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2018/04/19 第196回国会 参議院 参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第4号
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2018/04/19 第196回国会 参議院

参議院会議録情報 第196回国会 経済産業委員会 第4号

#1
第196回国会 経済産業委員会 第4号
平成三十年四月十九日(木曜日)
   午前十時六分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月九日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     赤池 誠章君
     北村 経夫君     山谷えり子君
 四月十日
    辞任         補欠選任
     赤池 誠章君     青山 繁晴君
     山谷えり子君     北村 経夫君
 四月十一日
    辞任         補欠選任
     辰巳孝太郎君     小池  晃君
 四月十二日
    辞任         補欠選任
     小池  晃君     辰巳孝太郎君
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     青山 繁晴君     山東 昭子君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     伊藤 孝恵君     田名部匡代君
     浜野 喜史君     小林 正夫君
 四月十八日
    辞任         補欠選任
     山東 昭子君     青山 繁晴君
     小林 正夫君     浜野 喜史君
     田名部匡代君     伊藤 孝恵君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         斎藤 嘉隆君
    理 事
                井原  巧君
                滝波 宏文君
                吉川ゆうみ君
                大野 元裕君
                石井  章君
    委 員
                青山 繁晴君
                北村 経夫君
                松村 祥史君
                丸川 珠代君
                宮本 周司君
                渡辺 猛之君
                渡邉 美樹君
                伊藤 孝恵君
                石上 俊雄君
                浜野 喜史君
                平木 大作君
                矢倉 克夫君
                岩渕  友君
                辰巳孝太郎君
   国務大臣
       経済産業大臣   世耕 弘成君
   副大臣
       経済産業副大臣  西銘恒三郎君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  小倉 將信君
       経済産業大臣政
       務官       大串 正樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        廣原 孝一君
   政府参考人
       総務大臣官房審
       議官       横山  均君
       財務大臣官房長  矢野 康治君
       財務省理財局次
       長        富山 一成君
       国税庁調査査察
       部長       金井 哲男君
       厚生労働大臣官
       房審議官     吉永 和生君
       厚生労働大臣官
       房審議官     土屋 喜久君
       経済産業大臣官
       房政策評価審議
       官        渡邊 厚夫君
       経済産業大臣官
       房審議官     中石 斉孝君
       経済産業大臣官
       房審議官     中川  勉君
       経済産業大臣官
       房審議官     佐藤 文一君
       経済産業大臣官
       房審議官     前田 泰宏君
       経済産業省経済
       産業政策局長   糟谷 敏秀君
       経済産業省製造
       産業局長     多田 明弘君
       経済産業省商務
       情報政策局長   寺澤 達也君
       中小企業庁長官  安藤 久佳君
       中小企業庁事業
       環境部長     吾郷 進平君
       中小企業庁経営
       支援部長     高島 竜祐君
       国土交通大臣官
       房審議官     早川  治君
       国土交通省航空
       局次長      和田 浩一君
       観光庁審議官   秡川 直也君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
〇生産性向上特別措置法案(内閣提出、衆議院送
 付)
〇産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(
 内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
#2
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を開会いたします。
 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、経済産業省経済産業政策局長糟谷敏秀君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(斎藤嘉隆君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
#4
○委員長(斎藤嘉隆君) 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。世耕経済産業大臣。
#5
○国務大臣(世耕弘成君) 生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 まず、生産性向上特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、第四次産業革命と呼ばれるIT分野における急速な技術革新の進展に伴い、これまでの産業構造や国際的な競争条件が著しく変化する中で、我が国産業の生産性の向上を短期間に実現するための措置が早急にとられなければ、我が国産業の国際競争力が大きく低下するおそれがあります。グローバル競争の中で我が国産業が勝ち抜くためには、こうした技術革新の果実を取り入れ、世界に先駆けて新たな付加価値を生み出すことで、生産性を飛躍的に向上させる必要があります。
 こうした現状に鑑み、政府として昨年十二月に取りまとめた新しい経済政策パッケージにおいて生産性革命集中投資期間とされた平成三十二年度までの三年間に生産性革命を実現させるため、政府一丸となって計画的に取組を進める実行体制を確立するとともに、我が国産業の生産性を短期間に向上させるために必要な支援措置を、期限を限って集中的に行うべく、本法律案を提出した次第です。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、生産性革命を政府一体となって強力に実行するための仕組みを創設します。具体的には、政府が重点的に講ずべき施策の内容等を定めた革新的事業活動実行計画を策定し、生産性向上のための施策の集中的かつ一体的な実施を図ります。
 第二に、新しい技術やビジネスモデルを用いた事業活動を促進するため、規制のサンドボックス制度を創設します。参加者や期間を限定すること等により、既存の規制にとらわれることなく新しい技術等の実証を行うことができる環境を整えることで、迅速な実証を可能とするとともに、実証で得られたデータを活用できるようにして、規制改革を推進します。
 第三に、事業者による革新的なデータ利活用を促進するため、データの共有、連携を行う取組を認定する制度を創設し、こうした取組に用いる設備等への投資に対して減税措置等の支援を行い、コネクテッドインダストリーズを実現してまいります。また、事業者が国や独立行政法人等に対しデータ提供を要請できる手続を創設し、協調領域におけるデータの共有を支援します。
 さらに、中小企業における生産性革命を実現するため、中小企業の生産性向上に資する先端的な技術を活用した設備等の導入を後押しする仕組みを導入します。市町村が、中小企業における先端設備等の導入を促進するための計画を自ら策定し、これに基づいて中小企業の先端設備等の導入計画を認定して支援措置を講ずることで、地域の自主性の下で、生産性向上のための設備投資を加速します。
 次に、産業競争力強化法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、アベノミクスの三本の矢を同時に実行した結果、設備投資の拡大、雇用の拡大など経済の停滞を打破することができました。しかしながら、我が国経済の成長軌道を確かなものとするためには、急激な経済社会情勢の変化に的確に対応して、引き続き、我が国産業の国際競争力を強化し、その持続的な発展を図ることが重要です。このため、業種を超えた事業再編、情報の適切な管理及び新事業の創出によるイノベーションの促進、事業再生の円滑化、事業承継の加速化、経営基盤強化のための中小企業支援機関の支援能力確保、IT導入の加速化のための支援体制及びIT化に対応したセーフティーネットの整備等のために必要な施策を講じるべく、本法律案を提出した次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、産業競争力強化法の一部改正です。
 第一に、業種を超えた事業再編の促進を図ります。様々な手法による事業再編を行いやすくするため、株式を対価とする事業再編を認定し、会社法の特例を設ける等の支援措置を講じます。
 第二に、情報の適切な管理の促進のための制度を創設します。競争力の源泉となる技術等の情報の漏えい防止措置に係る認証機関の認定制度を設け、事業者における情報の適切な管理を促します。
 第三に、新事業の創出によるイノベーションの促進のための施策を講じます。産業革新機構を産業革新投資機構に改め、投資機能の強化等のため、投資基準の策定や事後評価の徹底等の見直しを行います。また、国立大学法人等によるベンチャー出資の対象を拡大するとともに、市町村が行う創業に関する普及啓発の取組を支援します。
 第四に、事業再生の円滑化を図ります。特定認証紛争解決手続において商取引債権を保護すべきとの確認がなされた事実について、裁判所の法的整理における判断において考慮されるよう措置します。
 さらに、産業競争力の強化に継続的に取り組むため、集中実施期間を廃止し、必要な支援策について、引き続き措置してまいります。
 次に、中小企業等経営強化法、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律及び中小企業倒産防止共済法の一部改正です。
 第一に、事業承継の加速化のための施策を講じます。中小企業者等が合併等により他の中小企業者等の経営資源を活用して経営力の向上を図る取組について、経営力向上計画の認定の対象とし、認定を受けた者について、各種の支援措置を講じます。また、親族外承継の増加に対応するため、他の中小企業者の事業を承継しようとする者に対して金融支援を講じます。
 第二に、経営基盤強化のための支援能力確保のための施策を講じます。経営革新等支援機関の認定制度について、認定に有効期間を設け、期間満了時に改めて業務遂行能力を確認する更新制等を導入します。
 第三に、IT導入の加速化のための支援体制整備のための施策を講じます。ITの活用支援を行う事業者に係る認定制度を設け、中小企業者等における更なるITの活用を促します。
 第四に、中小企業者のIT化に対応したセーフティーネットの整備のための施策を講じます。IT活用の高まりを見据え、電子記録債権に関する中小企業者の連鎖倒産防止のため、共済貸付対象を拡充します。
 これらの法律の見直しに伴い、独立行政法人中小企業基盤整備機構法について必要な改正を行います。
 以上が両法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
#6
○委員長(斎藤嘉隆君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○浜野喜史君 おはようございます。民進党の浜野喜史でございます。
 まず、大臣にお伺いをいたします。柳瀬唯夫元首相秘書官、現経済産業審議官に関してでございます。
 今年の四月十日のコメントで、自分の記憶の限りでは愛媛県や今治市の方にお会いしたことはありませんとコメントをされておられるところでございます。私のこれ感覚なんですけれども、あえて自分の記憶の限りではということをおっしゃる必要なく、愛媛県や今治市の方にお会いしたことはないと、こういうことをおっしゃっておられれば、それはそれでいいんじゃないかなというふうに私は感覚的に思うんですけれども、大臣はどのようにこのコメントを考えておられるか、御見解をお伺いいたします。
#8
○国務大臣(世耕弘成君) 柳瀬経済産業審議官が、これは首相秘書官当時の業務に関して御本人が個人としてコメントしたものでありまして、これは経産省の職務に関する内容ではありませんので、申し訳ありませんが、経産大臣の立場ではコメントを控えさせていただきたいと思います。
#9
○浜野喜史君 そういう御答弁になるというふうに思いますけれども、繰り返しになりますけれども、会ったことないということをおっしゃっておけば、記憶の限りではということをおっしゃる必要なく、記憶の中でそれはもう会っていないということになるわけですから、あえておっしゃる必要はないんじゃないかなと私は思うところでございます。
 いずれにせよ、こういう関係で審議官、注目を集められて、場合によってはその業務に支障が出てくるということもあるんじゃないかなというふうに私は思うんですけれども、しっかり説明責任を果たして、そして経済産業省の業務に専念をするべきだといったようなことを、アドバイスを審議官に対してされるべきではないかなということも思うんですけれども、いかがでしょうか。
#10
○国務大臣(世耕弘成君) 現在の業務、今日も今、日米首脳会談のため同行してアメリカに行っておりますし、適宜いろんな状況の報告も入っておりまして、業務には支障は出ておりませんということをまず明確に申し上げておきたいと思います。
 その上で、おととい、省内で記者に囲まれた際には、彼は、国会の御判断を踏まえ誠実にお話をさせていただきたいというふうに申しておりますので、私は、その言葉にもう尽きるんではないかというふうに思っております。
#11
○浜野喜史君 繰り返しになりますけれども、審議官という重要なポストに就いておられますので、経済産業省の業務に支障がないようにしっかり説明責任を果たしてすっきりされると、そういう対応をすべきだということを、是非、大臣からもアドバイスをしていただくということを強く求めて、法案の質問に移らせていただきたいと思います。
 生産性向上特別措置法案についてでございます。
 我が国の生産性向上を図るということを目的として提出されたというふうに理解をいたします。生産性の定義としては、労働生産性を用いているというふうに承知をいたします。今回の法案では、革新的事業活動実行計画の策定やプロジェクト型規制のサンドボックス制度の創設といった技術革新の社会実装を目的とした施策も講じられております。
 こうした法案の目的を考えますと、労働生産性という指標だけではなくて、技術革新の結果がより直接に現れる全要素生産性もチェックしていくことが有益ではないかというふうに考えるんですけれども、御見解をお伺いします。
#12
○政府参考人(糟谷敏秀君) 昨年十二月に決定いたしました新しい経済政策パッケージにおいては、労働生産性について目標を設けております。それを受けて、生産性向上特別措置法案におきましても、生産性を同様の定義、すなわち労働生産性といたしておるわけでございます。
 労働生産性は付加価値の増加に応じて上昇するわけでありますけれども、付加価値の構成要素は資本装備や全要素生産性でありまして、資本装備や技術革新などによる全要素生産性が増えれば増加をするという関係にございます。したがって、労働生産性の分析を行う上で、全要素生産性の動向を見ていくことは、おっしゃるように重要であるというふうに考えておるところであります。
 ただし、全要素生産性は労働や資本によらない成長要因ということで定義上ありますので、すなわち労働の部分、資本の増強による部分を計算した後の残差になるわけでありまして、残差を推計するという作業が必要になります。また、残差の推計方法によってもある程度のばらつきは生じるところであります。これに対しまして、労働生産性は計測しやすく、すなわち就業者一人当たり、一時間当たりの実質GDPということで定義をしておりますので、計測しやすいこと、また国民にとって分かりやすい目標であるのではないかというふうに考えております。
 特に、今回の生産性革命の趣旨は、一人一人が生み出す付加価値を拡大をさせ、これを賃金の上昇につなげることでデフレ脱却を図るという大きな流れを実現させることにございます。このような観点からして、目標とする指標として労働生産性が適切であるというふうに考えているところでございます。
#13
○浜野喜史君 その上で、これちょっと通告していないんですけれども、今回の生産性向上特別措置法案、新法でありますけれども、この生産性ということが法上、定義されていないんですね。定義されていないけれども、生産性といえばもう労働生産性ということで、自明のことだということなのかも分かりませんけれども、新法で生産性向上特措法ということで打ち出しておられる以上、やはり法の中にこの生産性とは何なのだという定義をしておくことが自然じゃなかったのかなというふうに思うんですけれども、済みません、これは通告していないんですけれども、御説明をお願いします。
#14
○政府参考人(糟谷敏秀君) 法律上、生産性について、昨年の十二月の経済政策パッケージのような注記、すなわち労働生産性であるということの注記は置いていないところでございます。
 ただ、先ほど申し上げましたように、労働生産性は、全要素生産性が増えれば増加をする、また資本生産性が増えれば増加をする、そういう関係にもございます。
 したがって、生産性という言葉を用いることで、我々は労働生産性を目標として、指標として成果の達成度合いを評価をしていくということにすることを予定をしておりますけれども、労働生産性だけでなく、資本装備率また全要素生産性、こうしたものも上がっていくことによって生産性が高まる、そういう関係にあるものだと考えておりまして、こうしたものを含めた概念として生産性ということを法律上位置付けているところでございます。
#15
○浜野喜史君 通告しておりましたので結構でございます。
 その上で、生産性向上の関係で更にお伺いしますけれども、昨日の本会議でも申し上げましたけれども、私は、生産性というものは、社会制度や文化、人的能力といったソフト面にも大きく依存するものではないかと、このように思っております。
 その向上に際しましては、革命といった言葉で表されるような短期的な施策ではなく、教育や訓練といった地道な取組もやはり必要であろうというふうに思うところでございます。その上で、生産性向上に向けた取組は三年間に期間を限らず行っていくべきではないかと。なぜ三年という短期間に政策を集中させる必要があるのかということ、これは大臣に御見解をお伺いします。
#16
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のとおり、産業構造が急速に変化する第四次産業革命の時代においては、生産性の向上を行おうと思ったら、これはもう人材への投資によって、働き手一人一人の能力、スキルを環境変化に合わせて向上させていくことが極めて重要だというふうに思っています。
 だからこそ、この新しい経済政策パッケージでは、生産性革命と人づくり革命を車の両輪にして、二〇二〇年までの三年間を集中投資期間としてあらゆる施策を総動員することにさせていただいております。やはりある程度期限を切って政策を集中させるという、そういう意味合いの三年だというふうに思っております。
 それを受けての生産性向上特別措置法案においても、この集中投資期間に合わせて、人材確保の円滑化のための施策も含めて生産性向上に資する施策を集中的に講ずることにさせていただいています。
 ただ、これ、三年が終わった後でも、この三年の成果やその時点での経済情勢などを踏まえて、施策の継続も含めて必要な施策を講じていくこととしているわけでございます。
#17
○浜野喜史君 その関連でお伺いしたいんですけれども、後段で大臣もおっしゃいました、三年間やってみて、状況を見ながら更に継続ということもあり得るという御説明だったんですけれども、おっしゃるとおり、今回の柱は、規制のサンドボックス、それからデータの共有、連携のためのIoT投資の減税と、それから中小企業に対する設備投資促進のための税制優遇ということですけれども、これ、必ずしも三年というふうに限る必要もないのではないかなというふうに私は受け止めますので、これは十分試し行いをして、継続的にやっていく可能性が十分あるんだと、こんなふうに理解しておいてよろしいんでしょうか。その辺り、更にお願いいたします。
#18
○国務大臣(世耕弘成君) 継続をもう前提としてしまうと、これちょっと、だらだらとした取組になるかもしれませんから、やはり三年集中してやるということは大前提として、その上で、しっかりとレビューをして、もう少し中で継続した方がいい施策があるのであれば継続することもあり得るということだと思っております。
#19
○浜野喜史君 次に、規制のサンドボックス制度について、これ以降は少しお伺いをいたしたいと思います。
 制度の創設以降、実際の計画の申請、認定、実証、そして、場合によってはその後それを評価をして規制化していくというようなことになるんだろうと思います。衆議院における質疑でも、個別の計画に応じた実証期間が様々であるが、規制の見直しということについても速やかに対応をしていくことが望ましいといったような御答弁もあったというふうに承知をいたしております。
 その上で、この三年間の間に何までやっておかなければならないのか、例えば認定まで受ければその実証は有効だというような扱いになるのか、この三年間の間に何を実行をしていこうというような考えでおられるのか、その辺りを御説明いただけますでしょうか。
#20
○政府参考人(糟谷敏秀君) 規制のサンドボックス制度でございますけれども、これは施行後直ちに申請を受け付けられるように準備をしたいと考えております。計画の申請から認定までの期間については、活動評価委員会における審議期間を加味する必要はあるものの、現行の新事業特例制度では一か月と定められておりますので、迅速に実証が開始できるようにしてまいりたいと思います。また、実証期間については、イギリスでは三か月から六か月が標準とされていますので、スピーディーな社会実装という制度の趣旨を踏まえれば、我が国でも同程度のものが多くなるのではないかという想定を持っております。実証の終了した後、法律二十条に基づいて、規制所管省庁は規制の見直しを検討することとされているところであります。
 この期間については、関連する規制法令の種類や性質などに応じて様々と考えられるわけでありまして、一つ一つの計画に基づく規制の見直しまでの時間というのを一概に幾らぐらいというめどを申し上げるわけにはなかなかできないわけでありますけれども、まずはこの法律の施行、実施期間内に最大限の効果ができるように、速やかなプロセスの進行に努めてまいりたいというふうに考えております。
 その上ででありますけれども、三年間の間にどこまでできなければいけないのかという御質問についてでありますが、この法律は附則の第二条で、施行の日から三年以内に廃止をすることとされております。廃止をするためには、また法案を国会に提出をさせていただいて、それを御審議をいただくということが必要になります。その法案の中で、先ほど大臣から御答弁がありましたように、三年間の施行実績やその時点での情勢などを踏まえて、継続などの可能性も含めて適切に検討をしたいというふうに考えておるところでございます。
#21
○浜野喜史君 済みません、関連して、ちょっと私が理解が不足しているのかも分かりませんけれども、この計画の申請を例えばいつまでにやりなさいとかいう限定が付けられているということだったんでしょうか。済みません、ちょっと私、知識が不足しておりまして、御説明願います。
#22
○政府参考人(糟谷敏秀君) この法律が廃止をされるまでの間は計画の申請を受け付けるという、そういう立て付けになってございます。
#23
○浜野喜史君 済みません、こだわるわけじゃないんですけれども、とすると、三年ぎりぎりで申請してくるということだってあるわけですね。そういうのは状況を見ながら、いろんなどういうふうにすべきなのかということを法改正考えていこうと、こういう理解でしょうか。
#24
○政府参考人(糟谷敏秀君) 本法の廃止までに認定を受けた計画につきましては、これはほかの法律、通常の例に倣いますと、経過措置規定を置くことによって計画認定の効力は維持をされるということになるものと考えております。
#25
○浜野喜史君 更にお伺いいたします。
 こういうサンドボックスにつきましては、英国やシンガポールなどで導入されているというふうにお伺いをいたしております。ただ、フィンテック分野に限られているというふうにお伺いしているところでございます。
 我が国では、幅広く全分野を対象にされているということでありますけれども、三年限定ということの中で幅広い分野を扱うということはなかなか無理があるのではないのかなとも思うんですけれども、御見解をお伺いします。
#26
○政府参考人(糟谷敏秀君) 第四次産業革命が進展する中で、様々な分野でIoTや人工知能を活用した新たな技術やビジネスモデルの社会実装による構造変化が起きております。これは、フィンテックの分野に限らず、ほかの分野においても新たな技術やビジネスモデルの社会実装が進んでいるわけでございます。このため、新技術等実証制度、規制のサンドボックスにおきましては、特定の分野に限定せずに、第四次産業革命の新技術やビジネスモデルの実用化に向けた社会実装を広く制度の対象としているところでございます。
 こうした仕組みを通じて、これまでにない革新的なエリアについて、分野を問わず、まずやってみるということを可能な限り許容して、データを収集、分析することでスピーディーな規制改革につなげていきたいというふうに考えているところでございます。
#27
○浜野喜史君 どれぐらい活用されていくというふうに想定されているのかといったような類いのことを少しお伺いしたいんですけれども、既に産業界等々からちょっと活用してみたいんだというような情報があって、制度が創設されることがもう待ち遠しいといったような案件があったり、そういうようなことがあるのかどうか、この期間内でどれぐらいのそういう、何というか、申請があるというふうに見込まれているのか、状況を御説明いただきたいと思います。
#28
○政府参考人(糟谷敏秀君) 規制のサンドボックス、新技術等実証制度につきましては、現時点で我々、二桁のいろんな企業からの関心案件を聞いております。ただ、計画として申請できるほどに煮詰まったものにはまだなっていない状況でございます。
 いずれにしましても、この制度は独創的なアイデアを持つ方々や革新的なビジネスモデルをスピーディーに事業化したい起業家の方々など、幅広い皆様に使っていただくことを想定しておるところであります。このため、できるだけ多くの事業者や起業家の方々に御活用いただけるよう、イメージしやすい事例も示しながら、新経済連盟やフィンテック協会などのITベンチャー関連の団体などとも連携をいたしまして、広く制度の普及啓発を行うこととしております。
 こういう案件の掘り起こしも積極的に行っていきたいと思います。その結果、できるだけ多くの案件が申請されるような形にしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
#29
○浜野喜史君 ありがとうございます。
 ちょっと聞き間違いかも分からない、二桁のそういうやってみたいというような要望が寄せられているということだったと思いますけれども、こんなようなものなのだということを説明、もし仮にしていただけるのであれば非常に我々もイメージしやすいなと思いますので、それを是非お願いしたいのと、これ一元的に受け付けていくということになると聞いております。既存のグレーゾーン解消制度、それから新事業特例制度、それに加えて今回のサンドボックス制度と、これ全てトータルして一元的に内閣官房で受け付けていくということになっておりますけれども、どのような人員体制を用意しておられるのか、考えておられるのか、併せて御見解をお伺いいたします。
#30
○政府参考人(糟谷敏秀君) 新技術等実証制度におきましては、法律上は計画の認定を行う主務大臣である事業所管大臣及び規制所管大臣に申請をすることとされております。ただ、事業者にとりましては、実施しようとする実証が第四次産業革命の下では特に業種を超えた分野横断的なもの、しかも複雑なものになることが多いと考えられますし、また、全く新たな分野のビジネスである場合には、誰が主務大臣になるのかということを事業者のみでは特定することが難しい場合もあると考えております。また、主務大臣が複数にわたる場合に申請先が多くなって、申請者たる事業者にとって手続が煩雑になるということも考えられるところであります。こうした課題があるのではないかと思っております。
 こうした状況を踏まえて、新技術等実証をスピーディーに進めるために、事業者の提案を広く一元的に受け付ける窓口を内閣官房に設けることと予定をしております。一元的窓口においては、規制法令を所管する各省庁と連携しながら、民間事業者に対する事前相談をきめ細かく行うとともに、事業者が提案する新技術等実証に関連する規制などについて弁護士が法的な論点を整理するなど、適切に助言を行う仕組みを用意したいというふうに考えております。このために必要な人員、体制の整備を行いたいというふうに考えているところでございます。
#31
○浜野喜史君 もう一問質問したつもりだったんですけれども。
#32
○政府参考人(糟谷敏秀君) 我々、現時点から聞いているものでありますけれども、例えば、ユーザーの直近の受注状況に応じて機動的に限度額が増やせる事業主、個人事業主の必要な資金が提供できるように限度額が増やせる資金提供サービスを行いたいというニーズでありますとか、又は中小企業者の資金ニーズに応えるソーシャルレンディングという、そういうアイデア、ビジネスモデルでありますとか、そういった類いのものを今いろいろと聞いておるところでございます。
#33
○浜野喜史君 ありがとうございました。
 次に、新技術等実証計画についてお伺いいたします。
 この新技術等実証計画の認定、これはどういうような物差しでこの認定が行われるのかということをお伺いしたいと思いますのと、法案の十一条三項に実証計画において計画に記載される事項が規定されているわけでありますけれども、その中の一つに、実施に必要な資金の額及びその調達方法ということも定められております。そういうことに加えて、事業者の経営状態やガバナンス体制の確認まで踏み込んだ検討も必要ではないかなとも考えるところでありますけれども、御見解をお伺いします。
#34
○政府参考人(糟谷敏秀君) 事業者から提出されます個別の実証計画につきましては、主務大臣のうち、実証による革新的な事業活動を推進する観点から事業所管大臣が、また、当該実証に関する規制法令に違反しないことなどについて規制所管大臣が、それぞれの観点から判断をし、認定をするということにしております。事業所管大臣は、認定に際しまして、実施に必要な資金の額及びその調達方法などについてもその適切性を確認することとしております。
 一方、実証計画の認定に当たりましては、事業者に対して安全性や公益性を確保するため、期間、場所、方法を限定し、参加者の同意を得ることや実証実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずることを求めておりまして、規制所管大臣は、こうした措置が適切に講じられていることを含めて、安全性や公益性を保護する規制法令に違反するものでないことなどを確認した上で実証計画を認定することとしております。
 御質問の事業者の経営状態やガバナンス体制の確認まで踏み込んだ計画を行うべきではないかという点につきましては、こうした実施に必要な資金の額及び調達方法についてその適切性を確認することや、また実証を適切に実施するために必要となる措置が講じられているかどうか、そういったことを確認することによって、それを確認した上で計画を認定することになっておりますので、御質問のような点についても必要な検討は行われることになるというふうに考えております。
