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2018/06/06 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 消費者問題に関する特別委員会 第6号
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2018/06/06 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 消費者問題に関する特別委員会 第6号

#1
第196回国会 消費者問題に関する特別委員会 第6号
平成三十年六月六日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月四日
    辞任         補欠選任
     朝日健太郎君     石井みどり君
     藤木 眞也君     三木  亨君
     礒崎 哲史君     矢田わか子君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     石井みどり君     宮本 周司君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長        三原じゅん子君
    理 事
                太田 房江君
                島田 三郎君
                渡邉 美樹君
                若松 謙維君
                森本 真治君
    委 員
                青木 一彦君
                石井みどり君
                小川 克巳君
                小野田紀美君
                尾辻 秀久君
                徳茂 雅之君
                福岡 資麿君
                三木  亨君
                宮島 喜文君
                宮本 周司君
                熊野 正士君
                谷合 正明君
                田名部匡代君
                矢田わか子君
                斎藤 嘉隆君
                杉尾 秀哉君
                大門実紀史君
                山添  拓君
                片山 大介君
                福島みずほ君
   衆議院議員
       修正案提出者   永岡 桂子君
       修正案提出者   大河原雅子君
       修正案提出者   柚木 道義君
       修正案提出者   畑野 君枝君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(消費者
       及び食品安全)
       )        福井  照君
   副大臣
       内閣府副大臣   あかま二郎君
       法務副大臣    葉梨 康弘君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        山下 雄平君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        藤田 昌三君
   政府参考人
       内閣府消費者委
       員会事務局長   黒木 理恵君
       消費者庁次長   川口 康裕君
       消費者庁政策立
       案総括審議官   井内 正敏君
       消費者庁審議官  福岡  徹君
       法務大臣官房政
       策立案総括審議
       官        金子  修君
       文部科学大臣官
       房審議官     下間 康行君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○消費者契約法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、礒崎哲史君、藤木眞也君及び朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として矢田わか子君、三木亨君及び石井みどり君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 消費者契約法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府消費者委員会事務局長黒木理恵君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(三原じゅん子君) 消費者契約法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○矢田わか子君 国民民主党・新緑風会の矢田わか子です。
 今日は、まず、法案審議に入る前に、一昨日前に森友文書の改ざんが報告されたことに伴いましていろいろと、元佐川理財局長、基本的には免職ではなく停職三か月相当の処分ということに報道されておりますけれども、ほかにも官僚の皆さんは二十数名近く処分がなされるということなんですが、この処分が本当に妥当なものなのか、甘いのではないかという、そういう見方も広がっております。
 一方で、民間は、昨日の報道で神戸製鋼が家宅捜査を受けまして、もう既にデータの改ざんによって四月一日付けで社長も副社長も辞任されているということでもあります。こういう民間と比べて、やっぱり民間に厳しく官には甘いのかというふうな、そんな非難もあるわけですけれども、民間を監督する立場の福井大臣、この件についてどのように捉えていらっしゃるか、冒頭お聞かせいただけませんか。
#7
○国務大臣(福井照君) 火曜日の朝、閣議の後、公文書の管理につきまして、特別な、全大臣に対しての総理大臣からの言わば業務命令がございました。公文書管理についてその適切さを徹底するようにということでございまして、手前どももそのまま受け止めさせていただいて、公文書管理徹底をさせていただきたいと思います。
 なお、財務省の役所の人事につきましては、ここでコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
#8
○矢田わか子君 やはり佐川前理財局長ですね、あの立場にある方が今停職ということになっておりますけれども、結局退職金の三か月相当分、停職期間ということで給与の三か月相当分の減額ということにとどまっているわけですが、一方で、今日のニュースでは外務省の課長職の方がセクハラということで停職九か月相当というふうな、そんなニュースも出ております。
 もうこの九か月と三か月、ここまでの差が、セクハラ、片やセクハラももちろんあってはならないことです、これが九か月処分。そして、これだけ国民的な大議論を巻き起こして、国会の審議もある面ストップさせて、そして本当に三か月で妥当だったのかということのやはり論議はあると思いますので、是非ともまた内閣の一員として福井大臣からも内閣に対する御助言を、御助言というか御意見を述べていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、本題に入りたいと思います。
 今日は、消費者契約法の改正案ということでございますが、まずもって、今回この民法における成人年齢の引下げという新たな状況変化の中で、売買契約における不当な勧誘行為の類型の追加、そして無効となる不当な契約条項の類型が追加されたということについては評価できるものだと思っています。
 ところが、今回、専門調査会で法改正の検討がされていた当該事業者に生ずるべき平均的な損害の額の立証責任の課題、あるいはサルベージ条項の不当条項への追加などについては、結局、先送りされることになりました。国会の附帯決議で、前回の附帯決議で検討の要請が行われて、そして、消費者委員会がそれを引き受けて、専門委員会の中で一年にわたって制度改正に関する詳細な検討を行い、結果として内閣に提言したというものが三月の八日付けで出ております。
 これを見る限りにおいて、この中に書いてあることが本当に履行されることになったのかということであります。申し上げているとおり、やってほしいことはやらずに、要するに、今まで指摘してきたような平均的な損害の額、それからサルベージ条項への対応などはやらずに、不当な勧誘行為による取消し権に問題となっている社会生活上の経験が乏しいことの要件が追加されるなど、結局、両者が十分に連携できていないのではないかと見受けられる面があります。
 まず、消費者委員会としては、一年間にわたった結果、答申を出された消費者委員会としては今回のことについてどのようにお感じになっていらっしゃるのか、御見解をお願いします。
#9
○政府参考人(黒木理恵君) お答え申し上げます。
 消費者契約法に関しましては、消費者委員会では、昨年八月八日付けで、消費者契約法専門調査会報告書の内容を踏まえ、措置すべき内容を含むとされた論点のうち、法改正を行うべきとされた事項については、速やかに消費者契約法改正法案を策定した上で国会に提出すべきという旨の答申をしたところでございます。
 その後、閣議決定がされ国会に提出されました御指摘の消費者契約法の一部を改正する法律案に対しましては、本年の三月八日に、消費者委員会におきまして、消費者庁から御説明を受けた上で、同日付けで、本法律案成立後に更に対応が必要な事項について消費者庁に速やかに検討を進めることを要請する旨の消費者委員会の意見を発出したところでございます。
 具体的には、昨年八月の答申の付言事項への対応、それから、御指摘のありました平均的な損害の額の立証責任に関する規律の在り方について速やかに検討をすべきとしていること、また、困惑類型の追加への対応のうち、不安をあおる告知と人間関係の濫用につきまして、社会生活上の経験が乏しいことという要件が付加されることによって特に若年層の被害対応に重点が置かれたものとなっていることから、高齢者等の被害対応についても速やかに検討すべきとしたところでございます。
#10
○矢田わか子君 というように、消費者委員会が御提案されたことについては余り反映されていないように見受けられます。是非この点を含めて今日の質問を掘り下げていきたいというふうに思います。
 ずっとこれ話題になっている社会生活上の経験が乏しいことという文言についてお伺いをしていきたいと思います。
 一枚資料をお配りしています。資料一を御覧ください。
 今回の法改正で、付け込み型勧誘に関する法案が付け加えられたことについては評価できるわけなんですが、結局この一文、社会生活上の経験が乏しいということが入ったことによって、広範囲な意味で高齢者をこれ対象とすることが可能なのかどうかということが一番今問題になっているのではないかというふうに思います。
 この表は、大臣、それから大臣以外の消費者庁の関連の方が答えているものを順次時系列的に並べたものなんですが、簡潔に申し上げますと、特に不安をあおる勧誘や恋愛感情に乗じた人間関係の濫用のところで、広範囲な意味で定義していたことがどんどん時系列的に狭められる、対象が狭められるような発言に変わっていっているというか、それを整理されているというふうに消費者庁はお答えになっていますけれども、実際には変わっていっているように見受けられるということであります。
 この社会生活上の経験が乏しいという要件、依然としてどう解釈したらいいのか、今現在も曖昧なままではないかというふうに思います。ここは法案の審議をする場で、この中ですら、私たちですら理解できないということは、一般の消費者は理解できないわけであります。だからこそ、きちっとこれをどういうものなのかということを整理しておく必要性があるというふうに考えております。
 まず、この経過についてどのように答弁が変わってきたというか、整理されたのかもしれませんが、捉えられているのか、福井大臣から明快なお答えをお願いしたいと思います。
#11
○国務大臣(福井照君) 整理していただきましてありがとうございます。この衆議院における答弁につきましては、それぞれ、いただいた御質問の内容に応じてお答えしたものでございます。
 今先生御指摘のように、社会生活上の経験が乏しい、これについて議論が集中をいたしました。この要件は、当該消費者における社会生活上の経験の積み重ねが、一般に消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するということで、もう一度整理をさせていただきたいと思います。
 ですので、本要件は年齢によって定まるものではございません。消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいて、これと同様の評価をすべき者は本要件に該当するということでございます。
 あと、勧誘の態様が云々というところも整理をしていただきましたので、また勧誘の態様が悪質なものである場合などには、消費者による取消し権が認められやすくなるものでございます。
 私の答弁、そして消費者庁の答弁は、このような趣旨で述べたものでございます。
 以上でございます。
#12
○矢田わか子君 赤いところの文字がずっと大臣なり消費者庁が発言されていること。若年層はいいんですよ、これ全部対象になりますということになりますので。
 中高年層のところを見ていただいて、一つ目の丸は五月十一日の衆議院本会議での御答弁です。高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の様態との関係で該当する場合もあるとおっしゃっていますが、次の丸が五月二十三日の衆議院消費者委員会での御答弁ということで、就労経験等がなくて、外出することもめったになくて、そして他者との交流がほとんどない、一例として引きこもり、その他の事例は最終的には裁判所が判断するとされています。また、三つ目の丸は、前回の熊野委員の質問に対して、認知症のこと等にも触れていただいたんですが、結局、この著しくということが入ったことによってかなりその定義が狭められるのではないかという懸念がなされています。
 これ、修正案の提起をされた衆議院についても、前回答弁していただいていますけれども、事業者が勧誘する際の事情に基づいて判断されるものですと、最終的には。濱村理事、前回来ていただいた方がお答えになっているんですが、その解釈でよろしいんでしょうか。
#13
○衆議院議員(柚木道義君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりでございます。
#14
○矢田わか子君 したがって、若年者と同視すべき者のところの一体それがどこを指すのかということが一番のポイントでして、いろいろ移り変わっていく中で、最終的にこの著しく低下した消費者というのがまだ定義付けられていないということでもあります。
 前回の熊野委員の質問だと、軽度の認知症の扱いは、結局のところ、個別判断をしていくというふうにも捉えられるんですけれども、それでいいのかということ。四百万人、軽度の認知症の方がいらっしゃると言われています。そんな中で、本当に個別、個別、個別で判断していくことが妥当なのかどうかということも疑念を感じざるを得ません。
 この若年者と同視すべき者、もう一度、どのような人を指すのか、消費者庁なり大臣、御答弁いただけますか。
#15
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 社会生活上の経験が乏しいことという要件につきましては、消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいて、これと同様に評価すべき者は年齢にかかわらず本要件に該当し得るものと考えております。
 そして、この若年者と同様に評価すべき者としては、具体的には、就労経験等がなく、外出することもめったにない、他者との交流がほとんどない者が考えられますが、これはあくまで本要件に該当する一例として申し上げたものでございます。これ以外の事例についても該当し得るものでございます。
 と申し上げますのも、消費者契約法は民事ルールでございまして、最終的には裁判所が個別具体的な事例において該当性が判断されるものでございます。裁判実務の中で本要件に関する事例が蓄積されれば、消費者庁が作成する逐条解説等に反映をいたしまして、裁判外あるいは相談現場など様々な紛争解決に役立ててもらえるよう努めてまいりたいと考えております。
#16
○矢田わか子君 個別個別に判断ということですけれども、結局、相談現場で無用な論議を巻き起こし、たくさんの件数が発生した場合に本当にさばき切れるのか。裁判したらええやないかというふうな発言もありますけれども、裁判するということは一般の方にとって物すごく敷居が高いわけであります。弁護士に相談しに行くだけでも、手付金から何から掛かるわけですよ。それでもって、それを消費者庁が言ってしまうのはどうなのかなというふうには思っております。
 それと、衆議院の方で修正に加えられた、柚木さん、事業者が勧誘する際の事情に基づいて判断ということなんですが、それも結局は個別個別の判断ということになりかねないわけですね。事業者が、その人が本当に軽度な認知症、重症だったかどうか、その場をもう一度思い出してといっても、事業者は売りたいわけですから、あの人すごく認知症に見えませんでしたよとか言えば終わってしまうわけなので、これはかなり曖昧な表現ではないかと思われますが、これで十分だったと衆議院としては思われますか。
#17
○衆議院議員(柚木道義君) 御答弁を申し上げます。
 委員御指摘のとおり、個別の事案をそれぞれどのように整理をして、そして、実際の法施行までにどのようなそれぞれの、例えば逐条解説のような分かりやすいものも含めて準備するということは非常に重要なことでありますし、また御指摘のような課題もあろうかと思っております。
 したがいまして、例えば軽度の認知障害の場合、これ著しく判断力が低下した状態という、著しくの議論も先ほど御指摘がございました。この場合につきましても、その部分に当たるか否かについては、まさに消費者契約の締結について事業者が勧誘する際の事情に基づいて判断されるのも事実でございますので、これは、私どもといたしましては、法案の審議の中に基づきまして、消費者が認知症を発症している場合ということで申し上げれば、これ一般的には判断力が著しく低下している場合に該当するということでございますし、軽度の認知障害の場合にもこれに該当するかについては、まさに御指摘があったとおりではございますが、当該消費者に係る個別具体的な事情も踏まえて判断されるべきものと考えるところでございまして、その点についての課題についても、御指摘の部分をしっかり踏まえていかなければならないと思っています。
#18
○矢田わか子君 参議院は熟考の参議院とも言われますので、もう一度ここを根から掘り下げて話をしておきたいなというふうに思っております。
 同じように、恋愛感情に乗じた人間関係の濫用のところについても見ていただければと思いますが、要するに、この赤いところの答弁、特に結婚等の人間関係形成に係る経験を考慮するなど総合的に判断するという答弁や、勧誘者に対する恋愛感情に比すべき特別な好意というふうなことで書かれています。これも極めて曖昧で、中高年の方は、じゃ、恋愛しないのかというと、やっぱり好きだとかそういう感情は芽生えるのは当たり前のことであります。
 資料二を御覧いただければと思いますが、これはデート商法に関する各年代別の相談件数をまとめたものなんですが、見ていただくと分かるとおり、九十代の人でも、九十代がお一人いらっしゃいますよね、相談されているんです。実際に、六十代以上の方、十二、一、二といらっしゃるわけですよね、こういったことに対しての相談が。したがって、一くくりにして中高年はここはもう対象外と言われると、怒られる方いっぱいいらっしゃると思うんですね。それは違うんじゃないかと。
 そこで、こういったことについても曖昧なままにしておいていいのかということ。高齢者がそういった判断力、要するに、いろんな好意を感じて、この人が言うんやったら買おうかなとかいうふうな気持ちが芽生えても当然のことであって、それが、的確な判断力がそこの場で発揮できずに、不足していたり、若しくは低下しているようなことが原因となって乗ってしまったような場合もやはり規定していくべきではないかというふうに思います。
 したがって、これ全体を通してですけれども、もう一度お聞きしますが、この社会生活上の経験が乏しいという要件、混乱を巻き起こしているこの要件を削除するというふうなことをなぜできないのか。なぜできないのか、それを是非大臣からお答えいただければと思います。
#19
○国務大臣(福井照君) 仮にこの本要件を置かなければ、本来想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがあるからでございます。したがって、社会生活上の経験が乏しいことからとの要件を設ける必要があると考えている次第でございます。
 本来想定していない場合とは具体的にどういうことかというお尋ねがあると思いますけれども、それは、本来想定していない場合とは、必ずしも類型的に困惑するとは考えられない消費者を対象とする場合が考えられる。例えば、個別具体的な事情にもよりますけれども、就労経験等が豊富な社会生活上の経験を十分に積み重ねてきた消費者など、通常困惑しないと考えられる勧誘についても取消し権の範囲に入るおそれがある、つまりそれは想定していないということですので、本来想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがありますので、社会生活上の経験が乏しいことという文言を入れたわけでございます。
#20
○矢田わか子君 大臣、この社会生活上の経験が乏しいということを抜いても多分大丈夫だというふうに私は思うんですけれども、というのは、消費者庁は、あくまでもやっぱり消費者の立場に立って、救うためにあるべきであるわけですよね。
 事業活動が妨げられるだとか経済活動に支障があるというのは違う省の方が言うべきことでありますので、やはり大臣がおっしゃるべきことではなく、あくまでも弱者として判断力が低下した方をやっぱり救うためにどうあるべきかという立ち位置に立つのであれば、この文言はやはり要らないのではないかなと思いますし、もし仮に入れられる、どうしても都合があって入れられるというのであれば、せめて付け加えて、又は、例えば、判断力の不足している若しくは低下している人というようなことを追記していただければ今のような混乱は少しは収まるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#21
○政府参考人(川口康裕君) 判断力の低下が原因で、そこに付け込んで勧誘をして契約をさせるということ、商法の中にあるわけでございます。そうしたものについてもこれは検討はしたわけでございますけれども、消費者庁における検討におきましては、やはり客観的な要素によって確認できるというものということで、経験のところを要件化をいたしまして条文にした次第でございます。
 判断力の低下については、主観的な、内面の問題でございますので、事後的に確認がなかなか難しいということで政府案には入れなかったところでございますが、衆議院における修正協議の中では、判断力の低下ということも大変重要だということで修正の中に入っているものというふうに承知している次第でございます。
#22
○矢田わか子君 客観的な要素というふうにおっしゃったんですが、であるのであれば、社会生活上の経験に乏しい、これこそ客観的に見てどんなふうにデータ、数値化していくのか、極めて曖昧なものであります。曖昧が悪いと言っているのではなくて、あえて包括的な法体系にしているのがこの消費者契約法なのです。したがって、包括して皆さんを救えるようにしておくのが消費者庁の務めだというふうに御意見として申し上げておきたいというふうに思います。
 じゃ、続いての質問に参ります。続いては、高校生や大学生の消費者教育の推進についてというところに触れたいと思います。
 今回の法の改正によって、成人年齢十八歳に引き下げることによって、十八歳になる高校生への消費者教育の重要性、当然ますます高まります。皆さんにはちょっとコピーで申し訳ないんですが、「社会への扉」というものを配らせていただきました。こういう冊子が既に出されておりまして、何ページにも及ぶ冊子の一部だけをお配りしたわけですけれども、これの三ページ目のところ、私も、済みません、高校一年生の息子がいて、昨日家へ持って帰って、どうやと見せたんですけれども、まあまあ一応は見てくれましたが、イエス、ノーと進んでいくものが何か古い昭和の薫りがすると言われて、やっぱり今はスマホとか携帯によってゲームに慣れている世代なので、いや、こんなんじゃなくて、お母さん、インターネットで契約できるように、この契約について危ないことを示唆できるようにできないのなんてことを言われたということを少し申し添えておきたいんですが、質問があったのは四ページ目の三のところ、契約をやめる、未成年者の取消しのところであります。
 ここに、小さい文字なんですが、未成年者取消しできるの下のところに、ただしということでアスタリスクが付いて、ただし、小遣い範囲の少額な契約、これ幾らやねんということですね。うちは三千円しか渡していません。じゃ、三千円のしか駄目なのか、お隣の子は二万もらっていると、もちろん差があるわけです、各家庭で。少額なの範囲が分からない。それから、結婚をしている者、これは分かります。成人であると積極的にうそをついたり、これも、いい格好して、成人かと言われたときに、おお、おおとかと言ったことも対象になるのかとか、法定代理人の同意があるとうそをついたり、これ、お母さんに許可もらっているのと聞かれて、欲しいものやったらもらっているよとうそをつきますよね。そういったときも取消し権は働かないのかどうか等も聞かれて、私も答えに困ってしまいました。
 こういう曖昧な要素も含めて、テキスト、今回初めて発行されたわけですけれども、きちっとこれをもって明らかにしていく必要があると思いますし、かつ、資料四を御覧いただくと、今年から消費者教育、高校生の教育が始まっていくわけなんですが、今年は四十七都道府県中八県だけです、対象となるのが。次、二〇一九年、来年が二十五県、そして二〇二〇年度になれば四十七県全部ということなんですが、当然のことながら、漏れていく人たちがいるわけです。私の息子も漏れるんじゃないかなと思うんですけれども、漏れたときにその人たちをどうカバーし得るのかを考えると、やはり、例えば大学の教育に入れるとか、若しくはもっと早い段階、当然高校に進学しない人たちもいるわけです。
 そういう中学で出て働くような人たちに対しても何らかの形でフォローしていく必要性があると思いますけれども、この辺りどうお考えなのか、お答えいただけますか。
#23
○国務大臣(福井照君) まず、資料お示しの、先生御指摘のとおり、未成年者取消し権につきましては、民法におきまして、お小遣いの範囲の少額な契約や、成人であると積極的にうそをついた場合などは取消しができないとされておりますので、この「社会への扉」で紹介をさせていただいている次第でございます。
