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2018/04/18 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 資源エネルギーに関する調査会 第5号
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2018/04/18 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 資源エネルギーに関する調査会 第5号

#1
第196回国会 資源エネルギーに関する調査会 第5号
平成三十年四月十八日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     竹内 真二君     杉  久武君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     宮沢 由佳君     矢田わか子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鶴保 庸介君
    理 事
                赤池 誠章君
                石井みどり君
                渡辺 猛之君
                浜野 喜史君
                杉  久武君
                山添  拓君
                儀間 光男君
    委 員
                青山 繁晴君
                井原  巧君
                石田 昌宏君
                島田 三郎君
                そのだ修光君
                高階恵美子君
                藤木 眞也君
                森 まさこ君
                渡邉 美樹君
                礒崎 哲史君
                長浜 博行君
                森本 真治君
                矢田わか子君
                三浦 信祐君
                市田 忠義君
                山本 太郎君
                中山 恭子君
   副大臣
       復興副大臣    浜田 昌良君
   大臣政務官
       経済産業大臣政
       務官       平木 大作君
   政府特別補佐人
       原子力規制委員
       会委員長     更田 豊志君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        山内 一宏君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      進藤 秀夫君
       国税庁課税部長  山名 規雄君
       文部科学大臣官
       房審議官     増子  宏君
       厚生労働省労働
       基準局安全衛生
       部長       田中 誠二君
       経済産業大臣官
       房参事官     田川 和幸君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       高科  淳君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       次長       清瀬 和彦君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       次長       荻野  徹君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制技監  櫻田 道夫君
       原子力規制委員
       会原子力規制庁
       原子力規制部長  山田 知穂君
   参考人
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○原子力等エネルギー・資源に関する調査
 (原子力問題に関する件)
    ─────────────
#2
○会長(鶴保庸介君) ただいまから資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、竹内真二君及び宮沢由佳君が委員を辞任され、その補欠として杉久武君及び矢田わか子君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(鶴保庸介君) まず、理事の補欠選任を行いたいと存じます。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(鶴保庸介君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に杉久武君を指名いたしたいと思います。
    ─────────────
#5
○会長(鶴保庸介君) 原子力等エネルギー・資源に関する調査を議題とし、原子力問題に関する件について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章です。
 まず、一九七二年、昭和四十七年、石油ショックの前年ですが、アフリカのガボン共和国のオクロ鉱床において天然原子炉が発見されたと聞いております。その概要と学術上の意義について文部科学省の見解をお聞かせください。
#7
○政府参考人(増子宏君) お答え申し上げます。
 今委員お尋ねの天然原子炉につきましては、ガボン共和国のオクロ鉱床で約二十億年前に天然に存在するウラン鉱石が核分裂連鎖反応を起こした痕跡を発見したと一九七二年にフランスの原子力庁が発表しているところでございます。
 この核分裂連鎖反応の仕組みは、これまでの調査から推定されるところでは、ウラン半減期から計算すると、約二十億年前は軽水炉と同等、約四%の核分裂性のウランが存在していたということ、そこに流れ込んだ地下水が減速材としての役割を果たし、核分裂連鎖反応が継続する定常的な臨界状態が発生したということでございます。
 また、この核分裂連鎖反応は、約六十万年にわたって間欠的に生じた後、地下水の枯渇あるいは核分裂性ウランの減少により終結したと考えられているところでございます。これは、現在の軽水炉内での核分裂連鎖反応と同様の現象であったと推定されているところでございます。
 なお、オクロ鉱床に係る過去の研究では、地層に係る核分裂生成物の挙動を観測したものもございまして、このデータは放射性廃棄物の地層処分に向けた貴重なデータになっている一面もあるというふうに考えているところでございます。
#8
○赤池誠章君 御説明ありがとうございます。
 核分裂反応によるエネルギー利用というのは、私たちはどうしても広島、長崎という原爆の投下によって本当に大勢の方々が亡くなり傷つき甚大な被害が出たことをまず思い出すわけであります。戦後、我が国は、戦災復興から経済大国への過程の中でエネルギーミックス戦略として原子力の平和利用を掲げて発電所を造り、民生利用をしてきたわけであります。しかしながら、御承知のとおり、七年前の東日本大震災による福島の原子力災害がございました。原子力に対する国民の信頼が揺らいでいるわけであります。現在から将来にわたり、復旧復興、そして廃炉等、課題は山積している状態です。
 先ほどお伺いをいたしましたオクロの天然原子炉というのは、原子力エネルギーは、人間が自然現象を超えてつくり出したいわゆる異形のエネルギーというわけではなく、太古の昔から、ある意味自然エネルギーの一つということを私たちに教えているのではないでしょうか。自然に学ぶことによって原子力を管理して人間と共存できる可能性が示唆されていると、私はそう思っている次第でございます。
 次に、七年前の三月十一日に起こった福島での原子力災害の経験から、原子力規制委員会が組織されたわけであります。原子力発電所の安全性を確保し、社会的信頼を回復し、国民に安心してもらうためにはどうすべきなのか。私たちは、専門家に任せるだけではなく、原発を国民全体で理解し、冷静にその在り方を判断していく必要があると考えます。
 原発ゼロ、脱原発を主張される方々からは、原発は一〇〇%の安全性が保証できない、地震、津波、火山等、災害大国の我が国において再び原発事故が発生すれば、福島の事例のように取り返しが付かなくなるという、等々の意見が出されているわけであります。これらの主張に対し、原子力規制委員会としての安全確保に関する見解をお聞かせ願いたいと思います。
#9
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 原子力規制委員会は、厳正な審査などを通じて原子力施設における安全の確保に努めているところでございます。しかしながら、新規制基準というものを設けましてこれへの適合性を審査してございますが、新規制基準に適合するということが一〇〇%の安全であるとか、あるいはリスクがゼロであるとかということを保証するものではない、このことは従前から原子力規制委員長も申し上げてきたところでございます。
 原子力の安全につきましては、リスクは決してゼロにはならない、このような認識の下で、残されたリスクを低減させるために規制当局と事業者の双方が不断の努力を続けることが重要である、このように考えているところでございます。
#10
○赤池誠章君 ありがとうございます。
 福島原子力災害の教訓というのは様々あるわけでありますが、一言で言ってみれば、安全への過信というふうに言われております。しかしながら、その一方で、御説明をいただきましたが、リスクゼロ、つまり危険性が全くない、一〇〇%ないということ自体が言ってみれば科学的ではなく、さらに、私たちが生きている社会においてはそういったことがあり得ないというのも現実であります。
 改めて、私たちは、安全性を過信することはせず、その一方で安全性を追求をしていく、それぞれの関係者が追求をしていくということでしか答えは見出せないのではないかと思っている次第でございます。
 続きまして、原発ゼロ、脱原発を主張する方々の意見を安全性の面から以外に考えますと、以下三点あるのではないかというふうに考えております。
 一つ目、第一に、福島第一原発事故後、脱原発のために再生可能・自然エネルギーが世界の流れであると、その流れに沿って、我が国もその流れに沿うべきだという主張について、経済産業省の見解をお聞かせください。
#11
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 世界的に再生可能エネルギーを利用していくという流れであるかというふうに認識してございますけれども、原子力につきましては、ドイツなど一部の国では脱原発を宣言しておりますけれども、地球温暖化やエネルギー安全保障などの観点から、他の多く、例えばイギリス、フランス、アメリカといったような国、それから、中国、インドといったような国は更に原発の活用を拡大していくといったような形で、引き続き原発を活用していく流れだというように認識してございます。
#12
○赤池誠章君 ありがとうございます。
 ドイツを除くと、主要国は、当然再生可能エネルギーは拡充しているけれども、その一方で原子力発電というのも維持していると、こういう流れだという御説明でございました。
 続きまして、第二番目の原発ゼロ、脱原発を主張する意見というのに、これはよく言われることでありますが、原発は既に廃炉含めて経済採算性に合わない、そして、原発ゼロでも、原発再稼働ゼロでも我が国では実際に問題なかったではないかという主張について、経済産業省の見解をお聞かせください。
#13
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 二〇一五年にコスト検証を行ってございまして、その結果によりますと、原子力発電コストはキロワットアワー当たり十・一円以上ということで、他の電源に比べましても十分に低廉な電源という結果になってございます。
 足下で、震災後に原発が止まる中で、震災前に比べまして電気料金が上昇してございまして、一般家庭では一万円といったような形、年間一万円といった形で上昇している中、原発の再稼働によって一部電気料金値下げがされているというような実態もございまして、原子力を安全に利用していくということによりまして経済面、コスト面でのプラスがあると、このように認識してございます。
#14
○赤池誠章君 実際のところ、現在においても将来にわたっても十分採算が取れるという御意見でございます。
 ちょっと通告してないんですが、実際のところ、国際比較しても、電気料金というのはどうなっているか分かります。
#15
○政府参考人(村瀬佳史君) ちょっと手元に正確な数字がないわけではございますけれども、世界的に見ますと、日本の電気料金は比較的高い状況でございます。他方で、ドイツのように再エネを大量に導入をし、それをFIT価格、FITという固定価格買取り制度の下で導入している国の電気料金は日本よりも高いというように承知してございます。
#16
○赤池誠章君 そういう面では、原発再稼働これからということになれば、先ほどちらっとおっしゃったように、それぞれ電気事業者はその採算性に見合った形で電気料金が設定されてくると、こういうことだということだと思います。
 第三番目の原発ゼロ、脱原発の主張というのをまとめると、これもよく言われることでありますが、原発はトイレのない家と表現される、原発ごみ、放射性廃棄物の問題がいまだ解決のめどが立っていないのではないか、この主張に対して経済産業省の見解をお聞かせください。
#17
○政府参考人(村瀬佳史君) 原発の再稼働の有無にかかわりませず、これまで原発を利用してきた中で、既に相当量の使用済燃料、核のごみが存在してございます。この最終処分場の確保は、現世代の責任として、決して次の世代に先送りをしてはいけないというように考えてございますが、各国、原子力を利用している国でございますけれども、北欧の一部の国を除きまして、全ての国がこの最終処分場の確保に向けて引き続き長い時間を掛けて地道に取り組んでいる状況でございまして、我が国も同様の状況にあるというように承知してございます。
 三つのEプラスS、経済性、安全供給、それから地球温暖化といった問題に対処するということで、原子力を安全に活用しながらも、できるだけ早いタイミングでこの最終処分の問題についても各国と連携しながら解決していきたいと、このように考えてございます。
#18
○赤池誠章君 先日も、科学的特性マップを公開をして、それぞれ説明会がなされている。それから、既に最終処分場を造られているフィンランドと具体的なセミナーですか、開催をしているというふうに聞いておりますので、科学的特性マップを公開した説明会の状況やフィンランドとの意見交換について、改めて経済産業省の方から、どういう状況かお聞かせください。
#19
○政府参考人(村瀬佳史君) 今御指摘いただきましたとおり、昨年の夏に科学的特性マップを公表させていただきまして、これは、国が事業者任せにせず、国が前面に立って対応するということの最初の一歩の取組でございます。以降、科学的特性マップを使った重点的な説明会を進めてまいりましたけれども、秋以降の経験も踏まえまして、更にその経験、反省を踏まえた形で、来月から新しい形での説明会を全国的に開始をさせていただきたいということで準備を進めさせている状況でございます。
 今御指摘いただきましたフィンランドのセミナーでございますけれども、昨年八月に経済産業大臣がフィンランドを訪問いたしましたときに先方の大臣と合意をして、その結果、先週十二日に先方の原子力関係者とともにセミナーを開催をさせていただきました。その中では、国民や地域の信頼醸成には透明性のある情報発信や対話活動が重要である、また異なる意見を持つ人に対して説得をする、上から説明していくのではなくて事実を正確に伝えることが大事であるといったような御指摘、それから、これまでの経験、知見を御共有いただいた大変有意義な会であったというふうに承知してございます。
#20
○赤池誠章君 説明会やって、また今後もやるという、科学的特性マップについての説明会をなさって今後もなさるということなんですが、その中で、参加をした方々の意見で特徴的なものを御紹介いただけますか。
#21
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 先ほどのフィンランドのセミナーでもございましたけれども、やはり一方的に押し付ける、意見を押し付けるといったことではなく、客観的なファクト、事実を正確にかつ隠すことなくオープンにしていくということが重要であるといったような意見が、その他多くの意見いただいておりまして、そういったことも踏まえて、押し付けではない形でファクト、データを正確に提示していくということを心掛けさせていただきたいと、このように考えているところでございます。
#22
○赤池誠章君 ありがとうございます。
 改めて、安全性の確保ということに関しましては、基本的な考え方を原子力規制庁、規制委員会の方からも聞かせていただきました。また、世界の流れ、それから経済性の問題、そして最終処分場の問題につきましては経済産業省から御意見をいただきました。
 私たちは、戦後の経験、そして世界の流れ、そしてこれからの日本におかれた立地特性を踏まえる中で、先ほど経済産業省からも御紹介をいただきましたとおり、その問題にきちっと理性的に理解をして冷静に判断をしていく。それを専門家任せにせず、我々一人一人がしっかり受け止めていくということではないのかなというふうに改めて感じさせていただいたところでございます。
 そんな中で、世界の流れの中でも、また我が国においても、今後、拡大が当然、今も拡大をしておりますし今後も拡大していかなければいけない再生可能エネルギーについて、改めて全般の課題、推進のための対策をお聞かせ願いたいと存じます。
#23
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。
 再生可能エネルギーにつきましては、国民負担を抑制しつつ、最大限の導入を進めていくことが政府の基本方針となってございます。この方針の下で導入、拡大を図りまして、現在の再エネ比率は一五・三%となってございます。
