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2018/12/06 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 外交防衛委員会 第7号
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2018/12/06 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 外交防衛委員会 第7号

#1
第197回国会 外交防衛委員会 第7号
平成三十年十二月六日(木曜日)
   午前十時四分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     武見 敬三君     滝沢  求君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         渡邉 美樹君
    理 事
                宇都 隆史君
                中西  哲君
                三宅 伸吾君
                高瀬 弘美君
                大野 元裕君
    委 員
                猪口 邦子君
                佐藤 正久君
                滝沢  求君
                中曽根弘文君
                堀井  巌君
                山田  宏君
                山本 一太君
                山口那津男君
                小西 洋之君
                白  眞勲君
                福山 哲郎君
                井上 哲士君
                浅田  均君
              アントニオ猪木君
                伊波 洋一君
   国務大臣
       外務大臣     河野 太郎君
       防衛大臣     岩屋  毅君
   副大臣
       農林水産副大臣  小里 泰弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        神田  茂君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       増田 和夫君
       内閣府宇宙開発
       戦略推進事務局
       審議官      行松 泰弘君
       内閣府総合海洋
       政策推進事務局
       次長       佐竹 洋一君
       警察庁長官官房
       審議官      加藤 晃久君
       外務大臣官房審
       議官       岡野 正敬君
       外務省欧州局長  正木  靖君
       外務省経済局長  山上 信吾君
       文部科学大臣官
       房審議官     岡村 直子君
       スポーツ庁審議
       官        藤江 陽子君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   光吉  一君
       農林水産大臣官
       房輸出促進審議
       官        渡邊 厚夫君
       農林水産大臣官
       房審議官     小川 良介君
       農林水産省生産
       局畜産部長    富田 育稔君
       経済産業大臣官
       房審議官     松尾 剛彦君
       経済産業大臣官
       房審議官     水野 政義君
       経済産業大臣官
       房審議官     上田 洋二君
       海上保安庁次長  一見 勝之君
       防衛大臣官房審
       議官       深澤 雅貴君
       防衛省防衛政策
       局長       槌道 明宏君
       防衛省防衛政策
       局次長      石川  武君
       防衛省整備計画
       局長       西田 安範君
       防衛省統合幕僚
       監部総括官    齋藤 雅一君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間
 の協定の締結について承認を求めるの件(内閣
 提出、衆議院送付)
○日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の
 戦略的パートナーシップ協定の締結について承
 認を求めるの件(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(渡邉美樹君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官増田和夫君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(渡邉美樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(渡邉美樹君) 経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○高瀬弘美君 おはようございます。公明党の高瀬弘美です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
 日EU・EPAについての質問の前に、日ロ関係について少しお伺いをしたいと思います。
 大臣からも、繰り返しの御答弁の中で、平和条約の締結に向けて交渉を加速化するというふうに力強い御答弁いただいておりますけれども、交渉の加速化のためには交渉に必要な情報を、これまでも外務省としてためてきているものあると思いますが、今後は更なるスピードで情報収集というのが必要になってくるのではないかと思います。
 そこで、外務省にお聞きをいたします。
 北方領土における日本でもロシアでもない第三国による経済活動、北方領土に対する投資の状況、四島それぞれの島で今どのように把握をしていらっしゃいますでしょうか。
#6
○政府参考人(正木靖君) 政府としまして、御質問の事項についてもちろん網羅的にお答えすることは困難でございますが、例を挙げますと、北方四島における第三国の経済活動につきまして、例えば今年の六月に、ロシアの企業ロステレコム及び中国企業ファーウェイが、サハリンと北方領土、これは国後島、択捉島、色丹島でございますが、そちらと結ぶ光ファイバー回線の海底敷設作業を開始したと承知しております。加えて、今年の二月に、アイスランド企業による色丹島への魚加工設備の導入に関する報道などがあったと承知しております。
#7
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 なかなか網羅的に言っていただくには件数が多いということかと思いますけれども、報道ベースでも各種出ておりますとおり、アメリカ、韓国、中国、そして今御答弁にありましたアイスランド等、様々な国の投資が進んでいる状況にあるかと思います。
 外務大臣にお伺いをしたいと思います。
 領土交渉を行う際には、それぞれの島で今どういう状況になっているか、できる限り正確に把握をした上で臨む必要があるというふうに思いますし、大臣にはあらゆる交渉カードを持って交渉に臨んでいただきたいと思っております。
 先ほどお話がありましたけれども、それぞれの島で投資が進んでおりまして、第三国が契約を結んでいろんな事業を行っております。領土交渉の結果というのが、これらの島が日本に返ってくる際に、これまで経済活動していたことを継続できる環境というのを求めてくることも想定がされると思います。こうしたことも想定をしながら交渉に臨まれることと思いますが、他国がこれだけ、今御答弁は数は今年のものに限られておりましたけれども、過去数年遡りますとかなり経済活動進んでいるという状況、報道ベースだけでも分かってくる部分がございますので、他国がこれだけ経済活動している現状についての御感想と、そして、北方領土内での他国も含めた経済活動の状況を正確に把握することが、先ほど申しましたとおり、交渉の際に切れるカードを増やすことにつながるというふうに思いますけれども、この点につきまして、大臣のリーダーシップの下で政府一丸となってより一層の情報戦を展開すべきと思いますが、大臣のお考え、いかがでしょうか。
#8
○国務大臣(河野太郎君) 政府として、こうした動向をしっかり注視してまいりたいと思います。
#9
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 是非とも、政府一丸となってしっかり情報戦のために備えていただきたいというふうに思います。先ほど申しましたとおり、それぞれの島でどういう状況になっているのか、なかなか情報が入りにくいところもあるかと思いますが、交渉に臨む際大変大事な点になってくると思っておりますので、引き続き、どうぞこの点、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、日EU・EPAに関する質問に戻らせていただきます。
 WTOが停滞をしており、先行きが不透明な中で、日本が自由貿易体制の維持のために主導権を担っていくことの重要性につきましては、火曜日の本委員会の質疑の中でも指摘をされていたとおりだと私も思っております。特にWTOにつきましては、アメリカのトランプ政権が、二審制であるWTOにおきまして上級審に当たる上級委員会の委員の再任を現在拒否をしておりまして、既存のシステムが機能不全に陥っている状況というふうに伺っております。こうした中で、米中の貿易摩擦がますますエスカレートをしていきますと、米国のWTO脱退ということも現実に起こり得る可能性高まってくると思いますし、多国間の自由貿易秩序が危機にさらされていくことになるかと思います。
 そうした中で、基本的な価値を共有する日本とEUは、WTO改革といったグローバルな問題にも協力して立ち向かうべきというふうに考えますが、日本政府としては具体的にWTO改革に向けてEUとともにはどういうふうに進めていくお考えでありますでしょうか。
#10
○国務大臣(河野太郎君) WTOが引き続き多角的貿易体制の中核であるということは、これは言うまでもないことだと思っております。しかし、残念ながら、現代の国際貿易の実態、そこに出てくる様々諸問題にWTOとして十分対応できていないと言ってもよろしいかと思います。
 こういう事態を踏まえて、今年のG20の首脳宣言の中で、WTOの機能改善に向けて必要な改革を支持するということで一致をするなど、国際社会の中でもこのWTO改革に関する必要性、ここは認識され、WTOの改革への機運というものは高まってきていると言っていいかと思います。
 日本とEUはこうした問題意識を共有しておりまして、共にWTO改革の議論に参加、参加するだけでなく貢献し、自由で公正なルールに基づく貿易体制の強化ということを積極的に推進をしていこう、そういう立場でございます。
 このEUとのEPA、この協定が早期に締結できるということは、我が国とEUの間のこうした取組を推進していこうという観点からも非常に有益だというふうに思っております。
#11
○高瀬弘美君 大臣、ありがとうございます。
 今共通の価値観というお話ございましたけれども、共通の価値観という意味におきましては、知的財産の保護につきましても日本とEUというのは非常に考え方が近く、今回の日EU・EPAにも高いレベルの知的財産の保護が入っていると認識をしております。
 企業が伸び伸びと技術革新を起こせる環境をつくるためには、知的財産の保護というのはもう絶対的に重要であります。例えば、中国におきましては、中国に進出する企業に対しまして、技術の強制移転など知的財産が十分に保護されていないような例も散見されます。中国等、知的財産保護が不十分な国を念頭に置きまして、日本とEUの間で協力をしながら、世界において我が国の知的財産の保護を図っていくためにどのようなことを今後行っていくのか、これもお答え願いたいと思います。
#12
○国務大臣(河野太郎君) 日本とEUが知的財産の保護の分野でも協力をしていくことは非常に重要なことだと思っております。
 これまでも日EUでWIPOを始めとする国際機関でのこの知的所有権の取組をしっかりとやってほしい、そういう申入れをしてきているところでございますし、その知的財産権の保護が不十分な国に対して日本とEUで申入れをしているというようなこともやってまいりました。
 今後の世界経済を考えると、この知的財産権の保護というのは極めて重要だと思っておりますので、EUとも今後とも協調してこの問題にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
#13
○高瀬弘美君 続きまして、SPAについてお伺いをしたいと思います。
 先ほど来申しておりますとおり、基本的価値を共有しているということにおきまして、国際社会において様々なグローバルな協力が日本とEUの間ではできるというふうに考えております。
 大きな意味での外交・安全保障分野におきまして、例えば紛争予防なども今回のSPAの範囲の中に入っておりますけれども、EUとの間で更なる協力ができる場面があるというふうに考えますが、今回のSPAに基づいて協力をしていくということはお考えでしょうか。また、想定されるような協力があれば併せて教えていただければと思います。
#14
○国務大臣(河野太郎君) 我が国は、普遍的な価値やルールに基づく国際秩序を構築し、平和で繁栄する国際社会を構築するための政策を実現していくために、EUとの協力を含めヨーロッパとの関係を更に強化していくこととしております。
 SPAにおいても、平和及び安全、危機管理などの分野を規定をしてございます。これらの分野におけるSPAの下での具体的な協力の在り方につきましては、これまでの実績を踏まえつつ、今後、日EU間で調整していくことになります。
 これまでに、日EU間では、日本の経済開発援助とEUの共通安全保障・防衛政策ミッションとの連携や、海賊対処活動における共同訓練の実施といった協力を行ってきたわけでございまして、今後とも更なる協力を追求してまいりたいと思います。
 また、このほか、SPAは、例えば大量破壊兵器の不拡散及び軍縮、小型武器及び軽兵器を含む通常兵器の移転管理、開発に関する政策、防災及び人道的活動、宇宙空間、サイバーに係る問題などの協力分野を規定をしており、日本としては、国際社会における紛争の予防のため、このSPAの枠組みを活用しつつ、EUとの協力を強化していく所存でございます。
#15
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今大臣から御答弁ありましたとおり、様々な分野でこのSPAの枠組みを活用して更なる協働ができるというふうに考えておりますので、是非ともその推進についてお願いを申し上げたいと思います。
 日EUのEPAの結果が試算どおり、今内閣府の試算等出ておりますけれども、そのとおりになるかどうかというのは、日本からの農林水産物の輸出をどれくらい拡大していくことができるかにも大きく懸かってくると思います。
 現在、日本からEUへの輸出に関しまして、障壁となっているEU側の規制や基準、様々あると思いますが、その内容について農林水産省にお伺いをしたいと思います。また、要件を満たせずに現在輸出することができない農林水産物があればその具体例をお聞きするとともに、それらの輸出促進のために政府としてはどういう支援を行っているか、この点もお答えいただきたいと思います。
#16
○政府参考人(渡邊厚夫君) 御質問いただいた中で、EU側の規制基準の内容及び輸出促進のための政府の支援措置につきましてお答え申し上げます。
 農林水産物・食品の輸出に当たりまして、その商品が輸出先国・地域の食品規制等を満たす必要がありますけれども、EUにおいては、青果物及び茶における残留農薬の基準値、それから加工食品等に使用できる添加物に係る規制等が我が国と異なっており、こうした日EU間の規制基準の違いが日本からの輸出の課題になっていると認識しております。
 また、EUにおける東京電力福島第一原発事故に伴う日本産食品への輸入規制につきましても、昨年十二月に福島県の米を規制対象から除外するなど大幅に緩和はされておりますが、まだ一部の規制が残っているところでございます。
 このため、我が国の意欲ある事業者がEUへの農産物・食品の輸出に取り組めるよう、農林水産省としては、ジェトロと連携いたしまして、残留農薬基準値など各種規制情報の収集、周知、それから輸出に関する相談窓口の設置などを行うとともに、EUで使用が認められていない農薬や添加物をEUで登録、使用できるように、申請に必要な安全性データ収集への支援、こういった取組を行ってきているところでございます。
#17
