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2018/11/05 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 予算委員会 第1号
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2018/11/05 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 予算委員会 第1号

#1
第197回国会 予算委員会 第1号
平成三十年十一月五日(月曜日)
   午前八時五十二分開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         金子原二郎君
    理 事         石井 準一君
    理 事         宇都 隆史君
    理 事         二之湯武史君
    理 事         丸川 珠代君
    理 事         横山 信一君
    理 事         蓮   舫君
    理 事         川合 孝典君
    理 事         辰巳孝太郎君
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                上野 通子君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                島田 三郎君
                高野光二郎君
                滝沢  求君
                中泉 松司君
                中野 正志君
                平野 達男君
                舞立 昇治君
                松川 るい君
                元榮太一郎君
                山田  宏君
                吉川ゆうみ君
                和田 政宗君
                渡邉 美樹君
                熊野 正士君
                杉  久武君
                竹内 真二君
                三浦 信祐君
                石橋 通宏君
                小西 洋之君
                杉尾 秀哉君
                伊藤 孝恵君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                藤田 幸久君
                大門実紀史君
                山下 芳生君
                浅田  均君
                片山 大介君
                青木  愛君
               薬師寺みちよ君
    ─────────────
   委員の異動
 十月二十四日
    辞任         補欠選任
     上野 通子君     長峯  誠君
     高野光二郎君     山下 雄平君
     平野 達男君     三木  亨君
     舞立 昇治君     中西  哲君
     松川 るい君     大野 泰正君
     山田  宏君     長谷川 岳君
     渡邉 美樹君     高橋 克法君
     杉  久武君     平木 大作君
     竹内 真二君     伊藤 孝江君
     横山 信一君     谷合 正明君
     伊藤 孝恵君     田名部匡代君
     川合 孝典君     足立 信也君
 十月二十五日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     江島  潔君
     丸川 珠代君     宮本 周司君
 十月二十六日
    辞任         補欠選任
     江島  潔君     宇都 隆史君
     宮本 周司君     丸川 珠代君
 十一月二日
    辞任         補欠選任
     有村 治子君     佐藤  啓君
     大野 泰正君     堀井  巌君
     中野 正志君     小川 克巳君
     丸川 珠代君     小野田紀美君
     三木  亨君     自見はなこ君
     熊野 正士君     若松 謙維君
     平木 大作君     西田 実仁君
     田名部匡代君     矢田わか子君
     山下 芳生君     岩渕  友君
 十一月五日
    辞任         補欠選任
     小川 克巳君     佐藤 信秋君
     小野田紀美君     山本 一太君
     佐藤  啓君     藤木 眞也君
     自見はなこ君     今井絵理子君
     藤田 幸久君     徳永 エリ君
     岩渕  友君     武田 良介君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         金子原二郎君
    理 事
                石井 準一君
                高橋 克法君
                二之湯武史君
                長谷川 岳君
                山下 雄平君
                谷合 正明君
                蓮   舫君
                足立 信也君
                辰巳孝太郎君
    委 員
                青山 繁晴君
                朝日健太郎君
                今井絵理子君
                宇都 隆史君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                太田 房江君
                こやり隆史君
                佐藤  啓君
                佐藤 信秋君
                自見はなこ君
                島田 三郎君
                滝沢  求君
                中泉 松司君
                中西  哲君
                長峯  誠君
                藤木 眞也君
                堀井  巌君
                元榮太一郎君
                山本 一太君
                吉川ゆうみ君
                和田 政宗君
                伊藤 孝江君
                西田 実仁君
                三浦 信祐君
                若松 謙維君
                石橋 通宏君
                小西 洋之君
                杉尾 秀哉君
                大島九州男君
                大野 元裕君
                徳永 エリ君
                藤田 幸久君
                矢田わか子君
                岩渕  友君
                大門実紀史君
                武田 良介君
                浅田  均君
                片山 大介君
                青木  愛君
               薬師寺みちよ君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       財務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(金融)
       )        麻生 太郎君
       総務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(マイナ
       ンバー制度))  石田 真敏君
       法務大臣     山下 貴司君
       外務大臣     河野 太郎君
       文部科学大臣
       国務大臣     柴山 昌彦君
       厚生労働大臣
       国務大臣     根本  匠君
       農林水産大臣   吉川 貴盛君
       経済産業大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       損害賠償・廃炉
       等支援機構))  世耕 弘成君
       国土交通大臣
       国務大臣     石井 啓一君
       環境大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(原子力
       防災))     原田 義昭君
       防衛大臣     岩屋  毅君
       国務大臣
       (内閣官房長官) 菅  義偉君
       国務大臣
       (復興大臣)   渡辺 博道君
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        山本 順三君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(経済財
       政政策))    茂木 敏充君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(沖縄及
       び北方対策、消
       費者及び食品安
       全、少子化対策
       、海洋政策))  宮腰 光寛君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(クール
       ジャパン戦略、
       知的財産戦略、
       科学技術政策、
       宇宙政策))   平井 卓也君
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(規制改
       革、地方創生、
       男女共同参画)
       )        片山さつき君
       国務大臣     櫻田 義孝君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  西村 康稔君
   副大臣
       財務副大臣    鈴木 馨祐君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       高野光二郎君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  横畠 裕介君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤井 亮二君
   政府参考人
       内閣官房TPP
       等政府対策本部
       政策調整統括官  澁谷 和久君
       内閣官房国土強
       靱化推進室次長  山田 邦博君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局地
       方創生総括官補  伊藤 明子君
       内閣府大臣官房
       審議官      渡邉  清君
       内閣府政策統括
       官        海堀 安喜君
       法務省入国管理
       局長       和田 雅樹君
       国税庁次長    並木  稔君
       経済産業大臣官
       房審議官     柴田 裕憲君
       国土交通大臣官
       房技術審議官   五道 仁実君
       国土交通省土地
       ・建設産業局長  野村 正史君
       国土交通省都市
       局長       青木 由行君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        塚原 浩一君
       観光庁長官    田端  浩君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   堀川 義一君
   参考人
       独立行政法人日
       本スポーツ振興
       センター理事長  大東 和美君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計補正予算(第1号)(内
 閣提出、衆議院送付)
○平成三十年度特別会計補正予算(特第1号)(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が五名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高橋克法君、長谷川岳君、山下雄平君、谷合正明君及び足立信也君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(金子原二郎君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(金子原二郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三十年度補正予算二案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
#8
○委員長(金子原二郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 平成三十年度補正予算二案審査のため、本日の委員会に独立行政法人日本スポーツ振興センター理事長大東和美君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(金子原二郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度補正予算二案に関する理事会決定事項について御報告いたします。
 本日及び来る七日の質疑は総括質疑方式で行い、質疑割当て時間は二百八十三分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党・国民の声七十七分、公明党三十八分、立憲民主党・民友会四十二分、国民民主党・新緑風会四十八分、日本共産党三十四分、日本維新の会二十二分、希望の会(自由・社民)十一分、無所属クラブ十一分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。
    ─────────────
#11
○委員長(金子原二郎君) 平成三十年度一般会計補正予算(第1号)、平成三十年度特別会計補正予算(特第1号)、以上二案を一括して議題といたします。
 政府から趣旨説明を聴取いたします。財務大臣麻生太郎君。
#12
○国務大臣(麻生太郎君) 平成三十年度補正予算の大要につきましては、既に、本会議において申し述べさせていただいたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、改めて御説明をさせていただきます。
 最初に、一般会計予算の補正について申し上げます。
 今回の補正予算は、一連の災害被災地の復旧復興や、公立小中学校等へのエアコン設置、ブロック塀改修等に対応していくためのものであります。
 まず、大阪北部地震、平成三十年度七月豪雨、平成三十年台風第二十一号及び北海道胆振東部地震などの被災地の復旧復興に七千二百七十五億円を計上いたしております。
 また、公立小中学校等の施設におけるエアコン設置、ブロック塀改修等の対応に一千八十一億円を計上いたしております。さらに、今後の災害対応等を勘案した予備費の追加に一千億円を計上いたしております。
 これらの財源としては、建設公債の発行とともに、平成二十九年度決算剰余金の一部等で対応することといたしております。
 この結果、平成三十年度一般会計予算の総額は、当初予算から歳入歳出共に九千三百五十六億円増加し、九十八兆六千四百八十四億円となっております。
 次に、特別会計予算につきましても、所要の補正を行っております。
 以上、平成三十年度補正予算の大要について御説明をさせていただきました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようよろしくお願いを申し上げます。
#13
○委員長(金子原二郎君) 以上で平成三十年度補正予算二案の趣旨説明は終了いたしました。
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#14
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
 これより質疑に入ります。蓮舫君。
#15
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。
 総理、まず確認をさせてください。
 子供をつくらない、持たない人は生産性がないんでしょうか。
#16
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 生産性という言葉をどう使うか、いろんな議論があるところなんでしょうけど、子供をつくるかつくらないかということに関して生産性という概念を当てはめるのは間違っているんだろうと、このように考えております。
#17
○蓮舫君 自民党の杉田議員が、月刊誌新潮45が廃刊となるきっかけとなった寄稿、LGBTのカップルは子供をつくらない、生産性がない、税金をそこに使うことがいいのかと、これ書かれました。どうお考えですか。
#18
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、LGBTと言われる性的少数者に対する不当な差別や偏見はあってはならないことであります。多様性が尊重され、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる共生社会の実現に政府は取り組んでいるところであります。
 内閣、与党、野党を問わず、国民から選ばれた一人一人の政治家は、自身の発言で関係者を傷つけることのないよう細心の注意を払わなければなりません。その上で、政策を磨き、結果を出すことによって国民の負託に応えていかなければならないと考えております。
#19
○蓮舫君 安倍総理は、総裁選の間にこの件について問われると、まだ若いですから、これから注意しながら仕事をしていってもらいたい。これ、同じ認識ですか、今も。
#20
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げましたように、内閣、与党、野党を問わず、国民から選ばれた一人一人の政治家は、自身の発言で関係者を傷つけることのないよう細心の注意を払わなければならない。その上で、政策を磨き、結果を出すことによって国民の負託に応えていかなければならないと考えております。
#21
○蓮舫君 答えていません。若ければ許されるんですか。
#22
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答えていると思いますが、自身の発言で関係者を傷つけることのないよう細心の注意を払わなければならないと。その上で、政策を磨き、結果を出すことによって国民の負託に応えていかなければならないと考えています。
#23
○蓮舫君 細心の注意がなかった。その結果、月刊誌が発売された七月十八日以降、抗議声明が相次ぎました。自民党本部の前、全国各地で抗議活動も行われました。このことは御存じでした。
#24
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 存じております。
#25
○蓮舫君 そして、杉田議員本人がようやく記者の取材に答えたのは、寄稿してから三か月後の十月二十四日。誤解を招いたことを心苦しく思う、傷ついた方がいらっしゃることは大変重く受け止める。謝罪も撤回もしていません。
 これは、抗議活動とか様々な声明は誤解だったんでしょうか。
#26
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは御本人が説明していることなんだろうと思いますが、党としての考え方は既にお示しをしているとおりです。
#27
○蓮舫君 世の中に待機児童なんて一人もいない、待機しているのは預けたい親でしょう、SNSに何度も発信。離別の場合、シングルマザーになるのはある程度自己責任、ドメスティック・バイオレンスなんて場合もあるかもしれないが、厳しいことを言うと、そんな男性を選んだのはあなたでしょうに終始する。(資料提示)月刊誌へのシングルマザーを売りにするなの寄稿。国会では、男女平等は、絶対に実現し得ない、反道徳の妄想です、女性にしか子供を産めないことをネガティブに捉える社会になってしまった、その結果、DVが蔓延し、離婚が増加、少子化や貧困の原因になっていますと国会で発言しています。
 厚労大臣、正しいですか、この認識。
#28
○国務大臣(根本匠君) まあ、私とは意見を異にします。
#29
○蓮舫君 総理、いかがお考えでしょうか。
#30
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その発言について、私、確認しているわけでございませんので……(発言する者あり)いやいや、それを私自身が確認させていただいておりませんのでコメントのしようはございませんが、それが事実であるとすれば、今、根本大臣が答弁したとおりであります。
 繰り返しになりますが、私自身は確認しておりません。
#31
○蓮舫君 事実を私は調べて今御紹介をさせていただいています。
 この杉田議員は、安倍総理と同じ派閥、総理の地元山口県連に所属、さきの総選挙では自民党の比例単独候補。自由民主党で選ばれた議員のこれらの発言、生産性がない発言等を含めて、処分はしなくていいという判断ですね。
#32
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 処分するかどうかということは党で判断をしていくことでありますが、先ほど申し上げたとおり、自身の発言がどういう影響を及ぼすかということに常に細心の注意を払っていくべきだろうと、このように思います。
#33
○蓮舫君 その程度の認識というのに愕然といたします。これ、また引き続き伺いますが。
 次に、政府は新たに外国人労働者を受け入れる在留資格を新設。これは、総理、単純労働者の受入れを認めるものですか。
#34
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 今回の新たな受入れ制度につきましては、一定の専門性、技能を有する外国人を即戦力として入れるものでございます。
 したがって、政府としては、例えば特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働に従事する活動を行う外国人を受け入れる政策については、これを取ることは考えておりません。
#35
○蓮舫君 いや、よく分からない。
 つまり、これまでの単純労働の受入れは原則禁止との方向は変わらないんですね。
#36
○国務大臣(山下貴司君) 新たな受入れ制度についてお尋ねですので、今回の新たな受入れ制度については、特段の技術、技能、知識又は経験を必要としない労働に従事する活動を行う外国人を受け入れる政策ではないということでございます。
#37
○蓮舫君 二ページに資料を付けさせていただきました。
 新設するという特定技能一号資格の外国人労働者には、相当程度の知識又は経験を必要とする技能が求められる。この相当程度とは何でしょうか。
#38
○国務大臣(山下貴司君) これは、今後、政府基本方針において検討しようということではございますが、現段階で、例えば、業務を遂行するに当たり、監督者の指示を理解し業務を遂行することができる、又は自らの判断により業務を遂行できる能力というのがこれに該当しますが、この技能に達するために、やはり相当期間の実務経験などを有する者というものを考えております。
#39
○蓮舫君 いや、全然分かりません。
 相当程度の技能とはどのレベルでしょう。
#40
○国務大臣(山下貴司君) それぞれの業種、受入れ分野ごとに業所管庁が定める試験等において確認されるものでございますが、先ほど申し上げたように、やはりそれぞれの分野、業種において業務を遂行するに当たり、監督者の指示を理解し的確に業務を遂行することができる、自らの判断により業務を遂行することができる能力、そしてそれを取得するには相当期間が要るということ、これについては業所管省庁と緊密に連携を、連絡を取り合った上で今後決めていくということになると思います。
#41
○蓮舫君 全く分かりません。唯一分かったのは、業種ごとに所管省庁が相当程度の技能を決めるということです。
 今回、十四業種が想定されているということですが、例えば、これ、国交大臣、ちょっと聞いていいですか。宿泊業の相当程度の技能水準とは何ですか。
#42
○国務大臣(石井啓一君) 御通告ありませんでしたので今詳しい資料が手元にないのですが、ただいま検討しているところではないかというふうに思っております。
#43
○蓮舫君 閣議決定をして、それにサインをされ、今後基本方針を決定して、業種を各担当省庁が決めていくんです。
 じゃ、ちょっと簡単に聞きます。ベッドメーキング、これは相当な技能を有しますか。
#44
○国務大臣(石井啓一君) 宿泊業の中の相当程度の技能ということかと存じますが、それについては現在検討しているところかと存じます。
#45
○蓮舫君 何を検討するんですか。ベッドメーキングが単純労働か相当程度の技能かを検討しているんですか。
#46
○国務大臣(石井啓一君) ベッドメーキングが該当するかどうかは今ちょっと手元にはっきりお答えできる資料はないのですが、宿泊業として求められる相当程度の技能ということを全体的に検討しているという状況であります。
#47
○蓮舫君 宿泊業として求められる相当程度の技能。食事の配膳はどうでしょう。
#48
○国務大臣(石井啓一君) 御通告がありませんでしたのでちょっと手元に詳しい資料がないのですが、全体的に検討している状況ということであります。(発言する者あり)
#49
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
#50
○蓮舫君 済みません。通告しなくても、後から後から疑問が出てくるものですから。
 じゃ、例えば、外食業で相当程度の知識、経験という技能は何ですか。
#51
○国務大臣(山下貴司君) 全般的に業種横断的な技能レベルについて、これについて、先ほど申し上げたように、一定の専門性、技能を有する業務ということを決めていく。その中で、先ほど申し上げたように、監督者の指示を理解し的確に業務を遂行できる、自らの判断により業務を遂行できる能力について、今、各省庁が検討、精査しているところでございます。そういったところをもって、今後、政府の基本方針の中で正確に落とし込むということになるというふうに考えております。
#52
○蓮舫君 法務大臣は各省庁が今検討していると言う、例えば国交大臣に聞いたら全く分からないと言う。どっちですか。
#53
○国務大臣(山下貴司君) 今の段階では検討、精査をお願いしているところであります。そういうことで、今、検討、精査が終わり、きちっと、ということであればまた申し上げるということではあるわけでございますけれども、そういったところでございます。
#54
○蓮舫君 相当程度の技能水準は、検討が終わってから法案審議が始まりますか。
#55
○国務大臣(山下貴司君) まず、この法律の立て付けとして、その法律が認める在留資格の大枠が決まらなければならない、そしてそれに基づいて政府方針が決まらなければならない、その政府方針に基づいて分野別方針が決まるという論理的な順序になっております。そういうことで御理解をいただきたいと思います。
#56
○蓮舫君 在留資格の大枠こそが、どの分野、どの業種で働くか、ある程度の技能かということに当てはまるんじゃないですか。それを先送りして資格だけつくるというのは間違っていると思いますが、いかがでしょう。
#57
○国務大臣(山下貴司君) これは入管法に定める在留資格の仕組み、規制の仕方について御理解を賜りたいんですが、この入管資格全体について、具体的な内容というのは省令に委ねているところであります。上陸審査基準省令と言われておりますが、そういった具体的な内容を法務省令で定めるということでございます。
 それを定めるまでの手順について、まず法律を決めていただく、そして政府として閣議決定をしていただく基本方針をまず決めていただく、そして分野別方針を決めていただく、それで基準省令等に落とし込むと、これが論理的な順序ということで御理解賜りたいと思います。
#58
○蓮舫君 どの分野でどういう仕事に就いてもらうかが分からない。
 そして、報道で、来年四月からは十四業種、四万人の受入れを想定とニュースで配信されているけど、これ事実ですか。
#59
○国務大臣(山下貴司君) 分野につきましては、閣議決定されました法案において、人手不足、人手の確保が必要な産業上の分野ということであります。その中身については今後検討ということになろうかと思います。
 そして、四万人ということでございますけれども、恐らくこれは本年八月の概算要求時に初年度の受入れ見込み数を算出した数字について言及されたものだと思いますが、これにつきましても現在精査中であり、政府として今回の法案による外国人材の受入れの見込み数をなるべく近日中にお示ししたいと思っております。
#60
○蓮舫君 近日中とはいつですか。そして、何人入れるんですか。
#61
○国務大臣(山下貴司君) これは、近いうちにということも言われたわけですけれども、これは、法案の審査に資するようにしっかりと出していきたいというふうに考えております。人数につきましては現在精査中でございます。
#62
○蓮舫君 人手不足の実態と需給バランスをまずお示しください。
#63
○国務大臣(根本匠君) 人手不足を示す指標はいろいろあると思いますが、厚生労働所管でいえば有効求人倍率で人手不足の状況が把握されます。(発言する者あり)
#64
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#65
○委員長(金子原二郎君) 速記を再開してください。
#66
○国務大臣(根本匠君) 有効求人倍率は毎月発表していますから、全体でいえば今一・六四だし、そして業種別の有効求人倍率もそれぞれの、分かる業種で有効求人倍率は計算されております。
#67
○蓮舫君 いや、人手不足の人数はこの業種でこれぐらいで、そして四万人、上限は近日中に示す、これだけの人を入れるんだという見通しがないとこの法案審議できないと思います。需給バランスの数を教えてください。
#68
○国務大臣(根本匠君) 需給バランスの数というのは、有効求人倍率があるわけですよね、有効求人数と有効求職者数。その資料を出せと言われれば出せますが、どの分野、あるいは全体、お話をいただきたいと思います。
#69
○蓮舫君 いや、私は有効求人倍率は理解しています。
 それで、どんなに仕事を求めても人がいないから、だからそこに一時的に外国人に入っていただくというのが政府の立て付けなんですが、じゃ、どれぐらいの数が足りないからどれぐらいの外国人に入っていただく、その需給バランスを、数を比率で教えてくださいと言っています。
#70
○国務大臣(根本匠君) 具体的な数字と言われれば、業種、分野別の、今、突然の通告なしの御質問なので、個別の数字を、つまり有効求人倍率から逆算されるわけですから、人手不足というのは。その意味では、業種別に出せと言われれば、調べてお示しをしたいと思います。
 ただ、基本は、基本は、有効求人倍率は、今、たった今どのぐらい不足しているかというのを、有効求人数と有効求職者数の差だと私は思いますよ、業種別に。そういうことなんだと思いますよ、人手不足の単月ごとでいえば。
#71
○蓮舫君 委員長、今、資料を出しますとおっしゃいましたので、今日にでもあしたにでも、この人数の、需給バランスの数を出してください。法案の審議ができません。
#72
○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で協議をいたします。
#73
○蓮舫君 法案では条文で、人手不足が解消されたら新たに資格の認定をしないとある。でも、既に外国人の方は入ってきて働いている、雇用契約もあります。労働力がその産業で余剰になっても、その人をすぐ追い出すことにはできない。その場合の、日本人の労働に影響は出るでしょうか。
#74
○国務大臣(山下貴司君) まず、在留資格の観点から御議論されているんですが、まず、その在留資格のある期間中はこれはもう在留できるということで、またしっかりと仕事を探していただけるようにサポートをさせていただきたいというふうに考えております。それが雇用契約が切れた後でもおられるように、その在留期間中はですね。ただ、その在留期間の更新の際に雇用の契約がない場合には、これは更新が認められない場合もあるということは、ということでございます。(発言する者あり)
#75
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#76
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#77
○国務大臣(山下貴司君) 失礼いたしました。
 これは、日本人の雇用に影響しないように受入れを停止するということでございます。そうしたことで受入れを止めるわけでございますから、日本人の雇用には影響しないような制度設計をさせていただきたいと考えております。
#78
○蓮舫君 どんな制度設計ですか。
#79
○国務大臣(山下貴司君) これについて、いずれにせよ、日本人の雇用について影響しないように人手不足の状況を注視する。ですから、その受入れ、そもそも受入れの段階でもそういった人手不足の状況がどうなるのかということも予測しながらやっていく、労働市場の動向、そういったものもしっかり見ながらやっていくということでございます。
#80
○蓮舫君 いや、その業種で労働力が余剰になっても、既に雇用期間の残っている外国人労働者がいた場合、日本人の雇用に影響するじゃないですか。それがしないという根拠をお示しください。
#81
○国務大臣(山下貴司君) まず、そもそも、人手不足の算定、これは関係業所管省庁と私、法務大臣がやらせていただくことになるんですが、その際に、人手不足のやはり推計というものをやはりきちんと求めていきたいと思います。それで、委員指摘の、もう要するに雇用が足りているという状況がないようにまずやっていく、これが前段階。
 そして、結果的に雇用が確保が満たされて、そして契約更新がなされなくなったような場合においては、これは、在留期間の更新の際にその雇用契約がないということであればこれは更新はされないということで、日本人の労働市場に対する影響というものは乏しいのではないかというふうに考えております。
#82
○蓮舫君 雇用期間が切れたらお帰りいただくという説明は聞いていません。雇用期間が残っているとき余剰になった場合、日本人の労働者に影響が出るのではないですかと聞いているんです。
#83
○国務大臣(茂木敏充君) この問題、経済財政諮問会議で議論して、その上で今法務省の方に法案を作成し、各省庁で行っておりますので。
 まず、各業種ごとのこの不足、これについては、例えば女性の労働参加であったり高齢者の活用、そして新たな技術、こういったものを用いてもなお不足をする業種、そしてこれは五年間の在留資格でありますから、そういった、当面だけではなくて、五年程度をにらみながら、それぞれの所管省庁においてどの程度の人数が不足をするかという、こういったものを今後精査をするわけでありまして、委員御指摘のように、短期的にすぐ変わるというよりも、そういった五年程度を見ながら、様々な技術革新、さらには日本人の活用を図っても不足する業種について、適切な数の外国人を資格も見た上で受け入れるということになります。
#84
○蓮舫君 一見答えているようで何にも答えないんだったら答弁に立たないでください。
 その数の根拠を示していないからやり取りをさせていただいているんです。その数の根拠を、じゃ、茂木大臣は御存じなんですね。
#85
○国務大臣(茂木敏充君) 考え方については今申し上げました。こういった考え方におきまして、それぞれの所管省庁においてどの業種でどれくらいの不足が見込まれるかと、こういったことを今後しっかりと検討させていただきます。
#86
○蓮舫君 この件に関して安倍総理は、特に強調するのが移民政策ではないと。これ、移民と言いたくない理由は何かあるんですか。
#87
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 移民という定義はもう多義的なものでありまして、特定の定義があるわけでございませんが、言わば、私どもが申し上げていることは、現在、深刻な人手不足に対応するために現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、真に必要な分野に限り、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人を受け入れるために設ける在留資格、特定技能一号について、在留期間が通算五年に限られており、これを超えて更新することはできないというものをつくる、また特定二号もつくるわけでございますが、言わば、生産年齢人口が減少していく中において、それを埋めるために、期間を設けず、あるいは家族も帯同で受け入れるといういわゆる移民政策は取らないということであります。
 これは、今まで我が国が取ってきた政策を大幅にこれは変えるものでありまして、国民の中には様々な議論が存在する中においてはこの政策を取るべきではないと我々は考えているということを今まで述べてきているところでございます。
#88
○蓮舫君 総理は期限を付して我が国に受け入れるから移民ではないと国会等では何度も答弁しているのですが、国連の広報によると、三か月から十二か月の移動を短期的又は一時移住、一年以上にわたる居住国の変更を長期的又は恒久移民と呼んで区別するのが一般的と説明。期限のあるなしではないんじゃないんですか。移動する民、移住する民のことではないですか。
#89
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば半年から一年とかいうことになりますと、それに定めている、それは、例えば私もかつて一年ちょっと駐在したことありますが、そうすると私も移民になってしまうわけですよね。その定義はちょっといわゆる一般の方々が思っている移民とは違うと、このように、これは間違いなく違うんじゃないんですか。海外に出ている駐在員全部そうなっちゃう、今、当てはまっちゃうじゃないですか。ですから、それは違うんですね。当てはまってしまいますよ、最初に言われたことは。
 これはもう衆議院でも議論されたことでありますが、ですから、私が申し上げているいわゆる移民政策というのは、これは、この概念は多義的なものでありますが、政府としていわゆる移民政策を取ることは考えていないというのは、例えば、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策を取ることは考えていないということでございまして、今回の制度改正は、期限を付して限られた業種について限定的に外国人を受け入れるものであり、いわゆる移民政策を取るものではないということでございます。
#90
○蓮舫君 総理が思っている移民と一般の方が思っている移民は違うとおっしゃった。じゃ、一般の方が思っている移民って何ですか。
#91
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、私の思っている移民と一般の方が思っている移民が違うというのではなくて、今、例として、皆さん御理解いただけましたよね。例として、今、蓮舫さんが例として挙げられた移民と、それは例えば半年から十二か月ですね、どこかの国に行ってそこに住むということも含めて移民だというふうにおっしゃったんですが、それとは違うということを私は申し上げておりますので、それは普通に聞いていただければそのように理解していただけたのではないかと思います。
#92
○蓮舫君 そもそも、日本に移民はいないんですか。
#93
○国務大臣(山下貴司君) それは、移民を委員がどういうふうに定義するかによるんだろうと思います。
 先ほど委員がおっしゃった国連の移民の定義、これは、国連では法的な移民の定義はありませんというふうなことを言われておりますし、OECDでも、今言ったその定義については一般的に受け入れられているものでもなく、また、適用も困難だと明示されております。我々は、そのような定義をもって移民ということを判断しているわけではなく、国民が御懸念されるような移民政策は取らないということを累次説明しているわけでございます。
#94
○蓮舫君 国民が懸念する移民とは何ですか。
#95
○国務大臣(山下貴司君) その例として、これまで、例えば国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れるということで国家を維持していこうとする政策、これを取ることは考えていないということでございます。
#96
○蓮舫君 私の父は台湾人です。日本の占領下で日本国籍を有していました。戦後、台湾国籍になりました。でも、日本が好きで、日本を愛し、この国で暮らし、仕事をして、永住権を持って、納税をして、この国で亡くなり、今もこの地で寝ています。父は移民ではないんですね。
#97
○国務大臣(山下貴司君) 蓮舫委員の御家族の歴史については大変敬意を表するところでございますが、移民という言葉については定義がございません。そうしたことでありまして、この法案の審議に資するという意味において、国民が懸念するような移民政策は取らないということを累次申し上げている次第でございます。
#98
○蓮舫君 やっぱり、外国の方に入ってきていただいて働いていただく、外国人労働者という言い方。でも、労働者だけど、共に生活者なんです。労働分野の法体系をするのではなくて、生活の部分でその方が安心して暮らしていただくような体系を整えなければいけないから、移民がどうか、これは移民じゃないんだと強調するだけで止まるんじゃなくて、そこはやっぱり定義をして、そこから先に進まなきゃいけないんじゃないですか。
#99
○国務大臣(山下貴司君) まさに蓮舫委員御指摘のとおりでございまして、これは移民の定義によるものではありません。我が国に来ていただき、暮らし、働き、生活してくださっている外国人の方が、適正に受け入れ、そして適正に受け入れた外国人を、共に生きる、共生をする、そうしたことについて、我々は総理の指示の下、この外国人の受入れ・共生に関する閣僚会議、これを開かせていただいて、省庁横断で政府を挙げて取り組ませていただいているところでございます。
#100
