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2018/02/21 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 資源エネルギーに関する調査会 第3号
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2018/02/21 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 資源エネルギーに関する調査会 第3号

#1
第196回国会 資源エネルギーに関する調査会 第3号
平成三十年二月二十一日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鶴保 庸介君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井みどり君
                渡辺 猛之君
                浜野 喜史君
                杉  久武君
                山添  拓君
                儀間 光男君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                石田 昌宏君
                島田 三郎君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                藤木 眞也君
                森 まさこ君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                長浜 博行君
                森本 真治君
                矢田わか子君
                三浦 信祐君
                市田 忠義君
                山本 太郎君
                中山 恭子君
   副大臣
       経済産業副大臣  西銘恒三郎君
       経済産業副大臣  武藤 容治君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        山内 一宏君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       桑原振一郎君
       警察庁長官官房
       審議官      坂井 孝行君
       復興庁統括官   小糸 正樹君
       文部科学大臣官
       房総括審議官   中川 健朗君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
       厚生労働大臣官
       房審議官     佐原 康之君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       経済産業大臣官
       房福島復興推進
       グループ長    松永  明君
       経済産業大臣官
       房原子力事故災
       害対処審議官   星野 岳穂君
       資源エネルギー
       庁長官官房資源
       エネルギー政策
       統括調整官    小澤 典明君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       海上保安庁警備
       救難部長     奥島 高弘君
       環境大臣官房審
       議官       室石 泰弘君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       荻野  徹君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制技監  櫻田 道夫君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房緊急事
       態対策監     山形 浩史君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       長官官房核物質
       ・放射線総括審
       議官       片山  啓君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  山田 知穂君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (「原子力問題に関する件」のうち、原子力規
 制委員会の活動状況)
 (原子力問題に関する件)
    ─────────────
#2
○会長(鶴保庸介君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題といたします。
 まず、「原子力問題に関する件」のうち、「原子力規制委員会の活動状況」について、原子力規制委員会委員長から説明を聴取いたします。更田原子力規制委員会委員長。
#3
○政府特別補佐人(更田豊志君) 昨年九月二十二日付けで原子力規制委員会委員長を拝命いたしました更田豊志でございます。
 私は、約五年半前、原子力規制委員会の発足とともに委員に任命され、東京電力福島第一原子力発電所事故のような原子力災害を二度と起こさないとの決心の下に、新規制基準の策定、原子力発電所の審査、福島第一原子力発電所における廃炉作業に係る規制などに当たってまいりました。
 原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故の反省と教訓とに基づき設置された組織です。委員長が交代しても、福島に対する強い思いを持ち続けることが原子力規制委員会にとって重要であると考えております。安全の追求に終わりはないという初心を忘れず、常に自らに問いかけ、慢心を戒める姿勢を保つことが重要であり、委員や規制庁職員とともに最善を尽くす覚悟であります。よろしくお願いいたします。
 それでは、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
 原子力規制委員会は、原子力に対する確かな規制を通じて、人と環境を守るという使命を果たすため、様々な課題に取り組んでおります。
 まず第一に、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
 東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえ制定した新しい規制基準への適合性審査については、これまで、発電用原子炉について十一の事業者から二十六基の原子炉に係る申請が、核燃料施設等について九つの事業者から二十の施設に係る申請がなされております。
 これまでに、九州電力川内原子力発電所一号炉及び二号炉、玄海原子力発電所三号炉及び四号炉、関西電力高浜発電所一号炉、二号炉、三号炉及び四号炉、美浜発電所三号炉、大飯発電所三号炉及び四号炉、四国電力伊方発電所三号炉並びに東京電力柏崎刈羽原子力発電所六号炉及び七号炉の計十四基に対して設置変更許可を行い、関西電力高浜発電所一号炉及び二号炉並びに美浜発電所三号炉について運転期間延長の認可を行いました。また、九州電力玄海原子力発電所一号炉、日本原子力発電敦賀発電所一号炉、関西電力美浜発電所一号炉及び二号炉、中国電力島根原子力発電所一号炉並びに四国電力伊方発電所一号炉の計六基について、廃止措置計画の認可を行いました。
 核燃料物質の加工施設については、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン、日本原燃濃縮・埋設事業所、三菱原子燃料及び原子燃料工業東海事業所の加工事業の変更許可を行い、また、試験研究炉については、国立大学法人京都大学原子炉実験所の臨界実験装置及び研究用原子炉の設置変更承認、近畿大学原子力研究所原子炉の設置変更許可並びに国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の定常臨界実験装置及び原子炉安全性研究炉の設置変更許可を行うなど、原子力施設等に関する審査、検査を順次進めております。
 このほか、高速増殖原型炉「もんじゅ」について、安全かつ着実な廃止措置が行われるよう、廃止措置計画の認可申請に関する審査を進めております。
 第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の安全な廃炉や汚染水対策の実施に向け、規制当局としての立場から積極的な監視を行っており、安全かつ着実に廃炉作業が進むよう、実施計画の審査などに当たっております。
 引き続き、安全上の観点からの優先順位を明確にした中期的リスクの低減目標マップを定期的に改定し、完了した措置と引き続き監視が必要な措置を明示するなどして、処理した水の処分や廃炉作業に伴って発生する廃棄物の処理などの対策が適切に行われるよう監視、指導を行ってまいります。
 第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実について申し上げます。
 原子力規制委員会では、最新の国際的知見を積極的に取り入れるなど、防災計画の立案に使用する判断基準等が常に適切なものになるよう原子力災害対策指針の充実を図るとともに、原子力災害拠点病院の指定促進の支援など、原子力災害時における医療体制の着実な整備を進めております。
 放射線モニタリングについては、原子力規制事務所におけるモニタリング担当職員の増員などにより、緊急時モニタリング体制の充実強化を図っております。また、総合モニタリング計画に基づき、東京電力福島第一原子力発電所の事故に係るきめ細かな環境放射線モニタリングを継続するとともに、モニタリング結果について関係自治体その他の国内外への情報発信にも努めています。
 最後に、原子力利用における安全対策の一層の強化のための制度の見直しについて申し上げます。
 昨年の第百九十三回国会において、原子力事業者等に対する検査制度の見直し、放射性同位元素の防護措置の義務化などを内容とする関係法律の改正が成立しました。これは、国際原子力機関、IAEAの勧告などを踏まえたものであり、平成三十二年四月に向けて段階的に施行されます。原子力規制委員会としては、法改正の趣旨を実現すべく、透明性を確保しつつ、様々な関係者の意見などを踏まえて関係政令、規則等を整備するとともに、更なる組織体制の強化と人材育成に取り組むことにより、新たな制度の運用が円滑に進むよう万全を期してまいります。
 以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
 我が国の原子力規制に対する信頼の回復は、まだ道半ばにあります。原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえ、原子力利用の安全が確実に担保されるよう今後とも努力してまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
#4
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
 以上で説明の聴取は終わりました。
 次に、原子力問題に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#5
○青山繁晴君 ありがとうございます。
 皆様、傍聴席の国民の方々を含めまして、お集まりいただき、ありがとうございます。自由民主党・こころの青山繁晴です。
 党利党略のためでなく、ただ国益のためにこそ質問いたしますので、どうぞ国民のための御答弁をよろしくお願いいたします。
 更田委員長、もはや昨年九月のことではありますけれども、改めて、委員長御就任おめでとうございます。不肖私は、民間の専門家として長く原発の安全、なかんずくテロ対策について関わってまいりました。更田委員長とは実はこれまで面識はありませんでしたけれども、まさしく原子力安全の包括的な権威として御高名はかねてから、御就任なさる前からお聞きしています。現在と今後の指導力の発揮に僣越ながら深く期待いたしております。
 その更田委員長にまず最初の御質問をお伺いしたいんですが、ちょうど一年前のこの調査会でお聞きしたことに関してであります、当時は田中委員長でありましたが。
 福島原子力災害、これは、仕事、生活あるいは学業の場を失われた方々、まだ本来の生活その他を取り戻していらっしゃいませんから、全く収束していない深刻な現状にあります。
 その上で、事故から既に七年近くが経過いたしまして、事故直後の混乱からは立ち直っているわけでありまして、客観的、中立的に一体どのような災害が起きたのか、事故原因ももちろんですし、今後の改善策ももちろんですが、まず事故そのもの、本当はチェルノブイリと同じにされているということにふさわしい判断なのかということに関して、一年前もお聞きいたしました。
 まず、端的には、放射性物質の漏えい量であります。それが根っこの根なのは当然のことでありますが、事故の直後、事故の一か月ぐらい後の二〇一一年の四月に、菅内閣の下で、当時の経済産業省の原子力安全・保安院が、放射性ヨウ素131と放射性セシウム137を合わせて全体をヨウ素に換算した上で三十七万テラベクレル、そして内閣の原子力当時ありました安全委員会が六十三万テラベクレル。いずれも、不肖私も耳にした瞬間、本当に腰が抜けるぐらい驚くぐらいの膨大な線量を公表いたしました。
 まず、今お気付きのとおり、既に同じ政府の中で、原子力安全委員会と原子力安全・保安院の数字が全く違うんですよね。それを多分踏まえてのことだと思いますけれども、翌年、二〇一二年の三月に原子力安全・保安院がざっと五十万テラベクレルという非常にアバウトな数字、それも明らかに自分の数字に上乗せした数字を公表しました。実に、日本政府が公表した数字というのは、いまだにこれだけなんですね。
 その過程で、二〇一二年九月に、野田内閣の下で原子力規制委員会が先ほど更田委員長がおっしゃったように新しく発足したのでありますけれども、この原子力規制委員会自らが実測した値などに基づいた中立的、公平的な放射線量というのは幾らだったかというのが計算されていないし、計算されていないから当然示されていないというのは、実は国民の中ではほとんど知られていない、マスメディアにおいても報道されていない事実ではないかと危惧します。
 しかも、もう一点、これも昨年指摘したことではあるんですけれども、これは実測値じゃなくて、当時、コンピューターに基のデータを入れた、つまり基になるデータを一応仮に入れた推測値です。これは科学の世界では当たり前ですけど、本当は実測値を基にして手計算しないといけないです。コンピューター、スーパーコンピューターに入れるだけですと、データの条件によってどんどんバイアスが掛かって、もう際限なくなるぐらい大きくなるというのは、不肖私が関わってきた実務でも自明の理なわけです。その実測値に基づく計測がされていません。
 これも、限られた時間ですけれども、去年取り上げた実例をもう一度申したいんですけれども、この政府の公表した値については、学者、研究者の中からたくさんの異論が日本国内だけでも出ております。その中には、原子力利用に肯定的な方、否定的な方、それではなくして、全く中立的な方からも疑問が提示されていて、その中の言わば代表的な方、東京大学名誉教授の西村肇先生という方がいらっしゃいます。この方は、この質問する前の更田委員長と同じで、私と個人的付き合いはありません。だから、何かバイアスが掛かって申し上げるんではなくて、この西村先生は官公庁から大気と海洋汚染の状況についてたくさん委託をされている方ですから、信頼性が置けますし、中立的な方だということも言えると思います。
 この方が、事故直後、二〇一一年の四月に記者会見なさっていまして、そのときに発表なさった数字というのは、福島原子力災害による放射性物質の漏えいの全量、総量が、何と千テラベクレルです。これは一学者の意見とはいえ耳を疑う話であって、先ほどの保安院の数字と比べると、一%に満たないどころか〇・二%程度です。そして、原子力安全委員会の発表と比べると僅か〇・一六%になってしまって、とても同じ事故の話をしているとは思えないんですよね。
 実は、ほかにも福島の放射線量、現在調べてみても、少ないのに驚いたという、やっぱり推進派じゃなくて中立的な学者からこれが公の場で語られている、国際学会、私が国会議員になって以降も出席した国際学会でもこれが語られているのに、なぜ日本政府は七年たってなお自ら計測あるいは計算なさろうとしないのか。
 一年前にお聞きしたときに当時の規制委員会からのお答えとしては、新たな知見が得られたら、放射性物質の放出量を見直すことができるかどうか検討してまいりたいというお答えをいただいて、一年前私は評価いたしました。
 では、一年たって現状がどうなのかということを、まず更田委員長、お答え願えますでしょうか。
#6
○政府特別補佐人(更田豊志君) 東京電力福島第一原子力発電所の事故のような大きな事故のときの放射性物質の総放出量に関する推定に関して、現状の技術に照らして言えば、最も正確な値を与えるであろうと考えられるのは、事故直後の汚染状況から逆算してその放出量を推定するというやり方であろうと思っています。その値がおおよそ先ほど先生がお挙げになった約五十万テラベクレルと。今の時点で考えると、私ども原子力規制委員会も恐らくこれが最も正確な値を与えているだろうというふうに考えています。
 一方、炉内状況から放出量を推定する、これは当時原子力規制庁から御説明しましたように、現在、福島第一原子力発電所については、高線量であるため詳細な現地調査が行えず、格納容器内の詳細な損傷状況など、依然として状況は不明なままでありまして、これは引き続き調査を必要としているところです。
 いずれにしましても、炉内状況から総放出量を推定するというのはいずれにせよ困難であろうと思っていますが、ただ、原子力規制委員会としては、現在の廃炉の進捗状況を踏まえて事故分析を進めることとしており、新たな知見が得られれば、放射性物質の放出量を見直すことができるかどうか検討したいと考えています。ただ、繰り返しますが、恐らく総放出量に関して最も正確な値を与えるであろうと考えられるのは、事故直後の汚染状況からの逆算であろうというふうに考えております。
#7
○青山繁晴君 今、更田委員長から、五十万テラベクレルが規制委員会としては最も正確な数字だろうと考えているとおっしゃって、その根拠を事故直後の汚染状況とおっしゃいました。はっきり申して、それでは僕は根拠が不十分ではないかと危惧します。
 事故直後の汚染状況が最も正確な数値につながるのは、それは当たり前のことではないでしょうか。事故直後に得られたどのデータをどのように計算して五十万テラベクレルとおっしゃっているんでしょうか。
#8
○政府特別補佐人(更田豊志君) 約五十万テラベクレルという数字にしましても、いずれにせよ、オーダーの程度、要するに五十万から百万、百万テラベクレル程度というものであって、正確な数字ではないことは、まずこれは先生も御承知いただいていることだと思います。
 その上で、どのようにしてこの値が出てきたか。事故直後に汚染が広がっていて、各地の空間線量率等々を測って汚染状況を押さえております。その汚染状況から事故当時の気象条件等を考慮して、それがどうやって各地に運ばれていったのか、それを逆算してやって、発電所からどれだけのものが出たかと。これが当時、これは当然、気象状況等に関しても不確かさがありますし、手法の違いもありますけれども、これが恐らく三十七万、それから六十三万という値になったんだと思いますけれども、いずれにしろ有効数字二桁で語れるような数字ではなくて、三十七万、六十三万というのは、違いがあるというよりはむしろ同程度の値だというふうに思っています。