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 EUの様々な規制があるというお話でしたけれども、そうした中で情報収集して、それを周知するというようなことをされていらっしゃるということでありますが、我が国の農林水産物の輸出支援につきましては、経済産業省の方で輸出コンソーシアムという形で、また農林水産省も輸出のためのプロジェクトがあると聞いております。
 それぞれの内容とこれまでの成果、ちょっと時間がなくなってきましたので、簡潔にお答えいただければと思います。
#18
○政府参考人(水野政義君) まず、経済産業省の輸出促進の取組について御説明させていただきます。
 新輸出大国コンソーシアムにおきまして、既に千五百を超える農林水産関係の事業者を支援してきているところでございます。具体的には、EU市場や農林水産物・食品分野に詳しい専門家をジェトロに配置し、輸出に取り組む事業者に対し事業計画策定から商談成立まできめ細かな事業者サポートを行っているところでございます。
 また、世界で電子商取引が急速に拡大する中、ジェトロが海外の主要通販業者のウエブサイトにジャパン・モールを設置し、日本の農産品などを販売する取組を開始しており、今後EUなどにも拡大していく予定でございます。
 さらに、金融面では、日本貿易保険において、農林水産業者に対して優遇条件での貿易保険を提供する中小企業・農林水産業輸出代金保険を二〇一六年七月から開始しているところでございます。
 このような取組を通じまして、農林水産省と密接な連携の下、引き続き農林水産物・食品の輸出拡大にしっかり取り組んでいきたいと考えております。
 以上でございます。
#19
○政府参考人(渡邊厚夫君) 経済産業省の取組に加えまして、農林水産省の取組でございます。
 EU域内での展示会、商談会への出展支援、それからJFOODOによる日本酒等のプロモーション、GIの相互保護によるEU域内での価値の向上、こういったことに加えまして、特に生産者、産地を支援する取組として、今年八月に農産物・食品輸出プロジェクトを立ち上げたところでございまして、このプロジェクトを通じて農家に対する輸出診断であるとかマッチング、産地づくりの支援、こういったところに取り組んでいるところでございます。
 引き続き、こういった取組を続けて、支援にしっかり取り組んでいきたいと思います。
#20
○高瀬弘美君 御説明ありがとうございます。
 経産省の方では、新輸出コンソーシアムという形で、また農林水産省もこの八月に農産物の輸出のためのプロジェクトを立ち上げたということでございますが、本当にいろんな自由貿易進んでいく中で、農林水産物の輸出というのはもうまさにここからというふうに思いますので、是非ともこの点、力を入れていっていただきたいと思いますし、それぞれの省にお伺いをしましたところ、じゃ、最前線で農作物を作っている小規模の農家さんにまでこういう情報は届いているのかという点については、各省共に説明会を実施しておりますですとか、あるいは各県の農水部に周知しておりますというような形でされてはいらっしゃるんですけれども、なかなか最前線の方までまだ情報が下りていっていないのではないかと。そういう小規模農家さんが実は一番影響が出てきていて、こういう輸出できるんだったらやりたいと思っていらっしゃるのではないかなというふうに思っております。
 ちょっと質問の順番入れ替えて、副大臣にお伺いをしたいというふうに思いますが、今、日本政府、攻めの農業ということで、輸出をしたい農家さんを全力で応援していくというふうにやっておりますけれども、私も地元九州でございますが、先ほども申し上げたとおり、やはり経営状況が少し悪くなっている農家さん、輸出できるんだったらしたいけれども自分の力ではなかなかできないよという方は大変多くいらっしゃいます。
 そういう方までしっかりと隅々、こちら、行政の側から出向いて、こういう輸出をしませんかと、そういう細やかな気配り必要ではないかと思いますが、副大臣、御感想をいただけますでしょうか。
#21
○副大臣(小里泰弘君) 全く御指摘のとおりであると思います。
 今般の日EU・EPAによりまして、EUへ輸出される日本の農産物・食品の関税はほとんどの品目で即時撤廃をされます。また、人口五億人で所得が高い、日本食レストランも多いEU市場へのアクセスが改善されますことは、国内の生産者、事業者が輸出を拡大できる大変大きなチャンスと考えております。
 このチャンスを成果につなげるためには、御指摘のとおりでありまして、EU市場の可能性、EU向け輸出に必要な対策を生産の現場に丁寧に説明することが重要であると考えます。地方にネットワークを持つジェトロなどの関係機関と連携して、こうした情報が各地に伝わるように、生産者がEU輸出に向け勇気を持って、自信を持って踏み出せるように応援してまいりたいと思います。
#22
○高瀬弘美君 ありがとうございます。
 今副大臣から力強い御答弁いただきましたけれども、その点が非常に今後日EU・EPA進めていく中で大変重要になってくると思いますので、是非とも副大臣のリーダーシップの下で、省内におかれましても、どうすれば農林水産物の輸出がより進むかという点については一層知恵を出していただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 ほかにも、今回の日EU・EPAによりまして工業製品の関税が撤廃され、日本の中小企業にとっては大変なチャンスというふうに考えております。ただ一方で、既にEU企業の中には、EU域内には韓国もFTAという形で入ってきておりますし、今後、日本の中小企業が競争力を持っている製品をEU内でしっかり販売していくためには様々な面で支援が必要となってくるというふうに考えます。
 今日は時間がなくなりましたので、質問という形にはいたしませんが、どうかこの点も含めて、外務省におかれても、経産省におかれても、また農水省におかれても、なお一層御支援をいただけるようにお願い申し上げて、私からの質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#23
○白眞勲君 おはようございます。立憲民主党の白眞勲でございます。
 まず、冒頭、EPA、経済連携協定に質問入る前に、今朝飛び込んでまいりましたニュースについて防衛大臣にお聞きしたいと思います。
 在日米軍の戦闘攻撃機と空中給油機が高知県沖で接触し墜落したというニュースがありました。
 現状について、防衛大臣、よろしくお願いします。
#24
○国務大臣(岩屋毅君) 本日午前一時四十二分頃、高知県室戸岬の南南東約五十五マイル、約九十九キロ付近の海上におきまして、米海兵隊岩国基地所属のFA18戦闘機一機とKC130空中給油機一機が空中で接触し墜落したものと承知をしております。
 詳細についてはまだ明らかになっておりませんが、FA18には乗員二名、KC130には乗員五名がそれぞれ搭乗していた模様でありまして、米軍、海上自衛隊及び航空自衛隊の艦艇、航空機、さらには海上保安庁も含めて、現場海域において現在、捜索救助活動を実施していると報告を受けております。午前五時四十三分頃に海上におきまして海上自衛隊が乗員一名を救助したところ、容体は安定している模様であると承知をしております。
 一刻も早く全員が無事に救助されるように、更に捜索救助活動に全力を挙げてまいります。
 また、本件事故を受けまして、防衛省から米側に対しまして情報の提供等を申し入れるとともに、関係自治体に情報提供をしたところであります。
 なお、現時点において、民間船舶等への影響の情報は入っておりません。
 本件事故について現在も詳細を確認中ですが、新たな情報が得られた際には、関係自治体等に対して速やかにお知らせをしてまいります。
#25
○白眞勲君 是非、全力を挙げて捜索活動をしていただきたい。特に、これは在日米軍であられて、まあ言ってみれば我が国を守ってくれている人たちがこういう事故があったということですから、やはりしっかりとそこはお願いしたいなというふうに思うんですけれども。
 ちょっと一点か二点聞きたいんですけど、ここは訓練空域なのかどうか、それは防衛省、お分かりでしょうか。
#26
○国務大臣(岩屋毅君) 済みません、にわかに詳細は分かりません。調べてお知らせいたします。
#27
○白眞勲君 では、そのようにお願いします。
 あと、いつ防衛省にはこの件、連絡がありましたでしょうか。
#28
○国務大臣(岩屋毅君) 私には午前三時頃に連絡が入りました。防衛省に通報があったのは二時半過ぎだそうでございます。私には三時。二時半頃だそうです、防衛省にまず一報があったのは。
#29
○白眞勲君 どこから通知があったんでしょうか。
#30
○政府参考人(齋藤雅一君) お答え申し上げます。
 国交省の方から連絡が来ております。
#31
○白眞勲君 是非、しっかりとお願いしたいなというふうに思います。
 それでは、日EU経済連携協定について、まず農水省にお聞きいたします。
 輸入関税が普通引き下げられますと、当然、例えば乳製品、EUからの輸入というのは、これ、関税が下がるということは値段が安くなるわけですから、消費者がいっぱい買うんじゃないかなという面では輸入が伸びると思いますけど、その辺いかがでしょうか。
#32
○副大臣(小里泰弘君) 一般的に言いますと、連携協定の締結によりましてGDPの増大が予想されまして、それによって経済が活性化をされ、輸入が増える可能性はありますし、また一方で、国内の努力によりまして、また輸出が増える可能性もあります。
 なかなか分かりにくいと思いますけれども、関税が下がりますと産品の価格は低下することが一つには考えられます。しかし、価格が下がっても、国内の努力をする、国内対策によりまして経営のコストを下げる、また品質の向上を図る、このことによりまして、より安く品質のいいものを提供することによりまして競争力が増すわけですね。それによって、これに、海外に対して対抗し得るということであって、それによって輸入を抑えるといったようなことも期待をされるわけであります。
 国内においては、日本の考え方としては、たとえ輸入が増えるようなことがあっても、しっかりと国内の育成をすることによりまして、少なくとも国内産品が海外産品に置き換わるということは避けまして、引き続き経営者が継続して営農に取り組んでいけるようにと、そういうことを期しているわけであります。
#33
○白眞勲君 何か言いたいこと、いっぱい出てくるんですよね。
 まず、その輸入が増えるという前提に立つと、国内の生産農家というか生産業者は当然これは影響を受けるわけですよね。それを国内対策によって影響を受けないようにするというと、結局、量は国内では増えちゃうんですよ、両方とも。両方とも増えちゃう感じになっちゃうんじゃないですか。それによって何か抑制をするというんだけど、そんな簡単に抑制なんてできません。まずは増えちゃいますよ、まずは増えちゃう。
 私、これ、TPPのときに本会議でもやったんだけど、これは牛肉の輸入だったけど、日本人、胃袋四つないんですよと言ったんです。要は、輸入も増えて生産量も変わらないとなったら、これ国内あふれちゃうじゃないですか、チーズだらけ、輸入チーズだらけになっちゃいますよ。この辺どうなっているんですか。
#34
○副大臣(小里泰弘君) もう一度詳しく申し上げますと、仮に関税が下がりますと、安い産品が更に増えて、入ってこようという可能性はあるわけであります。これに備えまして、国内の農業者がしっかりと国内対策を受けて努力をいたします。コストを下げる努力をする、更にいいものを作る努力をする、これによって国内産品の競争力が増すわけであります。あわせて、経営安定対策を打ちますので、農業者が将来意欲を持って営農を継続していこうということになります。そのことで海外産品に対抗し得るわけでありまして、それによって海外から輸入が増えることを押し返していく、そういうことも期待できるわけであります。
 そこを基にした、要するに、海外産品に国内産品が置き換わることのないように、そこを主眼として試算を行い、国内対策を行っているわけであります。
#35
○白眞勲君 つまり、副大臣がおっしゃっているのは、輸入は増えないんだということなんですね。そこ確認ですよ。これ非常に重要な部分ですよ。それちょっとおっしゃっていただきたいと思います。
#36
○副大臣(小里泰弘君) 先ほど申し上げましたように、一般論として申し上げれば、経済連携協定の締結によりまして、互いのGDP始め経済が活性化をされ、また増大をしていきますので、そのことによってお互いいろんな可能性があると思います。
 また一方では、国内の需要自体が増えていけば、その中でまたいろんな可能性があるわけでありまして、いずれにしましても、我々の考え方は、海外からの産品に対して国内産品が置き換わることはしっかり避けていこうと、国内の生産量としてはしっかり維持していこうと、その維持していくための国内対策を打っていくということであります。
#37
○白眞勲君 いや、ですから、副大臣、いろいろな可能性があるということは、輸入が増える可能性もあるということじゃありませんか。私は輸入は増えるんじゃないかと思っていますよ。
 今、生産量変わらないように努力しますというふうに言うと、さっきも言ったように国内は輸入チーズだらけになっちゃうわけですよ。輸入チーズだらけになると、例えばお酒のおつまみで、今まで乾き物というと、まあ何だ、チーズが増えて柿ピーが減る感じになっちゃうわけですよ。そういうことでしょう。いや、でも、笑い事じゃないけど、分かりやすく言えばそういうことですよ。
 今度は、柿ピーやっているその煎餅業者が大変な影響を受けるわけですよ。日本人の胃袋一緒なんですから、人口一緒なんですから。これから減るんですよ。幾らGDPが増加したからといったって、人間、食べる量はそんな変わらないですよ。
 だから、その辺はどうなっているんですかと言っているんですよ。もう一回御答弁いただきたい。
#38
○副大臣(小里泰弘君) 例えば、現にチーズにおいては、需要は大きく拡大の傾向にあるわけであります。また、先ほど申し上げましたように、経済連携協定というのはお互いウイン・ウインの関係で、互いの経済の活性化を目指すものでありますから、その中でまた需要が増えていく、こういった可能性もあるわけでありまして、少なくとも日本においてはそこのところをうまく活用して両立を図っていこうということでありまして、経済連携協定によって輸入が増えるかもしれませんけれども、一方で、国内生産がこれに負けることのないようにしっかり生産の持続拡大を図っていこうと、その両立を図っていこうと、その前提に立っての国内対策を打っていこうということであります。
#39
○白眞勲君 いや、長いお話されるのは結構なんですけど、私の質問には答えてくれていないんですよ。
 だって、人間の胃袋って同じ大きさなんですよ。GDPが増えたって同じ大きさなんですよ。それで、その今みたいな御説明というのは、非常に私は農家の不安を払拭するには到底程遠いのではないのかな、そういうふうに思っております。
 ちょっと時間が、もっとほかのことをやりたいのでちょっと別のことをやりたいんですけど、防衛省の方にお聞きしたいと思いますが。
 国内の防衛関連企業に対して、これ防衛装備品の代金の支払の件なんですけれども、二〇一九年度に納品される代金の支払は延期してほしいと要請したとする報道について少しお伺いしたいと思うんですけれども、これ、装備品調達の関係で、各受注業者に対して、部品の追加発注については現契約を変更して支払を先送りするという方向で説明されたとの報道があります。
 今回、単なる代金支払の延期ではなくて、追加発注を含めて提案したと報じられているんですけれども、それは何でなんだろうかなと。また、これまでこのような方法を取ったことあるんでしょうか。事実関係を簡潔にお答えいただきたいと思います。
#40
○国務大臣(岩屋毅君) お尋ねの件でございますけれども、今般、装備品の維持整備におきまして、部品の在庫状況を精査しつつ、過去に契約した部品の調達数量を追加するため、契約の変更を行うことを検討しておりまして、本件について十一月二日及び五日に、計六十二社に対しまして企業説明会を実施したところでございます。
 その中身は、契約の変更を行う場合には、部品の追加発注に伴って契約期間が延長されること、契約期間の延長に伴って官側の、私どもの支払が全ての契約履行が完了した後になることから支払時期の後ろ倒しが生じることについて説明をしたところでございますが、これはもちろん強制ではございませんで、現在、企業側との調整を行っている段階でございます。
 過去にはこのような事例はございません。
#41
○白眞勲君 岩屋大臣は本当に誠実にお答えいただいて私すごくうれしいんですけれども、確かに過去にはこういう事例はないわけですね。
 今強制ではございませんと言っても、防衛省から支払ちょっと待ってねと言われたら、それは嫌だと言う企業はいません。強制なんです、ある意味。
 これ、要は何かというと、ありていに言えば、追加発注というのは、これ私思うんですけど、具体的なものがないと駄目だと思うんですよ。今の段階でいうと、簡単に言えば、もっと支払うから今待ってよというのと一緒なんですよ。今支払を待ってよ、もっと買うからさ、これから。もし私が、白眞勲が何か物を買うときに、支払、これちょっと待ってくんない、もっと買うからさ、今待ってよと言ったら、誰も信じてくれませんよ、そんなの。
 ともかく今買ったものだけでもいいから代金支払ってください、これ当たり前なんじゃないですか。それをしませんよと言っているのはどう見てもこれは違和感があるんですけど、岩屋大臣、どうでしょうか。
