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2018/02/16 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
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2018/02/16 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号

#1
第196回国会 政府開発援助等に関する特別委員会 第2号
平成三十年二月十六日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 一月二十三日
    辞任         補欠選任
     二之湯武史君     木村 義雄君
 二月十五日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     江島  潔君
     大家 敏志君     馬場 成志君
     木村 義雄君     豊田 俊郎君
     野村 哲郎君     渡辺 猛之君
     三宅 伸吾君     高野光二郎君
     新妻 秀規君     里見 隆治君
     藤巻 健史君     石井 苗子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                井原  巧君
                大野 泰正君
                中西 祐介君
                松下 新平君
                相原久美子君
                矢倉 克夫君
    委 員
                朝日健太郎君
                有村 治子君
                岩井 茂樹君
                宇都 隆史君
                江島  潔君
                高野光二郎君
                豊田 俊郎君
                馬場 成志君
                丸川 珠代君
                元榮太一郎君
                渡辺 猛之君
                石上 俊雄君
                小西 洋之君
                長浜 博行君
                真山 勇一君
                里見 隆治君
                宮崎  勝君
                井上 哲士君
                辰巳孝太郎君
                石井 苗子君
                又市 征治君
                蓮   舫君
              アントニオ猪木君
   副大臣
       外務副大臣    中根 一幸君
   事務局側
       第一特別調査室
       長        松井 一彦君
   政府参考人
       外務省国際協力
       局長       梨田 和也君
   参考人
       独立行政法人国
       際協力機構理事
       長        北岡 伸一君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  加藤  宏君
       独立行政法人国
       際協力機構理事  前田  徹君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○政府開発援助等に関する調査
 (参議院政府開発援助調査に関する件)
    ─────────────
#2
○委員長(山田俊男君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、二之湯武史君、藤巻健史君、新妻秀規君、石井準一君、大家敏志君、三宅伸吾君及び野村哲郎君が委員を辞任され、その補欠として石井苗子君、里見隆治君、江島潔君、豊田俊郎君、馬場成志君、高野光二郎君及び渡辺猛之君が選任されました。
    ─────────────
#3
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に外務省国際協力局長梨田和也君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#5
○委員長(山田俊男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に独立行政法人国際協力機構理事長北岡伸一君、同理事加藤宏君及び同理事前田徹君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#7
○委員長(山田俊男君) 政府開発援助等に関する調査のうち、参議院政府開発援助調査に関する件を議題といたします。
 本日は、平成二十九年度参議院政府開発援助調査派遣団参加議員の方々から各十分程度御意見を伺った後、六十分程度委員間の意見交換を行いたいと存じます。
 御意見を表明していただくのは、第一班のカザフスタン共和国、モンゴル国については岩井茂樹君、第二班のパプアニューギニア独立国、ソロモン諸島については里見隆治君、第三班のナイジェリア連邦共和国、コートジボワール共和国、ベナン共和国、フランス共和国については江島潔君、第四班のキューバ共和国、ジャマイカについては豊田俊郎君です。
 なお、御意見を表明される際は着席のままで結構です。
 それでは、まず、第一班の岩井茂樹君からお願いいたします。岩井茂樹君。
#8
○岩井茂樹君 ODA調査派遣第一班について御報告をいたします。
 当班は、昨年九月十一日から十九日までの九日間、カザフスタン共和国及びモンゴル国に派遣されました。
 派遣議員は、赤池誠章議員、三宅伸吾議員、大島九州男議員、宮崎勝議員、団長を務めました私、岩井茂樹の五名でございます。
 以下、調査を通じて得られた所見につき、両国に共通する課題と国別の課題と分けて御報告をいたします。
 初めに、両国に共通する課題について申し上げます。
 第一に、産業構造の多角化に向けた中小企業育成支援についてです。
 両国は、共に九〇年代初頭から市場経済への移行を進め、各国からの支援と豊富な天然資源を背景に経済成長を遂げてきました。しかし、資源価格の変動の影響を受けやすい両国の経済の安定と発展のためには、製造業を始めとする中小企業の育成による産業の多角化が重要な課題となっております。
 今回の訪問では、ビジネス人材育成の拠点である両国の日本人材開発センターを訪れるとともに、カザフスタンでは、日本の専門家の指導の下、建設現場のカイゼンに取り組むインフラ関係企業ストロイクラス社を、モンゴルでは、円借款による低金利のツーステップローンを活用し、質の高い洋菓子店を展開するジュルウル社を視察しましたが、こうした成功事例を増やすとともに、建設現場における安全管理や製造業者への技術支援などにも一層取り組むべきであります。
 第二に、日本語学習者等の人的資産の活用についてです。
 両国では、日本人材開発センターのビジネスコースや日本語コース等で熱心な取組が行われているほか、我が国への留学を目指す学生など、各訪問先で出会った若者の高い意欲は両国関係の未来に希望を感じさせるものでした。
 今後、我が国との貿易や投資、人的交流を活発化し、こうした人的な資産が一層活用されることを期待しますが、そのためにも以下に述べるような国別の課題に取り組む必要がございます。
 まず、カザフスタンについて申し上げます。
 第一に、援助で培われた我が国の技術への信頼を生かすフォローアップについてです。
 ODA被援助国から卒業が間近となっているカザフスタンへの我が国の経済協力は、現在、技術協力と草の根無償資金協力が中心となっていますが、これらの継続や日本企業の進出への期待の声が聞かれました。
 二〇一二年に事業が完了したアスタナ上下水道整備計画は、処理施設の能力の向上等に寄与したことが確認されました。一方、旧ソ連時代に造られた配管の更新が課題となっており、先方から配管を破壊せずに点検と改修ができる我が国の技術への関心が示されました。今後は、取り得る支援ツールを活用し、引き続きニーズに応える必要があるものと思われます。
 アスタナ第二小児病院では、独立後間もない困難な時期に我が国が供与した医療機器による乳幼児死亡率の低下や、日本製医療機器の品質と使いやすさなどにつき高い評価を受けました。しかし、これらの機材の修理が国内ではできないため、現在では寿命を超えた多くの機器がアフターサービスの行き届いたドイツ製や米国製のものに代わられております。病院側からは、サービスさえ整えばまた日本製の機器を導入したいとの声が聞かれており、アフターサービスの提供方法の工夫により、援助で培われた日本製医療機器への信頼が販路の拡大につながることが期待されます。
 第二に、草の根無償の活用と援助機関立ち上げへの支援についてです。
 今日、カザフスタンは、国の経済力は高水準にあるものの、都市と地方に格差が生じています。我が国は、草の根無償により地方の学校の改修や医療機器の整備などの支援を行い、目に見える支援として同国の国民から好評を得ております。この支援は、他国の大使館にはない地方とのネットワーク形成への外交ツールとしても機能しており、このような形での協力も戦略的に継続していく必要があります。
 また、同国は現在援助国側に移行しつつあり、我が国は同国政府の援助機関の設立やアフガニスタン女性への支援活動にも協力しています。本件の担当者とはODAに対する国民の理解を得るための取組についても意見交換を行いましたが、周辺地域の平和と安定に貢献しようとする、このような取組に引き続き協力することも我が国の重要な役割と考えます。
 次に、モンゴルについて申し上げます。
 第一に、ガバナンス強化及び我が国との関係強化に資する支援についてです。
 我が国はモンゴルに対し、トップドナーとして二〇一五年度までに総額約二千九百億円の援助を行っています。今回訪問した首都ウランバートル市は、地方からの人口流入が進み、人口四十万人規模で計画された同市に百四十万人が住む状況となっていることから、基礎インフラの整備や大気汚染対策が課題となっております。
 これらに対応した各案件では着実な取組が見られましたが、全般的な課題として感じられましたことは、モンゴル側国会議員との懇談でも率直に指摘された、官僚機構も含む政治制度がいまだ成熟の途上にあり政策の継続性に欠くことや、公職にある者の倫理観の欠如による不正の存在などです。我が国の協力の効果の発現や、同国への投資の促進のためには、同国のガバナンス強化への取組が欠かせないと考えます。