○蓮舫君 やたらと移民という言葉を否定するから、この法案は一体どんな日本の社会をつくろうとしているのかがなかなか理解が深まらないんですね。
 自民党の政調が平成二十八年五月二十四日、「「共生の時代」に向けた外国人労働者受入れの基本的考え方」として、移民とは入国の時点でいわゆる永住権を有する者であり、就労目的の在留資格による受入れは移民に当たらないと説明。
 法務大臣、これ事実ですか。
#101
○国務大臣(山下貴司君) 移民の例としてそのような御説明をしたというふうに報告を受けております。(発言する者あり)
#102
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#103
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#104
○国務大臣(山下貴司君) そのような説明をさせていただいたこと自体、事実でございます。
#105
○蓮舫君 入国の時点で永住権を有する者。永住権ってどうやって取るんですか。
#106
○国務大臣(山下貴司君) 今お尋ねは、我が国においてということでしょうか。
 我が国においてということであれば、我が国において永住での、認められるためには、素行善良であること、そして独立の生計を営むに足る資産又は技能を有すること、そしてそういった者を我が国の国益に資するかどうかということを、幅広い観点を法務大臣が判断するということになっております。
#107
○蓮舫君 今大臣が言った三要件の大前提が、継続して十年以上日本に暮らしていることです。つまり、日本に入ってくるときに永住権を持っている人はいないという立て付けですよね。
#108
○国務大臣(山下貴司君) 大前提ということではありません。法律上の永住許可要件は、先ほど申し上げた三要件、そしてその永住許可に関するガイドラインということで、このガイドラインにおいて、例えばということで、十年以上継続して在留とか納税義務の公的義務を履行していることなどなどが書いてありますが、それらを総体して、その者の永住が日本国の利益に合すると認められたときに限り永住を認めるということになっております。
#109
○蓮舫君 そうなると、自民党が永住権の説明で、入国の時点で永住権を有する者が移民というのは間違っていますね。
#110
○国務大臣(山下貴司君) 若干整理させていただくと、今申し上げた永住の定義は、我が国の入管法における永住の仕組みでございます。
 そこで、移民の定義というのは、我が国の今現行法令においては移民を定義したものはございません。そして、国連の定義も一般的に適用不可能だという中で、そういったものを一般的に例えばという例で移民の例として挙げたということであるということでございます。我が国の法令ということではありません。
#111
○蓮舫君 自民党の主張は間違っているとお認めになった方がいいですよ。これから外国人労働者をどうするかというときに、過度に言葉に反応するのではなくて、どういう国をつくっていくかというところを議論させていただきたいのに話がかみ合わない。
 入管法を改正し、新設するとする特定技能第二号、家族の、子供やパートナーですね、の日本居住も認められる、十年の滞在が可能、この者は永住権を申請、取得要件を満たしますか。
#112
○国務大臣(山下貴司君) まず、前提として、永住権というのは、他の在留資格からそういった先ほど申し上げた要件に即して認められるというものでございます。他の在留資格の中には、例えばほかの就労資格も含まれております。その上で、我が国の国益に合するかどうかということをしっかりと判断して認めるというものでございます。(発言する者あり)
#113
○委員長(金子原二郎君) 蓮舫君、もう一度質問してください。
#114
○蓮舫君 新しく設ける要件、この資格で十年したら永住権を申請して取得できますかと聞いているんです。ごまかさないでください。
#115
○国務大臣(山下貴司君) お答えします。
 まず、前提要件をしっかりしないと、それはあくまで非常に抽象的なお問合せでございます。
 まず、十年いられるのかどうか、二号については、在留期間、その都度更新が認められるかどうかをしっかり見てまいります。そして、その上で永住が認められるかどうかについては、永住権取得の判断において、先ほど申し上げた国益に合するかなどの三要件、しっかり見た上で判断するということを御理解いただきたいと思います。
#116
○蓮舫君 質問に答えていただけませんか。
 特定技能第二号は、最長で十年居住できます。そのうちの五年は就労ビザです。これは永住権取得の要件に当てはまっています、そうですねと聞いているんです。
#117
○国務大臣(山下貴司君) 先ほど申し上げたように、十年以上居住というのはあくまでガイドラインの世界であります。そのガイドラインに当てはまったから自動的に認めるものでもございませんということであります。(発言する者あり)
#118
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#119
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#120
○国務大臣(山下貴司君) まずは、その永住権の要件については先ほども言ったとおりでございます。
 そして、十年住まわれた方、これはもう在留資格、問いません。ガイドラインの要件は満たすということにはなると、我が国に適正に在留資格があるのであればですよ。十年継続して住める資格ということであれば、それは我が国に適正に在留をしていただく、あるいは納税義務を果たしていただく、その他国益に合するという要件が認められるのであれば、在留、永住権の審査ということになると思います。
 ですから、ということでございます。
#121
○蓮舫君 審査を経て許可が出るかどうかは分かりません、これは法務大臣の判断ですから、審査があるわけですから。でも、その審査以前に特定技能二号は永住権を申請できる、その要件は満たしているでしょう、申請はできる人になるんでしょう。
#122
○国務大臣(山下貴司君) どうも誤解があるようですが、特定二号というのは期間が決まっていて、その更新においてはちゃんと特定二号の活動をしているかどうかは見ているわけです。ですから、特定二号の資格を得たからといって十年住めるということにはならないということですよ。(発言する者あり)
#123
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#124
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#125
○国務大臣(山下貴司君) 失礼いたしました。
 十年というのはあくまでガイドライン上の目安だということを申し上げた上で、日本に適正に十年おられた場合、それは、そのどれを十年で見るかということも今後検討しなければなりませんが、そうしたことで申請ができるということはそのとおりでございます。これはあらゆる在留、あらゆるというか、適正に日本におられればということでございますので、ほかの資格もそうでございます。
#126
○蓮舫君 再度確認します。
 特定技能二号は、認められるかどうかは別として、申請はできる有資格者ですね。
#127
○国務大臣(山下貴司君) 特定技能を、二号を取得してすぐに出せるかというと、それはノーであります。
 そうではなくて、特定技能の結果十年おられたということになれば、そこの先ほどのガイドラインの十年という要件は満たしているということになります。
#128
○蓮舫君 どうしてこの答弁を聞くためにこんなに長々とやり取りをしなきゃいけないのか、私にはちょっと、委員長、全く分からないんですが。
 つまり、新たに新設する一つの資格は、十年暮らしたら、働いて、そうしたら永住権への道が開かれる、つまり移民政策への入口じゃないですか。総理、違うんですか。
#129
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、これは、特定一号、二号があるというのは、これは皆さん御存じのとおりなんですが、特定一号、技能一号よりも高い専門性、そして熟練した技能を有する外国人材を受け入れるために設けるのが在留資格特定技能二号でありまして、特定技能二号についても、現行の専門的、技術的分野における他の在留資格と同様、一定の期間を設けて在留が認められるものであって、新設となるいずれの資格も一定の期間を設けて在留を許可するものであります。
 なお、特定技能二号が適用される業種は、これは今ちょっと誤解があるようなんですが、特定技能一号が適用される業種からこれはかなり絞られる見込みであります。さらに、一号に該当する業種が二号に存する場合であっても、その資格を取得するためには、業所管省庁が定める一定の資格に合格する必要があります。特定技能一号での在留を続けることによって自動的に認められるものではないということは申し上げておきたいと思いますし、これ、ハードルはかなり高いものになります。
 そしてまた、特定技能二号の期間は、現在の……(発言する者あり)済みません、ちょっと……
#130
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。御静粛に。
#131
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 委員外の方々の発言で非常に質問がしにくい、妨害されておりますので、委員長、ちょっと注意していただけますか。
 特定技能一号での在留を続けることによって自動的に認められるものではなくて、これ、ハードルが高いということはそのとおりだということを御理解をいただきたいと思いますし、また、特定技能二号の期間は、現行の専門的、技術的分野における他の在留資格と同様、更新をすることができますが、これは日本での活動状況等が厳格に審査されて初めて許可されるものであります。
 そしてさらに、我が国での永住が認められるためには、素行善良であること、独立の生計を営むに足る資産又は技能を有すること、そして引き続き十年以上我が国に在留していることなどの厳しい条件が課されている。
 以上述べたように、特定技能の在留資格を得さえすれば我が国での永住が認められるというものではありませんし、そして、私たちが申し上げているいわゆる移民政策ではないというのは御理解いただけるのではないかと思います。
#132
○蓮舫君 総理、自民党の議員を見るんじゃなくて、私を見て答弁していただけませんか。
 総理は、世界から尊敬される日本、世界中から優秀な人材が集まる日本をつくり上げていく、これは立派な方針だと思います。ところが、今やり取りをさせていただくと、決めた期間だけ働きに来てもらう、人が余ったら帰ってもらう、家族の帯同は大きく制限、永住権は本当にハードルが高い、何人来るか分からない、保険制度、教育の在り方未定、人権が守られるかどうか分からない。
 三枚目に、新たな外国人受入れのプロセス、これ法務省に作ってもらいましたが、こんなすかすかなプロセスで本当に決めるんですか。余りにも虫のよい法案だと言わざるを得ないんですが、いかがでしょうか。
#133
○委員長(金子原二郎君) 答弁の前に、傍聴議員に申し上げます。質疑の妨げとなりますから、御静粛にお願いいたします。
#134
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のように、優秀な人材を我が国に引き付けるためには、外国の方を我が国で働き、生活する方として迎え入れ、社会の一員としてその生活環境を確保することが重要でございます。
 私、先般、例えばベトナムの法務大臣であるとかあるいはミャンマーの高官、いろいろ話してきましたが、日本で働きたいというふうなことを本当に両国民とも願っているというふうなことを聞かれました。
 ただ、そのために、やはり我々としてしっかりと、この新しい受入れ制度で来る外国人に限らず、我が国で働き、学び、暮らす外国人全体を受け入れる、その政策が必要でございます。そのために、先ほど御紹介した関係閣僚会議において、総合的な対策ということで、適正な労働条件と雇用管理の確保や労働安全衛生の確保、日本語教育の充実や住まいの入居支援など、しっかりとやらせていただきたい。
 そして、ということで、この日本で働くことが魅力があるのだということを是非外国の方に分かっていただく仕組みに政府を挙げてしていきたいと思います。
#135
○蓮舫君 その仕組みが全く分からないから、先ほどからやり取りさせていただいているんです。
 安倍政権は、カジノ法案はIRと言い換えました。あるいは、過労死御遺族の方々が残業代ゼロ、過労死促進になるというのは高度プロフェッショナル制度と言い換えました。日米FTAはTAGと表現する。そのように、中身をごまかす言い換えを大変得意としているんですが。
 この新たな外国人労働者の問題は、定義はやっぱりしっかりをして、そして、働きに来たいという方、働きに来てくださる方たちが労働者としてだけではなくて生活者として、その住環境も含めて、多様な宗教の在り方も含めて、多文化共生の在り方もして、それを議論しなければいけないのに、何で入管法で法務省だけなんですか。厚労省や文科省や総務省や、全ての省庁で想定できる課題に、こういう答えがあるから大丈夫だという、そういう法案を出してきて議論するべきものだと私は思うんですが、総理、違いますか。
#136
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、それはそのとおりなんです。我々もですね、我々もその上にのっとって検討を重ねてきているところでございます。
 現在、確かに、先ほど答弁いたしましたように、いわゆる移民政策ではないということを申し上げておきました。これは、実態とは違う不安を国民の皆様が抱くことがないように、私たち政府としてのいわゆる移民政策とは何かということを申し上げたわけでございます。
 その上で、この人手不足に対応するために、海外から来ていただく優秀な人材の方たちには日本に来て仕事をして良かったと思って帰っていただけるようにしなければいけないわけではございますし、来ていただける方も受け入れる方も両方とも良かったと思える制度にしたいと、これはもう本気でそう思っているんです。
 そのために、現在、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策として、適正な労働条件と雇用管理の確保や労働安全衛生の確保、そして日本語教育の充実、また公営住宅や民間賃貸住宅等への入居支援などの各種取組の拡充等を検討しており、しっかりと実行に移してまいりたいと、こう思います。その中におきまして、現在の技能実習生等々にまつわる様々な課題、問題についても真正面から向き合いつつ、しっかりとその中での問題が起こらないように対応しなければならないと、こう考えております。
 また、外国人の方の人権への配慮等についても、これまでも積極的、継続的に検討を重ねてきたところでありますが、技能実習制度における不適切事案の発生なども踏まえて、今般、出入国在留管理庁を創設するなど体制面の大幅な増強により、外国人の方々の人権救済を含め出入国・在留管理を従来に比して格段に強化していくことになるわけでありまして、政府としては、今回の受入れ制度が適正に施行され、優秀な外国人の方に安心して日本に来ていただけるように、関係省庁がしっかりと連携をして準備を進めていかなければならないと考えております。
#137
○蓮舫君 是非、今おっしゃられたことを法案審議の前に明確にしていただいて、しっかりとした充実審議を求めたいと思います。
 次に、消費税増税の前提となる行革の視点でオリパラ予算について伺いたいんですが、総理、櫻田大臣をなぜオリパラ担当大臣に指名したんですか。
#138
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東京オリンピック・パラリンピックに向かって、まさに当時、文部科学副大臣としてしっかりと担当として頑張ってこられた方でございまして、この情熱を再来年に迫ったオリンピック、パラリンピックの成功に生かしていただきたいと、こう思っております。
#139
○蓮舫君 櫻田大臣のホームページ、五年間調べました。政治理念、政策には、どこにもオリンピックの文字が一文字もありません。オリパラ議連の役員でもない、あるいはオリンピックに懸ける情熱がブログで熱く書かれているものはありません。副大臣のときに、機械的に行ったどこどこの場所で、行きましたという報告はありますが。
 大臣、御自身でオリパラ担当にふさわしいと考えるのはどこでしょうか。
#140
○国務大臣(櫻田義孝君) なぜ選ばれたかは私は分かりませんが、それは総理が適材適所と思って選んでいただけたと思って、その選んでいただいた人に、立派に任務を果たすようにしっかりと取り組んでいくつもりでございます。
#141
○蓮舫君 じゃ、基本的なことから教えてください。
 東京オリンピック・パラリンピックの三つの基本コンセプトは何でしょう。
#142
○国務大臣(櫻田義孝君) 御指摘のとおり、基本方針は、オリパラ特別措置法第十三条に基づき、国として、大会の円滑な準備及び運営に関する施策の総合的かつ集中的な推進を図るため、平成二十七年十一月に閣議決定をされております。
 具体的には、こうした観点から、大会の円滑な準備及び運営の推進の意義に関する事項、政府が実施すべき施策に関する基本的な方針、政府が講ずべき具体的な措置などについて記載しております。
 今後、この基本方針に従って、大会の準備、運営に当たる組織委員会、東京都と十分な連携を図り、万全を期していく所存であります。
#143
○蓮舫君 櫻田大臣、今お読みになられたのは政府としての基本方針で、私が聞いているのは東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会が掲げている三つの基本原則です。
#144
○国務大臣(櫻田義孝君) 全ての人が自己ベストを目指し、一人一人が互いを認め合い、そして、未来につなげよう、この三つの基本コンセプトとして、史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会とするであります。
#145
○蓮舫君 全員が自己ベスト、多様性と調和、未来への継承、これが三つのコンセプトになって予算付けされています。
 ちなみに、この大会ビジョンも御存じですか。(発言する者あり)
#146
○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。
#147
○国務大臣(櫻田義孝君) 全ての人が自己ベストを目指し、一人一人が互いを認め合い、そして、未来につなげようを三つの基本コンセプトとして、史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会であります。(発言する者あり)
#148
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#149
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#150
○国務大臣(櫻田義孝君) スポーツには世界と未来を考える力がある、これが基本コンセプトでございます。
#151
○蓮舫君 このビジョンがあって、三つの基本方針があって、それに対して関連予算が作られ、国、都、そして組織委員会の支出が決まるんです。この前提条件を常に頭に入れておいてください。そうしないと、行革なんか絶対できませんから。
 こちら見ていただきたいんですが、オリンピック予算は、平成二十五年の立候補ファイルでは大会経費八千二百九十九億円とされていたものが、平成二十九年十二月、一兆三千五百億になりました。今年、東京都は新たに八千百億円を追加しました。そして、先月、会計検査院が検査結果として、国の支出額が八千十一億、千五百億から八千十一億に膨れると指摘をしました。総額で二兆八千百億円です。
 大臣、これ幾らまで膨れるんですか。
#152
○国務大臣(櫻田義孝君) 東京大会においては、東京都がIOCと締結した開催都市契約に基づいて、計画、運営が東京都に委任されております。その準備、運営は東京都が設立した組織委員会が実施しており、東京都と組織委員会が事業主体としての責任を持っているところであります。また、東京都や組織委員会の取組を支援する立場でございますので、しっかりと支援していきたいと思います。(発言する者あり)
#153
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#154
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#155
○国務大臣(櫻田義孝君) 検査院が集計した八千十一億円の大部分は、未来の行政目的のために実施している事業も含まれているところであります。大会経費の国負担は、一千五百億円以外の事業で、大会の準備、運営、特に資する事業の支出が幾らになるのかについては、今後の予算編成と事業執行をもって決まるので、現時点で示すのは困難であります。いずれにせよ、経費の効率的な執行に努めてまいりたいと思います。
#156
○蓮舫君 済みません、じゃ、ちょっと会計検査院、検査の概要を教えてください。
#157
○説明員(堀川義一君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、平成二十九年六月五日に参議院から御要請をいただいた東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等について検査した結果を本年十月四日に御報告いたしました。
 その概要を申し上げますと、政府の取組状況に関する報告に記載された取組内容に該当する事業及び平成二十五年度から二十九年度までの支出額について、各府省等から一律に調書の提出を受け集計したところ、二百八十六事業、八千十一億円となることや、新国立競技場の改修について、二十九年度末時点では改修に係る財源や期間及び必要となる業務の規模の方向性については定まっていないことなどを記述しております。
 そして、検査の結果を踏まえた所見でございますが、オリパラ推進本部事務局は、大会との関連性に係る区分等を整理した上で大会の準備、運営等に特に資すると認められる業務について、業務の内容等の全体像を把握して対外的に示すことを検討することや、独立行政法人日本スポーツ振興センターは、大会終了後の新国立競技場の改修について速やかにその内容を検討して、的確な民間意向調査等を行うこと、文部科学省は、その内容に基づき民間事業化に向けた事業スキームの検討を遅滞なく進めることなどに留意して、三十二年七月から開催に向けて、大会の円滑な準備、運営等に資する取組を適時適切に実施していく必要があるとしております。
 以上でございます。
#158
○蓮舫君 今報告あったように、本来、国は千五百億円だけが関連予算としていたものが、八千十一億まで膨れている。それをきっちり整理しろと言われているんです。
 これ、なぜ千五百億、千五百億の内訳は千二百が国立競技場です、三百億がパラリンピック大会です。それ以外の国の関連予算、なぜここに入れなかったんですか。小さく見せるためですか。
#159
○国務大臣(櫻田義孝君) これは、答弁は先ほどと同じになりますが、検査院が集計した八千十一億円の大部分は未来の行政目的のために実施している事業であります。大会経費の国負担一千五百億円以外の事業で、大会の準備、運営等に特に資する事業の支出額が幾らになるのかについては今後の予算編成と事業執行を経て決まるもので、現時点では示すのは困難であります。
#160
○蓮舫君 いや、じゃ、この八千十一億で指摘された中で、国は国の関連予算は幾らだと思っています。
#161
○国務大臣(櫻田義孝君) 千五百円でございます。あっ、ごめんなさい、千五百億円でございます。
#162
○蓮舫君 会計検査院報告の指摘を踏まえた調査結果についてオリパラ事務局が出している紙は、大臣の指示で出したんではないですか。
#163
○国務大臣(櫻田義孝君) そうであります。
#164
○蓮舫君 そこには関連事業予算は千五百億円と書いていますか。
#165
○国務大臣(櫻田義孝君) それは千七百二十五億円であります。
#166
○蓮舫君 さっきの千五百億円は何でした。
#167
○国務大臣(櫻田義孝君) 支出額千七百二十五億円は、関係者間で合意したスポーツくじ財源等、大会経費千五百億円に係る支出額でありまして、日本選手の競技力向上、大会成功に向けて大会経費のほかに国が実施するオリパラ関係予算の事業の支出額などの五年間の支出額でございます。
 一層の透明性を確保して、オリパラ関係予算に加え、支出段階でも集計、公表を行って、丁寧に説明していきたいと思っております。
#168
○蓮舫君 八千十一億分のうちで国の関連事業は千七百二十五億円としているんですが、これ以外に関連事業はありませんね。
#169
○国務大臣(櫻田義孝君) それは、本来の行政目的のために実施しておる大会に直接資する金額を算出することが困難な事業、あるいは本来の行政目的のために実施しており大会との関連性が比較的低い事業であります。
#170
○蓮舫君 大会に資することが困難と判断した場合には国の関連事業として整理をしていないという御説明でした。
 じゃ、伺います。日本オリンピック委員会や日本スポーツ振興センターを通じてオリンピックでのメダル獲得に向けて選手を指導する事業、これも関連予算から外れています。なぜですか。
#171
○国務大臣(櫻田義孝君) 日本選手の競技力向上に向けた、大会成功に向けた大会経費のほかに、国が実施するオリパラ関係予算の事業の支出額六百七十七億円などの五年間の支出額、二十五年から二十九年であります。(発言する者あり)
#172
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#173
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#174
○国務大臣(櫻田義孝君) 入っております。
#175
○蓮舫君 私がいただいた紙では入っていません。確認してください。(発言する者あり)
#176
○委員長(金子原二郎君) 御静粛にお願いします。
#177
○国務大臣(櫻田義孝君) 千五百億円の中には入っておりませんが、千七百二十億円には入っております。
#178
○蓮舫君 私がいただいた紙では、三十年度に事業が終了しているから入っていないという整理をいただきました。
#179
○国務大臣(櫻田義孝君) 先ほどお答えしたとおりでございまして、日本選手の競技向上には、千五百の中に入っておりませんが、千七百二十五に入っています。
#180
○蓮舫君 再度、これは、じゃ、検討させていただいて、お互い確認をまたほかの委員会でやらせていただきたいと思います。
 もう一つ、大変心配しているんですが、新国立競技場、これ、本来の、旧計画では千五百億円でした。それが三千億まで膨れて、ザハ・デザインが撤回されて、遅きに失しましたが、安倍総理が三年前に白紙撤回という判断をして、そして新たに新整備計画が立てられました。
 この仕切り直しされた新整備計画は、何にどのような予算を立てましたか。
#181
○国務大臣(柴山昌彦君) お答えいたします。
 新国立競技場の整備費用につきましては、国費及び都費のほか、スポーツ振興くじ、totoの売上げの一部が特定金額として充当されることとなっております。
 JSCにおきましては、これらの収入の見込みも踏まえつつ、建設費の支出が平成三十一年度までに集中することから、収支バランス上、長期借入れを行う資金計画を策定をさせていただいております。
#182
○蓮舫君 いや、違います。新整備計画の総額、何にどの財源を幾ら充てるかを聞いているんです。
#183
○国務大臣(柴山昌彦君) そのお尋ねの内訳についてでありますけれども、スタジアム本体及び周辺工事費、そして設計監理費については、計千五百九十億円を上限とする方針が示されております。その後、これら本体工事費を千五百五十二億円で契約を行うほか、財源スキームでは事項のみであった通信・セキュリティー関連機器に必要な経費が明確化する等、滞りなく進捗をしております。
 今後、什器などの調達、本体工事費のインフレスライドなどにより経費全体の変動も見込まれますけれども、現時点では、本体工事費については整備計画の上限の範囲内、具体的には千五百九十億円となる見通しでございます。
 文部科学省といたしましては、来年十一月末の竣工に向け、引き続き、関係機関と連携をして新国立競技場の整備を着実に進めるとともに、JSCの整備コストの動向等、これを毎年しっかりとチェックをしてまいります。
#184
○蓮舫君 会計検査院に確認します。
 今、柴山大臣がお答えした千五百九十億円の新国立競技場の新整備計画で、ここに入っていない、これまで使ってしまった国民の税金由来、toto売上げ等のお金は幾らですか。
#185
○説明員(堀川義一君) お答え申し上げます。
 新国立競技場の整備費用については、新国立競技場工事、設計監理等に要する見込額千五百八十一億円以外に、日本青年館・JSC本部棟移転経費、通信・セキュリティー関連機器、什器等整備費等がございます。
 これらの経費については、会計検査院の今回の報告に記述している新国立競技場の整備に伴う経費の執行状況によれば、二十九年度までの契約金額が計四百十四億余円となるものでございます。
 以上です。
#186
○蓮舫君 今お答えいただいたとおり、柴山大臣、千五百八十一億円だけじゃないんです。既に四百二十億円使われて、国立競技場の整備は二千億も使われているんです。この実態は御存じでしたか。
#187
○国務大臣(柴山昌彦君) 御指摘のとおり、千五百九十億円を上限とする見込みということと、そして今お話しになられた、既にそれ以外の余剰の費用が発生しているということの食い違いは承知をしております。
 ただし、いわゆるその余剰の部分につきましても、当初想定をしていた埋蔵文化財等の調査費あるいは日本青年館等の移転経費、これは元々外側の費用として想定をしていた部分でありまして、これにつきましても、先ほど私が冒頭紹介させていただいたとおり、toto、振興くじの売上げ等に基づきまして償還をさせていただきたいと、このように考えております。
#188
○蓮舫君 前の整備計画の失敗に固執する余り、千五百八十一、九十億円の上限は守ると言いながら、そこからこぼれたお金はほかの説明を付けて本体予算とは違うと言っているんですが、整備費で見たら全部一体です。これ、もう既に二千億に膨れている。しかも、この返す見込みなんですが、JSCさん、財源は全て確保されていますか。
#189
○参考人(大東和美君) 御説明いたします。
 今御説明がありましたお金の件ですが、私ども当初から計画していた内容に間違いございません。既に三百十一億円を借り上げておりまして、その後必要に応じて借りるという予定にしておりますけれども、これはなぜかといいますと、スポーツ振興くじを充てるということなんですけれども、実際作業をやっていますと日々コストが発生します。それの支払の充当のためにお借りすると、お借りしたということでございます。
#190
○蓮舫君 三百十一億お金が足りなくて、もう既に借りてしまった。この三百十一億を、toto、スポーツ振興宝くじの売上げから一〇%分をJSCに入れて返す。いつ完済しますか。
#191
○参考人(大東和美君) 項目としては特定金額ということで、平成三十五年、二〇二三年までに売上げの一〇%を返すという予定になっております。
#192
○蓮舫君 今借りた三百十一億を返すのもオリンピックが終わった三年後です。しかも、更に四百八十億円足りないんじゃないですか。
#193
○参考人(大東和美君) 今そこは検証中でありますが、約そのぐらい不足するということになりまして、トータル七百九十億辺りを見込んでいるということでございます。
#194
○蓮舫君 現段階で二千億に膨らんだ新国立競技場、そのうちの千五百九十億の財源が七百九十四億円足りなくて借金することになりました。三百十一億は、平成三十五年、オリンピック大会が終わって三年後。じゃ、残る四百八十億はいつ返します。
#195
○参考人(大東和美君) 現在の計画では、平成三十六年、二〇二四年までに売上げの五%ということで考えてやっております。(発言する者あり)あっ、済みません、失礼しました。平成でいいますと四十三年度ということになります。
#196
○蓮舫君 つまり、今足りなくてこれから借りるとされる四百八十億を、totoの売上げが変わらない、新たに支出がないという前提でも、オリンピックが終わって十三年掛かるんです。これは、本当にこの計画は、収支は健全性が保たれているとお考えでしょうか。
#197
○参考人(大東和美君) 私ども、スポーツくじの売り方も含めまして鋭意整理しているところですが、この目標に向かってしっかりやっていくという決意でおります。
#198
○蓮舫君 しっかりやっていくという決意を示されても困るんです。しっかりやっていく保証が欲しいんです、私は。
 しかも、これは新たに財政支出、柴山大臣に聞いた方がいいでしょうか、大会終了後、これ改修するんではないでしょうか、スタジアム。
#199
○国務大臣(柴山昌彦君) お答えをいたします。
 今委員御指摘のとおり、新国立競技場は大会後どのように維持管理するかということにつきまして、水落副大臣の下で関係閣僚会議が大会後の運営管理に関する検討ワーキングチームで検討をいたしました。昨年十一月にその基本的な考え方を取りまとめ、二〇一九年年央をめどに民間事業化のスキームを構築しておりますが、そこでは臨場感ある球技専用スタジアムに改修することなどを提案をしていると承知をしております。
 これに向けて、気になる財源の問題ですけれども、民間事業者の意向確認などを行いながら、業務の範囲、期間、運営権の対価などを検討することとしておりまして、その結果に基づいて、維持管理に関する長期的なコストとその負担の在り方について一定の整理を行うというように承知をしております。
 文部科学省といたしましては、この改修後の新国立競技場が大会後のレガシーとして有効に活用されることが重要だと考えておりまして、民間事業者の創意工夫を活用して、維持管理コストの削減等に努めることで国民に長く愛されるスタジアムとなるようしっかりと取り組んでいきたいと思います。
#200
○蓮舫君 今の段階では、まだ整理をしているから、これから費用が幾ら掛かるか分からない。掛かる費用です。大会終了後、競技場は八万席の球技専用スタジアムに改修をします。民間業者を活用してホスピタリティー機能を充実するために改修するので、競技場は二年間使えません。でも、この二年間、経費は掛かります、収入はありません。
 さらに、この経費に加えて、改築後、五十年間に必要な大規模改修費も必要になります。これ、前計画のとき、ほぼ今の計画とも変わらないと思うんですね、掛かる費用。前計画のときには、ライフサイクルコスト千四十六億円と試算をされていました。つまり、一千億円を超える経費がこれ以上掛かるという、これはお認めになりますか。
#201
○国務大臣(柴山昌彦君) 将来的な事業のストラクチャーでありますので、十分、今御指摘になられた諸要素も含めて、意見聴取と検討を重ねていく必要があるかというように思いますし、そこには様々な民間事業者の現場に基づく建設的な提案や知見を踏まえて考えていく必要があると思っております。
 また、我々といたしましても、JSCとしっかりと連携をして、費用や責任の面での適切な公的負担の在り方も吟味をさせていただく必要があることから、相当の時間を掛け、そして適時にJSCにも報告を求めつつ検証していきたいと、このように考えております。
#202
○蓮舫君 民間を活用するというんですけれども、国立競技場の整備費用はJSCです。すなわち、国の運営費交付金か、それかtoto財源しかないんです。toto財源はこれから十一年間ずっともう使い道が決まっているんです。更に足りなくなるかもしれません。そこにライフサイクルコスト一千億以上が掛かってくる。
 今大臣は民間の力を活用すると言いましたが、旧計画でJSCが民間に頼って収支の計画を立てたら、平成二十五年十二月、収支見込みと年間改修費を入れたらマイナス十億の赤字でした。その後、二年後にもう一回計算し直したらマイナス二十億の赤字でした。やればやるほど赤字という、とてもやってはいけない失敗前例があるんですね。
 この部分を理解した上で、櫻田大臣、これ要請したいと思うんですが、大臣ももう少し予算の在り方を把握していただきたいんですけれども、これまで行政改革として行政事業レビューシート、基金シートを作って整理をしてきていただきました。オリパラ関連事業シートを作ってガバナンスを取っていただけませんか。
#203
○国務大臣(櫻田義孝君) レンポウさんの言うとおり、検討してみたいと思っております。
#204
○蓮舫君 蓮舫です。
 次に、検討したかどうかというのはまた引き続き委員会で聞かせていただきますので、是非実施をしていただきたいと思います。
 次に、残る時間で消費税増税。
 総理、増税で国民の理解を得るために最も必要なものは何だと総理はお考えでしょうか。
#205
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この増税の目的について理解をしていただけると、また、増税をする以上、必要な歳出削減等にしっかりと取り組んでいるかどうかということも含めて、国民の皆様の納得が必要なんだろうと思っております。
#206
○蓮舫君 私は信頼が優先されると思います。つまり、政府や政治に対する信頼がある、税金が無駄に使われない、行政サービスとして自分に必ず返ってくる、この信頼があったら増税の納得の説明をする効果というのは上がると思うんですが。
 驚いたんですが、総理、先日、安倍総理は国会議員が一番信頼されていないと挨拶をされましたが、それは御自身のことですか。
#207
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはアンケート調査の結果、自衛隊の記念日でお話をさせていただいて、一番信頼されているというところで自衛隊だったという話をさせていただいて、その調査によると残念ながら国会議員が信頼されていないという結果になっていたので、頑張っていきましょうという趣旨でお話をさせていただいたところでございます。
#208
○蓮舫君 まあ財務省内で公文書は改ざんされる、そのトップの首は飛ばさない、自衛隊の海外活動日報は隠蔽をする、総理の腹心の友や総理夫人の知人は優遇される、政府は誰も責任を取らない。これは、やっぱり安倍内閣のこの姿勢というのは、国民の信頼、政治家への信頼失墜に残念ながら直結していると指摘せざるを得ません。
 その上で、消費税増税の結果、社会保障の充実と財政再建を同時に進めていくと総理は言っておられますが、それは実現可能でしょうか。
#209
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、消費税率を引き上げてまいりますが、これは、まさに社会保障制度を持続可能なものにしていくということもございます。この少子高齢化の中において、しっかりと安定財源を得ていく、それと同時に国の信認を維持をしていくということであります。
 その中で、財政再建も進めてまいりますが、財政再建を進めていく上においては、経済を成長させていかなければ、デフレから脱却をして経済を成長させていく必要があるということでございますので、同時に進めていきたいと考えております。
#210
○蓮舫君 全く賛同いたします。そのための協力は惜しみないと思います。
 ただ、こちら御覧いただきたいんですが、真ん中が安倍内閣が既にほごにした三党合意によるものです。その隣が総理が使途変更によって使い道がこのように変わったという変化の結果なんですが、そもそも軽減税率で減収がマイナス一兆円、社会保障の充実が膨らむ、その結果、借金返済は二・四兆、およそ消費税一%分なくなるということになります。政府の大変甘い前提の試算でも、プライマリーバランスが黒字化するのは二〇二〇年を大きく越えて二〇二七年、現実的な一%成長でいつプライマリーバランスがゼロになるかといったら、それは分からない、政府の試算では出されていません。
 つまり、一・七兆円を幼児教育無償化等に大きく使い道を変えた。でも、その結果、将来世代の育っていく子供たちの負担を更に重くしてしまったことにつながりませんか。
#211
○国務大臣(茂木敏充君) 今回、我々、国民の信を問い、消費税の使い道につきましては、財政の健全化、そしてまた子育て世代への支援の充実、子供たちへの投資、さらには社会保障の充実と、半分ずつ使うという形にさせてもらったわけであります。当然、それによりまして、PB黒字化と、目標年次二〇二〇年の達成が困難であると。しかし、現在の足下の経済のトレンド等々を見まして、しっかり歳出削減も行った上で二〇二五年にPBの黒字化をすると、この目標については堅持をさせていただきたいと思っております。
 将来世代への負担の先送りではないかと、こういうお話がありましたが、我々は全世代型社会保障をつくっていくと、そういった大きな第一歩として、まず今、子育ての世代、非常に負担というものがあるわけでありまして、これを負担を軽減する大胆な施策をこの使い道の変更の中で一・七兆円確保いたしております。
#212
○蓮舫君 このへこんだ軽減税率による税収一兆円、これいろいろな財源集めて手当てするんでしょうけど、せめて、せめてそれは借金返済にプラスに上乗せをして、将来世代の負担をマイナス一・四兆円にしていただきたいと思いますが、総理、いかがでしょう。
#213
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽減税率の、これは一兆円ですが、の分につきましては、総合合算制度については、これは行わないということでございまして、この分は落ちていくと。そして、残りの六千億円だったかな、この六千億円につきましては、これはこの後の予算編成の中においてしっかりとした財源を見付けていきたいと、このように考えております。
#214
○蓮舫君 それと、全世代型に消費税の恩恵、還元するんだと言っていますが、保育所に入りたいのに待機児童となって家で育児せざるを得ない、仕事も諦めざるを得ない、この方たちに無償化の恩恵はありますか。
#215
○国務大臣(茂木敏充君) まず、待機児童解消に向けての三十二万人分の施設につきましては、二年間前倒しをして整備をするということにいたしました。そして、今回、三歳児から五歳児、幼稚園、保育園、さらには認定こども園、そして保育の必要性と、こういう観点から、認可外につきましてもしっかりと無償化をするという方針を打ち出し、来年の十月から実施をさせていただきます。
 こういったことをしっかり広報もしながら、今自宅で子育てをされていると、こういう選択をされる方もいると思いますが、その保育所に預けたいという方が預けられるような環境をつくっていきたいと思っております。
#216
○蓮舫君 違います。意に反して待機児童になって自宅で育児せざるを得ない人に消費税還元されますか。
#217
○国務大臣(茂木敏充君) 消費税の使い道につきましては、申し上げたように、一・七兆円分につきまして子育て世代に大胆に投資をするという形を取っております。さらには、待機児童解消に向けまして三十二万人分の施設を二年間前倒しをして行っていきたいと思います。
#218
○蓮舫君 家で育児をせざるを得ない人に消費税増税分の還元がありますか。
#219
○国務大臣(茂木敏充君) 消費税は直接還元するものではありません。こういった子育て世代を支援する全体の施策の中で支援をしていきたいと考えております。
#220
○蓮舫君 幼児教育無償化の還元はありますか。
#221