#42
○国務大臣(岩屋毅君) 先ほど申し上げたように、これはあくまでも本当に強制ではございませんで、そういうことが可能だろうかという問合せを企業側に行って、企業側の意向も確かめた上で今調整をしているところでございます。
 既存部品の中には、やはり早めに調達をしておかなければ、予想以上に部品の消耗が早いといったようなものも中にはございます。そういったものについては追加発注をさせていただいて、契約期間を延長して、その代わり、もし可能であれば支払を完了時にさせていただけないかということを企業側に問い合わせておりますが、これはあくまでも先方の意向も確かめた上で調整をさせていただきたいというふうに思っております。
#43
○白眞勲君 岩屋大臣すごく正直なんで、私も記者会見見たら、十一月三十日の記者会見でこう言っているんですね、この件について。正直、ありていに申し上げると、なかなかやりくりも大変でして、追加の部品発注をしたということもあり、できれば調整に応じていただければ有り難いというお話をさせていただいたと思います。まさにこれだと思うんですよ。
 要は、いろいろなものをいっぱい買っちゃったから今までの発注分についてはちょっと後回しにしてもらいたいんだよねということで、その内容は何かといったら、トランプ大統領から、トランプ大統領、こう言っていますよ、たくさんの量日本が買ってくれてありがとうとか、イージス・アショアの件、そしてF35の何ですか、この前の、せんだっての私の御質問もそうですけれども、いろいろな、今日も何かニュースで百機買うんだというような話もありました。
 そういう様々なものを、新しいものをいっぱい買っちゃうから、既存についてはちょっと支払待ってくれないと予算がオーバーしてしまうんではないか、そういったことを御懸念されているんじゃないかと思うんですけど、お金がないんだったら買うのやめなさいよと私思うんですけど、その辺どうですか。
#44
○国務大臣(岩屋毅君) ちょっと記者会見のときは、ありていに言い過ぎてしまったかなというふうに反省をしているんですけれども。
 ただ、あくまでも今調整中でございますが、恐らく現段階で確定しておりませんが、そういうことがもし可能になったとしても十億ぐらいの金額ではないかなと思っておりまして、今先生、FMSの例も引かれましたけれども、例えば戦闘機一機で百億円というようなことでございますので、それがためにやっているということではなくて、少しでも、何といいますか、節約をしていくためにも努力を、様々な努力をさせていただいている一環であるというふうに御理解いただければ有り難いと思います。
#45
○白眞勲君 いや、追加発注するからちょっと支払待ってねというのは値段を安くすることとは関係ないはずなんです。でも、今すごく正直にお答えいただいたんで、この程度でとどめておきますけれども。
 ところで、防衛大綱についてちょっとお聞きしたいんですけれども、大綱を五年で変える理由は何ですか。
#46
○国務大臣(岩屋毅君) 確かに、防衛大綱というのはおおむね十年を目途として今まで作ってきたわけでございますけれども、そうでない事例も過去にございました。
 そして、過去五年を振り返ってみますと、安全保障環境の急激な変化はもう先生御承知のことですから省略をさせていただきますが、やはり中国にしても北朝鮮にしても、我々が思っていた以上のスピードで能力を向上させ、活動を活発化させてきたということは事実だろうと思います。
 それに、サイバーテロ、宇宙、新たな脅威が出現をしていると、そしてそういった分野での能力を獲得しないと、場合によっては我々が積み上げてきた防衛力そのものの能力を発揮することができなくなるというような非常に厳しい環境にあるというふうに私どもは認識をしておりまして、それがゆえに今般大綱を見直し、その考え方に基づいて新たな中期防を策定するという方針に至ったわけでございます。
#47
○白眞勲君 大臣の今の御答弁ですと、二〇一三年にその大綱をこれは安倍政権のときにすぐ変えたわけですけれども、余り変わらないなという感じがするんですね、今の状況から。今の五年前の状況の延長線上に私はあるんではないのかなと。スピードアップはしています、もちろん。しかし、何か、あ、なるほどねと、すとんと落ちるものが私には、今の御答弁からは、それだったら確かに五年間で変えなきゃしようがないよねという部分はちょっと分からないんですけれども。
 そういう中で、それだけ予想を超えるスピードだったんだというんであるならば、一三年の防衛大綱自体が大綱を作ったときに失敗だったんじゃないかな、そういうふうには言えませんか。どうでしょうか。
#48
○国務大臣(岩屋毅君) 五年前の大綱は、当時、統合機動防衛力というキーワードの下に陸海空の統合を図っていくということを大きな目標として作られたものでございますが、そのときに見積もった安全保障環境からすると、やはりこの五年間で極めて速いスピードで事態は変化しているというふうに思います。
 余り個別具体に申し上げるのもどうかと思いますが、東シナ海、南シナ海における活発な活動も年々そのスピードを増してきていると思いますし、我が国固有の領土である尖閣諸島周辺の動きについても想定以上のスピードで進んでおりますし、現在、北朝鮮は核実験やミサイル発射ということについては小康状態にありますけれども、やはりこの五年間に獲得した能力は我々の想像以上だったというふうに思います。
 それに加えて、先ほども申し上げたように、新領域においてまた技術が目まぐるしいスピードで進んでいると。これにしっかり対応できる防衛力をやはり構築しなければいけないと、こういう基本認識の下に、今大綱、中期防の策定を行っているところでございます。
#49
○白眞勲君 やっぱり、すとんと来ないんです。
 何が変わったんだろうな、予想外のものがあるんだといえばトランプ大統領が就任したことぐらいかな、そういうふうにも思えなくはないわけでして、そういう中でそれだけ変えるんであるなら、当然、国家安全保障戦略変えなきゃいけないんじゃないんでしょうか。その辺はどうでしょうか。
#50
○国務大臣(岩屋毅君) 国家安全保障戦略は、これも先生御承知のとおり、我が国が掲げる理念、我が国の国益と国家安全保障の目標を示した上で、そのような目標を達成するための防衛政策のみならず外交政策を中心とした戦略的アプローチを含む基本方針を示したものでございます。
 国家安全保障戦略の見直しについては現段階では何も決まっておりませんけれども、この戦略が今申し上げたような性質の文書であることを踏まえつつ慎重に現在検討しているという段階だと申し上げられると思います。
#51
○白眞勲君 国家安全保障戦略、これ、外務大臣にお聞きしたいんですけれども、ロシア関係の記述を見ていると、「最大の懸案である北方領土問題については、北方四島の帰属の問題を解決し」という文言となっています。これ、外務大臣、よろしゅうございますか。
#52
○国務大臣(河野太郎君) ロシアの記述に関する国家安全保障戦略、この立場と変わりはございません。
#53
○白眞勲君 つまり、その「四島の帰属の問題を解決し」という文言になっていますけれども、それには変わりないということでございますか。その辺をもう一回お聞きしたいと思います。
#54
○国務大臣(河野太郎君) 国家安全保障戦略の立場に変わりはございません。
#55
○白眞勲君 もう一回お聞きしますけれども、「四島の帰属の問題を解決し」という文言が入っています。これは、河野外務大臣、このままでよろしゅうございますね。
 それに対して、国家安全保障戦略の文書でございますじゃなくて、「北方四島の帰属の問題を解決し」という文言になっているんです。これについて政府の考えはどうなのかと聞いているんですが。
#56
○国務大臣(河野太郎君) 国家安全保障戦略におけるロシアに関する記述に変わりはございません。
#57
○白眞勲君 では、「北方四島の帰属の問題を解決し」、つまり、もう一回聞きますけれども、そうすると、北方四島は我が国固有の領土であるということでよろしゅうございますね。
#58
○国務大臣(河野太郎君) 政府の法的な立場に変わりはございません。
#59
○白眞勲君 では、お聞きします。政府の法的立場って何ですか。
#60
○国務大臣(河野太郎君) これから日ロの交渉を加速化しようということでございますので、政府の法的立場に変わりはございませんし、それは交渉の場で日本側の立場として主張をしてまいる所存でございます。
 しかし、この日ロのこれからの交渉は様々な要素が含まれるものでありまして、それぞれが異なった立場で言わば七十年来たわけでございます。そうした立場を申し上げると、それが様々な形で相手側の反応を生むことになり、それがそれぞれの国の中で、あるいは様々な場面でまた影響を及ぼす。それは、ひいては交渉の加速化ということに資さない環境をつくり出す懸念があることから、政府の立場を交渉の場以外のところで申し上げるのを差し控えていることを御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
#61
○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#62
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
#63
○国務大臣(河野太郎君) 日ロの首脳が平和条約を交渉を加速化しようということで合意をし、交渉のための枠組みというのが設定をされました。これからこの平和条約の交渉を加速化していこうということで交渉が始まるわけでございますが、この平和条約の交渉に向けての両国の政府の立場は異なっておりまして、それがあって平和条約の締結が今日までなされてこなかったわけでございます。それを、ここで交渉を加速化し、平和条約を締結しようという合意ができたわけでございますから、これから交渉をスタートさせることになります。
 しかし、この交渉は様々機微な問題を含んでおりまして、交渉を前へ進めるためには良好な環境の中でこの交渉をやっていきたいというふうに考えているところでございます。そのためには様々な交渉の場での発言が、これは相手国にも当然伝わるわけでございます。相手国に伝わった様々な発言が切り取られたり、いろんな形で相手の反応を生む、さらに、それがその国の中で様々な影響を及ぼすということになりかねないということを危惧しておりまして、そうしたことをやはり避けなければいかぬ。そのためには、しっかりと交渉を加速化するための環境をつくる必要があるというふうに考えているところでございます。
 もう既に様々な発言が切り取られて報道されているという現実もありますので、そうしたことを……
#64
○委員長(渡邉美樹君) 答弁簡潔にお願いします。
#65
○国務大臣(河野太郎君) 何とか防いでいきたいというふうに考えているところでございますので、どうぞ御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
#66
○委員長(渡邉美樹君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#67
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
#68
○国務大臣(河野太郎君) この日ロ交渉は、立場が違う二つの国の間の交渉でございます。それを両国が受入れ可能な合意をつくるために交渉しているわけでございますので、様々な困難を両国で乗り越えて締結しようということでございます。
 これは、政府側が交渉をいたしますが、この交渉によって影響を受ける方たちも当然にいらっしゃるわけでございますし、様々な反応が両国から出てくる、それがまた様々な反応を呼び起こして交渉自体に影響を与えるということが十分に考えられることでございますので、交渉に際して、政府の様々な考え方、立場を申し上げるのを差し控えてきているところでございます。これは、日ロ両国が目指している平和条約の締結、この交渉を加速化させるためのことでございますので、どうぞ御理解をいただきたいというふうに思っております。(発言する者あり)
#69
○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#70
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
 この際、申し上げます。
 外務大臣におかれましては、外交問題について公にできない事項等あるのは理解いたしますが、これまでの理事会や委員会における各会派からの意見を受け止めていただき、委員会で答弁できる内容と答弁が難しい内容をしっかり吟味し、委員会における議論がより深まるよう、より誠実に対応していただくようにお願いいたします。
#71
○国務大臣(河野太郎君) 今般定められました日ロの平和条約交渉の交渉の枠組みの中で、私が日本側の交渉責任者でございます。交渉責任者の発言が日ロの交渉に悪影響を及ぼさないように心掛けているところでございまして、これは、この交渉に当たりまして日本側の言わば思いをしっかりと入れた平和条約にしたいというふうに考えているところでございます。
 政府といたしましては、日ロ両国が交渉を加速化するために最大限いい環境で交渉をやりたいというふうに考えているところでございます。国会、国民に説明できる状況になりましたときにはしっかりと御説明をさせていただく所存でございますので、何とぞ御理解をいただきたいと思います。
#72
○白眞勲君 私が聞いているのは、政府の法的立場は変わりないというふうに外務大臣がおっしゃったから、その法的立場は何ですかと聞いただけですよ。それを答えられないというのは、どう見ても私はおかしいと思います。それは交渉がどうのこうのじゃないですよ。
#73
○委員長(渡邉美樹君) 時間が来ております。
#74
○白眞勲君 まずその前に、国民に対して、国会に対してしっかりと説明する義務というのは、私、外務大臣にある、私はそれを最後に申し上げて、今日の質問はこれで終わります。
#75
○大野元裕君 国民民主党・新緑風会の大野元裕でございます。
 今日は、質問の機会をいただきまして日EUのEPAについて質問させていただきますが、その前に一言だけ外務大臣に申し上げます。
 これは、私も野党側の筆頭理事としてこの委員会をお預かりをさせていただいております。大臣が機微な交渉をされていることについては敬意を表します。理解もいたします。しかしながら、大臣の方からこの場で政府の法的立場ということに言及をされたことにその質問をして、それを答えないというのはやはり非常に不誠実だと思いますので、まず一言、先ほどの委員長の御発言に加えて私からも申し上げさせていただきますので、誠実な御答弁をお願いをさせていただきます。
 その上で、TPP11協定に関連したカナダとの交換公文についてまずお伺いいたします。
 TPP12のときには、アメリカとの間でPHP車等を含む自動車に関する附属文書及び交換文書が示されました。カナダは、日米間のこの合意の適用を、それを求めていた。ところが、その後、アメリカがTPPを離脱したために、カナダと日本との間でこの合意が別途行われたというふうに理解をいたします。この合意については、政府から当委員会の理事懇に対して説明がありました。ただし、当時のTPP12のときの日米の附属文書は協定本文と一体のものとして国会に提出されていましたので、やはり委員会に対して説明するべきものだと私は考えています。
 本件につきましては、各、全会派の御理解をいただきましたので、まず外務省から、このカナダとの合意文書の概要について御説明をいただきたいと思います。
#76
○政府参考人(山上信吾君) 委員お尋ねでございますので、いささか長くなりますが、ちょっと説明させていただきたいと思います。
 まず、御指摘の交換公文でございますが、正式名称は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定に基づく自動車の非関税措置に関する日本国政府とカナダ政府との間の交換公文と称しております。
 経緯でございますが、今年の三月にTPP11協定が署名されました際に、カナダ側の要請を受けまして、茂木大臣からカナダの国際貿易大臣に対して書簡を発出いたしました。その書簡の中で、日本政府の立場、三点にわたって説明がなされております。
 一つには、カナダを含む協定の締約国に対しまして、日本の関係法令に基づいて自動車に関する一定の非関税措置を実施すること、二つ目には、国連自動車基準調和世界フォーラム等で、自動車に係る環境性能、安全に関する基準の国際調和に関し、日本はカナダと協力していくこと、三つ目には、これらの措置の実施に当たりまして適用される執行可能な紛争解決制度を設けること、この三点でございました。
 この三月の書簡を受けまして、日本、カナダ両政府間で調整をいたしました結果、この書簡の内容を両国間の交換公文の形で確認することで合意に至った次第でございます。
 したがいまして、この交換公文の内容としましては、一つには自動車の安全基準に関するWTO協定上の最恵国待遇義務の再確認、二つ目には我が国が実施しております非関税措置について国内法令に従って適切な措置をとること、三つ目には自動車の国際基準の調和のために日加二国間で協力をしていくこと、四つ目には問題が生じた場合にはTPP11協定に定めております紛争解決手続に服すること、そして五つ目には発効規定でございます。
