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2018/12/04 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 農林水産委員会 第5号
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2018/12/04 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第197回国会 農林水産委員会 第5号
平成三十年十二月四日(火曜日)
   午前十時三分開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         堂故  茂君
    理 事
                上月 良祐君
                藤木 眞也君
                田名部匡代君
                紙  智子君
    委 員
                礒崎 陽輔君
                岩井 茂樹君
                進藤金日子君
                高野光二郎君
                野村 哲郎君
                平野 達男君
                山田 俊男君
               佐々木さやか君
                里見 隆治君
                小川 勝也君
                鉢呂 吉雄君
                徳永 エリ君
                藤田 幸久君
                儀間 光男君
                森 ゆうこ君
   国務大臣
       農林水産大臣   吉川 貴盛君
   副大臣
       内閣府副大臣   田中 良生君
       農林水産副大臣  高鳥 修一君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  門山 宏哲君
       外務大臣政務官  辻  清人君
       農林水産大臣政
       務官       高野光二郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        大川 昭隆君
   政府参考人
       内閣府地方創生
       推進事務局審議
       官        村上 敬亮君
       法務大臣官房審
       議官       佐々木聖子君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   光吉  一君
       農林水産大臣官
       房総括審議官   横山  紳君
       農林水産省食料
       産業局長     新井ゆたか君
       農林水産省経営
       局長       大澤  誠君
       水産庁長官    長谷 成人君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○漁業法等の一部を改正する等の法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ─────────────
#2
○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 漁業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(堂故茂君) 漁業法等の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。吉川農林水産大臣。
#5
○国務大臣(吉川貴盛君) 漁業法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国の漁業は、国民に対して水産物を安定的に供給するとともに、水産業や漁村地域の発展に寄与するという極めて重要な役割を担っています。しかし、水産資源の減少によって生産量は長期的な減少傾向にあり、漁業者数も減少しているという厳しい課題を抱えています。
 こうした状況の変化に対応して、漁業生産力の発展を図る観点から、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、併せて漁業協同組合等の事業及び経営基盤の強化を図ることが必要であります。
 このため、水産資源の保存及び管理に関する制度を整備するとともに、漁業の許可及び免許等の漁業生産に関する基本的な制度並びに漁業協同組合等に関する制度を一体的に見直すこととしたところであります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、漁業法の一部改正であります。
 まず、資源管理は漁獲可能量による管理を行うことを基本原則とし、資源評価が行われた水産資源について、一定の期間中に採捕をすることができる数量の最高限度を定め、これを船舶等ごとに割り当てるなど、水産資源の保存及び管理のための制度を整備することとしております。
 次に、大臣許可漁業について、許可の要件となる制限措置等に関する規定を整備するとともに、漁獲割当ての対象となる特定水産資源を採捕するものについては、一定の場合を除き、船舶の規模に関する制限措置を定めないものとすることとしております。
 さらに、漁業権制度について、海区漁場計画の作成の手続を定めるとともに、漁業権がその存続期間の満了により消滅した後に設定する漁業権について、漁業権の申請が重複したときは、法定の優先順位に従って免許する仕組みに代えて、新たに、存続期間が満了する漁業権を有する者が漁場を適切かつ有効に活用している場合はその者に、それ以外の場合には地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者に免許することとしております。
 このほか、海区漁業調整委員会の委員の選出方法について、都道府県知事が議会の同意を得て任命する方法に改め、漁業者又は漁業従事者が委員の過半数を占めることとしております。また、密漁対策の強化として、財産上の不正な利益を得る目的による採捕が漁業の生産活動等に深刻な影響をもたらすおそれが大きい水産動植物の採捕を原則として禁止するなど、密漁者に対する罰則を強化することとしております。
 第二に、水産業協同組合法の一部改正であります。
 漁業協同組合の理事の一人以上を水産物の販売等に関し実践的な能力を有する者とすること、一定規模以上の信用事業を行う漁業協同組合等は会計監査人を置かなければならないこととするなど、その事業及び経営基盤の強化を図るための措置を講ずることとしております。
 第三に、水産資源保護法の一部改正など所要の改正を行うとともに、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の廃止を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(堂故茂君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○平野達男君 平野でございます。
 今日は、漁業法等の一部を改正する法律案についての質疑をやらせていただきたいと思います。
 漁業法の一部の改正ということでありますけれども、実際的にはもう全部改正というぐらいの大改正であります。特に一条の規定から随分大きく変わっているんでありますけれども、私は、この漁業法の第一条というのは実は随分大好きな条文でもありました。この条文が変わったということについては、全体の法律の流れの中でこれはやむを得ないというか、そういうことであったというふうには理解しますけれども、まず何点か、この第一条の目的規定の変更につきましてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず、大臣、第一条、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用しという、そういう規定があります。これは、漁業者がまず共同して自分たちの漁場を管理すると同時に漁業の様々な調整もやるんだという、そういう規定だったと思います。この規定の評価について見解をちょっとお伺いしたいというふうに思います。
#8
○国務大臣(吉川貴盛君) 昭和二十四年の現行漁業法の制定当時、自ら漁業を営まない羽織漁師と言われた者による漁場利用の固定化といった漁業慣行の解消が大きな課題でもございました。このために、現行漁業法におきまして漁業者を主体とする漁業調整委員会を創設をしまして、目的規定にも、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機能の運用によって水面を総合的に利用し、漁業の民主化を図ることが定められたところでもございます。
 これまでの間に、漁業調整委員会は、漁業の許可や免許に当たりまして都道府県知事に意見を具申するほかに、漁業調整のための指示を行うなど、重要な役割を果たしてきたと認識もいたしております。今日のように、水面の適切な活用や民主的な漁場の利用形態の構築に大きく寄与してきたものと評価をいたしております。
#9
○平野達男君 その当時から今回の法律改正は約七十年ぶりぐらいの改正だというふうに言われていますが、今の大臣の御答弁の中にもありますように、漁業調整機構、基本的にはこれ、海区漁業調整委員会ということを念頭に置いておられるようでありますけれども、これ、今回の法律改正では公選制から農業委員会と同じように首長さんの任命制に変わるというような変更はありますが、基本的に漁業者が自ら自分たちの漁場を守って様々な漁業調整をやるという考え方というものは、これからも重要だということだろうと思います。
 それにもかかわらず第一条からなぜこれが消えてしまったのか、この理由をちょっと説明していただけますか。
#10
○政府参考人(長谷成人君) 漁業法の制定から約七十年の間の運用によりまして、当時の課題となっておりました羽織漁師と言われた者による漁場利用の固定化といった漁業慣行は解消され、当初の目的である民主的な漁場の利用形態の構築は既に実現されたところと認識しております。このため、現時点でなお漁業の民主化を法の目的とする必要はなく、漁業調整委員会制度が漁業法における基本的な仕組みとして既に定着していることも考慮し、目的規定の改正を行ったものであります。
 なお、今般の改正で目的規定から漁業調整機構の文言を削除したものの、そのことによって漁業調整委員会の位置付けが変わるものではなく、引き続き、漁業者を主体とする委員会の組織、機能をしっかりと残しつつ、水面の総合利用のために重要な役割を果たすものと認識しているところでございます。
#11
○平野達男君 確かに、戦前の漁業の体系を変えるという意味において、現行の法律には民主化という言葉が入っているんです。ですから、民主化はもう達成されたというのはそのとおりだと思います。だけど、もう一つその前に漁業生産力を発展させというのがありますから。これは何をするかというと、やっぱり自分たちの漁場は自分たちで守るんだという、そういう規定なんですよね。そのものもこの中で第一条に残さなかったというのは、私としては非常に残念ですよ。
 そしてまた、後で、今日はちょっと辛めの質問になると思いますけれども、この漁場を自分たちで守るんだということに対してしっかり認識していないと、何ぼ要するに頭の中でいい法律をやったとしても、地元に行ったときになかなかこれはすっと溶け込んでいかないという、そういう傾向も出てくると思いますよ。そういう意味で、今の答弁の中では、やっぱりこの漁業調整委員会の、機構の役割というのはこれからも重要だということは私も認識しますし、漁業者も浜ではもうそういう認識でいますから、そういうことはこれからもしっかりと訴えていっていただきたいというふうに思います。
 その上で、今回の改正はいろんな意味で大きな改正なんですが、その一つは、何といっても、今までTAC法という漁業法では別の法律でやっていました漁業資源管理を漁業法の中で融合させまして、この資源管理をこれからは更に積極的にやっていこうということです。
 TAC法につきましては、御案内の、当時、サバとかサンマ、アジ等々の七魚種に限定した資源管理ということでありましたけれども、今回は、漁業法に融合させることによって対象魚種も多分これから拡大していくということだと思いますし、あわせて、今まで個別IQというのは、制度としてはやろうと思ったらやれたんですけれども、法律の中ではなかったと。これを、個別IQも場合によっては定めていくという、そういう内容になっています。考え方としては非常に私はこれは間違っていないし、いいと思います。
 ただ、あわせて、今までのTAC法の、ここもやっぱり評価と、どこがやっぱり足りなかったのかということについての総括をちょっとお聞きしておきたいというふうに思います。
#12
○政府参考人(長谷成人君) TAC法でございますけれども、施行から二十年が経過いたしまして、この間、漁獲量の管理、TACの管理ということも漁業者の間に広く定着するとともに、漁業者の資源管理に対する意識を醸成する上で大きな役割を果たしてきたものと考えております。
 しかしながら、TAC法の一つの問題点としては、同法はあくまで我が国水域、排他的経済水域より内側を適用範囲としておりまして、サンマ資源など公海における周辺諸国との競合が進む中で、我が国のサンマ漁業についても、これから公海でも併せて操業していこうという方向になっております。公海における数量管理も二百海里内と併せて進めていくということが必要となっております。
 このため、本法案によりまして、漁業の一般法であります漁業法の中に改めて数量管理に関する規定を位置付けまして、我が国水域と公海の一体的な管理体制を構築したいという考えでございます。
#13
○平野達男君 EEZ、経済的排他的水域だけではなくて、公海全体も含めた上での広い範囲にわたっての資源管理を念頭に置いた取組をしていくと、念頭に置いたというか、資源管理をやっていくという、そういう趣旨だということでありますね。
 それで、今回は個別IQの制度を入れるということにしています。資源管理をするときにどうやって資源量を把握するとか、何か様々なこれから問題があるかと思いますが、今日はその問題はちょっと時間もありませんのでちょっとはしょっていただきまして、個別IQの話にちょっと話をいきなり移させていただきますが、個別IQは、これやろうと思ってもなかなかこれ難しい問題がちょっとあるんだろうというふうに思います。少なくとも、いきなり沿岸漁業にやるといったって、これはもう漁船の数も多過ぎますし、把握の仕方も大変だし、こんなものすぐにやれといったってできっこないだろうというのは、まあこれはもうすぐ誰でも予測が付きます。
 ただ、一方で、じゃ、どういう順番でやっていくかとなれば、やっぱりそれなりの装備をやった漁船ということになりますと、やっぱり遠洋系が中心になってくるんじゃないかなというふうに思います。このIQの実施方法といいますか、これからどういう流れでやっていくのか。何か、いきなり個別IQと言われると、浜の方は、浜というか、聞くと、えっ、全部ですかみたいな話にもなりかねない。
 だけど、さっき言ったように、本当に浜の、後で言いますけれども、地先漁業権に属するような沿岸の漁業の中では、ここはもうやろうと思ってもなかなかできないという実態もありますので、ここを今どのように考えておられるかということをちょっと御説明いただきたいと思います。
#14
○政府参考人(長谷成人君) 船舶ごとの漁獲割当てを導入するためには、船舶ごとの漁獲量を迅速に把握する体制が整えられていること等が必要と考えておりまして、操業の隻数が比較的少なく、水揚げ港も限定されている大臣許可漁業、沖合漁業や遠洋漁業ということになりますけれども、こちらから先行して導入していくこととしております。
 一方、沿岸漁業につきましては、委員も御指摘のとおり、漁船の隻数も多く、多数の港で少量ずつ水揚げしている実態にありまして、魚種別の漁獲量を迅速に把握する体制が整っていない港も多い状況にあることは認識しております。
 したがいまして、沿岸漁業において漁獲割当てを導入する場合は、迅速に漁獲量を把握できる体制を整える必要がまずあります。ITの飛躍的発展によりまして、低コストで漁獲量や操業状況を把握することは技術的に可能となりつつありますけれども、準備が整った漁業種類、操業区域等の管理区分から関係者の意見を丁寧に聞きつつ進めてまいりたいというふうに考えております。
#15
○平野達男君 いずれ漁業者も、こういった個別IQを導入することによって資源量がちゃんと適正な規模で守られて、その漁業全体の持続性が担保するということが本当理解すれば、遠洋から沖合、そして沿岸へというふうな流れはいずれ出てくるかと思いますけれども、今長官も言われましたように、準備が整っていないというのもありますから、ここはもうよく漁業者の皆さん方と話をしていただきながら、準備が整ったところからじっくりやっていきますよと、ゆっくりというか、その浜のペースでやっていきますよということも併せてこれからは伝えていただきたいというふうに思います。
 それで、IQの中で一つ懸念になるのは、例えば大きな魚だけ取り上げて網に掛かった小さな魚は捨ててしまうという。あるいは、底引きなんかは、余り経済的価値のない魚は遠洋漁業であると捨ててしまうという。資源管理という観点からしますと、特に回遊魚なんかは一旦網に掛かったやつを捨ててしまいますともう死んでしまいますから、こういうものをこれからどのように扱うのかということについての考え方をちょっとお聞きしておきたいというふうに思います。
#16
○政府参考人(長谷成人君) まず、前提といたしまして、本法律案におきましては、特定水産資源、TACの対象魚種を採捕したときは、採捕した者が農林水産大臣又は都道府県知事に報告することが義務付けられております。
 しかしながらといいましょうか、このため、委員からも事例出していただきましたけれども、例えば定置網など特定の魚種を選択して漁獲することが難しい漁業にいきなりこのIQを導入した場合、漁獲枠の超過による罰則を避けるために洋上投棄を行ってしまうといったリスクも懸念されるところでございます。
 したがいまして、IQの導入に当たりましては、このような問題への対処や、そもそも魚種別の漁獲量を迅速かつ確実に把握するための体制の構築など、先ほども申し上げましたけれども、まずやらなければならないことがあると認識しておりまして、準備が整った漁業種類、操業区域等の管理区分から順次導入を図っていくという考えでございます。
#17
○平野達男君 要するに、その中に廃棄するような魚もちゃんとチェックできるようなシステムをちゃんと入れるということですか。
#18
○政府参考人(長谷成人君) 投棄魚の話は、このIQの先進国といいましょうか、欧米でもいろいろな事例が報告されておりますので、そういうものもよく研究して対応を進めていきたいというふうに思っております。
#19
○平野達男君 まあ課題はまだ幾つかあるということでもありますね。そこはよく詰めていかないとということだと思います。
 それからあと、これから本格的なといいますか、更に一歩も二歩も踏み込んだ資源管理をやっていくというのは、これは大事なことであります。大事なことでありますけれども、一方で、排他的経済水域の中で、どうやら、どこの船か分かりませんけれども、漁船が最近操業しているらしいというような情報も非常に入ってきていますし、海上保安庁も非常に忙しいということでもありました。こういった外国漁船の取締りというのも、これから海上保安庁さんともしっかり連携しながらこれはやっていくこともやっぱり大事だということは、併せてちょっと申し上げさせていただきたいというふうに思います。
 今日、まだまだ本当はいっぱい質問があるんですけど、やっぱり最大の今回の大きな争点というのは、やっぱり漁業権漁業だと思います。漁業については許可漁業と漁業権漁業がございまして、許可漁業につきましては、御案内のとおり、先ほど来お話あった遠洋漁業と沖合漁業ということになるわけでありまして、大部分が大臣指定漁業ということになっていて、一部には都道府県知事の許可ということもあります。許可ですから、法律上はその海域での漁業というのは原則禁止。禁止だけど、あるその許可をすることによって漁業をやってもいいよというのが許可漁業という法律的な位置付けになるんだろうと思います。今回もIQの導入に伴ってその免許の許可の手続等々を若干変えたということでありますが、今日は許可漁業については時間がありませんので質問をいたしません。
 漁業権漁業について質問をいたします。
 漁業権漁業というのは、前は地先権、地先漁業権というふうに言われていましたけれども、まだ共同漁業権、失礼しました、漁業権漁業というのは三つあります。一つは定置漁業権、それから二つは区画漁業権、さらにこの区画漁業権の中で現行の漁業法の中では特定区画漁業権というのがあります。これは共同漁業権といいますか、漁協に優先的にやるという意味において別枠を設けて特定区画漁業権をやるという、養殖等々の漁業がこの免許の対象になるということです。それからもう一つは、共同漁業権ですね。共同漁業権が、先ほど私が言った地先漁業権と言われるものであります。今回、これがかなりのやっぱり見直しをやるということです。
 この三つの漁業権のうちの共同漁業権につきましては、これは引き続き地元漁協にやるということで、これはずっと長い伝統の、地先漁業権の伝統をそのまま引き継いでやるということですから、これはもうそのとおりだということだと思います。
 一方で、区画漁業権につきましては、まず特定区画漁業権の枠組みがなくなりました。区画漁業権は、真珠のように株式会社等々に免許するものもあれば、あるいは特定区画漁業権の第一優先順位はやっぱり地元漁協でありまして、そういう形の大きな違いがあったわけでありますが、今回、特定区画漁業権というのを廃止しまして一本にしましたね。
 それで、定置につきましても、順番はありましたけれども、これも廃止をしていると。
 代わって、どういう仕組みになったかといいますと、免許の更新というのは五年とか七年ぐらいにやっていますが、都道府県知事が今までの漁業権の運用の状況を見て、効率的──失礼しました、一人でべらべらしゃべっていますから何のペーパーか分からなくなって。資料の二枚目ですね、漁業者が水域を適切かつ有効に活用している場合にはその者に優先して免許すると。それ以外は、経済的にその水域について最も貢献するという、何かそんな規定だったと思いますけれども、者に許可をするという、ちょっと全く新しい体系に変わっています。この理由をちょっと聞かせていただけますか。
 ちょっと、あと以下は、定置漁業権よりも、特に区画漁業権を念頭に置いてちょっと以後御答弁いただければ有り難いというふうに思います。
#20
○政府参考人(長谷成人君) 現行法の優先順位規定につきましては、先ほども出てまいりました羽織漁師とも言われた自ら漁業を営まない者による漁場利用の固定化を防止する観点から導入されたものでありますけれども、こうした法制定当時の課題は解消されているという認識でございます。
 一方、現行制度におきましては、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い者が申請してきた場合には再度免許を受けられないと。このため、経営の持続性、安定性を阻害しかねないという問題がございます。
 また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなってきているところもございます。今後、どのようにそういった沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっているところでございます。
 このため、本法律案におきましては、法律で詳細かつ全国一律に漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改めまして、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者や漁協については、将来に向けて安心して漁業に取り組んでいただけるよう優先して免許する仕組みとするとともに、利用の程度が低くなっている漁場につきましては、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしているところでございます。こうした改正は、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブとなるとともに、地域の活性化につながるものと考えているところでございます。
#21
○平野達男君 その更新時期に当たりまして、適正かつ有効な者についてその更新を認めるというのは、これは考え方としてはよく分かりますよ。それは、今まで漁業をやってきたわけですから。
 問題は、もう一つあるのは、その問題というかあれなのは、新しく今度は認める場合については、その優先順位を廃止しまして、何というあれだっけ、これは、とにかく地域の何かの中に経済的に有意な貢献する者という、そういう規定を何か設けていましたね。その考え方がどういうことなのかということなんです。
#22
○政府参考人(長谷成人君) 「地域の水産業の発展に最も寄与する」という文言でございますけれども、この判断は、例えば漁業生産が増えて地域の漁業者の所得向上につながるとか、地元の雇用創出や就業者の増加につながるなど、地域の水産業の発展に寄与する度合いによって判断されることとなりまして、地域の実情に応じて総合的に行われるものと考えております。
 実際には、各地域の様々な条件の下で多様な漁場の活用実態がございまして、地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりますけれども、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、法案成立後、更に都道府県の実務担当者からも意見を伺った上で国が技術的助言として考え方を示していく考えでございます。
 なお、個々の漁業権の付与に当たりましては、事前に既存の漁業者等の利害関係人の意見を聞いて検討を加え、その結果を踏まえて海区漁場計画を策定しなければならないこと、地元の漁業者が主体となっております海区漁業調整委員会の意見を聞かなければならないこととしていることから、適切にこれが行われるものと考えているところでございます。
#23
○平野達男君 ここは、まず、今までやってきた漁業者について、免許のときに、繰り返しになりますけれども、漁業者が水域を適切かつ有効に活用していた場合はその者に優先して免許ということで、これでチェックを掛けるわけですよ。ここでチェックを掛けるわけです。そして、今度は、新しい者を認める場合については、水域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者というふうな、やや抽象的な、じゃない、かなり抽象的な表現なんですね。
 私は、この優先順位というのは、いろんな経過がありますけれども、問題点はあってもそれなりにやっぱり効果は、効果というか意味はあったと思うし、それを今回更新するときに、漁業権が、水域を適切かつ有効に活用している場合はその者に優先して免許というのを、規定を入れたというのは評価します。だけど、新規についてはなぜ今までの優先順位でやれなかったかという説明がないんですよ。
 今の、さっきの長官の説明の中でも、何か要するに、更新のときにその一番目と三番目の何かその順番が狂ってどうのこうのみたいな、そんなニュアンスのことで話されていましたけれども、なぜその優先順位を要するに廃止するかということについての分かりやすい説明がないですよ。このことはもう水産部会でも私はずっと言い続けてきたけど、今日の今日まで説明ないですよ、これ。
 もう一回、ちょっとそれ答えてみてください。
#24
○政府参考人(長谷成人君) まず、適切かつ有効に活用の話がございまして……(発言する者あり)いいですか、はい。
 新規の話でございます。利用の程度が低くなっている漁場でありますけれども、海区漁場計画で設定しようとする区画漁業権又は定置漁業権の対象となる漁場につきまして、既存の漁業権者がいない、あるいは既存の漁業権者が廃業することが見込まれるような漁場のことを想定しております。
 このような漁場におきましては、例えばでありますけれども、同じ小割り式の魚類養殖業でありましても、地理的な条件や漁業者の数あるいは養殖しようとする対象魚種から見て、漁協が免許を受けて組合員間の調整を図りながら漁場を利用した方が漁業生産力の発展に最も資すると認められるような漁場もあれば、特定の養殖技術や販売ルートを有する者に利用を認めた方が漁業生産力の発展に最も資すると認められる漁場もあると考えております。
 定置網漁業につきましても、必ずしも地元の関係者の多数が経営者として参加する企業ではなくて、漁獲物の鮮度保持技術や販売ルートを有する会社の方が、地元での就業機会の確保が図られ、地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる場合もあると考えております。
 そういったことから、法律で一律に優先順位に従って都道府県が免許することとなれば、必ずしも地域の実情を踏まえた免許を行えず漁場の有効活用につながらないために、優先順位を廃止した上で、地域の実情を把握している都道府県が、また地域の漁業者主体の漁業調整委員会の意見を聞きながら免許できるようにするということでございます。
#25
○平野達男君 私、地域の水産業の発展に最も寄与すると認められるというものが、なかなかこれ、やっぱり判断難しいと思いますよ。
 今回は、繰り返しになりますけれども、漁業権の更新時には、今までどおりに優先順位をそのまま適用するということではなくて、実績を見た上で、いいものはちゃんとそのまま残しますよと言ったわけですよ。だから、前の漁業権のときの認可をするときに、三番目の者がちゃんとさえやっていれば引き続き、要するに、安定的にやれるということ、これを認めるわけですよ、ここはいいと思うんですよ。
 だけど、私は、新規はできれば今までの順番でやってほしかったと思う、順番で。何となれば、今回はやった後の五年後の、やった後にチェックを掛けるんだから。今まではチェックを掛けるんじゃなくて、その優先順位でとにかくやるという仕組みだったから。だけど、優先順位というのは、繰り返しますけど、これ歴史がありますよ、やっぱり。
 八年前の特区法なんか、もう繰り返しませんけれども、あのときどれだけもめたか、一地区つくるのに。あれは、あのとき私はたまたま民主党政権のときの担当の副大臣、その後大臣というのをやりましたけれども、ぼこぼこぼこぼこたたかれながら、一地区だから何とかということで見てもらった経験があります。今回はそれを、ある意味で言ったら全国でやるみたいな仕組みになっちゃっているわけですよ。これを、私は、地元にじいっと説明してやってくれば、もっと大きなこれ議論になった可能性がある。これは後で最後に言いますけどね。
 そういうやり方も私はあったと思うし、この優先順位を外すということについてはちょっとまだ、水産庁長官、これ、本当に、法律通った後は、通さなきゃいかぬですけど、ごめんなさいね、これだけ言っておいて。これは、考え方としては本当にぎりぎりの、ぎりぎりというか、迷うところもあるけれども、十分に十分にやっぱり説明してもらわないと駄目ですね、これは。漁業権ということに対する、何というんでしたっけ、浜の思いというのはやっぱりありますから。
 ということはちょっと繰り返しお願いしておきまして、立場が違ったらもうちょっと言いたいことがあるんだけど、そんなことで、ということであります。
 それで、あともう一つは、地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者を判断することになるという、その判断基準については国で決めるというふうに言っていますけれども、国が決める、国で何か考え方を示すというふうに言っていますけど、これこそあれじゃないかな、浜によって状況が違うというんだから。だから、その辺の辺りもよく詰めた上で是非やっていただきたいと思います。ここは、今回の改正の中で一番やっぱり、下ろしたときに、浜の方からいろんな声が上がる箇所だと思います。
 ただ、繰り返しになりますけれども、単純に更新のときに優先順位を適用せずに、今までの実績を見て水域を適切かつ有効に、これも判断基準難しいんだけど、ちゃんともうその実績を見れば分かるから、これは。それをやったということは、これは大いに評価しますよ。その方が漁場が活性するというのは決まっていますから。だけど、新規の部分については、何かもう意図的に、とにかく株式会社だけ優先しているんじゃないかみたいな、そういう臆測を生みやすい感じになっちゃっている。そこは、もう株式会社だって、西の方では漁業の協同組合に入ってうまくやっているところもあるし、全部が全部ではないですよ。ただ、岩手県では、例えば、アワビに株式会社が入ってきたときは絶対駄目だといって排除しました、岩手県の漁協は。
 だから、今回も、いずれ新しい漁業権をやるときは地域の漁協の意見を聞くというのはもう当然のことだと思いますが、いずれそういったことも含めまして、更にここは詰めて、上手にというかしっかり、上手にという言葉は良くないですね、ちゃんと説明してもらいたいですね、そこは。
 それから、あともう一つの、最後のもう一つの大きな柱は、今回、沿岸漁場管理制度というのを導入しています。これ、今までの法律の中ではなかったわけでありまして、今までの法律の中では、沿岸漁場の管理というのはやっぱり漁場を使っている者というものが主体的に管理するという暗黙の了解があったんですけれども、今回、一本柱立てをしまして、沿岸漁場管理制度というものを入れて、基本的には都道府県知事が管理をするということになります。
 ただ、都道府県知事の方が管理するといったって都道府県なんかできっこないですから、基本的にはこれ漁協さんにお願いをするという、一つの考え方として私は大きな転換だと思いますけれども、実態としては余り変わらないということだと思うんですが、その考え方をちょっとお知らせいただきたいと思います。
#26
○政府参考人(長谷成人君) 沿岸漁場の利用に関する調整は漁業法上も都道府県が行うこととなっておりますけれども、沿岸漁場における例えば赤潮監視ですとか漁場清掃等の良好な漁場の維持のための活動は、漁協が組合員への指導事業として日常的に実施していることが多く、結果的に漁場を利用する者が広く受益している活動でございます。
 こうした活動は、それ自体が収益を生むものではございませんけれども、将来にわたって良好な漁場を維持し、沿岸漁場の漁業生産力を発展させる観点から、今後も継続される必要があると認識しております。
 しかしながら、組合員漁業者の減少や高齢化の進行等により、従来のような組合員による負担を前提とした漁協の任意の活動では限界が生じてくる可能性があります。また、一部の漁協では、参入した企業などから協力金等の名目で金銭を徴収している例がございますけれども、根拠が不透明、不公平といった指摘もあるのは事実でございます。
 このため、漁場を利用する者が広く受益する活動を組合員以外の負担を求めて実施する場合に、今後も適切に実施していけるように、都道府県が漁協等をその申請に基づいて指定し、一定のルールを定めて沿岸漁場の管理業務を行わせることができる仕組みを導入しようとするものでございます。
#27
○平野達男君 そのとおりだろうと思います。
 私なりにかみ砕いてというか理解したことでいえば、本来の漁業法、前の漁業法、現行の漁業法が制定されたときは、漁業者というのはもう大体地元の人で、また地元の人は大体ほとんど漁業協同組合に参加していて、それで漁業協同組合が中心にその漁場の管理をする、清掃をしたりとか様々な仕事をするということで、漁協の管理とすることがその地域の受益というか、漁業者に一致するという意味においてはそこにずれはなかったんですけれども、だんだんだんだんやっぱり株式会社等々が入ってきて、中には漁協に入るのもありましたけれども、漁協でなくて、漁協の外で活動する人もいると。だけど、漁場は一体でありますから、その漁場の管理自体は漁業協同組合がやっていくという中で、いろんな費用徴収等々についてのルールを作るためには、ちょっと迂回する形になりますけれどもこういう形にやった方がこれからスムーズにいくというふうに私は理解したいと思いますし、これは、今、一次産業、後継者不足、どの部門でも不足していますけれども、私の理解では漁業者が一番やっぱり後継者が少ない分野ではないかというふうにも思っています。
