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2018/12/06 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 厚生労働委員会 第8号
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2018/12/06 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 厚生労働委員会 第8号

#1
第197回国会 厚生労働委員会 第8号
平成三十年十二月六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         石田 昌宏君
    理 事
                自見はなこ君
                島村  大君
                そのだ修光君
                山本 香苗君
                川合 孝典君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                木村 義雄君
                高階恵美子君
                鶴保 庸介君
                馬場 成志君
                藤井 基之君
                宮島 喜文君
                河野 義博君
                宮崎  勝君
                石橋 通宏君
                川田 龍平君
                足立 信也君
                礒崎 哲史君
                倉林 明子君
                東   徹君
                福島みずほ君
               薬師寺みちよ君
   衆議院議員
       厚生労働委員長  冨岡  勉君
   国務大臣
       厚生労働大臣   根本  匠君
   副大臣
       文部科学副大臣  浮島 智子君
       厚生労働副大臣  大口 善徳君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  門山 宏哲君
       厚生労働大臣政
       務官       新谷 正義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉岡 成子君
   政府参考人
       人事院事務総局
       人材局審議官   嶋田 博子君
       内閣府大臣官房
       審議官      渡邉  清君
       内閣府規制改革
       推進室次長    窪田  修君
       内閣府子ども・
       子育て本部審議
       官        川又 竹男君
       復興庁統括官   黒田 憲司君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       外務大臣官房審
       議官       大鷹 正人君
       財務省理財局次
       長        富山 一成君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       スポーツ庁審議
       官        藤江 陽子君
       厚生労働大臣官
       房総括審議官   土生 栄二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     佐原 康之君
       厚生労働大臣官
       房審議官     八神 敦雄君
       厚生労働省医政
       局長       吉田  学君
       厚生労働省健康
       局長       宇都宮 啓君
       厚生労働省医薬
       ・生活衛生局長  宮本 真司君
       厚生労働省労働
       基準局長     坂口  卓君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       椎葉 茂樹君
       厚生労働省職業
       安定局長     土屋 喜久君
       厚生労働省子ど
       も家庭局長    浜谷 浩樹君
       厚生労働省社会
       ・援護局長    谷内  繁君
       厚生労働省老健
       局長       大島 一博君
       厚生労働省保険
       局長       樽見 英樹君
       厚生労働省年金
       局長       木下 賢志君
       厚生労働省人材
       開発統括官    吉本 明子君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○社会保障及び労働問題等に関する調査
 (新たな外国人材の受入れに係る諸課題に関す
 る件)
 (外国人技能実習制度の問題点に関する件)
 (性感染症予防策の普及啓発に関する件)
 (公務部門における障害者雇用問題に関する件
 )
 (旧軍用墓地の管理に関する件)
 (訪問リハビリテーション事業における医師の
 診療要件に関する件)
 (児童虐待防止対策に関する件)
 (ゲノム医療に対する規制の在り方に関する件
 )
 (移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進
 に関する法律の一部を改正する法律案に関する
 件)
 (健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓
 病その他の循環器病に係る対策に関する基本法
 案に関する件)
〇成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦
 に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供する
 ための施策の総合的な推進に関する法律案(衆
 議院提出)
    ─────────────
#2
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働大臣官房総括審議官土生栄二君外二十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(石田昌宏君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 今日は一般質疑ということで質問させていただきたいと思いますけれども、今日、まずとりわけ入管法の問題について、今日、法務委員会の方でもこの後議論が行われると聞いておりますけれども、我々、ずっと連合審査、合同審査を要求してまいりました。
 今回の外国人労働者の問題、技能実習制度の問題もそうですが、これ厚生労働省所管の部分が非常に多く、多岐にわたる。まさにこの厚生労働委員会でこそ議論すべきことがたくさんあるわけです。本来、ここでしっかりと集中審議、連合審査やるべきなんです。これは重ねて、まだ遅くはありません、与党の皆さんにも、連合審査ちゃんとやろうと、これ是非皆さんからも言ってください。ここでこそやるべきだということは重ねてこれ要求しておきたいと思いますので、これ是非、引き続き、筆頭間協議いただいていると思いますが、委員長、もう一度これはお取り計らいお願いします。
#6
○委員長(石田昌宏君) ただいま理事会の協議の案件となっております。
#7
○石橋通宏君 その上で、今日、門山政務官、済みません、忙しいところ来ていただきまして、ありがとうございました。
 まず冒頭、政務官、ちょっと通告外ですが、確認したいんです。我々立憲民主党はもう一か月以上前に七十三項目にわたる法案の問題点、懸念点、質問事項を法務省担当に投げました。いまだに半分以上返ってきていません、回答が。何なんでしょう、これ。国会で、立法府で、我々、法案出された、その内容について質問出した、その半分についていまだに、この期に及んでも質問事項が、説明が返ってこない。これ、立法府軽視じゃないですか。政務官、是非、なぜ半分にわたって質問事項に対する回答が返らないのか、説明してください。
#8
○大臣政務官(門山宏哲君) 今委員の御指摘の点につきましては、法務委員会その他の点で可能な限り丁寧に説明させていただいているということで、御理解いただければと思います。
#9
○石橋通宏君 全く理解できませんよ。政務官、それ事実としてどう思われますか、政務を担っている立場で。国会の求め、各党の求め、これ真摯に対応するのが政府の役目でしょう。それに対して、出せない。まさか、自民党に対しては説明しているけど野党に対しては説明していない、そんな事態があったらゆゆしき問題ですよ、政務官。
 これ改めて、政務官の責任において、法務省にちゃんと、法案採決まだまだだと思っておりますが、ちゃんと我々に対して質問返す約束してください。
#10
○大臣政務官(門山宏哲君) 法務省といたしましては、与党、野党を問わず、国会審議の中で誠実に答弁するように努めてまいりたいと思います。
#11
○石橋通宏君 国会審議で、委員会でちゃんと説明するのは当たり前です。そのために我々は、各党それぞれ議論しているわけです、党内で。それに対して説明責任を果たしてほしいと言っているんです。果たしてください。
#12
○大臣政務官(門山宏哲君) 繰り返しになりますけれど、本当、与野党問わず、しっかりとこの国会の中で説明していきたいと思います。
#13
○石橋通宏君 これ、隠蔽だよ。ちゃんと説明責任を果たす。いや、我々に対してちゃんと説明責任果たしてください。政務官、そんな答弁ここでしちゃっていいんですか。我々のその要求に答えられないというんですか、じゃ。それで国会、立法府成り立つんですか、政務官。ここで約束してください。ちゃんと真摯に対応する、質問事項を返す。政務官、約束してください。
#14
○大臣政務官(門山宏哲君) 法務省といたしましては、先生方の質問に対しては、この国会の中で可能な限り丁寧に説明していきたい、そのように考えております。
#15
○石橋通宏君 これ深刻ですね、こんな答弁。いや、与党の皆さん、こんな答弁許していいんですか。各党からの誠実な要求に対して答えられないと今政務官はおっしゃっているんですね。あんたたちの要求には答えない。まあ委員会で答弁しているからそれ聞いておけということですか、政務官。そういうふうにおっしゃっているんだとすれば、与党の皆さん、それ看過できるんですか、そんな答弁。
 政務官、そういうふうにおっしゃっているんですか。これゆゆしき問題だと思いますよ、政務官。ちゃんと各党からの求めにおいても、与党、野党関係なくお答えします、そうでしょう、政務官。ちゃんとそれ、ここで言ってもらわないと困りますよ、政務官。
#16
○大臣政務官(門山宏哲君) 法務省といたしましては、お答えできる内容については可能な限り誠実に回答させていただくということで、御理解いただければと思います。
#17
○石橋通宏君 これ、こればっかりやるわけにいかないですけど、お答えできる内容については答えている。じゃ、回答返ってきていないことについてはお答えできません、回答がありません、それをこの場で認められたというふうに理解をします。今、政務官、そういう答弁ですね。
 これも大変なことですね。もう与党は審議を終えようと何か画策をされているようですが、半分以上質問が返ってこない、答えられないというのを今お認めになった。そんな状況で何で法案の終局ができるんですか。これ、政務官、今お認めになったのとイコールですよ。このことを、改めて、政務官、この場でそういうふうにお答えになったこと、これは記録に残りますからね。その上で、出口なんかあり得ないということを申し上げておきたいと思います。
 今回、大問題になっている個票の問題です。技能実習生の聴き取りの問題。我々の集計で何と六七%、約七割の皆さんが最賃割れだった。
 すごく大問題だと思うのは、政務官、何やっていたんですか、法務省は。これだけの事実が平成二十九年度の個票でも明らかになっていた。法務省は何もやっていなかった。これ、政務官、お認めになるんでしょう。このこれだけの最賃割れ、そして長時間労働、過労死ラインを超えたのが一〇%以上もおられた。こんな労働法令違反がまざまざと見せ付けられていて、法務省はそれを放っておいた、何にもしなかった、そういうことですね。
#18
○大臣政務官(門山宏哲君) この技能実習の御指摘の実態については、旧制度下に関わるものであるとはいえ、技能実習制度の根幹に関わる問題であると認識しているところでございます。
 今回の平成二十九年度の聴取票の取りまとめ結果に表れているような旧技能実習制度下における問題点等も踏まえ、現在、新たな技能実習制度の下、外国人技能実習機構を設け、機構による技能実習生からの相談受付体制や転籍支援体制の整備や、監理団体を許可制にし、監理団体に対して受入れ機関に対する適正な監査や技能実習生の面談を義務付けたほか、人権侵害規定や罰則も整備し、技能実習制度の適正化及び失踪防止に努めているところでございます。
 特に、技能実習生に関する報酬の点につきましては、旧制度の下で浮かび上がった問題点や様々な御指摘を踏まえ、新法において、技能実習は労働力の需給の調整の手段とは行われないことを明記したほか、日本人と同等報酬要件も定めたほか、その適正な運用が担保されるよう、監理団体許可制、技能実習計画の認定制、外国人技能実習機構による実地検査など、種々の方策を取るとしたところであり、適切な運用による状況の改善を期待しているところでございます。
 このような新制度の下において、不適切な事案に対しては、こうした新しい技能実習制度の下での方策を実効的に実施し、これを通じて、違法、不当な行為等が判明すれば、技能実習計画の取消しも含めて適切に対応したいと考えております。
 とはいえ、単に運用を見守るだけではなく、運用の改善すべき点は積極的に改善するべきであると考えており、今般設置されましたプロジェクトチームにおいては、技能実習制度に関する様々な論点を整理し、平成二十九年十一月に施行された現行の新しい技能実習制度の下で改善が見られるかどうかも見据えつつ、実際の運用も踏まえながら、運用上の改善策についてしっかりと検討していきたいと考えております。
#19
○石橋通宏君 これ、委員長、是非指導してください。
 政務官、ここ厚生労働委員会だ。ちゃんと質問者の質問に的確に答えてください、政務官、いいですか。関係ない答弁ずらずらずらずら時間稼ぎしないでください。ここはそういう場じゃないんだ。分かりますか、政務官。
 私が聞いているのは、平成二十九年の二千八百七十の個票、そこにこれだけ労働法令違反あるじゃないか、放っとったんですかって聞いているんだ。何をやったんだ。偽造だけして、それを放っておいた、そういうことですかと聞いている。今ずらずらずらずら、ああやります、できていないから我々は問題だと言っている。何やっていたんですか、できていないじゃないですか。
 できていないんですね。やっていなかったんですね。そのことをまず真摯にここで謝ってください。
#20
○大臣政務官(門山宏哲君) 委員御指摘のように、専ら技能実習生の申出に基づくものとはいえ、六割余りの技能実習生が最低賃金以下であったことをうかがわせる状況を申し出ていたとの分析結果については重く受け止めているところでございます。
 ただ、聴取票の公開を受けた失踪技能実習生が最低賃金以下であったかどうかについては、根拠となる資料の提出を求めておらず、反面調査も行っていないため、本人が供述する賃金が額面どおり、額面を意味するものなのか、それとも実際に受け取った手取りの金額なのかも判然とせず、必ずしも聴取票に記載されている月額給与を労働時間で割って算出できるものではないと考えております。
 一方、法務省が示した数値は、月額給与や労働時間から算出したものではなく、技能実習生からの聴き取りを行う中で失踪動機を尋ねた際に低賃金を挙げた人数を書いたものでございます。
 その上で、一般論として申し上げるならば、法務省においては、聴取票に係る調査を含む一連の違反調査により労働関係法令違反の端緒を把握した場合には、その情報の信憑性や確度も勘案しつつ必要な調査を行うほか、労働基準監督署への通報を行うこととしているわけでございます。
 また、今回の聴取対象となった技能実習生は、旧制度下のものではあれ、昨年十一月から示された新制度下、機構において既に三千七百回の実地調査を行うなど、受入れ企業の適正化に取り組んでいるところでございます。
#21
○石橋通宏君 法務大臣が、反面調査やっていなかった、問題だ、遺憾だ、言っているでしょうが、政務官。何でそれ、あなたはここで答弁しないんですか。何のために失踪技能実習生の聴き取りやっているんですか。
 法務省は、二度と失踪を繰り返さないために、原因を究明するためにって言っているじゃないですか。原因究明するためにと言っておいて、その事実を放置しておいて、何ですか、それは。そういう法務省の姿勢、態度が技能実習生を人として扱っていない証左じゃないかと、そういうことですよ、政務官。こっち見てください、政務官。そういうことでしょう。
 その真摯な反省があるんですか、ないんですか。ないんだったら、今幾らきれい事言って、新制度でちゃんとやります、誰が信用するんですか、そんなこと。できない、やっていないのに、できる、やるって言わないでください。まず、この二年、三年、やっていなかったこと、できていなかったこと、それを真摯に認めて反省しなかったら先へ行けないでしょう。政務官、そうじゃないんですか。あなたリーダーでしょう、チームの。その反省に立たなかったら前へ進みませんよ。
 政務官、前回の技能実習法、技能実習法言われるけど、あのときの国会質疑、あなた全部御覧になったんですか。この通報制度の問題は議論されているんですよ、既に。充実させるって言っているんですよ、法務省はそのときに。同じ答弁をあなた今繰り返しているだけだ。何もやっていないじゃないか、法務省は。
 政務官、あなた技能実習生に謝るべきだ。本来ならば、それをしっかりやっていれば繰り返さないことができたかもしれない、防げたかもしれない。それをあなたやらないから、二千八百七十名、失踪者、あれだけの、七割近くの最賃割れが出た。発生させたのは法務省だ。
 政務官、それだけ答えてください。あなた、その責任感じていらっしゃいますか。
#22
○大臣政務官(門山宏哲君) 委員御指摘のように、今回問題となっている聴取票の調査の在り方について、本当にこの聴取方法や記載の方法について統一した指針もない上に、さらに反面調査を行うなどして実態をした結果を記載する性質のものでなかったという点につきましては、調査の在り方として極めて不十分であったということの先生の御指摘は、本当に真摯に受け止めてまいりたいというふうに考えております。
#23
○石橋通宏君 さっきからその最後の答弁をしてくれればもっと早く先に行けるのに、何なんですか、関係ない答弁ばっかりされて。
 謝るべきは我々にじゃありません。重ねて申し上げます。被害に遭われた技能実習生。
 根本大臣、昨日、山井議員の、衆議院の厚生労働委員会、未払の賃金全部ちゃんと払わせると、一般論だと何度も繰り返されるけれども、これ、一般論でも事実です。もしそれが調査の結果明らかになれば、未払賃金、もう既に母国にお帰りになった実習生でも払わせるとおっしゃいましたね、時効以内かもしれませんが。これ重ねて、これは大臣昨日答弁されていますから、ここでも確認答弁求めたいと思います。これ必ずやらせるということでよろしいですね。
#24
○国務大臣(根本匠君) 今回の技能実習生の聴き取り票、法務省の方で門山政務官がプロジェクトチームのリーダーで今徹底した調査をしていると聞いております。そして、その内容が明らかになった上で、厚生労働省の方に報告があると思います。我々それを見てきちんと、労働法令違反かどうかをしっかりと確認して、そして必要な是正勧告をする。
 要は、失踪者を含めた技能実習生の労働条件を確認した結果、賃金が支払われていないことを確認した場合、これは実習実施者に対して未払の賃金を支払うように是正勧告をいたします。よろしいですか。それでよろしい。是正勧告します。だから、是正勧告をしますから、その実習実施者はきちんとその賃金を、我々は是正勧告するわけですから、それは当然支払うべきものと考えています。
#25
○石橋通宏君 じゃ、その是正勧告に従わない事業者、関係者、一切、今後、外国人労働者、技能実習生、受け入れさせない、そういうことでよろしいですね。
#26
○国務大臣(根本匠君) これは労働法令違反になりますから、それは、技能実習適正化法、そこで受入れをできなくなるということになります。
#27
○石橋通宏君 これ、新法で特定技能も受入れできませんね、労働法令違反だから。
#28
○大臣政務官(門山宏哲君) 過去に一定数の行方不明を出している場合とか労働法違反により刑罰を科せられたことのある者は受入れ機関とはなることができないということを予定しております。
#29
○石橋通宏君 これ大事なところ。だから徹底してやってくださいとお願いしているわけだ。
 資料の一にお配りしておりますけれども、これ、通報、たった四十四件なんですよ。皆さん、たった四十四件です。あの失踪者の個票だけで二千八百七十ある。二千近くが最賃割れ、我々の集計では。なのに、入管から労働局への通報、たった四十四件です、大臣、政務官。こんな実態でちゃんとやりますと言って、誰が信用できるんですか。だから我々は問題だと言っている。徹底的にやっていただく。失踪者の個票の再チェックだけではありません。その他の事例も、技能実習生から上げられた様々な声、全部精査して対応して、未払賃金必ず払わせる、指導する。払わなかったら、新しいこの法案の提案でも絶対に今後外国人労働者、技能実習生、受入れはさせないんだ、徹底していただきたい。それは先ほど答弁いただきました。確認をお願いしたいと思います。
 その上で、日本人と同等報酬、先ほど来答弁あります。繰り返し言われるんだけれども、これ本会議で私の質問に対して安倍総理は、日本人と同等額以上の報酬を支払う義務が法律に書いていない、この事実に対して、差別的取扱いの禁止を入れているのでその中に入っていますと言われます。さらには、管理庁が厳格な審査を書面で徹底すると言われています。
 びっくりする話ですが、政務官、五年間で三十四万人ですね、それ以上になるかもしれない。それ一人一人全部証拠書類を出させて、入管庁の担当がこれ全部、日本人と同等の賃金以上が保障されているのか、一体日本人に幾ら払われているのか、全部チェックするんですね。
#30
○大臣政務官(門山宏哲君) 出入国在留管理庁による審査でございますけれど、新設予定の出入国在留管理庁が、入国、在留の審査において、受入れ機関に対し、特定技能外国人の報酬の額が同等の業務に従事する日本人と同等額以上であることを示したその書面の提出等を求めるなど、厳格な審査を実施することを予定しています。
 また、定期的な届出により報酬の同等性が維持されていることを確認するほか、受入れ機関に行う随時の調査、指導、改善命令等を通じて的確な管理を徹底することにより、日本人と同等以上の報酬の実効性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
#31
○石橋通宏君 政務官、何度も済みません、質問に答えてください。それはもう総理が答弁されている話を繰り返されているだけだ。
 私が聞いているのは、入管庁、できるんですか。書面全部出させるんでしょう、一人一人、同等の賃金が保障されているか。じゃ、日本人に幾ら払われているか書面でチェックする、それが妥当な賃金なのか、本当にそれが払われているのか、三十四万人分、入管庁、一人一人全部チェックできるんですかと聞いているんです。
#32
○大臣政務官(門山宏哲君) 具体的に言いますと、賃金規定がある場合については賃金規定に基づいて判断することになりますし、あるいは、賃金規定がなくて比較対象の日本人がいる場合には、特定技能外国人と同等の業務をしている労働者がいるんならば、その日本人労働者と比較して報酬の同等性を判断するという構造になっています。
 また、同等の業務に従事する日本人はいないけれど、特定技能外国人が従事する業務と近い業務等を担う、業務に従事する日本人労働者がいる場合には、当該日本人労働者の役職や責任の程度について特定技能外国人との差が合理的に説明され、年齢及び経験年数を比較してもなお報酬額が妥当かどうかを検討して判断することになりますし、賃金規定もなく、また比較の対象の日本人がいないような場合においては、雇用契約書記載の報酬額と当局が保有している近隣同業他社における同等業務に従事する同等程度の経験を有する特定技能外国人の報酬額を比較するということによって、同等基準を判断をさせていただきたいというふうに考えております。
#33
○石橋通宏君 政務官、私が聞いているのは、そんなことを入管庁の職員ができるんですかと。
 じゃ、それ、誰が何人でやるんですか。政務官、そんな専門性を入管庁の職員が持っているんですか。そんな妥当性を判断できるんですか、入管庁の職員が。何人体制でやるのか教えてくださいよ、政務官。
#34
○大臣政務官(門山宏哲君) 委員御指摘の御懸念の点も踏まえて、新設する管理庁において適正な運用を行えるように努力してまいります。(発言する者あり)
#35
○石橋通宏君 今まで全然できなかったから今こういう問題があるんでしょう、政務官。与党の皆さんから、できるわけないってやじが飛んでいる。できるわけないでしょう、政務官。与党の皆さんができるわけないって言っているんだから。政務官、聞いていらっしゃいますか。そんないいかげんなことで、言葉だけで、日本人と同等の処遇を確保します、できっこないです。いいかげんなこと言わないでください。
 同じ問題が、いや、もっとこれまで以上に人数が増えるということは、もっと深刻な問題が発生します。間違いありません。やめましょう、そんなことは。一回立ち止まって、政務官、そういうことをちゃんと手当てをしてから、過去の事例を全部精査してから、それがちゃんとできる体制を取ってから、その上でしょう、この議論をするのは。
 政務官、一旦引き取って、改めて議論し直してください。ここでそれ約束してください。
#36
○大臣政務官(門山宏哲君) この法案において、認められた場合に、法務省の外局として出入国在留管理庁を設けることとするわけでございますけれど、この業務を適切に対応するために三百十九人と、新しい出入国管理の充実強化のための二百六十六人、合わせて計五百八十五人の増員要求を行っているところでございますけれど、本法案が成立し、これらの要求が認められれば、出入国在留管理庁の体制は五千四百人を超える組織になりますので、この組織の中で適切に取り組んでまいりたいと考えております。
#37
○石橋通宏君 私の持ち時間、残念ながらこれで終わりですのでここで終わりますが、政務官、それ全部がこの今私が指摘をしている担当になるわけじゃないでしょう。何で話をはぐらかしてごまかすんですか。入官庁の全体の人数言ってどうするんですか。
 私、この問題で何人、誰がどういう形でやるのか、専門性があるのかと聞いている。一体、厚生労働省が、労働基準監督官、世界的に見ても非常に少ない人数で、それどうするんですか、入官庁で。できるわけがないじゃないですか。できるわけがないことをあたかもできるように言うから、誰にも信用されないんだ。
 政務官、そのことは改めて、この厚生労働委員会、我々みんなの、与党からも含めてのメッセージですよ。立ち止まってもう一度設計し直す、そのことを改めて要求して、私の質問終わりにさせていただきます。
 ありがとうございました。
#38
○川田龍平君 立憲民主党の川田龍平です。
 今日は、文科副大臣においでいただいていますので、先にそちらの質問、時間切れになっては申し訳ないので、先にそちらからさせていただきます。
 十二月一日は世界エイズデーで、これは、今エイズ週間ということで大臣も副大臣もレッドリボンをしていただいていますけれども、私もSDGsとこのレッドリボンのいつもバッジを付けておりますが、この十二月の二日から四日まで、大阪で日本エイズ学会が開催されました。
 保健所が、これ検査も含めて、このエイズ検査も含めて民間に委託しているという話を聞きました。結果として、これ保健所内での専門家が減少して、一人で地域の公衆衛生、エイズ以外の感染症も含めて一人で見ているというようなことになり、この感染症対策へのマンパワーが不足していると聞いています。また、検査も含めて外注に頼り始めると、検査技術や判定技術といった技術の伝承が滞り、この保健所機能の縮小につながるのではないでしょうか。未知の感染症がいつ発生するか分からない現代の状況を考えれば、既存の対策をきちんとすることが大切です。
 これ、そもそも感染症対策、自治体任せでよろしいのでしょうか。深刻な問題が起きてからでは遅いのです。国が積極的に関与すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
#39
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 保健所は地域住民の健康の保持や増進に寄与することを目的として設置されてございまして、御指摘のように、感染症対策においても、広域的、専門的かつ技術的な拠点として重要な役割を担ってございます。このため、国としても保健所の業務実施や人材育成について支援を行うことが重要と認識してございます。
 保健所の業務実施に対する支援といたしましては、例えば性感染症等に関する検査及び相談事業等を行うための特定感染症検査等事業、あるいはインフルエンザ対策等に関する普及啓発を行うための感染症予防体制整備事業、こういった事業につきまして、国として都道府県等を通じた財政的な支援を実施しているところでございます。
 また、保健所の人材育成に対する支援としては、例えば、医師や保健師等の医療人材が感染症の発生予防や正しい知識の普及等を適切に担うことができるよう、国立感染症研究所や国立保健医療科学院において自治体職員向けに研修を開講してございます。
 このほか、各自治体が行う地域の状況を踏まえた研修に対する財政的な支援も実施しているところでございます。
 引き続き、国も関与しながら、保健所において適切に感染症対策がなされるよう、保健所の機能強化を図っていく所存でございます。
#40
