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2018/12/06 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 法務委員会 第8号
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2018/12/06 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 法務委員会 第8号

#1
第197回国会 法務委員会 第8号
平成三十年十二月六日(木曜日)
   午前十時十三分開会
    ─────────────
   委員の異動
 十二月五日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     山谷えり子君
     藤木 眞也君     こやり隆史君
 十二月六日
    辞任         補欠選任
     こやり隆史君     朝日健太郎君
     進藤金日子君     岡田 直樹君
     丸山 和也君     長峯  誠君
     柳本 卓治君     松下 新平君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         横山 信一君
    理 事
                福岡 資麿君
                元榮太一郎君
                伊藤 孝江君
                有田 芳生君
    委 員
                朝日健太郎君
                岡田 直樹君
                こやり隆史君
                徳茂 雅之君
                長峯  誠君
                長谷川 岳君
                松下 新平君
                丸山 和也君
                柳本 卓治君
                山谷えり子君
                小川 敏夫君
                櫻井  充君
                仁比 聡平君
                石井 苗子君
                糸数 慶子君
                山口 和之君
   国務大臣
       内閣総理大臣   安倍 晋三君
       法務大臣     山下 貴司君
   副大臣
       内閣府副大臣   左藤  章君
       法務副大臣    平口  洋君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  門山 宏哲君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青木勢津子君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       向井 治紀君
       内閣官房まち・
       ひと・しごと創
       生本部事務局次
       長        川合 靖洋君
       内閣府大臣官房
       審議官      渡邉  清君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  藤村 博之君
       総務省自治行政
       局長       北崎 秀一君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       法務大臣官房司
       法法制部長    小出 邦夫君
       法務省民事局長  小野瀬 厚君
       法務省刑事局長  辻  裕教君
       法務省入国管理
       局長       和田 雅樹君
       外務大臣官房審
       議官       高橋 克彦君
       財務省財務総合
       政策研究所副所
       長        酒巻 哲朗君
       文部科学省総合
       教育政策局社会
       教育振興総括官  塩見みづ枝君
       文化庁審議官   内藤 敏也君
       厚生労働大臣官
       房年金管理審議
       官        高橋 俊之君
       厚生労働大臣官
       房審議官     迫井 正深君
       厚生労働大臣官
       房審議官     田中 誠二君
       厚生労働大臣官
       房審議官     田畑 一雄君
       厚生労働省子ど
       も家庭局児童虐
       待防止等総合対
       策室長      藤原 朋子君
       経済産業大臣官
       房審議官     大内  聡君
       国土交通大臣官
       房建設流通政策
       審議官      北村 知久君
       観光庁審議官   金井 昭彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
 )
○外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理
 に関する法律案(櫻井充君外一名発議)
    ─────────────
#2
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、朝日健太郎君及び藤木眞也君が委員を辞任され、その補欠として山谷えり子君及びこやり隆史君が選任されました。
 また、本日、進藤金日子君が委員を辞任され、その補欠として岡田直樹君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(横山信一君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案及び外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省入国管理局長和田雅樹君外二十一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(横山信一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(横山信一君) 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案及び外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○元榮太一郎君 おはようございます。自由民主党の元榮太一郎です。
 まず、昨日議論になりました失踪技能実習生の聴き取り票の調査結果を踏まえた対応についてお尋ねします。
 技能実習生に係る聴き取り票の失踪動機について、暴力を受けたとか最低賃金以下などといった項目にチェックされた違法行為が認められる事例について、今後どのように対応するのでしょうか。法務大臣に伺います。
#7
○国務大臣(山下貴司君) 今般、失踪技能実習生に係る聴取票の集計の数値等の計上にミスがあったなどについて判明いたしましたこと、本当に心からおわびを申し上げる次第でございます。そして、この詳細な取りまとめ結果の報告を受けたのが十一月十六日でございますが、この報告を受けて、直ちに技能実習制度の適正な運用の在り方について検討を開始すると、必要があると判断いたしました。そこで、その場で直ちに三点の指示をいたしました。
 まず一点目は、弁護士でもある門山法務大臣政務官をトップとする技能実習制度に関するプロジェクトチームを設置することを指示いたしました。
 そして二つ目に、聴取票による聴取結果に基づき、違法又は不正な取扱いを行っていると認められる受入れ機関に対する徹底的な調査を指示いたしました。
 そして三点目に、聴取票の作成方法や結果の取りまとめ方法を含む調査の在り方始め技能実習の在り方について、しっかりとその門山政務官をトップとするプロジェクトチームで検討を行うように指示いたしました。
 そして、昨日もプロジェクトチームが開催されたというふうな報告を受けておりますけれども、また、この検討会、この昨日開かれた第四回の検討会において、平成二十九年のみならず平成三十年の聴取票について、明らかに違法、不適正な処遇とは認められないものを除く、それらを除く全ての実習実施機関に対する調査を実施し、違法行為や不正行為が認められた実習実施機関に対しては遅滞なく必要な処分を行うとともに、調査結果等については平成三十一年三月末までに公表することとされたということで報告を受けております。
 引き続き、法務大臣政務官の強いリーダーシップの下で具体的な改善策が検討するというふうに考えております。
#8
○元榮太一郎君 違法行為や不正行為については、厳正なる処分、そして公表についてしっかりと行ってもらいたいと思います。
 このほか、技能実習に関しては様々な問題が指摘されていますが、法務省としては、今後、実習実施機関などに対してどのように対処していくのでしょうか。
#9
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 まず、聴き取り票についてでございますが、新たな聴き取り票の様式及び聴き取り方法に関するマニュアル等の作成、聴き取り票の分析方法及び活用方法を確立していこうと、こう考えているところでございます。
 次に、技能実習の実施が困難となったケースにつきまして、直ちに外国人技能実習機構から法務省に報告がなされる仕組みを構築するとともに、法務省におきまして実習実施機関等に対する調査を行う体制を確立することといたしております。また、外国人技能実習機構から調査結果の報告を受け、入国管理局におきまして速やかに必要な措置を講じるとともに、厚生労働省でございますとか警察などの関係行政機関に対して情報提供、告発などを行う運用の方法を確立したいと考えております。
 加えまして、マニュアル等の整備によりまして、外国人技能実習機構の実地調査能力の強化を図ることも検討しております。
#10
○元榮太一郎君 次の質問に移りますが、今回の法律案を読みますと、新しい在留資格である特定技能に関して、受入れ機関や雇用契約が適合すべき基準など、具体的な内容が法務省令に委任されている箇所が多く目に付きます。法律案のみでは新しい在留資格である特定技能の具体的内容が分かりにくいようにも思われるんですが、この法務省令への委任が多い理由について伺います。
#11
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 出入国管理及び難民認定法は、入国、在留する外国人の動向や経済社会情勢の変化に即応するために、出入国の管理、在留管理の仕組み、在留資格の種別などを法律事項として定め、具体的な細部事項は臨機に対応が可能な法務省令等の下位法令に委ねているところでございます。
 したがいまして、新たな在留資格「特定技能」につきましても、これに倣いまして、具体的な受入れ分野、技能水準等については法務省令で定めることとしているところでございます。
#12
○元榮太一郎君 そうしますと、今回創設される特定技能以外の在留資格についても政省令への委任が多く、同じような規定になっているということでしょうか。
#13
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 御指摘のとおりでございまして、就労資格に関しましては、在留資格の種別や本邦において行うことができる活動につきましては法律で定めておりますけれども、我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して定められるべき事項につきましては、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号により法務省令、これ、我々上陸基準省令と呼んでおりますが、これで定めることとなっております。
 例えばですが、在留資格「技能」に関して申し上げますと、受入れ分野につきましては、法律上は受入れ分野を産業上の特殊な分野と規定しているところでございますけれども、法務省令におきまして、その技能水準として熟練した技能であることを規定しているところでございます。また、在留資格「興行」について申し上げますと、法務省令で受入れ機関の基準などを定めているところでございます。さらに、複数の在留資格におきまして、いわゆる同等報酬基準などを法務省令において規定しているという、このような規定の仕方をしておるところでございます。
#14
○元榮太一郎君 特定技能以外の在留資格の一つに永住者というものがあります。この永住者は、在留活動、在留期間のいずれも制限されないという在留資格でありますが、法務省の在留外国人統計によると、平成十年末には九万三千三百六十四人でしたが、平成三十年六月末の速報値では七十五万九千百三十九人と七十五万人を超えており、平成十年と比べて八倍以上に増えています。
 これは、平成十年に永住許可の要件の一つである日本在留の期間を二十年から十年へと大幅に短縮したことが理由であると思われますが、この短縮の理由について法務省に伺います。
#15
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 御指摘の平成十年における永住許可の取扱いにつきましては、現行法と同様に、素行が善良であること、独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること、その者の永住が日本国の利益に合致することが認められることの三つの法定要件、この法律の要件は変わっておらなかったんですが、原則として二十年本邦に在留していることなどの要件を運用基準として設けておりました。その上でその許否を決定しておったところでございますが、御指摘のございました二十年の在留という要件につきましては、基準緩和の要望や要請等があったことから、御指摘のとおりの見直しをするということにしたものでございます。
#16
○元榮太一郎君 次に、新しい在留資格である特定技能について質問します。
 特定技能の外国人が我が国で安定的かつ円滑に働くためには、やはり重要なのがブローカー対策だと思います。ブローカーといっても、国外で高額な手数料を取って外国人労働者の来日をあっせんするブローカーもいますし、また国内で外国人労働者の失踪を助長したり、不法就労をあっせんしたりするブローカーもいます。
 国外ブローカー、そして国内ブローカーのそれぞれについて対策をどのように検討しているのでしょうか。
#17
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れ制度では、外国人材から保証金などを徴収する悪質な仲介業者の介在を防止するため、外国人材又はその親族が保証金などを徴収されている場合には特定技能外国人としての受入れができないことなどを法務省令で定めるということにしておるところでございます。
 その上で、在留資格認定証明書交付申請時におきましては、保証金等を徴収されていないことの確認を行うほか、受入れ機関及び登録支援機関に対する周知、指導などを行うことを検討しております。
 また、悪質ブローカーに関する情報の共有を図っていくことが重要であり、技能実習制度における二国間取決めでございますとかEPA協定に基づく受入れ枠組みなどの既存のチャンネルに加えまして、在京大使館を通じるなどして相手国政府との緊密な連携を図ってまいりたいと考えております。
 加えまして、国内ブローカーなどの不法就労等事案対策の一環といたしまして、入国管理局では、警察庁、厚生労働省と連携し、不法就労等事案の取締りの強化、不法就労等外国人及び悪質なブローカー、雇用主等に関する緊密な情報交換、不法就労等防止に向けた広報啓発及び指導の積極的実施などを進めてまいりたいと思っておるところでございます。
 こうした方策によりまして、制度を適切に運用することを通じて悪質な仲介業者の介在防止に努めてまいる所存でございます。
#18
○元榮太一郎君 国内のブローカーに関しては、今朝の読売新聞社会面でも、ブローカーの仕事はある程度の日本語能力と雇用先を知っていれば誰でも簡単に始められて、今後も新たな参入が出てくると予想されるというような入管当局の人の声も紹介されています。
 特定技能も五年が終わればやはり帰らなければならない人もいるわけで、また失踪のリスクというのは相当程度あると思いますので、しっかりとした取組をお願いしたいと思います。
 次に、特定技能一号の外国人の支援についてですが、登録支援機関が支援を実施する場合、適切な支援を行わないなどの質の悪い登録支援機関があると特定技能一号の外国人の活動に支障が生じて本来の活動を全うできないと思います。どのように登録支援機関の質を担保するのでしょうか。
#19
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れ制度におきましては、登録支援機関となるためには一定の要件を満たす必要がございます。具体的には、支援業務を適正に遂行するために必要な体制が整備されていない場合でありますとか、出入国又は労働に関する法令違反により刑事罰を科せられたことがある者などは登録支援機関となることができないものと定めております。
 また、新設する出入国在留管理庁が、登録支援機関に対して支援の実施に関する届出を求めることにより支援状況を把握するとともに、登録支援機関に対する調査、指導、助言、登録の抹消などの的確な管理を徹底することで登録支援機関の質を担保してまいりたいと考えております。
#20
○元榮太一郎君 特定技能一号の外国人の家族は、入管法別表第一の四の表の家族滞在の対象とはされていないため、特定技能一号の外国人の家族は家族滞在の在留資格を得ることができません。
 一方で、政府の説明では、特定技能の家族帯同は基本的に認めないとされています。基本的にということは、例外的には認められるということだと思うのですが、どのような場合に家族帯同が認められるのでしょうか。
#21
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 ただいま御指摘がございましたとおり、特定技能一号の家族には在留資格「家族滞在」を付与する旨の規定を本法案に盛り込んではおらないところでございます。
 しかしながら、人道的な見地から、在留資格「特定活動」により例外的に配偶者又は子の在留を認める場合があり得ると考えているところでございます。例えば、中長期在留者として本邦に在留していた者が、特定技能一号の在留資格に変更する以前から既に身分関係が成立している中長期在留者として在留していた同人の配偶者、子、こういった者に対する場合、あるいは特定技能一号の活動を行う外国人同士の間でお子様が生まれた場合の子について、このような場合には在留資格「特定活動」によって在留資格が認められる場合があり得ると、こう考えているところでございます。
#22
○元榮太一郎君 特定技能一号は、技能実習二号を修了した場合には試験が免除されるということですが、技能実習には介護職種を除いて日本語要件がありません。確かに、技能実習生は、技能実習二号を修了するまで少なくとも三年間我が国に滞在しておりますから、そしてまた、修了には技能検定などを受ける必要があるということですから、それなりの日本語能力はあるものと思われますが、介護職種以外の技能実習生に対して日本語能力に関する試験を一度も受けないまま特定技能一号の在留資格を認めてよいのでしょうか。
#23
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 特定技能一号外国人に求める日本語能力は、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有することが確認される、これが基本でございまして、その上で、受入れ分野ごとに業務上必要な日本語能力を考慮して定めることとしております。そこで、これは一般的には日本語能力試験などによってこれを確認するとしておるわけでございます。
 その基本水準でございます、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の能力を有すること、この具体的な内容につきましては、基本的な個人情報ですとか家族情報、買物、住所、仕事など直接的関係がある領域に関するよく使われる文でありますとか表現が理解できること、日常的な範囲なら身近で日常の事柄についての情報交換に応じることができること、自分の背景や身の回りの状況や直接的な必要性のある領域の事柄を簡単な言葉で説明できること、こういったようなことを想定しておりまして、具体的には、関係省庁からは、日本語能力試験のいわゆるN4レベルの合格者であればこの水準を満たしているものと伺っているところでございます。これに加えまして、必要に応じて、分野ごとに必要な日本語能力を各業所管省庁を中心に設定することとしているところでございます。
 そこで、お尋ねの技能実習二号を修了した者につきましては、三年程度日本で生活していることに加えて、技能を修得する中で業務上必要な日本語能力を備えていると考えられることから、特定技能一号の外国人として必要な日本語能力水準を満たしているものと評価し、試験を免除することとしているところでございます。
 もとより、特定技能一号の受入れ機関におきましては、技能や日本語能力を確かめた上で雇用するということになろうかと思いますし、その後の支援の中で日本語に関する支援というものも行っていくという、こういうことを考えているところでございます。
#24
○元榮太一郎君 次に、特定技能の二号について質問します。
 特定技能二号は試験に合格することによって取得することとされております。一般的には、特定技能一号による在留中に努力と経験を積み重ね、有する技能に磨きを掛け、熟練した技能を身に付けてから特定技能二号の試験を受けるということだと思いますが、しかし、条文上は、特定技能一号からの移行を前提としていないように見受けられます。
 そこで、特定技能一号による在留資格を得ていない外国人が特定技能二号の試験を受験して合格した場合、いきなり特定技能二号の在留資格が認められることになるのでしょうか。
#25
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 まず、前提といたしまして、特定技能二号は特定技能一号での在留を続けることによって自動的に認められるというようなものではなく、現行の専門的、技術的分野における在留資格に必要とされる技能と同等又はそれ以上の技能が求められるものでございますから、高い専門性を有していることを難度の高い試験等によって確認される必要がございます。
 したがいまして、特定技能二号の在留資格が認められる者は、まさに先生が御指摘のような場合というものが通常であろうかと思いますが、その制度上は、特定技能一号により在留資格を得ていない外国人であっても特定技能二号の試験に合格すれば特定技能の二号の在留資格は認められるという、こういうことにはなります。
 しかしながら、現時点におきまして、特定技能二号の外国人の受入れを希望しておりますのは建設業と造船・舶用工業の二業種に限られているというふうに承知しているほか、非常に難度の高い試験に合格する必要があるということから、このような形で受け入れられる者があったとしても極めて限られた人数になるものと考えているところでございます。
#26
○元榮太一郎君 質問の順番がちょっと前後しますが、質問できる機会がありそうですので伺ってまいりますが、特定技能一号についてなんですが、特定技能一号には、日本語と技能それぞれの試験に合格して在留資格を取得する場合と、技能実習二号を修了して試験が免除される場合があると思われます。技能実習二号から特定技能一号に移行する場合には、既に我が国に在留していますから、本人が就職先を探して、受入れ機関と雇用契約を締結することは容易にイメージができると思います。
 一方で、試験に合格をして特定技能一号の在留資格を取得する場合、特定技能一号の試験は原則として国外で実施するというような答弁がありました。そうしますと、国外で特定技能一号の試験を受験し合格した外国人は、どのように我が国の受入れ機関を探して雇用契約を締結することが想定されているのでしょうか。
#27
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れ制度におきまして、受入れ機関が外国人をどのように募集、採用するのかにつきましては、例えば、海外に法人を設立している企業が現地で育成した人材をリクルートする、あるいは業界団体が中心となって海外からリクルートするというようなことが考えられますところ、このようにして事業者が海外で育成した人材に技能試験などを受験させ、特定技能外国人材として受け入れる、こういったようなことが考えられます。
 業種によりましてこういった点につきましても違いがございますので、具体的な運用につきましては、現在、各業所管省庁において検討されているところと承知しております。
#28
○元榮太一郎君 特定技能一号の外国人が安定的かつ円滑に働くためには支援が大変重要となってきます。
 今回の法律案については、受入れ機関は、特定技能一号の外国人に対して職業生活上、日常生活上、そして社会生活上の支援をすることが義務付けられます。この支援には、受入れ機関が自ら行う場合でも、そして登録支援機関に委託する場合でもコストが掛かってきます。そして、本法律案は、外国人であることを理由として報酬の決定などの待遇について差別的取扱いをしてはならないこともまた定めております。
 この規定によって特定技能一号の外国人に日本人と同等以上の報酬を支払うとしたら、支援コストの分だけ日本人を雇うよりも特定技能一号の外国人を雇う方がコストが高くなると、こういうように見受けられますが、ここで言う報酬には支援コストも含まれているということなのでしょうか。
#29
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れ制度におきましては、御指摘のとおり、受入れ機関に対して、受け入れる外国人の報酬を日本人と同等以上にすることを求めております。また、受入れ機関、そういうところでございますけれども、受入れ機関が支援に要するコストを外国人の報酬から控除するなどといったようなことは支援に係る費用を外国人に転嫁することとなりますので、このような制度は本制度の下では認めておらないところでございます。
#30
○元榮太一郎君 理解いたしました。
 続いて、出入国在留管理庁について伺いますけれども、今回、新たに特定技能の外国人を受け入れることになりますが、そのための体制整備はもちろん重要ですが、我が国に入国する外国人は労働者だけではありません。近年、我が国を訪れる外国人旅行者も大変な勢いで増加しています。
 そのため、新たに設置される出入国在留管理庁においては、特定技能の外国人の受入れのみならず、訪日外国人旅行者の急増に対応するための体制整備もしっかりとしていくべきではないかと考えますが、山下法務大臣の見解を伺います。
#31
○国務大臣(山下貴司君) まず、御指摘のとおり、新たな特定技能の外国人受入れのみならず、訪日外国人旅行者、非常に急増しております。
 例えば、その外国人入国者数ということの数で御紹介してはいたんですけれども、さらに、例えば永住者等我が国を主たる居住国にしている外国人を除いて、クルーズ船乗客等一時的に我が国に入国している外国人を加えた訪日外国人数という数がございますけれども、これも近年増加の一途をたどっておって、平成二十九年には二千八百六十九万人ということで、前年に比べて二割近く増加して過去最高を更新しているという状況もございます。
 こうした中、法務省では、これまでも人的体制の整備に努めており、三十一年度の概算要求についても、出入国審査業務の充実強化のために増員要求をしているというところでございます。
 ですから、新たなこの在留資格のみならず、日本に来るインバウンドの急増ということもございます。そしてさらに、我が国に在留していただいている外国人の方、これについての在留管理というところもしっかりやっていきたいということで、この体制整備、予算面、人員面、そして制度面、しっかりやってまいりたいというふうに考えております。
#32
○元榮太一郎君 新たに設置することとなる出入国在留管理庁については、その体制の強化はもとより、外国人の受入れについて司令塔のような役割を果たすことが期待されていると思いますが、法務省の見解を伺いたいと思います。
#33
○国務大臣(山下貴司君) まず、これは体制の問題でございますので私からお答えいたしますけれども、これ、まず、そもそも受入れ環境整備に関する司令塔的役割につきましては、この本年七月二十四日付けの閣議決定、これは外国人の受入れ環境の整備に関する業務の基本方針についてというものでございますが、法務省が外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整を行うこととされたところでございます。
 そして、法務大臣たる私が、この国家行政組織法に基づいて、外国人の受入れ環境整備に関する事務の遂行に際し、関係行政機関の長に必要な資料の提出及び説明を求めるなどの権限行使をすることが可能とされており、こうした権限を適切に行使することにより司令塔機能を果たしていくということになっております。
 そして、今回の法務省設置法の改正法におきまして、例えば、法務省設置法の二十八条二項におきまして、出入国在留管理庁は、この同項、これ前項ですが、の任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とするということなどが定められることになっております。
 こうした改正が認められますれば、出入国在留庁、創設された出入国在留庁において、外国人の出入国及び在留の管理のみならず、外国人の受入れ環境整備に関する総合調整、これ内閣の重要政策ということでございますので、これに一体的かつ効率的に取り組んでいけることになるわけでございます。
 出入国在留管理庁においては、この新設が認められますれば、外国人の受入れ環境整備に関し、法務大臣として私もしっかり指揮をいたしますので、その下で司令塔機能、司令塔的役割を果たし、関係府省の総合調整を的確に行い、外国人との共生社会の実現に努めていくようしっかりと努力してまいりたいと思っております。
#34
○元榮太一郎君 この出入国在留管理庁の役割というのは非常に大きいものだと思っております。是非とも山下大臣の強力なリーダーシップで、法務省そして出入国在留管理庁一丸となって、さすが日本だなと言われるような外国人との共生社会の実現につなげていっていただきたいというふうに思います。
 次に、今回の受入れ制度によりまして、我が国の深刻な人手不足が改善され、経済社会基盤が持続されることが期待されております。やはり様々な業界からもやはりこの人手不足の解決肢の一つとして非常に期待されているところだと思います。
 その意味では大変重要でありますが、他方で、外国人が入ってくることによって日本人の雇用が奪われるのではないかと、こういった懸念の声も聞かれてきますし、やはり賃金のアップにつながらない、むしろ下げてしまう、そういうような圧力にならないか、こんなことも懸念されているわけで、まあそれは一定の合理性があると思いますが、今回の受入れ制度ではこの日本人の雇用が奪われないためにはどのような対応をしているのかということについて伺いたいと思います。
#35
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れは、生産性の向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなおその分野の存続、発展のために外国人材の受入れが必要となる人手不足が深刻な分野に限って受入れを行うものでございます。その分野の決定に当たりましては、業所管省庁から人材不足の要因等について可能な限り客観的なデータ等の提出を求め、それらを踏まえ厚生労働省等とともに慎重に協議し、判断することとなります。
 また、今回の受入れ制度では、受入れ機関に対し、受け入れる外国人材に日本人と同等額以上の報酬を支払うことや、これらの外国人材を雇い入れるに際し、同様の業務に従事するほかの労働者を非自発的に離職させてはいけないことなどを求め、さらに、これらについて当局が確実に状況を把握し、受入れ機関がこれらの基準に違反した場合には一定期間受入れができなくなるなどの措置をとるなど、厳格な管理を実施するということとしておるところでございます。
 さらに、受入れ分野を所管する業所管省庁が人手不足状況を継続的に把握し、生産性の向上や国内人材確保の取組の状況及び人手不足の状況を適切に判断した上で、受け入れた分野において必要とされる人材が確保されつつあると、こう認め得るときは、法務大臣が臨機に受入れの一時的な停止に向けた対応を取ることとしているところでございます。
 このようにして、本制度では、賃金の低下などを含め、日本人の雇用に影響を与えない仕組みを設けているところであり、そのような運用に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#36
○元榮太一郎君 非常に重要なことだと思っておりまして、やはりこの日本人と同等額以上の報酬を払うこと、そしてまた、これらの外国人材を雇い入れるに際して同様の業務に従事する他の労働者を非自発的に離職させないこと、こういったことなどについてどれだけ当局が確実に把握できるかが重要だと思っています。
 今までの技能実習生、特定技能とは異なりますが、技能実習生においてはやはりその部分が不十分だったという、そういうような反省が大いにあろうかと思いますので、ここは体制も拡充した新たな出入国在留管理庁の下でしっかりとその措置と厳格な管理を実施していただきたいと思いますし、もしかしたら、もっともっと人員を拡充した方がいいのではないかというようなこともあろうかと思いますので、そこは、現実を直視といいますか、しっかりとPDCAサイクルというものを回して、より安心できる外国人の方の共生社会、そして管理をお願いしたいなというふうに思っております。
 続きまして、新たな技能実習法が施行される前の旧技能実習制度で指摘されておりました技能実習生の賃金や処遇などに関する問題については、昨年十一月に施行された新たな技能実習法によって様々な対策が講じられていると思います。私も、おととしの臨時国会でまさに技能実習法の審議がありました。その場所でいろいろな議論が行われたということを承知しておりますが、それでは、今回の受入れ制度においては、この特定技能の外国人の賃金や処遇等についてどのような対策を講じることになっているのか、改めて伺ってまいりたいと思います。
#37
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れ制度におきましては、特定技能外国人の保護、この観点から、受入れ機関や特定技能外国人との間の雇用に関する契約の要件でございますとか、受入れ機関が満たすべき要件に係る規定などを設け、それらに反する場合には国が指導、助言を行うなど、出入国在留管理庁による監督機能を強化することといたしております。
 具体的に申し上げますと、まず、日本人と同等額以上の報酬を含む特定技能雇用契約の基準を定めることとしており、また、労働関係法令及び社会関係法令の遵守を含む雇用契約の適正な履行に関する基準を定めることとしております。さらに、受入れ機関による特定技能雇用契約や特定技能外国人の活動状況、特定技能外国人に対する報酬の支払状況などに関する届出を義務化するとともに、届出事項を拡大しております。加えまして、受入れ機関等に対する不適切な処遇等に対する指導、助言、報告徴収や立入検査、罰則で担保した改善命令などの規定を設けております。そのほか、特定技能一号の外国人につきましては、受入れ機関や登録支援機関の支援担当者が面接して、報酬の支払状況などを確認するなどした際に違法行為などが疑われる場合は、地方入国管理局や関係機関に情報提供するようガイドラインで指導することを予定しております。
 より具体的に申し上げますと、例えば、日本人と同等額以上の報酬という点につきましては、法律におきまして、雇用契約の基準として、外国人であることを理由として報酬等に関して差別的取扱いをしてはならないということを規定しております。さらに、法務省令において、日本人と同等額以上の報酬とすることを規定することとしております。この同等報酬基準につきましては、受入れ機関に対して、日本人と同等額以上であることを示すための書面の提出を求めたり、報酬の支払状況の定期的な届出を義務付けることで住居費や食費などで不当に高額な費用を払わせていないかなどを確認するなどしてその実効性を担保することとしております。
 このように、今回の受入れ制度におきましては、特定技能外国人の稼働状況や活動状況などの実態を的確に把握することが可能であり、また、雇用契約の内容や受入れ機関が法務省令で定める基準に適合しているかの確認も可能であるため、これら各種規定を的確に運用し特定技能外国人の保護を図り、制度の適正な運用に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#38
○元榮太一郎君 ありがとうございます。
 今までの経験といいますか、実情を生かしまして、今回に関しては、特定技能外国人について低賃金ということが起こらないように、さらには、そういう労基法違反のような実態に及ばないような形で厳格に管理していくというようなことでありますから、是非とも期待したいと思いますし、私もしっかりと支援していきたいと思います。
 昨日、日本語学校を視察いたしまして、これは私感じたことなんですが、非常に日本語教育力のある、高そうな学校でありまして、千八百人ぐらいの生徒がいるということで、そこにいる生徒の皆さんも非常に日本に希望を持って学びに来ているという感じでありました。興味深かったのは、アニメやゲームをきっかけに日本を知り、そして日本を訪れて日本語を学ぶ、日本で学びたい、働きたいということでありまして、そういった意味で、この日本語の教育力というのはより一層高めていきたいなというふうに私も感じたところであります。
 外国人の受入れの数が増えるということは、日本語の教師の数もまた必要だと思いますし、あと大事なのは、やはり教育の質だと思います。人生の中の本当に貴重な時間を掛けて日本語を学ぶ、そして学びに来ている、こういうような方々がしっかりと日本語を身に付けて、この日本でも、そして世界でも活躍していただけるような環境づくりというのは、私自身は大変大事だと思っておりますので、もう既に御検討のことだとは思いますが、日本語教育力を高めるといった点も是非政府に取組をいただきたいと思います。