 こういう中で、株式会社も入ってくるというのも、全面的な排除ということではなくて、入ってきて、地域のためにいいというんだったら入ってきてもらっていいと思うし、そこと漁場管理する上での、漁協との調整のうまくいくための仕組みとしては、これは私は評価をしたいと思います。
 漁業には、沿岸漁業、養殖、それから遠洋、沖合というふうにありまして、いわゆる沿岸漁業、いわゆる漁業権漁業の対象となるような沿岸漁業と養殖漁業というのは、陸から大体三キロメートルぐらい、長くて五キロメートルぐらいですかね。領海は十二海里でありますから、それからあと、EEZ、排他的経済水域は二百海里ということなんですが、そのほかにまた公海があるわけでありますけれどもね。海の面積から見ますと、沿岸と養殖漁業というのは極めて面積の小さい、海水面の面積からいきますと小さいところで漁業をします。だけど、漁獲高は一番多い、漁船の数も一番多い、それから水産の形態もその沿岸漁業と養殖に従事する方が圧倒的に多いということですね。で、そういう沿岸漁業と養殖漁業というのは、これまでやっぱり、繰り返しになりますけれども、ずうっと歴史がある中で一つの秩序というかルールみたいなのがやっぱりでき上がってきたんだろうというふうに思いますよ。
 もう、繰り返しになりますけれども、今回のやっぱり一つの争点になるというのは、今回のこの漁業権の免許です。私は、新しいものでも、養殖等々について言えば、旧法律で言えば特定区画漁業権というのがなくなるんですけれども、やっぱり団体漁業権を優先させるという考え方は、是非これは優先させるべきだと思います。この考え方は、恐らくこれから水産庁が一定の考え方を示すということになると思いますけれども、その考え方は是非入れていただきたいというふうに思います。
 そこについての現段階での考え方でよろしいですから、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
#28
○政府参考人(長谷成人君) 特定区画漁業権といいましょうか、団体漁業権に関するお話でございました。
 今回は、特定区画漁業権ということで、漁業種類によって、小割り式養殖とか養殖の種類によって機械的に漁協管理が優先するかどうかという考え方ではなくて、漁業ごとに実態を踏まえて、団体管理が適しているもの、そうでないものというものを関係者の意見をよく聞きながら振り分けて、そして漁協による管理に適しているものについてはそういう形で免許していくという考え方を取っているところでございますので、そういう今回の考え方、趣旨も、今後も丁寧に浜に伝わるように説明をしていきたいというふうに思っております。
#29
○平野達男君 私、団体漁業権というのは是非大事にしてもらいたいと思います。この姿勢を、あっ、団体漁業権というのは今回の法律でできる概念ですね、前は共同漁業権、それからあと、養殖に与える漁業権、漁協に与えるのも一種の共同漁業権だというふうに思いますけれども、今、今回法律が、この法律案の中では全部団体漁業権という言葉に置き換わりますけど、この団体漁業権というのをもう大事にするというのは、やっぱり水域についてはみんなで守るんだと、漁業者が、その精神がやっぱりそこに生きているから、このところをやっぱり外さないように是非やっていただきたいと思います。
 その上で、最後ちょっと一言苦言を呈させていただきますけれども、第一条の目的の旧来の法律の中で、先ほど言いましたように、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用にというのが入っていました、前の法律は。だから、法律改正するときは、まあ水産庁も私らが随分口やかましく言ったから、地元に下ろしてください、地元に下ろしてくださいと言いまして、言った結果、結構説明はされましたよね、この法律の、県ごとに。だけど、浜にはまだまだ下りてないですよ。こういう規定があった法律を改正するんだから、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整運用機能でやっていたその法律ですよ。それを改正する法律ですから。
 やっていること自体は、もう全体、基本的には私はもうよく詰めてあると思うし、ただ説明は本当に丁寧にやらなくちゃならないことがあるというのはさっき言ったとおりです。でも、浜に対しては、本当、スキップ、説明をちょっと怠り過ぎたと思う。これは、下手しますと、怒られるというか、岩手県ではごしゃぐって言うんだけど、本当ごしゃがれますよ、これ。今も現にこれ怒られているから。
 で、これは法律を本当に制定した後は、これは一漁協回るぐらいにもう全部とにかく水産庁挙げて説明してくださいよ。そして、様々ないろんなこの国に対しての誤解みたいな、誤解というか、ちょっと申し訳ないけれども、反キャンペーンみたいのも今やられているみたいだけど、だけどそこはちゃんと、きちっと受け止めた上で、ここ、こうだというやっぱり説明をしていかないと。そのことは強く強く要望を申し上げておきたいというふうに思います。
 まだまだ実はいっぱい質問したいことがあったんですが、最後に一言またあるんですが、一つ。
 昨日、実は国会をちょっと欠席させていただきまして、厚真町に行ってまいりました。自民党の農林水産災害対策委員会の委員長として是非とも北海道に行きたいということで、なかなか日程が合わなくて昨日行ってまいりまして、農地災害、農業災害、みんな大変でありますし、ただ、もう本当に私が見て言葉をのんでしまったのは、あの山腹崩壊です。あんな山腹崩壊は見たこともないというよりもあり得ない山腹崩壊だというふうに、もうとにかく言葉をのんでしまいました。
 いずれどんな災害も現場は大変でありますけれども、特に、早く、これは自民党の委員会の中でも農水省さんには何回も強く要望申し上げているところでありますけれども、早いまず全体の復旧計画を示すということと、それから、あと、山林の場合は三年とか四年とかそんなもんじゃなくて、かなり中長期的な観点で方向性を示していくということも大事だと思います。
 是非、吉川大臣、もう災害のものについては、随分もう吉川大臣は大臣になる以前から先頭に立って取り組んでこられましたから、私が今ここでああだこうだと言う必要もないとは思いますけれども、是非そこの取組は強くお願いを申し上げておきたいというふうに思います。
 自然の恐ろしさというのは、自然の力のすさまじさというのは、東日本大震災でも感じましたし、災害の現場を見るたんびに全て感じるんですが、今回の山腹崩壊のすさまじさというのは、また全く別次元の状況だったというふうに思います。
 だけど、必ずあれは復活するし、復活させないかぬし、是非その取組をお願い申し上げまして、後は進藤金日子さんが──あっ、お願いを申し上げます。
#30
○国務大臣(吉川貴盛君) 平野委員から、大変有り難いと申しましょうか、お言葉を頂戴をいたしました。御視察をいただきましてありがとうございました。
 今、国はもちろんのこと、地元の道、さらには三町の皆さんと復旧復興に向けた計画案をしっかり作って、来年このなりわいがしっかりと復活ができますように今取組をさせていただいておりますので、それを加速化させて復旧復興に努めていきたいと思います。
 また今後とも御指導のほどよろしくお願い申し上げます。
#31
○平野達男君 終わります。
#32
○進藤金日子君 自由民主党・国民の声の進藤金日子です。
 本日は質問の機会を与えていただきまして、委員長、理事の皆様、また委員の皆様に心から感謝申し上げたいというふうに思います。
 まずもって、吉川農林水産大臣の御就任、心からお祝い申し上げたいというふうに思います。大臣はこれまでの御経験豊富でございます。是非とも、我が国の農林水産業、農山漁村の振興、発展に向けて農林水産行政のかじ取りをお願いを申し上げたいというふうに思います。
 それでは、早速質問に入りたいというふうに思います。
 私自身、水産改革の一環としての漁業法の改正が目指すべきところは、水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の両立であり、究極の目的は漁業者の所得向上であって、浜の活性化、漁村の活性化であるというふうに認識しているところであります。そうした中で、平野委員の質疑でも詳細にありましたけれども、やはり、漁業者の皆様からは漁業権の免許について、従来の優先順位を定めている仕組みを改めて新たな仕組みを導入することに対する不安が大きいとの声が多く聞かれるわけであります。
 そこでお尋ねしたいと思います。漁業法改正案の柱の一つである海面利用制度の見直しの趣旨について、これによりどのように沿岸漁業の成長や漁業者の経営発展を目指していくのか、お聞きしたいと思います。
#33
○国務大臣(吉川貴盛君) 私からのお答えをさせていただきたいと思っております。
 漁業者の減少ですとか高齢化が進んでおります。地域によりましては漁場の利用の程度が低くなっているところもございます。今後、どのように沿岸漁場の管理ですとか活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが大変大きな課題の一つになっております。
 このために、本法律案におきましては、法律で詳細かつ全国一律にこの漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改めることとしておりまして、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者や漁協につきましては、将来に向けて安心して漁業に取り組んでいただけるように優先して免許をする仕組みといたしております。さらに、利用の程度が低くなっている漁場につきましては、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許するなど、水面の総合利用を進めることといたしているところでございます。
 特に、こうした改正でありますけれども、現に地域の水産業を支えていただいております漁業者や漁協の経営の安定化、新たな投資等による経営の発展に向けたインセンティブにもなると思っておりまして、漁業者に将来の展望を示しながら、地域の創意工夫を生かした浜の活性化にもつながるものと考えております。
 先ほどから、平野委員からもたくさんの御指摘を頂戴いたしました。やはり、この改革を進めていくに当たっての一番大切な部分というのは、浜の皆さんの御意見をしっかりと受け止めながら、これからも丁寧に、説明には十分過ぎるという言葉はございませんので、説明をしながら一緒に浜の活性化に向けて進めていく必要があるんだろうと、このように思っております。
#34
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 我が国におきましては、人口減少等と相まって国内の水産物消費が低迷している中で、水産業を成長産業化しつつ漁業者の所得向上を図っていくには、これは幾つかの方策があるんだろうというふうに思いますけれども、海面利用制度の見直しを図りまして、今大臣が御答弁なされましたように、利用の程度が低くなっている漁場を始め海面の総合利用を進めることで、漁業協同組合や漁業者の経営の安定化、さらには新たな投資等による経営発展に向けた取組を進めていくこと、これは重要なポイントではなかろうかというふうに認識いたしております。
 その際に、やはり現に頑張っている漁業者の経営発展を図るための漁場利用をしっかりと確保すること、これ極めて重要であります。これを基本ラインとして、この漁業権の免許について新たな仕組みを今回の漁業法改正に取り入れているんだと、今までの答弁をお聞きして、そのように私認識しております。
 そこでお尋ねしたいと思います。漁業法改正法案において、頑張っている漁業者に優先して免許するという仕組みは、現行の漁業法とは異なる漁業権の更新制度を創設するという意味なのか、その点、お聞きしたいと思います。
#35
○政府参考人(長谷成人君) 現行漁業法では、漁業経営の継続性を考慮することなく、法定の優先順位に従って新たに免許する者を決定することとされており、結果として既存の漁業権者に再び免許されることとなったとしても、それは現行漁業法の定める優先順位に従って免許された結果にすぎず、既存の漁業権者であることを理由として再び免許を与えるという運用がされていたものではございません。
 今般の漁業法改正では、既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用していると認められる場合には当該漁業権者に対して優先して再免許することとしておりますが、漁業権はその存続期間が法定され、その延長が認められないとの点に変更はなく、旧漁業権の消滅後に免許された漁業権は、あくまでその免許によって新たに設定された権利であることから、漁業権の更新制度を創設するものではないということでございます。
#36
○進藤金日子君 今、漁業権の更新制度を創設するものではないという答弁でございました。
 それでは、現行漁業法に基づく漁業権と改正漁業法に基づく漁業権は、法制上どのような点で異なるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#37
○政府参考人(長谷成人君) 現行漁業法では、旧漁業権の消滅後に同一人に対して免許された漁業権は、あくまでその免許によって新たに設定された権利でありまして、旧漁業権とは別個の権利であることから、新旧漁業権は法的な同一性は有しておりません。
 今般の漁業法改正では、漁業権がその存続期間の満了により消滅することは前提としつつも、政策的見地から、新たに、既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用していると認められる場合においては、その免許の存続期間が満了する際に、当該漁業権と漁場の位置及び区域、漁業の種類がおおむね等しいと認められるものとして設定される漁業権について当該既存の漁業権者に免許することとしたものであり、現行漁業法とは異なる考え方を新たに導入するものでございます。
#38
○進藤金日子君 ありがとうございます。
 新旧漁業権は法的な同一性は有していないという答弁でございました。また、改正漁業法に基づく漁業権は、現行漁業法とは異なる考え方を新たに導入するものという答弁でございました。
 各種法律が改正される場合に権利等の法制上の相違点を確認することは、やはり今後の政策の展開に当たっても重要な要素であろうというふうに考えまして、あえて確認させていただいた次第であります。
 なお、漁業関係者の意見、私もいろいろお聞きするわけでございますが、やはり新たな漁業権の設定に係る漁場計画の作成に当たって、地元漁業者、漁協等の意見をよく聞いてほしいんだと、そして漁業調整に支障を及ぼさないと認められる場合に設定することを引き続き都道府県に義務付けてほしいんだということ、こういう要望がありますので、是非そこはお伝えしたいというふうに思います。
 また、養殖業の振興に当たりまして、総合戦略のイメージを示すということ、これ是非やってほしいんだという声もあるわけであります。特に、魚類養殖業におけるガイドラインで取り組まれている需給バランスの維持等に混乱を来さないように配慮してほしい。またさらには、この海区漁業調整委員会、先ほども議論ございましたが、これ漁民委員の選任に当たっては公選制廃止されるわけであります。こういったことを踏まえて、是非とも漁業団体からの推薦者が優先して選任されるように、ここを強く要望したいんだという声が大きいわけであります。
 ここで、少し話題を変えたいと思います。
 先般、いわゆる地理的表示法の改正法案、成立いたしました。これ、農林水産物の平成二十九年度の輸出額でございますが、これ八千七十一億円であります。内訳は、農産物が四千九百六十六億円、シェア六一・五%であります。林産物が三百五十五億円、シェア四・四%、水産物が二千七百四十九億円、シェア、これ三四%あるわけであります。まあ三四・一でしょうかね。
 私自身、輸出促進を図る上で地理的表示、GI表示というのはこれ戦略として極めて重要なんだというふうに捉えておりますけれども、その輸出促進が農家などの生産者や生産地域の所得向上にこれ確実に連動しているのかどうか、どこかにこの付加価値分が流れていってはこれ意味ないわけでありますから、やはり農家などの生産者や生産地域の所得向上にこの輸出が確実に連動しているのかどうか、そこがポイントではないかというふうに考えるわけであります。
 そこでお尋ねしたいと思います。GI登録による輸出促進を農家や生産地域の所得向上に結び付ける具体的方策、これ是非確認させていただきたいと思います。
#39
○副大臣(高鳥修一君) 進藤委員にお答えをいたします。
 GI法は、その目的として、特定農林水産物等の生産業者の利益の保護を図り、もって農林水産業及びその関連産業の発展に寄与し、併せて需要者の利益を保護することを掲げているところでございまして、地域の発展や生産者の利益の保護は重要な目的の一つでございます。
 我が国のGI法は平成二十七年六月から運用を開始したところでありますが、GI登録により、模倣品の排除のほか、生産量の拡大、価格の上昇、担い手の増加といった効果も現れているところでありまして、生産者の経営にとって望ましい効果を上げていると承知をいたしております。
 例えば、委員御存じの秋田県松館地区で伝統的に栽培されてきた在来の辛み大根である松館しぼり大根も、GI登録によりメディアに取り上げられたりすることで県外での知名度向上にも寄与しているところであります。ほかにも、個々の名称は申し上げませんけれども、価格の上昇あるいは取引の拡大が認められたものが幾つもございます。
 日EU・EPAが発効しますと、EUにおいて日本の四十八のGI産品の名称が保護されることになるために、例えばですが、EUにおいて模倣品の存在が確認されているオーストラリア産神戸ビーフなど、EUにおいて我が国のGI産品の模倣品の排除が進み、輸出機会の拡大につながると期待されております。
 このほか、輸出に取り組もうとする生産者が輸出診断や産地づくりの支援等を受けることができる農林水産物・食品輸出プロジェクト等の支援に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#40
○進藤金日子君 ありがとうございました。
 今御答弁いただきましたように、GI登録の効果、やはり模倣の排除ということがございます。あとは生産額の拡大、いわゆる取引の拡大ということなんだろうと思います。
 また、あと担い手の増加と価格の上昇ということも今御答弁いただいたわけでございますけれども、やっぱりこの担い手が増加するというのは、生産者の所得向上が図られているということを端的に示しているんじゃないかと思うわけであります。これ、ある意味分かりやすいと思います。
 一方で、価格の上昇ということについては、まさにGI登録によって付与された付加価値分なんだろうと思うわけであります。その付加価値分が生産者や生産地域に還元されなければ、これ駄目なんだろうと思うわけです。是非とも、何のためのGI登録かという原点、これぶれることのないように、今副大臣から御答弁いただいたように、今後の政策の具体的展開をお願いしたいというふうに思います。
 ところで、和食、日本人の伝統的な食文化がユネスコ無形文化遺産に登録されて今年でちょうど五年になるわけであります。この間、海外における日本食レストランの登録は、二〇一三年には約五・五万店、二〇一七年、これ昨年、十一・八万店へと約二倍に伸びております。
 また、訪日外国人旅行者数の増加も著しいものがあります。二〇一三年には一千三十六万人だったものが、二〇一七年には二千八百六十九万人と約三倍に増えているわけであります。そして、訪日外国人の旅行者の旅行消費額、これは二〇一三年に一兆四千百六十七億円から、二〇一七年には四兆四千百六十一億円と約三倍に増えております。インバウンド需要の著しい増加であります。
 こうした中で、GI登録を訪日外国人にしっかりと認識していただく戦略も重要なんだろうというふうに思うわけです。そのGI登録の印象であります。具体的に、マークに付随した味、食味等が、帰国後のGI登録のマークで思い出していく、そしてそれを積極的に購入する。それが相互保護されたGI登録であれば、これ模倣品も完全に排除できるわけであります。こうしたモデルを早急に確立して、まさに強い農林水産業の構築の一助とすべきというふうに考えます。
 また、水産物であれば、HACCPとGI登録を一体的に推進する仕組みとして、そこに短期集中的に政府が支援するといったことも検討すべきなんだろうと思います。実は、この水産物のGI登録が現時点で八産品なんです、八産品。全体で六十九品目農林水産物ありますから、その中の八品目なわけであります。是非とも、私はこの水産物のGI登録を促進していただきたいというふうに思います。
 最後になりますけど、もう一回漁業法改正に戻りますけれども、やはり具体的な運用の多くは政令等で定めることになります、これは。その政令等の検討に当たっては、やはり水産改革の実践者は、これ漁業者でありますから、この漁業者の方々が実効性のある取組が可能となるように、漁業者の方々等と丁寧かつ十分な協議を行っていただきたい。そして、改革に必要な予算を是非ともこれはしっかりと確保していただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#41
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 今日は漁業法の改正法案についてということで、まず、この前提となります漁業の実態、またその認識、分析に関して政府の見解を確認するところから始めたいと思います。
 漁業生産量の推移を拝見をいたしますと、昭和五十九年の一千二百八十二万トンをピークに、平成二十九年、直近では四百三十万トンと約三分の一に落ち込んでおります。その背景としては、水産資源の総量が減少しているのかとか、あるいは消費者の食生活の傾向の変化、あるいは漁業の担い手が減少している、また漁業経営の環境変化など様々なことが考えられるというふうに思います。
 この三十年近くの漁業生産量の減少の要因について政府がどのように分析をされているか、確認をさせてください。
#42
○政府参考人(長谷成人君) かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量でありますけれども、昭和五十八年をピークに減少傾向で推移し、現在はピーク時から大きく減少しております。
 漁業生産量の減少の要因としては、まず、マイワシ資源の大幅な漁獲量の減、そして遠洋漁業の縮小が挙げられます。しかしながら、このほかにも減少している水産資源があります。より適切に管理をしていれば減少を防止、緩和できたものも多いと考えているところでございます。また、水産資源を活用する漁業者の減少、高齢化も漁業生産量の減少の要因となっていると認識しております。
 一方、外に目を向けますと、国際的な水産物の需要の高まりにより、我が国周辺水域で外国漁船による操業が活発化するなど、我が国の漁業者が水産資源を十全に活用できていない状況もございます。
 さらに、一人当たりの魚介類の消費量も減少傾向にあるなど、消費面についての課題もあり、こうした様々な要因が相まって漁業生産に影響を及ぼしてきた部分があるものと考えております。
 このため、水産政策の改革によりまして、まずは生産面の課題の解決を図り、漁業の生産力を高めていくとともに、消費対策等も含めて総合的に施策を講じ、現在の減少傾向に歯止めを掛けたいと考えているところでございます。
#43
○里見隆治君 ありがとうございます。
 そうした背景、また時代の変化に応じて総合的に対策を進められるという、そういうお話でございました、御答弁でございました。
 そうした前提条件、認識の上に今回の法律案を提出したものというふうに承知をしておりますけれども、ともすると、衆議院の審議あるいは本会議での審議、拝見をしておりますと、何かこの今回の法案が規制改革推進会議からの検討要請に応えて水産改革が行われているかのように質問をされる向きもございます。確かに、並行して規制改革の議論もございましたし、そうしたことを横にらみでということもあったというのは分かりますけれども、こうした本来の日本の漁業をどうしていくのか、水産行政をどう動かしていくのか、そうした観点からいえば、今おっしゃったような課題、水産資源の管理を充実する、あるいは漁業の成長産業化を図るという本来の水産政策の意図、それをしっかりと政府としても説明をいただく必要があるのではないかというふうに考えます。
 また、ともすると、もちろん、生産現場ということですから、生産者に対してどういうアプローチを掛けていくかということが議論になりますけれども、むしろ、これは流通あるいは消費者というその全体の川下、川上から川下、水産ですからなかなか川が適当かどうか分かりませんけれども、そうした生産から消費者全体を見通して、視点、そういった全体観に立って見ていかなければならない。そうした意味では、流通あるいは消費者の視点というものも大変重要かというふうに考えます。
 そうした全体観に立っての今回の漁業法の改正のメリット、これを大臣から分かりやすく御説明いただきたいと思います。
#44
○国務大臣(吉川貴盛君) 里見委員も既に御承知のとおりと存じますけれども、我が国の漁業は、まず国民に水産物を安定供給するという重要な役割を担っていると存じます。ですが、一方では、漁業生産量が長期的に減少傾向ということもありますし、さらには漁業の就業者数も減少するという厳しい課題を抱えております。
 今回の水産政策の改革でありますけれども、今申し上げましたような状況を踏まえまして、水産資源のこの持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、漁業生産力を発展させることに本腰を入れて取り組むことが必要であるとの認識の下に、昨年の四月でありますけれども、に策定をいたしました水産基本計画がございます。これによりまして、数量管理等による資源管理の充実ですとか、漁業の成長産業化等を強力に進めるために必要な施策について、関係法律の見直しを含めて引き続き検討を行うとされたことを出発点といたしております。水産政策の実施に責任を有する農林水産省として、主体的に検討を進めて法案提出に至ったものでございます。
 今般の改革によりまして、漁業生産量や漁業の就業者数の減少に歯止めを掛けて、全国各地でこの特性を生かした多様な漁業が営まれるようにすることで、我が国の消費者が将来にわたって多様で豊かな日本の水産物や魚食文化を享受することができる、そのように考えております。
#45
○里見隆治君 ありがとうございます。
 しっかり政府としても、国民の皆様、それから漁業生産者、また消費者に至るまで丁寧に御説明をいただく必要があると思います。
 私も、地元愛知で漁業者の皆様とこの間対話を重ねてまいりました。愛知県も、知多半島を挟んで三河湾また伊勢湾等、沿岸漁業が盛んな地域が集中しておりまして、そうした方々と今回の法案についても様々意見交換をさせていただきました。そうした中で、やはり先ほども議論がございましたけれども、漁業権の設定方法、これについてはまだまだ理解が十分ではない、また認識が薄い分、御心配も多い点であろうかと思いまして、これもしっかりとこの審議を通じて明確にし、安心感を与えていく必要があると思います。
 まず、この漁業権の設定方法の変更についてでございますけれども、新規参入を認める場合の地元漁業者との調整、これが果たしてどのように行われるんだろうかと、そのことを現場の皆さんも不安に思われております。また、既存の漁業者が適切、有効に漁場を活用している場合、これは今回の法案の一つのキーワードになっておりますけれども、適切、有効に漁場を活用している場合は、引き続き漁業権が免許されるということでありますけれども、この点も基準を明確にし、そして漁業者の皆さんにしっかり理解をいただく必要がある。でなければ、不安が払拭されないものというふうに考えます。
 漁業者に不必要な懸念をお持ちいただくことは、政府にとってもまた現場の皆様にとっても不幸だと考えます。こうした手続が公正、適切かつ丁寧に行われるということを改めて明確に御説明いただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
#46
○国務大臣(吉川貴盛君) 漁業の免許に当たりましては、都道府県知事は、事前に漁業者等の利害関係人の意見を聞いて検討を加え、その結果を踏まえて海区漁場計画を策定しなければならないこととされております。
 新たな漁業権を設定する場合につきましても、利害関係人の意見を聞くとともに、地元の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聞くことを通じまして周辺で操業する地元漁業者との調整がなされるものと考えております。
 また、既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用している場合に優先して免許されますけれども、適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理ですとか養殖生産を行い、将来にわたって持続的に漁業生産力を高めるよう漁場を活用している状況と考えております。具体的には、漁場利用や資源管理に関わるルールを遵守した操業が行われている場合、さらに、漁場の潮通しを良くする目的で漁場の一部を利用していない場合、さらには、資源管理のために漁業活動を制限している、病気やけがなどで出漁していない場合等、合理的な理由があるものについては適切かつ有効な利用をしていると考えられるところでございます。
 実際には、個々の事案ごとに、この地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりまするけれども、都道府県によってこの判断基準が大きく異なることがないようにする観点から、都道府県の実務担当者から更に意見を伺わなければならないと思っております。そして、国が技術的助言を含めて適切かつ有効な考え方を示していく考えでございます。これにつきましては、法案の成立をさせていただきました後にはガイドラインというものも設定をしていく必要が私はあるのではないかと、こう思っておりますので、そういったことも含めて検討させていただきます。
#47
○里見隆治君 ありがとうございます。
 これ、国会での審議でありますので、法律を審議していますので、やはり基本的な考え方は政省令で、あるいはガイドラインでということでなく、しっかりここで議論をさせていただきたいと。その上で、法律の立て付けとして、やはり政省令、運用基準、ガイドライン等ありますから、それはそれで、今大臣がおっしゃったように、個々の現場に応じて具体的にどうその法の適用をしていくのか、それはまた個別に御説明いただきたいと。
 そういう意味では、私どもも、公明党として、農林水産部会、稲津部会長を筆頭にして、十月二十九日に大臣の下に今回の水産政策の改革について提言をさせていただき、六点ほどにわたって提言をさせていただき、御理解をいただいているものと理解をしております。その六点、ここで改めては申し上げませんけれども、今大臣がおっしゃった、この水域を利用している漁業者からの意見聴取などの事前の十分な調整というところは念には念を入れてしっかりと着実に進めていただくよう、お願いをしたいと思います。
 結局は、今おっしゃったように、個々の現場ごとにと、また全国各地で特性を生かして多種多様な漁業という、そういうお話の趣旨からいえば、基本的な考え方はこの法律でしっかりとお示しをすると。そしてまた、具体的な法の適用について個別に説明を丁寧にし、かつ手続を進めていくと。そういうことからすると、やはり現場とのコミュニケーション、説明をしっかりしていただくということが大変重要だと思います。
 水産庁としては、既に御説明があったとおり、本年の六月に「水産政策の改革について」、これ発表して以来、各地で水産政策の改革についての説明会を行ってきたというふうに承知をしております。しかしながら、対象者がどうしても漁協の幹部あるいは役員といった方に偏りがちではないかと、広く組合員の皆様にも伝わるような説明を求めたいというふうに思います。
 今回の法律案、その中で、政省令、運用基準、そうしたものも、今後、法律だけではなくて、しっかりと現場にその情報が届くように、安心感を与えるようにお願いをしたいと思います。
 こうした、これまでの説明、また今後どのように現場とのコミュニケーションを図っていくのか、その点について確認をしたいと思います。
#48
○政府参考人(長谷成人君) これまで、農林水産省と団体が協力して、改革の内容や改正法案の考え方につきまして、漁業者団体の開催する会議など様々な機会を通じて、漁協や漁業者等と意見交換を行い、本年六月から十月末までの間に全国各地で九十九回の説明会等を実施してきたところでございます。こうした説明会等を通じて漁業者の全国団体から改正法案について理解をいただいているところでございます。さらに、漁業者や一般の方々がアクセスできるよう、改革の趣旨、内容等を解説した動画やQアンドAを水産庁ホームページに掲載もしているところでございます。
 今後も引き続き説明を実施するとともに、全国の浜々の要望に応じて説明に出向き、政省令や運用基準など制度の細かな運用を含めまして漁業関係者の方々に御理解いただけるよう更に努力してまいりたいと考えております。
#49
○里見隆治君 どうかよろしくお願いいたします。
 そのほか現場での対話で論点となりましたことに、沿岸漁場管理制度、これは先ほども質疑応答ございましたけれども、先ほど政府から内容の説明がありましたのでその部分ははしょりますけれども、この管理制度の整備、これまでは地元の漁協が担ってきた活動を一層推進するものというふうに期待をしているところでありますが、漁場の有する多面的機能を通じて沿岸漁場管理団体以外にも広くその受益が及ぶ、すなわち公益性があるということから考えますと、費用負担の範囲を今回拡大するということでありますが、更に広くその利益が及ぶ、公益性があるということでありますれば、これはしっかりと公的な支援も充実させていくことがこの表裏一体のものとして必要であるというふうに考えます。
 水産庁がこれまで行っております水産多面的機能発揮対策、これは、環境、生態系の維持、回復や安心して活動できる海域の確保など、水産業、漁村の多面的機能の発揮に資するそうした活動を支援するものだということでございますけれども、こうした事業の活用、更にこれを拡充させ、今後予算もしっかりと付けていただいて支援をいただく必要があると思いますけれども、今後の方針について政府にお伺いいたします。
#50
○政府参考人(長谷成人君) 沿岸漁場管理制度につきましては、先ほど赤潮監視ですとか漁場清掃等の例を挙げて御説明したところでありますが、この制度の導入のほかにも、漁業、漁村の有する多面的機能がこれからも更に発揮されるよう、漁業、漁村を支える人材の育成確保や干潟の保全など、漁村における地域活動の促進のための支援策を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
#51
○里見隆治君 よろしくお願いいたします。
 そのほか、今回の法律案で論点として挙げておきたいのですけれども、今回は法律、規制制度をつくっていくということと併せて、そろそろ年末に向けて私どもも予算の方もにらみながら両輪で進めていく必要があると思います。その中で考えなければならないのが、漁業構造改革総合対策事業、いわゆるもうかる漁業についても触れておきたいと思います。
 漁業の成長産業化のために漁船の高船齢化への対応、また古い漁業設備の高性能化を公的支援により進める必要があると考えます。水産庁として、もうかる漁業、この事業によって用船方式で高性能な漁船の導入等を進めてきたということで承知をしておりますが、漁業の現場でも大変評価をされておりまして、これを更に拡充していく必要があると思います。