 そして、遺漏のないように、高校生、大学生に消費者教育を施すべしという御指摘、誠にそのとおりだと思いますので、まずは高校等において消費者教育の推進が、これがまず重要であると認識をさせていただいた上で、一方で、高校だけではなくて、大学においても、学生生活の支援の中で、契約を含む消費生活に関する情報や知識を積極的に提供することが重要であると認識をさせていただいた上で、大学等における消費者教育の推進につきましては、アクションプログラムに基づきまして、文部科学省等の関係省庁と緊密に連携をして、例えば、大学等と消費生活センターとの連携の支援、出前講座等の実施などに取り組む、そしてまた、アクションプログラムに基づく取組は進捗状況のフォローアップも行い、若年者に漏れなく消費者教育を受ける機会が提供されますよう必要な施策を検討してまいりたいというふうに存じている次第でございます。
#24
○矢田わか子君 ありがとうございます。是非、漏れなく皆さんにそういう機会が与えられるようにお願いをしたいと思います。
 なかなか、教科書に載っていても、受験受験というふうな今時代ですので、読み飛ばされてしまう可能性もあるわけです。もう全然授業の中では触れられもしない、教科書には載っているけれども。そう思うと、やはり文科省との連携が欠かせないと思いますので、必須教科、例えば一時間なり二時間必ず取りなさいというふうなことで義務付けをしていただかないと難しいのかなと思いますので、是非お願いしたいと思います。
 それからこの「社会への扉」、高校の授業やテキストとして多分活用されていくものだと思いますけれども、大事なことは、この内容をいかに実践に落とし込んでいくかということだと思います。
 実践に落とし込みをするときに、やっぱりこのテキストを家に持って帰って、例えば家族と一度話をしてみるとか、家族にも見せる。家族にも見せることで、家族もその内容を理解し、ああ、こうなっているのかと改めて理解が浸透していくということもあるかと思いますので、是非そういう工夫をしたり、若しくは、いわゆる消費者ホットライン一八八という、ここだけ大阪弁ですねと前にも申し上げたんですが、イヤヤという番号が本当どこまで広がっているのかを見ると、ほとんど知られていないわけです。この一八八を、ここに書いているだけではなくて、授業中、もしあれだったら一度掛けてみましょうとか、一旦つないでみましょう、一旦一斉に鳴らしてみましょう、履歴が残ることによって登録してみましょうということにもつながっていきます。それぐらいの思いで実践力を上げる、実践を上げるということを是非意識していただきたいなと思いますが、何か御見解があればお願いします。
#25
○国務大臣(福井照君) 実践的なという御指摘、誠にそのとおりだと思いますので、「社会への扉」は、教職員などによる指導の下、実践的な消費者教育を実施することができるよう、制度の意味を理解させるため、先生御指摘のように、いろいろあるかもしれませんが、クイズも活用しながら、具体的な事例を取り上げて説明をしております。
 より詳細な内容につきましては、今のところ省略されておりますけれども、「社会への扉」に掲載されていないような場面に遭遇し、あれ、困ったと思うような場合には、消費者ホットライン一八八、イヤヤを活用し、自身で消費生活センターに聞いてみるということも促していきたいというふうに思っておりますし、「社会への扉」を活用した授業を全国で展開していく中で、内容をより実践的にさせていただきたいというふうに思っております。
 先ほど先生おっしゃいましたように、家庭でも保護者の皆さんに伝えようとしてみるように促すこと、生徒が得た知識を生活の中で実践できるように家庭でも話題にするということ、そして最寄りの消費生活センターを訪問して消費者被害について調べたり消費生活相談員から話を聞いたりする機会をつくること、そして自らの抱える消費者問題であれば積極的に一八八に相談してみることなどなど、実践的な能力を育むための全ての努力を続けていきたいというふうに思っております。
#26
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 この「社会への扉」、是非期待しておりますので、私が指摘したような問題、例えば少額なお小遣いって幾らなんやとかも含めて、また、多分、順次プラスして改定をしていくような御予定もいただけると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 加えて、逆に今度、高齢者の方々への教育です。なかなか難しいと思いますが、実際に被害に遭われている方は高齢者の方多いわけです。何も分からず様々なトラブルに巻き込まれている。先ほどの一覧表にもありましたとおり、消費者相談がうなぎ登りになる中で、やっぱり高齢者の方々の相談件数が増えているのも事実であります。でも、大体は、何か本当に大きな落とし穴にはまったときに御家族に相談されて、御家族に促されて相談センターに行くというようなことが見受けられます。
 是非、高齢者の方に対しても、例えば一番よく集まるスーパーだとか病院だとか、そういうところで何かこういうパンフレット置いてみるとか、啓発活動をちょっと集まってくださいと言ってやるとか工夫をしていただけないかと思いますが、この辺り何か御見解があればお願いします。
#27
○国務大臣(福井照君) まさに生涯教育という御指摘だと思います。さらに、社会の中で生きる力を、冒頭、太田房江議員からも議論がありましたが、この生きる力を育む消費者教育は、学校だけではなくて地域、家庭、職域、全てのステークホルダーが集まって、ライフステージに応じた様々な場において、生涯を通じて消費者教育、自らもそしてコミュニティーとしても行われることが最も重要だというふうに思います。
 消費者教育の推進に関する法律や、これに基づき定められた消費者教育の推進に関する基本的な方針を踏まえて、関係省庁を挙げて消費者教育の推進に取り組んでまいりたいということでございますけれども、今先生御指摘、せっかくでございますので、高齢者が決して独りぼっちにならないようなそういう社会づくりというのも基本かというふうに存じております。
#28
○矢田わか子君 ありがとうございました。
 続いて、地域消費者行政の推進についてお伺いをしていきたいと思います。
 消費者庁、二十七年の三月に地方消費者行政強化作戦を改定されまして、資料四を御覧ください。昨年十一月に、平成二十八年四月からの一年間の進捗状況を報告をされております。この作戦は、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられ、安全、安心が確保される地域体制を全国的に整備することを目的とされていて、相談体制の空白地域の解消や相談体制の質の向上、適格消費者団体の空白地域の解消など、五つの目標を立てられております。
 この進捗状況、予定どおりに進んでいるのだろうかということが少し疑問なんですけれども、その見解をいただきたいのとともに、予算に関して、地方消費者行政の活性化基金の取崩しをされたり、補正予算から地方消費者行政推進交付金があるわけなんですけれども、見ていると本当に的確かつ効率的に執行されているのだろうかという少し疑問がありますので、見解があれば御説明お願いします。
#29
○政府参考人(川口康裕君) 御指摘の地方消費者行政強化作戦でございますが、相談の空白地域の解消という意味では着実に進捗しているというふうに見ておりますが、他方、人口五万人未満の市町村の五〇%以上で消費生活センターを設置している、言わば小規模自治体について目標を達成しているのは十九道府県にとどまっております。
 また、御指摘の質の向上でございますが、消費生活相談員の資格保有率が七五%以上という目標、これは二十四都府県にとどまっております。また、先ほどの消費者教育、高齢者の消費者教育にも関連いたしますが、人口五万人以上の全市町で消費者安全確保地域協議会の設置、これが進んでいるのは一県にとどまっているということで、目標達成については道半ばという状況でございます。
 続きまして、お尋ねの交付金、地方消費者行政推進交付金でございますが、これは、これまで消費者庁設立以来、総額五百四十億円、基金と合わせますと五百四十億円を措置しているわけでございまして、ただいま申し上げましたような相談の空白地域の解消等、あるいは消費生活相談員資格の取得促進などには役に立ってきたという面があるわけでございますが、これは基本的に地方消費者行政の体制整備の立ち上げ支援ということでやっているものでございまして、そういう面で申し上げますと、地方公共団体の自主財源における消費者行政予算、これは消費者庁ができる前の平成二十年度の百二十五億円からほぼ横ばいのままでございまして、この地方交付税措置、地方交付税交付金の消費者行政に係る基準財政需要額、本来この全額を措置していただきたいわけですが、これに比べますと四四%にとどまっているという状況でございまして、まとめて申し上げますと、この交付金でございますけど、地方消費者行政の体制整備には着実な成果を上げてきたという一方で、交付金を呼び水として充実することが期待された地方公共団体における自主財源に裏付けられた消費者行政予算の確保、これについては進んでいないと言わざるを得ないものと認識をしております。
#30
○矢田わか子君 ありがとうございます。
 一定程度効果は上がっているけれどもというふうなお話があったと思います。道半ばであるということなんですが。
 その一方で、平成三十年度の消費者庁の予算案を見てみたら、この地方消費者行政の推進金が地方消費者行政強化交付金と名前を変えまして、強化交付金とされているにもかかわらず、六億円の減額になっているんですね。
 このことについて、地方自治体も財政事情一段と厳しくなる中で、なぜ地方の消費者行政予算が減額されているのかという声が行政の関係者からも上がっていると思っています。特に、消費者センターの設立の促進とか、相談員のレベルアップ、それから、こういった複雑怪奇になってきている様々な消費者問題に取り組むためには、それなりの当然のことながら専門知識も要るわけであります。
 そういうことを鑑みると、なぜ予算が減額されているのか、その理由と、今後の予算拡充に対する大臣の思いを聞かせていただければと思います。
#31
○国務大臣(福井照君) 当初当初ですと減額でございますけれども、平成二十九年度の補正予算と合わせますと、まあまあ、若干のマイナスでございますけれども、そんなには減っていないという状況でございます。
 大事なことは、自治事務であるということの徹底、そしてそれぞれの地方自治体におけるプライオリティーを高めていくということだと思いますので、まず、知事等に対しまして、自主財源に裏付けられた消費者行政予算の確保を手前ども働きかけをさせていただきたいというふうに思っておりますし、一方、国からの地方消費者行政強化交付金による支援につきましても、若年者への消費者教育、そして訪日・在日外国人向け相談窓口の整備など、地方消費者行政の強化に向けて支援すべき内容を整理して、地方の現状も踏まえつつ、更なる支援の充実について検討してまいりたいというふうに存じております。
#32
○矢田わか子君 今回の法改正もありますし、かつ、申し上げているとおり、すごく解釈に、どう言うんですか、時間も手間も掛かる、一つの相談に対して丁寧にやらなければいろんなトラブルに巻き込まれるような、そんなおそれもある中で、やはり相談員の充実強化を図っていかなければ地方行政回っていかないのではないかと思われます。
 特に、もう一つ課題として指摘しておきたいのは、本当、相談員の方が処遇がどうなっているのかということで、非正規の方が多いというふうにお伺いをしております。一年一年の契約では今や追い付けない、やっぱり相談の中身を踏まえてそれを蓄積する、経験値を生かした相談体制というのがこれからより求められるようになると思いますので、処遇の改善も含めて、各地方行政の消費者の行政の強化を是非最後に御要請を申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 ありがとうございました。
#33
○森本真治君 国民民主党の森本真治でございます。
 冒頭、矢田委員も先ほど言及されましたけれども、一昨日、財務省、森友学園の決裁文書改ざん事件に関する調査報告書が公表されました。
 動機については必ずしも明確になっていないと思っておりまして、これは与党の方からも、十分ではないのではないかという声が上がっているというふうにも報道等で聞いております。しかし、その中の動機として今回の報告書で出ているのは、国会での厳しい質問を受けることを避けるためであったというようなことが書かれています。これが今の安倍政権の国会、国民と向き合う姿勢です。
 国民の政治への信頼を大きく失墜させている今の安倍政権の姿勢について、内閣の一員として大臣の認識を問いたいと思います。
#34
○国務大臣(福井照君) もちろん、公文書の改ざんその他、あってはならないことが立て続けに続きまして、国民の信頼を失っていることにつきましては大変危機感を持って受け止めさせていただいている次第でございます。
 先ほども申し上げましたように、閣議の後の全大臣に向けて総理大臣が、公文書の管理等について適切さを確保するようにという命令をされて私どもも受けましたので、公文書管理、そしてひいては国民の信頼を回復するということについて全力を挙げさせていただきたいというふうに思っております。
#35
○森本真治君 この姿勢は消費者庁にも伝播をしていますね。衆議院での答弁内容を審議の途中で突然変更して撤回する。その間の審議時間、全て無駄にしたわけです。国会軽視という言葉では済まされない、国会の権能を著しく毀損させる行為です。
 大臣、この問題に対してどのように責任を取るのか、自らの処分についてどのように考えているのか、お伺いします。
#36
○国務大臣(福井照君) 今委員御指摘のように、衆議院での審議におきまして、私の誤った答弁及び消費者庁の不適切な対応によりまして審議の混乱をもたらせたことにつきまして、五月二十三日の衆議院の消費者問題に関する特別委員会においておわびを申し上げたところでございます。
 参議院における質疑に臨むに当たりましては、私自身、事前に答弁内容をしっかり確認するなど、再発防止に万全を期しているところでございます。
 今後、二度とかかる事態が生じませんよう、気を引き締めてしっかり職責を果たしてまいりたいというふうに存じております。
#37
○森本真治君 消費者契約法というのは大変重要な法律です。法律に責任はありません。衆議院の皆さんも苦渋の判断の中でこの法案を参議院に送ってこられたんだと思います。ただ、今日の答弁も後日また撤回されるのではないか、そのような不信を持って、疑心暗鬼の中で今日の質疑もさせていただいているということ、十分に大臣には認識をしていただかなければならないと思います。
 先ほど大臣の方から、閣議において公文書管理の徹底という話がありました。一部の議員に今回の法案に関するメモ、でも、これは、外部に出たということは、ある意味これは消費者庁の見解として、公式な文書として、公文書としてこれが外部に出たんだというふうに私は理解をします。
 先ほど公文書管理の徹底というお話がありました。既に、他の省庁では職員の研修などを実施するというような記事も今日出ておりますけれども、消費者庁として、今後の公文書管理の徹底についての今後の対応についてどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。
#38
○政府参考人(川口康裕君) ただいま御指摘がございました衆議院における資料でございますけれども、これは、消費者庁で作成をいたしまして、内部の検討過程において作成された手持ち資料でございましたが、これを対外的な説明の際お示しをして、お渡しをしてしまったということがございました。これは対外的な説明をする際に使用するのは不適切なものでございました。ということでございまして、大臣の答弁の撤回に併せまして、資料としては撤回をさせていただいたところでございます。
 ただ、私ども、委員御指摘のように、行政として公文書を作成するという仕事を日々やっているわけでございますので、これを内部で保存するのか対外的に使用するのかにかかわらず、しっかり保存すると。これは将来に向けた国民の財産でございますので、その保存については、政府全体の方針にのっとりまして、法律及び法律を具体化する運用方針については、さらに昨日の総理の指示に基づきまして、私も昨日、官房長レベルの会議に出席をしておりますけれども、政府全体の方針を、更に公文書管理の徹底に向けた検討を行うということになっております。また、消費者庁としてもこの意識の改善ということを求められているところでございますので、公文書管理に向けた意識の改善につきましては更なる検討をしようということで決めているところでございます。
 いずれにせよ、国会に提出する資料も含めまして、公文書の管理の徹底につきましては一層の努力をしていきたいと思っているところでございます。
#39
○森本真治君 行政の監視というのも国会の重要な役割でございます。私も行政監視委員会にも所属もさせていただいております。消費者庁だけではなくて、政府全体の行政の在り方についても、今後も引き続き私も厳しく監視、チェックをさせていただかなければならないというふうにも思っております。
 限られた時間ですので、私の方からも法案について質問もさせていただかなければならないというふうに思います。
 これまでの衆議院の議論、前回、また今日も矢田委員の方からありました。大きな論点となっているということで、もうここばかりが今回議論にもある意味なっているのではないかというこの社会生活上の経験の乏しいという要件、これは私の方からも確認を改めてさせていただきたいというふうに思います。
 それで、まずお伺いしたいんですけれども、これ、専門調査会の報告書の中ではこの社会生活上の経験が乏しいということからという文言はどこにも書かれていないにもかかわらず、今回、閣法として出てきた中にこれが加えられたということでこれまでもあるんですけれども、これ具体的にこの文言を加えてほしいという要請、どこからかあったんですか。
#40
○政府参考人(川口康裕君) 森本先生御指摘のとおり、消費者契約法専門調査会の報告書では明示的にこの表現についての言及はございませんが、知識、経験の不足など合理的な判断をすることができないような事情に付け込む被害事例について検討が行われ、その上で、できる限り客観的な要件をもって明確に定める必要があるものとして報告書が取りまとめられた、これは消費者委員会でございます。
 これを受けまして、この報告書の中で、更に政府内における法制的な見地から検討を行うものとされていたことから、消費者庁の方でこの法制的な見地からの更なる検討を行った結果、閣議決定をした法案となったわけでございますが、これは政府部内における原案策定過程の中で消費者庁が加えたものでございまして、これは特定のところから加えてほしいということを言われたというものではなくて、消費者庁の責任の下で、消費者委員会の報告書を基に更なる検討を重ねていく中で入れたものということでございます。
#41
○森本真治君 確かに、調査会の方でも、要件が不明確であれば、取引実務の混乱を招きかねずということで、できる限り客観的な要件をもって明確にする必要があるというようなことも書かれておったりということで、先ほど御答弁ありましたけれども、知識、経験の不足というようなところをどのような文言で表そうかということで今回考えたのが、社会生活上の経験が乏しいという言葉に行き着いたんだというふうに思うんですけれども、結果として、でもこの言葉自体が大きな今混乱を招いているというか、解釈をめぐっていろんなことが起きているというようなことなんですね。
 それで、これは今後しっかりと、もしこの法案が通った場合に、ただしっかりと見極めていかなければならないところもありますね。例えば、これで大きなまた混乱が生じていくようなことがあったりすれば、やはりこの文言については修正をするとか、また場合によっては、これまでも議論がありますけれども、そもそもこの文言が必要なのかというようなところ、前回の参考人の中でも、事業者側の意見ということで陳述をされた方も、余りこの文言が適用されるようなケースというか、真面目に事業をやっている皆さんに対しては余りこれ関係ないような話だというような陳述もあったわけなんですね。
 ですから、やはりそういうところはしっかりと今後の検討課題として、この文言自体もっと適当な表現の仕方があるのではないかというようなことも、もっと分かりやすく、いろんな定義とか例なんかも今回矢田委員も整理していただいておりますけれども、もう非常にいろんな言葉が出てきて、なおさら、更に今混乱が生じているという状況。
 やはりこれは今回大きな課題として残っているというふうに思うんですけれども、その辺りについての考えをお伺いしたいと思います。
#42
○政府参考人(川口康裕君) まず、一般論で申し上げますと、国会で御審議をされ、決定をされ、施行をされるものにつきましては、私ども、コンメンタール等で入れまして説明をして、消費生活相談の現場などで使っていただくわけでございますけれども、やはりこれは使い勝手が悪いというようなことがございます。そういうものにつきましては、これを要件を少し直していくということはまた提案させていただくということでございまして、今回提案をさせていただく中にも、不利益事実の不告知、利益となることを告げ不利益となることを故意に告げないという要件で現在消費者契約法にあるものがございますが、この故意というのが狭過ぎるということで、故意又は重過失ということで変更をして提案をさせていただいているところでございますので、実際に使っているところにつきましても十分施行状況を注視していく、また、これを必要に応じて国会に御報告していくということも必要であろうというふうに思っております。
 また、社会生活上の経験に乏しいという要件のことでございますが、これにつきましては、文理上、年齢を要件とするものではないかという御意見がある中で、私どもとしては様々な形から年齢を要件とするものではないということで御説明をしてきたところでございますが、また、いろんなケースにつきまして適用をし得るということをお話をしていくと、また、それは本当に相談現場で使えるのか、裁判の場でそれは保障できるのかという議論も衆議院ではあったところでございます。
 そういう御質問をいただきますと、消費者契約法につきましては民事ルールでございまして、最終的に消費者庁がコンメンタールに書いても裁判の場で修正されている例があると、これは最高裁の例におきまして最近具体的にございました。そういう例があることも事実でございますので、私どもとしては、考え方をしっかり示す、それから具体的な例、これは堅めの例を御答弁させていただいているわけでございますが、堅めの例を示しつつも、これに限られるものではないということも併せてしっかりと御説明していくということを基本にいたしまして御答弁を申し上げている次第でございます。
#43
○森本真治君 御答弁で、社会生活上の経験に乏しいというのは年齢ということではないんだというお話も今ありましたけれども、実際にこれまで様々な、日弁連の皆さん、消費者団体の皆さん、そしてこの委員会でもそうでした、さらには、これは消費者委員会の消費者契約法の一部を改正する法律案に対する意見の中でも、社会生活上の経験が乏しいことが要件に付加されることによって特に若年層の被害対応に重点が置かれたものとなっている、消費者委員会もこういうコメント出していますね。
 だから、消費者庁としてそのように説明を一生懸命されていますけれども、多くの国民はそのように思っていないという、こういう厳しい船出をしなければいけないこの法律だということですね。大変、これから非常に消費者庁も覚悟を持って誤解のないように取り組んでいただかなければならない、そういう状況に置かれているんだというふうに思います。
 先ほど、矢田委員が大変この答弁を整理していただいて、せっかくなので使わせていただきながら、少し、そうは言いながらも、これまでの答弁についても私なりに理解を、まあ努めているので、ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、社会生活上の経験に乏しいということのまずこれ定義というか、どういう状態だということで、社会生活上の経験の積み重ねが契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていない消費者というふうに言い換えるということですね。
 例えば、就労経験等がなく、外出することもめったになく、そして他者との交流がほとんどないなどというようなところはその一例と。例示をいろんなことを説明も一生懸命されてきたということで、これ定義と例がもうごっちゃになってしまって、それで要件が狭くなったんじゃないかとか、広くなっている、これ元のとおりなんですかというようなことがこの間ずっと議論されているということだと思うんですけれども、私の今の理解でよろしいですか。
#44
○政府参考人(川口康裕君) 条文をお示ししております。基本的に先生の御理解のとおりでございますが、条文をお示ししております。その一般抽象的な解釈についてお答えをしています。具体例はどうかということで一例など申し上げているわけですが、これは個別具体の事情を踏まえて最終的には総合的に判断するというのが裁判規範の宿命でございますけれども、そういう意味では、個別具体の実情をやや捨象しても当たるという非常に極めて狭いものというものが例にならざるを得ないというところでございます。
 ただ、それが、具体的な例が定義ではないわけでございまして、この要素がないと社会生活上の経験に乏しいとは言えないという誤解があるとすれば、それは適当ではございませんで、様々な要素について裁判所においては考慮され得るものでございます。
 その辺もコンメンタール等では私どもとしてはっきり書いて、この例だけが適用されるということで国会で御審議されたものではないということははっきり申し上げていきたいというふうに思っております。例をお示ししますが、それだけではないということをあらゆる機会の中で説明してまいりたいと思っております。
#45
○森本真治君 それと、もう一つ確認なんですけど、今回の新たな類型で、若年者は、こちらの矢田委員の資料では全てというふうに書かれていて、総じてという言い方をよくされますね。
 ただ、これ、基本的に年齢ではない、経験の積み重ねということで判断をされるというような解釈出たときに、私の理解は、例えば義務教育を出てすぐに社会に出られていろんな経験を積まれる方、それと、ちょっと例えがいいかどうか分からないけれども、高齢者の方でも、就労経験等がなく外出することもめったになくというような方というような場合でいったら、社会経験があるのはやはり若年者の方になるというふうにもなると思うんですね。
 そうすると、この若年者総じてというか、全てという言い方が本当に全ての若年者に当てはまるのかというところが私ちょっと疑問にかねがね思っていたんですけれども、その辺りについてちょっと御説明ください。
#46
○政府参考人(川口康裕君) 社会生活上の経験ということでございますが、自ら経験したことということだけではなくて、やはり見たり聞いたりして経験を積み重ねるという側面もございまして、そうしますと、十八、十九あるいはそれ未満の方というのは、御本人自身が幾ら経験を積み重ねていたとしてもやはり社会生活上の経験が乏しいというのが、総じて社会生活上の経験が乏しいというふうになるというふうに考えておりまして、十八歳、十九歳においては一般的に本要件に該当するということで、類型的に本件を満たさないようなものというのは現在想定をしていないということでございます。