 また、社会資本の整備や産業に係る多岐にわたる支援が必ずしも我が国との貿易拡大につながっていない状況も見受けられ、両国がウイン・ウインの関係を構築できる分野が何かにつき十分検討し、両国の互恵的、相互補完的な関係の強化に資する協力とすべきと思われます。
 第二に、IMF支援プログラム実施時の協力についてです。
 モンゴルは近年、経済の失速と財政状況の悪化から、二〇一七年から三年間、IMF支援プログラムに基づき総額約五十五億ドルの支援を受けることとなっております。
 このうち、我が国は三年間で最大八・五億ドルの財政支援型円借款を行うこととしており、この財政支援を行う間、プロジェクト型円借款については慎重に検討を進める方針であることが明らかになりました。日本企業関係者からは、これまで事前調査を行ってきた案件を他国が扱うことになることへの懸念が示されており、今後とも日本企業による質の高い協力が行われるよう、可能な限り、この事前調査を生かす協力を実施することが期待されます。
 第三に、質の高いインフラ整備と人材育成の推進についてです。
 今回視察した整備中の案件のうち、新ウランバートル国際空港建設事業は、航空需要の増大に対応して市外の草原に新空港を建設をし、モンゴルの国際空港の信頼性や利便性の向上を図るものです。総額六百五十六億円を円借款で供与する同国へのODA史上最大の事業であり、併せて空港運営に係る人材育成も技術協力で行われています。
 日本モンゴル教育病院建設計画は、無償資金協力による同国初の大学附属病院の建設で、病院運営に係る技術協力も併せて実施されています。視察した建設現場では、日本のコンサルタントと建設会社の指導の下、安全第一を旨とした作業員への技術指導が図られていました。
 これらの案件での技術指導や質の高い施設の完成を通じ、適切な初期コストの投下によるライフサイクルコストの低減や人材育成の重要性等を一層浸透させる必要があります。
 第四に、ウランバートル市の環境改善と一極集中の是正についてです。
 同市では、地方からの移住者が市街地の外側に移動式住居、ゲルなどを建てることにより、インフラが未整備なゲル地区が無秩序に拡大しています。今回、JICAが協力するこのゲル地区の再開発や市の大気汚染対策能力強化プロジェクトを視察し、環境改善に向けた地道な取組を確認しましたが、市内の交通渋滞の常態化も含め、同市の抱える諸問題の深刻さを目の当たりにし、根本的には首都への一極集中の流れを変えていく必要性を感じたところです。新空港周辺で予定されている衛星都市の開発や、モンゴルの風土に適した農牧業の支援等により、一極集中の是正や地方の発展を図ることが必要と考えます。
 最後になりますが、今回の派遣に当たり御協力いただいた外務省及び在外公館、JICA、現地で活躍される皆様方に心から感謝を申し上げ、報告といたします。
 誠にありがとうございました。
#9
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 次に、第二班の里見隆治君にお願いいたします。里見隆治君。
#10
○里見隆治君 ODA調査派遣第二班について御報告いたします。
 当班は、昨年九月二日から十日までの九日間、パプアニューギニア独立国及びソロモン諸島に派遣されました。両国へのODA調査派遣は初めてであります。
 派遣議員は、団長の藤川政人議員、馬場成志議員、田名部匡代議員、倉林明子議員、そして、私、里見隆治の五名でございます。
 本日は、今回の調査を通じて得られました所見を中心に御報告をいたします。
 まず、インフラ整備について申し上げます。
 パプアニューギニアでは、東ニューブリテン州及び周辺島嶼部における拠点空港である新ラバウル、トクア空港を視察いたしました。同空港は、一九九四年、近郊の火山噴火に伴い閉鎖された旧ラバウル空港の代替として無償資金協力で緊急整備されたものであります。
 同空港は、旅行客の増加に伴い手狭な状態で、しかも施設の老朽化は否めない状況であります。建物は改修工事中でしたが、地域における物流等の拠点として更に発展させるためには、空港機能を強化する必要があります。
 コンガ東ニューブリテン州知事からは、観光の拠点として開発するためトクア空港の再編等のプロジェクトに日本政府や日本企業に協力を求める意見が述べられました。また、ココポ・ラバウル地域の発展のためには、空港の機能強化だけでなく、舗装の劣化が進む道路を補修、改善するなど運輸・交通インフラを一体的に整備する必要があると考えます。
 ソロモンでは、まず、二〇一六年に整備されたホニアラ港を視察しました。同港は、強度不足により軽量貨物しか扱えなかった港湾施設を無償資金協力で改修、増強したものであります。同港では、施設の荷さばき能力が飛躍的に向上したとの説明を受けました。今後、貨物の輸出入増加が一層見込まれており、より効果的、効率的な港湾運営のためには、施設の管理能力の向上の取組を支援する必要があります。
 次に、ホニアラ市のククム幹線道路を視察いたしました。増加する交通量による路面の損傷や慢性的な渋滞が発生しているため、無償資金協力で道路の改修、新マタニコ橋の改修、拡張等を行っています。道路改善事業ではバス停改良が施されていましたが、工事中の新マタニコ橋前後の区間は四車線から二車線に幅員減少するため、渋滞が発生してしまいます。視察時には、突然の大雨で道路が冠水し、渋滞に拍車が掛かる場面に遭遇しました。橋の建設による拡幅とともに、道路排水機能の強化を着実に行うことが求められます。
 ソフ・インフラ開発大臣からは、現在の道路改修区間の延長について要望を受けました。他の整備計画との兼ね合いはあるものの、渋滞軽減のため道路改善事業の延長計画の検討は欠かせないと考えます。
 両国においては、基礎インフラが依然未整備であり、複数のインフラ整備が進行しています。強靱な橋梁などの日本のクオリティーの高いインフラは高い信頼を得ております。今後、民間投資を呼び込むためにも、適切な優先度を踏まえつつ、インフラ整備に対する積極的な支援が求められると考えます。
 次に、環境保全について申し上げます。
 パプアニューギニアでは、建設工事中のポートモレスビー下水処理場を視察しました。首都ポートモレスビーでは、下水道サービスの提供及び沿岸海域への汚水流出抑制のための下水道整備事業が円借款で行われています。同事業については、本年十一月に同国で開催されるAPEC会合までの完成を目指しており、今後、予定どおり下水処理場が完成することが求められています。処理場完成後の戸別接続は二〇一九年中の見込みであり、沿岸沿いの住民七万人分の処理が予定されていますが、公衆衛生の改善や自然環境の保全にどの程度寄与するのか引き続き注視する必要があります。また、将来的にはポートモレスビー全体をカバーする下水処理サービスの検討が重要であると考えます。
 ソロモンでは、大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト、J―PRISMが実施されているラナディ廃棄物処理場を視察しました。廃棄物の埋立てに福岡方式を導入してごみを軽減させるとともに、家庭ごみの分別収集システムの構築に取り組んでいます。また、回収したペットボトルをプレス機で圧縮する様子やその保管状況を見ることができました。ただし、圧縮後のペットボトルの流通ルートが確立していなければ保管庫にたまる一方でありますので、今後は再利用に向けた方策が不可欠であると感じました。
 環境保全・気候変動対策は、太平洋島嶼国に共通する課題であることから、各地での取組を大洋州全体で共有するとともに、政府、民間、NGO等が十分に連携して取り組むことが重要であります。
 次に、教育支援について申し上げます。
 パプアニューギニアでは、理数科教育の質の改善プロジェクトの実施機関である教育省カリキュラム開発局及びプロジェクトに基づく授業が行われているコキ小学校を視察いたしました。
 カリキュラム開発局では、同国において初めて標準化された教科書を開発しており、カリキュラム開発を通じて職員の能力向上、人材育成にもつながっているとの説明がありました。また、コキ小学校では、試作版の教科書と指導書を用いた授業を行っており、生徒の学力向上を実感しているとの説明を受けました。教科書、指導書はいずれも具体的で分かりやすく、生徒が積極的に授業に参加している様子が印象的でした。
 パイロット校の実践を踏まえ、パプアニューギニア独自の教科書、指導書を全国に導入することが同国における教育の質の向上につながり、今後、算数、理科以外の教科についても支援を検討する必要があると考えます。
 また、同国のラバウルでは、青年海外協力隊員が活動するカラマナグナン小学校を視察しました。JICAボランティアは他の学校でも活動しており、隊員の指導がすばらしく、生徒の成績が改善されたとの意見が聞かれました。同様に隊員が活動する障害者支援施設カランサービスでは、手話を取り入れた授業や理学療法的なリハビリ活動を視察しましたが、多くのJICAボランティアが専門を生かしながら地域に根差した活動を行っています。派遣期間が二年程度と短期間であっても、引き続きJICAボランティアが活動を継続することが重要であります。
 基礎教育の拡充は国の社会経済発展に必要不可欠なものであることから、引き続き、各種プロジェクトを通じて教員の指導力改善、児童の学力向上に資する取組や人材育成に対する支援を継続的に行う必要があると考えます。
 次に、天然資源開発について申し上げます。
 パプアニューギニアでは、同国初の天然ガスプロジェクトの施設であるLNGプラントを視察しました。油ガス田で産出される天然ガスをLNGプラントで液化して輸出するPNGLNGプロジェクトは、日本企業が事業化検討段階から参画、建設し、二〇一四年に完成したものです。プラントで生産されるLNGの約半分が日本向けに輸出されています。
 パプアニューギニアでは、投資額約二兆円に上るプロジェクトの成功を受けて、更なるLNG開発が計画されており、日本企業による投資への期待が高まっています。また、プラントでは、地元の若手技術者たちがLNGの生成過程等について分かりやすく説明する姿が印象的であり、プロジェクトが技術者の人材育成に貢献していると言えます。
 次に、これらの案件視察を通じて必要と考える今後に向けた支援について申し上げます。
 まず、投資環境の改善についてであります。
 パプアニューギニアでは、政権が今後経済成長を最優先する意向を示しています。海外からの投資拡大が見込まれ、日本企業に投資を求める声は強いものがあります。
 単に木材、魚類等の一次産品を輸出するだけでなく、国内で加工産業を育成し、輸出につなげていくことが重要であり、雇用創出に貢献するものです。また、豊かな自然環境を活用した観光開発の潜在性は高いと考えられます。