 ですから、数十万テラベクレル程度の総放出量であったというのが今捉えられている知見であって、今後、じゃ、これの精度が上がるかというと、炉内状況の調査が進んだとしても、炉内の状況から今度総放出量を推定するというのも極めて困難ですので、これは委員会として議論したわけではありませんので委員会としての見解かどうかというとちょっと自信はありませんけど、私個人としては、数十万テラベクレルというのが今後とも固定した値なんだろうというふうに認識をしております。
#9
○青山繁晴君 炉内の計測自体が難しいですし、廃炉とともにある程度は計測されていくでしょうが、それにしても、仮に計測されたとしても、炉内の数字で環境に漏えいしたところの放射線量を正確に考えるというのは無理ですね。そこは同じ意見です。同じ意見ですが、しかし当時、多い少ないは別にして、汚染があった土壌やあるいは河川、あるいは森の中、実際に今、福島に行きましても森の中はやっぱり除染が進んでいませんですから、そういうところから相当に実は客観的な数字出せると思っていますので、今日のお答えはやむを得ないとしても、謙虚に検討いただきたいと思うんですね。
 あえて謙虚という逆に言うと質問者にしては不遜な言葉を使ったのは、時々驚く司法判断が下されるわけです。これ、もちろん司法はあくまで裁判官の良心と法に基づいて決定や判決が出されますから、ここでゆめ批判するようなことはいたしませんけれども、ただ、やっぱり莫大な放射線量が出たので、チェルノブイリと同じレベル7で仕方ないんだという社会の言わばやむを得ざるコンセンサスがあると、そこに乗っかった判決も当然出てくる、これは言わば裁判官の方々の良識の一つじゃないかと思います。
 一つの例をあえて申しますと、この決定を非難するわけじゃなくて、一つの例を申しますと、最近の例を申しますと、去年の十二月、皆さん、特に委員の方々におかれては御関心だと思いますけれども、広島高裁において、稼働中というか、一応、実際には定期点検中だった伊方三号機について、原子力規制委員会の新基準を当てはめると、いや、その新基準は合理的なんだということを裁判官はおっしゃった上で、その合理的な新基準を当てはめると、九万年前の阿蘇山の噴火があると火砕流で伊方三号機がのみ込まれるおそれが十分考えられるから、結論としては立地は認められないという判断だったんですね。
 これは、決定理由の全文を読みますと、この確率は一万年に一回であることも事実だと。一万年に一回の確率。原子炉は普通で言うと四十年です、もって。長くても六十年です。一万年に一回の確率でこれを言うということの蓋然性。
 それから、さらに、もしもこういう、例えば九万年前のような阿蘇の噴火があったとしたら、これは、もちろん原子力発電所だけじゃなくて、九州全体あるいは四国あるいは全国あるいはアジア全域に莫大な被害が及ぶのであって、それまで想定するのであれば、はっきり言うと空港も新幹線も稼働は無理じゃないかということを、これあえて卑近に申しているようですけど、一応危機管理の専門家としても、ちょっとやっぱり余りにも常識と懸け離れているんじゃないかということを思わざるを得ないんですね。
 この質問の眼目は、もう一回言いますと、判決の批判じゃなくて、その判決理由の中に、もう一回言います、基準は正しいんだと、その基準に基づけば、特にこの火山に関する言わば細則の部分を読むと、火山については最大の避難を考えろというふうに基準に書いてあるから、裁判所としては最大のものを考えざるを得ないと。言わば司法としての合理性がそこに書き込まれているわけです。
 したがって、何を更田委員長にあえてお聞きしたいかというと、基準、特に火山噴火についての基準はこの際見直すべきではないでしょうか。
#10
○政府特別補佐人(更田豊志君) いわゆる新規制基準に基づく火山評価ガイドでは、施設から半径百六十キロメートルの範囲で、施設の運用期間中という限られた期間において、噴火などの可能性が十分小さいかどうかを評価することを求めております。
 この観点から、火山地質学、地球物理学及び地球化学などの最新の知見を踏まえ、過去の噴火の動向や現在のマグマだまりの状況等を、状態等を検討し、これらを総合的に考慮することで破局的噴火の発生可能性に関する評価を行うことは可能であると考えており、火山評価ガイドを見直す必要はないものと考えております。
 その上で、伊方原子力発電所三号機の審査では、阿蘇山の破局的噴火の可能性について、各種の知見も参照しつつ、破局的噴火の活動間隔、前回の破局的噴火からの経過時間、現在のマグマだまりの状況、地殻変動の観測データなどから総合的に評価を行った結果、現在は破局的噴火の直前の状態にはなく、運用期間中に設計対応不可能な火山事象が発電所に影響を及ぼす可能性が十分に小さいと判断したものであります。
#11
○青山繁晴君 委員長のお答えの後半、非常に明快な見解をおっしゃったと思います。その上で、委員長は現在の基準は適正であるということを申されましたけれども、あえてもう一度、今後の司法のリスクを考えても、常に不断の基準の客観的な見直しはどうぞ取り組んでいただきたいと願います。
 その上で、委員長にはあと一つお伺いしたいんですけれども、先ほど、時々僕が申しました、IAEA、国際原子力機関の基準でチェルノブイリと同じにされていると。チェルノブイリは私ももう当然行きましたけれども、死者が一体何人、何千人、何百人、何万人、何十万人だったのか、誰も分からないような状況がずっと続いていて、周辺地域の被災状況も福島とはもう別世界のすさまじいものがあります。
 それが依然として、安倍内閣においてもレベル7になったまま。これは原子力規制委員会だけのもちろん責任ではなくて、内閣の責任としても、何らIAEAと協議した形跡がなくそのまま続くということは、父祖の地はチェルノブイリと同じだということを福島の方々に思わせる大きな要因になっていると思います。
 内閣全体の責任ということは、もちろん自由民主党なども責任は僕は大きいと思っていますけれども、しかし、まずは原子力規制委員会からこのIAEAの基準の在り方、特に、仄聞しておりますのは、レベル6以上になると数字だけで判断すると、放射線量の、そういう話も聞きます。しかし、これは当然、事故全体をレベル1から始まって見るべきではないかと思いますから、その辺、IAEAと話し合っていただくことはできないでしょうか。
#12
○政府特別補佐人(更田豊志君) INES評価と呼んでおりますけれども、IAEAのレベルの与え方ですけれども、まずINESのそもそもの役割というのは、何か事故のようなものが起きたときに、周辺国を始め国際各国が一体何が起きているのか、どの程度のことが起きているのかというのを早く把握したいと。そのときに説明文、まあ言語の問題もありますけれども、説明云々を待つのではなくて、そもそもレベル1なのか2なのか3なのかと。そういった意味で、INESのレベルというのは比較的低い、小さな数字の方は緻密にできております、1、2、3、4ぐらいまで。
 ところが、大きなところは、これはまれに起きますし、また非常に大きな災害ですので、レベルの7になると非常にざっくりとしていて、とっても大きなというぐらいのイメージのものです。そうすると、そのカテゴリーにチェルノブイリ原子力発電所事故も入ってしまいますし、福島第一原子力発電所事故も入ってしまう。
 先生が御指摘になっているように、事故の様態は著しく異なります。また、被害も異なります。これは立地条件にもよりますし、当時の気象条件や様々なものは影響しておりますけれども、ただ、どうしても、このINESレベルの本来の目的は、どちらかというと低いレベルのものを速報するというところにあるために精緻にできていて、大きなところに関して言うと、先ほど申し上げたように、ざっくりととってもひどい事故なんだというようなものです。
 ですので、同じレベル7に属しているから同じレベルの事故なんだと捉えられてしまうということは致し方ないところではあるんですけれども、私どもとしては、IAEAにINESの見直しというと、これ国際各国のコンセンサスを取って、恐らく非常に時間も掛かることだろうし、その弊害もまたあろうと思っています。ですので、同じレベル7に属してはいるけれども、事故の様態その他は大きく違うものであるのだということは、これは規制当局だけの責任ではないと思いますけれども、説明に努めてまいりたいと思っております。
#13
○青山繁晴君 今、更田委員長がおっしゃった最後の辺りは、実はIAEAの中でもレベル7の上にレベル8をつくって、チェルノブイリをそこに乗っけて、福島との違いを出そうというような意見もありますよね。だから、どうでもこうでもレベルの数字を下げろと僕も申しているんじゃなくて、委員長がおっしゃったとおり、違うんだということを日本国民と福島の方々と世界に明示できるように、どうぞ御努力をお願いします。
 時間が限られていますので、次のことに行きたいんですけれども、原子力規制委員会だけではなくて、やっぱり行政の方々にお伺いしたいこと、今まで僕がお話ししたこととももちろん関連するんですけれども、実は、客観的、中立的に申せば、福島の原子力災害で災害関連死、これは東日本大震災全体を含めて、災害関連死でいうと何と二千人をはるかに超えるというひどい死者を出してしまっています。ところが、一方で放射線障害、つまり原子力災害に絞って見れば、間違った避難誘導、例えば透析を外してしまって、線量のむしろ低いところから高いところに間違って誘導してしまって、それが原因と断定はできなくても、亡くなった方は実は複数いらっしゃいます、福島歩いて私も確認しましたけれども。しかし、放射線障害で亡くなった方はゼロです。それから、放射線障害でいわゆる傷病、傷ついたり病まれた方もゼロです。さらには、実は放射線障害で治療を受けた人もいません。
 これを私がBBCとかCNNに話していますと、日本のメディアは全く取り上げてくれませんでしたが、BBCが一旦放送した後で、実は調べたら一人治療を受けていることが分かった、これどう思うかと言って、突然、ロンドンから東京の僕の自宅に押しかけてきたことがあったんですが、それは、僕の方から名前を言って、これ自衛官の方ですねと、それはふくらはぎにやけどをなさったので、千葉の放射線医学総合研究所病院に運ばれたけれども、しかし放射線障害とは関係がなくて、単なる熱い物が当たったやけどだったということが分かって、自宅に一旦帰られた後、部隊に戻られたと。だから、放射線障害で治療を受けた人はいませんと言いましたら、BBCは、もちろん自分でもう一回調べて、そのとおりだと、また取材に来たのは、じゃ、何で日本ではその話が全然語られないのか、全然事故の様子が違うじゃないかということを言われたわけですね。あれから七年たって何も変わっていないんですよね。
 これはもう、原子力規制委員会だけではなくて、つまり、災害関連死でたくさんのひどい犠牲が出ていることは事実なんですから、その原因をちゃんと峻別して、その上で、その原因、あるいは中、長、短期の避難、自宅や店舗などの損失、失職、転校などについて、原子力災害をその中に含めた上でちゃんと区別も付けた調査を調査チームによって調べるべきじゃないですか。そうすると、それは今、原子力規制委員会にお預けしたその上級官庁、上級って言い方良くないけど、一応所管官庁は環境省だと。だから、経済産業省は知らぬことになっているけれども、そうじゃなくて、事故当時、起こしたときの所管官庁だった経済産業省とそれから文部科学省とそれから環境省と復興庁と、少なくとも、それにもちろん内閣官房も加わって、一体となった立証チームをつくって取り組むべきじゃないでしょうか。
 これ、行政側から答弁お願いできますか。
#14
○副大臣(武藤容治君) まずは経産省として、私から御質問のお答えをさせていただきたいと思います。
 先生も御承知でございましょうけれども、これまで政府では、福島第一原発事故による被害や復興の進捗の状況については、東京電力福島第一原子力発電所における事故調査・検証委員会の報告書を受けて講じた措置のフォローアップ結果というものや、あるいは東日本大震災復興基本法に基づく東日本大震災からの復興の状況に関する報告並びに原子力災害対策本部、復興推進会議等を通じて関係省庁間で情報共有しております。
 このような既存の取組も踏まえつつですが、先生からの御提案につきまして、政府一体となって更にどのようなことができるのか、関係省庁の協力を得つつ検討してまいりたいというふうに思います。
#15
○青山繁晴君 武藤副大臣、代表して答えていただき、ありがとうございました。お言葉信じたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 時間はあと三分半ぐらいなんですが、原子力に関して一点だけ、喫緊の、急ぎのことをお聞きしておきたいと思います。
 今後、朝鮮半島で有事があるないにかかわらず、いずれにしろ北朝鮮から何らかの難民が発生するリスクというのは当然考えなきゃいけません。そのときに、例えば日本海側の原子力発電所の海岸線に難民と思われる方々がしかも大量にやってきた場合に、電力事業者は政府と今連携して立入り制限区域、その後に周辺防護区域、防護区域と三段階で立入りを制限していますが、その中に難民の方々だったら入れるのか入れないのか。防護区域とかはもちろん論外ですけれども、例えば、立入り制限区域だったら入れざるを得ないのか。それから、入れないんであれば、じゃ、人道的に難民の方々をどうするのか。それから、武装難民や、あるいは、最悪の場合は天然痘ウイルスに感染させられたような人がいた場合にどうするのか。
 時間はないですけれども、これ、できれば、内閣官房事態室でしょうか、お答えいただけますか。答弁できる方であれば、どうぞ。
#16
○政府参考人(坂井孝行君) お答え申し上げます。
 警察におきましては、原子力施設の安全を確保するため、平素から、原子力施設への危害を企図する者への対応等につきまして、常駐させております原発特別警察隊と原子力事業者が連携した実践的な訓練を実施するなど、万全を期しているところでございます。
 お尋ねのありました、避難民が原子力施設のフェンスを乗り越えて敷地に入ろうとするような場合、これにつきましては、これらの避難民の中に原子力施設への危害を企図する武装難民等が紛れ込んでいる可能性も考慮いたしまして、原発特別警備隊と原子力事業者が連携をしまして、敷地内には侵入をさせない措置を講ずることとなると考えております。
 また、避難民が天然痘等の感染症に感染している可能性も十分に考慮いたしまして、対応に当たっては、必要な防護資機材を活用するとともに、検疫当局等関係機関と緊密に連携して対処してまいる所存でございます。
#17
○青山繁晴君 あと一分だけありますので、エネルギーベストミックスの観点からメタンハイドレートのことを一つだけ最後お聞きします。
 表層型メタンハイドレートからこういう、ちょっと手を見ていただくと、柱のようなメタンプルーム、平均の高さがスカイツリーぐらいある巨大なものが出ているんですが、経済産業省の取組を見ていますと、どうもこれを、ここ掘れワンワン、この柱の下にはメタンハイドレートの塊がある、その目印だけに使おうとしている気配があって、これをどうぞ資源として、その柱そのものがメタンハイドレートなんで、資源として取り組んでいただきたいということを提案しますので、経済産業省、エネ庁、どなたか最後にお答え願えますか。
#18
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のメタンプルームにつきましては、国際学会や国内外の研究者により、自然環境に与える影響、それから観測方法に関する科学的観点からの研究が行われているものと承知しております。
 現時点におきましては、その賦存形態や物質特性、発生メカニズム等を含めまして不明な点が多いことから、今後、最新の研究内容の把握、それから専門家からの意見の聴取等を行いつつ、どのような取組が必要か、しっかりと検討させていただきたいと考えております。
#19
○青山繁晴君 終わります。ありがとうございました。
#20
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。
 まず、原子力規制委員会への監査、チェック体制の強化という観点でお伺いをいたします。
 規制委員会の独立性ということは当然堅持をした上でということでありますけれども、外部からの監査、チェック機能を充実をさせる必要があるのではないかと私は考えておるところでありますけれども、まず更田委員長の見解をお伺いしたいと思います。
#21
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、原子力規制委員会設置法にありますように、専門的知見に基づき中立公正な立場で独立してその職権を行使する組織として設置をされております。
 その上で、国内外の有識者などからの意見もお聞きするなど、外部からのチェックも重要と認識しております。例えば、国際原子力機関、IAEAが実施する総合規制評価サービス、IRRSを平成二十八年に受け入れ、良好事例の評価や様々な勧告、提言を受けたところであります。
 これらの御指摘を踏まえた対応につきましては、原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会に報告し、御助言、評価を受けており、また平成三十一年以降、再度IAEAの評価チームによるチェックを受ける予定としております。
 引き続き、国内外からの有識者の方々からの御意見など外部の方々の御意見に真摯に耳を傾け、必要な改善に努めてまいりたいと考えております。
#22
○浜野喜史君 御説明いただきましたけれども、国内外からの様々な指摘には真摯に耳を傾けていくという御説明でありました。そのことにつきまして、私も基本的に理解をいたします。
 IAEAからのチェック、IRRSと呼ばれるもの、これも非常に、それに対して対応していくということは極めて重要だというふうに思うんですけれども、これ、規制庁に御説明いただければ結構ですけれども、どういうものなのか、今どういう対応をされているのか、御説明を、規制庁で結構ですので、よろしくお願いいたします。
#23
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、IAEAのIRRSというレビューがございまして、それが二十八年の四月に報告書が提出をされました。それを受けまして、原子力規制委員会原子力規制庁といたしましては、十三の提言、十三の勧告をいただいているわけでございますけれども、それを更にブレークダウンいたしまして三十一の課題に整理をして、役所のプログラムを作りまして対応しているというところでございます。
 その過程では、原子炉安全審査会、核燃料安全審査会などからもいろいろ御意見、御助言をいただくということでお諮りをして、そういった形で進めているというところでございます。
#24
○浜野喜史君 このIAEAからの言わば査察というんですか、指導、助言、これ、頻度はどれぐらいの頻度で行われているということになるんでしょうか、大ざっぱで結構です。
#25
○政府特別補佐人(更田豊志君) これは各国の事情とそれからIAEAとのやり取りで決まりますけれども、おおむね五年を周期として設けられている制度であります。
#26
○浜野喜史君 頻度は別として、国際的な権威ある機関からチェックをいただいて、それに真摯に対応していくということ、極めて大事だというふうに思います。ただ、それは、御説明ありましたように、五年程度に一度、規制行政が大局的にしっかりできているのかどうかということを国際的にチェックをいただいているということなんだろうと思います。
 私が申し上げたいのは、その上で、国内的にも、毎週のように原子力規制委員会は重要な決定をされておられますので、その決定について、国内において、やはり何らかの助言というか、チェックをするような体制を整えていく必要があるのではないかというふうに私は考えるんですけれども、更田委員長の見解をお伺いいたします。
#27
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、私どもの行っております判断であるとか決定であるとか、これはもう様々なものがございます。
 例えば、設置変更許可に係るような判断を行う場合には、いわゆるパブリックコメントですけれども、一般の方々からの技術的意見の募集という形でのある意味でのコンサルテーション、レビューを受けております。さらに、より技術の詳細に係るような部分、例えば機器への要求であるとか原子力施設の設計等に係るものを変更しようとする際には、これは事前にいわゆる検討チームのようなものを設け、公開の場でですが、事業者を含めた技術者の意見を聴取をしております。