○国務大臣(茂木敏充君) 個々の家庭によってどう育てたいかと、そういう判断はあるというお話を申し上げました。その上で、預けたいと思う方にとっての施設等を整備をする、サービスを提供する、こういった意味においては還元といいますか支援策は取ってまいりたいと考えております。(発言する者あり)
#222
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#223
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#224
○国務大臣(茂木敏充君) 消費税、御案内のとおり、個々の家庭に還元するという性格よりも、先ほど申し上げましたように、一・七兆円等々投じて子育て世代の教育の支援を行っていく、そういう過程において、預けることができない現状である人についても、施設整備、さらには無償化と、こういう対策を取ることによって預けられるような環境をつくるという意味で還元をしてまいります。
#225
○蓮舫君 全く答えていません。分かっているから答えられないんだと思いますが、待機児童で、家を預かる、家で子供を育てるしかない人、もしかしたら仕事も諦めざるを得ない人たちに幼児教育無償化の還元はないんです。しかも、無償化される保育園や幼稚園というのはそもそも所得制限がありますから、高所得者ほど保育料は高い、低所得者ほど低い。これ、一律無償化したら高所得者が最も恩恵をあずかります。こういう不平等なことが社会保障の充実だというのは私は全くおかしいということを申し上げ、質問を終わります。
#226
○委員長(金子原二郎君) 以上で蓮舫君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#227
○委員長(金子原二郎君) 次に、杉尾秀哉君の質疑を行います。杉尾秀哉君。
#228
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉でございます。蓮舫議員に引き続いて質問させていただきます。
 十月二日、第四次安倍改造内閣スタートしました。記者会見で総理は、適材適所の考え方の下、これまでで最も多い十二人が初入閣したと述べました。ところが、先ほどの櫻田大臣の迷走答弁もあった。
 安倍総理に改めて伺います。今回は、こうした初入閣組の方も含めて適材適所内閣ということでよろしいでしょうか。
#229
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 人事は常に適材適所でございまして、これは御党も同じだと思いますが。
 私も皆さんから様々な御批判を受けますが、全てにおいて完璧な人材なんという人はこれはまあめったにいないというか、もとよりなかなかいないんだろうと思いますが、それぞれの専門性やこれまでの経験や調整能力、発信力などを総合的に勘案し、それぞれのポストに適材を配したと考えております。
#230
○杉尾秀哉君 世間は適材適所と見てないというふうに思いますよ。総裁選の論功人事じゃないかというふうにメディアから伝えられています。在庫一掃セール、滞貨一掃内閣、こういうふうな呼称もありました。
 大体、改造しますと、私も長くメディアにいましたから、内閣改造後は支持率が上がるというのが通例でございます。ところが、今回は軒並み低下しているか横ばいと。毎日新聞の調査に至っては、期待が内閣改造で高まったというのは僅か八%しかいません。
 そこで、総理に伺います。単刀直入に聞きます。今話題になっています片山大臣、地方創生担当大臣として適任だと思われますか。
#231
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方創生には幅広い政策分野への知見が求められていますが、片山大臣には、旧大蔵省出身で党の政調会長代理など、様々な政策立案に携わってきた経験を生かして、与えられた職責を全うしてもらいたいと考えております。
#232
○杉尾秀哉君 片山大臣のキャリアからいって、政調の副会長をされていたかもしれませんけれども、本当に地方のことが分かっているのかという意見は、私は自民党の関係者の方からも伺っております。
 先日の衆議院の質疑でも指摘されていましたけれども、片山大臣、去年の七月、加計学園問題で「朝まで生テレビ!」に出演されました。四国は獣医のなり手がいないんですよ、あそこは離れ小島だからと、こういうふうに発言されています。
 そこで、改めて片山大臣に伺います。四国は離れ小島なんでしょうか。
#233
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 議員お尋ねの発言につきましては、国家戦略特区の今治市に開設予定の獣医学部問題の議論につきまして、公務員獣医のなり手が本当に少なく、待遇が悪いのが現状であって、当該状況を改善して四国にとどまっていただくことが必要であり、そのために四国への獣医学部の開設、公務員獣医師の分母を増やす必要があるとの文脈の中で発言したものであり、愛媛県の加戸前知事があるインタビューの中で、御自身が知事だった頃、鳥インフルエンザや狂牛病、それから口蹄疫のときに、港などの水際での検疫体制の強化に割く人材が足りず非常に苦しんだ、四国のような周囲を海で囲まれたエリアでは特にこうした越境感染症のリスクの高まりに備える必要が高いということの発言でございまして、決して四国の皆様をお傷つけするようなつもりで申し上げたのではないことを御理解賜ればと存じます。
 また、発言の一部分が切り取られて拡散することで御気分を害された方がいらっしゃるとしたら、誠に申し訳ないことと考えております。
 いずれにいたしましても、地方創生担当大臣として今後も気を引き締めて職務に当たってまいりたいと考えております。
 以上です。
#234
○杉尾秀哉君 私、VTR見ましたけど、その後、随分差別的というか失礼なことを言いますよねと言ったら、私そんなこと言っていませんよと言って、あなた、うそついたでしょう、あの番組で。ふだんからこういうことを考えていないと生放送の番組でしゃべらないんですよ。あなたは、そもそもふだんから上から目線。物すごい立派なキャリアだと思います、すごく立派なキャリアだと思いますけれども、上から目線、人権軽視とも取れるような発言が多いんですよ。
 例えば、ちょっとフリップ見てください。(資料提示)片山大臣は、二〇一二年頃なんですけれども、生活保護バッシングの先頭に立っておられました。これで随分名前を売られたと思います。この中で、たくさんあるんですけれども、二つだけ抜き書きしました。本当に生活に困窮して三食食べられない人がどれほどいると思うか、ホームレスが糖尿病になる国だ、生活保護は生きるか死ぬかのレベルの人がもらうもの、こういうふうに発言されています。
 そこで、片山大臣に伺いますけれども、片山大臣は本心からこういうことを思っていらっしゃいますか。生活保護というのは、生きるか死ぬか、死ぬ間際の人じゃないともらえないということですか。
#235
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 御質問の件につきまして、生活保護制度は私の所管外のことでございますので、お答えすることは差し控えたいと思います。(発言する者あり)
#236
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#237
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#238
○国務大臣(片山さつき君) 現在は内閣の一員でございますので、生活保護についての考え方は内閣と同じでございまして、御質問の件につきまして、言葉の関係でもしも御不快に思われた方がいらっしゃったら大変申し訳ないと思っております。
#239
○杉尾秀哉君 不快とかいう問題じゃないんですよ。この言葉で傷ついた人が何人いると思うんですか。
 私、こういう人の話聞いたんです。埼玉に住んでいらした三十歳の男性の方です。この方はうつ病を患っていらっしゃって、ホームレス状態だった。これ、サポートしていた、名前言っていいというからここで言いますけれども、埼玉のNPO法人のほっとプラスの藤田さんという代表の方です、私直接聞きましたから。この人のサポートしていたんです。だけど、片山大臣のその発言を聞いて、この人は三十代で本当にもらっていいのかってずっと悩んで、最後に自宅で自殺されたんですよ。いっぱい求人票が家にあったらしい。なぐり書きのメモまであったそうですよ。この人だけじゃないかもしれない。
 あなたは地方創生なんて言っているけど、地方の痛みがこんな、こんな人権感覚で分かるんですか。どうなんですか。
#240
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 生活保護は、国民の血税で賄われる最後のソーシャルセーフティーネットでございまして、その全体の位置付けというのは内閣の解釈どおりでございますが、いずれにいたしましても、生活保護が不正受給等によって本来行き渡る方に行き渡らないということがあってはいけないということから、追及というか、見直しのための提言を出させていただいて、それが法改正につながったものと存じております。
 いずれにいたしましても、もしも過去そうして不快に思われた方がいたら大変申し訳ないところでございますが、私はそういうことを本意としたものではございません。
 以上です。
#241
○杉尾秀哉君 随分だと思いますよ。不快に思われたら何たら、そんな問題じゃないと思いますよ。
 ここにこういう本があるんですよ。あなたが書いた本です。「正直者にやる気をなくさせる!?福祉依存のインモラル」。これ、あなたはこういう本を出して、政治団体が買って、その印税があなたの収入になっているらしい。まあそれはいいけれども、この中にこういうくだりがあります。ニート、引きこもり、こうした若者たちは、大人として、社会の一員として、その義務や責任を果たしていると思うか。今や日本人は勤勉の精神を失ってしまったのではないか。
 片山大臣、これは本心ですか。
#242
○国務大臣(片山さつき君) 本全体の中からそこだけを抜き取られての御指摘ではございましたが、表紙の帯にも書いてありますように、福祉とは努力をして得る心の平安であるという哲学者の言葉もございますし、やはり自助努力というものを福祉の中で位置付けているものも他方ございますので、いろいろな考え方があるということはあると思いますが、いずれにしましても、今は内閣の一員として、生活保護につきましては内閣の解釈に従うところでございます。
#243
○杉尾秀哉君 片山大臣のホームページに安倍総理が推薦文載せています。そこの下です。困難な状況にある人を助けたいが片山さんの原点と、こういうふうに推薦。
 これ、片山さんってそういう人なんですか、総理。
#244
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は、今までのこのやり取り、あるいはこの文章というものについて読んだことはございませんが、片山さん、この政治家になる原点は、そういう気持ちで政治家になったということは聞いたことはございます。
#245
○杉尾秀哉君 随分、総理たるもの、いいかげんな推薦文載せるものなんですね。
 その片山大臣、ちょっと本題に入ります。
 口利き疑惑なんですけれども、はっきり言って、これ完全にアウトです。
 衆議院の審議で、片山大臣、南村氏を私設秘書ではないと、こういうふうに否定されましたけれども、衆議院の審議の中で、南村さんが私設秘書として参議院の帯用証を持っていたことが明らかになりました。大臣自体も、自身も認めていらっしゃると思いますけれども、私設秘書甲帯用証を持っていらっしゃったと思いますが、それでいいですね。
#246
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 まず初めに、週刊誌報道で大変お騒がせし、非常に申し訳ないと思っております。
 まず、この御質問の税理士さんにつきましては、参議院の出入記章甲帯用証につきましては、御本人の強い希望がございましたので、二〇一一年末に申請をいたしましたが、二〇一五年五月に返納をしているところでございます。
 以上です。
#247
○杉尾秀哉君 答えていない。もう一回言ってください。いいですね、甲帯用証。
#248
○国務大臣(片山さつき君) 私設秘書というものにつきましては、法律上の明確な定義がございませんので、私どもの方で訴訟をいたしておりますが、訴訟をする上では、あっせん利得上の私設秘書として該当する者については、使用関係があり政務活動を補佐するという二重の条件が書かれておりまして、そういった意味ではこの方は私の秘書であったことはないので、そのように訴状をしておりますが、参議院の出入記章甲帯用証は二〇一五年の五月までは所持していたということはお答えしております。
 以上です。
#249
○杉尾秀哉君 この甲帯用証の申請書の裏に履歴書の欄があって、履歴書の最後に議員事務室採用と、こう書いてあるんです。採用しているじゃないですか。
#250
○国務大臣(片山さつき君) いずれにいたしても、その……(発言する者あり)はい、御指摘の資料につきましては、今、まず、昔、三年以上前のものなので今探しているところでございますけれども、いずれにいたしましても、この帯用証を発行して、一五年五月までは発行していたということでございますので、それ以上でもそれ以下でもございません。
 以上です。
#251
○杉尾秀哉君 訴状には一五年五月までなんて書いてないんですよ。私設秘書として勤めたことはないと事実関係を完全に否定しているんですよ。
 これ、それで、その申請の書類があるとかないとか言っていましたけど、この申請書が認められなければ帯用証をもらえないんですよ。この申請書の裏の履歴書にちゃんと書いてあるんですよ、事務室採用。これ、あなた、じゃ、虚偽記載したということですか。
#252
○国務大臣(片山さつき君) お答えをいたします。
 この出入記章帯用証が出たということは、恐らくその必要な書類が出されていたというふうに私も思います。
 ただ、申し上げておりますとおりに、私は秘書としてこの方と契約したこともなく、給与、報酬を払ったこともなく、私が指揮命令する立場にあったこともなく、御本人も取材等にそういう意味での私設秘書ではなかったというふうにお答えになっているところでございます。ですから、それ以上でもそれ以下でもございません。(発言する者あり)
#253
○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#254
○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。
#255
○国務大臣(片山さつき君) その当時はもう二〇一一年でございますので、当時の者にも確認したんですけれども、その御申請をお持ちになった方も御本人なようで、確認して書かれたのではないかと私は思います。
 以上です。
#256
○杉尾秀哉君 書かれたんじゃなくて、申請議員名といって署名捺印して判こ押すようになっているじゃないですか。片山さつきの名前しかあり得ないじゃないですか。
#257
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 どちらの事務所でも、その場合には秘書の方が判こをお持ちになって押しているようなものもたくさんあると思いますが、いずれにしても、いずれにしてもそれがきちっと受け入れられているということなので、貸与したのではないかと思っております。
 原本がまだ見付かっておりませんので、その確認はしようがございません。
 以上でございます。(発言する者あり)
#258
○委員長(金子原二郎君) 速記止めてください。
   〔速記中止〕
#259
○委員長(金子原二郎君) 速記起こしてください。
#260
○国務大臣(片山さつき君) ちょっと失礼な御発言があったかと思いますが、いずれにしても、多分きちっとした……(発言する者あり)はい、取り消させていただいて、きちっとした、きちっとした書式になっているので帯用証が出たということだと思いまして、今それは、昔の資料でございますが、確認中でございます。
 以上でございます。(発言する者あり)はい。いずれの事務所という部分については取り消させていただきます。済みません。
#261
○杉尾秀哉君 いいかげんなこと言わないでくださいよ、いずれの事務所でも秘書が勝手に署名して押印しているなんて。そんな扱い方しているんですか。
 それで、この南村さんについてはツイッターとかブログとかみんな見せてもらいましたけれども、議員の代理として会合で挨拶したり、外国の要人、例えばベトナムとか行って一緒に会談しているんですよ。
 しかも、この元々のその百万円払ったという会社社長のXさん、私の地元の方です。仲介した人もみんな分かっています。そのXさんは、全て文春の記事は本当だと言っている。例えば、百万円振り込んだ後に、議員会館、これ九月じゃないかもしれないんだけれども、議員会館で会っているんです。そのときにあなたが、うまくいったら百万円なんて決して高くないわよねと言ったことも含めて全部証言しているんです。事務所の関係者も裏付けの証言をしています。
 完全否定するのは無理なんですよ。あなた、どうなんですか。真っ黒ですよ。
#262
○国務大臣(片山さつき君) 何度もお答えしておりますように、そのような御発言をしたこともございません。お会いしたということについて私は既にお答えをしておりますが、その際に、税務、会計、財務等の書類を示されたり、そういったお話をしたこともございません。
 以上でございます。
#263
○杉尾秀哉君 音声データが公開されましたけど、これも衆議院で聞かれました。曖昧な返答をされて、否定はされませんでした。福田前次官のときも、同じような反応を福田次官がされていました。それで結局辞められました。
 これ、放送もされています。全国民聞いています。今、声紋鑑定中です。どう考えても、どう聞いても、あなたの口調です。声も極めて似ています。声紋鑑定が出てあなたのものだと一致したら、どうするんですか。
#264
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 このデータについてのお答えについては、私は、非常に聞きづらい上に、その断片的な二つの言葉が入っておりまして、その二つがどのような関係で出てきたのか、一緒のことなのか、それが全く分からないので、記憶をたどっても判断できないという趣旨をお答えしております。ですから、絶対に自分の声でないということも言えないということも申し上げている次第でございます。
 ただ、いずれにいたしても、この発言内容は、その例の話題になっている百万円について、要するに、どのぐらいの、それがどういう評価なのかということを言っているものと、そのXという方にお会いする経緯を言っているものだけでありまして、私どもが訴訟提起しているものと何ら矛盾はないと思います。
 以上でございます。
#265
○杉尾秀哉君 片山大臣のことばっかりやっているわけにはいかないんですけれども、またこれは改めていろんな方が聞かれると思います。今の答弁ではもうもたないと思います。
 ちょっと総理に伺います。
 先ほど、総理、国会議員の信用云々というお話されていましたけれども、世論調査を見ると、不支持理由の半分以上は、安倍総理の人柄が信用できないんです。あなたの言っていることが本当なのかということについて、国民は疑念を持っているんです。
 モリカケ問題、一つだけ聞きます、これ国会閉会中だったので。
 盟友の加計理事長がどさくさ紛れに会見されました。ひどい内容でした。この中で、加計理事長が最初に、総理との間で仕事の話はやめようというスタンスでやっていると、こういうふうに話していました。ところが、記者団から、総理が去年の七月の国会審議で、時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたいというお話を聞いたことがある、こういうふうに答弁していますよというふうに聞いたら、しどろもどろになって、そういうふうに言われればしたことがあるかもしれませんと、こういうふうに言った。
 この一事、この一言だけを見ても、二人の間で、何度も何度もゴルフも食事もされています。国家公務員の倫理規程にも反すると思いますけれども、ビジネスの話が出たことは間違いないんです。その中で、今度の加計の今治の獣医学部の話だけしなかったなんて、そういうことはあり得ないんです。これまで総理は、去年の一月に初めて知ったと何回も何回も答弁している。まだうそをつくつもりですか。
#266
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 間違いないとかですね、ビジネスの話が出たことは間違いないと、そのように決め付けておられますが、杉尾さんもTBS時代にいろんな経験をされたんだと思いますよ。決め付けた結果どういうことが起こったかということもいろいろと考えておられるんだろうと、このように思いますよ。
 そこで、これは私、今まで繰り返して、何回も繰り返して答弁をさせていただいておりますが、私が以前申し上げた加計理事長との話は、仕事について話をしたようなものではなく、長年の友人としてお互いの人生観を語り合う中で、新しいことに挑戦したい、時代のニーズに合わせて新しい学部や学科の新設に挑戦していきたいという趣旨の話を聞いたことがあるということは何回も申し上げてきました。その上で、したがって、これも既に答弁をしておりますが、例えば獣医学部をつくりたいといった具体的な仕事の中身の話は全くしていないということでございまして、これと全く矛盾がないと、このように思いますので、そんなに声を荒げて決め付けるのはどうかと、このように思います。
#267
○杉尾秀哉君 別に決め付けていません。私は質問しただけです。
 国会審議中にも安倍総理が虚偽の説明をしたんじゃないかと疑わせる報道がありました。これも衆議院で少し出ていました。カジノ法案に絡んで、私は安倍総理とトランプ大統領の密約はなかったんですかと聞いたけれども、それについて全面的に否定されました。
 確認のために伺います。去年の二月十日、ホワイトハウスで日米首脳会談があって、その後ですね、マール・ア・ラーゴ、フロリダのトランプ大統領の別荘に場所を移しました。食事会とゴルフがあったと思うんですけれども、そこでも、そこを含めても、一切トランプ大統領との間にカジノの話はなかったということでいいんですね。
#268
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今の御質問でございますが、例えば、恐らくそれは記事を例に挙げて言っておられるんだろうと、こう思います。これ、プロパブリカというんでしょうか。そこの記事ですね。
 この記事ですね、普通、こういう、杉尾さんも記者をやっておられたから、大切にするのは、いつどこで誰かということが大切なんだろうと思いますが、この紹介の記事の最初に、ホワイトハウスでの夕食会の翌朝、アデルソン氏はと、こう書いてあるんですが、他の二社等々と少数の朝食会に出たと。これは、商工会議所との朝食会のことを言っているんでしょうが、ホワイトハウスではまず夕食会はやっていません。ですから、これ大変な誤り。そして、その翌朝でもない。
 つまり、場所もその時も誤っている記事を今基にして、私とトランプ大統領との、これ、この中の文脈ですから、この中の文脈ですよ、それを今、杉尾さんは調べられずもせず、どの程度のものかということで言っておられるんでしょうけれども、それは全くないということでございますし、そもそも日米首脳会談であれば首脳間のやり取りについてはこれはずっと記録が残っているわけでありますから、これは間違いないということは申し上げておきたいと思います。
#269
○杉尾秀哉君 ここに写真とキャプションがありましたけど、こういうふうに書いてあるんですよ。これ、プロパブリカというのはピュリツァー賞も取った調査報道メディアなんですけれども、二月、これ、ホワイトハウスで首脳会談があって、そのままマール・ア・ラーゴに行って、そこで、別荘で週末を過ごしたトランプ大統領は、サンズ・カジノを経営するアデルソン氏の日本のカジノ進出を提起したと、こういうふうに書いてあって、しかも詳細が書いてあります。この中で、サンズともう一つの会社にライセンスを与えるように大統領が働きかけたこと、その同席者の一人が、大統領の発言が余りにあけすけで驚いたこと、安倍総理はこれに答えずに情報に感謝すると言ったと、こういうことが書かれています。これ、二人の、ツー・ピープル・セッドになっていますけれども、二人が証言しているということです。
 これでも、さっき言った話は、この記事がいいかげんだって言いますけど、ここまで詳細に書いている記事なんですよ。安倍総理、それ読まれました。
#270
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今読んだから、読んだからその間違いを指摘しているんですよ。何か立派な記事のようなことを言っているんだけれども、ホワイトハウスでの夕食会って、ない、なかった夕食会をまず冒頭に書いているということ。
 そして、その次の、翌朝、翌朝にですね、翌朝は、私、トランプ大統領とそもそも首脳会談はやっていません。そのホワイトハウスの次の翌朝に、そもそもその米商工会議所の人たちとの話が行われたわけではないということは申し上げておきたいと思いますし、そこにはトランプ大統領が出ていない。
 そして、その後、マーラ・ラゴに行った後の日程というのは、夕食については、大統領夫妻と私たち夫妻、それと、大統領の友人が、これはもちろんそういう関係者ではございませんが、入っていたということであります。そこでももちろんそんな話は出ておりませんし、普通、それを、そこは実はオープンな場で、ほかにもお客さんがいる場所であったわけでございますから、ここでは全くそんな話はもちろん出ておりません。
 次は、首脳会談の夕食会に、次の日はゴルフでございましたから、その後は首脳会談の夕食会でございますが、これは大人数であったわけでありますが、御承知のように、そのとき、金正恩委員長がミサイルを発射し、直ちに、その後、二人でどのような形で首脳会談をやろうかということを決めて首脳会談をやったわけでございます。
 確定的にいつも、決め付けたら駄目なんですよ、そういう。しかも、杉尾さん御本人の情報があるわけではなくて、今、このなかった夕食会を出しているこの記事を引いて言わばそうおっしゃっているわけでありまして、そこで、実名でもないわけでしょう。(発言する者あり)記者の裏取りが基本動作という声が出ましたが、まさに、誰かがしゃべったんであれば、誰がしゃべったかというところに行って、杉尾さん、聞いてこられたんだったら別ですよ。ただ、それを引いているだけでしかないわけでありますから、日米首脳会談においてそんな話が、大体、基本的に出るはずがないんですよ。私にどこを……(発言する者あり)いや、ですから、フロリダの夕食、フロリダの夕食というのは日米首脳会談なんですよ、次の日の。それは、ワーキングディナーなんですよ。ですから、たくさんの人たちがいた首脳会談の場なんですよ。(発言する者あり)夫婦で食事したとき、それ、夫婦で食事したときって書いてあるんですか。夫婦で食事したときではもちろんないですよ。大体、夫婦で食事したときに具体的な業者の名前を挙げて言うはずがないじゃないですか、私の妻もいるんだし。
 それと、杉尾さんね、通訳もいるんですよ。通訳もいる中でそんなはずがないですし、当然、その後は、それを省内で全部、幹部においてどういう話をしたかということはシェアをするわけでございますから。杉尾さんが何か、独自に何か資料を持っているということであれば別なんですが、この朝食会、やってもいないホワイトハウスの夕食会で始まるような記事から、そういういいかげんなことで国会の大切な時間を浪費しないでいただきたいと、このように思います。
#271
○杉尾秀哉君 衆議院でも聞かれましたけれども、もしトランプ大統領との間でカジノの話が出ていたら、少しでも、辞められますか、じゃ。
#272
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今そんなやり取りをするレベルではないんですよ。その記事自体が、なかったようなホワイトハウスの夕食会を引いている、そして、その翌朝に、翌朝にはそういう商工会議所の人たちと話をした、これもなかった話です。
 二つなかったことを書いている週刊誌の話に一々私はそうしたことでお答えするつもりは全くございません。
#273
○杉尾秀哉君 これ、まだ報道、調査報道が続いているらしいので、ちょっとその続報を待ちます。
 もう一つ、日米首脳会談で、さっきもちょっと蓮舫さんが言っていましたけれども、TAG、日米物品貿易協定の交渉開始で日米が合意したと、こういうふうにこの九月の首脳会談で報道されました。このTAGについて、安倍総理、FTAとは全く異なるものだと、こういうふうに説明されています。
 担当大臣の茂木大臣に聞きたいんですけれども、アメリカ政府がこのTAGという言葉を使ったり、TAGの交渉開始で合意したと、こういうふうに言っていますか。
#274
○国務大臣(茂木敏充君) まず、今テレビでお示しをいただいているこの日米共同声明についてでありますが、基本、こういった文書は、日本側は日本語を発表します。そして、アメリカ側は英語で発表します。英文―正文と書いてありますけど、正文という概念はないんですけれど、ホワイトハウスはこのようには書いておりません。当然、ホワイトハウスが書くときは、ユナイテッドステーツ・ジャパン・トレード・アグリーメント、アメリカが先に来るのは当然でありまして、ジャパン・ユナイテッドステーツではありません。ホワイトハウスの文書ではこれはございません。
 それから、TAGについてでありますが、トレード・アグリーメント・オン・グッズという言葉はきちんと出ております。そして、これ作るに当たりまして、アメリカ側のライトハイザー通商代表とも、日本の場合、例えばTPPであったりとかFFR、FFRはトークス・オン・フリー・フェア・アンド・レシプロカル・トレード・ディールズと、こういう長い名前なんですけれど、日本は基本的にこういったものを三文字に略すと。ですから、日本としては、今回、この交渉についてTAGと呼ぶと、このように話を、説明をしてございます。
#275
○杉尾秀哉君 河野外務大臣は英語が堪能でいらっしゃるので、英語の文書にTAGという略称はありますか。
#276
○国務大臣(河野太郎君) 済みません、今手元に資料がございません。(発言する者あり)
#277
○委員長(金子原二郎君) 河野外務大臣。
#278
○国務大臣(河野太郎君) この配付資料に全文は出ておりませんのでよく分かりませんが……(発言する者あり)全文が出ているわけではありませんので分かりません。
#279
○杉尾秀哉君 これ在日の米国大使館のサイトなんですけれども、これ、ジャパン・ユナイテッドステーツと言うかユナイテッドステーツ・ジャパンと言うかどうかは別にして、トレード・アグリーメントまでは大文字で書いてありますけど、日本政府の訳はグッズ、オン・グッズのところで切っているんですが、アズ・ウエル・アズ・オン・アザー・キー・エリアズ・インクルーディング・サービシーズ。
 だから、これグッズだけじゃないじゃないですか。だって、サービスを含むほかの重要な分野と同様にって書いてあるじゃないですか。これ、TAGじゃないじゃないですか。
#280
○国務大臣(茂木敏充君) これは、もうこの共同声明を発表したときも丁寧に説明をさせていただきましたが、九月の日米の合意、これは基本的にはグッズ、物品を対象とするものであります。これと併せて、アズ・ウエル・アズ、確かにその後出て、書いてあります、アザー・キー・エリアズと。そして、その後に書いてあるのは、日本語で申し上げますね、早期に結論が出るものについても交渉することに合意をいたしましたが、これは、例えば通関手続など貿易円滑化に関する措置、物品貿易と同じタイミングで結論を出せる分野に限定をされていると、このように考えております。そのように英文でも書いてございます。
#281
○杉尾秀哉君 TAGという表現をアメリカ、メディアも使っていませんし、高官も全くそういう言葉は使っていません。逆に、ペンス副大統領、トランプ大統領も、交渉の念頭にあるのはFTAであるとかFTAの交渉開始で合意したと、こういうふうに説明していて、アメリカ側からTAGという言葉がどこにも出てこないんですよ、メディアも含めて。日本政府だけなんですよ。
 これまで、総理は、日米FTAやらないやらないとずっと言い続けてきたから、国会答弁との整合性を取るためにこのTAGという言葉作ったんじゃないですか。だって、日本のある官僚なんですけど、FTAと言いたくないからTAGという言葉を作ったと、こういうふうに言っているんですよ。総理、どうですか。
#282
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そのまたある官僚というフレーズが出ましたが、これは、これまで我が国が結んできた包括的なFTAでは、物品貿易に加えて、サービス貿易全般の自由化を含むものを基本とし、さらに、知的財産、投資、競争など、幅広いルールを協定に盛り込むことを交渉を開始する段階から明確に目指してきました。しかし、今回の日米共同声明ではサービス全般の自由化、幅広いルールで盛り込むことは想定しておらず、その意味で、これまで我が国が結んできた包括的なFTAとは異なるものであると、こう考えているところでございます。
 しかし、今までも、衆議院でも申し上げてまいりましたが、FTAについて国際的に確立した定義が存在しないことも事実であるため、言葉遣いの問題として、今回の交渉についてFTAの一種ではないかとの御意見があることは承知をしております。
 そして、TAGについて、どうして私たちがTAGを使っているかということについては茂木大臣から答弁をしているとおりでございまして、そういう略称が必要ですから、物品貿易協定でもいいですし、三文字のもので簡単に言えるものということで、その中に、そのTAGということにしようと、トレード・アグリーメント・オン・グッズとあったのでTAGということにしたと、こういうことでございます。
#283
○杉尾秀哉君 今認められたじゃないですか。TAGということにしようって。作ったんでしょう、つまりは。
#284
○国務大臣(茂木敏充君) 作ったわけではなくて、日米の合意内容、これは七項目にわたります共同声明に全て反映をされております。そして、それに沿って、今後、信頼関係に基づいて協議、まさにこれからスタートをするわけでありますけれど、じゃ、どういう協議というときに、じゃ、七項目全部の文書を読まないとその協議とは呼べないかというとそうではなくて、どこかで略すということはやるわけであります。TBSはTBSと訳すんでしょうし、TAGはTAGと訳して呼んでいる、何を言っているかが皆さんが分かればいいということなんだと思います。
#285
○杉尾秀哉君 私も長野が地元ですので、日中韓の、日米FTA交渉については、JA関係者も特にそうなんですけれども、極めて敏感になっているんですね。
 TPPの水準超えないと言っているんですけれども、どうもこれまで聞くと、要するに、一部の品目は超えるかもしれない、全体として超えないという、こういう表現で、じゃ、どの品目が超えるんだという、物すごくそういう意味では疑心暗鬼になっているんですよ。
 こういう、そのTAGという用語もそうなんですけれども、交渉の内容について、一方的なそういう表現じゃなくて、やっぱり情報公開というのはきっちりやってほしいというのは、これは全ての関係者の願いだというふうに思います。
 こうしたその外交成果について、まあ言ってみりゃ誇大ですわね、誇大に見せるというのは、安倍政権のお得意の手法ではないかというふうに私は思っておりまして。今年十月の日中首脳会談、その成果について、総理は、競争から協調へ。今、ちょっとフリップ出します。ちょっとフリップの年が間違っておりました。(発言する者あり)あっ、二〇一八年ですね、十月の二十六日ですけれども。この成果について、総理は、競争から協調へなど、御覧の三つの原則を確認しましたと、こういうふうに発信しています。テレビとか衆議院の代表質問等々でも同様に答えていらっしゃいます。
 総理に確認させていただきますけど、この三原則は、首脳会談で中国の首脳と公式に確認した原則ということでよろしいんでしょうか。
#286
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、先ほどの茂木大臣とのやり取りなんですが、これから交渉が始まるわけでありまして、我々は我々の考え方としてTAGという名前を使っている。これは私たちの交渉姿勢を示しているんですよ。ですから、まさにしっかりと農産品を守っていくということ、そういうことも気持ちをしっかりと込めてやっている。そして、サービスについては、これはまた、これとは別途議論をしていこうということにしているということであります。ですから、それは当然、それは込めるんですよ。そういう常識を持っていただきたいと思います。
 その上において、今おっしゃったこと、いろんな報道があったんですが、まず、これ報道を見ていただければ分かりやすいことなんですが、私は、習近平主席と李克強総理との会談の冒頭、取材しているカメラの前でこれら三つの原則に明確に言及をして、習近平主席、李克強総理からも会談の中で同様の発言があって、これらの原則の重要性について完全に一致をしています。競争から協調へ日中の関係を新しい時代へと押し上げていきたい、日中は隣国同士、パートナーであり、互いに脅威とはならない、第四の文書で合意したこの原則を再確認したい、また、自由で公正な貿易体制を発展、進化させていきたいと、こう申し上げたわけでございます。
 ただ、杉尾さんみたいな方が何人かおられて、これ中国側に確認した人がいるんですね。朝日新聞ですかね、これ、中国外交部の記者会見において中国側にこれは聞いているんですよ、中国側に聞いています。
 これを恐らく杉尾さん、見ておられないんでしょうけれども、この答え……(発言する者あり)見て何でそんなことを言うのか、私も理解できないんですが、外交部の定例記者会見で、陸慷報道官から、競争から協調に、そして、間、略しますが、協力パートナーとなり、互いに脅威とならない、自由で公正な自由貿易秩序の構築を推進しということについて、中国側は、安倍総理の上記態度表明を歓迎する、日本側が前向きな態度を表明を行い、中国側とのプラスのやり取りを強化し、日中関係が正常に軌道に戻ったとの基礎の上に絶えず前向きに発展するよう推進することを期待している。
 つまり、私が述べてきている三つの原則を確認しと、まさに確認しているじゃないですか。
#287
○杉尾秀哉君 西村副長官に伺います。
 習近平主席との会談後にブリーフされたと思いますけれども、どういうブリーフされましたか。
#288
○内閣官房副長官(西村康稔君) お答え申し上げます。
 まさに今、安倍総理から御答弁のあったとおりでありますけれども、習近平主席、李克強総理との会談の冒頭、総理から、取材しているカメラの前でこれらの三つの原則について明確に言及した、そして習主席、李克強総理からも会談の中で同様の発言があり、これらの原則の重要性は完全に一致しているという趣旨で、私からこの三つの原則について、この中身についてしっかりと説明をしたところでございます。
 恐らく念頭に置いておられるのは、私が記者団へのブリーフにおいて、三つの原則という言い方はしていないという言い方で私は述べたんですけれども、それはこの原則、三つの原則の存在を否定したわけではありませんで、中身を見ていただければ、確認していただければ、ブリーフの中でこれらの原則を確認したことをしっかりと説明しているところでございます。
#289
○杉尾秀哉君 だって、三つの原則について確認していないと言ったんでしょう、断言したんでしょう。だって、そういうふうにブリーフされたんでしょう。だからそういう記事になったんでしょう。
#290
○内閣官房副長官(西村康稔君) 正確に議事録を見ていただければ有り難いんですけれども、三つの原則という言い方はしておりませんということを言いました。
 ただ、私のブリーフを見ていただければ分かりますけれども、まさに総理が今御答弁された原則、三つの原則については明確に私からその内容を説明しているところでございます。
#291
○杉尾秀哉君 総理に伺います。
 この三つの原則は文書で確認されましたか。
#292
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、必ず文書で、今回、そもそも何も文書を、文書で出していないんですから、それは御存じですか。(発言する者あり)じゃ、何でその文書を、文書は確認していませんよ。ですから、私が申し上げているのは、言わば三つの、三つの原則について確認することができたということが全てでございます。
 三つの原則確認できていないというのであれば、そもそも私が冒頭言っていない、あるいは、その中で向こうからその三つの原則に関わる趣旨を話していないということであれば別ですよ。そして、先ほど陸慷氏の、中国側の、記者の質問に対する答えをお話をさせていただければ、これはもう一目瞭然じゃないですか。これに引っかかって何の意味があるのか私はよく分からないんですが。
#293
○杉尾秀哉君 これまで日中関係では四つの歴史的な基本文書がございます。今回はその四つの歴史的な基本文書に続く第五の文書を作りたかったと思うんです。ただ、時間が間に合わなかったか、中国側が文書にすることを断ったか、どちらか分かりませんけれども、ということで文書にならなかったということなんじゃないでしょうか。
 あたかもこれが歴史的な合意であるかのごとくに要するに宣伝するというのは、これはただその口先だけで言っているということにしかならないんじゃないですか。
#294
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は歴史的な合意になるとか今までの文書に匹敵するとか言ってはおりませんし、そもそも今回は文書を作る、また、そういう決め付けはやめられた方がいいんですが、その二つともどちらでもありません。今、杉尾さんがおっしゃった二つともどちらでもなくてですね、今回はまだ私が初めて公式訪問したばかりでございますから、これからまさに正常な軌道に戻りというところまでは杉尾さんも理解していただけると思いますが、そして、いよいよ今度、次なる次元に引き上げていこうということで合意はしたのは事実でございます。
 その中で、三つの原則、これも別に三つの原則といっても、これはまさにこれから、今世界情勢がこういう中にあって、これは意味のあることだと私は思いますよ。杉尾さんは全然それは評価しておられないかもしれませんが、言わば自由で公正な世界貿易体制を強化していくということでお互いに合意をした、お互いに脅威とならないということで合意をしているわけでありますから。
 ですから、これは誇大に、何をもって誇大に言っているかということは私はよく理解ができないのでありますが、いずれにせよ、決め付けをやめていただいて、冷静にファクトで見て評価をしていただきたいと、このように思います。
#295
○杉尾秀哉君 日中関係、ここまで来るのに何年掛かっているんですか。対中封じ込めと言っていたからこういうふうに中国が警戒して、こんなに時間が掛かったんじゃないですか。
 最後に聞きますけれども、この間の所信表明演説で、総理は最後に原敬の言葉を引いて、常に民意の存するところを考察すべし、こういうふうに言っています。
 これまでに成立した重要法案、国民の世論調査の結果、見てくださいよ。みんな国民の大多数が反対しているじゃないですか。これでどこが民意の存するところを考察しているんでしょうか。最後にお聞かせください。
#296
