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2018/11/29 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 厚生労働委員会 第6号
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2018/11/29 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 厚生労働委員会 第6号

#1
第197回国会 厚生労働委員会 第6号
平成三十年十一月二十九日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十八日
    辞任         補欠選任
     河野 義博君     矢倉 克夫君
 十一月二十九日
    辞任         補欠選任
     矢倉 克夫君     河野 義博君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                山本 香苗君
                川合 孝典君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                木村 義雄君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                矢倉 克夫君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       内閣府民間資金
       等活用事業推進
       室長       石川 卓弥君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       財務省理財局次
       長        古谷 雅彦君
       文部科学大臣官
       房審議官     玉上  晃君
       文部科学省総合
       教育政策局社会
       教育振興総括官  塩見みづ枝君
       厚生労働大臣官
       房生活衛生・食
       品安全審議官   宮嵜 雅則君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       下水道部長    森岡 泰裕君
   参考人
       宮城県知事    村井 嘉浩君
       東洋大学経営学
       部教授      石井 晴夫君
       水ジャーナリス
       ト
       アクアスフィア
       ・水教育研究所
       代表       橋本 淳司君
       全日本水道労働
       組合中央執行委
       員長       二階堂健男君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○水道法の一部を改正する法律案(第百九十六回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○政府参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、河野義博君が委員を辞任され、その補欠として矢倉克夫君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(石田昌宏君) 水道法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、本案の審査のため、四名の参考人から御意見を伺います。
 御出席いただいております参考人は、宮城県知事村井嘉浩君、東洋大学経営学部教授石井晴夫君、水ジャーナリスト、アクアスフィア・水教育研究所代表橋本淳司君及び全日本水道労働組合中央執行委員長二階堂健男君でございます。
 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多忙のところ当委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。
 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。
 それでは、まず村井参考人にお願いいたします。村井参考人。
#4
○参考人(村井嘉浩君) 宮城県知事の村井でございます。本日は、参考人としてお声を掛けていただきまして、誠にありがとうございました。
 私は、水道法の改正に賛成の立場で意見を申し上げたいというふうに思います。皆様のお手元にこの冊子が行っているかと思いますので、これを見ながらお話をさせていただきたいと思います。
 一ページ目を御覧ください。
 賛成をされている委員の先生方にお話をするのではなくて、どちらかというと反対をされている先生方にお話をさせていただきたいと思います。
 水道法を改正していただくといろいろ心配事があるということで、一番から八番まで書かせていただいておりますが、宮城県にお任せをいただきますと大丈夫ですというお話をさせていただきます。
 二ページ目を御覧ください。
 みやぎ型管理運営方式の内容について簡単にお話をいたします。
 宮城県は、上水を二事業、工業用水を三事業、そして流域下水道を全部で七事業やってございますが、そのうち、流域下水道の下、三事業を除くこの全部で九事業を宮城県としては上工下一体のみやぎ管理運営方式としてコンセッションを考えております。地図にいたしますと、左側の赤枠でくくっている部分ということでございます。三か所外れておりますのは、上水と下水が別々に運営しているということで外させていただいたということでございます。
 次、三ページ目を御覧ください。
 具体的な内容でございますが、期間は二十年間。そして、今回、水道法が改正されますと、県が水道用水供給事業者として認可をいただき、そして民間事業者に運営を委託するということでございます。
 いろんな施設をこれから維持管理、建設をしてまいりますが、分かりやすく言うと、地面から下の部分、管路の部分については県が責任を持って建設、維持管理をすると、そして、地面から上の部分、水処理施設、こういったようなものについては民間にお任せをするということでございます。そして、浄水場及び下水処理場の運転及び維持管理は全て民間にお任せをいたします。
 料金については、役割ごと、県と民間で分割してお金を集めるということになります。これも水道法の改正が必要でございます。ただし、県が全部、県民からは県が代行して収受をいたしまして、市町村を通じて収受をいたしまして、民間に配分をいたします。資産の所有は全て県です。そして、モニタリングは県と民間がそれぞれ責任に応じて行うということになります。
 次、四ページを飛ばして五ページを見てください。
 それでは、心配事の説明をさせていただきたいと思います。
 まず、よく言われることが、民間に任せますと官の責任がなくなって民間にいいようにやられると、水道料金がどんどん上がってしまうのではないかということでございます。
 現在の法律ではそういうことは可能かと思います。つまり、現在の法律は、民間も認可を持つことができる、そして認可を持っている事業者に料金収入が入るということでございますので、つまり、今の法律では完全民営化か完全公営化しか選択肢がないということでございます。
 今回はそういうことではなくて、県に認可をもらって民間に運営委託できる、そして水道料金を別々に収入を分けることができるという法律改正でございますので、そうしていただきますと、下に書いてございますように、宮城県の考え、行政が最後まで責任を負いますので、宮城県が責任を負いますと。そして、料金については五年ごと県議会の議決を受けて決定をいたしますので、民間が自由に料金を上げることはできません。
 そして、その前のページの四ページを御覧いただきたいと思いますが、みやぎ型の場合は、料金は県議会の議決を得て宮城県で決めます。そして、管路の部分、必要な部分をまず県が取って、残りの部分を民間にお渡しをするということでございますので、その中で経営努力をして利益を生み出していただくようになるということでございます。
 じゃ、どうやって利益を生み出すかということでございますが、右下の黄色の吹き出しの部分ですが、このような努力を民間がすることによって、民間の努力で独自に利益を生み出す努力をしていただくと、そして厳しい競争をしていただくということでございます。
 次に、六ページ目を御覧ください。
 三つ目、いざというときの危機管理ができないのではないかということでございますが、先ほど申し上げたとおり、全ての施設は宮城県が所有いたします。仮に民間が新たに施設を建設したとしても、所有は宮城県という仕組みになります。したがって、下の囲みでございます、災害時は今と同じように、宮城県の所有物でございますので、国の支援、各種団体の支援を受けながら、現在のやり方にのっとって復旧復興をいたしますので、災害時の対応は現行と変わらないということで、県民に御迷惑をお掛けすることはございません。
 次に、七ページ目を御覧ください。
 民間だと撤退するリスクがあるんじゃないかということですが、それにつきましては、下の箱囲みにありますように、いろんな形で担保する形で契約をしようと考えてございます。
 下の米印、二つ書いてございますが、そもそも現在の指定管理者制度でも民間に事業をお任せしているわけですから、同様のリスクは存在をしているということ、また、業者選定は単なる価格競争ではなくてプロポーザル方式によって行います。したがって、国内外の信頼の置ける業者を選定をするということになりますので、経営状況を見たり、あるいは実績をしっかり見た上で業者を選定いたしますので、そういった撤退するリスクのあるような企業を選ぶことはほとんどないということでございます。
 次に、八ページ目を御覧ください。
 五番目、現在の指定管理者制度で十分じゃないかということでございます。
 左の箱囲みと右の箱囲みを比べていただきたいと思うんですが、現在の指定管理者制度は、一言で言うと仕様発注です。ここに例を書いてございますように、一つ一つ細かい項目を決めて、業者にそれをやっていて、業者は言われたとおりやるというやり方でございます。
 一方、コンセッションになりますと、性能発注でございますので、この性能を守って、約束を守っていただけたらあとは自主裁量の余地でどうぞ御自由にというやり方であるということでありまして、例えば一例を言いますと、九時から十七時働いて幾ら、そして点検は月に何回していただくので幾らというような仕様発注から、民間に、コンセッションにすることによって、ITを活用して自動化を図って少人数で管理できるようにすることによって、同じ性能で相手も利益を生み出し、我々も料金を下げることができるということであります。
 しかも、米印に書いていますように、上水、工業用水、下水一体でスケールメリットを出すことになりますので事業者も参入する意欲を持ってございまして、先般からいろいろの事業所を見学会をしておりますが、約四十社程度の企業が見に来ているということで、非常に関心が強い。恐らく、相当厳しい競争原理が働くのではないかと考えております。
 次、六番。何年も民間に任せていたら、問題をチェックできるような職員、人材がいなくなるのではないかということでございます。これ、現在とみやぎ型管理運営方式、書いてございますが、基本的にはほとんど変わりはございません。県もしっかりとチェックをしますし、受託事業者も、運営権者もセルフモニタリングをやっていただく。
 ただ、経営状況がどうなのかどうかという財務状況をしっかりチェックをしなければなりません。そこで、宮城県は、一番下の箱囲みに書いていますように、経営審査委員会というものをつくります。独立した第三者機関で、モニタリングや経営に関する事項、経営上の課題等をしっかりと民間の目線も入れながらチェックをしていくということになります。
 次、十番目です。
 世界のトレンドは民営化ではなくて公営化ではないかということでございますが、よくパリの例を出されます。そこでフランスを調べてみましたが、フランスの場合でも、上水道の約七割は依然として民営で行っているということでございます。この辺は石井先生が大変詳しいので、詳しくは石井先生の方に聞いていただければというふうに思います。
 次に、十一ページでございます。
 広域連携とコンセッションの関係がよく分からないというようなことを言われます。
 小さな市町村は、これから広域連携を進めていかなければなりません。ポンチ絵描いてございますが、例えば、一番右下のD市、E町、F町、こういったところは広域連携で自分たちでやっていく、これも一つの選択肢でございます。また、左下にありますC市のように、自分は独立でやっていきますと、ただし、宮城県の管理運営方式と連携をいたしまして、宮城県の事業を受託した業者に我々も仕事をお任せして、スケールメリットで少しでも料金を下げるという選択肢もまたこれありです。また、A市、B町のように、水平連携、広域連携をしながら宮城県の管理運営方式と連携を取って、宮城県の頼んだ受託事業者に我々もまた同じようにお願いしますという選択肢もあるということで、非常に、今回の水道法を改正していただくことによって、力のない市町村、自治体も選択肢が広がっていくということでございます。
 十二ページでございます。
 最後に、県民の具体的なメリットでございますけれども、これは関係企業三十五社から聞き取りをした調査結果でございます。左側の黄色、現行モデルでいきますと、今のままだと二十年間で三千六百億円ほどの事業費が掛かりますが、それをコンセッションにすることによってこれぐらい経費を削減できる。コストの削減率は、三百三十五億から五百四十六億円ではないかというふうに見ております。これを現在の価値に合わせ、そして租税、税金を抜き、企業の利益等を抜きまして出したバリュー・フォー・マネー、VFMですが、右側です。大体、百六十六億から三百八十六億、割合にして七・四%から一四・四%程度、VFMが生まれるのではないかと考えてございます。約一割程度ですね。これがまさに県民の利益ということで、このままいくと間違いなく水道料金はずっと右肩上がりで上がっていきます。もう皆さん御承知のとおりですが、それを一割抑えられる可能性があるということでございます。
 最後に、十三ページ目でございます。
 何度も申し上げておりますように、現在の水道法は、完全公営化か完全民営化しかないということでございます。民営化にするとデメリットも当然あろうかと思いますが、民間事業者にとりましても、全て任せられると、宮城県のように大きな災害があるところでは全ての責任を押し付けられるということで、水道事業に参入するということが難しくなりますので、長い目で考えますと、私は、宮城県のやるようなことを実現できるような法改正が必要ではないかと考えているということでございますので、是非とも委員の先生方におかれましては賛成に回っていただきたいというふうに思います。
 以上でございます。
#5
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、石井参考人にお願いいたします。石井参考人。
#6
○参考人(石井晴夫君) 皆さん、おはようございます。御紹介いただきました東洋大学の石井晴夫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、このような機会をお与えいただきまして、本当にありがとうございます。
 それでは、この改正水道法案に対する私の考え方を述べさせていただきたいと思います。私も賛成の立場でこれから述べさせていただきたいと思います。
 多くの報道機関は既にこの改正水道法案を水道の民営化法案というふうに言われておりますが、それはかなり誤解があるというふうに思っております。
 我が国の水道は、水質、供給量、設備、価格など、どれを取っても公益事業の優等生であります。蛇口から直接水を飲める国は、世界の中でも御存じのようにそう多くはありません。また、水道事業を運営する地方公共団体や水道事業体の市民サービスへの意識は極めて高く、職員は日夜水道サービスの安定供給のために邁進しております。
 その一方で、我が国の水道事業が世界のトップクラスを長い間維持できていますのは、早くから民間企業の協力と支援があったからであります。水道事業や下水道事業では長い間官民が協力し合って、安心で安全かつ良質な水を供給し、さらに、それらをきれいな水にして海に帰すという、極めて崇高な目標に全力投球しているからであります。
 水道サービスは、水資源開発から始まって、取水、導水、浄水、配水、給水という様々な段階を経て末端の給水栓に送られています。今日、官民は、これをネットワークとして最適な形で日本の全国の隅々まで提供しておるわけであります。したがって、水道事業は他の産業と同様に優れたサプライチェーンが構築されており、今新たに官民連携ということが出てきたわけではありません。
 平成十四年、二〇〇二年四月に施行されました水道法の一部改正により技術の第三者委託が可能となり、多くの浄水場や下水処理場で運転や維持管理が民間に委託されました。また、水道料金の徴収業務等々に関しましても、ほとんど民間企業の努力によって収納率が極めて大きく向上しているのも事実であります。
 その後、地方自治法の一部改正、平成十五年九月二日施行でありますけど、これにより二百四十四条の二の公の施設の管理についての指定管理者制度の導入、既に多くの公共施設で指定管理者始め様々な包括委託というものが実施されております。
 今回話題になっております官民連携の中でのコンセッションは民間活力を活用する選択肢の一つでありまして、これはあくまでも手挙げ方式の一つであります。今回のコンセッションは、施設の所有は、先ほど村井知事さんの方からもお話がありましたように、宮城県も所有は最後まで県が所有する、つまり公共が所有するということでありまして、水道事業は完全民営化にはそぐわない、これはもう紛れもない事実でございます。所有は公共が持ち、今回の法律改正案でもそういうふうに明記されております。
 そういう中で、今この日本の水道事業が抱えている厳しい現状というのは、かつて我々が経験したことがない経営状態に直面しております。御存じのように、既にこの委員会でも様々な審議が行われておりますけど、老朽化問題であります。本当に今どこで断水が起こってもおかしくないような、そういう状況にある水道管路もたくさんあります。
 第二は、耐震化の遅れであります。
 いち早く基幹管路、これは重要施設でありますけど、基幹管路の耐震化、これはもう待ったなしであります。しかし、それに対してもまだまだ六割、七割、進んでいるところでも七割程度でありまして、東京の場合にはもっと進んでおりますけど、大地震があったときに一番重要施設の水道の供給というのが最優先しなければならないわけでありますけど、そういったところもいち早く耐震化しなければならない。しかし、その財源がありません。
 第三は、多くの水道事業体が小規模で、この経営基盤が極めて脆弱であることであります。
 職員数が本当に小さいところでは二、三人しかいない。そして、適切な資産管理、危機対応、様々なところで支障を来しております。本格的な人口減少社会を迎えて経営状況が更に悪化する中で、水道サービスを継続できないおそれもこれから本当に現実問題として現れてまいります。
 第四は、計画的な更新のための備えが不十分であります。
 そういう中で、十分計画的な更新をして、これからも未来永劫持続可能な水道事業を、基盤強化を図ることが何よりも重要であります。
 それからまた、今回の法律改正案でも、指定給水工事事業者の無届け工事や不良工事の解消、こういったものも今回の改正法案の中でも盛り込まれておりますので、様々な観点から私はこの改正水道法案に対して是非成立をしてもらいたいというふうに思っております。
 最初の私の冒頭の発言は以上であります。ありがとうございました。
#7
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、橋本参考人にお願いいたします。橋本参考人。
#8
○参考人(橋本淳司君) おはようございます。
 水ジャーナリストの橋本淳司と申します。発言の機会を与えていただいて、大変光栄に存じます。
 私は、二十五年間、国内外の水問題を調査してまいりました。世界各地には、水道がないために何時間も掛けて水をくみに行き、教育を受けたり仕事ができないまま貧困から抜け出せない人が大勢います。水不足、水汚染、そして気候変動、二〇五〇年には世界人口の十人に四人が安全な水にアクセスできなくなるという国連の報告もあります。そうした国を見て感じるのは、水は人権であり、自治の基本であるということです。
 一九八〇年代後半、トルコは干ばつに苦しむアラブ諸国にパイプラインで水を提供しようとしました。打診された国々は、喉から手が出るほど水が欲しかったんですけれども、安全保障の観点から断りました。シンガポールもマレーシアから水を買っていましたが、あるときマレーシアから水価格を百倍にするという話を受け、現在は下水を再生するなどして水の自給率の向上を図っています。
 さて、本日ですが、一つは、水道法案の中からコンセッション方式という法律案を除外していただき、官民連携の強化ということにとどめていただけないか、もう一つは、自治体の水政策改革という点から意見を述べさせていただきます。
 世界的には、コンセッション方式はPFIを活用した民営化の一形態と考えられています。諸外国で再公営化をした自治体の多くもコンセッション方式を行っていました。水道法改正案にコンセッションを明記するということは、経験と資金力に秀でた水メジャーを呼び込むことになります。
 資料一を御覧ください。
 コンセッションと業務委託を比較すると、権限、責任、金の流れが違います。業務委託の場合、自治体に全ての権限と責任があり、水道料金は自治体に入ります。業務のほとんどを委託しても、契約期間は単年度、業務内容は自治体が指示をし、企業側の裁量は業務委託契約の範囲内にとどまり、企業の収入は自治体の委託料です。一方、コンセッションの場合、自治体は管理監督責任が残りますが、運営権、利用権は企業に移り、水道料金は直接企業に支払われます。契約期間は十五年以上の長期にわたり、業務のやり方は企業に任されます。
 二ページ目を開けていただくと、海外で水道を再公営化した事例が百八十例ありますが、その多くは企業の業務内容と金の流れが不明瞭になったことに起因しています。多額の役員報酬、株主配当を支払い、水道への投資を行わず、税金も支払わないというケースもありました。よく海外の再公営化した事例は一握りであり多くは民営化を継続しているという指摘もありますけれども、再公営化をやりたくてもできなかったり、コンセッションより自治体の裁量が多いアフェルマージュという方式に切り替えられていたり、長期契約から変化に対応しにくいという理由で五年契約に縮められたりしているケースもあります。
 もちろん、この間も自治体は管理監督体制を強化してまいりました。フランスは、一九九三年にサバン法、二〇〇一年にムルセフ法などを定め、企業の事業の透明性を図りましたが、その後も不透明な状況というものは後を絶たず、再公営化の事例は増加しました。
 水道を完全民営化しているイングランドにおいては、水道サービスを監視するOFWAT、水質を管理するDWIという組織がありますが、それでも企業の利益至上主義を止めることはできません。保守党議員からも、大手水道事業者のCEOの報酬が年間四億円を超えるという指摘があり、批判が起こっております。一方、労働党が掲げる水道再公営化の公約には国民が七割の支持を示しています。また、この十月にはイギリスでは新規のPFIを行わないということを決めました。英国会計監査院が三十年間の経験を検証したところ、PFIのメリット、デメリット、資料の四にまとめておりますけれども、メリットよりもデメリットの部分が強く出たとされています。
 日本の水道法改正においても、管理監督責任は自治体に残ります。しかし、職員数の減少と定期的なジョブローテーションという状況では、自治体に管理監督責任を遂行する能力は乏しく、高額な費用を支払って専門家やコンサルタントに依存するか、あるいは企業の報告をうのみにするという危険性があります。つまり、コンセッションは管理が難しく、公の関与を更に強めようとすると、コンセッションの良さとされる企業の裁量を打ち消すことになります。運営権、利用権という権利を売却している以上、その権利を侵害することはできません。二兎を追う者一兎を得ずという状況になって、コンセッションのメリットと公の強いガバナンスは両立しません。もう一つ残る災害時の対応責任ですが、実務経験の乏しい職員に責任遂行能力があるかどうかは疑問です。
 コンセッションの特徴として、附帯事業が挙げられます。これも水メジャーにとっては大きな魅力となります。一般的には水道事業には附帯事業は少ないというふうに言われておりますけれども、そんなことはありません。人口減少によって余った水を海外に売ったり、小水力発電を行うこともできます。さらには、マーケティングデータとして個人の水使用量情報をIT技術などを駆使して集め、新たなビジネスを生み出すことができます。本来、公が管理すべき個人情報が企業によって抜き取られるという可能性があります。
 コンセッションを行う自治体には規模が必要です。本当に水道の持続に苦しむ小規模事業者の救いにはなりません。そこで、規模を広げていくという可能性があります。しかし、地理的な環境によりどこにでも影響を受けるので、面積だけで判断するとスケールメリットが働かなくなることがあり、管理監督体制が複雑となって、モニタリングコストが上昇するケースがあります。
 二番目に、五ページにあります水道を含めた水施策の見直しということをお話しさせていただきます。
 当然ながら、公共で水道事業を維持していく場合にも事業の見直しは急務です。パリ市は再公営化ということで有名になっておりますが、実際には自治体が再公営化後に独自に業務改善をしたということで参考になります。
 まず、水道という仕事を取水から蛇口までではなく、流域という単位で考えています。流域とは、山に降った雨が一つの川として収れんしていく範囲です。パリでも温暖化の影響を受け洪水が多発しているため、広範囲での水資源管理、森林管理、持続可能な農業などを実施する施策を取っています。また、ITを活用した自動化、最新ソフトなどを使ってコストダウンも図っています。気候変動、デジタル化という変化の激しい時代にあって、地域の能力を集約させた公の力が試されています。
 次に、一般的に公表されている料金値上げの試算についてです。
 これは、現状の施設を維持した場合という仮定の下に行われています。現在、水道事業は過大な投資によって支えられており、この反省のないまま更新をすると更なる過大な投資を生みます。そして、水道料金は上がり続けます。人口減少に直面する地方ほど見直しは急務ですが、都市部でも無縁ではありません。節水が浸透して、東京都水道局の減収は、十年前から百三十億円減っております。
 過大設備の縮小といっても、やり方は様々です。例えば、岩手県の中部水道企業団というところがありますが、ここは、北上市、花巻市、紫波町などが広域統合し、二〇一四年に新組織で事業を開始しました。統合前に設備の老朽化と将来の更新費用を調査すると、料金収入は激減し、更新投資は大量に発生すると分かりました。施設を維持したら事業費は数倍になり、料金値上げにつながると言います。そこで、統合前から、三十四の施設のうち稼働率の低い施設、水質の良くない水源などを減らし、現在二十一施設まで減らしています。これによって数十億円の将来投資が削減できました。統合前には半分程度だった浄水場の稼働率が七割を超えて、管路の施設の耐震化率も伸びています。
 また、ここでは、広域化と同時に小規模水道を残すという施策も行っています。一般的には、小規模施設は非効率的とされて、基盤強化の名目で事業統合が進められています。しかし、実際には、住民との距離も近く、組織的にはコンパクトで、意思決定も早くできるというメリットがあります。また、山間部等に分散した施設の統廃合は管路施設のコスト増大を招く、それから、運用時の環境負荷やリスクの分散の視点でのマイナス面もあります。
 そこで、人口減少により給水区域の再編や廃止等が予測される場合は、地域特性に合った、あらかじめ分散処理型の施設を広域と併せて行うことが有効です。水道事業の広域化で運営効率を上げていくことや、逆に、数軒しか家がないような集落では独立型の水道を考えるなど、地域に合った様々な対策を講じていかなければ、根本的には水道事業は継続することができません。
 さらには、気候変動によって多発する豪雨災害の対策や荒廃した森林の保全など、従来の水道という枠を超えて総合的に水行政を行っていく人材が必要です。そのために必要なのは、地域ごとの専門人材の育成です。コンセッションで民間企業に任せきりにしたら、地域に人が育ちません。設備を削減すれば人件費は賄えます。そして、地域の水を地域に責任を持って届けるにはどうしたらいいかというビジョンが地方自治体には求められています。
 以上です。ありがとうございました。
#9
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 次に、二階堂参考人にお願いいたします。二階堂参考人。
#10
○参考人(二階堂健男君) 私は、全日本水道労働組合、略称全水道と申しますけれども、中央執行委員長を務めます二階堂と申します。
