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2018/11/16 第197回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第197回国会 文部科学委員会 第3号
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2018/11/16 第197回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第197回国会 文部科学委員会 第3号

#1
第197回国会 文部科学委員会 第3号
平成三十年十一月十六日(金曜日)
    午前九時二分開議
 出席委員
   委員長 亀岡 偉民君
   理事 大見  正君 理事 神山 佐市君
   理事 馳   浩君 理事 村井 英樹君
   理事 義家 弘介君 理事 菊田真紀子君
   理事 城井  崇君 理事 鰐淵 洋子君
      池田 佳隆君    今枝宗一郎君
      上杉謙太郎君    小此木八郎君
      尾身 朝子君    大串 正樹君
      大塚  拓君    小寺 裕雄君
      小林 茂樹君    下村 博文君
      白須賀貴樹君    高木  啓君
      中村 裕之君    根本 幸典君
      福井  照君    船田  元君
      古田 圭一君    宮内 秀樹君
      宮川 典子君    宮路 拓馬君
      八木 哲也君    川内 博史君
      初鹿 明博君    堀越 啓仁君
      村上 史好君    吉良 州司君
      牧  義夫君    稲津  久君
      中野 洋昌君    中川 正春君
      畑野 君枝君    杉本 和巳君
      吉川  元君    笠  浩史君
    …………………………………
   文部科学大臣       柴山 昌彦君
   国務大臣
   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       櫻田 義孝君
   文部科学大臣政務官    中村 裕之君
   文部科学大臣政務官
   兼内閣府大臣政務官    白須賀貴樹君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  高橋 一郎君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  諸戸 修二君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  山本  仁君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房総括審議官)         瀧本  寛君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   平井 明成君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局長)          清水  明君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          永山 賀久君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私学部長)         白間竜一郎君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       松尾 泰樹君
   政府参考人
   (文部科学省研究振興局長)            磯谷 桂介君
   政府参考人
   (文部科学省研究開発局長)            佐伯 浩治君
   政府参考人
   (文部科学省国際統括官) 大山 真未君
   政府参考人
   (文化庁次長)      中岡  司君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局安全衛生部長)       椎葉 茂樹君
   政府参考人
   (国土交通省道路局次長) 榊  真一君
   文部科学委員会専門員   鈴木 宏幸君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十六日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     今枝宗一郎君
  宮路 拓馬君     小寺 裕雄君
  初鹿 明博君     堀越 啓仁君
同日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     池田 佳隆君
  小寺 裕雄君     宮路 拓馬君
  堀越 啓仁君     初鹿 明博君
    ―――――――――――――
十一月十六日
 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
 文部科学行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
#2
○亀岡委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官高橋一郎君、内閣審議官諸戸修二君、内閣審議官山本仁君、文部科学省大臣官房総括審議官瀧本寛君、大臣官房文教施設企画・防災部長平井明成君、総合教育政策局長清水明君、初等中等教育局長永山賀久君、高等教育局長義本博司君、高等教育局私学部長白間竜一郎君、科学技術・学術政策局長松尾泰樹君、研究振興局長磯谷桂介君、研究開発局長佐伯浩治君、国際統括官大山真未君、文化庁次長中岡司君、厚生労働省労働基準局安全衛生部長椎葉茂樹君及び国土交通省道路局次長榊真一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○亀岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
#4
○亀岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。神山佐市君。
#5
○神山委員 おはようございます。自由民主党の神山佐市でございます。
 本日は、質問の機会をいただきましたことに心より感謝申し上げる次第であります。
 また、柴山大臣におかれましては、大臣就任おめでとうございます。大臣とは隣の選挙区でありますので、さらにお祝いを衷心から申し上げる次第であります。
 本日は、科学技術に関する質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 柴山大臣は、先日の所信の挨拶の中で、我が国が将来にわたって成長と繁栄を遂げるためのかなめが科学技術イノベーションであるということでおっしゃられていたわけであります。またあわせて、科学技術イノベーションを担い、未来を切り開くのは人材であるともおっしゃっておられたわけであります。
 科学技術立国の基盤となる人材を育成していくには、私は何よりも教育が重要であると考えているわけであります。社会が急激に変わっていく中で我が国が引き続き科学技術で世界に冠たる地位を保持し続けるためには、教育の一層の充実は喫緊の課題であるというふうに考えているわけであります。
 今後、我が国の教育改革をどのように進めていくのか、大臣の御見解をお伺いいたします。よろしくお願いします。
#6
○柴山国務大臣 引き続き、神山議員には御指導をよろしくお願い申し上げます。
 技術革新が一層進展し、社会や生活を大きく変えていくソサエティー五・〇の到来など、予測困難な変化の激しい社会において、他者と協働し、人間ならではの感性や創造性を発揮しつつ、みずから問いを立ててその解決を目指し、新しい価値を創造する力を育成する、こうしたことが一層重要になります。
 このため、文部科学省といたしましては、そうした新しい時代に求められる資質能力の育成を目指す新学習指導要領の実施や、高大接続改革の推進、グローバル化に対応し、さまざまな人々と協働、交渉できる人材の育成、国費による海外留学支援制度や、官民協働のトビタテ!留学JAPANによる若者の留学支援、観察、実験活動を通じた児童生徒の理科への興味、関心の醸成や、先進的な理数系教育を行うスーパーサイエンスハイスクールの指定による将来の科学技術を牽引する人材の育成などに取り組んでおります。
 さらに、ソサエティー五・〇の到来に向けて、個人の学習履歴の活用など個別最適化された学びの実現、基盤的な学力や情報活用能力の習得、大学等における文理分断からの脱却といった三つの方向性を掲げ、予算を含め取組の促進を図っているところです。
 こういった政策の具体化を通じて、誰もがそれぞれの能力を最大限に伸ばし、創造性を発揮し活躍できるよう、未来への先行投資である教育改革にしっかりと取り組んでまいります。
#7
○神山委員 よろしくお願いします。
 去る十月一日、本庶佑京都大学特別教授のノーベル生理学・医学賞受賞という大変喜ばしいニュースが飛び込んできたわけでありますけれども、本庶先生のノーベル賞受賞は我が国の高い研究水準を世界に示すものであるというふうに考えているわけでありますけれども、先生の業績に心より敬意を表するとともに、同じ日本人として誇らしく思っているわけであります。
 本庶先生は、継続的に国からの研究費の支援を受け、研究を発展させ、今回のすばらしい成果につながったと承知しておるわけでありますけれども、このような質の高い基礎研究を、国としても更に強力に支援していくことが大切だというふうに考えているわけであります。
 新たな価値の創造やイノベーションにつながっていくと考えておりますけれども、本庶先生からも、受賞時の記者会見などにおいて、基礎研究に対しても支援が必要であると強く主張されているところでありますけれども、文部科学省として、基礎研究のさらなる振興に向けてどのように取り組んでいくのか、柴山大臣の御見解をお伺いいたします。
#8
○柴山国務大臣 先日、私も本庶特別教授の表敬を受けましたが、私も日本人として大変誇らしく思っているところでございます。
 今神山議員からお話がございましたとおり、本庶特別教授の御指摘のとおり、基礎研究は、社会のイノベーションの源泉となるシーズを生み出すとともに、新たな知的、文化的価値を創造することによって未来を切り開く役割を担う大変重要なものであると考えております。
 文部科学省ではこれまでも、基礎研究の振興を図るために、科研費を通じた継続的な支援、世界最高水準の成果を生み出すため、戦略的な基礎研究の推進、世界じゅうから第一線の研究者が集まる世界トップレベル研究拠点の形成などの取組を進めてきたところであります。
 私どもは、引き続きこれらの推進を図るとともに、研究力向上加速プランとして、若手研究者を中心に研究力強化の取組を進めることとしておりまして、これらを総合的に講じることによって、今後一層の基礎研究の振興に取り組んでいきたいと考えております。
#9
○神山委員 ありがとうございます。
 大学の研究費が非常に減額されているということも認識しているわけでありますけれども、その部分について、大臣から、またその研究費の確保をしていただくことをお願い申し上げる次第であります。
 一方で、我が国の論文数について、量、質ともに伸び悩んでいる状況にあり、日本の研究力が低下しているのではないかと言われております。科学技術白書によれば、我が国の論文数は減少傾向にあるとともに、論文の質の高さを示す指標の一つである被引用数の高い論文数についても国際順位が大きく低下している状況にあるようであります。質の高い論文を生み出すためには、日本の研究者のみならず、海外の研究者との二国間、多国間の国際共同研究を進めていくことが重要であるとの指摘もあるわけであります。
 我が国の研究力向上や科学技術の戦略的な国際発展を進めていく上でも、国際共同研究を着実に推進していくことが重要であると考えておりますけれども、文部科学省の見解をお伺いいたします。
#10
○松尾政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の国際展開、国際教育でございますけれども、世界の知を取り込み、我が国の国際競争力を維持強化するとともに、世界の研究ネットワークの主要な一角として国際社会における存在感を発揮するためには、先生御指摘のとおり、科学技術の戦略的な国際展開を図ることが重要だというふうに考えてございます。
 一方におきまして、研究力の現状といたしましては、国際流動性の低さなどが指摘されております。そして、諸外国と比較しまして、国際共著論文の数そしてまたトップ一〇%論文に関しまして、相対的に我が国の地位が低下傾向にあり、その強化が重要だというふうに私どもも強く認識しているところでございます。
 このため、文部科学省におきましては、国際頭脳循環への参画や研究ネットワーク構築を牽引すべく、例えば、戦略的国際共同研究プログラム、SICORPなどを通じまして、さまざまな取組を通じて、相手国との国際共同研究の共同公募さらには共同支援を強力に推進し、我が国の国際共同研究の抜本的な強化を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
#11
○神山委員 ありがとうございます。
 日本の論文数は全体的には多くなっているということのようでありますけれども、ほかの大学が論文数が更に多くなっているので日本の論文数の順位が下がったというふうなことのようでありますので、これからも論文がふえるように主導をしていただければというふうにお願い申し上げる次第であります。
 また、我が国のすぐれた研究成果を、産学官がしっかりと連携し、我が国発のイノベーション創出につなげていくことも、国際競争力の激しい現状において極めて重要なことと思います。
 現在の我が国の大学と産業界との共同研究は小規模の共同研究が中心であり、大学や国立研究開発法人への企業からの投資額もまだまだ小さいと聞いておるわけであります。大学や国立研究開発法人が研究開発を着実に推進していくために、運営費交付金等の基盤的経費の充実に加え、産学連携の強化により、民間資金の受入れを増加させることも重要であると思います。
 今後、我が国の産学連携を更に加速させていくためにも、国として具体的な方針を示し、産学官の連携を推し進めていくべきだと考えますが、文部科学省の見解をお伺いいたします。
#12
○松尾政府参考人 お答えいたします。
 御指摘のとおり、研究開発を進めるに当たりましては、国からの支援それから産業界からの支援といった財源の多様化が重要だというふうに認識してございます。
 その中でも、特に産学連携の現状でございますけれども、先生御指摘のとおり、大学等における民間企業からの研究資金等の受入額の規模でございますが、これは年々着実に拡大はしておりますが、大学等における一件当たりの共同研究費の規模は約二百万円というふうな小規模にとどまっている現状でございます。
 このため、文部科学省におきましては、大学等の本部機能の強化また費用負担の適正化など、産学官連携をめぐる課題に対します処方箋や考え方を取りまとめました、産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインというものを経済産業省と合同で作成し、そして産学官の関係者にこのガイドラインの実践を積極的に促しているところでございます。
 また、具体的な施策といたしましては、従来の研究者個人と企業の一組織による産学連携から、大学、企業のトップ同士が主導いたします組織対組織による産学連携の重点化を図るため、例えばCOIプログラム、センター・オブ・イノベーションプログラムによる大規模産学連携拠点の構築、また、民間企業とのマッチングファンド形式によります産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム、これはOPERAというふうに称しておりますが、そういった事業を推進してきているところでございます。
 さらにまた、今年度からは新規の事業といたしまして、大規模な大型の研究資金を呼び込み、集中的に研究開発のマネジメント体制を確立するためのオープンイノベーション機構の整備を、大学を対象に展開しているところでございます。
 今後とも、関係府省や産業界と緊密に連携しながら、大学等のシーズの実装、そして科学技術イノベーションの構築、さらには産業界からの研究資金の受入れ強化のためにも、さらなる産学連携の加速に全力で取り組んでまいりたいと思っております。
#13
○神山委員 産学の研究費を、更に大型に研究開発ができるように取り組んでいただければというふうにお願い申し上げる次第であります。
 次に、宇宙分野についてお伺いいたします。
 現在放送されているドラマの「下町ロケット」や、宇宙ステーション補給機「こうのとり」七号機に搭載された小型カプセルの回収成功、さらには日本版GPSである準天頂衛星システム「みちびき」のサービス開始などにより、国民に一層身近な存在となっているわけでありますけれども、我が国がこれらの宇宙開発を継続していくには、人工衛星を打ち上げる輸送手段を確保し続けることが極めて重要であると考えているわけであります。
 そこで御質問でありますけれども、現在のH2Aロケット、H2Bロケットに続く新型基幹ロケットH3の開発が進められ、現在本格化していると聞いておるわけでありますけれども、本ロケットは、多様な打ち上げニーズに対応した国際競争力のあるロケットであり、着実に開発を進める必要があると考えておりますけれども、文部科学省の御見解をお伺いいたします。
#14
○佐伯政府参考人 お答え申し上げます。
 文部科学省では、我が国の自律的なロケット打ち上げ能力を継続的に確保しますとともに、打ち上げサービスの国際競争力を強化することを目的といたしまして、運用コストの削減や多様な打ち上げニーズへの対応などを可能とするH3ロケットの開発を官民一体となって進めているところでございます。
 H3ロケットでは、低コストかつ高出力の新型第一段エンジンの開発などを通じまして、機体価格の大幅な低減と打ち上げ能力の向上を目指しております。
 さらに、多様な打ち上げニーズに対応できるさまざまな能力の機体のバリエーションを計画しておりまして、中型から大型まで幅広いサイズの衛星を効率的に打ち上げることが可能になると考えております。
 文部科学省といたしましては、二〇二〇年度の初号機打ち上げを目指しまして、引き続きH3ロケットの開発を着実に推進してまいる所存でございます。
#15
○神山委員 よろしくお願いいたします。
 九月にH2Bロケットで種子島宇宙センターから打ち上げられた宇宙ステーション補給機「こうのとり」七号機に搭載され、今週初めに南鳥島近海で回収に成功した小型カプセルは、国民に夢と希望を与え、小惑星探査機「はやぶさ」のカプセル技術を進化させたものと聞いているわけであります。
 その「はやぶさ」の後継機である「はやぶさ2」は、六月に小惑星リュウグウへ到着後、さまざまなミッションに挑戦していると聞いているわけであります。
 そこで質問いたします。
 小惑星探査機「はやぶさ2」は、九月には、世界で初めて搭載ローバーの着陸による探査、撮影に成功し、今後、タッチダウンによるサンプル採取を行う予定と聞いておりますけれども、宇宙科学に対する柴山大臣の御期待をお伺いいたします。
#16
○柴山国務大臣 今御紹介をいただいたとおり、小惑星探査機「はやぶさ2」は、九月二十日から二十二日にかけて、小惑星リュウグウへ探査ロボット、ミネルバ21を投下し、世界初となる探査活動に成功するとともに、十月三日には、ドイツとフランスが製作したマスコットという着陸機を投下して、小惑星表面の観測を行ったところです。
 JAXAでは、来年一月以降に予定されている「はやぶさ2」のリュウグウへのタッチダウン及びサンプル採取に向けて今リハーサルを行っているところでありまして、リュウグウの高度十二メートルまで接近するなど、順調に準備が進められております。リュウグウの表面は岩石だらけで、困難も予想されているところではあるんですけれども、これまでの経験も踏まえてサンプル採取が無事に成功するように期待をしております。
 宇宙科学は、太陽系や宇宙そのもの、そこに誕生した生命の成り立ちに関する多くの謎を解き明かすことを目指すものでありまして、我が国の存在感を高めるための研究が可能であると思います。「はやぶさ2」の探査活動を通して、子供たちが宇宙科学を始めとする科学技術への興味、関心が高まることも期待をし、世界最高水準の宇宙科学研究の推進に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
#17
○神山委員 ありがとうございます。
 次に、我が国では、理化学研究所の「京」コンピューターを用いて、地震防災や気象予測、創薬や物づくりなど幅広い分野で成果が生まれており、産業界の利用も広がっているということをお聞きしているわけであります。
 しかしながら、平成二十四年度に「京」の供用が開始されてから既に六年以上が経過しておるわけであります。我が国の科学技術の発展や産業競争力の強化のためには、こうした分野のさらなる発展に加え、ビッグデータやAIにも対応した新たなスーパーコンピューターが必要であると考えていかなければならないわけであります。我が国の防災・減災機能の強化や国民の健康増進にも資するスーパーコンピューターの開発推進に向け、文部科学省としてどのように取り組んでいくのか、御見解をお伺いいたします。