 これらの対象となります非関税措置は、いずれも既に我が国において、カナダを含む諸外国に対して実施済みの措置でございます。この交換公文はこれらの措置を日本の国内法令の範囲内で実施することを約束するものでございまして、新規の立法や予算措置を要するものではございません。
 以上でございます。
#77
○大野元裕君 ありがとうございます。
 今お話があったTPP、それ以上の譲歩はなかったはずのEUとの経済連携協定でありますけれども、EUからのチーズの輸入については、TPP11と比較しても大幅に譲歩していると私は考えています。TPP11からのブルーチーズの輸入については、TPPでは関税五〇%の削減でした。EUからの輸入は、無税枠を設置して、その枠数内で十六年以内に段階的に撤廃ということになっています。そもそも、TPP11の国からの実はブルーチーズの輸入実績ってほぼありません。したがって、五〇%にしようがなかろうが、影響は基本的にはないということになるんだろうと思います。
 他方で、EUからのブルーチーズの輸入は、他国と比較しても突出しています。国内産業への影響を抑えるということが目的であれば、TPPが最大限の開放だとしていたんですから、逆にこれをてこにして、TPPと同様に、最大限でも関税は五〇%削減までにとどめるべきではなかったかと私は考えておりますけれども、農水副大臣の御意見をいただきます。
#78
○副大臣(小里泰弘君) ブルーチーズにつきましては、TPPでは十一年目までに二九・八%の現行関税を五〇%削減をすることとしたものであります。一方の日EU・EPAでは、カマンベールチーズとかモッツァレラチーズとかいわゆる家庭向けのポピュラーなチーズ、こういったチーズとともに、ソフト系チーズとして、横断的な関税割当てとして、枠数量は国産の生産拡大と両立できる三万一千トンの範囲にとどめて、枠内税率は段階的に引き下げて十六年目に無税にすることとしたところであります。
 この場合、関税削減でありますと削減された税率が輸入量の歯止めなく適用されるわけでありまして、一方の関税割当てでは枠内税率は設定された枠数量を上限としてその範囲でのみ適用されるわけであります。すなわち、関割りの方がより国内生産の保護効果の高い国境措置であると認識をしております。
 また、ブルーチーズは、他のソフト系のチーズと同様に今後の消費、生産の伸びが期待されるチーズでありまして、税率の適用数量に上限のない五〇%の関税削減ではなくて、他のソフト系チーズと一体として関割りの対象とすることが適切と考えたものであります。
#79
○大野元裕君 そうしますと、実は先ほど白先生とのやり取りを聞いていて私少し思ったんですが、先ほどの話だと、経済の活性化が行われてお互いに消費が増えるんじゃないか、そうすると、乳製品についてももしかすると輸入は増加するかもしれない、こういう御議論を副大臣されましたですね。他方で、きちんと守るという措置もあるので、必ずしも輸入が増えるわけではない、ほかの対抗措置として我が国の産業もきちんと育成していきます、こういう御議論をたしかされたというふうに理解をしております。
 そうするとですよ、ブルーチーズはこれから伸びる分野なんですね。だから、関割りをして、枠を付けておく方がいいんだ、こういう今御説明。この二つ合わせますと、ブルーチーズ、二十九年実績で十三億円ちょっとなんですけれども、輸入実績がですね、これはこれから伸びないんでしょうか、それとも逆に輸入は増えるんでしょうか、増えないんでしょうか。ちょっと教えていただけますか。
#80
○副大臣(小里泰弘君) 先ほど申し上げましたけれども、この枠の設定について、国内生産の拡大と両立できる範囲に定めたと申し上げました。このことは国内の需要が増えるという前提に立っているわけでありまして、国内需要が増えるし、その中で輸入量も増えることをこの部分については前提にして枠を設定したものであります。
#81
○大野元裕君 輸入量が増えるということが前提だということは、この十三億円という基準から見てどれだけ増えたか増えないか、あるいは増えた場合にはどういう手当てをするかということを農水省としてはこれから考えていくということだと思うんです。
 他方、副大臣、前回のやり取りを思い出してください。チーズの分野で大きな影響が懸念されるのはブルーチーズだけではありません。クリームチーズ並びに熟成チーズも同様です、EUとの場合。これ、伸びることが少なくともソフト系については想定されるというのは、これは以前、別なところの御答弁でもございました。
 そうすると、これ対応が当然必要だと思うんですが、ところが、前回申し上げたとおり、クリームチーズ並びに熟成チーズはソフト系の分野について実績が判明していない、明確に言えない、それはお認めになりますね。そして、そうだとすると、これ出していただくべきだと私は思って、そのとき、前回ですか、議論になって、この委員会止まりました。これは出していただけることになるんでしょうか、金額は、それとも出せないんでしょうか。そこは明言いただきたいと思います。
#82
○副大臣(小里泰弘君) クリームチーズと熟成チーズについて、ハード系とソフト系でそれぞれ輸入額を示せという要請でありました。
 この輸入額については、貿易統計では両者の区分がなされておりません。そのため、区分別の輸入額を提出することは困難であります。
#83
○大野元裕君 改めて申し上げておきます。
 出せないのは分かりました。ただ、それはとても無責任であって、交渉の前に本当はきちんと、先ほどのブルーチーズの議論のように、元々幾ら輸入しているから、だからこういう措置が必要だ、そのときに税金を手当てするのであれば、国民の血税ですからね、これが根拠ですというふうに示さなければならないというふうに思います。
 国民不在の、あるいは国益不在、こういった交渉は独り善がりと私は呼ぶんだと思いますよ。その意味では、交渉を行った外務省の皆さん、外交当局の皆さん、御自分たちは農水省にきちんと本来求めるべきであるものを求められなかったのは、不明を恥じるべきだと私は思います。
 さらに、ファクトが分からない以上、必要な分野に的確な支援もできませんから、農水省、これきちんと国民に説明するという責任を私は放棄をしているとしか言いようがないと思います。
 したがって、本来であれば本協定案については継続審議扱いにして、これらの情報が出てからやるべきだと私は思いますが、他方で、私は大変優しいのでこれは審議を進めさせていただこうとは思いますが、ただし、量については出せるというふうに伺いました。
 それぞれの、ハード系チーズとソフト系チーズについて、クリームチーズ並びに熟成チーズについて、この量については速やかに統計についてお出しいただけるということでよろしいか、御答弁ください。
#84
○副大臣(小里泰弘君) 今細目にわたって量を出せということでありますけれども、まず申し上げますと、ソフト系チーズ全体及びハード系チーズ全体の推計値でありますれば、これは日本の貿易統計と先方、すなわちEUの貿易統計とを突合、精査をすることによりまして推計値として提出することは可能であると考えます。その精査の時間、一定の時間はいただきたいと思いますが。
#85
○大野元裕君 ちょっと待ってください。全体の数値じゃないです、ソフト系とハード系の。私が申し上げているのは、クリームチーズと熟成チーズのそれぞれの量です。額が出ないのは分かりました。額が出ないのは仕方がないから諦めます。
 これは、安倍政権になってから、例の裁量労働制の問題も含めて、データの偽造やあるいはとんでもないものがたくさん出てきていますから、こんなものをそちらの政権に求めるのは無理なことは、そこは諦めました。ただし、額は出ないけれども量は出ると言うんだから、それぞれのクリームチーズや熟成チーズのソフト系とハード系について出してください。これは明言ください。
#86
○副大臣(小里泰弘君) 先ほど申し上げましたけれども、ソフト系全体及びハード系全体の輸入量でありましても、これは一定の仮定、前提を置いた上での推計値になるわけであります。それを更にクリームチーズ、また熟成チーズに区分した推計を行うためには、更なる仮定、前提を置いて推計する必要があります。また、細かく区分した推計値を公にすることは、これはまさに今後の貿易交渉上の手のうちを明かすことにもつながりかねないわけであります。
 今後の交渉において不利益に働く可能性もありますけれども、しかしながら、しかしながら、委員会の御指示であれば、これを推計することも検討させていただきたいと存じます。(発言する者あり)
#87
○委員長(渡邉美樹君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#88
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
#89
○副大臣(小里泰弘君) 委員会の御指示でありますので、推計し、精査の上、提出をさせていただきます。
#90
○大野元裕君 いつまでに御提出をいただけるか、特に、大臣、お願いがあるんですけど、農水委員会では閉会中に畜産物の価格安定に関する委員会審議が行われます。ここまでに御提出をいただけるということでよろしいでしょうか。
#91
○副大臣(小里泰弘君) 申し上げましたように、かなりの前提、仮定を置いた、かなり精査を必要とする計算であります、話であります。できますれば、協定が発効するまでということにしていただければ対応できると思います。
#92
○大野元裕君 必ずお願いをいたします。
 いずれにしても、農水委員会でもこれ要求させていただきますので、是非御検討、御善処をいただきたいと思います。ただ、その前の言葉は、私は聞き捨てなりませんでした。
 副大臣、あなたは今、量を提出をするとこれからの交渉等で不利になるかもしれない。これはおかしいんじゃないんですか。チーズごとの種類なんかで全て、プロセスチーズ原材料、シュレッドチーズ、クリームチーズ、プロセスチーズ製の下ろし・粉チーズ、これ全部実は金額まで出ているんです、十三億五千四百七十四万円。これは下ろし・粉チーズのプロセスチーズ製、ナチュラルチーズ製が十一億一千八百八十万とか出ています。ところが、量は出せない。これはもう話、協定として結んだものです。だけど、国民や国会は知らなくていい、こういう話ですか。これは聞き捨てならないですよ。
 このファクトについてはきちんと、これがあるから我々は、ああ、そうですね、安全ですね、ああ、これは本来はもっと安く買えたんだ、あるいはそうじゃなくて、生産者はこれだけの影響があるんだというのが、根拠が分からないで、あとはこっちに任せておけという話は、これはない。
 副大臣、これはちょっと聞き捨てならないですよ。御訂正いただくか、もう少し御説明ください。
#93
○副大臣(小里泰弘君) 今般の日EUの交渉に当たりまして、これをしっかりと交渉を乗り切って国内の農業者を守っていこうと、農業者の生産拡大をしっかり維持していこうと、その思いでもって試算をし、また交渉に臨んでいるわけであります。
 その日EU交渉において、初めてこれを細かく区分して当たる必要性が出てきたわけでありまして、それはまさに交渉の戦略上の重要な要素であります。それを、今にわかにこれを、今まで交渉してこなかったものを、公表してこなかったものを公表するということは、これは多分EU側にも伝えていないと思うんですけれども、この腹積もりについてはですね、なかなか今後の交渉に影響を与えるんじゃないかなと、そんなふうに思料したわけであります。
#94
○大野元裕君 済みません、EU側に伝えなければ全て統計出せないんですか。農産物統計はそういうものなんですか。我が国の国民がそれはきちんと知る必要があるから出すものじゃないんですか。
 私が申し上げているのは、額については分かりました。だけど、少なくとも国民に対して、こういう交渉をこの分野は行ってきました、だからあしたからチーズは幾らになります、だから酪農業者の人たち安心してください、こうおっしゃるためには数字がなければならないんだから、こんなもの公表するのは当然じゃないですか。それを、額も出さない、それはもう百歩も譲って、いいですって私申し上げました。量も出せない。あとは、皆さん確かに優秀な官僚の方たくさんおられる。副大臣もきっと優秀なんでしょう。ばかな国民は黙って聞いていろと、こういう話なんですか。これは余りにもなめていると思いませんか。
 副大臣、御訂正をいただきたいと思います。
#95
○副大臣(小里泰弘君) ばかな国民は黙っていろという表現でありましたけれども、極めて心外であります。
 先ほどから申し上げましたように、恐らく厳しい交渉になることが予想される日EU・EPAに対して、交渉に際していろんな知恵を凝らしてこれを乗り切っていこうと、そういった中で、この経緯であります。
 国内生産を何とか維持していこうと、少なくとも、海外からの輸入産品に対して国内産品が置き換わることのないように、国民、生産者の皆様がしっかりと自信を持って、希望を持って生産を持続していけるようにと、そういうことで交渉に当たった、その中の一節でありまして、そのことは御理解をいただきたいと思います。
#96
○大野元裕君 既に交渉は妥結をしています。そして、その交渉の結果がこの国会に出てきています。我々は、国民を代表した国会議員として、一つ一つのものについて精査をする必要がある。副大臣がおっしゃるように、それまでの交渉の結果が適当なものかどうか、それに対して日本政府がなした措置が、国税を使っていますから、血税を使っていますから、それがきちんとしたものかどうかをここで検証する必要があります。
 しかしながら、額は出せない。何が基になって、これが適当かどうか、我々分からない。でも、そこは百歩譲っても、量は出す、そういうふうにお願いをさせていただき、そちらからも回答がありました。でも、もうこれ妥結している話ですよね。日EUの交渉でこれから何か秘密で量が出ると困ることがあるんですか。具体的にそれが何だか、もしあれだったら参考人で結構ですから、何が不都合なのか教えてください。
#97
○政府参考人(富田育稔君) お答えいたします。
 日EUに限ったことではございません。交渉は機微に触れるもので……(発言する者あり)日EU、日EUに……(発言する者あり)
#98
○委員長(渡邉美樹君) 発言は委員長の指名を受けてからお願いします。
#99
○政府参考人(富田育稔君) 日EUに対しても機微に触れるいろいろな交渉をやってきたわけでございますので、そういったことを総合すれば、いろいろ手のうちを明かすことは非常に不利になることもあったということでございます。あったというか、もし手のうちを明かしたらそういうこともあったということでございますが、今後、別の交渉もございます。EPAは日EUとだけではございません。これからいろいろ他の交渉もございますので、そういうことがあるということに御理解をいただきたいということでございます。
#100
○大野元裕君 時間が来たので終わりますけれども、我々国会は、皆さんがお作りになった協定については一行たりとも触れることはできません。法案については修正ができます。しかし、協定については、これがよかったかどうかを判断するしかありません。きちんとしたファクトを示していただくのは当然の話ですから、それを、委員会の求めだから出すべきじゃないものを出したみたいな言い方だけはしないでください。しかも、交渉はもう終わった話ですから。
 これからは別な交渉は確かにあるかもしれませんけれども、とても心外な発言が今日は相次ぎまして、私は納得ができませんけれども、時間でございますので、質問を終わらせていただきます。
 以上です。
#101
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 日欧EPA、SPAの質問に入る前に、私からも、今朝の、未明の米軍機の墜落問題、一言申し上げておきたいと思います。
 空中給油機KC130とFA18戦闘機の事故だというふうに言われておりますが、二〇一六年十二月に名護の海岸にオスプレイが墜落をした、あの事件も空中給油中の事件だったんですね。その後の米軍の最終報告書によりますと、この中で、事故機は何度も失敗をしていたと、こういうことも書かれておりました。そして、FA18でいいますと、今年の十一月の十二日に那覇の沖に墜落をしたばかりなわけですね。今回の場所が訓練空域かどうかというのは先ほど明らかになりませんでしたけど、那覇の場合は訓練空域だったと。玉城知事は、沖縄の周辺にどんどん増えていると、こういうものは返還も含めてやるべきだということも言われておりました。
 事件で、人命第一でありますから、その立場での捜索をしながら、原因の究明、そしてこうした日本周辺でこういう事故が起きないようにするための訓練空域の返還も含めた対応を強く求めておきたいと思います。
 その上で、協定でありますけれども、これまで安倍政権は、成長戦略として大企業の利益を優先して市場開放を推進をしてまいりました。その下で様々農業への重大な影響が起きてきたわけであります。その姿勢が、今回のこの日欧EPAの影響試算、EUのものに対する対応に表れたと私は思います。
 前回も指摘しましたように、EU側は乳製品の対日輸出が約九百四十八億円増えると試算をし、一方、日本は国内生産の減少額は最大二百三億円と試算をしていると。これ、実に四倍半の大きな乖離があるわけですね。この欧州委員会の試算について、前回の質疑の際に、何の調査もしていないんですかとお聞きしましたけれども、これ明確な回答がありませんでした。前提や根拠について、EU側にきちんと照会をされたんでしょうか。
