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2018/11/30 第197回国会 参議院 参議院会議録情報 第197回国会 本会議 第6号
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2018/11/30 第197回国会 参議院

参議院会議録情報 第197回国会 本会議 第6号

#1
第197回国会 本会議 第6号
平成三十年十一月三十日(金曜日)
   午前十時一分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第六号
  平成三十年十一月三十日
   午前十時開議
 第一 社会保障に関する日本国政府と中華人民
  共和国政府との間の協定の締結について承認
  を求めるの件(衆議院送付)
 第二 特定農林水産物等の名称の保護に関する
  法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
  議院送付)
 第三 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備
  に係る海域の利用の促進に関する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、漁業法等の一部を改正する等の法律案(趣
  旨説明)
 以下 議事日程のとおり
     ─────・─────
#3
○議長(伊達忠一君) これより会議を開きます。
 この際、日程に追加して、
 漁業法等の一部を改正する等の法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(伊達忠一君) 御異議ないと認めます。農林水産大臣吉川貴盛君。
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(吉川貴盛君) 漁業法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
 我が国の漁業は、国民に対して水産物を安定的に供給するとともに、水産業や漁村地域の発展に寄与するという極めて重要な役割を担っています。しかし、水産資源の減少によって生産量は長期的な減少傾向にあり、漁業者数も減少しているという厳しい課題を抱えています。
 こうした状況の変化に対応して、漁業生産力の発展を図る観点から、水産資源の持続的な利用を確保するとともに、水面の総合的な利用を図り、併せて漁業協同組合等の事業及び経営基盤の強化を図ることが必要であります。
 このため、水産資源の保存及び管理に関する制度を整備するとともに、漁業の許可及び免許等の漁業生産に関する基本的制度並びに漁業協同組合等に関する制度を一体的に見直すこととしたところであります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、漁業法の一部改正であります。
 まず、資源管理は漁獲可能量による管理を行うことを基本原則とし、資源評価が行われた水産資源について、一定の期間中に採捕をすることができる数量の最高限度を定め、これを船舶等ごとに割り当てるなど、水産資源の保存及び管理のための制度を整備することとしております。
 次に、大臣許可漁業について、許可の要件となる制限措置等に関する規定を整備するとともに、漁獲割当ての対象となる特定水産資源を採捕するものについては、一定の場合を除き、船舶の規模に関する制限措置を定めないものとすることとしております。
 さらに、漁業権制度について、海区漁場計画の作成の手続を定めるとともに、漁業権がその存続期間の満了により消滅した後に設定する漁業権について、漁業権の申請が重複したときは法定の優先順位に従って免許する仕組みに代えて、新たに、存続期間が満了する漁業権を有する者が漁場を適切かつ有効に活用している場合はその者に、それ以外の場合には地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者に免許することとしております。
 このほか、海区漁業調整委員会の委員の選出方法について、都道府県知事が議会の同意を得て任命する方法に改め、漁業者又は漁業従事者が委員の過半数を占めることとしております。また、密漁対策の強化として、財産上の不正な利益を得る目的による採捕が漁業の生産活動等に深刻な影響をもたらすおそれが大きい水産動植物の採捕を原則として禁止するなど、密漁者に対する罰則を強化することとしております。
 第二に、水産業協同組合法の一部改正であります。
 漁業協同組合の理事の一人以上を水産物の販売等に関し実践的な能力を有する者とすること、一定規模以上の信用事業を行う漁業協同組合等は会計監査人を置かなければならないこととするなど、その事業及び経営基盤の強化を図るための措置を講ずることとしております。
 第三に、水産資源保護法の一部改正など所要の改正を行うとともに、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律の廃止を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#6
○議長(伊達忠一君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。中泉松司君。
   〔中泉松司君登壇、拍手〕
#7
○中泉松司君 おはようございます。自由民主党の中泉松司です。
 私は、自民・公明を代表して、ただいま議題となりました漁業法等の一部を改正する等の法律案について、農林水産大臣に質問をいたします。
 質問に先立ち、昨日、ユネスコ世界文化遺産に、来訪神、仮面・仮装の神々として、沖縄宮古島のパーントゥ、秋田県男鹿のなまはげなど十の伝統文化が選定されました。関係各位の御尽力に心から敬意を表しますとともに、このことが日本の魅力を更に発信し、日本の発展につながるものを願うものであります。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 一九七二年からの十六年間、我が国の漁業生産高は連続して世界一でしたが、僅か三十年足らずのうちに生産高は著しく減退し、ピーク時のおよそ三分の一まで落ち込んでしまいました。しかし、我が国周辺には、暖流、寒流が複雑に混じり合い、多様な水産資源を生み出す世界有数の広大な漁場が広がっており、漁業の潜在的な力は依然として大きいものがあります。そして、漁業は、私たち日本人の健康や和の文化を担っています。私たちは伝統的に魚介類や海藻を取り入れた食生活を送っており、国民のたんぱく質の二割強は魚介類から摂取されています。世界無形文化遺産である和食も、我が国周辺の水産資源がなければ成り立ちません。
 今回の法案では、漁業法が制定された昭和二十四年以来七十年ぶりの抜本的な改正として、適切な資源管理と水産業の成長産業化を両立させるために、資源管理措置並びに漁業許可及び免許制度等の漁業生産に関する基本的制度を一体的に見直すこととしています。漁獲量を管理するという考え方には不安の声も聞かれますが、その必要性自体は皆理解でき、まさに我が国漁業の未来を守るための改革を行う重要な法案であると認識をしております。
 そこで、まず、法案をめぐる議論の前提として、我が国の漁業生産高が大きく減少した国内的、国際的な要因が何かについて具体的にお聞かせください。
 次に、今回の法改正の内容について伺います。
 今回の法案では、海洋生物資源の保存及び管理に関する法律、いわゆるTAC法を漁業法に統合し、新たな資源管理システムを構築することで海洋資源の維持、回復を図るとしています。
 私の地元、秋田県の県魚は、さかなへんに神と書いてハタハタ、秋田を代表する冬の味覚の一つですが、実は昭和の終わりから平成の初めにかけ、漁獲量の大幅な低下に苦しみました。秋田県の漁業者は、ハタハタの漁獲量回復のために平成四年九月から自主的に三年間の全面禁漁を行い、解禁後も漁業者の協力の下、県独自で漁獲可能量制の導入など厳しい管理を続けました。これにより漁獲量はV字回復し、このことからも、漁獲量を管理することの有効性は認められます。そして、この漁獲量回復の成功の裏には、県の経営安定化資金などの公的融資、不要漁網の買上げ補助を通じた漁民支援など、公的な支えがありました。
 現在、ハタハタ漁は残念ながら不調傾向に再びありますが、平成四年から三年間の自主的な全面禁漁の成功体験は、再び秋田の宝であるこの魚も漁民の生活も守る知恵を生み出すものと信じております。
 秋田県の経験から言えることは、今回のTACを基本とする資源管理システムやIQ方式の導入についても、公の支援なく、漁民の皆様が資源管理の強化に不安を持つようでは成功しないということです。現在、政府において、沿岸の小規模漁業者の状況などを十分に認識し、万全のセーフティーネット等を整備した上で、資源管理システムやIQ方式の導入を検討されていると思いますが、この点について政府の見解をお聞かせください。
 次に、漁業の生産性に関して質問いたします。
 一九八〇年代以降、我が国の漁業生産高が落ち込む一方、ノルウェーやアイスランドの生産性は向上しています。漁船一隻当たりで見ても、ノルウェーは日本の約二十倍となっています。
 しかも、その間、我が国では漁業就業者の減少と高齢化が進みました。戦後の復興期に就業した方々に依存したまま、世代交代が順調に行われない状態で現在に至ってしまったと言われています。漁業就業者の減少と高齢化が進行する中、人手不足も深刻で、漁船員の有効求人倍率は全国平均で二・五倍を超えています。このまま若年齢層も含めた漁業への新規参入者が低水準で推移していけば、漁業の健全な発展に影響を与えることになり、水産物の円滑な供給に支障を来しかねません。
 そこで、漁業の生産性向上だけではなく、若者に魅力ある漁業の実現を図るためには、漁船を更新する際に、大型化や高性能化と同時に、安全性や居住性の向上を併せて実施することが不可欠であると考えます。
 船舶の規模に係る規制を見直すと同時に、厳しい環境で漁業に取り組んでいる漁業者が船舶を前向きに更新できるように国として後押しすることが必要ではないかと思いますが、どのように対処されるのでしょうか。我が国漁業における高齢化などの状況と併せて、若者の漁業への参入促進策としてその対処方策をお聞かせください。
 次に、養殖や沿岸漁業の発展のための海面利用制度の見直しに関して伺います。
