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2018/03/23 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第1号
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2018/03/23 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第1号

#1
第196回国会 経済産業委員会 第1号
平成三十年三月二十三日(金曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員氏名
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事         井原  巧君
    理 事         滝波 宏文君
    理 事         吉川ゆうみ君
    理 事         大野 元裕君
                青山 繁晴君
                北村 経夫君
                中川 雅治君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                渡邉 美樹君
                伊藤 孝恵君
                石上 俊雄君
                浜野 喜史君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
                石井  章君
    ─────────────
   委員の異動
 一月三十一日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     山東 昭子君
 二月一日
    辞任         補欠選任
     山東 昭子君     青山 繁晴君
 三月五日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     宇都 隆史君
     宮本 周司君     片山さつき君
 三月六日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     青山 繁晴君
     片山さつき君     宮本 周司君
 三月八日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     世耕 弘成君
     宮本 周司君     鴻池 祥肇君
 三月九日
    辞任         補欠選任
     鴻池 祥肇君     宮本 周司君
     世耕 弘成君     青山 繁晴君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     金子原二郎君
     宮本 周司君     山崎 正昭君
     渡邉 美樹君     石井 準一君
     矢倉 克夫君     山口那津男君
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     金子原二郎君     中西 祐介君
     山口那津男君     矢倉 克夫君
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     石井 準一君     渡邉 美樹君
     中西 祐介君     青山 繁晴君
     山崎 正昭君     宮本 周司君
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事
                井原  巧君
                滝波 宏文君
                吉川ゆうみ君
                大野 元裕君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                北村 経夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡邉 美樹君
                伊藤 孝恵君
                石上 俊雄君
                浜野 喜史君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   副大臣
       外務副大臣    佐藤 正久君
   大臣政務官
       財務大臣政務官  長峯  誠君
       経済産業大臣政
       務官       平木 大作君
   政府特別補佐人
       公正取引委員会
       委員長      杉本 和行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       内閣府大臣官房
       審議官      林  幸宏君
       外務大臣官房参
       事官       塚田 玉樹君
       経済産業大臣官
       房商務・サービ
       ス審議官     藤木 俊光君
       経済産業大臣官
       房原子力事故災
       害対処審議官   星野 岳穂君
       経済産業大臣官
       房審議官     上田 洋二君
       経済産業省通商
       政策局通商機構
       部長       渡辺 哲也君
       経済産業省貿易
       経済協力局長   石川 正樹君
       経済産業省産業
       技術環境局長   末松 広行君
       経済産業省電力
       ・ガス取引監視
       等委員会事務局
       長        岸  敬也君
       資源エネルギー
       庁次長      保坂  伸君
       資源エネルギー
       庁省エネルギー
       ・新エネルギー
       部長       高科  淳君
       資源エネルギー
       庁資源・燃料部
       長        小野 洋太君
       資源エネルギー
       庁電力・ガス事
       業部長      村瀬 佳史君
       中小企業庁事業
       環境部長     吾郷 進平君
       中小企業庁経営
       支援部長     高島 竜祐君
   参考人
       日本銀行理事   前田 栄治君
       東京電力ホール
       ディングス株式
       会社代表執行役
       社長       小早川智明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国政調査に関する件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○平成三十年度一般会計予算(内閣提出、衆議院
 送付)、平成三十年度特別会計予算(内閣提出
 、衆議院送付)、平成三十年度政府関係機関予
 算(内閣提出、衆議院送付)について
 (内閣府所管(公正取引委員会)及び経済産業
 省所管)
    ─────────────
#2
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に石井章君を指名いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(斎藤嘉隆君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#6
○委員長(斎藤嘉隆君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府大臣官房審議官林幸宏君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#8
○委員長(斎藤嘉隆君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 委嘱審査のため、本日の委員会に日本銀行理事前田栄治君及び東京電力ホールディングス株式会社代表執行役社長小早川智明君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#10
○委員長(斎藤嘉隆君) 去る十九日、予算委員会から、本日一日間、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会及び経済産業省所管について審査の委嘱がありました。
 この際、本件を議題といたします。
 審査を委嘱されました予算について、まず世耕経済産業大臣から説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
#11
○国務大臣(世耕弘成君) 平成三十年度の経済産業省関係予算案について御説明申し上げます。
 この五年間で、名目GDPと企業収益は過去最高の水準となりました。また、雇用についても有効求人倍率が四十七都道府県で一倍を超えるなど、経済は着実に成長軌道への道を歩み始めております。こうした動きを確かなものとし、日本が世界をリードしつつ、持続的な成長につなげていくためには、コネクテッドインダストリーズの実現が鍵となります。これにより、生産性革命を成し遂げるとともに、少子高齢化、環境・エネルギー制約などの日本が抱える社会課題の解決を図ってまいります。
 このため、平成三十年度の経済産業省関係予算案は、一般会計三千四百五十五億円、エネルギー対策特別会計七千七百九十八億円、特許特別会計一千五百五十二億円、合計一兆二千八百五億円を計上しております。また、この他、復興庁計上の東日本大震災復興特別会計のうち四百六十八億円が経済産業省関係予算案として計上されております。
 平成三十年度予算案について主要な柱に沿って御説明いたします。
 第一の柱は、コネクテッドインダストリーズによる社会課題の解決、競争力強化です。
 日本が世界の中で産業競争力を維持していくため、現場に蓄積されているリアルデータを活用し、これらのデータとIoT、AIを組み合わせることが重要です。具体的には、自動走行の実証や、家電から得られる生活関連データを活用する実証事業などにより、異業種間の連携やデータの協調領域の整理及び新たなサービスの創出を図っていきます。そして、それらのデータの国際標準化を見据えた支援を行うとともに、こうした大量のデータを処理するための次世代技術開発にも取り組んでまいります。
 また、コネクテッドインダストリーズの実現には、IT人材の育成と安心してデータをやり取りできる環境整備も不可欠です。
 人材育成については、AIやビッグデータを用いる新たな教育サービスであるエドテックやリカレント教育の充実を図るとともに、ITの突出した才能を持つ若者の育成や起業・事業化支援を未踏事業により推進します。
 さらに、こうしたAIやIoT技術の進展に伴うサイバー攻撃に対応するため、専門人材の育成や、産業分野におけるサプライチェーン全体での対策、電力などの重要インフラの対策強化に取り組みます。
 加えて、行政からの生産性革命を進めます。行政手続のデジタル化や、事業者が提出した情報について同じ内容を再び求めないワンスオンリー化を着実に実行してまいります。
 第二の柱は、中小企業・小規模事業者への支援です。
 深刻な人手不足に直面する中小企業・小規模事業者について、集中的に支援を行います。円滑な世代交代のため、事業承継税制の対象の抜本的な拡充に加え、事業引継ぎ支援センターの相談機能の強化を行います。
 下請企業の取引条件は、自主行動計画に基づく取組により着実に成果が出てきています。昨年末に取りまとめたフォローアップ結果を踏まえ、改善の動きが鈍い業界に対しては更なる改善要請を行ってまいります。また、自主行動計画の策定業種を八業種から十二業種に拡大します。
 商工中金は、今回の不正事案を猛省するとともに、真に中小企業にとって意味のある金融機関となるよう、解体的出直しが必要です。有識者会議の提言を踏まえ、第三者委員会の設置などガバナンスを強化した上で、今後四年間で中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化する新たなビジネスモデルを確立できるよう、しっかりと監督してまいります。
 昨年末、約二千社の地域未来牽引企業を選定しました。こうした企業や自治体、金融機関等の関係者が一堂に会する機会をつくり、新たなビジネス展開をサポートすることなどにより、地域経済の活性化を促進してまいります。
 第三の柱は、資源エネルギー政策の着実な実施です。
 責任あるエネルギー政策を推進していきます。長期的なエネルギーの将来像について、現在、集中的に議論を進めており、早期に成果を得てまいります。これをエネルギー基本計画の見直しの議論に反映し、今夏の取りまとめを目指します。
 この上で、徹底した省エネを推進し、エネルギー使用の最適化を図っていく必要があります。そのため、中小企業を始め事業者の省エネ設備の導入や住宅、ビルのゼロエネルギー化を進めるとともに、蓄電池の研究開発などを進めます。
 また、再生可能エネルギーについては、最大限の導入と国民負担の抑制を両立するため、コスト低減や系統制約の克服に向けた技術の開発、実証に取り組んでまいります。
 水素技術は、日本が世界のフロントランナーです。昨年十二月に策定した水素基本戦略に基づき、福島県浪江町での再生可能エネルギー由来の水素製造や国際水素サプライチェーン構築の実証を進めます。水素ステーションの整備や技術開発、規制改革など、あらゆる取組を抜本強化し、世界に先駆けて水素社会を実現します。日本の水素技術で世界各国の成長と両立したエネルギー転換を促し、世界の脱炭素化を日本が牽引します。
 原子力については、更なる安全性向上のための技術開発や立地地域の実情に応じた地域振興支援を行ってまいります。
 エネルギーセキュリティーの強化に向け、国内外の資源開発を進めるとともに、製油所の耐震化や給油所への災害対応力の強化など、石油供給インフラの強靱化を進めます。
 第四の柱は、対外経済政策の展開です。
 TPP11の早期発効と日EU・EPAの早期署名を目指し、これらを活用した中堅・中小企業の海外展開を積極的に支援するとともに、RCEPについても妥結に向けて一層努力してまいります。また、我が国の質の高いインフラシステムの輸出や新興国での人材育成にも取り組んでまいります。
 国際博覧会については、二〇二五年の開催国決定投票が本年十一月に行われます。いよいよ選挙戦のラストスパートです。オールジャパンの体制で大阪、関西への誘致活動に全力で取り組んでまいります。
 最後の柱は、福島の復興加速です。
 福島の復興と安全かつ着実な廃炉・汚染水対策は、経済産業省の最重要課題です。昨年九月に改訂した中長期ロードマップに基づき、安全確保の最優先、リスク低減重視の姿勢を堅持しつつ、地域社会とのコミュニケーションを一層強化しながら進めてまいります。
 帰還困難区域を除くほぼ全ての地域で避難指示が解除され、周辺住民の方々の帰還が進んでいます。これらの地域で真に生活を再建するためには、産業の復興が要です。福島相双復興官民合同チームによる支援を通して、事業、なりわいの再建を進めてまいります。
 福島イノベーション・コースト構想に基づき、南相馬市でロボットテストフィールドの建設が始まりました。様々な分野のロボットやドローンの実証と性能評価が一か所でできる世界に類を見ない拠点です。福島での新たな産業、雇用の創出に向けた取組を本格化してまいります。
 以上が平成三十年度経済産業省関係予算案の概要でございます。
 委員各位におかれましては、よろしく御審議いただきますようお願い申し上げます。
#12
○委員長(斎藤嘉隆君) それでは次に、杉本公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。杉本公正取引委員会委員長。
#13
○政府特別補佐人(杉本和行君) 平成三十年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 内閣府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は百九億七千二百万円となっております。これは、前年度予算額に比べますと、総額で二億五千万円、二・二%の減額となっております。この内訳は、人件費が七千万円の減となっており、物件費が一億七千九百万円の減となっております。
 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、公正取引委員会に必要な経費として九十二億七千五百万円を計上しております。これは、人件費、経常事務費等の経費であります。
 第二に、独占禁止法違反行為に対する措置等に必要な経費として三億五千六百万円を計上しております。これは、独占禁止法違反事件の審査、企業結合審査等のための経費であります。
 第三に、下請法違反に対する措置等に必要な経費として二億三千二百万円を計上しております。これは、下請法違反事件の審査等のための経費であります。
 第四に、競争政策の普及啓発等に必要な経費として一億七千五百万円を計上しております。これは、競争政策普及啓発、国際関係事務処理等のための経費であります。
 第五に、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保に必要な経費として九億三千四百万円を計上しております。これは、消費税の転嫁を拒否する行為の是正等のための経費であります。
 以上、平成三十年度における公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。
 何とぞ御審議のほどよろしくお願いいたします。
#14
○委員長(斎藤嘉隆君) 以上で説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#15
○渡邉美樹君 自由民主党の渡邉美樹でございます。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 本日は委嘱審査に当たり、経済産業の基盤を成す我が国の財政と、そしてそれを支えております日銀の出口戦略と、そして中小企業の支援について質問をさせていただきたいと思っております。
 まず最初に、財政についてお話をお聞きします。
 私は、今、このままでは日本の財政はもたないんではないかと実は大変危惧をしております。内閣府の今年の一月二十三日の試算によりますと、基礎的財政収支の黒字化は、成長実現ケースでも二〇二七年に先延ばしになっております。しかし、その二〇二七年でさえも私は大変疑念を持っております。成長実現ケースでは、実質GDP成長率は二〇二三年以降では二・〇%以上、名目GDP成長率は二〇二〇年以降で三・〇%以上を想定しています。これは、消費税増税後、引上げ後、そしてオリンピック後ということを考えましたところ、非常に楽観的な数字だと言わざるを得ないと思います。また、ここ数年の実績を見る限り、これだけの経済成長が実現できるとはとても思えないと考えております。
 また、長期金利の試算についても疑念があります。というのは、政府は成長こそがと言っておりますが、実はこの財政再建において重要なのは成長よりも金利の影響だと、そのように考えるからです。
 半年前の平成二十九年の七月の試算では、こちらの資料一を見ていただくと分かるんですが、そのときの経済再生ケースで名目長期金利が二〇一九年から五年間で〇・七、一・四、二・五、三・二、三・七という金利になっております。この金利は、私もビジネスマン長かったんですが、非常に妥当な数字だと思っております。しかし、ところが、今年の一月の試算では、同じく成長実現ケースの二〇一九年からの五年間で〇・〇、〇・四、〇・九、一・四、二・〇と著しく金利を抑えております。たった半年の間で長期金利の試算値がこれだけ違うのはなぜだろうかと大変疑念に思っております。
 成長が抑えられたからだということも聞いておりますが、であるならば、成長が、例えば二〇二〇年、二一年、二二年は〇・八、〇・五、〇・五という形で成長が抑えられているのに対して、それに対して〇・七、一、一・六、一・八、一・七という形で大幅に金利を抑えているわけであります。
 これは、見ようによっては公債等残高対名目GDP比をこれによって調整しているとしか見えないわけでありまして、この試算の、それこそ中長期の経済財政に関する試算の信用度とか妥当性というのは本当に正しいんだろうかと、これは、一方、数字合わせの試算なのではないだろうかというふうに考えてしまいます。
 内閣府に質問させていただきたいことは、この長期の金利の根拠について是非教えていただきたいと、そう思っています。
#16
○政府参考人(林幸宏君) お答えいたします。
 本年一月に公表しました中長期試算では、昨年十二月の経済財政諮問会議におきまして、民間議員から過去の実績や足下の経済トレンドを踏まえて現実的な試算をお願いしたいとの御発言があったことから、経済、物価の改善ペースやTFPの上昇率などの経済前提を見直しました。
 この結果、今回の試算における成長実現ケースでは、昨年七月の試算における経済再生ケースと比べまして、実質GDP成長率の改善のペースが緩やかになり、到達する成長率も低くなる、二番目に、消費者物価上昇率については二%の目標到達が一年遅れる、三番目に、財政面につきまして、消費税増収分の使い道の見直しや経済成長率の想定の変更による歳入の伸びの鈍化などにより、プライマリーバランスについて、歳出削減を織り込まない姿としては、昨年七月の試算よりも二年遅れて二〇二七年度に黒字化する試算となっております。
 御質問の長期金利については、これまで同様、消費者物価上昇率が二%程度に達するまでの当面の間、日本銀行による金融緩和策が継続されるとの想定を置いております。その上で、今回の試算では、物価見通しの下方修正を踏まえ、前回試算よりも一年長く、二〇一九年度まで足下の金利が続く見通しとなると。その上で、その後の金利動向につきましては、内閣府のマクロ計量モデルを用いて、足下の金利動向を土台として、将来の経済成長率や物価上昇率の見通しなどと整合的になるような推計を行っております。