#35
○浜野喜史君 次に、革新的事業活動評価委員会についてお伺いをしたいと思います。
 評価委員会に属させられた所掌事務として四項目が挙げられておりまして、そのうちの一つとして、その他の政令で定める事項というものがございます。
 衆議院の質疑におきましては、その他の政令で定める事項は何なのかという問いに対しまして、少なくとも評価を行うために必要な調査ということは想定されるというふうな御答弁があったというふうに承知をいたしておりますけれども、更に詳しく、現段階で説明できる範囲で御説明を願いたいというふうに思います。
#36
○政府参考人(糟谷敏秀君) 法第三十一条第四号の政令で定める事項についての御質問でございますけれども、政令で定める内容といたしましては、評価を行うために必要な調査及び当該調査に係る情報又は資料の分析、この二点を現時点では考えておるところでございます。
#37
○浜野喜史君 更に評価委員会の関係をお伺いいたしますけれども、評価委員会の委員は、内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関しての識見を有する者が内閣総理大臣に任命されるということになっているところでございます。
 具体的にどのような方をどのような構成、規模で任命するということを現段階で想定されておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
#38
○政府参考人(糟谷敏秀君) 革新的事業活動評価委員会の委員でございますが、幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関して優れた識見を有する者を任命することといたしております。
 委員の具体的な人選につきましては今後検討することとしておりますが、平成十一年四月に閣議決定されました審議会等の整理合理化に関する基本的計画に基づきまして、委員により代表される意見や学識、経験等が公正かつ均衡の取れた構成になるように留意して行いたいという考えでございます。
 また、委員の数につきましては、同じく基本計画に基づきまして、原則二十名以内の民間有識者により構成することを予定をしておりますが、迅速かつ円滑な評価を行う観点から、適切な規模といたしたいと考えております。
#39
○浜野喜史君 更に評価委員会についてお伺いいたしますけれども、評価委員会は内閣総理大臣を通じて主務大臣に対して必要な勧告を行うことができるというふうにされております。
 衆議院における質疑におきましては、内閣府の長としての内閣総理大臣が手続に関わるだけであるといったような趣旨の御答弁があったというふうに承知をいたしておりますけれども、主務大臣が委員会の勧告の趣旨と異なる判断を行ったような場合、内閣総理大臣においてどのような対応がされるのか、調整などは行わないということになるのか、御説明をお願いしたいと思います。
#40
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、勧告を行う場合でありますけれども、例えば、実証計画の認定が円滑に進まないといったような場合には、必要に応じて評価委員会が主務大臣に勧告を行うことがあり得るというふうに考えております。その際、必要に応じて内閣府特命担当大臣を交えて調整を行うということもあり得るというふうに考えております。その上で、実証計画の認定については、革新的事業活動評価委員会の意見を聴いた上で主務大臣が最終的に判断をするという立て付けでございます。
 なお、評価委員会が勧告を行った場合は、制度運用における透明性を確保し、主務大臣が説明責任を果たすという観点から、主務大臣は、勧告に基づき講じた措置について評価委員会に対して通知をすることとされております。
#41
○浜野喜史君 評価委員会の関係で更にお伺いいたしますけれども、評価委員会における議論、これにつきましては、昨日の本会議場におきまして大臣から、営業上の秘密を除き、会議又は議事録を速やかに公開することにより、議事内容の透明性を確保するといったような御答弁をいただきました。
 その上でなんですけれども、その委員会内の議論に加えて、主務大臣から意見を求められたときのやり取りとかそういうことも公開されるということだろうなというふうに推察するんですけれども、御説明をお願いいたします。
#42
○政府参考人(糟谷敏秀君) 評価委員会の議論のほか、主務大臣の委員会に対する意見聴取や事業者の申請など、新技術等実証制度の計画認定のプロセスにおいて作成された文書につきましては、公文書管理に関する法律上行政文書に該当するものについて、公文書管理に関する法律に基づき適切に保存することとなります。また、評価委員会の議事の記録等については、営業上の秘密等を除き速やかに公開することにより、議事内容の透明性を確保することとしております。
 情報公開につきましては、議事の記録以外についても、必要な手続に従って適正に公開をしてまいりたいというふうに考えております。
#43
○浜野喜史君 規制のサンドボックスの関係、これで最後の質問にしたいと思いますけれども、この本制度を活用して実証を行っていった場合に、当然、途中で断念せざるを得ないとか様々なトラブルも起こってくるということもあり得るというふうに思います。
 この新技術等実証に係る言わばリスクについて、国の立場として事業者と参加者のリスク管理に委ねるんだということを基本として対応するということになるのか、そうではなくして、事業者に特別の支援措置をもって新技術等実証を認めた経緯も踏まえて何らかの、何といいますか、措置を用意をしようというふうにされているのか、御説明をお願いしたいと思います。
#44
○国務大臣(世耕弘成君) このサンドボックスを実施する際には、まず、事業者に対していろんな、サンドボックスとはいえ、縛りがまず掛かっているわけであります。期間とか場所、方法が限定されている、そして参加する人の同意が得られているということ、そして実証実験の管理監督を行う、こういった実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずることを求めているわけであります。
 その必要となる措置をどう見るかということになってくるわけですが、例えば安全性への配慮が必要な場合は、その事業者が保険に加入しているかどうか、そういったこともこの必要となる措置として確認をさせてもらう場合もあり得るというふうに思っています。
 主務大臣は、革新的事業活動評価委員会の意見を聴いた上で、こうした措置が適切に講じられていること、そして既存の規制法令に違反をしていないということを確認の上、実証計画を認定することになるわけであります。
 そして今度は、実施段階においても、主務大臣は、個別の計画ごとに必要な措置がちゃんと講じられているかどうか実施状況を把握をしますし、仮に事業者が実証計画に従ってこの実証を行っていないと認められる場合は認定を取り消すということもあり得るというふうに思っています。
 万一、このサンドボックスの実施中に発生したトラブルや事故などによって被害が生じた場合の責任や補償などについては、これは個別の事案にもよると思いますけれども、既存の法令に基づいて判断をされるものと考えております。
#45
○浜野喜史君 次に、事業承継等につきまして、働く者の立場でお伺いをしたいと思います。
 事業譲渡に関しましては、厚生労働省の検討会での議論を経て、平成二十八年九月に事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針、事業譲渡等指針が策定され、一定の前進が見られたものと理解をいたしております。
 しかし、労働契約の承継、労働者、労働組合などとの事前協議、譲受会社が団体交渉に応ずることに関する法的枠組みがないため、労働組合の解散を事業の譲受けの条件とすることや労働条件の大幅な引下げなど、労働者の雇用と労働条件に大きな影響を及ぼしている実態もあります。中には、労使関係が悪化をして組合潰しに至ったケースも散見されます。
 こうした現状を見ましたときに、現状の事業譲渡等指針だけで労働者保護ルールとして十分というふうに考えておられるのかどうか、厚生労働省の見解を伺います。
#46
○政府参考人(土屋喜久君) お答え申し上げます。
 事業譲渡におきまして労働契約を承継する場合には、労働契約の承継を予定している労働者の承諾が必要でございまして、労働者の意思に反した労働契約の承継は認められていないところでございますが、厚生労働省においては、先ほど御紹介いただきました指針、これを事業譲渡等の円滑な実施と労働者の保護に資するようということで、平成二十八年の九月に策定をしております。
 この指針におきまして、まず一つは、譲渡会社等は、労働者から承諾を得るに当たっては、事業譲渡に関する全体の状況、譲受け会社等の概要、そして労働条件等につきまして十分に説明をして、承諾に向けた協議を行うことが適当であること、また二つ目として、特に譲渡会社等が労働者の労働条件を変更して譲受け会社に承継させる場合には、労働者から当該変更について同意を得ることが必要であること、そしてまた、事業譲渡に伴う労働者の労働条件などに関して団体交渉の申入れがあった場合には、譲渡会社等は当該労働組合と誠意を持って交渉に当たらなければならないことなどを盛り込んでいるところでございます。
 なお、この指針の策定に先立って開催をされた研究会におきまして、事業譲渡の場合に労働契約が自動的に承継されるルールの導入等につきましても議論が行われましたけれども、譲渡契約の成立がかえって困難となって、保障できたはずの雇用がかえって保障されなくなるといったおそれや、あるいは事業譲渡には営業用の財産や商号のみを譲渡するという場合もあり得るなど多種多様なケースが想定されるために、対象となる事業譲渡の範囲や定義の確定が困難で法的安定性を害するといったような御指摘もあったところでございまして、慎重な検討を要するものというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、厚生労働省としては、先ほど御紹介申し上げた指針に沿った対応がなされるよう、今後とも周知に努めてまいりたいと考えております。
#47
○浜野喜史君 昨日の本会議でもほぼ同様の御答弁をいただいたということだと思いますが、ちょっとまたこれは後ほど触れさせていただきます。
 更にお伺いいたしますけれども、MアンドA等による企業買収の中には、投資ファンド等が資金調達目的で事業譲渡を行うということもあります。また、横暴な買手の意向次第によりまして、雇用喪失や労働条件切下げという事態も出てきております。
 こうした雇用が後回しにされている現状をどのようにお考えになっておられるのか、今回の一連の改正によりまして、こうした事態が更に増えていくことになるのではないかという懸念もありますけれども、御見解をお伺いいたします。
#48
○政府参考人(土屋喜久君) 投資ファンドなどの目的は必ずしも一律ではございませんで、被買収企業に対して株主としての権利を背景に、経営にどのような影響力を行使するかということについても様々なケースがあるというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、厚生労働省としては、事業譲渡における労働契約の承継に必要な労働者の承諾、これが労働者の真意による承諾となりますように、また労働者と使用者の間での納得性を高めるといったこと等によりまして、事業譲渡等の円滑な実施及び労働者の保護ということが図られる、こういったことが重要であるというふうに考えております。
 先ほど御紹介申し上げた指針に沿った対応がなされるよう、引き続きの周知に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
#49
○浜野喜史君 労働関係、もう一問お伺いいたします。
 事業譲渡の場合、使用者たる譲渡会社だけではなく、譲受会社と事前に交渉を行うことで円滑に事業譲渡が実現できているケースもあると承知をいたしております。
 しかし、譲受会社が団体交渉を拒否するケースも散見されます。不当労働行為として救済される場合もありますけれども、使用者性の認定はハードルが高いという状況にございます。さらに、現実には、実質的な決定権を有する投資ファンド等に団体交渉を求めましても、使用者ではないとの理由で団体交渉が拒否され、また不当労働行為の救済も認められないケースもあります。
 労働組合が労働契約の当事者である使用者以外と団体交渉を行い、労働条件等に関する問題を解決する必要性が高まってきているのではないかというふうに考えます。形式にとらわれず、いわゆる支配力説に立って使用者性を判断する枠組みが必要だと考えますけれども、厚生労働省の見解を伺います。
#50
○政府参考人(土屋喜久君) 労働組合法上の使用者性につきましては、最高裁の判例におきまして、基本的な労働条件等について、雇用主と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定することができる地位にあるかどうかを判断基準とする判例が確立をしているところでございまして、投資ファンドなどにつきましても、この判例を踏まえて、個々の事案に即して裁判所や労働委員会において判断をされるものというふうに考えております。
 その際、投資ファンドなどについても、被買収企業に対する影響力の行使の態様によってはその被買収企業の労働組合に対する使用者性が問題となるケースもあり得るということでございますので、具体的な事例における実態に即して判断がなされるものというふうに考えております。
#51
○浜野喜史君 労働関係はこれで終わりますけれども、一つ資料要求させていただきたいと思います。
 先ほどお伺いいたしました事業譲渡の際の指針、働く者の側はその指針を法整備という形で転化をすべきだという主張をいたしております。それができない、困難なんだという対応でありますけれども、指針を法整備というふうに移行できないとする理由が分かる資料を委員会の方に提出をいただくように、委員長によろしくお願い申し上げたいと思います。
#52
○委員長(斎藤嘉隆君) 後刻協議いたします。
#53
○浜野喜史君 生産性向上に関連いたしまして質問をさせていただきたいと思います。
 我が国では、経済全体として製造業からサービス産業への構造シフトが生じており、生産性の高い製造業のウエートが減少することに伴い、国全体の生産性が押し下げられている可能性が指摘されております。また、一九七〇年以降、製造業の生産性が上昇傾向であるのに対して、非製造業の生産性の伸びは鈍いというデータもあります。
 大企業、中小企業といった企業規模だけではなく、業種別といったような視点で支援策を検討していくことも重要であるというふうに考えますけれども、見解を伺います。
#54
○政府参考人(糟谷敏秀君) 御指摘のとおり、サービス経済化が進展する中で、サービス業の就業者数が増加をしております。また、サービス産業の労働生産性は製造業に比べて伸び悩んでおります。この結果、サービス産業全体、ひいては日本の労働生産性の下押し要因となっている可能性があるというふうに認識をしております。したがって、日本の労働生産性を向上させるためには、サービス産業の労働生産性の向上が重要な課題であるというふうに認識をしております。
 このため、例えば、平成二十九年度の補正予算におきましてはIT導入補助金を措置をいたしました。中小サービス業などのIT化、生産性向上を進めるため、五百億円の予算を確保いたしまして、約十三万者を直接支援することとしております。この補助金で導入されたITツールの活用によって、財務会計情報や勤怠情報を含めて経営状況の見える化や新規需要の発掘等が進むことによりまして、サービス業等の生産性の向上につなげていきたいというふうに考えております。
 また、中小企業等経営円滑化法におきましては、事業分野ごとに主務大臣が策定する指針に基づいて、業種の特性も踏まえながら、中小企業等の経営力の強化、向上を図っているところでございます。この法律に基づき、今年の二月末の時点で約四万九千の経営力向上計画を認定しているところであります。その業種は、製造業にとどまらず、卸・小売業、医療、介護などのサービス業も含む幅広い業種にわたっているところでございます。
#55
○浜野喜史君 更にお伺いいたしますけれども、昨日の本会議におきましては、中小企業は大企業に比して従業員当たりの資本ストックが少ないことも生産性低迷の要因となっているとの答弁がございました。しかし、日銀短観の様々な数字を見てみますと、設備は不足しているんだけれども、一方で資金繰りも悪くないというふうに中小企業は回答されているという状況でございます。
 こういう中で、中小企業の設備投資が進まない要因についてどのように分析されておられるのか、説明をお願いいたします。
#56
○政府参考人(吾郷進平君) 中小企業の設備投資につきましては、穏やかな増加傾向にあるわけでございますけれども、設備不足感の高まりやあるいは資金繰りの改善といった投資を取り巻く環境を踏まえますと、力強さに欠けているというふうに認識しております。
 一般に、経済が堅調でございましても、先行きの不透明感が高ければ企業は設備投資の計画を控えることになるわけでございまして、こうした観点で、後継者不在により事業の先行きが見通せない中小企業が増加しており、このような企業が投資に尻込みしているということも一因となっていると考えております。また、中小企業の経常利益は過去最高水準にあるものの、赤字など厳しい経営環境に置かれた企業も相応に存在しておりまして、こうした企業が設備投資を抑制していることも要因と考えております。
 このため、事業承継の促進あるいは赤字企業も含めた中小企業の設備投資の促進が重要と考えておりまして、今回の法案でも、自治体の御判断により固定資産税をゼロにする制度を新たに導入するとともに、MアンドAを含めた親族外承継に対する税制、金融等の支援措置の創設によりまして事業承継を後押しすることとしているところでございます。
#57
○浜野喜史君 生産性関連について更にお伺いいたしますけれども、生産性につきましてはこれまで国内外において様々な研究が蓄積されてきておりまして、有形固定資産への投資に加えて、研究開発や教育訓練といった無形資産への投資が重要であるとの研究結果が蓄積されつつあるというふうに承知をいたしております。私もそうであろうなというふうに思います。例えば、日本がこれまでIT投資を推進してきたにもかかわらず生産性向上につながらない背景には、人材への投資が進んでいないからであるとの指摘もあります。
 今回の法整備におきまして、そういった点につきましてどのように配慮をされておられるのか、見解をお願いいたします。
#58
○政府参考人(吾郷進平君) 先生御指摘のとおり、生産性を向上させていくためには、設備投資のみならず、人材投資による経営者や従業員の能力向上も重要であると認識しております。
 中小企業における人材投資につきましては、本法案の直接的な措置としては盛り込んではおりませんけれども、平成三十年度の税制改正に盛り込まれました中小企業向けの所得拡大促進税制におきましては、教育訓練費を前年度に比べて一〇%以上増加させ、賃金を二・五%以上増加させた場合には、給与等支給額の前年からの増加額の二五%を法人税から控除する、通常の税額控除の割合は一五%でございますので一〇%上乗せしているわけでございますが、そうした税制措置。あるいは、二十九年度補正予算におきまして、中小企業などで働く経営者、管理者候補向けのリカレント教育といたしまして、ITリテラシーや生産現場におけるマネジメント技術など、中小企業で求められる専門知識等の講座を提供する事業を考えております。
 また、中小企業等経営強化法におきましては、業種ごとに生産性向上に知見がある組織を事業分野別経営力向上推進機関として認定をいたしまして、この組織が人材育成を行う場合には厚生労働省の助成金による支援を行うという制度もございます。
 また、厚労省におきましては、中小企業・小規模事業者が行う社員訓練につきまして、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する助成金等によって人材育成の促進を図っているものと承知しております。
 こうした法律、税制、予算などあらゆる施策を総動員しまして、人材投資の促進も図りまして、生産性向上を図ってまいりたいと存じます。
#59
○浜野喜史君 中小企業の設備投資促進の税制優遇についてお伺いいたしますけれども、一つは、ころころその制度を変更し過ぎなんじゃないかということについてどう考えるのかということ。そして、自治体の対応もなかなか大変じゃないかなというようなことを推察するんですけれども、どういう対応を考えておられるのか、御説明を願います。
#60
○政府参考人(吾郷進平君) 先生御指摘のとおり、生産性向上特別措置法案に基づく支援策が創設されることに伴いまして、現行の中小企業等経営強化法の固定資産税の特例につきましては、この特例措置が創設されましたおととしの三月に定められた終期でございます平成三十年度末をもって終了することとなっております。このような特例措置につきましては、適用期限が定まっているものが大半でございまして、期限期間内における施策の効果検証を行いながら、適用期限やスキームを見直すことでより良い税制としていくという形になっております。
 この制度が入れ替わるわけでございますが、両制度の違いあるいは併存する期間の対応などにつきまして、事業者の皆様あるいは自治体の皆様に丁寧に御説明するなどして、負担にならないように配慮してまいりたいと考えておるわけでございます。
 それから、自治体の手続の負担についてのお尋ねがございました。
 現在、この固定資産税をゼロにする特例につきまして、全自治体の約八六%となる千四百九十二の自治体が固定資産税をゼロにするという回答を私どものアンケートに対してなさっているわけでございます。全市町村が基本計画を策定する予定の都道府県も十四ほどございまして、小規模の自治体だからといって全く対応できないということではないとは思うわけでございますけれども、他方、やはり市区町村が導入促進基本計画を策定する際には、経済産業省といたしましても、記載例などの様式を提示する、あるいは不明な点がある場合には個別の相談に応じるなど、小さな自治体でも円滑に対応できるよう丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。
#61
○浜野喜史君 これで最後にしますけれども、昨日の本会議の質疑で、現時点では本措置を導入しないと回答している自治体もあるというような大臣の御答弁があったかというように承知をいたしております。どんな理由でこれ導入しないというようなことを回答されているのか、理由があれば説明をいただいて、これで私の質問は終わりたいと思います。
#62
○政府参考人(吾郷進平君) 今アンケートで導入の理由を網羅的に調査したかどうかと、ちょっと承知しておりませんので、答弁は差し控えさせていただきます。済みません。
#63
○大野元裕君 民進党・新緑風会の大野元裕でございます。
 冒頭、通告しておりませんが、大臣にお伺いをいたします。
 今朝入ってきた日米首脳会談に関する報道ですけれども、総理はアメリカにおける会見で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議を開始していくと述べる一方で、TPPが日本にとって最善と考え、その立場で議論に臨むと述べられた由です。
 大臣、所信でもおっしゃられておられました、あるいは五日の本委員会での小生の質問に対しても、高いレベルの貿易・投資ルールを日米でしっかり作ってそれを世界に広めていくというふうに述べておられました。
 そこでお伺いしますが、アメリカとの間では、総理がおっしゃるように、TPPへの参加を求めるというのが基本線、二国間FTAの協議には乗らないということでよろしいですね。
#64
○国務大臣(世耕弘成君) そのとおりだというふうに思っております。
#65
○大野元裕君 力強い御回答ありがとうございます。
 鉄鋼、アルミニウムに関するアメリカの通商拡大法二百三十二条、これ前回議論させていただきました。日本の鉄鋼、アルミニウムがアメリカの安全保障に脅威を及ぼすことはないと理解を求めたという大臣の御答弁も当時ありました。大臣はまた、WTOのルールに基づく、あるいは申し上げることはしっかりと申し上げるとも本委員会で述べられておられました。
 そうであれば、我が国の国益を最大化するというお立場から、この委員会で答弁されたとおり、日本側としては、二百三十二条の我が国鉄鋼、アルミ輸出への適用は不適切だと、これ述べられました。そして、WTOとの関係を含め必要な対応を検討しているというふうにアメリカ側に明確にお伝えになられたということでよろしいですね。
#66
○国務大臣(世耕弘成君) この二百三十二条が日本に適用になっているということに関しては、アメリカに対してきちっと遺憾の意を伝えるとともに、適用除外されるべきであるということもしっかりと伝えてきております。
#67
○大野元裕君 後段の、WTOの枠組みの中で必要な対応を検討しているともお伝えされたわけですね。
#68
○国務大臣(世耕弘成君) 今の段階では、粘り強く働きかけ続けている段階であります。当然、WTOのルールにのっとった対応を今後していかなければならないというふうには考えております。
#69
○大野元裕君 総理がお帰りになってからのこれ質疑の中でも出てくると思いますけれども、是非国益を重んじて議論をしていただきたいと思っています。
 さて、こちらの、本題の法案の方に入らさせていただきたいと思います。
 まず、先ほど来お話、議論になっていました規制のサンドボックスについてお伺いをいたします。
 フィンテック等の分野では、これまでも、他国においてもこのような規制のサンドボックス制度が適用をされてきました。メンバーと期間を限定することによって、まずはやってみよう、実証してみようと、こういうものであるというものであったと理解をしております。規制そのものは必要性はあったと、しかし、新しい分野等においてはその規制が追い付かない、そういったものに対する対処であるというふうに理解をしていますが、この制度自体は、変革の激しい現在の世界を見回してみれば、特にフィンテック等のまさに制度そのものが新しい、こういった中では必要であろうと私も考えています。
 他方で、それが恣意的に運用されるというようなことがあれば、国民の納得は当然得られません。特に、行政に対する国民の信頼が揺らいでいると行政の長御自身が自覚し発言をされている安倍内閣においては、慎重に考えざるを得ないというふうにお考えになる国民も少なからずおられるのではないでしょうか。
 加計学園の獣医学部設置に関しては、安倍政権の目玉政策として特定の地域を限定して大胆な規制緩和を行うという制度が、加計ありきという政治的意思の下でゆがめて進められたのではないかという報道や疑いもあります。
 愛媛県の備忘録では、当時の首相秘書官の柳瀬氏が、国家戦略特区でいくのか構造改革特区でいくのかはテクニカルな問題であり、要望が実現されるのであればどちらでもいいというふうに述べたというふうにもされており、まさに特区制度が悪用されたのではないかという疑いすら出てきています。また、当時の地方創生推進室次長の藤原審議官におかれては、国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたいというふうに述べておられます。
 これだけ国民の行政に対する信頼が揺らいでいる中で、しかも、新たな規制緩和措置を定める意図に疑いをこの法案持たれても致し方ない、しかも、柳瀬氏も藤原氏も、現在は規制のサンドボックス制度を所掌する経済産業省に戻っておられます。
 大臣、このように、安倍政権、安倍総理御自身が行政の信頼が失われているというようにおっしゃる、その政権の下で、疑惑の渦中にあるお二人が幹部を務める省が新たな規制措置を講ずるといって、国民の信頼を得られ、公正に制度が運用されるというふうに信じていただけるとお考えでしょうか、教えてください。
#70
○国務大臣(世耕弘成君) やはりこの制度の運用に当たっては、公平性や透明性をしっかり確保している、そのことを国民に対して御説明していくことが極めて重要だと思っています。
 具体的には、この規制のサンドボックスである新技術等実証制度においては、事業者から提出される実証計画について、主務大臣のうち、実証による革新的な事業活動を推進する観点から事業所管大臣が、そして当該実証に関係する規制に違反しないことなどを規制所管大臣が、それぞれ判断した上で認定することになっています。また、主務大臣は、計画を認定した場合に、その内容を直ちに公表するということにしています。
 主務大臣は、認定に際して革新的事業活動評価委員会による専門的かつ客観的な観点から意見を聴くことを求められているわけですが、個別の計画を認定するか否かなどの最終判断はあくまでも主務大臣が行うことになっています。
 また、評価委員会においては、ある委員に直接の利害を有すると考えられる議題が上がる場合にはその委員が審議に参加しないこととするなど、公平性について疑念を抱かれないよう運用を工夫していきたいと思います。また、営業上の秘密を除いて、会議又は議事録を速やかに公開することによって議事の透明性も確保したいと思っております。
 こういった仕組みを通じて、実証計画の認定プロセスにおける公平性や透明性を確保してまいりたいというふうに考えております。
#71
○大野元裕君 制度上の担保については後ほどもう少し深めて議論をさせていただきたいと思っていますが、主務大臣が頑張ると言っても、フィンテックについての主務大臣、相当疑われていますよ。国民の信頼を失っています。
 そんな中で、例えば今回の制度についても、先ほど申し上げたように、愛媛文書等ではありましたけれども、国家戦略特区でいくのか、あるいは構造改革特区でいくのか、これ総理案件だからと、こういうような疑いがまさに持たれている中で、今度の制度でも、グレーゾーン制度でいくのか、特区制度でいくのか、あるいはサンドボックスでいくのか、何かこれダブって見えてしまいますよね。
 だからこそ、まずは私は、今日は実は柳瀬審議官も藤原審議官もここに政府参考人としてお越しをいただきたい、そして、この委員会において特区制度をゆがめて悪用したかどうかについての疑惑をただすことがこの法案の信頼を得るためには絶対に必要だったのではないかということでお願いしたんです。
 ところが、国会の一員たる与党側の方から、これは招致必要なしと、こういう話でございました。我々野党がですよ、我々野党がわざわざお二人にお越しをいただいて、政府の、行政府の信頼を改めて確立したいから呼んでくださいと言っているのに、これは関係ないから法案だけしゃべれ、これがまさに今、与党の態度であります。
 この努力を本来行うべき、我々がやってさしあげようと言っているのに、それをやらないどころかそれを妨げる、こんな状況では私は行政府の信頼は得られないというふうに思っておりまして、与党・政府の改めて反省を促させていただきたいと思っております。
 そして、委員長、是非この委員会にお二人の参考人の招致をお願いいたします。
#72
○委員長(斎藤嘉隆君) 後刻理事会で協議いたします。
#73
○大野元裕君 それでは、本件についてもう少し中身に入らせていただき、大臣がおっしゃっておられました中身の担保の部分、特区制度と確かに酷似している部分も一部あるんです。今回の規制のサンドボックスについては、新たに権力を持つ者が自らに関係の深い者のために用意したのではないかという疑いが、目を向けられてしまってはいけません。
 そこで大臣、是非本件に関しては、通常の文書管理の規則というのは政府にあるのはよく存じ上げています。私も政務やっていました。ただ、それ以上の制度というものをきちんと講じなければいけないのではないかと思っております。
 そこで御提案ですけど、内閣総理大臣が任命する評価委員会の議事録、主務大臣の意見聴取の様子、事業者との関わりに関するメモ等、全て保管し、国民の目の前できちんと検証可能にできるような形とするべきではないかと考えていますけど、いかがでございましょうか。
#74
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の評価委員会の議事録、そして主務大臣の委員会に対する意見聴取、そして事業者の申請など、新技術等実証制度の計画認定のプロセスにおいて作成された文書のうち、公文書管理に関する法律上、行政文書に該当するものについては、公文書管理に関する法律に基づき適正に保存することになると思っております。
 また、委員御指摘のとおり、これはやはり公明正大に、透明性を持って選ばれなければなりませんから、例えば事業者がこういう事業計画があるんだけどどうだろうかといって相談に来たときに持ってきたような紙ですとか、あるいは、その後、これ電話でのやり取りまではなかなか記録は難しいと思いますが、これは少し経過としてこの議事録はしっかり取っておかなければいけないとか、あるいはメールでのやり取りとか、そういったものは、今これだけ問題になっているわけでありますから、透明性を担保する上でも、できる限りしっかり保管をしておくということは重要だというふうに考えています。
#75
○大野元裕君 正直、一歩踏み込んでいただいて、私、評価いたします。ただ、保管だけではなくて、是非公開もお願いをしたいと思います。
#76
○国務大臣(世耕弘成君) 保管されているものは、これは開示請求が来れば公開をしなければ、特に個人情報とか営業の秘密に関わらない部分は公開しなければならないということになるわけでございます。
#77
○大野元裕君 評価しますので、是非、そこ応援しますので、頑張っていただきたいと思います。