 本改正案では、沿岸漁業の海面利用制度の見直しとして、付与する対象が法律で順位付けされ、地元漁協に優先的に割り当てられてきた漁業権、すなわち一定の漁場で排他的に特定の漁業を営める権利について、漁場を有効活用している漁業者が継続利用できることを前提に、法律で定めた優先順位を廃止することにしております。これにより、成長が期待できる養殖業において企業の新規参入が可能となります。
 しかし、これまで我が国の漁業と漁村を守ってきた漁協は、経済的、生産的な役割のみならず、浜の環境や資源を守る役割も担ってきました。にもかかわらず、経済的効率性や生産性だけで、いきなり、水域を適切かつ有効に活用したと認められず、継続利用は優先されないと判断されてしまったとすれば、これまでの地元の努力は水泡に帰してしまいます。
 そこで、既存の漁業権者が漁場を適切かつ有効に活用していないとみなされる場合は、どのような要件で、かつどのような手順でなされるのでしょうか。既存の漁業権はないが、地域水産業の発展に寄与する力のある者に免許を与えるとしても、どのように既存の漁業権者との調整が図られるのでしょうか。具体的に説明いただきたいと思います。
 高齢化や後継者不足など直面する厳しい現状を打破するには、経営力や技術力を有する企業の参入が有効であることは確かです。しかし、地方では、外資系企業がブリ養殖から撤退したといった事例もあります。新たに漁業権を付与したとしても、経営的にもうからないと判断すれば、短期であっても撤退しかねないのが企業原理です。我が国の領土、領海にとって重要な役割を持つ島々の浜が外資系企業により買い占められることにより、島の無人化や資源の枯渇、さらには国境の弱体化などの問題が発生しないのかという不安もあります。
 そこで、企業の参入に当たっては、安易な判断をしないような者だけに新たに免許を付与するという地域の事情に通じた目利きが必要ではないかと考えます。企業の参入に当たってどのような基準や手順を考えているのか、お示しをいただきたいと思います。
 最後に、違法操業に関して伺います。
 今回の法案では、沿岸域のナマコやアワビなどの悪質な密漁への罰則が強化されることとなります。悪質な組織への資金の流れを止め、貴重な海洋資源と漁民の皆さんの生活を守る視点から、密漁撲滅は重要な課題です。同時に、日本の排他的経済水域、EEZ内にある漁場、大和堆周辺に北朝鮮等の漁船が侵入し、違法操業を繰り返す事態も深刻な問題です。
 水産行政をつかさどる農林水産大臣として、関係機関と連携し、国内での悪質な密漁はもちろんのこと、日本の排他的経済水域、EEZ内での違法操業にどう対処していくのか、この点をお伺いして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#8
○国務大臣(吉川貴盛君) 中泉議員の御質問にお答えします。
 漁業生産量の減少についてのお尋ねがありました。
 かつて世界一を誇った我が国の漁業生産量は、今やピーク時の半分以下に減少しております。
 漁業生産量の減少の要因として、まず、マイワシ資源の大幅な減少や遠洋漁業の縮小が挙げられます。このほかにも減少している水産資源がありますが、より適切に管理をしていれば、減少を防止、緩和できたものも多いと考えています。
 また、水産資源を活用する漁業者の減少、高齢化も、漁業生産量の減少の要因となっています。
 一方、外に目を向けると、国際的な水産物の需要の高まりにより我が国周辺水域で外国漁船による操業が活発化するなど、我が国の漁業者が水産資源を十全に活用できていない状況にあります。
 水産政策の改革により、こうした課題の解決を図り、漁業の生産力を高めていく考えであります。
 資源管理についてお尋ねがありました。
 資源管理の実施に際しては、沿岸漁業の実情に配慮すべきであることは当然と考えております。
 このため、TAC対象魚種の追加については、資源状況、漁獲の実態等を踏まえ、必要性が高いものから行うとともに、IQ方式の導入については、コスト面も含め漁獲量の把握体制等の準備が整った漁業種類、操業区域等から順次導入することとしております。
 また、これらの資源管理体制を実施するに当たりましては、沿岸漁業者の経営への影響を緩和するため、収入安定対策の活用も含め、最大限の配慮を行ってまいる所存です。
 若者に魅力ある漁業のための措置についてのお尋ねがありました。
 我が国の漁業者数は一貫して減少傾向にあり、平均年齢も約五十七歳と高齢化が進んでいます。
 こうした中で、新規就業者を育成、確保し、我が国漁業を持続的に発展させていくためには、漁業者の所得を向上させ、漁業を若者にとってやりがいのある魅力的な産業にしていくことが重要と考えています。
 このため、漁業者が経営判断に基づき、労働環境の改善や生産性の高い操業を行うことができるよう、漁獲量の相当部分にIQが導入された漁船については規模に関する制限を定めないこととするとともに、作業性、居住性、安全性の高い漁船の導入を支援してまいります。
 あわせて、経験のない就業希望者の長期研修や新規就業者への低利融資等の支援を引き続き講じていきます。
 漁業権の設定についてのお尋ねがありました。
 漁場を適正かつ有効に活用しているとは、漁場の環境に適合するように、資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況を考えております。
 具体的な判断は、都道府県知事が漁業権者からの漁場の利用状況等についての報告を受けて行うこととしています。例えば、他の漁業者の生産に支障を及ぼしたり、海洋環境の悪化を引き起こすようなときは、適切かつ有効とは認められず、海区漁業調整委員会の意見を聴いた上で、指導や勧告等の是正措置を講じることになります。
 また、新たな漁業権の設定については、周辺で操業する他の漁業に支障を及ぼすことのないよう、事前に地元の漁業者などの利害関係人の意見を聴いて海区漁場計画を作成するとともに、計画決定及び免許の段階で海区漁業調整委員会の意見を聴くこととしております。
 このような制度により、地元と協調した漁場の利用を図ってまいります。
 海面利用制度に関し、企業の参入についてのお尋ねがありました。
 企業の参入を含め、地域の水産業の発展に最も寄与する者に免許する場合には、例えば、漁業生産が増えて地域の漁業者の所得向上につながる、地元の雇用創出や就業者の増加につながるなど、地域の水産業の発展に寄与する度合いによって判断されることとなりますが、地域の実情や長期的な観点を踏まえ、判断が総合的に行われる必要があると考えております。
 こうした点を含め、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的な助言として考え方を示していくこととしています。
 密漁や違法操業への対策についてのお尋ねがありました。
 沿岸域での密漁対策については、今般の罰則の強化による密漁の抑止効果を最大限生かすためにも、関係者が密接に連携し、情報共有、合同取締り等の漁業取締りを強化するなど密漁対策を総動員し、推進してまいります。
 外国漁船による違法操業対策については、関係省庁との連携強化はもちろんのこと、水産庁の漁業取締り体制の強化を含め、しっかりと対応してまいります。(拍手)
    ─────────────
#9
○議長(伊達忠一君) 小川勝也君。
   〔小川勝也君登壇、拍手〕
#10
○小川勝也君 立憲民主党・民友会の小川勝也です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました漁業法等の改正案に対し質問をいたします。
 今回の漁業法の改正は、七十年ぶりの大改正と言われています。先人たちは、戦後の民主化の下、三年の歳月を掛けてこの漁業法を作ったと聞いています。なのに、なぜ、その理念を大きく変える改正案が短い会期の臨時国会に提出されたのでしょうか。漏れ聞くところでは、与党自民党の水産部会でも、なぜ臨時国会に提出するのか、なぜ焦るのかという質問が飛び交ったと聞いています。
 本日、本会議に登壇し、本会議質問をさせていただいていますが、今国会中の参議院農林水産委員会の定例日はあと二日しかありません。一足先に審議入りした入管法改正案と併せて、我が参議院はどうなってしまったんでしょうか。参議院は官邸の下請機関ではありません。
 今国会に漁業法の改正案がかかるかもしれないということで、私も閉会中、何人かの漁業者や漁業関係者の話を聞いてまいりました。北海道では、イカの不漁、アキサケの不漁や小型化、一部魚種の魚価安や浜値と小売値の格差など、漁業を取り巻く現状は大変厳しいという認識を持ってこの本会議に臨んでいます。
 議場の皆様も御案内のとおり、漁業者も減り、にぎわいのなくなった浜や寂れた漁村が増えているのは事実でしょう。浜や漁村に元気がないのは漁業法のせいでしょうか。私は、農山漁村から都市に人口が移動するのを止められない政府の政策と、少子化にストップが掛けられない政策の貧困が原因だと考えます。
 まず、政府にお伺いいたします。
 二〇一七年十五万人とされている漁業者の人口は、例えば二〇五〇年に何人にまで減少していると推定していますか。また、その間になくなる漁村集落は幾つになると推定していますか。改めて農林水産大臣の答弁をお伺いいたします。
 農山漁村に人々が住む重要性について、農林水産大臣からお答え願います。
 漁村や沿岸漁業の多面的機能については、既に常識になっているはずです。せっかくの機会ですので、私から指摘するのをやめて、農林水産大臣に答えていただくといたしましょう。今回の改正で、浜や漁業者から改正を望む声はあったのでしょうか。また、沿岸漁業や漁村集落にどのような良い影響があるのか、農林水産大臣にお伺いいたします。
 今回の法改正でも、農林水産委員会ではもう既に定番ですが、規制改革会議水産ワーキング・グループからの要望がスタートになっています。ワーキング・グループの議論から法案提出までの時間が余りにも短い。漁業者や漁業関係者にどこまで理解が広がっているのか伺います。まずは、水産政策審議会でどの程度議論したのかお答えください。
 地方説明会を開催したという報告も受けていますが、水産庁は一方的に説明するだけで、漁業者の意見を聞いて改革案に反映させる意図は全く見られず、説明会には漁協の幹部だけしか来ていませんし、法案の影響を最も受ける組合員、漁業者まで届いていないはずです。
 現に、北海道漁連と幾つかの漁協の方とお話をさせていただきましたが、組合長や専務さんは当然改正されることを理解しておられましたが、一般の組合員は臨時国会に本法案が提出されていることさえ知らない方がたくさんいました。漁業者への十分な説明がなかったことを農林水産大臣は率直にお認めになるでしょうか。