 各分野における民間投資の拡大が経済成長の実現に向けて鍵を握ると言っても過言ではなく、官民連携を一層推進する必要があると言えます。なお、悪化している治安等の問題を抱えたままでは投資を一層促進することは困難であり、こうした投資環境の改善に資する支援の在り方についても検討が求められます。
 ソロモンでは、ニッケル等の資源開発が期待される一方で、豊かな自然環境を活用した観光開発が経済発展に結び付く可能性を秘めています。また、治安維持のためのソロモン地域支援ミッション、RAMSIが昨年六月に完全撤退しており、今後の治安情勢が懸念されます。
 両国においては、今後、投資環境の改善に資する支援を行うことが重要であります。また、治安面での留意が必要であり、日本企業関係者やJICAボランティアが安心して活動できるようなバックアップ体制が必要と考えます。
 次に、太平洋・島サミットプロセスに基づく協力についてであります。
 第八回太平洋・島サミット、PALM8が本年五月に福島県いわき市で開催されますが、今後、PALM8を成功に導き、その成果を太平洋島嶼国の経済発展に結び付けることが重要であります。
 また、パプアニューギニアやソロモンでは、地震、津波、サイクロン等の被害を受けやすいため、日本と共通の課題である自然災害の脅威への対策について協力する必要があります。さらに、気候変動・環境分野で日本は指導的役割を果たすことが求められているため、こうした課題に対する支援を的確に講じていく必要があると考えます。
 次に、遺骨収集の推進についてであります。
 パプアニューギニア、ソロモンにおいて、派遣団は戦没者の碑や慰霊公苑を訪れ、献花を行いました。両国はさきの大戦の激戦地であり、戦没者は東部ニューギニアで約十二万七千六百人、ビスマーク・ソロモン諸島で約十一万八千七百人に上る一方で、両地域で未収容の遺骨が今なお約十三万五千柱となっています。
 政府は二〇二四年度までの集中実施期間に遺骨収集の取組を強化していますが、迅速な収容に向けてこうした取組を加速する必要があると考えます。
 最後になりますが、政府関係者等との意見交換、案件視察の際には、日本からの支援に対する感謝の言葉が必ず寄せられました。日本と両国が長年にわたる協力関係を構築してきた成果であります。
 終わりに、今回の調査に当たって多大な御協力をいただきました視察先の関係者、外務省及び在外公館、JICAを始め、JICAボランティア及び専門家、日本企業関係者、国際機関の方々に改めて感謝申し上げます。
 以上でございます。ありがとうございました。
#11
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 次に、第三班の江島潔君にお願いいたします。江島潔君。
#12
○江島潔君 それでは、ODA調査派遣第三班について御報告を申し上げます。
 当班は、本年一月八日から十八日までの十一日間、ナイジェリア連邦共和国、コートジボワール共和国、ベナン共和国及びフランス共和国の四か国に派遣されました。このうち、ナイジェリア、コートジボワール及びベナンの三か国はODA調査として初訪問国でありました。
 派遣議員は、堂故茂議員、蓮舫議員、そして私、団長を務めました江島潔の三名でございます。
 本日は、調査を通じて得られました所見を中心に、その概要を御報告をいたします。
 お手元に配付してあります当班の視察案件等資料の十二ページ以降に報告順に視察案件の写真を掲載をしておりますので、併せて御覧いただければと思います。
 まず、持続的な第一次産業振興支援の重要性についてであります。
 コートジボワールにおきまして国産米振興プロジェクトを視察いたしました。これは十二ページの写真の@とAに掲載してございます。
 本プロジェクトでは、米の輸入依存度を下げるため、生産から精米、流通、消費に至るバリューチェーンの全体的な底上げを目指しております。
 また、生産に関しまして、まず専門家が生産者のリーダーに対して指導を行い、そこで指導されたリーダーが自分の村で生産者への指導を行うという二段階の方式を取っております。これにより、プロジェクトの終了後も、習得した技術を地域において継承するプロジェクトの持続性を確保していくことが期待をされております。
 続いて、写真は十二ページの二―@とAであります。ベナンにおきまして内水面養殖普及プロジェクトを視察いたしました。
 本プロジェクトは、水産物の消費量が増大し、多くを輸入に頼っているベナンにおきまして内水面養殖の振興を図ろうとするものであります。二〇一〇年から一四年にかけて第一フェーズが行われ、対象地域の養殖家人口が二・五倍になる成果を上げております。昨年二月から第二フェーズが開始され、ベナン全土を対象として生産量の増加に重点を置いたプロジェクトが実施されております。
 本プロジェクトでは、日本人専門家が中核養殖家を育成した後、中核養殖家が習得した技術を一般養殖家に普及させていくというアプローチを取っております。
 これらのプロジェクトでは、いずれも、地元の人たちの間で技術の継承を行うことで、ODAによる支援が終わった後もその技術で自立できるような支援となっていることが特徴であり、こうした持続性のある支援の在り方は非常に重要であると感じました。
 続いて、十三ページの、写真でいいますと三―@とAであります。質の高いインフラ整備の重要性についてでございます。コートジボワールにおきまして日本・コートジボワール友好交差点改善計画を視察をいたしました。
 本事業は、過度に交通が集中する同交差点の立体化により渋滞緩和を行うことを目的としております。
 事業実施に当たり、先方からの要請等も踏まえて、走行の安全性を重視した工法の選択、維持管理コストの低減、景観に配慮したシンプルな構造の採用等、高い施工技術を要するものとなっている反面、これが他国にはまねのできない質の高いインフラとなっているとのことでございます。
 なお、本事業の基礎となる都市開発及び交通に関するマスタープランは、我が国が策定支援したものであり、日本型の開発手法の質の高さに着目をした上での選択であったとのことでございます。
 経済の成長、発展を図る上でインフラの整備は極めて重要であり、今後とも要請に応じて質の高い支援を行っていく必要があると感じました。
 次に、教育、人づくりに対する支援の必要性についてであります。写真は十三ページ、四―@とAを御参照ください。ナイジェリアにおきまして、ドゥルミ職業訓練施設を視察をいたしました。
 同施設におきましては、早い段階で就学機会を失った女性を対象として、生計向上を目的とした製パン、理容、裁縫、家庭用品作り等の職業訓練を実施しており、年間約三百名の女性が職業技術を習得し、就業機会の向上が図られております。訓練を受けている女性から、大学に行きたいという声を聞いたのは大変印象的でありました。こうした職業訓練の場の提供により、生活の質の向上につながることが期待されます。
 続きまして、コートジボワールにおきましては、アニャマ・ノール複合小学校を視察いたしました。写真は十四ページの五―@とAを御参照ください。
 同校では、教室の建設等が行われたことにより、生徒の受入れ人数が増加するなど、教育の環境、質が向上したとのことであります。教育は国の発展の礎となる重要なものですが、その公平なアクセスと質の改善に役立っていることを認識をいたしました。
 人材育成に関しまして、TICADYのナイロビ宣言では、教育、技術・職業訓練を通じた必要なスキルを伸ばす取組を加速させるとしております。
 今後とも、教育、人づくりの重要性に鑑み、適切な支援を行っていく必要があると感じております。
 次に、保健分野の支援の必要性であります。写真は十四ページの六を御参照ください。
 これは、ナイジェリアにおいて、スラム地区の貧困層の人たちを対象とした地域保健サービス強化プロジェクトの取組を視察したところであります。保健状況の改善が急務となっているナイジェリアにおいて、貧困層にも行き届く保健医療体制づくりの重要性を実感いたしました。
 続いて、写真は十五ページの七を御参照ください。ベナンにおきまして、ラギューン母子病院を視察をいたしました。
 ベナン最大の母子病院である同病院において、病棟の新設や医療機材等の整備を行うとともに、同病院職員の本邦研修等を実施し、地域住民の母子保健サービスへのアクセス改善、質の向上が図られております。
 ベナンにおいては、乳幼児や妊産婦の死亡率はいまだ高い水準となっております。日本の協力により、この病院では救われる命が母子ともに格段に増加をしているとのことでありますが、他地域においてもこうした医療へのアクセスの改善を図っていく必要があると感じました。
 西アフリカ諸国においては、母子保健分野を始めとする保健医療サービスが十分なものとはなっておりません。各国の政府要人との会談においては、我が国の保健分野への協力に対し謝意が述べられました。引き続き、保健システムの強化に向けた支援を行っていく必要性を感じました。
 続いて、ODAを通じた日本に対する理解醸成の重要性であります。
 写真は十五ページ、八―@とAを御参照ください。これは、ベナンにおいて、たけし日本語学校という施設を視察をいたしました。
 本校は、ゾマホン前駐日本ベナン大使によって設立をされたIFE財団が平成十五年から運営しているベナンで唯一の日本語学校であり、無料で日本語の授業及び日本文化の紹介が行われております。本校の卒業生は千四百名を超えており、そのうち約六十名が日本への留学経験があるとのことであります。
 関連して、日本の国費留学制度において、試験科目で英語が必修とされており、日本語に加えて英語を学ぶことはフランス語を公用語とするベナン人にとって大きな負担となるので是非配慮をお願いしたいとの要望が述べられました。アフリカの地において多くの若者が日本語を習得しようとする熱心な姿は、とても印象的でありました。今後は、ベナン国内のみならず、仏語圏アフリカにおいて日本語教育を広めていきたいとのことでありました。
 このほか、ナイジェリアにおいては、日本のテレビ番組を放映をしたいという要望も聞きました。こうした取組により、アフリカの地において日本の文化に対する理解が深まることが大いに期待をされます。ODAを通じた日本文化への理解促進は、今後、より重点を置いて取り組む分野であると感じました。
 次に、紛争に伴う避難民支援と復興支援の重要性でございます。
 写真は十六ページの九―@、Aを御参照ください。これは、ナイジェリアにおいて国内避難民キャンプを視察をしたところであります。
 ナイジェリアでは、北東部においてテロが頻発をした結果、多くの住民が避難を余儀なくされている状況であります。こうした状況を受け、日本は、国際機関と連携しながら人道・復興支援及びテロ対策支援を実施しております。
 視察したこのキャンプにおきましては、国内避難民に対する職業訓練の研修の一環として、改良パーボイル技術の研修が実施されていました。