 これまで補正等で積み増していくという、そうしたやり方が多かったように見受けられますけれども、これをしっかり継続的、恒常的な事業として事業費を確保していく、それによって成長産業化を進めていくべきというふうに考えますけれども、今後どうした方向でこの事業を進めていかれるか、大臣にお伺いしたいと思います。
#52
○国務大臣(吉川貴盛君) 今御指摘をいただきましたように、漁業の成長産業化を進める上で、漁業者の所得向上というのはとても大切なことだと考えます。さらに、この漁業が若者にとって魅力である産業とすることが重要であると考えておりまして、このために、漁業者が資源管理に取り組みつつ、収益性が高くて、かつ居住性、安全性、作業性の高い漁船を導入するに当たりまして、漁船の建造等に対する金融支援措置のほか、その導入手法を実証するために、今御指摘をいただきました漁業構造改革総合対策事業、いわゆるもうかる漁業に支援を行ってきたところでもございます。
 今後とも、こうした支援措置等によりまして、漁業の成長産業化をしっかりと促進をしてまいりたいと存じます。
#53
○里見隆治君 改正案の関係で、もう一点、これも漁協の皆さんとのお話の中で、先ほどの漁業権の制度変更と併せて御心配、御懸念の声が上がっていたのが、海区漁業調整委員会の委員の選出方法についての変更点でございます。
 これは、公選制から都道府県知事の任命に移行するという改正案でございますが、海区漁業調整委員会が今後も公的な役割を果たせるように、この委員の選出に当たっては、漁業者の代表を中心とする組織という基本的な性格が維持されるようにすることが求められていると思います。この点、法案においてはどのように担保されているのか、お伺いします。
#54
○政府参考人(長谷成人君) 今回の海区漁業調整委員会の委員の選出方法の見直しにつきましては、委員会が一層適切に漁業調整の役割を果たすことができるよう、漁業者を主体とする委員会の組織、機能をしっかりと残しつつ、地域の実情に柔軟に対応できるよう、公選制から知事の選任制に移行するものでございます。
 具体的には、委員の定数は原則十五名、これは変わりませんけれども、その選任に当たっては、学識経験を有する者及び利害関係を有しない者を最低一名ずつ含めた上で、漁業者が過半数を占めるようにしなければならないこととしております。この場合、漁業者委員は法律で九名と、十五名の場合九名と、こう決まっておったわけですけれども、改正案におきましては、漁業者の委員は十五名中八名から十三名の中で都道府県知事が地域の実情に応じて柔軟に選任できるようにしているところでございます。
#55
○里見隆治君 私が現にこの調整委員会の委員をされている方から伺ったのは、これはなかなかまだ十分理解が、説明ができていないということもあろうかと思いますけれども、何か選挙をされないと公的性というものが疑われるんじゃないかと、そんな言われ方もしておりまして、そういう意味では、しっかりとした透明、また公正な手続を踏む、そしてしっかりと、議会を通じたそうした公的性をしっかり担保していくものだと、そこの理解は、是非理解を求めていただく必要があろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ちょっと角度を変えまして、漁業の担い手の確保についてお伺いをしたいと思います。
 冒頭、今までの漁業生産量の推移についての様々な要因分析の中で、この担い手をどう確保していくか、この点、大きな今後の漁業政策の論点であろうかと思います。こうした中で、まずは基本的な認識として、漁業の担い手の推移と、また今後の見通し、見込みについてどのような認識をお持ちか、お伺いをいたします。
#56
○政府参考人(長谷成人君) 漁業就業者数は一貫して減少傾向にありまして、統計上遡れる最も古い年である昭和三十六年には六十九・九万人であったものが、平成二十九年には十五・三万人となっております。
 また、近年の年齢階層ごとの変化率や新規就業者数を前提として水産庁で試算したところ、今後、漁業就業者数は徐々に減少いたしますけれども、二〇五三年以降約七万人程度で収束する可能性があるというふうに予測しているところでございます。
#57
○里見隆治君 この減少傾向に歯止めを掛け、そして、人数はそんなに大幅に増えないにしても、しっかりと一人当たりの生産量を上げ、そしてもうかる漁業にしていくと、そういう作戦だというふうに思いますけれども、これまでのそのための方策、政策ですね、水産庁として漁業の人材確保対策にどのように取り組まれてきたのか。また、今、法務委員会では外国人の受入れについても議論をされております。私ども農林水産委員会としては、しっかり漁業分野での人材確保という観点で、これはこれとしてしっかり議論をしていくべきだと思いますけれども、ただ、外国人を受け入れるからといって決して外国人頼みになるようなことなく、基幹的な担い手はしっかりと国内で育成をしていく、その施策について後退はあってはならないと考えております。
 今後、どのような人材確保、また育成をしていく方針か、お伺いをいたします。
#58
○政府参考人(長谷成人君) 漁業就業者を確保するため、水産庁として、新規就業者の確保、育成に向け、漁業就業希望者が経験ゼロからでも漁業に就業できるよう、就業相談会の開催や漁業現場での長期研修のほか、低利融資等について支援してきたところでございます。
 また、我が国漁業を今後持続的に発展させていくためには、例えば作業性、居住性、安全性の高い漁船の導入支援など、水産政策を総動員することによりまして漁業者の所得を向上させ、漁業を若者にとってやりがいのある魅力的な産業にしていくことが重要というふうに考えております。このため、引き続きこれらの支援を講じること等を通じまして、全体として毎年二千人以上の新規就業者を確保していくことを目標に、新規就業者の確保、育成を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#59
○里見隆治君 結局、人数も、ある程度、大幅には増えないけれども確保しつつ、それでももうかる漁業にしていくということは、一人当たりの生産性を向上させていく、これはいずれにしても必要な政策だと思います。
 この生産性向上についてどのようなお取組をされているか、お伺いをいたします。
#60
○政府参考人(長谷成人君) 漁業におきましては、漁船の大型化ですとか高性能化、そして漁労作業の機械化、協業化、養殖作業の自動化、人工種苗の量産などによりまして、作業の効率性を追求しつつ生産技術を発展させてきたという歴史がございます。
 今後とも、農林水産省としては、農林水産業・地域の活力創造プランに位置付けられました水産政策の改革などに基づきまして、適切な資源管理の実施による水産資源の維持、増大、漁業許可制度の見直しによる漁船の高性能化、大型化、情報通信技術を活用した漁場予測、養殖管理などの取組によりまして生産性の向上に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
#61
○里見隆治君 その上で、こうした人材確保、生産性向上の対策をしっかり講じていくと、それは当然の前提でございますけれども、これも、先般の政府がお示しをされました新たな在留資格による受入れ・人材不足の見込み数、こうした資料を提出いただいておりまして、私も本委員会の中で既に外食業あるいは農業についてはこの点確認をさせていただきましたが、今日は漁業関係でございますので、特にこの漁業の実数、これが新たな資格による外国人材の受入れ見込み数を七千から九千、これは五年間の累計ということであります。
 また、その根拠をお伺いするとともに、これは二つのルート、技能実習から移行する分と新たに試験を受けて入られる方、その内訳も示しながら、根拠、またその数字の裏付けについて御説明いただきたいと思います。
#62
○政府参考人(長谷成人君) 漁業の人材不足の見込み数につきましては、熟練の高齢労働者が一定の年齢に達し順次引退していくのに対しまして毎年一千人の新規就業者が新たに雇用されると想定して、現在五千人、五年後に二万人の人材が不足するものと推計いたしました。この状況に対しまして、生産性向上と国内人材の確保の取組を行ってもなお人手不足の状況を直ちに解消することは困難であるというふうに考えているところでございます。
 このため、技能実習二号修了者のうち五割から七割が新たな在留資格に移行すると。そのほか、新たに実施する試験で入国する者を合わせまして、五年後に七千人から九千人の外国人の受入れが必要になるものと見込んだものでございます。
#63
○里見隆治君 この技能実習の経験値がある中で、これまでの漁業分野での受入れを見ますと、これはまた、一方の都市部での外国人の受入れ、製造業、サービス業での受入れと相当様相も違うのではないかというふうに承知をしております。
 漁業分野では、より、都市部と違って職住の一体性が強いという性格もあると思いますし、その分、外国人を受け入れる場合は、単なる職場だけのお付き合いではなくて、漁場、漁村そして地域、そしてまさに生活者としての受入れということになろうかと思います。その意味では、仕事のみならず、生活上必要な例えば日本語の習得といったこともより重要だというふうに思いますし、こうしたコミュニケーションを円滑に進めていくことなども含めて外国人の受入れの環境整備、これを職住一体的に併せて考えていく必要があると思います。
 外国人の受入れ環境を総合的に整備をしていくという、これは今回の新たな受入れにかかわらず早急に進めていただくべきものと考えておりますけれども、これは年内に政府としては閣議決定をしていくということだと承知しております。この中で、漁業、漁村においてはどのような環境整備を考えておられるのか、漁業分野における外国人の受入れに対する基本的な考え方を含めて、大臣にお伺いをいたします。
#64
○国務大臣(吉川貴盛君) 漁業におきまして従事する外国人の方が洋上で受ける指示の内容を理解する必要があるほか、漁村での生活者として受け入れられることが最も重要な課題と認識をいたしております。
 このために、外国人の受入れに当たりましては、まず漁船、漁村で生活をして、漁業に従事する上で必要となる日本語能力をしっかり確保していただかなければなりません。さらに、漁村において、漁業活動やコミュニティー活動の核となっている漁業協同組合等が外国人との円滑な共生において適切な役割を果たすために必要な支援を行わなければならないと存じております。
 今申し上げましたようなことなど、環境整備にしっかりと努めてまいりたいと存じます。
#65
○里見隆治君 これ、これまでの技能実習でいいますと、例えば失踪というような課題も指摘をされているところであり、これはしっかり撲滅、なくなるように手を打っていく必要がありますけれども、漁村の場合は、これ関係者からもお伺いをしましたけれども、逃げ場がないといいますか、そこで一緒に仕事をし、生活をしていくしかないわけですね。そういう意味では、一方で目指している共生という概念には非常にモデルケースとしてつくりやすい、そうした分野であるというふうに思いますので、是非、御担当の皆さんには、そうした環境整備を併せてこの受入れについては制度設計をしていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、これはちょっと漁業というよりは震災復興対策とも絡みますけれども、私、実は昨年、宮城県に行ってまいりました。私ども公明党は、私は愛知県選出なんですけれども、復興支援ということで、どの県でも、その県関係なく、宮城、福島、岩手の担当を決めまして定期的に通わせていただいております。
 その中で、宮城県にお伺いをしたときに、復興支援事業で開設をされた水産加工工場にお伺いをいたしました。なかなか何年たっても、工場は復興支援によって整備をされたと、しかしながら、先生の方がよく御存じだと思いますけれども、なかなか、工場はしっかりした整備がされたけれども、魚が揚がってこないと。せっかくの設備が台なしだというようなお話も伺いました。
 こうした中で、私たちは、やはり強い農業、そして強い漁業、国際的な競争力を付けていく、もうかる漁業と、そういう意味では、この復興という観点、東日本大震災からの復旧復興という観点からは、国際的な風評とも闘っていかなければならないと、そのように認識をしております。
 去る十一月二十四日に台湾で、福島などの日本の五県産の食品の禁輸継続について賛否を問う住民投票があり、賛成多数で禁輸継続ということになってしまいました。二年間は投票結果と異なる政策を実施してはならないとの定めにより、二年間輸入解禁ができない状態であり、大きな打撃であるというふうに受け止めております。
 水産物も含む食品安全については、国内外を問わず、風評ではなく、安全性に関して科学的根拠に基づく対応が肝要であると、そのように考えますけれども、今後国際的にどのように理解を求めていかれるか、大臣に御認識をお伺いいたします。
#66
○国務大臣(吉川貴盛君) 今委員から御指摘をいただきましたように、食品の安全性につきましては、国内外を問わず、科学的根拠に基づく冷静な対応が何よりも重要であると認識をいたしております。
 その観点から申し上げますと、この度台湾で、我が国の五県ですね、福島、茨城、栃木、群馬、千葉県でありますけれども、この食品の輸入規制の継続が公民投票で可決をされるという、台湾の消費者の皆様に十分御理解いただけない結果となりましたことは、誠に残念なことでございます。
 東京電力福島第一原発事故に伴う日本産食品への輸入規制につきましては、これまで政府が一体となりまして撤廃と緩和に向けた取組を進めてまいりました。その結果、事故直後、輸入規制が講じられた五十四の国・地域から、これまでには二十九の国・地域で撤廃をされました。現在、二十五の国・地域でまだそれが継続をしているという状況でもありますので、引き続きまして、台湾も含めて輸入規制を継続をしている国・地域に対して、あらゆる機会を捉えて、科学的根拠に基づいて、輸入規制の撤廃、緩和が進みますように、関係省庁とも連携しつつ粘り強く働きかけを行ってまいりたいと存じます。
#67
○里見隆治君 関係省庁ともということでございました。政府を挙げてのお取組をお願いを申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#68
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也です。
 もう既に本会議で登壇もさせていただきましたけれども、今回の漁業法の改正の質疑をする、晴れ晴れとした気持ちからはかなり遠い状況で今、マイクの前に立っています。またこんな法案の審議をしなきゃならないのかというのが正直な思いであります。
 漁業法、しょっぱなの平野委員のいわゆる資料にも書いてありました。第一条が変わるということは、すなわち大改正でもあるし、漁業者にとっては、自分たちが知らない間に憲法が変わるぐらいの衝撃がこの後、浜にもたらされるのではないかという危惧があります。そしてまた、この法改正によって、浜の不利益がすぐさま出るとは限りませんけれども、将来に必ず禍根が残る、そんな思いで今、マイクの前に立っています。
 なお、私は野党の質問でありますので、答弁をされる方は、多分事務方が紙を用意していただいておると思うので、当然紙を読んでいただいても結構でありますけれども、紙を読んで質問者の意図がきれいに返されるような答弁は書かれていないと思いますので、それはそれぞれ質問者の意図をしっかり聞いていただいて、その紙を参考にしていただいて、いい答弁を御用意いただければというふうに思います。なお、読む紙がない質問も来るかもしれません。
 大臣は、いつ農林水産大臣に御就任されましたでしょうか。
#69
○国務大臣(吉川貴盛君) 就任いたしましたのは約二か月前、十月二日でございます。
#70
○小川勝也君 役所から、この法案が提出されるまでの規制改革会議の中での議論、あるいは水産ワーキングチームの中での議論、あるいは水産庁での議論という時系列的にいただいた資料をいただいております。
 そんな中で、御案内のとおり、平成二十九年は、農林水産省、水産庁の中で、水産政策審議会の答申を基に水産基本計画が二十九年四月二十八日に閣議決定されています。その後、水産庁でもいろんな議論をする、規制改革会議の中でもいろんな議論をする、そして五月三十一日にワーキングチームが最終的な議論をして、六月十五日に規制改革実施計画を閣議決定するわけであります。すなわち、政府の大方針が決まった後、吉川大臣が御就任されたということでありますので、吉川大臣の手の下にこの法案が作られたのではないということで、大変答弁をしにくい部分もあるのかなということで配慮をさせていただいております。
 逆に、長谷長官はこの推移をずっと見守ってこられました。そして、おべっか使う必要は全くありませんけれども、我々、この漁業法を審議するに当たって、勉強もいたしますし、漁協にも行きますし、漁師さんからいろんなお話を伺おうとしてまいりました。しかし、素人であります。御答弁をいただく政務三役も当然であります。農林水産省の事務官と呼ばれる方も素人であります。そんな中で、水産庁長官として御答弁をいただく方の中に北海道大学水産学部御出身の長谷長官がいるということは、大変うれしくて、心強いことであります。
 話をお伺いすると、実習で漁船に乗り込んで何か月間か海にも出られた、そういうことであります。我々は大体、ほとんど、釣り船には乗った方はいるかもしれませんけれども、漁船には乗っていない、こういうことであります。そういう方が答弁できるようになったのはつい最近ですよね。だから、水産庁長官がいわゆる現場のことを全く知らない方ではない、そういう長官が答弁できるようになったのは、そんなにたくさんの機会があったわけではないということも知っております。
 それで、私の想像ですけれども、この農林水産委員会では、規制改革会議とか規制改革推進会議とか、あるいは何たらワーキングチームでどういった議論をしてきたのかというのは、大体共通認識であります。私は○○のことは素人ではありますがから大体始まります。私は水産漁業に関していうと素人でありますがという方々が審議をして作られたのがこの漁業法の大本であります。そして、この規制改革推進会議や規制改革会議の目的は何か。それは、成長とかもうけるとか、岩盤規制を壊して、一部の人たちが抱えてきたものを金もうけのために引っ張り出せないだろうかという思想から作られてきているはずであります。
 ですから、私たちは、この農林水産委員会、何度も何度も申し上げますけれども、ほとんどの法案審議は仲よし委員会、それぞれの農業分野、漁業分野でそれぞれの農地やあるいは浜を想像しながら、それぞれの選挙区や関係の場所が元気になればいいなと思って、与党も野党も同じ思いで議論してまいりました。しかし、今、私たちは反対をせざるを得ない法案ばかり出てくるわけであります。
 それで、本会議でも質問いたしましたけれども、水政審というのは大変重い会議であります。水産庁が今までいろんな漁業や水産に係る政策を変更するときに、あるいは法改正するときには、ここで手厚い議論がなされてくるというのが常識でありました。今回は、水政審関係者から、俺らには全く相談がない、こういう声もいただいているわけであります。
 ここは水産庁長官にお伺いをしてみたいと思いますけれども、かつての水政審と今回の漁業法がかかる水政審、どのような違いがあるのか、率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。
#71
○政府参考人(長谷成人君) 水産政策審議会でございますけれども、漁業法等で定められた諮問事項等、省令改正ですとかそういったもの、案件があるたびに諮問をして答申いただくというようなこと、あるいはTACの運用で計画をお諮りするというようなことが主の機関でございます。
 そういう中で、ただ、そういう審議会の開催の機会を捉えて情報を報告をしたり、そういうことの中で、またその他というような議論の中で、出席された委員の方からいろんな御意見が出るというような審議会でございます。
#72
○小川勝也君 いみじくも今その他というふうに言われたんですけれども、これだけの憲法改正に匹敵する大改正があったのに主たる議題にならず、その他でちょろっとやられたという報告が来ているんです。私たちのところにも様々なその審議会に出席した方から情報が来ているんです。
 政務官も一応、答弁を用意しているんですね。企画部会や資源管理分科会、あるいは水政審本体で、今回の五月三十一日に水産ワーキングチームで水産庁が最終ヒアリングで、六月十五日に閣議決定しているわけであります。その後はどういう議論を、今申し上げた企画部会や資源管理分科会や水政審の本体で議論したのか、政務官、お答えいただきたいと思います。
#73
○大臣政務官(高野光二郎君) 御質問ありがとうございます。
 先ほど小川先生がお話をいただきました水政審に関しましては、私自体は出席をしておりません。公党の自民党の農林部会、水産部会等で議論を聞かせていただいたり、お答えをさせていただいたのが全てでございます。
#74
○小川勝也君 全く聞いていないことだったんですけれども、基本的に、今回は異例のスピードで水政審やあるいは部会、分科会の議論を飛ばして法案が提出されています。そして、本会議でも複数の質問者が触れていますけれども、これだけの大改正をいわゆる臨時国会、会期の短い臨時国会に出すなんということは本来あり得ないわけであります。
 そして、数々の方が指摘をしています。まあ、いろんな説明会やら公聴会で、漁連やあるいは団体、この人たちには丁寧にやっているかもしれない、あるいは北海道的に言うと、漁協の参事さんや専務さんが集められて説明会を行ったというのは聞いているけれども、はっきり漁業者には周知が全然行き渡っていないということをお認めいただきたいんですけれども、どなたが御答弁されますでしょうか。
#75
○政府参考人(長谷成人君) この水産改革につきましては、現場で漁業を営む漁業者の理解を得ながら進めていくことが必要不可欠であるというふうに考えております。
 このため、農林水産省と団体が協力して、改革の内容や改正法案の考え方について漁業者団体の開催する会議など様々な機会を通じて漁協や漁業者等と意見交換を行い、本年六月から十月末まで全国で九十九回の説明会を行ってまいりました。
 また、なかなか私は説明には行けませんけれども、毎日のように、いろんな漁業者の方、漁協関係者、訪ねてこられます。そういう機会に折々にいろんな説明なり御意見を伺ったりというようなことを重ねてきたところでございます。
 もちろん、もう大臣が何度も御答弁されているように、説明には十分過ぎるということはございません。一人でも多くの漁業者の方に御理解いただきまして、まだ残っている不安を解消できるように、今後も引き続き丁寧に丁寧に努力を続けていきたいというふうに思っております。
#76
○小川勝也君 北海道の関係者が聞いたのは、北海道は稠密に海面を使っているので、すぐさまは関係ありませんと。すなわち、北海道には関係ない法律ですから余り改正の中身知らなくていいですよというようなことを言われて、のほほんと過ごしてきたというのがこれ多分実態だろうというふうに思うわけであります。
 それで、なぜそんな成立を急ぐ。この内容が、例えば民主化の部分とか優先順位のこととか、こういうことをいわゆる周知、知られるとやばいと思って早く成立させてしまえという思いでこんなに急いだのか、はたまたこの漁業法を成立を急ぐ理由はほかにあるのか、これはなぜこんなに急いだんでしょうか。本会議でも質問させていただきましたけれども、自民党の水産部会の中でも数々の先生からなぜこんなに急ぐんだと、こういう質問が出たようであります。本会議でも質問させていただきましたけれども、納得する回答は得られておりません。いかがでしょうか。
#77
○大臣政務官(高野光二郎君) かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量は、今やピーク時の半分以下に減少しておりまして、また、漁業者の減少、高齢化も進んでおります。このような中で国民に水産物を安定供給するという使命を果たしていくためには、我が国の水産政策の改革は待ったなしの状況にあると考えております。
 また、先ほど小川先生からお話がございました、その全国津々浦の漁業者まで声が届いていないということがございましたが、漁業現場における動きに関しましては、先日の衆議院の農林水産委員会の参考人質疑の際に全国漁業協同組合連合会の岸会長から、農林水産業・地域活力創造プランに位置付けられました水産計画におきましても、今回の改革が浜の明るい将来を切り開くものとなるよう、自らの課題として組織を挙げて取り組んでいく決意を表明をいただきました。
 このようなことから、本年の六月に取りまとめられました水産政策の改革の内容をなるべく早く法制化する必要があると考え、臨時国会に関連法案を提出することとしたものでございます。これが理由でございます。
 そして、水産政策の改革の検討に当たっては、例えば昨年十二月の改革の方向性を定めた際など、節目節目で水産政策審議会に説明するとともに、様々な機会を通じて漁業関係者との意見交換を行ってきたところでございます。これでも十分でないところもあろうかと思います。
 今後も、漁業者の皆さんと信頼関係を大切にし、政省令等の制度運用についても丁寧に御意見を伺いながら、現場に寄り添った改革を進めてまいりたいと考えております。
#78
○小川勝也君 一々突っかかる必要はありませんけれども、政省令を決めるのはここではありません。そして、ここはいわゆる国権の最高機関であって、唯一の立法機関であります。ですので、ワーキングチームから出た案、そして農林水産省を猛スピードで通過をし、そして国会に提出されたわけであります。
 私たちは、この七十年ぶりの漁業法の改正案は、言い値で言うと三つの国会、普通二つの国会ぐらいは審議しないと通せない法案だろうなという相場観を持って臨んでいました。それをこの臨時国会に出されるということで、この野党席は不満の塊を今持っておるということをお伝えをさせていただきたいと思います。
 それで、その規制改革会議や推進会議、あるいはワーキングチームの皆さんにも我々は物すごい不信感を持っています。全て成長あるいは成長戦略、成長産業化、こういう文言で片付けています。これは当然内閣総理大臣を始めとする内閣の方針がそうだからであろうかと思いますけれども、すなわち、我々は何のためにこの立法機関で仕事をしているかというと、我が国の発展や国民を幸せにするために、国民に幸せになってもらいたいから全力で職務に当たっているわけであります。しかし、その会議体の中で交わされる発想は、お金あるいは資本、成長、そういった分野に著しく偏っています。ですから、みんな得るお金が増えるとすなわち幸せになるというふうに勘違いをしている人たちが作っているのではないかというふうに疑念を持ってしまうわけであります。
 特に、漁業の場合は、いわゆる水産資源、これは持続的に利用するということでありますので、刹那にもうけを上げようとすれば魚をたくさん捕るということがもうけになるわけで、それは後の不幸につながります。すなわち、成長産業化や強欲資本主義に最もなじまないのが漁業や水産業であるはずであります。
 ですから、私は、そういう規制の余計な部分を取り払うということに全く無関心でも反対でもありませんけれども、まさに、そういう浜の持ってきた、あるいは漁業の持ってきた大事な本質、そして、本当に収入は少ないけれども、また資源が回復するまで浜を守ってきた漁民の皆さんの気持ちを体してしっかりと仕事をするのが私は水産庁の皆さんの仕事だというふうに思います。その水産庁の浜を思う全ての皆さんの頂点に立つのが水産庁長官であります。
 ですから、今回、ワーキングチームからこの漁業法の基となるような考えを示されたときに、水産庁としてどういう抵抗をしたのか、あるいは、そこは違います、こういうふうにしてくださいというふうに、法律にするときに水産庁として本当に努力して頑張ったのか、あるいは、残念ながら政治の力が強くてそのまま押し込まれたのか、水産庁長官の正直な思いをお聞かせいただきたいと思います。
#79
○政府参考人(長谷成人君) 規制改革の水産ワーキング・グループでの議論は議事録として公表されておりますので、そこに全てが出ていると思っておりますけれども、私としては、先ほど水産の改革待ったなしというお話、答弁が政務官の方からあったわけでありますけれども、動画などでもお話しさせていただいているんですけれども、その資源の減少の状況、そして、非常に活発になっている、日本周辺水域で活発になっている外国漁船の操業の状況。先ほど平野委員のときにサンマの話、今までであれば日本の水域で待っていればよかったということであったんですけど、サンマ漁業はですね、そうもいかないと。もう、公海で中国船、台湾船がどんどん捕るという中で、来年からは本格的にサンマ船も、我が国のサンマ船も試験操業の段階を超えて公海でも操業すると、もうどんどん漁業状況が変わっている。
 また、人口減少の中で、これは本当に見ていて地域差が大きいのは事実でありますけれども、浜が寂れていっている地域があると。そういう中で、今やるべきこと、将来見据えて今やるべきことは何なのかという思いを持ちながら、この規制改革会議の方の場でもお話しさせていただきましたけれども、そういう思いを込めて今回の法案作りに当たらせていただいたということでございます。
#80
○小川勝也君 大臣にもお伺いをしたいと思います。
 例えば、農業者の生きがいとか幸せ、浜を守ってきた漁師さんの矜持というのは、いわゆる成長産業とか収入の多寡だけでは測れないんじゃないかと思います。ですから、規制改革ワーキングチームの思いをそのまま法律にするのではなく、そのことをよく分かっている農林水産省がその思いを織り交ぜて法律にするのが私は役割だというふうに思っています。あらあら固まってから御就任をされたということを冒頭確認されましたけれども、その成長産業化やあるいは資本主義が突出するということと、第一次産業の幸せ、大臣はどういうふうに捉えておられますでしょうか。
#81
○国務大臣(吉川貴盛君) この漁業法の改革に当たりましては、私は率直に地域政策と産業政策の二面があると存じております。
 地域政策に関しましては、しっかりと産業政策と一体的に実施することによりまして、浜の繁栄ですとか人々の幸せや生きがいといったものの視点を持ちながら展開をしていかなければならないと存じておりますし、地域政策の中では国境監視といったことも、今までも浜の方が全面的に行ってきていただいたところでもございます。
 一方で、産業政策面におきましては、高齢化ですとかあるいは漁業人口の減少等々も踏まえながら、担い手の皆さんにもしっかりと育っていただかなければなりません。そういった観点においては、所得の向上というものにも努めていかなければなりませんので、そういったことを含めて今回の改革というものの重要性の一つがあるのかなとも、こう思っておりますので、いずれにいたしましても、私は浜の活性化につながる、浜の皆さんに十分御理解をいただけるような、そういった方向性というものを今後ともにしっかりと打ち出していかなければならないと存じております。
#82
○小川勝也君 疑念が多い内容ですので、やり取りが大変とんがって暗いものになるおそれがありますので、途中でみんながにこにこする話題に転換をしたいと思います。
 資料を一枚用意しましたので、居住性に富むアイスランドのトロール漁船という資料を見てください。これは、私も全日海の皆さんから、いわゆる乗組員の皆さんの処遇、待遇が大変厳しい、諸外国には先進事例がありますよということでいろいろ教えていただいてまいりました。十年ぐらい前にもこういう質問をさせていただいた覚えがあります。
 もう一つショッキングな話は、北海道の漁業者の中には許可を取ってロシア海域で決められた量だけ漁をするという漁船があります。そして、その方々が適正な量の水揚げをしているかどうか、ロシアの係員が漁船に乗り組んで監視をするという、そういう形態があるんだそうであります。そのときに、ロシアのいわゆる係員が、日本の船はぼろいので乗りたくないと、これは私も皆さんと同じ先進国に生まれ育ったんじゃないかなというふうに思っている私にとっては大変ショッキングでありました。
 テレビで出てくる例えば大間のマグロ漁船とこれを比べるべくもないわけでありますけれども、ここまでするのは多分大げさではありますけれども、いわゆる遠くまで行って魚を捕る漁種、漁法の中にはこれぐらいの居住性があった方がいいなと、そうじゃないと本当に日本の若い者が漁船に乗ってくれないという、本当に叫びも聞いてまいりました。こういう努力も今回の改正の中に盛り込んでいただいたというところは評価をさせていただくわけであります。
 しかし、後で議論しますけれども、全ての漁種、漁法で船の大型化や近代化ができるわけではないということを確認しなければなりません。例えばこういう、いわゆる居住性に富む漁船に向かいたいと思う漁種、漁法、それはどういうものなのか、現在までの考えをお伺いしておきたいと思います。
#83
○政府参考人(長谷成人君) 委員の方から北欧の漁船の事例を紹介していただきました。冒頭も私の乗船経験を御紹介いただきましたけど、当時、今はなき北転船に乗ってベーリング海に行った経験がございます。そのときの船室というのは、もうこの写真とは全く違う環境でございます。そういう経験も踏まえて、今後の漁業、先ほども新規就業者確保の話出てまいりました。若者にとってやはりこういう面は非常に大事だと、方向として進めていきたいという思いを持っております。
 そういう中で、安全性、居住性、作業性ということでお話し申し上げております。そういうことを高めるためには、ある程度その船の大きさの規制を見直していくということが非常に不可欠であります。そういう中で、特に居住性と、こういう部分につきましては沖合漁業であったり遠洋漁業が主な話だと思います。しかしながら、作業性ということからしますと、必ずしも沖合漁業だけでなく、沿岸漁業も含めまして対象になり得るというふうに思っております。
 そういうことを含めまして、若者にとって魅力のある漁船漁業を充実していくことが重要だと考えておりますし、このために、漁船の建造等に対する金融支援ですとか、先ほども出ましたもうかる漁業など活用いたしまして、近代化漁船の導入に対する方向を加速していきたいといいましょうか、応援していきたいというふうに思っているところでございます。
#84
○小川勝也君 この船は多分トルコで造られたんだというふうに思います、出典がそうなので。
 それで、我々の国もいわゆる造船大国でございました。そして今、今回私は少し懐疑的に質問をさせていただきますけれども、いわゆる漁船の大型化やあるいはその制限の変更、これは大変厳しい見方をしております。後で触れますけれども、一たびたくさん捕ってたくさん積める船にしてしまうと、それが、万年という言い方が適切かどうか分かりませんけれども、次もまたその漁獲割当てを欲するというのが資本主義社会の常だからであります。
 ですので、後に議論をさせていただきますけれども、そもそも、私たちの国でいわゆる沿岸漁業、沖合漁業、それから遠洋漁業、養殖漁業というふうにあるわけでありますけれども、全般的な言い方で大変恐縮ですけれども、資源の見通し、どういうふうに捉まえておられるのか、確認をしておきたいと思います。
#85
○政府参考人(長谷成人君) それこそその資源は、あの沿岸のいそ根資源から沖合、外国と共通に利用するものまで様々であります。そして、温暖期に状況のいい資源、寒冷期にいいものと、こうありますので、とても一概に言えない状況がございますけれども、大きな、全体として、今回の改革の中で資源の底上げを図っていきたい。漁業資源の、様々な要因ございます、自然要因で、水温の関係で減ってしまうだとか沿岸域の開発の話だとか消費との関係ありますけれども、それだけではない、そういう要因もありますけれども、資源管理をもっとうまくやっていれば資源はこんなに悪くなっていなかったとか、今、サバ、マサバは資源回復しましたけれども、もっとあのとき上手にやっていればあの低迷期は少なくて済んだというようなことがございますので、そういう取組をしていきたい、底上げをしていきたい。