 経済産業省では、二〇三〇年度のエネルギーミックスとして、再エネ比率を二二から二四%とすることを見込んでおりまして、これを実現し、再エネを主力電源にしていくためには、国際的に見て高いコストの是正、それから系統制約の克服、それから調整力の確保、こういった課題を克服する必要があると認識してございます。
 まず、その再エネのコスト効率的な導入に向けましては、太陽光発電の低コスト化に向けた研究開発などを推進すると同時に、昨年、固定価格買取り制度を大きく見直しまして、再エネの中長期の価格目標を定めるとともに、競争を通じて買取り価格を引き下げる入札制度を新たに導入したところであります。
 それから、系統制約の克服に向けましては、まずは、既存系統を最大限活用するという方針の下で、送電線の空き容量の算定方法につきまして、過去の実績を基に将来の電気の流れをより精緻に想定し、送電線の空き容量を算出する手法、想定潮流の合理化と呼んでおりますけれども、これをこの四月に導入したところでございます。この想定潮流の合理化を含め、一定の条件の下で系統への電源の接続を認めるといった仕組みであります日本版コネクト・アンド・マネージ、これを進めていくことが重要でありまして、その具体策の検討を進めているところでございます。
 それから、太陽光や風力などの出力が変動する再エネに対応するために、火力などの調整力の確保が必要であります。その調整力を効率的に調達するための市場の整備を行うこととしておりますし、また、蓄電池もCO2を排出しない調整力として有効な対策の一つでありますけれども、コストや性能面での課題がございます。そのため、大型蓄電池の低コスト化に向けた技術開発や、電力会社の変電所に大型蓄電池を設置し、系統安定化を行う実証実験などを行ってございます。
 それから、立地制約のあります中小水力や地熱につきましては、新規地点の開拓や地域との共生が重要でございます。そのため、河川の流量調査や地熱の資源量の調査に対する支援、地域の理解を促す事業などを行っているところでございます。
 こうした取組を一つ一つ進めていくことで、再生可能エネルギーの導入の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
#24
○赤池誠章君 ありがとうございます。
 二〇三〇年二二から二四%目標、現状が一五%、これ進捗状況はどうなんですか。
#25
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、二二から二四%に対しまして、現在の再エネ比率は一五・三%ということでございます。中身としましては、やはり太陽光が割と進んで入っておって、先ほども申し上げましたような立地制約のございます水力とか地熱とか、そういったところについては少し進捗は太陽光に比べると遅れているといった状況にあるということです。
#26
○赤池誠章君 全般的にはきちっと目標に向かって進捗状況はいいということで、認識でよろしいんでしょうか。
#27
○政府参考人(高科淳君) ええ。これまでのところ、数字の上では進捗しているという状況でございますが、やっぱり今後、国民負担の抑制をしながら更に導入を拡大するというところが一つ課題になってございます。
#28
○赤池誠章君 一方で、原発はいわゆる二〇―二二%という形で、じゃ、その分を再生可能で、原発ゼロにして、その分、再生可能でそれ以上負担が、シェアが今の御説明の中でできるか。それについて、御意見、済みません、ありましたらどうぞ。
#29
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。
 再生可能エネルギーと原子力発電、やはり電源の性質がかなり異なっておると思います。特に、太陽光、風力は非常に変動する電源であるというのに対しまして、原子力というのは一定の出力で運転ができる、あるいは規模的にも、一つ一つの発電所の規模を比べましても大分違うと。
 そういったもので、何というんですか、CO2を排出しないという意味においては同じ電源だと思いますけれども、それ以外の特性においてかなり違った特徴があるのではないかと考えてございます。
#30
○赤池誠章君 ありがとうございます。これは簡単にそんな形で、まあ増やしたいのはやまやまですが、コストの面、様々な今お話しした変動の面ということで、これは、目標を達成するということは大事ですが、それを超えて更にできるというのはなかなか難しいということではないかと認識いたしました。
 最後に、四月十日に、世耕経産大臣の大変な肝煎りで、二〇三〇年のエネルギー基本計画を更に超えて、二〇五〇年を展望したエネルギー情勢懇談会の提言、エネルギー転換へのイニシアティブというものが公表をされております。その提言内容、概要を経産省からお聞かせください。
#31
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 今御指摘いただきましたとおり、情勢懇談会を昨年八月から開催をさせていただきまして、二〇五〇年の、パリ協定で決められております二〇五〇年八〇%のCO2削減といった目標も視野に入れた形でのエネルギーの将来像を議論していただいたところでございます。その情勢懇談会の議論におきましては、世界ではエネルギー転換、脱炭素化に向けた挑戦が既に始まっている一方で、経済的で脱炭素の完璧なエネルギー源は存在しないという現実を踏まえつつ、原子力を含めた脱炭素化に向けたあらゆる選択肢の可能性を追求すべきといった方向性が示されたところでございます。
 その中で、再エネにつきましては、経済的に自立し、脱炭素化した主力電源化を目指すという方向性が示されております。FIT制度による補助からの早期の自立、送配電ネットワークの再構築、水素、蓄電、デジタル技術による調整力の脱火力依存といった本質的な課題への対応が重要であるという御指摘をいただいてございます。
 また、原子力につきましては、原発、福島の事故を経験した我が国として、安全を最優先し、再エネの拡大を図る中で可能な限り依存度を、原発の依存度を低減するとの方針は堅持をしながら、実用段階にある脱炭素の選択肢として、社会的信頼の回復に向けて、人材、技術、産業基盤の強化に直ちに着手し、安全性、経済性等に優れた炉を追求し、バックエンド問題等の解決に向けた取組を進めるべきという提言をいただいているところでございます。
 今後、この提言を踏まえまして、エネルギー基本計画における検討を更に政府として進めさせていただきたいと、このように考えてございます。
#32
○赤池誠章君 ありがとうございます。
 私も提言読まさせていただいて、大変すばらしい提言内容になっているのではないかということで、高く評価をさせていただいているところであります。
 改めて、今日の御質問させていただきましたけれども、福島の原子力災害を原点とする姿勢は変えないと。その一方で、戦後、我が国は経済大国になる中で、本当にエネルギー問題で、石炭から石油、また石油ショックを経て原子力ということで、エネルギーミックス戦略というのが我が国の立地特性、また我が国の歩みにとって、また将来を合わせて、これは変えられない戦略なんだろうなということも考えているところであります。
 特にこれから、五〇年、パリ協定ということで、これが、脱炭素化というのが世界の流れの中で、今御説明をいただきましたとおり、再生エネルギーの主力電源化はこれやっていかなきゃいけないんで、当然のことなんですが、その一方で、この原子力を全てそれに置き直すということも非現実的だということも当然だなというふうに感じている次第であります。
 今御説明いただきましたように、社会的信頼をしっかり回復するという、そしてその一方で、海外に依存した化石燃料由来のエネルギーを低減させていく、そういう面での総合的なエネルギー戦略が大事なのかなということを改めて感じたところでございます。
 引き続き、政府の、また国のやることをしっかり我々サポートすると同時に、国民の信頼を回復するために自民党としても頑張ってまいります。
 今日はありがとうございました。
#33
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。
 本日は原子力問題に関する調査でございますけれども、その前に、冒頭、原子力規制委員会で先週職員の不祥事があったということですので、この点について確認をさせていただきたいと思います。
 まず、先週十日に、原子力規制委員会は、決裁文書を紛失したのに、架空の文書をパソコン上に作成して、上司に決裁手続を終えたとして虚偽報告をしたとの事案が報道で、との報道もございました。まず、この事案の詳細について、原子力規制委員会にお伺いをいたします。
#34
○政府参考人(荻野徹君) お答えを申し上げます。
 今回、ただいま御指摘のありました不祥事案が起きてしまいました。こういった事案が起きてしまいましたことは誠に遺憾でございまして、まずおわびを申し上げたいと思います。
 事案の詳細でございますが、原子力規制庁の二十代の職員でございますが、これが、申請者から提出された許可申請書に関し、決裁手続中の平成二十九年春頃、決裁未了の決裁中の文書を紛失したにもかかわらず、上司には、決裁手続は完了し許可書も発出したとの虚偽の報告を行い、決裁手続を中断したまま放置したため、本来行われるべき変更許可手続が行われなかったというものでございます。
 昨年八月に申請者、事業者からの問合せにより明らかになりまして、内部で調査を開始したところ、文書紛失の疑いが生じ、さらに決裁完了の確認ができなかったということで、昨年十月に別の職員が改めて決裁手続を開始いたしまして、十一月二十日付けで変更許可をいたしました。なお、許可申請書、決裁文書、許可書等の偽造はございませんでした。
 ただ、当該職員は紛失の発覚を防ぐために、昨年八月に、存在しない許可書の架空の写しをパソコンで作成し、パソコン上で上司に見せていたわけですが、結局発覚を防ぐには至らなかったというものでございます。
 このような事案につきまして、職員に対しては、国家公務員法に基づきまして、懲戒処分として減給十分の一、三月という処分を行ったものでございます。
#35
○杉久武君 紛失したことを隠そうとしたということなんですけれども、今御説明いただいたお話ですと、それが昨年の八月にその申請者から問合せがあり、そしてちゃんと決裁が終わっていないことが分かったので、十月に今のお話ですと改めて申請をして、十一月二十日に許可を出したということなんですけれども、そうしますと、こういった事案、昨年の間には規制委員会としては把握をしていたということだと思うんですけれども、この事案が、発表するまで、今年の四月まで三か月、四か月掛かってしまった、この背景についてお伺いをしたいと思います。
#36
○政府参考人(荻野徹君) お答えを申し上げます。
 ただいま御指摘いただきましたように、昨年八月に申請者の問合せがございました。それに基づきまして、郵送物の発送の記録でありますとか公印の使用の有無といったことを点検いたしまして、決裁が未了で許可書も発出されていないということを確認いたしました。
 で、それはただいま申し上げたように正規の許可手続を行ったわけでございますが、その後、この当該職員の職務の実態につきまして、原子力規制庁の行政LANにおける共有フォルダでありますとか本人のパソコン内の個人フォルダを調べまして、データ処理作業の履歴を全部調べました。こういった調査をいたしました。こういった調査を行い、その他総合的にいろいろ調べまして、本人が本件以外にはかかる不祥事案といいますか、不適切事案を行っていないということを確認をいたしました。その上で、事実整理、処分内容の検討等を行ったということで、結果的に大変時間を要してしまいましたが、四月に発表するに至ったということでございます。
#37
○杉久武君 そういった手続、ほかにそういった同種のことをやっていないかを含めて丁寧に調査をされたということではありますけれども、やはりこういった案件について適時に公表して処分、適切に処分をしていくということが大事だというふうに思っております。
 また、様々いろいろ、上司に対してそれが言えなかったというそういった、というふうな報道も出ておりますけれども、このような不祥事を二度と起こさないように原子力規制委員会としてはしっかりとしたやっぱり再発防止の取組が必要になってくるかと思いますけれども、現時点で検討されている再発防止策等がございましたら、教えていただければと思います。
#38
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 調査、発表の在り方等も含めて、また御指摘を踏まえてきちんと反省をしたいと思っております。
 本件の再発防止ということでございますけれども、本件は、決裁文書の管理のみならず、許認可業務に対する職員の意識とか、あるいは組織管理の在り方が問われる問題であるというふうに重く受け止めております。
 まず、決裁過程の管理でございますけれども、それぞれの原課が仕事をするわけでございますけれども、長官官房におきましてもそういった決裁管理を官房の立場で管理をしておくと。また、各課においても起案文書の起案のプロセスについてきちんと幹部が監督をしていくと。また、電子決裁についても一層の推進を進めていくといった面の対策を進めてまいりたいと思っております。
 また、職員の意識の問題でございますけれども、原子力規制委員会で行っている階層別研修等の研修を活用して、職員への教育を徹底してまいりたいと思います。また、本件は、入庁間もない若い三年目ぐらいの職員が起こしたものでございまして、非常に弁解の余地のない事案ではございますけれども、紛失を上司にはすぐに申告、相談できなかったということも一因としてございます。
 今後、こういった若手がミスを起こしたといったときにも相談しやすい雰囲気とか仕組みづくりといった点も必要かと思いますので、こういった点も含めてきちんと対処してまいりたいと思います。
#39
○杉久武君 今、再発防止策お話しいただきました。やはり非常に大事なポイントだと思います。特に、様々な手続とか仕組みとか、そういった手順の問題、これもひとつしっかり見直す必要はあると思いますし、あと、後段述べていただきましたやはりその意識の問題、あと組織の、また風土の問題、こういったものがやっぱりしっかり醸成されていかなければ、幾らそういった手続の運用、手続の仕組みをいいものをつくったとしても、それを運用する一人一人の意識が付いていかないとやっぱり組織というものは改善されていかないと思いますので、そういったトレーニングや研修、そういったものも含めまして、しっかりとした対策を是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、私の方からは、廃炉に係る会計処理基準について伺いたいと思います。
 今日、委員の皆様のお手元には、廃炉会計に係る会計処理基準のここ最近にわたる改正の資料をお配りをさせていただきました。
 平成二十三年三月の東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けまして、今、原子力発電所の規制基準が厳格化をされました。この規制の厳格化の中で、事故発生から今日までに、福島第一原発を含めて十五基の原子力発電所の廃炉が決定をされたわけでございます。ただ、その一方で、この福島第一原発事故以前は、我が国で廃炉が急速に進むことは想定されておりませんでした。その結果、必ずしも廃炉に係る制度の整備は十分ではなかったのではないかというふうに言われております。
 その中の一つとして挙げられるのがこの廃炉に係る会計処理基準ですけれども、これは、原子力発電設備を所有するこれら民間の電気事業者、これが適用する会計のルールでありまして、これまでは原子力発電所の廃止措置が二十年から三十年程度掛かると言われている中で、この廃止措置費用、これは廃炉を行うための将来掛かる支出になりますけれども、これに備えて各事業者が解体引当金を企業内で積み立てるという、こういった仕組みでありますけれども、これまでは、この福島原発事故が起こるまでは四十年平均的に稼働するということを前提にされておりましたけれども、その前提がもはや成り立たなくなってくる中で、平成二十五年、二十七年、二十九年と三回にわたりこの廃炉の会計基準が改正をされまして、発電所を所有する事業者における会計処理方法が変わったということであります。
 私も長年会計士をやっておりましたけれども、会計基準がこれだけ頻繁に変わるというのもなかなか珍しい話でありまして、それだけこの対応については会計面からも大変御苦労をいただいているんじゃないかなというふうに感じております。
 そこで、資源エネルギー庁に確認をいたします。
 この廃炉に係る会計処理基準、この三回にわたる改正の変遷とそれぞれの背景、改正の理由についてお伺いをしたいと思います。
#40
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、一つのきっかけは福島事故でございまして、福島事故後の二〇一三年に第一回目の改革が進められております。
 原子力発電所の設備の償却費等は原子力事業者が負担すべきものでございますけれども、一方で、自由化により競争が進展した環境下におきましては、廃炉に伴って一括して巨額の費用が生じることにより、事業者の合理的な廃炉判断がゆがんだり廃炉をちゅうちょしたりといったようなことがあってはいけないという観点から円滑な廃炉の実施に支障を来す懸念がございまして、こうした懸念を踏まえまして、円滑な廃炉の促進の観点から、既存簿価の減損など廃炉に伴って一括して生じる費用を分割して計上する廃炉会計制度を二〇一三年及び二〇一五年に措置をしていたところでございます。
 他方、本制度は、規制料金により費用が着実に回収されることを前提としたものでございましたので、もう一つの大きなきっかけとなりました電力システム改革、電力の全面自由化の進展に伴いまして、これは二年前に実施されたわけですけれども、小売の規制料金が今後撤廃されていくことになってございまして、この規制料金が撤廃された場合には制度が成り立たなくなるおそれがございましたので、本制度を継続し廃炉の円滑な促進を進めるために、二〇二〇年にも小売の規制料金が撤廃されることを見据えまして、二〇一六年に開催をいたしました審議会におきまして、制度の維持に必要な費用を託送料金の仕組みを利用して回収する措置に関して御議論いただきまして、昨年度、必要な制度措置を講じさせていただいたところでございます。