 さらに、現在では、主に電気事業者になりますけれども、経営層ないしは原子力の責任者レベルの者との間の、これも公開の上でありますけれども、我々の決定や、ないし判断に対して意見を述べる機会というのを設けております。
 さらに、より一般的なものに関しては、これは、一つは、先ほど申し上げましたけれども、原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会、これも両審査会で部会長を務めていただいている先生方も含めてコミュニケーションを密に取ることによって、原子力規制委員会に対する御助言をいただいているところであります。
 一方で、こういった御助言をいただくとともに重要なことは、これは原子力規制委員会設置法の原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会が設置されたときの法改正のときに参議院より附帯決議としていただきましたけれども、私たちの責任を肩代わりをしていただくものでは決してないということで、ここは非常に揺るぎなく守っていかなければならない原則であろうというふうに考えております。
 レビューを受けることに関して、規制委員会は、これまでも透明性を維持しつつ、確保しつつ、こういった外部からの意見の聴取に努めているところであります。
#28
○浜野喜史君 関連してお伺いいたしますけれども、先ほど来も出てきております、規制委員会として法律に基づき設置されております原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会というものがございます。どのようなものなのか、そして、規制委員会として期待をしておる役割、どういったものなのか、規制庁から御説明をいただきたいと思います。
#29
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 原子力規制委員会設置法第十四条及び第十五条におきまして、原子炉安全専門審査会、それから核燃料安全専門審査会は、原子力規制委員会の指示があった場合において、原子炉に係る、あるいは核燃料物質に係る安全性に関する事項を調査審議する旨規定をされております。
 また、原子力規制委員会設置法の制定時におきまして、参議院の附帯決議がございます。そこにおきましては、両審査会は原子力委員会の判断を代替することなくその判断に対する客観的な助言を行うにとどめるものとするとされているところでございます。
 現在の運用でございますけれども、原子力規制委員会におきましては、これらの趣旨を尊重し、両審査会にはいわゆる第三者的立場から原子力規制委員会の行う規制業務の有効性の確認や助言をいただくということで運用されていると、そういうふうに承知しております。
#30
○浜野喜史君 その上でお伺いいたしますけれども、私はこの炉安審、燃安審を積極的に更に御活用いただくということが適切な対応ではないかというふうに思っております。
 例えば、指示した事項について指導、助言をするという形になっておりますけれども、その指示として、過去一年間の規制行政について意見があれば提起をしてくださいと、こういったことを指示をするということも私は一つの考え方ではないかというふうに考えます。
 具体的な指示事項、それはそれで引き続きやっていただいたら結構なんですけれども、それに加えて、過去一年間の規制行政全般について何か指導、助言があれば是非出してもらいたいと、こういうことをやるのも一案ではないかなというふうに考えるんですけれども、そういうことをやると法に抵触するとか何かそういうことがあるのかどうかも含めて説明をいただければというふうに思います。
#31
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 両審査会につきましては、先ほど御紹介した附帯決議があるわけでございますけれども、やはり当時の、立法時の議論などを拝見いたしましても、やはり原子力規制委員会というものが設置をされた趣旨といったことから、やっぱり原子力規制委員会が責任を持って判断をするということについてきちんと踏まえなければならないことかと思います。その上で、まさに責任を持った主体としての原子力委員会がきちんとした判断をするという前提で第三者的立場からの御助言をいただくということでございますので、その具体的な指示のありようにつきましては、原子力規制委員会においていろいろ議論がされていくというふうに考えております。
#32
○浜野喜史君 ちょっと確認ですけれども、私が申し上げましたような、指示として、過去一年間の規制行政について意見があれば是非提示をしてもらいたいといったようなことを規制委員会として炉安審、燃安審に指示することは附帯決議に反するということになるという御説明でしょうか。
#33
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 附帯決議におきましては、原子力規制委員会の判断を代替することなくということでございます。その判断に対する客観的な助言を行うということが書かれてございます。そういったことから、この原子力規制委員会設置法の条文を併せ読みますと、やはり具体的な事項についての指示が行われるといって、その具体的な事項について御助言をいただくということが典型的なもの、役割として期待をされていることかと思います。
 それ以外にどのような捉え方、どのようなニュアンスで指示を行うかというのは、それは今後原子力規制委員会の方で御議論なさることだと思いますので、先生御提案のものについて直ちにそれがどうこうというのはここでは具体的にはお答えはちょっと難しいところでございますけれども、基本的には何か具体的な事項について指示をするということが典型的には予定されているというふうに考えております。
#34
○浜野喜史君 私が申し上げたいのは、炉安審、燃安審が規制委員会の、何といいますか、決定すべき事項を肩代わりするような形を申し上げているわけでは決してなく、指導、助言と、当然ながらそういう形でありますので、是非引き続き検討いただきたいと思います。
 この関係でもう一つだけお伺いしますけれども、更田委員長は平成二十八年三月十六日の規制委員会で、今後も規制委員会と炉安審、燃安審のコミュニケーションの在り方に関して大きく変えていくべきだろうと思う、それぞれに独立して考えるということが侵されない限りにおいては、うまく共同する、共に働く体制というものを、仕組み等々もきちんと整えてもらいたいと思うとコメントされておられます。
 私もこのコメントを賛同するところでありますけれども、こういう問題意識に基づいて、在り方ですね、炉安審、燃安審の在り方、何か変化が生じてきているということでよろしいんでしょうか。更田委員長、お願いします。
#35
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御質問に関わることですけど、少し広く申し上げますと、原子炉安全専門審査会、それから核燃料安全審査会共に、最近の議論していただいている内容を見ますと、設置当初に比べて議論がより有効と言うと失礼ですね、非常に焦点が絞られてきたように思っております。非常に規制委員会にとっても参酌すべき貴重な御意見を幾つもいただいていると思っています。そういった意味で、両審査会共にそこでの議論の焦点が、輪郭が明確であるということは規制委員会にとっても極めて有益なことであろうと思っています。
 さらに、原子炉安全専門審査会、燃料安全専門審査会共に、これの進行といいますか、リードしていただいている両会長との間ではコミュニケーションのありようは以前より進歩した、これは具体的に申し上げるのはなかなか難しいですけれども、関村会長、山本会長、それぞれとの間の規制委員会としてのコミュニケーションというのは改善されていると思いますし、昨年一月に公開の席上で、原子力規制委員会の席上で両会長との間の意見交換を行いました。
 これから一年たっておりますけれども、今後、両会長に規制委員会おいでいただくことによって、またここでのポイントは透明性の確保ではありますけれども、独立して判断する主体でありますので透明性の確保は重要ですけれども、両会長を始めとして両審査会メンバーとのコミュニケーションは今後とも改善されるように努力を続けていきたいと思っております。
#36
○浜野喜史君 いろいろ問題提起もさせていただきました。積極的に御活用を引き続き更にまたいただくことを求めておきたいと思います。
 続きまして、国際原子力機関、IAEAによる総合規制評価サービス、IRRSに関連してお伺いをいたします。
 原子力規制委員会は、平成二十八年三月、炉安審、燃安審に対しまして、IRRSにおいて指摘を受けた事項に対する原子力規制委員会の取組状況の評価や助言を調査審議事項として指示をいたしました。炉安審、燃安審に指示した内容、趣旨について御説明を願いたいと思います。
#37
○政府参考人(荻野徹君) IRRSの勧告、提言につきましては、原子力規制委員会として、先ほども申し上げましたように、三十一の課題に整理をいたしまして、それで計画的に実施をしていこうということでございますけれども、こういった炉安審、燃安審に対して取組状況の評価や助言をした趣旨といいますのは、そういった取組につきまして、やはり第三者的立場あるいは科学的、技術的な見地からいろいろな御意見をいただくということで我々の取組に生かしていくということであります。そういった意味でこういった指示がなされたというふうに考えてございます。
#38
○浜野喜史君 その上で、平成二十九年一月の原子力規制委員会におきましては、炉安審、燃安審の会長からIRRSに対する原子力規制委員会の取組状況について評価や助言がなされたわけでありますけれども、その中で、IRRS報告書には正式な指摘事項以外にも重要な知見、汲み取るべき事項が含まれており、論点として認識しておくべきとの報告がなされております。
 その後、この汲み取るべき事項というものについて、どのように取り扱われ、どのような整理、報告がされたのか、経過を御説明願います。
#39
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございましたとおり、平成二十九年一月十二日の原子力規制委員会に炉安審、燃安審の両会長をお招きいたしまして意見交換をいたしました。その中で、IRRSの報告というのは非常に大部なものでございまして、十三の勧告、それから提言にまとめられているわけですが、それに至るもろもろの記述もございます。そういった記述全体を前提に、そこからいろいろなことを汲み取って、それを論点として認識していく必要があるのではないかという御指摘がいただいたところでございます。
 その後、炉安審、燃安審におきましても、それでは具体的には何を汲み取るべきもの、論点として捉えるべきかといったことについて炉安審、燃安審でも御議論がございまして、昨年六月二十日に開催された両審査会の合同会合において、委員会で、その炉安審、燃安審の委員の中での御議論がございました。
 その後、なかなか時間の制約もありますので、その会議の場では言い尽くせなかったことにつきましては文書で、書面で提出していただくということもございました。それを踏まえまして、さらに、八月七日におきまして議論が行われました。
 そういったことを経まして、両会長の方で、IRRSミッションへの今後の対応といったことについて、特にIRRSから汲み取るべき事項といったことの取りまとめをその両会長にしていただいたということでございます。
#40
○浜野喜史君 御説明いただきました、最終的に汲み取るべき事項ということで整理がされましたのが、今日、資料でお配りをいたしておりますA4の一枚物でございます。
 御説明もいただきましたけれども、これをまとめていくプロセスにおいて、意見があれば書面で出してほしいという対応をされたというふうに承知をいたしておりますけれども、何名の委員が意見を提出されたのか、御説明願います。
#41
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 もちろん、意見というのは書面だけに限るものではなくて、会合に参加された方はその会議の場でおっしゃっているわけですけれども、それ以外に書面として十一人の委員の方から意見をいただいているところでございます。
#42
○浜野喜史君 十一名の委員の方から別途書面で意見が出されたと。そういう意見を議論する場に配付をしてこういう汲み取るべき事項というものを整理をすべきではないかなというふうに私は思うんですけれども、いろいろ御説明聞いていますと、そういうものは配付されずに、集約したものとして汲み取るべき事項というこのA4一枚物のペーパーが配られて整理がされたということであります。
 やはり意見が、十一名の方々から貴重な意見が出されたのであれば、当日の炉安審、燃安審の会合でそれが配付をされてしっかりと議論をいただくということが自然な私は形だというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
#43
○政府参考人(荻野徹君) 繰り返しになりますけれども、それぞれ委員会の場でもいろんな御議論があったわけでございます。
 基本的には、炉安審、燃安審のそういった運びでありますとか委員にどういった形で意見を求めるか、それをどういった取りまとめにしていくかということは、両会長の方で御判断をしていただいたということかと存じます。
#44
○浜野喜史君 また後ほども私触れますけれども、せっかく貴重な意見が規制委員会、規制庁におかれて丸められて、少し抽象化される形で整理されていっておるのではないかというふうに私はちょっと疑念を持っております。これはまた後ほど触れさせていただきます。
 その上で、このA4一枚物で整理をされた汲み取るべき事項というものについて、規制委員会としてどのように受け止め、どのような対応を検討していこうとされているのか、規制委員長にお伺いいたします。
#45
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、いずれにしましても、これはIAEAの重要なミッション、IRRSを発端としておりますので、原子力規制委員会は、まず何よりもIRRS報告書の勧告、提言、自己評価におけるアクションプランを三十一の課題に整理をしまして対応を進めているところでございます。これら原子力規制委員会の取組状況については、これまでの議論にもございましたけれども、炉安審、原子炉安全専門審査会、燃安審、燃料安全専門審査会から評価、助言を受けております。
 今回、原子炉安全専門審査会、燃料安全審査会は、この汲み取るべき事項というのをお示しいただいたわけですけれども、汲み取るべき事項の捉え方ですが、IRRSミッションから直接的に導かれるものだけではなくて、こういった解釈もすればこういったより改善につながるのではないかという波及的な御意見が含まれています。そういったものを汲み取るべきか汲み取らざるべきかという議論を避けて、せっかくいただいた貴重な御意見なので、IRRSミッションそのもの、IAEAのミッションそのものがどう考えていたかということよりも、炉安審、燃安審の先生方がそういうふうに受け取ったということについても対応することは規制委員会にとって益のあることであろうと考えて、引き続きIRRSから指摘されたものへの対応を進める中で、この炉安審、燃安審からの汲み取るべき事項についてもこれを留意をして対応していきたいと考えております。
#46
○浜野喜史君 通告をしております内容を、ちょっと時間の関係でまた戻らせていただくかも分かりませんけれども、是非お伺いしたい部分を先に質問させていただきます。
 資料の二枚目でございますけれども、汲み取るべき事項に関する意見ということで、先ほどもお名前が出ました山本燃安審会長は書面でこういう指摘をされておられるわけであります。IRRSの報告書の中の二十九ページの二十行から二十三行目までのところの記述、これが山本会長は一つの汲み取るべき事項だという指摘をされているわけであります。
 ちょっと読み上げさせていただきますと、規制機関の組織構成と資源配分、許認可、審査、評価、検査、執行措置について横断的な中核プロセスを確立しないまま審査を進める方法は、規制の不一致を生む可能性があると、これがIRRS報告書の中に書いてある記述であります。繰り返しますけれども、二十九ページの二十行から二十三行目。
 しっかりと汲み取るべきだということを具体的に山本燃安審会長が指摘をされておられるわけでありまして、このことについて規制委員会はどのように捉まえて対応をしようとされておられるのか。規制委員長、場合によっては規制庁の御答弁でも結構でございますけれども、お願い申し上げます。
#47
○政府参考人(荻野徹君) ただいま御紹介をいただきましたものは山本委員から提出された意見でございまして、そこに枠囲いをしていただきましたものはIRRSの大部の報告書の中の言わばいろいろ記述してあるところをそのまま引用していただいたと、そういうものでございます。それにつきまして、それを基に両委員会の御議論でありますとかあるいは両会長のお話で、それを論点として整理をすると、このお配りしていただいた資料の一枚目のような形で論点としてまとめたというのが炉安審、燃安審の経緯であろうかと思います。
 それで、引用していただきました部分でありますが、このナンバー3というところでございますけれども、これにつきましては、IRRSの中ではそういった記述を踏まえまして、結論として、勧告としては、原子力規制委員会は、現在の組織体制の有効性を評価し、適切な横断的プロセスを実施し、年度業務計画の立案に際して利害関係者からの情報収集を強化し、さらに、自らの実績と資源利用を測るツールとして開発すべきであるという形の結論といいますか、勧告に至る部分でございます。その途中として、こういった山本会長が、山本委員が引用されたものがございます。
 規制委員会としましては、この勧告四への対応といたしましてはマネジメントシステムの改善ということで受け止めておりまして、その改善ロードマップを規制委員会が策定した上で、規制庁がそれに基づいて業務プロセスの点検、向上などを進めると。そういった過程につきましては、当然、IRRS対応ということで炉安審にも御報告をしているところでもございますし、そういった過程で今後とも引き続き御意見、御指導をいただいて業務プロセスの点検、向上に努めていくということかと思っております。
#48
○浜野喜史君 専門知識がないから分からないのか、ちょっと私はよく分からないんですけれども。
 お伺いしたいのは、山本燃安審会長は、正式な勧告、十三の勧告、十三の提言以外にも汲み取るべき事項があるんだと、それは具体的に言えばここなんだと。
 もう一回言いますけれども、横断的な中核プロセスを確立しないまま審査を進める方法は規制の不一致を生む可能性があると、こういうことをしっかり汲み取るべきだということをおっしゃっているわけですね。これについて今どういう具体的検討がなされているのか、既に横断的な中核プロセスと言われるようなものができたというふうに認識しておられるのか、できているとすれば正確にそれを規制委員会としてはどういうふうに表しておられるのか。これ、更田委員長に御説明いただけますか。
#49
○政府特別補佐人(更田豊志君) 御指摘の山本燃安審会長の汲み取るべき事項に示された項目については、IRRSミッションで受けた勧告四に的確に応じることによってカバーできるものと考えております。
 原子力規制委員会は、この勧告四への対応としてマネジメントシステムの改善を図ることとしておりまして、改善ロードマップを策定した上で、規制庁はそれに基づき、山本会長の御意見も踏まえつつ、業務プロセスの点検、向上などの対応を進めているところであります。
#50
○浜野喜史君 包括的に御説明いただいているんだろうと思うんですけれども、端的に教えていただきたいんですね。
 この横断的な中核プロセスは、確立途上なのか確立されたということなのか、そして、その横断的中核プロセスというようなものを規制委員会の中では何だというふうに特定して表現しておられるのか、お願いします。
#51
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 まさに今日お配りをいただきました資料にありますとおり、まず、汲み取るべき事項として炉安審、燃安審から御提示いただいていますものは、この一枚目の汲み取るべき事項というA4の紙でございます。