 このため、今回の試算前提の見直しにより、長期金利の上昇ペースも前回試算よりも緩やかなものとなっております。
#17
○渡邉美樹君 今のお答えですと、二〇二一年から二〇二四年まで、今の私の言葉で言えば帳尻合わせのような数字になっておりまして、二〇二六年にはまた戻っているというところが理解できないというのは正直な感想です。
 日銀の動向が金利に対して大きな影響を与えるわけですが、今日は日銀にも質問をさせていただきたいと思っております。
 私は、この異次元の金融緩和の継続においても強い疑念を持っております。金融緩和は見直すべきではないかと。五年のこの経験で、幾らお金をつぎ込んでも物価の上昇はエネルギー価格の影響を除くとほぼゼロであるというこの現実を真っ正面から見るべきではないかと、そう考えております。
 実際に、日銀の営業毎旬報告によりますと、現時点の最新情報である三月十日現在、日銀は四百五十四兆円の国債を保有しております。これは、十年前の二〇〇八年三月時点の六十九兆円の約七倍であります。同様に、日銀の当座預金は三月十日現在三百六十五兆円で、十年前の約五十倍という数字になっております。資料二を見ていただくと分かるんですが、まさにこの数字は異次元の金融緩和であり、そして本当にバズーカそのものだと思っております。
 ただ、今現在の状況から考えますと、市場に流通する国債の四〇%以上を日銀が持っていること、また二〇一七年の国債発行の七五%以上を日銀が購入しているという実質財政ファイナンスの状況の中において、もしこの買手がいなくなれば、七五%を物を買う需要と供給で考えれば、需要がなくなれば一気に価格は落ちる、つまり国債の金利は上がるという、非常に実は危険な状態にあるんではないかなと考えております。
 その隣にありますのは、これは日銀のバランスシートですが、国債の分がもちろん当座預金に向き合っているわけでありまして、この当座預金の金利が上がることによって今度は日銀が破産するということも決してそんなに大きな間違いではない状況になるわけでありまして、もちろん国債は徐々に徐々に買っていかないという、どういうことで出口を考えていらっしゃるのか。出口戦略はまだ早いということなんですが、私も世界の投資家と話をしておりますが、もう日銀は本当に追い詰められていると。
 私は、円の信用を守るためにも、最悪のケースでも大丈夫ですよというそのケーススタディーというか、ケースを見せるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。日銀に直接お聞きしたいと思います。
#18
○参考人(前田栄治君) お答えいたします。
 日本銀行は、二%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために、必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続することとしております。委員御指摘のいわゆる出口戦略を含め、先行きの金融政策はこうした考え方に沿って運営していくことになります。
 現在、我が国では景気が緩やかに拡大している一方、物価は弱めの動きが続いております。物価上昇率が一%台後半で推移している米国などとは異なり、我が国の消費者物価の前年比はエネルギー価格の寄与を除いてみると小幅のプラスにとどまっており、二%の物価安定目標の実現までにはまだなお距離がある状況でございます。これは委員御指摘のとおりかと思います。
 日本銀行としては、こうした経済、物価の現状を踏まえると、国債買入れを含む金融緩和からのいわゆる出口のタイミングやその際の対応を検討する局面にはまだ至っていないと考えているところでございます。
#19
○渡邉美樹君 私は、日銀の責任として、出口はこういう方向で考えているということをもう言わなければいけない時期だと、そう思っております。
 それともう一つ、資料三なんですが、日銀が大株主、企業ランキングというのを出させていただきました。日銀によります上場投資信託、ETFでございますが、保有残高が二十兆円を突破したと言われております。昨年六月の日経新聞の記事によりますと、上場三千六百七十五社のうち八百三十三社で日銀が上位十位以内の大株主に入っているということです。年六兆円ペースで買い続けており、現在日本全体でいえば三%を超える持ち株になっているわけであります。
 三%というと少ないように思われますが、実はこれ一日にしますと大体二百五十億ぐらいでありまして、二百五十億といいますと、中小の一部上場企業の会社の値段がそのぐらいなんです。つまり、日銀は今、中小の一部上場企業を毎日毎日買い続けている状況でして、この買いの、我々はビジネスマンとして発想しますが、一番悪いところは、買いのみということです。つまり、これは、買ったり売ったりしながら日銀がもうけていくものだったらまだいいんですが、買いのみであるということはこれ買い支えをしているということであって、正しい株価形成にはならないわけであります。
 もし大量の株式購入をやめてしまえば、これはもちろん株価の急落につながるわけでありまして、これはどうするつもりなのかと。もっと言えば、こんな無責任なことをしていいのか、日銀がという、ビジネスマンとして、また政治家としてそういう思いなんですが、この出口について教えていただきたいと思います。
#20
○参考人(前田栄治君) お答えいたします。
 ETFの株式等々の買入れは、やはり長短金利操作付き量的・質的金融緩和の枠組みの一つの要素として、株式市場におけるリスクプレミアムに働きかけることを通じて、経済、物価にプラスの影響を及ぼし、二%の物価安定目標の実現につなげていくと、こういう観点から実施しております。
 実際、日本銀行としては、これまでのところ、ETF買入れを通じたリスクプレミアムへの働きかけは大きな役割を果たしてきていると考えております。
 ただ、先ほども申し上げましたとおり、現状、物価安定の目標の実現までにはなお距離があることを踏まえますと、ETF買入れを含む金融緩和からのいわゆる出口、このタイミングについて、あるいはその際の対応を検討する局面にはまだ至っていないと、このように考えております。
#21
○渡邉美樹君 日銀が、中央銀行がこのような形で株を買うというのは世界にも余り例のないことでございますので、本当にこんなことをしていいのかということはやはりしっかりと議論が必要だというふうに思います。
 日銀の方は、もうこれで質問は終わりますので。
#22
○委員長(斎藤嘉隆君) 前田日本銀行理事は御退席いただいて結構でございます。
#23
○渡邉美樹君 これに関連しまして、財務省、経産省に御質問したいと思います。
 財政再建が失敗して財政破綻するリスク、日銀の出口戦略が失敗するリスク、確かにそうなってはいけないんですが、悪いインフレ、ハイパーインフレになるリスク、急激な円安になるリスク、様々なリスクがあると思います。これに対して、例えば財務省は、このまま行けば国債も買えなくなりますので、日銀が国債を買えなくなったときの円安は最悪どこまで行くと想定されているのか、また、経産省においては、中小企業にとって急激な円安というのは非常に大きなダメージを与えるわけですが、その危険水域は幾らぐらいで、その危険水域に入ったときに経産省はどういう対応をしようとしているのかと、そのリスクマネジメントについて教えてください。
 まず、財務省からお願いします。
#24
○大臣政務官(長峯誠君) お答えいたします。
 為替がどこまで進む可能性があるかという御質問でございますけれども、この件に関しましては市場に不測の影響を与えかねないことから、為替の水準等についてはコメントを差し控えさせていただきたいと存じます。
#25
○大臣政務官(平木大作君) 中小企業を取り巻きます経営環境が急激な変動、どのように動いていくのかあらかじめ見通すことは極めて難しいことでございまして、現在、経済産業省といたしまして、今御質問いただきましたようなあらかじめの事前の予測ですとか試算といったものは行っておりません。基本的には、経営環境の急激な変動というものが中小企業の経営にどのような影響を与えるのか、これを注視しながら、いざ起きたときに適切にかつ迅速に対策を講じていくことが何よりも重要であるというふうに考えております。
 過去におきましても、例えば原油の価格ですとかあるいは原材料価格、こういったものが高騰が生じた際に、中小企業に対する、経営に対する影響調査というのを行わせていただきまして、その結果に基づいて必要な中小企業施策取ってきたところでございます。
 今後も、予測できるものあるいはできないものを含めまして、何かあったときに中小企業の経営状況に及ぼす影響をしっかりと見極めまして、適切な対策を講じてまいりたいと思います。
#26
○渡邉美樹君 実際に海外の投資家と、世界中の投資家と話しておりますと、日本の財政は非常に危険であろうと。その結果、いきなりハイパーインフレ等になるわけではなく、途中とても質の悪いインフレになっていくんではなかろうか、そうしたときに円安というものが前提になってくると思います。恐らく、輸入をどのぐらいしているのか、輸出をどのぐらいしているのか、それに対して輸入の企業にとってはどれだけ影響が出るのか。特に外食産業なんかはもう輸入の品物が多いですから、外食産業にとってはどのぐらいの影響が出るのか。結果として物価、悪い値上げになるわけですが、そういうものに対してはどのぐらい影響が出るのかというのを私は、経産省は国民への、また中小企業への責任としてしっかりと試算をしておくべきだと、そのように思います。
 そして、最後ですが、今度は中小企業政策ということで、大臣にちょっとお聞きしたいことがあります。
 資料四を御覧ください。これは黒字の企業率、全ての企業に占める黒字の企業の割合ということなんですが、国税庁の最新の統計によりますと、平成二十八年度の黒字企業は三三・二%だったということですが、今から三十年前の平成元年、まさにバブル期に約五〇%あった黒字企業率はバブル崩壊後三〇%台に落ち、そしてリーマン・ショックによって更に落ち、今ようやくリーマン・ショック前の水準に回復したという状況だと考えております。
 つまり、黒字企業はバブル崩壊後ずっと少なく、低空飛行を続けているわけでありまして、この経済産業において様々な政策、また中小企業に対して様々な対策を打ち続けたにもかかわらず黒字企業が全く増えないというこの現実について大臣はどう考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。
#27
○国務大臣(世耕弘成君) 別の言い方をすると、打ち続けたからこそ底が抜けなかったという点があるんではないかというふうに思います。
 中小企業への支援策というのはこれ長い歴史がありまして、一九六三年に中小企業基本法というのができて、そこから割と長い間は二重構造対策というか、大企業に比べた弱者である中小企業をどう支援をしていくかという目線でやってきておりました。その後、このグラフが出だすところでありますけれども、バブルが崩壊して非常に長い不況に入っていく、その時点では、やはり弱者である中小企業に対してどうやって金融支援をし、経営基盤の強化を行っていくかという視点でやっていました。
 大きな転換点は平成十一年、このときに中小企業基本法の抜本改正というのを行いまして、いわゆる弱者として捉えるだけではなくて、やはりイノベーションを通じて創業とか経営革新、これをしっかりやってもらうという新しい中小企業観に基づいた支援対策を強化をしてきました。その後、このグラフにも、それでちょっと下げ止まって、上がりかけていたんですが、そこでリーマン・ショックがやってくるわけであります。そして、東日本大震災がやってきた。このときは、どちらかというとセーフティーネット対策としての支援というのを行ってきたわけであります。
 そういった中で、委員御指摘の黒字企業については、今、平成二十七年度時点で九十二万社ということでありますので、平成二十四年の七十三万社から一定、このグラフでも出ているように、毎年それなりに増えてきてはいるというふうに考えております。
 中小企業の業況が、実はこの黒字で見ると経常利益は過去最高水準になっているんです。ただ、黒字の企業率が増えていないということは、かなり格差が出ているとかばらつきが出ているということではないかというふうに思いますが、全体としては改善基調にあるんではないかというふうに思っています。
 今我々が直面している今度は問題は、やはり人手不足、労働力不足、生産性を向上させなければいけない、事業承継といった新たな問題に直面をしていますので、また対策をしっかりと打っていきたいというふうに思っています。
 このように、結構歴史的にいろいろ変遷をしながら手を打ってきているということは御理解いただきたいと思います。
#28
○渡邉美樹君 実は、私が二十四のときに創業しているものですから、バブルのときから今、このグラフをずっと実は経営者として見てまいりました。その上での感想でありますが、このバブルまでは右肩上がりの経済の中で、恐らくその支援も、例えば税務はこうしたらいいよとか例えば経理はこうしたらいいよという、そういう守りの支援をずっと続けてこられたということにおいて、日本の中小企業への支援というのは良かったと思うんです。
 しかし、このバブルが壊れた後について、右肩下がりになったときに仕組みがそのまま守りの仕組みになってしまっていて、結果として様々な屋上屋を重ねてきた。結果として、余り有効な中小企業支援政策になっていなかったんではないかというのが私が三十年間この中小企業支援を見ていた私の感想です。
 特に、事業においては人、物、金と言いますが、お金については、これは今現場でも声を聞きます、もう十分だと。もう銀行も貸したくてしようがない。人については、今まさに大臣がおっしゃったように労働力不足。これが今最大の、日本中で最大のそれはネックだと思います。で、何よりもやはり物であります。銀行もお金貸したいけど、全然ビジネスモデルがなっていないから、貸せないから全部つくり直すんだみたいな話をつい最近ある頭取からも聞きましたが、やはりこの物、ソフトというところをしっかりとてこ入れしていくこと。ものづくり補助金もいいんですが、それ以上にやはりソフトをしっかりと充実させて、そのソフトの支援が必要ではないかなというふうに思っております。
 資料五をどうぞ御覧ください。これは非常に大ざっぱなものなんですが、ポイントは三点あります。
 一点は、屋上屋を重ねてきた組織をやはり統合するべきじゃないかと、一つにまとめるべきではないかという、この三十年の反省を踏まえて一つの提案です。二つ目の提案は、やはり地方に行けば行くほど商工会、商工会議所が中心であります。商工会、商工会議所を経営指導中心の組織につくり替える。そして、よろず支援拠点、これは大変有効であります。よろず支援拠点を強化すること、これが今中小企業支援にとって大事なんじゃないか。
 そして、何よりも足りないのは経営指導員であります。本当に力のある経営指導員が千人いれば私は日本は変わると思っています。それの採用、育成、そして雇用というものが私はこの中小企業支援にとって最も大事で、ですから赤にさせていただいたんですが、中小企業大学校、ここを強化することによってソフトをつくる、そしてビジネスモデルを一つ一つずつ応援してあげる、それによってそれぞれの企業が自立していくという、そのような絵が描けるんではないかな。
 結果として、実際それを、小さなといっても四千社の組織なんですが、そこでそれを実際やれば八〇%以上が黒字になっている現実もあります。そうすればアベノミクスもそこで成功していくんではないかと、そう思います。
 大臣に最後に、ゼロベースで抜本的な改革の必要性をどう考えていらっしゃるのか、それについてお聞かせ願いたいと思います。
#29
○国務大臣(世耕弘成君) 私も経産大臣になって、中小企業のこの支援の枠組みというのは本当にたくさんあるなと、これ全員、みんな分かっているのかなというぐらいいろいろあるというふうに思っています。だから、そういう意味では、渡邉委員と問題意識は似ているというふうに思います。
 ただ、それ、制度はそれぞれ由来があって、それを統合するとなると相当なエネルギーが掛かりますので、そこに力を掛けるよりは、実際に中小・小規模事業者の方が相談に行く窓口においてワンストップで対応できるようにするということの方が重要ではないかというふうに考えていまして、今、商工会、商工会議所がまさにふだんのかかりつけ医のような形、そして、そこに手に余るようなことについてはよろず支援拠点がまさに専門医のいる総合病院という形で対応するということで、中小企業にとってできる限り分かりやすく使いやすい仕組みにしていく必要があるのかなというふうに思っています。
 あと、経営指導員がなかなかいない。これがたくさんいたらもう逆に直接自分で企業を経営してもらった方がいいんじゃないかなと思うぐらいですけれども、確かに経営指導員がなかなか不足ぎみだというのも事実です。これを大量につくるというのは、今、人手不足というような中でなかなか難しい。この辺は、例えばITを使って、非常に優秀ないい経営指導員が集まっているところが、少し面的にITを使い、タブレットを使って遠隔で支援をしていくなんということもしっかり考えていく必要があるんじゃないかと。制度そのものをいじるよりは、今ある仕組みをいかに使いやすくしていくかということに注力をしてまいりたいというふうに考えています。
#30
○渡邉美樹君 今日は、財政再建、日銀の出口、中小企業支援の問題提起をさせていただきました。これからも与党の一員としてこの問題解決に力を尽くしていきたいと約束させていただいて、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
#31
○青山繁晴君 自由民主党・こころの青山繁晴です。党利党略のためでなく、国益のためにこそ質問いたします。
 今日は、メタンハイドレートに絞ってお尋ねします。
 メタンハイドレートは、熱水鉱床などとともに、日本は資源のない国という思い込み、刷り込みを打ち破るための試みであり、日本の新しい国益の最前線です。
 まず、広範囲の主権者のために一言だけ説明、解説いたしますと、メタンハイドレートとは要は海底などで凍っている天然ガスの塊であります。私自身を含む研究者は、二〇〇四年から実際に日本海の海底から実物を取り出しております。実際のものはコンビニで売っている白いシャーベットとそっくりでありまして、その冷たいシャーベットに火を近づけただけで、ぼっと青い炎を出して燃えます。つまり、燃焼効率がとても良いものです。したがって、科学の世界でも燃える氷と呼ばれております。
 メタンハイドレート、これは主に太平洋側で砂と混じっている砂層型と、それから主に日本海側で海底面に露出した表層型メタンハイドレートがあります。政府は長く表層型メタンハイドレートについては無視するような姿勢でありましたけれども、平成二十八年度から生産技術の検討を始めたのは高く評価しております。しかし、一方で、やや国益に反する側面があるのではないかと危惧しています。
 それは、まず、この生産技術を考える前に、当然この表層型メタンハイドレートがどこにどれぐらいあるかという調査をしなければいけません。これを賦存調査と呼んでおります。賦存というのはちょっと難しい言葉ですけれども。
 この賦存調査、経産省が行ってきたんです。経産省とあるいは産総研が連携して行ってきたんですけれども、実はある特定の学説、本当は学説というよりは一人の学者を中心にした見方に依拠して、多額な予算を投じて行ってきました。これは偏った調査と言わざるを得なかったんですけれども、学者には一切責任はありません。学者がどのような学説をお持ちになるかは全く自由でありまして、その一つに偏った立場で調査を行われた政府に大きな責任があるのではないかと考えています。
 この賦存調査のやり直しが必要になるんですけれども、今日は特にこの生産技術について他の学説も取り入れた検討にしていただきたいという観点から一つ目の質問なんですけれども、例えば、この特定の学説あるいは見方というのは、メタンプルームというものがこの世にないということになっているわけです。
 これ、説明すると長くなるんですけれども、要はプルームというのは柱のことです。ですから、日本海の海底から巨大な柱、これも平均でスカイツリーぐらい、六百五十メートルぐらい、一番高いものですと九百数十メートル、一番ちっちゃいもので東京タワーぐらいあります、その柱が林立しているわけです。
 このメタンプルームなるものの正体は何かということは、日本だけじゃなくて海外の研究者も長年、長年というかこの数年、長年じゃありません、この数年取り組んできて、もうはっきりしています。それは、表層型メタンハイドレートというのは海の底の海底面に出てしまっているものもありますから、そこからメタンハイドレートが分離して海の中を漂っていく。これ、ガスですから、軽いですから、上に向かってまっしぐらに上がっていきます。このメタンハイドレートのそのものの粒々、あるいはこれが分離してできたメタンガスからできているということは、今申しましたとおり研究で明らかになっています。私自身も、一番最近ですと、去年の十二月に参加した世界最大の学会、AGU、これニューオーリンズで開かれましたけれども、アメリカン・ジオフィジカル・ユニオン、アメリカ地球物理学連合においてもそのような研究結果が多数発表されたところです。
 したがって、一つの学説あるいは見方では、このメタンプルームがないことにして、メタンプルームのある場所は探さなかったわけです、賦存調査で。ちょっと一瞬だけ手元を見ていただきますと、海底があって、海面がありますと、ここに柱が立っていますから、当然、ここ掘れワンワンと同じで、その柱の下に当たり前ですけどメタンハイドレートが賦存しているわけです。この調査を抜きで行われたわけです。
 したがって、当然、今後の賦存調査も、それから生産技術の検討も、このメタンプルーム以外のものも必ず調べなきゃいけませんけれども、メタンプルーム自身も是非検討対象にしていただきたいと思います。経産省、お答え願えますか。
#32
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 議員御指摘のとおり、これまでの表層型メタンハイドレートの回収技術に係る調査研究につきましては、調査対象としてメタンプルームが明確に位置付けられていないことは事実でございます。