 この改良パーボイル技術とは、二〇一六年に終了したJICAの技術協力プロジェクトで開発をされたものであります。この技術により米の品質が向上し、直接所得の向上につながることから非常に喜ばれているとのことであり、現在、国内避難民を含め広く普及を図っているとのことでありました。このような技術を生かした地道な貢献の重要性を実感をいたしました。
 最後に、民間企業の投資の促進に向けた取組でございます。写真は十六ページの十を御覧ください。
 ベナンにおきましては、タロン大統領を訪問した際に、日本のODAによる協力、支援に対する謝意が述べられるとともに、日本からの民間投資を呼び込むこと、その上での阻害要因の除去など、環境づくりを進めていきたい旨の意向が述べられました。また、ほかの二国におきましても同様の意向が述べられております。
 いずれの国も若年層が多く存在しており、特にナイジェリアは将来的には米国を抜き世界第三位の人口大国となることが予測されているなど、西アフリカが人的資源の面から大きな魅力を感じる市場そのものであります。こうした地域に民間の投資を促していくことは重要であると言えます。
 これに関連しまして、現地日系企業関係者との懇談において、仮に規模は小さくとも意欲を持って取り組んでいる企業については、もっとODA事業の受入れ主体となる道が開かれるようであってほしいとの指摘がありました。
 現在、これらの国では、若者の雇用確保が大きな課題となっており、かつ、治安面など投資環境が必ずしも良いとは言えません。ODA等の支援によって、こうした環境整備を進めていくとともに、企業だけでは解決が困難な問題に対する国によるきめ細やかな支援が必要であると感じました。
 こうした課題を解決して、日本とアフリカ諸国とのお互いのウイン・ウインの関係を構築していく必要があります。
 最後に、フランスについて申し上げます。写真は十六ページの十一を御参照ください。
 フランスにおいては、欧州・外務省及びフランス開発庁の担当者との意見交換を行いました。
 フランスでは、マクロン政権の下で、対アフリカ重視を含む開発援助政策の新たな方向性が打ち出されているところであります。
 アフリカ地域における支援において、フランスと、それぞれが得意とする分野を生かしながら協調して支援を行う必要性を感じました。
 最後になりますが、今回の派遣に当たり御協力いただいた外務省及び在外公館、JICAを始め、現地で御活躍をされる青年海外協力隊や日本企業の方々に心から感謝を申し上げ、報告といたします。
 ありがとうございました。
#13
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 次に、第四班の豊田俊郎君にお願いいたします。豊田俊郎君。
#14
○豊田俊郎君 ODA調査派遣第四班について御報告いたします。
 当班は、昨年十二月十日から十八日までの九日間、キューバ共和国及びジャマイカに派遣されました。
 派遣議員は、井原巧議員、石井苗子議員、そして私、団長を務めました豊田俊郎の三名でございます。
 今回訪問した両国は、参議院ODA調査派遣団として初めての訪問であり、案件の視察や政府関係者との意見交換のほか、JICA専門家やボランティア、日本企業関係者等と意見交換を行いました。
 本日は、調査を通じて得られました所見を中心に、その概要を御報告いたします。
 まず、キューバ共和国について申し上げます。
 キューバは、カリブ地域最大の国土と人口を有する社会主義国家であります。天然資源、人的資源等を有し、今後経済成長を遂げる潜在性があり、また、医療関係者等の派遣を通じて中南米やアフリカの開発途上国に影響力を持つなど、高い外交力を発揮している一方で、米国の経済封鎖等による物資、資金不足により、インフラの老朽化や食料自給率の低さなど、多くの課題を抱えております。
 キューバに対するODAは、ソ連崩壊後、経済的な危機に見舞われて以来、専門家派遣や研修員受入れ、技術協力等で実施されてまいりましたが、二〇一五年の岸田外務大臣、二〇一六年の安倍総理のキューバ訪問を踏まえ、二〇一六年から本格的な無償資金協力が開始されたところであります。
 最初に、JICA事務所の早期開設の必要性について申し上げたいと思います。
 私どもが訪問時、両国間の調整は最終局面であるものの、正式設置には至っておりませんでした。効果的な支援を実施していくために、早期開設、体制整備は重要であり、私ども派遣団からも、政府関係者との意見交換時にその旨の要請をいたしたところです。なお、本年一月四日、JICA事務所開設に向けた手続が終了したとのことであります。
 キューバに対する支援の重点分野の一つ、農業開発分野では、キューバ国民の主食である米の増産について、二〇〇三年以来、技術協力や専門家派遣、研修員受入れなどの支援が実施されており、昨年から、五つ目のプロジェクトとして生産農家に対する普及体制を強化する技術協力がスタートし、さらに無償資金協力による農業機材供与も実施されております。
 米の収量は年々増加しており、視察した穀物研究所及び農業省副大臣との意見交換において、これまでの技術協力や研修員受入れ等に対する評価は高いことがうかがえました。キューバの米の自給率目標は七〇から八〇%であり、今後も継続的な協力が必要と考えます。
 もう一方の持続可能な社会・経済開発分野では、病院で使用する医療機材の保守管理を行う国立医療機器センター、ハバナ市のごみ収集車両の整備を行うごみ収集車両管理センターを視察いたしました。物資や資金不足に直面しているキューバにおいて、今あるものを修理しながら長く使っていくための技術、ノウハウの支援であり、キューバ側のニーズにかなったものとなっております。
 今後は、これまでの支援をベースに、例えば医療分野では、医療機器等の製造企業が直接保守管理を行うことで民間の進出を図っていく、環境分野では、分別収集の徹底など我が国のような廃棄物処理システムの構築への支援を組み合わせるなど、より効率的、効果的な支援の方法を検討する必要があると考えます。
 JICAの援助調整専門家によると、二〇一六年からの本格的な無償資金協力の実施等により、キューバに対する我が国のODAは、他の二国間や国際機関の援助額と比較しても大きな規模となっているとのことであります。
 一方、今後の支援について、国際協力等を所管する外国貿易・外国投資省次官との意見交換では、有償資金協力による支援の可能性について言及がありました。物資や資金不足に直面し、施設の老朽化等による国民生活への影響が懸念されるキューバでは、今後、エネルギー、運輸交通等の分野での協力が期待されております。しかし、有償資金協力の実施には、プロジェクトの内容とともに、キューバの債務負担能力を把握するための財務データが示される必要があり、現状では難しいと考えます。
 引き続き、我が国の知見、技術を生かした技術協力や専門家派遣等により、個別のニーズに対して的確な支援を実施していくべきであります。
 次に、ジャマイカについて申し上げます。
 ジャマイカは、カリブ地域の中心国であり、カリブ共同体においては外交面で主導的役割を果たしております。中所得国として順調に成長してまいりましたが、世界経済や自然災害等の外的要因の影響を受けやすいほか、高い失業率や貧富の差、治安等の社会問題への対策が重要な課題となっております。
 有償資金協力で実施したキングストン首都圏上水道整備計画では、地下水による水源開発や今回視察したスパニッシュタウン浄水場を含む浄水・送排水施設の修復、拡張を行うことにより、同地区周辺住民約八万人に対する安定した水の供給が実現しており、施設等の持続的な利用を図るため、維持、管理のためのフォローアップが必要と考えます。
 文化無償資金協力による展示・視聴覚機材が供与されたジャマイカ研究所では、年間二万四千人が来館するジャマイカを代表する文化施設であり、博物館、児童館、レクチャーホール、バスによる全土の移動展示等を行う際に供与機材が活用されております。
 草の根・人間の安全保障無償資金協力により消防車等の緊急車両を供与したカリブ海事大学では、訓練実施のほか、大学の立地するポートロイヤル地区の緊急救命対応改善のため、地域住民に対し、緊急対応へのボランティア意識の向上を図りながら消防訓練を実施しており、この取組を全土に広げていきたいとのことであります。
 いずれも、無償資金協力により供与された資機材の活用がそれぞれの取組の向上、発展に資するものとなっており、引き続き的確に協力を実施していくことが重要であります。
 また、ジャマイカでは、青年海外協力隊員、シニアボランティアの皆様と懇談をいたしました。教育、文化、スポーツ、土木、防災、水産等様々な分野での多くの皆様が活動して成果を上げ、中には、ボランティアの任務終了後、再びジャマイカでの活動を継続している方もおられます。各視察先や政府関係者の意見交換でも、ボランティアの皆様の活動に対する評価は高いものでありました。人的交流の推進は両国関係の発展の礎となるものであり、ボランティアの皆様が安心して活動できる環境整備にも配慮する必要があると思います。
 今後の支援に関して、政府関係者等との意見交換において、これまでの支援に対する謝意とともに、更に協力関係を拡大したいとの意向が示されました。特に、気候変動、自然災害による被害軽減等の分野で、ジャマイカとの二国間のみならず、同じ島国であるカリブ諸国への協力、支援の期待も示されております。気候変動、防災という分野は、カリブ諸国への支援の重点分野と合致するとともに、我が国の経験、知見を生かした効果的な支援が可能な分野と考えます。
 二〇一七年には、無償資金協力による防災デジタル無線通信システム整備、約二十年ぶりに有償資金協力による公共施設の省エネルギー化改修工事等への支援が決定されております。ハリケーンや地震、津波などの自然災害に対する脆弱性を抱えるカリブ諸国に対する支援へのモデルにもなるものであり、着実な協力関係の進展を期待したいと思います。
 また、ボランティアや専門家の派遣等を含む技術協力、草の根・人間の安全保障無償協力についても、引き続き、ジャマイカ側の取組を促す、効果的な支援を実施していくことが重要です。加えて、治安悪化が大きな課題であるジャマイカにおいては、社会経済の安定のため、教育、雇用の拡大、人材育成等への協力も必要と考えます。
 以上が、第四班の調査を通じて得られた所見でございます。
 最後に、今回の調査に当たり、関係する皆様方には多大な御協力をいただきました。改めて心から感謝を申し上げ、御報告といたします。
 以上です。
#15
○委員長(山田俊男君) ありがとうございました。
 以上で意見の聴取は終わりました。
 これより意見交換に入ります。
 本日は、外務省から中根外務副大臣及び梨田国際協力局長に、独立行政法人国際協力機構から北岡理事長、加藤理事及び前田理事に、それぞれ御同席をいただいております。発言に対して回答をお求めになる場合には、派遣に参加された委員に対してだけでなく、御同席をいただいている方々に対してお求めいただいても結構です。