#18
○磯谷政府参考人 お答え申し上げます。
 スーパーコンピューターは、我が国の科学技術の発展、産業競争力の強化に資するため、イノベーションの創出や国民の安全、安心の確保につながる最先端の研究基盤として、極めて重要なものであると認識しております。
 御指摘をいただきましたスーパーコンピューター「京」におきましては、例えば、気象衛星「ひまわり」八号による十分ごとの観測データとシミュレーションを融合するデータ同化という技術によりまして、天気予報の革新が期待されるなど、予測技術の高度化や気候変動メカニズムの解明を通じまして、国民の安全、安心に資する効果が生まれております。
 また現在、「京」の後継機といたしまして、いわゆるポスト「京」の開発を進めております。このプロジェクトでは、二〇二一年から二〇二二年の運用開始を目標に、最大で「京」の百倍のアプリケーション実効性能を有し、世界最高水準の汎用性のあるスーパーコンピューターの実現を目指しております。
 ポスト「京」では、より高速、高精度なシミュレーションが可能となり、例えば、創薬標的分子のダイナミックな動きの制御を志向したより効果的な新薬開発、あるいは、複数の地震を想定した幅のある災害予測など合理的な防災計画の立案が可能となるなど、我が国が直面する科学的、社会的課題の解決が期待されております。
 また、ポスト「京」では、高性能なCPUや高いネットワーク通信性能によって大量のデータ処理が可能となり、ビッグデータやAIの分野にも対応できることになります。
 現在、総合科学技術・イノベーション会議におきましてポスト「京」の開発についての中間評価が実施されておりまして、この評価結果を踏まえて、来年度から製造段階へ移行することを目指しております。
 文部科学省としましては、引き続きポスト「京」の開発を着実に推進するとともに、ポスト「京」を用いて防災・減災機能の強化や国民の健康増進につながる成果の創出などに努めてまいります。
#19
○神山委員 今の「京」については、単純計算性能では十八位にランクが下がったということでもあるようでありますので、どうぞスーパーコンピューターの開発の予算をしっかり確保していただければというふうにお願い申し上げる次第であります。
 研究インフラの着実な整備について、もう一点お伺いいたします。
 我が国の幅広い科学技術分野の基礎研究やイノベーション創出、産学連携を支えるためには、それを支える先端的な研究開発基盤を整備し、広く供用していくことも重要であると考えております。
 現在、新たに官民と地域とのパートナーシップにより、物質の機能解明などのために重要な基盤である次世代放射光施設の検討が進められているとお聞きしておるわけでありますけれども、科学、学術のみならず、産業利用についても期待が高く、産学連携の中核拠点ともなり得る次世代放射光施設の進捗状況について、柴山大臣の意気込みについてお伺いいたします。
#20
○柴山国務大臣 今御紹介をいただいた放射光施設なんですけれども、物質の詳細な構造の解析あるいは機能の理解に重要な役割を果たしておりまして、諸外国でも、欧米や中国などが各国競って整備を進めております。
 我が国の代表的な施設であるSPring8は、主に物質の内部の構造の解析に適しているんですけれども、近年、物質の表面で起こる現象を詳細に解析するニーズが高まっておりまして、これに適した次世代の放射光施設の整備が求められております。
 このため、私ども文部科学省では、次世代放射光施設について、財源負担も含めて、官民地域パートナーシップにより進めることといたしまして、ことしの七月、一般財団法人光科学イノベーションセンターを代表機関とする民間主体のパートナーを選定したところであります。この施設は、宮城県仙台市の東北大学キャンパス内に整備する計画としておりまして、文部科学省としては、この具体化に向けて二〇一九年度概算要求にて四十六億円を要求したところであります。
 引き続き、我が国の科学技術の進展と国際競争力強化に貢献するこの次世代放射光施設の具体化を進めていきたいと考えております。
#21
○神山委員 放射光施設の建設にしっかり取り組めるように、大臣としてもお願いを申し上げる次第であります。
 日本の研究費、そして運営費交付金が減額されている中において、なかなか大学の研究者の確保ができない、要するに予算の確保ができない、そして、論文等々についても、なかなか日本の数が減少しているということでもあるわけでありますので、何としても、民間の部分の協力をしながら資金を得るということが文部科学省としても必要だというふうに認識しているわけでありますので、その辺について推進していただければというふうにお願い申し上げる次第であります。
 最後に、当委員会におきまして、研究開発強化法改正案及びいわゆるチケット高額転売禁止法を議員立法として成立させていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりにいたします。
 ありがとうございました。
#22
○亀岡委員長 次に、高木啓君。
#23
○高木(啓)委員 自由民主党東京比例代表の高木啓でございます。
 本日は、文部科学委員会での質疑の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私からは、先日の馳浩先生の質問に引き続きまして、オリンピック、パラリンピックについて、総論から各論まで含めて、きょうは質疑をさせていただきたいと思っております。
 前回、この文部科学委員会でオリンピック、パラリンピックの質問をしたのはちょうど六月の六日でございまして、開催まで七百七十九日前ということでありました。きょうは十一月十六日でありますので、きょうは六百十六日前ということになりまして、あれよあれよという間に、あっという間に百五十日ぐらい過ぎてしまいまして、準備期間が刻一刻となくなっていくというこの状況の中で、非常に、このオリンピック、パラリンピックの開催に向けて、まだまだ詰めて御議論をし、そして結果を出していかなければいけないことがたくさんありますので、きょうは、そんなことで櫻田担当大臣にもお越しをいただきまして、ぜひ議論を深めさせていただきたい、このように思っております。
 それで、最初に、総論的なお話になりますが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに対して、私は、開催都市は東京都であり、運営主体は組織委員会であるという役割分担はそのとおりだと思っているんですが、しかし、総括的にはやはり国の役割というものがこれからますます大きくなってくるのではないか、こう思っているわけであります。つまり、それは、開催都市や運営主体が一生懸命やればやるほど、ここはやはり国に力を入れてほしいというところが更に見えてくるのではないか、そんなことも実は考えるわけであります。
 そこで、国の役割として今後何に力を入れていかなければいけないのかということについて、大臣の御所見を伺いたいと思います。
#24
○櫻田国務大臣 お答えさせていただきます。
 政府としては、平成二十七年十一月に閣議決定したオリパラ基本方針に基づき、各府省庁の関連政策を一体として、オールジャパンで取組を推進していく必要があると考えております。
 東京大会につきましては、国は東京都及び組織委員会の取組をバックアップしていくことが重要であり、政府としては、円滑な輸送の実現、セキュリティーの万全と安心、安全の確保、大会期間中における暑さ対策、日本の文化の魅力発信、ホストタウン等による全国の機運醸成、ユニバーサルデザインの推進等による共生社会の実現など、着実に取組を進めているところであります。
 また、パラリンピックの成功なくして東京大会の成功はないと考えております。世界じゅうで観戦する人々に勇気を与え、自信を持って人生を切り開いていくことを後押しする大会を目指し、ユニバーサルデザインの町づくりと心のバリアフリーがレガシーとして残るよう、しっかりと進めていきたいと思っております。
 特に、復興オリンピック・パラリンピックは東京大会の最も重要なテーマの一つであります。震災からの復興を後押しするとともに、復興の姿を世界に向けて発信するための取組を進めてまいります。
 私自身も、東日本大震災の被災直後には、地元の千葉県柏から緊急支援物資をトラックに積んで福島県を訪問いたしました。その後も、柏市の地元の祭りで東北支援物産コーナーを設置し、福島の農家や企業を御支援させていただきました。私自身のさまざまな経験を生かし、東京大会の成功に全力を尽くしてまいる所存でございます。
#25
○高木(啓)委員 大臣の大変力強い答弁に勇気づけられたわけでありますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、個別の課題について一つずつ伺っていきたいんですが、まず、オリンピック、パラリンピックのレガシーについてということをお伺いしたいと思います。
 このレガシーのことについては前回の質問でちょっと時間が足りなくて質問ができなかったものですから、その引き続きということでお願いしたいと思うんですが、まず最初に、前回の一九六四年大会のレガシーというのは一体何だったのか。あるいはまた、私自身は、逆のレガシーという意味では負のレガシーというものもあったと思っているんですけれども、それは何だったのか、政府の見解を伺いたいと思います。
#26
○諸戸政府参考人 お答えを申し上げます。
 一九六四年大会は、敗戦から立ち上がりました日本の復興を世界に示すということとともに、日本人にとって自信を持つ契機となり、高度成長の弾みとなったところでございます。また、新幹線、首都高速道路、ごみのない美しい町並みなど、現在にも残る数々のレガシーが生み出されたと認識をしております。
 また、負のレガシーというお尋ねでございましたが、一九六四年大会につきましては、さまざまな立場、観点からの見方はあるところだと思いますけれども、政府としていわゆる負のレガシーと位置づけているものは特段ございません。
 以上でございます。
#27
○高木(啓)委員 新幹線や首都高速道路を始めとして、たくさんのレガシーを六四年大会というのは残していただいたと思います。今御披瀝があったほかにも、例えば、衛星放送が始まったのはこの一九六四年東京大会からでありますし、また、スポーツの裾野を広げるという意味では、子供たちのスポーツ団体でありますスポーツ少年団という組織ができたのも、まさにこの六四年大会をきっかけにしてということだったと思います。ですから、たくさんのレガシーを残していただいたと思います。
 しかしながら、今御答弁にありました、政府として、特段、負のレガシーというのは認識をしていないというお話がありましたが、私は、実は、それこそこの五十年間の間に本来は検証されなければいけなかったことだというふうに思うわけであります。そこを認識しないと、実は、二〇二〇年大会に向けての新たなレガシーでありますとか、あるいは、それを克服していこうというような動機にならないものですから、そこははっきりとやはり言っておかなければいけない、こう思っています。
 それは、一つは何かといいますと、例えば首都高速道路の日本橋に象徴されるように、当時は時間も財政的な余裕もなかったしということで、首都高速道路をつくるときに川の上に道路をつくっていった、そのことによって、やはり都市計画的にはかなり大きなマイナスがあったんではないかと思います。
 更に言うならば、首都高速道路六号線は、隅田川の隅田公園を削ってつくられておりますし、さらに、明治神宮の内苑と外苑を結ぶ内外苑連絡通路というのがあったんですが、これは、内苑と外苑は一体だという思想の中で、乗馬道がそこにあったわけですね。それを潰して実は首都高四号線がつくられているということでありまして、そういう意味では、本来的には、もっと時間やお金があれば、東京の都市景観を損なわずにできたことも、実は急ピッチでやったためにそういうこともあったということであります。
 私は、オリンピックというものを都市づくりという観点で見るとすると、やはり、平和な時代に大幅な都市改造をするというのは、こういうオリンピックのようないわゆるナショナルイベントでなければできないと思いますので、その意味では、五十年たって、二〇二〇年大会を迎えるに当たって、やはりその認識というものが欠けていたために、大きな都市改造としての、もっと東京をよくしよう、あるいは日本をよくしようという動機がちょっと薄かったんではないかなというふうに思うわけであります。
 ですから、そこはしっかりと、私は、ぜひ御認識をいただきたい、そして、この先に向けてもっともっとすばらしい町をつくっていく、そういう動機づけにしていただきたい、このように思っています。
 さて、二〇二〇年大会は、それではどんなレガシーが残るんでしょうか。政府としては、レガシーは何を残そうとしているのかということをぜひ教えていただきたいと思います。
#28
○諸戸政府参考人 お答えを申し上げます。
 二〇二〇年大会につきましては、一九六四年大会とは時代背景なり日本の置かれている立場も異なるわけでございますけれども、一九六四年大会のレガシーも含めまして、これまで築き上げてきたものを基礎といたした上で、成熟社会にふさわしい、次世代に誇れるレガシーをつくり出していきたいと考えているところでございます。
 具体的には、東日本大震災からの復興、日本の技術力や文化の魅力の発信、スポーツを通じた国際貢献、ユニバーサルデザインによる共生社会の実現などの観点から取組を進めまして、ハード、ソフト両面でレガシーをつくり出していきたいと考えております。
 以上でございます。
#29
○高木(啓)委員 私は、非常に危機感を感じているのは、オリンピック二〇二〇年は、レガシーとして残るのは施設だけなんではないかという気がしてならないんです。だからこそ、パラリンピックの方に国はもっと注力をして、パラのレガシーというのを積極的につくり上げる、そういう意気込みを持っていただきたいなと思います。
 例えば、今、ユニバーサル社会をという話がありました。このユニバーサル社会をつくるためには、国と東京都と組織委員会でつくっていただいた、例えば、アクセシビリティ・ガイドラインというものをつくっていただきましたけれども、こういうものは、しっかりとやはり町づくりのスタンダードにしていく、あるいは、心の持ちようの中でのスタンダードにしていくということにぜひ取り組んでいただきたいと思うわけであります。
 このアクセシビリティ・ガイドラインの中に、例えば、エレベーターの入り口の広さの基準ですとか、そういうものは細かく決められているんですが、このガイドラインには推奨基準というのと一般基準という二つがありまして、当然、これは推奨基準の方がいいわけでありますけれども、こちらの方が水準が高いわけでありますけれども、政府は、このアクセシビリティ・ガイドラインをつくったわけですから、例えば政府が独自につくる施設ですとか、あるいは建物ですとか、そういうものはやはり全部この推奨基準で、例えば、あしたにやれということではなくて、三十年とか二十年とかという大きな長いスパンの中で、全て、要するに政府については推奨基準で頑張りますよというような目標を掲げるとか、やはりそういうことがないとなかなか進まないんじゃないかと思っています。
 そのことについて、私は国としてはパラに注力をすべきだと思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
#30
○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 パラリンピックの成功なくして東京大会の成功はなく、パラリンピック大会、東京大会を契機としてバリアフリー化を進め、共生社会を実現していくことが極めて重要でございます。
 委員御指摘の、Tokyo二〇二〇アクセシビリティ・ガイドラインにつきましては、大会関連施設あるいはその周辺のアクセシビリティーを実現するために、大会組織委員会、東京都、そして国において、IPCの基準をもとに作成をしておるわけです。
 このアクセシビリティ・ガイドラインを踏まえまして、政府部内では、例えば、国土交通省において、バリアフリー設計のガイドラインである建築設計標準を改定いたしまして、説明会などを通じて、建築物におけるバリアフリー化を推進していると承知をしてございます。
 委員御指摘の、国が所有する公共建築物につきましては、多くの一般の方々が御利用されるといった特性から、バリアフリーの必要性は高いものと認識してございます。そうした公共建築物の設置管理者において、アクセシビリティ・ガイドラインや建築設計標準を参考とした整備を行っていただきたいと考えてございます。
 いずれにいたしましても、公共建築物を含め、町づくりのユニバーサルデザイン、そして、委員御指摘の心のバリアフリー、これらによってレガシーとしての共生社会を実現するための柱がこれらのものであると考えてございまして、内閣官房といたしましても、パラリンピックを契機とした共生社会の実現に向けまして全力を尽くしてまいりたいと考えてございます。
#31
○高木(啓)委員 御答弁は理解をするんですが、このアクセシビリティ・ガイドラインには、何度も言いますけれども、二種類ありまして、推奨基準と一般基準があります。ですから、推奨基準という基準をつくっているんですから、民間や地方自治体には推奨するけれども、国の施設は推奨基準でやりませんよというわけにはいかないわけですよ。
 ですから、まず隗より始めよですから、推奨基準をつくったということは、国はやはり推奨基準を目指して頑張っていただく、そのことを改めてお願いし、また、申し上げておきたいと思います。
 私は、レガシーは、結果的に何が残ったかというのは、歴史的には大事なことだと思いますけれども、今考えるべきことは、レガシーを残すためにどのような手を尽くしたか、どんな努力をしたか、そのことが今私はこの時点では問われていると思います。ですから、レガシーを残すために何をするのかということをしっかり考えていただきたい、このように思います。
 続いて、文化プログラムについてお伺いをさせていただきます。
 オリンピックは、文化なくしてオリンピックはないわけでありまして、オリンピック憲章とオリンピック・アジェンダ二〇二〇では、オリンピック開催に当たっての理念として、スポーツのみならず、教育を含めた文化オリンピアードの実施というものを義務づけているわけであります。
 ですから、文化の事業を抜いてスポーツ競技だけやればいい、こういうことにはならないわけでありまして、これはオリンピックの根本精神になっていると思います。
 かつては、オリンピックには芸術競技というのがあったぐらいでありまして、この芸術競技というのは、絵画とかあるいは彫刻とかそういうものを採点する競技があったわけでありまして、実は、クーベルタン男爵の基本的な考え方というのは、要するに、スポーツと文化と教育というものを融合させるということがクーベルタン男爵の基本的な考え方。クーベルタンはこう言ったんですね、ジ・オリンピックス・イズ・ザ・ウエディング・オブ・スポート・アンド・アート。つまり、スポーツとアートなんだ、こう言ったわけであります。
 日本の二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、文化については、特にロンドン・オリンピックを見本にしてというか、ロンドン・オリンピックを参考にしていろいろなことを積み上げてきたと思います。ロンドンの理念はまさにこのことでありまして、クーベルタンの精神に戻るんだということを訴え続けてきて、それを実際実現してきたわけであります。
 私が今回問いたいのは、オリンピックの準備といいますと、スポーツ施設をつくるとかあるいは機運醸成とかということに目が向きがちなんですが、この文化プログラムがちょっと最近弱いんではないかという気がしてならないわけでありまして、国としてオリンピックに向けての文化プログラムにどのように取り組んでいくのかということを、ぜひ見解を聞かせていただきたいと思います。
#32
○諸戸政府参考人 お答えを申し上げます。
 二〇二〇年東京大会は、委員ただいま御指摘ございましたとおり、スポーツだけではなく、文化の祭典でもございます。文化を通じて日本の魅力を発信する大きな機会だと考えているところでございます。
 大会まで二年を切り、東京都、組織委員会、関係省庁などにおいて具体的な検討が進められておりますが、これらの関係機関が一体感を持って文化プログラムに取り組んでいけるよう、連絡会議を開催するなど、情報共有や連携を進めているところでございます。
 国としては、日本博の実施に向けて、文化庁を中心に検討が進められております。また、内閣官房オリパラ事務局では、日本文化の魅力を発信し、国際交流や共生社会の構築など、レガシーの創出に資する事業をビヨンド二〇二〇プログラムとして認証し、多様な主体の参画を促しているところでございます。
 引き続き、先ほど申し上げました関係機関が密接に連携をして、文化プログラムの展開を図ってまいりたいと思います。
 以上でございます。
#33
○高木(啓)委員 日本博の話は非常にいい話だと思っておりまして、これは東京だけではなくて全国でぜひ展開をしていただきたいと思います。
 私は、国の文化プログラム、東京都ももちろん文化プログラムを実施しているんですが、国は国で、やはり東京都でできないことをぜひやってもらいたいと思いますし、先ほど申し上げた日本博を全国で展開していただきたいということも一つなんですが、やはり全国的なオリンピックにおける文化の機運というものを高めていかなければいけない、こう思っています。