 この調査研究においては、特定の学説や技術にこだわることなく、広く優れた提案を取り入れていきたいというふうに考えております。メタンプルームにつきましても、今後、専門家からの意見聴取や最新の研究動向等に係る議論を行い、どのような調査研究ができるか、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
#33
○青山繁晴君 今、初めて前向きなお答えをいただいたと思います。それを評価しつつ、もう一点だけこのメタンプルームについてお尋ねします。
 先ほど述べましたように、最近、このメタンプルームについて多くの学術論文が、それも私が読みましても良き論文が国内外で発表されています。
 例えば欧州の最近の研究ですと、このメタンプルームというのは、出てきたら当然海面に近づくと消えてしまいます。それは水圧が減って太陽の光が届くからですけれども、ガスが凍っているのが解けますから。この次から次へと出てくるメタンプルームが、例えば十年で終わってしまうんだったら国費を投じる必然性は薄れますけれども、話を戻しますと、欧州の研究では、少なくとも一万年前後これから続いていくであろうという発表もされています。
 そして、これは、さっき言いましたとおり既に実物が私も含めて採取されていますから、その純度を見ますと、メタンの純度は極めて高い。それから、実は新しい資源を開発するときに、ただあればいいんじゃなくて、必ずその資源からエネルギーを取り出すときに、そのコストよりもエネルギーそのものが大きくないとこれは国費を投じるわけにいきません。これは御存じのとおりです。これを、済みません、また専門用語一個だけ言いますけれど、EPRと呼んでいます。エネルギー収支比率、エナジー・プロフィット・レシオです。このEPRが少なくとも一を上回らなきゃいけないんですけれども、このメタンプルームはさっき言いましたメタンハイドレートの粒々がどんどん出ている状況ですから、当然ながらEPRは非常に高い。つまり、もっと平たく言うと経済性が期待できる。それがなぜ意図的に生産技術の検討対象から外されてきたように見えるのか。
 これは、先ほど前向きなお答えをいただきましたけれども、今までのことを問うよりもこれからどうするということを問いたいので、先ほどのお答えに加えて、じゃ、この三十年度以降どのようにされていくかをお答え願えますか。
#34
○政府参考人(小野洋太君) お答え申し上げます。
 表層型メタンハイドレートの回収技術の調査研究では、今六つの手法が採択されておりますけれども、この回収技術を用いた場合のエネルギー収支比率、EPRですね、これについては今提案者に試算をしていただいているところでございます。
 しかしながら、今これ産総研が取りまとめをしているところでございまして、今、現時点で数字の比較はできないんですけれども、今後、専門家からの意見聴取や研究結果の分析等を通じて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
 現時点で、メタンプルームにつきまして、その比率が低いという理由でメタンプルームを排除しているものではございません。
#35
○青山繁晴君 それでは次に、大臣にお聞きします。
 大臣におかれては、メタンハイドレートに非常に関心を持ってくださっているということは承知しております。
 その上で予算についてお聞きしたいんですが、今、経産省からも六つの手法という話がありましたけれども、要は、これは生産技術の検討を経産省経由の産総研と連携して始めた大学、企業、あるいは国立研究所のグループが六つあります。ところが、それぞれ二千万円を上限とする予算しか出さない、あるいは使ってはいけない。このため、実際には、検討といってもこれは実は机上の計算、机の上で推し測って計算することしかできないんです。これは笑いごとでなくて、この机上の計算でやったもので、その後、大量の国費を投じて実際の採取なんか危なくてできません。したがって、最低でも実験室の中できちんと機材をそろえて実験しなきゃいけませんし、本当は日本の領海内、ほとんど領海内です、遠くても排他的経済水域の中ですが、領海内だけで十分にありますから、そこで海洋実験をしなきゃいけないです。
 実は、不肖私は民間人の時代に、政府が全然動かないので、自分で借金もして数千万円という用船料を払って研究船を出して、新藤義孝さんがそこに乗ってくれたりしたこともあったんです、もう数年前ですけれども。
 この二千万円では、もう一度申しますが、実験室内の実験もできないし、海洋実験なんてまさか想像の外と。したがって、机上の空論、空論と言っちゃあれですけれども、机上の計算だけいつまで続けるのかと。しかも、その二千万円も中身見ますと、これ、多くは国立大学、一つ日本大学もいらっしゃいますけど、あとは国立大学中心ですよね、新潟大学とか。新潟は多いですから、メタンハイドレートが。中身見ると、要するに大学は旅費とアルバイト代しか請求できないから、二百万か三百万です。二千万あっても大半は、やっぱり企業が関わっていれば企業が持っていきますよね、外注費ということで。
 そうすると、要ははっきりとやるなと言っているように見えるんですよね。しかも、丁寧に調べていくと、済みません、この部分だけ質問通告していませんが、改めて調べますと、経済産業省傘下の産総研、産業技術総合研究所が、実は机上の計算以外はやるなという指導をなさっているという証言も実は十近く集まりました。
 したがって、これは、海洋試験には仮に一か所だけの実験であってもすごくすごく掛かります。日本は海の豊かな国で、海盆とか海脚とか、海の脚と書きますが、そういう調査に適した場所があります。その狭い一か所を調べるだけで必ずすごく掛かりますから、よほどの英断が必要です。ところが、三十年度予算では、表層型メタンハイドレートの全体について僅か十三億の予算しか付いていません。かつてはゼロでしたから、ましになったと言いたいところですけれども、現状を詳しく見れば、これは当然恐縮ながら大臣の決断で補正予算で手当てしていただくべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#36
○国務大臣(世耕弘成君) 確かにこのメタハイ、表層型メタンハイドレートの回収技術の調査研究については、二十八年度では一件当たり一千五百万まで、二十九年度は一件当たり二千万までということにしていました。
 これは、今机上の空論とおっしゃっていただいていますが、いわゆるフィージビリティースタディーというか、実現可能性の調査ということを想定したものでありまして、今、青山委員がおっしゃっているような、例えば実験室の中でやるとか、あるいは船で出て海洋調査を行うということを想定したものではありません。
 当然、今後、調査研究が進展していくに従って、やがては当然手法として実験室の中での実験から、あるいは海洋調査という段階へ進んでいくわけですから、当然その段階に合わせた予算はしっかりと、それぞれ一件当たりの規模を大きくしていくことになるんだろうというふうに思っております。
 補正予算で取るかどうかは、まだ補正予算の話は政府から今の段階では全くできませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。
#37
○青山繁晴君 補正予算でとお願いしたのは、確かに先走った、あえて先走った言いぶりにしたんですけれど、だって、もう当初予算は決まりですから。
 今大臣からステップを踏んでいるという趣旨の御答弁いただき、これもかつてない前向きな答弁でありますから、ちょっと僕は心が軽くなりました。その上で、ただ、研究者の立場からすると、この机上の計算というのは必ず少なくとも実験室、研究室の中の実験と同時並行で進まないと計算に自信が持てないです。特に資源はそうです。それを更に御意識いただきたいと思います。
 時間が迫ってきますから、四点目なんですけれども、これ世耕大臣が日本を水素社会にするという志を持っておられるんではないかと拝察しています。その上で、これは御存じかもしれませんが、メタンハイドレートというのは、実は天然ガスを取り出すのは当然です、溶ければ天然ガスになるわけですから。それだけじゃなくて、水素の取り出しが可能であって、その意味からも、予算について今までと違う考え方を持っていただきたいんです。
 どうやって水素を取り出すか、細かく言うと非常に技術的な話になってしまいますけれども、簡単に申せば、メタンと水蒸気を反応させて水素を含む合成ガス、これ実際作れます。作れることは確認済みです。そこから水素を取り出していくだけですから、複雑な工程とはとても言えません。
 さらに、国内では今、経産省、産総研の支援を受けて水素プロジェクトに取り組んでいる優秀な企業が何社もあります。そこに行きまして、実際に現場を見てお聞きすると、再生可能エネルギーから水素を取り出す試みももちろんなさっていますが、社名は伏せますけれども、実はそれだけでは足りないので、あるいは不安定なので、ブルネイから天然ガス由来の水素を買っているんですという話も証言としてありました。その企業の方に、外国からそうやって買うのであれば自前資源の確保ということになりませんねと聞きますと、全くそのとおりだと思いますけれども、我々としては今それしかなくてやっている現状ですということなんですね。
 したがって、このメタンハイドレート、今までの考え方、天然ガスを海外から買わなくて済むということはもちろんですけれども、水素社会の実現にも貢献できるという観点から、大臣、予算と全体の取組についてお答えいただけますでしょうか。
#38
○国務大臣(世耕弘成君) これからやはり日本のエネルギー政策の中で、この水素というのが非常に重要になってくるというふうに思っています。特に、再生可能エネルギーたくさんこれから増やしていく中で、そのバックアップの仕組みが、日本はドイツのように他国から電力を買うわけにはいきません。あるいは、それで火力発電をたいていたのではCO2が逆に増えてしまうということになりますので、そこをバックアップする仕組みとして、やはり水素を使った蓄電という方法が極めて有力だというふうに思っていますし、また、これから日本は、水素を使った燃料電池車ですとか、あるいは水素による家庭へのエネルギー供給とか、そういったことをいろいろと考えていかなければいけないというふうに思っております。
 できれば少し水素に明確にハンドルを切った政策をこれからしっかり考えていきたいというふうに思っております。そのことによって、まさに国内のエネルギーの自給率を高めるということと地球温暖化対策という、まさに一石二鳥の成果が得られるのではないかというふうに思っております。
 この水素をどうやって得るかというのは幾つかのルートがあって、例えば、再生可能エネルギーで出てくるのを系統につながずに水を電気分解して水素を作ってためていくという方法から、今委員から御指摘があったようにLNGとか、あるいは褐炭という、これはオーストラリアにたくさんありますけれども、この石炭から取り出すというような話ですとか、あるいは今サウジアラムコなんかはもう石油から取り出せないかというような議論も始まっています。こういうところも日本はできれば技術で先導をしていきたいというふうに思いますし、もう一つ、やはりエネルギーの自給率という観点に立つと、やはり国内で水素をどう作るかということが非常に重要だと思っています。メタンハイドレートからも水素が取れる、今御説明いただきましたけれども、取れるということでありますから、ここの技術ということも、やはり国内で取れる資源だという観点から着目をしておく必要があるだろうというふうに思っています。
 取り出す技術は簡単だとおっしゃいますが、一方で、取り出すときにCO2が発生するという問題がある、これをどう抑えるかといった技術開発も含めて、このメタハイと水素という点にもよく着目をしておきたいというふうに思います。
#39
○青山繁晴君 今大臣からCO2を、取り出すときの問題も指摘されまして、よく通じていらっしゃると改めて確認しましたので、是非、世耕大臣の任期中に大きく前進することを期待しております。
 最後に、不肖私は神戸の生まれなんですけれども、子供の頃、親に連れられて日本海側に温泉がありますから行きました。今でも兵庫県の城崎温泉はブームだったりしますけど、本当は城崎の向かって左側、西側の方に、例えば夢千代日記、ちょっと古いですけど吉永小百合さんが主演されたドラマの舞台になった温泉街などがありました、香住町を始めとしてですね。そこに皆さん、委員の方々も有権者の方々も是非行ってあげてほしいんですが、もうタクシーはおろかバスも営業できないような実態のところもあります。過疎と簡単に言うけれども、人口五百数十万を抱えている兵庫県においても、日本海側の苦しみというのは大変なものです。
 したがって、日本海側からこのメタンハイドレート、日本にはできないはずの自前の資源産業を勃興すれば、まず雇用を生みます。それから、何よりも大臣がよく御存じのエネルギーセキュリティーにもなります。日本海側で安定的にガスを含めた資源を確保して、パイプライン、日本はほとんど通っていませんが、それを例えば京都の舞鶴から兵庫県の三田まで通せば、縦に短い日本ですから、大きなセキュリティーの確保にもなります。
 その意味からも、さっきメタンプルームという一番取り出しやすいリソースを申し上げたのは、今か今かと待っている日本海側の方々に是非希望を与える、希望をお贈りする。与えるというのは偉そうですから修正します、希望をお贈りする、そういう予算の在り方と、経産省予算要求の在り方、是非お願いいたします。
 大臣、最後に一言、あと三十秒あると思いますから。
#40
○国務大臣(世耕弘成君) メタンハイドレートが開発されていけば、また地域の振興にもつながるというのは事実だというふうに思いますし、あと、やはり私も今エネルギー交渉をいろいろやっています。この間はアブダビで権益の確保を何とかできました。そういうときに、日本はもう自前のエネルギーも開発しているんだよと、いざとなればもうそっち使っちゃうかもよという姿勢を示せるだけで、少しこちらにもバーゲニングパワーが出てくるという面があります。そういう視点からも、メタンハイドレート含め、国内でつくれるエネルギーということをしっかりと開発をしていきたいというふうに考えています。
#41
○青山繁晴君 そのとおりです。
 終わります。
#42
○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕です。
 本委員会で質問をさせていただくのは私初めてでございますので、この委員会の諸先輩のお教えをいただきながら謙虚に質問をさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、世耕大臣、今回の予算を拝見をいたしました。昨年、政府はAI関連予算倍増を打ち上げましたですね。経済産業省が作成したこの予算案のポイントを見ると、その最初がコネクテッドインダストリーズ、そして社会課題の解決、競争力の強化で、さらにその一番最初に来ているのは自動走行なんです。しかし、このイの一番に挙げている割には、自動走行システムの社会実装に向けた研究開発、実証事業費、僅か、極めてささやか、三十五億円であります。これ、昨年から全体は、AI倍増どころか、実は三四%増にすぎないんですね。これ応援のつもりで申し上げますけれども、余りにも少なくないですか。いかがですか。
#43
○大臣政務官(平木大作君) 事実関係も含めまして、私の方からお答えをさせていただきます。
 経済産業省といたしましては、自動走行システムの社会実装に向けた制度やインフラの整備につなげるために、高齢者等の新たな移動手段として期待されておりますラストマイル自動走行や、あるいはドライバー不足の解消に有効なトラックの隊列走行の技術開発や実証実験を実施してきておりまして、二〇一八年度におきましては、今御紹介いただきましたとおり、前年度より増額となるおよそ三十五億円を予算案として計上させていただきました。
 それぞれの事業につきまして、本年度の後半から公道での実証実験を開始したところでございまして、二〇一八年度は通年でこの実証実験に必要な予算を増額して計上したところでございます。このほか、自動走行において課題となります自動走行システムの安全性の評価や車両のサイバーセキュリティー対策、こういったものの取組を行うこととしておりまして、必要な額を計上できているというふうに考えております。
#44
○大野元裕君 胸張るような私は予算ではないと思います。
 他方で、内閣府が主導されているSIP、主導での、これはそれぞれの、確かにそれラストマイルと名前打つのはいいんですけれども、例えばレベルの問題、あるいはODDですね、限定設定領域、これ掛け合わせてやはり一番良いような形で動かさなければいけないと思っておりまして、政府全体で見直すべきだと思いますが、まずは経済産業省、意欲的なのはよく分かっていますから、そこはしっかりと野党としても応援させていただきますので、頑張っていただきたいと思っております。
 その上で、次の質問をさせていただきたいと思いますけれども、低炭素技術を輸出するための人材育成支援事業というのがあります。これは、エネルギーインフラの保守、運転等に関わる日本企業で、現地を担う外国人材が不足しているということに鑑みて人材育成を支援する、そういうスキームだと理解をしています。
 まず、大臣、伺いますが、中小企業への補助率が三分の二ですよね。大企業等は三分の一になっています。これ、なぜこのように違うのか、教えてください。
#45
○大臣政務官(平木大作君) お答えさせていただきます。
 日本のエネルギーインフラ、省エネ技術の海外展開を推進いたしますためには、新興国等において、我が国の省エネ技術を生かしたプロジェクトを担う現地人材の育成を積極的に推進していく必要がございます。
 このため、低炭素技術を輸出するための人材育成支援事業では、こうした海外での事業を担う外国人材について、企業による研修等の人材育成に対する支援を行っておりまして、今御紹介いただいたとおり、補助率は原則として大企業が三分の一、中小企業が三分の二と設定をしております。
 これは、中小企業は大企業に比べまして経営基盤や人材確保が十分ではなく、また、海外で事業に参加するには様々な困難を伴いますことから、優れた技術を生かした中小企業の海外展開を促進するためにも、補助率を高く設定をいたしまして積極的に支援するものでございます。
#46
○大野元裕君 そうなんですね。私、この全体のスキーム自体は賛成なんです。
 ちょっと資料を見ていただきたいんですが、インドネシア・タンジュン・ジャティB石炭火力発電所、これはこういったスキームが適用されている例についてです。私も、エネルギーに関しては、例えば高効率の火力発電とか地熱発電があるんだということを事前のレクで教えていただきました。高効率の火力発電なんかはこれもう大企業でしょう、基本的には。他方で、地熱発電なんかは確かに中小企業も受注することはあるんだろうと思っています。
 この例で見ると、インドネシア向けの火力発電向けのタービンを設置、据付け、保守するというものです。この元々のプロジェクトは住友商事さんと関電さんが中心となって、発電量当たりのSOx、NOx、これがインドネシアで実は最大という発電所に五号機、六号機というところを新設をして、そこに超超臨界技術のT社のタービンを据え付けましょうと、で、環境に優しいものにすると、これはいいことだと思います。
 経産省が提示したこの例の申請者、これF社と下の方に書いてありますけれども、このF社が現地法人を設立する。このF社は、従業員六十名のタービン、ボイラー等の据付け工事や定期保守の専門の会社です。ですから、補助率は多分三分の二になるんだと思います。
 他方で、これプロジェクトそのものは大企業主導なんですね。この元請企業が火力発電所のメンテナンス料金をF社の現地法人に支払するという意味では、確かに経営基盤とかリスクとか様々な困難あると思うんですが、これ自体に関してはとてもリスクが低いことになります。それどころか、現地人材の育成費用も当然大企業から支払われるものの中に入っているんだと思うんです。
 そうだとすると、これ、仮に元請が申請すれば三分の一なんですよ。下請が申請すると、中小企業ですから三分の二なんです。つまり、人材育成や技術移転等の効果は一緒、あるいはリスクについても、これ直接、中小企業が取引するわけじゃないですから、ある程度相殺される。しかし、経産省の補助のおかげでこの大企業は下請に払うお金がそれだけ安くなる、こういう結果になることが考えられます。
 もちろん、先ほど申し上げたとおり、中小企業がさっき言ったように受注した案件、これは当然やるべきだと思います。倍額払っていいと思います。しかし、これ、いろんな予算ある中で、日本の予算は当然、国民からいただいた税金、限られた税金の中で支払うものですから、今、平木政務官がおっしゃるような趣旨は理解できるんだけれども、本件のように大企業がリスクを取れるようなものについては、私は、中小企業向けの理由を満たさない三分の二の補助として国民の理解得るというのはなかなか難しいのではないかと思うんですけど、これは大臣に是非お伺いしたいんですが、制度設計に問題はありませんか。
#47
○国務大臣(世耕弘成君) これは、今、平木政務官からお話があったように、大企業であろうと中小企業であろうと、日本企業が有する省エネ技術をしっかり生かして現地でプロジェクトを進めることによって地球全体のCO2排出を減らしていくという考え方だというふうに思っています。特に、中小企業はいろんな意味で技術基盤が弱いとか資金基盤が弱いということで、三分の二の補助率を適用しているところであります。
 中小企業のいろんな課題は、現地での取引先が日系の大企業であれ現地企業であれ基本的には私は同じだというふうに思っておりまして、取引先の規模といった条件にかかわらず、やはり中小企業には高い補助率で実施することが適切だと思っています。
 我々何も、何か大企業の迂回をして補助金を増やすというような意図でやっているわけではありませんし、非常に、例えば眼鏡のねじの会社とか、本当に純粋中小企業の案件が多いと思っています。ちょっと全部調べるわけにはいきませんでしたが、今この補助金を使っている件数が中堅・中小企業、百十一社であります。
