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2018/11/28 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 本会議 第5号
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2018/11/28 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 本会議 第5号

#1
第197回国会 本会議 第5号
平成三十年十一月二十八日(水曜日)
   午後四時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  平成三十年十一月二十八日
   午前十時開議
 第一 一般職の職員の給与に関する法律等の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第二 特別職の職員の給与に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 防衛省の職員の給与等に関する法律の一
  部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付
  )
 第四 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
 第五 検察官の俸給等に関する法律の一部を改
  正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、裁判官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官訴追委員等各種委員の選挙
 一、国家公務員等の任命に関する件
 一、日程第一より第五まで
 一、国会議員の秘書の給与等に関する法律の一
  部を改正する法律案(衆議院提出)
 一、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置
  法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 片山さつき君及び宮沢洋一君から裁判官訴追委員を、上野通子君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、いずれも許可することに決しました。
     ─────・─────
#5
○議長(伊達忠一君) この際、欠員となりました
 裁判官訴追委員二名、同予備員一名、またあわせて
 検察官適格審査会委員、同予備委員各二名、
 日本ユネスコ国内委員会委員一名、
 国土審議会委員二名、
 国土開発幹線自動車道建設会議委員一名の選挙
を行います。
 つきましては、これらの各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することとし、また、裁判官訴追委員予備員の職務を行う順序は、これを議長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官訴追委員その他の各種委員を議席に配付いたしました氏名表のとおり指名し、職務を行う順序を決定いたします。
    ─────────────

     ─────・─────
#7
○議長(伊達忠一君) この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。
 内閣から、検査官、個人情報保護委員会委員長及び同委員、地方財政審議会委員、公安審査委員会委員並びに中央労働委員会公益委員の任命について、本院の同意を求めてまいりました。
 これより採決をいたします。
 まず、検査官に岡村肇君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#8
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#9
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            百八十八  
  反対             四十七  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#10
○議長(伊達忠一君) 次に、個人情報保護委員会委員長に嶋田実名子君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#11
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#12
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百二十七  
  反対               八  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#13
○議長(伊達忠一君) 次に、個人情報保護委員会委員に中村玲子君及び藤原靜雄君を、地方財政審議会委員に堀場勇夫君、植木利幸君、野坂雅一君及び宗田友子君を、公安審査委員会委員に外井浩志君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#14
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#15
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十二  
  反対              十四  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#16
○議長(伊達忠一君) 次に、個人情報保護委員会委員に小川克彦君を、地方財政審議会委員に星野菜穗子君を、中央労働委員会公益委員に杉原麗君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#17
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#18
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百三十五  
  反対               〇  
 よって、全会一致をもって同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#19
○議長(伊達忠一君) 次に、公安審査委員会委員に遠藤みどり君を任命することについて採決をいたします。
 内閣申出のとおり同意することの賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#20
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#21
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成            二百十三  
  反対             二十二  
 よって、同意することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#22
○議長(伊達忠一君) 日程第一 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案
 日程第二 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長石井正弘君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔石井正弘君登壇、拍手〕
#23
○石井正弘君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、人事院の国会及び内閣に対する平成三十年八月十日付けの職員の給与の改定に関する勧告に鑑み、一般職の国家公務員の俸給月額、初任給調整手当、宿日直手当及び勤勉手当の額等を改定しようとするものであります。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、一般職の国家公務員の給与改定に伴い、特別職の職員の給与の額を改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、若年層に重点を置きながら俸給月額を引き上げる理由、給与法改正に伴う国の非常勤職員の給与への対応、国家公務員の働き方改革の実効性の確保、障害者雇用に係る事案への政府の対応等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党の田村委員より一般職給与法等改正案に賛成、特別職給与法改正案に反対、日本維新の会の清水委員より両法律案に反対の旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#24
○議長(伊達忠一君) 両案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。清水貴之君。
   〔清水貴之君登壇、拍手〕
#25
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之です。
 我が党を代表して、ただいま議題となりました一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論をいたします。
 まず初めに、中央省庁の障害者雇用の水増し問題を指摘します。
 中央省庁の多くで障害者雇用の水増しが行われていました。現在判明している分だけでも三千八百十五人の不足です。それも一時的なものではなく、代々各省庁に伝えられたごまかしの手法として長年引き継がれてきたものでした。その悪質さたるや、筆舌に尽くし難いものがあります。
 民間企業に対しては、障害者雇用が法定雇用率を下回った場合、一人当たり月五万円、年間六十万円の納付金を独立行政法人に払わなければなりません。この納付金は、たとえ赤字企業であっても免除はされません。そして、滞納すれば差押えなどされるほど強制力があるものです。
 そして、これと同じ不祥事が中央省庁で起きました。とても悪質なものであったにもかかわらず、中央省庁においては誰一人処分されることがありませんでした。障害者雇用を率先して行うべきなのは中央官庁であるはずなのに、納付金は納めない、処分もなしということで本当によいのでしょうか。
 今回の不祥事は、国家公務員全体の問題です。障害者に対する国の姿勢を疑います。そのような状況の中で、給与二法案に我々は賛成するわけにはいきません。
 次に、公務員の給与改定に当たっては、財政難を理由に人事院勧告の適用が見送られた実例があるということを指摘します。昭和五十七年、未曽有の危機的な財政事情の下において、国民的課題である行財政改革を担う公務員が率先してこれに協力する姿勢を示す必要があることとし、人事院勧告の実施を見送りました。
 現在、我が国の財政は、歳出が税収を上回る財政赤字の状況が続いており、平成三十年度末の公債残高は八百八十兆円を突破する見込みであり、国民一人当たりで見るとおよそ七百万円もの借金をしていることとなります。かつて未曽有の危機的な財政事情という表現で人事院勧告を見送った昭和五十七年当時の公債残高は、九十六兆円でした。政府は、未曽有の危機的な財政事情の九倍である八百八十兆円もの公債残高を甘く見過ぎているのではないでしょうか。
 赤字企業であれば、従業員の給与は上がりません。しかし、なぜ、政府のプライマリーバランスが赤字であるにもかかわらず、国家公務員の給与は、ツケを将来世代に回す赤字公債が発行されることで財源が確保されて、上がるのでしょうか。大いに疑問です。
 国家公務員の給与を上げる必要がないと申し上げているのではなく、国が膨大な借金、返すべき赤字国債を抱えている中では、公務員給与を上げる前にするべきことがあるということです。徹底した行財政改革なくして、我が党は両法案には賛成することはできません。
 三つ目の理由として、人事院勧告の調査の問題です。本二法案は、人事院勧告をベースとして、給与関係閣僚会議によってこの勧告を受け入れることを決めました。
 そして、人事院勧告は、民間企業の給与の調査を基にしていると説明しています。ところが、調査対象となる民間企業は、企業規模が五十人以上かつ事業所規模五十人以上の事業所で、規模が小さい企業や事業所は含まれていません。そもそも、中小零細企業は調査対象から外されているのです。そして、その対象者には、同じ職場で共に働く非正規労働者は含まれておらず、正規雇用者だけが調査対象になっています。人事院勧告については、調査方法そのものに大きな問題があることをここで指摘しておきます。
 そして、四つ目の理由としては、人事院の給与は人事院自身が決めているという点です。この決定プロセスは、戦後ずっとこの形式で運用されてきたものでありますが、よくよく考えれば、適正性を欠くものと言わざるを得ません。
 確かに、給与額の決定には法律の改正が必要であり、国会による可決が必要となりますが、自分の給与のベースアップを自らが勧告できるというプロセス自体が適切とは言えません。
 調査及び勧告については、第三者機関に委ねるなどのプロセスの適正化を図る必要があると考えています。
 以上、四つの理由により、日本維新の会は、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の二法案に対し、反対する旨申し上げまして、討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
#26
○議長(伊達忠一君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
#27
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百二十四  
  反対              十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#30
○議長(伊達忠一君) 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#31
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#32
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成             二百九  