 先ほど申し上げたロンドンでありますが、ロンドン・オリンピックの文化プログラムは大変成功したというふうに評価をされておりまして、一つに柱としてのシェークスピアというものがあって、全イギリスじゅうでシェークスピアの公演が多言語で行われたり、いろいろなことがあったわけでありますが、ロンドンは、その結果によって、まあそれだけではないですけれども、現在、森記念財団の世界都市ランキングにおいてはここ数年、ロンドン・オリンピック以来ずっと世界第一位の都市というふうに位置づけられていて、この文化事業というものが一つの推進力になったことは間違いないわけであります。
 日本のこの東京はどうかというと、例えばその世界都市ランキングでいえば、今第三位ということになっているんですが、実は、ことしの結果を見ると、第二位のニューヨークとの差は開いているんです。そして、第四位のパリとの差というのは縮まっているんです。つまり、東京の力というものが相対的に、この世界都市ランキングの中では、下からは追い上げられ上からは引き離されているというような状況になりつつある。
 ですから、この文化の部分というのは、前々から言われているように、やはりちょっと弱い部分がありますので、もっと積極的にぜひかかわっていただけないでしょうか。そして、国としても文化事業をぜひ推進していただきたい。
 そこで、全国で文化の祭典をやはり開催すべきだというふうに思いますが、御見解を伺いたいと思います。
#34
○諸戸政府参考人 お答えを申し上げます。
 議員御指摘のとおり、全国各地に文化プログラムを波及させ、大会の機運醸成を図っていくことが重要だと考えております。平成二十七年十一月に閣議決定をいたしましたオリパラ基本方針におきましても、多様な文化を通じて日本全国で大会に向けた機運を醸成し、地方創生や地域活性化につなげていくという方針が示されているところでございます。
 先ほどもお答えを申し上げましたが、日本博は、全国各地での実施が検討されております。また、ビヨンド二〇二〇プログラムにおきましても、地域性の豊かな文化に関する事業を認証しているところでございます。
 委員御案内だと思いますが、このほかにも、大会組織委員会の方でも地方公共団体との共催によるプログラムが検討されていると伺っているところでございます。
 引き続き、関係機関と連携をして、委員御指摘のとおり、大会を日本全体の祭典とすべく取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
#35
○高木(啓)委員 文化ですから、文化庁も含めて、とにかくあらゆる力を使って頑張っていただきたいとお願いしたいと思います。
 次に、ハードの課題について伺いたいと思うんですが、まず環状二号線でありますけれども、環状二号線は暫定開通ということにとどまっているわけでありまして、このことが実は輸送計画の見直しにつながっている。現在これはどのような進捗状況になっているのかということを教えていただきたいのが一つ。
 そしてもう一つは、築地市場の移転がおくれたことによって、跡地の輸送拠点と言われておりますがデポの整備についての進捗状況、そして、現時点でこの築地市場の跡地の、大型バスやあるいは普通車の駐車場に使うという部分の駐車可能台数というのはどのぐらいになったのか、このことをあわせて伺いたいと思います。
#36
○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。
 委員御指摘のとおり、環状二号線のトンネル部が大会までに開通しないということによりまして、二〇一二年当時の立候補ファイルでの想定から前提が変わったことから、組織委員会、東京都におきまして、輸送計画について必要な見直しを行っておると承知しております。
 具体的には、このたび環状二号線のうち豊洲から築地までの約二・八キロメートルの区間について暫定迂回道路が開通いたしましたが、組織委員会、東京都におきまして、二〇一九年度末に開通する地上部道路を大会時に活用すべく検討を進めているものと承知をいたしております。
 組織委員会、東京都におきましては、先般公表された競技スケジュールに基づいたシミュレーションをもとに具体的な運用の検討を進めてございまして、今年度末を目途に取りまとめる予定の輸送運営計画バージョンツーの作成に向けて、築地市場の跡地を活用した車両基地の整備を含め、具体的な検討を加速していくものと承知をしてございます。
 東京大会の成功のために輸送は極めて重要な課題であるため、国としてもしっかりと協力してまいりたいと思ってございます。
 委員御指摘の二点目、築地市場の移転がおくれたことによる跡地の輸送拠点整備の進捗ということでございますが、築地市場の跡地につきましては、既存施設を活用する箇所を除きまして、現在解体工事中でございます。このうち十五ヘクタールにつきましては、車両基地として利用する予定と聞いてございます。
 車両基地に何台程度の車両を駐車するかにつきましては、駐車場として利用可能な敷地面積でありますとか、あるいは委員御指摘の大型バスあるいは普通車両、大会輸送に必要な車両の構成を勘案しまして、組織委員会及び東京都で現在まさに検討を行っているところと承知をしてございます。
 組織委員会及び東京都におきましては、築地市場の跡地を最大限に活用するほか、他の複数の用地等も車両基地として活用し、大会輸送に万全を期すよう検討を急いでいるものと承知してございます。
#37
○高木(啓)委員 苦言を呈するようですが、この築地市場の駐車場の台数については、二月二十三日に私は予算委員会第四分科会で同じ質問をしております。そのときも鋭意検討中ということで、既に三百日以上たっていると思うんですけれども、今でも鋭意検討中と。これでいいんでしょうかということなんですよ。だから、本当に間に合うんですか、こういう気持ちになってしまうのは、そういうことであります。ですから、きちっと計画を早くつくってください。
 そして、それもこれも、環二が通らなかった、それは築地市場の移転がおくれたから。誰の責任なんだという話なんですよ、これは。誰の責任なんですか、築地市場がおくれたのは。
 ここは責任を追及する場じゃないので、そのことは別に言いませんけれども、結局のところ、このことが全部おくれおくれで来ているのは、東京都の責任であり、東京都の知事の責任なんですよ、これは。そのことはきちっと国の方も認識をした上で対策をとるということをぜひお願いしておきたいと思います。
 そして、東京外環道の話をいたしますが、東京外環道の練馬―東名間の開通の見通しというのは、私はかつて、これは、オリンピックには通過車両だけは間に合うという話を聞いたことがあります。ところが、今の時点ではこれはもう困難だということになっているようでありまして、これは大変残念であります。
 これは交通計画にも非常に重要な話なんですけれども、環二が通らないことと同時に、東京外環の練馬―東名間も見通しが立たなくなった。これはもう今言ってもしようがないので、それはもうしようがないでしょうとしか言いようがないけれども、これも実はおくれおくれで来ていることの一つだと私は思っています。
 さて、そのことはおいておいて、東京外環道の実は今の問題は何かというと、東名高速道路以南の話なんですね。東京外環は、東名以南はまだ計画もありませんし、線も引かれておりません。
 ですから、そろそろ、この練馬―東名間は工事に入るということはもう既に決まっているわけでありますから、東名以南の対策について国と関係自治体がしっかりと協議をして、早くこのことに、やはり東名以南のルートの選定に私は取り組むべきだと思いますが、見解をお伺いします。
#38
○榊政府参考人 お答えを申し上げます。
 東京外郭環状道路は、首都圏三環状道路の一つとして、都心に用事のない通過交通を迂回させ、首都圏の慢性的な渋滞解消に大きな効果を発揮する大変重要な道路であると認識をしております。
 御指摘をいただきました東名以南の区間の計画の具体化につきましては、平成二十八年より、国土交通省、東京都及び川崎市の三者から成る計画検討協議会を開催しております。ことしの五月に開催をいたしました第四回協議会の結果を受けまして、現在、有識者及び周辺自治体等を対象に、概略ルート、構造等について意見聴取を実施しているところです。引き続き、早期計画の具体化に向けて、関係機関と調整をしながら進めてまいります。
#39
○高木(啓)委員 時間がなくなりましたので、あとの質問についてはまた後日ということにさせていただきたいと思いますが、とにかく、セキュリティー、危機管理とか、それから暑さ対策、それとやはり復興五輪、そしてまた関係者との協議、そういうことについてまだまだやるべきことが山積をしていると思いますので、ぜひ早急に、そうした協議体をしっかり活用して、オリンピック、パラリンピックの成功に向けて進めていただきたいと思います。
 最後に大臣に一言いただきたいんですが、このオリンピック、パラリンピックを成功に導くために、もう一度決意表明をお願いできないでしょうか。
#40
○櫻田国務大臣 東京大会の開催まで既に二年を切り、来年には各種のテストイベントが開催されるなど、大会準備を具体的に実践しながら進めていく段階になっております。
 政府としては、平成二十七年十一月に閣議決定したオリパラ基本方針に基づき、各府省庁の関連施策を一体として確実に実行しております。大会の成功に向けて、今後、東京都、組織委員会、関係自治体等との連携を一層緊密にしていくことが大変重要であると思っております。
 そのため、東京都との連絡協議会に加え、東京都知事、組織委員会会長、オリパラ大臣、文部科学大臣、JOC会長、JPC会長を構成とする調整会議、総理大臣を本部長とするオリパラ推進本部の下に設置している分野別の連絡会議、競技会場のある自治体の知事や市長を構成員とする関係自治体等連絡協議会などの場を通じて関係者間の情報共有を図り、大会準備を円滑に進めてまいります。
 私自身、文部科学副大臣の在任中から東京大会の準備にかかわってきており、こうした経験も生かしながら、大会の成功はもちろんのこと、将来に受け継ぐレガシーを創出するために全力を尽くしてまいります。
#41
○高木(啓)委員 ありがとうございました。
#42
○亀岡委員長 次に、村上史好君。
#43
○村上(史)委員 皆さん、おはようございます。立憲民主党の村上史好でございます。
 きょうは、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
 また、柴山大臣におかれましては、御就任まことにおめでとうございます。
 柴山大臣とは内閣委員会で一緒に仕事をさせていただきました。委員長をされ、私は委員としてでございましたけれども、質問時間がオーバーしたときによく注意をされたのを覚えております。厳正なお人柄だな、また実直なお人柄だなと思いながら、もう少し融通が欲しいなという思いもございましたけれども、大臣になられまして、これからも真摯な御答弁をいただけるものだと期待をして、質問に入らせていただきたいと思います。
 単刀直入にお尋ねをしたいんですけれども、大臣就任時に、御発言でいろいろと質問がございました。教育勅語、それなりの思い入れをお持ちなんだな、私より思い入れが強いんだなという感想を持ったんですけれども、大臣にとって教育勅語というのはどういう存在なんでしょうか。
#44
○柴山国務大臣 あの記者会見のときの経緯をごらんいただくと、私から教育勅語について発言をしたのではなくて、記者の方から教育勅語についての政府見解について感想を求められたのに応じてお答えをした、まずそれを冒頭指摘をさせていただきたいと思います。
 その上で、教育勅語についてなんですけれども、言うまでもなく、日本国憲法及び教育基本法の制定などをもって法制上の効力を喪失しております。
 私の発言の趣旨は、あくまで、教育勅語そのものとは離れて、友人を大切にするなどの考えが現在の教育においても通用する内容もあるという認識を示したものです。
 政府として、道徳等も含め、教育現場で活用するための何らかの検討を行うということを念頭に置いたものでは全くありません。
 ただ、個人や団体の中には先ほどのような考えを教える動きもあると聞きますので、教育基本法の趣旨を踏まえながら、学習指導要領に沿って、学校現場の判断で行ってほしいという趣旨で申し上げました。
 なお、実は、きのうの参議院文教科学委員会において立憲民主党の神本議員が、昭和二十三年六月十九日の衆参本会議における教育勅語に係る排除失効決議の際の提案理由をぜひ読んでほしいということをおっしゃったので、私読ませていただきました。
 そうしたところ、その提案理由の説明において、松本議員が、従来の封建主義的、軍国主義的、超国家主義的な、そういった理念、精神から、個の尊厳を確認しますところの民主主義的な精神の切りかえ、改革といったようなものが、まだまだ十分にはなされていない、世界の水準にもなお達していないということは、遺憾ではありますが、事実と言わなければならないのでありますという形で趣旨の説明がある一方、同じその提案理由の中に、教育勅語の内容におきましては、部分的には真理性を認めるのであります、それを教育勅語の枠から切り離して考えるときには真理性を認めるものでありますけれども、勅語という枠の中にあります以上は、その勅語そのものが持つところの根本原理を、我々としては現在認めることができないという観点を持つものでありますということも述べられているんですよ。
 だから、そういうことを考えると、立憲民主党の神本先生の御指導をいただいて読ませていただきましたけれども、私と考えるところは一緒じゃないかなというように考えた次第でございます。
 以上です。
#45
○村上(史)委員 この問題はお聞きするだけにするつもりだったんですけれども、問題は、立場立場によって発言の重みが変わってくるという点で、大臣が発言されるのと一般議員が発言するのでは違いが出てくるだろうという点で、やはり慎重な発言をお願いしたいなということできょうは質問させていただきました。
 その大臣のお考えを踏まえて、道徳教育について何点かお尋ねしたいと思います。
 まず、大臣の道徳教育に対する考え方についてお尋ねをしたいと思います。
#46
○柴山国務大臣 道徳教育は、私は、教育の中において極めて重要な意味を持っているというように思います。
 今般、学習指導要領に基づいて行われることになりました特別の教科道徳においては、例えば善悪の判断ですとか規則の尊重などについて考え、議論をするということによって子供たちの道徳性を養うことを目標としており、文部科学省としては、引き続き、この道徳教育にしっかりと取り組む必要があると考えております。
#47
○村上(史)委員 道徳教育というのは子供の人間形成において大変重要なファクターであるということは十分承知をいたしております。
 ただ、議論はいたしませんけれども、道徳が教科化されて評価をしないといけないということは客観的に見てちょっと無理があるのではないか、子供に道徳性があるかないかという評価を下すということ自体はちょっと問題があるのではないかというふうに思っております。
 今後、この問題については改めて質疑をさせていただきたいと思いますが、私は、道徳教育というのは学校教育だけで終わる話ではないと思います。社会全体が子供たちの倫理観あるいは道徳観を育てていくという姿勢が問われると思います。やはり大人の社会がきっちりと模範を示していくという姿勢が必要ですし、社会の中で子供たちの倫理観、道徳観を育てていく、そういう視点が必要だと思いますが、大臣の御見解はいかがでしょうか。
#48
○柴山国務大臣 全く議員と同じ考えでございます。社会全体でしっかりと導いていく必要があると考えます。
#49
○村上(史)委員 そうですね。そういう意味においては、我々が今携わっている政治というのは社会全体に大きな影響を及ぼす存在だと思っております。
 もう死語になったかもしれませんけれども、かつて日本の福田赳夫元総理がよく使われた言葉で、政治は最高の道徳であるということをよく使われました。この言葉は、御承知のとおり、ギリシャの哲人であるアリストテレスのニコマコス倫理学の一説の中の、最高善は政治の目的であるというふうなことが語源となっているわけでありますけれども、昨今の政治を見たときに、最高善とは言いませんけれども、現実はどうなのかというふうに振り返って考えたときに、やはり問題があるんじゃないか。
 というのは、国会でうその答弁をする、現場の教育でいうならば、子供たちにうそをついてはだめですよというのが教育だと思うんですね。公文書の改ざんはある、データの捏造もまかり通っている。これは子供の現場でいえば、欠点をとったので数字を書きかえるようなもので、これもまた道徳的におかしい。
 ましてや、そういう一連のことがあっても責任をとらないという今のありよう。教育現場では、間違ったことをすれば謝りなさい、ごめんなさい、相手の目を見て謝るんだよというのが現場教師の指導だと思うわけです。そういう今の現状を踏まえて、子供たちの道徳教育に悪影響が及んでいるのではないか。
 政治だけではありません。社会全体が悪影響を及ぼしている、そういう認識を私たちが持つべきではないか、そのように思いますが、大臣の御見解をお伺いします。
#50
○柴山国務大臣 安倍内閣においては、人づくりを始めとした諸課題の解決に向けて、真摯に取り組んでいるところであります。
 安倍内閣の取り組む姿が子供たちにどのように伝わっているかはわかりかねますけれども、今御指摘になられたことは大変重く受けとめるべきことだと思っておりまして、私といたしましては、子供たちに、我々自身が社会の形成者として必要な道徳を示していけるようにしっかり取り組んでいきたいと考えます。
#51
○村上(史)委員 改めて申し上げますけれども、これは政府にとどまらず、我々みんな、政治にかかわる者はこの言葉を戒めとすべきだと思っております。そういう面で、教育行政、教育にかかわる、また教育に関心のある我々にとっては、やはり身を律するということをそれぞれが肝に銘じていかなければならないな、そのように思っております。
 引き続きまして、いじめの防止対策についてお伺いをしたいと思います。
 平成二十三年の十月に滋賀県の大津市でいじめによる中学生の自殺がございました。それを受けていじめ防止対策推進法が制定をされ、そして、いじめの定義が示され、また、その定義に沿っていじめの実態把握というものもなされてまいりました。そして、重大事案に対する対策というものも示されてまいりました。これは一歩も二歩も大きく前進したと私は評価をしたいと思っております。
 しかしながら、この法律ができても、対策ができても、今なお認知件数はふえ続けておりますし、重大事態もふえ続けているという現状を考えるならば、やはり大もとのところに大きなメスを入れなければいけないんじゃないか、そのように思います。
 今現在、学校教育の中でいじめの問題が多数発生しておりますけれども、そもそもの原因、いじめをする原因はさまざまあります。また、幾つかの要因が重なってそういうことも起こります。
 そういう状況であることはわかっておりますけれども、今の学校教育の中で何が欠けているのでこういう問題が起こってきているのか、それはやはり問われるべきだと思いますけれども、大臣の御認識はどうでしょうか。
#52
○柴山国務大臣 いじめはどの時代でも、またどの子供でも、どの学校でも起こり得るものだと思っておりまして、大事なのは、未然防止や早期発見に努め、エスカレートを防ぐ、速やかな組織的対応につなげて解消を図っていくということだと思っております。
 しかし、今は、学校内でいじめに係る情報が共有されていない、いじめについて組織的対応ができていない、いじめの正確な認知や事実確認がどの部署でもできていないといった実態があると認識をしておりまして、では、その根本原因というところにさかのぼって考えると、一つは、教職員の多忙化によって子供とじっくり向き合うことのできる体制整備や時間の確保がとれていないということが挙げられると考えます。ですから、外部人材の活用や校務の改善に資する取組の促進などを行って教職員の負担を軽減していくということも極めて重要だと考えております。
 いずれにいたしましても、今後、教職員が子供と向き合う時間を確保できる環境づくりに努めるとともに、それぞれの教育委員会等に対しまして、いじめ防止対策推進法に沿った適切な対応を促していきたいと考えております。
#53
○村上(史)委員 まさに、今大臣がおっしゃったことは、一つの大きな問題点だと思います。今、現場の教師には、いわゆる本来の業務である学習指導や生徒指導以外にさまざまな業務を負わされているという状況でございます。
 そういう中で、やはり大臣もおっしゃいましたように、その業務の負担を軽減する、そして子供たちと向き合う時間をふやす、そして子供のさまざまな信号をきちっと教師が感じ取る、そういうことができる余裕を現場に与えていく、これも対策の一つの大きな中心に据えるべきだというふうに思っております。
 そういう視点から、学校の働き方改革について質問をさせていただきたいと思います。
 御承知のとおり、この働き方改革、教職員のいわゆる長時間労働を是正するというのがもちろん大きな目的でございます。御承知のとおり、OECDの調査では、中学校教員の一週間の勤務時間が一番最長であるということも指摘をされておりますし、平成二十八年でしたか、文科省での勤務調査の結果においても、小学校の三割、中学校の六割が過労死ラインを超えているという調査結果も出ております。