 規制のサンドボックスは、これまでフィンテックのような分野で相手や期限を限定して他国でも行われており、私も、イギリスやシンガポール、オーストラリア、香港、インドネシア、マレーシア、タイなどのケース、少し勉強させていただきました。ただ、我が国の場合は、このフィンテック等に限られていた制度を、これまで想定できなかった制度を拡大して適用する、そして規制を取りあえず緩和しようという対象の相手をまず検討しましょう、そしてその中でしっかり申請を見ていきましょう、こういった話であったと思います。
 他方で、衆議院の参考人質疑でも指摘がありましたけれども、いわゆるシェアリングエコノミーの分野についてもこれが想定されているのではないかという話がありました。このシェアエコ業界に対する規制緩和については、我々、最も印象が強く残っているのは、三月にウーバー・テクノロジー社がアリゾナ州において自動実験運転やっていたら人身事故を引き起こしたと、これは悲惨なものでありました。これを想起する必要があると思っています。参加者が納得済みで、ある意味インフォームド・コンセントのような形で参加する、そういった範囲内であれば、実は自己の法益内の、つまり金銭で解決できる、こういった被害、これがほかの国々のケースだと思います。
 ところが、取りあえずやってみようはいいんです、お金で解決できる場合はまだですよ。もちろん、お金が失われることも良くはないです。しかしながら、これが人の命に関わるような規制緩和を取りあえずやってみようかということであれば、それはやはり無責任になると思っています。なおかつ、これらいわゆるシェアエコビジネス、ライドシェアみたいなものがそうですけれども、参加する者を時には不適切に安い労働単価となる契約で、かつ責任もその者に押し付けるようなビジネスモデルも存在すると言われています。その中では、我が国での規制のサンドボックスはフィンテックより広げるわけですから、金銭で解決できない、より多様な被害が出る可能性、最悪の場合には人命に関わる可能性も大いにあり得ると私は理解しています。
 そこで大臣、是非これも御提案なんですけれども、事業者が現に自己の範囲内で責任を取れるもののみの緩和は、これはまだ分かる。しかしながら、安全や労働に関する規制については原則除外するべきではないかと思いますけど、いかがでしょうか。
#78
○国務大臣(世耕弘成君) これは、今回の法律の立て付けとしては、事業分野をあらかじめ限定しているわけではありませんので、安全や労働に関する分野での実証でも、制度上は申請いただくことは可能になっております。ただ、当然、実証を行うに当たって生命や身体の安全がもう最重要であるということは、これは言うまでもないわけでありまして、この制度では、ですからこそ、事業者に対して、期間、場所、そして方法を限定、参加者の同意を得ること、そして実験の管理監督を行うことなど、実証を適切に実施するために必要となる措置を講ずることを求めているわけであります。
 仮に安全や労働に関する実証について申請があった場合、安全や労働に関係する規制を所管する主務大臣が、こうした措置が適切に講じられているかどうかも含めてこれらの規制法令に違反するものでないことを確認の上、実証計画を認定するかどうかの判断、それぞれそのときの判断だと思いますが、当然、安全とか身体上の問題ということは最優先で判断基準の中になってくるんだろうと思っております。
#79
○大野元裕君 確認しますけれども、今、合意がある者が入っても、労働なんかの場合には、比較的弱い立場の人たちというものは、当然その合意をせざるを得ない状況というのも出てくるわけですよね。あるいは、安全の場合は、本人が合意したからといって命まで取られるとは本来思っていないわけですから、やはりそこの規制というものについては、先ほどおっしゃられたとおり、優先してなされるということは、安全や労働に関する規制はサンドボックスでは原則緩和されないということでよろしいですね。
#80
○国務大臣(世耕弘成君) これ、まさにその計画の認定に当たって規制法令に違反するものでないということを確認をするということでありますから、もうそれに尽きるんだというふうに思います。
#81
○大野元裕君 規制法令ではなくて、その規制が課されている、例えばライドシェアなんかの場合には、通常タクシーに課されている規制ってありますよね。それは当然、安全に関わるものもあればそうじゃないものもあると思います、例えばですよ。そういったものについては、安全のものについては緩和されないということでよろしいんですねということを実は聞きたいんです。
 なぜならば、先ほど浜野先生の御質問のときに大臣の方からおっしゃられた言葉の中に、万が一事故があった場合には既存の法令に基づいて対処されますというお言葉がありました。これは、既存の法令は当然規制があって、それでもなおかつ起きた場合の既存の法令ですよね。今回この規制が取り払われて、その場合に同じ法律で対応されるというのは、私はちょっとどうかなと思うところもあるんです。他方で、おっしゃるように、サンドボックスの必要性は分かっています。
 したがって、そこの、どこで線引くかというのは、我々、安全やあるいは自己の財産やあるいは生命、労働、こういったものについては当然気になるわけですが、少なくとも労働と安全については、規制については、それはサンドボックスの対象にならない。改めて伺いますけど、いかがですか。
#82
○国務大臣(世耕弘成君) それは、最終的には計画の認定のときに判断されると思いますけれども、この規制法令に違反するものでないということをこれ主務大臣が確認する過程において、まさに労働とか安全に関する規制と適合しているかどうかのチェックが行われることになるんだろうと思います。
#83
○大野元裕君 適合しているかのチェックというのは、要するに、そこは規制の緩和の外にあるというふうに理解をしますが、確認です。
#84
○国務大臣(世耕弘成君) あくまでも、主務大臣によってこの規制法令に適合しているかどうかの確認が行われるということだと思います。
#85
○大野元裕君 それが、一番最初に話申し上げましたけれども、行政の信頼が揺らいでいますから、そこは明確に言わないと、私、今特にこういった時期においては信用できなくなってしまうというふうに思いますよ。
 ちょっと一歩進めますけれども、これ幾つかの制度を拝見しました。イギリスのFCAのような場合、これはフィンテックのもちろん対応ですけれども、には、モニタリングあるいはその定期的な報告が義務付けられています。これは、モニタリングについては国によっても違うんです。シンガポールなんかの場合には、事業者側がそのモニタリングをして、それはただし計画として承認されなきゃいけないんですけど、イギリスなんかの場合は継続的なモニタリングが行われることになっています。
 他方、これは私読む限り、我が国ではサンドボックス制度を適用される事業者の定期報告やモニタリング、法制化されていませんね。なぜですか。
#86
○政府参考人(糟谷敏秀君) 今回の法律におきまして、主務大臣が事業者に対して新技術等実証の実施状況について報告を求める規定をしっかりと盛り込んでいるところでございます。
#87
○大野元裕君 いいえ。最終の報告についてはほとんどの国々で、インドネシア以外かな、求めています。ところが、私が言っているのは、継続的なモニタリングや定期的な報告というふうに聞いています。最終報告はどの国でも求めているし、我が国も書いてあります。
 なぜ我が国はモニタリングや定期的な報告を法制化していないんですか。
#88
○国務大臣(世耕弘成君) 今回の実証制度では、主務大臣が事業者に対して新技術等実証の実施状況について報告を求める規定を設けています。これに基づいて、個別計画に記載された実証内容や実証プロセスについては、これはもう運用上定期的に、また必要に応じて主務大臣が事業者に報告を求めることを予定しています。
 これ、先ほどの別の答弁で答えましたけれども、大体六か月ぐらいの期間を想定しておりますので、そういう意味では、途中の報告をどこかで徴収するという形になるんだろうというふうに思っております。
#89
○大野元裕君 済みません、私の質問に答えていません。なぜ法制化していないんですか。
#90
○政府参考人(糟谷敏秀君) 今回の規制のサンドボックス制度におきましては分野を限定をしておりませんし、申請される計画、プロジェクト、実証の内容も様々であろうというふうに考えております。主務大臣がそれぞれの実証の内容に従って適切な頻度及び内容について報告を受けられるように、包括的に実施状況について報告を求める規定を設けているところでございます。
 すなわち、回数を限定しておりませんので、必要なだけ報告を設けるということが可能になるわけでございます。
#91
○大野元裕君 おかしいですね。今回は我が国の場合には多様な分野に適用する、だから設けられないんじゃなくて、今までのものを広げてリスクが広がるんだから当然法制化してしかるべきじゃないですか。その答弁は私は全く納得ができません。
 なぜ適用する分野を広げるのに法制化しないんですか。もう一度答えてください。
#92
○政府参考人(糟谷敏秀君) 回数であるとか頻度であるとか、そういうことを具体的に規定をしてしまうと、それぞれの計画、実証に適合した報告徴収ができなくなるというふうに考えており、むしろ包括的に主務大臣が事業者に対して報告を求めるという規定を置き、しかも、これは罰則で担保しておりますので、そういうことをもって実証の内容に応じた適切な報告を求めることとしているところでございます。
#93
○大野元裕君 なぜモニターもしていないのに適切な報告があるか、きちんとできているかどうかは分からなかった、あるいは分かった場合に報告を求める規定があるけど、モニタリングしていないじゃないですか。モニタリングは法制化されているんです、イギリスでは。日本では法制化されていません。だとすれば、放置しちゃったらそのままじゃないですか、事故が起きるまで。
 ちなみに、イギリスの場合にはこう書いてあります。それぞれのイノベーションのディベロップメント段階においてそれをしっかりと見ていくということでモニターをするということにフィンテックでもなっているんです。
 広げるんですよ。で、モニターしていなくて、でも求める権限があって罰則がある。これ全然矛盾していませんか。だったらモニターをきちんとするとか、あるいはモニターしないんだったら定期的にやるとか、そういった制度をつくらなければ、これ適用の範囲を広げるんですから、先ほど申し上げたように、自分の財産を失うだけではなくて命まで失われる可能性がある、可能性ですけどね。
 そういったものについて広げていくわけですから、これは慎重に政府としてきちんとした規則を定めないと安心してこれできないし、仮にそれ、結果が出てきても、モニターもしていませんでした、定期的報告もなかったです、でも最後に、最初に想定した設定に従って報告が出てきて、ああ、よかったですね、規制緩和しましょうと、こんな程度でいいんですか。もう一度答えてください。
#94
○政府参考人(糟谷敏秀君) モニターとその報告との違いを我々、余り区別をせずにちょっとお答え申し上げているかもしれません。
 どういうふうに実証を行っているのかということについての実施の状況について報告を求める規定を置いておりますので、この規定に基づいてモニターをすることもできるというふうに考えているところでありまして、まさにモニターをした上で最終的に必要な報告を求めるということになるものと考えております。
#95
○大野元裕君 ちょっと待ってください。モニターをした上でって、モニターはどこに書いてあるんですか、法律の。教えてください。
#96
○政府参考人(糟谷敏秀君) この実施状況について報告を求めるという規定の中でモニターをし得るものと考えております。
#97
○大野元裕君 何でそうやって適当な答弁するんですか。報告とモニターは違うでしょう。報告はそのとおりです。私、先ほどから申し上げているとおり、報告の規定はある、最終的な。それから、定期的な報告の規定、モニターの規定。
 イギリスの場合、ちょっと、もう確実に局長御存じだと思うんですけれども、イギリスの場合には、事業者とFCAで事前に実験の範囲や成果の指標、報告の方法、利用者の保護措置を協議、決定するんですって。これに従って継続的にモニタリングを行う、これ、モニタリングを行う項目まで決まっているんですよ。
 ここの場合には報告を、最終報告は書いてあります、おっしゃるとおりです。ところが、報告を求めることもできる。でも、報告を求めるためには、ある程度何について我々が見ていて、何がおかしいから報告しなさいとやらなきゃしようがないじゃないですか。モニターと報告を混在していませんか。
 もう一度聞きますが、先ほどの質問に戻ります。どこにモニターと書いてあるんですか。
#98
○政府参考人(糟谷敏秀君) 報告として読み得るモニターはこの条文に基づいて求めるということになりますし、また、計画を認定するに当たって条件を付けるという、計画認定の際の条件としてこのような形でモニタリングをすることということもあり得ると思います。
 そうした辺りを、今後、実施計画を定めてまいりますので、そうした辺りでモニタリング、適正なモニタリングがなされるように明確にしてまいりたいと考えております。
#99
○大野元裕君 済みません、質問にまず答えてください。
 これからそういったモニタリングを計画に盛り込んでいく、それはいいことだと思います。私もそこは前向きに評価します。
 その前に、まず聞かせてください。どこにモニターと書いてあるんですか。
#100
○政府参考人(糟谷敏秀君) 法律上は報告という言葉でございます。
#101
○大野元裕君 報告とモニターは一緒ですね。
#102
○政府参考人(糟谷敏秀君) 私ども、報告という中で、今どういう形で実証を実施をしているのか、その実施状況について報告を求めることを想定をしておりまして、それが、先生がおっしゃっているモニタリングに相当するものも含まれるというふうに理解をしておりますけれども、もし報告ということで読み得ないものがあるということであれば、そこは実行計画の基本方針の中でそのようなことも行えるということを明確にしていきたいと考えております。
#103
○大野元裕君 駄目だよ、適当な答弁しちゃ。モニターと報告は、どこに、辞書でもいいですよ、前例の法文でもいいですよ、同じ意味で使っているものがあるなら今持ってきてください。違うんなら違うで立法者の意思として説明するべきであるし、適当な答弁しちゃ駄目ですよ。モニターと報告はどこが一緒なんですか。監視するのと報告って一緒ですか。
 どうぞ、時間止めていただいて、辞書でも結構です、前例の文章でも結構です、法文でも結構です、モニターと報告が同じものが前例があるんなら持ってきてください。
#104
○委員長(斎藤嘉隆君) 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#105
○委員長(斎藤嘉隆君) 速記を起こしてください。
#106
○政府参考人(糟谷敏秀君) 報告を求めることができるという規定を設けておるわけでありますけれども、この報告の中において、実施状況についての報告を求めるということは、まさに実証の実施状況を監視をするということができるというふうに考えております。
 その結果、適切に実施されていないと判断される場合などにおいては認定計画を取り消すという規定も置いておりまして、この報告の結果に基づいて実証の途中で認定計画を取り消す規定も置いているところでございます。
 その意味で、辞書の上でモニターと報告というのは、厳密に、ちょっと今手元にありませんが、違うのかもしれませんが、この法律における報告においては、実証を実施している実施状況をモニターする、監視をするということを含んで理解をしているところでございます。
#107
○大野元裕君 まだ言います。おかしいよ、それ。局長、だって、先ほどおっしゃったじゃないですか、ここには入っていないけど、これからモニターを入れ込んでいく、そういった計画にしていくということもあり得ると思いますって、入っていないということじゃん、だったら、最初から。入っているんだったら、そんな、これから入れますという話じゃないでしょう。
 そこは法律ですから、しかも、ここで答弁したことは、国民や、これから事業者の方々に適用されることですから。取消しの権限があることは分かっています、報告を求めることも分かっています、だけど、モニターって入っていないでしょう。
 私は、さっきも言うとおり、この制度自体は評価しているし、個人的には賛成なんです。というか、党としても賛成しますよ。だけど、そこはきちんと明らかにした上で、運用でモニターで入れるんなら立法者の意思としてここできちんとやる必要があると。大臣、じゃ、答えてください。
#108
○国務大臣(世耕弘成君) 少し諸外国のいろいろ規制の考え方と違うのかも分かりませんけれども、我々は、報告を受けて、そしてその報告をはいそうですかと受け取るわけではなくて、それで実行計画どおりきちっとやれているかどうか、こちらも能動的にチェックをするということなんだろうというふうに思います。
 今委員の御指摘は傾聴に値するところもあると思いますから、その計画の中に、そもそも何らかの形できちっとモニターできるような枠組みも運用上入れていくということはしっかり検討していきたいと思います。
#109
○大野元裕君 大臣がそこまでおっしゃいますからこれで矛を収めますけれども、是非、法律に書かれていること、それから立法者の意思、国民に分かりやすい答弁、これは我々国民を代表してここで議論していますから、そこは是非御留意をいただくとともに、もう一度、済みません、局長にお伺いしますけれども、モニターを今後どういう形で活用していくか、運用していくかについて、明確に整理して御答弁ください。
#110
○政府参考人(糟谷敏秀君) 実証を実施している過程におきまして主務大臣が報告を求めて、その結果によって適切でない場合、すなわち、認定計画に基づいて実施されていないと判断されるような場合には認定計画を取り消すという形で活用していきたいというふうに思います。
 それで、報告を求めるというのは、報告を求めてそこで報告が来るということでありますけれども、あらかじめ計画を認定する段階で、このようなタイミングでこのように報告をしなさいというようなことを条件を付けるということも考えられるわけでありますので、そうした辺りについては実施の計画においてしっかりと明確にしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#111
○大野元裕君 是非よろしくお願いいたします。
 ただ、いずれにしても、今の段階では、先ほど申し上げたように、範囲を広げたと、そこでの限定の問題、それから今のモニターや報告の問題等ありますので、少なくとも今お伺いする限りでは、この制度は私いいことだと思っていますけれども、それを規制を今度緩和していく段階については、やはり国会としては慎重に考えざるを得ないというふうに思っておりまして、そこはあえてコメントとして付けさせていただきたいと思っています。
 済みません、もっとやりたかったんですけど、余り、時間がそろそろなくなってきて、少し進めてまいりますが、安倍政権の経済政策についてはいろいろ評価もあります。特に金融緩和についてはいろんな評価はあるものの、成長戦略については乏しいのではないかという、こういう御指摘が専門家からもたくさんなされています。その結果、実質給与や義務的支出を差し引いた家計支出は右肩下がり、エンゲル係数は上がり続けている、こういった中で、国民の暮らしは厳しくなっています。
 そういった中でも、安倍政権、去年の十二月だったと思いますけれども、新しい経済政策パッケージというのを出されました。これ、額面どおりに受け取るとすれば、生産性革命というものが我が国の潜在成長率の向上と国際競争力の強化を実現する手段となるということだと私は理解をしています。
 では、この新しい経済政策パッケージでは、二〇二〇年までに二〇一六年比で例えば日本の設備投資額を一〇%増加させると言っています。設備投資に関する施策というものは、二〇一八年からやっているようなものもありますけれども、今回この法案の中に含まれて、中小企業に関するものがあります。本法律が施行されると、この一〇%の目標の中でどの程度これは貢献することになるんでしょうか、教えてください。
#112
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のとおり、生産性向上特別措置法案において、データの共有、連携のための設備投資を促進するため、革新的データ産業活用計画の認定制度を創設して、IoT投資に対する減税措置を講じます。
 また、中小企業・小規模事業者の設備投資を強力に後押しするため、今回の法案において認定を受けた中小企業者に対して、自治体の判断によって固定資産税をゼロとする制度を導入しているところであります。現行の中小企業等経営強化法に基づく固定資産税のこれ二分の一にするというやつでありますが、認定の対象になった三・四万者、一・八兆円の設備投資の多くで活用されていると考えているところから、今回の特例措置でも少しでも多くの中小企業に活用していただいて、設備投資を強力に後押しをしていきたいというふうに考えております。
 さらに、今回の法案に基づいて政府として策定する革新的事業活動実行計画では、ものづくり補助金や賃上げや設備投資に真に積極的な企業に対して思い切り税負担を下げる措置など、予算や税制も含めて生産性向上のための設備投資を促す施策を幅広く盛り込んでおりまして、各施策の目標を設定して、毎年度その進捗評価と必要な見直しを行うことにしています。
 こういった施策を通じて企業の設備投資を促進して、この日本の設備投資額一〇%を増加させるという目標の達成に貢献をしていきたいと。一〇%のうち何%かというところまでは、今数字は正直言って持ち合わせてはおりません。ほかの施策も、これ以外の施策もあるものですから、それと合わせながら、また相乗効果のある部分もあると思っていますので、一〇%達成していきたいと思いますし、ただほったらかすんではなくて、できる限りブレークダウンしたKPIをしっかり作って、ここの分野ではこれぐらいの数をしっかりやっていく、これは衆議院での審議も通して、少しダッシュボードのような形でレイヤーで指標を作って、一つ一つの指標がきちっと相乗効果を持っていくような取組をこの法案が成立したらやってまいりたいと考えています。
#113
○大野元裕君 是非それは細かく丁寧にやっていただきたいと思っていますが、他方で、若干疑問なんですけれども、中小企業の七割は営業利益が出ていない赤字企業だというふうに常々言われています。
 一般論としてですけれども、赤字企業はなかなか融資も難しい。それから、赤字企業であるがゆえに、設備投資を新規で思い切って行うという決断を行うことも更に難しいと私は理解をしていますが、ただ、こういった企業の中には、駄目な企業というわけじゃない、優秀な企業で、取組も一生懸命やっていらっしゃる、だけど、設備投資もしたいけどそこまで踏み切れない、そういった企業もたくさんあります。
 そう考えてくると、赤字企業であっても設備投資を促進させるような融資が例えば行われなければ、日本の設備投資額が一割上昇するというものは、やっぱり九九%中小企業ですから、そういった中ではならないんじゃないかと思っていますが、もし大臣、具体的に赤字企業に対する、赤字の中小企業に対する金融支援のスキームや支援という措置があったら教えていただきたいと思います。
#114
○国務大臣(世耕弘成君) 中小企業の設備投資を促進するためには、やはり金融機関による適切な融資というのが非常に重要な手段になってくるわけですけれども、収支が赤字である場合や、あるいは多額の設備投資を計画しているといった場合には、金融機関が、今御指摘のとおり、二の足を踏んでしまうようなケースがあるというふうに考えています。
 このため、中小企業が民間金融機関から借入れを行う際に、信用保証協会が保証を行う信用保証制度を通じて、信用力に乏しい中小企業の資金繰りを支援しているところであります。
 今回の法案においても、多額の資金需要にも対応できるように、市町村から生産性の向上に向けて先端設備を導入する計画の認定を受けた中小企業については、通常の信用保証とは別枠で最大二・八億円の信用保証付融資を受けることができるよう支援措置を講じているところであります。
 また、日本政策金融公庫においても、例えば中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた中小企業に対して、収支が赤字であるか否かを問わないでその設備投資に対する低利融資などを実施しているところであります。
#115
○大野元裕君 是非、これ本当に一割、真面目にやろうと思ったら、私、赤字企業に対する対策も必要だと思いますし、前回の委員会で議論のありました商工中金なんかは実はこの辺の分野で私は可能性のあるプレーヤーだとも思っていますので、そこは是非お願いしたい。
 その上で、中小企業庁にお伺いしますが、労働生産性に関する大企業と中小企業との当然格差はあります。その格差が逆に拡大しているという、そういう指摘が、資料がありますけれども、これ御説明いただきましたけれども、その理由というのはどこにあるんでしょうか。
#116
○政府参考人(吾郷進平君) 大企業と中小企業の生産性格差の要因の一つとして、中小企業が大企業に比べて従業員一人当たりの機械設備などの資本ストックが低いということがあるのではないかと考えておるところでございます。資本ストックの差分を埋めるための設備投資も、中小企業におきましては大企業に比べて低水準で推移をしておりまして、こうした中、労働生産性の格差も拡大してきたものと承知しております。
 このため、中小企業・小規模事業者のIT投資を含む設備投資を強力に後押しすることが重要と考えておりまして、今回の法案でも、認定を受けた中小企業者に対しまして、自治体の判断により固定資産税をゼロにする制度、あるいはIT導入支援のためのITベンダーなどの認定制度を新たに導入しているところでございます。
 また、平成二十九年度補正予算で措置をしたものづくり補助金、IT補助金なども併せまして、法律、予算、税制などあらゆるツールを総動員して、中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援してまいりたいと存じます。
#117
○大野元裕君 支援の前に、きちんとした原因をやはり把握する必要があると思っています。
 おっしゃるとおり、資本ストックが低い、もちろんIT化とか、これは一つの、私も回答の一つだろうと、これは同意をいたします。他方で、中小企業の所有している設備は、中小企業庁さんに教えていただきましたけれども、特に老朽化が進んでいるというふうに教えていただきました。これが生産性向上の足かせにもなっている。
 ところが、その一方で、少子高齢化あるいは人手不足、働き方改革への対応等の厳しい事業環境を乗り越えるため、老朽化が進む設備を生産性の高い設備へと一新させ、事業者自身の労働生産性の飛躍的向上を図るという、経産省さんの資料をこのまま読んでいるんですけれども、と書いてありますけれども、ということだとすると、中小企業経営者が新規設備投資を行えない理由は目先の固定資産税の負担なんでしょうか。それとも、その前に書いてあった、少子高齢化や人手不足という将来への不安があるから、多少の、もちろん減税されるのはいいことです、彼らにとってはね。それは、その減免はいいことなんだけど、いいことなんだけど、それ以前の問題として、少子高齢化や人手不足の問題というものが大きく横たわっているんじゃないか。しかも、その資料によると、少子高齢化や人手不足、途中、ごめんなさい、省きますが、少子高齢化や人手不足を乗り越えるため、生産性の高い設備へと。
 これ、生産性の高い設備にすると少子高齢化や人手不足の問題は解消するんでしょうか。
#118
○政府参考人(吾郷進平君) お答え申し上げます。
 固定資産税は、経営の苦しい赤字企業も含めまして、所有する資産に対して毎年課税されるものでございまして、やはり企業にとって相応の負担になっているものと認識しております。
 先ほど大臣からも御紹介させていただきましたが、平成二十八年七月に施行しました経営強化法に基づく固定資産税の特例につきましても、平成三十年二月末時点で四万九千者が認定を受け、新規設備投資をした者は三万四千者、対象となった設備投資は一・八兆円ということでございまして、そのうち多くの事業者が固定資産税を三年間二分の一に軽減する措置を活用していると考えております。
 経済産業省が昨年十月に実施いたしました調査によりますと、この特例を活用した約七五%の企業が固定資産税の軽減を受けることにより新たな設備投資を行うことができたという御回答をいただいておりまして、固定資産税の軽減が設備投資を後押しする効果が一定あるというふうに考えております。
 設備投資による生産性向上を通じまして、同じ人数でこれまで以上の成果を上げることが可能になるわけでございまして、そういう意味では、高齢化や人手不足といった課題に対しましても一定の効果が発揮されるのではないかと期待しているところでございます。
#119
○大野元裕君 いや、全く私、否定していないんです、さっき言ったとおり。否定していないんです。ただ、問題が、もし経産省さんが設定されている問題意識自体が、先ほど申し上げたように、高齢化、人手不足、働き方改革への対応だとすれば、これへの解答では必ずしもないんじゃないかと聞いているんです。
 大臣に伺いますけれども、起業家にとって高齢化と意欲の有無というのはもちろんイコールではありません。お年を召していようが若かろうが、意欲のある方は当然あります。ただ他方で、高齢化している経営者や従業員が多い中で人も簡単に雇えないようでは、将来不安というのは当然出てきます。あるいは、仮に償却の期間が何年かは別としても、一定の新規の投資をしようとするのはやっぱりそれなりの中小企業にとっては負担ですから、決断が要ります。三年間の減免措置であるとしても、その先の問題も当然ある、多額の負担を抱え込むわけですから。
 こういった設備投資をするためには、私、事業継承というのも別途出てきはしていますけれども、さはさりながら、別なレシピというものも必要ではないかと思うんです。
 そこで大臣に伺いたいのは、もう時間がないのでこれ聞きますけれども、生産性革命の章において、政府は新しい経済パッケージ、生産革命のところで、二〇一八年度以降三%の賃上げを行うというふうに言っています。労働生産性の計算式は、もう大臣よく御存じのとおり、経常利益と人件費と設備投資を足して、それで労働投入時間で割る。そうすると、確かに人件費三%上がればこれ満たすんじゃないか、満たすんじゃないかと、労働投入時間が変わらなければですよ。
 要するに、これは計画自体がどうやって作るのかというので、もし政府の言うとおりであれば、全企業当てはまるんじゃないんでしょうかね。ちょっとそこを教えてください。
#120
○政府参考人(吾郷進平君) 先生御指摘のとおり、この先端設備導入計画におきましては、その認定の要件といたしまして、年平均三%以上の労働生産性の向上が見込める場合ということでございます。
 したがいまして、出てきた付加価値、三%増えた一人当たりの付加価値をどのように配分するのか、賃金に充てるのか減価償却費に充てるのか営業利益に充てるのかと、これは問わないわけでございまして、そういう意味では、先生のおっしゃるとおり、賃上げをする企業も当然対象になるものと考えております。
#121
○大野元裕君 そうすると、済みません、政府の言うとおり三%の賃上げをみんながやるんだったらば、どの企業も当てはまるということになってしまうんで、もう少し言うと、日本の中小企業九九・七%、そしてさらに、小規模企業は八七%とされています。もちろん、いろんな小規模企業あるんでしょうけれども、小規模企業というのは従業員二十人以下、商業、サービス分野では五人以下というところで、私、埼玉の川口というところなものですから、いっぱいそういう小さい会社あります。そういうところでは、御家族で経営されている、あるいはプラスアルファ何人かで経営されているようなところもたくさんあるわけですけれども、これ、もしこの計算式に当てはめてちょっと考えると、人件費って、これそのときの企業の決算見ながら幾らぐらいにするかなんて話にもなりかねない。
 それから、労働の投入時間、これ家族でやっていますから、きちんと多分タイムカードも押していない、でも、一生懸命やっているんですよ、そういう企業は駄目だというんじゃないんですよ、一生懸命やっているんです。そうすると、これ計画自体に、申請のときの計画でいかようにも小規模企業の場合にはなってしまうのではないか、労働生産性の三%向上、これを計算式に入れ込むときに、減価償却費だけはきちんと決まっていますけど、あとはどうにでも、操作というとちょっと言い方悪いですけれども、ちょっと言い方悪いですけど、でも、できてしまうのではないか。
 そうすると、この計画自体を作るときに、地方公共団体がどのような形で正確な、小規模企業に対する労働生産性を真に向上させるような計画を担保するような指導をするんでしょうか、教えてください。
#122
○政府参考人(吾郷進平君) この固定資産税の特例制度では、事業者の方に、市町村に認定を求める際に、通常中小企業が作成している決算書等による現状の経営状況を前提にして、営業利益や人件費等から算出される労働生産性について、それらを向上させる取組を計画に記載していただくわけでございます。
 その計画の内容や目標の達成が見込まれるかどうか等については、税理士等の士業あるいは金融機関などを含む認定経営革新等支援機関に第三者の立場で御確認いただく、そういう運用にしようと今考えているところでございます。加えてまた、経済産業省といたしましても、記載例や算出方法などを提示するなど、事業者の申請をサポートする予定にはしております。