  反対             二十六  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#33
○議長(伊達忠一君) 日程第三 防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長渡邉美樹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔渡邉美樹君登壇、拍手〕
#34
○渡邉美樹君 ただいま議題となりました防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、一般職の国家公務員の例に準じて、防衛省職員の俸給月額等を改定する措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、防衛医科大学校出身の医官の離職防止に向けた取組、自衛隊の精強性の確保、防衛大学校の応募と卒業後の任官の状況等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#35
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#36
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#37
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十五  
  反対              十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#38
○議長(伊達忠一君) 日程第四 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第五 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。法務委員長横山信一君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔横山信一君登壇、拍手〕
#39
○横山信一君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、法務委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 両法律案は、一般の政府職員の給与改定に伴い、裁判官の報酬月額及び検察官の俸給月額の改定を行おうとするものであります。
 委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、裁判官及び検察官の報酬、俸給を人事院勧告に準じて改定する趣旨、職種別民間給与実態調査による官民較差の相当性、裁判官及び検察官の定年延長の必要性等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本維新の会を代表して石井委員より両法律案に反対する旨の意見が述べられました。
 討論を終局し、順次採決の結果、両法律案はいずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#40
○議長(伊達忠一君) これより両案を一括して採決いたします。
 両案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#41
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#42
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十五  
  賛成           二百二十五  
  反対               十  
 よって、両案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#43
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 国会議員の秘書の給与等に関する法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長末松信介君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔末松信介君登壇、拍手〕
#45
○末松信介君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、政府職員の給与改定に伴い、議員秘書の給料月額及び勤勉手当の支給割合をそれぞれ改定しようとするものであります。
 委員会におきましては、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#46
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#47
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#48
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十六  
  賛成           二百二十五  
  反対              十一  
 よって、本案は可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#49
○議長(伊達忠一君) この際、日程に追加して、
 出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。法務大臣山下貴司君。
   〔国務大臣山下貴司君登壇、拍手〕
#51
○国務大臣(山下貴司君) 出入国管理、難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 中小・小規模事業者を始めとした人手不足は深刻化しており、我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害する可能性が出てきています。このため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性、技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築することが求められております。
 また、我が国を訪れる外国人は増加を続け、平成二十九年の外国人入国者数は約二千七百四十三万人と過去最高を更新しており、我が国に在留する外国人数も、平成三十年六月末現在では、過去最多の約二百六十四万人となっています。このような中、厳格な入国管理と円滑な入国審査を高度な次元で両立し、特に、増加する外国人に対する在留管理を的確に行っていくことが求められております。
 この法律案は、以上述べた情勢に鑑み、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正するものであります。
 この法律案の要点を申し上げます。
 第一は、人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野に属する一定の専門性、技能を有する外国人の受入れを図るため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、当該技能を有する外国人に係る在留資格、特定技能一号及び特定技能二号を設けるとともに、基本方針及び分野別運用方針に関する規定など、外国人を受け入れるプロセスに関する規定、外国人に対する支援に関する規定、外国人を受け入れる機関に関する規定等を整備することとするものです。
 第二に、新たな在留資格の創設に伴う在留外国人の増加に的確に対応しつつ、外国人の受入れ環境整備に関する企画及び立案並びに総合調整といった新規業務に一体的かつ効率的に取り組む組織として、法務省の外局に出入国在留管理庁を新設することとするものです。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 政府といたしましては、以上を内容とする法律案を提出した次第でありますが、衆議院において一部修正が行われております。
 第一に、人材が不足している地域の状況に関する事項を分野別運用方針に明記することとしております。
 第二に、一号特定技能外国人支援に一号特定技能外国人と日本人との交流の促進に係る支援を含む旨を明記することとしております。
 第三に、人材が不足している地域の状況への配慮に係る規定を追加することとしております。
 第四に、検討条項について、本邦に在留する外国人に係る在留カードの番号その他の特定の個人の識別することができる番号等の利用の在り方の検討を追加するとともに、特定技能の在留資格に係る制度の在り方に関する検討について、検討時期を施行後三年を経過した場合から施行後二年を経過した場合に改め、検討事項に地方公共団体の関与の在り方等を含む旨を明記することとしております。
 以上が、この法律案の趣旨であります。(拍手)
    ─────────────
#52
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。石川博崇君。
   〔石川博崇君登壇、拍手〕
#53
○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。
 私は、自民・公明を代表して、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について、総理及び法務大臣に質問します。
 アベノミクスの推進により日本経済が大きく改善した結果、就業者数は、女性や高齢者を中心として、五年で二百五十一万人増加しました。そして、有効求人倍率は、実に四十四年ぶりの高さとなり、全都道府県で一倍を超えています。我が国が深刻な人手不足に直面していることは明らかであり、一定の専門性、技能を有する外国人材を受け入れることは待ったなしの課題です。
 しかし、こうした新たな外国人材の受入れ拡大は、人手不足の解消につながる一方で、増加する外国人による地域や社会保障への影響などについて、国民の中には一定の不安や懸念があることも事実であります。
 こうした国民の懸念に応えるためにも、自民党及び公明党では、それぞれ精力的に党内議論や現地視察を行ってきました。公明党では、新たな外国人材の受入れ対策本部を夏に設置し、計十一回にわたる会議を開催、現地視察も行うなど、丁寧な議論を積み重ねてまいりました。私自身、対策本部の事務局長として議論を支え、最終的には、新たな外国人材の受入れ整備に関する決議を取りまとめさせていただきました。
 この決議で特に強調したことが、今回の新たな制度の創設に当たって、まずは日本人労働者の賃金上昇、休暇、働き方等の処遇の改善、生産性向上の追求が大前提であるという点です。
 そこで、総理に伺います。
 今回、新たな外国人材を受け入れる全ての業種において、ICTやAI等の技術を活用した生産性向上の徹底、女性、高齢者、障害者などの就業の一層の促進、賃金等の処遇改善等による国内人材の確保策をまずは徹底して図る必要があると考えますが、政府として具体的にどのように取り組むのか、御説明願います。
 また、新たな外国人材の受入れに当たっては、景気、経済の動向、国内における雇用の需給バランスなどを含む中長期的なビジョンを策定するとともに、これを不断に見直す取組が不可欠であると考えます。政府が定める分野横断的な基本方針等にこの点どのように盛り込まれるか、総理の答弁を求めます。
 新たに創設される在留資格は、技能実習二号から特定技能一号への移行が想定されるなど、技能実習制度との連接性を有する在留資格です。しかし、これまで、技能実習制度においては、過重労働、給与未払、失踪等、様々な問題が指摘されてきました。今回、新たに創設する制度で働く外国人材に我が国を選んでもらうためにも、技能実習制度で生じてきたこうした諸問題について、その原因を徹底的に究明し、適切な対策を実施すべきであると考えますが、総理の見解を伺います。
 特に、技能実習で生じた問題の中には、母国で高額な保証金を支払って来日するなど、悪質な仲介業者の存在が指摘されます。今回の外国人材の受入れに当たっては、こうした悪質ブローカーを徹底して排除する仕組みを構築しなければなりません。過度な金銭的負担や保証金を徴取されていないかを個別に調査するとともに、そのようなケースでは在留資格を取得させない旨をあらかじめ周知徹底しておくことも重要です。政府としてどのような対策を行うのか、法務大臣に伺います。
 特定技能の外国人材が異国である我が国で円滑に生活し、安心して働き、地域コミュニティーとも共生していくためには、様々な行政の支援が必要です。本法案では、受入れ機関は特定技能一号の外国人に対して、職業生活上、日常生活上、社会生活上の支援計画を作成し、その計画に基づいて支援を行わなければならない旨を定め、また、受入れ機関の委託を受けて支援を実施する登録支援機関についても定めておりますが、具体的にどのような支援を行うことが想定されているのか、特に日本語の習得支援は極めて重要と考えますが、法務大臣の答弁を求めます。
 今回、法務省の任務として外国人の在留の公正な管理が明記されるとともに、法務省の外局として出入国在留管理庁が設置され、これまで入国管理局が行ってきた厳格な出入国の管理に加えて、外国人の在留の公正な管理が求められることとなり、新たな外国人材の受入れ制度においても、受入れ機関による契約の適正な履行や登録支援機関による支援計画の適正な実施を確保する上で大きな役割が期待されます。この出入国在留管理庁が在留外国人の保護のために果たす役割に関し、法務大臣の答弁を求めます。
 自民党、公明党の与党法案審査の最終プロセスでは、本法律案の附則に施行後の検討、見直し条項が盛り込まれましたが、その際、公明党の主張により、関係地方公共団体、関係事業者、地域住民その他の関係者の意見を踏まえて検討を行うという修正が行われました。この検討に当たっては、外国人材を受け入れた地域住民と受け入れられた外国人材の双方の視点に立ったものとすべきであり、また、外国人材を受け入れた地方公共団体に対しては財政支援も含む必要な支援措置を講ずるべきであると考えますが、法務大臣の御所見を伺います。
 最後に、本法律案は、人口減少、少子高齢化といった課題を抱える我が国にとって、将来を見据えた極めて重要な取組であります。同時に、我が国における外国人材受入れ政策の大きな転換点となります。今後、これら外国人材の円滑な受入れと多文化共生社会の実現に向けた環境整備をより一層推進していく決意を述べて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#54
