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2018/05/09 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 国際経済・外交に関する調査会 第6号
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2018/05/09 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 国際経済・外交に関する調査会 第6号

#1
第196回国会 国際経済・外交に関する調査会 第6号
平成三十年五月九日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十九日
    辞任         補欠選任
     佐藤  啓君     小野田紀美君
     伊藤 孝恵君     浜口  誠君
 五月九日
    辞任         補欠選任
     小林 正夫君     伊藤 孝恵君
     浜口  誠君     斎藤 嘉隆君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    会 長         鴻池 祥肇君
    理 事
                三木  亨君
                宮本 周司君
                吉川ゆうみ君
               佐々木さやか君
                大島九州男君
                江崎  孝君
                武田 良介君
                石井 苗子君
    委 員
                猪口 邦子君
                今井絵理子君
                小野田紀美君
                尾辻 秀久君
                大野 泰正君
                酒井 庸行君
                藤川 政人君
                丸山 和也君
                宮島 喜文君
                熊野 正士君
                里見 隆治君
                伊藤 孝恵君
                鉢呂 吉雄君
                木戸口英司君
                伊波 洋一君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事選任の件
○国際経済・外交に関する調査
 (「アジア太平洋における平和の実現、地域協
 力及び日本外交の在り方」のうち、国境を越え
 る諸問題の現状と解決に向けた課題及び信頼醸
 成と永続的平和の実現に向けた取組と課題につ
 いて)
    ─────────────
#2
○会長(鴻池祥肇君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日までに、佐藤啓君及び小林正夫君が委員を辞任され、その補欠として小野田紀美君及び斎藤嘉隆君が選任されました。
    ─────────────
#3
○会長(鴻池祥肇君) 理事の選任についてお諮りいたします。
 会派の変動に伴い理事の数が一名増えておりますので、その選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○会長(鴻池祥肇君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に江崎孝君を指名いたします。
    ─────────────
#5
○会長(鴻池祥肇君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
 本日は、中間報告書を取りまとめるに当たり、これまでの調査を踏まえ、「アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本外交の在り方」のうち、「国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題」及び「信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題」について委員間の意見交換を行います。
 意見交換は、あらかじめ発言者を定めずに行います。
 発言を希望される方は、挙手の上、会長の指名を受けてから着席のまま御発言くださいますようお願いをいたします。
 まず、大会派順に各会派一名ずつ指名させていただき、その後は、会派にかかわらず御発言をいただきたいと存じます。
 また、時間が限られておりますので、委員の一回の発言時間は五分程度となるよう御協力をお願いいたします。
 それでは、発言を希望される方は挙手を願います。