 いずれにいたしましても、新しいこの外国人の受入れ制度が、我が国にとっても、そしてまたやってくる外国人の方にとっても良い制度になるように、今後も一層の検討を続けていくことの重要性を訴えて、私からの質問を終わります。
 ありがとうございました。
#39
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 先ほど元榮先生からもありましたけれども、昨日、日本語学校に視察に行かせていただきまして、本当にすばらしい環境もまた見せていただいて、大変勉強になりましたし、やっぱり一番印象に残ったのが、学生の皆さんがもう希望にあふれているというのがもう大変うれしく、本当にこういう方たちをこれから、本当に日本を更に好きになってもらって、またこれからの人生しっかりと切り開いていっていただきたいという思いを深くいたしました。
 また、先日、地元でですけれども、日本語学校を開設されようとしている方とお会いをさせていただきました。この方はベトナムに訓練学校もお持ちで、ベトナムのその訓練学校からこれまで多くの外国人材を技能実習生としても送り出しておられます。建設業にも技能実習生を輩出をしているけれども、失踪者はほとんど出ていないということでもありました。
 この訓練学校では、技能実習で行う仕事の基礎や技能、また日本語を併せて学んでいるとのことであります。日本に来た技能実習生がトラブルを起こしてしまうその背景に、日本語が分からないために指示に反してしまったり、また、業務上、安全衛生基準など求められているものを、言葉又は文化などを理解することができずに危険が生じてしまったりすると、そのようなことが多いことから、日本で働くにはやはり日本語を習得することがまず大切であるということを力説されておられました。
 そして、あわせて、その一方、日本で日本語学校を開く、そのために今御尽力をされておられるんですけれども、日本語学校の教員が大変不足しているというのが現状ではないかという問題提起もいただきました。
 そこで、日本語学校における日本語教員についてお伺いをさせていただこうと思います。
 まず、現状として日本語学校がここ数年急増していますけれども、現状において日本語学校は必要な地域に必要なだけ設置をされているのでしょうか。また、今後の日本語学校の数や設置する地域についてどのような見通しや方向性を有しておられるのか、お伺いをいたします。
#40
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 法務省では、留学の在留資格を与える日本語学校につきまして告示で定めているところでございますけれども、現在、法務省が告示をもって定めております日本語教育機関の数は七百八校でございます。これは年々増加傾向にありまして、特に直近では毎年七十校前後が新しく告示されるなど、急増しているところでございます。
 この七百八校の日本語教育機関に関しまして、都道府県別の設置状況を申し上げますと、東京都が二百三十一校で最も多く、次いで大阪府の六十一校、千葉県及び福岡県がそれぞれ四十三校と、こういう順になっておりますところ、その一方で青森県や滋賀県には一校も設置されていないなど、設置地域の偏りが生じているところでございます。
 現在、法務省におきまして日本語教育機関を告示する際には、日本語教育機関の告示基準への適合性を確認し、当該基準に適合していることが確認された場合には設置地域等にかかわらず一律に告示しているところでございますが、当該告示につきましては、日本語教育機関の設立を希望する法人などからの行政相談に基づいて告示の適否を検討しているものでございまして、当省からなかなか今後の見通しでございますとか方向性を示すことは困難でございますが、いずれにいたしましても、今後とも適正な確認に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#41
○伊藤孝江君 これから地方で日本語教育をしていくということの必要性を考えたときに、都道府県に一校も日本語学校がないというところがあるということを、本当にどのように対応していくのかということもしっかりと御検討いただきたいと思います。
 今、法務省告示の日本語教育機関という話がありましたけれども、この日本語教育機関の告示基準においては教員とする要件についてどのように規定をされておられるのか、また、その要件に基づいて資格を取得されている人数についてお教えいただけますでしょうか。
#42
○政府参考人(内藤敏也君) お答えいたします。
 日本語教育機関の告示基準に規定されている教員要件といたしましては、まず一つ目として、大学等において日本語教育に関する教育課程を履修して所定の単位を修得し、かつ、当該大学等を卒業した者。二つ目といたしまして、大学等において日本語教育に関する科目の単位を規定数以上取得し、かつ、当該大学等を卒業した者。三つ目といたしまして、公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験に合格した者。四つ目といたしまして、学士の学位を有し、かつ、適当と認められる日本語教育に関する研修を四百二十単位時間以上受講し、これを修了した者などとされています。
 このうち、日本語教育能力検定試験の平成二十九年度の合格者数は千四百六十三人となっております。
 その他の要件といたしましては、文化庁といたしましては正確な人数は把握しておりませんが、参考となる数字といたしましては、まず、大学等における日本語教師の養成、研修の受講数でございますが、文化庁で実施している平成二十九年度日本語教育実態調査によれば、全学年合わせて一万二千八百二人となっております。
 また、四百二十単位時間研修の実施機関に関しましては、平成二十九年度までに文化庁の届出のあった実施機関の定員の合計が約四千三百人となってございます。
#43
○伊藤孝江君 今提示いただいたその要件の中で、大学で学んだという以外に、民間教育機関などで四百二十単位時間の日本語教師養成の研修を受けることができれば日本語教員の要件を満たすことができるという基準があったかと思うんですけれども、この四百二十単位の研修を受けることができる機関ですね、民間教育機関、この民間教育機関がかなり全国的な地域として見たときにばらつきがあるのではないかと。
 例えば、私の地元である兵庫県でいえば三か所しか受けることができないというようなところで、また、これも一つもないところもあればたくさんあるところもあるというような形で、この養成、研修を受けることができる民間教育機関が地域により数にばらつきがあるなどということからすると、こういう要件を満たす教員を探すことというのはやはり地域によって難しくなるのではないかというふうに考えるんですけれども、その点いかがでしょうか。
#44
○政府参考人(内藤敏也君) 御指摘のいただきました、民間の日本語教員養成機関で文化庁が届出を受けている機関は、二十九都道府県に九十二機関というふうになっております。
 そのほか、法務省の告示基準の日本語教員養成機関を、実施する機関といたしましては、大学等の機関もございますが、こちらは全国に百八十五機関ございますが、一部の地域にはこういった日本語教員養成機関のない都道府県もございますなど、必ずしも地域において十分ではないということは承知してございます。
 他方、告示基準を満たす教員につきましては、ICTを活用した遠隔教育や放送授業等の通信教育による養成、研修を受講することも可能でございますし、また、養成課程を経ずに試験合格のみで教員要件を充足することができる公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育能力検定試験がございます。この試験の合格者は毎年増加傾向にある、こういったことも含めて考えれば、全国的には毎年一定数の日本語教員が輩出されているものと考えております。
 ただ、こうした地域のばらつき等も含めて、今後、日本語教育の資格の整備の検討を当たっていく上では、こうした質の高い日本語教師の全国的な確保の観点も考慮し、しっかりと検討を進めなければならないというふうに考えております。
#45
○伊藤孝江君 その日本語教員の告示基準を満たすために、どの程度の方が毎年告示基準の要件を満たしておられるのかというので事前にお伺いをしたところ、今問題となりましたその民間教育機関で研修を受けたという方が年間でおおむね約四千三百人ですか。日本語教育能力の検定試験を合格した人が年間で約二千人。また、大学の日本語教師の養成課程を受けられた方が大体年間で三千人ほどいるというふうにお聞きをしております。
 そういう意味では、それを合計すればある程度日本語教員を確保できるのではないかというふうに、単に数だけ見ると感じるところではあるんですけれども、現状、日本語学校の教員が大変に不足しているという現状があると。
 その点について、日本語教員の過不足という点に関して、まず文化庁としてどのような認識を持っておられるのかと。また、日本語教員が不足しているということであれば、これらの基準を満たしている人がそもそも少ないという認識なのか、あるいは基準を満たしている人はたくさんいるけれども日本語教員として就職しないという人が多いのか、その点についてお教えいただけますでしょうか。
#46
○政府参考人(内藤敏也君) まず、日本語教員が不足しているかという点で申し上げれば、文化庁の実施しています日本語教育実態調査によれば、まず国内の日本語学習者の増加傾向でございますが、平成二十二年度に十六万七千五百九十四人であったものが、平成二十九年度に二十三万九千五百九十七人、約一・四三倍になってございます。
 一方、これに対する日本語教師の数でございますが、平成二十二年度、三万三千四百十六人であったものが、平成二十九年度には三万九千五百八十八人、約一・一倍にとどまり、学習者の増加に教師の増加が追い付いていない状況にあるというふうに認識しております。
 次に、それでは基準を満たしている者が日本語教員として就職しないのか、告示基準を満たす者が少ないのかという点に申し上げれば、今先生の御指摘いただきましたように、日本語能力試験の検定の合格者数あるいは日本語教員の受講者数、四百二十単位時間研修の実施機関数、毎年こういった教員の要件を満たす者は相当数が養成されているというふうに認識されてございます。
 したがって、告示基準の教員要件を満たしている者は一定数おりますが、日本語教員になっていない者が多いものと推測しているところでございます。
#47
○伊藤孝江君 せっかく日本語教員になる基準を満たすための大学を卒業したり、研修を受けたりなどというのをしている中で日本語教員として就職しないと。その原因についてはどのようにお考えでしょうか。
#48
○政府参考人(内藤敏也君) 日本語教育機関の告示基準における教員要件を満たす者が日本語教師となっていない原因については、残念ながら統計的なデータは把握しておりませんが、本人の置かれている状況や目的の変化などの個人に帰結する要因のほか、就職しようとする時点の経済状況など社会状況に帰結する要因も考えられるところであり、一概に申し上げるのはなかなか難しいというふうに考えております。
#49
○伊藤孝江君 いろいろ事前に御協議をさせていただいたときには、社会的地位ですね、日本語教員の社会的地位が低いのではないか。また、今いろんな経済的事情というような曖昧な表現をお使いになられましたけれども、端的に言うと、日本語教員の賃金が低いと。また、正社員として就職する、正規採用では難しく、いろんな学校の授業を掛け持ちをして持って、非常勤をたくさん持つというような形でしか就職をすることが難しい現状があるというようなことを御説明いただいたかと思うんですが、その点、具体的に御説明いただけますでしょうか。
#50
○政府参考人(内藤敏也君) 御指摘いただいているようなことは、個々のお話としてはいろいろお伺いしているところでございますが、ただ、私どもとしては、統計的なデータを把握していないため、一概的になかなか申し上げられないかなと思っております。
 日本語教師を目指す者の状況については、今後何らかの形で把握することを検討してまいりたいと思っております。
#51
○伊藤孝江君 今、そういう意味では、日本語教員の働き方ですね、どのような雇用形態なのか、また賃金状況がどのようなものかということについてはデータはないと。けれども、これからしっかりとその実態を調査するということでお約束をしていただくということでよろしいでしょうか。
#52
○政府参考人(内藤敏也君) 私どもで把握しているデータとしましては、日本語教師の人数を常勤、非常勤に区別して把握している、例えば常勤教員が約三一%、非常勤教師が六七・二%、ボランティアが約一・八%といったデータは把握しておりますが、その他の待遇に関するデータなどは把握しておりませんので、今後、どのような把握が可能かも含めて検討させていただきたいと思います。
#53
○伊藤孝江君 現状では、日本語学校で働いておられる教員の方は、全て先ほどの基準を満たしているということになります。
 また、教員配置基準であるとかたくさんの告示要件があるわけですけれども、その告示に適合した日本語学校となっているのかどうかということについては、現状としてどのようなチェックをされているのでしょうか。
#54
○政府参考人(内藤敏也君) 法務省が日本語教育機関の告示を行うに当たり、文部科学省では有識者委員会を設置し、授業科目や教員といった教育面で告示基準を満たしているかの確認を法務省からの照会を受けて実施し、その結果を法務省に回答しているところでございます。
 そのうち、教員要件の確認につきましては、全ての教員について告示基準で定められた要件を満たしていることを書類によって確認するとともに、特に校長と主任教員については対面でのヒアリング調査を実施しております。また、教員の変更があった場合にも、法務省からの照会を受けて文部科学省で教員要件の確認を行い、その結果を法務省に回答してございます。
#55
○伊藤孝江君 少し変えますけれども、現在、文化庁におきまして日本語教員の資格を新たに創設をすることを目指すというふうにお聞きをしております。新たな資格の創設、この検討を進めるということですけれども、その目的とどのような見直しを考えておられるのかということについて御説明ください。
#56
○政府参考人(内藤敏也君) 御指摘いただきました日本語教師のスキルを証明できるような日本語教師の資格の創設に向けての検討につきましては、本年十一月二十二日の文化審議会国語分科会日本語教育小委員会において本格的に審議を開始したところでございます。
 この検討でございますが、日本語教育の質の維持向上を図る観点から、一つとして、日本語教師の日本語教育能力を証明する方策を講じること。二つとして、日本語教育人材が知識や能力を習得、向上させるためのインセンティブとなるような方策を講じること。また、日本語教師が社会的に認められた専門的職業として認知されるような方策を講じることなどを目指して開始したものでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、十一月二十二日に検討を着手したところでございますので、詳細な資格の在り方については、今後、審議を重ねていくこととしてございます。
#57
○伊藤孝江君 日本語教員のスキルを証明するというようなお言葉も今ありましたけれども、日本語教育能力を上げる、また教育の質の維持向上を図るということを目的とされているということですが、現状として日本語教員の質が十分なものではないということからくる当然ことだと思うんですけれども、そのように判断せざるを得ないのは現場でどのようなことが生じているからということなんでしょうか。
#58
○政府参考人(内藤敏也君) 日本語教育を取り巻く環境といたしまして、まず、在留外国人が過去最高を更新して増加傾向が続くという状況がございます。そして、その在留外国人の方を見ると非常に多様化が進んでいる。そして、日本語教育の現場においても学習者の持つ背景、学習目的などが実に多様化しており、日本語教師にはこれまで以上に高い資質、能力が求められる状況となっております。
 こうした中、日本語教育機関の教育の質の向上を高めていくため、日本語教師の質をより一層高めていくことが必要と考えているところでございます。このため、日本語教育人材が知識や能力を習得、向上させるためのインセンティブとなるような方策を講じることなどを目指し、文化審議会国語分科会において資格の在り方についての検討を開始したところでございます。
#59
○伊藤孝江君 具体的にはまだ不明ということでしたけれども、その社会的な地位を向上させる、またあるいは専門的職業としての待遇改善がなされることを目的とするという資格であれば、当然、今求められている要件よりも厳しいものになるのではないかというふうに思います。具体的に、日本語教員にどのような待遇がなされることを目指して改定を進められるのでしょうか。
#60
○政府参考人(内藤敏也君) 日本語教師の資格の創設につきましては、先ほど来申し上げましたように、文化審議会において検討を着手、ちょうど着手したところでございまして、今後審議を重ねていく状況ではございますが、これまでの小委員会における審議においては、例えば、実践力のある日本語指導者が資格や修了証を得ることにより安定的に活躍できるような枠組みづくりが必要であるとの御意見もいただいており、こうした視点も踏まえながら審議を重ねていくこととしてございます。
#61
○伊藤孝江君 現実問題として、いろいろお聞きをする限りは、今でも十分に教員の方に賃金を支払うのが難しいという、そういう日本語学校が、より高度な資格を取った人たちを採用したからといってそれに見合う高額のお給料を支払うことができるのかと、また、複数の日本語学校で授業を持つ非正規の働き方しか選べないという現状を変えることができるのかというふうなところも疑問に思います。
 現在の日本語学校の経営状況又は今後の収入増の見込みについてはどのように把握、評価をなされているんでしょうか。
#62
○委員長(横山信一君) どなたに質問ですか。(発言する者あり)
 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
#64
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございませんでした。
 日本語教育機関に関しましては、ただいま文化庁さんの方から、様々教育の質でございますとかそういった点を見ていただいておるところでございまして、法務省におきまして、この経営状況でございますとかそういうハード面を見させていただいているところでございますので、この点について法務省の方からお答えさせていただこうと思います。
 日本語教育の教師の要件につきましては、ただいま様々お答えがあったところでございますけれども、現時点、先ほどお答えがあったように、文化庁におきまして日本語教師の要件についての検討を始められたということでございまして、今後この点がどのような影響を及ぼすかということについての予測というのはまだ見ること困難でございますが、国におきましても、経済的な、必要な、法務省におきましては、必要的な経済的基礎をちゃんと持っているかどうか、こういう点を確認するわけでございますけれども、設置者が経済的な基礎を有していないというような場合には、告示後であっても告示から抹消するというようなことをするところでございまして、きちんとした経済的な基盤というものが必要になるというところでございます。
 日本語学校の経営状況等につきましては、的確に把握した上で、経済的基盤が成り立たないというようなところについては告示基準から落としていくというような形で対応していくということでございますが、なかなか、把握、評価につきましては若干難しいところがあるということで御理解いただければと思います。
#65
○伊藤孝江君 今お答えいただいたんですけれども、少し私がお聞きした観点とはちょっとずれているかと。
 経営が成り立たず告示基準から外すような学校は、もうそれはそれでまた別としまして、お聞きしたのは、新たな資格をつくって、なおかつ今よりも難しい資格をつくって更に専門的な技術を求めると、にもかかわらず、現状のままであれば、そのような高い資格を持った人たちに対して、到底それに見合う雇用の仕方、また賃金の支払というのができないんじゃないかというところの質問をさせていただきました。そこはまた改めてしっかり考えていただきたいと思っております。
 質を確保するという形で幾ら難しい資格をつくっても、日本語学校の経営の安定を図るということをしていかなければ、適切な教員人材を受け入れることができないという点では何も変わらないと思います。
 経済的な点も含め、日本語学校、日本語教育に対して国がどのような支援をしていくのかということを根本的に考えていかないといけないのではないかというふうに考えますが、その点いかがでしょうか。
#66
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 御指摘のとおりでございますが、日本語教育機関における教育の質の確保につきまして、なかなか、我々が告示した後に継続した確認でございますとか評価を行う仕組みがないということでなかなか難しいところなんでございますが、現在法務省において開催しております外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の検討会、この中で日本語学校の問題も取り上げまして、有識者の方の意見を踏まえつつ、また先生のただいまの御指摘なども踏まえながら検討させていただきたいと考えているところでございます。
#67
○伊藤孝江君 現状として、法務省が設置をしている基準があって、そこにプラスして文化庁が新たな資格をつくるというふうなことだと思うんですが、なぜ私がそこにこだわって質問させていただいているかといいますと、先日、臨床心理士の方からお伺いしたことがあります。
 この日本臨床心理士資格認定協会というのは、教育機関や医療機関などで心理相談業務に従事する人の資質向上を図ることを目的としてつくられた団体です。臨床心理士になるためにはこの団体の資格試験に合格をしなければならず、受験には協会が認可する大学院を修了して一年以上の心理臨床経験が必要など、かなり高度な知識や実務経験が求められております。この三十年間で約三万五千人の臨床心理士の方が誕生されていますけれども、問題は、資格取得後に働く場所が少ないということだとお聞きしております。
 教育機関の相談室で相談員になるか病院などの医療施設でカウンセラーになれればいいけれども、採用枠がそうたくさんないと。そのために、大学院を出て高度な難しい試験に合格をしても就職先が少なく年収も低いというのが現実で、悲しいことでもあります。一時期、各大学がこぞって大学院に心理課程を設置しましたけれども、卒業後の進路に暗たんたる思いを持った学生が多かったというふうにも聞いております。
 災害時や不幸な事件、事故が起きた後に活躍している臨床心理士の先生方がなぜこのような状況に追い込まれているのか。それは、この資格をつくった、主導した当時の文部省が業務で強く関わりを持つ厚生省との間できちんと話を付けなかったことに起因するというふうに考えております。
 この両省の間には幾つか課題があったとお聞きしておりますけれども、その一つが診療報酬。仮に臨床心理士が医療機関で働くことになれば、病院としては医療サービスとして働いた分を診療報酬として受け取らなくては経営が成り立ちません。ただ、診療報酬が伴う新たな職種を医療機関に受け入れることは厚生省としてそう簡単ではなく、慎重にならざるを得なかったと。そのような中で、当時、文部省は見切り発車とも思える資格創設に踏み切りました。
 臨床心理士資格認定協会としては、民間の資格であるこの臨床心理士をいずれ国家資格に衣替えするという大きな目標を掲げながら懸命に努力をされてきましたけれども、今日まで実現できませんでした。ただ、今年、紆余曲折の末、国家資格の心理職として公認心理師が初の試験を行われたというふうに聞いております。ただ、これまで第一線で活躍してこられた、何十年働いておられるベテランの臨床心理士さんの中では、高齢を理由に受験を諦めた方、また、一部、一流のカウンセラーとして活躍している方も含めてそのような資格を改めて受けるということがなかなか難しいというような中で、どのように働き方をしていくのかというところが大変御苦労されているのが現状だというふうにお聞きしております。
 文科省、文化庁で、また法務省におきまして、今回のその日本語教員の資格をそれぞれどのように考えておられるのかと。もう全く別資格のものなのか、法務省で設置している告示基準の上のレベルに文科省のものがあるのか、そこすらはっきりしないというのが私が説明をお聞きした理解です。
 この文化庁と法務省とでこれからこの資格をどのようにしていくのか、よくよく協議を重ねることが必要かと考えますけれども、文化庁及び法務省の御所見をよろしくお願いいたします。
#68
○政府参考人(内藤敏也君) 日本語教師の資格につきましては、先ほど御説明しましたように文化審議会において検討に着手した段階でございますが、この審議においては、法務省告示の日本語教育機関との関係も含めて、資格の在り方について今後審議を重ねていくということにしております。この法務省告示の特に告示基準につきましては、これはやはり一定の日本語教師の水準を担保するというような役割を担ってきているわけでございますので、これも踏まえて審議を重ねていただきたいというふうに思ってございます。
 その上で、法務省告示の日本語機関における教員要件等の関係について、この文化審議会国語分科会での審議を踏まえながら、法務省、文化庁間で十分に協議をして検討を進めたいと思っております。
#69
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 ただいま文化庁から答弁があったとおりでございまして、現在、その日本語教育機関の資格につきまして文化審議会の国語分科会において検討に着手した段階であるということは我々も承知しておりまして、現行の日本語教育機関の告示基準におきます教員要件、これとの関係につきましても、分科会での検討状況を踏まえながら、文化庁とともにしっかりと検討してまいりたいと考えているところでございます。
#70
○伊藤孝江君 是非、いいものをつくっていくことができるように協力してよろしくお願いいたします。
 昨日の視察、日本語学校の視察の中では、初級の段階からビジネスで使う段階まで、クラス編成や様々なカリキュラムなど、多くの工夫による授業の提供もなされており、また、そのほかの生活面の支援を含めて、日本語教育を受ける環境としてはすばらしいものがあると感じさせていただきました。
 理事長から、外国人労働者の日本語学習についても日本語学校を活用してほしいという話がなされましたけれども、そういうノウハウを持っておられて、また既存の資源も持っておられる中で、今ある日本語学校というのをもっと活用することができれば確かに望ましいことではないかと思います。
 今後、外国人材への日本語習得の支援として日本語学校の活用を進めることについてどのようにお考えか、お教えいただけますでしょうか。
#71
○政府参考人(和田雅樹君) お答え申し上げます。
 外国人労働者の方が日本語を学び、習得することは、職場あるいは地域で円滑なコミュニケーションを実施するために大変重要なことであるというふうに我々も認識しているところでございます。
 そこで、その習得の手段、機会、これは様々ございますけれども、確かに、御指摘のとおり、日本語教育機関におきましては、日本語教育に特化したカリキュラムあるいは体制が組まれていて、効果的に日本語を身に付けるということが期待されるところでございます。
 外国人労働者に対します日本語習得の支援に際して日本語教育機関を活用していただくことも、これも一つの方法であるというふうに私どもも考えているところでございますので、今後、この取組方につきまして十分に検討させていただきたいと思います。
#72
○伊藤孝江君 今回の法案で外国人の受入れを新たに行っていくということになりますけれども、現状として、出入国管理におきまして、済みません、話が変わりますけれども、出入国管理におきましては、必ずしも国際的な基準に適合していないというような主張がなされることも、身体の拘束制度でありますとかあります。
 これから新たな在留資格で外国人を受け入れるに当たっては国際人権の基準に適合した出入国管理行政を実現すべきであるというふうに考えますが、最後に大臣の御所見をよろしくお願いいたします。
#73
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 外国人を我が国に迎え入れるに当たっては、その人権を十分に尊重し、人権侵害行為に対しては厳正に対処することが肝要であると、これはもう委員との、私も共有しておるところでございます。これは、現在御議論いただいている新たな外国人材の受入れに当たってもその考えにいささかも変わりはございません。
 出入国管理行政に関しましては、様々な国際機関や国内外から、技能実習制度、難民認定手続、被退去強制者の収容などの点で様々な御指摘を受けていることは事実でございます。そうした声にも真摯に耳を傾けて、今後とも、必要な人的、物的体制の整備や法制度の運用見直し、これをしっかりと進めていきたいというふうに考えておりますし、種々の御指摘の中には若干の誤解に基づくものもあろうかというところもございます。そうしたものにつきましては、我が国の法制度につきまして丁寧な説明に努めていくというふうにしたいと考えております。
 また、新設を予定している出入国在留管理庁においては、外国人との共生社会の実現に向けて、職員一人一人がなお一層外国人の人権に配慮し、外国人を我が国の社会を構成する一員として受け入れるとの視点に立って日々の業務遂行に当たっていくということでございますし、それを私、法務大臣としてもしっかり見ていきたいというふうに考えておりますし、また、この今、外国人の受入れ・共生に関する関係閣僚会議の議長を官房長官とともに務めておりますので、そうした場においても、政府を挙げてそうしたこの国際人権基準、これをしっかり守るべく、各省庁に対しても意識共有を図ってまいりたいというふうに考えております。
#74
○伊藤孝江君 以上で終わります。ありがとうございました。
#75
○有田芳生君 立憲民主党・民友会の有田芳生です。
 例えば、ベトナムのハノイの空港から、お父さん、お母さんに送られて、若い二十六歳の男性あるいは女性たちが技能実習生として働くために日本にやってきた。ホーチミンでも、あるいは中国からも、モンゴルからも、タイからも、多くの若者たちがこの日本にやってまいりました。しかし、技能実習生の実態というのは、前回もお話を伺いましたように、非常に過酷なものがある。今でも続いています。
 法務省が調査した結果、自らを守るために失踪せざるを得なかった若者たち二千八百七十人の調査の結果明らかになったことは、法務省がこれまで明らかにしたように、最賃以下、二十二人、〇・八%どころか、六七%、約、二千人近い人たちが最賃以下で働かざるを得なかった。さらには過労死、その水準の環境の下で働かざるを得ない人たちが一割いたということが私たち野党の調査、分析によって明らかになりました。
 しかし、事はそんな状況にはありません、実は。今から驚くべき新しい事実、資料を明らかにいたします。
 過労死水準で働いていた人たち、今でも全国各地にいる。これは法務省が作成した資料です。技能実習生でどれだけ多くの人たちが命を奪われたか、失っているか。
 例えば、平成二十七年一月四日、中国からやってきた三十二歳の女性、溺死。一月七日、中国からやってきた二十八歳の男性、凍死。二月二十一日、モンゴルからやってきた三十四歳の男性、自殺。三月二十六日、ベトナムからやってきた二十五歳の男性、自殺。ラオスからやってきた二十九歳の男性、急性心筋梗塞。中国からやってきた二十一歳の女性、自殺。ベトナムからやってきた二十一歳の女性、低酸素脳症。中国からやってきた二十三歳の男性、くも膜下出血。中国からやってきた三十三歳の男性、溺死。ベトナムからやってきた二十五歳の男性、小脳出血。ベトナムからやってきた二十七歳の男性、脳出血。ベトナムからやってきた二十一歳の女性、溺死。中国からやってきた二十九歳の男性、溺死。中国からやってきた三十五歳の男性、急性心不全。中国からやってきた二十八歳の男性、急性呼吸促進症候群。中国からやってきた二十二歳の女性、くも膜下出血。
 ごく一部です、今御紹介したのは。多くの、若者たちですよ。日本にやってきて凍死、溺死、自殺、病死、ずうっと続いている。今だって続いているんですよ。これが技能実習生の実態ですよ。これ法務省の資料ですよ。大臣、これ御存じですか。
#76
○国務大臣(山下貴司君) もとより、この資料については承知しております。
#77
○有田芳生君 承知をした上で、入管当局もそうでしょうけれども、どういう対応をこれまで取ってこられたんですか。
 じゃ、具体的に聞きます。溺死ってどういう状況だって調査されましたか。
#78
○政府参考人(和田雅樹君) お答え申し上げます。
 これは報告を受けたものを記載しているものでございまして、その個別の事案の中身につきましては、調査しているかどうかにつきましては、私には、こちらでは、当局として把握していないということでございます。
#79
○有田芳生君 無責任でしょう。冗談じゃないよ。日本に希望を持ってベトナム、中国から来た若い青年たちが、何で溺死、凍死、自殺しなけりゃいけないんですか。その分析をなさっていないんですか。おかしいでしょう。それで新しい制度に行くなんというのは全く許されないですよ。何で溺死したんですか。何で凍死したんですか。一人一人の人生。明らかにしてくださいよ。何で調査しないんですか。調査しなかったんですか。
#80
○政府参考人(和田雅樹君) 誠に申し訳ございません。
 地方入管等からの報告の内容がこのような報告であったということでございまして、中にはその状況について若干の記載のあるものもございます。
 いずれにいたしましても、こうした深刻な状態につきましては、今般設置をされましたPTの中できちんと調査をしてまいりたいと考えているところでございます。
#81
○有田芳生君 違うでしょう。今から調査じゃないでしょう。
 今読み上げた一人一人の人生については、平成二十七年ですよ、何で凍死したんですか、何で溺死したんですか、明らかにしてください。一人一人のベトナム、中国の若者たちの人生、そんな数だけで、言葉だけでないがしろにするんですか。明らかにしてください。何で凍死、何で溺死、何で溺死の人たちが多いんですか、はっきりしてくださいよ。
#82
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません。
 例えば、平成二十九年の十月三日に二十歳の方で養殖業で亡くなられた方などにつきましては、洋上のマガキ養殖での技能実習終了後、港に戻る途中の船から落水して死亡したなど、個別の事情につきまして若干我々報告を受けているものもございますが、今先生から御指摘のございました溺死等と書かれているものにつきましては、今手元に資料がございませんため明らかにすることができませんが、きちんと報告をできるようにしたいと思います。
#83
○有田芳生君 おかしいでしょう。平成二十九年の、今読み上げられたことは書いてありますよ。だけど、それ以前に、平成二十七年から、もう何年も前から溺死、凍死というのはいっぱいあるじゃないですか。
 そういう報告が来ていたら、何でこんなことが技能実習生の中で起きているのか調べるのがあなた方の仕事でしょう。人の人生ですよ、これは、日本に希望を持って来た若者たちの。それを、どうしてこんなことが起きているのかということを何で調査して改善策取ろうとしなかったんですか。明らかにしてくださいよ。みんな悲しんでいるんですよ。お父さんもお母さんも、もちろん本人たちの無念も。どうするんですか。これ、法務省が明らかにしたことじゃないですか、公表していないでしょうけれども。公表できないでしょう。
 この現実の下で、技能実習生、その人たちの環境が変わらないままで新しい制度になんというのは、行くことは絶対に許すことができません。
 もう一度聞きます。何で凍死、溺死なんですか。理由を明らかにしてください。
#84
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません。
 大変、人の命に関わることであり、重大なことであるということは認識しているところでございますが、現在我々が報告を受けている内容といいますのが今この表に取りまとめたところでございまして、その中身につきまして更に詳しく調査したいと思います。
#85
○有田芳生君 大臣、法務省がこれ作っているんだけれども、初めて明らかになりますよ、これは。どうして公表しないんですか。
#86
○国務大臣(山下貴司君) まず、公表につきましては、やはり各この死亡事件、これは労災事故、いずれにしてもそうでございます。
 例えば、日本人におきましても、業種別死亡災害発生状況であるとか、業務上の疾病、これがあってはならぬということは、これはやはり政府を挙げて取り組まなければならないということでございます。
 そして、この死亡事案、法務省が今回取りまとめたものにつきまして、これやっぱり個々の死亡事件の詳細について公にするということが、やはり死亡原因でございます、やはりプライバシーの観点から、これは遺族が公開を望まないであるとか様々な要素がございます。ですから、一般的な公表については差し控えさせていただきたいと考えております。
 そして、この死亡事案の把握につきましては、これは二十九年十一月から技能実習法が施行され、そしてこの施行を受けて、技能実習機構からしっかりとこれを把握し、それを法務省が把握するという運用をしっかりと図ってまいりたいというふうに考えております。
 そして、まだ足らざるところが今ないか、それは弁護士であります門山政務官をトップとしたこの技能実習の運用に関わるプロジェクトチームについて、その方策についてしっかりと検討していきたいと考えております。
#87
○有田芳生君 違います。遺族が公表を明らかにしていないですか。一人でも聞きましたか。うそでしょう、そんなことは。聞きましたか。はっきりしてください。大臣が言ったんだから大臣答えてくださいよ。
#88
○国務大臣(山下貴司君) 死亡事案一般について公にすべきかどうかということに関しましては、これは基本的には先ほど申し上げた観点から公表はしないということにしております。
 もうそもそも、やはり死亡の原因につきましては、やはり個々人のその死に至る経緯とかということがございます。もちろん事件性があるものであれば、これは労基あるいは警察等に通報をしているというふうに承知しておりますが、そういった取扱いであるということを是非御承知いただきたいと思います。
#89