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石川博崇議員にお答えいたします。
 国内人材の確保策についてお尋ねがありました。
 急激な少子高齢化、生産年齢人口の減少に直面している我が国が、その活力を維持発展させていくためには、各業種の生産性を向上しつつ、国内労働者の賃金上昇や働き方改革を促進し、女性、高齢者や障害者を始めとして、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会の実現に向けて取り組むことが何よりも重要です。
 このため、AI、IoT、ロボットといったイノベーションの活用、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の実現といった働き方改革、企業の生産性向上に向けた支援、幾つになっても学び直せるリカレント教育の充実、生涯現役時代の雇用制度改革に向けた検討等を推進するとともに、成長と分配の好循環を更に推し進め、五年連続で今世紀に入って最も高い水準にある賃上げの流れを一層力強いものとしてまいります。
 また、受入れを希望する業種においては、深刻な人手不足に対応し、それぞれの分野の存続を図るため、業務の実態等に応じた様々な対策を講じており、例えば介護では、更なる処遇改善等に取り組んでまいります。
 今後とも、誰もが働きやすい社会に向けて、また外国人材に選ばれる国になるためにも、こうした取組をしっかりと進めてまいります。
 政府が定める基本方針等についてお尋ねがありました。
 新たな外国人材の受入れが我が国の社会経済活動に一定の影響を及ぼすことに鑑み、御指摘のとおり、外国人材受入れの規模、必要性等をよく見通しながら制度を運用していく必要があります。
 そのため、政府基本方針においては、特定技能の在留資格に係る制度運用の分野横断的な基本方針を示すとともに、分野別運用方針において、業界ごとに異なる雇用情勢、政策的要素、業界の特性、事情等を勘案しつつ、五年ごとに向こう五年間の受入れ見込み数をお示しし、基本的に受入れ数の上限として運用してまいります。
 その上で、業所管省庁においては、外国人材受入れ後も、生産性向上や国内人材確保の取組等の状況、人手不足の状況を継続的に把握し、外国人材受入れの必要性を随時判断していくこととしています。
 技能実習制度における諸問題及びその対策についてお尋ねがありました。
 技能実習制度は、技能等の移転による国際貢献を目的とする制度ですが、一部の監理団体や受入れ企業において賃金不払や長時間労働等といった労働関係法令違反等や技能実習生の失踪といった問題が生じており、事態を重く受け止めております。
 そこで、昨年十一月に施行した技能実習法により設立した外国人技能実習機構の下、監理団体や受入れ企業等に対する実地検査や技能実習生に対する母国語相談対応、実習先変更支援の取組などを進めているほか、二国間取決めによる送り出し機関の適正化を図っているところです。さらに、今般新設する出入国在留管理庁の下で在留管理を抜本的に強化してまいります。
 こうした取組を通じ、引き続き技能実習制度の適正化及び実習生の保護を図ってまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣山下貴司君登壇、拍手〕
#55
○国務大臣(山下貴司君) 石川博崇議員にお答え申し上げます。
 まず、悪質なブローカーの排除についてお尋ねがありました。
 今回の受入れ制度においては、外国人材から保証金等を徴収する悪質なブローカーの介在を防止するため、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないこと等を法務省令で定めることを検討しております。
 その上で、在留資格認定証明書交付申請時において保証金等を徴収されていないことの確認を行うほか、受入れ機関及び登録支援機関に対し、保証金等が徴収されている場合は受入れは認められないことを周知、指導等を徹底することを検討しています。
 また、技能実習制度においては、十か国との二国間取決めを作成しているほか、EPA協定に基づく受入れ枠組みなどもあることから、こうした様々な既存のチャンネルも活用し、引き続き相手国政府との緊密な連携を図っていきます。
 これらの方策により、悪質なブローカーの介在防止に努めてまいります。
 次に、特定技能外国人に対する支援についてお尋ねがありました。
 特定技能一号で受け入れる外国人については、その活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための支援を行うことを受入れ機関の責務としています。
 支援は受入れ機関又はその委託を受けた登録支援機関において行われることとなりますが、具体的な支援の内容としては、職業生活上の支援としては職場のトラブルについての各種の相談、苦情対応等、日常生活上の支援としてはごみ出しルールなどの生活情報、医療情報、防犯情報等を説明するためのオリエンテーションの実施等、社会生活上の支援としては各種行政手続についての情報提供等を予定しています。
 また、日本語の習得は外国人の方々が日本で生活していく中で非常に重要であり、日本社会の一員として受け入れ、外国人が社会から排除されることのないよう、日本語習得に関する支援についても確実に行われるようにしたいと考えています。
 さらに、現在、政府全体で検討している外国人の受入れ・共生のための総合的対応策においても、在留外国人に対して日本語学習機会が行き渡るような施策を実行に移すべく、年内の取りまとめを行うこととしています。
 次に、特定技能雇用契約や支援計画の適正化及び特定技能外国人の保護に当たり出入国在留管理庁が果たすべき役割についてお尋ねがありました。
 今回の法務省設置法の改正により創設される出入国在留管理庁において、特定技能雇用契約の適切性について適切に審査していきます。また、必要に応じて、受入れ機関に対する指導、助言、立入検査、改善命令や、登録支援機関に対する指導、助言を行うなどして、今般の制度が適切に運用されるように努めてまいります。
 また、現在、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の取りまとめに向け、日本語教育の充実や社会保険の加入促進を始め、生活者としての外国人に対する支援等の施策を推進すべく、検討を進めています。
 外国人との共生社会の実現に向けた環境整備をしっかりと進めるため、文部科学省や厚生労働省を含め、関係府省と連携して対応してまいります。
 最後に、検討条項についてお尋ねがありました。
 この御指摘の検討条項については、御党内において本改正案の与党協議に際し熱心かつ丁寧な議論を積み重ねてこられた結果、本検討条項に「関係地方公共団体、関係事業者、地域住民その他の関係者の意見を踏まえて」の文言を当初の政府案に付け加える修正を行った上、法案の閣議決定を行ったところです。
 私としても、特定技能の在留資格に係る制度の在り方について検討するに当たり、特定技能外国人を受け入れることとなる地方公共団体や地域住民の御意見を踏まえることは大変重要であると認識しています。
 また、本改正案については、衆議院において、自民、公明、維新の三党による修正がなされ、分野別運用方針の記載事項に、当該産業上の分野において人材が不足している地域の状況が追加されたところであり、政府としては、本制度による外国人の受入れを特に必要とする地方に対しては、インセンティブを何らか設けられないかも含め、検討してまいります。(拍手)
    ─────────────
#56
○議長(伊達忠一君) 石橋通宏君。
   〔石橋通宏君登壇、拍手〕
#57
○石橋通宏君 立憲民主党・民友会の石橋通宏です。
 ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法等一部改正案に対し、会派を代表して質問いたします。
 初めに、我が国の未来に重大な影響を及ぼすこの重要法案が、衆議院において、僅か十数時間で審議が打ち切られ、昨夜、採決が強行されたことに対し、強い怒りを込めて抗議します。加えて、今日のこの参議院本会議、何でこんな時間に開会するんですか。今朝になって突然与党から提案がなされ、我々の強い反対にもかかわらず、議運委員長が職権で委員会採決を行って開会を強行するという、参議院の先例も何も全く無視した、まさに前代未聞の暴挙です。与党は一体何をやっているのか分かっているんですか。
 大体、なぜこの短い臨時国会の会期中に総理大臣が何度も外遊に出かけるんでしょうか。なぜその総理の外遊日程に合わせて重要法案の審議日程が決められるんでしょうか。与党議員の皆さん、この良識の府参議院までもが、一体いつまで官邸の言うがままの追認・下請機関に成り下がり、立法府としての責任放棄を続けるんでしょうか。
 既に本格的な人口減少社会を迎えている我が国において、国民生活の安心と安全を守っていくための担い手や支え手をどう確保していくのか、その中で、外国人労働者の受入れをいかなる制度や環境の下にどれだけの規模で行っていくのかを検討することは、国の在り方を左右する重要な政策論議であり、慎重かつ丁寧な国民的議論が求められるはずです。
 それなのに政府は、僅か数か月の、まさにやっつけ仕事で本法案を国会に出してきました。案の定、中身はすかすか、制度設計は生煮えどころか生そのもので、到底まともに審議できる代物ではありません。そんなふざけた法案を数の力でごり押しして成立させようとすることは、我が国の将来に大きな禍根を残す暴挙であり、断じて容認できません。
 熟議の府参議院だからこそ、議論を尽くす責任を与野党挙げて全力で全うしていくべきことを強く申し上げ、以下、法案について具体的に質問していきます。
 第一に、いまだにはっきりしない本法案の立法事実について質問します。
 まず、安倍総理、総理の言う深刻な人手不足の定義を、いま一度、国民の皆さんによく分かる説明で教えてください。
 その上で、その定義に照らして、今現在、我が国でいかなる分野や職種においてその深刻な人手不足が生じているのか、そして、それはいかなる判断基準と指標をもって証明されているのかを具体的にお示しください。
 さらに、本法案は、その人手不足を外国人により確保を図るべきと規定しているわけですが、外国人でなければ人手不足が埋められないというのは一体いかなる根拠に基づいて認定されているのか、総理、明確に御説明ください。
 そもそも、外国人でなければ充足ができないような深刻な人手不足は、むしろ試験で判定されるような特別な技能を必要としない職種や分野、いわゆる単純一般労働においてこそ生じていて、現状、外国人技能実習生や留学生にその穴埋めをしてもらっているのが我が国の実態なのではないでしょうか。安倍総理、是非認識をお示しください。
 第二に、移民政策との関係について質問します。
 安倍総理は、この間、一貫して本法案は移民政策ではないと強調しています。まず、誰のため、何のためにそのことを殊更に強調しているのか、是非教えてください。
 一般的に、移民政策には大きく二つの類型があります。一つは、入国時から積極的に永住権を付与するような典型的な移民国家の類型で、もう一つは、一定の在留期間の後、一定の条件を満たした外国人に永住権を認める類型です。
 今回の特定技能や高度専門職ビザなど、安倍政権の外国人政策は、まさにこの後者の移民政策そのものだと思いますが、総理の見解をお示しください。
 移民政策なのに移民政策ではないとごまかしを続け、国民の理解や覚悟がないままに、なし崩しで外国人の受入れ拡大や在留の長期化を進めることが、かえって移民問題を深刻化させて、社会の中で対立や分断、差別や偏見を生み出してしまうことは、ヨーロッパの経験からも明らかなはずです。
 安倍総理、その教訓から学ぶのであれば、今こそ正面から日本版移民政策の在り方を検討していくことを国民に提案すべきなのではないでしょうか。答弁を願います。
 第三に、特定技能労働者の受入れ上限と外国人労働者全体の総数について質問します。
 安倍総理、一体、特定技能には受入れ人数の上限があるんですか、ないんですか。上限設定がないままに、なし崩し的に受入れを拡大すれば、現場は大混乱に陥り、みんなが不幸になります。法律上の上限規制を設けるべきだと考えますが、まず明確に御説明ください。
 ただ、問題は、特定技能の数だけではありません。技能実習生も規制緩和で三十万人を超える勢いで増加し、留学生就労の数も増えています。特定技能や実習生、留学生や日系人などを含め、今後の五年、十年で一体どれだけの外国人労働者の受入れを拡大する方針なのか、是非、総理、将来ビジョンを示してください。
 第四に、外国人技能実習制度と特定技能の関係について質問します。
 まず、昨年失踪した技能実習生に対する調査の集計結果に大きな誤りがあった問題について、私にはどう見ても意図的な改ざんとしか思えないのですが、山下法務大臣、なぜあのような集計を出したのか、説明を求めます。
 立法府で原因究明するためにも、個票を国会に出すべきです。私も個票の書き写しをやりましたが、最低賃金以下、百万円以上の保証金、暴力や差別、ひどい内容ばかりです。
 技能実習生の失踪は今年上半期で過去最多になっていますが、なぜ実習生が失踪するのか、原因は何なのか、法務大臣にお聞きします。
 私たちは、政府が国際貢献策などと言ってごまかしを続けながら、労働者なのに労働者ではない実習生や留学生として受入れをなし崩し的に拡大し、安い労働力として都合よく利用してきたことにこそ、現場で深刻な人権侵害や労働法令違反、差別やハラスメントを蔓延させ、過労死や自殺者まで出して、失踪や不法在留者を増加させた原因があると考えています。安倍総理、是非見解をお示しください。
 本法案の最大の欠陥は、その構造的な問題がある技能実習制度を温存させるばかりか、二号、三号から特定技能一号へ試験免除で移行可能として、両制度を制度的に接続させていることです。これでは、技能実習制度で発生している問題が更に深刻化し、長期化します。安倍総理、断じてこの技能実習制度との接続はやめるべきです。答弁を願います。
 山下法務大臣は、今回の国会審議で、なぜ拙速に来年四月一日施行なのかという質問に対し、早くしないと多くの外国人が帰国してしまうからだと答弁しています。これはまさに本法案が技能実習生を便利な労働力として使い続けるための策であることを認める答弁ですが、安倍総理も同じ見解なのか、是非、なぜ拙速に来年四月一日施行なのか、御説明ください。
 結局、安倍総理、あなた方の狙いは、単純労働の受入れではないとごまかしを続けるために、今後も、技能実習生や留学生を外国人の単純一般労働の受皿、入口として利用し、経営者のために安い労働力を確保しながら、ただ在留期間を長期化させるためだけに新たな特定技能を追加する、そういうことなのではないでしょうか。安倍総理、是非明確に御説明ください。