 そのときに、国内の漁業者だけに我慢をお願いするというのは理にかないませんので、同時に、この水産改革と、法律は国内漁業者に対する規制の話でありますけれども、並行して、サンマの話よく出ますけれども、国際交渉をしっかり取り組んでいくと。中国、外国漁船の隻数凍結までは行きましたけれども、漁獲量管理まで行きません。それを是非実現したいと思って交渉を進めております。
 そういうことだとか、あと取締りの話、取締りについても充実させていきたい、そういうことを総合的に進めることによって資源の底上げを図っていきたいというふうに思っているところでございます。
#86
○小川勝也君 それから、いわゆる魚の消費の問題が度々議論になります。子供たちは骨の付いた魚を食べるのが大変苦手になっているというのも事実だろうというふうに思っています。
 あと、消費の性向、動向も非常に格差があると思いますけれども、ざくっと、魚価がどうなっていくのか、あるいは国内消費はどうなのか、あるいは輸出はどういうものが増えていくのか、どういう見通しを持っておられますか。
#87
○政府参考人(長谷成人君) 水産物に対する需要そのものは、残念ながら我が国では減少傾向にありますけれども、世界ではもう極めて急速に増加傾向にあります。また、魚価につきましては、世界及び我が国のいずれも上昇傾向と、買い負けてなかなか魚が輸入できないというような状況も聞かれるような状況でございます。このような中で、世界の水産物貿易、増加しておりまして、我が国の水産物の輸出についても、一番はホタテということになりますけれども、増加傾向でございます。
 世界的に水産物の需要が増加傾向にあることから、日本周辺水域の水産資源に対する外国漁船による漁獲圧力が高まっているということもございます。このため、先ほど申し上げたことと重なりますけれども、我が国水域内の資源を適切に管理するとともに、水産外交あるいは取締りというようなことを併用して取り組んでいきたいということでございます。
#88
○小川勝也君 資源管理と科学的根拠、もうこれは大変難しいことだろうというふうに容易に想像できるわけであります。
 魚は、水槽の中で見ていれば分かるんですけれども、魚は移動が自由ですから、いろんなところに行ったりします。それから、水温も変わる、気温も変わる、海流も変わる。これは、本当に、誰が科学者であっても、しっかりと資源の量や動向を把握することは私は不可能だろうというふうに思います。現に、ある先生がこういった図を示してくれました。人類がテクニカルに魚をたくさん捕る時代に突入する前から、太平洋も大西洋もいわゆる資源量は大きく変動していた証拠があると。ですので、人間が手を加えなくても資源というのは増えたり減ったりするんだと。それに、いわゆる我々も捕る、我々の近隣諸国も捕る。で、温暖化は進む、水温は上がる、海流も移動する。
 大変難しい中で、万能の神じゃないんで、これだけ資源があるんでこれだけ捕っていいですよということは、神様じゃない限り本当は言えないはずだと思う。ですから、私は、この科学的に資源を管理できますというのは、あくまで参考程度にしないと後でえらい騒ぎになるんじゃないかなというふうに思っています。ですから、これは何を申し上げているかというと、IQ管理、これを拙速に導入すると後で大変なことになりますということであります。
 それから、これ、どういうことかというと、先ほども申し上げました、トン数制限をなくして大きな船が導入されます。そして、資源量がありますのでこれだけの枠をあげますと言われたその船が、ある年から、ちょっと資源が足りなくなってきたんで捕る量を減らしてくださいと、こう言われたときに、資本主義のいわゆる計算は崩壊するわけであります。ですから、例えば休漁のときに補償するシステム等、もうトータルでプランニングするとかしないと、まさに、ある人はもっと心配をしていました。だから、許可を受けた漁船に捕りたい量を捕らせるために水産庁は資源を多く算出するところに調査を依頼するんじゃないか、こういう心配をしている人までいるんです。
 ですから、そのIQ管理と科学的知見といわゆる人間の能力におのずから限界があるということについて、水産庁長官から御答弁をいただきたいと思います。
#89
○政府参考人(長谷成人君) 科学なり水産資源の評価というものが万能でないというのはもう当然のことだと思います。それはもう科学者自身も当然のことと思っておりますし、漁業者もそう思っているんだと思います。
 ただ、だからといって何もしなくていい、捕り放題でいいということではまずいので、今得られている最善の情報から予測される評価はこうで、こういう条件の下で予測するとこういう確率でこういうことが起こりますということを丁寧に説明する中で、漁業者の、漁業者を始めとする関係者の合意を形成しながら運営していくということが大事だというふうに思っております。
 また、資源が変動してしまうから予測が付かない、経営にとって非常にダメージがあるというような部分につきましては、まさにそういう、資源の変動は避けられない面が当然あります。
 そういう中で、今回のIQも、その資源、漁獲量を割り当てるということではなくて、それぞれの船に対してその割合を持ってもらって、資源の変動によってTACが変わります。その中で、百あるうちのあなたは何%よというような形でIQを運用する制度にしておりますけれども、そういうことで、資源の変動というものは避けられないものだということを納得、まあ当然の、漁業者ですから分かっておられますけれども、前提として経営計画も立てていただくということであります。
 ただ、それだけではなくて、漁獲共済と積立ぷらすによって、そこのどうしても避けられない収入の変動という部分についての緩和策というものも取っているところでありまして、こういうものも併用しながら資源管理を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
#90
○小川勝也君 ここは今回の漁業法の改正の中でも最も心配する肝の部分でもありまして、これはほかの委員からも質問がたくさん出るんじゃないかというふうに思います。
 すなわち、IQからITQになって、いわゆるマネーゲームの対象になる可能性があったり、資本主義社会ですので、お金を持っている人がより強くなるという流れを食い止められないんではないかという大変危惧があります。これはまた後刻に私の質問は譲りたいというふうに思います。
 それで、さっきも船の話をいたしました。トン数制限を廃止するということになると、新しいルールの中で、これは新規参入をする企業だけではなくて、既存の漁業者や各浜もいろいろと考えを巡らすはずであります。今より大きな船でやった方が自分たちの漁業は効率がいいんではないかというふうに発想が出るわけでありますが、先ほど途中まで言いかけました、私たちの国は造船にとっても大変歴史ある国でありましたけれども、昨今は、今話題の入国管理法の改正の中でも議論されておりますとおり、介護職場と並んで最も人材が足りない分野の一つに造船の業界もいわゆる加えられておるところであります。私も北海道で聞きましたら、新しい漁船を発注してもなかなか納品まではタイムラグが相当あるんだという話も伺ったことがあります。
 全国一律ではないかと思いますけれども、今、漁船におけるいわゆる造船所の混み具合とか順番待ちとか、どういう感じになっているのか、一言だけ教えていただきたいと思います。
#91
○政府参考人(長谷成人君) 水産庁としても、もうかる漁業ですとか、大震災のときの復興等で漁船建造をかなり漁業者と近い立場で見させていただいているので、漁船のその造船場の混雑というのは日々耳にするところであります。委員言われるように、もう年内は無理なんだと、来年になっちゃうんだとか、二年先ぐらいまで見通さないとというようなお話も伺っているところでございます。
 また、造船業における主な職種であります溶接と塗装の有効求人倍率、確認してみましたけれども、溶接が二・五倍、塗装に至っては四・三倍という高い状況にあるというふうに承知しております。
#92
○小川勝也君 これも、例えば畜産クラスター事業における牛舎の建築みたいに、政策が変わって一気に混雑するようなことがあるときついなという思いもしているところであります。
 それから、トン数制限の廃止と資源をどう守っていくのかということは、これはちょっと深い議論が必要だと思いますので、ほかの委員や、私も後日も質問を予定していますので、また議論をさせていただきたいと思います。
 それで、先ほど冒頭も申し上げましたけれども、北海道のいわゆる漁協関係者にお伺いすると、水産庁の皆さんは、北海道は海面を満度に利用されているので、いわゆる新しい海面に企業を参入させるような流れにはなかなかならないでしょうということをおっしゃっているんだそうであります。私も人の言うことを真正面から聞くタイプではありませんので、下手したらこれ全国で言っているんじゃねえかと、こういう疑念もあるわけであります。
 ですから、私もこれは北海道のことしか知らないので教えていただきたいんですが、北海道のある漁協の専務さんに、これは多分、私の見たところ、企業を新しく参入させるために作る法律だから、北海道だってもうかるものがあれば多分狙ってくるよと、こういうふうに言ったんです。したら、いや、北海道は入ってこねえだろうと、ただでさえしけで出られないことがあるとか、あるいは、海水温が上がって捕れるべき魚も捕れない、せっかく捕れても魚価が安いという、こんなリスキーな商売に企業は参入しねえだろうと、こういう言い方をしているわけであります。
 ああ、そうかなとも思ったんですけれども、現在やっている漁業者も、高いレベルの技術を持って、そして長年の経験と勘をもってしても苦しい業界であることは間違いないので、北海道に来ていわゆる漁船漁業に参入したいという企業はもしかしたらいないのかなと、こうも思いました。
 そしてまた、サケは人気なので、いい漁場というか区画があって、北海道の海水面でサケの養殖ができるということであれば関心のある企業はないわけじゃないと、こういう話も聞いたわけであります。
 ですから、私のこの見方が正しいかどうか確認取っておりませんので分かりませんが、もし利用度の低い海水面があって新規参入あるいは企業が参入したいというふうに考えるとすればどういうような漁業の種類なのか。
 私も本会議でも質問させていただきましたので、例えば、マグロの養殖を南の方の地域で、西の方の地域でというのであれば若干納得がいくんですけれども、この法改正でいわゆる想定している企業の参入、新規の参入というのは、私の想像したとおり、マグロ養殖等、あるいは西、南の方を想定しているということでよろしいか、お伺いをしたいと思います。
#93
○政府参考人(長谷成人君) 実際に企業の参入の状況を見ますと、それは漁協の組合員としての参入もありますし、直接企業が免許を受けてというのもありますけど、件数的に多いのは、やはり西日本の魚類養殖が多いというふうに思います。
 ただ、最近では、お隣の青森深浦で、サーモン養殖をまさに地域と協調する形で入られて雇用を生み出していると。これ私、優良事例だと思っておるんですけれども、そういうことからすると、青森でできることが将来にわたって北海道でも起こり得ないとは私思いませんし、あと、私のところの職員が北海道でどういうふうに申し上げたのか、はっきり確認できませんし、それがどう受け取られたのかというのもありますけれども、適切かつ有効に使われているところでは、先ほど来申し上げているように、切替えの後も同じ漁業者なり漁協に免許されるという説明をしているはずですので、そういう中で、しっかり使っていただいているところはそうなりますという御説明をしたのかなというふうに思っております。
#94
○小川勝也君 さっき子供たちの魚食文化も偏りがあるというふうに申し上げたんですけれども、多分、回転ずし等でもマグロとサーモンはこれ両横綱ですので、需要は堅調なんじゃないかなというふうに聞いておりました。
 御案内のとおり、西日本の養殖については詳しくはありませんけれども、ブリやタイも、魚価が低迷したりして苦戦をしたり撤退を余儀なくされた事例があるというふうにも聞いています。マグロは需要が堅調だから、これ行け行けばんばんでいいのかというふうに聞いたら、水産庁の方は、いや、今マグロの価格も止まっているので、そんなにうはうはではないはずですというふうに聞いていたんですが、サーモンの養殖、マグロの養殖、それぞれ将来性はどういうふうに取られておられますか。
#95
○政府参考人(長谷成人君) サーモンについては、従来のアキサケなどの用途と全然違う世界で消費されております。そういう中で、ノルウェーであったりチリからの輸入に日本のマーケットが席巻されておりますので、サーモン養殖関係の協議会も立ち上げていただいたところなんですけど、国産のサーモン養殖というのを、伸びる余地があると思っておりますし、伸ばしていきたいというふうに考えているところです。
 マグロにつきましては、もうかなり西日本で参入が進んでおります。これの見通しということからすると、養殖マグロだけでマーケットができているわけでは必ずしもなくて、天然物と総体でマグロの需要というものがあると考えたときに、実は大西洋でも、南半球の方のミナミマグロという種類のクロマグロでも資源管理がかなりうまくいっていて、今後供給が増える可能性もありますし、日本周辺のクロマグロの資源管理については、まだ回復の兆しが出てきたという段階ではありますけれども、これ何とか本格的な回復につなげたいというふうに思っているところなので、そういうこともいろいろ考えた上で企業の方も参入を考えられた方がいいんだろうなという話は関係者とはさせていただいているところです。
#96
○小川勝也君 ありがとうございます。
 長官といえども、科学的知見で将来の漁獲量や魚価までは予測できないのは、これ当然のことだろうというふうに思います。
 また、今改正案の肝の部分についてお伺いをしたいというふうに思います。
 海区漁業調整委員会の公選制が任命制になります。これもまた、法改正を斜めから読みますと、いわゆる規制改革会議等における発言は、企業の参入や利益をどう得るかということであります。すなわち、大臣が権限を持つ、そして大臣が知事に技術的な助言をする、そして知事の任命権といわゆる浜を管理する権利ということで、一直線に管理が中央集権になるんですね。
 これは、最初、平野先生からも質問ありましたけれども、いわゆる第一条が民主化、浜のことは浜で決めましょうというのが旧法の理念だったのが、今度はいわゆるトップダウンで、いわゆる任命する総理大臣が農林水産大臣をコントロールし、そして農林水産大臣は都道府県知事に対して様々な予算要求や予算あるいは補助金でコントロールすることも不可能ではない、そして今度は知事が大きな権限を持って浜に立ち向かうということであります。
 一つ、これうがった見方をすると、いわゆる、はやった言葉ですけれども、総理大臣のお友達が参入したい場合、一直線にそれをかなえる仕組みをつくったというふうに見る向きもあるわけであります。これも大変、我々は心配したくもないことを心配しなきゃいけない法律を出してくる方が悪いというふうに言わせていただきたいんですが、こういう心配があります。
 ですから、我々は、本当にこういう立て付けでいいのかどうか。浜の民主化をなくしてこういうことをつくったら、本当に長官の腹は痛くないかもしれないけど、探られてしまう。ですから、私はどんなに否定してもこのことはすとんと落ちませんけれども、不当な圧力を受けることになるんじゃないかと私は思います。
 ここは大臣にお答えいただきましょう。
#97
○国務大臣(吉川貴盛君) この海区漁業調整委員会が一層適切に漁業調整の役割を果たすことができるように、漁業者を主体とする委員会の組織、機能をしっかりと残しつつ、地域の実情に柔軟に対応できますように、公選制から知事の選任制に移行するものでございます。
 また、知事の選任に当たりましては、漁業種類や操業区域等のバランスに配慮しなければならないこと、さらには、漁業者団体による推薦、募集を行って、その情報を公表するとともに、その結果も尊重すること、そして、都道府県議会の同意を得なければならないこととすることによりまして、現場の意見の反映ですとか手続の透明性を確保することといたしているところでございます。
 小川委員の御懸念、具体的な委員の選任に当たりまして農林水産大臣が関与することはございません。
#98
○小川勝也君 そうしたら、技術的助言なんて削ればいいじゃないですか。これがあるから怪しいんじゃないですか。
 だから、あと、今そういう答弁を大臣が残すということは、もし万が一、将来、ある県の知事がある企業を、そこに漁業権を認めたときに、これは多分官邸からの指令があったんではないかというふうに言ったときに、農林水産大臣は関係ありませんと言う。ですから、有象無象の有形無形の圧力が掛かって、結果的にそうならないとも限らないというふうに言わざるを得ないわけであります。
 そういう怪しい政権あるいは内閣の下に審議をするからこうなるんで、これは森ゆうこ議員がずっとやってきた加計学園の話と同じことになるんじゃないかというふうに、いやが応でも危惧せざるを得ないわけであります。
 それから、読み方は大変難しいんですが、漁業者以外の者による経営支配を排除する、現行法は三十八条の三項というのがありました。これはいろんなところで議論しているわけでありますけれども、漁業者じゃない力で浜を不当に支配しちゃ駄目だということでありますけれども、この条項が削除されることになります。ですから、不当な人が経営支配してもいいということになるわけであります。
 そういうふうに心配をさせるような立て付けになっているからおかしいんで、ということはどういうことかというと、こういう条項がなくなれば、あるいは資本主義社会ですので株式は誰が持ってもいいわけです。認められた企業が漁業権を取得して多分養殖漁業を営む、そしてその養殖漁業の会社の株式を第三国の方が取得する、それがもし国境に近い離島だったらどうするのかと、もうこれ必ず心配をする人が出てくるわけでありますし、この法律はできた日から二年間だけ有効の法律というわけじゃないわけです。ですから、もしかすると、我々ここにいるみんなが目が黒くなくなっちゃった後もこの法律が残るかもしれない。
 だから、本当に将来に禍根を残すような、民主化の削除やこういう経営支配を排除する現行法の三十八条第三項のいいところをなぜ削ったのか、これもお伺いをしたいと思います。
#99
○政府参考人(長谷成人君) 御指摘の現行漁業法の規定は、漁業権者以外の者が実質上当該漁業権の内容たる漁業の経営を支配しており、その者が優先順位の規定によれば免許されないことが明らかである場合の規定なんですね。そういうことなものですから、優先順位に従って形式的に免許するものであるにもかかわらず、本来免許されない優先順位の低い者が実質的に経営を支配するという状況が生じることを防ぐための規定ということになります。
 一方、今般の改正におきましては、漁業権の免許について、実質的な活動内容に着目し、漁場を適切かつ有効に利用している漁業権者に優先して免許するとともに、未利用の漁場等については、地域の水産業の発展に寄与する者に免許する仕組みに改めることとしております。
 したがいまして、優先順位に従って形式的に免許することはなくなることから削除することになったものでございます。
#100
○小川勝也君 私たちも様々学習の機会をいただいて、農業協同組合法をやっぱり審議したときに、結局、農協は邪魔だったんですよ。なぜかというと、いわゆる資本主義社会でも買えないものがあります。それは地方自治体と協同組合。これは札びらでたたいても買えないから、いわゆる資本主義社会を謳歌しようとする人たちにとって農協が邪魔になった。それも、漁協も実は同じであります、漁協も買収できないんで。漁協が支配している浜もいわゆる自由にできないということであれば、企業参入すれば、企業を買えば実質支配者になれる。そういうわざと、なろうかどうか分かりませんけれども、道を残しておるから非常に怪しまれるわけであります。こういう疑念の残る法の立て付けは、私はそぐわないというふうに思います。
 大臣から御答弁もいただきましたけれども、漁業というのは、国境管理と国境監視、物すごく重要な役割を持っているわけであります。ですから、いわゆる企業に魚を生産してもらうことは一向に構わないわけでありますけれども、それをしっかり、浜に固執してそこに生計の土台を根っことともに生やしておられる漁業者、漁業協同組合が大事にされるという前提で私たちは日本の漁業や水産業を未来永劫議論したいというふうに思っております。それが、今回の法改正で本当に心配な内容ばかりなので質問をさせていただきました。
 ちょっと中途半端な時間になりましたので、ちょっと懸念のところを申し上げます。
 公認会計士監査です。これは、東京にいると公認会計士さんはたくさんいるわけであります。そして、一県一漁協のところは、多分県庁所在地等に漁協や本体がありますので監査は容易であります。北海道や離島を持つところでは、いわゆる漁協の数は我々北海道はめちゃくちゃ多い。そして、近くに公認会計士さんがいない漁協もたくさんあるわけであります。
 こういったことに全く配慮をしないで、いわゆるビルの上の会議室で作った法律だからこういうふうになるんだと思う。こういうのを、本当に、訳も分からないで、現状を知らないのに、きちっと監査はした方がいいよな、そりゃそうだなと入れられて。こういうふうのに、例えば都市部から公認会計士さんに来てもらうときに、もう法外な要求をされる漁協が出るんではないかというふうな心配は、実は自民党の部会でも出ています。
 こういう配慮は、水産庁長官、してくれるんでしょうか。
#101
○政府参考人(長谷成人君) 公認会計士監査の導入に際しまして、改正法附則に、組合の実質的な負担が増加することのないよう政府として配慮する旨規定しております。
 また、公認会計士監査への移行に当たっては、特に信用事業と経済事業を併せ行っている県一漁協、合併が進んで県に一つの漁協等において監査費用の負担が増えないよう準備を進めていく必要があると考えておりまして、具体的な取組について全漁連等とも連携を取りながら対応してまいりたいと考えております。また、公認会計士監査の移行には、十分な移行期間を設けるとともに、漁協による内部統制改善のためコンサルタントの派遣等を支援する予算を要求しているところでもございます。
 公認会計士監査の対象になりますのは、信漁連及び貯金等合計額が二百億円以上の漁協ということになりますので、漁協につきましては、五つの県一漁協と北海道にあります二つの漁協のみと、現状でですね、ということでございます。
 水産庁としては、これらの漁協が円滑に公認会計士監査に移行できるよう、しっかりバックアップしていきたいと考えております。
#102
○小川勝也君 二つの漁協のうち一つは、近くに公認会計士さんがいないところですね。まあ、それはいいでしょう。
 それと、あとまた、漁業のことは素人ですがというような人が作ったと言わざるを得ないのが、組合法の、販売のプロを役員に入れろという話です。これもまあ片腹痛いと言わざるを得ないわけであります。こんな大きなお世話、何でこんな法案に載せるの。これはもう恥ずかしいよ。これは答弁はもう要りませんので、残された質問はまた次の機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#103
○委員長(堂故茂君) 午後一時四十五分に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時四十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時四十五分開会
#104
○委員長(堂故茂君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、漁業法等の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#105
○徳永エリ君 午後からもお疲れさまでございます。国民民主党・新緑風会の徳永エリでございます。
 いやしかし、審議時間なさ過ぎますよね。もう米の問題もそうですし、収入保険もそうですし、中間管理機構の見直しもそうですし、自由貿易協定もそうですし、本当は日EU・EPAなんか集中審議やらなければいけない、この農林水産委員会で。でも、全くもう法案審議、もう時間が足りないという状況でありますから、本当にこれ考えなきゃいけないとつくづく思っています。
 今日も、漁業法の質問に入る前にちょっとだけ御質問させていただきたいと思いますけれども、まず、九月二十六日のTAGに関する日米共同声明についてなんですが、確認をさせていただきたいと思います。
 五項目めの、「日本としては農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限であること。」、ここには日EU・EPAも含まれるという御答弁があったやに聞いておりますが、これは確かでしょうか。
#106
○副大臣(田中良生君) 今回のこの九月二十六日の日米の共同声明についてでありますが、この農林水産品については過去の経済連携協定で約束した譲許内容が最大限であるということの御質問だと思いますが、これは日本の立場を明記したものでありまして、そして、過去の経済連携協定で譲許内容が全体では最大限のものであるものがTPPだと、そのように考えて米側にも説明しているということであります。
#107
○徳永エリ君 答弁になっておりません。
 日EU・EPAは含まれるんですか。
#108
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
 その日EUのEPAと併せて、それも含むと、含まれるということよりも、全てにおいての過去の経済連携協定、これが最大限のものという答えであります。
#109
○徳永エリ君 全く情報共有できていないんじゃないでしょうか。
 十一月二日の衆議院の予算委員会で、我が党の後藤祐一委員が、この過去の協定の中には日EU・EPA含まれるんですかという質問に対して、茂木大臣は、含みますとおっしゃいました。その上で、個別の品目によって経済連携協定ごとに内容が異なるものもありますが、全体として見れば、TPPの水準がこれまでの最大限であると理解しておりまして、米側にもそのように説明をいたしております。これ詭弁ですよね。
 私たちには、TPPが最大限だというふうにずっと答弁してきたわけですよ。だったら、この共同声明の中にTPPが最大限だということをちゃんと書き込む努力を政府はしなきゃいけないんだと思うんですよ。しかも、日EU・EPAは、まだ国内承認もしていない協定ですよ。それを含まれるというふうにしてしまったということは、これアメリカに押し切られたということじゃないですか。ということは、TAG交渉はもう入口の段階から譲歩しているということじゃないんですか。
#110
○副大臣(田中良生君) お答えいたします。
 このTPP以外の経済連携協定でこれTPP以上に譲許した品目はあるのか、そういう内容で合意することが排除されていないのかと、そのようなことの質問であろうかと思いますが、これTPPも含めて、やはり経済連携協定におけるこの市場アクセス、これはやはりいろんな意味で相互に絡み合っているものであります。言わばガラス細工のようなものでありまして、まあ我々といたしましては、この特定の品目だけを例えば取り出して個々に評価するようなことはせず、あくまでもTPPの内容が最大限であるという考えで交渉に臨んでいきたいと思っています。
 いずれにいたしましても、日米でのこの具体的な交渉はこれからであります。国益に沿った形でしっかりと交渉を進めていきたいと考えております。
#111
○徳永エリ君 質問に明確に答えていただいていないと思いますし、詭弁だと思います。これ本当に、私たちの方から入れると言ったんだったら大問題でありますし、アメリカの方から言われて、それでこの日EU・EPAも含まれるとしたんだったら本当に大きな問題だというふうに思っています。
 時間がないので、もう一つだけ質問させていただきますけれども、米国がTPP11に戻ってくる可能性がないという判断はどのようにしてするんですか。
#112
○副大臣(田中良生君) まず、米国とのこの具体的な交渉でありますが、それはこれからであります。個別の事項についてはまだ何ら決まっていないということであります。
 したがいまして、我が国として、この九月の日米共同声明の段階において、米国を含むTPP12協定が発効する見込みがなくなったということも考えてはいないと。また、今回、この日米で物品貿易協定について交渉を開始するということを合意したものでありますが、これは、これからのTAG交渉を、米国のこのTPP復帰に向けて、プラスになってもマイナスになることはないと考えております。
 しっかりと米国にもこのTPPに参加していただくように働きかけをしていきたいと思っています。
#113
○徳永エリ君 質問にちゃんと答えていただきたいと思います。全然答えになっておりませんので、もう一度ちゃんと答えてください。
#114
○委員長(堂故茂君) 田中副大臣、簡潔にお答えください。
#115
○副大臣(田中良生君) いずれにいたしましても、この米国との具体的交渉というのはこれからスタートするわけであります。いろんな意味で、予断を持って判断するということはできない。
 いずれにしても、米国がこのTPPに入っていただくということが極めて重要なことでありますし、しっかりとそうなるように交渉を進めていきたいと思っています。(発言する者あり)
#116
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#117
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
#118
○副大臣(田中良生君) 恐らく、このTPP11の協定に関して、米国がどこで入らないかを判断するということでありますが、この六条には、このTPP12の協定が効力を生ずる見込みがない場合ということがありますが、これについては過去にも政府答弁させていただいていますが、これは、米国の通商政策の動向、これをやはり踏まえて判断するということであります。
 ですから、今、どの状況でどの判断をもってということは明確に予断を持ってお答えすることはできないということであります。
#119
○徳永エリ君 全く理解ができないんですけれども、ちょっと時間がないので次に行きたいと、またいつかやりたいと思います。
 TPPのTAG交渉が進んでいって、低関税枠や牛肉のセーフガードの発動基準数量など、TPP11の参加国との間の再協議、米国分を差し引くということをせずにTAG交渉が進んでしまったら、TPP11の再協議が困難になるのではないかということを心配しています。
 政府は、再協議については参加国も了承していると答弁してきているのですから、きちんと、もうアメリカはTPP11には戻ってこないんだという判断をして、そして再協議も行って、そういうことをきちんとやっていかないと、TPP11だ、日EU・EPAだ、TAGだということになれば、これ本当に農業の現場に物すごく大きな影響が出ると思いますので、この再協議という部分に関して、判断があって再協議になるんだと思いますけれども、この点に関してはどうお考えですか。
#120
○副大臣(田中良生君) 今の御質問でありますが、再協議という部分だろうと思いますが、これ、先ほどもお答えいたしましたが、まずは米国の通商政策の動向を踏まえて判断するということになろうと思います。その中で、TPPの外でも、例えば同じような関税割当て枠、これが発生して例えば現在の割当ての枠を超えるようなことがある、こういう御懸念があろうかと思いますが、その懸念が現実のものとなるような可能性がもちろん高いと判断された場合はこの六条に沿って再協議の要請を行うことになると、そのように考えています。
#121
○徳永エリ君 だから、その判断というのが全く分からないので、また質問をさせていただきますので、アメリカがTPP11にもう参加しないというのはどの段階で判断をするのか、そして、再協議をしなければいけないという判断はどのようにするのか、この辺をきちんと御答弁できるようにお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、次に行きたいと思います。
 入管難民法について伺います。
 農業については、農家との直接雇用と派遣による雇用も可能だということでいいんでしょうか。そして、季節就労も可能だと、例えば、派遣によって夏は北海道で働いて、農閑期は沖縄で働く、こういうことが可能だということでいいでしょうか、確認をしたいと思います。
#122
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の制度で受け入れる外国人の雇用形態は、原則として直接雇用となります。もっとも、分野ごとの特性に応じて派遣形態とすることが真に必要不可欠な業種があれば、派遣先において現在受入れ機関に課すこととしている基準を満たすことは可能かどうかなどを関係省庁と連携して検討の上、最終的に分野別運用方針に派遣形態を認める旨を記載し、運用していくことになるので、その意味では間接雇用もあり得るものと考えています。
 農業分野におきまして、農繁期の労働力の確保や複数の産地間での労働力の融通といった農業現場のニーズは承知しておりますので、今後、そういった農業の特性についても配慮する方向で関係省庁と検討してまいります。
#123
○徳永エリ君 前回のこの委員会の質問で、大澤局長は、国家戦略特区の仕組みを準拠した形にというふうにおっしゃっていましたけれども、国家戦略特区の農業派遣では、この十月から、ベトナムから十二人の外国人労働者が愛知県に入っています。これから、特区ということですので、新潟、沖縄、京都でも受け入れるということでありますけれども。
 この十二人は、技能実習の二号を終えた、つまり三年間を終えた人たちだそうです。一旦帰国して、技能実習制度は今度三号として移行すると二年間の新たな在留資格が付与されるわけですよね。さらに、国家戦略特区だったら通算で三年間の在留資格が付与されるわけです。そして、新たな制度の場合には今度は五年間、通算で在留資格が付与されるということですから、長くいたいと思ったら何を選びますか、恐らく新しい制度を選ぶことになるんだと思うんですよね。
 そうすると、国家戦略特区はこの農業分野において今後どうなっていくのか、あるいはこの技能実習の三号がどうなっていくのか、この点が大変に懸念されますが、いかがでしょうか。
#124
○政府参考人(佐々木聖子君) 今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有する外国人を受け入れようとするものです。他方、技能実習制度は、開発途上国等への技能等の移転を目的とする制度です。
 御指摘のように、昨年十一月から施行されました技能実習法において技能実習三号が創設をされまして、一定の要件を満たす技能実習については、優良な受入れ機関に受け入れられる場合に限って、技能実習二号修了後、技能実習三号として更に二年間の技能実習が認められます。
 技能実習生さんが、技能実習二号修了後直ちに帰国をされるのか、あるいは技能実習三号の資格で在留するのか、また特定技能一号の資格で在留するかは、我が国で在留する目的に照らして、御本人の自由な選択に委ねられています。
 すなわち、技能実習生としても、技能実習二号で身に付けた技能等を技能実習三号によって更に洗練させたいというような場合には、受入先が優良な団体に限られることなども併せ考えまして、技能実習二号から技能実習三号への移行を選択するものと考えられます。
 したがいまして、今回の受入れ制度を導入をしたとしましても、技能の移転による国際貢献という技能実習制度の意義が失われることはなく、技能実習三号についても引き続き活用されるものと考えています。
#125
○徳永エリ君 技能実習制度は目的が違いますから恐らく引き続き活用される可能性もあると思いますけれども、ただ、この国家戦略特区に関しては、新しい制度が導入されれば、いずれこの農業分野に関しては必要なくなるんじゃないかというふうに私は感じております。