 今年度の水産の予算と来年度の概算要求の額を教えてください。今回は、漁連や各団体にはいろいろと説明しているようですが、出された数々の懸念に対する答えとして、予算の増額で説得したのも事実でしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 まず、法律案に入る前に一つお伺いいたします。
 多くの漁業者から、中国、韓国などの漁船との問題についていろいろと要望を受けています。国際的な漁業に関する協定や協約、あるいはルール違反など、様々な要望や相談が水産庁にも寄せられているはずです。
 我が国の漁船が安全に操業するため、それぞれどんな御努力をいただいているのか、農林水産大臣、外務大臣及び海上保安庁を所管する国土交通大臣にお伺いいたします。
 法改正について伺います。
 今改正は企業の参入を容易にするための改正ですか。現在でも企業が漁協に加入して様々な漁業に参画しています。現行法のままではなぜ駄目なのでしょうか。農林水産大臣に伺います。
 北海道の漁業関係者に企業の漁業への新規参入の可能性についてお伺いしたところ、新規に企業が参画するのに魅力的な魚種や漁法はないだろう、天候やあるいは資源の減少など様々な影響を受けるという答えでした。
 今回の法改正で企業が参入に意欲を示しているのは、ずばりマグロの養殖などの養殖漁業でしょうか。マグロは日本人にも諸外国の人々にも最も愛されている人気の魚ですが、ちなみに、養殖業は海面のあるいは海底の環境問題とも密接に関係しています。
 今回、沿岸の漁場管理について改正が行われますが、企業の養殖業の参入を前提とした改正でしょうか。また、漁業の基本は海をきれいに保つことであります。養殖業は漁場環境に負荷を掛ける場合がありますが、企業の撤退や場所の移動により、海を汚したままいなくなるという懸念はありませんか。農林水産大臣に伺います。
 次に、IQ制度について伺います。
 IQ制度は経営の視点からのもので、遠洋、沖合の大規模漁業に適用できたとしても、沿岸の小規模漁業への適用は過大な管理コストと漁業現場の混乱を招きかねないなどの懸念があります。また、我が国の領海内での操業に適用することへの懸念も聞いています。農林水産大臣のお考えを伺います。
 次に、政府が導入したいと考えているMSY、最大持続生産量について伺います。
 そもそも水産庁は、日本の資源管理は世界的に見てある程度評価されていると自負していました。そして、当然ですが、魚種も漁業者も限られている北欧の単純な資源管理の制度と、多種多様な魚種と地域性に富む日本の漁業の状況は余りにも差があり過ぎます。
 ですので、我が国のように多くの魚種の魚介類を多様な漁法で複層的かつ稠密に活用している漁業では、TAC、IQといった単純なものではなく、従来の資源管理方式を組み合わせて更に活用すべきと考えます。
 国際的に見て遜色のない、科学的、効果的な評価方法及び管理方法としてMSYを導入するとしていますが、有識者の多くは疑問を抱いていますし、まして、漁民にはなじみがなく、理解されにくいと考えます。参入した企業に都合よく魚を捕らせるために恣意的に利用されるとの懸念は払拭できません。
 農林水産大臣に伺います。MSYの導入は慎重であるべきと考えますが、いかがでしょうか。
 次に、優先順位の廃止について伺います。
 漁業法の肝である特定区画漁業権と優先順位の廃止は、沿岸漁業秩序の混乱をもたらしかねません。地域の漁業者が不利益を被ることは今後一切ないと断言できるのか、農林水産大臣、お答えください。
 また、新規の漁業権の免許の基準として、漁場を適切かつ有効に活用と認められる場合、地域の水産業の発展に最も寄与すると認められる者とありますが、都道府県知事の恣意的な裁量が働く可能性があると危惧されています。こんな裁量によってゆがめられる文言は漁業法にとってふさわしくないのではないか。農林水産大臣、お答えを願います。
 最後に、漁業法の最も大事な概念の民主化の文言がなくなり、一方で、大臣、都道府県知事の権限が大きくなる、後世に大きな禍根を残しかねない、大変心配の種が消えない改正案であるとの印象を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(吉川貴盛君) 小川議員の御質問にお答えいたします。
 将来の漁業者人口及び漁村集落数についてのお尋ねがありました。
 近年の年齢階層ごとの変化率や新規就業者数を前提として水産庁が行った試算においては、今後漁業就業者数は徐々に減少し、二〇五三年以降約七万人程度で収束する可能性があると予測されています。
 漁村集落数について、漁業センサスによれば、定義は異なるものの、一九九三年の調査結果では漁業集落数は六千五百八十五集落であり、直近の二〇一三年の調査結果では六千二百九十八集落となっています。同一の定義で調査された二〇〇三年の調査結果から二〇一三年の調査結果では、集落数にはほとんど変化はありません。
 このことから、漁業集落数の減少は漁業者数の減少ほど大きくないと考えておりますが、今後相応の減少が生じると見込まれます。
 漁村が有する多面的機能についてのお尋ねがありました。
 我が国の水産業は、周辺水域の豊かな漁場を活用し、国民に対して水産物を安定供給するとともに、漁村地域を維持発展させてきました。また、これらが相まって、国境監視も含めた多面的機能の発揮に貢献するなど、我が国にとって極めて重要な機能を有していると認識しています。
 この多面的機能が将来にわたって発揮されるよう、今回の法案において、国及び都道府県は、漁業、漁村が多面的機能を有していることに鑑み、漁業者等の活動が健全に行われ、漁村が活性化するよう十分に配慮することとしたところであります。
 今後も、漁業、漁村を支える人材の育成、確保、干潟の保全などの漁村における地域活動の促進等を通じて、漁業生産力の発展とともに漁村地域の維持発展を図り、多面的機能の発揮に努めてまいります。
 漁業法改正についての沿岸漁業者の声や影響についてのお尋ねがありました。
 我が国の沿岸漁業については、少量でも多種多様な水産物を水揚げするとともに、漁村地域の維持発展や国境監視も含めた多面的機能の発揮に貢献してきたと認識しております。
 しかしながら、地先で水揚げされる魚種の生産量も減少傾向にあり、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっているところもあり、今後どのように沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっています。
 こうした中で、現場の漁業者からは、今後も漁業を続けていきたい、国がしっかりと後押ししてほしいといった声をいただいてきました。今回の法改正は、こうした課題や声を踏まえて行うものであり、これにより、沿岸漁業、漁村の維持発展等につながるものと考えております。
 水産政策審議会や漁業者への説明についてのお尋ねがありました。
 今回の水産政策の改革の取りまとめに当たっては、例えば昨年十二月の改革の方向性を定めた際など、節目節目で水産政策審議会に説明し、意見をいただいたところです。このほかにも、改革の内容や改正法案の考え方等について漁協や漁業者等と意見交換を行い、本年六月から十月末までの間に全国各地で九十九回の説明会等を実施し、漁業者の全国団体から改正法案について理解をいただいているところです。
 もちろん、説明には十分過ぎるという言葉は当てはまるものではなく、一人でも多くの漁業者の方に御理解をいただけるよう、今後も引き続き丁寧な説明に努力してまいります。
 予算の額と漁業法改正との関係についてのお尋ねがありました。
 今年度の水産関係予算の額は千七百七十二億円、来年度の概算要求額は三千三億円となっております。来年度予算において要求した内容は、水産政策の改革の実行に必要なものであり、漁業者を説得するために予算を要求したとの御指摘は当たりません。
 我が国の漁船の安全操業についてお尋ねがありました。
 我が国周辺水域における外国人による違法操業については、我が国漁業者の安全操業の妨げにもなることから、海上保安庁とも連携して取締りをしっかりと実施しております。さらに、これら違反漁船の所属する国に対しても再発防止を強く申し入れております。
 農林水産省としては、引き続き、我が国漁船の安全操業の確保に最善を尽くしてまいります。
 今般の改正は企業参入を容易にするためのものかとのお尋ねがありました。
 現行制度については、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い者が申請してきた場合には、再度免許を受けられないため、経営の持続性、安定性を阻害しかねません。
 また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっているところもあり、今後どのように沿岸漁場の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっています。
 このため、本法律案においては、法律で詳細かつ全国一律に漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改め、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については優先して免許する仕組みとするとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 このように、今般の改正は、単に企業参入を念頭に置いたものではなく、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブとなるとともに、域外の企業との連携や新規参入も含めた多様な手法による地域の活性化を実現するためのものであると考えております。
 養殖業への企業の参入についてのお尋ねがありました。
 近年、大規模な設備投資等が必要となるクロマグロ養殖を中心として、地域と協調した企業の参入が進んできております。他方、養殖業は、漁場環境に負荷を掛ける場合があることは議員御指摘のとおりでございます。
 このため、本法律案においては、漁業権者の責務として漁場を適切かつ有効に活用するよう規定し、養殖業については漁場の環境に適合する生産に努めていただくようにしております。
 さらに、本法律案においては、都道府県知事が漁業権者から漁場の利用状況等についての報告を受け、仮に養殖業によって漁場環境の悪化等が生じるおそれがある場合には、指導及び勧告等を行うこととしております。