 今委員御指摘のようなインフラ案件は八件しかなくて、基本的には中小企業のためのものになっているんだろうというふうに思いますし、インフラ案件であってもこれは決して別に迂回を意図したものではなくて、やはり中小企業がそのインフラ案件の中で純粋に仕事をするために補助が行われているというふうに認識をしております。
#48
○大野元裕君 我々、予算の審議をさせていただいています。百十一社、その大部分は純粋中小企業、いや、いいことだと思いますよ。八社しかない、だからいいだろうという話ではありません。あるいは、経産省がお持ちの意図が、それは当然善意だと私は思いますよ、迂回を促進するためにやっているとは全く思いません。ただ、問題として、これは税金ですから、そのような中で我々が最大限注意を払って、最大限の効果を国民の皆様に御納得いただける形で得るのは当然の話ですから、大臣、その答弁はないですよ。
 元請の判断次第では、もしかするとですよ、どこを下請に出すかどうかというのは元請の発想ですから。そうすると、補助金の付く部分は切り離して下請に出せばこれ安くなる、我々が払う分は少なくて済む。こういうスキームになっているということ自体、私は懸念を持たざるを得ないから聞いているんです。
 大臣、経産省のつくっているものが悪いスキームだとは言っていません。悪意だとも言っていないし、それをまさに大臣がポケットへ入れちゃうとか、そんな話でももちろん全くないわけですから、そういう話をしているわけじゃないんです。そうじゃなくて、ただ、悪用されてしまうし、しかも悪用というのは、一般の民間企業からすればどれだけ利益を出すかということを当然商法上もこれ義務ですから、会社法上も義務ですから、やらなきゃいけないわけなので、そこはいま一度慎重に見直したらいかがですかという私の意見に対しては全く耳を貸さないということでよろしいんでしょうか。
#49
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、我々は別にこれ悪用されることを期待しているわけでもありませんし、恐らく申請をされている中小・中堅企業も何も悪意を持っているわけではないと思います。
 委員御指摘のようなことがないように、ここはよく注意をして進めてまいりたいというふうに思っています。
#50
○大野元裕君 改めて、大臣、是非一つ一つの個別の案件についてきめ細かく対応をしていただくことを今日はお願いをさせていただいて、次の質問に移らさせていただきたいと思います。
 さて、先ほど青山委員からもエネルギーの話ありましたけれども、再エネルギーの関連予算についてお伺いをさせていただきたいと思うんです。
 これ、経済産業省のこういった省エネルギー投資促進に向けた支援事業やあるいは低炭素エネルギーの最大限の導入、これの予算は、当然一定の目標というものを考えて、そこに対して最大限の効果を上げるような形で予算組みをし、そしてそれを実施していく、これは通常のことだと私は思います。
 その目標なんですけれども、大臣、今調査会で議論もされていますけれども、現在のエネルギーミックスを当面二〇三〇年の目標としているという理解で、例えば再エネについては二二%から二四%と、そういう理解でまずよろしいかどうかを確認をさせてください。
#51
○大臣政務官(平木大作君) ただいま御審議をいただいております再エネ、省エネ関連の予算案につきましては、エネルギーミックスを実現するための施策としてまさに要求しているものでございます。
 省エネに関しましては、エネルギーミックスにおいて、二〇三〇年度に対策前比で原油換算五千三十万キロリットルの省エネ目標の達成に向けて今、施策、様々取り組んでいるわけでありますが、例えば産業・業務部門では工場等における設備の高効率化やエネルギーマネジメントシステムの導入、あるいは運輸部門では次世代自動車の普及促進、家庭部門では住宅の省エネ化、こういった対策の積み上げを今行っております。これらの対策を進めるために、工場等における省エネ投資の補助ですとか次世代自動車の導入補助、あるいは住宅のゼロエネルギー化、いわゆるZEHの補助等の予算措置を講じることとしております。
 また、再エネにつきましては、今御指摘いただきましたとおり、エネルギーミックスにおいて二〇三〇年度、二二から二四%という目標を掲げております。欧州と比べまして日本の再エネコストはいまだ高いという中におきまして、国民負担の抑制を図りながら最大限の導入を促進するという中において、特に再エネの比率を現在の二倍にするという目標でございますので、こちらの達成に向けて必要な予算措置を講じているところでございます。
 具体的には、大幅なコスト低減を実現する可能性が高い太陽電池の開発や洋上風力発電の施工コストを低減する技術開発、あるいは系統制約の克服に向けました太陽光等の自然変動電源の発電量の予測技術や系統運用技術の開発等の予算措置を講じることとしているところでございます。
#52
○大野元裕君 平木政務官、丁寧な御説明有り難いんですけど、別に大臣のこと見習って聞かれない話ぺらぺらしゃべる必要ないですから、聞かれた話を是非回答をしていただきたいと思います。
 大臣、総合資源エネルギー調査会、これ議論をする中で、大臣の方でもエネルギーミックスについては発言がありました。それも踏まえての話なんですけれども、五月にもこれ答申があるんじゃないかという話もあります。これにつきましては、現在のエネルギーミックスを大きく変える必要はないという流れで議論が進んでいるということでまずよろしいでしょうか。
#53
○国務大臣(世耕弘成君) それは、私、その調査会の一番最初の会合で、私としては変える段階にはないと考えているけれども、忌憚のない御議論をいただきたいというふうに申し上げまして、その上で委員の皆さんから自由で闊達な御議論をいただいているというのが今現状だというふうに思っています。
#54
○大野元裕君 簡潔な御答弁ありがとうございます。
 先ほども平木政務官の方からZEHの話なんかもあって、これも実は、本当は今日議論したかったんですね、ZEHとZEHプラスの例の所管の問題とか、いろいろ私まだまだ問題あると思いますので。
 ただ、今日はちょっとこのエネルギーミックスをもう少し掘り下げたいんですけれども、現在のエネルギーミックスは、これ国際公約ですよね。二枚目の資料を見ていただければ分かるんですけれども、国連気候変動枠組条約の事務局に提出している日本の約束草案は、このエネルギーミックスをベースとして、これと整合性が合ったものになっています。
 二枚目のところで見ていただくと分かると思うんですけれども、それによると、我が国の約束草案、二〇二〇年以降の削減目標は、二〇三〇年度に二〇一三年度比マイナス二六%とすると、これは、エネルギーミックスと整合的なものとなるよう、技術的制約、コスト面の課題などを十分に考慮した裏付けのある対策、施策や技術の積み上げによる実現可能な削減目標であり、なおかつ、ちょっと途中飛ばしますけれども、国際的にも遜色のない野心的な水準であると、これが日本のスタンスだというふうに私は理解をしています。
 これは内閣官房、経産省、それから環境省がこれ共同で作った実は紙、約束草案についてというこの紙なんですけれども、それによれば、国際的に遜色のない野心的な水準であるという話でございますけれども、今も二〇三〇年の先ほどおっしゃったエネルギーミックスの目標は変わっていない、国際公約もこのままであり、そして野心的な目標を掲げているということで、大臣、これも確認です、よろしいでしょうか。
#55
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の約束草案で、日本は二〇三〇年度に二〇一三年比で二六%という目標になっているわけですが、これ、各国の基準年を日本と同様の二〇一三年度比にそろえて比較をすると、アメリカの場合は一八から二一、EUは二四ということになりますので、削減率として国際的に遜色のない野心的な水準であるということは今も変わらないというふうに思っています。
#56
○大野元裕君 ありがとうございます。
 今日の最初の御説明のところにおきましても大臣からは、責任のあるエネルギー政策という、こういう言葉がありました。私もこれ全く同感でございます。
 他方、世耕大臣、よく御存じだと思うんですけれども、今日、佐藤副大臣にもお越しをいただいておりますけれども、河野外務大臣がアブダビでIRENAの会議で、これ国際的に非常に多くの国が参加する、エネルギーの専門家も参加する会議です。ここでスピーチをされました。これ英文ですけれども、資料を付けさせていただいております。
 再生可能エネルギーの導入において、長い間日本が世界の潮流に対して目を背け、そして世界から大きく遅れたとまず位置付けています。そして、再生可能エネルギーの導入促進のための脱炭素化、これ目を背けた。そして、その代わりに、変化に対するおそれから現状維持を優先させてきたと。これ、現状評価です。あるいは、日本は現在、二〇三〇年のエネルギーミックスで再生可能エネルギー導入目標を二二から二四%に設定しているが、これは、世界の総合的なエネルギーミックスにおける再生可能エネルギーが二四%になっている現状に鑑みれば余りにも低い数値目標。そして、これ日本の外務大臣として、個人の意見じゃないんです、外務大臣としてと彼は言っていますからね、外務大臣として嘆かわしいと述べておられます。
 大臣、改めて聞きますが、日本の目標は野心的なんですか、嘆かわしいんですか、教えてください。
#57
○国務大臣(世耕弘成君) 明確に申し上げますが、野心的だというふうに考えております。
#58
○大野元裕君 佐藤副大臣、是非お答えをいただきたいんですけど、今日、本当は河野大臣に来ていただきたかったんですが、ほかの委員会行っているので、そこへ行くわけにもいかないので、お越しをいただけませんでしたが、佐藤副大臣にお伺いしますけれども、これ、外務大臣として二回言っています。外務大臣としてと言っていますけれども、我が国の目標は嘆かわしいということを世界に対して公約したということでよろしいですね。
#59
○副大臣(佐藤正久君) お答えいたします。
 私も事前に河野大臣のスピーチ原稿を見たわけではございませんが、報道等にも出ましたので、後でいろいろ確認させていただきました。
 確かに委員御指摘のようなくだりもありますが、全体として見ますと、再生可能エネルギー分野における日本の技術革新とかあるいは先駆的な取組というのを紹介しながら、世界の動きを正しく理解して、長期的視野に立った一貫した再生可能エネルギー外交を展開する決意を表明したものというふうに全体としては評価できると思います。
 先ほど世耕大臣からも、これ野心的かというふうなくだりがございましたけれども、これはやはり、単に削減量とかあるいは削減率ではなく、人口一人当たりの排出量あるいはGDP当たりの排出量といった様々な指標を加えて考えますと、大臣が言われたように、これは国際的に見て野心的な水準にあるというふうに考えます。
#60
○大野元裕君 これ、大臣として言っているんですよ。副大臣、全体の評価はいいです、これ読めば分かりますから。ただ、読んで分からないから聞いているんです。野心的と政府が言っているのに、しかも、内閣全体として責任を負う予算を提出して、我々この予算を議論するその根拠がこのエネルギーミックスです。それは、野心的な目標を定めて、そこに対してこれだけの予算を組んでいる、これ分かりますよ。あるいは、嘆かわしい、余りにも低い目標なのか。それによって、随分これ予算が十分なのか不十分なのかって議論変わるじゃないですか。
 副大臣、外務大臣は明確に外務大臣として嘆かわしいと言っています。外務大臣として、長い間世界の潮流に目を背けてきたと言っています。そして、この目標は余りにも低いと言っています。どっちが正しいんですか。この部分について明確にお答えください。
#61
○副大臣(佐藤正久君) お答えいたします。
 外務大臣、IRENAにおきましてこの現状認識、大臣なりの現状認識を申したと思いますが、先ほど答弁させていただきましたように、評価としては、様々な指標というものを勘案して評価するものだと思っております。そういう意味においては、政府としての評価としては国際標準に照らしても野心的なものだというふうに考えます。
#62
○大野元裕君 どう考えたって、外務大臣として野心的なんて言っていませんよ。外務大臣として嘆かわしいと言っているんですよ。違いますね、それ。答弁撤回して、是非もう一度説明してください。
#63
○副大臣(佐藤正久君) 繰り返しますが、外務大臣、確かに現状認識として、こういう世界の趨勢から目を背け、変化を恐れて現状維持を優先した結果という分析はしておりますけれども、一方で、後半部分におきましていろんな技術的な進展というものを述べた上で、その決意を述べたものというふうに認識しています。
 全体的な評価としましては、いろんな様々な指標というものを比べますと、政府としては、これは国際標準に照らしまして野心的なものというふうに言えると思います。
#64
○大野元裕君 外務大臣として日本の目標は余りに低く嘆かわしいとはっきり述べているわけですから、佐藤副大臣、それは通用しないですよ。
 これ、国会に対して、先ほど申し上げた、提出している予算のこれ全くベースですから、さっき三問、私繰り返して経産大臣に確認してあります。このベースがどういったものなのかということを国民に対して納得いただくためにこれ議論しているわけですから、明確に大臣がそういうふうに言っているものについて、余りにも低いんだったら、もっと予算組み直して提出してください。
 あるいは、これは世耕大臣でいいと思いますけれども、外務大臣にこの発言取り消すことを是非お話しになったらいかがですか。海外で権威ある国際会議で外務大臣としてそう言ったことについて、私は経産大臣としてもとても迷惑だと思いますけれども、いかがでございますか。
#65
○国務大臣(世耕弘成君) これはもう閣議決定をされたエネルギー基本計画というのがあって、そこできちっと決められているわけですから、そのことに尽きるんだろうというふうに思います。
 ただ一方で、エネルギー政策については閣内でいろいろ議論、これからエネルギー基本計画もまた三年の見直しの機会を迎えていますから、もう一度閣議決定をされる。その議論の中で河野外務大臣にも日本の現状その他しっかり御理解をいただきたいというふうに思っています。
#66
○大野元裕君 是非理解をするように、そして無責任な発言を国際会議で世界に向かってしないように言うべきだと思うんですけれども、いかがですか。
#67
○国務大臣(世耕弘成君) いや、これはしっかり理解をいただくと。まず議論をするということが重要、理解をすれば発言も変わるわけだというふうに思っております。
#68
○大野元裕君 なるほど、変わるべき発言だという、そういう理解です。
 経済産業省として、実はこれ、若干機微なんですけれども、アブダビで利権も新しく確保をされました。今度、イラクの西クルナの話も出ていますけれども、経産省として、実は非常に使い勝手の良い産油国に対する予算というのがあります。これが戦略的な資源外交の展開の予算で、これ、外務大臣がこんな発言を行ってしまった。アブダビに対して、世界で最も先進的なマスダル計画、これいろいろ再生可能エネルギー等の、これに対する支援、これまでも行っていますし、今年度も予算付けています、この予算を、我が国の目標が嘆かわしく目をつぶってきた、こういうふうに日本として言っちゃったわけですね、アブダビで。
 そのまま執行するのでは相手国に笑われるんじゃないんでしょうかね。大臣、これ、アブダビにおけるマスダルに対する計画への我が国の関与の姿勢というものは全く変わらなくてよろしいんでしょうか、教えてください。
#69
○国務大臣(世耕弘成君) 国内資源の乏しい我が国にとって、資源の安定供給確保に資する資源国との信頼関係構築というのは非常に重要だというふうに思っています。特に、再エネの導入支援も含めて、相手国のニーズをよく踏まえた幅広い協力を展開をして、相手国との信頼関係を高めることが重要だと思っています。
 今御指摘のアブダビの海上油田の権益、これ大変な競争率の中でありましたけれども、日本の望んでいたレベルを確保することができました。これはまさに、予算による協力事業も含めて、これまで長年資源外交をアブダビに対して続けてきたことが高く評価された結果だというふうに思っております。
 今後とも、戦略的な資源外交に取り組んでまいりたいと考えています。
#70
○大野元裕君 そうなんです、日本は資源がないからこそ、極めて厳しい外交をこれまでも繰り広げてきて、大臣もその一角を担われてこられたと。私はそこは尊敬を申し上げておりますけれども、ただ、なぜこういったことを、産油国で不用意な発言をしていけないかというと、それはもうすぐお分かりになると思いますが、アブダビでもADOCやUPDやあるいはJODCOといった多くのところが、私も三年間アブダビ住んでいましたけれども、本当に真っ黒になって、そして相手国との関係をきちんとつくりながら、そしてこのマスダルプロジェクトもそうですし、これはムハンマド皇太子が肝煎りで、物すごく親日の方なんです。
 その彼らが理解を示してくれて、そして、今回の多分権益の話も恐らく絡んだんだと私は理解していますけれども、そういった一つ一つの積み重ねがある中で、大臣ともあろう方が、個人の御意見はいろいろあると思います、それはいいと思います、ただ、その御意見を大臣としてそんな機微なところで発言をする、それを許容すること自体、私は政府として大きな問題だというふうに思わざるを得ないと思っています。
 そこで、佐藤政務官じゃない、失礼、副大臣、失礼しました、かつて私の後輩の政務官だったものですから、佐藤副大臣にお伺いをさせていただきますけれども、是非、帰って河野大臣に、これについてはしっかりと釈明をするということを大臣の責任としてしろということをアドバイスいただけないですか。
#71
○副大臣(佐藤正久君) 大野委員からのいろいろ御意見賜りました。この委員会の議論というものは大臣の方に正確にお伝えしたいと思います。
#72
○大野元裕君 総合エネルギー調査会の議論、この前提を私はより野心的なものに変えるというような、そういった建設的な意見は当然あると思います。しかしながら、その一方で、今、日本が直面している、エネルギーについては極めて厳しい状況にあるという認識の下で、この五月のエネルギー調査会の答申というものを私も大変楽しみにはしておりますけど、その前提としてのこの予算、特に、今コネクテッドインダストリーズの話をされましたけれども、エネルギーの世界においてもデータベースとか技術革新って物すごく今進んでいます。そういったところに資源外交のお金を新しく、これまでほとんどないはずなので、振り向けていくということも一つの一案だと思いますけど、これちょっと通告しておりませんが、是非大臣に御感想を最後にお聞きしたいと思っています。
#73
○国務大臣(世耕弘成君) コネクテッドインダストリーズの考え方ですね。何も物づくりの製造業に特化しているわけではなくて、当然資源産業でも、あるいは国境を越えて使っていく概念だというふうに思っております。
#74
○大野元裕君 今日は、最初の質問の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
 以上で私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
#75
○浜野喜史君 民進党の浜野喜史でございます。
 まず、森友学園の決裁文書改ざん問題について世耕大臣にお伺いをいたします。
 財務省において今現在調査が進められているというところでありますけれども、その調査を終えた段階で少なくとも財務大臣は辞任をされるべきだというふうに私は考えているんですけれども、世耕大臣の見解を伺います。
#76
○国務大臣(世耕弘成君) 財務省における文書書換え問題については、国民の皆さんから大変厳しい目が向けられているということを真摯に受け止めて対応していく必要があるというふうに思っています。
 行政の根幹は国民からの信頼で成り立っているわけでありまして、経産大臣として、経産省における公文書管理の徹底というのをしっかり行って、そして経済産業政策や対外政策を始め必要な政策を着実に進めることで国民からの信頼に応えていきたいというふうに思います。
 麻生大臣の問題については、基本的に私の立場で、副総理でありますから、コメントする立場にはありませんが、一方で、自分のことで考えてみたときに、じゃ、地方の経済産業局の次長の決裁文書を大臣として完全に管理ができるか、書換えがあった場合発見をできるかというと、これはなかなかはっきり言って難しいというふうに思います。私は、麻生副総理、麻生財務大臣も、やはり今後こういったことが起こらないように財務省内における公文書管理を徹底をしている。今経産省でも、私自身、決裁文書をどうやって書き換えられないようにするか、電子的にPDFに入れてきちっと保管をしていくとか、私が若い頃は決裁文書を自分もNTTで作っていましたけれども、こよりで結んで上から紙を貼ってそれに割り印を押すというようなやり方もあるわけですけれども、そういったことも含めてこれは各省がしっかり取り組んでいく、それが果たすべき責任ではないかというふうに思っています。
#77
○浜野喜史君 御説明いただき、見解お述べいただきましたけれども、ということは、世耕大臣は財務大臣辞任をする必要なしというふうに思っておられるということでよろしいでしょうか。
#78
○国務大臣(世耕弘成君) それについて私はコメントする立場にはなくて、麻生大臣が記者会見や答弁でおっしゃっていることに尽きるんだろうというふうに思います。
#79
○浜野喜史君 もう少しだけお伺いしますけれども、調査を終えた段階で財務大臣は自ら辞任をされるというふうな対応をされるんじゃないかというふうに私は推察しているんですけれども、そのことについては、大臣、いかがでしょうか。
#80
○国務大臣(世耕弘成君) これはちょっと私からはコメントはできないわけであります。これも記者会見や答弁でおっしゃっていることしかないんだろうというふうに思っております。
#81
○浜野喜史君 私は、大臣のお立場ではそういうことをおっしゃらざるを得ないということだと思いますけれども、これ私の推察です。内心は、やはり財務大臣はお辞めになるべきだというふうに世耕大臣は思っておられるというふうに私は拝察をいたします。その大臣の内心に従って財務大臣に辞任をされたらどうかということを進言をいただく、このことを強くお勧めを申し上げまして、質問の方に移らせていただきたいと思います。