 それで、技能実習生を受け入れているところの御懸念なんですけれども、恐らくこの新しい制度あるいは国家戦略特区ということになると、派遣業者がどんどん入ってくるんではないか、その派遣業者のまた利益につながっていって新たなトラブルが起きるんじゃないかということを大変懸念しておられて、やはり技能実習制度をしっかり残して、二号終わった実習生がまた三号に移行したいという気持ちになるように企業もしっかり努力をしていかなければいけないし、仕組みとしてもそういう仕組みをきちんと構築してもらいたいという要望がありました。
 この国家戦略特区、十二名が愛知県で農業の外国人労働者として入っているわけですけれども、ここの受入れをしている派遣会社、これがA技研という会社でありまして、調べてみましたらエンジニアを派遣している会社なんですね。農業には全く関係ないんですよ。なぜここが派遣元として決まったんでしょうか。
#126
○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 本事業、そもそも運営体制として、特区ごとに内閣府、入管局、労働局、農政局、四つの国の関係機関で適正受入管理協議会を設置しまして、ここが外国人材を受け入れる企業の審査をすることになってございます。
 そうした際の基準が明定されておりまして、必要な措置が、指針にこうして、報酬額その他等々講じられているか、経済的基礎があるか、実績がきちっとあるかどうか、各種法令等に関する欠格要件がないかどうかというところを見させていただいてございます。
 お尋ねの点にも関わると思いますが、そのうちの要件の一つといたしまして、過去、かつて労働者を農業経営体に派遣した実績あるいは農業経営や農作業に一年以上従事したことのある者などが本事業の運営に関わる体制が構築されているかなどを確認してございまして、こうした基準をパスした方が協議会により受け入れられていると、こういうふうに理解しております。
#127
○徳永エリ君 基準にパスすれば公募をして、そして派遣元になれるということのようでございますけれども、農業に関しては、恐らく農協とかあるいは農業法人とかそういうところからも、農業に関してはいろいろ指導もしなければいけないし相談にも乗りたいし、農業のことをよく分かっているところが派遣するような形にした方がいいんじゃないかという御意見も聞こえてきていると思うんですけれども、私もやっぱり農業に深く関わっているところが農業に関する外国人労働者を派遣するべきだと思いますけれども、これからいろいろと制度を設計していく、検討していくということですから、その辺も御配慮いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#128
○政府参考人(大澤誠君) 新制度のことですので、農林水産省の今、検討状況としてお答えいたします。
 今回、制度で受け入れます外国人材の雇用形態は、原則としては受入れ機関による直接雇用で、派遣形態については、業種の特性に鑑みて真に必要不可欠な場合にのみ例外的に受け入れると、こういう基本原則があるというふうに承知をしております。
 そういう枠内で我々として今考えておりますけれども、先ほど法務省の方からも御答弁ありましたとおり、農業につきましては季節による作業の繁閑があることなどから、やっぱり派遣形態も可能とする方向で我々としても検討しているところでございます。その際には、国家戦略特区で実施している農業支援外国人受入事業の要件等も参考にしながら、先生の御指摘の点も含めて、派遣事業者が農業の実態を踏まえずに派遣を行うとかそういうことのないように、法務省等とこの具体的な要件を詰めてまいりたいというふうに考えております。
 なお、新制度におきましては、いろいろな指導監督、法務省による指導監督とか、最終的には罰則として担保されるということでございまして、そこは国家戦略特区とも違うところでございますので、そういうところも踏まえながら適正に運用が行われるように検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#129
○徳永エリ君 まあ、これから検討するということですので、いろんなことをしっかり考えていただいて、良い制度になるようにしていただきたいと思います。
 それから、この間もこのこともちょっとお伺いいたしましたけれども、技能実習の初級と専門級の試験についてです。
 国家戦略特区も、母国から入ってくるときに試験をこれからするわけですよね。技能実習ではなくて、全くその経験のない人が入ってくる場合には試験をクリアして入ってくるという形になるんだと思いますけれども、その試験について、今どこがやっているんだろうなと思って調べてみましたら、試験の実施機関というのは、これは農林水産省から、例えば農業や水産業、農林水産業の所管の職種については委託をしているということでありまして、例えば農業に関しては全国農業会議所、そして漁業に関しては大日本水産会、こういったところが試験の実施機関として委託を受けているということであります。
 この試験について中身もちょっと見せていただいて、うん、まあこんなものなのかなと思ったんですけれども、これ試験料なんですけど、まちまちなんですよね。例えば、漁船漁業技能評価試験、これ初級の場合には試験料が一万七千円、養殖業、学科、実技、これ二万二千円ということなんですけれども、これいろいろな国家資格の試験の受験料と比べても非常に高いものもありまして、これどこが受験料負担しているんですかと聞いたら、その受入先が負担しているということなんですけれども、今度新しい制度は、その母国でもって試験が受けてから受入先が決まるわけですから、結局日本で働きたいと思っている外国人の方が自分で試験料を払わなければいけないということになるんだと思うんですよ。試験を受ける前に受入先が決まっていたらおかしな話ですからね、試験が通って入ってこられることになるわけですから。だから、そうすると、国内にいて試験を受ける人と、それと海外で、母国で試験を受ける人と、例えば試験料が差が出るのか分かりませんけれども、いろんな不公平も生じてくると思うんですよね。
 その辺の制度設計もきちんとしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#130
○政府参考人(大澤誠君) 現時点で政府全体で検討しておりますのは、試験のレベルをどうするかとか、どこでやるかということについては分かる限りここの場でも御答弁させていただいておりますけれども、この試験の受験料を誰が負担するのか、これ正直申しまして、まだまだ全体としても方針が決まっているわけでもございませんし、農林水産省としても今後の検討課題というふうに思ってございます。
 今後、法務省等々の制度所管官庁とも協議をしながら、我々としても先生の御指摘の点も踏まえて検討してまいりたいというふうに考えてございます。
#131
○徳永エリ君 試験料も委託先で決めていると。掛かった経費を受験する技能実習生の人数で割って、赤字も出ない、黒字にもならない形になっていると言うんですけれども、そこにはいろんな経費が含まれていると思うんですよ。そこも、まあある種不透明なところもありますので、そこもきちんと透明性を図って、適切な受験料という形にしていただきたいということも指摘をしておきたいと思います。
 それでは、漁業法について質問させていただきたいと思います。
 先週の金曜日、参議院の本会議で漁業法の改正について代表質問させていただきましたところ、事務所の部屋に戻りましたら、いろんなところの漁協の方々からファクスが入っておりました。
 ちょっと一部だけ御紹介させていただきたいと思いますけれども、ここの漁協は水産庁から説明が二回あったそうです。漁業者、関係者の不安や懸念は、解消されるどころか、むしろ増幅してしまったような状況であります。今回の改革案のうち最も影響が大きい課題として、漁業権を付与する際の優先順位を廃止し、全体を通した都道府県丸投げの無責任な国の姿勢、海区漁業調整委員会の公選制の見直しとする点が挙げられます。漁業を営む漁業者として、優先順位を廃止することは、企業、個人誰もが区画漁業権を取得できるようになり、さらには、区画漁業権に対して抵当権の設定を可能にすれば、個人の財産となり、転売もされ、漁業社会全体が混乱していくことになります。こういうファクスをいただきました。
 それから、小さな島の漁協からも幾つかいただいておりまして、沿岸漁民と漁協を見捨て企業に海を売り渡す改悪漁業法は、秘密裏に法案が作られ、漁民に説明もしないまま、十分な審議もしないまま、強行採決で衆議院を通過しました。規制改革という美名の下、企業優先の改革です。森友、加計学園問題と同様の問題の発生が懸念されます。零細漁民を見捨てる漁業法改正案成立の反対に尽力を願いますと、こういうファクスが幾つも入りました。
 丁寧に説明をしてきて、そして漁業関係者の皆さんには理解を得てきたという長官からの御説明もございましたけれども、こういった現場の意見に対して改めてどうお感じになっているか、御答弁いただきたいと思います。
#132
○政府参考人(長谷成人君) 水産庁からも説明に行って、なおかつというお話を伺いまして、そのことに関しては非常に残念に思います。
 繰り返しになりますけれども、更に更に丁寧に御説明し、この委員会でも午前中にもいろいろと御説明した内容を浜に届くように伝えていきたいというふうに思っております。
#133
○徳永エリ君 平野委員からも先ほどお話ありましたけれども、漁業法の第一条、これがすっかり変わってしまったわけですよね。漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用する、漁民の民主化、こういう大変にいい目的がなくなってしまったわけですけれども、これ、ですから抜本改革、一部改正と言いながら、実は新法と言ってもおかしくないような状況だと思っています。
 実は、いろいろと見ていますと、平成二十六年の八月十九日に、国家戦略特区ワーキンググループのヒアリングの議事録、これを見させていただきました。ここで、当時水産庁の企画課長だった菅家課長がこの国家戦略特区のワーキンググループの皆さんといろいろと意見交換をしている議事録がありました。
 菅家課長が、特定区画漁業権というのは、そんなに投資も掛からず、比較的多数の漁業者が参入しやすくて、一方で、いかだを浮かべたりするので、海面をある程度占有する必要がある漁業なわけです、なので、漁協がそこは全体を管理、調整するという形で、まず漁協が漁業権を持つ、まさに、ノリの例で見ていただくとよく分かると思いますけれども、ああいうものの全体の管理主体として漁協が調整なりを、漁場紛争が起きないような調整を行っているということですとおっしゃったことに対して、八田座長が、ほかの企業が入っても全然おかしくないと思います、やはり企業はそこの管理のことを考えるでしょうからね。で、菅家課長、企業がその漁業権の主体として入るということですか。八田座長、そうです。菅家課長、別にそこは民間企業がそういうマインドが全くないとは申し上げませんけれども、やはり漁場のことをずっと現場でいて、漁場の状況とか資源の状況とか、あるいは潮の流れだとかいろいろそういう状況があると思いますけれども、そこを一番よく知っているのは漁協であり、地元の漁業者でありますので、優先順位からしたらば、決して民間の企業者が駄目だとは申しませんけれども、適した方から取っていくということであれば、そういう方々からやっていくのが法目的に照らしてもいいのだと、とおっしゃっています。
 これに対して八田座長は、では、入札に掛ければ一番高く入られるんではないですか、入札でやればいいんじゃないでしょうかと言っているんですね。で、菅家課長が、入札というのは何の入札ですか。で、八田座長、漁業権です。で、菅家課長が、漁業権の入札をどういう能力で測るということですか。八田座長、入札です、だからお金を払った人がその権利をもらえる。菅家課長、つまり、金をたくさん持っていればうまく経営する能力があるということですか。八田座長、持っているのではなくて、うまく経営できるからそれだけ払うことができるということですと、こういうやり取りがあるんですね。
 そして、八田座長が、国の観点からは資源の保全が大切なのだから、その条件をちゃんと整えるならば誰がやってもいいということですね、それは最も効率的なところがやるのは入札で決めるということだと思う、要するに、国の目的が資源の管理だということを明確化すれば、国がいろいろ監督することが絞られるわけですよねと、こう言っているんですよね。
 これ、まさに漁業権の優先順位と資源管理の名の下に国がいろいろと絞っていくということで、こういう経緯があるので大丈夫なのかとみんな非常に心配しているわけであります。
 そこで、改めてお伺いいたしますけれども、これまでも皆さんからいろいろ質問がありましたが、今回の改正で漁業権付与の優先順位を定めた現行制度が廃止されることになります。これまで漁業権には優先順位があったその理由について改めて御説明ください。
#134
○政府参考人(長谷成人君) 明治時代に制定された漁業法におきましては、漁業権の更新が容易に認められ、しかも定置漁業権や区画漁業権の貸付け、譲渡等も自由であったことから、羽織漁師とも言われた自ら漁業を営まない者による漁場利用の固定化が進み、漁村の民主化が妨げられるとともに、水面の総合利用が図れなくなるなどの弊害が進んだというふうに考えております。
 このため、昭和二十四年に制定された現行漁業法においては、従来の漁業権を一旦白紙化し、地元漁業者を主体とする者や同種漁業の経験を持つ漁業者に優先的に免許することによりまして、羽織漁師の台頭、漁場利用の固定化を防止する観点から優先順位が法定されたものでございます。
#135
○徳永エリ君 ですよね。だったら、どうして優先順位なくさなきゃいけないのか、どうしても理解ができません。なぜ優先順位をなくすんですか。
#136
○政府参考人(長谷成人君) 現行の漁業法制定当時の課題であった、自ら漁業を営まない羽織漁師と言われた者による漁場利用の固定化といった事態は既に解消されているというふうに認識しております。
 一方、現行制度は、法律で詳細かつ全国一律に免許の優先順位を定めているため、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い別の者が申請してきた場合には現に漁業を営んでいる者が再度免許を受けられないこととなり、経営の持続性、安定性を阻害しかねないということでございます。また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっているところもあり、今後どのように沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっております。
 このため、本法律案においては、法律で一律に優先順位を定める仕組みを改め、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については、優先する、優先して免許する仕組みとするとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 こうした改正は、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブになるとともに、地域の活性化につながるものと考えております。
#137
○徳永エリ君 本当に長官、そう思っていますか。むしろ昔に戻ってしまうんじゃないかということを大変に心配いたしております。
 改正案の第七十三条では、知事が漁業権の免許を付与するに当たって、二項の一号、満了漁業権の更新の場合と二号の新規の場合は異なる要件が定められています。更新の場合は適切かつ有効に活用されているかどうかであり、新規の場合は漁業生産の増大並びにこれを通じた漁業所得の向上及び就業機会の確保その他の地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者と具体的に書かれています。免許審査の基準を分けた理由について御説明ください。
#138
○政府参考人(長谷成人君) 現行漁業法においては、法律で詳細かつ全国一律に優先順位を定めております。一方、既存の漁業権者にとっては、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い者が申請してきた場合には再度免許を受けられないため、経営の持続性、安定性を阻害しかねないこと、一方、利用されていない漁場等において新たに漁業権を設定する場合、漁業者の減少、高齢化が進む中で漁場の活用を図って地域の維持、活性化につなげていく必要がありますけれども、地域の実情に即した対応が難しいといった課題がございます。
 こうした課題に対応するため、本法律案においては、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者や漁協については、将来に向けて安心して漁業に取り組んでいただけるよう優先して免許する仕組みとするとともに、新たに漁業権を設定する漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしたところでございます。
#139
○徳永エリ君 適切かつ有効に活用というのは、これまでもいろいろと説明をしていただきましたけれども、どうもはっきりよく分からないと。でも、この新規の場合は、漁業生産の増大、漁業所得の向上、就業機会の確保、地域の水産業の発展に最も寄与する、これ何かすごく力の強い者のイメージがあるんですね。
 地域の水産業の発展に最も寄与するというのは具体的にどういうことか、教えてください。
#140
○政府参考人(長谷成人君) 例えばということで申し上げます。漁業生産が増えて地域の漁業者の所得向上につながるといった場合、あるいは地元の雇用創出や就業者の増加につながるなど、地域の水産業の発展に寄与する度合いによって判断されることとなりまして、地域の実情に応じて総合的に行われるものと考えております。
#141
○徳永エリ君 水産業の発展というだけではなくて、漁協や漁民というのは、漁村の振興とかそれから地域の発展、こういうところにもしっかり寄与してきたんだと思います。新規参入者も、水産業の発展というだけではなくて、やはり浜の発展とか浜の振興とか、そういうこともしっかりと考えるべきなんではないかというふうに思います。
 それから、やはり新規参入、企業の参入に当たっては、地元の漁協や漁連の同意を得る必要があるというふうに私は考えます。対立やトラブルをなくすためです。これまでも、企業は漁協の一員となって組合員と同等の権利と義務を負ってきました。
 ですから、私は、これ提案ですけれども、改正案の七十一条、免許をしない場合に、漁協や漁連の同意を得られない場合、知事は新規参入者に対して漁業の免許をしてはならないことを加えた方がいいんじゃないかと思いますが、水産庁の見解をお伺いいたします。
#142
○政府参考人(長谷成人君) 今回の法案において、海区漁場計画の作成に際しては、都道府県知事が、漁業者や漁協等の意見のほか、地元の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聞くこととなっております。また、海区漁場計画については、漁業権が、海面の総合的な利用を推進するとともに、漁業調整その他公益に支障を及ぼさないように設定されなければならないことともされております。さらに、国及び都道府県は、漁業生産力を発展させるため、水産資源の保存及び管理を適切に行うとともに、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決を図るために必要な措置を講ずる責務を有するというふうにも規定しようとしているところでございます。
 このため、新たな漁業権の設定に当たっても、関係する地元の漁協等の意見を聞き、適切な判断がなされるものと考えております。
#143
○徳永エリ君 幾らそうおっしゃっても、海区漁業調整委員会の権限が弱まっていったりとか地元の声が反映されにくくなる環境になることは、これまでの議論の中でも否めないというふうに思っています。
 海区漁業調整委員会の委員の選出方法の変更についてちょっと確認をしたいんですけれども、第百三十八条、委員の任命のところなんですが、漁業者又は漁業従事者というところの、括弧してあって、「一年に九十日以上、漁船を使用する漁業を営み、又は漁業者のために漁船を使用して行う水産動植物の採捕若しくは養殖に従事する者に限る。」というふうに書いてあるんですが、これ、定義を見ると、漁船という言葉が入ってきていないんですけれども、これ、漁船を使用するこの水産動植物の採捕若しくは養殖に従事する者に限ると限ったのはどういう理由があるんでしょうか。
#144
○政府参考人(長谷成人君) 漁船が出てこないというのは、漁業者の定義にということですね。
 海区漁業調整委員会の漁業者委員については、これ、趣旨としては相当程度その漁業で生活をしている者が委員になるべきだという観点から、一年に九十日以上漁船を使用する漁業を営むなどの要件を設けているところであるということであります。
 先生言われるように、漁業法自体の、漁業法の定義でいえば、その日数だとか漁船だとか書いておりませんけれども、逆に、例えばですけれども、十日ぐらいやってもその意味では漁業者なんですけれども、そういうことではなくて、相当程度漁業に依存している人が委員になるべきであるという趣旨であります。
 一方、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聞いて、この漁業者又は漁業従事者の範囲を拡張したり限定したりすることができるという規定もございます。これは例えば、基本は漁船を使ってということなんですけれども、例えばですけれども、漁船を使わずに浜から入って海女漁をするような方も、九十日、百日とやられるのであれば、それはその委員になっていただいてしかるべき者であるということで、そういう拡幅ができるというような規定が置いてあります。これらの点については現行の漁業法においても規定されておって、今回の改正法でも変わるものではありません。
 なお、改正案においては、この九十日という要件を満たす漁業者又は漁業従事者が過半数を占める必要がありますけれども、これも漁業の実態に、今はそういう者が九人と一律決まっていたんですけれども、今回の改正案では、それに加えて、仮に、いや、九十日はやっていないけれども、七十日、八十日だけれども、非常に経験もあって委員になってもらいたいという方がいたとした場合、最低八人は九十日要件というか、この基本が掛かりますけれども、日数要件を満たさない漁業者や漁業従事者を更に選任するということもできる、柔軟な運用ができる規定ぶりとしたところでございます。
#145
○徳永エリ君 総則のところの第二条の定義に、「この法律において「漁業者」とは、漁業を営む者をいい、「漁業従事者」とは、漁業者のために水産動植物の採捕又は養殖に従事する者をいう。」というように書いてあるのにこの漁船に限るということを書いてあるので、漁船を使わない漁業もありますよね、そういう方々を排除するのではないかという懸念があってお伺いいたしましたが、そうではないということですか。
#146
○政府参考人(長谷成人君) そのような意図は全くありません。
#147
○徳永エリ君 次に、現行法の第三十八条第三項の規定について御説明をいただきたいと思います。なぜ、現行法にはこの条項が入っていたんでしょうか。
#148
○政府参考人(長谷成人君) 御指摘の現行漁業法の三十八条三項でありますけれども、これは、現行法では、優先順位に従って形式的に免許する者であるにもかかわらず、本来免許されない優先順位の低い者が経営を支配するという状況が生じることを防ぐための規定でございます。
#149
○徳永エリ君 なぜ、では、改正案ではこの条項を落としたのか教えていただけますか。
#150
○政府参考人(長谷成人君) 一方、今般の改正におきましては、漁業権の免許について、実質的な活動内容に着目し、漁場を適切かつ有効に利用している漁業権者に優先して免許するとともに、未利用の漁場等については地域の水産業の発展に寄与する者に免許する仕組みに改めることとしております。
 したがいまして、優先順位に従って形式的に免許することはなくなることから、この三十八条三項は削除することとなったものでございます。
#151
○徳永エリ君 この三十八条の三項は、漁業者以外の者による漁業の実効支配の排除で漁業権の取消しだったわけですけれども、新しい改正案の第七十二条の免許についての適格性、これ、暴力団員は駄目よとか、法人の役員や使用人に暴力団員がいたら駄目よとか書いてありますけれども、問題は、暴力団員じゃなくて実効支配なんだというふうに思います。
 企業による実効支配というのは十分に考えられるんだと思います。私たちのこの国の離島などで外国資本が漁業権を実効支配して、その国の外国人を雇用した場合に、その島は外国に乗っ取られてしまうかもしれません。心配し過ぎかもしれませんけれども、そういうこともこれからは懸念していかなければいけないと思っています。
 この条項を削除することによって、こういった事態の発生を防止する手段を失うことになるのではないかということを心配しています。例えば、尖閣諸島もかつてはかつおぶし工場があった、でも、工場がなくなって人がいなくなった途端に中国が領有権を主張し出したというようなこともあります。
 この現行法の第三十八条の三項は、改正案の第七十二条、免許の適格性に残した方がいいんじゃないかというふうに私は思いますけれども、いかがでしょうか。
#152
○政府参考人(長谷成人君) 外国資本への懸念ということで申し上げれば、そもそも外国資本の入った我が国の法人が漁業を営むこと自体は現行法でも認められておりまして、今回の改正によって取扱いが変わるものではございません。外国資本だから制度的に悪と決め付けるわけにはいかないと思っております。
 その結果、適切かつ有効な行使がなされないということであれば、漁業権ですから、土地とは違って五年ごとなりの切替えというものがありますから、その時点で適切な対応ができるというふうに思っております。
#153
○徳永エリ君 いや、だから、その適切かつ有効がよく分からないからなんですよ。
 だって、大企業によって実効支配ということは十分あり得ますよね。漁民の浜の暮らしを圧迫するということは十分に考えられますし、小さな島に、本当に外国人のこれから漁業労働者がそこで働いて、実際には浜を実効支配するということも十分それは考えられることだと思いますよ。ですから、恐らく現行法ではそういったものがあえてあったんじゃないかなというふうに思います。まあ意見ですから、一応聞いていただきたいということで。
 次は、特定区画漁業権についてお伺いしたいと思います。
 必要な資本が少なくて多数の漁業者が参入しやすい等の理由から、組合管理として優先的に地元漁協に免許してきたということでありますが、沿岸の漁場の利用が地元漁民の意思によって決められることによって、地先水面の総合的な利用の調整を容易にし、トラブルなく適切な漁場の利用管理を円滑に行ってきたわけです。個別企業に漁場利用を容認することは、地域全体としての漁業生産力基盤を弱めることになりかねません。企業が養殖業に参入して生産量を増やす、政府は増えた分は輸出しようとしているわけです。現在、養殖業は、ガイドラインを設けて全体として生産制限をしています。そうでないと、過剰生産、過剰供給によって魚価が下がり、経営に影響するからであります。
 政府としては、今後どんな品目を養殖していこうとしているのか、そして、どれだけのものが輸出することができるのか。もしそれが引き受けてもらえなかったら、生産はしたけれども余る、過剰生産してしまったということになったら一体誰がその責任を取るのか、そういった事態を回避する何か手だてはあるのか、お聞きしたいと思います。
#154
○政府参考人(長谷成人君) 現在も、これ漁業法とは外の世界の話でありますけれども、生産に関するガイドラインということで適正生産の目安をお示ししているところでございますけれども、そういう中で、平成二十九年の水産物の輸出額におきましては養殖対象種は全体の四〇%程度占めておりまして、特に魚類養殖では、近年、ブリが米国などに、マダイが韓国などに輸出に向けられておりまして、輸出額も伸びている状況にございます。
 国際的な水産物需要の高まりによりまして、養殖業にはまだまだ伸び代があると考えておりまして、このため、国として積極的に更なる海外市場開拓を進めていくこととしております。国内のマーケットは当然大事でありますけれども、人口減少、本格的な減少時代の中で、外のマーケットは大きくなっておりますので、そこに目を向けるということも重要なことだと思っております。
 そういう中で、海外市場の開拓進めていくことにしておりまして、今後、国は国内外の需要を見据えまして、例えばブリ類、マダイ等を戦略的養殖品目として設定するとともに、生産から販売、輸出に至る総合戦略を策定した上で養殖業の振興に本格的に取り組んでいくこととしております。
 そういうことを進めながら、また経営安定対策の充実もこの機会に更に図っていきたいというふうに考えているところでございます。
#155
○徳永エリ君 今、ガイドラインを作って調整をしているということで、その中でも今ちょっと魚価が下がったりしていますよね。ですから、やはり今、養殖業に取り組んでいる既存の漁業者の方々との調整とか連携とか、そういうことも必要になってくると思います。それが、今回の法改正の中できちんとできるのか、既存の漁業者の声が企業参入してきた人たちにちゃんと届くのかというところが非常に心配、力関係がありますから、そこを大変に心配しているということも申し上げておきたいというふうに思います。
 それから、第百九条の第一項で、都道府県知事は、海区漁場計画に基づいて、保全沿岸漁場ごとに、一定の基準に適合すれば、漁協や連合会ではなくても、一般社団法人、一般財団法人を沿岸漁場管理団体として指定することができるとしています。条文では保全活動の実施について書かれていますけれども、漁協の役割と重なっているのは保全活動の実施なのか、要するに第二漁協のような形で、今後漁協に取って代わるような形になっていくのか、そこもよく分からないんですよね。
 漁協の役割は、漁業だけではなく、先ほど申し上げましたけれども、漁村地域を守り支えるということでありますから、果たしてそこがどうなのか、保全だけではないという部分で、この新たな保全団体、管理団体ですか、これがどういうものになっていくのかということを御説明いただきたいと思います。
#156
○政府参考人(長谷成人君) 沿岸漁場管理の業務は公共性が高いことから、その業務の公正かつ中立的な実施を確保できる体制を有する団体を指定する必要があると考えております。
 沿岸漁場の保全活動は、赤潮の監視ですとか清掃活動を例示として挙げさせていただいておりますが、実際には漁業協同組合が行っている場合がほとんどであるため、主として、もうここは漁協及び漁連が指定されることを想定しております。
 ただし、地域によっては、先生言われるように、漁村地域を守るために、漁業者のほかに漁業者でない地域の住民も含めてこういう取組をしている例も実際にございます。そうした組織が一般社団法人又は一般財団法人となって収支管理など適正に行われる場合には、これも適当な組織なんじゃないかということで考えているところです。
 なお、都道府県知事がこの団体を指定しようとするときは、度々出てまいりますけれども、地域の漁業者主体の海区漁業調整委員会の意見を聞かなければならないことも法定されておりまして、地域の漁業に支障が生じないような措置を講じることとしております。
#157
○徳永エリ君 御説明を伺えばなるほどと思うんですが、繰り返しになりますけれども、その海区漁業調整委員会、ここが今と同等の権限を持っていけるのかというところが大変に心配で、今日も先生方からいろいろ御指摘がありましたけれども、やはり、今までは六割を占めていたのが過半数になるとか、それから公選制が任命制になっていくとか、もう知事の恣意が働かないということは、これ否定できないわけでありますし、この新しい管理団体にしても、例えば環境保護団体みたいな人たちが入ってきたときに、それが本当に漁業の発展とか地域の振興とかに結び付くのかどうかということがあって、ここはやっぱり知事との関係性によってそういう人たちが入ってくることも否定できないわけですから、心配をしてあえて言っているので、そこは是非とも御理解をいただきたいと思います。
 これ、最後に御提案なんですけれども、これも、海区漁業調整委員会だけではなくて、やはり浜、地域ということがありますので、ここにもできれば議会の承認というのも入れていただけないかと。それも、与党の方で、もうできるだけ心配が払拭されるような何か修正とか方法とかを考えていただけるように、これから政令、省令でいろんなことを決めていくんだと思いますけれども、とにかくこのままでは全く浜の皆さんの不安が払拭されないので、しっかり払拭されるようにいろいろと考えていただきたいということを申し上げまして、時間が来たので終わります。
 ありがとうございました。
#158
○田名部匡代君 国民民主党・新緑風会の田名部匡代でございます。よろしくお願いいたします。
 今、徳永委員が漁業法以外のことについても御質問されました。本当に時間が足りないというのはそのとおりで、いろいろと取り巻く問題は多いわけで、しっかり審議が十分できるような環境を整えていただきたいということはまた改めてお願いをしたいというふうに思います。
 そして、長谷長官、現場のことを本当によく知っていらっしゃる長官ですし、特に漁業のことに関しては、青森県はいろいろ困難を抱えているし、難しい地域だということも長谷長官よく御存じで、いろいろこれまでも御努力をいただいたり御配慮いただいたりしてきてくださったということを承知しています。
 現場のことが分かるからこそ、現場の思いを大事にしていろいろ取り組んでくださっているだろうと御信頼を申し上げているわけですけれども、やはり今回の出されたこの漁業法に関しては、いろいろ指摘があるように、何か、真っ正面から受け止めていいのか、気付かれないようにいろいろな仕組みがこの法案の裏に隠されているのかと、こういうことを感じてしまうんですね。
 先ほど、今回は規制改革推進会議よりも前にという話がありましたが、そもそも国家戦略のところから始まって、多分、いろいろ農水省さんもというか、規制改革推進会議の方もというか、学んだと思うんですね。また規制改革が提案をして、これが法案になって審議をして成立すると、ほらまた規制改革だと言われそうだと、そろそろ水産改革もあるからということを察知していろいろ水産庁でも取り組んだのではないかななんてことを考えたりするわけですが。
 いつもこの規制改革推進会議の議事録を見ていると、本当にがっかりするし、腹が立つんですね。第七回の水産ワーキング・グループで大田議長は、成長産業について、漁業が成長産業になるために一番大事なことは、意欲と能力のある担い手が参入すること、その能力とは、経営力、資金力、技術力と言っているんです。このことについて、大臣、大臣も同じようなお考えなのかということをお聞かせください。
#159
○国務大臣(吉川貴盛君) 規制改革推進会議の第七回のこの水産ワーキング・グループにおいて、大田議長が委員お示しの発言をされたということは私も聞いております。
 私としては、地域の水産業を支える担い手の育成確保はもちろん重要であります。その際に、担い手が経営力や技術力を高めていけるようにしていくことが最も大事であると認識をいたしております。他方で、先ほどの大田議長の発言の真意というのは私は定かではありませんけれども、これは企業参入のみを重視していると聞こえることもあるかもしれません。でも、それは、私は若干違和感を感じるところでもあります。
#160
○田名部匡代君 私も、それぞれ一次産業に対する考え方や取組方は違うのかもしれないんですけど、特に青森にずっとおりますので、もうそこで生きていくしかない人たちが必死に土地を守ったり海を守ったりして頑張ってくれていて、その人たちがいなければ、やっぱり地方というか、青森もそうですけれど、駄目になっていく。だから、競争だとか成長だとか言う前に、そこで頑張れるような支援をしっかり考えていくことこそが、私は、農林水産省にとっても、またここにいる私たちにとっても大事なことではないかなというふうに、いつもそう思うんですね。
 でも、規制改革推進会議がいろいろ議論しているのを聞くと、農業問題のときもそうですけれど、さっき小川委員の方からおっしゃっていましたけれど、まさに農協や漁協の力を弱めていかに利益の出る分野に企業を参入させるか、しかも、一番利益になる分野の規制を取っ払って、おいしいとこ取りをしようというようなことが見え隠れするわけですよ。