○川田龍平君 身近なところでは結核ですとか、それから風疹の問題も今大きくなっていますし、それから性感染症でも梅毒やクラミジアなど、本当に大変多く増えております。本当にこの対策をしっかり打っていただきたいと思いますし、そして、HIVの検査はこの保健所で無料で匿名でできることになっています。しかし、今、県やそれから政令市など保健所がありますけれども、そこで、地域住民でなければ検査できないというようなこともこれ保健所が答えてしまっているようなこともありますので、そうではなくて、しっかり感染症対策、しっかりこれはもう全ての人に感染症対策として打てるようにしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、性教育について、これ中学校の学習指導要領においていまだ歯止め規定が存在し、性交については教えてはならないと解釈をされています。その結果として、エイズの主な感染経路が性的接触であると教えられても、そもそも性的接触とは何か、そのリスクや意味を十分に理解することができないことが現実に起こっているわけです。
 私としては、これしっかりと小学校も含めてきちんと教えるべきではないかと考えますが、文科省の見解を教えてください。
#41
○副大臣(浮島智子君) 川田委員にお答え申し上げます。
 中学校の学習指導要領において内容の範囲や程度等を示す事項は、全ての生徒に対して指導するものとする内容の範囲や程度等を示したものでございまして、学校において特に必要がある場合には、各教科等の目標や内容の趣旨を逸脱したり生徒に過重にならないようにするような配慮をした上で指導することができる旨定められているところでございます。
 また、このように、いわゆる歯止め規定とは、発展的な内容を教えてはならないという趣旨ではなくて、全ての子供に共通に指導するべき事項ではないという趣旨でございます。
 また、性に関する指導に当たっては、個々の生徒間で発達の段階の差異等も大きいことから、一つ目に学校全体で共通理解を図ること、そして、二つ目には保護者の理解をしっかり得ることを配慮する、その上で、集団で一律に指導する内容と個々の生徒の抱えている問題に応じ個別に指導する内容を区別して指導することが必要であると考えられるものでございまして、委員御指摘の当該規定が中学校の学習指導要領に位置付けられていることは、特段不合理であるとは考えていません。
#42
○川田龍平君 これは体の変化とかそういうことではなくて、この個人差というのは、自分で気付かずに問題化する前に教えるべきではないでしょうか。
 現在、セックスや性交という言葉を知る時期の九割は中学生以下であり、個人差は少ないのではないかと思います。また、昨今は保護者の理解も進んでいることを考えると、質問主意書の答弁にあったように、政府としては、予期せぬ妊娠に悩む女性を減らすためには避妊等に関する正しい知識を身に付けることも重要であると考えているのであれば、やはりこれは、性教育を遅くとも中学生までに行うべきではないかと思います。
 性教育について、足立議員もこの前主張されておりました。知ろうとしないのは自己の怠慢かもしれませんが、教えないのは国家の罪であると。積極的な答弁、是非お願いできないかと思います。性感染症の二次感染者も増えていますので、この増えないための第一歩はやっぱり教育ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(下間康行君) お答え申し上げます。
 学校における性に関する指導の考え方についてでございますけれども、ただいま副大臣からもお答え申し上げましたとおり、学習指導要領に基づき、児童生徒に、性に関し正しく理解し適切に行動が取れるようにすることを目的に実施するものでございます。
 体育科、保健体育科、特別活動を始めとして、学校教育活動全体を通じて指導することとしてございますが、指導に当たっては、発達段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることに配慮いたしますとともに、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の抱える問題に応じ個別に指導する内容を区別して指導することとしているところでございます。
 文部科学省では、これらのことを踏まえまして、学校における性に関する指導の充実が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
#44
○川田龍平君 この性教育のためのユネスコ、ユニセフガイダンスについて、ユネスコを始めとする国連機関によって作成されたインターナショナル・テクニカル・ガイダンス・オン・セクシュアリティー・エデュケーションという性教育のガイダンスがあります。現在は新版になっています。日本でも、これは富山市や秋田県などで医師らの努力によって積極的な性教育を行い、十代の人工妊娠中絶数が劇的に、これは三分の一に減少したと聞いています。
 このように有用性があると実証されているこの性教育ガイダンスを使って積極的な性教育を行うべきと思いますが、少なくとも、これ日本語版が出版されていない現状を考えると、せめて日本語訳を作るべきと考えますが、文科省の考えはいかがでしょうか。
#45
○副大臣(浮島智子君) 性に関する指導に対する価値観は国によって異なるものでございまして、御指摘のこのガイダンスの有用性を含めまして、学校における性に関する指導の在り方について慎重に検討していくことが重要であると考えているところでございます。
#46
○川田龍平君 このガイダンス、これは是非、ユネスコやユニセフが関わっているというんですが、これらの国際機関に対して日本政府は巨額の分担金を拠出しています。また日本国民は多くの寄附をしていると理解していますが、できれば日本政府としてこれ日本語版を作るように要請してみてはどうかと思いますが、文科省、これはいかがにお考えでしょうか。
#47
○副大臣(浮島智子君) ユネスコにおきましてのこの文書でございますけれど、基本的には国連公用語である英語、フランス語、スペイン語、ロシア語、中国語、そしてアラビア語の六か国語によって作成されているところでございます。日本語版の作成は行われていないものと承知しているところでございます。
#48
○川田龍平君 是非これ日本語版作っていただきたいと思いますが、文科省、いかがでしょうか。
#49
○副大臣(浮島智子君) この御指摘のガイダンスでございますけれども、この有用性、これを含めまして、学校における性に関する指導の在り方について、今御答弁をさせていただきましたけれども、慎重に検討していくことが重要であると考えているところでございまして、ユネスコに対し日本語版の今作成を要望することは考えているところではございません。
#50
○川田龍平君 是非これ考えていただきたいと思うんですね。そして、やっぱりこのユネスコ、これかなり日本がお金を出しているということでいろいろなところで問題になっていましたけれども、こういった性教育についてはもっと積極的に、これはもっと発言していただきたいと思います。これ、いかがですか。
#51
○政府参考人(下間康行君) ただいま副大臣からも答弁申し上げましたとおり、性に関する指導に対する価値観は国によって異なるところもございます。我が国における社会的、文化的背景を踏まえた上で、御指摘のガイダンスの有用性も含め、学校における性に関する指導の在り方について慎重に検討してまいることが重要であるというふうに考えております。
#52
○川田龍平君 価値観の問題というよりも、これ命が懸かっているんですね、子供たちの。そして、今人工妊娠中絶増えておりますし、これが死因の第三位です。本当にそういう意味では、やっぱりここの問題についてしっかり真剣に考えていただきたいと思います。これは、有用性があると実証されているこのガイダンス使って、是非やっぱりしっかりやっていただきたいんです。これ、文科省がやらないと、政府として要求できないということであれば、これ性感染症が増加している現状を考えるならば、これ性感染症予防という観点からも、こうしたガイダンスを日本語に翻訳したり、啓蒙活動と性教育のための予算を組んでみてはどうかと思いますが、大臣、これはいかがでしょうか。
#53
○国務大臣(根本匠君) 委員の今御紹介、御指摘の性教育ガイダンス、これは国の教育政策担当者向けに作られたものと承知をしています。今、その活用などについては、文部科学省において慎重に検討するというお話がありました。
 やっぱり委員御指摘のように、性感染症の予防の観点からは、正しい知識を普及啓発する、これが非常に重要だと思います。厚生労働省では、自治体が行う普及啓発の取組に対して補助を実施しております。また、HIV及び梅毒等の性感染症の早期発見、早期治療の重要性についても啓発をしております。毎年の世界エイズデーに合わせた催しの継続開催、レッドリボンライブや街頭キャンペーン、継続的開催や、若年層向けにSNSを活用した広報など、正しい知識の普及啓発に努めております。
 これらの取組を通じて、引き続き性感染症予防のための取組を進めていきたいと思います。
#54
○川田龍平君 時期的に今だけなんですね。本当に、そういう意味では、やっぱり今だけじゃなくてもっとずっとやらなきゃいけないと、教育というのは本当に長くやっていかなきゃいけないことです。
 これ、ユネスコのこのガイダンス、是非、厚労省の方でも予算付けていただけないですか。
#55
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 ただいま大臣の方から答弁ございましたように、ユネスコのこのガイダンスは国の教育政策担当者向けに作られたものということでございまして、文科省において検討されるものと承知しているところでございます。
#56
○川田龍平君 是非、副大臣、厚労も担当していましたし、文科副大臣として是非一言、是非政務として御発言をいただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
#57
○副大臣(浮島智子君) しっかりと慎重に検討してまいりたいと思います。
#58
○川田龍平君 是非これ本当、文科省でやっていただきたいと思います。なかなか難しいのかもしれませんけれども、是非これは文科省がやっぱり取り組む課題として、これ、是非認識していただきたいと思いますが、いかがですか。
#59
○副大臣(浮島智子君) 今御指摘のとおり、しっかりと認識をしながら検討をしっかりとしてまいりたいと思います。
#60
○川田龍平君 なかなか文科省お金がないということなんですが、是非これしっかり、厚労省とも協力してやっていただきたいと思います。
 若者の性に関する情報源としてインターネットで多く活用されていますが、このネット上のリソース、どれも曖昧であり、虚偽情報やデマなどがあふれていて、きちんとしたリソースに基づく公的な情報源が整備されるべきだと思います。文部科学省の及び腰を見るに、感染症対策を所管する厚生労働省が責任を持ってやるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。性感染症がこれだけ増えているんですから、普及啓発すべきです。
 これ現在、ウイメンズヘルスの枠組みで情報提供をしているようですが、男性も含めた総合的対策が必要だと思います。性感染症予防、妊娠、子育て、若者向けの普及啓発という観点も含めて、厚生労働省の見解を教えてください。
#61
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 ただいま御指摘いただきましたように、性感染症につきましては、男女偏ることなく、一般的な普及啓発の実施に加えまして、若年層を対象とした普及啓発を行って正しい知識を得られるようにすることが重要であると考えているところでございます。
 厚生労働省としましては、こういった性感染症の検査の重要性等につきまして、様々な、例えばアニメキャラクターを用いてホームページで広報を行う等、様々な取組をしているところでございまして、今後ともこういった取組を進めてまいりたいと考えてございます。
#62
○川田龍平君 これ、思春期世代、この保健指導、啓発活動、余りに少な過ぎるのではないでしょうか。公教育でできないのであれば、公教育の外で伝えていくということも問題意識も必要です。
 厚生労働省の取組として、小児科の先生の積極的な取組で、アドセンスというんでしょうか、インターネットを活用した情報提供があるというのは理解しましたが、この事業自体は平成二十八年度予算で組まれてそのままであり、継続予算となっていないと聞いています。また、このときに作成したリーフレットも二万人にしか配られていないようですし、こうした取組はどんどんしていくべきだと考えますが、今後はどうするのか、厚生労働省の考えを教えてください。
 そして、文科省にも、こうした啓蒙活動、文科省も協力してくれるということでいかがでしょうか。
#63
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 思春期に、妊娠、出産あるいは健康に関連する正しい知識を身に付けることは極めて重要であるというふうに考えております。
 このため、医師、保健師、助産師などの関係者が一体となって推進いたします健やか親子21におきまして、学童期、思春期から成人期までの保健対策を基盤課題として掲げまして、文部科学省と問題意識を共有しながら、妊娠、出産や健康に関する正しい知識の普及啓発を図っているところでございます。
 例えば、今委員から御指摘がございましたけれども、思春期の児童に対する啓発資材といたしまして、平成二十八年度の調査研究におきまして、避妊方法あるいは性感染症を含めた思春期の体や心に関する正しい知識の普及啓発のためのリーフレットを作成いたしまして、調査研究に協力した中高生あるいは希望する中高生に配付したところでございます。また、このリーフレットにつきましては、厚生労働省のホームページにも掲載し、引き続き啓発をしているところでございます。
 今後でございますけれども、文部科学省を始め関係省庁と必要な連携を図りながら、このリーフレットの活用を含め、妊娠、出産、健康に関する正しい知識の普及啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。
#64
○副大臣(浮島智子君) 川田委員御指摘のとおり、思春期世代に対する体や心の正しい知識、この普及啓発は大変重要なことと考えております。
 文部科学省におきましても、厚生労働省が作成したこの思春期の体や心の正しい知識の普及活動のためのリーフレットなどにつきまして、厚労省と連携をして周知に努めてまいります。
#65
○川田龍平君 これ、ずっとためていた質問なんですが、内閣府の規制改革会議で製薬企業によるDTC広告を可能とするよう提案され、具体的な検討が始まっているということですが、その目的を具体的な要望の有無を含めて明らかにしてください。
#66
○政府参考人(窪田修君) 規制改革推進会議の医療・介護ワーキンググループでは、今期の主な審議事項の一つとして、医薬情報の提供に係る規制の見直しを掲げております。本件は、医薬品の広告と情報提供の区別を明確化し、一定の条件の下で製薬企業による患者への提供を認めることで医薬品情報に対する患者のアクセス改善を図ることができるのではないかという観点から検討を予定しているものであります。
 具体的には、全国がん患者団体連合会から、患者会や製薬企業が催す勉強会において医薬品の商品名を明示できるようにすべきではないかといった要望を、また、米国研究製薬工業協会から、患者の問合せに応じて製薬企業が医薬品に係る適切な情報を提供できるようルールを策定すべきではないかといった御要望をお聞きしております。
#67
○川田龍平君 このDTC広告を禁止しているのは、相当の理由があると理解しています。製薬企業というのは営利企業であって、原則として自分たちに不利な情報は提供しようとしないものです。だからこそ、専門家の目で情報を見極める必要があり、専門家を通して情報を提供するような制度設計になっているのではないでしょうか。これ、規制改革会議の言われるままに、厚生労働省、するべきではないと私は考えますが、一言いただけますでしょうか。
#68
○政府参考人(宮本真司君) お答えいたします。
 今般、規制改革推進会議におきまして、医療用医薬品における適切な情報提供と広告の区別を明確化することで、製薬企業が患者に医療情報を一定の条件下で直接提供できるようにすることが議題になったと承知しております。
 患者を含めた一般人向けの医療用医薬品の広告、いわゆるDTC広告は、これを無制限に認めますと、誤解した患者が医薬品の適正使用を誤ったり、手術や放射線治療など、ほかの選択肢を逸することにつながるおそれがございます。このため、医療用医薬品の広告に関しましては一定の規制が必要と考えており、情報提供の名の下に特定の医薬品に誘導を行う行為についても、医薬品の適正な使用を誤らせるおそれがあることから、医薬品医療機器法、いわゆる薬機法に基づきまして、広告として規制してきているところでございます。
 本年九月に策定しました医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドラインにおきましては、そうした情報提供と広告の区別に向けて一定の要件を明確化いたしましたが、情報提供を装った広告が出されることがないよう、引き続きガイドラインの運用の詳細について検討を進めてまいりたいと思っております。
#69
○川田龍平君 時間ですので終わります。引き続きこの問題については追及していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ありがとうございました。
#70
○足立信也君 おはようございます。国民民主党の足立信也です。
 特定技能制度については連合審査があるものだと私は思っていますのでその機会に回したいと思って、今日はその特定技能制度については質問をいたしません。
 雇用をされているのに国民年金、国民健康保険だという人は非常に多くて、これは問題になっていますし、厚生労働省としても、厚生年金加入者を増やしていこうと、我々もそうですが、増やすべきだということでやっております。
 しかし、この七月に総務省の行政評価局からあっせんされた事案がございます。健康保険料と国民健康保険料の二重払い。これは、本来雇用されているのに国民健康保険、国民年金だった人が、過去に遡って、数年遡って健康保険そして厚生年金に加入して、遡及して保険料を払ったと。しかし、払ってしまっている国民健康保険料については二年分しか戻ってこないと。それ以上は全部二重払いになっているということで、行政評価局から厚生労働省に、これは改善しなさいとあっせんが来ているわけです。どのように対処する予定なんですか。
#71
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 お尋ねの事案でございますけれども、本来、社会保険の適用事業所であるべき未適用事業所が遡及をして適用事業所となった場合に、国民健康保険から健康保険にその対象者が遡及して加入するということになるわけでございますけれども、健康保険料は二年間遡って徴収されるということでございますけれども、国民健康保険料については二年間丸々還付されるということでなくて、一部還付されない期間というのが生じ得るということでございます。
 これは、既に納付されました国民健康保険料は、遡及して年度単位で賦課決定、言わば、このケースでいうと、減額をして還付することになるわけでございますけれども、この減額の決定、賦課決定というものが各年度の最初の保険料の納期から二年が経過するとできないというふうになっているわけでございまして、そういうことで、健康保険料は遡って徴収されるけれども国民健康保険料が還付されない期間というものが生じ得るということでございまして、保険料が二重払いとなるという事案でございます。
 この事案を受けまして、本年七月に、御指摘のとおり総務省から、国民健康保険から健康保険に遡及して加入した被保険者について、国民健康保険料の還付が受けられない期間が生じないよう、関係法令の改正について早急に検討を行うこと及び現に国民健康保険料の還付を受けられない期間が生じている被保険者に対する必要な措置を検討し、関係機関に対し周知することということを内容とするあっせんが行われたわけでございます。
 これを受けまして、まず、私どもとしては、こうした事案によって国民健康保険料の還付を受けられないという被保険者に対して必要な措置を検討して関係機関に周知をするということを、これを急いで検討しなければいけないということで、自治体の判断により、地方自治法第二百三十二条の二の規定に基づく寄附というものがございますけれども、これを活用しまして保険料相当分を返還することが可能であるという旨について自治体に周知を行ったというところまで行ったところでございます。
#72
○足立信也君 それは現状できる対応の話ですね。
 これに対して厚生労働省の意見として、これ、今、国民健康保険と健康保険の間の支払、遡る、遡及のところが違いがあるということはもうお認めになって、まさにそれが原因なんですが、これに対して厚生労働省は法改正が必要であると。私もそう思うんです。これは、社会保障協定で二重払いがないように海外とはやっておりながら日本の中で二重払いが起きているという、何か笑っちゃうような話なんですが、法改正、いつやるんですか。
#73
○副大臣(大口善徳君) 足立委員の御指摘は、本当に我々真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
 今、保険局長から当面の措置ということで、自治体の判断によって地方自治法の寄附として対応している、そのような周知をするということでありますが、今委員御指摘のように、この関係法令の改正につきましては来年の通常国会への法案提出を目指して今検討しているところであります。
#74
○足立信也君 来年の通常国会と。私も早い方がいいと思います。
 法務委員会で定足数のことが問題になりましたが、厚生労働委員会の与党の方々は出席が非常に良くて、ちょっと今野党が残念な状況になっていますけれども。
 資料を御覧ください。これは、私としては、何といいますか、同じ医療者として愕然とした、「選択」という、今月のものなんですが。
 簡単に言いますと、拡張型心筋症で、もう心臓の機能が弱くなっているのを、カテーテルを使って、左心房と左心室の間のゆるゆるになった僧帽弁をちょっとクリップを掛けてということなんですが、これをやっていて、途中でうまくいかずに中断してやめた、その十六日後に亡くなったという事案ですね。これ、字が小さくて申し訳ないんですが、じっくり読んでいただきたいと思うんですけど。
 私から言わせていただくと、これ、治療法の適用そのものがまず間違っている。それから、PMDAからの警告の条件がある。その条件にも反している。合併症を気付けなかった、そして説明をしていない。極め付けは、この裏かな、裏の方の左下、死亡診断書です。これ手術が途中でうまくいかずにやめちゃったからかもしれませんが、手術なしと書いてあるんですよ。これとんでもない事案だと私は思っているんです、このまま報道が事実であればですよ。とんでもないですよ。
 これ、医療法による医療事故調査制度というのが今はできていますね。これは、不幸にしてお亡くなりになった場合もきちんと説明して納得していただく、そこまでが医療だということで、原因をしっかり調査して納得してもらうんだ、遺族の方に、そこまでが医療だということで医療法の改正という形でやったわけです。しかし、それは、報告は予期せぬ死亡例ですから、これは予期できたということかもしれませんが。
 これはお分かりかどうか分かりませんが、医療安全調査機構への報告は、これはあるんでしょうか。
#75
○政府参考人(吉田学君) 今御指摘いただきました本件につきまして、私ども今確認をしておるところでございますし、個別の医療事故の事案については私どもつまびらかではございませんが、今御指摘いただきました医療事故調査制度につきましては、その仕組みの立て付けといたしまして、その目的が懲罰を伴わないこと、特定されないこと、あるいは処罰する権力を有するいずれの官庁からも独立しているということの仕組みをやっておりますので、そもそもこの仕組みを通じて個別の事故の事案について報告を受けることにはなっておりませんので、我々としては報告内容あるいは内容について把握をしてございません。
#76
○足立信也君 趣旨として、医療事故調査制度、趣旨として私は正しいと思って、それは把握できないのは当然だと思っています。
 しかし、これ特定機能病院ですから、特定機能病院は全ての死亡例を医療安全管理部への報告義務があると。その後、医療機能評価機構に報告がどうかということになるわけですが、その点も分からないですよね。
#77
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今お話ございましたように、これまでございます医療事故情報収集等事業というルートにおきましても、私ども個別の医療事故の事案について報告を受けるということにはなってございませんので、お尋ねの事案につきましての報告状況あるいは内容については把握をしてございません。
#78
○足立信也君 制度上はやっぱりそうなんですが、これ読んでみると院内調査もやられていないような気が私はします。
 厚生労働省には、今の二つの制度とは別に、厚生労働省にはこれは、こういう事案があったという報告はあるんですか。
#79
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 私どもといたしましては、本報道を受けまして、現在、東京大学医学部附属病院からの聞き取りを予定させていただいておりまして、そこから事実の把握に努めたいというふうに考えてございます。
#80
○足立信也君 年に一回の立入調査というのはありますけど、今それ聞き取りをもう始めたという理解でいいですか。
#81
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 個別の事案ということではございますが、報道されております本件につきましては、聞き取りに向けて先方に対してそのお願いをしている、聞き取りについて、今委員御質問の中で引用されました定期の報告とは別に、私どもとしては事案についての聞き取りを予定させていただいているところでございます。
#82
○足立信也君 この委員会にも医療関係者かなり多くいらっしゃいます。この報道が事実だとすると、これ完全に隠蔽ですよね。
 もう十年以上前から、十五年ぐらいになりますかね、医療機関というのは、逃げない、隠さない、ごまかさないということで対応してきて信頼を勝ち取ってきた。その延長線上に医療事故調査制度があると、私はそのように捉えていますが、事実だとすると、これは、逃げる、隠す、ごまかすですよ。これはひどい。しかも、特定機能病院ですからね。
 この教室、東大循環器内科、教授は小室一成さんです。まあここでどきっとされる方が結構いらっしゃると思うけれども、循環器学会の代表理事です。
 それ、小室さんと聞くとディオバン事件を皆さん思い出すと思うんですが、五つの研究グループでデータ改ざんがあって、論文不正ですね、全部撤回したんですよ、五グループ。その一つのグループのリーダーですよ。先ほどチームリーダーとしての姿勢ということを門山政務官に石橋さん聞かれておりましたけど、リーダーの人ですよ。それ以外にもあと二件、三件告発されている人ですよ。
 これは大変大きな事案で、これ東大がもし対処を誤ったら特定機能病院の指定の取消しまで行くようなことだと私は思いますよ。完全に隠して、違う説明をしている、報告もしていないとすればですね。これから、今問合せをしていると。だから、向こうが応じるかどうかも分からないような状況でね。
 これは、医療界の皆さんは多分、こんなことが起きていたらということで、今まで積み上げてきたものが何だったという、相当な憤りを感じていると思うんですが、これも、まあ仮に事実だとして、大臣、今後どう対処されますか、あるいは副大臣。
#83
○副大臣(大口善徳君) 足立委員にお答えします。
 本事案については、今医政局長の答弁があったとおり、まずは東京大学医学部附属病院からの聞き取りを行い、事実関係の確認に努めてまいりたいと思います。
 また、個別事案の具体的内容については答弁を差し控えさせていただきますが、一般論として、必要があれば医療法に基づく立入検査を行い、法令上の手続の不備が確認されれば改善するように指導を行うことになります。
#84
○足立信也君 特定機能病院、事実だとした場合に、としての役割というのが果たしていけるんでしょうかね、まあ個別の話になりますが、いかがでしょう。
#85
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 今、先ほどの委員の御発言にもございましたように、医療法上、特定機能病院につきましては、その第二十九条におきまして、一定の要件について定めた上で厚生労働大臣が特定機能病院の承認を取り消すことができるという規定になってございますので、先ほど副大臣からも、一般論として申し上げればと御答弁ありましたように、私どもとしては、まず必要があれば医療法に基づく立入検査、そして改善指導というプロセスを踏んだ上で、一般論としては、その特定機能病院として望ましいものかどうかについて判断させていただくということになろうかと思います。
#86
○足立信也君 小室教授、どんな人なのかなと思ってウィキペディアで見たら、自他共に認める東京大学医学部のプリンスと書いてあるんですね。脳卒中、循環器病対策基本法の成立に向けた活動を行っていると書いてあるんですね。
 私のところにもお見えになりました。彼の先輩、後輩、医局員の方々のつながる人たちも私の方に連絡がありました。これは事実として申し上げますが。しかし、それと、法案については今後議論になると思いますけれども、それはそれとして、これは大変大きな問題、日本のトップの大学ですからね。そのことを重ねて申し上げておきます。
 さて、障害者の法定雇用率水増し問題に移ります。
 まず、いろんなデータがちょっと、私、錯綜していて、二回も三回も訂正というのが回ってきてよく分からないので、国の府省、都道府県、市町村、教育委員会、独立行政法人の法定雇用率に換算して不足人数、それぞれ合計でまず教えてください。
#87
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 今御指摘のございました不足数でございますけれども、平成二十九年の六月一日現在の状況につきましてこの度再点検をさせていただいたわけでございます。この再点検の結果として、国の行政機関におきまして三千四百七十八・五人、これ〇・五人というのがあるのは、短時間労働の場合のカウントが〇・五人というものがあるからでございます。都道府県の機関が六百四十七・五人、市町村の機関が千五百七十三・〇人、都道府県等の教育委員会につきましては二千四百四十七・〇人、それから、独立行政法人等におきまして三百三十五・五人ということでございます。