 福島第一原子力発電所の廃炉についてお伺いをいたします。
 四号機につきましては、使用済燃料プールからの燃料取り出しも完了いたしました。また、三号機につきましても、燃料取り出し用カバーの設置が完成をし、今年の秋から燃料の取り出しに向けて準備がなされているという状況でございます。また、汚染水対策として構築されました凍土方式の陸側遮水壁につきましても効果を発揮しているというところでございます。廃炉に向けた取組につきましては、長丁場でありますけれども、一歩一歩前進をしているというところだろうと思っております。
 世耕大臣は今年の一月十八日に福島第一を視察をされましたけれども、取組の状況につきましてどのように受け止めておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#82
○国務大臣(世耕弘成君) お答えする前に、さっき、最後、私の内心で終わられると、誤解を与えてはいけません。私個人の内心としては、地方局の次長の決裁文書の改ざんまで本当にきちっと責任が持てるかというと、そこはなかなか難しいのではないかというのが私の思いであります。
 その上で今の御質問にお答えいたしますけれども、一月十八日に1Fを久しぶりに見てまいりました。今御指摘のように、四号炉は完全に使用済燃料プールから燃料棒が取り出されているという状況でありました。また、三号機では、上に大きなドーム型の屋根、もう今は完成していますが、私が見に行った段階ではもう間もなく完成という状況でありましたが、いよいよ三号機は、どうしても燃料デブリが溶け落ちておりますから線量も高いので四号機のように人が入って取り出すということができませんので、これロボットで取り出す段階と、その段取りが進んでいるという状況でありました。また、今御指摘のように汚染水対策でも、凍土壁がほぼ全部固まりつつありまして、大分、汚染水の発生量が大幅に減少するなど、対策の効果が出ているというふうに思います。
 今、敷地内で九五%ではもう普通の工場を見学するときと同じ格好で動くこともできます。そういう意味では、本当に七年たって作業は進んでいるなというふうに思っているわけであります。私からも、作業員の方々に対して、安全に目を配りながら作業をしっかりと前へ進めていただくよう激励をさせていただくとともに、やはりこれまでの御努力に対して心から慰労と敬意を表させていただいたところであります。
#83
○浜野喜史君 ありがとうございます。長丁場の取組でありますので、引き続き節目節目で御視察をいただくなどして、適時適切な指導、支援をお願いを申し上げたいと思います。
 次に、原子力に関します人材育成についてお伺いをいたします。
 東日本大震災以降、大学におけます原子力関連学科等の学生も減少するなど、我が国の将来の原子力を支える人的基盤が崩れてしまうのではないかといった懸念の声も聞かれるような状況かというふうに思っております。原子力に関わる人材育成につきましては、総合資源エネルギー調査会原子力小委員会でも議論をいただいているところでありますけれども、今年の三月六日の会合で、元防衛大臣で拓殖大学総長の森本敏委員が、人材育成のために大切なことは、原子力に関する将来像を明確に示すことであるというふうに明快に述べておられます。
 私は極めて適切な御指摘ではないかなというふうに考えておるところでございますけれども、原子力に関する人材育成について経済産業省としていかにお考えか、御見解をお伺いいたします。
#84
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、三月六日に総合エネルギー調査会の原子力小委員会が開催されまして、その場におきまして、原子力の技術、人材を議題として御議論が行われたわけでございます。その中で、御指摘のような森本委員からの御発言のほか、原子力を安全に利用していくためには高いレベルの技術、人材を維持していくことが必要である、また、人的基盤の毀損のおそれがある、また、安全性を確保するためには、世界の動向も踏まえて、内外の新たな知見を取り入れながら技術を維持改善していくことが重要であるなど、様々な貴重な御意見を御指摘をいただいたところでございます。
 経済産業省といたしましては、これまでも高い安全性を実現する技術、人材の維持強化を図るべく、技術開発ロードマップを作りながら、安全性向上に資する技術開発の支援、メンテナンスを行う現場の技術者の育成、新たな人材確保に向けた学生のインターンシップ受入れ支援などに取り組んでまいったところでございます。
 今後とも、安全性の確保には高いレベルの技術、人材が必要であるとの認識の下、様々な御意見も踏まえつつ、しっかりと対応してまいりたいと、このように考えてございます。
#85
○浜野喜史君 極めて重要な課題だというふうに思いますので、引き続きましてしっかりと論議、検討をいただくように求めておきたいと思います。
 次に、外務省の気候変動に関する有識者会合についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 先ほどの大野理事の質問、事前に連携を取ったわけじゃないんですけれども、たまたま同趣旨の御質問になるかというふうに思います。
 外務省は、今年二月に、気候変動に関する有識者会合という場におきましてエネルギーに関する提言というものを取りまとめておられます。この提言は外務省としての見解を示したものということになるのかどうか、外務省の説明を求めます。
#86
○政府参考人(塚田玉樹君) 有識者会合につきましてお尋ねをいただきました。
 外務省は、気候変動問題に関しまして、世界の最新の動向、あるいはNGOや研究者、気候変動対策に積極的な企業等の声を生かした新しい政策の方向性を打ち出すことを目的に、気候変動に関する有識者会合というのを設置させていただきました。
 今回の提言は、気候変動及びエネルギーに関する最新の国際的な動向を踏まえた、あくまでも有識者の方々の現状に対する危機感を表明した上で、彼らの、有識者の意見として取りまとめられたものというふうに考えております。
#87
○浜野喜史君 ということは、確認ですけれども、エネルギーに関する提言というものについては外務省としての見解ではないと、こういうふうに理解をさせていただいてよろしいでしょうか。確認させてください。
#88
○政府参考人(塚田玉樹君) 今回の提言につきましては、気候変動及びエネルギーに関する国際的な動向を踏まえた有識者の方々の現状に対する考え方というのを取りまとめられたものというのが認識でございまして、あくまでも有識者の方々の見解ということで外務大臣に対して提出されたものであるという認識でございます。
 この内容をどのように政策に反映していくかにつきましては、今後、政府部内でよく検討させていただきたいというふうに考えております。
#89
○浜野喜史君 説明としては、外務省としての見解ではないという御説明であったというふうに受け止めさせていただきます。
 その上で、また外務大臣の御発言をめぐっての話になるんですけれども、河野外務大臣は、今年の一月九日の第一回目のこの有識者会合の冒頭挨拶で、外務省は事前のポジションというのはつくらず、客観的なデータ等に基づいて立場を決めていきたいというふうにコメントをされておられます。しかしながら、集められた有識者メンバーを見てみますと、非常に偏った構成だというふうに言わざるを得ません。九人中三人が、孫正義氏が会長をお務めになっておられます自然エネルギー財団の執行メンバーであるといったことなどであります。
 こういうメンバー構成を見たときに、まさに立場を決めてしまった上でのポジショントークをやっておられるのは外務省の方なんじゃないかなというふうに思ってしまうんですけれども、外務省としての見解をお伺いいたします。
#90
○政府参考人(塚田玉樹君) 有識者の人選につきましては、もちろん原発という観点からの人選を行ったものではございません。有識者の中には、国際機関の出身の方、あるいは企業、金融機関等の経済界、あるいはNGO、研究者、大学、各分野から幅広く人選を行わせていただきました。
 こうした気候変動問題に関しましては、様々な分野、様々な知見の幅広い視点に基づき議論がなされる必要があるという考え方の下に人選を行わせていただいた次第でございます。
#91
○浜野喜史君 これは繰り返しになりますけれども、メンバーを見させていただきまして、失礼ながら私も唖然といたしました。このメンバー構成で、バランスよく専門家の方々を選んでいただいたということをどうしても理解できないということは申し上げておきたいと思います。
 その上で、外務省の有識者会合がおまとめになりましたこの報告書では、日本は石炭火力発電所の廃止を覚悟し、その基本姿勢を世界に公表していく、国内の石炭火力の段階的廃止のロードマップを示すというふうに記載がなされております。
 石炭火力につきましては、世界的にはインドや中国、東南アジアといった新興国を中心に旺盛な需要があり、そういった国に日本の高効率技術を導入することで世界的な大幅なCO2削減が可能になるというふうに私は考えております。
 石炭につきましては、火力全体で高効率化を図りながら引き続き活用していくということが日本のエネルギー供給を考える上では重要であり、世界的なCO2削減にも貢献することにつながるというふうに考えますけれども、エネルギー政策を所管する経済産業省としての見解をお伺いいたします。
#92
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 全ての面において完璧なエネルギー源がない中で、エネルギーミックスにおきましては、3EプラスS、つまり安全を大前提とした上での安定供給、環境適合、経済性のバランスが重要であると考えております。
 御指摘のとおり、石炭火力はCO2の排出量が多い環境面での課題、制約があるわけですけれども、その一方でエネルギー安定供給や経済性の面で優れた側面も持っておりまして、バランスの取れたエネルギー構造を確保する上で、一定の割合で活用を図ってまいることが必要と考えております。石炭が有する環境面での課題に対応するために、環境省とも合意の上で、高度化法と省エネ法による新たな規制の枠組みを導入したところでございまして、これにより二〇三〇年の電源構成比率を確保するとともに、我が国のCO2削減目標を同時に達成していきたいと考えてございます。
 また、海外におきましては、途上国などにおきまして石炭火力を選択せざるを得ない国が存在する中で、そうした国に対し、低炭素に資するあらゆる選択肢を提示した上で、それぞれの国のニーズに応じ高効率な石炭火力を導入を支援することは、実効的な世界のCO2削減に貢献できるものと考えております。
#93
○浜野喜史君 外務省に、もう一、二問で終わりますので、御質問をさせていただきます。
 外務省の有識者会合がまとめられましたこの報告書におきましては、脱原子力が世界的な潮流であり、日本も乗り遅れてはならないという論調でまとめられております。外務省のホームページを見ますと、原子力の平和利用のところに、国際的なエネルギー需要の拡大や地球温暖化問題への対処の必要性等から、原子力発電は国際社会においては重要なエネルギー源となっていますと記載されております。また、外務省は、国際的な原子力の平和利用を推進するという観点に基づき、各国との原子力協定を所管されておられます。
 以上を踏まえますと、この報告書の原子力に関する記載内容は外務省の見解とは異なるものであるというふうに理解をいたしますけれども、それでよろしいでしょうか。
#94
○政府参考人(塚田玉樹君) 今回の提言につきましては、繰り返しになり恐縮でございますけれども、あくまでも有識者の方々の見解を取りまとめて外務大臣に対して提出をいただいたと、こういうものであるというふうに認識しております。
 この内容をどのように政策に反映していくかにつきましては、今後政府部内でよく検討させていただきたいというふうに考えております。
#95
○浜野喜史君 外務省への質問はこれで終わりますけれども、今の政府の政策をこれ否定するような提言だというふうに思うんですね。要は、これで外務省としては何をしようとされているのか、もうこれで最後にいたしますけれども、説明を願います。
#96
○政府参考人(塚田玉樹君) 私どもとしましては、気候変動及びエネルギー政策に関する最新の国際的な潮流、あるいは国際世論といったものも踏まえて、もちろん国内の意見の集約は必要ではございますけれども、こういった国際的な動向を踏まえた有識者の方々に現状についての意見を頂戴するというのが問題意識でございますので、あくまでもそういった有識者の意見として取りまとめていただいて、それを踏まえて、今後どのように政策に反映していくかということを政府部内でよく検討させていただきたいと、こういうふうに考えております。
#97
○浜野喜史君 繰り返しになりますけれども、私は、失礼ながら、外務大臣それから外務省として、まさにやってはならないというふうに自らおっしゃっているポジショントークをされているというふうにしか思えません。そのことを申し上げておきたいと思います。
 経産大臣にお伺いいたします。
 この報告書の内容は、現行の政府のエネルギー政策を否定するものというふうにも言えるというふうに思います。この報告書の内容が政府全体の見解であると国際社会に受け止められることのないよう、慎重な取扱いが必要だというふうに私は認識をいたしております。
 エネルギー政策に関し最終的に国民に対し責任を持つのは経済産業省であり経済産業大臣だというふうに思うわけでありますけれども、現在進められておりますエネルギー基本計画の検討におきましてどのような議論がなされているのか、経産大臣の説明をお願いを申し上げます。
#98
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、エネルギー政策に責任を持つのは、これは経済産業大臣だと明確に思っておりますし、政府の決まったエネルギー政策というのは、これは閣議決定をされたエネルギー基本計画だというふうに思っています。
 今、今後のエネルギー政策ということでありますが、エネルギー基本計画が策定から三年ごとに検討を行うということになっておりますので、その今検討の作業を行っているところであります。
 このエネルギー基本計画というのは、先ほどからの御質問にもあるように、具体的な技術ですとかいろんな予算の可能性とか、そういったこともきちっと積み上げて精緻に作られているものであります。これが、私は三年の間にそれに大きな変化があったとは思わないので基本的に大枠を変える必要はないのではないかなとは思っていますが、基本的に今これ有識者にフリーに御議論をいただいています。方向性としては、今の計画をどうやって実現確実なものにしていくかという方向になるのではないかと思っていますが、これは有識者の御議論を待ちたいと思います。
 それと並行して、これパリ協定が発効いたしました。二〇五〇年に八〇%削減という非常に厳しい目標が出てきたわけであります。これは今の積み上げでは無理でありまして、やはり何度か技術的な飛躍、イノベーションがないと達成ができないわけであります。CCSですとか蓄電池ですとか、再エネあるいは原子力の活用ということも考えていかなければいけないわけで、メタンハイドレートもその中に入っているかも分かりません。あらゆる選択肢の可能性を多面的に議論をするために、これは、エネルギー情勢懇談会というこれも有識者会合を立ち上げて、今二〇五〇年の姿について議論をしていただいています。これは、そのメンバーだけではなくて、その都度テーマに合った有識者を海外からも来ていただいて議論をしています。一つの技術に依存するのではなくて、いろんな技術の可能性をしっかり比較をしながら進んでいくことが重要だというような御指摘をいただいております。
 両方も、調査会も懇談会も、こちらはメンバーはかなりバランスが取れていると自信を持っております。環境系の学者にもしっかり入っていただいておりますし、何と外務省、環境省にもちゃんと参加をしてもらう、メーンテーブルに座って意見が言える状態で御参加いただいていますから、外務省として言いたいことがあるなら是非そこで御意見も言っていただければと。オープンにしっかり議論してまとめていきたいというふうに思っております。
#99
○浜野喜史君 責任ある検討を引き続き求めておきたいと思います。
 電力システム改革についてこれ以降はお伺いいたします。時間の関係もありますので、ちょっと通告しております内容を割愛する場合もあるかと思いますけれども、御理解をお願い申し上げます。
 まず、様々な市場創設の詳細検討が現在進められているというところでございます。エネルギーミックスとの整合が取れ、その実現に寄与するような様々な市場創設の検討がなされるべきであるというふうに考えるんですけれども、見解をお伺いいたします。
#100
○政府参考人(村瀬佳史君) 電力システム改革は、更なる競争の活性化を図ると同時に、安定供給ですとか環境適合といった公益的な課題に対応する必要があると考えてございまして、御指摘のようにエネルギーミックスと整合性をしっかり念頭に置いた形で検討が必要だと、このように考えてございます。
 例えばでございますけれども、非化石価値取引市場というものを今検討しておりますけれども、再エネ導入の促進に不可欠なFIT賦課金の国民負担の低減ですとか、エネルギーミックスを踏まえたエネルギー供給構造高度化法による非化石電源比率の達成に資するものと、このように考えてございます。また、容量市場ですとか需給調整市場は再エネの導入拡大に必要不可欠な電力の供給力、また調整力の確保にも資するものと考えてございます。
 いずれにいたしましても、こうした市場の詳細検討に当たりましては、ミックスの実現との整合性が取れる、それに資するような観点を踏まえましてしっかりと検討を進めてまいりたいと考えてございます。
#101
○浜野喜史君 その新市場の一つといたしまして、ベースロード電源市場というものの創設が検討されていると承知をいたしております。このベースロード電源市場というのは一体どういったものなのか、その目的とか概要を説明をいただきたいと思います。
#102
○政府参考人(村瀬佳史君) ベースロード電源市場は、旧一般電気事業者、いわゆる十電力と呼ばれているような大きな事業者が大部分を保有しております石炭火力ですとか大型水力、原子力といった安価なベースロード電源に対して新電力がアクセスができること、アクセスすることを可能とすることで、小売事業者間の競争環境のイコールフッティングを図り、競争を促進することを目的としているものでございます。
 制度の詳細につきましては、二〇一九年の市場創設を目指しまして検討を進めているところでございますけれども、同市場の目的を踏まえまして、旧一般電気事業者等が適切な量、適切な価格でベースロード電源市場に電気を供出し、それを新電力が、例えば一年間といったような形で、一定期間にわたって一定量のベース電源を安定的に購入することができるような仕組みとする方向で検討を進めているところでございます。
#103
○浜野喜史君 御説明いただきましたように、ベースロード電源市場というものの創設が検討されておりまして、そして市場創設がなされましたら旧一般電気事業者には一定量の電力の供出が求められるという御説明でございました。
 そうした中で、過度な量のベースロード電源の供出が仮に求められるということになれば、財産権の侵害になるというおそれもあると認識をいたします。また、ベースロード電源を建設をし、維持更新をするというインセンティブをそぐことにもなり、安定供給を確保するというシステム改革の本来の目的に反することにもなるのではないかというふうに考えます。
 ベースロード電源の供出量の設定に際しましては、そういったことにも留意をして慎重に検討いただく必要があるというふうに考えますけれども、見解を伺います。
#104
○政府参考人(村瀬佳史君) ベースロード電源市場の制度設計に当たりましては、旧一般電気事業者等による市場への供出量が、ベースロード電源の開発動向ですとかベースロード電源を維持するインセンティブに与える影響もしっかり踏まえながら検討を進める必要があると考えてございます。
 引き続き関係者の声を丁寧に聞きつつ、バランスの取れた詳細設計を進めてまいりたいと、このように考えてございます。
#105
○浜野喜史君 冒頭に御説明いただきました非化石価値取引市場につきましては、二〇三〇年度におけるエネルギーミックスの非化石比率目標四四%を達成するためにも重要な施策であるというふうに考えております。太陽光や風力といった再生可能エネルギーにつきましては、FIT制度によるインセンティブの下、急速に普及が進んでおりますけれども、大型水力や原子力といったFIT以外の非化石電源につきましては非常に厳しい状況にもあります。
 今後、非化石価値取引市場の詳細検討に際しましては、発電事業者にとりまして大型水力や原子力といったFIT以外の非化石電源の開発・維持インセンティブが失われないよう制度設計がなされるべきであるというふうに考えますけれども、見解をお伺いいたします。
#106
○政府参考人(村瀬佳史君) 非化石価値取引市場は、再エネを始めとした非化石電源により発電されたCO2フリーの電気の価値、ゼロエミッションの電気の価値に着目をいたしまして、当該価値を非化石価値として、電気とは別に小売事業者間で取引する市場でございます。FIT電源以外の非化石電源由来の非化石価値の取扱いにつきましては、住宅用太陽光のFIT買取り期間が初めて終了する二〇一九年度の発電分から市場取引対象とすることを目指すということにしているところでございます。
 今後、詳細な制度の設計、検討に当たりましては、FIT電源以外のゼロエミ電源、非化石電源の投資インセンティブにも留意をした上で丁寧に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
#107
○浜野喜史君 大臣にお伺いをいたします。いわゆる非対称規制についてお伺いをしたいと思います。