 そこに至る議論の過程で、IRRSミッションの勧告、提言の、何といいますか、背景となる考え方を十分理解する上ではこういったところについても十分考えるべきだ、思いを致すべきだということで、山本委員からもこういった箇所をきちんと読みなさいということで御提示いただいたものと認識しております。
 したがいまして、そこに書かれている一つ一つの、いろんな、コアシステムと言葉がございますけれども、その一つ一つの言葉についてそれに相当するものを実現するというふうには受け止めておりませんで、あくまで、先ほど委員長からお話がありましたように、勧告を勧告として受け止めると。その際には、このA4一枚にまとめていただきました汲み取るべき事項についての考え方も十分踏まえるということでございまして、逐一、一つの単語に対応した一つの答えが出てくるというような意味で御提示いただいたものではないということでございますので、そういうお答えはちょっといたしかねるところであります。
 ちなみに、ちょっと申し訳ございませんが、先ほど私、炉安審、燃安審の根拠条文で十五条と申し上げましたところは十八条でございますので、訂正をさせていただきます。
#52
○浜野喜史君 私の受け止めとしては、説明を聞けば聞くほど分からなくなるということ、失礼ながらそんなふうに思うところであります。
 これはちょっと会長に是非お願いしたいんですけど、この横断的な中核プロセスを確立しないままというところまで具体的にIRRS報告書では記述されておるわけですので、それにどう対応しようとしているのかということが特定して理解できる資料を調査会の方に提出を是非いただくようにお取り計らいをお願いを申し上げたいと思います。
#53
○会長(鶴保庸介君) 後日理事会にて協議をさせていただきたいと思います。
#54
○浜野喜史君 続けて質問をさせていただきます。
 資料の二ページ目のところの、山本燃安審会長はもう一つ、IRRS報告書の二十九ページの下から三行目から三十ページの四行目まで、これが汲み取るべき事項であるという指摘もされているわけであります。
 これもちょっと読み上げますと、規制機関の組織構成と資源配分、原子力規制委員会は、資源が様々な規制分野でどのように使われているのかを追跡する方法を有していないと。中段は略します。原子力規制委員会は、そのプロセスの効率を測定し、その資源が効率的に、また規制対象の施設や活動に伴うリスクに見合って使用されているかどうかという判断ができなくなっていると。こういう具体的な指摘でございます。
 これに対してどのような対応をされているのか、御説明を願います。
#55
○政府特別補佐人(更田豊志君) 今、浜野先生、途中を飛ばされてしまいましたところがありますけれども、率直に言うと、原子力規制委員会に申請を行って許認可を受ける事業主体がその対応に対してどれだけのリソースを要したのか、一体、実際に原子力規制委員会の許認可に対応するためにどのようなことが行われたのか、これを把握しようとする営みといいますか努力が、まずその最たるものが新検査制度であります。
 新検査制度の中で、原子力規制委員会は、今まで以上に、原子力規制委員会の許認可等規制に対して事業者がどのように応えているかということをより正確に把握することができるようになります。これは、事業者の状態把握、事業者がどういった営みをしているかということのコミュニケーションの問題でありますけれども、これはいわゆる新検査制度の中で、原子力規制委員会は今まで以上に事業者のつかんでいるプロセスを測るようになってくる。これはある意味で、法改正をお認めいただいた、私たちが取り組んでいる新検査制度の円滑な運用によって、山本会長の御指摘にもお応えすることができると考えています。
#56
○浜野喜史君 これも包括的に御説明いただいたんですけれども、私ちょっとよく分からないんですね。
 もう一度これ端的にお伺いしますけれども、原子力規制委員会は、資源が様々な規制分野でどのように使われているかを追跡する方法を有していないということが言われているわけですね、報告書の中では。この資源が様々な規制分野でどのように使われているかを追跡する方法が今は既にあるんだということなのか、構築途上なのか、この辺りを説明いただけませんか。
#57
○政府特別補佐人(更田豊志君) 率直に申し上げて、現行の検査制度の下でこの資源を追跡する方法はない、ないしは甚だしく十分ではないというふうに思っています。で、今私たちが法改正後三年後の施行を目指している新検査制度の中ではこれをカバーしようとしております。そういった意味で、法の成立をいただいてそれの施行までの期間にありますので、途上であるというのがお答えになります。
#58
○浜野喜史君 検査制度を見直しをされた事柄については、私もこういう対応がなされつつあるのではないかなというふうに理解するんですけれども、それ以外で全般的に、資源が様々な規制分野でどのように使われているのかを追跡する方法についてどのように検討しようとされているのか、これも先ほどのことと関連しますので、会長、是非そういうことが分かる資料を提出いただくようによろしくお願い申し上げたいと思います。
#59
○会長(鶴保庸介君) 後日理事会にて協議をさせていただきます。
#60
○浜野喜史君 引き続き、IRRSの勧告への対応をお伺いいたします。
 この汲み取るべき事項というものとは少し離れるんですけれども、マネジメントシステムに関連いたしまして、IRRSの勧告六におきましては、マネジメントシステムには等級別扱いを一貫として適用すべきという指摘がなされております。この指摘につきまして、私は極めて重要な指摘であるというふうに考えるんですけれども、このIRRSの報告に対応する原子力規制委員会、規制庁の対応の文書の中に、私がいろいろ見てみた中では、この等級別扱い、グレーデッドアプローチというふうに呼ばれるもののようでございますけれども、その等級別扱いに取り組んでいくというような記述が私が見る限り見当たらないというふうに私は理解をいたしております。
 このIRRSの勧告六に対して、とりわけ等級別扱いを一貫として適用すべきという指摘に対してどのような対応をされているのか、御説明を願います。
#61
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会が公表している文書のどの部分がグレーデッドアプローチに相当するか、これは今文書を持参しておりませんので、後日この部分がというのはお答えすることができると思いますけれども、グレーデッドアプローチは既に、原子力規制委員会が既に採用し、既に進めている極めて重要な概念です。浜野先生御指摘のとおり、これは規制当局にとってより効率的な規制を進める、より効率的に安全を追求する上で、規制当局にとって最も重要な概念の一つであると考えています。
 このIRRSの指摘を受ける受けないにかかわらず、もとよりグレーデッドアプローチというのは、過去十五年間ぐらい国際的に各規制当局間で盛んに議論を進めてこられたもので、これは、重要なものにはより重要に取り組み、重要でないものに多くの資源を割くようなことのないようにというのが規制当局にとっては大きなことですし、また事業者にとっては、より潜在的なリスクの大きなものにきちんと取り組み、無駄に資源を使わないということに結び付きますので、規制当局、事業者の双方にとって極めて効率的な概念であります。
 今後とも、例えば、既に規制委員会が実施したグレーデッドアプローチの一つが、試験研究炉や燃料加工施設といった原子力発電所に比べれば潜在的なリスクの低いものに対して自然災害のハザードに対する影響の審査をはるかに簡素化する、ないしは、それらの施設に対する要求に関して、潜在的なリスクが極めて小さいにもかかわらず、原子力発電所と同等の要求をするといったようなことのないように大きく簡素化をしております。このために審査の期間も短縮化されていますし、非常に率直な申し上げ方をすれば、事業者の負担がはるかに軽減をされております。
 グレーデッドアプローチは、規制委員会発足当初から委員各自が強く意識をしてその実施に努めてきた概念であり、今後もよりこれの効率的な運用に努めてまいりたいと思いますが、一方で、グレーデッドアプローチはある程度高級な概念でもあって、例えば、本当に重要なものであるかそうでないかというのをきちんと見極める目を必要とします。このリスクの大きいか小さいかというのは、多くの場合、工学的な判断にもよりますし、それから確率論的リスク評価がその助けになる場合もあります。ですから、規制当局にとってどちらかというと高級なアプローチであるだけに、グレーデッドアプローチの採用に関しては積極的であると同時に慎重な適用が必要だというのが私たちの理解であります。
#62
○浜野喜史君 最後に、これでもう質問終わりますけれども、もう一つだけ資料の提出をお願い申し上げたいと思います。
 規制委員長は、このグレーデッドアプローチに関してはもう規制委員会発足当初から取組をされてきておられるという御説明でございました。加えて、このIRRSへの対応ということの中にも当然私は盛り込まれておってしかるべきだというふうに理解をいたしますので、規制委員会が様々に対応してこられている文書の中にこれがどのように記述をされているのかということが分かる資料を提出いただくことを会長にお願いを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#63
○会長(鶴保庸介君) 後日理事会にて協議をさせていただきたいと思います。
#64
○三浦信祐君 公明党の三浦信祐です。
 本日は、新規制制度について質問をさせていただきます。
 エネルギー基本計画では、ベースロード電源として二〇から二二%原子力で賄うとされております。様々な議論がある上ですが、原発の再稼働を行っていくのであれば、安全の確保が何よりも重要です。現存する休止中の原子力発電施設も安定電源の確保、また安全に対しての不断の努力が欠かせません。原子力発電所運転の安全性を担保するために法改正が行われ、新規制制度運用開始が二〇二〇年に迫っております。
 昨年、本調査会にて、日本で行う検査制度として、現在成功している米国のリアクター・オーバーサイト・プロセス、すなわちROPを一旦そのまま日本に導入すること、経験を積んでブラッシュアップしていけばよいのではと提案をさせていただきました。これに対し、米国の仕組みを基本とし、法制度が若干違うことから、できる限り米国に倣うこととする、その上で、法律施行までの間に仕組み整備の上、試験運用して直すべきところは直すことで進めていくと答弁をいただきました。
 検査制度を見直すとして、現時点でのROPの導入状況、準備状況、また今後のスケジュール、その上での課題を伺いたいと思います。
#65
○政府参考人(山田知穂君) 新検査制度につきましては、平成三十二年春の施行に向けて、現在、事業者が参加する検査制度見直しに係る検討チームなどにおいて議論しながら検討を進めているところでございます。これまでに新検査制度の運用の仕組みの大枠などについて認識共有を図ってきておりまして、検査方法を定めたガイド案の幾つかを提示をしているところでございます。
 今後、更に検討が必要な項目としては、検査の詳細な内容や手続の明確化、規制機関による監視、評価のプロセスの確立などがあり、事業者が一義的責任を負うという新しい制度の考え方の下、検討していくこととしているところでございます。
 本年秋からは複数のサイトで実際に現場での試運用を予定をしておりますけれども、幾つかの、検査ガイドや試行やフリーアクセスによる現場での確認方法の実践などについては、この試運用を待たずに試行ができるように事業者との調整を進めているところでございます。
 今後、試運用を通じて明らかとなるであろう不具合や不足している事項などについて順次改善を行いながら、平成三十二年春の本格施行に向けて準備を進めてまいりたいと考えてございます。
#66
○三浦信祐君 是非、時間がない中だとは思いますけれども、むしろいろいろな課題をあぶり出すんだという覚悟で是非やっていただきたいと思います。
 新規制基準の考え方として、常に自ら安全を確保するために最善の努力をすることを規制委員会として求めていると理解をしております。米国ROPの実効性と信頼性は、規制側と事業者側とがコミュニケーションを細かく取ってきたことにより得られているものと承知をしております。田中前委員長は、事業者との率直な議論が重要で、規制庁の中にワーキンググループで検討していると答弁をされました。私もコミュニケーションが不可欠であると強く感じております。
 更田規制委員長の事業者側とのコミュニケーションに関する取組の姿勢、今後どのように進めていくのか、御所見並びに御決意を伺います。
#67
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えします。
 田中前委員長の認識と全く同様に、新たな検査制度を円滑かつ効果的に実施するためには、規制機関と事業者との間の双方がその趣旨をよく理解し、事業者との十分な議論の上に立って詳細な制度設計を行い、具体的な運用につなげていくことが重要であると認識をしております。
 原子力規制委員会は、この検査制度を改めるに際しまして、公開の検討会合、検討会を設けまして、ここに、第一回目だけはまだ有識者の方を含めて議論をしましたが、第二回以降、毎回事業者に参加をしてもらって、事業者意見を聴取しつつ具体的な制度の策定を進めたところでありまして、私も委員時代はその検討会に参加しておりました。
 米国のROP、これ必ずしも全てがいいことばかりではなくて、米国の事業者はROPに対して不満も漏らしているところではありますけれども、この検討チームの会合の中で、日本型を目指すべきという意見と、それから、一旦米国のものを、うまくいっているんだからそれをそのまま丸ごと導入をして、その後改めるべきという二つの意見がございました。
 ここで、私も、議事録に残って、発言をしておりますけれども、スペインにおいてもある種成功例といった例がありまして、米国のROPをそっくり、そっくりといっても一〇〇%ではないですけれども、自国の制度と干渉しない限りにおいて米国の制度を導入をして、これを自国の検査制度とした例があります。日本におきましても、最初から日本独自といって手を加えると本来の趣旨を損なってしまう可能性がありますので、前回、田中委員長に先生の方から御指摘をいただいたように、まずは米国ROPを可能な限り導入をして、そして改めるべきところは改めると、継続的な改善を図っていきたいというのが検討チームでの議論での結論であります。
 公開の場で検討を重ねておりますし、また事業者との個別の面談も百回以上進めております。今後も、この制度、一義的責任が事業者に行くということと、さらには、それに向けて来年度の後半から三つのサイトで試運用を始めます。この試運用も事業者の協力なくしては不可能ですので、今後とも円滑なコミュニケーションを図ってまいりたいと思っていますし、この制度が施行させた後もこのコミュニケーションを図る技量、技術というものが規制当局にとって大変重要であろうと思っていますので、今後ともこのコミュニケーションには十分な注意を払ってまいりたいと考えております。
#68
○三浦信祐君 極めて重要な御発言をいただいたと思います。
 その上で、細かく少しこの後掘り下げさせていただきたいと思いますけれども、今委員長が言っていただいたように、安全性に関することに特化したのが今回のROPだというふうに承知をしております。したがいまして、検査方法も安全を軸にして規定をされていくことになっていると思います。しかしながら、上位法の工事許認可、また設置基準等がそのまま存在をしているがゆえに、ROPの中にどうしてもその項目として追加をしていかなければならないというものがあるんではないかというふうに私は思います。
 議論、検討は既に行っていただいているとは思いますけれども、安全に必ずしも直結をしない項目について先ほどのようにスクリーニングをすべきだと私は考えます。ROPを確定する過程において、事業者から見てこれは安全性と直結した項目なんだろうかと疑問がある状態をなくしていきながら確立をさせていくべきだと私は思います。一番まずいのは形式的な検査になることです。
 更田委員長、いかがでしょうか。
#69
○政府特別補佐人(更田豊志君) まず、お答えに先立ちまして、先ほど私の発言の中で三つのサイトと申し上げたんですけれども、これは、現在、原子力規制委員会が三つのサイトでできればいいなと考えているものであって、まだ事業者の了承をもらっておりませんので、今後のサイトの調整、これも事業者を含めてサイトの調整をして、幾つかのサイトで試運用をしてまいりたいと考えております。
 御質問にお答えをいたします。
 御指摘にもありましたように、現行の検査制度というのは、検査の対象であるとか、何よりも視点が法律の条文で限定的に規定をされておりましたので、あらかじめ決められたことのみを確認するといういわゆるチェックリスト型のものに、規範的な運用になりがちであったことは重要だと考えております。したがって、これを改めるために、今般お認めいただいた法改正では、施設定期検査、保安検査などに区分されていた規制機関による検査を原子力規制検査に統合されており、また事業者の保安活動全般について、安全上の重要性に応じたウエートを、軽重を付けた包括的に監視できる仕組みとなったことがポイントであると思っております。
 その上で、この制度を運用していくに当たっては、先生の御指摘にありましたように、軽重をきちんとつかまえるということなんですけど、これがリスクインフォームドといいますけど、リスク情報の活用であるとか、あるいは事業者の実績、パフォーマンスベースドといいますけれども、やはり成績が良くて何の問題もなくずっと動いてきたものを時期が来たから分解して点検しろというのは意味のあることとは思えませんし、逆にトラブルが頻発していれば頻度を上げて監視をするということもあるでしょうから、こういったリスク情報の活用、それから安全確保の実績を反映するという、できる限り明確な根拠に基づいて影響度というものをつかまえていきたいと考えております。
#70
○三浦信祐君 検査制度見直しに関する検討チームの第十回の会合で原子力規制庁から提示された検査制度に関する規制等の文書形態の中で、定期事業者検査、運転管理、安全文化醸成活動の検査要領書を作成することを示しています。しかし、これはアメリカの制度にはありません。例えば、定期事業者検査とメンテナンス後試験と検査要領書を分けて作成するとしています。しかしながら、メンテナンス後試験の検査内容からすれば、重複している、かつ安全確認の度合いがより高い項目が含まれているため、定期事業者検査よりも安全度が高いと言えます。安全文化醸成活動に至っては、何を判断基準にしているのか極めて不明確だというふうに私は感じております。
 直接的に安全性に資することが含まれた状態として、わざわざ複雑にすべきではないのではないでしょうか。まずは、先ほどあったように、米国のROPと同一等価な検査要領書とすべきなんではないかなというふうに思います。そうではなく、あえてこれらを導入する理由があるならば明確にしていただきたいと思います。
 その上で、NRCへ職員派遣を現在しております。現在までに得られた知見、様々なアドバイスを得ている点を含め、検討していることを率直に御答弁いただければと思います。
#71
○政府参考人(山田知穂君) 新たな検査制度の運用を検討する上では、まずは現在の米国の仕組みに倣うということを基本方針としておりますけれども、法律により事業者に義務付けている事項、これにつきましては日本と米国でやはり違いがございます。
 例えば、事業者が実施する検査に対する規制機関の確認と従来やっておりました使用前検査、施設定期検査の実施状況の確認といったものについては、日本独自の検査項目が必要となる部分がございます。また、これまでに事業者が蓄積をしてまいっております安全文化の醸成なども検査としては非常に重要な視点でございますし、これは、国際的にもやはり安全文化というのは重視されているものでございます。試運用を行う過程で検査実施に必要となる文書類を再構成する中で、改正、修正を行うことを検討してまいりたいと考えてございます。
 NRCへ派遣をいたしました職員でございますけれども、帰国後はこれらの準備に参画をいたしまして、米国における制度運用の実態を踏まえた内容となるよう知見を活用しているところでございます。