 本日は、参議院厚労委員会におきまして水道法改正案についての意見を述べる機会をいただき、大変ありがとうございます。
 私は、今回の水道法改正において、基盤強化については異論はございませんけれども、とりわけ二十四条、運営権の設定については反対をする、そういう立場で、同時に、私自身、横浜の水道事業で三十七年間の勤務、そして、今、もう北海道から沖縄まで、中小も含めた多くの事業体、それら多くの仲間を代表して、意見を申し上げたいというふうに思います。
 水道事業は、申し上げるまでもなく、市民生活に欠かすことのできない、極めて公共性が高いインフラ事業です。水道というのは常に自然が相手でございまして、水源涵養林の保全から取水、水質管理、浄水、管路の維持など、二十四時間、三百六十五日、昼夜を問わず、私たちの仲間は全国各地で奮闘しています。
 水道事業は、市民生活のみならず企業活動など社会の基盤を根底から支える事業として、私たちは誇りを持って働いています。同時に、水道事業は巨大な装置産業ですので、多くの関連企業の皆様とともに、官も民もなく、安全な水を安定的にできるだけ安価に供給することだけを目指して日々の業務に励んでいます。
 今回の法改正は、水道事業の基盤強化として持続可能な水道事業を目指すものであると理解をしますけれども、冒頭申し上げましたとおり、官民連携の推進として公共施設等の運営権の設定を可能とする、極めて危険な問題を含んだ法案となっていることを指摘いたします。
 そもそも、水道事業の基盤強化が必要になった状況については、先般の審議でも明らかなとおり、人口減少、給水収益の減少という事態を迎えるということでもございますが、あわせて、職員定数の削減、新規採用の抑制、過度な業務の委託化や人事異動の活発化などで各事業体の技術的基盤が喪失していることも大きな要因となっています。
 人材不足ということは厚生労働省もお認めになっています。しかし、こうなってしまった原因は行き過ぎた行政改革を推進してきた国の施策にもあり、水道事業の技術的基盤や人的基盤を喪失させる政策を取っておきながら、それを理由にして法改正を行い、さらに運営権方式の導入など、到底理解ができません。それでも、今回の法改正で特に厳しい地方の水道事業が守られるのであればやむを得ない面もありますけれども、少なくとも運営権方式の導入で地方の過疎化に苦しむ自治体の水道事業が持続可能になるとは到底考えられません。
 各自治体の水道事業は、厳しい経営環境の中、料金値上げもできるだけ行わないよう努力を続けています。水道事業に従事する地方公務員も、この四十年間で七万六千人から四万五千人、約四割減少しました。それでも、予期せぬ事故や災害を除けば、水質基準を下回るような水道水を供給することもなく、断水が長期に及ぶこともほとんどございません。水道事業は問題がない状況が当たり前であり、日常的に評価されることはありません。しかし、一たび災害が発生をすれば一日も早い復旧が求められます。私たちも、当たり前の水道、安全な水が安定的に使える状況であれば、評価される必要はないと考えています。私たちの仲間もそれを誇りに持って、社会の基盤を支えていると自負しています。
 政府はコンセッション方式を選択肢の一つなどと言ってはばかりませんが、過疎化が進む地域の水道事業者がコンセッション方式を導入をしようとした場合でも選択肢の一つとなり得るのでしょうか。
 一方で、コンセッション方式を導入するために、広域化、事業統合を進めてスケールメリットを出すなどという思考は本末転倒であり、それならば、公営のまま広域化、事業統合して事業を継続させる方が重要です。
 コンセッション導入に際してモニタリングや監視機関の設置などの議論がされておりますけれども、そうしたことをしなければ安全、安心が担保をされない、それこそがコンセッション方式の最大の問題点だと言えます。
 現在、コンセッション方式の導入を考えておられる幾つかの自治体では、決して事業基盤が脆弱な自治体、事業体ではなく、本当に基盤の強化、国や都道府県、自治体の支援が必要な事業体ではありません。自治体が本当に市民に責任を果たし、市民の命をどう守っていくのか、そうした考えに立てば、コンセッション方式の導入などという方策を選択しなくとも、おのずと活路は見出されます。
 私が何を申し上げたいかといえば、こうした本当に事業経営が厳しい自治体、事業体は、コンセッションなどという方式は仮に導入したくてもしようがない状態なのです。私たちは、市民の水、水道をいかに守り、全ての人々が分け隔てなく安心して水道を使っていただける社会を持続させたい、ただその思いだけです。その限りで申し上げれば、本当に厳しいながらも努力を続ける自治体、水道事業体への支援策をもっと具体的に議論をしていただきたいと思います。
 次に、災害時のことについて若干申し上げます。
 今年は自然災害が大変頻発をしています。過去にも、阪神・淡路、東日本大震災などの大きな震災がございました。発災直後に一刻の猶予も許されない状況の中、全国の水道事業者やそこに働く者は、被災地に応急給水支援のために駆け付けています。東日本大震災から七年が経過した今も、宮城県や福島県など、水道施設の復興に、大都市事業体を中心に、長期的に職員を派遣して支援が続けられています。
 一方で、こうした災害対策や支援において、水道事業体は多くの経験を積み重ねる中で知識や技術を蓄積し、その技術力は、日本の水道事業における浄水技術、管路維持、給水装置など、水道事業の技術や機材の発展にも大きく寄与しています。
 日本の水道技術は、世界的にも誇れる技術力を有しています。私自身も、二〇一一年、東日本大震災で福島県いわき市に駆け付けました。給水所には長い市民の行列がありました。その姿を見て、改めて水道事業に携わる労働者として、水道事業の社会的責務や役割、このことを再認識をしたところでございます。
 また、今月に入って、七月の西日本豪雨災害の被災地を訪問してきました。広島県尾道市、三原市、呉市、四国に渡って宇和島市を訪問してきました。西日本豪雨災害では、土砂災害や河川の氾濫などにより水道施設も甚大な被害を受けました。被災した自治体、事業体では、全国からの応援もあって、仮復旧の事業体も含めて、水道水の供給は一旦支障はない状況となっています。
 しかし、発災した災害では、他の自治体からの応援や支援だけでなく、被災した自治体が今後主体的に仮復旧を本復旧に戻すなど、最終的な復旧まで責任を持って事業を運営していかなければなりません。先日の法案審議でも災害対応についての質疑が行われておりましたけれども、政府側の答弁では、仮にコンセッションが導入された場合においても、その責任についての明確な説明がなされていません。
 災害支援は公務員だからできたなどとおこがましいことを申し上げるつもりもございません。同じ状況で作業に当たれば、公務員であろうと企業の労働者であろうと、一つの目的のために奮闘することは間違いありません。私たちは、関連する民間企業も含めた、水道事業に従事する全ての働く者が誇りを持って安心して働ける環境を保持していかなければならないと強く感じています。そうした点からもコンセッション方式の導入には問題があると考えます。
 私たちは、官民連携が必要であることについては異論がなく、水道事業の多くは民間企業の労働者がいて成り立っているのも事実でございます。しかし、コンセッション方式の導入により、そこに働く民間労働者も、コスト削減あるいは重層的な雇用、そして低賃金、雇用環境の悪化など、懸念されることも多くございます。
 効率化全てを否定するものではございませんが、効率性のみが追求されかねないような時代にあって、そのことが安全性や信頼を揺るがしかねない事態を招きかねない、そのことを強く危惧しています。命の水を守る、市民の暮らしを支えること、ある特定の地域の水道だけが経済的思考を軸にして特定の企業の金もうけにくみするということを混同しては、この国の基盤そのものが失われてしまうのではないでしょうか。
 最後に、委員の皆様におかれましては、いかにして市民の水を守るのか、そのために何が必要なのか、そのことをしっかりと御議論いただきたいと存じます。そして、人的基盤の喪失が著しい自治体、財政基盤が極めて厳しい自治体、そうした自治体に対して、国、都道府県の強い支援策をお願い申し上げ、参考人としての意見とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#11
○委員長(石田昌宏君) ありがとうございました。
 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
 これより参考人に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#12
○自見はなこ君 今日はありがとうございます。参議院自民党の自見はなこでございます。よろしくお願いいたします。
 それぞれの参考人の皆様から、それぞれの責任ある立場からの御発言をいただきまして、誠にありがとうございます。
 私自身も、この法案審査に関わる中で、特に、今年は夏、大きな災害が重なった年だというふうに認識をしております。西日本豪雨災害もございましたし、また大阪府北部の地震もあって、台風二十一号、そして北海道胆振東部地震と、それぞれが大変大きな被害ということでありますが、ごく短期間にそれぞれが起こっているということで、改めて災害大国だなと感じているところであります。
 また、今回感じましたのは、それぞれの災害のタイプが違ってきているということも感じております。今まででありましたら、東日本大震災のときの災害の在り方等々と比べまして、どちらかというと複合型の災害に近いような在り方になっているのではないかと思います。その中でも、西日本豪雨も含めまして、今回、暴風雨もそうでありますが、停電と断水ということが今年の夏の幾つも度重なった災害の中で特徴的なキーワードになったのではないかというふうに思います。
 この度の法案審査に関わらせていただく中で、やはり私たちが一番初めに心配しますのは、この災害のときの安全性を水道事業の中でしっかりと担保することができるのかということであります。
 四名の参考人の先生方からはそれぞれの立場からの御意見をいただきましたけれども、私は、まず、東日本大震災のときから大変な御尽力をいただきまして、また東北は、私、全国区でありますけれども、人口減少が著しい地域でもあります。そういう中で、地方自治体の財政状況もあえぐ中、公益事業を守らなければいけないというこの二つの大きな命題を抱えておられる村井知事として、災害のときにおけるこの水道の在り方ということについて、短くは触れていただきましたけれども、恐らく時間の関係上で長く触れられなかったんだと思いますので、是非、知事として、行政の長として、災害時と水道ということの御意見を更に深く教えていただければと思います。
#13
○参考人(村井嘉浩君) 今回のコンセッションを考える上で一番注意したのはその点でございます。東日本大震災は、津波によって甚大な被害を受けました。特に、下水処理場が沿岸部に集中しておりますので、大変な被害であったわけでございます。したがって、こういったようなものを民間に責任を負わせると、恐らく誰も手を挙げてくれる業者がいないだろうと考えたわけでございます。
 そこで、先ほど申し上げたとおり、六ページに申し上げたとおり、施設については県が所有し、そして許認可も県がもらい、責任は県が負いますよということにしました。同時に、新たに民間が何かを投資をしたとしても、その分も所有は県にしますということにしました。
 したがって、大きな災害が起こった場合でも、今回の東日本大震災と同じような対応ができるという形にして、民間事業者にも安心感を与え、県民にも安心感を与えるようにしたということでございます。
 以上です。
#14
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 参考人のそれぞれの方のお立場、違っている部分も大変あるとは思うんですが、災害時に国民の生活を守るというところでは一緒だというふうに思っております。
 改めて私から二階堂参考人にもお伺いをしたいわけでありますけれども、今、村井知事が参考人としてお話をされたこの災害と水道ということについて何か御意見を、もう少し深く併せてお伺いできたらと思います。よろしくお願いいたします。
#15
○参考人(二階堂健男君) 先ほど委員から今御指摘がございましたとおり、災害に対する対応ということで申し上げれば、厚生労働省、さらには水道協会という団体がございますから、水道協会を中心にして、各支部ごとにそれぞれの災害に対する支援体制を組んでいるんですけれども、実はこの以前に、災害が発生をして、特に東日本大震災の場合はしかりでございましたけれども、もう発災直後からそれぞれの事業体が支援の要請がある前にもう出発をすると、こういうような即応態勢は、やはり公共が抱えているからこそできるものだというふうに私は認識をしております。それは熊本地震でもしかりです。発災直後に二十八時間を掛けて関東から車で向かった自治体も幾つもございます。
 そういう意味からすると、やはり、先ほども申し上げましたけれども、明確なコンセッション事業者との関係が明らかにされない、そういう意味ではコンセッションの導入については反対だということを申し上げたいというふうに思います。
#16
○自見はなこ君 もう一度村井参考人にお伺いをしたいんですけれども、事前配付の資料等を拝見しておりまして、このコンセッション事業の成功に当たって非常に重要なことは、初期からの民間事業者とのコミュニケーションであるというふうな一文があったと思います。そこについてもう少し詳しくお教え願いたいと思います。
#17
○参考人(村井嘉浩君) 事業者としっかりコミュニケーションを図るということは重要でございます。料金一つにいたしましても、五年ごと県議会に諮らなければなりませんので、民間事業者の意見も聞きながら進めたいと思っております。
 そういった意味からも、しっかりと経営状況等を把握する意味で第三者の委員会を、経営審査委員会を設けまして、モニタリングをしながら意見を聴取するという形にしたいというふうに考えております。
 以上です。
#18
○自見はなこ君 ありがとうございます。
 コンセッション事業に対しては恐らくいろいろな、行政の長のお考え、それから議会のお考え等々、それから住民の方とのコミュニケーションということが非常に重要になってくるんであろうというふうに思っておりますが、石井参考人、そして橋本参考人にお伺いをしたいと思います。
 このコンセッション事業に当たっての行政の在り方ということについてのお考えをお伺いしたいと思います。
#19
○参考人(石井晴夫君) ありがとうございます。
 これはすごく大事なところでございまして、先ほどの災害時の行政の対応もそうなんですけど、現在のこの改正法案では、最終的には所有は公共側に残したままということになっておりますので、現在、災害時のときには、水道事業の場合には、日本水道協会という公益社団法人がございまして、そこがすぐに災害対策本部を立ち上げて、各地方支部あるいは中央本部、中央本部にも災害対策本部を立ち上げて、各都道府県にはまた都道府県の支部があります。そういう中で、日本水道協会というこの団体が公共目的のために災害時いち早く対応していただけると。先ほど二階堂委員長からもお話がありましたように、それは日本水道協会からの要請で水道事業体の皆さんがすぐ駆け付けてくれて、様々な対応もやっていただけると。
 今回のこのコンセッションの場合には、運営権という、そういうものを民間事業者に譲渡すると。譲渡して、所有は公共側に残したままでございますので、私の考えとしては、当然、日本水道協会の会員でそのまま水道事業体はあり続けると。ですから、災害時も今までと同じように日本水道協会の下で災害対応ができるというふうに思っております。
 ただ、もう一つだけ付け加えるならば、そうはいっても、これだけ災害が多発しておりますので、その災害時の対応のためのコストですよね、費用負担が余りにも大きくなってしまっていると。これを自治体に任せるということは、これはもうこれ以上は不可能だと思います。したがって、何らかの対応を、これ災害対応のための特別措置を是非国会でも御議論いただければというふうに思っております。
 それともう一つ、行政、国の方で、今回、コンセッションをやる場合には許可を厚労大臣から受けなければならないというふうに明記されているんですけど、やはり国の責任というのは相当これから増してくると思います。ですから、当然、国も、それから事業体である都道府県や市町村も同じようにモニタリングをしっかりとする機関をやはりつくって、チェックしていくということですね。
 それで、今回のコンセッションのやっぱりメリットというのは、これだけ疲弊している水道事業、厳しい状況の中にある水道事業を今回の件で見える化してきたと。市民の皆さんも分かってきたんですね。ですから、そういうところを、やはり私たちはちゃんとこの議論をするときにもデータを出して、やはり市民の皆さんと一緒になって議論するということが大事だというふうに思っております。
 以上です。
#20
○参考人(橋本淳司君) コンセッションの場合、自治体の方にお話を聞きますと、コンセッションであっても企業の統治は可能という認識に立っていらっしゃる方が非常に多いんですが、実質的にはその統治というのは非常に難しくなっていくであろうというふうに考えます。
 責任を自治体が負うというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、実際には、コンセッションを導入した場合には、管理監督は自治体がするけれども、運営の責任は企業側が負うということになります。その運営についてきちんと見ていくだけの能力というものが二十五年や三十年にわたって自治体に残っているかということを考えますと、非常に難しいのではないかと。
 そして、職員の方が減少していったり、定期的にジョブローテーションをしていくという状況、こういうことが起きるので、このコンセッションのモニタリングを専従でやっている人が三十年残っているというなら話は別だと思いますけれども、そういうことがない以上、なかなか難しいのではないかと思います。そうなってくると、やはり専門的なコンサルタントとか、そういった人に依存をしていくということになるのではないかと思います。
 そして、自治体の方に話を聞いて、またそれで印象的だったのは、コンセッションをやったときでも今までの委託と同じように、何か企業との関係は自治体が上で企業が下であるというような勘違いをしている自治体の方も多いんですけれども、実際には、契約ということになりますから、厳密な契約の下に運営権が譲渡されているところで、責任や権限が分散されているわけです。そういう中でガバナンスを利かせていく、公の強いガバナンスというものは余り期待できないのではないかと。
 そして、コンセッションのメリットである、企業に自由にやらせるからこそ企業の創意工夫によっていろいろな改善が図られ、コストダウンもできますよということを言いますけれども、それとガバナンスを強力に利かせるということは実は相反することでありまして、事細かに自治体が指定をしていけばしていくほど企業の自由度というのは減りますから、この二つの要素というものを同時に追い求めるというのは、それはあり得ないのではないかと考えております。
 以上です。
#21
○自見はなこ君 終わります。ありがとうございました。
#22
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 今日は、参考人の先生方、どうもありがとうございます。
 まず、コンセッションの話ばかりになっているんですが、村井参考人と、また石井参考人のお二人にまず冒頭にお伺いしたいんですが、今回、関係者の責務が明確化されました。私はここは大変重要なところだと思います。
 先ほど石井参考人の方から国のこともおっしゃっていただきましたが、中でも都道府県の役割というものがここでしっかりと書かれております。ここにおきまして、都道府県として、もう既に広域化、宮城県ではなさっていらっしゃいますけれども、この法律を受けて、どういうふうな形で都道府県としての役割、期待される役割があるとお考えなのか、また、石井参考人におかれましても、ここのところが明確化することの意義について御意見を賜りたいと存じます。
#23
○参考人(村井嘉浩君) 今回の法律の重要なポイントの一つだと考えてございます。都道府県の責任を明確化するということです。何をもって責任とするかということですが、やはり一番重要なのは、今後、非常に経営が厳しくなってくる、どの自治体も厳しくなってくる、小さな自治体ほど厳しくなってくる、それをどのような形で経営の効率化を図っていくのかというようなサポート、お手伝いをしていくということが重要だというふうに思ってございます。
 早速、今回の法律の改正があるということを見越しまして宮城県は全ての市町村に対しましていろいろお話をさせていただき、そして窓口もつくりました。そして、先ほどの十一ページで申し上げたように、水平の広域連携もよし、また宮城県がやっております官民連携方式に垂直連携でやるもよしと、どのような形でもいいということで選択肢を示しているということでございます。
 このような形で選択肢を示すことによって、自治体の持っているその特徴あるいは特性を生かして効率化を図っていけるのではないかと考えております。
 以上です。
#24
○参考人(石井晴夫君) ありがとうございます。
 今回の改正法案の第二条の二では、国、都道府県、市町村、水道事業者に対して、水道の基盤の強化に関する責務を規定するというふうに明確になっております。
 そういう中で、特に都道府県には、先ほど御指摘のように、広域的な連携の推進役ということを明記していただきましたので、これは地域公共交通の方では早くから、私なんかもいろいろ話をさせていただいてきたんですけど、やはりドイツとか、そういうヨーロッパなんかでは、そういうそれぞれの役割の明確化ということを早くから位置付けております。今回、改正法案の中ではこれを盛り込んでもらいましたので、これは非常に重要なことであるというふうに思っております。都道府県が要するに推進役となって、広域化、そしてまた水道基盤強化計画というものを今回の法案の中では盛り込んでいただきました。
 そういう中で、そういう様々な都道府県の置かれている状況というものを、都道府県が中心になって市町村の皆さんから意見を聞いたり、様々な検討をするということが今まではなかなかなかったんですね。そういったことを、広域的連携等推進協議会ということを設置できるということでございますので、こういった協議会をいち早く設置していただいて、各都道府県が持っている状況とかあるいはその様々な課題というのはそれぞれ異なりますので、そういうものを明らかにして、そして議論すると、一つのテーブルの中でですね。そして、広域化をするしないは別にして、そういう状況というものを明確にするということは私は大変意義があることだというふうに思っております。
 以上です。
#25
○山本香苗君 ありがとうございます。
 私も現場でいろいろお伺いしておりまして、そういう形できちっと情報を共有することによって現状をまず認識をすると。広域化イコールバラ色ではないけれども、そこのところをどうにかみんなで何か知恵でできないかという場になると思っておりまして、一部に何か強権的になるんじゃないかみたいな話もありますが、私は、ここは逆に、やらないことの方が問題が大きいんじゃないかなと思っております。ありがとうございました。
 もう一つ、コンセッションの形でいろいろ御議論がありましたが、村井知事の方からはいろいろと手を打っていただいているお話、大変分かりやすくお伺いさせていただきましたが、これ選択肢の一つではありますけれども、国が許可をしないといけないわけです。
 許可の申請に当たって、水道事業者は実施計画書等を提出しなきゃいけないと。許可基準に適合していると認められるときのみ許可が与えられるというわけであります。ここの許可のところが、法文上を見ると非常に定性的に書いてあるので、ここのところがどうなのかということがあると。これから省令だとかガイドラインだとかで明確化していったり、また留意点等々も、災害時の話も含めて書いていくというような話がありますが、ここで、石井参考人と、そして橋本参考人にお伺いしたいと思います。
 それぞれコンセッションに関するお立場は異なりますが、ここの許可の基準の在り方、許可する際にこういうところをちゃんと見とかなきゃいけないんだと、国が。そこのところで御意見を賜れればと思います。
#26
○参考人(石井晴夫君) ありがとうございます。
 今委員から御指摘いただきました許可基準、これもう非常に重要なところで、これに全て尽きるというふうに思うぐらい重要なところだと思います。
 様々な観点から、厚生科学審議会の下での水道の維持・向上のための専門委員会が設けられて、六回にわたる議論を、この法案提出の前に議論をしてまいりました。そういう中で様々な観点から検討もし、そしてまた、今後、この法案に関して、成立すれば省令やガイドライン、細かいところの細目がこれから作られるというふうに思っておりますけど。
 そういう中で、極めて重要なところは、先ほど村井知事からもお話がありましたように、しっかりとしたそういう特別目的会社というもの、あるいは、その選定に当たってはプロポーザル方式だとかあるいは様々な方式がございますが、いろんな形でしっかりとした事業基盤を持っているところがやはり一番重要であるというふうに思っております。
 そこは、特別目的会社というのは、一つの会社がやるのではなくて、様々な創意工夫ですよね、その企業の持っている経営資源を最大限発揮できるような会社がいろんな分野から集まって、そしてSPCというものをつくって、その会社に基づいて、その会社がプロポーザルとか、そういったところに応募していただくということなんですね。ですから、そういう事業基盤をしっかり担保できるようなところというのは一番大事であると思います。
 先ほど来御指摘にありました、やっぱりモニタリングというところなんですけど、これは、ちゃんとしたガイドラインとかあるいは省政令の中で明記していただければ、これはずっと今後とも法令に基づくモニタリングですから、これはちゃんとしていると思います。ですから、今でも水道事業に関しては厚生労働省水道課の方でも様々なモニタリング手法というのは提起しておりますので、それをこういう新しい改正法案に関して、成立すれば当然細かいところまで基準を設けてくるというふうに思っております。
 以上です。
#27
○参考人(橋本淳司君) 事業の健全性ということで判断をしていくということになりますと、やはり経験と資産に長じている外国企業というものが選ばれやすくなってしまうのではないかという懸念があります。外国企業の場合、非常に経験がありますし、資産も非常に大きいです。そういうところが選ばれやすくなってくるということです。
 もう一つは、契約モニタリングというものはそれと同時に非常に重要でして、その契約モニタリングに関してはなかなか難しい部分があるということです。これは先ほど申し述べたとおりです。
 以上です。
#28
○山本香苗君 ありがとうございました。
 最後に、二階堂参考人に。
 災害時に本当に現場で一生懸命頑張っていただいた職員の方々のお姿というのはよく拝見しております。ただ、これからの水道事業というのは、技術というところはもちろん大事なんですが、経営というところも、非常にマネジメントという意味合いも職員の方々に求められると思うんですが、その点について向上を図るためにどういった施策が必要かということを最後にお伺いして、終わりたいと思います。
#29
○参考人(二階堂健男君) 委員からの御指摘ございました今の現状における効率的な経営ということで、職員に対する意識というようなことでお話ございましたけれども、実は、先ほども申し上げましたけれども、今現在の事業体でも実は民間に負けないだけの事業基盤が確立をしているというのは事実でございます。
 例えば一例を挙げますと、十年前に、ある一つの都市でございますけれども、二千二百人の職員がおりました。今現在は千四百人です。いわゆる八百人の人員削減があったと。しかし、それでも事業を黒字を出して、国際貢献を行って、そして市民参画をしながら事業運営をしている。そういう意味では、そういう過程の中で既に職員はいわゆる企業の経営の効率化、あるいは地方公営企業法でも能率的な経営が求められておりますから、そういう中で既に職員が醸成をされているのは事実でございますし、一方で、中小においては、残念ながら、先ほども申し上げたとおり技術者が圧倒的に少ないと。技術継承もままならない。事務も技術もなく一緒に水道事業を営まなきゃいけないと。こんな現状の中では、なかなか正直、効率化そのもの、あるいは事業運営そのものが難しくなっていると、そういう状況だということを申し上げたいというふうに思います。
#30
○山本香苗君 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
#31
○川田龍平君 参考人の皆さん、今日は貴重な時間と意見をありがとうございます。
 私からはまず橋本参考人にお伺いしたいんですが、今、小さな水道と言われる簡易水道や民間の水道、民間の水道といっても企業が運営するというのではなく、小規模の本当に私的な、そういった水道が今大変危機にさらされているというのがあると思いますが、是非、そういった水道にとって、今、これから公共、特に行政がしていかなければいけない施策としては何がありますでしょうか。