 現在、電力市場におきましては、競争を活性化するという観点から、旧一般電気事業者に対しまして様々な非対称規制が課せられております。過度な非対称規制を長期にわたり継続させるということは、公平な競争環境という観点から好ましいものではなく、非対称規制につきましては適宜見直しを行っていくべきだというふうに考えますけれども、見解をお伺いしたいのと、さらに、現在検討中の各種市場創設に際しましては、システム開発といった実務面での対応スケジュールに十分配慮し対応するとともに、制度を固定化することなく、随時必要な見直しを行い改善を図っていくことが重要と考えますけれども、見解をお伺いいたします。
#108
○国務大臣(世耕弘成君) ちょっと先ほどの答弁で、外務省、環境省、私、メーンテーブルに座っていると申し上げたんですが、ちょっと横のテーブルです。ただ、マイクがあるのでちゃんと発言ができる状況になった、ちょっとそこだけ訂正させていただきます。
 今御指摘の非対称規制の典型的なものが、まさに常時バックアップという形での卸供給ですとか余剰電力の卸電力市場への供出ということに当たるんだろうと思います。これらは、電力市場における競争を促進するために、卸電力市場がまだ活性化していないという前提に立って実施をしている取組でありまして、市場が活性化してくれば適時見直しを行っていかなければいけないと思っています。
 また、今いろんな市場をつくっています。これは、それこそ火力発電所を造るインセンティブとかそういったものをしっかり与えるという意図で、我々は、例えば供給力市場ですとか調整力市場ですとか、あるいはベースロード電源市場といったことを検討しているわけでありますけれども、その制度設計はこれまだ世界もいろいろ試行錯誤している状況だというふうに思います。
 日本においても、よく審議会の御意見も聞きながら、そして事業者の意見も聞きながら実務的な観点も踏まえてしっかりと検討していきたいというふうに思いますし、当然これ初めての制度になっていきますので、やはり修正の必要があれば柔軟に修正をしていくということも重要だと思っております。
#109
○浜野喜史君 ありがとうございました。
 電力システム改革は余り世の中には知れ渡っておりませんけれども、まだまだ終わっておりません。現在進行形であります。この電力の自由化の下でも安定供給、環境保全、そして経済性、こういうことを同時達成していくためにどういう制度があるべきなのかということを是非丁寧に検討をしていただくことを求めまして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#110
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。
 質問に入ります前に、報道によりますと、アメリカが日本を含めた形で鉄鋼等の関税措置を発動するということでございます。これが事実であれば大変遺憾なことであるというふうに考えております。取ったか取られるかというような取引感覚で通商を語るということ、また、場合によっては自国の利益を図るには他国から取らなければいけないというような考えが仮に根底にあったとしたら、やはりこれは保護主義と言わざるを得ない。それに対してはしっかりと政府としても対峙をしていただく必要があるかというふうに思います。
 通告していなくて大変恐縮ですけど、後ほど、大臣、RCEPのことをお伺いした後で所見をまたいただければというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、まず質問に入らせていただきたいというふうに思います。私も、前回の委員会で質問をさせていただいた償却資産に係る固定資産税の特例であります。
 地元の埼玉にも戻りましたが、お話をしたら、事業者の人にも当然大変好評でありましたが、自治体にとりましても、例えば、今回、新規の取得の設備であります。ですから、既存の設備に掛かっていた固定資産税が取られるわけではないわけでありますし、あと、それによって設備取得が促進されて、三年が経過した、特例は三年でありますので、それでまだ償却し切れていなければその後は税金も入ってくると。自治体にとっても非常にいいという話もあるし、しかも三年間の間は経済産業省、中小企業庁が総務省といろいろ折衝していただいて交付税措置もするという形にもなっている。
 ある埼玉の首長さんともお話もしましたが、その市は、元々設備に対する固定資産税については、一回徴収した後、一般財源使って戻している、そういうような取組も今までされていたんですが、今回の措置によってそのようなこともなくなり非常によかったと、こういうような声もいっぱいいただいたところであります。
 その上で、ただ、いろいろ声があったのが、中小企業庁の方で各自治体に配付していただいたこのアンケートの締切りが三月七日。このアンケートを答えたところの自治体が、ものづくり補助金等で優先というようなことが書いてあり、余りに期間が短過ぎたんじゃないかというような話もあったところですが、それもこの前、我が党の秋野議員が本会議で質問されたとき、大臣から、そのようなスケジュール感があるということで、間に合わなくても一定期間内に回答があった場合はものづくり補助金等の優先採択に係る事務の参考にすると御答弁をいただいた。その部分でも懸念は一つずつ解消はされているところでありますが。
 まず、この一定期間内というところの目安、もし御回答いただければいただきたいというふうに思うとともに、他方で、このスケジュール感が非常にきつきつになっている。例えば、今後、このアンケートが延長をするとしても、その対象のものづくり補助金とかの一般公募とかは、これは締切りが私の記憶している限りだと四月二十七日、非常に近くなっております。いざ自分が住んでいるところの自治体が手を挙げたと分かったときには申請まで余りに時間がないとか、いろいろと混乱してしまうような事業者の方もやっぱりいらっしゃるかというふうに思います。この短いスケジュール感の中で、どのようにそういう混乱がないように配慮をされるスケジュール感を持っていらっしゃるのか、方策を持っていらっしゃるのか、まず経済産業省にお伺いしたいというふうに思います。
#111
○政府参考人(吾郷進平君) お答えいたします。
 御指摘のアンケートでございますけれども、固定資産税の特例に対する自治体の意向を確認いたしまして、ものづくり補助金等の優先採択の参考にするものでございます。三月七日の締切りに間に合わなかった自治体についても、一定期間内に回答があった場合には同様に優先採択の参考とすることを検討しておるところでございます。
 先生御指摘のとおり、事業者の方が戸惑うようなことのないように運用することが重要であると考えております。事業者の方が自治体の意向を踏まえて補助金申請を準備する期間を一定程度確保する、これ先生おっしゃったとおり四月の二十七日の締切りでございますから、それよりも一定程度前にというふうに考えております。そしてまた、自治体の意向が表明されるその時期を中小企業庁のホームページで明示をすると、こういったことを通じまして丁寧に運用してまいりたいと考えております。
#112
○矢倉克夫君 また、対象となる事業者の方の期待感というのが裏切られることのないように、しっかりした幅を持ったスケジュール感、余裕があるような形の、なかなかバランスも難しいと思いますが、是非工夫をいただければというふうに思います。
 その上で、この施策、非常に良い施策である、これを反映していろんなところが今手を挙げていらっしゃるというふうにお伺いをしております。挙げていただくことは非常にいいわけですけど、予算がやはり限られている中で、どうしても手を挙げている自治体の事業者のところが優先になる部分では、手を挙げていない自治体、またいろんな事情で手が挙げられない、挙げることができない自治体に所在をされている事業者の方々に対してのやはり配慮というものも、それは、その存在している自治体が手を挙げたかどうかという、ある意味事業者とはちょっと離れたところの事情で補助金が受けられるか受けられないか、ゼロか一〇〇かというような形になってしまうのもやはり考えなければいけないところであるかなというふうに思います。
 この辺りについても、中小企業庁としてどのように配慮をされるのか、お伺いをしたいというふうに思います。
#113
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。
 平成二十九年度補正予算のものづくり補助金につきましては、予算規模を昨年度の七百六十三億円から一千億円に拡大するとともに、一件当たりの補助上限を最大三千万円から原則一千万円に見直すことで、なるべく多くの中小企業・小規模事業者の方々に御活用いただけるよう工夫をしているところでございます。
 他方、先生おっしゃいましたとおり、固定資産税をゼロとする自治体に立地する中小企業・小規模事業者で設備導入計画の認定を受けると意思表示をした事業者につきましては、補助金申請書の審査の段階で加点を行うということで、これは事業者がより採択されやすい仕組みとすることとしているところでございます。固定資産税をゼロとしない自治体に立地をする中小企業でありましても、優れた計画であれば採択される可能性は一定程度あるというふうに考えております。
 中小企業庁といたしましては、固定資産税の特例とものづくり補助金の施策を連携させることで、より幅広く中小企業・小規模事業者の設備投資を支援し、生産性革命の裾野を広げていきたいと考えているところでございます。
#114
○矢倉克夫君 補助金に当たっての加点でありますその部分に当然優先されていないところが全くゼロになるということではなくて、加点がされないというところの制度設計かなというふうに思います。その上で、やはり加点がされるかされないか、されない部分でなかなか採択されにくいというようなこともないように、そこはきめ細やかにまた配慮をしていただきたいなというふうに思っております。
 続きまして、この計画に当たっての市町村の負担の軽減ということについて、二点ほどお伺いをしたいというふうに思います。
 一点目、今回のこの計画の構造ですけど、基本構造は、国が指針を出されて、その指針に合わせた形で市町村が基本計画を作られる、その基本計画に基づいて各事業者が計画を提出するという形であるかというふうに思います。国も今どういう形で指針を作られるか、また、法律が制定した後のものではあると、もう既に検討はされている部分はあるかというふうに思いますが、具体的に、その後、市町村が計画作るときに、市町村も今回手挙げているところ、いろんな規模の市町村があります。うちの埼玉にしましても、やはり人口一万人に満たないようなところであっても手を挙げてくださっている。そういう自治体も独自に計画を作らなければいけないとき、ある程度のノウハウというのはやはり提供、共有というのも必要なのではないかなと。
 せっかく手を挙げたのにそういう部分ができなくて駄目になりましたなんということがないように、自治体がひとしくちゃんとした対応ができるような対応、支援というのも中小企業庁として考えなければいけないと思いますが、その辺りはどのようにされるのか、答弁いただければと思います。
#115
○政府参考人(吾郷進平君) 御指摘のとおり、中小企業・小規模事業者が固定資産税の特例を受けるためには、まず市区町村の方で導入促進基本計画というのを策定していただく必要がございます。この計画には、設備投資促進の目標でありますとか計画期間でありますとか、対象となる業種あるいは設備などの内容を記載することを想定しておるところでございます。
 市区町村がこの計画を策定するに当たりましては、経済産業省といたしましても、計画内容の記載例などを様式と併せて提示をしたり、あるいは不明点がある場合には個別の相談に応じるなど、丁寧な対応を検討してまいりたいと考えております。
#116
○矢倉克夫君 是非よろしくお願いします。
 あともう一点だけ、これは事業者が先端設備等導入計画というものを作る、これを市町村が認定するわけでありますけど、この認定はどういう要素を考えるかというと、その事業者が上げてきた計画の中で年率三%以上の労働生産性の向上が見込めるかどうか、こういう判断もしなければいけない。これを市町村がするために果たしてできるか、できるようにするためにはどうすればいいかということも考えなければいけないと思いますが、その辺り、中小企業庁はどのように対応されるのか、答弁いただければと思います。
#117
○政府参考人(吾郷進平君) 市区町村の認定に当たりましては、税務及び財務等に関する専門的な知識を有する税理士等の士業でありますとか金融機関などを含んでおります認定経営革新等支援機関、これの活用などをいたしまして、市区町村における認定事務が円滑に進むようにしたいと考えておるところでございます。
#118
○矢倉克夫君 今の税理士等を含めた関与というのがこれ必須であるというふうに思いますので、そのような形で制度設計をお願いできればというふうに思います。
 この手続がしっかりと回るために、最後また条例とかも作らなければいけない、議会の方の了解なども必要になってくる、そういったいろんな関係者が関わる中で、そういう関係者の動きが全部マッチして初めて手を挙げた申請者の補助金が上がるという形になります。いろんな関係者の連携がしっかりできるようなことも配慮しながら、是非、いい制度でありますので進めていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは次に、RCEP等についてお伺いしたいなというふうに思います。
 改めて、先日、TPP11、署名をされました。もうこれで世界のGDPの一三%、そして日EU・EPA、これも交渉妥結という形で署名に向けて今動いているわけであります。ほぼGDPの三割という形で、大きな大きな経済連携の枠組みが日本を軸にしてどんどんできてきている。さらに、日本を軸としたルール交渉、公平公正な経済圏づくりとともに、このアジアで公正なルール作りをするというために必要なのはやはりRCEPであるというふうに思っております。
 今、経済産業省中心に精力的に交渉されて、妥結に向けて動かれているというふうに思いますが、改めて、このRCEP交渉の現状と評価について参考人から答弁をいただければというふうに思います。
#119
○政府参考人(渡辺哲也君) お答え申し上げます。
 RCEP交渉におきましては、今委員御指摘のように、ASEAN、日中韓、インド、豪州、ニュージーランド、十六か国が参加いたしまして、日本は市場アクセス、それからルールのバランスが取れた質の高い協定の早期妥結を目指して交渉を進めてきているところでございます。
 世耕大臣からのASEANへの働きかけもございまして、昨年十一月のRCEP首脳声明におきましては、市場アクセス、ルール、それから協力の三本柱における成果を出すことが明記されております。ルールの分野におきましても、知的財産、電子商取引、税関手続・貿易円滑化などを含め交渉を進めているところでございます。
 他方、RCEPにおきましては、ASEANの一部の国を含め様々な発展段階の国が参加をしておられまして、TPPと必ずしも同じようなレベルに対応することが難しい国があることも事実でございます。このような中で、我が国としましては、できる限り高いレベルのルールを実現するよう最大限交渉に当たっております。
#120
○矢倉克夫君 世耕大臣始め皆様の主導により、その特にルールという部分でしっかりと枠組みをつくって進まれている経緯がつくられたということはお伺いをしたところであります。
 今お話がありました、確かにTPP11とかに比べればこのルールのレベルというところではまた違うレベルにあるものなのかもしれませんが、そういうものを更に進めていく意味合いというものを、特にアジアの中でこのRCEPをやはり広げていくというのは、日本にとって見たら、個別にEPAを結んでいないRCEP関係の国というのは中国と韓国とニュージーランドであります。ニュージーランドはTPP11という形で今回枠の中に入ってきた中であるので、この中国と韓国とつながりをつくっていくという意味合いも込めて非常に意味があるかというふうに思っておりますが、改めて、今御答弁もあったところではあるんですけど、このTPPとは違うレベルでのRCEPというものを進めていく意義というものをまた参考人からいただければと。
#121
○政府参考人(渡辺哲也君) お答え申し上げます。
 RCEP、今委員御指摘のように、世界人口の五割、それから貿易額の三割をカバーする広域的な経済連携を図るものでございます。十六か国には、今御指摘ありましたように、これまで日本と既存のEPAございません中国、韓国も含まれております。こういう国を含めまして広域的な経済圏を創設すると。これによりまして、市場アクセスだけでなくて、域内に進出する中小企業も含め日本の企業の方々のサプライチェーンを強化する、それからビジネス活動の円滑化を図っていきたいと考えております。
#122
○矢倉克夫君 大臣に改めてお伺いしたいというふうに思いますが、TPP11が署名になる、それで本当に一部の専門家の方は、こういう通商のリソースというのはTPP11のアウトリーチ、拡大に割けるべきで、RCEPではなくTPP11だというようなことをおっしゃっている方も一部いらっしゃるんですが、私はそうは当然思わない。特にアジアというものの中で自由貿易、経済連携の枠をつくるには、いろんな国が、いろんな背景を持った国がやはり非常に多いと思います。資本主義もそうですけど、社会主義の国もあり、資本主義の中であってもある意味国家資本主義というような、いろんな資本主義のばらつきの中の国々をどうやって連携してつなげていくかというような枠組みをつくるときには、やはりいろんなレベルの経済連携というのをつくっていく必要はあるかなと、そういうような考えは持っているところであります。
 このアジアにおいて、やはり多様性のあるアジアにおいてこのRCEP交渉を進めていく戦略的な意味というものを大臣から改めてお伺いをしたいというふうに思います。
#123
○国務大臣(世耕弘成君) やはりTPPに比べてこのRCEPというのは、中国、インドも入っている、そしてASEANが全体として入ってくるという意味で、日本にとって非常に価値の多い協定になってくるんだろうというふうに思っております。
 ただ、先ほどから答弁しておりますように発展段階に差がありますので、その点にやはり配慮をした、少し移行期間とかあるいはキャパシティービルディングへの協力といったこともセットでやっていかなければいけないと思います。
 去年はASEAN五十周年ということもありまして、かなり去年中にまとめようという機運はASEANを中心に非常に強かったんですが、残念ながら、市場アクセスが中心、関税をどれだけ撤廃するかということに議論が集中しておりましたので、去年、私の方からキーエレメンツという形で、やはりきちっと議論して合意を取るべき事項というのを全部洗い出しまして、ちゃんとやはりマーケットアクセスとそしてルールがバランスが取れていないといけないということを明確にさせていただきました。今年に入ってようやくルール分野の論点も大分絞られてきましたので、私としても、ASEANが求めている早期妥結については、ルールもバランスが取れているということを含めて支持をするということを表明したところであります。
 今後とも、何とか年内に可能であればまとめられるように、RCEP交渉、精力的に進めてまいりたいと思っております。
#124
○矢倉克夫君 大臣おっしゃったそのマーケットアクセスとルールのバランス、特にいろんなレベルのルールがある国が混在しているアジアの中で、しっかりした自由貿易のあるべきルールというものを日本が軸となって作って、作った枠の中で改めてそれをまたレベルアップしていくというアプローチがやはり非常に重要であると思いますし、今の大臣の思いのままに是非更に力強く進めていただければというふうに思っております。
 その上で、改めて、冒頭申し上げましたとおり、こういうグローバル経済の中で、やはり企業がそれぞれどこでもしっかりと安全に動けるようなルールの在り方というのを今いろんな国が連携していく中で、やはり保護主義の動きというものが出てくるときに、それに対してはしっかり対峙をしなければいけないなと。日本がいろんな今経済連携協定を作って、自由貿易、そういう保護主義に対峙するんだということの旗頭として今動いている。そのときに、今、輸入に関しての関税措置という報道があるわけでありますが、それに対して大臣としてはどういう御所見を持っていらっしゃるか、それについてどのように対応されるのか、答弁いただければというふうに思います。
#125
○国務大臣(世耕弘成君) 今回、米国の通商拡大法二百三十二条に基づく鉄鋼、アルミの追加関税、これが日本も対象となる形で発動されたということは、これはもう極めて遺憾だと申し上げざるを得ないというふうに思います。
 私からは、ライトハイザー通商代表あるいはロス商務長官に対して、これ、ガットの安全保障例外というルールを使っていますので、この日本の、同盟国である日本の鉄鋼やアルミがアメリカの安全保障に何か悪影響をもたらすことはあり得ないんだということで、日本を国ごと除外するよう繰り返し要請をしてきたところであります。ライトハイザー通商代表は、国別の除外については四月末までに議論を収束させたいと議会で発言されたと承知をしておりますので、二十三日の関税引上げの時点で対象から除外はされなかったわけでありますけれども、引き続き対象からの除外を米国に粘り強く働きかけていきたいというふうに思います。
 また、これ、除外になった国となっていない日本で何か、なった、ならないという単純な問題じゃないんですね。除外になった国は、よく見ていきますと、例えば、オーストラリア、ブラジル、アルゼンチンというのはアメリカから見たら貿易黒字の国であります。あるいは、メキシコ、カナダあるいは韓国、これはそれぞれもう今、NAFTA、KORUSの見直しという実際の貿易交渉をやっている。EUも何か今度新しい米・EU間での交渉を始めるということでありますから、日本はその状況にはないわけであります。日米経済対話というこのハイレベルなルールを世界へしっかり日本とアメリカで広げていくという、そういう対話しか行っていないという日本の特徴もあるというふうに思います。
 あるいは、日本のもう一つの特徴としては、これは国別除外以外にもう一つ品目別除外というのがありまして、日本がアメリカへ持っていっている鉄鋼製品というのはかなり品質が高くて、アメリカの製造業から見ると代替不能なものが非常に多いんです。これは品目別で除外される可能性もありますし、あるいは除外されなくても、関税が掛かった状態でももう買わざるを得ないという状況になるのかなというふうに思います。こういったところを複合的によく見ていきたいと思っています。