 なお、米国の運用の実態を見ますと、検査項目全体が体系的に整備をされてございまして、検査結果の判断等に係る責任と権限が明確であることに加え、事業者からの見解も聴取し、それを尊重しつつ、一方で毅然と対応するような、そういった検査をしてございまして、この姿勢については見習うべきものであるというふうに考えているところでございます。
 昨年十月にはNRCの職員を招聘をしておりまして、我が国の検査現場の実情ですとか新しく制度をつくっておりますその検討状況などについても御覧をいただいて、熟知をしていただいて、準備を進める上での留意点や注力すべき点などについて助言をいただいているところでございます。例えば、米国の運用全てをそのまま導入するのでなく、日本のこれまでの運用で活用できるものは当然それを生かして、また現場の実情に合わせた運用しやすい体系にするべきだといったような指摘、御助言をいただいているところでございます。
#72
○三浦信祐君 ありがとうございます。
 様々これからテストをしていく過程でより良いものに変えていくというようなことだというふうに思います。
 前回、客観性、信頼性確保のためにROPの成功例を学ぶべきと質問をさせていただきました。検査結果の見える化を図ること、米国ROPのようなフラッグ方式での公表を導入すべきと考えますが、いかがでしょうか。導入上で課題があるならば、その内容を伺います。
#73
○政府参考人(山田知穂君) 新たな検査となります原子力規制検査の結果、これを公表するということは法律で義務付けられているところでございますけれども、その具体的手法については、米国に倣いまして、検査の指摘事項ごとに安全上の重要性を評価し、区分して行っていきたいと、こういうことを前提に検討を進めているところでございます。具体的には、この区分は米国と同様に、軽微なものから緑、白、黄色、赤といった、こういった色を付けて四つの区分で示す、これが米国のROPのやり方でございまして、これと同じような方法を採用したいというふうに考えてございます。
 具体的な評価を行う手順やその判断の基準などについては今詳細を検討しているところでございますけれども、これらにつきましては文書化をして、予見性のある形で運用に入っていきたいというふうに考えているところでございます。
#74
○三浦信祐君 是非、米国と対比できるようにということで、是非実施していただきたいと思います。
 それに関連しまして、原油プラントでROPを実際に実施して検討することが私は大切だというふうにずっと思っておりました。先ほど委員長の方からも、これからコミュニケーションをしっかり取っていただくということの中で、恐らく三つのプラントでは理解をしていただいて実践に移っていくんではないかなと期待をしておりますけれども、その現場で経験のある米国ROP実施者に実際に立ち会っていただいて、ノウハウ、実際の手順、現場での感覚等を含め、米国ROPと比較しての良しあしについて検討していただけないかなというふうに私は思います。
 また、NRCに派遣している職員の方が米国内において実際に米国でのROPに携わって経験を積んでいただくことも必要なんではないかなというふうに考えます。これについていかがでしょう。
#75
○政府参考人(山田知穂君) 先ほど申し上げましたとおり、昨年十月からはNRCの職員を招聘をいたしまして、原子力規制庁の取組について助言をいただいているところでございます。今後も継続的にNRCの職員を迎える機会をつくりまして、制度運用の準備や検査官の力量の向上などについてアドバイスを受ける予定としてございます。
 この三月からは、国内の原子力規制事務所の駐在検査官を中心に、現場での検査実務を訓練する場で指導いただくということを予定をしてございまして、米国の運用に倣うべき点を我が国の検査実務に浸透させるような取組を進めてまいりたいというふうに考えてございます。
#76
○三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。
 その上で、米国ROPのみで実施した場合と日本版ROPで実施した場合の差の検証も重要だと思います。きっとやっていただけるんだろうと思いますけれども、検査結果の公表について、先ほどのフラッグ方式で比較をすれば安全面の視点とコンプライアンスからの視点との差異が明瞭になると思いますけれども、御見解をいただきたいと思います。
#77
○政府参考人(山田知穂君) 今年の十月から行うこととしております試運用におきましては、御指摘の米国との相違点等も含めて、事業者の保安活動の実態に即した検査が実施可能かどうかを検証するとともに、問題点の抽出、改善を促しつつ、運用経験の蓄積を図っていくこととしてございます。
 検査の指摘事項の公表に当たりましては、米国同様、重要度で区分をする形を念頭に置いておりまして、その重要度は安全面からの視点で評価をするということとしてございます。
 コンプライアンスの観点からの評価につきましては、米国におきましても法令違反等の観点から行政処分等をどのように取り扱うのかを検討しているのと同様に、安全面からその重要度の評価とは別に取り扱うということを前提に、その詳細を検討してまいりたいと考えてございます。
#78
○三浦信祐君 実は、日本でやってみたときに、日本のその制度を今度はアメリカにも取り入れていこうという、そういう機会にもなっていく、総じては世界で安全を確保できることの実はきっかけになるのではないかなと期待もしておりますので、お願いをしたいと思います。
 事業者による自主的安全性向上が重要だと考えております。現在、原発の規制は、日本の規制当局と事業者のプラントごとでの交渉になっているように承知をしております。
 一方で、アメリカでは、原子力発電会社、設計・エンジニアリング会社、燃料供給会社、サービス会社、大学、研究機関及び労働団体から構成されている原子力発電並びに原子力技術産業に関する民間組織として、米国原子力エネルギー協会、NEIがあります。NEIが規制当局と交渉して、法制や運用上の課題解決、制度実現を行っています。特に、技術的議論については、関係者が集約をされていることから、技術的、科学的に高度な議論ができる体制となっていると承知をしております。また、EPRIや原子力発電運転者機構、INPOから情報が集約をされるため、規制当局との交渉レベルが高く、安全水準が高度となるとともに、共有が図られていくことになると思います。
 この体制から学び、日本でも日本版NEIをつくるべきと私は考えます。所管である資源エネルギー庁が日本版NEIの創設の後押しをすること、そして、規模感や予算や技術的能力担保も重要であるため、国を挙げて関わって支援をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
#79
○政府参考人(村瀬佳史君) 議員御指摘のとおり、現在、事業者において、米国の原子力エネルギー協会、いわゆるNEIを参考といたしまして、自主的な安全性の向上の取組をより確かなものとするため、日本においても同様の機能を創設すべく鋭意検討が進められているものと承知してございます。
 政府といたしましても、こうした事業者の取組を、安全を自主的に高めていくという取組を最大限バックアップしてまいりたいと、このように考えます。
#80
○三浦信祐君 是非、民間の自主的機関ではありますけれども、バックアップがあって、そして高度な交渉ができる、これが安全を担保することにも直結すると思いますので、様々な面で協力をしていただきたいと思います。
 その上で、原子力発電において高度な安全を確保するために、規制当局と運用側が技術者同士高度な技術的議論ができるのは重要不可欠だと思います。日本版NEI創設すべきとの点について、規制当局として更田委員長はどのように感じられるか、所感を伺います。
#81
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 米国のNEIにしましても、現在、米国のNEIはもう既に一定程度その技術的な評判を取っている、技術的な能力に関して定評のある機関となっておりますけれども、ただ、ここまで行くのに米国においてもやはり期間は、年月は必要であったと。
 今後、日本版のNEIについても事業者において検討が進められていることは承知をしておりますけれども、これは基本的に、規制当局にとっても、あるいは原子力の安全にとって大変良いことになってほしいといいますか、良いことであろうと思います。
 何を申し上げたいかといいますと、仕上がり次第というところがありますので、今から大きな期待を持つかどうかというのはまた別なんですけれども、例えばですが、米国の事業者、産業界がNRCの規制に対して技術的な疑問や不満を持った際に、NEIは公開のレターをNRCに対して送ります。で、NRCはレターで送られた以上は返答を公開で行う義務を負う、法的義務かどうかは承知しておりませんけれども、こういった公開のレターのやり取りがなされます。
 透明性が確保されていて、かつ明確な技術的なやり取りが事業者代表と規制当局の間で行われることになるわけですので、これは技術的な議論をする場というのは極めて重要ですし、何より安全は現場の問題でありますので、その現場を代表する機関が設置されて、そこが技術レベルを維持し、確保し、対等の立場でといいますか、大人の立場、やり取りがきちんとできるようになることは、規制当局にとっても、また安全の追求、向上のためにも良いことだというふうに認識をしております。
#82
○三浦信祐君 そうなりますと、日本における原子力人材の確保、安定化、継続化が極めて重要なことだと思います。まさに、仕上がり次第というのは人材で決まっていくと思います。継続的な人材育成支援を充実すべきだと私は強く訴えたいと思います。予算確保や仕事の重要性、発信だけではなく、未来のお子さんがこの仕事が日本の生活であったり社会を守っていくことになるんだという、そういうやりがいもあるということを発信し続けていただきたいと思います。
 強力に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
#83
○政府参考人(村瀬佳史君) 議員御指摘のとおり、原子力を安全に利用していくためには、人材が極めて重要であると思っております。高いレベルの技術、人材を我が国に維持していく、また強化していくという観点から、産学官の様々な主体が連携をしていく、それから、政府といたしましても関係省庁が連携をしていく、これが大事と考えております。このような観点からしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
 御指摘いただいたように、これまでも技術のロードマップを作り、それに基づいて予算を計上いたしまして、例えば原子力発電所のリスク評価手法の高度化、それから原発の安全性向上に資する技術開発の支援、又は福島事故のようなシビアアクシデントも想定いたしましたリスクコミュニケーション能力を備えた人材の育成、こういったものに財政支援も含めた取組をしているところではございますけれども、御指摘いただいたように、将来、若い人間が将来に希望を持って対応できるような取組をしっかりと政府としても取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。
#84
○三浦信祐君 ありがとうございました。
#85
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 昨年二月の調査会で、私は福島第一原発における事故前の津波対策について質問をいたしました。二〇〇二年に地震調査研究推進本部が示した長期評価について、国が原発の津波想定に反映をさせず、むしろ意図的に無視して敷地の高さを超える津波への対策を怠ったと指摘をしました。
 資料の一ページ目を御覧ください。
 昨年十月十日、福島地裁は、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、国と東電に賠償を命じる判決を下しました。長期評価は専門家の間で正当な見解と認められた知見であって、その信頼性を疑うような事情はなかったにもかかわらず、国がその知見に基づいて必要な規制権限を全く行使しなかったのは著しく不合理だったと判断しています。
 判決が言うように、経産大臣は、長期評価から想定される津波を前提として東電に対して技術基準適合命令を行って非常用電源設備の安全性を確保させる、こういう責任があったのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#86
○副大臣(武藤容治君) 先生の御質問にお答えさせていただきます。
 福島地裁における判決については、規制権限の不行使に関する見解を含めて、裁判所で事実認定及び判断について国の見解と異なる点があったために、関係省庁で検討した結果、昨年十月二十三日に控訴をしております。
 係争中の案件でありますから具体的なコメントは差し控えさせていただきますけれども、その上で、福島原発の過酷事故の反省に立ちまして、担当省庁の副大臣として、常にこのことを胸に刻みつつ、エネルギー、原子力政策に安全最優先で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
#87
○山添拓君 全く判決受け止めていないと思うんですね。
 長期評価の知見には、客観的で合理的な根拠があります。大体、この推進本部というのは法的な根拠に基づいて設置された会議体なんです。ところが、国は裁判では一貫して、長期評価は信頼できない、だから津波は想定外だ、こう言い逃れを図っています。判決を踏まえて、改めて事実に真摯に向き合うべきだということを強く申し上げたいと思います。
 本日は、次に火山対策について伺っていきます。
 資料の三枚目を御覧ください。
 四国電力伊方原発三号機の運転差止めを住民が求めた裁判で、広島高裁は、昨年十二月十三日、運転を禁止する決定をいたしました。熊本の阿蘇山が過去最大規模の噴火をした場合、火砕流が伊方原発に到達する可能性が十分小さいとは言えない、その立地が不適切だと。あれこれの対策が不十分だということではなく、伊方の地に原発を置くべきではないと、こういう判断です。この決定は、規制委員会の火山影響評価ガイドに基づく規制委員会の判断が不合理だとするものです。
 先ほど、青山委員の質問に対してはガイドの見直し必要ないと答弁ありましたけれども、私はむしろこの決定の指摘を踏まえて審査自体をやり直すべきだと思いますが、更田委員長、いかがでしょうか。
#88
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 審査では、各種の知見も参照しつつ、破局的噴火の活動間隔、前回の破局的噴火からの経過時間、現在のマグマだまりの状況、地殻変動の観測データなどから総合的に評価を行った結果、現在は破局的噴火の直前の状態ではなく、運用期間中に設計対応不可能な火山事象が発電所に影響を及ぼす可能性が十分に小さいと判断したものであります。
 今回の広島高裁の決定を受けて、原子力規制委員会としては、審査をやり直すような状況であるとは考えておりません。
#89
○山添拓君 その判断自体が、私は決定によって批判をされているということを申し上げたいと思います。しかも、この間の原発の差止め裁判では、運転禁止を命じた広島高裁だけではなくて、五つ中四つの裁判所が火山ガイドそのものの不合理性を指摘しています。規制の基準こそが問われていると言うべきです。
 広島高裁のこの決定に対しては、一万年に一回の噴火に対して備えよというのは荒唐無稽じゃないか、こういう批判が……(発言する者あり)今もそういうお声が委員の皆さんからもありました。しかし、ほかならぬ規制委員会自身が、その基準自体が一万年に一回の噴火にも安全機能を損なわないようにその水準を求めているわけです。IAEAの基準にも、一万年に一回なら無視してよいなどということは書かれておりません。それは何よりも、原発が一たび事故を起こせば、時間的、空間的、社会的に取り返しの付かない被害をもたらす、ほかの事故とは根本的に異なる異質の危険があるからにほかなりません。大体、多くの方の想像を絶する被害をあの東日本大震災、福島事故で皆さんも経験したじゃありませんか。資料の四ページ、全国に百十一の活火山を抱えている日本です。次なる想定外は許されません。
 改めてこの火山ガイドについて述べたいと思うんですが、資料の二ページにお示ししております。この火山ガイドによれば、原発から半径百六十キロの範囲に第四紀、約二百五十八万年前までに活動した火山を調査し、将来活動する可能性が否定できない火山については個別に評価することとされています。個別評価では、設計対応不可能な火山事象、火砕流ですとか溶岩流、地殻変動などですね、こうしたものが原発の運用期間中に影響を及ぼす可能性が十分小さいかどうかを判断して、十分小さいとは言えない場合には原発は立地不適、立地してはならないとされます。
 規制庁に確認ですが、ここで言う火山事象には、阿蘇のようにカルデラをつくるような巨大噴火による火砕流なども含まれるんでしょうか。
#90
○政府参考人(櫻田道夫君) お答えいたします。
 委員がお示しいただいたこの資料にもございますとおり、火山影響評価ガイドにおきましては設計対応不可能な火山事象について例示してございます。その中には火砕流、溶岩流、地すべり、斜面崩壊、地殻変動などが含まれておりまして、このような事象をもたらす噴火の様式の中には、いわゆる破局的噴火というものも含まれるものと考えてございます。
#91
○山添拓君 ところが、昨年五月の調査会で私が質問した際、当時の田中規制委員長は、カルデラ噴火のようなものを予測することは求めていないと答弁をしました。これ矛盾するじゃないか。原発の運用期間中に影響を及ぼす可能性が十分小さいかの判断は、巨大噴火やそれによる影響の有無、程度についてもこれ予測できる前提で火山ガイドを作られているんじゃないでしょうか。更田委員長、いかがでしょうか。
#92
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えします。
 火山影響評価ガイドについて申し上げますと、立地評価は火砕流などの設計対応不可能な事象が発電所の運用期間中に影響を及ぼす可能性が十分に小さいかどうかを確認するものでありまして、火山の噴火の時期や規模を正確に予測することを前提としているものではありません。
#93
○山添拓君 しかし、少なくとも、原発の運用期間中にそうした噴火は起きないんだ、そうした噴火による影響が及ぶ可能性は十分小さいのだ、起きても影響は及ばない、こういう予測を求めているのに等しいガイドになっていると言わなければなりません。一方で、二〇一四年九月の御嶽山、今年一月の草津白根山など、結果として予測できなかった火山噴火が短い期間にも相次いでいます。とりわけ巨大噴火、これは有史以来経験がありませんので、記録がありません。未知の領域です。
 規制委員長に確認ですけれども、規制委員会は火山噴火やその規模について、予測ができると考えているんでしょうか。
#94
○政府特別補佐人(更田豊志君) 先ほどもお答えしましたように、火山影響評価ガイド並びにそれに基づく審査では、予測を求めているものではございません。
#95
○山添拓君 規制委員会として予測できると考えているのかどうか、この質問に対してはいかがでしょう。
#96
○政府特別補佐人(更田豊志君) 予測が規模や時期の特定であるとすれば、それは予測はできないものと考えています。
#97
○山添拓君 現在の火山研究では、噴火の時期も規模も形も様式も、その推移や継続時間も、起こらないという予測も含めて、できないというのが火山学者の共通認識だと言われています。
 規制庁に伺いますが、火砕流などが原発に影響を及ぼす可能性が十分小さい、つまり、そうした噴火はまず起こらないだろうというその判断基準は規制委員会において定めてありますか。
#98
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 火山影響評価ガイドにおきましては、施設の運用期間中という限定された期間に限りまして、その期間中に検討対象となっている火山の噴火する可能性、これを評価することを求めております。その評価におきましては、様々な科学的な知見、すなわち火山地質学でありますとか地球物理学、地球化学、こういったものから認められる最新の知見を踏まえた上で、過去の噴火の動向あるいは現在のマグマだまりの状況、こういったことを検討して、これらのことを総合的に評価することによって検討対象火山の噴火の可能性が十分小さいかどうかを評価する、こういう考え方になってございます。