 ただ一方で、余り厳しく計画の正確性を求めるというような形になりますと、逆にその制度を活用する事業者が限定的になるということもございまして、例えば雇用が増加をして、結果、労働生産性が目標を下回ったようなケースに、すぐにその計画の認定を取り消すとかいうような形になりますと、これも不都合がございますので、そうしたことのないように、その運用に当たっては柔軟な対応をしたいと考えているところでございます。
#123
○委員長(斎藤嘉隆君) 大野君、時間ですので。
#124
○大野元裕君 時間が来ておりますのでこれでまとめますけれども、いや、厳しくしてとは言っていません。ただ、地方自治体ですから、そこのルールの基準は明確にした方がいいよという話をさせていただいております。
 今日は、正直まだまだ質問したかったんですが、途中で時間が掛かってしまって全部質問ができませんでした。お昼休みがなくなると国会議員の労働生産性にも関わるものですから、これで質問を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
#125
○委員長(斎藤嘉隆君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ─────・─────
   午後一時開会
#126
○委員長(斎藤嘉隆君) ただいまから経済産業委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、生産性向上特別措置法案及び産業競争力強化法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#127
○宮本周司君 自由民主党、宮本周司でございます。
 午前に引き続きまして、生産性向上関連二法に関しまして質問をさせていただきます。
 参議院に入りまして、今日から実質的な審議スタートということもございますので、最初に、まず全般的なことを副大臣の方にお伺いをいたしたいと思います。
 第四次産業革命が進展をいたしまして、IoT、またAIといった、いわゆるIT分野での技術革新によって社会経済構造が急激に変化をしてきております。こういったまた状況下で第四次産業革命によって急激な変化が起こる中で、やっぱり我が国の産業構造の在り方、これにも大きな変化を迫るものであると思っていますし、午前中の質問の中にも出ておりましたが、少子高齢化による労働人口の減少といった今我が国産業が全体的に直面している課題、こういったものを解決するチャンス、またツールにもなるんじゃないかなと考えております。こういった状況に対応させるために、新たなIT技術を活用する、また我が国の労働生産性を飛躍的に向上させる生産性革命を実現する、これが今回の目的になっておるわけでございます。
 生産性革命を実現するための柱といたしまして、今般、生産性向上特別措置法案と、また産業競争力強化法の一部改正法案、これが提出されたものと認識しておりますが、これらの法案を通じて生産性革命をどのように実現をしていくのか、この見解を伺いたい、これが一点目でございます。
 そして、あわせて、この生産性向上をすることは大変有益なことだと思っているんですが、やはり地域に根差した中小企業、特に小規模企業や小企業、こういったところが耐えられない若しくは対応できないことによって、周りはいわゆる効率化若しくは生産性向上が進んでいくんだが、自社においては人員の確保に大変なまた支障を来すんじゃないか、若しくは生産性革命を進展することが同時に人員削減にもつながるんじゃないか、若しくは新陳代謝が進んでいく中でもやはり対応困難、若しくは経営に影響を及ぼすような小さなところにおいては、結果としてですよ、結果として経営を断念しなければいけない、そんな事態を引き起こすことにもつながりかねない。
 そういう意味では、経営基盤の脆弱な小規模企業、小企業、こういったところにもしっかりとそういった負の影響が出ないように措置をしながら、それでもやはり中小企業、小規模企業もそれぞれの強みを生かして成長するためには、この生産性革命を強力に推し進めていかなければいけないと思っております。
 あわせて、経営基盤が脆弱な小規模、中小に対して負の影響を及ぼすことなく、いかにこの生産性革命を推進していくのか、この点も併せて御答弁をいただけたらと思います。
#128
○副大臣(西銘恒三郎君) 宮本委員御指摘のとおり、前段の部分ですけれども、第四次産業革命による急激な変化をチャンスと捉えるべきだと考えております。IoTやAIなどの技術革新、この成果をフルに活用して生産性革命を実現することが重要だと考えております。
 このため、去年の十二月、新たな経済政策パッケージに掲げられた生産性革命集中投資期間に合わせて、短期集中であらゆる施策を総動員して、我が国産業の国際競争力を図る基盤を固めるために、今回二つの法案を提出をしております。
 具体的には、これらの法案で、第四次産業革命時代の新たな技術を活用したイノベーションを促進し、生産性の向上を図り、また、そのための規制のサンドボックス制度や革新的なデータ産業活用計画の認定制度を創設するとともに、産業革新機構の機能強化、これ、投資の機能、名称も変わっていきますけれども、事業再編の円滑化措置などを講じることとしております。これからの時代は、人、物、金の要素のほかにもデータという要素が大きく関わってくるものと認識をしております。加えまして、予算や税制を含め、関連施策を幅広く盛り込んだ実行計画を策定し、毎年進捗評価と必要な見直しを行うPDCAの仕組みを構築してまいります。
 また、先生が御指摘された地域の経済、雇用を支える中小・小規模事業者におきましても、この大きな第四次産業革命の流れの中に取り残されることがないように、生産性革命を実現していくことが重要だと考えております。このために、今般、自治体の判断によりまして固定資産税をゼロとする新たな制度を創設して、設備投資の強力な後押しとしてまいりたいと考えております。
 さらには、事業によっては、この会社にとって必要でない部分が別の会社にとって重要な部分というところも出てまいりますので、そういう部分も含めて、MアンドA等によって親族以外の方が事業承継ができるような、そういう体制も経営支援体制の強化などの措置として取り組んでまいります。
 この二つの法案の着実な施行によりまして、中小・小規模事業者を含めた生産性革命の実現に万全を期してまいりたいと考えております。
#129
○宮本周司君 ありがとうございます。
 やはりこのことが雇用を軽んじるような政策になってしまわないように、やはり大企業、中小、小規模それぞれにしっかりと目くばせをしながら、運用また実施をしていただけたらと思います。
 関連してですが、人工知能、IoT、第四次産業革命が進む中で、世界的規模で技術革新が起こっております。我が国といたしましても、昨年、世耕大臣、コネクテッドインダストリーズを打ち出しまして、これを中心にいろいろな政策を今具現化されていると認識をしております。このコネクテッドインダストリーズに関しましては特別な税制措置もあると認識しておりますが、確認しましたら、最低投資合計額が五千万円、最低です、最低の投資合計額が五千万円です。中小企業の利用が多いかというと、やはりこのクラスになると、なかなかこれを利用、活用できる中小企業というのは限られてくるんじゃないか。その意味においては、中小企業にとってこのコネクテッドインダストリーズというものは果たしてどういう存在になるんだろう、このことに少し疑問であったり、若しくは政府の見解を求めたいと思っております。
 当然、中小企業においても、データの利活用、またデータ連携等を促進していくことは重要であります。ただ、やはり大企業中心でこのことが進んでいくのではないかという懸念もありますし、また、コネクテッドインダストリーズ進めたいと考えていても、やはり先ほどの金額じゃないですけれども、中小企業、小規模企業になったら、そのメリットが十分に理解できない、若しくはIT化を進めていく上でも資金的になかなか対応できない。いろいろな形でこの動きそのものに、先ほどの質問にも重複しますが、この動きそのものに置いていかれる、そういった中小、小規模も出てきてしまうんじゃないか、このように懸念するところでございます。
 グローバルな産業戦略であるこのコネクテッドインダストリーズ、大企業だけじゃなくて中小企業にも広げていく、特にそのメリットと参画を促していく手法、これについてどのようにお考えか、是非お聞かせをいただけたらと思います。
#130
○政府参考人(前田泰宏君) お答え申し上げます。
 コネクテッドインダストリーズは、御指摘のように、データがつながっている、こういう状況の中でグローバルな勝ち筋をつくるということですけれども、一方で、同時に、人手不足の解消であるとか、あるいはIT化を進めたい中小企業にもそのメリットがあるようにというのは御指摘のとおりでございます。
 具体的には、このコネクテッドインダストリーズの実現に向けた中小企業の支援といたしまして、例えば平成二十九年の補正予算、ものづくり・商業・サービス補助金、これ一千億円にまず一つは拡充をした。その中に、複数の中小企業がデータ、情報を共有して生産性向上を目指す取組を支援するために新しい類型を設けております。企業間のデータ活用型の補助類型を今回創設をして、データ連携を進めていこうということが一つ。
 二つ目でございますけれども、今度は中小サービス業、念頭にございますが、IT化を進めるために、平成二十九年度の補正予算で五百億円を確保いたしまして、今のところ約十三万者を予定しておりますけれども、そこを支援しようと。その際、その中小サービス業がIT化を進めるのに使ったツール、これを評価をし、どういうツールが使い勝手が良くて効果があるのかということが分かるような形で公表して、そのいわゆる利用を促進したいと。
 さらには、今後三年間でIT化などを中心とした中小サービス事業者の生産性向上をするために、百万者規模で推進していくために、関係省庁や支援機関を幅広く結集させた中小サービス等生産性戦略プラットフォームを二月に発足させました。ここでノウハウ、成功事例を横展開していきたいと、こういう仕掛けもつくっておりまして、いずれにいたしましても、コネクテッドインダストリーズの実現に向けまして、中小企業の支援を強化してまいりたいというふうに考えております。
#131
○宮本周司君 今御説明いただいたように、例えばそういったコネインによりまして様々な企業がデータを介してつながっていく、でも、つながればつながるほどやはりサイバー攻撃の脅威、こういった機会も広がっていくんじゃないかということも懸念されます。ですから、そういう意味におきましては、このサイバーセキュリティー対策、ここも重要になると思っております。
 このサイバーセキュリティーに関しましては、その脅かす手口といいますか、高度化していっていると思いますし、具体的にどんな局面でどういう対策を打てばいいか、このことに関しましては、やはりなかなか専門機関とか専門部署を置けない中小企業が対応するには限界があるんじゃないか、このように心配をするところでございます。
 我が国全体として、このコネインの推進と併せまして中小企業も含めたセキュリティー対策、これを講じていくことが必要と考えますが、その点に関しましてはどのように今お考えでしょうか。
#132
○副大臣(西銘恒三郎君) 宮本委員御指摘のように、コネクテッドインダストリーズという概念で様々なつながりができてきますと、このつながりが広がれば広がるほど、悪意のある者にとってはサイバー攻撃のチャンスがそれだけ広がっていくということにもなります。このため、コネクテッドインダストリーズの推進とサイバーセキュリティーの対策の強化は表裏一体、一体的に推進することが必要だと考えております。
 このような認識の下で、経産省では、これまでに中小企業が優先的に取り組むべきセキュリティー対策などを示したガイドラインの作成や、このガイドラインに基づく対策を実施していることを中小企業自体が自己宣言するセキュリティーアクション制度という制度活用を促進をしてきております。
 さらに、小規模事業者の方々では人材的にもこの辺の疎いといいますか弱いところがあろうかと思いますが、まさに明日、四月二十日から公募が始まるIT導入補助金、これ五十万円規模のイメージをしておりますが、全体の予算が五百億円で、このIT導入補助金においては、セキュリティーアクション制度の自己宣言をすることを申請要件としております。中小企業の生産性向上に資するITツールの導入も支援してまいることになっております。
 また、今後、コネクテッドインダストリーズにおいて、サプライチェーン全体のサイバーセキュリティー対策を強化するためのフレームワークを策定しまして、中小企業・小規模事業者などが実施すべきセキュリティー対策の具体化などに取り組んでまいります。
 こうした取組によりまして、コネクテッドインダストリーズの推進とサイバーセキュリティーの対策を一体的に、中小企業・小規模事業者を含めた形で取り組んでまいりたいと考えております。
#133
○宮本周司君 ありがとうございます。
 また、このデータのみならず情報という観点からも、今回の法案の方で情報漏えいに対してのまた措置も新しく設けられると認識しています。企業自身の競争力を損なうことにもつながりかねないこの情報の漏えい、信用力にも当然影響を与えるものと認識しております。
 そのような環境下で、今回、産業競争力強化法の改正の方で技術等情報の適切な管理の認証制度、これが提案をされております。企業における情報管理措置が一定水準にあることを認証する機関に係るそういった制度というふうに理解をしておりますが、この制度による認証の取得、これもやはり大企業のみならず中小企業にとっても重要であると考えます。
 この技術等情報の適切な管理の認証制度につきまして、中小企業にとっての意義、この部分に関して是非お聞かせをいただけたらと思います。
#134
○政府参考人(多田明弘君) お答え申し上げます。
 昨今、先ほどお話のありましたサイバー攻撃だけではなくて、紙などの情報媒体を通じ、あるいは人を介して、企業にとって競争力の源泉の一つであります技術等の情報が社外に流出してしまうと、こういった事態が散見されるところでございます。委員御指摘のとおり、万一こうした事態が発生いたしますとその企業に対する信用に影響を与えるということもありまして、企業においては技術等情報を適切に管理することの重要性が高まっているという状況にございます。
 また、共同研究などのオープンイノベーションに取り組む際には、自社内の管理のみならず、相手方がしっかりしているかどうか、相手方が技術等情報について適切な管理が行われているかといった点をしっかり確認できなければ安心できないと、こういった声も聞かれるような状況でございます。
 さらには、先ほど話題となっておりましたコネクテッドインダストリーズのコンセプトの下で他の企業とつながっていこうという企業にとりましても、これは大変、自分のところで技術等の情報の適切な管理を行っているということをしっかりと相手方に説明をしていく、こういったことが生じております。とは申しましても、中小企業にとりましては、自らがしっかり適切に管理していますということを説明するだけではなかなか相手方の納得が得られない、こういった状況にございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、今回の法案で技術等情報の管理の認証制度、御提案申し上げておりますが、これは企業自らが一定の基準を満たす方法、体制によって技術等情報の管理を行っているということを明らかにする一つの手段といたしまして、自分ではなくて第三者性を有する認証機関による認証を受けると、こういう仕組みを用意させていただいたものでございます。
 今回の認証制度によりまして、中小企業が自らの行っています適切な情報管理について、信用力の確保だけではなく、外部からの予測可能性というものを高めまして、オープンイノベーションへの参画、あるいはコネクテッドインダストリーズへの参画といったものを容易にする効果を有するものと認識しておりまして、これらを通じまして中小企業の競争力の強化につながるものと考えております。
#135
○宮本周司君 でも、実際、中小企業の方で資金面とか人員面とか、そういった経営リソースにやはり限界があると思います。適切に情報を管理していくということは大変重要なことだと今も認識いたしましたし、当然、中小企業であっても小規模企業であっても、それはチャレンジをしていかなければいけないと思います。
 でも一方で、それを、しっかりと情報を守るべきものを見極めていくとかその体制をつくっていくとか、やはり認証を取得する以前のところからきめ細かい支援をして、中小企業、小規模企業でも十分にこのことに挑戦ができるようにしなければいけないと思いますので、そのもう少し具体な取組をお聞かせいただけたらと思います。
#136
○副大臣(西銘恒三郎君) 宮本委員御指摘のとおり、多くの中小企業において、経営リソースに限りがある中でこの認証制度を取得していこうということは負担にもなりかねないと思いますが、この技術等情報の適切な管理という新たな挑戦にほかならないと考えております。
 中小企業におけるこの認証の取得を促すためには、認証を受ける前の段階から、例えば、過度な経営リソースの投入、投資にならないよう、競争力の源泉となっている技術など確実に守るべき情報をしっかりと特定した上で必要な措置を講じていくことが重要だと考えております。
 このため、認証機関の業務として、技術情報等の管理に関する指導、助言を位置付けております。特に、認証機関が中小・小規模事業者に対して指導、助言を実施するに当たっては、中小企業基盤整備機構から認証機関への情報提供等を行うことができるように規定し、中小・小規模事業者の実情に応じて、真に守るべき技術等の情報を、見極めも含めて、認証機関が中小企業に対して適切な指導、助言が行うことができるようにしております。
 また、具体的な情報の管理のための方法としての認証に係る基準についてでありますが、商工会など中小企業の身近な相談相手となる支援機関も含めて産業界に対して広く説明を行っていき、認証を取得するために必要となる措置についての理解を深めていくことも努めてまいります。
 他方で、この認証の取得のために費用なども必要になることは事実であります。そのため、認証機関では、認証取得が中小・小規模事業者にとって費用と効果の面で十分にメリットが感じられるようなサービスを提供していくことも重要だと考えておりまして、複数の認証機関がお互いに提供するサービスの質を競い合うような仕組みを取り入れて、より良いサービスを提供していくことを期待をしております。
 経産省としましても、法律施行後、中小企業の認証取得の状況等を把握しつつ、必要な対策を検討することなど、中小企業の認証の取得を促進していくために環境整備を進めてまいりたいと考えております。
#137
○宮本周司君 経営基盤が極めて弱い立場でございますので、中小・小規模のやはり現地、現場の状況、これをしっかりと見た中で、今後運用面でも丁寧に御対応いただけたらと思いますので、よろしくお願いいたします。
 ずっと中小企業になぞらえて質問をしておりますが、私自身、中小企業というよりは小規模企業の経営者でございまして、明治九年に創業した、小さい小さい、株式会社ではありますが、造り酒屋を経営しております。僕自身は今から十八年前に事業を承継しまして、そのときには当然、今回実現していただいたような破格の抜本的な改革のような事業承継税制というのはなかったんですが、今回大変チャレンジをしていただきまして、特にこれから事業承継を考える、そういった経営者、後継者にとっては温かい風が送られたと思っております。
 ただ一方で、この制度そのものは、私自身も実は税制の自民党内の議論の中でこの事業承継税制の取りまとめの担当をさせていただきましたので思い入れはあるんですが、これはこれで実現することができたのは大変うれしいと思っています。二年前には、それこそ類似業種比準方式で、大企業の株価に牽引されて実際の中小企業の株価の評価額がちょっと乖離しているんじゃないかというようなことも一生懸命議論をして、係数の組替えとか考えておりましたので、今後十年間はまずその悩みから解放されるんだろうなと思っております。
 ただ一方で、今回はやはり株式会社の一定規模のところが対象となったわけでございますが、やはり小企業、小規模企業であったり個人事業者、こういったところには今回のこの事業承継の恩恵というのは届かないわけなんですね。ただ、我が国の小規模企業のもう半数以上を占めるこの個人事業者のことを考えますと、また地域に根差して、僅かかもしれませんが、その雇用もしっかりと地域の中でつくり守ってきている、こういった小規模事業者がしっかりとやはりそれぞれにおいて事業を承継していく、その環境をつくってあげなければいけない、このように思っております。
 ですから、そういった意味での小規模事業者、個人事業者への事業承継の環境を今後どのようにその支援を拡充していくおつもりか、このことに関しましても是非お聞かせをいただけたらと思います。
#138
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。
 念のため申し上げますと、御案内のとおり、小規模事業者の方でありましても、会社形態を取っておられれば基本的には今回の事業承継税制の拡充の対象にはなるということで御理解をいただければと思います。また、個人事業主の方につきましては、御案内のとおり、元々事業承継税制ではなくて、小規模宅地等の相続税の特例制度というのがあるのは御案内のとおりでございます。一方、税制だけではなくて、予算措置も含めた総合的な支援というのが事業承継に当たりましては大変重要であると、このように認識をさせていただいております。
 幾つか事例を申し上げますと、御案内のとおり、事業承継に当たりましては、様々な専門家の知見が必要であるということと、それと早め早めの気付きが必要であるという、こういう御指摘がございます。事業承継ネットワークという関係者が一堂にネットワークを組んで事業承継の様々な課題を総合的に解決をさせていただく、早め早めに背中を押させていただくというネットワークの全国展開により、早期の取組の開始を促させていただきたいと思っております。
 また、後継者難の事業者とビジネスを拡大しようとする事業者の皆さんとの間でマッチングをやっていくということも大変大事だと思っております。事業引継ぎ支援センターの体制の強化というものも行わせていただきたいと思っております。
 また、事業承継を一つの契機といたしまして、まさに生産性を上げていく、経営革新を行っていただくということで、設備投資などの資金支援の大幅な拡充なども後押しをさせていただきたいと、このように思っております。
 引き続き、小規模事業者、個人事業主の皆様方の事業承継に係る課題を一つ一つ丁寧に把握をさせていただきまして、今後とも引き続き支援策の在り方について検討させていただきたいと、このように思っております。
#139
○宮本周司君 ありがとうございます。
 土地の方の特例は認識はしているんですが、個人事業者であっても、例えば建物そのものが事業用に有するような形態もございます。ただ、それがどこまでが個人居住用で、どこからが事業用なのかというこの線引きの難しさもありますから、過去からこの議論は尽きないところではございますが、引き続きしっかりと充実ができるように御努力もお願いしたいと思います。
 この事業承継に関しまして、実際、私も会社を経営する以上は借入れをしなければいけない、その融資の段階におきましては、いわゆる経営者、私自身の個人保証というものを入れております。
 三年前、四年前だったと思いますが、経営者保証に関するガイドラインを出していただきました。そのことに対して、地域金融機関に対してもそのメッセージを出していただいておりますが、先般お聞きしましたら、事業承継時に新しい経営者の方々に、もうやはり七割弱は個人保証が求められている、これはいまだに求められている、こういった実態だそうでございます。やはりこういったものも一つ事業承継を決心することの妨げにもつながるんじゃないかと思っていますし、もう一つ聞いた情報では、先代の経営者と新しく事業を承継した後任の後継の経営者が両方とも重複して個人保証をしていると、こういった案件も経営者の個人保証が付いた融資件数のうちの三割とか四割はあるというふうに聞いております。
 やはりこの部分もしっかりと、ガイドラインを出した以上、現地、現場におきましてもそのことに理解をしていただく。当然、そのときには事業の部分がしっかりと確立をしていなければいけないというものもあるわけでございますが、例えば事業承継をきっかけにして、当然金融機関の目利きというものも必要になってくるとは思いますが、やはり事業計画であったり将来性がしっかりと確認される場合におきましては、例えばそういった個人保証を外すという措置をするとか、いろいろな検討もこれからはできるんじゃないかなと思います。
 経営者保証に関するガイドラインに沿った新たな経営者の個人保証、これの個人保証に依存しないような融資の推進、これも必要と考えますが、このことに関しましては中小企業庁の方ではどのようにお考えでしょうか。
#140
○政府参考人(安藤久佳君) お答え申し上げます。
 税制などをせっかく整備をさせていただいても、今おっしゃったような個人保証が制約となって事業承継を妨げるようなことになりますと、これはまた大きな障害になると、このように認識をさせていただいております。
 おっしゃいますように、平成二十六年の二月から経営者保証に関するガイドラインというものを運用をさせていただいております。経営者保証によらない全体像の数字につきましては、ここ二、三年で一定の進展はあると、このように認識をしております。また、事業承継につきましてもこのガイドラインの中で特に特記をさせていただいておりまして、今委員が御指摘のようなケースにできるだけならないように、事業承継というものを一つの契機として前の経営者の保証を解除するとともに、あわせて新しい経営者の保証も極力求めないと、こういうような対応をできるだけ促しているところでございまして、まだまだ不十分でございますけれども、こういう事例も出てきているところでございます。
 やはりこれは金融機関との関係でございますので、金融庁、そして金融機関との連携がとにかく一番大切である、このように認識をさせていただいております。
 私どもとしては、金融庁としっかり連携をいたしながら、金融機関の皆様方から中小企業の皆様方の方に、こういったガイドラインの存在なり中身についてむしろ金融機関から働きかけていただくということで、ガイドラインに関するチラシ二百万枚、商工会議所、金融機関合わせてこういった配布をさせていただく広報活動や、あるいは中小企業基盤整備機構による経営者保証に特化をいたしました専門家の派遣制度、こういったようなものの御支援を行わせていただいております。
 まだまだ不十分でございますので、引き続き、金融庁、金融機関と更にしっかりガイドラインの趣旨が中小企業・小規模事業者の皆様方の現場で生きる形になるように最大限努力をさせていただきたいと、このように思っております。
#141
○宮本周司君 是非こちらの方も、金融庁との連携も含めて、やはり当然、失敗をしようなんていう経営者はいないわけでございますので、ただ、万が一のときの再チャレンジの可能性、こういったところも環境として準備できるようにまたお取り計らいをいただけたらと思います。
 そういった様々な制度がまた具現化したり改正する中で、当然、中小企業、小規模企業のみでは対応できないものがありますので、それを支援する側、ここに求められるものというものもまた増えてきていると思います。
 今回、認定支援機関制度に関しましてもその内容に改正があると認識をしております。実は、今のこの認定支援機関制度がつくられるきっかけになったのが、多分、平成二十四年に立ち上げられた、当時、枝野経産大臣だったと記憶しておりますが、ちいさな企業未来会議、あれがきっかけになったと思います。
 実は私、石川県枠の小規模経営者でコアメンバー百三十名か四十名の中に選んでいただきましたし、そのうちの十名、十名でつくる運営委員会の委員と草の根委員会の委員長、両方やらせていただきました。あのときに、いろんな議論の末にこの認定支援機関制度が生まれてきたと思います。
 ただ、午前中にも浜野先生が、固定資産の特例に関しましてころころ変わっているんじゃないかというような御指摘もありましたが、この支援機関の支援スキームそのものも、僕はころころ変わっていたということをあのときに民間の立場で文句を言っていた一人でございます。
 ちょうど福田内閣から麻生内閣に替わる頃に、地域力連携拠点事業というものが生まれました。地域の中でそれこそ金融機関も関わって拠点になっていただく。ワンストップで、どこに相談を持ちかけても、金融機関であったり商工会であったり様々な支援機関がちゃんと連携をしてワンストップでそれに対応していく、すばらしいスキームができたと思っておりました。
 ただ、その後いろいろな形で、政権の変化もありまして、仕分に遭って地域力連携拠点事業がなくなり、その後が中小企業応援センター事業、そしてそれがまた一年か一年半たったら、今度、中小企業支援ネットワーク強化事業、そしてその後にこの認定支援機関制度を含めた、いわゆる俗にその当時はプラットフォーム事業と呼んでいましたが、一年、一年半でころころころころこの支援スキームが変わっていって、その都度、都道府県にこうやれ、ああやれと。まあ正直、あのとき私は商工会の中で役員をしておりましたのでその立場で見ていましたが、受け身でそれに対応するだけでもう精いっぱいでした。
 ですから、当然、国の方がいろいろ発信をして、それが中小企業のためと思ってやっていることであっても、やはり現場が混乱をする、そういった事態にも陥っていたことを今でも強く覚えております。
 今回のこの認定支援機関制度も、金融機関であったり、税理士、会計士、士業、様々な方々が、どちらかというとオールマイティーな中小企業支援をやるような立て付けで最初スタートいたしました。それによって、認定支援機関同士が成績争いのようなことが最初勃発しまして、どこが最後の判こを押すかということで競い合ったりちょっといびつなことが起こっておりましたので、それはすぐ中企庁の方で修正をしていただいたと記憶はしておりますが、これでもう何年かたちまして、やはり機能している支援機関と機能していない支援機関、これは顕著になってきていると思います。
 今後、こういった各士業の方々であったり金融機関であったりこういった認定支援機関、当然、商工会、商工会議所という全国をそれこそ各市町村ごとに面でカバーをしているこういった支援機関、様々な支援機関が身近な存在、相手としてこれからも存在をし、そして十分に機能を発揮していただかなければいけないと思っております。
 その意味におきましては、この支援の在り方、これがますます重要になってくると思いますけれども、いかにこの支援機関の質を高めていくのか、そのためには今後どういうふうに措置をしていくのか、今回御用意いただいた制度も含めて、ちょっとその部分を御説明をいただけたらと思います。
#142
○大臣政務官(大串正樹君) 委員御指摘のとおり、中小企業・小規模事業者にとって、税理士などの士業や金融機関、商工会、商工会議所などの支援機関は身近な相談相手として重要な存在であります。認定経営革新等支援機関は、中小企業・小規模事業者が直面する経営課題が複雑化する中、こうした身近な支援機関による体制を強化していくため、平成二十四年八月に創設された制度でございます。
 制度創設から約五年が経過した直近一年間で支援業務を行っていない認定支援機関が約三割存在していることから、認定後の経営支援能力の維持確保の観点から更新制度の導入を行うこととしております。このため、更新の審査に当たりましては、認定時と同様の税務、金融及び財務に関する専門的な知識、そして中小企業等への支援に関する実務経験、そして業務の継続的な実施に必要となる体制、これらを有しているかどうかを改めて確認することとしており、これにより経営支援機関の能力が維持されていることをしっかりと審査してまいりたいと思います。
 また、認定支援機関の質の向上につきましては、各支援機関の最新の活動実態や優良事例等の掲載を通じて、支援機関の見える化や連携強化を図ることで中小企業・小規模事業者が適切な支援機関を選べるようにしてまいりたいというふうに考えております。
#143
○宮本周司君 ありがとうございます。
 当然、金融機関であったり、また税理士会であったり、様々な部分でこの中小企業支援を新たにしっかりと柱立てをして体制を整えている、そういったことも理解をしておりますので、質の高い支援が実現できるように、この制度がしっかりと機能するようにお願いをしたいと思います。
 小倉政務官、お待たせをいたしました。
 実は、今日、総務省の方から政務官にお越しをいただきました。なぜかといいますと、この事業承継、私、酒造家として実は石川県で初めて芋焼酎を造るということも地域資源活用の一環でやらせていただきまして、その経験がもとになりまして、実は六次産業化の応援でいろんなところを回って講演をしたりしておりました。その一環で、行くところ行くところに、その当時、ちょうど地域おこし協力隊の方々が各地域に三年とかしっかりと根っこを生やしていただいて、地域興しに御尽力をいただいていた。よく、よそ者、若者、ばか者が地域を変えるんだということもありますが、まさに地域おこし協力隊の皆さんというのは、いろいろな形で疲弊する地域で御活躍をいただいてきていると思っています。
 そして、当時、私は高知県の本山の方に、それも米焼酎のプラントを造るということで応援に行かせていただいていたんですが、地域おこし協力隊が終わって、そのまま地域に残って起業するんだと、ちょうどその地域で求められるような職種がありましたので、隊員の皆さんがやっぱりそうやって地域に残って起業、創業していくという姿をこれまでも見てまいりました。総務省に伺ったところ、やはりそういう案件が非常に増えてきている。