 こういう状況の中で、やはり現場の負担を軽くする、それも、単に労働時間を短縮する、これはもちろんそうなんですけれども、視点も、いじめ対策の一つとしても、これを大きなテーマとして今後検討を進めていくべきではないかなというふうに思いますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#54
○柴山国務大臣 御指摘のとおり、OECDと比べても非常に負担が大きいと言われる私どもの教職員の負担軽減、そのためには、教師でなければできない業務以外の多くの仕事を教師が担っているという今の状況を抜本的に変えることが先決でありまして、学校や教師の業務の役割分担や適正化を着実に実行していくということが極めて重要だと思っております。
 と同時に、学校の指導、事務体制の効果的な強化充実も必要になるところでありまして、小学校の英語教育のための専科教員の定数改善、中学校における部活動指導員やスクールサポートスタッフの配置、こういったことの強化も進めてまいります。
 また、教師に加えて、多様な専門性を持つ職員の配置を進め、それぞれの専門性を生かして業務を連携、分担する、チームとしての学校の確立が重要でありまして、子供たちの相談に応じるスクールカウンセラーですとか、また教育と福祉をつないで子供を支えるスクールソーシャルワーカーといった方々の配置の取組を進めていきたいと考えます。
 さらに、教職の専門職としての教師にふさわしい勤務環境の確保に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
#55
○村上(史)委員 ありがとうございます。
 今大臣が言われましたさまざまな人的な配備、ケースワーカーあるいはソーシャルワーカーなどの点については、後ほど時間があれば予算のところでちょっとお話をさせていただきたいと思います。
 今大臣もお示しになりましたけれども、今の働き方改革、今、中教審の方で議論をされているかと聞いておりますが、いつごろ答申を出される予定になっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#56
○永山政府参考人 中教審におきましては、教員の働き方改革につきましては特別部会を設置いたしまして御議論をなさっておられます。中教審の委員が来年の二月まででございますので、そういったスケジュールを見越して議論が進むことというふうに考えてございます。
#57
○村上(史)委員 ありがとうございました。
 その特別部会の取りまとめの中間まとめでも示されております、教員の業務負担の軽減に向けた主な方針というのを出されております、十四項目にわたっておりますけれども。
 一点、その中でお願いをしておきたいなと思うんですが、基本的な学校以外の担うべき業務を軽減する、なくすということなんですけれども、特に、学校の徴収金の徴収、管理、これは公会計にぜひ移していただきたいと思います。
 現実には、学校の先生が例えば給食費が未納の家庭を訪問して徴収するというようなことも実際行われております。もちろん業務の負担という面もありますけれども、たまたまそこに子供が居合わせた場合、うちの家は給食費も払うてなかったんやと思えば傷つくことにもなるでしょうし、学校で給食も食べにくくなるというようなことにも、教育的配慮も必要だと思います。
 ここに掲げられている項目はほぼ実現をしていくという理解でよろしいんでしょうか。
#58
○柴山国務大臣 御指摘いただいたとおり、学校給食などの学校徴収金の徴収、管理業務については、教員の負担軽減の観点から、学校ではなくて、公会計の一環として地方公共団体が担っていくことが重要であると考えております。
 ことし二月に、私ども文部科学省は、各教育委員会に対しまして学校における働き方改革に関する通知を発出して、その中で、御指摘をいただいたとおり、学校徴収金の徴収、管理を、学校ではなく、教育委員会事務局や首長部局が担っていくよう促したところであります。
 本年度、調査研究の上、学校給食費の徴収、管理業務に関するガイドラインを作成することとしております。また、学校給食費以外の学校徴収金についても、先進的な地方公共団体と協力をいたしまして、公会計化に向けた好事例を提示してまいりたいと考えております。
#59
○村上(史)委員 ありがとうございます。
 ぜひ実行していただきたいなというふうに思います。
 それでは次に、夜間中学校についてお伺いをしたいと思います。
 平成の二十三年当時、私も当時文科委員会に所属をしておりまして、たまたま私の地元に夜間中学がありまして、それで、委員会で質問をさせていただきました。当時の法律では、昼間の中学のいわゆる夜間の学級だということで、その位置づけが曖昧でありましたので、法的にきちっと、教育を受ける機会均等、それを担う夜間中学校として法整備をすべきではないかという質問をいたしました。
 残念ながら、そのときは実現はできませんでしたけれども、平成二十八年に、我々の先輩議員でございます多くの超党派の議員の方々の尽力によって、教育機会確保法というものができました。改めて先輩議員に感謝を申し上げたい、そのように思います。
 そこで、夜間中学について、大臣、どのような見解をお持ちでしょうか。
#60
○柴山国務大臣 夜間中学については、今、議員が御指摘のとおり……(発言する者あり)
#61
○亀岡委員長 質問に答えてください。
#62
○柴山国務大臣 失礼いたしました。
 夜間中学に関しましては、今議員が御指摘のとおり、学びの場を実質的に提供するということで、極めて重要な取組であるというように考えております。
 ことし六月に閣議決定された第三期教育振興基本計画において、全ての都道府県に少なくとも一つの夜間中学等が設置されるよう促進することとされたところであります。
#63
○村上(史)委員 それで、今現在三十一校、私の地元である大阪では十一校ございます。
 ただ、これを全国展開していかなければならないんですが、これは自治体の思いというのも、対応も大変重要だと思います。文部科学省からのいろいろな御指示もいただかなければいけませんけれども、今後のいわゆる夜間中学校設置に向けての見通しについてお伺いをしたいと思います。
#64
○永山政府参考人 現在、夜間中学は、御指摘のとおり三十一校でございます。
 今後の見通しということでございますけれども、まず、千葉県の松戸市と埼玉県川口市の二市におきましては来年四月に夜間中学を開校する予定というふうに伺ってございます。私どもといたしましても新設準備に向けてさまざまな支援を行っていきたいと思いますし、また、昨年七月に文科省が調査を行いまして、夜間中学の新設準備について検討していると回答いたしました自治体は六県七十四市でございました。
#65
○村上(史)委員 ありがとうございました。
 ただ、地域を歩いておりますと、夜間中学校ってあるのという声をよく聞きます。夜間高校は皆さんよく御存じなんですけれども、夜間中学があるということを知らない方が多いと思います。
 そういう面で、自治体も含めて、夜間中学校というものがあって、そして、学齢期に学校に行けなかった人あるいは外国から来た子供たちも含めて、学ぶ機会があるんだよということをもっともっと告知していく必要があるのではないかな、そういうふうに思いますので、また文科省の方も、そういう趣旨から、もっと自治体に対するPRといいますか御指導をしていただければなというふうに思います。
 それでは最後に、教育予算について大臣にお伺いをしたいと思いますが、その前に、概算要求について何点かお尋ねをしたいと思います。
 概算要求ですから、まだこれからのことでございますので、言いにくい部分もあろうかとは思いますけれども、現段階での文科省の見解というものをお示しいただきたいと思います。
 まず、教員定数の改善ということで、平成三十一年度概算要求で、五十六億円プラスの二千六百十五人増となっております。
 これは、ふえるということで、一見いいように思うんですが、自然減と合わせて、最終的に、トータル、どのようなプラス、マイナスになるんでしょうか。
#66
○永山政府参考人 新学習指導要領の円滑な実施、あるいは先ほど御議論いただきました学校における働き方改革、こういったものを目指しまして、平成三十年度に引き続きまして、必要な教職員定数の改善を今要求しているところでございます。
 具体的には、御指摘のとおり二千六百十五人の加配定数増、この中には英語の専科教員の千人という数も含まれております。それ以外に、昨年三月、義務標準法の改正によりまして、通級指導等のための加配定数の一部を、対象となる児童生徒数に応じて算定される基礎定数というふうに入れまして、そういったものに係る改善分が二百四十六名でございます。トータルといたしまして二千八百六十一名の定数改善を要求しております。
 一方で、御指摘のとおり少子化等も進んでおりまして、平成三十一年度におきましては約九万人の児童生徒数の減少を見込んでおる。それに伴いまして、教職員定数は二千八百七十二人、これはいわゆる自然減ということになりますけれども、それらとの差引きをいたしまして、三十一年度概算要求におきましては、教職員定数は十一人の減となるものと見込んで概算要求いたしているところでございます。
#67
○村上(史)委員 そうですね。マイナス十一となります。その原因として、少子化による問題が大きいとも言われておりますけれども、ただ、少子化によって逆に教育が充実するような形をやはりとるべきだと思うんです。あわせて定数を減らすというのは財務省の発想だと思うんですけれども、これはやっぱりきちっと、それではだめだというところを明確にして予算をぜひ実現していただきたいなというふうに思います。
 あわせて、小学校において外国語教育がなされますけれども、その専科指導教員として千人を計上されておられます。年々千人、千人、そしてプラス二千人という形で四千人体制で計画をされておられますけれども、現実に小学校は全国で二万校あり、四千人ではとても対応できないんじゃないか。その見通しについてどのようにお考えでしょうか。
#68
○永山政府参考人 小学校の英語の専科教員でございますけれども、御指摘のとおり、二〇二〇年度までの三年間、これは小学校学習指導要領の実施に合わせてということですけれども、その三年間で四千人の配置ということを考えてございます。その上で、本年度予算については、移行期間中であるということを勘案しまして、その四分の一の千人の改善を計上しておりまして、三十一年度要求におきましても同様に千人の定数改善を要求しているところでございます。
 一方で、小学校は御指摘のとおり二万弱ございますので、どういうふうに配置をしていくかということになりますけれども、小学校の英語につきましては、小学校三年生、四年生が一こま、それから五年生、六年生が二こまプラスになるわけですけれども、そういったことも勘案して、全体の一週当たりの受持ちのこま数とかも勘案して、多くの市町村、都道府県では、判断として、一人の先生が複数の学校を持つ、あるいは定員の配置の中で、例えば非常勤の講師の方を採用して、そういった方々が複数の学校を指導する、そういったさまざまな形態を、実情に合わせて配置をされているところだというふうに承知をいたしております。
#69
○村上(史)委員 各学校をローテーションで回って何とかこなしていこうということはよくわかるんですけれども、教育を徹底して教育目的を実現していくためにはやはりきちっとした人員配置というものが必要だと思いますので、これからも、事あるごとに、こういう人的配置について我々も応援していきたいなというふうに思うところでございます。
 また、中学校の部活動指導員の配置でも、四千五百人が計上されております。各学校に三名程度は必要と考えられておりますけれども、全国には中学校が約一万校ございます。計画では一万人の体制ということになっておりますけれども、まだまだ不十分だと思います。この点も今後どのように整備していくお考えか、お尋ねします。
#70
○永山政府参考人 中学校におきます部活動指導員でございますけれども、本年度の要求は大幅に拡充ということで、四千五百人を一万二千人ということですが、今後の話といたしまして、二〇二一年度までに、中学校全校、約一万校ですけれども、各校三人ということで、トータル三万人を見込んでございます。平成三十一年度は、その二年目として、全体の四分の一である二千五百校に配置を拡充して、都合四千校、一万二千人を措置することを意図しての要求でございます。
#71
○村上(史)委員 ありがとうございました。
 それでは最後に、教育予算全般に対する問題について大臣にお尋ねをしたいと思います。
 御承知のとおり、日本の教育予算、特に公的教育への支出、これは残念ながら、OECDの加盟国では最低になっております。GDP比で二・九%でございます。ちなみに、トップのノルウェーでは六・三%、OECD加盟国の平均でも四・二%あります。平均よりも低い状況になっております。公的教育予算が少ないということになれば、足らずの部分は結局家庭に負担がかかっていくおそれもございます。
 教育立国日本というけれども、子供は社会の宝だといいますけれども、現実にそれが予算に反映されていないんじゃないか。それは、大臣御自身もじくじたる思いかもしれません。もちろん、文科省だけで決められることではないかもしれないけれども、我々も、この予算の公的支出が少ないという点はやはり改善していかなければいけないと思っております。
 先ほど、少子化だから定数も定員も減らすという発想に今、これからもなりつつあります。
 私ごとですけれども、大阪の市会議員をしておるときに、徹底した行政改革で、人を切ることばかり考えておりました。その結果、削減もできましたけれども、削減はしたはいいけれども、その後、いろいろなしわ寄せが行政に及んでしまったという反省点もございます。
 そういう面において、やはり教育予算の中で人への投資というのは、将来の日本を担う子供たちを育てるというだけではなくて、やはり必要なところには必要な人員を設けていく、つくっていく、ふやしていく。一見余剰のように思えても、それは結果的に教育目的を達成するならば、そういうことをやるべきではないかというふうに思います。
 そういう点で、今後、教育予算についてふやしていこう、もっと人への投資をふやしていこう、そういう観点から、大臣の強い決意を伺いたいと思います。
#72
○亀岡委員長 柴山文科大臣、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
#73
○柴山国務大臣 少子化の時代だからこそ、人生百年時代やソサエティー五・〇の実現に向けて、教育投資の充実にしっかりと努めていく覚悟でございます。
#74
○村上(史)委員 ちょっとあっさりした覚悟でございましたけれども、またおいおい議論をしていきたいと思います。
 終わります。ありがとうございました。
#75
○亀岡委員長 次に、城井崇君。
#76
○城井委員 国民民主党の城井崇です。
 本日、御質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 冒頭、柴山大臣、そして櫻田大臣、御就任まことにおめでとうございます。
 国民の生活と現場の声の先にある答えをしっかりと、未来をつくっていけるように、私自身もこの委員会でも努力をしてまいりたいというふうに思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、まず東京オリンピック・パラリンピック競技大会のボランティアの件について、櫻田大臣と議論をさせていただきたいというふうに思います。
 東京オリンピック・パラリンピック、ぜひ成功させたい、これは多くの国民の願いであるというふうに思っています。きょうの委員会でも、レガシーの議論もございました。
 このオリンピック・パラリンピックでのボランティアというのは、やりがいや生きがいや、そして感動体験の大きなチャンスだというのは皆の一致するところだというふうに言ってよいというふうに思っています。
 現在、このボランティアの募集が進んでおります。募集要項が公開をされております。この中で、きょう委員のお手元にもその募集要項の一部抜粋をお配り申し上げておりますが、ごらんいただければと思いますけれども、八万人めどということで書いてあります。八時間で十日間、連続は五日間以内、宿泊費や交通費はどんなに遠くから来る人でも自己負担ということになっておりまして、手当はどうかなということで聞きましたら、一日千円ということであります。
 この現在示されている募集要項の中身、今私が紹介を申し上げた部分、間違いないでしょうか、大臣。
    〔委員長退席、大見委員長代理着席〕
#77
○櫻田国務大臣 間違いございません。
#78
○城井委員 間違いないということでありました。
 この内容だと、今説明の途中で少し申し上げましたが、遠くから来る人は交通費も宿泊費も本人持ちという形になっております。八時間で十日間となりますと、なかなかの拘束だなということであります。手当は一日千円であります。
 業務内容を見ますと、アテンドですとか運転のサポートですとか、あるいは、大会の会場でのお手伝いということもありますけれども、外国からのお客さんに付き添う仕事や、あるいは技術が伴うメディアの仕事、そしてヘルスケアというふうに枠組みがされておりましたけれども、医療関係に携わる部分も出てきております。
 そうした専門性の高いものも含めまして、ややもすると、本来は給料があってやるべき仕事ではないか、ボランティアを超えているんじゃないか。国内からも、このボランティア、ややもするとブラックボランティアになってしまいはしないか、こうした声が上がっております。間違っても、思いの搾取や労力の搾取ということになってはならぬというふうに思っています。
 そもそも、ボランティアに頼らずに運営することができないのか。運営できるだけのスポンサーが協力いただいているんではないか、大臣、私はこう思うんですね。
 現在のスポンサーの数、そしてスポンサーからの出資金額、大臣、お答えいただけますか。
#79
○櫻田国務大臣 現在のスポンサー数とスポンサーからの出資金額の現在の金額をちょっと述べさせていただきたいと思っております。
 スポンサー企業は、現在六十八社となっております。その内訳は、IOCと契約しているオリンピックパートナーが十三社、組織委員会と契約している国内スポンサーが五十五社となっております。
 また、昨年末、組織委員会が公表した予算によれば、スポンサー収入は、オリンピックパートナーから五百六十億円、国内スポンサーから三千百億円の計三千六百六十億円と見込んでおります。
#80
○城井委員 かなり大きい金額だということを確認させていただきました。
 もう一点、伺います。
 ボランティアをお願いする側の組織委員会の役員報酬の現状について、お聞かせいただきたいと思います。
 二千四百万円という声も聞かれてきておりますが、事実でしょうか。
    〔大見委員長代理退席、委員長着席〕
#81
○櫻田国務大臣 現段階で、組織委員会において、これについては非公開とされているところでございますので、答弁は控えさせていただきたいと思います。
#82
○城井委員 公の権威も使って取組をされているオリンピック組織委員会での取組について、国会の側に説明できないということなんでしょうか。大臣、もう一回お願いします。
#83
○櫻田国務大臣 組織委員会は、東京大会の準備及び運営に関する事業を行うために、平成二十六年一月に東京都及び日本オリンピック委員会により設立された公益財団法人であります。
 現在役員は、理事三十五名、監事二名がおり、そのうち、事務総長一名、副事務総長一名に、役員報酬規程第三条に基づき、常勤の理事として報酬が支給されております。
#84
○城井委員 公益の法人ということ、そして、東京都がかかわっているということで東京都の税金が使われている可能性があるということ、この二点でもって、その公の性質からして説明責任を果たすべきだと思いますが、この役員報酬の点について、もう一回お願いします。
#85
○櫻田国務大臣 平成三十年度の正味財産増減予算書によりますと、同年度の役員報酬は六千三百六十万円でございます。
 ただし、これは、常勤役員三人分の役員報酬と非常勤理事の日当を含むものと聞いております。
#86
○城井委員 今の数字から推察いたしますと、お一方当たり二千万前後というふうな推察が立つかなというふうに思いますけれども、かなり大きな金額だということであります。
 ボランティアをお願いする側の状況もこうした状況である中で、振り返って、反対側から見てみますと、例えば、大学にも通達を出しながらボランティアをお願いされていますよね、大臣。中学生、高校生にもボランティアを呼びかけておられますね。
 この中高生のボランティア、どれぐらい見込んでいるんでしょうか、どういった仕事をお願いするのか、お答えいただけますか。
#87
○櫻田国務大臣 特に数は決まっておりません。
#88
○城井委員 どういった内容をお願いするか、その内容によって人数の規模のめどが立つのではないでしょうか。もう一回お願いします。
#89
○櫻田国務大臣 教育的価値やスポーツボランティアの裾野の拡大の観点から、中高生の大会運営への参加を検討していると組織委員会からは聞いております。活動内容におきましてはテニスのボールパーソンなどが想定されていることですが、詳細については検討中とのことでございます。
 若年層が参加する場合には、安心、安全への配慮が一層必要だと考えております。そして、従事する期間や学校との協力関係を検討していると聞いております。
