノウハウを提供するなどによりまして、都道府県の人材確保を支援してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#65
○河野義博君 関係者から話を聞きますと、やはり、いる県もあれば、いない県もあると。県の取組の濃淡によってやっぱり人材というのはばらつきがあるようでありますので、しっかりと国としてもサポートしていただきたいというふうに思います。
 次に、水道ビジョンと広域計画に関して伺います。
 都道府県の役割は重要になってまいりますけれども、住民に必要な水の確保というのは最も身近な行政である市町村が担ってまいりました。水道事業は、国、都道府県、市町村の役割が重層的になっておりまして、複雑化しております。
 改正案ではそれぞれの責務を明確するということで、これは大きな一歩だと思いますけれども、現行の広域的水道整備計画に関する規定、改正案ではこれは削除され、新たに基本方針並びに水道基盤強化計画を、関する規定を設けることにしております。
 現状では、厚労省が推奨する都道府県水道ビジョンの策定、これは十八道府県でしか作成されていないわけでありますけれども、今後これをどのように進めるつもりなのか。また、既に策定されたこれまでの広域的水道整備計画の位置付け、これはどういったものになるのか、教えてください。
#66
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 広域連携を推進していくためには、まず、関係者が全国の優良事例や地域における課題を共有することが重要であると考えております。
 このことから、今般の水道法改正法案におきましては、都道府県に対しまして、広域連携の推進役としての責務に加えまして、今委員からもお話がありました水道基盤強化計画の策定、広域的連携等推進協議会の設置を法的に位置付けることとしております。この協議会を活用して関係者による議論をスタートさせることにより、広域連携の検討を一層進めることが期待できると考えております。
 厚生労働省におきましては、全ての都道府県が水道の基盤強化に向けて必要な広域連携に取り組めるように、地域ブロックごとの説明会等の開催、都道府県による広域連携の事例の紹介、水道基盤強化計画の策定の支援等を行うとともに、引き続き必要な財政支援を行うことによりまして、広域連携を推進してまいりたいと考えております。
 なお、広域的水道整備計画は水道の拡張整備を前提としたものでございまして、水道の普及率が約九八%となる一方で、水道施設の老朽化や人口減少に伴う料金収入の減少などの状況の変化を踏まえまして、広域連携を含む水道基盤強化計画に改正したものでございます。このため、都道府県には、改めて広域連携を含む水道基盤強化計画を作成していただくことになると考えております。
#67
○河野義博君 人の問題、お金の問題、そしてやっぱり中身が大事であります。この後押しをしていただけるということでありました。きめ細やかに、都道府県のレベル感が大分違うようではありますので、しっかりと底上げを含めてお願いしたいというふうに思います。
 次に、総務省に来ていただいています。税制に関しまして、広域連携を推進するために見直してもらいたいという税制二つありまして、一つは、簡易水道事業統合に伴う高料金対策の激変緩和措置であります。
 上水道事業と簡易水道事業の高料金対策の算定方法というのが異なりますために、平成二十七年度から、これらの統合によって高料金対策の額が統合前に比べて算定される額を下回る場合、統合後六年から十年目までで段階的に減少させていくという激変緩和措置が取られております。その一方で、上水道事業者の統合の場合には地方財政措置がない、簡易水道と上水道が合併するときにはできるんだけれども、上水道同士ではこの措置がないわけであります。
 今後、上水道同士も合併していくという方向性に国は後押ししているわけであります。水道事業施設の建設改良費は年々コストが上がっていく中で、人口減少によりまして料金収入は減っております。この状況の下で、小規模な上水道事業者同士が統合してもすぐにメリットを出しづらいということで、広域連携進まないという背景もございます。
 現行の地方財政措置を全ての上水道事業者同士の統合の場合にも適用できるようにしていただきたいと考えますが、方針をお聞かせください。
#68
○政府参考人(沖部望君) お答え申し上げます。
 簡易水道事業の統合に伴う高料金対策の激変緩和措置につきましては、簡易水道事業の統合を促進する観点から、施設の統廃合等による統合の効果が発現するまでには一定の期間が必要であることを踏まえまして措置を講じているところでございます。
 水道事業を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、上水道事業におきましても経営基盤を強化する観点から、広域化の取組を積極的に推進する必要性が高まってきていると認識しております。こうした中、広域化を始め水道事業の持続的な経営を確保するための方策を検討するため、本年、水道財政のあり方に関する研究会を開催しており、最終報告が年内に予定されているところでございます。
 研究会の最終報告も踏まえまして、ただいま委員からの御指摘の点も含めまして、広域化の更なる推進方策を検討してまいりたいと考えております。
#69
○河野義博君 検討していくということですが、これ、やるということですよね。
#70
○政府参考人(沖部望君) お答え申し上げます。
 しっかりと検討してまいりたいと考えております。
#71
○河野義博君 もう一問ありますので。もう一つは、今年度で終わります上水事業の安全化対策、水道管路の耐震化であります。
 耐震化事業は厚労省の補助金確保があって成り立ってはおりますけれども、その上で、管路の耐震化事業は一般会計出資債の元利金償還、これは二分の一が交付税措置されておりまして、水道事業者は起債を主な財源として施設の整備拡充を行ってまいりました。その元利金償還は水道事業によって大きな負担になってしまうわけでございますが、この措置、いずれも平成三十年度までとなっていますが、水道事業の健全経営のためには今後ともこれは必要だというふうに考えますけれども、来年度以降、方針を教えてください。
#72
○政府参考人(沖部望君) お答え申し上げます。
 水道は住民生活に必要不可欠なライフラインであることから、水道施設の災害対策を推進するため、管路等の耐震化事業を対象とした地方財政措置を講じてきたところでございます。近年の災害におきまして水道施設が大きな被害を受け長期間の断水するケース等が生じたことなどを踏まえれば、管路の耐震化は引き続き重要な課題であると認識しております。
 現行措置の期限後の平成三十一年度以降の取扱いにつきましては、年末に向け、各地方公共団体の実情も十分に踏まえながら、ただいま委員御指摘の点につきまして検討してまいりたいと考えております。
#73
○河野義博君 前向きに検討してくれていると思っていますし、笑顔で大きくうなずいていただいておりますので、この二つは是非とも実現をすべきだと思いますし、やってください。
 次に、簡易水道国庫補助制度に関しまして、上水道と統合した旧簡易水道を抱える水道事業者は多く存在しますけれども、簡易水道は、昭和二十七年から始まった簡易水道国庫補助制度によりまして水道整備を図ってきました。平成十九年度からは、経営の効率化や運営基盤の強化を図るため、事業統合が進められてきたところです。この事業は、当初平成二十八年度で終了する予定でありましたけれども、近年、要望額に国庫補助額が満たないという事態になっておりましたので、三年間延長、すなわち平成三十一年度までとされておりますけれども、平成十九年度に実施した簡易水道に対する補助制度の見直しは平成三十二年度以降どのようになるのか、確認をしておきたいというふうに思います。
 また、近隣に統合できる水道事業者がない簡易水道事業者もいるわけでありまして、統合しても資本単価が引き続き高止まる簡易水道、あるいは上水道と統合したけれども上水道事業の経営を圧迫するおそれがあるという、そういった旧簡易水道事業者は平成三十二年度以降もこの国庫補助の対象となるわけでありますけれども、上水道事業と統合して上水道の補助制度となる旧簡易事業者は過疎債が利用できなくなるというために、これ何らかの財政措置必要だというふうに私考えますけれども、厚労省、総務省、両方御所見ください。
#74
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御紹介ありましたが、簡易水道事業につきましては、事業規模が小さく、一般に経営基盤が脆弱な事業であることから、水道施設の新設や改良事業に要する費用の一部を財政支援してきたところでございますが、簡易水道事業の数が平成十八年度末で七千六百三十事業と市町村数を大幅に上回っていたこと、それから小規模な事業であっても経営状態が良好な事業や非常に低い水道料金を維持している事業があることを踏まえまして、簡易水道の統合を含め、あわせて経営条件が良好な事業などへの補助を平成十九年度から見直すこととしたところでございます。
 この際、上水道など他の水道事業と統合した、又は統合計画を示した簡易水道事業につきましては、委員から御紹介ありましたが、平成三十一年度まで統合に必要な施設整備に対する財政支援を実施することとしております。ただし、平成三十二年度以降においても、簡易水道事業を統合したことで統合先の上水道事業の経営条件が厳しくなる場合には、引き続き必要な財政支援を行ってまいりたいと考えております。
#75
○政府参考人(沖部望君) お答え申し上げます。
 総務省におきましては、簡易水道の統合を推進する観点から、統合後に実施する旧簡易水道の建設改良に要する経費につきまして、国庫補助に併せて地方財政措置を講じてございます。この地方財政措置につきましては、当初平成二十八年度までの期限としておりましたが、国庫補助の延長に合わせまして延長するとともに、統合後の上水道事業における経営基盤の強化等を図るため、過疎団体等につきましては措置率の拡充を講じたところでございます。
 なお、簡易水道の統合に伴います高料金対策の十年間の激変緩和措置につきましては、期限を定めずに講じているところでございます。
 今後とも、地方公共団体の実情を十分に伺いながら、適切に対応してまいりたいと考えております。
#76
○河野義博君 ありがとうございます。厚労省、総務省、引き続き連携を密にしていただいて、地元の声に応えていただきたいと思います。
 次に、七番目、八番目はちょっと後に回しまして、九番目行きます。水道料金の在り方というところですが、厚労省に聞きますので。
 水道料金が、原価割れが三分の一あるということであります。料金が見直されないというのは様々な背景がありまして、当然、首長の、首長も選挙で選ばれている方々でありまして、そういった背景もあるわけでありますけれども、水道料金だけ見れば利用者にとって安い方がいいに決まっているんですけれども、それはお金が掛かる話ではありますが、水道料金で負担するのか税で負担するのかどっちかでありまして、それをどうバランスさせていくのか、税が入っていないところもあるわけですけれども、水道料金の値下げというのは、施設保持、老朽化更新、災害対応、もろもろ勘案した場合に、果たして利用者にとって必ずしも万能、有効であるかというと、そうでもないんだろうなというふうに思います。
 水道事業者、とりわけ首長、それから地方議会にとっても、値上げしますという決断はなかなか容易ではありませんで、これも想像に難くないわけでありますが、適正な料金を水道料金でしっかり回収していくということが私は大変大事なことなんじゃないかなというふうに思うんですけれども、水道利用者に水道事業の運営をつまびらかにして広く理解を求める必要というのもまずあるんじゃないかなと。透明性を確保して、これだけ掛かっているんですから料金というのはこうなんですよと、料金でもらわないんだったら財政負担はこうなりますよということをしっかりとお示ししながら理解を得ていくという努力が必要なんではないかなというふうに思います。
 その上で、本質的な、根本的な問題ですけれども、水道料金の在り方自体、これをどのように厚労省として考えておられますでしょうか。
#77
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道料金につきましては、現行法におきましても、水道事業を将来的に継続させる取組も含め、水道サービスを提供するために必要な総括原価に基づき設定することとされております。
 議員から御指摘がありましたとおり、料金の値上げが容易ではないケースもありますが、人口減少により料金収入が減少する中、老朽化した施設の更新や耐震化が必要でございまして、長期的視野に立った計画的な水道施設の更新が可能となるように、アセットマネジメントを行いながら適切な料金水準を考える必要があると考えております。
 このため、今般の水道法改正案では、水道事業者に対しまして、水道施設を計画的に更新するための費用を含む水道事業に係る収支の見通しを作成し、公表する努力義務を設けることとしているところでございます。また、既存の水道施設を将来に向かって維持していく重要性に鑑みまして、現行の規定に健全な経営を確保することができることを明示したところでございます。
 こうした点を踏まえまして、各水道事業者におきまして、住民の皆さんの理解を得ながら、持続可能なサービスに見合う水道料金の水準を検討していただくように促してまいりたいというふうに考えております。
#78
○河野義博君 住民の理解を得ながらやっていくと、その前提としてアセットマネジメントしっかりやりますよということでありますが、そのアセットマネジメントの活用であります。本来、今答弁にあったとおり、総括原価に基づく独立採算でやるべき事業だと思っていますけれども、十分な運営経費を賄った上で水道料金というのは決められるべきなんですが、水道事業の運営に必要なだけの料金を設定できずに一般会計から繰入れによって赤字補填をしている自治体も実際多いわけであります。平成二十二年から二十六年までに水道料金を値上げした水道事業者は僅か四%、中にはアセットマネジメントを行ったのにもかかわらず料金を値下げしたという自治体もあるわけであります。もちろんアセットマネジメントは水道料金見直しのために実施するものではありませんけれども、見直しのきっかけと根拠ということにはなるはずであります。
 アセットマネジメントは、簡易支援ツールの作成やそれに関する講習会を開催するなどしてその取組を支援してきたこともありまして、水道事業者の七割が実施しておりますけれども、このアセットマネジメントの結果を利用した事業者というのは半分にとどまっているという状況であります。実施率、活用率の向上に向けてどのように取り組んでいかれますでしょうか。
#79
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業におけるアセットマネジメントにつきましては、今委員から御紹介がありましたが、手引を作成したり、あるいは簡易支援ツールを作成して、全ての都道府県に対する講習会の実施等によりましてその実施率の向上を図ってきたところでございますが、計画給水人口が五万人以上の大規模事業者における実施率は九割を超えているのに対しまして、五万人未満の中小事業者では六割程度と低い状況にございます。また、議員からも御指摘がございましたが、アセットマネジメント結果を更新計画等に活用している事業者は、アセットマネジメント実施事業者の約半数にとどまっている状況でございます。
 今般の水道法改正案におきましては、長期的な視点からの水道施設の計画的な更新やその費用を含む事業収支の見通しの作成、公表に関する努力義務を新たに規定することを踏まえ、中小事業者における取組がより促進されるように手引や簡易支援ツールの改良、あるいは活用事例の紹介等を行うことによりましてアセットマネジメントの実施率、活用率の向上に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
#80
○河野義博君 アセットマネジメントとともに、私、一丁目一番地じゃないかなと思うのは、やはり財務諸表を整備するということは経営を考える上で何より大事なことではないかなと思います。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
 経営資産の状況が正しく把握できなければ次の計画も立てようがないわけでありまして、広域化しようとして事業者同士で事業体合併させたくても、財務諸表がなければそもそも資産査定ができないわけでありまして、そうはいっても、やる方にすれば人もお金もない中で何人かでやっています、台帳もありませんという中で、それはそれで酷なのかなという気もいたしますが、それにしても事業をやっているのに財務諸表がないというのはちょっといかがなものかと私は思います。
 総務省に聞きます。地方公営企業法、これは水道事業者ですね、水道事業者にはもうこれは法的適用になっておりまして、必ずやらなきゃいけない、これみんなやっているわけですが、簡易水道事業者はこれは自主的運用ということでありまして、進んでいないと。
 私は、この地方公営企業法は簡易水道事業者にももうみんなにやってもらうという前提で進めていったらどうかと思うんですけれども、お考えはいかがでしょうか。
#81
○政府参考人(沖部望君) お答え申し上げます。
 簡易水道を含めまして公営企業が将来にわたり持続可能な経営を行っていくためには、地方公営企業法を適用し、発生主義の公営企業会計を導入することが有効であると考えております。
 このため、総務省といたしまして、平成二十七年一月に、人口三万人以上の地方公共団体における簡易水道及び下水道を中心として平成三十一年度までの公営企業会計の適用を要請しております。公営企業会計の適用に係る取組に対しましては、総務省としまして、地方公共団体の要請に応じて専門家派遣を行うなど人的支援を実施しているほか、台帳作成やシステム整備等に要する経費につきまして地方財政措置を講じております。
 現在の簡易水道事業における公営企業会計適用の取組状況を見てみますと、人口三万人以上の地方公共団体におきましては大幅な進捗が見られますが、人口三万人未満の地方公共団体におきましては一層の推進が必要と認識しております。更なる取組推進のため、新たなロードマップの在り方や推進方策につきまして検討を進めておりまして、年内にその方針を提示する予定でございます。
#82
○河野義博君 基本方針としては、総務省も簡易水道事業者の、かつ人口三万人未満の団体にも公営企業会計が一層適用されるように取り組んでいるということでありますので、そのロードマップを作ると、年内といえばもうあと何週間かですので、もう少しばあんと答弁いただきたかったんですが、是非ともよろしくお願いします。
 それから次に、コンセッションに関しまして、私、前職時代に公共インフラの民営化をやっている部署におりまして、海外中心ですが、国内も一部やっておりましたが、民営化事業に携わっておりました。今までもコンセッションだから駄目なんだという議論がちょっと見受けられましたので、そうではないんだよということをしっかり議論しておきたいなというふうに思うんですが。
 現行制度におきましても、PFI法に基づいて、施設所有権を地方公共団体が持ったまま施設運営権というのは民間事業者に設定できるコンセッション方式、いわゆるコンセッション方式は今可能なわけです。ただし、運営権を、運営権自体を民営事業者に設定するためには、これは、今の方式ですと地方公共団体が水道事業の認可を返さなきゃいけない、返した上で民間事業者が新たに認可を受けるということで、やりたい自治体は結構あったんですけれども、不測の事態にどう備えるのかと、認可まで返しちゃっていいんでしょうかという議論から、最後の一歩が踏み出せずに民営化、民営化といいますかコンセッションの導入がちゅうちょされているケースがあったと。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
 民営化が駄目かというと、私は全然駄目じゃないと思っていまして、既に多くの部分はこの水道事業によって民間に手伝ってもらっているわけです。何も、市町の職員の人たちが水を取ってきて、管を整備して、浄水場を造ってとやっているわけじゃなくて、多くの部分を既に民間に委託しているわけです。その中で、一つの選択肢としてコンセッションもできるようにしましょうと、今までの方式のように事業者としての地位を返上しなくてもやっていいですよという取組でありまして、何も、何か外資系に水道事業を売っ払ってしまうような議論がありましたが、そういうことではありませんので、まず、その点述べておきたいというふうに思います。
 また、具体的には、地方公共団体はPFI法に基づいて議会の承認の手続がそもそも必要なわけです、議会承認を得る。で、新たにこの水道法改正されることによってできるコンセッションというのは、厚生労働大臣の許可を受けることが必要であります。そのことによって民間事業者に施設の運営権を設定するコンセッションができるということでありまして、水道基盤強化のため官民連携を行うことというのは私は有益であると思いますし、選択肢を広げるという観点から、コンセッション方式を導入しやすくするという点では私はやるべきだと思います。
 別にみんながやれというわけじゃなくて、やってもいい選択肢の中に、今までも民間に手伝ってもらってきたけど、コンセッションという形で手伝ってもらってもいいですよという選択肢の一つを進めていくものでありまして、私は違和感がないわけであります。
 一方で、不安の声にもこれはちゃんと立ち向かっていかなければなりませんし、ちゃんと配慮していきますよということをしっかり国会の場で議論しておくべきだろうと思うんですけれども、水質の低下が起こるんじゃないかとか安定供給できなくなるんじゃないかとか、それから、適切に設備投資が行われなくなるんじゃないかとか料金が上がっちゃうんじゃないか、民間事業者が過剰な利益を得るんじゃないか、こういった代表的な不安の声がありますが、このような不安にはどういう対応を行うのか、国はどのように考えているのか。
 また、私は、都道府県に任せるんじゃなくて、コンセッション方式、コンセッションというものも幾つかの類型に集約されると思うんですね。その契約もある程度ひな形に集約できると思うんですね。ですので、全国の自治体がばらばらにコンセッションアグリーメントをゼロから巻き直すと誰も喜ばない、喜ぶのは弁護士さんだけでありまして、ある程度の類型を示すことによって導入を促進していくべきだし、諸外国ではコンセッション委員会というのがあって、いろんな契約がばらばらにならないようにちゃんとオーソリティーが見ているわけですね。そういった取組を進めるように、国が、我が国も一元管理できるような評価委員会、コンセッション評価委員会みたいなのを設けて安心を広げていったらどうかなというふうに思うんですが、厚労省の意見を聞かせてください。
#83
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 まず、委員の方からお話がありました。まさにそうなんですが、水道法の改正というのは、今回は公の関与を強化しているものでございまして、いわゆる民営化を、水道事業を民営化するということではなくて、官民連携の選択肢の一つを増やしている、提示しているというふうに考えております。
 そんな中での御懸念について何点か御指摘ございましたが、水質悪化、安定供給が損なわれることなどの水道施設の管理運営レベルの低下とか適切な設備投資の不履行などの懸念につきましては、PFI法に基づきまして地方自治体があらかじめ要求水準書を定めること、地方自治体によるモニタリングにより早期に問題を指摘、改善を行うこと、今回の改正法案により、厚生労働大臣が地方自治体のモニタリング体制を確認した上で許可し、さらに、厚生労働省が直接報告徴収、立入検査をすることにより対応できるものと考えております。
 また、水道料金の高騰の御懸念につきましては、PFI法に基づきまして地方自治体が事前に条例で料金の枠組みを定め、今回の改正法案によりまして、厚生労働大臣も適切な料金設定であることを確認して許可することにより対応できるものと考えております。
 このような公の関与を強化した仕組みによりましてコンセッション事業者の事業運営に対する必要な監視体制を確保していきたいというふうに考えているところでございます。
#84
○河野義博君 今まであうんの呼吸で民間に任せていたところもしっかりと契約で縛ることになるということが私はコンセッションの利点だと思うんですよね。ですから、契約で決めるわけです。利潤も、当然暴利が出ないようなリターン設定にあらかじめ設定して、お互い同じ財務諸表を見てやっていくのがコンセッションだと思いますし、しっかり立入検査もやっていくということでありますので、関与は引き続きやっていくべきだと思っています。
 その上で、じゃ、それでも言うことを聞かなかったらどうするんだという御懸念がありますが、今までも、複数の個別業務を一括して委託する包括業務委託とかDBOとかPFIとか導入は進めてきたわけです。しかし、これらは一部の水道事業者にすぎませんで、さきに成立しました改正PFI法では、国からの支援強化によって上下水道事業のコンセッションは促進されるということが期待されております。コンセッションの効果として期待されることには、民間事業者による運営の効率化と老朽化、耐震化対策の促進、技術継承などが考えられています。
 一方、公共性の高い水道事業を民間事業者に運営を任せることはなじまないという声もあるわけでありまして、改正水道法案には、民間事業者が水道法に違反した場合には公共施設運営権を取り消すことが要求できることになっています。しかし、運営権の設定が三十年以上の長期にわたることもあり得る中で取消しが現実にできるんだろうかと、法律上の取消し要求が違反防止の効果を発揮できるんだろうかという不安の声もあるわけですが、どのように考えておられますでしょうか。
#85
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 厚生労働大臣は、水道施設運営権の設定の許可に当たっては、水道事業の継続が困難となった場合の措置について、その確実性を確認した上で許可することとしております。この事業の継続が困難となった場合というものには、厚生労働大臣の求めにより水道施設運営権を取り消した場合も含まれておりまして、あらかじめ定められた措置を講じることで水道事業の継続性は確保されることとなると考えております。
 このため、厚生労働大臣は、コンセッション事業者が水道法又は水道法に基づく命令の規定に違反した場合には、運営権の設定期間にかかわらず、実効性をもって地方自治体に対して水道施設運営権の取消しを求めることができるというふうに考えております。
#86
○河野義博君 じゃ、取り消した後どうするんですかという御不安もあるわけで、民間事業者の経営悪化や最悪の場合倒産することもあり得るわけでありまして、また、災害が起きたら運営権を取得した民間事業者が全責任を負うという契約になったのであれば、これらの不測の事態にどう備えるかと。コンセッションを導入した水道事業者には水道法上最終責任を担うということになっているわけであります。しかし、コンセッションを導入する水道事業者は効率化を求めているので、万一水道事業者に運営権が戻ってきた場合、直ちに健全な運営ができるような体制にはならないのではないかという不安の声があります。
 そこで、コンセッション事業者の事業継続が困難となった場合には対応方法は確認するということになっているんですけれども、どのような確認方法を想定しておられるのでしょうか。
#87
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション事業者が事業継続困難となり、契約解除せざるを得ない状況になった場合の対処方法としましては、例えばこれまでモニタリングを担当してきた職員が中心となって自治体が自ら直営で業務を実施すること、あるいは水道の運営管理に実績がある他の事業者に委託することなどが想定されるところです。
 具体的には、直営で業務を実施する場合には、契約解除したコンセッション事業者の従業員を当面の間運営に協力させることを契約で規定し、水道事業を継続させつつ直営で実施できるように職員を新たに雇い入れる。あるいは、他の事業者に委託する場合については候補となる他の事業者をあらかじめ列挙しておき、万が一契約解除する可能性が生じた際には、事前調整を行い、円滑に業務を引き継ぐための準備を行いつつ他の事業者へ委託するといった方法も考えられると思います。