○有田芳生君 やめてくださいよ。何で凍死したんですか。何で溺死したんですか。調べてくださいよ。
#90
○政府参考人(和田雅樹君) 度々お答えしていますとおり、現在我々が報告を受けている内容としてはこのようなものでございますけれども、その個別の具体の状況につきましては、またきちんと調査をしたいと思っているところでございます。
 その上で申し上げますと、それぞれの事案の内容につきまして、どこまで公表ができるかということにつきましては、これはプライバシーの問題等々を検討した上で考える必要があることであると考えているところでございます。
#91
○有田芳生君 冗談じゃない。何言っているんですか。大臣、法律が変わって今違うと言うけど、あなたは実態知らないですよ。
 先月、長野県からベトナムに帰った若者たち、今でも技能実習生として、職場ではどなられ、殴られ、我慢して十一月に成田から帰っていきましたよ。今だってそういう目に遭っている若者たちはいっぱいいる。
 七月にベトナムから来た若者で、借金をして日本に来て自殺をしたグエンさん、遺書を残しています。もう同じことを繰り返してもしようがないから、グエンさんの遺書を聞いてください。
 お父さんとお母さんに教わったとおり、強い人間になることを目指しましたが、もうその志は消えました。毎日孤独感をかみしめています。周りの環境がとてもひどいです。彼らは、僕がどれぐらい頑張っているか全く分かってくれません。軽蔑されています。仕事をやって、蹴っ飛ばされているんですよ、殴られているんですよ。遺書の最後にグエンさんはこう書いた。お父さん、お母さん、僕は怖いです。意味もない人生をずっと生きることに恐怖感を抱いています。本当にごめんなさい。でも、もう遅いです。さようなら。
 ベトナムの空港からお父さん、お母さんに送られて、希望を持って日本に来て、挙げ句の果てが日本人に殴られて、蹴られて、軽蔑されて、差別をされて、その挙げ句が自殺ですよ。こういう人たちが今でもいっぱいいる。
 先月帰ったベトナム人たちは命を持って国に帰りましたよ。だけれども、何て日本はひどい国かと、そう思って帰っている。そういうことが広がっていくんですよ。日本に希望を持って来ながら、日本は好きだ、だけど帰るときは何て国なんだと。親日どころか、嫌日で帰っていく人たちが増えていくならば大問題じゃないですか。
 だから、この技能実習生のちゃんとした総括なしに新しい制度なんかはあり得ません。採決なんかは絶対許せないことを強調しまして、質問を終わります。(発言する者あり)
#92
○委員長(横山信一君) 御静粛にお願いいたします。
#93
○小川敏夫君 立憲民主党・民友会の小川敏夫です。
 技能実習生への対応、支援というものが非常にずさんだった、お粗末だったということの実態がはっきり分かってまいりました。そして、大臣は、先ほどの答弁の中で、門山政務官をトップとしてプロジェクトチームをつくって、昨日もそうしたプロジェクトチームの会合を開いて、平成三十年度の新規の入国者、受入れ者についても調査を開始したということでございました。
 でありますので、私はその点について政務官にお尋ねしたいんですが、政務官がおりませんので、委員長、休憩してください。
#94
○委員長(横山信一君) 速記を止めてください。
   〔午前十一時四十六分速記中止〕
   〔午前十一時五十六分速記開始〕
#95
○委員長(横山信一君) 速記を起こしてください。
#96
○小川敏夫君 この外国人労働者受入れ制度で一番肝要なのは、やはり労働者に安定して有意義に仕事をしていただくということが一番大事なんですよ。このことは初回の質問でも確認いたしました。
 これは、労働者の、外国人労働者の人権や人道上の配慮ということが最も大切ですけれども、それだけではなくて、受け入れた、来てくれた労働者にしっかりと働いてもらうということで産業の発展、我が国の産業の発展にも貢献するわけでありますし、間違って外国人労働者がドロップアウトして水面下に潜ったり不法就労ということになりますとこれは社会の不安の一つの要素となるから、社会の平和を守るためにも私は外国人労働者を温かく迎えて支援して、そして安定して働いていただくことが必要だということは繰り返し述べておるわけでありまして、そのことについては大臣からも賛同いただいております。
 そうしてみますと、技能実習生のこの実態というものは甚だひどい。法務省が公表したこの聴取票、法務省の公表そのものがでたらめであったと思いますけれども、それが非常にひどいということは再三指摘してきたわけでありますけれども、それに対して、どうも大臣の答弁あるいは法務省の対応は、いや、それは旧制度のことですよと、新しい制度になってからはあたかもそういう問題が解消されたかのような口ぶりをしておる。しかし、実際には新制度の受入れ者についてもう既に四百人が失踪していると、こういう事実がある。
 この状態については、先ほど大臣は、門山政務官をリーダーにしてプロジェクトチームをつくった、その中の昨日の会合で、三十年、つまり本年ですね、本年受け入れた労働者のことについてもしっかり調査を行ったということであります。
 それで、門山政務官にお尋ねします。
 あなたがプロジェクトチームの座長として、既に、先ほどの大臣の説明ですと昨日も会合を開いた、もう五回も何か会合を開いたかのようなお話でしたけれども、その中で、新制度になってから受け入れた労働者が失踪した人数は何人と把握しておりますか。
#97
○大臣政務官(門山宏哲君) 本年度上半期の失踪者四千二百七十九名の中で、新たな技能実習法の適用を受ける技能実習生は三百七十三人と、全体の九%であると認識しております。
#98
○小川敏夫君 そのうち、入管当局が身柄を拘束した……
#99
○大臣政務官(門山宏哲君) 本年がということでございます。申し訳ございません。
#100
○小川敏夫君 その人数のうち、入管当局が身柄を拘束した人数は何人ですか。
#101
○大臣政務官(門山宏哲君) 済みません、現状では把握できておりません。
#102
○小川敏夫君 つまり、聴取票というものが一部公表されました。これは失踪者全員の聴取票じゃなくて、それは失踪した人間から聴取はできないわけですから、全て入管当局が身柄を拘束した失踪者なんですよ。つまり、入管当局が身柄を拘束すれば、その被拘束者から事情聴取をするということで聴取票が作成されているわけです。
 ですから、私が知りたいのは、この新しい制度になってからの失踪者がいた、その中で身柄拘束者がいるはずですよ。身柄拘束者がいれば、そこで聴取票が作成されているはずだ。
 委員長、その作成されているはずの聴取票を当委員会で閲覧、提出して我々が閲覧できるような御配慮をお願いいたします。
#103
○委員長(横山信一君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
#104
○小川敏夫君 しかし、大臣、新制度になった人についても、もうプロジェクトチームがしっかり取組を開始したといいながら、実際には拘束した人間が何人か分からない、その状況も聴取したかどうかも分からないようなそんな状態だったら、やっているような価値じゃないじゃないですか。いずれにしろ、資料の提出をお願いいたします。
 私は、新制度になってからも、技能実習者に対するこの扱い、劣悪な環境というものは改善されていないと思いますよ。現に、今の状況では数字的には失踪者がいる。僅か一〇%未満だと、何か七・八%ぐらいの人数だと言いましたけれども、じゃ、全体の技能実習生の総数の中で新制度による受入れ人数は何%なんですか。
#105
○国務大臣(山下貴司君) 済みません、具体的な通告がなかったので今手元にある数字でお答えいたしますと、上半期において当年に新規に入国した者、上半期においては五万六千名余ということになります。そして、前年末の在留者数、すなわち二十九年末の在留者数というのが二十七万四千二百三十三ということでございます。
 この前年末の在留者数のうち何人ぐらいがその新たな新制度における技能実習者であるかということについては、これ切替えの点もございますので、ちょっと今、昨日通告がなかったので今手元に具体的な数字がございませんので、ちょっとこの限度で御容赦いただければというふうに考えております。
#106
○小川敏夫君 私が質問した趣旨は、全体の僅か何・何%と僅か、少ないかのようなお話を言いましたけれども、だって、全体の受入れ実習生の中の新制度の人間の数の割合が少ないんだから当たり前じゃないかと、むしろ来た早々すぐ失踪しているというこの状況は深刻だというふうに私は指摘したかったんです。
 そして、もうこの質問終わりますけれども、大臣は何か、弁護士の政務官を筆頭にしてプロジェクトチームをつくって、これから取り組む取り組む、さあ大丈夫だぞみたいなことをおっしゃるけど、実際に昨日プロジェクトチーム開いたというけれども、何をやっていたんだというふうなていたらくじゃないですか。答弁要りません。質疑続けますけれども。
 私は、受入れ外国人、外国人労働者を支援するということは、この制度の本当の根幹を成す最も大切なことだと思うんですよ。そう思ったとき、私はこの今の仕組み、この新しい法律の仕組みでは無理があるんじゃないかと思いますよ。というのは、この法律上、外国人労働者を支援するのは受入れ企業ですよ。受入れ企業がやるんだけど、受入れ企業はそれを受入れ機関に、支援機関に、これだって民間業者ですけれども、民間事業者である受入れ登録機関に委任することができるというわけですから。いずれにしろ、支援するのは受入れ企業、若しくはその委託を受けた登録機関、いずれも民間企業ですよ。民間企業というのは利潤を追求する会社ですよ。
 そして、重ねて何回も私も質問しましたし、今日、元榮委員からも確認がありました。支援に要する費用は労働者に転嫁しない、請求しないということをはっきり約束していただきました、説明していただきました。
 ということは、利潤を追求を目的とする受入れ事業者は、支援に中身を濃くすれば濃くするほど利潤が減るという構造になるんですよ。これは登録機関でも同じですよ。民間事業主、利潤を目的とする会社ですよ。支援に要した、掛かった費用は労働者に転嫁できない、請求できない、使えば使うほど、すなわち支援の中身を濃くすれば濃くするほど自分のもうけが減るという、こういう構造になっているんですよ。
 これ構造的に、支援を充実させようという発想からいったら無理な構造じゃないですか、と私は思うんですが、いかがですか。
#107
○国務大臣(山下貴司君) 今回の新たな受入れと申しますのは、これは、生産性向上やあるいは国内人材確保の努力を行ってもなお深刻な人手不足の分野に限って認めるということでございます。
 そして、委員御指摘のとおり、支援をこれ義務付けております。支援が十分でないところは受入れ機関とは認めない、受け入れられないわけでございます。それでもなお、その支援を負担してもやはり外国人材の受入れをしなければ、当該分野における持続可能性であるとか成長、これが阻害されるというところに限って認めるところでございます。
 ですので、もちろん、委員御指摘のとおり、民民であります。利潤追求はあるんだろうというふうにありますけれども、ただ、それは支援が大前提で、そうしたものを受け入れる受入れ機関に限って認めるというふうな立て付けにしているところでございます。
#108
○小川敏夫君 ですから、その立て付けが、支援を厚くしなくてはいけないと高らかに宣言しながら、実際には、支援を行うのは民間の利潤会社だ、利益、利潤を追求する民間事業者だということなんですよ。掛かった費用は労働者に請求してはいけないというんだから、そういう構造の中では支援の中身が薄くなってしまうんじゃないですかという指摘をしているわけで。
 やはり、こうしたことは、受入れ事業主、そうした民間の事業会社に任せないで、やはり公的にしっかりと受け入れた労働者、外国人労働者を支援する仕組みというものが私は必要だと思うんですよ。しかし、そうしたことはこの法律上全く書いてありません。
 それから、そもそも、もう一つ構造的に無理だと私が指摘させていただくのは、この受入れ事業者の支援あるいは登録機関の支援について、しっかりやっているかどうかを法務省入管局がしっかり監督するから大丈夫だと、していなきゃ登録を取り消すから大丈夫だとおっしゃりますけどね。しかし、入管庁というのは、この法律にも書いてあるじゃないですか、在留を管理する、管理するために存在しているんですよ。もっと分かりやすく言えば、労働者が職場を離れたら、不法滞在になるといって捕まえてくる役所でしょう。
 労働者が職場を離れた、外国人労働者が職場を離れた、何らかの事情があって職場を離れた。支援というのは、じゃ、どうして職場を離れたの、どういう事情があったの、どういうことがあったの、そして、不法在留にならないように新しい転職先をしっかり探してあげようかとか、そういうことをやるのが私は支援だと思うんですよ。
 だけど、入管庁というのは、労働者が職を離れたら、実習生でいえば実習先を離れたら、もう不法滞在だからといって、それを捕まえてきて強制退去するのが仕事じゃないですか。まさに在留を管理する役所なんですよ。その管理する役所が、そして、職場を離れた人が不法滞在になれば捕まえてきて強制退去させる役所の、管理する役所が、一方で労働者を支援しよう、温かく支援しようという、私は、この発想、構造が無理だと思いますよ。
 だから、労働の分野は厚労省でしょうから、私は、法務省、管理するこの入管庁だけに任せないで、もっともっと広く、厚労省も含め、あるいは政府全体でそうした仕組みを私は公的に、外国人労働者をしっかり支える、そうした公的な枠組みをつくる必要があるんじゃないか。そうした観点からいうと、今回のこの法案は全く零点だということを指摘したいし、またそういう必要性があるので委員長にも申し上げました。
 厚生労働省とは少なくとも連合審査を、厚生労働省とはやっていただきたいということをお願いしてあるわけでございまして、改めて協議していただきますようお願いいたします。
#109
○委員長(横山信一君) 後刻理事会において協議いたします。
#110
○小川敏夫君 大臣にお尋ねしたいことは非常にたくさんあるんですけれども、例えばこの支援のことについて、支援に要した費用は労働者に請求しない、転嫁しないということは明言していただきました。
 一方で、私、初回の質問で、在留資格証明書の発付の際に、雇用契約書だけ確認するので、住居に関すること、そうしたことについては入っていないじゃないかということを指摘しましたところ、大臣は、いや、そこでは入っていないけれども、しかし、これから作る支援計画の中にははっきりとそのことを明示するようにするんだというような説明をいただきました。
 それで私が思いましたのは、そうすると、大臣の答弁、誤解を招くんですよね。支援計画の中に住居の確保のことも入れる。そして、支援計画に書かれた支援を行えばその費用は労働者に請求しないと。そうすると、何か大臣は、住居費を外国人労働者に請求しちゃいけないというふうに誤解されるような話になるんですけれどもね。大臣の話が長々長々それぞれの分野で長いから、もう一つぴりっとしないのであれなんですけれどもね。
 支援に要する費用は労働者に転嫁しないと、請求しないということははっきり分かったけど、だけど、じゃ、労働者に提供した住宅の費用は請求しないんですか。あるいは、労働者が日本語を学べるように日本語学校に通った、その授業料は労働者に請求しないんですか。請求しないのなら私は好ましいと思うけれども、多分それは請求してもいいというふうに答弁すると思うんですがね。
 そうすると、その区別が全然分からないし、これまでの大臣だと一切請求しちゃいけないかのような非常に誤解を招くような答弁だったので、労働者に請求しない、転嫁しない、そうした支援に要する費用と、住居費や日本語学校の授業料とか食費とか、そこら辺のところをちょっと明確に区別して、分かりやすいように説明していただけませんか、簡潔に。
#111
○国務大臣(山下貴司君) まず、この支援の中身というのは、これについて、その費用負担について私が繰り返し申し上げているのは、不当に直接又は間接に負担させてはならないというふうに申し上げております。
 これは、そもそもこの支援というのが、当該外国人が活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援ということでございまして、例えば同じような支援において実費が入るような場合には、この実費についてはこれは負担させることは排除していないということでございます。それはなぜかといいますと、例えば日本人が同じような、例えば住居ということで住居費を払わなきゃならないときに、これを外国人だけ負担させないということになると、それはある意味実質的な給与ということになりますので、そうした実費相当額については、これは日本人同様負担していただくということがあり得るということでございます。
 そして、それが何が実費に当たるのかにつきましては、それは個々の事案に応じて変わってくると思いますので、今回はちょっとその様々なものについて具体的な通告をいただいていないので、網羅的にお答えができないんですけれども、基本的にはそういったことで不当に直接、間接に負担させてはならないということで考えているということでございます。
#112
○小川敏夫君 通告をいただいていないというのは大変失礼な話じゃないですか。支援に要する費用の負担について問うと通告しているじゃないですか。じゃ、質問通告はこれこれこれこれこれこれって私がしゃべること全部通告しなくてはいけないんですか。失礼だよ、それは。ちゃんと質問通告しているじゃないか、支援に要する費用の負担についてと。
 今回、また別の項目をお尋ねしますがね、聞きたいことは幾つもあるんだけど、時間が足らないんだけれども、派遣労働に関する分野についても外国人労働者を受け入れるということでありました。
 確認しますと、その場合、外国人労働者は、派遣企業、派遣元ですね、だから派遣会社か、と雇用契約を結ぶということでよろしいわけですね。
#113
○国務大臣(山下貴司君) これは、特定技能雇用契約ということであれば派遣元と契約を結ぶということになります。ただ、派遣という、原則、雇用形態は原則として直接雇用ということであり、派遣形態とすることは、真に必要不可欠である場合に限って派遣形態を認める場合があるということで制度を考えております。
#114
○小川敏夫君 どういう場合に派遣を認めるかについてはまたこれから政令で決めるということなんですね。だから議論にならないと思うんですけれども。
 派遣ですと、じゃ、雇用契約者はその派遣会社だと。しかし、実際に働く先はまた別のところの企業ですよね。そこについて何らかの、届出とかあるいはそこの就労場所の特定とか何らかの監督があるべきだと思うんですが、派遣の場合に、その派遣先企業のことについてどのように対応しているんでしょうか、この法律においては。
#115
○国務大臣(山下貴司君) この派遣先につきましても、あらかじめ、例えば派遣元と特定技能雇用契約を締結する際に、その派遣予定期間でございますが、それをつまびらかにしていただく、その派遣予定先についても我々しっかり事前にチェックいたします。で、不相当なところが含まれているのがあれば、これは特定技能雇用契約の中身についてやっぱり疑義が生じるわけですから、例えば在留資格認定証明書等の発付、交付については差し控えるということになります。
 そして、どのような派遣先にやっているのかについては、定期的に報告を求めることになりますし、また必要に応じて派遣先についても、これ、受入れ機関に対する立入検査やあるいは指導、助言等が認められておりますが、この立入検査については関係先も含まれております。ですから、必要に応じて派遣先についても立入り等が可能だというふうな法制度になっております。
#116
○小川敏夫君 その派遣元、派遣会社との間の雇用契約ですと、しかし、実際の収入の源となる就労は派遣先企業なわけです。ただ、その派遣先の方でいわゆる雇い止めとか何かあった場合に、この労働者の賃金なんかはどのようになってしまうんでしょうか。
#117
○国務大臣(山下貴司君) この場合、特定技能雇用契約というのは、派遣元と外国人労働者との間で締結されております。
 今御指摘なのは派遣先が例えば倒産等で賃金不払になった場合ですけれども、これは、あくまでこの契約自体は派遣元と労働者の間で締結されておりますので、派遣元から給料をいただくということになろうかと思います。
#118
○小川敏夫君 それは、じゃ、言い方を変えると、派遣先あるいはその外国人労働者の実際の就労先がなくなったとしても、派遣元の派遣会社は外国人労働者に決められた給与を払うものであるから心配しなくていいと。そうすると、外国人労働者は派遣先がない間は仕事しなくても給料もらえると、こういうことだから心配しなくていいというふうにおっしゃっているんですか。
#119
○国務大臣(山下貴司君) 契約におきましては、特定技能雇用契約にどのような記載がなされているかということでございますが、今おっしゃったように、それは、特定技能雇用契約自体は派遣、受入れ機関たる派遣元と外国人労働者との契約ということになりますので、そのようなことになろうかというふうに考えておりますが、個別具体的な契約の中身について、様々あろうかと思いますが、それが適正なものかどうかについても、やはり我々はこの在留資格認定証明書発付の際にもしっかり見ていきたいというふうに考えております。
#120
○小川敏夫君 だから、個別具体的な契約は様々なものがあろうがと、だから私はそこを心配しているんですよ。様々なものがあるときに、しかし、外国人労働者の雇用条件とか賃金とか、そういった立場を守らなくてはいけないと。
 だから、雇用の契約の内容が様々あろうと思いますって一言で済まされちゃいけないんで、やはり外国人労働者が不利益を被らないような、そうした雇用契約でなければならないので、そうすると、外国人労働者が不利益を被らないような雇用契約はこの派遣の形態の場合においてどのように担保されるのかということをお尋ねしたかったわけでありますが、どうでしょうか。
#121
○国務大臣(山下貴司君) 基本的に、外国人材の雇用形態について、その派遣を認める場合というのは、もう派遣形態とすることが真に必要不可欠な場合ということで限っております。すなわち、これは、この派遣先があるということがあるからこそ真に必要不可欠なわけでございまして、そういったその派遣先をしっかりとこれ派遣元としては担保していただく必要があるんだろうと。そのことを前提としたこの雇用契約、特定技能雇用契約になるんだろうというふうに考えております。
#122
○小川敏夫君 私の質問に対する答弁になっていないと思うんですけれども、時間が来ましたので、質問はまた次回にさせていただいて、終わります。
#123
○委員長(横山信一君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#124
○委員長(横山信一君) ただいまから法務委員会を再開いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、柳本卓治君が委員を辞任され、その補欠として松下新平君が選任されました。
    ─────────────
#125
○委員長(横山信一君) 休憩前に引き続き、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案及び外国人労働者等の出入国及び在留の適切な管理に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#126
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。
 昨日の参考人質疑の中で、参考人の先生方からの意見で真っ二つに分かれたのが家族の帯同についてでございました。特に、この法案についてどこを変更したらいいですかと高谷参考人にお伺いしたところ、一点、家族の帯同を認めるべきだという、そういう発言がございました。
 私も家族の帯同を認めた方がいいと思っております。それは、働く人にとってもそうですし、それから、我が国において消費者が増えていくということにとってみれば、考えてみれば、内需の拡大につながっていくことですし、改めてですが、家族の帯同を認めるべきだと思いますが、その点についていかがでしょうか。
#127
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 現行、技能や技術・人文知識・国際業務など、いわゆる就労資格の外国人の家族に対して、家族滞在の在留資格を認めているところでございます。
 家族滞在の在留資格は、入管法上、日本に在留する者の扶養を受ける配偶者又は子に対する独立した在留資格でございまして、在留期間に上限のある技能実習でございますとか研修及び長期の滞在が想定されない短期滞在の在留資格で滞在する者の家族については家族滞在の対象から除外しております。
 これは、家族滞在の在留資格には扶養者に十分な扶養能力を求めるものですが、子弟の教育など、その受入れに係る一定の社会的コストが掛かるところ、一定期間の後、確実に出国することが予定されている外国人について、その家族に係るコストを含めて、社会全体としてそのコストを負担することについてのコンセンサスが得られているとは認められないためでございます。
 今回新たに創設する特定技能一号につきましても一定期間後の帰国を前提とする在留資格であり、在留期間に上限のある前述の在留資格と同様に、その家族に対して家族滞在の在留資格の付与しないこととしておるところでございます。
 加えまして、特定技能一号の外国人の方に対しましては、我が国で安定的に在留活動を行うことができるようにするため、その生活環境を確保するための各種支援を行う方針でありますところ、このような外国人の家族の方も併せて受け入れる場合、その家族の方に対する支援も検討する必要がありまして、その点については幅広い観点からの国民的なコンセンサスを得る必要があるものと認識しており、家族滞在を認めないということにしておるところでございます。
#128
○櫻井充君 今いろいろ御答弁いただきましたが、特に最後のところはびっくりしましたが、その国民的合意が得られていないと。国民的合意がまだ得られていないような内容のものをここに提出してくること自体僕は問題だと思っていて、これ、もしも皆さんが認めてくだされば、この法律の内容を変えることになるんでしょうか。
#129
○政府参考人(和田雅樹君) 家族の滞在を認めるかどうかということにつきましては様々な御意見があるところでございまして、その中で幅広い観点からの検討が必要であろうということを申し上げたところでございます。
#130
○櫻井充君 大臣、検討していただいた上で、やはり家族の帯同を認めた方がいいということになったら、それは御検討はいただけるんでしょうか。
#131
○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。
 現在の家族滞在の在留資格、これとの並びというのも考慮しなければならないと思っております。
 と申しますのも、家族帯同を認める認めないというのは、外国人に対する恩恵ではなくて、家族に対する独立した在留資格でございます。その中で、例えば扶養を受ける配偶者又は子ということで、扶養者に十分な扶養能力があるのかないのかという点、そして、その在留期間に上限がある者には認めていないという並びがございます。そして、今回は、その特定技能一号に関しましては上限は五年ということでございますけれども、原則として一年で更新ということになります。
 そうしたことからすると、安定的な在留というところについて、あるいはその扶養能力が十分であるかどうかについて、これについては、例えばやはり支援、様々な支援の対象となることが予定されておるところでございます。そうしたことも踏まえながらやはり検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
#132
○櫻井充君 今の扶養能力という話を出されると、一つの考え方かもしれませんが、賃金が十分に支払われないんじゃないだろうかと想像してしまうようなところがあるわけですよ、今みたいな御答弁いただくとですよ。
 我々が、この間も申し上げたと思いますけれど、例えば、医者でも、留学する人たちは、相手国の方から研究者に対する処遇って決して良くはありません。多分、二、三百万ぐらいであって、あとは自分たちで貯金をためて行って、その際に家族帯同していくわけですよ、みんなね、一般的に申し上げれば。だから、そういう理由だけで、我が国の理由だけでそういうふうな方向性で決めてくるというのは、僕は済みませんけどおかしな話だと思います。
 時間が今日は限られているのでここまでにしておきますけれど、こういう外国人労働者を受け入れた後にいろんなことが見えてくることがあると思うので、その際に是非御検討いただきたいと、そう思います。
 それから、その外国人労働者が多く入ってきた際に我が国で犯罪件数が増えるんではないのかという、そういう心配をされてきています。現実問題として、例えば技能実習生でもいいですし、なかなかデータがないのかもしれませんが、外国人の犯罪率と日本人の犯罪率と、そこに差があるのかどうか、ある程度分かるんであればそれについてお示しいただきたいと思います。
#133
○政府参考人(藤村博之君) お答えいたします。
 お尋ねの犯罪率でございますが、検挙した人員のその母数に占める割合という御趣旨かと思います。そういった犯罪の割合を正確に数値で表すことは困難な点がございますが、おおむねの傾向を知るという意味では、例えば日本人の刑法犯検挙人員を日本人の総人口で割ったものと、来日外国人の刑法犯検挙人員を在留外国人数で割ったものを形式的に比較するということが考えられます。
 まず、日本人でございますが、平成二十九年中の日本人の刑法犯検挙人員は二十万四千四百二十三人であり、これを平成三十年一月一日現在の日本人人口一億二千五百二十万九千六百三人で割ると〇・〇〇一六三という数字になります。
 一方、外国人でございますが、平成二十九年中の来日外国人の刑法犯検挙人員は六千百十三人でございまして、これを平成二十九年末現在の在留外国人数二百五十六万一千八百四十八人で割ると〇・〇〇二三九といった数値となります。
#134
○櫻井充君 ありがとうございます。
 日本人の場合には高齢者で寝たきりの方も含まれているでしょうし、それから、例えば赤ん坊も含まれてきているので、今の御答弁ですと、おおむね活動できている人たちでいうとほとんど差がないということでよろしいんでしょうか。
#135
○政府参考人(藤村博之君) 母数をなかなか確定しづらいところがありますので、どちらがというところはなかなか難しいところでございますが、お示しした数字については委員お示しのような比較になろうかと思います。
#136
○櫻井充君 そうすると、外国人労働者が増えてくると犯罪が増えてくるんではないのかというようないろんな言われ方をしているけれど、余りそういうことについて心配する必要性はないのかなと私は今の答弁を聞いて感じましたが、大臣、いかがでございましょう。
#137
○国務大臣(山下貴司君) 先ほど、数字的なことについてはもう御指摘のとおりでございます。
 そうした、外国人が増えれば犯罪が増えるというふうなレッテルを貼るということは、やはり私としてはそれは正しくないんだろうというふうに思っております。ただ、さはさりながら、やはり体感治安などの問題もございます。そうしたことを、治安を考えること自体がやはり外国人の差別につながるのではないかという観点もございますけれども、それは、まず、やはり今後、受入れ拡大に即してしっかりとしたこの在留管理、あるいはその治安対策を引き続き講じていくというふうに考えております。
#138
○櫻井充君 今の点で外国人労働者の受入れについて不安を感じていらっしゃる方がいるので、その点についてはきちんと対応していただきたいと、そう思います。
 それから、昨日の参考人質疑の中でもう一つ出てきたのが登録支援機関についてでございました。その登録支援機関がブローカーと化すのではないかという、そういう心配をしているんですが。
 まず最初にお伺いしておきたいのは、登録支援機関と派遣業とどこが違うのか、そこについて御説明いただきたいと思います。
#139
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 登録支援機関は、特定技能外国人の受入れ機関の委託を受けて特定技能外国人の支援を行うということを業務にするものでございまして、特定技能外国人の雇用主となるものではございませんので、登録支援機関という立場で特定技能外国人の派遣を行うということは想定しておりません。
#140
○櫻井充君 なるほど。そうすると、雇用するか雇用しないかという点で派遣業とそこは異なるという解釈でよろしいですか。
#141
○政府参考人(和田雅樹君) 御指摘の点が大きな違いだと認識しております。
#142
○櫻井充君 ところで、現在でも、ちょっとこれ通告していないので十分お答えいただけるかどうか分かりませんが、外国人専用の、外国人だけだったと私はこの間お伺いしましたが、もう派遣業が成立していると聞いていますが、この実態をどの程度か理解されているでしょうか。
#143
○政府参考人(和田雅樹君) 申し訳ございません。外国人に特化した派遣事業があるかということのお尋ねかと思いますけれども、そういった実態については入管局としては特段把握をしていないところでございます。
#144
○櫻井充君 では、これは外国人に特化していなくても外国人を含む派遣業があるということについては、この提出者としてお伺いしておきたいのは、法務省として理解している点はあるんでしょうか。
#145
○政府参考人(和田雅樹君) 在留する就労資格の外国人の方に関しましては、特段その契約形態等に制限があるわけではございませんので、派遣業のところに雇われている外国人の方もいらっしゃるものと認識しております。
#146
○櫻井充君 これ、派遣社員にしてしまうと、相当問題がまた出てくるんじゃないのかなというふうに思っているんです。結局、その派遣会社がある種の利益を出してしまうというところが出てきて、働いている方に対して十分な賃金が支払われなくなるような可能性があると、そう思っています。
 先日、ちょっと群馬の中小企業の方とお話をしていたら、九百人の従業員のうち四百人が外国人労働者で、その四百人ともみんな派遣会社から派遣されているんだそうなんです。そうしないと人手が集まらないと、これがまた実態です。なるべく日本人の雇用を増やそうと思っているけれど、だけど、そうしないととにかく会社として成り立たないので、結果的には派遣業から派遣してもらっているということです。
 私はあんまりこういう方向性というのは良くないんじゃないかというふうに思っているんですが、大臣、どうお考えでしょう。
#147
○国務大臣(山下貴司君) まず、派遣に関しまして、今回の新たな受入れ、外国人材の受入れ拡大に関してまず申し上げますと、今回の制度で受け入れる外国人の雇用形態は原則として直接雇用というふうに考えております。
 ただ、分野ごとの特性に応じて派遣形態とすることが真に不可欠な業種ということがあれば、これは派遣というのも認め得るということでございます。現在、農業等がそういうところに当たるのではないかという検討もなされておるところでございますけれども。
 ただ、この派遣先において、派遣を仮に認める場合であっても、派遣先についても、現在受入れ機関に課すこととしている厳格な基準を満たすことが可能かどうかということをしっかりと検討の上、最終的に分野別運用方針に派遣形態を認める旨を明記する。この明記がなければ認めないということになります。そして、その下で運用していくというふうに考えております。
 そして、今御指摘のありました外国人全体に関して派遣の実態、これにつきましては、派遣を所管する厚生労働省ともしっかりと情報共有して、その実態を把握して適切な対応をやっていきたいと思いますし、またそのことについても、外国人材の受入れ、そして共生に係る総合的対応策、こうしたものについても盛り込めないか検討してまいりたいと思います。
#148
○櫻井充君 前向きな御答弁いただきまして、本当にありがとうございます。
 それから、参考人質疑の中で、その登録支援機関がブローカーと化すことがあるんではないだろうかと、そういう心配もされておりました。技能実習生の場合にもそういうことがあったのかどうか、そこら辺のところについて詳しく分かっていないので、技能実習生の場合に、こういう、その登録支援機関ではないんだろうと思います、これは新しくできたものですから。その国内に外国人の技能実習生を連れてくる際に、ブローカー的なものというのは存在していたんでしょうか。
#149
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 技能実習の場合には、送り出し機関とそれから監理団体というものがございまして、その中に悪質な監理団体があって、一部外国人材から不当な金銭を徴収していたという事実があるというようなことについては聞き及んでいるところでございます。
#150
○櫻井充君 まず、この実態をきちんと調査すべきだと思います。そうでなければ、また同じことが起こってきて、どういう手口でやってきているのかということを研究しないと、幾ら登録支援機関といって新しい組織を定めたとしても同じようなことになってしまうんじゃないのかなと思うんですが、その点に関していかがですか。
#151
○政府参考人(和田雅樹君) 御指摘のとおりでございまして、監理団体について問題があるところがあるということで、昨年十一月から施行されました技能実習法におきましては、監理団体等に対する検査等を強化したところでございます。
 いずれにいたしましても、不当な団体等が関与しないかどうかということにつきまして、厚生労働省等と連携しながらきちんと調べていくようにしたいと思っております。
#152
○櫻井充君 ありがとうございます。
 その上で、登録支援機関というところがブローカーにならないようにするためにどういう措置をとろうとお考えでしょうか。
#153
○政府参考人(和田雅樹君) 登録支援機関は支援を行うという団体でございますけれども、今回の受入れ制度につきましては、法務省令におきまして、まず受入れ機関の基準として、支援に要する費用を特定技能外国人に不当に直接又は間接に負担させてはならないという趣旨の規定を置くこととしております。
 その上で、登録支援機関につきましては、支援計画を適正に実施できるための要件に適合することを求めるほか、出入国又は労働に関する法令に関し不正を行っていた場合には、これを欠格事由とすることで不適切な登録支援機関が参入できないというふうにしているところでございます。
 そして、登録支援機関による支援の実施状況に関する届出を義務化いたしまして、支援の実施状況等を的確に把握するとともに、不適切な対応などがありましたならば登録支援機関に対して必要な指導、助言を行うこととしております。