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日中関係が悪化したのは、我々が政権取る前、突然国有化したことに端を発するわけでありまして、その中で我々も非常に努力をしながら、しかし、しかしですね、海洋の問題、あるいは安全保障の問題等々について、私たちは原則は決して譲らないという態度で来たわけであります。その中で、我々はいいタイミングでこういう状況になってきたと、こう思っている……(発言する者あり)いやいや、今、今一応答えますから。
 それは、答え、先ほどの質問、時間外の質問ではありますが、今後とも、民意の存するところ、しっかりとそれを、私自身、その存するところに私がしっかりと沿っているかどうかということについては自重自戒しながら進んでいきたいと思います。
#297
○杉尾秀哉君 時間が来ましたので、終わります。
#298
○委員長(金子原二郎君) 以上で杉尾秀哉君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#299
○委員長(金子原二郎君) 次に、山本一太君の質疑を行います。山本一太君。
#300
○山本一太君 与党の政策審議会長として、初めて予算委員会の質問に立たせていただきたいと思います。
 今日はNHKのテレビ中継も入っているということなので、この質疑を御覧になっている国民の皆さんに分かりやすい議論にしたいと思っておりますので、その点、総理並びに関係閣僚の皆様にも御協力をいただきたいと思います。
 最初に、一つお断りをしておきたいと思います。
 国民の皆さん、そこまではなかなか御存じないと思いますが、参議院の予算委員会と衆議院の予算委員会は少しシステムが違います。世耕大臣とか片山大臣とか山本大臣はよく御存じだと思いますが、このいわゆる総括質疑では、参議院の場合は片道方式というのを取っていまして、質問者がしゃべった分だけしかカウントされません。大臣がどれだけ長くしゃべっても質問時間にカウントされません。
 今回、私、三十五分時間をいただきましたが、全体の流れからいって、これを全体で一時間に収めなければなりません。これをコンパクトに抑えるためには、やはり質問をある程度長くせざるを得ないんで、真剣勝負でありますけれども、閣僚の皆さんには時として私の主張を長く聞いていただくということがあると思いますので、その点は是非御容赦をいただきたいと思います。
   〔委員長退席、理事長谷川岳君着席〕
 同時に、時間の関係からいうと、答弁をされる総理あるいは閣僚の方々にはできるだけ簡潔な答弁をお願いをしておきたいというふうに思います。
 実は、質問したいことは山ほどございます。消費税増税の問題から、あるいは今ずっと議論になっていた、午前中も、入管法改正の問題もあるし、あるいは様々な経済政策についてもお聞きしたいんですけれども、今のような事情ですから質問項目を絞っていきたいと思います。今日は質問通告、世耕経産大臣、そして片山地方創生担当大臣、山本防災担当大臣にも出させていただいていますが、状況によってはちょっとそこまで行かないかもしれませんので、最初からおわびをしておきたいというふうに思います。
 では、まず安倍外交の総理御自身の評価から行きたいと思います。
 総理は、この過去六年間、まさに世界中を飛び回ってダイナミックな首脳外交を展開してこられました。もう文字どおり地球儀を俯瞰する外交を実践してこられたと言っていいと思います。
 この六年間、総理はもう様々な国際会議に出て、もう数知れないマルチの会談、それからバイの会談をこなした中で、総理御自身が見て、この六年間の安倍外交を一貫して貫いている理念、哲学、言わば安倍外交の真髄というのはどんなものであるかをまずお聞きしたいと思います。簡潔で結構です。
#301
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 簡潔にお答えをさせていただきたいと思いますが、まず、地球儀を俯瞰する外交というのは何かといえば、これは、ある国との二国間関係だけを見るのではなくて、世界全体を俯瞰しながら外交を戦略的に進めていくということでございまして、日中関係を例えば改善させていくということについては、日中だけではなくて全体を、日ロの関係をどうしていくか、もちろん日米同盟はどうしていくのか、欧州との関係をどうしていくのか、東南アジア等々との関係やインドの関係をどうやっていくのかということの中において戦略的に進めていくということであります。
 また、経済外交を重視しておりまして、外遊の際には可能な限りビジネスミッションを同行して、皆さんにも同行していただきながら、トップセールスを展開をしております。
 同時に、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々との関係を発展させ、その外縁を広げていきたいと、こう考えています。
 そしてまた、今後とも、国際協調主義の下の積極的平和主義の下で積極的に外交を展開し、国益を守り、地域や世界の平和と繁栄にも貢献をしていきたいと思っております。
#302
○山本一太君 ありがとうございました。
 私は、安倍外交の真髄というのは、やはりリアリストとしての外交だというふうに思っています。
 例えば、日韓関係。後で少し河野外務大臣にもお聞きしたいと思いますけれども、今、戦時中の朝鮮半島出身労働者の方々、いわゆる元徴用工の問題でぎくしゃくしているわけですけれども、例えば総理がまとめた慰安婦合意ですね、これも半分ちょっとちゃぶ台返しをされたわけですけれども、これは総理が相当のリスクを懸けて決断をされたと。これは、やはり国内の保守派の方々の不安とか反発を抑えられたのは安倍総理が決断したからだということで、私は安倍外交の真髄はリアリストとしての外交だと思っています。
 官邸でも何度か総理に申し上げました。日本で、いろんな考え方の人がいていいと思うんですけれども、物すごく右の人とか物すごく左の人というのは一部であって、日本人の八割、九割は穏健な保守ですから、そこをしっかり見た上で、これまで同様にバランスのある外交を総理に展開していただきたいというふうに私は思っています。
 ずっと地元を回っていて、いろいろ総理の外交についての意見も聞いているんですけれども、大体私の地元でもそうなんですが、みんな、国民一般の方々は、安倍総理よく首脳会談やっているね、とにかく外交は精力的にやっているね、トランプ大統領からの信頼が厚いらしいね、プーチン大統領と仲がいいらしいねと。(発言する者あり)本当なんですよ、本当なんですよ、蓮舫さん。
 そういう話なんですが、いい機会なので、ちょっとこれ、国民の皆さんにも知ってもらいたい。この第二次安倍政権の六年間について、少し長くしゃべらなきゃいけないんで、そのことをまずちょっと国民の皆さんにもお伝えをしたいと思います。
 まず、総理がこの六年間で訪問した国の数、七十六か国・地域、延べ百五十か国・地域で、これ、歴代総理の中で一番です。二番は五年半やった小泉元総理なんですけれども、小泉元総理が四十九か国、延べ八十一か国ですから、もう倍近い国に行っているということになります。
 安倍政権の外国訪問数を調べてみたら、七十六回。これは、福田政権から野田政権の五つの政権、五年三か月の外国訪問数合計四十六を大幅に上回っています。国内外での首脳会談数、約六百六十回。これ、歴代一位です。第二位が五年半やった小泉総理の三百四十回ということで、なかなかこの記録はもう破れないかもしれないなと思います。
 さらに、首脳会談の数をやればいいというものじゃないんですが、大事なことは、いわゆる今、世界が、まさしくメジャープレーヤーの人たちが首脳間のパワーゲームを展開している中で、総理は、やはりその国際社会のメジャープレーヤーの人たちと十分に会談を重ねてきたということが大きいんだと思うんですね。電話会談を含めて、トランプ大統領と三十四回です。そして、プーチン大統領と三十二回、ドイツのメルケル首相と二十二回、習近平国家主席と九回。これも過去の総理に比べたら断トツだと思うんですね。
 もう一つ、ちょっと国民の皆さんにも知っていただきたいんですが、日本の首相として初めて出席した国際会議というのがあります。実は、私は安倍総理の外交というものを与党の国会議員としてもしっかりと見てきましたが、最初の二年間は閣僚として身近に目撃をしてまいりました。
 二〇一四年に、総理が、世界経済フォーラムが主催するダボス会議、世界の政財界の首脳が集まるこのダボス会議で日本の総理として初めて基調講演をやった。そのときは、大臣として、私も科学技術担当大臣、IT担当大臣として呼ばれたのでそこで拝見をさせていただきましたけれども、あの年のダボスはまさに日本のダボスで、アベノミクスへの関心が物すごく高くて、安倍政権スタートして、GDP成長率が先進国で一番高くて、株も一番上がった。麻生財務大臣がうなずいておられますけれども。そういうことで、本当に日本のダボスだった。これはすばらしかったと思います。
 さらに、これは一五年だったと思いますけれども、二〇一四年で、一五年ですね、毎年五月に行われている、シンガポールのシャングリラホテルで行われているシャングリラ・ダイアローグというのがあって、アジアの防衛大臣、安全保障の会議で、これからは党内の安全保障のスペシャリストである岩屋大臣がずっと行かれることになると思いますが、初めてシャングリラ・ダイアローグに総理として出席をされた。私、大臣の時代に総理にシャングリラに行ってくださいと何度もお勧めをして、会議録にも残っていますけれども、このシャングリラ・ダイアローグの総理のキーノートスピーチは、実はダボスよりも世界のメディアからキャリーされました。あの中国の南シナ海での活動に注目が集まっていたので、総理、これ行っていただいてよかったというふうに思っています。
 何でわざわざこういうことを言うのかというと、やっぱり国民の皆さんに分かってもらいたい。日本で見ているよりも、総理の国際舞台における存在感というのははるかに大きいんですね。これは物すごい日本外交としてのアセットなんです。
 あと一分だけしゃべります。総理が……(発言する者あり)分かっているんだけど、蓮舫さん、ちょっと待ってください。総理がアメリカのいろんな主要誌で表紙になりました。タイム・マガジンの表紙になった日本の首相はほとんどいないと思いますけど、総理が表紙になった。
 驚いたのは、エコノミスト、三回表紙になりました。これ、なかなか世界の首脳でも三回以上という人はいないんですけど、一回目は総理がスーパーマンのように飛んでいる絵でした。これ、ダボス会議の前だったと思いますけれども、アベノミクスに注目が集まっていた。二回目は富士山をバックにして総理がこうやって弓をつがえている姿で、これも経済についての記事でした。三回目は日本の国旗のところに三本の矢が描いてあるやつで、これもアベノミクスの話だったということなんですね。
 もう一つ、ちょっと言い忘れましたが、ワシントンで行われたアメリカ議会の上下両院の合同会議、昔、過去の総理で下院とか上院で演説した人はいますけれども、上下両院の合同会議で発言したのも総理が初めてでした。これが本当に今、日本外交に対する大きなアセットだということを、私は日本の国民の皆さんに分かっていただきたいと思います。
 そこで、蓮舫さんに厳しく言われたのでそろそろ質問したいと思いますが、総理、ここまで六年総理をやってこられたと。麻生大臣もよく言っていますけど、やっぱり政策を実現するためには政権基盤が強いことが大事だと、まさにそのとおりだと思います。少なくとも総理四、五年ぐらいやらないと本当の首脳外交は展開できないと思いますが、政権が盤石であるということ、つまり政権基盤がしっかりしているということが一国のリーダーにとって外交力の源泉だと、総理がそういうことをこの六年間で感じられたかどうかということをお聞きしたいと思います。
#303
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 予算委員会でこれだけ褒められたことはもう初めてでございまして大変恐縮をしておりますが、ただ、我々、首脳会談をするときに、相手方がこの約束したことを実行できるかどうかということが大きいわけでございまして、ですから、相手方の政権基盤がどれぐらいあるのか、選挙がどれぐらい近いのか、あるいは果たして勝つかどうかということというのはやはりどうしても要素になりますので、そういう意味においては、五回の総選挙始め国政選挙で支持をしていただいた国民の皆様に感謝申し上げたいと思いますし、支えていただいている与党の皆様に感謝申し上げたいと。
 そういう日本の総合力において、相手方が日本に来て首脳会談をしたいという気持ちになっていくのではないかと、このように思います。
#304
○山本一太君 ありがとうございます。
 安倍内閣六年目に間もなくなりますけれども、内閣支持率は四割から五割の間ということで、過去ずっと歴代の政権の支持率を調べてみましたけれども、これ極めて高いと思うんですね。その理由は、いろんな問題があっても、今、日本が置かれているいろんな状況、朝鮮半島情勢は相当緊張緩和が進んだといってもまだ予断を許さない、しかも、日米貿易交渉、茂木大臣が今頑張っておられますけれども、これも予断を許さない、米中貿易摩擦もこれからの展開によっては日本経済を直撃するかもしれないという中で、経済も外交もやっぱり今は安倍総理に任せるしかないという方が多いから、これが四割、五割の支持率になっているんだと思います。
 総理、私は総理のことをずっと応援してきたので、ここでちょっと苦言も呈させていただきたいと思います。
 総理の支持率は四割以上なんですけれども、実は、誰もが総理を応援しているとみんなが知っている群馬県でも、やっぱり総理のことを支持しない人が四割ぐらいおります。それは総理、もう理由は二つです。一つは、安倍総理が余り強くなって自民党ばっかり強くなると、自民党はやっぱりちょっと傲慢になるんじゃないかという心配、一部ちょっと乱暴なときもあるんじゃないかという、そういうまず有権者の方々の不安です。中には、今の自民党は安倍総理に気を遣って誰も物を言えないんじゃないかみたいなことを言う人がいるので、それは誤解だということをさんざん説明してきました。この間、総裁選挙に石破さんに出ていただいてオープンな選挙をやったということは、本当に私は意味があったというふうに思っています。
 ただ、総理、これはなぜ安倍内閣が強いかというのは、国政選挙五連覇しているので、ある意味でいうと、権力基盤が強いというのは、これ以上の正統性、レジティマシーはないんですが、でも、国民が本当そう思っている以上、私の盟友の吉田博美幹事長が役員会のたびに、あるいは参議院自民党の議員総会のたびに言うことは、安倍総理の下で、もう総裁選挙も終わったから一致結束していこうということと、衆参で過半数があるからこそ丁寧に謙虚にやっていかなければいけないということなんですね。
 総理、これからの国会運営、もちろんいろんな問題について丁寧に謙虚にやっていくということでよろしいでしょうか。
#305
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海外に目を向けますと、東西のドイツ統一を成し遂げたコール首相は十六年、英国を復活させたサッチャーは十一年と、割と長い人たちはいるんですが、日本では佐藤栄作の七年八か月が最長ということで、日本では余り長いということが今までなかったんだろうと、こう思いますが、しかし、その効用もあるということは先ほど申し上げておきました。
 しかし、私も至らない人間でありますから、長くなることによって何か少し横着になったのではないかと、こう思われることがないようにしなければいけないと。傲慢になったのではないかと、こう言われることのないように、常に自重自戒しながら、謙虚に丁寧に、しかし決断するときには決断しながら頑張っていきたいと、こう思っております。
#306
○山本一太君 ありがとうございます。
 総理、群馬県でも総理を支持しない人が四割近くいるもう一つの原因は、率直に言いますが、国民の間にまだ釈然としない思いがあるからなんです。もう細かいことは一々言いませんが、いわゆる一連の疑惑とか、最近ちょっと続いている政府の不祥事とか、こういうことについて総理は一生懸命説明をされていることは分かりますが、国民の多くはまだ十分な政府が説明責任を果たしていないと、そう思っているという実態があります。
   〔理事長谷川岳君退席、委員長着席〕
 その件について、もう一回言います。具体的に細かいことは言いません。これからも引き続き、例えば国民が疑問に思う問題とか、あるいは法案の中身もそうです。まだ世論で賛否両論がある法案の中身もそうですし、いろんな制度もそうです。これについてはしっかりと国民の声に耳を傾けて、説明責任を真摯に果たしていくという覚悟を一言だけお聞きしたいと思います。
#307
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 行政上の様々な問題については、行政府の長として誠に申し訳ない思いでいっぱいでございます。二度とこうしたことが起こらないように、しっかりと我々、再発防止策を取ることによって責任を果たしていきたいと、こう思っておりますし、今後も、法案について、なかなか複雑な法案というのは多々あるものでございますが、できるだけ分かりやすく、真摯に説明をしていきたいと、こういうふうに思っております。
#308
○山本一太君 先ほどいろいろ御質問もあって、総理の、安倍内閣の評価についてはいろんな考えがあるのかもしれませんが、私は、総理、この国民の釈然としない思いがちゃんと払拭されれば、これまでの六年間の経済、外交分野における実績からいって私は六割支持率があっても七割支持率があってもおかしくないと思っているので、是非そこを踏まえて、もう一回言います、しっかりと説明責任を果たしていただきたいというふうに思います。
 ここで、ちょっとその外交問題、具体的に行きたいと思いますが、日米関係が日本にとって最も重要な二国間関係であることは、これはもう言をまたない、誰も否定する人はいないというふうに思います。
 特に、昨日ちょっと河野大臣と対談をあるところでやって、そのときにも話題に出たんですが、トランプ大統領、米国第一主義を掲げるトランプ大統領とどう付き合っていくかというのは世界共通の私は課題だと思っています。
 総理が総裁選挙の最中に、私がプロデュースする、キャスターを務める「直滑降ストリーム」というネット番組の特別番組に出ていただいたときにこうおっしゃっていました。自分は一次政権からブッシュ大統領ともお付き合いしたと、オバマ大統領ともお付き合いしたと、しかしながら、トランプ大統領は今までのアメリカ大統領とは違うタイプであると。つまり、事務方からこうやって調整して上げていくというよりは、ガチンコでしっかりと話し合って勝負を付けるみたいなところがあるんだというお話をされていました。
 同時に、総理はこうもおっしゃっていました。各国の首脳によく僕は言っていると、つまり、トランプ大統領との、アメリカとの今違いを強調するばっかりでは前に進まないと、しっかりトランプ大統領の意見も聞いて、その上で説得していくということが大事なんだということをおっしゃいました。これは、総理は、ある意味でいうと、トランプ大統領と、それから欧米、米じゃないですね、欧州も含めたほかの国との間のある意味で橋渡し役としての私は意識も感じたわけでございます。
 そこで、まだちょっとしゃべらせていただきたいと思うんですけれども、今や、もう外交政策とそれから内政一体、もう外交それから経済、表裏一体だと思います。特に象徴的なのが、先ほどもちょっと議論になりましたけれども、日米貿易交渉だと思います。
 さっきもいろんな評価が、それはあるのは当然だと思いますけれども、私は、麻生副総理がペンス副大統領といろいろ話し合ってきた、そういうこともベースにあるのかもしれませんが、私は、私の評価はですよ、よく政府は踏みとどまったと思います。総理が首脳会談でTAGを開始すると発表する前に、茂木大臣とあの結構タフなライトハイザーUSTR代表が議論したと。私は、茂木大臣のこの交渉努力と手腕には本当に敬意を表したいと思います。我々が一番恐れていた自動車に対する追加関税はとにかく回避した。
 そして、更に言えば、先ほどからTPPの話が出ました。群馬県でも農業者の方々は心配しておりますが、少なくともTPP基準以上は行かないということをちゃんと合意文書の中に盛り込み、最も心配していた例えば為替条項を入れるとかいうのもなかったんですね。だから、これは、総理も、その前にいろいろ交渉されていた麻生大臣も、特に茂木大臣のやっぱりこの交渉の努力というものはすばらしいと私はそう思っているんですが。
 ただ、総理、心配なのは、もちろんあの合意文書が中心とはいえ、ペンス副大統領がFTAと言ったり、あと、たしかパーデュー農務長官がTPPよりも深掘りしたいと言ったりとか、あるいはムニューシン財務長官が、いやいや為替条項を入れたいなと言ったり、まあこれは別に政府の中のつぶやきだと思うので基本はあの文書だと思いますが、どう考えても、ここからはもう本当に正念場で、トランプ大統領が左手に例の自動車の追加関税を掲げて、剣とは言いませんけど、これをもうバーゲニングチップにとにかく農水産品の開放を迫ってくるというのは、これは火を見るより明らかだと思います。
 この間、代表質問を聞いていたら、総理がたしか山口代表の質問に答えてこうおっしゃいました。いずれにせよ、日本の国益にたがえるようなそういう交渉は、合意はしませんとはっきり言いました。一番大事なのはWTOのルールであって、それと懸け離れたようなことはしないと。
 総理に一言確かめておきたいと思います。アメリカとの関係はとても大事だと思います。トランプ大統領との関係も大事だと思います。しかし、たとえ相手がアメリカとはいえ、例えば物すごく保護主義の色彩の強い数量規制とか、ましてや為替条項を入れるとか、そういうことを言ってきたときにはこれは毅然としてはねのけると、こういうことでよろしいでしょうか。
#309
○内閣総理大臣(安倍晋三君) トランプ大統領と良好な関係をつくった、そして友人となったということは、それが目的ではなくて日本の国益を守るためでありまして、日本の唯一の同盟国である米国の大統領と信頼関係をつくっていくというのは日本の総理大臣の責務であろうと私は思っております。
 信頼関係ができ、友人となると、これは会いたいときに会えますし、電話をしたいときに電話ができる。私も、官房副長官を始め日米の首脳会談をずっと見ておりましたが、米国の大統領の時間を取るということは大変なことなんですよ。そういう意味においては、トランプ大統領というのは今までの大統領と比して非常に気安く電話にも出ていただけるし、会談を行うことができるということではないかと思います。
 そこで、この現在行っているTAG交渉については、まず農産品についてしっかりと日本の国益を守っていく、農林水産業を守るというのはこれ基本でありますから、その目的にかなう交渉になっていくということは確信が持てたと、こう思っております。それはもうしっかりと文書に書き込むことができたということでございます。
 もう一点は、言わば二三二、自動車に関税二五%追加的に掛けると、こういうことでございますが、これについても、交渉の精神に反することは交渉しているときにはやらないということを書き込むことができました。これプラス、やっぱり念のためにここは確認しておく必要がありましたので、首脳会談で確認をしました。これは常に、これは事務方で積み上げがないものですからなかなか緊張感があるんですが、しかしこれは、はっきりとそれは大統領も約束をしたわけでございます。そういう意味におきましては、しっかりと私たちが取りたいものは取れたと思っています。
 日本としては、いかなる協定もWTOルールに整合的であるべきと考えておりまして、自由で公正な貿易を歪曲する管理貿易につながりかねない措置については反対であり、その旨はこれまでの協議の中で茂木大臣からライトハイザー通商代表に明確に伝えているところでございます。
 また、農産品等々については、約束が取れるまで、私が大統領に、もうこれ、私たちの要求以上ということであれば、これ国会通りませんからできませんよということははっきりと申し上げているわけであります。
 一方、TPPはいよいよ年内に発効するということになるわけでございます。そういう中においては米国が正しい判断をしていただけるのではないかと、こう期待をしているところでございます。
 また、為替については、昨年二月の日米首脳会談においてトランプ大統領と合意をいたしました。それまでたまに大統領、為替の発言をしておられましたので、これは、私とトランプ大統領二人の会話を行ったときに、専門家たる日米財務大臣間で緊密なコミュニケーションを行うことにしようと、それは合意をしたところでございまして、この合意についてはトランプ大統領はずっと守っていただいていると、このように思っております。
 いずれにせよ、我が国として国益に反するような合意を行うつもりはございません。
#310
○山本一太君 ありがとうございました。
 もう是非、その一貫した姿勢を毅然と貫いていただきたいと思います。
 総理は、九月の国連総会の一般演説で、日本は自由主義、自由貿易の旗手になるということを宣言されました。これは、皆、総理、参議院政策審議会にとっては我が意を得たりという発言でした。
 私の前の政策審議会長、尊敬する武見敬三政審会長の下で、参議院は外交ビジョンというのをまとめました。今、世界が、開かれた世界のリーダーだったアメリカがちょっと揺らいでいる中で、なかなか難しい状況に入っていると。まあある意味でいうと体制間競争、第二の冷たい戦争に入っているんじゃないかと。冷たい戦争はイデオロギーの闘いもあったんですけど、イデオロギーがないだけに余計熾烈じゃないかみたいな話があるんですけれども、その中で、じゃ、国際社会で日本がこれからどんな役割を果たせばいいのかと。アメリカみたいにはできないと、世界最強の経済と軍事力を持っているわけでもないし、基幹通貨みたいなものを提供できるわけでもないと。日本が目指すのは、自由主義陣営のですね……(発言する者あり)あっ、NHK、済みません、何か、あっ、そうですか、分かりました。
 じゃ、日本が目指すのはというところから再開したいと思います。失礼しました。
#311
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。
 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#312
○委員長(金子原二郎君) ただいまから予算委員会を再開いたします。
 平成三十年度補正予算二案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。山本一太君。
#313
○山本一太君 午前中に引き続いて質問をさせていただきたいと思います。
 午前中は、総理が国連総会の一般演説で自由主義貿易の旗手になるというお話をさせていただきました。オーストラリアがTPPを批准したということで、年内に、年末にはTPP11が発効するということになったと。これはもう茂木大臣もおっしゃっているとおり、アメリカをもう一度TPPに引き戻すための一つの環境整備じゃないかというふうに考えております。
 総理、今回のとにかく日米貿易交渉については、このTPPに参加した国々もしっかり見ておりますので、日本の行動を、もう是非総理に先ほど申し上げた原則を私は貫いていただきたいというふうに思っております。
 そこで、ここからちょっと北朝鮮問題、河野外務大臣にお聞きしようと思ったんですけれども、さっきNHKのニュースを見ていたら、今日の午後、アメリカの対イラン制裁が再発動されたと、こういうニュースが入ってきたんで、北朝鮮問題に行く前に、この件だけちょっと河野大臣にお聞きしたいと思います。
 まさに中東外交は河野太郎外務大臣の真骨頂だと思うんですけれども、この問題は私もずっと心配をしておりました。今アメリカがイランに対して掛けている制裁、四本、制裁法案があるんですけれども、最も重要なのは、もう釈迦に説法ですけれども、国防授権法であって、つまり、イランの中央銀行、若しくはアメリカの政権が指定する銀行と相当の取引をしている外国の銀行について、アメリカがそれを指定すればアメリカ市場から締め出すという、そういう制裁法案だというふうに思います。
 中央銀行がもし締め出されたとしたら、基本的にもう原油の取引ができなくなるということで、これもうかなりイランの原油輸出に影響を与えるというふうに思いますが、これがまあ今日切れたということで、実はその中に例外規定があって、イランの原油取引について相当削減した国に関しては適用除外になり得るというふうに書いてあるんですけれども、これ、ぎりぎりまで、河野外務大臣御存じのとおり、局長級でいろいろイランと議論をしていたんですけれども、なかなかまとまらないんで私大変心配していたんですが、先ほどの報道、何日か前からの報道を見ると、日本は、この一応、例外規定といいますか、除外されるということで、八か国の中に入ったということが言われていました。ただ、何か最長でも百八十日だったというふうに記憶をしています。
 河野大臣と昨日ちょっと対談したときにも、イランからの原油輸入というのは大体今もう五%ぐらいだということで、恐らくサウジの輸入で代替したりとかいろんなことが可能なのかもしれませんが、でも世界第四の産油国ですから、イランが、例えば、今のいろいろと専門家の意見を総合すると、年内にイランの原油輸出が例えば半分以下になったりすると非常に原油の価格が不安定になるんじゃないか、ガソリン価格にも影響あるんじゃないかということがあるし、あるいはイランとの核合意についても日本の外務省としては一貫してこれを支持する立場だと思いますが、こういう状況の中で、河野外務大臣にお聞きしたいと思います。この問題についてどんな日本政府として対応していくんでしょうか。
#314
○国務大臣(河野太郎君) 日本は原油の総輸入量の五%程度をイランから輸入をしておりますし、日本はこのJCPOAを支持するということを繰り返し申し上げてまいりました。
 アメリカに対しても、この制裁によって日本企業が不利益を被ることがないようにということを強く申し入れ、これまでも繰り返し様々なレベルで交渉をしてきたところでございますので、アメリカの、もうじき向こうの朝に制裁ということになると思いますけれども、これは、日本企業が不利益を被らないような適用除外ということを申し上げて交渉をしてまいりましたので、しっかりとその状況を見据えていきたいというふうに思っております。
#315
○山本一太君 ありがとうございます。
 是非、この問題には、日本政府としても適切に対応していただきたいというふうに思います。
 EUがいろいろ対抗措置みたいのをとっているんですけども、政府レベルでやっていることとやっぱり民間企業の動きは違うということで、河野大臣も御存じのとおり、特にグローバル企業はイランからの、特に欧米のイランからの撤退が相次いでいるということで、たしかエアバスも百機ぐらいの契約をやっていますけども、これはもう売れない状態になっているみたいな話なんで、もちろんあそこで活動している日本の企業も多くあると思いますから、是非、政府としてそこら辺きちっとした対応をしていただきたいと思います。
 ここからはちょっと北朝鮮問題について、続けて河野外務大臣にお聞きしていきたいと思います。
 河野外務大臣が外務大臣に就任してから一年二か月ぐらいになると思いますが、この間、本当に河野大臣、世界中を飛び回ってきたということで、もう三十五年か六年付き合っているんで、親しいから、友人だから言うわけじゃありませんけれども、私が二十何年間政治家やってきて、いろんな外務大臣を拝見してきましたけども、もうずば抜けた存在感を発揮しているというふうに思っています。
 せっかくだから簡単に言いますけど、一年三か月の間に外相会談二百五十四回、外国訪問三十七回、訪問国数五十五か国ということで、例えば日本とアラブの対話を初めて立ち上げたりとかね。
 これ、岩屋大臣御存じだと思いますが、IISSという英国を拠点とするシンクタンクがあって、ここが実はアジア安全保障会議、シャングリラ・ダイアローグをやっているんですが、実はIISSはもう一つバーレーンに大きな会議を持っています。マナーマ会話、マナーマ・ダイアローグというんですけども、ここに中東全体の外務大臣が集まってくる、アメリカの国防長官も来ると。ここに河野外務大臣が日本の外務大臣として初めて参加して、二回連続で参加をしてスピーチをしたと、ここら辺のところも私は非常に河野大臣すばらしいと思います。
 もう一つだけ言いますけど、河野大臣の外国メディアの発信、これも国民の皆さんに分かってほしいんですけど、対面インタビュー十三回、もう歴代の大臣でも断トツ。BBC、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ストレーツ・タイムズ、エコノミスト等、これ全部英語でやっています。ワシントン・ポストにも寄稿して、寄稿は大きな新聞に六回、書面インタビュー二十二回、新華社、タス通信、ASEAN、中南米等の主要紙にもインタビューを書面で受けているということで、国連安保理で議長を務めた外相も恐らく初めてだと思います。
 この間、河野外務大臣のパーティーに行きました。河野大臣から携帯で電話が掛かってきて、一太さん、挨拶してくださいと言うので、私、日程を調整して伺いました。私が行ったときに、麻生副総理が挨拶をされていました。麻生副総理が愛情を込めていろいろと挨拶をされていたんですが、河野太郎も相当まともになってきた、外務大臣としても相当活躍していると、問題は常識がないことだと言ったんですよね、愛情を込めて言った。そこに集まっていた選挙区の人たちがみんなうなずいていたんですね。でも、私から見ると、河野大臣は最近常識まで出てきちゃって、私より常識的だったりして、ちょっと寂しい思いをしているんですけれども、まあかなり安定感が出てきたと思うんですね。
 河野大臣のこれまでの一年三か月の実績を考えると、最大の功績はやっぱり北朝鮮政策だと思います。それは、これ大臣就任してからすぐASEANに飛んだ、その後、中東に行った、アフリカに行った、国際会議に行った、国連に行った、ありとあらゆるところで北朝鮮に対してはしっかりと圧力を維持していかないといけないということを河野大臣は言い続けてきました。
 今年の一月のインタビューではこう言っていました。金正恩委員長のほほ笑み外交にごまかされてはならないと、まずは行動があって、それから経済制裁の解除を考えるんだということをおっしゃっていました。最近も何か月か前に、とにかく今、金正恩委員長は朝鮮戦争の終結宣言にすごくこだわっているわけですけれども、それについて河野大臣が、それは時期尚早だろうと、終結宣言の前にやることいっぱいあるだろうと言っているんですね。最近ちょっとそのことをおっしゃっていないので、改めて聞きたいと思います。
 この方針、不変でしょうか。とにかく北朝鮮がしっかりとまず行動をすることが先であって、終戦宣言も、これは余りにも今言うのは早いということでよろしいでしょうか。
#316
○国務大臣(河野太郎君) 朝鮮半島における終戦宣言は、朝鮮半島の平和と安全に資するものでなければならないというふうに思っております。
 シンガポールにおける米朝首脳会談の中の共同声明の中でうたっている完全な非核化というコミットメントを北朝鮮がしっかりと履行した上でそういうことを考えるべきものだというふうに考えておりまして、この日本政府の方針に変わりはございません。
#317
○山本一太君 ありがとうございます。それを確認させていただいてよかったと思います。
 総理に一言だけ簡単にお聞きしたいと思うんですが、北朝鮮問題について一番大事なことは、日米韓の連携をしっかりと維持していくことだと思うんですね。アメリカも、いろいろトランプ大統領が時々びっくりするようなことは言うんですけれども、どうもポンペオ国務長官はかなりきちっとやっていて、その証拠に、金正恩委員長も最近制裁のことについていろんなルートで文句を言っていたりして、どうも国務長官もそこら辺のラインは、制裁は続けるというラインはしっかりしていると思うんですが。
 ちょっと韓国との問題、さっきちょっと言及しましたけれども、戦時中の朝鮮半島出身労働者の方々、いわゆる元徴用工の問題で、これ、今日一々繰り返しません。総理がおっしゃっているように、これは国際法上ではもうとても考えられない話であって、しっかり日本は毅然と日本の立場を、あらゆる選択肢を視野に入れてやっていくしかないと思うんですが。
 韓国がやっぱりちょっと心配だと思っていまして、融和政策に前のめりになってしまう理由は分かるんですけど、これは、もう河野大臣も一緒に日韓若手議員交流やってきて韓国のことをよく御存じだと思うんですが、文在寅大統領の支持率、リアルメートルという、いつも大体韓国の世論調査、その機関でやっているんですけど、八割だったのが七割になって、六割になって、六割から南北首脳会談で八割になって、また七割になって、経済政策がうまくいかないって五割になって、この間また会談やったら七割になってみたいになってきて、何となくやはり対融和政策が文在寅政権の命脈をつなぐ何か柱みたいになっちゃっていることは、私はちょっと心配しているし、この間、ハリス・アメリカ駐韓大使が、もうちょっと文在寅政権、足並みそろえたらいいんじゃないのとくぎを刺したりしているんですけれども、今回の問題もあります。
 こういう中で、総理、日米韓の連携、しっかりと保っていかなきゃいけないと思うんですけど、いかがでしょうか。
#318
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北朝鮮の問題、核、ミサイル、そして大切な拉致問題の解決の上においては、日米の同盟関係、そして日韓、日米韓の連携をしっかりと取っていくことが大切だろうと思います。現状の認識を共有し、そして同じ政策を取っていくということが大切であり、朝鮮半島の非核化を進めていくということについては、日米韓は完全に一致をしているわけでございますし、そして、今の段階においては、国連決議を、制裁決議をしっかりと国際社会で履行していくということについては共有していると、このように思います。
#319
○山本一太君 ありがとうございました。
 私の持ち時間、あと六分になったんですけれども、総理に拉致問題についてお聞きしたいというふうに思います。
 総理がここのところ、次は私が向き合う番だということを、そういう発言をよくされているんですが、今、北朝鮮をめぐるいろんな流れがある中で、最後は、しっかり条件が整えばですけれども、総理が直接金正恩委員長と首脳会談をやって拉致問題については決着を付けなければいけないと。総理のこれは決意の表れだと思うんですが、総理、同時に総理は、会談のための会談は意味がないとおっしゃっています。ただ会うだけだったら意味がないと。
 そこは成果がなければいけないということなんですが、どういう条件が整えば首脳会談があり得るのか。あるいは、拉致被害者の方々も高齢化が進んでやっぱり時間が限られているんですけれども、これなかなか難しいかもしれませんが、どのぐらいのタイミングまでにやらなければいけないと考えているのか。そこら辺のところを一言お願いします。
#320
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 条件とタイミングということなんですが、確かにあの歴史的な米朝首脳会談によって動き始めたのは事実であります。こうしたチャンスを捉えないとこの重要な拉致問題の解決ができないわけでございます。そこで、今御指摘のように、御家族の皆様、御高齢となる中で、拉致問題の一日も早い解決に向けてあらゆるチャンスを逃さないという決意で臨んでいかなければならないと思っております。
 タイミングも含め、まだ決まっていることは残念ながら何にもないわけでございますが、北朝鮮との間では、北京の大使館ルートのほかですね、大使館ルートなど様々な手段を通じてやり取りを行ってきておりますが、今後の交渉に影響を及ぼす可能性もございますので詳細について述べることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、あらゆるチャンスを逃さないという決意で臨んでいきたいと思っております。
#321
○山本一太君 私、実は三十七歳で国会議員になったんですが、早いもので二十三年も国会議員やっていまして、還暦になりました。実年齢より若く見えるとよく言われるんですけれども……(発言する者あり)あっ、済みませんでした、ごめんなさい。それでもこの二十何年間、安倍総理がいろんな発言をされてきたのを見てきたんですが、これは国民の皆さんにも知っておいてもらいたいんですけれども、私が安倍総理と親しくなったきっかけは拉致問題でした。
 当時の自民党では、やはり外交部会で拉致問題を取り上げるべきではない、北朝鮮問題は余りやるべきではないと、そういうやっぱり考え方の実は長老の方々も多くて、なかなか党内で拉致問題の議論ができなかったところ、総理が孤軍奮闘して外交部会に小委員会を設けて、そこに来いと言われたのが総理と仲よくなったきっかけでした。
 正直言って、私も最初は半信半疑だったんです。当時は、拉致問題などというものは捏造だという政党まであった中で、しかも党内でこんなことやるなと相当大物議員から怒られる中で、総理が孤軍奮闘してこの会議をやり、私に、必ず、この話というのは本当にあったことなんだと、これはもう日本人として何があっても被害者を取り戻さなきゃいけないとおっしゃって、私もそれから確信を持つようになったんです。
 安倍政権でなければ本当に拉致問題解決できないと。これ、総理は一度も御自分で言ったことはないんですけど、私はやっぱり安倍政権で決着を付けていただきたいと思います。この二十何年前からの総理の初心を貫いて、もう是非この安倍政権のうちにしっかりと北朝鮮と交渉して、この拉致問題を、総理、解決していただきたいということだけ、答弁は要りません、お願いをしておきたいと思います。
 官房長官もおられますけれども、実は、北朝鮮に対する二本の経済制裁法案、これ、総理御存じだと思いますけど、我々といいますか、何人かで作りました。今外務大臣であそこに格好よく座っている河野外務大臣が常識のない若手議員だった時代だったですよね。二人でまず会つくったんです。その後、当時は自民党の議員だった水野賢一さんを私が誘って、太郎、太郎さんじゃないや、河野外務大臣を誘って、三人で集まって、こんな何か子供みたいな議員だけじゃ駄目だということで菅官房長官のところにお願いに行って、で、二本の経済制裁の法案を作ったんですけれども、まあ自民党どこ回ってもみんなから怒られちゃって全然通らなかったんですね。悪戦苦闘しているうちに総理が幹事長になり、官房長官になり、これを推してくれて、結局この二本の経済制裁法案が通りました。
 通ってみたら、北朝鮮問題に対する外交的な、つまり圧力を掛けるツールはこの二本しかなかった。この北朝鮮とのいろんな協議の中で、官房長官はよく御存じですけれども、何度か北朝鮮側から制裁を緩めてくれと、あの法案の制裁を緩めてくれということも言って、これはやっぱりこの法案をしっかりと成立させた意味があったと思いますが、この二本の法案も安倍総理のおかげで成立したということだけは言わせていただきたいと思います。
 あと二分なんで、もう質問、結構です。
 今日は、世耕大臣、本当申し訳ありませんでした。対ロ協力担当大臣なんですけど、あの八項目あるじゃないですか、八項目。あれ、ODAだと思って勘違いしている人がいるんで、これは、もう世耕大臣の極めて優秀な日本語能力というか、もう類いまれな説明能力で国民に対してしっかり発信していただきたいということだけお願いしたいと思います。
 それから、片山大臣、政審でお世話になりました。片山大臣に向けられているいろんな問題はちゃんと説明責任を果たしてください。それで、ちゃんと説明責任を果たして、その類いまれなる能力をちゃんと地方創生の分野に一〇〇%振り向けられるように頑張ってください。だから、説明責任ちゃんと果たしていただきたいというふうに参議院の仲間として思います。
 それから、山本大臣、済みませんでした。もう明らかに日本の災害のレベルは一段上がっていますので、これはもう本当に新しい体制が必要ですから、そこは本当に、お忙しいと思いますけれども、しっかりやっていただきたいと思います。