 なお、コンセッション方式を導入する際には、コンセッション事業者の業務の実施状況等に関し平素からモニタリングをすることによって、経営難等に陥る前に対処することが重要であると考えております。
#88
○河野義博君 今回の具体的な契約書のひな形を見たわけではありませんが、受注する事業体というのは、ほぼ全ての場合、ある程度の財務制限条項が設けられておりまして、一定の資力を持っている会社じゃないとそもそも受注できませんという審査をしているわけですね。それを維持しなきゃいけないと。下がった場合には、じゃ、銀行保証を入れなさいとか親会社保証を入れなさいとか、そういう取組が当然なされるはずだと私は思っています。かつ、外資の子会社だから日本の財務諸表が開示されていないんじゃないかという議論がありますけれども、当然親会社から保証をもらえばいいわけで、親会社の保証が足りないのであれば銀行保証をもらえばいいわけで、そういった万全の次の手次の手を考えながら、当然これは契約が結ばれるわけであります。
 今も民間事業者に多くを委託しているわけでありまして、現時点の方が本当にそういうことをやっているのかという思いもありまして、多くは中小企業に担っていただいている中で、あうんの呼吸でやっているものが、より透明性を増して、そして住民の方にも説明をできれば住民の安心感というのも増していくんじゃないかなというふうに私は思います。
 それで、大臣に聞きます。
 コンセッションで注目したいことの一つには、民間事業者をどうやって育てていくかということだと思います。コンセッションの担い手をどうやって広めていくかということだと思いますけれども、我が国の水道技術というのは言うまでもなく世界に誇るべきものでありまして、冒頭申し上げましたが、どこに行っても水道水を飲める、極めて良質な飲料水が飲める、安く飲めると。東京の水道水では二十一項目の水質チェックをしておるそうで、カルキの濃度は人間の舌では感じないというレベルの設定だそうであります。飲み水を得るのにわざわざお金出してペットボトルなんて買わないと自信を持っておっしゃっていましたし、また、こういう水道事業を持っている国というのは余り私は知りません。
 一方で、その技術を担う水道事業者との官民連携をしている民間事業者が実質的には現在も担い手として活躍していただいているわけでありまして、多くは中小企業です。世界に向けますと、水メジャーと言われている数社が事業主として活躍はしておりますけれども、日本でも数社ですね、海外で水事業をやっているところもありますけれども、中小企業の物づくりの方からも含めて、是非コンセッションを実際に海外で受けられるような企業を育てていくべきだというふうに私考えますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#89
○国務大臣(根本匠君) 委員から今いろいろと御紹介がありました。私もそれは非常に同感しておりますが。
 我が国でも、これまで水道分野において、浄水場の運転管理あるいは水質管理等の業務を委託する第三者委託、あるいは設計、建設、維持管理を行うPFI等の事業が実施されておって、そして国内の企業が参加しているという実績もあります。そして、おいしい水も供給していただいている。海外でのコンセッション事業に応募する場合にはやはり水道事業経営の業務実績が求められることが多いわけでありますが、このような企業が今般の改正によって国内でコンセッションの実績を積むことによって海外水道事業における入札参加資格の獲得が可能となるということも私は考えられるだろうと思います。
 このように、水道の基盤強化を図る中で、コンセッション方式を始め多様な官民連携が推進されることによって我が国の民間企業の技術や知見等を生かして海外展開につながる、こういう道もあると思います。
#90
○河野義博君 民営化するには、やっぱりある程度の規模感がありませんと、コンセッションをやるにもある程度の規模感がないと民間事業者は来れませんので、そういった観点からもまず広域化を進めていくというのが大事なんだろうなと思います。ですので、コンセッションとはいえ一つの業務委託の形が広がったと私は理解をしておりまして、選択肢の幅が広がるという観点からもこれは進めるべきですし、しっかりと進めるに当たってはその不安を解消できるような策を講じておられますので、しっかりとそれを説明していただくということが大事なんだろうなというふうに思います。
 それから、管工事事業者の指定店制度に関して伺います。
 本改正案の大きなポイントの一つだと思っておりますけれども、指定店制度の改正がございまして、現行の指定給水装置工事事業者の制度は平成八年の水道法改正によって創設されました。それまでは水道事業者の基準で給水工事の施工業者を指定しておりましたけれども、これは新規参入を阻害する規制だとされまして、全国一律の基準になりました。
 工事事業者の指定数は九倍に増えました。一方で、現行制度は新規の指定だけを定めているため、指定事業者からの廃止や休止の届出は必要なく、所在不明な事業者も多数存在をしています。厚労省のアンケートによれば、所在不明の事業者が約三千、違反行為件数が年間千七百四十件、苦情件数が年間四千八百六十四件などの問題が明らかになっています。改正案では、指定店制度の有効期間を五年とする更新制を導入する、これによって不適格事業者を排除しようというものであります。
 違反行為のあった千七百四十件のうち、実際に指定取消し指導などの処分を行ったのは一方で千二件にとどまっております。これは、水道事業者の職員数の減少、処分手続に関わる業務量の増大が背景にあるとのことですが、現状の処分手続が遅れる状況の下で更新制の導入は水道事業者の負担が増えることにはなりませんでしょうか。実効性のある更新制とするために、水道事業者に対してどのような支援を考えておられるのか、お聞かせください。
#91
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 更新制の導入に当たりましては、水道事業者や指定給水装置工事事業者にとって過度な負担とならないよう配慮することが必要と考えております。そのため、既に指定を受けている約二十三万二千の工事事業者に対する更新制の導入に当たりましては、更新年度が分散され、更新件数が平準化されるよう政令にて措置することを予定しております。
 また、現在、更新手続につきましても、厚生労働省監修の下、公益社団法人日本水道協会で水道事業者向けのガイドラインを作成中でございまして、これの活用によりスムーズに更新制へ移行できるように支援してまいりたいと考えているところでございます。
#92
○河野義博君 過度な負担とならないように配慮するということでありました。
 次に、関連しまして、取消しや指定停止に関して伺います。
 指定事業者の取消しや指定停止などの情報、これを水道事業者間でしっかりと共有していくという取組が重要だろうし、私は必要だろうと思うんですけれども、そのための仕組みはどういうふうに考えておられますでしょうか。
#93
○政府参考人(宮嵜雅則君) 議員から今御指摘がございました指定取消しなどの情報を水道事業者間で共有することにつきましては、悪質な工事事業者の排除等に有効と考えられまして、厚生科学審議会の水道事業の維持・向上に関する専門委員会におきましても検討すべき事項として提言されているところでございます。
 一方で、指定給水装置工事事業者に係る情報は水道事業者単位で管理されているところでございまして、全国的に集約、管理するにはデータの取扱いや業務量等に係る課題もございますことから、今後、今議員からの御指摘もありましたことも踏まえ、関係者の御意見等もお聞きしつつ、情報の集約、共有化について検討していきたいと考えているところでございます。
#94
○河野義博君 そうですね、水道事業者単位で管理されていますので、広域的な情報共有というのは必要かどうかも含めて議論をした方がいいと思います。都道府県を超えてこういった人たちが活動しているのかと言われれば、必ずしも全国共有が必要かどうかというのは分かりませんので、その辺の実態もしっかり把握していただいた上で決めていただきたいなと思います。
 それから、地方の指定事業者さんからお話を伺いますと、必ず言われるのが、講習会の参加、これ大変だと。地方から講習会に参加するのには当然費用も掛かりますし、人手もここに割かれるというわけで、その分充実した講習であれば問題ないと思いますし、費用対効果が高い講習であるべきだというふうに思いますけれども、厚労省では水道事業者が連携して広域的な講習会を開催できるように推進をしておられますけれども、受講環境の整備についてはどのようにお考えでしょうか。
#95
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からお話がありましたとおり、中小規模の水道事業者が単独で講習会を開催することが容易ではないことから、厚生労働省としては、必要に応じて、水道事業者間で連携して講習会を開催することも求めているところでございますが、指定工事事業者の参加費用が高額なものとならないように、開催場所や頻度など、効率的、効果的な開催方法についての配慮を全国会議等の機会を捉えて周知してまいりたいというふうに考えております。
#96
○河野義博君 あと四分ありますので、時間が許す限りやらせていただきたいと思いますけれども。
 台帳の整備に関しまして、水道施設の適切な管理や更新のためには、その基礎データとなる水道施設の台帳というのは必要不可欠であります。先ほども申し上げましたとおり、財務諸表を作るに当たっても、台帳がないと、どこにどんな施設があるか分からなかったら当然資産状況の把握なんてできないわけでありまして、厚労省はこれまで水道施設の台帳整備を水道事業者に求めてきましたけれども、その整備率というのは六割にとどまっております。
 台帳の整備が進まない理由、様々、人手が足りない、予算がない、ありますけれども、今回も、下水道と同様に台帳整備を法律で義務付けるべきじゃないかという指摘もあったわけですが、義務化には至っていないわけでありますけれども、今後、この台帳の整備、どのように進めていかれる御方針でしょうか。
#97
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道施設の位置、構造、設置時期等の基礎的な事項を記載した水道施設台帳は、水道施設の適切な管理のほか、計画的な更新、災害対応、広域連携や官民連携等の全ての基礎になる有用な情報であるというふうに考えておりまして、現行の水道法では、各水道事業に設置された水道技術管理者が水道の管理に係る技術上の業務全般を実施若しくは監督することとなっておりまして、水道施設の基礎情報を整理した台帳についても当然に整備されるものと想定していたところでございます。
 しかしながら、水道施設台帳の整備状況を改めて調査したところ、台帳に整備されるべき情報であっても、市町村合併や事業統合で過去のデータがそろっていないものがある等の理由で、完全に整理できていないものがある事業者が少なからず存在していることが判明したところです。
 そこで、今般の水道法改正法案におきまして、適切な資産管理を進めるべく水道施設台帳の整備を行うことを水道事業者等に義務付けることとしたところでございます。
#98
○河野義博君 質問まだ残しましたけれども、時間になりそうですので終わらせていただきます。
 広域化というのを一日も進めて適切な水道事業、継続をさせていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#99
○委員長(石田昌宏君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時三十分開会
#100
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、水道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#101
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 いよいよ今日から水道法、委員会審議入りということになりますが、今、我々、皆さんも気付かれていると思いますが、相当に各種メディア等でもこの水道法の審議、注目をされております。残念ながら通常国会、衆議院では混乱の中でちゃんとした審議ができず参議院に送られてきたと、その上で継続になったという経緯もありますが、改めて今、国民の皆さんも、この水道法、本当に今回の中身大丈夫なのかという懸念も含めて大きく取り上げられているというふうに我々も理解をしております。是非このことはこの委員会で改めて冒頭共有をさせていただいて、だからこそ、その国民の心配、不安、懸念、様々な声にしっかりとこの質疑の中でそれにお応えしていくと、充実したちゃんとした審議を参議院だからこそやっていくんだということで、是非与党の皆さんにもお願いをしたいというふうに思いますので、そのことを冒頭申し上げて、大臣始め政府側にもしっかりと国民の皆さんの不安や懸念に応えていく、問題点を明らかにしていく、そういう形で我々審議をさせていただきますので、是非真摯な、丁寧な答弁をまずお願いをしておきたいというふうに思います。
 その上で、私の方から、今日また川田委員と半分半分で質問させていただきますが、冒頭幾つか大きな話と、それから、とりわけやはりコンセッション方式の問題点を中心に質問をしていきたいというふうに思います。
 最初に大臣、確認させてください。
 この法案の提案理由、目的、水道の基盤強化というふうにうたわれております。大臣、この基盤強化、一体何を実現すれば基盤が強化されたというふうに判断されるんでしょうか。まず大臣、お答えください。
#102
○国務大臣(根本匠君) 今回の法案の目的ですが、水道施設の老朽化あるいは人口減少に伴う料金収入の減少など、小規模な水道事業者が多いので、この水道の基盤強化を図ることが課題だと思っています。水道の基盤強化を図る。
 その意味で、どうやって水道の基盤強化を図るか。一つは、小規模の水道事業者が多いので広域連携を進めようと、そしてそこは県が中心的な推進役になってほしいと、それから個々の水道事業者についてもアセットマネジメントをしっかりやってもらいたいと、資産管理、長期的な観点からの水道施設の計画的な更新やその費用を含む事業収支の見通しの作成、公表、こういうことをきちんと、アセットマネジメントをやってほしいということと、コンセッション方式を始め民間企業の技術や経営ノウハウ等を活用できる官民連携、それも基盤強化の有効な一つだと考えております。
#103
○石橋通宏君 大臣、違うんです。何を手段としてやるのかを聞いていないんです。基盤強化というのは何を実現すれば基盤が強化されたという、これ達成目標、達成指標、そのことをお伺いしているんです。大臣、今小規模な自治体、老朽化、じゃ、一体何をもって基盤が強化されたというふうに評価をするんでしょうか、検証するんでしょうか、PDCA回すんでしょうか。そのことをお伺いしている。何を指標にされますか。
#104
○国務大臣(根本匠君) 基盤強化というのは、水道事業、これからの長期的な展望に立つと、人口減少あるいは料金収入が減ってくる、しっかりとした運営ができるかということだからここの基盤は強化をしなければいけない、その意味で私はその手法を申し上げました。そして、いろんなやり方があると思いますが、基盤強化をする目的は、要は、水道事業が安定的に安定性、安全性、そして持続可能性だと思います。
#105
○石橋通宏君 もうちょっと具体的に。
 お手元に、皆さん、資料をお配りをしました。経営状況です。これ、要は、自治体、事業体の規模別にどういった収支状況になっているのかというものを示したのが資料の一でありますが、あわせて、資料の二、ちょっと分布図を作ってみました。一体どういう人口規模でどういう回収率の状況になっているのかという分布をこういうふうにグラフにしてみました。これを見ていただくと、これまでも答弁ありましたけれども、全体の約三割は赤字だと、状況は厳しいと。さらには、やはり傾向としては規模の小さい自治体がより経営状況が厳しいと。一万人未満ですと約五割、半分近くが回収率が悪いという状況が出ています。
 大臣、じゃ、経営基盤の強化、この小さい自治体、約半数、これが黒字転換することが目標なんですか。
#106
○国務大臣(根本匠君) 要は、安定的に安全性、安定性、持続可能性だと私は思います。
 要は、確かにこれだけ赤字が、規模が小さい自治体ほど赤字が数が多い自治体がある、だからこそ広域連携をして、それぞれの事業、水道事業がきちんと円滑にやれるように、あるいは一緒に統合することによって安定、安全性、安定性、そして持続可能性を確保した上で水道事業が運営できると、そういうことだと思います。
#107
○石橋通宏君 それは、大臣、どういうことですか。広域連携すると、じゃ、収支がプラスのところが収支のマイナスのところに融通する、バランスをする、それが広域連携ですか。
#108
○国務大臣(根本匠君) 広域連携は、要は一つのスケールメリットが期待されるのではないかと思います。小規模の水道事業者は職員も少ないわけですから、そこはやはりきちんとした広域連携をする中で基盤を強化する。
 水道事業というのは、もう先生御案内ですけど、主に市町村が経営して小規模で経営基盤が脆弱な事業が多いわけですから、さらに、これから長期展望すると更にこの脆弱な事業者が多く出てくる可能性があるので、施設や経営の効率化、基盤強化を図る観点から広域連携の推進が重要だと思います。
#109
○石橋通宏君 いや、だからお伺いしているんです。
 広域連携することで、プラスからマイナス、全体でバランスを取るということ、収支のバランスが取れるということですか。つまり、小さい事業体でも大きい事業体と一緒になる、広域になる、それによって収支がバランスされるから経営状態が良くなるということ、そういうことならそういうことだと言ってください。イエスかノーか。
#110
○国務大臣(根本匠君) 広域連携は、小規模な事業者でも広域連携をすることによってより効率的、安定的な経営ができるようにするということだと私は思います。
#111
○石橋通宏君 さっぱり前に進みませんが、つまり、効率的なものができる、つまりはコストが下げられる、そういうことなのか、若しくは料金が上げられるようになるから収支がプラスになる、そういうことなのか。大臣、そういうビジョン、ちゃんと示してください。具体的に何を実現して、なぜ広域連携なのか。それによって、こういう大変事業の厳しい、中には一〇%、二〇%という事業体があるんですよ、それだけ経営厳しい、じゃ、それが広域連携でどうバラ色にプラスになるというふうにこれ法案があるのか。それをちゃんと示していただかないと、大臣、この法案の中身、全く分かりません。自治体の皆さんも安心できません。そのことを申し上げているんです。
 大臣、コンセッションやったらなぜそれがバラ色になるんでしょうか。これ、コンセッションで、じゃ、これ、小さいこの赤字の事業体、一万人未満の事業体、コンセッションを選ぶと収支が改善をされてバラ色になるんでしょうか。
#112
○国務大臣(根本匠君) コンセッションというのはあくまでも選択肢の一つですから、こういう小規模な事業体もコンセッション方式を導入するかどうか、私は、それはそれぞれの事業の状況だと思います。
 それから、広域連携で制度論として、効率的、安定的に経営ができるということを制度論として申し上げました。やはりこれは、実際にやってきてうまくいっている事例も私は大事だと思います。その意味では、例えば香川県は、県内八市八町村の水道事業を統合して水道事業を一元的に行う、こういう具体的な優良事例も出てきていますから、広域連携というのはそういうことでありますし、それから、コンセッションというのも、あくまでも官民連携の選択肢の一つで、これがいいと思ったところは導入するということだと考えています。
#113
○石橋通宏君 失礼ながら、大臣、今我々の間で大臣の答弁が余りにひどいというのが話題になっています。質問者の質問にちゃんと答えてください、的確に。質問時間限られていますから。そのことは重ねてお願いしておきたいと思います。
 じゃ、大臣、小さい事業体向けのコンセッション、違うんですね。小さい事業体は、もうけにならないからコンセッションやったって入らない。だから、これ、小さい自治体向けではない、経営が苦しい事業体向けではない、そういう選択肢で提供したのではないということなんでしょうか。確認させてください。それだけ確認してください。
#114
○国務大臣(根本匠君) 小さい事業体かどうか、あるいは黒字か経営の状況が厳しいか、それを、私は様々な選択があると思います。その自治体がコンセッション方式を導入することによってより効率的に安定的に運営できると、いろいろな作業を経てですよ。それは、その結果そういう自治体が、要は、規模は、私はある程度規模の大きな自治体だと思いますが、コンセッション方式が効果があるのは。ただ、それは、実際どういう状況があるかという中で、これはあくまでも一つの選択肢ですから、それは決め付けるわけにはいかないと私は思います。
#115
○石橋通宏君 大臣、大事な答弁されましたね。規模の大きな自治体向けなんだということをお認めになりました。いや、僕らもそうだと思うんですよ。小さい経営の厳しい事業体、これ、コンセッションやりたくても民間事業入ってこないでしょうね。もうけ出ないでしょうからね。
 じゃ、大臣、黒字の事業体、黒字の事業体でコンセッションやるんですか。ちょっとお聞きします。今、宮嵜さんでもいいです、黒字の事業体って、その黒字、何に使っていますか。簡潔にお答えください。
#116
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 具体的な利益の使途は各事業体によって異なると思いますが、主なものとしては、地方債償還の原資として積み立てるとか、あるいは今後の老朽施設の更新投資の原資とするために積立てなどに充てられているところでございます。
#117
○石橋通宏君 ですから、主に住民のメリットとしてこの黒字が、特に水道事業の老朽対策含めて使われているということですね。大臣、そういうことでよろしいですね。
 これ、コンセッションで民間に運営権を移譲する、民間は当然利益出さないといけませんね。その利益はどこへ行くんでしょうか、大臣。
#118
○国務大臣(根本匠君) それは、民間の事業主ですから、当然、実際の経営をやる中での利潤というのは民間のコンセッション事業者に帰属しますけど、大事なのはコンセッション方式をやるかやらないか、その前段で、地方公共団体がきちんとコンセッション方式という枠組みの中で事業体が公募して事業体が選ばれるということですから、その利潤がどこに行くかということは、私は別物だと思います。
#119
○石橋通宏君 別のものじゃないでしょう、大臣。一体どういう目的でこれ提案しているんですか。基盤の強化なんでしょう、自治体の。国民の命、水を守るんでしょう。だから、聞いているんですよ。利潤どこへ行くんですか。民間企業でしょう。利潤が出たら、株主の配当に行く、若しくは経営者の利益に行く、それはそうですね、民間企業ですから。それがなかったら株主から訴えられますね。
 大臣、民間企業が入るということは、そこから利益、利潤を得て、そして株主に配当する、そうじゃないんですか。住民の利益に帰さないじゃないですか。だから聞いているんです、大臣。
#120
○国務大臣(根本匠君) コンセッション方式は、一般的には、民間ならではの経営ノウハウやあるいは高い技術力を効果的に活用することによって、地方自治体や住民に対して効率、安定的なサービスが供給できる、供給が期待できるという、そのメリットがあると思います。
 しかも、コンセッション事業は、地方自治体が、施設整備を含む業務の範囲やサービスの水準や料金などについてあらかじめ条例などで一定の枠組みの下で行われますから、これは民間のノウハウを導入しようということで、きちんとした枠組みの下で入れようということですから、そこは民間事業主なんで一定の利潤がある、それは、私は、コンセッション方式で安定的、効率的な水道経営ができるということと、民間だから一定の利潤があるということは私は別物だと思うし、両立する概念だと思います。
#121
○石橋通宏君 別物だと言うところが恐ろしいですが、宮嵜さん、民間企業がそこから利潤を得たときに、利潤の使い道って何らか規制掛けられるんですか。
#122
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 民間事業者が得た利益の扱いについては民間事業者が判断することというふうになりますけれども、先ほど来、大臣から御答弁しているとおりでございます。
#123
○石橋通宏君 そのとおりですよ。利潤が出たら、それは民間企業ですからね、民間企業で企業判断をするわけです。
 宮嵜さん、外資の規制はあるんですか。
#124
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式における外国企業の参入につきましては、PFI法ではコンセッション事業者の選定については公募の方法等により選定することを基本としており、欠格事由に該当しない限り外国企業が応募をすることに制約はございません。
#125
○石橋通宏君 外資の規制はありませんね。
 ということは、大臣、もし外資が参入して、外資が利益を出したら、その利益どこに行きますか。海外に持っていかれますね。日本国民の利益としても使われなくなるわけです。大事な水道事業、それを民間に委ねる、外資が参入してくる、外資が利潤を得る、その利益が海外に持っていかれる。大臣、それが狙いですか。
#126
○国務大臣(根本匠君) 全くそういうことは考えておりません。一定の利潤はそれは民間企業に属しますけれども、ただ、コンセッション事業をやる場合に、これはあくまでも選択肢の一つで、地方自治体が、施設整備を含む業務の範囲やサービスの水準や料金などについてあらかじめ条例等で一定の枠組みをはめる。そして、自治体とコンセッション事業者が協議をして、やっぱりこれはコンセッション事業者にやってもらった方がいいと自治体が判断したら、それはやってもらうということであります。
#127
○石橋通宏君 全然答えていないですね。結局、それは歯止めを掛ける何のすべもないですよ。それはそうです。外資の参入規制はない、利潤をコントロールするすべもない、当然そこから出たもうけが海外に持っていかれる、それをストップする手だてはありません。本来は、住民の命を守る水、このために使われるべき、地域で循環すべきお金ですよ、本来ならば。それがどっか持っていかれるわけです。大臣、そんなこと本当にやるんですか。
 大臣、重ねて、いや、これ自治体の選択肢だってずっと言いますけど、じゃ、何で、大臣、国が目標を設定しているんですか。今年度中に六つの自治体で議論を始める、何で国がそんな目標を決めるんですか。自治体任せじゃないじゃないですか。国がコントロールする、協議をさせる、導入させる、そうやって引っ張っているじゃないですか。大臣、全然今答弁と矛盾しています。これは是非やめてください。
#128
○国務大臣(根本匠君) コンセッション方式を導入するかどうか、これはあくまでも自治体が主体的に判断する、これが実は基本であります。そして、国は、こういうコンセッション方式を……(発言する者あり)
#129
○委員長(石田昌宏君) 答弁続けてください。
#130
○国務大臣(根本匠君) どうも済みません、申し訳ありません。
 国はコンセッション方式を選択できるような制度の枠組みを整えました。それは、こういうコンセッション方式も導入して、是非やりたいという自治体もあるから、そういう自治体の要請も踏まえて我々は導入しようと、しかもあくまでも選択肢の一つであると。
 確かに、アクションプランでは、先生おっしゃるように六件のコンセッション事業の具体化を目標とされております、そのアクションプランではですよ。でも、それは最終的にはあくまで民間の自治体が判断すること。ですから、我々は、アクションプランではそれぞれいろんな下水道も含めて目標を立てているけど、最終的には自治体が判断するということだと私は思います。
#131