#32
○参考人(橋本淳司君) ありがとうございます。
 今回の西日本豪雨のときも、呉市の山村にある、集落にある小さな水道というものが三か月以上断水したままという状況に置かれました。水道というカテゴリーに入らない五十人以下の非常に小さな施設を使っていらっしゃる方がいると。こういう方は全国にたくさんいらっしゃいます。
 こういう水道というものを簡易水道に統合して、あるいはまた簡易水道を上水道に統合していくという、こういう統合という流れが非常に多く進んでおりますけれども、実際には、この小さな水道を残していった方がエネルギーの面から効率的であるというケースがあります。
 エネルギーの面からというのは、水道管を一概につないでしまったために、山の上に向かって物理的エネルギーに反して水をつなぐというようなことがありますと、ポンプの圧送エネルギーというものが水道にとっては非常にコストが掛かるということで、小さな水道を残していくということが非常に重要です。
 ただ、こういった合理的な部分だけではなくて、そういったところに水道を残していった場合に、単純にコストを人で賄うんだという考え方だけでは、もう数名の人たちが非常に高額な水の料金を払わなくてはいけないという地域が生まれてしまいます。そういうところでは、単純に水道だから頭割りをするんだというような発想を超えて、地域福祉の観点から小さな水道を維持していくということも重要ではないかと考えております。
#33
○川田龍平君 山形県の鶴岡市で、井戸水を使ってこの水を飲んでいた人たちが、広域水道化に当たって、広域水道にしたことによってこの井戸を埋めて、井戸を埋めてまでも水道を普及させようということになってきているということを聞いたんですけれども、そういう災害時には井戸水が使えるようにしておいた方がいいのにもかかわらず、結局、水道の方を優先するために井戸を塞ぐというようなことまでしたと聞いています。そういうのは本当に災害についてどのような効果があるのかというのは本当に私も考えますが。
 橋本参考人、もう一つ聞きたいのは、橋本参考人からの資料の最後のページに小規模水道に適した技術の開発というのがありますが、これについて説明いただけますか。
#34
○参考人(橋本淳司君) これは、岩手中部水道企業団でやっている実験です。これは、広域化をして、そして施設を集約していくとなると、どうしても集中的な浄水システムになっていってしまうんですね。そうすると、管路が長くなっていきますので、浄水場は減らしたけれども水道管は長くなり、ポンプ圧送に掛かるエネルギー代が多くなってしまってコストが逆に掛かってしまうというようなケースがございます。
 そこで、小規模集落のための装置というものを独自に開発されて、余りお金の掛からないやり方で、というのは、元々ここは沢水を使っていたり川の伏流水を使っていたりしますので、原水と言われる水道のもとになるものが非常にきれいという状況があります。その原水を生かして、最低限のコストの掛からないやり方の浄水装置を付けて、それを比較的高所に置くことによって、これまた自然流下のエネルギーによって周囲に分配するという仕組みです。こういった仕組みというものは岡山県の美作にもありますし、各地に少しずつできてきてはおりますけれども、まだ余り知られておりません。
 ですので、広域化をする際には、一つには施設の統合というものは重要なんですけれども、と同時に、小さな施設というものをいかに生かしていくかという視点が重要なのではないかなと思います。
 と同時に、今おっしゃられたような井戸というのは災害時に非常に効果的でして、東日本大震災のときも熊本地震のときも、井戸が維持されていたことによって水が守られたという地域はたくさんあります。ですので、水道と同時に井戸も重要だということを併せて申し述べたいと思います。
 以上です。
#35
○川田龍平君 村井参考人に伺いたいんですけれども、先日、気仙沼に私行ってきたんですが、気仙沼までは鉄道が通っているんですが、気仙沼の先の鉄道が復旧していない理由というのはなぜでしょうか。
#36
○参考人(村井嘉浩君) 岩手県のことですか。岩手県のことですね。ちょっと岩手県のことですからよく事情は分かりませんけれども、ただ、三陸鉄道はまた復活したというふうに伺っておりますけど、ちょっと済みません、ちょっと他県のことなのでよく分かりません。
 沿岸部についてはBRTという、線路をバスが通れるようにしておりますので、宮城県も鉄道が全部復旧したわけでは決してございません。
 以上です。
#37
○川田龍平君 先ほど、村井知事の資料には気仙沼の方までは水道のことについては書かれていないんですけれども、この流域外と。流域下水道事業の三事業の、特に気仙沼とか岩手県の方に含まれているようなこの地域にはなかなかこういった広域化というのは行かないのかなと思うんですが、それについてはどのように考えておりますか。
#38
○参考人(村井嘉浩君) それについても当然検討いたしましたけれども、今宮城県がやっております水道用水の供給事業、流域下水道事業にもう既に気仙沼のこの地区は入っておりませんので、そもそも選択肢の中からなかったということです。沿岸部の東側にあります三つの流域下水については上水と一緒になっていなかったものですから、これは一緒にするのは難しいだろうという判断であったということであります。
#39
○川田龍平君 橋本参考人に再び伺いますが、この資料にありますイギリスでPFIが見直されているということについて、もう少し詳しくお伺いできますでしょうか。
#40
○参考人(橋本淳司君) PFIについては、イギリスの会計監査院、ナショナル・オーディットと言いますけれども、ここが今までの、この三十年余りのPFIについて今年の二月に検証をしまして、過去のPFIの事業効率というものがどうだったかということを測っております。その結果、公共事業に比べてPFIというのは四〇%コストが高かったという結果を出しております。
 そして、PFIの後にPF2というものも実施されておりますけれども、PFI、PF2を含めてイギリスは新規にはPFIは行わないという結論を出しております。ただし、現在継続中のものは突然やめたりしますと大きな混乱を招きますので継続ということです。
 以上です。
#41
○川田龍平君 橋本参考人に最後伺いますが、今、この水道法改正に反対する自治体というのがあると聞いておりますが、それについて何か知っていることがありましたら教えてください。
#42
○参考人(橋本淳司君) 私が聞いておる範囲ですけれども、福井県、それから新潟県、これは県を挙げて、与党、野党を含めて決議を出しまして、やはり命の水というものをコンセッション方式というものはなじまないのではないかということを決議されて、それを報告しているということでございます。
#43
○川田龍平君 コンセッションによって特に重要なのが災害時のことですけれども、橋本参考人にもう一つお聞きをしたいんですけれども、特に、コンセッション方式というのがなぜ自治体が積極的に取り組むようになるのかと。選択肢はあると言われていますけれども、同じ選択肢ではなくて、なぜ今のこの法律によってコンセッション方式を自治体が積極的に推進するようになるとお考えでしょうか。
#44
○参考人(橋本淳司君) 自治体が積極的にコンセッションに取り組むのはなぜか。実際には、コンセッションというものは以前から自治体には門戸の開かれたやり方で、多くの自治体に求めていたということを聞いていますけれども、具体的にはコンセッションに関しては手を挙げる自治体が少なかったというふうに認識をしています。そして、PFI法の改正などによって、コンセッション、水道に関わるコンセッションについては起債を優位に返還できるというようなことが設けられた結果、興味を持つ首長さんも増えているというふうに聞いております。
#45
○川田龍平君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#46
○川合孝典君 おはようございます。国民民主党の川合孝典と申します。
 四名の参考人の先生方には、朝早くから貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。
 私自身、今回の水道法改正の議論を始めるに当たって、水道基盤の現状と今後の課題ということについては多少勉強をさせていただきました。基盤強化をすること自体についての必要性は十分認識しているつもりでございますが、他方、ここまでも議論になっておりますとおり、コンセッションについてはまだまだ分からないところが実はたくさんございます。したがいまして、素朴な疑問について是非お答えをいただきたいと思います。
 村井参考人にまずお伺いをしたいと思うんですが、大変分かりやすい資料で御説明いただいて十分理解できたところもあるんですが、どうしても理解し切れないところがございまして、と申しますのも、これまで公営でやっていることでいろんな障害があってコストも高くなってきている、これがコンセッションで民間業者が入ることによっていわゆるローコスト化できるということの御説明があったわけでありますが、そもそも水道料金収入によって事業が運営されているということを考えると、公営であっても民営であっても基本的にコストは本来変わらないのではないのかと。数十億円から数百億円のコスト削減が可能であるということの根拠がどこにあるのかということをもう少し具体的に御説明いただければ有り難いと思います。
#47
○参考人(村井嘉浩君) 先ほどの資料の四ページの黄色の吹き出しに書きましたように、例えば、人手でやっていたものをIoTやAI等の新技術を活用し施設の運転経費を削減をする、また一括、長期契約による薬品や資材の調達経費、調達することにより経費を削減をする、また同種一括契約による設備等の更新投資の削減ができるといったようなことで、今回、宮城県は、上水、工業用水、下水、九つの事業所を一つにするということ、スケールメリットも出てまいります。そういったことでコスト削減が図れるのではないかというふうに思います。
 あと、ちょっとお時間をいただきますと、私、勉強している中で諸外国の例もいろいろ見ましたけれども、例えば、オペレーションをするのに水道管の中にセンサーを入れて、そしてセンサーによって流量を測る。したがって、今までは人の長年の勘と経験でやっていたものをセンサーによって流量を測って、それによって水の多い少ないを調整する、無駄な水を流さないようにするといったようなことをしているところがありました。恐らく、民間に任せますと、少しでもそういったコスト削減を図っていかなければなりませんので、そういったことは可能になるかもしれません。
 また、宮城県、実は雨水管と下水管が一つになっているところがたくさんございまして、雨が降ると、普通は下水の量は増えないはずなんですけれども、増えて、下水処理場の近くになったら溢水するんです、水が噴き出てくるんですね。そういったところがございます。そういったようなことも、民間の事業者の知恵で、例えばセンサーを使ってもらってどこから雨水が入っているのかというようなことを調べていただくことが可能になれば、我々としては雨水管と下水管を切り離すといったような工事も可能になっていくのではないかと考えてございまして、そういった期待もしているということでございます。
 以上です。
#48
○川合孝典君 ありがとうございます。
 もう一つ、村井参考人にお伺いをしたいんですけれども、効率化を図るということでコストが様々低減できるということについての御説明は理解できたんですが、私自身が労働組合の組織の出身の人間でもございまして、職員の雇用については非常に実は注視しているところでございます。
 今回、こうしたコンセッション方式を導入されるということによって、端的に言って水道事業で働いていらっしゃる職員の皆様の雇用はどうなるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#49
○参考人(村井嘉浩君) 生首は一切切ることはありません。それは御安心いただきたいというふうに思います。これは非常に重要なポイントなんです。私も、大切な職員ですから、そういった職員、あるいは外郭団体の職員も含めて、これを首を切るための施策であってはならないというふうに考えてございますし、そこはしっかり対応しております。
 今も指定管理者制度で民間にほとんどやっていただいているんです。それが変わってくるということでございますので、モニタリングも引き続きやりますから、人も急激に減るということはないと思います。もちろん少しずつ減らしていく努力はいたしますけれども、急激にある日突然リセットしてゼロになるといったことはあり得ないということでございます。
 以上です。
#50
○川合孝典君 ありがとうございました。
 続きまして、石井参考人に是非お聞きしたいことがあるんですが、コンセッションを導入するかどうかということについての自治体のいろんな聞き取り調査等も既に行われているというふうに伺っておりますが、コンセッションを導入を検討すること自体がそもそも不可能な、特に中小零細の赤字事業体がそういうところの対象になると思うんですけれども、今回のこのコンセッションの議論というのは、基本的にやっぱり大規模、一定の規模があって、かつ収益が見込めて民間業者が受託することのメリットがあるところに限定されると思うんですけれども、今一番喫緊の課題なのは赤字で設備投資もできずに今後水道事業が継続できない事業体をどうしていくのかということになろうかと思うんですけれども、このコンセッションの導入すらできない状況に置かれているような厳しい零細事業体への今後の対応をどうすべきとお考えかをお聞かせいただきたいと思います。
#51
○参考人(石井晴夫君) ありがとうございます。
 この問題は、もう本当に、先ほど川田先生からも小規模事業体の御指摘がありましたけど、喫緊の、もう本当に待ったなしの課題でございます。これに対しては我々も様々な今取組をしなければならないということをいろんなところで申し上げたり、また検討しております。
 結局、こういう統合といっても、広域化といっても、なかなか広域化はできない。広域化と広域連携というのはちょっとまたニュアンスも違いますですよね。それで、結局、こういう広域化して何をメリットと。これはスケールメリット、規模の経済性が一番よく言われるんですけど、規模の経済性というのは、今委員からも御指摘がありましたように、ある一定の規模がなければ費用低減にはなりませんですよね。
 ただ、小規模な事業体、あるいは零細事業体であっても、水平的にお互いに共同化することによってこれは範囲の経済性というのがありますよね。同じ水道事業として、共同購入だとか共同の業務の発注だとか、いろんなことができるというのが一つあると思います。
 もう一つ、小規模あるいは零細の事業体をどうやって救うのかということなんですけど、これは一つは、例えば今回の、先ほども先生の方からも御指摘がありましたけど、やはり都道府県の役割ですよね。都道府県の役割が今回の法案では明記されておりまして、事務の代替執行というのが地方自治法上でできることになっております。
 水道事業も幾つかもうこれ始まってきておりまして、御存じのように、今年の四月一日からは長野県の企業局が天龍村の事務の代替執行を簡易水道でやっているんですね。これは技術者を派遣して、もう一人か二人しかいないんで、専門家が。見積りもチェックできないんですよね。ですから、そういうところは県の方で専門家を派遣して、見てあげましょうと。いろんな監督とか管理、こういったものについても様々な形で長野県は県内の市町村に対してもいろんな支援をするという、そういう仕組みを今つくりつつあります。そういったことを県全体で、都道府県の中で、やはり先ほど先生からもお話がありましたように、見てあげるということが非常に重要であると思います。
 今、私、心配しているのは、そういう一軒とか二軒とか、あるいは周りがみんな空き家になっておじいちゃんとかおばあちゃんしか住んでいないようなところ、町場に出てこいとか、こういった議論は私はもう全く言語道断だと思います。
 そして、昔の水売りじゃないですけど、水を運べばいいじゃないかとか、そういう話は漏れ聞くんですけど、これも不可能です。水道は安全性が一番で、公衆衛生上の問題があって、一番大事なのは、四十八時間とか七十二時間とか、やはり含有塩素の量というのは決められています。そういったものを、やっぱり衛生管理というのが一番大事でございますので、そういう観点からすれば、私は、やっぱりみんなで、それぞれの都道府県の中の市町村の極めて零細な簡易水道をみんなで守る工夫を考えていくということですね。
 先ほど村井知事からもありましたように、AIとかIoTを使う。これはクラウドシステムで、これは岩手中部もいろんな形でクラウドシステムを入れて、それからまた、圏域を越えた中で八戸広域水道企業団というのがあるんですね。これは八戸圏域だけではなくて岩手県の方も入って、それで協議会を今つくっています。これ、広域の大きなやつです。そういったところも様々なできること、共同化できることは全部洗い出そうということで、そういう小さいところをいかに守ってあげるかと、様々な取組があります。
 ですから、そういったことを後押しするような観点からも、この法案は非常に有益であるというふうに考えております。
 以上です。
#52
○川合孝典君 ありがとうございました。終わります。
#53
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子でございます。
 今日は参考人の皆さんの御意見、本当にありがとうございます。
 そこで、私の方からは、まず二階堂参考人にお伺いしたいと思います。住民の命と、命の水を現場で支えていただいている職員の皆さんに、まず感謝申し上げたいというふうに思います。
 今年も、大阪府の北部地震、御紹介もあった七月の豪雨ということで、非常に災害も大規模な断水ということでも発生いたしました。大阪府北部地震の際はあれだけ大規模だったんだけれども、二日間で復旧したというのは本当にすごいことだったなというふうにも思っておりまして、先ほど来、少しお話も出ていましたけれども、こういう大規模災害時の復旧支援体制、水道協会を軸にした復旧体制、支援体制の組み方というか、リアルにちょっと御紹介をいただければなと思いますのと、これがコンセッション方式になった場合に、どんな懸念、課題が出てくるのかというところを具体的に御紹介いただけますでしょうか。
#54
○参考人(二階堂健男君) 一つは、支援対策ということでの委員からの御質問でございました。
 先ほど石井先生からも触れられましたけれども、厚生労働省、そして所管をする日本水道協会が全国横断的に支部を構えていまして、その支部を中心にいわゆる災害支援体制が組まれております。したがいまして、大きな災害ではなく小規模な災害であればその地方支部の中で互いに融通し合いながら支援体制を確立をすると。ただし、東日本大震災あるいは熊本地震などにおいては、到底その地域、地方支部だけでは復旧体制整いませんから、したがいまして大規模都市を中心に支援に当たると、そんなようなことで、基本的には水道協会がその窓口になっているというのが事実でございます。
 その上で、二つ目の、いわゆるコンセッションで何が問題なのかと、あるいは、私が申し上げたいのは、公共がなぜ災害に関わったときに強いのかと、こういう視点でお話をさせていただきますけれども、先ほども意見の陳述の中で申し上げましたけれども、実は、災害というと、給水車で水を給水するだけが災害支援ではございません。日本の水道技術は災害時においても、例えば水道管が破裂をしました、水道管を直します、その直し方や、私たちは水張りという、水運用という言い方をしますけれども、その水運用の仕方一つを取っても、これはシステムじゃどうにもなりません。
 現行のシステムでは、大規模ではもう既に日本の水道事業は外国に負けないだけのシステムを構築しています。一例を挙げますと、一つのパソコンの画面にどこどこ町のどこで破裂をしましたというふうに入れます。すると、瞬時にその近隣のバルブが、どこを締めればいいかというふうに表示されます。しかし、それでも、そのバルブを締めればその断水工事やあるいは漏水修理が終わるわけではございません。そこには、現場に働く労働者の知識やあるいは経験によって、水は必ずしも左から右に流れるわけではございません。圧力の高いところから低いところ、あるいは水系が違う、県から用水供給を受けている、自前の水源を持っているところ、それぞれが非常に極めて複雑に絡み合った給水システムをつくっているわけでございます。
 したがいまして、そういった経験を基に災害復旧に当たる、極めて効率的で、なおかつ一日も早い、一時間も早い復旧が成り立っているという意味で、コンセッションではできないというふうに申し上げたいと思います。
#55
○倉林明子君 ありがとうございます。
 職員が大幅に削減される中でのそういうシステムをしっかり維持しているということでいうと、かなり厳しい実態もあるんだということでお聞きをしておりましたので、公の役割ということで強調していただきまして、ありがとうございます。
 さらに、二階堂参考人にもう一点だけ簡潔に教えていただきたいんですが、十月に出された決議の中でも触れておられた、コンセッションで外資が参入すると。これに対して、ISDS条項が問題も出てくるという指摘があるわけですが、どんな問題を懸念されているか。どうでしょう。
#56
○参考人(二階堂健男君) まず、基本的に一つ言えることは、コンセッションで本当に効率化できるのか、そこの一番大きな問題は料金なんですね。料金なんです。その料金のシステムは、先日の委員会の中でも水道法十四条の二項追加になったということで議論になっておりましたけれども、水道法における総括原価主義については企業の利益は入っていません。そうしたことがコンセッションの中に盛り込まれていくということは、これは市民にツケが回ると、こういうことだというふうに思っています。
#57
○倉林明子君 橋本参考人にお伺いしたいと思います。
 海外での民営化ということでいろいろ御紹介があるんだけれども、一旦民営化した場合、再公営化、戻すのは物すごく大変だというお話を伺っているんですが、具体的な事例を含めて、なぜ難しいのかという辺りを御教示願いたいと思います。
#58
○参考人(橋本淳司君) まずは、厳密な契約に基づいてコンセッション契約がなされているということですね。
 海外で、例えばベルリンのケースがありますけれども、ベルリンは水道料金が上がるということに直面したときに、ベルリン市側は上げないでほしいということを企業に要望しました。しかし、企業は、今の水道事業をやっていくには上げざるを得ないということを言っておったわけですね。それで、それならば公に戻すということを決めたわけですけれども、実際には契約の期間というものがありますから、そこで契約を打ち切るということになりますよね。それで、当然ながらというか、違約金というものが発生しまして、その金額は日本円にすると十六億円程度というふうに言われております。
 また、この違約金の支払というものがあるために、再公営化したくてもできないというケースもたくさんあります。例えばブルガリアのソフィアです。ソフィアでも再公営化の決議が行われたんですけれども、そのためには違約金を支払わなくてはいけないということで、現在でも民営化された、まあコンセッションなんですけど、コンセッションのままが継続されているということです。
 以上です。
#59
○倉林明子君 パリの話は大変有名なんですけれども、このパリ市で既に再公営化されたことで利益が上がって八%の料金値下げが実現できたんだという御紹介もされております。それはなぜそういうことが可能になったのか、お願いします。
#60
○参考人(橋本淳司君) やっぱり民営化か公営化かというよりも、実は、公営であっても水道事業のリストラというか再構築みたいなことはできたというケースだと思います。
 実際に、今委員が御指摘のとおり、二〇一〇年に再公営化されまして二〇一一年に水道料金が下がっている、八%下がっているということなんですけれども、その理由としては、まず組織の簡略化と最適化が実行できたということと、それから株主配当や役員報酬の支払が不要になったこと、そして、収益の、親会社への還元する必要がなくなったこと、この後ろ二つはコンセッションではなくて自前でできたということなんですけれども、前は組織の簡略化、最適化ということで、実際にはIT技術などを駆使して組織を、コストダウンを図っていったわけですね。
 つまり、民営化するからコストダウンが図れるよということではなくて、公のままでもやる気さえあればというか、頑張ればそういう持続可能な水道事業というものはできるんだということだと思います。
#61
○倉林明子君 勇気の出る御助言ありがとうございました。
 ちょっと時間があれば聞きたかったんですけれども、橋本参考人から御紹介がありましたエネルギー使用量の問題で、効率化の手法として小水源を使っていくという考え方については参考になりましたということでお伝えして、終わりたいと思います。
#62
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 私も十年前に大阪府議会にいたときに、大阪府の府域一水道ですね、是非実現したいというふうなことで経験がありまして、その中で、大阪市を除いては全部、水道企業団みたいな形で一つの水道体となりました。ただ、なかなか大阪市の方は、そのときやはり歴史であるとかそれから水道料金のことであるとか、なかなか一水道にできなかったという経験があります。ですから、なかなか議会の承認とか非常に難しいんだろうというふうに思っているんですが、是非この辺のところを村井参考人の方にお聞きしたいなと思うんですけれども。
 このコンセッション方式を導入するという中で、議会の同意というのはどのように見込まれているのか、ちょっとお聞きしたいなと思います。
#63
○参考人(村井嘉浩君) 実は、今回のみやぎ方式を検討するに当たりまして、大阪の事例もいろいろ勉強させていただきました。
 やはり今の水道法は、民間も認可を持つことができると、そして認可を持っている事業者に料金収入が入るということでございますので、ほぼ完全民営化という形になります。それを大阪は目指された。そうすると、当然ですけれども、今までいろいろ反対されている、参考人がお話しになったような問題が出てくるということで、市議会も府議会もなかなか理解をしていただけなかったということでございます。したがって、その辺をベースに、どうすれば不安を払拭できるかということで我々は制度設計をしてきたということでございます。
 先ほど言ったように、全て認可は県が持って、そして料金は案分すると。ただ、料金も我々が県議会に諮って、五年ごと県議会に諮って了解を得て、そして我々が、管路の分は県がやりますので、管路の分に掛かった経費は先に我々が取って、残った分を民間で持ってもらって、その中で利益を出しながら少しでもコストを削減するような提案をしていただいて、それを厳しい競争の中で一番最適なプロポーザルで提案したところを選ぶという形にしたということでございます。
 今、議会の皆さんとお話ししております。当然、反対をされる議員の方もおられますけれども、おおむね、今言ったように、不安を払拭できますよということを説明をいたしましたところ、理解を得られているものというふうに思っております。
 可決されるかどうか分かりませんが、そのためにもこの水道法が改正されないと次のステップに進めないので、今ずっとスタンバイしておりまして、平成三十二年度終わって三十三年度、復興が終わった段階で次の年からやりたかったんですけれども、今のところこの水道法が止まっているものですから次のステップに進めないで、三十三年度の当初に今スタートできなくなってしまって、それがだんだん遅れていってしまっているということでございますので、是非とも早めに通していただきたいというお願いをしているところでございます。
 以上です。
#64
○東徹君 ありがとうございます。
 コンセッションにもしした場合、モニタリングというものが非常に大事だというふうに思っておりまして、このモニタリングが、本当にその企業の経営内容とか、一体どこまでできるのかというところが、私もちょっとどうなるのかなというふうに思っておるんですけれども、この点について、村井参考人、それからまた橋本参考人、二階堂参考人に、いろんな経験も踏まえてお聞きしたいなと思います。
#65
○参考人(村井嘉浩君) 九ページで申し上げたとおり、受託事業者、今までは、現状は受託事業者、それで県がモニタリングを行っております。今度はみやぎ、新たなコンセッションになりましたならば、運営事業者によって自らセルフモニタリングをしていただきます。併せて県によるモニタリングも行うということです。
 その際、今までと、従来と違いますのは、今までは仕様発注でございましたので、言われたとおりやればいいということで財務状況の点検はしておりませんでしたが、今回、これからは性能発注になりますので、当然財務状況のモニタリングもセルフモニタリングをやっていただき、県によるモニタリングも行うということであります。
 ただし、なかなか県の職員で企業の財務状況までしっかりチェックをするのは難しいということもございますので、その下に書いてございます経営審査委員会、仮称でございますが、こういった独立した第三者機関を設けることによって、民間の厳しい目線も入れながら、チェックも入れながら、財務状況のチェックをしていきたいというふうに考えております。
 以上です。
#66