 加えまして、登録支援機関が欠格事由に該当する場合、届出義務に違反する場合、支援を行わない場合、不正の手段により登録を受けたことが判明した場合、報告若しくは資料の提出を求めたにもかかわず、これを拒み、又は虚偽の報告等を行った場合の各登録拒否事由に該当する場合には、当該登録支援機関の登録を取り消すこととしており、悪質な機関を制度から排除することとしておるところでございます。
 これらの方策によりまして、制度を適切に運用することを通じて、登録支援機関の適正化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
#154
○櫻井充君 きちんとやっていただきたいと思いますし、それからもう一つは、これ地方公共団体にやらせるか、地方公共団体に、三セクでも何でもいいんですけど、地方公共団体が絡んだ組織にやらせるとか農協にやってもらうとか、そういう制度設計はできないものでしょうか。
 要するに、地方公共団体が絡んでくれば、地方公共団体が積極的に自分たちの町に足りない分野、その労働者を受け入れようという努力をしてくるわけですよ。民間機関がやるということではなくて、何らか僕はやはりその市町村が絡んでいった方が地域の人材不足の解消につながると思うんですけど、この点についていかがでしょうか。
#155
○政府参考人(和田雅樹君) 今回の法律案につきまして、修正でも地域のことを考えるということが加えられたわけでございまして、先生の御指摘、大変重要なことだと思っております。
 地方公共団体がどのような形で登録支援機関と関わることができるかということにつきましては、更に検討を加えまして、何らかの形で地方公共団体が加わった場合の在り方について考えてまいりたいと思います。
#156
○櫻井充君 前向きな答弁いただきまして、ありがとうございます。
 改めて、大臣の御決意をお伺いしておきたいと思います。
#157
○国務大臣(山下貴司君) ありがとうございます。
 外国人材の受入れ、これは新たな受入れに限らず、やはり政府を挙げて、のみならず、やはり地方公共団体の方々にも直接最前線に立ってもらうわけでございます。そうしたところに対してもやはり国もしっかり手を差し伸べていきたいと思っておりますし、そのことに関しましては、今、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議、あるいは年内に規定されます総合的対応策、そうしたところでもしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
#158
○櫻井充君 ありがとうございます。ここはすごく大事な点だと思うんです。
 そして、もう一つ大事な点は、やはりブローカーと化している人たちは送り出し機関と組んでいるわけですよ、結果的には。その失踪者の調査を見てみると、少ない方でも五十万ぐらい、多い方で二百万ぐらいその送り出し機関に金を払ってきていると。それだけ多額の借金を抱えてきているからこそ、要するに賃金の高いところに行かざるを得ないような現状があるんだろうと思っていて、この送り出し機関について、相手国政府にどういうことかについて要件を定めるとか、そのようなことは行っていくんでしょうか。
#159
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 技能実習制度におきましては、団体監理型実習生に、技能実習生になろうとする者からの団体監理型技能実習に係る求職の申込みを適切に本邦の監理団体に取り次ぐことができる者として主務省令で定める要件に適合するものと、外国の送り出し機関を定義しているところでございます。
 その上で、保証金の徴収その他の名目のいかんを問わず、技能実習生の日本への送り出しに関連して、技能実習生又はその家族等の金銭その他の財産を管理しないこと、技能実習に係る契約の不履行について、違約金を定める契約や不当に金銭その他の財産の移転をする契約を締結しないこと、技能実習生等から徴収する手数料その他の費用について、算定基準を明確に定めて公表するとともに、当該費用について技能実習生等に対して明示し、十分に理解させること、こういったことを送り出し機関の適合すべき要件として定めているところでございます。
 他方、本法案におきましては、外国の送り出し機関に関する規定は置いておりません。これは、送り出し機関と監理団体という形で行います技能実習とは違いまして、公私の機関との契約というものを前提とするということでございます。
 ただ、本案成立後に制定する法務省令におきましても、したがいまして、現時点では送り出し機関が満たすべき基準を定める予定はございませんが、外国、外国人労働者が来る側の外国の事情に応じまして何らか二国間で協議をすることを検討したいと考えております。
#160
○櫻井充君 確かに、相手国でつくる機関であって、それに対して日本の法律で定めるということ自体は難しいことだとは思うんですよ。
 ですが、やはりそれが原因になって問題が起こっている点も否めないので、きちんとした形で、これは大臣から御答弁いただきたいと思いますが、やはり各国によって実情は大分違うんですよね。今年、フィリピンに行かせていただきましたが、やはりあそこは英語がもう堪能なので英語圏に行くとか、それから送り出す場合には国と国とのちゃんと合意の下で送り出すことを考えていきたいとかいう話になってきているので、是非こういった点は二国間できちんとした議論をしていただきたいと思いますが、その点についていかがですか。
#161
○国務大臣(山下貴司君) 現段階では、先ほど申し上げたように、新たな人材におきましては、二国間というのが要件ではないということではあるんですけれども、その上、そのために、既存の例えば技能実習に関する二国間取決め、その中でも例えば様々な情報交換はできます。また、EPAであるとか様々な枠組みを使っていきたいと思いますが、委員御指摘のとおり、相手国との関係もありますけれども、相手国との合意ができるのであれば、二国間取決めの可能性についても探ってまいりたいというふうに考えております。
#162
○櫻井充君 前向きな御答弁いただきまして、ありがとうございました。
 ちょっともう限られた時間になって、あと一分しかないので、済みません、端的にお答えいただきたいことがあります。
 社会保険料について、外国人の方で未納の方ってどのぐらいいらっしゃって、それから外国人の中で医療費の未払というのはどの程度あるのか、分かればその数字だけ教えてください。
#163
○政府参考人(高橋俊之君) まず、外国人の保険料の未納でございますけれども、外国人か日本人かで同一の取扱いをしてございますので、その数字、集計してございません。
#164
○櫻井充君 この間、このたしか法務委員会の大臣所信の中でもこういう問題が、大臣の所信の中で述べられていたような気がするんですよ。ですから、それを調査していないというのは僕はおかしな話だと思うんですね。そして、ましてや、これからその外国人の方々が入ってきた場合に、これももう一つ心配されているわけですよ。もちろん、日本人でも社会保険料というか未納の方もいらっしゃるし、医療費を払っていらっしゃらない方もいらっしゃって、東京の都立病院などはすごく苦労されてきているんです。やはり、これから外国人の方を多く受け入れるということになったとすると、そういう実態も私は調査すべきではないのかなと、そう思っています。
 もう時間になりました。改めてですけれど、今の日本の状況を考えれば、外国人労働者に頼らざるを得ないという現状は否めないと思っていて、その点については我々も必要性は認識してきていますが、是非、お願いは、外国の労働者の方々にとってもプラスになるし、それから我々日本人にとってもプラスになるような、そういう改正を行って運用していただきたいと、そのことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#165
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 まず、大臣にお尋ねしますが、失踪実習生の聴き取り票を野党が分析をしたという中で明らかになった違反事例について、大臣が、入管始めとした当局に指示をしたとおっしゃる徹底的な反面調査、これについて、今日午前中、元榮議員の質問の中で、来年三月末までに公表するという御答弁がありました。私、改めて、この反面調査を行うというこの調査が何を対象とするのか、ここについて確認をしたいと思います。
#166
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 この調査について、私、十一月十六日に指示をしたところでありますが、改めて、昨日、門山政務官を議長とする技能実習制度運用に関するプロジェクトチームの検討会において、平成二十九年分及び平成三十年の聴取票について、明らかに違法、不適正な処遇が認められないものを除く、明らかに違法、不正ではないと認められない、認められないものを除く全ての技能実習実施機関に対する調査を実施し、そして、その調査結果について三十一年三月末までに取りまとめて公表すると、こういうふうに指示をしたというふうな報告を受けておりますし、私もそのように考えております。
#167
○仁比聡平君 この実習生の失踪した方々からの聴き取り票を、ベトナムからおいでになった方について抽出をしてみました。そうすると、重複を除く二千八百七十人分のうち千六十一名がベトナムからおいでになった方、三七%を占めるという、本当に大きな数を占めているわけですね。その下で、今日、有田議員から平成二十七年の死に至った方々の悲痛な実態と遺書も御紹介があったわけですけれども、そうした人権侵害が起こっている。
 私、繰り返し、このベトナムからの送り出し機関が、ブローカーも介入して、深刻な、実習生を食い物にするそうした実態があるということを告発をしてきたのですが、先に入管局長に確認をしますけれども、前の委員会で、在ベトナム日本国大使館のホームページを私、紹介をして、十月三十一日掲載のところに書いてあるのをそのまま読みます。技能実習生に対する手数料は、ベトナム労働・傷病兵・社会省の通知により、三年契約の場合には三千六百USドル以下と上限額が定められていますと。これはこのとおりですね。
#168
○政府参考人(和田雅樹君) 御指摘のとおりでございます。
#169
○仁比聡平君 つまり、日本円でおよそ四十万円に上限が定められている。これは手数料であって、保証金の方はこれは取っては絶対にならないというふうに決まっている。にもかかわらず、この失踪実習生の、ベトナムからおいでになった方々の送り出し機関に払った金額という個票の項目がありますけれども、四十万円を超える方々が九百三名、八五・一%に上っています。
 お分かりになりますか。ベトナムからやってきて実習先から逃げ出さざるを得なくなったと。そうした方々の、この把握をされた、捕捉をされた失踪者の聴き取りの中で八五・一%の方々が、母国で違法とされている、取ってはならないとされているそうした高額の手数料を送り出しに当たって取られている。これ四十万円をちょっと超えるというんじゃないんですよ。これ膨大な数の方々が莫大な金額を取られている。
 これは、まず不正であり違法でしょう、局長。
#170
○政府参考人(和田雅樹君) ベトナムの法律につきまして細かく承知しているところではございませんけれども、その上限金額を超えているということであるならば、それは不正な行為に当たろうかと思います。
#171
○仁比聡平君 ベトナム法の問題だけではなくて、日本法、入管の上陸基準あるいは新実習適正化法ですね、これに基づいて、そんな受入れ、実習の受入れ、あるいはそこに関わる監理団体でもこれは絶対に許されないんですよ。にもかかわらず、八五・一%の方々がそうしたお金を取られている。
 これ、入管はこれを見て何とも思わなかったんですか。
#172
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 この聴取票の中身というそのものにつきましては、これは御本人さんの申告だけであるというようなこともございますが、いずれにいたしましても、現状におきましては多くの、ベトナムを含む多くの国と二国間取決めを結びまして、送り出し国政府につきまして、もし違法な、違法、不正なことがあるならば、きちんと通知をするなどして是正を図るということにしているところでございます。
#173
○仁比聡平君 結局、こうした実態を平成二十六年の三月以降ずっとつかみ続けてきたんだと思いますよ、現場は。今年の前半のおおよそ二千は聴き取っているということまで含めて、そうした実態をつかみながら、私から今日問われるまで、どれだけのボリュームでこんな事態が起こっているのか把握さえしてこなかったんじゃないですか。
 大臣にお伺いをしたいんですが、三月末までに調査をして公表するという対象、これは今私が申し上げている、こうした母国でどれだけの不当な、あるいは不正、違法なお金を取られているのか、そこの仕組みの中でどんな形で実習生が縛り付けられているのか、そして、その不正あるいは違法であれば、これは正すものは正す、ベトナムにも正してもらう、そういう調査と公表が必要だと思いますが、いかがですか。
#174
○国務大臣(山下貴司君) まず、御指摘のとおり、違法な保証金とかそういったものを取ること、これについては二国間取決めをもって悪質ブローカーは排除するという立て付けになっておりまして、また、私も実際ベトナムなどに行きました、ベトナム、ミャンマーその他の国に行きました。そのときに、しっかり情報共有してやっていこうということ、そして日本としては、違法、不当な保証金名下の高額な借金、これを負わせることは駄目なのだということはしっかり伝えてまいりました。
 そして、そういったことをしっかり伝えた上で、今後また二国間で、二国間取決め等や様々なチャンネルでその趣旨をしっかり伝えていきたいと思っております。
 そして、御指摘の反面調査、これはどうしてもやはり外国における機関の調査ということになりますので、私どもの方から期間を区切るということがなかなかできないわけでございますけれども、三月末までにおいては私たちができる限りのところで先方にも伝え、また国内でできる調査についてはしっかりやっていった上で公表させていただきたいというふうに考えております。
#175
○仁比聡平君 まず、ベトナムとの間のことでできる限りの調査を行いたいという御答弁だったと思います。
 国内でできることというのは私、たくさんあると思うんですよ。実際、実習実施先あるいは監理団体がこれを知っていたのか、どんなふうに関わっていたのか、これは調査をして三月末までにやるべきでしょう、大臣。
#176
○国務大臣(山下貴司君) この調査につきまして、可能な限りさせていただきたいと思っております。また、それにつきましては、具体的な取り進めについては、弁護士でもあります門山大臣政務官が率いるプロジェクトチームで把握することになっておりますので、そうしたこともしっかり進めていただきたいと思っています。
#177
○仁比聡平君 可能な限りというこの腰が引けた姿勢は一体何なのかと。ここまで明らかになりながら何なのかと思いますよ。そうではないですか、自民党さん。腰引けてないですか。可能な限りって、だって日本の実習実施先や監理団体調べられるじゃないですか。加えて、高額の手数料、これを取って送り出してきているところというのは、労働関係法令、あるいは入管法関係法令について、あるいは今の新法に言う様々な不正行為というのを同時にやっているところは多いですよ。それを明らかにして公表しなかったら、三月末までに公表するといったって何の意味もないじゃないですか。
 加えてお尋ねをしたいのは、重ねてお尋ねをしたいのは、資料をお配りをしていると思います。ちょっと私の手元になくなってしまっているんですけど。
 労働基準監督機関と出入国管理機関との相互通報状況という政府の資料があるんですが、平成二十四年は五百五十六件、入管から労基監督機関に通報しているんですね。ところが、平成二十五年以降、これ通報件数は百件台で推移して、平成二十九年、つまりこの失踪実習生の聴き取りを行っておられた期間ですよ、二千八百人以上の聴き取りを行って、その七割が最賃以下、一割は過労死水準を超えているという実態を入国警備官が聴き取っていた時期ですよ、その時期に労基署に通告、通報したのは四十四件。これ大臣、どんな認識なんですか。
#178
○政府参考人(和田雅樹君) まず、事実関係について申し上げます。御指摘のとおり、昨年の件数は客観的な数字で申しますと、前年と比較して非常に少なくなっておるのは事実でございます。
 法務省といたしましては、平成十八年六月の厚生労働省との相互通報制度に関する合意の趣旨に基づきましてきちんとした通報を行ってまいりたいと考えているところでございます。
#179
○仁比聡平君 何を言っているんですか。合意の趣旨に基づいて適切に行っていきたいって、現に現場が格闘してですよ、その失踪実習生の実態を把握をしていたときでしょう。
 繰り返し申し上げるけど、失踪者というのはこの平成二十五年頃から急増しているわけですよ。これ急増している行方不明者、失踪者が何でこんなことになっているのか、実態はどうなっているのか、現場は格闘していたでしょう。そのときに、労働関係法令違反の実態がたくさんあったのに通報できていない。当然これ正されるということはなかった。これまで結局、人権侵害を目の当たりにしながら、それに対して対応してこなかったじゃないかと大臣に聞いているんですよ、大臣。一体どんな御認識ですか。
#180
○国務大臣(山下貴司君) これは相互通報制度という制度に基づいて行っているものでございます。そういった中で、昨年、四十四件にとどまっている、これが少ないのではないかという御指摘、これは重く受け止めたいと思っております。
 これにつきましては、相互通報制度の運用の問題もございます。また、相互に情報共有がしっかりなされていなかった、こういうこともあるんではなかろうかというふうに思っております。そのために、今般、この改正法でお願いしております案の中に、関係行政機関との関係、これについて、緊密に連絡し、及び協力して行うものとするという、六十一条七の七という案文も御提案させていただいているところでございます。
 さらに、修正案、衆議院で修正案を提示、修正案を御可決いただきましたけれども、その中身において、外国人に係る在留管理、雇用管理、社会保険制度における在留カード番号その他、在留カード番号というのはもうとにかく外国人が必ず常時携帯し、そして全ての外国人に与えられるものでございますから、このようなものの利用の在り方についても検討するということでございますので、こうした通報の在り方について、情報共有もしっかりやりながら取り組んでまいりたいと思っております。
#181
○仁比聡平君 いや、これまで情報共有と言いながら、入管がしっかりとこれを正していく機関に通報してこなかったということがここに明らかになっているわけじゃないですか。情報は共有する、それが、それそのものが目的ではなくて、事態を正し、権利侵害を受けている労働者を救済するためにあるんでしょう。その実習生が現にこんな仕打ちに遭っている中で、結局、正すということをしてこなかったのではないのか。今になって、この法案で緊密に連携するというような条項を定めているとか、そんなことが何の言い訳になるのか。
 大体、こんな体制で、来年三月末までに本当の真剣な、事柄を是正するような調査や取組ができるのかと。食べることもできない餅を絵に描いて、今のこの法案の審議を何とか言い逃れて乗り切ろうとしているだけなんじゃないですか。そんな入管あるいは法務省が今後、司令塔になろうと、共生の。あり得ないですよ。
 もう一問お尋ねをしますが、登録支援機関の登録について聞きます。
 法案の十九条の二十三は、登録を受けることができるという、できる規定になっています。となると、これ登録しなくても受入れ企業から支援の委託を受けるということはできることになりますけれども、そういう理解でいいですか。
#182
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 御指摘のように、改正法案十九条の二十三第一項におきましては、契約により委託を受けて特定技能一号外国人に対する支援計画の全部の実施の業務を行う者は、出入国在留管理庁の登録を受けることができると規定しているところでございます。
 また、改正法案第十九条の二十二第二項の規定からも明らかなように、登録支援機関以外の他の者が特定技能一号外国人を含む外国人に対して支援を実施することは特段禁止されているものではございません。
#183
○仁比聡平君 つまり、未登録の支援機関も支援の名の下に受入れ企業から支援の一部を受託することができるんですよ。その契約において委託料を払うと、委託料をもらうということも、これ、局長、できますね。
#184
○政府参考人(和田雅樹君) 私的な契約において委託料を受け取るということはあろうかと思います。
#185
○仁比聡平君 これまで、技能実習制度において、監理団体から監理業務の全部だとか又は一部の委託を受けて、法外な手数料を取ってきたようなやからがばっこしてきました。これを正さなきゃいけないと繰り返してこの委員会でも指摘をされながら、そうしたやからが支援の名の下に、例えば宿舎を提供する支援、ここの労働者、特定技能一の宿舎は我々が支援しますということで高い家賃や光水熱費を給料から天引きしてピンはねをすると。こういう事態がこれ起こり得るじゃないですか。
#186
○政府参考人(和田雅樹君) まず、申し上げますと、その支援の委託を行う者ございますけれども、その支援に関する費用を特定技能外国人に負担させるということはできないという法の立て付けになっておりますのと、それから、法外な家賃等を取るというようなことに関しましては、これを是正するということになろうかと思います。
#187
○仁比聡平君 今の局長の答弁は、私が申し上げているとおり、登録を受けていない支援団体が宿舎の提供などを支援名目で行うことはあるんだということを前提にしているんですよ。そういう答弁なんですよ。
 その上でですよ、その高額の家賃などの負担を特定外国人に負担させるということはできないという御答弁を今されたけれども、だけれども、受入れ企業への委託料というのをこれ取ることは前提とされているわけで、その委託料が重い負担になって、特定技能一の労働者への給料、これが低賃金の構造になってしまうというのは、これまで技能実習制度で行われてきたことですよ。高額の監理費というのは大問題になってきて、だから、これを実費に適正化するということを今政府と機構は取り組んでおられる。
 だけれども、今度、特定技能一においては、政府が監理団体を許可制にするということによって、そんな不当を排除していくといってきた仕組みさえない。登録というのも、もう許可とは全く違って実質的な審査はしないんだけど、ところが、その登録さえ受けずに支援名目で外国人労働者の監理に関わる、そういう者が横行し得る仕組みだということじゃないですか。
 大臣、そういう仕組みをつくって、どうやってブローカー排除するんですか。
#188
○国務大臣(山下貴司君) まず、支援の仕組みについてでございますけれども、この支援につきましては、その登録、これは登録の際にやはり法務大臣あるいは出入国在留管理庁長官が見るわけですが、その登録された支援機関に対してその支援計画の全部の実施を委託する場合に初めて、その三項、要するに特定技能雇用契約で定められた支援を満たすという、適合することとみなすということになっているわけでございます。これが二条の五の五項でございます。
 ですから、登録されていない者であれば、それに委託して委任料を取ったところで、それが不適正であれば支援義務を果たしていないということで、その受入れ機関に対してはしっかりとした例えば指導、勧告をし、場合によっては改善命令を出し、それに従わない場合には、例えば罰則であったり受入れをできなくするというようなことを取っているわけでございます。
#189
○仁比聡平君 それでは私の懸念は晴れないんですよ。だって、受入れ企業が、確かに支援計画出さなきゃいけませんよ。けれども、その支援のどれだけを登録支援機関なり、あるいは登録を受けない支援機関に任せていいのかというのが何にも明らかにならないじゃないですか。
 確かに、適正っぽい支援計画は出されているかもしれない。けれども、そこの支援を一部、例えば宿舎というのを提供する支援というのは、実際は、本当は、書類上は出てこないけれどもブローカー的なやからだということがある場合に、それも見抜けもしない。だから、受入れ企業の支援計画を届出によって書類見て審査するといったところで、これ擦り抜けられてしまうんですよ。
 そんなことになっていけば、特に海外で、送り出しの母国でガイダンスを行うというようなことを未登録の外国組織に委託をすると。これ実際には、日本国内の深刻な人手不足の中小企業の皆さんなんかは、外国、向こうの国のそうした機関に頼っているというのはありますよ。そういうガイダンスなどを未登録の外国組織もできると、そこに委託するということになったら、お金を幾ら取られているかも日本側では全く分からなくなるじゃないですか、見えなくなっちゃうじゃないですか。これまでも暗躍しているのに、それを一層分からなくしてしまうと。
 この登録支援団体はできるというこの規定、これというのは、これ撤回しなきゃいけないんじゃないですか、改めなきゃいけないんじゃないですか、大臣。
#190
○国務大臣(山下貴司君) 委員御指摘のとおり、入国前の生活ガイダンスの提供というのは支援計画の中に入っております。
 これについては、不当に直接、間接に負担させてはならないということになっておりますし、また、こうした、ブローカーがこうしたものの名目の下にお金を取るということがあってはならないことは言うまでもないことでございまして、それに関しましては、例えば在留資格認定証明書の交付申請の際に、こうした保証金その他の名下によって不当な借金を背負わされていないか、支払がなされていないかということは確認いたすということになっております。
#191
○仁比聡平君 これまで、許可制を取っている下でもそれを見抜けてこなかったというのが現実なんです。これが登録制の下で、あるいは登録しないところまで許すということになれば、これは逆にもっとひどくなりかねないと、このことを厳しく指摘したいと思います。
 派遣形態の大問題について通告をしておりましたけれども、時間がなくなってしまいました。各省おいでいただいたのに本当に申し訳ないんですけれども、徹底した審議が必要ですよ。この委員会をどんどんきちんと議論を進めていくべきだと求めて、質問を終わります。
#192
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 やはり、これまでの質疑、答弁を伺っておりますと、いろいろな問題がまだ審議時間が足りずに、ここを何とか来年の四月から実行に移していこうというのは余りにも無理があるのではないかと思われますが、私の質問は少し方向性を変えまして、本質的な、本質論の質問をさせていただきます。
 大臣、これは日本維新の会でヒアリングをしたときに専門の講師の方から聞いたことなんですが、海外からJALで帰国しますと、英語のビデオが流れまして、ウエルカム・ツー・ジャパンというビデオなんですけれども、最初に紹介されるのが鑑真なんです、鑑真和尚の鑑真。もちろん皆様に御紹介するものでもないんですけれども、奈良時代に失明しながら日本に渡り、鑑真というのは、日本の遣唐使から直接依頼を受けて日本にいらした方です。悪徳ブローカーではなく、日本の遣唐使が依頼をしたという。鑑真は失明しながら日本に渡り、日本の仏教の発展に貢献した人物であります。
 海外から人が来るときにその文化や経済にイノベーションが起きていたということが、歴史を振り返りますと事実としてこういうふうにあるんですが、日本は、そのような高度人材といいますか、どのようにして入っていただくようにしていくかという議論をもっとやるべきだと思うんですが、高度人材が集まるような環境をつくってグローバル人材が入ってきて日本がグローバル化、初めてグローバル化というのができるんではないかと思うんですけれども、大臣、残念ながら今回の法案はそのようなものではないと私は受け止めておりますが、大臣はどう思われますでしょうか。
#193
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 高度人材という言葉は様々な場面で使われているものでございまして、入管の在留資格に限っているわけではございませんけれども、一般的に、我が国で就労可能な在留資格を持って在留する外国人、つまり、現在受け入れております専門的、技術的分野の外国人の方を示すことも多うございますし、あるいは高度人材ポイント制というもので現在受け入れておられます真な高度人材の方々というものもいらっしゃいます。
 こういう方々はこういう方々で、また高度人材の方に関しましてポイント制などを設けまして、我が国に集まっていただきやすいような環境づくりをしているところでございますが、今回の法律について申し上げますと、特定技能一号につきましては一定の専門性は有しますが、この意味で、現在ある専門的、技術的分野の方の技能水準よりはやや低い技能水準の専門性の方でございますので、ややその高度人材を集めるというのとは違うということを申し上げたいと思います。
#194
○石井苗子君 今いみじくもおっしゃったように、やや低いということでございます。
 中期的や長期的な目的で、就労目的で外国の方を受け入れる場合に、一時的な労働者という意識ではなくて、日本を好きになってもらい、日本経済を共に担う仲間という意識で外国の方を受け入れる、これが必要だと思うんですけれども、一時的な労働者として受け入れる特定技能外国人というこの名称ですが、私が今申しましたような仲間として受け入れるようなことができると思われますでしょうか。これは大臣にお伺いします。
#195
○国務大臣(山下貴司君) 今回の新たな外国人材の受入れ制度について申し上げますと、これは、本当に我が国が生産性向上を図っても国内人材の確保を図ってもなお人手不足が深刻だというところに、ある意味我が国に働きに来てくれる、そういった我が国経済を共に担い、あるいは厳しい人手不足に悩むそういった特定の産業分野を助けてくれる仲間だというふうに私は思っております。
 そうした外国人を迎え入れるにおいて、これは単なる労働力というふうな失礼な見方ではなくて、日本に共に働き、そして学んでいただき、生活する外国人として考え、受入れ環境の整備を行うことによって人権を守り、そして外国人がこの我が国を共に支えていく、我が国社会を共に支えていく一員として円滑に生活できるようにしていくということを目指しているわけでございます。
 その意味で、例えば特定技能一号に関しましては、この外国人を受け入れる機関に対して支援を義務付け、職業上、日常生活上又は社会生活上の支援を行うということにしております。そして、新たな外国人材の受入れ制度に限らず、我が国が受け入れた我が国に住んでいただいている外国人に対しましては、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、これを関係閣僚会議で年内に決めたいと思っております。
 そうしたところで、我が国社会を共に支える仲間としてしっかりと共生する多文化共生社会、つくってまいりたいと考えております。
#196
○石井苗子君 大変立派な御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 しかし、今議員の方々が御質問されているのを聞いておりますと、支援という意味では大変不十分でありまして、年内にとか来年三月までにとおっしゃっていますけれども、私は整っていないと、この国は、日本の国はまだまだ、支援をちゃんと整えて外国の方々に仲間になって働いてくださいという受入れ体制はできていないと思います。
 新しい在留制度が労働力不足に対処するものだとしても、その目的を達成するためには、実際に日本企業が求めるレベルの労働者が一定レベル日本に来なくてはなりません。そのためには、台湾や韓国といったような国々と、競合する国との比較で日本の在留制度というのが、何回も申しましたけど、魅力的なものでなければならないわけです。
 本委員会で大臣それからそのほかの役所の方々の答弁を聞いておりますと、どうも法務省は、在留を適正化することが所管事項であるから、外国の方が来る来ないはほかのお役所が考えることだという意識が強いように聞こえてきてならないんですけれども、法務省はそういった縦割りの意識が極めて強い役所だと私は思っております。
 そういう弊害を直していくことも残念ながら大臣のお仕事ではないかと思っておりますが、もちろん法務省の設置法で定められた範囲の中で仕事をしなければならないということはよく承知しておりますけれども、大臣は、縦割りのこの弊害を是正するという、こういう意識はお持ちでしょうか。
#197
○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。
 ちょっと私の答弁ぶりが縦割りに聞こえるというのであれば、非常に反省しなければならないところでございますが、私自身は、まず法務省の所管、これはやはり外国人が日本に来ていただき様々な活動をしていただく在留資格、つまり出入国と在留管理、これは基盤としてしっかりやらなければならないというふうに考えております。そして、法務省は、人権擁護ということで、例えばヘイトスピーチを含む外国人に対するこれは不当な差別、これもしっかり是正していかなければならない立場にあるわけでございます。
 そうしたことにおいて、この我が国に来てもらえる外国人の方が、この我が国において、日本社会の一員としてしっかりと経済の面からもあるいは地域文化の面からも支えていただけるというふうな地域づくりを目指していきたいと思っております。
 昨日の参考人で、たしか高谷参考人でいらっしゃいましたか、西日本豪雨の被災地となった総社市の中の取組も御紹介されたと思います。こういった好事例、これもしっかりと横展開できるように、先ほど申し上げた私が官房長官と共同議長を務める関係閣僚会議においても、そうした取組を政府を挙げてやっていきたいと考えております。
#198
○石井苗子君 ありがとうございます。
 理事会のときに私、実は申し上げたんですけれども、私は大臣に質問したいのだと、質疑をしても、もう書いたものを何度も何度も読んで返答されるので、限界に来てしまっているんじゃないかというようなことを苦言を呈しました。質問する側としては、法務行政のトップである大臣の御認識やお考えを私は聞きたいんです、読んだものではなくてですね。ところが、大臣の考えを聞きたいですというような質問をしましても、法務省から政府参考人に変えてくださいという要求が来たりするんですね。
 法務省の中で、大臣の答弁というのは極力少なくして官僚の方々の答弁を増やせというような方針でもあるんでしょうか、大臣。
#199
○国務大臣(山下貴司君) これは私、例えば院の規則等で技術的、専門的な事項に関わるものについては政府参考人にというふうな部分がございます。それに従ってということではあるんですが、もちろん、これ紙に書いたものを私読み上げているわけではなくて、いろんな資料を置いておって、その資料に、を目を通しながら今お話をしているわけでございます。
 そしてまた、この答弁においても、官僚が書いたものを棒読みするのではなくて、私自身がしっかりと筆を入れております。それで、どうすれば委員の皆様に、そして委員の皆様の後ろにおられる国民の皆様にお伝えできるかということをしっかり考えながら答弁しておりますので、今後もその姿勢で臨みたいと思っております。
#200
○石井苗子君 ありがとうございます。
 私、大臣の話をしたんじゃなくて、政府の方々の話でございます。本当に、大臣にもう少し質問したいのだと質問通告するときに申し上げるんですけれども、内容をこれこれに変えて質問してくださいというふうに要求を出されて、役所の所管には一切口を出しませんが、政治家のその領域には口を挟んでくるというのが法務省なのかなと残念に思っております。
 立法府と行政府の役割の区別とか、その何といいますか、緊張感というものを官僚に大臣からきちんと教育をしていただけないかと思いますが、いかがでしょうか。
#201
○国務大臣(山下貴司君) もちろん、もとより国会は国権の最高機関でございます。そして、委員の皆様の御質問にしっかりとお答えするというのは我々の責務でございますし、(発言する者あり)私も、申し訳ありません、私も答えられる範囲においては手元の資料をしっかり見ながら、見ながらというのはあれですよ、棒読みじゃないですよ、自分で調べて自分で集めていますから、これ、しっかりと大臣としてお答えをさせていただいているところでございます。
#202
○石井苗子君 ありがとうございます。
 是非、私、一生懸命通告もしていますし、この方の意見を聞きたいんですと言っても平気で変えられてしまうということがこれからの教育で少なくなってくればいいなと思って申し上げました。
 一つ、それで、大臣、今度は技能実習法についてお伺いしますけれども、この技能実習法ですけどね、人材育成を通じた開発途上地域等への技能、それから技術又は知識の移転による国際協力を推進することを技能実習法の目的とすると、そう書いてあります。技能実習の目的は国際協力であるということにもかかわらず、ずっと聞いておりましても、技能実習生は外国の方の労働者の二〇%、これ正確に言いますと二〇%以上を占めております。
 技能実習制度というのは、これはもう制度の目的とは違う方向に行ってしまったということ自体は、大臣、お認めになりますでしょうか。
#203
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習制度の目的につきましては委員御指摘のとおりでございます。そして、技能実習制度において、一部において、その技能実習生を安価な労働力として活用し労働関係法違反が生じているという指摘がなされておりますし、このこと自体は重く受け止めなければならないというふうに考えております。
 他方で、技能実習経験者、これは大体その制度、二十二年の七月に施行以来七十万人ぐらいになるんでしょうか、そのほとんどの方はもう帰っておられてその国で貢献されておられるというふうに聞いております。これは、私は、ベトナムやミャンマーなどASEAN諸国に行って、その大臣を始めとする高官から直接聞いております。そして、我が国の発展にも立っておるというふうなことを言われているわけでございます。
 そうした中で、やはり、技能実習の目的の制度、制度目的というのは達成、ある程度達成しているんだろうというふうに思いますし、だからこそ二年前、二十八年の十一月に、この技能実習に関しまして、与野党の幅広い支援を得て、まあ反対された党もございましたけれども、当時の民進党の同意も得て、技能実習法がこれをしっかりと強化するということで制定されたのだと思っております。