○石橋通宏君 大臣、よく分かっておられますね。国が目標を定めているわけです、国が目標を定めて六つの自治体。国、実績求められますね。官僚の皆さん、そんたくしますよ、一生懸命。国が目標を掲げた、何としても実現しなかったらいけませんね。再興戦略で決めているんでしょう。だったら実現するでしょう、何が何でも。実際に裏でいろんな仕掛けするでしょう。そうしたら、自治体の意思、全然違うじゃないですか。こんな矛盾したことをやらせて、大変なことになったときに国は知らんぷり。それじゃ住民の命はどうなるんですか。そのことを申し上げているんです。
 大臣、さっきから料金のことを申し上げますが、今回、改正法案第十四条第二項第一号、追加修正、提案されていますね。「健全な経営を確保することができる」と、料金設定の一つの要件としてこの文言を入れておられます、わざわざ。「健全な経営を確保することができる」という文言修正を入れた意図、法的な趣旨は何ですか。
#132
○政府参考人(宮嵜雅則君) 午前中の答弁でも申し上げたところでございますけれども、いろいろ御議論のあった背景も踏まえて、今般の改正では、水道施設を将来に向かって維持することの重要性に鑑みて、その「能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。」とされている現行の規定に、「健全な経営を確保することができる」ということを入念的に明示したものでございます。
#133
○石橋通宏君 つまり、コンセッションで受託した民間企業が、健全な経営を確保、つまり水道管アップグレードする、いろんな災害対応するなどなど対応した、いや、それによって経営が苦しくなりました、健全な経営を確保するために料金を値上げします。この条文で拒否できるんですか、駄目だと言えるんですか。いや、逆に、この条文を入れたから、そういった場合には認めなきゃいけなくなるんじゃないですか。違いますか。
#134
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 まず、ここの入念的に明示したのは、別にコンセッション事業者に限ったことではございませんで、水道事業の運営、経営に関して基本的なことをここで入念的に明示させていただいたものでございます。
 料金の改定につきましては、地方自治体で条例で枠を定めますが、その枠を見直すときには、改めてまたPFI法の規定に基づきまして地方議会で御議論いただくという手続がございますので、無制限に料金が高騰するとか、そういう御懸念は当たらないのではないかと考えております。
#135
○石橋通宏君 勝手に無制限にという言葉、使わないでくださいね。そんなこと一言も言っていませんよ。
 いや、民間事業者がこういったことをやりました、だから経営維持するために値上げが必要です。この条文で恐らく拒否できなくなりますよ。そうしたら、自治体だって議会だって、いや、それ認めなかったら健全な水の供給ができなくなる、そう言われたら、これ、ノーと言えないでしょう、議会は。議会が上げたら国がノーと言えるんですか。言えないでしょう。そうなるんですよ。十年、二十年、民間事業が委託されて運営する、いや、そうしたら依存するでしょう。料金値上げ、拒否できなくなりますよ。じゃ、やめたといって引いたらどうするんですか。
 宮嵜さん、自治体が自治体の都合で契約を途中で打ち切る、できるんですか。違約金なしで打ち切れるんですか、教えてください。
#136
○政府参考人(宮嵜雅則君) 契約の途中解約についての御質問をいただきましたが、内閣府が策定しておりますPFI事業契約に関する契約のガイドラインによりますと、地方自治体の政策変更や住民要請の変化等により事業を実施する必要がなくなった場合等は、一定期間前に通知することにより任意にPFI事業契約を解除できる旨規定されていることが通例でございます。
 ただし、地方自治体による任意解除権はコンセッション事業者にとって予測できないリスクでもございますので、地方自治体がこれを行使する場合には、コンセッション事業者から請求される損害賠償の範囲や額について慎重な考慮が必要になると思います。
#137
○石橋通宏君 その最後のところも含めてこれ大変重要な話で、諸外国で実際にそういう事例が起こっているわけです。莫大な違約金を請求されて税金からそれを投入する、若しくはそれが払えないがためにずっと契約を維持しておかなければならない。そういうことが果たして絶対起きないと言い切れるのか。いや、言い切れないでしょう、今の答弁ぶりでも。そういった問題、だから国民の皆さんが懸念、心配をされているわけです。
 その辺、この後の川田委員の追及に委ねまして、私の方は時間来ましたので、今日はこれで終わりにします。ありがとうございました。
#138
○川田龍平君 立憲民主党、川田龍平でございます。石橋議員の議論に続きまして質問させていただきます。
 我が国の水道事業の民間企業への運営権売却について質問いたします。
 日産のトップが不当に申告していたという高額な役員報酬について、ちょうど日産のゴーン氏の高額な役員報酬の扱いについてニュースが今出ていますが、企業に公共インフラの運営権を売却した場合、役員報酬に限らず、運営の手法や責任の所在に至るまで公共とは違う企業側の論理が入ってくるという現実を見なければなりません。それを踏まえてお聞きいたします。
 企業が運営に参入する際、ライフラインである水の安定供給と水質維持という公共の水道事業の本来の目的とは別に、ビジネスとして利益を上げるという目的が入ってきます。水道は総括原価方式ですから、役員報酬、株主報酬、法人税など、ビジネスに係る経費も全て水道料金に上乗せできますが、今まで以上に料金が上がることに対し、どういう対策をする予定でしょうか。
#139
○政府参考人(宮嵜雅則君) 料金設定につきましては、午前中も何度か御質問いただきましたが、PFI法に基づきましてあらかじめ地方自治体の方で料金の幅、枠を定めますと同時に、それが適切に設定されているかどうかということを厚生労働省の方でも確認させていただいて、許可するというような仕組みになってございます。
#140
○川田龍平君 水道は地域独占ですので、一社しかない場合、自治体に断る選択肢はありません。上限は歯止めにならないんじゃないでしょうか。また、厚労省がチェックするというのも、この法案によると、料金は届出さえ出せば変更できると書いてあります。厚労省は何を基準に料金をチェックするつもりでしょうか。
 日本の企業は水道事業のノウハウが遅れているために、現在、水道事業には外資系企業がどんどん参入してきています。コンセッション方式で運営に関する最終決定権まで売却することは、今後、日本人のこのライフラインを外国企業に完全に委ねるという事態になり得ます。
 外資系企業の参入については外為法以外の規制はないということですが、水道は電気やガスと違い、安定供給の義務を課した法律がありません。どうやってこれ担保するのでしょうか。
#141
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほど来ございますが、コンセッション方式における外国企業の参入につきましては、PFI法ではコンセッション事業者の選定については公募の方法等により選定することを基本としておりまして、欠格事由に該当しない限り外国企業が応募することに制限はございません。
 今回の水道法改正案に基づくコンセッション方式につきましては、水道事業者たる地方自治体が水道事業の最終責任を果たすこととしておりまして、外国企業かどうかにかかわらず、サービス水準の低下等の問題が生じないように、事業の安定性、確実性、妥当性に配慮した仕組みとさせていただいているところでございます。
#142
○川田龍平君 その最後の部分ですね、水道は電気やガスと違い、この安定供給の義務を課した法律がないんですけれども、それはどうやって担保するんでしょうか。
#143
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道法の第十五条に基づきまして、水道事業者には給水義務が掛かっているところでございます。
#144
○川田龍平君 これ、この民間の企業、特に国家安全保障の観点からも質問させてください。
 例えば、仮想敵国、有事に際して我が国に何らかの危害を及ぼすかもしれない国の企業が運営権を取得できる事態は避けるべきではないでしょうか。これ例えば、我が国との間に領土問題を抱える国や二国間の条約を簡単にほごにする国の企業に国民の生命線である水道事業を任せてしまうことの安全保障上のリスクをどう考えているのか、お答えください。
#145
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今、外国企業についてどこの国がということで御指摘がございましたが、法律上は、欠格事由に該当しない限りは特に、国内企業も含めてですけれども、応募条件に差異を付けるということはないということでございます。
#146
○川田龍平君 これは大事なことなので繰り返し強調させていただきますが、これ、水道事業というのは国民の命を守るインフラです。御存じのとおり、我が国は自然災害の大国でもあり、今年一年だけでも相当な水害がありました。有事の際には、利益ではなく公共利益を優先しなければなりません。
 水道事業を民間企業にビジネスとして売却して、今後も頻繁に起こるであろうこの有事の際に、日本全国どこであっても国民に安全な水の安定供給を確保することをどうやって担保するのでしょうか。大臣の所見をお示しください。
#147
○国務大臣(根本匠君) もう政府委員が答えていますが、コンセッション方式における外国企業の参入、これは基本的には公募の方法等によって選定することを基本としていますから、欠格事由に該当しない限り外国企業が応募することに制約はありません。
 ただ、今回の水道法改正案によって、外国企業か日本企業かどうかにかかわらず、コンセッション方式が導入された場合においては、安全かつ確実に水道事業が実施できるように公の関与を強化した仕組みとしております。
 もうちょっとしゃべっていいですか。
#148
○委員長(石田昌宏君) どうぞ。
#149
○国務大臣(根本匠君) 具体的には、今回の水道法改正案に基づくコンセッション方式、これは、地方自治体には引き続き水道事業の最終責任を維持するなど公の関与を強化した仕組みとして創設するものであります。水道事業そのものを民営化するものではありません。具体的に、公の関与を強化する、これは、地方自治体が水道事業者としての位置付けを維持して水道事業の最終責任を果たす、そして、厚生労働大臣が事業の確実性や料金の妥当性、災害時の対応体制、自治体のモニタリング体制、しっかりできるかと、こういうことを確認した上で許可いたします。
 それから、自治体もきちんとコンセッション事業者に対してはずっと継続的にモニタリングもやっていきますし、料金についても条例で決めていくわけでありますから、その自治体の対応とそれから厚生労働省の対応、こういう二つの仕掛けを用意して水道事業の安定性、安全性、持続性の確保に十分配慮した制度としているのが今回のこの仕組みであります。その意味では、水道事業が安全かつ確実に実施されるように適切に対応していきたいと思います。
#150
○川田龍平君 ちょっとまた改めてこれは聞きますので、またちょっと準備しておいていただきたいんですが。
 利益を出すことは、株主を抱える民間企業であれば当然です。この利益優先性が公共サービスにもたらし得る事態について質問いたします。
 民間事業者に任せることのメリットとして挙げられることの一つに効率化があります。事業運営の無駄をなくし、利益を最大化するということです。しかし、諸外国では、民間企業が事業の最適化によって人件費や検針サービスを削減した結果、安全管理、品質管理がおろそかになった事例が少なくありません。
 こういう質問をすると、政府からは水道事業者が作成する実施計画書を厳正に審査するから問題ないという答えが返ってくるのですが、問題は、これ審査し切れるのかということです。採算度外視でも公共インフラを進める自治体と違い、民間企業はビジネスですから、不採算部門は切り捨てるでしょう。
 そういうところまで今回の改正法案は審査したり監督したりできるのでしょうか。
#151
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からもお話がありましたが、地方自治体は、あらかじめ条例等で施設整備を含む業務の範囲、民間事業者に求める水道施設の管理運営レベル、料金などの枠組みを定め、コンセッション事業者は、その枠組みの中で効率的な水道事業運営を行うこととなります。その上で、今回の法案では、厚生労働大臣が事業の実施計画を審査した上で許可を与える仕組みとなってございます。
 この審査につきましては、改正法の二十四条の六にも許可基準として書かれてございますが、計画が確実かつ合理的であるか、料金は妥当かつ適切に設定されているか、水道の基盤強化が図られるものとなっているか等の観点から行うこととしております。
 したがって、絶対的に水道事業が確実にかつ安全に実施できるかについて、厚生労働省においてもしっかり確認するという仕組みになってございます。
#152
○川田龍平君 また後で議論したいと思いますが、この重要なチェックを地方議会にやらせるということですが、議会に細かなチェックを任せるんでしょうか。自治体議員に、この民間企業との契約の詳細をしっかりと吟味できるような人材、これいるんでしょうか。ならば、そういう専門知識を持つ人材を自治体に配置するような政策が必要なのに、それもありません。入管法もそうですが、余りに拙速に法案を通そうとするだけで、中身についての詳細が見えてこない。
 もう一度聞きます。専門知識のない地方自治体議員や地方議会に任せて、チェック体制をどうやって機能させるんでしょうか。
#153
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 私の方から地方議会についてコメントするのはちょっといかがなものかなと思いますが、住民の代表であります地方議会の議員というか、地方議会でもしっかり審議していただくということが大事だろうというふうに考えております。
 その上で、繰り返しになりますが、さらに、実施計画は厚生労働省の方でも審査をした上で許可を与えるという仕組みになっているところでございます。
#154
○川田龍平君 これ、地域において一社独占となる水道事業にあって、この競争の原理というのは働かないのではないでしょうか。むしろ、独占状態ゆえに事業の停滞を招くのではないかと思いますが、いかがですか。
#155
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式は、現状のまま地方自治体が水道事業を実施した場合とコンセッション方式を導入した場合とを比較して、コンセッション方式の方が地域住民にとって水道料金やサービスの観点でメリットが大きいと判断される場合に導入されるものでございます。
 民間事業者の選定に当たっては、一般的に公募プロポーザル方式によって、地方自治体は複数の民間事業者の提案内容を比較した上で選定することになると考えております。
 以上でございます。
#156
○川田龍平君 それでは、視点を少し変えて、コンセッション方式、いわゆるPFI方式の一種ですが、このPFI方式そのものの問題点について議論したいと思います。
 本年九月の台風二十一号による関西国際空港の大混乱について、PFI事業という観点から検証してみたいと思います。
 関西国際空港は、ここ数年の空港事業収益の好調を受けて、PFI事業の好事例として紹介されてきました。しかし、今般のこの台風被害における災害時の対応を見る限りでは、明らかに失敗例です。公共施設として全く機能していませんでした。台風による浸水で空港が孤立してしまってからの空港内施設での対応、これは、空港に滞留している人数の確認ミス、台風通過後の空港から本土への旅客輸送の遅延、空港復旧までのごたごた、こういう一つ一つの事実を見ていくと、PFI事業というのは、利益だけ追求できても、公共事業として利用者の安心、安全を守るという点が欠如していることが明らかです。
 関西空港について言えば、この災害計画の不備、ガバナンスの曖昧さなどが指摘されていますが、国土交通省は関西空港における今般の混乱をどのように考えているのか、PFI事業、事業者のガバナンス、災害BCPといった観点から説明してください。
#157
○政府参考人(久保田雅晴君) お答え申し上げます。
 関西空港におきましては、委員御指摘のように、本年九月四日に発生しました台風二十一号におきまして甚大な被害を受けました。九月四日以降、関係各機関の御支援もございまして、九月七日には第二ターミナルの再開、そして九月十四日には主力である第一ターミナルの南半分の再開、そして九月二十一日には第一ターミナルの全面再開という形で段階的な機能回復、行ってきたわけでございます。
 その過程におきまして、私どもとしましては、例えば、今委員御指摘の訪日外国人を含みます発災時の旅客避難対応でございますとか、また旅客便等を段階的に復旧するという、そういった対応計画、そしてまた意思決定体制の在り方など、改善すべき課題があったものと認識をしておるところでございます。
 したがいまして、まずは関係者でございます関西エアポート、そして新関西国際空港株式会社、そして我々といったそれぞれにおいてしっかりとした検証が必要であると考えておりまして、現在、関西エアポートにおきましては、タスクフォースを設けて災害時の対応の在り方について今般の反省を踏まえ検討を進めておるところでございまして、年内を目途に検討結果が示されると聞いておるところでございます。また、私ども国土交通省としましても、有識者によります全国主要空港における大規模自然災害対策に関する検討委員会を設け、空港の機能確保に必要な対策の検討を行っているところでございます。
 いずれにいたしましても、国土交通省としましては、これらの検討の結果を踏まえまして、いわゆるBCPの見直しなど、運営を民間委託している空港含めて、主要な空港の対策に反映させていきたいと考えておるところでございます。
#158
○川田龍平君 これ、原因究明、検証の途中ということでありますが、明らかにこれ運営事業者の中のガバナンスの不在、利益追求には積極的に関与はするが命に関わる災害対応には興味がないと、そんな姿勢が現れています。
 PFI事業の成功例と言われる関西空港でさえこの事態です。厚生労働省は水道法を拙速に改正する前に、この関西空港の事例をまずきちんと検討した方がよいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。検討する御意思ありますか。
#159
○国務大臣(根本匠君) 今回の関空の事案については、関空の事案としての問題点、課題があったんだと思います。それは国交省からお話がありました。
 まず、今回、コンセッション方式の導入に当たっては、災害発生を想定して、あらかじめ地方自治体と民間事業者の間で災害対応の役割分担あるいは費用負担の在り方を定めていくことが重要だと思います。その意味で、これはPFI法に基づく実施方針及び実施計画で具体的に定めるということになっております。そして、今回、我々、水道事業におけるコンセッション方式の導入においては、今回の水道法改正案によって厚生労働大臣がPFI法に基づく実施方針及び実施計画で定められた災害等の対応内容について確認した上で許可を与えることとしております。その意味では、災害時においても応急給水や災害復旧、確実になされるようにその段階できちんと確認しておくということであります。
#160
○川田龍平君 この関西空港の混乱は、運営会社が外資、内資の合弁会社で、会社内の意思疎通のまずさが指摘されています。水道事業について考えますが、仮に運営事業者が関西空港のような外資との合弁会社となった際に、今回の関西空港のような功利主義の下で責任の所在が曖昧になる危険が拭えません。
 フランスのパリでは、水道事業の再公営化の理由の一つは、運営の中身が見えなくなり責任の所在が分からなくなったことでした。運営事業者の責任の在り方について、単に実施計画書の審査という話ではなく、責任の所在を明確にするためにどういう審査をするのか、具体的にお答えください。
#161
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、運営権の設定に当たっては、災害等の対応内容について厚生労働大臣が確認の上許可をすることとしておりまして、今後、省令において許可基準に関する技術的細目を定めますとともに、ガイドライン等においても許可基準の詳細や許可申請時の留意事項を示していきたいと考えております。
#162
○川田龍平君 この関西空港のPFI事業では見抜けなかったわけですから、この未曽有の災害を経験した国民は、審査するから大丈夫ですなんという回答では納得できません。客観的な根拠を示していただけないでしょうか。
#163
○政府参考人(宮嵜雅則君) 先ほどもお答え申し上げましたとおり、運営権の設定に当たりましては、厚生労働大臣が確認した上で許可することとしておりまして、詳細につきましては省令やガイドラインでお示ししていきたいというふうに考えているところでございます。
#164
○川田龍平君 この関西空港の事例では、運営事業者の関西エアポート株式会社のガバナンスが浮き彫りになっていますが、そもそも発注事業者である新関西国際空港株式会社の発注責任や契約自体の妥当性も明らかになっていません。この失敗例を受けて、水道事業者と運営事業者の責任の所在の明確化は必要な議論だと思います。しっかりと省内で議論していただきたいと思います。
 水道事業の運営権売却について、もう一つ教えてください。
 海外の水道事業でPFI方式を導入した事業者で、危機管理に成功している例などあるのでしょうか。具体的には、自然災害などを受けて対応した事例などについて調べたのでしょうか。
#165
○政府参考人(宮嵜雅則君) 海外の水道事業におきまして、コンセッション等の導入によりまして危機管理に成功しているという事例といたしましては、例えばフランスのカンヌ地域において、ITシステムの活用により非常時対応の充実を実現した事例があるということは承知しておりますが、今議員から御指摘がありました実際に災害等を受けて対応した事例については、私どもとしては承知していないところでございます。
#166
○川田龍平君 ちょっと、調べていないというのは信じられないと思います。これ、水道事業というのは国民の命を預かる生命線です。
 運営権を譲渡した、災害が発生しました、でも、海外で民間企業に運営させて災害時に成功したという事例もない。これでは自然災害大国の我が国の水道を民間のビジネスにしますよという法律が通せるわけないじゃないですか。
 海外事例の調査だけならば、これ数週間も要らないはずです。拙速な議論で終わらせることなく慎重な審議にするべきと考えますが、これ、政府の考え方はいかがでしょうか。
#167
○副大臣(大口善徳君) 今回のコンセッション方式については、水道法の改正法案で、この水道事業者は地方自治体のままとしてこれまで変わらないと。災害時の対応については、地方自治体が事業の最終的な責任を負った上で進めていくということであります。
 いろいろ地理とか地形とか、災害対応についてはその自治体が独自のノウハウも持っておりますので、やっぱりここを大事にしていくということだと思うんですね。二十四条の四、そして二十四条の五で厚生労働大臣の許可、そしてまた二十四の五では、災害その他の非常の場合における水道の継続のための措置ということで、これ実施計画にきちっと盛り込む。また、大災害によって水道事業の実施が一時的に困難となった場合であっても、水道事業者は地方自治体のままであるため、導入前と同様に、全国の水道事業者等の関係者の協力や、必要に応じて国や都道府県の支援も得て応急給水や復旧に取り組むことで水道事業の継続を確保する、これ三十九条の二に書いてあるわけであります。
 災害が発生した場合でも、これまでと同様、応急給水や災害復旧は確実に実施され、住民の方々に安全な水が供給されるように、今回の改正法案によって厚生労働省としてしっかり対応してまいりたいと、こう思っています。
 海外の、先生、事例についてでありますけれども、文献等で事務方に調べることについては検討させたいと思います。
#168
○川田龍平君 是非議論に資する資料を出していただけるようにお願いします。
 それ一応、理事会に諮っていただきますよう、よろしくお願いします。
#169
○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議いたします。
#170
○川田龍平君 次に、政府の答弁に何度も出てきているこの実施計画書の審査手続について質問いたします。
 今般の水道法改正案では、厚生労働大臣が水道事業者の提出する実施計画書を審査し、許可を与えるということになっています。この実施計画書の事業者側の最終決裁権者が誰であるのかも含めて、審査の手続の流れについて、時間も来ていますが、簡潔に説明してください。
#171
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式を導入する地方自治体は、PFI法に基づきまして、選定手続や料金の枠組み等を定めた実施方針に関する条例を制定いたしますとともに、コンセッション事業者が具体的に行う事業を選定します。
 次に、地方自治体は募集要項等を公表し、公募型プロポーザル方式により十分な官民対話を実施した上でコンセッション事業者を選定することになります。その上で、地方自治体は運営権設定について議会で議決を行った上で、厚生労働大臣等に運営権設定の許可を申請することとなります。
 その際に、地方自治体は、実施計画書において、先ほど来から出ています災害その他非常の場合における水道事業の継続のための措置とかモニタリング体制などについて記載することとしております。厚生労働大臣は、水道施設運営権の設定の許可に当たっては、事業の実施計画について、先ほども申し上げました二十四条の六にあります許可基準三点の観点から審査を行うこととしているところでございます。
#172
○川田龍平君 まとめます。
 地方議会が最終決定権者なのだと理解していますが、ただ、実際の話として、議会が議決したものを厚生労働省が突っ返すというのは無理があるんではないでしょうか。選挙で選ばれた代議員で構成される議会の権能、つまりそれは住民の意思表示にほかなりません。議会の決定を尊重するのは国であろうと当然かと思いますが、しかし、議会の決定を尊重するとなると国が審査をしないことになりますが、これでは審査にならないのではないでしょうか。
 引き続きまた議論をしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 終わります。
#173
○川合孝典君 国民民主党・新緑風会の川合孝典でございます。
 私からも初回の水道法の審議にさせていただきたいと思いますが、私自身、正直申しまして水道法の専門家ではございませんので、今回この法案が提出されたことを受けて、改めてこの法案の中身や周辺環境についての分析をさせていただきました。
 日本の水道事業というのはおおむね健全に、おおむねといいますか、世界的に見てかなり優秀な水準で経営が行われているというふうに認識いたしております。他方で、中小事業体を始めとする簡易水道事業体については、特に地方の過疎地域においては非常に厳しい経営環境の中で事業運営をしていらっしゃるという、このことも私自身認識をいたしております。
 したがいまして、水道事業の基盤の強化を図るというこの法案の趣旨自体については別に問題がないのではないのかというところからそもそもアプローチをさせていただきましたが、その後、様々な分析や検証をさせていただきましたところ、ここまで何度も出ておりますコンセッション方式の導入を始めとする幾つかのと申しますか、幾つもの懸念材料が出てまいりましたので、今回は、先入観を抜きにいたしまして、こうした問題が、今回法律が改正をされることによって本当の意味で国民生活に資するものになるのかという、この観点から幾つか基本的な質問をさせていただきたいと思います。
 まず、水道事業の現状の認識についてということでございますが、宮嵜審議官で結構であります。今、国内の水道事業体で黒字事業体と赤字事業体というのは大体どの程度の割合になっているんでしょうか。お答えできればしていただければと思いますが。
#174