 でも、農業もそうだし、特に漁業なんかは、やっぱり現場で粘り強く、いいときだってあったと思いますよ、漁業も。そのおかげで私のふるさと八戸も大いに経済は潤った。でも、苦しいときもあった。でも、やめずに必死で頑張っているその粘り強さだとか、苦しい中で努力をしたり工夫をしたりすることが地域経済を守ってきた。いろんな違いはあるけれど、じっくりそこで腰を据えて漁業者同士が調整をしてきた、みんなが共存共栄できるような努力をしてきたから今があるのではないかなと、私はそんなふうに思っているんです。
 そういうことを踏まえていろいろ御質問させていただきたいと思います。
 特に今回の議論でも、企業がというか規制改革がというか、ターゲットとしているもうかりそうな分野、養殖業などがそうだと思いますが、今現在も民間は参入できるわけですよ。多数参入していますよね、実際。区画漁業では四百四十三、特定区画漁業では六十九、定置漁業では六百五十四が法人参入しているんです。にもかかわらず、優先順位を、漁業権の優先順位を廃止する。もうこれは皆さん御質問になられています。
 先ほど長官もいろいろと御説明をされました。既存の漁業者の漁業が継続できなくなるようなリスクであるとか、羽織漁師の問題も取り上げておられましたけれども、でも、そういう羽織漁師のような人がいなくなったと言うけど、これは今の法律があるから、いなくなったというか、まあ、守られてきた、漁業をやっている人たちが、優先的に権利をもらってやってこれたというだけで、じゃ、法律を変えてしまったら、また、それこそ徳永委員の話じゃないけど、昔に戻っちゃうんじゃないかという心配があるし、例えば既存の漁業者が漁業を継続できなくなるリスクと言うけれども、これ実際に、じゃ、そういうことがあったのかというようなことも含めて、改めて何でこの優先順位を廃止しなければならないのかということについて納得のいく説明をしていただけますか。
#161
○政府参考人(長谷成人君) 現行制度においては、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い者が申請してきた場合に免許が受けられないということで、経営の持続性、安定性を阻害しかねないということで申し上げてきております。
 例でございますけれども、例えば、今年、今まさに全国で切替えしているんですけれども、五年前の例でいきますと、宮城県での例の、その復興特区はもうちょっと別の話ですから除きますと、八件の漁場において、競願というのは複数の既存の漁業権者のほかに申請をする人がいて、これ競願といいますけれども、そのうち七件の漁場において従来の漁業権者が優先順位規定のために漁場を失うということになったという例がございます。また、北海道でお話しさせていただくんですけど、北海道において地元の個人漁業者が定置漁業の免許を受けていたけれども他の法人に変更となったというような例がございます。定置漁業であると、約八割が現在、優先順位、どこに該当するかというと三位なんですね。
 そういうことから、絶えず切替えのたびに、先ほど言いましたように、七件というのが全体から見て少ない、多い少ないという判断はあるかもしれませんけれども、潜在的にそういうリスクを抱えているということがあるものですから、むしろ、もう優先順位の規定で形成された今の秩序の中で頑張ってやっておられる方、ちゃんとやっておられる方はそのまま次も免許しますということに今回しようというふうに考えているところでございます。
#162
○田名部匡代君 その言葉を信じたいわけですけど、でも、いろいろ、なかなか不明瞭な、適切かつ有効だとかですね、そういうことがあるから、本当に地元の漁業者、今やっている人たちを守るためなのかそうではないのかということが逆に分かりにくいし、この分かりにくさが何かちょっと、本当にそうなんだろうか、本当はその人たちを追い出して企業を優先的にやろうとしているんじゃなかろうかというようなことになっていると思うんですよ。
 だったら、もっと明確にそのことを規定すればよかったし、私は、今みたいな事例もあるということでしたけど、この優先順位の廃止というのは、じゃ、地元それぞれ現場から要望があったのかというと、要望があったのかなかったのかということについて、ちょっと通告していないんですけど、まあ、あったのかなかったのか。
 逆に、一企業が、公共の資源であるにもかかわらず、今まではそこに住んでいる地域の人たちがみんなで海を守って、みんなでそれを利用して、その利益を得て、それが地域経済に回ってきたという状況なのに、まさにこれからは一企業が独占的に、永遠的に、永久的にその公共的なものの権利を持ち続けて、地元で漁業をやっていこうという人たちの権利が奪われはしないかなというような懸念を持っているんです。まあ長官、そうじゃないとおっしゃるのですけれども。
 例えば、その適切かつ有効という文言もそうですし、それ以外は地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者というと、地域の水産業の発展に最も寄与するという判断は、じゃ何なのかなというふうになるわけですよ。そうすると、やっぱり資金力を持って効率的にできるようなところが優先的に与えられちゃうんじゃないかと。地元で、さっき冒頭申し上げたように、粘り強く一生懸命やっている人たちよりも、そういう経済性とか効率性とか合理性みたいなことが優先されやしないだろうかということを不安に思うんですね。どうですか。
#163
○政府参考人(長谷成人君) まず、適切かつ有効の部分については、何というか、その地域で普通に真面目に取り組んでいる方は適切かつ有効だというふうに思いますけれども、やはりいろいろな議論の中で、病気で休んだらどうなのかとか、漁船が壊れてできなかったら、休んでいたらどうなのかという御質問もあって、そういうものは、そういう合理的なというか、どうしようもない話ですし、当然そんなことで漁業権を取り上げるなんという意図はないわけですけれども。実際、でもそういうことが不安なんだということなので、丁寧に丁寧にその意図を説明をしていきたいというふうに思っておりますし、それも五年、漁業権五年の切替えですけれども、いきなりそういうことを考えているわけでもなくて、漁業権者からは漁場の利用状況について報告をしていただきます。こういうふうに使っていますとか、あるいは病気なので今年はちょっとこの期間休みましたとか、そういう報告をしていただくわけであります。
 それを海区漁業調整委員会、地元の漁業者の常識を持った漁民の、その地域の常識を持った委員さんたちに報告をしてもらって、それで必要に応じて、いや、それは幾ら何でも怠け過ぎだろうとか、その地域の漁業者の常識から見てということであれば、もう少しちゃんとやりなさいとかいう指導をしたり勧告をしたりというプロセスを経て、そういうことで是正されていれば、それはもう適切かつ有効ということになっていくということなわけですね。
 長くなりますけど、先ほどの特定区画漁業権も、多くの組合員が営む漁業なので漁協が管理するのが優先というのが、現行法の考え方はそういうことで、当時の菅家課長もそういうことで現行の制度を説明していると思うんですけれども、時代が変わってきて、今、法律でこの養殖業は特定区画となっているんですけれども、例で出ていたノリ養殖なんかはまさにそういう典型例だと思うんですけど、マグロ養殖とか、そういう多数の組合員でもないような実態が出てきている中で、今のままの制度ではなかなかうまく運用できていない、運用できないという状況が出てきているのも事実であります。
 既存の漁場についてはそういう整理をした上で、そうでない部分については地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者でやりますけど、その地域の雇用だとか何だとかということで、先ほども深浦の例を出しましたけど、まさにああいうことで地域の人にも受け入れられていれば、漁業調整委員会の意見を聞いても、ああ、あれならいいんじゃないかということなんですね。そういうイメージで地域とも協調する形で進めていけば、企業参入、必要な企業参入というのもスムーズに進むのではないかというふうに考えているところです。
#164
○田名部匡代君 ありがとうございます。丁寧な御説明ありがとうございます。
 やっぱり、私に丁寧にこんな御答弁も大変有り難いですけど、やっぱり現場が不安なわけですよ。そもそも論で申し訳ないですけど、できちゃってから丁寧に説明するんじゃなくて、やっぱり現場の声を大事にしながら法律を作って、そうしたら、本当に末端の人まで、現場で一生懸命やっているところまできちんと伝わるような努力があればいいけど、形ばっかり何回やりましたということではやっぱり現場の理解は得られないし、今五年で更新されるということで今のような御説明ありましたけれども、でも、やっぱりそれが先行きが不透明、不安であれば、新しい後継者、新規に参入して頑張ろうという人たちも不安があれば参入しにくい。だから、もっときちんとした基準を作って明確に伝える必要があるんじゃないかなと。
 例えば、地域間で、適切かつ有効だとか発展に最も寄与するという判断がそれぞれ、今みたいに長官がおっしゃったような判断をしてくれるところもあれば、そうじゃない判断が行われる場合もあるかもしれない。だから、もう少し明確に基準を定めるべきじゃないかなというふうに思っています。
 養殖業でも、先ほどももう需給バランスだとか価格の値崩れの話もありました。大体、問題意識は重なっているので、このこともお伺いしたいと思ったんですが、サーモンの、深浦サーモンのことを何度も名前を挙げていただいてありがとうございます。順調に準備が整って、本格生産に今入ろうというところなんです。これも地元の企業と漁協、また自治体がうまく連携して、やっぱり丁寧に議論をして、理解があってここまで来たということだと思うんです。だから、どちらかが生き残るということではなくて、みんなで生き残っていこうということだと思うんですね。だけど、この漁業法ではそうは思えないから、何回もしつこいけど、そうは思えないから不安なんです。企業だけが生き残ってしまうのではないかということをこの法案からどうしても感じちゃうんですね。
 で、今のように、やっぱり地元で頑張っている人たちの力も大いに生かしていただいて、共存共栄できるような環境をちゃんとつくっていってほしいんです。それをみどとりしていくのはやっぱり水産庁の仕事だと思うし、今言ったような、有効なのか、発展なのか、効率なのか分からないですけど、そういう単純な判断ではなくて、一生懸命やっている、もう一押しすればこの地元の漁業者たちももっとうまくいくなということには、それは全面的に全力で応援をしていただきたい、その支援体制をつくっていただきたい。
 今、競争の問題ありましたけど、サーモン、今人気ですよね。国内でもおすし屋さんで、さっきもあったけど、人気。だけども、それが新たなまた企業が入ってきて競争になったらどうなのかと。ようやく今から頑張ろうというときに、また力のある方だけが生き残って、こっち駄目になっちゃうんじゃないかということもあるので、品目ごとにいろいろ調整して戦略を立てると言っていますから、そこも是非、今じゃなくても、具体的に示していただきたいんです。だって、企業なんですから、戦略的にと国が言ったって、自分のところの利益が上がることを我慢してやれるのかと言ったら、幾らでも利益を得ようとするのが企業ですから、そこはやっぱり国がどういう判断をして、それぞれの生き残りの環境をつくっていくのかということが大事だというふうに思います。
 先ほど大臣も、利用の度合いが低くなっているところがあるから漁業権を廃止して、そういうところを利用してもらいたいんだということをおっしゃっていました。ただ、利用が低いというのは、よほど何か条件、条件がいいところにはみんな行きたいわけで、それはどういうところなのかと。企業だって、そんな利益が上がらない条件の悪いところにわざわざ行って商売するのかなというふうに思うわけですよ。これらも含めて、今まで申し上げたような不安が起こっているということなんですね。ですから、是非そういうところにも目配りをしていただきたいと思います。
 質問重なるので、次に移ります。
 もう何度も申し訳ないですけど、規制改革推進会議の大田議長は、ノルウェーのような実効性のある政策をというふうに会議の中でもおっしゃっているんです。でも、やっぱり日本は日本にふさわしいいろんな仕組みを考えていかなきゃいけない、何でもノルウェー見習えばいいということじゃないんですよね。
 だって、ノルウェーなんというのは輸出が中心ですから、私が申し上げるまでもなく、ここにおられる皆さんもう御存じだと思いますけど、まさに外需に対応した水産構造というか、漁業構造になっているわけですよ。漁業生産の九五%がもう輸出ですから。地域、魚種ごとに六つの販売組織をつくって、そして、水揚げされた時点から、これオンラインで取引というか、国内外の顧客と取引をするような仕組みまでできている。ここまでノルウェーは進んでいるというか、ある面では進んでいる。でも、日本というのはそれはまた違う構造なわけですよね。
 ですから、この大田議長がおっしゃるように、全体的なことを見ないで、日本の漁業の現状もよく考えないで、ノルウェーみたいにやればいいんだなんという乱暴な議論では、日本の問題は解決をしないわけなんですね。漁法も漁船の規模もいろいろ多様にならざるを得ないという点もノルウェーとは違うわけですよ。実情に見合った改革の進め方というものをやっぱりきちんとやっていくべきで、規制改革推進会議のような目先のことでえいやあと、まさにどうやって企業をもうけさせるか、それが成長なんだ、発展なんだということでは、ますます日本の漁業は駄目になっていくというふうに私は思っています。
 特に現場の方々からお声を聞くと、全体的なことも分からないんだけれども、自分の漁業がどうなるのかというのは全く見えてこなくて、これから漁業続けていけるんだろうか、操業出られるんだろうか、いろんなことを考えて、感じていらっしゃるんですね。
 この間も底引き網の方々から、いろんな魚が捕れるんだけど、さっき平野先生からもお話あったと思いますけど、これはどういう仕組みにしていくのか、操業に影響出ないのか、つまりIQのことですね、IQを導入して廃棄するものもある。また、IQ数量の少ない魚種で枠がいっぱいになったりしたときに、これ漁に出られるのかな、どういう仕組みにするのかなということなんです。ちょっとここ、丁寧に教えてください。あっ、時間ないので簡単に。
#165
○政府参考人(長谷成人君) 魚種ごと、IQが細かく進んでしまうと、微少割当てというんですけど、それによって操業ストップというリスクがあるという問題であります。午前中も平野委員に対してちょっとお答えいたしましたけれども、これについては、そういうことも含めて漁業者の理解、準備が進んだものからということが一つと、あと、外国先進事例だとか、何でもまねするということじゃなくて、いろいろ学ぶという意味では、底引きでいえば、カレイ類、カレイもいろんな種類があるのでカレイ類でまとめて処理するとか、そんな事例だとか、いろいろとまた研究を進めているところであります。
 そういったことで、まさに底引きなら底引きの漁業者の理解を得ながら進めていきたいというふうに思っております。
#166
○田名部匡代君 これも小川先生からもあったかもしれませんけれど、ちょっと質問飛ばしますので。
 資源管理は非常に難しいと。難しいけれども、青森でもいろいろ一生懸命取り組んでいまして、ウナギ、小川原湖のウナギのことを長官、御存じですか。放流したウナギが順調に育っていることが確認されまして、何か聞くとメスが多いとかいう。今、捕らないように資源保護を取り組んでいる、こういういい報告もありますけれども、これらの評価というか、結果を出すには相当な時間も掛かる。そのための情報を世界と共有する。そして、その調査や研究、評価をするところまでの人員を確保する。また、教育も必要かもしれません。その体制をしっかり整えて、そしてTACやIQというところに入っていくべきだというふうに思うので、その体制をどうしていくかということと、また一方で、またこれ水産ワーキングですけど、資源管理ができていないことにより生産量が激減しているところも認識しろだとか、漁獲量の減少にも理由を付けた方がいいのであれば、資源管理が不十分、不足というのがふさわしいだとか、資源管理の対応の遅れで幾つかの魚種が減っただとか、いろいろ意見があるんですけれども、これだけじゃないということ、これを万能視し過ぎるのはどうかということだと思うんですね。
 例えば今、八戸、青森ではスルメイカが非常にもう危機的状況というふうになっていますけれど、これだって寒冷から温暖への影響で、いろいろその環境の変化によってこうなっているのではないかということもあるし、一方で違う意見もある。これらのいろんな状況がある。海洋環境のレジームシフトによって資源変動が起きたほかにも、人為的な環境の改変、開発行為のことだけれども、それらによってこうやって資源が減っているのではないか。いろんな見方があるわけですよね。
 そういうこと、全ての情報の中で、ある意味、資源管理をするということは漁業者の生活に大きな影響を与えるわけですから、やっぱりそれらの納得のいく評価ができるような体制をつくることが大事だと思うんですが、長官、これ、どんなふうにつくっていくおつもりですか。
#167
○政府参考人(長谷成人君) 水産資源の調査研究については、国立研究開発法人水産研究・教育機構が中心となって実施されてきたところでありますし、今回の改正法案九条の五項にも、この機構に資源調査又は資源評価に関する業務を行わせることができるというふうに明記したところであります。機構において研究開発を効率的、効果的に進めることができる組織体制の導入、そして人材育成も進めていきたいと思います。
 気候変動ですとか、なかなかコントロールできない部分が大きいわけですけれども、その中で漁獲量というところは、難しい問題はありますけれども、頑張ることによってコントロールできる要素でありますので、先ほども議論ありましたけど、科学万能ではありませんけれども、いろいろな情報を提供して漁業者の理解を得ながら進めていきたいというふうに思っております。
#168
○田名部匡代君 昨日通告も遅くなって、多分、今日長い時間の委員会ですから、たくさんの質問の答弁を作られるのに水産庁の方々も遅くまで御苦労されたと思います。
 私、今日言いたいことの半分しかできなかった。まだまだですね、やっぱり。現場の不安や、これからの日本の水産業をどうしていくのか、日本の食料をどうやって守っていくのか、地域経済どうするのか、雇用はどうなるのか、まさに簡単な目先の利益のことだけではない大きな問題をはらんでいるこの漁業法でありますから、この後もしっかりと質問をさせていただきたいと思いますので、与党の皆さんの御理解もいただきたいと思います。よろしくお願いして、終わります。
#169
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。
 今日から漁業法等の一部改正案の質疑が始まります。
 それで、ちょっと冒頭申し上げたいんです。先ほどもどなたか言われましたけれども、そもそも七十年ぶりの大改革というふうに言われるこの漁業法を、臨時国会という短いこういう期間の中で出すこと自体が本当にどうなのかというふうに思います。それで、臨時国会の会期は十二月十日までなんですよ。それまでに成立させようということになったら、参議院の農林水産委員会の定例日は火曜日と木曜日ですから、今日を入れるとあと二回なんですよね。これは拙速な採決は絶対しちゃいけないと、慎重に審議するように求めたいと、まず思います。
 近年の重要法案、いわゆる本会議で趣旨説明をして質疑を行う登壇物ということで振り返ってみますと、農協法の改正案は、委員会質疑が二〇一五年の七月九日に始まったんですね。採決は八月二十七日なんですよ。だから、質疑時間は二十四時間、参考人質疑を二回やって、そして地方公聴会も一回やって、視察もやりました。去年と今年の通常国会では政府が八本も九本も法律を出してきたと。種子法の廃止法案では、審議が全く不十分だという批判がもう後もずっと各方面から出されています。本会議登壇物ということでいうと、今年、卸売市場法などのものがありましたけれども、これは農協法に比べると質疑時間は減らされましたけれども、それでも参考人質疑と視察もやっていたんですよね。
 ですから、このまま十二月十日の会期内で通そうということになったら、これ出口先にありきになってしまうんですよ。そんなことではやっぱり国会審議が軽視されることになると思うんです。何より、漁業に関係する漁業者、現場の皆さんにとっても、これ大変失礼なことになるというふうに思うんですけれども、まず、大臣、このことについて、この在り方ということで大臣の見解をお聞きしたいと思います。
#170
○国務大臣(吉川貴盛君) 私も何度も申し上げてきているのかもしれませんけれども、かつて世界一を誇りました我が国の漁業生産量、今やピーク時の半分以下にも減少いたしております。また、漁業者の減少ですとか高齢化も進んでおります。このような中で国民に水産物を安定供給をするという使命を果たしていくためには、我が国の水産政策の改革は待ったなしの状況にあると考えているところでもございます。
 漁業現場における動きに関しましては、先日の参考人、これ衆議院でありましたけれども、全国漁業協同組合連合会の岸会長からも、我々JFグループとしても漁業再生への大きな転換期が今であると認識をしており、今回の改革が浜の明るい将来を切り開くものとなるよう、自らの課題として組織を挙げて取り組んでいく決意と御発言もあったところでもございます。
 こういったことから、本年六月に取りまとめた水産政策の改革の内容をなるべく早く法制化する必要があると考えまして、臨時国会に関連法案を提出をするということにしたところでございます。
 この改革の検討に当たりましては、これまでも様々な機会を通じて漁業関係者との意見交換を行ってきたところでありまするけれども、今後とも現場の漁業者の皆さんとの信頼関係を大切にしながら、さらには御意見を伺いながら進めてまいりたいと、こう思っております。
 また、御指摘をいただきました国会の運営についてに関しましては、国会でお決めになることでもありますのでお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、政府としては国会に対しまして引き続き真摯に対応してまいりたいと存じます。
#171
○紙智子君 真摯に対応していきたいと考えているということなんですけれども、やっぱり国民の代表たる国会でちゃんとやっぱり役割を果たさなきゃいけないと。もう不十分なまま通すと一番困るのは現場なんですよね。しっかり役割を果たさなきゃいけないというふうに思います。
 それで、漁業法改正案を閣議決定したのが十一月六日なんですよ。私、その日に水産庁から説明を受けました。しかし、出されてきたのは、そのとき法案概要と参考資料だけで、要綱もなければ新旧対照の条文もなかったんですね。立法事実に関わる資料を要求していたわけですけれども、それも出されないと。こういうのを国会軽視と言うんじゃないですか、大臣。
#172
○国務大臣(吉川貴盛君) 今まで、先ほどもお答えの中で申し上げておりまするけれども、今日まで数次にわたって関係者の皆さんにも御説明をしてまいりました。それで法案を提出をさせていただいたところでございまして、今現在参議院でも御議論をいただいているところでございますので、国会の件に関しましてはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
#173
○紙智子君 国会軽視と言うほかないんですよね、このやり方というのは。種子法もそうでしたけれども、やっぱり議論を避けるわけですよ。それで、私は、これは安倍政権の言ってみれば特徴だと思うんです。何より問題なのは、関係者が置き去りになっているということなんです。置き去りですよ。
 夏以来、私も漁協に行って説明会の様子を聞きました、どんなふうに説明されましたかと。説明会はあった、そこに呼ばれたと、だけど一方的だったと、現状も今までと変わらないと言われたと、だけど内容は分からなかったという感想なんですよ。
 中には紛糾したところもあるというふうに聞いているんですけれども、国会では、全国沿岸漁民連、連絡協議会などが、諸団体が国会の中でフォーラムもやりました。そこに参加したんですけれども、与党の議員さんも来られていました。内容を知らない漁民、漁協もすごく多くて、自分たちの意見を述べる機会もないという発言がされていました。説明も少ないし、理解が進んでいるとは言えないわけです。七十年ぶりの抜本改革を説明しただけで、説明しただけで分かるのかということです。
 水産庁に確認しますけれども、これ漁協、漁業協同組合は全国幾つあるのか、水産庁が主催した説明会の場所、参加した漁協の数を教えてください。
#174
○政府参考人(長谷成人君) まず、漁協の数でございますけど、沿海地区の漁協の数は、平成三十年三月一日現在でありますけれども、全国合計で九百五十五ということでございます。
 本年六月から十月末までの間に全国各地で九十九回の説明会等を実施してきたことにつきましては御説明しておりますけれども、そのうち水産庁主催のブロック説明会は全国で六回行いまして、この水産庁主催の説明会に出席した漁協の数は、これは業種別漁協を含めまして七十七組合、漁連の数は二十七連合会ということでございます。
#175
○紙智子君 ですから、九百五十五の漁協中、参加したのは七十七ですよね。そうすると、八百七十八もの漁協が参加していないということなんですよ。
 漁業法改正案が閣議決定されたのが十一月の六日と、漁業法改正は、ここに積んでありますけど、電話帳のようだということが言われているわけですけれども、漁業法の改正に合わせて改正される法律というのは四十七にも及ぶわけですよね、たくさんあるんですよね。私たち日本共産党の国会議員団、地方議員も含めて、この間、漁協を訪問しています。ある漁協では、分厚い法案がぼんと届いたと、しかし、法律の専門家ではないからすぐには分からないというふうに言っているんですね。中には反対を表明する人もいると。私も、この概要と新旧の対照の条文を持って説明に行きました。漁業法の目的がこんなふうに大きく変わるというのは知らなかったと、責務というのも知らなかったという意見が出されましたよ。
 そこで、大臣、そして副大臣、政務官、水産庁長官にお聞きしますけれども、この改正案の閣議決定以降、十一月六日以降、漁協に行って話を聞かれましたか。お一人ずつお答え願います。
#176
○国務大臣(吉川貴盛君) 私の場合は、閣議決定以降は国会の日程もございまして、直接説明には出向いてはおりません。
 しかしながら、いろいろな関係者がおいでになられますので、そういった機会を通じて御意見はお伺いをいたしているところでもございます。
#177
○副大臣(高鳥修一君) 紙委員にお答えをいたします。
 私の実家がございます糸魚川市能生地区というのは典型的な漁港、漁村でございます。県内唯一の水産学校である海洋高校がありまして、同級生や知人にも漁業に就業している人が多く、私も港の行事に参加したり、それから日頃から要望会を開いているところであります。
 閣議決定後でありますが、そのような中でも地元の漁協の方々と意見交換を行いました。その中で、今回の漁業法改正についても話題にいたしましたが、これはもう個々の漁協の実情にもよるんだと思いますけれども、特に反対の声は出ず、念のため、念のため別の機会に漁協に対して再度確認をしましたが、地元でも理解し、賛成の方向ですという回答を得たところであります。
#178
○大臣政務官(高野光二郎君) お答えさせていただきます。
 十一月六日の閣議決定以降に関しましては、政務官室におきまして、例えば高知県漁港漁場協会やかつお・まぐろ漁業推進道県協議会等、全国の漁業団体がお越しになってきていただいたときに、IQだとか、TACだとか、漁業権についてどういうお考えをお持ちですかという聞き取りをさせていただいておりました。資料も提出をさせて、お伺いをさせていただいておりました。
 また、土曜日、日曜日は必ず地元の高知県に帰ってあちこち回っておりますので、漁業関係者であるとか、首長さんであるとか、議長さんであるとか、そういった方々に、フルパッケージではないですが、私が説明できる部分と全国的に危惧をされている部分について御説明を申し上げ、意見交換をさせていただいております。
 その中でも、大勢は反対ではなくて、資源管理型の漁業をすべきであるということを皆さんおっしゃっておりました。
 以上です。
#179
○政府参考人(長谷成人君) 私も、出向くことはできずにおりますけれども、日々訪ねてこられる漁業者の方に対しまして説明をし、意見をいただき、全国の漁協青年部の方たちもこの間長官室来られて、一時間そういう意見交換、説明をしたところでございます。
 それから、済みません、先ほどの質問に関連して、水産庁が主催したブロック説明会以外に、全漁連や県漁連、県庁などが主催した説明会を加えますと、沿海地区漁協九百五十五組合のうち四百十一組合の方に説明を行っております。四百十一で十分だというつもりで言っているつもりではございません。これからも説明を尽くしてまいります。
#180
○紙智子君 よく知っています。それ、漁協が主催してやったやつですよね。水産庁でと聞きましたので。
 それで、今ちょっと聞いても、副大臣と政務官は回って歩いたという話なんだけれども、理解されているかどうかと、末端までということになったら、そうじゃないんじゃないでしょうか。私は、やっぱり七十年ぶりと言われる大改革というふうに言っているわけですから、やっぱり全然これじゃ置き去りだというふうに言わざるを得ないと思うんですね。
 それで、五月二十四日に水産庁として水産政策の改革案を出しました。私、本会議でも、この規制改革推進会議が答申を出す前、答申が六月三日ですから、その前の五月二十四日に水産政策の改革案を公表したと。この改革案はどこで議論したんですかと聞きました。大臣の答弁は、節目節目で全国の説明会等において検討状況をお示ししましたと言われました。私は、改革案を公表した後のことを聞いたんじゃなくて、公表する前にどこで議論していたのかということを聞いたんですよね。是非ちょっとこれをお答えいただきたいと思いますが。
#181
○政府参考人(長谷成人君) 今回の改革は、水産政策の実施に責任を有する農林水産省が、これまでの政策の実施を通じて漁業者からいただいた様々な意見を踏まえて主体的に検討したものでございます。その際、水産政策審議会においても議論していただき、改革案を取りまとめたところでございます。
#182
○紙智子君 水産審議会でも議論していただいたというんですけれども、企画部会に出されていたのは水産改革の方向という二枚ぐらいのペーパーだけで、議事録を読んでも議論は出てこないんですよね。企画部会にまとまったペーパーが出されたのは五月二十四日の前ではなくて、九月十九日だと思うんですよ。しかも、水産政策審議会は、ホームページを見る限り、昨年の八月三十日以降の議事録というのは掲載されていないんですけど、ないんですよ。
 つまり、その漁業、水産問題を取り上げたというのは、これ規制改革推進会議水産ワーキング・グループだけだったんじゃないんですかね。規制改革推進会議はこれ議論するところではないわけですよ。規制改革推進会議は規制緩和を求めるところですね。水産庁は、規制改革会議の圧力に屈して、まともな議論もしないで、五月二十四日以前にこの改革案をまとめたんじゃないんですか、長官。
#183
○政府参考人(長谷成人君) そのような認識は持っておりませんで、農林水産省の中で、中でも議論を尽くしながら考え方をまとめていったということでございます。
#184
○紙智子君 先ほども言いましたけれども、水産審議会の中でこれ議論されたんですか。されていないんじゃないですか。
#185
○政府参考人(長谷成人君) 概要、二枚紙とおっしゃいましたけど、概要について報告をし、御意見を伺ったということでございます。
#186
○紙智子君 私に聞こえているところでいうと、水産改革案は密室で議論されたんだという話も出てきているぐらいですから、そういうふうに言われても仕方がないんだと思いますよ。
 なぜそういうことになっているのかというと、これはやっぱり安倍首相が十月の所信表明のときに、七十年ぶりに漁業法を抜本的に改正しますと大きな風呂敷を広げたわけです。総理質疑がありませんから、総理が一体現場をどこまで知っているのかということも定かじゃありません。はっきりしていることは、常々自分がドリルになって岩盤を打破するんだというふうに言っていますから、TPP等市場開放、自由化に合わせてこの国内の農林水産業の形を打破するということだけなんですね。
 国際競争力の強化、漁業の成長産業化ということを強調しています。まさに自由化に合わせて漁業法等を変えるということなんじゃないんですか。大臣、いかがでしょうか。
#187
○国務大臣(吉川貴盛君) 七十年に一度の漁業法の改正でございます。今様々な御指摘を賜ってまいりましたけれども、かつて我が国の漁業生産量というのは世界一を誇っておりました。今やあのピーク時の半分に減少しておりまして、漁業者の減少ですとか高齢化というものも進んでまいりました。
 このような中で国民に水産物を安定供給するという使命を果たしていかなければなりません。そのためには、我が国のこの水産政策の改革は待ったなしの状況にあると考えているところでもございまして、漁業現場における動きに関しまして、これはもう何度も、先ほども御答弁で申し上げたところでもございまするけれども、全国漁連の岸会長からも、今改革が必要だと、大きな転換期が今であると認識をしているんだと、今回の改革が浜の明るい将来を切り開くものとなるように、自らの課題として組織を挙げて取り組んでいく決意との御発言も頂戴をいたしたところでございます。
 このようなことから、本年六月に取りまとめた水産政策の改革の内容をなるべく早く法制化する必要があると考えまして、臨時国会に法案を提出をさせていただいたところでございます。
 これまでも様々な機会を通じて関係者との意見交換も行ってきたところでもありまするけれども、今後とも現場の漁業者の皆さんとの信頼関係を大切にしながら、御意見を伺いながら進めていかなければならないと承知をいたしているところでございます。
#188
○紙智子君 今そういうふうな話もあるんですけど、実際は、先ほど来ずっとやり取りされているように、現場には理解が進んでいない中で、やっぱり置き去りの状況というのがあるわけですし、それがどうしてそうなっているかというと、やっぱり安倍総理自身の掲げている政策、これは私は向いている方向は沿岸漁業を振興しようというふうには到底思えないというふうに思うんですね。
 ちょっとその上に立ってなんですけれども、次に目的と責務の問題についても質問したいと思います。
 この目的規定を今回変更し、責務ということも出てくるわけです。それで、現行法は、目的に漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用、漁業の民主化ということを規定しているわけです。この主体ということと民主化ということはどういう意味なのか、この規定した理由を水産庁長官に説明していただきたいと思います。
#189
○政府参考人(長谷成人君) 昭和二十四年の現行漁業法の制定当時、自ら漁業を営まない羽織漁師と言われた者による漁場利用の固定化といった慣行の解消が大きな課題であったということでございます。
 このため、現行漁業法において、漁業者を主体とする漁業調整委員会を創設し、委員会制度の運用によって民主的な漁場の利用を目指すこととしたことから、目的規定にも、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用し、漁業の民主化を図るということが定められたところでございます。基本形として、十五名のうち九名はこの漁業者及び漁業従事者の委員ということが現行法でございます。
 その後、漁業調整委員会は、漁業の許可や免許に当たって都道府県知事に意見を具申するほか、漁業調整のための指示を行うなどの重要な役割を果たしてきた結果、今日のように、水面の適切な活用や民主的な漁場の利用形態の構築に大きく寄与してきたものと評価しております。
#190