#99
○山添拓君 つまり、判断基準はないんですよ、調査の項目はありますけれども。これ、いかなる場合に立地が認められないか、重要なポイントで判断基準がありません。事業者任せになっているんですね。地震についてであれば、十二万年前から十三万年前まで以降の活動が否定できない、そうした活断層の上には原発は立地できない、こういう明確な基準になっているんですが、これとも矛盾する、整合性のない基準だと言えます。
 資料の五ページを御覧ください。
 内閣府の検討会が二〇一三年に発表した大規模火山災害対策への提言では、巨大噴火に関する知見は非常に限られている、噴火予知や対応策について研究を進める体制も整っていないとしています。予測のための科学的な知見も乏しく、研究の体制も整っておりません。その下で電力会社が判断の材料を示し、規制委員会が判断をしています。
 鹿児島県の川内原発の場合はどうかということを見たいと思います。半径百六十キロ以内に五つのカルデラが確認されています。九州電力は、適合性の審査書において、いずれも破局的噴火の直前とは言えないと結論をしています。
 資料の六ページを御覧ください。
 このとおり、三つのカルデラをまとめた階段ダイアグラムを作成をして、おおむね九万年間隔で噴出量五百トンずつ、周期的に破局的噴火が起きているように描いています。これは、本来カルデラごとに評価すべきものですが、まとめているということと、しかも鬼界カルデラをなぜか除いています。
 仮に鬼界カルデラを含めて、かつ噴火の噴出量の見積りについてもデータに基づいて反映をさせると、例えば次の資料七ページのような階段ダイアグラムになると言われています。これ見ますと、周期性はありませんし、大規模なカルデラ噴火が五千年から二万年程度の間隔で繰り返し起きる期間もあったということが分かります。
 ですから、少なくとも九電が示すような活動間隔や噴出量の見積りをもって近い将来にも巨大噴火が起こらないということは断言できないのではないか、こう思いますが、更田委員長、いかがですか。
#100
○政府特別補佐人(更田豊志君) 審査では、火山ガイドを踏まえて、各種の知見も参照しつつ、破局的噴火の活動間隔、前回の破局的噴火からの経過時間、現在のマグマだまりの状況、地殻変動の観測データなどから総合的に評価を行った結果、現在は破局的噴火の直前の状態にはないと、運用期間中に設計対応不可能な火山事象が発電所に影響を及ぼす可能性が十分に小さいと判断したものであります。
#101
○山添拓君 今、皆さんにもお示しいたしましたとおり、破局的噴火の発生間隔やその際の噴出量、その誤差、幅も考慮されずに、周期性が認められないものをあたかも周期的にしか起きないもののように九州電力は審査書を示しているわけです。これは恣意的だと言わざるを得ません。火砕流などが原発に影響を及ぼす可能性が十分小さいと判断された場合には、その後はモニタリングを行うという仕組みになっています。
 資料の八ページを御覧ください。
 九電の計画では、破局的噴火への発展の可能性がある場合は、原子炉の停止や燃料体の搬出も行う計画となっています。その判断基準は何でしょうか。
#102
○政府特別補佐人(更田豊志君) 九州電力株式会社においては、原子力規制委員会が認可した保安規定に基づいて社内規程を定めまして、火山活動のモニタリングについて、マグマ供給率を判断基準とした監視体制を取ることと承知をしております。
 万一、マグマ供給率が増加し、一定水準に達した場合、九州電力株式会社は、監視体制を強化し、必要に応じて原子炉の停止や燃料体の搬出などの判断を行うよう手順等を整備しているものと承知をしております。
#103
○山添拓君 その社内規程の中で、冷温停止のために、あるいは燃料体の搬出のために何年掛かって、搬出体はどのようなルートでどこへ搬出するのか、こうしたことは定められておりますか。
#104
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会は、平成二十八年度の保安検査におきまして、九州電力株式会社が破局的噴火への発展の可能性が確認された場合に原子炉の停止や燃料体の搬出等を行うための手順等を定めていること、その内容を確認をしておりますけれども、その内部について今私が持ち合わせているわけではございません。
#105
○山添拓君 確認されていないんですよね。事前に私ども伺ったときには、そうしたものが定められているかどうか内容までは確認していないという話でした。ちょっと、いかがでしょうか。
#106
○会長(鶴保庸介君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#107
○会長(鶴保庸介君) 速記を起こしてください。
#108
○政府参考人(山田知穂君) 火山活動をモニタリングをして、その結果どのように対応するのかということは、社内規程に明記をするということが定められてございますので、それが定めているということについては確認をしておりますけれども、その社内文書の細かい内容について確認をしているわけではございません。
#109
○山添拓君 要するに、確認していないということなんですね。
 一方で、原子力規制庁が二〇一五年に発表したモニタリング検討チームの提言取りまとめでは、現代の火山モニタリング技術で巨大噴火の発生に至る過程を捉えた事例はいまだなく、実際にどのような異常が観測されるかの知見はいまだない、巨大噴火の時期や規模を正確に予知するだけのモニタリング技術はないと書かれています。九州電力にはこれができるということなんですか、委員長。
#110
○政府参考人(山田知穂君) モニタリングというものの目的でございますけれども、許可の段階で、破局的噴火が差し迫った状態ではないということを確認をして、運用期間中にそのような破局的噴火による影響が及ぶような事象が発生する可能性は小さいということを確認をしている、その状態が変わらない、その状態に対して何らかの変化が起きているかいないかということについて確認をするようにというのがモニタリングの目的でございますので、その上で、さらに、モニタリングの結果、何らかのものが確認をされたときにどうするのかということについては今後の検討課題ということで、今、原子炉安全審査会の火山部会等で検討しているところでございます。
#111
○山添拓君 モニタリングをさせているのに、モニタリングの結果どうなったか、その場合にはどういう対応を取るか、これは今後の検討課題だ、これでは安全対策にならないと思うんですね。
 取りまとめでは、空振りも覚悟の上で安全側に立った判定を行う、使用済核燃料の冷却、搬出には年単位の時間を要する、事態が深刻化してからでは対処が間に合わない可能性があるとしています。しかし、九電の計画はそうなっておりません。
 資料の九ページを御覧ください。
 九州電力によれば、地殻変動や有感地震の発生頻度が判断の目安だとされています。しかし、例に出されている桜島の大正噴火、これによると、噴火直前に周辺の井戸がかれるほどの急激な地盤の隆起が発生したとか、噴火直前に一日数百回の有感地震が発生したとか、直前のこうした兆候を捉えてから原子炉を停止して、そして燃料体を運び出すというんでしょうか。荒唐無稽だとこれこそ言わなければなりません。
 資料の十ページを御覧ください。
 二月九日、鬼界カルデラに巨大な溶岩ドームを確認したという報道がありました。体積三百二十億立方メートル、琵琶湖の水量を上回るような世界最大級のマグマ噴出量だと推定されています。巽好幸神戸大教授は、次の巨大噴火に向けて新たなマグマが供給され続けている可能性が高いと指摘しています。この溶岩ドーム発見にはジャニーズのタッキーも一役買ったそうですけれども、巨大噴火の重大な兆候なんではないですか。これを受けて九州電力に改めて確認をさせる、こういうおつもりは規制委員会としてないんでしょうか。
#112
○政府参考人(山田知穂君) 設置許可の際に確認をしてございますのは、設計対応不可能な火山事象が発電所に及ぶ可能性が小さい、十分小さいということでございまして、今回確認をされているものについては今後の検討だとは思いますけれども、原子力発電所のサイトに設計対応不可能な火山事象が発生するかどうかということについては、今後の調査の結果を待った上で、もしそういうことがあれば検討する必要があるかと思いますけれども、現時点ではそこまでの知見であるというふうには考えてございません。
#113
○山添拓君 研究、観測、防災、いずれの観点からも巨大噴火の予測や経過の推測は不可能だ、これから体制整備をするとされています。原子力規制行政だけが原発の運用期間中というピンポイントの期間に巨大噴火の発生可能性、それによる影響の可能性が十分小さいかどうか判断できるのだといって、かつモニタリングで前兆をつかんで、噴火に先立って原子炉を止め、燃料体も搬出できる、だから安全だと言っています。新たな安全神話にほかなりません。
 規制委員会は、昨年末、火山影響評価ガイドを改定しました。これは想定すべき火山灰の大気中濃度の基準を引き上げる改定です。火山灰というのは、フィルターや吸気口に目詰まりを生じたり、電源系統にも異常をもたらします。従前のガイドは過小評価だったということを事実上認めたものです。ところが、この改定後の基準に則した変更認可の期限は今年十二月三十一日までとされているそうです。一年も猶予を与えるべきではないと考えますが、更田委員長、いかがですか。
#114
○政府特別補佐人(更田豊志君) 経過措置の設定については、新たな規制基準のいわゆるバックフィットの運用に関する基本的な考え方、これは平成二十七年十一月十三日に原子力規制委員会で定めたものですけれども、その考え方をそこで示しているものであります。これに基づいて、今般の基準の改正において、安全上の重要性、被規制者が対応するために必要な期間等を総合的に判断して設定したものであります。どのような基準におきましても、その基準を強化する場合ないしは緩和する場合のどちらについてもそうですけれども、今あるものを過小評価ないしは過大評価とその改正後に取られるような在り方では、基準のいわゆる改善、改良は図っていけないものと考えております。
 また、バックフィットの運用に際して、新たな安全の追求、向上を見るためには経過措置というのは不可欠なものでありまして、経過措置なしでの原子力安全の向上、改善というのは極めて困難、事実上不可能なものであるというふうに認識をしております。
#115
○山添拓君 新規制基準はバックフィットが売り物だったはずなんですね。そして、小規模な噴火でも火山灰の影響というのは多大なものです。しかも、いつどこでどのように起こるか分からないという火山の特殊性があります。直ちに全基を止めて対応すべきだということを申し上げたいと思います。
 今回の改定は大気中濃度に関するもののみですけれども、伊方原発についての広島高裁決定では、大気中濃度の前提となる数値から過小評価だと指摘されています。すなわち、火山爆発指数、VEI7級の超巨大噴火でなくとも、一つ下のレベルでも噴火は起こり得る、その噴火規模、降灰量、厚さを前提とすれば、大気中濃度はもちろん、火山灰対策は様々な点で変わってまいります。ところが、規制委員会は、VEI6も起こらない、5までだと、こう決め付けて、5の実績を参考に大気中濃度を決定している、その考え方が広島高裁でも批判をされていると言えると思います。
 ですから、私は、大気中濃度について徹底させるだけでなく、その前提についても改めて見直し、そして安全審査そのものをやり直すべきだと考えますし、ずさんな安全審査の下での再稼働などもってのほかだ、全国で稼働中の四基については、火山灰による影響を見直すべきことはもちろん、まず停止をさせ、確認をすることを求めたいと思います。
 日本共産党は、原発は直ちにゼロに、再エネ大量導入への転換を求めることを改めてこの場でも申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
#116
○儀間光男君 日本維新の会、儀間でございます。
 質問に入る前に、私、本調査会初めてでありまして、全て初歩から入りますから、どうぞ初歩に対する易しい言葉で答弁していただきたいと思います。
 まず、規制委員長に聞きたいんですが、あなたに出した質問通告は、先ほど言ったように挨拶代わりに、初めましての挨拶代わりにということで業務内容を聞こうと思ったんですが、先ほどの活動状況の報告でよく分かりました。
 ただ、ここで一つ引っかかりがあって聞きたいんですが、一ページの後ろから二行目中段から、原子力に対する確かな規制を通じて人と環境とを守っていくんだと、こういうようなことを任務とする、使命とするということがあるんですが、聞きたいのは、規制委員会は、既設の原発、これの見直しや許認可やそういうものを含めていわゆる推進していく、これのみを業務とされているのか、あるいは途中、代替エネルギーがあればそれへの関与もしていく、そういうような様々な、エネルギー対策についての、規制委員会の業務内にはないのかどうかを聞かせていただきたいと思います。
#117
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制委員会の役割は原子力規制委員会の設置法で定められておりまして、私どもの規制の対象は、原子力の利用、いわゆる原子力に特化されたものでございます。
#118
○儀間光男君 原子力が、原発が環境破壊しているのは現実の話なんです。そこで、原子力を通じて環境に優しい、人を守る、こういうこととは少し言葉の上に乖離があるのではないだろうかと、こういうような疑問で聞かせていただきました。
 さて、次行きますが、使用済核燃料の処理問題について伺いたいと思います。
 現在の原発内の燃料プールの地上保管も、もう既に満杯状態ですよね。そう聞いております。さらには、六ケ所村の再処理工場が二十三回目の延期を重ねて二〇二一年に完成のめどがあると、こういうことでございますが、これとてどうかなと思っているんですね、後で少し述べますけれど。
 仮にこの工場が稼働し再処理をしたところで、高いレベルの放射線は残ったままですね。消えていくわけじゃありません。それを処分する最終処分場のめどさえ立たない、立っていないんですね。
 高知県の東洋町でしょうか、引き受けると手を挙げましたけれども、地域住民の反対によって撤回を余儀なくされたということで、今、漂流をしているんですね、最終処分場をどこにするか。この辺についての見解を伺いたいと思います。
#119
○政府参考人(村瀬佳史君) お答えを申し上げます。
 使用済燃料の最終処分の件でございますけれども、既に相当量の使用済燃料が我が国に存在してございます。そういった現実がある中で、高レベル放射性廃棄物を、最終処分場の確保は現世代の責任として決して次の世代には送ってはいけないと、こういう課題だというように認識してございます。
 かかる問題意識に立ちまして、先生御指摘のように、平成二十七年に、そのときの状況を踏まえまして、これまでのやり方では駄目だということで、最終処分法に基づく基本方針、これを改定させていただきまして、最終処分の課題に国も、むしろ国が前面に立って取り組むと、こういう方針転換をしたわけでございます。
 この新たな方針に沿いまして具体的な取組を進めるということで以降取組を進めておりまして、昨年七月には、二年以上の検討を経まして、我が国の地域の特性、科学的な特性、この特性といいますのは、地層処分をすることについての特性を客観的な基準に基づいて全国のマップという形でお示しをしたところでございます。この昨年七月の科学的特性マップの公表をもちまして、これを、マップを活用して更に国民の対話活動を強化していくということで取り組んでいるところでございます。
 確かに、これから先もまだ道のりは長うございます。世界を見渡しましても、最終処分地が既に決まっている国はスウェーデン、フィンランドだけでございます。利用しているアメリカ、イギリスといったような国もまだ最終処分場が見付かってございません。各国、長い道のりではありますけれども、一歩ずつ取組を進めているということでございます。
 我が国も、こういった科学的マップを活用して、ここの中で特に特性の相対的に高い地域というものを示させていただいておりますけれども、こういった地域への対話を重点化するといったようなことで、これまでとは違う新たな取組を進めながら粘り強く丁寧に一歩ずつ理解を深めていきたいと、このように考えてございます。
 その際に、各国の経験、これをしっかり学ばせていただきたいと思っております。先ほど申し上げたフィンランドでは、オンカロというところで最終処分場の建設が進んでおります。昨年の夏には大臣にも御訪問いただきましたし、フランスのビュールというところでは詳細調査が進んでおります。こういったような各国の取組もしっかりと踏まえながら、我が国としても、一歩ずつ、長い道のりではありますけれども進めていきたいと、このように考えてございます。
#120
○会長(鶴保庸介君) 答弁簡潔にお願いします。
#121
○儀間光男君 長い答弁でございましたが、要するに、今までは地域の手を挙げること、地域が望むことを待ったけれど、これからは国が出かけていって地域を説得して、懇切丁寧に説明をして理解を求めると、こういうことなんですよね。はいならはいで短く。
#122
○政府参考人(村瀬佳史君) はい。
 廃棄物自体は事業者の責任、排出者責任ですけれども、国も前面に立って取り組んでまいりたいと、このように考えております。
#123
○儀間光男君 これ、僕が沖縄県出身だから言う話じゃないんですが、沖縄の米軍基地とよく似ているんですよ。戦後この方、沖縄問題ってあったんですが、福島がこの事故によって福島問題、全国で問題の付く県が二つになったんです。だから、沖縄の戦後七十年の基地問題と比喩しては悪いんでしょうけれど、全く同じことで、なかなかそれめど立たない。
 道は長いと言ったんですが、その間に使用済燃料はどんどんどんどん増えていくんです。核のごみはどんどんどんどん増えていく。どうするんですか。何年掛かってあなた方それできる予定があるの。どんどん増えるんですよ。それが増えなければ、止まるんだったらそれでいいんでしょうけど、止まらない、どんどん増える。
 しかも、処分場が確保できても、それを建設するのにまた大変なコストが要る。核燃料は、原発はコストが安くて一気に大量の電気を生むということでやったんですが、この事故を通じて見るというと、決してコストの安い電気じゃありませんね、エネルギーじゃない。「もんじゅ」だって、あなた、二十年間で一兆二千億ぐらい入れて廃炉でしょう。最終処分場、聞いたら、三百メーター穴掘って、金属やコンクリートで巻いて粘土をかぶせてなどという、このことは一万年、万年単位で耐えられるというんですよ、説明はね。これコストが要るんですよ、コストが。だから、そのコストの高い核燃料を、原発エネルギーをなお国が旗を振って進めていこうと言っているのかということに私の疑問があるんです。
 いろんな国々見てください。様々な再生エネルギー、みんな確保してきているんじゃないですか。日本だってたくさん例ありますよ。その辺ちょっと見解をお示しください。
#124
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 原発のコストでございますけれども、直近、二〇一五年にコスト検証を行っております。これはOECDで世界的に認められている検証の方法に基づいてコストを検証したものでございますけれども、いわゆる資本費、運転維持費に加えまして、賠償ですとか今おっしゃっていただいた最終処分のコスト、それから除染、中間貯蔵、それから追加で必要となる安全対策といったようなコストを全て含んだ試算となってございますけれども、この結果として、原子力の発電コストとしてキロワットアワー当たり十・一円以上という結論となってございます。
 このコストは、さらに感度分析の手法も示しておりまして、これらも勘案しますと、原子力は引き続き低廉な電源と、このように認識してございます。
#125