 その上で、技能実習生の試験等が免除されるのは、当該実習生が実際に実習を受けた職種や作業に限定されるのか、試験等免除の対象には過去に技能実習二号を修了して帰国している外国人も含まれるのか、また、技能実習生が特定技能一号での就労を希望した場合、就労先となる事業主や勤務地は自由に選べるのか、法務大臣、それぞれ明確な確認答弁をお願いします。
 第五に、特定技能の基本的制度設計について確認します。
 まず、特定技能の要件となる技能の水準は試験に合格する等で確認するとしていますが、一号、二号、それぞれどんな試験を課すのでしょうか。この試験による技能水準の確認は、従事する職種ごとなのか、それとも分野ごとなのか、試験の方法と確認主体は誰になるのか、法務大臣、全て明確にお答えください。
 特定技能一号は、在留期間が通算で上限五年で、短期契約も可能とのことです。そうすると、繁忙期だけ、例えば年間に三か月だけという季節労働契約も可能なのでしょうか。可能だとすれば、上限の六十か月に達するまで、何と二十年もの間、外国人を都合よく使い続けることが可能になりますが、そんな契約も認めるのか、安倍総理、お答えください。
 また、特定技能一号について、家族帯同を認めないとしています。五年間だけでも国際基準から見て問題なのに、技能実習制度から移行すれば最長十年もの間、家族帯同が認められないことになり、深刻な権利侵害に問われると思いますが、安倍総理の見解をお願いします。
 ところで、特定技能では入国が認められた分野での転職が可能になると理解しますが、これはつまり、分野内であれば職種の変更は自由で、地域の移動も自由だという理解でよろしいのでしょうか。これは人権保護の観点から大事な点ですので、法務大臣、是非明確な確認をお願いします。
 なお、安倍総理は、特定技能労働者の報酬について、日本人と同等の賃金を保障すると何度も国会答弁していますが、本法案には、差別的取扱禁止は規定されていますが、技能実習法には存在する日本人労働者との同等報酬は規定がありません。なぜ法律に明記がないのか、差別的取扱いとは何を基準に誰が判断するのか、総理の説明を求めます。
 第六に、特定技能所属機関と登録支援機関について質問します。
 まず、特定技能所属機関は、許可制でも登録制でもなく、届出さえすれば誰でもなれるし、登録支援機関も、登録だけでよくて、許可でも認可でもないというのは事実なんでしょうか。法務大臣、確認願います。
 事実とすれば、こんな緩い規制でどうやって労働者の人権を守り、悪い事業者を排除できるのでしょうか。しかも、法案には、特定技能所属機関に対する指導や助言、改善命令は規定されていますが、受入れ停止処分は見当たりません。所属機関は、人権侵害や法令違反をしてもなお外国人の受入れを続けることができるということなんでしょうか。法務大臣、説明を求めます。
 ところで、特定技能所属機関は一体どうやって外国人労働者に求人し、採用するのでしょうか。逆に、外国人労働者の側はどうやって求職活動を行うのでしょうか。応募してきた外国人が特定技能の要件に合致しているのかどうかを誰がどう判定し認定するのかも併せて、法務大臣、明確にお答えください。
 その上で、一体、登録支援機関とは何か、一体、誰がなるのかを是非教えてください。もし技能実習制度の監理団体や労働者派遣事業者がなるのであれば、彼らが中間マージンを得ながら外国人労働者を制度に縛り付け、囲い込むことが容易に想定されます。こんなみすみす民間ブローカーの介在を許すような制度は絶対にやめるべきだと思いますが、安倍総理、説明を願います。
 最後に、所管省庁の在り方について質問します。
 本法案は、新たに法務省の外局として出入国在留管理庁を設置することを提案していますが、法務省が労働法令遵守の徹底や現場の監督指導、生活支援や教育支援まで所管することなど不可能です。今こそ、多文化共生社会に向けた環境整備を地方自治体と連携して最優先で進めていくために、省庁横断的な体制の下に新たな所管官庁を創設すべきだと考えますが、総理、御答弁ください。
 以上、政府案の主な問題点を中心に質問しました。
 なお、答弁が不十分な場合には再質問いたします。
 我が国に労働者として来日し就労する外国人については、きちんと労働者としての在留を認めて国内労働者と同じ法的な権利を保障すると同時に、地域社会における生活者として安心して暮らしを営むことのできる体制や環境の整備をまず優先して行うべきです。
 私たち立憲民主党は、国籍や民族の異なる人々が、互いに文化的、社会的背景等の違いを認め合い、相互理解と協調を基本に社会の対等な構成員としてお互いさまに支え合い、共に生きる多文化共生社会の実現を目指し、国民の皆様と共にその制度化に向けた議論を進め、未来を構想していく決意であることを申し上げ、私の代表質問といたします。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#58
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石橋通宏議員にお答えいたします。
 深刻な人手不足の定義、実態等についてお尋ねがありました。
 アベノミクスの推進により成長から分配への経済の好循環が着実に生まれつつあるところ、有効求人倍率が約四十四年ぶりの高さとなっている一方で、少子高齢化の影響により、労働力となり得る生産年齢人口は毎年減少し、本年一月には初めて全人口の六割を切るに至っています。
 今回、今後もその傾向が継続し、設備投資や技術革新等による生産性の向上、女性、高齢者の就業促進や処遇改善等による国内人材の確保といった取組を行ってもなお労働力が不足すると見込まれる分野については、人手不足の状況が深刻であると考えられることから、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有する外国人材を受け入れて人手不足の状況に対応することとしたものです。
 受入れ分野については、本法案の成立後に定められる分野別運用方針に明記の上、省令で定めるものですが、現在、深刻な人手不足であるとして、建設業、介護等の十四業種から法務省に対して受入れ希望の意向が示されていると承知しています。
 この人手不足については、できる限り客観的な指標を用いて判断されることが重要であり、その指標としては、有効求人倍率、各業種における公的統計、業界団体を通じた所属機関への調査等が考えられます。
 いわゆる移民政策についてお尋ねがありました。
 移民や移民政策は多義的な概念ですが、安倍政権としては、例えば、国民の人口に比して一定程度の規模の外国人及びその家族を期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとするといった、国民が懸念するような政策を取る考えはありません。
 今回の受入れ制度は、深刻な人手不足という喫緊の課題に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人受入れ制度を拡充し、真に必要な分野に限り、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を期限を付して受け入れるものであり、今回の制度を含め外国人材の受入れは、先ほど申し上げた政策とは明確に異なるものであります。先ほど申し上げた政策を取ることは、我が国の将来の形や国民生活全体に関する問題として国民の中に様々な御意見がある中で、これを行うべきではないと考えています。
 外国人の受入れの上限及び受入れに関する我が国のビジョンについてお尋ねがありました。
 政府としては、法律に基づいて策定することとされている分野別運用方針において、五年ごとに向こう五年間の受入れ見込み数をお示しすることとしています。分野別運用方針に明記する数字は、受け入れる業種における大きな経済情勢の変化、つまり、各業種の雇用情勢全般に関わる事項についての大きな変化が生じない限り、五年間は受入れ数の上限として運用することとなります。したがって、この数字を超えた受入れが行われることは基本的に想定されません。
 その上で、業所管省庁においては、生産性向上や国内人材確保の取組等の状況、その後の受入れの動向も勘案した上で、受入れ見込み数を超えることが見込まれる場合には法務大臣に対し受入れの停止の措置を求め、法務大臣が外国人の受入れを停止する措置をとることとなります。
 外国人労働者の受入れに関し、これまで政府が示してきた基本方針は、専門的、技術的分野の外国人労働者は積極的に受け入れ、いわゆる単純労働者の受入れについては国民のコンセンサスを踏まえつつ十分慎重に対応することが不可欠というものであり、この方針を変更することは考えておりません。
 留学やいわゆる日系人などの定住者の在留資格については、就労資格ではなく、それぞれの目的に沿った受入れを行ってまいります。
 他方、就労資格である特定技能一号については、現在受入れを希望する業所管省庁が推計した五年間の受入れ見込み数は最大で三十四万五千人程度ですが、いずれにしましても、改正入管法案の成立後に分野別運用方針に五年間の受入れ見込み数を明記し、これを運用上の上限として取り扱ってまいります。
 失踪や不法残留者の増加の原因、技能実習制度と特定技能の両制度の関係、法整備のスピード感、特定技能の制度を創設する趣旨についてお尋ねがありました。
 失踪や不法残留者の増加の原因についてですが、そもそも、技能実習生や留学生の受入れは、安い労働力として利用しようという趣旨のものではありません。失踪や不法残留者の増加が生じないよう、今後とも在留管理を適切に進めてまいります。
 技能実習制度と今回の特定技能の制度は、趣旨、目的が異なるものであり、技能実習制度と特定技能の制度とが接続されているわけではありません。技能実習制度における課題については、引き続き適正化に努めてまいりたいと考えています。
 次に、法制度のスピード感についてですが、人手不足の状況は深刻な問題となっています。この問題への対応は待ったなし、まさに喫緊の課題であることから、可能な限り早急に新たな受入れ制度を実施する必要があると考えております。今回、改正法案を提出し、来年四月から制度をスタートさせることを目指してまいります。
 最後に、特定技能の制度は、我が国の喫緊の課題である深刻な人手不足に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を我が国に受け入れようとするものであります。このようなことから、本制度は、御指摘のような、企業のために安い労働力を確保しながら就労期間を都合よく延長するためだけに創設するものではないと考えています。
 特定技能一号の在留期間や家族帯同等についてお尋ねがありました。
 特定技能一号の外国人については、在留期間の更新等により、特定技能一号により在留できる期間が通算して五年を超えることができないものとすることとしています。この在留期間の運用については、特定技能一号の外国人と受入れ企業との雇用契約期間等を踏まえて行うことになります。現時点においては、その契約期間に制限を設けることは考えていません。
 また、特定技能一号の外国人に対しては、我が国で安定的に在留活動を行うことができるようにするため、その生活環境を確保するための各種支援を行う方針であるところ、このような外国人の家族を併せて受け入れることとした場合、その家族に対する支援も検討する必要があり、その点については幅広い観点から国民的なコンセンサスを得る必要があるものと認識しています。そのため、まずは現下の深刻化する人手不足に対応することが喫緊の課題であることを踏まえ、特定技能一号については家族の帯同を基本的には認めないこととしています。
 さらに、新たな受入れ制度においては、特定技能の在留資格を有する外国人が受入れ機関と締結する雇用に関する契約について、外国人であることを理由として報酬等に関して差別的な取扱いをしてはならないことを法律で規定しております。これは、同一業務に従事する日本人と同等額以上の報酬を支払うことを含む規定です。
 そして、新設する出入国在留管理庁が、入国、在留の審査において、受入れ機関に対し、特定技能外国人の報酬の額が同等の業務に従事する日本人と同等額以上であることを示すための書面の提出等を求めるなど、厳格な審査を実施します。
 また、定期的な届出により、報酬の同等性が維持されていることを確認するほか、受入れ機関に対して行う調査、指導、改善命令等を通じて的確な管理を徹底することにより、日本人と同等額以上の報酬の実効性をしっかり確保してまいります。
 登録支援機関の役割及び主体並びに悪質な仲介業者の排除についてお尋ねがありました。
 登録支援機関とは、受入れ機関との委託契約に基づき、特定技能一号外国人に対する職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を実施するものです。
 登録支援機関となり得る主体については、支援体制を整えた業界団体、民間法人等幅広い主体を想定しているところ、登録の基準として、出入国又は労働に関する法令の前科がある場合等を欠格事由と定め、不適格な機関を登録時点で排除することとしています。
 制度の運用に際しては、新設する出入国在留管理庁が支援の実施状況をしっかり把握するほか、必要に応じて登録支援機関に対して調査、指導等を行い的確な管理を徹底することにより、悪質な仲介業者の排除に努めてまいります。
 多文化共生社会に向けた省庁横断的な体制の創設についてお尋ねがありました。
 外国人との共生社会を実現するためには省庁横断的な取組が必要であり、本年七月に、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を設置し、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の年内取りまとめに向けて作業を加速させているところです。
 今回の新設される出入国在留管理庁は、外国人の出入国及び在留の管理と外国人の受入れ環境整備に関する総合調整等を行います。政府としては、その司令塔的機能の下、関係府省が連携し、地方公共団体とも協力しつつ、多文化共生社会に向けた環境整備を進めてまいることとしております。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣山下貴司君登壇、拍手〕
#59
○国務大臣(山下貴司君) 石橋通宏議員にお答え申し上げます。
 まず、聴取票の集計結果の誤りについてお尋ねがありました。
 御指摘の法務省におけるデータの誤りがあった件につきましては、平成三十年五月頃、聴取票の集計結果を内部報告するため集計作業を行った際の作業ミスにより誤った数字を計上したデータであり、さらに、集計項目についても、従前から使用していた表現ぶりもそのままに対外説明にも漫然と使用していたもので、故意に改変を行ったものではありません。
 次に、技能実習生の失踪の増加の原因についてお尋ねがありました。
 失踪の動機としては、低賃金、実習修了後も稼働したい、指導が厳しい等が挙げられています。