 吉川ゆうみ君。
#6
○吉川ゆうみ君 自由民主党、吉川ゆうみでございます。
 本国際経済・外交に関する調査会におきましては、二年間にわたり多くの参考人の先生方から貴重な御意見を多数お伺いしてまいりました。
 特に、私といたしましては、山田参考人よりお伺いをいたしました海洋安全保障について、アジアにおける海洋の平和と安定のためには、日本の海上保安庁をモデルとした海上機関の国際法に基づく連携をアジア全域に広げ、航行安全あるいは環境保全、また水産資源の保護を一元化して海洋問題を連携していくことが有効である、特に環境という切り口から入った場合、中国などいわゆる外交だけでいった場合はなかなかうまくいかないような国等も表立って反対することができず、日本としてもこの環境という切り口は絶対的に必要なものがあるというお話をいただきました。
 軍事的な対立にばかり目が行きがちな部分ではございますけれども、切り口を変えて、環境でありますとか多様な切り口から国際的な協力の糸口をつかんでいくということは、この山田参考人のお話からも非常に重要であるというふうに感じた次第でございます。
 また、鈴木参考人からは宇宙空間の自由というお話を賜りました。
 アジア太平洋地域における宇宙に関する協力として、日本が主導するアジア太平洋地域宇宙機関会議が進める災害時に各国の衛星が協力して情報を集めるセンチネルアジアの取組は日本が誇るべきイニシアチブであるというお話、また、アジアに対して我が国が宇宙という切り口から先進的な、そして絶対的な力を、影響力、そして引っ張っていく牽引力を持つことができるというお話でございまして、私も先般、油井亀美也宇宙飛行士さんの方から、こういったアジアにおける我が国の宇宙戦略、アジアにおいては非常に日本はリスペクトされており期待されているんだというお話を伺ったところでございましたので、そういった意味でも、この国境を越える諸問題について、我が国が、アジアを含めた諸外国との連携はこの宇宙というものも非常に有効であるということ、こちらも非常に重要な御意見であるというふうに感じました。
 そして、兵頭参考人からは日ロ関係に対して御意見をいただきました。
 北方領土問題に関しましては、日本では経済、資源協力と結び付けるという発想が多くございますけれども、ロシアにとっては軍事、安全保障上の問題であり、ロシア側もその懸念をぶつけてくるようになった中で、それをどう払拭するかも含めた安全保障の面からの議論が重要であるというお話を兵頭参考人からはいただきました。
 対ロシアといいますと、どうしても経済協力の面に目が行きがちでございますけれども、一つこの北方領土の問題の解決ということにつきましても、安全保障の問題、これをロシアと共にしっかりと解決していく、これが実は北方領土の問題解決などにも有効に効いてくるのではないかという兵頭参考人のお話は、私も非常にこれから参考になるものであるなというふうに感じました。
 報告書の作成に当たりまして、本当に多くの参考人の御意見、貴重なものばかりでございまして、是非ともこれからの我が国と国際環境、経済等の在り方についてしっかりと議論をしてまいりたいと思いますし、報告書の作成に当たっては参考にさせていただける部分が本当に多かったというふうに思っております。
 そして、この二年間のうち何度と出ました議員外交の重要性ということでございます。
 私も、昨年、メキシコとアメリカに委員派遣として行かせていただきましたけれども、そこで様々な多くの外国の国会議員の方々、様々な機関の方々とお話をさせていただくにつけ、この議員外交の重要性というのを非常に強く更に感じた次第でございます。是非ともこういった部分に関しましてもこの報告書に盛り込んでいただくとともに、これからの国と国との関係の発展、そして経済の発展、そういったものにこの調査会が資する、そしてその有意義な報告書を出せるというところにつなげていけるのではないかなというふうに思っております。
 私からは以上でございます。ありがとうございます。
#7
○会長(鴻池祥肇君) 佐々木さやか君。
#8
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかでございます。
 本調査会におきましては、これまで多くの参考人の先生方から有意義な御意見をいただき、そして大変充実した議論がなされてきたというふうに思っております。
 今日の意見交換の機会いただきましたけれども、私の方からは大きく二つの点について意見を申し上げたいと思っております。一つは、核廃絶、北朝鮮の非核化の問題であります。そしてもう一つは、災害対策における国際協力について意見を申し上げます。
 まず一点目でございますけれども、北朝鮮問題は重要な岐路を迎えております。朝鮮半島の安定に向けて南北首脳会談が開催されたということ自体に意義があります。朝鮮半島の完全な非核化を共同目標にすることが宣言された点は大きな前進とも言えます。
 しかしながら、歴史を振り返ると油断することはできません。今後も日本が核軍縮に向けた役割を発揮し、核、ミサイル、拉致問題の包括的な解決を実現しなければならないと考えます。