 私としても、若年層が安心して参加いただける環境が確保されるように、組織委員会の検討を注視していきたいと思っております。
#90
○城井委員 今の大臣の御答弁ですと、中高生の参加はまだ検討中で決まっていない、呼びかけはしていない、こういう理解でよろしいですか。
#91
○櫻田国務大臣 そう理解して結構でございます。
#92
○城井委員 続いて、今回のボランティアにつきまして、ボランティア保険の状況を確認したいと思います。
 加入は強制するんでしょうか、状況をお聞かせください。大臣、お願いします。
#93
○櫻田国務大臣 ボランティア保険につきましては、ボランティア参加者が安心して働けるよう、組織委員会の費用負担で加入すると聞いております。
 保険の詳細につきましては、過去大会での保険の内容を参考にしつつ、活動に際して生じる可能性のあるけがや損害賠償を適切に補償できるよう、組織委員会において具体的に検討していると伺っております。
#94
○城井委員 大臣、全員加入ということでよろしいでしょうか。確認をさせてください。
#95
○櫻田国務大臣 そういう方向で組織委員会が検討していると伺っております。
#96
○城井委員 では、まだ決まっていないということでしょうか。大臣、もう一回お願いします。
#97
○櫻田国務大臣 基本的にはその方向だと思います。
#98
○城井委員 ボランティアで来られる方々も、なれているボランティアの方は自分でボランティア保険に入ってこられるケースもあるというふうに思いますが、今回は八万人とかもっとふえるとか、こういう規模感であります。組織委員会で責任を持って全員加入していただくということ、大臣から指示をお願いしていただくということでよろしいですか。
#99
○櫻田国務大臣 結構でございます。
#100
○城井委員 大臣からしていただくということで確認いただきました。
 では、その折にですが、全員加入ということでしたらこの懸念は越えられるかなというふうに思いますが、例えば、ボランティア中にボランティアの方が熱中症などの症状、重症になった場合、あるいは事故に遭った場合、このときに、参加するボランティアが自己責任と押しつけられはしないかという心配が一部にあります。
 全員加入ということでしたら、この部分は、病気や事故ということへの対応については、その保険での対応がきちんとできるということで確定いただけるというふうに思うわけですが、大臣、そういう理解でよろしいですか。
#101
○櫻田国務大臣 そう考えて結構でございます。
 大会ボランティアにつきましては、重大な事故が起きないよう、施設などのハード面での対策はもちろんでありますが、ことしの夏の暑さを踏まえた野外行動時間の制限や、研修など、ソフト面での事前対策も検討が行われていると聞いております。
 なお、万が一重大な事故が起きた際の対応については、先ほどのボランティア保険に加え、活動場所周辺の病院との連携による救急体制の整備なども検討していると伺っております。
 万が一にでも重大な事故が起きた際の対応については重要な課題だと認識しており、組織委員会において十分な準備が行われるよう注視してまいりたいと思っております。
#102
○城井委員 もう一点確認をさせてください。
 今のボランティアの保険だとか、周辺医療機関等の対応ということに当たるときに、そのボランティアさんへの対応の責任者は組織委員会ということでしょうか。この点、確認させてください。
#103
○櫻田国務大臣 当然そういうことだと思っております。
#104
○城井委員 確認させていただきました。
 続いて、今回のボランティアでも、先ほど冒頭少し申し上げましたが、専門性が高い仕事が幾つかございます。この取扱いの確認をしたいというふうに思います。
 私が心配しておりますのは、先ほど申したヘルスケア、医療にかかわるスタッフの部分や、メディア関連などの高度なスキルを求められる部分であります。ここも今回ボランティアの項目に入っております。委員の皆さんもぜひ、先ほどの募集要項のところに各分野の職種が書いてありますので、ごらんいただけたらというふうに思います。
 この高度なスキルを求められる部分について、企業さんや団体さんなどからも協力があって確保していく方向だというふうに事務方から伺いましたけれども、大臣、この理解でよろしいでしょうか。
#105
○櫻田国務大臣 企業からの協力とボランティアということで結構でございます。
#106
○城井委員 企業からの協力というのは、具体的にはどういうことでしょうか。もう少し詳しくお願いします。
#107
○櫻田国務大臣 企業の職員がボランティアとして登録していただくということでございます。
#108
○城井委員 企業の協力もボランティアということですね。団体さんのも含めてのボランティアということというふうに理解をいたしました。
 では、先ほどのヘルスケアの部分なんですが、いわゆる医療スタッフ、募集要項の中の話でいうとファーストレスポンダーというふうな表現になっておるわけですが、けがや病気などの初動対応に当たるスタッフの部分について確認をしたいというふうに思います。
 事務方から、この点、私も何度かやりとりしながら、いわゆる給料ありのスタッフと無報酬のボランティアと、仕事の手分けはどうなりますかという話と、それから、給料ありの人の人数とボランティアの人数の割合はどうなりますかというのを、何回も何回も何回もやりとりしながら確認をしているんです。ところが、これが出てこない。
 でも、気になる説明が一つございまして、会場の責任者は給料ありのスタッフとして医療スタッフを配置するよということなんですが、それ以外の医療スタッフは無報酬だ、ボランティアだというふうに聞きました。これは事務方からの説明なんです。
 これは事実ということでよろしいですか。
#109
○櫻田国務大臣 お答えさせていただきます。
 医療スタッフは、会場内の医務室で働くに当たり、勤務している病院を通じての参加となるため、組織委員会から重ねて報酬は支払わないとする方向で検討されていると伺っております。
#110
○城井委員 派遣される病院のということは、極めて専門性の高いプロですよね。
 このプロをボランティアで使うときというのが、さあこれが単なるボランティアということで整理ができるかということを大変心配しております。労働基準法に照らしたときに、ボランティアと位置づけられるケースと、いや、それは労働者ではないか、つまり、報酬が伴わないとそういう仕事をさせてはならぬということではないかと。このボランティアと労働者の法律上の区別に照らしたときに、専門性が極めて高い仕事をお願いする方をボランティアにするというのは、それは法律には当てはまらないぞ、違うんじゃないの、こういう疑念がございます。
 きょう、お手元の資料に、もう一つ、労働者性の判断基準という紙をお配りいたしております。
 使用従属性が高いかどうかというので労働者性を判断するというのが、厚生労働省からの説明であります。指揮監督下の労働であるか、報酬の労務対償性があるか、こうしたことがその判断基準の中身だというふうに説明を受けました。
 特に、指揮監督下の労働かどうかという点では、指示が具体的であればあるほど使用従属性が高まること、そして、業務上の指揮監督の有無という点で、指揮監督事項が多いほど使用従属性が高まるということ、そして、拘束性の有無ということで、時間の途中で帰れるか否かということ、そして、代替性の有無ということで、専門性があるかないか。こうした点が当てはまってくると労働者だなというふうに判断できるというルールが、法律があるわけであります。
 この点に照らしますと、医療スタッフのように、指示が具体的で、指揮監督事項が多くて、時間の途中では帰りがたい、でも専門性は高い。先ほどのように、病院から派遣をしてもらってボランティアとなりますと、専門性の高さは折り紙つきであります。国家資格絡みですからね。折り紙つきであります。
 大臣、こうした専門性が高い方は、本来、ボランティアではなくて労働者、労務者として、きちんと報酬を確定した上でやるというのが筋ではないか、法律に照らしての筋だというふうに思うわけですが、この点、大臣、いかがですか。
#111
○櫻田国務大臣 お答えさせていただきます。
 一般論としては、労働の代替性が認められない場合、例えば、求められる業務内容が高度であることにより、ボランティア本人の仕事を他の者が代替できないような場合には、一定程度労働者としての性格が高まると承知をしております。
 一方、大会ボランティアの応募に当たっては、特別な能力や資格を条件としておりませんので、十八歳以上の方であれば、どなたでも参加できると聞いております。
#112
○城井委員 大臣、ちょっと話が違いませんか。
 病院から派遣していただくと、医師や看護師、あるいはコメディカルスタッフが念頭ではありませんか。今のお話ですと、その専門性は無視して、いや、誰でもできる仕事ですからというふうに言っているように聞こえますが、ここは矛盾しますね。もう一回お願いします。
#113
○櫻田国務大臣 病院の労働者という理解になりますので、病院から賃金はもらっているのでありまして、そういう意味ではボランティアではないと思います。
#114
○城井委員 病院側に責任を押しつけて、本来、オリンピック、パラリンピックの運営側として整えるべき責任というところはどうお考えですか。自前で、有給のスタッフとして整えるべき部分だという認識はございませんか。もう一回お願いします。
#115
○櫻田国務大臣 病院の労働者ということでは、給料は病院からもらっているので、ボランティアではないかもしれませんが、賃金をもらっているという面では、ボランティアではないと思います。(発言する者あり)
 もう一回質問を、ゆっくり。
#116
○城井委員 聞いたことにお答えいただきたいというふうに思います。
 本来、プロの資格を前提とするような仕事が念頭にあるから病院に依頼したのではありませんか。医師や看護師やコメディカルスタッフが念頭にあるから病院に依頼したのではありませんか。そうでなければ、病院にわざわざ依頼する必要がないのではないか。
 この専門性の高い仕事を自前で整えるべきだという点、もう一回お願いします。
#117
○櫻田国務大臣 全体の構成については組織委員会が担当しているところでございます。それで、細かいことについてはいろいろ考え、検討していると思います。
#118
○城井委員 大臣、私から申し上げているのは、今回のボランティアでお願いをする仕事の中に、そうしたプロの資格を前提とするような仕事がまざっているんじゃないか、労働基準法に照らしてどうかというところを申し上げているわけです。
 今申し上げた、ヘルスケアなども含めてでありますが、メディアもございましたし、あるいは通訳業務のところも怪しいというふうに思っています。実際にお願いをする仕事をもう一度精査して、有給スタッフで本来やるべきところとボランティアとの整理をきちっとしていただく、労働基準法に照らしての部分で問題ないか確認いただくということを、ぜひ大臣お願いしたいと思いますが、この作業をお願いできますか。
#119
○櫻田国務大臣 きちんとそうさせていただきます。
#120
○城井委員 では、その作業の後の結果の報告を私どもにいただけますか。
#121
○櫻田国務大臣 事務方からそう対応させていただきます。
#122
○城井委員 国会の正式な委員会の場でございます。委員会に報告をいただけますか。
#123
○櫻田国務大臣 そうさせていただきます。
#124
○城井委員 ボランティアは大変大切だと思っているからこそ、少々厳しいことを申し上げております。
 ただ、NPOの職員などと同様に、公にかかわる仕事であっても、確かな仕事を長くしていただこう、折々にしていただこうと思いましたら、やはりそこは報酬を含めて支えていくということも同時にやっていかなきゃいけないという思いがあるので、有給ですか、ボランティアですか、その仕事の内容はどうですかということを事細かに聞いております。
 ですので、その部分をしっかりと、そうした公の仕事をやっている方を支えていける、そういうボランティアを支えていける環境づくりをぜひやっていくという意味で、先ほどの作業にかかっていただければと思います。
 私の支持者の中にも、長野オリンピックのボランティアに福岡県から行った方がおります。その方が、そのときのボランティアの記念品を今でも大事にとっていて、最近見せてくださったことがありました。それぐらいにやはり生きがいになる大切な機会だというふうに思うんです。確認作業をぜひ丁寧にお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、柴山大臣、お待たせをいたしました。
 大学入試共通テストへの英語の民間試験導入の問題点について、お伺いしたいと思います。
 これまでにも、経済的な不公平があるぞ、地理的な格差が影響するぞということを、この委員会の質疑や質問主意書などで明らかにしてまいりました。丁寧にお答えいただいているようでありますが、まだ懸念が消えていません。一生が決まる受験生、不公平や不公正は一ミリもあってはならないというふうに思っております。
 そこで、一問質問です。
 民間試験導入に参加をする業者の相当数は、大臣、これまで、みずから試験の対策問題集作成や対策講座の実施を行っております。
 民間試験の出題者と対策問題集の販売者が一緒でいいんでしょうか。問題をつくる人と対策問題集を売る人が一緒でいいか。
 受験サポート業というくくりになるかと思いますが、この公式問題集や参考書、セミナー、通信講座などなど、この辺はまだ規制がありません。しかも、民間試験導入にかかわる業者が、既に、各地の教育委員会や、高校の幹部や進路指導者や英語教員にも行き過ぎた営業を行っております。船に乗りおくれるな、汽車に乗りおくれるなという勢いで営業しております。直接間接の問題の漏えいも心配であります。こんな状況ですと、テスト対策重視で、高校の英語がゆがめられてしまいます。
 これらの懸念について、大臣、このまま放っておけません。もちろん対応していただけますよね。お願いします。
#125
○柴山国務大臣 大学入学共通テストにつきましては、昨年策定した実施方針において、「現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用する。」ということとしておりますけれども、民間事業者などが実施する出版活動や営業活動自体が禁止されているものではありません。
 ただ、御指摘のとおり、大学入試センターは、成績を提供する民間の英語資格検定試験は公正に実施されることが極めて重要であると考えておりますので、同センターが設ける参加要件の一つに「不正、情報流出等の防止策及び不測の事態発生時の対処方策を公表していること。」という項目があるんです。ですので、当該要件を各参加機関が満たしていることを確認させていただいているところであります。
#126
○城井委員 問題漏えいの件は今ほどの項目でサポートできるのではないかというふうに思いますが、大臣、出題者と対策問題集の販売者が一緒でよいかという点はまだ懸念が払拭されておりませんが、これはだめですよね。一緒の場合は、業者としては不適切だという理解でよろしいでしょうか。
    〔委員長退席、馳委員長代理着席〕
#127
○柴山国務大臣 繰り返しになりますけれども、「現に民間事業者等により広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用する。」という方針が決定する中で、民間事業者等が実施する出版活動や営業活動自体を禁止されるものではありません。
#128
○城井委員 ということは、出題する側が対策問題集も売ってもいい、大臣、こういうことですか。よろしいですか。テストの内容が変われば、対策問題集などの受験サポートの内容も変わるんですよ。つまり、出題する側がビジネスチャンスを自分で勝手につくっていける、公の権威を使いながら、こんなことを許していいのかというのが私の問題意識なんです。出題者と対策問題集の販売者は同じにしていいのか、だめに決まっているだろうということを大臣からおっしゃっていただきたいわけです。もう一回お願いします。
#129
○柴山国務大臣 御懸念の内容についてはよくわかります。各参加試験については、不正、情報流出等の防止策を公表していること等の参加要件が確認をされておりますけれども……(発言する者あり)それだけでいいのかということなんですが、それだけでいいわけはありません。
#130
○馳委員長代理 不規則発言はやめてください。
#131
○柴山国務大臣 答弁を最後まで聞いてください。
 万一そのような漏えいが起きたような場合については、一定の手続を経た上で参加を取り消すなど、必要な手続をとることになります。
#132
○城井委員 話をすりかえていただくと困るわけであります。
 問題漏えいの話は先ほどの説明で若干理解したと申し上げた上で、出題者と対策問題集の販売者が一緒でいいのか、それはだめだぞというふうに大臣がおっしゃるはずだと思うわけでありますが、この出題者と対策問題集の販売者が一緒でいいということでよろしいんですか、大臣。
#133
○柴山国務大臣 確かに、李下に冠を正さずという言葉もあることは承知をしております。
 ただ、少なくとも現在の基準に基づきますと、民間事業者が実施する出版活動や営業活動ですから、それ自身が禁止をされるものではありません。ですので、今の御懸念を払拭するためには、そうした不正や情報流出が行われない、そうした事柄に対する懸念も生じないという体制をしっかりと大学入試センターあるいは業者にとっていただくということが大事だと思っております。
#134
○城井委員 大臣、出題者が対策問題集を発売することは、その不正に入りますか。
#135
○柴山国務大臣 そのこと自体は、入らないと思います。
 参考になるかどうかわかりませんけれども、私、かつて司法試験を受けていたことがありまして、大学での定期試験の出題者の方が司法試験考査委員になられて、そこで問題を出されること自体は禁止を当然されておりまして、当該委員の方は試験委員にはなられなかったんですけれども、別の委員の方が、そのときに出された問題と非常に類似した問題を出されたということがあります。
 ですので、形の上での同一性かどうかということも、もちろん李下に冠を正さずということで大事なんですけれども、やはり問題というのは、そういった公正への懸念をどのように払拭するかということを当事者にしっかりと検討してもらうということが大事だというように思っております。
#136
○馳委員長代理 質疑時間が終了しておりますので、最後の発言にしてください。
#137
○城井委員 簡潔に、最後、申し上げます。
 大臣、司法試験やこれまでのセンター試験ですと、問題の漏えいなどなく、厳密な管理のもと公正な運営を行ってきたからこそ、信頼を積み重ねてきたという実績がありました。
 民間試験は、これまでは能力の診断だけでした。採点はアルバイトです。そして、その中身も、公開をされて、使い回しをされているような状況です。全く、運営も内容も違うということを申し上げておきたいと思います。またこの件、やらせてください。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#138
○馳委員長代理 次に、中川正春君。
#139
○中川委員 中川正春です。
 冒頭、柴山大臣、改めて御就任おめでとうございます。前回の質問のときに、このことを申し上げるのを失念していました。改めてお祝いを申し上げて、期待を申し上げたいというふうに思います。
 特に、文科省、根本的な改革を余儀なくされているといいますか、とんでもない形で次から次へスキャンダルに巻き込まれている、そういう状況であるだけに、しっかりとした改革の姿勢をこの際見せていただくということを期待していますので、よろしくお願いをします。
 前回に引き続いて、外国人を日本でどう受け入れていくか、また、日本の社会をどのようにそのことに対して準備していくかという、その観点からお話をしたい、また質問をしたいと思います。
 前回申し上げたとおり、二百六十万人を超える外国人がもう既に生活をしていて、そして急激にふえているということ、もう十年も十五年も前から、このことに対して日本はしっかりと向き合っていかなきゃいけないと。その制度を国民的な課題として、あるいは政府の課題として真っ向から取り上げて、そして国民のコンセンサスの中で議論をしていかなきゃならないという思い、これは私、以前から持っていたんですが、文科省も、こうした流れに対してこれまで幾つかの政策対応をしてきたということを理解しています。
 特に、日系三世までの人々に、主にブラジルやペルーなどから出稼ぎを目的に日本で就労するいわゆる定住外国人という類型なんですが、それに対しての政策が中心であったというふうに思うんです。
 しかし、今回唐突に、外国人労働者の枠、新しい類型をつくりたい、また、さまざまな形でその枠組みが膨らんできておるだけに、定住外国人だけじゃなくて、文科省が一つのキーになるんだと思うんです。
 どのように子供たちの教育、これを展開していくか、あるいは大人であるとすれば、日本語を中心にして習得をする機会をどのようにつくっていくか、これが基本になって、そしてどのように外国人を受け入れるかということの議論が始めていけるんだろうというふうに思うんです。
 そういう意味からいくと、文科省の取組というのを本気になってというか類型を広げて、これは基本インフラみたいなものですから、基本インフラをつくるんだというぐらいの気持ちで取りかかっていただきたい。それが私のまず出発点、気持ちなんです。