 また、原発の廃炉作業に要する費用につきましては解体引当金制度というものがございますが、これに基づきまして原子力事業者が自ら積立てを行っておりますけれども、本制度につきましても、小売の規制料金が撤廃、これは電力システム改革によって規制料金が撤廃された場合には、廃炉決定時点で引き当てが完了していない分、いわゆる未引き当て分を一括して費用負担、費用認識する必要が生じるという会計上の課題がございましたので、このため、簿価の減損分等と同様に、一括して費用認識する必要が生じる未引き当て分に限定いたしまして、託送の料金の仕組みを利用して回収する措置を同様に昨年講じさせていただいたところでございます。
#41
○杉久武君 今御説明をいただきましたが、二〇一三年、お手元の資料にありますとおり、二〇一三年には、廃炉を決定したときの、原子炉格納容器等の廃止措置中も引き続き役割を果たす設備については、継続して減価償却をする中で小売規制料金で回収をするという仕組みが認められたと。
 二〇一五年においては、さらに、それ以外の、発電のみに使用されるタービンとか発電機、この部分について、一括して損失計上するのではなくて、十年間で分割をすると。あと、解体引当金についても、足りない分は将来の、まあ小売規制料金、今後は自由化になりますので、託送料金で回収をする、こういう形の数次にわたる改正が行われたわけでございます。
 やはり、本来、これ、電気事業者といってもあくまで民間企業でありますので、民間企業における資産、アセットというのは、本来、将来収益を生むから資産という、資産性の価値があるというわけでありますけれども、やはりこの原子力発電事業者というのは特殊な状況にありまして、もう設備は動いていないんだけれども、これを処理をする、手当てをするコストは将来の電気料金や託送料金で回収せざるを得ないというなかなか逆説的な会計基準になっているということで、やはり非常にここはしっかりと国民の皆さんにも理解をしていただく必要があるのではないかなというように私は感じているところでございます。
 その中で、資源エネルギー庁に併せて確認をしたいと思うんですが、現時点で廃炉を決定している原子力発電所の要は残存簿価、また将来の電気料金又は託送料金で負担すべき金額は幾らになるのでしょうか。またあわせて、廃炉は事業者としては決定をしておりますけれども、まだ経産省の承認が得ていない原子力発電所は幾つあるのか、それぞれ発電所の名前も言っていただければと思います。金額は合計額で構いませんので、教えていただければと思います。
#42
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 福島事故後に事業者が廃炉を決定したものは、福島第一原発を除きますと九基ございます。二〇一四年度以降に廃炉を決定した六つ、六基につきましては、美浜の一、二号機、島根の一号機、伊方の一号機、玄海の一号機、敦賀の一号機の計六基になります。
 この六基につきましては、廃炉会計制度により承認した設備の簿価等及び解体引当金の未引き当て額の合計は、現時点で千五百億円程度となります。この六基につきましては、一基当たり二百五十億円程度となる計算になります。しかしながら、設備の簿価等や解体引当金は今後も償却や引き当てが進みますので、この金額が全て制度の対象になってくるわけではございませず、二〇二〇年以降にこの制度を利用して回収する費用と一致するわけではございません。
 また、もう一つ御指摘をいただきました、廃炉が決定済みで、廃炉会計の承認申請があったけれどもまだ承認を行っていないものは三基ございます。大飯の一、二号機及び伊方の二号機の計三基でございまして、これらにつきましても今後適切に対応をしてまいりたいと、このように考えてございます。
#43
○杉久武君 今御説明いただきましたが、六基で、承認済みで六基で一千五百億円、一基当たり二百五十億円程度ということで、あと、まだ、廃炉決定でもこの金額の承認がなされていないのが三基あるということであります。
 将来的にどういうふうにそれが小売価格や託送料金に賦課されて転嫁されていくかというところは、まだ確実な数字ではないというふうには私もそこは理解をしておりますけれども、一方で、いずれにしても、これは最終的にはユーザーが、電気の使用者が負担をしないといけない金額であるということは変わりありませんので、やはりこういった仕組みは非常に私は特殊な仕組みだというふうに思っておりますので、是非今後とも、やはりそういった意味においてはかなり明確な、やはり分かりやすい説明も今後国民に対してしていただく必要があるのではないかというふうに考えておりますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
 続いて、昨年成立をいたしました原子炉等規制法の改正、昨年行われましたけれども、これについて何点かお伺いをしたいと思います。
 昨年成立をいたしましたこの原子炉等規制法におきまして、その附帯決議において、原子力規制委員会は、国際的な基準や先行する海外事例との整合を図りつつ、バックフィットの運用に関するルールや判断基準を明確にし、規制化するプロセスを整備することというものが加えられております。
 この検討状況についてお伺いをしたいと思います。原子力発電所の安全審査をしっかり確実にやっていただくことは、これは必要だとは思いますけれども、一方で、なかなか時間が掛かると言われております新規制基準の適合審査等において更に時間を要することになるバックフィットの運用については、やはり事業者を混乱させることなく、予見性を持って対応するような仕組みが必要と思いますが、これについて規制庁の見解を伺います。
#44
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。
 御指摘いただきました予見性につきましては、原子力規制委員会といたしまして、科学的、技術的な最新の知見を規制に反映するプロセスでありますとか、あるいはバックフィットの運用、こういったものに関する基本的な考え方、これらを原子力規制委員会において審議をし、文書として公表するといったことによりましてその明確化を図っているところでございます。
 また、基準を新たに定めるということを行いますけれども、このような場合には事業者から意見聴取を行っております。例えば、最近、火山灰に関する基準を改定いたしましたんですが、この際には被規制者にも御参加いただいて、降下火砕物濃度の評価に関する検討チームといった検討チームを公開で開催をしております。その上でパブリックコメントを行って基準の改定を実施すると、こういうプロセスを踏んでございます。
 なおまた、これも御指摘がありましたバックフィットの明確化ということでございますけれども、この問題につきましては、昨年四月に主要な原子力施設設置者の原子力部門の責任者との意見交換会というものを行っておりますが、この場におきましても被規制者側から提案がありました。その際、その場で原子力規制委員の方から、今後何かできることがあれば更に改善を図っていくという旨の回答を行っているところでございます。
 今後とも、御指摘のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して努力してまいる所存でございます。
#45
○杉久武君 是非しっかりとした検討を進めていただきたいと思います。
 もう一つ、附帯決議に関して、ちょっと順番を変えまして、検査官のところ、検査官の部分についてお伺いをしたいと思います。
 同じく参議院の環境委員会での附帯決議において、「原子力規制検査の運用においては高い能力が検査官に求められることから、同検査の運用開始までに資格付与等の能力管理の仕組みを整備・公表するとともに、同検査の運用に必要な人員を十分に確保し、検査の実効性を担保すること。」とされておりますけれども、必要な検査官は十分に確保されたと考えておりますでしょうか。必要と考えている要員数またその確保状況について伺いたいと思います。
#46
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 検査制度でございます。現行制度の下におきましては、現在二百二十人の検査官がおりますけれども、それに所要の応援を加えまして新規制基準への適合性を確認する施設検査や保安規定の遵守状況に関わる検査を行っているところでございます。
 一方、新たな検査制度の下で実効的な検査を行うためには、リスク情報の活用等により、安全上の重要性に応じた軽重を付けつつ検査の範囲や対象を選定していくことが必要と認識をしております。こういった考え方に立ちまして、現在、検査の方法や対象の見直しといったことを行っております。こういった形で、現在、検査の枠組みといったものができ上がっているわけでございますけれども、それを具体的に実務上どうやって、どんなふうに、どの対象をやっていくかというその細部につきましては、言わば詳細設計といいますか、実務に落とした検討を現在してきております。
 そういったことを踏まえまして、所要の体制につきましても、精査の上で、検査の体制を、現行のものをより強化する形で体制の強化を図ってまいりたいと、二年後の制度の施行に向けて継続的に準備を進めてまいりたいと考えております。
#47
○杉久武君 今御答弁いただきましたが、今そういった形で検討いただいておりますけれども、あともう一つ確認したいのが、検査官の教育や能力管理の仕組み、これも今様々検討いただいていると思いますが、そちらについての検討状況はいかがなっていますでしょうか、確認をさせていただきたいと思います。
#48
○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
 新たな検査制度におきましては、先ほど申し上げましたように、リスク情報を活用してめり張りの付いた検査を行わなければならないということで、今までにも増して高度な知識が要るであろうと、現場に即した専門的知識等が要るであろうということで、研修の仕組みあるいはその資格の仕組みといったことを抜本的に見直したところでございます。
 検査官が身に付けるべき知識とか能力を体系化したカリキュラムを策定いたしました。そういたしまして、いわゆる日本の役所的なオン・ザ・ジョブ・トレーニングとは別に、実務を離れ、日常業務を離れて二年間みっちりとそういった知識、能力、単なるデスク上のものじゃない実践的なものを含めた研修を行うと。で、二年間みっちり鍛えるという仕組みをつくりまして、本年四月からその運用を開始をいたしたところでございます。また、検査の実務につきましても、検査官の資質を高めるといった観点で資格の制度を設けたところでございます。
 さらに、検査制度や検査の実務を深めるためにNRCの検査官を招聘いたしまして、かなり長期にわたって日本国に出張してきていただきまして、現場にも行っていただいて一緒に行動するといった形でいろんなアドバイスをいただいておりますし、また、昨年度と今年度につきましては、今年度といいますか、二年間にわたりまして、一年ずつでございますけれども、規制庁からNRCへの職員派遣、五人の職員を一年間向こうで鍛えていただくといったことをしております。
 こういったことを踏まえまして、本年十月からは新運用といったことが始まるわけでございますけれども、それを迎え、そこでまたいろいろと問題点も出てこようかと思いますので、そういった教育訓練の仕組みの向上といったことも含めて二〇二〇年の制度の運用開始に準備してまいりたいと考えております。
#49
○杉久武君 もう時間が参りましたのでまとめますけれども、やはり専門的な知識というのは継続的な教育訓練というのが非常に大切になってまいりますので、是非しっかりとした品質、人員の能力管理、進めていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
#50
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。御質問をさせていただきます。
 まず、原子力の社会的信頼という事柄につきましてお伺いをいたします。
 昨年末の総合資源エネルギー調査会基本政策部会におきまして、原子力については社会的信頼の獲得に向けた取組を強化することが重要という意見が出されております。その意見を踏まえまして、本年一月から原子力小委員会におきまして、社会的信頼の獲得に向けた取組について重点的に議論がなされているものというふうに承知をいたしております。
 原子力の社会的信頼の獲得に向けてこれまでどのような議論が進められてきたのか、御説明を願います。
#51
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、福島原発事故を踏まえますと、原子力の利用に不安の声があるのは当然でございまして、そのため、政府といたしましては、原子力について、いかなる事情よりも安全性を最優先するという考え方で検討を進めているところでございます。こうした中で、引き続き原子力を利用するに当たりましては、御指摘のとおり、原子力に対する社会的な信頼を獲得することが改めて最重要の課題であると考えてございます。
 御指摘の原子力小委員会において、いわゆる役所の審議会で検討を今進めていただいているところでございますけれども、その場におきましては、原子力の社会的信頼の獲得に向けて様々な取組が必要であると。具体的には、更なる安全性の向上、これは規制をクリアするということを超えて事業者自身が自主的に安全性を高めていく取組を進めるべきである、また防災への取組を抜本的に強化をしていくべきである、立地地域への対応などについてこれまでにない取組を進めるべきであるなどの論点について、官民にとっての課題と求められる取組について、有識者の方々が御議論をいただいているところでございます。
 具体的に、先ほど申し上げた更なる安全性の向上につきましては、例えば電力事業者のみならずメーカーその他の関係企業も参画した形で、規制を超えた自主的な安全性向上の取組が重要であるということで、それに関する体制の構築、さらには、防災対応の取組の強化という観点から、実動部隊、例えば自衛隊等々の関係者との連携を更に強化するための地域における連携体制の強化、さらには、原発が長期停止する中で疲弊する立地地域もある中で、立地地域への対応については地域それぞれの実情に即した柔軟かつ効果的な支援の在り方の検討の必要性など、重要な御指摘をいただいているところでございます。
 引き続き審議は続いていくわけですけれども、今後、政府としましても、具体的な対応について更に検討を深めていきたいと、このように考えてございます。
#52
○浜野喜史君 建設的な議論をしていただいておるというふうに受け止めるところでございます。
 その議論の中でもありましたように、原子力が社会から信頼を得るためには、規制基準をクリアして満足するのではなく、原子力事業者自身が更なる安全性の向上を目指し、自主的に安全対策を講じていく取組が必要不可欠であろうというふうに考えるところでございます。
 政府としても、そのような事業者による自主的な取組を促すようなインセンティブを検討していく必要があるというふうに考えるんですけれども、見解を伺います。
#53
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりでございまして、原子力が社会から信頼を得るためには、いわゆる規制から求められる対応を超えて、規制基準を満たすだけではなく、事業者による自主的な安全性の向上の取組を進めていくことが不可欠的に重要であると認識してございます。
 このような認識の下、政府といたしましては、二〇一三年七月以降に、原子力小委員会の下にワーキンググループ、検討の場を設けまして、国内外の有識者の方々からアドバイスをいただきながら、産業界に必要な取組についてこれまで議論を進めてきたところでございます。ここでの議論も踏まえまして、事業者におきましては、この夏をめどに、産業界全体で安全性向上の取組をより確かなものにするために、メーカーですとかゼネコンといったいわゆる電力、原子力事業者以外の関係者も参加する形で新たな組織を創設をする予定であると承知してございます。
 政府といたしましても、こうした事業者が主導する取組を、安全の高みを目指す主導的な取組を地域の方々を始め国民に広く理解していただくためのサポートを積極的に行うなど、事業者がやる気を持って安全性の向上に取り組んでいけるよう、全面的にバックアップをさせていただきたいと考えてございます。
#54
○浜野喜史君 事業者の自主的な取組の観点で更にお伺いをしたいと思います。
 現在、内閣府に設置されております原子力損害賠償制度専門部会におきましては、原子力損害賠償制度の見直しについて議論が行われていると承知をいたしております。部会におきまして、委員からは、原子力事業者による自主的な安全性向上の取組を政府による賠償措置の補償料率に反映するといった提案がなされているというふうに承知をいたしております。事業者の自主的な安全性向上の取組を後押しをする有益な提案であるというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。
#55
○政府参考人(進藤秀夫君) お答え申し上げます。
 原子力損害賠償制度の見直しにつきましては、平成二十七年五月より原子力委員会の原子力損害賠償制度専門部会において検討が行われており、これまでに十九回の会議が開催されたところでございます。損害賠償措置の見直しの検討の中で、専門部会委員から、原子力事業者による自主的な安全性向上の取組等により原子力発電所の安全性が高まる中で、補償料率の見直しの必要性についての御意見をいただいているところでございます。
 専門部会では、本年一月、第十九回にこれまでの検討状況を踏まえ報告書素案について議論しておりますが、この素案では、今後の損害賠償措置の在り方につきましては、一、迅速かつ公正な被害者への賠償の実施、二、国民負担の最小化、三、原子力事業者の予見可能性の確保といった観点も踏まえつつ、官民の適切な役割分担等に照らして引き続き慎重な検討が必要とされ、損害賠償措置の見直しについての結論を得られておりません。
 原子力事業者の自主的な安全性向上の取組は重要なものと認識しておりまして、議員の御指摘も含めて、引き続き損害賠償措置の見直しの検討を専門的かつ総合的に進めていく必要があると考えております。
#56
○浜野喜史君 是非前向きな御検討を求めておきたいと思います。
 また戻りまして、原子力の社会的信頼獲得についてお伺いいたしますけれども、このテーマにつきましては原子力規制サイドも密接に関わるものではないかというふうに理解をいたします。
 原子力規制委員会原子力規制庁も原子力小委員会の議論に参加をすべきであったのではないかというふうに考えますけれども、見解を伺います。
#57