 本日行われます日中韓首脳会談で、日本は中国、韓国と連携を強め、核を始めとする北朝鮮問題の包括的で平和的な解決への姿勢をしっかりと示すことを期待したいと思います。関係国と緊密に連携をして、北朝鮮の完全かつ不可逆的、検証可能な非核化を実現させなければなりません。
 昨年七月に国連で核兵器禁止条約が採択されました。この条約が、核の非人道性を根拠として、核兵器は違法と規範を初めて打ち立てたことを私は高く評価したいと思っております。
 その上で、問題としては、条約に反対する核保有国と条約を推進した国々との間にある深い溝をどう埋めるかであります。唯一の戦争被爆国として核廃絶を目指す日本は、その橋渡し役として核軍縮を具体的に進める役割を担うべきであります。
 その一環として、日本政府は、昨年、核保有国、非保有国双方の有識者から成る核軍縮のための賢人会議を設置いたしました。本年三月末には提言がまとめられ、今月四日までジュネーブで開催されました二〇二〇年の核拡散防止条約、NPT再検討会議に向けた準備委員会では、河野外務大臣が、提言で示された橋渡しの取組のうち、透明性の向上に向けた取組等について挙げつつ、活発な議論を呼びかけたところでございます。日本政府としては、引き続き、双方の対話を促進し、核軍縮の確かな方法を探る努力をすべきだと考えております。
 二つ目に、災害対策における国際協力についてでございます。
 世界は、自然災害で毎年二億人が被災し、年間平均一千億ドルを超す経済的損失を受けております。防災対策というのは国際社会の最重要課題と言ってよいかと思います。日本は世界でも有数の災害国でございますけれども、そのたびに乗り越えてきた貴重な経験と技術力を生かして、災害復興と防災対策の協力で世界をリードする役割が期待されると思います。
 二〇一五年に仙台で開催されました第三回国連防災世界会議、ここでは七つの指標を設定をした仙台防災枠組が採択をされました。また、SDGsにおいても防災の重要性が盛り込まれているところであります。
 一ドルの防災事前投資が七ドルの復興コストに匹敵すると言われるように、防災は、人命を守るだけではなく、復興コストを抑制し、貧困撲滅と持続可能な開発に寄与するものであります。この分野において、日本はNGO、NPO等の多様な主体と連携しつつ積極的な貢献を果たすべきであり、我が国の知見、経験を生かした防災の主流化を進めることが重要と考えます。
 以上のような観点について、是非報告書をまとめるに当たっても意見として強調して申し上げたいと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
#9
○会長(鴻池祥肇君) 大島九州男君。
#10
○大島九州男君 ありがとうございます。
 アジア太平洋における平和の実現、地域協力及び日本の外交の在り方、国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題及び信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題というのがこの我々に与えられた調査会の大きなテーマであります。そのテーマを考えたときに、やはり我々日本の強みを生かしたテロ対策、また国際協力、そしてその予防の在り方等についていろんな御意見を参考人の方からいただいたことに心から感謝を申し上げます。この中間報告に当たっては、やはりそういう先生たちの意見をどのように反映するかということが特に大事ではないのかと。
 私の方からは、特に日本のNGOの活躍、まさにそういう日本人らしい思いやりのある支援というものが、NGOの予算がODAの平均の一%、まさに非常に少ない予算であるということを指摘をされたことをしっかり受け止めなければならないというふうに思っております。特に、元国連世界食糧計画アジア地域局長の忍足参考人は、現場でしっかりとそのことを受け止めて活動をされていらっしゃる人の言葉として重く受け止めるべきものであるというふうに感じたところでありました。
 それからまた、NGOピースボート共同代表の核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員でもあります川崎参考人からも、日本が核兵器禁止条約へ後ろ向きな姿勢であるということに対しても警鐘を鳴らされ、国会のイニシアチブにより、核兵器禁止条約への加入の可能性について調査する委員会等を立ち上げて、条約に加入する場合と加入しないままでいた場合、双方の影響について議論すべきであるというような貴重な提言、御意見もいただいているところであります。
 今般の北朝鮮のいろんな外交政策に日本が後れを取っているんじゃないか、蚊帳の外であるんではないかということを私も安倍総理に直接質問をさせていただく機会がありましたが、まさに今の中朝それから米朝という国際会談が行われる中、日本の立場というものが非常に、蚊帳の外という言葉が正しいかどうかは別としても、非常に深刻な状況にあるというふうに思うところであります。