 その上で、これまで子供たちが日本の学校で就学するための取り出し授業などに対応する先生の加配、それから、学校に来られない子供たちのつなぎの受皿として虹の架け橋、今は名前が変わっているというふうに聞いていますが、こういう事業を入れる、あるいは、生活者としての外国人を対象にした日本語教室支援事業などを文科省なりにこれまで入れてきたということなんです。
 しかし、その結果、どこまでそれが効果があったのか、あるいはどこまで全体の問題をカバーし切れているのかということに対して、前回の質問の中で数字をもって答えていただきました。
 例えば、子供たちはどのくらいの割合で日本の学校に通っているのかという問いに対しては、実際、データがない、調べていない、そういう観点では、という答えが出てきました。それから、高校の進学率あるいは中学校の進学率。データがないわけですから全体の進学率はここは出ないわけですけれども、中学校に在学している子供たちが高校にどれだけ進学しているか、そういう意味での割合、全体の人口じゃなくて。そういう意味での割合ということになると、四七%だという答えが出てきました。
 そして、それは、日本の子供たちの標準からいくと半分、恐らく実態の数字というのははるかに半分以下なんだと思うんです。大学や専門学校に至っては言うに及ばずということだというふうに思います。
 もう一つ、定住外国人のうち日本語の学習機会を持っている人々の割合はどれだけかと聞いたら、わずか九・四%であると。これは、どちらかというと点の施策の中で今あるんじゃないか、面的なところまで広がっていないということの証左だというふうに思います。
 こうした数字、あるいはこうした現実を、まず大臣、どのように評価しておられるか、どのような問題意識を持って見ておられるかということ、これにまず答えていただきたいと思います。
#140
○柴山国務大臣 前回、中川議員から御質問があって、それに対して幾つかのデータをお示ししたかと思いますけれども、恐らく、外国人生徒の高校進学率四七%ということはお答えをしていないんだろうというように思います。
 日本語教育が必要な中学生徒あるいは高校生徒、それぞれの人数をお示しして、それを比較されているのかもしれませんけれども、まず、外国人としてのデータでないということと、それから、継続して進学率という調査でもありませんので、そこはちょっと我々としては、繰り返しになるとおり、進学率そのものは、申しわけございませんが把握をしておりません。
 ただ、今お話をしていただいているように、在留外国人数に占める日本語教育の実施機関や施設等における日本語学習者数の割合は、御指摘のとおり、ふえてはおりますけれども、まだ九・四%。ただ、それも、在留外国人全体に占める割合ですので、その中で日本語に堪能な外国人の方もいらっしゃいますから、そこは少し考慮をしなくちゃいけないのかなと思います。
 いずれにいたしましても、生活者としての外国人に対する日本語教育、また外国人の子供の教育環境の整備、いずれもまだまだ不十分であるということは私も同じ認識でありまして、今、議員から御指摘のあったような、義務標準法の規定に基づいた教員定数の改善、また、日本語教室の空白地域の解消などを進めてきたところでありますけれども、さらに今後も、今申し上げたような取組を加速する必要が一つあります。
 また、児童一人一人のニーズに対応したきめ細かな指導、外国人高校生等に対するキャリア教育、全国各地における日本語教育の体制づくりなど、更に取り組むべき課題も存在をしております。
 新たな在留資格も創設されるわけですから、文部科学省として総合的に、予算を伴った形でこうした取組を加速していきたいと考えております。
    〔馳委員長代理退席、委員長着席〕
#141
○中川委員 今の状況では全く対応として足りないという認識、これを大事にしていきたいというふうに思うんです。そこからが出発ですよね。
 そのときに考えていきたいというふうに思うのは、恐らく、学校の分野については、これは、どのくらいの割合で日本の学校に通っているかということを把握しようというふうに思えば、この子供たちは学校へ行かなきゃいけないんですよという状況において、地方自治体も把握するんですよね。
 今の状態というのはそうじゃなくて、それぞれ地方自治体が待っていて、もしこの学校に来たいなら来てください、日本人と同じような待遇は保障します、だから、教科書も無償化で、同じような待遇でやらせてもらいます、そういうところまでしかない。だから、全体の問題を把握しようとしても、そこに至っていかないということ。
 ここの問題について、恐らく、義務教育化するということになれば、教育基本法の見直しそのものまでいかなきゃいけないんですけれども、それにいかなくとも、実際、現実的に、この子供たちに対して、学校に来なきゃいけないというような仕組みをやはり考えていく必要があるだろう、これを指摘しておきたいというふうに思います。
 あと、大人に対しては、それこそ予算がふえれば、ずっと社会的にいろいろな形で展開して、補助事業化することができるんだろうと思うんですが、今の勢いを見ていると、そして今度新しくできた枠組みを見ていると、恐らく五十万人から百万人、新しい枠で、家族帯同という前提で来る可能性がある。まだ二つの職種しか指定しないんだと言っていますけれども、二号の話ですね、これはずっと広がる可能性を秘めているんですよ。そうなったときに、恐らく、政府の予算の範疇の中で仕組むとしても限界があるというふうに思うんです。
 海外の例を見ていると、それは、例えば企業がそのコスト負担をしていくような仕組みをつくっていくということであるとか、それから、コミュニティー社会の中でどういうふうにそれを組み立てていくということであるとか、あるいは、海外から入ってきた人たち、自分たちがお金を払ってでも日本語学校に行く、あるいはさまざまな専門学校に行く、そういうような形の仕組み、制度としての仕組み、これを考えていかなきゃいけないんだろうと思うんです。
 恐らく、今までの政策というのは、そんなところまで文科省がしっかりコミットして、腹を据えて、この政策、うちがやっていくんだという、いわば基本を認識して、できていないんですね。だから、ここで求められるのはそこなんですよ。文科省がやりますというところをどこまで、大臣、意識して今の答弁をされたかということなんですが、どうですか。
#142
○柴山国務大臣 今議員が御指摘のとおり、外国人の状況、本当に多様であります。
 ですので、コスト分担にしても、それから教育体制においても、やはり現場でさまざまな方々と協力をして、それぞれに合った形で進めていくということが極めて重要だと思っておりまして、施策の趣旨ごとに、地域の実情に応じて、国、地方公共団体、企業など、役割分担を考えることが今後ますます重要になってくると理解をしております。
 例えば、地域における外国人への日本語教育については、これまでも先進的な取組を行っているNPOへの支援をするなど、取組を進めてきましたけれども、今後は、今議員が御指摘してくださったとおり、地方公共団体が大学、企業などの関係機関と有機的に連携をしつつ行う、域内に日本語教育が行き渡る、そういうことをできるような総合的な対策づくりを我々文部科学省としてしっかりと推進していく体制を考えていきたいと考えております。
#143
○中川委員 今回、唐突に法案、入管法の改正が出てきたわけですが、実は、この問題というのは、もう十年も十五年も前から、一つの、日本にとっての国の形をつくっていくのに課題として対応していかなきゃいけないという問題意識がありました。
 そんな中で、まずは日本語からということで、日本語の教育体系を、日本語教育をしていくための体系といいますか、基本法みたいな位置づけですが、それをしっかり根づかせないといけない、こういうことでありました。
 議員連盟、超党派でできまして、馳筆頭がしっかり今リードをしておっていただくんですが、柴山大臣も、それから、これは名簿を見ていると、浮島副大臣も、あるいは亀岡委員長も初鹿さんも入っておっていただいて、それぞれ進めています、大体根幹ができましたので。
 誤解されるといけないのは、今回の労働法制の補完だというふうにとられると、私たちは、全くそんなつもりはない。こっちが先で、こっちの基本をやはりつくった上で、それから次、どういうふうに人を受け入れるかということを議論していくんだということだと思うんです。
 それができないままに、そこのところを全く中身がないままに、今、労働法制が突然出てきているということについて、私は、一つの大きな危機感と、それから、政府のなし崩し的、これは私の言葉で言えば、なし崩し的移民というんですが、これが一番悪い。これをやったら、次の世代に禍根を残すということだと思うので、そういう意味を持って、この日本語教育基本法、準備ができれば、しっかりここに出していきたいというふうに思いますので、大臣、それについての所感をひとつ述べていただけますか。
#144
○亀岡委員長 柴山文科大臣、簡潔にお願いいたします。
#145
○柴山国務大臣 議連の一メンバーとしてしっかりと、御指導をいただきながら取り組んでまいります。
#146
○中川委員 以上で終わります。ありがとうございました。
#147
○亀岡委員長 次に、畑野君枝君。
#148
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
 十一月十四日の当委員会で、東京医科大学の入試不正は女性差別という認識はありますかという私の質問に、柴山文部科学大臣は、女性の差別を合理的理由なく行うことは許されないという驚くべき答弁をされました。
 東京医大入試での女性に対する差別は、合理的理由があろうがなかろうが、あってはならないことだと思います。
 この問題で日本学術会議は、九月十四日、幹事会声明を出しています。
 そこでは、日本国憲法に定められた平等原則、教育を受ける権利に導かれた教育基本法は、全て国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない(第四条第一項)と規定する、この理念に照らすと、今般、医学系分野の入試試験で明らかになった女子受験生に対する一律の得点調整は、許されざる差別的な不公正処遇に当たると厳しく指摘しております。
 OECD諸国の中で、女性の医師の割合、日本は二割です。OECD諸国の平均が四割を大きく超えて五割に迫るという女性医師の比率に比べて、OECD諸国では最下位というのが日本の女性医師の割合です。
 独立行政法人経済産業研究所の山口一男客員研究員は、研究所のホームページに寄稿をしたコラムで、東京医科大学の問題について、「女性割合の調整は憲法違反・教育基本法違反で募集要項に記して許される問題ではない」と書かれております。私もそのとおりだと思います。
 山口客員研究員は、女性医師が圧倒的に少ないという現状という社会条件のもとで、東京女子医大のように学生を女子のみに限定する例外的大学が存在しても、社会全体としての女性の機会の均等に反しないので、目的が適切とみなしてよい事例とすることに異論はないが、この現状で医大や医学部が女性入学を制限したり排除したりする正当な理由など全くないと明確に述べておられます。
 実は、本日の新聞報道で、東京医科大学で女子らを不利とする不正入試の発覚を受けて、医学部を置く国公私立大学が参加する全国医学部長病院長会議の小委員会は、性別を理由に合否判定で不利とする扱いをしないよう各大学に求める規範をまとめて、本日公表するということです。この規範には、女子受験生を一律に不利とする扱いは、募集要項などで事前に周知するとしても認められないとの趣旨の内容を盛り込むと言われております。
 東京医大自身が十月二十二日に公表した第一次調査報告書では、二次試験の小論文の採点で、現役男子や一浪から三浪の受験生には加点し、四浪以上や女子には加点せず、得点操作が行われていたこと、女性を不利益に扱う点数調整や合否判定が行われたことを明らかにしております。
 柴山大臣、これは明らかな女性差別に当たることが明白だと考えますが、女性差別は許さないという柴山大臣の意気込みをはっきり示していただきたいと思います。
#149
○柴山国務大臣 大学入学者選抜については、公正妥当な方法により行われることが強く求められるところでありまして、今回の東京医大の事案は、先ほどちょっと、合理的な理由ということを触れたことに大変御立腹だったんですけれども、少なくとも今回の東京医大の事案は、合理的な理由なく、性別という属性により一律に得点調整を行ったものでありまして、女性差別で、不適切な取扱いで、許されることはないというように明言をさせていただきます。
#150
○畑野委員 全国医学生ゼミナールの学生はアピール文を出しておりまして、医学部に入学したいと時間もお金も多くかけて勉強してきた受験生が、女子だからという理由だけで一律に、公平に評価されて当たり前な筆記試験の点数にまで減点、調整をかけるなどということが存在していたことが許せないと言っているわけですね。
 こうした女性差別は許さないという文部科学省の姿勢、本当に大事だと思います。しっかりやっていただきたいと思いますが、柴山大臣、もう一回どうぞ。
#151
○柴山国務大臣 入試の公正確保と大学病院における医師の働き方改革は関係する問題ではありますけれども、現時点において、さまざまな女性医師の働き方を理由として入試において性別により一律に差別するような取扱いは、もう社会通念上認められるものではない。
 私は、現在、先日の予算委員会でもそのように答弁させていただいたつもりなんですけれども、今畑野議員から御説明をいただいたとおり、私の十月二十三日の中間報告を受けてAJMCがそのような方向で意見を取りまとめる方向だということは報道では伺っておりますけれども、それをしっかりと確認させていただいた上で再度コメントをさせていただきたいと思います。
#152
○畑野委員 しっかり対応していただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
 深刻な教員不足問題について伺います。
 昨年十二月の当委員会で私も、教員が確保できずに授業に穴があくという事態が起きている問題を取り上げました。その原因として、国が教員定数改善計画を持たなくなったことや、正規教員一人分の給与で非正規教員を二人、三人と雇う定数崩しを可能とする総額裁量制の問題などを指摘いたしました。
 文部科学省は、八月二日の第百一回中教審初等中等教育分科会教員養成部会に「いわゆる「教員不足」について」という資料を提出いたしました。なぜこのような調査を行ったのか、また、どのような調査結果だったのか、伺います。
#153
○清水政府参考人 お答え申し上げます。
 近年、各地域の小中学校において、必要な教員を確保するのに苦労しているという事例が多く生じていたことを文部科学省としても承知していたところでございます。この問題の実態を把握して今後の対応の検討に役立たせるために、御指摘のアンケートを実施したところでございます。
 このアンケートでございますが、いわゆる教員の不足を、学校に配置されている教員の数が、各自治体において学校に配置することとしている教員の数を満たしていない状態というふうな定義をいたしまして、十一の道県、指定都市の協力を得て行ったところでございます。
 その結果によりますと、平成二十九年度の始業日時点で、小学校については、常勤の教員二百六十六人分、非常勤の教員五十人分が、また中学校については、常勤の教員百一人分、非常勤の教員百五十三人分が不足していたということがわかりました。
 また、その要因も聞いておりますが、そこでは、産休・育休取得者の増加、特別支援学級数の増加、そして講師登録名簿への登載希望者数の減少、採用候補者がほかの学校あるいは教員以外の職へ就職済みであるといったことが考えられるといったようなことが把握できたところでございます。
#154
○畑野委員 本当に深刻な実態が明らかになりました。
 全日本教職員組合も、二十三都道府県、三政令市で、四月から五月末までの二カ月間に六百六十七件の未配置があったという調査結果を発表いたしました。小学校が三百二十七件、中学校が百二十七件、高校と特別支援学校がそれぞれ四十四件で、定数内未充足は百八十七件だったということです。問題の背景に、絶対的な教員不足、低賃金の臨時、非常勤の増加があることなどを指摘しております。
 教職員組合や文科省の調査は教員の絶対数が不足していることを示していると思いますが、大臣、いかがですか。
#155
○柴山国務大臣 文科省が実施したアンケートによって、学校に配置されている教員の数が、各自治体において学校に配置することとしている教員の数を満たしていないという意味では、平成二十九年度始業日時点において、対象となった自治体の教員の数が不足していたと言えると考えております。
#156
○畑野委員 文科省の調査でも教員不足の解消に向けた対策例として、正規教員の採用者数の引上げが挙げられるなど、不足していることは明らかだと思います。
 全教の調査では、未配置を補うために、専科教員が担任を代替、同じ教科の教員で対応、他の教員が無免許で対応、三十人学級をやめて四クラスを三クラスにして対応など、本当に驚くべき、ブラックな職場と言われるような状況が生まれて、この教員不足によって、働いている教員の労働を一層過酷にするだけでなく、子供たちの教育環境を悪化させているという実態が告発されております。
 中教審の教員養成部会でも、川崎市の教育長は、産休、育休の代替の教員確保について、年度当初は比較的確保されているが、十月、十一月ぐらいになると臨時の登録者が底をついてしまう、特に二月、三月に産育休に入る職員の代替者を探すというのは大変難しいと発言されておられます。
 十一月九日に我が党は、教職員をふやし、異常な長時間労働の是正を、学校をよりよい教育の場にという提言を発表いたしました。教員の持ちこま数に対して、一日四こまを目安に定め、小学校は週二十こま、中学校は週十八こまの上限を設ける、小中学校の教員定数を十年間で九万人ふやすと提案をしております。
 大臣に伺いますが、働き方改革の観点からも、教員不足を解消する上でも、計画的に教員定数を抜本的にふやす必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
#157
○柴山国務大臣 教職員定数の改善については、昨年の三月に義務標準法を改正いたしまして、発達障害などの障害を持つ児童生徒への通級指導、また、今大変問題となっている外国人児童生徒に対する日本語指導教育などのための加配定数について、対象となる児童生徒数に応じて算定される基礎定数の方に振りかえる措置をいたしました。
 この基礎定数化を二〇一七年度から十年間で計画的に進めることにより、二〇二六年度には、例えば通級指導については、対象児童生徒十六・五人に対して一名だった配置が、十三人に対して一名に改善されるなどの措置を着実に講じております。
 都道府県・指定都市の教育委員会にとっては、これまでの加配定数約六万四千人の約三割が基礎定数化されることになりますので、教職員定数について先の見通しが立てやすくなり、安定的、計画的な採用、研修、配置が行いやすくなると考えております。
 また、本年度においては、小学校の英語教育のための専科教員千名を始めとする合計千五百九十五人の定数改善を行っているところでありまして、引き続きこれらの取組を推進してまいります。
 各教育委員会において、適切な年齢構成を考慮した計画的な採用を行うことが大事だと考えております。
#158
○畑野委員 まだまだ足りないということですよね。抜本的な少人数学級を含めて、対策を求めたいと思うんですが、教員免許が未更新のために採用できなかったということも指摘されております。これはどういうふうに対応されますか。
#159
○清水政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほどのアンケートにおきまして、小中学校において必要な教員を確保するために苦労する事例が生じる理由として、十一の自治体の中から四つの自治体が、採用候補者が免許状の未更新等により採用できなかった、そういう意見があったところでございます。
 こういったことも踏まえまして、一定期間内に免許状更新講習の修了確認を受ける見込みがあること、また、これまでの業務経験等に照らして、最新の知識、技能を十分に有しているといったことがきちんと確認できることといったような要件を各都道府県教育委員会が確認した場合に、免許状更新講習を修了していない者についても、臨時免許状を授与して、教育職員として採用できるような柔軟な対応が可能であることを、今後要件を定めまして、通知により明確にするといった方針を中央教育審議会にお示ししているところでございます。具体的な対応等について、現在、検討をしているというところでございます。
#160
○畑野委員 最後に一言。
 そもそも教員免許更新制度は破綻しているということですよ。きっぱり廃止することを求め、大臣には私たちの党の提案もお渡しして、検討していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。
#161
○亀岡委員長 次に、杉本和巳君。
#162
○杉本委員 維新の杉本でございます。よろしくお願いします。
 私も教員免許を実は持っておるんですが、更新手続をしていないので心配しておったら、畑野議員が、教壇に立つときに、その前に研修を受ければ立てますよというお言葉をいただきまして……(発言する者あり)三十時間もですか。しっかり勉強して、子供たちのためになるような、もし立つときがあれば、しっかり勉強して、子供たちの役に立つ人物でありたいと思っています。