 本年上半期に失踪したとの報告を受けた技能実習生は四千人を超えていますが、技能実習生の数自体、平成二十八年末の在留者数と平成二十九年末の在留者数とを比べた場合、少なくとも四万人増加していることも原因と考えられます。
 なお、今年上半期の失踪者四千二百七十九名を精査したところ、新たな技能実習法の適用を受ける技能実習生は少数にとどまっています。
 また、旧制度下の技能実習生を含む技能実習制度の在り方については、新たに設置した門山大臣政務官を議長とするプロジェクトチームにおける議論も踏まえて、適正化に努めてまいります。
 次に、技能実習から特定技能一号に移行する際の試験免除や就労先についてお尋ねがありました。
 特定技能一号への在留資格の変更に当たり、技能実習二号修了者については、実習職種において技能を修得していることに加え、三年程度日本に滞在して生活を営み、技能実習に必要な日本語能力も備えていることと考えられることから、特定技能一号の試験等を免除し、必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものと評価し、試験等を免除することとしています。
 もっとも、現在、業所管省庁において分野別運用方針に定めることとなる分野を検討中であり、どのような職種又は作業の範囲で実際に試験等が免除されることとなるかについては検討しているところです。
 なお、先ほど申し上げた試験等を免除する趣旨から、過去に技能実習二号を修了して帰国している外国人も含まれることとなります。
 特定技能一号へ移行する際の就労先や勤務地については、これを技能実習の実習実施機関に制限するものではなく、在留資格の変更許可を受けることを前提として、本人の自由な選択に委ねられています。
 次に、特定技能の技能水準の確認方法等についてお尋ねがありました。
 特定技能一号は相当程度の知識又は経験を要する技能を有することが、特定技能二号は熟練した技能を有すること、具体的には、現行の専門的、技術的分野における在留資格に必要とされる技能と同等又はそれ以上の技能が求められるものであり、それぞれ試験等によって確認される必要があります。
 この技能水準を測る試験は、分野ごとの特性に応じ業所管省庁において適切に定めることとなりますが、分野別運用方針において高い技能水準であることを測る試験等の評価方法を定め、これを法務省令でも定める予定です。
 次に、特定技能外国人の転職の可否についてお尋ねがありました。
 今回の受入れ制度においては、特定技能外国人が、自らの意思により、入国、在留が認められた分野の範囲内で転職を行うことを可能としています。
 今回の受入れ制度は、深刻な人手不足に対応するため、外国人材の受入れが真に必要な分野に限り、当該分野における一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れるものです。そのため、特定技能外国人が受け入れられた分野と異なる分野へ転職することは、当該外国人が有する専門性、技能を生かした就労活動が期待できず、新たな受入れ制度の趣旨にもとることになるので、そのような転職は認めないこととしています。
 次に、特定技能所属機関と登録支援機関についてお尋ねがありました。
 今回の受入れ制度は、就労の目的で一定の専門性ある外国人の受入れを拡充するものであります。
 そこで、まず、稼働先となる受入れ機関については、在留資格認定証明書交付申請時等に雇用契約の適切性を確認する際に受入れ機関が確認できることから、改めて届出を必要とはしなかったものです。
 また、登録支援機関については、支援の担い手は様々であるので一律に許可制とはしなかったものの、本法の特定技能一号外国人の支援を十分かつ適切に行うことを確保するという観点から登録制としました。
 さらに、今回の受入れ制度では、新設する出入国在留管理庁が受入れ機関や登録支援機関の監督をしっかり行うことにより、悪質な民間業者を排除していきます。
 次に、受入れ機関と外国人の受入れの関係についてお尋ねがありました。
 今回の新たな受入れ制度では、受入れ機関に対し、外国人との間で、その報酬が同一の業務に従事する日本人等と同等以上であることなどを含め、適切な雇用契約を締結するとともに、その適正な履行が確保されていることの基準に適合することを求めることとしています。
 そして、受入れ機関がそのような基準に適合しないと認められる場合、特定技能外国人は当該受入れ機関に受け入れられて活動することはできなくなるため、受入れ機関においては外国人を受け入れ続けることはできないこととなります。
 最後に、外国人労働者の求職及び採用等についてお尋ねがありました。
 例えば、海外に法人を設立している企業において、現地で育成した人材をリクルートする、海外との人材ネットワークを有している業界団体を通じて海外からリクルートするなどが考えられるところ、このようにして事業者が海外で育成した人材に技能試験等を受験させ、特定技能外国人材として受け入れることが考えられます。
 そして、出入国在留管理庁において、特定技能外国人の技能水準や日本語能力水準が基準を満たしていることのほか、受入れ機関と特定技能外国人の雇用契約の適切性を確認することとなります。(拍手)
#60
○議長(伊達忠一君) 少々お待ちください。
 石橋君から再質疑の申出がございます。これを許します。石橋通宏君。
   〔石橋通宏君登壇、拍手〕
#61
○石橋通宏君 再質問させていただきます。
 多くの点について全く不十分ですが、二問に絞って再質問いたします。
 まず一点目は、人手不足を外国人により確保を図るべきと規定していることについて、明確な根拠に基づいてどう認定しているのかという質問をさせていただきました。具体的な根拠を示してください。十四業種なんて何かどこから出てきたのか分かりませんが、それを外国人によって埋めなければならないという根拠をお示しください。
 もう一点は、私は、単純労働、一般労働において人手不足が生じている、それを技能実習や留学生で穴埋めをしているということをお聞きしましたので、それについて総理の見解をお願いします。
 以上です。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#62
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 労働力となり得る生産年齢人口は毎年減少し、本年一月に初めて全人口の六割を切るに至っています。
 今回、今後もその傾向が継続し、設備投資や技術革新等による生産性の向上、女性、高齢者の就業促進や処遇改善等による国内人材の確保といった取組を行ってもなお労働力が不足すると見込まれる分野については、人手不足の状況が深刻であると考えられることから、現行の専門的、技術的分野における外国人材の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有する外国人材を受け入れて、人手不足の状況に対応することとしたものであります。
 もう一点の御質問につきましては、試験で判定されるような特別な技能を必要としない職種や分野、いわゆる単純一般労働においてこそ生じていて、現状、外国人技能実習生や留学生にその穴埋めをしてもらっているのが我が国の実態なのではないかとの御指摘でございますが、そういう認識ではございません。(拍手)
    ─────────────
#63
○議長(伊達忠一君) 大野元裕君。
   〔大野元裕君登壇、拍手〕
#64
○大野元裕君 国民民主党・新緑風会の大野元裕です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案に対して質問いたします。
 法案の質問に入る前に、総理に対し、北方領土に関する政府の立場について伺います。
 シンガポールで開催された安倍総理とプーチン大統領との会談の結果、一九五六年の日ソ共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させることが合意された由です。九三年までの北方領土をめぐる日本外交は、いかに四島を明記して一括解決につなげるかを目指してきました。その結果、九三年の東京宣言で四島明記を勝ち取ったのです。だからこそ、それ以降の北方領土に関する合意等においては、九三年東京宣言、二〇〇一年イルクーツク声明、二〇〇三年日ロ行動計画等が交渉の基礎として記されました。二島先行返還であっても、四島一括合意が前提となったのです。五六年共同宣言のみが基礎ならば、二島だけの引渡しになり、我が国の立場を大きく後退させることになります。
 総理に伺います。
 二島ぽっきりの合意ではなく、法的根拠なくロシアに占拠されている我が国固有の領土である四島の返還というこれまでの政府の立場を明言し、一九九三年東京宣言を交渉の基礎として、四島一括合意を行うという立場は不変であり、我が国領土を外国に売り渡すことになる戦後初めての総理にはならないと断言してください。
 国民民主党は、我が国が直面する少子高齢化と生産年齢人口の減少という現実の問題に鑑み、外国人材の受入れには理解を示します。しかしながら、それは国の形を変えかねない大きな政策変更であり、国会における充実した議論が前提です。
 それにもかかわらず、本法律案は、受入れ分野や必要とされる技能水準についての規定が曖昧で、余りに多くが政省令に委ねられています。議論は不十分で、先送りの答弁ばかり、重要な項目が法律事項になっていない。
 総理、それにもかかわらず、拙速に参議院に法案を送らなければならなかった理由は何ですか。国のありようを変える法案です。参議院では丁寧な国会審議に付すとお約束をください。
 本法律案は、中小事業者を始めとした人手不足の深刻化により、我が国経済の持続可能性が阻害されるおそれがあるため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行ってもなお人材確保が困難な分野において即戦力となる外国人を受け入れる仕組みを構築すると説明されています。
 それでは、どのような業種、職種で、それぞれ何人程度の人手不足が生じており、それがどのように我が国経済の持続可能性を阻害するのでしょうか。また、生産性向上や女性、高齢者等の国内人材の確保のための安倍政権の政策的取組が功を奏さなかった理由は何でしょうか。総理にお伺いをいたします。
 フランスでは、経済が好況であった際に外国人労働者を数多く受け入れましたが、経済が悪化してもこれらの労働者は出国せず、最下層の仕事を奪い、低賃金で引き受けたために、フランス人の雇用を奪い、賃金を押し下げました。その結果、サルコジ大統領時代に激しい外国人排斥デモが発生したのです。だからこそ、近視眼的な目先のニーズではなく、慎重な議論に基づく国民の理解が不可欠です。
 しかし、これから検討する事項、政省令に委ねられている事項が多過ぎます。総理、来年四月に法施行をしなければならない理由を示してください。
 国民民主党は、外国人労働者受入れ再検討を要求する対案を速やかに提出するつもりです。そこでは、施行を六か月間延期し、その間に全ての外国人労働者等に関する制度の在り方に検討を加えることを求めています。
 平成二十九年に外国人技能実習制度の受入れ期間を二年間延長する第三号実習生制度が新設されました。この卒業に合わせ法施行が必要との報道があります。本来、技能実習生と新たな制度に直接関係はないはずです。それにもかかわらず、法務大臣は何度も、何万人もの外国人が帰国してしまうとおっしゃっていました。他方、第三号実習生の期間満了は最も早い人で来年十一月です。
 法務大臣、施行を六か月延期しても、何万人もが帰国するということはありませんね。施行を延期して、これまでに指摘された多くのリスクを検討するべきではありませんか。
 我が国が真に人手不足の規模を超えて外国人人材を受け入れる場合、日本人の賃金を押し下げるおそれがあります。今回の法律案を提出するに当たって、人手不足の現状を把握しているのなら、賃金押し下げを防止するために、受入れの上限についての規定を明示するべきです。
 なぜ本法律案には受入れの上限に関する規定がないのか、総理の答弁を求めます。
 国民民主党が対案で検討を求める事項の中には、地域格差の解消措置が含まれています。東日本大震災の被災地を含め、地方の人手不足は都市部と同様に深刻です。
 この点について、衆議院での修正で、地域格差、特に大都市集中を招かないようにするため必要な措置を講ずるとされました。修正をしてもなお、その方途については法律に示さず、先送りですか。これならば、修正など、必要などなかったのではないでしょうか。
 そこで提案します。
 総理、第一に、業種、職種のみならず、地域別の受入れ数を定めることを法律に明記するべきではありませんか。総理の答弁を求めます。
 第二に、業種内での移動の自由を無条件に認める措置を改めるべきです。
 私は、外国人労働者受入れ先進国であるアラブの湾岸諸国で暮らしてきました。これらの国では、外国人労働者が職場を変わる場合には、通常、一旦出国をさせて新たな受入れ組織の適正さの判断や当該申請者の適否等を審査してから、再び新たな在留資格を付与し入国を認めるという制度を有していました。ありていに言えば、出国させるための工夫が存在していました。
 ところが、入管法案では、出国させる実効的な制度的担保、適正でない受入れ企業等へのわたりの防止等の措置が確保されていないばかりか、業種内での移動を認めているために、入国の際に必要な措置を仮に講じても、労働者は途中でより高い給与を求めて首都圏に移動するだけです。底のないバケツです。
 業種内で移動する際には、一旦出国をさせ、それから業種、地域的ニーズに合わせて再審査する制度を法律に盛り込むべきではありませんか。総理、お答えください。
 特定技能の外国人は、社会保険の対象となることが予定されています。特定技能の外国人及び家族について、健康保険に加入するのは何人ぐらいで、それによる国庫負担はどれくらいになるのでしょうか。また、健康保険は海外在住の扶養家族に対しても適用されるのでしょうか。海外では、闇レートで入手した現地通貨で診察を受け、公式レートで請求して、差額を不正に得る例も知られています。海外における健康保険の不正利用の実態を把握し、それに対する対策は考えているのでしょうか。それぞれ、厚生労働大臣の答弁を求めます。
 本法案では、特定技能第一号人材に被扶養家族の帯同が認められていません。総理、家族帯同を認めない理由を教えてください。
 我が国政府が公務員や技術者を一定期間、帰国を前提として海外に派遣する際には、原則として扶養家族の帯同は拒否されないものと理解をします。例えば、外務省の研修生のように、技能の高さとは関係なく、政府関係者が扶養家族を帯同する際には、税金から家族に対して旅費等の手当が支払われます。高い技能を有する外国人以外の家族帯同が適切でない、政府がこのようにお考えになるならば、我が国政府が海外に派遣する公務員等の扶養家族に税金から手当の支払を行うこと、適切と国民に説明ができますか。国籍によって家族の海外への帯同の適否への見解が異なり、そこに国税を支出することが適切と考える理由、総理、是非お示しください。