 したがって、法務省としては、その与野党の幅広い支持の下で成立したこの技能実習法、これをしっかりと運用していくということで今取り組んでいるところでございます。
#204
○石井苗子君 確かにいい面もあります。しかし、これまでの質疑を聞いておりますと、やはり改善されたとは言い切れない。私は留学の経験がありますけれども、身を置き換えて考えたときに、日本に来た数々の実態を見ますと、ひどい劣悪な環境であったと、死に至った方もいると、これは日本の品位に関する問題ではないかと思っております。
 技能実習生もそうですけれども、留学生についてです。
 これも留学という目的外で来ている方が多いのではないかと思っておりますが、データを見ておりますと、留学生で週二十八時間を超えて就労し、強制退去ですね、これ摘発という数は分からないんですけれども、強制退去になった留学生の数を教えてください。
#205
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 平成二十九年中に退去強制手続を取った者は一万三千六百八十六名おります。このうち留学の在留資格を有していた者は千七百二十四名でございます。そのうち資格外活動違反による者は百二十七名でございます。
#206
○石井苗子君 ちょっとデータが違いますね。私のデータですと、強制退去になった者は六百四十八人と手元に残っておりますが。これは、もう留学生じゃなくて出稼ぎ留学生とやゆされるような、目的をたがえてしまっている留学生がいるということなんです。
 就労目的の日本語学校ですね、昨日行ってまいりましたけれども、この就労目的の日本語学校留学希望者に留学の在留資格を与えてもよいものでしょうか。政府参考人の方、お答えください。
#207
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 在留資格「留学」の本来の目的は留学でございますから、当然、学問をすることでございます。したがいまして、元々就労を目的として留学の在留資格を取るということは、本来の在留資格に基づく活動外の活動を目的として資格を取るものでございますので、在留資格「留学」の付与をしないということでございます。
 日本語教育機関に入学予定の留学生に係る在留資格の認定証明書の交付申請の際には、勉学の意思、能力を有しているかどうか、本邦での生活に必要な経費を支弁する能力を有しているかどうか、こういったことについて審査を行っておるわけでございまして、留学生の来日目的が就労であるということが疑われた場合にはこの在留資格を付与しないということにしておるところでございまして、今後とも、留学生の受入れにおきましては、就労目的の留学生の入国は認めないよう厳正に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
#208
○石井苗子君 であれば、私立大学の約六百校のうち約二百校が定員割れしており、留学生に対する監督が甘くなっておりますが、留学生を監督するに当たり関係省庁とどのような連携を取っていらっしゃいますか。
#209
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 留学生の特に資格外活動でございますけれども、この点につきましては、厚生労働省と連携いたしまして、外国人雇用状況届出の提供を受け、雇用主、雇用開始時期等を把握するということによりまして、入国管理局といたしましては、これらの情報を基に必要に応じて雇用主に対して稼働状況を照会するなどして、留学生の資格外活動の状況を把握に努めているところでございます。
 また、文部科学省及び文化庁との間におきましても、日本語教育機関の告示基準の適合性の確認に当たりまして意見を聞くなどして、不適切な教育機関を排除するなど、こういった連携を図っているところでございます。
#210
○石井苗子君 御答弁を聞いていると、やっているんだなと思うんですけれども、やはり先生方の御質疑を聞いていると、もう全然実態が違うじゃないかという、こういう感想を持ってずっと座って聞いておりました。
 次の質問ですけれども、義務教育の年齢に当たる外国の方のお子さんたちですけれども、外国人の子供で学校に行っていない子供の割合、どのくらいか、文科省の方にお伺いします。
#211
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 我が国におきましては、外国人児童生徒の保護者に対する就学義務がございませんために、お尋ねの割合に当たるものは直接把握してございませんが、関連する指標ということで申し上げますと、法務省の在留外国人統計によりますと、義務教育段階に相当する六歳から十四歳の外国人につきましては、二〇一七年六月末時点で約十一万三千人となっております。
 他方、調査手法でございますとか条件等が異なりますために単純な比較はできませんが、文部科学省の調査におきましては、義務教育段階の学校に在籍する外国人の数は、二〇一七年五月一日現在、約七万七千人となっております。また、外国人学校のうち各種学校として認可されたものに在籍する義務教育段階の児童生徒の数は約一万八千人ということになってございます。
#212
○石井苗子君 いや、学校に行っていない方です、行っている方ではなくて。もう一度お尋ねしますが、これは把握していないんでしょうか。
#213
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたとおり、そのものの数字は調査してございませんが、今申し上げました幾つかの指標をごく単純に差し引きいたしますと、小学校、中学校等の我が国の学校でありますとか、あるいは各種学校として認可された外国人学校等に就学していない児童、外国人児童生徒の数と申しますものは約一万八千人ということになります。
 ただ、先ほども申し上げましたように、単純な計算するに値する数字ではないということと、また、その中には各種学校として認可されていない外国人学校等に在籍している外国人児童生徒の子供が入ってまいりますが、その数については把握できていないという点、御留意いただければと思います。
#214
○石井苗子君 こういうこともしっかりとデータを取っていかなければならない社会になっていくと思います。
 技能実習生であった方の妊娠、出産の問題とか、この点につきましては今日質問はいたしませんが、子供さんがどういう教育を受けるような日本社会になっていくのかというのも、社会問題にならないように、しっかりデータをまとめて調査しておくべきだと思います。
 特定技能二号についてですけど、家族の帯同が、もし二号の場合は帯同が認められていますね、可能となっていますので、お子さんの就学に対する体制を整えていく必要が出てくると思いますが、ここに関しましては、文科省の方、どのように対応していらっしゃいますか。
#215
○政府参考人(塩見みづ枝君) お答え申し上げます。
 我が国では、外国人児童生徒が公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、その方を日本人児童生徒と同様に無償で受け入れているところでございます。
 文部科学省としましては、外国人児童生徒の教育機会の確保というものが適切に行われますよう、自治体に対しまして、保護者への就学案内の徹底でございますとか、就学ガイドブックの作成、配付等を求めているところでございます。
 さらに、外国人児童生徒等をきめ細かく指導、支援できる体制を整備いたしますために、義務標準法の規定に基づいた教員定数の改善の着実な推進、あるいは日本語指導員、母語支援員の派遣などの支援、教師向けの研修カリキュラムの開発、普及等を実施しているところでございまして、今後とも、外国人児童生徒の就学体制の充実に向けまして、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。
#216
○石井苗子君 前の議員の方々の質疑にも出てきたと思いますけれども、日本語教育ということに関しましては、これ徹底的に将来に向けてかじを切っていかなければならないと思っておりますし、こういうことに関してはちゃんときちんと予算を付けてやっていっていただきたいと思います。教員の数が足りないとか、教員の数はあるんだけれども教える人が少ないとかということに関しては、やはり今後の対策を、対応をしっかり取っていくことを考えていただきたいと思います。
 次の質問は、今度人口動態についての質問なんですけれども、将来人口の推計というのが必要になってきます。出生率や死亡率の仮定の仕方でその統計の取り方はかなり変わってくるのでありますが、それぞれ人口の推計というのは大体中位程度だと思うんです。また、百年後という一つのスタンスを取りますと、日本の人口は半分程度に百年後にはなっています。これはちゃんとした計算で、ほぼ中位程度で間違いないと思うんですけれども。
 約五千万人の人口にふさわしい経済規模の国になるのか、あるいは現在の人口をある程度維持して現在の経済規模、国力というものを維持していくのか、そういった議論というのを、前にも申しましたけれども、避けては通れないと私は思うんですが、減少する人口を外国の方で補うという議論もそろそろ始められていると思いますが、そういう必要があると思います。
 国の将来というのは、考え方によっては、国民の皆さんがそれぞれ自分自身が考えて、それを政治が酌み取って実現していくものだと思いますが、政府内で今申し上げました点についてどのような議論があるでしょうか。内閣府の方に御説明をお願いします。
#217
○副大臣(左藤章君) お答え申し上げます。
 過去に政府内で人口規模について議論を行った例として、例えば日本一億総活躍プランに向けた検討を行った一億総活躍国民会議において、合計特殊出生率が二〇三〇年に一・八程度、二〇四〇年には二・〇七程度まで上昇すると、二〇六〇年には人口約一億二百万人となる推計について議論を行っております。
 そのためには、やはり希望出生率が一・八の実現に向けて、子供を産み育てたいと思っている方が産むことができるような社会を目指し、待機児童の解消、そして幼児教育の無償化、働き方改革等を進めることにより、子育てと仕事が両立できる支援を引き続き進めさせていただきたいと思っております。
#218
○石井苗子君 時間が来ましたので終わりますけれども、今の考え方を、外国の方そして日本の女性、どういうふうに日本の国の人口動態をつくっていくのかということを将来議論していただきたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#219
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、丸山和也君が委員を辞任され、その補欠として長峯誠君が選任されました。
    ─────────────
#220
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 私、先日の質問の中で幾つか答弁いただきましたので、それについて確認をしておきたいというふうに思います。
 まず、先日の質問のその関連でありますが、政省令の策定プロセスについて伺いました。そのときの回答をまとめますと、三つのステップをもって法律が施行されるというふうに理解しております。すなわち、一点目にパブリックコメントなど必要な手続を行うということ、二点目に政省令を策定するということ、三点目に改正法施行前に政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告する、この三段階で御答弁いただきました。そのうちの一段階目のこのパブリックコメント、このことについてお伺いしたいと思います。
 政省令の策定に当たってパブリックコメントを活用するとのことでありましたが、入管法改正に基づく政省令の策定に当たっては、全ての政省令においてパブリックコメントが行われるという理解でよろしいのでしょうか。
 確認のため、大臣にお伺いいたします。
#221
○政府参考人(和田雅樹君) 手続に関するものなので、よろしゅうございますでしょうか。
 行政手続法のこれは三十九条というところに規定がございます。その行政手続法三十九条によりますと、政省令を定めようとする場合には、原則としてパブリックコメントの手続を実施しなければならないと、このように規定されているところでございます。他方、ほかの法令の改廃に伴い当然必要とされる規定の整理など、軽微な事項については例外的にパブリックコメントの手続の対象とする必要がないと、このように定められております。
 入管法の改正法案が成立いたしました場合には、関連する政省令の改正作業が必要となりますけれども、この立案作業の際には、この行政手続法三十九条の規定に基づきまして適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
#222
○糸数慶子君 では、政省令の策定に当たっては、提出意見の考慮や結果の公示は当然なされるということでよろしいでしょうか。
#223
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 これも行政手続法の四十二条に規定があるところでございまして、四十二条で、政令を定めようとする場合は、パブリックコメントの手続において提出された意見を十分に考慮しなければならないと、こうされているところでございます。また、同じ行政手続法の四十三条一項に、パブリックコメントの手続の過程で提出された意見等については、原則として政省令の公布と同時期に公示しなければならないと、このように規定されております。
 したがいまして、入管法の改正法案が成立いたしました場合には関連する政省令の改正作業が必要となりますけれども、その立案作業の際には、今申し上げましたような規定に基づいて適切に対応し、提出意見を考慮し、また結果の公示を行ってまいりたいと考えているところでございます。
#224
○糸数慶子君 では、技能実習制度の見直しについて伺います。
 技能実習制度の見直しについてでありますが、技能実習制度の運用状況を検証するプロジェクトチームを設置したということですが、先ほど小川委員からの質問もございましたけれども、そのPTによる検証の過程はどうやって確認できるのでしょうか。今のところ、法務省のホームページにこのPTについての情報はないようですが、スケジュールやその結果は公表されるのですか。
#225
○政府参考人(和田雅樹君) ただいま御指摘のございましたプロジェクトチームは、今回の聴取票の集計ミスがあったこともございまして、技能実習制度の適正な運用の在り方を検討するため、大臣から御指示をいただきまして、十一月十六日、大臣政務官をトップとする技能実習制度に関するプロジェクトチームとして設置されたものでございます。
 これまでの経過でございますけれども、十一月十九日に第一回の検討会が開催されておりまして、昨日十二月五日に第四回の検討会が開催されております。今後のスケジュールにつきましてはプロジェクトチームにおいて決められることとなっておりますが、議事内容につきましては、速やかに議事要旨を作成いたしまして、今後、法務省のホームページで公開する予定であるというふうに聞いておるところでございます。また、このプロジェクトチームにおける検討の結果につきましても何らかの形で公表する予定と聞いているところでございます。
#226
○糸数慶子君 先ほどしっかりと公示をするということでありましたけれども、今本当に大事なこういうプロジェクトチームを設置したという割には、なかなかその検討した結果がなぜ速やかに公表されないのか、改めて伺います。
#227
○政府参考人(和田雅樹君) きちんと公表するという予定だと聞いておるところでございまして、議事結果につきまして議事要領を取りまとめ次第、また適切に公表されるというふうに伺っているところでございます。
#228
○糸数慶子君 PTはあくまで法務省内に設置されるということで、その検証は独立性や公平性が疑われます。PTとは別の第三者的な機関によるこの検証の予定もあるのでしょうか。
#229
○政府参考人(和田雅樹君) 今回の技能実習制度に関するプロジェクトチームは、政治家としても弁護士としても経験豊富な門山政務官に議長を務めていただいているところでございます。
 このプロジェクトチームでは、外部からのヒアリング、これも予定しておりまして、また、先ほど申し上げましたとおり、議事予定でございますとか検討結果などについても外部に公表することを予定しておるところでございます。
 もっとも、検討の方法でございますとか進め方について、プロジェクトチームにおいて決められることでございますけれども、今申し上げたような理由から御懸念には適切な対応が図られるものと考えているところでございます。
#230
○糸数慶子君 御答弁を伺っておりますと、やはりまだ何も決まっていないということなんでしょうか。そのような状態で新たな制度を見切り発車させてもいいのかどうか、大変疑問を感じます。
 昨日、会合があったということですが、それでは政務官にお伺いいたします。昨日はどのような話合いがなされたのでしょうか、具体的にお示しください。
#231
○大臣政務官(門山宏哲君) 昨日行われたプロジェクトチームの第四回検討会におきましては、入国管理局から、山下法務大臣の命を受けて実施しておりました不適正な受入れ機関に関する調査について、現状の一部の報告を受けたところでございます。
 これを踏まえて、同日、二十九年度分及び平成三十年度分の聴取票について、明らかに違法、不適正な処遇が認められないものを除く全ての実習実施機関に対する調査を平成三十一年三月末をめどに終了させることをめどとして実施すること、違法行為や不正行為が認められた実施機関に対しては、遅滞なく必要な対応を検討した上で必要な処分を行うとともに、調査結果等について公表、何らかの方法で公表することを決定し、その旨を山下大臣に御報告させていただいたわけでございます。さらに、聴取票の取り方、あるいは技能実習制度の適正な運用の在り方についてまた検討を、論点の更なる整理も含めて検討をしたというところでございます。
#232
○糸数慶子君 改めて振り返ってみたいと思いますけれども、今回のこの外国人材の受入れのことについて、まず、今年の二月に経済財政諮問会議において安倍首相による検討の指示に始まり、六月の経済財政運営と改革の基本方針二〇一八、これが骨太の方針として方向付けられて、入管法及び法務省設置法改正案の骨子が公表されたのが十月十二日であり、最終的に十一月二日に閣議決定され、国会に上程されました。
 しかし、この間、検討の結果は示されたものの、それに至るその検討の内容についてはほとんど明らかにされてきませんでした。これが国会でのその審議が始まって、いわゆる衆議院で費やされた時間は僅か十七時間のみでありました。
 この間、それぞれの野党が、それぞれが調査票に向き合って頑張った結果、失踪した技能実習生に対するこの聴取データの計算、それについて、提示されたのに誤りがあるということが発覚したわけですが、そうした重要な問題に、今の御答弁を聞きますと、本当に真剣に向き合おうとしていらっしゃるのかどうかという、余りにもスピードの遅さ、先ほどPTをつくってきちんとやるとおっしゃった割には、その中身というのが本当にこういう私たちの求めていることに対してきちんと応えられていないのではないかということを改めて指摘をしてまいりたいと思います。せっかくできたPTがあるにもかかわらず、何のために、誰のためにそれが設置されたのか、そういう中身になっているような気がいたします。
 次に、当事者の視点に立った制度設計の必要性についてお伺いしたいと思います。
 まず、この入管法法案の第二条の五には特定技能雇用契約についての項目があり、特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関について、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者等の介在がないことを省令で明記すると、四日、大臣は私に答弁をされました。つまり、この省令に引っかかる受入れ企業は特定技能外国人を雇用することができないので、悪質な紹介業者などは排除されるとおっしゃいました。しかし、当事者の視点に立ってみますと、ある程度受入れ企業の話が進んでいる段階で、突然受入れ不可とされ、雇用先を失い、在留資格も交付されないという結果になるおそれがあります。その場合の救済措置、それについて法務省はお考えでしょうか。
#233
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 改正入管法二条の五第三項及び第四項によりまして、特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関については、法務省令で定める基準に適合するものでなければならないというふうに規定しております。そして、その省令で定める基準といたしまして、御指摘のとおり、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者などの介在がないこと、こういったようなことを規定することを想定しております。したがいまして、在留資格認定証明書の交付申請において、保証金を徴収するなどの悪質な紹介業者の介在が判明した場合には受入れ機関が当該外国人を受け入れることは許されない結果になりますので、その外国の方の入国は認められないということになります。
 そうなりますと、このような措置は、悪質な紹介業者の介在を防止する観点からこれはやむを得ないことだと考えておりますが、こうした事態を未然に防止するために、今回の受入れ制度におきましては、受け入れる特定技能一号外国人の方への支援の一環として入国前ガイダンス、これを実施することとしておりまして、具体的には、受入れ機関又は委託を受けた登録支援機関が、入国前に受け入れる予定の外国人の方に対して紹介業者等への保証金の徴収は違法であることなどを教示を行わなければならないということをしておるわけでございます。
 こうした入国前の生活ガイダンスを通じるなどして、悪質な仲介業者の介在の防止に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#234
○糸数慶子君 ところが、その外国人が既に紹介業者に保証金などを払っている場合、そのお金は戻ってくるのでしょうか。
#235
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 新たな受入れ制度におきまして、特定技能の在留資格に基づく活動に関連して、保証金の徴収その他名目のいかんを問わず、金銭その他の財産を管理する行為は法務省令に違反するということになるわけでございます。そして、保証金等の名目で悪質な仲介業者に支払った金銭につきましては、基本的にはその外国人の方本人が当該業者と交渉して返還を求めていくことになると考えておるところでございます。
 もっとも、こうした個人での返還交渉は困難であるということも予想されるところでございまして、そのため、本制度におきましては、受入れ機関又は登録支援機関が主体となって行う支援の一つとして入国前のガイダンスを実施することを予定しておりまして、このガイダンスの中でこれから入国しようとする外国人の方に対して保証金等の名目で金銭を支払うことは禁止されている旨を明確に説明し、保証金等の徴収を未然に防止するということを努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#236
○糸数慶子君 私が聞いたことにはきちんとお答えしていらっしゃいません。余りにも無責任な回答だと思います。この新しい制度のせいで将来をめちゃくちゃにされる人が出てくるのではないか、そのような危機感を抱いてしまいます。
 続いて、附則十八条二項では、二年後に制度の在り方について検討を加えるとされていますが、その検討に当たって、外国人の方も必要に応じて御意見を聞くということも考えられるところでございますと、四日の私の質疑に対して大臣がお答えいただきましたが、それならば、なぜ関係地方公共団体や関係事業者、地域住民といった関係者はこの法律に明記されていて、当事者である外国人は法律に明記されていないのか、この制度が誰のための制度なのか、はっきりここに表れていると思いますが、大臣、この見解、このことについての御見解を伺います。
#237
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 委員御指摘の附則十八条第二項の趣旨でございますけれども、これにつきましては、特定技能の在留資格に係る制度の在り方の検討に当たっては、受入れ側、すなわち特定技能外国人を受け入れることとなる地域における意見も踏まえることが重要だということに着目した規定でございます。そして、この受け入れることとなる地域の関係者として、特に関係地方公共団体、関係事業者、地域住民を明記したものではございますけれども、法律にもその他の関係者の意見を踏まえてということを明記しておりまして、これは当事者である外国人の方から御意見を聞くことを排除する趣旨では全くないということでございます。
 いずれにしても、特定技能の在留資格に係る制度の在り方について検討を加えるために必要と考えられる方からは幅広く御意見を聞いてまいりたいと考えております。
#238
○糸数慶子君 昨日の参考人質疑で参考人から重大な指摘がございました。それを踏まえて質問いたします。
 在留資格「特定技能」の創設による受入れは、技能実習制度による受入れと酷似している、そして、しかも技能実習から相当程度の移行が見込まれるということで、技能実習で生じているその問題が拡大してしまうのではないかという危惧が表明されました。この危惧についてどのようにお答えになるのでしょうか、法務大臣に伺います。端的にお答えください。
#239
○国務大臣(山下貴司君) 参考人質疑において参考人がそう述べられたというのは、参考人の方の御見解なんだろうと、酷似というのがその御見解なんだろうと思いますが、今回の新たな制度は、これは技能実習と趣旨、目的が異なっている就労資格を新たに設けるものでございます。在留資格も別の制度でございます。といったことから、酷似しているという御評価については、これは同意しかねるところでございます。
 また、技能実習で生じている問題が拡大しているものではないかとの危惧が示されましたけれども、この点に関して、参考人がおっしゃっている趣旨というのが、その新たに技能実習法が改正されたことよりも以前の段階のお話について基づいてお話しになっているのかなというふうに感じさせられたところもございます。
 政府としては、技能実習法に関しましては、しっかりとこれは新たな、去年の十一月から施行された技能実習法に基づいてしっかりやってまいりたいというふうに考えております。
 そして、今回の受入れの、新たな受入れについては、受入れ機関が、例えば人権侵害行為の防止として、まず受入れ機関が適正なものとなるよう、出入国又は労働に関する法令に関し不正を行っていた場合は欠格事由とする、そういったことで、技能実習生に対して暴力行為を行っていたような実施機関はこれはもう受入れ機関にはならないと、参入できないというふうにしております。
 そのほか、例えば様々な保護措置というのをとっておりますので、参考人の御見解ではございますけれども、技能実習で生じている問題が拡大してしまうとの危惧、これが、そういった懸念を払拭するために全力を尽くしてまいりたいと考えております。
#240
○糸数慶子君 外国人の生活をサポートする制度の確立がなされていない。国会でもほとんど議論されていないことにも指摘がありましたが、サポート制度について今後どのように検討されるのか、伺います。短くお答えください。
#241
○政府参考人(和田雅樹君) サポートの制度につきましては、一つは、特定技能外国人に対する支援を規定しておりますので、様々な支援活動に、職業生活、日常生活、社会生活上の支援を支援として実施していくということがこの法律の規定上の一つでございます。
 それから、現在、年内の取りまとめに向けまして、在留外国人の方、この特定技能の方に限らず、在留する外国人の方全般に、対象といたしまして、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、この検討を進めておりまして、その中で、生活者としての外国人に対する支援ということで様々な支援のプログラムを挙げているところでございます。
 いずれにいたしましても、法務省といたしましては、この新たな在留資格、それはもちろん、我が国に在留する全ての外国人の生活をしっかりとサポートできるように、受入れ環境の整備に係る司令塔としての機能を発揮し、関係省庁と連携協力して関連施策の推進に努めてまいりたいと考えております。
#242
○糸数慶子君 恋愛の禁止、それから妊娠の禁止、移動の禁止など、外国人労働者の生活面の介入と権利の制限が行われていることについても、参考人は、技能実習制度は技能実習生を可能な限り労働力としてしか存在しないようにするものだと痛烈に批判をされていました。このような批判をどのように大臣は受け止められるでしょうか。
#243
○国務大臣(山下貴司君) この参考人質疑につきましては、技能実習制度に関するところでございました。これは本当に、委員及び参考人の方が御指摘されたように、一部の受入れ企業において、安価な労働力の確保策という誤った技能実習制度の理解に基づいて、またさらには、悪質なことに、一部において人権侵害行為が行われているという指摘があるということは承知しております。
 法務省としては、私も含めて、そういった事態は問題であるというふうに考えておりますので、御指摘を真摯に受け止め、不正な受入れ企業に対する、あるいは技能実習実施機関に対する厳格な対応を取ることが必要であるというふうに考えております。
 ですから、一般論ではありますけれども、人権侵害行為につきましては、事案に応じて技能実習計画の認定の取消し等の措置をとり得るということでございますし、また、そういった把握のために実地検査や母国語相談対応の取組などによる技能実習生の保護をしっかり図ってまいりたいですし、まいってきたところですし、門山政務官をトップとするプロジェクトチームでの検討会の御検討を経て、更にしっかりと吟味してまいりたいと考えております。
#244
○糸数慶子君 定住を阻止された外国人労働者は地域にとってどのような存在であるのかということについて、人口減少の中、技能実習生がいなくては成り立たなくなっている地域がたくさんあると指摘した上で、地場産業の貴重な支え手が地域生活の中では顔が見えない他者となっていることに懸念をされました。
 一方で、外国人労働者が地域社会を支え、活躍している岡山県の総社市の例を挙げられました。このような先進的な取組を制度設計の参考にすべきだと思いますが、大臣の御見解を伺います。
#245
○国務大臣(山下貴司君) 私も岡山でございまして、また岡山県総社市の取組については承知しているところでございます。
 こうした良い取組につきましては、これは共有すべく、例えばこの関係閣僚会議などでもやはり関係閣僚の皆様にお伝えし、政府を挙げて共有すると、そしてできることはしっかりやっていくということで取り組んでまいりたいと考えております。
#246
○糸数慶子君 失踪技能実習生の問題に関しては、法務省及び入管局、入国管理局の人権意識を疑うような、そういう実態が今国会を通して明らかになってまいりました。
 調書の手書き部分には人権侵害の生々しい実態が書いてあるにもかかわらず、また法務大臣も局長もそれを一部読んだとはおっしゃっておりました。それにもかかわらず、先ほどの質問の中にもありましたけれども、それから先は何もなされない。そのような人権意識に基づいて業務を行っている省庁が難民認定をしているということの問題点も提起をしたいというふうに思います。
 これまでこの法案の問題を指摘してまいりましたが、ほとんど具体的なお答えをいただけませんでしたので、改めてもう一度白紙に戻して審議をし直す、そのような必要があるということを申し上げまして、私の質問を終わります。
 以上です。
#247
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 まず初めに、外国人の受入れ・共生のための総合的対応策について、労働基準監督署等に設置している外国人向けの相談コーナーなど、労働条件等に関する外国人労働者の相談ニーズに多言語で対応することが課題に挙げられています。また、ハローワークの多言語対応可能な相談体制の整備も挙げられています。それぞれ、現状と今後の見通しについて伺いたいと思います。
#248
○政府参考人(田中誠二君) まず、労働条件関係について御説明いたします。
 外国人労働者からの相談につきましては、相談の多い三十四か所の都道府県労働局及び労働基準監督署に外国人労働者相談コーナーを設置し、外国語による相談に対応することができる相談員を配置し、六言語で対応をしております。
 外国人労働者相談コーナーに来訪できない方につきましては、外国人労働者向け相談ダイヤルを設置しまして、同じく六言語で対応しております。
 こうした体制の下で、現在、外国人労働者からの相談を全国で年間約一万件受け付けているところでございます。しかしながら、相談できる曜日が限定されている言語もありますので、今後、相談体制を充実させることを検討しております。
#249
○政府参考人(田畑一雄君) ハローワークの関係についてお答えします。
 ハローワークにおきましては、主に高度専門人材を対象とする外国人雇用サービスセンターを全国三か所に、また相談窓口に通訳員を配置している外国人雇用サービスコーナーを全国百二十八か所に設置をしております。また、全国全てのハローワークで利用できる電話通訳サービス、多言語コンタクトセンターと称しておりますが、こういった支援体制を整えつつ、日本語コミュニケーション能力や日本の労働法令などを学ぶための研修事業にも取り組んでいるところでございます。
 御指摘の外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(検討の方向性)にもこうした取組が盛り込まれたことを踏まえ、外国人雇用サービスセンターの増設などについて概算要求を行っており、引き続き、多言語対応が可能な相談体制の整備に努めるとともに、外国人の集住地域を中心に通訳員の効率的な配置を進めてまいりたいと考えております。
#250
○山口和之君 次に、外国人が雇用、医療、福祉、出産、子育て、教育などに関する情報や相談場所に速やかに到達できるよう、一元的な窓口の設置、検討に言及されておりますが、検討状況についてお伺いしたいと思います。
#251
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 在留外国人につきましては、我が国と本国との生活様式、風俗、習慣、言語などの違いから、我が国の法律や社会制度に不案内なケースがございます。そのため、雇用、医療、福祉などの生活に係る様々な疑問を抱いた場合に適切な情報を提供することや相談に応じることは、在留外国人が我が国において安心して生活するに当たって重要であると、こう認識しているところでございます。
 そこで、お尋ねの一元的な窓口でございますけれども、在留外国人が使用可能な言語で全国どこでも相談し、行政手続や生活のために必要な情報をワンストップで受け取れることができるよう、地方における相談窓口の設置、拡充を支援していくこととしているところでございます。こうした一元的相談窓口の整備、拡充によりまして、在留外国人の方が安心して生活できる環境の確保に取り組んでいく所存でございます。
#252
○山口和之君 日本司法支援センター、法テラスにおける多言語情報提供サービスの充実などが挙げられておりますが、現状と今後の見通しについて伺いたいと思います。
#253
○政府参考人(小出邦夫君) お答えいたします。
 法務省が所管いたします日本司法支援センター、通称法テラスでは、あまねく全国において法による紛争の解決に必要な情報やサービスの提供を受けられる社会を実現するために、利用者からの問合せに対し、コールセンター等におきまして法的問題の解決に必要な法制度や相談窓口等の情報を提供する情報提供業務を行っております。
 この情報提供業務の一環といたしまして、法テラスでは、外国人からの電話による問合せに対しまして、通訳サービス業者を介した三者間通話によりまして日本の法制度や相談窓口等についての情報を提供する委員御指摘の多言語情報提供サービスを行っておりまして、現在七か国語に対応しております。
 このサービスは、全国共通の電話番号におきまして通訳サービス業者が利用者からの問合せを受け付けまして、全国の法テラスの事務所のうち、利用者の最寄りの事務所の法テラス職員と通話をつなぐことによりまして、利用者の問合せ内容に応じて、一般的な法制度に加えまして、各地の事情に即した適切な相談窓口等の情報を提供するものでございまして、全国どこからでも利用が可能となっております。
 このサービスの利用件数でございますが、年々増加しておりまして、平成二十九年度の利用件数は三千百六十三件となりまして、平成二十六年度の利用件数九百八件の三倍以上に増加しております。このサービスは、我が国で生活する外国人が法的サービスにアクセスする上で重要な役割を果たしているものと考えておりまして、今後、在留外国人の増加に伴い同サービスのニーズが更に高まることが見込まれますので、積極的な周知、広報が必要と考えております。
 法務省といたしましても、法テラスが引き続きこのサービスを適切に実施できるよう協力してまいりたいと考えているところでございます。
#254
○山口和之君 次に、特定技能外国人の専門性、技能についてお伺いしたいと思います。
   〔委員長退席、理事伊藤孝江君着席〕
 受入れ機関は、一定の専門性、技能を有する即戦力として特定技能外国人を採用する以上、一定の期間の新入社員研修によって戦力として育て上げることを前提としている新卒採用よりも高い報酬を設定しなくてはならないと思いますが、いかがでしょうか。
#255
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 今回の受入れ制度におきまして、特定技能雇用契約の基準といたしまして、法律におきまして、外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇において差別的取扱いをしてはならないことを規定しております。さらに、法務省令におきまして、日本人と同等額以上の報酬とすることを規定するということを予定しております。その上で、特定技能外国人の入国、在留の個別の審査におきまして、書類により特定技能外国人が従事する予定の業務と同一の業務に従事する日本人を比較して、同等以上の報酬額であることを確認するということとしております。