 であるならば、例えば、その地域での後継者不足の現状であったり、若しくはその地域で完全に後継者が不在だと、でも、その隊員が希望する、そのマッチングがかなうんであれば、この地域おこし協力隊を経験してきた方々が、この後継者不足、後継者問題にも大いなる効果を発揮していただけるんじゃないか、このようなことを考えたところでございます。その意味におきましては、当然、経済産業省、中小企業庁と総務省がしっかりと連携を果たしてもらう。当然、今の案件以外にもいろんな省庁を巻き込むことによって、この事業承継に今までになかったような動き、また結果を生み出すことも可能かと思います。
 今の私の意見に対しまして、是非、総務省のお立場で小倉政務官からも御意見をお聞かせいただけたらと思います。
#144
○大臣政務官(小倉將信君) お答えを申し上げます。
 宮本委員の御指摘、本当にごもっともだというふうに思っております。お取り上げいただきました地域おこし協力隊につきましては、今十年目を迎えますけれども、初年度は、隊員数は僅か八十九名、受入れ自治体数も三十一団体でありました。それが十年近く経過をいたしまして、昨年度、平成二十九年度は、隊員数が五千名近い四千九百七十六名、そして自治体数も九百九十七団体にまで増加をいたしております。また、地域おこし協力隊員の約六割は任期終了後も引き続き同じ地域に住み続けていただいておりまして、宮本委員からも御指摘をいただきましたとおり、定住した方の約三割は自ら起業するなど、地域で新しい仕事をつくり出していただいております。
 こういった地域おこし協力隊の成果を更に高めるためには、任期終了後の出口を多様化することが非常に重要であると考えておりまして、起業に加えまして事業承継の支援に取り組んでいかなくてはいけない、こういった宮本委員の認識は私どもも共有をさせていただいているところであります。
 具体的な政策といたしましては、既に起業支援につきましては、ビジネスアワードを開催をさせていただきましたり、あるいは起業・事業化研修を実施をさせていただいております。これに加えまして、事業承継の新しい取組といたしまして、先ほど安藤長官からも話がありました、各地の事業引継ぎ支援センターと連携をいたしまして、後継者に悩む事業者と地域おこし協力隊員の両者をマッチングする仕組みをモデル的に構築をすることを検討いたしております。また、先ほども申し上げました隊員向けの起業・事業化研修におきましても、事業承継についての新たなカリキュラムを設けたいと、このように思っております。
 今申し上げたような出口の多様化に加えまして、入口の充実、青年海外協力隊OBですとか、あるいはアクティブシニアの方にももう少し参加をしていただけるような環境整備もしてまいりたいと思っております。
 地域おこし協力隊は、先ほども申し上げましたけれども、制度創設から十年を迎えますけれども、経済産業省を始めといたします関係省庁との連携をしながら、事業承継など新しい要素を取り入れて更に制度として発展をさせまして、都市から地方への新しい人の流れをつくってまいりたいと思いますので、今後とも御指導よろしくお願いいたします。
#145
○宮本周司君 ありがとうございます。
 逆に、今の力強い総務大臣政務官の御発言を受けて、経産省の方はいかがでございますか。
#146
○大臣政務官(大串正樹君) 今、総務省の小倉政務官から大変力強い御答弁をいただいたところでございますが、この十年で事業承継を集中的に進めるためには、やはり省庁の垣根を越えた施策の効果的な連携が不可欠であるという認識でございます。
 具体的には、事業引継ぎ支援センターが実施している後継者人材バンクにおいて、後継者不在の事業者と起業を希望する人材のマッチングを行っているところでありますけれども、総務省の今お話のありました地域おこし協力隊の中で定住を望む協力隊員を後継者人材バンクに登録するといった連携を検討しております。このような人材は地域に対して強い思いを持っていると考えられるため、この連携を実現することで地域を支える有力な後継者候補を増やすことができると考えております。
 今後も総務省としっかりと相談をしながら、まずはモデル地域を選定し、マッチングの仕組みづくりに着手し、整備が整った地域から順次連携を開始することとしたいと思います。
#147
○宮本周司君 ありがとうございます。
 是非、両政務官、協力してこのことを推進をしていただけたらと思います。
 小倉政務官への質問は以上となりますので、御退席いただいても結構だと思いますので、委員長の方にお取り計らいをお願いいたします。
#148
○委員長(斎藤嘉隆君) それでは、小倉総務大臣政務官は御退席いただいて結構です。
#149
○宮本周司君 ありがとうございます。
 続きまして、固定資産税の特例、この件に関しても伺いたいと思います。
 この制度の内容に関しましては、過日、参議院の予算委員会の方でも質問させていただきましたし、皆様方も既に御承知のことと思います。
 午前中も関連の質問が出ていたと思いますが、今回、千七百四十一ある市区町村、このうち固定資産税の特例のいわゆる先端設備等の導入促進の基本計画を策定して固定資産税ゼロを導入する意向を表明していただいたところが千四百九十二団体があると認識をしております。逆にこの表明をしていないところが約二百五十、二百四十九の市区町村があるわけでございますが、当然表明をしたところにはこの固定資産税の特例を進めていく、でも、逆にこの観点だけでいけば、表明しなかったところには当然その制度は及ぶものではございません。
 でも、積極的な自治体へのフォローというのはやはり十分にしなければいけないと思いますが、逆に、午前中も質問でありました、なぜ手を挙げれなかったのかというところ、そこに対する答弁も、しっかりとしたアンケート結果がないので答弁しかねるというような状態でございましたが、やはりその二百四十九の自治体に対しましても、その地域の事業者が生産性向上に向けた取組をする、こういったことは起こり得る、若しくは今も起こっていると思います。
 ですから、こういったところにもしっかりと丁寧にフォローをしていくべきと考えますが、このことに関しましてはどのように対応されるおつもりでしょうか。
#150
○政府参考人(吾郷進平君) お答えいたします。
 今お話のございました基本計画を策定しないという意向を示した自治体などに対しましては、本法案は今後三年間措置されているということを踏まえまして、制度の趣旨あるいはメリットを丁寧に御説明するほか、先行事例の情報提供などを通じまして、一つでも多くの自治体が前向きな判断をしていただけるよう、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。
 また、本特例に限らず、中小企業経営強化法に基づく即時償却制度など生産性向上に資するほかの支援策も含めまして、全国の中小企業あるいは小規模事業者の方にしっかりと広報をいたしまして、生産性の向上を支援してまいりたいと考えております。
#151
○宮本周司君 ありがとうございます。
 当然、各自治体にとりましたらこの固定資産税というのは基幹税でございますので、それも含めて今回これだけ多くの自治体が、団体が、もう本当に交付団体のみならず不交付団体も含めてこれだけの数が表明をしていただいておりますので、二百四十九の方に対するフォローも含めて、こちらの手を挙げていただいたところにもしっかりと進めていかなければいけないと考えております。
 先ほども御紹介あったかと思いますが、この特例のインセンティブとして、例えばものづくり補助金、持続化補助金、IT導入補助金、あとサポイン事業もでしたっけ、はその採択に関して多少の加点がされるというインセンティブもあると。ものづくり補助金に関しましては、一般枠だったと思いますが、二分の一の補助率が三分の二になるとか幾つかの特典があるとは認識をしております。
 こういったインセンティブがある、これが非常に重要な要素も占めているとは思いますが、この採択された事業者がそれらの補助金事業を実際に活用していく、その事業に取り組んでいくという意味におきましてはそれぞれ何かいろいろな手続等があるのかと思いますが、その辺りはどのようになっているでしょうか。
#152
○政府参考人(吾郷進平君) お答えいたします。
 現在公募をしておりますものづくり補助金一次公募につきましては、三月に実施しました自治体アンケートにおいて導入促進基本計画を策定し、かつ固定資産税の特例率をゼロにする意向を示した自治体において、先端設備等導入計画の申請をする予定の事業者を加点対象としているところでございます。
 このものづくり補助金にその加点対象として採択された事業者につきましては、補助金交付決定までの間に、自治体に対しまして先端設備等導入計画の認定申請を行っていただく必要がございます。そして、認定を受けた上で補助金の交付決定を申請する際には、認定書等の写しを添付していただく予定でございます。
 また、自治体におきましても、事業者が交付決定の手続を行うまでの間に、固定資産税の特例率をゼロとするということを定める条例の改正を行っていただく必要があるということでございます。
#153
○宮本周司君 ちょっと私の記憶もおぼろげかもしれませんが、ものづくり補助金に関したら、たしか今月締切りだったと思いますし、持続化補助金も五月の中旬締切りだったと思います。IT導入補助金は、先ほどお話あったようにこれからの募集だと思いますが、これ、もうそろそろ締切りを迎える補助金もこの対象になっているということを鑑みますと、この法律案をできるだけ早期に成立もしなければいけないと思いますが、成立してから実際に運用する、今御説明いただいたところに当てはめていくためにはどのようなスキームというか手順が必要なんでしょうか。
#154
○政府参考人(吾郷進平君) お答えします。
 まず、国の方におきまして、導入促進指針の策定が必要でございます。また、自治体や事業者が作成する計画の詳細や様式などを定めた施行規則の整備が必要でございます。これらの作業に当たりましては、パブリックコメントの手続もございます。
 一方、自治体におきましては、国の導入促進指針に沿った導入促進基本計画の作成、そして、それを国に対して同意申請を行って、同意を得られ次第、今度は事業者の方々の計画の認定を行うことができるようになるということでございます。
 規則の整備や認定実務がなるべく早く進むように、自治体ともしっかり連携してまいりたいと考えておるところでございます。
#155
○宮本周司君 自治体の方との連携、また地方議会との連携というのも当然必要になると思いますし、この固定資産税ゼロを導入する場合であれば条例の改正とかも必要だと思いますし、今ほどパブコメということも出ましたけれども、大体パブコメで何となく一か月ぐらいやるようなイメージもあるんですが、それをやって、さらに、地方議会も、まさに早いところだと五月からもう六月議会、五月なのに六月議会ですけれども、始まっているところもあるわけですから、多分この六月議会にはめていかなければいけないと思うんです。
 そのときに、今のこの法案の審議の進捗状況も含めて、これはタイムスケジュールとしてどうなんですか、日程感として。
#156
○政府参考人(吾郷進平君) お答えいたします。
 今御指摘いただきましたとおり、やはりこのものづくり補助金につきましては、交付決定の際に導入計画、先端設備等導入計画の認定を受けていること、そして自治体において固定資産税の特例率をゼロとする条例改正を行っていることを求めているところでございまして、そういう意味で、今御指摘のとおり、事業者の事業実施期間を十分確保する観点から、六月議会などにおける早期の条例改正を働きかけているところでございます。
 一方、また、私どもといたしましても、規則の整備、それからいろんな参考資料を自治体にお示しするなどして準備を進めてまいりたいと考えております。
#157
○宮本周司君 ありがとうございます。
 であれば、当然各自治体の方でも計画策定とか、当然議会、六月議会での条例の改正とか、受け手側というか実施者側、導入者側もですよね、これもしっかりと事前準備を進めていかなければいけないと思いますので、当然、この法律、法案が早期に成立する、それが施行されるということも重要ではありますが、やっぱりそのひな形を作ったり参考資料を早めに提示をしたり、各自治体においても十分な準備ができるように示していく、このこともやはり経産省として、中企庁として、十分に早め早めに対応いただく必要があると思いますが、そこは大丈夫でしょうか。
#158
○政府参考人(吾郷進平君) 御指摘のとおり、市町村にまず導入促進基本計画を御策定いただく必要がございます。
 この計画でございますけれども、市区町村内にあります中小企業・小規模事業者が設備投資を通じて生産性を向上するという趣旨に鑑みまして、その計画における目標あるいは計画期間、対象となる業種、設備等の内容を記載していただくことを想定しているところでございます。
 市区町村がこの導入促進基本計画を策定されるときには、経済産業省といたしましても、計画内容の記載例などを様式と併せて提示をする、あるいは御不明な点がある場合には個別相談に応じるなど、丁寧な対応に努めてまいりたいと考えております。
#159
○宮本周司君 やはり各市区町村においては、繰り返しになりますが、基幹税となる固定資産税、ここに影響がある、税収に影響があるにもかかわらず、これだけ多くの自治体、団体の方から意思表明があったわけでございますので、これがしっかりとしかるべきタイミングで施行される、そして各市区町村においてこれを導入する、そして地域の中小企業がしっかりと生産性を高めていくための設備投資を行って、景気の又は経済の好循環を生んでいく、まさにそのスタートとなる事業の一つだと思っておりますので、是非十分な対応をしていただきますようよろしくお願いいたします。
 中小企業、小規模企業において、やはり全体的な第四次産業革命の流れに対応していく必要があります。そして、先ほどIT導入補助金のお話もございました。中小企業でこのITを導入することによって効率化を図る、生産性を高める、若しくは結果として省力化も実現する、このことは必要だと思います。ただ、導入するに当たっての人材、これがやはり中小、小規模にとっては大きな課題になっていると思います。
 こういった部分が特に小規模になればなるほど顕著だと思いますが、小規模企業、小規模事業者におけるIT導入、これをどのように進めていくのか、具体的にお聞かせをいただけたらと思います。
#160
○政府参考人(吾郷進平君) お答えします。
 御指摘のとおり、中小企業がIT投資を行わない理由の第一は、やはりその社内にIT導入できる人材がいらっしゃらないということが挙げられるわけでございます。
 ただ一方で、技術進歩と申しますか、ITシステムを自社で保有しないクラウド型のサービスなどが普及してまいりまして、IT人材に乏しい中小企業でも利用可能な簡便で安価なITツールが提供されつつあるところでございます。これらの生産性向上に資するITツールの導入を進める観点で、平成二十九年度補正予算でIT導入補助金五百億円を確保し、約十三万者を直接支援する予定でございます。
 また、やはり中小企業の側からはどういったツールに効果があって安全に利用できるか分からないといったお声もございますので、今回の法案におきましては、中小企業の生産性向上に資するITツールを提供するITベンダーなどを情報処理支援機関として認定する制度を創設させていただければと考えております。これによりまして、中小企業がITベンダーを選ぶ際に、申請者の支援実績あるいはセキュリティー対策の情報を開示することによりまして、中小企業がITベンダーやITツールを選びやすくする仕組みを導入できると考えております。
 さらに、全国四十七都道府県に設置しておりますよろず支援拠点、あるいは三回まで無料で専門家派遣をする制度を設けてございますが、こういった制度もお使いいただきまして、中小企業・小規模事業者の方のITに関する相談対応を行ってまいりたいと考えております。
 こうした取組全般で中小企業のIT導入を後押ししてまいれればと考えておる次第でございます。
#161
○宮本周司君 ITベンダーであったりITツール、これを導入していく上で、やはり支援する従来の、先ほども意見の中で出しましたけれども、いわゆる認定支援機関であったり商工会、商工会議所、こういったところの存在が重要になってくると思います。
 ただ、今の中小企業、また地方の小規模企業の実態同様に、こういった商工会、商工会議所の支援する側ももう人手不足ということが大きな課題になっていると思います。やはり支援する側のマンパワーもしっかりと拡充をさせていく、その上でしかるべき機関としっかりと連携をしていくことが肝要かと思っております。
 このことは予算委員会のときにも世耕大臣の方にも質問させていただきましたが、改めまして、こういった商工会や会議所といった団体がしっかりとその機能を発揮するような支援を実現するために、人的な措置、若しくは予算的にも今かなり不具合がございますので、その部分を十分に措置をしていただきたいと思っておりますが、この支援団体、支援機関への充実に関しましてどのようにお考えか、お聞かせをいただけたらと思います。
#162
○大臣政務官(大串正樹君) ITベンダーを中心といたします情報処理支援機関と、それから税理士などの士業、商工会、商工会議所、金融機関等を中心とする地域の中小企業にとって身近な支援機関とは求められる機能や能力が異なることから、幅広い中小企業の経営課題の解決に応えるために両者の連携は有用であるというふうに考えております。
 例えば、長崎県のある商工会議所が人手不足に悩む中小企業の会計事務を効率化するため、クラウド会計サービスを提供するITベンダーと業務連携し、セミナーの開催や専門家の派遣等を通じて中小企業におけるITの導入を支援したケースもございます。
 今回の法案に基づき、中小企業の生産性向上に資するITツールを提供するITベンダー等を情報処理支援機関として認定する制度を創設いたしまして、ITベンダー等の支援実績やセキュリティー対策等の情報を開示する予定でございまして、これにより支援機関にとっても連携すべきITベンダーを選びやすくする仕組みが導入され、情報処理支援機関と商工会、商工会議所といった地域の支援機関との連携が促進されることを期待しているところでもあります。
 また、その中で、御指摘の予算あるいは人員の中での十分な対応が厳しいという御指摘ございましたが、今回の法案に基づく施策を周知いたしまして全国津々浦々に至るまで支援を広げていくためには、地域に根差した商工会議所や商工会も活用していくことがおっしゃるとおり重要であると考えております。
 商工会議所や商工会の経費は地方分権改革により平成十八年度以降は全て一般財源化されたため、予算の執行は都道府県の裁量に委ねられているところでございます。
 小規模企業振興基本法においても、地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、小規模企業振興施策を策定、実施する責務を有するとされておりまして、都道府県にはまずこの基本法の趣旨に沿って必要な小規模企業振興施策を進めることを期待しているところであります。
 一方で、経済産業省といたしましては、商工会、商工会議所が小規模事業者を支援する経営発達支援計画を経済産業大臣が認定し、さらにその計画に基づく事業を支援する取組や、経営指導員に対する研修の実施、そして商工会、商工会議所が地域の小規模事業者と連携をして行う特産品開発、販路開拓や観光客集客といった取組への支援などを通じて、商工会、商工会議所の活動を後押ししてまいります。
 いずれにいたしましても、平成三十一年春に予定しております小規模企業振興基本計画の改定に向けまして、小規模企業政策審議会で有識者及び小規模事業者の生の声を聞きながら、御指摘の人員や予算に加え、補助金申請の電子化や商工会議所等におけるITツールの活用などによる業務の効率化についても検討してまいりたいというふうに考えております。
#163
○委員長(斎藤嘉隆君) 宮本君、時間が来ておりますので、おまとめください。
#164
○宮本周司君 ありがとうございます。
 この生産性向上関連二法がしっかりと我が国経済、地域経済に機能を発揮することを期待いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。
#165
○矢倉克夫君 公明党の矢倉克夫です。よろしくお願いいたします。
 まず、法案に、質問に入る前に、大臣に、今朝方記者会見がされておりました日米首脳会談につきまして、この受け止めと、貿易問題についての大臣の御所見をお伺いしたいなと、日米間の。
 記者会見、最後質問のところでトランプ大統領に対して、特に日米間の貿易の在り方について質問があったことに対してのお答えで、二度ほどやはりTPPのようなものは個人的には意にそぐわないということをおっしゃった上で、トランプ大統領としては二国間ということを強調されて回答をされていらっしゃった記憶です。それに対して安倍総理が、自由で公正なルールが必要だということを強調されていらっしゃったわけであります。
 大統領は、特に二国間のところでおっしゃるのは、日本に対してはやはり貿易赤字というのが非常に問題だということもおっしゃり、また貿易障壁というものもおっしゃった上で、このようなことをおっしゃっていたわけでありますが、やはりこのそれぞれの貿易赤字どうかというところ、相手から勝ちか負けるかというような判断だけの思考で貿易を語ると、やはり保護主義と言わざるを得ないところでもあり、そういう姿勢で例えば二国間でFTAというような動きになってくれば、これはしっかりと拒否すべきであるし、それを通じて自由貿易というものの重要性、公正で自由なルールを作るということについて日米共同すべきだということをしっかりとまた訴えていく必要性が改めてあるなと感じたところでありますが、この点について大臣の御所見をいただければというふうに思います。
#166
○国務大臣(世耕弘成君) まず、今回の首脳会談では、安全保障面だけではなくて経済面でも日米の協力関係をより強固にしていくため、率直で有意義な議論が行われたというふうに承知をしております。
 日米双方の利益となるように、日米間の貿易や投資を更に拡大をさせていく。その基盤の上に公正なルールに基づく自由で開かれたインド太平洋地域の経済発展を実現させるため、今回、安倍総理とトランプ大統領との間で、自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議、フリー・フェア・アンド・レシプロカル・トレード・ディールというんですかね、を開始することで合意をしたというふうに承知をしています。
 この協議、FFRTDは、双方の利益になるように日米間の貿易投資を更に拡大をさせて、公正なルールで基づく自由で開かれたインド太平洋地域における経済発展を実現するため、米国に対して日本としてはTPP復帰を働きかけることも含めて、具体的方策を議論していくことになるんだろうと思います。
 今御指摘のように、アメリカ側が、トランプ大統領が二国間のディールに強い関心を持っているということは我々も十分認識していますけれども、いずれにしても、日本としては、TPPが日米両国にとって最善であるというふうに考えておりまして、この辺は今日の記者会見でも少しお二人の考え方に開きはあるわけですけれども、こういった立場を踏まえた上で議論にしっかり臨んでいきたいというふうに思っております。
#167
○矢倉克夫君 二国間の協定は当然必要でもある部分もあり、他方で、それが相手から何かを奪うための材料として二国間協定を進めるというような姿勢で仮に進められるのであれば、やはりそこは違うなと。
 今おっしゃっていただいたとおり、多国間協定、その根底には、双方で利益が生まれる、そういう秩序をつくることが貿易秩序にとっても非常に重要だというような考えがあるかというふうに思います。それをまた日米信頼関係ある中でしっかりとお訴えをして、当然向こうも理解はされているわけでありますが、更にその理解を加速するように御努力をいただければというふうに思っております。
 それでは、法案の方に入らせていただきたいなというふうに思います。
 まず、生産性向上特別措置法案につきましてでありますが、規制のサンドボックスについて、こちらの狙いについて、まず総括的なところでやはり大臣にちょっとお伺いをしたいなと。
 二点ほど確認したいというふうに思うんですが、この狙いなんですけど、当然ですけど、一点目は、私の感覚としたら、この規制の在り方を変えていく実証実験というところもあり、その上で、これはやはり役所の規制に対する行動原理というものがどうしても硬直的で、なかなか変わらない場面もあり得る。それを打ち破っていく、イノベーションを起こしていくようなときに妨げになるような行動原理があれば、それを変えていかなければいけないなというところが一つあるかなと思っています。
 ちょっと私個人の経験で大変恐縮なんですけど、弁護士をさせていただいたとき、企業法務とかで様々動いていたこともあるんですが、特に金融商品など、様々な提案がクライアントからあってそれを検討する、金融商品に限らずいろんな事業についてもそうなんですけど、そういうときに役所の方に持っていくと、法令、法律だけじゃなくて政令であったり省令であったり、時には、かつてこういう局長の通知がありますと、それだけで全てが止まってしまうと。いや、この背景には、こういう通知の背景にはこういう事情があるんだけど今はこういうところは変わってきていますよと、こういうふうに言っても止まっちゃう、あるから駄目なんですと、そういうような形にやっぱりなってしまうと。
 法律とか政令それぞれは、当然ですけど、そのときに作られた立法事実があるわけですけど、時代が変わればその立法事実も変わっていって、その上で柔軟に立法事実に合うような法律の解釈であったりが必要なんですが、やはり役所のサイクル、人事の異動のサイクルも含めてですけど、どうしても、まず新しいことをやると、後で何が責任が起きるかというところで分からない。それであるから駄目なんですというような回答にやはりどうしてもならざるを得ないなと。
 そこをしっかりと変える、風穴を空けるという意味合いも込めて、規制の在り方と、また、日本の役所が真面目であればあるほどそれに対して硬直にならざるを得ないような部分に対しても、ある意味、役所としても動きやすいような環境をつくる、そういう意味合いで一つ今回の狙いがあるという私の理解であるんですが、その点についてまず大臣の御所見をいただきたいなというふうに思います。
#168
○国務大臣(世耕弘成君) まず、基本的に、本当に簡単に基本的な考え方を述べますと、やはり事業ということになってしまうと、役所は規制の立場からいろいろ身構えてしまうという点があるわけであります。
 ただ、今、どんどんともう今の規制が追い付いていかない新しいアイデアが、どんどんビジネスのアイデアが出てきているものですから、今回のこのサンドボックス制度の一番のポイントは、事業ではなくて実証と位置付けることによっていろんな規制の網が掛からないというか、もちろん安全とか人体に関すること、人身に関することというのは当然きちっと見ていくわけでありますけれども、そういうことを前提にしてチャレンジをするというのが基本的な考え方だと思っております。
#169
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 その実証というところの部分で、例えばグレーゾーン解消制度や新事業特例事業との違いというものがあるわけであります。従来であれば、例えばグレーゾーンであれば、こういう事業者はこういうことをやりたいけど、これはグレーですけどどうなのですかと問いをするわけですけど、それに対しては、いや、駄目ですよ、これは結局グレーのまんま白とは言えませんということで終わってしまうと。そういう部分をしっかりと空けるために実証という概念を今おっしゃっていただいたんですけど、更にもう一歩動けるような仕組みとして今回取り入れられているという理解でいるんですが、ちょっと改めて大臣からまた。
#170
○国務大臣(世耕弘成君) 今までも、いろいろとこういう新しいビジネスに使ってもらえる制度というのを導入してきているんです、今御指摘のとおり。
 ところが、やっぱりそれぞれ短所がありまして、まず、グレーゾーン解消制度は、これは事業をもうそのまま継続的に実施することを前提になるものですから、規制法令の適用関係を確認する制度ということになってしまいまして、規制所管部局は、個別案件の回答に関して非常に慎重になるという傾向があったわけであります。
 もう一つ、事業者が企業単位で規制の特例にチャレンジする新事業特例制度というのもありました。ただ、この制度においては、逆に事業者が規制の特例措置の整備を求める場合、規制を緩和しても安全性などの規制の目的を達成することが可能となる規制の代替措置というのが必要になってきまして、ところがその代替措置がこれでいいのかどうかというのを検証するための実証ができないということで、なかなか検証が進まないというようなケースがありました。
 こうした課題を解決するために、今回のサンドボックス制度では、グレーゾーン解消制度によって規制の適用対象となると判断をされたり、あるいは新事業特例制度において規制の代替措置を整備することが困難な案件であったとしても、期間や参加者などを限定をして実証という整理をすることで、規制が適用されない環境下でスピーディーに実証プロジェクトを実施することを可能としました。この実証で得られた情報を活用することで、エビデンスに基づく規制の特例措置の検討を加速することができると考えています。
 このため、特に新事業特例制度と一体的に運用することで規制の特例措置の求めも今後増加してくるんではないかと相乗効果を期待しているところでございます。
#171
○矢倉克夫君 今、規制、期間であったりそういうのを限定した上で実証をする、それをすること、そういう枠組みをつくることで、従来の制度であれば規制官庁とかがどうしても慎重にならざるを得なかったところを一歩進める動きにも後押しもするという、それをまたやってみて、とにかくデータを集めて、それが広がるというようなことが立証されれば更に新たな一歩に進むなと。まずはやってみるという枠組みをつくることで関係者の合意も、これは規制官庁も含めた合意を得やすいような環境をつくって先に進めるというような仕組みであるというふうに理解もさせていただいたところであります。その趣旨にのっとって制度もありようまた考えなければいけないなと思いますが。
 もう一点だけ、大臣、済みません、お伺いしたい趣旨の狙いのもう一つなんですが、他方でいろんな規制というものがあるわけでありますが、安全や安心などに対する規制というものも含めて、やはりあり得べき規制というものは当然あるわけであります。この制度の狙いが、規制緩和というところが一つ旗頭になるかもしれない。ただ、規制というものは、まず緩和する、規制イコール悪であって緩和するというようなベースに立っているものではなくて、イノベーションというものを起こす上でどうしても妨げになっているような規制、またその運用がある、それに対して一歩踏み出して新たな展開をできるような、関係者の合意に基づく行動が生まれるきっかけとなるようなものとして行われているという理解であります。
 要は、規制を緩和するということが主目的といいますか、規制緩和イコール善、規制緩和が必ずやらなければいけないという前提の下でやっているというものではないという確認だけは取りたいというふうに思いますが、大臣からお願いします。
#172
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、これは実証計画の認定という部分があります。そこにおいて主務大臣からきちっと規制法令に違反するものでないかどうかというチェックは行われるということになろうかと思います。特に、生命とか身体の安全に関わるような部分についてはそういったチェックが行われることになるんだろうと思います。
#173
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 それでは、具体的な制度の在り方について一つ一つちょっとお伺いをしたいなというふうに思っておりますが、今回の規制のサンドボックスの枠組み、こちらは事業者が計画申請して主務大臣が認定をするわけですけど、その主務大臣の認定に当たっては、内閣総理大臣が任命する委員によって構成される評価委員会、こちらの意見を聴くというようなことになっております。
 この評価委員会の人選であります。また、人数はどの程度のものを考えているのか。とりわけ、どういう人がこの任に当たり得るのかというふうに制度上なっているのか、御答弁いただければというふうに思います。
#174
○政府参考人(中石斉孝君) 今御質問ありました革新的事業活動評価委員会は、主務大臣が実証計画の認定に際して専門的かつ客観的な観点から実証計画の経済全般への効果に関する評価を行い、主務大臣に対して意見を述べるために内閣府に設置するものでございます。
 評価委員会では、個別の実証機関において実証しようとする新しい技術やビジネスモデル、これについてその革新性や実用化の可能性を踏まえ、その実証が経済、産業、イノベーションといった日本経済様々な側面に及ぼす影響を評価することを想定しております。
 そうした中で、委員会の委員は、幅広い分野、領域に及ぶ内外の社会経済情勢及び革新的事業活動の動向に関して優れた識見を有する者を任命することとしており、委員会の主管である内閣府の長として内閣総理大臣が任命いたします。