 最後に、本法案には施行後二年の見直し規定があります。外国人受入れ政策を始めてから抜本改革を行えば、社会や企業に大きな影響と混乱を与えます。それよりも、我が国民民主党が提案するとおり、まずは立ち止まって国民大の議論を喚起し、政省令ではなく法律で制度を定める努力を追求することを強く求めて、私の質問とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#65
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大野元裕議員にお答えいたします。
 日ロ関係についてお尋ねがありました。
 まず初めに申し上げておきたいことは、領土問題を解決して平和条約を締結するというのが我が国の一貫した立場であり、この点に変更はないということです。
 今般、プーチン大統領と一九五六年共同宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの合意に至りました。
 日ロ間では、これまで、一九九三年の東京宣言、二〇〇一年のイルクーツク声明、二〇〇三年の日ロ行動計画を始め、多くの諸文書や諸合意が作成されてきており、これらの諸文書や諸合意を踏まえた交渉を行ってきています。
 その中でも、一九五六年の日ソ共同宣言は、両国の立法府が承認し、両国が批准した唯一の文書であり、現在も効力を有しています。一九五六年の共同宣言の第九項は、平和条約交渉が継続されること及び平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が日本に引き渡されることを規定しています。
 従来から政府が説明してきているとおり、日本側は、ここに言う平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であると一貫して解釈しています。
 したがって、今回の一九五六年宣言を基礎として平和条約交渉を加速させるとの合意は、領土問題を解決して平和条約を締結するという従来の我が国の方針と何ら矛盾するものではありません。
 入管法改正案の審議の在り方についてお尋ねがありました。
 成長から分配への経済の好循環が着実に回りつつある中、有効求人倍率が全ての都道府県で一倍を超え四十四年ぶりの高さとなる一方、少子高齢化により生産年齢人口は毎年減少し、現下の人手不足の状況は深刻な問題となっています。
 これは待ったなしの喫緊の課題であり、可能な限り早急に新たな受入れ制度を実施する必要があるため、政府として、今回、改正法案を成立させ、来年四月からの制度スタートを目指すものであります。
 法案審議の在り方については国会において御議論いただくべきものと考えておりますが、政府としては、御質問の一つ一つにできる限り丁寧にお答えをし、本制度の趣旨や内容について広く御理解いただけるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 人手不足の現状と我が国経済への影響についてお尋ねがありました。
 成長から分配への経済の好循環が着実に生まれつつある中、有効求人倍率が約四十四年ぶりの高さとなっています。一例を挙げますと、介護においては三倍以上、建設業の中には十倍を超えるものがあるなど、極めて高い数値を示しています。
 他方で、少子高齢化の影響により、労働力となり得る生産年齢人口は毎年減少し、本年一月には初めて全人口の六割を切るに至っています。
 こうした中、政府としては、これまで育児・介護休業制度の整備や保育の受皿整備等の女性の活躍支援や、六十五歳までの雇用確保措置の着実な推進といった高齢者の雇用促進に取り組んでおり、二〇一二年以降、人口減少、高齢化が進む中にあっても、女性、高齢者の就業率が上昇し、就業者数は二百五十一万人増加しています。それでもなお現下の人手不足の状況は深刻化しており、今後もその傾向は続くと見込まれることから、こうした取組を行ってもなお人材不足が深刻な分野に限り、今回、新しい在留資格を設けることにより対応することとしたものであります。
 入管法改正案の来年四月からの法施行を目指す理由についてお尋ねがありました。
 成長から分配への経済の好循環が着実に生まれつつある中、有効求人倍率が全ての都道府県で一倍を超え、四十四年ぶりの高さとなる一方で、少子高齢化により生産年齢人口は毎年減少し、現下の人手不足の状況は深刻な問題となっています。
 これは待ったなしの喫緊の課題であり、可能な限り早急に新たな受入れ制度を実施する必要があるため、政府として、今回、改正法案を成立させ、来年四月からの制度スタートを目指すものであります。
 受入れ上限についての規定がない理由についてお尋ねがありました。
 政府としては、法律に基づいて政府が策定することとされている分野別運用方針において向こう五年間の受入れ見込み数をお示しし、上限として運用していくこととしています。受入れ見込み数は分野ごとに定めるものではありますが、人手不足の状況は経済社会の状況によって変化し得るものであることから、受入れ分野そのものを法律事項としておりません。そのため、受入れ見込み数についても法律事項とすることは考えておりません。
 本法律案は、地域の受入れ人数を法律に明記すべきとの御指摘がありました。
 今回の制度では、そもそも全体の受入れ見込み数を法律で定めることを予定していませんので、地域別の受入れ数を法律で定めることも予定しておりませんが、地方における人手不足解消策については政府全体として取り組むべき課題であると認識しており、そのために必要な施策を検討してまいります。
 職場を変わる際には一旦出国させて再審査する制度についてお尋ねがありました。
 本法案では、特定技能外国人が受入れ機関を変更しようとする場合、在留資格の変更の許可を受けなければならないこととしており、転職先の受入れ機関が本法案等に規定する基準に適合するか否かをきちんと審査できるようにしております。そのため、外国人材にとっても負担となる御指摘のような制度を法律に盛り込む必要はないと考えています。
 特定技能第一号人材の家族帯同等についてお尋ねがありました。
 今回の外国人材の受入れ拡大については、その生活環境を確保するための各種支援を行う方針であるところ、このような外国人の家族を併せて受け入れることとした場合、その家族に対する支援も検討する必要があり、その点については幅広い観点から国民的なコンセンサスを得る必要があるものと認識しているところから、特定技能第一号については、その家族に対して家族帯同の在留資格を付与しないこととしています。
 また、この問題は、我が国の公務員等を海外に派遣する場合とは趣旨、目的が異なり、必ずしも同一に論ぜられるものではないと考えています。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣山下貴司君登壇、拍手〕
#66
○国務大臣(山下貴司君) 大野元裕議員にお答え申し上げます。
 施行を延期して、これまでに指摘された多くのリスクを検討すべきではないかとのお尋ねがありました。
 まず、本法案の施行が半年遅れれば、その半年の間に、本来施行されておればこの制度を利用し得た、様々な在留資格により日本に滞在する万単位の外国人の方が日本で働く機会のないまま受け入れられなくなると考えられます。
 今回の受入れ制度は、深刻な人手不足の状況に対応するため、現行の専門的、技術的分野における外国人の受入れ制度を拡充し、一定の専門性、技能を有し、即戦力となる外国人材を受け入れようとするものであり、政府として、これまで積極的、継続的に検討を重ねてきたものであります。
 その上で、これまでに御指摘をいただいている課題等につきましては、今後、法務省令等を作成する中で対応してまいります。
 いずれにしても、現下の人手不足の状況は深刻な問題となっており、早急に対応すべき喫緊の課題であり、来年四月から制度をスタートさせることを目指すものであります。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕
#67
○国務大臣(根本匠君) 大野元裕議員にお答えいたします。
 外国人への健康保険の適用等についてお尋ねがありました。
 健康保険は、雇用関係と扶養関係を基礎として、国籍や居住地を問わず適用する仕組みとなっており、海外在住の扶養家族に対しても要件を満たせば適用されます。
 その上で、新たに受け入れる外国人材やその家族の健康保険への加入人数や国庫負担への影響については、どの程度の方がどのぐらいの期間日本に在留するのか、どの程度の方が家族帯同可能な特定技能二号や他の在留資格に移行し、実際にどの程度の家族帯同が行われるかなどが不明であることから、具体的な数字としてお示しをすることは困難です。
 一方、外国人による医療保険の不適正な利用が報道等で指摘されていることから、厚生労働省においては、本年三月に、海外に居住する被扶養者の認定方法の厳格化を実施したところです。
 外国人の医療保険の適正な利用に向けた対応については、現在、与党においても議論されているところであり、それも踏まえ対応を検討してまいります。(拍手)
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#68
○議長(伊達忠一君) 仁比聡平君。
   〔仁比聡平君登壇、拍手〕
#69
○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、出入国管理法及び法務省設置法改定案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 本法案に、世論調査では六割から八割の国民が今国会の成立にこだわるべきではないと答え、その声は急速に広がっています。またもや民意を踏みにじり、昨日、衆議院でまともな審議もないまま強行採決で押し通し、今日、こんな夕方からの異常な本会議を強行した政府・与党は恥を知るべきであります。
 総理、これほど乱暴に事を推し進めるのはなぜですか。二〇一六年、日本経団連が、労働力不足がボトルネックとして一定の技能を有する外国人材の活用を求めた提言など、財界の要請を何より優先するからではありませんか。
 政府は、九〇年代以来、低賃金で従順に働く労働力として外国人労働者の受入れ策をなし崩しに推し進めてきました。リーマン・ショックでは多くの日系人が派遣切りで母国に追い返されました。研修生制度に始まって、一貫して多くの技能実習生が、自殺や過労死、失踪、行方不明に追い込まれる深刻な人権侵害にさらされてきました。
 ところが、総理は、七日の本院予算委員会で、技能実習について、今でも九割の方々は、まさに目的に沿った形で日本で技能を身に付け、母国に帰ってその技能を生かして活躍していると答弁されました。しかし、九割がうまくいっているとした根拠を繰り返し聞かれても、これまで答えておられません。総理に改めて伺います。その根拠は何ですか。
 労働基準監督署が技能実習先事業所に行っている監督指導で労働基準関係法令違反が明らかになった事業所は、平成二十九年、監督指導を実施した事業所の七〇・八%に上ります。しかも、監督指導を実施できたのは、四万八千三十三事業所のうち、僅か一二・四%にすぎません。
 総理、このとおりで間違いありませんね。九割がうまくいっているどころか、政府は違反事案の氷山の一角しかつかめていないのではありませんか。外国人労働者を単なる労働力、雇用の調整弁として扱い、深刻な人権侵害を引き起こしてきたことに何の反省もないのですか。
 その政府が、深刻な人手不足の解消を掲げ、何が何でも来年四月から受入れ拡大を実施する、新たに受け入れる分野や労働者の上限も求める基準も白紙委任せよというのが本法案であります。法務大臣、これらを省令で自由裁量によって決めるというのは、もってのほかではありませんか。
 法案が相当程度の知識又は経験を必要とする技能とする新たな在留資格、特定技能一号と技能実習の関係について、総理を始め政府・与党は別の制度と言い逃れようとしていますが、法務大臣、大臣御自身が十五日の本院法務委員会で、法改正が半年遅れれば万単位の方々が帰ってしまうとつい答弁してしまったとおり、技能実習生をそのまま特定技能に移行して働かせ続けたいというのが本音ではありませんか。
 技能実習三年の修了者は特定技能の試験は免除されるのではありませんか。技能実習生の監理団体が、新たな特定技能への在留資格変更に関与し、登録支援機関を兼ねることも認められるのではありませんか。法案にはどう規定されているか、政府はどのように定める方針か、法務大臣、お答えください。
 政府が示した新たな在留資格による人材不足、受入れの見込み数によれば、初年度は四万七千五百五十人、十四業種のうち十三業種が技能実習からの移行を前提とし、その多くが八〇%からほぼ一〇〇%を見込んでいます。
 初年度のほぼ一〇〇%を技能実習からの移行を見込んでいる、産業機械製造業について経産大臣、建設業について国交大臣、農業について農水大臣、それぞれ技能実習生の意思や求められる技能の水準など、どのような実態把握と検討の上で移行の見込み数を積算したのか、お答えください。
 法務大臣、新たな受入れ分野は、政府の判断次第で更に拡大されるのではありませんか。
 平成二十九年、七千八十九人に上った失踪実習生二千八百七十人からの聴取票は、野党議員が書き写した八百八十四枚だけでも八六%以上が最低賃金割れであり、暴力やセクハラの実態も浮き彫りになっています。これは、失踪の多くが人権侵害からの緊急避難であることを示すものです。
 同時に、法案と政府方針によるなら、そのまま特定技能への移行が見込まれることとなる技能実習制度において、多くの実習生がどのような状態に置かれ、受入れ機関やブローカー介入がどのような実態かを検証する法案審議の土台です。全ての個票を国会に提出すべきです。総理の答弁を求めます。
 ブローカー排除と二国間協定について伺います。
 技能実習制度をめぐっては、ブローカー排除のための二国間取決めが進められてきました。法務大臣、現在、ブローカー介入の懸念が強い団体監理型における技能実習生の母国は何か国ですか。そのうち、二国間協定ないし取決めは何か国で締結され、交渉中は何か国でしょうか。国名も併せてお答えください。
 新たな特定技能一、二についてはどうか。法務大臣、二国間協定ないし取決めについて法案にはどう規定されていますか。政府はどのように定める方針か、お答えください。
 法案担当者の説明によれば、二国間取決めは全く想定されていないといいます。それは技能実習制度における適正化の取組を覆すものです。総理、これでは母国での特定技能の評価や試験、送り出しなどの実施体制は民間の問題となってしまい、ブローカーや中間搾取を排除できないのではありませんか。