○儀間光男君 それで、原子力は原料、原材料が要るんですね、原材料が要る。ところが、再生可能エネルギーというのは原料代はただなんです、要らないですね。風や太陽光や、エネルギーに変える動力は要るんですが、エネルギーの原料としては要らないんですよ、風や水や太陽光ですから。しかも安全である。最終処分場なんて要らない。
 だから、国が、原発まるで駄目と私言っていませんよ。いずれフェードアウトせぬといかぬとは思いますが、共産党さんとちょっと違うんです、そこは。共産党は即廃止ですが、私は、廃止ではあるけど即では無理だと。こういうことで、見ているところは一緒だと思うんですよ。だから、それで代替エネルギーというのが、今は技術が確立されてどんどんどんどん世界的に増えているんですよ。そういうところに目を付けませんかという話なんです。
#126
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
 儀間委員御指摘の、原子力の利用と再エネの利用の関係のことと思いますけれども、まず、政府といたしましては、資源の乏しい我が国にとりまして、電気料金といったコスト、あるいはCO2排出などによる気候変動問題への対応、それからエネルギーの安定供給、いわゆるエネルギーセキュリティー、こういった面を総合的に考えれば、責任あるエネルギー政策を実行するためには原子力発電所の活用は欠かせないものというように考えてございます。
 具体的には、原子力発電所が東日本大震災の後、停止して以降、電気代は震災前の二〇一〇年に比べて上昇してございます。一年間で一般家庭で約一万円、中小企業で約六百万円のインパクトがございます。CO2の排出量も増加しておりまして、中でも電力セクターでは約七千九百万トンも増加をしてございます。また、震災前には二〇%程度ございましたエネルギー自給率でございますけれども、現在はG7でも随分低い八%まで低下したといった影響が出てございます。
 政府といたしましては、徹底した省エネ、そして儀間委員御指摘の再生可能エネルギーの最大限の導入、これを進めながら原発依存度を可能な限り低減することとしており、安全性を最優先に、原子力規制委員会において新規制基準に適合すると認められた原発のみ地元の理解を得ながら再稼働を進めることとしてございます。
 また、再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しつつ最大限の導入を進めていくことが基本方針でございます。二〇一二年にFIT制度を導入して以降、実際に太陽光を中心に急速に導入が拡大してございますが、あわせて、これによりまして、電気料金に上乗せされる国民負担、これも今年度は二・一兆円にまで増大しているという事実もございます。このため、革新的なコスト削減を図るための技術開発、これを推進すると同時に、昨年、固定価格買取り制度も大幅に見直しまして、再エネの中長期の価格低減目標、これを定めるとともに、競争を通じて買取り価格を引き下げる入札制度、これを新たに導入いたしまして、国民負担と再エネの導入拡大の両立を図っているところでございます。
 今後とも、再生可能エネルギーの導入へ向けてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
#127
○儀間光男君 おっしゃるとおり、製造コストが、今話がありましたように、太陽光コストの方は二〇三〇年まで七三%コストダウンできると言っているんですよ、業界団体はね。風力については二三%。一桁台から十円ちょっと台に入ってくるんですよ。それぐらいコストダウンすると、やはりそれは企業として生産性は上がってまいりますしね。
 しかも、もう一つ言いたいのは、例えば岡山県の真庭市、木質バイオをやっておりますけれど、これ原発を少しずつ再生エネルギーに移していこうというスケジュールを作ってほしいという意味でやるんですが、ここで工場を造るんですが、木質バイオマス、造るんですけれど、バイオマスの発電建設費など総事業費、真庭市のもので四十一億円なんですよ。これは原発というとまた話になりません。真庭市の世帯数が一万八千世帯あるんですが、これを全部供給してなお余るぐらいの木質バイオマスができているんですね。それを年間営業して売った電気収入は、売電収入が年間で二十一億見込めると。ちっちゃいかもしれないですが、二か年間で投資分は回収するんですよ、三年目から減価償却をしていくだけなんですよね。いや、二年で減価償却して三年から純益を生んでいく、単純計算するとそうなるんですよ。こういうこと。
 それから、みやま市の太陽光など地域資源エネルギーを見ていると、国が先頭に立って速いスピードでロードマップを作って、タイムスケジュールを作って、原発との代替していく、クロスさせていくタイムスケジュールを作って何年後にはこうするんだというものを示すべきだと思うんですが、いかがですか。
#128
○政府参考人(小澤典明君) お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、再エネの導入、これは最大限の導入を図っていくということでございますけれども、これはエネルギーミックスというものを策定してございまして、二〇三〇年度において電源構成比の二二から二四%という目標を立てて、今それを目指して最大限取り組んでいるところでございます。
 また、御指摘もございましたが、欧州とも比べまして日本の再エネコスト、まだまだ高いわけでございますけれども、これをできる限り下げていこうということで、先ほど申し上げましたような技術開発等々をこれからもしっかり取り組んでいくという方針でございます。
#129
○儀間光男君 時間がないので次行くんですけれども、十四日の日に、参考人として京都大学の諸富先生ほか三名、おいでいただいた。諸富先生に、先生の私見の中で、二〇五〇年度ぐらいで再生エネルギー、日本はどれぐらい供給できますかと聞いたら、六〇%行けるだろうとおっしゃった。三〇年度は二五%、そんな程度でしょうけど、五〇年なら六〇%行けると。ここまでいくと変わっていくのはもう目の前ですよ。だからこそ、政府が先頭になって何年には何%にするんだとスケジュールを作って最終目標を掲げるべきだと、こう思うんです。
 西銘副大臣、今日は呼び付けて済みません。沖縄からは初めて副大臣が出ました。いや、副大臣の名前は一回出ましたけれども、経産での副大臣はあなたが初めて。お父さんに負けないように頑張ってほしいし、日本の国民のため、沖縄県民の期待を担って、このエネルギー問題、どう政治家として、担当省として今後展開するかを、抱負を聞かせていただきたいと思います。
#130
○副大臣(西銘恒三郎君) かつて県議会で儀間先生に鍛えられた後輩の一人として、こういう場面で答弁できる機会を、歴史を感じながら、また答弁の御指名いただきましたことを大変うれしく思います。
 儀間先生の冒頭御発言ありましたような、原子力を今担当する副大臣室で原子力関係者の要請あるいは意見等を交換する中で、私の中にも、これは少し沖縄の米軍基地問題と似ているところがあるなという思いを持ちながら、この原子力問題、エネルギー問題に対応していることを冒頭先生の発言を聞いて感じましたので、冒頭発言をさせていただきました。
 政府の方針としましては、可能な限り原子力の依存度を低下させていく、そして、先生の御意見のように再生可能エネルギーを最大限に高めていこうという流れにあることは事実でございます。現実を直視しますと、昨今のエネルギー基本計画の中で、二〇三〇年、現実は原子力今二%ぐらいですけれども、二〇三〇年に二〇から二二、あるいは再生可能エネルギーを二二から二四に持っていこうという流れでありますが、先生方はこの再生可能エネルギーの部分をもっと増やせという議論も、意見も聞いております。今度のそろそろ結論が出ようとしているこの分科会の中では、今回はこの二〇三〇年の数字、数値は触らないという方向で議論が進んでいると承知をしております。
 いずれにいたしましても、現実、二%の原子力の依存度を二〇三〇年に二〇から二二に持っていって安定的にエネルギーの体制をしっかり持っていかないといけないなという思いで見ております。様々な声があることを承知しながら、ベストエネルギーミックスを政府としても追求してまいりたいと考えております。
 以上です。
#131
○儀間光男君 時間が来ましたから終わりますけれど、答弁合格。
#132
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表して質問をさせていただきます。
 今日一日お話を聞かせていただきました。原発あった方がいい、なかった方がいい、いろんな方いらっしゃいますけれども、地震が多発する国で、火山もいっぱいあって、そういう中で原発即時停止という考え方は一番私は真っ当なんじゃないかなと思うんです。その事故によって一体どのような状況に陥るかということは、私たちは二〇一一年にはっきりと示されたわけですよね。
 その舌の根も乾かぬうちに再稼働をしていく。いつ火山爆発するかも分からない、地震もいつ起こるか分からない、一万年に一回というのは来年かもしれないし再来年かもしれないんでしょうという、そういう不確定要素を多く抱えた中で国民の生命、財産を守るというのであれば、今現状でこの国の電力は何が主に回っていますかといったら火力なんですよって。原発か自然エネルギーかというような二項対立のように見せられているけど、そうじゃないって。天然ガスを中心とした火力で十分に回せるんだよっていう話なんですよ。原発止めても問題ないんだよって。シェール革命も起こっているんだから、調達の費用はもう既に安いんだという話なんです。
 幾ら再生可能エネルギーを広げようと思っても、今からどんどん増やしていくには時間が掛かる。現実路線として原発は止める。とにかく天然ガスを中心とした火力で回していく。それがこの国の将来、子供たちにツケを回さない、そういうような考え方につながっていくんだという話だと思います。
 本当に、加害者側が一方的に線引きをするような事故の在り方はあってはなりませんよね。国が、電力会社が補償はここまでだというような、区切るような話はあり得ないんですよ、本当は。被害者側の線引きを加害者が決めるなんてあり得ない。このような、誰も逮捕されない、誰も責められない、世界屈指の核惨事を起こしておきながら、何も前に進んでいないのに無理やり再稼働、海外に原発を売るということだけは前に進められるような在り方は余りにもあり得ないというふうに思います。
 そして、この調査会において数々の知見をいろんな先生方からお聞かせ願えたというのは本当に有り難い経験をさせていただきました。ありがとうございます。それでは、本日の内容に入っていきたいと思います。
 東電新社長、お越しいただきましてありがとうございます、お忙しい中。世界最悪の核惨事、その一つである東電原発事故の現場で働く作業員の皆さんへの感謝の言葉と、被曝を軽減させる企業努力を最大限にやるとの約束をしていただきたいんです。時間の関係上、短めにお願いいたします。
#133
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングスの小早川でございます。資源エネルギーに関する調査会につきましては初めての参加となりますが、本日どうぞよろしくお願いいたします。
 私どもの使命であります福島への責任を果たす上で、三十年、四十年掛かると言われております福島第一原子力発電所の廃炉作業につきましては、しっかりと責任を果たしてまいります。
 現在、一日五千人を超える方々に廃炉作業に携わっていただいております。事故から約七年になりますが、こうした多くの作業員の皆様の御尽力により、廃炉作業の進展とともにリスクの低減も進んでおりますことに感謝しております。
 弊社といたしましては、これまで地面へのモルタル吹き付けなどの構内の線量低減を進めており、現在、全面あるいは半面マスクを必要としない作業エリア、いわゆるグリーンエリアが構内面積の九五%まで拡大するなど、福島第一原子力発電所の作業員の皆様が安全に、そして安心して働くことができる環境づくりに取り組んでおります。
 引き続き、作業員の皆様がより一層安全に安心して作業いただけるように、また御家族の方々にも御安心いただけるようにするために、一層の労働環境の改善に努めてまいる所存でございます。
#134
○山本太郎君 ありがとうございます。
 本日は、以前本調査会でも質疑をいたしました目の水晶体、この被曝問題にフォーカスします。
 放射線を扱う現場では当然目も被曝します。目の水晶体、厚さ四ミリ、直径十ミリ程度、一千層もの細胞で構成される超センシティブな器官。体の中で最も放射線への感受性が高い組織の一つです。体のほかの細胞とは異なり、不要になった組織や傷が付いた細胞を排出する仕組みがない。水晶体が被曝すると、その中に突然変異で濁った細胞がつくり出され、そのまま増殖、蓄積、放射線白内障になるといいます。ですから、目の水晶体には被曝の限度が定められている。
 資料の一です。(資料提示)今現在、収束作業員の水晶体の線量限度は現行法令で年間百五十ミリシーベルト、これはICRPの一九九〇年勧告に基づいたもの。一方で、二〇一一年のICRPの声明、いわゆるソウル声明では、水晶体の線量限度は五年平均で二十ミリシーベルト、一年間の上限で五十ミリシーベルト。日本国内の水晶体の被曝限度はソウル声明の七・五倍です。
 このソウル声明の基準、この基準を既に国内法に反映させた国々も存在するそうです。教えてください。
#135
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 網羅的に調べたわけではございませんけれども、例えばイギリス、スイス、オーストラリア、ノルウェーなどにおいて、委員御指摘のソウル声明の勧告に基づく新たな等価線量限度が国内法令に取り入れられていると承知をしております。
#136
○山本太郎君 数々の国々でもう既に取り入れられている、二〇一一年の声明がということなんですね。
 先ほども言いました二〇一一年ソウル声明では、五年間平均で二十ミリ、単年度、一年の上限は五十ミリシーベルト。これを採用し、国内法を改正した国々もある一方で、日本が採用する勧告は一九九〇年と昔のもの。一年間百五十ミリの被曝を許容。要は、日本の労働者は水晶体に対して七・五倍もの被曝をいまだ押し付けられている状態。
 規制庁、お聞きします。実際のソウル声明が国内の法令に反映させる時期、教えてください。
#137
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 放射線審議会におきましては、昨年七月に眼の水晶体の放射線防護検討部会を設置をいたしまして、以来、鋭意検討を重ねてまいりました。
 実は、本日午前に第七回の部会を開催をいたしまして、その部会におきまして、水晶体の等価線量限度を五年間の平均で年二十ミリシーベルト、かついずれの一年においても五十ミリシーベルトを超えないこととすることが適当である、これはまさしくソウル声明による勧告を踏襲したものでございますけれども、そういった内容を含む報告書を取りまとめたところでございます。
 今後、年度内に開催予定の放射線審議会総会にこの部会の報告を報告いたしまして、了承が得られれば放射線審議会の意見として関係行政機関に対して提言をされるものと考えております。
 規制への具体的な取り入れについては、その提言を受けて関係行政機関において検討がされるというふうに承知をしておりますので、いつ具体的に規制に取り入れられるのか、今この時点でお答えするのは難しいというところでございます。しかしながら、放射線審議会の事務局として、関係行政機関の検討状況はしっかりフォローをしていきたいというふうに考えております。
#138
○山本太郎君 国内法令に反映されるにはちょっと時間が掛かるんですね。しかし、規制庁、厚労省は何もしていないわけじゃないよということなんです。
 資料の二。規制庁の二十九年三月二十九日に東電を呼んでの面談の議事要旨と厚労省から東電への通知です。それぞれ何を言っているのか。時間は掛かるけれども先々国内法で線量限度下がるのは確実なんで、それを待っているんではなくて、現場で採用して線量低減の努力をしてくださいねという内容、厚労省、規制庁、間違いないですよね。間違いなければ間違いないとだけ言ってください。
#139
○政府参考人(田中誠二君) 議員の御指摘に間違いございません。
#140
○政府参考人(山田知穂君) 議員のおっしゃっていることで間違いございません。
#141
○山本太郎君 これを受けて現場では線量低減に自主努力していますよということで、東電社長、よろしいでしょうか。はいかいいえでお答えいただけると助かります。
#142
○参考人(小早川智明君) はい、そのようにさせていただいております。
#143
○山本太郎君 東電社長、福一内で今年度で水晶体の被曝が年五十ミリシーベルトを超える者の数が一番多い作業は何でしょう。
#144
○参考人(小早川智明君) 本年度、福島第一の現場で水晶体への被曝が年間五十ミリシーベルトを超えた作業は、フランジタンクの解体、減容作業となります。
#145
○山本太郎君 ありがとうございます。
 タンク解体作業開始、平成何年からでしたっけ。
#146
○参考人(小早川智明君) 平成二十七年四月よりフランジタンクの解体作業を開始しております。
#147
○山本太郎君 資料の三。一年間の水晶体の累積線量、これ年度ごとです。
 東電社長、二十七年度以降の年度ごとの五十ミリシーベルトを超えた人数と水晶体被曝の各年度の最高値を教えてください。
#148
○参考人(小早川智明君) ただいま御質問いただきました水晶体被曝が年間五十ミリシーベルトを超えている人数と最高値につきましては、平成二十七年度五十名、最高値は八十七・九〇ミリシーベルトでございます。平成二十八年度は二十一名、最高値は七十五・三〇ミリシーベルトでございます。平成二十九年度につきましては、十二月末現在の数値でございますが、三十四名、最高値は八十六・一〇ミリシーベルトでございます。
#149
○山本太郎君 ありがとうございます。
 今教えていただいた水晶体被曝の最高値、その中で注目したいのが平成二十九年度、この年度のみ一年間ではなくて四月から十二月のデータ、つまり九か月間。残り三か月のデータが合わされば、これ今までの中で最高の被曝値が出ることは間違いない状態ですよね、九か月で約八十六ミリと高い値が出ていますから。
 水晶体の等価線量が年に五十ミリシーベルトを超えた作業員は、平成二十七年が五十名、二十八年度二十一名、二十九年度は、まだ終わっていないのに十二月の段階で三十四名。フランジタンク解体、減容化作業は、ストロンチウムリッチ、高濃度汚染水が入っていたタンク作業なのでベータ線主体の被曝だと。水晶体の等価線量が年五十ミリシーベルトを超えた作業員のうち、フランジタンクの減容、保管作業によるベータ線主体の被曝の人間だけ抜き出すと、平成二十七年度二十六名、二十八年度十二名、二十九年度は、まだ終わっていないのに十二月の段階で三十四名。平成二十九年度、これ、被曝の値が高いだけじゃなくて人数も増えているんですよ。
 これ、おかしくないですか、東電さん。厚労省、規制庁から水晶体への線量低減言われたのに、もう議論始まっていて先々基準の数値下がるよって、法律の変更には時間掛かるけど、その間、事業者が現場の運用で線量を下げていってくださいと言われているにもかかわらず、被曝のペース、以前よりも上がっているじゃないですか。東電は、省庁から言われた通知とか面談で要請されたことというのは無視するんですかって話なんですよ。
 なぜ今、一番の最高ペースで作業員を被曝させているんですか。これには別の事情が絡んでいると。汚染水をためておくタンクを急遽造ったが漏れ出した。これ解体して新しいものに置き換える作業、このフランジタンク解体作業が最も水晶体を被曝させる作業であると。
 資料の四、作業の内容。タンクから汚染水をバキュームカーで吸い出し、その後解体する。タンクの底のポンプで抜き切れなかった高濃度汚染水を、何と人力で拭き取る。タンク内壁や床に遮蔽の板を置いてはいるが、どう考えても高線量被曝する過酷な作業なんですよね。
 東電社長、タンク解体、現在で予定の何%が完了しましたか。
#150
○参考人(小早川智明君) タンク解体を予定しております総数は三百三十四基でございますが、そのうち、平成三十年一月末現在で百六十八基の解体が完了しておりますので、約五〇%の進捗となります。
#151