#88
○足立信也君 今週始まったと思うんですが、国の機関としては三千四百七十八名、これ二〇一九年中の採用に向けて動き出しているわけですね。申込受付期間が今週から始まりました。そこで、二月の三日に統一選考試験が行われて、二月の二十二日に通過者発表となっています。その後三月の二十二日に合格者発表と、各省庁と面接してですね、そういうふうに聞いています、私は。
 それで、二〇一九年中の三千四百七十八人、通過者は何人で合格者は何人の予定なんでしょう。
#89
○政府参考人(嶋田博子君) お答えいたします。
 まず、障害者雇用率の達成に向けましては、公務部門における障害者雇用に関する基本方針を踏まえ、人事院が統一的に行う障害者選考試験を経る採用のほか、各府省において個別に行う選考採用、通常の競争試験を経る採用、あるいは非常勤としての採用など、様々な任用方法を設けることとしており、各府省におかれましては、これら全体を通じて努力されるものと承知しております。
 このうち、今年度、二〇一九年二月の統一的な障害者選考試験について申し上げますと、この試験からの各府省の採用予定者数が六百七十六人となっておりますことから、第二次選考を経た最終合格者数はこれと同程度の数とすることを見込んでおります。
 なお、筆記試験である第一次選考の通過者数につきましては、申込者数や選考試験の実施状況を踏まえながら検討してまいりたいと考えております。
#90
○足立信也君 ということは、残る二千八百人ぐらいは二〇一九年度中に採用するということになるわけですね。これは、障害者採用計画を各府省が作ることになっています。この障害者採用計画、これはまずどこがチェックするんですか。
#91
○政府参考人(土屋喜久君) 障害者採用計画は、障害者雇用促進法に基づきまして、未達成である機関から私ども厚生労働省に対しまして計画を通報いただくということになっております。
 この計画につきましては、これを作成するに当たって、障害者雇用促進法等の関係法令によりまして、あらかじめ厚生労働省に協議をしていただくということに国の行政機関についてはなっておりますので、その際、厚生労働省においてこの協議の中で計画を確認をさせていただくということでございます。
#92
○足立信也君 厚生労働省がチェックする、その前から相談に乗ると。この計画を、これ、今年度末が六百七十六人であと二千八百人、これ計画に盛り込むべき要素というのはどんな要素なんですか。
#93
○政府参考人(土屋喜久君) 障害者採用計画におきましては、関係法令で様式等定めておりますけれども、まずは計画の始期及び終期というようなものに併せて、採用予定、全体の職員数、それからそのうちの障害者数、それと、計画の終期、これは今回の場合で言いますと三十一年末ということになりますが、その年末に見込まれる全体の職員数、そのうちの障害者数などの事項を記載していただくことになっております。
 なお、今御指摘のございました統一試験との関係で申し上げますと、先ほど人事院から御説明がありましたように、統一試験以外に各個別の省庁で常勤職員の選考採用をやる予定があるということに併せまして、非常勤職員の採用も予定をするということがございますので、それらを合わせて今年度中あるいは来年末までに不足数である三千四百と、その来年の年末の時点で法定雇用率を達成するに必要な数を採用を予定しているということでございます。
#94
○足立信也君 そうすると、今年はまず統一試験が今申込みが始まって二か月後に試験があって、その一か月後で合格、まあこういうスケジュールですね。今、二千八百人を来年の年末までにと。
 そうすると、統一試験というのはいつやるんですか、もうやらないんですか。
#95
○政府参考人(嶋田博子君) 二〇一九年度につきましても、基本方針を踏まえて、統一的な障害者選考試験を実施することとしているところでございます。
#96
○足立信也君 いや、いつやるんですかと聞いたのは、今年は年度内にということで動いているんですが、さっき土屋さんお答えになったように、来年は年末までなんですよ。三十一年中に全部採用ということになっているんですよ。で、いつやるんですかと聞いたんです。
#97
○政府参考人(嶋田博子君) 失礼いたしました。
 来年度の試験時期につきましては検討しておりますけれども、今回のように二月ということではなく、秋であるとか、そういった時期になろうかということで検討している状況でございます。
#98
○足立信也君 十二月から三月まで四か月ということを考えると、どう考えたって来年の夏から募集が始まる、申込みが始まるわけですね。とても間に合うとは思えませんが、今年六百七十で、来年二千八百ということなんです。
 これ、結果、計画を達成できなかったらどうするんですか。
#99
○政府参考人(土屋喜久君) まず、採用予定数の計画をしている数でございますが、今回の基本方針の中にも具体的な数字を盛り込ませていただいておりますけれども、まず今年度中、つまり来年の三月までの間の採用を予定している数が、国の行政機関全体で千四百九十一・五人を予定をしております。これは、先ほど人事院からお話があった統一試験以外にも、各省の選考採用、それから非常勤の方の採用を含めて、今申し上げましたように千四百九十一・五人を今年度中、つまり来年の三月までに採用するというものでございまして、あわせて、来年度、まあこれは来年の四月から年末までということになりますが、そこで二千五百八十一人の採用を各省合わせて予定をしているということで、これを順次計画的に採用を進めていくということでございます。
 計画を達成できなかったらどうなるのかというお話ございました。
 まず、私どもの基本的な姿勢として、今般多くの府省において不適切な計上によって法定雇用率を達成していないということが明らかとなり、皆様方の不信を招く事態となっているということから考えますと、できるだけ速やかに法定雇用率の達成に向けて取り組む必要があると考えておるところでございまして、関係法令に基づいて、先ほど来申し上げておりますように、来年一年間の採用計画の中で採用していくというのが基本的な姿勢でございます。
 このことについては、約四千人の障害のある方を来年末までに採用するということになってくるわけでございまして、このこと自体なかなか容易なことではなく、相当な困難を伴うというふうにも考えておりますので、まずはこういった関係法令に沿って取組を開始をしていきますが、進捗状況あるいは課題について関係閣僚会議等でフォローアップをしながら、取組を進めていくというふうに考えているところでございます。
#100
○足立信也君 頑張るから頑張るからと言っている、無理だと思うけど頑張るからと言うんですが、これ、東委員が何度もおっしゃっているように、民間との差異といいますか、あるいは公的でも愛媛県は処分者も出していて、民間は納付金を納めていて、計画は立てたけれども非常に困難が予想されると。
 計画達成できなかったらどうするんですか。これ、これだけ大見えを切ったんならやっぱり誰かが処分されるんでしょうね、できなかったら。いや、そう思いますよね。物すごいバランスが悪過ぎる。(発言する者あり)まあ、そういう意見がいろいろあります。これ、これから無理を承知で計画を出してくるわけですから、これはきっちりチェックして、これできなかったら大変なことですよ、国だけですから。
 これ、できなかったときのことをしっかり考えてもらいたいし、大臣、これできなかったときはどうするかということをまず触れてもらいたいのと、これ当然のことながら、今年度の採用はもう補正予算が必要でしょうし、来年度の採用についてはこれ大幅な予算がまた必要でしょうから、そこら辺はどのように考えておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
#101
○国務大臣(根本匠君) 今、できなかったらという話がありましたが、先ほど局長から答弁したように、とにかくまずは関係法令に沿って取組を開始して、進捗状況や課題について関係閣僚会議でフォローアップしながら、政府一体となって取り組んでいきたいと思います。
 その上でなお法定雇用率を達成できない府省がある場合には、その要因や課題を検証した上で具体的な取組を再検討し、新たな採用計画を策定して進めていくことになる、そうしていきたいと思います。
 それから、予算のお話がありましたが、各府省は、障害者雇用を推進していくために必要な体制整備、採用活動及び職場定着等に関する具体的な計画を策定いたします。現在、基本方針に基づいて、各府省が採用計画に沿って障害者の雇用を進めていく中で必要となる経費、これについては精査、検討が行われていると承知しております。
 具体的な対応については、基本方針にありますが、政策の推進に必要となる定員及び予算については適切に措置されるものと認識しております。そして、年度中に必要となる経費があれば既定予算を活用するなどの工夫により対応していきたいと、そして、各府省においてもそのように対応するものと思っております。
#102
○足立信也君 再度計画を練るということですが、しっかりこれはチェックしていきたいと、そのように思います。
 せっかく吉田局長いらっしゃるんで、この前、私専門医の問題も相当取り上げさせていただきましたけれども、厚生労働大臣から専門医機構に対して十六項目の要望といいますか要請が、意見と要請があります。その中で、私が問題にしていた地域枠の医師が、人生の中で、あるいはキャリアの中でも非常に大切な時期で、都道府県内だけに縛られるというのは問題じゃないかということを指摘させていただきましたが、その要望の中にこういう文言があるんです。「地域枠医師が、各都道府県内の専門研修プログラムに優先的に採用され、他の都道府県の基幹病院による採用を制限される等の仕組みを整えること。」と。これは、この前、キャリア形成プログラムの中で、他の都道府県にもできるんだという答弁されましたけど、これとは大分トーンの違う意見、要請をしていると、このことをちょっと説明してください、違いを。
#103
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、私ども、基本的なスタンスとしまして、地域枠の医師の方々につきましては、それぞれの都道府県内で専門医を修得するための専門研修を行うことがその地域定着のために重要だという認識に立っておりますので、今引用いただきました本年十月に大臣名において行いました要請の中においても、地域枠医師が各都道府県で優先的に採用されるなどの要請を行わせていただきました。
 と同時に、キャリア形成プログラムというものを実際に適用するに当たりましては、都道府県は、その地域枠などキャリア形成プログラムの対象になる医師の希望に対応したプログラムとなるように努めること、あるいはキャリア形成プログラムが適用される期間の一時中断が可能とされることなども併せて都道府県に求めておりまして、私どもとしては、地域枠の医師が従事要件を満たしていただくということと希望するキャリアを積めるようにという両方できるように、できる限りの形で支援をさせていただきたいというふうに考えているところでございます。
#104
○足立信也君 これで終わりますが、他の都道府県の採用を制限される等の仕組みを整えろというのはひどい言葉だと私は思います。
 以上で終わります。
#105
○礒崎哲史君 国民民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
 まず、前回の厚生労働委員会の一般質疑の際に働き方改革について大臣とやり取りをさせていただいたんですが、ちょっとそのときに聞きたかったんですが聞けなかったことが何点か残ってしまっておりましたので、まずその点について二点、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
 大臣、所信の中で、違法な長時間労働など不適切な働き方が行われている企業に対する監督指導の徹底ということをその中でお話をされました。
 現状、その対応が十分というふうに考えておられての発言なのか、それとも不足しているという観点での発言だったのか、不足との認識であればその原因としては何を考えておられるのか、その点について確認をさせていただきたいと思います。
#106
○国務大臣(根本匠君) 働き過ぎによって尊い命を落とすようなことがあってはならないことであって、長時間労働の是正を図ることが重要だと考えています。
 厚生労働省としては、各種情報から時間外・休日労働時間数が一か月当たり八十時間を超えていると考えられる全ての事業場に対して監督指導を実施をしております。また、これまでに、長時間労働をなくすために、監督強化のためのスペシャリスト集団であるかとく、過重労働撲滅特別対策班の創設、あるいは長時間労働等の事案について企業全体への指導や是正指導段階での企業名の公表、そして加えて、本年度から全ての労働基準監督署に特別チームを新たに編成して、長時間労働是正のための監督指導の徹底を効果的に推進していきたいと思います。
 なお、これまでの対策に加えて、本年度より新たな措置、対応もするということで、これからも長時間労働の是正にしっかり取り組んでいきたいと思います。
#107
○礒崎哲史君 ということは、大臣、体制としてはまず万全に組んだんだと、なので、この後の結果を注目してくださいという答弁でよろしいんでしょうか。もう一回、その点だけ確認させてください。
#108
○国務大臣(根本匠君) 我々、しっかりとした体制の下にしっかりと対応していきたいと思います。
#109
○礒崎哲史君 言葉としては大変心強いんですけれども、大臣、これ、先ほどの石橋委員の質疑と同じことになると思います。
 全ての事業所にチェックに入るんだということを言われました。本当にその体制として今十分なのかどうか、労働基準監督署の体制って本当にそれができる体制なのかどうか、私、その振り返りをきちんとしていただかないといけないんじゃないかと思っているんです。それがないと、先ほど、大臣、やはり過労死という言葉を使われました。これやっぱりなくしていくという思いはみんな一緒だと思うんですよ。その体制として十分なのかどうかということでいけば、まだまだ本当は不足しているという思いは共有されているんじゃないかと私は思います。
 ですので、大臣、今言われている方向性については共有しますので、是非それが本当にできるように、体制として何が不足しているのかということも真剣にちょっとお考えを改めていただきたいと思いますので、これは要望ということで言わせていただきたいと思います。
 今、大臣所信の中では違法な長時間労働などという言葉で体制のお話をされたんですが、現状、違法とまでは言えませんが、やはり健康を害する可能性の高い働き方というのは実際現場には存在しているというふうに思いますし、そういう方たちは大勢いらっしゃるというふうに私は認識をしています。
 そうすると、違法とまでは言えないですが、健康を害する可能性の高い働き方に対して抑制をしていく、そういう動きも私は必要だと思いますが、こういった点、大臣の認識をお伺いをさせていただきたいと思います。
#110
○国務大臣(根本匠君) 委員御指摘のとおり、長時間労働を是正し、働く方の健康を確保していく、これは大変重要だと思っております。
 このため、さきの通常国会で成立した働き方改革関連法、労働基準法を改正して、三六協定でも超えてはならない罰則付きの時間外労働の上限を設定いたしました。これは委員御承知のとおりだと思います。
 また、新たな指針を策定して、次のような事項を定めて、これに沿って労働基準監督署が助言、指導を実施してまいります。時間外労働及び休日労働は必要最小限にとどめられるべきであること、臨時的な特別な事情があり限度時間を超えて時間外労働をさせる場合であってもできる限り限度時間に近づけるよう努めなければならないこと、新たな指針を策定いたしました。
 さらに、労働安全衛生法改正に基づいて省令を改正して、医師による面接指導の対象を時間外・休日労働が月百時間を超えた場合から月八十時間を超えた場合に拡大いたしました。
 これらの法改正の内容について、働き方改革推進センターや労働基準監督署などにおいて集中的な周知活動を実施し、健康を害するような長時間労働を抑制していきたいと思います。
#111
○礒崎哲史君 ですから、大臣、法改正をして少しでも長時間労働を是正する、その方向もいいんです、いいんです。でも、そこでもまだまだ救えない人たちもいるし、当然、個人差もあるはずなんです、体力のある人ない人だっているはずなんです。それに、時間が短くたって、様々なハラスメントによって、精神的なストレスによって体調を壊す人だっているはずなんです。
 じゃ、そういう人たちに対して、先ほどの一個目の質問、労働基準監督署ってどこまで入り込めるんですかと言ったら、できないわけですよね、今。そうすると、人員体制だけじゃなくて、本来であれば法整備だってもっと進めなきゃいけないところ、特にハラスメントの部分だってあるんじゃないんでしょうか。だから、この間の国会でだって、野党で一緒になって、ハラスメントの少しでも撲滅を目指していこう、防止していこうと、そういう考え方も法律化する法律も提出しているわけです。是非そういう動きに対して厚生労働省としても真剣に取り組んでいただきたいですし、大臣としても是非私はリーダーシップを発揮してもらいたいと思いますので、これはもう要望として言わせていただきたいというふうに思います。
 それでは、次の大きなアイテムとして、外国人労働者の受入れ、今法務委員会の方でも議論されておりますけれども、この点について確認を幾つかさせていただきたいと思います。
 これも前回の厚生労働委員会、この委員会の中で審議官とやり取りをしている中で、私の方から、そもそもの現行の技能実習制度がないがしろになるのではないかという、こういう質問をしたときのやり取りの中で、審議官の方から、現行の技能実習制度と新しい在留制度、特定技能のですね、行ったり来たりという働き方が可能であるというような、その一例をその中でお話をいただいたんですが、ちょっと時間切れで、余りにも尻切れとんぼで話が終わってしまったものですから、改めてこの二つの在留制度の関係において具体的にどのような行き来があり得るのか、その点について改めて御説明をきちんといただきたいと思います。
#112
○政府参考人(佐々木聖子君) 両制度の関係ということで御説明を申し上げます。
 技能実習二号を修了した方は特定技能一号に求められる技能水準を満たしているとみなすこととしておりまして、すなわち、両者の技能水準は同等程度と言うことができます。また、技能実習三号は技能実習二号を修了した後により高い水準の技能等の修得をするものでありますことから、技能実習三号により修得される技能水準は特定技能一号の技能水準と同等以上と考えられます。
 その上で、事前にお問いをいただきました、技能実習二号から特定技能一号に移行した後に再度技能実習三号に移行する、ある意味戻ってくるということはできるのかというお問いをいただいておりまして、この点でございますけれども、特定技能一号、先ほど申しましたように、特定技能一号及び技能実習三号は、いずれも技能実習二号の修了者の方が進み得るという点で技能水準的には類似していると思われます。
 ただし、具体的に特定技能一号から技能実習三号にある意味戻る必要性あるいは経緯などを個別に検討することになると思います。
 その上で、技能実習計画の内容を始めといたしました要件を満たしていれば、今申し上げました移行は可能であるということでございます。
#113
○礒崎哲史君 今、改めて詳しくお話をいただきました。
 今、技能実習制度の二号、三号、あるいは特定技能の一号という言葉もありましたが、それ以外にも、今回、特定技能の二号というものもできております。最終的に、どのポジションにいる人がどのポジションに行くことができるのか、それは無条件か試験が必要か、そういう違いはありますけれども、行くことができるのかという観点で先日から法務省の方と厚労省の方といろいろやり取りをさせていただいて、自分なりに表をまとめました。それが今お手元にお配りをしましたカラーの表になります。
 分かりづらいなと恐らく皆さん思われるかもしれませんが、分かりづらいというよりも、何でもありなんです、実は。どこからでもどこにでも実は行けるんです。理論上はそれが可能なんですね。ただ、可能なんですけれども、そこにはいろいろと多分縛りが出てくるということで、例えば試験が必要、無試験だとか、そういうことが出てくるということなんで、まずは、この理論上はどこからどこへでも実は可能だということ、これは一つ押さえておくべきことだというふうに思っています。
 その際に、今ちょっと御説明の中ではなかったんですが、この技能実習制度としてやっぱり二号から特定技能一号に上がっていく、三号になる。その方が、例えば更に上の特定技能二号に行きたい、あるいは違う分野として左上の専門的、技術的分野の、より専門性の高いところに行きたいと思ったときには、やはり技能実習制度が終わられるわけですから、一度帰国をされて、帰国をされた上でそれぞれの道にまた御本人の意思として進んでいくことになるんだというふうに思うんですが。
 そうすると、一つここで確認しなきゃいけないことは、技能実習が修了した後にこれ本国に帰国するわけですよね。その後改めて日本で働くという場合は、本国において技能伝承したということがこれやっぱり認められる事例がないといけないと思うんです。そうすると、その技能伝承をしたと認められる期間であったりあるいは実績というものは、これは基準は一体どういうものがあるんでしょうか。
#114
○政府参考人(佐々木聖子君) 技能実習二号を修了し特定技能一号に移った方が、例えば特定技能一号を終えて更にそのまま特定技能二号への移行を希望なさった場合におきましては、今委員御指摘のように、技能実習の趣旨に鑑みまして、何らかの形で技能移転を図っていただく必要があると考えておりまして、その具体的な基準につきまして現在検討中です。
 もとより、一時帰国され何らかの形で技能移転が図られたということをお示しいただくのが望ましくありますけれども、その何らかの技能移転という形をどのように認めるかということについて検討をしております。
 なお、御参考まで、現状におきまして、技能実習を修了した方がほかの在留資格で入国、在留をしようという場合につきましては、技能実習生さんが帰国後に一定の技能移転を行ったことが認められるのか否かを含め、やはり個々の事案に応じて個別に入国の許否を判断しているところでございます。
#115
○礒崎哲史君 ちょっと細かいところですが、確認なんですが、何らかの形でという言葉を今何度か言われました。それから、一度帰国して、その技能移転をしたかどうかを含めという言われ方をしました。
 ちょっと限定的に確認をしたいと思います。技能実習制度を終えた方がほかの道に進むときには一度帰国をしなければならないということは、これはいいですよね。まず一回帰国するわけですよね。帰国した上で、何をやったのかということをチェックするということでいいですよね。帰国することが前提ということでいいですよね。
#116
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほど申しましたように、この何らかの形での技能移転というものにつきまして、帰国をマストの要件とするのかどうかということにつきましても検討中でございます。
#117
○礒崎哲史君 今聞かれましたでしょうか。帰国することがマストかどうかも検討するって言っているんですよ。技能実習制度って何のためにやっているんですか。
 前回、審議官、私の質問にこうお答えになられているんです。特定技能での在留期間が終わられた後、我が国で培った技能等を御本国に持ち帰って必要な技能移転を行っていただくことになりますので、技能実習制度の趣旨は没却されないと思っていますと言われたんです。本国に持ち帰って必要な技能移転を行っていただくことになりますのでと審議官が言われたんです。
 これ、全然違うと思いませんか。真逆。自分が前回お話をされたことそのものが、違うことを今検討しているというふうにお話をされているんですけど、これどっちが本当なんですか。
#118
○政府参考人(佐々木聖子君) 先ほども申し上げましたように、一時帰国されて何らかの形で技能移転が図られたということをお示しいただくことが基本望ましいと思いますけれども、そのほかに何らかの形の技能移転があり得るのかどうかということを検討しています。
#119
○礒崎哲史君 じゃ、もうちょっと違う聞き方。
 技能実習制度をやられた方が特定技能一号、そしてさらには難しい特定技能二号に進んでいく過程において、何らかの形で技能移転をするような実績が認められれば別に帰国する必要はないというスキームも今後でき上がるという、こういう理解でよろしいですね。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
#120
○政府参考人(佐々木聖子君) 繰り返しになりますが、どういう形で技能移転をされたのかということが認められるかについて検討をしております。
#121
○礒崎哲史君 今回は特定技能一号という新たな在留資格の法案が提出をされて、これは完全に別のものだと、独立されているものだということでお話進められていると思うんですけれども、明らかに現行の技能実習制度そのものの趣旨がゆがめられる可能性の検討をしているんじゃないんですか、これ。おかしくないですか。
 今日、既に法務省の方から政務官の方にも来ていただきました。政務官にも確認をさせていただきたいと思いますが、こういう制度、こういう方向性のスキームもこれ検討されているということで、これは政務官も御認識されているということでよろしいでしょうか。
#122
○大臣政務官(門山宏哲君) 今、様々な方向をも含めて検討中と承知しております。
#123
○礒崎哲史君 様々なことを検討されているということですから、もう技能実習制度そのもの、これ本当にゆがめることになりますよ。法の趣旨そのもの、せめて法の趣旨そのものを守っているから、実態として労働者として扱われているわけですから、既にゆがみが出ているわけですよね。そのゆがみを更にゆがんでいる方向に引っ張っちゃっていることになりますよ、これ。ないがしろにするのもいいところ、程があると思いますよ、私。
 まず、こういうとんでもない検討が今なされているということで、それについては大きな問題だということで指摘をさせていただきたいと思います。
 この分かりにくい、自分で作っておきながら大変分かりにくい図の中で、いろいろな要は在留資格が、今でも四類型の在留資格があるわけですが、更にそれにプラス一個の在留資格が入ってくることになります。そうすると、このそれぞれの在留資格で働いておられる方々の労働基準のチェックですとか、監督ですとか企業に対する指導ですとか、それは一体、法務省さんが見るのか、厚労省さんが見るのか、どの範囲まで見るのか、訳が分からなくなってきているので、ちょっとここをもう一回チェックをさせていただきたいと思います。
 在留者の就労環境をチェックすべき責任は一体誰にあるのか、ちょっとこの点についてそれぞれ御説明をいただければと思います。
#124
○大臣政務官(門山宏哲君) 技術・人文知識・国際業務など、いわゆる専門的、技術的な在留資格においては日本人と同等の報酬要件が設けられているものがあるところ、これらの確認に当たっては、入国前の在留資格認定証明書交付申請や在留期間更新申請の審査の中で、申請書に記載された給与の予定額が日本人と同等となっているかについて審査を行っているものでございます。
 なお、留学生が行う週二十八時間以内の資格外活動許可による就労や、活動に制限がない身分関係の在留資格に基づく外国人が行う就労については、日本人との同等報酬要件を課していないため、日本人との同等報酬という観点での審査は特段行っていないものでございます。
#125
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 我が国で労働者として就労する外国人につきましては、在留資格のいかんを問わず、日本人と同様に労働法令が適用されるものでございます。外国人労働者の方が日本で安心して働き、その能力を十分に発揮する環境を確保するというのは大変重要なことで、私ども厚生労働省としての役割があるというふうに思っております。
 労働基準監督署におきましては法定労働条件の確保について担当しておるわけでございますし、また、ハローワークにおきましては、外国人労働者を雇用する事業主が講ずべき措置を定めた指針というものがございます。この指針に基づいて外国人労働者の方の雇用管理の改善に向けた助言や指導を行っているということでございます。
 あわせて、法務省との関係では、相互通報制度の運用など、緊密な連携を通じて外国人の皆さんが安心して働ける環境の確保に向けて私ども対応しているということでございます。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
#126
○礒崎哲史君 あと、厚労省としては、労働基準監督署と、あともう一つ、技能実習制度に対しては外国人技能実習機構というのを昨年の法改正によって新たにつくられて管理体制の強化というのを図っていますから、登場人物としては三つあるわけです、労働基準監督署、外国人技能実習機構、そして入国管理局と。
 この三つのところが今言った五分類型をこれからいろいろチェックしていくんですが、その中身は、労働基準監督署は法令遵守ということで、やっぱり最賃以下はおかしいと、あるいは長時間労働の部分のチェック、こうしたことになりますし、入国管理局としては適正かどうかというチェックをしていくということになるんですが。
 これ、さっきの図からいくと、いろいろまたいで動く人も出てくるわけですよね。一体、どこに誰がいて、どういう働き方をしているか、いや、前の職場でどういうことになっていたかという、管理体制、そのチェック体制含めて、本当に今、こんな分業の、分業といいますか、三つも調べる体制があり、それぞれ調べる対象が違っている中で、本当にトータルとして日本で働いている外国人の皆さんの働き方がきちんとチェックできるんだろうかということを私大変疑問に思います。
 その意味で、これだけ複雑化してきているのであれば、逆にもっと簡素化をして、体制そのものにひずみ出てくると思いますので、もっと効果的に効率的にチェックができる体制の再構築というものがこれ必要なんじゃないかというふうに思いますけれども、この点について大臣の御認識をお伺いしたいと思います。
#127