 この辺が、年齢は要件とするものではないということではありますけれども、少なくとも十八歳、十九歳において幾ら社会経験があるということであっても、それは類型的に例外であるというふうには思ってはいないということでございます。
#47
○森本真治君 いろいろとこの間御説明もいただいておりますけれども、非常にこれはやっぱり複雑というか分かりづらいというか、やはり一度これは、この間の答弁、矢田委員なんかも整理をしてもらっていますけれども、今後、このもし法律が通った場合に、各現場というか、運用に向けてのこれからスタートも切るわけでございます。
 委員長、ちょっとお願いがあります。
 この間いろんな答弁、説明がされてきておりまして、今回の例えばこれ定義とか一例とかというのも今ごっちゃになっている状況がありますので、やはり、今後、逐条解説なども作られるということでございますけれども、今回の国会でのいろんな議論の中で出てきた答弁についてはしっかりとこれ整理をして、そして、我々も今後しっかりとこれについては内容を確認していきながらフォローしていかなければならないというふうに思っております。
 消費者庁の方には、是非そのような解釈等の要件についての整理をしっかりとしてもらって、分かりやすくそれを作っていただく、それをこの委員会にもしっかり提出をしていただいて、また引き続きの審査に生かしていただきたいと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いいたします。
#48
○委員長(三原じゅん子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をしたいと思います。
#49
○森本真治君 今日は、衆議院の方から柚木先生にもお越しいただいて、ちょっと時間の方がなくなって大変申し訳なかったんですけれども、一点だけ。
 今回、衆議院の方で修正をされましたわけでございますけれども、先ほどちょっと消費者庁の方からは、判断力の部分については見合わせたんだけれども、衆議院の方でそこの部分について追加をされたというふうに衆議院の方では答弁がありました。
 この判断力の部分については、調査会の方でも様々な議論が多分あって、継続的に議論しなければいけないというところだったと思うんですけれども、あえて今回、衆議院の方でここを修正されて加えたのか。いろんな混乱が予想される心配もなきにしもあらずですけれども、その辺りについてのお考えをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#50
○衆議院議員(柚木道義君) ありがとうございます。
 二点申し上げたいと思います。
 まず前段、まさに法の四条三項五号において、消費者が加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることに乗じて、事業者が消費者の不安をあおって消費者契約の締結について関与する場合には、事業者に著しい不当性が認められることから、消費者が取消し権を有することを規定したものであります。
 他方で、今御指摘のように、消費者側に要件を課す必要性の有無も含めて、これ、できるだけ広く網を掛けていく方向で今後も検討が進められるべきであるというふうに、衆議院の質疑も含めて考えておるところでございます。
 以上でございます。
#51
○森本真治君 ありがとうございました。
#52
○杉尾秀哉君 立憲民主党・民友会の杉尾秀哉でございます。当委員会では初めての質問ということになります。よろしくお願いいたします。
 今、森本委員からも話ありましたけれども、衆議院では全会一致で可決されたわけですけれども、これ、全員がもろ手を挙げて賛成したわけじゃないだろうと、苦渋の決断だった人もいただろうと、こういうことなんですが、早速大臣に伺いますけれども、どうしてこういうことになっているか分かりますか。
#53
○国務大臣(福井照君) 衆議院での審議におきまして、私の誤った答弁及び消費者庁の不適切な対応によりまして審議の混乱をもたらせたことにつきましては、五月二十三日の消費者問題に関する特別委員会におきまして真摯におわびを申し上げたところでございます。
 その後、本法案は与野党七会派共同提案によります修正案が提出されまして、全会一致で可決されました上、修正部分を除く政府原案につきましても全会一致で御賛同をいただいたということでございます。
#54
○杉尾秀哉君 今の大臣の発言は、答弁の撤回問題ですね、あの委員会が紛糾した、そのことを指していると思うんですが、あれは象徴的な事例であって、そもそも、消費者庁もそうなんですけれども、本当に非常に分かりにくい、さっきから何回も出ていますけど、あと、それから非常に不誠実で答弁が迷走して、これ本当に消費者庁って消費者の方に向いているの、本当に消費者救済に前向きなんだろうか、後ろ向きじゃないんだろうかと、こういうふうに捉えたということがあると思うんですね。
 それで、今の答弁の修正問題について撤回されたペーパーがありますけれども、撤回した理由についてこういうふうに書かれています。参考人質疑等を通じ、社会生活上の経験が乏しいという要件について、相談現場で無用な議論が生ずるおそれがあること等から解釈を明確にするべきであるという趣旨の意見があったのでこういう修正をしようとしたと、こういうふうに経緯書かれています。これは本当ですか。
#55
○政府参考人(川口康裕君) ただいまお尋ねの記述のある資料でございますが、これにつきましては、先月二十三日の衆議院消費者問題に関する特別委員会におきまして、大臣答弁とともに撤回をさせていただいているところでございますので、大変恐縮でございますが、この資料自体は対外的に説明する際に使用すること自体不適切であったという性格のものでございますので、内容についてコメントをすることは差し控えさせていただきたいということでございます。
#56
○杉尾秀哉君 撤回すりゃいいというものじゃないんですよ。こういうふうに消費者庁が考えていたということですよ。これは撤回しても事実は消えません。
 この引用されています参考人の方に、私どもの方で、これ衆議院の消費者特の私どもの党の委員なんですけれども、照会いたしました。こういう回答が来ました。発言を都合よくつまみ食いされた、意見の趣旨をゆがめられた、極めて遺憾だと、こういうふうに言っている。これ、本当怒りの声ですよ。どういうふうに受け止めているんですか、これ。
#57
○政府参考人(川口康裕君) 私ども、消費者契約法でございますので、大変幅広い消費者契約について、適切、客観的、明確に適用できるものということを目指して我々内容を詰めているものでございます。
 それについて説明をしていくときに、こういう解釈が可能ですということをお示ししていくときに、その限界がどこにあるかということがございます。裁判規範でございますので、具体の適用の場合については幅広く適用されるもの、類推解釈、拡大解釈も可能であるということは民法学者の通説でございますけれども、立法の場合においてどこまでそれを想定してお話をしていくか、どういう説明をしていくべきかということにつきまして、衆議院の消費者問題特別委員会における参考人質疑における参考人の御意見というのは大変参考になるものがあったということでございます。
 また、衆議院の審議におきましても、消費者庁の見解というものをどこまで前提にして審議すべきかについては御議論ございまして、具体的に、消費者契約法の要件の中で、勧誘をするに際しという要件につきまして、平成二十九年、最高裁において、私どものコンメンタールの解釈が変更された実例を挙げられて、その具体的なコメント、最高裁が最終的な判断をするところであるという確認を求められたという経緯もあるわけでございます。
 そういう中で、私ども、答弁をどのように補足していくべきかということを内部的に作業をしたということは事実でございます。
#58
○杉尾秀哉君 明確にしようとした、できるだけ客観的な条件にしよう、要件にしようとした。全然違うと思いますよ。なっていないですよ。
 それで、根本的な疑問なんですけど、元々修正しようとした答弁はこういう内容なんですよね。五月十一日、本会議のもとむら委員等々の質問に対する答弁。高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で本要件に該当する場合がある、こういうふうに答弁されているんですね。これを修正しようとして謝罪、撤回したんですが、もう一度聞きます。
 この答弁、本会議答弁をそっくりそのまま維持されますか。大臣、どうですか。
#59
○国務大臣(福井照君) 五月十一日、衆議院の本会議におきまして、契約の目的、勧誘の態様との関係で該当する場合があると申し上げました。その御指摘の答弁につきましては変更はございません。維持をさせていただいております。
#60
○杉尾秀哉君 じゃ、確認します。
 今の表現を平たく言いますと、社会生活上の経験を積んだ高齢者でも、契約の中身や勧誘の仕方などによって個別に判断できる、悪徳商法なら年齢にかかわらず取消し権が認められる、こういう解釈でいいですね。
#61
○政府参考人(川口康裕君) まず、高齢者であっても社会生活上の経験が乏しいという場合があり得るという前提でございます。
 また、実際の勧誘の態様等によりまして、これは実際は最終的に取消しということになるわけでございますけれども、取消しが一層できやすくなるということがあり得ると。これは具体の契約の内容、具体の契約の締結、勧誘の方法、例えば霊感商法ですとか悪徳商法、それによって影響し得るということを前提に御答弁を大臣からいただいたということでございます。
#62
○杉尾秀哉君 そういうことであるならば、その後、五月二十三日に修正、撤回したというふうに先ほど大臣も何度か答弁されましたけれども、その後の答弁が、今おっしゃられたような、例えば勧誘の態様であるとか、それから契約の中身、目的であるとか、それによって個別に判断するという趣旨のことをおっしゃっていないんですよ。例えば、いろんな柔軟な解釈の可能性を担保したそういう言い方ではなくて、これ、言ってみれば悪徳業者に不当な言い訳を許しかねないような、そういう答弁が繰り返されている。いろんな条件付けられているんです。
 私、ここで二点指摘します。私、ずっと丹念に、これ外部の方でずっとウオッチしていらっしゃる、今日傍聴にも来られている消費者団体の方とか弁護士さんとか、いろんな方から分析、そして意見を聞いて、私ももう一度読み返してみて、二つのパターンしかないんですよ、答弁しているのが。
 一つ目。若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいて、これと同視すべきものは本要件に該当し得る、こういうふうに言っている、これ一つ目のパターン。二つ目のパターンが、社会生活上の経験の積み重ねが、契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないような消費者であれば、年齢にかかわらず取り消し得る、こういうふうに答弁しているんですよね。
 さっきの話ですと、あの五月十一日の本会議答弁だと、契約の目的、それから勧誘の態様によって取消しできるはずなんですけれども、その答弁を修正、撤回しようとして、それをもう一度元に戻しました。そっくりそのまま維持しますと言いながらですよ、言いながら、なおこういう条件を繰り返し繰り返して付けているんですよ。これ矛盾しませんか。
#63
○政府参考人(川口康裕君) 結論的には矛盾するものではないと考えております。
 また、二つのパターンで御説明しているということでございますが、それについて補足的に御説明申し上げますと、まず、社会生活上の経験の積み重ねで同視し得ると。同視という言葉自体がこれ若干、要するに同様に評価できるという意味で申し上げているわけですけれども、これにつきましては、年齢の観点から御質問があるわけです。これは若年者だけじゃないかという御質問があります。それで、若年者の中にも社会生活上の経験が乏しくない人がいるんじゃないかという御質問があるものですから、私ども、基本的には、若年者の場合はこれは対象となるんだということを基本にお話をしておりますので、それを基本に中高年が入るのか入らないのかということでございます。中高年もこれは入るということでございますが、社会生活上の経験が乏しいという場合を、言わば年齢の観点から説明するような問いの場合には今のような構造でお答えをしているということでございます。
 他方、この二つ目のパターンという御指摘がございましたが、判断を適切に行うために必要な程度に至っていないということにつきましては、これは、一般的な社会生活上の経験が乏しいということについての一般的な説明でございます。一般的な説明ですので、その説明の中には年齢の要素が入っていないわけでございまして、これは一般的な説明であって、年齢の関係で申し上げれば、若年者が出てきて、それと同様に評価できる場合という中高年も入りますということでございます。
 仮に中高年が入らないという趣旨で答弁をしているのではないかという点があれば、それはそういうものはないというふうに思っておりますけれども、それは現時点では適切でない答弁ということだと思っております。
#64
○杉尾秀哉君 そうしますと、今の説明でいいますと、中高年の方も対象なんですよということを明確に言うためにこういう説明をあえて付け加えたということでいいんですか。
#65
○政府参考人(川口康裕君) 今の御指摘は同視し得るの部分だと思います。
 若年者が入りますと。それだけではありません、中高年も入り得ます、入りますと。入るということで、若年者が皆入りますということが基本ですので、それと同様に評価できる場合、これが一般的な社会生活上の経験に乏しいということの一般的な説明から当てはまる場合というのが中高年にもあって、それは入るんだということでございます。中高年が入らないという誤解がないように、しっかり周知をしていきたいと思っております。
#66
○杉尾秀哉君 繰り返しになりますけど、本会議の答弁では、先ほども何度かもう言っていますけれども、目的とか態様で個別に判断するべきものだと、こういうふうに言っているわけですよ。にもかかわらず、一般的な社会上の経験に置き換えて要件を解釈しているんですね。これ矛盾しているんじゃないですか。おかしくないですか。
#67
○政府参考人(川口康裕君) ちょっと分かりにくいところございますけれども、最終的に消費者契約法というのは取消しができるかどうかということになるわけでございます。社会生活上の経験が乏しいということも、乏しいことから、その後、今の案でありますとそこだけが要件になっているわけでございませんで、願望の実現に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおりというふうにつながっていくわけでございます。
 そうしますと、社会生活上の経験が乏しいということについては、一般抽象的な定義というものは当然示していかなければ、具体の場合において判断のしようがないところがありますので、これは、一般抽象的な定義を示していくということはコンメンタールの作成などでは求められると思います。
 ただ、具体の個別の事例において、それをそのまま適用すべきかということについては裁判所でいろいろ議論があろうかと思っております。
 その際、消費者契約の目的となるものが特殊なものであるとか、勧誘の態様が悪質なものである場合については消費者による取消し権が認められやすくなるというふうに考えておる次第でございます。
#68
○杉尾秀哉君 結局、聞いていると、最後は裁判所に逃げるんですよ。法律作っておいて、あとは、逐条解説は付けますよと、あとは判例の積み重ねでやってください。これ、消費者庁の姿勢として、こういう姿勢でいいんですか。
 私は非常にシンプルな話だと思っていて、本会議の答弁がありました、目的とか、それから、その態様で個別に判断する、こういうふうに言っているわけだから、その後にいろんな条件を付けるから、じゃ、同視すべきというのはどういうことなのかとか、それから判断を適切に行うために必要な程度に至っていないような消費者というのは、じゃ誰なんだとか、そういう話になってくるので、もうこういう答弁って撤回されたらどうなんですか。それが一番分かりやすいと思いますよ。どうですか。
#69
○政府参考人(川口康裕君) いろんな御質問があるわけでございまして、衆議院におきましても確認的な答弁があるわけでございますが、基本的には一般的な説明があるわけです。一般的な説明があって、それをこれはコンメンタール等にも書いていく必要があるわけでございますけれども、それを個別具体の場合に最終的に取消しができるかということを判断していくような場合には、この契約の目的となるものがどういうものかとか、勧誘の態様がどういうものかというものは当然考慮されるものでございまして、それが特殊だとか悪質ということになれば、これは取消し権が認められやすくなるということを前提にしまして具体的に御答弁しておるわけですが。
 本会議答弁は大臣が維持されているわけでございますけれども、その答弁自体から答えが一律に導き出せるようなものかということについては、様々な御質問があるわけでございますので、私ども答弁を整理しながら、一般的な定義、それから具体例ということを示して、それから、年齢との関係でどうかということにつきましては、若年者は入るのかと。これは基本的に入りますということを示しながら、中高年は入るのかということを御質問がありますので、これは若年者と同視、同様に評価できるような場合と。その同様に評価できるの基準が必要になりますので、一般的な説明ということが必要になるということでございます。
 ですから、こういう答弁を一部分撤回をいたしますと全体の説明が成り立たなくなるというふうに思っておりますので、基本的に答弁は維持させていただきたいと思っております。
#70
○杉尾秀哉君 一般例、それだけではあれだから具体例、具体例として示しているのが全然具体的じゃないんですよ。全く具体的じゃないから言っているの。
 大臣、何回も答弁されていますけど、自分で答弁していることを、ちょっと言い方は悪いかもしれませんけど、理解していらっしゃいますか、これ。
#71
○国務大臣(福井照君) ごもっともな御指摘だと思いますけれども、大分積み重ねてまいりまして、基本的には理解をさせていただいているつもりでございますし、目的は杉尾先生も同じでございます。全ての消費者被害をなくすということでございまして、先ほどから次長申し上げておりますのは、この消費者委員会の専門調査会で検討された事例というのがございまして、これをどういう文言で救うのかという法律立案事例でございます。個別の事情にもよりますけれども、消費者委員会の専門調査会で検討された事例は基本的に救済され得るものでございます。
 五月十一日の本会議答弁も、その目的に従って、ちょっと今からは省略しますけれども、趣旨その他を述べたものでございます。
#72
○杉尾秀哉君 ごもっともと言われると、何かちょっと脱力しちゃうんですけれども。
 具体例で、さっきも、森本委員だったかな、矢田委員だったかな、例に挙げていましたけど、社会生活上の経験が乏しい高齢者の例として実際に挙げられている、若年者でない場合であっても就労経験等がなく、自宅に引きこもり他者との交流がほとんどないなど社会生活上の経験が乏しいと、こういうふうな具体例がある。
 さっきも議論になっていましたけど、これって本当に極端な例で、どれだけの人が該当できるかというのは甚だ疑問で、これ本当に、引きこもり老人か、余り言葉は良くないですけど世捨て人ですよね。こういう極端な例を出して消費者庁が説明するというのはこれいかがかと思うんですけど、どうですか。
#73
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 先ほど私の答弁の中で申し上げましたけれども、具体の場合は個別具体的な事情をできる限りしんしゃくをして決定をするという、これは裁判実務の実態でございます。ただ、どの要素が重要かということについては、コンメンタール等で示していくことでこの判断の手掛かりを与えるということになろうかと思います。
 ただ、例ということになりますと、いろんなものが重なり合って個別具体の事情というものに関わりなくほぼこれは当たるだろうということを申し上げますので、極端だということをお感じになられるような例になってしまわざるを得ないという事情でございますが、もう少し一般的に申し上げさせていただきますと、社会生活上の経験の積み重ねにおいて若年者と同様に評価すべきものか否かは、当該消費者の就労経験あるいは他者との交友関係等の事情を総合的に考慮して判断するものと考えております。
 その他の事情も総合的に考慮して判断するということでございますので、具体的な事例を掲げるのは困難ということでございますが、自宅に引きこもって就労経験がないということだけが対象かということになれば、それは就労経験があってもまたその対象になるということはあり得るというふうに思っております。例えば、独り暮らしであるとかいう要素が入ってくるということになりますと、対象になりやすいということでございます。
#74
○杉尾秀哉君 ほかの例も排除しないというのは、これは委員会、衆議院の段階でも何度もおっしゃっていて、今もそういう趣旨のお話を、少しは具体的なことを、就労経験とかそれから他者との交流とかおっしゃったんですけど、余りにも極端な例を引くとやっぱり物すごく限定的に解釈されるんだなと思うというのが普通だと思うんですよね。これは、一般常識人、私が常識あるかどうか分かりませんけど、一般人はそう感じると思います。ですから、一般人に合わせた法律の立て方であったり、条文の書き方であったり、説明であったりしてほしいんですね。
 どうしても確認二点だけしたいので、繰り返しになりますけれども、こうした、いろんなことをおっしゃいましたけど、柔軟な解釈ができる元々の本会議答弁、これにきちんと戻すということを約束してください。
 それから、ちょっとさっき大臣おっしゃいましたけれども、消費者委員会で検討された事例は全て救済されると、こういうはっきりと明確な答弁を衆議院の段階でされていないんです。これをはっきりこの参議院の段階で確認してください。お願いします。
#75
○国務大臣(福井照君) ちょっと長くなりますけれども、最初から申し上げます。今から五月十一日の本会議答弁、三パラで申し上げます。
 第一のパラは、社会生活上の経験が乏しいとは、当該消費者における社会生活上の経験の積み重ねが、一般に消費者契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するもの、これが一パラ。
 二パラ目が、総じて社会生活上の経験の積み重ねが少ない若年者への適用には支障はなく、また、消費者が若年者でない場合であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同様に評価すべきもの、同視すべきものは、年齢にかかわらず本要件に該当し得る。
 三パラ目が、また、契約の目的となるものや勧誘の態様に特殊性がある場合には、社会生活上の経験が乏しいことから過大な不安をあおられる消費者が多いと考えられ、取消し権が認められやすくなる。これが三パラ目。
 以上で、五月十一日の本会議答弁はこうした趣旨で述べさせていただいたものでございます。個別の事情にもよりますけれども、消費者委員会の専門調査会で検討された事例は基本的に救済され得るものでございます。
 ここまででございます。
 基本的に救済され得るとはどういう意味かということでございますけれども、基本的に救済され得るという意味は、消費者契約法は民事ルールなので、最終的には裁判所が判断をするものであることから、個別の事例につき救済の有無をアプリオリに確答できるものではないという意味でございます。個別の事情にもよりますけれども、専門調査会で検討された事例について、本要件をしかしながらおよそ満たさないというものではないということでございます。
#76
○杉尾秀哉君 何か最後のところが、何かこう若干曖昧な感じがするんです。
 要は、保護されるべき人が本法案できっちり保護されるかどうかということなんですよ。だから、全員が救済されるというのは、それは確約はもちろんできないと思いますけれども、そういう精神を要するにこの法案の中に込められているんだったら、それをきっちりと答弁していただきたいということなんですよね。
 それで、もう一つ。ちょっと私、実際にさきの参議院の本会議で質問させていただいた中で、ちょっと気になるその生活要件、社会生活上の経験が乏しいという、これ不要なんじゃないかと先ほどから何度も出ています。それについて、私も本会議でこれは不要だと思う、こういう趣旨のことを聞きました。それに対して大臣はなぜ必要なんだと答えたか、もう一回言ってもらえますか。
#77
○国務大臣(福井照君) 本来、法が想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがあるということから、社会生活上の経験が乏しいことからこの要件を設ける必要があると考えている次第でございますというふうにお答えをさせていただきました。本来想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがあるということが理由でございます。
#78
○杉尾秀哉君 本来、法が想定していない場合って、どういう場合ですか。
#79
○政府参考人(川口康裕君) 消費者契約法で、本件に限りませんけれども、類型的に対象、類型を決めていきます。ですから、本来想定していない場合というのは、これは困惑に関わることでございますので、必ずしも類型的に困惑するとは考えられない消費者を対象とする場合ということを考えております。
 取消しでございますので、不当性が高くて意思表示に瑕疵があると、瑕疵、きずですね、があるという水準まで行かないと取消しというのは行けないということでございますけれども、そういう場合として考えられるのは、やはり社会生活上の経験が乏しいという場合であるということで、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定する。
 よくブラックリスト、グレーリストという問題がございます。ここに入っているものの中には、取り消した方がいいものが入っているというだけでは、これでは法律は取消しの要件はできない。ここに入るものはすべからく取消しができるんだというふうに、抽象的でございますが、当てはめは難しいですけど、考え方としてはそういうものに絞り込んでいくという作業を、この法律に限らず、消費者契約法を最初作ったとき、私も担当者でございますが、そういう作業をして作っております。
 そういう意味において、類型的に不当性、困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定する、それで明確にするためにこの要件を定めているということでございまして、ただいまの御質問については、必ずしも類型的に困惑するとは考えられない消費者が入り得るような場合にそれを排除する必要があるということでございます。
#80
○杉尾秀哉君 今、ブラックリストの話されましたけれども、ブラックリスト、おかしいというふうに言われていたけれども、この法の趣旨からいって、厳格に適用すればやっぱりこれは無理なんじゃないかということで要するに外されたものっていっぱいあったと思うんですよね。例えば、これ衆議院でもずっとテーマに上がっていましたけど、ジャパンライフのようなものであるとか、実質的にこれ、消費者庁は何もできなかったわけですよ。で、あの失態ですよね。