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 供給単価と給水原価を比べたときに、いわゆる原価割れをしているという事業体が全体の約三三%ということとなっております。三三%、約三割ということでございます。
#175
○川合孝典君 大臣、これも通告はしておりませんが、六七%が黒字で三三%が赤字であるということなわけでありますが、この数字について、率直な大臣の感想はいかがでしょうか。
#176
○国務大臣(根本匠君) これは様々な要因があると思いますが、率直に言えば、自治体の規模が小さければ小さいほど赤字の市町村が増えると。これは、水道事業というのはそれぞれの、どこから水を引くかとか、それぞれの地域の状況が違いますから、あるいは人口がどの程度か、過疎か過密によっても違う。
 その意味では、それぞれ置かれた条件が違うわけですが、その意味で、私は、今こういう状況ですから、将来の人口減少や、あるいは水需要の減少や、あるいは料金収入減ってくるということを考えますと、この事態を率直に受け止めて、基盤強化というのをしっかりやっていかなければいけないと、そのために今回の法改正の目的があると思います。
#177
○川合孝典君 もう一度宮嵜審議官に確認をしたいと思いますが、ピーク時の有収水量が記録されたのは二〇〇〇年でよろしかったでしたっけ。
#178
○政府参考人(宮嵜雅則君) 御質問のありましたとおり、二〇〇〇年でございます。
#179
○川合孝典君 二〇〇〇年がピークで、それ以降ずっと、有収水量、お金が取れる水量はここに至るまでの間、十八年間減り続けているという状況があるわけであります。
 では、なぜピークを過ぎて十八年間減り続けている、いわゆる収入が減り続けていることに対して対策を講じてこなかったのか。そのことの結果として今こういう改革の議論が出てきているというわけですけれども、その対応が遅れていることに対して怠慢のそしりは免れないと思うんですが、この点についてどうお考えでしょうか。
#180
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今御指摘がございましたが、ピーク時から見ますと、人口が減少してきているとか水量が減ってきているとかということで厳しくなってきているということでございまして、それを受けまして、我々としては実際に、アセットマネジメントというわけではないですけれども、ちゃんと収支を見てくださいとか診断の簡易ツールを作ったりして自治体の方に、水道事業者の方に促してきたところでございますが、それを更に進めるために今般水道法の改正案を提出させていただいて、しっかり資産管理、アセットマネジメントをしてくださいということを改めて法律の方に位置付けたところでございます。
#181
○川合孝典君 大臣と本当はやり取りしたかったんですけど、もう一度審議官に確認をさせていただきたいと思いますが。
 では、ここに至るまでの間、自治体や事業体に対して厚生労働省として指示や指導を行ってきたという今御答弁がありましたが、その結果、効果についてはどう検証されていますか。
#182
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えを申し上げます。
 ちょっと今手元にその数値とかデータというのは持ち合わせていませんので定量的なお答えはできないところは申し訳ございませんが、我々としては、今申し上げました手引とか簡易ツールを使ったりということで自治体の方に促してきたところでございまして、委員御案内のとおりでございますが、そんな中で、水道料金上げているところももちろんございますし、なかなか地域の事情で難しいというところもあるというふうに思っております。
#183
○川合孝典君 するっと流されましたけれども、水道料金上げていくという話もありましたが、おおむねここ十二、三年間、水道料金はほぼ据置きの状態ですよね。私の理解間違っていましたでしょうか。
#184
○政府参考人(宮嵜雅則君) 全国的な平均的な数値としてはカーブが横になっているところでございますけれども、ただ、個別の水道事業者によって見れば、上げているところもあれば若干下げているところもあるというふうに承知しております。
#185
○川合孝典君 そうした状況を踏まえて、前回の水道法改正のときにもいわゆる広域連携の必要性についての議論というのはなされてきたと記憶しておるんですけれども、その後、ここに至るまでの間、広域連携を始めとする中小事業体を救済するための取組がここまで遅れてきた理由はどのように捉えていらっしゃるんでしょうか。
#186
○政府参考人(宮嵜雅則君) 広域連携につきましては、我々としても広域化のための計画作りとか地域での協議会、仕組みづくりについては働きかけてきたところでございまして、例えば地域での検討体制とか協議会というのもかなりの自治体ででき上がってきているというか、そういう体制を取っているところもございますし、具体的には、例えばこの三十年四月の段階で申し上げますと、香川県ではほぼ全県下の八市八町で広域的な対応をするというような成果が、成果というか、そういう事例が出てきているということでございます。
#187
○川合孝典君 最近の動向としてはそういうことだということでありますが、現実問題として二千前後の事業体が今現実に存在しているわけでありまして、そうした事業体がどう連携していくのかということの議論というのは本来二十年前から進めていれば、中小のいわゆる赤字事業体と言われるところが既に何らかの具体的な対応策を図れていたはずだと私は理解しているんです。
 今やっていることについては私も十分承知はいたしておりますけれども、ここまで追い込まれるまでなぜ具体的な効果的な対応策が取られなかったのかということを私が指摘させていただいているということを是非御理解いただきたいと思います。
 その上でなんですけれども、もう一つ指摘させていただきたいのは、大臣にも是非お聞きいただきたいんですけれども、三分の二の事業体はおおむね黒字運営を行っているということで、数字的にはそうであります。しかしながら、現実問題としては、水道事業で働いていらっしゃる職員さん、この職員さんがほかの地方公務員さんに比べてはるかに速いスピードで削減されているという実態があるわけであります。つまりは、合理化を行うことによって収支のバランスを取っているという実態がございます。
 お手元にお配りした資料の一の右下のところに表がございますが、平成七年と二十二年との増減率、記載されております。地方公務員全体で一五・五%の減少、それに対して水道関係職員は二九%ということでありまして、相当速いスピード、極端なスピードで水道職員さんが要は合理化に遭っているということなわけでありますけれども、こうした実態があるということは大臣はそもそも御承知だったでしょうか、お伺いしたいと思います。
#188
○国務大臣(根本匠君) 私もこういう傾向にあるということは承知をしておりました。
#189
○川合孝典君 質問の順番が若干変わりますけれども、では、水道事業に関わる職員さんの適正な要員数というものをどのように位置付けていらっしゃるのかということを、これは厚生労働省で結構ですので、お教えください。
#190
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業に必要となる職員数につきましては、事業体の規模とか業務内容とか地域の実情によって異なりますことから、一律に適正職員数を示すことは困難であるというふうに考えてございます。
#191
○川合孝典君 つまりは、基準はないという理解でよろしいですか。
#192
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今御答弁申し上げましたとおり、それぞれの事業体の規模とか業務内容とか地域の実情によって異なるというものでございますので、基準を設けているというところではございません。
#193
○川合孝典君 答弁書を読むのをやめて頭で判断していただきたいんですけれども。
 現実問題として、老朽化した水道管を更新するための人手すら足りない状況になっているんですよ。インフラ事業じゃないですか。生活インフラを支えるためのものじゃないですか。それを、きちんと老朽管を耐用年数が超えたところで新しいものに更新していってということを考えた上で要員が計算されなければいけないんじゃないんですか。一概に言えないという話じゃない。民間じゃあり得ない答弁ですよ、それ。
 いかがなんですか。適正な人員というものをどう考えるべきなのかということをもう一度改めておっしゃってください。
#194
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、その業務内容とか地域の実情によって異なりますので、なかなかこういう数字だというのは申し上げるのは難しいというふうに考えております。
 例えば、委員御指摘がありました管路の更新につきましても、自治体で直営でやっているというよりは、実際には業者さんの方に出してやっているということが多いかと思いますし、例えば検針するとか料金を徴収するとかというところも、第三者委託というか、民間にそういう業務を委託しているところもあれば直営でやっているところもあったり、いろいろなパターンがあるんじゃないかというふうに考えております。
#195
○川合孝典君 つまりは、厚生労働省本省では、自治体の実際やっている業務の内容までグリップできていないという話ですよね。把握し切れていないということなわけですよね。そういう理解でよろしいですね。
#196
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 把握していないというよりは、自治体の御判断でどういうふうな配置とか人数とか、あるいは第三者委託をするかというようなことで取り組まれているというふうに考えております。
#197
○川合孝典君 水掛け論になりますから、この話は終わらせて次に行きたいと思いますけれども。
 民間でも何でもそうですけど、何らかの事業を行うときには、その維持、新たにつくるときには当然人が必要です、新規に上水道を引くとかという話になるときには。そのこととは別に、一旦でき上がったインフラをどう維持していくのかということに関しても、適正な要員というものについての一定の基準は必要になるはずであります。市町村合併や様々な地域の事情によっても、行政の枠組みもそれぞれの地域で変わっているわけでありますから、国民の大切な生活インフラだということを繰り返しおっしゃるのであれば、それを守るためにどうするべきなのかということの議論が同時になされていなければいけないということを指摘させていただいた上で、次の質問に入らせていただきたいと思います。
 大臣の御所見をお聞かせいただきたいんですが、水道料金には、現在でも、例えば北海道夕張市と兵庫県赤穂市の間でおおむね八倍ほどの水道料金の二十立米当たりの価格差があるというふうに言われておりますけれども、この水道料金の地域格差について大臣はどのように御認識されていますでしょうか。
#198
○国務大臣(根本匠君) 水道料金については、やはりそれぞれの地域において、地理的条件が違う、あるいは浄水処理方法もいろいろあるんだろうと思います。そして、事業規模においてそういうものが設定されていますから、一定の、どうしてもその結果として料金で水道って回収していきますから、それぞれの地域で置かれた条件が違うので、その結果として料金の地域差があると思っております。
#199
○川合孝典君 客観的な事実としては確かにおっしゃるとおりなわけでありますけれども、それでは、大臣は、要は有利な、いわゆる水道料金が安くなる地域と高くならざるを得ない地域があるということを理解した上で、では、この水道料金の地域格差をどうするべきだと思われますか。
#200
○国務大臣(根本匠君) 水道料金の格差縮小に資するように、水道施設整備に高額な費用が必要となるなど、経営基盤の厳しい水道事業者に対しては厚生労働省から財政支援を行ってまいりました。また、総務省においても、自然条件などによって建設改良費が割高なために料金を高く設定せざるを得ない水道事業、これについては料金格差の縮小に資するような地方財政措置を設けていると承知しております。交付税で、元利償還費の一定の割合を交付税で見るとか、地方財政措置が行われていると承知をしております。
#201
○川合孝典君 では、今おっしゃったように、様々な措置を行った結果としてこの地域格差が生じているわけで、では、この地域格差というのは許容の範囲内だという理解でよろしいでしょうか。
#202
○国務大臣(根本匠君) まあ、それはそれぞれの地域によって異なるんだろうと思います。地域格差といっても、最小から最大というふうに見ると、夕張市辺りは非常に高いわけですが、あるいは赤穂市は非常に低いと。これは、この地域格差について、やはりそれぞれの地域の状況が反映された結果だと思いますが、施策としてやるべきは、高額になるようなところは、先ほど申し上げましたが、厚生労働省においても財政支援をする、あるいは地方財政においても資本費について一定の交付税の措置を講ずるということで、地域格差に対する対応が行われると思っておりますし、そこは我々も努力していきたいと思います。
#203
○川合孝典君 高額という、高額の概念が人によって違うと思うんですけれども、具体的に、一昨年の日本水道協会のデータによると、家事用二十立米当たりの一か月水道料金が、夕張市で六千八百四十一円、それに対して兵庫県赤穂市は八百五十三円と、こういう差になっておるわけでありまして、地方へ行けば行くほど所得も当然都市部よりは低くなるという状況の中で、公共料金がこれだけ田舎に行った方が高くなるということになるのが、果たして今大臣がおっしゃった説明でカバーし切れることなのかということを私は実は御指摘をさせていただいているわけでありまして。
 こうした実態を踏まえて、様々な政府、厚生労働省による支援の策が講じられるということも必要なわけでありますが、であるがゆえに、広域連携をいかにうまくしていくのかということが求められているわけでありまして、私、今回、この法案をずっと読ませていただいていて、ここに至るまで、具体的な有効な措置が講じられない状況の中でここに至っているわけでありますから、コンセッションの議論をする前に、まず具体的な広域連携の枠組みをどうしていくのかということを先に議論する、先ほども出ていましたけど、先に議論するべきなのではないのかというふうに私感じておるんですけれども、まず広域連携をきちんと整理していくんだということについては、この辺、いかがお考えでしょうか、大臣。
#204
○国務大臣(根本匠君) 委員のお話のように、やはり広域的な連携をしっかり推進するということが大事だと思います。
 それからもう一つは、個別の水道事業を見ても、収支見通しをきちんと作成して、施設の計画的な更新や耐震化に努める、そしてアセットマネジメントをきちんとやる、これも必要だと思います。
 基本的には、やはり広域連携を推進する、新たに都道府県にそういう役割を担ってもらいますから、今度は都道府県が入って協議会もつくって、そこで関係者がしっかり議論をして広域連携を推進する、今回はそういう手だてを講じたというところであります。
#205
○川合孝典君 おっしゃっていることの趣旨はよく分かります。だからこそ疑問に感じるのは、要は、広域連携がまだ進んでいない状況の中でコンセッションの議論が突然飛び込んできているわけでありまして、しかも、法案の中身を見ておりますと、ある意味、言い方はきつくなりますけれども、丸投げ、地方に丸投げということになってしまっておるわけでありますから、果たして、こうした形で地方自治体に、また非常に経営体質の弱い中小の事業体に対して、要はこれを丸投げしてしまってコンセッションの議論が始まってしまうこと自体がそれぞれの地域にとってリスクなんじゃないのかと実は素朴に感じておるわけでありまして、そういうことはないと大臣言い切れるんでしょうか。
#206
○国務大臣(根本匠君) コンセッション方式というのはあくまでも選択肢の一つで、こういうコンセッション方式でやりたいという自治体もありますから、それはあくまでも自治体の置かれた前提の中で自治体が御判断するということで、コンセッション方式という官民連携の仕組みの新たな一つの選択肢を用意したということであって、そして、それはあくまでも自治体が判断をするということですから、全ての自治体にやれということではない、そういうスキームになっております。
#207
○川合孝典君 コンセッションの話についてはこの後じっくりとやらせていただきたいと思いますので、その前に、現状の問題認識についてもう少し議論させていただきたいと思いますが。
 水道事業に携わっていらっしゃる職場、現場の皆さんからのお声として、過度に人員削減をし過ぎたことの結果として、いわゆる水道事業者の人材確保、技術、技能の伝承がおぼつかなくなっているという御指摘がありますが、このいわゆる水道事業に携わる人材確保のための具体的な対策や方針というものはお持ちでしょうか。
#208
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 地域における水道事業を将来にわたって維持していくためには、委員からも御指摘がございましたが、人材確保や、技術、技能の伝承は極めて重要であるというふうに考えております。そのために、地方自治体においては、水道事業に関する専門的な知識、技術を有する人材の確保や育成に努め、地域の実情に応じて適正な定員管理、人員配置を行っていただくことが重要だというふうに考えております。
 厚生労働省といたしましては、今後、水道の基盤の強化のための基本方針において、水道事業等の運営に必要な人材の確保や育成の考え方についてお示ししていきたいというふうに考えてございます。
#209
○川合孝典君 何かぼそぼそ読まれると全然やる気を感じないんですけれども。
 今るるおっしゃいましたけれども、これ、実際自治体の職員さんから上がってきている声として、必要な人材の確保に努めますとか、もうそう言わざるを得ないのかもしれませんが、現実問題として、例えば、地方自治体の内部で要は人事異動が実は行われると。この人事異動自体は必要なんだけれども、その人事異動の結果として、水道事業のいわゆる技術者、技術の蓄積ができないといったような指摘も実はあるんですよ。
 したがいまして、自治体内でのローテーションの話とは別に、水道事業に携わる専門人材の確保、育成のためにということについては、特出しをしてそういう指導をしていただいた方がこの人材が枯渇している現状の中ではいいのではないのかと、このような指摘があるんですが、この辺りのところ、今の話を、大臣、聞いていただいて、いかがお感じになりますでしょう。
#210
○国務大臣(根本匠君) 水道はまさにライフラインそのものですから、しっかりと人材確保あるいは技術や技能の伝承は極めて大事だと思います。
 その意味では、水道事業に関する専門的な知識、技術を有する人材の確保、育成、これは私も大事だと思います。そして、それはやはり実際の水道事業は自治体が担っておりますので、先ほど審議官から答弁がありましたように、我々も人材の育成は必要だと思っておりますし、必要なアドバイスや研究会なども今までいろいろやってきました。
 そういう形で我々も支援したいと思いますが、基本的にやはり実際に水道事業を運営する自治体において、まさに自治体が一番現場を知っているわけですから、そこは自治体において適正な定員管理やあるいは人事配置を行っていただきたいと思います。
#211
○川合孝典君 それができていないから赤字事業体と黒字事業体でまだらの状況になってしまっているわけでありまして、その問題をどうしていくのかということの議論をしているわけで、別に私、大臣が悪いと言っているわけじゃないんですよ。そのことはちょっと誤解のないように申し上げておきたいと思いますが。
 地方自治体、もちろん自治体が一義的には責任を持ってやるんだというのは、それはもう大臣のおっしゃるとおりだと思います。が、しかしながら、水道事業を始めとするインフラって装置産業なわけですから、一旦つくってしまえば、ある意味、設備投資や更新にお金掛けなければ利益だけ上がってくるということになりますので、当然、地元自治体の財政状況やその地域における政治情勢について、投資や人材育成に対してネガティブ、後ろ向きになってしまうといったような状況が生じることがあっても何ら不思議はないわけでありまして、私が申し上げたいのは、そうした事情、苦しい地域、地方自治体の財政事情の結果として今こうなっていると。
 この状況を今後どうしていくのかということの議論をしなければいけないので、自治体がやりますとか、やっていますとかという話とは違うということでありまして、是非、地方自治体がきちんと老朽化した水道管を更新をして、地域住民の皆様に対して衛生的な上水がきちっと行き渡るような形を守っていく上で最低限どういうことをしなければいけないのかということを、こういうことこそコンセッションとかの議論をする前にやっていただきたいんですよ。
 そのことを御指摘させていただいているわけでありますが、ここまで申し上げた上で、大臣、よし、やると言っていただけませんでしょうか。
#212
○国務大臣(根本匠君) 私も、特に水道あるいは下水道、いろんな公共施設、公共事業ありますが、やはり技術者がどこの自治体でも減る傾向にありますから、ここはやはり将来の公共施設、水道も含めて、そこをしっかりと担っていくためには、技術者、人材の確保、育成、これは私も大事だと思います。
 水道事業の運営に必要な人材の確保や育成の考え方、これは水道の基盤の強化、この水道の基盤の強化をしようと思っていますから、その基本方針の中で水道事業などの運営に必要な人材の確保や育成の考え方については示していきたいと思います。
#213
○川合孝典君 是非、積極的に厚生労働省が主導権を取って、いわゆる赤字事業体を始めとして、水道の老朽化している地域等々に対する御配慮、手厚い配慮をお願いを申し上げたいと思います。
 もう一点、水道管のいわゆる設備の更新の関係について確認をさせていただきたいと思います。
 お手元の資料の二ページ目のところに、管路の経年化率とそれから管路の更新率についての厚生労働省さんがお出しになっている資料を準備させていただきました。これを拝見しておりますと、既に耐用年数四十年を超えた水道管の割合が二〇一六年末で一四・八%、これに対して更新率のスピードは〇・七五%ということであって、このままのペースで行きますと、全てを更新するのに百三十年以上掛かると。耐用年数が四十年で、百三十年というのは一体どういうことなのか、私にはいまいちよく分からないんですけれども。
 つまりは、全然間に合わないというデータが出てきているわけでございまして、この問題、耐用年数を超えた水道管の更新のペースアップについて厚生労働省としてはどのように取り組まれるおつもりなのかをお聞かせいただきたいと思います。
#214
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今委員からも御紹介ございましたが、水道の管路につきましては、法定耐用年数を超えたものが、割合が年々上昇してきておりまして、老朽化が進行する一方で、老朽化した管路の更新率は年々低下し、近年横ばいとなってございます。
 こうした中、今般の大阪北部を震源とする地震とか、あるいは三十年北海道胆振東部地震等では、断水等により国民生活に多大な支障を生じ、水道という重要なライフラインの強靱化の必要性を改めて認識したところでございます。
 こうした災害を受けまして、政府全体で水道施設を含めた重要インフラの緊急点検を行ったところでございまして、その結果も踏まえて、水道管路に関しましては、災害等で破損した場合に断水影響が大きい基幹管路について耐震化のペースを加速させていきたいと考えているところでございます。
 また、今般の水道法の改正法案におきまして、水道事業者の方に早期に収支見通しを作成していただいて、施設の計画的な更新、耐震化に努める旨の努力義務を課しますとともに、これらの前提となる台帳整備等を義務付けるなどして水道事業者等によるアセットマネジメントの取組も推進することとしておりまして、これらの取組によりまして、中長期的な観点から必要な財源を確保した上で、水道管路を含む施設の更新や耐震化を着実に進めていくことで水道の持続可能性の確保というのに取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。
#215
○川合孝典君 わざと分かりにくいように説明していただいているように聞こえるんですけれども。
 今おっしゃったことをそのままやれば、年率〇・七五%の更新率がペースアップ、具体的にどの程度速くなるんでしょう。
#216
○政府参考人(宮嵜雅則君) ちょっとどの程度速くなるかという定量的な数字をお示しすることは難しいところでございますけれども、先ほど申し上げましたように、例えば災害等では影響が大きく出ます基幹管路を優先順位を上げて耐震化のペースを加速させるとか、そういうような取組をしっかり進めていきたいというふうに考えております。
#217
○川合孝典君 ちょっと私の常識と違うのかもしれないんですけれども、ペースアップをする、どういうスピード感で設備更新を行うというのは、期間をきちんと明確にした上で、その期間内に達成させるためにどれだけの予算と人手が必要なのかということをそこから割り出していくものだと思うんですよ。
 今のお話を聞いておりますと、頑張りますという話、予算措置をしますという話はありますけれど、具体的にそれをやることによって更新率がどうペースアップするのか全然分からないですよね。何をおっしゃっているのかも分からないんですけど。
 本当にやるんですか。具体的に何かエビデンスというものは既にお出しになっているんですか。
#218
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 予算が関連してくると思いますが、予算につきましては毎年毎年努力してしっかり確保していくということに尽きると思いますけれども、そういう取組を通じて少しでも加速をさせていきたいというふうに考えているところでございまして、今の時点で幾ら予算が確保できるからどのくらいだというような形でちょっと申し上げられないところは御理解いただければと思います。
#219
○川合孝典君 毎年毎年しっかりとおっしゃいましたけど、ここまでは、じゃ、毎年毎年しっかりと予算は取ってこられたという理解なんでしょうか。
#220
○政府参考人(宮嵜雅則君) 少しずつではございますが、予算も拡大しているかと思いますので、それなりに毎年努力させていただいているということだと思います。
#221
○川合孝典君 努力が足りないからこうなっているんじゃないんですか。きちっと措置できていれば、もっと状況はここまで追い込まれたり切迫した状況にはなっていないと思いますよ。審議官、大臣にも是非これを御認識いただきたいんですけれど、今の予算措置の状況や人手や様々な政策だけでは間に合っていないから、こういうことになっているわけであります。
 だから、やるだけのことをやって、全てのことをやった上で、プラスアルファでコンセッションやることで更に国民生活にメリットが何らか生じるという話なのであればいいんですよ、別に。そうじゃなくて、何にも、何にもとは言いません、ほとんど何にもやらずに、結果ここまで追い込まれた挙げ句に、じゃ、コンセッションやることで小さな政府にして、債務を行政から切り離して民間に押し付けてしまえというふうにありありと見えてしまうから、こういう議論が起こってしまうわけであります。
 大臣、是非、この問題、水道法の法改正の審議が始まったことで広く国民の皆様もこの問題について注目をし始めていらっしゃるわけであります。高度経済成長期にたくさん造られた水道管は、もうほぼほぼ耐用年数が来ているんです。あのときに使ったお金、今現在の物価に換算すればそれ以上のお金を掛けなければ今現状ある水道インフラすら守ることができないという危機感を持って、予算措置を含めて対応していただきたいということなんですけれども、ここまで申し上げた上で決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
#222