○紙智子君 それで、その主体ということと民主化ということを削減、なぜ削減したのかと。私の本会議質問に対して大臣は、当初の目的である民主的な漁場は実現した、漁業調整委員会の制度は定着しているというふうに答えました。主体ということですとか民主化というのはそれだけの意味なんでしょうか。
 戦後、一九五〇年に水産庁が編集して「漁業制度の改革」という本が出されていますよね、長官よく御存じだと思います。そこでは、民主化に触れて、こう言っているんですね。生産力の基礎はあくまで尊い人間労働である、働く漁民がその家族を含めて、憲法の言葉を借りるなら、健康にして文化的な生活を維持し、明日のために、あるいは将来にわたって必要な労働力を再生産し得るような条件を確保しない限り、真の意味での生産力の発展も社会の進歩もあり得ないと書いているんですね。当時、こういうふうに水産庁で作っているんだなというふうに思ったんですけれども、そう書いている。
 だから、主体とする漁業調整機構の運用、漁業の民主化を定めたんじゃありませんか。もう一回、長官お願いします。
#191
○政府参考人(長谷成人君) 実は、その「漁業制度の改革」に携わった当時の担当の方からも、私、二十年ほど前かな、直接お話を、当時のことも伺っております。だから、当時の雰囲気もお聞きしているところでありますけれども、当時、敗戦を迎えて、GHQの占領下の話でいろんな苦労話もお聞かせいただいたんですけれども、先ほど言いましたような羽織漁師と言われるような者による漁場利用の固定化といったものについての解消をすると、それで一旦漁業権についての補償をした上で、白紙に還元した上で新しい秩序をつくるという意味での、優先順位の方はそういう話であったんですけれども、そういうものの推進力として、この漁業調整委員会の制度を定めたというふうにお聞きしたところでございます。
#192
○紙智子君 やっぱりこの深いところに流れている精神ってね、やっぱりここに立って当時つくられたんだということを私たちは改めて思うわけですよね。そうしたときに、今、安倍総理は、憲法解釈を変えて、簡単に変えて戦争法を強行すると。今度改憲発動するというふうに言っていますから、今の政権の性格が強く出た改正案だと思うんですよ。
 それは、新たに責務を規定したことにも表れているというふうに思うんですね。第六条に新たに責務を定めました。必要な措置という言葉が出てきます。現行法にはなくて、これは公権力を行使できる規定だと思うんですよ。生産力を発展させるために必要な措置を講ずるとありますけれども、この必要な措置というのは一体何を意味するんでしょうか。
#193
○政府参考人(長谷成人君) 第六条の必要な措置でございますけれども、水産資源の保存及び管理を適切に行うとともに、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決を図るために国及び都道府県が漁業法の規定に基づいて講ずることとされている措置を指すものでございます。
 なお、第六条の規定は、国及び都道府県が有する責務を確認的に規定したものでありまして、本規定によりまして国や都道府県に新たな権限を与えるものではございませんけれども、知事に対して漁場の使用に関する紛争の防止及び解決を図るという責務を確認したという趣旨でございます。
#194
○紙智子君 そこもちょっとよく分からなくて、新設されているんですけれども、確認の意味で書いたと、新たな権限を持たせたわけじゃないと言うんですけれども、いや、本当にそうなんだろうかなと。
 それで、必要な措置を講ずるために国と都道府県の見解がもし分かれたときというのはどうなるんですか、どうするんですか。
#195
○政府参考人(長谷成人君) 必要な措置の具体例としては、水産資源の保存及び管理を適切に行うために必要な措置として、資源管理基本方針の制定ですとか漁獲の可能量の設定、あるいは、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決を図るために必要な措置としては、漁業の許可ですとか漁業権の免許ですとか、県の場合ですと県の規則で採捕に関する制限又は措置というようなものを想定しておりますけれども、この漁場の使用に関する紛争の防止というようなことに関して言えば、基本的には沿岸の例えば漁業権、漁場に関する話であれば、そこはまさに県知事さん、県が管轄している水域、基本的にそういうことだと思いますので、国と対立するというか、ぶつかるというようなことは通常は考えられないというふうに思います。
#196
○紙智子君 通常は考えられないと言うんだけれども、実際、例えば沖縄のように、県は駄目ですと言っているけど国はやりますという場面も出てくることだってあるんだと思うんですね。
 資源評価とか資源管理で意見が違ったら、これはやっぱり国に従ってもらうということですよね。
#197
○政府参考人(長谷成人君) 資源管理で広域の魚種の管理ということであれば、資源評価でありますとか配分でありますとか、丁寧に関係者の理解を得ながらやるというのは当然の前提だと思いますけれども、最終的には、そこの資源管理、全体としての漁獲量はこの程度にしなきゃいけないという部分については国の意向で進めていかないとうまく進まない性格のものだと思います。
#198
○紙智子君 そういうことだということですね。
 それで、第六条なんですけれども、漁業生産力を発展させるということが前提になっています。現行法では、沿岸漁業は民主化する、生産力を発展させるのは許可漁業によるところが比重としては大きいと思います。
 そこで、漁業生産力を発展させることが責務になればどういうことが可能になるのか。例えば、沿岸地域で、あるいは沿岸と沖合の接する地域で大規模養殖を推進することが生産力を発展させることになると知事が判断すると、そのときにもし紛争が起こったら、これ話合いではなく何らかの公権力の行使が可能になるんじゃありませんか。
#199
○政府参考人(長谷成人君) 漁業生産力については、現行法の中にもあるわけでありますけれども、一定の水面全体における漁業の生産力を意味しているものでございます。一般論として、漁業生産を高めていきたいということがありますし、地域の産業なり地域を盛んにしていきたいという中で漁業法の運用をしていくんだと思いますけれども、そういう中で、もし利用されていない漁場があったり、知事に課されている責務の結果、その紛争が防止できるような手当てをした上で生産力を高めていけるということであれば、そういう取組をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
#200
○紙智子君 なかなかちょっと分かりづらいんですけれども、沿岸地域で漁協、沿岸漁業者の同意を得ずに必要な措置は行わないという法律上の担保というのはないんじゃないかと思うんですけれども、農水省としての見解を示していただきたいと思います。
#201
○政府参考人(長谷成人君) 漁業権の漁場の設定ということであれば海区漁場計画というものを立てていくわけでありますけれども、海面の総合的な利用を推進するとともに、それぞれの漁業権が漁業調整その他公益に支障を及ぼさないように設定されなければならないというふうに規定されることになります。また、海区漁場計画の作成や免許を行う際に、地元の漁業者を主体とする海区漁業調整委員会の意見を聴くことともなっております。
 このため、周辺で操業する他の漁業への影響を考慮されずに海区漁場計画において新たな漁業権が設定されたり、団体漁業権として設定すべきものが個別漁業権として設定され、さらに企業に直接免許されることは想定しておりません。
#202
○紙智子君 今言われたことというのは法文上のどこに書いてありますか。
#203
○政府参考人(長谷成人君) 漁業調整その他公益に支障を及ぼさないように設定されなければならないというのが六十三条一項第一号でございます。
#204
○紙智子君 漁協、沿岸漁業者の同意を得ずに必要な措置を行わないという公式見解を是非出していただきたいというふうに思います。委員長にお願いしたいと思います。
#205
○委員長(堂故茂君) 後刻理事会で協議いたします。
#206
○紙智子君 やっぱり、いろいろ現場で話を聞くと懸念があると。要するに、いざとなったら強権的なそういう仕組みが発動されるんじゃないかという、そういう懸念が払拭できないということが出されているんですよ。そのことを言っておきたいと思うんです。
 それから、次に優先順位の廃止なんですけれども、漁業権の優先順位、これ廃止すると。沿岸漁業者が地先を優先的に利用するようになったのは江戸時代からだと。慣行的に認められるようになってきたと言われています。明治時代に漁業法ができたときは地先専用漁業権と言われたようです。なぜ江戸時代の慣行を認めたかというと、農業の場合は土地に所有権があるから、ここで農業をやるというふうに言えばもう見えるわけですけれども、漁業の場合は自分の所有地はありません。ここで定置をやる、ここで養殖をやる、ここで魚を捕ると言えば、これ争いになると。そこで、漁業権を、職能的な団体の漁業組合に漁場の利用調整を委ねるということによって、無秩序な漁によって資源がなくなったり、この争いが深刻化しないようにしたわけです。
 ただ、戦前の一時期は、地先漁業の管理と利用調整を国の管理に移したこともあったということなんですが、これ、すぐに破綻したというんですね。それは、旧来の漁業慣行が壊れて現場に混乱が生じて紛争が発生したと。調整するための人手やコストが大変になったからだというふうに聞いています。こういう経験を経て、戦後、漁業権の優先順位をつくったと思います。
 水産庁は、漁業権の優先順位の規定の理由という文書を出していますけれども、共同漁業権、区画漁業権、特定区画漁業権、定置漁業権、どれを見てもキーワードは地元のとか協同組合というのがキーワードになっていると思うんです。優先順位は、漁業による利益を地域に広く行き渡らせると、そういう基本的な考え方に基づいてつくられた仕組みなわけですけれども、この考え方のどこに問題があったんでしょうか。廃止するということは、どこに問題があったんでしょうか。
#207
○政府参考人(長谷成人君) 委員が言われた江戸時代からの地先専用漁業権というものについては、現在はその系譜としては共同漁業権というものにつながっておりますので、これはその優先順位の話とは関係ありません。今回も従来どおりということでございますけれども、そのほかに、定置漁業権と区画漁業権については優先順位があるわけであります。
 そういたしますと、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い者が申請してきた場合に再度免許を受けられないために、経営の持続性、安定性を阻害しかねないという問題がございます。また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっている地域があります。今後どのように沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかというのが大きな課題となっております。
 このため、本法律案におきましては、法律で詳細かつ全国一律に優先順位を定める仕組みを改めまして、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者、漁協については、将来に向けて安心して漁業に取り組んでいただけるように優先して免許するという仕組みにするとともに、利用の程度が低くなっている漁場、利用されていない漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしたいということでございます。
 こうした改正で、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブとなるとともに、地域の活性化につながるものと考えております。
#208
○紙智子君 ちょっと今、なかなか頭に入ってこなかったんですけど、優先順位の考え方に問題があったんですかね。そこをちょっと、どこが問題だったか。
#209
○政府参考人(長谷成人君) 漁業権を受けて真面目に、普通にやって、漁業を営んでおられても、五年の切替えの時期が来て、優先順位というものがもう法律で画一的に決まっておりますので、その優先順位がより高い人が、競願といいますけれども、申請をしてくると、この人、真面目にやっていても次に免許が受けれないということが、先ほども五年前の例をお話ししたんですけど、七件だったかな、そういうことが実際に起こっていると。潜在的に、必ずしも優先順位一位の方が多いわけでもないということがありますので、今頑張って真面目にやっておられる方はその次も免許がもらえるという方が意欲を持って投資もしようと、漁業を続けていこうというインセンティブになるというふうに考えたところでございます。
#210
○紙智子君 長官の思いは分かりました。だけど、本当にそれ担保できるかなというのは、はっきり言って今度の改正の中身ではなかなかそこはそう読み取れないんですよね。
 漁業による利益を地域に広く行き渡らせると、これ戦後の民主化の課題だったと思うんです。民主化の削減をするということと優先順位を廃止するということは、これ一体のものなんじゃないかなと思うんですね。
 五月末に水産庁がこの水産政策の改革案を出す前に、漁業権の優先順位の廃止を求める要望や意見書が出ていたんでしょうか。
#211
○政府参考人(長谷成人君) 六月一日に政府の方針として位置付けた「水産政策の改革について」を公表する前に、御指摘のような優先順位の廃止を求める意見書が提出されているとは承知しておりません。
#212
○紙智子君 公表前にはなかったということですよね。
 それで、香川県議会が十月十二日に「「水産政策の改革」における慎重な検討を求める意見書」というのを出しています。そこでは、漁協が第一順位になっている特定区画漁業権が廃止されれば、漁協は個別に漁業権を付与された漁業権者との調整に関与できなくなると言っています。優先権は、廃止ではなく継続を求めているんじゃないんでしょうか。
#213
○政府参考人(長谷成人君) 地方自治法第九十九条の規定に基づき、香川県議会から十月十二日付けでそのような意見書が出されております。漁協に免許される特定区画漁業権を継続することというふうに書かれておりますので、それにつきましては、香川県の漁連ですとか漁協の組合長さんですとかとお話ししておりますけれども、漁協に免許されている特定区画漁業権については、適正かつ有効に、まあ普通に使っていただければ継続して免許されるんですよということを御説明したところでございます。
#214
○紙智子君 その優先順位廃止を求める要請などは出ていないと。しかしながら、継続してほしいというのは出ているということですよね。
 それで、十二月議会がこれから地方議会は始まるんですけれども、そういう地方議会から問合せがあるわけなんです。水産庁は、改革内容が知られないうちにこの改革案を通そうというのは、私はやっぱりこれはとんでもないなと、ちゃんとやっぱりよく審議をして、地方議会にもちゃんと納得得るようにしなきゃいけないというふうに思います。
 ちょっと途中になっちゃいましたけれども、時間になりましたので、この続きはまた次回やらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
#215
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 漁業法等一部を改正する等の法律案について質問をいたしたいと思います。
 質問する前に、少し遅ればせながら、政府や与党の皆さんに少し苦言をしておきたいと思います。
 この水産法もそうですが、入管法も含めて、これは政策法案なんですよ、政策法案。しかも、この法案については七十年ぶりの改正だといって、実に、見れば見るほど大きくて重たい、重要広範にも匹敵する重たい法案だと思うんですね。
 こういう大事な大事な法案を臨時議会という手はないですよ。きっと、常会で出して十分審議をして、そして関係者に十分理解を得てやっていくのが、総理が言う、今また大臣がおっしゃる、関係者の心に寄り添って丁寧に説明をすると、そして納得を得るということなんじゃないのかなと思ったりするんですね。
 私、実は、私事で恐縮ですが、地方議会、地方行政三十六年やってきました。地方ではこの法律を受けて条例が立法になるわけですが、それをやってみても、重要だなと、法案が重要だなと思うときはなべて条例も重要であるから、都道府県なら三月議会、市町村なら二月の議会、定例会で冒頭審議をしていこうと、そして、十分余裕を持って理解を得て、この法律が、条例が、にかなったような、十分な国民の利益を追求していこうじゃないかというのが本来の姿だと思います。
 ですから、大臣、ここで関わるのは大臣と与党の農水部会の皆さんだと思いますから、こういう法案が今後出るとすると、是非止めて、常会でやろうじゃないかというぐらいのことをやって、この方が正規ですから、正規に戻していただくように。
 どうも地方から来てみますというと、国のやり方は荒っぽい。地方が少し荒っぽいことをやるとすぐ指導に入るんです。場合によってはペナルティーがあるんです。これ経験したのは、平成二十二年、二十三年、二十四年の決算を二十五年でやったんです、国は。憲法で毎年やりなさいとなっているんですけど、それを僕は経験しまして、国って魔物だな、荒っぽいな、わがままだな、かなり暴力的だな、こんな思いを率直にしたものですね。ですから、今この一連の農林水産関係の法案をどんどんどんどん出てきて見ているというと、本当に荒っぽいなと、こんな思いをします。
 また、代表質問でも指摘しましたけれど、先に教育委員会の任命制、それから農業委員会の任命制、今度は漁業の任命制、これまさに民主制度と逆行するというふうに思えて、民主制度の、国家の危機を老婆心ながら今感じているところです。そういうことを苦言を呈しておきますから、どうぞ聞く機会があれば思い出してください、やる機会があれば思い出して、少し、では、言ってみようかなという感じになったら有り難いと、こう思います。
 さあ、質問に入りますが、再三おっしゃっているように、かつて我が国は海洋国日本、水産国日本で世界をリードしてまいりました。いみじくも、午前中の答弁、小川委員の質問の答弁、高野政務官がおっしゃっていたけれど、ピーク時、昭和五十九年千二百八十二万トンがあったのに、二十八年では四百三十一万二千トン、八百五十万八千トンに減少したと、こう言うんですね。
 その頃、サンマを少し見ているというと、サンマは日本単独で八十数万トン漁獲があって、断然トップだったんですね。ところが、今はどうかというと、二十万前後を維持している、四分の一ぐらいに落ちていると、当たらなくとも遠くはないと、こう思うんですね。ちょっと二十八年のデータですから変わってきているとは思うんですが、そういう現況にある。
 そんなことをやってみると、考えながらやっていますと、一方、養殖業どうなっているんだいというようなことでちょっと調べてみたところ、養殖業も、先進国の中では養殖どんどんどんどん伸びて供給されておるんですが、日本は先進国の中でも唯一減少国なんですね。今や養殖産物の四〇%前後は輸入物に頼っていると、こういうような状況を示しているわけです。
 さらに、その間にEEZ制度ができて、二百海里がありますけれど、そうしているうちに、二百海里以遠遠洋漁業、以内沖合漁業、これも、沿岸も同時に衰退していくんですね。その原因、一体どこにあるかはよく分かりませんが、物の本やいろんな学者の、関係学者の資料を見ていると、科学的分析が日本は遅れてしまったと、こういうのがかなり多くの学者が指摘。
 この二百海里問題については、いや、遠洋漁業の問題については、来年からパラオ共和国、これがとうとう締め出してやるんですね。二百海里、パラオの二百海里で捕った産物を全てパラオに揚げてやらないというと排除するよと。ここ行っているのは、残念ながら沖縄の漁船だけなんです。過っても他の都道府県の漁船は入ってきません。そこで、困ったことなんですが、この沖縄の漁民というのは、さきの日台協定で漁場を奪われ、日中条約で漁場を追われ、何でそうなるかよく分からないんですね。そんなような現況にあるんです。
 そういうことも含めて、農林水産省、しっかりと、この辺は国民の、漁民の漁場を維持管理していく、守っていくというような強力な体制をつくってこれから臨んでいただきたいと、こういうことを要望申し上げて、質問に移らせていただきたいと思いますが。
 まず、漁業法の改正案では、新たなシステムとして、管理システムとして、資源管理の目標を定めるとあります。その目標の水準まで資源を回復させるべく漁獲可能量を決定するとされていますね。その漁獲可能な量を決定するための、ここに出るので、科学的な積算根拠になる数字の蓄積はあるのかどうかを聞きたいと思うんです。
 なお、あらかじめ申し上げるんですが、しばしばこの科学的って出てまいります。それは、冒頭申し上げたように、どうも日本の漁業については科学的な分析、資料、データの蓄積が少ないんじゃないかという指摘があるわけでこういうことを聞くのでありますが、その科学的な根拠になる数字の蓄積、どうなっているのかをお示しいただきたいと思います。
#216
○政府参考人(長谷成人君) 委員の方から、台湾との関係、中国との関係も言及していただきました。そういう国際交渉をする上においても、何を、国内も国外もですけれども、科学的根拠に基づいてその資源は管理していくというのが水産庁の基本的な考え方でありますが、その中で、この漁獲可能量の設定は、漁獲量データや資源調査で収集された親魚量、親魚の量、産卵量、成長といった生物的情報も利用して、コンピューターによるシミュレーションなども行いまして、どの程度の漁獲が可能かを算定することにより行っております。
 新たなシステムにおきましては、資源管理目標というものを設定して、その目標達成を目指してTAC管理等の資源管理を実施することとしております。現在、資源評価を行っているのは五十種八十四系群ということでありますけれども、これらの資源管理に必要な情報が蓄積されてきているところでありますけれども、今後、これの、その評価制度の向上を図るとともに、評価対象種の拡大にも努めてまいりたいと考えております。
#217
○儀間光男君 科学的かというと、私は科学者じゃないし学者でも何でもないんですが、言われて、指摘されている根拠は理解できるような気がするんですね。
 例えば魚類においては、魚類においては、これ、人が生み育てたものじゃないんですね。全部自然が生み育み、そして、人間の食料として漁獲されてきた。だから、自然界というのは、例えば海だというと、海底の状況や潮の流れや、あるいは海水の温度や海水濃度や、あるいはいろいろな自然的条件が整わぬといい生物は生まれないわけ、育たないわけですから、どうしても科学的な見地が必要になってくる。先ほどの答弁で、科学的見地は必要であるけど、それやったってなお読み切れぬのが現状ですとおっしゃって、そのとおりだと思うんですね。ではあっても、科学的にどうだということは、やっぱり積み上げていかぬというと、将来の資源管理が難しくなってくるというふうに思えてなりませんから、是非ともたゆまぬ努力をしていただきたいと、こう思います。
 それから、農林水産大臣又は都道府県知事が、漁獲実績等を勘案して船舶等ごとに漁獲の割当てを設定していくということがありますし、これもやはり、どういうデータをもって、科学的データをもって決定、決意をしているか、決めていくのか、その辺もひとつ示していただきたいし、そこで、併せて聞いておきたいのは、関連して、IQが導入される、今後もあるわけですけれども、これはデメリットとメリット両方あると思うんですね。メリットだけじゃなしにデメリットもある。この私が持っているある先生の資料によると、デメリットに四つあって、メリットに三つぐらいあるだろうと、こうあるんですよ。
 どういう見識をお持ちかを御説明いただきたいと思います。
#218
○政府参考人(長谷成人君) まず、IQの割当ての際の考え方でありますけれども、これにつきましては、TACを設定した後で、あらかじめその漁獲割当て管理区分ごとに漁業種類だとか地域割りだとかになるわけですけれども、区分ごとに船舶等ごとの過去の漁獲実績を基本にして、その他大臣が定める事項を勘案して基準を定めて行うこととしたいと考えております。
 船舶等ごとの過去の漁獲実績を設定の基本とする理由としては、やはりこの過去の漁獲実績が、その個々の経営体の経営、その資源への依存度ですとか実際のその資源の分布状況も含めて反映するものであると考えるからであります。
 これまでのTACでも、IQではなくても、漁業種類間の配分など、県ごとの配分についてもやはり漁獲実績が基本ということであります。他国の例を見ましてもやはり漁獲実績が基本ということでありますけれども、これに加えまして、今後、配分や漁獲割当ての基準の策定に当たっては、その対象となる魚種や管理区分ごとの特性にも配慮しながら、関係者の意見を聞きながら丁寧に進めていきたいというふうに思っております。
 IQのメリット、デメリットのお話がありました。IQの一番のメリット、よく言われるのは、割り当てられた漁獲量を漁業者が計画的に消化することで効率的な操業と経営の安定につながると。争って捕って、大量に漁獲して安値になってしまうというようなことでなくて、計画的に操業計画が立てられるというようなところが一番のメリットかというふうに思っております。
 一方、デメリットにつきましては、先ほどからも出ておりますけれども、IQ数量が少ない魚種がありますと、先ほどの底引きの話もありましたけれども、それがブレーキになって操業全体がストップということがあり得るということとか、あと、漁獲実績を基に割り当てたとしても、やはり資源ですから、その年の来遊状況というものが違うといったようなことも言われているところでございます。
#219
○儀間光男君 ありがとうございます。
 当然の話ですが、何事もやはり裏があれば表がある。表があれば裏があるかな、裏町人生じゃないんですから。表があれば裏がある、ひらがあれば甲があるということですから、デメリットがあるなら、メリットをどう強化してデメリットのリスクを低減していくかが課題だと思うんですね、やるべきことだと思うんです。
 今、それぞれこういうのがあるよと説明を聞いて、またそれもよく分かりましたが、どのデメリットはどういうことをやってリスクを減らしていくんだということも具体的にやっぱり出しておいた方が、それに関連する漁民が、あっ、そういう対策があるのかと。例えば、IQ方式でいろんな方式があるけれども、割当枠をやってしまえば次は海に出れないとか、あるいは何かがあって捕り残してしまうとか、それは後の方へ行くと、漁獲高を譲渡したり売買したり、いろいろなことができるようになっていますけれど、それも含めて、例えば漁業者の投下した資本が有効に活用されない、非常に非効率的であるということであれば、メリットのどの部分でカバーしていきますよというようなことなどがあって、それこそ丁寧に説明して、浜も含めて、沿岸も含めて、沖合も含めて、ああ、こういうものにはこういう対策の必要があるのか、やればよいのかというようなことになっていくと思うんですが、それ、ちょっと比較論できませんか。
#220
○政府参考人(長谷成人君) 投下資本の活用のお話であったと思います。
   〔委員長退席、理事上月良祐君着席〕
 今回のIQの導入については、そういうメリット、デメリットをお示ししながら、漁業者の理解、納得を踏まえながら導入をしていくということでありますけれども、そういうことで、昨年のクロマグロの例でも、それは個別割当てではありませんけれども、ある地域が、ついというか、捕り過ぎてしまったために、北の方で捕り過ぎてしまったために、西の方でまだこれから捕ろうと思っていたのに捕れなかったというようなことがあって大変大きな問題になったわけですけれども、そういうことがなく安心して漁獲できると。そういう中で、結果的に資源が上向いていけば皆さんの利益になるということなわけでありますので、丁寧に御説明しながら進めていきたいということであります。
 そういうことで、長期的には各漁業者が投資を行うに当たって、安定的な見通しの下で判断できるようになると、そのことで資本の有効活用には資するということだと思っております。そういったメリット、丁寧に説明しつつ、漁獲量の把握体制等、準備が整った漁業種類から丁寧に導入を進めていきたいというふうに思っております。
#221
○儀間光男君 少し蒸し返し論になるんですが、午前中、一番に平野先生が少し指摘がありましたけど、その資源、今長官もいみじくもお話がありましたけれど、遠洋はああいう形で衰退していく、沖合も沿岸も衰退していくんですが、その理由には今おっしゃるような資源の枯渇があって、それがなかなか回復できない。
 そのようなことで、IQも、あるいは後でITQなんかが出てきて救済措置みたいなことをやっていくんだと、あるいはABCというのがあっていろいろやっていくんだと、こう言うんですが、間違いなく沖合で北上する魚類が一網打尽に漁獲されてしまうと。北氷洋へ行って、北洋へ行って戻って沿岸に来る魚が少なくなるのは当たり前ですね。今それが現象として出ていると思うんですね。
 例えば、マイワシとかサバとかスルメ、そのような話がありました。クロマグロやサンマなどなどがそうなんですが、底引き網の、底引き漁のスケソウダラ、あるいはホッケ、先ほど答弁にあったカレイ類、こういう漁獲も全部減ってきているわけですね。その更に下におる高級魚と言われているキンキ、これなどもどんどん減ってきているわけですよ。
   〔理事上月良祐君退席、委員長着席〕
 だから、今そのIQのデメリットやメリットの話ありましたけれど、これメリットの部分を運用、うんと活用して、そういう資源の確保をやるような努力をしてもらわぬと、これ浜も沖合も全てもたなくなってしまうようなことになると思うんですね。
 そういうことで、大臣、どうですかね、その辺の決意の話をしていただけませんか。いいですよ、どうぞ長官。
#222
○政府参考人(長谷成人君) スケトウダラとかホッケとか、なかなか今厳しい状況でありますけれども、イワシ、サバはかなり増えてきていると、管理の成果が出てきているというふうに思っております。
 漁獲量管理がない頃は、漁業種類間で、あるいは沿岸と沖合との関係で、俺たちがせっかく資源管理に取り組んでも、誰かが、あいつが捕ってしまうというようなことで、なかなかその取組の歯車がかみ合わなかったということがもう長くあったわけですけれども、先ほど午前中、TAC法の評価の話でもさせていただきましたけれども、二十年そういう漁獲量管理をすることによって、それは当たり外れは当然あるわけですけれども、資源管理については随分、相当漁業者の意識に浸透したなということでありまして、今回更にその次の段階に進めていきたいというふうに思っているところでございます。
#223
○国務大臣(吉川貴盛君) 今長官が申し上げたとおりでありますけれども、この資源管理につきましては今回の水産改革の基本的な考え方でもございますので、しっかりと取り組んでいかなければならないと、こう思っております。
 また、いろいろな御指摘も頂戴をいたしながらこの資源管理に関しましては進めてまいる決意でもありますので、また儀間委員のどうぞ御指導も頂戴をいたしたいなと存じます。
#224
○儀間光男君 ありがとうございました。
 是非とも、この自然管理にはしっかりやって、この自然、資源管理にはIQのメリットが大きく作用すると、こう言われておりますから、このメリットを探り当てて、どうぞうんと生かしていただきたいと、こう思います。
 次に、我が国の漁業法は、一九六二年制定された法律です。それを最後に実質的な法律は改正のないままに今日来ておるんですが、平成六年に発効した国連の海洋法条約、これを受けて諸外国は、これを漁業規制の根幹法として漁業法を制定して改正した、きた経緯がある。これに日本は遅れるんですね。遅れに遅れて今ですよ。時代から遅れて漁業法をつかめずままして、一九九六年、平成八年の海洋生物資源保存及び管理に関する法律、海洋生物資源管理法で、平成八年ですが、法律第七十七号を別の法律として制定してあるんですよ。しかし、その漁業法は許可のための、許可認可の許可のための基本法であって、したがってこれに手を付けなかったということであって、これが今日、遅きに失して手付かずの状態になったと、こう指摘されておりますけれど、それに対する所見あればお示しください。
#225
○政府参考人(長谷成人君) 委員御指摘のとおり、一九九四年に発効した国連海洋法条約を受けまして、諸外国では、漁獲規制のため、根幹法としての漁業に関する法律の制定、改正を行ってきたところでありますけれども、我が国におきましては、委員から御紹介いただきました海洋生物資源の保存及び管理に関する法律、TAC法と言っておりますけれども、このTAC法を制定いたしまして、数量管理、いわゆるアウトプットコントロールを行ってきたところでございます。
 その際、漁業法が有している規制手法は、基本的に特定の漁業についての許可等を通じた操業区域、操業期間等の制限、いわゆるインプットコントロールを行うものでありまして、制定当時はインプットコントロールが資源管理の主たる方法であったこともありまして、別の法律として規定しつつ、その後、連携させて一体的に運用してきたところでございます。
 しかしながら、かつて世界一を誇った我が国の漁業生産も半分以下に減少しております。その要因として、マイワシ資源の話、遠洋漁業の縮小等挙げられますけれども、その他の資源でより適切に管理していれば減少防止、緩和できたものも多いという認識をしております。
 こうした中で、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の制定以降、TAC法の制定以降、我が国でも水産資源に関する知見が蓄積してきており、また、最新の技術を活用することでより適切に数量管理を行うことが可能な状況となってきております。
 このため、今回、漁業法を改正し、資源管理について、漁業生産に関する基本的制度を定めた漁業法の中に位置付けまして、漁獲可能量による管理を基本とすることとしたところでございます。
#226
○儀間光男君 ありがとうございます。
 海洋生物資源管理法でインプットコントロールを規制の柱としてきたと。ところが、これでさえそんなに、資源管理計画として実施してはきたんですが、余り効果が出たという評価はないんですね、正直言って。
 ならば、この資源計画に国としてどの程度の、財政を始め、が投入されて、資源と経営の改革にどのような効果がもたらされたのか。それこそ、科学者、経済学者が日本の農林水産省のこの政策を評価しない大きな原因と指摘されているんですが、その辺、違いが、反論があればひとつお示しいただければよいなと思います。実態を示していただきたいと思います。
#227
○政府参考人(長谷成人君) 我が国におきましては、TAC制度等の公的管理に加えまして、それとは別に漁業者が自主的管理措置を組み込んだ資源管理計画を策定しておりまして、平成三十年三月末時点で千九百六十五の資源管理計画を策定、実施しているところでございます。また、行政、試験研究機関、漁連、共済組合等、漁業や資源管理についての専門知識を有する者が参加する資源管理協議会が順次この計画の評価、検証を実施しております。その中で資源管理計画ごとの目標、管理措置の内容等の見直しを行い、資源管理計画の改善を図ることとしているところでございます。
 ちなみに、千九百六十五の計画のうち、昨年度末までに評価・検証済みのが千七百二十八ございます。その中で、資源の状況が横ばいないし増加というものが七割を超える状況ということでございます。
#228
○儀間光男君 ありがとうございます。
 それじゃ、これと今度はちょっと言葉は逆になるんですが、アウトプットコントロール。これは、政策目標で漁獲量や資源量を計測しながら、その達成状況を踏まえて政策手段を講じていこう、打っていこう、改善していこうというような手段の一つになるんですが。
 これでもって、これもまた科学的というんですが、実態掌握が本当は大事だと思うんですが、それについてのそれぞれの実態、例えば目標である水産資源状況にどのような影響を与えておるのか、アウトプットコントロールが。それから、当該海域の資源の持続可能性というような効果をもたらしたのかどうか。あるいは、重要な利害関係者である事業者の、つまり漁業者ですね、漁業者の持続可能性から見れば経営への影響はあったのかどうか。最後はやはり消費者ですよ。そのことによって消費者にどういう影響が出てくる。これを少しお示しいただければ有り難いと思います。