 こういう答弁をされると、元々この要するに消費者契約法自体が健全な業者を対象としているものではなくて、やっぱり怪しげな商法、言ってみれば悪徳商法、悪質商法を対象にしているわけなので、そういう人たちに口実を与えかねない、私はそう思うんですよね。さっきも社会生活上の経験についていろんな説明もされていましたけど、いや、それあなた違いますよ、あなたいい年なんだからそんなことぐらいは分かっていたでしょうと言われたらおしまいじゃないですか、あなたは生活経験が十分あったでしょうと言われたらおしまいじゃないですか。そういう言い訳を与えかねないような答弁がるる見受けられるので、こういう答弁も私は納得できない。
 それからもう一つ、ちょっと修正案とそれから本来の三号、四号の関係について聞きたいんですけれども、修正五号に加齢や心身の故障という要件が明記されました。三号、四号に社会生活上の経験が乏しいという要件はそのまま残りました。
 これ、修正五号に加齢というのが書いているから、要するにお年寄りはこちらの方で主に救済されるから三号、四号は若者の方が対象なんだよねと、こういう解釈になりませんか。
#81
○国務大臣(福井照君) 衆議院での修正によりまして、法第四条第三項第五号、第六号が追加をされましたけれども、従前の第三号、第四号も含めまして、これら各号はそれぞれの規定の趣旨に沿って各別、各号ごとにという意味ですけど、各別に判断されるものと考えております。
#82
○杉尾秀哉君 今の答弁を聞きますと、五号があっても、三号、四号の社会生活上の経験というこの要件については、それでもって狭く解釈されたり適用範囲が狭まるということはないですね。
#83
○政府参考人(川口康裕君) それぞれ個別に判断されますので、今の御質問については、五号、六号が入ることで三号、四号が狭く解釈されるということではございません。
 ただ、実際の訴訟におきましては、一番当てはまりがいいものをまずこれで取り消しますといって、仮にそれが当たらない場合には予備的にこちらの広い方で取り消しますという主張をします。それから、相談現場におきましては、必ずしも一つを特定しなくても、これにも当たるしこれにも当たるし、大体不実告知だという元々のも出して、ついでに特定商取引法でも取消しだしというようなことを言いながら説得をしていくということでございますので、法律は一つの事件に対して幾つも取消し要件が発生する、取消しの効果が発生し得るということは想定をして作っております。
 今回、衆議院で更に二号追加いたしましたので、そういう場合というのが一層起こりやすいということになっていると理解しております。
#84
○杉尾秀哉君 五号があるから三号、四号について、これは若年層が対象じゃないんだ、要件が狭まるわけじゃないんだという説明は分かりました。
 これ、実は衆議院で立憲民主の尾辻議員が何度も聞いていて、先ほど矢田委員の中でも取り上げられましたデート商法なんですけど、このデート商法について、今の四号の要件だと、やっぱり二十代ぐらいまでが救済の対象じゃないのと。三十代以降、四十代、五十代、さっき九十代という話もありましたけど、やっぱり二十代ぐらいまでが中心で、三十代よりもその上というのは、半分ぐらいはもう救われないんじゃないんですかねみたいな、そういう質問があったんですけれども、そういうことにはなりませんかね、そうしますと。
#85
○政府参考人(川口康裕君) まず、五号、六号は別にいたしまして、四号の適用ということだと思いますので、社会生活上の経験が乏しいことというのに当てはまるかどうかということが、これは必要になるわけでございます。
 これにつきましては、御答弁申し上げておりますように、年齢を要件にするもので年齢によって定まるものではございませんので、消費者が若年者でない場合であっても社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同様に評価すべきものというのが対象になるということでございます。
 この適用される場合については、その他の事情も総合的に考慮して実際は判断されるために、具体的な事例で断定的にお示しするのは容易ではないということでございますけれども、あえて申し上げるならば、中高年でも、例えば就労経験がなく、私生活においても結婚経験がなく独り暮らしで交友関係が希薄な場合、こういう場合に対象になりやすいわけでございますけれども、被害に遭いやすいわけでございますが、そういう場合には考えられるということだと思っております。
#86
○杉尾秀哉君 結婚経験というんですけど、私も結婚はしていますけれども、結婚していないけれども、独身だけれども物すごく遊び人で物すごく社会経験がある人もいれば、結婚はしているけれども、ほとんど何かお見合いですぐ結婚しちゃって、男性に余りときめいたことがないみたいな人もいるはずなので、それはやっぱり年代とは関係ないはずなんですよね。
 それが、やっぱり社会生活上のという要件が付けられちゃうと、ああ、やっぱり年で、年というのがすごく大きな判断要素になるんだと、こうなりませんか。これ、実際に、デート商法も十代、二十代までよりも、三十代以降と同じぐらいなんですよ、数としては。
 ですから、ここのところの四号についても、社会生活上の経験というあの一言がやっぱり相当効いてくるというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。それから、ケース・バイ・ケースというふうにもおっしゃっていますけれども、救済されるというのは、じゃ、どういったケースなんですか。
#87
○政府参考人(川口康裕君) 幾つか御質問いただいたので、答弁漏れがあるかもしれませんけれども。
 救済されるべき場合というのは、非常に個別性が高いわけでございます。そのときに、年齢で、例えば結婚をした経験があれば対象外かとかという決定的な要件になると言うほど、結婚経験が要件ですとここで申し上げるのは適当でないと思っております。ただ、結婚経験がない、独り暮らしであるということになれば、これは年齢が高い場合でも社会生活の経験が乏しいというふうになりやすい要素にはなるということでございます。
 いろいろ一人一人違うわけでございまして、就労経験がないということは、これは社会生活上の経験が乏しいということになりやすい要素でございます。
 ただ、それがないといけないかということになりますと、これは否定的に解釈すべきと思いまして、当該消費者の就労経験、他者との交友関係等の事情を総合的に考慮する必要があるというふうに思っておりますので、委員御指摘のように結婚していてもいろいろな方がいる、それは当然のことと前提にしつつ、だからこそ余り断定的なことは申し上げるのは適当でないということではございますが、繰り返しで恐縮でございますが、私生活における結婚経験がないと、配偶者を通じて社会経験を自分として蓄積するという可能性が小さくなるという面はあるわけでございますので、これは独り暮らしだとか就労経験があるとかないとか、そういうのは影響をしてくるということで理解をしております。
   〔委員長退席、理事島田三郎君着席〕
#88
○杉尾秀哉君 何かすごく個人的な説明を聞いたような気がして、どこまで一般化できるかということだと思うんですけど。
 事ほどさように、やっぱりこの要件が修正このままされずに、五号、六号は付け加えられましたけれども、残っているということ自体が、さっきから何度も何度も話題になっていますけれども、一つこの法案の一番大きなポイントじゃないかと思うんですね。
 それで、先ほど御説明によりますと、これ実際の運用で見ながら、またその修正すべき点があればそれも考えるという趣旨のこともおっしゃっていましたので、そこのところはきっちりとやっていただきたい。
 それから、今回法改正で十八歳引下げへの対応ということがありましたので、十八歳、十九歳の相談件数と、それから相談内容の資料を二枚ほどお配りさせていただきましたけれども、これは何度も指摘されていますが、やっぱり十八歳、十九歳に比べて二十歳、それから二十二歳ぐらいまでの平均値がこれ一・五倍ぐらい相談件数が増えるんですよね。
 相談内容も見てみますと、これ、がらっと、やっぱり十八歳、十九歳と、二十歳から二十二歳、変わっていまして、二十歳から二十二歳になると、例えば男性だとお金絡みのサラ金、フリーローン、それから内職、副業、教材とか、女性の場合はやっぱり美ということにあれなんですね、エステが上位を占めてくるということなんですけれども。
 そこで、ちょっと大臣に伺いたいんですけれども、これ実際に十八歳、十九歳の未成年者取消し権がなくなってくると、これまで二十代以上だったこうしたいろんな悪質商法であるとか相談件数が一気に十八歳、十九歳に下りてくる、この可能性が非常に高いというふうに思うんですよね。それに対して、今回の法改正でこれきっちり対応できるんでしょうか。
 大臣は、こういうふうに私の質問に対して答弁されています。本改正による制度整備でローン、サラ金、キャッチセールス、マルチ商法被害にも対応できる、こういうふうに答弁されているんですけど、ちょっと私は認識が甘いように思うんですけど、いかがでしょうか。
   〔理事島田三郎君退席、委員長着席〕
#89
○国務大臣(福井照君) ローン、サラ金からお答えをさせていただきますと、若年成人におけるローン、サラ金、キャッチセールス、マルチ商法による被害をめぐりましては、この今御審議いただいている消費者契約法改正にとどまらず、関係省庁が連携を確保して、各種の制度整備を始めとして、御指摘のような被害が発生しないよう総合的な対応を進めているところでございます。
 各種の制度整備といたしましては、ローン、サラ金等の与信の関係では、平成十九年に多重債務問題改善プログラムを策定をいたしまして、若年層によるものを含め、相談体制強化などを進めている最中でございます。また、民法の成年年齢引下げを見据えて平成三十年に立ち上げられた関係府省庁連絡会議の下、若年者に対する返済能力や支払可能見込額の調査を一層適切に行う取組を進めていくことといたしておりますし、キャッチセールス、連鎖販売取引等への対応に関しましては、平成二十八年に特定商取引法を改正して、業務停止命令を受けた会社役員等に対する業務禁止命令の創設など、悪質事業者への対策を強化したところでございます。また、消費者庁では、地方消費者行政強化作戦に基づいて、消費生活相談対応の充実を図っているところでございます。
 最初の方でおっしゃいました、この法律、この改正案で対応できるのかということでございますけれども、そもそも、この法律でございますけれども、若年者の消費者被害が多岐にわたっておりますので、民法の不法行為や詐欺取消しが適用し得る詐欺的なもの、つまり架空請求や無料商法など、そしてクーリングオフが有効なもの、そして現行の消費者契約法の適用のあるものが足らざる部分、本改正案は、既存のこういった法制度等で対応が十分でない部分を補うために今御審議をいただいているということでございます。
#90
○杉尾秀哉君 マルチとかそれからキャッチセールスが今回の法改正で対応できるかどうか、これはケース・バイ・ケースだということを何度も答弁されているわけです。そういうことを考えますと、ちょっと時間がないので端的に伺いますけど、いわゆるバスケットクローズ型の包括的な規定というのが必要だと。ただ、今回盛り込まれていない。
 ちょっと私、答弁をずっと精査していて気になった政府参考人の答弁がありまして、この規定、この度の附帯決議で、二年以内という期限をつくった上で具体的に措置を講ずるという趣旨の附帯決議になっていますけれども、この質問に対してこういうふうな答えをされているんですが、事業者の工夫に支障を及ぼさないように明確性やあらゆる消費者契約に当てはめてもおかしくないルールを作るのは難しいと、こういうふうにおっしゃっている。
 これ、参考人に聞きたいんですけれども、やっぱりちょっと業者寄りで、これ本当に若者の深刻な被害、マルチの被害に遭って、それでサラ金でお金借りてみたいなもう大変なことにやっぱりなりかねないので、こういう事態が起こり得ることを目の前にして、こういう姿勢で本当にいいのかなというふうに思うんですけれども、どうですか。
#91
○政府参考人(川口康裕君) まず一般論として申し上げますと、参考人の御意見の中にもございました、また消費者契約法ができたときの議論もございますけれども、消費者契約法は、裁判規範としてかわいそうな場合に取消しができるようにしようということで作っているわけでございますが、一旦作りますと、これはむしろ圧倒的に適用されるのは何も紛争のない場合、行為規範として日常の取引において使われる、そのときにいかに取り消されないようにするかということで注意をして契約をするということに使われます。
 これは行為規範というふうに私ども申し上げておりますが、やはり取引の実務に混乱をもたらさないようということについては、これは消費者委員会の専門調査会でも度々主張され、報告書にも書いております。これは消費者寄りか事業者寄りかということではなくて、これは法律を作る際の基本というふうに考えておりますので、できる限り明確にするということでございます。
 それから、参考人が御指摘になっておりましたけれども、不当条項については消費者契約法十条という規定がございまして、これは一般的な幅広いものでございます。ただ、それを策定する際にも、明確性ということについては非常に苦労をしてそれができたので提案をさせていただいたということでございますので、取消しについて同様のものを作るということになれば、そういう目的については容易ではないということです。
 ただし、容易ではございませんが、そういうものができれば、穴のないといいますか、イタチごっこでないというか、モグラたたきではないといいますか、幅広いものに適用されるというものでございますので、目指すべきものということについては消費者契約法ができたときからずっと議論されているものでありまして、今後も、本委員会の審議を経て、努力をしていきたいと思っているところでございます。
#92
○杉尾秀哉君 これについて大臣が、付け込み型による被害救済は重要課題である、附帯決議の趣旨を十分に尊重して、被害例、裁判例の分析を進めて、できる限り速やかに検討するというふうに答弁されていますので、これは前向きな姿勢として額面どおり受け止めたいというふうに思いますので、どうか進めていただきたい。
 そして、残りの時間が五分になりましたので、修正案の提出者の大河原衆議院議員にお越しいただいておりますので、ちょっと修正案について幾つか押さえておくべき点を質問させていただきます。
 五号が追加されたことで、さっきも話をしましたけど、不安をあおる告知の適用対象が高齢者に拡大され、社会生活上の経験が乏しいというその要件にとっては一定の緩和措置になったけれども、逆に、この五号の規定で、社会生活上の経験が乏しいというその三号それから四号の規定が狭く解釈されるんじゃないかと、そういう危惧の念がずっとありました。先ほどはそうではないという話だったんですけれども、この修正協議の中では、この点について、どういうふうな議論になって、どうクリアされたんでしょうか。
#93
○衆議院議員(大河原雅子君) 衆議院における修正案では、消費者が消費者契約に係る意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、法四条三項五号及び六号が類型追加されたわけです。
 この四条三項三号と同項五号の双方に該当する消費者がいる場合、その消費者はいずれの規定でも救済されることになります。消費者が同項五号に該当することを理由に同項三号には該当しなくなりますという解釈をすることは想定しておりません。
 なお、衆議院の消費者問題に関する特別委員会の改正法案に対する附帯決議ですが、ここにおきまして、法四条三項三号及び四号における社会生活上の経験が乏しいことから過大な不安を抱いていること等の要件の解釈についてですが、これについては、契約の目的となるもの、勧誘の態様の事情を総合的に考慮して、契約を締結するか否かに当たっては適切な判断を行うための経験が乏しいことにより、消費者が過大な不安を抱くことなどをいうものと解釈をいたしました。そして、年齢にかかわらず、当該経験に乏しい場合があることを明確にするということを盛り込んでおります。そのために必要な措置を講じていくということでございます。
#94
○杉尾秀哉君 先ほどの参考人の答弁と同じような方向だというふうに理解をしました。
 もう一つ、これもう何度も出ていますけれども、五号で規定されている判断力が著しく低下と、この著しくの部分ですね。先日も、熊野委員だったですか、質問がありましたけれども、この著しくという要件によってやっぱり救済対象の高齢者がかなり限られてくるんじゃないか、この著しくというその条件は削除した方がいいんじゃないかと、こういう議論もあったと思うんですけれども、これについてはどうでしょうか。
#95
○衆議院議員(大河原雅子君) 確かに、著しくというのも要らないんじゃないかという議論もございました。法四条三項五号は、消費者の判断力が著しく低下していることを取消しの要件の一つとしておりますけれども、消費者の判断力が低下していない場合等は要件に該当しないわけですが、本要件が過度に厳格に解釈されてはならないというふうに考えております。
 消費者委員会の消費者契約法専門調査会報告書においても、判断力の不足等を不当に利用し、不必要な契約や過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われる場合等の救済については、重要な課題として今後も検討を進めていくこととされております。衆議院の消費者問題に関する特別委員会における改正法案に対する附帯決議におきましても、同報告書において今後の検討課題とされた事項について引き続き検討を行うことが政府に求められておりまして、著しく要件の要否についても検討が行われることと理解をしております。
#96
○杉尾秀哉君 これも逐条解説、コンメンタール等も含めて消費者庁にきちっと対応していただき、時間が来ましたので最後の質問にしますけれども、平均損害額の推定の規定、いわゆるキャンセル料ですけれども、一つだけちょっと大臣の答弁で気になったくだりがありまして、これも私の本会議の質問に対して、推定規定を設けることに限らず、消費者側の立証負担の軽減について引き続き検討を進めると、こういうふうにおっしゃっています。
 具体的な立証負担の軽減に向けた措置、これはどういうものを具体的にイメージしておっしゃったのか、それを最後に聞かせてください。
#97
○国務大臣(福井照君) 法第九条第一号の平均的な損害額に関する消費者の立証負担の軽減につきましては、まずは平均的な損害の額を法律上推定する規定を設けることに関する検討、これをできる限り速やかに進めていくということでございます。
 また、消費者委員会の消費者契約法専門調査会においては、事業者による根拠資料の提出を制度的に促す考え方も検討されていたところでございますので、こうした点も含め、引き続き検討を進めてまいりたいということでございます。
#98
○杉尾秀哉君 時間が来たので、終わります。
 ありがとうございました。
#99
○山添拓君 日本共産党の山添拓です。
 今回の消費者契約法改正は、二〇一四年八月に内閣総理大臣から消費者委員会に対してされた諮問が発端です。情報通信技術の発達や高齢化の進展など、社会経済状況の変化に対応するために、契約締結過程や契約内容について在り方を検討することとされました。ですから、元々は成年年齢引下げとは関係なかったわけですが、その後、この点が立法事実として加えられたものかと思います。本法案で問題となっております社会生活上の経験が乏しいという要件は、この成年年齢引下げとリンクさせるために追加をされ、消費者庁が今なお固執するに至っているものかと思われます。
 私は、今日は、その成年年齢引下げにより未成年者取消し権が奪われるということが重大な問題だという観点から質問させていただきたいと思います。
 五月二十五日の本会議で、私は、本法案による新たな契約取消し権は、限られた類型にとどまるもので、若年層の保護として全く不十分だと指摘をいたしました。これに対して上川法務大臣は、今般追加する取消し権は、消費者教育の充実等の他の施策と相まって十分な消費者被害への対策となる、こう答弁をされました。
 まず、消費者教育について伺いたいと思います。二〇一二年十二月に消費者教育の推進に関する法律が施行をされ、一三年の六月、二〇一七年度までの五年間を対象とする消費者教育の推進に関する基本的な方針が閣議決定されました。消費者の特性に対する配慮として、若年層についてどのような消費者教育が必要だとしていたものでしょうか。
#100
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の消費者教育の推進に関する基本的な方針におきましては、消費者教育の推進の基本的な方向として、消費者教育を効果的に進めるために、消費者の特性に対する配慮が重要であるというふうに指摘しております。
 この中で、消費者の年齢に着目し、若年層に対しては、スマートフォン等の情報通信機器やインターネットの利用による契約トラブルが増加しているという消費者の被害等の状況や、成年年齢の引下げに向けた環境整備の観点等から、高等学校段階までに契約に関する基本的な考え方や契約に伴う責任、消費者市民社会の形成に参画することの重要性などについて理解させ、社会において消費者として主体的に判断し、責任を持って行動するような能力を育む、そういうふうに指摘してあります。
#101
○山添拓君 基本方針に基づいて五年間でどのような消費者教育を進め、その結果どのような効果が生じたものか、消費者庁において評価をしたものがあるでしょうか。
#102
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 一般的に、教育の効果を客観的、定量的に測定することは難しいと考えております。しかしながら、消費者教育推進地域協議会の設置が進んだことや、消費者教育推進計画が全都道府県で作成されたという状況、また、学校、地方公共団体、事業者などにより実施されたそれぞれの消費者教育事業を踏まえますと、全国で着実に取組が進められたというふうに考えております。
 消費者教育の推進に関する法律に基づく今の基本的な方針、平成二十四年十二月施行の法律と、あと、平成二十五年六月閣議決定されました基本的な方針が作成されたことによりまして、国、地方公共団体等の様々な主体が体系的、総合的に消費者教育の推進を図ることが求められているという意識が形成され、共有されたものと思っております。
 こういうことから、消費者教育を受ける機会が与えられるという消費者の権利の実現ということから、一定の成果を上げてきたというふうに評価しております。
#103
○山添拓君 なかなか効果を評価するということは難しいんだというお話が冒頭ありました。
 今年三月、基本方針が改定をされまして、これによりますと、民法の成年年齢引下げに向けた検討が進められていることから、若年者の消費者教育については、これを念頭に置いた消費者教育を考える必要があるなどとしています。
 これは、私はおかしいと思うんですね。二〇一三年の段階では、成年年齢の引下げに向けた環境整備が必要だ、こうしていたわけですけれども、その間の効果についての評価はされていないわけです。今年はもう成年年齢引下げを前提にした議論に変わっているわけです。
 消費者庁、文科省、法務省、金融庁は、今年二月、若年者への消費者教育の推進に関するアクションプログラムを決定し、消費者教育を推進するとしています。これ二〇一八年度から二〇二〇年度まで三年間が集中強化期間とされています。資料の一枚目に、先ほど矢田委員からもお示しありましたけれども、二〇一七年度に徳島県内の高校で「社会への扉」を活用した授業を実施したとされています。
 消費者庁は、この一七年度の授業の実施について、効果、何らかの評価を行ったものがあるでしょうか。
#104
○政府参考人(井内正敏君) お答え申し上げます。
 「社会への扉」は、成人として消費生活を送る上で最低限必要な知識を習得し、自分自身の行動を考えるきっかけとなるよう、また、仮に消費者トラブルに遭った場合には消費生活センターに相談できるよう、実践的な能力を身に付けるために作成した教材でございます。徳島県からは、この授業の効果として、生徒の意識、行動の変容や消費者トラブルに遭った際に取るべき適切な行動についての知識が身に付いたということを伺っております。
 消費者教育の効果が上がっているかどうか、先ほども申しましたように、定量的に測定することは難しいものでございますけれども、このように、「社会への扉」を活用した授業が消費者として社会で生きるための実践的な能力の向上につながっているというふうに評価しております。
#105
○山添拓君 一七年度の実施ですから、恐らくその効果について何らかの評価ができるのはこれからだということになろうかと思います。
 中学校で消費者被害の背景とその対応、あるいは高校では新教科の公共に消費者教育を位置付けるなど、消費者教育の充実を内容とする学習指導要領の改訂が行われています。
 文科省に伺いますが、その全面実施は小学校、中学校、高校でそれぞれ何年度と予定されていますか。
#106
○政府参考人(下間康行君) お答え申し上げます。
 御指摘の新学習指導要領については、小学校は平成三十二年度から、中学校は平成三十三年度から全面実施、高等学校は平成三十四年度の入学生から年次進行で実施することになっております。
 しかしながら、学校における消費者教育につきましては、平成十六年に制定された消費者基本法や平成十七年に決定された消費者基本計画を踏まえ、平成二十、二十一年度に改訂した現行の学習指導要領におきまして消費者教育に関する内容の充実を既に図っているところでございまして、現在の小中高校生はこの充実が図られた現行の学習指導要領に基づく消費者教育を受けているところでございます。
#107
○山添拓君 成年年齢の引下げが予定される二〇二二年度にようやく完全実施をされるということでありました。
 それで、確かにそれはずっとやっているわけですから、いろいろ効果があったり、教育上これまでされていなかった消費者教育がされているということ自体は確かなんだと思うんです。しかし、それが少なくとも、現段階で現在行われているような内容やあるいはその程度で若年者の消費者被害を防止するために十分だと言えるのか、その効果についてはいまだ検証されていないのではないかと私は思います。
 消費者委員会のワーキンググループが二〇一七年一月に行った報告書でも、小中高において消費者教育に割かれている授業時間が少ないとの指摘があるとか、あるいは消費者教育に関してどの程度効果があったのか効果測定は行われていないという指摘がありますし、学校における消費者教育の効果測定を行うための必要な調査を行うべきだと、こういう指摘がされています。
 そこで、むしろ本格的な消費者教育の充実というのはこれからではないかと私は思うのですが、今日は法務省の副大臣においでいただいておりますが、二〇〇九年法制審議会の意見では、成年年齢引下げのための三つのハードルがあるとされてきました。一つが、若年者の自立を促すような施策、消費者被害の拡大のおそれを解決する施策が実現されること。二つ目に、これらの施策の効果が十分に発揮をされること。そして三つ目に、その効果が国民の意識として現れることだと。
 こう考えると、少なくとも消費者教育に関して、消費者教育も含む現在の消費者行政、あるいは消費者契約法の改正も含めて考えるべきかと思いますが、これらはまだ十八歳、十九歳から未成年者取消し権を奪うような手当てとして十分と言える状況にないんではないかと思いますが、葉梨副大臣、見解いかがでしょうか。