 このような制度により、御懸念のような事態が生じないよう適切に対処してまいります。
 なお、沿岸漁業管理制度については、企業の養殖業への参入いかんにかかわらず、漁業生産力を更に発展させるために水産動植物の生育環境の保全等の観点から創設したものであります。
 IQ制度の懸念についてお尋ねがありました。
 本法案では、準備が整った管理区分からIQを導入することとしており、我が国漁業の実態を踏まえつつ、まずは規模の大きな沖合漁業から順次導入していくことを想定しております。
 沿岸小規模漁業を営むそれ以外の漁業種類については、漁獲量の把握体制等の準備が整ったものから、漁業者の理解を得つつ、丁寧に進めてまいります。
 MSYの導入についてお尋ねがありました。
 資源の減少に伴い低迷している漁業生産量を、最適の水準、すなわちMSYに回復させようとするのが今回の改革の目的であり、より確実にこの実現を図るため、目標管理基準値等を導入することとしています。
 その趣旨は、漁業者に対し、いつまでどれだけ我慢すればどんな資源状況になるのか、それに伴い漁獲がどれだけ増大するかを明確に示し、その理解を得て資源管理を着実に実施していくということであり、この趣旨を漁業者に対し、しっかりと説明してまいります。
 また、MSYの設定については、その精度の向上により、信頼性を高める一方で、欧米における柔軟なMSYの設定の例も参考に我が国の水産資源の実情や漁業秩序に即した運用を行います。
 優先順位の廃止等が漁業者に不利益をもたらすのではないかとのお尋ねがありました。
 特定区画漁業権は、多数の漁業者により営まれる養殖業の種類を法定し、漁協を優先順位の第一としていましたが、養殖の実態が多様化しているため、その実態に応じて漁業者か漁業者の組織する漁協かのいずれかに免許できるよう制度を見直すものであります。
 今回の見直し後も、漁協が免許を受けて漁場を適切かつ有効に利用している場合には、漁業権の存続期間の満了後も、その漁協に優先して免許することとしております。
 また、新たな区画を設定する場合にも、都道府県知事は、事前に地元の漁業者や漁協等の意見を聴いて海区漁場計画を作成し、周辺で操業する他の漁業に支障を及ぼさないように漁業権を設定しなければならないこと、計画に基づいて免許する際にも、海区漁業調整委員会の意見を聴き、地域の実情に即して地域の水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 こうした制度が適切に運用されることにより、地域の漁業者が不利益を被ることがないように対応してまいりたいと考えています。
 漁業の免許における判断基準についてお尋ねがありました。
 免許の制度については、個々の事案ごとに地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりますが、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的な助言を定め、その考え方を示していく考え方であります。
 また、免許に際しては、事前に既存の漁業者等の利害関係人の意見を聴いて検討を加え、その結果を踏まえて海区漁場計画を作成しなければならないこと、この計画作成や計画に基づく免許についても、地元の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならないこととしております。
 このように、知事が恣意的に運用することができない仕組みとしており、その基準が裁量によってゆがめられることはないものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣河野太郎君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(河野太郎君) 我が国漁船の安全な操業の確保についてお尋ねがありました。
 外務省では、地域漁業管理機関や二国間協定等を通じた国際ルールの形成、運用により、海洋生物資源の適切な保存管理や漁業秩序の維持に努めるとともに、我が国排他的経済水域における他国の漁船による違法操業等に対しては外交ルートでの申入れなどを行っています。
 引き続き、我が国漁船の安全な操業の確保のため、関係省庁とも連携しながらしっかりと取り組んでまいります。(拍手)
   〔国務大臣石井啓一君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(石井啓一君) 小川勝也議員にお答えをいたします。
 我が国漁船の安全操業についてお尋ねがありました。
 海上保安庁におきましては、常時、航空機による哨戒などにより外国漁船の動静を監視し、必要に応じて巡視船の配備を強化をしているところであります。特に、日本海の大和堆周辺海域におきましては、外国漁船の違法な操業により日本漁船の安全が脅かされる状況が認められた際には、日本漁船を保護するため、直ちに巡視船を現場に向かわせるなど、適切に対応しているところであります。
 巡視船、航空機の増強など、海上保安体制の強化を進め、日本漁船の安全確保を最優先とし、関係省庁とも緊密に連携しつつ、これら外国漁船に対しまして厳正に対処してまいります。(拍手)
    ─────────────
#14
○議長(伊達忠一君) 徳永エリ君。
   〔徳永エリ君登壇、拍手〕
#15
○徳永エリ君 国民民主党・新緑風会の徳永エリです。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました漁業法等の一部を改正する等の法律案につきまして、吉川農林水産大臣に質問をさせていただきます。
 七十年もの間続いてきた浜のルール、漁業の現場に定着してきた秩序を大きく変えることを、漁民は誰一人として望む声など上げていません。しかも、幾ら来年選挙を控えているとはいえ、企業には配慮、漁民にはごまかしながら、短い臨時国会の会期の中で急いで成立させようとするやり方、全く納得がいきません。
 一九四九年に成立した戦後の漁業法は、海に出ない羽織漁師による地先の海の支配により、地元漁民が地元の資源を利用できず、利益が都市へ流出していったことの反省から作られた、浜と漁民の暮らしを支えた漁業の民主化を図る法律です。地元の海で働く漁業生産者に優先的に漁業権を行使させ、そのために地元の漁民が全員加入している漁業協同組合が地先漁業権の一括した受け手となり、漁協内の合意の下、漁場の円滑な利用を図るというものであり、安定した優れた仕組みであるがゆえに、七十年間大きな改正もされずに続いてきたのです。
 総理は所信表明演説の中で、漁獲量による資源管理を導入する、船のトン数規制をなくして大型化を可能とし、漁業の生産性を高める、漁業権の付与については、法律で優先順位を定めた現行制度を廃止し、養殖業への新規参入、規模拡大を促すとおっしゃいました。
 まず、船のトン数規制をなくすという点です。
 政府は、船内の生活環境を改善し、若い人たちが漁業に参入しやすくすると説明していますが、資源管理の観点から大変に問題です。これまで資源管理は、漁船の隻数や馬力数の制限等によって漁獲圧力を入口で規制するインプットコントロール、産卵期を禁漁にしたり網目の大きさを規制することで漁獲の効率性を制限し産卵親魚や小型魚を保護するテクニカルコントロール、TACの設定などにより漁獲量を制限し漁獲圧力を出口で規制するアウトプットコントロールのバランスの中で行われてきました。
 トン数規制をなくすことによって漁船の大型化が進み、インプットコントロールが縮小され、企業の資本力によって最新鋭の漁業機器や漁具を導入して漁獲効率を高め、沿岸漁業にこれまで以上の圧力を掛け、また、魚類資源を乱獲し、資源管理どころか資源の減少や漁場の荒廃につながりかねません。
 また、漁業権の付与は、法律で優先順位を定めた現行制度を廃止し、養殖業への新規参入や規模拡大を促すとしていますが、漁業権は地元の海で働いてきた漁業生産者に優先的に付与されるべきものであり、企業や新規参入者と同列に扱うべきものではありません。
 そこで、吉川大臣にお伺いいたします。
 なぜ漁業権付与の優先順位を定めた現行制度を廃止するのですか。そもそも現行法では、漁業や漁村の振興を図るために、地域漁民に優先して漁業権を付与してきました。そのことに何か問題があったのでしょうか。明確に優先順位をなくす理由を御説明ください。
 改正法案では、漁業権者は、都道府県知事が漁場を適切かつ有効に活用していないと判断すれば、漁業権のいわゆる更新を拒否できるとしています。何をもって適切と判断するのかが、これまでの審議の中で明らかになっておりません。大臣は、適切かつ有効に活用について、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的助言を定め、適切かつ有効の考え方を示していくと答弁されています。しかし、技術的助言とは法的拘束力のない参考文書であり、都道府県知事はそれに従う義務はありません。適切かつ有効に活用についての国の技術的助言では、知事が恣意的に判断し、権限を行使することを阻止できないのではないでしょうか。
 また、大臣がTACを設定し、これを受けて大臣と都道府県知事が船舶等ごとにIQを設定するとしています。しかし、どのような基準で設定、配分するのか全く分かりません。過去の漁獲実績等を考慮してあらかじめ基準を定め、設定するということですが、水産資源は捕れる年もあれば捕れない年もあります。過去の実績を考慮してとは具体的にどういうことですか。また、多種多様な資源を漁獲対象としている沿岸漁業の特性を踏まえて、十分な準備と体制ができるまではIQ設定を行わないことなど、沿岸の小規模漁業者への配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。
 また、配分された漁獲割当て割合は、農林水産大臣又は都道府県知事の認可を受けたときに限り移転をすることができる、つまり船舶等とともにリースや売買が可能です。また、IQ数量を年度内に限って融通することもできるので、この法案で導入されるのは、IQではなく、実際には譲渡可能個別割当て制度、ITQではないでしょうか。
 リース料や売買価格には国も都道府県も関与せず、不透明です。そもそも、大臣や知事から無料で配分された漁獲割当て割合を売買するということが国民に理解されるのでしょうか。さらに、小規模漁業者に配分された漁獲割当て割合がリースや売買によって特定の企業に集積され、その企業の漁獲割当て割合がどんどん増えていくということになるのではないでしょうか。結果、我が国の漁業構造が大きく変わり、小規模漁業者は事実上廃業に追い込まれる可能性は否定できないのではないですか。