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、今般の原子力小委員会、これは役所の審議会でございますけれども、安全規制そのものではなくて、事業者による自主的な安全性向上の取組や、防災、立地地域への対応、技術、人材の維持などをテーマといたしまして検討を進めてきておったものですから原子力規制庁の参加は得ていなかったわけですけれども、原子力小委員会での議論でも、例えば安全性の向上に向けた事業者と規制当局とのコミュニケーションの重要性ですとか、技術開発の段階から事業者と規制当局が連携する重要性などが指摘されているところでございまして、こうした御指摘、先ほどの御指摘も踏まえまして、今後必要に応じて原子力規制庁に情報提供するなど、適切な対応を取ってまいりたいと考えます。
#58
○浜野喜史君 今後、また原子力小委員会で議論をされる機会があれば、規制サイドの参画も是非御検討をいただきたいと思います。
 原子力関係の社会的信頼、もう一問お伺いいたしますけれども、原子力の社会的信頼ということにつきましては、やはり原子力規制委員会の果たす役割というものも極めて大であるというふうに理解をいたします。原子力規制委員会は、規制サイドとして、原子力の社会的信頼という観点からどのような取組が必要というふうに考えておられるのか、見解を規制委員長にお伺いをいたします。
#59
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓に基づき設置された組織であります。旧組織の反省に立って、事業者の利益や推進の論理などといったことにとらわれず、科学的、技術的な見地から独立して意思決定を行うべく、透明で開かれた組織運営に努めてまいりました。例えば、審査会合の公開等による透明性の確保や、関係者との規制に係る意見交換などに努めているところであります。
 また、原子力規制に対する信頼を取り戻す上で非常に重要なことは、事業者や推進当局と一緒になって、ここまでやってあるので安全であるとか、ここまでやってあるので御安心くださいなどと安易に安心を語らないことが規制当局として最も重要であると考えております。
 このように、安全に妥協することなく規制判断を重ねていくことが信頼性回復につながるものであると考えております。
#60
○浜野喜史君 委員長から御説明をいただきましたように、厳正かつ実効ある原子力規制行政を遂行していただくということが原子力の社会的信頼という観点では極めて重要だということ、御説明をいただいたとおりだと私も思います。それとともに、原子力規制委員会が適切な情報発信、コメントをしていただくということも私は極めて大事なことではないかなと考えているところでございます。
 そこでお伺いをいたしますけれども、資料も配付をいたしております。本年三月二十三日の電気新聞より抜粋をしてきたものでありますけれども、この場で東京大学の元教授であられます諸葛先生がこんなことをコメントされておられます。
 原子力に関する議論の混乱の原因の一つとして、原子力安全と一般論としての安全との混同がある、二〇一四年、九州電力川内原子力発電所一、二号機に合格を出した際に当時の田中委員長が、私は安全とは言わないと、一般論としての安全の話をしたと、少なくともこの際、原子炉等規制法に基づく許可要件を満たし、国が決めた安全性はクリアしたと言わなければならなかったというふうに指摘をされておられます。
 私は極めて的確なコメントではないかなというふうに考えるところでありますけれども、規制委員長はこのコメントについてどのようにお考えか、見解をお伺いいたします。
#61
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 大手原子炉プラントメーカーである東芝で長く原子炉プラントに関わってこられた諸葛さん、その後、東京大学で特任教授を務められましたけれども、インタビューは私も拝見をしました。
 この川内一、二号機に合格を出した際に、これは許認可を与えた際ですので、これは原子炉等規制法に基づく許可要件を満たしたというのは当然のことでありまして、私は安全と言わないという発言というのは、安全神話に陥ることなく、リスクは決してゼロにはならないという認識を強調したものであって、残されたリスクを低減させる活動に事業者と規制当局の双方が継続的に取り組むことが重要であるという認識を与えたものであって、田中委員長のコメントは極めて適切なものであったというふうに考えております。
#62
○浜野喜史君 極めて適切であったという御説明でありますけれども、ちょっとこれ繰り返し御質問しますけれども、ちょっとこれも古い話になりまして、当時、田中委員長は、国会でもいろいろ質疑をされたり、記者会見でもいろいろ答えられているんです。
 当初は、私は安全とは言わないというこのお言葉を繰り返されていたんですね。そのことに関して国会で問われた際に、私は安全とは言わないと言っているのは、リスクはゼロではないという意味なんだというふうに説明のし直しをされているんです。
 そこまで説明のし直しをされたというところに至って私は妥当だというふうに思うんですけれども、この、私は安全とは言わないという言葉だけを前面に押し立てられたというような印象を私は受けますので、それはやはりいかがなものであったのかなというふうに思いますので、そのことについて改めて見解をお願いいたします。
#63
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 当初のその、私は安全とは言わないという、これは受け止められ方によって良い面も、ないしは誤解を生む面もあったであろうと思いますけれども、川内一、二号機の許認可を与える時点において、規制当局が安全を保証したものであるかのような、旧組織における許認可の際に旧保安院が語っていたような、高いレベルの安全性が確保されていますので御安心くださいと推進当局、事業者と並んで地元の方々に説明するかのような状況を打破する上での初めての判断でありますから、安全神話というものを否定する上で多少強烈な印象を与えたかもしれませんけれども、あの時点で規制委員会の委員長として社会に発信する上でのコメントとして、私は適切なものであったというふうに考えております。
#64
○浜野喜史君 ちょっとこれ以上このことについてやり取りしていますと少しちょっと水掛け論的になるのかというふうに思いますのでこれでとどめておきますけれども、やはりリスクがゼロになったわけではないということは明確におっしゃり、加えて、基準をクリアしたのであれば基準はクリアしたということ、二つを分けてやはりおっしゃるべきであるということは申し上げておきたいと思います。原子力小委員会の御議論も踏まえながら、また今後とも政府全体で課題解決に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、安全目標の関係につきまして幾つか御質問をさせていただきたいと思います。
 原子力規制委員会は昨年の二月一日に、原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会に対しまして、原子力規制委員会が目指す安全の目標と新規制基準への適合によって達成される安全の水準との比較評価、国民に対する分かりやすい説明方法等について調査審議を行うよう指示を出し、その後、炉安審、燃安審で議論が行われまして、今年の三月三十日に報告書の案が、報告案が示されました。まだ正式に規制委員会には報告されていない状態だと理解をいたしますけれども、その内容につきまして幾つかお伺いをしたいと思います。
 資料をお配りをいたしております。その二ページの部分でございますけれども、その中の記述として、網掛けを入れておる部分でございますけれども、「また安全の目標は、原子力規制委員会が規制基準の策定などに当たり参照すべきものである。」という記述が報告案の中に書かれてあります。
 この指摘を受けて、安全目標をどのように参照をしていくのかというお考えが現時点であるのかないのか、御見解を委員長にお伺いをしたいと思います。
#65
○政府特別補佐人(更田豊志君) 安全目標、これはセーフティーゴールの翻訳語でありますけれども、その本質は残存リスクを示すことであります。どれだけの安全対策を尽くしてもなおリスクは残るんだということを安全目標は明確に語っています。安全目標を掲げることの意義は、リスクは決してゼロにはならないんだということを示すことにあると考えております。
 原子力規制委員会は、この観点から、事業者がリスクを低減させる取組を継続的に行うよう厳正に監視していくこと、安全目標を掲げること自体が安全神話の復活を許さないという原子力規制委員会の基本方針を示すものであるというふうに考えております。
#66
○浜野喜史君 基本方針を示すものであるということでありますけれども、一年間、炉安審、燃安審が議論をしてこられた上で結論付けられたその報告の中に明確に、規制基準の策定などに当たり安全目標は参照されるべきものであるというふうに書いてあるわけですね。それは、これまでの方針を再確認したものだという説明はそれはそれで成り立つんでしょうけれども、やはり、一年間の検討の上で参照すべきものであるということを報告で出されているわけですから、何らかの、今後検討するのかとか、そういう話があるべきではないかなというふうに考えるんですけれども、御見解をお伺いいたします。
#67
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 原子炉安全専門審査会並びに燃料安全専門審査会では、安全目標に関わる議論に付随して、確率論的リスク評価の利用方法等についても議論がなされています。安全目標というのは、先ほど申し上げたように、残存リスクに関わるものでありますけれども、必ずしもこれが定量的に用いられるような形にはなっていません。安全目標を定量的に扱って規制要求等々の間の比較をするということは、これは現在の技術レベルに照らしても不可能なことであります。
 原子炉安全専門審査会、燃料安全専門審査会では、確率論的リスク評価の活用に関して、リスク評価を行う過程で得られる知見というものの活用に関しても幅広く議論をされて、一年間議論をしていただきました。一方、安全目標そのものに関しては、私たちの基本方針がエンドースといいますか、再確認をしていただいたものというふうに認識をしています。
#68
○浜野喜史君 今の御答弁を踏まえて、また改めてこの辺りについても質疑を交わさせていただきたいと思います。
 もう一つ、この三ページ目ですけれども、委員長御説明いただきました確率論的リスク評価に関しても記述がございます。
 議論の要約という項目の中でありますけれども、少し読み上げをさせていただきますと、「規制基準は、個別の対策について、1(適合)か0(不適合)かで判断するものである。一方で、そのような対策が行われた施設に必ずリスクが残る。残ったリスクはどの程度なのか、どの程度低減できたのか(言い換えると、施設全体としてどの程度信頼度が向上したのか)を陽に示すために、確率論的リスク評価に基づく確率的な指標を活用することができる。そうすることで、安全神話に陥ることなく、更なる安全性向上のための議論を継続できる。」と。
 委員長が先ほど御説明いただいたことに沿ったような記述だというふうに思いますけれども、こういうふうなことを踏まえて、今後とも確率論的リスク評価というものについてはしっかりと活用していくということだと私は理解するんですけれども、見解をお伺いいたします。
#69
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 先ほど、確率論的リスク評価はその過程において得られる情報は極めて重要であるという旨申し上げましたが、一つだけ、ちょっと細部に至りますけれども御紹介をさせていただきたいのは、確率論的リスク評価のメリットの一つに、新たな対策を取ったときにその対策がどれだけ効果を上げたのかということを、これはあくまで確率上の数字ではありますけど、定量的に示すことができる。さらには、一つの特定の機器を捉えて、その機器が必ず故障するものと考えたときにどれだけ炉心損傷頻度が上がるか、ないしは絶対に故障しないと仮定したときにどれだけ炉心損傷頻度が下がるかといったようなことを繰り返すことによって、個々の機器の重要度が分かってきます。非常に安全に与える重要度が大きい機器、そうでもない機器、関係ない機器といったものの重要度が確率論的リスク評価というのは定量的に示すことができる。
 この情報は、今後検査を行っていく上でも、どの機器を重点的に見るべきか、ないしは事業者が保全活動をどの機器を重点的に行っていくべきかといったことに非常に大きな応用が考えられます。当面の応用先としては、現在軌道に乗せようとしている新検査制度の中で、この確率論的リスク評価によって保全の重要度、検査上の重要度を決めていくという、こういった応用先が最も重要な適用であろうというふうに思います。
#70
○浜野喜史君 いろんな分野で少しずつ活用していくというお話だったというふうに理解をいたしました。
 この報告案であと二つお伺いをいたします。
 四ページの網掛けのところなんですけれども、原子力規制委員会は、安全の目標やリスク情報を活用し、リスクとの整合の取れたグレーデッドアプローチに基づく規制体系の構築に向けて努力を続けていくべきであると。このグレーデッドアプローチ、等級別扱いということであるようですけれども、このことについても、IRRSの指摘等々でもかねてより問題提起がされているところでございます。
 この報告案の中でも、「グレーデッドアプローチに基づく規制体系の構築に向けて努力を続けるべきである。」と明確に問題提起がされていますので、それを踏まえて今後対応されるということだと理解をいたしますけれども、見解をお伺いいたします。
#71
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 グレーデッドアプローチは、これは規制当局がどこを重点的に見るべきかといった点や、事業者がどこをきちんとより多くの資源を注いで確認をすべきかという点で非常に重要なアプローチであります。
 一方、使い方を誤ると、これは容易に御想像いただけると思いますけれども、ポイントを見誤るところがあって、グレーデッドアプローチは、まず等級別扱いの等級を定めるところに一番のポイントがあります。その等級を定める際には、先ほど申し上げた確率論的リスク評価を用いる場合もあれば、あるいは、パフォーマンス・ベースド・レギュレーションといいますけれども、それまでの実績を見て、ずっと故障してこなかった機器に関しては検査頻度を落としていく、ないしは故障が頻発しているものに対しては点検頻度を上げるといった、実績によって等級を見ていく、ないしはリスク情報によって等級を見ていくと。
 この入口の部分というのは、すぐれて技術的な課題ではありますけれども、各国規制当局にとっても重点を決める判断でありますので、なかなか簡単なものではありませんけれども、新検査制度の中では、特にこのグレーデッドアプローチは広く採用していきたいというふうに考えております。
#72
○浜野喜史君 ここで少し確認させていただきたいんですけれども、御説明がありましたように、このグレーデッドアプローチに基づく対応というのは、委員長御説明ありましたように、新検査制度の中ではこういう考え方に立っての対応をされつつあるということだと私は理解するんですけれども、必ずしも今後先々これに、新検査制度ということに限定するだけではなくして、できるだけ、条件が整えばこの規制体系全般に適用されていくべきものであるというふうに私は理解するんですけれども、この点だけ確認をさせてください。
#73
○政府特別補佐人(更田豊志君) 検査制度以外にも、既にグレーデッドアプローチを適用した例としては、核燃料施設に対する規制に関して、ウラン加工施設であるとか、相対的に潜在的なリスクの小さな施設に対しては、例えば竜巻であるとか航空機落下であるかとかといったものの適用に関してグレーデッドアプローチを既に適用してきております。
 今後、さらに、グレーデッドアプローチは規制の全般に理屈の上で適用可能なものでありますけれども、施設によっては適用が困難なものもあるのは事実です。
 例えば、原子力発電所に対して、その運用開始後の年数によって規制の強度といいますか、要求レベルを変えるというようなやり方も理屈の上では考えられますけれども、ただ、現在、各国の事例を見ても、グレーデッドアプローチの原子力発電所への適用というのは限界があるというのが事実であります。
 いずれにしましても、今後ともグレーデッドアプローチは規制当局、事業者双方にとって効果的、有効なアプローチでありますので、より広い活用へ向けて検討はしていきたいというふうに思います。
#74
○浜野喜史君 この報告案に関して、最後の質問にいたしますけれども、これも資料の四のところでございますけれども、「原子力規制委員会が示した安全の目標の定義とそれが導き出された根拠となる考え方やロジックについて整理する必要がある。」という、こういうことが指摘をされております。
 今後、これ整理をしていく必要があるというふうに指摘されていますので何らかの対応をされていくんだろうというふうに理解をいたしますけれども、見解をお伺いいたします。
#75
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 ちょっと率直なお答えになりますけれども、原子炉安全専門審査会、核燃料安全専門審査会、どちらも両分野の専門家の先生方の審査会で、これは旧原子力安全委員会等の小委員会やワーキンググループでも延々と続けられてきた議論ですけれども、このロジックの整理であるとか体系化に関して、いわゆる安全分野の非常にある意味マニアックな議論があるのは事実です。
 こういった議論の論理の体系化や整合性をより十分なものにするという努力は大変重要であるとは考えている一方で、私たちは常に私たちの規制の意味するところや判断の分かりやすい説明というのを求められています。地元の方々であるとか需要者はもとより、一般の方々に向けて分かりやすい説明に努めるべきという御指示もいただいており、これが、二つの努力が重なればよいのですが、これはなかなか、決して重なるものではなくて、こういった安全上の論理の整合を取るといったマニアックな努力は重要である一方で、私たちは今現在はどちらかというともっと平たい説明、分かりやすい説明の方に努力を注ぐ状況にあるというふうに認識をしております。
#76
○浜野喜史君 御説明いただきましたけれども、ちょっと私理解できないので平たく説明していただければ幸いなんですけれども、整理をする、整理をすべきだというふうにおっしゃっているんで、整理します、する努力しますということでよろしいんでしょうか。
#77