○国務大臣(根本匠君) 確かに水道施設の整備費、これは二十一年度一千億でした。で、二十二、二十三と七百六十、四百十六とぐっと減ってきた。そして、我々、やっぱり水道の予算、これはライフラインだからしっかり確保しなければいけないということで、当初、そして補正で確保して、前も、先ほども申し上げましたが、二十七年度からは公共の水道施設整備補助金と別に非公共で生活基盤施設耐震化等交付金、これを新たに創設して、全体として、補正も含めて、今右肩上がりで我々も頑張ってまいりました。この水道の施設整備に対してしっかりと取り組む、これは我々同じ共有していると思います。
 これからも、水道法も改正いたしますし、この予算の確保、しっかり取り組んでいきたいと思います。
#223
○川合孝典君 補正とかそういう細かいことを言わずに、当初予算できっちりと予算確保した上で安定した事業運営ができるように、是非措置していただきたいと思います。
 では、ここからはコンセッションの導入に関する懸念、問題点について、私が感じたところで幾つか質問させていただきたいと思います。
 既に類似の質問出ておりますけれど、大臣にお伺いしたいんですが、このコンセッション方式と民営化の違いって何なんでしょうか、改めてお聞かせいただきたいと思います。
#224
○国務大臣(根本匠君) コンセッション方式、これは施設の所有権を地方自治体が所有したままで施設の運営権を民間事業者に設定する方式、これがコンセッション方式。で、いわゆる民営化事業と言われるような、つまり事業そのものを施設等の所有権も含めて民間事業者に移すものではありません。取りあえずいいですか、これで。
#225
○川合孝典君 それで、私、ちょっと意地悪かもしれないんですけど、いろいろ調べてみました。民営化、これ辞書に書いてありました。国や地方公共団体が経営していた企業及び特殊法人などが一般企業に改組されること、運営が民間委託されること、さらには民間に売却されることなど、様々な形態を指して用いられる政治的な言葉であるということでありまして、幾つかの国語辞典や辞書を調べてみたんですが、今回のコンセッション方式というのはまごうことなき民営化だと思うんですけれども、あくまでもコンセッションは民営化じゃないんですか。
#226
○国務大臣(根本匠君) 今、委員が民営化のいろんな定義を御紹介いただきました。我々は今回、地方自治体があくまでも水道事業者としての位置付けを維持して、引き続き水道事業の最終責任を担う、要は公の関与を強化した仕組みとしておりまして、これは選択肢の一つとして導入するものであって、民営化って様々な定義があると思いますが、水道事業そのものを民営化する、事業そのものを民間にやらせるという意味で、私はその点は異なると思っています。
#227
○川合孝典君 要は、日本国内の独特の政治的な言い回しがたくさんあることについてはもう委員の先生方もよく御理解されていると思うんですが、そもそも、このいわゆるコンセッション方式を導入して水道事業に民間資本の参入を図るというこのフレーズ自体が、海外に対するメッセージとしては間違いなく民営化なんです、これ。だから、例えば外資系の企業が、水メジャーが入ってくるときには、民営化された日本の水道事業に参入するということにほかならないわけでありまして、いや、日本の国内では解釈が違いますという、そういう説明、全く相手には通じないということでありまして、そのことを理解した上で、国民向けに民営化という言葉を使うことが刺激的過ぎるからコンセッションだとかPFIだとかPPPだとか、何かいろいろな言い方を使っておっしゃっているのかもしれませんけれども、民営化であるということを前提として、更に言ってしまえば、民営化でないと仮におっしゃるんだとしても、三十年間とかという超長期にわたって運営を委託し続けられるスキームが考えられているわけでありますから、民営化、実質的に民営化どころか、場合によっちゃ売却に近いような話になってしまうと思うんですよ。まあ、そこまでではないですけどね。
 したがいまして、そういう問題意識を持っていらっしゃるのかと。総理がコンセッション方式は民営化じゃないと言ったから民営化じゃないんだという話じゃないということを、所管官庁のリーダーとして御認識いただきたいんですけれども。
 あと、それからもう一点申し上げさせていただきますと、民間に売却せずに、要は運営権は国が持っているという話でいけば、私、調べてみましたら、日本郵政は株の五五%以上を財務大臣が持っていますよね。ということは、あれ民営化じゃないですよ、この理屈でいくと、ということなんです。
 したがって、そういう言葉遊びのようなところから入るから余計にいろんな方々の疑念を招くことになるということでありますので、要は実質的に民営化という動きの中でこの議論が行われているんだということを前提に議論していただかないと、本当の意味でのリスク管理できないと思いますけど、ちょっとしつこいようですけど、ここまでお話しさせていただいた上で大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#228
○国務大臣(根本匠君) 民営化というのは様々な定義で用いられている、委員がおっしゃられたように。ただ今回は、きちんと地方自治体が水道事業者としての位置付けを維持していますから、しかも、最終責任を負う、その下で民間の、民のノウハウ、効率的に運営できると思った場合に選択肢の一つとして認めるわけですから、これは公の関与がしっかり仕組まれている、ここが、諸外国でもいろんな事案があると思いますが、ここは日本は違うと思います。きちんと水道法に位置付けて、そして、その運営権自体を今回コンセッション方式ということで、自治体の判断で運営権自体を設定するということですから、一番大事なのは、全部民にやらせるというのではなくて、水道施設についての自治体がしっかりとした位置付けを持っている、そしてきちんと関与をしてチェックもしていくと、ここが私は違うんだろうと思います。
#229
○川合孝典君 プラスの側面でそうなったらいいなという話なんだろうとは思うんですけれども、現実問題として、もうさっきから繰り返し繰り返し話出てきていますけれども、民間事業者が水事業に参入するのはその水事業自体が利益が得られるがゆえに参入するわけでありまして、つまりは、その利益を誰が負担するのかという話になると、当然、水を使っている方、利用者がその費用負担をするということになるわけでありまして、本当に素朴な話なんですけれども、今地方自治体がやっている事業を民営化することで、実際問題一体何のメリットがあるのか、自治体がやっていることを民間に委託運営させることで何のメリットがあるのかが分からないんです。現状、ここまでの法案の様々な説明を聞いても、ここに至るまでの法案の質疑を聞いても、それが分からないんですよ。何がメリットなのかを是非教えていただきたいと思います。
#230
○国務大臣(根本匠君) 民間ならではの経営ノウハウや高い技術力、これを効果的に生かした効率的な事業運営をしてもらおうと。あくまでもこれは自治体が選択肢の一つとして、判断するのは自治体ですから。
 例えば、宮城県なども是非導入したいと言っています。やはり中身をしっかりと、自治体と公募で協議した上で、そして確実にこの民を、民間の活力を導入した方が自治体にとっても安定的な、効率的な住民に対するサービスもできる、そしてコストも節減できると自治体の方が、ということを自治体がしっかりと中身を見た上で、そして公募した事業体を見るわけですから、そこはきちんとした審査をして、そしてコンセッション方式を認めるということだと思います。
 で、民がどんなことで期待されているか。例えば、公共の手続にとらわれない民間調達による工事の長期一括発注や、これは発注者にとっての手間暇が減るわけですから、あるいは薬品、資機材の一括調達によって事業費を削減できると、そういうメリットがあるから、自治体にとって、だからそれは選択肢の一つとして自治体がこの事業体ならいいだろうと思ったところに運営権を設定するということですから、私は、やはりそこは実際にやりたいと言っているところの自治体もあるわけですから、それはデューデリも掛けてやっているんだろうと思いますが、そのメリットを自治体の方も感じているんだろうと思います。
#231
○川合孝典君 幾つか今お話しいただいた中で論点があったんですが、まず一つは、是非申し上げておきたいのは、民間の知見や様々な技術を活用してとおっしゃいましたけど、それって今の水道事業に携わっていらっしゃる職員さんではおぼつかないということの理解なんでしょうか。要は、今の専門の水道事業に携わっていらっしゃる職員よりも民間の方がもっとうまくできるという理解でよろしいんでしょうか。
#232
○国務大臣(根本匠君) 今水道事業に当たられている自治体の皆さん、私は一生懸命やられていると思います。
 ただ、この全体の事業運営総体として見た場合に、自治体から見て、応募してくる民間事業者がどこまできちんとしたサービスを安定的に供給できて、そしてどこまで自治体が自らやるよりも応募してきた事業体の方がより安い事業費でやれると、そこはきちんと交渉して見ていくわけですから、その上での判断だと思います。
#233
○川合孝典君 宮嵜審議官にちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、みやぎ方式の話が、今ちらっと宮城のお話が出ましたけれども、まず、質問の前に確認させていただきたいんですけど、宮城県の場合には、上水道、工業用水、下水道、全て、上工水一体となった用水供給事業なんですよ。最初から使う、要は用途が確定している状況での事業ということですから、結果的に一定の利益、三十億円程度の利益が見込まれるという話になっておりますけど、これ極めて特殊なケースであるということをまず冒頭申し上げておきたいと思います。
 その上で、宮嵜審議官に確認をさせていただきたいんですけど、今回の法改正をやらなかったら民間事業というのは参入できないんでしょうか。
#234
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 現状のPFI法の一類型としてコンセッション方式というのがございますので、現時点で、今の枠組みの中でコンセッション事業者が入ってくるということは十分にあることだというふうに考えております。
#235
○川合孝典君 そうなんですよ。そこで疑念がというか、懸念が広がってくるわけでありまして、元々今のままの水道法であってもコンセッションや民間事業者が参入できる枠組みにはなっているんですね。であるにもかかわらず、あえてコンセッションだといって、今回こういった形の法改正を行われることの真意が分からないんですよ、実は、幾ら話を聞いても。
 だから、何でコンセッションなのという、こういう話になるわけなんですけれども、従来の枠組みから更に一歩踏み込んでコンセッション方式の導入を行うということに関して大臣にお伺いしたいと思いますが、なぜ今回改めて、今でもできるのにコンセッションなんでしょうか。
#236
○政府参考人(宮嵜雅則君) 済みません、先ほど少し言葉が足りなかったかもしれませんが、現在のPFI法でもコンセッション方式というのは導入できますが、それを今の水道法に照らし合わせますと、運営権を設定した民間事業者が最終事業者になる。市町村が事業者としての認可を返上して、今のままだったらば民間事業者がそのまま事業主体になるというようなことになりますので、今般、水道法の改正案を出させていただいて、この水道法改正案と掛け合わせると、最終責任事業主体までは、民間のその運営権を設定した事業者にするのではなくて、市町村というか水道事業者、市町村が担うということで公の関与を残すというか強めるということが今回の改正の一つの大きなポイントだと思っております。
#237
○川合孝典君 であるならば、コンセッションじゃなくても、事業主体を自治体にするというところだけ書き換えればいいんじゃないですかねと、私は実は素人ながらごく素朴にそこが疑問なんですよ。何度聞いても理解ができない。
 今後も審議の時間、充実審議をということで求めておりますので、今後の質疑に委ねたいと思いますけれども、次の質問、幾つかまだ質問ございますので質問させていただきたいと思いますが、今回この法改正をし、仮にコンセッション方式がある水道事業体で導入された場合に、水道料金って具体的にどうなるんでしょう。いろいろですという話じゃなくて、要はこれは上下動く可能性があるという理解でよろしいんでしょうか。
#238
○政府参考人(宮嵜雅則君) 水道料金につきましては、冒頭からも委員からも御指摘いただいておりますが、そもそも原価割れのところも三割程度あるということも御答弁申し上げましたが、そういうことも含めて、コンセッションに限らずなんですけれども、しっかりアセットマネジメントをしていただいて、その情報を公開していただいた中で適切な水道料金を設定していただく、その中で広域化という話もあります。
 今御質問がありました仮にコンセッション方式を入れるということにつきましても、もちろん料金だけではなくて、サービスの中身とかモニタリングをしっかりやるとか、そういうことも含めまして自治体にメリットがあるという場合に選択肢の一つとして検討する状況になるというか、結果的にメリットがあれば導入するという御判断もあるんじゃないかというふうに考えてございます。
#239
○川合孝典君 そのアセットマネジメントしたら、原価割れが解消されるわけではないですよね。そうですよね。何か横文字使われると、何かそれでごまかされてしまうような気がするんですけれども。
 じゃ、宮嵜さん、これシミュレーションでいいですよ。原価割れしている赤字事業体が仮にコンセッション方式を導入するとしますよ。その場合、水道料金はどうなりますか。
#240
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 それは、今委員の御指摘のケースにつきましては、コンセッション事業者を入れるかどうかに関わらず、状況を見れば水道料金を見直す必要があるんじゃないかというふうに、今の設定ですと、私としてはそういうふうに思います。
#241
○川合孝典君 率直にお答えいただきまして、ありがとうございます。今の分かりやすかったです。
 それで、私が懸念しておりますのは、要は、そういう赤字事業体にコンセッションが導入されたときに、当然のことながら、民間事業者ですから、当然赤字で受注、受託するわけないわけでありますので、一定部分、水道料金が当然上昇するということになります。そんな判断を自治体がするかしないのかということについて、これが懸念なんですが、要は、自治体の収支のバランスシートから赤字の事業を切り離すことができれば、その分、自治体としては要はバランスシート良くなるわけですよ。要は、それを狙ってコンセッションの方に、低きに流れて、そのことの結果としてその赤字事業体の水道料金が上がってしまうという、これはリアルにシミュレーションをするとそういうことにならないのかということを実は懸念しているんです。大臣、そういうことは絶対ないですかね。
#242
○国務大臣(根本匠君) 要は、コンセッション事業者を募集してやるわけですけど、料金がどうなるか、これは申請の際に利用料金の枠組みをきちんと見ますから、どの程度の料金になるのかどうかと、ここは当然、自治体は関与いたします。
 そして、この議会の議決を経てこれはやる、そして厚生労働大臣がきちんとチェックする、こういう仕組みですから、それはいろんな過程あるいはいろんなケースの想定というのはあると思いますが、仕組みとしては、水道料金はきちんと自治体がチェックし見るわけですから、そしてそれをもう議会の承認にかからしめるという仕組みになっていますから、私は、料金が、水道料金がどんどんどんどん上がるということは考えにくいんではないか。ここはきちんと自治体が見るわけですから、そういう仕組みになっているということであります。
#243
○川合孝典君 大臣のお立場でそう御発言されるのはごもっともだと思うんですが、実態見てみますと、自治体によっては水道職員一人というところがあるんですよ。そういう自治体できちっと見れるのかという話なんです。
 実は、職員数が一人とか二人とか五人とか、そういうほぼほぼぎりぎりのところで、事業を回すだけでもういっぱいいっぱいになっているような自治体がある。そういうところも、今の枠組みでいくと、判断、自治体に委ねられちゃうんですよ。それで本当にきちっとできるのかという話なんです。
 だから、大臣は厚生労働省の本省にいらっしゃって何万人もの職員抱えて動いていらっしゃいますから、自治体はきちっとやると。今回、あさって、村井さんに来ていただきますけど、宮城県だって大きいですよ、県だから。なんだけど、我々が懸念しているのは、そうじゃなくて、簡易水道しかないような限界自治体でもうぎりぎりの人数で回しているところが、このコンセッションの議論だとか、そこで外から参入してくる事業者に対して適正な契約ができるのかと、このことを言っているんですけど、本当にきちっとできるんですか。そうならないようにきちっと措置してくださいということを申し上げているわけでありまして、ここは拙速に物事を進める前に、それぞれの事業体の陣容や実態を把握した上で議論を進めていただきたいんですけど、この点、いかがでしょうか。
#244
○国務大臣(根本匠君) まさしく私は、このコンセッション方式を採用するかしないか、これは自治体が主体的に判断するので、必要と思う自治体は判断すると思いますし、自分のところで判断できる力がない、あるいはそういう水道事業の状況にはないと考えれば、それは自治体はコンセッション方式を採用するということは私はないと思います。
 あくまでも官民連携、例えば民間委託、いろんな、今までもありますけど、その官民連携の選択肢の一つとしてこういう仕組みを用意しようということですから、あくまでそれは私は自治体の判断だと思います。
#245
○川合孝典君 いや、済みません、かみ合わないですね。
 主体的にもちろん自治体が判断すればいい話でもあるのかもしれませんが、主体的に判断できるところとないところがありますよということを指摘をさせていただいているわけでありまして、同時に、仮にその一人、二人の職員で回しているようなところにコンセッションができるようになったといったときに、外部から民間事業者が夢物語のようなバラ色の将来を設計して持ってきて、これでやったらこんなふうになりますよといって、それで二十年、三十年の委託契約結んで、蓋開けてみたら水道料金物すごい上がってしまいましたと。で、話が違う、話が違うからやめさせてもらうといったときに、じゃ、契約違反だから違約金という話にならないんですか。絶対そうならないということの措置が講じられているのかどうなのかが実は法案を見ているだけでは判断できないんです。
 別に私は、民間の資本が入るだとか、効率化のために、基盤強化のためにいろんな措置を講じるということに対して反対しているわけじゃないんですよ。穴空いているんじゃないんですかということを申し上げているわけでありまして、主体的に自治体が判断をするということとは別に、主体的に自治体が判断する上で判断を誤らないように厚生労働省としてきちんとそういう対策は打っているんですかということをお聞き申し上げておりますが、もう一度御答弁をお願いできますか。
#246
○国務大臣(根本匠君) 要は、今まず、自治体はコンセッション事業の実施方針に関する条例というのを制定するんですね。それで、実施方針の条例を制定して、その中は業務の範囲だとか利用料金の枠組みとか公共施設の運営等の基準と、こういうものを条例で制定して、そして、議会の議決を行った上で運営権設定の許可を厚労大臣に申請してくるということになります。
 だから、そこの実際の実施方針の中身で、今委員が御懸念になったようなところはそこで、実施方針の中で示しますから、それに合うかどうかというものをしっかりとコンセッション事業をやろうとする自治体が中身を精査するということでありますので、だから、制度上は、法律上は私が申し上げたような仕組みにしているし、あるいは実際のコンセッション事業がスタートした後でもきちんと自治体がモニタリングをする、あるいは厚労省が直接コンセッション事業者に対して報告徴収や立入検査をする、あるいは経常収支の財務状況なんかもきちんと見ていくわけですから、実はコンセッション方式を導入した場合であっても、その後きちんとモニタリングをしていきますから、財政状況がどうだ、収支の状況がどうだということできちんとしたフォローの手当てができているというのがこのコンセッション方式で、そこは水道法の中で自治体がきちんと事業主体として担保されていますから、ここは水道法の関与あるいはコンセッションの法律の方でいろんな手続がありますが、我々は合わせ技で特に公の関与をしっかりと残している、強化している、ここが委員の御懸念のようなことがないようにこの制度を運用していくということだと私は考えます。
#247
○川合孝典君 いろいろな論点で御答弁いただいたんで、自分が何の質問したのかが何か分かんなくなっちゃいましたけど。
 ちょっと話がそれますけれども、今御答弁があった中で幾つか重要なキーワードが出てまいりましたので確認させていただきたいんですけど、まず、収支について、財務状況のチェックをするという話がございましたけれども、これイギリスの例なんですけれども、運営事業者が帳簿上わざと赤字膨らませておいて、それで利益をタックスヘイブンの租税回避地に移してしまって、それで厳しい運営状況だということを粉飾した上で設備投資を怠っていて問題が起こったと、こういうことがあるんですけれども、そのことも想定した上で、いわゆるその財務状況のチェックというものが、きちっとタックスヘイブン対策も行った上でできている枠組みが既にあるという理解でよろしいんですか、これ。
#248
○国務大臣(根本匠君) モニタリングをきちんとやるということにしています。PFI事業におけるモニタリング、これを日常モニタリング、月次、四半期モニタリング、年次モニタリング、随時モニタリング。で、日常モニタリングは業務の実施状況を報告させて異常や問題がないか確認する、あるいは収支については年次報告できちんと収支の状況も把握する、あるいは年度事業報告会で事業計画、決算、財務状況、要求水準の充足状況、これきちんと確認しますから、そこは財務状況がきちんとチェックできる専門家がそこを見ることになりますので、私はきちんとした対応ができるものだと思います。
#249
○川合孝典君 今、さらっとおっしゃいましたけれど、イギリスだってその程度のことはやっているわけでありまして、それでもそういう問題が起こっているんです。税金逃れしようと思ったら、ある意味、バランスシートを年に一回財務状況も含めてチェックするぐらいのことでは話にならぬわけでありまして、日頃からきちんとモニタリングできているかどうかということが問われているわけなんですよ。
 民間企業にいわゆるインフラ事業を委託するということは、要は、そういうことが起こり得るリスクがあるということを前提とした上で、そういうリスクをどれだけ蓋をしていくのかということが事前にあった上でなかったら、本当全部もう持っていかれちゃう。その懸念があるということが世界中で起こっている現実として御認識いただきたいということなんです。駄目だということじゃなくて、こんなものじゃ駄目だと言っているんです。
#250
○国務大臣(根本匠君) それぞれの国にはそれぞれの制度があるんだろうと私は思います。イギリスあるいはフランス、フランスのパリでもいろんな問題が起こった。そういうことを踏まえて、我々はきちんと国の関与を強化して、強めて、その上で民間の事業者に運営権を設定してやってもらう、その後もきちんと自治体もモニタリングするし、厚生労働省もきちんと報告徴収、立入検査まで権能として入れていますから。そこは、日本の場合は国の、あるいは自治体の関与をきちんと強化した上で民の事業の運営権を設定しているということですから、私はそこも、パリで起こった事案は、我が方はきちんとした制度的な備えをしていると思います。(発言する者あり)いや、制度的な備えをしています。
#251
○川合孝典君 依然として、いや、大臣が真摯に答えていただいていることは分かっているんですけれども、内容的には、正直言って、はっきりと我々の腹にすとんと落ちるような御説明には残念ながらなっていないということは御指摘をさせていただきたいと思います。
 その上で、モニタリングの話。いろんな言葉、モニタリングの中に含まれておりますけれども、ちなみに、水質のモニタリングって、要は零細水道事業体でどうやってやるんでしょうか。
#252
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えを申し上げます。
 今御指摘のありました点については、零細のところとか、例えば先生の御指摘にあった一人しか職員がいないというところは、当然に自前で検査をするということはなかなか困難だと思われまして、一般的には、例えば水質検査をする会社に委託をするとか、そういうような形で管理をしているというふうに理解しております。
#253
○川合孝典君 理解はされているわけですけど、それを厚生労働省がきちっと全事業体に対してやるという理解ですか。厚生労働省がモニタリングやるんですか。
#254
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答えを申し上げます。
 水道事業者がそういう水質検査をどういうやり方でやっているかということとか、どういう頻度でどういうふうにやっているかということを厚労省がモニタリングするということで、水質検査自体をモニタリングするということはちょっと、各水道事業者、多くなるかと思いますので、厚労省が直接やるということはないと思います。
#255
○川合孝典君 いや、現状の状況はそれで回っているわけですよ、ある意味。なんですが、今後、民間事業者が入ってきて、要は運営をそこに委ねて、ある意味、所有しているのは自治体なんだけれども、扱っているのは全部民間事業者になったら、今関わっているような形で、要は水道事業や水質のモニタリングに対して関与できなくなるわけでしょう。そうなったときに、きちっと水質も含めてモニタリングできるんでしょうかということを聞いているわけです。今はできるかもしれませんよ。コンセッションで民間に委託してしまった後でもそれがきちっとできるということですか。
#256
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今、コンセッションの例で出ましたけれども、例えば本当に職員が一人しかいなくて水質検査を第三者委託とするとか、そういうのも含めまして自治体の方でそういうところはしっかり見ていくということになろうかと思います。自治体というか水道事業者の方でしっかり見ていくことになろうかと思います。
#257
○国務大臣(根本匠君) 今委員のおっしゃられたことは大事な点なんですが、要はモニタリング体制をしっかりとやる、そして厚労大臣が許可する場合には実施計画書というのを出してもらってそこをチェックするんですけど、専門的な知識、経験を有する者によって、適時適切に実施できる体制となっているか、モニタリングができる体制となっているか、これを確認した上で許可しますので、そこはきちんとモニタリングがやれるという体制を確認するということであります。
#258
○川合孝典君 時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますけれども、今問題点幾つか指摘させていただきましたとおり、まだちょっと曖昧なところというか釈然としないところが少なからずあるということは委員の皆様も御理解いただけたと思いますので、引き続きこの問題については議論を深めさせていただきたいと思います。大臣にはありがとうございました。
#259
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 先ほど来質疑を聞いておりまして非常に違和感を感じましたのは、これコンセッションのところ、改めて議論したいと思うんですけれども、あくまでもこれ自治体が決めることだと繰り返しおっしゃったわけです。しかし、これ閣議決定でどう決めているか。二〇一四年、日本再興戦略二〇一四で出てくるわけですけれども、公共施設等運営権等の民間開放、こういう項目で出てくるんですよ。これ、閣議決定で民間開放だというところがスタートだということは改めて押さえておく必要があるというふうに思います。