 発言を希望される方は、挙手の上、委員長の指名を待って御発言ください。
 また、回答をされる方も挙手をお願いいたします。
 なお、発言は全て起立してお願いいたします。
 それでは、発言を希望される方は挙手をお願いいたします。
 真山勇一君。
#16
○真山勇一君 民進党・新緑風会の真山勇一です。
 四つの派遣団の皆様、お疲れさまでした。そして、御報告ありがとうございました。
 私自身は、ODAの特別委員会のメンバーというのは今回初めてなんでございますけれども、実は五年前に委員外派遣ということで海外視察させていただきました。そのときは、ブータン、それからスリランカ、それからミャンマーというところを訪問して視察をさせていただきました。このときの私の経験とそれから今日の皆さんの御報告、これを伺っての、その中で感じたことをちょっと伺いたいなというふうに思います。外務省とそれからJICAにお伺いすることになるというふうに思います。
 外務省からODA関係の資料をいただきまして、それを見ますと、日本を始め多くの先進国から、そして多くの開発途上国へ向けての援助というのが行われている、これが現状だというふうに思います。先進国は援助をする強い意思を持ってやる、そして受ける国は、今そうした技術を受け入れたい、少しでもいろいろな国の発展のために役立てたいという、そういう思いが合致している、そういうふうな感じを感じております。そういうために、援助も大変多角的、そしていわゆるこのODAの目的であります平和、発展、こういうことに貢献しているんじゃないかというふうに思っております。
 その中でやはり感じるのは、日本の技術を生かした支援というのが非常に高い評価を受けているというのは、皆さんの御報告の中からでも本当に言葉言葉の合間合間にたくさんそういうことを感じました。特に、日本の技術が誇るインフラ整備などでは、他国にはない日本の力というものもあるでしょうし、それからあとは、継続的に支援をしていくということで、アフターケアですとか管理も必要な部分というのはインフラにあるというふうに思います。今日報告の中にありました言葉をお借りすれば日本型の質の高い支援、この日本型の質の高い支援というのが日本が提供しているものであり、それから、支援を受けている相手の国の方も感じているものではないかなというふうに思います。ただ、その一方で、多くの国も支援をしているということが現実にはあるわけです。
 そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、今後のODAの在り方というようなことになるかとは思うんですが、多くの国が支援をしているということになると、それを受ける国としてはどこから受けようかなみたいなことも多分いろいろあるんじゃないかと思うんですが、各国がいろいろ支援するという支援先が例えば競合する、これは、やはり開発援助というものを国際的な立場から俯瞰すると、日本から見るとこれでいいんでしょうけれども、大きな世界的な立場から俯瞰すると、各国がやっているわけですから、その辺の相手の国での調整というのは、そういう問題というのは起きるのかな、どうなのかな、そんなことを心配しなくてもそれぞれ各国が上手にやっているのかなという、そういうようなちょっと印象を受けるので、その辺のことをお伺いしたいというふうに思っています。
 それから、援助を受ける国の方は、やはり日本独特の力もあるし技術力もあるし、それからいろんな日本から学びたいこともある、そうすると、日本に対する期待というのは大きいので、日本に対するその期待度というのが大きくなるということは当然あると思うんですね。その辺り、相手国のそういう思いというのを感じておられるかどうかということを伺いたいというふうに思います。
 それから、JICAにも、そういう技術の問題もありますけれども、特にやはりJICAならではの、例えば文化とか教育とか、それから農業支援とか、そういう面で、これ日本ならではの技術とか力というのがあると思うんですね。こうしたもの、是非、日本のこういうものを吸収したいという現地の強い思いというものを感じておられるのか、そして、それがほかの国の援助との兼ね合いというのは何か現地で感じられるのかどうか、この辺りをお伺いしたいと思います。
#17
○委員長(山田俊男君) 真山先生、どなたに質問されますか。
#18
○真山勇一君 質問は、外務省と、それからJICAに伺いたいと思います。
#19
○委員長(山田俊男君) はい、分かりました。
 それじゃ、お願いします。
#20
○政府参考人(梨田和也君) 日本の援助に対する各国の期待は非常に高いものがございますが、援助のスキームといいますか、例えば有償資金協力の場合は、アンタイドというか、競争入札になってしまう場合もございますので、この日本の技術が生かせないということもございます。ただ、相手国、援助を受け取る国からは、是非日本の高い技術を使いたいということを期待が寄せられております。
 日本は、質の高いインフラということのみならず、人材育成、さらには技術移転と、まさに相手の国にとってためになる援助というのが我々の強みではないかと思っております。一部、価格高いというような指摘もありますけれども、ライフサイクルコストで見れば決してそのようなことはないということを説明しておりまして、今は、政府のみならず、例えば民間資金などもよく合わせて、なるべくこの日本の技術が活用されるように努力を継続しておるところでございます。
#21
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。
 世界の他の援助国の中には最初から援助国を決めている国がございます、例えば六か国だけとか十二か国とか。それに比べますと、JICAの特色は、経済水準のやや物足りないところは世界中に手を伸ばしております。そしてまた、向こうの援助の要請に従ってお受けするということになっております。
 ドナー同士の調整というよりは、これは援助してほしいという国がやっぱり主体的にどこからどういう援助をしてほしいというのはあって、おのずと調整は起こるのでありますが、あるいは逆に競争になることもございます。
 その際、我々の利点は、質が高い、信頼度が高い、長もちすると。ライフコストでいくと長いのでありますが、しかし、ともすれば、日本の提供できるものはハイスペック過ぎる、高級過ぎる、そして値段が高いと、時間は掛かるということがございます。我々は、相手を説得して、いやいや、長い目で見れば我々の方が役に立ちますよと言っているんですけれども、最終的にそういうふうに判断される国もあれば、そう判断されない国もあります。
 JICAの特色は、相手の国とよく話し合って、こちらからの押し付けではなくて、相手との合意の下にしっかり進めていこうと、時間を取って考えようと、相手の立場で考えようというのが我々の伝統的な特色で、これは世界でも評価されていると思います。したがって、時間も掛かるのでありますが、その際、大事なのはやっぱり相手国との信頼関係でございます。
 昨年、JICAは新しいビジョンというのを導入しまして、信頼で世界をつなぐと、リーディング・ザ・ワールド・ウイズ・トラストというのを新しいビジョンに導入いたしまして、相手国との信頼関係、長年築いてきました、これを大事にしようと。
 御案内のとおり、日本のODAはGNI比でいいますと〇・二%、他の主要なOECD諸国に比べるとずっと少ないのであります。しかし、割合評価されているのは、そうした我々の上から目線ではなくて対等の立場でやっている、それが評価されているのではないかというふうに思っております。
 そういうふうに考えますと、インフラでも評価されておりますが、特に評価されている、我々がこういう考え方でやりやすいのは先生おっしゃった教育とか衛生とか医療とか、そういった分野でございます。こういう分野では、結局、我々、つまるところ人だと思っているのであります。人づくりに協力すると。ですから、インフラなんかの場合も、相手の方と一緒にやることによって技術移転をやる、そして向こうの方を研修に呼んできて日本で勉強してもらう、あるいはこちらから専門家を派遣して技術移転をすると、そういうことに力を入れておりまして、これがまた日本の特色ではないかというふうに考えております。
#22
○委員長(山田俊男君) 続いて、手が挙がっておりましたが。
 又市征治君。
#23
○又市征治君 希望の会、社民党の又市です。
 第四班、キューバ、ジャマイカを訪問されたわけですが、キューバについてお尋ねをしておきたいと思うんです。
 御報告にもありましたように、この間、日本は、キューバの主食である米の生産強化であるとか、あるいは医療機器の管理等々の分野においても支援を行ってきたという御報告であります。私も、キューバの青年の島における日系人の方々が中心となって取り組んでこられた米作りというものをずっと長きにわたって支援をしてきた、そういう関係もありまして、そうした意味での政府の取組、ODAの取組、大変結構だ、このように思っております。
 そこで、調査団にまずお伺いするんですが、今回の訪問中に、今後のODAについても先ほども報告がございましたけれども、今後の無償、有償の何らか具体的なプロジェクトだとかについては話題になったのか、あるいは何らかの要請があったのか、その点、改めてお聞きをしたいと思うんです。
 二つ目に、外務省に伺っておきたいと思うんですが、その関連で、一昨年の三月にこの委員会で、私は日本とキューバの債権債務の関係について伺いました。たまたま二度にわたるすさまじいハリケーン被害に遭って、もう債務を果たせないという、こういう状況もあったと思いますけれども、そのときに、一九八六年以来の返済が滞っていた債権の回収の道筋が付いたというような御答弁だったと思うんですが、この問題についてどのような処理になってきているのか伺っておきたいと思います。
 もう一つ外務省にお尋ねするのは、日本との関係は確かにこういう格好で進展して、総理も伺って、その後二〇一六年からの、とりわけ発展をしてきているというふうに思いますけれども、片やアメリカとキューバの関係、せっかくオバマ政権の下で国交正常化されて、発展をするのかと思ったら、トランプ政権になった途端に全然全く逆方向に歩き始めている。
 大変、そういう意味では、国際的にも非難を受けている問題でもあるわけですけれども、片やそういうものを見ながらということになるのかどうか分かりませんが、欧州関係の企業、さらには中国あるいはロシア、ここらがキューバとの経済関係を更に密接に拡大していこうという動きにあるように私は受け止めているわけですが、そこらのところを外務省などはどのように理解をされているのか、あるいは今後のキューバ、アメリカの動向がそういうことはあるけれども、日本としてはどうしていこうとするのか、そこらのところの見解をお伺いしておきたいと思います。