#102
○副大臣(小里泰弘君) EU側の経済効果分析につきましては報告書が公表されておりまして、その内容について確認をしましたところ、日本及びEUのGDPの押し上げ効果や主な品目に関する輸出額及び生産額の変化について記述をされております。
 また、その中では、関税の削減や撤廃による経済全体への効果や貿易額、国内生産額の変化について分析が行われておりますが、その一方では、品質格差による影響の違いが明らかにされておりません。また、我が国の国内対策の効果も考慮されていないものでありますなどなど、農林水産省の計算とは考え方の異なるものであります。
 一方で、どのような前提や係数を用いて試算をしているか、こういった詳細は明らかになっておりませんでしたけれども、農林水産省の試算とは計算の考え方や方法がそもそも異なっていたがために、欧州委員会に対して試算の前提や根拠を照会することはしておりませんということであります。
#103
○井上哲士君 私、最後の結論がよく分からないんですね。
 同じ問題について、違う、全く違う結果が出ていると、向こう側の考え方が違うと。しかし、どっちかが正しいか、両方とも違うのかもしれませんよ、しかし違う結果が出ているんですから、実際どうなのかというのを検証するのは当たり前だと思うんですよ。考え方が違うから照会をしないというのは、全くまともに日本の対応を考えていると私は思えないんですね。
 TPPの際の内閣委員会の決議で、他の参加国における試算例や各県の試算例も参考として、より精緻になるよう見直しに努めると、こういうのが、附帯決議が上がっております。これに対して本会議で大臣は、この趣旨を踏まえつつ試算例について情報収集を行っていると、こういうふうに言われました。
 これは何もTPPの試算だけに関わる問題ではありませんで、ここでやはり内閣委員会が、私、してきたのは、あらゆるこういう国際的な経済的な協定について、きちっとそういう相手国の試算も精査しなさいということだと思うんですね。この決議の趣旨を踏まえるならば、先ほど言ったような、報告書を手に入れたというだけではなくて、何が食い違っているのか、その上でどちらの試算がどのように問題があるのか、これ当然照会するのが当たり前だと思うんですけれども、なぜしないんですか。
#104
○副大臣(小里泰弘君) 参議院内閣委員会において、農林水産物の生産額への影響試算を含むTPPの経済効果分析については、他のTPP参加国における計算例や各県の試算例も参考として、より精緻なものとなるよう、見直しに努める旨の附帯決議が行われております。
 この決議につきましてはTPP11に関するものと承知をしておりますけれども、欧州委員会の経済効果分析につきましては、先ほど申し上げましたように、品質格差による影響の違いが明らかにされておりません。国内対策の効果も考慮されておりません。こういった点が食い違っておるわけであります。すなわち、農林水産省の計算とは考え方の異なるものであります。
 また、農林水産省の影響試算につきましては、日EU・EPA交渉において関割りやセーフガード等の国境措置を獲得をいたしまして、その上で国内対策、万全の対策を打っていくわけであります。その効果を踏まえて試算をしたものであります。このため、欧州委員会の試算は当省の試算を精緻化する上での参考とすることは難しいと考えております。
 引き続き、当省の試算の考え方について理解が進むようにしっかり丁寧に説明してまいりたいと思います。
#105
○井上哲士君 それぞれが交渉して協定を結んでいくと。先ほど来、手のうち、手のうちといった話がありましたけど、相手の方も全部出していない可能性もあるわけですよ。しかし、できた上で、これができたので、日本に対して輸入攻勢を掛けていくということだと思うんですね。
 そういう中でこういう見通しが出ているわけでありますから、考え方が違うからそれを参考にしても精緻にならないというのは私はおかしいと思うんですよね。貿易事、相手があるわけでありますから、やっぱり相手がどういう戦略を持ってやろうとしているのか、それに対して日本の酪農を守るために日本の今の対応でいいのかどうかというのは、当然私は相手の考えを聞き出して、日本に足らざるところあればやると、これ当然の姿勢だと思うんですね。それがなぜできないのか、今の答えは納得できません。もう一度お答えいただきたいと思います。
#106
○委員長(渡邉美樹君) どなたですか。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#107
○委員長(渡邉美樹君) 速記を起こしてください。
#108
○副大臣(小里泰弘君) 今回の日EU交渉に当たりましては、いかに国内農業の再生産というものを維持していくか、ここに一にポイントを捉えて臨んだわけであります。
 例えば、欧州委員会の試算の考え方を見ますと、一つには経済全体の押し上げ効果を見るという考え方であります。一方で、農林水産省の試算は、輸入品が国産品に置き換わり得るかどうかを見るというものであります。
 分析方法としましては、欧州委員会の試算は、いわゆるGTAPモデル、マクロ経済モデルでありまして、応用一般均衡モデルというものを採用しております。各品目の中での品質格差による影響の違いはここでは明らかにされておりません。また、国内対策、日本の国内対策の効果も考慮をされていないものであります。
 農林水産省の試算におきましては、品目ごとの積み上げ方式であります。品質格差による影響の違いを考慮いたしまして、また日本の国内対策の効果を考慮し、引き続き農家所得が確保されるようにということで試算がなされているわけであります。
 前提、根拠についてのお尋ねでありますけれども、前提となるGTAPモデルの詳細や係数、例えば価格弾力性、競争環境の変化、技術進歩に関する想定など、こういった中身については明らかになっておりません。
 一方、農水省は、国産品及び輸入品の価格を出発点としまして、輸入品と競合するものは関税削減相当分下落をすると、輸入品と競合しない国産品は競合する部分の価格低下率の二分の一まではこれを見ようという、そういった前提を置いて試算をしておるわけでありまして、それぞれの国内事情、また考え方の違い、目的とするところが違うわけであります。
#109
○井上哲士君 昨日、農水省が持ってきた対策のポンチ絵を見ますと、日本の対策の考え方(シナリオ)と書いてあるんですね。ですから、今るる言われましたけれども、日本の側のシナリオに沿って確かに試算はされているかもしれませんよ。これ、しかし、相手がいるんですよ。独り芝居しても駄目なんですね。相手がどういうふうに考えてやっているのかということを、私は、ちゃんと分析をしてやらなければ、だって、四・五倍の乖離があるんですから。何の根拠もなく向こうもやっているわけじゃないわけですね。そこを日本の考え方と違うから照会しないというのは、全く理由にならないと思いますが。
 更に聞きますと、前回、日本の試算について、輸入増を所与の前提にしたものではないとしつつ、需要はどんどん増えている、国内生産も若干ながら長期トレンドで見れば増える傾向にあると、輸入が増加する可能性もあるが、国内生産も増加する可能性があり、そこを希求していきたいと、こういう答弁をされました。
 いただいた農水省の資料を見ましても、国内消費量は確かに毎年伸びておりまして、平成二十年で二十二・三万トン、平成二十八年には三十・三万トン、約一・三六倍に増加をしております。しかし、いただいた資料でその内訳を見ますと、国内産は四・三トンから四・七トンへごく僅かな増加、ほぼ横ばいですね。それから、輸入チーズは十八・〇トンから二十五・六トンへと大幅増になっているんですよ。関税で守られてきてもこの状況なわけですね。
 今回、この関税削減があるように、試算にあるように、欧州側が輸出攻勢に出ようとしている下で、輸入も増えるけれども国内生産も増えると、こういう政府の見通しは余りにも甘過ぎるんじゃないでしょうか。
#110
○副大臣(小里泰弘君) 今お話にありましたとおり、この十年間のチーズの消費量を見ますと、輸入品の伸びが国産品の伸びを大きく上回っている状況にあります。国産ナチュラルチーズの生産量の内訳をその中で見ていきますと、プロセスチーズ原料用等のハード系チーズが減少をしている一方で、カマンベールやモッツァレラ等のソフト系チームは増加傾向で推移をしております。
 このような中で、チーズに関する日EU・EPAの合意結果におきましては、ソフト系チーズは横断的な関税割当てといたしまして、その枠数量も国産の生産拡大と両立できる三万一千トンとしたところであります。当面、輸入の急増は回避できると見込んでいるところであります。
 また、申し上げてきましたいわゆる国内対策におきまして、特にチーズにつきまして申し上げますと、チーズ向け原料乳の高品質化、チーズ工房等の施設整備、国産チーズの品質向上、ブランド化に支援するなどの対策を講じているところであります。
 このことによりまして国産チーズの競争力の強化を図りまして、これまで以上に国産チーズの生産量、消費量を拡大して、EU産の輸入チーズに対抗していくことができるものと考えております。
#111
○井上哲士君 では、先ほどの白さんの質問にもありましたけれども、どうなるんですかね、増えた結果、市場にだぶつくだけなのかもしれませんが。
 今朝の理事会に出たこの国産ナチュラルチーズの生産量の推移見ますと、ハード系は平成二十二年と二十九年比較して三万二千二百九十三トンから二万二千六百二十七トン、約一万トン減っているんですが、上のここは、これ生産量頭打ちと書いてあるんですね。ところが、ソフト系は一万七千三百六十トンから二万三千三十二トンに増えた、これは右肩上がりで順調だと言っているんですよ。
 こんなに減っていても頭打ちと言って、増えた方は右肩上がりと、こういう意図的な、こういう自分たちのシナリオに合わせたような試算になっているんじゃないか、これで本当に酪農が守れるのかということは甚だ疑問でありますし、条件は違いますけれども、韓国の場合はEUとのFTAを結んで、日欧EPAと同様の関税削減、撤廃を行って、二〇一一年の暫定発効後、二〇一七年までにチーズの輸入は六・六倍に激増しております。今回の政府の、このまともな試算、EUのも検証しない下で言えば、到底日本の酪農が守れると思えないということを指摘をしておきたいと思います。
 最後、SPAについて外務大臣にお聞きをしておきますが、この間、安倍政権の下で、憲法の平和原則に反して武器輸出三原則が撤廃をされ、二国間の防衛装備協力が推進をされております。既に英、仏、独、伊と装備品・技術移転協力も締結されておりますが、EUでは、二〇〇九年に、改正EU条約によって加盟国間で防衛能力や即応態勢の向上を図る常設防衛協力枠組みをつくって、これで加盟国間で装備協力や部隊運用協力を進める十七件のプロジェクトを決めて、本年から実動しております。
 欧州の対外行動庁は、本年九月にこのプロジェクトへの域外国の参加も念頭に、その参加条件を盛り込んだ合意案を作成をしておりますが、このSPAは、外交及び安全保障に関する政策について、相互の関心事項についてパートナーシップ強化するとしておりますが、日本としてこうした装備協力や部隊運用協力については関心事項ということなのか、そして、SPAでは合同委員会によって協力分野の追加もできる規定がありますけれども、こういう装備協力等の防衛協力についても協定上はこの協力分野に追加は可能なのか、以上二点、お聞きいたします。
#112
○国務大臣(河野太郎君) EUは、欧州連合条約に基づいて、二〇一七年十二月に常設の構造的協力枠組みの運用開始を決定をいたしましたが、第三国の参加を例外的に認める条件についてはいまだEU内で議論はまとまっていないと承知をしております。
 国際及び地域の平和及び安全を促進するための日EU間の協力の具体的な在り方については様々な可能性があると認識をしておりますが、いずれにしろ、SPAの下で行われる協力は、第四十四条の規定に従い、両締約者のそれぞれの法令の範囲内で行われるものとなります。
 また、お尋ねの日EU・SPA第四十二条の2の(c)は、合同委員会は、この協定に規定されていない追加的な協力の分野について、この協定の目的に適合することを条件として決定する旨定めております。この規定に基づき、いかなる追加的な協力の分野を決定するかは日EU双方の関心、協力実績などを総合的に勘案した上で決定することとなるため、現時点では何ら決まっておらず、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。
#113
○井上哲士君 時間ですので、終わります。
    ─────────────
#114
○委員長(渡邉美樹君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、武見敬三君が委員を辞任され、その補欠として滝沢求君が選任されました。
    ─────────────
#115
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。
 私は、この日EU・SPAに関連いたしまして、WTO改革についてまず質問いたします。
 河野大臣は、先般、本会議の私の質問に対しまして、WTOは引き続き多角的自由貿易体制の中核であります、しかしながら現代の国際貿易における諸課題に十分対応できていないのも事実であると御発言されております。
 ここで御発言になりましたWTOが十分対応できていない諸問題とは具体的にどういうことを指しているのか、何をどういうふうに改革されようとしているのか、お尋ねいたします。
#116
○国務大臣(河野太郎君) WTOが多角的貿易体制の中核であるということは、日本はそのとおりに考えておりますが、現代の国際貿易における諸課題に十分対応できていない、そういう危機意識を反映して、先ほどの答弁でも申し上げましたが、G20の首脳会合でもWTO改革に関する言及が直接なされるなど、改革の機運が高まってきております。
 この諸課題に十分対応できていないものは何かというお尋ねでございますが、具体的に申し上げますと、まず現行のWTO協定が新興国の台頭など世界経済情勢の変化を十分に反映していないということを背景に、この二十一世紀の現実を反映したルール作りを行えるよう、まずこのWTOの交渉機能を再活性化する必要があるということなんだろうと思います。
 二つ目といたしまして、この上級委員会の委員の選出プロセスを開始できていないということなどを背景に、このWTOの中での紛争解決手続を改革する必要があるという共通認識はあると言ってもよろしいのではないかと思います。
 それから、このWTO違反、WTOに関して様々なことをやったときにWTOに各国が通報をする、そういう義務があるんですけれども、この通報義務が十分に遵守されていない、全く通報を行っていない国もあるということを受けて、このWTOの協定の履行を監視する機能を強化する、こうしたことが課題として認識されて現在議論が行われております。
 それに対する対応でございますが、我が国としても、まず通報強化に関する提案をアメリカ、EUとともに十一月にWTOで提案を行い、電子商取引の分野の新たなルール作りにおける取組についても議論を主導しているところでございます。
 また、先月ですか、WTOのアゼベド事務局長が来日されまして、私も話合いを、会談をさせていただきましたが、その中で、この多角的な貿易体制の維持強化において日本が果たしている指導力に対して謝意の表明がありました。日本として、引き続きこのWTOの改革に積極的に貢献をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#117
○浅田均君 御丁寧な答弁ありがとうございます。
 今、交渉機能が落ちていると、とりわけ通報強化義務が実践されていないということに関して改革の方向性を外務大臣はお話しいただきましたけれども、例えば、日EU・EPAとか、実際、TPP11とか、多国間のFTA、EPAというのが実現して、どちらかというとWTOの役割はそれだけ何かこれからより強化されるべきなのか、もうEPAができた、FTAが順調に進んでいる、だからWTOというのはどっちかというと役割は縮小される方向に行くのか、どちらとお考えでしょうか。
#118
○国務大臣(河野太郎君) WTOの役割というのは、やはりこれからもあるんだろうと思います。それは、確かにおっしゃるように、いろんなところで自由貿易協定ができ、TPP11とか日EU・EPAのようなメガFTAと言われるようなものができているというのも現実でございます。
 その一方で、じゃ、WTOのラウンドはどうなるんだというような議論は当然あるかと思いますが、その一方で、やはり様々な紛争をどこで解決をするのかといえば、それはやっぱりWTOなんだろうというふうに思いますし、様々新しいルールをどこで議論するのかというと、やはり貿易に関してはWTOで議論をするというのがやはり一番適しているんだろうと思います。
 WTOどこが抜けるかもしれない、何とかもしれないという議論がありますけれども、やはり多くの国がしっかりWTOの中に入って、つまり今いろいろ行われていることについてもWTOのルールに基づいていろんなものを進めているわけですから、その一番基礎となっているものが要らないねということになると、いろんなことが独自ルールになってしまうというのは、これは余り好ましいことではないのではないかと正直思っているところでございます。