#108
○副大臣(葉梨康弘君) 山添委員御指摘のとおりでございます。
 法制審議会民法成年年齢部会の最終報告書、成年年齢の引下げの法整備を行うには、成年年齢引下げに伴う問題点の解決に資する施策が実現されていること、その効果が十分に発揮されること、それが国民の意識として現れることが必要であるというふうに、御指摘のとおり指摘されているところでございます。
 それについての評価ということでございますけれども、政府としましては、成年年齢の引下げに伴う問題点を解消するため、消費者教育の充実を含め消費者被害の拡大を防止するための施策などの実施に努めております。
 法務省としては、これまで実施された各種の施策が着実に効果を上げ、国民にも浸透していると考えており、法制審議会の最終報告書に示された条件を満たしているのではないかと考えています。
 もっとも、環境整備のための施策については、今後も省庁横断的に取り組んでまいります。更なる充実強化を図る必要があります。
 そこで、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議を開催し、平成三十四年四月一日の施行日までの四年間を活用して工程表を作成した上、全体的な進捗管理を行っていくこととしております。施行日までにこれらの施策が十分な効果を発揮し、国民の理解が得られるよう、引き続き努力をしてまいります。
#109
○山添拓君 片や、消費者教育については効果を測定するのは難しいというお話がありながら、法務省においては効果がもう着実に現れているというお話なんですが、法務大臣は今度の消費者契約法の改正によって十分な消費者被害への対策となると答弁をされたのですが、これとは異なって福井大臣は、消費者契約法について、付け込み型勧誘による被害の救済を広く図ることは重要な課題であり、引き続き検討していく、あるいはできる限り速やかに検討する、こう答弁をされました。
 福井大臣としては、本法案による改正のみでは十八歳、十九歳の未成年者取消し権を奪うその代償としては不十分だと認識されているということでしょうか。
#110
○国務大臣(福井照君) 根元から御答弁を整理をさせていただきますと、この改正案では、主として若年者に発生している被害事例を念頭に置いて、消費者の不安をあおる告知でありますとか恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用でありますとかといった不当勧誘行為に対しての取消し権を追加することを規定しております。また、事業者の努力義務として、個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で必要な情報を提供することを明示をしております。
 更に言えば、若年者の被害の発生拡大を防止するためには、法制度の見直しのみならず消費者教育の充実が重要と考えており、具体には、被害事例の傾向や特徴を紹介するとともに、消費者が活用できる被害救済手段や被害に遭った場合の対応等を周知啓発するなどの取組にも万全を期してまいりたいというふうに思っておりますと同時に、今先生御指摘のとおり、これまで御答弁させていただきましたとおり、いわゆる付け込み型勧誘による被害の救済を図ることは重要な課題であるというふうに考えておりまして、被害事例や裁判例の分析等を進め、できる限り速やかに検討をしてまいりたいというふうに思っております。
#111
○山添拓君 重大な課題というだけではなくて、消費者委員会のワーキンググループが、事業者が、若年成人、これ十八歳から二十二歳まで含めて、その知識、経験等の不足その他の合理的な判断をすることができない事情に付け込んで締結した不当な契約を取り消すことができる規定の創設が望ましい対応だとしています。ところが、本法案の取消し権はこのような包括的な規定にはなっておりません。
 消費者契約法というのは、民法との関係では特別法ですが、特定の取引だけを対象とするものではなく、包括的で一般的な民事のルールであろうと思います。ところが、今般の改正案を見ますと、細分化された類型にこだわった規定とその解釈が目立つように思います。より一般的な消費者保護のルールが求められますし、その中で、とりわけ未成年者、十八歳、十九歳から未成年者取消し権を奪うという中で、付け込み型勧誘への取消し権の創設、こうしたものが必要であろうと思います。
 法務大臣の答弁の中には、未成年者取消し権と同等の保護を与えた場合には、若年者の社会参加を促し、その自立を促すという成年年齢の引下げの意義を大きく減殺するという答弁もあったんですが、取消し権を創設するということは決して社会参加や自立の促進を妨げるものではないと思います。一旦締結した契約についても、自らの判断で存続させるか取消しかを決めることができるという仕組みであろうと。ですから、むしろ自立的な判断を可能とするものであって、未成年者取消し権に匹敵するような包括的な取消し権の創設が成年年齢引下げの代償としては欠かせないと思います。それがない下での成年年齢の引下げというのは時期尚早であろうと思います。
 大臣に最後に伺いたいのですが、消費者契約法の更なる改正やあるいは特商法の改正など、十八歳、十九歳を保護するための更なる法改正を、成年年齢の引下げが予定されている二〇二二年に間に合うように行うということを是非お約束いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
#112
○国務大臣(福井照君) 消費者庁といたしましては、成年年齢の引下げに伴う若年者の消費者被害の拡大を防止する、これはもう共通する課題認識だと思います。
 本法律案による制度整備に加えまして、アクションプログラムに基づく消費者教育の充実、消費生活相談窓口の充実、周知、厳正な法執行など、総合的な対応に全力で取り組んでまいりたいと存じておりますと同時に、成年年齢の引下げを見据えた更なる対策につきましては、先生御指摘のような何か特定の対応が今現在念頭にあるわけではございませんけれども、引き続き若年者の消費者被害の状況等を継続的に把握しながら、必要に応じて、法整備も含めて適切な対応を講じてまいりたいと存じております。
#113
○山添拓君 終わります。ありがとうございました。
#114
○大門実紀史君 まず、修正案の第五号について、衆議院の修正提案者に質問をいたします。
 配付していただいていますが、その資料の二枚目に今回の衆議院での修正を文書にしてあります。ゴシックの五号、六号の部分が修正で追加されたということで、この五号の中の著しくという言葉が議論になってきたわけであります。つまり、これが対象を狭くするんじゃないかということが消費者団体等、弁護士さんからも懸念が出されてきて、これを削除してもらいたい、あるいはもう五号そのもの要らないんじゃないかという意見まであったわけであります。
 五月三十日のこの委員会で公明党の熊野さんが、この著しくが過度に厳格に解釈されないで広く取れるように周知してほしいという趣旨で大変いい質問をされたわけであります。ただ、認知症のところで、修正案提案者の御答弁が、答弁の方が少し誤解を招いた部分があって、やっぱり狭い解釈なのかというような懸念、不安が現場の方々からも寄せられたという状況があったわけです。これは先ほど矢田さんからもありましたので、細かくもう経過とか文言はたどりません、なぞりません。
 改めて、この認知症についての修正案提案者の統一した考え方を、先日答弁された党の方ではありませんけど、答弁をしてもらえればというふうに思います。
#115
○衆議院議員(畑野君枝君) 大門実紀史委員から、衆議院での与野党修正案に対し、提出者としての統一した考え方について御質問がございました。
 修正案により新設された法第四条第三項第五号の、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下しているか否かは、消費者契約の締結について事業者が勧誘をする際の事情に基づき判断されるものでございます。
 消費者が認知症を発症している場合は、一般的には判断力が著しく低下している場合に該当いたします。軽度認知障害の場合もこれに該当するかについては、当該消費者に係る個別具体的な事情を踏まえて判断されるべきものと考えております。軽度認知障害の方が判断力が著しく低下している場合に該当すると認められる場合には、もちろん救済の対象になり得るものでございます。
#116
○大門実紀史君 つまり、確認ですけれど、この著しいという表現が第五号の適用要件を過度に狭めるものであってはならないと思いますし、それが与野党提案者の総意だという理解でよろしいでしょうか。
#117
○衆議院議員(畑野君枝君) 修正案の第五号の著しくという要件は、消費者に取消し権を付与する場合を適切に限定するためのものであるとともに、事業者の不当性を基礎付けるためのものとして設けられているものでございます。
 この要件が過度に厳格に解釈されてはならないことは委員御指摘のとおりでございます。
#118
○大門実紀史君 実は、そもそもこの心身の故障という文言には、主に高齢者の認知症だけではなく、年齢に関係なく陥りやすいうつ病なども含まれるということでございます。これは消費者庁から伺っております。
 そのうつ病も、認知症と同様に、軽度とか重度とかそういうもので区別できるものではないし、何が著しいかというのは個別具体的なことになるかというふうに思います。むしろ、うつ病の場合は、重度だけを対象にするとかえって救済できないということがあるわけです。
 なぜならば、例えば、ばりばりで働いていた中年のサラリーマンが、それなりのキャリアもある方がリストラに遭ったり、過労でうつ病になってしまって休職する、あるいは失業するというような、重度になったから、重度のところまで追い込まれたからそうなるわけですね。しばらく自宅で、病院等通う間も引きこもり状態ですね、自宅にいる状態。したがって、こういうときはなかなかこういう消費者被害に遭わなくて、回復していって外に出てみようと、働こうかという軽度になったときに、例の再就職セミナーとか自己啓発セミナー、いかがわしい、そういうものに引っかかることが多いわけでありまして、うつ病でいえば、逆に重度より軽度の方が消費者被害に引っかかりやすいというようなことがありますので、したがって、うつ病の場合も、この著しいという要件は、そういうふうな軽い重いとかではなくて、事業者の勧誘方法、悪質さや消費者に係る個別具体的な事例を踏まえて判断されるべきだというふうに思うんですけど、いかがでしょうか。
#119
○衆議院議員(畑野君枝君) 修正案の第五号の、心身の故障によりその判断力が著しく低下しているか否かは、消費者契約の締結について事業者が勧誘をする際の事情に基づき判断されるものでございます。
 消費者が認知症を発症している場合は、一般的には判断力が著しく低下している場合に該当いたします。うつ病の場合も判断力が著しく低下している場合に該当するかについては、当該消費者に係る個別具体的な事情を踏まえて判断されるべきものと考えております。うつ病に罹患している方が判断力が著しく低下している場合に該当すると認められる場合には、もちろん救済の対象になり得るものでございます。
#120
○大門実紀史君 また、その著しいというのは個別具体的に判断するということでありますので、要するに、この五号というのは、この心身の故障というのは、取引実態、事業者の悪質さまで含めて、そういうものと個別具体的に判断していくということになるかというふうに思います。
 提案者への質問はありませんので、もしあれでしたら退席していただいて結構です。
#121
○委員長(三原じゅん子君) それでは、退席していただいて結構です。ありがとうございました。
#122
○大門実紀史君 その上で、この第五号の著しくというのが過度に厳格にしない、個別事案でという解釈でしたら、私は、むしろこの第五号をできるだけ現場の、先ほどもありましたけど、現場の被害者救済に活用する方向で考えたらどうかと、前向きに考えたらどうかと思うわけですね。その点で、第五号と三号、四号の関係をどう捉えるかということが大変大事ではないかと思います。
 資料三をちょっと御覧いただければと思うんですけれど、これは、社会生活上の経験が乏しいの要件についてという文書ですけれど、これは、実は衆議院の法案審議に入る前の段階、四月の段階で消費者庁が出してくれていた文書でございます。
 つまり、もう法案審議に入る前から、院内集会もありましたけれど、社会生活上の経験が乏しいという文言には相当の、この要件には相当の疑問や批判、削除しろという要求が殺到していたわけですね。それに対して消費者庁は、高齢者も対象にしますとか、いろいろ事例で答えていた段階での事例集でございます。この中には、いろいろ意見が出てきたらそれを追加するという形で、何といいますか、追加しながら出していた事例集であります。
 先ほどのうつ病に関して言えば、この事例集のもう一枚目の最後の二つ、うつ病と認知症なんですけれど、このうつ病の方は、実は私が四月の二十日に消費者庁の方に来てもらって、三号の解釈で高齢者は救済しますと言うので、高齢者だけじゃないでしょうと、さっき言った、ばりばりで働いている中高年だって社会生活上の経験があっても今それを使えない、判断力を失っている状態があるでしょうと、さっき言ったうつ病とかですね、リストラに遭ってうつ病になって大変な状況というようなことも該当するんじゃないかという話をしたら、該当しますということで、この事例集の下から二つ目、企業において、うつ病の事例を加えられたわけであります。そのときにその下の認知症も加えられたわけですね。
 つまり、申し上げたいことは、衆議院で修正案で五号ができる前に、法案審議の前に、つまり三号に該当すると、対象になるということで、うつ病と認知症の事例がもう加わっていたと。だから、三号でうつ病と認知症は対象になるという、もちろん社会生活上の経験を失っている状態ならばですよ、うつ病も認知症も対象になるというのが、そういう解釈だったんですね、これは既に。
 これは、ちょっと消費者庁、確認しますけど、それはそのとおりでいいですね。
#123
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 五号、六号ができたわけでございますが、三号、四号の解釈がそれによって変更されるということはございません。私どもの方は、私どもといいますか、三号、四号は、判断力の低下という要件、そこに注目するのではなくて、社会生活上の経験が乏しいというところで判断していくと。その結果、両方に当てはまるというものがあり得る、あるいは、個別にはどちらかにより当てはまりやすい、証明しやすい、説得力があるという場合は当然ありますが、両方に当てはまり得るというケースが出てくるというふうに理解しております。
#124
○大門実紀史君 したがって、申し上げたいことは、いろいろあります、いろいろな議論があります、ありますけれど、今日この法案が委員会で上がるとしたら、今ある材料を、今あるものを最大限使って現場の救済に役立てるという意味では、三号、四号で救済できないケース、これを五号で救うということだってあり得るわけなんで、先ほど言った、著しくが過度に限定したものではないという前提ですけれど、そういうふうに使って、現場の方々に、これからいろいろ改正も必要だと思いますけれど、理解してもらえればいいんじゃないかと思いますが、川口さん、いかがですか。
#125
○政府参考人(川口康裕君) 消費者庁といたしましては、衆議院で修正があったものも、これも成立した暁には、併せてコンメンタール、注釈書の中で説明をしていきます。特に、相談員の方、全国三千四百人いて、全国どこに住んでいても質の高い相談を受けられるということで頑張っておりますが、相談員の方からしますと、一つ一つの意味をまず理解する、次はより実践的に使っていくという研究会をされるというふうに思います。その過程でいろいろ御質問が出てくると思いますので、それについても消費者庁は個別に丁寧にお答えをしていきたいと思っております。
#126
○大門実紀史君 それで、もうずっと議論になっております社会生活上の経験が乏しいという文言なんですけれども、もうずっと聞いていて、川口さん、答弁すればするほどよく分からなくなるというような状況になっていますので、余りしゃべり過ぎない方がいいんじゃないかと、もう整理するだけでいいんじゃないかと思うんですね。
 申し上げたいのは、衆議院で修正があって、附帯決議があって、今はその修正部分や衆議院の附帯決議が元の原案にしみ込んだ段階での議論なんですね。衆議院であの混乱した原案についての議論と違うんですよね。そういう点でいきますと、一定整理されてきているんじゃないかと思いますので、議事録上、ただ、議事録は残っているんですよね、衆議院の議事録って。心配なのは、何かのときに事業者が一つの部分だけ取り上げて、議事録のですよ、後で、そんなことがあっては困るので、先ほど森本理事からもあったとおり、ちょっと整理して、今の段階でですね、出してもらった方がいいんじゃないかなというふうに私も思うんです。
 その点でいくと、余り例をいろいろ言うんじゃなくて、基本的な枠組みの答弁だけを、太い筋の話だけを、こういうものだという点で、この間でいえば、大臣がちゃんと答弁されていますけど、社会生活上の経験の積み重ねが契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことであることとか、あるいは、高齢者であっても、契約の目的となる勧誘や態様との関係で、本要件に該当する場合があることとか、そういう基本的なものだけにして、そういう見解を示していただければいいんじゃないかと思うんですね。
 それで、参考人質疑のときに、相談員の増田さんがおっしゃっていましたけれど、大事なことは、現場の相談員の方が変な事業者と相手をするときに、すぱっと相手に言えると。逐条解説とか議事録とか、そんなもの、悪質業者に言ったってぐちゃぐちゃ言いますから、増田さんが言われていましたように、ファクス一枚ぱっと事業者に、これが見解なんですよと、これが消費者庁の見解なんですよ、解釈なんですよというのを一枚で送ってあげると、そういうことに私たちはやっぱり努力すべきだと思うんですよね。
 そういうものに資するような、整理した、この社会生活上の経験が乏しいとは何なのかということを、今言ったような本当に太い筋だけで結構ですから、そういうものを整理してこの委員会に出してもらって、そして、現場にそれを更に分かりやすくしたものを、ファクス一枚で分かるようなものを現場に送れるようにしたらどうかと思うんです。
 そういう点で、森本理事も言われましたけど、私の方からも、委員長、理事会でそういうものを求めるように協議してもらいたいと思います。いかがでしょうか。
#127
○委員長(三原じゅん子君) ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきたいと思います。
#128
○大門実紀史君 その上で、ただ、この文言については意見だけ申し上げておきたいというふうに思います。
 やはり、今後、このまま残していかない方がいいという意味で、今の話とは別に、今後の考え方なんですけれど、実はいろいろ今日も議論がありましたけれど、今日も川口さん言われていましたけど、政府部内で検討したという、その政府部内というのは内閣法制局。私は、どういう検討をされたのかと思って、内閣法制局の方に来てもらって聞いてみました。議論もしました。
 そもそもなぜ入れたのかの一番大きいのは、やっぱり、先ほどもありましたけど、成年年齢の引下げ、民法との関係ですよね、この政策的対応であれをぐっと打ち出したかったと。しかし、結局、年齢にはかかわらず、場合によっては救うになったわけだから、だから最初から消費者委員会のとおり取っちゃっても、なくても結果的に余り変わらなかったんじゃないかなと私は思うんですね。
 もう一つは、消費者委員会の答申のままだと対象が広過ぎちゃうと。変なことを言うんですね、内閣法制局は。対象が広がったら行為で狭めるしかない、対象を狭めたら行為はいいと。私はちょっと、論理的に違って、対象のカテゴリーと行為の規制のカテゴリー、違うんですよね。それを何か混乱して、だって、対象年齢、年齢的に絞っても、行為が広ければこれ防げないわけですよね。だから、その二つのものを、何か混乱して、内閣法制局ともあろうところがそんなことを言い続けてきたのかなというのが分かって、違うでしょうと言っていたんですね。そうかなみたいなこと言っていましたけど。
 問題は、その上で、もう残ったのはただ一つですね。これは資料の一枚目に議事録をコピーしておきましたけれど、福井大臣が五月の二十一日に言われている話でございます。これは、つまり、今、既に消費者契約法の中にある取消し権の適用される範囲との見合いで考える必要があるというふうな言い方をされているんですね。言われているのは、不退去、監禁と同様に不当性の高い事業者の行為を特定する、明確化する、こういうものに合わせようとして限定を付けましたというようなことを答弁されているんですね。
 これは明らかに私はおかしいと思います。なぜならば、不退去とか監禁というのは、これは契約法の四条三項なんですけど、要するに、押売とか居座っているとか、居座って帰らないとか、あるいはどこかに閉じ込めて契約するまで帰さないとか、こんな世界ですよ。これは、こういう実力行使といいますか、物理的な、そういう世界に見合うものでなければなんということをいいますと、大体この困惑類型が当てはまっていくのかと。
 困惑類型というのは、これは何か法律用語的なことなんでしょうけれども、要するに、精神的自由な判断ができない状況、恐れおののいた状態、こういうものを困惑というんですね。精神的なものですよね。最近、もうこの間、そんな押売とかどこかに閉じ込めるなんてないですよ。大抵は、精神的に囲い込むといいますか、あの手この手でというようなことが問われていて、消費者法の改正もそういう方向で議論しているときに、こんな不退去とか監禁と同様になんということを言うべきではないし、こういうことを物差しにすると、これから、消費者契約法の立法趣旨、いろんな点、立場の弱い消費者を救っていこうという目的に沿った改正ができなくなると思うんですね。
 ただ、これだけかなと思って探してみたら、二十三日に川口さんが答弁されておられます。それは、こういう不退去、監禁と同様にみたいな、こんなむちゃくちゃなことを言わないで、要するに、取引取消しというのはそんなに軽いものではない、だから、それにどう合わせるかといいますか、そういうことを考えて書き込んだんだと。これならまだ分かるんですよね、これならまだ分かるんです。確かに契約取消しというのは軽いことではありませんよ。経済にとって基本的な約束事ですからね。
 ただ、今回、これは悪質業者を相手に考えておりますので、と思いますけれど、少なくとも川口さんの答弁のレベルぐらいが妥当で、ちょっとこの不退去とか、これ誰がこの答弁書書いたのかと思いますけど、監禁とか、こんなものに見合うようなことで考えているといったら、これとんでもない話になると思うんですけど。
 余り厳格に厳格にじゃなくて、やっぱり消費者を守る立場で今後は全体のことを消費者契約法そのものは考えた方がいいと思うんですけど、基本的なスタンスだけでいいですから、川口さん、いかがですか。
#129
○政府参考人(川口康裕君) いろいろ不退去、監禁に遡って御指摘をいただきまして、ありがとうございました。
 消費者契約法の立法趣旨ということにやはり立ち戻って考えるべきというふうに今お話を聞いていて思いました。
 やはり、消費者問題は、同種の行為を反復継続的に行っている事業者とそうでない個人と、ここに構造的な格差があるんだ、情報の質及び量並びに交渉力に格差があるんだということを出発点にしておりますので、消費者と事業者にはそういう構造的格差があるんだということを大前提にいたしまして、そこを出発点に取消しと。これ自体、御指摘がありましたように、重大でございます。ただ、重大ではございますが、一方的に消費者にそういう権利を与えるんだということです。
 そういうことで、客観的、明確にするという要請はございますけれども、既存のもの、一回目に作るときは確かに民法にしか前例がなかったので非常にハードルが高かったわけでございますけれども、消費者契約法に取消しが入って、その後、特商法にも取消しが入ってと、だんだん消費者法の世界でも普通のものになってきておりますので、その辺の相場観とも照らし合わせながら今後検討をしていきたいというふうに思っております。
#130
○大門実紀史君 もう一つ、今後の課題で、ジャパンライフのような事例に対応できる改正をやっぱり本格的に考える必要があると思うんですね。
 先ほど杉尾さんから、消費者庁は何の役にも立っていないと言われましたけど、まあそこまで言うとちょっとかわいそうかなと、ちょっとは頑張ったなと。最後の一年ぐらいは頑張ったんじゃないかなというふうに、ただ、もっと早く手は打てたんじゃないかという意味で、私、ちょっと批判的に言っていましたけれど、名誉のためにちょっと言っておきますと、最後は頑張ったということです。
 ただ、ジャパンライフのような巧妙な事例について契約取消しまで持ち込めるかどうかといいますと、衆議院の議論で、尾辻さんですかね、ジャパンライフ、救えるのかと言ったら、川口さんは使えるケースもあるんじゃないかとおっしゃいましたけど、どんなケースか教えてほしいけど、ほとんど無理じゃないかと思いますよね。
 豊田商事もジャパンライフも、ほかのこの間のマルチとかみんな大体同じなんですけれど、お年寄りが中心のターゲットですね、まず。ジャパンライフの場合でいえば、まず、おじいちゃん、おばあちゃんに、体の調子どうですかと若い人が、まずそういうことから始めて、何も契約させようとしないで、健康相談に来てくれとかいろんなことをやって囲い込んで、これを買ったらどうかということから始まって、契約して預託商法に引き込んでいくというようなことの事例であって、相手は、おじいちゃん、おばあちゃんにとっては娘さんとか息子とか孫みたいな人ですね。
 そういうものが何でこの四号で救えるのかと。恋愛感情とかその他の好意を、感情を抱いて、同様の感情を抱いている、相思相愛、それを過信している、関係が破綻、全然違いますよね。これはやっぱりデート商法を念頭に置いているわけでありまして、しかも、細か過ぎますよ、四号。そういうものでは全然救えません。
 そこで思うのは、消費者委員会が昨年八月答申された、これちょっと参考人のときにも申し上げましたけど、ような改正なら私は救えるんじゃないかと思うんですよね。
 どういう提案をされているかといいますと、当該消費者を勧誘に応じさせることを目的として、消費者と事業者又は勧誘を行わせる者との間に緊密な関係、恋愛感情じゃありませんよ、好意じゃありませんよ、緊密な関係を新たに築き、契約を取ること、勧誘するために新たに築いて、それによって消費者の、おじいちゃん、おばあちゃんの意思決定に重要な影響を与えることができる状態になったとき、時間掛けてやるんですよね、彼らは。その状況になったときにおいて、契約をしてくれないともう来ないよと、来週来ないよというような、そういう例なんですね、これ。見事にこの消費者委員会の答申というのは、豊田商事やジャパンライフの手口を想定していただいて、それに該当、それに使えるようなこととして提案をされたと思うんですよね。
 あのジャパンライフのような大事件を消費者庁もあれだけ苦労して対応しながら、なぜこの方向で、このままとは言いませんけれど、なぜこの方向で法案化されなかったんでしょうか。