 以上、三点です。
#24
○豊田俊郎君 代表団代表の豊田でございます。
 今、又市先生がキューバに対して大変見識が深く、農業分野において御功績があるというお話聞いて、大変感銘をいたしました。
 有償資金協力の実施ということになりますと、先ほどの報告でも申し上げましたけれども、やはりプロジェクトの内容そのものもさることながら、キューバのいわゆる債務負担能力を把握するということが大事だというふうに思います。そういう意味では、財務データの公表と、こういうことをお願いをいたしておるというふうに伺っております。このことにおいて具現化していないということだというふうに思います。
 また、あわせまして、生産力向上のために機械化を促進したいと。そういう意味では、日本で今行われておりますドローンを含めた新たな生産性向上のための機械化と、こういうことの要望が中心に私どもの方に伝わっております。そのことはお伝えをしたいというふうに思います。
 以上でございます。
#25
○副大臣(中根一幸君) ありがとうございます。
 まず、米国の政権交代後の現在のこのキューバの関係を踏まえて、我が国のキューバに対する支援方針というのは何か影響があるのかということについての委員の御質問だと思っております。
 基本的に、我が国としてこのキューバを支援していく姿勢というのは今後とも不変でございます。その一方で、この米・キューバの関係を始め、同国をめぐる政治経済の情勢等について非常にいろいろと目まぐるしく動いているのも事実でございまして、引き続きキューバに対しては注視してまいりたいと思っております。
#26
○政府参考人(梨田和也君) 債務についてのお尋ね、又市委員からの。
 二〇一五年のパリ・クラブでの合意に基づいて、日本とキューバは二〇一六年九月に書簡の交換を行いまして、この書簡の交換に基づいて、一九八六年以来約三十年にわたって返済が滞ってきた我が国の対キューバ債権回収への道筋が付きました。
 今後、キューバの経済、社会経済改革なども見ながらこの話を今後進めていきたいと、そのように考えております。
#27
○委員長(山田俊男君) それでは、続いて、先ほど手が挙がっておりました宮崎勝君。
#28
○宮崎勝君 委員長、ありがとうございます。公明党の宮崎勝でございます。
 私は、岩井委員を団長とする第一班の一員として、カザフスタン共和国、モンゴル国を視察させていただきました。こうした機会を与えていただいたことに対しまして、まず感謝を申し上げたいと思います。
 今回の視察を通しまして、カザフスタンにおける独立後の国づくり、またモンゴルにおける民主化、市場経済化の取組において、我が国のODAが一定の役割を果たしているということを感じました。また、両国は共に、天然資源に依存した経済構造を転換をして、製造業など中小企業の育成による産業の多角化が重要な課題となっているということでございますが、そうした面からも我が国のODAが役立っているということを確認することができたと思っております。
 その上で、以下の三点を外務省とJICAに質問をさせていただきたいと思います。
 まず、一点目は、カザフスタンに対する国別開発協力方針の改定についてでございます。
 カザフスタンに対するODAについては、同国の経済発展を受けて、援助受取国から卒業間近となっている現状でございます。こうした中、外務省は、今般、カザフスタンに対する国別開発協力方針を改定をいたしました。その大きな変更点は、重点分野のうち、これまで経済インフラ整備としていたところを、保健医療分野における協力強化も念頭にして、経済・社会インフラ整備というふうに変更したという点。また、持続的経済成長のための人材育成ということを新たな重点分野として追加したということでございますけれども、この方針改定の意義について確認をさせていただきたいと思います。
 二点目は、我が国が供与した医療機器のアフターサービスについてでございます。
 先ほど岩井団長の報告にもあったとおり、私たちが訪問したアスタナ第二小児病院においては、我が国が供与した日本製の医療機器の品質、使いやすさ、これに対しては高い評価がありましたけれども、その一方で、日本製医療機器はカザフスタン国内で修理サービスが受けられない、そういうことが理由でアフターサービスの行き届いた他国製の医療機器に取って代わられているという状況がございました。病院側からは、アフターサービスさえ整えばまた日本製を利用したいという声もございました。
 これはカザフスタンに限った話ではないというふうにも思います。アフターサービスの提供方法を工夫すれば、日本製の医療機器の販路拡大にもつながっていくのではないかということが期待されております。供与した医療機器のアフターサービスについてどう考えるか、お伺いをしたいというふうに思っております。
 それから、三点目は、モンゴルでのツーステップローンの成果と課題ということでございます。
 モンゴルでは、円借款による低利融資のツーステップローンを実施して、市中銀行による貸出金利が高くて中小企業への融資が著しく不足しているという中にありまして、このツーステップローンが中小企業を支援して雇用を創出する大きな力になっているというふうに感じました。
 私たちが視察をした、先ほどもありましたけれども、洋菓子の製造販売を手掛けるジュルウル社は、このツーステップローンを活用して業績向上を図り、同国の優良企業の百社の一つにもなっているというふうにお伺いいたしました。
 こうした成功例を更に広げていくべきであるというふうに思いますけれども、同国におけるこのツーステップローンの事業の成果と今後の課題がありましたらお伺いしたいというふうに思っております。
 以上でございます。
#29
○副大臣(中根一幸君) ありがとうございます。
 我が国のカザフスタンに対する現状、今後の援助方針いかがという質問についてまずお答えさせていただきます。
 カザフスタンは中央アジア諸国の中でも最大の経済規模を有しておりますが、インフラの未整備、また市場経済を支える人材の不足、地域間の経済格差、環境汚染などの課題がございます。
 かかるこの認識の下で、先般、先ほど先生がおっしゃいました対カザフスタンの国別開発協力の改定に際し、経済開発と社会開発のバランスの取れた国づくり支援を基本方針の下、(1)経済社会インフラの整備、(2)持続的経済成長のための人材育成、(3)環境保全、気候変動対策を重点分野とした設定をしたところでございます。
 今後、かかる方針を踏まえ、カザフスタンの効果的な国づくりの支援にしっかりと努めてまいりたいと思います。
#30
○政府参考人(梨田和也君) まず、医療機材の、これはもう本当に今国として力を入れているところでございます。
 アフターサービスの御指摘ございました。残念ながら、ちょっとカザフで行き届かないところがあったと御報告を頂戴しました。こういう御指摘も踏まえまして、今現在、JICAにおいては、円借款等で納入した医療機器のメンテナンス期間を一年から三年に延長するなど、アフターサービスの改善に努めているところでございます。医療機材、高度な医療機材、機器を幅広く導入するためにも、今後ともこのようなアフターサービスの拡充に努めていきたいと考えております。
 それから、モンゴルのツーステップローンのお尋ねがございました。
 確かに、中小企業を中心とするツーステップローン、大きな成果を上げてきたと思います。分野も融資先も多岐にわたり、農牧業、食品加工業、それから観光業など、アパレル業界。ただ、現在、今、モンゴルの経済状況に鑑み、まずは財政改革を先行させるということが中心になっておりますので。この有効性については我々十分認識しております。来週には、モンゴルの外務大臣、訪日して外相会談が東京で行われます。このような点も含めてモンゴル側と協議していきたいと考えております。
#31
○参考人(北岡伸一君) 医療機材の点でございます。時々こういうことは誠に起こるわけでありまして、残念なことでございます。そういうことが起こらないように、我々は、既に局長からも御説明ありましたとおり、フォローアップ協力に力を入れております。例えば、無償資金協力で、アスタナ市小児病院医療機材整備計画の事業完了後に、劣化、消耗した救急車両パーツや、それから搭載医療機器の供与、機材修理調査団の派遣などをやっております。
 これは、一方で、日本のメーカーさんの努力と、それから向こうの方々のアンテナの伸ばし方、それもあるので、そういうところも含めて、今後、その機材が劣化したらどうしたらいいかというようなことまで含めたアドバイスをやることは一つ鍵ではないかと思います。
 また、ツーステップローンの方のお話であったのも同じでございまして、資本主義としての歴史はまだ短い国でございます。そうすると、中小企業を運営して発展させていくということの考え方自体、そうしたソフト面での協力、日本人材開発センターを通じて中小企業や産業人材の育成というところに力を入れることがこういう方向につながるのではないかというふうに考えております。
#32
○委員長(山田俊男君) よろしゅうございますか。
 じゃ、続いて、辰巳孝太郎君。
#33
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 私は、第一班のカザフスタンとモンゴル派遣団の視察についてお尋ねをしたいと思います。一点目はセミパラチンスクのことと、二点目はモンゴルでの大気汚染の課題についてもう少し具体的に聞きたいというふうに思っております。
 今回の視察のスケジュールには入っていなかったのかもしれませんが、この間セミパラチンスクでは、旧ソ連時代に数百回にわたる原水爆の実験、核実験というのが行われてまいりました。最後は一九八九年ということでありますが、極度の放射能汚染ということで様々な人的被害などもあったというふうに聞いております。
 最後の核実験から三十年以上もたっておりますが、当時、日本も一九九九年には東京でセミパラチンスク支援東京国際会議ということも開いたということも聞いておりますし、今のこのセミパラチンスクの状況がどうなっているのか、また医療の支援等々は必要ないのかどうかということをまず一点お聞きしたいというふうに思っております。
 それと、二点目のモンゴルなんですが、先ほど視察の報告にもありましたとおり、大気汚染がひどいことになっていると。一極集中を変えていかなきゃならないというお話もありましたけれども、経済成長があるところ、東南アジアも含めそうだと思いますが、やはりこの大気汚染の問題というのは付き物ということになってくると思うんですね。じゃ、具体的にこのウランバートルの場合は何が問題で、あるいは日本政府、ODAとして何ができるのかということをもう少し具体的に聞けたらというふうに思っております。
 日本も経済成長のときには大気汚染というのがひどくなってぜんそく患者などが増えて、様々なその分野での知見も蓄積をされていると思いますので、その辺りも是非聞かせていただければと思います。