 さらに、今回の改正では、漁業者が主体となって漁業調整を行っている海区漁業調整委員の漁民委員の公選制を廃止し、全員が都道府県知事に任命されることになります。現在は、選挙で選ばれた漁民委員が九人、学識経験者及び公益代表が六人、計十五人です。改正案では、委員の数を十人から二十人の範囲に変更できるとともに、漁民委員を従来の六割から過半数に引き下げることになります。知事の権限が強化され、漁業者の声は届きにくくなり、海区漁業調整委員会のこれまでの機能が十分に果たせなくなります。
 これまでは、漁場利用や漁業調整について、知事の決定に不満があっても、漁民委員が参加して決めたことだから従わなければならないと漁協も漁業者も納得してきましたが、漁業者の意向が反映される仕組みが縮小されることになれば、納得する根拠を失うことになり、浜の秩序が失われ、ルールは守らない、また、対立や分断が起きるのではないでしょうか。
 法案では、企業参入による養殖事業の活性化、輸出による成長産業化が大きな目的となっています。しかし、国民の食料や食文化、浜の暮らしを守るためにも、輸出よりも先にやることは、国内において減少している魚食の普及に努めるべきことなのではないでしょうか。
 ブリやマダイ、クロマグロなど主要な養殖品目は既に価格も下がっていて、企業の養殖事業参入が増え、生産力を更に拡大すれば、漁業者の経営に大きな影響を及ぼすおそれがあるのではないでしょうか。また、環境容量も限界に来ていて、毎年巨額の赤潮被害が出ています。養殖事業の拡大による環境への影響についてはどのようにお考えなのでしょうか。
 最後に、大臣は、漁協や沿岸漁業の役割についてどのようにお考えなのでしょうか。離島や半島も含め、どんなに小さな漁協であろうが、沿岸漁業者と共に、地域の経済と暮らしを支え、歴史と文化をつなぎ、国土を保全し、水産資源を管理し、海の安全を守ってきた、その役割は大変に重要です。今回の法改正後もその役割は果たしていけるのでしょうか。
 沿岸漁民の生活を守ること、持続性を確保すること、これをこれからの審議の中でしっかりと確認させていただかなければ、更なる企業参入を進めようとする法改正には賛成できないということを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴いただきまして、ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(吉川貴盛君) 徳永議員の御質問にお答えいたします。
 漁業権の優先順位の法定制についてのお尋ねがありました。
 現行法の優先順位制度については、羽織漁師とも言われた、自ら漁師、漁業を営まない者による漁場利用の固定化を防止する観点から導入されたものですが、こうした法制定当時の課題は既に解消されています。
 一方、現行制度は、法律で詳細かつ全国一律に免許の優先順位を定めているため、漁業権の存続期間満了時に優先順位のより高い別の者が申請してきた場合には、現に漁業を営んでいる者が再度免許を受けられないこととなり、経営の持続性、安定性を阻害しかねません。
 また、漁業者の減少、高齢化が進む中で、地域によっては漁場の利用の程度が低くなっているところもあり、今後どのように沿岸漁業の管理や活用を図って地域の維持、活性化につなげていくかが課題となっています。
 このため、本法律案においては、法律で一律に優先順位を定める仕組みを改め、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については優先して免許する仕組みとするとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 こうした改正は、現に地域の水産業を支えている漁業者の経営の発展に向けたインセンティブとなるとともに、地域の活性化につながるものと考えております。
 漁業の免許における適切かつ有効の判断基準とその運用についてお尋ねがありました。
 適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況と考えております。
 具体的には、個々の事案ごとに地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりますが、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的助言を定め、適切かつ有効の考え方を示していく考えです。
 なお、個別の漁業権の付与に当たっては、事前に既存の漁業者等の利害関係人の意見を聴いて検討を加え、その結果を踏まえて海区漁場計画を作成しなければならないこと、地元の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならないこととしており、知事が恣意的に運用できない仕組みとしております。
 小規模漁業者へのIQ導入の配慮についてのお尋ねがありました。
 IQの設定に関しては、あらかじめ漁獲割当て管理区分ごとに、船舶ごとの漁獲実績、その他農林水産大臣が定める事項を勘案した基準を定めることとしています。この基準の策定は、対象となる魚種や管理区分ごとの特性に十分配慮し、関係者の意見を聴きながら丁寧に進めてまいります。
 また、実際のIQの導入は、まずは規模の大きな沖合漁業から順次導入すること等を想定をしております。それ以外の漁業種類については、漁獲量の把握体制等の準備が整ったものから、漁業者の理解を得つつ、丁寧に進めてまいります。
 漁獲割当て割合の移転がITQではないかとのお尋ねがありました。
 本法案における漁獲割当て割合の移転は、船舶等とともに移転する場合等であって、農林水産大臣や都道府県知事の許可を受けたときに限ることとなっているため、IQそのものを単独で、自由に譲渡ができるITQには当たらないものと考えております。
 漁獲割当ての特定企業への集積についてお尋ねがありました。
 繰り返しとなりますが、本法案における漁獲割当て割合の移転は、船舶等とともに移転する場合等であって、農林水産大臣や都道府県知事の認可を受けたときに限ることとなっております。
 また、船舶の譲渡に際して必要となる漁業の許可の継承についても、農林水産大臣や都道府県知事の許可が必要となっており、不当な集中に至るおそれがある場合には、その許可をしてはならないこととなっております。
 沿岸漁業へのIQの導入に当たっては、小規模漁業者の経営安定にも十分配慮をしつつ進めてまいります。
 海区漁業調整委員の公選廃止についてのお尋ねがありました。
 今回の選出方法の見直しについては、海区漁業調整委員会が一層適切に漁業調整の役割を果たすことができるよう、漁業者を主体とする委員会の組織、機能を残しつつ、地域の実情に柔軟に対応できるよう、公選制から知事の選任制に移行するものです。
 また、知事の選任に当たっては、漁業種類や漁業区域等のバランスに配慮しなければならないこと、漁業者団体等による推薦、募集を行い、その情報を公表するとともに、その結果を尊重すること、都道府県議会の同意を得なければならないこととすることで、現場の意見の反映や手続の透明性を確保することとしているところでございます。
 魚食の普及についてのお尋ねがありました。
 地域や季節により多種多様な水産物を活用する我が国の魚食文化は、日本の食文化の重要な要素として、その普及、継承に努める必要があると認識しています。
 このため、水産基本計画では、魚食文化についての理解を促進すると明記し、その方針に沿って、魚食文化の普及、伝承に努めている方々をお魚かたりべとして任命したり、外食、学校給食等関係者に対する調理方法等の情報提供や、簡便な水産加工の開発支援を行うなど、魚食普及の推進に取り組んでいるところであります。
 今後とも、我が国の魚食文化の伝承、魚食普及の推進に取り組んでまいります。
 企業参入による、養殖業者の経営や漁場環境への影響についてのお尋ねがありました。
 魚類養殖業者の団体からは、新規漁場が免許された生産が無秩序に増大した場合、国内市場での供給が過剰になることにより価格が急落し、養殖経営に大きな影響を与えることを懸念しているとお聞きしています。
 こういった生産者の懸念を可能な限り取り除くため、国が定める総合戦略において、積極的に輸出向けの海外市場の開拓等を進めるとともに、国内外の需要に見合った秩序ある生産目標を設定し、官民一体となって目標達成に向けて取り組む所存です。
 また、持続的な養殖生産を確保するためには、良好な漁場環境を維持することが重要です。このため、養殖業においては持続的養殖生産確保法に基づく漁場改善の取組が広く行われているところであり、引き続きこの取組を推進していく所存でございます。
 漁協と沿岸漁業の役割についてのお尋ねがありました。
 沿岸漁業については、多種多様な水産物を国民に提供し、我が国の食文化や地域の活力維持に大きな役割を果たしているものと認識しています。
 漁協は、この沿岸漁業を支える組織であり、漁業権の管理等の公的な役割を果たすとともに、漁獲物の販売を始めとした組合員のための事業を実施しています。また、漁協は、漁業者の所得向上を図る浜の活力再生プランの推進に主体的に取り組むとともに、海難救助や国境監視等の多様な活動も行っています。
 今回の漁業法改正案は、こうした沿岸漁業や漁協の多様な役割が今後とも持続的に発揮され、水産資源の保全や地域の維持が図られていくよう、必要な環境の整備を図るものです。(拍手)
    ─────────────
#17
○議長(伊達忠一君) 紙智子君。
   〔紙智子君登壇、拍手〕
#18
○紙智子君 日本共産党の紙智子です。
 党を代表し、漁業法等改正案について質問します。
 総理が所信表明で述べたように、今回の漁業法改正案は七十年ぶりの大改定です。戦後の漁業制度を根本からひっくり返し、漁業、地域経済の形を変えるものにもかかわらず、政府・与党は僅か十時間半の審議で衆議院可決を押し切りました。野党が求めた地方公聴会も拒み、多くの漁業者はその内容をほとんど知らされないままです。
 この異常な国民無視の強権発動に対して、怒りを込めて抗議をします。参議院において、こうした横暴を許さず、徹底した審議を行うべきことを冒頭に厳しく求めるものです。
 まず、農林水産大臣にお聞きします。