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 これは優先順位の問題だと思っています。まず先にやるべきこと、時間を掛けてじっくり取り組むべきことがあると考えておりまして、この御指摘は時間を掛けてじっくり取り組むべき事柄に属するというふうに考えております。
#78
○浜野喜史君 ありがとうございました。
 いずれにしても、この報告案、まだ規制委員会に報告されて議論がされたということじゃないと思いますんで、また、その中における議論、質疑の中身もまた踏まえて今後とも議論をさせていただければというふうに思います。
 少し切り口を変えて、残り時間、IRRSへの対応、二年前に国際原子力機関、IAEAが行いましたIRRSへの対応についてお伺いをいたします。少し先ほどまでの質疑と重複するところもあるかと思いますけれども、御容赦いただきたいと思います。
 資料の六でありますけれども、私が資料要求をさせていただきましてお答えいただいた内容でございます。グレーデッドアプローチに関する取組の内容が分かる資料ということでお願いを申し上げましたところ、この資料を御提示いただいたところでございます。
 網掛けをしておりますけれども、原子力規制委員会マネジメント規程、平成二十六年九月原子力規制委員会制定において、マネジメントシステムの一要素として明確化し、運用を図っていますというような御説明でございます。
 一方、IRRS、これは平成二十八年でありますので、規程が制定されて二年後の平成二十八年四月のIRRSミッション報告書におきましては、規制活動の実施とマネジメント関連文書の作成において等級別扱い、グレーデッドアプローチというものが一貫して適用されていないという、こういう厳しい所見がなされているわけであります。
 ということは、こういう原子力規制委員会においての規程はあるんだけれども、その規程は有効に機能していませんよということをIAEAから厳しく指摘をされたということだと思うんですけれども、そのような理解でよろしいかどうか、見解をお伺いいたします。
#79
○政府特別補佐人(更田豊志君) IRRSを受けるに当たって私たちの姿勢として最も重要なことは、IRRSミッションが伝えてくださった勧告であるとか推奨に関して真摯に取り組むことであろうと考えています。そこの骨格となる部分をきちんとつかまえることが重要でありますけれども、残念ながら、このIRRS報告書、翻訳文ではありますけれども、規制活動の実施とマネジメントシステム関連文書の作成においてグレーデッドアプローチが一貫して適用されていないというのは、この字義解釈をすることに余り意味はないんですけれども、そもそもこの表記するところが取りにくいものであって、業務関連、規制活動の実施と関連文書の作成におけるグレーデッドアプローチというのはちょっと解釈しかねるところがあるのは事実です。
 そのために、今、御要求いただいた資料に関して、実際にグレーデッドアプローチを適用したところについてお答えしたものでありますけれども、基本的に、IRRSの報告書の字義の一つ一つを解釈するとこれ無限に輪郭が曖昧になってしまいますので、私たちとしてはIRRSミッションが本当に伝えたかったポイントをつかまえて、きちんとそれを私たちの活動に反映してまいりたいというふうに考えております。
#80
○浜野喜史君 確かに、訳文をどう捉まえるのかということ、またこれ後ほど触れますけれども、なかなか解釈分かれるところかと思います。
 ただ、明確に、所見として、規制活動の実施とマネジメントシステム関連文書の作成においてと、こういうふうになっていますので、個々一つ一つの事案に対しての対応というよりも、体系全般的にそういうものをやりなさいということが指摘されていることは間違いないことだと思うんですね。
 そういう意味で、それに対してどう対応されているのかということを改めて御見解をお伺いいたします。
#81
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 グレーデッドアプローチというと少し専門用語のように聞こえるところはありますが、一般に私たちが、生活の中でもそうですけれども、重要なものとそうでないもの、優先すべきものとそうでないもの、めり張りをきちんと付けるように、そういったふうに受け止めるべきであるというふうに考えています。
 規制委員会にとって、福島第一原子力発電所事故の発生からまだ七年のこのときにおいて最も重要なのは、重要なことにきちんと取り組むこと、また重要でないことに関わり合わないこと、同じことを申し上げていますけれども、これが重要であるという、これがIRRSのミッションのこの部分の伝えている本質であるというふうに私は理解をしております。
#82
○浜野喜史君 もう時間もそろそろ迫ってきておりますので、最後の質問、問題提起になるかと思いますけれども、今年の三月三十日の規制委員会の会合において、五名の規制委員会委員のお一人であります山中委員がこんな指摘をされておられます。率直な指摘であります。
 IRRSの勧告の中でレコメンデーションの六、六番目の勧告で、マネジメントシステムの改革と統合マネジメントシステムの構築をしなさいという勧告があるんですけれども、現在進めていただいている途中かと思うんですけれども、長期的戦略を持って構築するマネジメントシステムというのはどんなものだと考えられているのかということを問い、事務局がこういうことを答えられております。今、山中委員からございました統合マネジメントシステムとは何かということは問い続けながら、具体的に仕組みとして確立させていきたいと考えているところでございますと。
 この議事録を読まさせていただく限りは、委員会全体として統合マネジメントシステムとは何なのかということは明確にイメージされていないのではないかというふうに、私はこの議事録を拝見して思ったところでございます。
 そこで、もう時間もありませんので、毎回の資料要求で、会長、恐縮でございますけれども、山中委員が問うておられますこの統合マネジメントシステムというものは何なのかということが分かる資料、これが一つと、IRRSの勧告の中で、勧告六、これについての対応という流れで山中委員も御指摘されておられますので、この勧告六へどういう対応をされているのかということが分かる資料を、毎回で恐縮でございますけれども、御提出をいただくことをお願いを申し上げまして、本日のところは私の質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
#83
○会長(鶴保庸介君) ただいまの件につきましては、後日理事会において協議いたしますので、質疑を続行願います。
#84
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 二月の当調査会で、私は原発の安全審査における巨大噴火の位置付けについて質問をいたしました。
 原子力規制委員会は、その後の三月七日、火山影響評価ガイドの基本的な考え方なる文書を発表し、従来の巨大噴火対策を事実上骨抜きにいたしました。資料の一ページを御覧ください。この一ページの最も下の丸で始まる文章なんですが、現在の火山学の知見に照らし合わせて考えた場合には運用期間中に巨大噴火が発生する可能性が全くないとは言い切れないものの、これを想定した法規制や防災対策が原子力安全規制以外の分野では行われていない、したがって、巨大噴火によるリスクは社会通念上容認される水準であると判断できると、こうしています。
 しかし、既に指摘もいたしましたが、内閣府の検討会は、二〇一三年に発表した大規模火山災害対策への提言において、巨大噴火に関する知見は非常に限られている、噴火予知や対応策について研究を進める体制も整っていないとしておりまして、知見が限られる中で研究や対策の必要性が指摘されております。
 にもかかわらず、社会通念上容認されているなどと言えるのかと。巨大噴火のリスクに対して原子力の安全対策をこれは取らないことなんですか。規制委員長、お答えください。
#85
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 巨大噴火の可能性評価については、巨大噴火によるリスクが社会通念上容認される水準であると判断できることを考慮すれば、現在の火山学の知見に照らした火山学的調査を十分に行った上で、火山の現在の活動状況は巨大噴火が差し迫った状態ではないことが確認でき、かつ運用期間中に巨大噴火が発生するという科学的に合理性のある具体的な根拠があるとは言えない場合は、少なくとも運用期間中は巨大噴火の可能性が十分に小さいと判断できるものと考えております。
#86
○山添拓君 いろいろ条件を付けられたように見えるんですけれども、社会通念上容認できる水準だと判断できると、こう言い切っているわけですね。
 巨大噴火が社会通念上容認できるリスクなのかどうか、こういった点は従来の火山影響評価ガイドにはどこにも書かれておりません。パブリックコメントなど取るべき手続も取らないで、文書一つで事実上骨抜きにすると。これ、自ら定めた基準すら貫徹できていないということであります。
 これ、社会通念上容認されていると言いたがるのは、前回のこの調査会でもお話ありましたが、要するに、これは、起こりっこないことを想定するのはおかしいじゃないかと、こういう考えが根底にあるんだと思うんですね。荒唐無稽な想定だと。しかし、そんなに荒唐無稽なことなのかと。
 原子力規制委員会は、先ほど浜野委員の質問にもありましたが、二〇一三年に原発の安全目標を定めております。安全目標として求める炉心損傷頻度と格納容器機能喪失頻度を御説明ください。
#87
○政府特別補佐人(更田豊志君) お尋ねの安全目標については、原子力規制委員会において、規制を進めていく上で達成を目指す目標として議論を進めておるものであります。
 これまでの議論の結果、旧原子力安全委員会で検討がなされていた、これは正確に言いますと安全目標ではなくて性能目標でありますけれども、性能目標におきまして、炉心損傷頻度について炉当たり一年に十のマイナス四乗、格納容器の機能喪失頻度について炉当たり一年に十のマイナス五乗といった目標を議論の基礎とすることで原子力規制委員会において合意に至ったものであります。
#88
○山添拓君 つまり、炉心損傷頻度でいえば一万年に一回程度、格納容器機能喪失頻度でいえば十万年に一回程度ということであります。一万年とか十万年に一回の事故にも対応できる性能を求めているんですよ。
 そして、規制委員会が言っている巨大噴火とは、噴火規模としては数十立方キロメートル程度を超えるような噴火と定義されておりますので、日本で過去十二万年に三十立方キロメートル以上の火山噴火が十七回発生しているとされますから、およそ七千年に一回なんですね。これは安全目標を上回ります。
 ですから、委員長、やっぱりこれ、社会通念上容認されているなどと言うのは従来の規制委員会が求めてきた安全目標ともそごをしますので、撤回するべきではありませんか。
#89
○政府特別補佐人(更田豊志君) この炉心損傷頻度であるとか格納容器の機能損傷頻度というのは、十のマイナス四乗とか十のマイナス五乗と言いますけれども、これは確率論で言うところの独立事象の確率を表したものであって、十のマイナス四乗イコール一万年に一回というものではありません。例え話として十のマイナス五乗を十万年に一回ですとか十のマイナス四乗を一万年に一回と言いますけれども、この炉心損傷頻度といったものは正確には炉心損傷確率の問題であって、年数における何年というものではありません。
 さらに、破局的噴火、巨大噴火に関して言いますと、有史以来のデータの蓄積というものがありませんので、確かに、御指摘のように、数千年前に巨大噴火が起きたことを事実をもってしてその発生頻度を割り出すことはできません。
#90
○山添拓君 いや、おっしゃるとおり、有史以来記録はないんですよ。しかし、だからといって、次に起こらないとは言い切れないわけです。
 大体、そもそも活断層については、規制委員会は十二万年から十三万年の遡って調査をし、その対応を求めているわけです。一万年に一回、いや、七千年に一回、こういう巨大噴火であれば社会通念上許容されているなどというのはとんでもない誤りだと言わなければなりません。改めて撤回すべきだということを指摘しておきたいと思います。
 そのことを指摘した上で、今日は次のテーマに参ります。
 福島原発事故の被害賠償を求める裁判で、判決が相次いでおります。国の責任を問うた裁判としては、昨年三月の前橋地裁、十月の福島地裁、今年三月十五日の京都地裁、十六日の東京地裁がその責任を認めております。昨年九月の千葉地裁は、これは結論として国の責任を認めませんでしたが、津波は予見できたと判断しています。国や東電が言う津波は想定外だったという主張は、集団訴訟で一度も認められておりません。
 判決に共通しておりますのは、二〇〇二年に政府の地震調査研究推進本部が示した長期評価の評価です。国が原発の津波想定に反映させず、これを無視して敷地高さを超える津波への対策を怠ったことが、規制権限を行使しなかった、違法に当たるとしています。
 そこで、改めて長期評価の知見を無視した当時の国の対応を明らかにしたいと考えます。
 その前提として伺いますが、二〇〇二年当時、発電中の原発の安全性は、電気事業法に基づく技術基準省令によって審査をされ、技術基準に適合しない原子炉施設には適合命令を発することで安全性を確保する、周辺住民の生命、身体、財産を保護することとされていました。そして、この権限は経産大臣が持つもので、内閣府に設置された原子力安全委員会が定める指針類を踏まえて原子炉の安全規制を担うという立場にあったと。この法的な仕組み自体は間違いありませんね。
#91
○政府特別補佐人(更田豊志君) 二〇〇二年当時の電気事業法に基づけば、技術基準の適合命令に関する規制権限は経済産業大臣が有していたということで間違いございません。
#92
○山添拓君 原発の安全性が確保されないときは、周辺住民の生命、身体に重大な危害を及ぼします。周辺環境を放射能で汚染するなど、深刻な被害を、災害を引き起こすわけです。したがって、稼働中の原発について、その時々の最新の知見に照らして、科学的な知見に照らして、技術基準への適合性を通じて安全性を審査する必要があったわけです。ですから規制行政があり、事業者は規制される側、当然のことであります。ところが、果たして、当時の原子力規制行政はその役割を果たしていたのか。
 二〇〇二年長期評価は、三陸沖から房総沖の海溝型地震の長期評価として、震源域の具体的な特定はできないものの、日本海溝に沿って長さ二百キロ、幅五十キロ、地震の規模であるマグニチュードは八程度、今後三十年以内の発生確率三〇%と評価をしたものでした。二〇〇八年に東電がこれに沿ってシミュレーションを行ったところ、十五・七メートルという敷地高さを超える津波が襲来することが想定されたわけです。
 私は、昨年二月の当調査会で、当時、国は長期評価に沿った試算を行ったのか、あるいは東京電力に試算を指示したことがあったかと質問をしましたところ、当時の田中委員長は、規制機関においても東京電力においても、長期評価に基づく津波評価はやっていない、なぜやっていないのかは分からないという答弁でありました。更田委員長も同じ認識でしょうか。
#93
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 当時、長期評価に基づきまして原子力安全・保安院が津波評価を行ったという事実はありません。また、東京電力に対し、長期評価の見解に関するヒアリングを行うなどしておりましたけれども、長期評価を基に津波評価を行うように東京電力に指示したという事実は確認できておりません。
#94
○山添拓君 今委員長ヒアリングとおっしゃいましたが、ヒアリングのあったことを示す根拠は何かございますか。
#95
○政府特別補佐人(更田豊志君) 私どもで今確認できるのは、陳述書によってのみであります。
#96
○山添拓君 今陳述書とお話がありました。この間、幾つかの裁判で国が提出した証拠の中に、当時の東京電力の社員が、東電内部や恐らく他社の社員宛てに送ったと思われるメールが添付されておりました。二〇〇二年七月三十一日に長期評価を発表された直後の、八月五日から二十三日にかけてのものであります。
 規制委員会と東電にそれぞれ伺いますが、この当時、国と東京電力が長期評価への対応をめぐってやり取りした内容を示す根拠となるもの、指示の文書やメールや面談記録などは、これ以外にはないということですか。
#97
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 原子力規制庁におきましては、二〇〇二年の長期評価に関する東京電力とのやり取りに関するメールなどの一切の文書については、当時の原子力安全・保安院から引き継いでおりませんで、また所有もしておりません。
 御指摘のメールについては、この陳述書に伴って、平成二十九年十一月十七日に入手したものと承知をしております。
#98
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答え申し上げます。
 当時の担当者に確認したところ、長期評価についてのやり取りをした文書、メール、メモ、面談記録などについて、当時の原子力安全・保安院の御担当者とのやり取りにつきましては、先生が今御配付されたP三以降ですね、この乙ロ第三四号証の一以降に添付されておりますもののみであると認識しております。
#99
○山添拓君 それ自体が大問題なんですが、ひとまず出されているメールに基づいて質問をさせていただきます。
 今委員長お話あったように、裁判で東京電力が提出してきてようやく把握した内容だということでありました。
 資料の三ページを御覧ください。二〇〇二年八月五日十九時二十分のメール、「川原班長以下四名」と国側担当者が記されております。それぞれの名前、当時の所属とポスト、現在在籍している方については現在の所属について明らかにしていただきたい。
#100
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。
 御質問の件につきましては、原子力安全・保安院原子力発電安全審査課の川原修司耐震班長のほか、花村正樹上席安全審査官、島村邦夫安全審査官、野田智輝係員であると承知をしております。
 この四名の方々のうち、現在二名、原子力規制庁には、島村邦夫氏が原子力規制部核燃料施設審査部門に、野田智輝氏が原子力規制部地震・津波審査部門にそれぞれ所属をしております。
 そのほかの二名の方の所属は現在把握をしておりません。
#101
○山添拓君 資料の四ページから五ページにかけて、八月五日のメールには、Q1とQ2という質問と、それに対する答えが添付されております。これらは保安院においては保管しておりますか。