 きょうは、まず、ニュースが飛び込んできて、公益財団法人日本数学検定協会が発表した、これはテレビで私ニュースを見たので確認したんですけれども、十月二十八日に行われた実用数学技能検定、数学とか算数の検定で、最難関の一級、大学レベルに東京都内の小学五年生が最年少で合格したという発表がございました。この合格率は九・四%の狭き門で、これまでの最年少の方は、二〇一六年当時十三歳であったということなので、更に若い方がこの賞をおとりになったということです。
 それと、大臣御案内だと思うんですけれども、文部科学大臣賞というのがこの検定に絡んで出ておるということで、一級から五級の全受賞者が文部科学大臣賞というのをもらっていらっしゃるそうですけれども、各級の受検の目安となる学年よりもはるかに下の学年の受検者が選ばれて、年齢や学年に縛られず個々の能力を認識して、伸び伸びと算数・数学力を身につけていくことで優秀な成績をおさめているという状況であるというようなちょっとコメントがありました。
 これをなぜ御紹介したかというと、正直、私は、ノーベル賞の受賞者がここのところ日本は出ていて、大変めでたいわけでありますけれども、世界の全体の趨勢を見ますと、よく考えると、日本がノーベル賞をとっておられる方というのは、結構団塊の世代あるいはそれより上の方々で、そして、国際的な環境の中では、例えば、中国がまだ発展途上であったということとか、韓国の英語力がすごく増強される前の段階であったとか、そういう環境の中で、アメリカに渡って基礎研究なりいろいろな応用研究なりをされる中でノーベル賞を受賞されたという状況なのであります。
 一方で、昨今の御時世は、御案内のとおり、中国からのアメリカへの留学あるいは欧州への留学だとか、あるいは韓国の方々の留学等に比べて、日本の若い方々の海外、留学だけじゃないですけれども、向こうに行って研究をするとか、当然、日本国内で研究をして、ノーベル賞をとっていただくということにつながると思います。
 私が言いたいのは、将来を考えると、本当に英才を育てていく必要があるんではないかなという思いで、そんな意味で、この数学の検定でおとりになったお子さんを一つのヒントというか、考えていただいて、我々はこれから議論をしていく必要があると思います。
 教育の機会均等であるとか、地方にいて都市圏よりも教育の内容が差があってはいけないとか、そういういわゆる平等感というのは当然必要だと思うんですけれども、一方で、やはり優秀な人は飛び級して、本当に日本のために、あるいは世界の例えば医学のためにとか、そういった形で貢献いただけるような方になっていただくためには、飛び級とかそういうことも本当に真剣に我々は仕組みとしてつくっていかないと、我が国の将来というところがちょっと懸念されますので、ちょっとこの紹介をさせていただきつつ、そういうことも我々考えていきましょうという提案をさせていただきます。
 さて、その上で、先日大臣に質問をさせていただいて、幼児期の、幼稚園、保育園のいわゆる熱中症対策ということで御答弁はいただきました。それで、質問のきっかけは、総理が、熱中症対策として、全国の公立小学校、中学校にエアコンを設置します、こう言われたわけですけれども、この総理の真意は、小学校、中学校と言われたものの、未来をつくる子供たちを守ろうという趣旨で言われたのではないかなというふうに私は理解をし、そう感じておるんです。
 その中で、先般の大臣の御答弁は、幼児期以下の子供たちに対して、体温調節能力が十分に発達していないとか、みずからの健康状態をうまく訴えられないなどの観点からというようなコメントをしていただいて、お言葉をいただいて、幼児期以下の子供たち、熱中症となるリスクがより高いというような認識はいただいているということを確認させていただいたんです。
 そこで、私の質問がちょっと突っ込みが甘かったかなということで、きょうはまた質問させていただくわけですが、私は物理的に、やはりエアコンというものをもっともっと設置していって、本当に子供たちを守るということが必要で、おっしゃっていただいた、参考の資料を配ったりとか関係者の方々に十分注意を喚起するというところも大事なんですけれども、やはり物理的な部分といったものが極めて大事で、物理的なエアコンの設置といったものを本当に真剣に取り組む必要があると私は考えております。
 そういった意味で、御所管の幼稚園に限って見ても、まだエアコンの設置が全国合計で六八%ということで、十分とは言えないということだと思いますので、今次補正はもう成立したわけでありますけれども、その補正での対応は小学校、中学校向けという認識も私はしておりますけれども、来年度予算の手当てなどでこの設置、拡充を急ぐべきではないか、そして完全設置というぐらいまで持っていく必要があるのではないかと思いますけれども、この点についてお考えを伺いたいと思います。
#163
○柴山国務大臣 十一月七日に成立した補正予算においては、現在の公立幼稚園についても、エアコン設置率が御紹介をいただいたとおり七割程度である中で、残りの三割程度の部屋全体に設置できるように所要の額を計上させていただいております。
 まずは、緊急的な熱中症への対応として今回の補正予算に計上した趣旨に鑑み、この予算を効果的に活用していただいた上で、公立幼稚園の環境整備に努めていただきたいというように考えております。
 来年度以降の予算についても、しっかりと対応していきたいと思います。
#164
○杉本委員 しっかりと対応するというお言葉をいただきましたけれども、本当に、子供たちの中で、特に幼児期のちいちゃいお子さんたちは、熱中症リスクというのは、総理が言われた部分で考えると、最も必要な方々ではないかと私は思いますので、ぜひとも、しっかりとというお言葉を有言実行していただきたいとお願いを申し上げます。
 重ねてですが、この間もちょっと関係省庁さんに来ていただいて答弁いただけなかった点があって申しわけなかったと思いますが、保育園の方のエアコン設置、これを調査していただいているということなんですけれども、調査を急いでいただくという必要があるので、これを急いでいただくよう叱咤激励もいただきたいと思いつつ、これは、所管大臣の、保育園の方は厚労大臣さんなんですけれども、こちらの大臣にも、閣議等、あるいは閣議の前のあるいは後の懇談の機会等があるかと思われますので、公式、非公式にかかわらず、保育園の方での、特に公立保育園が対象でございますので、こちらのエアコンの設置について、そうした方が君のためであるというか、そうしたことが日本のためであるという、慫慂という言葉を私ちょっと使わせていただきますが、慫慂することが大切だと思いますし、幼保連携という意味でもその強化を図れるのではないかと思いますけれども、こういった点について、大臣は、厚労大臣との連携等についていかなるお考えかを確認させていただきたいと思います。
#165
○柴山国務大臣 根本大臣に対して、君のためであるなどという言葉は到底使えないわけなんですけれども、ただ、今おっしゃったとおり、日本のため、未来を担う次世代のために大変重要なことだと思っております。
 まず、厚労省が保育園のエアコン設置状況について調査を行うに当たって、調査方法や様式の情報提供を行うなど、我々文部科学省として協力連携を図ってまいりましたけれども、今後とも、両省で連携をしっかりと図っていきたいというふうに思います。
 引き続き、必要な情報の提供を始め、さまざまな形で協力をさせていただきたいと思います。
#166
○杉本委員 ありがとうございます。
 幼保の関係は、全体を統括しての内閣府があったりするとも思うんですけれども、特に私が感じるのは、子供たちの取りまとめというのはやはり文科省、幼児期の教育環境、文科省さんだろうなと思うので、ぜひリーダーシップを発揮していただいて、省庁横断で、ぜひ幼稚園、保育園のエアコン設置、進めていただきたいとお願いを申し上げます。
 次に、大臣の所信的発言の中でということの質問に移らせていただきますが、人づくりを担う教師の資質能力向上策というようなお言葉があったかと思うんですけれども、この部分の具体的なイメージがちょっと湧きにくかったので、具体的にどんなことを我々はイメージしたらいいのかということを伺いたいのと、ちょっと僣越ですけれども、あわせて、昨今の引き続きの問題でありますいじめ防止、あるいは若い命をみずから絶つという自殺予防といった取組という意味から、生きる喜びをいかにわかってもらうかというようなプログラムというものは考えられないのだろうかなということを私は思っておるんですけれども、こういった生きる喜びを教えるような教師の資質能力向上策、プログラムといったものは織り込めないのかどうかも含めて教えていただければと思います。
#167
○清水政府参考人 お答えいたします。
 教師は、子供たちの志や人格の形成に携わる専門職であり、子供たちがみずからの人生を切り開いていくことを導くことのできる資質能力を生涯にわたって高めていく必要があります。
 教師の養成段階における取組といたしましては、昨年度までに教育職員免許法の改正を始めとする制度改正を行いましたが、その中で、例えば教職課程において、子供たちとのかかわり方を学ぶ機会がより充実するよう、教育実習の一部として学校体験活動、いわゆる学校インターンシップを設けるなどの改善を行ったところでございます。
 また、全ての教職課程で共通的に修得すべき資質能力を示した教職課程コアカリキュラムを策定いたしましたが、その中で、児童及び生徒の自己の存在感が育まれるような場や機会の設定のあり方、いじめに対する、児童生徒等の発達段階、発達課題に応じた教育相談の進め方などについて学ぶこととしているところでございます。
 さらに、教師の研修に関する取組としては、独立行政法人教職員支援機構の機能強化を図っておりますけれども、その中で、各地域において、生徒指導やいじめの問題に関する指導者となり得る人材の養成を行っております。
 こういった取組を通じまして、実践的指導力を有するとともに、子供たちの未来に寄り添える教師の育成に努めてまいりたいと考えております。
#168
○杉本委員 ありがとうございます。
 生きがいというのはなかなか、生きるのは結構大変で、本当に、むしろ、あしたの食事をどうするんだとか、家族をどう養っていくんだとか、それが人生でもあるわけですけれども、その中で、自分の子供かもしれないですし、あるいはよそ様のどなたかのためかもしれないんですが、自分のために生きるというのもありますけれども、人のために生きるというようなことを子供たちが例えば学んで、そして、この今つらいことを何とか乗り越えればまた喜びがあるんだというような人生の受けとめ方をしていただけるようなプログラムみたいなものをぜひ進めていっていただきたいとお願い申し上げます。
 ちょっと時間がなくなってきましたので、最後の質問を手短に伺います。
 先ほど、女性差別というような質問も同僚議員からありましたけれども、その同じ問題で、東京医大の関係で、医学部入試の差別的な事案があって、これを契機に調査が行われましたけれども、調査の結果問題があると思われる、あるいはあった大学を、きちっと私は名前を言った方が、当面受験者が減ってしまうとか経営が大変になるとかということはあっても、最終的にはむしろ健全化されていって、いい学校に変わっていく、いい大学に変わると思うんです。
 この問題で名前を公表しなかった理由と、逆に昭和大学医学部のように公表した大学をいかに御評価されるか、この点を最後に伺いたいと思います。ちょっと時間がないので恐縮ですが。
#169
○義本政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今現在調査を継続している最中でございますけれども、文部科学省から具体の大学名を公表することは差し控えさせていただいております。不適切な事案があった大学については、大学が自主的に公表するということとともに、速やかな対応をするようお願いしているところでございます。
 このことにつきましては、不適切な事案が確認された大学におきましては、信頼の回復を行うべく、不利益をこうむった受験生の救済、あるいは不適切な事案の原因や背景の分析、再発防止策の検討ですとか、あるいは入試の改善等、早急に取り組む必要がございますが、これらについて適切に対応するためには、文科省から一方的に指摘するだけではなくて、大学がみずから不適切であると認め、我が事として正面から受けとめていただくということがあるというふうに考えているところでございます。
 御指摘のとおり、昭和大学の入学者選抜において不適切な事案が判明したことにつきましては、それ自体は大変遺憾でございますけれども、同大学は、他の大学に先駆けて公表し、第三者委員会を設置するとともに、不利益をこうむった学生への対応について検討されておりますので、それにつきましては引き続き注視してまいりたいと存じます。
#170
○杉本委員 終わりますけれども、各大学の自浄能力に期待をしたいと思います。
 終わります。ありがとうございます。
#171
○亀岡委員長 次に、吉川元君。
#172
○吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。
 先般いろいろお聞きをしたかったことがございましたが、オリンピック、パラリンピックの関係予算の関係でほとんど時間を使ってしまいましたので、きょうは、残りの、本来聞きたかったお話を中心に質問させていただきたいと思います。
 まず、その前に、今中教審の方では、教員の働き方、学校現場の働き方改革に向けて議論が進められ、恐らく来年、年明け早々には何らかの報告、提言等がまとめられるという方向で議論がされているというふうに思います。
 少し資料も見させていただきましたが、一日の労働時間、一週間、一カ月、一年の労働時間はどうなっているのか、あるいは部活のあり方をどうしていくのか、さらには労働時間の管理、こうしたことが議論をされているというふうに承知をしておりますが、もう一方で、先ほど少し教員の不足の問題も他の委員から指摘がございましたけれども、教員にもやはりライフステージというのがあるんだろうというふうに思います。結婚し、出産をし、子育てをし、また親の介護、こうしたことも、それぞれのライフステージの中でいろいろな事例が発生をしていく。その際に、これは通勤時間の問題も含めてですけれども、そうしたライフステージに合った人事管理の仕方も、教員が働き続けられる条件の重要な一つの要素だというふうに思います。
 この点について大臣はどのようにお考えなのか、まず最初にお聞きしたいと思います。
#173
○柴山国務大臣 公立学校の教職員の人事異動についてでございます。
 全県的な教育水準の維持や、定期的、広域的な異動による教員個々人の資質能力の向上の観点を踏まえて、任命権者である都道府県教育委員会等において定められた方針に基づいて行われているところであります。
 他方、今吉川議員が御指摘のとおり、教職員のライフステージなど、各教職員の状況にも配慮しつつ適正な人事配置が行われるということが私はやはり重要であると考えておりまして、この点、例えば、今御言及のあった、結婚、出産、子育て等の配慮が必要な教職員がいる場合については、夫婦共働きの教職員の場合、同居が可能な地域への異動となるように配慮するですとか、育児等になるべく支障が生じないよう自宅から通勤可能な範囲での異動となるよう配慮するとか、あるいは、育児休業から復職する教職員が異動を希望した場合には病院や保育所がある地域への異動となるよう配慮するなど、可能な限り工夫を行っている例があると聞いております。
 文部科学省としては、各教職員の状況にも配慮した適正な人事配置が行われ、このような観点からも各校における働き方改革の実現に資するよう、任命権者である各教育委員会で取り組むように促してまいりたいと考えております。
#174
○吉川(元)委員 今学校現場というのは、もうかなり実態が表面化いたしまして、ブラックな職場だというような、そういう見方というのが定着しかねないような状況であります。そうした中で、意欲と能力のある、やはり自分は教員になりたいんだという人たちが安心して働けるような、そういう環境づくりを、ぜひまた大臣も先頭に立って頑張っていただければというふうに思います。
 それでは次に、東京医科大の関係についてお話を少し伺いたいと思います。
 既に同僚議員からいろいろな角度から質問がありましたので、私からは二点まとめて質問させていただきたいというふうに思います。
 東京医科大は、七日の日の記者会見で、新学長から、不当に不合格とされた受験生に対する一年間、二年間分の補償、これは生活費や予備校の学費、慰謝料もろもろということだろうと思いますし、また受験料の返還、追加合格されなかった場合については、検討中というふうに明言を避けておられました。やはり、学生側に何の落ち度もない中で、こうした不正によって不利益をこうむった学生に対する補償というのは当然あってしかるべきだというふうに思いますし、また、自分が一体何点をとっていたのか、採点の開示を求める声も出ているというようなことも報じられております。
 もちろんこれは個人情報に配慮しつつではありますけれども、求めに応じて採点を開示すべきだと考えますが、この二点についてどのようにお考えでしょうか。
#175
○義本政府参考人 お答えいたします。
 東京医科大学におきましては、同大学の第三者委員会の第一次報告書における提言におきまして、追加合格者から補償等の請求があった場合には誠実に対応することとされているところでございますし、委員御指摘のとおり、大学の方としても七日付で方針を発表されたところでございます。得点操作の影響により生じた被害についての補償を含め、具体的な対応につきましては現在検討を進められていると聞いているところでございます。
 不利益をこうむった受験生への対応につきましては、一義的には大学において検討されるべきものでございますが、文科省としましても、不利益をこうむった受験生の救済などの必要な対応をとられることが極めて重要でございますので、大学においては丁寧に対応するように求めているところでございます。
 さらに、情報開示の問題でございますが、入試に係る情報につきましてはできる限り受験生に対して提供されることが重要であるということを考えておりまして、文部科学省が定めます大学入学者選抜実施要項におきまして、「各大学は、受験者本人への成績開示や、入試方法の区分に応じた受験者数、合格者数、入学者数等の入試情報の積極的開示に努める。」とされているところでございます。
 また、東京医大におかれましては、これまでに不合格となった女性の元受験者により入試結果の開示等を求める集団請求がなされていると承知しているところでございます。
 不利益をこうむった受験生への対応につきましては、先ほどの補償の問題と同様に、一義的には大学において検討されるべきものでございますが、文科省としましても、不利益をこうむった受験生の救済、必要な措置がとられることが大事でございますので、引き続き丁寧な対応を求めることとしていきたいところでございます。
 その上で、具体的な内容、対応を注視し、必要があれば、適切な対応がとられるように促してまいりたいと存じます。
#176
○吉川(元)委員 丁寧な答弁ありがとうございます。
 ただ、私、持ち時間、それほどございませんので、できる限り端的に答弁をお願いしたいというふうに思います。
 それで、今回の不正入試、そもそもその出発点は、文科省を舞台にしたといいますか贈収賄、これは今、係争中でありますから、そのものについてああだこうだということはないかもわかりませんが、その発端となったのが、私立大学研究ブランディング事業、この採用をめぐって起きたものであります。
 文科省の調査・検証チーム、十月に中間まとめを公表しておりますが、調査対象は、平成三十年度公募型事業の六百三十三件ということですが、調査結果は、特段問題となる事例はなかったということでよろしいのでしょうか。
#177
○瀧本政府参考人 お答えを申し上げます。
 調査を行いました全事業六百三十三件について、特定の者の恣意的な意向が反映されない制度や運用となっているかの観点から、特段問題となる事例は確認されませんでしたが、一方で、事業担当課からは、事業の公平性、透明性をより追求していくという観点から約三百の事業について改善の取組提案があり、また調査・検証チームからは、約五百事業についてさらなる改善の指摘があったところであります。
 これらの改善の指摘等を確実に事業に取り込み、今後、より適切な事業運営を行っていく予定です。
 以上です。
#178
○吉川(元)委員 六百三十三のうち五百というのは、これは不正がなかったとかということは当然でありますけれども、何らかの改善すべき点があったということであると、これは非常に大きな問題なんじゃないかというふうにも私は思います。
 しっかり透明性を確保していただかなければいけないと思いますが、この私立大学ブランディング事業、今年度で終了ということであります。役割を終えたということで、林前大臣が大臣当時、会見で述べられておりましたが、この終了に至った理由、経過を説明してください。
#179
○白間政府参考人 お答えを申し上げます。
 御指摘の私立大学研究ブランディング事業でございますけれども、これは二〇一六年度から三年間で合計約百五十件を採択する見通しになっております。
 このため、大学の特色ある研究を基軸とした全学的な独自色を出す、こういった大学の、所期のこの事業の目的を我々は達成をしたというふうに認識しておりますことから、平成二十九年度の概算要求においてはこの新規公募を盛り込まなかったということでございます。