 このお三方にこういう質問をするはずだったということだけ申し上げまして、大体私が考えているペースなんですけど、一分ほど余りましたが、これで私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#322
○委員長(金子原二郎君) 以上で山本一太君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#323
○委員長(金子原二郎君) 次に、高橋克法君の質疑を行います。高橋克法君。
#324
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。
 今日は質問の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございました。まずは御礼を申し上げます。山本政審会長が大変グローバルなお話をされましたので、私は政審副会長ですが、ローカル的なお話も交ぜながら質問をさせていただきます。
 まず、TPP11、日EU・EPAの農産物に関係する部分について質問いたします。
 今から二年前の平成二十八年十一月、私は参議院のTPP特別委員会で総理の決意を尋ねさせていただきました。そのとき総理は、初めて御自身が選挙に出馬をした際に農家の方から言われた農業を守っておくれよという言葉を胸に、日本人の人口が減り、消費者が減っていく中で、アジア太平洋の成長とダイナミズムを取り込んで、そして大切な農業を守っていくというふうな答弁をなされました。
 そして、私の方からは、どんな事例にもメリットとデメリット、これは付き物でありますから、しかし、農業分野だけが傷んで、それで日本という国全体が栄える、そういうことには絶対にしてはならない、そのためにしっかりと機動的に対応していただきたいというふうなことも申し上げました。さらに、デメリットや不安を感じていらっしゃる農林水産業の皆様にしっかりと手を差し伸べていくということも、二年前のTPP特別委員会で確認をさせていただいたところであります。
 そのTPPも、アメリカが離脱をいたしましたが、TPP11となり、オーストラリアが国内手続を終えましたので、発効条件の六か国承認をクリアをし、そして、いよいよ今年の十二月三十日に発効することとなりました。
 ついては、TPP11発効後の農産物の輸入動向でありますとか生産現場への影響等を注視するとともに、もちろんTPP問題については多くのメリット、デメリットの議論で対策を積み上げてまいりましたけれども、状況というものは常に変化をするものでありますから、そういったものに注視をしながら、国内農業に対する万全な対策が必要であると思いますが、いかがでありましょうか。総理、よろしくお願いします。
#325
○委員長(金子原二郎君) 先に農林水産大臣、お答えください。
#326
○国務大臣(吉川貴盛君) まず、私の方から先にお答えをさせていただきたいと存じます。
 今御指摘のありましたTPPにおきましては、農林水産分野におきましては、重要五品目を中心といたしまして関税撤廃の例外をしっかりと確保して、関税割当てなどの処置も獲得をしております。
 それでもなお残る不安や懸念にもしっかり向き合わなければならないと存じておりまして、そこで、政府といたしましては、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業などの体質強化策の実施、さらには牛・豚マルキンの補填率の引上げ等も行っております。
 このようなきめ細かな対策を講じておりますし、さらに、今御指摘のありました輸出に関してでありますけれども、これは、牛肉、水産物、お茶等の輸出拡大の重点品目につきましては関税撤廃も獲得をいたしておりますので、国内の輸出拠点の整備や動植物検疫等の輸出環境課題の解決を通じて、日本のすばらしい農林水産物・食品の輸出に精力的に取り組んでいくところでもございます。
 いずれにいたしましても、農林漁業者の方々が安心して再生産できる環境をしっかりと確保して、政府一体となって強い農林水産業の構築に全力で取り組んでまいりたいと存じております。
#327
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば農林水産業におきましても攻めの部分があるわけでありまして、かつてはそれは難しいと考えられていたわけでございますが、この六年間でまさに様々な、やっぱり日本の農林水産物というのは海外で十分に評価されるんだなんということがだんだん実感できてきたのではないかと、こう思います。と同時にですね、同時に、意欲ある農林漁業者の皆さんが、このTPP11の発効後ですね、協定発効後の動向も踏まえながら、意欲ある農林漁業者の方々が安心して再生産できる環境をしっかりと確保していかなければならないと、こう思っております。
 皆さんが安心して大丈夫だと思っていただけるように、政府一体となって強い農林水産業の構築に全力で取り組んでいく考えでございます。
#328
○高橋克法君 総理、農林水産業の皆さんは全て意欲のある皆さんでございますので、よろしくお願いします。
 今国会では日EU・EPA協定が提出をされています。この協定につきましても、実は生産現場では依然として不安は消えていないという状況にあります。そこで、そのような将来の不安に対する思いを払拭をするためにしっかりとした対策が必要かと思いますが、農水大臣の見解を伺います。
#329
○国務大臣(吉川貴盛君) この日EU・EPAにおきましての農林水産分野についてでありますけれども、まずは米を、関税削減、撤廃等からの除外となっております。さらに、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかりと確保いたしまして、関税割当て等の処置も獲得をいたしているところでもございます。
 先ほどTPPでも関連対策のことにつきましても申し上げましたけれども、EUとのEPAに関しましても、産地パワーアップ事業や畜産クラスター事業などの体質強化策や、牛・豚マルキンの補填率の引上げなどの経営安定対策を行っております。
 さらに、それに加えまして、日EU・EPAを念頭に置きまして、原料乳の低コスト、高品質化、製造コストの低減等の推進を行う国産チーズの競争力強化対策などの対策もしっかり行っていくことにいたしております。
 いずれにいたしましても、輸出に関しまして、さらに、この輸出重点項目を含めてもうほとんどの品目で関税が即時撤廃されることから、農産物、加工食品等の輸出条件の改善や国内の環境整備にもしっかり取り組んでまいりたいと存じております。
#330
○高橋克法君 次に、日米物品貿易協定、TAGについてお伺いいたします。
 日米共同声明において、農産物に関して、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であるという日本の政府の立場を米国が尊重をするように明記をされています。しかし、農業現場においては、TPPや日EU・EPA交渉の結果を見て、依然として不安は残っているという現実はあります。
 今後のTAG交渉におきましては、声明によるとおり、TPP11などを超える譲歩を行わないこと並びにこれ以上農業を犠牲にすることのない交渉姿勢、この堅持を強く求めたいと思います。
 そこで、TAG交渉について確認をしたいのですが、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスが限界であるとの日本政府の立場を米国が理解をしたと受け止めてよいのかどうか、茂木大臣にお伺いします。
#331
○国務大臣(茂木敏充君) 高橋委員、参議院に当選される前、決して大きな町とは言えない高根沢の町長も経験をされて、地方の現状や、そして農業についてよく御存じの立場から御質問いただいていると思っております。
 私が、ライトハイザー通商代表との間で、これまでの協議の中で常に重視をしてきましたのは、我が国の農林漁業者の皆さんの懸念に配慮をし、いかに今後の交渉環境を整えるかということでありました。
 そして、今回、委員御指摘のように、共同声明に、農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限である、この日本の立場が明記をされました。日本の立場につきましては、私からライトハイザー通商代表との間で何度か協議をしております。そういった中、そのたびごとに説明をし、この大前提を米国と合意できたことは今後交渉を行っていく上で非常に大きな意義を有すると、このように考えております。さらに、今後の交渉でもこの立場は変わらない、このように米側に明確に伝えてございます。
 その上で、具体的な交渉はこれからであります。高橋議員には私も絶大な信頼を置いておりますが、あえてその上で申し上げれば、今この段階で交渉結果全てについて予見することは困難でありますし、交渉前から手のうちをさらすことで国益を害することがあってはならない、このようにも考えております。
 いずれにせよ、我が国として、いかなる国とも国益に反するような合意は行わない、そして交渉の中で農業関係者の皆さんの懸念にしっかりと応えていきたいと思っております。
#332
○高橋克法君 確かに、大臣がおっしゃるように、交渉前でありますから、そのことは理解できます。そして、その上で、今大臣がおっしゃられた農家の皆さんの懸念にしっかりと応えていきたいという部分、それをしっかりとどうかお願いしたい、そのことを申し上げたいと思います。
 この共同声明の後に、ペンス副大統領はFTA、いわゆる自由貿易協定というふうに表現をされて、これが大分物議を醸しましたが、大切なことは、我が国として、TAG交渉におきましてはサービス全般の自由化や幅広いルールまで盛り込むことは想定をしていない、そして、これまでに結んできた包括的な自由貿易協定、いわゆるFTAとは異なるという姿勢を貫き通すことであると思います。
 共同声明でのスタンスを貫いて我が国の食を守って、そして、その食を提供するために汗をかいて苦労されている農家の皆さんのことをしっかりと受け止めて、交渉に当たりましてはきっちりと結果を確保するように全力で交渉に当たっていただきたいと思いますが、このことを総理に確認したいと思います。
#333
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高橋委員御承知のように、よく党の会合で申し上げておりますように、私の地域も農村地帯でございます。茂木大臣の地元も大都会というほどではなくて、やっぱり農村地帯が大分あるんだろうと思います。
 日本は瑞穂の国であります。朝早く起きて、額に汗して田を耕し、草を引き、みんなで助け合いながらこの国の美しい田園風景を守ってきた。そして同時に、地域を守り、環境を守り、日本の伝統や文化を守ってきた。であるからこそ農は国の基なんだろうと。この誇りとともにみんな生きてきたんです。ですから、私は、必ずこの農業を、農林水産業を守ってまいります。
 その上において、先般の日米共同声明において、農林水産品については過去の経済連携協定で約束した内容が最大限である、この大前提を米国と合意したところでありまして、この点が最大のポイントであります。当然、この前提の上に、今後、農林水産業に携わる皆様の不安なお気持ちにしっかりと寄り添いながら米国と交渉していく決意でございます。幸い、茂木大臣もライトハイザー代表に負けず劣らずタフな交渉者でございます。性格は優しい方なんですが、交渉は厳しくいっておりますので、どうか御安心いただきたいと、このように思います。
#334
○高橋克法君 性格が優しいかどうかはいずれにいたしましても、しっかりとよろしくお願いします。
 今、瑞穂の国というお話がありましたが、私のふるさとはたんたん田んぼの高根沢というふうに呼ばれていまして、まさに瑞穂の国を象徴するような町で私は生まれ育ちました。
 農政についてあと二問お尋ねをいたします。
 米政策についてお尋ねをいたします。
 国による生産数量目標の配分は二十九年度で終了いたしました。一方、農家の皆さんの自主的な判断に基づいての飼料用米の生産量は増加をし、我が国の飼料自給率の向上に大いに貢献をしています。
 しかし、二〇一八年度の作付面積なんですが、七万九千五百二十ヘクタールという数字が出ておりまして、前年から一万千九百七十八ヘクタールの減少となりました。これは、飼料用米への本格助成が始まった二〇一四年度以降初めてのことでありまして、政策がしっかりと定着したとは言い難いという状況にあると思います。
 総理は、十月二十九日の衆議院の代表質問において飼料用米政策の持続性について問われたときに、農業者による生産コストの低減等の取組を促しながら、引き続き不断に施策の点検を行いつつ必要な支援を行ってまいりますというふうなお答えをなされました。
 実は、この答弁を聞いて、稲作農家及び畜産農家の皆さんから不安の声が聞かれています。私は、水田をフル活用して、主食用米に限らず、需要に応じた米の生産が行われることが大切だと思っておりまして、この飼料用米、これが定着するまでにはまだ一定の時間を要するのではないかと考えておりますが、御見解をお願いします。
#335
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍内閣においては、これまでの米政策を見直し、行政による米の生産数量目標の配分をやめて、農家が自らの経営判断で作物を作れるようにするとともに、麦、大豆、飼料用米など、需要のある作物の生産振興を進めてきました。これによって米の取引価格は着実に回復しています。生産農業所得も、過去二年で約九千億円も伸びまして三兆八千億円まで拡大するなど、着実に成果が現れ始めています。
 さらに、ここ数年、産地では、需要のある飼料用米への転換や新たな需要拡大が見込める輸出用米への転換などが進められています。今はこうした取組をしっかりと支援し、安倍内閣で進めてきた米政策を定着させることが何よりも重要であります。
 予算を伴う支援措置についてはすべからく不断の点検を行っていくことは当然でありますが、ここからが大切でございまして、現下の米政策をしっかり定着させるためには、飼料用米を含めた水田活用の直接支払交付金による支援については、農家の皆さんに安心して生産していただけるよう安定的に実施していくことが重要であり、引き続きしっかりと支援してまいります。
#336
○高橋克法君 ありがとうございますと申し上げます。農家の方々が安心をして、そして安定して生産を続けられる、是非ともこれはよろしくお願いをいたしたい。
 そして、今総理が米の輸出についてもちょっとお触れになりましたけれども、三十年産の輸出用米の作付面積、これは新市場開拓用米として僅かに増加をしていますが、まだ点の状況であります、日本国内では。これを面の展開にしていくためには、生産者の手取りの確保を図るための更なる政策的支援が必要だと思いますし、国内の主食用米の需給をしっかりとグリップするということ、これが大切なことであろうとも思いますので、その辺のところ、輸出用米に対する対策について農林水産大臣にお伺いをいたします。
#337
○国務大臣(吉川貴盛君) 輸出用米についてのお尋ねがございました。
 日本産米の輸出促進を図るためには、まずは海外の需要に対応した日本産米を安定的に供給できる流通あるいは販売ルートを確立をしなければなりません。そして、生産・流通コストを更に低減することも重要でありまして、こうした取組によりまして輸出用米の作付けも拡大することができるとまずは考えております。
 農林水産省といたしましては、昨年九月に立ち上げましたコメ海外市場拡大戦略プロジェクトによりまして輸出事業者と輸出産地を特定をしたマッチングを行いますとともに、まずは一つ目でありますが、産地パワーアップ事業、農畜産物輸出拡大施設整備事業等による生産コスト低減等による必要な機械、施設の導入支援も行っております。さらに、二つ目といたしましては、産地交付金による内外の市場開拓を図る米の作付けへの支援も行っております。
 そしてまた、中国向けの輸出施設の共同利用への支援や、現地中間流通を経由しない直接販売等による流通コストの低減の推進も行っているところでございます。
 こうした今申し上げましたような取組の横展開もしっかり図っていきながら、輸出用米の生産に取り組む生産者の所得の拡大にも資するものと考えておりますので、これからも輸出用米の産地づくりを積極的に進めてまいりたいと存じております。
#338
○高橋克法君 よろしくお願いをいたします。
 次に、インバウンド政策による経済拡大効果についてお伺いをしたいと思います。(資料提示)
 GDPは過去最高の五百五十一兆円、有効求人倍率も統計開始以来全国で初めて全て一を超えました。中小企業の営業利益も過去最大、大卒、高卒も過去最高水準の内定率九八%、訪日外国人客数が三千万人近くになったといった統計上の数字の説明を受ければ、ああ、確かにアベノミクスの経済効果は着実に上がっているというふうに理解はできます。しかし、地方でアベノミクスの経済効果を肌で感じることがなかなかできないという現実も事実です。
 ここで一つの事例を申し上げます。
 自分の地元には大田原市という市がありまして、その大田原市の津久井さんという市長さん、今年の春に市長選を迎えて、その出陣式がございました。私は出陣式行きましたが、こんなお話をされたんです、市民の皆さんに。
 今、大田原市では、工業団地に国内大手化粧品メーカーの工場が建設をされています。なぜ大田原市に大手化粧品メーカーの工場が立地をするのか。それは、安倍内閣が進めてきたアベノミクスの一つであるインバウンド政策、つまり訪日外国人政策のおかげなんですよ。昨年、日本には二千八百六十九万人の外国人の方が来られました。その方々は、一人平均十五万四千円のお金を使っています。その外国人の方々はみんな日本の化粧品の品質の高さ、これをよく知っていらっしゃって、多くの旅行者の皆さんが日本の化粧品をお土産として購入をされている。これからも、安倍内閣のインバウンド政策が更に強力に推進をされていくと外国人旅行者数は今後更に増加するんだから、お土産としての日本の化粧品需要も更に高まるであろう、そのような理由で、この大手化粧品メーカーは三百億から四百円の投資をこの大田原市というところに……(発言する者あり)あっ、三百億から四百億の投資をしてくれているんですよ。
 安倍内閣に対する評価は様々だけれども、少なくとも安倍内閣のインバウンド政策のおかげでこの大田原市に大手化粧品メーカーが立地をして雇用が生まれるんですよ、学校を出た子供たちがここで仕事ができるようになるんですよ、一緒に住めるようになるんですよ、市民の皆さんにはそのことをしっかりと理解してもらいたいということを出陣式でおっしゃられたんですね。この内容につきましては大田原の市長に確認を取ってありますから、決して誇大でも何でもございません。
 この市長は大変茂木大臣にうり二つの方でございますが、そういう大田原市は、この新工場の人材採用で協力をしつつ、大手化粧品メーカーの知名度も生かして地域の人口流出防止をしようという戦略も練っていらっしゃるし、外国人観光客といえば栃木県では日光とか那須とかという観光地にしか利益がないんじゃないのという意識はあるんですが、こういう形でしっかりと観光地以外にもその効果は出ているんですね。
 さらに、大田原市以外の話になりますが、国内化粧品メーカー、いろんなメーカーありますが、このインバウンド消費によって業績が押し上げられています。設備投資も積極的に今行うようになっていて、これ栃木県じゃなくて群馬県の伊勢崎ですけれども、山本一太先生の群馬県ですけれども、ここでも新生産棟を稼働させて三割、生産設備増強したというお話を聞いています。
 そういうことで、ここで国土交通大臣に伺いますけれども、インバウンド政策による経済波及効果、雇用波及効果というのはとても裾野が広くて、旅館、宿泊業、これ当然ですし、運輸業もそうだし小売業もあるんですが、製造業とか建設業にも及んでいるんです。ですから、今後どのようにインバウンド政策を更に強力に推し進めていくのか、お伺いしたいと思います。
#339
○国務大臣(石井啓一君) 高橋委員には直近まで国土交通大臣政務官としてお支えをいただきまして、まずもって感謝を申し上げたいと存じます。
 インバウンド政策でありますけれども、今委員から御紹介いただいたとおり、旅行消費額の拡大はもちろんでありますが、それのみならず、幅広い効果を日本経済に与えております。例えば、宿泊業におけます建築物の工事予定額は二〇一七年には約九千四百億円に達しております。さらに、今委員から大田原の化粧工場の投資について御紹介いただきましたが、製造業を含めまして幅広い業種かつ全国各地でインバウンド対応の投資がつくり出されております。
 こうした経済効果を全国に波及させ、二〇二〇年、訪日外国人旅行者数四千万人、旅行消費額が八兆円という目標を達成するためには、幅広い国や地域からの訪日外国人旅行者を確実に増加させるとともに、地方への誘客を進めていくことが重要と考えております。
 このため、アジア地域からの個人旅行客やリピーター客の取組に加えまして、欧米豪地域におけるグローバルキャンペーン等を通じた旅行先としての日本の認知度の更なる向上、富裕層の取り込みなど、新たな訪日需要を掘り起こしてまいります。また、全国どこでもストレスなく快適に観光できるよう、通信、交通、決済などの受入れ環境を整備をしまして、地方への誘客を図ってまいります。さらに、多言語解説の充実等による国立公園や文化財等の活用の推進、我が国ならではの魅力的な体験等の提供を通じて滞在時の満足度向上を図ってまいります。
 こういった施策を、来年一月七日から施行されます国際観光旅客税の税収等も活用しながら、政府一丸、官民一体となって更に推進をしてまいりたいと考えております。
#340
○高橋克法君 今のお話を聞いていると、いわゆる全国どこでもストレスフリーで外国の方々が行けるようになる、これはインフラということにもつながってくると思いますので、その質問は今日はいたしませんが、新幹線をしたいんですけれども、今日はいたしませんけれども。
 次に、地方創生というのは正しいお金の流れを地方につくることというふうに私は感じています。
 かつて、燃料革命というのがありました。それまでまきや炭が燃料でしたが、この燃料革命によって石炭、石油に代わりました。素材革命というのもありました。それまでは住宅や家具も什器の日用品なんかも材料は木材や竹でありました。それが素材革命で石油由来のプラスチックに代わりました。
 つまり、私たちの日常生活に必要なものの多くが、かつては山で生まれるものだったんです。食料ももちろん国内需要の大部分が農村で生産をされていましたから、人々の日常に必要なものが山や農村地帯で生まれていて、だから、お金はまず山に入って、そして山から町場に下りてくるという、そういうサイクルであったわけなんです。
 それが、燃料革命、素材革命、これは技術革新、技術の進歩ですから、それは決して悪いこととは僕は言いませんが、結果としてそのことによってこのサイクルが途切れることになりましたので、そしてまた、昭和三十六年の木材の輸入自由化もありましたから、山を抱えている地方というのは徐々に徐々に衰退をして今日に至っている。
 再びこのサイクルを何とか回すことはできないのか。技術革新によって衰退をした地方ですけれども、新たな技術革新によってよみがえらせることができないのか。その希望の光というのが実は出てきました。それは、新たな技術開発により生み出されたクロス・ラミネーテッド・ティンバー、CLT、そしてもう一つ、セルロースナノファイバー、CNT。(発言する者あり)CNF、済みません、CNFです。
 CLTというのは、今日、パネルはCNFを用意させていただきましたが、CLTはひき板を繊維方向が直交するように積層接着したパネルでありまして、コンクリートの約半分の重さでありますから重量が軽くなります。基礎工事の簡素化ができます。コンクリートと異なって養生期間というのが不要なために短期間で施工ができます。また、同じ厚さで比較をすると、コンクリートより断熱性が高いので省エネにもなります。
   〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
 欧米を中心にマンションや店舗、商業施設などの壁や床としての普及が今進んでいまして、もちろんCLTだけの建物もできていますが、我が国においても国産CLTを活用した低中層建築物の木造化による新たな木材需要の創出が期待をされています。鉄筋コンクリート造と比べて木材の使用量が増えて建物が軽くなって、躯体に使う鉄骨を減らせるということで、実は今、仙台で床がCLTの十階建ての建物が建築中でありますが、このことによって全体重量が三、四割軽くなり、工期も従来工法と比べますと三か月程度短くなっているということであります。
 そして、今度は、パネル、資料をお配りさせていただきましたけれども、CNF。これは持続型木質バイオマス資源由来のナノ繊維でありまして、鋼鉄よりも五倍強くて重量が五分の一という、軽量でかつ硬度が高く、自動車や航空機のボディーとして素材となる可能性を秘めているものです。
 このため、現在、このCNFに関する社会的な関心が非常に高くなっていまして、北欧、北米、中国においても研究開発が進んでいます。日本も進めていますけれども、このCNF開発の優位性、信頼性を確保するには、いち早くこの日本においてCNF及びCNF樹脂複合材料を安定的に製造できるプロセス及び装置の開発と、それからユーザーの求める機能の開発という、こういう高いハードルを越えて、他国が追随できない状況まで引き離す、そのことが重要であるのではないかと思うんです。そうなれば、将来的には日本のバイオマス資源一〇〇%を使用した高性能の自動車用材料や家電用材料を製造して、海外に輸出をすることも可能となります。
 そして、大事なのは、これらCLT、CNFの原料は木材であるということです。日本の国土の六七%が森林に覆われていて、日々成長する森林資源は年間一億立方メートル、約一億立方メートルですから、日本は世界一の資源国になる可能性を秘めているんです。しかも、石油というのは使えばなくなっちゃうんですが、この森林資源は適切な資源管理を行っていけば枯渇することはありません。つまり、我々にとって必要なものが山にあるんです。つまり、正しいお金の流れをよみがえらせることができるんです。
 そういう意味で、このCLT、CNF、これ政府の骨太方針に入っていることは承知をしていますが、日本を豊かにするためにも、地方創生に資するためにも、政府としてもっと強力に支援すべきだと思いますが、答弁をお願いいたします。
#341
○国務大臣(吉川貴盛君) CLTにつきましては、ただいま高橋議員からもお話がございましたように、床に二時間耐火のCLTを用いた仙台市に十階建ての賃貸住宅の建設が行われているなど、三十年度期首におきまして年間八万立方メートルということの実績になっております。
 今、政府におきましても、本年六月に閣議決定をいたしました骨太の方針におきまして、CLTを含めた木材の中高層建築住宅等への利用拡大が位置付けられておりまして、これに沿って各般の施策を講じているところでもございます。
 具体的に申し上げますと、CLT活用促進に関する関係省庁連絡会議で作成いたしました、平成三十二年度までに年間十万立方メートル、三十六年度までには年間五十万立方メートルの生産体制を構築するという新たなロードマップに沿いまして、一つ目には、CLTの製造施設の整備や技術開発等の生産面の対策のほかに、二つ目といたしまして、CLT需要の掘り起こし、先駆的な建築及び実証的な部材調達の費用支援等の需要面の対策に今取り組んでいるところでもございます。
 今後とも、関係省庁、研究機関、企業、団体とも連携をしながら、CLTの利用拡大に積極的に取り組んでまいりたいと存じておりますので、是非、高橋議員のお知恵も拝借をしていきたいと考えております。
#342
○国務大臣(麻生太郎君) これまで、CLT、CNFの説明を、宣伝をしていただいたんで、もっと一つ言うべきとして、先ほど話題になりました東京国立競技場、これCLT使わせてもらいます。
 それから、今の中で、セルロースナノファイバーの話ですが、これは珍しく東京大学が開発した技術なんですが、最近こういう技術は東京大学には出てこなくて、ほかの大学しか出てこないんですけれども、これに京都大学が乗って、今、新しい薬入れると同じものが透明になります。透明になる、完全に、このすごい鉄より固いものがというものまでになっておるというのが、もう一つ、宣伝されるならその点も宣伝されたらいかがでしょうか。
#343
○国務大臣(世耕弘成君) 麻生副総理がこのCNFにお詳しいとは存じ上げなかったわけでありますが、このセルロースナノファイバーは、今御指摘のように、鉄に比べて五分の一の重量で五倍の強度があって、しかもその資源は全部日本の山の中にあるということで、大変有望な素材だというふうに思っています。
 既にもうこれ商業ベースでの製造も進んでいまして、ランニングシューズの靴底、これ強度が高まるそうです。あるいはボールペンのインク、滑らかな書き味になるそうです。そういうので使われ始めているわけであります。
 また、経産省としても、これ民間企業や研究機関、関係省庁と一緒にフォーラムを二〇一四年から立ち上げまして、例えば知財の問題とか標準化の問題といった問題にも取り組ませていただいております。
 ただ、御指摘の自動車の部材とか航空機の部材で使うとなると少し耐熱性の課題があるということでありまして、これをクリアするために今我々研究開発の補助金を出しておりまして、平成二十七年から今年度までの間に合計、累計で二十三億強の予算を出していますし、来年度に向けても今十一億円の概算要求をさせていただいています。
 先ほどの麻生財務大臣の御発言聞くと絶対満額認められるかなと期待が強まっているわけでありますけれども、引き続き、農林水産省など関係省庁と連携をして、このCNFの導入、普及にしっかり取り組んでまいりたいと思います。
#344
○高橋克法君 麻生財務大臣からも御答弁をいただいて、本当ありがとうございます。
 CLTに関しては出口が大切なんです。需要をいかにつくっていくか、そのために数々の支援制度を設けていますが、まだちょっと弱いところがありますから、これ財務省が首を縦に振ってくれないとお金出ませんので、よろしくお願いしたいし、CNFも、今、世耕大臣がおっしゃられたように、今こそ日本が主導権を握れるかどうかというそのときですので、財政的なしっかりとした支援をお願いをしたいというふうに思います。
 次に、これは皆様のお手元にも配ってありますし、パネルにもいたしましたが、高知県から出ている資料を御覧いただきたいと思います。
 この資料は、全国で年間に建築されている中高層建築物の約一割、二千百棟をCLTで建築した場合の環境への影響と経済効果を表しております。特に、右側の木材産業クラスターを整備した場合の雇用や経済波及効果を見てみますと、まさにこれ地方創生のモデルになり得るんではないかということで、農林水産省の考えを伺いたいと思いますが、高野農水大臣政務官、お願いいたします。
#345
○大臣政務官(高野光二郎君) お答え申し上げます。
 我が国の林業は、森林資源の充実等を背景として、木材の自給率が平成二十二年から七年連続で上昇し、平成二十九年には三六・一%まで回復をいたしております。高橋委員の御地元であります栃木県におきましても、平成二十九年の素材生産量が六十万立方メートルを超えるなど、木材生産が大きく伸びております。
 林業の成長化をより力強く推進するためには国産材の需要拡大が必要であるため、農林水産省といたしましては、吉川貴盛大臣の強いリーダーシップの下、CLT等の利用拡大に取り組んでいくとともに、木材の輸出においても、平成二十六年の輸出額百七十八億円から平成二十九年には三百二十六億円までと成長しており、今後も付加価値の高い木材製品の輸出を促進するなど、新たな木材需要の創出に取り組んでまいります。
 また、全国知事会では、先月十一日に国産木材活用プロジェクトチームが設置をされまして、ブロック塀から木製の塀への転換等、国産材の利用促進を主張されているとお伺いをいたしております。
 あわせて、森林環境譲与税が来年度から導入予定であり、全国各地で生産をされました木材が都市部で利用促進に活用されることも大変期待しているところでございます。
 さらに、木質バイオマスなどエネルギー資源として普及拡大できれば、国内でお金が還流していく仕組みの構築を通じて地方創生のモデルになると考えております。また、大気中の二酸化炭素を増やさないため、地球温暖化防止にも寄与することが期待されています。
 御紹介をいただきました良質材であるA材だけではなく、中低質素材であるB材、C材等、木材を余すところなく使うことによりまして、高知県の木材産業クラスター構想を始め、国産材の積極的な活用は地方創生の鍵となると考えております。
 高橋委員からの御提言は、私も強く共鳴をいたしており、深く感銘をいたしております。高橋委員を始め、委員の先生方、国会、国民の皆様の温かい御理解と御協力によりまして総合的な取組を進めてまいります。
 ありがとうございました。
#346
○高橋克法君 是非とも、高知県が作られたこの資料にあるような林業産業クラスター、一つの事例として見てみたいなという思いがあるんです。よろしくお願いをいたします。
 次は、中小企業・小規模事業者について御質問いたします。
 日本企業の九九・七%、さらに国内雇用の七六・八%を占める中小企業・小規模事業者は日本経済の屋台骨であります。小規模企業振興基本法が成立してから四年以上が経過をいたし、企業の規模や成長のステージに応じてきめ細かく応援できるような、そのような形になりました。
 小規模事業者持続化補助金という制度がありますが、これを利用した企業を分析してみますと、補助金を利用した企業の過半は売上げが増加をしております。そして、利益の拡大を実現しています。小規模事業者持続化補助金が有効に活用されている一つのあかしであるというふうにこれは評価、大いに評価できることだと思っています。
 さらに、持続化補助金の採択にまで行き着けない小規模事業者に対しても、商工会、商工会議所が、これまでのような記帳指導とか税務指導に加えて、それぞれの事業者の経営状況の分析や経営発達支援計画の策定、そういったものに支援を行うことができる伴走型補助金が制度化されていまして、これも小規模事業者の底上げを図る観点から高く評価できると思います。
 しかし、このような支援が非常に充実してきたことの一方で、それぞれの商工会単会の経営指導員の業務というのが増加をしておりまして、これら本当にきめ細かくなってきた施策を実現するための人的な体制整備が間に合わないという現実があるんです。
 現場の声を聞きますと、職員の増員ができればこれが一番いいんだけれども、それが難しいのであれば、経営支援員の補助単価を経営指導員と同等に引き上げて、そして国から県への地方交付税を増額をし、そのことによって、軽減をされた補助対象職員設置に係る自己負担分、これを今後ますますしっかりと成果が出せるであろう経営発達支援事業推進の人的体制強化に投入をしたいんだと、そのような声も聞こえてまいりますので、世耕大臣にお伺いしますが、人的体制整備を含めた、また従前の、これまでの支援体制も含めてですけれども、更なる充実した支援体制を形作れないのか、お伺いをいたします。
#347
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、いろんな持続化補助金ですとか、ものづくり補助金、あるいはIT補助金とか、いろんな形で今中小企業の支援をしていますが、やはりそれを現場の中小企業につないでもらうという上で、商工会、商工会議所の役割も重要ですし、この経営指導員の非常に仕事が多くなっているというのはまさに事実だというふうに思います。
 これ、かつてはこの経営指導員の人件費も含めて経営改善指導事業という補助制度がありまして、これは国が二分の一、そして都道府県が二分の一で負担ということになっていたんですが、累次の地方分権改革とか三位一体改革でこれ全て今もう都道府県に移管をされてしまいまして、この経営指導員の人件費については基本的には都道府県が主体的に地方分権の精神で手当てをするということになっていますから、一義的には都道府県にしっかり考えていただきたいというふうに思っています。
 しかし、そういった中で、一方で、今御指摘のように、小規模企業支援法というのが制定をされて、国も地方の小規模事業者に対する支援をもう一段強めていくということになっているわけであります。そういった中で、経営発達支援事業の実施に必要な専門家派遣に対する補助ですとか経営指導員に対する研修の実施、こういったところで商工会、商工会議所の活動を支援をさせていただいているところであります。
 今後、さらに、この予算とか人的体制を国としてどうすべきかということについては、この御指摘の小規模企業振興基本計画が平成三十一年春にも改定をされる予定となっているわけでありますので、その改定に向けて、中小企業政策審議会等において有識者のお話あるいは現場のお話を伺いながらしっかりと検討してまいりたい、与党ともよく御相談してまいりたいというふうに思っております。
#348
○高橋克法君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。
 次に、社会資本整備による地方創生についてお伺いいたします。
 インフラ整備が地方経済をしっかりと支えていく、そして地方の方々の努力を確実に成果に結び付けていく、そういう例を自分はたくさん見てまいりました。その意味で、物流効率化のための空港や港湾と道路の連結ネックの解消でありますとか、日本全土を貫く整備新幹線などの高速交通ネットワーク網の整備など、まだまだ取り組むべき課題が山積をしていると思います。特に、港湾と道路につきましては、我が国産業の国際競争力強化のために必要不可欠なインフラであると思っています。
 例えば、私の地元栃木県では、二〇〇八年に北関東横断道の水戸方面が開通したことで茨城港へのアクセスが格段に良くなりました。一方で、国土交通省が茨城港の機能強化もしっかりとやってきてくれたという結果、今、栃木県内に立地する自動車産業から北米向けの高級車、これが約五万台以上、茨城港から輸出をされています。これは、本当にストック効果という言葉で言っていいと思うんですが、このことによって企業の立地が守られ、いや、新規企業も立地をしてくださるようになり、雇用の創出など大変な効果を上げているんです。
 道路ネットワークはつながらなければ意味がないし、十分な効果は発揮できないし、道路ができても、港がちゃんとしていないと本当の意味での物流効率化にはつながりません。整備効果の早期発現という視点も踏まえて、日本を豊かにする投資、言葉を換えれば、日本という国のお財布の中身をつくってくれるようなインフラ整備、これには思い切って投資すべきだと思いますが、国交大臣、いかがでありましょうか。
#349
○国務大臣(石井啓一君) 委員の御地元の栃木県だけではありませんで、私の地元の茨城県まで御紹介をいただきまして、ありがとうございます。
 社会資本の整備は未来への投資であります。これまでも、高速道路や整備新幹線、港湾、空港等の整備によりまして、我が国の経済成長や国民の暮らしを支えてまいりました。
 地方創生を推進するため、人口減少や高齢化が進む中、地域経済の産業、雇用を支え、生産性を向上させることで、経済成長の実現に資する社会資本を整備することが重要であります。このため、今、北関東自動車道それから茨城港の連携について御紹介いただきましたが、事業間の連携等に取り組みつつ、高速道路や港湾など地域産業の生産性向上や観光振興に直結するインフラを整備し、地域の活性化を図っているところであります。
 今後とも、生産性向上などのストック効果が全国各地域で最大限発揮されるよう、重点的かつ戦略的な社会資本整備に取り組んでまいりたいと考えております。
#350
○高橋克法君 次は、台風二十四号への対応について農水大臣にお伺いしたいんですが、今国会に提出されております平成三十年度一般会計補正予算(第1号)では、平成三十年七月豪雨、北海道胆振東部地震、台風二十一号、大阪北部地震への対応が含まれておって、これは一刻も早い補正予算の成立と執行をしなければならないと思っています。
   〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
 九月末に我が国を縦断して、JR東日本が首都圏全線で初めて計画運休というのを行った台風二十四号、これも、人的被害や家屋の被害に加えまして、農業でもハウスの倒壊、そして農作物の損傷などで大きな被害が出ました。
 ついては、台風二十四号に対する農業被害対応についてどのようにお考えになっているのか、農水大臣にお伺いします。
#351
○国務大臣(吉川貴盛君) 改めまして、台風二十四号で被災をされました多くの皆様に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。
 この台風二十四号におきましては、まず農業ハウスの損壊がございました。さらに、農作物の倒伏、果樹の枝折れ、そして暴風に巻き上げられました海水を原因とする野菜の塩害もございました。さらに、林道の損壊や漁港施設の損壊などなど、現在、高橋委員の御地元も含めまして、農林水産関係の被害として約五百五十億円が報告をされているところでございます。
 このような被害状況や猛烈な台風の上陸が大変多くなっておりますことも踏まえまして、これまでの支援対策はもちろんのこと、さらに、今回、農業ハウスが相当被災をされておりますので、農業ハウスへの補強支援、そして被災を機に耐候性ハウスの移行をする際の支援など、新たに対策を盛り込ませていただいたところでございまして、この総合対策を十月の三十一日に決定をさせていただきました。
 ありとあらゆる対策を講じながら、一日も早く経営再建ができますように全力で支援をしてまいりたいと存じております。
#352
○高橋克法君 大臣、台風等は特に昔と変わってきてしまっていると思いますので、災害が起きた後の対応の仕方のその仕組みというのはちょっと組み方を変えていくような検討をしなければならないと思っているんです。そのことは、これ要望としてお話をさせていただきました。
 次に、地方自治の経験からいいますと、災害時に即応してくれるのは地方の建設業者なんです。自分たちも被災をしていますが、にもかかわらず、現場に急行して復旧復興に全力を尽くしてくれています。しかし、地方の建設業者の経営は苦しいんです。人手不足の深刻化と高齢化も著しいんです。このまま地方で災害時に対応してくれる建設業者がいなくなってしまうんではないかという心配もあります。
 社会資本整備を支える建設業者も地域の社会的なインフラなんだというような発想で応援をしていく仕組みが必要なんではないかと思うんですが、国土交通大臣にその辺のところをお伺いいたします。
#353
○国務大臣(石井啓一君) 地域の建設業は社会資本整備の担い手であると同時に、災害時には最前線で地域社会の安全、安心の確保を担う地域の守り手として重要な存在であります。
 こうした地域の建設業が持続的に活躍できる環境を整えるために、国土交通省におきましては、公共工事品質確保法に基づきまして、建設企業が適正な利潤を確保できるよう、予定価格の適正な設定やダンピング対策、適切な設計変更等に取り組むとともに、受注機会の確保に努めているところであります。
 さらに、この公共工事品質確保法の趣旨が市区町村レベルにおいても十分に浸透するよう、地方公共団体に対しまして総務省と連名で要請を行うとともに、全ての都道府県や市区町村等が参画をいたします地域発注者協議会において共通の目標を設定するなど、取組の周知徹底を図っているところであります。
 引き続き、地方公共団体において適切に公共工事品質確保法に基づく取組が実施されるよう、周知に努めてまいりたいと存じます。
#354
○高橋克法君 是非とも、市町村へのこの趣旨の徹底、これをお願いしたいと思います。