#102
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制庁におきましては、二〇〇二年の長期評価に関する東京電力とのやり取りに関するメールなどの一切の文書については、当時の原子力安全・保安院から引き継いでおりませんので、また所有もしておりません。
#103
○山添拓君 Q1は、「七月三十一日に地震調査研究推進本部は、三陸沖から房総沖で今後三十年以内に津波地震が発生する確率を二〇%と発表したが、原子力発電所は大丈夫か。」という問いです。Q2は、「地震調査研究推進本部は、三陸沖から房総沖の海溝寄り領域においてどこでも津波地震が起こることを想定しているのに対し、土木学会は、福島沖と茨城沖では津波地震を想定していないがなぜか。」と問うております。
 当時、原子力安全・保安院としても、長期評価によって、従来の津波評価、土木学会の津波評価、津波評価技術と異なる見解が出されたことを意識して対策の必要性を検討していたということではありませんか。
#104
○政府特別補佐人(更田豊志君) 先ほどお答えをしましたように、当時の資料やメール等を引き継いでおりませんので、当時の具体的な事情、原子力安全・保安院内における事情については資料等はなく、これを私どもは承知をしておりません。
#105
○山添拓君 メールを読む限りは、対応必要だと考えているんですね。
 資料の三ページのメール本文に戻りますが、「福島〜茨城沖も津波地震を計算するべき。本日、東北電力から説明を受けたが、女川の検討では、かなり南まで波源をずらして検討している。」とあります。保安院として、福島沖でも試算すべきだと伝えておりますし、現に東北電力は、波源、津波の想定を宮城沖より南にずらして行っていることがうかがわれるわけです。
 ところが、これに東京電力は、「谷岡・佐竹の論文を説明するなどして、四十分間くらい抵抗した。結果的には計算するとはなっていないが、推進本部がなぜそうしたのか、委員の先生から経緯を聴取するとなった(宿題)。」と。
 規制行政の側から津波の想定を行うべきと言われたのに対して抵抗したと、そして計算せよという指示を引っ込めさせたと言っています。これ事実ですか、規制委員長。
#106
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えします。
 繰り返しのお答えになりますけれども、私どもは、当時の具体的な事情に現在承知をしておりません。
#107
○山添拓君 規制される側の東電が抵抗して、津波計算をするべきだと言っていた国の要求をはね返しているわけです。
 資料の九ページを御覧ください。八月七日十五時四分のメールです。
 宿題を解決するために、東京電力は、長期評価にも関わっていた産業技術総合研究所の佐竹健治氏に意見照会をしております。これ、送信者自身が、突然メールしまして申し訳ありませんと書いておりますので略式の照会にすぎないものですが、資料の十ページ、佐竹氏はその二時間後の十七時十二分のメールで返信をし、自らの見解と長期評価の見解とを比較しながら、津波地震が発生する場所は限られているという谷岡・佐竹論文と、日本海溝沿いのどこでも起こり得る、福島沖も起こり得るという長期評価とどちらが正しいのかよく分からないというのが正直な答えですと述べています。加えて、長期評価は過去四百年間のデータを考慮しているのに対し、谷岡・佐竹は過去百年間のデータという違いはある。こうして、自説の限界も説明しています。いずれにしても、長期評価の知見を否定などしていないんですね。
 ところが、資料の十三ページ。これを東京電力は保安院にどう伝えたか。八月二十三日のメールで昨日と言っておりますので二十二日のことです。活断層関連のMETIヒア、経産省ヒアリングの終了後、野田審査官、これは正しくは係員ということですが、に標記宿題の件、下記のとおり口頭で説明しました。佐竹先生は分科会で異論を唱えたが、分科会としてはどこでも起こると考えることになったとのこと。土木学会手法に基づいて確定論的に検討するならば、福島から茨城沖には津波地震は想定しない。これだけ伝えたんですね。東電はこのとき、佐竹氏の意見のうちの、よく分からないというのが正直な答えだとか、百年分しか扱っていないといった部分、こうした事実は伝えていないんですね。
 東京電力、伺いますが、なぜですか。
#108
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 まず、掲載されているメールのやり取りがなされたことについては、まず事実として認識しております。その上で、佐竹先生とのやり取りからも分かるとおり、当時は長期評価の津波地震に関する専門家の見解が分かれていたことから、決定論的手法としての対応ではなく、この後段の方に書かれておりますけど、確率論的手法の中に取り込んでいくことを判断したものと認識しております。
 私どもといたしましては、巨大な津波を予想することが困難であったという理由で福島原子力事故の原因を天災として片付けてはならず、人知を尽くした事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかったものと考えております。事故の教訓と反省を踏まえて、二度とこのようなことを繰り返さないよう徹底してまいる所存でございます。
#109
○山添拓君 いや、後の方はそんなに聞いていることじゃないんですけれども。
 いや、要するに、伝えていないわけですよ、正確に。意見照会をしてこいと、国からの宿題になった、ここまでは正しいかもしれません。しかし、その後、意見を聞いたけれどもその内容を正しく伝えるでもないと。そして驚くべきことに、このメール、十三ページによりますと、野田係員からは、そうですか、分かりましたという回答があったと記しております。
 保安院は、その後、この東電の報告を受けてどのように対応するのか検討したんでしょうか、規制委員長。
#110
○政府特別補佐人(更田豊志君) 再三のお答えになりますけれども、当時の原子力安全・保安院内の具体的な事情については承知をしておりません。
#111
○山添拓君 保安院に、あるいは保安院から引き継いだはずの規制委員会に当時の記録が何ら残されていないということ自体が大問題であります。これ、メールからも読み取れますように、長期評価を受けて国は対応が必要だと考えたんですね。当然です。政府の地震調査研究推進本部は、一九九五年の阪神・淡路大震災を経て初めて地震学者が集まって公的に情報を発表することができるようになった公的な機関です。その長期評価です。だから気にしたわけです。
 改めて伺いますけれども、二〇〇二年の長期評価を受けて、福島第一原発の津波対策との関係でどのように対応するべきなのか、原子力規制行政において検討し、調査し、分析をし、あるいは必要な指示を行ったり報告を受けたりしたその記録は規制委員会において全く残されていない、こういうことですか。
#112
○政府特別補佐人(更田豊志君) 原子力規制庁におきましては、二〇〇二年の長期評価に関する東京電力とのやり取りに関するメールなどの一切の文書について、当時の原子力安全・保安院から、繰り返しになりますけど、引き継いでおらず、また所有もしておりません。
#113
○山添拓君 何もないと、唯一このメールだけだとおっしゃるわけです。そして、メールによれば、長期評価をどう見るのか、それに基づく対応が必要であるか否かの検討は全て東電任せです。東電の回答を、そうですか、分かりましたと言って済ませているわけです。
 これで規制行政と言えますか。規制行政が規制される側に全てを委ねる、何ら役割を果たしていなかったということじゃありませんか。規制委員長、どう考えますか。
#114
○政府特別補佐人(更田豊志君) まさに先生の御指摘のとおりであると思います。その厳しい反省の上に立って設定されたのが原子力規制委員会であります。
#115
○山添拓君 いや、それでは困ると思うんですね。それでどれだけの方がふるさとを失って、苦しみを今なお続けていると思うのか。技術基準の適合性審査を通じた安全性の確保という在り方は全く機能していなかったということが明らかになっています。
 事故の原因究明は国会の責任でもあります。メールが出されて初めて浮き彫りになった経過があります。これらは当時の国会事故調にも示されていない事実経過です。
 改めて、当時の国と東電、長期評価の対応に関わる指示文書や面談記録、メールなど、一切の資料について、規制委員長とそれから東京電力に、存在しているのかどうか、調査会として、国会として求めていただきたいと思いますし、川原氏はもちろん、メールに登場する野田氏にも国会で事実を語っていただきたいと思います。
 委員長、お取り計らいを願います。
#116
○会長(鶴保庸介君) 後刻理事会で協議をいたします。
#117
○山添拓君 長期評価の知見に関しては、この間、東電幹部が強制起訴をされました刑事事件の裁判で新たな証言も出てきております。
 二〇〇八年、長期評価に基づいて最大十五・七メートルの津波想定を得て、津波対策の担当社員が武藤副社長に報告をしたと。防潮堤を設置する許認可手続など調査を指示されて検討していたものの、その後、副社長から、理由を示さず、十五・七メートルの採用を見送るよう指示されたと。担当社員は、予想外のことで力が抜けたと証言しております。
 規制行政と規制される側が一体化する中で、政府が行使すべき権限を行使していなかった、東京電力も対応を怠ってきた、そのことについて国会事故調にもない事実が明らかになっております。引き続き、このことこのままにするわけにはまいりませんので、徹底究明を続けていきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
#118
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。
 過日にもここで少しコストについてこだわって質問したんですが、そのときは、最後は経産副大臣の西銘恒三郎副大臣の答弁で終わってしまいました。その続きをさせていただきたいと思います。やっぱりコストです。
 原子力発電は、低コストでかつCO2を排出しないということがうたい文句でありまして、まあそのとおりですね。しかし、建設に向けての諸費用、事故を発生した際の対策費や補償費、安心、安全に操業するための設備管理費、使用済燃料安全保管のための経費、原発設置自治体への交付金などなど、総合的に勘案した場合、単純に低コストと言えるのかどうか非常に疑問に思っているところでありますが、もう一回確認の意味で、そうなんですか。
#119
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 コスト検証を行った結果でございますけれども、その中に、いわゆる資本費、運転維持費に加えまして、今御指摘にありましたような賠償ですとか除染、中間貯蔵等の事故リスクの対応費用を含め、また、追加の安全対策費用も考慮しまして、さらには高レベル放射性廃棄物処分費、いわゆる核のごみの処分費も含めました核燃料サイクル費用、これも含めまして、さらに立地対策、いわゆる交付金でございますけれども、交付金等の立地対策ですとか予算を使った研究開発費などの政策経費を全て含んだ形で試算を行っておりまして、これを含んだ上で原子力の発電コストとして、キロワットアワー当たり十・一円以上という結果を得ております。
 また、その上で、その後の変化も反映できますように、当時のコスト検証に際して示した感度分析という、つまり、何かの費用が増えましたらそれに応じて単価がどれぐらい増えるかという計算ができるような感度分析の考え方も示しておりまして、それ以降のコストの変化がありましたらそれも勘案した評価が行えると、このようになっているところでございまして、これを踏まえまして、我々としては引き続き低廉な電源というふうに考えているところでございます。
#120
○儀間光男君 今お話がありましたように、確かにコスト計算の算数式を見ますというと、分母に稼働率が来るわけですね。あといろんな要件が付いてくるんですが、その中に原子炉を、発電する、じゃ、今の技術では未来永劫に、プラス、エンドコストが付く、最終処理分。これも全部含まれているんですか。
#121
○政府参考人(村瀬佳史君) 最終処分のコストにつきましても含められておりますけれども、最終処分の費用は、まず最終処分の事業についてでございますけれども、これ、数万年にわたって人間が管理し続けるという前提に立っているものではございませんで、最終処分につきましては、まず処分場を建設し、操業いたします。これが大体百年ほどでございまして、その処分場を閉鎖した後、三百年ぐらいこのモニタリングを行っていくという事業になってございます。
 これ、既に最終処分地を決めて建設している北欧等も同じような考え方に基づいておりまして、世界的に最終処分事業というのはそういう想定になってございますが、これをその後の人間の、人の手により管理を行わないで済むような岩盤の中に安置していくというのが最終処分の事業でございまして、これを前提に三兆円の事業費を今申し上げたような事業コストの中に含めまして、これ、国際的にも相場観に沿った形のコストであるわけですけれども、三兆円を先ほどの試算の中でコストとして勘案をして計算をしているということでございます。
#122
○儀間光男君 よく分からないんですが、それを三兆円、これは何万年分という話になるんですか。それとも、私の基本的な認識は、いわゆる核燃料を使う間、原発が稼働する間、ずっと使用済燃料を含めていろんなのが残っていくはずですよ。その処分をしなきゃならない。だから、稼働している間はずっと処分続くんじゃないですか、どうなんですか。
#123
○政府参考人(村瀬佳史君) OECDと同様のやり方、モデルプラント方式という方式を、グローバルスタンダードの方式を使って計算してございます。これ、モデルプラントである原子炉を造って操業した、で、掛かるトータル全てのコストを計算の中で勘案していくということになります。
 したがいまして、そのモデルプラントから出た使用済燃料につきましては、再処理をして、ガラス固化をして地下に埋めていくということになるわけですけれども、それに掛かるコストが三兆円と。もちろん将来費用が発生するものは現在価値に直すわけですけれども、そういった形で全てのコストを、そこに掛かるコストは全て将来にわたっているものも勘案しているということでございます。
#124
○儀間光男君 先ほど確認しましたように、コストを出す場合は稼働率が分母になりますね。その分母もずっと変わらず、しかも最終処理のいわゆるバックエンドコスト、これの量も全く予想されて、予想されて三兆円で済むんだと。このような理解でいいんですか。
#125
○政府参考人(村瀬佳史君) そのモデルプラントに掛かるものは最終処分コストで総額三兆円でございますが、もちろんそのモデルプラントで発生されるキロワットアワー、つまりそこから生み出される分母の方ですけれども、それの稼働寿命と稼働率を一定前提を置いて計算をするということでございます。
#126
○儀間光男君 じゃ、少し聞きたいんですが、この稼働率、分母、大体何%の稼働を基準にして今の計算出ているんですか。
#127
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 大体七〇%程度でございます。
#128
○儀間光男君 稼働率七〇%。これは、福島事故以前から六〇から七〇なんですね、六〇から七〇なんです。それだとすると、何の進化もしないと。分母を太らすことはしていかないというようなことになるんですね。そうすると、コストは分母で決まりますから、そのとおりになってしまうんですよ。分子が多くなると逆になってしまうんですね。その辺どうですか。
#129
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 七〇%というのは、事故前の平均の稼働率を利用してございます。もちろん、そこでいいかということでございますけれども、アメリカを例に取りますと、九割ぐらいの稼働率を上げております。これ、以前からそこまで高かったわけではございませんで、やはりスリーマイルアイランド事故の反省を踏まえまして安全対策を、規制も高められたということもありますが、それ以上に、事業者自身が規制を超えた安全の取組をする中で稼働率を上げて九割まで持ってきているということでございまして、日本でも、安全の対応が高まってきて社会的信頼が回復できればそこまで上げていける余地はあるのではないかと思いますけれども。
 いずれにいたしましても、この計算ではやや保守的に、過去の稼働率、これが分母を余り大きくやりますと安く見えてしまうというところもありますので、過去の実績に基づいて保守的な計算をさせていただいているということでございます。これは審議会の中で専門家の先生方にも見ていただいて、過去の実績に基づくのが一番フェアであろうということでそのような数値になっているものと承知してございます。
#130
○儀間光男君 分子の方で、今予想されている以外に、変わった成分が入ってくるとか変わった負担が入ってくるとか、そういうようなシミュレーションはされていますか。どうなんですか。
#131
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 先ほど申し上げたように、感度分析ができるようになってございまして、例えば事故関連の費用が一兆円増したらどれぐらいキロワットアワー当たり、つまり単価に響くかということで計算を出しております。
 例えばでございますけれども、事故廃炉費用が一兆円増えましたならば〇・〇一円パーキロワットアワー、〇・〇一円増えていくということになるわけでございますので、例えば事故廃炉費用が十兆円増えますと〇・一円パーキロワットアワー増えるということでございます。
 先ほど、十・一円以上と申し上げましたが、これが例えば十兆円増えましたら十・二円に増えるという、こういうことになるわけでございます。
#132
○儀間光男君 何かようやく分かったような分からなかったような、勉強不足ですけど、感じがしてまいりました。
 更にやりたいんですが、次に質問を準備しておりますから、次の機会にまた譲ってまいりたいと思うんですが。
 コストの中に、いろいろやっていきますというと、要するに、今社会の趨勢はゼロエミッションですよ、CO2低減も含めて。この原子力発電にはいわゆる最終処分が出てきますから、ゼロエミッションになるのはなかなか難しい。ところが、再生エネルギー、これは自然の中から原料を取り入れますから、CO2を出すとか、あるいは最終処分場が必要とか、そういうコストがないわけですよ。分子のコストが非常に減ると、そういうふうに理解をしていて、もちろん、原子力発電と再生エネルギーとの比率のバランス等いろいろ国は考えているとは思うんですが、その辺を見るというと、クリーンエネルギーの方にもっともっと国は力を入れていくべきだと思うんですが、その辺どうお考えか。よろしくお願いします。