 そこで、お尋ねの特定技能外国人と新卒採用の報酬額につきまして、日本人との同等報酬基準を満たしているのかどうか、これは個別の判断となりますので一概にお答えすることは困難でございますけれども、特定技能外国人は一定の専門性を有する外国人でありますので、事業主が特定技能一号外国人に支給する報酬額を検討するに当たりましては、おおむね三年程度の経験を有する経験者として評価した上で報酬額を決定するよう、今後ガイドライン等で周知することを予定しております。
#256
○山口和之君 受入れ機関は、一定の専門性、技能を有する即戦力として政府のお墨付きがあることから、採用した特定技能外国人が実際は新卒採用者よりも能力が低かった場合、そのことを理由に解雇できるのか、報酬を引き下げることができるのか、政府などに対して損害賠償の請求ができるのか等を教えていただきたいと思います。
#257
○政府参考人(和田雅樹君) まず、解雇の関係でございますけれども、これ労働契約法で、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合には、その権利を濫用したものとして、無効になると、解雇が無効になるという、こういう規定がございます。
 ですから、お尋ねのような事情を理由とする解雇が、真に客観的に合理的な理由があり、かつ社会通念上相当と認められると、このような場合でない限りは解雇は無効になるものと考えておるところでございます。
 それから、報酬でございますけれども、労働者の賃金は労働契約の内容である労働条件の一つでございますけれども、労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができるとされているところでございまして、この規定に基づけば、労使が合意すれば賃金の引下げは可能ではございますけれども、使用者が一方的に賃金を引き下げることは違法であり、これは許されないということになろうかと思います。
 それから、損害賠償でございますけれども、政府が企業を含め国民に対して損害賠償責任を負うのは、国の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合ということが必要になります。この規定によりますと、お尋ねのようなケースにつきまして、この国家賠償法の規定のこの要件が証拠により証明されると、このような場合でない限り政府が損害賠償を負うことはないということになろうかと思われます。
 いずれにいたしましても、御指摘のような事案が起こらないように、必要とする技能を有する外国人材であることをリクルートや契約の際に見極めていただくということが大切になろうかなというふうに考えているところでございます。
#258
○山口和之君 単純な労働をずっと続けてきて、特定技能の方に移ってきて、それでその能力がちゃんとあるのかという場合もございます。
 そもそも、時間と労力と予算をつぎ込んで試験等を行っても、それに合格した外国人が即戦力になるという保証は全くありません。即戦力であることを法的に担保した試験であればともかく、そうでないというのであれば、新たな試験制度を設けるのはやめた方がいいと思います。一定以上の日本語能力のみを要件とした制度にできない合理的な理由があるのか、再度御検討いただければと思います。
 次に、通告した順番を変えて、外国人労働者へのDVについてお伺いいたします。
 外国人労働者が配偶者その他のパートナーからDV被害を受けている場合、政府としてはどのような保護の施策を行うつもりでしょうか。被害を受けているのが女性の場合だけではなく、それ以外の場合についてもお教え願います。
#259
○政府参考人(藤原朋子君) お答え申し上げます。
 外国人労働者のDV被害を受けた場合の支援につきましては、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律、いわゆるDV防止法でございますが、これに基づきまして、配偶者暴力相談支援センターの機能を有します婦人相談所において一時保護を行うほか、より中長期の保護が必要である場合には婦人保護施設において保護を行うといった保護を行うことになっております。この仕組みにつきましては、国籍や在留資格のいかんを問わず支援の対象となります。
 また、御指摘のありました被害者が男性の場合でございますけれども、こちらにつきましては、民間のシェルターなど適切な施設に一時保護委託を行うなどの対応を行ってまいります。
#260
○山口和之君 次に、外国人労働者が配偶者その他パートナーからのDV被害者となって心身を病んでしまい就労能力がなくなった場合、当該外国人の在留資格はどうなるのか、お教え願います。
#261
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 DV被害に限らず、在留期間中に病気などを理由に休職した場合、あるいは現在休職しているとして就労資格を有する外国人から在留期間の更新の許可の申請でございますとか在留資格の変更許可申請があった場合にどうするかということだろうかと思いますけれども、これ個々の事案により具体的な事情が異なりますので一概に申し上げることは困難でございますけれども、一般的に申し上げますと、回復の見込みですとか休暇を必要とする期間、復職の予定など、こうした事情を総合的に判断した上で、現在お持ちの在留資格、そのまま引き続き在留を認めるか、長期の療養等が必要で現有の在留資格に該当する活動が認められない場合、この場合に特定活動など他の在留資格への変更を認めるに足りる相当の理由があるか、こういったことを判断することになろうかと思います。
   〔理事伊藤孝江君退席、委員長着席〕
#262
○山口和之君 労務災害が原因で就労能力がなくなった場合だけではなくて、プライベートでの被害が原因で就労能力がなくなる場合も当然想定されます。
 落ち度がないのに就労能力がなくなった外国人労働者に対しては、形式的に法を適用するといった冷たい対応に終始することなく、血の通った温かい対応ができるよう制度の設計をしていただきたいと思います。
 次に、外国人労働者が、加害者への住民票の交付等を制限するDV等支援措置を利用できるのか、お伺いします。
#263
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
 平成二十四年の住民基本台帳法改正によりまして、適法に三か月を超えて在留する外国人住民は住民基本台帳制度の適用対象とされておりまして、日本人住民と同様に、御指摘のDV等支援措置の申出を行うことが可能でございます。
 以上でございます。
#264
○山口和之君 このDV支援措置はどのような根拠法令に基づくどういった内容の制度か、御説明願います。
#265
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
 DV等支援措置は、住民票の写しの交付等の制度を不当に利用してDV等の加害者が被害者の住所を探索することを防止し、被害者の保護を図ることを目的とするものでございます。
 この措置は、住民基本台帳法第十二条の三等の規定に基づき住民票の写しの交付の申出等がありました場合に、市町村長が当該申出を相当と認めるときに当該交付等を行うことができることとされておりますが、DV等の加害者から被害者の住民票の写しの交付の申出等があった場合に、当該申出を相当と認められないなどとして、住民基本台帳法第十二条の三第一項などの規定に基づき拒むことができるとしているものでございます。
 具体的な手続といたしましては、市町村長は、DV等の被害者から住民基本台帳制度におけるDV等支援措置の実施の申出を受けた場合には、その必要性の確認のため、DV等の加害者が申出者の住所を探索する目的で住民票の写しの交付等を行うおそれがあると認められるかどうかを、警察、配偶者暴力相談支援センターなどの意見を聴取し、又は裁判所の発行する保護命令決定書の写しなどの提出を求めることにより確認することとしているものでございます。
#266
○山口和之君 このDV等支援措置については、相手親と子供の関係を絶つための手段として悪用される事例が問題化しているとの指摘がありますが、虚偽DVに基づきDV等支援措置が行われた場合には、住民票の交付等を制限された相手親を救済する仕組みはあるのでしょうか。住民票などを取得できずに転居先の住所が分からないと、相手への裁判を起こすこともできなくなり、裁判を受ける権利が侵害されてしまうことになりますが、相手への裁判を起こす場合の救済の有無を踏まえて御説明願いたいと思います。
#267
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。
 住民基本台帳法に基づき行った市区町村長の処分について不服がある場合には、行政不服審査法に基づき、当該市区町村長に対して審査請求を行うことができます。また、審査請求を経ることなく処分の取消しの訴えを提起することも可能でございます。
 また、DV等支援措置において加害者とされた者が被害者とされた者を被告として訴訟を提起しようとする場合、加害者とされた者としては、被害者とされた者の住民票の写し等を取得することができないため、被告の住所を住居所不明と記載するなどした上で訴状を提出せざるを得ないと思ってございます。そのような場合には、裁判所が市区町村に対し、民事訴訟法百五十一条等に基づき被告の住所に関する調査嘱託を行い、市区町村から被告の住所の回答を得ることが制度上可能であると承知しておりまして、裁判所がそのような措置をとるのであれば裁判手続を進めることが可能になるものと伺ってございます。
 なお、加害者から裁判所に提出する必要があるとの理由により被害者に係る住民票の写し等の交付の請求又は申出があった場合の取扱いについては、本年十二月三日付けで各地方公共団体に対し通知を発出し、周知を図っているところでございます。
#268
○山口和之君 DV被害者の支援は非常に重要でありますが、それによって不利益を受ける相手方の告知、聴聞といった手続も同様に重要です。また、不利益を受けてしまった場合、それが真実に基づかないものであるときは救済の仕組みも重要です。DV被害者の支援がそれらの手続、仕組みを備えたものとして適切に運用されることを望みます。
 確認ですが、虚偽DVに基づきDV等支援措置を申請する行為に犯罪が成立するのでしょうか。
#269
○政府参考人(辻裕教君) 犯罪の成否についてのお尋ねでございますけれども、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づきまして個別の事案ごとの事情に即して判断されるべき事柄でございまして、当局としてお答えし難いことを御理解いただければと存じます。
#270
○山口和之君 虚偽DVに基づくDV等支援措置の申請は虚偽告訴に近いものがあります。もちろん虚偽告訴罪による処罰は難しいですが、電磁的記録不正作出罪等が成立する可能性はあるのでしょうか。このような行為は、現行法では対応できるのであればしっかりと研究し、現行法で対応できないのであれば法改正を検討し、刑罰法令によってゼロにしていくことが重要です。決してやった者勝ちとならないようにお願いしたいと思うんです。
#271
○政府参考人(辻裕教君) 繰り返しで恐縮でございますけれども、犯罪の成否につきましては当局としてお答えするのは難しいということでございますが、御指摘いただいたような事情があるのかどうかという法令の制定についてのお尋ねに関しましては、必要に応じて検討をさせていただきたいと存じます。
#272
○山口和之君 次に、外国人労働者の子についてお尋ねします。
 外国人労働者と日本人の間に子が生まれた場合、当該外国人労働者の在留資格はどうなるのか、外国人労働者と日本人が婚姻している場合、婚姻していない場合のそれぞれのケースについてお教え願います。
#273
○政府参考人(和田雅樹君) お答えいたします。
 日本人と法律上の婚姻関係が成立しております外国人につきましては、当該日本人との間に子があるかないかにかかわらず、日本人の配偶者等の在留資格に該当する場合がございます、該当するということになります。
 他方、婚姻関係にない日本人との間に子が生まれた外国人につきましては、日本人の配偶者等の在留資格には該当しませんので、一般的にはそのとき有している在留資格をもって在留するということになります。また、該当する在留資格がない場合であっても、当該外国人が日本人の実子を監護養育しているなど人道的配慮が必要と認められる場合には、個別の事情を考慮して定住者の在留資格が認められる場合もございます。
 いずれにいたしましても、これらの在留資格は自動的に付与されるわけではございませんで、在留資格の変更の手続が必要となるものでございます。
#274
○山口和之君 外国人労働者が日本人との間に生まれた子を相手方の同意を得ることなく自国に連れ去ることは適法か、また、外国人労働者が日本人親と同居中の子を連れ去る場合、外国人労働者が日本人親と別居中に当該日本人親と暮らしていた子を連れ帰る場合のそれぞれについてお教え願います。
#275
○政府参考人(辻裕教君) 適法かどうかということでございますが、犯罪の成否という観点でお答え申し上げますと、先ほどから申し上げてございますとおりでありますけれども、犯罪の成否につきましては、捜査機関により収集された証拠に基づいて個別に事案ごとに判断されるべき事柄でございまして、一概にお答えすることが難しいということでございますので、差し控えさせていただきたいと存じます。
#276
○山口和之君 外務省のホームページでは、日本においては、親による子の連れ去りは略取又は誘拐の罪に当たるような場合を除き犯罪を構成しませんとあり、原則として日本においては親による子の連れ去りが適法であることが明示されております。
 この記載は、法務省の公式見解と同じものという理解でよろしいでしょうか。
#277
○政府参考人(辻裕教君) お尋ねのホームページは外務省において作成されたものでございまして、法務省として当該記載内容についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
 もとより、このホームページで指摘されているような罪に当たる場合には当然犯罪が成立いたしますし、親による子の連れ去りがそのようなものを含めた法律で定められた犯罪の構成要件に該当しない場合というものは犯罪が成立するということはないということでございます。
#278
○山口和之君 時間ですので、終わりとします。
#279
○委員長(横山信一君) これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#280
○長谷川岳君 自由民主党の長谷川岳です。
 まず、技能実習制度について法務大臣に伺います。
 技能実習制度は、現在審議中の特定技能の在留資格による外国人材の受入れとは趣旨が異なる制度ではあるものの、技能実習を受け入れている実習実施者がそのまま特定技能の受入れ機関になる可能性もあることから、両制度への正しい理解、あるいは技能実習制度の正しい活用など必須だと思われます。
 技能実習制度の適正化及び技能実習生の保護に関して問題点を速やかに検証して対応すべきと考えますが、法務大臣に再度認識を問いたいと思います。
#281
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、新たな受入れ制度と技能実習制度は、制度の趣旨、目的が全く異なるものではございます。ただ、やはり受入れ機関が共通する可能性は十分考えられるところでございます。
 法務省といたしましては、この技能実習制度において、一部の受入れ機関等において、技能実習実施機関において労働関係法令違反等の事案があるとの指摘がなされているということでございますが、昨年十一月施行の技能実習法、これをしっかりと運用を適用するということで適正化を図っているところでございます。
 加えて、技能実習制度が抱える問題点、当委員会始め今国会でも御指摘されましたけれども、それらにしっかりと対応するために、本年十一月十六日に、法務省内に門山法務大臣政務官を議長とする技能実習制度の運用に関するプロジェクトチームを設置し、制度の現状把握や適正な運用に向けた改善策についてしっかりと検討を行っているところでございます。昨日もプロジェクトチームが開かれたところでございますが、それにつきまして、これまでるる御説明しているとおり、この徹底的な調査を行って、そして、その調査結果を含めて来年の三月末に公表をするというふうに聞いております。
 こうした取組を通じて技能実習制度の適正化を図り、この制度が正しく活用されるよう努めてまいりたいと考えております。
#282
○長谷川岳君 是非、しっかりとした実証、検証をお願いしたいというふうに思います。
 その上で、技能実習制度に関して、やはり対象職種の見直しあるいはこの実習計画の職場の実情に応じた柔軟化なども必要ではないかというふうに思っております。非常にそういった声も多くございますが、法務大臣の考えを問いたいと思います。
#283
○国務大臣(山下貴司君) 技能実習の移行対象職種、一号から二号への移行対象職種については、制度趣旨に鑑み、送り出し国や受入れ現場のニーズを図りながらより実態に合ったものというものが望ましいというふうに考えております。
 例えば、実施内容について、昨年の十一月施行の技能実習法の下で、多能工、いろんな能力を持つ方、技能者を養成するとのニーズに応えるため、複数職種の技能実習を可能としたところでもございますが、今後とも現場の声を運用に反映するための努力の必要があるというふうに認識しておりますし、先ほど御紹介した、門山政務官をヘッドとするプロジェクトチームでも外部の声を聞くなどの対応を行っているところでございます。
 いずれにしても、これは制度を共管する厚生労働省とも協議しなければなりませんが、これらの関係省庁とともに適正かつニーズに即した技能実習が図られるよう引き続き検討を行ってまいりたいと考えております。
#284
○長谷川岳君 外国人の受入れに当たっては、外国人の皆さんの環境整備に加えて、やはり入国させる前にいかに良い人材を選考するかというのもポイントだと思います。
 日本語試験、現在行われている技能試験だけではなくて、多様な評価項目から成る総合ポイント制など多角的な良い人材の選定などが行えればよいと考えておりますけれども、法務大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
#285
○国務大臣(山下貴司君) 大変貴重な御提言を承ったと考えております。
 本制度においては、基本的に外国人の技能水準及び日本語能力を試験で確認することとしておりますが、それ以上の能力や経験等を要件として考慮するということにはしていないところでございます。ただ、今後、必要に応じて送り出し国と対話する中において、例えば既に母国で一定の資格を有していること、これをプラス評価できないかといったことであるとか、あるいは送り出し国における評価、そういったことに関して何らかの評価として組み込むことができないかということも検討課題であろうと思います。
 そうした委員の貴重な御意見を承りましたので、今後、しっかりとそういったことも踏まえて検討させていただきたいと考えております。
#286
○長谷川岳君 再度確認でありますけれども、先ほども御質問ありましたけれども、今回の新しい特定技能制度について、二か国の協議を結ぶ予定はあるか、再度伺いたいと思います。
#287
○国務大臣(山下貴司君) この二国間協定について、明文等で要件としているわけではございません。ですから、当面は、既にある技能実習制度ではあるんですが、二国間取決め、これを使ったり、あるいはEPAであるとか様々な枠組みを使っていきたい、外交ルートでもやっていきたいと思っておりますが、相手国政府の状況も踏まえて、相手国政府、相手がある話ですから、望むのであれば、そういったその必要性を検討していくということは全くやぶさかではありません。そうした検討もしていきたいと思っております。
#288
○長谷川岳君 総理に伺います。
 大島議長が、法施行前に法制度の全体像を明らかにすべきと述べまして、政省令ができた段階で国会に報告するよう求めたことについてどのように受け止められているか、伺いたいと思います。
#289
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 出入国管理及び難民認定法は、入国、在留する外国人の動向や経済社会情勢の変化に機敏に対応するため、在留資格に関する具体的な細部事項は法務省令等の下位法令に委ねられることが多いのではありますが、衆議院議長から御指摘いただきました。この御指摘を重く受け止めまして、本改正法施行前に、政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告し、制度の全容をお示ししたいと考えております。
#290
○長谷川岳君 特定技能の在留資格に限らない全ての外国人の受入れ環境の整備は、今後、日本社会にとってますます重要になってくると思います。
 特に、先般、我々の自民党も法務部会として群馬県を訪ねましたけれども、そういった外国人の比率の高い自治体においては非常に様々な課題があります。特に、関与する省庁はたくさんありますけれども、外国人の皆さんにとって、行政ごとの窓口にアクセスするのは非常に大変だということを多く伺いました。
 今後、全行政を束ねる総理といたしましてはどのように取り組むお考えか、伺いたいと思います。
#291
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本に来られた外国人の皆様が安心して仕事をし、そして生活できるようにするためには、今委員が御指摘になった質問は大変重要だと考えております。
 我が国の法令や行政手続に不慣れな外国人にとって、適切な情報に速やかに到達できる環境を整備することは重要であると認識をしております。そのため、外国人が使用可能な言語で全国どこでも相談し、そして行政手続や生活のために必要な情報をワンストップで受け取ることができるように、これは全力で努力をしていかなければならないと考えております。
 地方における相談窓口の設置、充実を支援していくこととしておりまして、年内に取りまとめる外国人の受入れ・共生のための総合的対応策においても、一元的相談窓口の整備拡充について盛り込んでいくこととしております。
#292
○長谷川岳君 ありがとうございました。終わります。
    ─────────────
#293
○委員長(横山信一君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、こやり隆史君が委員を辞任され、その補欠として朝日健太郎君が選任されました。
    ─────────────
#294
○伊藤孝江君 公明党の伊藤孝江です。
 今日は、入管法等改正法案について、安倍総理にお伺いをいたします。
 今回の改正法案では、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を受け入れるため、就労を目的とした新しい在留資格が設けられます。生産人口の減少が進んでいる我が国において、深刻化する人手不足への対応は喫緊の課題であり、働き手として外国人材を受け入れる仕組みを構築することは避けられないことと考えます。
 ただ、我が国の入国管理政策上の大きな転換でもあります。社会にどれほどの、またどのような影響を与えることになるのかが必ずしも明確ではなく、そのことが国民の不安につながっている面もあると思います。
 この臨時国会の所信表明において、総理は、外国人材の受入れに関連して、「世界から尊敬される日本、世界中から優秀な人材が集まる日本をつくり上げてまいります。」と述べられました。
 来られる外国人と受け入れる私たちが共に生きる社会に向け、総理は、この入管法等改正法案で就労を目的とした外国人材を受け入れることによって、これから先の日本の社会をどのように構築したいと構想をしておられるか、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
#295
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の受入れ制度は、現下の深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人材を真に必要な分野に限って受け入れようとするものでありまして、その導入によって受入れ業種の存続、発展が実現されることになると考えています。
 その際ですね、その際、大切なことは、これはまさに今、伊藤委員がおっしゃったように、今回の制度にこれは限らず、様々な目的で来日、滞在する外国人と日本人が共に生き、学び、生活する共生社会の実現を図っていくことでありまして、そのために、外国人全般の受入れ環境の整備に真剣に取り組んでいく必要があると考えております。
 現在、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策として、賃金を含む労働条件や労働環境の充実、そして日本語教育の充実、安全、安心で暮らせる生活環境、多文化共生社会の実現など、各種取組を年内に取りまとめるべく作業を進めています。これらをしっかりと実行に移していく考えでございます。
#296
○伊藤孝江君 先日の法務委員会で、日本国内の悪質ブローカーの排除について質問をさせていただきました。
 この悪質ブローカーの排除は、今回の改正法案で克服を目指している課題の一つでもあります。送り出し国だけではなく日本国内にも、外国人実習生に高い賃金を示して失踪を促し、違法就労をあっせんする悪質ブローカーが多くいます。違法就労、失踪の原因をつくり出すものであり、対策を講じることは不可欠です。予防も当然ですけれども、一つ一つきっちりと捜査、摘発していくことが防止につながり、外国人労働者を守ることにもつながります。
 ところが、今年の一月から九月までにこのような国内の悪質ブローカーを不法就労助長罪で検挙をしたのは八件、九名にすぎないという答弁をいただきました。労働者派遣法関係での検挙はゼロというふうにお聞きをしております。警察庁からは、人的基盤の充実強化を推進する、法務大臣からは、関係機関との連携を強固にする旨の答弁をいただいております。
 ただ、警察庁、法務省、厚労省と関係省庁が多岐にわたり、現実問題として予算の増加また人員の増強が必須となることからすると、山下大臣とともに安倍総理にも、国内の悪質ブローカーの取締り、排除を実効性のあるものにするための取組を関係省庁を挙げて進めていただきたい。そのリーダーシップを安倍総理に強く発揮をしていただきたいと考えますけれども、総理のお考えはいかがでしょうか。
#297
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、この悪質なブローカーの排除については、今回の受入れ制度の適切な運用のためには非常に重要であると認識をしています。
 政府としては、法務省そして厚生労働省、警察が連携をしまして、悪質なブローカーに関する情報共有を図り、必要な調査や捜査を行うとともに、行政指導や行政処分を的確に行うなど、的確な取締りを行っていきます。政府全体としてあらゆる、まさにあらゆる手段を尽くして悪質なブローカーを排除をし、制度の適正な運用を確保してまいります。
#298
○伊藤孝江君 まさにその制度の適切な運用というところ、今おっしゃられたことをしっかりと進めていっていただきたいというふうに思います。
 この参議院の法務委員会におきましても、改正法案につき様々な論点について審議がなされ、本法案の成立後に作成するとされております政省令に定める事項、また現状の技能実習制度の運用等についても多くの意見が出されました。
 今後、この法案が成立をすれば、新たな在留資格の創設について制度設計の詳細を検討し、決定していくという流れになるかと思います。その際には、この国会での審議内容をよく吟味をして、私たちの意見も踏まえたものにしていただきたい。この点について総理の御所見をお伺いをいたします。法務大臣に、済みません、お伺いをいたします。
#299
○国務大臣(山下貴司君) まず、省令に関することにつきまして、今国会における入管法改正案の御審議においては、参議院当委員会においても活発かつ深い議論がなされ、また新たな外国人材の受入れ制度の在り方について様々な御意見、御指摘をいただいたところでございます。
 私も政府の一員として、あるいは省令を定める法務大臣として、政府基本方針、分野別運用方針、さらには政省令定めるに当たって、様々な御意見や御指摘の趣旨を十分に踏まえて対応してまいりたいと考えております。
#300
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま大臣から答弁させていただきましたように、この参議院におきましても相当広範な、かつ深い議論がなされたわけでありまして、様々な御指摘もいただきました。それをきっちりと、これまでいただいた様々な御意見、御指摘を踏まえて対応してまいります。
#301
○伊藤孝江君 来られる外国人と受け入れる私たちの本当に共に生きていく社会をという、安倍総理も今日しっかりとそこに向けて進めていくということも明言改めてしていただきました。
 この法案は、その新たな局面のスタートに立ったにすぎない、決してこの法案が仮に成立をしてもそれで終わりではなく、ここからまたどのようにしっかりと進めていくのかということが問われるところだと思っております。制度設計をすれば終わりになるというものではありません。
 安倍総理には、共生社会の実現に向けてこれからも全力で取り組み続けていくことをお願いをして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#302
○有田芳生君 立憲民主党の有田芳生です。
 総理に率直にお話を伺います。
 先ほどの答弁の中で、外国人が安心できる環境をつくりたいという趣旨のことをおっしゃいました。しかし、この法務委員会でも何度も何度も議論をしてまいりましたが、今、技能実習生を始めとして、外国人の方々が安心して日本で仕事をしてもらえるような環境にはないんですよ、残念ながら。
 今日、私は、午前中の法務委員会でも資料をお示ししました。これ法務省が作った資料ですけれども、技能実習生はこの三年間で六十九人亡くなっております。中には、凍死、溺死、そして自殺。溺死が七人ですよ。
 そして、今日私は質問しましたけれども、ベトナムから借金をして親のためにやってきたグエンさんという方の、青年の遺書も読み上げました。ベトナムの故国に帰ることができなくなり、日本を本当に愛してやってきたのに、結局、差別され、虐待され、蹴られ殴られ、自殺をした。そういう人がいっぱいいるのに、これをどのように総括して新しい制度に入っていかれるんですか。総理にお聞きしたいです。(発言する者あり)
 いやいや、総理に聞いているんだ。総理に来てもらっているんだから。違う。総理にしか聞いていないよ。駄目です。総理に聞いているんだから。駄目です。(発言する者あり)総理に聞いているんだ。総理に聞いているんです。何のために来てもらっているんですか。
#303
○国務大臣(山下貴司君) 御指名ですのでお答えいたします。
 なぜかといえば、これは法務省において提出した資料でございますので、その前提をしっかりと踏まえた上で総理に答弁していただきたいと思うからでございます。
 そして、その集計については、これは二十九年十一月に新たな技能実習法が施行される以前の取りまとめでございまして、また、それに関しまして我々しっかりと実情を把握する、そういったことで今、門山政務官を始めとするプロジェクトチームにおいてしっかりと把握するべく今検討しているところでございます。
 我々としては、新たな技能実習法についてしっかりと把握した上で対応をさせていただきたいというふうに考えております。
#304
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今なぜ山下大臣がお答えをしたかということについて言えば……(発言する者あり)済みません、委員長、ちょっと外の方がうるさくて……
#305
○委員長(横山信一君) 御静粛にお願いいたします。
#306
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいでしょうか。こういう質疑はなるべく静かな環境の中でしっかりと議論するべきであって、委員外の方が大きな声でやじを飛ばすという、そういうことはなるべくやめていただきたいなと思うわけでございます。
 そこで、なぜ今、山下大臣からお答えをしたかといえば、急に今、有田委員がお示しになった亡くなられた例でありますね、亡くなられた例については、私は今ここで初めてお伺いをしたわけでありまして、ですから私は答えようがないわけでありまして、その例についてあらかじめ知っている山下大臣でなければ、それを踏まえて答えろということでございましたので、それを踏まえて答えるのは私はできないので、山下大臣が踏まえてお答えをさせていただいたということでございますが、いずれにせよ、現在、山下法務大臣の指示の下、法務省内で設置されたプロジェクトチームにおいて、この技能実習生の実態把握の在り方の見直しを行うとともに、聴取票から違法、不当な行為が認められる技能実習制度、技能実習実施機関の調査に既に着手しているものと承知をしているわけでございまして、その中において、我々今までの制度の中で問題がなかったと思っているわけでは全くないわけでありまして、様々な御指摘もいただきましたし、そういう問題も把握をしておりますから、しっかりとその中で山下大臣の下で調査を行い、それを踏まえて、この法案を通していただければ省令等でしっかりと対応していきたいと、こう考えているところでございます。
#307
○有田芳生君 総理にややこしい質問をお聞きします。
 今お話しになりましたけれども、総理が御自身で先ほど外国人が安心できる環境をつくりたいというふうにおっしゃった。確かに先ほど私が示した今朝の質問については総理は御存じないでしょう。
 私が言いたかったのは、そういう外国人の技能実習生が日本にやってきて、自殺、凍死、溺死。溺死はこの三年間で七人ですよ。おかしいでしょう。何でこんな事態になっているのかということを今朝入管局長に聞いても、法務省は分からない。そんな異常な事態が起きているのに何で調べないのか、総括しないのか、対策取らないのか。おかしいでしょうということをお聞きしたいんですよ、法務省の対応として。
 だから、具体的なこと聞いているんじゃないんですよ。溺死とか自殺とか、そういうことがあるのに法務省は分からないという体制を総理はどうお考えですかという質問なんです。(発言する者あり)
#308
○国務大臣(山下貴司君) 御指名ですので。
 先ほど、一覧表においてはそういうふうな記載をしておりますが、ある程度の情報は来ております。ただ、それにつきまして、やはり人の死亡という非常にプライバシーに関わる問題でございますので、全てつまびらかにできていないというところでございます。それが前提でございます。
#309
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はその表も見ておりませんからお答えのしようがないわけでございますが、亡くなられた事案、今、溺死された方が三名ですか、三名おられるという御指摘ございますが、私はその事実もその表も知りませんし、その事実が果たしてどういう結果そうなったか、実際に三名おられるのかどうかも含めて、じゃ、どういう結果でそうなったかということについても、これは存じ上げませんのでお答えのしようがないわけでございますが、これは、法務省において、もしそれが異常な数値であれば、当然それはどうしてそうなったかということは対応していくことになるんだろうと、こう思うわけでございますが、いずれにいたしましても、今までの実習制度等々、あるいは留学生の方々がアルバイトで働くこと等々において様々な御指摘がございました。そういう御指摘を踏まえた上で、今回、新たな制度をつくり、法務省の中において出入国在留管理庁をつくって、しっかりと直接そこが指導監督を行っていくことになるんだろうと、こう思います。
#310
○有田芳生君 問題はそんな抽象論じゃなくて具体論なんですよ。
 山下大臣、局長が今朝言った答弁と全然違うじゃないですか。局長は知らないと言ったのに、あなたは知っていると言ったじゃない。おかしいですよ。全然、午前と午後、違うじゃないですか。
 そして、その答えていただいて、もう時間ありませんから、小川委員にバトンを回します。
#311
○国務大臣(山下貴司君) ちょっと局長答弁が舌足らずであったことは申し訳ございません。
 我々法務省として、法務省として、そういった情報ということについては、完全につまびらかではありませんけれども、情報、報告などは受けているところで、単に、溺死、そうですかということで我々が流しているわけではないというわけでございます。
#312
○小川敏夫君 立憲民主党の小川敏夫です。
 総理、衆議院議長が指摘しているように、大変中身が不十分なこの法律、来年四月に施行だというふうに急いでいますけれども、それは労働力の不足の状況が深刻だからということでございました。
 そこで、私は指摘させていただきます。
 総理、就任して六年間、少子化の中で労働力が不足することはもう既に予見されているのに、なぜこれまで何の検討もしないで放置していたんですか。あなたの責任じゃないですか。
#313
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 労働力が不足する、これは何も安倍政権に始まったことではなくて、そのもっと前から始まっているということは申し上げておきたいと思います。
 そこで、我々が取り組んでいることは何かといえば、労働力が、生産労働人口が減少する中においても我々は成長していかなければ伸びていく社会保障費の財源を賄うことはできないという中において、成長戦略をつくり、そして生産性を上げていくということに取り組んできたわけでございます。
 そうして、その中でやはり、例えば女性の皆さんがもっと様々な機会をつかむことができるようにすれば……(発言する者あり)これは大切なことです。何もしていなかったじゃないかという御指摘をされましたので、何もしていなかったということではないということを今申し上げて、説明をさせて、説明をし始めたところでございますので、是非説明をさせて、委員長、させていただきたいと、こう思う……(発言する者あり)よろしいでしょうか、これ大切な、いや、大切な点ですから。
 そこで、我々は、女性の方々が輝く社会をつくったことによって新たに二百万人の女性の方々が仕事をし始めたわけでございます。そうして、その中で、かつ六十五歳を超えても働きたい方が働ける社会をつくっていく、まさに一億総活躍社会をつくっていくということで担当大臣を置き、政策を進めてきたところでございます。生産性も上げていく努力をしてきた。しかし、そうした努力を、そうした努力を行ってもなお、なお不足する人材について、今回新たな法案を出させていただいたということでございまして、御理解をいただきたい。何の努力もしてこなかったわけではないという御質問にお答えをさせていただいたところでございます。