 公平公正というのは当然であります。前提としなきゃなりませんが、その公平公正というのの本当の物差しの中に、災害対応の視点、地域雇用の視点、地域経済を支える視点、技術を継承していくようなという視点、そういったものをしっかりと入れていかなければならないと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。
 昨年二月に、不登校の子供たちの支援を進めることを目的とした教育機会確保法というのが施行されました。この法律は、超党派の議員により提案されたものでありまして、不登校と呼ばれる子供たちが教育を受ける機会を確保するための施策を国や地方自治体の責務として必要な措置を講じることを求めたものであります。
 この法律については、施行後三年以内に、どのようにこの法律が機能しているかを検討し、見直しを含めた措置をとるということも定められておりますが、その期限まで一年余りとなりました今、本法律に基づき政府や自治体ではどのような施策を講じてきたのか、着実に施策を講じていくという決意とともに、文部科学大臣にお聞かせいただきたいと思います。
#355
○国務大臣(柴山昌彦君) 議員には、フリースクールへの支援などについても本当に御指導いただき、ありがとうございます。
 文部科学省といたしましては、今御指摘になられた教育機会確保法及び同法に基づく基本指針等を踏まえて、全ての児童生徒が安心して教育を受けられる魅力ある学校づくりや不登校児童生徒に対する教育機会の確保を目指しておりまして、不登校特例校や教育支援センターの設置促進、また、民間団体との連携により学校外での様々な学習を支援する体制の整備に向けた実践研究、また、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、関係機関との連携による教育相談体制の充実などに取り組んでまいりました。
 附則の規定に基づいて、本法律の施行状況については、今後、有識者会議を開催するなどして、しっかりと検討してまいりたいと思います。
 また、今御指摘になられた地方公共団体やその他の関係者とも密接な連携をさせていただいて、多様で適切な教育機会の確保等に向けて、引き続き必要な施策の一層の推進に努めてまいりたいと思います。
#356
○高橋克法君 この法律のポイントは三つあります。一つは、休む必要性を認めているということ、二つ目は、子供が学習できる状況になったときには学校以外で学ぶことも重要であるというふうに認めていること、三つ目が、行政とフリースクールとが連携すべきであることということなんです。是非とも、これも全国の市町村にまで含めてこの考え方が浸透していくように文部科学省として御努力をいただきたいし、その実例というのがあります。
 平成十五年に、栃木県の高根沢町というところに全国初の公民連携のフリースクール、ひよこの家というのが開設されました。十五年前です。この法律、三つ全部、この三つのポイントを備えている施設でありますので、一度是非、文科大臣、御視察をしていただければ有り難いと思います。
#357
○国務大臣(柴山昌彦君) 事例についてはお伺いをしておりますので、視察等については適切に調整をさせていただきたいと思います。
#358
○高橋克法君 ありがとうございます。
 時間がなくなりました。申し訳ありません。法務大臣、大変失礼いたしました。申し訳ございません。
 これにて質問を終わります。
#359
○委員長(金子原二郎君) 以上で高橋克法君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#360
○委員長(金子原二郎君) 次に、佐藤信秋君の質疑を行います。佐藤信秋君。
#361
○佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。
 今日は災害と強靱化と主にして伺いたいと思いますが、最初に、この度、頻発する災害でお亡くなりになられた皆様と被災された全ての皆様に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 そして、そうした事態に対応して政府はいち早く予備費使っていただきました。予備費で対応する、緊急対応をする、そして補正予算を速やかに組むと、こういう流れだと思っております。
 最初に、予備費で幾らぐらいお使い、今まで支出決定していただいたか。そこを財務省の方から、財務大臣でよろしいんですかね、予備費で幾ら、総額。財務大臣、予備費、総額、使った。
#362
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘をいただきましたけれども、平成三十年度の七月豪雨、台風関係含めまして、北海道胆振東部地震、また台風二十一号、二十四号等々ありましたけれども、今御指摘ありましたように、直ちに予備費というのを使わせていただいておりますので、水とか食料とかいった、そういった直ちに必要なような食料とかそういったものを含めまして、そういったものに、不可欠なものには直ちにお届けすることができております。また、瓦れきとか土砂の処理含めまして、中小企業、農家の営業再開へのいろんなものに関しましても、これは観光風評被害への対応を含めまして二次災害防止というものが必要になりますので、そういったものにつきましても累次にわたって予備費を使わせていただいて、その総額一千八百五十三億円となっております。
#363
○佐藤信秋君 今、財務大臣から大事なお話をいただきました。プッシュ型の支援、これ実は熊本地震以来だったと思います。要は、政府は何をしているかと、こう災害救助のフローを考えてみますと、災害救助法で知事が引き取る、知事引き取っていろいろまとめますけど、報告が来るまでなかなか政府動けないというのが今まででした。
 熊本地震以来、プッシュ型支援ということでやっていただいていると思いますが、防災担当大臣、どのぐらいの費用でどうした内容をやっていただいたか、お話をお願いします。
#364
○国務大臣(山本順三君) ちょうど二年半前ぐらいでありましたけれども、熊本で大きな地震が起こりました。石井大臣の下で、私、副大臣しておりましたけれども、おっしゃるように、プッシュ型支援というのがそのとき大々的に始まったというふうに思っております。
 このプッシュ型支援とは、発災当初、地方自治体からの要請というもの、具体的なその要請を待たずして必要不可欠と見込まれる物資、言わば人命に関わるような必需品を国が調達して、そしてそれを被災地に緊急輸送するというような、そういう制度でございました。少々の重複は避けてでもやろうというような、そんな強い意思でスタートしたように思い出しました。
 平成三十年七月豪雨の場合でありますけれども、このプッシュ型支援に係る予備費は二十億円、水、食料、クーラー、あるいはまた仮設トイレやら段ボールベッドやらいろんなものに使っておりますけれども、こういった被災者の命と生活環境に不可欠な物資をこれは国が全額負担して、そして全額国費で調達、そして緊急輸送するということでございます。
 北海道の胆振東部地震の場合でございますけれども、このプッシュ型支援に係る予備費は五億円でございました。この五億円を活用して、水、食料等々の被災者の命と生活環境に不可欠な物資を先ほどと同じように国が全額国費で調達をして、そして被災地まで緊急輸送したというところでございます。
#365
○佐藤信秋君 今のところが大事なところだと思っています。
 どうしても災害救助法で物資を送ろうと、こうなると地方の知事の負担が出ます、市町村から引き取ってですね。すると、県の財政部局、都道府県の財政部局はどのぐらいの費用が必要かというので手が止まります。そうすると、あっという間に二か月、三か月掛かるんですね。ここを今回は、熊本地震も含めて、随分早く、素早くやっていただいている。これは、何より国がしっかり応援するんだぞと、こういう姿勢が表れている。大事なことだと思いますので、これからも是非続けていっていただくようにお願いします。
 そして、総理は九月の二十一日に重要インフラの緊急点検を指示されました。十月二日には、近年の集中豪雨、気温上昇など気象の急激な変化に対応した、全国的に、河川の改修とか治水とか砂防対策、ため池改良、熱中症予防、こうした防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を実施することにすると、こう閣議で方針を決めていただいた。
 これは是非、この対策、緊急対策、点検した、緊急対策打つぞ、そうしたら、この事業の方は何年ぐらいで、三年間と、こうなっていますけど、事業内容、どんなふうなものをどのぐらい事業費ベースでということを是非お決めいただきたいと思いますが、総理にお願いします。
#366
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 近年、災害が激甚化する中、国民の命を守る防災・減災、国土強靱化を進めることは、我が国の政治、経済、社会にとって重要かつ喫緊の課題であると痛感をしています。そのため、現在、インフラの総点検を御指摘のとおり進めておりまして、政府としては、その結果などを踏まえて、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を年内に取りまとめ、三年集中で実施していくこととしております。
 この緊急対策については、委員の御指摘も踏まえまして、実効性のあるものとなるように取りまとめてまいりたいと考えております。
#367
○佐藤信秋君 ということで、どのぐらいの事業をやろうと、こういうようなことも是非内容にお含めいただければと思います。
 この緊急点検もそうですが、国土の強靱化という意味ではやらなければいけないことが山のようにあると。重点項目だけでも四十五項目、今緊急点検していただいている分が百三十項目になっていると思います、百三十項目。これをやっていこうとすると三年間では限度がある、実効性のあるものをやっていこう、さらに強靱化という面で長期的に計画的にやっていかないといかぬだろうと、こう思っていまして、どこの国でも実は長期計画を持っているんですね、五か年計画、十か年計画。強靱化の場合にも、是非、どのぐらいの年数で、これぐらいの達成目標はやっていくぞというようなことをお決めいただく方向が有り難いなと思いますが、総理、いかがでしょう。
#368
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国土強靱化を長期的そして計画的、着実に進めるべきという御指摘は、そのとおりだろうと思います。
 現在進めているインフラの総点検の結果を始め、これまで培ってきた経験や教訓を踏まえまして、国土強靱化基本計画を年内に見直し、中長期的な目標や方針を明らかにすることとしています。この新たな基本計画の下、緊急対策の実施に当たり、消費税対応に係る二〇一九年度及び二〇二〇年度に講じる臨時特別の措置を活用することを始め、必要な予算を確保した上で、国土強靱化の取組を更に加速化、進化させていくことにより、強靱なふるさと、誰もが安心して暮らすことができるふるさとをつくり上げてまいりたいと思います。
#369
○佐藤信秋君 ありがとうございます。是非しっかりとお取り組みいただきたいんですが。
 ここで、国土交通大臣に、事前防災の効果について、実は余り知られていないことなので、ちょっと資料も用意しました。パネルも用意しました。(資料提示)
 台風二十一号で、実は、資料でいえば四なんですけど、台風二十一号で大阪湾の潮位、高潮の潮位が昭和三十六年の第二室戸台風よりも四十一センチ高くなっている、四十一センチ。それで、災害、もちろん災害は出ましたけれど、浸水被害があったか。実は、堤防をきちっとして住宅の中に入り込まない、宅地に入り込まない、市街地に入り込まないと、こういうような対策ができていたので実はセーフだったと。千五百億円ぐらいを投資したんですが、累計、計算によれば、大体十七兆円ぐらいの効果があったんじゃないかと、こういうふうに言われてもおりまして、大変な感謝を大阪市、大阪府の皆様からいただいているところですが、事前防災のこういう効果という点について、国土交通大臣、ひとつ大きな声でお願いします。
#370
○国務大臣(石井啓一君) 本年の台風第二十一号は、大阪湾の最高潮位が既往の第二室戸台風を大幅に上回る潮位でございまして、そのために関空が大きな被害を受けたわけですが、一方、第二室戸台風の際には、大阪市内を始めとしまして大変な浸水が起こりまして大きな被害が生じた一方、その後の高潮対策をやったおかげで、本年の台風二十一号ではほとんど浸水被害はなかったということで、近年の災害では、インフラが整備をされ、かつ維持管理をされてきた箇所での被害は小さく、インフラが未整備又は整備途上の箇所では被害が大きかった事例が多数確認をされております。
 こうしたことから、事前の防災対策が非常に重要と認識をしておりまして、その効果としては、第一に、被害を大きく軽減でき、特に人命を守ることにつながる、第二に、被害後の復旧や被災者の生活再建等に係る負担、社会経済活動への影響などの軽減につながると、こういったことなどがあると考えております。
 本年の七月豪雨等で大規模な被害を受けた地域においては再度災害防止のための事業を集中的に実施をしてまいりますが、これらの事業を着実に進めるとともに、事前に行うべき防災対策が後手に回ることのないよう、防災・減災、国土強靱化のための三年間の緊急対策を含めまして、事前防災対策も着実に進め、強靱な国土づくりを進めてまいりたいと考えております。
#371
○佐藤信秋君 ありがとうございます。
 というふうに強靱化をしっかり進めようとしますと、その主たる部分として、ハードの整備、インフラ整備、これがなかなか、長い間、事業費が減ってきたものですから、一時に比べると半分ぐらいになりました。ここに食い込んで強靱化をやるということになりますと、ますます予算が足らなくなるということではありますので、できるだけここに上積みをしてやっていただくということが大事なことかと思いますが、財務大臣、いかがでしょう。
#372
○国務大臣(麻生太郎君) かつては十二兆ですものね、たしか小渕内閣のときは最高でしたかね、あのときは十二兆。あれからずっと一貫して減って、私のときだけ一回増えて、その後、翌年からまたどんと減りましたから、御存じのとおりで六兆まで減ったんだと思いますけれども。
 いずれにいたしましても、今言われますように、先ほどからお話があっておりましたように、きっとモンスーン地帯から亜熱帯ぐらいのところに気候風土は、日本の風土は変わったんだと思いますね、多分、後世、誰かがそう言うんだと思いますけれども。とにかく、北海道で梅雨が始まったり、いろいろ物すごく変わってきていますよ。
 私どものところの台風も、とにかく一定してばあんと集中のものが九州で起きているのが昨今のあれだと思いますので、いわゆる防災とか減災とかいわゆる国土強靱化と、いろいろ私どもは、自由民主党の方でもやっておられるのはよく承知しておりますけれども、これ、社会的に見ても、国として見ましても、これは喫緊の課題であることはもうはっきりしておりますので、減ってきた分の、六兆円の分を少しずつ少しずつ、補正組んで少しずつ持たさせていただいております分で、フローの分を、フローの分って、メンテナンス等々のフローの部分、ほかにやっていかないかぬというところですけれども、今言われたものはまた別な話なんで、そういった意味では、これを総理からも言われておりますので、三年間の集中目標でやるということでございますので、そういった意味では、我々としては、少なくとも二〇一九年及び二〇二〇年度の予算において、消費税に係りますいわゆる臨時とか反動減とか、そういったものの対策を含めて、いろいろな特別措置をやらせていただこうということになろうと思いますので、そういった枠組みを利用いたしまして適切に対応していきたいと思っておりますので、年末にかけていろいろ検討させていただきます。
#373
○佐藤信秋君 是非、消費税対策ももちろん大事ですし、反動減対策も、それに続いてずっと恒常的にしっかりと長期計画を、戻しながら、この事業費も戻しながら実行していく、これが大事なことだと思います。強靱化計画の実効性という面から是非お願いを申し上げておきます。
 日本のインフラストックってまだまだ遅れているというのが実はこれが大変な問題でして、もちろん整備新幹線もそうですけれども、いろんな比較を、国際比較も載っけてみました。
 実は、二十五年ぐらい前に、オランダぐらいは目標にして、九州は、大体その頃は人口も面積も同じぐらいでしたから、経済力も。同じぐらいのインフラネット、例えば高速道路のネットワークならそういうことだなと。目標にしていたら、はるかに相手の方が先行っていまして、二十五年ぐらいでうんと差が付きました。治水もそうです。そんな資料を載せさせていただいていますが、これはインフラの場合にはそのストックとしての効果というような部分、重要なものがありますし、それをベースにやらせていただいていると。
 だから、私、いつも申し上げているんですけど、日本ぐらいインフラをこれだけ切り刻んできた国はないなと。ほかの国は大体二、三倍になっていますから、この二十年ぐらいでですね。日本だけ半分になっちゃった。これは差が開く。整備新幹線もなかなかできないわね。
 というようなことが大事な問題ですが、一方で、大切なことは、今度フローの方で、実はフローの面でも、事業の効果というフローの面でも大事なところがありまして、公共投資が一単位減れば、減ればですよ、民間投資も一・二単位か一・三単位減るんです。これ連動しているんです。ここの関係が結局デフレを招いた一つの要因かなと私自身は考えています。数字的には、お手元にもお示ししておきましたが、結局は公共投資を削れば民間投資も減って、総額が減って、実はGDPの半分ぐらい、減少の半分ぐらいは建設投資なんですよ。それで、増えるときも、増える半分ぐらいは建設投資。実はその結果が資料の方で十二ということでお示しさせていただいております。
 一定の増額を、加えていくんだと、こういうことを必要とすると思うんですが、ここは財務大臣、いかがでしょう。
#374
○国務大臣(麻生太郎君) 今お話がありましたように、国土強靱化基本計画につきましては、これは、近年の災害の集中化、激甚化等々に伴いまして、これは新しい知見やら何やらが生まれつつあるんだと思っておりますけれども、そういったのを踏まえて五年目の見直しというのを今行わさせていただいておりますので、年内めどに改正案の取りまとめというのをやらせていただこうと思っておりますが、基本計画の見直しにとりまして必要となってまいります財政面という面が一番問題なところだと思いますけれども、これは、見直し後の基本計画というのの内容などをよく踏まえまして検討させていただければと思っております。
#375
○佐藤信秋君 先ほども議論がありました災害への対応とか、あるいは危機管理への対応、これで、建設産業、輸送業、そして住宅・不動産業、災害が起きればすぐに出動せないかぬと、そういう業種なんですね。特に、建設産業の場合には一番最初に障害物除去せないかぬものですから、そこに人がいなきゃいけない。
 私は、新しい3Kの産業、魅力のある産業ということで、職場ということで、これ国土交通省が四年ぐらい前から言っていただいているんですが、魅力のある職場にしていきましょうと。
 石井大臣、いかがでしょう、方針として。
#376
○国務大臣(石井啓一君) 建設業、住宅産業、自動車運送業、共に我が国の社会経済の根幹を支え、災害時には国民の安全、安心を守っていただいているということで、不可欠な産業と認識をしております。
 例えば、建設業は、発災直後から道路啓開や堤防修理などの応急復旧に当たるとともに、瓦れき処理や基幹インフラの復旧復興などにも貢献をしていただいております。また、住宅産業では、応急仮設住宅の迅速な建設や、被災者の自宅の再建などに貢献をしていただいております。このほか、自動車運送事業においては、避難所への緊急支援物資の輸送などに貢献をしていただいているところでございます。
 国土交通省といたしましては、少子高齢化という社会構造の大きな変化の中におきましても、これらの産業が将来ともその役割を担い続けることができますよう、適切な賃金水準の確保、週休二日制、生産性向上など、働き方改革にしっかり取り組みまして、従来の3Kではなく新しい3K、すなわち、給与がいい、休暇が取れる、希望が持てると、こういった新3Kの魅力ある産業へと変えていきたいと、このように思っております。
#377
○佐藤信秋君 最後の質問になりますが、今国会で新たな在留資格を設けるための入管法の改正が論議されている。心配していますのは、建設業を含めて単純労働への拡大であるとか処遇改善への悪影響、こうしたことが報道ベースでは懸念されたりしております。
 法務大臣、こういうことをしっかりと、ないということを御答弁願います。
#378
○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。
 佐藤委員には、日頃から、インフラ始め整備の大切さ、いろいろ教えていただいており、感謝しております。
 また、私も被災地岡山で選出されておりまして、私の地元の岡山の砂川という川も決壊して、その直すのに、もう本当に、この建設業あるいは土木産業の方々が、本当に人手不足の中、一生懸命やって何とか復旧しているという姿、本当に涙が出る思いで見ております。改めて、全国のそのインフラ整備に関わった皆様に、災害の復旧復興をされた皆様に感謝申し上げたいと思っております。
 そして、非常に厳しい労働環境にあること、これはやっぱり人手不足が大きな一つの要因なんだろうというふうに思っております。
 そして、今回の新たな受入れ制度というのは、こういった中小・小規模事業者を始めとした、インフラ整備の建設業もそうでございます、人手不足が深刻化しており、我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出ているため、生産性向上や国内人材確保のための取組、国内人材確保のための取組は行うわけでございます。なお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野、建設業もこれに含まれるかもしれません、そういったところにおいて、一定の専門性、技能を有し、即戦力として言わば既存の国内の方々の仲間としてやっていただける、そうした人材を受け入れたいということでございまして、この受入れにより、国内インフラを支える人材の確保、これにも資するものであろうと思っておりますし、人手不足がある程度解消されれば、休みが取れる、休暇が取れるというふうなところにも資するものではないかと思っております。
 ただ、一つ、これについて処遇改善への悪影響を懸念する声があるわけでございます。これにつきましては、受け入れるに当たっては、先ほど申し上げましたように、国内人材の確保や生産性の向上の取組を行ってもなお受入れが必要と認められるということについて、法務省も業所管庁からしっかりと客観的な資料をいただいて、今後の国内人材確保の見通しなどもしっかりと見させていただくということで受入れを決める。
 そしてまた、この度閣議決定された入管法改正法案においては、将来受入れ分野において必要とされる人材が確保されたと認める場合には、一時的に停止する措置を可能としているということでございます。その確保されたと認める判断においては、国内人材の確保や生産性向上も当然考慮に入れるわけで、国内人材確保の見通しも当然見ると。ですから、そういった労働環境に影響しないような見通しをしっかり立てた上で、もうこれは外国人材確保されたということであれば一時停止をするということで、国内労働市場に対する影響を極力しないような形を取ることになっております。
 そうしたことで、建設業あるいはインフラ整備を始めとする業界の皆様の人手不足に対応し、また御懸念については今後法案審議の場でしっかりと丁寧に御説明させていただきたいと考えております。よろしくお願い申し上げます。
#379
○佐藤信秋君 石井国土交通大臣から大変有り難いお話をいただきました。山下法務大臣もそっちの方でひとつ、まず国内の人材確保というのが大事な問題ですので、ひとつ、それも含めてよろしくお願いします。
 時間が来ました。ありがとうございました。
#380
○委員長(金子原二郎君) 以上で佐藤信秋君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#381
○委員長(金子原二郎君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。
#382
○西田実仁君 今年は大変大きな自然災害が相次ぎました。犠牲になられた方々に心からの哀悼の意を表するとともに、今もなお不自由な生活を余儀なくされている方々にお見舞いを申し上げます。
 今回のこの補正予算がそうした被災された方々にどのように届けられるのか、復興復旧にどう役立ち、また何が課題があるのか、こうしたことにつきましてはこの後の同僚の若松議員から質問させていただきます。
 私からは、特にエアコンの設置について質問させていただきます。
 この夏、災害とまで言われました異常な暑さの緊急対策として、来年の夏までに全国の公立小中学校の普通教室にエアコンを設置するために地方負担を思い切って軽減する措置がとられていることは高く評価をしたいと思います。
 これまで、各地方議会におきまして、公明党の議員が先頭に立ってエアコンの設置を推進してまいりましたけれども、限られた予算であります、なかなか思うように設置できないこともございました。しかし、今回は全国の小中学校の全ての普通教室にエアコンを設置できる予算を確保いただいておりまして、地元からも多くのお問合せをいただいております。そんな中、何とか資金をやりくりして既に小中学校の普通教室にエアコンを設置した自治体からは、次は是非体育館に設置をしたいと、こういう声も届けられております。
 今回の特例交付金は、公立小中学校の普通教室のみが対象ではなく、特別教室や体育館、そして幼稚園や特別支援学校なども補助対象から外れているわけではありませんけれども、やはり小中学校の普通教室が優先されることになろうかと思います。ちなみに、災害時には避難所となります体育館、これへのエアコン設置は全国平均で一・四%と伺っております。やはり災害時には調理ができる調理室等の特別教室へのエアコン設置もまた大きな課題であります。
 そこで、まず文科大臣にお聞きしたいと思います。
 先行して小中学校の普通教室に既にエアコンを設置した自治体が体育館あるいは調理室などの特別教室にエアコン設置を要望している場合、仮に今回の特例交付金では手当てをされなかったとしても、通常の交付金の採択にあっては何らかの配慮をすべきではないかと考えます。今後の学校施設環境改善交付金の採択方針についてお伺いいたします。
#383
○国務大臣(柴山昌彦君) お尋ねの件でございますけれども、今般の補正予算につきましては、児童生徒の日々の学習に際して、熱中症を予防し、安全を確保するという観点から、空調設置に取り組む場合、まずは児童生徒が最も長時間を過ごす普通教室への設置が最優先というようにしております。その上で、今お尋ねの特別教室への空調設置につきましては、今般の補正予算の執行状況も勘案しつつ、各自治体からの要望も踏まえながら、今後状況を見極めて考えていきたいと考えております。
 なお、今般の補正予算において、通常の学校施設環境改善交付金とは区分して臨時特例的な措置として新たな交付金を創設をしておりますので、こうしたことも踏まえつつ、今後検討を是非させていただきたいと考えております。
#384
○西田実仁君 今後、そうした特別教室のみならず体育館についても是非手当てをお願いしたいと思います。
 この文科省所管の、しかし、交付金もやはり限られておりますので、自治体の持ち出しを抑えて小中学校や自治体の体育館にもエアコンを設置できる仕組みの活用も考えていくべきであると思います。
 余りまだ知られていないようですけれども、総務省が所管をいたします緊急防災・減災事業債、略して緊防債というふうに言うようでありますけれども、これもその一つではないかと思います。この緊防債を使って自治体が小中学校の体育館にエアコンを設置することは可能でしょうか。その際、自治体の実質的な負担は幾らか、実際にまたこの緊防債を活用して小中学校の体育館に空調を設置した市町村数は幾らあるのか、総務大臣にお伺いします。
#385
○国務大臣(石田真敏君) お答えさせていただきます。
 緊急防災・減災事業債は、緊急に即効性のある防災・減災のための地方単独事業を対象といたしております。避難所の指定を受けている小中学校の体育館において、避難者の生活環境の改善のため空調設備を整備することは本事業債で活用いただけることになっております。
 普通交付税の交付団体における実質的な負担は元利償還金の三〇%となっておりまして、二十九年度におきまして本事業債を活用して小中学校の体育館に空調設備を整備した市町村数は五団体でございます。
 以上でございます。
#386
○西田実仁君 今大臣から御説明ございましたように、自治体の実質的な負担は三割ということであります。今回の文科省の特例交付金においては二六・七%であろうかと思いますので、そんなに遜色がないわけでございますので、自治体のそういう意味では持ち出しをできるだけ抑えて、いち早く小中学校等の体育館にエアコンを設置したいという場合であれば、これも十分に活用できるんではないかと思います。
 しかし、今大臣からお話ありましたように、このスキームを活用して小中学校の体育館にエアコンを設置した市町村数は僅かまだ五しかないというお話でございました。この緊防債の事業はたしか平成二十九年度から平成三十二年度までの事業に限られたものであり、今年度の予算としては一応五千億円を計上しているというふうに承知してございます。そういう意味ではまだまだ活用の余地は大きいんではないかというふうに思いますので、その周知と、また使い勝手をもっと良くしていくなどの工夫が必要ではないかと思いますが、総務大臣、いかがでございましょうか。
#387
○国務大臣(石田真敏君) 御指摘いただきましたように、緊急防災・減災事業債については、東日本大震災に係る復興・創生期間である平成三十二年度まで継続することといたしておりまして、三十年度では地方債計画において五千億円計上をいたしております。
 議員御指摘のように、今後、自治体が積極的に取り組んでいただけるように、様々な機会を通じて周知を図ってまいりたいと思っております。
 以上でございます。
#388
○西田実仁君 総理は、第四次安倍内閣の発足に当たりまして、最重要項目として防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を三年間で集中的に実施すると述べられました。政府としては、重要インフラの緊急点検を実施し、十一月末をめどにまとめる結果を踏まえて、災害時にしっかりとライフラインが維持されるよう対策に取り組んでいくことは非常に大事であると私も思います。
 そこで、総理にまずお聞きしたいと思いますが、このインフラの総点検の結果を踏まえ、緊急対策に取り組むに当たっては、関係機関がしっかりと実施できるよう財源を確保することが必要でありますし、またさらに他地域へのしわ寄せが起こらないように通常予算とは異なる別枠予算で対応することが重要と考えますけれども、御認識を伺います。
#389
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、政府としては、現在進めているインフラの総点検の結果などを踏まえて、防災・減災、国土強靱化のための緊急対策を年内に取りまとめ、三年間で集中的に実施していくこととしております。こうした対策の実施に当たり、予算面では、消費税対応に係る二〇一九年度及び二〇二〇年度に講じる臨時特別の措置を活用してまいりたいと考えております。
#390
○西田実仁君 今総理が活用すると言われました消費税対応に係る二〇一九、二〇二〇年度に講じる臨時特別の措置というのは、骨太方針二〇一八において、歳出改革の取組を継続するとの方針とは別枠の特別枠として設定をされていると承知しております。すなわち、今御指摘いただいた三年間の集中実施は、通常予算とは異なる別枠予算で対応するという意味ではないかというふうに理解をさせていただきたいと思います。
 この防災・減災のために実施すべき対策につきましては、用地確保あるいは家屋の集落の移転等々、三年で必ずしも実施できるものばかりではないのは当然であります。(資料提示)パネルを見ていただきますとお分かりのように、諸外国におきましては、この社会資本整備において、アメリカでもイギリスでも、ドイツ、カナダ、イタリア、それぞれ向こう五年とかあるいは向こう十五年等々の期限の中で、その投資額総額を明示した上で社会資本を整備してございます。
 したがって、我が国におきましても、例えば十五年程度の中長期的な目標と、この目標に係る事業内容及び事業総額を明らかにして、そこにこの三年間を位置付けていくべきではないかと、こう考えますけれども、総理の御認識はいかがでしょうか。
#391
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、これは、政府として今進めております、現在進めておりますインフラの総点検の結果というものを踏まえまして、防災・減災、国土強靱化等々、いわゆる緊急対応というものを年内に取りまとめて、三年間という形で集中的に実施していくということにいたしております。
 今後、中長期的にどのような計画的な防災・減災対策というのを進めていくかにつきましては、そうした点検の結果を踏まえまして、私どもとしては、三年間で集中的に講じる対策の内容というものを踏まえながらこれから検討してまいらねばならぬと思っておりますので、大事なところだと思っております。
#392
○西田実仁君 総理は、所信表明でもこれからの三年間のお話をされました。私は、これからの三年間、日本の景気には四つの壁があるのではないかというふうに思っております。パネルに書かせていただきましたが、これからの三年の間に、一つは消費税の一〇%引上げ、そして通商摩擦、さらには金融の出口戦略に五輪需要の反動減と、この四つの壁を、これからの三年間、日本の景気の前に立ちはだかっているものをどう乗り越えていくかという課題があると思います。
 これら四つのそれぞれの壁は、日本のGDPを〇・五%程度押し下げる、そういう可能性がありまして、手をこまねいておりますと、現在三%近くにある日本の経済も、潜在成長率である一・一%を下回って再び低成長に戻りかねないと、こういう懸念を持っております。今、防災・減災・国土強靱化対策について、先進諸外国がそうであるように、経済成長を支えるという、そういう視点からも対応していく必要があると思っております。
 このCの東京五輪の需要反動減というのは、逆にその特需は、日銀とかシンクタンクとか、あるいは東京都が試算しておりますように、約三十兆円程度あるというふうに見込まれております。そのピークは今年でありまして、日銀の試算によれば、建設関連投資は、本年は三兆二千億、そして明年は二兆円強、二〇二〇年には一兆円を切り、二〇二一年には約二千億円程度になると、こう見込まれているわけであります。五輪後のこの四番目の需要反動減への対応のためにも、我が党が唱える防災・減災ニューディールという視点から、計画的な社会資本整備が必要であるということは指摘しておきたいと思います。
 その上で、総理にお聞きしたいのは、この東京五輪需要の反動減対策についても、今総理が度々おっしゃっておられる消費税の増税対策と同様、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう全力で対応すると、このように考えてよいのか、お伺いしたいと思います。
#393
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催前後で需要の変動が生じることが懸念されるとの問題意識は共有しております。今後、過去の開催国における事例も参考にしつつ、経済の動向をよく注視し、政策運営に万全を期してまいりたいと思います。
 いずれにせよ、重要なことは、こうした需要の変動を乗り越えて、我が国経済が安定的で力強い成長を持続するための基盤を構築することだと思います。インバウンドを継続的に拡大をさせ、成長あふれるアジアの中間層を取り込むとともに、ソサエティー五・〇の社会実装を含む波及効果の大きい投資プロジェクトを計画的に実施していく考えでございます。
#394
○西田実仁君 四つの壁の一つである消費税引上げへの対策を聞きたいと思います。
 私どもは、全世代型の社会保障のためには消費税の御負担をお願いすることはやむを得ない、避けられないと考えております。しかし、消費税は所得の厳しい世帯ほど負担が重い逆進性があり、かつ買物をするたびに痛税感がある、そういう欠点を補っていくためには、せめて飲むものや食べ物には軽減税率、消費税を重くしてほしくないと、こういう声に応えて軽減税率を導入を訴えてまいりました。
 グラフを見ていただきたいと思います。
 このグラフは、前回の消費税八%への引上げ前の十年間のエンゲル係数、すなわち消費支出に占める食料品の支出の割合ですけれども、この青い棒グラフが八%に上がる前の十年間の変化幅です。そして、赤い棒グラフは、消費税が八%に上がってからの数年間でのエンゲル係数の割合の変化幅であります。
 これを見て明らかなように、消費税が八%に上がる前はほとんど変化していない、エンゲル係数は変わっていない。しかし、消費税が上がった後には、エンゲル係数は特に所得の少ない世帯ほど急上昇しているということであります。
 これは、私どもが考えるには、八%への消費税引上げの際に食料品への軽減税率を導入しなかった結果、消費税が上がっても食費は削りにくい、そのために元々エンゲル係数が高い所得層のエンゲル係数が更に上昇して逆進性が加速したと、こういうふうに見えると思います。
 そこで、今回は飲食料品に軽減税率を導入することによって、じゃ、どのぐらい負担が軽減したのかを次のパネルでお示しをしたいと思います。
 来年十月、飲食料品に軽減税率を導入することで、この負担の軽減率というものを所得の少ない方から多い方に順番で並べました。一目瞭然でございまして、やはり所得の少ない方ほど、世帯ほど負担軽減率は大きいと、これ、家計調査で、飲食料品を軽減した場合にどう負担が減るのかということを私自身が試算したものでございます。
 そこで、総理には、消費税率を一〇%へと引き上げる際に飲食料品に軽減税率を導入した理由を改めてお聞きしたいと思います。
#395
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 軽減税率制度は、ほぼ全ての人が毎日購入している飲食料品等の税率を八%に据え置くことによって、買物の都度痛税感の緩和を実感できることとともに、今大変分かりやすい図表で示していただいたと、こう思いますが、低所得者ほど収入に占める消費税負担の割合が高いという、いわゆる消費税の逆進性を緩和できるという利点があり、低所得者に配慮する観点から実施することといたしました。
 今後とも、来年十月に予定されている軽減税率制度の円滑な実施に向け、着実に準備を進めてまいりたいと思います。
#396
○西田実仁君 軽減税率におけるイートイン、テークアウトの取扱いについて確認したいと思います。
 イートインか持ち帰りかを店頭で確認をする、そうすると、一々確認していると大変に手間、レジ前に列ができてしまうと、こういう、あるいは混乱を招くことにならないのか。
 国税庁のQアンドAによってイラスト化してみました。
 コンビニやスーパーでは、その店頭にイートインコーナーを利用する場合はお申し出くださいと、こういうふうに張り紙をしていればレジ前で口頭による確認ということは必要はなく、客からの申出がない限りこの飲食料品は全て軽減税率扱いと、こういうふうに整理しておられると思いますけれども、改めて確認したいと思います。
 また、あわせて、日本と同様、外食を線引きして外しておりますドイツやイギリスにおいては、そうしたことで混乱が生じて、軽減税率はもうやめようじゃないかと、こういう動きになっているのかどうか、これをお聞きしたいと思います。
#397
○副大臣(鈴木馨祐君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のいわゆる飲食設備がある小売店でございますけれども、その場における意思確認については、御指摘のように、営業形態に応じまして、店頭にイートインコーナーを利用する場合はお申し出ください等の張り紙をした場合には全ての顧客に質問する必要はなく、顧客からの申出がなければ軽減税率で販売することとして問題がないということとしております。
 そして、併せて御質問ございました欧州諸国の事例でございますけれども、イギリスあるいはドイツ等におきまして、適用税率の線引きの問題が取り上げられる、そういったこともありましたけれども、現時点、現在においては、それを乗り越えて既に制度として定着をして円滑に運用していると承知しております。
#398
○西田実仁君 次に、軽減税率対策補助金の拡充強化についてお聞きしたいと思います。
 今、レジとかシステム改修にこれが充てられております。これを拡充強化して、例えば軽減税率の対象商品を扱っていない小売店に対してもキャッシュレス化など多様な決済方式に対応できる端末機器の導入支援をすべきではないか、経産大臣にお聞きしたいと思います。
#399
○国務大臣(世耕弘成君) まさにもう今措置をされている軽減税率対策補助金というのは、これは軽減税率を導入するに当たってのレジの改修等を補助するものでありますから、複数税率に対応したレジを導入をしていくことが前提になろうかと思います。
 これから来年度予算に向けて議論が行われていく、いわゆる消費税が一〇%に上がることによるこの平準化対策の補助金というのは、これはまさに複数税率のレジとは全くこれ別のものでありますので、当然、軽減税率が対象でないお店も導入できるような形にしていく必要があるだろうというふうに思っています。
#400
○西田実仁君 このキャッシュレス化の文脈でお伺いしますけれども、こういうモバイル決済の普及していくには、今既にアリペイ対応済みの事業者に対しても、それが国産決済対応にするための支援とか、あるいはキャッシュレスという点では医療機関もその対象に加えていくような形で、いわゆるデジタルファーストを推進していく交付金に改めて衣替えしていく必要もあるんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#401
○国務大臣(世耕弘成君) このキャッシュレス対応というのは随分ちょっと誤解がありまして、例えばそのキャッシュレスをやるためには何か特別なレジを入れなければいけないんじゃないかというような話があるんですが、これもう今、スマホで十分、お店の側もスマホでできるんですね。スマホでQRコードが出たり認識できればそれで対応できますし、あるいはクレジットカードであっても、スマホのコネクターのところにこのカードリーダー差せばそのままカードを読めて、そしてそのスマホの画面に指でサインをすればクレジットカード決済終わるという形ですから、非常に簡単にできるようになっています。
 あるいは、手数料が高い。これはクレジットカードは実際高いので、これから業界とよくお話をしていかなければいけないと思っていますが、一方で、今いろんな、そのQRコードによる支払なんかは、もう銀行口座と直結をしているともう手数料は一%以下というケースも出てきているわけであります。こういった多様な選択肢をいろいろとお示しをして支援をしていくということがこれからキャッシュレス導入で非常に重要だと思います。
 そしてまた、使える先を増やすというのも重要だと思います。医療機関は残念ながら消費税とは関係はないということになるんですけれども、今、医療機関でも、大学病院などを中心にクレジットカードを使えるところ増えてきていますから、そういった使えるシーンというのも増やしていくということは非常に重要だと考えております。