 理論上転職の自由があるといっても、ブローカーの支配下に置かれた労働者にその行使は期待できないのではありませんか。総理の答弁を求めます。
 技能実習制度と並んで、今や低賃金の人手不足分野への出稼ぎ労働と人材ビジネスの抜け道、温床となっているのが留学生の資格外活動です。この二つの在留資格は本来労働を目的としないはずなのに、この間急速に増加し、厚生労働省の把握で昨年十月末時点百二十八万人に上る外国人労働者の何と四割を超えるに至っています。総理、異様だとは思われませんか。
 留学生は、二〇〇八年から始まった政府の留学生三十万人計画の下でうなぎ登りに増加し、今日では技能実習生二十六万人を上回る三十二万人に上りますが、多くの日本語学校が授業料収入を目当てにし、中には人材派遣業や不動産業を兼ねて紹介手数料や高額の家賃を取ってもうけるなど人材ビジネス化して、そこにブローカーも介入する実態があります。
 留学生は、日本で働けば稼げると聞いて借金して来日し、実際は最賃ぎりぎりで、家賃を引かれれば借金も返せず、ダブルワーク、トリプルワークで週二十八時間の制限を超えて働き、うつや自殺、失踪に追い詰められる人も増えています。総理はどのような認識ですか。
 二〇一七年、自由民主党一億総活躍推進本部は、誰もが活躍する社会をつくるPT宣言で、留学生の二十八時間規制を緩和して労働力不足を補おう、もっと活用しようと提言していますが、総理、これを推し進めるのですか。
 そもそも我が国の深刻な人手不足の要因は何か。人手不足現場における劣悪な労働条件にあります。それをそのままにして外国人労働者の受入れで補おうとすれば、我が国の構造的な低賃金、低単価を固定化し、人手不足現場の困難を逆にひどくすることになるのではありませんか。総理の認識を伺います。
 行うべきは、地域経済や中小企業、農業、建設を始めとした重層下請現場、介護など、賃金、労働条件の改善をないがしろにしてきた政府の姿勢を転換し、最低賃金引上げなど各分野の賃金、単価の抜本的引上げを政府の責任で直ちに行うことではありませんか。
 我々は、現実に我が国で働き産業を支えている外国人労働者、我が国での就労を望む外国人の人権、家族帯同や言語、教育、社会保障の在り方など、共生社会をどう考えるのか、徹底した国会審議こそ尽くすべきです。数の力、民主主義を壊す強権によって、人権と共生の社会をつくれるはずがないではありませんか。
 本法案は断固廃案にすべきであることを強く訴え、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#70
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 仁比聡平議員にお答えいたします。
 入管法改正案の審議の在り方についてお尋ねがありました。
 まず、法案審議の在り方については国会において御議論いただくべきものと考えており、何を優先したのかなど、政府として申し上げることはできません。
 政府として、与えられた時間の中で更に議論が深まるよう、御質問の一つ一つにできる限り丁寧にお答えをし、本制度の趣旨や内容について広く御理解いただけるよう全力を尽くしてまいりたいと考えております。
 技能実習がうまくいっていると答弁した根拠、技能実習への反省についてお尋ねがありました。
 先日の答弁は、技能実習制度においては失踪の問題があるものの、失踪者は技能実習生全体から見れば僅かであり、ほとんどの技能実習生が我が国で技能を修得し、本国で活躍されている現状をもってお答えしたものであります。
 また、労働基準監督署においては、技能実習生を雇用する約四万八千の実習実施者に対し重点的に監督指導を行っており、平成二十九年の一年間において、各種情報から法違反が疑われる五千九百六十六の実習実施者への監督指導を実施しており、今後とも、効果的、効率的な監督指導に努めてまいります。
 御指摘のとおり、技能実習制度には、一部の監理団体や受入れ企業において労働関係法令違反等の問題が生じていますが、昨年十一月に施行された技能実習法の下、受入れ企業等に対する実地検査や技能実習生に対する母国語相談対応等の取組により、制度の適正化及び技能実習生の保護に努めているところであります。
 技能実習生の聴取票の国会への提出についてお尋ねがありました。
 技能実習生に係る聴取票は、失踪した技能実習生から任意に聴取した情報がありのままに記載されているものであるところ、当該技能実習生は入管法に違反し資格外活動を行ったものであって、当該聴取票は刑事訴追を受けるおそれがある者からの聴取結果そのものであります。
 したがって、今後の調査等への甚大な影響や個人のプライバシー保護の観点から、聴取票そのものを広く一般に公開することは困難であることを御理解いただきたいと考えています。
 悪質な仲介業者の排除についてお尋ねがありました。
 今回の受入れ制度においては、外国人材から保証金等を徴取する悪質なブローカーの介在を防止するため、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないこと等を法務省令で定めることを検討しています。
 その上で、在留資格認定証明書交付申請時において保証金等を徴収されていないことの確認を行うほか、受入れ機関及び登録支援機関に対する周知、指導等を通じて悪質なブローカーの介在防止に努め、転職が阻害されるといった問題が発生しないよう適切に対応してまいります。
 なお、二国間取決めを作成するか否かについては、相手国政府の状況等を踏まえ、その作成の必要性を検討することとなります。
 留学生等の就労についてお尋ねがありました。
 技能実習制度及び留学生の資格外活動については、それぞれ入管法において就労活動が許容されているものと認識しています。
 留学生の新規入国者が増加する中で、一部の留学生が入国当初から多額の借金を抱えて来日している実態が確認されているところ、その背景には、そもそも経費支弁能力を有していない場合があるほか、留学仲介業者が日本語能力に関する証明書等の書類を偽造し、高額な手数料を徴収していることが疑われる事案もあり、こうした状況を改善していくことが重要であると認識しております。
 また、御指摘の、誰もが活躍する社会をつくるPT宣言については承知しているところ、資格外活動許可は留学生本来の活動である学業を阻害しない範囲で許可されるものであることから、一定の時間を定めて制限することは合理的であるところ、資格外活動の許可の緩和については慎重な検討が必要であると考えています。
 留学生については、教育機関における入学者選考及び在籍管理の徹底を行うとともに、法令違反が認められる留学生については、積極的に資格外活動許可の取消し、在留期間更新不許可処分を行うなど、今後とも労働管理を適切に進めてまいります。
 外国人労働者の受入れと最低賃金の引上げなどについてお尋ねがありました。
 今回の新しい制度は、深刻な人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材確保のための取組を行ってもなお一定の専門性、技能を有する外国人を就労の目的で受け入れるものであり、単に労働需要を満たすために外国人材を受け入れることができるという制度ではありません。したがって、外国人労働者の受入れ拡大は労働者の賃金低下につながるという指摘は当たりません。
 政府としては、より多くの人が経済成長の果実を享受できるよう、所得拡大促進税制を含めた税制面での環境整備、全国加重平均千円を目指した年率三%を目途とした最低賃金引上げ、賃上げに努力する中小企業への支援の促進などに取り組んでまいりました。
 こうした中、賃上げは五年連続で今世紀に入って最も高い水準となっており、今後もこの流れを一層力強いものとしてまいります。
 残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)
   〔国務大臣山下貴司君登壇、拍手〕
#71
○国務大臣(山下貴司君) 仁比聡平議員にお答え申し上げます。
 まず、受入れ分野や上限を法律で定めるべきではないかとのお尋ねがありました。
 出入国管理及び難民認定法は、入国、在留する外国人の動向や経済社会情勢の変化に即応するため、出入国管理、在留管理の仕組み、在留資格の種別などを法律事項として定め、在留資格に関する具体的な細部事項は臨機に対応が可能な法務省令等の下位法令に委ねております。
 今回の改正案においても、新たに外国人材を受け入れる分野については、法律において、人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野との定めを置き、これに当てはまる具体的な分野、技能水準、受入れ機関の基準等については、時間の経過とともに変化する経済情勢等を踏まえて個別に検討していく必要があることから、省令で定めることとしております。
 その上で、法律事項ではないものの、制度に関する重要な事項については、国会での御審議に資するよう、今後の審議の過程においてお示しすることとしており、白紙委任との御指摘は当たりません。
 次に、技能実習生をそのまま特定技能に移行させる制度ではないかとの御指摘がありました。
 今回の受入れ制度は、技能実習制度とは趣旨、目的が異なっており、在留資格も全く別物であります。そして、技能実習生が、技能実習二号修了後直ちに帰国するか、技能実習三号の資格で在留するか、特定技能一号の資格で在留するかは、我が国で在留する目的に照らした本人の自由な選択に委ねられております。技能実習生をそのまま特定技能に移行して働かせたいというものではありません。
 次に、特定技能の在留資格の要件と登録支援機関の要件についてお尋ねがありました。
 技能実習二号を修了した者については、その職種、作業の属する特定産業分野に係る特定技能一号の試験は免除となります。
 また、改正法案においては、登録支援機関となるためには一定の要件を満たす必要があることを定めております。具体的には、支援業務を的確に遂行するための必要な体制が整備されていない場合や、出入国又は労働に関する法令の違反により刑事罰を科されたことがある者は登録支援機関となることができないものと定めております。その上で、支援体制として、情報提供体制を確保していること等を省令で定めることを予定しております。
 そのため、しっかりとしたサポート体制が整備された機関のみが登録支援機関となることができることとなっておりますが、このような要件を満たす限り、技能実習制度における監理団体であることの一事をもって登録支援機関となることができないこととすることは考えておりません。
 次に、新たな制度における受入れ分野の拡大についてお尋ねがありました。
 委員御指摘の十四業種は、現時点で、新たな制度により外国人材の受入れを要望している業種であり、これら以外の業種において外国人材の受入れを排除するものではありません。
 もっとも、具体的な受入れ分野の決定に当たっては、業所管省庁から、有効求人倍率や各業種における公的統計等の客観的な指標を用いて、生産性向上や国内人材確保のための取組及び人手不足の状況等を示していただいた上、法務省や厚生労働省等の制度所管省庁において厳格に審査していくこととしています。
 次に、技能実習生の国籍及び二国間取決めの締結、交渉状況についてお尋ねがありました。
 団体監理型技能実習生として在留している者の国籍は、平成二十九年末現在、十七か国になります。二国間取決めにつきましては、現在、十か国との間で取決めを結んでおり、その国名は、ベトナム、カンボジア、インド、フィリピン、ラオス、モンゴル、バングラデシュ、スリランカ、ミャンマー及びブータンとなっています。
 なお、二国間取決めの交渉中の国につきましては、相手国との関係もあることから、お答えを差し控えたいと思います。
 最後に、新たな在留資格に関する二国間協定ないし二国間取決めについてお尋ねがありました。
 まず、本改正案において、新たな在留資格、特定技能について、二国間協定ないし二国間取決めを必須とはしておりません。
 他方、技能実習制度においては、十か国との間の二国間取決めを作成しているほか、EPA協定に基づく受入れ枠組みなどもあることから、在留資格、特定技能に関しても、こうした様々な既存のチャンネルも活用し、引き続き相手国政府との緊密な連携を図ってまいります。(拍手)
   〔国務大臣世耕弘成君登壇、拍手〕
#72
○国務大臣(世耕弘成君) 仁比議員にお答えいたします。
 産業機械製造業における技能実習からの移行見込み数の積算方法についてお尋ねがありました。
 厚生労働省帰国技能実習生フォローアップ調査において、技能実習生が実習後に実習と同じ仕事又は実習と同種の仕事に従事している割合が、過去三年間、約七割から約八割の間で推移していることや、特定技能一号において求められる技能水準を技能検定三級相当の水準を考えていることを踏まえ、三年間の技能実習を終えた実習生の約七割から八割が特定技能一号へ移行するものと見込んでおります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#73
○国務大臣(石井啓一君) 仁比議員にお答えをいたします。
 建設業につきまして、新たな在留資格である特定技能一号への技能実習からの移行見込み数の積算方法についてお尋ねがありました。
 建設業につきましては、特定技能一号外国人に求める技能といたしまして、技能実習二号修了程度の技能を想定をしております。このため、特定技能一号への技能実習からの移行見込み数については、現在、建設分野における技能実習二号修了者が技能実習三号や外国人建設就労者受入事業に移行する実績を踏まえ、積算を行いました。
 具体的には、平成三十一年には、技能実習二号を修了する者のうち八割が技能実習を修了し、そのうち四割に当たる者が特定技能一号に移行すると見込んでおります。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#74
○国務大臣(吉川貴盛君) 仁比議員の御質問にお答えいたします。
 農業における技能実習からの移行の見込み数についてお尋ねがありました。
 農業については、特定技能一号外国人に求める技能として、技能実習二号修了程度のものを想定しています。このため、一定数の技能実習二号修了者が本制度に移行すると見込んでいます。
 具体的には、近年の農業分野の外国人労働者の年間平均増加数である三千六百人程度、すなわち現在日本にいて来年に技能実習二号を修了する者の約三分の一が移行するほか、既に帰国した修了者の一部や新たに実施する試験で入国する者を見込んだものです。
 これらの見込みは、農業団体で構成される農業労働力支援協議会と話をしながら行ったものです。(拍手)
    ─────────────
#75
○議長(伊達忠一君) 石井苗子君。
   〔石井苗子君登壇、拍手〕
#76