 人選につきましては、委員により代表される意見、学識経験等が公正かつ均衡の取れた構成となるよう留意することとしておりまして、また人数につきましても、審議会等の整理合理化計画に基づきまして、おおむねこういう合議体は二十名以下となっておりますけれども、それに従っての人数を考えたいと思います。
 こうした手続を通じまして、規制所管大臣を含む主務大臣のより適切な判断に資するとの評価委員会の設置の趣旨を反映する委員構成としまして、内閣を中心に政府一体として新事業等実証を促進し、規制をより合理的かつ限定的なものへと見直していきたいというふうに考えております。
#175
○矢倉克夫君 ちょっと関連して、私としては、先ほど申し上げたように、この役所のやはりどうしても先例であったり、また人事サイクルも短い期間で、どうしても一つ一つについて専門性を確実に確認した上で元ある規制について運用するというようなことがし切れない場合、そういうときに現場とのいろいろ交渉で役所の中では規制があるというその事実だけで全てがはねられてしまうというようなことはあってはいけない、それがイノベーションを壊してはいけないと。
 そういうのを打破するための制度として考えると、委員というのは、この規制それぞれの立法趣旨であるとかそういうこともしっかり専門的に理解をして、役所に対してもある意味権威を持って柔軟な対応ができるということを説得力を持って言えるような人でなければいけないかというふうに思っておりますが、その辺りをどのようにお考えでしょうか。
#176
○政府参考人(中石斉孝君) 先日の衆議院での参考人質疑でもそうでありましたが、確かに公務員の人事を考えますと、二、三年で替わってしまいまして、やはり専門的な知見を民間レベルで持っている方はなかなか難しいということでありまして、その観点から、この評価委員会におきましては、やはりその技術なりその分野において非常にお詳しい方をお呼びして、その方がこれまでの動向あるいは海外の動向、様々なことを御覧いただいた上で御意見をいただこうというふうに思っていまして、行政庁の判断と、それからその専門的な知見というのをぶつけて調整していきたいというふうに考えています。
#177
○矢倉克夫君 そういう行政の判断とのいい緊張関係みたいなのが生まれるような人選はやはり重要かなというふうに思います。
 その上で、制度の在り方として、次に、その委員会としては勧告、これできるわけであります。内閣総理大臣を通じた勧告ということでありますが、この勧告はどういった場合に行われることを想定されているのか。
#178
○政府参考人(中石斉孝君) 評価委員会は、法案第三十二条第二項において、新事業等実証計画などが及ぼす経済全般への効果、評価というのは先ほど申し上げたとおりでございます。その権限に属された事項に関して、内閣総理大臣を通じて主務大臣に対し必要な勧告をすることができるということの御質問です。
 その勧告につきまして、行われる場合としましては、個別の計画申請されたものによって様々な場面が想定されますが、例えば、主務大臣が新技術等実証に関する規制の特例措置や新技術等実証計画の認定の判断に際して、評価委員会の意見を踏まえて判断を全く行っていない場合、あるいは必要以上に検討に時間が掛かってしまって、スピーディーな事業展開をする事業者の方のなかなかニーズに応えていないような場合が考えられます。
 勧告が行われた場合には、主務大臣は勧告に対してこうした措置について評価委員会に通知することとしておりまして、制度運用における透明性を確保しながら主務大臣が説明責任を果たすことを促すことができるというふうに考えております。
#179
○矢倉克夫君 ちょっとまた関連で恐縮なんですけど、もう全く委員会の意見に対して、何でしょうかね、この委員会の意見に対して全く納得をしていない、行っていないとおっしゃった。そういうもの、その辺りが、例えば、当然ですけど、主務大臣などもその規制の中では残すべき立法事実がやはりある、規制というものがある。そういった主務大臣としての判断の下での意見に従わないという判断もあったわけでありますが、その中で勧告、全てに、意見に従わなければ勧告というようなことでないと思うんですけど、もうちょっと具体的に、どういう事象があればということをおっしゃっていただければ。
#180
○政府参考人(中石斉孝君) 評価委員会の意見を踏まえて主務大臣の方で計画の申請についての審査をしていただくわけですけれども、その際に、委員会の意見を全く無視するといったような極端なケースもありますが、今御指摘のように立法事実がどう変わってきたかという議論、これについての合理的な議論がなされればいいんですけど、全くなされない場合にはさすがに勧告ということがあるんじゃないかというふうに考えております。
#181
○矢倉克夫君 分かりました。ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいたとおり、規制の立法事実その他というところから深掘りした議論、意見があって、その上での所管大臣の判断、まれにそうでなければ勧告というような形かなと。やはりそういう規制の趣旨に遡ったそれぞれの合理的な判断の下での緊張感の上での意見であり、また勧告であるという理解であるかというふうに思いますが、そうであれば、これもまた関連で恐縮なんですけど、そういう規制のあるべき姿とかに遡って冷静、客観的に意見を言える陣容でなければやはりいけないかなと。
 そういう意味でも、専門的見地から第三者的に公平、中立に客観的に意見を言えるような人をやはり選ばなければいけない。政治的な部分からの独立性というものも含めていろいろ検討しなければいけないというふうに思いますが、委員の独立性というところも何か設計の上で御検討されているところがあればおっしゃっていただければ。
#182
○政府参考人(中石斉孝君) 審議会その他いわゆる行政組織法第八条の機関といいますのは、行政プロセスの適正化のために置かれる合議体でありまして、そもそも組織の前提として自立的な活動を行うというふうになっております。
 今回の評価委員会におきましても委員長を中心としての運営を考えておりまして、委員会としての御判断、それから運営というのをやっていただくというふうに考えております。
#183
○矢倉克夫君 委員長中心の合議体の御判断ということで、その合議体そのものも、また一人一人のバックグラウンドその他もしっかりと独立的なものである必要があるかなと。その辺りはまたこれからの制度設計において是非御留意いただければなというふうに思います。
 その上で、また更にですが、こういう形で評価委員会の意見も受けて主務大臣がまた認定をされるわけでありますが、この認定について、主務大臣も事業所管とまた規制の所管大臣というふうにいらっしゃるわけでありますけど、このお二人の判断が異なった場合についてはどのようにされるのか、制度としてどのように想定されているのか、現状を御答弁いただければと思います。
#184
○政府参考人(中石斉孝君) 事業者から実証計画の申請を受けました主務大臣は、革新的事業活動評価委員会の意見を踏まえてその計画を審査するということでございますが、その主務大臣のうち新技術等実証などの革新的事業活動に係る事業を所管する行政機関の長、いわゆる事業所管大臣、その事業所管大臣は実証の必要性といった観点から審査を行い、他方、新事業等の実用化に関する規制を所管する行政機関の長、いわゆる規制所管大臣は、法的許容性の観点からそれぞれ判断して当該実証計画を認定することとしております。
 仮に主務大臣の間で判断が異なる場合には、まずもって両大臣の間で計画認定に関する調整を行います。こうしたことを含めまして、新事業等実証計画の認定が円滑に進まない場合には、必要に応じて評価委員会が主務大臣に勧告を行うことになるかと思っています。この場合、主務大臣は、先ほど申し上げましたように、勧告に基づきこうした措置について評価委員会に対して通知義務があります。これらの過程を経た上で、更になお主務大臣の意見調整を行う必要がある場合に関しましては、内閣府特命担当大臣あるいは内閣府、内閣官房を交えまして、政府内での総合調整を行っていきたいというふうに考えております。
#185
○矢倉克夫君 この内閣府特命担当大臣が行うということは法律的にもまだ明記はされていないかと思うんですが、その辺りについては、改めてどういう調整なのかというところもしっかりまた議論がはっきり分かるような形の制度の在り方というのを考えるべきだなというふうに思います。その辺りについて教えてください。
#186
○政府参考人(中石斉孝君) 今回の主務大臣という場合の、計画申請、認定する主務大臣は、今申し上げました規制所管大臣、事業所管大臣です。ただ、この評価委員会の設置する場所、内閣府でございますし、この規制のサンドボックス制度の所管大臣は内閣府、内閣府特命担当大臣になりますので、そのプロセスの過程において出てこられるということであります。
#187
○矢倉克夫君 ありがとうございます。よく分かりました。
 それでは、次になるんですけれども、それで実際認定をされて事業が実証されると、その実証の結果について成功した、失敗したというような判断があるわけですけれども、その辺りのこの判断基準というのはどういうものになるのか。
 さらに、本来の趣旨からいえば、やはりイノベーションを起こしていかなければ今の日本のビジネス、経済というものは成り立たないというところ、そのイノベーションというのは最初から成功するものでも当然ないですし、その基盤としての実証の結果もあるかもしれないけれども、すぐに成功というような結果が出るものだけが、その後の規制改革がイノベーションを起こし得るものだというふうに断定もできるものでもやはりないと思います。
 トライ・アンド・エラーということで、しかも更にトライをするという、その何度も何度もやり取りが必要だと思うんですけれども、失敗した場合でも再度挑戦していくプロセスというのも必要だと思うんですが、その辺り、制度をどのように考えていらっしゃるのか。
#188
○政府参考人(中石斉孝君) この制度につきましては、イノベーションを世界に先駆けて進めていくというのがまさに制度趣旨であります。そして、御指摘のとおり、革新的なアイデアについてまずやってみることを許容するということでありまして、当然事業者による試行錯誤を前提としております。事業者が認定を受けた実証計画に記載した目標、実証内容、実証方法に沿って計画どおりに実証を終了したときに新事業の実用化に向けての一定の実績と規制制度に関するデータ、手法を取得することができれば、まずはその当該実証は当初の目的を達成したという意味において成功したというふうに考えております。
 他方、実証で得られたデータが当初想定されたものと違っていた、あるいは不完全であった、仮にそういった場合であっても、新事業実用化のための新しい方法論がそこから見付かったり、あるいは規制の在り方というものの新しいアイデアなり論点が出てきたり、そういうことも含めまして重要な情報リソースにもなり得るというふうに考えています。
 法制上も運用上も、委員御質問ありましたように、新事業の実証には何度でも申請することを妨げておりませんので、不完全であったとしても、事業者の方には是非ともまさにトライ・アンド・エラーを行っていただいて、そして新事業の実証に挑戦していただきたいということで、今回の制度趣旨は、とにかく失敗にめげずに進めていくということが制度趣旨でございますので、その点、運用で努めてまいります。
#189
○矢倉克夫君 是非、事業者の立場からしても、一回失敗したら駄目だというようなことがないということがより積極的なメッセージとなるように、それは、要は、ひいては一回失敗しただけですぐに役所からこれは駄目ですというふうに拒絶されないということ、そういう精神的な、また制度的な安心感というものがより広がるような制度運用でないといけないということだと思いますので、そこは是非よろしくお願いします。
 その上で、実証が終了した後には規制の見直しというものも含めて考えるという前提になっておりますが、これはどのような検討体制で行うことを想定されているのか、答弁いただければと思います。
#190
○政府参考人(中石斉孝君) 今回、この実証制度は、先ほども申し上げましたように、スピーディーに社会実証を行うことで必要なデータを取得するということでございますが、実証終了後は、法案第二十条に基づき、当該制度を所管する規制所管省庁が、新事業等実証での成果を踏まえて規制の見直しを検討し、必要な規制の撤廃又は緩和のための法制上の措置を講ずるということとしております。
 また、革新的事業活動評価委員会が中心にフォローアップを行うことも考えられます。評価委員会は、新事業等実証計画などが及ぼす経済全般への効果について評価することが役割でありまして、実証後、当初の評価どおりにその実証活動がインパクトあるいはそういう波及効果があったのかを確認するということは当然想定しておりますし、そして、そのたびに必要に応じて主務大臣に対して報告徴収を求めることができるというふうに考えております。
 このように、この制度において規制の見直しを迅速に行う仕組みを盛り込んでおりまして、経済産業省という立場も含めまして、規制所管大臣、事業所管大臣、様々な所管大臣の間で連携をして、規制の撤廃、緩和、あるいは制度の整備ということで、新しい技術がとにかく実証されて、そして社会に実装されるということを進めていきたいというふうに考えております。
#191
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 所管大臣以外の大臣とのまた連携、調整というのもやはり重要な局面があると思います。そこがまた実効性が持つような形で是非お願いをしたいなというふうに思います。
 その上で、最後、もう一つ制度的なことを確認ですけど、計画申請を出すこの一元的窓口、こういう一元化を捨てるということが従来のある意味欠点でもあった、何か新しい事業を起こそうとするとき、規制に直面するといろんな窓口で対応しなければいけない、それだけで時間が掛かるというようなところを克服する一つの手段であるかなというふうに評価もしているところでありますが、この一元的な窓口、この具体的内容について、法案の明記というものがまだ必ずしも明らかでないと思うんですけど、この辺り、どこに置くのか、そして、その機能や体制というのはどういうものなのかをまた御答弁いただければというふうに思います。
#192
○政府参考人(中石斉孝君) 委員御指摘のとおり、革新的な技術が生まれまして、大変その技術というのが様々な業種、産業、分野横断的でありますし、また複雑であると。そういうことで、新しい技術、新しいビジネスを見た場合に主務大臣の特定が大変困難、あるいは主務大臣とおぼしきところにつきましても複数にわたりまして、その間の手続が大変複雑であるということが今まで事業者からも言われていました。
 こういった状況を踏まえまして、この実証をスピーディーに進めるために、事業者の提案を広く一元的に受け付ける窓口を内閣官房に設けることを予定しております。これは、法案成立いたしましたら、私ども、早急に実施のための様々な方針、運用の規則を定めていきたいと思いますけれども、その中で決めてまいりたいと思います。
 そして、その一元的窓口におきましては、まず、民間事業者に対して事前相談をきめ細かく行っていきたいと思います。特に、事業者が提案する実証に関係する規制、どういったものがあるのか。特に、事業者からすると気が付かない規制もあるかもしれませんし、あるいは、ある面勘違いをしている場合もあるかもしれません。そういったものについて、私どもの、内閣官房、行政府の職員、それから、今後考えておりますのは、弁護士その他の専門的な方にも御協力いただいて、法的な論点を整理して適切に助言をする仕組みをつくっていって、ある面ネットワークをつくっていって、そういった支援をスピーディーに進めていきたいというふうに考えております。
#193
○矢倉克夫君 引き続きまた確認でありますが、この規制の見直しにつなげるスキームとしては三年間というのは短いと思うんですけど、この辺り、短いという御意見もあると思うんですが、この辺りについてまた参考人の方で。
#194
○政府参考人(中石斉孝君) まさに集中期間に合わせての三年間というのが今回のこの法律の期限でありまして、対象であります。
 この規制のサンドボックスにつきましても、その三年間の中でということでありまして、先ほども申し上げましたように、まずやってみるということ。それから、この対象としている技術分野が大変スピーディーで、半年単位で市場の状況が変わってくるようなものでありますので、恐らく三年でも長いという意見も事業者からあるかもしれません。
 私どもとしましては、この三年のうちに次々と新しいアイデアをいただきまして、それを実証し、その結果を、実績あるいはデータというのを集めて新しい政策形成に進めていきたいというふうに考えております。
 そういう意味では、私どもの念頭には、実証期間というのは一事業当たり大体半年単位で進めていくのかなというふうに考えておりまして、その半年が終わったところで、先ほども申し上げました法案二十条に基づいて、三年の後ではなくて、三年の期限を待つことなく、随時、規制所管官庁との間で規制の見直しを検討していくということを考えていきたいというふうに思っております。
 また、三年たった辺りでどうするかということにつきましては、成功実績の評価やその時点の経済情勢などを踏まえて適切に対応していきたいというふうに考えております。
#195
○矢倉克夫君 ちょっといろいろ確認させていただきましたが、またちょっと大臣にお伺いしたいんですけど、これまでの各国の法令ですと、やはりこのような実証実験の制度というのは金融分野のみであったんですけど、日本の特色としては、それ以外のところにも広く適用されるような制度の設計になっているなと。これは政府としても何か狙いがあるかというふうに思うんですけど、大臣としては金融分野以外でどういう事例というのを想定されているのか、もし御意見ありましたらおっしゃっていただければ。
#196
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のように、このサンドボックス制度は特に業種を決めておりません。ですから、そういう意味ではこれからいろいろ新しいビジネスのアイデアが出てきてほしいというふうに思うわけです。そういうアイデアが私がぽんぽん出てくるようでしたら、今頃私は政治家なんかやらないで立派な起業家として活躍していると思うんですが、今のところ、幾つか事業者の人に聞いてみて、こういうのができるといいなというのが返ってきています。
 例えば、今フリーランスで働く人たちは、仕事のマッチングサイト、個人事業主として働いていて仕事のマッチングサイトからいろんな仕事を受注する、ウエブデザインとかプログラミングとかいろいろあると思うんですが、そういう仕事を受注しているわけですが、例えば受注が増えてくると、もっと高速のコンピューターに買い換えるとかスキャナーを入れるとか、いろいろ投資する資金需要が出てくるわけなんです。このマッチングサイトをやっている人たちはそういう資金供給もやりたいんですが、現行の貸金業法とかあるいは割賦販売法では、与信が前の年の年収をベースにしなければいけないとかいろんな縛りが付いているわけなんです。例えば、前の年、育児で完全にお休みをしていて、だけど、ウエブデザインのスキルがあるのでやりたいと言ってきた人が、なかなか新しいビジネスの拡張のためのお金の融資を得ることができないというような問題点を、このサンドボックス制度でクリアできないかというようなニーズがあります。
 あるいは、今、宅配便が非常にネット通販の普及でもう恒常的に配送がいっぱいいっぱいという状況になっています。これを、今の道路運送法では、唯一、年末年始及び夏季等繁忙期だけは自家用車で運んでいいということになっているわけなんですが、これを通常の時期も、例えばラストワンマイル、要するに、宅配会社の集配所からそれぞれの自宅までラストワンマイルを一般人に配送を委託するような、これクラウドデリバリーと言われているそうですが、こういうことがやれないだろうかというようなニーズが上がってきております。
 ほかにも、こういう中で面白いアイデアが出てくることを期待したいというふうに思っております。
#197
○矢倉克夫君 今大臣のお話を聞いていると、ああ、どんどん世界が広がっていくんだなというのを、そのためのいい制度の運用になれば改めてよいなと今実感もしたところであります。人と人、サービスを通じていろんなつながっていく、それが、ただ、規制があって、なかなかそういうイノベーションが妨げられているというようなことを風穴空けるようないい制度として、是非いい形で動いていけばいいかなというふうに期待を持って今聞かせていただきました。
 改めて、最後また大臣にお伺いしたいんですけど、この件について最後大臣にお伺いしたいんですが、そういう今おっしゃっていただいたような事例も、一つ一つ、社会の具体的なニーズを細かくしっかり拾い上げて、現場から拾い上げて、何とかアイデアを生かしていこうという発想が生まれるのは、やはり小さな企業であったり中小企業であったり、そういう企業の方が小回りが利いてそういう発想をビジネス化しようという動きになり得る要素は強いかなと。
 私は、やはりイノベーションというのは、大きな企業が当然起こすイノベーションもありますが、大きな組織体ではやはり限界がある中で、ニッチな部分も含めてちゃんと拾い上げる力があるのはやっぱり中小企業であり、その中小企業をしっかりイノベーションに結び付けるような動きができるかどうかというのが今後の日本経済にとっては非常に重要であるかなと。であれば、この制度はやはり中小企業がしっかり使えるようなものでなければいけないし、そうでなければこの制度は成功とは言えないのではないかなと。
 この事業の展開にしても、そういう点では、中小企業こそこの制度がしっかり使えるような運用をしていくという方向性は、また大臣から改めてお伺いしたいというふうに思うんですが、大臣、お願いします。
#198
○国務大臣(世耕弘成君) このサンドボックス制度は、新たにビジネスに取り組もうとしている中小企業ですとか、あるいは独創的なアイデアを持つ個人ですとか、あるいは革新的なビジネスモデルをスピーディーに事業化したいベンチャー企業、こういった方々にも幅広く使っていただくことを想定をしているわけであります。
 できるだけ多くの事業者や起業家の方に活用してもらえるように、イメージしやすい、まあ今、先ほど私がお話ししたような事例もお示しをしながら、新経済連盟ですとかフィンテック協会といったITベンチャー関連の方々が集まっている団体とも連携をしながら、広く普及啓発を行うこととしています。例えばハッカソン、これ、ハッカーのハックとマラソンの造語ですけれども、ハッカソンのようなイベントを企画して、積極的に案件の掘り起こしを図ることも考えられるというふうに思っています。
 また、特に中小ベンチャー企業にとっては、どの規制が自分の今考えているアイデアに当てはめられるのかとか、そういうのがなかなか把握するのが難しいということもありますので、この一元的な窓口、先ほど設置するということを申し上げましたが、こういう内閣官房の一元的な窓口で中小企業、ベンチャー企業の相談にしっかり乗って、チャレンジしようとしているビジネスモデルに合わせた、きめ細かい、寄り添ったハンズオン支援を行っていきたいと思っております。
#199
○矢倉克夫君 まさに今大臣おっしゃっていただいたとおり、小さなところは、自分たちが考えている発想を自分で実現するために何が障害になっているのかというところがまず分からないというのも非常に重要な視点であると思いますし、その御視点で一元的窓口の方も体制も組まれているというふうに聞いて、改めて心強く思いました。是非、この方向性がうまく中小企業の更なる経済の活性化につながるように、御期待を申し上げたいというふうに思います。
 残りの時間を使ってもう一つ、法案の中でのデータの共有の関係をお伺いしたいなというふうに思います。
 改めてでありますが、大臣にも以前お伺いしたんですが、このデータの共有、連携のためのIoT投資の減税等の制度の根底にあるのはコネクテッドインダストリーズという概念であるかというふうに思います。いろんな類似概念がある。インダストリー四・〇であったり、ソサエティー四・〇でしたっけ、そういうのもいろいろある中で、そういうものとの違いというものをまた改めて大臣から御説明いただければというふうに思います。
#200
○国務大臣(世耕弘成君) 特に、これから第四次産業革命、対応していくに当たって、日本の強み、弱みというのを、我々、一生懸命分析をいたしました。
 まず、アメリカはやっぱり巨額の資金を持った巨大企業があって、それがばんばん研究開発とか新ビジネスに投資をしている。一方で、中国はやはり一党体制の下で非常にビッグデータが集めやすい。はっきり言うと、個人情報保護とか余り意識しないでがんがんやれるというような強みがある。あるいは、ドイツはこれインダストリー四・〇といって、ドイツは非常にIT産業がシンプルになっていまして、製造業のIT化となると、いわゆる設計のCADレベルから製造工程管理するやつから在庫管理まで、これ一つのIT企業が全部横で押さえている。あるいは企業間の連携になると、これまた別の大きなIT企業が全部押さえている。非常に縦横がシンプルにITの仕組みができていまして、その中にみんな入ってくださいよ、中小企業も入ってくださいよというのがドイツのインダストリー四・〇なんです。
 日本は、資金もないし、ビッグデータもなかなか集めにくいし、ドイツのようにシンプルなITシステムになっていないという中で、何が強みなんだろうかと一生懸命考えた結果出てきたのが、やはり現場のリアルデータに質の高いものがある。特に、製造業は中小企業でも最近人手不足の影響もあって製造ロボットのようなものが入っていて、いろんな製造データが生まれてきている。ただ、それがほったらかしになっている。工場にも置いてある、企業の中に閉じているということで、これを全部ビッグデータとして、協調領域のものはできる限りみんなで共有をして、ビッグデータとしてAIで解析していくことによって日本の製品とかサービスの質を上げることができないだろうかということで、このコネクテッドインダストリーズという概念を考えました。
 ソサエティー五・〇は、これ経済界中心に、もちろん政府も一緒になって言っているんですが、ソサエティー五・〇を目指す上での産業界の取組が、まさにコネクテッドインダストリーズという整理になるかと思っております。
#201
○矢倉克夫君 ありがとうございます。非常によく分かりました。
 今各国との比較の上で答えてくださったんですけど、私も今までの大臣の御答弁も踏まえて改めて考えると、やはりリアルデータ、これが日本の強みであるなと一つ。今おっしゃっていただいた、バーチャルな世界のデータとはまた違うリアルなデータ、それは現場のいろんな方々の汗水垂らして生まれたところから生まれてくるデータですね、これはやはり日本がほかの国に比べても蓄積があるという事実認定の下でのお話でもあったかなというふうに思いますし、今大臣のお話を聞いて改めて思ったんですけど、ドイツとのつながり、関係で、ドイツの場合は、ある意味数社が一体となってサプライチェーンも全部抱えた上で、その数社がこのデータの管理も含めて全部やっている。その数社が丸抱えの、それが一応強みでもあるかもしれないけど、それは日本的なものではないし、日本はそれ以外の在り方でしっかりデータの連携をして経済成長していくというような思いが背景にあったかなと。
 その肝はやはりそれぞれの現場の中小企業。日本の在り方は、中小企業が現場でリアルに取っていったこのデータ、これが中小企業単体として持っているこの姿がすばらしい。それを更に連携していくことがドイツをもしのぐようなデータの連携を生んでいくんじゃないかというような発想に今あるんだなということを、改めて確認をさせていただいたところであります。
 そんな中で、今大臣から協調領域というお言葉がありました。協調領域というものの具体的なイメージ、どのようなものなのかということについて、現状で今お答えできるようなものがあれば、もしお答えいただければなというふうに思います。
#202
○政府参考人(寺澤達也君) お答えします。
 協調領域については、政府があらかじめ一律に指定するものではないということではございますけれども、同時に、委員が御指摘されたように、いろんな企業がお互いに協調領域を特定して、重複投資を避けて必要な競争領域に経営資源を思い切って投入すると、それで国際競争に打ち勝つというのが極めて重要だろうと思っています。
 そうした観点から、コネクテッドインダストリーズの重点五分野につきましては、既に主要企業の参加を得て分科会を開催しています。その分科会の中で、どういう分野が協調領域であって、どういう取組が重要かという議論をしているわけですけれども、その中で、これまでの議論の中で、例えば自動走行を行うための地図データ、そうしたものが協調領域になり得るのではないか、あるいは石油化学プラントとか製油所の保安力を向上するためのいろんな保守点検のデータ、そうしたものも同じく協調領域の候補になるのではないかと、こういう議論がなされているところでございます。
 今後、まずはこうした取組を、この法案にあります認定計画を通じてしっかり応援していきたいと考えているわけでございます。
 ちょっと法律の手続について更に申し上げますと、今後、実際にどういう手続になってくるかと申し上げますと、法律が制定されますと、革新的データ産業活用指針というのを別途策定するわけですけれども、その指針に基づいて様々な事業計画の認定を行っていきます。その認定に当たっては、例えば、対象となる分野において相当数の企業が参画、関与していること、また、新たなサービスの開発等に足る十分なデータが集まると見込まれること、そして、データの集約、活用が社会課題の解決や競争力強化に資することといった視点によって評価を行っていくということになるかと思います。
 この認定制度を通じて、委員御指摘にあった協調領域におけるデータ利活用の取組を公的にバックアップするとともに、更なる協調領域の特定、課題を鋭意図ってまいりたいと考えている次第でございます。
#203
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 確認ですけど、今最後おっしゃっていただいた手続の流れの中で認定されるもの、それは、今は重点五分野という形で一つ重点はされていますが、当然それ以外の分野でもこの手続にのっとって認められるものはあり得るということは、一応確認だけさせていただければと思います。
#204
○政府参考人(寺澤達也君) 御指摘のとおりでございます。
 まず、重点分野というのは、政府も企業も含めて、まずこの五分野は少なくとも協調領域を特定して取組をまとめましょうということでございまして、この五分野以外でございましても、是非データ連携をしたい、データ共有をしたいという、こういうふうな御提案があれば、この制度はそういうことについても要件を満たせば認定をしていくということでございます。
#205
○矢倉克夫君 ありがとうございます。
 じゃ、最後に大臣、ちょっとまた確認したいなと思うんですが、先ほどもおっしゃっていただいたコネクテッドインダストリーズという背景には、ドイツ的なものではなく、やっぱり現場の中小企業それぞれの連携というものが非常に重要。何か主体が限定された、独占した主体がこの概念のプレーヤーとして動くというよりは、多くの中小企業が主体者として入っていって、それが連携していくという枠組みをつくる、それそのものが日本の強みの発揮だという背景理念があるなというふうに思っております。
 であれば、やはりこういうITの分野においても、しっかり中小企業が入っていける姿勢、支援というものは更に必要。これが成功するかどうかというのは、この人材の問題にしても、自前で人材が確保できないんであれば、IT人材が、中小企業が、それはほかのところから、ほかの専門家との連携もするとか、そういういろいろやり方があるかと思いますが、中小企業自身がこのデータ社会としっかり対応できるような基礎体力というのを付けることが、支援することがこの理念の成功のためには必須条件だと思いますが、この辺りについて、大臣、中小企業に対する支援がIT活用に向けて必要だと思いますが、大臣の御所見を最後いただければと思います。
#206
○国務大臣(世耕弘成君) 全くおっしゃるとおりでありまして、中小企業も含めてこのコネクテッドインダストリーズ、協調領域にしっかり入ってきてもらうということが大変重要で、そのためには、やはり中小企業のIT化というのをもっともっと進めていかなければいけないと思っています。
 まず、平成二十九年度補正予算でIT補助金を五百億円付けまして、中小企業十三万者のIT化を支援していきたいと思います。ただ、これも全体の中小企業の数から比べると十三万者では小さいですから、そういった中から生まれてくる成功事例をしっかり水平展開していこうということで、中小サービス等生産性戦略プラットフォームというのをつくりました。これはもう経産省の所管じゃない業界も入っている。例えば理美容とかそういうところも入ってもらって、ここで百万者規模で、こんなIT化をするとうまくいくよということを広げていきたいというふうに思っています。
 また、これも同じく平成二十九年度補正予算で、ものづくり補助金、一千億円拡充していますが、その支援対象の中に、複数の中小企業がデータ、情報を共有して生産性向上を目指す取組を支援する企業間データ活用型というものも補助の対象に入れるということをやらせていただきました。
 こういった取組で中小企業のIT化をしっかりと進めて、コネクテッドインダストリー、中小企業でも進むようにやっていきたいと思います。
#207
○委員長(斎藤嘉隆君) 矢倉君、時間が来ておりますので。
#208