○国務大臣(根本匠君) それぞれの制度がそれぞれの目的に応じて構成されていると思います。例えば、技能実習制度は、釈迦に説法ですけど、要は国際貢献、技能の移転ですから、そして、技能実習制度の方については、昨年の十一月に、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律、そこできちんと見ると。そして、新たな今回の受入れについては、もう既に法務省からもお話がありましたが、その仕組みの中できちんと見ると、こういうことになっておりますし、我々は労働行政を扱っておりますので、我々の労働行政の観点からしっかり物を見ていくということで、それぞれの制度がありますけど、それはそれぞれの法律、制度の目的、趣旨に従って動いていく、運用されていくものと考えております。
#128
○礒崎哲史君 いや、だからそれが本当に機能するんですかということを言っています。形としてそうしているのは分かっています。本当に機能していくんですか。いや、現に機能しているんですかということをお話しさせてもらっています。
 これも先ほど石橋委員とのやり取りの中で、実際に法務省さんが行った失踪者、失踪されていた方たちへのアンケート調査の結果、先ほど石橋委員が確認をされていました。あの中で、実際に最賃以下で働かされていたと思われる、推測される人たちが七〇%いるということがあのアンケート結果からも見えるわけですよね。分析できたわけですよね。
 では、法務省、そういう分析結果を厚生労働省あるいは労働基準監督署に情報提供はしたんでしょうか。
#129
○大臣政務官(門山宏哲君) 今回の個票を基にして、それで通知をしたかということについては、その具体的な内容については統計等を取っていないんですけれど、一般論として申し上げるのならば、法務省においては、この調査で不適切な行為の端緒を把握した場合には、その情報の信用性、信憑性や確度も勘案しつつ必要な調査を行うほか、関係機関への情報提供を行うこととし、これを通じて、違法、不当な行為があった場合には技能実習計画の取消しなどの対応をしています。
 通知についても、一定数今までは行ってきたけれど、今議員の御指摘のような、十分やれているのかということについては、まさに今PTの中でしっかりこれから検討を行って、その結果も含めてしかるべき場で公表していきたいということを、今まさに検討しているところでございます。
#130
○礒崎哲史君 ですから、一般論の中でやることになっているのは分かっています。それから、PTの中で全般的にどうなのかをチェックするのも是非やってください。
 私が今聞いたのは、この件に関してやったんですかということをお伺いしております。もう一度お願いします。
#131
○政府参考人(佐々木聖子君) 今、政務官から御答弁申し上げましたように、この今回御覧をいただいた個票、聴取票のどれについて労働基準監督官署に通知をしたかということにつきましては、先ほど政務官御答弁申し上げましたように、これについては記録として把握をしておりません。
#132
○礒崎哲史君 だから、やっていないんですよね。
 じゃ、厚労省さんに聞きます。
 厚労省さん、この情報もらいましたか。
#133
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 監督機関と入国管理機関の間の相互通報制度がございまして、平成二十九年には入管の方から監督機関へは四十四件、平成二十九年には通報されたものがございますが、この入国管理機関からの通報の中に聴取票に基づく通報が含まれるかどうかについては、それを区別できる形で通報はされておりませんので、私どもとしては分からないということでございます。
#134
○礒崎哲史君 だから、分からないわけですよね。
 しかも、野党がチェックしたこれは結果ですけれども、おおよそ約七割が最賃割れの状況にあった可能性がある。人数にして千九百二十七名ですよ。そんな、十何件とか四十何件とかそういうレベルじゃないわけですよね。とんでもない数字なんですよ。全然違うんです、桁が、二桁違うんです。
 そうすると、これ、大臣、根本大臣、さっき、それぞれがきちんと連携しながらやっていくって言いましたけど、現状でできていないじゃないですか。しかも、去年法改正して、強化していきますって、技能実習制度の去年の説明資料の中に、業所管庁等の指導監督、連携体制が不十分という振り返りの下に見直し後はそれを強化しますって書いてあるんですよ。一年前ですよ、これ。そのための法改正やったんでしょう。一年たったんでしょう。一年たった今の状況が、まさに最低賃金を下回っている人たちがいる可能性があるデータがおよそ二千件近くあるのに、それを法務省が厚生労働省に連絡すらしていない。どこができているんですか。何にもできていないじゃないですか。
 その上に、新しい特定技能の在留資格つくる、できるわけないじゃないですか、現状でもできていないのに。それを、しっかりやりますで片付けられちゃ困るんです。困る人たちがいるんです、現に今いるんです。それがもっと増える可能性があるんです。真剣に考えていただきたいと思いますよ。
 大臣、もう一度御答弁いただけますか。
#135
○国務大臣(根本匠君) まず、厚生労働省においては、技能実習生を雇用する約四万八千の実習実施企業、これは、各種情報から法違反が疑われる事業場を重点的に監督指導しました。
 そして、これは、必要な情報は法務省からも来るわけですけど、我々はいろんな情報の中で四万八千のうち六千件に監督指導を実施しております。入国管理局からの通報だけが端緒となっているわけではありません。
 それからもう一つ、今回の聴き取り票の件ですけど、これは今、門山政務官がプロジェクトチームを設けて徹底的に中身を精査していますから、その結果を受けて我が方に通報されるものと思います。我々はその具体的な事案を見て、必要な、労働関係法令違反があれば、しっかりとこれは是正勧告も含めて対応していくということであります。
 聴き取り票については法務省からいろいろ、法務省、反面調査がされていないとか、それを今一つ一つやっておられるんで、そこはしっかりと法務省にやっていただいて、その問題事案の情報は厚労省員が受けますから、きちんと、労働法令違反が通報される場合は法令違反があるんだろうと思いますから、そこはきちんと対応していくと、こういうことであります。
#136
○礒崎哲史君 いや、だから、現状でもできていないということはお認めいただけるんでしょうか。現状、できていないですよね。やるべきことをやっていないですよね。
 今、個票についてのチェックをもう一回やっていると言いましたけれども、もう野党の皆さんが集まって手書きで全部写して、二千件以上写してもうデータ整理していますよ。終わっているんですよ、野党の方のチェックは。法務省は一体何やっているんですか。指摘されてからもう一か月たっているんじゃないんですか。いまだに何をやっているんですか。いつまでに何のどういうデータを取りまとめて出すつもりなんですか。
 門山政務官、それの責任者だということであれば、是非、いつまでにどういうデータを出すつもりなのか、その方針について教えていただけますか。
#137
○大臣政務官(門山宏哲君) 一応、昨日、第四回目のプロジェクトチームの検討会を行ったところでございまして、そこにおいて議論されたこととしましては、二十九年度及び三十年度の分の今の形の聴取票については、明らかに違法、不適正な処遇が認められないものを除く全ての実習実施機関に対する調査を、これを実施することということを方針として出しまして、それについてはなるべく速やかに、可能な限り速やかにということでございますけれど、できればこれは速やかにとにかく調査を終えて、違法や不正な行為が認められた技能実習先に対して遅滞なく必要な検討をした上で必要な処分を行うとともに、その結果を公表することを検討しているところでございます。
 何とかこの三十年度中にできればということを、それよりなるべく早く終われば早く出せるように考えているところです。
#138
○礒崎哲史君 法案を通したいんでしょう。現状把握するのに今年度末ってどういうことですか。この結果がまとまってこれを厚生労働省に連絡すれば、労働基準監督署の人、頑張って今だって働いているんですよ。本当に困っている人たち助けたいと思っているんですよ。その情報を止めているの、法務省なんじゃないですか。そんな悠長なことを言っていていいんですか。どこが連携取れているんですか、これの。
 このまま突き進んで本当にいいんですかということを改めて皆さんにお訴えをしたいと思いますし、だから、ここの二つの連携についてはまだまだいっぱい、問題はいっぱいあるんです。なので、是非、法務委員会と当委員会の連合審査実施していただくことを改めてお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。
#139
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
 礒崎委員の続きのような質問になりますけれども、よろしくお願いいたします。
 大臣は、衆議院の厚生労働委員会で、新たな制度の導入に当たって労働基準法令違反が減るのかと質問をされましたところ、新たに創設される出入国在留管理庁と相互通報制度もやりますから、緊密な連携を図ることによって減るように努力したいと、こういう答弁ですよ。現状の技能実習法の下で労働条件の確保を図ると。
 それぞれの機関で発覚したこの労働基準法関係法令違反の疑いがあるものについての相互通報、こういうことは今でもやっているわけですね。先ほど来話があったとおりです。
 先ほど、二〇一七年については入国管理庁の方からは四十四件の通報があったと。じゃ、二〇一二年と二〇一七年比べてみて、その数字を、二〇一二年と直近のところでそれぞれがどれだけ通報しているのか、数でお答えください。
#140
○政府参考人(坂口卓君) お答え申し上げます。
 今御質問の労働基準監督機関と出入国管理機関との相互通報の状況でございますが、まず、私ども労働基準監督機関から出入国管理機関への通報の件数でございますが、二〇一二年、平成二十四年は四百十三件でございまして、近時の状況は、二〇一六年、平成二十八年が四百三十一件、二〇一七年、平成二十九年が五百四十六件となっております。
 また、出入国管理機関から私ども労働基準監督機関への通報の件数の状況でございますが、二〇一二年、平成二十四年、お尋ねの二〇一二年につきましては五百五十六件でございまして、近時の状況は、二〇一六年、平成二十八年が百十四件、二〇一七年、平成二十九年が四十四件ということでございます。
#141
○倉林明子君 今お話もいただきました二〇一二年度から二〇一七年度分までのそれぞれの通報の実績というものをグラフにして資料としてお配りをしています。
 これ、一目瞭然なんですけれども、トータルでの通報実績というのも減っていると。そして、今の現状を見ると、双方向じゃないんですよね。労働側からの片側通報、片側一方通報になっているんですよ。出入国管理機関からの通報というのはこの五年でもう五百件以上も激減しているんです。
 失踪した技能実習生、先ほど来議論ありました。この中身というのは、本当に深刻な中身が改めて分かったというふうに思います。その結果、最賃下回る事例が千九百二十七人だと、さらに、過労死ラインを超えるような長時間労働も二百八十九名と、こういう結果が分かりました。これ、法令違反の疑い、もう明らかにそうであろうと思われる分も含めて、法務省は、この聴取票は取りながら、先ほどのお話では通報していなかったと。今から中身分析するというんだから、通報はあり得ないと思うんですよね。
 これに対して大臣の認識を改めて確認したいと思うんだけれども、現状の入国管理機関との通報制度というのは機能していると、こう評価できるんでしょうか。
#142
○国務大臣(根本匠君) 技能実習生の適切な労働条件の確保は重要だと思います。
 そして、我々、例えば二〇一七年に法務省から四十四件通報されましたが、我々、既に直前に監督指導を実施したなどの理由によって監督指導を行わなかった四件を除いて、速やかに監督指導を実施しました、平成二十九年の四十四件は。そして、このうち三十六件については、労働基準関係法令違反が認められたため、是正勧告を行い、その旨法務省に回付をしました。
 それと、これは法務省から答弁してもらった方がいいと思うんですけど、今回の聴き取り票は、法務省が情報収集のために聴き取り票というのをやって、実は、何で通報がないかといえば、これは法務省から答弁してもらいたいんだけど、各調査項目について明確な定義を置いていない、あるいは失踪した技能実習生から任意に聴き取りした情報を入国警備官がありのままに記載したものと承知していますから、法務大臣からは、聴き取り方法や記載方法について統一指針もなく、反面調査を行うなどして実態調査した結果を記載する性質のものになっていない旨の答弁がなされたので、だから、今回の問題については、まだ私は、精査した上で通報がなされるものと……(発言する者あり)いやいや、そんなことはないですよ、だって今回の聴き取り票について聞かれたわけだから、と思います。
 あとは法務省に御答弁をいただきたいと思います。
#143
○倉林明子君 いいですか、大臣は衆議院で答弁しているんですよ。今度も、通報制度あるさかいにこれ減るようになるんだという、これで頑張りますという頼りの綱のような紹介しているんですよ、これ通報。よう聞いておいてください。いいですか。この通報制度、現状の通報制度が今後も役に立つと、これで減るって、労働基準法関係法令違反が、そういう趣旨で御説明されているから、改めて、今の通報、この制度ですよ、こういう実態をお示ししました。これで機能していると言えるはずがないじゃないですか。はっきり答えてください。
#144
○国務大臣(根本匠君) 相互通報制度というのは今までもやってきているわけでありますが、先ほど申し上げましたけど、さっきの通報されたものについては、最低賃金を下回る支払などの最低賃金法違反、あるいは賃金不払残業などの労働基準違反が認められた場合、これは是正勧告を行って、是正を徹底しております。相互通報制度については、これからも法務省とよく相談してしっかり対応したいと思います。
 それから、厚生労働省においては、出入国管理機関からの相互通報をまつまでもなく、技能実習企業四万八千件のうち約六千件に監督指導を実施しておりますので、入国管理局からの通報だけが端緒となっているわけではありませんが、これからも更に相互通報制度、しっかりした運用ができるように頑張っていきたいと思います。
#145
○倉林明子君 これからの決意聞いているんじゃないんですよ。今の通報制度というのが機能しているかどうかについて全く答弁できないってどういうことですか。私、このとおりで通告しているんですよ。だから、きちっと今の現状のこの相互通報制度が機能しているのかしていないのか、どっちか、明確に答弁いただきたい。
#146
○国務大臣(根本匠君) 私が先ほど答弁したとおり、法務省からの通報があったものについては、さっきも申し上げましたが、四十四件のうち、要はほとんど是正勧告しているわけですから、その意味においては私は機能していると思うし、更に機能するように、法務省と十分連絡調整、そして連携を強化していきたいと思います。
#147
○倉林明子君 いや、これで機能しているんだという説明がまかり通るようだったら、私は事実をきちっと踏まえた対応にならないと思うんですよ。
 私、これ、聴取票の実態というのは本当に深刻なんですよ。労働行政を預かる者として姿勢を問うているんですよ。そこはしっかり受け止めていただかないと、法律を守らせるなんてことはできませんよ。
 そこで、改めて、この新しい外国人の受入れ制度ですけれども、少なくない技能実習生が新たな制度により特定一号として就労継続と、こういう場合があるということが確認されてまいりました。
 大臣に聞きますが、新たな外国人受入れ制度で創設される入国在留管理庁との通報制度、これ、労働基準法令違反に対して有効ですか。有効かどうか。どっちかだから。
#148
○国務大臣(根本匠君) これ、相互通報制度という制度があるわけですから、その意味において、私は相互通報制度は有効な手段だと思います。
#149
○倉林明子君 それはさっきのやり取りまでの話。今聞いたのは、新しく入国在留管理庁というのをつくった上で、新しい通報制度のところは有効になるのかと、有効に機能するのかと、次の話です。
#150
○国務大臣(根本匠君) 相互通報制度は今までも運用していましたが、今回新たに創設される仕組みについては、外国人材の適正な労働条件確保に有効となるように、法務省とよく相談してしっかり対応したいと思います。
#151
○倉林明子君 制度あっても四十四件しか通報してこなかったというのが法務省なんですよ。そんなところと相談してこの制度がうまく回るはずありませんので、相談する相手は間違わないようにと申し上げておきたい。
 そこで、さらに、私、技能実習生の深刻な実態というのを改めて思い知らされたのは、今月二日の朝日新聞の報道なんですよ。「中絶か帰国か」、これ二枚目に資料を付けております、「迫られた実習生」という記事でした。妊娠が判明したら、実習先から中絶か強制帰国かということで迫られたと。で、逃げたと。少なくないという生々しい告発でした。恋愛禁止、こういう規則に実習生の署名まで求めていたという事例が紹介されておりました。
 こうした実習先企業の行為をまずつかんでいるのか。そして、雇用均等法違反に私は明確に当たると思いますけれども、いかがお考えですか。
#152
○政府参考人(吉本明子君) ただいま委員の方から御指摘のありました報道については、私どもも承知をしております。
 私どもは、外国人技能実習機構による実地検査、また、新制度におきましては実習生の方々からの申告だとか相談だとかいったことがございますので、そうしたものを端緒としてこうした実態把握に努めているところでございます。
 こうした事例が実際に法に違反するかどうかにつきましては個別に判断する必要があるというふうに思っておりますけれども、一般論といたしましては、まず、男女雇用機会均等法との関係になりますが、事業主に対しまして、第九条一項で、妊娠したことを退職理由として予定する定めを禁止しているところでございまして、また、第九条三項におきましては、妊娠等を理由とする解雇その他不利益取扱いを禁止しております。また、同法の第十一条二及び同条に基づく指針におきましては、妊娠や出産をした女性労働者に対しまして、上司が解雇その他不利益な取扱いを示唆することや、上司や同僚が繰り返し、また継続的に嫌がらせ等の言動を行う、いわゆるハラスメントの防止措置を義務付けているところでございます。
 さらに申し上げれば、技能実習法におきましても、技能実習生の私生活の自由を不当に制限するような取扱いは技能実習法に抵触するものでございます。
#153
○倉林明子君 そのとおり、法違反、そして技能実習法で新たに定めた技能実習生の保護の規定のところにも反する中身になるという説明はそのとおりだと思います。私、重大な人権侵害行為ですよ、こういう報道にあった事例は、こういう状況が放置されているということが非常に問題だというふうに思っています。
 こういう実態があるということと改善されていないということは非常に問題だということを指摘した上で、この技能実習法には、技能実習生自らが労基法、労働基準法関係法令の違反の是正を求めるということで申告権が規定されました。まだ実施されて間もないということになろうかとは思いますが、この実績はどうなっているでしょうか。
#154
○政府参考人(吉本明子君) 技能実習法が施行されました昨年の十一月から今年の十月十一日までの状況を取り急ぎ集めましたところ、技能実習機構の方に寄せられた申告件数は二十件でございました。
#155
○倉林明子君 違反の状況、厚労省が調べたところでも、調査入ったところで七割の違反実態があるというところから見ますと、極めてまだこの申告という制度も機能が不十分だというふうに言えるんじゃないかなと思います。
 今、新たな出入国管理法については、技能実習法で特別に保護規定というのを設けたんですね、申告制度も、申告権も明記をしたということになるんですが、こういう技能実習法のような労働者を保護する規定、これが新たな入管法に入るのかどうか、あるのかどうか、いかがですか。
#156
○政府参考人(佐々木聖子君) まず、法律における規定につきまして、具体的に改正法案におきましては、外国人であることを理由として報酬等に関して差別的な取扱いをしてはならないということを規定をしておりまして、日本人と同等以上の報酬が支払われることなどを確保しています。また、同じく法案の中に、五年以内に出入国又は労働に関する法令に関し不正又は著しく不当な行為をしていないことを規定をしておりまして、悪質な受入れ機関を排除することとしております。
 その他、省令におきましても、外国人から保証金等を徴収する悪質なブローカーの介在を防止するため、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者の介在がないことなどを求めます。
 それから、受入れ機関の欠格事由といたしまして、これは技能実習法にありますように、外国人に対して暴行、脅迫又は監禁をする行為をした者、外国人の旅券又は在留カードを取り上げる行為をした者、外国人の私生活の自由を不当に制限する行為をした者などを定め、特定技能外国人の受入れをできないこととする予定でございます。
#157
○倉林明子君 いや、そういう規定ぶりなんだけれども、私が聞いたのは、技能実習生の現状があるから、今の技能実習法には特別に、外国人だって日本人だって日本で働いている労働者には労働基準法等関係法令が適用されるんですよ。だけども、それでは技能実習生の現状を解決できないということで、上乗せして労働者の保護規定、申告権までわざわざ書き込んだという経過があるわけですよ。そういう労働者保護、この規定がないんじゃないですかということを言っているんです。
 技能実習生の延長線上に特定一号というのはあるわけですよ。技能実習生でなくなった翌日から働いている場所が変わらないという可能性はあるわけですよね。むしろ、そちらの方が多いと思う。そうなったら、特定一号になった途端、こういう技能実習生で課されていた保護規定、これが掛からなくなると、こういうことになると思うんですね。
 技能実習法三条二項、ここでは、「技能実習は、労働力の需給の調整の手段として行われてはならない。」、これも技能実習法での規定です。新たな特定技能の在留資格、これによりますと、人手不足が解消したとされれば新規の受入れは中止が原則ということになりますよね。さらに、リーマン・ショックのような事態が発生したら、余剰となった特定技能の外国人労働者の雇用、これ確保される担保ないと思うんです。
 こういうことで考えますと、新たな制度で受け入れた外国人の労働者は、労働力の需給調整の手段となりかねない。これ明らかに技能実習法では禁止しているんですよ。ところが、こういう技能実習から特定一号に行った途端、この人たちは需給調整の手段になりかねないという、これリスクだと思いますよ。大臣、どう認識されていますか。
#158
○国務大臣(根本匠君) 今回の受入れは、基本的には、何度もお話をしておりますが、法務省からも、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお当該業種の存続、発展のために外国人材が必要と認められる分野に限って行うと。その上で、外国人材を受け入れた分野においては、人手不足の状況について継続的に把握して、必要に応じて受入れを停止する措置を講ずることとされていると承知しております。これは、必要とされる人材が確保されたにもかかわらず外国人材が国内の労働市場に流入し続けることがないようにするための、そういう仕組みであると私は理解しております。
 一方、法務省においては、外国人の受入れを一時停止する措置を講じた場合であっても、既に特定技能の在留資格を持って在留している外国人について、その在留を直ちに打ち切り、帰国させることは考えていないと承知をしております。
 厚生労働省としては、新たな制度で受け入れる外国人を含め、日本で働く外国人労働者の適正な労働条件の確保と雇用管理の改善を図る、そして、日本で働くことを希望される外国人に対しては、在留資格で認められる範囲においてできる限り希望に沿った就職が実現するように、必要な支援を行っていきたいと思います。
#159
○倉林明子君 大体、人手不足に対応するという目的が出た途端に、やっぱり、人手が余ったときにどうなるのか、だから需給調整になるんじゃないかと。それ禁じているのが、説明したとおり技能実習法なんですよ。そういうことになったらあかんということで、技能実習法には定めをしたんですよ。ところが、その延長に行ったらそのリスクは極めて高くなる、当たり前じゃないですか。
 国際貢献を建前にして実態は安価な労働力として使ってきた、これが技能実習制度にほかなりませんよ。建前のために外国人労働者が負わされてきたリスク、コスト、これが現状でも解消されていない。昨年の聴取票の結果というのは、本当にそのことを示していると思います。
 新たに外国人労働者を受け入れることになるわけです。労働行政を所管する大臣として、このリスク、本当にどう考えるのかと思います。この制度、受入れ拡大に対して、本当に労働行政をしっかり守れるのかどうか、その点、どうですか。
#160
○国務大臣(根本匠君) 外国人労働者の皆さんが日本で安心して働いて、その能力を十分に発揮する環境を整備、確保することは本当に重要だと思います。
 技能実習制度については、一部の監理団体、受入れ企業、労働関係法令違反、様々な問題がありました。そういう指摘を受けて制度を見直して、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律を昨年十一月に新たに施行して、取組を強化しております。
 新たな外国人受入れ制度においても、日本で働く外国人材の適正な労働条件の確保と雇用管理の改善を図るために新たに創設される出入国在留管理庁と相互通報制度の運用など緊密な連携を図る、そして、労働基準監督署においては、労働基準関係法令が遵守されるように事業者への監督指導を行って違反があれば是正を図らせる、さらに、ハローワークにおいても、事業主が講ずべき措置を定めた指針に基づいて外国人材の雇用管理の改善に向けた助言や指導等を行ってまいりたいと思います。
#161
○倉林明子君 技能実習生の問題というのは、紹介したような人権侵害及び働き方ということで、一向に改善していない。新たにこういう外国人を本当に労働者として受け入れるということであれば、私は、技能実習制度という仕組みそのものをやっぱり廃止すると。そこから国民的な、外国人労働者の受入れの拡大どうあるべきなのか、国民的な議論をし直さないといけないんじゃないかというふうに改めて申し上げたいと思います。
 この問題、日本の国民の働き方、ここにも大きな影響を与える問題でもあります。改めて、この入管法についての連合審査を重ねて求めると同時に、やっぱり入管法については廃案として出直すべきだということを申し上げまして、終わります。
#162
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。
 まず最初に、旧軍用墓地のことについて質問をさせていただきたいと思います。
 以前にもこの厚生労働委員会の方で根本大臣の方にも質問をさせていただきました。やはり戦争で犠牲になられた方の命を、それは、やっぱりきちっとした扱いをしていくというのは、私は非常に大事だと思っております。国のために命を犠牲にされた方々に対しての扱いというのはやっぱり大事にしていかなきゃならないというふうに思っておりまして、私は、実は靖国神社にもお参りしますし、千鳥ケ淵にもお参りしますし、ただ、やはり旧軍用墓地というのが全国にもたくさん、恐らく八十六か所ぐらいあるわけですけれども、そういうものがちょっとないがしろにされてきたんではないのかなというふうに思っております。
 実は、大阪におきましても真田山陸軍墓地というのがありまして、これはもう明治四年にできまして、全国で最も大きな旧陸軍墓地です。墓碑が五千百ぐらいあって、あと納骨堂というのがありまして、そこには八千ぐらいの骨つぼがずらっと並んでいるわけですね。そういうのがありまして、これは元々大蔵省が持っておられて、陸軍から大蔵省が引き継いで、その後、財務省が所管して地方公共団体に無償で貸与していたりとか譲渡していたりとか、そういった形になっているわけですけれども、余りにもないがしろにされてきたんではないのかなというふうに思っております。
 そんなことで、質問させていただきましたときには、今調査しております、点検しておりますという御答弁でありました。点検作業が進んでいるということでありますので、現在の状況とか把握できている内容について、まずお伺いしたいと思います。財務省の方から。
#163
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 旧陸軍墓地は、戦後、旧陸海軍から当時の大蔵省に引き継がれたものでございまして、そのうち約半数は財務省が所管をし、基本的には地方公共団体に無償貸付けをしているところでございます。残りの半数は地方公共団体等に移譲をしているものでございます。
 旧陸軍墓地につきましては、厚生労働省と協力をいたしまして、本年十月より改めて現状の点検作業を行っておりまして、現在、最終的な精査を行っているところでございます。
 これまでのところ、例えば、今委員の方からもお話のございました大阪市の旧真田山の陸軍墓地の納骨堂につきまして、台風による屋根瓦の損傷や建物の老朽化が確認されるなど、国所管の旧陸軍墓地において修繕を要する工作物があることが判明しているところでございます。
#164
○東徹君 全国的に調査、点検をしていただいたということであります。恐らく、大阪だけではなくて、全国的に同じような状況にあるんだろうというふうに思っております。
 そんな中でも、私も大阪の、先ほど言われた真田山陸軍墓地の方に台風の後は私もボランティアで作業に行かせていただいたりとかもしましたし、そしてまた、納骨堂の中を見させていただいたりとかしたんですけれども、もう本当に古い建物でして、もう本当に、何か日曜大工で造ったような、地震があっても骨つぼが落ちてこないように板を単に張り付けてあるような、そんな状況であったり、もちろん耐震性というのも非常に問題があるというふうに聞いております。
 墓石、墓碑につきましては、だんだんともう、砂岩ですからもう文字が見えにくくなってきているというふうな状況にもありまして、やはりこれ、我々が戦争で亡くなられた尊い命を犠牲にされた方たちを大切にする、いつまでも忘れないということがやっぱり日本の平和につながっていくんだろうというふうに思っていますので、是非こういったものは、恐らく地域によっていろいろあるかもしれません。大阪であれば、大阪市が管理をしながら、実際に維持管理しているのはそういう維持管理の民間の団体がやられたりとかされているわけですけれども、いろいろと役割分担はあると思うんですね。その中で、やはり今後、大規模な修繕とか要るときに、これはやっぱり国でもってお金を出していかなければならないというふうに思っております。