 その上で、やっぱり水道事業を、民営化とは違うんだとおっしゃるんだけれども、民間に開放して事業をやらせるということになることは間違いないわけで、そうなった場合、厚労省、要は政府としてこの水道事業についての責任は極めて大きいものがあるんだということだけ指摘しておきたいと思うんです。それは、あくまでもこの水道というのは国民の命と安全に関わるものであって、低廉、豊富、そして安全、これ担保するのは生存権の具現化でもあると、国の責任は大きいんだということを土台に据えて議論しないと、何か自治体やりたいからやったるんだみたいな、そういう改定ではないはずだと、改めてこの点でもしっかり議論をし直したいと思っております。
 今日は、広域化について伺いたいと思います。
 本法案では、国が基盤強化のために広域化を含む基本方針を策定すると、で、都道府県は基本方針に沿って新たに基盤強化計画を策定すると、こういうことになるわけです。広域化、これがなぜ水道の基盤強化になるのか、私、もう一つはっきり分からないと。改めて端的に参考人の方から説明いただきたい。
#260
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業は主に市町村が経営しておりまして、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であるため、施設や経営の効率化、基盤強化を図る観点から広域連携の推進が重要であると考えております。広域連携は、スケールメリットを生かして、水道料金収入の安定化やサービス水準の格差是正、人材、資金の確保、緊急時の災害等の対応強化等に有効だというふうに考えております。
#261
○倉林明子君 果たして、そのスケールメリットの有効性が発揮できることと、同時に、安全、そして低廉、豊富という水をしっかり供給できるのか、供給の義務、安定供給の義務という点でどうなのかということも問われる問題だと思っているんです。
 そこで、本年六月十八日に発生しました大阪府北部地震、ここで老朽管等の破損によりまして約二十万戸での断水と、各地で漏水発生ということで、これ受けて、大阪府の知事が老朽管ワーストワンだと、更新に必要な額は一兆円だ、本法案の活用にも言及されたという報道を読ませていただきました。
 それでは、本法案が成立した後には、これ老朽管の更新に必要額の確保、これ可能になるんでしょうか。端的に。
#262
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 我が国の水道は、高度成長期に急速に施設が整備されてきたために、今後、水道管路等の施設が順次更新時期を迎えることから、適切に更新時期を判断して更新を行っていく必要がございます。
 このため、今回の水道法改正案においては、水道事業者等に早期に収支見通しを作成し、施設の計画的な更新、耐震化に努める旨の努力義務を課すこととしております。また、厚生労働省におきましては、経営条件が厳しい水道事業者等が実施する老朽化した水道管の耐震化や、広域化に取り組む水道事業者等が実施する施設整備に対する財政支援を行ってきておりまして、必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
#263
○倉林明子君 いや、財政支援の努力ということを言われるんだけれども、財政支援がされていたら、全国的にこれだけ老朽管の更新ができないとか耐震化が進まないとかいう事態は起こらないんですよ。これ、そういう点でも必要額が確保されてこなかったと、ここを政府の責任としては自覚すべきだと思うんですよ。そういう意味でいうと、今回、本法案が成立したからといって、この予算の確保というのは担保ないわけだというふうに思うんですね。
 改めて、近年の自然災害による水道の被害状況の一覧というものを、いただいたものを資料一枚目に付けております。非常に被害規模も大きいんだけれども、断水日数のところは大きな違いが出てきております。この断水をいかに早く復旧させるかということは、安定供給の義務からも非常に大事なことだろうというふうに思っているからです。
 そこで、広域化を進めることで、これ災害に十分に対応できるのかと、ここも問われるところだ、重要な論点だというふうに思うんです。今回の大阪府北部地震について、これ七月二十三日に土木学会地震工学委員会が詳細なインフラ被害に関する報告というのをやっているんです。その一部を二枚目の資料として付けております。
 大阪府の広域水道企業団の企業団水と市町村自己水等の比率というのを自治体ごとに記載しているのが右肩の上に載っているところです。このように、広域水道に依存度が高いという傾向が出ているんです。これ、自己水源が僅かで貯水機能の向上が必要だという指摘を土木学会ではしているんですね。今後の地震に向けて、バイパスの確保及び浄水池それからポンプ場の耐震化で分散的な貯水機能の向上が提案されているわけです。極めて重要な指摘だと思うけれども、いかがでしょうか。
#264
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員から御指摘のございました管路のバイパス化や浄水池やポンプ場の耐震化は、水道施設の強靱化方策として重要であるというふうに考えております。厚生労働省の水道の耐震化計画等策定指針におきましては、被害発生の抑制としての施設の耐震化のほかに、断水の影響を最小化する取組として、浄水場間の連絡管の整備などによりバックアップ機能を確保することなどの検討を行うように求めているところでございます。
 また、厚生労働省では、こうした管路のバイパス化の確保や浄水場、ポンプ場の耐震化につきまして、一定の要件に該当する経営条件が厳しい水道事業者等の場合には、生活基盤耐震化等交付金により財政支援を行ってきているところでございまして、引き続き、水道施設の耐震化が進められるように支援してまいりたいと考えております。
#265
○倉林明子君 一方、山口県の周防大島町、ここでは、十月二十二日に大島大橋にタンカーが衝突すると。水道管を破損させて、町のほぼ全域で断水が今も続いております。復旧は十二月八日との見通しも示されているようではありますが、極めて長期間に及ぶ断水が町民の暮らしに甚大な影響を与えているんです。
 それにとどまらず、高齢化率五三%という町で何が起こっているか。水運びで骨折れているんですよ。骨が折れるって、疲れるんじゃないですよ、ほんまの骨折。これ、十一人。そのうち三人が入院する、こんな事態まで起こっているんですよ。
 何でこれだけ断水が長期化しているのか、説明してください。
#266
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員からお話のありました、山口県周防大島と本州を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突したことによりまして、断水の話ございましたが、そもそも、橋が損傷してしまったこととともに、この橋に備え付けられていた柳井地域広域水道企業団の水道送水管が破断し、周防大島町がほぼ全域断水が発生しているところでございます。
 被害を受けた送水管の応急復旧は、同時に被害を受けた大島大橋の点検や応急復旧工事の状況を踏まえて実施する必要がございますため、被災直後から作業に着手することができず、時間を要しているということと承知しております。
 昨日までに、仮設の水道管設置と水道管内の洗浄が終了いたしまして、現在、水質検査を行っているところでございまして、検査に合格すれば、本日午後から周防大島町の各配水池の方への送水が開始される予定と聞いておりまして、厚生労働省としては一日も早く断水が解消されるように引き続き支援してまいりたいと考えております。
#267
○倉林明子君 要は、一本にしていたからなんですよね、水道の側からいえば。いろいろ言うけど、一本に頼っていたからなんですよ。
 元々、周防大島町は、自己水源で簡易水道、これでやっていたわけですよ。ところが、二〇〇〇年から広域水道事業団からの浄水を受水すると、こういうことで、独自の水源を廃止しちゃったんですよ。だから、代わりの水がないという事態になった。
 要は、広域化というものの大きなリスクがこういうところに出ているんじゃないかということを私指摘したいと思う。大臣、どうですか。
#268
○国務大臣(根本匠君) 給水義務をしっかり水道事業者が果たしていく、これは地域の実情に応じて適切に水源を確保していくことが必要だと思います。
 二点申し上げたいと思います。一つは、効率的な事業運営の観点から、広域化によって水源や浄水場を統合し、効率にしていくということ、これも重要だと思いますが、一方で、委員今御指摘のとおり、そのリスクを考慮して災害時なども想定しながら複数の水源や複数のルートからの給水を可能にしておく観点も重要だと思います。
 このバランスを考慮しながら、じゃ、今直面する課題にどう対応するか。これは、広域化によって効率的な事業運営を進めながら、地域の実情に応じて災害にも強い水道を目指していくことが必要だと思います。
#269
○倉林明子君 その点では私一致すると思います。大都市でも離島でも、広域化に依存し過ぎると災害に弱くなると、そういうことを押さえないといけないというふうに思うんです。
 先ほど来、香川というのは何かモデルでうまいこといった事例で紹介がありました。しかし、香川、どんなことが起こったかというと、二〇一八年から全県一元化の広域化を実施するというふうになったんだけれども、一元化を進めるためにその準備協議会というのをつくったんです。ところが、やっぱりメリットがないという自主的な判断をした自治体というのがあったんですよ。不参加を決めていた。ところが、これに対して用水供給単価は二倍になるでと、まあ脅しみたいなものですよね。結果、それは困るというので、不参加の選択肢なくなった。水道事業者である市町村の自治、これを奪うやり方じゃないかという批判の声が上がったのは、私は当然だと思う。
 本法案では、これまでの広域的水道整備計画で、地方自治体側から都道府県に対し広域化を要請できると、こうしていたんですよ。主体はあくまでも市町村側にあったんだけれども、今度は都道府県が主体となって広域化の区域を定めて市町村協議会を組織し、その構成員となった市町村には協議結果の尊重義務と、ここまで入るんですね。主体が逆転しているし、香川の例を見ても市町村が簡易水道で自己水源を守ろうと、こういう選択肢というのがなくなってくるんじゃないか。いかがでしょうか。
#270
○国務大臣(根本匠君) じゃ、ちょっとはしょってお話をいたします。
 今回の水道法改正案においては、都道府県が市町村の区域を超えた広域連携を進める責務が定められました。これを踏まえて、以前は地方自治体の要請が必要だったんですけど、都道府県がちょっと間に入っていろいろ主体的に計画を策定してくださいということにいたしました。
 これは、水道の拡張を前提とした時代から既存の水道の基盤を確固たるものとすることにする時代に変化しましたから、だから多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であるということを踏まえて、都道府県に市町村の区域を超えた見地から広域連携の推進役としての役割を期待するものであります。
 それで、この広域連携協議会、これは都道府県の、市町村の水道事業者、様々な立場の構成員が必要な協議を行いますから、そこで十分な議論を行っていただきたいと私は思いますし、協議会の結果がまとまれば、その構成員は、まとまればそれは尊重しましょうねということになります。
 議員御指摘の水道水源の確保、私も思いますが、災害時を想定されながら複数の水源や複数のルートからの給水を可能にしておくことが重要だと思います。
#271
○倉林明子君 香川の例を御紹介したのは、そういう形で協議会ということで、都道府県が主体になって決めていくということに形としてなるわけで、そういうところに市町村が高い水道料金になるでなんていうことを言われたら参加せざるを得なくなってくるでしょうと、そういうことを指摘したので、そこはもう一回よく押さえていただきたいと思います。答弁はいいですよ。
 簡易水道をどうやって残せるかという選択肢がなくなったら大変だから聞いているんですよ。
 ところが、補助制度、この簡易水道に対する補助制度の期限は二〇一九年というふうに区切っているわけですよね。簡易水道事業の統合を強力に進めてきた、これが政府ですよ、これは間違いない。総務省でも、午前中の議論でも、広域化を進めるために地方財政措置の拡充を検討していると、年内に結論出すというようなお話でした。
 そこで、全国簡易水道協議会というのが平成三十年度の予算の確保等に関する要望書、これ提出しております。この中で、簡易水道の建設コストが上がっている、施設が老朽化している、整備を強化するのにお金が掛かるということで、市町村財政というのを極めて窮迫させることになっているから、こう言っているんですよ。災害に強い簡易水道に整備し、全ての国民が安全な飲料水をひとしく享受するためには、以上の諸課題に適切に対処する施策が必要であり、これこそ国の基本政策であるというふうに述べているんです。私、そのとおりだというふうに思って読ませていただきました。
 様々な要望、基本として予算措置確保してほしいということと加えて、簡易水道統合期限の大幅延長、そして新たな財政措置の要望と、これ非常に大事な、簡易水道存続のために大事な担保になると思うんだけれども、これについてしっかり応えるべきだと思います。いかがでしょうか。
#272
○国務大臣(根本匠君) じゃ、簡潔に申し上げたいと思います。
 簡易水道事業、実は平成十八年度末で七千六百三十、市町村を大幅に上回っていた。一方で、経営状態が良好な事業や非常に低い水道料金を維持している事業がある。これを踏まえて、平成十九年度に簡易水道の統合を強力に推進しながら補助制度を見直すこととして、統合又は統合計画を示した簡易水道事業、これは平成三十一年度までの期限を限って補助することとしたものであります。このような経緯を踏まえて、三十二年度以降については、離島や町村内の全ての水道事業を統合しても簡易水道事業のままとなる事業などのうち、経営条件の厳しい簡易水道事業に対して引き続き必要な財政支援を行っていきたいと思います。
#273
○倉林明子君 いや、それは聞いているんですよ。そうじゃなくて、厳しいところ、つまり統合の後、それでもどうしても残るところについて、厳しいところについてはやるという話で、今々の簡易水道でそういう複数水源を確保するという、災害に強い水道にするという観点からも、簡易水道を残せる選択肢として要望出ているわけですよ。簡易水道統合期限の大幅延長してくれと、それから新たな財政措置をしてくれと、この要望について応えるべきだというのが質問なんですよ。そのまんま書いて通告していますけれども、その答弁はどこに行ったんでしょうか。
#274
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほども大臣から御答弁申し上げましたとおりでございまして、いろいろ御要望はいただいておりますが、特にその経営条件の厳しい簡易水道事業者に対してのみ、引き続き必要な財政支援を行うこととしているところでございます。
#275
○倉林明子君 結局、応えられないということになるでしょう。今の答弁、そうですよ。そうなったら、簡易水道はこの補助期限が切られて補助制度を受けられないということになるから、声が上がっているんですよ。その複数水源、自己水源が必要だというんだったら、こういうところの手だてを打たないと守れないんです。だから申し上げている。
 そもそも、水道事業の経営基盤が揺らいできたというのは、私、市町村のせいだけじゃないと。地元の京都府でも、府営水道、これがぎょうさん水供給できるようになりましたよ。ところが、多過ぎて余っているんですよ。六〇%にとどまっています、使用。宮城県の工業用水、これ見てみますと、三〇%足らずの使用状況。全国でも、これ過剰投資、過剰予測、過大な需要を見込んだこの過剰投資によって、私は、水が余る状況というのはもうあっちこっちで起こっていると思うんですよ。設備投資のツケ、これが自治体負担になっているわけですよ。
 過去の過大な水需要予測による巨額のダム建設、施設整備行ってきたことというのが、現在の市町村の水道事業の経営基盤を悪化させたと。私は、国策でやってきたことなんですよ、これは。だから、そこの総括と真摯な反省、ここが求められると思うんだけれども、大臣、いかがでしょうか。
#276
○国務大臣(根本匠君) やはり水道という、水道水供給、これはもうナショナルミニマムですから、だから、そういう観点で、未普及地域の解消や、あるいは大都市周辺の需要の逼迫の解消のために、ダム建設などの施設整備を行ってきたものと思っております。
 一方で、今、老朽化あるいは人口減少、料金収入の減少、課題が出てきていますから、だから、こういう課題に対応するために、水道事業の広域連携や、あるいは水道事業者に対し適切な資産管理を求める、あるいは官民連携を進める、水道の基盤強化を図る、これが今回の水道法の狙いでありますが、要は、この本法案を通じてこれからも水道が将来にわたって持続可能となるように、しっかり取り組んでいきたいと思います。
#277
○倉林明子君 過大な見積りをやって過剰な投資をしてたくさんの水道料金に転嫁、要は、京都府でもそうですけど、買ってもらわないとその設備投資した分の回収ができないと、そういうことで、地方自治体とやっぱりもめるんですよ。要らない水まで買いたくないと、こういうことになるんですよ。だから、国策としてやってきたこういう過大な設備投資についての、国として、政府としての反省と総括というものをしっかり示す必要があるからお聞きしているんです。またやりますから、これ。
 やっぱり、良質な水源というのがもう各地にあるというのがこの日本のいいところなんですよ。これだけ水が豊富な国というのは極めてまれです。自己水源を生かした地域分散型の水道システムというのが本当に可能なんです。転換をすべきだし、生存権を具現化する、生存権を守るという観点からこの水道法というのは制度設計がされるべきだということで、次回、民営化について質疑したいと思います。
 今日は終わります。
#278
○委員長(石田昌宏君) この際、暫時休憩いたします。
   午後三時五十六分休憩
     ─────・─────
   午後四時二十五分開会
#279
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、水道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
#280
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 前回、通告をしていて、どうしてもちょっと時間が足りなくて質問ができなくて、資料も配っておりましたので、一点だけ、ちょっと水道法以外の質問をさせていただきたいと思います。
 診療報酬の不正請求についてなんですけれども、これ、先月の十月に、五十五歳の歯科医師らが患者を治療したように装って診療報酬十二万円をだまし取った詐欺の疑いでこれは逮捕された事案なんですが、これ警察によると、同じような手口で、少なくともですよ、少なくとも六億円以上の診療報酬をだまし取ったという疑いがあるということなんですけれども、どうしてこういった事案が起こったのか、まずはお聞きしたいと思います。
#281
○政府参考人(樽見英樹君) 報道の事案につきまして、個別事案についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、本件については、必要な情報を速やかに収集し、事実関係の確認を行い、不正が確認されれば厳正に対処するということで対応してまいりたいと思っています。
 その上で、一般論として、私ども指導監査でどういうことをやっているかということを申し上げさせていただきますが、現在、地方厚生局、地方厚生支局におきましては、不正請求の防止及び医療費の適正化を最重点課題としまして、不正請求に関する情報提供があったものを優先的に個別指導するということにしています。また、個別指導を実施し、不正等が疑われる場合には、監査により事実関係を速やかに把握し、関係法令にのっとって公正かつ適切な措置を講ずるということにしているところでございます。
 こういうことをしっかりとやっていくというほかはないかなというふうに思っているところでございますけれども、いずれにしても、報道によりますと、御指摘のように、不正請求額は六億円ということでございます。もしそうだといたしますと、これはかなり金額の大きい悪質なケースであるというふうに考えているところでございますけれども、いずれにしても、繰り返しで恐縮でございますが、必要な情報を速やかに収集し、事実関係を確認し、不正が確認されれば厳正に対処するということでございます。
#282
○東徹君 これは報道ですけれども、不正請求の金額がたった一人のお医者さんで六億円以上ですからね。これはもうとんでもないことだと思うんですね。これ本当に今、医療保険もどんどんと上がっていって、社会保障費もどんどんと上がっていく中で、これ税金が入っているわけですから、これもう本当に厳正に対処していただきたいと思いますけれども。
 続けてちょっと質問させていただきますが、歯医者さんの、歯科医師の医療機関数ですけれども、全国で今六万九千七十六か所あるんですね。コンビニエンスストアでいうと五万五千九十店ですから、それよりも一万四千ぐらい多いという数になるわけですけれども。これに対して、先ほども保険局長の方から言われた個別指導をやっていっていますという話なんですけれども、その個別指導、平成二十八年度では個別指導が千三百二十四件ということで、全体から見ると四%弱ということになるわけですね。ただ、個別指導の対象として選定されたのは二千七百十八件になっておって、実際に個別指導するのは半分以下なんですね。監査となるのはもう本当僅かこれ三十九件しかないわけでありまして、これ資料配らせていただいておりまして、その数字を見ていただければ分かると思いますが、これほど少ない数にとどまっているということなんですね。
 なぜこのように少なくとどまっているのか、まずお伺いしたいと思います。
#283
○政府参考人(樽見英樹君) 保険医療機関に対します指導監査でございますけれども、保険診療の質的向上と適正化を図るということを目的として実施しているところでございまして、まず、いわゆるレセプト、診療報酬明細書の一件当たりの平均点数が高額な保険医療機関等を対象といたしまして集団的個別指導というものをやっています。集団的個別指導を受けた保険医療機関などのうちで、翌年度においても高額な保険医療機関等に該当するものなど、それから不適切な診療報酬請求に関する情報提供があったようなもの、そういうものを対象としまして個別指導をすると。で、個別指導において診療内容や診療報酬の請求に不正又は著しい不当があったということが疑われるような保険医療機関を対象として監査をすると、そういうような考え方でやっているところでございます。
 平成二十八年度、歯科につきまして、御指摘の個別指導千三百二十四件、監査三十九件という御指摘のとおりでございますけれども、このほかに今申し上げました集団的個別指導を四千九百二十件行っておりまして、それから、これに加えまして地方厚生局では、言わば予防的あるいは教育的な観点ということと思いますけれども、新規指定の医療機関に対する指導、これを新規個別指導というふうに言っておりますけれども、これを千五百九十九件……(発言する者あり)はい。そういうことで言いますと、こういう考え方でやらせていただいているということでございます。
 限られた人員の中でいかに効率的にやるかということで努力をしてやっているところでございますけれども、できるだけ私どもとしても効率的に適正な個別指導あるいは監査の実施を推進したいというふうに思っているところでございます。
#284
○東徹君 なぜこのように少なくなっているんですかということですから、端的に是非お答えいただきたいと思います。
 本来、個別指導の件数は、選定されたのが二千七百十八件にもかかわらず、実際に個別指導まで行ったのは千三百二十四件と半分以下なわけでしょう。だから、これ何でできないんですか。
#285
○政府参考人(樽見英樹君) 恐縮でございますが、先ほど申し上げましたような考え方に沿って対象を選定をしているということでございまして、その中で、先ほども申し上げまして恐縮ですけれども、限られた人員の中でいかに効率的にやっていくかということで、こういう考え方で選定をさせていただいているということでございますので、数が多ければそれだけいいということには必ずしもならないということだろうというふうに思っています。
#286
○東徹君 これ、会計検査院の方でも指摘されていますよね。平成二十七年九月に会計検査院から、その医療機関等に対する指導を指導大綱に即して適切に実施するよう改めて指示することとか、それから、指導の実施体制を一層整備することということで指摘されていますよね。
 平成二十八年の方が個別指導も監査件数もこれ減っているんですよ。減っているんですね。増えていないといけないわけですよ、本来だったら。減っているということで、本来、個別指導の対象として選んだところは全件指導しなければならないと、指導大綱にこれは定められていますよね、本来。全件個別指導しないといけないと。にもかかわらず、実際には半分しか実施されていないということで、これ、会計検査院の指摘を反映していないじゃないですか。
#287
○政府参考人(樽見英樹君) 二十七年九月の会計検査院の指摘ということでございます。それを踏まえまして、私どもとしては、各地方厚生局、地方厚生局における指導監査の取組を強化するということで、二十七年十二月に通知を発出しまして、適切な指導監査の実施というものを促しているというところでございます。
 ただ、件数につきましては、歯科については御指摘のように二十七、二十八で若干減っておりますけれども、医科、薬局合わせますと増えているという状況でございます。
 先ほど申し上げたことの繰り返しになって恐縮ですが、個別指導、その個別指導も、集団的個別指導でありますとか新規個別指導でありますとか、そういうこともやってございますし、それと併せて、さらに不正や著しい不当が疑われる場合には監査ということでやっていて、それぞれの趣旨、目的に応じて実施するということでやっているところでございます。
#288
○東徹君 全然、その説明聞いて、何か納得できないですね。
 これ、監査まで行っているのが毎年僅か四十件足らずですよ。不正請求が十分摘発できていないということで、これ、今回、警察の方から、こういった報道が警察からあってということで、一体何やっていたんですかということですよね。こういうことだったら、これ、不正請求、やり得みたいな人がたくさんいるんじゃないかというふうに思いますし、個別指導や監査の在り方を、見直しを含めてどのような対処をしていくのか、是非見直しをしていただきたいと思いますけれども。
#289
○政府参考人(樽見英樹君) 今申し上げたとおり、集団的個別指導あるいは個別指導、監査、新個別指導、いろいろやっておりますけれども、こうした指導について、各地方厚生局、厚生支局に対しまして適切な実施ということで流しているところでございますし、引き続いて働きかけていきたいと思います。
 加えてということで言いますと、二十八年の四月から、これは適時調査と言っていますが、施設基準を届け出ている保険医療機関を対象に、直接赴いて施設基準を満たしているかどうかを確認する調査ということをやっておりますけれども、その調査対象を重点化をして件数を増やすといったようなことを改善を図っているところでございます。
 ただ、恐縮でございますが、限られた人員の中で効率的、効果的にやっていくということではございますけれども、引き続いて指導体制の強化ということにも意を用いていきたいというふうに思っております。
#290
○東徹君 先ほどの六億円以上の診療報酬をだまし取ったという報道のことですけれども、これが事実なら厳正に対処するというふうにおっしゃいましたけれども、厳正に対処するというのは、どういうふうなことを対処するんですか。
#291
○政府参考人(樽見英樹君) ちょっと仮定の質問なのでなかなかお答えがし難いところでございます。一般論として申し上げますと、不正請求した診療報酬の返還でありますとか、さらに、保険医に関する処分といったようなことは考えられると思います。
#292
○東徹君 しっかりと対応していただきたいと思います。
 時間もありませんので、水道法のことについてお伺いしたいと思います。