○矢倉克夫君 是非、日本の強みであるリアルデータをしっかり蓄積されてきた、これ今までの中小企業の営み、それが更に強くなる取組として成功されることを御期待申し上げて、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#209
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
 まず最初に、行政全体の信頼を揺るがす問題として、セクハラの問題を取り上げさせていただきます。
 この間、財務省のセクハラ問題というのが報道されてきたわけでありますけれども、今日の未明ですか、テレビ朝日の記者会見で、セクハラの被害者は私であるということで報道がされたところでございます。
 まず、矢野さんにお聞きしたいんですけれども、今回の一連の、本日の報道も含めてですが、これもう決定的ではないでしょうか。これはもうセクハラ、事実としてあったということでよろしいんですね。
#210
○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。
 財務省の福田事務次官についての週刊誌報道が先日ございまして、それにつきまして、音声の情報も出て、そしてまた、今朝、テレビ局の記者会見もあったところでございます。
 一方で、それらの情報を受けまして、私どもとしては、人事院の指摘に基づきまして調査を開始し、双方の事実認定をさせていただいた上でしかるべく処置をするという手続に入ったわけでございますが、福田事務次官は、先週の時点におきましても、また今朝の時点におきましても、事実としてセクシュアルハラスメント、性的な嫌がらせをしたというのは事実と違うという主張をしております。
 したがいまして、それを今、第三者たる弁護士事務所にお願いをして双方の主張を調査するという、主張といいますか、事実認定をするために調査をするというプロセスに入っておるところでございます。
#211
○辰巳孝太郎君 済みません、ということは、皆さんの委託した弁護士さんにこの方自身がお話しにならないと、皆さん自身は、この間、今日の発売の週刊誌でやられているやり取りですね、これそのものの認定もせずに事務次官のセクハラの認定はできないと、こういう話ですか。
#212
○政府参考人(矢野康治君) 別の委員会でもるる御答弁を申し上げておりますけれども、福田事務次官は、そこに言われているようなこととは違って、前段があるということですとか、いろいろ事実と違うということを申し立てております。したがいまして、裁判もするという覚悟でございますので、事実の認定をきちんとしていただく必要があると思っております。
 我々は、かばおうとか隠そうとか、そんな思いは全くございません。ありませんけれども、本人がそれは違うと言っている以上は、事実をきちんと究明する必要はあると思います。
#213
○辰巳孝太郎君 ということは、本人が否定する限り、皆さんはこのセクハラについてセクハラの事実認定はしないということになるんじゃないですか。そうなっちゃうんじゃないですか。皆さん自身、何のためにそれを調査しているんですか。
 昨日の委員会でも問題になっているのは、これらの会話がどのような場でどのような相手に対してどのような流れの中で行われたのかというのが問題だと、こう言っているわけですね。もちろん、私は、それら全てを考えないとしても、そういう言動が女性に対してされたのであれば、これはもう即刻セクハラ認定すべきだと思いますが、今日の週刊誌の報道では、どのような場でどのような相手に対してどのような流れの中でというのは、これはもう明らかになったじゃないですか。
 だったら、皆さん自身がこれ調査、当然、福田さんには聞き取りはしたらいいと思いますが、皆さん自身がセクハラ認定して、これ処分すべきですよ。すべきですよ。どうなんですか。
#214
○政府参考人(矢野康治君) 繰り返しになりますけれども、福田次官は、そこに書かれていること自体につきまして疑義があるということを強く申し上げております。その文字を、字面を事実であるという前提にすれば、これはセクハラでしょう。でも、本人は、その前段も状況も違うと言っておりますので、それを裁判でまでやると言っていますので、それを、要するに嫌がらせというハラスメントの状態であったかどうかという前提に立ち至っているんです。
 よく言われますけれども、セクハラがこの程度だったらいいというようなことを言っているのではなくて、ハラスメントの実態があったかどうかということをまず究明する必要があるということでございます。
#215
○辰巳孝太郎君 皆さんは、今日報道にあるようなやり取りがあったとしても、前段があればセクハラに当たらない可能性があるという認識に立っているということですね。
#216
○政府参考人(矢野康治君) そうではございません。そのやり取りにつきましても疑義があると申し上げているんです。
#217
○辰巳孝太郎君 まず、私の質問に答えてください。前段が何かあるんでしょう。
#218
○政府参考人(矢野康治君) ですので、一方の当事者とされる福田事務次官は、そのやり取りについては前段もあるし状況も違うしということを申し上げておりますので、そこをきちんと究明しないといけません。それが事実でございます。
#219
○辰巳孝太郎君 ということは、今日報道の週刊誌の、どこどこのバーで、そしてこのやり取り、これそのものを否定されているということなんですか。そういうことなんですか。
#220
○政府参考人(矢野康治君) 幾つか抜けていることがあったり順番が違うことがあったりということが起こっているというふうに昨日会見で本人が言っていますよ。それを法廷にまで持ち込んででも自分の名誉を晴らしたいと言っていますので、そこの法廷に行く前に、まず人事院の規則にのっとった調査を、我々は相手の二次災害ということをミニマイズする人事院の規則以上のことをやって、今進めているつもりでございます。それがいかにできるか、これはきちんとやりたいと思っています。
#221
○辰巳孝太郎君 つまり、前提が何かあれば、そして書かれているようなやり取りの順番が違っているのであれば、これは、こういうやり取りがされていたとしても財務省としてはセクハラと認定しないと、そういう可能性があるということを言っているんですね。これ、全く私、信じられないです。信じられないですよ。
 これ、女性記者であるということは認めているんですか。このやり取りが女性記者であるということは認めておられるんですか、福田さんは。
#222
○政府参考人(矢野康治君) 音声のところで話題になりましたけれども……(発言する者あり)済みません、今日の記事についての聴取ということはできておりません。
#223
○辰巳孝太郎君 では、先週の音声で結構です。
#224
○政府参考人(矢野康治君) 音声につきましては、複数の人との会話があるように言われておりますけれども、記者でないところもあるように記憶していると、そこの辺りはこれからきちんと準備をして調査をしたいということですので、全部が記者であるという前提自体が疑わしいと申しております。
#225
○辰巳孝太郎君 記者以外の方へのセクハラ言動であれば問題ないということなんですか。
#226
○政府参考人(矢野康治君) 記者以外の方というのはいろいろな方がおられますけれども、ビジネス上の方であったりするということです。
#227
○辰巳孝太郎君 今日の週刊誌についての聞き取りはなぜしないんでしょうか。なぜまだしていないんですか。
#228
○政府参考人(矢野康治君) それは、今日出版されたものですからです。
#229
○辰巳孝太郎君 昨日取り上げられていますね。当然、矢野さんも御覧になっているでしょう。もしこのやり取りがされていたとすれば、女性記者に対して、そのことを今日未明の記者会見でテレビ朝日はおっしゃっているわけですよね。
 これはどう考えてもセクハラ認定すべきだと思いますけれども、福田さんが何を言おうがすべきですよ、財務省は。あなた、今、事務方のトップですね、代行されているわけでしょう。これ、財務省として、福田さんが何言おうが、これ言動がこういうことがあれば、これは皆さんがきちっと調査をして、セクハラ認定して、そして辞任じゃなくて、辞任する前に皆さんが懲戒処分なりするべきですよ。辞めさせたら駄目ですよ、すぐに。処分ですよ、まず。いかがですか。
#230
○政府参考人(矢野康治君) ですから、事実認定をするというプロセスに入っているわけです。昨日も他の委員会で大臣もるる答えられましたように、そのデュープロセスに今入っているわけです。人事院規則以上の、細心の注意を払って私どもは調査をやっているというつもりでございます。
 そこで、今、書かれているものが事実であるという前提での御質問を繰り返しておられますけれども、本人が違うと言っているので、じゃ、違うならどこがどう違うかということをきちんと究明しないと、ハラスメントであったかどうかということが狂ってくるわけですよ。それを我々は、どこが事実でなくて事実であるかということをきちんと調査をさせていただく。そのために、福田の聴取と、それから、されたとされる方の御事情をお聞きすることと両方をきちんとやらなければいけないと思っております。
#231
○辰巳孝太郎君 今日の報道では、福田さんは、全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのは分かると、こう言っているんですよ。全体を見てもらえればセクハラに該当しないというのは分かると。
 彼は、記憶にないとか、そんな言っていない、全面否定しているわけですけれども、この発言見れば、そういったことを言ったということを前提に、前提に全体を見てもらえばセクハラに該当しないという御自身の意見を述べられているんですけれども、彼はそういうやり取りがあったということを認めているということでよろしいですね。
#232
○政府参考人(矢野康治君) 歩きながらの短い間のやり取りですので、それで全てを究明しろというのは御無理だと思いますよ。
 調査を我々は別途きちんと責任を持って人事院規則にのっとってやっておりますので、その調査を待っていただきたいと思います。
#233
○辰巳孝太郎君 いや、財務省というところが、本当にこの期に及んでという感がしますけれども、とんでもないところだなということが明らかになったかなというふうに思います。
 世耕大臣、実は、経済産業省所管するクールジャパン機構、官民ファンドですけれども、昨日の報道でありますけれども、ここでもセクハラがあり、そして今訴訟をされているということが報道をされています。職員に対してくじ引をして、当たりとして監査役とのワインディナーとか、そういうことをしていたということが争われているわけでありますけれども、このことについての認識をお伺いしたいと思います。
#234
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘の訴訟については、クールジャパン機構等の当事者間の問題でありまして、経産省としてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
 いずれにしても、解決へ向けて、クールジャパン機構等において誠実に、今これ訴訟になっているわけでありますので、訴訟対応していくものだというふうに考えております。
#235
○辰巳孝太郎君 しかし、これも経産省も率先してセクハラの実態調査、これ事実関係調べるべきだと私は言わなければならないというふうに思います。
 さて、全て都合の悪いことが記憶にないとか、ごまかしやすり替えで審議が進んでいくわけなんですけれども、財務省にお聞きしますが、森友のやり取りの中で、昨年の、二〇一七年の二月の二十二日に菅官房長官に対して、佐川前理財局長、太田現理財局長、そして中村稔現総務課長がこの契約についての説明に行ったということでありました。
 中村総務課長は、その時点で安倍昭恵さんの名前が記載をされている決裁文書に判こをついた一人でありますから、当然そのときに菅官房長官に、安倍昭恵さんの名前がありますよと、こういう報告をされているはずだと私は思うんですが、この間のやり取りではそれを否定されて、そして、決裁をしたときにその決裁文書を見なかったのかという問いに対しては、実は見ずに判こを押していましたと、昭恵さんの名前は私知らなかったので報告していませんでしたと、こういう答弁でありました。
 その二〇一五年の四月の三十日の決裁、これ、十四のいわゆる改ざんされた決裁文書の中の本省が持っている唯一の決裁文書、特例承認決裁文書と言われるものでありますが、そこに決裁をしているのは中村さんだけではなくて、当時の飯塚局次長であったりとか田村嘉啓さん、いわゆる谷査恵子さんとのやり取りをやったりとか籠池夫妻と直談判してごみの処理を相談したりとか、その人たちも実は決裁の判こを押していたと。この間の審議の中で、実はその人たちも中身を見ずに判こを押していたので、安倍昭恵さんの名前がそこにあることは知らなかったので上には報告してなかったと。菅さんは知らない、官邸は知らなかったと、こういう話になっているんですね。
 決裁されている方はそのほかに、全部で十八人ですから、その残りの人は中身は見て決裁をされたんでしょうか。
#236
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 今お取り上げになっている特例承認の決裁の決裁者の認識ということでございますが、これまでの国会におきまして、委員の方からは総務課長あるいは前審理室長についてのお尋ねがあって、それぞれ御答弁をさせていただいております。また、他の御質疑の中で飯塚前次長あるいは古谷審議官についても御答弁をさせていただいておりますが、引き続き、残り全員ではないが、確認作業を行ったところでございますけれども、当時、決裁文書を作成、起案した審理室の担当係長及び当該係長の上司でありました訟務専門官は、経緯の中に総理夫人に関する記載があることを認識していたということでございました。
#237
○辰巳孝太郎君 それは当たり前なんですよ、起案しているんですから、文書を書いている人ですからね。それは安倍昭恵さんの名前を書いた張本人ですから、知っているのは当たり前なんですよ。
 残りの、起案以外の人で、中身を見てちゃんと判こを押した人はいるのかというのを聞いています。
#238
○政府参考人(富山一成君) お答えをいたします。
 残りの人数ということで申しますと、残り十二名ということになろうかと思いますが、既に退職をしている者、あるいは東京に現時点でいないといったような者もおりますので、確認にはいましばらくお時間をいただきたいと思います。
#239
○辰巳孝太郎君 つまり、今の段階でその決裁文書の中身を見ている人は誰もいないと、こういうことなんですよ。あり得ないんですよ、行政マンとして。あり得ない話ですよ。皆さん、ちゃんと見ていると私は思いますよ。
 なぜ見ていないとしか言えないかといえば、見ていると言えば、二〇一七年、昨年の二月の二十二日の時点で、財務省として、理財局として、安倍昭恵さんの、つまり改ざん前の安倍昭恵さんの名前のある決裁文書があって、それに基づいて全部審議していた、だから改ざんしたんだ、隠すためにと。つながるから、都合が悪いからそれを言えないだけの話なんですよ。あり得ない話ですよ。これ、行政全体に関わる信頼性の問題だと言わなければならないと思います。
 この問題、引き続きやりたいと思いますので、またよろしくお願いします。
 富山局次長、矢野さん、退席していただいて結構です。ありがとうございました。
#240
○委員長(斎藤嘉隆君) 矢野官房長、富山次長、御退席いただいて結構です。ありがとうございました。
#241
○辰巳孝太郎君 法案に入りたいと思います。
 生産性向上特別措置法案で導入される規制のサンドボックスについてお聞きをしたいと思います。
 大臣は、これは分野の限定がないんだと、分野の限定がないのは日本以外にないということも認められております。そして、道路運送法で白タク行為として禁止されるライドシェアについても申請が可能であることを認めておられます。これ、重大だと思うんですね。
 具体的に聞きたいと思うんですが、国交省、なぜライドシェアは日本で認められないのか、これをお答えください。
#242
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 国土交通省といたしましては、自動車による旅客の運送において、安全、安心の確保が最重要の課題と認識をいたしております。
 自家用車を用いたいわゆるライドシェアにつきましては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提といたしております。国土交通省といたしましては、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
#243
○辰巳孝太郎君 法令に違反するということなんですね。
 済みません、航空局の次長も退席していただいて結構です。ありがとうございました。
#244
○委員長(斎藤嘉隆君) 航空局和田次長、御退席いただいて結構です。
#245
○辰巳孝太郎君 そこで、この間議論されているウーバーなどのライドシェア事業者が日本で白タク営業を行うためにこの規制のサンドボックスを用いて計画を申請する場合、まず、法案にあります十一条に基づいて主務大臣に申請をするということになります。
 主務大臣というのは、これ具体的にはどういう大臣になるんでしょうか。
#246
○政府参考人(糟谷敏秀君) 規制のサンドボックスであります新技術等実証制度におきまして、事業者から実証計画の申請があった場合の主務大臣でございますが、計画に記載された革新的事業活動についての事業所管大臣と当該実証に関係する規制法令に係る規制所管大臣が主務大臣になるわけであります。
#247
○辰巳孝太郎君 ということは、仮にですよ、仮にウーバーが今道路運送法上禁止をされているライドシェアということでサンドボックスの申請をした場合は、国土交通省が規制官庁ということに、規制所管大臣と国交大臣がなるということでよろしいでしょうか。
#248
○政府参考人(糟谷敏秀君) 実証計画の中で当該実証に関係する規制法令として道路運送法が規定をされた場合には、道路運送法の規制所管大臣ということで国土交通大臣になるというふうに考えております。
#249
○辰巳孝太郎君 そのようにならざるを得ないと思いますね。
 そして、ちょっと九条についてお聞きしたいんですね。九条には、新たな規制の特例措置の適用を受けて新技術等実証を実施をしようとする者は、主務省令で定めるところにより、主務大臣に対し、当該新たな規制の特例措置の整備を求めることができると、こういうことですが、これは要するに、今は道路運送法などで規制がされている、できないライドシェアがサンドボックスに来た場合は、特例措置の整備をすればこれが違法ではなくなって合法化されてしまうということになるんでしょうか。
#250
○政府参考人(糟谷敏秀君) 九条でございますけれども、新たな規制の特例措置の適用を受けて新技術等実証を実施しようとする者が新たな規制の特例措置の整備を求めることができるということであります。その求めを受けた主務大臣は、その特例措置を講ずることが必要かつ適当であると認めるときは、その内容を、特例措置の内容を求めをした者に通知をするとともに、講ずることとする新たな規制の特例措置の内容を公表するものとするというふうに規定をしております。
 逆に、特例措置を講ずることが必要でないと認めるとき、又は適当でないと認めるときは、遅滞なく、その旨及びその理由を当該求めをした者に通知をすることとされております。
#251
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、違法なものを合法にできるというものなんですね、これ。違うんですか。
#252
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、この特例措置の適用でありますけれども、法律に基づいて定められている、法律を変える必要がある場合には、当然、新たな法律を出して、国会で審議をいただいて可決をされることが必要になるというふうに考えております。
 政令を変える必要がある場合は政令の改正、省令を変える必要がある場合は省令の改正等、それぞれのどの部分を変えなければいけないか、どの部分の特例を設けなければいけないか、変えるべき特例措置の対象となる規制等、法令等の内容に応じた対応になるというふうに考えております。
#253
○辰巳孝太郎君 いや、ですから、法律であれ省令であれ政令であれ、それを変えれば、今まではできなかった違法なものが合法になっていくということだと思うんですね。これ、とんでもない話だと思うんですよ。
 国交省、これで国民の命と安全、守れるんですか。どうですか、国交省。
#254
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたけれども、自家用車を用いたいわゆるライドシェアにつきましては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としているものでございます。
 国土交通省といたしましては、仮にこのような形態の旅客運送を有償で行うことを前提とした新技術等実証計画の申請があった場合には、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、極めて慎重な検討が必要と考えております。
#255
○辰巳孝太郎君 それ以上の答弁、多分来ないと思うんですけれども、皆さんが規制されている労働時間あるいは車両規制等々、これ全部安全のためでしょう。安全のために必要だからやっているわけでしょう。だけど、それなしに、ウーバーなどのマッチング業者というのは、これ雇用関係ないわけですよ。どうやって車両の整備やりますかと、どうやって労働時間把握しますかと、これ、なかなかできないわけでしょう。これじゃ安全絶対守れない、こう言わざるを得ないと思うんですね。
 この白タク事業というのは、これ安全性が確保されずに、世界各国で事故、事件が起きております。市場のルールも、社会全体の混乱が必至という状況の中で、再規制にむしろ踏み出しているのが世界の流れであります。代表的な事業者であるウーバーも世界で行き詰まっております。それを規制のサンドボックスで、規制の及ばない環境でライドシェアという実証実験をさせるということになると、これは国民の身体、生命の重大な侵害、命に関わる事態をもたらしかねないと言わなければなりません。
 国交省、ニューヨークで、世界であるんですが、とりわけニューヨークでこのライドシェアの参入によって車両台数が急増している実態について、どのように把握をされていますか。
#256
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 国土交通省といたしましては、ニューヨークにおけるライドシェアの状況等について把握をしてございませんけれども、ウーバーに関する報道といたしまして、ニューヨークのマンハッタン地区における二〇一四年と二〇一五年の乗客数を比較いたしまして、この間、ウーバーが約四百四万人増加をしているのに対し、タクシーの乗客数は三百六十八万人減少しているといった調査結果を示したものがあると承知しております。
#257
○辰巳孝太郎君 これ、まさに破壊していますね。すごいですよ。
 ニューヨーク・タイムズが今年の二月六日の記事で、このライドシェアの普及でタクシーの台数、タクシーというかライドシェアの車両も含めて急増して、運転手が低賃金、長時間労働で自殺をしたということを取り上げております。日本にライドシェアが入ってくれば、ニューヨークのように車両台数が全体として急増して供給過剰になる過当競争というのが生じることは、もうこれは明らかなんですね。
 二〇〇二年の小泉政権下でタクシー事業の需給調整というのが撤廃をされて、新規参入や増車が自由化されるなどの規制緩和が実施された結果、タクシーの台数が増えて、運転手の賃金、労働条件が低下をして、交通事故増加などの安全運行を脅かす事態も深刻化しました。それで、規制緩和政策を見直そうという動きがこれは与野党含めて出て、二〇〇九年にはタクシー適正化・活性化法が制定をされて、一三年には都市部などの過当競争地域を国交大臣が特定地域に指定をして、減車措置に強制力を持たせるなどの規制を強化する法改正も行われたわけなんですね。これ、入れちゃったら同じこと繰り返すことになりますよ、これ、絶対。
 世耕大臣、幾ら経済産業省、規制緩和するところだとはいえ、こういう労働者の賃金とか労働条件とかをずたずたにしてしまうと、これやっぱり日本の産業のためにも経済のためにも私は良くないと思います。いかがですか。
#258
○国務大臣(世耕弘成君) いずれにしても、この法律では、まず分野を限らないということが前提になっているわけですが、実際にライドシェアのようなサービスが申請をしてきた場合は、これは特に主務大臣がきっちり安全性その他規制法令に違反していないかどうかをチェックをして、認定するかどうかということになるわけです。
 ちょっとこのサンドボックスと離れて、ライドシェアの今動向を申し上げれば、例えば先ほどから特定の会社の名前を言っておられますが、その会社は今、日本のタクシー会社と逆に連携するようなアプローチも進めていますよ、今。大分、今おっしゃっているようなニューヨークの状況とかを踏まえて、少し企業も行動を変えてきている面もあります。
 あるいは、ライドシェアが今本当に期待をされているのは、現に今、日本でも実験が行われていますけれども、過疎の地域ですね、公共交通、タクシーもなかなかないというようなところで、高齢者の皆さんが自分で運転できないというようなところにライドシェアを入れることによって、その人たちに移動手段が提供されるというようなことも出てきているわけであります。
 いずれにしても、今回、サンドボックス制度は、御指摘のようなタクシードライバーを請負とすることで質の高い雇用を失わせる、そんなことを目的として実証を行うものではないというふうに考えています。ライドシェア事業者とタクシー会社が連携するようなことも想定をされていまして、産業の新陳代謝に寄与する可能性、あるいはタクシー会社の効率を上げていく、生産性を上げていく可能性もあるのではないかというふうに思っています。
#259
○辰巳孝太郎君 もちろん、先ほどの個社だけではなくて、ほかの会社も、大きい会社もたくさんありますからね。これは我々としては絶対認められないというふうに思っております。
 ちょっとサンドボックスから離れて、ライドシェアですけれども、ライドシェアとはまだ言えないのかもしれませんが、利用者がドライバーに対して、ガソリン代などの実費に加えて謝礼として、謝礼を名目にお金を払う、こういう業態といいますかね、マッチングサービスで出てきております。その代表的な会社がクルーという会社なんですが、国交省は、今年の四月の五日に、この相乗りアプリ、クルーに対して改善の指示を出しておられますけれども、どういう指示なんでしょうか、なぜそういう指示を出されたんでしょうか。
#260
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 委員御指摘のクルーにつきましては、自家用自動車による運送において、利用者が運転者に対し実際の運送に掛かるガソリン代や道路通行料のほか、謝礼を支払う形態のものであると承知をいたしております。
 道路運送法上の許可又は登録を要しない自家用自動車による運送の態様につきましては、昨年六月の規制改革実施計画や高齢者の移動手段の確保に関する検討会の中間とりまとめにおきまして、ガソリン代などのほかに一定の金額を収受することが可能な範囲を明確化することなどが求められたことを受けまして、これらを明確にするための通達を本年三月三十日に発出をいたしております。具体的には、ガソリン代などのほかに一定の金額を収受することが可能な範囲として、自発的な謝礼や仲介手数料の収受について、それぞれ取扱いの明確化を行ったところでございます。
 この通達を踏まえまして、クルーに対しましては、謝礼を誘引するような表現は修正すること、それから運転者が謝礼の有無、金額により利用者を評価することがないよう、また利用者が謝礼の決定を経由しなくても決済ができるようシステムを修正すること、さらに、運転者に仲介手数料が還流しないよう防止策を講じることを求めているところでございます。
#261
○辰巳孝太郎君 つまり、名目は謝礼なんだけれども、謝礼を誘引するようなことはやってはならないと、こういうことですね。実質の利用料になってしまうと、こういう話だと思うんですね。
 先ほどちらっとありましたけれども、これはネットで決済をするわけでありますけれども、ガソリン代などの実費が走行距離などに応じてぱっと出ます。当然、それは支払わなけりゃならない。次の画面で、謝礼は幾ら払いますかという画面が出る。もちろん幾らでもいいんですけれども、五百円とか千円とか二千円とか謝礼を入れる。その画面を経ないと最後の決済ボタンを押せないというようなアプリの形式は駄目だと、こうおっしゃっているわけですよね。これ、イエスかノーかだけ。
#262
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 基本的には御指摘のとおりでございまして、少しちょっと先ほど通達の内容をはしょりましたけれども、謝礼に関しては、アプリ等で仲介するサービスについて、謝礼の有無、金額による利用者の評価等を通じて謝礼の支払を促す場合は自発的な謝礼の支払とは言えず、許可又は登録を要すること、それから、仲介者が利用者から仲介手数料を収受する場合は、一部を運転者に支払うことは道路運送法違反になることなどを明確化したことを踏まえて、今のような指示、指摘をしているということでございます。
#263
○辰巳孝太郎君 分かりました。
 私が申し上げたことに加えて、利用者とドライバーが相互に点数を付ける、評価をする、これがマッチングアプリの特徴なんですけれども、その際に、ドライバーが星を幾つ付けたか、それを利用者が分かった上で謝礼をするとか、またそれの逆の場合とか、要するに、評価の寡多で謝礼が違ってきたりとか、そういうことをしてはならないと、こういう話だと思うんですね。
 私、実際にこのアプリに行ってみました。ホームページには、例えばお礼をしましょうと。つまり謝礼ですね、謝礼をしましょうという言葉や、ドライバーに対して任意に謝礼をお支払いいただくことができますという文言ですね。謝礼の有無や金額は自由に設定することができます、ドライバーに、乗車した方からいただいた謝礼は全額ドライバーの方に渡されますなどの文言が見られるんですけれども、先ほどの通達に沿って考えれば、これはまずいんじゃないですか。いかがですか。
#264
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 今現在、御指摘のあったようなことになりますと、その謝礼をという問題がございますので、謝礼を誘引するような表現は修正することということで申し入れているところでございます。
#265
○辰巳孝太郎君 ですから、今日の時点でも直っていないということなんです、つまり。皆さんが、これ駄目だよ、これやっちゃうと白タク行為に当たりますよということがアプリ上ではまだ載っているということなんですよ。これ、結構重大な話なんですよ。皆さんは四月五日にその旨を伝えたけれども、いまだに直っていないと。
 これ、こういうことを許していたら駄目だと思いますよ。これ、きちっと指導していただきたい。指導していただきたい。いただけますね。
#266
○政府参考人(早川治君) お答えいたします。
 先ほど申し上げましたクルーに申し入れている改善措置につきましては、実施するのに一定の期間は要するものと考えておりますけれども、あのクルーにつきましては、今後も改善を求めた事項の措置状況等について確認をいたしまして、必要に応じ適切に対応してまいりたいと考えております。
#267
○辰巳孝太郎君 一定期間とか云々じゃないですよ。白タク行為を今やっているということですからね。これすぐに直させないと、これ、事業をやめてくださいということをちゃんと言わないと駄目ですよ。直るまで事業進むなと、これ、当然の国交省の対応だと思うんですね。これ、きっちりやっていただきたいと思います。
 先ほど大臣からありましたように、ライドシェアに限って見ますと、やっぱり質の良くない労働というのが私は増えて、日本の産業のためにも良くないんじゃないかということを思っております。
 このシェアリングエコノミーに関わって、もう一つ、今注目されているのが民泊であります。
 昨年、民泊新法が可決をされました。本年六月の十五日から施行をされます。これは、闇民泊という話がありますけれども、民泊の事業者が届出を行って新法によって違法民泊を排除していくんだと、仲介業者もちゃんと登録してもらうんだと、こういう話であります。三月からこの事業者の登録が始まって、六月の十五日から施行ということになります。
 ちょっと今現在の違法民泊の数を確認したいんですけれども、今現在の違法民泊の数はどれぐらいですか。
#268
○政府参考人(吉永和生君) 都道府県に対しまして、旅館業法の許可を受けていない無許可営業につきまして調査を行っているところでございます。これがいわゆる違法民泊の可能性が疑われる事案になるかと思っておりますが、これは、平成二十八年度におきまして新規に把握したものが一万八百四十九件となってございます。
#269
○辰巳孝太郎君 これ、通報があったものだけですね、確認しますけど。通報されているものだけでしょう。だから、実際にはどれぐらいあるか分からへんでしょう。実際にはもっとあるはずなんです。これ、通報されて、指導するなりなんなりしたものの数だけですから。イエスかノーかだけで。
#270