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 党を代表して、出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 政府は、今年六月十五日、骨太の方針の中で、日本の中小・小規模事業者の人手不足が我が国の経済社会基盤の持続可能性を阻害するほど深刻であるとし、外国人に対する新たな在留資格を創設することにしました。平成二十年に四十八万六千人だった外国人労働者は、平成二十九年には百二十七万九千人と、九年間で二・六倍になっているのが日本の現状です。
 政府は本法案を移民政策ではないと説明していますが、移民の定義を明確にせずに移民ではないと国民に説明することは、ある種のごまかしではないでしょうか。移民政策だと言ってしまえば国民に大きな波紋を投げかけることになるので、あえて移民政策ではないと政府が説明する、この種の言葉の曖昧さは、まさに民はよらしむべし、知らしむべからずという態度そのものであり、国民への説明責任を軽視する傲慢な政治姿勢であると思います。
 私は、このような問題意識を前提に、本法案について質問をいたします。
 技能実習生は、昨年、七千人以上の失踪者を出しました。技能実習制度そのものが初めから失踪者を許すような制度設計になっているはずがありませんから、これは想定外の事態が生じたと言わざるを得ません。この想定外の事態が新しい在留資格である特定技能制度で決して起こらないと言えるでしょうか。
 なぜ大量の失踪者が技能実習制度で発生したのか、御説明ください。そして、新しい在留資格の特定技能制度は失踪者が発生しない仕組みになっているのか、お答えください。もし想定外の事態が発生した場合はどのような解決策をお考えでしょうか、総理にお伺いいたします。
 二年前の臨時国会において、外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案に対する修正法案が議論されました。そのときの政府は、外国人技能実習生は労働力ではないとしました。国内の労働力不足は国内の潜在的労働力を掘り起こすことで対処するとしました。
 それから二年後の現在、日本人が働きたがらない分野で深刻な人手不足が生じているから、その穴埋めを外国の方にお願いしようという話になっています。この二年の間、日本人が敬遠する労働現場に向けて国内労働力を充てていくという努力は、具体的にどのような政策でやってこられましたか、効果はどのくらいあったでしょうか、総理にお聞きいたします。
 失踪した技能実習生の実態調査を法務省が実施した結果、失踪理由の六七・二%が低賃金でした。技能実習生には日本の労働法制が適用されているはずです。最低賃金以下で働かせるなどの違法行為が横行していたということでしょうか。技能実習生受入れ制度は国策であったにもかかわらず、違法行為を起こしていた事業者を取り締まることができずに大量の失踪者を出してしまったことは、政策の失敗ではないでしょうか。
 本法案で新しい在留資格を創設するのであれば、違法行為が起こらないよう厳格な取締りが必要です。新しい在留制度が施行されてから、こうした労働法制に違反する行為をどのように防止していくのか、今までにない取締り強化を図っていくつもりなのか、総理にお尋ねいたします。
 次に、これは衆議院の法務委員会の質疑の中で出た話ですが、インドネシアやベトナムからの技能実習生は、帰国してから、修得した技術を応用し、貯蓄した資金を使って起業し、多くの雇用を生み出している実例があります。現在は人権を侵害するような問題も抱えていますが、問題点を徹底的に整理し、国際貢献という視点から技能実習制度の充実を図るべきと考えますが、今の政府からそのような積極的な姿勢がうかがえません。既存の制度そのものを改善することについてどのようにお考えか、総理の見解をお伺いいたします。
 本法案は、国会における議論が全く足りていません。特に、特定技能二号は永住者になることができる制度設計になっています。この制度の導入は国民のコンセンサスを得て慎重に行うべきです。特定技能二号が基本的に一号から移行するものであるなら、外国人永住者が増えていく可能性があります。日本の将来がどういう社会に変わっていくのかという議論が不十分なまま特定技能二号を導入することは、国民の理解を得られないと思います。
 永住の可能性を含んだ特定技能二号の導入を急がず、まず一号だけを運用した後に改めて二号の導入を議論しても遅くないと思います。本法案を当面の人手不足の解消政策と言うのであれば一号で十分であり、今、特定技能二号をこれほど急いで導入する根拠はないと考えますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
 外国の方々が多く暮らしている地域では、生活習慣や文化の違いから、ごみ出しのルールや深夜の騒音といったような日常生活における問題を地域の方がボランティアでルールを教えているのが現状です。共生社会の実現には自治体の細やかな対応が必要とされています。今後、在留外国人の日本語教育の充実や日本の生活習慣への理解を深める施策を考えるなど、地方自治体の責任が大きくなることは目に見えています。政府は地方自治体の支援措置をお考えでしょうか。具体的な支援措置があるかどうか、総理にお伺いいたします。
 今後、日本への外国人観光客や在留外国人が増えていくことを想定いたしますと、出入国管理行政は多忙を極めることになります。
 出入国在留管理庁に全ての管理をさせるとなっていますが、人員は足りているのでしょうか。民間を効率的に活用して、目配りが届く在留管理をするべきと考えますが、管理に民間を活用していくことについて総理のお考えをお聞きいたします。
 最後に、在留者の管理には、現在、在留カードが使われていますが、銀行口座などの手続もカバーできるマイナンバーカードを活用することで管理の網を広げ、きめ細かい在留管理が実現できると考えますが、いかがでしょうか。総理にお願いいたします。
 日本維新の会は、外国人技能労働者の方々に適切な形で在留していただくことが日本の経済の成長と文化の発展につながると考えています。もはや、移民政策の議論を避けては通れません。
 不信任案を連続して出すことで議論を中断するような行為は慎んでいただきたいと言い添えまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕
#77
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 石井苗子議員にお答えいたします。
 技能実習生の失踪理由と新たな制度における失踪防止策についてお尋ねがありました。
 技能実習生の失踪の背景には、悪質な送り出し機関等から不当に高額な手数料、保証金を徴収されるため借金せざるを得ず、その返済の必要に迫られて、より条件の良い就労先を求めて失踪するということが考えられます。また、厳しい指導を行うといった受入れ側に起因する問題もあると考えています。
 一方、今回の受入れ制度においては、外国人材から保証金等を徴収する悪徳なブローカーの介在を防止するため、外国人材又はその親族が保証金等を徴収されている場合は特定技能外国人としての受入れができないことなどを法務省令で定めることを検討しています。
 また、特定技能外国人が低賃金労働者とならないよう、日本人と同等額以上の報酬を支払うことを求める趣旨を法律に盛り込むこととしているほか、特定技能外国人が自らの意思により就業先を変更することも認められます。
 加えて、特定技能一号外国人については、受入れ又は登録支援機関が職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援を行うこととしているほか、支援の実施状況に関する届出、受入れ機関に対する指導、助言、立入検査や改善命令といった措置により、外国人材の円滑かつ安定的な在留を確保し、失踪者の防止に努めてまいりたいと考えています。
 国内人材の確保策についてお尋ねがありました。
 急激な少子高齢化、生産年齢人口の減少に直面している我が国が、その活力を維持発展させていくためには、各業種の生産性を向上しつつ、働き方改革を促進し、女性、高齢者や障害者を始めとして、誰もがその能力を存分に発揮できる一億総活躍社会の実現に向けて取り組むことが何よりも重要です。
 潜在的労働力の確保については、政府として、女性、高齢者が就業しやすい環境整備に取り組んでおり、これまで、育児・介護休業制度の整備や保育の受皿整備等の女性の活躍支援や、六十五歳までの雇用確保措置の着実な推進といった高齢者の雇用促進等を講じてまいりました。
 こうした取組により、二〇一二年以降、人口減少、高齢化に直面する中にあっても、就業者数は二百五十一万人増加しています。
 また、受入れを希望する業種においては、深刻な人手不足に対応した様々な対策を講じており、例えば介護では、介護職員の更なる処遇改善等に取り組んでいます。
 今後とも、誰もが働きやすい社会に向けて、また、外国人材に選ばれる国になるためにも、こうした取組をしっかりと進めてまいります。
 新たな受入れ制度における労働法制に違反する行為の防止についてお尋ねがありました。
 技能実習制度は、一部の監理団体や受入れ企業において賃金不払や長時間労働等といった労働関係法令違反等の問題が生じており、事態を重く受け止めております。当該制度の適正化を図るため、昨年十一月施行の技能実習法において、外国人技能実習機構の下、受入れ企業等に対する実地検査等の取組を進めているほか、二国間取決めによる送り出し機関の適正化にも努めてまいります。
 今回の受入れ制度は、そもそも技能実習制度とは趣旨、目的を異にするものですが、労働関係法令に違反する行為を含めて、御指摘のような問題が生じないよう、新設する出入国在留管理庁において、受入れ機関や支援機関に対する調査、指導、改善命令、登録の抹消等を行うことにより、的確な管理を徹底することとしています。
 技能実習制度の改善及び充実についてお尋ねがありました。
 技能実習制度は、技能等の移転による国際貢献を目的とする制度ですが、一部の監理団体や受入れ企業において賃金不払や長時間労働等といった労働関係法令違反等や技能実習生の失踪といった問題が生じており、事態を重く受け止めております。
 そこで、昨年十一月に施行した技能実習法により設立した外国人技能実習機構の下、監理団体や受入れ企業等に対する実地検査や技能実習生に対する母国語相談対応、実習先変更支援の取組などを進めているほか、二国間取決めによる送り出し機関の適正化を図っているところです。さらに、今般新設する出入国在留管理庁の下で、在留管理を抜本的に強化してまいります。
 こうした取組を通じ、引き続き技能実習制度の適正化及び実習生の保護を図り、国際貢献としての同制度の活用を進めてまいります。
 特定技能二号の導入根拠についてお尋ねがありました。
 特定技能二号に関しては、本年六月に閣議決定されたいわゆる骨太の方針において、新たな在留資格による滞在中に一定の試験に合格するなどより高い専門性を有すると認められた者については、現行の専門的、技術的分野における在留資格への移行を認めることとされ、本法案において新たな在留資格として創設することとしたものであります。
 特定技能二号については、我が国として積極的に受け入れることとしている専門的、技術的分野の在留資格に必要とされる技能と同等又はそれ以上の技能が求められるものであり、高い専門性を備える限られた人材の受入れを行うものです。特定技能二号の在留資格を得るためには、その高い専門性から難度の高い試験に合格する必要がありますが、在留資格を得た方には我が国経済社会の活性化に貢献いただくことが期待されます。
 外国人との共生社会の実現のための地方公共団体に対する支援についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、外国人との共生社会の実現に向けた受入れ環境の整備に当たっては、外国人の生活の場となる地方公共団体との連携支援が重要であると認識しています。
 現在、地方公共団体の関係者の御意見も伺いながら、外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策の年内取りまとめに向けて作業を加速化させているところであり、具体的には、政府横断的な生活・就労ガイドブックの作成等により、日本の生活習慣に対する理解を促進すること、日本語教室の空白地域の解消に向けて地方公共団体による日本語教室の開設を支援することなど、政府としても地方公共団体との連携支援を図りつつ所要の施策を進めていくこととしております。
 これらの取組を通じて、外国人の方々を日本で働き、学び、生活する方として受け入れ、来る側も受け入れる側もお互いが尊重し合えるような共生社会の実現に万全を期してまいります。
 出入国在留管理庁に全ての管理をさせる構造で人員は足りるのかとのお尋ねがありました。
 今回の入管法改正では、在留管理体制を抜本的に強化するため、出入国在留管理庁を新たに設置することとしており、平成三十一年度概算要求において、法務省から、新たな外国人材の受入れに適切に対応するための三百十九人と、出入国審査業務の充実強化のための二百六十六人と、合わせて計五百八十五人の増員要求が行われているところです。
 今後増加が見込まれる在留外国人の在留管理については、受入れ機関や登録支援機関を始めとする外国人に関係する機関からの各種報告を効果的に活用するなど、的確な在留管理に努めることとしているところです。御指摘の民間の活用についても、新たな制度を運用していく中で検討してまいります。
 外国人のきめ細かい在留管理を実現するため、マイナンバーカードを活用することについてお尋ねがありました。
 在留カードには常時携帯義務があり、在留資格、在留期間、期限に加え、住居地等について最新の情報が記載される上、就労制限の有無や資格外活動許可を受けているときはその旨の記載がされるため、事業主等が在留カードを確認すれば当該外国人が就労可能であるか否かを容易に判断できるため、不法就労、不法滞在対策上において有効であると考えています。
 また、マイナンバーカードは、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定により、住民基本台帳に記載、記録されている者に対し、本人の申請により交付されるものであり、外国人である場合も同様に交付されるものであると承知しています。
 いずれにしても、きめ細かい在留管理の実現のため、今後、在留カード等の各種識別番号の活用について検討していく必要があると考えています。(拍手)
#78
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時二十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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