 安倍政権は、世界で一番企業が活躍しやすい国にするとして、岩盤規制の打破を掲げて、農協法、種子法、森林経営管理法に続き、漁業の規制緩和を迫りました。
 規制改革推進会議水産ワーキング・グループは、二〇一七年九月に水産庁を呼び出し、漁業の成長産業化に障害になっている要素、規制は取り上げたいと圧力を掛けています。ところが、驚いたことに水産庁は、規制改革推進会議が答申を出す前の五月二十四日に、自ら白旗を上げて水産政策の改革案を出したのです。水産審議会で議論されたわけでもなく、漁業者置き去りです。改革案は一体どこで議論したんですか。明確な答弁を求めます。
 以下、法案について質問します。
 漁業法等改正案の第一の問題は、その目的を変えることです。
 現在の漁業制度は、地元に居住し、生活と労働を一体として、自ら海で働く生産者に優先して漁業権を与えています。
 なぜこうした制度をつくったのか。それは戦前の反省があります。
 漁業法を昭和二十四年に提案したときに、政府は、戦前は、個々の漁業権を中心に漁場の秩序が組み立てられているために、漁業生産力を上げる計画性を持ち得なかった、適当な調整機構を伴わず漁業権を物権としたことの弊害が生まれ、権利者に不当に強い力が与えられたことから、漁場の秩序が漁民の総意によって民主的に運営されなかった、漁業生産力の発展を阻害し、また漁村の封建的な基盤を成していたと説明しています。
 つまり、戦前は、羽織漁師といって、都会に住みながら、船に乗らず、出資者として利益を得る漁業者がいたのです。そこで、行き詰まった漁場関係を全面的に変えるために、漁業法の目的に、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用、漁業の民主化を規定したんです。
 改正案では、漁業者を主体とすることも民主化も削除しました。何が不都合だというのでしょうか。
 また、新たに国と都道府県に、漁場の使用に関する紛争を防止するために必要な措置を講ずると権限を与えました。漁民の総意に基づいて調整してきた浜の秩序に強権的に介入するのですか。
 第二の問題は、漁業権の優先順位を廃止することです。
 戦後の漁業制度は、漁業権を漁協に優先的に与えてきました。改正案は、優先順位を廃止し、漁場を適切かつ有効に活用しているという基準に変えるものです。政府が漁業の成長産業化と称して企業による養殖産業の新規参入を掲げている下で、適切かつ有効に活用すると知事が判断すれば、地元で営んできた漁業者のなりわいが維持される保証はないのではありませんか。ましてや、企業が漁業権を手に入れれば、長期的に漁業権を独占することができるのではありませんか。
 以上、農林水産大臣、お答えください。
 企業が新規参入すればうまくいくということは、既に破綻しています。東日本大震災を受けて、宮城県知事は水産特区を導入し、漁業権を初めて民間企業に与えました。
 水産会社の桃浦かき生産者合同会社は、県から漁業権の免許を受けましたが、その後どうなったでしょうか。桃浦湾産のカキを使用することで商標登録していながら、ほかの湾のカキを流用したり、赤字続きで、二〇一六年度最終で約四千万円の赤字になりました。それだけではありません。水産庁からは四千七百六十万円、厚生労働省からは二千七百五万円もの補助金が出ています。これだけ税金を投入しながら流用問題を起こし、赤字続きです。
 水産特区は破綻したのではありませんか。復興大臣、農林水産大臣、見解を求めます。
 第三の問題は、漁業調整委員の公選制を廃止することです。
 漁業調整委員会の公選制は、戦後の民主化の目玉です。魚種が多く、多様な漁業が営まれていることから、漁場の調整は複雑で難しく、その調整をまずは漁協に与え、漁協のボス支配などうまく機能しないときに漁業調整委員会が必要な指示をするという二段階の構えで民主化を図ってきました。今でも、漁業調整がうまく機能しない県では、漁業者の代表が選挙に立候補して当選し、漁業調整に尽力しています。
 公選制を廃止し、知事による任命制に変えれば、行政の下請機関になるのではありませんか。漁業者の被選挙権をなぜ奪うのですか。
 漁業者主体の目的を変え、漁業権の優先順位を廃止し、漁業調整委員会の公選制も廃止すれば、浜に混乱と対立が生まれるのではありませんか。
 第四の問題は、大型船のトン数規制を撤廃することです。
 遠洋・沖合漁業は、企業による漁船漁業が中心です。乱獲を防ぐために取られてきた漁船のトン数規制をなくし、大型化を進めれば、沖合漁業と接する沿岸漁業の資源が減少するのではありませんか。また、遠洋、沖合の大型船を誰が監視するのですか。
 資源管理、水産資源の管理は重要です。
 政府は、漁獲量配分による資源管理を導入すると言います。それ自体は必要ですが、今年導入された太平洋クロマグロへの漁獲規制は、情報公開も不十分なまま、沿岸漁業者の意見も聞かずに強行されました。北海道は、それによってクロマグロ漁の漁獲枠はゼロです。それも六年間も続きます。クロマグロ漁で生活している漁業者は深刻です。漁獲割当ての配分に沿岸漁業者の意見を反映する仕組みは本法案にはありません。これで割当てを強行すれば存続が不可能になる沿岸漁業者が生まれ、沿岸漁業と漁協の衰退を招くのではありませんか。資源にも最もダメージを与える、国が管理する大規模漁業の漁獲量の抑制から進めるべきではありませんか、答弁を求めます。
 最後に、家族農業、漁業について聞きます。
 国連は、来年からの十年を家族農業の十年と決議し、小規模家族農業、漁業への支援を各国に呼びかけました。また、国連食糧農業機関、FAOの責任ある漁業のための行動規範も、漁獲規制が必要な場合には資源の持続的利用のために、なりわい漁業や沿岸小規模漁業を維持するように求めています。この提起を受けて、日本政府は積極的に推進する立場ですか、お答えください。
 以上、農林水産大臣の答弁を求めます。
 漁業経営の九割を占める沿岸漁業は、藻場、干潟の保全、海洋ごみの撤去、海難、災害救助など、環境や国土を守る役割を果たしています。
 我が党は、浜に混乱と対立を持ち込む漁業法の大改悪を許さず、水産資源を守り、漁業を持続的に発展させるために、徹底審議で本法案を廃案に追い込む決意であることを表明して、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#19
○国務大臣(吉川貴盛君) 紙議員の御質問にお答えいたします。
 水産政策の改革案の議論についてのお尋ねがありました。
 水産改革については、現場で漁業を営む漁業者の理解を得ながら進めていくことが必要不可欠であります。
 今回の改革は、水産行政の実施に責任を有する農林水産省が、これまでの政策の実施を通じて漁業者からいただいた様々な意見を踏まえて主体的に検討したものであります。その際、節目節目で全国の説明会等において検討状況をお示ししながら、漁協や漁業者等と意見交換を行うとともに、水産政策審議会で議論をいただき、改革案を検討してきたところでございます。
 漁業法の目的の改正についてのお尋ねがありました。
 現行漁業法の制定当時、自ら漁業を営まない羽織漁師と言われた者による漁場利用の固定化といった漁業慣行の解消が大きな課題となっていたことから、漁業者を主体とする漁業調整委員会を創設し、目的規定にも、漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によって水面を総合的に利用し、漁業の民主化を図ることが定められたところです。
 一方、漁業法の制定から約七十年の間の運用によって、当時の課題となっていた慣行は解消され、当初の目的である民主的な漁場の利用形態の構築は既に実現されております。
 このため、現時点でなお漁業の民主化を法の目的とする必要はなく、漁業調整委員会制度が漁業法における基本的な仕組みとして既に定着していることも考慮し、目的規定の改正を行ったところであります。
 都道府県の責務の規定についてのお尋ねがありました。
 御指摘の規定は、漁業生産力の発展を図るため、国及び都道府県が、水産資源の保存及び管理を適切に行うとともに、漁場の使用に関する紛争の防止及び解決に取り組む責務を有することを確認的にそう規定したものです。国や都道府県に新たな権限を与えるものではありません。
 漁業権の優先順位の廃止についてのお尋ねがありました。
 本法案においては、法律で詳細かつ一律に漁業権免許の優先順位を定める仕組みを改め、漁場を適切かつ有効に利用している漁業者については優先して免許する仕組みとし、現に地域の漁業を支えている漁業者の経営安定につなげていくとともに、利用の程度が低くなっている漁場については、地域の実情に即して水産業の発展に寄与する者に免許することとしております。
 また、知事が免許する際は、地域の漁業者が主体となる海区漁業調整委員会の意見を聴くこととしており、知事が恣意的に使用できない仕組みとしています。
 さらに、免許を受けた後も、現行法と同様に漁業権の存続期間を法定するとともに、漁業権者が適切に漁業を行っていないと認められる場合には、知事が漁業権の取消しを含む是正措置を講ずることとしております。このように、一たび漁業権の免許を受けた者が、無条件に漁業権を長期的に独占することはできない仕組みとしております。
 水産特区の取組についてのお尋ねがありました。
 平成二十五年に適用された宮城県の特区については、本年三月、県において有識者による検証が行われたところです。
 この検証においては、復興推進計画の数値目標は達成していないが、新たな技術の導入による製品の差別化等の取組成果は確実に現れてきており、事業を継続することが重要であるとされています。
 農林水産省としても、被災後、漁村としての機能を失っていた可能性のある桃浦地区において、復興特区制度を契機として、企業と連携して漁業生産を回復させ、若い方々の雇用の場が創出されるなど、一定の成果が見られているものと認識しています。
 今後とも、宮城県の指導の下、桃浦地区の復興が進展することを期待をしていきたいと思います。
 海区漁業調整委員の公選制廃止についてのお尋ねがありました。
 今回の選出方法の見直しについては、海区漁業調整委員会が一層適切に漁業調整の役割を果たすことができるよう、漁業者を主体とする委員会の組織、機能をしっかりと残しつつ、地域の実情に柔軟に対応できるよう、公選制から知事の選任制に移行するものです。
 また、知事の選任に当たっては、漁業種類や漁業区域等のバランスに配慮しなければならないこと、漁業者団体等による推薦、募集を行い、その情報を公表するとともに、その結果を尊重すること、都道府県議会の同意を得なければならないこととすることで、現場の意見の反映や手続の透明性を確保しつつ、独立した行政委員会としての機能を維持することとしております。