 今後、これらの修繕等をやっぱり進めて、旧軍用墓地を適切に管理していくためには予算も必要になってくるわけでありまして、墓地の性質を考えると国はできるだけの対応をしていくべきというふうに考えますけれども、どのような対応を考えているのか、お聞きしたいと思います。
#165
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 国所管の旧軍用墓地におきまして、点検作業で判明をいたしました納骨堂や慰霊碑、墓石などの工作物の損傷を修繕するに当たりましては、地元の地方公共団体や遺族会などと御相談しながら行う必要があると考えているところでございます。
 その上で、戦没者の御冥福をお祈りし、尊崇の念を表するということは重要でございまして、今般の点検の状況を踏まえ、地方公共団体や遺族会などと協力して、国として必要な対応を前向きに行ってまいりたいと考えているところでございます。
#166
○東徹君 国として必要な対応を前向きに行っていくということは、恐らく予算を付けていくという解釈をしていいんだろうと。うなずいていただいているんで、そのように取らせていただきますけれども。
 今までも、余りによく、靖国神社とか千鳥ケ淵とか、そういったところは国会議員もよくそういったところに行っていましたし、そういったところは非常に注目も浴びたのかもしれませんけれども、やはり全国にある旧陸軍墓地、そういったところにはもう本当のお墓があったり、本当の骨が、骨つぼがそこに並べられていたりとか、納骨堂にはされているわけですから、やっぱりそういったところはきちっと大事にしていくということは、私はこの国のためにも、また亡くなられた方々のためにも大事だというふうに思いますので、是非、財務省の答弁を今厚労大臣の方もお聞きいただいたと思いますので、どのような対応を取っていくのか、お聞きしたいと思います。
#167
○国務大臣(根本匠君) 委員がこの間、この問題について熱心に取り組んでこられて、そして様々な課題や提言もいただいております。
 私も委員と同じように、現在の私たちが享受している平和と繁栄、これは国や国民のためにかけがえのない命をささげられた皆様の尊い犠牲の上に築かれたものだと思います。このことを決して我々忘れてはならないと思います。
 ただ、もう財務省からお話がありました。厚生労働省と財務省と協力して点検作業を行ってまいりました。先ほど財務省からも、国として前向きの対応をしたいというお話もありました。そして、厚生労働省では、さきの大戦の犠牲になられた方々を慰霊する民間の慰霊碑であって、建立者や管理者が不明で適切な管理が行われていないものの移設、埋設を公共団体が行う場合には、その費用への補助を行う事業、これを実施してまいりました。
 今後、地方公共団体がより活用しやすい事業となるように、例えば管理者が高齢化して事実上管理できない場合にも補助対象を拡大することを含めて、より活用しやすい事業となるようにすべく、今検討中であります。
#168
○東徹君 実際、こうやって点検をしていただいたわけでありますから、点検の結果を踏まえて、やはり国としてやるべきこと、地方公共団体としてやるべきこと、それでまた民間の遺族会とかの人たちがやるべきこと、いろいろあると思いますけれども、やはり国の方でもこういった墓地があるんだということをしっかりと把握していただいて、これはもう厚生労働省の方でもしっかりと把握していただいて、きちっとやっぱり修繕費とかそれから改修費とか、必要なときにはきちっと国として予算を対応していっていただきたいと思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 続きまして、障害者雇用の水増し問題に関わるちょっと質問をさせていただきたいと思います。
 今回の障害者雇用の水増し問題ですけれども、これは厚生労働省にももちろん責任があるというふうに思いますし、全省庁またがって、全省庁に関わる今回の不祥事事件だというふうに思います。
 私は、かねがね言わせていただきました、これは本当に、この制度というのは非常に厳しい法定雇用率の制度があるわけで、民間がこれができなかったら納付金を納めなければならないと、赤字であっても納付金を納めなければならないと。納めなかったら差押えということもなるわけですよね。それだけ厳しい制度を国の方でやっておきながら、国の今回の有様、非常にこれ信頼失墜もいいところだと思っています。やっぱりこれを、信頼を取り戻すためには、私はやっぱり、この間からも言いましたけれども、本来は、今回の人件費の引上げがありましたけれども、そうじゃなくて、やっぱりきちっとそれなりの人件費の中から納めていくということが私は大事だと思っていました。
 これはもう、私はそういう考えでおりますけれども、今後、今、国としてどういうふうにこれからの障害者雇用を進めていくのかというふうな計画を立てておりますけれども、ちょっと余りにも、一気に三千八百人も、これからなかなかそれは、障害者雇用を進めることはできないと思います。
 ただ、本当、私も見てびっくりしたんですけれども、例えば、参議院の事務局、これは不足数は二十一名なんですね、この参議院の事務局では。二年間で採用してしまいますということなんですね。国会図書館も大体十五名不足しているんですけれども、その十五名はこの二年間でやりますよと。私、今回のことは、本当に全省庁にまたがる話であるし、国の機関全てにまたがる話ですから、やれるところはそうやってやっていいのかもしれませんけれども、やっぱり基本的な考え方をきちっともう一度整理をしていただきたいなというふうに思うんですね。
 この間から、参考人質疑もありました。国がこれから障害者雇用を募集していくと、やっていくということになると、本来、民間で採用しようとしていた人も、いや、それだったら国の方へ行こうかなとか、いろいろそういう現状が出てきていると。そうなると、民間でこれ採用できなかったら納付金を納めないといけないわけですから、やっぱりそういう現状も出てくるわけですよね。
 だから、やっぱりそこはもうちょっと考えるべきだというふうに思っていまして、一つは、これ、どういうふうにしていくかという考え方なんですけれども、私は、大阪府議会にいてたときに、大阪府は障害者雇用ナンバーワンらしいんですけれども、全国的に。それは、知事が記者発表でそう言っているからそうなんだろうと思うんですけれども。すごく障害者雇用に対して積極的にやっている一つの事例として、大阪府庁の建物とか、そういったものの例えば掃除とか、そういったものは大体そういう障害者雇用をやっている企業にできるだけ入札を、落としやすいように、そういう評価の仕方をしているわけなんです。それで、私も知的障害者の方々がお掃除している姿を見て、本当に皆さん一生懸命お掃除してもらっていて、いつも本当によくやっていただいているなと思って感謝をして見ておりました。
 だから、そういう国が、行政がやることとしては、やっぱりそういう入札の在り方というのは私大事だと思うんですね。障害者を雇っている企業にできるだけやるという、これは障害者雇用のシェアみたいなものだと思うんですね。本来、五人障害者雇えばいいところを、十人でも二十人でも雇えるかもしれないわけですよ。そういった考え方、その分は国の方がこうやって入札でそういったところに委託しているからというところにつながっていくわけで、全体で考えていった方がいいのではないのかなというふうに思っております。
 障害者雇用を促進するために、国の総合評価入札制度でありますけれども、これにおきましても、評価項目として障害者雇用に関するものを盛り込んで、できるだけ障害者雇用を積極的にやろうとしている企業、そういったところにはある程度点数をあげてあげて、そういったところが業務をできるようにやっていくという物の考え方というのは私は必要ではないのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
#169
○副大臣(大口善徳君) 今先生御指摘のように、大阪府の総合評価入札制度、これは六百人を超える障害者雇用の創出につながっていると、こういうふうにお伺いしております。
 今般の事案を受けて、基本方針に基づいて、障害者の就職促進や職場定着が官民問わず進展し、全体として障害者雇用の底上げが図られるように取り組んでいきたいと思っております。
 大阪府のこの入札制度においては、評価項目として障害者雇用の視点を盛り込んでいることは承知をしているところであります。
 厚生労働省におきましては、一部の調達案件について法定雇用率等を競争参加資格としている例もあることから、このような例も踏まえ、御指摘の点も含め、障害者雇用促進に向けてどのようなことが可能か検討してまいりたいと、こう考えております。
#170
○東徹君 是非そう考えていただきたいと思うんですね。
 議員会館でも、本当に今PFI事業で清掃とかすごくしっかりやっていただいていると思います。思いますけれども、私はまだ一度も、ああ、この人障害者かなと思うような人って見かけたことがないですよね。
 だから、私はそういった障害者雇用を積極的にやっている企業をやっぱり大事にしていくという考え方というのは大事だというふうに思っていまして、そういうことを是非実施していっていただきたいなと思います。余りにもやっぱり国の機関というのはそういうことをこれまでやらなさ過ぎたというふうに思っています。
 先ほど、大阪府では六百人を超える障害者を雇用していますというふうに言っていただきましたけれども、実際そうなんです。だから、六百人もおるから、時々やっぱりそういった方を見かけるわけですよね。ここではなかなか見かけないと。
 障害者就労施設等からの調達についてなんですけれども、国の調達額というのは、平成二十九年度は八億五千万円なんですね。国の障害者就労施設などから調達しているというのは、調達額としては八億五千万円。一方、東京都はどうなのかというと、東京都だけでですよ、東京都だけで九億円も超えているんですよ。これはやっぱり国としては余りにも少ないと思うんですね。東京都で九億円超えていて、東京都よりも障害者の就労施設等からの調達額が低いという現状があるんです。
 この取組というのは非常に不十分であるというふうに言われても仕方がないと思いますが、これについてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#171
○副大臣(大口善徳君) 平成二十五年から施行された障害者優先調達推進法に基づいて障害者就労施設等の受注の機会を確保することは、そこで就労する障害者の自立の促進の観点から重要であると考えています。
 先般、厚労省において平成二十九年度分の国等の調達実績を取りまとめました。それによりますと、国、それから独法等、それから都道府県、市町村、地方独法の各合計額において全て前年度を上回っているとともに、全体の合計額についても四年連続増加し、平成二十九年度百七十七億七千万円と、前年度を六億五千万上回ったところであります。同法に基づく取組が着実に浸透しているものと考えます。
 ただ一方、今議員御指摘のとおり、平成二十九年度の国の調達額を見たときに、国が八億五千万、東京都が九億一千万であるということで、東京都の調達額より国が少ないということは御指摘のとおりであります。
 今般、閣僚会議で決定した公務部門における障害者雇用に関する基本方針においても、障害者優先調達推進法に基づく障害者就労施設等からの物品等の調達の推進が盛り込まれております。
 厚生労働省といたしましても、引き続き同法に基づく国の取組を推進すべく取り組んでまいりたいと、こう考えています。
#172
○東徹君 調達額では、やっぱり東京都が九億で国は八億五千万円ということで、これは恥ずかしいと思うんですね、東京都よりも少ないというのは。だから、是非やっぱりここは改めていっていただきたいというふうに思います。
 先ほども申し上げましたように、障害者雇用を国と民間とでやっぱりシェアしていくという考え方というのは私は大事だと思っていて、不足している分をただ単にこれからだあっと国の方で雇用していけばいいというものではないと思うんですね。やっぱり民間企業はこれ雇用できなかったら納付金を納めないといけないという制度になっているわけですから、そこは是非考えていただきたいなというふうに思います。
 これ、厚生労働省でやっている障害者のテレワークのことについてお伺いしたいと思うんですけれども、厚労省の方で、障害者のテレワークを促進するためにICTを活用したテレワーク導入のモデル事業、これを実施してこられました。実際には、モデル事業が終了した後もテレワークを実施している企業はたった一九%しかないんですね。これ、厚生労働省はこれを促進するためにお金を出してきているんです。平成二十八年度だったら四千万円、二十九年度は五千万円。これ、執行額は少なくて、二十八年は四千万円のところを二千六百万円、二十九年度は五千万のところを三千三百万円という状況なんですね。でも、これ実施している事業、企業であっても、実際に実施している企業は、その後実施しているというところは一九%にとどまるという大変残念なこれは結果になっております。
 このような低い結果になっているのはまずなぜなのか、どのように評価しているのか、お伺いしたいと思います。
#173
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 御指摘の事業は、障害者のテレワークの拡大を図ることを目的に平成二十八年度と二十九年度にテレワークで雇用したことのない企業がICTを活用して障害者のテレワークを実施する、そのノウハウを冊子にまとめて他の企業に周知を行うという目的で行った事業でございます。
 この事業では、成果の目標を、在宅雇用を導入した上でモデル事業終了後も引き続き在宅雇用を実施している企業の割合というふうに設定をし、それを平成二十九年度では目標の設定を七五%としたところ、実際には七社に取り組んでいただいて一社が雇用が続いたということにとどまりまして、目標に比べての実施率一四%ということが、達成率として見ると一九%にとどまったと、こういうことで、今御指摘いただいた数字はこの点でございます。
 原因としては、この事業、一年間で実施を、一年ごとに実施をするものでありましたが、トライしていただいた企業、社内体制の整備に時間が掛かったり、あるいは会社の事業に合う求職者の方の応募がなかったりというようなことで、事業期間内に雇用が始まらなかった、続かなかったということがございます。
 しかし、その後、事業終了後にテレワークを開始していただけた企業さんもあるということでございますので、この事業で得た知見を基にテレワークそのものの拡大をしっかり図ってまいりたいと思っております。
#174
○東徹君 全然評価ができていないですね、もうお話聞いていたら。
 これは本当に、七十五社モデル企業あって実施した企業は十四社しかなかったということに対して、きちっとやっぱり、これ国の予算、税金を使ってやっているわけですから、それに対する反省もやっぱり必要だと思いますよ。やっぱり、そういったこともない中で、ただ単に平然としていて答弁しているのは本当にどうかなと思いますよね。
 是非、障害者にとってこういうテレワークというのは大事なやっぱり仕事になると思いますので、多様な働き方の選択肢になっていくと思いますので、是非テレワークが普及していくように今後やっていただきたいと思いますので、是非お願いいたします。
 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
#175
○委員長(石田昌宏君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十分開会
#176
○委員長(石田昌宏君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#177
○小川克巳君 自由民主党の小川克巳でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 大臣にお伺いしたいことがちょっとあるんですが、大臣がちょっと離席中ですので、ちょっと順番入れ替えさせていただきたいと思うんですが、よろしゅうございますか。
 まず、受動喫煙防止対策につきまして、健康局の方にお尋ねをいたします。
 本年七月に健康増進法が成立しましたが、その後、地方自治体においても受動喫煙防止のための独自条例を制定する動きが続くなど、全国各地で様々な取組が進められております。改正健康増進法では、加熱式たばこについて、現時点での科学的知見では受動喫煙による将来的な健康影響を予測することは困難として紙巻きたばことは異なる取扱いをしています。同時に、厚生労働省は、加熱式たばこの健康影響についても調査研究をしっかりと進めていくというふうに答弁をされておられます。
 先日、愛知県豊橋市において、加熱式たばこにも喫煙者の呼気に有害物質が含まれるとして紙巻きたばこと同等に規制する旨の条例制定を目指すことが報じられるなど、自治体側で独自に規制を行う動きも見られておりますが、加熱式たばこによる健康状況の検証について、その進捗状況と都道府県における条例化などの状況を把握しておられれば御説明をお願いいたします。
#178
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 加熱式たばこにつきましては、その主流煙に健康に影響を与えるニコチンや発がん性物質が含まれていることは明らかでございますが、現時点の科学的知見では受動喫煙による将来的な健康影響を予測することは困難なところでございます。このため、さきの国会で成立しました改正健康増進法では、原則、紙巻きたばこは喫煙専用室のみで喫煙を認める中、加熱式たばこは喫煙専用室又は加熱式たばこ専用の喫煙室内でのみ喫煙を認めることとされたところでございます。
 条例における加熱式たばこの取扱いにつきましては、例えば、最近条例を制定いたしました東京都、静岡県、それから千葉市におきましては、いずれも改正健康増進法での取扱いと同様、喫煙専用室又は加熱式たばこ専用喫煙室で喫煙できる取扱いとなると承知しているところでございます。
#179
○小川克巳君 加熱式たばこの健康へ及ぼす影響について、どの時期といいますか、タイミングは、はっきりするのはいつ頃になるのかというのは見通しは立っているんでしょうか。
#180
○政府参考人(宇都宮啓君) 加熱式たばこにつきまして、改正健康増進法においてはこの調査研究を推進すべき旨の規定が設けられておるところでございまして、この加熱式たばこの健康影響に関する調査は重要な課題と認識してございます。
 具体的には、まずは主流煙中に含まれる化学成分の分析を続けるほか、屋内での加熱式たばこを使用した場合の周囲の人への暴露についての研究や健康影響評価法の開発を行う予定としているところでございまして、現時点ではいつまでにということはなかなか申し上げられないんでございますが、引き続き研究を推進していくということでございます。
#181
○小川克巳君 ありがとうございました。
 一定の結果が出ましたら、また御報告をお願いいたしたいと思います。
 続けて、慢性疼痛に関してお尋ねをしたいと思います。
 慢性疼痛対策につきましては、昨今、医療のみならず産業分野等においても大きな話題となっております。治療の質の向上のために、近年では痛みが五番目のバイタルサインとして重要視されてきておるということもありまして、欧米では大規模調査も行われるようになってきました。
 服部らが我が国において二〇〇六年に実施した調査結果を報告していますが、それによりますと、第一次調査として一般生活者三万名の中から慢性疼痛保有者を抽出するためのスクリーニング、それから、第二次調査として一次調査で抽出された慢性疼痛保有者の疼痛に関する詳細と治療状況の調査の二段階で行った結果、一次調査では、回答を得られた一万八千三百名から慢性疼痛のスクリーニング条件を満たした者は二千四百五十五名、一三・四%であったと。最も多い症状としては腰痛が五八・六%、次いで肩の痛み、肩痛ですね、が多かったというふうな報告をしております。
 この二千四百五十五名により更に二次調査を実施した結果、痛みのために仕事、学業、家事を休んだことがあると答えた方が三四・五%。痛みに関する治療は九五・四%の人が原因となる疾患を治療している医療機関で受け、満足のいく程度に痛みを和らげたとする方は二二・四%であった。診療科では、痛みの治療に整形外科を受診している方が四五%と第一位である一方、ペインクリニックを受診している方は〇・八%というふうな低値であったというふうに報告をしています。
 結論として、我が国では、約一三%の方が生活や仕事に何らかの支障を来す痛みを保有していたが、治療によって満足な痛みの軽減は得られておらず、疼痛治療を専門とする医療機関の充実がこれからの重要な課題の一つであるというふうにしています。
 また、健康日本21フォーラムが二〇一三年に実施した疾患・症状が仕事の生産性に与える影響に関する調査の結果を報告しています。これは対象者が二十歳から六十九歳までの男女二千四百名ということですが、それによれば、健康時の業務遂行能力を百点としたときに、メンタル不調時が五十六・五点、心臓に不調があるとき六十三・〇点、それから月経不順などによる不調六十三・八点、それから偏頭痛、慢性頭痛では六十七・九点などとなっています。また、アメリカでは自殺者の八・八%に慢性疼痛があったとの報告もあります。
 概して我が国においては疼痛への関心が欧米に比して高いとは言えず、その対策も体制もようやく緒に就いたばかりという印象があります。痛みには多様な因子が絡むこともあり、また主観的感覚でもあるため対応が難しいという面はありますが、慢性疼痛に悩む方々にとっては、日常生活はもちろん、生命の存続すら危機を及ぼす事項でもあり、医療、健康面のみならず、社会的にも早急な対応が求められているというふうに考えております。
 様々ありますけれども、慢性疼痛について、一定の要件の下に障害としての捉え方をすることが考えられないのかという点についてお尋ねをしたいと思います。よろしくお願いします。
#182
○副大臣(大口善徳君) 小川委員にお答え申し上げます。
 障害者手帳は、障害者の福祉の増進を図ることを目的として、身体に一定以上の障害が永続する方に交付され、障害者総合支援法に基づく福祉サービス等を受ける際の前提となるものであります。
 身体障害者認定基準では、上肢、下肢等に一定の機能障害を有する場合を身体障害者手帳の要件としているところであります。肢体の疼痛又は筋力低下等の障害も、客観的に証明でき又は妥当と思われるものは機能障害として取り扱うとしており、この慢性疼痛の症状をお持ちの方がこれらの基準を満たした場合には身体障害者手帳の交付を受けることが可能であります。
 具体的には、筋力テストあるいは関節可動域の測定又はエックス線写真等により、疼痛による障害があることが医学的に証明されるものを疼痛による機能障害として取り扱うということでございます。
 今後とも、身体障害者手帳の趣旨、目的を踏まえて、適切に身体障害者手帳に関する事務が行われるよう努めてまいりたいと思います。
#183
○小川克巳君 ありがとうございます。
 今御答弁いただきましたように、肢体不自由のところの適用が一部要件の下で実施ができるというふうなことでございます。
 ただ、痛みに関して起きてくることというのは行動障害といいますか行為障害の方でありまして、関節の機能であるとか筋の機能とかということではないので、少しそこら辺のくくりがなかなか難しいかなという気はするんですけれども、いずれにしろ何らかの対応が今後必要かと思われます。先ほどの副大臣の答弁で、期待をしながらお待ちしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、大臣が戻られましたので、まず健保組合の現状につきまして、最近、健保組合の解散が相次いでいるというふうなことがございます。これに対しましては衆議院の方でも議論がされているようでございますが、来年四月一日付けで人材派遣健康保険組合とそれから日生協健康保険組合が解散することを決めたという報道が九月にありました。派遣健保は約五十一万人の加入者を抱え、日生協健保は約十六万四千人の加入者がいると聞いています。
 昨今、このように財政悪化を理由に解散という選択をする健康保険組合が後を絶ちません。健保組合連合会が一七年度決算ベースで加盟する千三百九十四組合の収支状況を調査したところによれば、赤字組合数は五百八十組合、実に全体の四一・六%を占めていることが分かりました。また、保険料率を引き上げた組合は二百四組合、平均保険料率は〇・〇五七ポイント増の九・一六七%と十年連続して上昇したということが報告されています。
 それから、財政状況悪化の原因は高齢者医療費を賄う支援金負担が大幅に増加したことにあると指摘されておりまして、実際に一七年度では、支援金は三兆五千二百六十五億円、保険料収入八兆八百四十三億円のうちの四割以上が支援金に回っているということが明らかとなっています。
 健保連に加盟する組合全体の収支は四年連続の黒字決算となってはいるものの、拠出金は高齢化とともに年々伸び、財政状況を悪化させつつあります。保険料率を引き上げるなど、何らかの措置が急務であるという状況に陥っていることは疑いようがありません。
 ちなみに、団塊世代が後期高齢者になる二〇二五年には、協会けんぽを上回る保険料率に引き上げなければ解散の危機に瀕する組合数は三百八十に上るという試算も健保連は出しています。
 そうした事態を受けて、厚生労働省は保険料率が九・五%以上などの条件を満たせば財政基盤強化支援組合として医療費の一部を補助するというふうにしていますが、その実効性には疑問が残るというのが一般の受け止めです。
 我が国社会保障制度の重要な担い手である健康保険組合の窮状は、そのまま我が国社会保障制度の貧困につながります。これ以上健保解散という選択肢を選ばずに済むよう何らかの実効性のある対応が必要なのではないかとの観点から、以下お伺いをいたします。
 まず、健保組合の解散が問題となっておりますが、こうした状況についてどのように認識をされておられるのかについて伺います。
#184
○政府参考人(樽見英樹君) お答え申し上げます。
 健康保険組合の財政状況ということでございます。健保組合全体の財政状況について見ますと、御指摘ありました赤字組合、おっしゃるように約四割の組合が赤字というふうになっていますが、ただ、赤字組合の割合というのはここ数年、それ以前に比べますと減少傾向にあるという状況にあります。それから、保険料率、これも毎年少しずつ伸びてはおりますが、一方で、伸び自体は数年前に比べると鈍化をしておると。それから、義務的経費に占める高齢者医療への拠出金負担割合の伸びを見ますと、横ばいないし漸増で推移していると。それから、健保組合の経常収支ということで見ますと、ここ数年黒字で推移しているというような状況でございますので、健保組合財政に、何といいましょうか、ここへ来て急激に悪化しているというような状況ではないというふうに見ております。
 ただ一方で、御指摘のように、本年、日生協健保組合それから人材派遣健保組合という大規模な健保組合が解散を議決したということでございますので、これについては私どもとしては重く受け止めなければいかぬというふうに考えているところでございまして、健保組合の安定的運営を堅持するということが求められているというふうに認識をしております。
#185
○小川克巳君 ありがとうございます。
 次の質問ですが、ちなみに、派遣健保五十一万人とそれから日生協の健保十六万四千人、足して六十七万人余りが協会けんぽへ移動をするわけですが、この六十七万人余りが協会けんぽに移行することによって国費の負担というのは大体どのくらいになるのかということについてお教えいただけますか。
#186
○政府参考人(樽見英樹君) 健保組合が解散されますと組合員は協会けんぽの方へ入る、そういうふうになりますと、協会けんぽの方では国庫負担というのが付いている、したがって健保組合を解散した場合に国庫補助の影響額というのが出てくるだろうという御質問というふうに思います。
 これ、例えば対象となる健保組合が解散したとして、その翌年度の保険給付費というのはどういうふうなものであるのかとか、なかなか正確に見込むことが難しいという制約がございますので、ちょっと一定の大まかな仮定を置いた上で試算をさせていただくということでお許しいただきたいと思います。
 前提としまして、派遣健保と日生協健保の加入者が全て協会けんぽに移行する、それから、移行後、一人当たりの医療費は変わらない、それから、協会けんぽの国庫補助率は一六・四%を維持するという仮定を置いて、二十八年度決算見込みベースの保険給付費に基づいて機械的な計算を行わせていただきますと、影響額は合わせて約百二十億円という形になります。
 ただ、この数値については、例えば前期高齢者納付金、保険者間の財政調整分にもまたさらに影響が出てくるということがございます。そうしたところに関わります国庫補助額というのは更に変数が出てきますので、これは含めておりませんので、その点については御留意願いたいというふうに思います。
 以上でございます。
#187
○小川克巳君 ありがとうございました。
 財政状況の悪化の主要な原因は、さきに述べたように、高齢者医療費に対する過重な負担だと言われております。高齢者医療に対する負担構造をどうお考えなのか、その在り方につきましての見通しについてどのようにお考えなのかについて伺います。
#188
○副大臣(大口善徳君) お答え申し上げます。
 まず、国民皆保険制度は、国民に必要な医療を保障するため、必要な医療費を保険料や税といった国民全体で負担する支え合いの仕組みであります。後期高齢者医療制度はこうした考え方に基づいて実施しており、自己負担を除いた上で、公費で約五割、現役世代からの拠出金で約四割、後期高齢者の保険料で約一割を賄うことにしております。
 今後とも、この高齢者の医療費については、国民共同連帯の下、支え合いの仕組みを維持し、現役世代に応分の拠出金の負担を求めることは必要であると考えています。他方、この拠出金負担の特に重い保険者の負担軽減を図ることは重要であり、現在もこうした保険者に対しては一定の財政支援を行っているところであります。
 いずれにしましても、国民皆保険という支え合いの仕組みを維持するためには、支える側である現役世代の納得感も重要であると考えております。このため、引き続き、現役世代と高齢者世代の公平な負担の在り方について、国民的な議論の下、検討してまいりたいと考えています。