○参考人(橋本淳司君) 日本のケースではなくて、ちょっとフランスのことをお話ししたいと思います。
 フランスでは、やっぱり失敗している経験というものがありますから、このコンセッションをやるに当たって、国である程度モニタリングがきちんとできるような整備をしていると。今回の水道法にはそれがないということなんですけれども。
 何をやっているかというと、まず、自治体が行うKPIといって、どこを見ていったらいいかというガイドラインを国が定めていて、それをモニタリングの際に自治体が使うということを行っています。
 それから、先ほど労働者の方がどうなるんだということをおっしゃっていましたけれども、労働者保護の観点から、全ての官の職員を受け入れて民間が提案することで雇用が確保できるという仕組みも作っています。
 そして最後に、こういうケースというのは、コンサルタントの方というのが、どちらかというと企業寄りの方が自治体に話を持ってくるというケースが今までは多かったということなんですけれども、フランスでは自治体側のコンサルタントというのがいて、そのコンサルタントが企業の提案に対して、この提案はきちんとしているか、適正な価格であるかということを見ながら自治体にアドバイスすると。
 この三点が確保されているというのが日本とフランスの違いではないかというふうに考えております。
#67
○参考人(二階堂健男君) 簡潔に申し上げます。
 先ほどもお話ございましたけれども、長期にわたる契約でございますから、その長期にわたって技術者が確保できるのか、あるいはその技術者の水準が担保できるのか。もう少し言えば、机上の理論だけではモニタリングは完遂しないというふうに考えております。
 以上です。
#68
○東徹君 続いて、石井参考人に是非お聞きしたいと思います。
 村井参考人のお話の中でも、実際にはパリでは再公営化成ったけれども七割が民営化で更新していっているというふうなところ、一番お詳しいというふうなお話がありましたので、その点についてお聞きしたいなと思います。
#69
○参考人(石井晴夫君) ありがとうございます。
 そもそも、フランスのコンセッションも含めて、海外で言われるコンセッションというのは、御存じのように認可権も全て民間の方に譲渡しているんですね。ですから、これかなり完全民営化なんですよね。
 しかし、日本の場合には、現在のPFI法ではもちろん認可権も渡すことができるんですけど、今回のこの法案では所有権は公共が持ちますよということを明記されております。そういう中で、運営権のみを日本の場合には今回の水道法改正法案では譲渡し、認可権は公共がこれからも持っていきますということで、基本的に違うんですよね。ですから、そこがスタートの中で民営化民営化と言って、海外の事例って完全民営化なんですよね。
 水道事業の場合には、公共の関与というのは、完全に公共の関与がなくなるというのはこれ完全民営化、要するに民間譲渡ですよね。民間に全て渡してしまうと、所有権まで。ところが、水道の事業の場合には、先生方御指摘のように、命の水ですから、これはもう最後まで公共側に責任がありますよね。ですから、今回の改正法案の中でも、運営権のところの中で、コンセッションの中でも所有は公共が持ちますということでございます。
 それで、パリやベルリンの再公有化ということを言われておりますけど、これは両方とも市が一〇〇%出資した第三セクターに任せているんですね。ですから、これを本当に再公営化と言えるのかどうかという、ちょっと疑問符も私持っています。
 ですから、イギリスの場合はましてや、第三セクターもそうですし、NPO法人ですね、こういったものにも任せているんです。つまり、イギリス、一九八四年以降、ブリティッシュ・テレコム以降ずっと民営化しましたよね。イギリス国鉄なんかも民営化したんですけど、レールトラックという、鉄道を所有、持っているところが破綻したんです。しかし、これが破綻しちゃったらもう鉄道動かなくなってしまいますから、それは、レールトラックの代わりにはどこがやっているかといえば、NPO法人、政府が指定した、そういったところにも任せているということで、かなりもう、国が違いますので、事情が違います。
 それで、日本は、これだけしっかりとしたモニタリングの議論とか、法整備も厚労委員会を含めて様々な検討をしていただいていますので、私はしっかりとしたスキームができるというふうに思っております。
 以上です。
#70
○東徹君 時間が来ておりますので、ありがとうございました。
#71
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 参考人の皆さん、本当にありがとうございます。
 コンセッションは、運営権を売却をするものです。二百億掛けて例えば買ったら、買ったものは自分のものだと、水メジャー、SPCはそれ以上の利潤がはるかに上がるように頑張るだろうと。売却をしてはいけない、運営権を売却することの、コンセッションの問題は大きいというふうに思います。
 橋本参考人にお聞きをいたします。
 パリは、セーヌ川を挟んでスエズとそれからヴェオリアが民営化でやっていました。そして、ベルリンはヴェオリア社ですよね。そうすると、様々なところで料金高騰とそれから情報が開示されないことが大問題になり、再公営化になります。日本でもヴェオリア社やそれからスエズといった水メジャーが出てくるというふうに、実際名前も挙がっております。
 私が聞きたいのは、情報開示しなかったことで問題を追及された企業が、じゃ、日本に来たら情報開示をするんでしょうか。ヴェオリア・ジャパンは非上場ですから、役員報酬とか出てくるんでしょうか。この情報開示やその問題点について意見をお聞かせください。
#72
○参考人(橋本淳司君) おっしゃるとおり、情報開示というものがすごく難しいというのが、よく水質が悪化したとか料金が上がってしまったという現象だけが捉えられてメディアで報道されたりするんですけれども、実際には、料金が上がる場合でも、適切な投資が行われて料金が上がっているのであればそれは納得ができるかなという部分もあると思います。ですけれども、料金は上がったけれども、それのお金の使われ方の説明がないというようなことが欧米では問題になっていたということですね。
 実際に日本でも幾つかのケースがありますけれども、例えば、企業が、行政に対しては情報は伝えるけれども、その情報を市民に関しては開示しないというような契約が結ばれることがあって、そういう場合では完全な情報が全ての人に行き渡るということはないのではないかと考えます。
#73
○福島みずほ君 二階堂参考人にお聞きをいたします。
 先ほど災害支援の話がありました。二階堂参考人自身も横浜水道からいわきに行ったという話をいわきで聞きました。まさに東日本大震災のときも、福島、宮城、岩手に全国から水道の労働者が駆け付けました。だから、熊本震災のときに、福島、宮城、岩手からみんな駆け付けるわけです。岩手からは重機を、重いけれども船で運んで熊本に行ったという話を聞きました。西日本豪雨災害でも北海道の胆振地震でも現場に行くと、スキルのある公務員がきっちりフォローしてくれることが一番やっぱり力になっているわけです。
 コンセッション、人件費削減して利潤を上げようとしているところで、果たして、じゃ、そこで駆け付けるのかという問題。自治体はよく姉妹都市やっていて、公務員が駆け付けます。それがうまくいくのかという点についてどうお考えでしょうか。
#74
○参考人(二階堂健男君) 先ほども申し上げましたけれども、現在の法整備の中では、コンセッション事業者がいわゆる災害にどういった責任を負うのか、全く明確化されておりません。もう少し言えば、公共が災害に責任を持つということは市民の命に責任を負うということでございますから、そういう意味ではコンセッションは難しいというふうに考えます。
#75
○福島みずほ君 市の責任というか、今回、コンセッションで、不測のときには自治体が責任を負うから大丈夫だという説明が厚生労働省からあるわけです。しかし、災害があって、水道管が破裂する、漏水するといった場合に、じゃ、これはメンテナンスをちゃんとやっていないからこの問題が起きたのか、いや、これはやっぱり市が責任を負うべきか、問題になると思います。
 浜松の契約書、下水道のコンセッションを見ると、不測のとき、災害のとき、住民運動のリスクすら市が責任を負うと書いてあるんですね。じゃ、実際、ビジネスモデルとして、責任、不測や災害のときに責任を負わない民間会社ってあり得るのかというふうに思いますが、その点についていかがでしょうか。私の意見は、サボっちゃうんじゃないかということなんです。どうせ災害になったら責任を負わないんだったら、市が責任を負って、国が責任を負ってくれるんだったら、そこはどうなのか、どっちの責任か争いが起きるんじゃないか、どうでしょうか。
#76
○参考人(二階堂健男君) 私も、浜松市のいわゆる災害派遣に関わる市の責任の体制については拝見をしました。
 全く委員から御指摘のとおりでございまして、恐らく、市が責任を負おうと思っても負えない、コンセッション事業者もそういった対価が含まれているかといえば決してそうではない、お互いが責任のなすりつけ合いになった結果が不幸な結果を生むというふうに考えています。
#77
○福島みずほ君 橋本参考人にお聞きをいたします。
 運営権は売却されるわけで、二十五年と例えば契約を結べば、その二十五年の時点で契約を更新するか、再公営化をするか、別のところが引き受けるか、三択しかないわけですよね。このリスクというのは結構大きいんじゃないか。再公営化のときに違約金やいろんなものを請求される、パリも裁判は起こされました。ベルリンも千六百億円ほどお金を払わざるを得なかったという問題で、それで、更新するとしても、二十五年たって、その段階では、余りお金を払わなくて、仕方ない、もうここに頼むしかないか、もう二十五年もたっているしとなって、そのまま運営権更新ということになるんじゃないか。いかがでしょうか。
#78
○参考人(橋本淳司君) 二十五年後のことというのは正直言って誰も分からない話ではあるんですけれども、どんどん任せていってしまうことによって自分たちの水道という意識が低下していく、それから水道職員の方の見識やスキルというものが低下していくというのは考えられることだと思います。
 そして、一番安易な道としては更新ということになりますので、一社独占の状態が五十年続くということに今度はなります。そうすると、ますます経営の状況というのが把握できなくなっていくという悪い循環に入っていくのではないかと思います。
 一番最初に水というのは自治ですよというお話をしたんですけれども、それがどんどん離れていく状態というのがこの更新というタイミングなんではないかと考えます。
#79
○福島みずほ君 二階堂参考人にお聞きをいたします。
 水循環基本法は、水は公共だというふうに規定をしています。誰が考えても、水道、これ公共性があるというか公共サービス、極めて命の水は本当に全ての人にとって大事で、全ての人に関わる問題です。コンセッションは、この公共サービスだ、公共事業だ、公共だということと矛盾するんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
#80
○参考人(二階堂健男君) まさに御指摘のとおりでございまして、例えば、水道料金の徴収の方法やあるいはその徴収の在り方も含めて、これは公共だから、いわゆる今貧困ということが日本では騒がれておりますけれども、ガスや電気と違って、水道事業においては、例えば料金が払えないお客様がいらっしゃったと。通常の電気やガスよりも、水道事業は、命の水であること、公共性が高いという観点から、いわゆる停水、水道法に定められた正当な理由による停水については一定の猶予があるわけです。
 同時に、地元、いわゆる地域性が、やっぱり公共である以上、地域性が極めて高い。コンセッションの場合はやはり事業者ですから、地域とのつながりがそこまで深く、いわゆる市民との合意形成あるいは市民のガバナンスが利かなくなっていく、そういう意味からしても非常に難しいというふうに思います。
#81
○福島みずほ君 時間ですので終わります。どうもありがとうございました。
#82
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。大変勉強になりました。
 まずは、村井参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 今回、新しい官民連携ということを御提案いただいておりますけれども、まず、公共だけで担うことの限界というものをどのようにお感じになられましたか。お願いできますか。
#83
○参考人(村井嘉浩君) 公共だけで担うというよりも、今指定管理者制度を使っておりますので、民間と一緒になってやっているということはコンセッションと大きな変わりはないんですけれども、ただ、今のやり方は、民間の事業者に全て一から十まで、このようにしてくださいというもう仕様発注をして、言われたことだけやっていればいいと、ほかのことはやらなくていいですよというふうにやっているということです。しかも、一つ一つの事業所ごと別々に発注していた。これを今度一つにすることによってスケールメリットを発揮し、そして民間事業者のやる気を起こして、そして少しでも経費を下げるよう努力をさせる。それが結果的に、水道料金はこれから急激に上がってまいりますので、その急激な値上がりを抑えることになって、県民のメリットにつながると考えているということであります。
#84
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 私も村井参考人のこの絵を見まして、ああ、なるほどと思っていたんですけど、やっぱり水というのは上から下までつながっているものですよね。ですから、水道というだけではなく下水の問題もパッケージ化して考えていらっしゃるということ、私はこれとても大事だと思っておりますけれども、やはり水道だけではなく下水まで含めて、工業用水も含めてですよね。ここの管轄と考えますと、水道は厚労省なんですけれども下水は国交省というところで、上で考えたら縦割り行政の弊害のようなものが出てきますけれども、それを県単位で考えることの大切さの中に一つこれが含まれるかと思いますけど、その辺り、どのようにお考えになりますか。
#85
○参考人(村井嘉浩君) しかも、工業用水は経産省が所管でございまして、三つの省庁にまたがっているんですね。したがって、そういう意味では、こういったようなことは画期的なことであろうかというふうに思っております。間違いなくこうすることによってスケールメリットが出てまいります。
 私ども、これを進めるに当たりまして、当然ですけれども、いろんな事業者の方たちに意見をお伺いしておりますけれども、皆さんから、やはり同じ水を扱うということで、非常に面白い取組であるという評価をいただきました。
 例えば工業用水一つ取りましても、今まで冷却をするための工業用水というのを使っていたんですね。しかし、それ、別に冷却するだけだったら下水の水をきれいにして、放流する直前の水でも冷却するだけだったら十分だというんですよね。高い水を使うよりも放流前の水を使えば冷却は十分できる、その辺をうまく、三つを一つとすることによって効率化を図ることができる、結果的にはそれが工業用水道の料金を下げることにもつながるということで、いろんなアイデアが三つを一つにすることによって出てくるのではないかなと。それを、民間の知恵、アイデアを引き出すことにするためにも、今回の法改正というのはまず一番重要な法改正だというふうに考えているということでございます。
#86
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 石井参考人、橋本参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
 もし、これ、コンセッション方式というものが現実化してくると、契約という中で、これ長期契約を結ぶということにもなってこようかと思います。そうしましたら、不測の事態、様々な事態が起こりまして、いわゆるスピーディーにその契約を変えるということもこれなかなか難しいですよね。ですから、安定性を考えた上でもちょっとこれは懸念があるんではないかという御意見もいただいておりますけれども、長期契約のコンセッションの方式の特徴、そしてこの安定性、機動性の低下というトレードオフ、どのような関係性があるとお考えなのか、教えていただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#87
○参考人(石井晴夫君) ありがとうございます。
 そこも大変重要なところでございまして、それでモニタリングという、先ほど来ずっと出ていますけど、モニタリングしながら、やはりこれ、内部環境の変化のみならず、外部環境ってもっと不測の事態というのはたくさんありますですよね。ですから、モニタリングしながら変えるべきところはやはりスピーディーに変えなきゃいけないというのが条項の中で大体盛り込まれていると思います。ですから、長期契約、二十年なら二十年の長期契約であっても、やはり変えるべきことは変える。それからまた、五年ごとのやっぱり見直しというのは大方条項の中に入っておりますので、そういうやはりスピーディーな見直しというのが必要だというふうに思っております。
 それで、もう一つだけ申し上げたいのは、今様々な形で、包括委託というのがもう大体五年ですよね、行われていますよね。それから、宮城県でも指定管理者制度を導入しているというようなお話ですけど、そういう中で、水のやはり一体運用、流域の話もございましたけど、これはやはり委員から御指摘のように非常に重要なんで、今回の法案審議を契機にして、やはり水資源というか水の一体運用ということについて考えていくという、非常に重要な契機になっているというふうに私は考えています。
 ですから、そういう中で、未売水という、水の利用度というのが非常に全体的に低くなっているんですね、未売水の割合というのが大きくなって、ですから、実給水量というのは少しずつ減ってきていますので、そういう中で、施設とか何かも統合しなきゃならないところはもうたくさんありますよね。ですから、県がやったり市がやったり、いろんなところがやっているところを、ある意味では重複投資しているところはもうやめましょうというのがやっぱり効率化の大前提だというふうに思っております。
 以上です。ありがとうございました。
#88
○参考人(橋本淳司君) 五年ごとぐらいの事業の見直しというのは非常に重要になってくると思います。特に、災害の多発とか人口減少などのようなものというのは、日本においてはもう本当にいつ起きてもおかしくないということと、今後は気候変動もありまして、今まで使っていた水源が使えなくなるというようなケースというものも出てくるのではないかと思います。やっぱり海外でも、長期契約のコンセッションというものから比較的短い契約というものに切り替えるということが多くなってきているということです。
 先ほど石井先生がおっしゃっていた、海外のコンセッションと日本のコンセッションの定義は違うんだということ、これを考えますと、法案にこの公設民営というものを盛り込むということは、海外の事業者から見たときに、日本はコンセッションを導入したのではないかと。フランスにおいてはコンセッションとアフェルマージュの境も実はそれぞれの契約によって違っていたりして、このコンセッションという名称を打ち出すことが果たして得策なのかどうか。これは多くの人が誤解を生むんじゃないかと。コンセッションのいい面を捉える人もいますし、コンセッションのマイナスを捉える人もいる。海外ではまたコンセッションの見方が違うということですので、質問のその短期間でということとはちょっとずれてはしまいましたけれども、この言葉を使うということの、法律に何か定義あるものをきちんと載せているのかどうかということは非常に重要なことではないかなと思います。
#89
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。
 最後に、二階堂参考人にお伺いさせていただきます。
 現場で今まで様々この水事業にも関わってくださっている中で、その専門性というものをどのようにお考えになられますでしょうか。お願い申し上げます。
#90
○参考人(二階堂健男君) ありがとうございます。
 これ、この間申し上げていますとおり、先ほど人事異動で技術基盤が喪失をしたということを申し上げました。やはり机上の理論だけではなく、やはり水道事業は現場です。現場を経験して、その上で机上の論理であればそれは水道事業として成り立ちますけれども、そうした技術経験がない、少ない。その職員、そうした実態が今日の脆弱したいわゆる水道事業体を生んでいるということでございますので、継続性は絶対に必要だということを申し上げたいというふうに思います。
#91
○薬師寺みちよ君 終わりたいと思います。本当に今日はありがとうございました。
#92
○委員長(石田昌宏君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手)
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#93
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 水道法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房生活衛生・食品安全審議官宮嵜雅則君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#95
○委員長(石田昌宏君) 休憩前に引き続き、水道法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#96
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 おとといの質疑に続きまして今日また質疑に立たせていただきますが、最初に、今日、理事会でも与党の皆さんとも共有し、お願いをしましたが、大事な法案の根幹に関わる質疑にもかかわらず、政府からの答弁、説明が余りに不安定です。衆で結局、ああいう形で、ほとんど議論もなく参に送ってきたと。でも、それで言い訳になりませんので、冒頭申し上げたとおり、国民の皆さんがこれだけ注目をされ、中身に懸念を持たれている話ですから、ちゃんと答弁してください。これは大臣もそうですが、宮嵜さんも含めて、これは重ねて申し上げておきたいと思います。
 その上で、今日通告している質問に入る前に、おととい通告していきながらちょっと触れられませんでしたが、今日午前中の参考人質疑で、参考人から一つ、資料も含めて重要な提起をいただいたのが、どこまで厚生労働省が海外の事例について具体的に調査をして今回の法案の参考にしているのかと。
 事前に私、これ宮嵜さんで結構ですが、厚生労働省に、厚生労働省として、海外で、じゃ、民営化した若しくはコンセッション方式で下ろしたその事例と、それから、じゃ、再公営化されたと、その原因が何でどういう結末になったのか、全部出してくれと言ったら、網羅的に調べておりませんという答弁が返ってきて、幾つかの事例だけ言うていましたが、今日午前中、参考人質疑で、世界三十五か国百八十都市で再公営化されているという具体的な資料もいただきました。
 厚生労働省、重ねて聞きます。全部調査をして、リストアップして、原因から含めてしっかり検討しているんですか。
#97
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がございました事例の数でございますが、我々としてはその全てを網羅的に把握しているわけではございませんで、その中でも一部の代表的と思われる事例について、その要因について検討させていただきまして、その結果、水道料金の問題とか様々、何点か問題があるなというところを今回の水道法案で提案させていただいているところでございます。
#98
○石橋通宏君 網羅的ではない、代表的なもの。じゃ、何件やったんですか。資料出していただいたのは、私には三つしかもらってませんよ。百八十で再公営化。つまり、民営化なりコンセッションなりはもっとあるんでしょう。再公営化されたのが百八十。三つだけしかやっていないんですか、代表的なもの。百八十のうち幾つ事例として研究して分析したんですか。
#99
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 厚生労働省におきましては平成二十六年に、主な先進国及び途上国ということでそれぞれ五か国程度につきまして、水道に係る制度の概要、水道事業の概要、事業主体、運営、経営状況について調査、分析を実施したところでございます。
 そのほかに、内閣府の協力を得つつ、国内外の文献についても情報収集をさせていただいたところでございます。
#100
○石橋通宏君 宮嵜さん、マイク入らないので、ちゃんとマイクに向かってしゃべってくださいね。
 じゃ、何でその資料、事前に要求したのに出てこないんですか。三つしかもらってませんよ。それだけやったのであれば、少なくとも、それだけでも甚だ不十分だと思いますが、それ、やったの全部何で提供しないんでしょうか。
 これちょっと、今どうのこうのじゃないので、済みません、ちゃんと厚生労働省として、百八十あると、再公営化、これ網羅的じゃないとしても、どこまで把握をし、実際に調査したのがあるのか、あるのであればその資料を委員会に出していただきたいと思います。
 委員長、お取り計らい、よろしくお願いします。
#101
○委員長(石田昌宏君) 後刻理事会で協議いたします。
#102
○石橋通宏君 これ全部ちゃんと出してくださいね、要求しているんですから。出さないものを、いや、今それだけやっていますと言われたら、議論になりませんよ。
 その上で、時間ないので、今日、質問に入ります。
 前回、福島委員の質疑で、大変重要な話なんだけれども全然答弁になっていないので、これ改めてあえて聞きます。水道事業の運営権の移転の話、それから、運営権に抵当権が設定されていたときの譲渡の話。この法案でいうと第二十四条の十一と、それからPFI法の第二十六条の第二項との関係について、これちゃんと整理して答弁してくれとお願いしてあるので、これ答弁してください、大臣。
#103
○国務大臣(根本匠君) まず、水道施設運営権の移転については、PFI法に基づいて、公共施設の管理者たる水道事業者の許可が必要とされております。
 要は、PFI法の二十六条の二項、処分の制限。公共施設運営権は、公共施設等の管理者の許可を受けなければ移転ができない、移転することができない、これがPFI法の規定であります。
 そして、地方自治体は、許可に当たっては、運営権の移転を受ける者が欠格事由のいずれにも該当しないこと、もう一つ、運営権の移転があらかじめ定めた実施方針に照らして適切なものであるかどうかという基準に適合するかどうかを審査することになります。さらに、許可に際してはあらかじめ議会の議決が必要になる、これがPFI法上の規定であります。
 そして、このような手続に加えて、今回の水道法改正法案においては、PFI法に基づく運営権の移転に係る自治体による許可の際には、あらかじめ厚生労働大臣に協議しなければならないとされております。
#104
○石橋通宏君 大臣、ということは、おとといの答弁は修正されたということでよろしいですね。
 大臣は、運営権に抵当権を設定して抵当権を行使する、いや、それはできませんという答弁をされたと思いますが、今、違いますね。修正されるということですか。
#105
○国務大臣(根本匠君) 今委員は、運営権のことについての私は問いだと理解しました。その次でしょう。抵当権はその次ですよ。まず、運営権の取扱い、運営権の移転についてはどういう規定かと言うから、私は、PFI上の規定と、そして水道法上の規定を申し上げたので……(発言する者あり)じゃ、一緒に。じゃ、次ですね。まず、それが第一点。
 そして次に、抵当権についてお話をいたします。
 抵当権の譲渡については、先ほど運営権の移転は申し上げました。あくまでも、実は抵当権の付随する債権が第三者に譲渡される、抵当権の譲渡というのはそういうことであります。抵当権を譲渡された第三者は、法的には事業運営に介入することができる地位にはありません。したがって、PFI法、改正水道法に基づいて実施する事業の枠組みが変わることはありません。
 また、厚生労働省としては、債権譲渡の際にも事業の安定性を確保するため、今後定めるガイドラインにおいて、債権譲渡について、金融機関が地方自治体に事前の協議を行うことを内容とする協定書をあらかじめ地方自治体と金融機関が締結することをコンセッション事業の条件とする旨を記載することにしております。
#106
○石橋通宏君 ちょっとその前段、今、譲渡された第三者はという説明されたけれども、その前の話を聞いているんです。抵当権を設定している債権者ですね、金融機関等がその抵当権を行使して運営権の譲渡をできるのかという、まずそこです、その先の話ではなくて。この間、できないと大臣ここで答弁されたから、じゃ、できないんですかと。さっきの説明で、ちょっと違うんじゃないですか。
 PFI法の第二十六条、要は、許可を受けなければ移転することができないんですけど、別に許可を受ければ移転はできるんです。これは債権者のいわゆる運営権行使も同じじゃないんですか。許可を受ければいい、許可は受けなければいけない、大臣も関わって許可をする。許可を受けて第三者に渡ったときの話がさっきの答弁じゃないんですか。