 私も、水道料金のことについて、非常にこのことも気になっている一つでありまして、先ほどからも質問がありましたけれども、日本の人口減少、水道施設の老朽化に伴って、これ、水道料金、連続値上がりがしておるわけでありますけれども、全国平均の家庭向け料金は二〇一四年から四年連続過去最高を更新をしております。
 今の原価割れに陥っている事業者、どれくらいあるのか、まずお伺いしたいと思います。
#293
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 議員から御指摘がありましたとおり、全国の家庭用の平均的な使用水量において、水道料金全国平均は近年少しずつ上昇している状況でございます。
 一方、二十八年度の地方公営企業年鑑によりますと、地方公営企業法が適用されている上水道事業、千二百六十三事業のうち約三分の一、四百十七事業で給水原価が供給単価を上回るいわゆる原価割れの状況になっているところでございます。
#294
○東徹君 千百六十三事業のうち三分の一、四百十七事業が原価割れということで、これは本当に大変厳しい状況にもう既に陥ってしまっているというわけでありますけれども。
 これ、ある民間の監査法人、EY新日本監査法人でありますけれども、二〇四〇年時点で累積赤字をゼロにするためには、九〇%の事業者でこれ値上げが必要ということで、その値上げ率は平均三六%であって、料金の格差も事業者の間で最大これ二十倍になると見込んでおるというふうなことが指摘されています。水道事業者は小規模の簡易水道を除いてもこれは約千三百ありますけれども、多くが料金改定の必要性を定期的に検証もしておらず、収支の見通しもない事業者も少なくないというふうなことが言われております。
 厚生労働省として、水道料金、これ一体どうなっていくのかなというふうに考えているのか。これ今、本当に、消費税は上がる、上げようとしている、それからまた社会保険料はどんどんと今上がっていっている状況の中で、水道料金までも上がっていっているというのが現状です。
 これ、静岡県の三島市では、昨年十月、家庭用を含めて水道料金を一律三四%引き上げております。三四%引き上げるということは、月二千円で、年間にすると二万四千円上がっているということになるわけですね。二万四千円上がるというのは、これ本当に家庭の出費として非常に大きいというふうに思っておりまして、これ将来の水道料金についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#295
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業は、必要経費のうち、浄水施設や管路等の設備投資に要する費用の割合が大部分を占めてございます。いわゆる装置産業でございますため、たとえ人口の減少に伴い給水量が減少したとしても必要経費には大きな変化がございません。このため、人口の減少によりまして水道事業者の経営環境がますます厳しくなり、このままの状態が続けば、事業存続のために料金の値上げをせざるを得ない水道事業者が増加することが見込まれるところでございます。
 このような状況を踏まえますと、今後、各水道事業者において、広域連携や官民連携等を含めた事業経営の効率化を進めつつ、長期的な収支見通しを作成し、中期的な財源を確保し、計画的な更新を進めていく必要があると考えております。
 こうした取組によって将来の料金引上げの抑制にも資するものと考えてございますが、水道料金の水準も含めまして、住民の皆さんの理解を得ながら持続可能なサービスの提供の在り方を検討していただく必要があると考えているところでございます。
#296
○東徹君 まあ将来このままだったら水道料金どうなっていくのかぐらいは、何かある程度は示していただきたいなと思いますが。
 水道料金の値上げを抑えていくためにはコストをどのように減らすかが課題になってくるわけですけれども、その水道事業の広域化によって施設の共同化などコストを削減しようとする動きも全国的にこれは広がってきているのは事実だと思います。
 実際に、大阪府におきましても、水道の広域化というのをやっぱり府と市で全部一水道でやろうとしたこともありました。したこともありましたけれども、なかなか大阪市の方が非常に難しい状況にあってこれできなかったんですが、広域化によるコスト削減の効果についてどのように考えているのか、改めて伺いたいと思います。
#297
○政府参考人(宮嵜雅則君) 水道事業者は主に市町村単位で経営されているため、多くの水道事業者が小規模で経営基盤が脆弱であり、基盤強化のためにはスケールメリットを生かして事業を効率化し、事業コスト削減が期待できる広域連携の取組を推進する必要があると考えております。
 広域化によるコスト削減効果につきまして定量的にお示しするのはなかなか難しいんですが、具体的には、例えばですが、県下のほぼ全市町であります八市八町の水道事業を統合し一元化した香川県におきましては、水道施設の統廃合などによりまして、二十八年間で約九百五十四億円のコスト削減が可能であるという試算をしているところでございます。
 実際のコスト削減効果は地域の実情や広域化の内容等によって様々であると考えられますが、都道府県が推進役となって適切に広域連携を進めていただきたいと考えているところでございます。
#298
○東徹君 実際に広域化によってこのようにコストが削減されたというところ、やっぱりしっかりと厚労省として示していくことがこの広域化が進んでいく一つの方策になるんだろうというふうに思いますので、是非そこを示していっていただきたいと思います。
 今回の法案では、都道府県に対して広域的な連携の推進役としての責務を与えるとともに、計画の策定、それから協議会の設置を法的にこれ位置付けることとしておりますけれども、都道府県に新たな権限が追加されたわけでも何でもないんですよ。そうでしょう。これだけで本当に広域化進むんですかと思うんですね。なかなかこれ、広域化やろうと思うと、議会と議会の承認が要るとか、議会の中でも過半数の議決じゃなくて三分の二の議決が必要であったりとか、そういった場合もあって、これ、広域化やっていこうと思うと非常にハードルが高いんです。
 なおかつ、これ、今回の法案では、都道府県にその推進役としての責務があるだけであって、何ら権限が追加されていないわけですけれども、本当にこれで進んでいくんですかと疑問なんですが、いかがですか。
#299
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業者は主に市町村単位で経営され、安価に利用できる水源の有無や地理的な条件などによりまして水道料金を始めとする事業基盤には格差がございます。さらに、歴史的な背景等もございまして、一律に広域化を義務付けることは難しいと考えております。しかしながら、水道事業者が直面している深刻な課題を踏まえ、今回の水道法改正法案では、都道府県が推進役となって広域連携を進めることとするため、必要な法的整備を行ったところでございます。
 具体的には、都道府県に対して、広域連携を推進するよう努めなければならないとの責務を設ける、都道府県は広域連携に向けた協議を行う協議会を設置することができる、都道府県は国が策定する基盤強化の基本方針に基づき水道基盤強化計画を定めることができることとしております。こうした枠組みを用いて、都道府県には、市町村の水道事業者同士の調整を進めていただきたいというふうに考えているところでございます。
 厚生労働省では、この今回の改正法案の施行によって、都道府県による水道基盤強化計画の策定の支援とか、あるいは広域連携に取り組む水道事業者等への財政支援を行うなどにより、広域連携を推進してまいりたいと考えているところでございます。
#300
○東徹君 答弁されたように、まさしくそうで、料金の高いところと低いところとある。じゃ、低いところにとっては広域化したくないとか、それから、先ほどもおっしゃいました歴史的な背景、いや、うちの方がもう早くから、もう古くから水道をやっているんだという、そういった歴史的な背景があってなかなか広域化が進まないとか、そういった現状もありました。ありましただけに、私も、そういうことも何か経験しただけに、これで本当に広域化が進むのかなと。
 恐らく、広域化していくことについては反対の意見というのはそうないと思うんですよ。でも、やっぱり、広域化はやっぱりどんどんと進めていかないといけないわけで、じゃ、厚労省としてどうやってこれ広域化進めるように今後やっていこうというふうに考えているのか。法案だけでは僕ちょっと不十分じゃないかなと思うんですけれども、そこ、ありましたら、是非お答えいただきたいと思います。
#301
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 厚生労働省といたしましては、今般の水道法改正案の施行によりまして、計画の策定支援、計画だけではという話もございましたが、支援とか、あるいは広域連携に取り組む水道事業者等への財政支援を行うなどにより広域連携を推進する、促進していくというような取組をしてまいりたいと考えております。
#302
○東徹君 是非その辺の、より広域化が進むように更に検討していただきたいと思います。
 財務省の方から多分来ていただいていると思いますので先にちょっと質問をさせていただきたいと思いますが、今、財務省の財政審議会では、上下水道の更新投資や広域化等に対して財政投融資を活用してというふうな議論がされておりますけれども、この議論の状況の説明と、それから、全国で水道料金の値上げが今相次いでおりまして、その原因は老朽化と人口減少と考えられておりますけれども、老朽化対策、早く打たなければ、災害への備えが遅れるとか、より多くのコストが掛かってしまうとか、言われております。
 財務省として、財政投融資を活用した早期の老朽化対策でどの程度コストを削減できると考えているのか、伺いたいと思います。
#303
○政府参考人(古谷雅彦君) 財政投融資は、今委員からもお話がありましたとおり、財政制度等審議会財政投融資分科会で御議論をいただいております。
 十一月二日の財投分科会におきまして、三十一年度財政投融資計画の編成上の論点として、地方公共団体向けの財政融資が取り上げられたところでございます。その中で、先ほどからお話がありますように、料金収入の減少、施設の老朽化、更新需要の増加など、上下水道が抱える問題ということにつきまして御議論がなされております。その中で、財政融資資金につきまして、水道事業、下水道事業について、更新投資や広域化に対して優先的に配分することはどうかというような御議論を今いただいているところでございます。
 今コストのお話がございましたけれども、具体的に財政融資資金の規模がどの程度なのかだとか、どういった事業に活用するかというのは決まっていないものですから、定量的に申し上げるというのはちょっと今の段階では難しゅうございますけれども、財政投融資は何より長期かつ低利の資金でございますので、これによって更新投資や広域化を促すことはコスト削減あるいは水道料金の適正化にも資する取組と考えております。
 以上でございます。
#304
○東徹君 時間が来ましたので、また続けて質問させていただきます。
 どうもありがとうございました。
#305
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 麻生大臣は、二〇一四年、日本の水道は全て民営化すると言いました。このコンセッションが水循環法における公共サービスや、これを大事にする、水は命だ、水道は大事なんだという観点からスタートしているんだったらいざ知らず、というか、そもそも問題なわけですが、経済財政諮問会議、産業競争力会議などで、竹中平蔵さん、コンセッションはインフラ関連企業や投資家にとって大きな新規のビジネスチャンスである、つまり、大きな、投資家にとって大きな新規ビジネスチャンスであると位置付けられている。金もうけなんですよ、金もうけ。金、金、金なわけですから、これで公共サービスとしての水が本当に生きるのかという観点から質問したいと思います。
 お手元に資料をお配りしております。公共施設等運営権の導入メリット。つまり、自治体が所有権を持ち、そして管理運営権を売却する。運営権というのは投資の対象です。三千八百三十八億円ある、今は黒字ですが、この運営権は投資の対象です。ですから、融資と投資の対象で金融機関からお金を呼び込む。ここに書いてあるように、金融機関、投資家のメリット、抵当権設定が可能となり、金融機関の担保が安定化、運営権が譲渡可能となり、投資家の投資リスクが低下。運営権に抵当権付けるんですよ。
 では、抵当権が実行されました。グローバルファンドが抵当権を実行します。その投資会社、グローバルファンドが運営権を持ちます。どうなるんですか。
#306
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 PFI法におきましては、水道施設運営権を含む公共施設等運営権は抵当権の目的となることができるとされています。
 議員の御懸念は、コンセッション事業者が債務不履行に陥り、抵当権を行使されることにあると考えられますが、公共施設等運営権を移転するためには地方自治体の許可を受けなければならないとされています。そのため、公共施設等運営権は、投資目的での自由に売買することはできない仕組みとなってございます。
 また、コンセッション事業者の株式の売買等についても地方自治体の承認を要することを今後ガイドラインに位置付けることによりまして、事業の確実性が損なわれることの防止を図る予定でございます。
#307
○福島みずほ君 譲渡は勝手にできない、それはそうですね、許可が必要です。では、抵当権実行した投資会社、抵当権実行したらその運営権を取得するわけですよね。大混乱になりますよね。
 譲渡はしない、私、投資会社で私が持っています。運営権はどうなるんですか。
#308
○委員長(石田昌宏君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#309
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。
#310
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 金融機関には売却されないということになっております。
#311
○福島みずほ君 単純なことを聞いているんです。売却されないことはいいんです。抵当権を設定できるわけですよね。抵当権設定できるというふうに聞いております。
 抵当権実行するということは、投資会社、金融会社がその運営権を取得するじゃないですか、法律上は。どうなるんですか。
#312
○委員長(石田昌宏君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#313
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。
#314
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今御質問のありました件につきましては、水道法の二十四条の十一で、水道施設運営事業に係る民間資金法、PFI法の二十六条第二項の許可を受けようとするときは、あらかじめ厚生労働大臣に協議しなければならないということとなってございますので、金融機関に移転するということはないというふうに考えております。
#315
○福島みずほ君 いや、PFIで抵当権設定ということができるわけです。これだけ例外にはなりません。抵当権を設定するということは、管理運営権が投資の対象なわけですよ、これに書いてあるように投資会社を呼び込むわけですから。私が投資会社だったら、抵当権実行すれば投資会社にその管理運営権がゲットできますよね。どうなるんですかということなんですよ。譲渡の話ではないんです。抵当権を実行した人間がその運営権を持つじゃないですか、法律上は。
#316
○委員長(石田昌宏君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#317
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。
#318
○政府参考人(宮嵜雅則君) 抵当権を実行した場合でも、運営権というのは移転するものではございません。
#319
○福島みずほ君 駄目なんですよ。協議するとなっているだけで、中身が分からないんですよ。つまり、大混乱になるんです。抵当権実行されれば、それでその方がゲットするわけですから、その後どこに譲渡するかはもちろん許可の問題です。でも、大混乱ですよ。
#320
○政府参考人(宮嵜雅則君) 済みません、運営権の移転につきましては、先ほど私が申し上げました水道法ではなくてPFI法の二十六条の二項で、運営権の移転には公共施設等の管理者等の許可が必要となるということになってございますので、移転することはないというふうに考えております。
#321
○福島みずほ君 これ、運営権の移転なんですか。抵当権の実行は、これ移転になるんですか。これを譲渡するんじゃなくて、私、投資会社で抵当権付けているのに、権利ないんですか。
#322
○委員長(石田昌宏君) 答弁できますか。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#323
○委員長(石田昌宏君) 速記を起こしてください。
#324
○政府参考人(宮嵜雅則君) PFI法の話でございますが、PFI法の第二十五条で定められていますとおり、抵当権の目的とはなりますけど、権利の目的とはなることができないというふうに定められております。
#325
○福島みずほ君 これについてはまた、ちょっと事前の答弁とちょっと違うので、また確認して質問をいたします。投資会社が出てくるわけです。
 それで、次の質問で、パリ市水道、バルセロナ市水道、アトランタ市水道を始め二百六十七の水道事業が再公営化をされています。ベルリンは、再公営化をするに当たって千六百億円ほどお金を払う必要がありました。この再公営化というのは、要するに民間でコンセッションや民営化が失敗したということではないですか。
 先ほどもありますが、役員報酬を払わなくちゃいけない、株主配当を短期でやらなくちゃいけない、百年単位でやる公共サービスとしての水というのと合わないんじゃないですか。
#326
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今回の水道法の改正案につきましては、御指摘のありましたパリ市とかベルリン市で生じた水道料金の高騰とか、あるいはサービス水準の低下等の問題が生じないような制度設計を行っているところでございます。具体的には、PFI法に基づき、地方自治体が事前にサービスの水準や料金の枠組みを定めることに加えまして、今回の水道法改正法案で、国が料金の妥当性等を確認した上で許可するとともに、必要に応じ立入検査を実施する等、公の関与を強化した仕組みとしてございます。
 このように、海外での先行事例の教訓を踏まえ、事業の安定性、安全性、持続性の確保に十分に留意した制度としているところでございます。
#327
○福島みずほ君 料金に幅を持たせるということなんですが、ベルリンの例は、料金を値上げると民間が言う、議会は駄目だと言う、上げると言う、駄目だと言う、汚水が出るのでお金は上げなくちゃ駄目だ、でも嫌だと言うと、バルブを閉めていく。ベルリンはそれで、もう駄目だというので取り上げるわけですが、それで株式を買わなくちゃいけないので、莫大なお金、千六百億円払わざるを得ませんでした。
 実際、料金を値上げなくちゃいけない、それじゃないとやっていけない。料金値上げを拒否されれば、料金値上げか撤退か倒産になります。いずれにしても打撃じゃないですか。別のところを探せば、それでまた料金高騰するかもしれない。どうですか。
#328
○政府参考人(宮嵜雅則君) 料金の件につきましては先ほども御答弁申し上げたとおりでございまして、一定の枠組みでチェックをするというか、確認する仕組みとなっているところでございます。
 契約の話ですので、その中で市町村と運営権者の方で、運営の事業者の方でどういうふうな取決めになっているか、契約になっているかということによってその結果というか対応がそれぞれ違ってくるというふうに思っておりますけれども、その際に、仮に運営権を設定した民間事業者が撤退した場合ということであれば、これは午前中も御答弁申し上げましたが、市町村の方で直接事業を継続するとか、あるいは他の事業者を選定し直すというか公募をし直すというような手続になろうかと考えております。
#329
○福島みずほ君 どっちにしろ大混乱ですよね。別のところを探すのも大変だし、民間が台帳などをきちっと譲り渡すかどうかも分からない。問題は、民間だと倒産もできるし消えることも解散することも、何でもできるということです。公共サービスとしての水はそれでは駄目だと、コンセッションに親しまないというふうに思っております。
 それで、この存続期間というのは二十五年程度を考えているんでしょうか。
#330
○政府参考人(宮嵜雅則君) 運営権の設定の期間でございますか。一律に決められるものではないとは思っております。契約の中での話だと思いますけれども、一般的には二十年以上とか長い期間になるというふうに承知しております。
#331
○福島みずほ君 損害賠償請求なんですが、期間の途中で解約するとすると損害賠償を請求される可能性もある。そして、パリの場合は、ちょうど更新が終わった時点で再更新しないという決定をしました、料金高騰と様々な問題が起きたからです。しかし、裁判が起きます。外資系の会社は、これが利益を上げられなかった、裁判を起こすことは止められないですよね。幾ら契約を結んでいても、裁判が起きるリスク、補償金を要求されるリスク、それはあるんじゃないですか。
#332
○国務大臣(根本匠君) 今の委員のお話を聞いておりましたが、ベルリンとかパリ、いろんなケースがあると思いますが、かなりパリとかベルリンは、民と官の契約になってこんな問題が起こっているとなっております。
 我々は、パリやベルリンの問題もありましたから、きちんと公の関与を強化した上で事業者に対してコンセッション、運営権を認めると、こういうことにしていますから、あくまでも事業主体は自治体、地方公共団体がきちんと持っていますし、それからコンセッション契約をやるときもきちんと料金の水準も一定の枠組みでやっていますし、どういう運営をやるのかというのもきちんと見た上で、そしてコンセッションの事業者を決めるということにしております。しかも、その中身については、厚労大臣が改めて中身を見て許可するという官の関与を強化した上で民のコンセッション事業を認めるという体系にしています。そして、月次、四半期、半年、年、きちんと自治体がモニタリングをしますし、モニタリングをできる体制ができているかということを確認した上で厚生労働大臣が許可していますから、しかも厚生労働大臣は立入り権限、調査権限あります。そして、今の、経営が厳しくなるというのは、きちんとずっと財政収支もきちんと見てフォローしていますから、私は、その意味では、ベルリンとかパリの事案と今回の我々の仕組み、ここは基本的に公的な関与をしっかりしているか否か、ここが私は違うと思います。
#333
○福島みずほ君 たくさんの国でこのコンセッションが失敗だった、民営化が再公営化なわけですね。今大臣がおっしゃったことは説得力ないと思います。厚生労働省がどれだけの立入り権限があって、どこまでやれるんですか。
 イギリスの場合も、先ほどもありましたけれども、これはイギリスのシンクタンクのセンターフォーラムの、お金は排水溝へというレポートによれば、ロンドン市の水道事業を経営するテムズウォーター社は、事業収益をケイマン諸島などのタックスヘイブンにある子会社に逃がす一方、本社は過剰な資金の借入れまでして負債を膨らませ、政府の規制機関の目をごまかし、老朽化した水道施設の更新への投資を怠っており、その結果、漏水件数も増加している。まさにパリもそうなんですが、利益率を低く見積もるとか、それはあるんですよ。それを見破れるかどうか。で、利潤じゃないですか。
 次の質問いたします。
 浜松市が水道事業のコンセッション方式導入を計画しています。市は、導入可能性調査で、今後五十年間で平均毎年五十八億円の更新費用が掛かり、現状のペースでは不足、三十年後には給水量は二五%減り、水道料金収入が減るとしています。そうすると、コンセッション事業者が収受する水道料金収入が三十年後に二五%減少するということになります。
 何が言いたいか。人口減少も水道料金が減ることも、自治体であろうが民間だろうが同じじゃないですか。民間は、利益率を上げるためにはメンテナンスやいろんな見えないところを、人件費などをカットするんではないか、だから問題なんです。どうですか。何が違います、民間と自治体で。過疎地で人口減ることは変わらないじゃないですか。だからこそ、公共サービスをやらないといけないんじゃないですか。
#334
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コストが掛かるようになったときにどういうような対応をするかということで今御質問をいただきましたが、まさに変わらないんではないですかということでしたが、市町村が運営している場合でも、例えばコンセッション事業者が運営している場合でも、コストを見直すとか調達費用を見直すとか、いろいろそういうような取組というのは同じような形で取り組まれるのではないかというふうに考えております。
#335
○福島みずほ君 だから、民間はやめろと言っているんです。株主配当、短期でやらなくちゃいけない、利益上げなくちゃいけない。物言う株主登場ですよ。外資系ならなおさら。そして、まさに役員報酬、全部出さなくちゃいけないじゃないですか。スペシャル・パーパス・カンパニー、SPCをつくって、建設会社、外資系、全部入れる、水会社も入れる、公認会計士、弁護士入れて新しい事業をつくるわけですから、莫大なお金掛かりますよ。こっちの方がよっぽど掛かる。利潤を上げるために重要なコストを削減されるのではないか。いいことは何もないと思います。
 次に、質問なんですが、資料をお配りしております。
 これで、地方公共団体から、不測のリスク発生時には地方公共団体が責任を負えるようにとあります。不測の事態、災害起きたとき自治体が責任を負うんですか。こんなビジネスモデルありますか。自分たちは災害時には責任を負わない。だったら、漏水が大量に起きたときに、これ災害のためだって言ったら、自治体が負うんですか。水道料金は全部もらい続けながら、災害が起きたときにはその補修、責任負わないんですか。
#336
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式を導入した場合も、今回の水道法改正案においてはコンセッション方式を水道法に基づく許可を有する水道事業者は地方自治体のままとしておりまして、これまでと変わらないところでございます。このため、災害時の対応については、地方自治体が事業の最終的な責任を負った上で進めることとなります。
 その上で、コンセッション方式を導入した場合に、災害時の対応をどこまでを民間事業者に委ねるかについてはあらかじめPFI法に基づく実施方針及び実施契約で決めることになります。また、厚生労働大臣は、地方自治体と民間業者の間の役割分担が明確に定められていることを確認した上で許可することになります。このため、民間事業者はあらかじめ定められた明確な範囲内で責任を分担することになりまして、一律に地方自治体が責任を負うということではないというふうに考えております。
#337
○福島みずほ君 実際は困難だと思います。災害現場に行けば、漏水があったり壊れたり、鉄橋が壊れて、だからそこにあった水道管も壊れてしまう、不可抗力ですよね。これはどっちが持つんですか。鉄橋のところにあった水道管が全部壊れてしまった、全部やり直さなくちゃいけない、これは市が負うんですか、コンセッション、民間会社が負うんですか。
#338
○政府参考人(宮嵜雅則君) 災害の復旧につきましては、これまでも、これまでもというか、今回の水道法の改正案では水道事業者は地方自治体のままということになっておりますので、先ほども御答弁申し上げましたが、基本的な枠組みは変わらないということで考えております。
#339