 そういった観点からも、やはり日本独自の思いやりのある支援、外国へ向けるそういった発信が日本のこれからの永続的な平和を築いていく基礎であるということをもう一度しっかりと見詰め直す、そういう中間報告を出していただくことを望みます。
 以上でございます。
#11
○会長(鴻池祥肇君) 江崎孝君。
#12
○江崎孝君 まず、私はこの国会からこの調査会に所属させていただいたので、それ以降の質疑の中での私なりの意見ということでお話をさせていただきます。
 まず、東アジアの外交の重要性を訴えさせていただきます。
 特に今、米朝首脳会談があるという状況にまで、この朝鮮半島問題がここまで進展をしてきたということで、仮に朝鮮半島の非核化が実現をするとすれば、日米同盟の在り方も含めて、自衛隊、米軍の日本における基地の在り方も含めて、ある面では非常に大転換を迎える可能性があるのが東アジア、特にこの朝鮮半島を中心とした中国と日本、そしてロシアの関係だろうというふうに思います。その意味で、二度ほど参考人に質問させていただいたんですけれども、自由で開かれたインド太平洋戦略というものの重要性というのをまず指摘をしたいと思います。
 これはTICADで元々出された内容でありますけれども、それを、昨年のトランプ大統領がアジア歴訪する際にこのアジア太平洋戦略というのを持ち出したということもあって、初めて安倍首相が施政方針演説、今年の通常国会の施政方針演説でこの自由で開かれたインド太平洋戦略というふうに触れたということ、この重要性というのは非常に大きなものだと思います。その意味で、お互いが協力的な形で、まあ日中ですね、日中の対立一辺倒ではなくて、お互いの長所や短所を補いつつ協力的な形で連携していく方向性、これが非常に重要になってくると思います。
 日本としては、一帯一路との関係を決して敵対的な問題ということでするのではなくて、自由で開かれたインド太平洋戦略というのをどうこの一帯一路との関係と結び付けながら日中関係を進めていくのかということを僕は大きなテーマにしていただきたいというふうに思っています。そういう意味で、日本としては、中国との連携を大きく視野に入れた形で自由で開かれたインド太平洋戦略の方向性や内容を率先して示していくべきだというふうに考えています。
 その連携を図る中で、これは海上保安庁の問題も重要になってくるんだと思います。調査会における議論では、海上保安庁の拡充の必要性、重要性が示されました。特に、同時に、中国を含めた各国との連携を通じて国際社会全体における海洋安全保障環境の改善を図ると、そういうこと、また、我が国の外交力を強化していくといった方策も示されたと思います。
 特に、海洋安全保障の問題、我が国は三つの領土問題を抱えているわけでありますから、特に尖閣の問題は再三にわたって議論されている中にあります。海洋安全保障の問題に対して、単純に防衛力の強化によって解決を図るのではなくて、協力の枠組みの構築、日中間の関係も含めて、この自由で開かれたインド太平洋戦略という流れの中においても日中間の協力の枠組みの構築を戦略的に積極的に図っていくべきだというふうに考えています。
 三つ目に、ASEANの問題です。
 これ調査会で取り上げられたと思いますけれども、カンボジアについては今年七月に国政選挙が予定されています。現政権における野党やメディアに対する弾圧や締め付けが非常に強化されており、民主主義の後退が危惧されているという状況にある。我々としては、東アジアの中で、やっぱりこういうASEANという枠組みの中でも、カンボジア等の国々における民主主義の在り方についてやはりきちっと目線を持って対応していくべきだろうというふうに思っています。当事者国だけでは改善していくことが非常に困難な問題でありますので、日本としては、さきに述べたような中国との連携を含めた大きなインド太平洋戦略の流れの中で捉えて、そうした状況の改善に向けて積極的に役割を果たしていくべきだというふうに考えております。
 北方領土問題です。
 これ、私もお二方に北方領土問題、質問したと思います。その中で、やはり二島返還という考え方が現実的ではないかという話もされました。安倍さんがプーチン大統領とお会いされて経済あるいは開発援助ということを議題にされたことは、私はこれは大きな進展だったというふうに思います。やはりそこから入口をつくったということでありますから、そこをベースにしながら現実的な領土問題の議論を私はしていくべきだろうというふうに思っています。
 そこで重要になってくるのが米ロ関係の改善であります。これはロシアゲート事件という問題があります。これは極めて国内の問題でありますから日本で云々というわけじゃないんですけれども、これ、米ロ関係が今後どう変動していくかというのは非常に予断を許さないものだと思います。今後、両国の関係が改善する可能性もあるわけでありますから、日本としてもそうした動きを後押しすることで北方領土問題の解決に資するような環境整備を進めていくことが我が国の国益にかなう外交であり、これもインド太平洋戦略と連携をした考え方ということで、それを視野に入れながら進めていくべきだろうと思っています。