#189
○小川克巳君 ありがとうございます。
 財務省の方も、医療保険の適用範囲等の見直しであるとか、あるいは後期高齢者の負担割合なんかについての提案もされておられるようですけれども、健全な健保組合の運営状況というのはやっぱり必須であろうというふうに考えますので、是非実効性のある対策を打っていただきたいというふうに思っております。
 経営状況の良くない健保組合の財政的支援につきまして、今ほどお答えも一部ございましたが、例えば消費税二%のアップの増収に関して、その一部を支援の方に回すとかいうふうなこともお考えいただけると有り難いなというふうに考えているところです。
 いずれにしましても、大規模健保組合の破綻が非常に最近報道されるというふうなことがありまして、それだけでも、やはり一般の国民の感情からすると、不安感をあおるのに十分だというふうに思います。そうした実態も先ほど樽見局長からも御報告ありましたけれども、そういった実態がなかなか周知されないまま健保組合の倒産ということが大々的に報道されるというふうなことが続きますと、やはり国民は不安を感じてしまうというふうなところもございますので、可能な限り対策を打っていただきたいなというのがお願いでございます。ありがとうございました。
 では、続きまして、東日本大震災復興特別区域法に基づく訪問リハビリテーション事業所の整備推進事業についてお尋ねをいたします。
 日本理学療法士協会と日本作業療法士協会並びに日本言語聴覚士協会といういわゆるリハビリ専門職の三団体は、さきの東日本大震災における大津波の被災地域において、そこに住まう高齢者や障害者の保護や引きこもり、寝たきり防止等を目的に、震災復興特別区域制度を活用して訪問リハビリテーション事業所をつくりました。全国の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の、何とか被災された方々を救いたい、守りたいという情熱と被災地に寄せる思いにより、訪問リハビリテーション振興財団という法人を三職種共同で立ち上げた上で、人的、物的、そして医療や介護、福祉という社会資源の乏しい環境に置かれた、失意のどん底にある方々のために、平成二十四年、南相馬市に第一号の訪問リハビリテーション事業所を設置。以降、宮城県気仙沼市、岩手県宮古市にそれぞれ一事業所ずつ設置して、今日まで地域の方々と苦楽を共にし、絶対の信頼を得るに至っております。
 さて、訪問リハビリテーション事業の設置については、通常は当該施設に医師がいることが開設の条件となっていますが、東日本大震災復興特区では要件が緩和されています。ですが、本特例措置は、岩手県及び宮城県は平成三十二年三月末、福島県は平成三十三年三月末で終了する予定となっており、その後の事業継続等については明確になっていません。また、復興庁も時限的に設置された機関であることから、その特例措置の適用終了に当たってどのようにその任を終えるのか、お考えをお教えいただきたいと思います。
 また、現在、被災地では、政府、自治体、そして何より地元の皆様の努力で復興は進んではいるものの、まだ道半ばであること、元々高齢化が進んだ地域であることから、引き続き特例措置の継続を求める声が上がっているわけですが、このような声に対して復興大臣としての御経験もおありの根本大臣の見解をお願いしたいと思います。
#190
○国務大臣(根本匠君) 東日本大震災復興特別区域法に基づく訪問リハビリテーションの特例、これは被災後の医師不足に対応するための措置として創設しました。特に南相馬市など、復興の地にとって大変私は大事なものだと思っております。
 現在、もうお話がありましたけど、岩手、宮城及び福島県の各県で活用しております。特例措置の期限も、委員が御指摘のとおり、岩手、宮城は三十二年三月、福島県は三十三年三月までと設定されております。これは地域の復興の状況等を踏まえということで設定されておりますが、やはり大事なのは、特例事業所を利用している高齢者の方々が安心してサービスを継続的に受けられること、これが私は重要だと思います。
 今委員の御指摘にあった特例の延長や見直しなどについては、サービスの提供状況、あるいは復興推進計画の作成主体である県の意向を十分にお聞きして、復興庁と連携して検討していきたいと思います。
#191
○小川克巳君 復興庁の方は。よろしいですか。
#192
○政府参考人(黒田憲司君) お答え申し上げます。
 今、厚生労働大臣からお答えになられたとおりでございます。私どもといたしましても、特例事業所を利用しておられる高齢者の方々が必要なサービスを継続的に受けられることが重要と認識いたしております。
 今後の対応につきましては、計画策定主体でございます県の考えも十分にお聞きし、また、厚生労働省とも連携、相談しながら検討してまいりたいと考えております。
#193
○小川克巳君 ありがとうございました。
 福島に関してはまだ一年、宮城、岩手に比べますと一年長いんですけれども、また、それと原発の関係もありまして、その三県のうち福島だけはちょっと要素が違うかなという部分もあります。そこら辺を理解した上でということなんですけれども、どちらにお尋ねをしましても、地元の意向を最優先にというふうなことでお答えをいただいております。
 ただ、その地元の意向が優先されるということについても、一〇〇%優先されるのか、あるいはちゃんと酌み取ってもらえるのかというふうなところにやっぱり多少の疑念が残るというふうなところもございますので、是非、行き先といいますか、要するに、地元に住んでおられる方々、住民の声をしっかりと拾い上げていただきたいというふうに思います。制度的に全てを考えてしまうとどうしても取りこぼしが出てきますので、是非住民目線で、生活者の目線で制度をつくっていただければというふうに改めてお願いをいたします。ありがとうございました。
 では、続きまして、これは同じ訪問リハビリテーションに関してですが、これは今のお話とはちょっと別の、介護報酬改定に伴う事項についてお尋ねをいたします。
 平成三十年度介護報酬改定では、指定訪問リハビリテーション事業所において、別の医療機関の医師から計画的な医学的管理を受けている者に対し、当該事業所の医師による診療を受けずに別の医療機関の医師から情報提供を受けてリハビリテーションを計画、指示してリハビリテーションを実施した場合、基本報酬から二十単位減算されるということとなっています。
 本措置は平成三十一年三月三十一日までの時限的措置ですが、これ以降につきましては、そうした要件が整わないと逆にこれが算定できないというふうな、訪問リハの実施ができないというふうに受け止めてよろしいのかという点についてお願いします。
#194
○政府参考人(大島一博君) そのとおりでございますが、若干説明させていただきますと、訪問リハビリテーションは、病院、診療所、老人保健施設等を事業所として、医師とリハ専門職が配置されるということが要件でございます。リハ職が利用者の御自宅等を訪問してリハを提供するわけですけれども、その前提として、医師の診療に基づき事業所の医師とリハ職が共同でリハビリテーション計画をつくるということが要件になっております。
 この医師の診療につきまして、前回の介護報酬改定の中で、医師の関与をよりしっかりとしたものとするために、訪問リハ事業所の医師が行うことを原則とし、例外として、別の医療機関の医師であって、研修を修了しリハの知識を有する医師がその利用者の診療を行って、その情報を事業所の医師に提供した場合も認めるという扱いにしたところであります。
 この研修につきましては、平成三十一年三月までは経過措置として求めないということになっておりまして、四月以降は、委員御指摘のとおり、研修を受けていないと駄目だということになります。
#195
○小川克巳君 では、来年の三月三十一日までは、言ってみれば温情的措置だというふうにおっしゃっているということですね。
 ですと、今、例えばこれは長野の調査なんですが、四月一日から九月までの半年間で調査をしましたところ、五千五百九十一名が減算を受けていると。つまり、来年の三月三十一日以降、この六千名に近い人たちには訪問リハは施行されないということになります。
 これは、長野においてもうこういった数字が上がってくる。これ四十七都道府県、全国を調査しますとどういう数字が上がってくるのかというところがちょっと怖いような気もしますが、この措置につきまして、厚労省としては、実態、現状、現場の状況等を把握されておられるのか、あるいは今後調査をするというふうな予定があるのかといった点についてお願いいたします。
#196
○政府参考人(大島一博君) 個別にそういった御懸念の声があることを聞いております。全体的に、今の利用状況、それから研修の、講習の受けておられる状況を全体的に把握したいと思っておりまして、それを基に必要に応じて適切な対応を検討してまいりたいと考えます。
#197
○小川克巳君 ありがとうございます。
 それと、必要な研修を修了した医師ということの要件がもう一つ加わっているかと思うんですけれども、これは日本医師会がしておられるその研修を示すというふうなことで疑義解釈の中で明確に書かれているところですが、これを全国の医師が年に一回ほどの研修の中で実際に受けられるものなのかという点についてどういうふうに認識がされているのか、お願いします。
#198
○政府参考人(大島一博君) QアンドAの中で医師会の研修は該当するという回答をしておりまして、それ以外を排除しているものではございませんが、現実にはこの医師会の研修がほぼ唯一になっている状況になっておりますので、今の点も含めまして、三月末の時点で利用者に混乱が招かないかどうか検証し、必要があれば対応してまいりたいと考えます。
#199
○小川克巳君 ありがとうございました。
 大臣に大きな質問をちょっとしたかったんですけれども、これはまた次の機会にお願いいたします。
 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
#200
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。
 まず、児童虐待防止対策についてお伺いしたいと思いますが、今年の三月の目黒区で五歳の女の子が虐待で亡くなった事件について、検証報告書というのが十月、十一月、相次いで公表されておりますが、厚生労働省としての受け止めをお伺いしたいと思います。
#201
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 本年三月に、御指摘のとおり、五歳の女児が死亡するという痛ましい事例がございました。この事例につきましては、自治体間をまたがる課題でありますことから、関係自治体と連携しながら、国におきまして、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会におきまして検証を進め、十月三日に取りまとめをいたしました。
 検証結果におきましては、一時保護の解除、引継ぎ、安全確認等に関するルールの明確化、的確に対応できる人材の確保、育成の必要性などにつきまして御指摘をいただいたところでございます。
 厚生労働省といたしましては、検証結果を受けまして、去る七月二十日に関係閣僚会議におきまして取りまとめました児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策の更なる徹底を図るとともに、市町村あるいは児童相談所等の体制整備を進めまして、このような痛ましい虐待事件が繰り返されないよう、万全を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
#202
○山本香苗君 検証報告書によって、改めて救える命だったと、救う機会は何回もあったんだということがはっきりしたと思います。この検証報告書をしっかりと受け止めて、今おっしゃっていただいたように対策に生かしていかなくてはならないと思っております。
 そうした中で、転居する前に一家が暮らしていた香川県の児相において、香川県独自の重症度判定基準に基づいた危険度判定というのは行われていた。でも、リスクアセスメントシートは作らなかったと。今度は、転居した先の東京都においてもこのリスクアセスメントシートというのが作られなかったと。
 そこで、そもそも何でこのリスクアセスメントシートが作られなかったのかと。これ、人員が不足しているのかとか、そもそもリスクと認識していなかったからこうしたことをしなかったのかと、この辺りの分析というのはどうなっているのかということと併せて、このリスクアセスメントシートというのはそもそもどれぐらい、どの程度使われていて、どういうふうに使われているのか、厚生労働省として把握されていますか。
#203
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘の目黒区の事案に関する検証結果でございますけれども、まず、国の検証結果でございますけれども、児童相談所が行ったリスクアセスメントにつきまして、検討内容が経過記録に記載されていたものの、どの段階におきましてもリスクアセスメントシートなどの客観的な情報となる記録が残されていなかったという分析になっております。また、香川県の報告書におきましても、検証結果や内容について経過記録に記載があるものの、アセスメントシート等、リスクに係る客観的な情報となる記録は作成されていなかったというふうにされておりますが、その理由については明らかになっていないということでございます。
 保護の要否の判断に当たりましては、できる限り客観的で合理的な判断をする必要があると考えております。そのための客観的判断の補助的な道具としてリスクアセスメントシートを国として例を示しております。
 この国が例示いたしておりますアセスメントシートの活用状況については、正確なところは把握をいたしておりません。しかしながら、多くの児童相談所等におきまして、このアセスメントシート、あるいは多少加工した、独自に作成したアセスメントツールを活用いたしまして保護の要否についての客観的判断が行われているものではないかというふうに考えております。
#204
○山本香苗君 要は、実態を把握されていないということだと思うんです。でも、リスクアセスメントというのは一番大事であるわけでありまして、これによって、これがなぜ使われていないのか、現場でという理由が、人員不足なのか、それともリスク判断する力がないのか、それによって処方箋変わってくるはずなんですね。
 是非、なぜこれが使われていないのか、また利用実態はどうなっているのか、どういう活用の仕方が効果的なのか、現場で使いやすいものはどういうものなのか、こういったものを実態把握して分析していただいて、是非、的確に、かつこれは迅速にしなくちゃいけないわけですから、リスクアセスメントができるような形をしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#205
○政府参考人(浜谷浩樹君) 御指摘のとおり、リスクアセスメントシートの活用実態をしっかり把握しませんとなかなか的確な対応ができないという御指摘は御指摘のとおりだと思います。
 委員の御指摘も踏まえまして、まずは利用実態の把握、分析等に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#206
○山本香苗君 是非、人員を増やしたとしても、このリスクアセスメントがちゃんとできなければ子供の命は救うことはできません。しっかりやっていただきたいと思います。
 今回の事件を受けまして、公明党としても提言を取りまとめをし、当時の加藤大臣の方に提言書を渡させていただきました。その提言の多くというのは七月に政府がお取りまとめになられた緊急総合対策に最大限反映をしていただいておりますけど、その中で、児童虐待防止を図るために、全国の児童相談所や都道府県内の市町村等との情報共有を進めるための情報共有システムの構築ということを提言しております。
 来年度の概算要求においてこの情報共有システム構築のための予算というものを計上していただいておりますけれども、システム導入に当たりましてちょっと二点ほど確認をさせていただきたいと思いますが、まず一点目は、全国どこでも情報共有できるものとなるのかどうかと。要するに、都道府県をまたがるような転居があった場合でもちゃんと情報共有できるものになりますかということが一点目。二点目は、児相とこの市町村の間のみならず、市町村の間でも情報共有できるようなものになるのかどうか。そうならないといけないと思っているんですが、いかがでしょうか。
#207
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 まず、結論から申しますと、御指摘の方向で検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 情報共有システムにつきましては、まずステップでございますけれども、まずは、都道府県内での児童相談所と市町村の情報共有を念頭に置きながら、都道府県が市町村から必要な情報を集約するシステム構築を進めることが必要であるというふうに考えております。平成三十一年度概算要求におきましては、都道府県や市町村が児童虐待に関する情報共有システムを構築するために必要な費用を計上しているほか、国においてシステムの標準化を図るための標準的な仕様を示すことといたしております。その次のステップでございますけれども、さらに、都道府県間で情報共有を行うことにつきましても、これは検討課題というふうに認識いたしております。
 今後、より効率的に情報共有を行うことができるシステムの構築に向けて努めてまいりたいというふうに考えております。
#208
○山本香苗君 この情報共有のシステムのことについて、実は今日、大臣に御質問していないんですが、ちょっと聞いておいていただきたいんですけれども、実は、ここまで来るのに四年掛かっているんです。
 といいますのも、児童虐待に関する情報の共有って何でやっているかといったら電話と紙ベースなんです、いまだに。支援が必要な家庭というのは、今回の事案にあるように転々とするわけです。短期間に転居を繰り返す例というのが非常に多いわけなんですが、実は、転出元から転出先に移管書というのが行くわけですけど、この移管書が届くまでにも時間が掛かるんです。
 そのために、その間に電話で情報共有しようとするんですけれども、転々としている場合、複数の自治体に今いるところが聞いて回らなきゃいけないんです。これ、物すごい、児相にとっても、現場にとっても負担になっていますし、救う、急がなきゃいけないというときに間に合わない可能性があるわけなんですね。かつ、正確で詳細な情報も伝わりにくいという、今回のケースはまさしくそういうケースです。電話のやり取りやっていてニュアンスがちゃんと伝わっていなくて、そもそものリスクアセスメントもまずかったんですけれども、もっと更にまずい状況で情報が伝達されて矮小化されてしまっていて、リスクに関する認識がそごがあったという状況なわけであります。
 こうした状況を是非これを機に早期に解消していただきたいと思っておりますので、ようやくここまで来たんですから、都道府県や市町村ごとにばらばらの仕様だとかばらばらの運用というのはあり得ないと思っておりますので、全国の児童相談所間、また市町村間、児童相談所と市町村間をトータルにつなぐ情報共有システムをつくるということでお約束をしていただきたいと、していただいたと認識しておりますが、大丈夫でしょうか。
#209
○政府参考人(浜谷浩樹君) 先ほども申し上げましたけれども、ステップを踏みながらやってまいりたいというふうに考えております。まずは都道府県内での情報共有、さらに都道府県間というようなステップを踏みながら検討してまいりたいというふうに思います。
#210
○山本香苗君 検討じゃなくて、やるんだということを決めていただきたいと思いますが。
 我が党の提言では、この全国の児童相談所の相談窓口の相談ダイヤルの一八九、これを児童虐待通告に限定したらどうかと、そして、それを無料化を図ることということを早く実現せよということも入れさせていただいております。今その提言に沿った方向で御検討いただいているとは伺っておりますが、できるだけ早くこれ実現していただきたいと、着手していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
#211
○副大臣(大口善徳君) 今、いちはやくというこのダイヤルについては、平成二十七年七月から、虐待を受けたと思われる子供を見付けたとき、子育てに悩んだときにためらわず通告、相談できるよう三桁化して、今広く周知をしているところでございます。
 御指摘のように、一八九は、社会保障審議会の下のワーキンググループの市町村、都道府県における子供、家庭相談支援体制の強化に向けた検討の中で、一八九の通告の窓口と相談の窓口を分けるべきとの御意見もお伺いしております。御指摘も踏まえ、今後検討してまいりたいと思います。また、現在通話料が有料となっている一八九について、平成三十一年度概算要求について、無料化に必要な費用を計上しております。
 一八九の利便性の向上に努めてまいりたいと思いますし、今委員からできるだけ早くということも踏まえて、厚生労働省として検討していきたいと思います。
#212
○山本香苗君 できるだけ早くと、意味合いを重く受け止めていただきたいと思いますが。
 この一八九等の虐待通告があった後に一時保護だとか施設入所等、児童相談所が直接関与しているケースとそれ以外のケースの割合というのはどうなっていますでしょうか。また、この一時保護等に至らない場合というのは具体的にどういった支援がなされているのでしょうか。
#213
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 まず、平成二十九年度における児童虐待相談対応についてでございますけれども、児相における相談対応件数は十三万三千七百七十八件、そのうち一時保護の対応がされた件数は二万千二百六十八件、施設入所等の措置がされた件数は四千五百七十九件でございます。これ、割合で見ますと、相談対応件数に占める一時保護の割合は約一五・九%、施設入所等の措置の割合は三・四%ということでございます。
 そうしますと、その一時保護や施設入所等の措置以外のケースでございますけれども、児童相談所におきまして在宅での指導等を行うほか、より身近な地域で対応することが適切なケースにつきましては、市町村で子育て支援サービスも活用した支援を行うなどの対応を行っております。
#214
○山本香苗君 要は、何が言いたいかといいますと、虐待通告があっても、大半は一時保護等に至らないケースなわけです。ということは、多くの子供が通告をされた後も引き続き家庭で養育されているということです。
 しかし、このような、このまま放っておいたら虐待をしてしまうかもしれないという御家庭に対する予防的な支援というのは十分ではないんです。ツールが少ないと。かつ、貧困だとか生活困窮、これも虐待のファクターの一つになると言われておりますが、そういった貧困、生活困窮などの課題を抱えつつ孤立して子育てをしている家庭への支援も児童虐待の予防という観点から重要なんですけれども、そこも十分でないというのが現状であります。
 児童虐待防止といったときに、どうしてもすぐ児童相談所の体制強化みたいな話になるんですが、私は、本来は、起きてからじゃなくて、虐待が起きる前に、虐待の芽を早期に摘んで虐待を予防していくと、そういう支援策こそ最も大事なんじゃないかと思います。
 そこで、一つ御紹介したい取組があるんですが、当委員会にも生活困窮者自立支援法の改正のときに参考人として来ていただきました奥田さんが理事長を務めていらっしゃるNPO法人の抱樸では、五年前から子ども・家族marugotoプロジェクトというものを実施しております。
 この活動当初から気付かされたことというのが、親もまた育てられていないという事実だったそうです。このプロジェクトというのは、子供食堂だとか集合型の学習支援という子供を集めて行うケアだけではなくて、個々の家庭を訪問して、子供への学習支援はもちろんのことですが、親へのケアや就労支援と並行して実施していくと。例えば、相談しながらできないことを一緒にやってあげると。役所への手続であったり、又は料理ができない、社会的相続の話もありますが、親に教えられていなかったら親になったときにもできないと、そういった観点から料理を教えるといったことの生活支援もすると。生活安定のために、家がぐちゃぐちゃだと片付けを一緒にやったり、ごみの分別など、ごみ出し、料理の練習もやると。このような形で信頼関係をつくりながら世帯を丸ごと支援していくと。
 こういうことによって、子供のみならず家族全員が、徐々にですけれども、状況が良くなっていっていると。過去に家庭内暴力の被害に遭っていた子供の状況というのが、こういう支援をすることによって九〇・六%改善していると。また、家族の改善率、ちょっと改善という意味合いがどういうふうに取るかということもありますけど、八三・三%といった調査結果もあると伺いました。
 こうした抱樸の取組というのは、来年四月から生活困窮者自立支援制度における子どもの学習・生活支援事業、このモデルとなるようなすばらしい取組であると同時に、児童虐待防止という観点からも極めて有効だと、効果的だと思うんですが、谷内局長、いかがでしょうか。
#215
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 生活困窮者自立支援法に基づきます今議員御指摘の子供の学習支援事業でございますけれども、本年六月に成立いたしました改正法によりまして、従来は学習支援だけでありましたけれども、子供の生活習慣とか育成環境の改善に向けた支援などを行う子どもの学習・生活支援事業として強化したものでございまして、来年四月から施行されるものでございます。
 今回、新たに追加される支援では、子供の生活リズムの改善や社会性の向上を図る取組などを通じて、日常生活、社会生活能力の向上を図る、また、子供の生活面の課題を保護者と共有しつつ、自立相談支援機関などの関係機関との連携を含めまして、子供の養育に関する保護者への支援、言わば世帯全体への支援を行うことなどを通じまして子供の育成環境の向上を図る、そういったことを行っていきたいというふうに考えております。
 児童虐待の背景には、経済的に困窮していたり社会的に孤立しているといった様々な課題を複合的に抱えていることも少なくないと考えられます。したがいまして、虐待の背景となり得る課題への対応を図って未然に防止する観点から、議員御指摘の子ども学習・生活支援事業は極めて有益な事業と認識しております。
 このため、本事業では、今申し上げました取組が期待されること、さらには、これらの取組を通じまして児童虐待防止につなげていくという観点などにつきまして、今後、自治体や現場の意見を十分参考にしながら、通知等によって明示することによって、この子供学習・生活支援事業の推進を図っていきたいというふうに考えております。
#216
○山本香苗君 これ、是非、今この生活支援は、中身はどういうことにするんだということを御議論いただいていると思っておりますが、是非この抱樸でやっているような実施内容、もう五年間やっていますから、実績ありますし、情報共有システムのツールも持っていらっしゃいますので、是非そうしたものを参考にしながら、効果的な形で内容を詰めていっていただきたいと思います。
 今、生活困窮者自立支援制度との連携については、もう既に七月に取りまとめられました緊急総合対策に規定されているんです。通知とかにも書いてあります。ですが、具体的にどういった連携が、図っていくのかというところについては、連携止まりではっきりしないわけです。
 先ほど谷内局長からも答弁がありましたとおり、この子どもの学習・生活支援事業というのは児童虐待を防止する観点からも極めて有効です。是非、この児童虐待防止という形の中で、この事業もしっかりツールの一つとして位置付けていただきたいと。局が分かれているからと、自分たちのところで自分たちのをやるんじゃなくて、是非、この事業もそのツールの一つとして明確に位置付けて全国で実施をしていけるように、両局長の間でよく考えていただいて、どうやったら現場で進むかと、対応していただきたいと思いますが、どうでしょう。
#217
○副大臣(大口善徳君) 今委員御指摘のように、やっぱり生活困窮家庭というのは、背景というのが非常にこの児童虐待防止との関係では密接不可分であるということで、御指摘のとおり、緊急総合対策において、児童虐待に係る調査や相談の中で経済的困窮状態を把握した場合、生活困窮者自立支援窓口に連絡し適切な支援を受けられるように連携すると、こう書かれているわけであります。
 やはりこの緊急総合対策にのっとって、この子供学習・生活支援事業について、在宅支援を行うケースにおいて、生活困窮家庭に対する支援として有益なものと考えていることから、児童虐待に対応する職員が適切な支援につなぐことができるよう周知を図ってまいりたいと、こういうことで、やはりその調査、相談の中でそういう経済的困窮状態を把握した場合に生活困窮者自立支援窓口にしっかり連絡をするということを徹底していきたいと思っています。
#218
○山本香苗君 虐待しそうだから支援しますと言ったら絶対に受け付けてくれないわけですけど、子供の学習支援だとかそういう生活支援していきますよという形で、ソフトな形で支えていくと、そういうことによって虐待の芽を摘むことができると思いますので、是非、そうした観点からの大事な事業だと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 障害者雇用水増しの問題で、この間、公明党でも各省の取組状況というのをちょっとヒアリングをさせていただきました。その際に、受入れ体制が整っているかどうか確認しなきゃもうえらいことになるという実感を持ちました。年末までに必ず実地でチェックするということをこの間お願いしたわけですけれども、先日、委員会で大臣は、実際の現場を訪問して確認することなどを検討していきたいと思いますと答弁されておりました。検討している暇ないと思うんですね。具体的にどう対応するのか、しっかり御答弁いただきたいと思います。
#219
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 十月に関係閣僚会議で決定をいたしました基本方針、これに基づく取組状況については、今後、政府一体となって推進する体制の下でフォローアップを行って、着実に推進をしていくということにしております。