#402
○西田実仁君 四つの壁のうちの通商摩擦、特に米中の通商摩擦が世界経済にどう影響していくのか、IMFからの試算が出ておりまして、日本のGDPへのマイナス効果、現状にとどまれば〇・一%ぐらいなんですけれども、自動車関税等に及びますと〇・三%、そして投資減退に更に及ぶと〇・四%、金融市場もそれによって混乱すれば〇・七%の下押し効果があるということであります。
 こうした激化する通商摩擦の中、米中それぞれ貿易の仕向け先を既に組み替えております。中国は豪州やアジアに輸出をシフトしたり、輸入はカナダから急増しております。また、米国も輸出入共にアジアと欧州にシフトをしつつあります。日本もまた、今後この貿易構造の組替えを急ぐ必要があるのではないかという問題意識でございます。
 日本の輸入額を見ると、米国、中国からの輸入合計と日本を除くTPP10、また対EUの輸入合計はほぼ四兆ドルと一致してございますし、今後、TPPに加盟したい国も出てきているようであります。
 こうした激化する米中通商摩擦に対応していくために、日本も対米貿易黒字の削減と同時に、貿易の仕向け先やサプライチェーン、あるいは海外投資ネットワークなど、貿易構造の組替えを急いでいくべきではないかと考えます。日欧EPAの早期発効やTPP11の拡大への取組、あるいはインド太平洋戦略の推進、RCEPなどにより、この米中通商摩擦による日本経済への影響を極力回避していく方策について総理にお聞きしたいと思います。
#403
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 米中の貿易摩擦は、世界中に張り巡らされたサプライチェーンの網の目の中で、当事国以外にも予期しない悪影響をもたらす可能性があることは議員御指摘のとおりであろうと思います。
 具体的に、どの国、地域との間で貿易、投資を行い、どのようなサプライチェーンを形成するかはあくまで企業の経営判断であります。アジア太平洋地域を始め、グローバルにビジネスが展開される時代にあっては、政府としては、日本企業による最適なサプライチェーンが構築できるようにしていく、構築に資するように、TPPの年内発効が確定しましたが、その更なる拡大、例えば英国なんかも大変興味を示しているわけでございまして、このTPPが拡大をしていく可能性は十分にあるんだろうなと、こう思っております。
 また、欧州とのEPA、さらにはRCEPなど、引き続き自由で公正な経済圏を世界に広げていくために、日本は主導的な役割を果たしていく考えであります。
#404
○西田実仁君 四つの壁のうちのこの金融の出口戦略についてお聞きしたいと思います。
 総理は、九月十四日の日本記者クラブの会見で、金融緩和の出口の道筋について、私の任期のうちにやり遂げたいと、こう表明をされました。既にアメリカはFRBが資産の削減を開始しており、欧州も中央銀行の資産買入れ額を減らし始めております。主要各国は出口政策を始めており、世界の通貨供給量は鈍化しています。世界的な金融の量的緩和から十年、出口政策で世界景気の減速が始まることは覚悟しなければならないのかもしれません。
 通商政策には為替政策が絡むことは否定し切れず、それは金融政策へと連なっていきます。金融の出口政策の早期策定が必要なことは言うまでもありませんが、景気や市場への影響に配慮して、無理のない計画策定が課題であります。
 米国では、二〇一七年十月にFRBが資産の圧縮を始めた直後の十二月に、二〇一七年税制改革法にトランプ大統領が署名をしております。金融の出口政策に伴う金融面でのデフレ効果に対して、大規模な減税と大型のインフラ投資による財政出動で景気を下支えしようという、そういう政策だと理解しております。その結果、米国経済は景気拡大が今、百十三か月目を迎えております。
 総理が、金融緩和の出口の道筋について、私の任期のうちにやり遂げたいと表明されました。もちろん、その時期と手法は黒田日銀総裁に委ねられるべきでありますけれども、一足先に出口政策を開始した米国の先例は参考になるのではないかと思っております。金融の出口政策の早期策定と万全な準備についてお伺いしたいと思います。
#405
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 九月十四日の会見における私の発言は、政権交代以降、デフレ脱却に挑み続けた結果、デフレではないという状況をつくり出すことはできました。その中で、再びデフレに後戻りしないと、後戻りしないという状況をつくり出すために、安倍政権において、この三年でデフレ脱却の道筋をしっかりと付けるという趣旨で、このさきの発言は申し上げたものであります。
 出口戦略を含め、金融政策の具体的な手法については日本銀行に委ねられるべきだと考えておりまして、同時にまた、私は黒田総裁の手腕を信頼をしているところでございます。
#406
○西田実仁君 地方創生についてお聞きしたいと思います。
 地方への新しい人の流れをつくるとして二〇二〇年までの目標を掲げましたけれども、実際には、東京圏への転入はとどまるどころか、かえって増えているのが現実でございます。
 その原因として、大都市から地方への移住希望者は多くはない、あるいは地方には仕事がそもそもないという定説が指摘されますが、果たして本当にそうでしょうか。グーグルやヤフーなどを使用した仕事に関わる検索データ、いわゆる雇用ビッグデータを活用して、こうした定説を覆す分析が中央公論の十一月号に掲載をされております。著者の野村総研梅屋氏によれば、仕事の検索を行う人の平均検索回数を使って人数を推計すると、東京、神奈川、大阪など、大都市からの地方圏への潜在的な移住希望者は百十万人もいると言われております。定説に反して、大都市から地方への移住希望者は相当程度存在しているという結論です。
 一方、地方に仕事がないのかといえば、人手不足の割合は、北海道、四国、九州でも七割を超えている。日本商工会議所の調査でも、募集しても応募がなかったという比率が最も多い。地方には仕事がないのではなく、仕事はあってもその数の割に応募者が少ないと言われております。
 すなわち、地方への新しい人の流れをつくるには、仕事探しに関する情報伝達のミスマッチを解消しなければなりません。地方へ移住して仕事をしたいという人に適切なタイミングで適切な情報を提供できるようにしていく必要があります。ただ、それが既存の仕組みだけではなかなか実現していないというのが実情ではないでしょうか。
 イラストにしておりますけれども、既存の仕組みではなかなか到達しないけれども、新しいネット活用でその壁を乗り越えているというケース。こうした困難を乗り越え、域内の潜在労働力及び域外の移住希望者と県内事業者とのマッチングを促進させる雇用・移住プラットフォームを新設した愛媛県では、ハローワーク経由の就業件数に負けない実績を残していると聞きます。その仕組みと直近の成果について、総務大臣にお聞きします。
#407
○国務大臣(石田真敏君) 委員御指摘をいただきました愛媛県での平成二十九年度の実証事業、これは総務省の予算を活用していただいて開始されたものと承知をいたしております。この事業は、官民が別々に保有する地域の求人情報や移住支援情報などをプラットフォームに一元化して提供して効率的かつ効果的な雇用マッチングや移住を促進するものでございまして、成果といたしましては、昨年十月の事業開始から本年十月末までに県内及び県外の求職者二千五百二十六件のマッチングを実現をいたしておりまして、一定の成果を出しているところでございます。
 先日、私、吉野川の源流の川上村あるいは下北山村をお伺いいたしましたけれども、そこでも活躍されていた地域おこし隊の皆さんの中には、生活の環境を変えたかったと、そういうようなことでありまして、委員御指摘の全国で都会から地方への希望者、私も潜在的には随分おられるんではないかなと思っておりまして、こういうシステムをこれから総務省としても横展開を図ってまいりたいと思っております。
#408
○西田実仁君 この事例は非常に示唆に富むと思います。
 確かに、ハローワークにおきましても全国の求人情報をインターネットで検索することもできますし、UIJターンも希望する人のための地方就職支援コーナーも設置されております。しかし、ハローワークのインターネットサービスは求人検索までの機能でありまして、応募はハローワークに出向いての登録が必要となります。
 東京品川に置かれている地方就職支援コーナーも、土日祝日はお休み、営業時間は平日の八時半から十七時十五分までと、平日働いている移住希望者や現在働いていないシニアや主婦の方から見れば、何をそこまでして働き場所を探さなくてもとちゅうちょしてしまいかねません。仕事を見付けられない困っている方々の背中を押す仕組みであるハローワークにはその役割は依然としてありますが、そこまでは困っていないけれども働いてもよいというシニアや女性、あるいは地方圏に移住してもよいという潜在的な移住希望者の背中を押すには、ハローワークだけでは不十分ではないかと考えます。
 では、シニアや女性などの潜在的な労働力や地方への移住希望者の背中を押すには何が必要か。第一に、事前登録や窓口への訪問など煩わしい手続が省略されており、第二に、簡単かついっときに求人情報が得られ、そして第三に、ネットにアクセスしてその場ですぐ応募、募集先とコンタクトが取れることではないかと考えます。愛媛の事例はまさにその典型だと思います。
 こういう話を事前にしましたところ、いや、実は厚労省もいろいろと考えておるところがあるんで是非大臣に答弁させてくれというお話でしたので、厚労大臣、お願いします。
#409
○国務大臣(根本匠君) 大変、質問をしていただいてありがとうございます。
 先生おっしゃるように、私もマッチング支援、非常に大事だと思います。そして、確かに今、新卒応援ハローワーク等の専門の窓口でUIJターンの希望など若者のニーズを的確に把握して、先生おっしゃられたように、ハローワークインターネットサービスによる情報提供、あるいは自治体と連携して地方の生活環境の情報などきめ細かく提供する取組を行っています。これを更にブラッシュアップしていきたいと思いますし、今後、ハローワークが民間ビジネス事業者などと求人情報を共有する取組などについて関係省庁と連携して施策を具体化して、若者を始め希望する方と地方企業のマッチング、さらに、先生の御提案もありますので、進めてまいりたいと思います。
#410
○西田実仁君 お聞きしたところによると、ハローワークでも、インターネットによる求人検索機能に加えて、登録のためにわざわざ出向かなくてもネットで登録できる新たな仕組みも検討しているやに聞いております。
 いずれにいたしましても、シニアや女性といった潜在労働力や移住希望者の方が何を望んでいて、それをどのように実現すべきかといった視点からあるべきサービスの在り方を考えていかなければなりません。その際に鍵を握るのは、いかにして潜在的な働きたいというニーズを顕在化させるかであります。それには、これらの方々に、事前の準備なしで知りたい情報をなるべく簡便かつ大量に提供してその気になってもらうとともに、早い段階で応募といったアクションを起こしていただくことが肝腎であると思います。
 そのためには、やはりハローワークの既存の仕組みに加えて、民間事業者との連携が必要ではないでしょうか。それには、例えば雇用のビッグデータを持つ民間事業者との円卓会議のようなものを設けて、地方への人の流れをつくっていくことを検討すべきではないでしょうか。総理にお聞きしたいと思います。
#411
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 美しく伝統ある地方を守り抜いていく上においては、しっかりと人の流れをつくっていくことなんだろうと思っております。
 こうした観点から、安倍内閣ではこれまで、全国に人材拠点を設置をし、都市部の人材と地域中堅・中小企業とのマッチングを進めてきました。既に四千人を超える人材がこの枠組みで地域の中堅・中小企業で活躍しています。また、地域おこし協力隊を大幅に拡充をしてきました。現在、政権交代前の十倍以上、五千人の若者たちが協力隊として地方の新しい活力となっています。
 さらに、UIJターンを支援するNPO法人では、この数字、私も見て少し驚いたんですが、現在、十年前と比べまして相談件数が十五倍以上に増えています。そして、そのうち半分以上が三十歳代以下の若者となっています。十年前は、これはほとんどシニアの皆さんに占められていて、大体、定年になったら地方で暮らそうという気持ちの方々が大変多かったんですが、今はこの半分を三十歳代以下の人たちが占めている。そういう人たちのニーズにもしっかりと応えていく必要もあるんだろうなということと同時に、まさに地方創生に向けて大きな希望の芽が力強く出てきたなと、こういうふうに思っております。
 こういう若い人たちを中心として、意識の前向きな変化をしっかりと捉え、政府としても、UIJターンにより地方で起業、そして就職する若者たちを支援していきます。その新しい制度を来年度からスタートさせる予定であります。その際、委員御指摘の事例も参考に、民間事業者が運営している求人サイトなども上手に活用しつつ、移住希望者と地域内の求人のマッチングをする仕組みづくりができるよう、地方自治体、そして民間企業としっかりと連携して取り組んでいく考えでございます。
 このような取組を進めることによって、地方にこそチャンスがあると若者たちが考え、飛び込んでいくことができる、今そう考え始めつつあるわけでありますから、このチャンスを生かして、自らの未来を託すことができる地方をつくり上げ、地方への流れを力強く太いものにしていきたいと、このように考えております。
#412
○西田実仁君 そうした若い方々も含めて、移住を希望している方や、あるいは女性やシニアなどの潜在的な労働力の皆さんが求職、求人のマッチングがより進むように様々な工夫を凝らしていただきたいことを御要望して、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございます。
#413
○委員長(金子原二郎君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#414
○委員長(金子原二郎君) 次に、若松謙維君の質疑を行います。若松謙維君。
#415
○若松謙維君 公明党の若松謙維です。
 近年、地震、豪雨災害等が頻発し、今年は、大阪府北部地震、西日本豪雨や台風災害、そして震度七を記録した北海道胆振東部地震など、甚大な被害が多発しています。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げ、被災された全ての方々へ心からお見舞いを申し上げます。
 最初に、総理大臣にお尋ねします。
 東日本大震災、原発事故より七年八か月が経過しようとしていますが、今なお福島県民四万四千人を含む五万六千人の方々が全国に避難され、不自由な生活を強いられています。さらに、風評被害は続き、国民の関心も薄れる風化という二つの風に直面しています。
 改めて、総理の東日本大震災の復興加速化に対する決意を伺います。
#416
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 東日本大震災からの復興は、政権発足以来、安倍内閣の最重要課題であります。発災から間もなく七年八か月が経過をし、復興の総仕上げ、そして福島の本格的な復興に向けて確固たる道筋を付ける重要な局面を迎えています。
 閣僚全員が復興大臣であるとの認識の下、政府一丸となって取り組んできた結果、復興は一歩一歩着実に進んでいます。災害公営住宅や住宅宅地の整備は今年度末でほぼ完了する予定であり、特に岩手県、宮城県においては、復興・創生期間中に仮設生活の解消を目指します。
 委員御地元の福島においても、本格的な復興を見据えた新たな段階を迎えています。具体的には、避難指示が解除された地域においては小中学校が再開するなど、生活環境の整備が進んでいます。帰還困難区域においても、六町村の特定復興再生拠点の整備が始まっています。福島イノベーション・コースト構想も、七月に福島ロボットテストフィールドが一部開所するなど、その具体化が着実に進んでいます。さらに、今なお続く風評被害、風評の払拭は、福島の復興再生の大前提であり、正確な情報発信を一層強化いたします。
 東北の復興なくして日本の再生なし。この未曽有の災害を風化させることなく、今後も切れ目のない被災者支援、住まいと町の復興、なりわいの再生、原子力災害からの復興再生に全力で取り組んでまいります。
#417
○若松謙維君 ひとつよろしくお願いいたします。
 本日は、三年前に東日本大震災の被災地仙台市で第三回国連防災世界会議が開催され、そこで採択された津波防災の日、そして世界津波の日でありまして、このバッジが、総理も付けていただいておりますけれども、まさにその象徴でございます。
 本補正予算には、大阪府北部地震、西日本豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震、さらには学校の安全確保対策として、熱中症対策のためのエアコン設置、倒壊の危険性のあるブロック塀対策が盛り込まれており、一日も早い成立、執行が必要です。
 まず、これらの災害に共通する課題について質問いたします。
 国土交通大臣にお尋ねいたします。
 今回の豪雨又は地震災害で、観光施設が正常に営業していても風評被害で観光客の入り込みが激減しています。この風評被害対策として熊本地震から始まったふっこう割は、大阪府北部地震、西日本豪雨災害、台風二十一号による観光風評被害対策として既に始まっており、地域産業のなりわいを支援する重要な政策です。
 私は、九月末、秋の紅葉観光シーズンが始まる札幌市の奥座敷、定山渓に伺い、観光協会の方々から要望を受け、十月初旬から始まる紅葉シーズン前に風評被害対策を打ち出してほしいとの依頼を早速北海道と国に伝えました。道は十月一日から利用できる上限二万円の北海道ふっこう割を一万人に提供しました。さらに、国は西日本で起きた災害に対するふっこう割三十三億円、北海道ふっこう割八十一億円の計百十四億円の予算を確保し、インバウンド対策も開始するなど、これらの早い対応を評価します。
 特に北海道は観光産業の比率が高く、地震発生から一か月で観光消費の損失が三百五十六億円に上りましたが、九月、十月の北海道観光の状況等、今後の見込みをどのように認識しているか、また、十分な風評被害払拭ができない場合、追加の北海道ふっこう割を検討していただけるか、お尋ねをいたします。
#418
○国務大臣(石井啓一君) 九月六日に発生をいたしました平成三十年北海道胆振東部地震によりまして、宿泊キャンセルが多数生じるなど、九月時点では北海道観光に大きな影響があったと認識をしております。
 こうした影響を克服し、北海道観光を回復させるため、北海道ふっこう割や各種割引運賃など、官民挙げて「元気です北海道/Welcome!HOKKAIDO,Japan.」キャンペーンを九月の二十八日から展開するとともに、日本政府観光局によるSNS等を通じた観光地の情報発信等を実施をしております。
 十月の北海道観光の状況と今後の見込みにつきましては、北海道ふっこう割の販売状況が好調であること、大手旅行会社等へのヒアリングによれば、十月以降の北海道方面への旅行需要は九月に比べて回復傾向にあることなどから、観光をめぐる状況は回復をしてきておりまして、北海道への観光客は増加していくものと考えております。
 十一月の二日現在で、北海道ふっこう割の補助金約三割分販売いたしましたが、残りもたくさんございますので、引き続き残りのふっこう割の補助金も活用しながらキャンペーンをしっかりと展開をいたしまして、官民挙げて北海道の旅行振興策を着実に実施をするとともに、今後の宿泊動向等も注視しつつ、状況に応じて必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
#419
○若松謙維君 是非、旅行会社等の先ほどのふっこう割活用も含めて御指導よろしくお願い申し上げます。
 次に、財務大臣に、東日本大震災で税金申告に深く関与してきた東北税理士会から長年要望されている現行の災害損失に対する雑損控除制度の改正についてお尋ねをいたします。
 例えば、四十歳代の世帯年収四百六十万円の御夫婦、五年前に購入した家屋を災害で失って、しかし一千万円の保険金を受けた場合に、全額雑損控除するには五・五年必要となります。しかし、現制度の繰越控除期間は三年間しかありません。東日本大震災では、特例によりまして繰越控除期間を五年間に延長していただきました。しかし、当時の全壊家屋は十三万件に上りまして、数万人の被災者が災害損失を全額控除できなかったと思われます。
 これだけ頻繁に激甚災害が起きることを考えると、現行の雑損控除ではなく、新たに災害損失控除制度を創設し、災害損失の繰越控除期間を例えば十年間に延長し、損失控除の順位も工夫し、避難、移転費用も繰越控除できるよう所得税法の雑損控除制度の改正を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
#420
○国務大臣(麻生太郎君) これは、若松先生、この雑損控除の話は昔からある話ではあるんですけれども、御存じのように所得から控除することができるんですけれども、被害に遭ったときに。控除し切れなかった損失については翌年以降三年間で繰り越すということができるようになっているんですが、東日本大震災等々大きな震災に遭われたところに関しましては、いわゆる被災前の生活の糧を得るというのはなかなか難しいものですから、いわゆる繰越控除期間というのを二年延長させていただいてトータル五年ということにさせていただいたのはもう今おっしゃったとおりなんですが。
 この御提案のように、控除の繰越期間を長く設営する、設けるということにつきましては、これは事業をやっています関係上、事業上の損失というのと異なって、帳簿上いわゆる明確ではありませんから、そういった意味では、余り長期にわたって控除を認めますと、制度の濫用とか悪用とか、納税者間の公平性とかいうのが損なわれるということはよく言われるところなんでして、慎重にこれは検討する必要があるんだとお答えしてきておるんですが。
 いずれにしても、この個別の災害の対応につきましては、個々の災害の全容を踏まえた上で、これは税制だけではなくて、歳出を含めた総合的な支援を細かく検討する、きめ細かく検討するということが重要なんだと思っておりますので、今後とも被災地におけます被災からの復旧状況を踏まえつつ、これはいろいろ関係機関とよく打合せをさせていただいた上でしっかりと検討させていただければと思っております。
#421
○若松謙維君 とにかく激甚災害、もう頻発時代ですので、そういった前提が変わっているということも御理解をいただいて、是非連携をよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、北海道胆振東部地震固有の課題について質問します。
 初めに、総理大臣にお尋ねします。
 パネル一を御覧ください。(資料提示)
 私は、北海道胆振東部地震発災後直ちに、厚真町吉野地区の現場、そして多くの組合員が亡くなられた吉野地区のJAとまこまい広域組合長を訪ねました。組合長は大変傷心されていましたが、声を絞り出すように、集荷場が大変なことになっていると訴えられました。その現場に行くと、何段にも積み重ねられた収穫したばかりのジャガイモコンテナが荷崩れし、また数千個の未使用のコンテナも総崩れとなっていました。
 また、北海道には、六千戸の酪農家が平均百三十頭の乳牛を飼い、機械で乳搾りをするため、今回のブラックアウトにより搾乳ができず、多くの乳牛が乳房炎となる被害が生じました。このため、この日、北海道庁を訪ね、その対応策を要望し、早速、乳房炎の予防管理や発電機借り上げ等の支援拡充策を作っていただきました。
   〔委員長退席、理事二之湯武史君着席〕
 このほか、震源に近い被災地や札幌市、乳牛農家、観光地などの被災地視察で分かった課題を発災から四日後の月曜日に公明党として政府に伝え、その三日後には、更なる現地調査を踏まえ、二十一項目の要請を官邸に申し入れました。その結果、九月二十八日の閣議決定で激甚災害指定となり、現在審議中の補正予算に千百八十八億円の予算措置をしたことは高く評価し、感謝を申し上げます。
 しかし、震度七という未曽有の地震災害であり、今後、復旧復興の過程で新たな支援策のための財政需要が生じた場合、必要な財源を確保していただきたいと要望します。
 復興は単なる復旧ではなく、自治体、関係者が知恵を絞って創造的復興を行っていく必要があります。そのためには自治体の要望に可能な限り応えていく工夫も必要と考えますが、総理の見解を伺います。
#422
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北海道胆振東部地震につきましては、関係自治体の復旧復興事業が進むように予備費を十分に活用し、発災直後のプッシュ型支援のほか、北海道ふっこう割を実施するなど生活の再建や迅速な復旧に向けた支援策を実施するとともに、激甚災害の指定や普通交付税の繰上げ交付といった対策を迅速に講じてきたところであります。
 また、今般、大規模な山腹崩壊等への対応など、被災地の復旧復興に必要な経費を平成三十年度補正予算案に計上しているところでありまして、早期の成立の御理解と御協力をお願いをしたいと思います。
 今後とも、関係自治体が安心して復旧復興に取り組んでもらえるよう対応に万全を期すとともに、被災地が今、今後描いていく、委員がおっしゃったように、創造的復興の姿については、その内容を踏まえてしっかりと後押ししていく考えでございます。
#423
○若松謙維君 是非、年末にも税制改正がありますけど、いわゆる創造的復興、これが是非可能な限り実現できるように更なる検討をよろしくお願い申し上げます。
 それでは、防災担当大臣にお尋ねいたします。
 発災から二か月がたち、最優先すべきは住まいの早期確保です。厚真町、安平町では第一期応急仮設住宅百三十戸が先月完成し、現在、二期目、九十三戸を建設中です。厚真町の今朝の気温は零度近くと、急速に厳冬が近づいています。今までの寒冷地での応急仮設住宅の経験を生かし、二重窓、お風呂の追いだき機能、物置小屋、さらにはFF式ヒーターが設置され、寒さ対策があらかじめ施されています。
 七月の西日本豪雨の際には、暑さ対策で仮設住宅にエアコンが装備されました。災害の際には、気候や利便性に配慮した仮設住宅の居住環境改善をお願いするとともに、生活必需品となる家電についても義援金等を活用した支援をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
#424
○国務大臣(山本順三君) 若松委員にお答えをいたします。
 私も、大臣就任後早速に北海道胆振東部地震の被災地に参りました。その災害のすさまじさを改めて再確認するとともに、復旧復興に向けて全力を挙げていかなければならないというふうに思いましたし、建設型の応急仮設住宅の現場にも行ってまいりました。いろいろなことを施しながら、早くにその仮設を完成させようと皆さんが一生懸命に働いている姿を見てまいりました。
 今ほど若松議員おっしゃったように、この応急仮設住宅につきましては、冬の厳しい気候の中でも安心して生活ができるようにということで、二重窓や風呂の追いだき機能、それから壁に取り付ける石油ファンストーブの設置、また積雪や寒冷地での使用に耐え得るように被災自治体とともに検討を行いながら今現在整備を行っているところであります。
 お申入れの家電の案件であります。
 御案内のとおり、災害救助法による生活必需品の給与又は貸与は、災害により日常生活を営むのに最小限必要なものに限られておるということでございまして、家電につきましては、炊飯器であったりあるいはガス器具等の調理道具を除いて現在対象となってはおりませんけれども、義援金やあるいは被災者生活再建支援金等を活用することが考えられるというふうに思っております。
 本格的な冬を迎える前に被災者が避難所等における生活から応急仮設住宅などに移っていただき、一日も早く安心した生活を取り戻せるように全力を挙げて尽くしてまいりたいと思っております。
#425
○若松謙維君 よろしくお願いいたします。
 国土交通大臣にお尋ねします。
 札幌市清田区里塚地区や北広島大曲地区では、液状化による最大三メートルの地盤沈下が起きました。札幌市は原因究明調査と並行して復旧方式を検討していくとしていますが、復旧が長期化することにより住民の不安が大きくなっています。住民説明会も開催されたと伺っていますが、前代未聞の液状化被害であり、技術者派遣や新たな住宅復旧支援措置を行っていただきたいのですが、いかがでしょうか。
#426
○国務大臣(石井啓一君) 私も発災後、札幌市清田区の液状化の被災の現場を視察をさせていただきましたが、国土交通省では発災後速やかに研究者及び職員を現地に派遣をいたしまして、国土技術政策総合研究所等による原因の調査、過去の災害で講じられました地盤強化対策や住宅復旧に係る支援制度の紹介等を行ってまいりました。
 現在、札幌市等におきまして、液状化被害について原因究明や地盤強化のための対策工法の検討を行っております。検討会議への研究者の参加や調査に係る費用に対して交付金により支援をしているところであります。
 国土交通省といたしましては、地盤調査等の結果を基に恒久的な地盤強化対策を行うために、札幌市等と密接に連携を図りながら、宅地耐震化推進事業等によりまして必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
#427
○若松謙維君 是非きめ細やかな支援をよろしくお願い申し上げます。
 次に、農林水産大臣に伺います。
 先ほどのJAとまこまい広域では、集荷施設のコンテナの一部が損壊し、早速二分の一補助制度を創設していただきました。また、厚真、安平、むかわ三町で野菜等の共同利用施設が被災し、立て直しのための支援策を強く要望していました。是非、これらの共同利用施設の再建、復旧の支援策を検討していただきたいのですが、いかがでしょうか。
#428
○国務大臣(吉川貴盛君) 私も発生直後から大臣に就任します前に何度か震源地を訪れさせていただきまして、厚真町、むかわ町、安平町のこの野菜の集出荷施設、共同利用施設の破損などを現実に見てまいりました。
 この機能の復旧は、今、若松委員の御指摘のとおり、もう喫緊の課題であると存じておりますので、まずは九月の二十八日に関連の支援対策を取りまとめさせていただきまして、被災した共同利用施設の再建、復旧につきましては、農林水産業共同利用施設災害復旧事業が活用できますほか、被災を機に機能を強化することも可能な被災施設整備向けの強い農業づくり交付金も御活用いただけるようにしたところでございます。さらに、このことによりまして事前着工が可能となりましたので、再建、復旧に向けて手続が今始まっているところでございます。
 来年の影響が出ないように、しっかりとこの被災地に寄り添って、また丁寧に更に対応してまいりたいと存じております。
#429
○若松謙維君 今大臣がおっしゃった件、直接関係者とお話ししたんですが、やはり伝わっていないんですね。御本人たちが非常に心配ですので、なかなか制度があるにもかかわらず空回りしている面もありますので、是非寄り添った対応をお願いしたいと思います。
 次に、経済産業大臣にお尋ねします。
 パネル二を御覧ください。
 北海道電力は、泊原発が停止し、石炭、石油火力に頼ってきたため、一般家庭と事業者の電力料金を地域比較すると、北海道が一番高くなっているのが分かります。
 電力料金引下げのために発電効率を上げ、その結果、苫東厚真発電所に一極集中してきたことが今回のブラックアウトにつながったわけですが、北海道初となる五十七万キロワット増設する工事が来年三月完成予定であり、あっ、失礼しました、五十七万キロワットのLNG発電所、これが来年二月石狩に、北本連系線という北海道と本州をつなぐ送電線、これを三十万キロ増設しますが、この工事も来年三月完成予定であります。あと半年この工事が早く完成していれば、今回のブラックアウトは起きなかったということで、大変残念でなりません。
 広大な北海道の電力網の整備には、本州と比較し送配電コストが高くなります。これらの費用の全てを道民負担にさせるのではなく、稚内、苫東、留萌など、北西部の風力、東南部の太陽光発電等、広大な土地に潜在する再エネ資源を活用し、将来、余剰電力を本州で利用することも視野に入れ、北本連系線の増強と道内の送配電網整備に既存の電力料金の一部を活用することを早急に検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#430
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、北海道電力は、東日本大震災の後も二回にわたって電気料金の値上げをせざるを得なかった、その結果、全国でも最も高い電力料金になっている、これは非常に深刻な問題だというふうに思っております。
   〔理事二之湯武史君退席、委員長着席〕
 これをクリアしていくためにも、また電力の安定供給を確保するためにも、これはこの間のブラックアウトの以前から行われていた対策として、LNG火力の新設、そして北本連系線、今六十万キロワットですけれども、これを九十万キロワットまで増強するという対策が取られてきているわけであります。それでもまだ他の地域間の連系線に比べると九十万キロワットというのは非常に細いわけでありまして、更なる増強をしていかなければいけない。その件についても、今後、検討は進めていかなければいけないというふうに思っています。
 ただし、費用負担をどうするか。費用負担をどうするかという議論のときには、受益者が誰なのか、こういったところをできるだけ早くしっかり議論をして検討を進めてまいりたいというふうに思っております。
#431
○若松謙維君 今回のブラックアウトの原因究明、これは電力広域的運営推進機関の第三者による検証委員会、これが十月二十五日、中間報告を発表して、北海道電力の地震発災時の対応に、事前に想定した運用対策も含め必ずしも不適切であったとは言えないと、こういう結論がありますが、いずれにしても本年中に最終報告を出す予定となっております。
 経済産業大臣の今回のブラックアウトに対する認識と、二度とブラックアウトを発生させないためにどう取り組むのか、お尋ねをいたします。
#432
○国務大臣(世耕弘成君) この電力の広域機関の専門家による分析の結果、世上は何となく苫東厚真の三基が落ちたことがブラックアウトの原因と言われていますが、それ以外にも水力発電とつながっている四本の送電線に支障が起こっていた。ということは、もう事実上七つの故障が同時に起こったことがブラックアウトの原因だとされているわけであります。
 今後こういったことを二度と起こさないためには、先ほど申し上げた、これは今六十万キロワットから九十万キロワットに北本連系線を増強していく、これもなるべく早く前倒しで工事を完成させていくということ。あと、石狩湾新港のLNG火力発電所、これ五十七万キロワットありますけれども、これ実はもう試運転を開始しておりますので、一応今二月運転開始となっていますけれども、これもなるべく早く本格運転に切り替えていくということ。そしてもう一つ、いざ発電能力が落ちたときに、需給バランスを保つためにこの負荷の遮断というのを行えるようになっているんですが、これを更に三十五万キロワット分追加して負荷の遮断を行えるようにしていく、こういった対策をしっかりと行ってまいりたいというふうに思っております。そして、北本連系線、先ほどお話しした、更なる増強が必要なのかどうか、そして費用負担をどうするかということについても検討を進めてまいりたいというふうに思っています。
#433
○若松謙維君 とにかくよろしくお願いいたします。大変なんです、北海道は。
 じゃ、総務大臣にお尋ねします。
 公明党は、これまで政府に対して防災・減災ニューディールを提唱してきました。本年、党を挙げて全国三千人の議員が地域の皆様を訪問して実施した百万人アンケート調査結果でも、多くの人が災害に関心を寄せていることが分かりました。さらに、近年の台風、豪雨、地震、熱中症等の災害が多発する時代にあっては、九月の党大会で、平時から自然災害へのハード、ソフト両面からの備えを怠らない防災意識社会への転換を新たに提唱しました。
 パネル三を御覧ください。
 災害への対応においては、いわゆる自助、共助、公助の三つを挙げることができますが、この三つが一体として機能することで地域防災力が一層発揮され、被害が軽減されることになります。
 特に共助が大変重要であります。災害時、多くのボランティアの方々が被災地に入って復旧に当たってくださっています。また、この共助について、住民に身近な存在であり、地域をよく知り、迅速な対応ができる自主防災組織の活動に多くの期待が寄せられております。その組織数は約十六万団体、活動カバー率は八三%と大きなものとなっています。
 近年、災害が多様化、大規模化する中で、自主防災組織の活動は重要であり、自主防災組織が災害時に実際に機能するよう更なる充実強化を図るべきと考えますが、いかがでしょうか。
#434
○国務大臣(石田真敏君) 委員御指摘のように、自主防災組織は、自分たちの地域は自分たちで守るという意識に基づいて組織されますので、非常に重要な組織だと認識いたしております。今年の七月豪雨や昨年の九州の北部豪雨におきましても、自主防災組織による声掛けによりまして住民の皆さんが早期避難、そういうことにつながったという事例があるわけでございまして、消防庁といたしましても、一層全国にこの取組が広がるように、周知、広報、あるいは表彰、そういう取組を行ってまいりたいと思っております。
 また、平成二十九年度から、自主防災組織と地域の組織が連携する取組につきまして財政的に支援を行うモデル事業を実施いたしております。また、平成三十年度からは自主防災組織の活動の中心となるリーダー等の育成に資する教材等の作成を行っているところでございまして、今後とも自主防災組織に対する支援を進めて地域全体の防災力を高めてまいりたい、そのように思っております。
#435
○若松謙維君 最後に、総理にお尋ねをいたします。
 我が党の山口那津男代表は、先日の本会議代表質問で防災・減災を訴え、地域の防災人材の確保と育成が不可欠であることに言及されました。それに対して総理は、国民一人一人が自ら取り組む自助、地域、企業、学校、ボランティアなどお互いに助け合う共助を組み合わせ、地域全体で防災意識を高め、常に防災・減災の視点を持ってあらゆる災害に備える防災意識社会を構築していくことが大切である旨の答弁をされました。
 近年の災害は、豪雨、地震、竜巻、豪雪等、いつどのような災害が来るか予測が難しくなっています。私自身、防災士、さらには防災危機管理者を取得し、災害、防災の勉強をしてまいりましたが、内閣府も国や自治体等の職員を対象に防災スペシャリスト養成研修の受講を推進しています。
 自治体では防災危機管理室のような組織を設置し、防災危機管理監のような組織を置いていますが、これらの職責に防災士や防災スペシャリスト養成研修等の取得義務がありません。やはり、石巻市大川小学校でそのような防災専門家が一人でもいればあのような悲惨な津波の犠牲は防げたかと思うと大変残念でなりません。少なくとも、自治体又は教育機関にはこれらの資格又は研修を取得する義務化をすべきと考えます。国民を守るため、積極的な検討をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
#436
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のように、地方公共団体等が災害応急対策、災害復旧を遺漏なく的確に進めることができるか否かは、その司令塔として防災対応の要となる職員が専門的な防災知識や経験を有し、それを踏まえて対処できるかどうかに懸かっていると言っても過言ではないと思います。
 そのため、政府としても、都道府県、指定都市の危機管理監等を対象にした防災・危機管理特別研修や、地方公共団体の職員等が災害対応業務のハイレベルな知識やスキルを習得する防災スペシャリスト養成研修の実施、学校や病院における災害対応等に関するマニュアル策定の推進などに取り組んでいます。
 今後とも、様々な災害から得られる教訓をできるだけ広く共有し、的確な災害応急対策を実施し得る防災人材の育成、地域の防災対策の強化に努め、国民の安全の確保に全力を尽くしてまいりたいと思います。
#437
○若松謙維君 災害対策基本法一条というのがあります。責任の所在を明確にする、いわゆる公助です。七条には、責任を有する者は誠実にその責務を果たすと。四十七条には、災害予防責任者、資格要件ありません。
 行政の皆さんは、建設現場に何資格置きなさいと、介護には何か置きなさいと言いながら、行政自らがちゃんと自らレベルを高めるための何ら義務化していないじゃないですか。真剣に国民を守ってください。強く要望して、質問を終わります。
 以上です。
#438
○委員長(金子原二郎君) 以上で若松謙維君の質疑は終了いたしました。(拍手)
    ─────────────
#439
○委員長(金子原二郎君) 次に、徳永エリ君の質疑を行います。徳永エリ君。
#440
○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会、北海道の徳永エリでございます。
 今年は、我が国は多くの自然災害に見舞われました。大変に甚大な被害も発生しております。そして、多くの尊い命が奪われました。亡くなられた方々に心からお見舞いを申し上げますとともに、被害に遭われた全ての方にお見舞いを申し上げ、また、救命救援活動に御尽力された自衛隊、警察、消防、海保、行政、そしてボランティアの皆様に心から改めて感謝を申し上げたいと思います。
 また、総理には、北海道胆振東部地震被災地に御視察いただきまして、ありがとうございました。間もなく北海道は雪が降ります。雪が降ると、できないこともたくさんあります。いまだに避難所、そして仮設住宅で先の見えない不安の中で暮らしている特に御高齢の方々、こういう方々に一日も早く生活の再建をしていただきたいと思っておりますので、国民民主党は、平成三十年度補正予算、この中身をしっかり精査させていただきまして、一日も早い復旧復興を目指していただきたいということで賛成をさせていただきます。成立いたしましたら、迅速な執行をお願いを申し上げたいと思います。
 さて、先ほどもお話がありましたけれども、ブラックアウト、北海道で九月六日、ほぼ全域にわたって発生いたしました。北海道は国土面積の五分の一です。東北六県プラス新潟が北海道の広さであります。それだけの広いエリアでブラックアウトが発生したということであります。
 資源エネルギー庁も、それから北海道電力もこのブラックアウトの発生メカニズムについては情報提供に努めていただいておりますが、まだまだ理解されていない点がございますので、改めてこのブラックアウトのメカニズムについて御説明をいただきたいと思います。
#441
○国務大臣(世耕弘成君) 電力というのは、電気をつくる量、これ供給と、そして電気を使う量、需要、これが常に一致をしていなければこの電気の周波数が乱れてしまうという性質があるわけであります。
 例えば、供給が需要を上回るような場合は周波数が上がります。逆に、供給が需要を下回る場合は周波数が下がります。これが特に差が大きくなると特に産業用機械などに不具合が生じてしまいますので、これ発電機の安全装置が自動的に発動して供給が停止をする。そのことが、今回、先ほど申し上げたように、苫東一号機、二号機、四号機と、そして水力発電とつながる四系統の送電線、合計七つの支障が同時に起こったということで、今回、供給が大幅に下がって、そして自動的にもう電力の供給を停止をして、今回のようなブラックアウトという事態になったというふうに考えております。