#131
○政府参考人(川口康裕君) ジャパンライフにつきましては、主として行政処分という形で、大門先生の御指導もいただきながら、対応、努力してきたわけでございますけれども、個々の消費者については、やはり契約を何らかの形で早く解約をしてもらうということを働きかけてきたところでございまして、これは相談員を通じてお知らせするということになりますけれども、あるいはクーリングオフができるとか、特商法の重要事項の不告知、これは行政処分と同じですから、これに当たるということで取消しを主張できるとか、あるいは説明に不実、事実と異なることがあった場合は消費者契約法の適用があるということが、今の改正前のものでもできるということがあり得るわけでございまして、そういうことを使っていただきたいと思っていたところでございますが、今の大門先生の、典型的なジャパンライフの例ということに即して言えば、衆議院の修正の五号の方は、これは、高齢者が多いということからしますと、加齢等による判断力の低下や、生計、健康その他についての不安を不当に利用している類型でございますので、これは私どもの、恋人商法のものも、親子関係が恋人、恋愛関係と類似の場合というふうに解釈ができれば適用の余地があると思っておりますが、この五号については、親切商法、高齢者、加齢の場合について適用の場合というのがいろいろあるのではないかというふうに思います。
 ただ、事案がそれぞれございますし、全体としてまだまだ救うべきものが救えていない、取消しができるようになっていないというふうに考えておりますので、今後も、ジャパンライフも含めまして、深刻な被害、多数発生している被害を中心に事例の一層の分析をいたしまして、取り消すべき事由の類型化に努めたいと思います。それによりまして、被害の防止、あるいは消費者の迅速、円滑な救済が図られるよう努めてまいりたいと思います。
 また、その際、取消しだけじゃなくて、解除、解約、いろんな手段がございます。どういうものが適切か、そのための要件として対象をどうすべきか、消費者契約法に限らず議論をしてまいりたいと考えております。
#132
○大門実紀史君 五号はなぜ使えないかといいますと、判断力の低下が入っております。ジャパンライフの預託商法で契約させられた人たちは、もちろん判断力低下している人もいるかも分かりませんけれど、それよりも、むしろこの消費者委員会が提案した、緊密な関係を築いて、こちらの判断力があっても、これで引き込まれているのがほとんどでございますので、そういう点で申し上げておりますし、手口が巧妙ですから、もう御存じのとおり、いろんな法律でやらないと防げないのはそのとおりですけど、この契約でいえば、やはり消費者委員会の答申のようにしていただく必要があると思いますので、今後、そういう検討もしてもらいたいというふうに思います。
 最後に、消費者委員会の提案の中にございましたけど、事業者の情報提供の努力義務という点なんですけれど、消費者委員会の提案はいろいろ書いてありますが、私は、余り難しいこと言わないで、現場にどう役に立つかということを考えますと、成年年齢の引下げ、十八歳、十九歳がターゲットになってくる、さらに高齢者の被害が増えているということでいえば、法改正とか何か、それはそれでやらなきゃいけないんですけど、努力義務を規定するというのは必要なんですけど、まず、民法の年齢引下げが恐らくやられるというような状況でありますので、そうなりましたら、消費者庁としては、そういう事業団体に、成年年齢引下げに伴って若い人への勧誘とか契約については配慮してほしいとか、きちっと配慮してほしいとか、高齢者の被害が増えているので、契約における配慮とか、勧誘についてはこういうことをきちっと注意してほしいとか、そういう事業者団体に消費者庁として注意喚起といいますか、そういうことは幾らでも何か法改正を待たないでもできることだと思うし、やらなければいけないことだと思うんですけど、最後、大臣、そういう点の努力をお願いしたいんですけど、いかがですか。
#133
○国務大臣(福井照君) おっしゃるように、事業者、事業者団体に対して、本法案の成立後、改正消費者契約法の内容につきまして分かりやすい説明資料や事例集を作成した上で説明会を開催することなどによりまして、若年者を含む消費者に対する丁寧な情報提供の必要性について積極的に周知徹底をしてまいりたいと存じております。こうした取組を通じまして、事業者による情報提供義務に関する認識、それに基づいた適切な情報提供等により、消費者トラブルの未然防止に資するよう努めてまいりたいと存じております。
 何よりも、先生おっしゃるように、事業者に対しては、必要な情報提供、重要だという認識で頑張っていきたいと思っております。
#134
○大門実紀史君 終わります。
#135
○片山大介君 日本維新の会の片山大介です。
 私も同じく議論をさせていただきたいので、よろしくお願いいたします。
 消費者問題は被害事例を適切に捉えなければいけないので、だから、法制化に当たっては要件の該当性を的確に、川口次長が言われたように、要件の該当性を的確に判断していく必要があると。その過程が今回難しい、特にこれが難しくなっているんだというのは分かります。ここまで審議も詰まってきたんですから、是非今日はちょっといろいろと本音ベースでお話を聞きたいと思います。
 まず、ちょっと整理をさせていただきながら話をしていきたいんですが、まず今回の改正案で一番問題になっているのが、この配付資料の一枚目にあるところ、赤枠になったところですね、第四条の第三項第三号の不安をあおる告知、そして四号の恋愛感情などに乗じた人間関係の濫用、これいずれも困惑類型という、消費者が困惑して意思表示をした場合には取消しが認められる行為、この二つの項目の両方に係っている要件として、ここの更に赤枠で囲った@のところ、社会生活上の経験不足、今回これが付いたことで大変な議論になっちゃっているということですね。いわく、救済の範囲が限定的になってしまうんじゃないかとか、あとは、本来であれば救済されるべき高齢者の悪質商法の被害が救えないんじゃないかと、こういう議論になっていると。これ、御承知のとおりなんです。
 そこで、私も、改めて、まず最初にはやっぱり大臣に聞きたい。この件に対する考え方というのは改めて整理してきちんとお話しいただきたい、そう思います。
#136
○国務大臣(福井照君) 今先生御指摘の要件、社会生活上の経験が乏しいという要件につきましては、年齢によって定まるものではないとまず整理をさせていただいた上で、消費者が若年者でなく中高年であっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同様に評価すべきものは本要件に該当し得るということでございます。
#137
○片山大介君 それで、先ほど大門委員も言われたように、やっぱり答弁が絶えず変わってきている、変わってきたんですよね。だから、これがやっぱりみんなの不信を募る結果になったわけですよね。答弁というのは、やっぱりこれ一貫していなきゃいけないんですよ。
 それで、ちょっと二枚目の資料を見ていただきたいんですが、これ衆議院の本会議と参議院の本会議でのそれぞれの発言なんですけれども、これ、衆議院の方では、高齢者であっても、契約目的となるものや勧誘の態様などとの関係で、本要件に該当する場合があると。それで、参議院の方では、消費者が若年者でない場合にあっても、社会生活上の経験の積み重ねにおいてこれと同視すべき者は、年齢にかかわらず、該当し得ると言っているんですね。こう変わっていると。
 それで、そもそもこの間に何があったかというと、衆議院の本会議の後に消費者庁は一回解釈を変更しようとした、そうしたら、それが未遂に終わったというか、批判を受けて撤回をした、そして、こういう答弁がずるずる変わってきた。
 それで、やっぱり答弁はこれ一貫してやらなきゃいけなくて、しかも、それは審議に入る前にやっぱり消費者庁できちんと固めておかなきゃいけないですよ。やっぱりそこがまず第一の欠点だと思います。先ほど大門委員が言われたように、その都度答弁が変われば、やっぱりそこだけ切り取られちゃったりするケースもある。我々議員だって、それは同じ答弁でつまらなく聞こえるんだけれども、その同じ答弁何度も聞くことによって頭にすり込まれていくんだから。やっぱりそこが間違いだったと思います。
 それで、聞きたいのは、この二つの答弁、なぜ文言を変えたのか、そしてこれは同じことなのか、ここをきちんと説明いただきたいんですが。
#138
○政府参考人(川口康裕君) まず答弁でございますけれども、本要件についてはたくさんの御質問をいただいております。御質問に沿ってお答えをしているわけでございますが、当然、答弁内容に矛盾がある、両立し得ないことを申し上げるのは、これはまさに答弁の変更でございますけれども、基本的には、一定の考え方の下で、様々な側面から御質問いただいたことについてお答えをしているところでございます。
 ただ、衆議院と参議院との大きな違いという意味におきましては、衆議院の中で様々な御議論、御質問ありました。御質問の中で、参考人の御質疑もございました。
 そういう中で、我々、毎回、質問質問一つ一つについて最も適切なお答えをしようという努力をしているところでございますので、先ほど申し上げましたように、まず抽象的に言うということでございます。例を必ず当てはまるものを言うということでございます。それから、年齢の御関心が高いので、年齢について、若年者について入るのかということをきっちり言います。そうすると、中高年が入らないのではないかということはありますので、中高年について関連で触れるという参議院型の答弁を基本とさせていただいているということでございます。
#139
○片山大介君 ちょっと、今それ、私の質問に対する回答になっていないんですが、これ、文言を変えたのはなぜかというところと、それが今の答弁になるんですか。
 それと、あと、同じことなのかどうなのかという、そこ、どうでしょう。
#140
○政府参考人(川口康裕君) 一つの考え方についてこれは同じことというふうに理解をしております。ですから、両者に矛盾があるものではなく同じことであるということで、大臣の本会議答弁、衆議院のを維持しつつ、それと矛盾のない参議院本会議答弁をしていると、これは同じでありますということでございます。
#141
○片山大介君 そうすると、これ少し、参議院の方の本会議答弁の方が少し制約的になっているんじゃないかという指摘はあるんですが、それは大丈夫ですか。そこも一応確認ですが。
#142
○政府参考人(川口康裕君) 制約になっているということはないというふうに思っておりまして、参議院本会議につきましては、一般的な社会生活上の経験が乏しいということは一体どういうことかということについての問いに対応するお答えということでございまして、実際、どういう場合に取り消されるかということになりますと、様々な個別事情が当然入ってくるわけでございますし、また、その契約の目的とか勧誘の態様というのは非常にその中で重要なものになりますので、該当したりしなかったりする際の重要な要素になるということでございます。
#143
○片山大介君 そうすると、ちょっと簡単に、端的に言うと、だから、制約的になっているものではないという判断でよろしいですか。
#144
○政府参考人(川口康裕君) 制約的になっているものではないということでございます。
#145
○片山大介君 それで、衆議院の審議の方では修正案が出されて五号と六号が新たに追加されたと、三、四号の後にですね。そして、五号には、加齢又は心身の故障として高齢者や障害者を想定した文言が入った。それで、六号については霊感商法のケースが追加されたということなんだけれども、これで、先ほどからの議論になっている、これを、抱いている不安というものはこれきちんと払拭されたのかどうか、されているのかどうか、そこをどのようにお考えですか。
#146
○政府参考人(川口康裕君) 済みません、ちょっと私、今、御質問の御趣旨がよく理解できなかったところでございますが、衆議院の議論をちょっと関連で振り返りますと、私どもとしては、これは入り得ますと個々の質問でお答えをするわけですが、その場合に、やはり、与野党ともそういう解釈をして最終的に消費者庁がそれを担保できるのかということについて疑念を持たれて、私どもは注釈などでしっかり示していきますということをお話をしたわけですが、入るとして、入り得るだろうということまでは御理解いただいているわけですが、裁判によってどうなるか分からないというところにつきましての御理解もまた与野党を通じてあったというところでございます。
 そういうことであればやはり入るんだと、特に高齢者、加齢に基づく場合など入るんだと、それから霊感商法もきっちり入るんだということで、やはり明確にすべきということで条文化され、修正されたということだと思っております。
 ですから、私どもからしますと、元々入り得るということで言っていたものが条文において明確にされたというものが衆議院の修正というふうに理解をしております。
#147
○片山大介君 それで、五号の方では、これも話に出ているんですけど、判断力が著しく低下していることと、著しくが入ったんですよね。これ、衆議院の議員の方でやった修正案ではあるけど、運用は消費者庁になりますから、そうすると、この著しくが入ったことで、例えば、意見としては、これだと漏れてしまうケースが出てくる、その著しいの判断がよく分からない、こういう話になっているんですけど、これに対してはどういうふうなお答えになりますか。
#148
○政府参考人(川口康裕君) 衆議院の修正部分についてのお尋ねでございますので、やや僣越でございますけれども、この四条三項五号の著しくの要件につきましては、本年五月三十日の本委員会における衆議院修正提案者、濱村先生の御答弁によりますと、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下しているか否かは、消費者契約の締結について、事業者が勧誘する際の事情に基づき判断されるというふうにおっしゃっているわけでございまして、この著しいがない場合というのはどうなるのかということでございますけれども、少しでも低下していれば取り消すことができるということに条文上解釈されるわけでございまして、それは、取消しに値する場合も当然入っているわけでございますけれども、必ずしも取消しに当たらないような場合も含まれ得るということではないかというふうに思われます。
 そうしますと、著しくについて、やはり取り消されるべき場合は当然取り消されるべき、運用されるべきと、柔軟な解釈がされるべきということで先ほど御議論ございましたが、そういう前提であれば、やはりその前提をしっかり我々のコンメンタールに書いていくということで、取消しにふさわしい要件として規定し、御提案され、規定されているのではないかというふうに思います。
 私どもも、やはり取消しにふさわしい事業者の不当性を客観的に明確にするということで政府案としては作っておりますので、それとも考え方としては共通の面があろうかというふうに思っております。
#149
○片山大介君 私は、個人的には著しくがなくてもよかったのかなと、ここにおいてはと思うんですが、そうすると、これも一応確認なんですけれども、著しくが今回入っているけれども、別にそれが入っていようが入っていまいが、余りそれがその救済の幅に変わることはないというようなイメージになるんでしょうかね。
#150
○政府参考人(川口康裕君) 対象としては、著しくが入った方がやはり取消しができない場合というのが出てくるというふうに思います。ただ、その著しくが入ったことで取消しができない場合というのが、本当に先生方が想定しているような救うべき場合なのかということでございます。
 消費者も、だんだん私ども消費者教育をしていきますと、どういう場合取消しができるかについてだんだん勉強されていくわけです。そうすると、本来狙っていたもの以外の場合でも、これは取り消せるんだ、気が変わったから取消しをしようと。本来、契約として締結をして拘束されるのがふさわしいと思われるような場合でも、ちょっとそれほど、契約したときは買うつもりだったけど、気分が変わったからというような場合を主張する根拠になるということはあり得るわけでございまして、それをどういうふうに判断されるかは、裁判まで行けばきっちり整理されるということだと思いますけれども、やはり言葉が入ることで、本来救われるべきでないものを排除するという効果はやはりあるわけでございます。
 あと難しいのは、本来救うべきものがこれによって排除される部分と、本来救われるべきではない部分が入ってしまうこととのバランスの中で要件を適切に定めていくということかと思いますが、政府案の考え方は、比較的堅めに提案させていただいて、まず使ってみて、どうも狙っていたものよりも狭過ぎるということであれば、少しずつ要件を拡大していく提案をさせていただくという形を取っているわけでございまして、消費者契約法、平成十二年に成立しましたけれども、今回の提案でも、要件を緩和する、故意だったものを故意又は重過失にするというのがございますので、そういう注視につきましては、裁判例だけではなく、消費生活相談、これはPIO―NETで毎年九十万件ほどありますけれども、そのうち八割程度は消費者契約法に関連すると言えなくもないような案件でございますので、その辺しっかり注視を続けていきたいというふうに思っております。
#151
○片山大介君 聞きたい先の話まで言われたんですけれども、やっぱりそうなんですね。該当性をある程度担保するためにやっぱり強めに取ったということなんですよね。だから、そこは本当に堅めに取って、実際に動き出してから、やっぱりブレーキ掛け過ぎだったなと思ったら緩めていくということも、もうこれ的確に柔軟に今回やらなきゃいけない。それくらい消費者庁としてやることはこの法案通した後は重くなるということは言わせていただきたいし、また後で言いたいと思います。
 それで、要件がこうした文言になった経緯をちょっと振り返りたいと思って、言いたいんですが、これ三枚目の資料なんですが、去年の八月に消費者委員会の消費者契約法専門調査会が報告書をまとめた、これさっきから話は出ていますけど、それを踏まえて今回の改正案できたんですけれども。
 先ほど言っていた困惑類型に該当する部分をちょっと抜粋してみました。これなんですけど、これ、合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させる類型、ここについての説明が、下の段でアンダーライン引いているところなんだけれども、判断力や知識、経験の不足、不安定な精神状態、断り切れない人間関係など、当該契約の締結について合理的な判断を行うことができない事情を不当に利用され、被害事例が存在していると、こうあったんですよね。
 今回の法案では、この中の経験の不足、しかもこれ経験の不足に社会くっつけて、社会経験の不足というか、社会生活上の経験不足というやり方に変えたんですけれども、ちょっとこれなぜなのか、これを教えていただけますか。
#152
○政府参考人(川口康裕君) 私ども、消費者委員会での検討については、担当者が陪席しておりますし、私どもが諮問したところでございますので、十分尊重をして法案化に努めているところでございますけれども、私どもの方から見ますと、元々、まず消費者契約法自体がどういうものかということを考えますと、まず要件としまして、消費者と事業者の契約であるというのが要件の一番目でございます。その前提として、消費者と事業者との間では情報の質及び量に格差があるということが言わば要件になっているわけでございますので、その上で、そういう消費者について更に知識の不足を要件にするというのは、なかなかちょっとなじまないんじゃないかというところがございます。
 それから、判断力につきましては、これは内面に関する問題でございまして、客観的な要件をもって、客観的な、後から確認をするというところがなかなか容易ではない、努力義務であれば書けるわけでございますけれども、取消しまで持っていくときにはなかなか容易ではないというふうに考えたところでございます。その点、判断力ということではなくて経験の不足であれば、客観的な要素で確認ができ得ると。これは概念が個別にどうかということと別の問題でございまして、個別の事情の中で客観的な要素で確定ができるということでございます。
 そういう意味におきまして判断力不足については対象にしなかったということでございますが、これが重大な課題であることについては十分認識をしていたところでございまして、そういう中で、衆議院で可決された修正案については、著しくという要件を付けてではございますけれども、消費者の判断力が低下していることを原因とする取消し規定が設けられたということだと理解をしております。
#153
○片山大介君 そうすると、この経験の不足が客観的にある程度分かるからということだったんですが、これ、社会生活上の経験不足になっちゃうと、ちょっと抽象的になっちゃったと思います、逆に。
 それから、それ以外の判断力だとか、まあ五号のあれはありますけど、不安定な精神状態、断り切れない人間関係とかというのは、これは、客観的にはならないとしても、きちんと今回のことで救えることになるんですか。そこはどのようなお考えでしょうか。二つ聞いています。
#154
○政府参考人(川口康裕君) まず、社会生活上の経験になって客観的でなくなったのかどうかという点がございます。
 まず、対象は柔軟に判断すべき、例えば年齢何歳までというふうにすれば明確ですけれども、それはまた適切でない、年齢を要件とするものではないということでございます。ただ、例えば就労経験、外出経験等を要素として判断するというふうに私ども申し上げておりますけれども、就労経験があるかないか、どのくらいの就労をしたのかということは、あるいは外出状況とか、独り暮らしなのかとか結婚しているのかということは、これは客観的な事実でありますし、また証拠によっても後ほど確認ができ得るものが多いわけでございます。そういうものは客観的な要素ということで、内容については柔軟に判断していくべきではございますが、基本的には、この内容というのは客観的な要素だということでございます。
 それで、いろいろ救済が、これちょっと適切なお答えでなければ恐縮でございますが、救済すべき事例というのがありまして、これを救済すべきと、個別にはですね、そのときに、どういう要素に着目して類型化するかということはいろいろあり得るわけでございまして、一つの要素を南から見て西から見て、それぞれ取消しに値するだけの類型化ができるということがあり得るわけでございます。
 先ほどジャパンライフの例がございましたけれども、事実と異なることを告げていたとか実は監禁していたというとダブルで取消しができますし、それから、特商法の別な、重要事実を告知していなかったと、全部当てはまるというようなこともあります。だから、消費者契約法についても、だんだん、今回提案しておりますし衆議院の修正もありますので、当然、救済が重なり得るということでございます。
 救済が重なり得る一方で、どれにも当たらないものがあると、個別に見れば当然救済されるべきなのにどれにも当たらないものがあるということは、率直に言って認めざるを得ないと思います。
 今回の提案で全てが救えるようになったと言うには、ちょっとそう言う自信はございませんが、そういうものも、やはり類型化されないと取消しまで政府としては提案をすることができないということでございますが、重大であるとか大量に多数発生するということであれば、引き続き分析をして、類型化の努力を努めてまいりたいと思っているところです。
#155
○片山大介君 そうすると、二つ目の質問、これも端的にお伺いしたいんですけど、だから、その経験不足以外の部分のここで書いた要素というものはある程度救済できるのかどうか、ここはどうお答えになりますでしょうか。
#156
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。大変失礼申し上げました。
 判断力のところは、今回、全部ではございませんけど、衆議院の修正において、加齢に基づく場合ですとか、ほかのものもございますけれども、その要件に当てはまるものについては一定程度救われるということです。ただ、そこに当てはまらないものは残っているということだと思います。
 それから、断り切れない人間関係というものは、ここはデート商法のところで救えるものもありますけれども、やはり残っているものもあり得るかなと。
 それから、不安定な精神状態ということになってまいりますと、ちょっとなかなか現在の要件では難しいかなというふうに思います。ただ、そこに付け込んだ場合に、実は事実と異なることを告げていたとかということがあれば、具体的には救済できる場合があるということでございます。
#157
○片山大介君 だから、そこの基準を、今、答弁としてもいろいろ悩まれるように、そこの基準がやっぱり我々分からないから、いろいろとケース・バイ・ケースで問い合わせるようになっちゃうんですよね。これ、我々の議員の立場でやっていてもこうだから、この法が通った後、世の中に出ていったら、同じようなことをみんなもっと、現場で実際にそうなるわけですね。だから、その基準をもっと明確にしてほしいというのがあるので、それを、是非その努力を続けていってほしいと思いますし。
 それで、そういう意味であれば、衆議院の方の参考人質疑で河上参考人が言われたように、本来だったら、社会生活経験上の乏しさ又は判断力の不足若しくは低下によりというのを要件にしても私はよかったんじゃないのかなというふうには思いますけどね。今ここでというわけには、確かにもうここまで来てというところはあるんだけれども、そこは十分認識していただきたいと思います。
#158
○政府参考人(川口康裕君) 先ほど幾つか申し上げましたが、先生方から御覧になると救われるべきものというもの、それから類型、大きく言えば付け込み型勧誘に属するものの中で、今回、政府案、それから修正案、いろいろ努力はして救われる場合を増やしているわけでございますが、やっぱり残る場合があるということで考えております。そういう場合については何が残るのかということを精査をして、それも救えるような努力をしていきたいというふうに思っております。
#159
○片山大介君 ちょっと法務省の方も来ていただいているので、先ほど大門委員からもあったと思うんですけど、ちょっと私も民法の関係を聞きたいんですが、消費者庁は、今回、民法の改正を念頭に条文化したというのはもう公言されてあって、それで、十八歳で成人になれば確かに家族の同意なく契約できるから、十八、十九の若年層の消費者被害が出るだろうというのは容易に想像ができるわけですね。
 そこで、その若年層の被害、若年者の被害防止を消費者契約法で手当てしてあげようというところから今回その改正の話がすごく、ある意味少し偏りながら進んだんだと思うんだけれども、余りこれを、今もって考えるとちょっと意識し過ぎたんじゃないかというふうに思うんだけど、この意見に対してはどうお答えになりますか。
#160
○政府参考人(川口康裕君) 申し訳ございません。成年年齢引下げということについては、これは適切な対応をしなければ消費者被害を拡大する可能性があるということで、各方面から御指摘もいただきまして、私どももそのように考えておりまして、様々な対応をする必要があると思っております。
 そういうことでいろいろ努力をしておりますが、この消費者契約法だけで全て対応ができるとも思っておりませんでしたし、むしろ消費者契約法の既存の取消し権、これを十八歳、十九歳の人に使えるようにする、これが実は最大の課題かつ重要なことだというふうに思っておりましたが、そういう中で、ただ、やはり若者に、被害が多いところについて手当てが十分なされていないところについては十分手当てをする必要があるということの意識は十分ございましたので、消費者委員会の方にもそういう検討をお願いをしていたところでございます。