 その一環として、厚生労働省としては、まずは各府省において障害をお持ちの方に対する的確なサポートが行われる体制が整っているかどうか、障害をお持ちの方が実際に働いている職場で確認を行うということ等によりまして把握をしていきたいと考えておりまして、具体的には、年内に、特に不足数の多い三省庁と、それから検証委員会の報告書におきまして不適切計上の方法に特異性が認められたと指摘をされました五省庁、合わせて八省庁については年内に実地で確認を行うことを予定したいというふうに考えております。また、その他の府省についても、年内には書面でのチェックを行った上で、年明け以降、順次実地でのチェックをしていきたいと考えております。
#220
○山本香苗君 制度を所管する省庁として最低限やらなきゃいけないことだと思っております。確実に実施をしていただきたいと思いますが。
 そして、チェックして終わりというわけにはいきませんと。改善しなくてはならない点が出たら改善するまで駄目よという形で、きちっと受入れ体制の整備をしていただきたいと思いますが、この点、どうですか。
#221
○政府参考人(土屋喜久君) お話のとおり、その改善点についてはこちらから適宜御指摘を申し上げたいと思っておりますし、また、それを改善していただくための様々な取組について、職員の理解それから受入れ体制の整備、そういった点について、私どもが用意しているメニューを御活用いただくようにしっかり各所に促してまいりたいと思います。
#222
○山本香苗君 引き続き、この受入れ体制整っているかどうかということはしっかりチェックを、我が党としてもチェックをさせていただきたいと思っておりますけれども。
 今回、この対象障害となっているかどうかというところの確認作業について、今回は手帳で確認するということとなっておりますけれども、これに対して、精神障害、発達障害の方々や支援の現場の方々からちょっと懸念の声が上がっています。どういう懸念かといいますと、リワーク、つまり、うつ状態になって長期間休んでいたけれどもようやく頑張って職場に復帰しようという方に対して、手帳を取ってくださいみたいなことを言われるんじゃないかとか、また、手帳を持っていたんだけれども更新せずに復帰しようと頑張っていたにもかかわらず、手帳を更新してくださいみたいなことを言われるんじゃないかと。こうしたことがあってはならないと思うんですが、なされないようにしっかりと担保していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#223
○政府参考人(土屋喜久君) 御指摘のとおり、障害者手帳の取得そのものは、まず障害者の方御本人の意思が尊重されるべきものだというふうに考えておりまして、今御指摘がありましたような、手帳を持っているが更新せずに復職をした方とか、それから手帳を所持しないで既に仕事をしている方といったような方々に対して、本人の意思に反して障害者手帳の取得あるいは更新といったものを強要するというようなことはあってはならないことであるというふうに考えております。
 この点については、平成十七年に策定をいたしましたプライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインというものにおきまして、その把握、確認に当たっての禁忌事項として、「労働者本人の意思に反して、障害者である旨の申告又は手帳の取得を強要してはならない。」というふうに明記をしているところでございまして、御指摘のようなケースはこういったところに当たるということだと思っております。
 今回、各省庁の取組をやっていく中におきましても、これから各府省向けの手引を作ることにしてございますので、御指摘のような事案が生ずることのないように、手引においてもガイドラインと同様の記載を盛り込んで、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
#224
○山本香苗君 対象かどうかを確認する上で何らかの公正性というのは担保しなくてはいけないと思うんですけれども、当事者のプライバシーであったり、またスティグマにも意識したような確認方法、そうしたものの検討というのが改めて必要じゃないかなと考えているんですが、どうでしょうか。
#225
○政府参考人(土屋喜久君) 御指摘いただきましたとおり、障害者の方の把握、確認に当たっては、当事者のプライバシーなどに配慮した方法によって行う必要があるというふうに考えております。
 先ほど御紹介申し上げた平成十七年に策定したガイドライン、これを策定するときには有識者検討会議といったものを開催をいたしまして様々な検討をいたしました。例えば、雇用している労働者全員に対して申告を呼びかける場合にどういうふうに呼びかければよいかというようなこと、あるいは、例外的に特定個人に対して障害の有無を確認を行ってよい場合というのはどういう場合かというようなこと、そしてまた、先ほどちょっと御紹介したような、把握、確認に当たっての禁忌事項として掲げるべきはどういうことかといったようなことを御議論いただいた上で、このガイドラインにおきましては、適切な把握、確認の方法として、具体的に、例えば雇用する労働者全員に対してメールを送ったりあるいは書類を配付したりといった画一的な手段で申告を呼びかけるとか、あるいは、呼びかけの際には業務命令として回答を求めているものではないということを明示するとか、こういった具体的な呼びかけの方法について、プライバシーなどの配慮という点からこのガイドラインの中でもお示しをしているところでございます。
 こういった形で既にガイドラインでお示しをしているところでございますが、今後、その運用に当たって、実際どういった取組がなされているかということにも十分注視しながら取り組んでいきたいと思っております。
#226
○山本香苗君 そういった、書いてあったけども運用がなっていなかったわけでありますから、現実的にできるような確認方法というのを改めてしっかりとガイドラインに位置付けていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 終わります。
#227
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、大臣、失踪した外国人技能実習生二千八百七十人の聴取票が公表されました。これは野党で、私もほんの一部ですが、引き写しをしたものを集計をして、公表をいたしました。みんなで力を合わせて公表したわけです。元々は法務省にこの原本があり、私たちはそのコピーは見ることができました。この聴取票、大臣、確認をされましたでしょうか。
#228
○国務大臣(根本匠君) 私も見させていただきました。
#229
○福島みずほ君 感想、いかがですか。実態、どう御覧になられました。
#230
○国務大臣(根本匠君) 技能実習生が労基法違反の状況の中で働くこと、私はあってはならないと思っております。
 この聴き取り票の、野党の皆さんが聴き取り票を集計した結果について、最低賃金を下回る支払が六七%とされているなど、事実であれば大変ゆゆしき問題であり、重く受け止めるべきだと思っております。
#231
○福島みずほ君 大臣は、私たちが書き写したものを、コピーを御覧になったんですか。それとも、法務省のコピーを御覧になったんですか。
#232
○国務大臣(根本匠君) 法務省のコピーを直接見たわけではありません。皆様がまとめられたものを見させていただきました。
#233
○福島みずほ君 そうすると、野党、私たちが書き写したもののコピーを御覧になっていただいたわけですね。それはどうやって入手されたんでしょうか。
#234
○国務大臣(根本匠君) 昨日の、山井議員からいただきました。
#235
○福島みずほ君 厚生労働大臣、技能実習生の管轄大臣ですから、それを御覧になったことは大変有り難いと思います。でも、本来は野党の議員が引き写したのを、コピーを御覧になるよりは、法務省からきちっと連携受けて、それをきちっと精査して、何が問題かというのを見るべきではないでしょうかと私は思います。
 しかし、御覧になっていただいたことはよかったわけですが。でも、何となく変ですね。行政内部で本当はコピーをもらうべきで、野党が引き写したのを読むというのは変だとは思いますが。
 それで、この聴取票のうち七割弱が最低賃金を野党の計算では下回っておりました。これの実態をどう御覧になられました。
#236
○国務大臣(根本匠君) 野党の皆さんの聴き取り票の集計結果によれば、最低賃金を下回る割合が六七%とされていて、私は、事実であれば大変ゆゆしい問題だと思っております。
 ただ、強いて言うと、やっぱりこの聴き取り票、法務省からもいろいろ聞いておりますが、聴き取り票を見ただけでは直ちに記載内容から最低賃金法の違反があるとは判断できないと思いますので、まずは法務省の方できちんと事実関係をまず調査していただきたいと思っております。
#237
○福島みずほ君 大臣、これ保証金が百万以上ですよね。私が見た中でも、ほとんど全ての人が何らかの形で全借金、借金背負って日本に来ている。職場が固定していますから、そのまま帰れば多額の借金背負うわけで、多額の借金をとにかく返すために大変な労働でも我慢して働くという実態があると思いますが、この保証金のことについてどう思われました。
#238
○国務大臣(根本匠君) 私は、保証金の話は、やはり相手の国が送り出すとき、向こうの送り出し機関、相手方、やっぱりそこがきちんとやってもらうことが必要だなと思います。
#239
○福島みずほ君 技能実習生の監督官庁は厚生労働省なんですよ。あの調査票を一つ一つ見ると、最低賃金を下回っていることや、暴力、セクハラ、もちろん問題なんですが、むしろその全借金抱えて働かざるを得ないというのは制度の根本的な欠陥ではないでしょうか。御覧になってどうですか。
#240
○国務大臣(根本匠君) 繰り返しになりますが、私は、技能実習制度で相手国が日本に技能実習生を送ってもらう、そこのところの保証金、これについてはきちんと対応していただくべき問題だと思います。
#241
○福島みずほ君 対応すべきだが、全ての、ほぼ全ての、というか、私が見たところは全員でしたが、技能実習生が多額の借金背負って日本に入ってきているという技能実習制度に潜む問題点について、厚労大臣としてはどう思われますか。
#242
○国務大臣(根本匠君) 私は、そこは適切な、必要な、相手国での送り出しの費用、これは私は適切に対応してもらいたいと思います。
#243
○福島みずほ君 適切に対応とはどういう意味ですか。
#244
○国務大臣(根本匠君) いろんなルールがあると思いますが、今回こういう問題が明らかになっているわけですから、そこは今後の技能実習生の運用の中で相手国に対して、そこのところは私はいろんなケースがあると思いますけど、そこは相手国の送り出しのところでしっかりと対応してもらうように、そこはやはりこれからの協議だと思います。
#245
○福島みずほ君 協議では済まないと思います。
 そして、これは何年も何年も、二十五年間の技能実習制度の中でずっと指摘をされてきた問題で、全借金抱えて働かざるを得ないために我慢してひどい労働条件でも働くと。これは技能実習制度に根本的に存在している問題です。
 先ほど倉林委員からも技能実習制度は廃止すべきだという意見がありました。私も同じ意見です。特定技能であれ何であれ、きちっと在留資格を認めて、そしてきちっと、働くんだったら、共生社会どうするかという観点から日本で十分議論すべきだ。ちゃちゃちゃっと、技能実習生も本当に泥沼のような、もうたくさんの問題がある技能実習生の中で、そして、それを、試験免除でその上に特定技能を積み上げるというこの問題点について、私たちは容認できないと考えております。
 先ほども話がありましたが、礒崎委員からも質問がありました。技能実習制度、最長五年、その後、特定技能五年、そこで帰らないで働き続けることも可能なわけで、その後、特定技能二号になる。それで、法務省の答弁は、必ずしも帰らなくてもよい、マストではない、検討中という答えに驚愕をいたしました。
 特定技能は発展途上国における技能の移転という制度で、結局、技能の移転というのはフィクションだったということを法務省認めちゃったんですよ。これ、特定技能制度が崩壊した、特定技能制度のうそっぱち、本音と建前が、うその部分がもう全面的に出てきてしまったというふうに思います。
 うその上に制度をつくっても絶対にうまくいきません。うそはうそで、だったら、きちっとした特定技能としての在留資格を認める。技能実習制度をスルーさせて、それを使うというのは間違いではないですか。
#246
○政府参考人(吉本明子君) 技能実習制度につきましては、申し上げるまでもございませんが、技能移転によるところの国際貢献を目的とした制度だということで、その趣旨にのっとって運用していきたいというふうに考えております。
 したがいまして、技能実習の二号から特定技能の一号に移る方はいらっしゃるということでございますが、きちんと技能実習によって得た技能を本国に持ち帰って移転していただく、確実にそれができるような仕組みになることが大事だと思っています。
 具体的な移行のシステムについては、法務省の方で御検討されているというふうに承知しております。
#247
○福島みずほ君 法務省は検討しない、答えでしょう。技能実習制度は五年たったら帰っていい、技能移転しなくちゃいけないはずが、その後、特定技能一号で更に五年働く、その後、特定技能二号になるかもしれない。ずうっと日本にいるんですよ。ずうっと日本にいるんですよ。特定技能二号には在留資格の更新の限度はありません。つまり、技能実習制度は技能移転だと言ったことがうそだったということが明らかになったわけです。帰ることはマストではないんだったら、技能実習は安価な労働力の輸入だったということが明らかになったんですよ。
 今、答弁で技能の移転ですとおっしゃったけれど、そんなうそついちゃ駄目ですよ。だって、そうじゃないんだもの。そうじゃないことが明らかになったじゃないですか。帰らないんですよ。技能実習の後、五年間一号で働き、その後、二号ではずっと際限なくいるかもしれない。だったら、私は、もうとにかくうそはやめようと。しっかり、誰が見ても、ちゃんと働いてもらう、この社会で共生社会に生きてもらう、いろんなことの問題の解決する、そうでなければ駄目でしょう。
 厚生労働省、技能実習生のこのひどい状況の上乗せで、うそついて、技能移転とかなく、安価な労働力として特定技能一号、二号とやって、厚生労働省として責任が取れるとは思いません。同じようなことが、やっぱり借金は続くわけですから、借金を抱えて返せないという状況が続き、それは少しは良くなるかもしれない、しかし、技能移転というのがもう失われたのであれば、この技能実習制度廃止すべきだというふうに考えております。
 日本人の労働条件にも大きな影響があるので質問をいたします。
 それで、現在、介護の仕事をしている外国人労働者について、平成二十九年度の介護労働安定センターの調査結果によれば、外国人労働者がいると答えた事業者は僅か五・四%、また、今後活用する予定があると回答した事業者は一五・九%、そのうち技能実習生の受入れを考えている割合は約半分、五一・九%、つまり七%から八%ぐらいです。
 そうだとすると、事業者の二割以下が外国人を雇用する可能性はあるが、一割のみが技能実習生を希望している。介護の現場での技能実習生のニーズというのは本当に、厚生労働省、あるんでしょうか、見解をお聞きします。
#248
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。
 技能実習におきます介護でございますけれども、昨年の十一月から導入されておりますけれども、介護は他の職種と違いまして対人サービスでありますために、適切な実習が行われますよう、技能実習を受け入れられる施設に、例えば訪問系サービスは対象としないなどの一定の条件を付しております。
 したがいまして、今議員御指摘の調査でございますけれども、外国人材を受け入れる予定がある事業者のうち全部ではなくて一部、調査では約半数でございますけれども、半数が技能実習生を受け入れる、受入れを検討しているという調査になっておりまして、そういった結果になっているというふうに受け止めております。
 また、議員御指摘のニーズでございますけれども、現時点、一番最新時点では、十月三十一日時点では、技能実習計画の申請数は九百八十六件でございますけれども、今後、どの程度技能実習生が日本に介護の分野でいらっしゃるかどうかは現段階では定量的には申し上げることはできませんけれども、アジア各国でも高齢化が進展している中で、認知症等の多様な介護需要に対応している日本の技術を技能実習で取り入れたいという意向もありますから、そういった介護技能実習のニーズは一定程度あるというふうに考えております。
#249
○福島みずほ君 技能実習生又は今後特定技能での外国人労働者の受入れが進む場合、業種によっては日本人の離職率が高くなる可能性があるのではないか。介護分野については、現在、出産等で女性が離職するなど、いろんな部分があります。
 日本人が介護分野から撤退する、あるいは、分野によっては、介護分野の部分によっては取って代わられるなど、また労働条件が悪化する可能性があるのではないですか。
#250
○政府参考人(谷内繁君) 介護分野につきまして御答弁申し上げます。
 介護分野では、平成二十八年度では約百九十万人の介護職員が従事しておられまして、二十九年度の調査によりますと、施設では約四分の三が女性で、また訪問介護員では九割弱が女性でございまして、極めて女性の比率が高くて、介護分野では女性が主力となって活躍いただいている分野であるというふうに認識しております。
 また、今回の法務省の新たな外国人材の受入れでございますけれども、生産性向上や国内人材の確保を尽くしたとしてもなお外国人材の受入れが必要となる分野におきまして受入れを行うものであるというふうに考えております。
 先ほど申しました、平成二十八年度で百九十万人の介護職員が従事しておりますけれども、介護業の外国人材の受入れの見込み数は、現段階で五年間で五、六万人と見込んでおりますけれども、この外国人材受入れ後におきましても、介護分野では引き続き日本人の女性職員が主力であることには変わりはないと考えておりまして、引き続き女性が働きやすい環境を整備していきたいというふうに考えております。
#251
○福島みずほ君 ちょっと質問が戻って済みませんが、技能実習は技能移転だという吉本さんの答弁を大臣は認めますか。
#252
○国務大臣(根本匠君) 技能実習生の目的は、国際貢献、そして日本で技術をしっかり修得してもらって、そして本国に帰って生かしてもらうということだと思います。
#253
○福島みずほ君 ということは、認めるということですよね。
#254
○国務大臣(根本匠君) 技能実習制度を認めるかどうかという……(発言する者あり)来ていただいた方が日本で学んで、技能をしっかり身に付けてもらって、本国に帰って、そしてそれを生かしてもらうということだと思います。
#255
○福島みずほ君 だとすれば、法務省が言う、帰らなくてもよい、マストではないということは、明確に閣内不一致だと思いますよ。
 つまり、厚生労働省は今日の答弁でも技能移転だと言うけれど、実際そうじゃないんですよ。そうじゃないことを認めているじゃないですか、法務省、次の制度は。だとすると、これ閣内不一致、あるいは厚生労働省と法務省の見解がずれているという閣内不一致で大問題だと思います。
 済みません、さっき大臣は野党の聴取票を見たとおっしゃいましたが、どういう入手経路で見られたのか、ちょっと聞き取れなかったのでもう一回答えてください。
#256
○国務大臣(根本匠君) 私は、正確に言えば、こういう聴取票ですよというのは、こういう問題が起こった後見ています、メニューとして。そして、全体の話は、委員会でも必要に応じて野党の皆さんが資料としても出しておりましたし、昨日は全部のものを山井議員が私に手渡していただいたということです。私は、元々、こういう聴き取り票だというのは見ていますよ、こういう議論の過程で、こういう聴き取り票だというのは。全部見ているわけではありませんけど。
#257
○福島みずほ君 済みません、全部見ているわけではないんですね。じゃ、何見たんですか。
#258
○国務大臣(根本匠君) 聴き取り票を全部私が見ているわけ、昨日はもういただきましたよ、こういうのを。それは、一から十まで見ているということではありませんが、いただいたから、そして、こういう聴き取り票だということは、その前段から私は見ております。こういう聴き取り票で聴き取ったということは知っています。
#259
○福島みずほ君 少なくとも二千八百六十通あるのを見て、その中から御覧になったということですが、それは野党のもし写しを御覧になったというんであれば、どうやって入手されたんですか。
#260
○国務大臣(根本匠君) 全部のコピーという意味では、昨日の委員会のときに山井議員が私に質問された後、こういう、全体をいただいたということであります。
#261
○福島みずほ君 済みません、こういうことですか。つまり、委員会で野党議員が積み上げたのを見たということですか。それの一部を御覧になったんですか。それとも、やっぱりこれは大臣が御覧になったかどうかが重要なので、二千八百七十はどこで御覧になったんですか。つまり、これがそうですと大臣室に持ってこられて、それをぱらぱらっと御覧になったのか。どうなんですか。
#262
○国務大臣(根本匠君) 聴き取り票の取りまとめた総括表はいただいていますが、それと、現物のコピー、それは昨日、山井議員から、これだけ、山井議員、ちょっと今日風邪で出にくくて申し訳ありません、委員会で手渡されました。
#263
○福島みずほ君 分かりました。細かいことを聞きました。
 では、次に性暴力被害者の支援についてお聞きをいたします。
 性暴力被害者に対する支援について、被害直後の支援が必要です。被害者が、まず暴力を受けて駆け込む先の一つである病院拠点型を財政的な支援をすべきではないか。これは、野党で性暴力被害者支援法案を衆議院で出しておりますが、その法案とはまたちょっと、それはそのためもあるんですが、財政的な支援、これを増やすべきではないか。厚労省の見解を教えてください。
#264
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 性犯罪あるいは性暴力被害者の方々の支援を行うというのに当たりまして、医療機関が果たす役割が重要であるという、まず基本認識に立ってございます。
 そのためには、既にワンストップ支援センターという形で行われている取組、今年の十月には全ての都道府県により設置が行われたというふうに内閣府の方から承知しておりまして、その中のタイプの一つとして病院拠点型というのもあり、ただ、病院拠点型のみならず、相談センター拠点型など、いろんな形態の中にあるというふうに承知しております。
 現在、ワンストップ支援センターへの財政的支援というのは内閣府において一括して行われておりますけれども、そういう意味でいえば、当該センター、必ずしも病院のみに求められている機能だけではないということから、厚生労働省としては病院拠点型というだけで更に予算補助を行うということは難しいのではないかというふうに整理をしてございます。
 さりながら、私どもとしても病院拠点型の設置における問題点等には関心を持ってございまして、また、これまでも、この支援、開設に向けて相談を受けた場合には、協力が可能な医療機関の情報提供等を都道府県に対してお願いするというのを本年三月にも各都道府県関係者の会議において周知をしてございます。
 このような取組、内閣府等と連携をしながら、ワンストップ支援センターの機能充実に向けて、関係団体あるいは都道府県等に対する周知あるいは協力依頼という形で引き続き行ってまいりたいと考えてございます。
#265
○福島みずほ君 欧州評議会の女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンスの防止及びこれらとの闘いに関する条約、二〇一一年、イスタンブール条約があります。マグナカルタ的なすばらしい条約ですが、これを批准すべきであると考えますが、外務省、いかがですか。
#266
○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。
 御指摘のいわゆるイスタンブール条約でございますけれども、この条約は二〇一四年に発効した比較的新しい条約でございます。そして、かなり広範な内容を含むものでございますので、その内容等について十分に精査することが必要となっているところでございます。
 いずれにしましても、引き続き、女性に対する暴力の防止、撲滅に関する国際的な動向ですとか外国の取組を注視していきまして、また、関係省庁と連携して必要な取組をしていきたいというふうに思っております。
#267
○福島みずほ君 是非、内閣府、外務省、とりわけ内閣府でイスタンブール条約批准に当たっての検討をしていただきたいというふうに思います。
 母体保護法で中絶をするときには配偶者の同意が必要です。しかし、性暴力を受けてシェルターへ避難している場合、DVなどを受けている場合など、配偶者の同意が取れない場合などがあります。これについて除外をすべきではないでしょうか。いかがでしょうか。
#268
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、母体保護法に基づく人工妊娠中絶につきましては、法律上、配偶者が知れないとき若しくはその意思を表示することができないとき又は妊娠後に配偶者が亡くなったときを除きまして、配偶者の同意を得て行うことができることとなっております。
 この例外的な取扱いの拡大につきましては、例えば刑法との関係をどう考えるかなど、関係法令との関係など様々な課題があるものというふうに考えております。
#269
○福島みずほ君 これは産婦人科医や当事者からとても声が寄せられていて、要するに中絶ができないという声が寄せられているので、是非検討していただきたいというふうに思います。
 不妊治療で、事実婚についての補助をずっと聞いてきました。東京都が四月一日から事実婚カップルにも不妊治療の助成をするということを決めました。是非国もやっていただきたい。いかがですか。
#270
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 不妊治療につきましては、高額な治療費が掛かる体外受精や顕微授精についてその費用の一部を助成しておりますけれども、御指摘のとおり、法律上の婚姻をしている夫婦が対象でございます。
 近年、家族の在り方が多様化していく中で、婚姻の届出をしていないいわゆる事実婚の方の中にも不妊に悩む方も少なくないのではないかという観点から、昨年七月に不妊治療助成事業に関する意見を聴く会を開催いたしまして、日本医師会、自治体、当事者団体、産婦人科医師、民法学者から意見を聴取したところでございます。参加者の方からは、賛成の意見があった一方で、生まれた子供の権利がきちんと守られることが必要といった意見も出されております。
 事実婚への拡大につきましては、子供の権利に関する先ほど申し上げた会合で出された意見あるいは家族観に関する意見など、各方面から意見がございます。こうした各方面からの意見も踏まえまして、引き続き検討していく必要があるというふうに考えております。
#271
○福島みずほ君 時間ですので終わります。ありがとうございました。
#272
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。
 まず、大臣にお伺いさせていただきたいと思います。
 資料にもお配りいたしておりますけれども、ゲノム編集を行われた女児が誕生したという報道がございました。この報道に対しまして、大臣、どのようにお考えになられましたか。短めで結構でございますので、教えていただけますでしょうか。
#273
○国務大臣(根本匠君) ヒトの受精胚にゲノム編集技術を用いて子供を誕生させたと報告が中国の研究者によってなされたこと、これは私は承知をしております。
 中国の研究者による報告内容そのものについては、第三者による検証を経た論文の形になっている段階ではないと承知しておりまして、個別にコメントすることは差し控えたいと思いますが、なお、一般論として申し上げれば、ゲノム編集技術を受精胚に適用して、それを更に臨床応用することは私は適切ではないと認識しております。具体的には、現時点では技術的安全性が確立されておりません。そして、後の世代にまで及ぶ遺伝的影響などが十分解明をされておりませんので、適切ではないと認識しております。
   〔委員長退席、理事そのだ修光君着席〕
#274
○薬師寺みちよ君 そのとおりなんです。しかし、技術的にはできるというところが大変怖いんです。だから、そこを少し議論させていただきます。
 厚労省としてこの報道を受けて何か対応を取られましたか。審議官、教えてください。
#275
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 先ほど大臣からも御答弁したとおり、中国の研究者による報告内容そのものについては、第三者による検証を経た論文の形になっている段階ではございません。このため、外交ルートも含めまして、関係省庁と連絡を取り合いながら、事実関係の確認と情報収集に努めているところでございます。
#276
○薬師寺みちよ君 もう是非、しっかりと確実な情報を素早く手に入れて、国際的にこの問題をどう解決していくのかということについても、私はイニシアチブを取っていただきたいと思っております。これ、パンドラの箱を開けたんですよ。我々としても、何としてでも、国際的な協調の中で日本が今後どのような研究開発を行っていくべきなのかということも併せてしっかりと審議をしていっていただきたいと思っております。
 日本では、今全ての医療関係者、あらゆる分野の技術者、研究者に対しまして、人の生殖細胞や胚に対するゲノム編集技術、臨床応用を禁止するという措置はとられていらっしゃいますか。審議官、教えてください。
#277
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 人の生殖細胞や胚に対するゲノム編集技術の臨床応用につきましては、いまだ技術的安全性が確立していないことから、現時点で仮に行われるとすれば臨床研究として行われるものと考えております。
 この場合について、現在、厚生労働大臣告示である遺伝子治療等臨床研究に関する指針により禁止しております。その対象は、研究を実施する法人、行政機関及び個人事業主であり、全ての医療関係者、技術者、研究者に対して禁止の措置をとっております。
 なお、総合科学技術・イノベーション会議の報告書、これは平成三十年三月でありますけれども、こちらにおきまして、ヒト受精胚にゲノム編集技術等を用いる基礎的研究のうち生殖補助医療に係る研究については、条件を付して限定的に容認するとの見解が示されたところです。このことを踏まえまして、現在、その実施に向け厚生労働省と文部科学省において指針の検討を行い、来年度からの施行を目指しているところです。