#314
○委員長(横山信一君) 傍聴の方に申し上げます。御静粛にお願いいたします。
#315
○小川敏夫君 女性活躍、大いに結構ですけれども、労働力、特に特定分野における労働力、外国人労働力に頼らなくてはならない状況をここまで深刻に招いたというのは事実ですから、あなたに責任があることは明らかです。
 次の質問に行きます。
 総理、この特定技能者の受入れ人数について上限があるような趣旨、限度があるという趣旨の発言を衆議院でされていますが、限度はあるんでしょうか。
#316
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 努力を相当してきましたよ。はっきりと申し上げて、我々の前の政権のときに何か努力したんでしょうか。(発言する者あり)いや、そういう指摘があったから、その指摘が間違いだと今私はお答えをさせていただいているところでございまして、こういう努力をしてきた結果、我々は、生産性も伸びながら、一一%以上GDPは伸びてきたところでございます。あの、お答えをしている間は……(発言する者あり)よろしいでしょうか。(発言する者あり)いや、あの、答えている……(発言する者あり)
#317
○委員長(横山信一君) 答弁続けてください。
#318
○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいでしょうか。答えているときに座っている席からやじられると非常に答えにくいものですから、申し訳ございません。
 そこで、政府としては、法律に基づいて策定することとされている分野別運用方針において、五年ごとに、向こう五年間の受入れ見込み数をお示しすることとしています。分野別運用方針に明記する数字は、受け入れる業種における大きな経済情勢の変化、つまり各業種の雇用情勢全般にわたる、全般に関わる事項についての大きな変化が生じない限り、五年間は受入れ数の上限として運用することとなります。
 したがって、この数字を超えた受入れが行われることは基本的に想定はしていないということでございまして、なお、受入れ見込み数は分野ごとに定めるものでありますが、人手不足の状況は経済社会の状況によって変化し得るものであることから、受入れ分野そのものを法律事項としてはいないわけでありますが、そのため、受入れ見込み数について法律事項とすることは考えておりませんが、しかし、今まで答弁させていただいたように、これは実質、運用において、上限として運用していくということになるわけでございます。
#319
○小川敏夫君 これまでは限度という強い意思で述べておられたようですけれども、今は状況が変わればという非常にあいまいな答弁になっている。その変化、大分都合よく変わっているんではないかということを指摘させていただきます。
 さて、総理、この外国人労働者を受け入れるということについて、やはり外国人労働者を温かく迎え入れて、安定して有意義に仕事をしていただくということは大変重要なことだと思います。そのために、外国人労働者に支援、保護をしっかりと行う、そのことは外国人労働者の人権に配慮する、人道的な対応をするということが最も主たることでありますけれども、それだけでなくて、有意義に働いてもらうことによって我が国の産業界に貢献していただく、あるいは、間違ってドロップアウトして社会の不安要因となるということがないようにするという意味において、外国人労働者を温かく迎えてしっかりと支援するということが大変大切だというふうに思っておりますが、この点については御賛同いただけますね。
#320
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、まさに小川委員のおっしゃるとおりであろうと思います。
#321
○小川敏夫君 常日頃意見が違う総理との間でも一致する意見があったことは多少ほっとしておりますが。
 それで、総理、ここはややっこしい話ではありません。指摘させていただきますと、今のこの法律の枠組みでは、この法律の枠組みですと、支援は労働者を受け入れた民間事業者が行う、あるいは登録支援機関も民間事業者、利潤を追求する企業が労働者を支援するという構造になっています。これでは、支援に厚くして費用を掛ければ掛けるほど事業会社の利潤が減ってしまうという構造にあるわけですから、やはり、これ、支援の実質が実らないんじゃないかと、不十分じゃないかと思うわけです。
 それから、例えば失踪実習生の調査から見ると、送り出し機関が、多いところは二百万、大体平均して百万円ぐらいの費用を、報酬を労働者から取って日本に来ている。そういう中で、果たして労働者が有意義に本当に就業できるかという環境を整えるためには、この法律が規定する受入れ機関に任せるだけじゃ足らない。やはりこれは、公的な仕組みをつくって、入管だけでなくて、厚労省もある、あるいは教育の面なら文科省もある、それから、送り出し機関なら、これは外務省を通じた取組をしなくてはいけない。まさに、法務省だけでなくて、この入管法だけじゃなくて、政府がしっかりとした公的体制をつくって、あるいは地方自治体も含めてそうしたしっかりとした公的体制をつくって外国人労働者を受け入れて、しっかり有意義に安定して働いていただく、これが何より必要だと思うんですが、この点についても、総理、御賛同いただけませんか。
#322
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の改正法案では、受け入れた特定技能一号外国人の安定した在留のために、受入れ機関又は登録支援機関において、支援計画に基づき、職業生活上、また日常生活上又は社会生活上の支援を行わなければならないこととしています。
 さらに、受入れ機関及び登録支援機関に対しては、支援の実施状況に関する届出義務を課し、そして新設する出入国在留管理庁が、両機関の監督や必要な指導、助言を直接、今度はこの出入国管理庁が直接行うこととしています。そして、指導、助言に従わず適正に支援を行わない場合や、適正な支援を実施する基準に適合しないと認められる場合には、受入れ機関については立入検査や改善命令の対象となり、命令に従わない場合は罰則が科されるほか、一定期間外国人を受け入れられなくする予定であります。また、登録支援機関についてはその登録を取り消すことができるということになるわけでございまして、日本に来て働きたいという人たちに対して、今御指摘があったようなことをする人は当然こういう対象になっていくということでございます。
 このように、今回の改正法案においては、受入れ機関及び登録支援機関が適正に支援業務を行うことが確保されるよう様々な規定を設け、適切な支援の実施を制度上担保しているところでありまして、制度が構築された際には、出入国在留管理庁の管理の下、特定技能外国人の保護をしっかりと図ってまいります。
#323
○小川敏夫君 全然議論がかみ合っていないというか、議論の論点をそらして答弁されているんですがね。
 ですから、受入れ機関あるいは登録機関がしっかり頑張る、頑張らなかったら取り消すというのが総理の答弁を要約する、要約すればこんな短い話を総理は長々としゃべっているんですよ。
 それは、ただ、受入れ機関、機関、機関といったって、これは法律用語であって、実際は受入れ事業者という民間会社なんですよ。登録支援機関という機関なんという言葉を使ったって、これは登録を支援する民間会社なんですよ。そこの利潤を追求する会社が、費用を労働者に負担させないで支援するということについて実質的に温かく支援できますか、できないんじゃないかと。
 もうこの法律の中身の議論は結構です。じゃ、このことだけは答えてください。今言われたこの法律の中の仕組みの支援とは別にして、政府としてしっかりと、法務省だけでなくて、厚労省も含めて、あるいは必要に応じて文科省も、あるいは外務省も送り出し国とも協議して、政府全体としてしっかりとその外国人労働者を支援する、支える、そういう仕組みについてこれを構築する、そういうことを前向きに取り組んでいただけますかどうか。取り組んでいただきたい。お願いします。
#324
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘になった点も重要であります。
 しかし、先ほど答弁したのも、これは全然議論が擦れ違っているわけではなくて、私はかなり核心だと思うわけでございますが、同時に、恐らく何回もここで法務大臣から答弁をさせていただいたように、今回のこの外国人材の受入れ、そして共生のための総合的対策、対応策について、しっかりとこれは法務大臣から、法務大臣が指揮をし、しっかりと対応してまいります。
#325
○小川敏夫君 答弁になっていないですよ。法務省、法務大臣だけじゃ足らないから、厚労省も含め、あるいは送り出し機関の外国との協議も含め、政府が一体となって、すなわち政府の筆頭は総理大臣ですよ。あなたが先頭に立ってしっかりとそうした公的な支援体制を構築する、あるいはそのことに向けて努力してくださいと、総理に私は聞いているんですよ。法務省の取組自体は大切だけど、法務省のこの法案に対する質疑をしているんじゃないので、もっと大きな話をしているんです。
 政府全体としてこの外国人労働者を支援する、そうした全体的な取組を進めてください、してくださいと言っているんですから、総理、答えてください、一言で、するかしないかを。
#326
○国務大臣(山下貴司君) お答えいたします。
 先ほど総理からお答えのありました外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策、この取りまとめをする法務省の総合的調整機能につきましては、これは七月二十四日の閣議決定、すなわち安倍内閣の閣議決定として法務省の総合的調整機能が決定され、法務省がやることになっています。
 そして、この法務省だけではという御指摘ごもっともでございまして、それについても、総理主導でこの関係閣僚会議、外国人材の受入れ・共生のための関係閣僚会議ということをやらせていただいて、私と官房長官が議長でやらせていただいているところでございます。
 また、この法律におきましても、例えば基本方針は閣議決定、そして、例えば分野別運用方針につきましては、法務省あるいは業所管庁のみならず、厚生労働省、外務省、あるいは国家公安委員長あるいは関係閣僚によって定められるということで、政府を挙げてやるという立て付けになっているということは是非とも御理解いただきたいと思います。
#327
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま法務大臣が答弁させていただきましたが、まさに閣議決定をして、総合調整能力を持つ、権限を持つことになったわけでございまして、法務省を超えて今言った御心配に対応していくことになるわけでありますが、それだけではなくて、先ほど答弁をさせていただいたように、閣僚会議を持って、総合調整機能を持つ官房長官がしっかりとそこに入って、大臣とともに、これは関係閣僚、関係閣僚全部入りますから、そこで指示を、指揮をしながら行っていくということでありますから、もちろん私の下で行っていくということにもなっていくわけであります。
#328
○小川敏夫君 非常に熱意のない答弁に私は失望しております。
 以上で終わります。
#329
○櫻井充君 国民民主党・新緑風会の櫻井充です。
 総理に基本的なこの国の在り方についてお伺いさせていただきたいと思っていますので、是非総理御自身の口から答弁をお願いしたいと、そう思います。
 私は、外国人労働者の受入れは賛成です。そしてもう一つ、外国人労働者だけではなくて、私は、外国人としての、生活者としての外国人も受け入れていかないと町は成り立たなくなっている、そういう地域の選出の国会議員です。今回の法案は移民の法案でないという位置付けにされていることはよく分かります。しかし、我々の地域では長く住んでいただきたい、定住もしてもらいたい、そういう要望もたくさん受けています。
 そういう意味で、総理は移民政策そのものについて、今回の法案とは離れて、移民政策について賛成なんでしょうか、反対なんでしょうか。
#330
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは移民、移民ということ、言葉、あるいはまた移民政策ということについては、多義的で一様にお答えのしようがないわけでございまして、まさに様々な文脈で用いられているのでございますが、安倍政権としてはこう考えているということで申し上げますと、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとするといった、いわゆる移民政策を取る考えはないということを申し上げているわけでございます。
 これは、今、櫻井委員のおっしゃったこともよく分かります。そうした方々を受け入れて地域や町や村を維持していこうという考え方の方も多くおられますが、一方、今私が提示した移民に対しては国民の中には様々な御意見があるわけでありまして、大変な、それに対して不満を、不安を持っておられる方々がおられますので、そういう不安を払拭する意味においては、またそういう国民的な大きな議論がある中においては、我々はコンセンサスが得られていない中においてはこれを行うべきではないと、こう考えているわけであります。
#331
○櫻井充君 現時点での総理のお考えは分かりました。
 総理、昨日、参考人質疑の中でこういう意見もあったんです。それは何かというと、ある程度学んでやっと熟練したところで祖国に帰らなければいけない、また新しい人たちがやってくる、そうなったときに、企業にしてみたら、決してそれは得ではなくて損になっていくんではないのかと。地域社会にもやっとなじんだ、そして生活者として生活していけるような環境ができて地域の人たちと信頼関係ができたとしても、その方々が祖国に帰ってしまうということになると、私は我が国の損失につながっていくんではないかと、そういうふうにも考えるんですよ。
 この考えについて、総理はどう思われますか。
#332
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が言われた考え方については、私も、例えば一生懸命日本で頑張って仕事をして、技能を身に付けてきて、更に頑張ってみたいなという方々が今までの仕組みの中では帰らなければいけないということであれば、やはりそれは問題があったんだろうと思います。
 今までは、技能実習制度でありましたから、この日本で身に付けた技能は自分の国に帰って生かしてくださいという立て付けであったわけでございますが、今度はまさに就労を目的として、一号であれば、これ毎年更新をしていくわけでありますが、五年間はその中で頑張っていくことができるわけでございますし、またその先、更にいろんな試験等に合格をしなければいけませんが、特定の二号へという道も開かれるわけでございますので、そういう方々の御要望にも完全にお応えすることにはなっていないかもしれませんが、そういう方々の気持ちもある程度は酌んでいるのではないかと、このように考えます。
#333
○櫻井充君 ちょっと話題が大きく変わって大変恐縮ですが、総理、卓球の張本選手とかテニスの大坂なおみ選手とか、どう評価されていますか。
#334
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはすばらしい活躍をしていただいて、私も同じ日本人として誇りに思います。もちろん、お父様、お母様が日本で生まれていないとはいえ、しかし、自分の将来を日本でずっと頑張るんだという決意をして日本に来られた方でありますから、そういう方々が海外で活躍され、日本を代表して頑張ってくれる、本当にうれしいことだと思っております。
#335
○櫻井充君 僕は、そういう意味合いでいうと、新しい血が入ってきた方が実際はいろんな能力が伸びてくるんですよ。これは遺伝的にいうとそういうことなんです。そうしてきてみると、何というんでしょうか、今の日本に更に新しい道を開くことになってくるので、生活者として入ってきていただくということ自体も考えていかなきゃいけないもう時代に入ったと思っているんです。
 総理、アベノミクスがトリクルダウンを起こしてくるんだと。確かに株は上がったんです。それから、輸入関連のことに関して言えば、円安になって輸出関連業者の利益は出ているんです。しかし、地方にはなかなかアベノミクスが届いていないという声は総理もお認めいただけると思うんですが、その原因の、僕はこの間の予算委員会で申し上げましたが、一つは内部留保だと思っています。これが大企業が抱え過ぎていることです。今日はこの議論は結構です。
 もう一つは、地方の人口減少が及ぼしてくる影響が圧倒的に大きくて、なかなか地方にアベノミクスが波及していかないということになっているんじゃないかと思っているんです。そういう意味合いで、地方にとっては生活者として私は外国人が必要なんじゃないかと、そう思っているんですが、そういう意味合いでの外国人生活者に対して、総理はいかがお考えでしょうか。
#336
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ちょっと、一点だけ誤解を正したいんですが、私がトリクルダウン説を取ったことは実はないんです。私の経済政策を支持していただける経済学者の中にはトリクルダウンという言葉を使われる方がいるんですが、私は、トリクルダウンではなくて、まさに経済の好循環を生んでいきたいと、こう考えておりますが。
 そこで、大変難しい御質問なんですが、地方においてですね、地方において定住してくれる外国人を望んでおられる方々もおられますが、一方、たくさんの外国人の方が入ってこられると、今までの習慣や生活の伝統等が崩されてしまうのではないかと心配をしておられる方々もいるわけでありまして、そういう心配にも応えつつ、しかし実際に、例えば今でも既に言わば高度人材については永住権を持って定住して頑張っていただいている。しかし、そういう方々が地方にいるかといえば、そうではないのは事実であります。
 ですから、地方の人材をどうやって確保していくかということについては、やはりこれはよく地方の方々の御意見も入れながら考えていかなければならない課題であろうと、こう思っております。
#337
○櫻井充君 おっしゃるとおりだと思うんですよ。今、様々な意見があります。それは、初めてこう大きく門戸を開こうと今してきているので、それでいろんな意見が出てきているんだと、そう思います。
 是非、時代に応じて変わっていかなければいけないと思っていますし、それと、もう一点大事な点を申し上げると、韓国などは出生率が七月―九月で一を切りました。もう少子化に拍車が掛かっているだけではなくて、二十代の方で結婚している方は一〇%を切っています。そうなってくると、他の国とも外国人労働者の取り合いになっていくようなことが僕は起こってくると思っていて、そういう意味合いではどういうような対策を取っていくのか。
 先ほど有田議員から質問がありましたが、処遇をきちんとしていかないと、他国と労働者の取り合いと言ったら言葉、語弊があるかもしれないけど、そういうところで負けてしまう可能性が出てくるのではないのかと、そう思っているんですが、その点については総理、どうお考えでしょうか。
#338
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員が御指摘のとおり、アジアの諸国におきましても少子化が進んでいる国は多いわけでございまして、外国人労働者の受入れをそういう国々が行っている。まさに優秀な外国人材に来ていただく上においてはやっぱり日本で仕事をしたいと、こう思ってもらわなければならないのは全くそのとおりだろうと思います。そういう中におきまして、まさに特定技能一号の外国人が安定的かつ円滑な在留活動を行うことができるように、受入れ機関又は登録支援機関が職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を実施することとしております。
 また、先ほど別の議論で答弁をさせていただいたように、受入れ・共生のための総合的対策として、賃金を含む労働条件や労働環境の充実、また、安全、安心で暮らせる生活環境、日本語教育の充実、多文化共生社会の実現など、各種取組を年内に取りまとめたいと、こう考えているところでございます。また、学校とかあるいは医療を受けられる状況ですね、言葉の問題もありますから、そういうこと等についても対応していきたいと、こう考えております。
#339
○櫻井充君 ありがとうございます。
 とにかく、これから本当に、日本に来ていいよという時代から日本に来ていただくという時代に変わっていくかもしれないと思っているんです。そういう意味では、先ほど有田委員が指摘していたようなことについてもきちんと調査していただいた上で対応していただきたいと、これは答弁結構ですので、お願いしておきたいと、そう思います。
 もう一つです。我が国の行く末として、この先GDPの増加を望んでいくのかどうかというのはすごく大きな視点なんだと思っているんです。私は、経済成長路線を取るべきだと、そう思っています。それはなぜかというと、我が国がこれだけ多額の借金を抱えている、社会保障の問題もある、そういう意味合いでは、経済成長を遂げていく方向に向かっていくということは私は正しい道だと思いますが、改めて、安倍政権ではこの経済の規模を拡大していくと、そういう方向性でよろしいんですよね。
#340
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、現在、生産年齢人口が減っておりますし、当面の間は人口減少が続いておりますが、しかし、高齢化は進んでいくわけでありまして、伸びていく社会保障費をしっかりと充実をしていく上においては、その財源を確保する上においても経済を成長させなければならないし、経済を成長させることはできるんだろうと、こう思っておりますし、それと、成長を諦めた国にはこれ未来はないんだろうというのが私の考え方、いろんな意見があると思いますが、そのように考えております。
#341
○櫻井充君 そうなってくると、総理、私はその方向性でいいと思っているんです。そうなってくると、我が国の六〇%を占める個人消費についてどう考えるかというのが最大のポイントになると思います。
 一九九七年に生産年齢人口のピークを迎えています。その後から減少が始まっています。我が国の個人消費は、一九九七年からほぼ横ばいです。GDPも、済みません、ちょっと最近の統計のやり方を見ていないので、昔の統計のやり方で見てくると一九九七年がピークになるんです。生産年齢人口はこれから大幅に減少していきます。これを、これまでどおり、総理はこれまで女性の社会進出やそれから高齢者の方々をどう生かしてくるかということをやってこられましたが、それでも限界があったからこそ今回の入管法の改正ということに至ったんだろうと、そう思います。
 そうすると、生産年齢人口が急激に減少していく中で、最初は三十四万人かもしれません、私は受入れ反対じゃありませんので、そういう意味合いでいうと、外国人に個人消費の観点から考えてくれば依存せざるを得なくなるんじゃないだろうかと。今、我が国のGDPはインバウンドの方々でもっているところもあります。ですから、災害が起こった際にインバウンドの方々が減少した結果、七―九月のGDPはマイナス成長になってきています。
 そういう意味合いでは、この経済の観点から考えて、今後、外国人の受入れはどのようになると総理はお考えでしょうか。
#342
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば、生産年齢人口が減っていくというのは、言わば働く方々が減っていく。一方、今櫻井委員の御指摘は、人口が減少していく中で消費者が減っていくじゃないかということだろうと思います。
 今、その中において、海外からの観光客が八百万人から三千万人に増えたというのは、この三千万人の方々が消費をしていただいている。観光という意味においては日本人の観光客よりも多くの消費をしていただいているのは事実でございまして、大いにこれも貢献していただいているわけでございますが、今度私たちの出している法案は消費者としての外国人という観点ではないわけでございまして、基本的には、消費者が減っていく中においては、むしろ我々は、伸びていくこのアジア太平洋地域の人口を視野に入れながら、TPP11や日EUのEPA等を結ぶ経済連携を進める中においてより多くの消費者を対象に、例えば農業が一番典型的だろうと思いますが、日本人だけを相手にしている農業から海外に目を転じていくことによってそういう消費者も確保していくことができるのではないかと、このように考えております。
#343
○櫻井充君 時間が来たんでしょう、もう終わりますが、今お話があった点から察すると、我が国はある種方向転換しなきゃいけなくなるのかもしれません。つまり、内需がGDPの中で大きく占めていた国から、カナダやそれから韓国のように外需に頼んでいくような国になっていくのかどうか、そこの方向性を定めなければいけないと思っていますし、もし今の内需の規模をちゃんと維持していくということになってくると、人口政策上、生活者としての外国人を受け入れなければいけない局面もあるんではないのかと、そう思っています。
 外国人の受入れに関しては様々な意見があります。様々な意見の中で、地域としては本当に逼迫している状況があって、我々の地域の方々は、とにかくなるべく早くに外国人を受け入れられるようにしてほしいという声があって、その意味では外国人を受け入れなきゃいけないと思っていますが、一方で、きちんとした環境整備がなされるということも大事なことだと思っていますので、内閣で責任を持ってそういう取組をしていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#344
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 総理にお尋ねをしたいと思いますが、政府は技能実習生の失踪の急増というこの事態の中で、平成二十六年三月に、捕捉された失踪実習生からの聴き取りを始めながら、その調査を基に、意欲が低く、より高い賃金を求めて失踪する者が多い、安価な労働力の確保策としたり、保証金徴収などの不正は一部の制度趣旨を理解しない者によるものだと、おおむねそのように国会でも答弁をしてきました。おとといのこの委員会で、和田入管局長、御指摘のような認識に立っていたものでございますと私に答弁をされましたが、そのとおりですね。
 局長って私は聞いて、何で、局長って聞いているでしょう。
#345
○政府参考人(和田雅樹君) 御指摘のとおりの答弁をいたしております。
#346
○仁比聡平君 その上で総理にお尋ねしたいんですが、その認識というのはその後ずっと変わっていないんです。ですから、今年の二月、経済財政諮問会議で新たな外国人労働者受入れ策の拡大について総理は指示をされていますけれども、そのとき同じ認識に立っておられたわけでしょう。
 総理の認識、総理が指示したんでしょう。総理が指示したんじゃないですか。総理に。
#347
○国務大臣(山下貴司君) 今の認識につきまして歴代法務大臣などが申しておったところでございます。そして、その認識につきましては、これは様々な例えば聴取もございます。あるいは、技能実習実施機関からの聴取もある。例えば、失踪直前に仕事に出てこなくなったとか、そういった事実関係もある。そういったことを総合考慮して述べたというところでございます。
#348
○仁比聡平君 山下大臣がそんなふうに出てこられるのは、結局、この間の野党の分析によって実態が暴露されたことによる今更の言い逃れ、だから見苦しいと私は前回申し上げたんですよ。
 総理がお立ちにならないんだけれども、その総理の指示を受けて、法務省を始めとしたタスクフォースが来年の四月拡大ありきと、結局そうだったんだと思います。泥縄、付け焼き刃で骨太それから今回の法案の閣議決定と国会提出に至ったわけですね。その時点でも政府は、より高い賃金を求めて失踪する者が多数、八六・九%、人権侵害行為など受入れ側の不適正な取扱いによるものも少数存在というふうに資料を作っていたように、実態をねじ曲げて、制度全体はうまくいっていると強弁して、だからその技能実習を三年修了した者を今度は特定技能一だといって働かせ続けるという法案の組立てになっているんじゃないですか。私は、それが根本から間違っていたと。そこの総理の認識聞きたいんですよ。失踪は緊急避難だったんです、多くの方にとって。実態は七割が最賃以下であり、一割が過労死ラインを超える過酷労働ですよね。
 これ、ところが総理は、衆議院の段階で聴き取り票が示している実態が大問題になりながら、九割の方々がうまくいっているというふうに答弁をしてこられました。これは、いいですか、総理、総理、この九割がうまくいっているという認識は、これは撤回をされて、よく考え直されるべきじゃありませんか。(発言する者あり)どうして、どうして大臣が答弁するんですか。委員長、おかしいでしょう、委員長、おかしいでしょう、これ。総理の認識。総理の九割の方々がうまくいっているという答弁について聞いているのに。
#349
○委員長(横山信一君) 最初に山下法務大臣、お願いします。
#350
○国務大臣(山下貴司君) その答弁につきまして御説明いたします。
 これは、十一月七日の参議院予算委員会の小池委員に対する答弁でございます。これを正確に引用いたしますと、今、山下大臣がお答えしたようにということで、私の答弁を引用されておられます。そして、「今までも九割の方々は、技能実習生、まさに目的に沿った形で日本で技能を身に付け、母国に帰ってその技能を生かして活躍しておられるんだろうと、こう思っておりますが、」という答弁が正確な引用でございます。
 そして、私の答弁は、これは統計の取り方にもよるけれども、この失踪された方は全体の技能実習生からすれば数%ということでございまして、九割をはるかに超える技能実習生についてはその技能実習に基づいて実習しておられるんだろう、それを見守る方もおられるんだろうということを答弁し、その後、総理が、今、山下大臣がお答えしたようにということで答弁されているわけでございます。
#351
○仁比聡平君 山下大臣、勇ましく答弁しておられるつもりかもしれませんけどね。私、大臣に、もう外国人の人権とか共生とか、そんなものを委ねられるのか、任せられるのかと。私、本当に見苦しいなと思いますね。
 総理、私がそもそも本会議で同じ問いを尋ねたんです。そのときに、総理は、失踪者は全体から見れば僅かと答弁されたじゃないですか。失踪者は全体から見れば僅かという総理の答弁は、私、二つの点で大きな問題があると思うんですね。
 一つは、失踪や自殺、過労死や労災、暴行や性暴力、そうした対象とされてしまった一人一人の人権侵害を横に置いてしまう、脇に置いてしまう、それは一国の総理として私は信じられないことだと思います。そして二つ目は、この失踪者というのは氷山の一角だということなんですよ。総理は、逃げられずに働き続けるという、そういう実習生たちがいるということをお考えにならないんですか、それともそこはお認めになるんですか。
#352
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 技能実習制度については、その中には一部の監理団体や受入れ企業における賃金不払や長時間労働等といった労働関係法令違反等の問題や技能実習生の失踪といった問題が生じておりまして、これは重く受け止めております。決して脇に置くという考え方はありません。重く受け止めております。
 他方で、失踪者の数は技能実習生全体から見れば数%にとどまることも事実でありまして、多くの技能実習生が実習を全うし、母国で活躍しているのもこれもまた事実でありまして、それも認識をしているわけでございます。
 その上でですね、その上で、技能実習制度については、昨年十一月に施行された技能実習法の下、受入れ企業等に対する実地検査や技能実習生に対する母国語相談等、相談対応等の取組によって、制度の適正化及び技能実習生の保護に努めています。
 また、労働基準監督署においては、技能実習生を雇用する約四万八千の実習実施者に対し重点的に監督指導を行っておりまして、平成二十九年の一年間において各種情報から違法、法違反が疑われる五千九百六十六の事業場への監督指導を実施しまして、今後とも、効果的、効率的に監督指導に努めていくわけでありまして、そういう様々な人権侵害等、また法令違反等の存在を軽く見ているわけではありませんし、その人たちを横に置くということは全く考えておりません。そういうことがないようにしっかりと対応していきたい。
 しかし同時に、技能実習という役割に沿う形で受入れ企業等も対応し、そしてまさに母国で活躍しているのも事実であり、多くの方々がそのように活躍しているということも知っていただきたいということで、そう答弁させていただいたところでございます。
#353
○仁比聡平君 いわゆる企業単独型ということを始めとして、母国で活躍している方がいないとは私は言わないんですよ。けれども、失踪実習生の実態が示しているものを脇には置かないというのであるなら、ここはしっかり立ち止まってよく考えるべきところだと思うんです。
 総理が所信表明演説でも、まあ自慢げにと私は議場で聞こえましたけど、御紹介されたのがあのベトナムの取組なんですね。私、二千八百七十人の失踪実習生の聴き取り票のうち、ベトナムからおいでになった方の分を抽出をして、驚きました。これは、午前中、法務省とは議論をしたんですが、千六十一名いらっしゃいます。つまり、二千八百七十人のうち千六十一名がベトナムからのおいでになっている実習生。失踪者の四割がベトナムからおいでになっているわけです。
 ベトナム政府は、送り出しに当たって、保証金は禁止する、手数料もこれ三年の実習で三千六百米ドルまでという上限を定めているんですけれども、これ、三千六百米ドルというのは日本円でおよそ四十万円なんですね。この金額でも、ベトナムの最低賃金、低い地方のところから来ると年収で二十年以上分ぐらいになってしまうんですよ。最賃が高い都市部の方でも年収十数年分になってしまう。だから、田畑を担保にするとか、あるいは闇金の高利とかいうことで借金をして、それでも日本に希望を持ってやってこられますよ。けれど、現実には最賃以下というような状況の下で、この借金にも縛られて母国に送金をしなきゃいけないと。それがこのベトナムから来ている実習生たちの多くの姿なんですよね。
 さらに、金額をちょっと拾い上げてみました。そうしますと、百万円を超えるという方が六五%もいらっしゃいます。さらに、二百万円を超えるお金を送り出し機関に払わされてしまったという方が三十七人、割合としては四%なんですけれども。
 そういう実態があるからこそ、昨日のこの委員会の参考人質疑で斉藤参考人がこうおっしゃいました。総理、いいですか。とにかくつらいことや理不尽なことも多い技能実習の三年間を辞めもせず失踪もせずに働き抜いて、更に日本で働こうというおとなしくて我慢強くて多分親日な人は無試験で受け入れようと、それが今度の特定技能一という、そういう仕組みなんではないかと。
 私は、これ、実際、法務省の入国警備官たちが取り組んできたこの聴き取り票からその実態というのは現れていると思うんですね。これ、うまくいっていないじゃないですか、総理。
#354
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私の所信表明についての論評をされましたが、私は別に自慢げに話したのではなくて、クアン主席が実際に群馬に行って、言わば日本人と同じ給料をもらっていて、私はそれを誇りに思っているということを言っていた実習生がいるのは事実でございますし、そして、それを御紹介したのは、だからこそ受け入れている日本の企業はちゃんと支払うべきだという思いを込めてそう申し上げているわけでございます。
 ベトナムの例について挙げられましたが、ベトナムとについては二国間の取決めを昨年六月に、六月の六日に締結をいたしました。その主な目的は、日本側だけでは把握することが困難な保証金や不当な高額な手数料を徴収する不適正な送り出し機関等を排除することにあります。具体的には、同二国間取決めにおいて定めた送り出し機関の認定基準に基づいて、ベトナム側において送り出し機関の認定を行い、日本側はベトナム側が認定した送り出し機関からのみ技能実習生を受け入れること、また、日本側が不適正な送り出し機関があることを認知した場合、その旨をベトナム側に通知し、ベトナム側において当該送り出し機関に対する調査、指導、認定送り出し機関の取消しを行うことが規定をされているところでございまして、そういう意味におきましては、我々はこうした取決めにのっとってそうした不適切な事業者を排除していかなければならないと、このように考えております。
#355
○仁比聡平君 総理が、夢を持って日本に来てくれる外国人労働者、多くは若い皆さんですけれども、その皆さんの思いに応えるんだと、今、先ほどおっしゃったと思うんですが、とおっしゃるなら、この実態を脇には置かないといいながら、現実にはこの実態を正すこともなしに、あるいは正すこともできずに、その技能実習制度を土台にした新たな受入れ拡大策というのを推し進めるということは、これは本当に立ち止まっておやめになるべきだと思うんですね。
 これ、平成二十九年の失踪実習生の聴き取り票が出ているわけですけれども、その同じ平成二十九年に、法務省入管当局が厚労省の労働基準監督当局に法違反として通告した件数というのは僅か四十四件だったんですよ。総理がきれいに描こうとしても、現場というのはこれ惨たんたるものなんじゃないですか。
 来年三月末までに反面調査をやるんだと法務大臣おっしゃっているんですけれども、私はそれ自体おぼつかないと思いますよ。やみくもに四月の受入れ拡大というのを押し通すのはもうやめて、この法案は廃案にすべきだと思いますが、最後、総理、いかがですか。
#356
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 技能実習制度は今既にあり、機能しているわけであります。そして、私たちが今お願いをしているこの法案は新たにつくる仕組みでございまして、出入国管理庁が新たにこれは設置をされまして、まさに直接管理監督を行っていくことになるわけでございますし、と同時に、今まであった、様々な御指摘があったこの技能実習制度につきましては、山下法務大臣の指示の下に、法務省内に設置されたプロジェクトチームにおいて技能実習生の実態把握の在り方の見直しをこれは行います。そして、聴取票から違法、不当な行為が認められる技能実習実施機関の調査には既に着手しているものと承知をしておりますが、これらの取組によって制度の更なる適正化を図ってまいります。