#119
○浅田均君 ありがとうございます。
 先ほどのやり取りの中でも、知財に関して不十分な国があると。それから、これからEコマースですね、もっと発展していくと思われますので、私も今大臣がおっしゃったのと同じような見解を持っておりますので、そのWTOの交渉能力あるいは仲裁能力、元々のWTOに期待されているものがWTOにおいて実現されるように、外務大臣におかれましては御努力をいただきたいと思います。
 それでは次に、北朝鮮の不審船対応についてお尋ねいたします。
 去年の今頃たしか同じような質問をしたと思うんですが、去年はもう北朝鮮から漂着する不審船に関する対応がすごく問題になっておりまして、今年はこの外防委員会でもほとんど話題になっていませんよね。余り話題になっていないので、ないのかなと思ったら、これがまたあるということでございます。昨年は木造船九件で計三十一遺体を確認し、生存者も五件、四十二人に上ったという、過去最高だったという報道がございました。
 今年の状況、北朝鮮からの不審船がどれだけ漂着して、また個別にどういうふうな対応をしているのかということについて御説明をお願いいたします。
#120
○政府参考人(一見勝之君) お答え申し上げます。
 朝鮮半島のものからと思料されます漂流・漂着木造船につきましては、委員先ほど御指摘をいただきました昨年の数字は、最終的には百四件でございます。それから、三十五遺体になっています。今年は、昨日の正午まででございますけれども、百八十九件確認をしております。このうち御遺体を確認しておりますのが五件、十二遺体というふうになってございまして、生存者が確認されたものはございません。
 それから、どのように対応しているかということでございますけれども、海上保安庁におきましては、巡視船艇、航空機によりまして日本海側の哨戒を強化しております。また、漁業関係者の方とかあるいは海事関係者の方、地元の住民の皆さんから不審事象の通報に対して是非お願いしたいという働きかけを推進しておりまして、警察などの関係機関と一緒に緊密に連携を取りながら発見に努めているところでございます。また、巡視船艇や航空機の増強も進めております。
#121
○浅田均君 もっと知りたいのは、その後なんですね。
 一応調べられて、その不審船が漂着したと、その解体とか処理に都道府県が困っているという報道がありますけれども、それは一体、捜査ですね、捜査完了後の船というのはどうするんですか、どうされるんですか。
#122
○政府参考人(一見勝之君) 私ども、捜査を警察などと一緒になって行っておりますが、その後につきましては都道府県が対応されるというふうに聞いております。
 その処理につきましては、たしか環境省さんが都道府県と連携を取りながら対応しておられるというふうに聞いておるところでございます。
#123
○浅田均君 環境省ですか。
#124
○政府参考人(一見勝之君) 国費で対応する部分があると聞いておりまして、その部分につきましては、都道府県が対応に困らないように環境省さんの方で対応しているというふうに聞いているところでございます。
#125
○浅田均君 海保から環境省へ行くんですか。
 環境省が対応して、実際は都道府県が何かお金があったら解体とか処理をするけれど、お金がない、処理のしようがないという場合はどうなるんですか。
#126
○政府参考人(一見勝之君) 済みません。先ほどの答弁が言葉足らずでございましたけれども、都道府県が対応するというふうに聞いておりますが、その部分の費用につきまして、国でも環境省さんが対応しているというふうに聞いているところでございます。
#127
○浅田均君 そうしたら、今年、現在で百八十九件あったということでございますが、これはその都道府県において全て何らかの処分、処分というと解体ですか、はされていると理解していいんですか。
#128
○政府参考人(一見勝之君) 大変申し訳ありません。海上保安庁におきましてはそこの情報を今持ち合わせておりませんので、関係省庁に話をいたしまして対応をさせるようにしたいと思っております。
#129
○浅田均君 それでは、情報を提供いただきますようよろしくお願い申し上げます。
 それで、北朝鮮の不審船とか、海外、外国の不審船ということが話題になると、これまた国境離島の話が出てくるんですが、私、内閣府のホームページを見ましたら、日本の国境離島の中で、日本の最西端、西の端が与那国島、最南端が沖ノ鳥島、最東端が南鳥島、最北端がこれ択捉島と記載されております。
 離島の役割として、まず五点挙げられておりますけれども、我が国の領海及び排他的経済水域等の保全、それから領域警備及び安全保障等五点挙げられておりますが、東西南北の一番端と内閣府のホームページでなっておりますこれらの四島において、その役割を果たすために具体的にどういうことをなさっているのか、お答えいただきたいと思います。
#130
○政府参考人(佐竹洋一君) お答え申し上げます。
 国境離島は我が国の領海や排他的経済水域の外縁を根拠付ける離島でございまして、国境離島の保全、管理を適切に実施していくことが重要と認識しております。
 御指摘の島のうち、与那国島、沖ノ鳥島、南鳥島におきましては、低潮線保全法に基づく巡視などを進めますとともに、我が国周辺海域におきまして、関係省庁連携いたしまして、巡視船艇、航空機などによる監視警戒を実施いたしておるところでございます。
 それに加えまして、個別の取組といたしまして、与那国島につきましては水産資源の利用のための浮き魚礁の整備等、沖ノ鳥島につきましては海岸法に基づく国による管理、保全や低潮線保全法に基づく港湾整備等、南鳥島につきましては周辺海域で賦存が確認されておりますレアアース泥につきましての賦存量の調査分析等、こういった取組を実施しておるところでございます。
 択捉島につきましては、我が国が必要な施策を実施することは困難な状況でございます。
#131
○浅田均君 何で困難なんですか。
#132
○政府参考人(佐竹洋一君) 現在、政府の方では、北方領土問題を解決して平和条約を締結するというのが一貫した方針、基本方針でございまして、その方針には変わりはございませんが、我が国の交渉方針の考え方につきまして交渉以外の場でちょっと申し上げることは、悪影響もございますので、立ち入ったこと、この場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#133
○浅田均君 あのね、何で困難なんですかと聞いているんです。
#134
○政府参考人(佐竹洋一君) 海図などが作成できる、新しいものを作成できる状況にない等のちょっと事情があるものというふうに承知してございます。
#135
○浅田均君 海図がなぜ作成できないんですか。
#136
○政府参考人(佐竹洋一君) 択捉島につきましては、現在占拠されておる状況でございまして、我が国が必要な施策を実施することが困難な状況というふうに承知してございます。
#137
○浅田均君 そうしたら、択捉島も日本においては国境離島となっているわけですが、外国船が国境離島を識別するというのは何によってこれを識別できるようにされているんですか。
#138
○政府参考人(佐竹洋一君) まず、我が国の領海につきましては、領海及び接続水域に関する法律で基線からその外側十二海里の線までの海域であると規定されてございまして、海上保安庁が刊行する海図に日本の領海の限界線が描かれておりまして、船舶はこれによりまして日本の領海を識別することが可能でございます。
 また、国境離島に関しましては、国境離島の名称を付与したり、国境離島の国有財産化などを行っておりまして、これらの名称を御指摘の内閣府のホームページでも公表しているところでございまして、国境離島につきまして、海図に記載されておる情報と合わせることでその位置を把握することが可能となってございます。
#139
○浅田均君 これ、問題がちょっと別のところに行ってしまいそうなので、まずこっちの問題を片付けます。
 国境離島ですね、今、巡視とか航空機で巡回されているとか、どういうふうに対応されているのかというところで御答弁がありましたけれども、私は、国境離島を守るために、漂着船があってもう不審者が上陸している可能性もあると、そういう懸念をなくすために防犯カメラを、防犯カメラいうても定点に設置すると全体が分かりませんので、毎日定時にドローンを飛ばして現状を確認することは、現在の能力ではこれは不可能ではないと思うんですが、そういうお考えはありませんでしょうか。
#140
○政府参考人(佐竹洋一君) まず、海上保安庁の方で、平素から我が国周辺海域におきまして、関係省庁連携いたしまして巡視船艇あるいは航空機などによる監視警戒は実施しておるというふうに聞いてございます。
 委員の御指摘ございました新たな方法につきまして、ちょっと一概に申し上げにくいところはございますが、不審者対策や領海警備に万全を期すということが重要であるというふうに考えてございまして、また必要に応じまして関係省庁連携して更なる対策を検討してまいりたいというように考えてございます。
#141
○浅田均君 残り時間が少なくなってきまして、あと二つのうちどっち、河野大臣にしようか防衛大臣にしようかちょっと悩んでいるんですが、外務大臣にした場合は多分時間がなくなってしまいますので、防衛大臣に質問させていただきます。
 私、先般から、専守防衛というのはこの時代にはもう考え方は古いということを申し上げております。これ、サイバー領域とか宇宙領域まで考えたとき、専守防衛ということが果たして可能なのかということをよく防衛大臣におかれてもお考えいただきたいと思うんですね。
 専守防衛というのは、最初の一撃は甘んじて受けるという、非常にこれ、クラシックな攻撃を想定されていると思います。例えばミサイルで攻撃してくる、そういう場合でも、確認してから対応をするまでの幾ばくかの時間はあるんですけれども、専守防衛というのはそういう時代の考え方であって……
#142
○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。
#143
○浅田均君 サイバー領域、宇宙領域まで考えますと、EMPとか、宇宙空間で核爆発を起こすとか、そういうことまでここに書かれてあるわけですね。専守防衛という根本的な考え方を……
#144
○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。
#145
○浅田均君 変える必要があると思うんですが、防衛大臣、いかがでしょうか。
#146
○委員長(渡邉美樹君) 答弁は簡潔にお願いします。
#147
○国務大臣(岩屋毅君) はい。
 確かに、宇宙やサイバーにおいては肉眼で可視できない攻撃である場合があるわけですけれども、やはり、そうではあっても、憲法の精神にのっとった専守防衛の基本的な方針というのは私ども堅持していく必要があるというふうに思っておりまして、そのために攻撃の実態を把握する能力をしっかり向上させていかなければいけないと考えております。
#148
○浅田均君 終わります。ありがとうございました。
#149
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があれば風林火山。でも、不倫の火の山ですが。冬も本番に入ってきまして寒くなって、いてつくような毎日。川も小川も凍り付く、不倫もばれてしまうという今日の週刊誌の一ページでした。
 まあ本題はもうちょっと真面目な話で、日韓関係についてお聞きしたいと思います。
 韓国との関係の悪化が取り上げられていますが、我が国が今後韓国との関係をどう考えているのか、明確にする時期が来たのではないのかと思います。
 プロレスと韓国の歴史というのは、また後ほどお話をしたいと思いますが、一九六三年一月、政府の要請で、日韓基本条約締結前に私の師匠の力道山が韓国を訪問することになりました。本人は北朝鮮出身なので、分断された国家には本当は行きたくなかったんですが、韓国に着いたら大歓迎を受け感動し、戦後最大のヒーローと言われた力道山が、そういう表に出てこない話でありますが、当時は大野伴睦さん、自民党の副総裁ですが、あるいは児玉誉士夫さんとか裏世界を牛耳っていた人たちが、社会あるいはプロレスの興行にも関わっておりました。
 そんな中で、私も九四年に北朝鮮に訪問しましたが、そういう、「力道山物語」という本を読んだときに、ああ、そういう思いだったかと、いろんなあれがありまして、是非、力道山が、六三年の一月でしたが、寒い中、上着を脱いで板門店で走り出したという。まあ米軍も、あるいは韓国軍も騒然としたんですが、そんな中で北へ向かって叫んだこと、多分、お母さん、お父さん、そういう思いを届けようということから始まったんですが。
 本当に、その後、私の先輩でもあります大木金太郎、キム・イルって金の一と書くんですが、世界選手権を取って、この人も韓国では大英雄になりまして、そんな中で、ちょうど当時は朴正煕ですかね、大統領も就任された時代、そういう歴史をちょっとひもといてみますと、今の日韓関係も、あるいは北朝鮮もそうなんですが、一つ、是非、我々の時代であったことをここでお話をさせていただきました。
 もう一つは、私も平和外交ということをいつも唱えておりますが、長崎の平和の像ですね、あれはモデルが、長崎出身の彫刻家ですかね、北村西望さんという方が、いろいろ違うとか本当だとかとありますが、私が見る限り、どう見てもあれは力道山がモデルだと思っております。
 そんな中で、もう一度申し上げますが、スポーツ外交、韓国とも、あるいは北朝鮮とももっとスポーツ交流を広げていければと思います。
 次に、先日、メキシコ大統領の就任式に、アンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領が就任され、中曽根先生にちょっとお話をさせていただきましたが、ロペス・オブラドール大統領は、中南米諸国から不法移民問題解決のため、貧困対策として米国とカナダに投資など協力を求めています。ロペス・オブラドール大統領、エブラル外相と会談された中曽根先生のお話を聞きたいんですが、今日はこちらへ来られませんよね。
 我が国が今後メキシコとどのように協力していくのか、お聞かせをください。
#150
○国務大臣(河野太郎君) メキシコ新政権にとりましても喫緊の課題であるこの移民発生の原因として、中南米諸国の治安問題及び貧困問題があると承知をしております。日本も、これまで中米諸国などに対して貧困削減や格差是正に焦点を当てた開発協力を行ってきているところでございます。
 メキシコは我が国と基本的価値を共有する戦略的に大変重要なパートナーでもありまして、日本はこのロペス・オブラドール新政権とも関係を更に発展をさせていきたいと考えております。今後、メキシコ新政権及び近隣諸国、その近隣諸国と連携をしながら様々な形でこうした問題に日本としても対処してまいりたいと考えております。
#151
○アントニオ猪木君 先ほどプロレスの話をしましたが、昔、向こうではルチャドールという、ルチャリブレか、あっ、リブレはブラジルか、ルチャドールと、本当にメキシコではプロレスラーが、覆面レスラーが英雄でおりますが、そういう意味では非常に親日的で、私もいろんなお付き合いを持っております。
 昔、レスラーで、カストロ政権がメキシコに亡命しているときに、印刷屋が、お父さんがやっていて、その印刷機でメキシコにメッセージを送ったという印刷機も見たことがありますが、それで警察とも仲がいいものですから、今日は手入れがあるよというときには、そこからみんながどこかに散って、それでレスラーの稼ぎでその人たちの援助もしたという話を聞きました。そんな中で一つ、メキシコとの交流、あるいは日墨学園というのがありますが、私もそこも二回ほど訪問させてもらったことがあります。
 次に、今問題になっておりますが、二〇二〇年の東京オリンピックのボクシング競技の実施について、IOCは、国際ボクシング協会の組織運営に重大な懸念があるとしてチケット販売など大会準備を一時凍結し、実施するかどうかは二〇一九年六月に決定すると言っています。大会組織委員会は、ボクシング競技が行われる前提で準備に万全を期すとのことですが、オリンピックに出るために必死で努力をしている選手たちの足を周りの人が引っ張っているようなことのないよう気を付けなければならないと思います。IOCのバッハ会長は、ボクシングの試合が東京で開催されてほしい、そのためにあらゆる努力をすると言っています。
 まあワイドショーですから、どこまでどう捉えるかは別にして、今回に至った原因とこれまでの経緯をお聞かせください。
#152
○政府参考人(藤江陽子君) お答え申し上げます。
 国際オリンピック委員会、IOCは、二〇一七年十二月に、ガバナンスや財政状況などの面で問題があるといたしまして、国際ボクシング協会、AIBAへの分配金を凍結し、これまで再三にわたり改善を求めてきたところでございますけれども、現在に至っても重大な懸念が残るということで、今回IOCが改めて調査を開始するとともに、結論が出るまでの間、東京大会に係る各種の準備を凍結させる決定をしたものと承知しております。
 IOCによる調査の動向を注視してまいりたいと思いますが、東京大会を目指すアスリートたちの活躍する舞台がなくなることのないようAIBAが改善策を講じるとともに、組織委員会も競技実施に向けて着実に準備を進めていただきたいというふうに考えております。