#442
○徳永エリ君 北海道の電力需要量の半分を苫東厚真火力発電所の三基、総出力百六十五万キロワットが一手に供給をしていたということで、一極集中に批判が集まりました。
 また、北海道は再生エネルギーの宝庫であります。太陽光パネル、ソーラー発電所、そして苫前や稚内の風力発電所、あるいは地熱、あとはバイオ、木質バイオマス、それからバイオガス発電所、そういった再生エネルギーの宝庫であるのにもかかわらず、この再生エネルギーの発電が、電力が供給されたのかどうかというような疑念の声が上がったりもしています。
 一極集中が問題だったのか、再生エネルギーによる電力の供給はどうなったのか、お伺いしたいと思います。
#443
○国務大臣(世耕弘成君) 今、第三者委員会、専門家の分析は、この苫東厚真だけが原因ではなかった、やはり水力発電につながる系統もいったのが、支障が起こったのが原因だと言っています。ただ、その火力発電所とその送電線四回線が同じ震度七とか強い地震の影響を受けるゾーンの中にあったということは、これは少しよく今後も点検をしていかなければいけないというふうに思っています。
 一方で、これ再生可能エネルギーが役に立ったのか立たないのかということでありますが、再生可能エネルギーの中でも太陽光や風力、これ北海道でたくさん導入をされているわけですが、これは常に風の量とか日照の量で変動することが前提となっているので、その変動に対応する調整力というのがこれセットでないと機能をしないわけであります。
 ふだん北海道は、東北とつながっている北本連系線がその調整力の機能を果たしているわけですけれども、地震直後はばたばたばたっと発電が落ちていったので、その本州からの六十万キロワットの連系線というのは全部供給力としてフル稼働をしてしまったので再エネの調整力としての機能は果たせなかったわけでありまして、そういったことから、風力、太陽光というのは、この停電の局面でははっきり言って役割は果たせなかったということになってくるわけであります。しかし、一方で、だんだん火力発電が復旧していく過程で北本連系線に少し余裕が出てきましたので、徐々に太陽光、風力が復旧をしていったという形になっていったわけであります。
 また、一方で、水力、バイオマス、地熱、これも再生可能エネルギーなわけでありますが、これは安定的に発電が可能でありますので、この北海道の停電を復旧させていく中では、水力とかバイオマスとか地熱をもう本当にフル稼働してかき集めてこのブラックアウトからの立ち上げに貢献をしていったという形になっております。
#444
○徳永エリ君 大変に分かりやすく御説明をしていただきましたけれども、これは、北海道で今回発生いたしましたけれども、ほかのところで起きないとは限りませんので、しっかりこのことを教訓として受け止め、そして私たちも理解をしていかなければいけないというふうに思っております。
 同時同量というお話でございましたけれども、北海道電力に対して批判が向けられた節もありましたけれども、現場ではとにかくこの同時同量を維持するために二十四時間三百六十五日必死で対応しているということも理解をしていかなければいけないというふうに思っております。
 そして、今回のブラックアウトに関して政府からの情報の提供について世耕大臣にお伺いしたいんですが、電力復旧の見通しについて、世耕大臣は、地震が発生してからおよそ五時間後、まだ北海道電力は何時間以内に復旧できるとは明確にしておりませんけれども、経済産業省としては数時間以内に電力復旧のめどを立てるよう指示をしているところでありますと、土砂崩れによって立入りが困難な地域を除く、四百五戸を除いて今日中に停電を解消する見通しでありますと会見で発言されました。すぐに復旧するんだと皆さん思って、つなぎで自家発電装置を動かしたという方もいらっしゃいました。しかし、それから三時間後に開いた会見で、世耕大臣は、苫東厚真火力発電所の復旧には少なくとも一週間以上掛かる見通しとなりましたと発言しています。この二回の会見で現場が混乱したということは想像できると思います。
 私、十勝に行きましたら、十勝の酪農家の方が、すぐ復旧するんだったらということで自家発電を動かしてバルククーラーを動かしたと、そして搾った生乳を冷やそうと思っていたんだけれども、次の会見では一週間と言われたので、これはもたないと思って廃乳したという方もおられました。
 こういう緊急時だからこそ、もちろん早く情報を出すことも大事ですけれども、できるだけ正しい情報を出すということが大事だと思いますが、この点について、世耕大臣、いかがでしょうか。
#445
○国務大臣(世耕弘成君) ここちょっと正確に整理させて、片道ですから少し正確に整理させていただきたいと思いますけれども、まず七時頃、経産省から北海道電力に対して、できるだけ早く電力復旧のめどを立てるように指示をいたしました。復旧させろと言ったのではありません。復旧の道筋を示してくれということを申し上げました。それを受けて、私は八時十五分から記者会見で、経産省としては、数時間以内に電力復旧のめどを立てるよう指示をしているところであります、ですから、道筋をしっかり示してくれということをまず申しました。これが第一弾の指示であります。
 それを受けて、その後、十時過ぎに、北海道電力から経産省に対して、苫東厚真発電所の復旧には少なくとも一週間以上掛かる見通しと報告がありました。それを受けて、私は、十一時五十八分からの会見で、そのとおり、北海道電力から上がってきた報告のとおり、苫東厚真発電所の復旧には少なくとも一週間以上掛かる見通しだということを申し上げました。
 そしてさらに、その状況がそのまま続いていましたので、九日、もうこの時点では、停電からしっかり復旧できるかどうかというのは苫東厚真の故障の状況がどれぐらいで、それがどれぐらいで復旧するかということでありましたから、九日には北海道電力に対して、一号機、二号機、四号機のより具体的な復旧の見通しを一両日に示すようにと言って、そして、その翌日、十日の夜十時半頃、北海道電力から、一号機は九月以降、二号機は十月以降、四号機は十一月以降の稼働。結局、結果としてはこれもうぐんと前倒しでできて、現在安定的な提供に至っているわけであります。
 これ、私は元々NTTにおりましたので、こういう大きな災害が起こってインフラが本当に重大な被害を受けたときのこういうインフラ企業の対応というのは、私はよく分かるんです。現場からなかなか正確な情報が上がってこない、本社に上がってこない、あるいは、いわゆるもう百点の答えができないと対外的には一切言わないというこの技術系の考え方とか、あるいはもう、そんな外へ報告しているよりも、外へコミュニケーションしているよりも直すことが優先だろうというような考え方とか、いろんなことが起こるんです。
 私は、やはり、あのような事態のときは少しでも見通し、あるいは少し政府も北海道電力本社もしっかり動いているということをやっぱり被災者の皆さんにお示しをする、見通しをお示しする、そしてその見通しが変わったら、できるだけ早く、その見通しがこうこうこういう理由で変わったということを示していくことが私は非常にこういう対応のとき重要ではないかということを若い頃の経験から思っているものです。
 今回は、やはり監督官庁として、できるだけ早く復旧の道筋を示せ、できるだけ早くもっと正確に出せということを累次にわたって指示をしていったのは、私は間違いではなかったというふうに思っております。
#446
○徳永エリ君 御説明いただきましたけれども、ただ、やはり現場が混乱したことは事実でございますので、今後同じようなことが起きないように、やっぱり情報の出し方というのはしっかり教訓にしていただきたいなということを申し上げたいと思います。
 それから、若松委員からも質問がありましたけれども、今、現場はいざというときに備えて自家発電装置、これを導入しようという動きがありますけれども、自家発電装置の値段がぐっと上がっているそうであります。補助金が出てもこれは大変だという状況でありまして、自家発電装置を備えることも大事ですけれども、二度とこういうことが起きないようにするということが最も大事でありまして、この二度とブラックアウトが起きないためにどのような対策を取っていくのか、改めてお伺いします。
#447
○国務大臣(世耕弘成君) やはり、ブラックアウトを防ぐという意味では、電力ネットワーク全体でリスクを分散しておく必要があるというふうに思っています。
 北海道電力は何もしていなかったわけじゃないんです。ずっと以前、何年も前から取組をやってきていました。これ、もう電力ですから、取組の結果が出るのには時間が掛かるわけであります。
 今まで北海道電力がやってきたのは、北本連系線を六十万キロワットから三十万キロワットに増設をする、増強をする、これは来年三月完成予定で……(発言する者あり)三十万キロワットね、六十足す三十で九十万キロワットに増強をするということ。
 そして、石狩湾新港のLNG火力発電所、これ五十七万キロワット、これも建設には時間が掛かりますけれども、来年二月に運転開始、もう既に試運転は始まっているという状況までやってきています。
 それに加えて、今回、第三者委員会からの提言として、さらに、いざというときに負荷を、その需要を強制的に落とす。ということは、一部では停電は発生してしまうんですけれども、いわゆる全道ブラックアウトにはならないという意味で、三十五万キロほど負荷を追加で遮断できる仕組みを導入する、その設備を増強するということも提言にありますので、これも既に措置をさせていただいているところであります。
 それに加えて、北本連系線を更にもう少し増強する必要があるのではないかということになるわけですが、北海道、電力代、電気代が高い中で、この増強の費用負担を一体誰がやるのか、あるいはその受益者を誰と見るのかということについては少し検討が必要だというふうに思っていますけれども、これも速やかに検討してまいりたいというふうに思っております。
#448
○徳永エリ君 その点の検討を急いでいただいて、しっかり対応していただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 いずれにせよ、今回のブラックアウト、およそ四十五時間で電力が復旧したということでありまして、大変に厳しい状況の中で現場の皆さんがもう本当に不眠不休で頑張っていただいた結果だと思いますので、そういった方々にも感謝をしたいと思いますし、本当に資源エネルギー庁としては二度と起きないようにしっかりと対応をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 さて、総理大臣にお伺いしたいと思います。
 第四次安倍改造内閣がいよいよ本格的に始動いたしました。組閣の際に、私は国民民主党の男女共同参画推進本部長を務めさせていただいておりますので、女性がどれだけ大臣に起用されるのかということを大変期待いたしておりました。しかし、法律も通常国会で政治分野における男女共同参画推進法が通りましたし、総理は女性活躍を推進しておられるということでありましたけれども、結局起用されたのはたった一人、女性の大臣は片山大臣たった一人でございました。
 なぜもっと女性を大臣に起用できなかったのか、また、どうして片山大臣なのか、お伺いしたいと思います。
#449
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今般の改造においては、女性閣僚ということは確かに一人であったわけでありますが、副大臣はですね、副大臣は五名ということでございました。また、これはハウスの方でありますが、高市早苗さんには議院運営委員長、そして野田聖子さんには、これは衆議院でありますが、予算委員長を務めていただいているわけでございますし、また、これは党ではありますが、橋本聖子さんには参議院の議員会長、そして、党役員の広報本部長には松島みどりさんにお務めをいただいているところでございます。
 そこで、では、なぜ片山さんに地方創生大臣かということでございますが、地方創生には幅広い政策分野への知見が求められるところでございまして、片山大臣には旧大蔵省出身で党の政調会長代理など様々な政策立案に携わってきた経験がございますので、与えられた職責をしっかりと果たしていただきたいと考えております。
#450
○徳永エリ君 大臣として能力が高いということなのかもしれませんけれども、適格性というのはいろんな面から見ていかなければいけないというふうに思っております。
 片山大臣は、これまで国会内外でいろいろと存在感を示しておられます。特に、ツイッターの書き込みは度々炎上いたしております。その内容は、中国の方や韓国の方に対する差別的な発言、それから、先ほど杉尾委員からも指摘がありましたけれども、生活保護受給者への偏見、バッシング。まさにこれ、ヘイトスピーチであります。
 片山大臣にお伺いしたいと思いますが、いろんな考えがあるのはいいと思うんです。でも、なぜわざわざ、それを読んで人が不快になるような内容のツイートをなさるのか、お答えいただけますでしょうか。
#451
○国務大臣(片山さつき君) お答えいたします。
 ツイッターが炎上したことの御指摘をいただき、不明を恥じるわけでございますが、そういった意図で発言をしたということではなくて、私が都度都度様々な政策を手掛けている中で、もちろん、ツイートをした後、ああ、不的確だなと思って取り消したりしたこともございますし、もしも過去に非常に御不快な思いをされた方がいたら、この場でもおわびをいたしたいと思っておりますが、いずれにしても、今後はますます、閣僚でございますから、しっかりと気を付けて丁寧に努めてまいりたいと思います。
#452
○徳永エリ君 差別、偏見、ヘイトスピーチあるいはセクハラ、これは受ける側がどう感じるかということが問題なんだと思います。
 中国人企業家でコメンテーターとしても活躍している宋文洲さん、片山大臣のツイートに対して、この発言は典型的なヘイトスピーチです、体制批判はいいですが、十四億人を敵に回し、日本の国益を阻害します、日本の国会議員が作り話を使って中国人を屈辱する、中国国民はそれを忘れないだろう、中国国民に反日教育を行うのは日本の国会議員だろうとツイートをしています。
 総理も以前、この予算委員会で、一部の国、民族や文化を排除しようという、憎悪をあおるような過激な発言は極めて残念だ、決してあってはならない、日本国民、日本国の品格に関わることだとおっしゃっています。こういった面からでも、大臣としての適格性について、総理、どう思われますか。
#453
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が申し上げたことと、どういう発言がそこに当たるのかということを御紹介いただいておりませんので、ちょっとコメントのしようがないと思います。
#454
○徳永エリ君 私、これ内容をお話ししようと思ったんですが、私の口からではとても申し上げられないような本当にひどい内容だというふうに思っております。もうSNS上にたくさんありますので、是非そこは、検索していただければ見ることができますので確認をしていただきたいと思いますけれども、本当に私はこれは問題だというふうに思っております。
 また、御嶽山の噴火の際に、多くの方々が人命救助に尽力されているさなか、ツイッターで、民主党政権の事業仕分で御嶽山が常時監視の対象から外れたと、事実誤認に基づく発信をしました。後に削除、謝罪をしています。国会議員がいわゆるフェイクニュースを流したということであります。
 さらには、委員長を務めておられた外交防衛委員会の理事懇に二週間連続で遅刻、涙の謝罪をされたこともありました。また、中立公正でなければならない委員長の立場で、大臣答弁用のメモを見ながら委員会を運営するなど、自民党の幹部からもあのときは厳重注意を受けていたはずです。
 そして、西日本豪雨の特別警報が出ているのにもかかわらず、衆議院の宿舎で行われた飲み会、赤坂自民亭ですね、あの片山さんの、片山大臣のVサインで写った写真というのは、国民の目にいまだにしっかり焼き付いていると思います。
 それから本当に僅かの間に、唯一の大臣、片山さんを起用された。これは、その起用の基準といいますか、総理大臣がどのように考えておられるのか全く理解できません。その点について御説明いただきたいと思います。
#455
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が様々な御指摘をされたわけでございますが、今回、地方創生担当大臣ということにおいて地方創生を進めていく上においては、単に地方をよく知っているということだけではなくて、様々な政策を総動員をしていかなければ地方創生は進んでいかないということにおいて、先ほど申し上げましたような経歴から、様々な政策分野に通じているということで片山さんにお願いをさせていただいたところでございます。
#456
○徳永エリ君 全く国民の皆さんは理解ができないというふうに思います。どういう基準で大臣を選んでいるんだろうということが全く不透明な感じがいたします。どう考えても、これまでやってきたこと、問題がたくさんあって大臣として不適格なのではないかと思うようなことが多々あるのに、なぜ唯一の大臣が片山さんだったのかということは、なかなかこれ理解しづらいということを申し上げておきたいと思います。
 そして、片山大臣にお伺いいたしますけれども、こういったことがいろいろあった、さらには今回の口利き疑惑、そしてまた更なる疑惑も浮上しているようでございますが、なぜ御自分が大臣に起用された際に辞退をなさらなかったのか、お伺いしたいと思います。
#457
○国務大臣(片山さつき君) お答えをいたします。
 まず、人事につきましては、内閣総理大臣がお決めになることでございます。
 また、今の疑惑の話につきましては、本当にお尋ねの週刊誌報道によりお騒がせしている件については大変申し訳なく思っております。ただ、記事にあるような当該企業への違法な口利きとか、その関連での百万円の要請、収受等は一切しておりませんで、そのことは再三国会でもお答えしておりますし、また、私自身、十月二十二日に司法の場にも提訴しております。
 これからも、こういった件につきましてはしっかりと説明責任を果たさせていただきたいと存じます。
#458
○徳永エリ君 恐らく、その赤坂自民亭の件も御自分で重く受け止めているのであれば、やはり受けるべきではなかったんではないかと思いますし、今回のこの疑惑に関してもしっかりとこれからも真実を語っていただきたいというふうに思います。
 続いて、新たな外国人労働者受入れ制度についてお伺いをしたいと思います。
 政府は、受入れの上限規制は掛けないという中で、人手不足解消と判断されれば日本人の雇用に影響がないように受入れを停止するというふうにおっしゃっておりますが、人手不足が解消されたという判断はどのようにされるんでしょうか。
#459
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 この法律には、分野において必要とされる人材が確保されたと認めるときに受入れの一時停止を可能とする条文が設けられております。
 この判断につきましては、そもそも、この新たな人材の受入れというのが国内人材の確保や生産性向上を行ってもなお足りないということも踏まえてでございますので、この一時停止においても、そういったことも踏まえてしっかりとやらせていただきたいと思っております。
 そうした中で、各分野を所管する行政機関の長は、まず受入れ開始に当たり、人手不足の状況を判断するために使用した客観的な指標について、受入れ開始後もその動向を継続的に把握していただきたいと考えております。そして、その人手不足の状況変化を的確に把握、検証をするということでございます。
 その検証の中には、単に数的に外国人材が入ったということではなくて、国内人材の確保、これ将来的にもう労働市場が非常に改善されているであるとか、そういう見通しも生産性向上も含めて検討するということでございます。
 そうした中でこの受入れ停止を行うということでございますので、そうした様々な予測も含めて行いますので、人材が確保されたと認められるにもかかわらず、外国人材が労働市場に流入し続けて混乱をするということがないというふうに考えております。
 そうしたことをしっかりと必要な対応ができるように運用してまいりたいと思いますし、各省庁にも徹底させていただきたいというふうに思っております。
#460
○徳永エリ君 その受入れ停止の仕方なんですけれども、業種ごとにしっかり点検をして、そして停止をしていくのか、その停止の方法についてお伺いいたします。
#461
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 この受入れ停止の求めというのは、各業所管庁においてまず求めをし、そして、私、法務大臣が基本方針などあるいは分野別方針などに従って判断するということになっております。
#462
○徳永エリ君 特定技能二号に関して、対象業種を建設、自動車整備などに業種を限定する方向で調整に入ったというふうに報道されておりますけれども、なぜ限定するのか、その理由についてお聞かせください。
#463
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 まず、そのような報道ということでございますけれども、あくまで報道ということではございますが、まず、新たな受入れ制度において、受入れ対象については十四業種について各業所管庁から受入れの希望が示されている、そういう状況でございます。
 そして、特定技能二号が適用される業種については、現在、各関係省庁において、受入れの必要性やその要件、かなり高度なものが必要でございます、そうしたものについて検討しているところでございます。その結果として、特定技能一号が適用される業種からかなり絞られる見込みではないかというふうには伺っておりますけれども、そういった現状でございます。
 特定二号は、特定技能一号での在留を続けることによって自動的に認められるようなものではないということでございますので、ハードルは高くなるということからこうしたことになるんだろうというふうに考えております。
#464
○徳永エリ君 そうしますと、これも検討中ということなんでしょうか。
 特定技能二号に対して、農業も対象外にする方針を農林水産省が明らかにしたと報道されました。農業の現場というのは、真に人手不足という状況であります。なぜ農業が特定技能二号から外れるのか、真実かどうかも含めてお伺いいたします。
#465
○国務大臣(吉川貴盛君) ただいまの御指摘でありますけれども、農業に関しましては、現時点では、業界団体等を含めまして多くの皆さんから具体的な要望は寄せられておりません。まずは特定技能第一号の受入れを検討することといたしておりまして、当初から特定技能二号の受入れをすることは想定をしておりません。
 ただ、将来的に特定技能二号の受入れを行うかどうかにつきましては、この特定技能一号の受入れの状況ですとか農業現場のニーズ等を勘案しながら検討していくことになろうかと思います。
#466
○徳永エリ君 日本農業法人協会、JA全中、JA全農、農林中金、JA共済連、全国農業会議所、これで構成される農業労働力支援協議会から新たな外国人材の受入れ制度に関する基本的な考え方が示されていると思います。
 農業生産基盤の維持を前提とした場合、現時点で約七万人が不足していると、五年後には基幹的農業従事者が二十万人程度減少すると見込まれる中で、技術の革新及び労働生産性の向上に努めるとしても、約十三万人の基幹的農業従事者が、そして雇用就農者が不足するということでありますので、いろんな形で外国人労働者を農業の分野に受け入れていくということが重要かと思いますけれども、その点に関して、農林水産大臣、いかがでしょうか。
#467
○国務大臣(吉川貴盛君) 農業労働といいますか、農業人口が不足をしている、さらには高齢化がどんどん進んでいる。六十六歳が農業を従事をする平均年齢となりました。そういった点では、徳永委員が御指摘をされたその数字というのは、様々な御要望等々がございますけれども、まずは、先ほど私申し上げましたこの特定技能第一号に関しましても、これは、例えば農薬とか肥料とか、その取扱いができる、そういう基礎知識がある方がもう第一号と私たちは考えています。まずは、ですから、そこから始めていただいて、農業の従事をする外国人労働者に是非お手伝いをいただきたいと、そういったところから始めるのが私は通常ではないかと思っております。
 確かに人数は足りませんけれども、現場の皆さんのよく声を聞いて、ただ単に役所として人数を増やすということではなくて、現場の皆さんのニーズをよく捉えて、それで人数をきちっと決めなければ駄目ですよという話も実はしております。
#468
○徳永エリ君 離農がどんどん進んでいる中で、今、この地域コミュニティーの維持というのが大変に困難になってきています。要するに、就労農業者だけではなくて、やはり地域にきちんと住んでもらって、そして農業に従事していただくと。それから、その権利を保護するとか、あるいは多文化共生社会の実現という意味ではまさに協力し合って、人間関係の近いところにある農村地域というのは非常にそういったことの実現に適しているんじゃないかというふうに思うんですね。
 先ほど申し上げました農業労働力支援協議会の方でも、いずれはその専門的な高い技能を持った農業者の方々に家族の帯同も認めて、やはり地域に根付いてもらって、そして農業を続けてもらう、それが地域コミュニティーの維持、あるいは食料安全保障にもつながっていくんではないかと思いますけれども、その点も含めて今後もしっかり御検討をいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
 いずれにせよ、日本が好きで、日本で仕事をして、日本で暮らしていきたいという外国人の方がたくさんおられると思います。そういう方々が自分の国に帰るようなことがあっても、日本で働いて本当に良かったと、いい国であったということを言っていただけるような、そんな制度を今回はしっかりつくっていかなければいけないと思うんですが、これまでもいろいろと問題点が指摘されたように、来年の四月からの運用、あるいは今国会で成立させるということは本当に拙速だと思います。やはりもっと時間を掛けてじっくり様々な点について議論する必要があると思いますが、この点に関して、法務大臣、いかがでしょうか。
#469
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 この新しい受入れ制度については、御指摘のとおり、来年四月の施行に向けて準備を行ってまいりたいと思っております。
 と申しますのは、これはやはりもう人手不足、深刻であります。もうリアルタイムで人手不足が深刻なんです。この施行が半年遅れれば、あるいはその半年の間に数万人が、もしかしたら、の外国人が日本で働く機会のないまま帰国しなければならない。そして、それは数万人の外国人だけではなくて、それを雇用している、雇用しようと考えている数万の企業においても影響があるかもしれない。そういったことも考えますと、やはりこの深刻な喫緊の課題について、与えられた時間の中でしっかりと御説明することによってできるだけ早期にこれを実施することをさせていただきたい、このように考えておるわけでございます。
#470
○徳永エリ君 技能実習制度でも様々な問題が起きております。現場は確かに人手不足かもしれませんけれども、人手不足を補うために不十分な制度でもってスタートしたのでは現場では混乱や問題が起きるばかりだと思いますので、短い時間ではあるかもしれませんけれども、しっかりと議論していくことが必要ですし、できれば今国会で拙速に通すということはやめた方がいいのではないかというふうに申し上げたいと思います。
 それから、続きまして、今度、TAGについてお伺いをいたします。
 九月二十六日、日米首脳会談で、米国との間で合意した新たな日米の物品貿易交渉、TAG交渉、これはFTAとは全く違うものと総理はおっしゃいました。
 改めて確認をいたしますが、TAGは日米の二国間FTAではないということでよろしいですね。
#471
○国務大臣(茂木敏充君) トレード・アグリーメント・オン・グッズ、TAGと呼ばさせていただいておりますが、これ、物品全体、それから同時に、物品と同じタイミングで成果の出る分野について交渉を行うということでありまして、これまで我が国が結んでまいりました多くのFTA、これにつきましては物品及びサービス全般も対象にしております。こういった意味におきましてFTAとは異なると、このように考えております。
#472
○徳永エリ君 茂木大臣にお伺いいたしますけれども、茂木大臣とUSTRのライトハイザー代表との間で行っていたFFR、このFFRとTAG交渉との関係はどうなっているんでしょうか。また、麻生財務大臣とペンス副大統領との間で行われている日米の経済対話とこのTAGとの関係について、ここを整理して御説明をいただきたいと思います。
#473
○国務大臣(茂木敏充君) FFR、フリー・フェア・アンド・レシプロカルと、この頭文字を取りまして、この四月に日米首脳会談で合意をいたしました、日米間で自由で公正な、かつ相互的な貿易を促進するための対話ということでスタートいたしました。そして、その協議を通じまして、私とライトハイザー通商代表との間で合意をし、今回、日米物品貿易協定、TAGの交渉を開始することで合意をいたしました。
 同時に、この交渉結果、さらにはFFRの経過につきましては、麻生副総理、そしてペンス副大統領、この下で行われております日米経済対話、ここに報告をすると、こういう構造になっております。
#474
○徳永エリ君 TAGはFTAとは全く別のものだというお話がございましたけれども、民主党政権時代に農林水産省でTPPの交渉官を務めておられた明治大学教授の作山巧さんからメールをいただきました。
 内容は、安倍総理がTAGはFTAとは全く別の協定だとおっしゃったことについて、特定国の間で関税を撤廃する協定は国際ルール上はFTA、自由貿易協定にほかならないのに、全く別の協定と言うのはうその説明である、また、米国が画策した自動車への高関税は一方的な関税引上げを禁じた国際ルールに反しているにもかかわらず、日本は、牛肉の関税率を本来の五〇%に戻すといった合法的な対抗策を講じず、米国の圧力に屈したのではないか、安倍総理は、ルールに基づく貿易と言いながら、実際には国際ルールを骨抜きにするトランプ大統領の片棒を担いでいるのではないかと、こういうお話を研究者の方からいただきました。
 TAGは明らかにFTAであり、日本は自動車の追加関税を回避するために米国の圧力に屈しTAG交渉に合意した、これが事実なのではないでしょうか。
#475
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これまで我が国が結んできた包括的なFTAでは、これは記者とのやり取りの中では先ほどの説明をしたんですが、包括的なFTAということを私申し上げているわけでございまして、包括的なFTAでは、物品貿易に加えて、サービス貿易全般の自由化を含むものを基本とし、さらに、知的財産、投資、競争など、幅広いルールを協定に盛り込むことを交渉を開始する段階から明確に目指してきました。
 しかし、今回の日米共同声明では、サービス全般の自由化や幅広いルールまで盛り込むことは想定しておらず、その意味で、これまで我が国が結んできた包括的FTAとは異なるものであると、こう考えているわけでありまして、他方、今委員が御指摘になったように、FTAについては国際的に確立した定義が存在しないことも事実であるため、言葉遣いの問題として、今回の交渉についてFTAの一種ではないかとの意見があることは、これは承知をしております。しかし、私は包括的なFTAではないということを申し上げたわけでございます。
 そこで、同時に、国内の農林漁業者の皆さんにTPP以上の関税引下げが行われるのではないのかという懸念があったため、農林水産業は必ず守り抜くとの思いから申し上げたところでございまして、そういう意味におきまして、これはアメリカに対するメッセージでも、TAGという名前を使っているのはですね、米国に対するメッセージであって、我々はそういう姿勢で今後とも交渉していくということを示したものでございます。
#476
○徳永エリ君 TAGがFTAかどうかということよりも、TPP11、CPTPPを通常国会で成立させた、批准したときに、なぜこんなに急ぐのかという話がありました。
 二国間FTAはやらない、あるいは二国間の防波堤にしたいんだというお話がありましたけれども、これ、TAGは二国間交渉ですよね。二国間交渉であることは間違いありませんよね。ということは、二国間はやらないとおっしゃっていたのに二国間交渉はやるということになったと、いわゆるマルチではなくてバイに方針を変えたんだという理解でよろしいんでしょうか。
 それから、TPPにアメリカが戻ってくるように説得をするとおっしゃっておりましたけれども、説得は今後もしっかり続けていくんでしょうか。
#477
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回、このTPP11については、米国がこれ離脱ということを、脱退ということをトランプ大統領が表明されました。これで終わりじゃないかと言われたわけでありますが、私自身、また日本がリーダーシップを取って各国を説得をして何とかこのTPP11として再び復活をさせることができたわけであります。
 やはり、この保護主義の言わば懸念が高まる中において、こうしたマルチの経済連携協定を作っていくことが正しい方向であると、自由で公正なルールを多くの国々が共有し合いながら、そこでそうした経済圏をつくっていくことが大切だという意味においてもこれを進めてきたところであります。
 そこで、同時に、では日米においてはどうかと言われれば、この物品協定は日米のこれはバイでございます。ただ、ではTPPを全く諦めたのかといえば、ただ、まだ、先ほど申し上げましたように、サービス等々の分野が残っておりますが、このサービス等々の分野でアメリカの思いを達成しようとするのであれば、我々も、むしろ米国にとっても、TPPに入った方がいいだろうと。
 御承知のように、TPPにおいても、農業とか自動車といったものは並行協議で、これ二国間で事実上やっているわけでありまして、マルチであるけれども、米国は、二国間といろいろやりながら、ルールはみんなでやっていくという、そういう交渉もしてきたわけでございまして、日本も、TPPや欧州とのEPAやRCEPなど地域レベルの取組と併せて、同時に、例えばTPPに入っているオーストラリアや、あるいはまた、これTPPに入っていませんが、モンゴルとバイによる包括的なFTAも進めてきたわけでございまして、マルチだけではなくて、マルチもバイも両方とも、しっかりと経済連携協定を進めていく中においてこの二十一世紀型の国際経済秩序をつくっていきたい、同時に日本の国益を守っていきたいと、こう考えております。
#478
○徳永エリ君 ただ、特に農業者の方々を中心に、二国間交渉は、過去の経緯から、二国間をやれば米国に押し込まれると、そういう危機感があって、二国間はやらないという総理の言葉を信じていたわけです。だから、TPP11は、あくまでも二国間をやらないために、防波堤として、しっかりアメリカにこれからTPP11に戻ってもらうための説得を続けるんだというふうに理解していたので、TAGが二国間だと言われれば、これは農業者も含め私たちが考えていることとは全く違うということだけはお伝えをしておきたいというふうに思います。
 それから、日米の共同声明の中に、日本としては農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であることとなっておりますけれども、この経済連携協定についてなんですが、これは過去の協定、例えば二国間とかあるいは日EU・EPAとかそういったものではなくて、あくまでもTPPの内容を対象にしているという理解でよろしいでしょうか。
#479
○国務大臣(茂木敏充君) 今回、日米共同声明に、農林水産品については、過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であるとの日本の立場が明記をされたわけであります。コンスティチュート・マキシマム・レベルと、こういう言葉を使っておりますが、この過去の経済連携協定で最大のものはTPPだと考えておりまして、その旨は、ライトハイザー通商代表を始め米側にも明確に説明しております。
 さらに、今後の交渉でも、この立場、日本の立場は変わらないと、このことも米国には明確に伝えてございます。
#480
○徳永エリ君 しっかりと日本の農業を守っていただく。一部の業種の利益ということではなくて、北海道も含め全国の農業関係者の方々は、もう本当に、TPP、日EU・EPA、こういった交渉の結果によって、本当に先の見えない不安を抱いておられます。特に最近は災害が多くて、北海道も今年は異常気象という中で生産量が大きく落ち込んでいるというところもありますので、農家の皆さんが意欲を持ってしっかりと再生産ができるように、この約束をしっかり守ることができるように交渉していただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。
 続いて、漁業法の改正についてお伺いをいたしたいと思います。
 今、参議院会館で、水産改革法案と沿岸漁業の危機と題した沿岸漁民のフォーラムがまさに今行われているところであります。
 総理は所信表明演説の中で、農政改革の次は水産業改革、七十年ぶりの抜本的な漁業法の改正を行うことを明言されました。法案は明日閣議決定される予定だということでありますけれども、なぜ漁業法を抜本的に改正しなければいけないのか、お伺いいたします。
#481
○内閣総理大臣(安倍晋三君) かつて日本一を誇った我が国の……(発言する者あり)いや、失礼しました、かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量は、今やピーク時の半分以下にまで減少するなど、我が国の水産業の改革は待ったなしの状況であります。まさに日本は世界において水産王国であり、金子委員長も水産部会長等を務められて、私の父も実は水産部会長を務め、自民党では水産部会というのは花形であって、今花形でないというわけではもちろんないんですが、ただ、参加の人数が大幅に減ったのは、大幅に減ったのは事実でございます。
 こうした中で、安倍内閣が進めようとしている水産業改革は、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化を両立させて漁業者の所得向上の実現を目指すものであります。このため、七十年ぶりに漁業法を抜本的に改正をし、漁獲量による資源管理を導入をし、漁船の大型化を可能とすることで漁業の生産性を高めるとともに、漁業権については、漁場を有効活用している漁業者には継続利用していただくことを前提に、法律で定めた優先順位を廃止し、新規参入や規模拡大を促す新たな仕組みを設けることとしております。
 繰り返しになりますが、私の地元の下関もまさに水産都市でありまして、これは遠洋漁業をする方々、また沿岸漁業の方々もおられますが、大変それでにぎわった町でございましたが、残念ながら、今、水産業が相当、そういう意味では漁獲量も含めて地盤沈下が激しくなっているわけでありまして、大切なこの漁業を何とかしなければいけないという危機感は恐らく共有しているんだろうと思います。
 こうした改革を、もちろんこれ浜の漁業者の皆さんの不安や懸念にもしっかりと向き合わなければならないと思っております。その声を真摯に伺いながら進めていくことで、若者が将来に夢や希望を持てる水産業を実現していく決意でございます。
#482
○徳永エリ君 このフリップを御覧いただきたいんですけれども、(資料提示)このグラフを見ると、まさに漁業生産量が減少しているような、そんなイメージを受けますけれども、実はこれ二百海里の影響と、それからマイワシが自然にいなくなったということで、真ん中のこの線がありますけれども、ここがこの生産量の推移なんですね。特に、沿岸漁業とそれから海面養殖業はほとんど同じような生産量で推移しているということでありますので、水産王国日本が、まさに水産業が衰退したというのは、それは間違った認識だというふうに指摘をしておきたいと思います。
 今回のこの水産政策改革の問題なんですけれども、これ、農協法の改正と同じなんですね。このまま放っておいておいたら、農業者はどんどん高齢化していって、担い手もいなくなって、いずれ農業は衰退していくから、だから七十年ぶりの改革をしなければいけないといって、何をしたかというと、農協法を改正して農協を弱体化させた、そして農業委員会、この農業委員の選出方法、これを公選制を任命制にした、そして農地法の規制を緩和した、こういう形だったんですけれども、まさにこの水産政策改革も同じようなパターンであります。
 当事者である漁業者、特に沿岸漁業者の方々は、全くこの法改正について聞いておりませんし、水政審でもこの法律の改正については全く議論をしていないということであります。またもや官邸主導、規制改革推進会議、大企業の利益のために、水産業に大企業とそして外資が参入する仕組みをつくるということであります。
 何が変わるかといいますと、水産資源を維持回復するんだといって水産管理の強化をします。これ、クロマグロのこともそうでしたけれども、TACの強化によって沿岸の漁業者の方々が目の前にマグロがいても今捕れないという状況で、国会の中でも、何度もこのクロマグロの漁業者の方々の悲痛な声を上げる集会が行われております。このことによって、沿岸漁業、家族漁業が縮減するのではないかという心配があります。
 それから、養殖・沿岸漁業の発展のために海面利用を見直すということで、漁業権付与の優先順位の廃止、また、これを、適正にこの水面を使っていないということになれば漁業権が付与されないということもあるということであります。それから、海区漁業調整委員会における漁業者委員の公選制を知事の任命制にしていくと、これもまさに農業委員会と同じような形であります。
 結果、空き漁場をつくって企業や外資の参入を促進させるということでありますけれども、それによって、家族漁業、漁村、浜の暮らしの崩壊、それから魚価、養殖魚の価格の乱高下、また国民の食料供給の不安定化、そして水産資源利用による利益、これが地域から外に持ち出されてしまう、あるいは海外に持ち出されてしまう、そういうことを大変に懸念しているわけであります。
 今回、この水産改革でありますけれども、漁業法を含めて四本の法案を束ねて一気に審議をするということであります。またまた束ね法案であります。これも今国会で成立を目指しているということでありますけれども、本当に七十年ぶりの抜本的な改革で、しかもこれだけ浜の皆さんは懸念をしているわけでありますので、この法律に関しても、もっともっと時間を掛けてじっくりと議論をするべきなのではないかということを申し上げたいと思います。
 少し質問を残しましたけれども、時間が参りましたのでこれで終わらせていただきますけれども、やっぱり安倍政権の問題点は、非常に分かりにくい、言葉のごまかしがたくさんあります。それから、当事者に対して丁寧な説明がなされていない、理解できないという点が多々あるということが本当に大きな問題だと思っておりますので、総理もいつもおっしゃっておりますけれども、丁寧な説明をし、特に大きな改革に関しては時間を掛けてじっくりと審議をしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
#483
○委員長(金子原二郎君) 残余の質疑は次回に譲ることといたします。
 次回は来る七日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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