○山本太郎君 資料の五。東電提出、今年の一月二十三日、福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会の労働者安全衛生対策部会での配付資料「「今後の眼の水晶体の等価線量限度引き下げ」に対応した取り組みについて」では、水晶体への被曝上限を年五十ミリシーベルトにと。次年度、平成三十年度からこの運用を現場で行うということなんですけれども、これ具体的に平成三十年度のいつからお始めになりますか、東電さん。
#152
○参考人(小早川智明君) 目の水晶体の被曝の管理値につきましては、自主的に年間五十ミリシーベルトを上限とすることを二〇一八年四月一日から導入する予定としております。
#153
○山本太郎君 厚労省、この四月一日からやるということ、聞いていましたか。
#154
○政府参考人(田中誠二君) 少なくとも私のところには情報は入っておりません。
#155
○山本太郎君 規制庁、今の四月一日からやるという話は聞いていましたか。
#156
○政府参考人(山田知穂君) 目の水晶体につきましては、放射線防護……(発言する者あり)はい、そこの検討部会において東電から説明があったということで、二〇一八年度から導入するという話を聞いてございます。
#157
○山本太郎君 質問に答えていないじゃないですか。四月一日という話は聞いていたんですかという話なんですよ、東電から。聞いていないですよね。それは確認していますよ。どうですか。四月一日。
#158
○政府参考人(山田知穂君) 二〇一八年度ということで聞いてございます。
#159
○山本太郎君 聞いていないの一言で終わる話をありがとうございます。
 先に進みます。規制庁との面談でも求められていた、厚生省から通知を受けていた内容の変更を規制庁も厚生労働省も知らない。これ、普通は、そういう状態になったときに社内で決定があったというんだったら、通知しなきゃいけないんじゃないですか。
 ごめんなさい、この四月一日からやるということを決めた日付を教えてください。
#160
○参考人(小早川智明君) 四月一日に導入することにつきましては、今年の一月十九日の社内の会議にて決定したものでございます。
#161
○山本太郎君 二〇一八年度中にやると、期限を定めていなかった、細かくは。それが四月一日からやるって聞いたの昨日初めてなんですよ。寝耳に水。当然規制庁も厚労省も聞いていない話ですから。
 それが、一月十九日からもう社内で決めていたんですよという話なんですけど、先ほどの皆さんのお手元にあった資料、資料の五ですね、私の数字でいうと。その表紙を見ると、一月二十三日付けの資料なんですね。でも、この資料には、導入目標、一枚めくっていただくと書いてあるんですけど、二〇一八年度と書いてあるだけなんです。具体的には書いていない。既に社内で決定していたのに、一月十九日に。どうしてこの資料、一月二十三日の分にはそれが書かれていないんですか。加えて、両省庁に対してどうして説明をしなかったんですかという話を聞きたいんですけれど、時間がないので、恐らく長いこと答えて余りいい答えが返ってこないと思うんですね。だから進みますね。
 余りにも怪しい。というのは、これまでの様子、いや、現場で運用を早めていただくというのはすごく大切なことなんですよ。けれども、これまでの様子からすると余りにも唐突なんですよ。この部分突っ込まれるの嫌だったから急遽四月一日にしたんじゃないのかという話なんですよね。そういう疑いが持たれる。それだけじゃないんですよね。そんなに早く決定できるんだったらもっと早くにやれたじゃないかって。作業員の水晶体守れたじゃないかって話なんですよ。
 先行きます。では、もう一つの方。五年で百ミリシーベルト、現場での反映はいつですか。三十一年度ですよね。何月何日だけ教えてください、東電さん。
#162
○参考人(小早川智明君) これは今のところの予定でございますが、五年間の平均で年間二十ミリシーベルトとする管理値の導入は平成三十一年の四月からの導入を予定しております。
#163
○山本太郎君 これもそうなんですよ。四月一日からやるってなんて聞いていない。事前に聞きましたよ、厚労省にも規制庁にも。四月一日からなんかやるって聞いていないというお答えをいただいている。
 これ、実際に平成三十一年度の四月一日から五年で百ミリということは、実際できるとお思いになりますか。
 更田さんいらっしゃいますか。どう思いますか、その点について。実際に東電だけが年間五年で平均二十ミリ、要は百ミリ、この運用を現場で平成三十一年の四月からやると言っているんですけど、これ、可能か可能じゃないかだけ教えてください。
#164
○政府特別補佐人(更田豊志君) 可能と思います。
#165
○山本太郎君 ありがとうございます。
 ということは、もっと早めることも可能ということですよね、恐らくね。システムがどうしたと言っていましたけど、システム屋の人に聞いたら、全然、東電が言っていることで、システムがどんどん変えていかなきゃならないから時間が掛かるというのは筋が通っていないと、簡単にできる話だといっておっしゃっていましたよ。三十一年まで引っ張ることないじゃないですか。もっと早くに、その五年で百ミリという枠も前に進めていただきたい。
 先に進みます。
 これ、未曽有の自然災害、それによって起こった核惨事ということの影響でこのタンク作業に就いているわけじゃないんですよ。元々ちゃんとしたタンクを作っていればこの作業必要なかったんですよ。漏れ出したのは何だといったら、東電がコストカットしたからなんですよ。コストカットした上に、じゃ、手に入ったものは何だといったら、漏れ出したタンク、それとその年度に東電が黒字になったことなんですよ。余りにもあり得なくないですか、そんな話。
 で、お願いしたいんです。この被曝されている方々、年間五十ミリを超えるベータ線での水晶体の被曝をされている方々、東電の社員、この二年間で一人もいないですよ。みんな下請じゃないですか。いいんですか、取替えの利く部品だからという感覚なんですか。この人たちに対して、二〇一一年まで遡ってソウル声明、当然ですよ、もう国内法に反映させている国まであるんですから。ソウル声明を反映させて、二〇一一年まで遡って補償をするということを東電にやっていただきたいんです、作業員の皆さんに。それを是非お答えいただきたいのが一つ。当然でしょう。東電がやらかしたことに対する尻拭いなんですよ、この方々やられているのは。その方々に対する誠意ある態度をしっかりと示していただきたい。
 もう時間がないので、これ、私、言い切りで終わってお答えをいただくことになると思いますが、もう一つ加えて言いたいのが、これは作業員の方々が後々裁判を起こして東電が敗訴してから、じゃ、何をするということを考えるんですかという話なんですよ。そんなこと許しませんよって。
#166
○会長(鶴保庸介君) 山本議員、時間が来ております。おまとめください。
#167
○山本太郎君 はい、分かりました。
 はっきりとお答えください。救済策、これから考えるのかどうか。この一点をお答えください。
#168
○参考人(小早川智明君) フランジタンクの解体、減容作業につきましては、専門性の高い作業と認識しております。また、少しでも作業員の方が受ける線量が低くなるよう、除染や遮蔽により作業環境の放射線量低減を図っており、今後とも被曝低減のために環境改善に努めてまいります。
#169
○会長(鶴保庸介君) もう時間です。
#170
○山本太郎君 締めますから。
#171
○会長(鶴保庸介君) 締めだけですよ、一言だけですよ。
#172
○山本太郎君 ありがとうございます。
 低減は当然、必要なのは救済。よろしくお願いします。山本太郎でした。
#173
○中山恭子君 希望の党、中山でございます。よろしくお願い申し上げます。
 私自身、この原子力発電、決して専門的なプロではございません。ただ、やはり日本にとってこの原子力発電というものがいかに重要なものであるか、どのように考えていったらいいのか、これは普通の日本人であれば誰でもが非常に強い関心を持っている問題であると考えております。私もその一人でございます。
 これまで、原発を訪ねましたのはもう二十数年前、伊方原発でいろいろ見せていただいたり、説明を受けました。また、福島の事故の後は泊原発を訪ねまして、どのようにこの原発を考えていったらいいのか、いろんな質問をし、いろいろお答えをいただいたという経験がございます。
 今回、この原子力規制委員会が改革という形で、規制の転換という形で、例えば重大事故対策の強化、原子力事業所外への異常放出といった災害の防止ということがしっかり含まれるというような改革をしてくださっているということは、非常に私自身は高く評価したいと考えております。特に、米国のROPとの比較の中で、ROPの考え方というものを取り入れているというふうに伺っております。
 この福島事故のときにも非常に印象強く残っております。印象が深い点といいますのが、米国等の諸外国では原発は一〇〇%は安全ではないという、リスクに対していかに対応するのかということが根底にあって原発が設置されているというように見える、原発の安全性に対して、日本は安全だという、今は相当変わってきているとは思いますが、その基本的な哲学といっていいんでしょうか、一般の方々に対する説明などについても随分と違っているように見えております。
 原発は一〇〇%安全であり、それを確保することは当然だという、検査も、その安全性確保ということに、日本の場合にはそこに中心が置かれているように思いますけれども、米国のように、原発のある地域の方々に関しても、決してこれは絶対安全というものではないので一緒に、何かあったとき、先ほどもROPについてもっともっとしっかり取り入れるべきではないかという公明党の委員の先生から非常に強い要請がございましたけれども、その中で、事業者と規制委員会との関係だけではなくて、その地域の方々に、原発というものがどういったものかということも含めて、そのために一緒に訓練をしてもらうというようなことが必要なのではないだろうか、考え方の根底が違っているのではないかという思いがございまして、その点について更田委員長のお考え、どのように考えていらっしゃるのか、お話伺いたいと思います。
#174
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 ただいまいただきました御質問には、規制当局としてのあるべき姿、基本姿勢に関わる幾つもの重要な点を御指摘いただいたと思っております。
 米国との比較でのお話がございましたけれども、原子力規制委員会は、福島第一原子力発電所事故に対する教訓と反省の上に立ってつくられた組織であります。
 この反省点の中で、米国との比較で申し上げると、例えば米国の各原子力発電所につきましては個別のプラント評価というのがされていて、各プラントごとに炉心損傷、炉心溶融といった事故に至る確率のようなものの、これはあくまで絶対値には随分不確かさがありますけれども、個々に数値が公表をされて、翻って考えますと、要するに、リスクはゼロではないということが基本姿勢としてありました。
 日本の場合も、もちろん確率論的リスク評価というのは技術としてはあったわけですけれども、伊方がどうである、高浜はどうである、大飯はどうであるという扱われ方がされていたわけではなくて、そしてさらに、十分な対策が取られていますので御安心くださいという説明を、推進側だけではなくて、結果的に規制当局も同席して、それを地域の方々に行ってきたという状態があります。
 これは、非常に大きな違いであって、原子力規制委員会にとって最も重要なことは、安全神話の復活を許さないということであります。新規制基準への適合は、必ずしもリスクをゼロということを意味するものではありません。一〇〇%安全を保証するというものでもありません。これは、繰り返し原子力規制委員会が申し上げて、また今後もその姿勢に変わることがあってはならないと考えております。
 また、地元の方々ですが、これもなかなか御都合等々もあって調整が難しいところもあるんですが、先般、やっと一回目の試みとしまして佐賀県へ伺うことができまして、地元の県知事さん、それから各市町村の首長さん方に御出席をいただいて、私と山中委員が出席をしまして、これは目的は、私どもから何かを御説明に上がるとか説得に上がるとかというものでは決してなくて、特にこちらからテーマも絞らずに、地元の方々の御意見、声を率直に聞くという初めての試みでありました。
 今後とも、これ頻度を上げることはなかなか難しいのですけれども、今後ともこれは取組を続けていきたいと思っております。初めての取組ですから必ずしも円滑な進行といかなかった部分はございますけれども、私たちは不安をかき立てることが目的でもないですし、一方、むやみと安全、安心を、また特に規制当局にとって安心という言葉を使うのは非常に危険なことであって、あくまで安全はこのように私たちは努力をしていると、そして私たちはゼロリスクというようなことは語らないというのが基本概念にあって、また、このROP、先生御指摘のあったROPも、事業者は事業者としての責任をきちんと自覚をして、私たちはその自覚がきちんとしたものかというものを見ていくという制度で、大きく違うのではないかというと、もう様々に事故以前の姿と現在私たちが取り組もうとしている姿は大きく違っております。
 直接なお答えになっているかどうか分かりませんけれども、今の考えを申し述べさせていただきました。
#175
○中山恭子君 ありがとうございます。
 これまでの規制委員会の考え方というものを批判するつもりではないんですけれども、新たに今委員長がおっしゃられたような形で、地元の方々にも飾ることなく素直に説明をし、理解を得るということが非常に大事なことであろうと考えております。
 もう一点、私、あの福島の事故のときに、IC、非常用復水器が機能しなかったという点について、ある意味では何とも言いようのない悲しさというか、情けなさを感じて過ごしてきているところでございます。電源喪失時、あの原発を運営していく、運用しているのであれば、その辺りについて常時訓練をし、いざというときのための技術者がそこに存在している必要があったんだろうと考えておりますけれども、この非常用復水器の隔離弁が全て閉じたまんま長い時間放置されたということ。このICの四つの隔離弁がどういう結果だったかは分かりませんけれども、もし動いていればという思いが強くあります。そういった意味で、この点について、その当時、疑問を抱いた人はいなかったのではないか、この状況が非常に情けないことだと思っております。
 そういった意味で、これもROPの問題ですけれども、検査機関の人員、陣容と言ったらいいんでしょうか、これは米国では、もちろん原発の数が非常に多い、百四基ということもありますけれども、四千人の陣容が整っていると。日本の場合にはまだまだそんなところには至っていない。この規制委員会又は原発の検査機関というものの陣容を徹底して、どう言ったらいいの、数を増やすということはもちろんですけれども、技術者を育成し、アメリカでは検査官が原発に常駐しているということもあると、通常あるんでしょうかね、そういうことだというふうにも聞いていますし、しかも、彼らが原発を運転できる、そのくらいの技術を持っている人たちが各原発に配備されているというような状況があるというふうに聞いておりまして、まだまだこのROPに比べれば、日本の規制委員会というものが数だけではなくて質の面でも足りていないと考えております。
 この点に関しても、決して遠慮せずに、きちんとした形を整えていくという努力、また私たちもそれをサポートしていくということが非常に大事であると考えておりますが、御自身の委員会の話とか監督関係の話でお話しづらいかもしれませんが、思ったことを思ったとおりにお話しいただけたら有り難いと思っております。
#176
○政府特別補佐人(更田豊志君) 新しい制度を導入するに当たって、私たちは確かにその資源が限られていることは事実ですけれども、できる限りの努力をしたいと考えております。
 検査官、検査に当たる者を、まず常駐という点では現在でも検査官は常駐をしておりますけれども、ただ、新しい制度のものでは、フリーアクセスと呼んでおりますけれども、要するに、あらかじめ決められたことだけではなくて、その常駐している検査官がどこまでも入っていける、それからどういった文書にもアクセスできる、更に言えば、事業者の社内の委員会や会合にも参加できると、そういったフリーアクセス、これから細部は定めてまいりますけど、こういったフリーアクセスが非常に大きなポイントになろうかと思います。
 もう一つは、運転できるような技量といいますけれども、これは予算については財務当局から御配慮をいただいて、シミュレーターを備えました。運転シミュレーターをなるべく多くの者がシミュレーター訓練を受けるように努めております。検査官だけではなくて、審査に当たる者や全ての職員にとって、原子力発電所、原子炉の運転について一定の技量を持つことは大変意味のあることと考えておりまして、先日は事務官であります次長もシミュレーター訓練を受けました。せっかく予算を投じて整備を進めさせていただいたシミュレーターですので、今後とも活用していきたいと思っておりますし、また、更に言えば、これは先ほど事業者との関係のところで、いい意味で申し上げたつもりですが、大人の関係といいますけれども、彼らもシミュレーターを持っており、また現場を持っているわけですので、私たちの職員の少しでも多くの者に今現場の感覚を肌で持ってもらうための活動も進めてまいりたいと思っております。
 今後とも、いろんな意味で資源の充実に図りたいと思いますので、御指導、御支援をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
#177
○中山恭子君 さらに、もう一点。
 福島の事故というのは非常に残念な思いのする事故ではありますけれども、先ほど三浦委員からも、アメリカとの相互の交流というものが、三浦委員でしたよね、あっていいのではないかというお話があったかと思いますが、日本が今回経験しているこの事故について、やはり世界、国際社会においてもこれをしっかりと生かしていくということも必要であろうと思っております。
 規制委員会の中の話なのか事業者の話なのか、ちょっと私からは判断できませんが、やはり規制委員会が中心になって、この事故を非常に素直に、もちろん当時の政府の対応というものが大きな問題であるということは分かってはおりますけれども、それも踏まえた上で、国際社会に少なくとも将来何らかの良い、何というんだろう、影響を与えてくれる、せめてそういったことについても努力していただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
#178
○政府特別補佐人(更田豊志君) 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
 国内の問題に取り組むことはもとより私どもの責務でございますけれども、私たちが経験したこの事故の経験を国際社会に発信することもまた規制委員会の大きな責務の一つであると思いますし、また、東京電力にとってもそれは同様であろうと思います。
 このため、幾つかの取組は行っております。例えば、IAEAで国際的な基準が議論される際には原子力規制委員会、規制庁からこれに参加をしておりますし、また、OECD・NEAでも規制をめぐる、又は安全をめぐる多くの議論の場がございます。こういった場においても原子力規制委員会は積極的に参加をしております。一例を挙げますと、委員長を拝命したために退任をいたしましたけれども、昨年まで私は、OECD・NEAの原子力施設のいわゆる安全、規制のための研究をする委員会の議長を務めておりました。
 そういった意味で、発信には努めていきたいと思いますし、もう一つは、各国の規制機関から原子力規制庁に駐在をしたいというような申込みもございます。これらについても積極的に受入れを進めてまいりたいというふうに思っております。
#179
○中山恭子君 いろいろ貴重なお話、ありがとうございました。まだまだやらなければならないことがある意味では山積していますし、非常に重要な時期であると思っておりますので、委員長始め関係者の皆様の御尽力、御努力を期待しております。
 ありがとうございました。
#180
○会長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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