 消費者委員会の方ではその点も十分御議論いただきましたが、それも含めた、要は合理的な判断をすることができない事情を利用した契約を締結させる類型についての御提案があったわけでございます。その上で、我々は更に取消しをすべき、今回はもう消費者契約法の改正ですので、取消しということを出口にした要件化の中で社会生活上の経験が乏しいと。決して、十八、十九だけを要件にしたらどうかという議論もありましたが、それは適切でないということで、広げた要件を作って対応するということで今回の提案をさせていただいたということでございます。
#161
○片山大介君 それで法務省に聞きたいのは、これは十年近く前の話になるんですけど、これは平成二十一年十月の法制審議会の答申ですね。これは民法が定める成年年齢を十八歳に引き下げるのが適当という答申を出したんだけれども、その成年年齢を引き下げる具体的な時期については次のように述べているんですよ。各施策の効果など若年者を中心とする国民への浸透の程度やそれについての国民の意識を踏まえるべきとなっている。
 では、そう考えると、若年層の消費者被害防止のための施策の浸透度というのは国民にどこまで浸透したのかなと、それをどう踏まえて今回、民法改正案出したのか、そこを説明できますでしょうか。
#162
○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、成年年齢の引下げの法整備を行うに当たりましては、若年者の自立を促すような施策を始めとする環境整備の施策が必要であるというふうに考えられます。
 このうち消費者被害の拡大を防止するための施策としましてはこれまでも取り組んできておりまして、平成二十年及び平成二十一年の学習指導要領の改訂によりまして、消費者教育、法教育、金融経済教育等の充実が図られたということを挙げることができ、また、改訂後の高等学校学習指導要領は平成二十五年度から実施されております。また、同様の趣旨の施策といたしましては、消費者教育の推進に関する法律に基づきまして、全都道府県等におきまして消費者教育推進計画が策定され、消費者教育推進地域協議会の設置も進められております。
 さらに、同法に基づいて閣議決定された消費者教育の推進に関する基本的な方針においては、成年年齢の引下げに向けた環境整備の観点から、高等学校段階までに、主体的に判断し、責任を持って行動することができる能力を育むということが基本的な方向性として示されているわけです。これらの取組は、消費者被害の拡大防止に向けた政府内の体制が整備されたことを示すものと考えております。
 また、消費者教育等の実施といった施策は若年者に直接働きかけを行うものでございまして、その性質上、施策の実施により、一定の効果が得られるものというふうに考えております。
 こうした体制に基づきまして各種の施策が進められてきたことをもって、法務省としては、これらの施策が着実に効果を上げてきたものというふうに判断しております。
 さらに、これらの施策に加えまして、本委員会で審議されている消費者契約法の一部を改正する法律案が成立した場合には、この法律案に基づき新たに設けられる取消し権も消費者被害の拡大の防止に資するものというふうに考えております。
 また、国民意識という点では、過去に行った二度の世論調査では、いずれも七割から八割の国民が成年年齢の引下げに消極的であったというものの、消極的な意見の中にも、消費者保護の施策の充実等の前提が整えば成年年齢を引き下げてもよいという意見が多数含まれており、こうした意見と引下げ賛成の意見を合わせますと、その数が約六割という結果でございました。
 法務省としては、これまでの消費者被害の拡大の防止に向けた各種施策の効果が発揮され、それが国民の意識として既に現れてきているものと考えておりますけれども、今後、平成三十四年四月一日まで、施行日まで約四年間という期間がございますので、更なる環境整備の施策の充実、その周知の徹底に努めてまいりたいというふうに考えてございます。
#163
○片山大介君 少し長かったですが、ありがとうございました。
 いや、それで、やったことは確かにやっているんだけど、ここで言っているのは浸透度なんですよね。どこまで浸透しているかという話で、だから、ちょっとそこの言っていることは違うのかなと思います。
 ただ、今回、民法の改正案が成立しても実際引き下げるのは四年後だから、その間にしっかりやっていただきたいのと、それで、やっぱり若年層の被害の防止の手だてというのがなかったから、今回の消費者契約法を急いでちょっとこれやって、しかもそっちの方に偏ったという嫌いどうしてもあるんだけれども、そこはどうでしょうか。これは短くお願いします。
#164
○政府参考人(川口康裕君) 消費者契約法の改正については、もう平成二十年ぐらいから実体法の改正、いろいろ努力してきたところでございまして、民法の成年年齢引下げだけを目的にしてやったものではないわけでございます。二年前の本委員会における附帯決議につきまして消費者委員会で更なる検討をしてもらいまして、それを踏まえて検討したということでございます。
 その過程で民法成年年齢の機が熟してきたといいますか、見据えた議論が深まってまいりましたので、それにも対応できるものということは当然考えておりましたが、それだけを目的にしたものではございません。
#165
○片山大介君 分かりました。
 それで、ちょっと次の質問に時間がないので行きたいんですけど、今言ったような背景があって今回の改正案ができて、消費者庁としては、どうしてもある程度要件をきちんと強めないと、全てが該当しちゃって歯止めが掛からないからというような懸念があって今回こういうような形の要件を付けていったというのは分かるんだけれども、実際にこれで法が出ていった後に、私は、やっぱり現場がある程度混乱しちゃうんじゃないかというのがあって、そこにちょっと最後、残りの時間使いたいんですけれども。
 例えば、配付資料の一枚目に戻りますと、これ、不安をあおる告知のところというのは、消費者側が過大な不安を抱いていることと。この過大な不安というのもやっぱり何だかよく分からないですよ、正直言って。それから、恋愛感情に乗じた人間関係の濫用、これなんかは結構物すごい、物すごいというか、勧誘している事業者が同じような恋愛感情を持っているとまず消費者が誤認する、間違って思っちゃう。しかも、それを、事業者の方がそのことを知りながら、契約しなければ恋愛感情も解消しちゃうよと言うというんですね。こんなのどう考えても立証できませんよ、これ、こんなのは。だから、こういうことを入れてでもやっぱり制約的にやらなきゃいけないというふうに考えたんだと思います。
 だから、それはやっぱり出ていった後にきちんとやっていかなきゃいけなくて、それで、そうなると、実際に逐条解説できちんと説明をしていくからというふうに言っているんだけど、その逐条解説で全てがカバーできるのかどうかというのをまずちょっと思うんですけど、そこはどのようにお考えですか。
#166
○国務大臣(福井照君) まず、逐条解説、そのとおりだと思います。事例を用いながら逐条解説で分かりやすい説明を徹底してまいりたい、これがまず最初でございます。
 そして、逐条解説による説明のほかにも、本法案の内容に関しまして、相談現場でも活用することができるような簡潔かつ実践的な説明資料や事例集を作成して説明会を開催するなどして、消費者、消費者団体、消費生活相談員、さらには事業者団体、地方公共団体などにも周知を徹底していかなければならないと思います。そして、本法案の内容を含めた消費者契約法の解釈を含め、相談現場の消費生活相談員から問合せがあった場合には、丁寧に対応して相談現場と密にコミュニケーションを取るように図ってまいりたいと思います。
 そして、それ以外にも、相談現場でも活用することができる簡潔かつ実践的な説明資料や事例集を作成をして、消費生活相談員の相談業務を支援するため、ファクスによる法令解釈照会を受け付けておりますので、本法案が成立すれば、その内容についての個別具体の相談について分かりやすく解釈を示すこととしていきたいというふうに思っております。
#167
○片山大介君 そしてもう一つ、実際の相談に当たるのが、消費生活センターの相談員とかが相談の現場に当たるんですけれども、中高年の人たちに制約的に、救済に制約的に働かないかとか、それから、同じケースであっても相談員によってその判断がぶれたりする可能性というのも出てくる可能性がある。これが本当に今の言われたようなことできちんと防げるのかどうか。ここら辺はどういうふうにお考えですか。
#168
○政府参考人(川口康裕君) 相談でございますので、基本的にはあっせんをするということでございます。法律も使いながらも、個別具体の事情に訴えて解決に至る場合もありますので、結果的に判断がやや幅があるというふうに見えることもあるわけでございますけれども、そこはまさに個別具体の事情で事業者を説得をして、事業者が納得をしていけば解決ができると。
 ただ、PIO―NETというのがございまして、どういう事例だったかということと、あるいはどういうふうに解決したかということを事後的にデータベース化をしております。これは個人情報もございますのでなかなか外部から閲覧できませんが、相談員の皆様は、そういう情報を見ながら、特に同じような事例、同じような事業者、他の相談員がどういうふうに解決しているかを見ながら、その相場観を踏まえながら説得をする、そういうことで消費者の情報力、交渉力の格差を補っているという仕組みになっているところでございます。
#169
○片山大介君 是非そこはしっかりやっていただきたいと思います。
 それで、いずれにしろ、今回の法案がこれが世に出ていくとしても、いろいろこうした現場の混乱もあると思う。それから、その前に、まずさっき言ったように、その基準をきちんと明確化してほしい。中高年も入る、障害者も入る、そうしたことをやっていただくことがまず大前提で、そこをお願いしたいと思いますが、そこについての覚悟というか、そこは大臣、お願いできますか。
#170
○国務大臣(福井照君) 今先生おっしゃるように、相談の現場で適切に対応できるように、消費者庁一丸となって頑張っていきたいと思います。
#171
○片山大介君 次長、ありますか、何か。
#172
○政府参考人(川口康裕君) いろんな御質問にいろいろ答弁をしているわけでございますが、答弁内容をよく整理をして、これをコンメンタールに反映していくということで、消費者契約法のコンメンタールはもう第三版まで来ておりますし、非常に裁判現場でも使われているということでございますので、事例も示しながら、しかし個別具体のまだ想定できていなかったような事案が出てきたときも適切に使えるような作り方を工夫していきたいと思っております。
#173
○片山大介君 最後に一つ、ちょっと時間余ったので、最後に、付け込み型の勧誘についてやっぱり聞きたいんですよね。
 付け込み型は、合理的な判断をすることができない事情を利用して契約を締結させるもの、高齢者、若年成人、障害者の知識、経験、判断力の不足を不当に利用し、過大な不利益をもたらす契約の勧誘が行われた場合は取り消すことができるというもの。
 だから、これ困惑類型と聞いていて似ていると思うんですけど、そのとおりなんです。だけれども、困惑類型のように、今回狭めて限定的にやってしまって、消費者契約法ってどうしてもほかの法との関係上があってそういうやり方になっちゃう。被害が出てきて顕在化してきたらそれをモグラたたきのようにたたく、その要件を規定するような形をやっているんだけれども、そうすると、やはり今みたいな問題、解釈の問題も出てくる、それからその都度その都度でやっていかなきゃいけない。そうすると、やはり、難しい面はあるにせよ、付け込み型勧誘に対する導入というか、これをやっぱり本格的に考えなきゃいけないと思いますけれども。
 それで、民法の絡みでいうと、四年後に成年年齢が十八歳に引き下げられるとなるんだったら、それまでの期間がある程度やるための一つのタイムリミットのような感じもしますが、そこはどのようにお考えなのか。
#174
○国務大臣(福井照君) 消費者契約法の各要件につきましては、できる限り明確に定める必要があるので、取消し権に関する包括的な規定を設けるに際しては適用範囲の明確化が課題となっておりますので、いまだ実現できていないということでございますけれども、もっとも、いわゆる付け込み型勧誘による被害の救済を図ることは、今先生御指摘のように大変重要な課題であると考えておりますので、更なる取消し権の追加につきまして、被害事例や裁判例の分析等を進めて引き続き検討してまいりたいと存じております。
#175
○片山大介君 分かりました。これで終わります。是非しっかりやっていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
    ─────────────
#176
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 本日、石井みどり君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。
    ─────────────
#177
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。
 まず、福井大臣に確認をさせてください。衆議院本会議での大臣答弁を確認させていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 大臣は、五月十一日、衆議院本会議で、高齢者であっても、契約の目的となるものや勧誘の態様との関係で本要件に該当する場合があるとおっしゃっていますが、それでよろしいですね。
#178
○国務大臣(福井照君) 五月十一日の答弁はそのまま維持をさせていただきたいと存じます。
#179
○福島みずほ君 続けて。
 霊感商法のように勧誘の態様に特殊性があり、積み重ねてきた社会生活上の経験による対応が困難な事案では、高齢者でも本要件に該当し救済され得るということでこの答弁はよろしいですね。
#180
○国務大臣(福井照君) あえて繰り返しませんけれども、今先生が読み上げていただいたとおりでございます。
#181
○福島みずほ君 更に確認させていただきます。
 霊感商法等の悪徳事業者による消費者被害については、勧誘の態様に特殊性があり、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者であっても、一般的には本要件に該当し救済され得る、悪徳事業者との関係では被害者の救済に差はなく、本要件が被害者の分断を招くなどして消費者保護に逆行し、悪徳事業者を利する結果とはならないということでよろしいですね。
#182
○国務大臣(福井照君) そのまま維持をさせていただきたいと存じます。
#183
○福島みずほ君 更に確認をさせてください。
 本要件を設けたとしても、消費者委員会において検討されてきた被害事例は、高齢者の被害事例を含めて基本的に救済されるということでよろしいですね。
#184
○国務大臣(福井照君) さようでございます。
#185
○福島みずほ君 衆議院の本会議での大臣答弁を確認をさせていただきました。
 社会生活上の経験などについてお聞きをいたします。
 大臣、痴漢などの啓発が、以前は、二十五年以上前は、気を付けよう甘い言葉と暗い道だったんですが、二十五年ぐらい前に、痴漢は人権侵害です、関西では、痴漢はあかん、痴漢はいかんと変わったんですね。これは何が変わったと思われますか。
#186
○国務大臣(福井照君) ちょっと今にわかにお答えする能力を持っておりませんでしたけれども、今御指摘の点は、まさに社会が進化しているその過程においての女性の人権の位置付けが、そのワーディングにおいて変わってきたものと考えております。
#187
○福島みずほ君 これは、被害者に対して警告を発していたのが、加害者に対して警告を発するようになった。性暴力においてパラダイム転換が行われたのだと思います。
 気を付けよう甘い言葉と暗い道。タンクトップでミニスカートで真夜中ひょこひょこ歩いているから痴漢に襲われるのだ、あなたに落ち度があったんでしょう、甘い言葉に引かれたら駄目でしょう、あなたに落ち度があったんでしょうと被害者に対して警告を発していたのが、違う、痴漢は人権侵害です、痴漢はあかん、痴漢はいかん。要するに、加害者に対して警告を発するようになった。被害者の落ち度を問題にしないというパラダイム転換が、この日本でも二十五年前に行われたのだと思います。
 私が法案第四条第三項第三号並びに第四号にある社会生活上の経験が乏しいということにこだわるのは、これって被害者のことを問題にする。被害者が社会生活上の経験が乏しいかどうか。いや、あなたサラリーマンで、もう社会人になって十年たって二十年たって被害に遭ったなんて、そんなのおかしいですよ、あなたは主婦で、でも、NGO活動をやっていて、PTA活動もやっていて、子育てして、十分社会生活上経験を積んで、十八歳の若者と違うんだから、あなた、これだまされて、あなたに落ち度があるんでしょう、そういうふうになっちゃうんじゃないか。いかがでしょうか。
#188
○政府参考人(川口康裕君) 痴漢の例について御説明いただきまして、私も初めて聞いたので今理解した限りでございますが、基本的に被害者の落ち度を問題にしていたのから加害者の方に力点が移ってきたということだと思います。
 私どもの、社会生活上の経験が乏しいことからというのは、ことからという、ことから過大な不安を抱いていることを不当に利用したという、事業者側の不当性を特定するために要件にしているわけでございまして、それは、社会生活上の経験が十分だけれども不安を抱いている場合に付け込んだ場合と、不十分な、特に若い人が多いということと、若い人でなくてもそれに相応する人がいるわけですけれども、そこに付け込んだ場合はやはり不当性、違うだろうという判断はしておりますけれども、いずれにせよ、被害者の落ち度を問題にしているわけでございません。そういう意味において、これはちょっと文脈が違うものではないかというふうに理解しているところでございます。
#189
○福島みずほ君 だまされるのに、若いか高齢者か障害があるか認知症か、私は基本的に関係ないと思っているんですね。それはだます行為そのものがやはり問題であって、甘い言葉と暗い道と幾ら言ったところで、それは違うでしょうと思っているんです。
 今の答弁で、ではやっぱり、若者や高齢者や障害のある人、認知症の人に付け込むのは、それは違法性が高いと。でも、今の答弁で、社会生活上の経験が乏しい乏しくないということがとりわけ事案で問題になるということはないという確認でよろしいですか。
 つまり、悪徳事業者が、あなたサラリーマンでしょう、あなた四十歳でしょう、何寝ぼけたこと言っているんですか、社会生活上の経験が乏しいなんてちゃんちゃらおかしいですよ、あなた違うでしょうという、こういう言い訳は許さないということでよろしいですか。
#190
○政府参考人(川口康裕君) 消費者が取消しを主張した場合に、事業者側がそういう反論をし得るということは想定しているところでございます。
 ただ、悪徳事業者、善良な事業者、様々な事業者がいるわけでございますので、そういうところが問題になり得るということではございますけれども、私どもからしますと、これは、消費者契約法は民事ルールであるという側面でこれまで運用してきたわけですが、やはり事業者に、消費者だけじゃなくてですね、消費者が事業者に伝えたときに、事業者側がよく知っているという場合にスムーズに取消しに至るわけですが、客観的に取消しができる場合でも、事業者がそもそも理解していないと結構難航するというのが事実でありまして、そうだとしますと、そこから出てくる我々がやるべきことは、事業者団体、事業者側にこの条文の内容をしっかり説明することを一層力を入れていくということでございます。
 これは、裁判に行けば妥当な解釈がなされるわけですけれども、裁判外の場で円滑な取消しが行われるためには、事業者に内容をしっかり理解させるということでございます。そういう意味において、正しく理解した事業者からは、そういう反論はしても無駄だろうということで、出てこないということを想定しております。
#191
○福島みずほ君 消費者契約法とはそもそも何か。民法の特別法として消費者を守るためにある。いわゆる事業主に対して警告を発し、何をやったらいけないかということを明らかにすると同時に、被害者救済をするための法律であるというふうに思います。
 だとしたら、被害者救済であれば、その人が社会生活上の経験が乏しいかどうかというのを重きを置いてはいけないというふうに思うんですね。取消し権があるかどうかというのをこれで左右してはいけないんじゃないか。
 消費者庁は、消費者が被害を被るのは社会生活上の経験が乏しいためだと認識していますか。
#192
○政府参考人(川口康裕君) 福島先生におかれましては、消費者契約法を最初に議論したときも御質問をいただいたことを今思い出しているところでございますけれども、そういう原点がございますので、必ずしも、消費者被害に遭う人というのは社会生活上の経験が乏しい人だけではございません。そういう意味において、事実と異なることを告げたということによって誤認した場合も当然救済されるという前提でございます。そういう前提があって、また過量取消しもありまして、そういうものがあって更に付け加えるという非常に難しいところになってきているわけでございます。
 ですから、だました場合は当然救済されるべきだというのはそのとおりでございますが、だました場合というのは、当然、詐欺という民法もございますが、それに加えまして、事業者がとにかく事実と異なることを告げて売った場合はこれは取り消せるという大前提があって、そうすると、事実と異なることを告げたかどうかよく分からない場合まで救済しようというのが今回のものでございますので、やはりそこにはどういう形か、何らかの不実ということ以外の不当性を求めていくということで、やはり消費者側に社会生活上の経験が乏しいことから過大な不安を抱いているということに付け込んだような場合を要件にするということにならざるを得なかったということでございます。
#193
○福島みずほ君 でも、民法の詐欺、強迫で救済できないからこそ消費者契約法ができたわけで、そして、先ほどの政府の答弁だと、社会生活上の経験が乏しいというのは別に客体に注目しているのではなくて、そういう状態に付け込んでということであれば、今後、その社会生活上の経験が乏しいというのはそれほど実は重きを置かないということでよろしいですか。
#194
○政府参考人(川口康裕君) それほど重きを置かないということの意味が必ずしもよく分かりませんので、ちょっとにわかにお答えをできないというのが今の御質問に対するお答えになります。
 要件はいろいろございます。ただ、やはり、事業者の勧誘の一定の不当性を類型化する中で、社会生活上の経験が乏しいことから願望の実現に過大な不安を抱いているような人を対象に消費者契約を結んだ場合につき、一定の場合、取消しができるようにするということで作ったものということでございます。
#195
○福島みずほ君 私は、そもそもこの条項は、気を付けよう甘い言葉と暗い道なわけで、甘い言葉と暗い道に気を付けなかったあんたが問題で、あなたは社会生活上経験があるからそれを考えるべきでしょうと、やっぱり被害者のことを問題にする。私が悪徳事業者だったら被害者のことを問題にしますよ。
 ということにならないように、私はこれは削除すべきだと思いますが、一万歩譲って削除できないのであれば、これをやはり効力、この言葉を非常に重きを置かないことが必要じゃないか。大臣、どうですか。
#196
○国務大臣(福井照君) 今、初代消費者担当大臣として重いお言葉だと思います。
 したがって、論理的な、社会生活上の経験が乏しいことから云々かんぬんという、その修飾語句としての意味付けでございますので、それだけではないということをもう一度整理させていただいた上で、具体の事例を含めた周知徹底について、今、先生のお言葉を重く受け止めながら、周知徹底を図らせていただければというふうに思います。
#197
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 今日も矢田わか子さんの方からもありましたが、国民生活センターから資料をいただきました。平成二十六年一月二十三日に発表した報道発表資料、「婚活サイトなどで知り合った相手から勧誘される投資用マンション販売に注意」によると、契約者の平均年齢は三十五・一歳であり、特に女性、三十歳から四十歳代からの相談が集中する傾向があると見られています。ですから、割と三十代、四十代の女性がこのまさにターゲットになっていると。
 婚活サイトで知り合った投資コンサルタントの男性を信じ、投資用マンションを契約してしまった。婚活サイトで知り合った男性とデートを繰り返し、税金対策、年金代わり、個人的に面倒を見ると言われて契約、その後、音信不通になる。旅行の約束までした男性から勧められ、よく分からないままマンション契約、解約を迷っている間にクーリングオフ期間を経過、よくあることですが、男性とは疎遠になってしまった。婚活パーティーで親しくなった女性に勧められ、マンションを相場より高く買わされた、これは三十歳代の男性の被害です。婚活サイトで知り合った男性を信じて、将来のためにとマンションを購入した途端、連絡が途絶えた、売却を考えたものの市場価値は半分だったという。
 相談の特徴は、資金管理に詳しいと自称する相手が個人情報を詳細に把握して売り込んでくる、それから将来の生活設計をイメージさせて売り込んでくる、契約までの流れが手回しよく進んでいる、相場より高額で購入しているケースがあるという、極めて問題なんですね。
 つまり、私が何を言いたいかというと、社会生活上の経験が乏しいということは、実は消費者被害にとって余り意味がないというか、また、国民生活センターの「国民生活」二〇一七年三月号の美容医療サービスにおける中高年者のトラブルの現状によると、契約当事者の平均年齢を年度別に見ると、二〇〇七年度が三十二・八歳であったものが、二〇一〇年には三十四・九歳、二〇一三年度には三十八・二歳と年々上昇傾向が見られる。また、美容医療サービスにおける四十歳以上からの相談の割合は、二〇一〇年度の三三%から二〇一三年度には四二%に増加し、その後も全体の四割程度で推移している。
 このような傾向を消費者庁はどう受け止めますか。
#198
○政府参考人(川口康裕君) お答え申し上げます。
 もう福島先生は大臣をお務めですから当然御存じなことで、申し上げさせていただくことをお許しいただければと思いますけれども、いろいろ国民生活センターで注意喚起をしているわけでございます。消費者の方でこういう手口があるから気を付けようということをまず呼びかけをいたします。
 ただ、様々深刻な事例が多数発生いたしますと、私ども、法律的に何らかの手当てをしようということで努力をするわけですが、それは消費者契約法だけではありませんで、例えば、美容医療サービスにつきましては、昨年十二月に施行されました特定商取引法の施行令によりまして、これは医療でございますが、美容医療というのを、エステだけではなくて美容医療というものを特定継続的役務提供に追加をいたしました。この結果、契約書面受領後、一定期間内、これ八日間は無条件に解除ができる、いわゆるクーリングオフの対象にいたしまして、勧誘時の不実告知等を理由にした契約の取消しも可能にしたところでございます。