#34
○政府参考人(梨田和也君) まずカザフスタンのセミパラチンスクのお尋ねでございますけれども、長年にわたって医療関係者間の人的交流など活発な協力が行われてきております。
 具体的に申し上げますと、例えば広島大学、長崎大学などの協力により、汚染された地区の住民に対して一次的なスクリーニング、精密診断などの確立が図られて、その後も継続的に健康調査を実施し、結果を公表してきております。また、両大学、広島・長崎大学はがんの実態調査なども行い、現地医科大学との交流も深めてきております。さらには、セミナーの開催なども含めて今でも現地との交流を継続していると理解しております。
 モンゴル・ウランバートルの話でございますけれども、御報告にもございましたとおり、人口、経済活動、ウランバートルに一極集中している結果、かなりひずみが出てきているということでございます。この観点から、日本政府としては、モンゴルの各地方の成長産業の特定などを行う調査を行い、その地域の特色を生かした経済発展、開発の構想をモンゴル政府に提案してきているところでございます。
 今後は、モンゴル側の意向を踏まえつつ、我々としては、例えばマスタープラン、地域の開発のマスタープランを技術協力で行うといったようなことでより具体化に進めていきたいと考えているところでございます。
#35
○岩井茂樹君 辰巳委員におかれましては、大変貴重な御質問ありがとうございます。ちょっと役所的な答弁ではないんですけれども、せっかく現地に行ったということでお話をしたいと思います。
 セミパラチンスクに関しては、委員がお話をされたように、様々な大変な状況があったというのも認識をしている中で行ったんですけど、ただ、現地が非常に遠いところにあって、そういう理由で現地まで行けませんでした。
 この地区に対する医療に関する支援というのは、先ほどのお話にもありましたアスタナの小児科病院の医療支援とか、アスタナ、セミパラチンスクに関しては、先ほど委員がお話ししたとおりの支援をしているところであります。
 ただ、その結果は調べれば分かるので、その現地の空気感というのをちょっとお話をしたいと思うんですけれども、セミパラチンスクから来た方々、僅か数名だったと思うんですけれども、その中で、意見交換をした中で私が痛切に感じたのは、まだまだ日本に対していろいろな支援というか、希望されているなというふうに感じました。
 意外だったのが、都会では余りこの案件、つまり、カザフスタンの中であってもそういうような、核実験があったとかというのが余り認識されていないという話がありました。その辺の情報の共有と、そういうことを発信するというのは日本でもいろんなことができるのではないのかなという御意見は、実は団長として申し上げました。
 そして、モンゴルの点、もう一点。
 これ、ぶっちゃけた話ですが、ゲル地区というのがあって、貧困層が都会に集まってゲルという伝統的な建物を造りながら、違法という言い方は不適切かもしれませんけれども、山の斜面に多数の方が勝手に地域から移動をされてこっちに来ていると。その方が、夏場はいいんですが、冬場になると暖房を質の悪い石炭を使ってされるということで、どうもそれがすごく大きな原因になっているというお話でありました。
 その原因、もう一つ言うと、なぜ、じゃ、そうなったかというと、やはり民主化をした波紋があって、あそこは元々は遊牧民族だったんですけれども、それがウール、ウールではないですね、羊の毛がお金になるということで、そこに皆さんが偏ったおかげで生態系のバランスが少し崩れて、地域の農業とか、あとは牧草がどんどん枯れてしまって、住めなくなって、どうしてもしようがないから都会にやってきたというお話も聞きました。背景には社会的要因とかもありますし、現状はそういうような生活要因があるということだけ付け加えさせていただきます。
 以上です。
#36
○辰巳孝太郎君 ありがとうございました。
#37
○委員長(山田俊男君) 蓮舫さん。
#38
○蓮舫君 立憲民主党の蓮舫です。
 今回、私も、江島委員が団長をお務めになられる第三班、ナイジェリア、コートジボワール、ベナン、フランスにODA調査で行かせていただきました。改めて感謝を申し上げます。
 そして、各班の皆様方の非常にきめ細やかな御報告をいただけたことを心から感謝を申し上げます。
 また、北岡理事長、お越しになられておりますけれども、JICAの現地で本当に頑張っておられる方たちの、ある意味筆舌に尽くし難い御努力に心から感謝を申し上げたいと思います。
 西アフリカを視察をして思ったところ、改めて江島委員にその御所感をお伺いをさせていただきたいんですが、もちろん、私たち日本国としてのODA、限られた財源の中で費用対効果が最大に出るように、そして、事業が継続的に自立発展していくような支援に知見を凝らしているとは思ったんですけれども、行く先々でやはり中国によるODAのシンボリックな展開というのが大変気になりました。数万人規模のサッカースタジアムであるとかあるいは外務省の建物であるとか、こういったものもODAで建築をされている。国民にとってみたら、やはり象徴的なところに中国がODAで入ってきているというところと我が国は競争するのではなくて、少額ではありますけれども、草の根資金援助が失わなくてもいい命を救うという尊さ、あるいは、字が読めるようになって学べるようになって大学に行きたいという向上心を、現地の子供たちに機会を与えることの大切さを学びました。そうした御経験を、今回御視察を経て日本のODAの在り方はどうあるべきかとお考えになられたのかを江島委員にお伺いをさせていただきたい。
 その上で、外務省の局長にお伺いをしたいんですけれども、もちろん、ODAによる様々な資金協力援助が結果として、それが両国間の信頼関係あるいは親日的な感情の醸造につながるのは大変必要なことだと思うんですが、今回、ベナン共和国で、大使のお取り計らいで、JICAのプロジェクトで日本に研修に来られた方たち、あるいは留学をされた方たち、日本に大変良い印象を持っている方たちと意見交換する場所を御提供いただけました。彼、彼女たちは、今や外務省あるいは行政機関の要職を占めておられたり、あるいは公的セクターの重要な職を占めている方たちでありました。
 こうした人材を育成することもとても大切だと思うんですが、日本語学校、ベナンで行かせていただいたときに、西アフリカの国というのは母国語がフランス語というのが、私たち今回行かせていただいたところで改めて認識を新たにしたんですけれども、日本に留学するときの第一言語がやはり英語でありますから、日本語を学びたいと思っても、まず英語を学んで日本語を学ぶという、そのハードルの高さというのを何とかしてもらいたい要望はとても私たちは重いものだと感じましたので、是非その辺りについて、外務省として何らかの御尽力をいただけるものなのか、お考えをお聞かせいただければと思います。
#39
○江島潔君 蓮舫議員とともにアフリカ視察をさせていただきまして、本当にたくさん考えるところがございました。特にアフリカは、蓮舫議員御指摘のとおり、日本もきめの細かい支援をしているところでありますけれども、一方で、金額の面からいっても圧倒的なボリューム感をもって中国が様々な形で有償、無償の資金提供をしているところはもう皆様御案内のとおりでございます。
 例えば、草の根無償協力ですと、一千万以内という範囲の中で日本は学校を造り、あるいは職業訓練所を造りということをやっているわけでありまして、また、今回視察してきた中でも非常にそれは成果は十分に出ているなと、人材育成という点での効果は私は出ているなと確信をしたところでありますけれども、金額でいうと本当に比べ物にならない。蓮舫議員御指摘の例えばサッカー場というのは百三十数億掛けているそうであり、これを無償で造っているということで、本当に、例えば学校で、今回視察したところは学校で生徒数が一千人以上いるんだけれども、トイレが壊れて使えないままもう何年もたっているので、ようやくトイレができて生徒も先生も校舎の外でしなくて済むようになったというような、そういうレベルの教育環境にある。その隣で百三十億のサッカースタジアムが進んでいるということに対しての大きな矛盾は感じた次第であります。
 ちなみに、この百三十数億のプロジェクトは、中国国旗がはためいていて、全部建設会社も中国から連れてきての事業でありましたので、恐らく一千万円の日本のプロジェクトとその百三十億のプロジェクトというのは、手間暇は、決して、同じぐらい掛かっているぐらいに、きめの細かさにおいては日本の事業は負けていないと思っております。
 しかしながら、この金額で張り合うというのは、現在の日本と中国の支援体制の、まあ額的に見てはとてもこれは同じことをやっていくというような環境にはないと考えますし、日本としてはやはり、繰り返しになりますんですけれども、質の高い支援、インフラにしましても人材育成に関しましても、こういうところできめ細かく行っていくということが、現在の支援対象国の反応を見ましても、私は必ずこれが成果が出てくるのではないかなと改めて確認をした次第です。
 以上です。
#40
○副大臣(中根一幸君) 近年、中国、アフリカ支援を含めて、より積極的にアフリカ外交を推進しているということは、私も承知しております。
 江島先生、先ほどお話ししたように、そのような状況下の中でございますが、我が国のアフリカの支援の特色としては、まず、先ほどもお話がありました、アフリカ自身にこの開発に向けたオーナーシップを持ってもらって、そして日本が対等なパートナーとして後押しをすること、そしてアフリカの質の高い成長を目指し、単に資金提供にとどまらず、人材育成、日本が特色としている人材育成を通じた持続的な成長の実現、そして官民連携を通じて現地の雇用創出を図る、こういったことも日本はやっておりますので、そういったこと。また、人間の安全保障ですね、これは恐らくほかの国はやっていないと思いますが、こういった、農業、保健、教育、平和、安定等の分野で、まさに日本らしい支援を行っていくことなどを基本として、アフリカのバランスの取れた安定的な成長に貢献をしてきております。
 引き続き、質の高い成長、そして人間の安全保障を重視し、平和と安定及び強靱な社会の実現を目指してアフリカ自身の努力を真のパートナーとして後押しをする、それが日本の支援だということでやっていきたいと思っております。
#41
○政府参考人(梨田和也君) 語学の問題で、フランス語を話す国民に対しての英語の負担というのは確かにごもっともな御指摘ではないかと思います。
 ちょっと細かくなりますけれども、JICAが行っている研修で、短期研修であれば英語、フランス語、スペイン語、様々ございます。一方で、長い留学になると、やはり日本にフランス語で教えるカリキュラムがなかなかないものですから、英語又は日本語、特に英語を重視するということになっております。もう一方で、文部科学省が行っている国費留学生。こちらは、大学院であれば日本語又は英語のどちらか、学部であれば日本語がより重視されているということですので、たけし学校で頑張って日本語を学ぶ子がいれば日本語で受験できるというふうに理解しております。