#107
○国務大臣(根本匠君) 抵当権を実行した場合にはこういう形に、抵当権を譲渡された第三者は事業の枠組みには介入できませんから、抵当権を譲渡された第三者。先生のおっしゃるのは、ちょっと趣旨が私も十分に理解していなかったのかもしれませんが、先生のおっしゃるのは、抵当権を設定する、あるいは抵当権を譲渡する、ちょっと、どちらを問われたんでしょうか。(発言する者あり)
#108
○石橋通宏君 いや、ちょっと待って。抵当権を設定した金融機関、投資家などが、この抵当権の行使をするときに認可を受けなきゃいけないわけでしょう。それは、じゃ、PFI法の二十六条の第二項と違うんですか、違わないんですか。これの認可を受けるのは、抵当権設定しているところが行使するところも二十六条の二に基づく許可を受けなければいけない、そういうことではないんですか。逆に言えば、許可を受ければ、許可を受ければ抵当権の行使はできる、つまり譲渡はできる、そういうことじゃないんですか。そのことを聞いているんですよ。
#109
○国務大臣(根本匠君) それは先生のおっしゃるとおりであります。抵当権を実行して運営権を第三者に売却する場合、これはPFI上の運営権の移転に当たりますから、公共施設の管理者たる水道事業者の許可が必要と私は答えました。
 そして、許可に当たって二つあって、欠格事由のいずれにも該当しない、もう一つは、公共施設等運営権の移転が実施方針に照らして適切なものであることに適合するかどうかを審査して、許可をする、あるいは許可をしないということになる。これはPFI上の二十六条の解釈であります。そういうふうになっていますから。
#110
○石橋通宏君 いや、だから、おとといの答弁は修正されるんですねと聞いたんです。おとといは、できないと大臣ここで答弁されているんですよ。できないんじゃないんですよね。許可を受けなければならないと、でも、許可を受ければ、今のような様々な条件、事情を考慮した上で議会が許可をすれば、それに基づいて大臣が許可をすれば、譲渡、行使はできるんでしょう。そのことを、大臣、おとといの答弁と違いますねと、修正掛けるんですねと聞いた。
 そういうことでよろしいですね、大臣。修正して、許可を受ければ抵当権の行使はできるんだということでいいんですね。
#111
○国務大臣(根本匠君) 私、前回の答弁については、ちょっと質問の趣旨が、意図が必ずしも理解していなかったので、結果的に擦れ違った答弁になったかもしれません。
 しかし、今回の、抵当権を実行して運営権を第三者に売却する場合の手続については、私が先ほど答弁したとおりであります。そこは、今、石橋委員とそこは共有していると思います。私はそう答弁申し上げましたから。
#112
○石橋通宏君 おとといの答弁は修正されたということです。
 そこで、確認しますが、じゃ、それに基づいて自治体が不許可にした場合、これ当然訴訟リスクが起こると思います。これ、通常の移転もそうだし、特に運営権の抵当権を設定していたところが、当然、投資家ですからね、皆さん、導入のメリットといって、大々的に投資家のメリットと書いてあるわけですね。ということは、投資家のメリットと言いながら、投資家がいざ抵当権を行使しようとしたら不許可になった。これ、投資家保護の観点から相当これ訴訟リスクになると思いますが、これ訴訟リスク、どう対応するんですか。国が責任取るんですか。厚生労働大臣、認可するんでしょう。ということは、訴訟リスク、訴訟が起こった、自治体が敗訴した、相当な莫大な賠償金をかぶる、国がそのときに助けるんですね。
#113
○国務大臣(根本匠君) 先ほど答弁しましたが、水道事業者たる地方自治体は、運営権の移転に際して、あらかじめ定めた実施方針に照らして適切なものかを審査するわけですね。ちゃんと水道事業が適切に運営できるか、そういうことを審査した上で、議会の議決や厚生労働大臣への協議も経て許可又は不許可とする。
 今先生のおっしゃるように、もし仮に運営権の移転について不許可をしたことによって自治体が訴訟を提起されたとしても、法に基づいて適切に対応していきたいと思いますが、ここで訴訟が起こった場合にそこで何が争点になるかというと、移転後の水道事業の運営の確実性や合理性、これは実施方針にも書いてあるし、あらかじめ協議された厚生労働大臣も厚生省もそこを、移転後の水道事業の運営の確実性や合理性を確認するわけですから、だから問われるのは、この判断の合理性がどうか、判断が合理的かどうかというのを私は訴訟で問われることになると思いますよ、そこは。
#114
○石橋通宏君 まさに問われるんです。だから、そこは、大事なのは契約なんです。契約に基づいて全部やられちゃう。おとといも大臣、盛んに答弁されましたね、これは自治体なんだ、契約なんだと。いや、だから、契約に何が書いてあるのか、その規定次第で、向こうはプロですよ、恐らく訴訟を提起する方は。それに基づいて、じゃ、自治体が勝てるのか、ちゃんとした契約結べるのか、これ物すごいリスクかぶることになると思いますよ。それに対して国の責任がどうなんですかと聞いているのに、大臣一向にお答えにならない。
 こういうことも含めて、これ、ちょっともっと深掘りしていかなければいけませんが、今日私の持ち時間は終わりましたので川田委員に譲りたいと思いますが、この辺も含めてしっかり、大臣、また引き続き確認していきたいと思いますので、継続的な審議をお願いをして、終わりにしたいと思います。
#115
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。今日は質問させていただきます。
 前回、この質疑のときにも質問いたしましたが、海外の水道事業でPFI方式を導入した事業で、危機管理に成功している例はあるんでしょうか。具体的には、自然災害などを受けて対応した事例などについて調べたのでしょうかということで、副大臣が、これ是非事務方に調べさせますということでおっしゃっていましたけれども、調べていただけましたでしょうか。
#116
○副大臣(大口善徳君) 一昨日、委員から御指摘いただきましたので、事務方には指示をさせていただきました。
 海外の事例について、今鋭意調査中でございます。
#117
○川田龍平君 是非、それを出てからやっぱりしっかりこの質問をしたいと思いますが、これ日本の事例などもやっぱり是非調べていただきたいと思います。
 山形県の鶴岡市では、二〇〇一年に月山ダム開発による水道事業の広域化で水道料金が二倍になり、水質が悪化した上に、現在は人口減によってダムの水源からの水は余っている状態です。これから人口減になるこの日本で、民営化や広域化よりも、ダム開発というのをやめて地下水源を保全する政策に切り替えれば、これ料金高騰も防げて水も確保できるのではないかと思いますが、これいかがでしょうか。
#118
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 これまで国民生活に必要な水道水を供給することをナショナルミニマムとして確立するということを目的といたしまして、その未普及地域の解消とか、特に大都市周辺の需要の逼迫の解消のためにダム建設などの施設整備を行ってきたところでございまして、その結果、例えば水道の普及率は九八%ということで、安全、安心な水を住民の方々に供給することが可能となっているということでございますが、一方では、現時点で水道事業で、高度経済成長期に布設された水道施設の老朽化の進行とか、あるいは人口が減少してきておりますので、それに伴う料金収入が減少してきているというような課題があるというふうに認識しているところでございます。
#119
○川田龍平君 現在、山形県では、広域化することによって運営の内訳が見えなくなってブラックボックス化して、自治権が奪われてしまったということなんですけれども、この山形県の失敗の事例、検証していますでしょうか。
#120
○政府参考人(宮嵜雅則君) 詳細については検証しておりません。
#121
○川田龍平君 是非この点も検証していただきたいと思います。
 民営化、広域化によるブラックボックス化はこの山形だけではなくて、これは海外でも多くあるということ、今日の参考人の橋本淳司参考人にも今日お話伺いました。これ、特に金の流れが不明瞭になって、税金を払わないところも出ていると。再公営化したくてもできないケースがあるということで、伺いたいんですけれども、再公営化したくてもできないケースがあるということは知っていますか。
#122
○政府参考人(宮嵜雅則君) ちょっと御質問の詳細というか内容が、私の理解が悪いのかもしれませんが、理解できないところがございますが、ちょっと私はそういう事例は承知しておりません。
#123
○川田龍平君 要するに、再公営化をしたくても、契約でもって年数が、長い年数契約をしているので、その年数よりも短いうちに契約をやめてしまうということになると違約金を払わなければならなくなるということで、この違約金を払わなければならなくなるということで再公営化を断念している。これ、先ほど参考人の話では、ブルガリアのソフィアではそうだったということを言っておりましたが、そのことについては御存じですか。
#124
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今御指摘のありましたブルガリアのソフィアのケースについてもちょっと詳細は承知しておりませんが、再公営化するというときに、どういう理由でしたいのかということで、やっぱり自治体側から見れば、契約が履行されていないということであれば再公営化ということが、料金も含めて、水質も含めて、そういうようなことがございますが、そうでない場合についてどういう形で再公営化したいというのかというのは、ちょっと私どもとしては理解が難しいところでございます。
#125
○川田龍平君 そういったケースにならないようにするための方策というのは、日本ではこれ考えられているんでしょうか。
#126
○政府参考人(宮嵜雅則君) まさに今委員が御指摘がありましたようなことが起こらないように、我々、今回、水道法改正案を出させていただいているところでございますけれども、御案内のとおり、PFI法に基づきまして諸手続を地方で行いますとともに、厚生労働大臣としてもきちんとチェックするという仕組みを水道法改正案で出させていただいているところでございます。
#127
○川田龍平君 今朝の参考人の、先ほどの橋本参考人が資料に示していたもので、水道完全民営化のイングランドの動きということで、二〇一八年、新規のPFIは中止になっていると。PFIのメリット、デメリットでいえば、デメリットの方が強いということで、今イングランドでは新規のPFIは中止になっているということについては御存じでしょうか。
#128
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今委員の御指摘がありましたような報告書が出ているということは承知しております。
#129
○川田龍平君 あえてやっぱりここで、日本、しっかり各国のこういった事例についてやっぱり是非知っていただきたいと思います。
 これ、大臣、この「日本が売られる」という本がこれ今出ているんですけれども、この本読まれたでしょうか。(資料提示)
#130
○国務大臣(根本匠君) その本があるということは知っております。読んではおりません。
#131
○川田龍平君 是非読んでいただきたいと思いますが、この本には、民間企業のノウハウを生かして効率の良い運営と安価な水道料金をということで各地で民営化が進められた事例についてたくさん載っております。この耳に心地よいスローガンと共に導入された水道民営化、これがどんな現実をもたらしたのかということで書かれております。ここに書かれていることを読むと、本当に驚愕することが起きております。
 これ、世界の事例を見てみると、民営化後の水道料金、これ、ボリビアが二年で三五%、南アフリカが四年で一四〇%、オーストラリアが四年で二〇〇%、フランスは二十四年で二六五%、イギリスは二十五年で三〇〇%上昇していると。
 高騰した水道料金が払えずに、南アフリカでは一千万人が、イギリスでは数百万人が水道を止められ、フィリピンでは水企業群によって水道代が払えない人に市民が水を分けることも禁じられたと。
 民営化してアメリカ資本のベクテル社に運営を委託したボリビアの例。これは、採算の取れない貧困地区の水道管工事は一切行われず、月収の四分の一にもなる水道料金を払えない住民が井戸を掘ると、水源が同じだから勝手に取るなとベクテル社が井戸使用料を請求してくる。困った住民が水を求めて公園に行くと、先回りしたベクテル社が水飲み場の蛇口を使用禁止にし、最終手段で彼らがバケツに雨水をためると、今度は一杯ごとに数セント、数円の徴収をするという徹底ぶりと。
 これだけ、水ビジネスというものが、いかにこの水というものをビジネスにしようとして徹底した仕事をするのかということについて、これ、大臣、この今の事例についてどのように感じておりますか。
#132
○国務大臣(根本匠君) 今の事例は、そういう現象があったということは書かれているとすれば、私はそこの事実は詳細は詳しく知りませんけど、そういう事実があったという結果は、私は中身は確認できませんが、それはそう書かれていますので、そういう事実が生じたということなんだろうかなと思います。
 ただ、それは、じゃ、どういう制度なのかと。民間との単なる契約で、契約内容が不明確とか料金に対しての規制も何もないとかということがあったらそういうことが起こると思いますよ。だから、我々は、これはきちんと水道事業者が最終的に水供給の責任を持つわけですから、我々はきちんと公の関与をしていますから、その上で運営権を認めていますから、私はそこの背景が違うんだと思いますよ。イギリスでも恐らく、イギリスってほとんど民間の水道事業者がやっていると私は聞いていますから、日本のような国の関与は、国の公の関与は、恐らくそこの前提がないんだろうと思います。
 それから、我々も……(発言する者あり)だって、そういうのは、パリの問題もあったけど、これはやっぱりちゃんとして、契約の中で水道料金はこうしますよとか、きちんとした契約の内容が担保されていないので、水道料金の、例えば人件費等のスライド条項が水道料金の不透明性を高めているという問題があって料金が高騰したと聞いております。
 じゃ、我々はその事案からどういうことを対応しているか。PFI法に基づいて、事前に条例で基本的な料金の、例えば料金の話だけ言えば、基本的に料金の枠組みを決定しているし、厚労大臣は水道法改正案に基づいて、原価を適正に算定して水道料金を設定しているかどうか、ここも確認するわけですから、諸外国と日本がどこが違うかと言われれば、公の関与が、我が方はきちんと公の関与をした上でコンセッション、運営権を認めると。多分私はそこが違うと思うんです。前提が違うんだろうと思います。
#133
○川田龍平君 やはり是非しっかりと調べて答弁していただきたいと思います。
 本当にそういう海外の事例をやっぱりつぶさに見ていくと、この水道事業の民営化というのはやっぱり到底許されることではないんではないかと思っています。
 特に、今、小さな水道、それから簡易水道などの統合が、こういった広域化をすることによって、今水道を守っていくということよりも、地下水、井戸水であったりとか、本当にそういった小さな水源をしっかり守っていくことが実は災害にも強いということが大震災の際にも熊本地震の際にも分かってきていることだと思います。
 そういったことにこそ行政はしっかり目配りをして、この水源を守っていくべきだと思いますが、それについていかがでしょうか。
#134
○国務大臣(根本匠君) いや、私もそれ大事だと思います。いろんな水源を持つ、そして、いろんな自治体で私も体験していますけど、地方の水源があって、湧水があって、それを水道に活用している、そういう自治体もあります。
 その意味では、今回の法改正の目的は私は三点あると思いますが、一つは広域連携を進める、そしてもう一つは、小規模事業者に対してもきちんと将来の収支も考えてもらって、そして計画的に台帳も作成してもらってアセットマネジメントをしっかりしてもらう、そして多様な官民の連携の選択肢を増やすと。
 ですから、私は、多様な水源を確保する、これは私も非常に大事なことだと思います。それは私は、川田委員と私は思いを共有しております。
#135
○川田龍平君 ありがとうございます。
 是非、これ自治体が独自にこういった水源、水資源の保全をしたり、それから民営化しなくても設備や管路の削減をする、専門人材を育成する、長期にわたってこういった人材育成もしていくことや、それから小規模分散型の技術をやっぱりしっかり、今日参考人も話をしておりました、そういったことをしっかり通して、この国の水をやっぱり守っていく、水は人権と、そして自治の基本でもあるということも言われております。
 是非、この水をしっかり、日本がしっかり守るということをやっぱり是非誓っていただきたいと思いますので、引き続き、また海外の事例、是非調べていただいて、また質疑させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。
#136
○足立信也君 国民民主党の足立信也でございます。
 大臣、磨崖仏って分かります、磨崖仏。うなずいてくれればいいですけど。磨崖仏、分かります。そそり立つ岸壁とかあるいは岩に直接仏様を彫っている、ありますね。これ、実は全国の七割ぐらいが大分県にあるんです。それは、阿蘇の溶結凝灰岩など柔らかい岩、岩盤があるということもありますけど、もちろん仏教文化がかなり浸透していたということがあるんです。皆さん、臼杵石仏は御存じだと思うんです。あれも磨崖仏の一つです。
 なぜこういう話をするかということなんですが、国東半島、その周辺は神仏習合といって、今年は六郷満山の開山千三百年なんですね。これ世界遺産に登録しようという運動をやっていて、私もそこに参加していたんですけど、そのときに別府大学の教授にお聞きした話なんですが、磨崖仏はどこにあるかと。水源地にあるんです。源にあるんです。そこで仏様が水源地を守ってくれている、こういうことが大事なんだと、それが文化なんだということなんですよ。田染荘とかあります。本当に国東半島多いです。それから、今大臣おっしゃいましたね、湧水、これも阿蘇の地形の関係で大分県に大量に湧いてきて、すごいきれいな水、それから水源地があるということなんです。水は大事だということを言いたいがために磨崖仏の話をしたんですけどね。
 私の分野から言わせていただくと、人体の六割は水ですね。赤ちゃんは七割、老人になってくると五割、だから年取ると枯れてくると言うわけですけど、胎児は大体九割です、水分が。それぐらい大事な話なんです。
 そこで、資料を御覧ください。
 これ、大分県の薬剤師会会長、安東哲也さんとおっしゃる方ですが、災害時に当たって市町村と緊急時の生活用水マップというのを、これ佐伯市の、ごめんなさい、表紙だけですけど、中身は三、四ページあります。津久見市のこれは薬剤師会がこういう例を、なぜこういうことかといいますと、東日本大震災のときに、どういうことで困っているかというアンケートがあるわけですね。そのときに、一番は何といっても生活用水なんですよ。二番が飲料水と、それからガスとか風呂が使用できない、これが二番で、圧倒的にトップは生活用水なんです。
 そこで、この薬剤師会が取り組んだ取組というのは、午前中、川田さん言ったかな、井戸は地震に強い、これは常識です。なので、災害のときにあらかじめ井戸の水を生活用水として使えるように、それから、貯水槽の水道がありますね、これを飲用水、飲料用として使えるように、それを市内にマッピングして地図で表しているわけです。これが災害のときに使えますよ、水道が復旧するまでに使えますよという対策を、今日いろんな話を聞いていて、災害時のことはおっしゃいますが、災害が起きる前にこういう準備を、これは、そのマップを作って、薬剤師会、ここに書いてありますように、もちろん公益社団法人ですけれども、市に寄贈して、そして市が周知を図っていると、県はそれに連携していると、こういうことなんですよ。
 私はこれ極めて大事な取組だと思っていて、この取組というのは、私が今、実はもう一か所、これ南海トラフの関係で佐伯市、津久見市はもうやっています。もう一個、近くにある臼杵市は今作成中なんです。こういう取組というのは全国の市町村でほかにやられているところはあるんでしょうか。
#137
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 災害時の給水拠点となります貯水槽等の位置を示す地図を作成し、住民に公表する取組は多くの自治体で実施されておりますが、一方で、今委員から御指摘のありました大分県薬剤師会のように、災害時に生活用水を確保する拠点として利用可能な井戸等の位置図を公表している事例というのは、ほかの自治体でもそんな多くないというふうに承知しております。
#138
○足立信也君 大臣、後で感想をお聞きしたいと思いますけど、これ私は非常に大事で、これ例えば津久見市の例は、井戸のような生活用水のための箇所が四十七か所、マップにあるわけです、貯水槽水道は四か所というふうに。これが周知されていれば本当に助かると思いますよ。
 こういうこと、災害のために備えてということですが、これも水道事業の一環ですよね。まず、それを確認したいと思います。
#139
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 災害時等の緊急時における水の確保につきましては、議員から御指摘のありました井戸、貯水槽等の利用は有効な手段であると考えておりますが、井戸水及び貯水槽の情報収集、整理につきましては、水道事業ということではなくて、自治体の方では水道部局以外で実施されていることが一般的ではないかというふうに承知しております。
 水道部局としては大変有り難いことなんですけれども、取組としては災害部局が中心になって取り組んでいる例が多いのではないかというふうに認識しているところでございます。
#140
○足立信也君 ということは、これは水道事業の一環ではないという判断ですか。関係ないという判断ですか。
#141
○政府参考人(宮嵜雅則君) そういうふうなつもりで申し上げたわけではございませんで、水道事業としてもこういう貯水槽とかタンクを災害時に確保していくというのは当然、例えば都内なんかでも、実際に大規模の災害が起こったときに、給水車で回るというよりは貯水槽を持っていくという方がまず一義的に大事だろうということで、水道部局で持っておりますので、だから、水道事業ではないということではなくて、水道事業と水道事業以外の部局が連携して、あるいは自治体によってはどちらかというと災害部局が主導してこういう取組をしているんだろうということを申し上げたところでございます。
#142
○足立信也君 災害が発生したときに、水道が復旧するまでの間これでやりましょうということなんです。当然、水道事業の一環だと私は思いますし、一体的な流れだと思いますよ。そのときにコンセッションで本当に可能なのかという話になってくるわけです。
 これは、先ほど申し上げましたように、薬剤師会からの呼びかけで市がそれに応じて、マップを薬剤師会の方で作ったということなんですが、特にコンセッションの場合、中でも外資の場合、やっぱり気になるのは、コンセッション事業の許可のための実施計画書には、災害その他非常の場合における水道事業の継続のための措置というふうにあるんですが、これは、後で感想を求めますと大臣に申し上げましたが、これは災害のための備えの話なんですね、備えの話。これは実施計画書には書けというふうにはなっておりませんが、こういった取組自体は大臣はまずどう評価されるのかということをお伺いしたいと思います。
#143
○国務大臣(根本匠君) 今の大分県薬剤師会によるこの取組をどう評価するかということですね。
 私も、実は東日本大震災のときに体験しました。水道が出なくなっちゃって、そして、かつて私の自宅にも井戸があったんですけど、その井戸はもうなくしちゃっていて、たまたま近くに、親しくしている方のところに井戸が残っていて、私は直接その井戸水をいただきましたから、その意味では、この大分県薬剤師会による緊急時の生活用水マップ、それはもう委員がおっしゃられるように、本当に私は、これは地域独自の有効な手段の一つだと思います。
 そして、水道事業かどうかということで多分答えたんだと思うんですが、審議官は。やはり水を供給する義務というのは水道事業者って負っていますから、やはりそこは、災害のときも含めて大きな大きな視野でそこは対応していく必要があるだろうと思います。
 今、コンセッション事業者の話がありました。コンセッション事業者が、じゃ、やるかどうかと。これについては、コンセッション方式を導入する場合においても、民間事業者の適格性を含めて、事業計画書が確実で合理的か、これは厚労大臣が確認して許可する仕組みになっていますから、委員御指摘のような災害時の対応あるいは地域独自の取組についてこの実施計画書に盛り込むということもあると思いますし、適切に役割分担をしながらコンセッション事業者に対しても実施を求めることが可能だと私は思います。実施を求めることは可能だと思います、適切な役割分担の下でですね。
#144
○足立信也君 いや、求めること可能だと。それは後で聞きますよ。
 私が今大臣にちょっと分けてお聞きしたのは、これは非常にいい取組だと、それは恐らく大臣としても推進していきたいと思っておられると思うんです。
 先ほどの災害時の対応なんです。これ、計画書に書くことは、水道事業の継続のための措置というふうに書いてあるんですが、今既にやっていることを継続するためには、計画書にちゃんと書かなきゃいけないんです。でも、私が今言っているのは、これは推進して全国に広げた方がいいんじゃないですかという話をしているんです。つまり、二通りあるわけです。今やっていることを継続するための計画と、これを推進するための計画。これを推進していくという方向性がコンセッションでできますかということなんですよ。
 大臣は、これはいい取組だ、進めていきたい。それが、コンセッション事業として進めていくことがこれから可能でしょうか。今大臣がおっしゃったことは、それを要求することは可能だというようなことを最後におっしゃいました。これは、計画書は項目しか書いていないけれども、国としてはこういう取組もやるように求めていきたいという理解でよろしいですか。
#145
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほど来、大臣からもございましたが、コンセッション事業者は実施方針や実施契約で求められた内容に基づき業務を実施することになりますので、地方自治体がコンセッション事業者に実施させたい業務がある場合には、その実施計画に盛り込むことによって実施することが可能となるというところでございます。
#146
○足立信也君 こういう、これは薬剤師会からの申入れですけれども、市がそれに呼応したという形であるから、市がそういうふうにやってもらいたいんだということをそのコンセッション運営事業者に言うことはできると。先ほどの大臣の答弁と併せると、むしろやってほしいと言うつもりだと、計画書に書いてほしいんだというところまで踏み込んでいいですか。
#147
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 先ほど大臣からも御答弁しましたけれども、我々としてもすばらしい取組だというふうに思っております。
 もちろん実施計画書に盛り込んでいただければということもありますけれども、それが実施計画の許可の条件になるかというと、そこはまた別の問題でございまして、災害時のときの措置というのをどういう、もちろんこれすばらしい取組で、こういうの入っていただくのはいいことなんですけれども、どういう形で措置が書かれていて、それでちゃんと災害時にうまく対応できるようになっているのかという観点から審査しますので、推奨するということはあるんですけれども、これが入っていないと許可しないというところまでは多分踏み込めないと思いますので、そうは言いつつ、大臣から申し上げましたように、いい取組だというふうに我々も考えていますので、そこはちょっといろんな手法で、自治体に働きかけるとかいろいろあると思いますので、進めさせていただければと思います。
#148
○足立信也君 それは私も協力を是非したいと思いますので、話し合っていきたいと、そのように思います。
 そこで、ちょっと飛ばしますね、いろいろ答弁を聞いていて、先ほどの外国の事例等もそうですが、私の感覚では、今までの厚生労働省の感覚とがらっと変わったんじゃないかなという印象を最初に持ったんですよ。
 ちょっと言いますと、水道ビジョン、これ新水道ビジョンの作成は二〇一三年、五年前ですから、平成二十五年の三月ですね。これ、政権が替わって僅か四か月弱ですから、我々の政権のときにはこの考え方を持っていたわけですよ、新水道ビジョン。それから、都道府県水道ビジョンの手引ができ、水道事業ビジョンの手引ができ、これは二〇一四年、平成二十六年の話ですね。そこにはコンセッションなんて一言もないわけですよ。
 ところが、ところがの前に、この資料の三枚目を御覧ください。これがコンセッション事業に関するアンケート調査の結果です。これは厚生労働省の水道課がやられているもので、この赤で囲ってあるところは別に私が書いたわけではありません、元々の資料がこうですからね。コンセッション事業導入、検討対象にならないが一六%、検討対象になるは僅か四%、分からないが七八%ですが、その理由として、リスク面での不安、水道事業継続性確保への懸念ということになっていて、そこに赤枠が付いています。これが平成二十七年三月ですから、二〇一五年ですね。