 最後になりますけれども、そういう意味での開発援助とか東アジアの各国に対する援助の仕方も含めていろんな示唆があったと思いますし、その中で日本の国際開発援助の在り方についてです。
 地域間の信頼醸成を促す上で一定の役割を果たしているというのは評価されると思いますが、いろいろ語られていたんですけれども、やはりJICAであったり国連関係、国際NGO、日本のNGO、PKOも含めて、多くの国際協力のツールを縦割りに考えるのではなくて、より大きな戦略的視点からやはり横串を刺した取組が重要だという指摘がありました。やはり、まずはできるところからと考える、そういう国際開発援助の在り方をもう一回しっかりと考え得るような、一つの大きな示唆に富むような提言を、中間報告をしていただければ幸いだというふうに思います。
 以上です。
#13
○会長(鴻池祥肇君) 武田良介君。
#14
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。
 本調査会の中間まとめに対する意見を述べます。
 本調査会が参考人質疑を行ってきた間にも国際社会は大きく動き出しています。その代表的なものは、北朝鮮と韓国の南北首脳会談であり板門店宣言だと思います。南北首脳会談は、朝鮮半島の非核化と北東アジアの平和体制の構築に向けて大きく前進をしました。私は、こうした流れを心から歓迎したいというふうに思います。
 参考人質疑を振り返れば、それぞれ参考人からはこうした現実の変化を示唆する重要な指摘がなされていたことに気付きます。
 二月十四日の調査会では、外務省から今年二月九日に平昌で行われた日韓首脳会談に関する報告が行われ、文大統領の方から、南北の対話について、これは非核化をぼやかしたりするものではない、非核化は最終的にはそこにつながっていかなければいけないということが話されたことが紹介されました。今回の南北首脳会談はまさにそれを現実のものにしたものであります。文大統領からは、続けて、南北が動いているコンテクストで日本も積極的に対話に乗り出してはどうかという発言があったことも報告をされました。これが今まさに起こっている国際社会の流れであり、日本に求められているのではないかというふうに思います。
 朝鮮半島の非核化を考える際に、二月七日に行われた調査会は示唆に富むものだったというふうに思います。ノーベル平和賞を受賞したICANの川崎国際運営委員、参考人は、国連加盟百二十二か国の賛成で核兵器禁止条約が採択されたこと、さらにはそれが北東アジアの非核化に寄与することを述べられました。
 川崎参考人は、今回の条約は、核兵器が使われた場合の結末、何が起こるのか、その非人道性ということをベースに国際人道法の考え方で作られた条約であり、誰が使おうと結末が大変であるというこの視点をきちっと維持していくことが国際社会がこの核兵器に向かうときにぶれない一線になると思う、そのぶれない線を出せるのは、やはり被爆国の日本であろうというふうに思いますと、こう述べられました。唯一の戦争被爆国である日本が核兵器の非人道性を訴えることの重要性を説かれています。
 さらに、川崎参考人は、核兵器禁止条約に北朝鮮、韓国、日本の三か国が同時に加入すれば事実上の非核兵器地帯になるとも述べておられます。北朝鮮に関しては、国際監視下で核を放棄すると、そして、韓国と日本に関しては、禁止条約に入れば、これらの両国の国土には核兵器は配備できない、あるいはそれらの国々は核兵器の使用を援助することができないということになりますので、地域の非核化が達成されるとともに核の脅威を大幅に削減するということに寄与しますと、こう述べて、核兵器禁止条約が朝鮮半島、さらには北東アジアの非核化につながることが強調されておりました。
 現実に朝鮮半島で大きな変化が生まれていることを踏まえれば、こうした指摘に耳を傾けるべきだというふうに思います。日本の外交戦略として対話による平和外交に大きく踏み出していくことを基本に、唯一の戦争被爆国として核兵器の非人道性を訴えながら禁止条約に加盟をしていく、北東アジアから世界へその流れを広げていくべきだというふうに思います。
 最後に一点だけ、気候変動に関する問題です。
 気温上昇を二度未満に、今世紀の後半には脱炭素社会を実現するということを目標としたパリ協定が採択された今日において、気候変動に対する対策、野心的な目標を掲げ実行していくことが国際社会の最重要課題の一つになっているというふうに思います。本調査会でも、国立環境研究所の江守参考人から、パリ協定は人類が化石燃料文明を今世紀中に卒業しようという決意だということが述べられました。
 気候変動に対して、気温上昇を二度以下に抑えるための緩和策の重要性は言うまでもないと思います。江守参考人は、石炭火力は減らし、今世紀中には再生可能エネルギーに置き換えられていくことがパリ協定の目標を目指す上では必要になってくるということも述べられました。これは石炭火力発電を減らしていくことが国際社会の共通の課題にもなっている下で当然の指摘だというふうに思いますし、こうした指摘に真摯に向き合うのであれば、インドやベトナム、インドネシアへの石炭火力発電のプラントの輸出支援を始め、エネルギー政策を見直していくことも喫緊の課題になってくるのではないかというふうに考えております。