#42
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。
 お尋ねの全体的な中国との格差、違いについて一言申し上げたいと思いました。
 金額全体では、中国がやっておりますFOCAC、我々のTICADをまねしてやっているようなものなんですけれども、総額は約我々の倍でございまして、決定的な、致命的な差ではございません。ただ、政府主導でぼんとお金を出すものですから、一番象徴的なのは、御指摘のとおり、いろんな政府関係の建物でございますが、なかんずくAUのヘッドクオーター、アジスアベバの、あれは巨大な建物ができておりまして、それがふだんのランニングコストからマネジメントまで中国が丸抱えでやっております。
 ところが、最近の報道では、そこで実は非常な、もう隅々まで盗聴が行われていたということが出ておりまして、これに対してカガメAU議長は、盗聴はどこでもやられていると言ったんですね。中国がこれに対して、カガメ大統領はこの盗聴の事実を否定したと言っているんですけど、否定はしていないんですよ。盗聴はどこでもやられていると言ったわけでですね。
 したがって、そういう丸抱えの援助を受けることにはそれなりのリスクもあるんですね。それをアフリカの方が知らないわけではありません。
 ただ、アフリカに対する中国の支援も徐々にレベルが上がっていまして、道路を造って、すぐできるけれども、すぐ傷むというのは徐々に良くなりつつあります。我々は決して安心していられる状況ではございません。最も大きな差異は人口であります。アフリカに住んでいる中国人は百万人おります。日本人は八千人です。これに対抗するのはなかなか大変でございます。もう一つは、企業の進出でありまして、やっぱりどこでもそうでありますが、雇用というものを、巨大な企業がぼんと出ていって雇用をつくるんですね。以前はよく中国人を連れていって、そのまま定着するというのがありましたが、今は企業が行って、そこで雇用をつくるのもありまして、これもなかなかばかにできません。
 我々、今力を入れておりますのは、やっぱり人と人との関係。例えば、ここのところ何年もやっておりますユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、それから母子手帳、そうした誰にでも大事な健康や生命というものにアドレスすると、そういうことに今力を入れておりまして、また教育も同じでございます。
 仏語圏の問題は既に副大臣、局長よりお答えしたとおりなんでありますが、仏語圏でもモロッコなんかはなかなか成績がいいんですね。それから、一番のポイントは長期の研修、ABEイニシアティブとかで呼んできますと二年間日本で教えるわけで、二年間フランス語で教えるのはなかなか大変でございます。それはやっぱり受入れのときの差異化とか、仏語圏については若干別の基準を考えるとか、そういう方向でいろいろ工夫はしていきたいというふうに考えております。
#43
○委員長(山田俊男君) 宇都隆史君。
#44
○宇都隆史君 派遣団の先生方、お疲れさまでございました。
 今、蓮舫委員からもございましたように、中国の開発等の話もございましたが、やはりこの開発援助に関して日本の独自性をもっともっと出していくような在り方というのを模索していくべきだろうと思います。
 外務省としては三本の柱で、貧困対策とそれから平和と治安の構築、そして経済開発というか成長、三つの柱でこのODAをやっていただいていると思っているんですけど、やっぱりこの二つ目の平和だとか治安の維持だとかいうのを、例えば今であればスリランカ、ベトナム等に海上保安能力の強化ということで巡視船の供与等もやっていますが、例えばこういうもののキャパビルであったり運用のやり方、もう少しこういうのにも力を入れていった方がいいんではないかと思いますが、外務省から御意見、一つだけいただきたいと思います。
#45
○政府参考人(梨田和也君) 今御指摘の分野は非常に今は力を入れているところでございます。
 海上安全保障、特に相手国の法執行能力の構築、これはキャパビルだけに限らず、巡視艇の供与など、あるいはレーダー整備、非常に力を入れてやっております。それから、テロ対策。これはもう全世界に幅広く、例えば顔認証システムなど、こういったものの導入にも力を入れておりますので、今我々としては最も重視している分野の一つでございます。
#46
○参考人(北岡伸一君) ありがとうございます。
 お尋ねの分野におきましては、一つは、例えば法整備支援というのを我々は幾つかの国でやっております。これはかつて東南アジアでやっておりましたのをアフリカにまで広げておりますが、日本は明治時代に先進国の法制度をいろいろ勉強して、選びながら、日本に合うように直して受け入れた、そういう経験がございます。
 法の支配がきちっとしているということは、やっぱり治安のもう根幹でございます。法の支配というのは最終的には権力者も縛ると、これは法の支配のエッセンスでありますから、これは中国にはできない分野であろうと我々は思っております。
 もう一つ、この近い分野で我々力を入れておりますのは、今回お尋ねなかったもので一言申し上げたかったのですが、難民支援でございます。
 我々は難民を多数受け入れる状況にはございませんので、難民受入れ国に対する支援というのを力を入れております。これは中東でもありますし、最近力を入れておりますのはウガンダでございます。ウガンダには南スーダンからの難民が百万人以上来ております。この人たちを受け入れてくれるウガンダ、あるいは中東ではヨルダンに対する支援を行うと。
 また、難民に対しては職業訓練を提供しております。難民は普通は働かない、つまり現地の人との職業の上のコンフリクトになるものですからそれが原則なんですが、我々はそれを超えて、了解を得て、長い難民キャンプ生活を送らなくてはいけないそういう人たちに対して技術を与え、働く能力を提供する。例えば、ウガンダでは米作りの能力を提供すると。米作りを学んでそこで将来自立できるようにというのをやっておりまして、これも長い目で見ますと平和に対する大きな貢献ではないかというふうに考えております。
#47
○委員長(山田俊男君) それでは、中西祐介君。
#48
○中西祐介君 自由民主党の中西祐介でございます。
 今日は四班の代表の皆さんの御報告とまた委員の皆さんの大変貴重な御経験とまた知見をお伺いしまして、大変勉強になりました。
 私から簡潔に二つだけお伺いをしたいと思っておりますが、まずJICAの北岡理事長にお伺いをしたいと思いますけれども、この参議院で独自にやっているこの調査派遣の在り方について評価を伺いたいと思っております。
 実は、平成十五年に旧のODA大綱が改定をされて、平成十六年からこの二十九年度の派遣までで全十四回の派遣を行ってきました。なかなか予算も限られている中、延べ二百人以上の議員に現地に行っていただき、また五十三班のこれまで班での調査をしていただいたわけでございます。
 その上で、やはり我々現地に行かせていただいたら、現場を見る、そしてこういう報告会をすることで国民の皆さんによりODAの実態を分かっていただくという大きなメリットもあるし、あるいはJOCVなんかで頑張っていらっしゃる、あるいはボランティアで頑張っていらっしゃる皆さんの激励や、あるいはそれぞれの国の、各国の事情がよく分かるということもありますけれども、国全体の予算総額がなかなか厳しい中で、このODA、参議院独自での在り方をこれから模索する上で、JICAのお立場としてどのようにこの調査派遣団を評価をされているかということを伺いたいと思います。
 もう一つは、中根副大臣と梨田国際協力局長にお願いも含めて御意見を申し上げたいなと思いますのは、例えば、私は平成二十六年にドミニカ共和国に派遣をさせていただいて、当時メディーナ大統領と接見をさせていただいたんですが、このODAの評価を聞くというのも我々のミッションなんですけど、実は、そのとき日本が推進していた二国間クレジットの話とか環境分野の技術移転の話なんかをさせていただいたら、非常に興味を持っておられたと思います。
 このODAを派遣するときに、当然、現地の状況なんかは各外務省からレクがあって準備をしてから行くんですが、各省それぞれの推進項目、例えば環境分野とか厚生労働分野とか国土交通省の分野とか、それぞれ、なかなか貴重な機会で行っている外交、しかも議員外交で超党派ですから、そういう機会に現地に持っていって、現地のニーズを引っ張ってくる、これも大きな役割にこれからなってくるんだろうというふうに思います。
 ですので、派遣をする前の準備として、是非外務省のそうした取りまとめ、バックアップというものもこれからの在り方としてお力添えをいただきたい、その二点について御意見を賜りたいと思います。
#49
○参考人(北岡伸一君) お尋ねありがとうございます。
 我々にとっては大変有り難い機会だと思っております。広く御理解をいただき、多くの先生方から、ああ、こういうことは知らなかったと、ああ、こんなに頑張っているんだというふうに言っていただく大変貴重な機会だと思っております。
 決して我々はよそ行きの格好はしておりません。ふだんの活動を続けながら、ただきちっと点検してお迎えするという姿勢でやっておりまして、これが、掛かる費用等につきましてはこれは参議院の方でお考えいただくことかと思いますが、もし可能であればお続けいただきたいというふうに思っております。
#50
○副大臣(中根一幸君) 中西委員から貴重な御意見を伺いまして、ありがとうございます。
 当然、やはり議員の先生方、何回も行けるわけじゃないですから、いろんな情報を知り得た中でその国その国に見ていただく方がよいわけであります。これは要望として伺ったということで、しっかりと、今後は各省庁のそういった情報も外務省でまとめて、先生方が行くところにお伝えするような形をつくっていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
#51
○委員長(山田俊男君) 局長、よろしゅうございますか。
 他に御発言ございますか。──他に御発言もなければ、これをもちまして意見交換を終了いたします。
 本日は、限られた時間でありましたが、派遣団に参加された方々から貴重な御意見をいただくとともに、本委員会として大変有意義な意見交換を行っていただき、誠にありがとうございました。
 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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