 ところが、二〇一六年になって突然、突然といいますか、日本再興戦略あるいは骨太の方針二〇一六で突然コンセッション方式の推進が求められてきた。そして、専門委員会がありますね、水道事業に関する、水道事業の維持・向上に関する専門委員会の報告書、二〇一六年十一月二十二日に、国民生活を支える水道事業の基盤強化等に向けて講ずべき施策についてという報告書で、コンセッション方式の導入に向けた制度上の環境整備を行う、コンセッション方式が現実的な選択肢となり得るようにと、こう書いてあるんですよ。一年でころっと。これが答弁が不明確だったり下調べがそこまでやっていないなという私は原因じゃないかと思うんですよ。
 これ、宮嵜さんに聞くのも申し訳ないんですけど、なぜ急に変わったんですか。
#149
○政府参考人(宮嵜雅則君) なぜ急に変わったかと言われますとなかなか御答弁難しいんですけれども、まず委員からお話のありましたアンケート調査結果につきましてですけれども、これは二十三年にPFI法が改正されましてコンセッション方式が導入できることになりましたが、そのときの状況のコンセッション方式について、どういうことかということで、分からないが多かったり、リスクに不安があるとか、そういうことがあるところでございます。
 ちょっと飛ばしますけれども、そういうことも踏まえて、今回、我々、水道法改正法案を出させていただきましたのは、これまでのPFI法のコンセッション方式に加えて、水道法改正案を加えて公の関与を強くするというようなことを出させていただいたところでございます。
 最初の御指摘のところでございますが、我々としても、水道ビジョン、新水道ビジョンのお話ありましたが、その後におきましても官民連携につきましてはずっと議論してきたところでございますけれども、議員から御指摘がございましたように、地方自治体の方から御要望があったこととか、あるいは二十八年の骨太の方針で示されたこととかを受けまして、官民連携の一つの選択肢として、コンセッション方式について水道法の改正案でも、上乗せしてと言うと表現悪いかもしれませんけれども、必要な改正を行うことを検討して今日に至っているというところでございます。
#150
○足立信也君 PFI法が改正されて、じゃ、コンセッション方式の官民連携、アンケートを取ってみた、検討対象にならない、あるいは分からないを合わせると九四%だった、そこで、いや、コンセッション方式でいくんだという方向性で変えていったということでしょうか。
 まず、先ほど、海外の事例は十分検討していないという前提ではありますけれども、これ当然のことながら、推進していこうというためには、こういういいことがあったということと、あるいはこういう駄目なことがあったということぐらいはまとめてあると思うんですよ。それがないと何の立法事実もないわけで、そうなると、まずお聞きしたいのは、コンセッション方式では駄目だったという大きな理由というのは何なんですか。何だったんでしょう、分析した結果。
#151
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 まず、海外の事例のいいところ、悪いところという御指摘がございます。先ほども御答弁申し上げましたが、網羅的には調べ切っていないところがなかなか難しいところでございますけれども、実際には幾つかの国について調べさせていただいておりますというのもこれまで御答弁申し上げておりますが、例えばパリの例とかで、料金が高騰してしまったとかあるいは水道施設の管理レベルが低下して水質が悪化してしまったとか、あるいはベルリンの例で、約束されていた設備投資が不履行だったとかというところが問題点として挙げられまして、やはりこれはしっかりとした契約をしていただくということと同時に公の関与が必要だろうということで今回の改正案を出させていただいているところでございます。
 あわせて、良かったところの事例というのも幾つか調べておりますが、委員も御案内だと思いますが、例えばフランスでも、コンセッション方式で契約された事業、四千七百余りあるというふうに承知しておりますが、そのうち九七%は民間との契約が更新されて、サービスが向上したとか業務の効率化が成功したという事例もあると聞いておりまして、具体的には、例えばリヨンの地域では大ロットでの調達による設備調達費用の抑制などによりまして水道料金を約二〇%削減しているとか、あるいはカンヌの地域ではITシステムの活用によりまして施設稼働率の適正化とか非常時の対応充実を実現したというような例があるというふうに承知しております。
 今申し上げましたようなことも踏まえまして、特にうまくいかなかったというようなところを事例として参考にいたしまして、繰り返しになりますが、公の関与を強めた形での改正というのは、これは先ほども申し上げましたが、地方自治体からもそういう御要望がありましたし、我々としても公の関与を強化するという仕組みは必要だろうということで今回の改正案に至ったということでございます。
#152
○足立信也君 駄目だったところ、それから良かったところという今説明がありましたけど、これは、あれなんですよ、どっちもあるんですよ。サービスが良くなった、だからいいんだ。悪くなった、だから駄目だ。料金が上がったから駄目、下がったからいいって、これ両方あるんですよ。PFIだって民営化の一つだし、コンセッションだって民営化の一つの手法ですよ。
 では、民営化というものを何を期待するかという、もう当然のことながら、皆さん競争原理ですよね。競争原理ということは、住民にとって、住民の皆さんにとって好ましい民営化による競争原理とは一体何なのかと。さっき、駄目になった、良かったというのはもう両極端、両方ある。
 民営化の一手法でも何でもいいですが、競争原理、住民にとっての好ましい競争原理というのは何なんでしょう。
#153
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員からも御指摘がありましたが、官民連携としましては、もちろんPFIもありますし、PFIの一形式としてのコンセッション方式もありますし、さらに、我々としては、そのコンセッション方式に更に公の関与を強くした方がいいんじゃないかということで提案させていただいております水道法改正案もございますし、そういうようないろんな官民連携の仕組みがありまして、選択肢の一つとして今回提案させていただいているところですけれども、当然、事業が効率化されるとかコストが削減されるとかということはもちろんございますけれども、今委員から御質問ありました、住民の方々から見れば、事業の効率性とか料金の安さだけではなくて、やっぱり安心、安全な水道水の供給が求められているんだろうというふうに認識しているところでございます。
#154
○足立信也君 そこが競争原理ですよね。
 さっき、駄目になったところ、あるいはいいんだと言われているところ、両方あると、結局は。結論はそうなんです。そして、ここで、日本でこれを法改正してやるとなったら、やってみなきゃ分からないという話になっちゃうんですよ。
 そこで、私、これ調査室の三百ページ超えるやつですけど、これ何で駄目だったのかという、帰するところ、サービスの低下、水質の低下、安全じゃなくなってきている、料金の高騰となってきて、料金の高騰が何で起きているかというのを見ると、要は普及率なんですよ。普及率がどんどん増えているところは料金が高騰しなくてうまくいっているんですよ。そうなってくると、日本はもう九七%以上普及しているわけでしょう。これから爆発的に普及率が上がるところなんてないわけですよ。となると、必然的に料金は高騰するということなんですよ。
 今日、宮城県の村井知事から話ありましたが、上水道は九七%以上が普及しているから、私は、新たな普及の余地がなくて、それだけでは料金上がってくるのは間違いないと思う。下水道はまだそこまで行っていないから、これをセットでというのは一つの考え方だろうと思うんです。要は、普及率なんですよ。もうこれだけ普及しているところにコンセッションを持ってきても料金は高騰するだけだと、それはもう間違いないことだと思います。
 先ほど、ビジョンの流れをずっと来てみましたが、やっぱり日本再興戦略、それから骨太の方針で急に入ってきたというのは、やっぱり未来投資会議の意見がどこっとそこで出てきたのは間違いないと思う。まさに投資対象ということだろうと思います。
 私たちのときも、これから先、日本の安心、安全な水というのは、世界に対しても非常にビジネスとしても大きなものである。だから、日本の浄水あるいは合併浄化槽の設備を海外に展開していこうというような話もやりましたが、これをビジネスオンリーで、海外からの投資を期待しているという方向性では全然ないわけですよ。そこが大きく変わった点だと私は思っておりまして。
 結局、自治体の要請もあるという、先週ですか、今週、大臣答弁されました。これ、自治体の要請というのは、例えば先ほどアンケートを言いましたけれども、これ、もう一回繰り返してやる予定があるんでしょうか、もう一回。つまり、これは、PFI法の改正があって、コンセッション方式のアンケートを取ったのが平成二十七年三月ですから、三年前ですよ。今議論をされている中で、これは興味がある、やってみたいというような形になってきているのか、やっぱり危ないなという意味合いがあって、料金は上がるぞという懸念の中で、もう一度アンケートを取ってみるというつもりがあるのかどうか。それはイコール、自治体からの要請とさっき大臣おっしゃいましたけれども、実際、これがどれだけの要請があるのかということ分かると思うんです。
 自治体の要請についていかがですか。それから、できればアンケートのようなことをもう一度やる気はあるのかどうか。
#155
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今御質問いただきました点につきましてですけれども、午前中にもあったかと思いますが、宮城県のケースとかあるいは浜松市のケースとか、幾つか御要望をお伺いしているところでございます。
 委員からも料金の高騰のお話がありましたが、これ、まさに我々官民連携の選択肢の一つとして水道法の中で提案されてございますので、まさに料金の問題とかもろもろのことを、実施計画というのを吟味していただいた上で、地方でも議決が必要なことになってございますし、我々としてもチェックさせていただくということでございますので、一律に、料金が上がるのも気にしないでコンセッション方式を強引に進めていくとか、そういうようなことは一切考えているところではございませんので、御理解いただければと思います。
#156
○足立信也君 いや、参考人の御意見でも、新たにモニタリングの機関もつくらなきゃいけないと、これは賛成の方も反対の方もおっしゃっていましたよ。そうしたらまた新たな支出が増える、お金が掛かる部分が増えるということは間違いないですよ。
 今、宮城県や浜松市のことをおっしゃいましたけれども、これ、たしか大阪市は去年の三月に廃案になっているんですよね。それから、奈良市はおととしの三月に条例案は否決されているんですよね。要請しているところというのは、いつも出てくるのは宮城県や浜松市という話ですけれども、それほどあるとは私は思えないですね。
 これ、行く行くは料金が上がっていくのは分かっているけど、首長さんとしては、選挙で選ばれる首長さんとしてはなかなかそれを言い出せない。ここで民間に絡ませて、料金値上げがやりやすくというか、自己責任じゃないような形にしているのかななんて、勘ぐってしまうところも私はあります。
 そろそろまとめに入りますけど、これ、水メジャーとか多国籍企業にとって魅力があるのは、人口が多いところですよ。五十万人以上、そういうところに、もう当たり前じゃないですか、大都市圏ですよね。根本大臣は復興大臣されておりましたが、復旧復興に関連して、かなり人が被災地に集まりましたですよね。ところが、東京オリンピック・パラリンピックの件があって、どんと関東圏に人が移動し、そしてまた二〇二五年の大阪万博となると、また関東圏と関西圏にどんと人が、日本人が集まる中で、外国人の労働者、この前も言いましたが、この増加率の高いのは、一位が熊本、二位が鹿児島、三位が宮崎、四位が島根、五位が富山ですか、地方の人口が減っているところばっかりですよ。それはもう、どんどんどんどん大都市圏に人が集中していって、日本人自体がそこに移動しているから、地方にもういないわけですよね。
 この前、川合理事の資料でも、水道の職員というのはほかの公務員の二倍以上減っているというような中で、これはどんどんどんどん減っていくのは間違いないですよね。浜松の例が出ましたけれども、浜松というのは現時点で黒字ですよね、水道事業。ここを狙っていってどうするんだと。これはやっぱり外資、それから民間がやっぱり大きな都市でもうけようとしているとしか私は思えない。
 そこで、地方都市はやっぱり見向きもされないような感じがするんですね、この方式、コンセッション方式を導入してもですよ。そうすると、日本人の不足は地方ほどどんどん強くなっていく。これ一体どうやって維持するんだ。民間は見向かない。当然外資は振り向きもしない。これをどう維持していくのかという何か算段があるんでしょうか。
#157
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今、まず黒字のところがというお話もありましたが、現時点で黒字か赤字かということももちろん一つの要素ではあるかと思いますけれども、将来にわたって推計したときにどういう形で、コンセッションも含めてですけど、どういう形で運営していったら一番いいかというようなことを考えていただいて、自治体の方でそのオプションの中でいろいろ決めていただくというのが大事なことだというふうに思っております。
 今、人口の少ない地域とかについてどういうふうに考えるのかというお話がございましたが、これも、まずコンセッションに限って言えば、その人口が多いか少ないかということにとらわれずに、導入するメリットがあるのかどうかということをしっかり検討していただいて、地方の議会でも例えば議論していただいて、そのスケールメリットを生かせるとか効率化できるということであれば進めていくという余地はあるというふうに考えておりまして、例えば、我々がお伺いしているところですと、奈良県の中山間地域のところでも、実際に最終的にどうなるか分からないですけれども、コンセッションというのもどんなものなんだろうというのを御検討されているということはお伺いしているところでございます。
 コンセッション、申し上げましたけれども、コンセッションというか官民連携も一つの水道基盤強化を進めていく上での選択肢でございますけれども、官民連携だけではなくて、広域化の問題とか、いろいろ今回の水道法案で御提案させていただいておりますので、そういう取組を通じて小規模自治体の水道の基盤強化というのも図っていくことが大事だというふうに考えております。
#158
○足立信也君 宮嵜さんからコンセッション、コンセッションって何度も出てくる。そこにとらわれた話じゃない方がいいと思って僕言っているんですよ。
 今日午前中の参考人質疑で私が一番感銘を受けたのは、橋本さんが提示された小規模水道に適した技術の開発というところです。数軒の集落でもやっていけるというようなこと、これなんかはまさに今、日本が抱えている問題、今回の目的は人口減少、収益減、老朽化というのが目的なんでしょう。だとしたら、日本人の人口がどんどん減っていくところはこういうことがあるんじゃないかというアイデアが出てしかるべきだし、それが全くなくて、大都市圏だけ何かいいことばっかり言っているといいますか、しかも、それを投資でやるというような話になっているわけですよ。
 そこで、外国人の働き方、外国人労働者、特定技能の件もそうなんですが、どんどんどんどん日本人が減っていく中で、水道職員は二倍以上のスピードで減っていく中で、このかなり専門的な技術を持った方というのは私は外国の方でもそこでしっかりやっていただくというのは極めて大事じゃないかなと、地方はですよ、そう思っているんですが、この職種の方々というのは特定技能には入らないんですか。
#159
○政府参考人(宮嵜雅則君) 現時点で御議論、御審議いただいている法案については入っていないというふうに承知しております。
#160
○足立信也君 技能実習制度の二百三十七ですか、その作業の中にも入っていないんですか。
#161
○政府参考人(宮嵜雅則君) 技能実習制度の方にも入っていないというふうに承知しております。
#162
○足立信也君 先ほど言いました、我々が政権担っていた当時は、日本の水というものを、途上国を中心に、上水、下水含めて、これ極めて技能的でもあるし、技術力も必要だし、日本の売りだと思っているわけですよ。なぜ、そういう人たちを海外から、技能実習で日本のものを学んで地元に帰るようなことをしなかったんでしょう。これ不思議でしようがないんですよ。まさに、やっぱり労働力不足を補うためだけでやっていたのかなと。
 私は、雇用の問題、社会保険の問題、いろいろありますけれども、日本人が明らかに減っていて社会インフラとして絶対欠くことのできない領域に関して、それはもちろん主体は公が持っている中で外国人の方にも働いてもらうというのは、私、極めて大事だと思っていて、この水道の分野なんかまさにそれがいいなと私自身は思っていたんですよ。でも、一切そこは関係ありませんという今話なので。その方がはるかに、運営そのものを民間の方あるいは外資に任せるよりもはるかにいいですよと私は思います。
 そこで、先ほどの福島さんの質疑、それから石橋さんの質疑のところなんです。ここは、天災あるいは地震、水害、天変地異が起きたときに、それは維持管理の、人災かどうかの問題って必ず起きてくる。必ず起きてきますよ。訴訟になるのはもう目に見えている。そのときには、国が許可したからという、最終的なその被告側というのは国になる。これは間違いないですよ。そのときに、全くリスクを取らないビジネスというのが許されるかどうかですよ。一番腹立っているのはそこですよ。訴訟のリスクは一切負わないで、投資しましょうということを許してしまったら、この国、形崩れますよ。そこが私は一番言いたいところなんですね。
 今までの考え方とがらっと変わったのは何なのか。それはやっぱり未来投資会議の意見だと私は思うし、その流れでいったら日本の形ががらっと変わってしまうし、大事なもの、日本が誇れるものまで売ってしまうという話ですよ。それは止めなきゃいけない。
 だから、官民連携の中でも特にコンセッションの部分は、私は、今回法案から削除すべきだということが我々の党としての主張でございますので、そのことを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
    ─────────────
#163
○委員長(石田昌宏君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、矢倉克夫君が委員を辞任され、その補欠として河野義博君が選任されました。
    ─────────────
#164
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 参考人の質疑、そして与野党の質疑も聞かせていただきましたけれども、聞けば聞くほど、なぜ水道の基盤強化のために運営権の売却であるコンセッションが必要なのか、ほんまに分からぬようになってきているというのは率直な感想であります。
 それで、まず外資は排除されない、企業が確保した利益の使い道には規制は掛けられない、使用料の値上げも否定されない、これは答弁がそれぞれあったと思う。今日のところでも、抵当権の問題、違約金の問題、これ民間企業との契約、ここに大事なことが相当委ねられるということも私明らかになってきたと思うわけです。
 これにとどまらず、国内への影響、とりわけ地域経済への影響というのも少なくないと私思うんですね。水道事業においても、これまで官公需法で中小企業発注優先、この縛りが掛かっておりました。地方自治体では地元企業を優先という仕事の出し方、対応をされてきたと思います。
 そこで、確認したいと思うんですけれども、民間企業が発注する事業については官公需法は適用されないということになると思うんですけれども、いかがでしょうか。
#165
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 まず初めに、委員から契約の話がございましたが、官民連携、コンセッションに限らず、当然契約をしていくわけでございまして、その契約の中でどういうふうな形になるかということだと思います。
 その中で、官公需につきましても御質問いただきましたが、官公需につきましては、中小企業の受注の確保に関する法律は、国等が物件の買入れ等の契約を締結する場合に中小企業者の受注の機会を確保するための措置を講ずることを定めておりまして、コンセッション方式を導入した場合、発注は民間事業者が行うため、議員からお話がありましたとおり、官公需法は適用されません。
#166
○倉林明子君 そうなんですよね。これ、運営会社がコストダウン、こういうことをやろうと思いますと、自社の傘下や系列事業者、これ使うことになるというのは当然なんですよ。
 そこで、下水道事業にコンセッションを既に浜松では導入と。結果、どういうことが起こっているかというと、運営会社であるこれヴェオリアが、ヴェオリア・ジャパンが受けたんですけれども、やっぱり関連企業に随意契約で工事発注と、こういうことになっているんですね。
 地元企業に対して長期間にわたって仕事がないと、こういうことになりますと、水道インフラ、これに精通して地元企業が育たないと、こういう事態が懸念されますし、地域経済にとどまらない災害時の対応、こういう点でも大きな役割を発揮するというのが地元のこういう企業なんですよ。経験を蓄積した職員はいない、さらに地域で地元の水道施設を熟知した企業もいない、こんな事態になりかねないということをしっかり見る必要があるというふうに思うわけです。
 災害対応を担う専門職を、これどうやって自治体、確保していくのか、具体的にどうやって確保していくのかというのが議論聞いていても見えなかったんですけれども、いかがでしょうか。
#167
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今般の水道法改正案におきましては、コンセッション方式を導入した場合、災害時の対応をどこまで民間企業に委ねるかについては、あらかじめPFI法に基づく実施方針と実施契約で決めることとなります。また、厚生労働大臣は、地方自治体と民間事業者の間の役割分担が定められていることを確認した上で許可することとしております。
 また、地方自治体におきましては、平常時においてもコンセッション事業に対するモニタリング業務を行うことから、引き続き水道事業の専門的なノウハウ等を有する職員が配置される必要があり、そうした職員がいなくなるということはございません。
 さらに、コンセッション事業の選定に当たりまして、災害時の復旧作業の担い手となる地元企業の参画や活用という項目を募集要項に加え、地元に密着した事業となる提案を行った候補事業者を高く評価するなどして、引き続き地元企業の協力を得ながら事業を実施していくという工夫も可能でございます。
 こうしたことから、人材を確保しつつ、コンセッション事業者と役割分担を行い、適切に災害対応を行うことができるものと考えております。
#168
○倉林明子君 契約でそれも確認する、可能だということでの説明にはなっていると思うんだけれども、現行、公営で担保してきたそういう職員や専門職を保全するということについては、むしろ担保を失うリスクが高いということは指摘せざるを得ないと思うんですよ。
 モニタリング、監視、これについても企業秘密というのが私大きな壁になり得ると思うんです。実際に、コンセッション導入を検討している宮城県、コンセッション導入に関する調査、これ情報公開請求をいたしましたところ、開示された文書四百九十七枚のうち三割を超える百六十枚がいわゆるのり弁状態で公開されました。理由は、全て企業秘密ということになるんです。
 事業の透明性、これ大きく後退する、こういうことになると思う。認識はいかがですか。これ大臣に振ってます。
#169
○国務大臣(根本匠君) 自治体はコンセッション事業者に対して、日、月次、四半期等のモニタリングを行うことになりますが、その際、モニタリングに必要な財務状況で事業運営に係る情報等については、これは確実にコンセッション事業者から自治体に提出されなければならないとなっております。そして、そのため、実施方針や実施契約においてモニタリングに必要な情報の提供について定めておくことが重要だと思います。
 このような点も含めて、運営権設定の認可申請時に留意すべき事項、これについては今後ガイドラインにおいて詳細を示していきたいと思います。必要な情報はしっかりと自治体が把握するということであります。
#170
○倉林明子君 契約で自治体には情報公開され、もちろん監視できるという仕組みはあるんだけれども、今御紹介したのは、市民や議会に対してそういうのり弁のような状態での情報公開になっているということ。つまり、議会、市民、水道事業に対して監視が行き届かなくなると。これが企業秘密ということで今起こっていることですからね。これ、宮城の情報公開で起こっていることですから。
 海外でも、私、これ、企業秘密が後から分かったということで、失敗の要因ですね、この、経営が不透明、企業が不正を見抜けない、これに企業秘密という壁が立ちはだかるというところが物すごく危険だと思うんです。気付いたときには元に戻すことは極めて難しいと。その違約金の問題、高額な違約金を突き付けられて、戻したくても戻せないという御紹介、参考人の方からもあったとおりだというふうに思うわけです。
 厚労省は、官民連携の選択肢を広げるものだと、これ何度も説明ありました。あくまでも導入の可否は自治体が決めると、こういう説明ですよね。しかし、そもそもこのコンセッションの導入を望んだ、希望した、こういう自治体というのはどれだけあるんでしょうか。
#171
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 現段階でということで申し上げますと、宮城県、それから宮城県の村田町、静岡県浜松市、静岡県伊豆の国市、大阪市、奈良市の六団体におきまして、資産評価に着手するなど、コンセッション方式の導入の具体化に取り組んでいると承知しております。
#172
○倉林明子君 私、大変気になりましたので厚労省に確認しましたところ、要望書という形で御提出があったのは宮城県一件だけですよ。あとは各種会議で聞いているという報告を受けただけです。
 そもそも、厚労省において上水道へのコンセッション導入の検討というのはいつから始まったのか。先ほど議論もありました。明確にお答えください。
#173
○政府参考人(宮嵜雅則君) 先ほども御答弁申し上げましたが、今委員からも御指摘がございましたが、自治体からの御要望、それから平成二十八年の骨太方針等の政府の決定、それを受けてというか並行して検討しておりました、二十八年十一月の、これは厚労省ですけれども、水道事業の維持・向上に関する専門委員会の取りまとめを踏まえて、今回の水道法改正案を立案したところでございます。
#174
○倉林明子君 二〇一四年五月、ここの財政諮問会議、競争力強化会議、これ出発点じゃないんですか。ここで、出席した竹中平蔵氏はどう言っているかと。コンセッションの議論、インフラ運営の民営化、この促進を強く求めた発言しておられますよ。これ五月です。すぐその翌月の六月、二〇一四年、日本再興戦略、ここで竹中さんの提案どおりに三年間を集中期間として位置付けて、水道では六件。この目標、初めて出たのはここじゃないでしょうか。
 結果、三年たったけれども導入はゼロだったのが水道なんですよ。達成年度が先送りされて、二〇一八年、ここが達成年度と区切られたわけですけれども、よく見てほしい。要は、手挙げして、やりたいところがいっぱいあって選択肢を増やしたというような話なんだろうかということですよ。
 資料を付けました。これは、厚生労働省の水道課が出した、PFIの推進委員会に出した資料なんです。
 うまくいっていないわけですよ、コンセッション導入がね。じゃ、これに対してどうかといったら、厚生労働省が働きかけたトップセールス、つまり市長に対する、首長に対するリストが挙がっているんですよ。リストの条件見てくださいよ、人口二十万人以上、原則黒字、二〇四〇年までに人口減少率は二〇パー以下。こういうところやったら可能やろということで、リスト挙げて働きかけしてきたのは厚労省なんですよ。本当にそういう意味でいうと、私は立法事実が問われるんじゃないかと思っているんです。
 改めて聞きます。現状のこの水道六件のコンセッションの導入の達成状況及び見通しはどうなっていますか。
#175
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘がございましたように、三十年六月十五日に民間資金等活用事業推進会議において決定されましたPPP/PFI推進アクションプラン、平成三十年改定版におきまして、水道分野については二十六年から三十年までを集中期間として、事業実施に向けて具体的な検討を行っている案件を含め、六件のコンセッション事業の具体化が目標とされております。