#229
○政府参考人(長谷成人君) まず、その前提となる科学的な、アウトプットコントロールについての検証、評価の話を申し上げます。
 現在、資源調査については、親魚量、産卵量、成長といった生物的情報等の調査を行いまして、先ほども申し上げました五十種八十四系群を対象に評価を行っております。これらの資源評価の結果を踏まえまして、八魚種二十系群についてTACによる数量管理を実施してきておりまして、一定の効果を、紙委員から以前、イカが増えていないじゃないかというふうに御指摘も受けました。そういう、うまくいっていない部分も当然あります、あるんですけれども、例えばマサバなどについてはもう目標を達成しているというようなことで、成果も上がっているところでございます。
 今後は、資源管理目標の設定に向けて資源評価の精度向上に努めるとともに、評価対象魚種の拡大を目指していきたいというふうに考えているところでございます。
#230
○儀間光男君 ありがとうございました。
 時間がないので、ちょっと進みたいと思います。
 進む前に、このインプットコントロールというのは、何か専門者からすると余り評価はほとんどないですね。経験的に言って、資源の管理に関しては、保護に関しては役立たなかったという学者が、限定している学者がですね、誰と言えばすぐ分かりますが、ここで言うわけにいきませんけれど、その学者の論に対して何かございませんか。
#231
○政府参考人(長谷成人君) 漁業種類で大分状況が違うと思うんですね。沿岸系のもので、例えば漁船の大きさなどがそろっている、五トンクラス、五トンの漁船とか三トンとかいうようなところではそれなりに効果もあるし、意味もある管理になっていると思いますけれども。
 インプットコントロール、隻数制限が主になりますけれども、沖合に行くと、またサンマの話をさせていただきますと、台湾船、中国船、大型の漁船がどんどん公海で操業を始めております。そういう中で何とか管理を進めようということで、北太平洋漁業委員会というものをつくり、漁船隻数の凍結というところまでは合意ができました。これインプットコントロールです。ですが、隻数がキャッピングができたとしても、その船の能力というのはどんどん大きくなるということから、ここはやはりアウトプットコントロールが必要だということで合意を目指して交渉を進めているというようなことであります。
 やはり漁業種類ごと、条件によって有効な場合、そうでない場合、当然あるんだというふうに思っております。
#232
○儀間光男君 隻数といわゆるトン数、隻数を減らしても一隻当たりのトン数が増えれば後ろは一緒になるんですよね。今おっしゃっていたように、中国はもう一千トンクラスですよ。台湾も。台湾も一千トンクラスで、今またサンマの話があったんですが、年間四十万トン余りもう捕っているんです。日本の倍捕っているんですね。
 そのようなことで、隻数も大事ですが、今は規制しない法律になっているから、言わぬでもいいんでしょうけど、船の大きさは。トン数が大事だと思うんですね。それとの、隻数を減らしたから管理できたんだというようなおっしゃり方ですが、トン数との割合、トン数との比較では目標どおりに行っているのかどうかはどうなんですかね。隻数でなく大きさ。仮に二十トンの十隻おったのを、二百トンの一隻で間に合うとかそんな話じゃ。
#233
○政府参考人(長谷成人君) 漁獲量で資源を回復させようとしていく場合には、やはり漁獲量での規制と。魚だとか、サバだとかサンマだとか、そういう資源については、やはりその漁獲量での管理ということをしていかないと難しいというふうに思います。
 一方で、例えば、何でしょうか、オホーツクのホタテ漁だとか、ああいう類いのものは、漁獲量管理ということじゃなくて、隻数管理で意味のある管理ができるというふうに思っております。
#234
○儀間光男君 ありがとうございました。
 オホーツクのホタテといえば、非常に有望だったんですが、最近の異常気象で北海道に台風や低気圧が行ったりして、資源が狂っているんですが、回復しているのかどうか、後で、ついででいいですから教えてください。
 そこに、救世主みたいにITQが出てくるんですよ。救世主みたいにITQが出てくるんですね。IQ方式のデメリットを克服するために、ITQが出てきた、譲渡可能個別割当て。この個別割当てですが、いろんなことができて便利さもあるんですけれども、勝手に、勝手にというか、売買が自由ですから、不漁になって赤字経営などしようというときに、これを譲渡したり貸与したり、あるいは期間に応じて全部渡したりして、ひょっとすると廃船して船も売っちゃって、それでもって、その資金でもって廃業の資金としていくというようなことさえ考えられるんですが、出てくる可能性、いっぱいあると思うんですけど、そういう場合、どうなんですかね。
 沿岸あるいは養殖、沖合、この辺の漁業に対する影響というか、これは決して私は発展的ではないというような感じがしてならないんですけど、その辺、ちょっと見解をお示しください。
#235
○政府参考人(長谷成人君) ITQの話に入ります前に、オホーツクのホタテは爆弾低気圧で随分傷みましたけれども、生産回復してきておりまして、ほぼ元に戻ったという状況でございます。
 ITQでございますけれども、今回の制度は、漁船の譲渡と絡めて割当てをするわけでありますが、これと関係なく、割当てのみをマーケットに任せて自由に移転することができるような仕組みにした場合、このIQが一部の漁業者に集積されまして、漁業者の減少ですとか漁村社会への悪影響が懸念される、そういうことが、影響があるというふうに言われております。また、操業実態のない者による投機的な売買の対象となってしまうといったことも指摘されているところであります。そのようなことから、今回の法案におきましては、ITQではない仕組みとしたところであります。
 このような点にも十分留意して、運用していきたいというふうに思っております。
#236
○儀間光男君 ありがとうございました。
 いずれも、この法律を通して心配なのが、皆さんが、今日朝から御指摘のあったとおりなんですね、沿岸に対する配慮が欠けているんじゃないかと、沿岸の漁業者を置き去りにしているんじゃないかと。だって、沿岸というのは日本全体の漁業の九〇%余り占めるんでしょう。そこを置き去りにされた法律では困るんじゃないかと。
 もう一度、沖合の船舶の関係もいいけれども、規制緩和するのもいいけれども、それじゃ、沿岸に及ぼす影響などから、沿岸はどうするんだという議論も同時にしながら、これからの法律の運用していかぬというと、沿岸は泣きを見ますよ。お願いをして、終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#237
○森ゆうこ君 希望の会(自由・社民)、自由党の森ゆうこでございます。
 本日最後の質問です。長丁場、政務三役の皆さん、そして水産庁長官、大変お疲れさまでした。
 やはり、この間議論ありました法案の提出経緯、これ極めて重要であるというふうに思います。
 それで、まず現状認識なんですけれども、資料をお配りしております。
 この一枚目は、この法案の説明、ちょっと私どもに配付するのは遅かったですけれども、説明資料、ポンチ絵ということで、日本の漁業の現状。
 私は、これはちょっと印象操作じゃないかと。ピーク時から比べるともう激減しているというふうに言っていますが、でも、それは、理由は別に、不可抗力と言ったらいいのか、二百海里の問題であったりあるいはマイワシの問題であったりで、今、儀間先生おっしゃったように、これ沿岸漁業についてどうなのかと見てみると、じゃ、もう激減して、半減しているというような状況かといえば、どうなんですか、そこは。沿岸漁業、海面養殖業、ここはピーク時から比べて半減していると、合計で、そういうことなんでしょうか。
#238
○政府参考人(長谷成人君) この日本の漁獲量の変化でございます。
 今日答弁しておりますように、大きな要因としては、二百海里に移行したための遠洋漁業の縮減、衰退というものと、沖合漁業でのマイワシ漁獲量の減少というのが一番効いているというふうに思います。そのことを、その要因を外す意味で、ここの青線は沿岸漁業とマイワシを除く沖合漁業の漁獲量ということで、この青線を作っているところであります。
 これを見ていただくと分かりますように、沿岸漁業の生産量は、この要因を除きますと、沿岸漁業の生産量、昭和六十年の二百二十七万トンをピークに平成二十九年は九十万トンと。海面養殖については、平成六年の百三十四万トンがピークで、平成二十九年には九十九万トンということでございます。
#239
○森ゆうこ君 この二ページ目、御覧ください。
 やはり沿岸漁業と海面養殖業、こうやって昭和四十年から比べているわけですから、じゃ、その頃から比べてどうなったのかということをきちんと数値を入れるべきだということで作り直していただきました。
 昭和四十年、百八十六万トン、三十八万トンとそれぞれ出ておりますけれども、そして一番右、二十九年、九十万トン、九十九万トンと。これ比べると、そんなにもう大げさに何かもう全然駄目になったと言うのはちょっと言い過ぎじゃないのと。で、先ほど九九%と言いましたね、九〇%は沿岸漁業なわけですから、ここをしっかり守っていくことが重要であると。
 そういう観点から見ますと、殊更もう全然駄目になっちゃって、だから七十年ぶりのもう漁業権さえも開放してしまうような改革が必要なのであるというのは、これいささか現状認識としても、そして我々に対する説明としてもおかしいんじゃないか、より実態を把握する、把握できる資料に変えていただきたいということで二ページ目は作っていただいたところでございます。
 それで、三ページ目なんですけれども、これは先生方のところにも配られております。
 この間、本日も議論のありました水産政策の改革の経緯ということで、これは、水産庁が出されたのは、最初が平成二十九年四月二十八日の新たな水産基本計画の策定、そして十二月八日の活力創造プラン、そして三十年六月一日の活力創造プラン改訂ということなんですが、これだと全く実態を反映しておりません。
 ということで、私の方でより実態に近いものをということで、四ページ目、作り直していただきました。でも、はっきり言って、これ不十分ですよ、皆さん。不十分なんです。これ、四ページ目ね。
 これ、四ページ目、規制改革会議だけが書いてありますが、先ほど徳永エリ先生が質問されましたように、国家戦略特区ワーキンググループヒアリング、平成二十六年八月十九日。すごいですね、この議事録。是非皆さん御覧になったらいいと思いますよ。
 ここで、漁業権の民間開放についてというのが既に、もうすごい言いがかりだと思うんですけれども、議論をされている。そして、この活力創造本部というのは、これ首相官邸ですから、いわゆるこれまでの農業政策、水産業政策の決定のプロセスとは全く異質な議論がされてきた。
 それから、ここに規制改革推進会議、ここに一、二、三、四、五、六、七、書いてありますけど、実際にはもっとあります。十七回かな、本体を入れるともう一つあるのかな、十八回、規制改革推進会議があって、これ、本来ならそれがここにリストアップされてなきゃいけないと思うんですが、もしそうすると、その水産政策審議会とのバランスで、先生方御指摘になったように、水産政策審議会、これ法定されている審議会にもかかわらず軽く扱われているじゃないか、ここでは議論がないじゃないかというのが目で一目瞭然なので、ここに、まあ理由はあるんですよ、これ水産庁がヒアリングを受けたものじゃないからというのが水産庁の説明なんですけれども、この水産ワーキング・グループというのはもう約二十回開かれております。だから、もう一回作り直していただきたい、次回までに。
 そして、その国家戦略特区における八田座長のこの発言、許せないんですけど、この二十六年八月十九日の国家戦略特区の会議のこともやはりこの経緯というところに入れていただきたいと思いますので、あわせて、先ほど徳永先生が紹介をされた国家戦略特区ワーキンググループ、平成二十六年八月十九日、漁業権の民間開放について、これ座長はまた八田達夫さんですから、是非、ここでお述べになっていることについてちょっと議論させていただきたいと思いますので、この資料を作り直していただくこと、そして八田座長を参考人としてここに招致をお願いしたいと思いますので、委員長、お取り計らいをよろしくお願いいたします。
#240
○委員長(堂故茂君) 後刻理事会で協議いたします。
#241
○森ゆうこ君 それで、先ほど紙先生からもお聞きをいたしましたけれども、質問されたんですが、やはり現場の声、全く、漁業権、少なくとも付与の仕方を見直せなんという要望はなかったわけで、ここまでのもう全く別な制度にしてしまうという必要があったのかどうか。現場の声が聞かれていないという質問に対して大臣は、法案提出後というか閣議決定後、漁業者のお話は直接聞いていないということでした。
 地元一緒なんですが、高鳥副大臣は地元の、先ほどの答弁によると、漁協とも話をして、選挙区、新潟第六区選挙区、幾つか漁協がありますけれども、反対はなかったというふうに答弁をされているんですけれども、反対はなかったんでしょうか。
#242
○副大臣(高鳥修一君) 森委員にお答えをいたします。
 先ほども紙委員にお答えしたんですが、閣議決定後、地元の漁協の方々と意見交換会をいたしました。そこは重複するので割愛しますけれども、末端の漁業者一人一人がどの程度理解しているか、それを全部実際に確認するというのは非常に困難なわけでありますけれども、少なくとも現場の漁業者の代表であるそういう立場の方が賛成の方向であると回答したことは事実でございます。
#243
○森ゆうこ君 おかしいですね。私も選挙区、私は新潟県選挙区ですので、高鳥先生の衆議院小選挙区も私の選挙区に含まれております。
 私は、ちょっと幾つかのところから、もう絶対これやめてくれと、この拙速な、現場の声も聞かない拙速な改正はやめてくれ、特に漁業権の優先順位の廃止はやめてくれというファクスや御意見を漁協の代表者の方から幾つかいただいたものですから、実は急遽、新潟県全県の漁業協同組合に対してファクスでアンケート調査を行いました。みんなが返してくれたわけじゃないんですけれども、どこと言うと、また意地悪されるといけないので言いませんけれども、長年漁業を営み、漁師の高齢化、後継者不足や魚の価格の安さ、こういう状況の中で漁業を継続していくために、優先順位をなくすことは沿岸漁業の更なる衰退を招く、早急な改正は反対、漁業者の実態を把握し課題を明確にすること、そしてそれについての対策が必要ということで、何漁協と言いませんけれども、明らかに副大臣の地元の漁協からこのような返信のファクスが返っておりますけれども、先ほどの答弁は間違いなんじゃないですか。
#244
○副大臣(高鳥修一君) その件は、先ほど念のためと申し上げましたけれども、書面で確認を取っております。それぞれのやはり漁協の状況によって私は違うと思うので、委員の御懸念、それからそのような不安の声があることは私も事実だと思います。
 私の地元の漁協は、地元に海洋高校があって、そして若い就業者もいて、それから県外から今移住をしてきて漁業に就業する若い人たちが出てきておりまして、大変勢いのある漁協でございます。しっかりやっているので心配がないという考え方なのであろうと思います。
#245
○森ゆうこ君 いや、地元というのは、さっきお話があった、先生、新潟県は、御存じだと思いますけれども、本州側だけで三百三十キロ、約、非常に長い海岸線を持っている。先生の選挙区だけでもその三分の一、それ以上はあるのかな、そこに幾つか漁協があると思うんですけど、それ全部からそういう回答だったんですか、賛成と。
#246
○副大臣(高鳥修一君) 全部確認したわけではございません。日程の関係もありますので、私が直接お話をしたのは、私の地元糸魚川の漁協でございます。糸魚川、上越漁協の糸魚川でございます。
#247
○森ゆうこ君 いや、だから、私、新潟第六区小選挙区の漁協についてとさっき言ったじゃないですか。じゃ、それ違うんですね。糸魚川漁協だけですね。
#248
○副大臣(高鳥修一君) 済みません。先ほど私、どのように、正確に申し上げたか確認はできておりませんが、地元の漁協の代表者と、地元の漁協の方々と意見交換をさせていただきました。
#249
○森ゆうこ君 まあ地元というのは、小選挙区の代表ですから、新潟県第六区のその選挙区、幾つかありますよ、漁協、そこのことじゃないんですか。だから、私はこの先生の選挙区の漁協から反対と明確にもらっているんですよ。だから、違うんじゃないんですかって。もうちょっとそれは慎重に、何かあたかも、自分の地元はみんな賛成だってさっき言ったじゃないですか。訂正してください。
#250
○副大臣(高鳥修一君) 私は全員と話をしたとまだ申しておりませんで、私の地元はやはり上越漁協でありますから、その中で支所が確かに幾つかございます。ただ、その中で一番大きくて一番盛んにやっているところの代表者から賛成であるという、賛成の方向であるという回答をもらったことは事実でございます。
#251
○森ゆうこ君 ちょっと待ってくださいよ。全然違うじゃないですか。
#252
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#253
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
#254
○副大臣(高鳥修一君) 正確に申し上げます。地元の漁協は上越漁協であります。その中に支所が確かに幾つかございます。で、その中の能生支所の方々とお話をして、正確に言うと、地元でも理解し、賛成の方向ですという回答をいただいております。
#255
○森ゆうこ君 副大臣なんですから、何かみんなが、私の地元はみんな賛成ですみたいな、それはもう完全に全く間違った答弁ですよ。そういうことを言っちゃ駄目ですよ。もっときちっと答弁していただかなければ困ります。本当はここでもうやってらんないよって言いたいところなんだけど、まあそうもいかないんで続けますけれども。
 それで、この問題の漁業権の問題でございます。それで、繰り返しの御答弁は要らないんですが、漁業権が現行でうまくいっていないと、いろんな弊害があると。先ほど、五年やったけれども、次のときに駄目だったところは七件とおっしゃいましたか。それともう一つ、高齢化等でその利用の程度が低くなっているというふうなお話がありましたけれども、それはどれぐらい、何か所あって、利用の程度が低くなっているというのはどういう、要するに何平方メートル、何キロ平方メートル、このぐらい活用して、これぐらい漁獲高が上がるべきなのにこうなっているという、何か客観的な情報ってあるんでしょうか。
#256
○政府参考人(長谷成人君) その面積がこれだけでというような話ではございません。日々いろいろな形でお話をしている中で、漁場の利用が、漁場の、例えば先日聞いた話でありますけれども、ノリ漁場の話をさせていただきますと、家族経営体単位で漁場を区割りして組合員が行使しているわけでありますけれども、後継者不足で確かに漁場が空いてきていると、そういう部分について再利用する、もう一度利用する取組をしていかなければいけないというお話を聞いているところではございます。
 それから、済みません、空き漁場といいましても、養殖により利用されなくなっても、その水面で養殖をやらなくなれば漁船漁業がそこがまた使えるというようなことで、沿岸のその利用の形態というのは非常に複雑ではあります。
 ですから、空き漁場を正確に定義付けることは難しいんですけれども、かつて養殖漁場として利用されていたけれども現在利用されていない漁場というふうに考えますと、例えば平成二十五年の魚類養殖の施設面積と平成二十年の面積の差を取ってみますと、十三万七千平方メートルと減少が見られたということでございます。
#257
○森ゆうこ君 次回までに資料の提出をお願いいたします。
 漁業権が、現行法の優先順位が規定されているために、本来引き続き漁業権を免許されるべき漁業者が排除されたという例、それは七件とおっしゃいましたけど、具体的に何件中そうなったのかということと、それから、その答弁の中で、大体は優先順位第三位の人が免許をもらっているというお話もありました。それから、今の漁場が利用程度が低くなっている。これ、もうちょっと客観的な資料をいただきませんと、これまでは漁業権を、優先順位を法定化している、でも、これを、もうこの条文がなくなって、新たに漁業権の付与について、我々からすれば民間開放、八田座長の言ったとおりになっているじゃないかというふうな結果になっているわけですから、そうじゃないと、この立法事実があって、これだけの人が、先ほど潜在的には相当いるとおっしゃったわけですから、それについて資料を提出していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
#258
○政府参考人(長谷成人君) 資料を提出させていただきたいと思います。
#259
○森ゆうこ君 次回の質疑に間に合うように御提出をいただきたいと思います。
 それで、その免許についてなんですけれども、新設であります七十三条及び七十四条、これ責務の部分でございますけれども、同じ文言が使われております。「その者が当該満了漁業権に係る漁場を適切かつ有効に活用していると認められる場合」、これは第七十三条第二項第一号ですね。漁業者の責務として同じ言葉が使われております。七十四条、「当該漁業権に係る漁場を適切かつ有効に活用するよう努めるものとする。」というふうに書かれております。
 これは、このことについては先ほど来御質問がありますけれども、これは答弁が曖昧で、その基準がどのように、判断がどのようになされるのか、恣意的な運用がないのか、ここがやっぱり、ここは一番の肝で、皆さんが非常に懸念に思われている。漁業者からもこの件についてお問合せがございますし、反対と言ってこられる方にはこれが最大の理由になっているわけですので、ここをはっきりさせていただかなくてはいけません。これについては、政省令で基準を、基本をまずつくって、後は各地域ごとにいろいろ首長と都道府県と話し合って何か判断基準を決めていくと、これ極めて曖昧なんですね。
 それで、私はこの七十四条、新設されました漁業権者の責務と、これが一番引っかかるんですよ。これが法定されているということは、この当該漁業権に係る漁場を適切かつ有効に活用するよう努めるものとする、それでその後幾つかありますけれども、当然それを証明するための報告を、さっき何か曖昧な形でいろいろ答弁されましたけれども、法定されている責務ですから、当然これに基づいて細かく政省令が決められ、いろんな資料、文書、これ毎年毎年提出を義務付けられるんじゃないんですか。
#260
○政府参考人(長谷成人君) 漁業権者は、漁場を適切かつ有効に使うように努める責務を有しておりまして、その関連で、その有する漁業権の内容たる漁業における資源管理の状況ですとか漁場の活用の状況などにつきまして知事に報告する旨を規定したところでございます。
 この規定の趣旨は、限られた沿岸水域を漁業者が適切かつ有効に活用する観点から、漁業権を付与された漁場における操業実績、資源管理、漁場改善の取組状況などについて報告を求め、当該漁業権者の漁業権の行使状況を的確に把握することとしたものでございます。
#261
○森ゆうこ君 だから、求めるんですよね、提出を、いろんな資料のいろんな報告を。法定してあるわけですから、そういうものがかなり詳しく求められると。
 そうすると、私が一番心配なのは、地域の沿岸漁業を守っている零細の漁業者の皆さんがこの新たな責務に堪えられるかどうか、小さい漁協がこの新たな責務に堪えられるかどうか。もし、この法律どおりやらなかったら、当該漁業権に係る漁場を適切かつ有効に活用するよう努める、その責務を果たしたことにならないんでしょう。きちんと報告しなければ、さっき何か曖昧に、いや、具合が悪くてしばらく休んでいたと、それぐらいは常識的にしようがないねという話になるねと。それ、めちゃくちゃ曖昧な、めちゃくちゃ恣意的な運用をやりますよということをおっしゃったようなものでして、それもそうですし、こんな法定されて、詳しい責務、新たな報告求められたらたまったものじゃないと思うんですけど、何でここまでして漁業権のこれまでの、まあ、うまくいっていたと思いますよ、ほとんどは。なくして、こういうものにする必要があったんでしょうか。
 それで、政策目的に照らして、これまでの優先順位、望ましい者を上から並べているわけで、別に民間企業も全部排除とか全くないし、現に入っているわけですから、何でこの優先順位をなくしたのか、これを、ちょっと説明がやっぱり不十分であるというふうに思います。
 先ほどの国家戦略特区ワーキンググループで、菅家さんというんですか、課長はこういうふうに言っています。
 だから、この優先順位はおかしいと、外せ外せと言われて、順位を決めなくてもきちんと漁業経営ができること、資源管理ができる人を選びますという制度にする、それだと困りますかと、国家戦略特区の委員に詰め寄られて、まさしく今そういう制度にしているわけですね。それに対して課長は、そこは結局言うはやすいのですけれども、裁量が入らざるを得ないと思いますと。資源管理をきっちりできるとか、経営をしっかりできるとか、言うはやすいのですが、では、具体的に資源管理がきっちりできるのはどういうことかとか、それはなかなか公平性、透明性のあるものを要件として仕組むというのは、そう簡単ではないのではないかと思います、こう反論していらっしゃる。
 この議事録、是非、私、次回参考資料としてお付けしますけれども、我々が言っているのと同じことを水産庁の課長が反論として言っているんですよ。
 だから、ついこの間までそう言っていたのに、ここまで私たちが、これ、おかしいんじゃないの、物事の決め方がと、何で漁業権売り渡すんだよという、本当にここが一番の大きな疑問なのに、それに対してもうちょっと説得力のある、ここまで言っていたことを百八十度転換したのはなぜなのかということをきちっと言ってもらわないと、申し訳ないですが、皆さん納得しないと思いますよ。浜の人たちは非常に気性が激しいですから、これ、今何にも知らないから、今何にも知らないから、ここもどなたもいらっしゃらないと思うけど、大丈夫ですか、本当に、と思いますけど、どうですかね。
#262
○政府参考人(長谷成人君) 適切かつ有効についてということにつきましては、もう再三申し上げておりますように、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況ということでございます。漁場利用や資源管理に関わるルールを遵守した操業が行われていれば、それは適切かつ有効だということだと思います、ということでございます。
 病気のこと等申し上げましたけれども、それは、そういうことも含めて不安があるということであったという議論がありましたので、病気で休んでいる者について取り上げるなんて、そういう意図は全くありませんということを申し上げました。
 ノリの漁場の件で潮通しの話も実は出たので、そのことを申し上げました。潮通しを良くする目的で漁場を空けていると、そういうことをもって適切に利用していないというようなことを言う意図は全くありませんということでありますが、また、どの程度空けているのがごく普通の在り方なのかとか、そういうことはまた地域の実情等によって、地理的条件で、またそれはそれぞれ地域の差というものもあるんだというふうに思っております。
 そういう部分もうまく適用できるように、運用できるように、都道府県の実務者からも更に意見を伺った上で、この適切かつ有効の考え方を示して、浜の方々に納得いただけるように説明を進めていくつもりでございます。
#263
○森ゆうこ君 全然説明が分かりません。(発言する者あり)
#264
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#265
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
#266
○政府参考人(長谷成人君) 地域的な事例は別にいたしまして、適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況ということでございます。
#267
○森ゆうこ君 いや、何かもっと具体的に、定量的に、定数的に判断できる何かないと、今までは明確に、漁業権優先順位一位、二位というふうに、みんなが納得できる、本当に地元の、本当に地域を守っている、地域の漁場を守っている、地域社会を守っている、そしてさらには、自民党の部会で提案があって水産計画に入れられた国境警備といいますか国境監視ですか、そういう、まあ多面的機能ですけど、それは、そういうことのために地域の人たちがやってきた、しかも零細のところでやってきた、これを壊すんじゃないかという、その疑問にもっとストレートに、客観的に分かるように答えていただかなきゃいけないと思いますので、資料も含めて、次回までにもっとはっきり分かる答弁にしていただきたいというふうに思います。
 では、五枚目の資料を御覧ください。
 海区漁業調整委員会委員がしっかりと関わるから大丈夫なんだと、今後もという答弁もありました。でも、海区漁業調整委員会の委員の、先ほど来指摘がありますけれども、選任について、あるいはこの調整委員会の中における影響力が大幅に変わりますが、この改正案を分かりやすく、水産庁にもこれは見ていただいて、こういうふうになりますねということで分かりやすくさせていただきました。現行は、これは選挙で選ばれる漁業者九名、そして有識者六名。定数は決まっております、十五分の九、つまり約六割です。
 一番問題なのは、今度は公選制をやめるということで、知事が選任するという形になるんですけれども、さらには今度は過半数という、今までは数字が法律に書いてあった、今度は過半数ということでございまして、この原則の十五名の場合には漁業者は八名以上と。公選制を知事の選任にする、さらにはその構成委員のこれまで約六割であったものを過半数ということにする。なぜ漁業者の影響力をこれほどまでに低下させるんですか。
#268
○政府参考人(長谷成人君) 今回の海区漁業調整委員会の委員の選出方法の見直しにつきましては、海区漁業調整委員会が一層適切に漁業調整の役割を果たすことができるよう、漁業者を主体とする委員会の組織、機能をしっかりと残しつつ、地域の実情に柔軟に対応できるよう、公選制から知事の選任制に移行するものでございます。
 具体的には、委員……(発言する者あり)はい。十五名、その選任に当たっては、学識経験を有する者及び利害関係を有しない者を最低一名ずつ含めた上で過半数ということでございます。ですから、今回の改正の趣旨は、漁業者委員を減らすということではなくて、十五名中八名から……(発言する者あり)
#269
○委員長(堂故茂君) 簡潔に願います。
#270
○政府参考人(長谷成人君) 十三名の範囲で柔軟に選任ができるようにということでございます。
#271
○森ゆうこ君 いや、だから、それもう何度もやりました、水産庁の人と。野党のヒアリングでもやりました。詭弁を弄さないでください。分かりやすく資料にしてあげたじゃないですか。
 今までは数字書いてあるわけです、九名と六名で、十五分の九、約六割。今度は十五名から条例で二十名まで増やすことができる。それで、八名でしょう、八名。九名選べるんですか。選べるけれども、それは知事が選ぶ場合にはそうなるかもしれないけれども、最低必ず選べるのは八名以上ですよ。違うじゃないですか。何で、よりこの海区漁業調整委員を、しっかり、地元の漁業者がしっかり関与してもらうためにって、弱めているじゃないですか。一目瞭然じゃないですか。その答弁はおかしい、詭弁ですよ。何で知事の選任、公選制をやめる、それだけでは済まずに、約六割地元の漁業者が占めていたのを過半数と、九名のと比較すると八名というふうに減らして、明らかにこれ影響力、地元の漁業者の影響力低下させているじゃないですか。違うんですか。そのことだけ答えてください。地元の漁業者の影響力はこれで低下しますよ。
#272
○政府参考人(長谷成人君) 現行法の趣旨は、漁業者委員、漁業従事者、漁民委員は九名と決まっております。改正法は、先ほど申し上げましたように八名から十三名の間で地域の実情に応じて選ぶことができます。
#273
○森ゆうこ君 いや、ちゃんと答えてください。影響力小さくなるじゃないですか。小さくならないんですか。人数減っているんですよ。大きいよ、六割というのと過半数というの、全然違うじゃないですか。違うじゃないですか。違わないんですか。影響力低下しませんか。低下しないという客観的な理由を教えてください。
#274
○政府参考人(長谷成人君) 繰り返しで申し訳ありませんけれども、現行は九名と法律で決まっているんです。例で申し上げると、ある県で五地区あるんです、そこから無理やり九名選ぶんです、そういうことがあったんです。今後はそういう無理をせずに、地域バランスを考えて適正な委員構成にできるということでございます。
#275
○森ゆうこ君 いや、だから、そんなこと書いていないじゃないですか。どこにそんなことが書いてあるんですか。どこにそんなこと書いてあるんですか。今は約六割なんです、地元漁業者は。新しい法律では八名以上なんだから、九名より減るんですよ、十五名の場合には。過半数と六割とどっちが影響力があるんですか。
 大きいですよ、我々、毎日、数が少ないから、構成員の数が少ないから影響力がなくて、こんなひどい法案の審議の進め方でも止められないという本当に悔しい思いをしているんだけど。だから、構成員の中に占める地元漁協の人たちの割合というのは大きいんですよ。しかも、公選制をやめるんだから。何でこんな二重に、地元の漁協の人たちの影響力、民主的に選ばれ、そして影響力を行使する、それを弱めるようなことをなぜダブルでやるのかと。これ影響力は弱まらないというのは、それ絶対詭弁ですよ。
 客観的に言ってください。これで影響力、本当に弱まらないと言えるんですか。
#276
○政府参考人(長谷成人君) 漁業者代表、漁業者を主体とする組織という基本的な性格を維持しながら、より漁業地域の実態に合った委員構成として委員会が適正に、適切に仕事ができるようにという趣旨でございます。(発言する者あり)
#277
○委員長(堂故茂君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#278
○委員長(堂故茂君) 速記を起こしてください。
#279
○政府参考人(長谷成人君) 改正法におきましては、十五名中八名から十三名まで漁民、漁業者委員を増やすことができます。増やした場合には、むしろ声が強くなるということだと思います。
#280
○森ゆうこ君 もう時間ですからやめますけれども、その詭弁だけはやめてください。だって、条例で二十名になった場合に、その中で過半数以上、八名から十三名になるのか、だけど、有識者の数は増えるわけですよ。だから、要するにその構成員における割合、割合は大きい問題なんですよ、影響力という意味では。議会が一番分かりやすいじゃないですか。
 今の答弁は到底納得できません。ストレートに質問に答えていない。次回までにきちんとした答弁を求めて、質問を終わります。
#281
○委員長(堂故茂君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
    ─────────────
#282
○委員長(堂故茂君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 漁業法等の一部を改正する等の法律案の審査のため、来る六日に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#283
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認めます。
 なお、その人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#284
○委員長(堂故茂君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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