#153
○アントニオ猪木君 次に、ユーロポール、余り聞き慣れないあれでしたが、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、警視庁とユーロポールがテロ対策など情報交換体制を構築すると発表しております。連絡担当官を派遣して常駐させ、専用通信回線を設置するとのことで、EU加盟国など各国と協力関係が築き、専用回線でタイムリーに情報交換ができると聞いています。また、犯罪の手口や傾向などに最新の分析結果の提供も受けられ、テロのほかにも薬物や銃器、サイバー犯罪などの分野で対象と聞きます。その点についての詳細をお聞かせください。
#154
○政府参考人(加藤晃久君) お答えいたします。
 十二月三日に、警察庁長官と欧州連合法執行協力庁、いわゆるユーロポールの長官が日本国警察庁と欧州連合法執行協力庁との間の協力関係構築に関する実務取決めに署名したところでございますが、この実務取決めにより、テロ対策、薬物・銃器対策、サイバー犯罪対策等に関し、警察庁とユーロポールとの間で強固な枠組みを構築できたことは非常に意義があるものと認識しているところでございます。
 この実務取決めでは、ユーロポールへの連絡担当官の派遣が可能となり、ユーロポールに加え、EU加盟国や連絡担当官を派遣している他の国々との二国間協力を深めることができるものと期待しております。また、ユーロポールから主に各種犯罪の手口、最新の傾向などの分析結果の提供を受けることができるようになるほか、幹部職員や実務者による協議を定期的に開催することも考えております。
 今後、この新たな枠組みを活用し、テロ対策等に関しユーロポールとの更なる協力の強化に努めてまいる所存でございます。
#155
○アントニオ猪木君 先日もこの開催時期について発言をいたしましたが、本当にこの、言葉がちょっと悪いんですが、くそ暑いときになぜやるのか。これは事情を言えば、いろいろなアメリカの放送権の問題であるとか、いろいろ事情は聞いてはおりますが。そこで、このユーロポールが天候までは変えることはできませんよね。できればそこまでやってくれると選手たちが最高の万全のコンディションで時期を選べると思うんですが、そこで、是非是非強化し、東京オリンピックが無事成功に終わりますように願っております。
 次に、ロケット開発について質問をさせていただきます。
 JAXAがイプシロンロケット四号機を打ち上げ、二〇一九年一月十七日に鹿児島の内之浦宇宙空間観測所、難しいですね、これ、実施する予定と発表しています。イプシロンロケットの四号機は革新的衛星技術実証プログラムの第一号機として打ち上げられるとのことですが、プログラムの趣旨について内容を詳しく教えてください。
#156
○政府参考人(岡村直子君) お答えさせていただきます。
 文部科学省では、宇宙基本計画等を踏まえ、衛星の新規要素技術等の実証及び宇宙利用拡大のための産業界や大学等の新規参入促進を目的に、大学や企業等が開発した機器、部品、超小型衛星等に宇宙空間での実証の機会を提供する革新的衛星技術実証プログラムを実施しております。
 具体的には、公募により選定された七つの部品や機器の実証テーマを搭載した小型実証衛星一号機と、人工流れ星の実証や海外の衛星利用の拡大などを目的とする六機の超小型衛星及びキューブサットを打ち上げます。
 文部科学省といたしましては、宇宙技術の開拓や宇宙産業の発展に貢献する革新的な技術やアイデアが詰まりましたこれらの衛星が無事に打ち上げられるよう、関係機関とともに尽力してまいります。
#157
○アントニオ猪木君 韓国が純国産ロケット試験発射に成功、ロシアはソユーズ打ち上げに成功し宇宙ステーションの無人化を回避、世界中で宇宙分野の研究開発が進んでいます。
 日本では、この分野で世界で何番目くらいのポジションにいるのか、教えてください。
#158
○政府参考人(行松泰弘君) お答え申し上げます。
 ロケットの製造及び打ち上げに関しましては高度な技術と信頼性が必要であります。自国の力でロケット製造や打ち上げ能力を有する国・地域は、我が国のほか、米国や欧州、ロシア、中国、インドとございますけれども、我が国は数少ないロケット打ち上げ国の一つとして国際的にも高いプレゼンスを発揮していると考えております。
 特に、我が国の基幹ロケットとして用いられておりますHUA、HUBロケットは、今まで連続四十一回の打ち上げ成功実績を有しておりまして、また計画された時間に予定どおり打ち上げるというオンタイムの打ち上げ率が九〇%を達成するなど、世界的にも高い信頼性を有しております。
 こういった点を総合的に考えますと、我が国はロケット打ち上げの分野で世界トップクラスの一角を占めているというふうに考えております。
#159
○アントニオ猪木君 イプシロンロケット四号機は、三菱重工業が開発したHUAから機械や部品を共有し、宇宙科学研究所がIHIエアロスペース、石川島播磨重工業、共に開発したロケットと、改良したものと認識しています。IHIエアロスペースは、現在は株式会社IHIの子会社で、宇宙用ロケットや防衛用ロケットの開発と製造を行っていますが、元々、日産自動車の宇宙航空事業部が母体としていました。
 三菱重工も三菱自動車とはグループ企業です。偶然にも日産と三菱が提携していると伺いますが、日産や三菱のみならず、国家機密に関わるような企業の機密情報の管理などどうなっているのか、お聞かせください。
#160
○政府参考人(上田洋二君) お答え申し上げます。
 企業が保有する機微技術・情報については、その適切な管理を担保することは大変重要であり、企業などにおける国外への技術流出防止に多面的に取り組む必要があるという具合に認識をしております。
 そのため、まず技術力の源泉となる技術を含めた情報の適切な管理を促していくため、確実に守るべき技術などを適切に管理している企業を認証する制度を産業競争力強化法を改正をして創設をしたところであります。
 また、安全保障上の機微技術に該当する場合には、その厳格な管理をすべく、外為法に基づく輸出管理についての罰則の強化等の法改正を行ったところであります。
 さらに、ロケットに関する技術情報の保全対策は特に機微性が高いものと考えております。このため、政府では、情報保全関係省庁連絡会議、これを設置をいたしまして、ロケットに関する機微情報・技術を有している関係機関等が策定すべき秘密保全規程等に関する指針、これを定めております。経済産業省では、所管する民間事業者に対してこの指針の内容を遵守し秘密保全を徹底するよう指導し、また遵守状況の確認作業、これを行っているところであります。
 こうした多面的な取組を推進することにより、引き続き企業の適切な機微技術・情報の管理を徹底してまいりたいという具合に考えております。
#161
○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。
#162
○アントニオ猪木君 テレビは見ているんですが、衛星チャンネルでよくヒストリーチャンネルとか、こういうような宇宙に関するもの、あるいはUFOの問題、いろいろ、もう眠いのに我慢して見ていたりするんですがね。
 是非、日本も世界に立ち遅れないような、そういう技術をまた開発していただきたいと思います。
 ありがとうございます。
#163
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 提案されております日欧EPAについては、農業を始め食の安全、地域社会や人々の暮らしを揺るがしかねず、問題があり、賛成できません。
 先日に引き続き、国が沖縄県民の民意を無視して強行する辺野古新基地建設、民間の琉球セメントの安和桟橋からの違法な土砂積込みについて伺います。
 沖縄県、玉城デニー知事は、三日の会見で作業を一時停止するよう求めましたが、防衛省は五日、違法が指摘されている安和桟橋を使用して土砂の運搬船への積込み作業を再開しました。知事は、五日の会見では、少なくとも立入検査が完了するまでは作業の停止を求めています。
 三日にガット船に積み込まれた土砂は、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則に基づく工事完了届の提出前という法的に瑕疵がある状態で搬入されたことに争いはないと思います。
 三日に土砂を積み込んだ船は、現在どうなっていますか。また、法的に瑕疵のある状態で三日に積み込まれた土砂の扱いは今後どうするのでしょうか。
#164
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 御指摘の船につきましては、沖合で停泊をしているとの報告を受けてございます。また、この三日に運搬船に積み込んだ土砂の取扱いにつきましては、今後の作業の進捗等を踏まえ適切に判断していきたいと考えておりますが、現時点でその取扱いについて確たることを申し上げられる段階にはございません。
#165
○伊波洋一君 三日に琉球セメントがガット船に積み込んだ埋立て土砂は、防衛省の認識では岩ズリに当たるということで間違いないですね。
#166
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 岩ズリとは、一般的に鉱石の採掘などで掘り出される岩石等を意味するものとされております。先日、運搬船に積み込まれました岩ズリについては、琉球セメントが所有する鉱山から採取をされたものであると承知をしてございます。そして、琉球セメントが所有する鉱山から採取された岩ズリにつきましては、同鉱山から採取をされました捨て石や割りぐり石などと同様に、沖縄県内で一般に販売をされている岩ズリと同じものであると承知をいたしてございます。
#167
○伊波洋一君 琉球セメントは、安和桟橋について、大気汚染防止法上の一般粉じん発生施設の設置申請を沖縄県に提出しています。ベルトコンベヤーの設置申請においては石材と石炭を運ぶことになっているはずですが、岩ズリは石材とは異なるものではないでしょうか、認識を伺います。
#168
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 岩ズリとは、先ほど申し上げましたように、一般的に鉱石採掘などで掘り出される岩石等を意味するものとされており、捨て石や割りぐり石などと並びまして石材であると考えております。
#169
○伊波洋一君 では、そのような石材としての定義があるということで理解していいんですね。
#170
○政府参考人(西田安範君) お答え申し上げます。
 ただいま申し上げましたように、捨て石や割りぐり石と並んで石材であるというふうに考えております。
#171
○伊波洋一君 配付資料の環境保全図書では、砕石生産に伴い生ずる岩ズリを購入するとされております。環境保全図書六の七の百三十一では「岩ズリの細粒分含有率は概ね一〇%前後」と書かれており、これを前提に工事に伴う水の濁りの発生を予測しています。
 そこで質問しますが、「細粒分含有率は概ね一〇%前後」というのが今回の岩ズリの定義ということでよろしいですか。
#172
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 岩ズリにつきましては、先ほど申し上げましたように石材に当たる、石材であると考えてございます。
 御指摘の細粒分含有率の件でございますけれども、細粒分含有率等につきましては、本埋立工事の契約図書におきまして、岩ズリの規格といったものとして、沖縄県産の黒石であることや粒径等が規定をされてございます。この規定を確認するため、事前に受注者から書類等を提出させるとともに、搬入前には採取場所ごとに品質確認を行うこととしております。
 また、今回積込みを行いました岩ズリにつきましては、搬入前に確認を行っており、その細粒分含有率についてはおおむね一〇%であったということが確認されているというふうに聞いております。
#173
○伊波洋一君 今回のシュワブ埋立工事の特記仕様書では、埋立材を黒石岩ズリ(沖縄県産)三十六万一千百立米とされております。
 三日に積み込まれた土砂、あるいは昨日から積み込まれている土砂は、環境保全図書や今回の工事特記仕様書の岩ズリと言えますか。
#174
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、契約図書におきまして、岩ズリの規格として、沖縄県産の黒石であることや粒径等が規定をされているということでございます。
 今回積込みを行いました岩ズリにつきましては、搬入前に確認を行ったところ、細粒分含有率についてはおおむね一〇%であったといったことが確認をされているというふうに聞いております。
#175
○伊波洋一君 環境保全図書に定義され、防衛省が説明している岩ズリと、今、安和桟橋から搬出されている埋立土砂とは、外から見ても明らかに組成が異なります。
 大気汚染防止法上の一般粉じん発生施設に関する監督は、県の自治事務であり、県の責任で判断されることになりますが、一般的には、土石の性状なども含めて現地で見た上で、補正が必要なら変更届を求めるという行政指導をしているというのが行政実務のようです。
 十二月三日、沖縄県は、安和桟橋に対して環境汚染防止法第二十六条で定められた立入検査を実施し、赤土を含む土砂を確認しています。その結果、沖縄県赤土防止条例に基づく事業行為届出が必要とし、作業を一時停止するよう指導しています。
 県が立入りをした際の配付の写真を見ますと、安和桟橋で搬出されているのは岩ズリというよりも赤土を含む土石であることが分かります。今、沖縄防衛局と琉球セメントが積込みを強行しているのは、ほぼ赤土を含む土石であり、岩ズリとは言えないものです。
 配付資料がございます。見ていただきたいと思います。
 まず、十二月三日「報道ステーション」の映像です。これはトラック二つ、落としていますけれども、違う。右はぐり石みたいなもので、左は赤土が入った石ですね。それから、下のは昨日のRBCのニュースです。これを見ていても、どうも石というよりは土も含めていると。
 次の写真を見てください。これが沖縄県が立入りをした写真です。これを見ると、岩の方は僅かで土状のものの方がはるかに多いですよね。手前は岩です。
 その次の写真を見てください。これはその三日の搬入の後の写真ですけれども、同じように赤土が見えますね。
 その下の写真を見てください。これは搬入している、いわゆる防衛省は今回、直接鉱山から搬入するので問題はないんだと言ったときのトラックの写真です。その上にあるのは何でしょうか。赤い土が入っているようなものですね。
 その次のページを見ていくと、いわゆる今先ほど防衛省が説明をしている岩ズリというのはまさにこの岩ズリなんですね。岩ズリというのはこんな感じで売られていると。要するに、岩石を砕いて、この場合、今回の特記仕様書では三十センチ以内の岩だと。これ、まず、今、埋め立てるときに一番底に敷くものですから、こういうものを敷くのが予定で、三十六万立米予定されているわけですが。
 今写真を見て、実は防衛省は何も確認していないんです、現地は。見て、これで岩ズリだということを言えますか。
#176
○政府参考人(西田安範君) お答え申し上げます。
 岩ズリにつきましては、今回の岩ズリにつきましては琉球セメントが所有する鉱山から採取されたものであると承知をいたしておりまして、また琉球セメントが所有する鉱山から採取された岩ズリにつきましては、沖縄県内で一般に販売されている岩ズリと同じものであると承知をしております。
 また、先ほどお答え申し上げましたように、細粒分の含有率などにつきましては、搬入前に確認を行ったところ、おおむね一〇%程度であったということが確認されているという報告を受けているところでございます。
#177
○伊波洋一君 特記仕様書には、岩ズリ及び海砂については事前に粒度に関する試験の成績、そしてまた産地を明示した書類を提出し、品質管理については搬入前に採取場所ごとに一回行うと、こういうふうに言っているんですね。
 ところが、ここに、いわゆる琉球セメントの鉱山から出てくるトラックは、トラックごとに載せているものの形状が違うわけですよ、形状が違うんですよ、赤くなったり白になったりね。そういう、つまり、しかし、これ一回だけやればいいということになっていて、でも、実際には、今見ていただいたように、これは岩ズリじゃないんですよ。岩ズリだと言って、いわゆる岩ズリだと言って置場をつくり、そしてベルトコンベヤー、石材だと言っている。防衛が言っているのはそういう主張です。つまり、石を砕いて、石だから、それが要するに土じゃないんだから、赤土防止条例にも関係ないんだと、こういう指摘ですが、目の前に見えるのはまさに赤土の入った土石でしょう、これ。それをまさに今埋め立てようとしているわけでしょう。それを第一番目の船に積み、今二番目の船に積み、今も積んでいるんでしょう、多分ね。そういうことについて、やはり本来ならば、これはちゃんと環境保全図書やあるいは皆さんの契約の特記仕様書にちゃんと書いてあるんですよ、沖縄産の黒石の岩ズリを使うんだと。
 私たちは、その岩ズリはこんなレベルかと思っていたけれども、そうじゃないということは皆さんの説明で聞きました。まさに埋立てに使う岩ズリというのは岩なんだと、今の説明。でも、皆さんは一度も確認していないんです、この現場を。そして、そういうふうに聞いているという説明しか受けていないんですよ。なぜ、直接皆さんは要するにチェックもしないで。