 これまで水道分野においてコンセッション事業を実施した事例はございませんが、資産評価に着手又は同等の検討を実施した案件が六件ということで、先ほど申し上げた六件の自治体でございます。
 事業の件数目標は、事業実施に向けて具体的な検討を行っている段階の案件を含めて数えるということになってございますため、目標は達成される見込みであると考えております。
#176
○倉林明子君 そういうところのカウントを甘くして、できたことにするということになっているというのは初めて知りました。
 その上で、現状どうなっているかということです。コンセッション導入に関する条例改正案、これを議会に提出した大阪市、そして奈良市。大阪では二回、奈良でも、奈良では一回ですけれども、これ否決されております。つまり、来年度中に、今お話もあったけれども、コンセッションの導入の可否を決めるとしていた浜松市、ここも実は、十一月二十四日、市長選挙を前にしまして、少し時間を掛けても官民連携が理解されることが必要だということで、一八年中に判断しなくてもいいと、こういう表明が市長からありました。つまり、一九年度以降への先送りが示唆されたわけです。
 完全に現状では一八年度中のこれ導入見込みもなくなったと、こういう理解でよろしいでしょうか。
#177
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 導入見込みがなくなったかどうかというのを現時点で我々の方でちょっとコメントさせていただくのはいかがなものかと思いますが、今委員から御指摘がありました例えば浜松市におきましても、委員から御指摘がございましたとおりで、一八年度中の話もコメントされております。
 いずれにしても、これも我々も答弁ずっと申し上げさせていただいておりましたけれども、理解を得るということは大変重要なことでございまして、マスコミ報道でしか承知しておりませんが、浜松市長さんもそういうことを述べられていたというふうに承知しております。
#178
○倉林明子君 目標達成年度を先送りしたけれども、達成できない。今お話あったとおり、そのぐらい市民の理解が得られないという現状を私はやっぱりしっかり受け止める必要あるというふうに思っております。
 大阪市の場合で見ますと、丸ごと民営化する、この場合だと、固定資産税等の負担というのが百億円、これ見込まれていたわけです。運営権だけの売却だとこの負担はなくなります、運営会社にとってね。さらに、運営会社に、黒字ですので、大阪は、事業収入に対して三十年間で何と五百七十億円の公租公課が発生するという試算が出されております。これに対して大阪市は、軽減する法改正を国に求めるという提案までされたというふうに伺っております。
 これ、参入企業には固定資産税は払わんでもええようになるし、もうけ上げても税金も支払を軽減させてもらえるって、これ大盤振る舞い以外の私何物でもないと。その上、市民にとっては料金は下がらないというわけですよ。議会のチェック機能も働かなくなったら、耐震化、管の耐震化とか老朽化対策というのが、これ進む担保もないわけですね。これ、市民の理解が得られないというのは当然だというふうに思います。議会での否決、二回も否決と、こういう結果というのは、住民の側にこれ立法事実はなかったということがこの事例では明らかになったと思うんですね。
 世界の水ビジネス企業に対して日本の水道インフラを市場として開放する、これ竹中さんの考え方ですよ。こういうことがこの法改正の改めて目的なのかどうか、目的ではないのかと言いたいと思うんですけれども、どうでしょうか。これは大臣ですね。
#179
○国務大臣(根本匠君) これまでも申し上げてまいりました今回の水道法改正案の目的、これは水道施設の老朽化や、人口減少に伴う料金収入など、水道事業が直面する深刻な課題に対応するために水道の基盤強化を図ることであります。
 そして、これまでも官民連携はいろんな形で進めてまいりました。やはり基本は民間企業の技術や経営ノウハウを活用できる官民連携推進、その選択肢の一つとして、今回、コンセッション方式を、あくまでも水道の基盤強化を図る有効な選択肢の一つとして提示をいたしました。
 その意味で、今回のコンセッション方式、これは地方自治体があくまで水道事業者の位置付けを維持して最終責任を果たすことができるように公の関与を強化した仕組みというのが大前提ですから、ですから、今議員御指摘のような、日本の水道インフラを海外の水ビジネス企業に開放するなどを目的としたものではありません。
#180
○倉林明子君 そうはおっしゃるんだけれども、最後の結論のところはそうおっしゃるんだけれども、日本再興戦略及び財政諮問会議や競争力強化会議、ここの出発点では明確に公営インフラの民間開放ということから始まっているんですよ。それについて閣議決定までして進めてきたわけです。
 私は、日本の水道インフラを外資に、海外の資本に対して開放してしまうというふうなことは絶対にやるべきではないというふうに思います。改めて、水道法第一条、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与する、この目的に変更はないわけです。そういう意味で、改めて、リスクの高いこういうコンセッション方式の導入についてやるべきではない。解明されていない部分もたくさん残っておりますので、引き続きの審議を求めまして、終わります。
#181
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 水道法のことも幾つか通告をさせていただいているんですけれども、ちょっとなかなか、今回の入管のことにつきましても、連合審査、我々も求めておるんですが、なかなかちょっとされませんので、一点、外国人の就労のことについて先にちょっとお聞きをしたいと思います。
 全国の専門学校のうち、外国人学生の割合が九割以上の学校が少なくとも七十二校あると、このうち三十五校は全員が外国人であるという報道がありました。定員割れに悩む専門学校が留学生を増やしているというふうにも思われますけれども、そもそも専門学校を含む専修学校が完全に留学生向けのものとなってしまえば、学校教育法にも違反している可能性もあります。
 大半の学生が外国人である専門学校、どの程度あるのか、まずお伺いしたいと思います。
#182
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 近年、専門学校への外国人留学生が増加傾向にございまして、平成二十九年度におきましては約五万九千人となっております。
 一方、個々の専門学校における外国人留学生の比率につきましては、都道府県がその所轄庁ということになっておりますことから、文部科学省といたしましては把握してございません。
#183
○東徹君 それは、全体で五万九千人ということですけれども、ただ、やっぱり各都道府県に聞けばこんなのは分かるわけですから、これ是非実態調査してくださいよ。
#184
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、専門学校、都道府県が所轄庁ということになっておりまして、個々の専門学校の実態把握につきましては各都道府県において対応されるものということになっておりますので、現時点におきまして文部科学省といたしまして直接調査を行うということは考えてございませんが、本年十月十九日付けで各都道府県に対しまして通知を発出いたしまして、専修学校における留学生管理等の一層の徹底を求めるとともに、その中で、多数の留学生を受け入れる専修学校等につきましては特に適切な状況把握に留意するよう求めたところでございます。
 専門学校における留学生の受入れにつきましては、必要に応じて都道府県から状況を聞き取るなどしながら情報共有し、文科省としても適切な対応が図られるように取り組んでまいりたいと考えております。
#185
○東徹君 現実には、多くの外国人留学生が週二十八時間制限というのを超えて安い労働力として働いていると。それが少なからず日本人の賃金水準にも影響を及ぼしているというふうなことも思われますけれども、このような実態を厚労大臣としてどのように認識しているのか、お伺いしたいと思います。
#186
○国務大臣(根本匠君) 在留資格「留学」に係る入国及び在留外国人数が大幅に増加している中で、委員のお話のように、留学生本来の在留活動が学業であるという在留資格制度の趣旨に反して、資格外活動許可の制限時間、要は原則週二十八時間以内を超過して稼働しているケースについては、これは法務省において適切に対処しているものと承知をしております。
 留学生が我が国での就学生活のために在留資格で認められている範囲において就労すること自体を制約することは困難でありますが、日本人と同様に労働関係法令の適用対象となりますから、厚生労働省においても労働関係法令の遵守を図るとともに、違反があった場合には適正に対処しております。
 引き続き、留学生の適正な労働条件が図られるように、適切に対応していきたいと思います。
#187
○東徹君 いや、専門学校で九割以上、ほとんどが外国人の方がおられて、留学で来ている、ところが就労目的になっているというような現状があるということについて、じゃ、これ誰がどう責任を持ってこれをきちんと是正していくんですか。
#188
○国務大臣(根本匠君) これは、本来、在留資格制度というのは法務省が所管していますから、法務省がしっかりと資格外活動許可の制限時間を超過して稼働しているようなケースについては、法務省の在留資格「留学」に係る制度ですから、ここは法務省がしっかりと対応しておられるものと思います、対応してもらうべきだと私は思います。
#189
○東徹君 じゃ、これは法務省がこういった状況を把握してこれを是正していくということでよろしいんですか。
#190
○政府参考人(佐々木聖子君) 留学生の就労活動につきましては、機会あるごとに日本語教育機関に対して週二十八時間以内の遵守について留学生に指導するようにお願いをしておりますけれども、入国管理局として、現状、この留学生の個々の資格外活動の状況につきまして、自動的に把握できるような仕組みとはなっていません。
 ただし、厚生労働省から提供されます外国人雇用状況届出によりまして、雇用主、雇用開始時期等を把握することが可能でございますので、入国管理局ではこれらの情報を基に必要に応じて雇用主に稼働状況を照会するなどして留学生の資格外活動の状況の把握に努めているところでございます。
 今後考えていることでございますけれども、留学生の資格外活動状況につきまして、留学生が在籍をします日本語教育機関による把握を徹底していただくため、日本語教育機関の告示基準を改正することも含め、より適切に把握できる方法を検討してまいります。
#191
○東徹君 なかなかこれ、留学生が例えばどこどこのコンビニエンスストアでどれだけ時間働いていたなんて、こんなの管理できないでしょう。把握なんてできないと思いますよ。そうでしょう。
#192
○政府参考人(佐々木聖子君) 一例でございますけれども、例えば、この雇用状況報告によりましてお一人の学生さんが複数の稼働場所で働いているというような情報を得ましたときには、先ほど申しましたように、雇用主さんに連絡をして、具体的にどれだけ働いているのかというようなことを問い合わせ、調査をしている、手法としては情報把握の方向で行っています。
#193
○東徹君 いや、全員きちっと把握できますかということですよ。把握できないでしょう。把握できないはずですよ。
 文科省は文科省で、これ都道府県だから、トータルの人数は分かるけれども各都道府県の学校それぞれどうなっているか分からない。だって、これ、国のお金まで入っているんですよ、でもこれ。専門学校だって国のお金入っているんですよ。それで把握していないというのは、ちょっと僕は違うと思いますよ。是非これは都道府県にきちっと把握するようにしていただきたいと思います。
#194
○政府参考人(塩見みづ枝君) 今後、都道府県における取組をしっかりと促していくことと併せまして、国としてもどのような対応が可能か、引き続きしっかり検討してまいりたいと考えております。
#195
○東徹君 いやいや、ちょっと、実態調査をきちっとしてくださいよということですよ。これは実態調査やりますと、それぞれの専門学校で。これ、国もお金出しているわけですから、外国人が九割以上、ほとんどが外国人という専門学校があるわけですよ。それが就労目的になっている、そういう実態があるわけなので、文科省としてもきちっと責任持って実態調査をするというふうなことが必要じゃないですかと言っているんですけど、もう一度。
#196
○政府参考人(塩見みづ枝君) 先ほど来申し上げておりますとおり、今、都道府県で実態把握をしっかりしていただくようにお願いをしているところでございまして、我々としても、その都道府県の状況をしっかりと聞き取って把握して、対応してまいりたいと考えております。
#197
○東徹君 じゃ、その実態調査をきちっと把握して、いつまでにこれ公表してくれるんですか。
#198
○政府参考人(塩見みづ枝君) この時点でいつまでということを申し上げるのは難しいんですけれども、我々としても可能な限り適切に対処してまいりたいと思います。
#199
○東徹君 これもう非常に大事なことだと思いますので、早急にやっぱりやるべきだと思いますし、早急に実態調査の結果をきちんと報告をしていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 もう一点だけ、NHKの報道で出たのでちょっと気になって、お聞きしたいんですけど。
 地方の医師不足の対策で、今回、この委員会でも結構、医師不足対策ということで法改正とかあったと思います。実際に、地方枠、二割ぐらい定員が割れているというふうな報道がありました。これ、状況を、まあ報道の話ですけれども、一般枠に今振り替えているというところがあるわけですよね。これ、やっぱりちょっと違うんじゃないですかというふうに思うんですけれども、これについてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#200
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今御指摘いただきました地域枠につきましては、今年の通常国会において成立いたしました医療法及び医師法の一部を改正する法律の附帯決議におきましても、その地域枠の医師の定着の観点から、地域枠と地域枠以外の入学枠を峻別した上で募集を促す対応が必要であるという御指摘をいただきました。それを踏まえまして、私ども、都道府県に対する実態調査を実施いたしまして、昨日、文部科学省とも協力の上で結果を発表させていただきました。
 その調査におきましては、一般枠とは別枠の募集定員を設けている、これ、いわゆる別枠方式でございますが、では、その募集数の九五%に奨学金貸与実績があったと。一方、手挙げ方式と言われる、一般枠などと共通で選抜をして、選抜の事前又は事後に地域枠学生を募集するという手法では、この募集数の六九%にとどまっていたという事実。また、結果として、全体としては、今御指摘いただきましたように、地域枠の一定程度、これ、私どもの調査では一六%と思っておりますが、が充足していなくて、このうち一部の大学では充足していない地域枠を一般枠として用いていたという不適切な事態が、私どもとして把握させていただいたところでございます。
 これを踏まえまして、私ども、二〇二〇年度以降につきましては、臨時定員に係る地域枠は別枠方式しか認めないこととしまして、その旨を都道府県にも通知をさせていただいております。
 厚生労働省としましては、この臨時定員に係る地域枠はまさに地域の医師確保等に早急に対応するために増加が認められてきたということでございますので、これを踏まえて、御指摘のような充足し切れなかった地域枠を一般枠として用いることは制度の趣旨に反する不適切な運用であるという認識に立って、今後、文部科学省とも連携しながら、このような運用が行われることのないように対応してまいりたいと思っております。
#201
○東徹君 そうしたら、二〇二〇年度からその地域枠を一般枠の方に振り替えられないようにすると。一般枠は一般枠、地域枠は地域枠で別々に募集してやっていくということでよろしいんですね。
#202
○政府参考人(吉田学君) 繰り返しになりますが、今申しましたように、二〇二〇年度以降につきましては、この地域枠、別枠方式しか認めないということを通知させていただいておりますので、文部科学省と連携させていただきながら、きちっとこの対応を促してまいりたい、私どもとしては進めてまいりたいと考えております。
#203
○政府参考人(玉上晃君) お答えいたします。
 文部科学省といたしましては、地域枠のために臨時増員を行った数に見合う学生を、地域の医師確保に資するという地域枠制度の趣旨を踏まえて確保するよう、各大学において努める必要があると考えております。
 しかしながら、先般、調査の結果、一部で確保できていないことが明らかになったところでございます。このため、文科省といたしましては、各大学に対しまして一般枠とは別に地域枠学生の選抜を行うよう求めるとともに、今後の地域枠の臨時増員の取扱いについては、各大学の地域枠学生の確保の状況をしっかりと把握した上で精査をいたしまして、それを踏まえて認可を行うということで、地域枠学生を確実に確保し、臨時増員が一般枠として用いられるような事態が生じないように、厚生労働省とも連携しつつ適切に対応してまいります。
#204
○東徹君 是非、厚生労働省の方も文科省にきちっと確認していただいて、そのような試験が行われているのかどうか、きちっと精査をしていただきたいというふうに思います。
 水道法に入らせていただきます。
 先日ちょっと時間がなくて、その後質問できなかったんですけど、財政投融資についてお伺いしたいんですけれども。
 水道の老朽化対策、広域化への取組として財政審で財政融資の活用が検討されておるわけでありますけれども、コスト削減とか災害への備え、そういったものを進めていくために、老朽化対策とか広域化に財政投融資をうまく使える仕組みをやっぱりやって、そしてより広域化を図っていくということ、そしてどんどんと更新を進めていく、そういう手法をやっぱり早くやらないといけないというふうに考えるわけですが、いかがですか。
#205
○政府参考人(古谷雅彦君) お答えいたします。
 今も御指摘ありましたとおり、上下水道の問題につきまして、施設の老朽化と料金収入の減少といった様々な問題がございます。それに対して、長期かつ低利といった財政投融資の特徴を活用して更新投資、広域化を促すということ、審議会でも御審議いただいておりますし、財務省としては、地方にあります財務局を通じて個別の事業の実態も伺いながら検討を進めて、まずは三十一年度の財政投融資の編成に努めてまいりたいと思っております。
#206
○東徹君 今、根本大臣がおられませんけれども、厚生労働省の方から、今ありました長期にわたって低利融資のそういった活用をやっぱりやっていったらいいと思うんですよね。それで、より広域化が進むように、そして、よりこの老朽化した水道が早く更新が進むように、耐震化が進むようにやっていくべきだと思うんですけど、いかがですか。
#207
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 厚生労働省といたしましては、水道施設の更新や耐震化、水道事業の広域化を進めるためには、長期かつ低利の財政投融資資金の活用は有効な手段の一つと考えております。財務省の財政投融資計画の編成作業を注視してまいりたいと思っております。
#208
○東徹君 有効だと思うんだったら、どういうふうな枠組みを作るのか、どういうふうに検討されているのか、お聞かせください。
#209
○政府参考人(宮嵜雅則君) 私どもといたしましては、今申し上げましたように、財務省の財政投融資計画の編成作業を注視してまいりたいというふうに考えているところでございます。
#210
○東徹君 何か、もうちょっと積極的にやっていこうという姿勢が必要なんじゃないんですかね。もうかなりこれ老朽化が激しいわけですから、やっぱり早くやらないと余計コストが将来に掛かっていくわけですから、そこは是非早く検討を進めていただきたいというふうに思います。
 官民連携についてお伺いしたいんですけれども、水道事業に関する職員数ですけれども、先ほどからも話がありました、約三十年前と比べて既に三割ほど減少しているということです。給水人口が一万人未満の小規模な事業者では、平均して三人以下の職員で水道事業を運営しているということなんですね。
 ということは、民間とこれ連携しながら事業が運営されているということだというふうに認識しておりますけれども、業務委託など民間との連携が、現状、現状ですよ、どのように進んでいるのか、お伺いしたいと思います。簡単で結構です。
#211
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今御指摘のありました業務委託などの官民連携につきましては、平成二十八年度時点で、施設の保守点検、メーターの検針、水質検査等の一般的な業務委託のほかに、水道法上の責任を含め浄水場の運転管理等を委託する第三者委託が百九十一か所、民間事業者の資金とノウハウを活用して公共施設の設計、建設、管理等を実施するPFIが十二か所で行われております。
#212
○東徹君 PFIが十二か所、民間との連携が百二十一か所ということでありますけれども、これからの人口減少とか職員の高齢化と技術の継承、こういったことの対応というのは非常に大事だということで、今日の参考人質疑の中でもありました。
 こういったことを考えていくと、今よりも官民連携をやっぱり進めていくことというのは非常に大事だというふうに思います。将来の官民連携の在り方について、大臣、どのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#213
○国務大臣(根本匠君) 議員御指摘のように、やはり持続可能な水道事業を確保する、これは基盤の強化を図る必要があります。その一つとして官民連携の推進は私も非常に大事だと思います。委員はこの分野、非常にお詳しいわけでありますが、民間企業の技術や経営ノウハウ等を活用できる官民連携、これは広域連携とともに有効な対策の一つだと思います。
 その意味で、厚生労働省としては、水道事業者が地域の実情に応じて適切な官民連携の対応策を選択することができるように今回の水道法改正案を提案しておりまして、コンセッション方式を始め多様な官民連携の推進に向けた環境整備に努めていきたいと思います。
#214
○東徹君 コンセッション方式だけではなくて、官民連携というのはやっぱり進めていかないといけないということでありますけれども。
 今日も、宮城県知事、村井知事が来て、いろいろと御説明いただきました。コスト削減効果三百三十五億円以上を試算するというふうな話を聞きました。ほかの参考人の方からも海外と日本とは違うんだというふうな話も聞きましたので、是非この辺をちょっと質問しようかなと思ったんですが、僕は時間は守る方なんで、これで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
 次回に質問させていただきます。ありがとうございます。
#215
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
 ヴェオリア社に伊藤万葉さんという人がいらっしゃいます。万葉集の万葉ですからマヨというふうに読むと思いますが、伊藤万葉さん、二〇一六年七月十六日の下水道のシンポジウムでこう言っています。ヴェオリアの伊藤です。私は、営業本部PPP推進部というところにおります。現職にて、プロジェクトエンジニアとしてPPPや官民連携等の提案業務を担当しております。
 伊藤万葉さん、内閣府PPP/PFI推進室から資料をいただきました。伊藤万葉氏、採用期間、二〇一七年四月一日から二〇一九年三月三十一日予定、現職。つまり、ヴェオリア社のまさにこの担当者ですね。PPPや官民連携等の提案業務をやる人がこの内閣府のPPP/PFI推進室にいるんですよ、これ提案しているんですよ。最もこの法案で利益を得る可能性のあるヴェオリア社、水メジャーですよね、その人の、まさにその担当者がこの内閣府PPP/PFI推進室にいるんですよ。
 これって、受験生がこっそり採点者に行って自分の答案採点しているようなものじゃないですか。利潤を得る人間と政策を立案するところが、利潤を最大に受ける可能性のある人間が政策立案のところに行ってこの法案作っている。ずるじゃないですか。公平性ないですよ。こんな法案駄目ですよ。コンセッションをやるところが、ヴェオリア社の人間が行って作っているんですよ。説得力全くないですよ。
 なぜ海外の失敗事例をきっちり検証しないか、ヴェオリア社が入っているから、利害関係人が入っているからじゃないですか。立法事実は失われた、立法事実の公平性はないと思いますが、いかがですか。
#216
○政府参考人(石川卓弥君) お答え申し上げます。
 当該職員は、政策調査員でございます。政策参与等の設置に関する訓令第四条第四項には、本府に置く政策調査員は、命を受けて政策統括官の職務を助ける参事官の職務を助け、専門的事項の調査及び分析に関する事務に従事すると定められております。
 民間資金等活用事業推進室におきましては、民間資金等活用事業の海外事例や動向等の全般的かつ一般的な調査を担当しておるものでございます。また、政策調査員といえども、服務規律にのっとり公正な業務遂行を行っている、その旨、本人にも確認をいただいております。
#217
○福島みずほ君 利害関係者じゃないですか。駄目ですよ。全く駄目ですよ。
 なぜ今回失敗事例が出てこないか。利害関係者がいるんですよ。これがどうか、コンセッションはどうかだったら、成功例、失敗例も含めて、公平な立場からやらなくちゃ駄目じゃないですか。調査をやる人間がヴェオリア社って、これ笑止千万ですよ。何の説得力もない。
 利害関係人が入って、しかもこの人は、伊藤さんは、まさにこの法案が提出される二〇一七年四月一日から来年二〇一九年三月三十一日まで二年間いるんですよ。この法案が提出されている今の時点で、この内閣府PPP室にいるんですよ。駄目じゃないですか。
 わざわざ、わざわざ何でヴェオリア社の人間を入れるんですか。おかしいですよ。利害……(発言する者あり)そう、腐っているという声が今ありましたが、腐っていますよ。公平性が保てない。誰のために政治やっているか。公平性が保てないですよ。形式的な公平性すら保っていないですよ。間違っている。
 何でヴェオリア社を入れるのか。その人が何で調査研究員なのか。そして、こうやって何でここに出してくるのか。だって、この人、ヴェオリア社の担当者なんですよ、まさに。
 シンポジウムでいろんな発言をしています。PPPや官民連携等の提案業務をプロジェクトエンジニアとしてヴェオリア社でやっているんですよ。その人間が来たら駄目じゃないですか。その人の調査なんてゆがんでいる可能性が極めて高い。
 これ、法案、駄目ですよ。コンセッションの部分は削除すべきだと。公平性ないですよ。何の説得力もないですよ。そのことを強く申し上げます。
 というか、こういうやり方で立法しちゃ駄目ですよ。こういうやり方でコンセッション導入しちゃ駄目ですよ。駄目ですよ。本当に駄目ですよ。腐っていますよ。だってこれ、与党から見ても野党から見ても公平性担保できないじゃないですか。これは、与党の人だってそれは認めるんじゃないですか。公平じゃないですよ。これ、コンセッションの部分、何で失敗例をちゃんと調査しないかというのもあると思います。
#218
○政府参考人(石川卓弥君) コンセッションを含むPPP、PFI業務を推進するに当たりまして、専門的な知識、分析能力を有する人材が必要となりましたが、人材を公務部門だけで用意するだけでは多様な知見を十分に集めることが困難であることから、政策調査員を採用する必要があって公募しました。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
 当該職員の志望理由は、PPP、PFIに関するこれまでの経験を生かして、PPP、PFIに関連する制度設計やガイドラインの整備に貢献することを通じて地域経済活性化に寄与したいということでございました。そして、彼女は全般的かつ一般的な海外動向の調査に従事させておりまして、政策立案はしておりません。
 そしてまた、我々は、失敗事例といいますか、再公営化事例といったようなものもできるだけ集めるようにしております。
#219
○福島みずほ君 説得力がありません。間違っていますよ。だって、まさにヴェオリア社のPPP担当者がその室に入ってやっているんだったら、説得力ないですよ。このコンセッションの部分は削除すべきだということを強く申し上げます。
 情報開示についてお聞きをします。
 今朝の参考人質疑でもこのことは随分議論になりました。パリでは、セーヌ川を挟んでスエズとヴェオリア社が民営化でやっていた。ベルリンは、御存じヴェオリア社です。そこで、情報開示が本当にされないということを大きな理由に再公営化なわけです。
 ところで、浜松の下水道はヴェオリア社、宮城はスエズがやるのではないかとかいう報道があります。海外で情報開示しなかった外資系水メジャーが日本で情報開示するんですか。
#220
○政府参考人(宮嵜雅則君) 情報開示につきましては、情報公開法、あるいは地方自治体であれば情報公開条例にのっとって適切に対応するということになります。