○政府参考人(吉永和生君) 都道府県として把握しているものの件数でございます。
#271
○辰巳孝太郎君 つまり、そういうことなんですね、通報あったものだけなんですよ。分からないほんまの闇民泊というのは、もっとその恐らく何倍も存在するということになるんですね。これらをやっぱり全て取り締まっていく、なくしていく、これ新法の立法趣旨なわけですよ。だけど、これ本当になくすことできるのかということなんですね。これ、残念ながらそうにはなりません。
 今現在でも違法民泊を排除する最も原始的であり効果的な方法は、民泊仲介業者のサイトに今認められている、今現在ですよ、認められている民泊というのは、簡易宿所を取るか、あとは特区民泊、この二つなんですね、多くは。この二つは都道府県がこれ許可出しているわけですから、この許可出しているところだけ仲介サイトに載せるという方法、そしてあとは全部載せないということをやれば、違法民泊なくなります。すぐになくすことができますね。
 実際にはそうなっておりません。実際、最大手のエアビーアンドビーというところは、五万件を超える、いわゆる、日本だけですよ、これ登録の事業者やっております。ところが、そんなにないわけですからね、実際。ほとんどが違法民泊なんですね。
 国は、この民泊仲介業者に対してこれ排除せいと、排除せいと、特区民泊、簡易宿所以外は。こういう指導は行ってきたんでしょうか。
#272
○政府参考人(秡川直也君) お答えいたします。
 平成二十八年の四月以降、外国のインターネット仲介事業者に対しまして、自社のサイトに物件を登録しているホスト、登録している事業者ですね、に向けて、旅館業法の許可取得等を呼びかけるように厚生労働省と観光庁の連名で文書で要請をしたところでございます。
 また、住宅宿泊事業法においては、住宅宿泊仲介業を営む者につきまして、海外の事業者を含めて観光庁長官の登録ということを義務付けてございます。この登録に際しましては、違法物件を扱っていないことを確認するとともに、登録の後におきましても、届出の有無を確認することなく仲介行為を行うことを禁止しておりまして、これに違反した場合には業務改善命令、業務の停止請求等ができることとなっております。
 これを踏まえて、仲介サイト運営事業者に対しまして、旅館業法上の許可あるいは住宅宿泊事業法上の届出を行うなどその適法性が確認できないような掲載物件につきましては、住宅宿泊事業法の施行日、六月十五日までにサイトから削除するように昨年の十二月二十六日に通知をしております。
#273
○辰巳孝太郎君 いや、だから、それが駄目なんですよ。全然効果を生んでいないんですもん。そうでしょう。そのまま載っているんでしょう。皆さんのその指導というのは、六月十五日までに取り除けばええという話なんですよ。そうじゃないんですよ。今だって去年だっておととしだって、特区民泊あるいは簡易宿所を取っていないのはその時点で違法民泊だから、その時点で排除する措置をとれということをやらなあかんわけです。皆さんは言ってきたかもしれないけれども、本気で取り組んでいないからこそ今でもずっと違法民泊があるんですよ。
 これ、実は大変な問題引き起こしますよ。大阪の民泊においても違法民泊で女性が殺害される事件も起こりましたけれども、大変な問題、これから出てきます。ちょっと後で言いますけれども、これ大体民泊新法の十八条には、これ条例で規制できるということも盛り込まれておりますね。レクで聞いたところ、四十四の自治体で既に規制の条例ができているということであります。
 一つ取り上げたいのは、軽井沢町は通年でこの町内での全面禁止を求めております。なぜかといいますと、軽井沢ブランドを守るためやと、こう言うんですね。しかし、規制権限がある県の条例では制限は部分的だと。ですから、町から、軽井沢から悲鳴の声が出されているわけですね。大体、国が示した運用指針では、これ自治体全域や通年での民泊規制というのは適切ではないと、やっぱりここがあるから県でも全部できないわけですよ。だけど、地元の軽井沢の人たちはこれ全部やってくれと、こう言っているわけですね。
 世耕大臣にお聞きしたいんですね。
 大臣、これ軽井沢ブランドですよ、まさに。大臣行かれるかはよう分かりませんけれどもね。これ、やっぱり町の長年の努力で形成されてきたブランドというのは、環境資源であり、あるいはそこにある宿泊施設、これもまさにそこのブランドであり、町そのものの風情や雰囲気というのが守られてこそやっぱり軽井沢だという矜持が地元の人にはあるわけなんですね。この築き上げてきたものを破壊されるという懸念があるわけなんですよ。
 規制緩和規制緩和と言うんですけれども、このまま全面解禁、まあ一部は制限されるということになるかもしれませんが、これ誰も得しないんじゃないかと思うんですよ。これ、大臣、どうですか。
#274
○国務大臣(世耕弘成君) 軽井沢は、例えば建築規制とか、あるいは辰巳議員がお詳しいスナックもここは駄目なんですね。カラオケもありません。そういう意味で、独自のこの町の雰囲気をつくっているというのはあると思います。
 だから、そういうことを民泊新法でも一定程度その自治体の独自の取組というのを認めているんではないかというふうに思います。
#275
○辰巳孝太郎君 まあスナックの話が出ましたけれども、また行きたいと思いますけれどもね。
 ここからが問題です、ここからが。これからが問題なんです。新法が六月十五日に施行されるんだと。ところが、ほとんどの違法民泊というのは仲介サイトから排除をされておりません。一方で、三月から既に新法に向けた届出というのがスタートをしております。これ、届出は何件ぐらいありますか、今の段階で。
#276
○政府参考人(秡川直也君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおりで、三月の十五日から民泊新法に基づきます各事業の届出や登録の受付が始まってございます。
 四月十三日の時点で観光庁で把握しておりますところは、住宅宿泊事業の届出の受付は二百三十二件ということで……(発言する者あり)はい、二百三十二件。
#277
○辰巳孝太郎君 たった二百三十二ですよ。これに登録していないと、あるいは簡易宿所じゃないと、六月十五日からは人泊めちゃ駄目なんですよ。だけど、登録、今の段階で二百三十二しかないんですよ。これ、どうします。どうします、本当に。
 今、違法な物件、事業者もあります。だけど、それはどんどん契約しているわけですよ。宿泊事業ですから、外国の方は三か月後とか四か月、半年後の予約、民泊をしているでしょう。だけど、六月十五日を境に、その民泊の事業者が登録をしていなければ、これ泊めさせることはできないんですよ、違法になりますから。当然、この仲介しているエアビーで、まあまあ、仲介業者もそれを契約させたらあかんわけですよ。だけど、外国の方来られるんですよ。違法民泊ですよ。これ、どないなりますの。どうしますの。
#278
○政府参考人(秡川直也君) 今先生御指摘のようなケースが起こる可能性はあると思うんですけれども、そういう場合は宿泊予約の取消しということになると思います。一般的には、その仲介業者と宿泊者間の契約内容に基づいて仲介業者が必要な対応を取る、ほかの宿を確保する等のことをすると思います。
 それで、いずれにしましても、国として、仲介業者が他の施設の紹介等による対応などの適切な対応を行うことができるように、法律の施行日は六月十五日となっておりますので、それまでに必要な経過期間の中でそういう御検討もしていただければというふうに思っております。
#279
○辰巳孝太郎君 いいですか、今の段階で届出されているのが二百三十二件しかないんです。
 例えば、エアビーというのは利用者数は年間四百万人と言われているんです。その大部分の人が違法民泊と契約しているんでしょう、あるいはするかもしれない。代替の施設、そんなものないですよ。ないですよ。恐らくそのまま泊めるんじゃないですか。外国の人は、だって、泊まるところなかったら困りますもん。こういう事態、可能性じゃなく大ですよ。必ず起こるんですよ。こういう事態招いたのも、皆さんがきっちりと仲介業者に元々去年あるいはその前から指導してこなかったからなんですよ。
 聞きますけど、そういう事態になった場合、違法民泊、泊めると、これは当然指導の対象になりますね。なると思いますよ。だけど、やっていくわけですよ。これちょっと、例えばその仲介業者ですけど、これ違法な事業で収益を上げるということになると違法収益ということでいいですね、なりますね。
#280
○政府参考人(秡川直也君) 違法物件を仲介した場合には法令違反ということになりますので、先ほどの業務改善命令等の対象になるということです。(発言する者あり)はい。
#281
○辰巳孝太郎君 今、違法収益、はいという話がありましたけれども、これが必ず起こるんです。必ず起こるんです。
 それと、私が最後に訴えたいのは、仮にそうではなかったとしても、このビジネスモデル、マッチングビジネスですけれども、海外の事業者なんですね、今最大手と言われているところは。これ手数料をそれぞれ取っていくわけなんですが、海外の事業者ですけれども、この民泊を仲介する海外の法人に課税できるんですか。国税庁から来てもらっていますけど、どうですか。
#282
○政府参考人(金井哲男君) お答え申し上げます。
 個別にわたる事柄についてお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論として申し上げさせていただきますと、租税条約及び国内法令上、外国法人は、国内にサーバー等の恒久的施設を有するか否かによって課税関係が異なることとなります。
 具体的に申し上げますと、外国法人が国内に恒久的施設を有しております場合には、その外国法人の事業所得に対しまして、その恒久的施設に帰属する所得について日本で法人税が課税されることとなります。他方、外国法人が国内に恒久的施設を有していない場合におきましては、その外国法人の事業所得に対して日本で法人税は課税されないこととなります。
#283
○辰巳孝太郎君 今一般論でおっしゃっていただいたんですけれども、これ、恒久的施設というのはPE、パーマネントエスタブリッシュメントですね、こう言うんですけれども、これマッチング事業で恒久的施設ということになりますと、これは主にサーバーになりますよね。サーバーですよ、別に事務所も工場も要らないわけですから。エアビーという会社のサーバーというのはアイルランドにあります。アイルランドにありますので日本では課税はできないと、こういうことになります。
 先ほどありましたけど、最後に、事業改善命令、営業停止命令を出せることにも民泊新法ではなっておりますけれども、この場合、海外の法人に対しては営業停止を課せるんですか、事業改善命令できるんですか、お答えください。
#284
○委員長(斎藤嘉隆君) 時間が来ておりますので、簡潔にお答え願います。
#285
○政府参考人(秡川直也君) 日本で営業する仲介事業者であれば、海外の事業者だろうと日本の事業者だろうと業務改善命令等の対象になります。
#286
○委員長(斎藤嘉隆君) 辰巳君、時間です。
#287
○辰巳孝太郎君 はい。
 時間なので終わりますけれども、これ、サーバーがアイルランドになるということになれば、アイルランド政府にお願いをして営業停止命令を本社に出すということになるのではないかと私は思っております。
 やっぱり規制緩和一つ取っても、これは全て我々否定するわけではありませんけれども、日本の産業のためにならない、雇用のためにならない、そういう規制緩和というのはこれはやっちゃ駄目だということで、引き続き審議をしてまいりたいというふうに思います。
 ありがとうございました。
#288
○石井章君 日本維新の会、石井章です。通告に従いまして質問したいと思います。
 日本が産業立国と呼ばれていた二十世紀末頃と比べまして、産業分野における国際競争力の面で日本のプレゼンスが大きく後退していることは、残念ながら肯定せざるを得ないと思います。各国が存亡を懸けて国内産業の競争力強化に向けて懸命に取り組む中、グローバリゼーションの進化により、人材投資や技術移転はかつてなく加速しております。各国間の経済への国境はほとんどなくなりつつある中で、中国を始めとする新興国の台頭など、近年の世界経済を取り巻く環境はこれまでとは全く次元の違うスピードで劇的な変革をもたらしております。したがって、今後の産業政策は、これまでと比べ物にならないほどに我が国の将来に多大な影響を与えることとなることは論をまたないわけでございます。
 さきの本会議におきましても、本案が他国と対抗し得る優れた政策となっているのかについて質問させていただきました。産業の国際競争力を強化し、民間活力を発揮し得る新しい日本の産業構造の創造は待ったなしの課題であります。
 本法案がこの課題克服に大きく資するものとなり得るかについて、改めて大臣から御答弁いただきたいと思います。
#289
○国務大臣(世耕弘成君) 御指摘のとおり、近年、グローバルにIT系の非常に大きな新興企業が出てきているという中で、日本からは、IT人材の不足ですとかあるいは起業家マインドがちょっと不足をしているといったようなことを背景に、日本からそういう企業が世界へ打って出ているという例がほとんどないという状況になってきている、日本の企業の存在感が世界の中で低下をしてきているという危機感を持っているわけであります。
 しかし一方で、ここへ来て、今世界の巨大IT企業というのはバーチャルデータを取り扱っているわけですが、いよいよこれリアルデータの世界での勝負に移ってきている。リアルデータというのは、まさに日本が、現場力が強い日本が現場に非常に価値の高い良質なデータをたくさん持っている。このリアルデータを生かすことによって新たなビジネスを生み出していくということがこの第四次産業革命の世界での日本の勝ち筋ではないかというふうに考えております。その考え方でコネクテッドインダストリーズという構想も打ち上げて、今産業界と取り組んでいるわけであります。
 そして、今回提出しております二法案においては、日本の強みを生かした新たなビジネスへの挑戦を強力に後押しするために、幾つかの政策が入っているわけであります。
 まず一つは、データを活用した企業の取組を支援する革新的データ産業活用計画の認定制度、そして二つ目が、新ビジネスへのスピード感のある挑戦を後押しする規制のサンドボックス制度、そして三つ目が、機動的な組織再編を後押しする自社株を対価としたMアンドAによる事業再編の円滑化措置、そして四番目が、大胆な挑戦を支援する産革機構のリスクマネー供給機能の強化などを講ずることとしております。
 これらの政策を使って、また予算、税制も含めてあらゆる政策を総動員して、生産性を押し上げるイノベーションをしっかり行ってまいりたいと考えています。
#290
○石井章君 ありがとうございます。
 また別な角度から質問したいと思うんですが、あらゆる政策は連続性が重要なエレメントであることが考えられます。特に、国内の企業を支えるとともに国際競争に打ち勝っていくための経済政策については、確固たる政策方針、戦略に基づいた一定の連続性のある基軸に沿ったものであるべきであると思います。一貫性がなければ戦いには勝てないと思います。
 ですから、未来を見据えた戦略が最重要となることは明々白々でありますが、そこで世耕大臣にお願いでございますが、大臣は、これまでになく経済の現場、実情に押しなべて御存じでありまして、また卓越した手腕と発想力をお持ちでいらっしゃいます。そこで、大臣の在任中に、まあ未来永劫に大臣やるかもしれませんが、是非中長期にわたる日本の産業競争力強化に関する指針となる我が国の戦略の構築をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#291
○国務大臣(世耕弘成君) お褒めいただきましてありがとうございます。ただ一方で、在任中にと言われると、そろそろ任期が見えてきたのかなという気もするわけでありますが。
 第四次産業革命などのグローバルな競争環境の変化を踏まえて、経産省でしっかり戦略はつくっております。去年の五月に、日本の強みと弱みをしっかり見詰め直した上で、二〇三〇年代の目指すべき将来像と、それを実現していくための具体的な施策を述べました新産業構造ビジョンというのを取りまとめたところであります。
 その中では、先ほどもお話ししましたけれども、やはりバーチャルデータからリアルデータを活用したビジネスに移行するこの時期に、日本の強みである現場力や現場の良質なデータを生かせるチャンスが到来しているという分析をしているわけであります。
 そして、経産省としては、この新産業構造ビジョンを中長期的な産業競争力強化のための指針として、第四次産業革命による競争環境の変化の中で日本企業が国際競争力を持つための取組を具体的に進めているわけであります。
 具体的には、第四次産業革命の下で、リアルデータの活用による分野を超えた企業等の結び付きによって新たな付加価値を創造するコネクテッドインダストリーズの実現を目指して、特に重点五分野、例えば自動走行ですとか物づくり・ロボティクスといったところを少し選んで、官民で連携をしながら集中的な取組を進めています。そして、今回の二つの法案でも、データ連携を促す仕組みですとかサンドボックス制度、産革機構の改革といったことを、先ほども申し上げましたが、入れさせていただいております。
 このように、大きな方針の下、それを実行する取組を一つ一つこの方針の下に講じながら、日本経済や産業の競争力強化にしっかり取り組んでまいりたいと考えています。
#292
○石井章君 大臣のこの法案に対する思い、そして、縦串、横串でしっかりとした考えの中で御答弁いただいたことに感謝申し上げます。
 今度は現場の担当官に質問したいと思いますが、昨年、ダボス会議で有名な世界経済フォーラムは、九月二十六日、各国の国際競争ランキングである世界競争力レポートが発表されました。これは、生産性を決定する要素十二項目のうち百以上の小項目を評価したものということで、百三十七か国が対象となっております。
 その首位は、六年連続でスイスであります。米国とシンガポールがそれに続いております。そして、日本の順位は九位であります。ちなみに、近年の順位は、二〇一四年以降であれば、我が国は六位、二〇一五年六位、二〇一六年が八位、そして二〇一七年が九位となっております。
 また、その評価の中身ですけれども、ビジネスの洗練度でスイス、米国に次ぎ三位、市場規模とインフラ整備では四位、初等教育・保健衛生では七位と高い位になっております。しかし、マクロ経済環境ではどういうわけか九十三位、そして政府負債は百三十七位と最下位でございます。
 日本は、評価基準が現在のものになった二〇〇五年以降では六位が最高ですけれども、一九八〇年代後半から九〇年代前半にかけては一位だったこともあります。そして、イノベーションランキングでは、日本は、昨年までは四位から五位の間に推移しておりましたけれども、二〇一七年から二〇一八年版では八位にまで落ち込んでおります。二〇一七年版におけるみずほ総合研究所の分析では、これまで市場規模とビジネスの洗練度に並んで日本の強みとして高い順位を得ていたイノベーションの順位の後退が全体順位を引き下げているのが大きな要因であります。
 そこでお伺いいたしますけれども、イノベーションについて、日本は二〇一二年頃までは世界ランク四位程度の実力を維持しておりましたけれども、二〇〇六年には世界一となったこともあるわけですが、イノベーション順位の後退についての要因については政府としてどのように考えているか、御答弁願います。
#293
○政府参考人(糟谷敏秀君) WEFのイノベーションランキングでございますが、直近は、確かに百三十七か国中八位になっているわけでございます。
 この中で、いろいろな項目があるわけですが、特に最近順位を落としているものを見ますと、イノベーション能力というものが、二〇一三年までは一位でありましたが、二〇一八年には二十一位まで順位を落としているわけであります。これはどういうことかと確認をいたしますと、あなたの国で企業はどの程度イノベーションを起こす能力は持っていますかという質問に対する企業経営者へのアンケート結果を点数化したものでありまして、企業経営者がイノベーションを自らつくり出す能力について自信を失っているということをうかがわせるものであります。
 このイノベーション順位の八位にまで下がっていることについての要因についてのお尋ねでございますが、恐らく多様な要因が組み合わさっていると思いますけれども、幾つか重立ったものを挙げさせていただきますと、第一に、ITシステムや技術開発など無形資産への投資が少ないこと、いわゆる投資の量の問題があるのではないかと思います。第二に、漸進的な開発が主になされる一方で革新的な開発が余り行われないという投資の質の問題があるのではないか。第三に、自前主義から抜け出せずにオープンイノベーションが不十分であるというイノべーションの方法の問題があるのではないか。第四に、ITとかAIの人材が不足をしているのではないか、これは人材の問題であります。第五に、起業家精神が低く開業率が低いという文化とか機運の問題。こうした要因があるのではないかというふうに考えております。
#294
○石井章君 そうはいいましても、安倍総理は日本再興戦略の中で、二〇一七年までにイノベーションランキングを世界一にするという目標を打ち出しておりました。しかし、その結果は逆に順位を下げることとなっております。その目標へのアプローチ戦略と実践については経産省が担ってきたはずでありますけれども、どのような戦略であったのか、また目標が達成できなかった主たる原因についてどのように分析しているか、お伺いいたします。
#295
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、五つ申し上げましたけれども、第一番目のイノベーション投資の量の問題につきましては、これまで関係省庁が連携をして、平成二十五年に戦略的イノベーション創造プログラム、いわゆるSIPでございますけれども、これを立ち上げまして、毎年五百億の予算を計上をしているところであります。また、小規模事業者、中小企業のIT投資を支援するために、二十八年度補正、二十九年度補正においてIT導入を支援する予算措置を講じてきたところでございます。
 他方で、この点につきましては、二〇二〇年度までに官民合わせた研究開発投資の対GDP比を四%以上とするということを目標にしておりますけれども、二〇一六年度の時点では三・四二%、四%の目標に対して三・四二%ということで、まだ道半ばでありまして、引き続き対応を強化することが必要であるというふうに考えております。
 二つ目に申し上げましたイノベーション投資の質の問題でございます。革新的な開発投資については、先ほど申し上げましたSIP、戦略的イノベーション創造プログラムにおきまして、革新的燃焼技術や革新的構造材料、次世代海洋資源調査技術など、日本の未来を開拓する上で鍵となる研究開発を推進をしてきているところであります。
 加えて、事業者が様々な新たな事業、ビジネスモデルに基づく事業が行えるようにということで、新事業特例制度やグレーゾーン解消制度について平成二十六年に措置をして、革新的な事業開発を後押しをしてきたところであります。また、リスクマネー供給を強化するという観点から、約二兆円の投資能力を持つ産業革新機構を中心に、官民ファンドによる支援を行ってきているところであります。
 これについて、革新的な開発の促進について、技術開発の成果が出るまでに時間が掛かるという面もあろうかと思いますけれども、引き続きSIPなどを中心に強力に推進をしていく必要があると考えております。
 また、規制改革につきましては、既存の新事業特例制度において規制の代替措置を講じることが要件となっておりますが、それを、その代替措置が適切であることを検証するための実証ができないということ、そういう声が上がっておりまして、その課題に応えるために、今回、規制のサンドボックスの制度を提案をさせていただいているところであります。
 また、リスクマネーの供給についても、近年いろいろ四次革命の中でまだまだ必要性、民間のファンドだけではリスクマネーが十分に供給されないという問題があるところで、これも道半ばであるということでございます。
 三番目の方法の問題であります。オープンイノベーションが不十分であるということでありますけれども、この点については、産業革新機構による支援でありますとか、平成二十七年に研究開発税制を拡充した際に、オープンイノベーション型の研究開発を促す、そういう仕組みとしたところであります。
 ただ他方で、オープンイノベーションの現状を見ますと、まだ約六割以上の企業が自社若しくは自社グループに閉じた研究開発をやっているという現状にございます。自前主義で自らの企業若しくはグループだけで研究をやります結果、技術開発をやって開発された成果について事業化されない場合に、その技術の六割超がそのまま消滅をしてしまうと、そういう問題がございます。また、産学連携についてもまだ課題があるというふうに考えております。
 それから、IT人材の不足の問題について、これについても未踏人材のプログラムをやっておりますが……
#296
○委員長(斎藤嘉隆君) 答弁簡潔にお願いします、局長。
#297
○政府参考人(糟谷敏秀君) はい。
 まだ人材の不足の課題がございます。
 創業促進についてもまだ道半ばでありまして、引き続きやる必要があると考えております。
#298
○委員長(斎藤嘉隆君) 御答弁簡潔にお願いいたします。
#299
○石井章君 聞いていないところまで答弁ありがとうございます。
 糟谷局長、お隣に答弁の上手な大臣いますから、簡潔に分かりやすく、国民がいつでも聞いていますのでね。否定しているわけじゃないんですけど、一生懸命やっていらっしゃるので。多分、私の質問以上の答弁がずっと来たので、多分一つ先を越して答弁されたのかどうか。丁寧な御答弁ありがとうございました。
 要は、政治は結果責任でありますから、日本政府は早くからイノベーション型の経済の発展を促すために、一九八〇年代から技術革新に基づく経済成長のための産業政策を多く試みてきたわけでございます。イノベーション促進のためとして、古くは産業クラスター集積を目指して一九八三年テクノポリス法、あるいは二〇〇一年の産業クラスター計画、また研究開発への補助を目的とした一九九三年の産業科学技術開発制度、そして起業促進としては日本版シリコンバレーの実現や中小企業挑戦の支援法など、三十年以上にわたって実施されてきたイノベーションに関する政策については枚挙にいとまがないわけであります。しかし、残念ながら、いまだにイノベーションに基づく経済成長を確固たる、するための体系構築には至っていない。
 これまでのイノベーション政策に何が欠如しており、今後は何が必要と考えているのか、お伺いいたします。簡潔に御答弁お願いします。
#300
○政府参考人(糟谷敏秀君) まず、研究開発の量的な面については、予算の面でより効率的な執行等の取組が必要であろうというふうに考えております。また、革新的な開発の内容についても、その研究開発のテーマの選定等においていろいろと考えていく必要があると思います。また、オープンイノベーションを促すために、産学連携の推進、それから研究開発型ベンチャーの育成、ベンチャーのエコシステムの構築が必要であると考えております。
 IT人材の育成につきましては、未踏アドバンスト事業等の着手を通じて、更に量的、質的な拡充を図ってまいりたいと考えております。起業家精神の高揚につきましても、創業支援の対象を今回の法律でも拡大をするという法案をお出しをさせていただいておりますけれども、そういうことももろもろ含めて、欧米と比較して低い水準にとどまっている開業率の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
#301
○石井章君 ありがとうございます。
 今おっしゃった内容のことでありますけれども、過去のイノベーションに関する様々な政策について、その結果の検証や評価はどのように具体的に実施されてきたのか、簡潔に御答弁をお願いします。
#302
○政府参考人(佐藤文一君) 研究開発あるいはイノベーションに関しましては、私どもの中の様々な評価委員会とともに、内閣府の総合科学技術会議等において評価を行ってきたところと承知してございます。
#303
○石井章君 残念ながら、政策評価はほとんど行われてきていないということを、いろいろ調べた結果、そういった内容だったわけであります。
 政策の効果を厳密に確かめることなく、同じような政策が名称だけを変えて繰り返し実施されてきたのが実情であると思います。日本のイノベーション政策に最も欠けていたのは、厳密な政策評価だと私は考えております。これまでほとんど政策評価を行わず、実施した政策の効果や不備についての検証結果にもよらず、新たな政策を実施するという到底民間では考えられないことが繰り返されてきたために、結果として、いまだに効果的な政策が何であるかがなかなか明らかになっていないと言えるのではないでしょうか。
 総理がイノベーションランキング世界一を目指すことを宣言しているからには、政府は今後も更なるイノベーション政策を実施していくことと思われますけれども、過去の政策についての厳密な評価を行い、過去の反省を踏まえた政策を立案していくことが肝要と考えますが、いかがでしょうか。
#304
○政府参考人(佐藤文一君) お答えいたします。
 先ほど糟谷局長からお話ありましたとおり、例えば研究開発投資対GDP比につきましては四%という目標を立ててきたわけですが、現在、二〇一六年の時点では三・四二%にとどまっております。こういった、例えば一つ挙げますと、量的な面について私どもとして引き続き努力をしていかなければならないと思ってございます。
#305
○石井章君 時間ないので最後の質問なんですが、産業革新機構について、政府は、企業や技術を立ち上げるための民間リスクマネーが不足をしておりまして、政府系ファンドの役割は依然大きいとの理由から、その運営期間を二〇三四年三月末まで九年間延長するとの方針だといいます。
 革新機構は、産業活力の再生と産業活動の革新のために時限的な組織としてつくられた会社であります。しかし、事業実績を見ますと、半導体大手であるルネサスエレクトロニクスのような大企業が持て余した産業分野の案件で立て直すことで利益を出しております。ベンチャー投資の失敗の穴埋めや、昨年のシャープ再建をめぐっては鴻海との争いに至るなど、民業補完という役割を逸脱しているのではないかという疑問も抱くのであります。
 また、国民の税金からの出資金が九〇%以上を占める官民ファンドの産革機構の情報開示は、国民の理解を生むように適切に行われることが重要と考えられます。これまでも情報の開示については様々な指摘がされてきたところでありますが、投資先の了解や取引上の守秘義務を理由に、個別案件についての中身は公表されておりません。しかし、機構に関する最近の報道では、安倍政権が成長戦略の起爆剤と位置付けていたクールジャパン関連事業で二十億円以上が全損となっております。民間企業との位置付けから、損益が公表されない問題点が指摘されております。
 その中身の一つで、機構が設立されてから関わってきたオールニッポン・エンタテインメントワークスでは、五年間のうち七本のハリウッド映画を制作を行うと発表いたしましたが、結局、一本の公開にも至らず、毎年億単位の赤字を出し続けた後に、投資額の僅か一・五%、三千四百万円で全株式を売却したというわけであります。当然、投資であるから損失は付き物でありますけれども、だからこそ、透明性が確保されなければなりません。
 大学の先生も指摘をされておりますが、機構に国民の税金を元手に運用しているということについて改めて強く重く再認識してもらうためにも、更なる情報の公開とその事業内容の検証を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。
#306
○政府参考人(糟谷敏秀君) 産業革新機構による情報公開につきましては、事業報告書、記者会見やプレスリリース等、様々行ってきておるわけでありますけれども、最近、もっと情報公開必要ではないかという御批判の中、株式売却案件の開示項目を見直して、過去の株式売却案件の全てについて出せる限りの情報を新たな項目で今月開示をしたところでございます。
 その出せる限りと申しますのは、個別企業に関する情報開示について、投資対象企業への影響や、譲渡先の検討に際して一定の制約が生じる可能性があることなどを踏まえて判断をしたものでございますけれども、今後とも、引き続き最大限の情報公開に努めていくとともに、その投資の結果について検証できるような形で情報公開をするとともに、経済産業省としても検証をしていきたいというふうに考えております。
#307
○石井章君 最後に、産革機構の情報公開等について、大臣から最後の御決意を御答弁いただきたいと思います。
#308
○国務大臣(世耕弘成君) 当然、国のお金が、必ずしも税金というわけではないんですけれども、国費が入っているという意味では、これはしっかりと情報公開は必要だと思います。ただ、余り個別の案件の公開ということになりますと、ほかの投資家とか売却先との関係とかいろいろ出てきますし、個別案件で全部黒にしなきゃいけないとなると、これなかなかリスクを取った投資もできないということであります。
 ですから、全体としての開示をしっかりとやっていくというような形で、なるべく国民の皆さんに見えやすい形は目指していきたいというふうに思っています。
#309
○石井章君 懇切丁寧な御答弁、ありがとうございました。
 これで終わりにします。
#310
○委員長(斎藤嘉隆君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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