 ただ、日本は、先ほどから御指摘いただいているように、TPP11でも日EU・EPAでも、またRCEPでも、今、自由貿易交渉の旗手的立場にあります。こういった中でこの対抗措置の応酬というのは、はっきり言って何も生まない。日本はしっかり冷静に対応して、あくまでもWTOの枠内で問題の解決をしっかりと目指してまいりたいというふうに思います。
#126
○矢倉克夫君 まさに、WTOの枠内で、ルールで基づいてしっかりやるという対応が必要であるかなというふうに思います。
 アメリカが、例えば今いろんな、日本とそれ以外の国のお話もされましたけど、これをある意味武器にして、これと交換条件でいろんな交渉を有利に進めようと、そういう意図を持ってやってくることもあるかもしれません。そういうのは、いろいろと情報を注視しながら是非御対応いただければなというふうに思います。
 引き続いて、ルール関係のお話、残りの時間で少しちょっと御質問をしたいというふうに思うんですが、特に標準化、今回、法律についても提出予定されているというところであるかなというふうに思いますが、この話を通じまして、やはり日本の、これからまた更に必要なのは、ルールを作っていくという姿勢を持つことはやはり重要かなというところの思いからいろいろ質問をしたいなというふうに思います。
 私も役所にいさせていただいたときに、特にこの標準化の動きを、特にヨーロッパの動きを見て感じたんですけど、やはり彼ら、ルールは従うものではなくて、ルールを作るものだという形で官民一体で動いている姿勢が非常に強かったなというふうに思います。特にISOなどの、製品とかサービスに対しての国際規格ですね、国際標準のつくり方については、自分たちのヨーロッパ規格というものをEN規格とかいう形でつくって、それをISOにそのまま行っていくと。もう自分たちのものを、ISO、国際標準規格をある意味通させて、そのまま国際標準にしていくというような、非常にしたたかなやり方をよくされていたなというふうに思います。
 当時、日本はそういう標準とか規格とかというところの意識は官民一体まだ少なかったんじゃないかなと比較のレベルでは感じていたわけなんですが、それを大きく変えていくのが今の政府の方針の動きになるのかなというところを認識しているところであります。
 改めて大臣から、このルール戦略というものの中での標準化強化というものの位置付けについて御意見をいただければというふうに思います。
#127
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のように、やっぱりEUは非常にルール作り、標準化づくり、上手ですね。いざというときには、彼らはぱっと、国別で投票するとすごい票数も持っていますから、標準化をリードするだけの力も持っているというふうに思っています。
 そういう中で、今、標準化の役割が、単なる技術的に標準を整えるというだけではなくてマーケットを獲得するためのツールへと拡大しているというふうに思っていますので、この標準化には戦略的に取り組んでいくことがますます重要だと思っています。
 日本の官民も今いろいろチャレンジをしていまして、日本が得意な、特にアジア地域においては、例えば空調とか省エネ機器、こういった分野で日本主導の標準を引用された規制が採用されるよう働きかけるとか、あるいは相手国の行政官を日本に招待をして、日本で研修を受けてもらうというようなこともやらせていただいています。
 また、標準化が得意なヨーロッパと組むことも重要だというふうに思っておりまして、日独で合意をしたハノーバー宣言というのがありますが、こういったところでもヨーロッパともよく連携をして国際標準化、国際的なルール作りに向けて連携をしていくことが重要だというふうに思っております。
#128
○矢倉克夫君 ありがとうございます。非常に示唆に富むお話であったかなというふうに思います。
 大臣おっしゃったヨーロッパと連携という部分も含めてかもしれませんが、また政府の方にお伺いしたいというふうに思うんですが、標準化の動きについて、ISOとか国際標準化機関の中での標準を取る動きについての強化の動きと、さらには、やはり民間が標準政策というものも重視する必要もあるかというふうに思います。その辺りの官民一体の評価の在り方、これをどのようにされるのか。あわせて、済みませんが、JIS規格をこういう動きの中で強化していく意味というものについて答弁をいただければというふうに思うんですが。
#129
○政府参考人(末松広行君) ISOとかIECなどの国際標準化においては、一国一票の投票による規格化が採択、決定されるという仕組みになっております。このような仕組みの中では、規格化のための取りまとめ役となる幹事になるということが極めて重要でありまして、まず、これまでは幹事の増加ということに積極的に取り組んでまいりました。その結果、ISO、IEC、両機関での我が国の幹事国数というのは、二〇〇六年と比較して三十八件増加して、現在は百一件となっております。
 また、規格化を進める際の委員会の設置とかルールなどについては機関の上層委員会で決定されるため、日本でも国際標準機関の上層部での意思決定に積極的に関与すべきであり、会長ですとか理事等の重要ポストの獲得に努めてきているということがあります。こういうことを更に進めていくことが重要だというふうに思っております。
 また、こういう国際標準化を進める上では、日本のJIS法の位置付けも今後重要になってくるというふうに思っております。
 国際標準も国内標準もどちらも重要であることは言うまでもありませんが、世界市場の獲得という点でいうと、国内標準よりも国際標準をうまく使うということが重要でございまして、これに対して戦略的に進めていくということが大切でございます。
 例えば、新しい技術分野での国際標準の検討をしようとする場合、各国で必要な試験データがなくて、利害関係者間の議論も行われていないというような場合、標準化に向けた委員会の設置の提案すら拒否されることがございます。こうした場合、国内標準を先に制定した上で国際標準を提案すると、制定の際の試験データや利害関係者の議論の蓄積が有効に作用し、国際標準化の検討が円滑に進められるということがございます。実際に、サービスロボットやLEDなどの例では、既にJISを制定したということから、国際標準化が円滑に行うことができました。
 こうしたことから、今国会に提出させていただいている工業標準化法の改正でございますが、標準化の対象にデータ、サービス、マネジメントなどの分野を加えることによって国際標準と国内標準の対象分野の整合性を高める、また認定産業標準作成機関制度を導入することによってJISの制定を迅速化すること、こういうことによって日本が国際標準化に関する取組を強化していくことができるのではないかというふうに考えております。
#130
○矢倉克夫君 ありがとうございます。また法案の審査のときにもいろいろ議論をさせていただければ。
 時間になりまして、本来であれば、あと、健康寿命延伸産業創出推進事業を経産省が進められている中で、その予算を使ってソーシャル・インパクト・ボンド関係の取組を推進されていることをお伺いしようと思っておりました。こちらも大変重要な取組であるというふうに思います。またの機会を通じてまた質問させていただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上です。
#131
○岩渕友君 日本共産党の岩渕友です。
 質問に入る前に、森友学園をめぐる公文書改ざんについて、行政府が国政調査権を持つ立法府を欺いていたということは、民主主義の根幹に関わる大問題であり、内閣総辞職に値をする問題だという認識に立つべきだということを大臣に申し上げておきたいと思います。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から七年がたちました。しかし、いまだに福島県の発表でも五万人近くの方々が避難生活を強いられています。それにもかかわらず、先日、大飯原発三号機が再稼働され、先ほど玄海原発三号機が再稼働をされました。とんでもないことです。
 昨年の三月三十一日と四月一日に、四町村で帰還困難区域を除く避難指示が解除をされました。その一つである浪江町の帰還率は、二月一日時点で約三・三%となっています。浪江町が二月に発表をした住民意向調査の速報では、四九・五%の方が帰還しないと決めている、三一・六%の方がまだ判断が付かないと答えています。その理由として、原子力発電所の安全性に不安があると答えた方は、帰還しないと決めている方で三八・四%、判断が付かないと答えた方で三三・四%にも上っています。
 そこで、大臣にお伺いします。住民の方々が原発への不安を抱えている、このことをどういうふうに受け止めていますか。
#132
○国務大臣(世耕弘成君) 復興庁、福島県、そして浪江町が共同で実施をしている住民意向調査において、住民が戻らない理由ということで、医療環境に不安があること、そして原子力発電所の安全性に不安がある、あるいは生活に必要な商業施設が元に戻りそうにないからなどというふうに理由が挙げられているということは承知をしております。
 福島第一原発と福島第二原発については、現在、冷温停止状態を達成しておりまして、各号機とも安定した状態を維持しているところであります。こうした状況の下で、住民の皆さんの不安を払拭するため、まず第一原発においては、国と東京電力が廃炉・汚染水対策の状況について分かりやすい情報発信に努めているところであります。また、第二原発においても、必要に応じてこれは東京電力が情報提供を行っているところであります。
 こういった取組に加えて、官民合同チームを通じた産業やなりわいの再生による働く場の創出や、医療機関や学校、買物施設の整備など、避難されている方々が安心して帰還できる環境整備に引き続き関係省庁と連携して全力で取り組んでまいりたいと考えております。
#133
○岩渕友君 今いろいろ答えていただいたんですけれども、住民の皆さんが、原発事故が収束していないということ、そして福島第二原発が廃炉になっていないということを不安に思っているんだということをもっと重く受け止めるべきだと思います。
 資料一を御覧ください。これは、一月六日に福島民報に掲載をされた東京電力の川村会長と小早川社長のインタビュー記事です。
 ここで、小早川社長にお聞きをいたします。このインタビューの中で、記者から一番効果的な風評対策は一刻も早く福島第一、第二原発をなくすことだというふうに聞かれて、川村会長は何と答えたでしょうか。
#134
○参考人(小早川智明君) 東京電力ホールディングスの小早川でございます。本日はよろしくお願いいたします。
 本年一月五日に会長の川村とともに福島民報社を訪問しておりますが、その際に会長が発言させていただいた内容についてお答えいたします。
 会長の川村からは、この新聞記事のとおりでございますが、当社の将来的な電源構成を考えたときに、廃炉申請をしていないプラントとして柏崎刈羽と福島第二があるとの趣旨で話をしておりますが、これは物理的に動かすことができるかどうかという視点で申し上げたものでございまして、福島第二再稼働の意思の有無について申し上げたものではございません。
#135
○岩渕友君 そんな答えを聞きたかったわけじゃないんですよ。
 川村会長は何と言っているかというと、読み上げますけど、この線の引いてある部分です。「この先、二十年というオーダーで使えそうなのは柏崎刈羽原発と福島第二原発ということになる。将来的に再生可能エネルギーが原子力に代わる電力源となるのか、さまざまな意見があり、確信のある答えがすぐには出ない。原子力を何らかの格好で残しておく必要があるのではないか、というのが現時点の考えだ。」、こういうふうに述べているんですよね。第二原発のこれ再稼働を考えているとしか思えない発言なんです。しかも、この先二十年というと、四十年超えて運転しようということなのか、そう思って驚きました。
 福島県議会では、原発事故後、福島第二原発全基廃炉を求める意見書が四回も、しかも全会一致で可決をされています。党派を超えてオール福島の願いがこの第二原発の廃炉です。同様の意見書や決議は、県内五十九市町村全てで可決をされています。
 ここで小早川社長にまたお聞きするんですが、なぜ県議会で意見書が四回も全会一致で採択されたのか。この重みをどう受け止めていますか。
#136
○参考人(小早川智明君) 御質問にお答えいたします。
 福島第二原子力発電所につきましては、福島県議会における意見書の可決状況や県内自治体の各議会において廃炉決議がなされていることは承知しており、当社としても大変重く受け止めております。
 検討に時間を要しており申し訳ございませんが、地元の御意向を踏まえつつ、エネルギー政策の動向など、多方面から総合的に検討を行っているところでございます。会社として大きな判断となりますことから、しっかりと検討を進めてまいります。
#137
○岩渕友君 重く受け止めているというんだったら、さっきのような発言できるはずないと思うんですよ。
 二〇一六年十二月に福島県議会で可決をされた意見書には、県民は、現在も続く余震により東日本大震災時の福島第一原子力発電所の事故の記憶を思い起こし、不安な生活を送っている、繰り返される原発のトラブルは様々な取組に水を差し、復興の足かせになっているとあります。この不安は今も変わりません。川村会長と小早川社長は、福島県知事から第二原発廃炉の二十回目の要請を受けて、大変重く受け止めていると述べた直後に、この福島民報のインタビューで先ほどのようなことを答えているんですよ。県民の気持ちが分かっていたら、第二原発残すなんて絶対に言えません。大臣、東京電力、こんなこと言っているんです。
 福島県議会の意見書では、第二原発の廃炉を国の責任で早急に実現するよう強く要望するとあります。国の責任で第二原発、廃炉にするべきじゃないですか。
#138
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘の福島第二原発についての福島県議会の意見書というのは私も当然しっかりと読ませていただいておりますし、県議会議長とも何度もお会いをしてお話を伺っております。知事にもお話を伺っておりますし、市町村長さんからもお話を伺っております。
 そういう意味で、福島第二原発の廃炉への地元の御要望というのは本当に痛いほど理解をしているつもりであります。福島県民の皆さんの心情を察すると、福島第二原発については、これまで新規制基準への適合申請を行っている他の原発と同列に扱うことは難しいというふうに認識をしています。
 ただし、この原発の扱いについては、まずは東京電力が地元の皆さんの声に本当に真摯に向き合った上で自ら判断を行うべきものだと考えております。
 川村会長は、過去、福島第二原発の取扱いについて、できるだけ早く判断したいというふうにも発言をされております。
 今後、東京電力が地元の声に真摯に向き合うとともに、原子力人材等の経営資源の投入の在り方など、経営面での判断も含めてどのような方向性を示していくのか、注視してまいりたいと思っております。
#139
○岩渕友君 福島県民はもう今すぐ決めてほしいんですよ。結局、今の大臣の答弁も、福島県民の総意には応えてはいません。大臣も東電も福島県民の思い全く分かっていないということが今の答弁で明らかになったと思います。廃炉は国の責任で決断するべきだ、これ、福島県議会の要望でもあるし、県民の総意でもあります。これを強く求めておきたいと思います。
 この東京電力福島第一原発の事故を受けて、ドイツ、台湾、スイスなどが脱原発を決断しました。再生可能エネルギーへの転換を進めています。
 そこで、日本とドイツについてお聞きします。現在の再生可能エネルギーの導入率はどうなっているでしょうか。水力を除いた数値を答えてください。
#140
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。
 まず、日本の総発電電力量に占めます再生可能エネルギー比率は、最新の総合エネルギー統計に基づきますと、水力を除いて七・八%です。また、ドイツの再生可能エネルギー比率は、最新の国際エネルギー機関の統計に基づきますと、水力を除いて二七・七%であると承知してございます。
#141
○岩渕友君 同じく日本とドイツについて聞きます。二〇三〇年度の再生可能エネルギーの導入目標は幾らでしょうか。
#142
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。
 まず、日本ですが、日本はエネルギーミックスにおきまして、二〇三〇年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率の見通しを二二から二四%としております。また、ドイツにつきましては、二〇三〇年の総電力消費量に占める再生可能エネルギー比率を五〇%以上とするという目標を掲げていると承知しております。
#143
○岩渕友君 脱原発を決断をして再生可能エネルギーへとかじを切ったドイツと日本では、導入率も目標も大きな差があります。
 資料二を御覧ください。これ、世界を見ると、再生可能エネルギーの発電量は大きく増える一方で、原子力は二〇〇六年がピークになっています。
 そこで、大臣にお聞きするんですけれども、日本の再生可能エネルギーの導入は世界の流れから立ち遅れています。国は再生可能エネルギーについてどう位置付けているでしょうか。
#144
○国務大臣(世耕弘成君) 再生可能エネルギーは、エネルギー基本計画でも掲げていますとおり、温室効果ガスを排出しないで国内で生産できるという点から、エネルギー安全保障にも寄与をする重要な低炭素の国産エネルギー源であるというふうに認識をしています。したがって、まずはエネルギーミックスで掲げました二〇三〇年度の再生可能エネルギー比率二二から二四%の実現に向けて、国民負担を抑制するという視点も持ちながら最大限の導入を図ってまいりたいというふうに思います。
 このため、具体的には、昨年四月に施行したコスト効率的な導入を促す改正FIT法の適切な運用、系統制約の克服や規制改革、研究開発など、総合的な施策を講じてまいりたいと思っております。
#145
○岩渕友君 今、重要なエネルギー源だという答弁がありました。
 エネルギー基本計画では、再エネの導入率は不十分なものの、導入を最大限加速するとしています。しかし、その導入を妨げる重大な問題が起きています。太陽光や風力の発電事業者が送電線を所有する大手電力会社に接続を申し込んだ際に、空き容量がないと拒否をされる事態が相次いでいます。
 京都大学の安田陽教授が、大手電力会社の基幹送電線利用率について一年間のデータ分析結果を公表しています。全国の平均利用率は一九・四%、最も低かったのは東北電力で一二%です。実際の利用率は低いのに空き容量がない、なぜこんなことが起きているのか。
 資料三を御覧ください。これは東北電力管内の基幹送電線の空き容量です。空き容量がゼロというところがこれだけあります。
 それで、この問題について具体的に聞いていきたいと思います。送電線はどういう順番で接続することになっているでしょうか。
#146
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 系統への接続は電源の種類を問わず先着優先となっておりまして、接続契約の受付順に公平に送配電量を確保すると、このようになってございます。
#147
○岩渕友君 今、電源を問わず先着優先だという答弁ありましたけれども、先着優先だということは、原子力であるとか火力の電源が先に送電線の枠を押さえているということになります。
 資料四を御覧ください。これは東北電力の管内の電力系統図になっています。この東北電力管内には、出力が大きいものだけでも赤字で四角くくくってあるところにこれだけの原子力とそして石炭火力発電所があります。
 これを見ながら質問していきますけれども、東通原発と女川原発は今は稼働をしておりません。これらの原発も送電線の枠を押さえているということになりますよね。
#148
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 個々の送電線を利用する発電所や事業者に関する情報につきましては、発電部門が自由化されている中では企業の競争に関わる情報であり、電源を問わず一般送配電事業者は公表していないものと認識しておりまして、個別の内訳をお答えすることは差し控えたいと思いますが、その上で一般論として申し上げますと、運転開始後停止した発電所につきましては、接続契約が存在するため送電の枠を保有しているものと認識しております。
#149
○岩渕友君 接続契約があるので枠は確保されているという答弁でした。
 次に、大間原発は完成をしておりません、今建設中です。それでも送電線の枠を押さえているということになるんですよね。
#150
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 先ほどの答弁と同様に、個別の事業についての内訳をお答えすることは差し控えたいと思いますが、その上で一般論として申し上げますれば、電源の種類にかかわらず、大きな投資を伴う建設中の大型電源につきましては、接続契約を結び、送電枠を確保しているのが通常であると、このように承知しております。
#151
○岩渕友君 枠を押さえているのが通常だという答弁がありました。
 この間、電力会社にいろいろ聞いているんですけれども、東京電力の東通原発は東北電力の送電線と接続契約が済んでいるというふうに聞きました。東北電力からは、接続契約が済んでいれば送電線の枠は押さえていると聞きました。稼働をしていない原発、建設もされていない原発が送電線を空押さえしているということじゃないでしょうか。
 この系統の空き容量を計算するときに、各電源の出力はどのように計算をしているでしょうか。
#152
○政府参考人(村瀬佳史君) お答え申し上げます。
 電力広域的運営推進機関が定める送配電等業務指針におきまして、各電源が系統に接続された状態で系統を流れる電気の量が最も過酷となる状況を前提に計算するということになっておりまして、具体的には、これまでのルールにおいては、接続する全電源がフルに稼働する前提で計算を行っているところでございます。