#221
○福島みずほ君 今朝の橋本参考人はこう言いました。海外で水道を再公営化した事例が百八十例ありますが、その多くは企業の業務内容と金の流れが不明瞭になったことに起因します、多額の役員報酬、株主配当を支払い、水道への投資を行わず、税金も支払わないというケースもありましたというふうにおっしゃいました。
 厚生労働大臣は、許可をするに当たってガイドラインを作ると。そのガイドライン案をこの委員会に、理事会に出してほしいと要求しております。役員報酬や株主配当、幾ら税金を払っているか、どんなところにきちっと投資、補修やメンテナンスに幾ら、どれぐらい払ったのか、これは出てくるんでしょうか。
 ヴェオリア・ジャパンは非上場です。非上場であっても、あるいは上場であっても、全ての役員報酬が出てくるということでよろしいですか。大臣は、ガイドラインを作るに当たって、このような項目、役員報酬、株主配当、水道への投資、メンテナンスはどうしているか、税金幾ら払っているか、従業員何人か、そういうことを全て明らかにするように求めるべきだと思いますが、どうですか。
#222
○国務大臣(根本匠君) 地方自治体は、コンセッション事業者に対しては日次、月次、四半期等のモニタリングを行うこととなりますが、その際、モニタリングに必要な財務状況や事業運営に係る情報、これについては確実に自治体に提出しなければならないとなります。それから、住民の理解という点でも必要な情報は積極的に開示される必要があると思います。
 今、上場企業ではないという話がありましたが、上場企業の役員報酬の公開というのは金商法で求められておりますが、そちらの方で、今般の水道法改正法案に基づくコンセッション事業においては、水道事業の総括原価方式、ここで利益水準が適正か否か、運営権の許可の段階で確認していくということになります。ですから、役員報酬の公開というよりは、逆に総括原価方式で見ていきますから、そこはしっかり見るということであります。
#223
○福島みずほ君 じゃ、確認ですが、このコンセッションでやった会社の役員報酬、株主配当、払っている税金の金額、どこにメンテナンス、どこを補修して、どれぐらい投資したか、これは全て住民に公開されるということでよろしいですね。確認です、審議官。
#224
○政府参考人(宮嵜雅則君) 今、大臣からも御答弁申し上げましたが、水道事業につきましては総括原価方式に基づいて利益水準が適正かどうかというのを事業者から自治体の方に出していただいて見るというところでございますけれども、そのいただいたというか、出していただいた申請書というか、書類について公開されるかどうかというのは、先ほども申し上げましたが、自治体であれば情報公開条例に基づいて適切に対応されるというふうに理解しております。
#225
○福島みずほ君 適切にというのがよく分からないし、総括原価方式でどの程度の資料が出るかもまた精査しなければならないんですが、この国会で確認するとすれば、役員報酬、株主配当、どこをメンテナンスし、どこに投資し、税金幾ら払っているかということが基本、住民に公開されるというふうに理解をしてよろしいということでいいですね。もし違うんであれば、次回、教えてください。全て、ほとんど重要な事項について公開される、役員報酬も全て公開されるという理解でよろしいですね。でなければチェックができませんので、そのことを申し上げます。もしこれが違っていたら、次回、違っていたというふうに教えてください。
 では次に、災害のときについてお聞きをいたします。
 コンセッションで民間会社、人件費削減でやっているところが、じゃ、果たして日本で災害が起きた他のところにその人員を何年も何年も、例えば何人も派遣するんだろうか、これについてはどうなるんでしょうか。
#226
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 災害の対応に当たりましては、地方自治体において水道事業を担当してきた専門的なノウハウ等を有する職員が復旧作業に携わることが必要であるというふうに考えております。
 コンセッション方式を導入した場合、他県の災害対応への派遣やその際の指揮監督、費用負担も含めまして、災害時の対応をどこまで民間事業者に委ねるかにつきましては、あらかじめPFI法に基づく実施方針及び実施契約で決めることとなります。その際、被災した自治体への応援を民間事業者に行わせる場合には、民間事業者に雇用された者が被災自治体へ派遣されることとなります。
#227
○福島みずほ君 今日もありましたし、先日も言いました、不可抗力、不測の場合には自治体が基本的に責任を負う。浜松も、御存じ、下水道については市が責任を負うというふうにしています。住民運動のリスクも市が責任を負うわけです。
 コンセッション、つまり、所有権は自治体が持つが管理運営権は全部売却する、売却、売り飛ばすわけですね。買ったものは自分のもの。自治体は、認可、それから所有権は持っているが、人材はいないわけです。技能もないわけです。そこに基本的に持っていない。水道料金もらって実際管理運営するのはその民間会社です。その場合になぜ、なぜ不測のときに、不可抗力のときに自治体が責任負わなくちゃいけないんですか。民間負うべきでしょう。医療過誤だって交通事故だって、全部やった人間が責任を負うのがビジネスモデルです。
 自治体は技能もないのに、そして任せているのに、管理運営権は売却したのに、何で自治体が責任を負うんですか。国が責任負うんですか。
#228
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 コンセッション方式を導入した場合の災害時の対応についてどこまで民間で行うか、あるいは市町村、事業体で行うかについては、あらかじめPFI法に基づく実施方針、実施契約で決定することとなりまして、それにつきまして、厚生労働大臣が役割分担が明確になっているかどうかということを確認した上で許可するというような仕組みになってございます。ですので、民間事業者はあらかじめ定められた明確な範囲内で責任を分担することになりますので、一律に地方自治体が責任を負うというようなものではございません。
#229
○福島みずほ君 でも、今まで答弁で自治体が責任を負うとなっていますし、先日出した配付資料も、不測の場合には自治体が責任を負うとしているじゃないですか。それと今一致しないと思いますよ。自治体は一切責任を負わないとすべきじゃないですか。でも、そうしたら住民が不安がるから自治体が責任を負うとするが、自治体はこんなときにまで責任を負わなくちゃいけないんですか。
#230
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 委員から御指摘ございましたが、地方自治体は運営権の許可の申請に当たりまして、実施計画において災害その他非常の場合における水道事業の継続のための措置を定めることとしておりまして、そういう意味で自治体が最終的な責任を持つという形になりますが、その中で、民間事業者と自治体の間でどういう役割分担を担うのかというのは、その中で定められた範囲でそれぞれ持分を持つということになりますので、一方的に自治体が責任を負うということにはならないと考えております。
#231
○福島みずほ君 管理運営権を買った人間と所有権だけ持っている人間の間で責任の押し付け合いが起きるんじゃないですか。メンテナンスを十分やらなかったために災害が拡大した場合も市が責任を負えというふうになりかねないというふうに思います。
 ところで、例えば、二十五年契約、管理運営権を例えば二百五十億で二十五年間売却をした、ところが、いろいろうまくいかない、あるいは、すぐ値上げはしないかもしれないけど、五年十年たって水道料金の値上げが起きる、このときに、返してくれと言うと、自治体は、例えば十年目だと、ちょうど百五十億お金をもう一回払ってそれを取り戻さなくちゃいけません。そして、その場合、契約の途中での解除ですから裁判が起きることは必至です。ベルリンの場合は千六百億円払ってようやく再公営化をします。外資系の弁護士はとことんこれは闘うでしょう。自治体にとっては訴訟リスクは大変大きい問題です。
 水道料金がどうしても値上がってしまう、これは困った、二十五年たちました。そのときあるのは、契約を更新するか、あるいはその会社にやめてもらって別の企業を探すか、あるいは再公営化、三択しかありません。でも、再公営化するのに、もう技術の伝承ってないじゃないですか。いないんですよ、その自治体には。再公営化は困難である。ほかの事業者を見付けるといっても、似たように水道料金の値上げを言われるかもしれない。そうすると、不本意であっても契約更新を続ける。五十年契約で管理運営権続けてください、こうなるんじゃないですか。大臣、いかがですか。
#232
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 大分ちょっと仮定の入ったお話でしたのでお答えするのが難しいところもありますが、PFI法におきましては、コンセッション事業者が運営事業を実施しないなど、重大な契約違反があった場合に、公共施設等の管理者たる水道事業者は運営権を取り消すことができると規定されております。
 さらに、水道法改正案におきましても、コンセッション事業者が水道法に違反した場合に、厚生労働大臣は運営権を設定した地方自治体に対して運営権の取消しを要求するということとされております。その事業者が値上げをするしないというのがどういう事由になるか、それで、どういう事業内容が履行されているのかされていないとかということは大きなポイントになると思います。
 今申し上げましたが、コンセッション事業者の帰責事由により地方自治体から契約を解消する場合は、地方自治体からコンセッション事業者に違約金又は損害賠償金の支払を求め、コンセッション事業者が自治体に違約金又は損害賠償金を支払うということになりますし、一方、自治体の自己都合というか、自治体は給水義務を負っておりますので、自治体から特に理由がないのに自己都合で一方的に契約を解消するということはあり得ないことだとは思いますが、仮に、一般的に地方自治体がコンセッション事業者に対して自己都合で契約解消するという場合には補償金を支払うというようなことも想定されるところでございます。
 こうした解約時の損害賠償金の扱いにつきましては、内閣府の方の契約に関するガイドラインの中で、PFI事業契約における留意事項につきまして示されているところでございます。
#233
○福島みずほ君 いずれにしろ、訴訟リスクも抱えるわけですし、自治体にとっては大変ですよね。それから、まさに大混乱になる場合もあると。非常にリスクが高いというふうに思います。また、モニタリングといっても、人材がいなければ、十年、十五年、二十年、二十五年、五十年たてばもうモニタリングをチェックする人が自治体に存在できるのかというふうにも思っています。
 厚生労働大臣が作るガイドラインですが、その民間会社は、役員報酬や株主配当や、どこをちゃんと補修したかや税金幾ら払っているか明らかにするということも是非ガイドラインに盛り込んでください。透明性を高めなければ安心できませんし、情報開示を厚生労働大臣が進めるというか担保するという形でガイドラインを作ってくださるよう強く申し上げます。
 私自身はコンセッションは削除すべきだというのは申し上げたとおりですが、そういう意味では情報開示の担保が必要だということを申し上げ、質問を終わります。
 ありがとうございます。
#234
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 今日、参考人のお話を伺いながら、私も改めていろいろ考えてみました。
 村井知事のお話は、なるほどと納得できるものがありました。やはり地域によって産業構造も違いますし、地域によってどのような今水の管理状況なのかというのも違う。もしその地域の皆様方が今回のような法案改正をしたことによってより多くのメリットが得られると考えていらっしゃるのであれば、私はその門戸の一つというものを開くというものも手ではないかなというふうに思います。みんながみんなこれを全国で一律でやってくれと言っているわけでもございません。
 私どもは、やっぱり国民の命に関して責任を持つ必要がございますけれども、PFI、さらにこの水道法を改正することにより公的な部分というものの関与が強められるわけです。ということは、地方議会の皆様方だってその地域の皆様方の命を預かっているわけですから、その地域の皆様方にとってメリットがないことはもちろん導入しないですよね、手も挙げないですよね。ですから、しっかり我々はここで議論をしながら、どういう懸念事項があるのかということを更に詰めていきながら、地方議会の皆様方にとっても分かりやすくその議論というものを見せていく必要があるかと思っております。
 ですから、改めて確認をさせていただきたいんです。この上水道に対するPFIの実施というもの、もう既にこのPFIはコンセッション方式を含めて実施できるんですよねというところでございます。審議官、いかがでいらっしゃいますでしょうか。お願い申し上げます。
#235
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 PFIの一類型でございますコンセッション方式につきましては、平成二十三年のPFI法改正により導入された方式でございまして、現行水道法におきましても、地方自治体が水道事業の認可を返上した上で民間事業者が新たに認可を受けることにより導入することは可能となっております。
#236
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですよね。返上した上で導入するということですから、私は今のままでいくと余計リスクが高いんではないのかなと思うんです。
 今回の水道法の改正を行わずに、もしそういう方法を導入したいという地域が現れた場合にはどのようなデメリットというものが想定されるのかを教えていただけますか。
#237
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 今の状態で、地方自治体が水道法上、水道事業に関与しない形態というふうになってしまいますと、例えば不測のリスクが発生したときの対応等について地方公共団体が責任を負わないというような形も想定されますので、住民の不安感が解消しにくいというようなデメリットがあるかと思います。
#238
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 先ほどからの議論を聞いていると、民営化すると水道料金が上がるということのような感じで私も聞こえてくるんですけれども、さきの村井知事の話でも、いや、違うと。民営化した方がもしかしたら効率化できて水道料金が下がる可能性がある。かつもう既に老朽化、耐震化、もうこれが遅れている。それをどうやって、じゃ、改修していくのかということは、水道料金を上げなきゃいけないというふうに先ほど御説明もいただいたところです。
 ということは、既に、私どもとしては、そういうリスクを回避するためにどのような形で、先ほどプレゼンいただきましたように、水資源全体を考えて、この水道というだけではなく、上水から工業用水、下水一体で水資源をこの地域でどうやって運営していくんだと、もっと広い考え方で臨まなければならない。私もまさにそのとおりだと思いました。
 既に、この民間連携というものを考え、コンセッション方式の採用を要望している自治体というものもあると先ほどもお答えいただきましたけれども、私が資料一に準備しておりますこの六自治体ということでお間違いないですか。審議官、お願い申し上げます。
#239
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 改めて明示的に読み上げさせていただきますと、宮城県、それから宮城県の村田町、静岡県浜松市、静岡県伊豆の国市、大阪市、奈良市において資産評価等に着手するなど、コンセッション方式導入の具体化に取り組んでいると承知しております。
#240
○薬師寺みちよ君 今取り組んでいるというこの現状の中で、宮城県からは、法案を改正して、もっと安全に安心して取り組めるような体制を構築してほしいという先ほどは要望であったかと思いますけれども、私の認識に違いはないでしょうか。審議官、お願いできますか。
#241
○政府参考人(宮嵜雅則君) 議員の御指摘のとおりというふうに我々捉えております。
#242
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 では、下水道に関するPFI、どのようなものが現在実施されているのか、国交省の方からお話しいただけますか。
#243
○政府参考人(森岡泰裕君) お答えをいたします。
 委員配付資料にも記載がありますように、コンセッション方式によるPFI事業につきましては、今年の四月から浜松市において、下水道分野で国内初となる事業が運営開始をしております。
 コンセッション方式以外のPFI事業につきましては、全国の七の地方公共団体において、下水汚泥の利活用事業を中心に十一件が実施をされております。このうち、例えば東京都森ケ崎水再生センターにおきましては、下水汚泥から生じるメタンガスを燃料とする発電施設の設計、建設、維持管理を行う事業が実施されておるというところでございます。
#244
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 いわゆる下水道においては既にそのような形で、水というだけではなく汚泥を利用して、それを再活性化させたことによって収益が得られるというふうに私理解しておりますが、いかがでいらっしゃいますか。
#245
○政府参考人(森岡泰裕君) お答えをいたします。
 先ほど申し上げましたように、コンセッション方式以外で、下水汚泥の利活用事業を中心に、いわゆるサービス購入型というPFI事業が実施されております。こういった各事業において、バリュー・フォー・マネーといいましょうか、従来のやり方に比べて効率的な事業が実施されているというふうに認識をしております。
#246
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 そうですよね。先ほど足立先生からもお話があったかと思いますけど、上水というだけではなく、水資源一体として考えれば様々なアイデアがその中に私は生まれてくるかもしれないと思っているんです。
 ですから、この間から議論をしているように、水の流れの中の一部分だけ取り上げてしまうと大変何か誤解を生んでしまうかもしれませんけれども、上水から今度下水に至るまで、またそれが再生されるというこの水の循環というものを考えれば、私は、その流れの中で、様々企業努力の中で収益を得ることもできる。であれば、水ということが、値段が跳ね上がるだろう、質が悪くなるだろうということではなく、もっと企業の皆様方からもそういう御提案をいただきながらということであれば、地方議会でも、いわゆる水の循環の中で、自分たちの地域がそれを必要とするというもので受け入れられる私は可能性もあるのではないかなというふうに考えているところでございます。
 内閣府の方でも様々な今研究なさっているというものを福島先生の方でも御答弁いただいたところでございますけれども、先ほど参考人の皆様方にもお伺いをいたしました。このコンセッション方式、ちょっと長期契約だなというところで、その中でタイムリーに変化をしていかなければならないような事項も生まれてくるでしょう。しかし、水事業に限らないかもしれませんけれども、このコンセッション方式によってトレードオフ等どのように想定されるのか、タイムリーに変化していくということが果たして可能なのかどうなのか、教えていただけますか。
#247
○政府参考人(石川卓弥君) お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、コンセッション事業というのは十年を超えるような長期契約が多く、事業期間中は需要変動リスクですとか経営リスク等様々なリスクがあり得るものでございますし、社会情勢の変化等により当初の契約の内容をやむを得ず変更する事態もあり得ると考えております。
 このため、PFI法の基本方針や公共施設等運営権ガイドライン、リスク分担ガイドライン等に沿って、様々なリスクの管理に関しまして、事業者、行政、金融機関等の関係者の間であらかじめ十分な検討がなされた上で実施契約を締結することにより、変化に適切に対応できるよう求めております。
 さらに、不測の事態が生じないよう、管理者などが事業者に対し経営状況などについて適切にモニタリングを行うことについても各種ガイドラインは求めておりまして、仮に問題が生じる可能性がある場合には、管理者は事業者に対して報告、調査、指示などができるということになっております。
 これらの対策を講じることによりましてトレードオフに適切に対応するよう、コンセッション事業の関係者に求めているところでございます。
#248
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しかし、今日いろいろ議論をお聞きいただいたように、まだまだ懸念事項というものがございます。ですから、これからガイドライン等々作成する際にも、是非我々、このようなことが懸念事項だということもお含みいただきました上で、さらに自治体の皆様方にも御迷惑が掛からない、そしてかつ、それを利用なさる国民の皆様方にも不利益が被らないようにと心掛けていただきたいと思いますけれども、いかがでいらっしゃいますか。
#249
○政府参考人(石川卓弥君) 今日参考人質疑などでいただきましたいろいろな御懸念についても、きちんと対応策がございますので、そこをきちっと情報提供してまいりたいと思っております。
#250
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 やっぱり分かりやすい形で我々としても情報提供していただきたいと思います。それがあるのであれば、しっかり示していただければ、多分このような議論の中でも更に建設的に議論が展開できるんではないかと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 このようなコンセッション方式の導入につきまして様々懸念事項が広がっているということは、これは事実でございます。もうテレビの私もニュースで見ましても、民営化かというようなところで、国民の皆様方も、今回の法案改正がなされることによって全国一律そのような制度が導入されるかもしれない、えっ、水の値段が高騰するのというような声が聞こえておりました。ですから、もう少し正しい情報を正しく出していくように私は心掛けていかなければならないかと思いますけれども、大臣、どのようなお考えをお持ちでいらっしゃいますか。
#251
○国務大臣(根本匠君) これは、まさに今回のコンセッション方式はどういうものかと、こういうことだと思います。
 繰り返しになりますが、今回の法改正で、コンセッション方式については、地方自治体が水道事業者としての位置付けを維持して引き続き水道事業の最終責任を負う、これは公の関与を強化しております。これが、諸外国でいろんな問題事案がありますけど、私は、この公の関与をしっかりしているというところが基本的に異なると思います。
 そして、PFI法に基づいて、あらかじめ自治体は実施方針や運営権設定契約の中で求める管理運営レベルやあるいは設備投資などのサービス水準を定めて、そしてきちんと日常、月次、四半期、年次モニタリングをして、もし問題があればそこで早期に問題点を指摘して改善できる。さらに、厚生労働大臣は、地方自治体の、そういうモニタリング体制ができるかと、そこを確認した上で運営権の設定を許可します。さらに、厚生労働省が直接報告徴収、立入検査をする。
 いろんな御懸念のお話がありましたが、それに対して、そういうことを踏まえて我々はきちんとしたコンセッション方式の手だて、備え、これをしておりますし、料金についても、あらかじめ条例で料金の枠組みを定めますから、料金の範囲内でしか料金は設定できないというふうに歯止めを掛けております。
 そして、今まさにおっしゃられたように、コンセッション方式というのは、全ての水道事業でやれと言っているわけではなくて、あくまでも、今までも官民連携を推進してきました、その官民連携の推進の一つとして、民間ならではの経営ノウハウや高い技術力を効果的に活用する有効な選択肢の一つとして提示したものでありまして、これはそれぞれの自治体が、必要だと思われる自治体がこの制度を採用していただくと。
 我々の思いは、水道事業、深刻な課題に直面していますから、将来にわたって安全な水をいかに安定的に供給するか、そういう観点からの必要な制度改正であって、委員が御指摘のように、国民の理解が得られるように、しっかりとその内容や必要性について説明していきたいと思います。
#252
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 結局、この水道法改正ということではなく、PFI法を改正しまして、しっかりここの水道部分を取り除かない限り、私は懸念が残っていくことになると思います。
 ですから、そのような形で公的な関与が強化されるということは、村井知事おっしゃられるように、我々としても、必要としているというのであれば、その選択肢の一つとして準備をしてさしあげたいというふうには思っております。
 また、なかなかこれ議論が及んでいないところなんですけれども、平成八年の水道法改正におきまして給水装置工事主任技術者というものを国家資格化していらっしゃいますけれども、国家資格化によってその主任技術者の能力、資質というものは向上したんでしょうか。審議官、教えていただけますか。
#253
○政府参考人(宮嵜雅則君) お答え申し上げます。
 平成八年の水道法改正によりまして国家資格化が設けられる以前は、各水道事業者が独自に給水装置工事に必要な技術者の要件を設定しておりました。
 給水装置工事主任技術者の国家試験につきましては、これを受験するためには給水装置工事に関する三年以上の実務経験を必要としており、試験の合格率も例年三割程度であって、決して容易なものではございません。
 これらのことから、国家資格化により、主任技術者に求められる一定の水準の能力や資質が確保されることになったというふうに考えております。
#254
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 主管までは安全に水が来る、そこまでは確保されたとしても、そこから家の中に引き込むときに、これは危険なことが起こっていることも実は分かっております。
 資料二にお配りいたしておりますけれども、実は様々違反行為というものも横行している。これが平成二十七年度の結果でございますけれども、千七百件も起こっているんですよね。こういうことでは、決して国民の皆様方に安全に水を使用していただくという状態にはなっておりません。
 主任技術者の技術者証というものは有効期限が十年だということでございます。資格それ自体は終身有効であるということで、違反行為としても、このようにクロスコネクションというものであったり、基準が不適合のようなものを使用して、どう考えてもこれは技術が不足しているであろうという事例もございます。
 今回の法案にも盛り込まれた事業者の更新制度というだけではなく、やっぱり新しい技術をしっかりと身に付けていただくためにも、主任技術者の更新講習制度というものも私は検討すべきではないかと思いますけれども、大臣、御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#255
○国務大臣(根本匠君) 確かに、資格自体は、一度資格をクリアするとこれはずっと続きます。ただ、やはり常に資格を持っている方も技術力の向上や維持向上、これは、私は自ら是非やってもらいたいと思います。
 関係団体においては、e―ラーニングなどの方法によって任意で講習が実施されておりますが、実は、ちょっと受講率が低い状況となっております。我々としては、まずは関係団体と連携しながら、現在任意で行われているe―ラーニングなどの講習の更なる普及推進を検討して、主任技術者の資質の維持向上を図っていきたいと思います。
#256
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 しっかり、私は安心、安全な水というものを、蛇口ひねったら出てくるところまで責任は持っていただきたいと思います。そうでなければ、クロスコネクションって実は危ないですよね。全く、汚泥が出てきてしまうというようなことが水道、水ひねったら起こってしまうようでは、どんなに上水から主管のところまで安全性担保したとしても意味がございません。
 ですから、皆様方にも、どんどん新しい素材なども出てきますので、更新をした上で、安全、安心にやはり水が提供できるような体制を構築するのに御協力、協会の方にも再度私は大臣にお願いしてほしいと思います。
 そろそろ時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
#257
○委員長(石田昌宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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