#180
○吉川(元)委員 事業を終了したということなんですが、もう、ちょっときょうは時間がありませんので尋ねませんけれども、見ておりますと、来年度予算の概算で、私立大学等改革総合支援事業というのがあります。これが今年度に比べて七十億ふえておりまして、よくよく小さな字を見ますと、このブランディング事業の継続分ということで、新規の採用はストップをしたけれども、依然としてまだこれは続いているというふうに思います。
 率直に言わせていただいて、このブランディング事業、個別の研究に対する補助ではなくて、いわゆる大学の経常経費の補助という仕組みであります。こういう、大学の経常経費を、公募をかけて、あるいは競争的な形で配分をするというのは、これは大学をゆがめていくものにつながるのではないか。逆に、今回の不正事件の発端となった贈収賄ですけれども、恣意的な判断が入り込む余地があるような制度設計というのは問題だ。
 先ほど、六百三十三のうち三百あるいは五百が何らかのさらなる透明性が必要だというお話がありましたけれども、そもそも必要な経費は、必要に応じて、恣意的な判断が入り込まない形で私立大学にきちんと補助していくという制度をつくれば、これは完全な透明性を確保できるわけで、ぜひそうした形で今後の制度設計をお願いしたいというふうに思います。
 次に、大学の自治のあり方について、何点かお聞きいたします。
 今回の東京医科大の問題もそうですし、それから日大アメフト部の問題でもそうでありますけれども、大学の自治のあり方は非常に厳しく問われているというふうに考えます。
 東京医科大でいえば、理事長と学長が率先して得点操作をした疑いが持たれておりますし、日大のアメフト部に関しても、理事長から明確な説明がまだ全くされていないという状況であります。これは、加計学園の問題でもまだそういう状況が続いている状況です。そう考えましたときに、私学における理事長の位置というのが本当にどうなのか、そのようなことを疑問に思わざるを得ません。
 そして、二〇一四年の学教法と国立大学法人法の改正に当たって、文科省が一四年の八月二十九日に通知を出しております。そこで、学長と理事会との関係の中で、理事会が最終的な意思決定機関として位置づけられている、このように書かれていますが、これはどの法律、どの条文を根拠にしていますか。
#181
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
 今先生御指摘の理事会につきましては、私立学校法におきまして、理事会は、学校法人の業務を決し、理事の職務の執行を監督するというふうに規定されておりますし、学校教育法におきまして、学長は、校務をつかさどり、所属職員を統督するというふうに規定されているところでございます。
#182
○吉川(元)委員 条文の中に、最終決定機関などというような文言はどこにも存在していないと思います。
 続けて伺います。
 通知の同じ箇所で、学教法それから国立大学法人法の改正ですけれども、今回の法改正が学長の権限と理事の権限との関係に変更を加えるものではないと。そもそも、学長と理事会の間の関係について言及している法律、条文は存在しますか。
#183
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
 理事会及び学長についての法律の規定は、先ほど御説明させていただいたとおりでございますけれども、そういった規定を法理論的に解釈いたしますと、理事会は最終的な意思決定機関であるということになるということでございます。
#184
○吉川(元)委員 いや、最終的な意思決定機関なんて、どこにも条文上はないでしょう。
 それで、続けて聞きますけれども、通知の中の七で、私立大学における学長、学部長その他の人事において、理事会が最終決定を行うという法的な取扱いに変更はないというふうにしておりますが、そのようなことを定めた法律、条文を示してください。
 また、通知は、学校法人みずからが学長選考方法を再検討し、見直していくというふうになっておりますけれども、学校法人が学長選考の方法を決定しなければならないとした法律、条文、どこにありますか。
#185
○白間政府参考人 お答え申し上げます。
 学長の権限につきましては、先ほど紹介させていただいた学校教育法に規定があるということでございますし、理事会についても同様でございます。
 その上で、学長、学部長の選考につきまして、学校法人の最終的な意思決定機関は理事会であるということから、選考の方法も含めて理事会が任命権者として責任を持って決定するという中で、先ほどのような通知の文書をさせていただいたということでございます。
#186
○吉川(元)委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、学教法の九十二条、これは私学も含めてかぶっている法律でありますけれども、そこの九十二条には、校務は学長がつかさどると書いてあります。理事会が、校務について云々口を出す権限はない。その中で、今言ったようなさまざまな問題が発生をしている。これは大学のガバナンスのあり方、あるいは制度のあり方そのものがおかしくなってきている、その一つのあらわれだということを最後に指摘して、質問を終わります。
 以上です。
#187
○亀岡委員長 次に、笠浩史君。
#188
○笠委員 笠でございます。
 きょうは、総合教育政策局、これが十月の十六日から発足をしたということで、大臣の所信の中でも新しい組織の再編ということで触れられておりましたけれども、まず最初に、総合教育政策局が発足をした経緯、あるいは、なぜこの時期に発足をしたのかということについて、お伺いをしたいと思います。
#189
○柴山国務大臣 今回の再編によって、例えば、当該総合教育政策局の調査企画課の新設によって、総合的かつ客観的根拠に基づく政策立案、いわゆるEBPMを行う体制がより強化されます。また、教育人材政策課も、新設によって、初等中等教育局と高等教育局に分かれていた教員の養成、免許、研修に関する業務も一元化されます。また、既存の生涯学習推進課の業務に、これまで担ってきた放送大学や専修学校教育の振興等に関する業務とあわせて、リカレント教育の推進ですとか、キャリア教育、職業教育関係施策の総合調整機能を加えることによって、誰でも、いつでも、どこでも学べる社会を実現するための体制が強化されるといった効果が期待されます。
 文部科学省といたしましては、総合教育政策局が、教育分野の筆頭部としてイニシアチブを発揮することで、これまで以上に効果的な教育政策の推進を図っていくということを期待しております。
#190
○笠委員 私、少し違和感があるんですね。
 一九八八年に生涯学習局が設置をされました。生涯学習局設置に当たっては、臨教審等々さまざまな生涯学習というものが必要じゃないかというようなもとに設置をされ、また生涯学習政策局が二〇〇一年に発足をした。今大臣おっしゃったように、人生百年時代、リカレント教育の重要性というものが今掲げられる中で、この生涯学習という看板が局の名前からなくなって、そして生涯学習推進課というような形に今なっております。
 二〇〇六年の教育基本法の改正において、私も、その当時、野党として議論にかかわらせていただきましたけれども、この第三条において、生涯学習の理念というものが規定をされたわけでございます。「国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。」としております。
 つまり、生涯学習というのは、狭義あるいは広義あるかもしれませんけれども、一生を通じてということと同時に、あらゆる機会を通じてさまざまな学びをしていく、そういう私はすばらしい概念であると思うんだけれども、総合教育というのはよくわかりません。
 ですから、私は、例えば、きょう手元に資料、総合教育政策局のミッション、これは文科省が今示しているやつですけれども、この左の、例えば青い部分、政策課、教育改革・国際課、あるいは調査企画課、教育人材政策課、総合的かつ客観的根拠に基づく教育改革政策の推進というもの、ある意味ではこれは戦略だと思うんです。
 ですから、例えば、総合教育戦略局的なものが筆頭局としてあって、そして、右側のこの赤い部分、実際に、初中局等と、今まで縦割りと言っていたもの、そういったものを一元化するということは、私、その方向性を否定するつもりはないし、それはそれでいいんだけれども、この部分は、やはり生涯学習局的なものをしっかりと局として残すような組織改革の方が私は望ましいのではないかというふうに思っておりますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
#191
○柴山国務大臣 思いは同じ方向を向いていると思うんです。
 人生百年時代、ソサエティー五・〇の到来に向けて、結局、一人一人の可能性とチャンスの最大化を図るために、学校教育と社会教育を一気通貫で、総合的、横断的な教育政策を推進し、今御紹介をいただいた教育基本法の第三条の生涯学習の理念に基づいた生涯学習政策のさらなる強化が必要だ、ここまでは恐らく全く同じ観点だと思います。
 ただ、そうした観点から、今回は、総合教育政策局を設置して、総合的に教育政策を行う基盤整備を行うとともに、生涯にわたる学び、地域における学び、ともに生きる学びの観点から政策を推進する体制を整備したということで、課として位置づけをさせていただいております。
 生涯学習の重要性が一層高まっているという認識のもとで、生涯学習社会の実現に向けて、一層強力に取組を推進してまいります。
#192
○笠委員 私が、今回、総合教育政策局が発足した経緯というものを事務方から事前にレクを受けたときに、ちょうど一昨日も指摘しましたけれども、例の天下り等々の問題、そういったことを受けて、今後の文科省の在り方を考えるタスクフォース報告ということが平成二十九年七月二十一日にまとめられております。
 この中で、今後の取り組む姿勢として、その戦略の中に、文部科学省創生に向けた組織の抜本的な再編ということで、組織の見直しの延長線上に今回のこの総合教育政策局の発足があるんだということを伺っております。それは、局長で結構、それでよろしいですか。
#193
○清水政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の組織再編につきましては、大きな流れとしては、人生百年時代、ソサエティー五・〇の到来が予想される中で、文部科学省としてのそれに対応した組織をということで考えてきたものでございますけれども、先生御指摘のとおり、再就職問題を受けて取りまとめました今後の文部科学省の在り方を考えるタスクフォース報告におきましても、社会変化に機動的に対応するため、人づくり革命等の動向を踏まえた大胆な教育改革に取り組むための機能強化を図っていくといった取りまとめがございまして、これも踏まえて今回の抜本的な組織改編を実施したものでございます。
#194
○笠委員 よく、いろいろな不祥事等々が起こったときに、これは役所だけではありません、民間においても、やはり何かをわかりやすい形で具現化するときに組織の改革というのがあるんですね。ですから、よく、分割をしてみたり、まとめてみたり、そういったことで、一つは、そういう成果としてこの組織改革が挙げられるのかもしれませんけれども、私は、またこういうふうに大きく総合教育政策局というものができたけれども、果たして本当に機能していくのかなということ、まあ、せっかくつくったわけですから、そこにやはり魂を込めていただきたいという期待も申し上げておきたいと思います。
 そこで、ちょっと幾つか、時間のある限り具体的なことをお伺いしたいんですけれども、例えば、先ほどもありました、教育人材政策課という、まさに養成、採用、研修を一体として進めていくと。ただ、やはり子供たちの教育を充実させるためには教員の人材確保が最重要課題だということは言うまでもありません。ただ一方で、日本の教員は非常に世界でも最も勤務時間が多く、きょうも議論になっておりましたけれども、やはり働き方の改革というものも必要になってくる、そして定数の改善。こういったことは、全てここの教育人材政策課で一元化してこの政策に取り組んでいくということでよろしいんでしょうか。
#195
○清水政府参考人 お答え申し上げます。
 この新しい教育人材政策課でございますが、教育を支える専門人材の育成の充実が不可欠であるという考え方のもと、総合教育政策局においてはその人材育成に関する業務を一元化しようと考えたところでございます。
 教員につきましては、これまで、高等教育局において教員の養成を、そして初等中等教育局においては教員の採用、研修に関する業務を担当していたところでございますけれども、この養成、採用、研修、これをまとめて、教育の専門人材の育成という観点から一元化したというところでございます。
 したがいまして、教員の働き方改革とか教員定数といったところは引き続き初等中等教育局が担うことになっておりますので、総合教育政策局といたしましては、初等中等教育局等の関係部局と連携をしながら、教育を支える専門人材の育成を総合的に推進してまいりたいと考えているところでございます。
#196
○笠委員 全然変わらないじゃないですか。
 今、働き方改革、あるいは教員の数と質、これは本当に大変重要な課題なんです。だったら、本当に、初中局も含めて、あるいは高等教育局も含めて、一元化するというなら、ここに全て、やはり、予算の獲得、あるいは財務省との交渉、そういったことまで移すんだったらわかります。だから、私がさっきから言うように、戦略を立てるところとしての局だったらいいけれども、これをもし本当に総合教育政策局という形で機能させるのであれば、思い切ってそれぐらいのことをやるべきじゃないか。だから何となく中途半端な形になるんじゃないか。今までと一緒でしょう。教員の定数改善そして働き方のこれからの改革、やはりこういう方向性に本当にここが対応していくことがないのであれば、教育人材政策課というのは何なんだというような指摘を私はせざるを得ないということを言っておきたいと思います。
 もう一点。実は私、きょう大臣が読書・体験機会ということの重要性、ちょっと具体的ではないけれども、触れていただいたことについては評価をしたいと思います。特に今回、地域学習推進課というところに図書館に係る政策、これが一元化をされました。つまりは、学校図書館あるいは公共図書館あるいは子供の読書活動、こういったものを全てこの地域学習推進課によって担当していく。
 一元化するのはいいんだけれども、せっかく一元化をしたのであれば、これから本当に読書を支えるこの図書館の充実をどのように政策として具体化していくのか、そういったことが今明確なビジョンがあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
#197
○柴山国務大臣 ありがとうございます。
 所信挨拶でも申し上げたとおり、読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につけていくためにも欠くことができないものでございます。
 ということで、今般の組織再編に伴い、今御指摘のとおり、学校図書館、公立図書館及び子供の読書活動を同一の組織で担当することによって、総合的、横断的に推進することといたしました。
 では、具体的にはということでございますけれども、例えば、学校図書館と公立図書館との連携協力体制の強化を推進して蔵書の相互利用や事業の共同開催を行うほか、主体的、対話的で深い学びのための図書館の活用などによって読書活動の一層の推進を進めていきたい、このように考えております。
#198
○笠委員 実は私、超党派の活字文化議員連盟、細田先生が会長で、私は事務局長を務めておりますけれども、かなり今、地方の公共図書館というものが、いろいろな地域で、機構改革をしながら大変よい取組があるんですね。今度ちょっと大臣のところにもお届けしますけれども、ちょっと提示させていただきますけれども、これは、私どもの議連もかかわって、全国の幾つかいい取組を紹介しておりますパンフレットなんです。
 やはり今、例えば福祉施設との、確かに学校図書館と公共図書館の連携も大事です、あるいは福祉施設と連携をしながら障害者の新たな雇用創出をしながら、あるいは地元の書店から本を購入するというような形で、地域の知の拠点としての図書館改革というものも進めておられますので、ぜひそういった例も含めて、これは図書館のことだけじゃないんですけれども、自然体験活動もそうだけれども、今回せっかく総合教育政策局というものを、看板を掲げ直したということであれば、やはりこういうことをこれから、今までできなかった、しかし、組織を変えることによって新しいこういう改革をやるんだということを、今すぐとは言わないけれども、ぜひ柴山大臣の時代にそれぞれ打ち出していただきたい。そのことをちょっとお願いしたいと思います。
#199
○柴山国務大臣 極めて有益な御示唆でございますので、しっかりと進めていきたいと考えております。
#200
○笠委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。
     ――――◇―――――
#201
○亀岡委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。柴山文部科学大臣。
    ―――――――――――――
 原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#202
○柴山国務大臣 このたび政府から提出いたしました原子力損害の賠償に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の原子力損害賠償制度は、昭和三十六年に原子力損害の賠償に関する法律が制定されて以降、諸情勢の変化や株式会社ジェー・シー・オーのウラン加工施設における臨界事故の教訓を踏まえ、必要な見直しが行われてまいりました。
 平成二十三年三月十一日に東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故が発生いたしましたが、その際の原子力損害の賠償の経験等を教訓とし、万が一の際における原子力損害賠償制度のあり方を適切に見直す必要があり、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法附則第六条においては、原子力損害の賠償に関する法律の改正等の抜本的な見直しを始めとする必要な措置を講ずるものとされております。
 その一環として、平成二十六年には、原子力損害の補完的な補償に関する条約の締結に際し、この条約の適確な実施を確保するための所要の国内法整備を実施したところです。
 また、原子力損害賠償補償契約の新規締結及び原子力事業者が賠償すべき額が賠償措置額を超える場合における政府の援助に係る期限が平成三十一年十二月三十一日までとなっておりますが、平成三十二年以降に新たに開始される原子炉の運転等に係る原子力損害についても、これらの措置の対象とできるよう、その期限の延長を確実に行うことが必要であります。
 この法律案は、このような観点から、原子力損害の賠償に関する法律について所要の改正を行うものであります。
 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
 第一に、原子力事業者は、原子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を図るための方針を作成し、これを公表しなければならないこととしております。
 第二に、原子力事業者が特定原子力損害を受けた被害者に対して特定原子力損害賠償仮払金の支払いを行おうとする場合において、国は当該特定原子力損害賠償仮払金の支払いのために必要な資金を貸し付けることができる制度を創設することとしております。
 第三に、原子力損害賠償紛争審査会が和解の仲介を打ち切った場合において、当該和解の仲介を申し立てた者が、打切りの通知を受けた日から一月以内に裁判所に訴えを提起したときは、時効の中断に関しては、当該和解の仲介の申立てのときに、訴えの提起があったものとみなすこととしております。
 第四に、原子力損害賠償補償契約の新規締結及び原子力事業者が賠償すべき額が賠償措置額を超える場合における政府の援助に係る期限を延長し、平成四十一年十二月三十一日までに開始された原子炉の運転等に係る原子力損害について、これらを行うことができることとしております。
 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#203
○亀岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#204
○亀岡委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る二十日火曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#205
○亀岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次回は、来る二十日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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