 この指針案におきましても、当該研究に携わる者に対してゲノム編集を行ったヒト受精胚の人又は動物の胎内移植を禁止するということとしております。
#278
○薬師寺みちよ君 そうですよね。佐原審議官おっしゃっていただいたようなことが今、日本では規定をされている。
   〔理事そのだ修光君退席、委員長着席〕
 では、遺伝子治療等臨床研究に関する指針の対象となる適用範囲はどのようなものですか、教えてください。
#279
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 御指摘の指針においては、疾病の治療や予防を目的として遺伝子又は遺伝子を導入した細胞を人の体内に投与することを遺伝子治療等と定義いたしまして、日本国内において実施される遺伝子治療等臨床研究を適用対象としております。
 また、先ほど申し上げましたとおり、指針の対象となる機関は、遺伝治療等臨床研究を実施する法人、行政機関及び個人事業主と定義しており、これらの者は指針に従う必要がございます。
#280
○薬師寺みちよ君 厚生労働省としては臨床研究として行うべきだろうと考えている。しかし、これがもし医療として行われた場合にはこの規制の対象となりますか。
#281
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 人の生殖細胞や胚に対するゲノム編集技術の臨床応用につきましては、いまだ技術的安全性が確立していないことから、現時点で仮に行われるとすれば臨床研究として行われるものと考えております。このため、基本的には遺伝子治療等臨床研究に関する指針の対象になると考えております。
#282
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 ですから、ここが大変難しいところで、今回、もしこの中国で行われたことが報道のとおりだとすると、大学の研究機関でもないこういうところでもベンチャーがたくさん立ち上がってきているわけですよね。そういうところで、じゃ実際にやりました、じゃ研究発表です、子供が生まれたんですということになってしまうと、これはもう医療の範疇に入ってしまうわけですよね。
 ですから、性善説で考えるとそれでよかった、しかし、一旦こういうパンドラの箱を開けたようなことがあると、様々な地域で様々な、日本だけではないですよ、世界の中で起こってくる可能性がある。だから、日本としてどのような指針を若しくは法的に処置をしなければならないのかということを、私は前倒しして考えるべきではないかと思います。
 例えば、この指針守らなかったらどういう措置がとられるんでしょうか。
#283
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 御指摘の指針では、研究機関の長に対して遺伝子治療等臨床研究に重大な不適合があった場合には、厚生労働大臣に報告し、また公表することを義務付けております。また、国の研究補助事業として行われているもので指針違反があった場合には、採択の取消し、補助金の交付決定の取消し、返還等の処分を行うことがあるほか、一定期間、当該研究に対して補助金を交付しないこともあります。
#284
○薬師寺みちよ君 そうなんですよね。ですから、研究資金を返還しなさい、研究資金止めますよ。それを受けていない研究機関やクリニックには全くこれ、公表されるだけで、公表されたらなおそれが広告効果にもなってしまう可能性がある。かつ、研究で行われていない、もしこれで、臨床で医療として行われるのであれば、なおさらこれは全く関係がないということなんです。
 もう一つ、研究者にこれは向けたものであって、実験的な胚操作を受け入れたという市民に対する羈絆でもなく、この辺りというのは私はこの指針の限界ではないかと思いますけれども、法律で規定せず指針で規定している理由について教えていただけますか。
#285
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 本件のような技術の進歩が特に速い研究分野においては、研究者コミュニティーと一体となり、技術の進展に伴い規制内容等を随時見直していくことが重要であると考えられます。このため、指針という形式で対応することが適切ではないかと考えております。
#286
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 でも、その指針で規定する、でも、このような形で、別に指針守らなくたっていいんだという人たちもたくさんいらっしゃる中で、どれだけこれが守られることに今後なっていくのか。最低限のところを私はしっかりと法で縛るべきだと思っております。
 皆様方にもお配りしておりますように、世界的にはこれ法律で禁止しているという国が多うございます。これだけではないですが、一番まとまったのがこの新聞記事でございましたので、これを皆様方にお示ししておりますけれども。これ、指針ではなく、本当は法律にしてもらいたい。
 例えば、これを指針で禁止している国というものはどのくらいあるんでしょうか。
#287
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 人の生殖細胞や胚に対するゲノム編集技術の臨床応用につきましては、国際的な総意として臨床応用は望ましくないとされておりますけれども、法律や指針で禁止している国がある一方で、明文化していない国もあると承知しております。
 こうした中、指針で禁止している国につきましては、厚生労働省が把握している限りでは、日本のほか、アイルランド、中国、インドであると承知しております。
#288
○薬師寺みちよ君 そうなんですよ。ほとんどの欧米諸国がこれを法的に禁止しております。しっかりとした罰則もございます。ですから、私は、日本でもこれをいい機会として法律で禁止すべきではないかと思います。
 私は、この研究をやめろと言っているんではないんです。研究を守るためにも最低限のことを法で私は縛った上で、安全、安心に研究者の皆様方にも研究をしていただきたい。日本は、この分野は周回遅れどころの話ではないんですよ。何周も遅れているんです。だからこそ、先ほど佐原審議官がおっしゃってくださったように、新しく指針もできます。ですから、その研究を守るためにも、私は是非こういう分野というものについて法律で禁止をしていただきたい。
 大臣の御意見いただけますでしょうか。お願い申し上げます。
#289
○国務大臣(根本匠君) 先端的な技術の人への適用、これは科学的、倫理的合理性の下で高い透明性を持ってルールに従って行われる、これが私は重要だと思います。
 今委員のお話を聞いて、私もその思いは理解できますけど、ただ一方、人の生殖細胞や胚に対するゲノム編集技術の臨床研究、今既に話がありましたけど、技術の進歩が特に速い分野では、技術の進展に伴って規制内容などを随時見直すことが必要となること、あるいは学問の自由への配慮も一定程度求められることなどから、指針で規制することが適当ではないかと思います。
 ただ、今後、基礎研究の進捗状況も見ながら、これは慎重に検討していきたいと思います。
#290
○薬師寺みちよ君 是非お願いします。
 CRISPR―Cas9というものが出てきて、簡単に切れちゃうんです。しかし、そのオフターゲット、いわゆる標的としていないところも影響が出てくることが、これは分かっております。ですから、これが商業的に何か利用されるようなことがあっては、これは大変です。これ、それこそ子孫に様々な影響を、いわゆる人類の発展にもこれは関係することでございますので、もう少し慎重に私はこの部分考えていただきたいと思っております。
 現在、ゲノム編集における受精胚研究というものは行われていますか。教えてください。
#291
○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 遺伝子治療等臨床研究に関する指針におきましては、生殖細胞等の遺伝的改変を禁止しているところでございます。
 現在、厚生労働省としては、ゲノム編集による受精胚研究が行われている事例は把握しておりません。
#292
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 今後、その新しい倫理指針というものができる、ヒアリングが終わったところだというふうに私は報告を受けておりますけれども、受精胚の処分についてしっかり規定していただいていますか。お願い申し上げます。
#293
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。
 御指摘のヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針案につきましては、ヒト受精胚へのゲノム編集技術等を用いる研究に関する合同会議におきまして了承されたところでございます。
 この指針案の中では、ヒト受精胚の取扱いにつきまして、研究機関は、研究を終了し、又は指針案に定めるヒト受精胚の取扱期間を経過したとき、いずれの場合におきましても最大十四日まででございますが、それ以後につきましては直ちにヒト受精胚を廃棄するものと規定しております。
#294
○薬師寺みちよ君 それを確実にしていただけますか。十四日ルール、もちろんこれは世界の中でも当たり前のことなんですけれども、それをしっかり処分していかないといけないということをお願いできますか。
#295
○政府参考人(浜谷浩樹君) 今申し上げましたとおり、指針案ではこのように規定をする案となっておりまして、この案を成案にする際に、その成案に基づいてしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。
#296
○薬師寺みちよ君 お願いいたします。
 少し話題を移していきたいと思います。保険適用の標準治療として認められている免疫チェックポイント阻害剤の問題です。
 免疫療法という名の下、たくさんまがいものの免疫療法というものが今ございます。私もここ数日ネットを調べておりましたら、次から次へと出てまいります。これ取り締まるすべ、手段というものはございますか。局長、教えてください。
#297
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。
 まず、今ネットを見てというお話ございました。医療に関する広告につきましては、患者等の利用者保護の観点から、まず広告できる事項を限定しておりまして、例えば国内未承認の医薬品等を用いた自由診療に関する広告につきましては、原則ではありますが禁止をしてございます。また、広告できる事項を限定しているという上での広告できる事項につきまして、それを広告する場合でも、提供する医療の内容等につきまして、一般の方が広告内容から認識する印象あるいは期待感と実際の内容に相違がある場合には、人に誤解を与える広告として誇大広告に該当するとして禁止をしてございます。
#298
○薬師寺みちよ君 私も探してみましても、我々がもちろん改正した法律なんですけれども、効果があったとは思えないようなものが出てまいります。
 広告規制だけで本当にいいんでしょうか。もう少し有効打を打つべきではないか。でないと、まがいものの中で多くの皆様方が、皆様方のちょっとお手元にもお配りしておりますけど、消費者庁にも報告されておりますけれども、大変困っていらっしゃる方々もいらっしゃいますので、局長、力貸していただきたいんですけれども、これは大臣の方がよろしいですね、済みません。大臣、もう少し、より有効打を厚労省の方でも考えていただけますか。よろしくお願い申し上げます。
#299
○政府参考人(吉田学君) まず、事実関係から申し上げます。
 私ども、免許を持った医師の方が行う医療行為自身につきましては、それ自身を自由に行われると、それ自体は自由に行われるというまず基本であろうかと思いますが、先ほどおっしゃいましたように、医療機関における広告というものにつきましては私どもこれまでも対応しておりますし、今御発言の中で引用されましたように、二十九年に改正をしていただきました法に基づく広告規制、これは、広告だけだった従来の規制対象から、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示というところまで拡大をしていただいております。
 この法律自身は、改正法は今年の六月から施行しておりますが、この施行に先立って、昨年の八月からいわゆるネットパトロールというものを開始してございます。施行後のデータにつきましてはもう少しお時間をいただいて把握してまいりたいと思いますし、我々としましては、このような改正を踏まえた状況につきましても引き続き把握しながら、まずこの広告規制という点については改正法の趣旨が徹底できるように取り組んでまいりたいと思います。
#300
○国務大臣(根本匠君) がんに対する治療法には様々なものがありますが、国民に安心、安全な医療を提供するためには科学的根拠を有している治療を基本とするべきだと思います。
 先ほども医政局長も述べましたが、広告規制では、国内未承認の医薬品などを用いた自由診療に関する広告は原則として禁止をしています。しかしながら、治療そのものは適切に行われる必要があって、例えば、がんの免疫療法と称しているものであっても十分な科学的根拠を有していない治療法もあることから、正しい情報を国民や患者に提供することが必要だと思います。国立がん研究センターのホームページなどで、免疫療法は免疫本来の力を回復させてがんを治療する方法であることや、効果が明らかな免疫療法は限られているなどの正確な情報を発信しております。
 また、保険適用されていない場合であっても適切な医療の提供が必要だと思っております。がん治療を含めた免疫療法のうち免疫細胞を用いた医療については、再生医療等安全確保法に基づき、国が認定した委員会で有識者による審査を求めるなど、その安全性や科学的妥当性を確認しております。
 厚生労働省としては、がん治療を含めた免疫療法について新たな開発を促進しながら、患者や国民が適切な情報を得られて安心して安全に受けられるように、再生医療法の枠組みや広告規制の枠組みの中でしっかり取組を進めてまいりたいと思います。
#301
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。
 だから怖いんですよ。先ほどのデザイナーベビーの話ではないです。医師がやる医療といったら、別にエビデンスがなくてもやれてしまうから怖いんです。だから、その先ほどの指針で縛るというんではなく、法でしっかりとそこを支えてさしあげないと本当に正しいものが正しい方向で発達をしないということなんです、大臣。そこはもう一度認識を新たにしていただきたいと思います。もちろん、自由度高くというところで指針でやりたい、これはその気持ちも分かりますけど、まだその段階ではないんです。私はもう一度そこの部分、是非、指針に頼ることなく法的に、いわゆるデザイナーベビーが生まれないような形で日本の安全という、研究の安全を守っていただきたいと思います。
 時間もございませんので、次の話題に移らせていただきます。
 オラパリブといういわゆる遺伝性乳がんの治療薬が承認となりました。遺伝カウンセラーの不足がこの承認を受けても課題となっております。
 カウンセラーの養成に対してどのような対策を打っていらっしゃいますか。教えてください。
#302
○政府参考人(宇都宮啓君) お答えいたします。
 オラパリブは、BRCA遺伝子変異陽性の乳がん、すなわち遺伝性乳がんを適応症としてございまして、御指摘いただきましたように、この薬の使用には遺伝カウンセリングが重要でございます。ゲノム医療の推進には遺伝カウンセリングに関わる者の育成が重要でございまして、学会等で人材の育成が進められているものと承知してございます。
 厚生労働省といたしましては、がん分野において、昨年より、現場の幅広いゲノム医療従事者を対象として、ゲノム医療に関する相談に対応できるよう、研修を実施してございます。今年度は、昨年度と比較いたしまして研修者数を百二十人から三百六十人に増やしているところでございます。また、人材の適切な配置を推進するため、平成三十年度より、がんゲノム医療中核拠点病院等におきまして、遺伝カウンセリングの実施体制を整備することを求めているところでございます。
 今後とも、がんゲノム医療を推進するため、カウンセリング等の人材の育成に取り組んでまいりたいと思ってございます。
#303
○薬師寺みちよ君 その検査を受けたら、その結果が出たら家族にどう説明したらいいのか。その治療を受けるということはそれを持っているということを証明してしまう。どれだけ現場の皆様方が御苦労なさっているのか。
 ゲノム医療というのはもう本当に日進月歩、もう日々日々新しい情報の中で新しい技術が生まれてきている。でも、制度が遅れている。制度疲労の中で、この日本というものは世界的にも研究が遅れている、この現状というものを何とかして私どもも一緒になって応援してさしあげなければならないというふうに思っております。
 そういう中で、正しいゲノム医療とビジネスで行われているゲノム検査というものがかなりごちゃ混ぜになってしまっているんですね。CMで、昨日、おとといも見ましたけれども、ビジネスになっているゲノム検査というものが打たれます。そうしましたら、端っこの方に全く分からないような形で、これは医療ではありませんというのがあるんですね。もう一、二秒です。これ、見ていても絶対分かりません。私が一生懸命目を凝らしているからこそ見えるものであって、やはりここの垣根というものは私は明確にして、一般に受ける皆様方にとっても安全、安心な医療というものを確立すべきだと思いますけれども、大臣の御意見いただけますでしょうか。
#304
○国務大臣(根本匠君) 私もそういうパンフレットを見たことありますけど、いわゆるゲノム検査と称する受検者の体質を調べることなどを目的とした遺伝子検査が遺伝子検査サービスとして実施されている、これは私も承知をしております。
 しかしながら、疾病の診断や治療方法の選択のために行われる検査、これは医療機関などにおいて一定の精度管理の下で行われて、その結果について医師が評価を行う必要があります。このような検査は遺伝子検査サービスとして行われる検査とは明確に区別されると考えております。
 なお、このような疾病の診断等を目的とした検査は医療機関において実施されるものであることを認識していただけるように、必要に応じてこのような検査の在り方について周知をしてまいりたいと思います。
#305
○薬師寺みちよ君 明確に線引きをしていただきたいと思います。そうしていかなければ、受けている方はどちらを受けているか分からないんですよ。これがビジネスとしていわゆるエビデンスが余りないようなものを受けているのか医療として明確にこれは治療につながるものを受けているのか分からない中で、不確定なものがこの世の中には氾濫をいたしております。これからのまだ課題といたしまして私も議論をさせていただきたいと思いますので、今日はありがとうございました。
#306
○委員長(石田昌宏君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#307
○委員長(石田昌宏君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、山本香苗君から委員長の手元に移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。山本香苗君。
#308
○山本香苗君 ただいま議題となりました移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案の草案につきまして、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 造血幹細胞移植法は、白血病等の治療法である骨髄移植や臍帯血移植に用いるための骨髄や臍帯血などの適切な提供を推進する目的で、平成二十四年に参議院の厚生労働委員会提出の議員立法により成立した法律であります。
 現在、同法に基づき厚生労働大臣の許可を受けた全国六か所の公的臍帯血バンクにより、非血縁間の造血幹細胞移植に用いる臍帯血の提供体制が確保されており、移植医療機関においては、公的臍帯血バンクから提供される安全性及び品質が確保された臍帯血を用いて、造血幹細胞移植が円滑かつ適正に実施されているところであります。
 一方、将来の造血幹細胞移植や再生医療が必要になった場合に備えるため、両親等からの委託を受けて出産時に臍帯血を採取、保管する臍帯血プライベートバンクについては、預けた本人又はその親族が用いることを想定して、双方の契約に基づき保管等が行われているものであること、造血幹細胞移植以外の利用も見込まれることといった理由から、造血幹細胞移植法の規制の対象とはしておりません。
 しかしながら、昨年、経営破綻した臍帯血プライベートバンクから流出した臍帯血が販売業者等により提供され、造血幹細胞移植用と称して医療機関において使用されるという事案が発覚いたしました。現行法では、移植に用いる臍帯血の提供について採取、保存、引渡し等を一貫して行う事業者のみが許可制の対象であり、これらの各行為を別々に行う事業者や、造血幹細胞移植に適しない臍帯血を造血幹細胞移植用と称して取引する事業者は想定されていません。
 このままでは、公的臍帯血バンクについて許可制を取り、造血幹細胞移植への臍帯血の適切な提供を確保しようとする法律の目的を阻害しかねず、これらの課題に早急に対応するための法改正が必要であります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、公的臍帯血バンクの委託により行う場合等を除き、公的臍帯血バンクでなければ、業として、移植に用いる臍帯血の採取、保存、引渡し等をしてはならないこととしております。
 第二に、何人も、公的臍帯血バンクが移植に用いる臍帯血を引き渡す場合等を除き、業として、人の臍帯血を造血幹細胞移植に用いることができるものとして、引き渡してはならないこととし、また、何人も、業として、これにより禁止される人の臍帯血の引渡しを受けてはならないこととしております。
 第三に、これらの禁止規定に違反した者に対しては、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金を科すこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#309
○委員長(石田昌宏君) 本草案に対し、質疑、御意見等がございましたら御発言願います。──別に御発言もないようですから、本草案を移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#310
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#311
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#312
○委員長(石田昌宏君) 次に、社会保障及び労働問題等に関する調査のうち、健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案に関する件を議題といたします。
 本件につきましては、石井みどり君から委員長の手元に健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案の草案が提出されております。内容はお手元に配付のとおりでございます。
 この際、まず提案者から草案の趣旨について説明を聴取いたします。石井みどり君。
#313
○石井みどり君 ただいま議題となりました健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案の草案につきまして、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 我が国において、平成二十九年現在、脳血管疾患は死因の第三位、心疾患は第二位となっており、両疾患を合わせて年間三十一万人以上が亡くなっています。また、国民が介護を要する状態となった原因についても、脳血管疾患及び心疾患を合わせると全体の二〇%を超えています。さらに、我が国における医科診療医療費を傷病分類別に見ると、循環器系の疾患の占める割合は、全体の約二〇%と最大になっています。このように、脳卒中や心臓病等の循環器病は、生活習慣の改善等により一定の予防が可能な疾病であるにもかかわらず、国民の生命と健康にとって重大な問題となっています。
 国民の健康寿命の延伸、また医療及び介護に係る負担軽減等を図っていく観点から、循環器病について、その対策を総合的かつ計画的に推進するための基本法の制定が必要不可欠です。
 本案は、こうした状況を踏まえ、循環器病対策に関し、基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、循環器病対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、循環器病対策の基本となる事項を定めようとするものであります。
 次に、本案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、循環器病対策について、生活習慣の改善等による循環器病の予防及び循環器病を発症した疑いがある場合における迅速かつ適切な対応の重要性に関する国民の理解と関心を深めるようにすること、循環器病患者等に対する保健、医療及び福祉に係るサービスの提供が、その居住する地域にかかわらず等しく、継続的かつ総合的に行われるようにすること等の基本理念を定めるとともに、国、地方公共団体等の責務を定めております。
 第二に、政府は、循環器病対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならないこととしております。
 第三に、政府は、循環器病対策の総合的かつ計画的な推進を図るため、循環器病対策推進基本計画を策定しなければならないこととし、都道府県は、循環器病対策推進基本計画を基本とし、都道府県循環器病対策推進計画を策定しなければならないこととしております。
 第四に、国及び地方公共団体による基本的施策として、循環器病の予防等の推進、循環器病を発症した疑いがある者の搬送及び受入れの実施に係る体制の整備、医療機関の整備、循環器病患者等の生活の質の維持向上、保健、医療及び福祉に係る関係機関の連携協力体制の整備等の事項を定めております。
 第五に、厚生労働省に、循環器病対策推進協議会を置くこととし、都道府県は、都道府県循環器病対策推進協議会を置くよう努めなければならないこととしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の草案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#314
○委員長(石田昌宏君) 本草案に対し、質疑、御意見等がございましたら御発言願います。──別に御発言もないようですから、本草案を健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#315
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#316
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#317
○委員長(石田昌宏君) 次に、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律案を議題といたします。
 提出者衆議院厚生労働委員長冨岡勉君から趣旨説明を聴取いたします。冨岡勉君。
#318
○衆議院議員(冨岡勉君) ただいま議題となりました成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律案について、その提案理由及び内容を御説明申し上げます。
 本案は、次代の社会を担う成育過程にある者の個人としての尊厳が重んぜられ、その心身の健やかな成育が確保されることが重要な課題となっていること等に鑑み、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、成育医療等の提供に関する施策は、成育過程にある者の心身の健やかな成育が図られることを保障される権利を尊重して推進されなければならないこと等の基本理念を定めること。
 第二に、成育医療等の提供に関する施策に関する国、地方公共団体、保護者及び医療関係者等の責務等を規定すること。
 第三に、政府は、成育医療等の提供に関する施策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならないこと。
 第四に、政府は、毎年一回、成育過程にある者等の状況及び成育医療等の提供に関する施策の実施の状況を公表しなければならないこと。
 第五に、政府は、成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本方針を定めなければならないこと。また、厚生労働大臣は、関係行政機関の長と協議するとともに、厚生労働省に設置する成育医療等協議会の意見を聴いて基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならないこと。
 第六に、国及び地方公共団体は、成育過程にある者及び妊産婦に対する医療、成育過程にある者等に対する保健、成育過程にある者及び妊産婦の心身の健康等に関する教育並びに普及啓発等の基本的施策を講ずるものとすること。
 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。
 以上が、本案の提案理由及びその内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#319
○委員長(石田昌宏君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#320
○委員長(石田昌宏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#321
○委員長(石田昌宏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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