 今回の改正により、浜に混乱が生じるのではないかとのお尋ねがありました。
 本法案における目的規定や漁業権、漁業調整委員会の見直しの趣旨については、これまでお答えしたとおりです。
 今回の法改正は、現在漁業に携わっている方が引き続き安心して漁業に取り組めるよう将来への展望を示し、地域の創意工夫を生かした浜の活性化につながるものであり、御指摘のような状況は生じないものと考えております。
 漁船の大型化についてのお尋ねがありました。
 漁船の大型化については、生産コストの削減や安全性、居住性、作業性を向上させるため、これを進めていくことは必要と考えております。
 大型化に当たっては、これまでも、適切な資源管理措置により資源への悪影響がないことを確認した上で進めてきているところです。
 本法案では、漁獲量の相当部分に漁獲割当てが導入された漁船についてはトン数規制等の規模の制限を定めないこととしていますが、操業期間や区域、体長制限などの措置を講じていくこととしています。
 また、漁獲成績報告書やTAC報告の提出を義務付けるとともに、衛星船位測定送信機の設置などにより操業状況を監視できるようにしていくことにしています。
 TACの設定に沿岸漁業者の意見を反映することについてお尋ねがありました。
 TACの設定につきましては、本法案の規定による水産政策審議会での諮問やパブリックコメントにより、沿岸漁業者の意見を反映できる仕組みとなっております。実際の運用に当たっては、これらの手続を丁寧に進めていきたいと考えています。
 なりわい漁業、沿岸小規模漁業に関する国際約束の見解についてのお尋ねがありました。
 議員御指摘の規定は、いずれも漁業者、とりわけ小規模漁業者への配慮の重要性を規定したものであると承知しています。我が国は、これらの国際的な枠組みに対し、いずれも合意した上で真摯に対応してきているところであります。
 今後とも、沿岸漁業を中心とする小規模漁業者の安定的な操業や経営安定が確保されるよう、資源管理を含め、水産政策全般にわたって配慮してまいります。(拍手)
   〔国務大臣渡辺博道君登壇、拍手〕
#20
○国務大臣(渡辺博道君) 東日本大震災復興特別区域法に基づく漁業法の特例についてお尋ねがありました。
 本制度は、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた地区において、地元漁業者のみでは事業再開が難しい場合に、迅速な事業再開を図るための特例を設けたものであります。
 この特例を活用した桃浦地区では、カキの生産は着実に増加し、地元漁業者の福利厚生も向上するなど、被災地の円滑かつ迅速な復興に寄与しており、本制度は破綻しているとの御指摘は当たらないものと考えております。(拍手)
    ─────────────
#21
○議長(伊達忠一君) 儀間光男君。
   〔儀間光男君登壇、拍手〕
#22
○儀間光男君 日本維新の会の儀間光男です。
 我が党を代表いたしまして、漁業法等の一部を改正する等の法律案について質問をいたします。
 漁業、養殖業において、生産量は昭和五十九年をピークに年々減少を続けており、現在はおおむね三分の一まで下がっております。四面、海に囲まれ、暖流と寒流が入り込む日本近海は豊かな漁場であり、漁業資源を適切に管理することで、より漁業の振興を図ることが可能であるはずであります。残念ながら、科学的な海洋資源管理の導入が遅れており、大きな改革が必要であると考えております。
 現在、漁業分野では高齢化がより顕著となっており、若い世代がなりわいとして漁業を選択したくなるような魅力的な職業にはなっていないのが現状であります。漁船に乗り組むといえば、狭い船内に長い間詰め込まれて我慢を強いられるイメージを抱くのが現実ですが、海外に目を向けると、漁業先進国であるノルウェーの漁船は大型化し、居住性も良く、若者から敬遠されない職場づくりとしての工夫がなされており、そのような改善が日本の漁業にも必要であると考えます。
 このような視点から質問をいたします。
 漁業を産業の一つの軸として更に発展させるためには、漁業についての就業構造を変え、若い就業者を増やしていく必要があります。一人当たりの生産量を上げることによって所得を増やし、きつく、稼げないという世間の偏見を取り除いて、就業環境の改善を図らなければなりません。食料の確保は世界共通の問題であり、漁業資源の大切さが増していくことは必定です。なりわいとして若い世代に受け入れられ、魅力にあふれ、やりがいのある産業につくり替えていかなければなりません。
 そこで、質問をいたします。
 政府が進めようとしている水産政策の改革において、新規就業者の育成及び確保に関する取組としてどのような施策を講じようとしているのでしょうか。また、どれくらいのペースで漁業従事者を増やしていこうとしているのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 新たな資源管理の方向性について伺います。
 我が国においては、国立研究開発法人水産研究・教育機構を中心に漁獲物の調査や調査船による漁獲調査も続けており、我が国独自の漁業資源データの蓄積がなされてきました。政府の水産改革において、これまでの資源調査の研究に加えて国際水準の資源管理を導入することとしており、有用資源全体をカバーすることを目指しております。また、調査船の拡充や情報収集体制の強化など、調査体制を抜本的に拡充するとともに、人工衛星情報の活用や漁業者による魚群探知情報を利用したビッグデータを利活用する取組も行うとしております。
 資源評価対象の魚種について、現在どれだけ種類があり、新しい取組としてはどこまで拡充するのでしょうか。そして、その拡充によって、日本近海の漁業資源は何%程度向上するのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 沖合漁業と沿岸漁業の関係について伺います。
 沖合漁業と沿岸漁業については、ある意味では競合関係にあります。沖合漁業における漁船の大型化による生産性の向上は好ましいものと考えますが、一方で、沿岸漁業の漁業者にとっては、自らの漁業が、漁場が脅かされるのではないか、沿岸漁業の漁獲量が減少するのではないかということが懸念されます。つまり、沖合漁業だけが大型化することは片落ちであり、沿岸漁業に対する生産性と収入の向上策も併せて図らなければならないことだと思います。
 そこで、質問をいたします。
 沖合漁業の漁船の大型化に関する規制の撤廃に対し、沿岸漁業者の納得は得られているのでしょうか。また、沿岸漁業者に対して、生産性向上のため、どのような措置をとるのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 漁業権を付与する際の優先順位の法定制を廃止する措置と新たな判断基準について伺います。
 これまで、漁業権付与の際の優先順位は法律で定められており、その地域、海域それぞれの特徴、特性が一切勘案されない状態が長い間続いてきました。このような規制が撤廃されることについては、規制緩和促進の観点から好ましいものとは考えております。
 その上で、新しい判断基準が果たして適切であるかどうかは重要なポイントとなります。本法案は、漁業権者がその存続期間の満了により消滅した後に設定する漁業権に関しては、漁場を適切かつ有効に活用していると認められる者による申請がある場合には、漁業権の免許を与えられるとしています。しかし、漁場を適正かつ有効に活用している漁業者とはかなり曖昧な表現であって、具体的にはどのような漁業者を指すかという基準が明らかとは言えません。例えば、生産量を優先させている漁業者と、将来の生産量を確保するために漁業資源の確保を優先して生産量を抑えている漁業者とは、どちらが漁場を適切かつ有効に活用しているというのでしょうか。
 解釈が曖昧なままで法制化すると、恣意的な判断要素が入り込みます。恣意的な判断が入る制度では、これまでの優先順位の法定制を廃止した意味合いが薄れてしまうのではないでしょうか。
 農林水産大臣に伺います。優先順位法定制を撤廃した後で設けられる新たな判断基準となる適切かつ有効とは、いかなる状態を指すのでしょうか。その基準を国が指し示すのでしょうか、お答え願います。
 海区漁業調査委員会の選出方法の見直しについて伺います。
 現行の制度では、海区漁業調整委員会の委員は公選委員と知事選任委員とによって構成されており、そのうちの公選委員は、公職選挙法に準じた選挙により、漁業者によって選任されております。本法案では、この公選制を廃止し、知事が議会の同意によって任命する任命制に改めるものとしております。これまで公選制と任命制の二本立てであった制度において、公選制を廃止して知事による任命制に変えることについては、一般的には民主的な制度から逆行するものと考えられます。
 農林水産大臣に伺います。海区漁業調整委員会の委員選出に当たり、公選制を廃止し、知事による任命制に変更する理由は何でしょうか、お答えください。
 最後となりますが、日本の排他的経済水域における国内の密漁の実態について、どのように把握していますか。そして、近年ますます増える傾向にある外国漁船による密漁対策としてはどのような措置をとるのでしょうか。農林水産大臣、お答えください。
 私ども日本維新の会は、漁業は将来に向け更に発展していく大きな産業の可能性を秘めている重要な産業の分野であるという認識をしており、科学的知見を結集して、先進的な産業とするために努力してまいることをお約束いたしまして、私からの質問とさせていただきます。
 御清聴、誠にもってありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕
#23
○国務大臣(吉川貴盛君) 儀間議員の御質問にお答えいたします。
 新規就業者の育成、確保についてお尋ねがありました。
 我が国の漁業者数は一貫して減少傾向にあり、平均年齢も約五十七歳と高齢化が進んでいます。
 こうした中で、新規就業者を育成、確保し、我が国漁業を持続的に発展させていくためには、今回の制度改正も含めて水産政策を総動員することにより、漁業者の所得を向上させ、漁業を若者にとってやりがいのある魅力的な産業にしていくことが重要と考えています。
 その上で、経験のない就業希望者の長期研修や新規就業者への低利融資等の支援を引き続き講じること等を通じ、毎年二千人以上の新規就業者を確保していくことを目標としています。
 資源評価の拡大と漁業資源の向上についてのお尋ねがありました。