 だから、今防衛局が購入し辺野古へ運ぼうとしている埋立土砂は、環境保全図書や埋立てに用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書に示されて記載されている岩ズリとは異なります。現状では、この作業船に積み込まれている土砂を返品してきちんとした品質の岩ズリに返還、交代してもらうか、あるいは環境保全図書そのものや土砂に関する図書の変更を経由しなければ、今の土砂は使えませんよ。
 返品しますか、それとも環境保全図書の岩ズリの定義を変更して、県知事の変更承認をもらいますか。
#178
○政府参考人(西田安範君) お答え申し上げます。
 繰り返しになりますが、今回の岩ズリにつきましては搬入前に確認を行っております。細粒分の含有率などについて確認をしているということでございます。
#179
○伊波洋一君 防衛大臣に伺います。
 説明はこう言っていますけれども、これはあくまで言葉なんですね。さらに、現場は見ていない。これは確認をしました。どうしてかというと、この岩ズリは辺野古の岸壁渡しなんですよ。岸壁渡しだからこの過程は確認する必要ないんだと。岸壁に来て初めてこれを岩ズリとして受け取るんだと言っている。でも、その間、問題になっているけれども、見てもいない。
 防衛省として、この現場をしっかり確認をして、これが本当に岩ズリなのかどうか確認する義務があると思いますけど、いかがですか。
#180
○国務大臣(岩屋毅君) 沖縄防衛局においてそこは適切に対応できているというふうに思っております。
 そもそも、これからの作業に使う岩ズリについて不適当なものを使うべきではないと思っておりますので、そこはしっかりと判断ができているというふうに思っております。
#181
○伊波洋一君 いや、判断はできていないんですよ。私は確認しました。今も見てはいないでしょう。その報告を受けているだけの話なんですよ。
 で、一回だけ検査をすることになっているんです、一回だけ検査をすることに。でも、トラックの上は、違うトラックがずっと来るじゃないですか、やはり確認しなきゃいけないと思いますけれども、いかがですか。
#182
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 積込みを行いました岩ズリの確認につきましては、細粒分含有率などについて行っているということでございます。
 なお、この確認につきましては、今回行いました三日、五日の積込みについては船一隻ごとに行っているということを聞いております。
#183
○伊波洋一君 おかしいですよ。だから、現実にこういう土砂の半分が積み込まれたわけですよ、一隻目にはね。さらに、今はトラックでやっている。実際にはトラックごとに、トラックに載っているものそのものが違うんですよ。
 この二番目の写真見てください。これ、赤い。だから、実際のところ、ちゃんと組成も見る必要があります。今、沖縄県に対しては、この組成について赤土防止条例に基づいてしっかり把握をして、赤土があるということはもう確認しているんです、この中に。岩ズリの中に赤土があっていいんですか。
#184
○政府参考人(西田安範君) お答えを申し上げます。
 御指摘の点はこの細粒分含有率の点だと思いますが、これについては、先ほど申し上げましたように、搬入前に確認を行っているということで報告を受けております。
#185
○伊波洋一君 いや、納得できませんね。
 実際のところ、皆さんはただペーパーでやった。誰も見ていない。沖縄防衛局も見ていない。皆さんの職員も見ていない。現実には、テレビではいつもこんなものかとみんな思うからそうなんですよ。こんなものじゃないんですよ、今皆さんが契約している岩ズリは。こんなもんなんです。鉱山で一か所だけ、一回だけ調べれば分かる同じ品質のものなんですよ。そのためにそういうふうに作ってあるんですよ。でも、同じところから赤土様のものも入ってくる、何もかも入ってくるのでは全く話にならないじゃないですか。
 実際、だから、いずれにしろ、あれが石材であるという防衛省の見解では、やはり事業者の申告ベースなんですよね。客観的なデータは示されていません。防衛局として品質の確認をするはずですから、必ず、実際に使用する前に十トンごとあるいは百立米ごとにでも検査をする必要があります。で、実地に見なきゃいけないと思いますよ。誰かにさせて、ただペーパーだけで、こんな状況でいいですか。私は直ちに止めて船を調べるべきだと思います。
 そもそも埋立てそのものが成り立たなくなります。ベルトコンベヤーやいろんな、今の安和桟橋の問題だけじゃないんですよ。こんなことで本当に埋立てができると思いますか。防衛大臣、確認するということをお約束ください。
#186
○国務大臣(岩屋毅君) 先ほども局長から答弁いたさせましたように、一隻ごとに確認をしているという報告を受けておりますので、また、先般の沖縄県からの御指摘につきましては、事実確認をした結果、沖縄県国土交通省所管公共用財産管理規則第十一条に基づく届けが提出されていなかったということでございましたので、四日に完了届、着手届及び完了届を提出をさせていただきました。
 県の指導には適切に対応できたというふうに思っておりまして、作業を継続をさせていただきたいというふうに考えております。
#187
○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。
#188
○伊波洋一君 まとめますけれども、今のように、これ何も確認をしていないんです。だけど、これは莫大な予算の掛かる事業ですから、是非この埋め立てているその素材について、当該土砂百立米ごとに成分分析結果を委員会に提出させていただくようお取り計らいをお願いします。
#189
○委員長(渡邉美樹君) 後刻理事会において協議いたします。
#190
○伊波洋一君 本当に言いますよ。
#191
○委員長(渡邉美樹君) 質疑をおまとめください。
#192
○伊波洋一君 とにかく見ないといけません。
 これで、以上です。
#193
○委員長(渡邉美樹君) 暫時休憩いたします。
   午後零時四十九分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#194
○委員長(渡邉美樹君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。(発言する者あり)静粛に願います。
 休憩前に引き続き、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件及び日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件の両件を一括して議題といたします。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#195
○小西洋之君 立憲民主党・民友会の小西洋之でございます。
 私は、この日EU・EPA条約について反対、また日EU・SPAについて賛成の立場から討論をさせていただきます。
 まず、冒頭、本委員会の進め方でございますが、本委員会は、この臨時国会の冒頭から職権で開催をされ、また職権で運営をされるというような異常な形で始まるところとなりました。
 また、委員会の審議におきましても、今日委員長自らから御注意をいただきましたけれども、河野外務大臣の私たち野党議員に対する、聞いたことに答えない、また答えないだけではなくて、その答弁の在り方がまるでこちらに、言葉はあれでございますけれども、食って掛かるかのような、そのような姿勢が見られたところでございます。
 こうした河野外務大臣の答弁姿勢の在り方は、理事会の協議事項として扱われておりました。私も各委員会で理事始め様々な仕事をさせていただいておりましたけれども、大臣の答弁姿勢が理事会の協議事項になっているという例は、私は、参議院議員八年間、見たことがないところでございます。
 そして、まさにこの扱っていた日EU・EPAの条約でございますけれども、農林水産業を始め、我が国の経済社会に非常に大きな影響を与えるものでございます。さきに採決をされましたTPP11をはるかに超えるような農林水産物については自由度の内容になっております。
 一方で、政府は、こうした新しい条約の下の取決めに対して、既に大綱を定めて、TPP等の、またこのEPAに対する大綱をもってしっかりとした準備を行っているというふうにしておるところでございますけれども、この大綱、私、かつて代表質問で追及をさせていただいたことがございましたけれども、僅か十七ページでございます。そして、具体的な農林水産物についての守るべき数値目標なども定められておりません。
 守るべきものを守り、そして勝ち取るべきものを勝ち取る、そのような条約の内容になっていないということをもって、我が会派として断固反対の表明をさせていただきます。
 以上でございます。
#196
○高瀬弘美君 私は、自民、公明を代表して、日EU・EPA及び日EU・SPAについて賛成の立場から討論を行います。
 世界に保護主義的な動きが広がる中、基本的な価値観を共有する我が国とEUが、日EU・EPAにより、今後とも自由で公正なルールに基づいた自由貿易体制を推進していくという揺るぎない意思を示していくことは、世界に対する力強いメッセージであり、単なる経済連携という枠を超えて、その意義は大きく評価をいたします。
 このEPAにより、人口約六億人、世界のGDPの約三割という大きな経済圏がつくられ、その中で貿易における高いスタンダードを構築することとなります。
 本協定により、日本からEU側への輸出は、乗用車の八年目の関税撤廃、自動車部品の九割以上の関税の即時撤廃に加え、牛肉、茶、水産物とほぼ全ての品目で関税が即時撤廃されます。
 一方で、EUから日本側への輸入は、米が関税撤廃、削減の対象から除外されたほか、ほとんどの品目において関税割当てやセーフガード等の措置が確保されました。これは、我が国の農林水産業に配慮しつつ、国の後押しの下で、我が国の競争力のある農林水産物のEU市場内における更なる進出の契機となるとともに、工業製品とその他の物品についても輸出拡大の好機となります。
 さらには、日EU・SPAの締結により、共通の価値観に基づいた日本とEUが国際社会の中で一層の協力を促進する対話の枠組みが生まれることとなります。
 日EU・EPA及びSPAの締結により、日本の国内生産者が挑戦できる市場が拡大し、日本とEUの経済の活性化、そして両国関係が様々な分野で深化することを期待するとともに、世界で保護主義的な動きがあるときだからこそ、世界の経済の安定のためにも我が国が自由貿易の旗を下ろしてはならないことを強く申し上げて、私の賛成討論といたします。
#197
○大野元裕君 私は、国民民主党・新緑風会を代表して、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定に対し反対の立場から、戦略的パートナーシップ協定に対して賛成の立場から討論を行います。
 国民民主党は、欧州連合との関係強化及び開かれた貿易には賛成です。しかしながら、政府が説明責任を果たさないために、この協定の審議は余りにも不十分です。
 例えば、委員会審議に際しては、関税措置の対応が異なるハード系の熟成チーズとソフト系の熟成チーズについて、その措置の是非、影響、さらには政府の対応を議論するためにそれぞれの輸入実績を提示するよう政府に求めましたが、それは最後まで示されませんでした。事実の裏付けなしに、政府が欧州連合との間でいかにして協議、それぞれの品目で異なる措置を決めたのか、全く分かりません。それならば、違う根拠で議論をしようとしても、まともには答えられず、結果として、ファクトを出す出さないで、EPAの中身についてただ一点も質問ができないで質問が終わってしまいました。
 この協定は、我が国の経済社会に長期的な影響を及ぼしかねないにもかかわらず、審議は衆参両院でそれぞれ僅か四時間半でした。さらには、TPPや日豪EPAの際には本院で農水委員会との連合審査が行われ、第一次産業や地方への影響も審議されましたが、今回はそれすら行われませんでした。
 また、我が国の国益に鑑み、取るべきところを取る、譲るべきではないところは譲らない、そういった協定にはなっていません。政府は、これまでTPP以上に譲ることはないとしてきましたが、例えば実績に鑑みれば、TPP11ではほとんど輸入実績がなかったブルーチーズは関税を残していますが、最大の輸入先であるEUからのブルーチーズの輸出入の場合は十六年目までの関税撤廃の対象になっています。影響が大きいのにTPP以上に譲ったのです。非関税障壁については、欧州連合が交渉チームに提示した要求にはほぼ満額の譲歩の結果になっています。
 さらに、我が国経済への影響は、欧州連合側と日本側の試算に大きな差が出ているにもかかわらず、前述のとおりファクトを示さないために議論の入口にすら入れていません。かかる審議で日EU経済協定の是非を国民に問うことは、国民と日本の未来に対する裏切りであり、また政府が説明責任を果たさないがために国民の理解を得られない状況は、欧州連合に対しても失礼です。
 このような経済連携協定には断固として反対しなければならないと表明するとともに、農林水産、酪農事業者、生活者の立場を大事に考える与党の議員がお一人でもおられるのであれば、反対されるよう賢明な御判断を求めて、討論といたします。
#198
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、日欧経済連携協定と日欧戦略的パートナーシップ協定、いずれの承認にも反対する立場から討論を行います。
 日欧EPAは、安倍総理自らが成長戦略の切り札、アベノミクスの新たなエンジンと位置付け、EUに対して過去最大級の自由化を行う協定であり、大企業の利益を最優先して市場開放を推進するものであります。
 本協定によって、EUに輸出する自動車部品などの工業製品に係る関税が撤廃される一方で、農産品の八二%の関税撤廃が約束され、日本の農業に極めて深刻な影響を及ぼすものです。中でも、重要五項目について、米こそ除外したものの、その他の品目でパスタ、チーズなどEUの強い分野でのTPP水準以上の譲許を含めて関税撤廃又は大幅削減を行うことは重大であります。さらに、本協定には自由化を一層行う方向での再協議規定も盛り込まれており、日本の農産物を際限のない自由化に陥れる危険があります。
 質疑を通じて、政府の影響試算に対する疑問は大きくなりました。私は、EUが本年七月に、加工食品の対日輸出が五一%、約千三百億円、そのうち乳製品の輸出について、日本政府の国内生産減少試算額とは大きく乖離した、実に四倍半にもなる二一五%、約九百四十八億円増加するとの試算を公表したことをただしましたが、政府から、EUの試算について精査した上で責任ある見解が最後まで示されることはありませんでした。都合の悪い事実には蓋をして、ただ万全の対策と繰り返すばかりの姿勢は、到底国民から理解を得られるものではありません。
 日欧SPAは、共通の関心事項に関する政治的な協力、四十の分野別協力、共同行動の促進によりパートナーシップを強化することを目的として枠組みを設けるものであります。その中には外交及び安全保障に関する政策も対象としております。
 安倍政権が二〇一三年十二月の国家安全保障戦略で積極的平和主義の立場を掲げ、共に主導的な役割を果たすパートナーとしてNATO、OSCEと並んでEUとの関係を強化することを明らかにしており、本協定が安倍内閣の同戦略に基づく施策を後押しすることになるのは明らかであります。
 EUは、共通安全保障政策に基づく域外における軍事作戦を含め、軍及び文民による平和維持、国際的安全保障活動に当たるCSDPミッションに要員、装備等の提供を受けるための参加枠組み協定の締結を日本に提案していますが、外務大臣は本会議で、日EU間でこの提案に関する協議が行われてきたことを明らかにいたしました。
 このような協力の促進は、海外における自衛隊の活動の一層の拡大につながりかねないものであります。また、憲法の平和主義を踏みにじって推進している欧州諸国との防衛装備協力の一層の拡大に直結する危険もあります。
 SPAの承認によって、安倍内閣の積極的平和主義に基づく安全保障分野での協力の今後における具体化に白紙委任を与えることは断じてできません。
 以上述べまして、反対討論を終わります。
#199
○委員長(渡邉美樹君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決に入ります。
 まず、経済上の連携に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 次に、日本国と欧州連合及び欧州連合構成国との間の戦略的パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。
 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#201
○委員長(渡邉美樹君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#202
○委員長(渡邉美樹君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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