 美容医療については、こういう形で、消費者契約法ではありませんけれども、これは、美容医療というものをしっかり定義をして、特定継続的役務提供に追加をするという努力をしたところでございます。
 また、婚活サイトにつきましては、これもこういう事例があるということはかねてから承知をしております。これにつきましてはいろんな側面があろうかと思います。投資用マンションの勧誘に対して、恋愛商法というところに着目して取消しできるかどうかは今回の第四号に当てはまるかどうかということでございますけれども、その他、事業者が消費者に事実と異なることを告げていたと、あるいは利益となることだけ告げて不利益を故意に告げていなかったという場合については、あるいは将来必ず値上がりをして利益を得られるということを語っていたという場合には、現行の消費者契約法が適用されて取消し権が認められるという場合もあり得るというふうに考えている次第でございます。
 一つ一つ国民生活センターの事例も拝見をして検討しておりますが、個別具体の事情をもう少し分からないと、具体の今申し上げましたような幾つかの取消しの可能性について結論を出すことはできないというふうに思いますけれども、一つの事案につきましてはいろんな側面がございます。いろんな側面のどこを切り出して類型化をして、何法で取消しまで持っていくのか、あるいはクーリングオフにとどめるのかということについては様々なやり方があろうかと思っておりますので、今回、取消しがなかなか難しい、さらに、課題であるというものにつきましては引き続き検討をしていきたいというふうに思っております。
#199
○福島みずほ君 でも、先ほど私が読み上げた、婚活サイトで知り合った相手から勧誘される投資用マンション販売のことでいえば、まさにこれはある意味、恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ、勧誘を行う者をということにまさに当てはまるんじゃないか。
 つまり、結婚してくれるかも、あるいは二人で将来とか、結局マンション買うぐらいですから、ある程度お金もあるので、ある程度社会経験もある、被害者は三十代、四十代の例えば女性が多いということであればですよ、これは社会生活上の経験があなたは乏しくないでしょうなんて言われたら、この救おうと思うデート商法や婚活サイトを利用した投資用マンションの売り付けなんか救済できないじゃないですか。
 私は、できればそれ救済してほしいと思っているからこういう質問をしていて、社会生活上の経験が乏しい、これやっぱり余りここを重点化すべきでないのではないか。
 先ほどちょっと大臣もおっしゃいましたけれど、この委員会でよく、この間も、前回も言いましたが、かぼちゃの馬車における、あれは消費者被害でないかもしれませんが、むしろ結構いい給料をもらっているビジネスマンが一億円以上の投資をシェアハウスでさせられてしまうという被害があって、私は、出会った消費者被害に遭っている人たちは、むしろ社会生活上の経験があり、そこそこお金を持っていて、にもかかわらず悪徳事業者がうまくだますという件が多いんですが、いかがですか。
#200
○政府参考人(川口康裕君) まず、婚活サイトの例が四号に当たり得るかどうかということでございますけれども、社会生活上の経験が乏しいかどうか、これ若年者は当たり得ると。
 中高年の場合はどうかということにつきましては、先ほど来答弁しているような内容を当てはめていくということでございますけれども、他者との交友関係ということは、当然社会生活上の経験が乏しいかどうかに関係するわけでございまして、結婚を誘われているということは、御本人は結婚をした経験がないということも十分あり得るわけでございます。結婚の有無等の経験も考慮され得るというふうに思いますし、また、そういうところに行かれる方は、独り暮らしで交友関係が希薄な場合なども十分多いのではないかと思います。そういう場合も社会生活上の経験が乏しいの要件を満たす場合になり得るということでございます。
 その他、勤務状況がどうだったとか、そこの職種がどうだったかということも影響し得るわけでございますけれども、そういうことを含めて考えたときに、法四条第三項第四号で取消しができるという場合もあろうかと思います。
 また、かぼちゃの馬車につきましては、これまた別の話でございまして、御本人が大企業に勤めてばりばり働いていようがいまいが、本件取引においては初めてであって、消費者契約法の消費者契約、消費者というのは、貸主、借り手だとか買主であるということは要件にしておりませんので、これは反復継続性が乏しい一回目の勧誘を受けたという場合には、消費者性を認定されて消費者契約に当たるということがあり得るというふうに考えているところでございます。
#201
○福島みずほ君 婚活サイトでだまされる人は独身だろうから社会生活上経験が乏しいんじゃないかとか言っていただいたのは大変有り難いんですが、でも、そうすると、やっぱりその個人に注目する。
 私は、人間って完璧なようで不完全で、ビジネスマンだと仕事に埋没していて意外と世間知らずかもしれないし、じゃ、子育てしていていっぱい経験があっても、でも知らないこともあるし、国会議員だって弁護士だって、どこか社会生活上、国会議員だって詐欺に遭うかもしれないわけで、十分遭いそうな感じがしますが。
 ということで、この社会生活上の経験が乏しいということは、一つは、やっぱりこれ重きを置かない方がいい、私は削除すべきだと思っているんです。
 それから、余りに個別事案でやると、やっぱりその相手方の特殊性、つまり、私が悪徳業者だったら、相手は社会生活上経験がありますよということの立証を一生懸命やると思うんですよ。年齢、学歴、キャリア、仕事、社会生活上の経験があるじゃないか、これで何で取消し権なんですかと実際言いますよ。とすると、ちょっと繰り返しになって済みませんが、是非それを救済する方向でお願いしたい。
 社会生活上の経験が乏しいことからなどという規定は、消費者被害の実態からは全く乖離した認識であるばかりでなく、被害に遭った消費者の責任を負わせると同時に、悪徳事業者の責任を結果的に軽減してしまう規定にならないために、決意を大臣、お願いします。
#202
○国務大臣(福井照君) まさに条文から直截的に、今大臣おっしゃるように、救えるという直截の答弁は今できないと思いますけれども、大切なことだとは思います。外形的に社会生活上の経験が乏しいと言えない場合でも救うべき消費者でいらっしゃるという方をいかに救うかということについて、大きな、そして重い課題として受け止めさせていただきたいと思います。
#203
○福島みずほ君 気を付けよう甘い言葉と暗い道じゃなくて、こういう形で消費者被害を起こす側がおかしいのだと、そういう事業主に対する啓発や警告をやれば、この間も森参考人がおっしゃっていましたが、ほとんどの企業はちゃんとまともにしていると。悪徳のひどいのをきちっと取り締まる方が普通の企業にとってもいいわけですから、その点で、被害者に注目するのではなく、こういう行為をやめましょうと、婚活サイトを利用した投資マンションやるのはおかしいよとか、いろんなことをきっちり事業者に対して警告を発して、こういうことをやっても取り消されてしまうんですよということを是非実現していただきたいというふうに思います。
 大臣がうんうんと言ってくださっているので、よろしくお願いします。どうですか。
#204
○国務大臣(福井照君) 先ほど決意を述べさせていただいたとおりでございます。
#205
○福島みずほ君 よろしくお願いします。
 では次に、今日は修正案提出者の方も来てくださっていますので、政府あるいは修正案提出者の方から答弁をお願いいたします。
 まず、願望実現必要性、関係破綻可能性、損失補償請求などの告示についてお聞きをいたします。
 法案第四条第三項第三号の不安をあおり願望を実現するために必要であることの告知、タレント養成など、同四号の契約を締結しなければ関係が破綻することの告知、デート商法など、同八号の損失の補償を請求する告知、断るなら交通費を払えなどにおける告知は、全て明示の告知だけでなく、黙示の告知も入るということでよろしいでしょうか。
#206
○政府参考人(川口康裕君) 政府案について関連するお問合せがございましたので、まず政府案についての解釈で申し上げます。
 政府案に関連して、告げるということが要件とされているところでございますが、これについては、従来、消費者契約法の中にも告げるというのがございますので、これは必ずしも口頭によることを必要とせず、書面に記載して知らせるですとか、最近ですと電子メールで知らせるなど、消費者が実際にそれによって認識し得る対応の方法であれば告げるに当たるというふうに解釈をしているところでございます。
#207
○福島みずほ君 では消費者庁にお聞きをしますが、破綻することになる旨を告げるということなんですが、これは、例えば現在の関係を続けるために必要だよなどと遠回しな言い方で行う場合も少なくないと思います。これを払わなければ君と別れるよという場合もあると思います。
 ですから、このことを、破綻することになる旨を告げるという要件は実質的に判断されるべき要件であると考えますが、いかがでしょうか。
#208
○政府参考人(川口康裕君) この告知でございますが、先ほど申し上げましたように、必ずしも口頭によることを必要としないということを前提にしておりますので、直接的に関係の破綻に言及していなくても、実質的に考えまして、契約を締結しなければ関係が破綻するということを想起させるような言いぶりなどにおいて相手方に実際に認識し得るような対応であれば含まれるということでございます。
#209
○福島みずほ君 困惑類型についてお聞きをいたします。
 困惑類型の追加として、法案第四条第三項第七号、第八号が新設をされました。
 困惑は、本来の意義においては、困り、戸惑い、どうしてよいか分からなくなるような精神的に自由な判断ができない状態などと解されています。しかし、デート商法などにおける幻惑、若しくはマインドコントロール状態のように、必ずしも困惑とは言えないような精神状態に陥れられた中で消費者被害が発生する場合もあります。
 つまり、恋人商法、デート商法の際に物品等を購入する被害者は、困って買ったという心情である場合よりも、それによって関係を維持できると幻惑されているという心情である場合も多いと、そのような事案についてもこの適用があるという理解でよろしいでしょうか。
#210
○政府参考人(川口康裕君) 困惑、まあ、誤認ということで、消費者契約法は今取り消すことができる類型を整理しておるわけでございますが、そういう中で幻惑ということをどういうふうに判断するかというお尋ねかと思います。
 消費者契約法改正案の第四条第三項第四号でございますけれども、消費者が社会生活上の経験が乏しいことから、勧誘者に対し恋愛感情その他の好意の感情を抱き、かつ当該勧誘者も当該消費者に対して同様の感情を抱いているものと誤信していることを事業者が知りながら、これに乗じて、契約を締結しなければ当該勧誘者との関係が破綻することになるものと告げることにより、当該消費者が困惑をし、それによって当該契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたことが要件となっております。
 今御質問がございましたので、個別の事案がどういうものかということは必ずしも分かりませんけれども、御指摘のような場合についても、今私が申し上げましたような各要件を満たすような場合、これはあり得るんだろうと思いますし、そういう場合には取り消し得るということになるということだと思います。
#211
○福島みずほ君 ありがとうございます。
 それから、新たに法案第四条第三項第五号に、他の同僚委員もたくさん質問をされましたけれど、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下をしていることからとありますが、この著しくがあることによって救済が狭まるんではないかということについて改めてお聞きをします。
 著しくは削除するか、あるいはこれを余り重きを置いて判断するべきではないのではないか。いかがでしょうか。
#212
○衆議院議員(永岡桂子君) 御質問にお答えいたします。
 修正案により新設されました法四条三項五号の規定について、著しくという要件を付しましたのは、消費者に取消し権を付与する場合を適切に限定するためでございます。
 仮に、著しくという要件を削除して単に判断力が低下していることを要件としますと、判断力が僅かでも低下している場合について取消し権を付与することになりまして、不適切だと考えております。そして、もっとも、著しくという要件は事業者の不当性を基礎付けるためのものとして設けたものでございまして、過度に厳格に解釈されてはならず、その旨の周知を図る必要があると考えております。
 著しくの要件、この解釈を始め改正案の内容については、事例を多く用いながら、消費者庁が作成します逐条解説で分かりやすい説明を行うことが必要と考えております。
#213
○福島みずほ君 どうも、修正案提出者の方、本当にありがとうございます。
 消費者庁にちょっとお聞きをしますが、実は、例えば遺言であれ、いろんなときに、その人が判断能力があったか、心神喪失状態じゃなかったかとか、遺言の効力とか、本当に病室でこれが書くことができたのか、御存じ、契約書はどうかとか、もう本当にたくさん、裁判やいろんな例で、遺言の有効性、契約書の有効性、養子縁組の有効性、結婚届の有効性など、よくよく議論になります。
 だから、加齢又は心身の故障により判断力が低下しているかどうかって、とても一義的なようで、実はなかなか難しい。認知症も、とてもしっかりしていることもあれば、そうでないこともあり、日によっても違うし、時間によっても違うし、物によっても違うしということもあると思うんですね。
 実際、取消し権を行使して、問題にする時期と契約を結んだときで、またその人の状態が違っていることもあるかもしれない。そういう場合、できれば高齢者や障害のある人を救おうという観点から、是非これが障害のある方や高齢者の方の救済に資してほしいと思うわけで、その点から解釈などについての見方、見解を教えてください。
#214
○政府参考人(川口康裕君) 衆議院における修正によって新設された条文でございますので、基本的には本委員会における質疑における修正提案者の御答弁に沿って私どもも消費者庁のコンメンタールに書いていくということでございますけれども、今まで御答弁をお聞きする限りにおきましては、消費者が判断力が著しく低下していることによって過大な不安を抱いている状況、これに事業者が付け込んで、消費者が自由な判断ができない状況に陥らせて契約を締結させたと、そこに不当性を認めているということでございます。
 原因のところは、加齢ですとか心身の障害とか、そういうのを含むということで、これは当然高齢者が入るということだと思います。
 そういう方々の救済ができる場合を明確にする、条文の政府提案の解釈ではなくて条文で明確にするという意思が衆議院の方では出されたということでございますので、それを踏まえて解釈が行われるように私どもも周知をしていくということで、また相談員にも説明をしていくということだと思っております。
#215
○福島みずほ君 高齢者でとりわけ独り暮らしだと、寂しいからとか面倒を見てくれたとか、何かいいものだと勘違いしたとか、いろんなものをとても買ってしまうとか、それから、その娘さん、息子さんに聞くと、お母さんが何かいろんなものを大量に買ってしまっているとか、だから、それが即認知症というわけではないんだけれども、何で大量に一つのものが買われているのかとか、よく相談も受けたりするんですね。
 その意味でいうと、この判断力が著しく低下というときには、やっぱり、でもそういう事案は救済すべき事案も多いのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#216
○政府参考人(川口康裕君) 消費者契約法も取消しができる場合というのがだんだん増えてきているわけでございまして、二年前、まさに先生今御指摘があったようなものを想定して、過量契約について四条第四項というものを創設したところでございます。これにつきましては、当該消費者契約の目的物の分量等が当該消費者にとっての通常の分量等を著しく超えるものであることを知っていた場合、これは事業者がですね、知っていた場合について、その勧誘により消費者契約の申込み又は承諾の意思表示について取消しが認められるということでございます。
 これは、過量であるというところに注目しておりますので、判断力がどうだったかということは要件にしていないわけでございます。ただ、過量だということになれば取消しができるということでございますので、その条文によって取り消すことができる場合もあるという前提です。
 その上で、不実告知でもなく、過量契約でもなく、断定的判断でもない場合、それから消費者庁が提案しました三号、四号でもない場合について、なお救うべき場合があるんだろうということで五号、六号、提案されて明確にされたということでございますので、霊感商法も含めて、こういうものも総合的に活用していただくよう、いろんな現場に説明してまいりたいと思います。
#217
○福島みずほ君 消費者基本法の、一番初めに作ったときは、全ての人は消費者であるということで、全ての人は生まれてから死ぬまで、生まれる前から墓場までかもしれませんが、消費者であると、三百六十五日二十四時間、寝ているときも消費者であると、消費者でない人はいないというのが初め、消費者基本法の前文に書いたことがありますが、消費者問題って極めて重要です。
 消費者庁は、まさに国民生活センターやたくさんの非常に真面目な相談員に支えられ、消費者被害に遭う人たちの救済や相談や警告やいろんなことをやってきています。ですから、今回の消費者契約法の改正案が幅広く警告を発し、かつ消費者被害を救済するものになるようにと思っております。
 その意味で、大臣、この委員会の中でも、社会生活上の経験が乏しいことなど、非常に議論になりましたが、是非幅広く救済に資する、まさに消費者庁があるからこそ消費者問題が解決できるという立場で頑張っていただきたい。
 最後に決意をお願いいたします。
#218
○国務大臣(福井照君) 八年目を迎えました消費者庁、その土台をつくっていただきました福島大臣、本当にありがとうございます。
 消費者基本法も消費者庁の設定も全ての会派に賛成をしていただいた上で成立をし、そして今回の法律も衆議院では全会派賛成ということで参議院に送っていただきました。本当に敬意を表させていただきたいと思います。
 今回の法律で法律用語として初出の言葉が、霊感商法、恋愛感情、いっぱいありまして、もう本当にそういう意味じゃ法律作成のパラダイムシフトになっていると思います。それだけ現場も、そして先生方も熱意を持って、そして信念を持って、全ての消費者被害を撲滅するという目的に向かって邁進していただいていることを本当に感謝申し上げ、そして敬意を表させていただきたいと思います。
 今日は本当に熱心な御審議ありがとうございました。
#219
○福島みずほ君 先ほど、消費者基本法と言ったかもしれませんが、第一回目の消費者基本計画ですので、ちょっと訂正をさせていただきます。
 時間ですので、終わります。ありがとうございました。
#220
○委員長(三原じゅん子君) 暫時休憩いたします。
   午後五時一分休憩
     ─────・─────
   午後五時五分開会
#221
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから消費者問題に関する特別委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、消費者契約法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。
 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 消費者契約法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#222
○委員長(三原じゅん子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 この際、森本君から発言を求められておりますので、これを許します。森本真治君。
#223
○森本真治君 私は、ただいま可決されました消費者契約法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・こころ、公明党、国民民主党・新緑風会、立憲民主党・民友会、日本共産党及び日本維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
    消費者契約法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 本法第四条第三項第三号及び第四号における「社会生活上の経験が乏しい」とは、社会生活上の経験の積み重ねが契約を締結するか否かの判断を適切に行うために必要な程度に至っていないことを意味するものであること、社会生活上の経験が乏しいことから、過大な不安を抱いていること等の要件の解釈については、契約の目的となるもの、勧誘の態様などの事情を総合的に考慮して、契約を締結するか否かに当たって適切な判断を行うための経験が乏しいことにより、消費者が過大な不安を抱くことなどをいうものであること、高齢者であっても、本要件に該当する場合があること、霊感商法のように勧誘の態様に特殊性があり、その社会生活上の経験の積み重ねによる判断が困難な事案では高齢者でも本要件に該当し、救済され得ることを明確にするとともに、かかる法解釈について消費者、事業者及び消費生活センター等の関係機関に対し十分に周知すること。また、本法施行後三年を目途として、本規定の実効性について検証を行い、必要な措置を講ずること。
 二 本法第四条第三項第五号における「その判断力が著しく低下している」とは、本号が不安をあおる事業者の不当な勧誘行為によって契約を締結するかどうかの合理的な判断をすることができない状態に陥った消費者を救済する規定であることを踏まえ、本号による救済範囲が不当に狭いものとならないよう、各要件の解釈を明確にするとともに、かかる法解釈について消費者、事業者及び消費生活センター等の関係機関に対し十分に周知すること。また、本法施行後三年を目途として、本規定の実効性について検証を行い、必要な措置を講ずること。
 三 法第九条第一号における「当該事業者に生ずべき平均的な損害の額」の立証に必要な資料は主として事業者が保有しており、消費者にとって当該損害額の立証が困難となっている場合が多いと考えられることから、「平均的な損害の額」の意義、「解除に伴う」などの本号の他の要件についても必要に応じて検討を加えつつ、当該損害額を法律上推定する規定の創設など消費者の立証責任の負担軽減に向け早急に検討を行い、本法成立後二年以内に必要な措置を講ずること。
 四 高齢者、若年成人、障害者等の知識・経験・判断力の不足など消費者が合理的な判断をすることができない事情を不当に利用して、事業者が消費者を勧誘し契約を締結させた場合における消費者の取消権(いわゆるつけ込み型不当勧誘取消権)の創設について、消費者委員会の答申書において喫緊の課題として付言されていたことを踏まえて早急に検討を行い、本法成立後二年以内に必要な措置を講ずること。
 五 本法第三条第一項第二号の事業者の情報提供における考慮要素については、考慮要素と提供すべき情報の内容との関係性を明らかにした上で、年齢、生活の状況及び財産の状況についても要素とするよう検討を行うこと。
 六 消費者が消費者契約締結前に契約条項を認識できるよう、事業者における約款等の契約条件の事前開示の在り方について、消費者委員会の答申書において喫緊の課題として付言されていたことを踏まえた検討を行うこと。
 七 消費者委員会消費者契約法専門調査会報告書において今後の検討課題とされた諸問題である、「消費者」概念の在り方(法第二条第一項)、断定的判断の提供(法第四条第一項第二号)、先行行為等の不利益事実の不告知(法第四条第二項)にかかる要件の在り方、威迫・執拗な勧誘等の困惑類型の追加、「第三者」による不当勧誘(法第五条第一項)、法定追認の特則、サルベージ条項等の不当条項の類型の追加、条項使用者不利の原則、抗弁権の接続、複数契約の無効・取消し・解除、継続的契約の任意解除権などにつき、引き続き検討を行い、本法施行後三年を目途として必要な措置を講ずること。
 八 本法施行後五年を目途として、独立行政法人国民生活センターや地方公共団体との間で全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO―NET)の活用による一層の連携を図ること等により、消費者の被害状況や社会経済情勢の変化を把握しつつ、消費者契約法の実効性をより一層高めるため、同法の見直しを含め必要な措置を講ずること。
 九 差止請求制度及び集団的消費者被害回復制度が実効的な制度として機能するよう、適格消費者団体及び特定適格消費者団体に対する財政支援の充実、PIO―NETに係る情報の開示の範囲の拡大、両制度の対象範囲を含めた制度の見直しその他必要な施策を行うこと。
 十 特定適格消費者団体による仮差押命令申立てにおける独立行政法人国民生活センターの立担保に係る手続等について消費者裁判手続特例法の趣旨を損なうことのない運用に努めるとともに、行政が事業者の財産を保全し、消費者の被害の回復を図る制度の創設について早急に検討を行うこと。
 十一 地方消費者行政の体制の充実・強化のため、恒久的な財政支援策を検討するとともに、既存の財政支援の維持・拡充、消費者行政担当者及び消費生活相談員に対する研修の充実、消費生活相談員の処遇改善等による人材の確保その他適切な施策を実施すること。
 十二 消費者の自立を支援し、消費者が消費者契約法をはじめとする民事ルールや消費生活センター等を活用できる実践的能力を培うため、消費生活相談員などを学校教育において積極的に活用する方策を講じつつ、すべての都道府県において充実した消費者教育を受けることができる機会を確保すること。
   右決議する。
 以上でございます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#224
○委員長(三原じゅん子君) ただいま森本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#225
○委員長(三原じゅん子君) 全会一致と認めます。よって、森本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福井内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。福井内閣府特命担当大臣。
#226
○国務大臣(福井照君) ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。
#227
○委員長(三原じゅん子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#228
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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