○福島みずほ君 でも、問題じゃないですか。確かに、災害のときはお金が掛かります。でも、みんな、交通事故、飛行機事故、例えば化学工場の爆発もそうですが、自分が損害賠償を、お金を払わなくちゃいけないから、不測の災害のときも事故も起きないように気を付けるわけでしょう。じゃ、この民間会社は、水道料金は全部もらいます。全部もらいます。でも、いろんな補修を実はサボっていた。そのために、台風で、不可抗力で物すごく被害が甚大に起きた、その場合も自治体が負うんですか。だったら、きちっとやらなくなるんじゃないですか。
 手元に、浜松市公共下水道終末処理場運営事業、いわゆる下水道のコンセッションについての契約書があります。この浜松市の契約書によると、五十四条では、地震、暴風、豪風雨等の自然災害に係る不可抗力による増加費用等の負担は市の負担とするとなっています。でも、私はこれ、やらずぶったくりとは言いませんが、ビジネスモデルとしておかしいと思います。
 何で不可抗力のときや災害のときの費用を負わないんですか。負えよと思いますが、どうですか。
#340
○国務大臣(根本匠君) これは、あくまで水道事業は自治体が持っていますから、水道事業の責任は。
 で、不可抗力による災害のときには、通常の、大震災のときもそうだと思いますが、これは災害復旧で、これは基本的には国が災害復旧を面倒を見る。ですから、災害のときにコンセッション事業者と自治体とどういう役割分担をするのかということは、実際の取決めのときにそこはきちんと分担関係を明らかにする。一番分かりやすいのは、やっぱり事業者の通常の復旧、そういうものはやるでしょう。しかし、不可抗力による大震災のようなときの災害復旧、これは国が災害復旧費用を持ちますから、ここは自治体とコンセッション事業者の役割分担であり、その内容をあらかじめ私は決めておきますから、そこは災害のときの対応はしっかりと担保されるということであります。
#341
○福島みずほ君 民間会社がサボっていて、漏水がかなり起きていて、あるいは老朽化していて、それをちゃんとやらなかった、二十五年間。そのために台風が来て壊れた。この場合、明らかに、明らかに民間会社の責任だと思いますよ。だって、やらなかったんだから。とすると、でも、これ自治体、国が負うんですか。
#342
○国務大臣(根本匠君) どういう前提で物を話をするかということですけど、このコンセッションで運営権を設定したら、先ほども申し上げておりますが、モニタリングをきちっと、月次、四半期、半年、毎年、これモニタリングするわけですよ。だから、そういうところはちゃんとモニタリングを、チェックします。そして、そういうモニタリングをできる体制ができているのか、あるのかということは、厚労大臣が許可するときに中身を見ますから。きちんと二重にチェックしておりますので、民間事業者が本来やるべき老朽化対策とか復旧、それは、私はそこはちゃんとチェックしてモニターしているということでありますから、その前提での私は制度の考え方を申し上げました。
#343
○福島みずほ君 それがうまくいかないときだってあるじゃないですか。それに、そんなに力強く言うんだったら、今まで台帳を作り、モニタリングをし、老朽化をなくし、お金をつぎ込み、ちゃんとやればよかったじゃないですか。今までできなかったことがこれからやれるなんていうことはないですよ。しかも、民間企業にやれるとは全然思えないですよ。
 大臣の許可の基準について、ガイドライン案の中身はどのようなものになりますか。
#344
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今般の水道法の改正案におきましては、厚労大臣が水道事業者たる地方自治体から、事業内容、コンセッション事業者、経理状況、利用料金などが記載された実施計画書の提出を受け、審査した上で許可する制度としております。審査に当たっては、確実性及び合理性のある実施計画となっているか、利用料金の設定に当たり原価を適切に算定しているか、当該事業の実施により水道の基盤の強化が見込まれるかの三つの観点から行うこととしております。
 今後、省令におきまして、これらの許可基準に関する技術的細目として詳細な基準を定めますとともに、ガイドライン等において許可基準の明確化や許可申請時の留意事項等について、災害時の責任分担や経営難等により事業の継続が困難になった場合の措置なども含めて示してまいりたいと考えているところでございます。
#345
○福島みずほ君 厚生労働大臣が出す許可、ガイドラインは極めて重要です。ガイドライン案の細目を理事会に出すよう要求いたします。
#346
○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議いたします。
 以上でよろしいですか。
#347
○福島みずほ君 はい。
 質問を終わります。ありがとうございました。
#348
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。外も暗くなってまいりました。最後のバッターでございますので、よろしくお願いを申し上げます。
 今回は水道法の議論でございますけれども、やっぱり水の循環というものを考えると、水道だけではございません。内閣官房には水循環政策本部というものが置かれております。私どもも関わっておりました議員立法、水循環基本法が平成二十六年度に制定をされまして、その本部では国交大臣が水循環政策担当大臣を兼任していただいているところでございます。
 まず、海から水蒸気が発生して雲となって、雨となって地上に注いで、川を流れダムにたまり、下水、排水、考えてみると、様々な省庁がそこには関係をいたしております。この水循環の政策につきまして、どのような目的で今何を推進していらっしゃるのか、まずは佐藤事務局長、教えていただけますか。
#349
○政府参考人(佐藤克英君) お答えいたします。
 平成二十六年に制定されました水循環基本法において、健全な水循環とは、人の活動及び環境保全に果たす水の機能が適切に保たれた状態での水循環とされているところです。水循環政策はこの健全な水循環の維持又は回復を図ることを目的といたしております。
 また、水循環に関する政策については、平成二十七年七月に閣議決定された水循環基本計画に基づきまして、流域における総合的かつ一体的な管理や水の適正な利用及び水の恵沢の享受の確保などを基本的な方針として、流域連携の推進や水の適正かつ有効な利用の促進などの施策を推進しているところでございます。
#350
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 その中で、皆様方のお手元に準備させていただきましたけれども、水循環基本計画というものを五年に一回しっかりと立てていただいております。この中でも様々な内容が私も読み取れるんですけれども、この水循環政策において水道というものはどのような位置付けなんでしょうか、教えてください。
#351
○政府参考人(佐藤克英君) お答えいたします。
 委員からの配付資料にもございますように、水循環基本計画においては、水道に関する施策として、安全で良質な水の確保や水インフラの戦略的な維持管理、更新などが位置付けられております。水循環基本計画に位置付けられた水道施策に係る具体的な取組につきましては、水道行政を所管する厚生労働省において適切に対応されているものと考えております。
 以上でございます。
#352
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私もちょっとこれ見て不思議に思ったんですけど、でも、そもそも、なぜこの水道法というのが厚生労働省の所管なんだろうということです。衛生面においてはもちろん命を守る意味において厚生労働省というものが管轄しなければならない、これ私もよく分かります。様々な私どもの公衆衛生学のテストにも出されますので、ああこれはすごく大事なものなんだなということは分かるんですけれども、この根拠としては厚生労働省設置法に書いてございますが、厚生労働省が担うことになったその理由につきまして、審議官、教えていただけますか。
#353
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道行政は、人が直接摂取する水につきまして、人の生命及び健康を確保する観点から、安全な水を安定的に供給することを目的とするものでございまして、このため、水道行政につきましては、平成十三年の中央省庁等の改革におきましても引き続き厚生労働省の所掌事務とされたものというふうに承知しております。
#354
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、その水道管を工事をしているところを見ると、掘り返していますよね。掘り返すところまで全部、じゃ厚労省が管轄をして全部面倒を見なければならないのかどうなのかと私はちょっと不思議なんですね。中身についてはもちろん厚生労働省がしっかりと管理をしていただきたいんですけれども、国交大臣が水循環政策担当大臣というものを兼ねてくださっておりますように、やはり少し今後私としては分けて考える必要があるのではないか、厚生労働省が持つ水道法という枠組みにはもう既にちょっとその役目を厚労省としては終えて、しっかり中身の管理だけを私は厚生労働省として責任を持つべきではないかというふうに考えておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただけますか。お願い申し上げます。
#355
○国務大臣(根本匠君) 水循環の法律というのは、要は、水循環という視点から各省庁はいろんな施策をやっていますが、水循環という視点で各省の施策を束ねて計画も作っているということなんだと思います。例えば、講ずべき施策で、流域連携の推進で、流域の総合的かつ一体的な管理の枠組みというものをやっている。それから、貯留とか涵養機能の維持向上では、森林、河川、農地、都市と、こうやっているんですね。
 だから、水循環基本法なり水循環基本計画というのは、各省庁、水循環に関わる各省の施策を束ねるという役割でやられているのではないかと。それぞれ、例えば地下の埋設物だって、下水は下水道法あるし、ガス管だったらやっぱりガス事業法というのがあると思いますよ。それぞれの省が所管をきちんと責任を持って果たして、水循環のような横断的な政策テーマについては、水循環基本法という形で施策を基本的な同じ方向でやるということにしているんだと思います。
 それから、国土交通省でやったらどうかというような話もありましたけど、ただ、水道事業法においては、住民に安全、安心な水を供給するためには、水質管理面からした衛生面への対応と、やはり水道管路の更新などのハード面の対応、やっぱりこれは一体不可分でありますので、ここは水道行政の中で一体的に扱う必要があると私は思います。
 要は、設置法にも水道に関することときちっと書いてあるし、やっぱりそれだけ厚生労働省というのは、国民生活に直接関わる広範な分野を担っているのが厚生労働行政だと思いますので、水道についてもその中で厚生省の所管として我々が責任を持って水道行政を担わさせていただいているんだと考えております。
#356
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 大臣がしっかりそこで守っていただけるということであれば、私も、まあこれからどのような形になるか分かりませんけれども、しっかりと議論を積み重ねていかなければならないと思っております。
 なぜならば、例えば、河川全般でしたら国交省ですよね、工業用水だったら経産省ですよね、農業用水だったらもう農水省ですし、ようやくこの水循環基本法におきまして上から下まで結ばれていったわけですよね。もうちょっとこの中で皆様方が手を組みながら、一体水を守っていくとはどういうことなのかということを話し合っていただかないと、もちろん話し合ってくださってはいらっしゃるかと思いますが、水道法とここでぽんと切り取ってここで議論するだけでは不足していると思うんです。
 例えば、先ほどから出てくるこのコンセッション方式、PFIだって、全部、ここだけ話をしても、じゃ、上が止まってしまったら仕方がないよねという話ですよね。逆に下が止まってしまっても、下水の、止まってしまっても仕方がないよねということですよね。ですから、水行政として、どのような形で安全、安心に国民に提供できていくのかということをしっかり、私は、全般的にもう一回内閣官房の方でも見直していただきながら、この水道法につきましても様々今後も関与していただきたいと願っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
 ところで、その法案の中身に入っていきたいと思います。
 関係者の責務、明確化ということが今回の法案でもうたわれているわけでございます。水道行政における国と都道府県の役割はどのようなものなのか、審議官、教えていただけますか。
#357
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今般の水道法改正案におきましては、水道の基盤を強化する観点から、御指摘のように、関係者の責務を明確化しているところでございます。
 具体的には、国は基盤強化に関する基本的かつ総合的な施策の策定及び推進や水道事業者等に対する技術的及び財政的な援助を行うこと、都道府県は広域連携の推進役として市町村の区域を超えた広域的見地から水道事業者等の間の調整を行うことなどの責務を明確化しているところでございます。
#358
○薬師寺みちよ君 済みません。私、これを見て大変不思議に思いました。今まで役割分担ははっきりしていなかったんですか。
#359
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今までもここで今申し上げたような役割分担を担っていたところでございますけれども、水道の基盤を強化するという観点から改めて責務の明確化を図ったところでございます。
#360
○薬師寺みちよ君 なかなかそれは私としても理解できないところで、それも含めて既に役割分担してくださっていなければならなかったんじゃないですか。先ほどからずっとその指摘があるかと思います。後手後手に回っているんではないんですかということなんです。
 ですから、しっかりこれからその基盤強化というものを基に推進していっていただかなければならないんですけれども、特にその老朽化の問題というのは深刻だということで、先ほどから御答弁もいただいているところでございます。その老朽化対策として管路を更新する必要があるということは、これ私も分かっておりますけれども、じゃ、水道管ってどのくらいの耐用年数があるんでしょうか、教えていただけますか。
#361
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 減価償却費を算定する上での水道管路の法定耐用年数は、地方公営企業法で四十年と定められているところでございます。
#362
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 じゃ、その耐用年数を超えた水道管路というのは、割合ってどのくらいなんでしょうか。
#363
○政府参考人(宮嵜雅則君) 法定耐用年数である四十年を超えた管路は、平成二十八年度時点で一四・八%でございます。
#364
○薬師寺みちよ君 もう耐用年数を超えていますよね。一刻も早くしっかりそれを換えていただかなければならないと、これ普通考えても分かるかと思うんですけれども、なぜ進まないんですか、教えてください。
#365
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道管の更新が十分に進んでいない主な要因といたしましては、高度経済成長期に整備した管路の老朽化が進んでいく中で、水道施設の更新計画が策定できていない事業者や計画的更新のための必要資金が確保できていない事業者が小規模な水道事業者で多く存在していることが考えられると思っております。
#366
○薬師寺みちよ君 済みません。思っておりますではなく、ちゃんと調査してくださっているんでしょう。もう一度お願いいたします。
#367
○政府参考人(宮嵜雅則君) 申し訳ございませんでした。
 小規模水道施設の更新計画が策定できていない事業者とか計画的な更新のための必要資金が確保できていない事業者が小規模な水道事業者で多く存在していることが考えられるということでございます。
#368
○薬師寺みちよ君 何ですか、考えられるでなくて、きっちりと根拠を基にこの今法案を改正しようとしているわけですよね。だったら、私はもう少し明確な根拠を示していただきたいと思います。どこに何をすべきなのか、どのような形で支援を国としてすべきなのかというそのデータがなければ何も、またやたらめったら球を投げたって当たらないということになりますよね。ですから、そこのところが私は大変不安を抱えているわけです。
 じゃ、その更新というものを進めます。じゃ、全てこれからどんどんどんどんやっぱり換えていかなければなりませんよね、古くなったもの。どのくらいの年月が全体で掛かるんでしょうか。どのくらいだと推計していらっしゃいますか、教えてください。
#369
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 なかなか推計というと難しいんでございますが、平成二十八年度におけます管路の更新率が〇・七五%であることから、これを前提に現在埋設されております水道管を全て更新するために要する時間を単純に計算いたしますと、一〇〇%割る〇・七五%ということで、約百三十年になるという計算になります。
#370
○薬師寺みちよ君 ですから、長期的にしっかり計画を立てて、一刻も早くやらなければならないですよね。ですから、そのためには一体何が必要かということを我々にも分かるように説得をしていただきたいと思っております。
 その更新というものを一気に進める、これできないですよね、先ほどもおっしゃいました。ですから、優先順位を付けてやっていかなければならないんですが、その優先順位というものは誰がどのようにして決めていくんでしょう、審議官、教えてください。
#371
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 議員から御指摘がございましたとおり、優先順位を付けて水道管路の更新を進めることが重要だと考えております。
 そのため、管路の更新、耐震化に関しましては、厚生労働省におきまして水道の耐震化計画等策定指針を作成いたしまして、この中で整備の優先順位等の基本的な考え方を示しておりまして、これに基づいて各水道事業者等は整備計画を作成し、管路の更新、耐震化を進めているところでございます。
 具体的には、各水道事業者は、各自治体の地域防災計画などとの整合性を図りつつ、病院とか避難所など重要な給水施設に供給する管路や、液状化の可能性があるなど被害が発生しやすい地域にある管路などから優先的に整備することとしているところでございます。
#372
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、私がさっき、なぜ水全体として考えるときにやはり国交省にもとお願いをしているのかというと、結局水道だけのために、じゃそれを掘り返していくのかと、それは難しいですよね。市街地の様々な計画だとか、若しくはいろいろなところで今電信柱というものをなくそうというところで、地下の埋設という事業もありますよね。じゃ、そういうときに一緒に掘り返して一緒に手直ししていけばもっと早く進むんじゃないかと、そういうところまでちゃんときめ細やかに私は見ていただきたいと思うんです。
 だから、なかなか進まない原因が何ですかと先ほどお尋ねしたのもそうなんです。そういうことが一つ一つもしかしたら手かせ足かせになっているかもしれない、だったらそこを上手に誰かが指導してさしあげればいいじゃないですか。
 耐震化もこれは進んでいないんですよね。耐震化が進んでいない理由につきましても教えていただけますか。
#373
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道管路の耐震化は、老朽化対策と同様に、管路を耐震性のあるものに更新することにより進めるものでございますが、水道施設の更新計画の策定ができていないとか、あるいは計画的更新のための必要な資金が確保できないことが主な原因となっていると承知しているところでございます。
#374
○薬師寺みちよ君 そうですよね。平成二十八年度でいうと、私の手元にある情報では、三八・七%が耐震化適合率だということで、一年間の伸びが一・五ぐらいしか増えていないんですよね。これも私は、この地震大国日本においては本当に早急に進めていかなければならない事業だと思っております。
 しかし、これ事業者間及び地域間格差というものがかなり大きいということも分かってきているんですけれども、これを埋めていくには何が必要なんでしょうか、審議官、教えてください。
#375
○政府参考人(宮嵜雅則君) 平成二十八年度末時点におきまして、耐震適合管のある基幹管路の割合は、今委員からもお話ありました三八・七%にとどまっている一方で、水道事業者間、地域間でも大きな差があることから、全体として底上げしていくことが必要であるというふうに考えております。
 そのため、今般の水道法改正案におきまして、全ての水道事業者等に早期に収支見通しを作成し、施設の計画的な更新、耐震化に努める旨の努力義務を課しますとともに、これらの前提となります台帳整備等を義務付けるなど、水道事業者等におけるアセットマネジメントの取組を推進することとしております。
 これによりまして、水道事業者が中期的な視点に立って必要な財源を確保した上で、実情を踏まえた更新計画を作成し、計画的に管路の更新に取り組むことができると考えております。
 また、格差縮小の観点から、これまでも厳しい財政状況の自治体に対しましては耐震化等に要する費用の財政支援を実施しておりまして、今後とも適切に財政支援を進めてまいりたいと考えているところでございます。
#376
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 一問飛ばしまして、平成二十六年に都道府県水道ビジョン、水道事業ビジョンを作成するための手引等々も出していらっしゃいます。皆様方の資料二にもお配りいたしましたけれども、様々なツールを今までも出している。だけど、こういうものがありながら、なかなかこれ御利用いただけなかったのかなというところは大変残念に思っております。
 全ての都道府県及び事業者がビジョンを作成してくださっているんですか、審議官、お願いいたします。
#377
○政府参考人(宮嵜雅則君) 都道府県水道ビジョンの策定状況につきましては、平成三十年四月一日現在で四十七都道府県のうち十八の都道府県で策定済みとなってございます。
 一方、水道事業者等が策定する水道事業ビジョンの策定状況につきましては、二十九年十二月現在の数字ですが、上水道事業で約七割が策定済みとなってございます。
#378
○薬師寺みちよ君 そうなんです。都道府県が少ないんです。だから、広域事業というのもなかなか進んでいかない、ネットワークを結んでいくというその手が伸びていっていないんですよね。
 このビジョンに基づいて施策というものが進行しているかどうかということはチェックしてくださっていますか。ただ作っただけ、それを見ただけに終わっていらっしゃるんじゃないかと思って心配ですが、審議官、いかがでしょうか。
#379
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 厚生労働省において、都道府県水道ビジョン作成の手引き、水道事業ビジョン作成の手引きの中で、これらのビジョン策定後の施策の進行度をフォローアップするように求めてきたところです。
 実際にどれだけフォローアップが行われているかについての調査は行っていませんが、今後、厚生労働省としてもフォローアップの実施状況の把握に努め、都道府県、水道事業者等に対しフォローアップ結果に基づき適切な対応を促していきたいと考えているところでございます。
#380
○薬師寺みちよ君 なかなか難しいですよね。
 今回、都道府県が水道基盤強化計画を定めること、これまた任意規定としております。だとすると、なかなかこれからまた進んでいかないんではないかと心配している方も多いんではないですか。審議官、いかがですか。私は、これマストとすべきだと思いますが。
#381
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 水道事業は市町村単位で運営されておりまして、その地理的状況、財政状況、社会的状況等は様々でございます。そのため、水道基盤強化計画につきましては、その地域の実情に応じ、都道府県の自主的な判断で計画が策定される必要があると考えており、これを全ての都道府県に対して一律に義務付けることは難しいと考えております。
 しかしながら、厚生労働省としては、水道基盤強化計画に基づく施設整備に対する財政措置を予定しておりまして、こうした支援を含めて都道府県による基盤強化計画の策定を推進してまいりたいと考えております。
#382
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 大臣、ちょっと今日いろいろ議論させていただいたんですけれども、やはり都道府県の役割というものを一番先にお聞かせいただきましたけれども、そのビジョンも策定していないところが多い。広域を連携していく上で、やっぱり中核的存在になっていただきたいという答弁もございましたよね。なかなかこれうまく回っていっていない。今回の法案の中でもマストとなっていなかったりいたします。
 ですから、協議会の設置を図っていって、私は、しっかりとこれは都道府県が、やはり都道府県としてどうやってこの水道というものを守っていくのか、事業者だけではなく、しっかりと広域で見ていただくための仕組みというものもつくり込んでいただきたいと思いますが、御意見いただけますか、お願い申し上げます。
#383
○国務大臣(根本匠君) 委員いろいろお話をいただきました。
 やはり都道府県には、市町村を超えた広域的な見地から、水道事業者間の調整を行って広域連携の推進役を担っていただきたいということで今回の水道法を改正し、そこを位置付けました。そして、今までもやはり広域連携が大事ですから、都道府県に対して検討体制の構築を求めてまいりました。三十年三月末時点では、水道事業がほぼ一元的に行われている東京都と香川県を除く全ての道府県で検討体制が整えられて、そのうち三十九道府県においては協議会などが設置されて、今多様な形態の広域連携について検討が進められております。
 義務付けるべきではないかというお話がありましたが、やはりこの協議というのは市町村や住民などの理解を得ながら進めていくことになるので、その手法については地域の実情に応じて都道府県において判断していくことが必要であると考えて、一律に義務付けることは適当ではないということで、今のような規定にいたしました。
 ただ、広域連携の推進に当たっては、厚生労働省としても、地域ブロックごとの説明会の開催、あるいは広域連携の優良事例の紹介、あるいは基盤計画の策定の支援、あるいは広域化に向けた財政支援などを通じて支援していきたいと思います。
#384
○薬師寺みちよ君 絵に描いた餅に終わらぬよう、私もまだ議論させていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#385
○委員長(石田昌宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#386
○委員長(石田昌宏君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水道法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#387
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#388
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時四十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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