#133
○大臣政務官(平木大作君) 現在、多くの原発が停止する中におきまして、震災前と比べましても、一般家庭で平均およそ一〇%電気代が上昇するような形で国民の皆様に経済的に大きな御負担をいただいている現実がございます。
 資源に乏しい我が国にとりまして、こうした電気料金のコストですとか、あるいは気候変動問題への対応、さらにはエネルギーの海外依存度、こういった点を考えますと、即時に原発ゼロというのは責任あるエネルギー政策とは言えないのかというふうに考えております。
 他方で、原発依存度を可能な限り低減するという考えの下で、徹底した省エネルギーの推進、さらには再生可能エネルギーの最大限の導入に取り組むというのが政府の一貫した方針でございます。再エネのコスト効率的な導入に向けまして革新的なコスト削減技術の開発を推進していくとともに、昨年、固定価格買取り制度を大きく見直しまして入札制を導入いたしました。あわせて、系統制約の克服ですとか、あるいは調整力の確保など、そういったところに様々取り組むことによりまして、国民負担を抑制しながら再エネの最大限の導入に取り組んでまいりたいと考えております。
#134
○儀間光男君 そういうものを是非取り入れてほしいと、こう思うんですが。
 もう一つ、原発福島事故の後、いわゆる現場におった人たち、実際、原発が稼働してずっとメンテをした私の友人がおります。彼は内部におって、加害者であったり被害者であったりと、まださい悩んでいるんですが、先日、少し行ってお見舞いをしながら話聞いてきたら、彼が言うには、今後の原発政策として、小型化をしていって、いいですか、小型化をしていって、事故が発生したときに自らの会社で、自らの炉でこの事故の安全処理を可能ならしめるようなことをやり、それを幾つも使う政府はスケジュールを持つべきだというような意見が聞き得たんですが、それについてはどういう御見解か賜りたいと思います。
#135
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、今世界に目を向けますと、小型の原子炉の開発に向けた動きも見られるところでございます。具体的には、例えばアメリカでありますけれども、いわゆる今委員御指摘になられた、パッシブと言うんですけれども、何か動力を与えて安全性を確保するのではなくて、自然の重力とかを用いて冷却していくといったようなコンセプトも、新しいコンセプトも利用しながら、より安全で小型の炉を開発するという民間事業の動きもございます。それに対して政府が一定の支援を行っていると、開発の支援を行っているというような動きもございます。
 我が国におきましても、小型、大型問わず、より安全の高みを目指した民間事業の取組が進むということが望ましいというふうに考えてございまして、社会的な要請に応えるイノベーションの挑戦が事業者において行われることを我々としても後押しをしていきたいというふうに考えてございます。
#136
○儀間光男君 現在停止している炉があるわけですが、大型の炉があるんですが、それについて今の考えを乗せていった場合、大型の炉を再稼働させないでフェードアウトしていく中で別のエネルギーで補完をしていくというようなことは考えられるのか、可能性あるのか、どうなんですか。
#137
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 アメリカ、先ほど例として挙げましたアメリカでも二つの動きがございます。一つは、そういった次元の異なる新しいコンセプトを入れた小型炉ですとか新しい安全炉を追求する動きと併せまして、大型炉をより安全に使って、より長く使っていくということで、例えばアメリカでは、大型炉を改良、安全運転管理を徹底して八十年運転を実現しようとするような動きも、今あるものを、大型のものをより安全に運転していって大事に使っていこうと、こういった動きもあるわけでございます。
 こういった世界の動きも踏まえながら、今民間事業者もいろいろな工夫は考えていると思いますけれども、我々としても、こうでなきゃいけないと決め打ちするわけではなくて、様々な取組を、事業者、民間事業主導となると思いますけれども、取組をサポートさせていただきたいと考えてございます。
#138
○儀間光男君 我が国は、世界の科学者がずっと研究を続けていって高みを追求する中で、安全性の高い確率は確保できたとしても、規制委員長が言ったように、安全が一〇〇%確保されることはない。安全が何年続くか。私も、学問的にも原子力の研究は必要だし、あるいは、日本のエネルギーの中でも、科学的に、あるいは研究者に貢献できるような政策は持つべきだと思うんですね。ゼロにしろとは言いませんけれど、小型化して、より安全を確保する。
 かの現場の彼が言った、事故が起きた現場で、他に影響させないで、ここで処理できるような規模にすべきであるということを彼は盛んに言っていたんですが、いま一度、それに対する御見解いただけませんか。
#139
○政府参考人(村瀬佳史君) 御指摘も踏まえまして、これまでにないような形の安全を追求していく姿勢、これ民間事業者の取組としても重要だと思いますし、我々政府としても、そういった社会的要請、より安全で導入可能性が高いもの、経済性もより高めていくといったような取組を、そういうイノベーションへの挑戦をしっかり支援をさせていただきたいというふうに考えてございます。
#140
○儀間光男君 それも含めまして、是非とも再生エネルギー政策、これ今、二〇四〇年でしたか、いや三〇年か、一三%から一四%ということがあって、原発が一〇%、一一%かな、石炭が二三%ぐらいだと、こういうのですが、この再生エネルギー政策をもっともっと前倒しして実施していく、分散型電源として各地で実施していく、もちろん民間等もタイアップやって。
 このスケジュール感をもっと早めて、前倒しをしてやっていけないのかどうかということを最後に確認をしまして、質問を終わりたいと思います。
#141
○大臣政務官(平木大作君) 政府といたしましては、国民負担を抑制しながら最大限の導入を進めていくというのが、先ほど申し上げたとおり基本方針でございます。
 この中で、今、儀間先生からも御紹介いただきましたが、二〇三〇年度に二二%から二四%という再生可能エネルギーの目標というのを定めているわけですが、欧州と比べまして日本の再エネコストがまだ高いという中で、国民負担の抑制を図りながらこの目標を目指すということが、水力を除いた再エネ比率を現在の二倍にするという、ある意味とても野心的な水準でありますので、まさに最大限の導入を具体化した数字かなというふうに思っております。
 ただ、一方で、この二二%から二四%というのはキャップではありませんので、きちんとコストを抑制しながら、最大限、ある意味超える形でも実現できるのであればしっかり取り組んでいきたいと考えております。
#142
○儀間光男君 どうもありがとうございました。
 二二%というのは何十年が目標なのか。三〇年は一三、四%でしょう。(発言する者あり)三〇年。ああ、じゃ、私の数字の取り違えか。後で明らかにしたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#143
○山本太郎君 ありがとうございます。自由党共同代表、山本太郎です。社民との会派、希望の会を代表し、質問いたします。
 歴史上類を見ないスリーメルトダウンという事故で公害をまき散らし、現在もその収束方法さえも分からない状態の東電原発事故。それにより広範囲にばらまかれた放射性物質。この影響から人々の健康を守ることは国の責務。御迷惑をお掛けした人々に対して、未来永劫誠意を持って補償しなければならないのが事業者である東京電力の責務です。
 福島県の食の安全については、性質がセシウムに近いカリウムを土壌にまくことにより、セシウムが土壌に入っていても、濃度のより高いカリウムが農作物に移行、放射性物質セシウムの食物への移行が抑えられ、現在の一キロ当たり百ベクレル以下という食品の安全基準値においてはおおむね担保されています。
 カリウムやゼオライトにより食物に放射性物質が入ることを軽減できても、生産者が働く土壌には依然放射性物質が存在し、生産者が日々その職場である圃場で被曝し続ける。そもそも、問題ない程度の汚染なんだから生産者にも影響ないでしょうとおっしゃるならば、元々カリウムもゼオライトもまく必要がありません。確実に汚染は存在し、そこで作業をする農家の皆さんは被曝のリスクにさらされている。
 厚労省にお聞きします。一平方メートル当たり四万ベクレルの汚染、電離則や原子炉等規制法で言う何に分類されますか。
#144
○政府参考人(田中誠二君) お答え申し上げます。
 放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合は、電離放射線障害防止規則に基づく管理区域となります。
#145
○山本太郎君 ありがとうございます。
 東京電力の所有する施設内で一平方メートル当たり四万ベクレルに値する場所は何に分類されますか。
#146
○参考人(小早川智明君) 御回答申し上げます。
 放射性物質の表面密度が一平方メートル当たり四万ベクレルを超えるおそれのある区域で放射線業務を行う場合は、ただいま御説明ありました電離則に基づく管理区域になることは承知しております。当社の施設であります福島第二原子力発電所や柏崎刈羽原子力発電所では、電離則にのっとりまして管理区域を設定しております。
 なお、福島第一原子力発電所につきましては、構内全域が事故により放射線レベルが上昇したこともあり、基本的に構内全域を管理区域と同等の管理を要するエリアに設定しております。
#147
○山本太郎君 電離則や炉規法であっても放射線管理区域は一平方メートル当たり四万ベクレル。東京電力の施設内でも一平方メートル当たり四万ベクレルであれば当たり前、そこは放射線管理区域になります。この放射線管理区域を超える汚染の中で農家に被曝をさせているのが国の実態で、その原因をつくったのは東京電力です。
 資料の一、福島県農民連が実際に土壌を測定したデータ。二〇一七年四月、表の真ん中、色の付いた部分が一平方メートル当たりの汚染、百四十か所の果樹園を測ったうち、二か所を除いた全て一平方メートル当たり四万ベクレルを超える土壌だった。一番右、薄緑の部分が空間線量。表の一番上、緑と表の一番上の黄色を見ていただくと、福島市仁井田字糀屋で、空間線量が毎時〇・二マイクロ、〇・二マイクロシーベルトの場所でも、実際土壌を測ると二十二万ベクレルの汚染。放射線管理区域の五倍以上ですよね、これ。これを見て分かるのは、空間線量がたとえ低くても、一平方メートル当たり四万ベクレル、つまり放射線管理区域を大きく上回る桁違いの汚染が数多く存在することが確認できる。
 空間線量だけで、大丈夫、帰れ、復興だ、国がそううそぶき、人々に帰還を迫る。空間線量だけでなく土壌の汚染もセットで、土壌の汚染もセットで考えた安全でなければ人々の将来の健康を担保することは厳しいと考えます。当たり前です。
 東電、放射線を扱う労働者を電離則で守られるよう事業者に対してルールがあるのはどうしてだと思いますか。
#148
○参考人(小早川智明君) お答えいたします。
 放射線及び放射性物質は、人体への健康影響もあることから、働く人々の被曝管理、健康管理を行う必要がございます。このため、電離則では、放射線にさらされるおそれのある業務に従事する労働者の白血病などのがんや皮膚障害が発生するおそれのあることから、これらの放射線による健康障害を防止することを目的として、事業者に対し被曝管理や健康診断などの措置が義務付けられているものと理解しております。
#149
○山本太郎君 避難指示が解除された地域では、避難指示が解除された地域では、農業者の放射線による健康障害を防止するという観点から、厚生労働省の除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドラインなどに基づいて農作業を行っていいですよという話になっています。
 つまり、農作業を行う人々が除染作業と同じガイドライン、これ、ひどくないですか。余りにも非人道的な線引き、国が行っているということです。除染と農業のガイドラインが同じという扱いですよ、これ。これ、国家による犯罪行為と言えると思います。
 福島県の農業者のうち、法人化していない家族経営は九八・四%、法人化していない組織経営は〇・四%、合算すると九九%近くの農家が個人で農業を営んでいる。電離則や除染電離則は、放射線障害から労働者を守るために事業者に対して被曝管理や健康診断などの措置を義務付ける規則。それが適用されるのは法人などで誰かに雇用されている人に限られる。
 何が言いたいか。福島県の農家で電離則によって守られる可能性があるのは全体のたった一%ほど。つまり、放射線管理区域と同等若しくはそれ以上の汚染がある土壌で農業を営んでいても誰も守ってくれない。皆さん気を付けてくださいよ、自己責任でねという話なんです。これが国がやっていることなんです。復興頑張ろう、復興オリンピック、言葉だけ、上滑り。やっていることは人間の切捨てですよ。
 東電、このような状況をつくり出したことに心から申し訳ないと思っているのか、それとも大してそうも思っていないのか、短めにお答えください。
#150
○参考人(小早川智明君) 弊社といたしましては、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、国や自治体により適切に除染事業が実施されているものと認識しております。また、当社も、国、自治体の要請に基づき放射線測定等の支援をさせていただいております。
 福島県による県民健康調査において推計された外部被曝線量では、放射線による健康影響があるとは考えにくいと評価をされているものと承知しておりますが、万一、本事故と相当因果関係が認められるような健康被害があった場合には、誠実かつ適切に対応してまいりたいと考えております。
#151
○山本太郎君 問いに答えていない。申し訳ないと思っているのかって聞いているのに。
 因果関係が認められれば私たち何とかしたいと思いますって、因果関係認められるのいつだよって。国は内部被曝まで考慮していますか。農家の皆さん、東電の施設内で働く人たちよりも軽装ですよ。放射線管理区域の何倍もの場所で呼吸して体の中に取り込んでということを日頃からやり続けている方々じゃないですか。全く誠意のないお答えですね、本当に。びっくりします。お取り潰し以外ないですよ、東電は。本当にそう思います。
 この地獄をつくり出した犯罪企業東電が、賠償の方法を身勝手に変更し、新たに農家の皆さんに多大な御苦労を掛けるおつもりのようです。東京電力の農業への賠償、損害賠償は、平成三十一年一月から賠償方法を一部変更するようです。
 資料の二の一、福島県農民連作成、賠償見直しの問題点。問題は三つ。
 一つ目、損益通算の問題、説明します。
 農業への賠償は、果物や野菜の種類を分類した中区分品目ごとに賠償がなされます。事故前の三年まで遡り、一番売上げがあった年を基準年とする。その基準年との比較をして、それよりも売上げが低ければその分賠償しますねという方法が現在です。
 資料の二の二、先ほどの資料の例を私でも理解できるような形にいたしました。一番上の表を説明すると、枠の中の数字は、オレンジ色が事故前より減った売上額、水色は事故前より増えた売上額です。一番右、合計で見ると、桜桃類は事故前よりも売上げが五万円足りない、桃類は事故前よりも二十万円足りない、ブドウ類は逆に事故前より売上げが十万円増えたと確認できます。
 現行の賠償であれば、それぞれ品目ごとに事故前より売上げが減った額を、つまりオレンジ色の部分を賠償していた。表の品目でいうと、桜桃と桃類の売上げが減った分を足して賠償。しかし、せこい東電はこの賠償方法を変更。新しい賠償では、下の表になります。事故前より売上げが減った額と事故前より売上げが増えた額を差引きして賠償額を確定する方法に変えるというんです。これ、とんでもない話ですよ。
 原発事故の被害者となった農家の方々が、例えば栽培方法を変えたり最新の機器を導入したり品種を変えたりするなど、血のにじむような努力を重ねた末に売上げが上がったものまで混ぜ合わせて賠償額から差引きできるもので、東電の賠償をけちる方法でしかないんです、これ。原発事故以降、農家はただ賠償金を受けてきたわけではない。新しい技術、新品質、販売先の開拓など、賠償に頼らないで経営を成り立たせようと努力をしてきた。けれども、その上前をはねて賠償額を安く抑える権利がどうして東電にあるんですかって。公害まき散らした上に泥棒までするのか、東電は、という話なんです。
 新賠償案、農家の努力を無視、本来あるべき被害を打ち消し、見えなくするような仕組み。今説明した新しい賠償方法の通算損益という考え方は、三か月という期間のくくりをつくり、その期間中において、ほかの品目で売上げがあり、基準年より売上げが回復していれば損益通算して損害額を算出する方法。
 二つ目の問題、請求時期の問題です。
 今まで、農家の方が自分の都合のいい期間を決め、その期間の分の、期間分の損害を賠償請求をしていた。ですので、実入りのタイミングがつかみやすかった。経営に問題も生じなかった。それを、新しい賠償方法では、勝手に決められた三か月という期間ごとに損益通算させて請求させようとしている。そうなると、物によっては請求のタイミングが遅くなって資金繰りが苦しくなるケースが出てくる。
 三つ目の問題、基準年の変更の問題。
 野菜、果物、花卉、いわゆる園芸作物に関する事故前の基準年、これを変更しようとしています。現在は、園芸品の場合、平成二十年から二十二年度の中で売上げが高い年度を基準年として事故後の売上げとの差額を賠償。しかし、新しい東電の提案は、平成十八年から平成二十二年のこの五年間の間で、一番売上げの高い年度と一番売上げが低い年度を抜いた残りの三年間の販売額合計を販売数量合計で割った加重平均で基準価格を設定するといいます。
 国税庁にお聞きします。個人の納税に係る書類の税務署などでの保存期間って何年ですか。
#152
○政府参考人(山名規雄君) お答え申し上げます。
 個人の事業者につきましては、適正な税務申告を確保する観点から、所得税法や消費税法などの法令により、帳簿書類を備え付けて取引を記録すること及びその帳簿書類を一定期間保存しておくことが義務付けられております。