 以上、大きく二点の意見を表明させていただき、私の意見とさせていただきたいと思います。
#15
○会長(鴻池祥肇君) 石井苗子君。
#16
○石井苗子君 日本維新の会の石井苗子です。
 まず冒頭、多くの政府、参考人の方から有意義なお話を伺いまして、学習するところが多く、私個人としても感謝申し上げたいと思います。
 中間報告書の作成に当たりまして、国境を越える諸問題の現状解決に向けた課題ということで、二月の十四日に行われました越境海洋ごみ問題につきまして、多少ピンポイントでございますけれども意見を述べさせていただきます。
 参考人として金子参考人が指摘された越境海洋ごみ問題ですが、移動性や拡散性のある海洋を漂流しているごみについて、どこの国・地域に由来するのかということが明確になっていない、なので対策に直結せず、各々の回収処理と発生抑制が求められているということが問題として挙げられました。対策の手法を学習し合うという意味で国際協力が重要であるのですが、民間団体の役割の重要性も踏まえておりませんし、アジア太平洋地域に国際的な協力基金というのができていない、ここを設置するべきであるという御指摘がございました。
 そして、海洋を漂流するごみの対策は、民間との協力も含めて、現行法の下では日本は都道府県経由で都道府県任せということで進められていますが、全国規模で広報や教育に取り組む団体向けの財政支援のスキームをつくっていく必要性があるという指摘がございました。全国的な対策の進展もまだできていないので、つまり、金子参考人の御指摘は、データの収集ができていないというふうに記憶しております。国が、対策のための基本方針だけではなくて、計画の、その行動を決めていく基本計画ですね、これを設定できるように法改正が必要なのではないかという意見がありました。
 私は、環境委員会にずっとおりまして、マイクロプラスチックの海洋ごみの問題は深刻であると捉えております。もっと踏み込んだ取組が必要になってくると考えておりまして、我が国は海洋国でありまして国自体が海に囲まれておりますので、海洋ごみに関しましては被害を一途に受けるという国でありまして、海岸の対策を都道府県でやっても後手後手に回ってしまうという問題があります。国際的な協力基金、これは金子参考人が御指摘でありましたが、急務だと思います。NGOの草の根活動で、資金不足の中、下からの積み上げだけでは十分ではないという御指摘、そのとおりだと思います。
 特に、中国というのは海洋ごみを出す側でございまして、内陸から川に捨て、そして海を漂って、一番近く、日本に来るわけです。PM二・五の問題もございますけれども、こうした中国側の交渉というのもこれから力を入れていかないと、この海洋ごみは、日本が深刻な状態になってくる、被害国となっていくことが懸念されます。
 中国側にトップダウンで改善してもらう取組が私は必要だと思っておりまして、日本では大変長い名前が付いております推進法、美しく豊かな自然を保護するための海岸における良好な景観及び環境の保全に係る海岸漂流物等の処理等の推進に関する法律ということで、これは都道府県が中心となってこういうことを進めなさいということなんですが、基本方針を固めているだけで具体的な計画はありません。あくまでも、これはしかも日本だけの先ほど申し上げましたような基準でございます。
 金子参考人がおっしゃいました国際NGOの機関の支援をしていくということも大切ですが、出す側と被害を受ける側というのがあったときには、被害を受ける側から出す側に重い負担を掛ければ出さないようになっていくという、その負担を課すことによって取組を考えていくというような促しも必要なのではないか、こうした国際的な取組が今後ますます必要だと考えます。
 まず、現在は日本の国内の取組の枠組みができているだけで、都道府県でやりなさいと言われても、データの蓄積等、方法のシステムを構築してございません。この必要性を法律に今後は取り込んでいくことを提案させていただきます。
 また、JICAの立場を国際的な取組として捉えた場合、中国はGNPが高くなっておりまして、ODAが中国を支援する必要はない、中国に対して日本が支援する時代ではない、円借款は考え直した方がいい、中国に対してODAは国会の中で批判も強く、抵抗も大きくあります。現状、中国の案件はやめるかと、JICAがそうなったときに、この海洋問題は、そうは言うもののやってもらわなくては困るごみの漂流の環境の問題であるということで、この条件を目指すということであれば、日本の技術をもって、JICAに持っていって、少しODAとしての協力はいかがかとやったんですが、なかなか厳しく、通らなかったという結論を迎えております。