 他方で、石油火力など通常の運用では稼働が見込まれない電源の運転も前提としているなど、実態とは乖離がある場合もありますため、空き容量の算定方法を四月から見直すという予定でございます。
#153
○岩渕友君 最も過酷、フル稼働だということです。
 実際に、東北電力からも、今紹介いただいた指針に基づいて、空き容量の計算を最も過酷、つまりはフル稼働しているという前提で最大出力で計算しているというふうに聞きました。東北電力管内の原発の最大出力を合わせると七百四十万キロワットを超えます。出力が大きいのは原発だけではありません。石炭火力発電所も送電線を押さえているということになります。
 この間、いろんな事業者の皆さんからお話聞いてきたんですけれども、福島県喜多方市で太陽光発電を計画している合同会社エネルギーファームは、東北電力から、送電線の増強費約三億七千万円を出せば接続できると言われました。同様に、二メガワットの風力発電を検討していたある事業者は、約二十億円を示されて事業を断念しました。いずれも地域に根差した事業者です。接続に四億円も掛かる、二十億円も払えと言われても、地域や市民主体の発電事業者が工面できる額ではありません。
 東北電力は、空き容量がゼロとなっていた東北の北部で、二〇一六年十月、電源接続案件募集プロセスを募集しました。二百八十万キロワットの入札希望者に千五百四十五万キロワットの応募があって、受入れ枠が三百五十万キロワットから四百五十万キロワットに拡大をされましたが、応募から見れば到底足りていません。応募した事業者の話では、工事費全体で千九百億円掛かるとあった、落札価格が上がると思う、工事には十年以上掛かるとされている、工事の完了を待たずに暫定的な接続はできると言うけれども、出力制御を受け入れなければならないということでした。
 これ、出力制御をされた場合、誰が補償を行うのでしょうか。
#154
○政府参考人(高科淳君) お答え申し上げます。
 御指摘の北東北で実施中の募集プロセスにおきましては、工事が長期にわたるために、工事の完了を待たずに一定の条件を付した上で新規電源を暫定的に接続することについて検討が進められているところでございます。
 御指摘ありましたその出力制御時の費用負担や補償につきましては、国民負担の抑制や既存の制度との整合性の観点などを踏まえながら、今後検討を進めていくこととしております。
#155
○岩渕友君 事業者の方からは、これじゃ事業予見性、確保できないじゃないかということで訴えられています。
 大臣にお聞きしますけれども、今紹介をしてきたような状況では、再生可能エネルギーの導入進まないんじゃないでしょうか。
#156
○国務大臣(世耕弘成君) 今配っていただいている資料で、これ三十九路線で空き容量ゼロとなっているんですが、これボトルネック問題というのもありまして、これ、秋田―宮城間がもう本当に混雑をしていて、そこを通る先のところが幾ら空いていてもこれはもうゼロとせざるを得ないというのが半分ぐらいあるということは、ちょっと御理解をいただきたいというふうに思います。
 その上で今の御質問にお答えしますが、日本ではやはり空き容量の範囲内で再生可能エネルギーや、これは別に再生可能エネルギーだから何か区別をしているというのではなくて、再生可能エネルギーであろうが火力であろうが、電力の種別によらず、公平に接続の申込み順に送電線の容量を確保できるということになっているんです。
 仮に再生可能エネルギーを優先して接続を認めるということになった場合、後から接続を申し込んだ電源が、既に確保している電源や先に接続を申し込んだ電源を排除してしまうことになる。そうなると、電源の事業の予見可能性を損なうことになる。これは何も原発だけではなくて、再生可能エネルギーの立場からもそうですよ。後から来た人に接続をされてしまうということになると、事業の予見性がなくなるわけであります。ヨーロッパにおいても、例えば再生可能エネルギーの導入が進んでいる英国やアイルランドでは、再生可能エネルギーの優先接続は採用されていないということであります。
 ただ一方で、このままでいいとも思っていません。再生可能エネルギーの更なる導入拡大に向けて、ヨーロッパで進められているような系統の増強工事などを前提としないで、一定の条件の下で系統への電源の接続を認めるなどの仕組み、いわゆるコネクト・アンド・マネージという仕組みの検討も重要であると思っておりまして、その検討に早速着手をしておりまして、四月から運用を抜本的に変更していきたいというふうに考えております。
 さらに、新たに系統に接続しようとする発電事業者の御意見も伺いながら、今のルールが透明で公平かつ適切なものなのか、これはしっかり再確認をしたいと思っています。海外の先進事例も取り入れながら、必要な見直しを行いながら、ルールの明確化を進めていきたいというふうに考えています。
#157
○岩渕友君 今いろいろ答弁あったんですけれども、上位系統に空き容量がないといって、その増強費用を請求されるというケースもあるんだということも聞いています。しかも、先着優先で最大出力でということがずっと積み上がっての結果ですよね。
 この既設送電線の活用検討ということだと思うんですけれども、その想定潮流の合理化の前提条件として原子力はどう扱われることになっているでしょうか。
#158
○政府参考人(高科淳君) お答えいたします。
 想定潮流の合理化におきましては、契約申込みをしている電源は、電源種を問わず稼働扱いとしつつ、需要に応じて経済合理的な電源の稼働を評価することで、将来の実態に近い電源出力を算定し、空き容量の拡大を図るものです。
 その中で原子力発電につきましては、将来の実態に近い形での算定に当たりましては、ベース電源として最大出力で安定的に利用される実態を踏まえまして、地熱などと同様に最大出力として評価することとしております。
 なお、ちなみにその原子力につきましては、仮にある時点で稼働していないことをもちまして他の電源の接続を認めるという運用にすると、当該原子力発電所が稼働した時点で新設された電源の運用に制約が生じることになり、新規発電事業者にとって事業の予見可能性を損なうおそれがあります。このため、想定潮流におきまして最大出力で見込んでおくことは、新規参入者にとっても合理的なものと考えております。
#159
○岩渕友君 今答弁あったように、稼働扱いを基本にして最大出力として扱われているんですよね。これでは、隙間を少しつくるだけで、根本的な解決にはなりません。原発、火力といった既設の電力の枠は押さえたまま出力制御されて、多額の増強費用の負担を押し付けられるのは新規の再エネ事業者です。
 ドイツでは、再エネは原則として全て接続されるということが法律で決められて、出力制御を実施した事業者には補償金が支払われます。系統増強費用は原則として系統運用者の負担となっています。
 再エネ事業者や団体、自治体などから情報公開を求める声が上がっています。新潟、福島、山形の三県知事会議からは、一般送配電事業者に対し、電源制御につながる系統事故の実績や系統増強費用算定に関する情報公開を義務付ける仕組みを構築すること、このことを求める要望が寄せられています。事業予見性が持てるように、自治体や再エネ事業者が求める情報を公開するべきです。
 結局、脱原発に踏み出せず、原子力をベースロード電源に位置付けていることが再エネの本格導入を妨げています。エネルギー基本計画の見直しが今進められていますけれども、メンバーには消費者代表は一人だけです。原発に固執する国の姿勢に懸念の声が上がっています。
 大臣にお聞きをしますけれども、国民がこの見直しに参加できる仕組みをつくるべきではないですか。
#160
○国務大臣(世耕弘成君) エネルギー基本計画の検討に当たっては、消費者、国民各層を含めて様々な皆さんからの御意見をお聞きしながら進めていくことは重要だと思っています。
 エネルギー基本計画については総合資源エネルギー調査会において議論を行っていますが、そこでの議論は全てオープンとすることで多くの皆さんが検討状況をフォローできるようにしています。加えて、二月には、消費者団体、労働者団体、経済団体を審議会の場にお招きをして直接御意見をいただいたところであります。
 また、一般的な審議会では取りまとめの後にパブコメを行うわけですが、今回はそれにとどまらず、検討段階からホームページ上に意見箱を設置してエネルギー政策に関する御意見を広く募集をしているところであります。今年一月から始めていますが、三月十九日までに二百件を超える御意見をいただいておりまして、これらの意見は全て審議会において資料として配付をして議論の参考としていただくことにしております。
 引き続き、こうしたことを通じて、エネルギーに関して国民一人一人が議論に参加できる環境の整備に努めてまいりたいと思います。
#161
○岩渕友君 国民が見直しに参加できる仕組み、しっかりつくっていくべきだということ、国民の声しっかり聞くべきだということを求めておきます。
 どの世論調査でも、再稼働反対は五割から六割と揺るがない国民の世論になっています。この声を受けて、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が提案をし、立憲民主党、日本共産党、自由党、社民党が原発ゼロ基本法案を国会史上初めて共同提出をしました。原発の処理費用は政府の見積りで既に二十一・五兆円に達し、どこまで膨らむのか分からない究極の高コストが原発です。核のごみという点でも完全に行き詰まっています。自然エネルギーは普及が進めば進むほどコストが安くなり、原発はしがみつけばつくほどコストが上がる。原発ゼロの政治決断をしてこそ再生可能エネルギーへの飛躍的普及が進みます。
 原発事故の被害が今も続く日本でこそ、原発から再生可能エネルギーへの大転換を実現することを求めて、質問を終わります。
#162
○石井章君 本日のラストバッター、日本維新の会、石井章、何点か通告していますので質問したいと思います。
 まず、未来志向型の取引慣行に向けてのいわゆる世耕プランについて御質問したいと思います。
 私は、地元は取手あるいは龍ケ崎、守谷と茨城の県南なんですが、そこで、取手の前、藤代町という町がありまして、その時代に町会議員を四期やりまして、その後、取手市と合併しまして取手市の市議会議員を二期、その後、民主党政権のときに衆議院議員と活動してきたわけなんですが、議員になる前は実は地元の商工会の職員で、経営指導などをしながらいろんな中小企業の相談の窓口になっていた。特に、私の地元は、大手の企業といえばキヤノン、それから元の文科の事務次官でありました、前川製作所とか、それからTCM、東洋運搬機、それからアサヒビール、キリンビール、日立と、そういったものが点在していまして、特にキリンビールやアサヒビールの下請というのはほとんどは運送業でありまして、それ以外の製造に関しては何らかの形で地元に、下請として長年いろんな仕事を請け負ってきたというのが地元の中小零細企業の在り方であります。特に、長年日本の経済を下支えしてきた方々がほとんど、九五%以上がそういった零細企業であります。
 ここ数十年の間に様々な相談を私自身も受けたりしていまして、議員になってからでもそうなんですが、特に下請と元請との関係、これはなかなか難しい問題なんですけれども、特になかなか難しかったのは、先を見越して長期で借入れをしたり、あるいは短期で借入れをする。借入れが払えるうちはまだいいんですけれども、大手の企業さんの方向転換によって一瞬のうちに次の月から仕事が回らなくなってしまったと。そういったことの、大本にすれば下請いじめはしていないとは思うんですけれども、しかし、下から見れば下請いじめじゃないかと思うような例がたくさんありました。
 残念ながら、私の親しい方も、先ほど挙げたどこかの大手の会社から下請としてもらっていたにもかかわらず、最初のうちは例えば国民生活金融公庫あるいは市中銀行からお金を借りて、なかなか元金の返済が難しいので条件変更を掛けて利息だけを長年払っていたんですけれども、どうもそれもなかなか行き詰まって利息も払えなくなってしまって、家族が一家離散というような会社も幾つか目にしております。
 しかし、近年、日本の企業は、外資との提携や合併により経営方針の転換が顕著となっております。特に、日産のカルロス・ゴーン氏による下請三割コストダウン、あるいは、それの強要に加えて、製造原価の二割値引きなどの手法による業績アップが一時期評価されていたのも事実であります。そのような世相の変化の中で、これまで時の政府は、問題の重要性には気が付きながらも、自由資本主義の中では仕方がないと看過していた部分があるのではないでしょうか。私はそういうふうに思っております。
 その中で、一昨年、世耕大臣が、これまでにない大きなくさびを打ち込んでいただきました。二〇一六年九月より取り組んでいただいておりますいわゆる世耕プランであります。世耕大臣の陣頭指揮の下で様々な取組を実施していただき、価格決定方法の適正化、あるいはコスト負担の適正化、そして支払条件の改善などについて大きな改善が見られており、若干ではありますが、そういった取組が私の地元の下請の中小企業者からも様々な意見が出ております。それは、感謝の意味でそういった意見も出ています。
 私は、元々担当だったのが、商工会の中でも機械工業会といって、特にそういう下請が多く会員さんでいるそこの担当の職員でありましたから、特に直接そういう話を聞いて、世耕さんのそういう世耕プランなるものが非常に今のところ功を奏していると私は感謝申し上げる次第であります。
 そういった中で、改めて大臣にお伺いしますけれども、今までの取組、そして世耕プランへの大臣の思いとこれまでの成果、それから今後の目標についてお伺いしたいと思います。
#163
○国務大臣(世耕弘成君) 私、大臣就任以来、この下請取引の適正化というのに全力で取り組んでまいりました。特に、一方的に原価を減らすことを要請するとか、あるいは金型を一方的に押し付けて、その保管料金を払わないような悪い慣行ですとか、あるいは手形決済がいまだに幅広く行われている、特にこの三点などに重点を置いて、各業界に改めてほしいということを強く申し入れてまいりました。
 八業種二十一業界団体で自主行動計画というのを策定をしていただきました。それをさらに、自主行動計画を団体自らフォローアップ調査を行っていただきましたし、また我々も下請Gメンというのを全国を回らせまして、下請の中小・小規模事業者二千七百社以上に対してヒアリングをして、その結果をフォローアップ調査という形で昨年十二月に公表をさせていただいたところであります。
 その結果によると、自動車業界は結構いい状況になってきております。特に、手形払いの現金化とかそういったものが着実に進んでいる。これ、私の和歌山の地元でも、自動車関係の仕事をやっている人が大分現金で払ってもらえるようになったので資金繰りが楽になったというようなことも言ってくれています。
 一方で、改善の鈍い業界もあります。こういった業界に対しては、もうどことは言いませんが、今年の賀詞交換会のときに、その前に三十分ほど時間を取っていただいて、社長さん全員集まっていただいて、いま一度徹底してほしいということを言いました。さらに、問題のある業界、実は今日、この裏で関係者全部集めて協議会やっています。本当はそこ出かけたかったんですが、今日ここがありましたので来れなかったんですが、そういうときは大体メッセージ代読で済ますんですが、昨日私はあえてビデオメッセージを作りまして、絶対改善してほしいということをかなり怒気も込めて強く、これだけ言っているのにまだやってくれないんですかということもやらせていただきました。
 何かもうこれから新しいことを取り組むというよりも、今取り組んでいるこの取組がずっとこの末端にまできっちり浸透していくように、ありとあらゆる方法でしつこくこれからも取り組んでいって、そして経済が良くなってきた果実を地方の中小・小規模事業者でも感じてもらえるような状況を実現してまいりたいというふうに思っております。
#164
○石井章君 ありがとうございました。
 世耕さんが、今大臣がおっしゃったように、手形決済を現金決済にするとか、いろんなプランが世耕さんの号令の下で進んでいるということで、自動車業界などは、先ほどおっしゃったように、大分資金繰りが良くなっているというように聞いております。これは当然ながら大臣の改善要請をしていくという強いリーダーシップに今後も期待したいと思います。
 そして、特に中小零細企業は、PBブランドは持っていないんですね。大手のブランドの下でいろんな部品を作ってやるのが精いっぱいでありまして、日本の中小零細企業も何とか独自の路線を自力で歩めるような方向性を出していただければと要望いたします。
 続きまして、商工中金の不正融資問題についてでありますが、商工中金の在り方検討会がまとめた提言が公表されました。その結論は、完全民営化の方向で二二年までにその結論を出すことであります。世耕大臣も解体的な出直しが必要とかなり語気の強い委員会での答弁も私も何度か聞いておりますが、私もこれまで何度か委員会審議で申し上げてまいりましたけれども、組織ぐるみの不正融資が発覚したからには、これは国民が納得する対処が政府に求められております。
 我が日本維新の会は、かねてより、商工中金・政投銀完全民営化推進法案を国会に提出をしておりまして、完全民営化をすべきだという、党としてはそういう立場ではあります。
 今回の提言では、完全民営化の方向で新ビジネスモデルの構築に四年間注力し、その検証と危機時の対応検証を踏まえて民営化移行を判断するとされておりますが、非常に分かりにくく、玉虫色であるとも思います。確認のため政府の解釈を伺いますけれども、現時点では完全民営化されない場合もあり得るのかどうか、これは環境部長ですか、よろしくお願いします。
#165
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。
 一月十一日に商工中金の在り方検討会の提言をいただいております。その中では、商工中金のビジネスモデルにつきましては、現状では地域金融機関が十分に対応できていない個人保証、担保に依存しない事業性評価、事業承継などを含めた課題解決型提案やきめ細かな経営改善支援、あるいは困難な状況に直面しつつも地域にとってはかけがえのない存在である中小企業の抜本的な事業再生といった中小企業にとって付加価値の高い分野に重点化するべきという御提言をいただいております。
 そして、完全民営化につきましては、四年後に新たなビジネスモデルの確立を徹底検証いたしまして、また、危機時に商工中金が危機対応業務を実施する責務が必要かどうかの検証も踏まえた上で、その実行への移行を判断するというふうにされているところでございます。
#166
○石井章君 それは、確かに不正融資はいけないんでありますけれども、ただ、今までやってきた政策的な融資に関しては評価のできるところがたくさんありますので、オーバーバンキングと言われている面もあります、それから民業圧迫だという、民間の人は適当なことを言っていますけれども、やってきたことは、不正は駄目ですよ、でもしっかりとした仕事はやってきたと。特に東日本の震災の後始末についての融資などはしっかりできたものと私は評価できる面もあります。それはそれとして、そこは完全民営化もし成ったとしても、今までのやってきたことを踏まえてユーザーに対してしっかりとした融資をできるように、一議員としても要望したいと思います。
 最後になりますが、プレミアムフライデーですね、これはもうどうしても質問しておきたいんですけれども、これは平木政務官でよろしいと思うんですが、二〇一七年二月二十四日スタートしましたプレミアムフライデー、これは世耕さんもテレビに堂々と出ながらボウリングをやったり……(発言する者あり)済みません、そうですか、昔の人間なものですから、もう全部ボウリングに見えまして。一年がたちまして、どの程度その評価が出ているのか、大企業と中小零細企業で分かれているとは思うんですが、政府と経団連は我慢強く持続していくというような形でありますけれども、その辺、担当政務官としてどのようなお考えなのか、お伺いしたいと思います。
#167
○大臣政務官(平木大作君) プレミアムフライデーにつきましては、月の最後の金曜日に国民の皆様にふだんとは少し違う形で生活の豊かさですとかあるいは幸せを感じていただく機会をつくっていきたい、こういう思いで官民一体の取組としてスタートをさせていただきました。ちょうど昨年の二月から始めまして、この取組を通じまして、消費活性化のきっかけとなることですとか、あるいは働き方、ライフスタイルの改革につながることを期待をしております。
 本年二月に一年をちょうど迎えたわけでありますけれども、これまでの成果について少し整理をいたしましたところ、認知度、認識をされている度合いについては、実は九割に達しております。ただ一方で、例えば消費喚起イベントを実施していただいた企業の皆様のうち効果が上がったとお答えいただいたのは二割、あるいは、働き方改革の観点から、昨年十月にはこの月末の金曜日に限らない振替の形でも是非取組をしていただきたいと推奨したんですけれども、直近での早帰りの実施率は二割というところでありまして、まだまだこれは改善の余地があるなということも感じております。
 ただ、こういった明示されていないものでも、最近のちょうど話題になりました春闘の中でも年休、有休を時間単位で例えば取れるようにしようですとかそういった取組も、ある意味、広い意味でいきますと、このプレミアムフライデーの考え方、企業の現場の中で取り入れて今いただいているんじゃないかというふうに思っております。
 課題、まだまだたくさんあるわけでありますが、経済産業省といたしましても、引き続きこの消費喚起と働き方改革双方につながる取組としてしっかり推進してまいりたいと思っております。
#168
○石井章君 プレミアムフライデーも平成二十八年度の第二次補正予算で一億八千万の予算も付いていますので、それに見合った効果を期待して、質問を終わりにします。
 ありがとうございました。
#169
○委員長(斎藤嘉隆君) 以上をもちまして、平成三十年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち公正取引委員会及び経済産業省所管についての委嘱審査は終了いたしました。
 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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