 現在、我が国周辺の水産資源については、五十種八十四系群を対象に資源評価を行っています。これを今後は、原則として有用資源全体をカバーすることを目指し、当面の目標として、平成三十五年度までに二百種程度まで資源評価対象種とすることを目指してまいります。
 漁業資源の向上に関しましては、現時点で具体的な数値はお示しできませんが、今後、これらの魚種について資源評価を行う中で、どの程度の向上が期待できるのか示していけるものと考えております。
 漁船の大型化についてのお尋ねがありました。
 漁船の大型化については、生産コストの削減や安全性、居住性、作業性を向上させるため、これを進めていくことは必要と考えております。
 大型化に当たっては、これまでも、適切な資源管理措置を講ずることにより資源への悪影響がないことを確認し、関係する漁業者からも理解を得ながら進めてきているところです。
 今回の法案では、漁獲量の相当部分に漁獲割当てが導入された漁船についてはトン数規制等の規模の制限を定めないこととしていますが、漁業期間や区域、体長制限などの措置を講じていくなど、適切な資源管理の実施や紛争防止のため、関係漁業者と丁寧に調整しつつ、適切に進めてまいります。
 沿岸漁業の再生産についてのお尋ねがありました。
 多くの漁業者が少量で多種多様な水産物を漁獲する沿岸漁業の生産性については、地域の特性を踏まえた取組が必要となります。
 例えば、沿岸漁業の担い手等による水面の総合的な利用や漁船の更新等による効率化を図るとともに、水揚げした水産物の品質向上等により高付加価値化を図ることにより、収入の増加や生産コストの削減を図っていくことが考えられます。
 こうした漁業者の取組と併せて、流通機構の改善を進めることにより、漁業所得の更なる向上につなげていく必要があります。
 沿岸漁業は、水産物の安定供給だけでなく、漁村地域の維持発展や国境監視等、多面的機能の発揮にも寄与しています。沿岸漁業の生産性の向上をしっかりと後押しし、引き続きこうした機能が発揮されるようにしていきます。
 漁業の免許における適切かつ有効の判断基準についてお尋ねがありました。
 適切かつ有効に活用している場合とは、漁場の環境に適合するように資源管理や養殖生産を行い、将来にわたり持続的に漁業生産力を高めるように漁場を活用している状況と考えております。
 具体的には、個々の事案ごとに地域の漁業に精通する都道府県が実態に即して判断することとなりますが、都道府県によって判断の基準が大きく異なることがないようにする観点から、国が技術的助言を定め、適切かつ有効の考え方を示していく考え方です。
 海区漁業調整委員の公選制廃止についてのお尋ねがありました。
 漁業調整委員会が適切に漁業調整の役割を果たすためには、漁業者委員について地区や漁業種類のバランスを取る必要があります。他方、現行制度においては、投票実施率が低いこと、学識経験者として本来漁業者委員の対象となる漁業者を選任するケースがあることなどの問題があると考えています。
 このため、今般の改正の機会に、これらの問題を先送りすることなく、漁業者を主体とする漁業調整委員会の組織、機能を残しつつ、地区や漁業種類のバランスが取れるよう、公選制から知事の選任制に移行するものであります。
 密漁についてのお尋ねがありました。
 我が国沿岸域における漁業関係法令違反は、都道府県によれば、平成二十八年で一千五百三十一件で、近年増加傾向にあります。特に、単価の高いナマコ等について、悪質かつ組織的な密漁も発生していると承知しております。
 沿岸域での密漁については、今般の罰則強化による抑止効果を最大限生かすためにも、関係者が密接に連携し、取締りの強化を行うなど、総合的な密漁対策を推進してまいります。
 外国漁船による違法操業対策については、関係省庁との連携強化はもちろんのこと、水産庁の取締り船の建造など漁業取締り体制の強化を含め、しっかりと対応してまいります。(拍手)
#24
○議長(伊達忠一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ─────・─────
#25
○議長(伊達忠一君) 日程第一 社会保障に関する日本国政府と中華人民共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。外交防衛委員長渡邉美樹君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔渡邉美樹君登壇、拍手〕
#26
○渡邉美樹君 ただいま議題となりました日中社会保障協定につきまして、外交防衛委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 この協定は、我が国と中華人民共和国との間で、人的交流に伴って生ずる年金制度への二重加入の問題を解決するため、年金制度の適用の調整を行うこと等を定めるものであります。
 委員会におきましては、社会保障協定の締結方針と本協定の意義、本協定に保険加入期間の通算規定が設けられていない理由、協定が年金制度のみを対象としている理由等について質疑が行われましたが、詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終え、採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#27
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本件の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#28
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#29
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、本件は全会一致をもって承認することに決しました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#30
○議長(伊達忠一君) 日程第二 特定農林水産物等の名称の保護に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長堂故茂君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔堂故茂君登壇、拍手〕
#31
○堂故茂君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、日本国と欧州連合との経済連携協定の適確な実施を確保するため、特定農林水産物等に係る地理的表示の使用規制を強化する等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、地域ブランドを地理的表示制度で保護する意義、地理的表示について欧州連合と相互に保護することで得られる我が国農林水産物等の輸出における効果、地理的表示の登録及び活用に向けた産地への支援策等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対して附帯決議を行いました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#32
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#33
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#34
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
     ─────・─────
#35
○議長(伊達忠一君) 日程第三 海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。国土交通委員長羽田雄一郎君。
    ─────────────
   〔審査報告書及び議案は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
   〔羽田雄一郎君登壇、拍手〕
#36
○羽田雄一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、海洋再生可能エネルギー発電事業の長期的、安定的かつ効率的な実施の重要性に鑑み、海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用を促進するため、基本方針の策定、海洋再生可能エネルギー発電設備整備促進区域の指定、整備促進区域内の海域の占用等に係る計画の認定制度の創設等の措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、洋上風力発電等の現状と今後の見通し、整備促進区域の指定及び公募による事業者選定等の在り方、洋上風力発電の導入に向けた港湾に係る取組等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終局し、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、附帯決議が付されております。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
#37
○議長(伊達忠一君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕
#38
○議長(伊達忠一君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕
#39
○議長(伊達忠一君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十三  
  賛成           二百三十三  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
    ─────────────
   〔投票者氏名は本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#40
○議長(伊達忠一君) 本日はこれにて散会いたします。
   正午散会
ソース: 国立国会図書館
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