 こうなりますと、中国のトップに訴える。日中韓サミットをやっている中、もう今回は遅いかもしれませんが、日本側から提起して主張していく漂流ごみ問題だと思います。
 例えば、日本の総理と中国の国家主席が話すときに提起すると。自分のところにも海洋ごみを環境問題と捉えてイニシアティブを取った方が利益があるんだと思わせるにはどうしたらいいかということを、今まで経済の成長が第一だった中国に、逆に経済成長に支障が起きてくるというような意識を持たせていくような、だから中国にとってもこの海洋ごみの問題を考えるのはマイナスではないという気持ちを上層部に意識を持ってもらうためには総理が何と言えばいいかと。日本と一緒に頑張っていきましょうだけではなくて、この中国という意識のありようも考えて、理解して取り組んでいかないと機能していかないと思っております。
 条約を決めるということもありますが、この国際的な漂流物の問題の意識に関しましては、COPで持っていくか条約で持っていくか。だけど、条約では加盟しないことができるというのが国際法ですので、強制力のあるような規制ができる枠組みをつくっていく、そこに行き着くためにも国際的な積み上げをやっていく。この海洋ごみの現状の証拠を積み上げて、一帯一路政策に邁進している中国にも、これはほっておくと害があるよというような海洋汚染、環境問題という認識をトップ会談で高めてもらう必要性を強く訴えまして、私の報告書の提案の終了とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#17
○会長(鴻池祥肇君) 木戸口英司君。
#18
○木戸口英司君 希望の会、自由党の木戸口英司です。
 世界情勢、そして東アジア情勢が大きく変化する中で、各参考人から示唆に富んだ内容、時には厳しい提言としてお話をいただきました。印象に残った点についてそれぞれ取り上げてみたいと思います。
 まず、信頼醸成と永続的平和の実現に向けた取組と課題についてですけれども、日ロ関係、日印関係、日・ASEAN関係、お話をいただきました。
 日ロ関係については、北方領土問題に関して、安全保障の問題として捉え直すべきであり、東アジア全体を俯瞰しながら日本は考えていく発想が望ましいという指摘。また、日・ASEAN関係については、大庭参考人から、米中のパワーバランスが変化し、影響力を増した中国がリベラルを揺さぶる一方、米国がアジアにこれまでと同様にコミットするのか不透明となる中で、この地域のルールに基づく国際的でリベラルな秩序を中国を排除せずに包摂しながら形成、維持することになる、そのために日本はどのようなパートナーシップを今後築いていくのかが一層重要となるということ。日本の国際協調を進めながら主体的な外交政策が重要であるという大きな指摘でありました。
 国境を越える諸問題の現状と解決に向けた課題については、それぞれ今日的で将来にわたる課題が示されたと思っております。
 海洋管理体制のお話は、先ほど来各委員の皆さんから御指摘がありました。
 また、核兵器禁止の件については、川崎参考人から、参加するために具体的な検討、その行動すべき点について指摘があったところです。これは後ほどまた触れたいと思います。
 また、サイバー攻撃の問題、日本の対応の遅れ、また国際協力の日本のアプローチの仕方ということ、二点ほど御指摘があった、また国会としてもしっかりとオプションを整備していくべきという指摘。また、宇宙開発については、これも日本の対応の遅れとともにプランとルール作りが必要だということ。また、テロ対策も日本にとっては重要な課題であることも示されたところであります。
 国際協力については、忍足参考人から、日本はどういう戦略、政策の下、国際社会で存在感を出したいのか分からないという現場からの厳しい指摘がありました。国際協力のそれぞれのツールが縦割りであるという、このことも厳しい指摘だと受け止めたところであります。
 また、環境、気候変動問題についても、日本が得意としてきた過去の延長で対策を進めるやり方では難しいという、これも厳しい指摘でありましたし、プラスチックごみについて、金子参考人から、日本の役割の大きさ、またこのアジア太平洋地域におけるこの問題の深刻さということが指摘されたところでございます。
 また、防災についても、東日本大震災を経験した日本、また防災先進国である日本に対するアジア諸国からの支援要請が極めて高いこと、もう少しまた社会、経済、環境など多分野での協力が重要であることという指摘がありました。
 それぞれ、世界の平和と安定、社会の持続性、安全保障に関わる大きな課題を指摘いただいたと思っております。その中で、我が国、これ憲法にも、この前文、基本原理として国際協調ということが大きく掲げられております。これは人類普遍の価値であろうと考えます。この点をしっかりと踏まえ、まずは国連、先般、調査会の海外派遣でも国連に訪問されたと、非常に良かったと思っております。国連の機能を強化していく、また日本が積極的に役割を果たしていくこと、国連改革に日本が先頭に立つこと、このことを大きく議論していくべきではないかと思います。