#357
○仁比聡平君 もう、実習制度と今度の新しい入管法改定は別の制度だという詭弁は国民的にももう通用しませんよ。きっぱり廃案にすべきことを強く求めて、質問を終わります。
#358
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 本法律が施行されますと、日本が深刻な人手不足を外国の方に補ってもらうこととして、政府が新しい法律を作って大きくかじを取ったということになります。
 これまでも問題は多くありましたが、今後、日本政府が外国の方の労働者にどう対応したかによっては、これは国家の品格が問われる時代を迎えていると思いますし、各地域で外国の方が働いていただいて、それに対して日本の企業だとか日本人がどのように接したかについては、日本人の国民性が評価の対象になる時代を迎えていると思います。そのときにどの総理であったかということも行く行く語られることになりますので、まず最初が肝腎でございます。この時期に総理は意識を高く持って頑張っていただきたいと思います。
 これまでも、この法務委員会で数々の不祥事のことについて質疑、答弁がされてまいりましたが、これは、やはり不祥事というのはなるべく起こらないように防止をすることが大事だと思っております。それはどのような管理を適切にやってきたかということにも関係してくると思いますが、私はそこで総理に改めて質問したいと思います。
 本会議で日本維新の会を代表しまして私が登壇をした際に、以下の質問をいたしました。在留者の管理には、現在、在留カードが使われていますが、銀行口座などの手続もカバーできるマイナンバーカードを活用することで管理の網を広げ、きめ細かい在留管理が実現できると考えますが、いかがでしょうかと総理にお聞きしましたところ、議事録をそのまま読みますと、総理から、在留カードには常時携帯義務があり、在留資格、在留期間、在留期限に加え、居住地等の最新の情報が記載されている上、就労期限の有無や資格外活動許可を受けているときにはその旨が記載されてあるため、事業主などが在留カードを確認すれば当該外国人が就労可能であるか否かを容易に判断できるため、不法就労、不法滞在対策において有効であると考えます、このように答弁されましたが。
 在留カードがありまして、その在留カードで就労可能が容易に判断できるんであれば、不法就労はなくなるはずでございますが、いかがでしょうか。
#359
○国務大臣(山下貴司君) お答え申し上げます。
 まず、在留カード、所管でございますのでお答えいたしますと、この在留カードには常時携帯義務がございます。そして、券面に就労制限の有無や資格外活動許可を受けている場合にはその旨の記載がされると。事業主はその在留カードの券面を見ただけで当該外国人の就労の可否を判断できるということから、不法就労、不法滞在対策上において有効であるというふうに考えております。
 しかしながら、例えば、事業主の中にはあえて不法滞在者を雇用する者がいるということも残念ながら現実としてございますし、不法就労者をあっせんするブローカー等も存在していると。これら、また、在留カード番号、これが例えば雇用状況報告書、これは雇用者は必ず出さなきゃいけない、この書面にしっかり記載されるのであれば、これはマッチング等が非常に容易になって、その把握が容易になるというふうなこともあるんですが、現状、この雇用状況報告書にはその在留カード番号の記載ということが、その記載欄がございません。そうしたことから把握が困難だという事情もございます。そういったことを、事情を踏まえて、在留カードのみならず、複合的に対策を取ることが重要であるというふうなことも考えております。
 政府としては、法務省としては、引き続き関係機関の連携を強化し、不法就労、不法滞在対策の取組をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。
#360
○石井苗子君 総理にお伺いしたんですけれども、総理はお答えはいただけないでしょうか。
#361
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま所管の法務大臣から答弁させていただいたんですが、まさに、この事業主の中には不法滞在と知りつつ雇用する者がいるほか、不法就労者をあっせんするブローカーも存在をしておりまして、これらをなくすためには、こうした者たちの取締りを始め複合的な対策を取ることが重要であると認識をしております。
#362
○石井苗子君 管理について、カードの応用の方法について質問させていただいているんですけれども、審議官にお伺いします。
 簡単、簡潔にお答えいただきたいんですが、もし銀行口座を新規に開設する場合、マイナンバーが必要になるのはいつからでしょうか。内閣官房にお伺いします。
#363
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 預金保険法等の改正によりまして、本年一月から告知義務を課さない形で銀行口座への付番が開始されたところでございますが、これは義務は課しておりません。任意でございます。
 さらに、この際の改正のマイナンバー法に法施行三年後の見直し規定が設けられまして、その時点での付番の状況等を踏まえ、必要があれば更なる付番の促進に向けた施策等につきまして関係省庁と協力して検討を行っていくものと考えております。
#364
○石井苗子君 既存の口座についてマイナンバーが必要になりますか。
#365
○政府参考人(向井治紀君) 既存の口座につきましても本年一月から任意の形で預金付番は始まっておりますけれども、既存の場合ですと、銀行との接点がより少ないという状況がございます。したがいまして、それをどのようにマッチングするかというソリューションも含めて考える必要があるため、新規よりは若干時間が掛かるものと考えております。
#366
○石井苗子君 若干時間が掛かるということですけれども、一人の人が複数の銀行口座を持っている場合、マイナンバーによってその人の給与収入の全体を把握すること、これできますよね。できますか。
#367
○政府参考人(向井治紀君) お答えいたします。
 マイナンバーでできることは、マッチングでございます、要するに名寄せでございます。したがいまして、マイナンバーで名寄せすることは可能でございますけれども、まず、振り込まれないものについては把握できない、これ当たり前のことでございます。現金支給は把握できない、当たり前のことでございます。それから、口座に振り込まれる形というのは、振り込み先は書いてございますけれども、必ずしも給与と書いていないものもございますので、結局、口座の出入りの中身を全部チェックしないといけないと、そういう格好になろうかと思います。
 その場合、そういうふうなチェックができる仕組みあるいはシステムというのをどういうふうに考えるかという問題もございますし、例えば、マイナンバーの場合ですと、国民全部、在留者も含めて国民全体に付番されてございますので、システム的には国民にもできてしまうおそれが出てまいります。
 したがいまして、これらのマイナンバーの場合、税、社会保障の基盤として設けられてございますけれども、一方で、マイナンバーの基となっております住基、住民基本台帳番号等が裁判等で違憲判決が出まして、最高裁まで行った経緯がございまして、マイナンバーそのものにつきましても現在違憲訴訟を八件抱えてございます。
 したがいまして、そのような個人情報の保護との関係も違憲判決が出ないような仕組みも必要でございますので、その辺、石田大臣からも答弁していましたように、マイナンバーの利用そのものは難しいと考えてございますが、その上で、内閣官房のIT政策や番号政策を担当している者といたしましても、目的に照らした国民の理解を得られるソリューションを目指して考えていきたいと。
 先生が最初に御指摘されましたマイナンバーカードにつきましては、そのマイナンバーも書いてございますけれども、ICチップにマイナンバーとは全く別の公的個人認証という手段がございまして、これはマイナンバーとは違う利用の形ができます。これにつきましては、これもまた石田大臣が答弁しておりますけれども、検討の余地は十分あるものと、そういうふうに考えてございます。
#368
○石井苗子君 是非、管理の徹底ということで、このマイナンバーカードの応用をお願いしたいと思います。
 少し質問を変えますが、先ほどからブローカーの問題がいろいろ出てきております。外国人材やその親族が保証金等を徴収される場合は受入れができないようにするということでございますが、相手国の方にブローカーが保証金を徴収しないように取調べを求めるのか、それとも二国間協定などで結ぶのか、私は二国間協定を結ぶべきではないかと思っておりますけれども。
 総理、先ほども御答弁がございましたが、もう少し詳しく総理のお考えをお聞きしたいと思います。
#369
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これ、二国間協定を結ぶべきではないかという御趣旨だと思いますが、現行の技能実習制度においては十か国との二国間取決めを作成しているほか、EPA協定に基づく受入れ枠組みなど様々な既存のチャンネルを活用して保証金を徴収するような悪質なブローカーを排除するため、相手国政府との緊密な連携を図ってまいります。
 その上で、さらに、他の国との間で二国間協定などを結ぶかどうかについては、相手国政府の状況等も踏まえて、その必要性を検討していきたいと考えております。
#370
○石井苗子君 この外国人人材受入れの新しい法律というのはグローバルに人間関係が広がっていくものでございまして、そこに経済が関係してきますし、人口というものも関係してくるわけですが、先ほど副大臣にもお伺いしたんですが、ここは総理に一つ、大変根本的なお話なんですけれども、質問したいと思います。
 今後減少していく日本の人口ですけれども、これを外国の方に補っていただくことについて、基本的に総理はどのようにお考えでいらっしゃいますか。
#371
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の法案を提出するに至った状況の認識についての御質問でもあろうと、こう思うわけでございますが、この六年間、先ほどもお答えをさせていただいたように、生産労働人口が四百五十万人減少していく中において、そこで新たに二百万人の女性の皆さんに仕事に就いていただき、これはアメリカの女性の就業率を各年齢別でも上回る状況になってきているわけでございますが、今後も、更に女性の皆さんあるいは高齢者の皆さんにその能力を生かしていただく。
 そしてさらには、IoTやロボットやAI等々を活用してもなお、生産性を上げるために様々な努力をしてもなお不足する人材の一部について、外国人の方々の人材、特定の業種において、そういう要望が強いところに限って今回受入れを行うわけでございますが、それはやはり現下の状況から考えれば必要であろうと、こう考えております。
#372
○石井苗子君 ありがとうございます。
 少し時間がありますので、先ほどのブローカーの件について。
 本会議で総理は、今回の受入れ制度においては、外国人材から保証金等を徴収する悪徳ブローカーの存在を防止するために、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないなどということを法務省令で定めますと答弁されていらっしゃいますが、ここで伺いますけど、外国人材やその親族ですね、保証金等を徴収される場合は受入れができないようにするということですが、保証金等というのは、保証金のほかにどのような名目の金銭が入るのか、手数料はよいのかというようなことを総理はどのようにお考えでしょう。
#373
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の受入れ制度においては、外国人材から保証金等を徴収する悪徳ブローカーの介在を防止するため、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないことを法務省令で定めることとしておりますが、具体的には、保証金の徴収のほか、名目のいかんを問わず、財産を管理したり、雇用契約の不履行について違約金を定める契約など、不当に財産の移転を予定する契約を締結したりするようなブローカーが介在している場合には、保証金や違約金の金額の多寡を問わず、特定技能外国人としての受入れができないことといたします。
 このほか、御指摘の職業紹介に係る手数料についても、特定技能外国人がその額や内訳を十分に理解して合意していることをその上陸の要件とすることとし、不当に高額な手数料を徴収している疑いのある案件があれば、個別にその適否について慎重に審査を行うなどの対応を取ることとしております。
#374
○石井苗子君 時間が来ましたけれども、昨日の参考人の方の中に、ブローカーの存在というのは必ずしも悪いと決め付けない方がいいというお話がありましたので、この金銭を徴収する場合、どのくらいの額から悪徳になるのかなというところも少し今後も検討していきたいと思います。
 どうもありがとうございました。以上です。
#375
○糸数慶子君 沖縄の風、糸数慶子です。
 安倍総理への質問の前に、一言申し上げたいと思います。
 辺野古新基地建設をめぐり、沖縄防衛局は五日、土砂の積込み作業を再開させました。三日の作業開始直後、沖縄県に手続の不備を指摘された政府は、一旦作業を中断したものの、法令の運用や解釈を都合よく変更し、県議会が開かれている最中に、県の立入検査も終えないまま、作業を再開させたのです。本当に驚きと怒りを禁じ得ません。
 官邸に集中させた権限をフルに使い、異を唱える者を排除する、この強権的な手法こそが安倍政権の特徴です。政府をチェックすべき司法も安倍政権をそんたくして判断を避け、国会運営も安倍内閣のスケジュールに沿って進められると。この国の三権分立が形骸化しているのではないかと大変危惧しております。そういうことを申し上げまして、質問に入りたいと思います。
 安倍首相は、所信表明演説で、「少子高齢化という我が国最大のピンチもまた、チャンスに変えることができるはずです。 この五年間、生産年齢人口が四百五十万人減る中でも、女性活躍の旗を高く掲げることで、女性の就業者は逆に二百万人増やすことができました。」と自画自賛されました。確かに、女性の雇用者数、増えておりますが、非正規雇用が増えても少子高齢化のピンチをチャンスに変えることなど到底できません。
 二〇一七年の男性の賃金は三十三万五千五百円、女性では二十四万六千百円で、男性を一〇〇とした男女間賃金格差は、過去最少とはいっても七三・四で、一時間当たりで比較すると、正規雇用の男性と短時間労働の女性では二倍の格差があります。
 二〇一二年四月、OECDのグリア事務総長が来日された際、日本は国内の経済格差にもっと危機感を持つべき、社会の階層化と収入格差の拡大に取り組む必要があると指摘されました。その上で、グリア事務総長は、急速な高齢化による問題を緩和するためには、日本は男女間の収入格差を是正する必要がある、既に日本の労働人口はOECD中最も高齢である、女性を社会に参画させなければ日本は急速に衰退していくであろう、埋め合わせのための唯一の方策は積極的な移民政策だと強調されました。
 今回の入管法改正は、労働力不足を外国人材の受入れで解消しようとしていますが、一方で、移民政策ではないと強調されています。外国人受入れの環境整備も整わず、移民の受入れには消極的、社会の階層化と収入格差も男女の賃金格差も解消されず、まさに、グリア事務総長の日本は急速に衰退していくだろうというそのような指摘は現実のものとなっていると言わざるを得ません。
 そこで、安倍総理に伺いますが、グリア事務総長の指摘をどのように受け止められているでしょうか。
#376
○内閣総理大臣(安倍晋三君) グリア事務総長の発言は二〇一二年でありますが、まだ安倍政権が誕生する前の前政権のときの発言でございまして、当時の、これは前政権のときの話でありますが、我が国の女性の就業率が米国を始め欧米主要国と比べて低く、日本ではまだまだ女性の能力を生かす余地が大きいとの問題意識に基づいての御発言だろうと、こう思います。
 まさに、その意味では、我々、政権発足と同時にこのグリア事務総長の問題意識を共有しまして、女性の、女性活躍の旗を高く掲げた結果、五年間で女性就業者は二百万人増加をしました。そして、女性就業率は英国やドイツなどを大きく上回ります、六・六、七%増加をしました。あっ、六・七%増加をしたわけでありまして、今や二十五歳以上の全ての世代で米国を上回っておりますし、また、このように女性の就業が拡大をし需給がタイトとなる中においては、女性の平均賃金も月一万三千円増加をしまして、実はこの男女間の賃金格差も、足下においてはこれ過去最少となっているわけであります。男女の賃金差は最も少なくなっているということでございまして、グリア事務総長がこの発言をされた前政権のときから比べて大きく改善をしているということでございます。
 こうした成果については、実は、昨年、グリア事務総長からも良いニュースだというふうに評価をしていただいているわけでございまして、実はこれも御紹介をいただきたかったなと、こう思うわけでありますが、今回における制度は、人手不足が深刻な問題となる中で、こうした努力のみならず、高齢者の就労拡大、生産性向上などの取組を行ってもなお労働力が不足する分野に限り受け入れるものでございまして、引き続き、女性の活躍も含めて、多くの方々が望めば働くことができる社会をつくっていきたいと、このように考えております。
#377
○糸数慶子君 るる御説明をされておりますけれども、やはり現実としては、女性が安心して、そして若者たちが結婚して安心して子供を産むことができない、それが結果的には少子化になっている。そのツケが、今こういう形で外国人を入れなければどうしようもないという状況に来ているのではないかということを改めて指摘をしたいと思います。
 総理が、今、衆議院では、野党から多くの問題が指摘されたにもかかわらず、それに答えることなく強行採決されました。その際、大島理森衆議院議長は、与党の国対委員長に対し、この法案は大変重い、政省令も多岐にわたる、施行前に法制度の全体像を明らかにすべきだと述べていらっしゃいます。国会へのその報告を求められました。極めて異例のことだと思います。
 安倍総理の強権的で国会を軽視する政権運営に対して大島議長はこれまでも苦言を呈されておりますが、今回の大島議長の苦言を総理はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
#378
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 出入国管理及び難民認定法は、入国、在留する外国人の動向や経済社会情勢の変化に機敏に対応するため、在留資格に関する具体的な細部事項は法務省令等の下位法令に委ねられることが多いところでありますが、衆議院議長からの御指摘を重く受け止め、本改正法施行前に政省令事項を含む法制度の全体像を国会に報告をし、そして制度の全容をお示ししたいと考えております。
#379
○糸数慶子君 この委員会でもいろんな質疑が行われておりますけれども、なかなか答弁がかみ合わない、そして、きちんと質問したことに対しては答えられないということがこれまでの質疑の結果であります。本当に、こういう大島議長の苦言を総理が受け止められて、しっかり期限どおりやっていけるのかどうかというのも疑問でございます。
 衆議院で採決された後に、野党が技能実習生への聴取票を閲覧、集計した結果、法務省の集計結果とは全く違う約七割が最低賃金を下回っていることが分かりました。さらに、労働法に違反するひどい事例が次々に明らかになり、審議に値しない、中身の全くない法案であることが分かりました。
 法案審議のための不都合な真実を隠して衆議院で強行採決をしたのですから、一旦廃案にし、明らかになったことを、その事実を基に審議をやり直すべきではないかと思いますが、安倍総理、いかがでしょうか。
#380
○国務大臣(山下貴司君) まず、事実関係について、調査を担当した法務省であります、所管大臣の私からお話しいたします。
 まず、法務省がお示しした通知というのは、これは二十九年に失踪した実習生の聴取票、ここの失踪動機欄のチェック欄、このチェック欄に記載されたものを集計した数値でございまして、その低賃金、最低賃金以下を挙げたところにチェックされたものについてお示ししたものでございます。その反面で、この野党の先生方がお話しした、例えばその聴取票に記載されておる時間、労働時間とされているもの、そして給料、月額の給料とされているものを単純に割って最低賃金を割り出したものではないということでございます。
 法務省といたしましては、この二十九年の個票について、これはもう明らかに不正はないなというものを除いて、これは徹底的な調査をしなければならないというふうに考えておりまして、この対応について、今、法務省内に設置された、弁護士である門山政務官をヘッドとするプロジェクトチームにおいて調査を行っておりますし、技能実習の実態把握についてはここでやっているというわけでございます。
 ただ、今回の新たな制度というのは、これは技能実習制度とは違う、その二年前に成立し、一年前に施行になった技能実習法に基づく制度とは異なって、新たな制度として、特定技能外国人保護の、受入れ拡大を認めるものでございまして、この保護の観点から、受入れ機関あるいは特定技能外国人との雇用契約の要件や受入れ機関が満たすべき要件、様々な要件を定め、そして、新設する出入国在留管理庁が指導、助言や報告徴収、立入検査などを行い、また改善命令を行うということを定めているわけでございます。
 こうした外国人の保護措置も新たな受入れ制度にとっておるわけでございまして、政府としては、この現下の人手不足に対応するために四月からの制度スタートを目指しているということでございまして、この点、御理解賜ればと考えております。
#381
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 事実関係については今大臣から述べさせていただいたとおりでございますが、政府としては、現下の人手不足に対応するため新たな受入れ制度を早急に実施する必要があると考えておりまして、来年四月からの制度スタートを目指しているところでございます。
 制度が構築された際には、今大臣からも申し上げたような様々な措置を的確に適用することにより、特定技能外国人の保護、制度の適正な運用に努めてまいりたいと考えております。
#382
○糸数慶子君 そもそも外国人材の受入れは、今年二月、経済財政諮問会議において安倍総理が検討を指示したことに始まり、六月に骨太の方針として方向付けられ、法案の骨子が公表されたのは十月十二日であり、最終的に十一月二日に閣議決定されたものです。しかし、検討の結果が示され、結果に至る検討の内容はほとんど明らかにされていません。
 衆議院で費やされた時間は、空回しも入れて僅か十七時間、その後、データの改ざんや技能実習生への人権侵害が次々に明らかになったにもかかわらず、そうした重大な問題に背を向け、採決ありきで進められていること、まるで国会が政府の下請機関のような、そのような扱いを受けていることに危機感を持たざるを得ません。安倍総理のこの強権的な姿勢は、沖縄県民の心に寄り添いとうそぶき、沖縄県民が選挙で繰り返して辺野古新基地建設反対の民意を出してもその民意を踏みにじる、そのことと通底しています。言葉だけが誠実で態度が不誠実では信頼を得ることはできないということも強調したいと思います。
 安倍総理に伺いますが、国民の六割が今国会でのこの法案に対して成立することを反対している、その民意はどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。総理にお伺いいたします。
#383
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会の審議の在り方については、まさに国会がお決めになることでございまして、私のコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、政府としては、いただいた時間の中で本法案の必要性、重要性を御理解いただけるよう、また、与党のみならず野党の皆様にも幅広い御支持をいただけるよう丁寧な説明に努めてきたところでございます。
 報道については、御指摘のような報道のほか、今回の外国人労働者の受入れ拡大については賛成が過半数を超えているというものなど様々であるものと承知をしています。
 現下の深刻な人手不足の解消は待ったなしの喫緊の課題であり、可能な限り早急に新たな受入れ制度を実施する必要があるため、政府として、今回の改正法案を成立させ、来年四月からの制度スタートを目指しているものでございます。
#384
○糸数慶子君 ちょっと時間が参りましたので、一つの質疑は取り下げていきたいと思いますが、安倍総理が、昨日、参考人質疑で、参考人からは、日本に来られた外国人が労働力不足を補うものではなく、人間として暮らせるための権利を保障すべきであるということをおっしゃっていたことはもう御存じだと思います。
 法制審で五年の歳月を掛け審議し、国民世論の過半数が賛成している選択的夫婦別姓には、家族の在り方に関わるとして慎重な姿勢を示しながら、一方で、日本の社会の在り方に大きく関わる本法案は、十分な審査も国会の議論も尽くさないままに強硬に進めることを改めて強く抗議をしたいと思います。
 外国人材の受入れとは人の受入れです。労働者として迎え入れたその人々の人権をこの社会がどう守っていくのか、それが大きな問題であります。国会審議だけではなく、在留外国人の人々の上に、また日本社会のそれぞれの地域、現場でどのようなことが起こっているのか十分に検証し、また全体での議論を行う場を設置し、包括的な移民政策を策定すべきだということを申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。
#385
○山口和之君 無所属の山口和之でございます。
 安倍総理には、本日、よろしくお願いいたします。
 アジアの人々にとって働きたい国として人気があるのは、特に香港やシンガポール、あるいは台湾、韓国、ドイツなどと言われ、日本は必ずしも人気国ではないようです。日本が本当に魅力のある働き先であることでなければ、日本はあらゆる面で取り残されていき、良い人材は他国へ向いてしまいます。親日を増やし、ウイン・ウインの関係づくりには、良い人材の確保ばかりか、お互いの国に良循環をもたらします。働きに来る、手伝いに来る外国の方に誇れる日本を感じていただくことは極めて重要と思います。
 一昨年の十一月の未来投資会議において総理は、日本の医療、介護を予防、自立支援型にパラダイムシフトさせると打ち出されました。日本の医療、介護に大転換をもたらそうとすることを自分は高く評価しております。また、自立支援を目玉としてアジア地域で人材交流を行うアジア健康構想もすばらしい取組だと思っております。介護の価値の大転換は、介護人材確保にもつながっていくと思っております。現に、同じ介護の仕事でも、優れた施設では離職者がほとんどなく、人気もあります。日本は外国の方が働きたくなる人気国になるよう努力しなければなりません。日本の働く環境のためにもです。労働人口が減ったとはいえ、日本人が寄り付かない劣悪な環境に外国人をあてがうという風潮は良くありません。ひどい目に遭うのは言語道断です。そのためにも、今回の外国人材の新たな受入れ施策、入管法改正案、特定技能一号の進め方は性急過ぎるのではないかと思います。
 法案提出に至るプロセスや国会審議の進め方もそうです。例えば、政府によると、特定技能一号の初年度における介護分野の受入れ見込み数は五千人とされております。介護の技能実習は今年始まったばっかりだから、その五千人は全部試験組となることになります。しかし、介護の技能実習で実習実施計画が認定された者は十月末で僅か四百七十二人。東南アジアではまだ介護が職業として確立されてはなく、即戦力の人材は僅かしかおりません。この五千人というのはどこからどうやって集めてくるのか、単なる願望にすぎない数字ではないのでしょうか。といったように、議論の前提となる受入れ見込みも当てになる数字が出てこない現状で、このような状況で法案を採決するというのは拙速だと強く指摘して、質問に入らせていただきます。
 まず、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策について総理に伺います。
 現在、年内の最終取りまとめに向け、外国人材の受入れ・共生のための総合的対策を検討中とのことですが、七月に出た中間的な整理にもあるとおり、新たな在留資格を創設し外国人材の受入れを更に進めていくことを受けた検討にほかならないわけで、であるならば、法案の国会提出時に合わせて最終取りまとめを示し、法案と併せて議論するのが本来の丁寧な進め方ではないでしょうか。
#386
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 外国人の受入れ・共生のための総合的対応策は、今回新たに受け入れる外国人材に限らず、全ての外国人の円滑な受入れ、外国人との共生社会の実現に向けた環境整備を進めていくこととしており、本年七月に関係閣僚会議で方向性をお示しした上で、関係省庁や有識者の意見などを幅広く聴取するなどした上、年内に取りまとめることとしています。
 他方、現下の人手不足の状況は深刻な問題となっており、待ったなしの喫緊の課題として、可能な限り早急に受け入れ、新たな受入れ制度を実施する必要があるため、政府として、今回、改正法案を成立させ、そして来年四月からの制度スタートを目指すものであります。
 それぞれの必要性に応じて、いずれについても丁寧に検討を進めているものであります。
#387
○山口和之君 予算に盛り込むとしても、もっと早く示して国会審議に間に合わせるべきで、中間整理には最終取りまとめに新規の項目も入ってくると書いてあります。ちゃんとした最終文書を法案審議に間に合わせて提出するのが筋だということを改めて指摘したいと思います。
 中間整理、検討の方向性に沿ってお尋ねしますが、多文化共生社会の実現に向け、国民及び外国人の声を聞く仕組みづくりをまずうたっていることは評価できます。こうした発想があるならば、例えば、特定技能一号で入ってくる外国人と有識者、業界代表、政府代表らで協議できる場を常設し、外国人材の声を踏まえながら制度について日々検証し改良していく、その仕組みがあってもよいのではないかと思います。また、技能実習についても同様の仕組みが考えられないでしょうか。
#388
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 法務省においては、本年九月、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会等の関係者を含む有識者と法務省職員を構成員とする「国民の声」を聴く会議を設置をし、これまで議論を行ってきているものと承知をしています。
 この会議は、多文化共生社会の実現に向けた様々な課題の把握や、その対応策の策定のための検討に資するよう国民の声を聞くことなどを目的とするものであり、これまで、本邦に在留する外国人のほか、外国人が多く居住する地方公共団体の関係者や外国人支援団体からのヒアリングも実施してきたものと承知をしております。
 外国人材の受入れ制度の在り方については、今後、来日する特定技能一号の外国人や技能実習生を含む外国人のほか、有識者、業界団体、地方公共団体等の関係者の方からヒアリング等を継続的に行い、様々な御意見を踏まえながら検討してまいりたいと思います。
#389
○山口和之君 是非、ヒアリング等だけではなく、当事者を入れた制度の運用、検証の場を設置していただきたいと思います。重ねてお願いしたいと思います。
 日本と外国では様々な相違点がありますが、その一つとして離婚後の親権制度があります。諸外国では子の福祉の観点から離婚後共同親権制度が主流となっている中、日本は離婚後単独親権制度を取っておりますが、このような制度の違いは、日本人と外国人との共生の際、種々の問題を引き起こすと思われます。この際、その違いをなくすことも検討に値するのではないでしょうか。
 総理は、日本における離婚後共同親権制度の導入についてはどのようにお考えか、お教え願います。
#390
○国務大臣(山下貴司君) ちょっと親族法に関する制度なので、私からお答えいたします。
 離婚後も父母の双方が子の監護、教育の責任を負うべきであるということで、離婚後も父母が共に親権者となる制度を導入すべきであるという御意見があることは承知しております。ただ、他方で、離婚後の共同親権制度を導入すると、これは父母の関係が良好でない場合に、これは親権の行使について父母の間でタイムリーに適切な合意を形成することができないという事態も多くあり得るということでございまして、そのことによって子の利益をかえって害するおそれということも指摘されております。そういったことから、やはり慎重に検討すべきではないかというふうに考えております。
 一方、この問題については、国会を始め、例えば超党派の議員連盟など、様々なところで検討がなされているものと承知しております。法務省においても、それらの議論の状況等を踏まえながら引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
#391
○山口和之君 総理はいかがでしたか。
#392
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 所管の法務省、法務大臣からお答えをさせていただきましたが、この問題については、国会の議論の状況等も踏まえて、民法を所管する法務省において引き続き検討させてまいりたいと思います。
#393
○山口和之君 外国との違いをなくすために離婚後の共同親権制度を導入すべきだとは言いませんが、本当に子の福祉の観点から良い制度は何か、しっかりと検討していただき、その結果が離婚後共同親権制度であったならば早急に法改正を行ってほしいと思います。
 次に、外国人と日本人が共生していくのであれば、その間に発生した紛争を適切に解決しなければなりません。例えば、外国人労働者と日本人との間の婚姻関係が破綻した場合は、それらの者の離婚に関する紛争を極力公平に解決すべきです。離婚に関する紛争解決の手段としてまず挙げられるのは離婚調停です。しかし、現在、外国人労働者と日本人が離婚調停を行う場合、調停委員が日本人だけであり、組織構成上、公正な調停とは言えないのではないかと思われます。同様のことは民事調停についても言えます。
 調停委員は、裁判官とは違って、直接に公権力の行使又は国家意思の形成への参画に携わる公務員ではありません。そのため、法改正によって、外国籍の弁護士等であっても調停委員として任命できる旨の規定を追加することは可能なはずです。
 総理、調停制度をより公平に、そして本当の意味で外国人にも寄り添えるようにするために、そのような法改正を行うことを検討してみてはいかがでしょうか。
#394
○国務大臣(山下貴司君) これは司法制度に関わる問題でございますので私から答えますが、家事調停委員及び民事調停委員はいずれも最高裁判所が任命する非常勤の公務員でございまして、その就任には日本国籍が必要であるとされております。
 調停委員の任命の在り方というのは、これは裁判所職員の任用の問題として最高裁判所が担う司法行政上の問題であるということは、まず指摘させていただきたいと思います。
 その上で、そうした最高裁判所が担う司法行政上の問題であるということを前提に、さらに法改正によって、非常勤の公務員である調停委員に外国人を任命できるようにすべきかどうかというのは、これは公務員に関する法体系全体のバランスを踏まえた公務員全体の問題として検討される必要があるというふうに考えております。
 そうした上で、外国人を調停委員に任命できるようにするため法改正を行うべきかどうかについては、これは制度の問題として様々な点、先ほど申し上げた点を念頭に置いた上で慎重に検討されるべきであるというのが法務省の立場でございます。
#395
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま法務大臣から答弁をさせていただきましたが、また、その御指摘の法改正の是非については、今法務大臣が指摘した点を念頭に置き、慎重に検討されるべきものであろうと考えております。
#396
○山口和之君 是非、検討だけでもしていただきたいと思います。
 私は、今回の入管法改正案が成立することによって、外国人労働者及びその家族が不幸になることがあってはならないと考えます。そうならないようにするために、総理は何が必要だとお考えでしょうか。
#397
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御指摘のとおり、外国人労働者やその家族が社員の一員として受け入れられ、安心して生活することができるように、その受入れ環境の整備のための取組をしていく、進めていくことが必要であると考えております。
 そして、現在、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の年内取りまとめに向けて作業を加速させているところでありまして、具体的には、生活、教育、就労に関する情報提供、相談を行う一元的な窓口の設置、外国人を受け入れることができる基幹的医療機関の体制整備、そして外国人児童生徒を含む外国人に対する日本語教育の充実など、各種取組の拡充等を行うこととしております。
 これらの取組を通じまして、今般の入管法改正により新たに受け入れられる方を含めた外国人の方々を、日本で働き、学び、生活する方として迎え入れ、そして受け入れる側も、そして来られる側も、お互いが尊重し合えるような共生社会の実現に万全を期してまいりたいと思います。
#398
○山口和之君 外国人労働者及びその家族が不幸になることがあってはいけないと考える。重要なことは、外国人労働者やその家族の立場に立って制度を考えていくことだと思います。日本人が日本人だけの理屈や感覚でつくった制度では、早晩外国の方に見放され、日本人も含め誰も幸せになれないといった結末になりかねません。
 入管法改正案に関する制度だけでなく、既存の制度についても、外国の方と共生の観点から見直していくべきであるということを申し上げ、私の質問を終わります。
#399
○委員長(横山信一君) 以上で内閣総理大臣に対する質疑は終了いたしました。
 安倍内閣総理大臣は御退席いただいて結構でございます。
 暫時休憩いたします。
   午後五時八分休憩
   〔休憩後開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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