 保存すべき期間は帳簿書類の種類によって異なりますが、所得税及び消費税を計算する上で基礎となる収入や経費等に関する事項を記録した帳簿等につきましては、七年間保存しなければならないこととされております。
#153
○山本太郎君 税務に関わる書類でも保管期間は七年間。十二年も前の売上げに関する資料まで遡る必要性があるのが東電の新しい賠償方法。十二年前の関係資料、書類などを既に廃棄した農家は少なくありませんよ。東電がやろうとしていること、いかに不親切、不誠実かがこの一点だけでも分かる。資料のある農家とない農家、どうやって公平性保って基準価格設定するんですか。
 加害者側の一方的な賠償方法の変更で、ただでさえ忙しい農家の方々に煩雑な資料提出の実務を強いる。許されませんよ、何やっているんですか、一体。東電、そもそも加害者が賠償基準を勝手に作り、手間が掛かり過ぎる方法に変更し、それを被害者に押し付けることなど許されません。頭が高いにも程がある。
 東電の新しい賠償方法は、これまで説明したとおり、賠償金を減らし、打ち切りやすい方向にかじを切ったとしか言いようがない。このような変更は絶対に認められない。誰がばらまいた放射性物質なんですか。農家が悪いんですか。基準年もこれまでどおり、賠償方法もこれまでどおりで賠償を続けることを求めたいと思います。
 東電、賠償方法の変更、許しませんよ。今後もこれまでどおりの賠償方法を続けると約束してください。それと、加えて言うと、さっきみたいな長々とやめてくださいよ。答えに行ってください。約束できるのかできないのか、それだけで結構です。そのペーパー要らないです。お願いします。
#154
○参考人(小早川智明君) 農林業の風評賠償につきましては、昨年十二月に福島県のJAグループ協議会様との間で、新たな算定方式による風評賠償を平成三十一年から実施し、それまでの間は現行の風評賠償を継続することで合意いたしました。現在、新たな算定方式における基準単価の設定などについて継続して検討しているところであり、引き続き農林業関係者の皆様の御意見を丁寧に伺って対応してまいります。
#155
○山本太郎君 全く答えていない。
 ある部分では合意できた人がいるかもしれない。でも、合意できない人というのは前の賠償方法のままでいいということですか、社長。その部分だけ答えてくださいよ。ペーパーないでしょう、そんなの。お願いします。
#156
○参考人(小早川智明君) いずれにしましても、農林業に関する風評賠償につきましては、引き続き農林業関係者の皆様の御意見を丁寧に伺ってまいりたいと考えております。
#157
○山本太郎君 風評でも何でもないんですよ。あんたたちがばらまいた毒物じゃないか。風評じゃないでしょう。実害なんですよ。その実害に対する賠償が東電が線引きをして支払われにくい方向に持っていくなんておかしな話でしょう。
 済みません、経産省にお願いしたいんですよ。この加害者の突然の一方的な賠償方法の切替え、変更、これによって農家の皆さん本当に困っているんです。このことに対して指導していただきたいんです。そんなやり方は駄目だと、ちゃんと被害者に寄り添えと、今までどおりのやり方でやれということを是非御指導いただけませんか。
 この後、復興庁にもお聞きしますので、是非短めに前向きにお答えお願いします。
#158
○大臣政務官(平木大作君) ただいま山本先生の方から御指摘いただきましたような新たな算定方式の基準価格等につきましては、現在も継続して検討中というふうには承知をしております。
 ただ、今御紹介いただいたとおり、農林業者の皆様から不安の声が上がっているということでございますので、東京電力には引き続き、この現場の皆様の声、きちっとお伺いをして丁寧に対応するように指導してまいりたいと思います。
#159
○副大臣(浜田昌良君) 東京電力が賠償を実施するに当たりましては、個別の事情をよく伺って丁寧な対応を行うことが重要であると復興庁としても考えております。
 したがいまして、経済産業省には東京電力に対する指導の徹底を求めてまいりたいと思っています。
#160
○山本太郎君 もう終わる頃なのでまとめます。
 本当に、是非リーダーシップを発揮して、復興庁と経産省で農家の皆さんに寄り添っていただいて、こんな身勝手な、加害者が勝手に線引きをして、勝手な振る舞いをすることは絶対に許さないでいただきたいんですね。
 加えて、東京電力の社長にお願いがあります。四月二十六日、本日の資料を数々提供してくださった福島県農民連の皆さんが政府と東電に交渉を行います、参議院会館で。スケジュール、是非空けていただきたい。直接農家の皆さんに話を聞いてくださいよ。ほかの方は来るでしょうけれども、社長に来ていただきたい。さっきちょっとピントのずれたお答えをいただいたので、その賠償に関して。確実にこの農家の方々の声を聞いていただきたい。四月二十六日、いかがですか。
#161
○会長(鶴保庸介君) 小早川参考人、時間が来ておりますので。
#162
○参考人(小早川智明君) はい。
 出席者につきましては、現在社内で検討させていただいているところでございます。
#163
○山本太郎君 出席者についてはというよりは、あなたに来ていただきたいんです。社長さん、お願いします、待っています。
 ありがとうございます。
#164
○中山恭子君 希望の党、中山でございます。
 今日の質疑を聞きながら、エネルギー安定供給の確保の問題というのが日本にとっていかに重要な問題であるかを改めて考えさせられています。
 世界にはエネルギーについて全く心配などする必要もない国が幾つもあります。中央アジアの例で恐縮ですが、日本と対極にありますので例を引きますと、ウズベキスタンでは食料自給率は一〇〇%を超えています。ソ連時代にはモスコーの食料庫と言われていました。エネルギーも、石油、石炭、液化ガスなど、今後何百年かの需要に耐えられると言われるほど地下資源は豊富でございます。
 国によって抱える問題は様々ですが、日本では、今を生きる人々だけではなく、次の世代の人々が快適に暮らしを営めるよう、安全で安心な生活を守り育んでいこうとすると、その重要な前提条件の一つがエネルギー安定供給の確保であるということをつくづくと考えさせられているところでございます。
 我が国のエネルギー自給率は二〇一六年の速報値で八・四%と、九割以上を海外に依存するという実情にあります。そのため、エネルギーの安定供給を確たるものとするためには、まずは国際社会との協調が重要であり、また、世界中の資源国との友好関係を維持し、発展させていくことが非常に大切であると考えられます。
 他方で、我が国の中で何とか十分なエネルギーを確保できないものか、そして自給率を高められないものかと考えますと、まずは、先日、この調査会で示されました豊かな水、エネルギーの活用を思い描くところでございます。その上でですが、エネルギーの自給率を高めるためには、現時点では水力発電を含む再生可能エネルギー、そして、やはり原子力の活用が現実的な選択肢であると考えております。
 今後、我が国の排他的経済水域の中でメタンハイドレートなどのエネルギー資源が十分に採掘できるようになればよいのだがと期待していますが、これはもう少し先の話なのかもしれません。こうした視点から原子力発電の安全性と安心の確保策、そして水力発電の利活用について考えていきたいと思っております。
 本日は原子力規制委員会更田委員長が出席されていらっしゃいますので、まずは原子力発電の安全性の確保策、また原子力に対する正しい知識の普及の在り方について御意見を伺いたいと思っております。
 まず、申し上げるまでもないことですが、振り返ってみますと、我が国は被爆国として核の恐ろしさを実体験として認識しています。私など戦前に生まれた世代では、核とか原子という言葉すら口にしたくないというのが実情でございます。原発と聞けば、おかしいと思われるかもしれませんが、原爆という言葉が頭の隅のどこかに残っております。そういった中で、やはり原子力、核という言葉に対する、何と言ったらいいんでしょう、拒否反応といったものが戦前生まれの世代にはあるということをしっかりと承知した上で対応していくことが大事であろうと考えております。
 また、戦後には、一九五四年にはビキニ被曝で改めて核の恐ろしさを認識させられました。そして、ちょうどその頃、国内では原子力発電所の整備が始まり、そして一九六六年に日本で初めての商業用原子力発電所である東海発電所が稼働し始めました。原子力の平和利用が始まったということでございます。
 その後、大きな事故はありませんでしたが、一九九九年にジェー・シー・オー東海事業所で臨界事故が発生し、改めて放射能の脅威を認識し、その後、二〇一一年三月十一日の事故が発生したという流れでございます。その被害の甚大さもあり、原子力発電には大きな不安を感じる方が多いということも事実でございます。さらに、廃炉の費用、使用済燃料の処理、そして事故への対応等、様々な問題が現に生じております。こういった状況の中で、原子力規制委員会では、新たな規制基準を策定し、米国原子力規制委員会のオーバーサイト・プロセスを導入するなど、安全監視に万全の対策を講じるべく取り組んでいることと理解しております。
 こういった状況の中で、更田委員長にはこれまでにも種々お話しいただいておりますが、改めて、原子力発電の安全性の確保に向けた決意、さらには規制委員会として新しい動きを進めるに当たって今足りていないような問題又は要望などを含めて、決意を伺いたいと思います。どうぞお願いいたします。
#165
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えいたします。改めて、安全確保に向けた私どもの決意についてお答えをさせていただきたいと思います。
 原子力規制委員会の発足に伴って私は委員に任命をされまして、東京電力福島第一原子力発電所事故のような災害を二度と起こさないという決心の下、規制基準の策定や原子力発電所の審査などに当たってまいりました。
 原子力規制委員会にとって最も重要なことは、一言で申し上げると安全神話の復活を許さないということであり、安全の追求に終わりはないという初心を忘れず、常に高みを目指して努力を続けていくことが大変重要であると考えております。
 また、規制当局として安易に安心を語らないことが非常に重要であって、当調査会における本日の御議論の中にもありましたけど、旧組織の反省、推進と規制が分離をされていなかった、このことの弊害はもう本当に語り尽くせないものがあります。この反省の下に立つと、規制当局が安易に安心を語ることは極めて危険であって、推進当局や事業者と同道して地元において安心を語ったりするようなのは、規制当局によって大変危険な兆候であると思っております。
 当面の課題としましては、新たな検査制度を軌道に乗せること、それから地元の方々や事業者、そういった方々とのコミュニケーションを深めること、そして職員の力量向上、基準やガイド類の絶え間ない見直しといったものが今後私たちの取り組んでいくべき重要な課題であるというふうに認識をしているところでございます。
#166
○中山恭子君 今、更田委員長から、安全の追求に終わりはない、それから安全であるというような言い方で宣伝は、宣伝と言っていいんでしょうか、話はしないというお話を伺いました。先日は佐賀県にもお訪ねいただいているということでございますので、今後とも事故を未然に防ぐためにしっかり取り組んでいただきたいと思っております。
 日本では、原子力について、国民の多くがその安全性について、原爆を経験しているといった特殊な状況もありまして、理解ができていないといいましょうか、直感的に安心していないという問題があると考えております。今後、我が国が原子力の利用を進める場合、多くの人々が不安に感じているままこれを進めることはできません。フィンランドの例が先ほど示されましたけれども、いろんな国の状況を参考にしながら、安全について、又は安全でない面について多くの人々に理解を求めていくということが非常に重要になってくると考えております。
 今年四月に発行された「立法と調査」三百九十九号に「メキシコ原子力等エネルギー政策」という論文が載っておりました。メキシコでは、原子力について、一般国民向けに非常に分かりやすいパンフレットを作って啓蒙活動を行っているとのことでございます。そのパンフレットを見て、スペイン語でしたので文章は読めませんでしたが、絵や挿絵などが多く使われ、親しみやすい冊子でございました。
 日本でも、電気事業連合会で原子力とか放射線QアンドAといったパンフレットが作られておりまして、内容の濃い良い資料であるとは思いますが、専門的で、誰にでも読みやすい、理解しやすいといったものではないと思われます。原子力規制委員会又は原子力規制庁では分かりやすいパンフレットを作っていないように見えます。
 そこで、放射能や原子力発電に関わる正確な知識の普及を図るため、フィンランドでは事実をそのまま正確に提示するという御意見もあったということでございますが、その普及をするために、今後一層の努力をしていただきたいと思いますが、この点についていかがでしょうか。
#167
○政府特別補佐人(更田豊志君) お答えをいたします。
 原子力の利用並びに放射線の利用に係る知識の普及については、これは何よりもまず事業者の役割であって、また、さらに事業を所管する官庁が主体となって実施するものと考えています。一方、原子力規制委員会としましても、委員会として行った判断、その根拠や内容についてきちんと説明を果たす責任は負っているというふうに考えております。
 具体的には、新規制基準の適合性審査の結果や災害時の効果的な防護の在り方を住民の方々などに説明する取組を行っているところであって、引き続きこのような場を通じて説明責任を果たしていきたいと考えております。
 先日、佐賀県に伺って、県並びに市町村の首長さん方とお目にかかって御意見を伺うことができて、これは大変貴重な機会であったと思っております。
 昨年十二月、福井県に伺ったときにはちょっと調整が整いませんでしたけれども、五月ないし六月には改めて福井県、「もんじゅ」を視察する予定でおりまして、この際、調整が整えば、県並びに市町村の首長さん方にお目にかかりたいと考えているところであります。
 もう一つ、利用や推進に係る説明は私どもの役割でない旨申し上げましたけれども、ただ、福島第一原子力発電所、それから福島の近隣に関しては、これは一定の役割が果たすことができればと願っております。
 と申しますのは、福島の現状について、原子力の利用に反対の意見をお持ちの方々の中には、事実よりも被害やリスクを大きく語ってしまわれがちなところがあります。一方、原子力利用を推進の立場の方々は被害やリスクを小さく語ろうとする、何といいますか、傾向といいますか、が働きます。まさにその両極の情報、御意見に翻弄されているのは大変不幸な状況にあると考えていて、これは本来東京電力の責任でもあり、また環境省や経済産業省もその責任を負っていると思いますけれども、原子力規制委員会としましても、できるだけ科学的、技術的に中立で正しい意見を、また情報を福島に関しては発信をしていきたいというふうに考えております。
#168
○中山恭子君 非常な貴重な意見、ありがとうございます。
 やはり、その実情を正確に伝える又は理解してもらうということがこの原子力発電を今後も続けていくというに当たっては必須の事柄であろうと考えております。その今おっしゃられました事柄というのももちろん進めていただきたい、関係省庁だけではなく規制委員会としても進めていただきたいと考えておりますが、もうちょっと遠い時代のことを考えますと、この原子力というものについて子供たちを含めた多くの人々に理解してもらいたいという思いもございます。
 そういった意味で、非常に分かりやすい、難しいかもしれませんが、分かりやすくて、しかも間違えていない、どう言ったらいいんでしょう、情報をパンフレットなどで作っていただきたいと思いますが、関係省庁の方ではいかがでしょうか。
#169
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 今委員から御指摘いただきましたように、正確で中立的で分かりやすい説明を徹底してまいりたいと思います。我々政府としても心掛けていきたいと思いますし、責任主体である事業者にも適切に指導していきたいと思います。しっかりやらせていただきます。
#170
○中山恭子君 今日、水力発電について政府としてどのように今後利用できるのかどうか、お伺いしたいと思っております。お願いします。
#171
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 先ほど委員から御指摘いただきましたように、我が国は九割以上を海外に依存する資源小国でございますので、水力発電は国産であり、かつ安定した電力供給が可能な電源でございますし、再生可能エネルギーということでゼロエミッション電源でございます。これを導入促進を図る観点からも、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
 現状でございますけれども、二〇一六年度の水力発電の発電実績は、全電源の約八%程度でございます。これを今のエネルギーミックスに基づきますと、二〇三〇年度には約九%まで上げていくということで導入を見込んでいるところでございます。
 国内で水力の資源はあるわけですけれども、水量が豊富で落差の大きいといった地理的条件が必要となりますこと、それからそういった観点から多くの有望地点が既に開発がされてしまっているという点が一点と、さらには地元の調整、それから自然環境を破壊しないという前提という制約がございまして、こういったものを満たしていくということになりますと、なかなか簡単ではないという課題はございます。
 しかしながら、ポテンシャルのあります未利用ダムにおける発電所建設といったような取組ですとか既存発電所の出力増加といったようなことにはしっかりと取り組んでいきたいと思います。事業性の評価の支援ですとか地域の理解をいただくための環境整備の支援ですとか既存発電所の設備更新の支援ですとか、そういった様々……
#172
○会長(鶴保庸介君) 部長、簡潔におまとめください。
#173
○政府参考人(村瀬佳史君) はい、ごめんなさい。
 といった支援を国交省等他省庁とも協力しながら、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
#174
○中山恭子君 まだこれからいろいろ検討する価値があるものだと思っております。
 ありがとうございました。
#175
○会長(鶴保庸介君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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