 その中で、忍足参考人から指摘があった日本の外交の方向性、またNGOについても国連の活動はもうNGOなしでは成り立たないという現状、そういう指摘もございます。こういった点、またPKOについても性格が大きく変貌している中でどのように日本が参画をしていくか、また核兵器禁止条約に対する参加の在り方、こういったことも国連の活動強化という中で日本がまたこの調査会で検討をしていくこと、大事な点だと思っております。その点を指摘して終わりたいと思います。
#19
○会長(鴻池祥肇君) 伊波洋一君。
#20
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。
 参考人の皆さんの御意見に共通していたのは、多極的な視点、アジアの視点を持った国際経済、外交の構想が求められているということだったと思います。日本の国際貿易においても、中国、ASEAN諸国、インドを含めた東アジアの比重が大きく、将来的には更に大きくなることは確実で、東アジアの平和と安定が大事であります。我が国が東アジアの平和と安定のための役割を果たすことが求められています。この点、私は、日米同盟一辺倒で米国に追随するだけの路線を修正し、日中関係を一層改善することが日本外交の差し迫った課題だと考えます。
 今年は日中平和友好条約四十周年の節目に当たります。「相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し及び武力又は武力による威嚇に訴えないことを確認する。」との日中平和友好条約の精神に立ち返って、日中関係の更なる発展を目指すべきです。
 この点、本日午前中に日中韓三か国首脳会談が行われ、午後には日中、日韓の会談も行われることは喜ばしいことと思います。
 安倍政権はこの間、中国、北朝鮮脅威論に基づき、対中国の米国のエアシーバトル構想やオフショアコントロール戦略に応えて、安保法制の強行、米軍辺野古新基地建設や高江オスプレイパッド建設、南西諸島の自衛隊ミサイル部隊配備などの南西シフトなど、沖縄への軍備増強を進めています。これは、米軍のアジア地域における覇権維持の戦争のために国民の生命、財産を犠牲にし、自衛隊の隊員の命を差し出し、日本全土、とりわけ沖縄を再び戦場にするものであって、決して認められません。このような軍事シフトをやめて、平和外交と対話による緊張緩和の努力をしていかなければなりません。
 現在、三月末に中朝首脳会談、四月末に歴史的な南北首脳会談が行われ、来月初めにも史上初の米朝首脳会談が予定されています。北朝鮮の核・ミサイル開発をめぐる朝鮮半島の情勢は大きく変化しようとしています。しかし、安倍政権はいまだに対話を軽視し、圧力に過剰に期待する外交を展開しています。安倍政権は朝鮮半島情勢において蚊帳の外にされていますが、この状態は日本の国民にとって望ましいものではありません。
 朝鮮半島情勢の緊張緩和を東アジアの軍事的緊張緩和につなげていかなければなりません。この機会を捉え、日本、沖縄をめぐる安全保障環境の改善を実現し、沖縄の基地負担軽減など国内の基地問題の解決を図っていくべきです。間違っても朝鮮半島情勢の変化に伴って今以上に過重な基地負担を日本、沖縄が引き受けることにならないような仕組みを構想していかなければなりません。
 米国と北朝鮮との交渉が進展すれば、日朝国交正常化に向けて、拉致問題の真相究明と解決、中距離、短距離ミサイルの放棄、第二次世界大戦や植民地支配に対する戦後賠償の議論は避けては通れません。こうした問題を解決していくために、日本として、朝鮮半島の非核化に向けた長期的なプロセスに日本がコミットしていく仕組み、具体的には、かつての六か国協議のような多国間協議の枠組みを積極的に支援し、諸問題を協議して、東アジア全体の軍事的緊張緩和につなげていくことが必要ではないでしょうか。
 これらの情勢を踏まえて、当調査会として、東アジアの非核地帯化を展望した核兵器禁止条約の加入促進、我が国が加入する可能性を調査検討する委員会を設置すること、日本とアジア近隣諸国における官民の交流を促進すること、特に国会、地方議会、地方自治体間の交流や外交に取り組むこと、既に本院と中国全人代との関係では私も参加させていただいた日中議員会議などの取組がありますが、日中韓三か国あるいは日中韓と北朝鮮四か国の間におけるバイあるいはマルチの議会交流、議員交流を取り組めるよう提案したいと思います。
 以上を私の意見といたします。
#21
○会長(鴻池祥肇君) 先生方、ありがとうございました。
 以上で各会派一巡が終わりました。
 他に御発言を希望される方はどうぞ挙手を願いたいと思います。──ないようでございますので、委員間の意見交換はこれで終わりたいと存じます。
 委員各位には貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後一時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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